裁決要旨 8財産の評価
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070078
- 裁決年月日
- 令和7年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各不動産に係る原処分庁の鑑定評価額(原処分庁鑑定評価額)は、建物の築年数や立地条件を重視せずに評価しているものであり、建物の築年数や立地条件も踏まえた上で採用した還元利回りを前提とした請求人の鑑定評価額(請求人鑑定評価額)こそが時価であるから、それを上回る原処分庁鑑定評価額は、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価を上回る旨主張する。しかしながら、評価通達によらないところにおける客観的な交換価値は、不動産鑑定士の鑑定評価によっても一義的ではないところ、原処分庁鑑定評価額は、採用した還元利回りに建物の築年数や立地条件が考慮されており、鑑定評価の方法に合理性が認められるから、請求人鑑定評価額を上回るからといって、相続税法第22条の時価を上回るものではない。(令7.12.15 東裁(諸)令7-78)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070078
- 裁決年月日
- 令和7年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人は、収益目的及び事業目的で、金融機関から収益不動産(本件各不動産)の購入資金を借り入れ(本件各借入れ)た上、本件各不動産を購入(本件各購入)したのであり、相続税の負担の軽減の意図はなかったのであるから、本件各不動産の価額について、財産評価基本通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情があるとはいえない旨主張する。しかしながら、①本件各購入及び本件各借入れにより、請求人の相続税の負担が著しく軽減されており、②被相続人及び請求人は、近い将来に被相続人の相続が発生することを想定し、これに対して相続税の減額効果が生じ得る行動を取っていたと認められることからすると、相続税の負担の軽減をも意図して本件各購入及び本件各借入れをしたものと認められ、①及び②のことからすれば、本件各不動産の価額について、財産評価基本通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情がある。(令7.12.15 東裁(諸)令7-78)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令070008
- 裁決年月日
- 令和7年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が代表取締役であった同族法人(本件法人)に対する貸付金債権(本件貸付金債権)について、本件法人が返済資金を調達できなかったことなどから、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当し、仮に、評価通達205(1)ないし(3)の事由と同視できないとしても、評価時点における債務者の業務内容などの状況を具体的総合的に検討した上で実質的価値を判断すべき旨主張する。しかしながら、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、評価通達205(1)ないし(3)の事由と同視できる程度に債務者が資産状況、営業状況等から経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、貸付金債権の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるときをいうものと解するのが相当である。そして、本件法人は相続開始日において債務超過の状態であり損益の状況が良好であったとはいえないものの、これらのことから直ちに、本件法人が経済的に破綻していることが客観的に明白であったとは認められない。したがって、本件貸付金債権は評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。(令7.12. 9 仙裁(諸)令7-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令070050
- 裁決年月日
- 令和7年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が相続により取得した土地(本件土地)上に存していた建物の賃借人が居室内で死亡していたことが、近隣住民からの異臭を原因とする通報により発覚したものであり、特殊清掃等が必要であった「事故物件」として扱われるものであるから、国税庁ホームページのタックスアンサー「№4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件取扱い)に該当する旨主張する。しかしながら、更正の請求においては、その誤りについての立証責任は請求人にあるものと解されるところ、請求人は、本件土地上に存していた建物で人が死亡したことを理由とする本件土地の減価について、更正の請求時に、客観的な事実を示す証拠を提出しなかった。また、本件取扱いに定める忌み等を理由とする減額評価が認められるためには、忌み施設が存すること等の事情による当該宅地の取引金額への影響が、当該宅地の減額評価を正当化する程度に具体的なものでなければならないが、請求人は、上記の事情が具体的に本件土地の価額にどのような影響を及ぼすのか、合理的な理由を示していない。よって、本件土地に本件取扱いを適用することはできない。(令7.12. 1 大裁(諸)令7-50)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令070050
- 裁決年月日
- 令和7年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が相続により取得した各土地(本件各土地)に接する通路は、建築基準法上の道路ではないことから、本件各土地は無道路地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達(評価通達)が、無道路地である場合、減額補正をすることとしているのは、建築基準法上の接道義務を満たさないため土地の有効利用を阻害するからであると考えられるところ、本件各土地は、建築基準法第43条《敷地等と道路との関係》第2項第2号の許可を受けることができる蓋然性が高く、接道義務を満たさないことによる相当の利用制限が認められない場合に該当するため、無道路地としての減額補正をしなくても評価通達20-3の趣旨に反せず、無道路地の評価を適用するものに該当しない。(令7.12. 1 大裁(諸)令7-50)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令070050
- 裁決年月日
- 令和7年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が相続により取得した建物(本件建物)及び土地(本件土地)について、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によっては適正な時価を算定することのできない特別の事情があり、本件建物及び本件土地の売却価格を基に評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件建物については、売却された後、修繕され使用されていることから、相続開始日において経済的価値が喪失していたとまでは認められない。また、本件土地については、本件建物が経済的価値を喪失していたということはいえないことから、本件建物が存在する事情が、本件土地の評価に影響を及ぼすものとは認めらない。したがって、本件建物及び本件土地には、評価通達に定められた評価方式によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別な事情があるとはいえない。(令7.12. 1 大裁(諸)令7-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070021ほか 2件
- 裁決年月日
- 令和7年9月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した同族法人(本件会社)の株式の評価に当たり、本件会社の借入れによる不動産の取得(本件借入れ・本件不動産の取得)は合理的な理由があるものであり、本件会社は財産評価基本通達(評価通達)189《特定の評価会社の株式》の(2)に定める株式等保有特定会社に該当しない旨主張する。しかしながら、本件会社の株式の贈与に本件借入れ・本件不動産の取得を近接させた一連の行為は、本件会社が株式等保有特定会社と判定されることを回避する目的があったと認められ、本件会社の株式の贈与日前に、本件借入れ・本件不動産の取得により本件会社の資産構成が変動したことについて合理的な理由は見当たらず、その変動は本件会社が株式等保有特定会社と判定されることを免れるためのものであると認められる。そうすると、評価通達189なお書により本件借入れ・本件不動産の取得による本件会社の資産構成の変動がなかったものとして株式等保有特定会社に該当するか否かを判定することになり、その判定の結果、株式等保有割合は50%以上となるから、本件会社は株式等保有特定会社に該当する。(令7. 9. 5 東裁(諸)令7-21)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令070002
- 裁決年月日
- 令和7年8月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した土地(本件土地)が接する南側の道路(本件道路)と東側の道路(本件東側道路)のいずれにも路線価は設定されていたところ、路線価は建築基準法上の道路に設定すべきであり、同法に規定する道路ではない本件道路には路線価を設定すべきではない旨、また、本件道路に路線価が設定されていることを前提にしても、本件道路が建築基準法上の道路ではないことから建蔽率の限度緩和措置が受けられないなど本件土地の利用価値は高まっておらず、本件土地の評価に当たって財産評価基本通達(評価通達)16《側方路線影響加算率》に定める側方路線影響加算は適用すべきではない旨主張する。しかしながら、評価通達14《路線価》は、路線価は宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに設定すると定めるのみで、建築基準法上の道路に限定して設定する旨の定めはない。また、本件道路と本件東側道路に接する本件土地は、本件東側道路にのみに接している土地と比較して、出入りの便が良くなるほか、採光や通風にも有利となることは明らかであり、これらを土地の評価に反映させるという評価通達16に趣旨に照らせば、本件土地の評価に当たって側方路線影響加算を適用することは相当である。(令7. 8.18 福裁(諸)令7-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060072
- 裁決年月日
- 令和7年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が財産評価基本通達(評価通達)6《この通達の定めにより難い場合の評価》の定めに基づき、請求人らの父である被相続人(本件被相続人)が借入れを原資として購入し又は建築した(本件取得・借入れ)各不動産(本件各不動産)の価額について、評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとしたことが租税法上の一般原則としての平等原則に違反する旨主張する。しかしながら、①本件取得・借入れが行われたことにより、相続税の総額は、本件取得・借入れが行われなかった場合に比べて約80%も減少することなどから、請求人らの相続税の負担が著しく軽減されたと認められるほか、②本件取得・借入れに至るまでの経過等に照らせば、本件被相続人及び本件被相続人の長男である請求人は、賃料収入を得る目的だけではなく請求人らの相続税の負担を軽減する意図をもって本件取得・借入れを行ったと認められる。したがって、本件各不動産の価額について評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことは、本件取得・借入れのような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と請求人らとの間に看過し難い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反する事情があるというべきであって、本件各不動産の価額を評価通達に定める方法により評価した額を上回る価額によるものとすることには合理的な理由があると認められるから、租税法上の一般原則としての平等原則に違反するということはできない。(令7. 6.18 関裁(諸)令6-72)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060072
- 裁決年月日
- 令和7年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が借入れを原資として購入し又は建築した各不動産の不動産鑑定評価額(本件各鑑定評価額)について、これらが記載された各鑑定評価書(本件各鑑定評価書)における評価の過程に疑義があり、また、採用された還元利回り等の根拠が不明であるから、本件各鑑定評価額は、相続税法第22条《評価の原則》が規定する時価とはいえない旨主張する。しかしながら、本件各鑑定評価額は、不動産鑑定評価基準に従った相当な手法により決定されており、他方、請求人らの各指摘は具体的根拠を伴う内容ではないから、これらの指摘によっても本件各鑑定評価書の内容が不合理であるとの疑いが生じるとはいえない。したがって、本件各鑑定評価額が適正でないということはできず、本件各鑑定評価額は、相続税法第22条に規定する時価を上回るとは認められない。(令7. 6.18 関裁(諸)令6-72)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令060013
- 裁決年月日
- 令和7年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人(本件被相続人)からの相続(本件相続)に係る相続税について、原処分庁が、本件被相続人の孫である請求人が本件被相続人から生前に相続時精算課税に係る贈与(本件贈与)により取得した株式(本件株式)の価額を財産評価基本通達(評価通達)6《この通達の定めにより難い場合の評価》の定めに基づき、評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとしたことが租税法上の一般原則としての平等原則に違反する旨主張する。しかしながら、①本件株式の発行会社(本件会社)が本件贈与前に多額の銀行借入れを原資に各資産の取得(本件各資産の取得)を行ったことにより、本件相続に係る租税負担は著しく軽減されたといえる。また、②本件被相続人の子である請求人(請求人子)は、本件各資産の取得に係る意思決定者である上、本件贈与の実行を決定した者であり、本件各資産の取得前に金融機関の担当者から説明などを受け、本件各資産の取得がいわゆる株特外しによる本件相続に係る節税効果を意図したものであることを認識していたことなどからすると、本件相続に係る租税負担の軽減の意図を有していたといえる。加えて、本件被相続人は、本件贈与の当事者である上、同人や請求人子などの意図に沿うように運営されていた本件会社の代表取締役であり、請求人子及び本件会社の行為を容認していたと認められるから、本件相続に係る租税負担の軽減の意図を有していた蓋然性が高いといえる。したがって、上記①及び②の事情の下においては、本件株式の価額について評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが、本件各資産の取得のような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と請求人との間に看過し難い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反するというべきであり、合理的な理由があると認められるから、本件株式の価額を国税庁長官の指示を受けて評価した価額によるものとすることが平等原則に違反するということはできない。(令7. 5.28 高裁(諸)令6-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060213
- 裁決年月日
- 令和7年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、相続財産である建物(本件建物)及び土地(本件土地)について、本件建物の賃貸借契約の解除後も新たな賃借人を探す意思があり、いつでも稼働し得るようメンテナンス等を行っていたのであるから、本件建物及び本件土地は、「貸家」及び「貸家建付地」として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件建物は、相続開始日において現に賃貸されていなかったことから、財産評価基本通達にいう「貸家」に該当せず、また、本件土地は、本件建物の敷地の用に供されてはいるが、本件建物が貸家に該当しないことから、貸家建付地に該当しない。(令7. 5.20 東裁(諸)令6-213)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060057
- 裁決年月日
- 令和7年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した取引相場のない株式(本件株式)の価額について、本件株式の発行会社(本件会社)が継続企業を前提とした営利企業であることから、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)とマーケット・アプローチ(類似業種比準方式)との折衷法により評価した価額が相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価であって、原処分庁のネットアセット・アプローチのみによる価額は同条に規定する時価を上回る旨主張する。しかしながら、本件会社が所有する有形固定資産は賃貸用不動産1棟のみで、その賃料収入が本件会社の唯一の収入であること、類似する上場会社もないこと、事業計画を作成していないこと、貸借対照表に計上されていない無形資産等が存在する事実も認められないことなどに照らすと、当該賃貸用不動産の価額を収益還元法によって時価評価した上で、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)のみによって評価した評価機関の株式算定は合理的で、客観的な交換価値を示すものと認められるから、同算定に基づく原処分庁の本件株式の価額は、相続税法第22条に規定する時価を上回るものではない。(令7. 4.16 関裁(諸)令6-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060170ほか 1件
- 裁決年月日
- 令和7年4月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した取引相場のない株式(本件株式)の価額について、本件株式の発行会社(本件会社)が継続企業を前提とした営利企業であることから、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)とマーケット・アプローチ(類似業種比準方式)との折衷法により評価した価額が相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価であって、原処分庁のネットアセット・アプローチのみによる価額は同条に規定する時価を上回る旨主張する。しかしながら、本件会社が所有する有形固定資産は賃貸用不動産1棟のみで、その賃料収入が本件会社の唯一の収入であること、類似する上場会社もないこと、事業計画を作成していないこと、貸借対照表に計上されていない無形資産等が存在する事実も認められないことなどに照らすと、当該賃貸用不動産の価額を収益還元法によって時価評価した上で、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)のみによって評価した評価機関の株式算定は合理的で、客観的な交換価値を示すものと認められるから、同算定に基づく原処分庁の本件株式の価額は、相続税法第22条に規定する時価を上回るものではない。(令7. 4. 9 東裁(諸)令6-170)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060172
- 裁決年月日
- 令和7年4月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した取引相場のない株式(本件株式)の価額について、本件株式の発行会社(本件会社)が継続企業を前提とした営利企業であることから、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)とマーケット・アプローチ(類似業種比準方式)との折衷法により評価した価額が相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価であって、原処分庁のネットアセット・アプローチのみによる価額は同条に規定する時価を上回る旨主張する。しかしながら、本件会社が所有する有形固定資産は賃貸用不動産1棟のみで、その賃料収入が本件会社の唯一の収入であること、類似する上場会社もないこと、事業計画を策定していないこと、貸借対照表に計上されていない無形資産等が存在する事実も認められないことなどに照らすと、当該賃貸用不動産の価額を収益還元法によって時価評価した上で、ネットアセット・アプローチ(修正簿価純資産法)のみによって評価した評価機関の株式算定は合理的で、客観的な交換価値を示すものと認められるから、同算定に基づく原処分庁の本件株式の価額は、相続税法第22条に規定する時価を上回るものではない。(令7. 4. 9 東裁(諸)令6-172)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060103
- 裁決年月日
- 令和7年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が、財産評価基本通達(評価通達)6《この通達の定めにより難い場合の評価》の定めに基づき、請求人らの父(本件被相続人)が保有していた不動産(本件各不動産)の価額を評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとしたことについて、評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情はない旨主張する。しかしながら、①本件各不動産の取得(本件各取得)及び本件各取得に係る借入れ(本件各借入れ)が行われたことにより請求人らの相続税の負担は著しく軽減されており、②本件各取得及び本件各借入れは、本件被相続人が入院した後、相続開始日前の約3か月間という短期間のうちに立て続けに行われていることなどからすると、請求人らは、本件各取得及び本件各借入れは、近い将来発生することが予想される本件被相続人の相続において請求人らの相続税の負担を減免させるものであることを知り、かつ、これを期待して、あえて企画して急ぎ実行されたと認められるから、本件各取得及び本件各借入れは、請求人らの租税負担の軽減をも意図して行われたものであるといえる。上記①及び②の事情の下においては、本件各不動産について評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが、本件各取得及び本件各借入れのような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と請求人らとの間に看過し難い不均衡を生じさせており、実質的な租税負担の公平に反するというべき事情があると認められる。(令7. 1.10 東裁(諸)令6-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060082
- 裁決年月日
- 令和6年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802019
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土壌汚染地(本件土地)の評価額は、土壌汚染がないものとした評価額から、浄化・改善費用相当額を控除すべきであり、本件土地の評価額は零円である旨主張する。しかしながら、財産の評価に当たっては、その財産の価額に影響を及ぼすべき全ての事情を考慮するところ、相続開始日において、本件土地の賃借人に土壌汚染の除去という原状回復義務が発生することが確実であったと認められ、賃借人による原状回復義務の履行の蓋然性も高かったといえるから、本件土地は、土壌汚染が除去されたものとして評価すべきであり、浄化・改善費用相当額を控除するのは相当ではない。(令6.12. 9 東裁(諸)令6-82)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060019
- 裁決年月日
- 令和6年11月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803010
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続人が相続(本件相続)により取得した建物(本件建物)及び本件建物などの敷地(本件各土地)については、本件建物が耐震基準を満たさない上、建築当初から構造的に欠陥のある建物であり、県によって倒壊又は崩壊の危険性がある旨公表されたことや、本件各土地を売却する場合には、多額の本件建物の取壊し費用を要するところ、財産評価基本通達(評価通達)にはこれを補正する定めがないから、評価通達の定める方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情がある旨主張する。しかしながら、本件建物は、本件相続開始時において、昭和56年6月1日以降の建築確認において適用される耐震基準(新耐震基準)を満たしていないとはいえるものの、同年5月31日以前に適用される耐震基準(旧耐震基準)を全く満たしていないなど、建築当初から構造的に欠陥を有していたに等しいといえる事情があるとは認められない上、震度6強から7に達する程度の大規模地震に対しては倒壊又は崩壊の危険性があるとしても、震度5強程度の中規模地震によって直ちに倒壊するおそれがあるとまでは認められないから、本件建物の強度が同時期に建築された同種の建物等と異なる脆弱なものであるとも認められず、また、請求人らが本件各土地を売却するためには本件建物の取壊しを要すると考えていたとしても、このことは、請求人らが考える主観的要因にとどまり、本件各土地の価額に影響を及ぼすべき客観的な財産固有の事情とはいえないから、本件建物及び本件各土地のいずれにおいても、評価通達の定める方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるとは認められない。(令6.11.25 関裁(諸)令6-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060053
- 裁決年月日
- 令和6年10月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802990
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)は、財産評価基本通達(評価通達)5《評価方法の定めのない財産の評価》により、土地区画整理法第76条《建築行為等の制限》による建物の構造・用途等の利用制限がある場合には、原処分庁の個別評価に係る路線価等は同条による建物の構造・用途等の利用制限があることを考慮して設定されていないから、当該利用制限のある土地として、評価通達25《貸宅地の評価》の(5)及び27-5《区分地上権に準ずる地役権の評価》の(2)の定めを準用して評価すべきである旨主張する。しかしながら、原処分庁が評定した個別評価に係る倍率(本件個別倍率)は、本件各土地と状況が類似する土地区画整理事業の施行地内に存する標準地を基に評定された意見価格に基づき計算されたもので、その意見価格は各標準地につき2人の精通者(不動産鑑定士)が、土地区画整理事業が施行中であり、かつ、従前の宅地であることを前提に評定している。そうすると、土地区画整理事業が施行中であるという事情・要因がその施行地区内の土地価格に様々な形で影響することになるが、それらの要因の中に、土地区画整理法第76条による建物の構造・用途等の利用制限に係る要因も含まれることからすれば、本件個別倍率の評定において、同条による建物の構造・用途の利用制限に係る要因は既に考慮されていると認められる。したがって、本件各土地は、いずれも土地区画整理法第76条により建物の構造・用途等に利用制限のある土地として、評価通達5により評価通達25の(5)及び27-5の(2)の定めを準用して評価することはできない。(令6.10.22 東裁(諸)令6-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060053
- 裁決年月日
- 令和6年10月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)について、自宅建物等の敷地部分の現況地目は宅地であること、自宅建物等の敷地以外の部分の利用状況は、コンクリート敷の通路、庭園等、自家消費専用の家庭菜園及び屋敷竹林であり、現況地目は畑ではなくいずれも宅地であることから、一つの評価単位として評価すべきである旨主張する。しかしながら、相続開始日における本件土地の現況は、①自宅建物等の敷地部分及び当該敷地部分から連続する通路並びに自宅建物の庭のような状況であった部分、②農業用ビニールハウスが設置されていたほか、肥培管理が行われていた部分、③笹や雑草、低木がうっそうと生い茂っており、耕作や肥培管理は行われておらず、耕作の用に復元することは極めて困難な状況であった部分、④トラクター等の農機具の設置や通行の用に供されていた部分の四つが認められ、これら①ないし④の部分の現況地目はそれぞれ宅地、畑、原野及び雑種地と認められることから、本件土地は、四つの評価単位として評価すべきである。(令6.10.22 東裁(諸)令6-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060053
- 裁決年月日
- 令和6年10月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801030
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/3共有財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した共有地(本件各土地)の評価の順序については、財産評価基本通達(評価通達)2《共有財産》の適用を優先して、その共有地全体の価額を算定し、その価額を評価の一般原則である評価通達7《土地の評価上の区分》以下に定める地目及び評価単位ごとに区分し、更に他者の権利等を控除して、最後に共有持分割合を乗じて当該共有地を評価するのが相当であり、一つの評価単位として評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達2は、共有財産の持分の価額は、その財産の価額をその共有者の持分に応じてあん分した価額によって評価する旨定めており、共有財産の持分の価額は、「その財産の価額」である評価通達第2章以下に定める評価単位ごとに評価した財産の価額をその共有者の持分に応じてあん分した価額によって評価することになり、具体的には、相続開始日の現況によって判定した相続開始日における地目の別に評価するとともに、土地の所有者による自由な使用収益を制約する他者の権利の存在の有無により区分し、他者の権利が存在する場合には、その権利の種類及び権利者の異なるごとに区分してそれを1画地の宅地、一団の農地、一団の原野又は一団の雑種地として評価することになる。そうすると、本件各土地の現況地目は、宅地又は雑種地であり、他者の権利の有無に応じてそれぞれ貸家建付地又は自用地として評価すべきであり、本件各土地は、共有地であるからといって、一つの評価単位として評価することはできない。(令6.10.22 東裁(諸)令6-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060033
- 裁決年月日
- 令和6年9月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した賃貸マンションの空室(本件空室)について、不動産業者を介して入居者を募集しており、相続開始日においてたまたま空室であったからといって、賃貸されている各独立部分に該当しないと認定することはできないから、財産評価基本通達26《貸家建付地の評価》(2)の注2の「課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に該当し、同通達26に定める「賃貸割合」の計算上、賃貸されている各独立部分に含めて計算すべきである旨主張する。しかしながら、本件空室の相続開始日前後の空室期間は約1年3か月に及んでおり、また空室の賃貸借契約が相続開始日前に終了した後も引き続き賃貸される具体的な見込みが客観的に存在したにもかかわらず賃貸借終了から近接した時期に新たな賃貸借契約が締結されなかったことについての合理的な理由が存在したなどといった事情もうかがわれない。したがって、本件空室については、相続開始日前後の賃貸状況等に照らし実質的にみて課税時期である相続開始日に賃貸されていたと同視し得るとはいえないから、本件空室は、同通達26に定める「賃貸割合」の計算上、課税時期において賃貸されている各独立部分に該当しない。(令6. 9.17 東裁(諸)令6-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060033
- 裁決年月日
- 令和6年9月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した各宅地(本件各宅地)について、①宅地が面している道路との間に高低差があること及び宅地の敷地内に高低差があること、②自治体が発行する水害ハザードマップの浸水が予想される区域内に所在していること又は③ごみ集積所に隣接していることから、宅地の利用価値が著しく低下しており、国税庁ホームページ掲載のタックスアンサー(よくある税の質問)「No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件取扱い)に該当するため、宅地の価額の10%相当額を控除した価額により評価すべき旨主張する。しかしながら、上記の①ないし③の事情は、付近にある宅地に共通する事情であり、付近にある宅地と比較検討してもなお、宅地の取引価額に影響を与えると認められる事情があるとはいえない。したがって、本件各宅地について、その利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて著しく低下しているとはいえないことから、本件取扱いにより減額して評価することはできない。(令6. 9.17 東裁(諸)令6-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060033
- 裁決年月日
- 令和6年9月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した家屋及びその敷地(本件家屋及び本件土地)について、被相続人が取締役を務めていた法人(本件法人)に対して本件家屋の一部を貸付けており、本件法人の経営悪化に伴い被相続人は賃料を免除し、相続開始日時点では賃料の授受はなかったが、本件法人が本件家屋を賃借し、使用収益していたことに変わりはなく、賃貸借契約も終了していないことから、財産評価基本通達(評価通達)93《貸家の評価》及び同26《貸家建付地の評価》に規定する貸家及び貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達にいう貸家とは、現に賃貸借契約の目的となっている家屋をいうものと解されるところ、賃料の支払い状況等からすると、被相続人は、相続開始日において、本件家屋について本件法人に対して賃貸していたとは認められず、現に賃貸借契約の目的となっている家屋に該当しないことから、本件家屋及び本件土地について貸家及び貸家建付地として評価することはできない。(令6. 9.17 東裁(諸)令6-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060033
- 裁決年月日
- 令和6年9月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)は、その東側及び北側の二方の道路に接しているが、北側には擁壁が設置されているため北側道路への進入及び退出が不可能であること、本件土地は駐車場として利用しているところ、角地であることの効用は双方の道路から出入りできるなど車両の進入・退出経路の容易性が重要であって、採光や通風などによる角地の効用はないことを理由に、財産評価基本通達16《側方路線影響加算》に定める側方路線影響加算をすべきでない旨主張する。しかしながら、本件土地の北側の道路面に擁壁が設置されていたとしても、北側道路に接していることにより、採光、通風が有利になるなど角地の効用を有しており、東側道路又は北側道路のどちらに車両の出入口を設置するかは所有者の選択によるものであり、正面と側面の異なる二系統の路線に接していることは所有者の選択の幅を広げることにもなるため、本件土地の角地としての効用は失われていない。したがって、本件土地は角地に該当し、側方路線影響加算を行うこととなる。(令6. 9.17 東裁(諸)令6-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060033
- 裁決年月日
- 令和6年9月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)が面する道路(本件南側道路)は、第三者が所有する私道であることから、本件南側道路の路線価を正面路線価として評価するのは相当ではなく、本件土地が面してはいないが東側の道路に付された路線価を正面路線価として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件南側道路は、第三者が所有する私道であるが、不特定多数の者の通行の用に供されているいわゆる通り抜け道路である上、路線価が付されており、本件土地が面する道路は本件南側道路のみである。したがって、本件土地の評価については、本件南側道路に付された路線価が本件土地の正面路線価となり、当該路線価を基として計算すべきである。(令6. 9.17 東裁(諸)令6-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060033
- 裁決年月日
- 令和6年9月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した7筆から構成された土地(本件土地)について、その一部の利用状況はフェンスで囲われ、建物が建築されている部分とは区別された雑種地であり、外形的にも実質的にも明らかに他の部分とは利用状況が全く異なることから、宅地部分と雑種地部分のそれぞれを評価単位として評価すべき旨主張する。しかしながら、本件土地の7筆いずれも現況地目は宅地である上、本件土地の上に存するマンションの建築申請上の敷地は本件土地(7筆)全体に及んでおり、建蔽率・容積率の計算の基礎となっていることからすると、本件土地全体が、建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地であると認められる。したがって、本件土地は、宅地として一体利用されていたことが認められ、相続開始日においてもその利用状況に変わりはないことから、本件土地は1画地の宅地として評価すべきである。(令6. 9.17 東裁(諸)令6-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060012
- 裁決年月日
- 令和6年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、保有していた関係法人の株式(本件株式)の価額のうち、請求人の父が当該関係法人に対して債務を免除したこと(本件債務免除)により、本件株式の価額が増加した部分に相当する金額の計算において、本件債務免除の前後における本件株式に係る財産評価基本通達(評価通達)183《評価会社の1株当たりの配当金額等の計算》の(1)、(2)及び(3)に定める各金額(判定要素)について、「1株当たりの利益金額」は、いずれも1円未満ではあるが少額でも利益はあるから零円ではなく、「1株当たりの配当金額」はいずれも零円、「1株当たりの純資産価額(帳簿によって計算した金額)」はいずれも零円でないことから、判定要素のうちいずれか2が0ではなく、評価通達189《特定の評価会社の株式》の(1)に定める評価会社(比準要素数1の会社)の株式に該当しない旨主張する。しかしながら、「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について(令和元年9月18日課評2-41ほかによる改正前のもの。)」は、「第4表 類似業種比準価額等の計算明細書」(第4表)の各欄の金額の単位を様式に定め、当該記載方法等の第4表の1のなお書で、「この表の各欄の金額は、各欄の表示単位未満の端数を切り捨てて記載」する旨定めているところ、第4表の「1株(50円)当たりの年利益金額」の「比準要素数1の会社・比準要素数0の会社の判定要素の金額」欄の単位は「円」であり、本件債務免除の前後における本件株式に係る同欄の計算式によって算出される各金額はいずれも1円未満の金額であることから、当該各金額の円未満の端数を切り捨てるといずれも零円となる。そうすると、本件株式は、本件債務免除の前後において、いずれも比準要素数1の会社の株式に該当する。(令6. 7. 9 東裁(諸)令6-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060013
- 裁決年月日
- 令和6年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)に係る財産評価基本通達(評価通達)183《評価会社の1株当たりの配当金額等の計算》の(1)、(2)及び(3)に定める各金額(判定要素)について、「1株当たりの利益金額」は、1円未満ではあるが少額でも利益はあるから零円ではなく、「1株当たりの配当金額」は零円、「1株当たりの純資産価額(帳簿によって計算した金額)」は零円ではないことから、判定要素のうちいずれか2が0ではなく、評価通達189《特定の評価会社の株式》の(1)に定める評価会社(比準要素数1の会社)の株式に該当しない旨主張する。しかしながら、「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について(令和元年9月18日課評2-41ほかによる改正前のもの。)」は、「第4表 類似業種比準価額等の計算明細書」(第4表)の各欄の金額の単位を様式に定め、当該記載方法等の第4表の1のなお書で「この表の各欄の金額は、各欄の表示単位未満の端数を切り捨てて記載」する旨定めているところ、第4表の「1株(50円)当たりの年利益金額」の「比準要素数1の会社・比準要素数0の会社の判定要素の金額」欄の単位は「円」であり、本件株式に係る同欄の計算式によって算出される金額は1円未満の金額であることから、当該金額の円未満の端数を切り捨てると零円となる。そうすると、本件株式は、相続開始日において、比準要素数1の会社の株式に該当する。(令6. 7. 9 東裁(諸)令6-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060008
- 裁決年月日
- 令和6年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式の1株当たりの純資産価額の計算において、評価会社(本件評価会社)がその子会社(本件子会社)に対して有する前受金債権及び未収入金債権(本件各債権)の一部は、本件子会社が債務超過であり、事業を継続しているがその収益の状況からみて本件評価会社に対する債務を返済することができないことは明らかであるから、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、本件子会社が、相続開始日の前後を通じて事業を継続し、事業収益を計上していたことや、本件各債権に対する債務以外の債務の支払が遅滞し又は停止していたなどの事実もなく、本件評価会社に対する当該債務は直ちに返還を要するものではなかったと認められることに鑑みれば、本件子会社は、評価通達205の(1)ないし(3)の事由と同程度に、経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、本件各債権の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるとはいえないため、本件各債権の金額は、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。(令6. 7. 5 東裁(諸)令6-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060008
- 裁決年月日
- 令和6年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人らが相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の1株当たりの純資産価額の計算において、1株当たりの純資産価額を本件株式に係る評価会社(本件評価会社)の直前期末の資産及び負債に基づき計算する場合には、本件評価会社が直前期末より後で課税時期(相続開始日)より前に支払った固定資産税及び都市計画税(固定資産税等)の税額は、相続開始日において支払済のため負債に含まれない旨主張する。しかしながら、評価会社が直前期末より後かつ相続開始日より前に固定資産税等を支払い、評価会社が相続開始日において仮決算を行っている場合には、相続開始日における資産の額は直前期末の資産である現金預金の額から、固定資産税等の税額に相当する分が減少し、これに基づいて1株当たりの純資産価額の計算が行われることになるのに対し、直前期末の資産の額は、固定資産税等の税額に相当する分が減少していないことに鑑みると、1株当たりの純資産価額を評価会社の直前期末の資産及び負債に基づき計算する場合に、直前期末において未払の固定資産税等の税額を負債に含めて計算しないと、仮決算を行って計算する場合と均衡を欠くことになる。また、賦課期日がその年の1月1日である固定資産税等について、本件評価会社が納税通知書の発付を受けたのは直前期末後であるため、本件評価会社の直前期の貸借対照表に負債として計上されていないが、仮に、納税通知書の発付が直前期末以前であり、本件評価会社の直前期の貸借対照表に負債としての記載があれば、当然に負債に含まれることになるのであるから、固定資産税等の税額について、納税通知書の発付の日によって負債として取り扱うか否かが異なるのは相当ではない。以上によれば、本件評価会社が直前期末にあった固定資産税等の税額は、本件株式の1株当たりの純資産価額の計算上、負債に含めて計算するのが合理的である。(令6. 7. 5 東裁(諸)令6-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050059
- 裁決年月日
- 令和6年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)は、開発行為を行うとした場合に、本件土地の東側の道路から開発道路を設置する(請求人主張開発方法)のが合理的であること及び請求人主張開発方法は、原処分庁が主張する路地状部分を有する宅地を組み合わせた宅地開発(路地状開発)よりも、景観が優れており、宅地面積にもゆとりがあるため、各区画を高い価格で販売することが可能であり、経済的に合理性があることから公共公益施設用地の負担が必要と認められるため、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地における路地状開発は、広大地通達に定める「その地域」の「標準的な宅地の地積」に分割できるものであり、関係法令の定めに反するものとは認められず、容積率及び建蔽率の計算上も有利である。また、本件土地に係る「その地域」では、路地状開発による戸建住宅の分譲が一般的に行われていることも考慮すると、本件土地については、路地状開発を行うことが合理的である。したがって、本件土地は、経済的に最も合理的に戸建住宅の分譲を行った場合に、その開発区域内に道路等の開設が必要な宅地であるとはいえず、公共公益的施設用地の負担が必要とは認められないことから、広大地通達に従って減額の補正をすべき広大地には該当しない。(令6. 6.21 大裁(諸)令5-59)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050034
- 裁決年月日
- 令和6年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件各土地)の評価に際し、本件各土地の一部には樹木が存在し、通常の整地工事によって除去できないことから、財産評価基準書に定める整地費に加え、伐採・抜根費を控除すべきであり、また、本件各土地は、接面する道路よりも0.3m低い位置にあることから、土盛費及び土止費を控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地の一部には、樹木が生育しているものの、相続開始の日において、通常の整地工事によっては当該樹木を除去できないと認めるに足りる証拠がないことから、本件各土地の評価に際し、伐採・抜根費を控除することはできない。また、本件各土地は、接面する道路よりも全体として低い位置にあるとは認められず、宅地として利用するために地上げしなければならないとはいえないことから、本件各土地の評価に際し、土盛費及び土止費を控除することはできない。(令6. 6.20 名裁(諸)令5-34)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050034
- 裁決年月日
- 令和6年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)の評価に際し、相続の開始後に宅地造成工事が行われていることからすれば、本件土地の評価に当たって控除すべき宅地造成費は、財産評価基準書に定められた宅地造成費の金額ではなく、実際に宅地造成工事に要する費用の80%に相当する金額とすべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、相続開始日において、畑及び駐車場として利用されており、審判所に提出されて証拠資料等を精査しても、財産評価基準書が定める宅地造成費から大きくかい離した宅地造成費を要する事情があると認めるに足りる証拠はない。(令6. 6.20 名裁(諸)令5-34)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050034
- 裁決年月日
- 令和6年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)の評価に際し、県建築基準法関係例規集によれば、前面道路によって形成される角度が内角120度を超える場合には角地とされないところ、本件土地の北東側に接する路線(本件北東路線)と北側に接する路線(本件北路線)によって形成される角度の内角が124度であることから、本件北東路線及び本件北路線は、屈折した一路線とみて画地調整等をするべきである旨主張する。しかしながら、本件北東路線と本件北路線は異なる路線であること、また、本件土地と各路線との位置関係を鑑みれば、利用間口が大きくなって出入りの便が良くなるほか、採光、通風にも有利になることからすれば、本件北東路線と本件北路線とを一路線とみることは相当でなく、上記各路線を二路線とみて、画地調整等を行うのが相当である。(令6. 6.20 名裁(諸)令5-34)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050034
- 裁決年月日
- 令和6年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)の評価に際し、本件土地は、①接面する道路(本件路線)よりも約1.30m高い位置にあることから、財産評価基準書に定める傾斜地の宅地造成費の金額を控除すべきである旨、②周辺地域の他の土地に比べ接面道路との高低差が著しいこと等から、著しく利用価値が低下しているとして、国税庁ホームページ掲載のタックスアンサー「No.4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」に基づいて、利用価値が低下していないものと評価した場合の価額から10%減額すべきである旨主張する。しかしながら、上記①について、本件土地は、本件路線よりも高い位置にあるものの、全体としてほぼ平坦であって、宅地造成するに当たって傾斜地に要するような土盛費や土止費が必要となるとはいえないから、本件土地の評価に際し、傾斜地として宅地造成費を控除するのは相当でない。また、上記②について、本件路線の西側に接面する本件土地付近の各土地の地盤面は、本件路線より高いものが多く、本件土地の隣地の戸建住宅の地盤面は、本件土地の地盤面とほぼ同じ高さであり、また、審判所に提出された証拠資料等を精査しても、請求人の主張する事情により本件土地の利用価値が著しく低下し、その取引金額に影響を及ぼしているとうかがわせる事情は認められない。(令6. 6.20 名裁(諸)令5-34)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050034
- 裁決年月日
- 令和6年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)の評価に際し、本件土地は、①全体に凹凸があることから、財産評価基準書に定める整地費を控除すべきである旨、また、②本件土地の至近距離に電力会社が管理する鉄塔(本件鉄塔)があるところ、これによる心理的嫌悪感及び事故発生の危険性等により、付近にある他の宅地と比べて著しく利用価値が低下しているため、国税庁ホームページ掲載のタックスアンサー「No.4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」に基づいて、利用価値が低下していないものと評価した場合の価額から10%減額すべきである旨主張する。しかしながら、上記①について、本件土地は、接面する道路(本件路線)とほぼ等しい高さで接面し、砂利敷きのほぼ凹凸のない平坦な土地であるから、相続開始の日において、整地工事を要する土地であったとは認められず、本件土地の評価に際し、整地費を控除することはできない。また、上記②について、本件路線の本件土地が接面する部分に付設された路線価の路線価設定区間の南側沿いには本件鉄塔と同規模の鉄塔が本件鉄塔を含めて3基存在していることからすると、鉄塔の存在は、本件土地と本件路線の本件土地が接面する部分に付設された路線価の路線価設定区間沿いの各土地とに共通する事情であり、また、審判所に提出された証拠資料等を精査しても、請求人の主張する事情により本件土地の利用価値が著しく低下し、その取引金額に影響を及ぼしているとうかがわせる事情は認められない。(令6. 6.20 名裁(諸)令5-34)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050046
- 裁決年月日
- 令和6年6月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400805030
- 争点
- 8財産の評価/5動産/3書画骨とう品
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産として申告した美術品(本件美術品)について、本件美術品に関する査定業者2社(本件各査定業者)の各査定額を参酌した額を基に評価した額(請求人主張評価額)からすると、その申告額が過大であった旨主張する。しかしながら、本件各査定業者の各査定額は、いずれも相続の開始時から約5年10か月も経過した時点の価格として査定されたものであり、相続開始時における精通者意見価格と認めることはできないし、その査定も、本件美術品の現物を確認することなく行われているから、これらの各査定額が相続開始時における本件美術品の時価を適切に反映していると認めることはできない。また、請求人主張評価額は、上記のとおり、相続開始時における本件美術品の時価を適切に反映していると認めることができない本件各査定業者の各査定額を基に、その各査定額を参酌した額の合計額を平均するなどの方法により算定したものにすぎない上、当審判所の調査によっても、請求人主張評価額が相続開始時における本件美術品の時価を評価したものとして相当と認められる事情も認められない。そして、請求人は、ほかに当該申告における本件美術品の評価額が相当ではないことについて具体的に立証せず、当審判所の調査によっても、当該申告の評価額が相続開始時における本件美術品の時価として不相当と認めるべき事情もない。したがって、請求人主張評価額が相続開始時における本件美術品の時価であるとは認められない。(令6. 6. 3 関裁(諸)令5-46)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050028
- 裁決年月日
- 令和6年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の死亡により請求人が取得した米国の遺族年金を受給する権利(本件受給権)について、その取得時点では、余命年数にわたり受け取れる年金総額は定まっておらず、余命年数を通じて受ける金額の平均額は算定できないところ、原処分庁が相続税法第24条《定期金に関する権利の評価》第1項第3号ハの「給付を受けるべき金額の1年当たりの平均額」として用いた相続開始日が属する年の1年間に給付を受けるべき金額(本件受給額)は、請求人が本件受給権により給付を受けた初年度の受給額であって、平均額 になりようがないこと、また、相続税法第24条第1項第3号ハの「予定利率」として用いた「相続開始日が属する年における米国の社会保障年金信託基金の実効金利(本件実効金利)」は、予定利率とは性質が異なることから、本件受給額及び本件実効金利を用いることはできない旨主張する。しかしながら、本件受給権は、相続税法第3条第1項第6号の「定期金に関する権利で契約に基づくもの以外のもの」に当たることから、相続税法第24条第5項により、相続税法第24条第1項第3号ハの規定を準用して評価するところ、そもそも契約は無いことから、相続税法第24条第1項第3号ハに規定する「給付を受けるべき金額の1年当たり平均額」や予定利率も無いことは明らかであり、このような場合には、これらに替わる合理的な金額や利率を用いるべきことを相続税法は予定しているものといえる。そして、本件受給額及び本件実効金利は、 判明している本件受給額をもって、毎年一定の給付を受けるものと取り扱うことは合理的であり、また、本件実効金利が米国の社会保障制度において社会保障税として徴収された金額の運用利回りの実績として公表されている社会保障年金信託基金の実効金利であることからすれば、請求人が将来にわたって受け取るべき米国の遺族年金の金額を現在価値に引き直すための利率として合理的なものであから、相続税法第24条第1項第3号ハの規定を準用して評価するに当たり、これらを用いるのが相当である。(令6. 5.22 名裁(諸)令5-28)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050024
- 裁決年月日
- 令和6年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.135
要旨
○ 請求人は、その主張する相続により取得した事業協同組合の出資持分(本件持分)の価額は、当該組合の定款(本件定款)に定める脱退組合員の払戻金を根拠として組合員の間でも適正価額として流通していたものであるから、当該価額をもって評価すべき旨主張する。しかしながら、本件定款に当該組合を脱退した際の払戻金を定めていることを前提としても、当該組合の純資産価額を基礎とした持分の価額が出資額を上回っていれば、その差額は当該組合の内部に留保された状態であり、最終的に解散して清算することになれば、純資産価額に基づく財産が分配されることになるから、本件持分は究極的には当該組合の純資産価額を体現したものといえる。本件持分の評価に当たっては、財産評価基本通達196《企業組合等の出資の評価》の定めを適用することが合理的であることに加え、本件持分の譲渡には当該組合の承諾が必要であり、市場を通じた不特定多数の当事者間の自由な取引が行われるものではなく、本件持分の価額が組合員の間において請求人が主張する価額と認識されていたとしても、その価額は当事者間において限定的に形成されたものであって、これを本件持分の時価と認めることはできない。(令6. 4.11 名裁(諸)令5-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050025
- 裁決年月日
- 令和6年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事業協同組合の出資持分(本件持分)を親族から譲り受けた価額(本件譲受価額)について、当該組合の定款(本件定款)に定める脱退組合員の払戻金を根拠として組合員の間でも適正価額として流通していたものであるから、当該価額をもって評価すべき旨主張する。しかしながら、本件定款に当該組合を脱退した際の払戻金を定めていることを前提としても、当該組合の純資産価額を基礎とした持分の価額が出資額を上回っていれば、その差額は当該組合の内部に留保された状態であり、最終的に解散して清算することになれば、純資産価額に基づく財産が分配されることとなるから、本件持分は究極的には当該組合の純資産価額を体現したものといえる。本件持分の評価に当たっては、財産評価基本通達196《企業組合等の出資の評価》の定めを適用することが合理的であることに加え、本件持分の譲渡には当該組合の承諾が必要であり、市場を通じた不特定多数の当事者間の自由な取引が行われるものではなく、本件持分の価額が組合員の間において本件譲受価額と認識されていたとしても、その価額は当事者間において限定的に形成されたものであって、これを本件持分の時価と認めることはできない。(令6. 4.11 名裁(諸)令5-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050090
- 裁決年月日
- 令和6年4月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である家屋(貸家)及びその敷地(貸家建付地)について、不動産賃貸業の用に供している共同住宅については、課税時期においてその各独立部分の一部に空室(本件各空室)があったとしても、その全てが課税時期において賃貸されている各独立部分に該当するものとして、財産評価基本通達26《貸家建付地の評価》及び同93《貸家の評価》に定める賃貸割合を1として計算すべきである旨主張する。しかしながら、本件各空室の相続開始日前後の空室期間は、最も短いものでも3か月と24日に及んでおり、本件各空室は賃貸借契約が相続開始日前に終了した後も引き続き賃貸される具体的な見込みが客観的に存在したにもかかわらず賃貸借契約終了から近接した時期に新たな賃貸借契約が締結されなかったことについて合理的な理由は存在しなかったといえる。したがって、本件各空室は、相続開始日前後の賃貸状況等に照らし実質的にみて相続開始日に賃貸されていたものと同視し得るものとはいえないから、本件各空室は、賃貸割合の計算上、課税時期において賃貸されている各独立部分に該当しない。(令6. 4. 8 東裁(諸)令5-90)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令050005
- 裁決年月日
- 令和6年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.134
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、財産評価基本通達(評価通達)6《この通達の定めにより難い場合の評価》の定めに基づき、請求人の祖母(本件被相続人)が保有していた取引相場のない株式(本件株式)の価額を評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額(原処分庁評価額)によるものとしたことが租税法上の一般原則としての平等原則に違反する旨主張する。しかしながら、①本件株式を発行する会社(本件会社)の事業年度の変更及びその決算期中の剰余金の配当(本件各行為)を行ったことによって、請求人の納付すべき税額は、本件各行為が行われなかった場合に比べて、約50%もの減少となることから、請求人の相続税の負担は著しく軽減されたといえ、また、②請求人は、本件各行為が近い将来発生することが予想される本件被相続人からの相続において請求人の相続税の負担を減じさせるものであることを知り、かつ、これを期待して、本件各行為に係る各々の臨時株主総会を開催し、本件被相続人らと意思を相通じて賛成の議決権を行使したと推認できるから、本件各行為は請求人の租税負担の軽減をも意図して行われたものということができ、上記①及び②の事情の下においては、本件株式の価額について評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが、本件各行為のような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と請求人との間に看過し難い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反するというべきであり、合理的な理由があると認められるから、本件株式の価額を国税庁長官の指示を受けて評価した価額によるものとすることが平等原則に違反するということはできない。(令6. 3.25 金裁(諸)令5-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050036
- 裁決年月日
- 令和6年3月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.134
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)は、市街化調整区域のうち都市計画法第34条第12号の規定に基づき宅地分譲に係る開発行為を行うことができる区域(12号区域)に所在しており、宅地の分割分譲が可能であって、分割分譲に伴う減価が発生する土地であるため、財産評価基本通達20-2《地積規模の大きな宅地の評価》(本件通達)に定める「地積規模の大きな宅地」に準じて評価することができる旨主張する。しかしながら、本件通達に定める「地積規模の大きな宅地」は、「戸建住宅用地としての分割分譲が法的に可能であり、かつ、戸建住宅用地として利用されるのが標準的である地域に所在する宅地」の範囲をもって定めているところ、都市計画法第34条第12号に相当する開発行為としては、分家に伴う住宅、収用対象事業の施行による移転等による建築物、社寺仏閣、研究施設等の建築物の用に供するものが予定されているのであるから、同号の規定に基づく開発行為の対象となる宅地は、仮に宅地分譲に係る開発行為が可能な区域に所在していたとしても、本件通達が適用対象とする当該範囲に含むべきものではないとしたものと解するのが相当である。したがって、当該範囲に含まれるとする市街化調整区域のうち都市計画法第34条第10号及び第11号の各規定に基づき宅地分譲に係る開発行為を行うことができる区域に所在する宅地と当該範囲に含まれないとする12号区域に所在する宅地とで本件通達上異なる取扱いを定めていることは合理的なものであって、本件各土地を「地積規模の大きな宅地」に準じて評価することはできない。(令6. 3. 6 大裁(諸)令5-36)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050029
- 裁決年月日
- 令和6年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁は、被相続人の妻が取得した外国の遺族年金等の請求権(本件受給権)が相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項第6号に規定するみなし相続財産に該当するとして、その価額を同法第24条《定期金に関する権利の評価》第5項の規定により同条第1項第3号ハの規定を準用して評価するに当たり、①被相続人の妻が本件受給権により1年間に遺族年金等を受給する額を用いているが、これは同ハに規定する平均額ではないこと、また、②財産評価基本通達4-4《基準年利率》に定める基準年利率を用いているが、これは同ハに規定する予定利率とは性質の異なるものであることから、これらを用いて本件受給権の価額を算定することはできない旨主張する。しかしながら、相続税法第24条第5項により「定期金に関する権利で契約に基づくもの以外のもの」について、同条第1項第3号ハの規定を準用して評価する場合には、そもそも契約が存在しないから、当該規定の「当該契約に基づき給付を受けるべき金額の1年当たりの平均額」や「当該契約に係る予定利率」も無いことは明らかである。このような場合には、「当該契約に基づき給付を受けるべき金額の1年当たりの平均額」や「当該契約に係る予定利率」に替わる合理的な金額や利率を用いるべきことを相続税法は予定しているものといえることから、「給付を受けるべき金額の1年当たりの平均額」に被相続人の妻が1年間に受給する額を、「当該契約に係る予定利率」に基準年利率を、それぞれ用いて本件受給権の価額を算定するのが相当である。(令6. 2.15 大裁(諸)令5-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050045
- 裁決年月日
- 令和5年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の配偶者が米国の遺族年金を受給する権利(本件受給権)の価額を相続税法第24条《定期金に関する権利の評価》第1項第3号ハの規定の準用により評価するに当たり、①本件受給権を取得した時点では、配偶者が余命年数にわたり受け取れる年金総額は定まっておらず、余命年数を通じて受ける金額の平均額は算定できないところ、配偶者が本件受給権により給付を受ける相続開始の年の受給額(本件受給額)は、配偶者が本件受給権により給付を受ける初年度の受給額であって平均額になりようがないので、「給付を受けるべき金額の1年当たりの平均額」として用いることはできない旨、また、②米国の社会保障年金信託基金の実効金利(本件実効金利)は、予定利率ではなく、予定利率と全く性質の異なるものを恣意的に同号ハの「予定利率」として用いることはできない旨主張する。しかしながら、相続税法第24条第5項により「定期金に関する権利で契約に基づくもの以外のもの」について、同条第1項第3号ハの規定を準用して評価する場合には、そもそも契約が無いから、当該規定の「当該契約に基づき給付を受けるべき金額の1年当たりの平均額」や「当該契約に係る予定利率」も無いことは明らかであり、このような場合にはこれらに替わる合理的な金額や利率を用いるべきことを相続税法は予定しているものといえる。そして、本件受給額は、判明している相続開始の年の1年間に給付を受けるべき金額であり、「給付を受けるべき金額の1年当たりの平均額」として用いるのに合理的なものといえる。また、本件実効金利は、米国の社会保障制度において社会保障税として徴収された金額の運用利回りの実績として公表されている社会保障年金信託基金の実効金利であり、配偶者が将来にわたって受け取るべき米国遺族年金の金額を現在価値に引き直すための利率として合理的なものといえる。よって、これらを「当該契約に基づき給付を受けるべき金額の1年当たりの平均額」や「当該契約に係る予定利率」に替わるものとして用いることは相当である。(令5.12. 1 東裁(諸)令5-45)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050007
- 裁決年月日
- 令和5年11月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802021
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/1倍率方式による評価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.133
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件各土地)について、①市街化調整区域内に所在し、かつ、既存宅地でない土地であること、②本件各土地の上には被相続人等が建築した建物等(本件各建物)があり、本件各土地を売却するには本件各建物の取壊し費用等を負担することから、財産評価基本通達(評価通達)の定める評価方法によるべきではない特別の事情があるとして、本件各土地の時価は、評価通達の定める評価方法に従って算定すべきではなく、③複数の不動産業者に依頼して得た各査定額を基に、高く見積もっても評価通達の定める評価方法による本件各土地の評価額(本件各通達評価額)の2分の1に相当する金額となるから、本件各通達評価額には相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、本件各通達評価額は、適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有している評価通達の定める評価方法により算定されており、①本件各土地が既存宅地でない土地であることの宅地利用上の制限については、評価通達の基礎となる固定資産税評価において減価修正がされ本件各通達評価額の算定過程において考慮されていること、②本件土地の上には相続開始日において本件各建物が存在し、居宅等として使用されている状況にあって、本件各建物の取壊し費用等を本件各土地の価額に反映させるべき事情は見当たらないことから、請求人が主張する事情は、いずれも評価通達の定める評価方法によるべきではない特別な事情に該当しない。なお、③請求人が本件各土地の時価の根拠として主張する上記各査定額は、客観的な数値及び具体的な算定根拠が明らかではないから、本件各土地の時価と認めることはできない。したがって、本件各通達評価額は適正な時価を上回るものではないと事実上推認することができるから、相続税法第22条に規定する時価を上回る違法があるとは認められない。(令5.11. 9 名裁(諸)令5-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050011
- 裁決年月日
- 令和5年10月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人から相続した土地(本件各土地)とそれらの上に存する建物(本件各建物、本件各土地と併せて本件各不動産)について、利害関係のない第三者との間で取引が成立している以上、この売買価額(本件売買価額)こそが時価である旨主張し、本件各土地については、道路が狭いなどの事情が反映されていないため、その路線価を用いた財産評価基本通達(評価通達)に定める方法による評価額と本件売買価額との間に大きなかい離があり、また、本件各建物については、リフォームも不可能なほど古い建物で、実質的な価値はないから、評価通達に定める評価方法では評価できない特別の事情がある旨主張する。しかしながら、本件売買価額は、その取引の際の個別的な事情によって左右されていることから、本件売買価額を客観的交換価値とは認められないし、本件各土地については、道路が狭いなどの事情は路線価に反映されており、本件売買価額と本件各土地の評価額とがかい離しているという事情は、上記のとおり、取引の際の個別的な事情に基因するものである。また、本件各建物についても、固定資産評価基準が定める方法によって経過年数などの損耗の状況を考慮されていることに加え、相続開始日には居住者がいたのであるから、建物としての価値を維持していたものと認められる。以上のことからすると、請求人らの主張する事情は、いずれも評価通達に定める方法によっては評価できない特別の事情とは認められない。したがって、評価通達に定める方法によって算定された本件各不動産の評価額は、いずれも相続税法第22条《評価の原則》の時価と事実上推認され、時価を上回る違法があるとは認められない。(令5.10.24 大裁(諸)令5-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050006
- 裁決年月日
- 令和5年10月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、無償譲渡を受けた取引相場のない株式(本件株式)の価額を純資産価額により評価するに当たり、本件株式を発行する株式会社(本件会社)には、当該譲渡の時点において、請求人の義父母からの借入金(本件借入金)は存在していたから、本件借入金を負債に計上して計算すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、当該譲渡より前に、本件会社の債務への対応及び本件会社が所有する建物の多額の修繕工事費用等の工面について検討した上で、取引金融機関からの借入金を代位弁済し、当該工事費用等として本件会社に多額の資金を貸し付けることとしたものと認められ、さらに、本件会社には本件借入金があり、請求人は本件借入金への対応についても検討したものと推認されるところ、本件会社は多額の債務超過の状態であり、その原因が主に代表取締役であった義父によるこれまでの事業運営にあると考えられることも踏まえると、請求人が取引金融機関からの借入金の返済や当該建物の工事等のために高額の資金を支出するのに加え、本件会社が本件借入金の返済まで行うことを前提に、請求人が本件株式を譲り受けて本件会社の代表取締役となることを決意したとみるのは合理的ではなく、請求人は当該譲渡の前に本件借入金の債務免除を義父母に求めたとみるのが合理的である。そして、義父母もこの請求人の求めに応じたとみるのが自然であり、義父母が本件会社に対して本件借入金につき債務を免除する旨意思表示したことが合理的に推認できるから、本件借入金は、当該譲渡の時点において存在しなかったと認めるのが相当である。(令5.10.19 名裁(諸)令5-6)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令050002
- 裁決年月日
- 令和5年10月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)は、その面積が1,000㎡を超えるところ、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》(広大地通達)の定める「その地域」における宅地の標準的な使用が戸建住宅の敷地であって、その「標準的な宅地の地積」は約150㎡であることから著しく地積が広大な宅地であり、同程度の規模の戸建住宅用として開発行為を行うとした場合には公共公益的施設用地の負担が必要となるから、広大地通達の定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地は、当審判所が認定した「その地域」では、宅地の標準的な使用が事務所等の敷地であって、その「標準的な宅地の地積」が500㎡ないし600㎡であることから、「著しく地積が広大な宅地」に該当するとまではいえない。また、本件土地は、南北に2分割することによって、道路を新設することなく「その地域」における「標準的な宅地の地積」(500㎡ないし600㎡)に区画割りすることが可能であるから、「開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」に該当しない。したがって、本件土地は広大地通達の定める広大地に該当しない。(令5.10.16 金裁(諸)令5-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050005
- 裁決年月日
- 令和5年9月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、亡父からの相続(本件相続)により取得した土地(本件土地)について、財産評価基本通達(評価通達)の定める評価方法により評価した価額は本件土地の売却価額(本件売却価額)と著しく乖離した高額なものであり、このことは評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情に当たるから、本件相続に係る相続税の課税価格に算入すべき金額は、時価である本件売却価額によるべきである旨主張する。しかしながら、本件売却価額は、本件土地を宅地分譲用地として売却することを前提に、宅地開発に係る造成工事費用等を見込んだ上で、相場よりも相当低い価額で売り出す旨の仲介業者の提案を踏まえ、将来的な値下げ交渉も考慮した上で決定されたものであるところ、実際には、本件土地の買主は、本件土地について宅地開発を行うことを予定せず他の事業目的でこれを取得しており、そのことを売主である請求人の一人も認識していたにもかかわらず、宅地開発を前提とした当初の設定価額で本件土地を売却しているなどの事情を踏まえれば、本件土地の客観的交換価値である時価が、このような特定の事情の下で算定されたにすぎない本件売却価額と同額であるということはできない。そして、評価通達の定める評価方法は一般的な合理性を有しているから、本件土地について請求人らの主張する特別の事情は認められない。したがって、請求人らの主張は採用できない。(令5. 9. 6 大裁(諸)令5-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050002
- 裁決年月日
- 令和5年7月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人らが祖父から売買により取得した取引相場のない株式(本件株式)の価額の算定に当たり、本件株式の評価会社(本件会社)の資産及び負債の金額について、本件会社の既存の貸借対照表等を前提に、課税時期の直前期末(本件直前期末)から課税時期までの間に確定した配当金(本件配当金)を本件直前期末の負債に計上した上で本件直前期末と課税時期を比較すると、本件直前期末から課税時期までの間に著しい増減がないとは認められないから、本件直前期末の金額を基礎とするのは相当でなく、課税時期に近接した直後期末の金額を基礎とすべきである旨主張する。しかしながら、①本件会社の既存の貸借対照表等は事実を適正に反映していないものであること及び②本件直前期末から課税時期までの間における資産及び負債の著しい増減の判断に当たっては、本件配当金を考慮すべきではないことから、本件会社の課税時期の直前期末の適正な資産及び負債の金額を審判所が認定した上で、本件配当金を本件直前期末の負債に計上せず、本件直前期末から課税時期までの間の資産及び負債の金額の増減を検討すると、著しい増減はないと認められる。したがって、本件株式の価額の算定に当たっては、審判所が認定した本件直前期末の資産及び負債の金額を基礎とするのが相当である。(令5. 7.24 大裁(諸)令5-2)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令050001
- 裁決年月日
- 令和5年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続した取引相場のない株式(本件株式)の価額の算定に当たっては、財産評価基本通達(評価通達)によれば、本件株式の評価会社(本件会社)の課税時期の直前期末に係るLの割合、比準要素及び1株当たりの純資産価額を基礎とすることとされているが、本件の場合、課税時期に最も近接し本件会社の実績をより明確に示している課税時期の直後期末に係るLの割合、比準要素及び1株当たりの純資産価額を基礎とすべきである旨主張する。しかしながら、評価通達においては、評価上の恣意性の排除や課税の公平、評価の安全性などに配意して、課税時期前の株価の変動を考慮したLの割合を用いる併用方式、類似業種比準方式及び純資産価額方式による評価方法を定めているのであり、こうした評価通達の定めは一般的合理性を有するものと認められる。また、本件株式の価額が当該評価方法によっては、本件株式の適正な時価を求めることができない結果となるなど、評価通達の定める評価方法によるべきではない特別の事情も認められない。したがって、本件株式の価額の算定に当たっては、評価通達に従い、課税時期の直前期末に係るLの割合、比準要素及び1株当たりの純資産価額を基礎とすべきであるから、請求人らの主張には理由がない。(令5. 7. 5 熊裁(諸)令5-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040066
- 裁決年月日
- 令和5年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400806000
- 争点
- 8財産の評価/6営業権等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分は、請求人らが父から売買により取得した同族会社の株式(本件株式)の価額を財産評価基本通達(評価通達)の定めにより評価するに当たり、本件株式の発行会社の営業権(本件営業権)の価額を資産計上してなされたものであるところ、本件営業権の存否については、評価通達165《営業権の評価》に定める評価方法に基づいて判断されるべき事柄ではない旨主張する。しかしながら、一般に営業権とは、企業が有する長年にわたる伝統と社会的信用、名声、立地条件、営業上の秘訣、特殊の技術、特別の取引関係の存在等を総合した、将来にわたり他の企業を上回る企業収益を獲得することができる無形の経済的価値を有する事実関係であると解すべきであり、これは、将来におけるその超過収益力を資本化した価値といえるところ、企業の超過収益力に着目し、将来におけるその超過収益力を資本化した価値としてこれを評価することとしている営業権の評価に関する評価通達の定めは、合理的かつ相当なものであるから、評価通達の定める方法に基づいて、営業権の額が算出される場合には、営業権が存在することが事実上推認されることになる。(令5. 6.28 大裁(諸)令4-66)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040066
- 裁決年月日
- 令和5年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400806000
- 争点
- 8財産の評価/6営業権等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分は、請求人らが父から売買により取得した同族会社の株式(本件株式)の価額を財産評価基本通達(評価通達)の定めにより評価するに当たり、本件株式の発行会社の営業権(本件営業権)の価額を資産計上してなされたものであるところ、本件営業権は存在しないと解すべき次の①企業買収の際の手法を参考とすれば投資額の回収可能性のないこと、②存するとしても一過性のものであること及び③国際会計基準上の無形資産の定義を満たさないことなどの事情が認められることから、評価通達の定める評価方法によるべきではない特別の事情に当たる旨主張する。しかしながら、①本件は第三者による企業買収事案ではない上、投資額の回収可能性を判断するに至る事情が客観的に生じていたことも認められないこと、②特定の事業年度(単年度)の所得を前提として評価通達の定めに従って営業権の価額を算定した場合に、計算上、営業権の存否に影響があるからといって、評価通達の採用する判断手法及び算定手法が不相当であるということはできないこと、③相続税法上の財産を評価する目的と会計上の資産を測定(財産評価)する目的は異にしていることなどから、請求人らの上記各主張をもって特別の事情があると認めることはできない。(令5. 6.28 大裁(諸)令4-66)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040025
- 裁決年月日
- 令和5年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与を受けた各土地(本件各土地)の原処分における評価について、①財産評価基本通達(評価通達)21《倍率方式》に定める固定資産税評価額に乗ずる倍率(評価倍率)は、国税局長が独自に定めたものであり、かつ、極端に高いため合理性がなく、②本件各土地の農地部分の一部は小作人に貸しており、③当該農地のその他の部分は50年間農業生産がなく荒れ地となっているなどの理由から、本件各土地の時価は、固定資産税評価額と同程度と見るべきである旨主張する。しかしながら、評価通達に定める評価方法は、適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有し、当該評価方法によるべきではない特別の事情がない限り、当該評価方法に従い算定された評価額をもって当該財産の適正な時価を上回るものではないと事実上推認することができるところ、①評価倍率は、国税局長が基準となる土地として標準農地を選定した上で、精通者複数名から精通者意見価格の回答を受けて、当該回答に基づき当該標準農地の仲値を算定し、当該仲値に評価割合を乗じて算出した標準価格を当該地域の固定資産税評価額で除するなどして評定しており、その過程に不合理な点はなく、適正に定めているといえるから、一般的な合理性を有するものということができる。また、本件各土地の農地部分は、②農地法第3条《農地又は採草放牧地の権利移動の制限》の許可を受けた賃借権は存在せず、③荒れ地という部分は、小屋を撤去し、トラクター等の工機で土を耕起するなどにより、農地としての復元が可能であることが認められる。以上のとおり、請求人の主張には理由がなく、本件各土地には評価通達に定める評価方法によるべきではない特別の事情があるとは認められないから、本件各土地の各評価額は、評価通達21に定められているとおり、固定資産税評価額に評価倍率を乗じて算定するべきである。(令5. 6.21 名裁(諸)令4-25)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令040008
- 裁決年月日
- 令和5年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない本件株式につき、財産評価基本通達(評価通達)189《特定の評価会社の株式》の(1)及び評価通達189-2《比準要素数1の会社の株式の評価》の各定めにより、本件株式に係る評価会社(本件評価会社)を比準要素数1の会社(要素1の会社)として、純資産価額方式と類似業種比準方式の併用方式(併用方式)により評価した価額(本件株式評価額)をもって相続税の申告をしたが、①上記各定めには合理性がないこと及び②本件株式評価額では本件評価会社が赤字に転落したことが価値の増加要因として評価される結果となり、このことは評価通達に定める評価方法によるべきでない特別の事情に該当することなどから、本件株式評価額は過大となっている旨主張する。しかしながら、①評価通達においては、要素1の会社は、標本会社である上場会社と同様の正常な営業活動を行っていないことに鑑み、評価会社の実態に応じ、その株式を一般の評価会社の株式とは区分した上で、原則として純資産価額方式で評価を行うこととし、他方で納税義務者の選択により、収益性を一定程度加味した併用方式による評価も認めているのであり、こうした評価通達の定めは、一般的合理性を有するものと認められる。また、②仮に、本件株式の価額を要素1の会社の原則的評価方式である純資産価額方式で評価した額は、本件株式評価額を上回ることからすると、本件評価会社が赤字に転落したことにつき、本件株式の価値の増加要因として過大に評価している事情は見当たらないというべきである。(令5. 6.13 熊裁(諸)令4-8)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令040016
- 裁決年月日
- 令和5年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である土地(本件土地)の評価に当たり、本件土地に設置された擁壁が法令に適合しないことによる建築物の高さに関する制約を受けているなどといった事情があるから、国税庁ホームページのタックスアンサー「No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件取扱い)を適用して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地に設置された擁壁の存在により建築物の高さに関する制約を受けるという法令上の根拠は認められず、また、相続開始時点において、近隣の土地と比較して、本件土地においてのみ利用価値を著しく低下させ、その取引価額に影響を受けるような事情も認められないことからすると、本件土地については本件取扱いを適用して評価額を算出することは認められない。(令5. 5.18 福裁(諸)令4-16)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令040016
- 裁決年月日
- 令和5年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である土地(本件土地)の評価に当たり、本件土地は、鉄道の騒音の影響を受けているから、国税庁ホームページのタックスアンサー「No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件取扱い)を適用すべきである旨主張する。しかしながら、路線価方式により宅地を評価する場合、路線に接する宅地に共通する事情については、路線価の評定の基となる売買実例価額等の各価額に反映されるものであるから、当該各価額等を基に評定される路線価には、当該路線に接する宅地に共通する事情は反映されることとなり、原則として、路線に接する宅地に共通する騒音等の事情を個別にしんしゃくする必要はないところ、本件土地における鉄道の騒音は、同一の路線に接する宅地に共通する事情として本件土地を評価するのに用いられた路線価に反映されていると認められ、また、本件土地が付近の他の宅地に比して騒音が大きいといった事情も認められないことから、本件土地については本件取扱いを適用して評価額を算出することは認められない。(令5. 5.18 福裁(諸)令4-16)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令040016
- 裁決年月日
- 令和5年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である宅地1筆及び畑2筆(本件各土地)の評価について、本件各土地が河川氾濫の危険地域内に存することや、鉄道の騒音など、財産評価基本通達(評価通達)によることができない特別の事情があるため、他の合理的な評価方法である不動産鑑定評価によるべきであり、また、仮に評価通達に定める方法により評価するとしても、本件各土地は、主たる地目を畑とする一団の土地として一体評価すべきであるから、原処分における本件各土地の評価額には時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、請求人らが主張するいずれの事情も、評価通達に定める評価方法では適正な時価を算定することができない特別の事情とは認められず、また、相続開始時点における本件各土地の利用状況や位置関係からすると、評価通達の定めに基づき個々の土地ごとに評価するのが相当であるから、評価通達に定める評価方法によって評価した原処分における評価額に時価を上回る違法はない。(令5. 5.18 福裁(諸)令4-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040036
- 裁決年月日
- 令和5年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)について、本件土地の東側部分(本件東側部分)は解体された工場のコンクリート基礎(本件基礎)を撤去しなければ宅地として利用できず、また、本件基礎に置かれた有害物質を含有したコンデンサー(本件機器)から本件基礎上に有害物質が漏えいしているため売却不能であることなどから、本件土地の評価に当たっては財産評価基本通達(評価通達)に定める方法により評価した金額から本件基礎の解体工事費を控除した上、50%の減額をすべき旨主張する。しかしながら、本件基礎の存在が本件東側部分の建物敷地としての利用を妨げてもおらず、本件土地の利用価値を毀損しているとは認められないほか、本件基礎の撤去を義務付ける法令等の規定は認められず、請求人らの意思又は行為等によって本件基礎を撤去することも残置することもできる状況にあったといえるから、本件基礎の存在は、その財産の価額に影響を及ぼすべき事情には該当しない。また、本件基礎上の染みが有害物質を含む液体によるものであるかは明らかではない上、本件機器から有害物質の漏れ等のおそれがない旨県知事宛に届出がされていることからすれば、本件機器から有害物質が漏えいしていた事実は認め難く、本件土地は売却不能である旨の請求人らの主張はその前提を欠くものである。したがって、本件土地の評価において、請求人らの主張する解体工事費の控除及び50%の減額は認められない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040036
- 裁決年月日
- 令和5年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803010
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した建物(本件建物)の評価について、①本件建物の敷地に放置された有害物質を含有したコンデンサー(本件機器)から有害物質が漏えいしていること、②本件建物の敷地内に本件機器が放置されていることにより本件建物が売却できないこと、③本件建物に居住する請求人らの健康被害の可能性や心理的不安があることなどにより財産評価基本通達(評価通達)89《家屋の評価》の定めにより算出した価額から70%の減額をすべきである旨主張する。しかしながら、本件機器から有害物質が漏えいしていた事実は認め難く請求人らの主張は前提を欠く上、本件機器は本件建物の定着物ではなく、本件機器の存在により本件建物の売却ができない事実は認められず、また、請求人らが本件機器による心理的不安を感じていることなどは請求人らに係る事情であって客観的な本件建物固有の事情といえるものではなく、評価通達1《評価の原則》(3)に定める「その財産の価額に影響を及ぼすべき事情」には当たらないから、評価通達89の定めにより算出した価額から70%を減額すべき理由はない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040036
- 裁決年月日
- 令和5年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らが相続により取得した土地(本件土地)について、本件土地の西側部分(本件西側部分)と東側部分(本件東側部分)とは異なる評価単位であるところ、原処分庁は、本件東側部分については、道路を開設し戸建分譲することが経済的に最も合理的であるため、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》(広大地通達)の適用があるとする一方、請求人らは、本件西側部分及び本件東側部分のいずれの土地も、道路を開設し戸建分譲することが経済的に最も合理的であるため、広大地通達の適用がある旨それぞれ主張する。しかしながら、本件土地の存するその地域(本件地域)においては、開発許可を受けた開発行為に基づく戸建分譲の事例はないものの、開発許可を要しない戸建分譲の事例では、昭和45年11月以降新たに指定を受けた位置指定道路はなく、路地状敷地を含む区画に開発されていることなどからすると、路地状敷地を含む戸建分譲を行うことが一般的ではないとはいえず、また、本件西側部分及び本件東側部分は、路地状敷地を組み合わせることにより、いずれも本件地域における標準的な宅地の地積にそれぞれ分割できることから、本件西側部分及び本件東側部分のいずれについても広大地通達に定める「公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」には該当せず、本件西側部分及び本件東側部分については広大地通達の適用は認められない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040036
- 裁決年月日
- 令和5年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価額を算出する際に必要となる本件株式の発行法人の所有する各建物(本件法人各建物)の評価について、本件法人各建物に係る固定資産税評価額に東日本大震災の影響が反映されていないこと、また、本件法人各建物は現在利用可能とはいえ軟弱な地盤の上にあることから倒壊の危険があり、対処的修理が継続的に必須で、今後利用禁止処分を受ける可能性があることを理由に、本件法人各建物の相続税評価額は零円である旨主張する。しかしながら、本件法人各建物のうち、被災した建物に係る固定資産税評価額は、「東日本大震災により被害を受けた地方団体等における平成24年度の固定資産の評価替えについて(平成23年総税評第46号総務省自治税務局資産評価室長通知)」に基づく被害状況に応じた損耗残価率を用いて決定されていることから、財産評価基本通達の定めに基づいて算出された本件法人各建物の相続税評価額は東日本大震災の影響を考慮したものであると認められ、また、本件法人各建物に倒壊の危険があり、継続的な修理が必須で、今後利用禁止処分を受ける可能性があるという請求人らが主張する事情を裏付ける的確な証拠はないことから、本件法人各建物の相続税評価額は零円とは認められない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040036
- 裁決年月日
- 令和5年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)の評価について、本件土地上には有害物質を含有したコンデンサー(本件機器)が放置されているため売却価値はなく、また、本件土地に残された工場跡のコンクリート基礎(本件基礎)上に有害物質が漏えいしており、請求人らにとって危険な状況であるから、本件土地の評価に当たっては財産評価基本通達(評価通達)に定める方法によるべきではない特別の事情があるとして、不動産鑑定評価額を基に算出した価額が本件土地の時価である旨主張する。しかしながら、本件機器は本件土地の定着物ではなく、その移動を制限する旨の法令の規定はないから、客観的にみて本件機器の存在が本件土地の価額に影響するとは評価できず、また、本件基礎上に有害物質が漏えいしていた事実は認め難く、客観的にみて、請求人が主張するような危険な状況があり、本件土地の価額に影響すると評価することもできない。したがって、請求人らが主張する事情は、評価通達に定める方法に従い算定された評価額が本件土地の適正な時価を上回るものではないとの推認を覆すものではなく、評価通達に定める方法によるべきではない特別の事情があるとは認められない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040036
- 裁決年月日
- 令和5年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価について、本件株式の発行法人(本件法人)の所有する各建物(本件法人各建物)に倒壊の危険があること及び利用禁止処分を受ける可能性があることを理由に、本件株式を財産評価基本通達185《純資産価額》に基づき評価するに当たっては、本件法人各建物に係る解体費用を本件法人の負債に計上すべきである旨主張する。しかしながら、本件法人各建物は、相続開始日以降、審査請求における調査の時点までにおいても取り壊されることはなく、本件法人の事業の用に供されており、また、本件法人各建物の解体工事に係る請負契約が締結されていたという事実は認められないことから、本件法人各建物の解体に係る債務が現に存していた事実は認められない。したがって、本件法人各建物に係る解体費用は、本件株式の純資産価額の計算上、負債に計上することはできない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040036
- 裁決年月日
- 令和5年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価額を算出する際に必要となる本件株式の発行法人が所有する土地(本件法人土地)の評価について、本件法人土地に接する道路の路線価には、軟弱な地盤であることが考慮されていないことから財産評価基本通達(評価通達)の定めにより評価した本件法人土地の価額から30%の減額をすることが相当である旨主張する。しかしながら、軟弱な地盤が当該路線価の付されている路線に共通する事情であるか否かは明らかではないが、地盤が軟弱である可能性について一定の考慮がされたと認められる、本件法人土地と同じ工業団地に存する土地の売買実例における価額を基にして、時点修正及び土地価格比準表に準じて個別的要因の格差補正等を行い算定した本件法人土地の価額は、評価通達に定める方法により評価した本件法人土地の価額を上回っているから、本件法人土地の価額の評価に当たり、路線価に基づき算定された価額からの調整が必要となるだけの合理的な根拠は見いだし難く、評価通達の定めにより評価した本件法人土地の価額から30%の減額をすべきとは認められない。(令5. 5.16 関裁(諸)令4-36)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040051
- 裁決年月日
- 令和5年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(1,176㎡。本件土地)について、本件土地に係る財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》(広大地通達)所定の「その地域」における標準的な宅地の平均地積は107㎡であるから、本件土地は広大地通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、審判所の調査によれば、本件土地に係る広大地通達所定の「その地域」(本件地域)における標準的な宅地の平均地積は656.74㎡であるから、仮に、本件土地が著しく広大であると認められるとしても、本件地域における宅地の標準的な使用方法に基づき平均地積により区画割りをすると、1~2区画程度に分割して道路に接面した合理的な区画割りが可能であるから、本件土地について開発行為を行う場合には、公共公益的施設用地の負担の必要性は認められない。したがって、本件土地は、広大地通達に定める広大地に該当しない。(令5. 3.28 大裁(諸)令4-51)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040107
- 裁決年月日
- 令和5年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である株式(本件株式)の価額について、財産評価基本通達(平成29年4月27日付課評2-12ほかによる改正前のもの。評価通達)は、外国法人が発行する上場されていない株式を評価する定めになっていないため、評価通達に定める方法によっては適正な時価を算定することができない特別な事情があるとして、当該外国法人の本店所在地国(R国)における評価方法により評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人らの主張する特別な事情とは、結局のところ、本件株式がR国における上場されていない株式であるというものにすぎず、本件株式は、評価通達5-2《国外財産の評価》により評価できるのであるから、請求人の主張する事情をもって評価通達に定める評価方法によるべきではない特別な事情であると認めることはできない。また、請求人らが主張する評価方法は、飽くまでもR国における評価方法であり、相続税法第22条《評価の原則》にいう時価、すなわち相続開始時における客観的な交換価値を表しているとまではいえないため、評価通達により評価した価額が請求人らが主張する価額を超えていることをもって、評価通達に定める評価方法によるべきではない特別な事情があるとは認められない。(令5. 3.28 東裁(諸)令4-107)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令040003
- 裁決年月日
- 令和5年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地の評価に際し、東側の道路(本件東側路線)、南東側の道路(本件南東側路線)及び南側の道路(本件南側路線)の三方路線がある土地(本件土地)について、本件南東側路線と本件南側路線に接する間口の内角が139.16度であることから建築基準法上の建蔽率が緩和されないこと、また、本件南側路線に接する間口距離が5.18mと狭いことなどから角地としての効用を受けているとはいえないことに照らせば、本件南側路線は本件南東側路線とともに一つの道路として正面路線とすべき旨主張する。しかしながら、本件土地については、①本件南側路線に接する間口が車両の出入口としての利用の便に資すること自体は否定し難いこと、②採光、通風の面においても、本件南東側路線だけに接する画地と比べて有利にならないともいえないことからすれば、本件土地の評価に際しては、本件南側路線の影響を受けることで本件南東側路線だけに接する画地よりも価額が高くなることを反映させる必要があるというべきであるから、本件南東側路線を正面路線とし、本件南側路線は本件東側路線とともに側方路線とするのが相当である。(令5. 3. 7 金裁(諸)令4-3)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令040003
- 裁決年月日
- 令和5年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した市街地農地等(本件各土地)の評価に際し、宅地造成費の算定上、①本件各土地は液状化の可能性が高く地盤の弱い地域に存していること等から、地盤改良費を控除することができる旨、②本件各土地と隣接地との境界に設置されていた擁壁は第三者の所有物であること等から、新たな擁壁の構築を要するとして土止費を控除することができる旨、③本件各土地の表土面は道路面よりも低い位置に向かって斜めに下がっていたこと等から、凹凸の地ならしを行う必要があったとして整地費を控除することができる旨主張する。しかしながら、本件各土地については、請求人らの主張する諸事実によっても軟弱な表土で覆われた土地であったと推認するに足りないこと(上記①)、地上げをした場合に土盛りした土砂の流出や崩壊のおそれがあったと認めるに足りず、ゆえに既に設置されていた擁壁が第三者の所有物であるという一事をもって新たな擁壁の構築を要すると直ちに認めることはできないこと(上記②)、全証拠によっても地ならしを要する凹凸があったと認めることはできないこと(上記③)からすれば、請求人らの主張はいずれも認められない。(令5. 3. 7 金裁(諸)令4-3)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040012
- 裁決年月日
- 令和5年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803050
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/5庭園設備
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№130
要旨
○ 請求人は、被相続人の自宅庭園(本件庭園設備)は個人宅の庭であり、その立地条件等からしても本件庭園設備を一体として売却できないため交換価値がなく、交換価値がない庭園設備には財産評価基本通達(評価通達)は適用されない旨主張する。しかしながら、評価通達92《附属設備等の評価》(3)(本件通達)は、「庭園設備」について、家屋の固定資産税評価額に含まれていないことから、金銭に見積もることができる経済的価値のある全てのものが相続税法に規定する財産であることに照らし、家屋とは別に独立した財産として評価すべきであるとしたものと解するのが相当である。そして、本件庭園設備は、家屋とは別異の設備であり、複数の業者によって金銭に見積もることができる経済的価値が認められているものであることからして、家屋とは別に独立した財産として、本件通達により評価すべきである。さらに、請求人は、本件庭園設備は、立木や庭石、灯篭等を個別に売却するとしても買取り価額は低額である上、実際に買手が見つからないため交換価値はない旨主張する。しかしながら、本件庭園設備は、造園されたものであるから、庭石商の店頭におけるように、立木や庭石、灯篭等を個別に売却することを前提に評価することは相当ではなく、上記のとおり、経済的価値が認められているものである。よって、本件庭園設備の相続税の課税価格に算入される価額は、本件通達の定める方法によって評価するのが相当である。(令5. 3. 7 仙裁(諸)令4-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040008
- 裁決年月日
- 令和5年2月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価とは客観的な交換価値であるから、「不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額」ということができれば、当該価額をもって時価とすべきであり、請求人が相続した土地建物等(本件各不動産等)を相続開始後に売却した価格(本件各売却価格)については、それぞれ、①請求人が依頼した不動産会社を通じて地域実情に明るい複数の不動産業者への買取査定依頼後、複数の物件をまとめて買取りを希望した不動産業者へ実際にまとめて売却した金額と、②残る物件は純然たる第三者である買主が提示した価額で実際に合意に至った金額であり、①及び②の各売却には、売り急ぎなどの事情はないこと、①の売却は、以後売却できる保証のない不動産を抱えるリスクを避けるとの経済合理性があることなどから、本件各売却価格の合計額は、本件各不動産等の「不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額」であり、同条に規定する時価といえるから、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法による本件各不動産等の評価額(本件各通達評価額)には本件各売却価格を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、本件各売却価格は、①複数の物件をまとめて売却した先は、転売することを前提にして利益が見込まれる金額を購入希望金額としたものであり、②残る物件を売却した先は、当初から売買の相手方が限定され、その相手方が提示した金額を基に決定されたものであって、取引当事者の主観的事情に基づき形成された金額というべきであるから、請求人の主張する事情は、評価通達に定める評価方法によるべきではない特別の事情には当たらない。よって、本件各通達評価額は、いずれも適正な時価を上回るものではないと事実上推認され、相続税法第22条に規定する時価を上回る違法があるとは認められない。(令5. 2. 9 名裁(諸)令4-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040026
- 裁決年月日
- 令和5年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)について、都市計画法第4条《定義》第12項に規定する開発行為を行うとした場合には、道路開設という公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件土地は、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほか2課共同国税庁長官通達による改正前のもの。)24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地については、路地状部分を有する宅地を組み合わせ戸建住宅用地として開発する宅地開発(路地状開発)により戸建住宅の分譲を行うことで、広大地通達で定める「その地域」と認められる本件地域における標準的な宅地の地積に分割できる。また、このような路地状開発は、関係法令の定めに反せず、容積率及び建蔽率の計算上も有利である上、本件地域においては、路地状開発による戸建住宅の分譲が一般的に行われていることからすると、本件土地については、道路開設を行わず、路地状開発を行うことが経済的に合理性のある開発であり、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要とは認められないため、広大地に該当しない。(令5. 2. 1 大裁(諸)令4-26)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040046
- 裁決年月日
- 令和4年11月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した土地(本件土地)について、①本件土地上に存する建物(本件長屋)の入口通路として使用され、不特定多数の者の通行の用に供する道路である部分(本件土地A部分)は、財産評価基本通達(評価通達)24《私道の用に供されている宅地の評価》に定める「私道の用に供されている宅地」に当たる、②本件長屋の各戸の出入口前に条例の規制により設けた住民用避難通路である部分(本件土地B部分)は、評価通達24の定めに準じて評価すべきである、③評価通達14-3《特定路線価》に定める特定路線価は、本件土地A部分が接する道路に設定するのではなく、上記①のとおり道路である本件土地A部分に設定すべきであり不合理であるから、原処分における本件土地の価額は過大である旨主張する。しかしながら、①本件土地A部分には、その構造、機能、所有関係、利用関係等に照らして、本件土地の所有者にあっては、本件長屋の所有者に敷地として利用されていることとは別異に、宅地としての客観的な交換価値を減じられるような事情はないので、本件土地A部分は、評価通達24に定める「私道の用に供されている宅地」として評価すべきものに当たらず、また、②本件土地B部分は、本件土地A部分を経由して更に奥にあり、本件土地の周囲に設置された塀と各戸の玄関が存在する本件長屋の壁に挟まれた部分であることなどからすると、本件土地の所有者にあっては、本件長屋の所有者に敷地として利用されていることとは別異に、宅地としての客観的な交換価値を減じられるような事情はないので、本件土地B部分は、評価通達24の定めに準じて評価すべきであるとはいえない。そして、③本件土地A部分及び本件土地B部分はいずれも本件長屋の敷地として一体として利用され、本件土地のその他の部分とともに一の評価単位で評価すべきであるところ、特定路線価は、本件土地A部分が接する道路に設定されたものであるので、不合理なものとはいえないから、原処分に本件土地の価額を過大に評価した誤りがあるとはいえない。(令4.11.22 東裁(諸)令4-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040028
- 裁決年月日
- 令和4年9月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802990
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、台湾に所在する土地について、①他者との共有に係る土地は、その売却に全員が合意することは難しく、買手もこのような土地の購入を避ける傾向にあるから、その評価額は大幅に減額されるべきである、②台湾の遺産税又は地価税が免除される土地は、非常に厳しい法的制限があることから売却が困難なため、仮に台湾の法律により毎年公告される地価(公告土地現値)が付されていても、その評価額を零円とすべきである、③バブル経済の崩壊後のゴルフ場用地は価値が急落しており、公告土地現値の半分未満(約47%)で競売された旨の報道もあるほか、多くの共同土地所有者がいるためその評価額を更に割り引く必要があり、公告土地現値から約63%を減額すべきである旨主張する。しかしながら、公告土地現値は台湾の土地の正常な市場価格を反映した価額として1区画ごとに公表されるものであり、課税時期においては実勢取引価格の90.53%の水準で評定されていると認められること並びに台湾の遺産及び贈与税法が相続財産の時価の基準として土地の場合は公告土地現値を採用していることに照らせば、公告土地現値に基づき評価することは、財産評価基本通達5-2《国外財産の評価》のなお書の定めによった評価方法であって合理的である。そして、①他者との共有であることをもって評価額を減額すべき事情とは認められず、②台湾の遺産税等が一定の条件の下で非課税となることが必ずしもその土地の財産的価値がないことを意味しないから、台湾の減免制度の対象となることをもって日本の相続税でも同様に取り扱うべきとする理由はなく、③請求人らが主張するゴルフ場に係る報道事例は競売によるものであり、競売で成立した価額が通常の時価を示すものとはいえない。したがって、請求人らの各主張は、いずれも評価額を減額すべき事情とはならない。(令4. 9.29 東裁(諸)令4-28)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令040002
- 裁決年月日
- 令和4年9月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地3筆(本件各土地)について、①本件各土地の最有効使用は一体開発した上で戸建住宅用地として分譲することであるから、一団の土地として一体評価すべきであること、②財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によれば、畑1㎡当たりの評価額が宅地1㎡当たりの評価額を上回る不合理な評価額となることから、本件各土地の評価においては、評価通達に定める評価方法では適正な時価を適切に算定することができない特別な事情があり、不動産鑑定評価額が本件各土地の時価である旨を主張する。しかしながら、①相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価の算出に当たっては、相続開始時点における対象不動産の現況により算定されるべきであるところ、本件各土地は、相続開始時点において、宅地(自用地)、貸家建付地及び畑として利用されており、一体として利用されている一団の土地とは認められないこと、②畑1㎡当たりの評価額が宅地1㎡当たりの評価額を上回るのは、地積規模の要件を満たした宅地に評価通達20-2《地積規模の大きな宅地の評価》が適用されている結果にすぎないことから、評価通達に定める評価方法では適正な時価を算定することができない特別な事情があるとはいえず、評価通達に定める評価方法に基づき評価した額を本件各土地の時価と認めるのが相当である。(令4. 9.22 福裁(諸)令4-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040009
- 裁決年月日
- 令和4年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である路地状の土地(本件土地)の評価に当たり、本件土地には電柱や上下水道があるなど、本件土地の隣地に存する貸家(本件貸家)の借家人の生活に必要な私道として整備・利用がされている上、本件貸家の賃貸借契約書に本件土地まで含めて賃貸するとの記載はないから、本件土地は、私道として他の土地とは区分して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地のうち、本件貸家の借家人が本件貸家への通路として専用利用していた部分については、隣接する本件貸家の敷地と区別せず一画地の貸家建付地として評価し、また、本件土地のうち当該通路部分以外は、物理的な区切りもなく隣接する空き地とともに一画地の宅地として評価するのが相当である。(令4. 9.20 関裁(諸)令4-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040009
- 裁決年月日
- 令和4年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802011
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/1地目
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、相続財産である土地(本件土地)の評価に当たり、本件土地は相続開始時点において建物の敷地ではなく、また、隣接する土地の上に存する建物の維持若しくは効用を果たすために必要な土地ではないから、本件土地の地目は雑種地である旨主張する。しかしながら、以前は本件土地を家屋の敷地として利用していたこと、また、相続開始後に、相続人が他の土地と併せて宅地として売却していることなどからすると、建物の敷地としてその効用を果たすために必要な土地であったと認められるから、本件土地の地目は宅地とするのが相当である。(令4. 9.20 関裁(諸)令4-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040009
- 裁決年月日
- 令和4年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である各土地(本件各土地)の評価に当たり、本件各土地は、①鉄道線路のトンネルのほぼ真上に位置しており、震度1相当の震動が絶え間なく続き、②墓地に近接して忌みによる影響があり、さらには、③地下5mから7mまでが腐植土であり、建物を建築する場合には12mから16m程度の杭打ちが必要な軟弱地盤であるにもかかわらず、本件各土地の評価額を算出するために用いる路線価には当該震動や忌み、軟弱地盤という事情が加味されていないため、国税庁ホームページのタックスアンサー「№4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件取扱い)を適用して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件取扱いは、宅地の評価に当たって用いる路線価に震動等の事情が考慮されていないこと、甚だしい震動や忌み、軟弱地盤等により宅地の取引金額が影響を受けると認められることを要するところ、①本件各土地の震動は甚だしいものではなく取引金額への影響を示す証拠もないこと、また、②忌みによる影響があると主張する土地については、相続開始の10か月後に譲渡された際の取引金額に影響を与えたと認められる証拠もなく、さらに、③軟弱地盤は地域全体の事情であり、同地域内には標準地も設定されており路線価に考慮されているものと認められることから、本件各土地の評価に当たって本件取扱いを適用することはできない。 (令4. 9.20 関裁(諸)令4-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040009ほか 1件
- 裁決年月日
- 令和4年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である土地(本件土地)の評価に当たり、本件土地が存する行政区における相続開始日の属する年度の専用住宅の開発許可事例からすると、本件土地を開発する場合には路地状開発ではなく位置指定道路を設けて開発することが合理的であるため、本件土地は財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地は、路地状開発をすることにより本件土地の属する「その地域」における標準的な宅地の地積の区画に分割でき、また、路地状開発の方が容積率及び建蔽率の計算上有利であるほか、本件土地周辺での路地状開発の事例もあり路地状開発が一般的でないとはいえないことなどからすると、本件土地を開発する場合には路地状開発を行うことが合理的と認められるため、本件土地は広大地通達に定める広大地に該当しない。(令4. 9.20 関裁(諸)令4-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040009
- 裁決年月日
- 令和4年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人及びその長女が共有する土地(本件土地)の評価に当たり、本件土地は、長女の所有する共同住宅(本件共同住宅)の敷地であるところ、本件共同住宅は貸し付けられており、本件土地にはその借家人の敷地利用権が及ぶから、本件土地は貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件共同住宅の所有者は長女であり、本件共同住宅の賃貸人も長女であったことから、被相続人は借家人に対してその賃貸人としての義務を負う立場にはなく、また、本件土地が本件共同住宅の敷地として利用されていることの結果として受ける被相続人の利用上の制約は、本件土地が長女との共有であることからくるもののみであるから、本件土地を貸家建付地として評価することはできない。(令4. 9.20 関裁(諸)令4-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040010
- 裁決年月日
- 令和4年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である各土地(本件各土地)の評価に当たり、本件各土地は、鉄道線路のトンネルのほぼ真上に位置しており、震度1相当の震動が絶え間なく続くにもかかわらず、本件各土地の評価額を算出するために用いる路線価には当該震動の影響が加味されていないため、国税庁ホームページのタックスアンサー「№4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件取扱い)を適用して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件取扱いは、宅地の評価に当たって用いる路線価に震動の事情が考慮されていないこと、甚だしい震動により宅地の取引金額が影響を受けると認められることを要するところ、本件各土地の震動は甚だしいものではない上、取引金額に影響を与えているとはいえないことからすると、本件各土地の評価に当たり本件取扱いを適用することはできない。 (令4. 9.20 関裁(諸)令4-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040006
- 裁決年月日
- 令和4年9月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801030
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/3共有財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した区分所有建物及び敷地権(本件各不動産)の持分(本件各不動産持分)について、相互に関係を有しない多数の者による共有状態で権利関係が錯綜しており市場性が低下しているため、財産評価基本通達(評価通達)の定める評価方法によっては財産の時価を適切に評価できない特別の事情がある旨主張する。しかしながら、特別の事情に当たるというためには、その価額や評価が持分であることによる市場性の低下の影響を受けることを免れることのできない事情が存することを要するというべきであるが、本件各不動産の共有者が相互に関係を有しないことや本件各不動産の共有者が多数であることは、市場性の低下の影響を免れることができない事情ということはできないため、本件各不動産持分について評価通達の定める方法によっては財産の時価を適切に評価できない特別の事情があるとはいえない。(令4. 9.15 大裁(諸)令4-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040006
- 裁決年月日
- 令和4年9月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した区分所有建物及び敷地権(本件各不動産)の持分(本件各不動産持分)について、本件各不動産が収益物件としてしか認識されず、本件各不動産持分に基づいて本件各不動産を自ら使用することができない上、本件各不動産持分に係る管理料が高額で実質的な賃料収入の確保が難しいという事情があることから、財産評価基本通達(評価通達)の定める評価方法によっては財産の時価を適切に評価できない特別の事情がある旨主張する。しかしながら、貸家及び貸家建付地の所有者に帰属する経済的価値は、当該貸家及び貸家建付地に係る受取賃料から諸経費を控除した部分の賃貸借契約の期間に対応する経済的利益の現在価値だけでなく、その期間の満了等によって復帰する経済的利益の現在価値も含むものであり、その価額は、不動産鑑定評価基準においても、収益価格のみに基づいて決定されるものではない。また、本件各不動産持分の賃料は、その性状や機能といった客観的要因に基づいて決定される適正賃料を下回るものであり、収益物件の取引価格は当該物件の客観的交換価値を反映したものであるとはいえない。したがって、本件各不動産持分の評価において、評価通達の定める方法によっては財産の時価を適切に評価することのできない特別の事情があるとは認められない。(令4. 9.15 大裁(諸)令4-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040006
- 裁決年月日
- 令和4年9月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した区分所有建物及び敷地権(本件各不動産)の持分(本件各不動産持分)に係る不動産鑑定評価額(本件鑑定評価額)は、本件各不動産が多数の者による共有状態にあるなどといった請求人らが主張する事情を考慮して評価された金額であり、本件鑑定評価額及び本件各不動産持分の売却価額(本件売却価額)と、売買実例価額、地価事情精通者の意見価格等との間には開きがなく、本件各不動産持分の時価は、本件鑑定評価額及び本件売却価額を上回るものではないことからすると、相続税の申告における本件各不動産持分の評価額(本件申告評価額)は、時価を上回るものである旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価額は、積算価格の算定において基本的な計算の誤り等が存在していることに加え、収益価格の算定において採用している総合還元利回りが近接する公示価格の標準地の還元利回りと開差があることなどから、妥当な金額とは認められないため、本件鑑定評価額をもって本件申告評価額が時価を上回るものであるということはできない。また、本件鑑定評価額と同額である売却価額についても、現実の取引価格は、当事者間の事情等に左右され、正常な条件とは認められない主観的又は特殊な条件の下に成立するものも多いことから、当該取引価格をもって直ちに当該財産の時価であるということはできない。 (令4. 9.15 大裁(諸)令4-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040004
- 裁決年月日
- 令和4年9月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件の土地(本件土地)について、道路面より著しく高い位置にあるか明らかではなく、道路面より高い位置にあるとしても、そのことをもって土止費が生じる蓋然性は認められないから、本件土地を評価するに当たっては土止費を控除する必要はない旨主張する。しかしながら、土止めとは、土砂の流出や崩壊を防止するために構築する擁壁をいうとされ、宅地以外の土地を宅地に転用する際に当該土地の状況によっては土止めを必要とする場合があるところ、本件土地は接面する道路面より高い位置にあり、また、本件土地から接面する道路に向けて本件土地上の土砂が流出していることからすると、本件土地を宅地に転用する場合に土止めを行うことが通常必要であると認められるため、本件土地を評価するに当たっては土止費を控除するのが相当である。(令4. 9. 5 関裁(諸)令4-4)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040004
- 裁決年月日
- 令和4年9月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件の土地(本件土地)について、実質的に財産評価基本通達(評価通達)20-2《地積規模の大きな宅地の評価》に定める地積規模の大きな宅地に該当するにもかかわらず、評価通達20-2の(3)に定める形式的な除外要件に該当することを理由として評価通達20-2に定める地積規模の大きな宅地として評価できないことは、評価通達の定める評価方法によるべきではない特別な事情に該当する旨主張する。しかしながら、仮に本件土地が実質的に評価通達20-2に定める地積規模の大きな宅地に該当するにもかかわらず形式的要件で不適用となるとしても、そのことから評価通達20-2の定めの合理性が直ちに否定されるものではない。また、そもそも請求人の当該主張は、本件土地に評価通達20-2の定めの適用があるべき旨を主張するものにほかならないが、そのこと自体は、本件土地の評価に当たって評価通達の定めによるべきではない特別の事情がないことを前提としているものであって、評価通達の定めによるべきではない特別の事情となり得るものとは認められない。(令4. 9. 5 関裁(諸)令4-4)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040003
- 裁決年月日
- 令和4年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人に対して支払われるべき役員報酬(本件役員報酬)の価額は、税務調査の際に調査担当職員が小規模企業共済契約の掛金(本件掛金)を控除した後の価額である旨話したから、本件掛金の金額を控除した後の価額とすべきである旨主張する。しかしながら、未収入金であった本件役員報酬の価額は、財産評価基本通達204《貸付金債権の評価》に基づき元本の価額と利息の価額との合計額によって評価するから、本件掛金の金額を控除すべきではなく、仮に調査担当職員の発言があったとしても本件役員報酬の価額に影響を与えるものではない。(令4. 8.24 関裁(諸)令4-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040003
- 裁決年月日
- 令和4年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人及び同人が保有していた株式の発行法人が有していた各貸付金債権(本件各貸付金債権)について、①月額返済金額や返済期間などが従前よりも緩和された内容の各準消費貸借契約(本件各準消費貸借契約)が締結され、各公正証書が作成されたことからすれば、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》(3)に定める要件を充足する旨、②本件各貸付金債権の債務者(本件債務者)の事業継続に疑義があることなどから評価通達205柱書に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、①公証人の関与をもって本件各準消費貸借契約が評価通達205(3)の要件に該当するとはいえないことは明らかであるし、②本件債務者は返済を継続しており、評価通達205(1)から(3)までに掲げる事由と同視できる程度に本件債務者の経済状態等の悪化が著しく、本件各貸付金債権の回収の見込みがないことが客観的に明白であったとはいえないから、本件各貸付金債権の評価に当たり評価通達205柱書の定めは適用されない。(令4. 8.24 関裁(諸)令4-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040007
- 裁決年月日
- 令和4年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した貸宅地(本件土地)の評価について、①本件土地が所在する地域に権利金授受の取引慣行があるか否かは、権利金授受が通常行われているかどうかで判定することとなるところ、当該地域では借地権の取引慣行はあるが権利金授受の取引慣行はない旨、また、②近隣の取引実例を参考にして決めた本件土地の地代は、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(相当地代通達)に定める「通常の地代」であるから、通常の地代を超えない旨主張する。しかしながら、本件土地は、①財産評価基準書に借地権割合が定められており、権利金授受の取引慣行が存在することを推認させる有力な事情があるところ、周辺地域で無償返還届出書及び相当地代改訂届出書が複数提出されていることや、貸宅地を相当地代通達の定めにより評価した相続税の申告も複数されていることを併せ考慮すると、本件土地が所在する地域は、権利金授受の取引慣行がある地域であると認められる。また、②通常の地代を認定できる的確な証拠がないため、原処分庁が採用した相当地代通達に定める相当の地代の額の算定方法に準じて、本件土地の貸宅地に相当する価額の過去3年間の平均額の6%に相当する額として通常の地代の額を算定することには、一定の合理性があって許容されるべきであり、この算定方法によると、実際に収受している本件土地の地代の額は通常の地代の額を超える。(令4. 8. 1 東裁(諸)令4-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040008
- 裁決年月日
- 令和4年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父から貸付金債権(本件債権)を債権額より低い価格(本件譲受価額)で譲り受けたことにつき、①債権の譲渡の場合は、相続や贈与の場合と異なり金融検査マニュアルの実質基準等で回収可能性を判断すべきである、②債務者である法人(本件法人)は、債務超過が長期間継続して課税時期後にみなし解散の登記がされており、本件債権が全額回収可能とは判断できない、③課税時期後の本件法人の売上げは、本件法人の技術者が業務をしていないから、法的な根拠に基づく収入ではない、④本件法人は、本件債権以外に多額の負債があり課税時期後の僅かな返済が回収可能性を担保するものではないなどとして、本件債権に係る相続税法第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》に規定する「時価」は、財産評価基本通達(評価通達)204《貸付金債権の評価》及び205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める評価方法による評価額(本件評価額)とすべきではなく、本件法人の財政状態及び回収可能性を考慮して金融検査マニュアル等に準じた方法で評価すべきであり、これにより、本件譲受価額は、同条に規定する「著しく低い価額の対価」に該当しない旨主張する。しかしながら、①金融検査マニュアルと評価通達はその趣旨目的を異にするため、贈与税の財産評価に使用することは合理的ではなく、②本件法人は、課税時期の前後を通じて経済的に破綻している状況ではなく、みなし解散の登記が本件法人が課税時期において解散すべき状態にあったことを示すものといえず、③本件法人と当該業務を委託した会社との間で契約が継続されているのであれば直ちに法的な裏付けがない収入といえず、④本件法人は、課税時期後に本件譲受価額を超える金額を請求人に弁済しており、譲り受けた日において、本件譲受価額以上に回収可能性がなかったといえない。以上によれば、本件債権に係る相続税法第7条に規定する「時価」は、相続税法第22条《評価の原則》に規定する「時価」と同様に原則として本件評価額とすべきであり、その僅か5パーセントにすぎない本件譲受価額は、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」に該当する。(令4. 8. 1 東裁(諸)令4-8)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令040001
- 裁決年月日
- 令和4年7月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人及びその配偶者が設立した法人(本件出資法人)が所有する医療法人(本件医療法人)に対する出資の持分(本件持分)の価額について、本件出資法人は、本件医療法人の社員ではないため持分払戻請求権を有していないこと、また、本件医療法人の解散時の残余財産から払戻し等を受けられる権利は、相続の開始時には潜在的な権利に過ぎず譲渡性もないことから、零円とすべきである旨主張する。しかしながら、本件医療法人は、定款において①退社した社員はその出資額の払戻しを請求することができる旨、②本件医療法人が解散した場合の残余財産は振込出資額に応じて分配する旨定めていることからすると、本件医療法人の出資者は、退社時又は残余財産分配時に本件医療法人の財産から総出資額中に当該出資者の出資額が占める割合に応じた額の分配を受ける権利を有していると認められ、本件出資法人は本件医療法人の財産を本件出資法人が所有する持分の口数において共同所有しているといえることからすると、本件出資法人が持分払戻請求権を有していなくとも、本件医療法人の財産を本件持分の割合で共同所有していることに変わりはないのであるから、本件持分の経済的価値が零円となることはない。また、相続税法が規定する「財産」とは、金銭に見積もることのできる経済的価値のある全てのものをいい、いまだ明確な権利とはいえない財産法上の法的地位なども含まれると解されていることからすると、本件持分は、相続の開始時に残余財産分配請求権を行使できないとしても金銭に見積もることができる経済的価値を有しているものといえる。 (令4. 7. 13 福裁(諸)令4-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040004
- 裁決年月日
- 令和4年7月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》は、貸付金債権等の「一部」の回収不能もあり得る定めになっており、「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」について実質的に回収が可能か不可能かにより判断すべきであるとの見解に立ち、債務者である会社の平均利益の額から計算した回収可能額と同社の清算価値から計算した回収可能額との平均額を超える部分がその実質的な回収不能額に当たる旨を主張する。しかしながら、評価通達205は、その(1)ないし(3)の事由のほか、「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」も評価通達204《貸付金債権の評価》による評価の例外的事由として掲げているが、これが評価通達205の(1)ないし(3)の事由と並列的に定められていることからすると、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、その(1)ないし(3)の事由と同程度に、債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、貸付金債権等の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるときをいうものと解すべきものである。これによれば、債権金額の全部又は一部が「次に掲げる金額に該当するときその他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に、その該当する金額の全額について元本の価額に算入しないこととするものであって、評価通達205の(1)ないし(3)の事由や、これと同程度に債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白な事実もないのに、貸付金債権等の回収可能性の程度に応じて元本の一部不算入を認めるものではない。また、請求人が主張するように、想定される事実に基づいて個別に貸付金債権等の回収可能額を算定することは、会社の営業状況や将来性等必ずしも客観的一義的な評価方法が確立していない要素に左右されるとともに、納税者の恣意を許すことにもなり、納税者間の公平の確保等のため全国一律の統一的な評価の方法を定めた評価通達の趣旨にも反することとなる。よって、請求人の主張する見解は、採用することができない。(令4. 7. 6 東裁(諸)令4-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030125
- 裁決年月日
- 令和4年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人Aが相続により取得した被相続人と販売会社(本件法人)との間の売買契約及び預託等取引契約に係る権利は、財産評価基本通達(評価通達)204《貸付金債権の評価》に定める貸付金債権等に当たるが、本件法人は、相続開始日において、債務超過であり、かつ、支払不能の状態であったので、本件法人から支払を受けていない金額の部分(本件未払部分)は、評価通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するとして評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件法人は、相続開始日から約2年経過した後、立て続けに数回の業務停止命令等を受けたと認められるものの、これより前に営業を停止していたといえる事実は認められず、また、上記数回の業務停止命令等の行政処分より前に債権者に対する支払が遅滞し又は停止していた事実は認められないことからすると、本件法人は、相続開始日時点において債務超過であったことは否定できないものの、相続開始日において、営業を継続していた上、債権者に対する支払が遅滞し又は停止していたなどの事実は認められないから、本件法人が、経済的に破綻していることが客観的に明白で、そのため、本件未払部分の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるものであったとはいえない。したがって、本件未払部分について、「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に当たるとはいえない。 (令4. 6. 7 東裁(諸)令3-125)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030125
- 裁決年月日
- 令和4年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人Aが相続により取得した被相続人と販売会社(本件法人)との間の売買契約及び預託等取引契約に係る権利(本件各相続財産)は、相続税法第24条《定期金に関する権利の評価》第1項第1号に規定する有期定期金に該当するが、本件法人は、相続開始日において、債務超過であり、かつ、支払不能の状態であったので、同法第22条《評価の原則》及び財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》を準用して、本件法人から支払を受けていない金額の部分(本件未払部分)については、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するとして評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件各相続財産が相続税法第24条第1項第1号に該当する有期定期金に当たる場合、評価通達による評価をすることは予定されていない。また、本件未払部分が評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する事実も認められない。したがって、本件各相続財産について、評価通達205は準用されない。(令4. 6. 7 東裁(諸)令3-125)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030049
- 裁決年月日
- 令和4年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、持分会社(本件会社)の社員であった被相続人の死亡退社により相続した持分払戻請求権(本件払戻請求権)は、出資持分のうち「出資」ではなく「持分」が転化したものであり、財産評価基本通達には「出資」の評価についての定めはあるが「持分」についての定めはないのであるから、「確定した払戻金額」に基づき課税されるべきものである旨主張する。しかしながら、持分払戻請求権は、社員の退社によって、その社員が有していた出資の持分が転化したものであって、実質は出資の持分の経済的側面と認められることからすると、持分会社の出資の評価について定める財産評価基本通達194《持分会社の出資の評価》に準じて評価するのが相当である。また、請求人が主張する「確定した払戻金額」とは、相続開始日より後に本件会社の社員が本件払戻請求権の払戻金額を零円とする旨同意したというものであって、被相続人が相続開始日に本件払戻請求権を取得したとの事実の存在に変わりはないから、その事後的に同意された金額をもって、本件払戻請求権の相続税法第22条《評価の原則》にいう相続開始時における客観的な交換価値としての時価と認めることはできない。(令4. 6. 2 名裁(諸)令3-49)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030033
- 裁決年月日
- 令和4年5月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の配偶者が相続により取得した無道路地である各市街地農地(本件各土地)について、本件各土地を宅地開発する場合の道路協力地取得費及び宅地造成費の見積額の80%相当額が財産評価基本通達(評価通達)における減算額(①評価通達20-2《無道路地の評価》の定めに基づく開設通路に相当する部分の価額、②評価通達40《市街地農地の評価》の定めに基づく宅地造成費相当額)を著しく上回るから宅地転用が見込めない土地であり、このことが評価通達により難い特別の事情である旨主張する。しかしながら、請求人が主張する道路協力地取得費については、建築物の建築を可能とするために必要な接道義務に基づく最小限度の通路の開設という事情以上の事情を考慮したものといえ、また、請求人が主張する宅地造成費についても、宅地に転用する場合において通常必要と認められる宅地造成に係る工事費用だけでなく、排水・道路・設備・附帯の各工事に係る費用など宅地分譲地として開発行為をした場合に要するものが大部分を不可分に占めているところ、これらの費用は、どのような建築物が建築されるかにかかわらず必要とされる整地、土盛り又は土止めに要する金額(通常必要とされる造成費)とはいえないことから、これら請求人が主張する道路協力地取得費及び宅地造成費は、いずれも評価通達20-2、評価通達40及び財産評価基準を適用した減算額と対応させて比較することはできず、本件各土地について、評価通達の定めが想定する程度を著しく超えるそれらの費用を要するとは認められない。したがって、請求人が主張する上記事情は、評価通達に定める評価方法により難い特別の事情であるということはできない。(令4. 5.25 関裁(諸)令3-33)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030032
- 裁決年月日
- 令和4年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが相続により取得した土地(本件土地)について、原処分庁が、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(本件通達)に定める「その地域」、その地域における標準的な宅地の使用方法及びその標準的な宅地の地積に係る各判断を誤っており、請求人らが主張する標準的な宅地の地積を前提とすると、本件土地はその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地に該当し、また、その標準的な宅地の地積を前提とする請求人らが主張する開発想定(道路を開設するもの)に経済合理性があり、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるから、本件土地は本件通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地に係る本件通達に定める「その地域」は、建物の用途、過去10年間の開発状況及び都市計画マスタープランなどから、原処分庁が主張する地域とするのが相当であり、その地域における標準的な宅地の使用方法は戸建住宅の敷地であるから、それらを前提としたその地域の標準的な宅地の地積に比して本件土地の地積は著しく広大であると認められるものの、本件土地については、原処分庁が主張する路地状開発による開発想定に合理性が認められ、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要とは認められないから、本件土地は、本件通達に定める広大地に該当しない。(令4. 5.18 関裁(諸)令3-32)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令030014
- 裁決年月日
- 令和4年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人甲が相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価に当たり、本件株式の発行会社が所有する一部の土地(本件各土地)が財産評価基本通達24-4《広大地の評価》に定めるその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大でない土地であるか、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要とは認められない土地であり、広大地に該当しないことを根拠として、本件株式の発行会社に係る財産評価基本通達189《特定の評価会社の株式》(2)に定める割合(株式等保有割合)が50%未満となるから、本件株式は同項に定める株式保有特定会社の株式として評価すべきでない旨主張する。しかしながら、本件各土地は、いずれもその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であり、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるため、いずれも広大地に該当し、これにより本件株式の発行会社に係る株式等保有割合は50%以上となるから、本件株式は株式保有特定会社の株式として評価するのが相当と認められる。(令4. 5.16 仙裁(諸)令3-14)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令030014
- 裁決年月日
- 令和4年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、原処分において請求人らの相続税の課税価格に加算した貸付金債権に係る利息について、その発生期間は貸付日から相続開始日までである旨主張する。しかしながら、利息の発生期間の終期について、上記貸付金債権に係る金銭消費貸借契約(本件消費貸借契約)の内容が記載された公正証書に明確な記載はないものの、利息が元金使用の対価であることからすれば、債務者が期限の利益を失った日以降は、利息が発生しないというのが一般的な理解であると解されるところ、本件消費貸借契約の内容をみても、期限の利益を失った以降においても利息が発生する旨を明確にした定めは見当たらず、他に、本件において、これと異なる解釈をすべき事情も見当たらないから、本件消費貸借契約においては、期限の利益を失うこととなった第1回返済期限の翌日以降、利息は発生しないと解するのが合理的である。(令4. 5.16 仙裁(諸)令3-14)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030035ほか 1件
- 裁決年月日
- 令和4年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である株式(本件株式)について、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によらないことが相当と認められる特別の事情があるとはいえない旨主張する。しかしながら、相続開始日において、本件株式につき、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に、評価通達の定める評価方法により算出された評価額の水準の価額が通常成立すると認めることは困難であり、また、本件株式の価額を当該評価額とすると、被相続人が、相続の発生を見越して、相続開始直前に、購入資金を借り入れて本件株式を取得したことによって請求人の相続税の負担が大幅に減少する結果となったことが認められる。これらのことからすると、本件は、評価通達の評価方法を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、富の再配分機能を通じて経済的平等を実現するという相続税の目的に反し、かえって、相続の発生を見越して購入資金の借入れ及び本件株式の取得に相当するような行為を行わなかった納税者との間での実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかであるといえるから、他の合理的な評価方法により本件株式の適正な時価を評価すべき特別の事情があると認められる。(令4. 3.25 名裁(諸)令3-35)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030037
- 裁決年月日
- 令和4年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である株式(本件株式)について、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によらないことが相当と認められる特別の事情があるとはいえない旨主張する。しかしながら、相続開始日において、本件株式につき、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に、評価通達の定める評価方法により算出された評価額の水準の価額が通常成立すると認めることは困難であり、また、本件株式の価額を当該評価額とすると、被相続人が、相続の発生を見越して、相続開始直前に、購入資金を借り入れて本件株式を取得したことによって請求人の相続税の負担が大幅に減少する結果となったことが認められる。これらのことからすると、本件は、評価通達の評価方法を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、富の再配分機能を通じて経済的平等を実現するという相続税の目的に反し、かえって、相続税の発生を見越して購入資金の借入れ及び本件株式の取得に相当するような行為を行わなかった納税者との間での実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかであるといえるから、他の合理的な評価方法により本件株式の適正な時価を評価すべき特別の事情があると認められる。(令4. 3.25 名裁(諸)令3-37)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030038
- 裁決年月日
- 令和4年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である株式(本件株式)について、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によらないことが相当と認められる特別の事情があるとはいえない旨主張する。しかしながら、相続開始日において、本件株式につき、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に、評価通達の定める評価方法により算出された評価額の水準の価額が通常成立すると認めることは困難であり、また、本件株式の価額を当該評価額とすると、被相続人が、相続の発生を見越して、相続開始直前に、購入資金を借り入れて本件株式を取得したことによって請求人の相続税の負担が大幅に減少する結果となったことが認められる。これらのことからすれば、本件は、評価通達の評価方法を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、富の再配分機能を通じて経済的平等を実現するという相続税の目的に反し、かえって、相続の発生を見越して購入資金の借入れ及び本件株式の取得に相当するような行為を行わなかった納税者との間での実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかであるといえるから、他の合理的な評価方法により本件株式の適正な時価を評価すべき特別の事情があると認められる。(令4. 3.25 名裁(諸)令3-38)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030022
- 裁決年月日
- 令和4年3月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)の評価について、①本件各土地を賃借等する法人が資材置場などとして一体利用しているから、財産評価基本通達(評価通達)7《土地の評価上の区分》ただし書により、主たる地目を雑種地とする一団の土地として評価すべきである、②仮に評価通達7の本文のとおり、地目別に評価するとしても、本件各土地は都市計画法第34条に規定する開発許可を受ける可能性が極めて低い宅地であるから、宅地の面積は、建物の床面積の合計を建蔽率で割り戻して算出した面積とすべきである旨主張する。しかしながら、①本件各土地の地目は宅地と雑種地であり、雑種地としての利用については、権利の内容に差異があることに加え、土地の位置関係、形状、地積の大小を踏まえると、本件各土地について主たる地目を雑種地とする一団の土地とみるのは相当ではなく、また、②本件各土地が開発許可を受ける可能性が極めて低いと認めるに足る証拠はないから、評価通達7の本文のとおり地目別に区分し、かつ、評価通達7-2《評価単位》のとおり利用の単位の別に評価するのが相当である。(令4. 3.16 関裁(諸)令3-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030068
- 裁決年月日
- 令和4年3月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、共同住宅の敷地の南側の土地(本件土地)は、避難通路として共同住宅の敷地の効用を果たすために必要な土地であること、及び建築確認申請における建蔽率及び容積率の計算上、共同住宅の敷地に含まれていることから、共同住宅の敷地と本件土地を一の評価単位として評価すべき旨主張する。しかしながら、土地の地目及び評価単位は、課税時期の現況に基づいて判定すべきであるところ、本件土地は、相続開始日において月ぎめの貸駐車場として利用されており、共同住宅の避難通路の用に供されていたとは認められず、共同住宅の敷地の効用を果たしていたと認めることはできず、また、本件土地は、月ぎめの貸駐車場であって雑種地であるから、共同住宅に係る建蔽率及び容積率の計算の基礎とされていたとしても、宅地である共同住宅の敷地とは、地目及び評価単位が異なることとなるから、それぞれの評価単位ごとに土地の価額を評価すべきである。 (令4. 3. 9 東裁(諸)令3-68)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030035
- 裁決年月日
- 令和4年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、市街地山林(本件土地)の評価について、①本件土地に係る鑑定評価額が時価であり、財産評価基本通達(評価通達)による評価額がこれを上回ること、②本件土地の形状(急傾斜及び池の存在)及び通路開設に必要な水路(本件水路)の払下げの不確実性から本件土地は宅地転用が見込めないこと、③本件土地の宅地転用が可能であっても、生産緑地(本件生産緑地)に係る行為制限の解除に伴う納税猶予の適用を受けていた相続税額の納付、接道義務を満たすための通路開設、建物の取壊費用等を要し、宅地転用に経済合理性がないことから、評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定できない特別の事情がある旨主張する。しかしながら、①鑑定評価には、その性質上、一定の幅があり得るものであるから、鑑定評価による評価額が評価通達に定める評価方法による評価額よりも低いからといって、その評価通達に定める評価方法による評価額が当然に適正な時価を超えることにはならない。また、②宅地転用が見込めない場合は、評価通達49《市街地山林の評価》において、近隣の純山林の価額に比準して評価する旨が定められている。そして、③本件土地の評価に際し、相続開始時に本件生産緑地は買取りの申出を経由して行為制限が解除されることが前提とされるから、相続開始後の行為に伴う相続税の納付は本件土地の評価には影響しないというべきである。さらに、請求人らから、通路開設に必要な費用等についての具体的な主張及び立証はなく、当審判所の調査によっても、本件土地の宅地転用に当たり、評価通達に定める評価方法によっては適正な時価を算出することができないような多額の費用を要するとの事情は認められない。したがって、請求人が主張する本件土地の宅地転用に係る経済合理性に関する上記各事情は、いずれも、評価通達に定める評価方法によっては適正な時価を算出することのできない特別の事情に該当するものと認められない。(令4. 2.28 大裁(諸)令3-35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030035
- 裁決年月日
- 令和4年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802044
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/4市街地山林
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、市街地山林(本件土地)について、①財産評価基本通達(評価通達)により評価する場合でも、本件土地の形状(急傾斜及び池の存在)及び通路開設に必要な水路(本件水路)の払下げの不確実性から、本件土地は宅地転用が見込めないため、評価通達49《市街地山林の評価》のなお書により、純山林の価額に比準して評価(純山林評価)すべきであり、また、②評価通達49に定める宅地転用が見込めない場合とは、生産緑地(本件生産緑地)に係る行為制限の解除に伴う納税猶予の適用を受けていた相続税額の納付、必要な通路開設、建物の取壊費用等を踏まえて経済合理性がないと判断される場合も含むべきである旨主張する。しかしながら、①本件土地は急傾斜とはいえず(傾斜度は約4.1度)、かつ、池の面積は約50㎡(本件土地の地積に占める割合は5%程度)であり大規模なものではないことから、本件土地は、宅地転用が見込めないような形状の土地であるとは認められない。また、本件土地を評価通達49に定める宅地比準方式によって評価した価額は、純山林評価による価額を下回らず、かつ、本件水路については、占用の許可又は払下げの申請を行うことができるとされていることから、通路開設を不可能とする負担となるものとまでは認められず、いずれの事情も、宅地転用が見込めない場合には該当しない。更に、②本件土地の評価に際し、相続開始時に本件生産緑地は買取りの申出を経由して行為制限が解除されることが前提とされるから、相続開始後の行為に伴う相続税の納付は本件土地の評価には影響しないというべきであり、また、通路開設に要する費用等について、請求人らから具体的な主張及び立証はなく、当審判所の調査によっても、本件土地の宅地転用に関する経済合理性を失わせるほどに多額の費用を要するとの事情は認められない。したがって、本件土地を純山林評価により評価することはできず、請求人が主張する経済合理性に関する上記各事情を考慮しても、本件土地が、評価通達49における宅地転用が見込めない土地であるとは認められない。(令4. 2.28 大裁(諸)令3-35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030031
- 裁決年月日
- 令和4年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した不動産の時価について、自らが把握した評価額が時価として正当な価額であり、原処分庁が財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によって算定した評価額には、時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、請求人が提出した理由書(本件理由書)は、不動産の賃借人の資力等を説明しているにとどまるもので、不動産の価値を客観的に説明したものではなく、また、請求人が提出した不動産鑑定士作成の鑑定資料(本件鑑定資料)も、本件鑑定資料における評価額が評価通達の定めに基づいて算定した評価額よりも時価として適切であることを根拠付けるものではない。したがって、本件理由書及び本件鑑定資料のいずれによっても、評価通達に定める評価方法によるべきでない特別の事情があるとは認められない。(令4. 2. 8 大裁(諸)令3-31)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030059
- 裁決年月日
- 令和4年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、評価会社(本件会社)がその子会社(本件子会社)に対して有する売掛金等(本件売掛金等)について、本件子会社の財務内容が継続的に債務超過の状況で、営業上の信用力が存在せず、課税時期直後に本件子会社が解散し、解散時も債務超過であったことからすれば、実質的には無価値であることは明らかであって、本件会社の1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)(本件純資産価額)の計算上、本件売掛金等について財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、①本件子会社は、課税時期以前の各事業年度において毎期継続して相当の売上高があり、それぞれ売上総利益を計上するなどしていること、②一般的に、債務超過状態になったとしても、直ちに債務者が経済的に破綻していることにはならないこと、③本件子会社は、課税時期の前後を通じて営業を継続していたものであること、④本件子会社の負債はその大部分が本件会社からの借入金であって利息の支払がないものであったことからすれば、本件子会社が課税時期において経済的に破綻していることが客観的に明白であるということはできないから、本件純資産価額の計算上、本件売掛金等について評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するとはいえない。(令4. 2. 4 東裁(諸)令3-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030059
- 裁決年月日
- 令和4年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400805010
- 争点
- 8財産の評価/5動産/1一般動産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、会社(本件会社)が所有していた備品(本件備品)は、本件会社が所有していた建物(本件建物)内の備品であり、本件建物は、課税時期において建替えによる取壊しが不可避であったから、本件会社の1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)(本件純資産価額)の計算上、本件備品のうち絵画等の減価償却の対象とされない資産以外の資産の相続税評価額は、零円とすべきである旨主張する。しかしながら、本件建物は、課税時期において、建物としての効用を果たし、相応の経済的価値があったと認められることから、本件備品について財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によるべきではない特別な事情があるとは認められないから、本件純資産価額の計算上、本件備品のうち絵画等の減価償却の対象とされない資産以外の資産の相続税評価額を零円とすべきではなく、当該資産は評価通達129《一般動産の評価》に従って相続税評価額を評価すべきである。(令4. 2. 4 東裁(諸)令3-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030059
- 裁決年月日
- 令和4年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803990
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、会社(本件会社)が所有していた建物(本件建物)の耐震性が不十分であり、本件建物に係る新規の1か月以上の長期の貸付けができない状態では、事実上、本件建物を賃貸事務所やホテルとして経営することはできず、本件建物の建替えは不可避であったから、本件会社の1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)(本件純資産価額)の計算上、本件建物には、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によるべきではない特別な事情がある旨主張する。しかしながら、本件建物は、課税時期において、本件会社による取壊しが予定されていた建物であったということはできるものの、建物の所有者が当該建物の取壊しを予定していたとしても、そのことによって直ちに当該建物の客観的な交換価値に影響があるものとはいえず、本件建物が、課税時期において、その一部が店舗、事務所又は住居として賃貸されていたことなどからすると、本件建物は、課税時期において、建物としての効用を果たしており、本件建物には相応の経済的価値があったと認められるから、本件純資産価額の計算上、本件建物について評価通達に定める評価方法によるべきではない特別な事情があるとは認められない。(令4. 2. 4 東裁(諸)令3-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030059
- 裁決年月日
- 令和4年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、会社(本件会社)が所有している土地(本件土地)は、その地面が本件土地の接する路線(本件路線)の路面よりも低い位置にあり、本件土地は、「その利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて著しく低下していると認められる宅地」に該当するから、本件会社の1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)(本件純資産価額)の計算上、国税庁ホームページのタックスアンサー「No.4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」において示された10%減額して評価する取扱い(本件取扱い)を適用して、本件土地を評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地に隣接する土地(本件隣接地)は、本件路線のほぼ中央部に接しているところ、本件隣接地の地面も本件路線の路面よりも低い位置にあり、地面と本件路線の路面とに高低差があることは本件土地に固有のものではなく、本件土地と同一の路線価が付された一連の宅地に共通している地勢であるといえる。したがって、本件土地は、「その付近にある宅地に比べて著しく高低差のあるもの」に係る本件取扱いの対象にはならないから、本件純資産価額の計算上、本件土地について本件取扱いを適用して評価すべきではない。(令4. 2. 4 東裁(諸)令3-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030059
- 裁決年月日
- 令和4年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、会社(本件会社)が所有している土地(本件土地)は、財産評価基本通達(平成28年4月6日付課評2-10ほかによる改正前のもの。評価通達)20-4《がけ地等を有する宅地の評価》に定める「がけ地等で通常の用途の供することができないと認められる部分を有する宅地」に該当するから、本件会社の1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)(本件純資産価額)の計算上、がけ地補正率を適用して本件土地を評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地には、課税時期において、現に、本件土地を敷地として建物が存しており、本件土地に「がけ地等で通常の用途に供することができないと認められる部分」があったとは認められないから、本件純資産価額の計算上、本件土地についてがけ地補正率を適用して評価すべきではない。(令4. 2. 4 東裁(諸)令3-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030059
- 裁決年月日
- 令和4年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、会社(本件会社)が所有していた建物(本件建物)は、賃貸の用に供されており、建替えに伴い、本件建物に係る賃借人を退去させる必要があり、立退料の支払が必須となるから、本件会社の1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)(本件純資産価額)の計算上、本件建物の賃借人に対する立退料を本件会社の負債として計上すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達185《純資産価額》に定める課税時期における「評価会社の各負債」は、原則として、個人事業者の債務と同様に債務として控除できるものであるか否かを考慮して判定するのが相当であり、本件純資産価額の計算上、本件建物の賃借人に対する立退料を本件会社の負債として計上するためには、同立退料に係る債務が課税時期において成立している必要があるところ、①本件会社と本件建物の各賃借人との間で締結された各賃貸借契約に係る各契約書においては、賃貸借契約が消滅したときは、賃借人は、本件会社に対して金銭その他の請求をしない旨の約定があり、②課税時期までに、本件会社から賃借人に立退料の支払を申し出たり、本件会社と賃借人との間で立退料に関する合意をしたり、本件会社に対して立退料の支払を求める裁判が起こされたりしたことはないのであるから、本件建物の賃借人に対する立退料に係る債務は、課税時期において成立しているとは認められない。したがって、本件純資産価額の計算上、本件建物の賃借人に対する立退料を本件会社の負債として計上すべきではない。(令4. 2. 4 東裁(諸)令3-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030055
- 裁決年月日
- 令和4年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した宅地(本件宅地)は、その東側と南側に路線が存在するが、東側の路線(本件東側路線)との間には高低差があり、かつ、植樹帯及び横断歩道があるため、本件宅地は、本件東側路線からの出入りが困難であり、角地の効用を十分に享受しているとはいえないから、財産評価基本通達(評価通達)16《側方路線影響加算》に定める角地に該当せず、仮に該当するとしても、国税庁ホームページの質疑応答事例「路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合の評価」(本件質疑応答事例)に該当するため、本件宅地の正面路線は南側の路線(本件南側路線)である旨主張する。しかしながら、角地とは、正面と側方の二つの路線に接する宅地であると解されるところ、主要地方道である本件東側路線は路線に該当し、植樹帯は道路法第2条《用語の定義》第2項に規定する道路の附属物として本件東側路線に含まれ、本件宅地は、本件東側路線及び本件南側路線に接していることから、角地であると認められる。なお、本件宅地は本件東側路線から約1.5m高い位置に存するが、採光・通風の面で有利であり、所有者の自由意思に基づき出入口を設けることができるほか、建蔽率の緩和を受けることができるなど、角地の効用を十分に享受できないとはいえない。また、正面路線の判定に当たって、本件質疑応答事例は、評価対象の宅地が路線価の高い路線に接していると認められても、その間口が狭小で接道義務を満たさないような場合に、形式的に評価通達を適用して当該路線が正面路線と判定されることの不合理性を是正しようとするものと解されるところ、請求人が主張する各事情は、かかる是正を必要とさせるような事情と認めることはできないことから、本件宅地の正面路線は本件東側路線であると認められる。(令4. 2. 1 東裁(諸)令3-55)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030055
- 裁決年月日
- 令和4年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した宅地(本件宅地)は、①その付近にある宅地に比べて著しく高低差があること、②植樹帯及び横断歩道が存在することにより、国税庁ホームページのタックスアンサー「№4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件取扱い)により評価すべきである旨主張する。しかしながら、一般的に宅地の取引価額に影響を与えるものとされている宅地の高低差等については、基本的には路線価の評定に反映され、路線価により評価する場合に原則として宅地の高低差等を個別にしんしゃくする必要はないと解される。そして、本件取扱いのうち、「道路より高い位置にある宅地又は低い位置にある宅地で、その付近にある宅地に比べて著しく高低差のある場合」とは、地勢を共通にする付近にある宅地に係る地盤面と道路面との高低差と、当該宅地に係るそれとを比較検討してもなお、後者に宅地の取引価額に影響を与えると認められる著しい高低差のある場合に限るのが相当であると解されるところ、①本件宅地の存する地域は、一帯が起伏のある地勢を前提とした宅地で構成されており、本件宅地の付近にある宅地に比べて著しく高低差のある場合に該当しない。また、本件取扱いのうち、「その取引金額に影響を受けると認められるもの」について、植樹帯及び横断歩道が存在するという事情を理由として、本件宅地の価額を減額して評価すべきであるかは、付近にある宅地に共通している事情と本件宅地の事情とを比較検討してもなお、後者に個別にしんしゃくすべき事情があるか否かによって検討すべきと解されるところ、②一般的に宅地の付近に植樹帯や横断歩道が存在することは、当該宅地の価額を減額し得る事情とはいえず、付近にある宅地の利用状況をみても、中高層マンション等が建ち並んでおり、本件宅地も同様に利用することが可能であると認められることから、植樹帯及び横断歩道の存在を前提にしても、本件宅地の利用価値を著しく低下させる事実は認められない。よって、本件宅地は、本件取扱いにより評価することはできない。(令4. 2. 1 東裁(諸)令3-55)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030023
- 裁決年月日
- 令和3年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の法人(本件会社)に対する貸付金債権(本件貸金債権)について、相続開始当時、本件会社の経営状況は実質的に破綻しており、本件貸金債権の回収が著しく困難なものであったと見込まれるから、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、本件会社が、相続開始当時を含む事業年度において、資産超過の状況で、営業利益を計上しており、その後も事業を継続していることからすれば、評価通達205の(1)から(3)までに列挙する事由と同視できる程度に本件会社の経済状態等が破綻していることが客観的に明白であったとは認められない。したがって、本件貸金債権は、本件会社の経営状況に照らし、評価通達205の定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。(令3.12.17 大裁(諸)令3-23)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030023
- 裁決年月日
- 令和3年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の貸付金債権(本件貸金債権)は、相続開始当時において消滅時効期間が経過しており、現実的に回収は不可能であるから、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、本件貸金債権に係る返還期限は不明であり、本件貸金債権について消滅時効期間が経過しているとは認めるに足りない。仮に消滅時効期間の経過が認められるとしても、消滅時効の完成による債権消滅の効果は、時効の援用がされたときにはじめて確定的に生じるものと解するのが相当であるから、単に消滅時効期間が経過し援用される可能性があるというだけでは、評価通達205の定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。(令3.12.17 大裁(諸)令3-23)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030021
- 裁決年月日
- 令和3年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)について、本件土地が存する「その地域」の標準的な宅地の地積である100㎡から120㎡の10区画とするのが経済的に最も合理的な開発であり、当該開発行為を行うとした場合には、新たな道路の開設という公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件土地は財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、形状及び公道との接道状況が本件土地と類似している隣接地は、開発区域内に道路を開設することなく、12区画で開発されており、本件土地を同様に開発すると想定した原処分庁主張の開発想定図に基づく開発は、建築基準法第43条《敷地等と道路との関係》第1項本文に規定する接道義務を満たし、本件土地が存する地方公共団体の開発許可基準も満たすものであり、経済的に最も合理的な開発であると認められる。したがって、本件土地は、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要であると認められず、広大地に該当しない。(令3.12.10 大裁(諸)令3-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030020
- 裁決年月日
- 令和3年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した宅地の一部(本件通路部分)について、相続税の課税価格の計算上、相続開始時点の現況が当該宅地の上に存する2棟の賃貸用の共同住宅(本件各建物)の入居者及びその関係者の通行の用に供されていることなどを理由に、本件通路部分は、財産評価基本通達(評価通達)24《私道の用に供されている宅地の評価》の前段の定めによる私道供用宅地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件各建物の敷地は、それぞれ建築基準法第43条《敷地等と道路との関係》第1項に規定する接道要件を満たすものであり、本件各建物の入居者及びその関係者以外に本件通路部分を日常的に通行の用に供している者はなく、本件各建物の敷地の位置関係や形状等に照らし、本件各建物の入居者及びその関係者が本件通路部分を通行の用に供している利用状況は、いずれも本件各建物の各部屋の賃貸借契約に基づくものであって、この賃貸借契約に基づく制約以外に本件各建物の敷地をそれぞれ他の用途に転用することを困難とする事情があるとは認められないから、本件各建物の敷地の客観的交換価値の低下は評価通達26《貸家建付地の評価》による評価によって尽くされているといえ、本件通路部分について評価通達24により評価すべき客観的交換価値の低下を認めることはできない。(令3.12. 8 大裁(諸)令3-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030036
- 裁決年月日
- 令和3年12月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№125
要旨
○ 原処分庁は、評価対象地(本件各土地)は法令等により土壌汚染の除去等の措置を講ずる義務が生じておらず、本件各土地の価格形成に影響を及ぼすような土壌汚染は認められないから、本件各土地の評価に当たり、土壌汚染がないものとした場合の評価額から浄化・改善費用相当額を控除すべきではない旨主張する。しかしながら、本件各土地は、相続開始日において、土壌汚染対策法所定の基準を超える特定有害物質を地中に含有していたことが認められ、土壌汚染のある土地と認めるのが相当であることから、本件各土地の評価に当たり、浄化・改善費用相当額を控除すべきである。そして、本件各土地及びその周辺の状況や土壌汚染の状況から、本件各土地について最有効使用ができる最も合理的な土壌汚染の除去等の措置は掘削除去であると認められるところ、請求人が主張する土壌汚染対策工事の各見積額(本件各見積額)は、掘削除去を前提としたものであり、その前提となる浄化・改善方法の選定及び各見積額の算定過程に特段不合理な点は見当たらず、浄化・改善費用の金額として相当であると認められるので、本件各土地の評価に当たり、土壌汚染がないものとした場合の評価額から、浄化・改善費用相当額として本件各見積額の80%相当額を控除して評価するのが相当である。(令3.12. 1 東裁(諸)令3-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030030
- 裁決年月日
- 令和3年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の貸付金(本件貸付金)の一部が財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に当たる理由として、①不動産賃貸業を営んでいた債務者(本件法人)は長期間債務超過に陥っており、所有する賃貸物件(本件建物)の老朽化などから事業が黒字化する見込みもなく、相続開始日前に事業を継続しないことを決定していた旨、及び②請求人の返済を受けた金額は市場における財産処分を行った場合の清算価値であり、その金額が本件貸付金の時価であると客観的に立証している旨主張する。しかしながら、①本件建物に賃貸業の継続に支障を生じさせるような事情はなく、相続開始日前に本件法人において事業を継続しない旨を決定していた事実を認めることはできない。また、②請求人が本件貸付金の時価であると主張する金額とは、本件法人が、相続開始日後に、本件建物を売却したほか、被相続人に対する退職金の支払等を経た後の金額であって、相続開始日における本件貸付金の客観的な交換価値すなわち時価を表すものとは認められない。そして、本件法人は、資産状況においては、本件建物に加え、第三者への支払に充当し得る程度の現金及び預金を保有していたものであり、債務超過であることをもって直ちに経済的に破綻しているとはいえず、また、営業状況においても、相続開始後の本件建物の売却時まで安定的に賃料収入を得ていたものであり、上記の資産状況からして、少なくとも、賃料収入の基となる本件建物の売却を余儀なくされる状況であったとはいえないたため、相続開始日において、本件法人が、資産状況及び営業状況等から経済的に破綻していることが客観的に明白であったとは認められない。したがって、本件貸付金の債権金額の一部が、相続開始日において財産評価基本通達205に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するとは認められない。(令3.11. 1 東裁(諸)令3-30)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030007
- 裁決年月日
- 令和3年10月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸用の建物(本件マンション)の敷地である土地(本件土地)は、本件マンションが分譲用物件でないことからすれば、最も有効に活用されているとはいえず、本件土地を将来売却するに当たっては、戸建住宅を目的とする開発行為を行う特段の理由があるといえるなどとして、本件土地が財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地は既に本件マンションの敷地として有効に使用されており、また、本件マンションの状況からすると、近い将来に本件マンションを取り壊し新たな開発行為が行われるといった特段の事情もないといえるから、広大地に該当するとして評価額を減価する必要はない。(令3.10. 1 名裁(諸)令3-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030007
- 裁決年月日
- 令和3年10月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸アパート及び複数の賃貸用戸建住宅の敷地として利用されている土地(本件土地)は、全体を1画地として捉えても、それぞれの利用単位の区画で捉えても、①その地積が「その地域」の平均的な宅地の地積を超える上、市の開発許可面積基準の地積を超えており、また、②開発行為を行う場合には、いずれの場合においても開発道路を設ける必要があるため、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの。本件通達)24-4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件通達7-2が「1画地の宅地」(利用の単位となっている1区画の宅地)を評価単位とする旨定めていることからすると、貸家の敷地に供されている宅地については、個々の貸家の敷地をそれぞれ1画地の宅地としてみるべきである。このため、本件土地の評価に当たっては、賃貸アパート及び複数の賃貸用戸建住宅の各敷地をそれぞれ1画地として評価することになるところ、そのうちの最大地積の区画であっても、「その地域」において戸建住宅の敷地として利用されている区画の平均的地積の約1.5倍にすぎないから、本件土地の各画地は、いずれもその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であるとは認められないため、いずれも広大地に該当しない。(令3.10. 1 名裁(諸)令3-7)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令030002
- 裁決年月日
- 令和3年9月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件土地に存する建物基礎部分等(本件基礎等)は、財産評価基本通達1《評価の原則》の(3)の「その財産の価額に影響を及ぼすべき事情」に該当するため、本件土地の評価上、本件基礎等の撤去費用を控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、本件相続開始日において、本件基礎等が存する部分を含めて、現に駐車場として支障なく利用されており、本件基礎等の存在が土地の利用価値を毀損しているとは認められず、また、本件基礎等の撤去を義務付けるなどの法令の規定や公的機関からの撤去の指示等もないのであるから、本件土地の評価上、当該撤去費用を控除する理由はない。(令3. 9. 8 福裁(諸)令3-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030020
- 裁決年月日
- 令和3年9月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件1土地(市街地農地)、本件2土地(生産緑地)、本件3土地(市街地農地)の順に位置する各土地の評価単位について、全て農地で畑として耕作の単位となっていること、開発許可を受けるにはその土地だけでなく奥の土地の開発行為をしなければならないことを考慮して許可が得られるものであり過去にその前提で行政からの指導を受けたこと、本件2土地は、いつでも買取りの申出できる状態にあり制限等に差異がないことから、本件1土地、本件2土地、本件3土地を併せて一の評価単位とすべき旨主張する。しかしながら、本件2土地は、生産緑地法第10条《生産緑地の買取りの申出》に基づく買い取るべき旨の申出が行われていないため、同法第7条《生産緑地の管理》第1項及び同法第8条《生産緑地地区内における行為の制限》第1項の規定に基づく利用及び処分に係る制約があり、利用単位ないし処分単位の異なる本件2土地が本件1土地と本件3土地の間にあることからすれば、本件1土地、本件2土地及び本件3土地のそれぞれが「利用の単位となっている一団の農地」であって、それぞれが異なる評価単位となるから、当該各土地の評価単位を一とすべきことにはならない。(令3. 9. 6 東裁(諸)令3-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030020
- 裁決年月日
- 令和3年9月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件1土地(市街地農地)、本件2土地(生産緑地)、本件3土地(市街地農地)の順に位置する各土地の評価における広大地補正率について、農地を宅地化する際の公共公益的施設用地の負担割合は既に開発行為の許可により工事した土地と同様になること、広大地補正率を求めるときの分子の地積を評価単位の地積と同一とすべき理由はないことから、「広大地の地積」を当該各土地の合計面積として計算すべきである旨主張する。しかしながら、実際の公共公益的施設用地の負担割合は隣接する土地の開発行為にあっても異なるものであり、財産評価基本通達の構造からすれば、まず土地及び土地の上に存する権利の評価に係る通則(同通達第2章第1節)である同通達7《土地の評価上の区分》及び7−2《評価単位》の定めによって土地の評価単位を画した後、その画された評価単位に基づいて広大地に当たるか否かを検討すべきことは明らかである。したがって、広大地補正率の計算における「広大地の地積」は、本件各土地の合計面積とすべきことにはならない。(令3. 9. 6 東裁(諸)令3-20)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030007
- 裁決年月日
- 令和3年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した2棟の共同住宅の敷地(東側道路のみ接し、2棟とも同じ法人に一括貸しされているが賃貸借契約は別個)に係る評価単位について、共同住宅の位置から南北2つに区分すべき旨主張し、原処分庁は、東西2つに区分すべき旨主張する。しかしながら、請求人らの主張は、一方の共同住宅の入居者が利用する駐車場の敷地が他方の共同住宅の敷地に含まれており、各賃貸契約の内容や現実の利用状況に合致していないことから相当ではなく、原処分庁の主張は、一方の共同住宅の敷地が接道要件を満たすものとなっていないため相当ではない。土地の評価単位は、宅地の所有者による自由な使用収益を制約する賃借権その他評価通達9《土地の上に存する権利の評価上の区分》に定めるような権利の及ぶ範囲によって決するのが相当であるから、本件の場合、各共同住宅の敷地及びその入居者が利用する駐車場の敷地ごとに区分した上で、東側道路に接している共同住宅の敷地部分に、道路に接していない共同住宅の敷地の接道要件を満たす共用部分を設け、当該共用部分を各共同住宅の敷地面積比により按分し、各共同住宅の敷地面積にそれぞれ加えたところで評価するのが相当である。(令3. 8.30 大裁(諸)令3-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030007
- 裁決年月日
- 令和3年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した共同住宅の敷地として利用されている本件各土地について、本件各土地が所在する地域の標準的使用が戸建住宅の敷地であり、既に開発行為を了しているかどうかは、その地域の標準的な使用に供されているか否かで判断すべきであるため、本件各土地は、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、既に開発行為を了してマンション等の敷地として利用されている宅地については、近い将来において新たな開発行為を行うべき事情等の特段の事情がない限り、その現状が経済的に最も合理的であるというべきであり、あえて潰れ地が生じるような開発行為を行う必要性は見出せないことから、既に開発行為を了しているか否かは、評価の対象となる宅地の現況によって判断するのが相当であり、近い将来において新たな開発行為を行うべき事情等の特段の事情が認められない本件各土地は、広大地に該当しない。(令3. 8.30 大裁(諸)令3-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030007
- 裁決年月日
- 令和3年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件土地の評価に当たり、本件土地の前に本件墓地が存していることにより、本件土地の取引金額に影響を及ぼしその利用価値が著しく低下しており、またその状況が路線価においても考慮されていないから、減額して評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人らは、本件土地の減価について、当初申告では行っておらず、その後の更正の請求において主張するに至ったものであり、納税義務者において一旦申告書を提出した以上、その申告に係る財産の評価に誤りがあること、すなわち本件土地の取引金額に影響を及ぼすと認められる事情等については、最終的に納税義務者の責任において明らかにすべきものと解するのが相当である。請求人らの主張立証を前提としても、本件墓地の存在を理由に、本件土地の取引金額に影響を及ぼしていることを具体的に認めるに足りる事情はうかがえず、当審判所の調査によってもその具体的事情は認められないことから、本件土地については、利用価値が著しく低下している宅地として減額して評価すべきとは認められない。(令3. 8.30 大裁(諸)令3-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030003
- 裁決年月日
- 令和3年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続等により取得した同族法人(本件法人)の株式(本件株式)の評価に当たり、財産評価基本通達(評価通達)が定める「S1+S2」方式を選択して評価することについて著しく不適当と認められる特別の事情がないから、評価通達6《この通達の定めにより難い場合の評価》を適用すべきでない旨主張する。しかしながら、①本件法人が相続直前にした新株発行(本件新株発行)による本件被相続人からの資金の調達及びその資金(本件資金)を含む本件法人の資産の運用に係る一連の行為は、相続税の課税価格を圧縮して節税することを直接の主たる目的としてなされたものであるところ、②本件株式の価額を「S1+S2」方式により評価すると本件資金の額と大きくかい離することとなるが、本件新株発行から相続開始までの短期間に本件株式の客観的交換価値が下落した気配はなく、本件資金の客観的な交換価値が損なわれたことをうかがわせる事情もないから、「S1+S2」方式による評価額が相続開始時の本件株式の客観的交換価値を適正に示しているとみるのは極めて困難である。他方、③本件株式の価額を評価通達が定める純資産価額方式により評価すると、本件資金の額や報告書の評価額と近似している。これらの事情の下において、「S1+S2」方式の選択を許すことは、請求人らと同等の措置を採らなかった他の納税者との間で租税負担の実質的な不公平を著しく害する結果になるから、上記の特別の事情がある。(令3. 8.27 関裁(諸)令3-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030003
- 裁決年月日
- 令和3年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続等により取得した同族法人(本件法人)の株式の評価に当たり、本件法人が財産評価基本通達(評価通達)189《特定の評価会社の株式》の(2)に定める株式保有特定会社に該当しない旨主張する。しかしながら、本件法人が相続直前にした本件被相続人への新株発行及び本件法人の資産の運用に係る一連の行為は相続税の課税価格の圧縮をして節税することを直接の主たる目的としてなされたものといえるから、本件法人の上記資産構成の変動は合理的な目的がなく、株式保有特定会社と判定されることを免れるためのものと認められる。そうすると、評価通達189なお書により当該変動がなかったものとして株式保有特定会社に該当するか否かを判定することになり、判定の結果、株式保有割合は50%以上となるから、本件法人は株式保有特定会社に該当する。(令3. 8.27 関裁(諸)令3-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030001
- 裁決年月日
- 令和3年8月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№124
要旨
○ 原処分庁は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地に該当するか否かの判定に当たり、①評価対象地(本件土地)は共同住宅の敷地として利用されており、現に有効利用されていること、②その地域における標準的な宅地の面積に比して著しく地積が広大かについては、指標となる各自治体が定める開発許可を要する面積基準(開発許可面積基準)を満たすか否かにより判断すべきであること、③本件土地は、路地状開発をすることができ、公共公益的施設用地の負担が必要とは認められないことから、本件土地は広大地に該当しない旨主張する。しかしながら、①その地域における標準的な宅地の使用は、戸建住宅の敷地としての利用であるから、本件土地は、現に宅地として有効利用されているとは認められないこと、②広大地の判定に当たり、開発許可面積基準を指標とすることに合理性はあるものの、当該基準を満たさないことをもって直ちに広大地に該当しないとすることはできないこと、また、③本件土地の経済的に最も合理的な使用は、道路を開設して戸建住宅の敷地とする開発を行うことであると認められることから、広大地に該当する。(令3. 8. 3 関裁(諸)令3-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030001
- 裁決年月日
- 令和3年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、共同住宅の敷地として利用されている土地(本件土地)は、その属する地域(その地域)の標準的使用が戸建住宅の敷地であり、標準的な宅地の地積に比して著しく広大であるため、開発行為を行うとした場合に道路等の潰れ地が生じるから、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、広大地通達の趣旨は、開発行為に伴い潰れ地が生ずることを、当該宅地の価額に影響を及ぼすべき客観的な事情であるとして評価額の減額補正を行うという点にあり、このような潰れ地が生ずることを伴うような開発行為の必要性、すなわち、既に開発行為を了しているか否かは、評価の対象となる宅地の現況によって判断するのが相当である。本件土地は、共同住宅の敷地として、潰れ地を生じさせることなく一体利用している現状が経済的に最も合理的であるといえ、その地域における標準的使用が戸建住宅の敷地であるとして、あえて潰れ地が生ずるような開発行為を行うべき必要性は認められないから、広大地には該当しない。(令3. 7. 6 大裁(諸)令3-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020102
- 裁決年月日
- 令和3年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)に係る財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地該当性の判断について、①本件土地について最も高い価格を提示できるのは、本件土地上に一般住宅を建築して分譲することを目的とする宅地開発業者等であることは開発法により査定した投資採算価格で証明されるから、本件土地の最有効使用は戸建分譲住宅用地であり、本件土地は中高層の集合住宅等の敷地用地に適したもの(マンション適地)として広大地の評価が適用されないものには該当しないこと、②本件土地について集合住宅等に係る規制が厳しくないと判断するのは、本件土地(容積率200%)の使用可能容積率が165%であるという個別性を無視したものであること等から、本件土地は広大地に該当する旨主張する。しかしながら、上記通達の趣旨に照らし、本件土地については、本件土地の所在する地域における中高層の集合住宅等の建築に係る開発規制が厳しくなく、地区計画により中高層住宅の誘導が図られている地域であること、並びに公的施設及び商業地への接近性が優れていること等を考慮の上、客観的に判断して、マンション適地に該当すると認められるところ、上記①については、本件土地について区画割りを前提とした戸建分譲を想定した上記査定価格(開発道路開設による潰れ地を考慮したもの)は、請求人らに対する各更正処分における本件土地の評価額と、ほぼ同額となっており、更なる減額を必要とする請求人らの主張と必ずしも整合しないこと、また、上記②については、当審判所は、仮に本件意見書のとおり本件土地の使用可能な容積率が165%であることを前提にした場合であっても、本件土地に中層の集合住宅を建築することは可能であると認める。(令3. 6.28 東裁(諸)令2-102)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令020012
- 裁決年月日
- 令和3年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡父の相続財産である土地(本件土地)について、本件土地の存する「その地域」の標準的な使用は戸建住宅の敷地であり、戸建住宅用の分譲用地として開発行為を行うとした場合には公共公益的施設用地の負担が生ずるから、本件土地は財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4≪広大地の評価≫に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、審判所が認定した本件土地の存する「その地域」(本件地域)において、標準的な使用は事業用建物等の敷地であり、本件土地は本件地域における標準的な宅地の地積に比し著しく広大であると認められるものの、本件地域の標準的な宅地の地積に基づき本件土地を区画割すると、幹線道路に接する3区画又は4区画の土地に区割りすることが可能であり、公共公益的施設用地の負担が必要とは認められないから、本件土地は広大地に該当しない。(令3. 6.24 広裁(諸)令2-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令020021
- 裁決年月日
- 令和3年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地の標準的な宅地の地積の算定に当たっては、既存の戸建住宅の敷地の面積を平均するのではなく、近年(相続開始時)における開発事例に基づいて算定すべきである旨、及び、その面する道路より高さがあることを考慮すると、区画を区分する際にそれぞれ面する道路からの進入路を設置すべきで、公共公益的施設用地の負担が生じるから、各土地は財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定めのある広大地に該当する旨主張する。しかしながら、標準的な宅地の地積は、地価公示の標準地等の地積やその地域における宅地の標準的な使用に基づく平均的な地積を勘案して求めた地積を指すのであって、請求人らが主張するように近年(相続開始時)における開発事例に基づくべきであると解することはできない。そして、宅地とその面する道路に高低差があるとしても、その高低差を生かした土地の利用が可能であることを鑑みると、道路との高低差があることのみから直ちに進入路を設置することが経済的に最も合理的な開発行為とは認められない。したがって、各土地は、戸建住宅の敷地して開発する場合に公共公益的施設用地の負担が生じないことから、広大地に該当しないというべきである。(令3. 6.15 名裁(諸)令2-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020055
- 裁決年月日
- 令和3年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、その地域の標準的使用及び最有効使用が戸建住宅の敷地で、開発を行うとすると公共公益的施設用地の負担が生じるような場合は、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、既に開発行為を了してマンション等の敷地として利用されている宅地については、近い将来において新たな開発行為を行うべき事情等の特段の事情がない限り、当該マンション等の敷地として潰れ地を生じさせることなく一体利用している現状が経済的に最も合理的であるというべきであるから、請求人らが相続により取得した共同住宅の敷地として利用されている土地は、広大地には該当しない。(令3. 6. 7 大裁(諸)令2-55)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020030
- 裁決年月日
- 令和3年5月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが相続により取得した各土地(本件各土地)はいずれも線路の近隣に存するが、本件各土地が接する路線価(本件各路線価)は、鉄道の騒音による影響を考慮して設定されたものとは考え難いから、国税庁ホームページのタックスアンサー「№4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件取扱い)により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件各路線価は、鉄道の騒音による影響を考慮して算定された不動産鑑定士による精通者意見価格を基に設定されたものであるから、本件各路線価にも鉄道の騒音による影響が考慮されているといえ、また、当該騒音により付近にある他の宅地と比較してもなお本件各土地の利用価値が著しく低下していると認められる事情があるということもできないから、本件各土地の価額を本件取扱いにより減額して評価すべきとは認められない。(令3. 5.26 関裁(諸)令2-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020079
- 裁決年月日
- 令和3年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した借地権(本件借地権)について、①その敷地(本件敷地)が路地状敷地に該当することで同地上の建物の建築が長屋等に制限され、その場合の条例適用により生じる減価要因(建築面積減少及び容積率消化不能)が、財産評価基本通達(評価通達)による評価方法では本件借地権の評価に反映されないことが評価通達に定める評価方法によるべきではない特別の事情に該当する旨、②本件敷地上の建物の建替えに係る減価要因(地主からの建築承諾料支払要請及び地代増額要請)が、評価通達による評価方法では本件借地権の評価に反映されないことが上記特別の事情に該当する旨、及び③周辺の賃料相場を基に算定する収益還元法により査定された本件借地権の査定額を基にした売却価額が本件借地権の客観的交換価値である旨主張する。しかしながら、①本件借地権については、評価通達20《不整形地の評価》の定めや評価通達20−5《容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価》の定めを適用して評価することにより、本件敷地の形状等に起因する減価要因について評価額に適切に反映されるから、当該減価要因があることが特別の事情とはいえず、また、②評価通達27《借地権の評価》の定めが、通常、建築承諾料や地代の額も踏まえて決定される借地権の売買実例価額等を参考として、一定の地域ごとに適用可能として定めた借地権割合を用いて借地権の価額を算定するとしていることから、建築承諾料の支払及び地代増額要請があることも特別の事情とはいえず、さらに、③譲渡時における譲渡当事者間の諸事情を反映して決せられる現実の売却価額は、そもそも何らの事情補正等を行うことなく、直ちに客観的交換価値を表しているとみることはできず、相続税の算定の基礎となる時価の概念に、そのような不確定要素を持ち込むことは、むしろ実質的な租税負担の公平を害することにもなりかねない上、本件借地権の売却価額は、その相当性が不明な不動産業者の査定額に請求人らの意向で更にその10%が加算されたものであること及びその売却が相続開始日から約2年後であることも併せ考えると、当該売却価額を根拠に本件借地権の客観的交換価値を求めることはできない。(令3. 5.11 東裁(諸)令2-79)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令020015
- 裁決年月日
- 令和3年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産(本件不動産)の評価について、①建物(本件建物)は著しく老朽化し、賃貸物件として採算が見込めず、取壊しが必要な状況であり、本件建物の取壊し費用等が見込まれたこと、②本件不動産の売却価格(本件売却価格)が時価であり、本件売却価格と通達評価額との間に著しい乖離があること、③土地(本件土地)を更地化することが本件不動産の最有効利用であり、その判断の下で算出された鑑定評価額と通達評価額との間に著しい乖離があることから、評価通達に定める評価方法では適正な時価を適切に算定することができない特別な事情がある旨を主張する。しかしながら、①経年減点補正率が設定された経過年数(60年)まで約14年の残存年数があること、②本件建物の主要構造部分は健全であること、③15室のうち4室に入居者がいたこと、④本件不動産の買主は、入居者が立退きに応じなかった場合には本件建物の継続使用を考えていたことからすれば、相続開始当時、本件建物について取り壊しが必要であったという事情は認められない。また、本件売却価格は、一定の条件が付加された上で成立した価格であることから、本件不動産の客観的交換価値(時価)であるとまで認められない。さらに、本件建物は少なくとも一部について相応の経済的価値が認められたこと等から、本件不動産の最有効使用が本件土地を更地化することであると直ちに認めることは困難である。したがって、請求人の主張はいずれも特別の事情に該当するとはいえない。(令3. 4.26 名裁(諸)令2-15)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020024
- 裁決年月日
- 令和3年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件各畑)について、原処分庁が財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの。評価通達)に定める評価方法に従って評価した価額(本件評価額)には、近隣の畑の取引事例(本件取引事例)の価格を基に算定した評価額を上回り、著しいかい離があることから、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、本件評価額は、評価通達37《純農地の評価》に定める評価方法に従って評価されたものであるし、また、不動産取引価格は当事者の個別事情等を踏まえて形成されるのが通常であることに加えて、本件取引事例における取引が行われた時期等も併せ考慮すれば、本件取引事例をもって直ちに評価通達に定める評価方法によるべきではない特別な事情があるとは認められないから、本件評価額に時価を上回る違法があるとはいえない。(令3. 3.31 関裁(諸)令2-24)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020024
- 裁決年月日
- 令和3年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802049
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件山林)について、原処分庁が財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの。評価通達)に定める評価方法に従って評価した価額(本件評価額)には、本件山林が接する道路の路線価(本件路線価)が傾斜の有無等にかかわらず同額で設定されていて不合理であることなどから、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、本件評価額は、評価通達24−4《広大地の評価》等に定める評価方法に従って評価したものであり、その評価の基礎とした本件路線価も道路の傾斜等を考慮して適性に設定されたと認められる上、その他に評価通達に定める評価方法によるべきではない特別な事情があるとも認められないことなどに照らすと、本件評価額に時価を上回る違法はない。 (令3. 3.31 関裁(諸)令2-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020066
- 裁決年月日
- 令和3年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人以外の相続人が遺贈により取得した借地権(賃借面積約1,800㎡。本件借地権)の評価について、財産評価基本通達(平成25年5月27日付課評2−20他による改正前のもの。評価通達)の定めにより難い特別な事情(①賃借面積広大、②地代高額)があるから、本件借地権の価額は、各事情を反映し本件借地権全体を一括して評価した不動産鑑定士の鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、①評価通達7−2《評価単位》(1)は、宅地の取引が通常利用単位ごとに行われ、その取引価格は、その単位を基に形成されることなどから、「1画地の宅地」(利用の単位となっている1区画の宅地)を評価単位とする旨を定めており、宅地の所有者がその所有する宅地の上に複数の貸家を所有している場合には、母屋と離れのように当該各貸家が一体で機能している特段の事情が認められる場合を除き、各貸家の敷地部分をそれぞれ1画地の宅地とみるのが相当であるところ、8棟の建物の敷地として、それぞれが利用の単位となっている本件借地権は、当該各建物の敷地部分を評価単位とすべきであり、そうすると、当該各建物の敷地部分の面積はそもそも広大であるとは認められない。そして、②本件借地権について、実際に支払われている地代の金額は、通常の地代の額(「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」通達に定める相当の地代の額の算定方法に準じて、自用地としての価額から通常支払われるべき権利金に相当する借地権部分を控除した後のいわゆる底地部分に相当する価額の過去3年間の平均額の6%相当額)を大きく下回ることから、通常の地代より高額であるとは認められない。その他、鑑定評価の前提とされた事実について、評価通達の定めにより難い特別な事情と認められるものは見当たらないから、本件借地権の価額は、評価通達の定める評価方法により評価することが相当である。(令3. 3.23 東裁(諸)令2-66)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020042
- 裁決年月日
- 令和3年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続(本件相続)により取得した本件土地1、本件土地2及び本件土地3(本件各土地)と本件各土地の北側にある主要道との間に存する土地(本件隣接地等)については、本件相続の約20年前に、現在、請求人らが取締役及び同族株主である同族法人に対し、分筆前の土地の共有者であった被相続人及び請求人らから分筆後、売買(本件譲渡等)したものであり、①当該同族法人は、本件譲渡等の後、本件相続の開始日まで本件隣接地等を有効利用しており、本件隣接地等は、その面積からすると、宅地として通常の用途に供することができないとはいえないこと、②本件譲渡等の一部については、正常な時価による売買と認められること、③本件各土地全体からすると、本件土地1の西側の道路に接しており、無道路地ではないことから、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)7−2《評価単位》(1)の注書に定める不合理な分割(不合理分割)には該当しないこと、そして、④不合理分割には売買は含まれず、同族関係者と同族法人との間の取引は含まれない旨主張し、本件各土地のみを1画地の宅地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、①本件隣接地等は帯状地又は不整形地であり、本件各土地が存する地域の標準的な宅地の面積に照らしても、本件隣接地等のみでは、有効な土地利用が図られないと認められること、②正常な時価による売買であることは、不合理分割に該当するか否かの判断を左右しないこと、③本件各土地が無道路地等となったこと、④不合理分割には、その趣旨から売買及び同族関係者と同族法人との間の取引も含まれることから、本件譲渡等は、不合理分割に該当するというべきであり、本件各土地と本件隣接地等とを合わせて、それぞれを1画地の宅地として評価するのが相当である。(令3. 3.22 大裁(諸)令2-42)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020042
- 裁決年月日
- 令和3年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件土地1、本件土地2及び本件土地3(本件各土地)について、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(広大地通達)の定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、広大地通達にいう「その地域」は、①河川や山などの自然的状況、②行政区域、③都市計画法による土地利用の規制などの公法上の規制等、④道路、鉄道、公園など、土地の利用状況の連続性及び地域としての一体性を分断することがあると一般に考えられる客観的な状況を総合勘案し、各土地の利用状況、環境等がおおむね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとかたまりの地域を指すものと解するのが相当であるところ、本件各土地の存するする地域は、用途地域が準工業地域、高度地区が第四種高度地区に指定された地域であるのに対し、本件各土地の存する地域に隣接する地域は、用途地域が準住居地域、第一種住居地域(高度地区はいずれも第三種高度地区)及び工業地域(高度地区の指定なし)に指定された地域であり、本件各土地の存する準工業地域内においても、特別用途地区が指定されていることなどからすると、本件各土地の存する「その地域」は、本件各土地の存する準工業地域のうち特別用途地区を除いた地域(本件地域)であるとするのが相当である。そして、本件地域の標準的な宅地の地積は5,500㎡から6,000㎡(本件標準地積)と認められ、本件土地2及び本件土地3は、本件標準地積に比して著しく地積が広大な宅地に該当せず、本件土地1は、本件標準地積に比して著しく地積が広大な宅地ではあるものの、本件標準地積で区画割を行う際には公共公益的施設用地の負担が必要とは認められないため、本件各土地は、いずれも広大地通達に定める広大地に該当しない。(令3. 3.22 大裁(諸)令2-42)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020017
- 裁決年月日
- 令和3年3月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した地積約1,000㎡の土地(本件1土地)及び地積約4,600㎡の土地(本件2土地)について、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(本件通達)に定める「その地域」(請求人ら主張地域)における宅地の標準的な使用は戸建住宅の敷地で、その地積は約100㎡から120㎡であるから、いずれもそれに比して著しく地積が広大な宅地といえる上、都市計画法第4条《定義》第12項に規定する開発行為を行うとした場合に道路等の潰れ地が生じるため、本件通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、請求人ら主張地域には、河川、行政区域、公法上の規制等からみて利用状況、環境等が同一とは認められない地域が混在しており、本件通達に定める「その地域」は原処分庁が主張する「その地域」(原処分庁主張地域)が相当と認められる上、原処分庁主張地域における宅地の標準的使用は倉庫又は工場等の敷地で、その地積は約1,900㎡であるから、本件1土地はそれに比して著しく地積が広大であるとは認めらず、また、本件2土地はそれに比して著しく地積が広大ではあると認められるものの、土地の形状等からみて、上記開発行為を行うとした場合に道路等の潰れ地が生じるものではないから、いずれも本件通達に定める広大地に該当しない。(令3. 3. 3 関裁(諸)令2-17)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020014
- 裁決年月日
- 令和3年2月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した同族会社の株式の価額を評価するに当たり、当該同族会社が所有する店舗及び事務所(本件各建物)の価額を財産評価基本通達(評価通達)89《家屋の評価》の定めによる評価方法で評価すると、評価通達89は適正な時価を計算する内容とはなっておらず、その内容が見直されたこともない旨、また、固定資産評価基準は、一般常識では考えられない耐用年数等を定めており、時価との乖離が著しいから、不動産鑑定士が査定した各評価額で評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達89が固定資産評価基準によって決定された固定資産税評価額を基に家屋の価額を評価する方法を採っていることは、適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものであり、本件各建物に係る固定資産税評価額は適正に算定されており、かつ、請求人の主張する特別の事情は、評価通達に定める評価方法によっては適正な時価を求めることができない特別な事情とは認められないことから、本件各建物の評価額は、評価通達89の定めによる評価方法に従い算定された価額とすべきである。(令3. 2.24 仙裁(諸)令2-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020056
- 裁決年月日
- 令和3年2月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)につき、路地状開発を行うことが合理的と認められる場合であるかどうかの判断に当たって、①開発道路を敷設した方が標準的な整形地の区画を多く販売できるので経済的かつ合理的であり、②路地状開発の方が開発道路を敷設する場合に比べて敷地面積が大きくなるので容積率及び建蔽率の計算上有利かは根拠とすべきでなく、③また、判断が困難な場合は、中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの(マンション適地)の判定と同様に広大地に該当するものとしてもよいとし、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(本件通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、上記①ないし③については、①車両等の進入の容易さという観点からは、前面道路の広い路地状開発の方が合理的であるともいえる上、請求人らが主張する鑑定評価の開発法による価額からも開発道路を敷設した方が路地状開発よりも、経済的により合理的であると認めることもできず、そして、②路地状開発の合理性の判断においても、その容積率及び建蔽率の計算上有利であるかを総合勘案することは相当であるし、実際にも、その計算上有利であることによって、標準的な宅地の地積を確保しつつ開発道路を敷設した場合に比べて1区画多く販売することが可能であり、さらに、③路地状開発を行うことが合理的と認められる場合であるかどうかの判断をマンション適地の判定と同様にすべき理由はない。したがって、本件土地は、路地状開発を行うことが合理的であると認められるから、その開発区域内に道路等の開設が必要な宅地であるとはいえず、「公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」には当たらないため、本件通達に定める広大地に該当しない。(令3. 2. 9 東裁(諸)令2-56)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020012
- 裁決年月日
- 令和3年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400805030
- 争点
- 8財産の評価/5動産/3書画骨とう品
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、申告した美術品(本件各美術品)について、①申告時の評価の基となる査定額は精通者意見価格と認められないこと、②請求人が申告後に依頼した業者による査定額はいずれも申告時の評価額を下回ることなどから、本件各美術品の評価額は、請求人が申告後に依頼した業者の査定額により評価すべき旨主張する。しかしながら、申告時の評価の基となる査定額は精通者意見価格と認められ、その査定は相続開始時に近い時期に行われたことからすれば、申告時における本件各美術品の評価額は相続開始時の時価と認められる。(令3. 1.20 関裁(諸)令2-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020012
- 裁決年月日
- 令和3年1月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)について、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大であり、さらに開発行為を行うとした場合に道路開設を伴うことが、路地状開発と比較して経済合理性や利便性があるから公共公益的施設用地の負担が必要であると認められ、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(本件通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件各土地について、地積については著しく広大と認められるものの、現にその地域において路地状開発が行われている一方で、道路を開設する開発は存在せず、さらに本件各土地は道路の開設をせずにその地域における標準的な宅地の地積で区画割をすることが可能である。したがって、本件各土地は、開発を行うに際して公共公益的施設用地の負担が必要と認められないので、本件通達に定める広大地には該当しない。(令3. 1. 8 仙裁(諸)令2-12)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令020002
- 裁決年月日
- 令和2年12月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802011
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/1地目
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、請求人らが相続により取得したF土地ないしK土地(本件各土地)の財産評価基本通達7《土地の評価上の区分》の適用につき、本件各土地は、現況上、原処分庁主張の中間原野ではなく、純山林として評価すべきである旨主張する。しかしながら、地目判定に当たってその現況をみると、本件各土地は、いずれも雑草、灌木及び立木が混在して生育する土地であり、原野と山林いずれの性質も有していると認められるところ、本件各土地は、市街地付近に存在し、近隣も一定程度開発が進んでいる利用状況にあることからすると、純山林及び中間山林の倍率の定めのない地域にある本件各土地を中間原野と認定した原処分を違法ということはできず、また、原処分庁が本件各土地を中間原野と認定した評価額は、場所的近接性及び周辺環境の類似性などを考慮して抽出した売買実例の価額を大きく下回っていることが認められるから、少なくとも、本件各土地に係る原処分庁の評価額は、相続税法第22条《評価の原則》に規定する「時価」を超える違法な価額であるとは認められない。(令2.12.24沖裁(諸)令2-2)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令020002
- 裁決年月日
- 令和2年12月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、請求人らが相続により取得したD土地及びE土地の財産評価基本通達7《土地の評価上の区分》ただし書の適用につき、E土地は急傾斜で将来的な売買取引の蓋然性がない以上、D土地及びE土地を宅地として一体評価することはできず、D土地を雑種地、E土地を純山林として評価すべきである旨主張する。しかしながら、D土地及びE土地は、隣接した位置関係にあって、相互に地続きで平たんな部分を多く含む形状をしていることが認められるところ、E土地の大部分は工場立地法上の「緑地」に対応しており、相続開始時点において、D土地及びE土地は工場敷地として利用され相互に効用を発揮していると認められるから、D土地及びE土地は宅地として一体評価すべきである。(令2.12.24沖裁(諸)令2-2)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令020002
- 裁決年月日
- 令和2年12月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○原処分庁は、請求人らが相続により取得したA土地、B土地及びC土地(本件各土地)の財産評価基本通達24−4《広大地の評価》の適用について、建蔽率及び容積率の有利性や具体的な土地活用における利便性の確保の程度などを考慮すると路地状開発を行うことが合理的であるから、本件各土地は、広大地に該当しない旨主張する。しかしながら、路地状開発は、建蔽率等の計算において有利である一方で、各画地の開口部分が狭くなり、また、建物が密集することなどの不利益もあることから、一般に、土地利用に比較的余裕のある地域では選好されない傾向が認められるところ、本件各土地の存する「その地域」内において路地状開発による開発事例は僅少にとどまっており、同地域は一般的に道路を開設しての開発が行われている地域と認められるから、本件各土地の経済的に最も合理的な使用は、道路を開設して戸建住宅の敷地とする開発を行うことであると認められる。したがって、本件各土地は、いずれも開発行為を行う場合に公共公益的施設用地の負担が必要となる土地と認められ、広大地に該当する。(令2.12.24沖裁(諸)令2-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020008
- 裁決年月日
- 令和2年12月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、貸家の敷地とともに相続した私道(本件私道)の評価に当たり、評価通達26《貸家建付地の評価》を適用する旨主張する。しかしながら、本件私道は、アスファルトで舗装され、私道の用に供されている宅地である上、その大半が、建築基準法第42条《道路の定義》第1項第5号に規定する道路の位置の指定を受け、同法第44条《道路内の建築制限》第1項の規定により建築物等の建築ができないものであるから、本件私道は貸家の敷地の用に供されているとは認められず、評価通達26の定めを適用することはできない。(令2.12.16関裁(諸)令2-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020008
- 裁決年月日
- 令和2年12月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○原処分庁は、相続財産である土地(本件土地)の評価に当たり、想定整形地の各辺の距離を公図上の長さを出力縮尺で割り戻すなどして不整形地補正率を0.96とすべき旨主張する。しかしながら、土地家屋調査士が業務上作成し、その記載内容を信用できる法務局保存の地積測量図によれば、その不整形地補正率は0.92とすべきである。(令2.12.16関裁(諸)令2-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020008
- 裁決年月日
- 令和2年12月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、相続した土地建物(本件各不動産)の評価額について、本件各不動産の譲渡(本件譲渡)における譲渡価額によるべきであり、財産評価基本通達に定める評価方法により本件各不動産の価額を評価した価額(通達評価額)は本件譲渡に係る譲渡価額を上回るから、通達評価額には時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、不動産の取引価格は取引当事者の個別的事情等を踏まえて形成されるのが通常であるし、本件譲渡が行われた時期等も併せ考慮すれば、通達評価額が当該譲渡価額を上回るからといって、直ちに通達評価額に時価を上回る違法があるとは認められない。(令2.12.16関裁(諸)令2-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020027
- 裁決年月日
- 令和2年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、鑑定評価額が相続により取得した土地(本件土地)の時価であり、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法により評価した価額には時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、評価通達に定める評価方法が一般的な合理性を失わず、当該評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情の存しない限り、上記評価方法による評価額は当該相続財産の相続開始時の時価を上回らないものと事実上推認することができる。そして、請求人は、本件土地については①衰退を極めている商店街のアーケード内に位置するため、商業地としての取引は全く成立せず、標準的な住宅地としても、日照及び防犯・安全性等において住環境に全く適さない状況にある、②頓挫した再開発事業(本件再開発事業)の区域内に存するため、建築制限等の制約が課せられたままであり、不動産取引は、買手が敬遠して取引自体存在しないか、通常の価格での取引が成立しない状態が続いており、現時点での最有効活用が不可能である、③不動産取引において通常考慮される現存建物の解体費につき、アーケードを保持したまま解体せざるを得ないため、一般的な解体費よりも相当高額となる、④本件土地上の建物に賃借人が居住しているため、立退料を考慮する必要がある、⑤本件土地上に建物を新築する場合の建築確認申請に当たっては、本件再開発事業の成就の際に当該建物を取り壊す旨の誓約書の提出が必要である、といった評価通達に規定されていない減価要素が存在するため、上記特別の事情に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地の時価に影響を及ぼすような本件再開発事業及び商店街の状況や立退料の発生といった事情は、適正な評価に必要な範囲で、既に評価通達及び本件土地の面する道路の路線価の算定に織り込まれているというべきであるから、請求人が主張する事情は、評価通達の定める評価方法によるべきではない特別の事情には該当しない。(令2.12.8大裁(諸)令2-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020034
- 裁決年月日
- 令和2年11月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、財産評価基本通達(評価通達)185《純資産価額》括弧書に定める評価会社が課税時期前3年以内に取得したコンビニエンスストア(本件不動産)の敷地(本件土地)の価額について、①本件土地に係る帳簿価額の基となる売買価額(本件売買価額)は、投資採算価値を第一の目的とする投資家向けの市場で成立する特定価格であるから、事情補正せずに採用するのは不合理である、②公示価格等を規準し均衡を保つべきである、③貸家建付地としての減額をすべきであるとし、評価会社の帳簿価額に基づいて「通常の取引価額に相当する金額」を算定した原処分が違法であると主張する。しかしながら、①本件売買価額は、法令等による社会的要請という背景がない上、正常価格の前提となる諸条件を満たすものといえることから特定価格には当たらないため、特定価格であることを前提として事情補正をすべきこととはならないし、②公示価格を規準とするとは、評価対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる公示価格に係る標準地との間で位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行い、その結果に基づき当該公示価格と評価対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいうのであって、公示価格等をそのままの価額を用いて評価することではないから、当該価額と帳簿価額の間に開きがあることをもって、当該帳簿価額が課税時期における「通常の取引価額」に相当しない理由があることにはならない。また、③本件不動産に係る家屋は、評価会社が取得する前から存在し、賃貸借契約が継続していたのであって、本件売買価額は、その契約期間が20年近く残っていることも前提として決定されたのであるから、本件不動産が貸家及び貸家建付地であることを前提にしたものにほかならず、本件売買価額に基づく本件土地の帳簿価額は、貸家建付地としての価額であるから、改めて同じ権利を減額すべき理由はない。したがって、評価会社の帳簿価格が本件相続開始日における本件土地の「通常の取引価格に相当する金額」であると認めるのが相当である。(令2.11.25東裁(諸)令2-34)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020009
- 裁決年月日
- 令和2年11月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、同族会社の株式を評価するに当たり、同族会社が所有する店舗及び事務所(本件各建物)の相続税評価額を財産評価基本通達89《家屋の評価》の定めによる評価方法で評価すると時価との乖離が著しいことから、不動産鑑定士が査定した評価額で評価すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達89が固定資産評価基準によって決定された固定資産税評価額を基に家屋の価額を評価する方法を採っていることは、適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものであり、本件各建物に適用される財産評価基本通達89及び固定資産評価基準が一般的な合理性を失わず、本件各建物に係る固定資産税評価額は適正に算定されており、かつ、当該評価方法によっては適正な時価を求めることができない特別の事情も認められないことから、本件各建物の相続税評価額は、財産評価基本通達89の定めによる評価方法に従い評価すべきである。 (令2.11.20仙裁(諸)令2-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020008
- 裁決年月日
- 令和2年8月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、相続により取得した共同住宅の敷地等として利用されている土地(本件土地)について、本件土地の存するその地域(本件地域)の標準的使用は戸建住宅の敷地であり、また、不動産鑑定評価上も、本件土地の最有効使用は、戸建住宅分譲用地と判断されることから、最有効使用の状態にあるとはいえず、「現に宅地として有効利用されている建築物等の敷地」には該当せず、本件地域の標準的使用である戸建住宅の敷地として開発を行う場合には公共公益的施設用地の負担が生ずるから、本件土地は財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、評価対象地が、その地域の標準的使用に供されておらず、不動産鑑定評価において最有効使用の状態にないと判断されたとしても、当該土地や周辺土地の現在の利用の程度、状況及び将来の開発の見通し等に照らし、社会通念上開発行為を了しているときには、広大地の評価をすることは認められないというべきであり、本件土地は、いずれも社会通念上開発を了していると認められ、一体利用している現状が経済的に最も合理的であるから、いずれも広大地に該当しない。 (令2.8.21大裁(諸)令2-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020009
- 裁決年月日
- 令和2年8月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、路線価の設定されていない道路のみに接する土地(本件土地)の評価に当たり、当該道路に接続する路線(本件接続路線)に設定された路線価(本件接続路線価)を基に評価するべきであり、そのように評価することが実情に即さない場合に当該道路に設定された特定路線価を基に評価すべきである旨主張する。しかしながら、路線価の設定されていない道路のみに接する宅地の価額は、当該道路に特定路線価が設定されている場合は、その特定路線価の評定について不合理と認められる特段の事情がない限り、特定路線価を基に評価することが合理的であるところ、原処分庁の申出により当該道路に設定された特定路線価(本件特定路線価)は、その評定において不合理と認められる特段の事情があるとは認められないから、本件土地の価額は、本件特定路線価を基に評価すべきである。(令2.8.21東裁(諸)令2-9)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020003
- 裁決年月日
- 令和2年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式について、財産評価基本通達(評価通達)に定める類似業種比準価額とすべきであり、原処分庁が、評価通達6を適用した評価額による更正処分は、①評価方法に合理性がない、②相続開始前における株式譲渡の協議は株式の売買予約ではなく、のれん等の無形資産の価値が顕在化したことを示すものではない、③申告した評価額と当該協議の価格との間にかい離があることをもって特別の事情があるとはいえないから違法である旨主張する。しかしながら、類似業種比準価額は、評価通達6を適用した評価額及び当該協議の価格と著しくかい離しており、相続開始時における相続した株式の客観的な交換価値を示しているものとみることはできない。そうすると、相続した株式については、評価通達の定める類似業種比準価額を形式的に全ての納税者に係る全ての財産の価額の評価において用いるという形式的な平等を貫くと、かえって租税負担の実質的な公平を著しく害することが明らかというべきであり、評価通達の定める評価方法以外の評価方法によって評価すべき特別な事情がある。そして、当該協議の価格をもって、主観的事情を捨象した客観的な取引価格ということはできないのに対し、評価通達6を適用した評価額は、合理性があり相続税法第22条に規定する時価であると認められる。(令2.7.8仙裁(諸)令2-3)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020004
- 裁決年月日
- 令和2年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式(本件相続株式)の相続税評価額について、財産評価基本通達(評価通達)に定める類似業種比準価額(本件通達評価額)とすべきであり、原処分庁が、評価通達6を適用した評価額(原処分庁評価額)による更正処分は、①原処分庁評価額には合理性がない、②相続開始前における被相続人とA社との株式譲渡の協議に係る基本合意(本件基本合意)は株式の売買予約ではないため、本件基本合意による価格(本件基本合意価格)はのれん等の無形資産の価値が顕在化したことを示すものではなく、本件通達評価額との比較対象にはならない、③本件通達評価額と本件基本合意価格との間にかい離があることをもって特別の事情があるとはいえない、ことから違法である旨主張する。しかしながら、本件通達評価額は、原処分庁評価額及び本件基本合意価格と著しくかい離しており、相続開始時における本件相続株式の客観的な交換価値を示しているものとみることはできず、本件通達評価額が合理性を有するものと見ることはできない。そうすると、本件相続株式については、評価通達に定める評価方法を形式的に全ての納税者に係る全ての財産の価額の評価において用いるという形式的な平等を貫くと、かえって租税負担の実質的な公平を著しく害することが明らかというべきであり、評価通達の定める評価方法以外の評価方法によって評価すべき特別な事情がある。そして、本件基本合意価格は、主観的事情を捨象した客観的な取引価格ということはできないのに対し、原処分庁評価額は合理性があることから、本件相続株式の相続税法第22条に規定する時価は、原処分庁評価額であると認められる。したがって、評価通達6の適用は適法である。(令2.7.8仙裁(諸)令2-4)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令020002
- 裁決年月日
- 令和2年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、相続により取得した土地(本件土地)について、本件土地が所在する「その地域」の標準的な使用は戸建住宅の敷地で、その地域における標準的な宅地の地積は150㎡程度であるから、本件土地を同程度の規模の区画に区分すると公共公益的施設用地の負担が必要となるから、本件土地は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、審判所が認定した本件土地に係る「その地域」において、標準的な宅地の使用方法は店舗又は事務所の敷地であり、その標準的な宅地の地積は600㎡程度であると認められる。したがって、本件土地の地積はその地域における標準的な宅地の使用における地積と比較して著しく広大であるとは認められないことから、本件土地は広大地に該当しない。(令2.7.7名裁(諸)令2-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010054
- 裁決年月日
- 令和2年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、請求人が相続により取得した家屋等(本件家屋等)の価額を財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法により評価した価額(本件通達評価額)は、評価通達1(3)に定めるその財産の価額に影響を及ぼすべき全ての事情が考慮されていないから、本件家屋等の価額は、不動産鑑定士による鑑定評価額とすべきである旨主張する。しかしながら、本件家屋等に適用される評価通達に定める評価方法は、適正な時価を算定する方法として一般的合理性を有しているところ、本件通達評価額は当該評価方法に従って決定されたものと認められる上、本件家屋等の価額について、当該評価方法によるべきではない特別の事情があるとは認められないから、本件家屋等の価額は、本件通達評価額とするのが相当である。(令2.6.24関裁(諸)令元-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010103
- 裁決年月日
- 令和2年6月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人らは、相続により取得したA土地及びB土地(本件各土地)の相続税評価額は、A土地については、財産評価基本通達(評価通達)25《貸宅地の評価》に定める借地権価額控除方式により評価することには一般的合理性がないため、鑑定評価額によるべき旨及びB土地については、実際の取引価額が時価であるから、評価通達49及び49−2《広大な市街地山林の評価》に定める評価方法による評価額ではなく、売却額で計算すべき旨を主張する。しかしながら、評価通達25が底地の価額について借地権価額控除方式により評価することとしている趣旨は、底地価額は単なる地代徴収権の価額にとどまらず、むしろ将来、借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価額形成されているのが一般的であると認められることなどによるものであると解され、この評価方法は、相続税法第22条《評価の原則》の趣旨及び評価通達の考え方に照らし合理性を有するものと認められる一方、請求人らが主張する鑑定評価額は、比準価格の試算及び収益価格の試算において、不動産鑑定評価基準に基づく検討がされていない点が見受けられ、試算価格の調整についても合理性がないため、相続開始日の適正な時価を適切に表すものとは認められない。また、B土地の売却価額にあっては、時点修正や事情補正を要するため、そのままの金額が相続開始日の時価を表すものとは認められない。以上によれば、原処分における本件各土地の評価通達に基づく価額は、評価通達に定める評価方法により適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるということはできないため、相続税法第22条に規定する時価を上回る違法がないものというべきである。(令2.6.9東裁(諸)令元-103)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010058
- 裁決年月日
- 令和2年6月2日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.119
要旨
〇原処分庁は、相続財産である土地(本件土地)について、請求人が行った列車走行による騒音測定では、騒音による取引金額への影響を確認できないから、国税庁ホームページのタックスアンサー「No.4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」において示された10%減額して評価する取扱い(本件取扱い)を適用することはできない旨主張する。しかしながら、本件土地の評価上適用すべき路線価には騒音要因がしんしゃくされておらず、請求人が行った騒音測定方法は、環境省が示した標準的な測定方法に完全に準拠するものではないものの、不合理な測定方法とまではいえず、測定結果も平成15年10月に実施された府の騒音実態調査における近隣地の測定結果と近似するなど、その測定結果に一定の信用性を認めることができる。また、本件土地の所在する市は、固定資産評価基準に定める所要の補正の一つとして鉄道騒音に対する減価補正を設けており、本件土地の固定資産税評価額の算定上当該補正を適用したことが認められる。したがって、これらを併せて判断すると、本件土地においては相当程度の騒音が日常的に発生し、騒音により取引金額に影響を受けていたと認めるのが相当であるから、本件土地は、騒音により利用価値が著しく低下している土地に該当するとして、本件取扱いを適用して評価すべきである。(令2.6.2大裁(諸)令元-58)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010041
- 裁決年月日
- 令和2年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、各鑑定評価額(本件各鑑定評価額)が各不動産(本件各不動産)の時価であり、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法により評価した価額(原処分庁主張各評価額)には時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、評価通達に定める評価方法が一般的な合理性を失わず、当該評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情の存しない限り、上記評価方法による評価額は当該相続財産の相続開始時の時価を上回らないものと事実上推認することができる。そして、請求人は、①不動産鑑定士の鑑定評価額が適正な時価である、②本件各不動産に係る各建物(本件各建物)は、物理的損耗及び機能的陳腐化により最有効使用の状態になかった、③貸家及び貸家建付地の評価において、専ら賃貸用として建築された家屋に空室が存在したとして、このような事情が上記特別の事情に該当すると主張するが、①鑑定評価の方法が一般に是認できるもので、その評価額が客観的な交換価値として評価し得るものとみることができるものであったとしても、鑑定評価には一定の幅があり得るものであり、②本件各建物は、相続開始時においていずれも建物としての機能を保持しており、本件各建物の物理的損耗及び機能的陳腐化は経年した建物に関して一般的に認められ、固定資産評価基準に定められた経年減点補正を超えて更なる減価を要するものとまでは認められず、③貸家及び貸家建付地の評価において、借家権の負担により生ずる一定の制約を理由に、その家屋及び敷地について、賃貸割合に応じて一律に一定の減額をする評価通達の取扱いは合理的なものであるから、いずれも特別の事情に該当するとはいえない。したがって、本件において、上記特別の事情を認めることはできず、原処分庁主張各評価額に時価を上回る違法はない。(令2. 3.24 大裁(諸)令元-41)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令010012
- 裁決年月日
- 令和2年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である貸付金債権(本件貸付金)について、債務者である同族法人(本件会社)の資産状況は、被相続人から毎期多額の債務免除を受けても債務超過であり、かつ、被相続人から多額の資金提供がないと経営の継続が困難であり、実質的、客観的に破綻していることは明白であることなどから、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、本件会社の資産及び負債、損益の状況は良好であったとは必ずしもいえないものの、①本件会社の負債の大部分は、本件会社の全株式を有する被相続人からの借入金であることから、強制執行などの回収手段によって経営に必要な財産を失う可能性は低かったものと認められること、②本件会社は、売上額が増加傾向にあったことや、被相続人及びその親族である役員に対して役員報酬及び地代として毎期一定額の支出が認められ、相続開始日までに大幅な支出削減を余儀なくされるなどの営業活動が制限される状況であったとは認められないこと、③本件会社の経営は平成25年頃からは被相続人の子が統括し、本件会社が経営するホテル及びレストランの建物の敷地が被相続人の妻の土地であることから、相続開始日以降も、事業を継続できる状況であったことを考慮すると、相続開始後に本件会社が営業を停止したことや、その後の解散、清算結了等をもって、相続開始日において本件会社の営業状況及び資産状況が破綻していたということはできず、評価通達205の(1)ないし(3)に掲げる事情と同視できる程度に債務者の経済状態等の悪化が著しく、その貸付金債権等の回収の見込みがないことが客観的に明白であって、本件貸付金の回収の見込みがないことが客観的に確実であるということはできない。したがって、本件貸付金は、本件相続開始日において、評価通達205が定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」には該当しない。(令2. 3.18 仙裁(諸)令元-12)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和2年3月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№118
要旨
○ 請求人らは、相続により取得したA土地及びB土地(本件各土地)について、いずれも財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、請求人らの主張する広大地通達に定める「その地域」は、交通量の多い幹線道路沿いの地域と当該道路沿いでない地域を一つの地域とし、また、用途地域、建蔽率及び容積率がいずれも異なる二つの地域を一つの地域としていることから、広大地通達の趣旨に照らして、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域と認めることはできない。そして、当審判所が認定した「その地域」(本件地域)における宅地の標準的な使用である駐車場を備えた商業施設の敷地5画地の平均地積は1,190㎡程度であることからすると、本件地域における「標準的な宅地の地積」は1,190㎡程度であると認められるから、B土地(1,190.61㎡)は広大地通達に定める標準的な地積に比して著しく地積が広大な土地とは認められず、また、本件地域に存する土地の経済的に最も合理的な使用は、幹線道路沿いの駐車場を備えた商業施設(いわゆるロードサイド店舗)の敷地としての使用であると認められ、A土地(2213.77㎡)は、地積が大きく、駐車場を備えた商業施設の敷地として使用することが可能な土地であり、現に、相続前から駐車場を備えた商業施設の敷地として一体で使用されていることからすると、A土地の経済的に最も合理的な使用は駐車場を備えた商業施設の敷地として一体で使用することであり、潰れ地が生じない場合に該当する。したがって、本件各土地はいずれも広大地通達に定める広大地に該当しない。(令2. 3.17 沖裁(諸)令元-4)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和2年3月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№118
要旨
○ 請求人らは、相続により取得したC土地ないしE土地(本件各土地)について、一団の土地が戸建分譲を目的とした開発行為を行うことが可能な土地であり、かつ、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの。評価通達)24-4《広大地の評価》に定める広大地の要件を満たす場合は、地目又は利用の有無に関係なく1画地の広大地として評価すべきであり、E土地の開発にはC土地及びD土地が必要不可欠であるから、本件各土地は1画地の土地として広大地に該当する旨主張する。しかしながら、評価通達7《土地の評価上の区分》の本文及び同通達7−2《評価単位》の定めにより、評価単位は、地目の別に区分した上で、他者の権利の存在の有無により区分し、その権利者の異なるごとに区分してそれを1画地の宅地又は一団の原野として評価するのが相当であるところ、宅地であるC土地及びD土地には、それぞれ異なる権利者の有する借地権が設定されており、また、市街地原野であるE土地には第三者の権利が設定されていないことからすると、本件各土地は、それぞれ別個の評価単位として評価するのが相当であるから、併せて1画地の土地として評価することはできない。(令2. 3.17 沖裁(諸)令元-4)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和2年3月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№118
要旨
〇 請求人らは、評価対象地である雑種地の近傍に当該雑種地と状況が類似した雑種地が選定できる場合には当該近傍の雑種地を比準土地として評価する方法を原則とすべきであるところ、相続により取得したG土地及びH土地は、いずれも雑種地であり、評価対象地である雑種地の近傍に当該雑種地と状況が類似した雑種地が選定できる場合に当たるため、G土地は当該土地の雑種地としての固定資産税評価額に1.1(固定資産税評価額と相続税評価額の水準差)を乗じて評価すべきであり、また、H土地はG土地の当該評価額を比準地価額として評価すべきであるから、原処分庁が算定した当該各土地の評価額には時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、G土地は、雑種地として財産評価基本通達(評価通達)82《雑種地の評価》の本文の定めにより、また、H土地は、市街地農地として評価通達40《市街地農地の評価》の本文の定めにより、それぞれ当該各土地の前面に存する道路に接する近傍宅地を比準土地として評価することが相当であり、原処分庁もこれと同様の方法で当該各土地を評価しており、原処分庁が算定した当該各土地の評価額は審判所認定額と同額であると認められる。そして、相続財産の価額は評価通達に定める評価方法に従い算定された評価額をもって相続税法第22条《評価の原則》に規定する「時価」であると事実上推認できるところ、G土地及びH土地の評価に当たり、評価通達に定められた評価方法によるべきではない特別な事情は認められないため、原処分庁が算定した当該各土地の評価額に時価を上回る違法はない。(令2. 3.17 沖裁(諸)令元-4)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和2年3月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№118
要旨
〇 請求人らは、相続により取得したF土地は、F土地を被相続人から賃借していた車両等のリース業を営む法人(本件法人)の有するF土地上の各建築物(本件各建築物)が「建物」に当たるため、財産評価基本通達(評価通達)25の(1)の本文に定める「借地権の目的となっている宅地」に該当する旨主張する。しかしながら、借地権の存否は、借地人がその土地上に建物を築造し、これを所有することが、借地使用の主たる目的か否かにより判断するところ、本件法人は、リース商品である車両等の保管場所として使用する土地が不可欠な業種であり、現に、F土地の大部分を車両等の保管場所として使用しており、本件各建築物の敷地はその僅かな部分を占めるにすぎないこと、また、F土地に係る賃貸借契約書は過去に4回取り交わされているところ、当該各契約書上、いずれも権利金の授受についての取決めがなく、実際に権利金の授受がなされた事実も確認できないことなどから、F土地に係る賃貸借契約は、本件法人のリース商品である車両等の保管場所を確保することを主たる目的とするものであり、F土地に係る賃借権は建物の所有を主たる目的とする賃借権に該当するものとは認められないから、F土地は評価通達25の(1)の本文に定める「借地権の目的となっている宅地」に該当しない。(令2. 3.17 沖裁(諸)令元-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010087
- 裁決年月日
- 令和2年3月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である各土地の評価に当たり、不動産鑑定評価額が時価を表していることを前提に、財産評価基本通達(評価通達)に定めによる当該各土地の評価額には時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、相続財産の価額は、評価通達の定める評価方法を画一的に適用することによって、当該財産の時価を超える評価額となり、適正な時価を求めることができない結果となるなどの特別の事情がない限り、評価通達の定める評価方法によって評価するのが相当であり、評価通達の定める評価方法に従い算定された評価額をもって時価であると事実上推認することができるというべきであるところ、当該各土地の不動産鑑定評価額は、①土地区画整理事業施行中の市街地農地の鑑定評価における開発法の適用、②取引事例比較法の適用、③一般定期借地権の設定された底地の評価における収益還元法の適用について合理性が認められないことから、当該鑑定評価額によっても、評価通達に定める評価方法による評価額が相続開始日における客観的な交換価値を上回ることが明らかであるとはいえず、評価通達に定める評価方法による評価額が相続開始日における時価であるとの推認を覆すに足りるとは認められない。(令2. 3.17 東裁(諸)令元-87)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010071
- 裁決年月日
- 令和2年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)について、平成以降の分譲宅地の平均地積及び分譲収入の最大化の観点から財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(本件通達)に定めるその地域(本件地域)における標準的な宅地の地積は52㎡程度であり、また、道路を設置した開発の方が路地状開発より、分譲収入の想定額が上回ること及び本件地域において路地状開発がほとんど見当たらないことから、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるため、本件通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件地域は新旧の戸建住宅が混在しており、上記平均地積のみをもって本件地域全体の標準的な宅地の地積を表しているとはいえないし、実際の取引価額に基づかない上記分譲収入の想定額を判断の基礎にすることはできない。基準地の地積、標準的使用に基づく宅地の地積の中央値や平均値などを総合勘案して判断すると、標準的な宅地の敷地の地積は84㎡程度と認められる。また、本件地域における戸建分譲の開発事例がほとんど見当たらないことは位置指定道路を設置した開発も同じであり、一般的に路地状開発による戸建分譲が行われている地域ではないとまでは認められない。そして、本件土地は、適法に標準的な宅地の地積に分割でき、容積率及び建蔽率の計算上、位置指定道路を設置した開発より有利であり、路地状開発が経済的に最も合理的であるため、その開発に当たって公共公益的施設用地の負担は必要ないから、本件通達に定める広大地には該当しない。(令2. 2.13 東裁(諸)令元-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010067
- 裁決年月日
- 令和2年2月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した約1,200㎡の地積の土地(本件土地)について、①請求人らが主張する財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める「その地域」(請求人ら主張地域)における宅地の標準的使用は戸建住宅の敷地で、その標準的地積は約130㎡であるから、本件土地は著しく地積が広大な宅地であり、また、②不動産鑑定士による調査では、戸建開発法による試算価格の方がマンション開発法による試算価格より高額となるからマンション適地に該当せず、広大地に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人ら主張地域には、交通量、振動・騒音等からみて環境等が同一と認められない地域が混入しており、広大地通達に定める「その地域」は原処分庁が主張する「その地域」(原処分庁主張地域)が相当と認められ、原処分庁主張地域にはマンションや事業用の建物が混在しており、事業用の建物の平均地積である約470㎡と比較すると本件土地は著しく広大な宅地であると認められるものの、②不動産鑑定士の調査によるマンション開発法の試算価格の算定過程には、隣地に類似性の高い売買事例があるにもかかわらず、遠方の販売単価の低い物件を類似事例として採用するなど不合理な点があり、本件土地は、原処分庁主張地域における過去10年間の開発状況、公法上の規制、公的施設・商業施設への接近性等からみて、マンション敷地として利用することが経済的に最も合理的であると認められるから、広大地通達に定める広大地には該当しない。(令2. 2. 5 東裁(諸)令元-67)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010034
- 裁決年月日
- 令和2年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続開始の日において賃貸している2棟(東棟、西棟)の共同住宅(本件各建物)の敷地は、本件各建物の入居者が、その敷地内にある通路や設備を共用しており、それら設備等の分割工事を行わない限り、本件各建物がそれぞれ独立して貸家としての機能を果たせなくなることから、本件各建物の敷地全体が一体として利用されているものとして、その評価単位を1画地の宅地として評価すべきであるから、財産評価基本通達(平成29年9月20日付改正前のもの)24-4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件各建物は、外観上、東棟と西棟を連結する部分はなく、構造上それぞれ独立した建物であると認められ、機能的にも被相続人と賃貸借契約をした個別の賃借人の居住の用に供されており、東棟と西棟がそれぞれ独立した共同住宅としての機能を有しているものと認められ、母屋と離れのように一体で機能している特段の事情も認めれらないことから、当該敷地の評価単位は、東棟の敷地と西棟の敷地の2画地とするのが相当であり、そうすると、当該各敷地の地積は開発許可を要する面積基準未満となるから広大地に該当しない。(令2. 1.23 大裁(諸)令元-34)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和2年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802990
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)について、平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前の財産評価基本通達(評価通達)に基づき評価して申告したが、評価通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)には不合理な取扱いがあることなどから、上記改正後の財産評価基本通達(改正後評価通達)20−2《地積規模の大きな宅地の評価》に定める評価に準じて規模格差補正率を用いた評価減が適用できる旨主張する。しかしながら、改正後評価通達は、平成30年1月1日以後に相続により取得した財産の評価に適用するものとしてその適用時期等を明確にしているところ、同日より前に開始した相続により取得した本件土地の評価に同通達を適用して評価することはできない。(令2. 1.10 金裁(諸)令元-4)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和2年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)の地区区分が普通住宅地区であるのに対し、本件土地の北側全地域は普通商業・併用住宅地区であり、地区区分が異なると路線価が同額になる可能性は低いから、本件土地の相続財産評価額は、本件土地が面する路線に付された路線価ではなく、本件土地に面していない東側路線に付された路線価を基に算定すべき旨主張する。しかしながら、路線価方式は、その宅地に面する路線に付された路線価を基とし、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)15《奥行価格補正》から20−5《容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価》までの定めにより評価する方式であり、地区区分が異なることを理由に、本件土地に面していない東側路線の路線価に基づき相続財産評価額を算出することは相当ではない。また、地区区分が異なることによる差異は、地区区分ごとに定められた奥行価格補正率等に従って、奥行価格補正等の画地調整が行われることにより評価額に反映されるべき事項であると解される。したがって、本件土地の評価額の計算上基となる路線価は、本件土地の北側に接する路線価である。(令2. 1.10 金裁(諸)令元-4)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和2年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802990
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)を中心として原則半径500mの範囲が財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める「その地域」であるなどの理由により、本件土地は広大地通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、「その地域」とは、①河川や山などの自然的状況、②行政区域、③都市計画法による土地利用の規制など公法上の規制等、④道路、鉄道及び公園など、土地の利用上の利便性や利用形態に影響を及ぼすもの、土地の利用状況の連続性や地域の一体性などの客観的な状況等を総合勘案し、利用状況、環境等がおおむね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解するのが相当であるから、「その地域」について画一的に半径500mの範囲とすることは、評価対象地が置かれている地域の具体的な周辺の状況等を基にした利用状況や環境を考慮することなく判断することになり相当ではない。この点、本件土地の周辺には、道路、河川、広大な面積を有する市場がそれぞれ位置している状況や、公法上の規制等が道路等を境に異なっていることなどからすれば、本件土地の利用状況の連続性及び地域の一体性は、これらの道路、河川、市場を境にして分断されていると認められる。したがって、これらを基に当審判所が認定した「その地域」における宅地の標準的使用に基づく標準的な地積によれば、本件土地は広大地に該当しない。(令2. 1.10 金裁(諸)令元-4)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和2年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802990
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)について、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)20−2《無道路地の評価》(無道路地通達)で定める「建築基準法その他の法令において規定されている建築物を建築するために必要な道路に接すべき最小限の間口距離の要件(接道義務)に基づき最小限度の通路を開設する場合」における当該通路部分の間口距離は、地方公共団体が定める宅地開発に関する指導要綱に基づき、開発許可を受けて標準的な宅地とする場合に開設する道路の幅員となる旨主張する。しかしながら、当該通路部分の間口距離は、本件土地を一つの敷地として一般の建築物の建築を想定した場合の間口距離というべきであり、分割分譲することを前提として開発許可を受けることを想定した場合の間口距離とすることは相当ではない。したがって、本件土地における接道義務に基づき必要な最小限の通路部分の間口距離は、建築基準法第43条《敷地等と道路との関係》第1項の規定により2mとするのが相当である。(令2. 1.10 金裁(諸)令元-4)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和2年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続で取得した土地(本件土地)のアスファルト舗装が「堅固な構築物」に当たるなどの理由から、本件土地上の賃借権(本件賃借権)が、財産評価基本通達86《貸し付けられている雑種地の評価》及び87《賃借権の評価》(本件各通達)に定める「地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権」に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地は、相続開始時において駐車場として使用するためのアスファルト舗装以外に構築物が設置されていなかったことに加え、当該アスファルト舗装は、土台が設置され、鉄骨の柱等を使用した構築物と比べると、その堅固の程度が弱いものといわざるを得ず、また、本件土地に係る賃貸借契約によれば、賃借権を賃借人の意思のみによって自由に処分できない上、賃借権の設定の対価としての権利金等の授受もされておらず、賃借権の登記もされていない。したがって、本件賃借権は、本件各通達に定める上記賃借権には該当しない。(令2. 1.10 金裁(諸)令元-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010028
- 裁決年月日
- 令和元年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同住宅の敷地等として利用されている土地(本件各土地)は、いずれもその属する地域の標準的な宅地の地積に比して著しく広大で、都市計画法第4条《定義》第12項に規定する開発行為(開発行為)を行うとした場合に道路等の潰れ地が生じるから、相続開始日における実際の利用状況等にかかわらず財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、広大地通達の趣旨からすると、その宅地を一体利用することが経済的に最も合理的と認められるのであれば、潰れ地を生じさせるような開発行為を行う必要がないため、その地域の標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地であっても、広大地として減価する必要がなく、当該宅地は広大地に該当しないものと解され、そして、既に開発行為を了してマンション等の敷地として利用されている宅地は、近い将来において新たな開発行為を行うべき事情等の特段の事情がない限り、マンション等の敷地として潰れ地を生じさせることなく一体利用している現状が経済的に最も合理的であるというべきであり、広大地に該当しないものと解される。そうすると、相続開始日において、本件各土地はいずれも共同住宅の敷地として利用されており、いずれの土地も既に開発行為を了し、近い将来において新たな開発行為を行うべき事情等の特段の事情も認められないことから、広大地には該当しない。(令元.12.10 大裁(諸)令元-28)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010029
- 裁決年月日
- 令和元年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同住宅の敷地等として利用されている土地(本件各土地)は、いずれもその属する地域の標準的な宅地の地積に比して著しく広大で、都市計画法第4条《定義》第12項に規定する開発行為(開発行為)を行うとした場合に道路等の潰れ地が生じるから、相続開始日における実際の利用状況等にかかわらず財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、広大地通達の趣旨からすると、その宅地を一体利用することが経済的に最も合理的と認められるのであれば、潰れ地を生じさせるような開発行為を行う必要がないため、その地域の標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地であっても、広大地として減価する必要がなく、当該宅地は広大地に該当しないものと解され、そして、既に開発行為を了してマンション等の敷地として利用されている宅地は、近い将来において新たな開発行為を行うべき事情等の特段の事情がない限り、マンション等の敷地として潰れ地を生じさせることなく一体利用している現状が経済的に最も合理的であるというべきであり、広大地に該当しないものと解される。そうすると、相続開始日において、本件各土地はいずれも共同住宅の敷地として利用されており、いずれの土地も既に開発行為を了し、近い将来において新たな開発行為を行うべき事情等の特段の事情も認められないことから、広大地には該当しない。(令元.12.10 大裁(諸)令元-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010037
- 裁決年月日
- 令和元年11月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№117
要旨
○ 原処分庁は、評価対象地(本件土地)の評価につき控除すべき土壌汚染の浄化費用に相当する金額は、請求人らが実際に負担した土壌汚染対策工事費用の金額の80%相当額とすべきであり、実額が明らかである以上、請求人らが主張する土壌汚染対策工事費用の見積金額の80%相当額を減額することは相当でない旨主張する。しかしながら、当該実額は、本件土地に新築する建物の建築業者に同建物の建築工事と本件土地の土壌汚染対策工事を並行して行わせることにより、重複工事部分の費用を節減させて行うという事情の下における土壌汚染対策工事費用の金額であるから、本件土地の評価につき、減額する金額として相当でない。そして、請求人らの主張する土壌汚染対策工事費用の見積金額は、公正に算出された適正なものと認められるから、本件土地を評価するに際し減額すべき土壌汚染の浄化費用の金額は当該見積金額の80%相当額とすることが相当であって、原処分の一部を取り消すべきである。(令元.11.12 東裁(諸)令元-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010037
- 裁決年月日
- 令和元年11月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№117
要旨
○ 請求人らは、その地域に存するマンションの棟数は少なく、マンション建築の進行度合いが遅いこと及び同地域におけるマンションの敷地の占有割合も大きくないことからすると、評価対象土地(本件土地)は、明らかにマンションの敷地に適しているとは認めらないから、マンション適地に該当しない旨主張する。しかしながら、その地域における大規模な土地については、主としてマンションが建築されている上に、相続の開始時の前年にもマンションが建築されていることや本件土地はマンションの建築に係る規制が厳しくない地域に存し、都心への交通接近性、公共施設及び商業施設への接近性に優れていることなどからすると、本件土地はマンション適地であると認められる。(令元.11.12 東裁(諸)令元-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010034
- 裁決年月日
- 令和元年10月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続した不動産について不動産鑑定士の調査価格をもって時価とし、当該不動産の財産評価基本通達の定めにより評価した価額(通達評価額)には時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、当該不動産の周辺の基準地や固定資産税評価のために設定した標準宅地に係る各鑑定評価の状況等に照らすと、請求人らの調査価格は、客観的交換価値を表すものとは認められず、当該調査価格によって通達評価額が時価であるとの推認を覆すものではないから、通達評価額に時価を上回る違法はない。(令元.10.23 東裁(諸)令元-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010034
- 裁決年月日
- 令和元年10月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である市街化調整区域内に存する雑種地(本件土地)の評価に当たり、本件土地の周囲には農地が多く、建築物を建築することができないことに加え、駐車場としているが借り手も少なく、農地としてしか利用できないことから、財産評価基本通達82《雑種地の評価》に定める「その雑種地と状況が類似する付近の土地」(比準土地)は農地と判定すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、店舗等の建築が可能な幹線道路沿いにはなく、かつ、その周辺が純農地、純山林、純原野でもないことから、一律に比準土地を定めるのが困難であるため、その比準土地は、周囲の状況を十分に考慮した上で個別に判定することになるところ、相続開始時において、①本件土地は大型団地を含む市街化区域に近接していること、②本件土地は北西側では一団の宅地と連たんし、半径がおおむね100mの距離の区域内には、幼稚園のほか、50戸を超える居宅等の建築物が存すること、③本件土地は農地法第4条《農地の転用の制限》の規定による転用の許可を受けて駐車場として使用されていること、及び④本件土地の固定資産税評価額が宅地に比準して求める方法により算出されていることを併せ考慮すれば、本件土地と状況が類似する土地は宅地であると認められるから、その比準土地は宅地と判定すべきである。(令元.10.23 東裁(諸)令元-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010026
- 裁決年月日
- 令和元年9月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の土地(本件土地)を同族会社が使用するに際して、使用貸借契約の下で無償返還の届出書(本件届出書)を提出したものの、その後、賃貸借契約に変更されており、本件届出書の提出の効力は、当該変更の時点で当然失われ、改めて無償返還届出書が提出されていない本件において、無償返還届出書が提出されている土地として本件土地の価額を評価することは不当である旨主張する。しかしながら、本件において土地所有者である被相続人は、使用貸借契約の際に同族会社との間で、将来、無償で土地の返還を受ける旨の合意をし、本件届出書の提出により、被相続人から同族会社に対し何ら経済的利益が移転しておらず、当該同族会社に帰属すべき利益もないという経済的実態が存在することを明らかにし、同族会社に係る借地権利金等の認定課税の回避という課税上の利益を享受し、賃貸借契約に変更した後も、当該関係及び当該課税上の利益の享受が継続しているものであるから、賃貸借契約により、相当の地代に満たない地代が収受されることとなっても、被相続人から同族会社に対し何ら経済的利益が移転しておらず、同族会社に帰属すべき利益もないという経済的実態が継続していたものというべきであり、賃貸借契約締結後の無償返還届出書の提出の有無が結論の帰趨を決めているものではないものと解される。また、無償返還届出書による課税上の利益は、「借地権の設定等により他人に土地を使用させた場合」も「使用貸借契約により他人に土地を使用させた場合も同様」に取り扱うこととされているとおり(法人税通達13‐1‐7)、将来借主が無償で土地を返還する合意がある以上、土地の借主における権利は、使用貸借契約の下であれ、賃貸借契約の下であれ、当該借主に帰属すべき利益はないという経済的実態に変わりがないのであるから、賃貸借契約がされたことは、本件届出書の提出の効力を失わせる理由にはならない。(令元. 9.18 東裁(諸)令元-26)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令010005
- 裁決年月日
- 令和元年9月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№116
要旨
○ 請求人らは、それぞれが相続した被相続人所有の土地(本件各土地)について、被相続人と請求人らとの間で本件各土地の上の請求人らのそれぞれの建物の所有を目的とした各土地賃貸借契約(本件各土地契約)を締結していたところ、請求人らは本件各土地契約に基づく地代に係る金員(本件各支払金員)を被相続人に対してそれぞれ支払っており、その年額は本件各土地に係る固定資産税及び都市計画税(固定資産税等)の額をそれぞれ上回っていたのであるから、使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについての1《使用貸借による土地の借受けがあった場合》の定めによって、本件各土地契約は使用貸借に係るものではないなどとして、本件各土地は借地権の目的となっている土地である旨主張する。しかしながら、①請求人らによる本件各土地の使用は、本件各支払金員の支払が開始する以前においては使用貸借によるものであって、その後においても、請求人らと被相続人との間で権利金の授受はないこと、②本件各支払金員の額は固定資産税等の額と同程度であること、③本件各支払金員の年額は被相続人が第三者に対して賃貸していた本件各土地の近隣の駐車場用地の賃料の年額に比して低廉であること、④被相続人と請求人らは親子関係にあることなどから客観的に判断すると、本件各支払金員は本件各土地の使用収益に対する対価であるとは認められず、請求人らは使用貸借契約に基づき使用収益したものと認めるのが相当であることから、本件各土地は借地権の目的となっている土地であると認めることはできない。(令元. 9.17 高裁(諸)令元-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010015
- 裁決年月日
- 令和元年9月12日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、評価対象地のうち駐車場として利用されている土地(本件土地1)について、開発行為を行う場合に、本件土地1から道路敷きを提供して本件土地1の北側で接する道路(本件道路)と併せて建築基準法上の道路とすれば、公共公益的施設用地の負担をほとんど生じさせることなく、本件土地1の北側を間口として7区画の戸建住宅地を設けることができるとして、本件土地1は広大地に該当しない旨主張する。しかしながら、本件土地1は、東西に細長い長方形状の土地であることから、戸建住宅用地として、その地域の標準的な地積で区画割りする開発行為を行う場合には、東西に並列で分割する方法により区画割りせざるを得ないものと認められ、当該区画割りをした場合、本件道路は建築基準法上の道路に該当しないため、当該区画に建物を建築するためには、建築基準法上の道路を新たに開設せざるを得ず、また、開発に係る道路については、市の開発基準等が定める要件を満たす必要がある。そして、本件道路には、第三者の所有地が含まれていることから、本件土地1について開発行為を行うために原処分庁が主張する開発方法を選択すると、上記第三者の同意が必要であり(都市計画法第33条《開発許可の基準》第1項第14号)、その開発行為の可否は上記第三者の意向に左右されるものであるところ、相続開始日において、請求人らが上記第三者の所有地に対して何らかの具体的な権利を有し、あるいは、上記第三者が原処分庁の主張する開発方法に同意する意向を有していたと認めるに足りる証拠はないことからすると、上記第三者の所有地を利用することを前提とする開発方法に合理性は認められない。そうすると、本件土地1を戸建住宅地として開発するためには、本件土地1から道路の敷地として相当程度の面積の土地を提供して新たに道路を開設することが必要となるから、本件土地1は開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要となる土地と認められ、広大地に該当する。(令元. 9.12 大裁(諸)令元-15)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和元年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、純農地に係る倍率(精通者意見価格等を基にして、国税局長が定める倍率をいう。)が恣意的に選択した各種統計調査の数値変動率に比準させることにより決定されたものであり、著しく合理性を欠いているから、被相続人が所有していた各農地(本件各農地)の評価に当たっては、財産評価基本通達(評価通達)の定める評価方法によらないことが相当と認められる特別な事情があり、本件各農地の時価は不動産鑑定士が作成した意見書(本件意見書)の意見価格である旨主張する。しかしながら、請求人が主張する事情は、本件各農地の評価を評価通達の定める評価方法によらないことが相当と認められる個別の事情ではなく、また、本件意見書は、不動産鑑定評価基準に準じて作成された意見書とはいえず、本件意見書に記載された意見価格を本件各農地の時価であると認めることはできないから、本件各農地の評価に当たり、評価通達の定める評価方法によらないことが相当と認められるような特別な事情があるとは認められない。(令元. 9.10 広裁(諸)令元-4)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令010005
- 裁決年月日
- 令和元年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、純農地に係る倍率(精通者意見価格等を基にして、国税局長が定める倍率をいう。)が恣意的に選択した各種統計調査の数値変動率に比準させることにより決定されたものであり、著しく合理性を欠いているから、被相続人が所有していた各農地(本件各農地)の評価に当たっては、財産評価基本通達(評価通達)の定める評価方法によらないことが相当と認められる特別な事情があり、本件各農地の時価は不動産鑑定士が作成した意見書(本件意見書)の意見価格である旨主張する。しかしながら、請求人が主張する事情は、本件各農地の評価を評価通達の定める評価方法によらないことが相当と認められる個別の事情ではなく、また、本件意見書は、不動産鑑定評価基準に準じて作成された意見書とはいえず、本件意見書に記載された意見価格を本件各農地の時価であると認めることはできないから、本件各農地の評価に当たり、評価通達の定める評価方法によらないことが相当と認められるような特別な事情があるとは認められない。(令元. 9.10 広裁(諸)令元-5)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令010003
- 裁決年月日
- 令和元年8月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№116
要旨
○ 原処分庁は、被相続人らは、有限会社(本件会社)が所有する登記された建物の敷地(本件敷地)を含む全ての土地を医療法人に賃貸しているから、本件敷地は、医療法人が本件会社に更に賃貸(転貸)したものというべきであり、また、被相続人ら及び医療法人は、土地の無償返還に関する届出書を原処分庁へ提出しているから、本件敷地の評価は、自用地としての価額の80%で評価することとなる旨主張する。しかしながら、本件会社は、権利金の支払はしていないものの、本件敷地の上に、昭和55年8月に上記の建物を建築した後、直接被相続人らから無償又は有償で本件敷地を借りていたと認められ、また、本件会社が被相続人らに対し、将来、本件敷地に係る借地権を無償で返還するというような特別の事情も存しないことからすれば、本件敷地については、本件会社の借地権が存すると認めるのが相当である。(令元. 8.19 広裁(諸)令元-3)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令010003
- 裁決年月日
- 令和元年8月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№116
要旨
○ 請求人らは、被相続人ら及び医療法人が連名で提出した土地の無償返還に関する届出書(本件届出書)に記載された事項には、既に被相続人らが譲渡した土地についての記載があり、また、記載された土地の面積等にも誤りがあるから、届出(本件届出)は無効である旨主張する。しかしながら、本件届出書は、被相続人らと医療法人との間でされた病院建物の敷地(本件土地)及び譲渡された土地について、無償で返還する旨の合意(本件合意)に基づいて提出されたものであり、本件合意の時点では、被相続人らは、本件土地及び譲渡された土地を有しているのであるから、本件合意は有効なものと認められる。また、本件届出書が提出された後に、原処分庁が本件届出書に効力が生じないとして被相続人らに連絡した事実も、被相続人らが本件届出書の記載内容に誤りがあるとして原処分庁に届け出た事実もないことからすれば、被相続人らが譲渡していない土地については、相続開始時点で被相続人らが依然として所有しており、また、当該土地については、所有又は使用に関する権利関係に変動がないことなどからすれば、本件届出書の当該土地に係る部分ついては、本件届出の効力に影響はなく、有効なものと認められる。(令元. 8.19 広裁(諸)令元-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010013
- 裁決年月日
- 令和元年7月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である市街化調整区域に所在する雑種地(本件土地)の評価に当たり、本件土地の周囲では市街化が進行していないこと、本件土地は宅地としての開発許可が受けられず宅地に比準して評価されれば宅地としての利用可能価値が過大に組み入れられた価額となること等からすれば、財産評価基本通達82《雑種地の評価》に定める「その雑種地と状況が類似する付近の土地」(比準土地)は農地と判定すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、店舗等の建築が可能な幹線道路沿いにはなく、かつ、その周囲が純農地、純山林、純原野でもないことから、一律に比準土地を定めるのが困難であるため、その比準土地は、周囲の状況を十分考慮した上で個別に判定することになるところ、相続開始時において、①本件土地は市街化区域に近接していること、②本件土地は鉄道の駅や高速道路のインターチェンジへの交通の利便性に優れ、建築基準法第42条《道路の定義》第1項に規定する道路に接面していること、③本件土地の周囲は農地から農地以外への転用が進行しており、農地及び雑種地(駐車場、資材置場等)が混在し一部宅地が見られる地域となっていること、④本件土地は農地法第5条《農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限》第1項の許可を受け、フットサルコートの施設の利用を目的として賃貸され、地盤が平坦に整備されていること、⑤本件土地の周囲の農地(農地法第5条の転用許可を受けたもの)について、宅地の価額に準じた売買実例がみられること、及び⑥本件土地の固定資産税評価額が宅地に比準して求める方法により算出されていることを総合的に考慮すれば、本件土地と状況が類似する土地は宅地であると認められることから、その比準土地は宅地と判定すべきである。(令元. 7.24 東裁(諸)令元-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300149
- 裁決年月日
- 令和元年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)について、原処分庁が財産評価基本通達(評価通達)の定めに従って評価した価額(本件通達評価額)は、本件土地の客観的交換価値に影響を及ぼす各事情を看過しており、請求人が売買価格の見積りを依頼した不動産販売業者が試算した価格を上回ることから、時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、評価通達の定めに従って相続財産を評価したものと認められる場合には、当該評価額は事実上の時価と推認され、請求人において当該評価額が当該財産の客観的交換価値を上回るものであることを主張立証するなどして、上記推認を覆すことがない限り、当該評価額を時価と認めるのが相当である。この点、本件通達評価額は、評価通達の定めに従っており、時価と推認されるところ、請求人の主張する各事情は、本件土地の客観的交換価値に影響を及ぼす事情とは認められず、不動産販売業者の試算価格も本件土地の客観的交換価値とは認められないことからすれば、本件通達評価額が時価であることの推認は覆えることはなく、本件通達評価額に時価を上回る違法はない。(令元.5.29 東裁(諸)平30-149)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300127
- 裁決年月日
- 平成31年4月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 請求人は、相続した不動産について鑑定評価額等をもって時価とし、当該不動産を財産評価基本通達の定めにより評価した価額(通達評価額)には時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、相続財産を財産評価基本通達の定めに従って評価した価額は、時価と事実上推認されるものであるから、請求人が客観的交換価値を上回ることを主張立証するなどして上記推認を覆すことがない限り、時価と認めるのが相当であり、当該価額が時価を上回っているといえるためには、当該価額を下回る不動産鑑定評価が一応公正妥当な鑑定理論に従っているというのみでは足りず、周辺における公示価格や基準地の標準価格の状況等の諸事情に照らして客観的交換価値を上回ることが明らかと認められることを要するところ、周辺の公示地や原処分庁が路線価等の評定のために設定した標準地に係る各鑑定評価の状況等に照らして、請求人の鑑定評価額等は低廉な水準である一方で、通達評価額は上記公示価格等を下回り、客観的交換価値を上回ることが明らかであると認めることはできないから、通達評価額に時価を上回る違法はない。(平31. 4.19 東裁(諸)平30-127)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300058
- 裁決年月日
- 平成31年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得したA土地ないしD土地(本件各土地)は、財産評価基本通達(平成29年9月20日課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(本件通達規定)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件通達規定にいう「その地域」は、①河川や山などの自然的状況、②行政区域、③都市計画法による土地利用の規制などの公法上の規制等、④道路、鉄道、公園など、土地の利用状況の連続性及び地域としての一体性を分断することがあると一般に考えられる客観的な状況を総合勘案し、各土地の利用の状況、環境等がおおむね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解するのが相当であるところ、本件各土地及びその周辺土地の存する地域(本件地域)は、第一種中高層住居専用地域に指定された地域で、建ぺい率が60%、容積率が150%であるのに対し、本件地域に隣接する地域は、①用途地域が第一種中高層住居専用地域に指定された地域で、かつ、建ぺい率が60%、容積率が200%の地域又は②用途地域が第一種低層住居専用地域に指定された地域であり、用途地域又は容積率という公法上の規制が異なっている。また、本件地域は、共同住宅、特別養護老人ホーム等及び駐車場等といった多数の者が居住又は利用可能な施設等の用に供されているのに対し、本件地域に隣接する地域は、主に戸建住宅の用に供されているから、本件地域と当該隣接地域とは、土地の利用状況や環境が異なる。したがって、本件各土地の存する「その地域」は、本件地域を指すものと解するのが相当である。そして、本件地域の標準的な宅地の地積は1,000㎡から2,000㎡(本件標準地積)と認められ、B土地及びD土地は、本件標準地積に比して著しく地積が広大な宅地には該当せず、また、A土地及びC土地は、本件標準地積に比して著しく地積が広大な宅地ではあるものの、本件標準地積で区画割を行う際には公共公益的施設用地の負担が必要とは認められないため、本件各土地はいずれも本件通達規定に定める広大地に該当しない。(平31. 3.13 大裁(諸)平30-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300107
- 裁決年月日
- 平成31年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した複数の不動産(本件不動産)について、当該不動産が存する各地域においては、財産評価基本通達に基づいて評価した額(通達評価額)と現実の取引額には相当の乖離があり、通達評価額は客観的交換価値を上回るものであって、請求人らによる売却額こそが時価であると旨主張する。しかしながら、請求人らによる売却額は、本件不動産が存する各地域について、複数の売買実例価格、標準地に係る精通者意見価格及び不動産鑑定評価額が示す土地単価額に比較して相対的にかなり低廉であるから、客観的交換価値であるとはいえず、上記推認を覆すものとは認められない。(平31. 2.26 東裁(諸)平30-107)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平300006
- 裁決年月日
- 平成31年2月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№114
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した家屋(本件家屋)及びその敷地(本件土地)について、本件家屋は、大改修を行っても収益性回復は困難で、機能的、経済的観点から市場性が全く認められないため、解体除去が必要であるとして本件家屋及び本件土地(併せて本件不動産)の最有効使用を判定した不動産鑑定士による鑑定評価書(本件鑑定評価書)には合理性があり、本件鑑定評価書に基づく価額が時価である旨、また、本件家屋の固定資産税評価額は一般常識からかけ離れた評価がされている旨主張する。しかしながら、本件家屋は、相続の開始時において、その一部が貸店舗や被相続人等の居宅として利用されていたことからすると、本件家屋には相応の経済価値があったと認められる。一方、本件鑑定評価書における最有効使用の判定に当たっては、不動産鑑定評価基準に定める現実の本件家屋の用途等を継続する場合の経済価値と本件家屋を解体除去した場合の解体除去費用等を適切に勘案した経済価値との十分な比較考量がされているとは認め難いことなどから、本件鑑定評価書に合理性があるとは認めるに足りず、本件土地の更地価格から本件家屋の解体除去費用を控除した本件鑑定評価書による価額が、本件不動産の時価を適正に評価したものであるとは認め難い。したがって、本件鑑定評価書に基づく請求人らの主張立証によって、財産評価基本通達の定めに従って評価した本件不動産の価額が時価であるとの事実上の推認を覆すには至らない。また、本件家屋の固定資産税評価額については、その価額を求めるに当たり、固定資産評価基準が定める評価の方法によっては再建築費を適切に算定することができない特別の事情又は固定資産評価基準が定める減点補正を超える減価を要する特別の事情は認められないから、固定資産評価基準に従って決定した固定資産税評価額が適正な時価であると推認される。(平31. 2.20 金裁(諸)平30-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300052
- 裁決年月日
- 平成31年2月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地賃貸借契約に基づき、郊外型大規模店舗専用駐車場の敷地として使用されている土地(本件土地3)上に存する賃借権(本件賃借権)は、建物所有を目的とする賃借権(借地権)であるから、本件土地3が財産評価基本通達25《貸宅地の評価》に定める貸宅地に該当し、仮に貸宅地に該当しないとしても、本件賃借権を同通達87《賃借権の評価》(1)に定める地上権に準ずる権利として、本件土地3の自用地の価額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件賃借権は、相続開始日に本件土地3上に建物が存在せず、本件賃借権に第三者に対する対抗力がないこと、契約更新請求権や建物買取請求権の付与もないこと、権利金の授受があったとも認められないことから、借地権に該当しない。また、上記のところからすると、評価通達87(1)に定める賃借権にも該当しない。(平31. 2.14 大裁(諸)平30-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300052
- 裁決年月日
- 平成31年2月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同住宅の敷地等として利用されている土地(本件土地1及び本件土地2)は、いずれもその属する地域の標準的な宅地の地積に比して著しく広大で、開発行為を行うとした場合に道路等の潰れ地が生じるから、相続開始日における実際の利用状況等にかかわらず財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(広大地通達規定)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、広大地通達規定の趣旨からすると、その宅地を一体利用することが経済的に最も合理的と認められるのであれば、潰れ地を生じさせるような開発行為を行う必要がないため、その地域の標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地であっても、広大地として減価する必要がなく、当該宅地は広大地に該当しないものと解され、そして、既に開発行為を了してマンション等の敷地として利用されている宅地は、近い将来において新たな開発行為を行うべき特段の事情がない限り、潰れ地が生じることなくマンション等の敷地として一体利用されている現状が経済的に最も合理的であるというべきであり、広大地に該当しないものと、また、評価時点にマンション等が建築中である宅地は、開発行為の状況や建築工事の進捗状況等を考慮して、マンション等が建築されることが確実であると認められる場合には、評価時点において既に開発を了しているマンション等の敷地用地と同様の状態にあるといえることから、近い将来において新たな開発行為を行うべき特段の事情がない限り、広大地には該当しないものと解される。そうすると、相続開始時点において、本件土地1は共同住宅の敷地として利用されており、本件土地2は建築中の共同住宅2棟の工事進捗度合いが過半を了し、既に被相続人と不動産管理会社との間で一括賃貸借契約が締結されていたことから、いずれの土地も既に開発行為を了し、近い将来において新たな開発行為を行うべき特段の事情も認められないことから、広大地には該当しない。(平31. 2.14 大裁(諸)平30-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300087
- 裁決年月日
- 平成31年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802019
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である不動産及び借地権について、①相続開始前に策定されていた請求人が代表取締役を務める会社(本件法人)の事業計画により、現物出資されることが予定されており、相続により取得しても現物出資に充てる以外に選択の余地はなく、現物出資により取得する株式を確保するための機能を有するにすぎないから、相続税の課税価格に算入すべきは、当該株式の価額(その価額は零円)である旨、そうでなければ、②被相続人は、当該不動産等を本件法人へ現物出資する義務を負っていたのであるから、その現物出資義務(当該不動産等の価額相当額)は確実な債務として相続税の課税価格の計算上控除すべきである旨それぞれ主張する。しかしながら、本件法人の事業計画において当該不動産等を現物出資するとはされておらず、当該現物出資を受け入れ、請求人に株式を割り当てることが本件法人において意思決定されたのは相続開始から1年余り後の臨時株主総会の決議であること等からすれば、相続開始日において被相続人が現物出資義務を負っていたとまでは認めることはできず、請求人の主張はいずれも採用できない。(平31. 2. 1 東裁(諸)平30-87)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300050
- 裁決年月日
- 平成31年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802019
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、①相続により取得した各土地(本件各土地)が、周知の埋蔵文化財包蔵地(本件遺跡)内に所在していること、②本件各土地の南側に隣接する土地(別件土地)では、相続開始前の試掘調査により発掘調査が必要なことが確認されていること、③本件各土地では、相続開始日後に発掘調査が実施されていることから、本件各土地は、相続開始日において、宅地開発を行う場合には発掘調査が必要であり、その所有者がその発掘調査費用を実質的に負担することとなり、このことが、特別な事情に該当するとして、本件各土地の評価に当たっては、当該発掘調査費用の8割相当額を評価通達に基づく評価額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、①については、本件遺跡には、そもそも重要な遺構が確認されず発掘調査の必要がない場所が多くあり、また、重要な遺構が確認されたとしても、設計内容次第では発掘調査の必要がない場合もあり、本件各土地で宅地開発を行う際に発掘調査が必要となる蓋然性が高いとは認められないこと、②については、別件土地では、試掘調査により発掘調査が必要であると指摘されたが、設計変更により遺構を保存することが可能であったことから、発掘調査は行われていないこと、③については、本件各土地で相続開始日後に発掘調査が実施されたのは、その所有者が戸建住宅等の開発ではなくマンションの建設を計画した結果であり、そのための試掘調査の掘削深度が深くなったことを理由とするものである可能性があることから、相続開始日において、本件各土地で宅地開発を行う場合に発掘調査が必要となる蓋然性が高いとは認められない。したがって、請求人の主張するような特別な事情は認められないから、本件各土地の評価に当たっては、発掘調査費用の8割相当額を評価通達の定める評価方法による評価額から控除すべきであるとは認められない。(平31. 1.31 大裁(諸)平30-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300084
- 裁決年月日
- 平成31年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、貸家である建物(本件建物)には、賃借人により耐震補強工事が行われていること及び賃貸料水準が落ちていないことから、本件建物の固定資産税評価額を基に財産評価基本通達(評価通達)の定めにより評価すべきである旨主張し、請求人は、本件建物は、尋常あらざる毀損を受けたことから、その価額は評価通達の定めにより評価した価額から原状回復費用相当額を控除した金額で評価すべきであり、本件建物の敷地(本件土地)は、評価通達の定めにより評価した価額から本件建物の撤去費用相当額に80%を乗じた金額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件建物の価額は設備の一部を撤去する改造工事により減価が生じていると認められるが、本件建物の固定資産税評価額はこれを反映していないから、本件建物の価額は、国税庁ホームページ掲載の財産評価基準の定めに基づき、本件建物の固定資産税評価額に同改造工事が行われたことによる影響を反映させて評価することが相当であり、本件土地の価額は、本件建物には補強工事が行われていることなどから、評価通達の定めにより評価した価額となる。(平31. 1.25 東裁(諸)平30-84)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300042
- 裁決年月日
- 平成31年1月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同国税庁長官通達。ただし、平成28年4月6日付課評2−10ほか2課共同国税庁長官通達による改正前のもの。)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》(本件通達規定)に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、貸付金債権等の債権金額が、合理的に算定される回収見込額を超える場合をいうものと解するのが相当であり、請求人の母親(本件被相続人)が代表取締役を務めていた同族会社(本件会社)は、本件被相続人から不足する資金を借り入れることにより事業を続けてきたにすぎず、借入金の返済に充てる資金を確保していくことができる状況になかったから、本件会社に対する本件被相続人の貸付金債権(本件貸付金債権)の回収見込額は本件被相続人に係る相続開始日(本件相続開始日)後に返済された金額であり、それを超える部分は「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するため、元本の価額に算入すべきでない旨主張する。しかしながら、「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、本件通達規定(1)ないし(3)に掲げる再生手続開始の決定や特別清算の開始命令などと同視できる程度に債務者の経済状態等の悪化が著しく、その貸付金債権等の回収の見込みがないことが客観的に明白であることをいうものと解するのが相当であり、本件会社は、本件相続開始日において、その経営状況及び資産状況のいずれの観点からみても破綻していたとは容易には認められないことからすれば、上記に掲げる事由と同視できる程度に本件会社の経営状態の悪化が著しく、本件貸付金債権の回収の見込みがないことが客観的に明白であるとは認められない。したがって、本件貸付金債権は、本件相続開始日において、本件通達規定の「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するものではない。(平31. 1.11 大裁(諸)平30-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300081
- 裁決年月日
- 平成31年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、評価対象土地の近隣地域(本件地域)では、①中高層の集合住宅等の売買は見られず、戸建住宅の売買が一般的であること、②マンション地域への移行が完了していないばかりか、その移行の程度が相当進んでいる地域でもないこと、③戸建住宅と集合住宅等が混在してはいるものの、建築物の80%以上が戸建住宅であることから、近隣地域の標準的使用及び評価対象土地の最有効使用は戸建住宅の敷地であるから、評価対象土地は広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件地域は、①公的施設や商業施設が集積する最寄り駅まで徒歩圏に位置し、同駅から通勤・通学に至便な距離にあること、②用途地域や容積率及び建蔽率等を考慮しても、中高層の集合住宅等の建築を特別に制限するような規制もないこと、③全体の地積の約4割が中高層の集合住宅等の敷地用地として利用され、中高層の集合住宅等の敷地用地への移行が相当に進んでいることが、それぞれ認められ、このような実態に鑑みれば、評価対象土地の最有効使用は中高層の集合住宅等の敷地用地であると認められる。したがって、評価対象土地は広大地に該当しない。(平31. 1.10 東裁(諸)平30-81)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300038
- 裁決年月日
- 平成30年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、各鑑定評価額(本件各鑑定評価額)が各不動産(本件各不動産)の時価というべきであって、財産評価基本通達(評価通達)の定める評価方法による評価額を下回ることから、評価通達の定めにより評価した原処分庁が主張する本件各不動産の評価額は時価を超える違法がある旨、また、各土地(本件各土地)は、画地規模が大きいところ、評価通達の定める評価方法では、本件各土地の個別性に対応することができない旨などを主張する。しかしながら、本件各不動産に適用される評価通達の定める評価方法が一般的な合理性を失わず、当該評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別な事情の存しない限り、上記評価方法による評価額は当該相続財産の相続開始時の時価を上回らないものと事実上推認することができる。そして、鑑定評価には一定の幅があり得るものであるから、不動産鑑定士による鑑定意見によって評価通達の定める評価方法による評価額より低い価額をそれが適正な時価であると摘示された場合、その鑑定意見による評価の方法が一般に是認できるもので、その評価額が客観的な交換価値として評価し得るものとみることができるものであったとしても、その評価額を超える評価通達に定める評価方法による評価額が当然に適正な時価を超えるものということにはならない。また、本件各鑑定評価額の算定の基となった鑑定評価書には、複数の問題点が存在すると認められる。したがって、本件鑑定評価額が評価通達の定めによる評価額を下回ることが、直ちに特別な事情に該当することにはならないというべきであり、また、本件においては、評価対象地の規模が大きいことから、当然に本件各土地の取引価格が低下するという関係にあるとはいえず、本件各土地の画地規模は、評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別な事情とは認められない。(平30.12. 7 大裁(諸)平30-38)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300015
- 裁決年月日
- 平成30年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、各土地(本件各土地)が北側で接する市道(本件市道)によって、本件各土地が所在する工業専用地域(本件工業専用地域)における土地の利用状況が分断されている事実が認められるから、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》(広大地通達)が定める「その地域」は、本件市道の南側地域であり、当該地域の「標準的な宅地の地積」は900㎡ないし1,600㎡と認められることから、本件各土地の地積1,486.73㎡は著しく広大とは言えない旨主張し、請求人は、「その地域」は本件工業専用地域全域であり、「標準的な宅地の地積」は、本件工業専用地域内に存在する地価公示の標準地の地積の918㎡であり、本件各土地はこれに比して著しく広大である旨などと主張する。しかしながら、本件工業専用地域は、利用状況、環境等がおおむね同一と認められるひとまとまりの地域といえるから、本件各土地に係る「その地域」は、本件工業専用地域全域であると認められ、当該地域の標準的な使用方法に供されていた区画の平均地積、地積の中央値及び地価公示の標準地の地積などを総合勘案すると「標準的な宅地の地積」は900㎡ないし2,900㎡程度と認められることから、本件各土地は著しく広大とは言えず、広大地通達に定める広大地には該当しない。(平30.12. 6 名裁(諸)平30-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300067
- 裁決年月日
- 平成30年12月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が代表者であった法人(本件法人)は債務超過の状態であり、被相続人が本件法人に対して有していた貸付金(本件貸付金)の回収可能性は極めて低いから、本件貸付金の相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価(弁済可能額)は、本件法人の清算価値を基準に計算することが妥当である旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達(評価通達)の定めに従った評価は客観的交換価値を適正に評価したものと事実上推認できるところ、本件法人が債務超過の状態であるからといって必ずしも本件貸付金の回収可能性が極めて低いとはいえず、当審判所の調査によっても、上記推認を覆すような事情は認められない。そして、相続開始時において、本件法人について評価通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の(1)から(3)に定める事由は生じていない。また、本件法人が相続開始時を含む事業年度において営業利益を計上していることなどからすれば、相続開始時において、上記(1)から(3)に定める事由と同視できる程度に本件法人の資産状況及び営業状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みがないことが客観的に確実であるとはいえないから、評価通達205柱書に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するとは認められない。したがって、本件貸付金は、評価通達204《貸付金債権の評価》の定めに従い元本価額により評価するのが相当である。(平30.12. 3 東裁(諸)平30-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300066
- 裁決年月日
- 平成30年11月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№113
要旨
○ 請求人は、相続した土地及び取引相場のない株式の発行会社の有する借地権(本件各土地等)について、①本件各土地等の存するその地域における標準的な宅地の使用は戸建住宅の敷地で、②その標準的な地積は110㎡ないし120㎡であり、③本件各土地等はその標準的な地積に比して著しく広大であり、戸建住宅の敷地として分割して使用する場合、いずれも潰れ地が生じることになるから、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張し、原処分庁は、本件各土地等の存するその地域における標準的な宅地の地積は700㎡程度の工場等の敷地であり、本件各土地等の経済的に最も合理的な使用は、700㎡程度の工場等の敷地として使用することであるから、広大地通達に定める広大地に該当しない旨主張する。しかしながら、広大地通達に定めるその地域とは、土地の利用状況の連続性や地域の一体性を分断して土地利用上の利便性や利用形態に影響を及ぼすことがあり得る客観的な事情を総合勘案し、利用状況、環境等がおおむね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解されるところ、本件各土地等の存する地域は、その利用状況及び環境等からみて、幅員の広い幹線道路沿いの地域(本件1地域)とそれ以外の地域(本件2地域)に区分され、本件1地域における標準的な使用は中小の工場の敷地であり、その標準的な地積は670㎡程度であると認められる。一方、本件2地域における標準的な使用は戸建住宅の敷地であり、その標準的な地積は110㎡程度であると認められる。そうすると、本件各土地等の属する地域のうち、本件1地域に存する土地については、地積及び位置等からみて、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大な土地とは認められず、広大地には該当しないが、本件2地域に存する土地については、経済的に最も合理的な使用は戸建住宅の敷地であり、標準的な地積に比して著しく広大な土地であって、その開発には潰れ地が生じることから、広大地に該当するものと認められる。(平30.11.26 東裁(諸)平30-66)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300013
- 裁決年月日
- 平成30年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№113
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した点在する2画地の土地(本件各土地)について、いずれも開発行為を行うとした場合には、公共公益的施設用地の負担が必要であるから、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、広大地通達に定める「その地域」は、土地の利用状況、環境等がおおむね同一と認められる、住宅、商業、工業など特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解されるところ、本件各土地が属する地域ごとに「その地域」を特定した上で、「その地域」における標準的な使用方法及び「標準的な宅地の地積」を判定し、公共公益的施設用地の負担の要否を判断すると、本件各土地は、それぞれ、「その地域」における「標準的な宅地の地積」に比して著しく地積が広大な宅地に該当せず、又は公共公益的施設用地の負担を要することなく開発行為を行うことができると認められるから、いずれも広大地には該当しない。(平30.11.19 名裁(諸)平30-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300013
- 裁決年月日
- 平成30年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№113
要旨
○ 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第2条《定義》第2項に規定する急傾斜地崩壊防止施設からの排水を公共用水路に流出するための排水路の敷地の用に供されていた土地(本件排水路土地)の評価について、原処分庁は、財産評価基本通達(評価通達)24《私道の用に供されている宅地の評価》の前段に準じて、宅地の価額の100分の30に相当する価額によって評価すべきである旨主張し、請求人らは、評価通達24の後段に準じて、その価額は評価しないこととすべきである旨主張する。しかしながら、本件排水路土地及び本件排水路土地に隣接する急傾斜地崩壊防止施設の敷地の用に供されていた土地(本件施設土地)の地目は、いずれも雑種地であると認められるところ、本件排水路土地及び本件施設土地は、その利用目的等からすれば、評価通達7−2《評価単位》の(7)に定める利用の単位となっている一団の雑種地に該当するため、本件排水路土地は、本件施設土地と一の評価単位として、評価通達82《雑種地の評価》に定める雑種地の評価方法により評価することになる。そして、本件の場合、一の評価単位の大部分を占める本件施設土地が急傾斜地であることを考慮すれば、評価通達82に定める本件排水路土地及び本件施設土地と状況が類似する付近の土地は山林と判断するのが相当であるところ、本件排水路土地及び本件施設土地は、評価通達49《市街地山林の評価》に定める急傾斜地であるために宅地造成ができないと認められるから、本件排水路土地は、評価通達49のなお書のとおり、近隣の純山林の価額に比準して評価するのが相当である。(平30.11.19 名裁(諸)平30-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300013
- 裁決年月日
- 平成30年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№113
要旨
○ 請求人らは、月ぎめ駐車場の敷地の用に供されていた土地(本件土地)に係る賃貸借契約は、土地そのものの利用を約したもので、制限なく更新が可能なものであるから、本件土地を評価する上で、賃借権の価額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、被相続人が、アスファルト及びフェンスを設置した上で、第三者との間で締結した駐車場使用契約に基づき、月ぎめ駐車場の敷地の用に供されていたものであり、当該契約は、第三者に対して構築物等の設置を認めるなど、土地の利用そのものを目的とした賃貸借契約とは認められず、一定の期間、自動車を保管することを目的とする契約とみるのが相当であるから、本件土地を評価する上で、賃借権の価額を控除することはできない。(平30.11.19 名裁(諸)平30-13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300030
- 裁決年月日
- 平成30年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)を、その地域における標準的な宅地の使用である戸建住宅の分譲用地として開発する場合には、新たに道路の開設が必要であることから、本件土地は財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(本件通達規定)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、開発区域内に路地状部分を有する画地を組み合わせたいわゆる路地状開発を行うことが合理的と認められる場合には、本件通達規定における「公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」には該当しないところ、本件土地における路地状開発は、「標準的な宅地の地積」に分割できるものであり、関係法令の定めに反するものとは認められず、容積率及び建ぺい率の計算上有利である。加えて、本件土地に係る「その地域」では、路地状開発による戸建住宅の分譲が一般的に行われていないとは認められないことも考慮すると、本件土地について路地状開発を行うことが合理的でないとは認められない。したがって、本件土地は、経済的に最も合理的に戸建住宅の分譲を行った場合に道路の開設が必要な宅地であるとはいえず、「公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」とは認められないことから、広大地には該当しない。(平30.11.5 大裁(諸)平30-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300025
- 裁決年月日
- 平成30年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№113
要旨
○ 請求人らは、不動産鑑定評価等(本件鑑定評価等)による鑑定評価額等をもって相続税の申告をした土地(本件土地)及び建物(本件建物)について、本件土地は、標準的な画地の地積の2倍以上の規模があり、標準的な画地に比して市場性が劣ることなど、本件建物は、老朽化が激しく、それぞれの敷地の最有効使用の観点から取り壊すべきものであることなどの減価要因があるが、財産評価基本通達(評価通達)には、これらの点を反映させる定めがないことから、評価通達の定める評価方法によって評価された原処分庁が主張する評価額(原処分庁主張評価額)は本件土地及び本件建物の時価を超え、原処分には本件土地及び本件建物の価額を過大に評価した違法がある旨主張する。しかしながら、地積規模の大きな土地であっても、土地の取引価格は、最終的には取引当事者の合意によって定まるものであることからすれば、当然に当該土地の取引価格が低下するものではなく、本件建物は、一般的な合理性を肯定され、適正な時価と推認される固定資産税評価額に依拠して評価されている。したがって、請求人らの主張するような事情をもって、本件土地及び本件建物に適用される評価通達の定める評価方法が適正な時価を算定する方法として一般的な合理性が失われているということはできないし、評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があると認めることはできず、本件鑑定評価等には客観的合理性を直ちに肯定することができない部分があることからすれば、評価通達の定める評価方法により評価した原処分庁主張価額が時価を超え、過大に評価している違法はない。(平30.10.17 大裁(諸)平30-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300010
- 裁決年月日
- 平成30年10月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した市街化調整区域に所在しコンビニエンスストア用地として貸し付けられている土地について、都市計画法第34条による開発許可を受けていない部分は建築物を建築することができないのであるから、当該開発許可を受けている部分(本件1土地)は宅地として、当該開発許可を受けていない部分(本件2土地)は雑種地として、財産評価基本通達(評価通達)25《貸宅地の評価》又は評価通達86《貸し付けられている雑種地の評価》等の定めにより、それぞれ借地権割合又は賃借権割合等を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達7《土地の評価上の区分》に定める宅地は建物の敷地及びその維持効用を果たすために必要な土地であるところ、本件1土地及び本件2土地(併せて本件各土地)は本件1土地上に所在するコンビニエンスストア店舗の敷地及びその駐車場として一体として利用されていることが認められるから、本件各土地はその全体を1区画の宅地として評価するのが相当であり、本件各土地がコンビニエンスストア用店舗の所有を目的として一の土地賃貸借契約(本件賃貸借契約)により貸し付けられていることなどからすれば、設定された借地権は本件各土地全体に及ぶと解すべきである。そして、本件賃貸借契約における地代が本件各土地の自用地としての価額の過去3年間の平均額の6%を上回っているのであるから、本件各土地の自用地としての価額から控除すべき借地権の価額を評価通達25の定めにより評価することは相当ではなく、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(昭和60年6月5日付直資2−58ほか国税庁長官通達)の定めにより評価すべきである。(平30.10.16 関裁(諸)平30-10)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平300001
- 裁決年月日
- 平成30年9月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№112
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)の所在する周辺地域における標準的使用は戸建住宅の敷地であり、集合住宅(本件集合住宅)の敷地として利用されている本件土地は、標準的使用に供されているとはいえないから、既に開発を了しているマンション・ビル等の敷地用地又は現に宅地として有効利用されている建築物等の敷地のいずれにも該当しないため、本件土地は、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》に定める広大地(広大地)に該当する旨主張する。しかしながら、本件集合住宅は、入居率100%を実現していたと認められる上、今後相当の期間利用することができるものと認められることからすると、近い将来において新たな開発行為を行う必要があるなどの特段の事情は認められない。そして、上記周辺地域の大部分は、都市計画法上の用途地域として中高層住宅の良好な住環境を保護するために指定された地域であり、現に一定程度の割合で集合住宅用地として利用されていることからすれば、本件土地は、本件集合住宅の敷地として現に有効に利用されているというべきである。したがって、本件土地は、広大地に該当しない。(平30. 9.20 金裁(諸)平30-1)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平300001
- 裁決年月日
- 平成30年9月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№112
要旨
○ 原処分庁は、請求人らのうち一部の者が相続により取得した土地(本件土地)の財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》の適用につき、本件土地の開発行為を想定した場合には、本件土地に接する私道(本件私道)を利用・拡幅することによって新たな道路を開設することなく開発行為を行うことができ、公共公益的施設用地の負担が必要とは認められないから、本件土地は、広大地に該当しない旨主張する。しかしながら、原処分庁が主張する開発想定図によれば、本件私道に隣接する各土地に道路を拡幅したとしても、①集合住宅の入居者の駐車場の移設が必要となること、②道路用地に本件土地を取得した相続人以外の相続人の所有権が及ぶこと、③借家人の立ち退きが必要となることなどが考えられ、これらの事情を考慮すると当該開発想定図は合理性があるものとは認められない。一方、請求人らが主張する開発想定図は、本件土地の所有者以外の者の所有権や賃借権を侵害するような事情はないことなどを考慮すると、合理性があるものと認められ、本件土地を開発する場合、公共公益的施設用地の負担が必要であると認められるから、本件土地は、広大地に該当する。(平30. 9.20 金裁(諸)平30-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300034
- 裁決年月日
- 平成30年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)の評価に当たり、相続開始時において所有権の帰属に関する訴訟が係属中であり、処分禁止仮処分の登記がなされていること等が借地権の付された土地と同等以上の減価要因になるから、財産評価基本通達(評価通達)により評価した価額(本件通達評価額)から70%を減じた価額が時価であり、本件通達評価額には相続税法《評価の原則》第22条に規定する時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、評価通達の定めに従って評価した相続財産の価額は「時価」すなわち客観的交換価値を適正に評価したものと事実上推認することができるところ、かかる推認を覆すためには、個別的な事情等を考慮したより合理的な方法により、評価通達の定めに従って評価した価額が、当該相続財産の「時価」を適切に反映したものではなく「時価」を上回ることが立証される必要がある。これを本件についてみると、請求人らが根拠とする不動産鑑定士等の意見とは、本件土地の取引の困難性等を述べるものではあるものの、その時価について具体的な数値をもって所見を明らかにするものではないから、本件土地につき借地権の付された土地と同等以上の減価要因がある根拠になるものとは認められず、請求人らの主張には理由がないから、本件通達評価額に時価を上回る違法があるとは認められない。(平30. 9.12 東裁(諸)平30-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300034
- 裁決年月日
- 平成30年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式(本件相続株式)の評価に当たり、相続開始時に当該株式の発行会社との間で請求人が従前贈与を受けた株式(本件贈与株式)の名義書換に関する訴訟の係属中であり、旧株主が本件贈与株式に係る議決権を行使していたため、相続開始時において本件贈与株式を除く請求人の有する議決権の割合は5%未満であるから、本件相続株式は財産評価基本通達(評価通達)188(2)《同族株主以外の株主等が取得した株式》に定める株式に該当し、評価通達188−2《同族株主以外の株主等が取得した株式の評価》に定める評価方法(配当還元方式)により評価すべき旨主張する。しかしながら、名義の書換えが会社に拒絶されたことをもって直ちに株式取得者の株主としての権利が失われるものではなく、相続開始時において、請求人は本件贈与株式に係る議決権を有するから、請求人が有する議決権の割合は5%以上となる。したがって、本件相続株式は評価通達188(2)に定める株式に該当せず、配当還元方式によって評価することはできないから、評価通達180《類似業種比準価額》に定める価額によるべきである。(平30. 9.12 東裁(諸)平30-34)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300013
- 裁決年月日
- 平成30年8月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続(本件相続)によって取得した土地(本件土地)を本件相続の開始から僅か2年後に第三者に売却しており、遺留分減殺請求に係る裁判所の和解(本件和解)の内容も本件土地の実際の売却価額(本件売買価額)で評価することを前提としていることから、本件売買価額が本件土地の時価である旨、本件土地は、借地権が設定されていることにより、借地人以外に売却する場合には自用地の10%に満たない価額にしかならないから、本件土地に適用される借地権割合(60%)が低すぎる旨主張する。しかしながら、不動産の売却価額は、その取引の際の個別的な事情によって左右されるものであることからすると、本件土地を本件相続の開始から2年後に第三者に売却したからといって、直ちに本件売買価額が客観的な交換価値であるということはできない。また、本件土地の売買の事情からしても本件売買価額が本件土地の時価を的確に反映するものであるとは容易に認め難いし、本件和解の内容によって本件土地の時価が左右されるものでもない。さらに、借地人以外に本件土地を売却する場合には自用地の10%に満たない価額にしかならないことを裏付けるに足りる証拠の提出をせず、その他全証拠を検討しても、これを認めることはできない。したがって、本件土地に適用される財産評価基本通達に定める評価方法によって適正な時価を適切に算定することのできない特別な事情があるとは認められない。(平30. 8.31 大裁(諸)平30-13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300013
- 裁決年月日
- 平成30年8月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802012
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/2地積
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である不特定多数の者の通行の用に供されている私道(本件私道)の面積は、地積測量図に基づいて測定した面積によるべきである旨主張する。しかしながら、本件私道の面積には、側溝及び建物の敷地に接する縁石部分(本件側溝等)が含まれているところ、雨水等の排出設備である側溝は、建築基準法第19条《敷地の衛生及び安全》第3項の規定に基づいて建築物の敷地内に設置されるものであり、宅地としての利用を実現するために普遍的に必要な施設の一つであるから、社会通念上、建物敷地部分と一体として宅地とみるのが相当である。したがって、本件側溝等は、宅地とみるべきであり、財産評価基本通達24《私道の用に供されている宅地の評価》の後段に定める不特定多数の者の通行の用に供されている私道には含まれないものと認められる。(平30. 8.31 大裁(諸)平30-13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300005
- 裁決年月日
- 平成30年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、2棟(A棟及びB棟)の共同住宅(本件各建物)の敷地(本件各土地)の評価は、①本件各建物の入居者が、その敷地内にある設備(本件共用設備)を共用しており、本件共用設備の電力の供給事情などからすると、本件各建物は一体として機能していること、②本件各土地を原処分庁が認定したとおり区画割りすると、B棟の入居者が公道から建物に入ることができないから当該区画割りには理由がないことなどから、本件各土地を1面地の評価単位として評価すべきであり、そうすると、本件各土地は、財産評価基本通達(平成29年9月20日付改正前のもの)24−4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件各建物は、外観からみて、構造上それぞれ独立したものであり、母屋と離れのように一体で機能している特段の事情が認められないから、本件各土地の評価単位は、A棟の敷地とB棟の敷地の2面地となり、広大地に該当しない。(平30. 7.26 大裁(諸)平30-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300004
- 裁決年月日
- 平成30年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した複数の土地のうちの一部(本件各土地)について、本件各土地が所在する財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2−46ほかによる改正前のもの)24−4《広大地の評価》(本件通達)にいう「その地域」の標準的な宅地の使用は戸建住宅であり、その標準的な宅地の地積は100平方メートル程度であるから、本件各土地が本件通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件通達にいう「その地域」は、①河川や山などの自然的状況、②行政区域、③都市計画法による土地利用の規制などの公法上の規制等、④道路、鉄道、公園など、土地の利用状況の連続性及び地域としての一体性を分断することがあると一般に考えられる客観的な状況を総合勘案し、各土地の利用の状況、環境等がおおむね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解するのが相当であるところ、本件各土地の所在する「その地域」の標準的な宅地の使用は、工場、倉庫及び事務所等の敷地であり、その標準的な宅地の地積は11,000平方メートル程度となるから、本件各土地は、「その地域」における「標準的な宅地の地積」に比して著しく地積が広大であるとは認められず広大地に該当しない。(平30. 7.25 大裁(諸)平30-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300002
- 裁決年月日
- 平成30年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した同族会社(本件会社)に対する貸付金及び未収入金(本件貸付金等)について、相続開始日において本件会社は債務超過の状態にあり、債務超過である本件会社に対する債権には客観的交換価値はなく、回収可能性もないことから、本件貸付金等の時価は零円となる旨主張する。しかしながら、請求人らは、原処分庁が主張立証した財産評価基本通達(評価通達)の評価方法に基づく財産評価の価額の算定過程自体に不合理な点があることを具体的に指摘し、あるいは評価通達の定めに従った評価が本件の具体的な事情の下における本件貸付金等の時価を適切に反映しておらず、客観的な交換価値を上回るものであることについて何ら立証していない。また、本件会社の資産状況及び営業状況が破綻していることが客観的に明白であって、本件貸付金等の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとも認められない。したがって、本件においては、評価通達の定めに従って算定された価額をもって、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価と認められる。(平30. 7. 2 東裁(諸)平30-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290146
- 裁決年月日
- 平成30年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である貸付金債権(本件貸付金)について、①債務者である同族会社(本件会社)は、相続開始時に債務超過の状態で、収入は被相続人の所有物件の管理料程度であったこと、②代表者の同族法人に対する貸付金はいつ回収できるか不明であり、一般の貸付金に比し著しく不利であること、③本件会社は被相続人が一人で不動産取引業を行っていた会社で、事業を引き継げる者がいないため、被相続人の死亡後には存続できないことが明らかであることなどから、財産評価基本通達(評価通達)205の(1)ないし(3)に該当する事由は認められないものの、同通達に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であるとき」に該当し、その価額は、相続開始時に会社を清算した場合の回収可能額で評価すべき旨主張する。しかしながら、本件会社は、①損益は赤字の状況であったものの、相続開始時まで売上げは継続しており、新たな事業展開の企画や安定的な収入の拡大に努める一方、大幅な支出削減などの事業活動を制限していた状況であったとは認められないこと、②債務超過の状況が継続していたが、負債のほとんどは、被相続人からの返済期限の定めのない無利息の借入金であり、直ちに返済すべきものとは認められないこと、③相続開始後に経営を引き継いだ相続人が、被相続人と同様に宅地建物取引主任者の資格を有していて事業の継続に支障は認められず、また、相続開始後においても、商品の売上げや経費の支出があるなど事業が継続していたと認められることからすると、本件貸付金については、相続開始日において、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であるとき」、すなわち、本件会社につき、資産状況及び営業状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとはいい得ないと認められる。(平30. 6.20 東裁(諸)平29-146)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290125ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成30年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の責めに帰すべき事由なく、生命保険契約(本件生命保険契約)の存在を知らず、相続開始後、短期間のうちに満期日が徒過したことで、本件生命保険契約の解約及び変更をすることができず、本件生命保険契約に関する権利に経済的価値は無いのであるから、その時価を零円とすべきである旨主張する。しかしながら、相続開始の時において保険事故が発生していない生命保険契約については、相続開始の時において当該契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金、前納保険料及び剰余金等(解約返戻金等)の合計額に相当する価値を有するということができるところ、請求人は、契約上、相続開始日以後、契約を解約したり、受取人を変更したりすることは可能であったのであり、保険契約者としての権利を享受していたといえ、また、相続財産の評価は、請求人が実際に本件生命保険契約の解約や変更を行ったか否かにより算定方法が異なるものではないのであるから、本件生命保険契約に関する権利については、解約返戻金等の合計額により評価すべきである。(平30. 5.23 東裁(諸)平29-125)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平290007
- 裁決年月日
- 平成30年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らが相続により取得した各土地(本件土地)の財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(本件通達)の適用につき、原処分庁は、本件土地の本件通達に定める「その地域」(本件地域)は、本件土地が接する幹線道路沿いの地域(甲地域)であり、甲地域の標準的な宅地の地積に基づき区画割すると2区画に分割するのが経済的に最も合理的な開発であり、幹線道路に接する土地の間口距離はいずれも25m以上となるから公共公益的施設用地の負担が必要とは認められず、本件通達に定める広大地に該当しない旨主張し、請求人らは、本件土地の本件地域は、市道及び各水路によって囲まれた地域(乙地域)であり、乙地域の標準的な宅地の地積に基づき区画割すると3区画に分割するのが経済的に最も合理的な開発であり、幹線道路から開発道路を設置する必要があるから、本件通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地周辺の①河川や山などの自然的状況、②行政区域、③都市計画法による土地利用の規制等の公法上の規制など、土地利用上の利便性や利用形態に影響を及ぼすもの、④土地の利用状況の連続性や地域の一体性を分断する道路、鉄道及び公園の状況等を総合勘案すれば、本件土地の本件地域は、甲地域及び乙地域よりも広範な地域(丙地域)と認めるのが相当であり、丙地域の標準的な宅地の地積に基づき区画割すると2区画に分割するのが経済的に最も合理的な開発であり、幹線道路に接する土地の間口距離はいずれも25m以上となるから公共公益的施設用地の負担が必要とは認められず、本件通達に定める広大地に該当しない。(平30. 5.21 仙裁(諸)平29-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平290023
- 裁決年月日
- 平成30年4月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である市街化調整区域に所在する雑種地(本件各土地)の評価に当たり、本件各土地は、都市計画マスタープランにおいて営農保全地区とされているなど、宅地化への期待度が非常に低いことからすれば、財産評価基本通達82《雑種地の評価》に定める「その雑種地と状況が類似する付近の土地」(比準土地)は農地と判定すべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地は、店舗等の建築が可能な幹線道路沿いにはなく、また、市街化区域との境界付近にあるとまではいえず、他方、その周囲が純農地、純山林、純原野でもないことから、一律に比準土地を定めるのが困難であるため、本件各土地の比準土地は、その周囲の状況を十分考慮した上で、個別に判定することとなるところ、相続の開始時において、①本件各土地は少なくとも市街化区域に近接しているとはいえること、②本件各土地の周囲には宅地が点在していること、③本件各土地は、建築基準法第42条《道路の定義》第1項に規定する道路に囲まれていること、④本件各土地は、いずれも農地法第5条の転用許可を受けた後、30年以上農耕の用に供されておらず、また、砕石敷き又は太陽光発電設備が設置されており、宅地と同様の外観を呈していること及び⑤本件各土地の固定資産税評価額も、付近の宅地に比準して求める方法により算出されていることを併せ考慮すれば、本件各土地の比準土地は、いずれも宅地と判定すべきである。(平30. 4.17 名裁(諸)平29-23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290046
- 裁決年月日
- 平成30年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802019
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)について、開発行為を行うとした場合に、新たな道路の開設という公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件土地が財産評価基本通達24−4(平成29.9.20付課評2-46ほか改正前のもの)《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地について、広大地通達にいう「その地域」における標準的な土地の使用状況は戸建住宅の敷地であり、同地域では路地状開発が一般的に行われていると認められるところ、本件土地を戸建住宅の敷地として開発する場合、本件土地は、間口が広いほぼ長方形の土地であり、路地状開発によることで建築基準法等の公法上の規制等に違反することなく整然と区画割をすることが可能であるから、請求人が主張する道路を開設して行う区画割に比べ、路地状開発による区画割に経済合理性があると認められる。したがって、本件土地は、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要な宅地であるとは認められず、広大地に該当しない。(平30. 3.29 関裁(諸)平29-46)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290047
- 裁決年月日
- 平成30年3月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)について、戸建住宅の敷地として開発する場合、各区画についての建築制限に関する制約や利便性、不動産開発業者における分譲後のコスト増加のリスクなどを考慮すると、道路を開設し区画割をする開発方法に経済合理性があるから、本件土地は財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(平成29.9.20付課評2−46ほか国税庁長官通達による改正前のもの)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地について、路地状開発によることで建築基準法等の公法上の規制等に違反することなく区画割をすることが可能であり、道路を開設して区画割をした場合に要するいわゆる潰れ地を必要とせず、ことさらに道路を開設し区画割する開発方法に合理的な理由や必然性も見当たらないことから、路地状開発による区画割に経済合理性があると認められる。したがって、本件土地について、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要であるとは認められず、広大地に該当しない。(平30. 3.29 関裁(諸)平29-47)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290089
- 裁決年月日
- 平成30年3月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)の最有効使用は戸建分譲用地であり、戸建分譲用地として開発を行うとした場合に道路負担、すなわち公共公益的施設用地の負担が必要となることから、本件土地は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(平成29.9.20付課評2−46ほか国税庁長官通達による改正前のもの)(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地の周辺地域において過去に戸建分譲のための開発行為はなく、路地状部分を有する宅地を組み合わせる方法(路地状開発)による戸建分譲又は既存の道路を活用する方法による戸建分譲が行われているところ、本件土地についても、その周辺地域で一般的に行われている路地状開発により標準的な宅地の地積に分割することが可能である。したがって、本件土地は、その開発に当たって、公共公益的施設用地の負担が必要のない土地であると認められることから、広大地通達に定める広大地には該当しない。(平30. 3. 1 東裁(諸)平29-89)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290038
- 裁決年月日
- 平成30年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)について、文化財保護法第93条《土木工事等のための発掘に関する届出及び指示》第1項に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地に所在し、建物の建替えなどの際には同法に規定する届出などの手続等を要することや宅地の有効利用が行えない場合又は発掘調査費用を土地所有者が負担する場合が生じることが想定される上、周知の埋蔵文化財包蔵地に所在することが売買取引に影響することは必至であるから、本件土地は著しく利用価値が低下している宅地として10%の評価減をすべきである旨主張する。しかしながら、本件土地について、埋蔵文化財に関する調査はされておらず、発掘費用の負担も生じていないこと、本件土地の周辺に埋蔵文化財が包蔵されていることをうかがわせるような具体的事実も認められないことから、調査費用を負担しなければならない可能性が高いとはいえず、ほかに土地の価額に影響を及ぼすべき客観的なその土地固有の事情やその利用価値が低下していると認められる事実も見当たらない。したがって、本件土地は、利用価値が著しく低下している宅地に該当するとはいえず、10%の評価減を行うことはできない。(平30. 2.27 関裁(諸)平29-38)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290038
- 裁決年月日
- 平成30年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した点在する4画地の土地(本件各土地)について、都市計画マスタープラン等を総合的に勘案すると、本件各土地は、いずれも開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要であり、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、広大地通達に定めるその地域は、土地の利用状況、環境等がおおむね同一と認められるある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すと解されるところ、本件各土地の所在する地域ごとにその地域を判断し、その地域における標準的な土地の使用方法及び標準的な宅地の地積を判定し、公共公益的施設の負担の要否を判断すると、本件各土地は、それぞれ、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大な宅地に該当せず、又は公共公益的施設用地の負担を要することなく開発行為を行うことができると認められるから、いずれも広大地には該当しない。(平30. 2.27 関裁(諸)平29-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290084
- 裁決年月日
- 平成30年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、広大な市街地農地である本件土地の評価において、本件土地が建築基準法上の道路から約100m奥まったところに位置する無道路地であるため、財産評価基本通達(評価通達)24−4《広大地の評価》の定め(広大地通達)によるしんしゃくでは不十分である旨主張する。しかしながら、評価通達40−2《広大な市街地農地等の評価》のただし書は、広大地通達の定めに準じて評価した価額が評価通達40《市街地農地等の評価》の定めにより評価した土地の価額(市街地農地評価額)を上回るときには、市街地農地評価額を当該土地の価額とする旨定めているところ、市街地農地評価額は、評価通達40の定めにより、土地が無道路であることについて、当該土地の道路からの距離、形状等の条件に基づく補正を勘案して算定することとされていることからすれば、広大地通達の定めによる無道路地のしんしゃくが不十分となる場合の評価の安全性にも配意されているものと認められる。(平30. 2.15 東裁(諸)平29-84)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290084
- 裁決年月日
- 平成30年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した農地(本件土地)について、不動産鑑定士が作成した不動産調査報告書(本件報告書)記載の査定価格(本件査定価格)が、客観的交換価値を表すものであるから、本件土地の価額は本件査定価格である旨主張する。しかしながら、本件土地は、将来宅地化が期待される宅地見込地であると認められるところ、本件報告書は開発行為が困難な農地を前提として本件査定価格を算定していることから、本件報告書の評価方法は合理性を有するものではない。したがって、本件査定価格は、本件土地の相続開始日における客観的交換価値を的確に表しているとはいえず、財産評価基本通達(評価通達)の定めによる本件土地の価額が時価であるとの推認を妨げ、覆す事情は認められないことから、評価通達に定められた評価方法に従って算定した本件土地の価額については、時価を上回る違法はない。(平30. 2.15 東裁(諸)平29-84)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290070
- 裁決年月日
- 平成30年1月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した借地権の目的となっている土地(本件各土地)の価額について、本件各土地の売却価格(本件売買価格)を相続開始時点に時点修正した価額(請求人主張額)が時価であり、本件各土地を評価通達の定める方法により評価した価額(本件通達評価額)は請求人主張額を上回るから、本件通達評価額は相続税法第22条《評価の原則》に定める時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、同条に規定する時価とは、相続開始時における相続財産の客観的な交換価値、すなわち、不特定多数の当事者間において自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいうところ、請求人は、本件各土地の売却に当たり、これを個別に各借地権者と交渉して売却することの煩わしさを回避したいと考え、本件各土地の一括売却を前提に売却先を底地の買取業者としたものである。また、本件各土地の買受人は、底地の転売による利益を確保するために、転売時の販売価格として想定する価格の半額程度で買取価格を決定しており、実際に、本件各土地の一部については、請求人が時価と主張する金額の約1.5倍ないし約2.6倍の価格で売却されていることなどからすると、本件売買価格は、請求人が一括売却という取引方法を選択した結果、本件各土地の客観的な交換価値を下回ることとなったものと認められる。したがって、請求人主張額は、相続開始時における本件各土地の時価であるとはいえない。(平30. 1. 4 東裁(諸)平29-70)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290024
- 裁決年月日
- 平成29年11月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、遺贈により取得した取引相場のない株式を類似業種比準方式で評価するに当たり、評価会社が行った賃貸用建設機具の売却に係る売却益(本件売却益)は財産評価基本通達183《評価会社の1株当たりの配当金額等の計算》(2)に定める1株当たりの利益金額の計算上、法人税の課税所得金額から除くべき非経常的な利益の金額である固定資産売却益に該当する旨主張する。しかしながら、評価会社が賃貸用建設機具の賃貸事業を維持するためには、一定台数の賃貸用建設機具を保有するとともに、賃貸用建設機具の状態を適正に保つべく適時に入れ替える必要性から、毎期、継続してその取得と売却を繰り返しているところ、評価会社の賃貸用建設機具の賃貸収入の収益では新たな賃貸用建設機具の取得資金を賄える状況にはなく、本件売却益が賃貸用建設機具の賃貸事業を継続するための重要な収益力になっていたと認められることからすると、評価会社は賃貸用建設機具の売却による収益を見越した上で、賃貸用建設機具の取得と売却を賃貸用建設機具の賃貸と一体をなすものとして捉え、当該賃貸事業の一環として、反復継続して当該売却を行っていたものと評価するのが相当であるから、本件売却益は、法人税の課税所得金額から除くべき非経常的な利益の金額に該当しない。(平29.11.20 関裁(諸)平29-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290052
- 裁決年月日
- 平成29年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した区分所有建物(7階及び8階部分)の敷地に係る借地権の持分の評価を行うに当たり、①当該敷地は借地権割合が90%の繁華な商業地域に存し低層階と高層階の収益力の差が著しいこと及び②当該建物の3階以上の利用は、その構造上、路線価の低い裏面の道路からしか入室できないことから、特別の事情があるとして、財産評価基本通達(評価通達)が定める当該敷地の借地権の評価額に、公共用地の取得に伴う損失補償基準細則に定める建物階層別利用率を乗じて評価すべきである旨主張する。しかしながら、①商業ビルにおける階層別の収益力の差は本件に限らず一般的な傾向であること、また、②借地権全体に対して有する持分としての権利の内容は持分割合に応じて均等であり質的に異なることはなく、建物の構造によって変化するものではないことから、これらの各事情は特別の事情に当たらず、評価通達に従って借地権の評価額に持分の割合を乗じて評価するのが相当である。(平29.11.17 東裁(諸)平29-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290045
- 裁決年月日
- 平成29年10月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地の一部(本件土地)について、いずれも財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地の属する近隣地域(その地域)における土地の利用状況、公法上の規制の内容、公共公益的施設及び商業地への接近性の状況等を総合勘案すれば、中高層の集合住宅等を建築することが最も合理的な地域と認めるのが相当であり、当該土地の個別的要因をみても、中高層の集合住宅等を建築することに特段の支障は認められない。したがって、本件土地は、広大地通達がその対象となる広大地から除く「中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの」に該当し、本件土地に広大地通達の適用はない。(平29.10.11 東裁(諸)平29-45)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290042
- 裁決年月日
- 平成29年10月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)の周辺地域の標準的使用は戸建住宅分譲用地であり、本件各土地は、いずれもマンション適地とは認められないから、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、マンション適地の判定に係る地理的範囲は、広大地通達に定める「その地域」(本件地域)とするのが相当であるところ、①本件地域は、都心への交通利便性に優れた最寄駅から徒歩圏内に位置するとともに、公共施設や商業施設等に近接した利便性に優れた地域であること、②本件地域の用途地域は第一種住居地域で、建ぺい率が60%及び容積率が300%であり、都市計画法等の公法上の規制からすると中高層の集合住宅等を建築することが適している地域であること、③本件地域において、容積率が200%から300%に変更となった平成元年○月○日以降、本件相続開始日前までの約20数年間における地積500㎡以上の土地での建物の建築状況は、中高層の建物の建築事例5件に対し、戸建住宅の分譲事例2件であるところ、戸建住宅の分譲事例のうち1件の宅地は、本件各土地(長方形)と形状が著しく異なる旗状の土地である上、建築可能な建物の延床面積が大きく制限された土地であって、本件各土地と類似性が劣り、本件各土地の合理的な開発を検討する上での比較対象事例としては不適当であり、その結果、中高層の建物の建築事例5件に対して、戸建住宅の分譲事例は1件のみとなることからすると、本件各土地はマンション等の敷地にすることが経済的にもっとも合理的と認められるから、いずれもマンション適地に該当するものと認められる。(平29.10. 2 東裁(諸)平29-42)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290004
- 裁決年月日
- 平成29年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した取引相場のない株式を類似業種比準方式で評価するに当たり、評価会社が行った賃貸用建設機具の売却に係る売却益(本件売却益)は、財産評価基本通達183《評価会社の1株当たりの配当金額等の計算》(2)に定める1株当たりの利益金額の計算上、法人税の課税所得金額から除くべき非経常的な利益の金額である固定資産売却益に該当する旨主張する。しかしながら、評価会社が賃貸用建設機具の賃貸事業を維持するためには、一定台数の賃貸用建設機具を保有するとともに、賃貸用建設機具の状態を適正に保つべく適時に入れ替える必要性から、毎期、継続してその取得と売却を繰り返しているところ、評価会社の賃貸用建設機具の賃貸収入の収益のみでは新たな賃貸用建設機具の取得資金を賄える状況にはなく、本件売却益が賃貸用建設機具の賃貸事業を継続するための重要な収益力になっていたと認められることからすると、評価会社は賃貸用建設機具の売却による収益を見越した上で、賃貸用建設機具の取得と売却を賃貸用建設機具の賃貸と一体をなすものとして捉え、当該賃貸事業の一環として、反復継続して当該売却を行っていたものと評価するのが相当であり、本件売却益は、法人税の課税所得金額から除くべき非経常的な利益の金額に該当しない。(平29. 9.12 関裁(諸)平29-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290034
- 裁決年月日
- 平成29年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地については、その付近にある宅地に比べて著しく道路との高低差があり、その利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて著しく低下していると認められるから、国税庁ホームページのタックスアンサー「No.4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件取扱い)により、利用価値が低下していないものとして評価した場合の価額からその価額の10%に相当する金額を控除した価額により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件取扱いは、同一の路線に接する一連の宅地に共通した地勢の宅地の地盤面と道路の路面との高低差と、評価する宅地の地盤面と道路の路面との高低差を比較検討しても、なお、後者に利用価値を著しく低下させるような道路の路面からの高低差のある場合に限り適用することが相当であるところ、本件各土地には、いずれも地盤面と正面路線との間に高低差があるものの、その高低差は、各路線価設定区間に接する一連の宅地に共通している地勢の範囲内にあることから、本件各土地と道路の路面との高低差は、本件各土地の利用価値を著しく低下させるようなものであるとは認められず、本件取扱いを適用することはできない。(平29. 9. 5 東裁(諸)平29-34)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平290001
- 裁決年月日
- 平成29年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が協同組合(本件組合)に貸し付けていた金員(本件貸付金)について、本件組合は長期間債務超過にあり、本件貸付金の回収は不可能であるため、財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》(本件通達)に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するから、相続税の課税価格に算入すべき価額は零円と評価するべきである旨主張する。しかしながら、本件組合は、①被相続人が主宰していた上場会社(本件会社)の社会貢献等を目的に設立され、当該事業を継続して担っていることからすると、本件会社の事実上の一部門とみるのが相当であるから、本件貸付金については、相続開始日において、本件会社等の経済的負担により弁済されることも期待し得る状況にあったと認められること、②本件組合の性格に照らすと、資産及び負債並びに収支の各状況は、本件組合の事業価値が失われて存続可能性が危惧される程度にまで悪化していたとはいえないこと、③債権者である各金融機関は、本件組合が各融資に係る約定のとおり返済していることなどから、期限の利益の喪失等により契約解除や繰上償還等を求めたことはなく、一定の信用力が維持されていたこと等が認められる。そして、これらを総合的に検討すれば、本件組合が事業を継続し、その信用力を維持することができた背景には、被相続人等からの多額な借入れがあったことが明らかであるとしても、本件組合が本件通達の(1)ないし(3)の事由と同視できる程度に資産状況等が破綻していることが明白であって、本件貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であったとは認めがたい。したがって、本件貸付金については、評価通達204《貸付金債権の評価》の定めに従い元本価額により評価するのが相当である。(平29. 8.28 札裁(諸)平29-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290023
- 裁決年月日
- 平成29年8月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)について、それらを財産評価基本通達(評価通達)により評価した価額(本件各通達評価額)が、不動産鑑定士による鑑定評価額(本件各鑑定評価額)を上回っていることから、本件各通達評価額には、相続税法《評価の原則》第22条に規定する時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、原処分庁が、課税処分における課税価格等の算定が評価通達の定めに従って相続財産の価額を評価したものであることを、評価通達の定めに即して主張・立証した場合には、その課税処分における相続財産の価額は「時価」すなわち客観的交換価値を適正に評価したものと事実上推認することができるところ、この推認を覆すには、不動産鑑定士による合理性を有する不動産鑑定評価等の証拠資料に基づき、評価通達の定めに従った評価が、当該相続財産の「時価」を適切に反映されたものでなく、「時価」を上回ることが立証されるなどする必要がある。これを本件についてみると、本件各鑑定評価額には、①取引事例比較法による比準価格の算定において「地積大」の補正を過大に行っていること、②開発法による価格の算定において、担当不動産鑑定士の開発想定が適正に行われていないこと、また、造成工事費の算定根拠が明らかでなく、その項目の一部に算定に誤りがあることなどから、その算定に合理性が認められず、本件各不動産の「時価」を示すものと認めることができない。したがって、本件各鑑定評価額をもって、評価通達の定めにより評価した価額を時価とする事実上の推認は覆らないことから、評価通達の定めにより評価した本件各不動産の価額に、時価を上回る違法があるとは認められない。(平29. 8.22 東裁(諸)平29-23)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290017
- 裁決年月日
- 平成29年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、評価対象地の土地のうち、①被相続人と電力会社との間で締結された契約(本件契約)により、建築物等を築造することができない部分(本件準承役地)及び開発許可の基準上物理的に建物を設けることが不可能な部分は財産評価基本通達(評価通達)27−5《区分地上権に準ずる地役権の評価》(1)に定める割合(借地権相当の60%)を減額して評価すべきであり、②①を除く電気設備に関する技術基準を定める省令(電気設備技術基準)により建物の建築に制約がある部分は評価通達27−5(2)に定める30%を減額して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件契約は、電力会社の示す条件を満たしさえすれば、建築物等を建築できるものに変更することが可能であったと認められるため、本件準承役地については評価通達27−5(2)に定める30%を減額することが相当であり、本件準承役地以外の部分は、電気設備技術基準により上空において建築物等の建築に制限を受ける部分が存在するものの、その影響はほとんど受けないと認められることから、その評価額を減額すべき理由はない。(平29. 8. 4 東裁(諸)平29-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290017ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成29年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、幹線道路の後背地に所在する評価対象の土地(本件A土地)は、当該後背地の標準的使用である戸建住宅の敷地の地積に比して著しく広大な土地であり、かつ、開発許可を要する面積以上の土地であることから、開発行為を行う際に道路等の公共公益的施設用地の負担が必要と認められるとして、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、①本件A土地が所在する周辺地域(本件周辺地域)は、戸建住宅の分譲を目的とする開発行為の申請がされた事例はなく、昭和60年以降に区の開発指導要綱に基づく住宅宅地開発事業の事前協議が行われた事例もないこと、②平成10年以降に本件周辺地域に建築された中高層の集合住宅等14棟のうち6棟が幹線道路の後背地に建築されたもので、本件A土地の地積を上回るものもあることからすれば、本件周辺地域の宅地の標準的な利用方法は中高層の集合住宅等の敷地用地としての利用と認められる。そして広大地通達がその対象とする宅地から中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものを除いていることから、本件A土地は、広大地通達に定める広大地には該当しない。また、本件周辺地域で最も多く利用されている戸建住宅敷地としての利用について検討しても、本件A土地は、路地状開発をすることにより道路を開設することなく開発可能な土地であるから、公共公益的施設用地の負担が必要な土地であるとは認められず、広大地通達に定める広大地に該当しない。(平29. 8. 4 東裁(諸)平29-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290018
- 裁決年月日
- 平成29年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続開始前後において貸駐車場として利用されていた3筆の土地(本件A区画、本件B区画及び本件C区画)はそれぞれ相続時の共有持分の割合が異なり、また本件相続に係る遺産分割協議終了後も筆ごとに共有持分の割合が異なるのであるから、土地利用も別々になされるのは明らかであり、別々の土地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、土地の価額は、原則として、遺産分割後の取得者ごとに、利用の単位となっている土地ごとに判定した評価単位を基に評価すべきであるところ、請求人Aが単独で各共有持分を取得した本件A区画、本件B区画及び本件D区画と、請求人Bと請求人Aが被相続人の共有持分の2分の1を取得した本件C区画は、それぞれ取得した者が異なることから別々に評価し、さらに請求人Bが取得した本件A区画、本件B区画及び本件D区画の3筆の土地は、隣り合う本件A区画と本件B区画を一団の雑種地をひとつの評価単位として評価した上で、これら2区画と本件C区画により分断されている本件D区画は本件A区画及び本件B区画とは、別に評価するのが相当である。(平29. 8. 4 東裁(諸)平29-18)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280051
- 裁決年月日
- 平成29年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、その譲渡した各土地について平成23年に締結した賃貸借契約(平成23年契約)が、平成6年に締結した賃貸借契約(平成6年契約)の内容を変更又は追加するものと解することができず、借地上の建物(本件旧建物)を取り壊した時点で当該借地に係る借地権も消滅することを併せ考えると、平成6年契約についてされた「土地の無償返還に関する届出書」(無償返還届出書)の提出(本件無償返還届出)の効力は失われているから、当該各土地の時価の算定に当たっては、平成23年契約に基づく借地権をしんしゃくすべき旨主張する。しかしながら、無償返還届出書が提出された土地上の借地権等には経済的価値がなく、そのような土地を地主が借地人に譲渡した場合には、その価額は更地価額によるべきことになるから、無償返還の届出の対象となっている土地の時価の算定に当たっては、借地権等の価額を控除すべきではない。そして、①譲渡契約時において平成6年契約の賃貸借期間は満了しておらず、②平成6年契約及び平成23年契約は、賃貸人及び賃借人を同じくするものであり、その対象となる土地の大半が重複しており、③本件旧建物が取り壊される以前に、借地人が転借人に転貸借に向けた取決めをし、④借地人は被相続人に当該各土地に係る転貸の承諾を得ていることなどからすると、平成6年契約は、当該譲渡時においても有効であったと認められ、平成23年契約は平成6年契約の内容に必要な範囲で一部追加、変更を加えたものとみるべきである。さらに、当該譲渡までの間に本件無償返還届出と異なる合意がされたとの事情もないから、本件無償返還届出は、当該譲渡時においても有効と認められ、借地借家法第7条《建物の再築による借地権の期間の延長》第1項の規定からも借地上の建物が滅失しても直ちに借地権が消滅するとは認められない。したがって、本件無償返還届出の対象となっている当該各土地の時価の算定に当たり、借地権等の価額を控除する必要はない。(平29. 6.27 関裁(諸)平28-51)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280051
- 裁決年月日
- 平成29年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達(評価通達)185《純資産価額》括弧書きに定める「通常の取引価額」について、①評価通達に基づき評価し、土地については当該価額を0.8で割戻し、建物については各評価額をそのまま用いる方法により算定した価額(評価通達を準用した価額)によるべきであり、②予備的に、請求人らが依頼した不動産鑑定業者作成の各鑑定評価書(請求人ら各鑑定評価書)の価額によるべきと主張する。また、原処分庁は、原処分庁が依頼した不動産鑑定業者作成の各鑑定評価書(原処分庁各鑑定評価書)の価額によるべきであると主張する。しかしながら、請求人らが主張する評価通達を準用した価額の算定には誤りがあり、また、原処分庁各鑑定評価書及び請求人ら各鑑定評価書には、合理性に疑いがあることから、本件各不動産の時価として採用することはできない。そこで、当審判所が不動産鑑定業者に対して本件各不動産の鑑定評価を依頼したところ、当該業者が作成した各鑑定評価書(審判所各鑑定評価書)の鑑定評価は、不動産鑑定評価基準に基づく手法により鑑定評価を行っていることが認められ、その他不合理である点が認められないことから、審判所各鑑定評価書は合理的であると認められる。したがって、本件各不動産の通常の取引価額は、審判所各鑑定評価書の各価額であると認められる。(平29. 6.27 関裁(諸)平28-51)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280148
- 裁決年月日
- 平成29年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続開始日において大規模小売事業者との事業用定期借地契約は締結されていなかったから、同契約締結のための覚書に基づき受領した敷金の一部に充当される予定の手付金のみ債務控除するべきであり、相続開始日後に締結された事業用定期借地契約(本件定期借地契約)に基づく敷金等については、財産にも債務にも計上されるべきではない旨主張する。しかしながら、相続開始日において、被相続人と大規模小売事業者との間で事業用定期借地契約が締結されることが必然であったから、本件定期借地契約が締結されている場合と同様の債権債務関係として取り扱うのが相当である。したがって、同契約期間の満了時に返還すべき金額を複利現価率により相続開始日の現在価値に引き直した金額を債務として控除し、敷金のうち未収金を財産に計上することとなる。(平29. 6.23 東裁(諸)平28-148)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280148
- 裁決年月日
- 平成29年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した区画整理事業による換地処分を受けた12筆の土地に関し、そのうち一体の10筆(本件土地1)につき広大地として評価し、残りの2筆(本件土地2)につき無道路地として評価するべきである旨主張する。しかしながら、同区画整理事業において道路として整備する予定だった市有地(本件市有地)は、相続開始日において、大規模小売事業者との事業用定期借地契約期間が満了した後には、道路として整備されることが確実であり、本件土地1は公道又は本件市有地に接していて、宅地分譲するにつき開発道路を設ける必要はないから広大地として評価できず、また、本件土地2は、道路として整備されることが確実である本件市有地に面しているから無道路地として評価することはできない。(平29. 6.23 東裁(諸)平28-148)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280056
- 裁決年月日
- 平成29年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、不動産鑑定評価による鑑定評価額をもって相続税の申告をした土地(本件土地)について、本件土地は、付近の標準的な宅地と比較して面積が大きい土地(面大地)であり、宅地分譲開発が想定されるところ、この場合、需要者が不動産開発業者等に限定されて市場性が減退するほか、宅地分譲開発に当たり造成費用等を要するなどの本件土地が面大地であることによる減価要因を適切に評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地の存する地域(本件地域)には、本件土地と地積が同程度の共同住宅等の敷地が存することからすると、そもそも本件土地が付近の宅地と比較して格別面積が大きいものとは認められない。また、土地の取引価格は、当該土地の存する地域の状況、当該取引の時点における経済環境等の影響を受けるものであり、最終的には取引当事者の合意によって定まるものであることからすれば、想定し得る購入者の範囲が狭まることによって、当然に当該土地の取引価格が低下するという関係にあるとはいえない。さらに、請求人らがその主張の前提とする不動産鑑定評価における開発法は、不動産開発業者等の投資採算性に着目した中間段階の取引を想定した価格を算定するものであるため、造成費用等の有無・額や区画割後の土地の取引価格の低下の有無・程度は、不動産鑑定士ごとに判断が区々になるもので、それらを考慮するか否かも含めて一義的に定まるものではない。したがって、これらの諸事情等に照らせば、財産評価基本通達(評価通達)の定めにおいて、面大地であることが定型的な減価要因として位置付けられていないことをもって、評価通達の定める評価方法についての一般的な合理性が失われているということはできず、本件土地が面大地であることを含め、請求人らの主張する各点をもって、評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別な事情があるとは認めることはできない。(平29. 6. 2 大裁(諸)平28-56)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280134
- 裁決年月日
- 平成29年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、隣接する農地(市街地農地)及び雑種地(宅地と状況類似地)について、各土地が広大であり価額形成要因も異ならないこと、各土地を併せて宅地開発することが合理的であることなどから、財産評価基本通達(評価通達)7《土地の評価上の区分》なお書の定めにより、一団の土地として評価するべきである旨主張する。しかしながら、対象土地はいずれも、接道義務を満たし、予定建築物の敷地面積の最低限度を大きく上回っており、また、一方の土地は旗竿状の形状をした土地であるものの、一定の建築物が建築可能な宅地部分を有していることから、それぞれを一つの評価単位としても、いずれも宅地としての効用を果たさない形状、地積の大小、位置等とはならず、評価通達7のなお書は、各土地がそれぞれ宅地の効用を果たすと認められる場合にまで、一団の土地として評価することを定めたものではない。したがって、対象土地は、一団の土地として評価することが合理的であると認められる場合には該当せず、原則どおり、地目の別に評価するのが相当である。(平29. 6. 1 東裁(諸)平28-134)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平280015
- 裁決年月日
- 平成29年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№107
要旨
○ 請求人らは、相続財産のうち一部の不動産(本件各不動産)については、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によらないことが相当と認められる特別の事情がないから、評価通達6《この通達の定めにより難い場合の評価》を適用することはできず、評価通達に定める評価方法により評価すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人による本件各不動産の取得から借入れまでの一連の行為は、被相続人が、多額の借入金により不動産を取得することで相続税の負担を免れることを認識した上で、当該負担の軽減を主たる目的として本件各不動産を取得したものと推認されるところ、結果としても、本件各不動産の取得に係る借入金が、本件各不動産に係る評価通達に定める評価方法による評価額を著しく上回ることから、本件不動産以外の相続財産の価額からも控除されることとなり、請求人らが本来負担すべき相続税を免れるものである。このような事態は、相続税負担の軽減策を採らなかったほかの納税者はもちろん、被相続人が多額の財産を保有していないために同様の軽減策によって相続税負担の軽減という効果を享受する余地のないほかの納税者との間での租税負担の公平を著しく害し、富の再分配機能を通じて経済的平等を実現するという相続税の目的に反するものであるから、本件各不動産について、評価通達に定める評価方法を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかであり、評価通達によらないことが相当と認められる特別の事情があると認められる。したがって、ほかの合理的な時価の評価方法である不動産鑑定評価に基づいて評価することが相当である。(平29. 5.23 札裁(諸)平28-15)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280040
- 裁決年月日
- 平成29年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地区画整理事業の施行地区内の各仮換地(本件各土地)について、本件各土地の鑑定評価額(本件各土地鑑定評価額)は、原処分庁が本件各土地を財産評価基本通達(評価通達)の定めに従い評価した価額(原処分庁各評価額)を下回っており、原処分庁各評価額は相続税法第22条《評価の原則》に定める時価を上回ることが明らかである旨主張する。ところで、評価通達に基づく相続財産の評価の方法は、相続税法第22条が規定する財産の時価すなわち客観的交換価値を評価・算定する方法として一定の合理性を有するものと一般に認められていることから、評価通達の定めに従った相続財産の価額をもって時価すなわち客観的交換価値であると事実上推認することができ、請求人らにおいて当該推認を覆すことがない限り、評価通達の定めに従った相続財産の価額が時価であると認めるのが相当である。原処分庁が本件各土地に面する各路線について個別評価した平成24年分の各路線価(本件各個別路線価)は、評価通達14《路線価》に定める路線価と同様の評定過程に基づき個別に評定した路線価であるから、本件各個別路線価を同通達に定める路線価に準じたものとして取り扱うのが相当であり、当審判所において、本件各土地を本件各個別路線価を基礎として評価通達の定めに従い評価したところ、原処分庁各評価額と同額であると認められるから、原処分庁各評価額は本件各土地の時価であると事実上推認される。一方、本件各土地の鑑定評価には、取引事例比較法の適用における個別的要因の補正や規準価格の査定に疑問があり、合理性を有しているとは認められないから、原処分庁各評価額が本件各土地鑑定評価額を上回るものであったとしても、原処分庁各評価額が本件各土地の客観的交換価値を適正に評価したものとの推認を覆す事情とはならない。したがって、原処分庁各評価額が本件相続の開始時における本件各土地の時価を適正に評価したものと認められる。(平29. 4.25 関裁(諸)平28-40)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平280024
- 裁決年月日
- 平成29年4月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№107
要旨
○ 請求人が、相続で取得した畑及び各宅地(本件各土地)の評価は不動産業者の作成した意見書による価額(本件意見価額)によるべきであるとして更正の請求をしたことに対し、原処分庁が、更正をすべき理由がない旨の通知処分をしたところ、請求人は、本件各土地の評価に当たって、本件各土地が無道路地であり、がけ地を含む上、公道から本件各土地まで重機が届かないという制約のために本件各土地の上の建物を取り壊すことができないなどの事情を考慮すべきであるから、本件意見価額を踏まえると、財産評価基本通達の定めにより算定した価額(財産評価額)からの減額割合を60%とすべきである旨主張する。しかしながら、本件意見価額は、本件各土地の周辺の取引相場の裏付けを欠く上、具体的な数値や客観的な根拠が何も示されておらず、適正な時価を示しているとはいえないため、請求人の主張には理由がない。なお、本件各土地は、本件各土地の周辺の一連の土地との高低差を比較検討すると著しい高低差があり、その利用価値が付近にある他の土地の利用状況からみて著しく低下していると認められることから、国税庁ホームページのタックスアンサー「NO.4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」の取扱いにより、本件各土地の財産評価額から10%を減額して評価するのが相当である。また、本件各土地は一体の土地として利用されているとは認められないことから、畑と宅地ごとにそれぞれ一の評価単位として評価すべきである。(平29. 4. 7 名裁(諸)平28-24)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平280006
- 裁決年月日
- 平成29年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、①平成15年に被相続人と同族会社の連名で提出された土地の無償返還に関する届出書(本件届出書)が、昭和55年の法人税基本通達(法基通)改正後において遅滞なく(3年以内)提出されていないため、また、②本件届出書には使用貸借である旨記載されているものの、その実態は賃貸借であり、記載事項が事実に反しているので原処分庁は是正すべきであるにも関わらず、それを怠っているため、本件届出書には重大な瑕疵があり無効である旨主張する。しかしながら、本件届出書については、法基通13−1−7《権利金の認定見合せ》等で定められた要件に該当するか否かを検討して取り扱うこととなっているところ、原処分庁では有効なものとして取り扱っていたことが認められる。また、本件届出書には使用貸借契約に○印が付されているものの、賃貸借と認められる事項が記載されているほか、本件届出書に添付された賃貸借契約書によっても賃貸借であることが認められるため、使用貸借契約に○印が付されていることだけをもって重大な瑕疵とはいえず、その他の記載事項にも重大な瑕疵は見当たらないから、本件届出書は有効なものとして取り扱われるのが相当である。そうすると、本件届出書は有効であるから、相続開始日における貸宅地の評価は、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」通達の8《「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の貸宅地の評価》の定めに基づき、自用地としての価額の100分の80に相当する金額となり、当該金額に小規模宅地等の特例を適用して相続税評価額を算定することとなる。(平29. 3.29 沖裁(諸)平28-6)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平280006
- 裁決年月日
- 平成29年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人と同族会社の連名で提出された土地の無償返還に関する届出書(本件届出書)は、関与税理士が、平成15年7月末に提出した同族会社に係る法人税の確定申告書(法人税申告書)を作成する際、被相続人や請求人ら(被相続人ら)に説明なく勝手に押印して提出されたものであり、被相続人らの意思で提出されたものではないので無効である旨主張する。しかしながら、被相続人らと関与税理士の間における税務相談の状況や本件届出書が税務相談の結果を受けて作成・提出された状況を踏まえると、①関与税理士には代理権限が付与されていたと認められること、②被相続人は、平成15年3月に被相続人所有の土地を同族会社に譲渡した(平成15年譲渡)際に、被相続人の次男及び三男らが行った具体的な作業内容について承知しており、これが本件届出書の提出の動機になったと認められること、③本件届出書に使用された印鑑は、法人税申告書には使用されていないこと、④本件届出書の被相続人の署名の横に押印された印鑑は、次男が金融機関に届け出ている印鑑であり、また、本件届出書に使用された被相続人と同族会社の印鑑は、次男及び三男が管理していたと認められることを考え併せると、法人税申告書の押印時に、関与税理士が本件届出書に勝手に押印したものであるとはいえず、平成15年譲渡を承知した上で、関与税理士と税務相談を行っていた被相続人及び同族会社の代表者である三男の承諾の下に作成・提出されたと認めるのが相当である。(平29. 3.29 沖裁(諸)平28-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280099
- 裁決年月日
- 平成29年3月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した同族会社(本件会社)に対する貸付金債権(本件貸付金)について、本件会社は長期間債務超過の状況にあるため、財産評価基本通達205《貸付金債権等元本価額の範囲》(本件通達)に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するから、その評価額は本件会社を清算した場合の配当予想額によるべきである旨主張する。しかしながら、本件通達にいう「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、本件通達の(1)ないし(3)の事由と並列的に定められていることなどからすると、それらの事由と同視できる程度に、債務者の資産状況及び営業状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときであると解するのが相当であるところ、本件会社については、①相続開始直前期の売上高は相当程度に及び、主たる事業である不動産賃貸業は安定した収益力があり、その他の事業も他社へ事業譲渡されており事業として継続するに値する価値があったこと、②銀行からの借入金については、銀行は十分な担保を徴していたことから回収を急いでおらず、本件会社の当期損益に減価償却費を加算すると毎年相当程度のキャッシュフローがあり、少なくとも毎年の元本の返済は十分可能であったこと、③銀行以外の借入金については、経営者である被相続人及びその親族からの借入れであり、本件会社はその返済を急ぐ必要はなかったこと等が認められ、これらを総合的に検討すれば、銀行からの借入金を返済しつつ事業を継続することは十分に可能であったから、本件会社が本件通達各号の事由と同視できる程度に債務者の資産状況及び営業状況が破綻していることが明白であって、本件貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であったとは認めがたい。したがって、本件貸付金については、財産評価基本通達204《貸付金債権の評価》の定めに従い元本価額により評価するのが相当である。(平29. 3. 9 東裁(諸)平28-99)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平280008
- 裁決年月日
- 平成29年1月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)について、①本件株式の発行会社(本件評価会社)の一部の株主が経営陣に議決権行使を一括委任しているとして、法人税法施行令第4条《同族関係者の範囲》第6項が適用される結果、経営者及びその同族関係者(経営者グループ)の議決権割合が50%を超えることから、請求人は財産評価基本通達(評価通達)188《同族株主以外の株主等が取得した株式》に定める同族株主以外の株主等に該当し、評価通達188−2《同族株主以外の株主等が取得した株式の評価》に定める評価方法(配当還元方式)で評価すべき旨、②仮に、法人税法施行令第4条第6項が適用されないとしても、本件評価会社の株式の保有形態は特異な事例と認定すべきであるから、原則的に評価通達188を適用せず、同通達に定める「同族株主」の趣旨に沿って請求人を同族株主以外の株主と判断し、配当還元方式で評価すべき旨、③配当還元方式で評価できないのであれば、売買実例価格をもって時価とすべき旨主張する。しかしながら、当該一部の株主は、経営者グループに属する者やその関連法人と相互に株式を保有していないこと、議案ごとに決裁を了した稟議書に従い議決権を行使していることなど、経営者グループに属する者との関係で、法人税法施行令第4条第6項に規定する「当該個人又は法人の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者」に該当せず、相続開始日において、本件評価会社に議決権総数が50%を超える議決権を有する株主グループは存在しない。したがって、本件株式は、評価通達188に定める同族株主以外の株主等が取得した株式には当たらず、配当還元方式で評価することはできない。なお、評価通達が同族株主の範囲を形式的に支配従属関係が及ぶ一定の範囲のものとし、画一的に同族関係者の範囲を定めているのは、課税実務上の迅速な処理の要請及び課税の公平の観点からむしろ合理的であり、請求人グループが本件評価会社の株式を多数保有しながら経営権がないなどの事情をもって、評価通達の定めに従った評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別な事情とは認められない。また、請求人が主張する売買実例価格は、特定の少数株主を株式の取得者とする前提で、配当還元方式に依拠して算定されたもので、本件株式の客観的な交換価値を的確に表したものとは認められない。(平29. 1.26 熊裁(諸)平28-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280024
- 裁決年月日
- 平成29年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)について不動産鑑定士が作成した不動産評価報告書(本件報告書)記載の評価額(本件評価額)は不動産鑑定評価基準(鑑定基準)に基づくものであるから、本件評価額は本件各土地の客観的な交換価値と認められるものである旨主張する。しかしながら、本件報告書の評価(本件各土地鑑定士評価)においては、①開発法のみにより評価額を算定しており、取引事例比較法等の他の手法から算定された試算価格に基づく価格となっていないこと、②本件各土地の一部の土地について財産評価基本通達26《貸家建付地の評価》を適用して評価しているが鑑定基準において同様の手法をとるべきことは定められておらず鑑定基準に従っているとはいえないこと、また、③別の土地については租税特別措置法第69条の4《小規模宅地等についての相続税の課税の計算の特例》第1項の規定に該当するとして評価額を減額していることなどから、本件各土地鑑定士評価は鑑定基準に従っているものとはいえない。さらに、本件報告書を作成した不動産鑑定士は請求人の親族であることなどを併せ考慮すると、本件各土地鑑定士評価は合理性に疑いがある。したがって、財産評価基本通達に基づき本件各土地を評価した価額(本件各土地通達評価額)が本件各土地鑑定士評価による本件各土地の評価額を上回るとしても、そのことが本件各土地通達評価額が本件各土地の客観的交換価値を適正に評価したとの推認を覆す事情とはならず、そして、その他に本件各土地通達評価額が本件相続の開始時における本件各土地の時価を上回ることをうかがわせる事情は認められないことから、本件各土地通達評価額が本件相続の開始時における本件各土地の時価を適正に評価したものと認めることができる。(平29. 1.24 関裁(諸)平28-24)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280022
- 裁決年月日
- 平成29年1月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№106
要旨
○ 原処分庁は、①本件土地上に建物を有していた被相続人が、本件土地の所有者である請求人に対し地代として金員(本件金員)を支払っていたこと、②請求人は本件金員を不動産所得に係る地代収入として所得税の確定申告をしたこと、③本件土地に係る各年度の固定資産税相当額及び都市計画税相当額の合計額(固定資産税等年税額)は変動するにもかかわらず本件金員の額が一定であり、請求人と被相続人との間において本件土地に係る通常の必要費を負担することを約していたとは認められないこと、④本件金員の年額は、本件土地に係る相続開始年度の固定資産税等年税額に本件建物に係る被相続人の持分を乗じた金額を優に上回るから、使用貸借通達からも使用貸借とみる余地はないことなどを理由に、被相続人は本件土地上に借地権を有していた旨主張する。しかしながら、①被相続人による本件土地の使用収益は、本件金員の支払が開始する以前(本件土地を請求人が被相続人の父から相続により取得したとき以前)においては使用貸借契約に基づくものであったと認められること、②本件金員の支払開始に当たり、請求人と被相続人との間で契約書が作成されたなどの事情は見当たらないこと、③本件金員の支払開始の経緯や本件金員の算定根拠も明らかではないこと、さらに、④被相続人と請求人は親子であり、本件金員の支払が開始された当時、請求人が未成年者であったことを併せ考慮すると、本件金員が本件土地の使用収益に対する対価であると認めるに足りないというべきであるから、被相続人による本件土地の使用収益は使用貸借契約に基づくものであったと認めるのが相当であり、被相続人が本件土地上に借地権を有していたとは認めることはできない。(平29. 1.17 関裁(諸)平28-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280072
- 裁決年月日
- 平成28年12月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 請求人らは、テニスクラブ(本件テニスクラブ)の敷地の一部として利用している各土地の価額は、本相続財産以外の土地を含む本件テニスクラブの敷地として利用されていた土地全体を一つの「評価単位」として財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)に定める広大地補正率を適用すべきである旨、及びf市との締結に基づく各協定書において、開発行為を行おうとした場合に制約を受けたことを理由にその協定に関する区域を一つの評価単位として、居宅として利用されていた土地(本件B区画)及び駐車場として利用されていた土地(本件C区画)を評価する際に、本件通達に定める広大地補正率を適用して評価すべきである旨主張する。しかしながら、土地の評価単位は、原則として、遺産分割後の取得者ごとに区分した後、利用の単位となっている土地ごとに判定した評価単位を基に評価すべきであり、本件の場合、取得者別、利用の単位別に区分した4区画の土地をもって、それぞれを一つの評価単位として評価すべきである。また、本件B区画及び本件C区画について、協定を締結したとの事実関係を前提としても、本件通達の定めに照らし、何ら影響を及ぼすものではない。したがって、請求人らの各主張は認めることはできない。なお、本件に係る各相続財産の土地の評価単位の認定につき、当該土地の使用貸借に係る利用状況などに照らせば、使用貸借に基づく権利は、貸主、借主間の人的なつながりのみを基盤とするもので借主の権利が極めて弱いことから、自己の所有する雑種地の一部を自ら使用し、他の部分を使用貸借により宅地又は雑種地として貸し付けている場合には、たとえ地目が相違しても、その全体を一団の雑種地として評価するのが相当であり、また、同様に、自己の所有する宅地又は雑種地に隣接する宅地又は雑種地を使用貸借により借り受け、自己の所有する宅地又は雑種地と一体として利用している場合であっても、所有する宅地又は雑種地のみを1画地の宅地又は一団の雑種地として評価するのが相当である。(平28.12.20 東裁(諸)平28-72)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280030
- 裁決年月日
- 平成28年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件法人では、株主から株式の買取り希望があった場合、特別の事情が認められない限り、本件法人の従業員持株会が定額で買い取る慣行があり、その買取価額が不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額(時価)であって、他方、財産評価基本通達(評価通達)の定める評価方法による評価額は、時価と大幅に乖離した価額である旨主張する。しかしながら、請求人のいう「取引慣行」は、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価、すなわち、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる客観的交換価値を基礎付ける取引事例ではないことが明らかであり、そのような取引事例があることをもって、評価通達の定める評価方法による評価額が時価を超えているということはできない。(平28.12.13 大裁(諸)平28-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280030
- 裁決年月日
- 平成28年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達188(2)《同族株主以外の株主等が取得した株式》(本件通達)に定める中心的な同族株主の判定基準は絶対的なものではなく、実質的な支配力等を考慮して判定することが許容され、本件法人は、現社長が同族関係者及びその他の友好的株主とともに中心的な同族株主グループを形成して会社経営の実権を掌握しており、当該グループが有する議決権の割合は本件法人の議決権総数の25%以上であるから、中心的な同族株主が存在することとなる旨主張する。しかしながら、本件通達に定める中心的な同族株主の存否の判定に当たり、本件通達に定める「同族株主の1人並びにその株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び1親等の姻族(これらの者の同族関係者である会社のうち、これらの者が有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の25%以上である会社を含む。)の有する議決権の合計数」が「その会社の議決権総数の25%以上である場合」との判定基準を、当該明文に定められたところと別異に解すべき根拠はなく、請求人の主張するような見解によったときには、判定が恣意に流れ、納税者間の公平を害し、課税処理に混乱を来たすおそれがあり妥当ではない。そして、本件相続開始日において、本件法人に中心的な同族株主がいるか否かをみると、本件法人の同族株主の1人並びにその株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び1親等の姻族等から成る、最も多くの議決権を保有するグループの議決権の合計数は、本件法人の議決権総数の25%以上ではないから、本件法人に中心的な同族株主はいないものと認められる。(平28.12.13 大裁(諸)平28-30)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平280008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成28年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が代表取締役を務めていた法人(本件法人)に対する貸付金及び未収金(本件貸付金等債権)について、本件法人が相続開始日時点で財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》(本件通達)(1)のトに掲げる「業況不振のため又はその営む事業について重大な損失を受けたため、その事業を廃止し又は6か月以上休業しているとき」又は本件通達柱書きの「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」のいずれかに該当し、その金額の一部が本件通達に定める元本の価額に算入しない金額に該当する旨主張する。しかしながら、本件法人は、清算手続き中であったことは認められるものの残余財産を検討すると、残余財産が相続開始日現在において、本件貸付金等債権額を上回るから本件通達は適用されず、本件貸付金等債権は本件通達に定める元本の価額に算入しない金額に該当しない。(平28.12.12 広裁(諸)平28-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280069
- 裁決年月日
- 平成28年12月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 請求人らは、相続財産である賃貸用共同住宅(本件家屋)の敷地(本件土地)の評価について、本件家屋は、相続開始の約2年前の平成○年1月1日まで被相続人が持分を有し、同日に被相続人から請求人に持分譲渡されたところ、当該家屋のうち同日以前に被相続人が賃貸し、相続開始日まで賃貸借契約が継続していた居室(本件居室)に対応する部分については、貸家建付地として評価すべきである旨主張する。本件居室については、その敷地利用権は使用借権ではなく所有権に基づくものであるから、本件居室の敷地利用権に対応する土地(被相続人が家屋の持分を有していた部分の、本件土地全体のうち被相続人が持分を有していた部分に限る。)については、貸家建付地として取り扱うのが相当である。(平28.12. 7 東裁(諸)平28-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280069
- 裁決年月日
- 平成28年12月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 原処分庁は、本件1土地(生産緑地)と本件2土地(生産緑地)は、市が所有する青地(旧水路)により分断されており、各土地は別個の評価単位として取り扱うべきである旨主張する。しかしながら、相続開始日において、①本件1土地と本件2土地との間には青地が介在していたものの、当該青地は全て埋め立てられており、水路としての機能を失っていたこと、②本件1土地及び本件2土地は、青地部分の土地を含めて一体の畑として耕作されていたこと、③市は、本件1土地、本件2土地及び青地部分の土地を一体の生産緑地地区に定める都市計画を決定していたことなどの各事実が認められる。したがって、本件1土地及び本件2土地の各土地は、物理的にも法的にも分断されておらず、また、その利用も一体であったと認められるため、一団の生産緑地、すなわち1つの評価単位として取り扱うのが相当である。そして、本件1土地及び本件2土地の各土地を評価するに当たっては、まず青地部分の土地を含む各土地全体の評価額を算出し、その後、当該評価額から青地部分の土地の価額を控除して評価するのが相当であり、その場合、①当該青地部分の土地の売買が成立し得るのは請求人らと市の間に限定されること、②市が当該青地部分の土地を請求人らに売却した場合の売買代金である払下げ費用相当額は、国有財産評価基準によりその算定方法が画一的に決められていることからすると、青地部分の土地の価額については、相続開始日において当該青地が請求人らに払い下げられたとした場合の払下げ費用相当額とするのが相当である。(平28.12. 7 東裁(諸)平28-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280069
- 裁決年月日
- 平成28年12月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400803020
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/2建築中の家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 請求人らは、相続財産である貸家(本件貸家)について、相続開始日前から実施していた改修工事(本件改修工事)は、建物の躯体の改善ではなく通常の維持管理のための修繕であり、貸家の価値を増加させるものではないから、本件貸家は相続開始日における固定資産税評価額に基づいて評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件改修工事は、1Kタイプの居室2室の2DKタイプの居室1室への改修や、バルコニーの設置等を行うものであり、故障箇所の修繕など、いわゆる現状回復を目的とした通常の維持管理のための工事であるとは認められず、その工事費用は本件貸家の価値を増加させるための費用であると認めるのが相当である。なお、改修工事により価値が増加した場合の家屋の評価については、本件改修工事が未着手である貸家部分の評価額(固定資産評価額)に、本件改修工事により価値が上昇した部分の評価額(家屋の評価に関する財産評価基本通達89−2《文化財建造物である家屋の評価》及び同93《貸家の評価》の定めに準じて、本件改修工事の費用から課税時期までの期間に応じて減価償却した残額の100分の70に相当する金額)を加えた金額によって評価することになるが、既に家屋に投下された建築費用相当額は、相続財産として申告された前払金から控除するのが相当である。(平28.12. 7 東裁(諸)平28-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280069
- 裁決年月日
- 平成28年12月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 請求人らは、本件1土地及び本件2土地はその全てが駐車場(雑種地)として利用されていることから評価単位は区分されない旨主張する。しかしながら、本件1土地は、本件被相続人が賃貸人となって駐車場利用者と賃貸借契約を交わし、駐車場の貸付けに係る業務を行う月極駐車場として利用されていたのに対し、本件2土地は、被相続人が駐車場経営会社に2年間の期間で貸し付け、借主である同社が駐車場経営に必要な設備等を設置し、駐車場(時間貸し)に係る事業を行う場所として利用されていたものと認められ、双方の契約内容は、その使用目的等について相違が認められる。したがって、本件1土地及び本件2土地は、それぞれ別個の雑種地として評価すべきである。(平28.12. 7 東裁(諸)平28-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280069
- 裁決年月日
- 平成28年12月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 請求人らは、相続財産である各土地(宅地、農地及び雑種地)については、財産評価基本通達(評価通達)7《土地の評価上の区分》及び7−2《評価単位》の定めにより難い特別な事情(市に開発行為の許可を受ける場合には地続きの土地全体を一体の土地として許可を受けることとなる事情)があることから、土地ごとではなく、全体を1つの評価単位として評価通達24−4《広大地の評価》の定めが適用されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人らが主張する事情は、評価通達7の定めにより地目の別に評価することの支障となるものではなく、評価通達の定めと異なる評価方法を採用すべき理由とはならない。(平28.12. 7 東裁(諸)平28-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280069
- 裁決年月日
- 平成28年12月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 請求人らは、相続財産である貸家3棟(本件1貸家、本件2貸家及び本件3貸家といい、これらを併せて本件各貸家という。)について、相続開始日において空室であった部分は、本件各貸家について改修工事が行われていたという事情を斟酌すれば、全て財産評価基本通達26《貸家建付地の評価》(注)2の「課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に該当するから、同通達26に定める「賃貸割合」の算出に当たっては、当該空室部分も賃貸割合に含めて計算すべきである旨主張する。しかしながら、本件各貸家の賃貸状況についてみると、相続開始日において空室であった居室は、本件1貸家の9室、本件2貸家の6室、本件3貸家の3室の計18室であるが、このうち本件1貸家の1室を除き、本件相続開始日前後において、最短でも5か月を超えて空室状況にあったことが認められる。したがって、本件1貸家の1室を除く各居室については、「課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」には該当しない。(平28.12. 7 東裁(諸)平28-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280069
- 裁決年月日
- 平成28年12月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 請求人らは、相続財産である私道(本件土地)が近隣住民の生活用道路として利用されていることから、不特定多数の者の通行の用に供されている私道であり、財産評価基本通達24《私道の用に供されている宅地の評価》後段の定めにより零円と評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、いわゆる行き止まり道路で、本件土地を利用する者は、本件土地が隣接する宅地上に存する戸建住宅の居住者又はその関係者など、当該住宅に出入りする者に限られると認められることからすれば、不特定多数の者の通行の用に供されている私道であるとは認められない。(平28.12. 7 東裁(諸)平28-69)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平280010
- 裁決年月日
- 平成28年12月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)及び借地権(本件借地権)の価額について、財産評価基本通達(評価通達)に定められた評価方法によらず、不動産鑑定士による鑑定評価額等(本件各鑑定評価額等)とすべきである旨主張する。しかしながら、評価通達は、一般の納税者にとっても相続税等の納税申告における財産評価について準拠すべき指針として適用されてきているところであり、評価通達に基づく相続財産の評価の方法は、相続税法第22条《評価の原則》が規定する財産の時価すなわち客観的交換価値を評価・算定する方法として一定の合理性を有するものと一般に認められていることなどからすれば、原処分庁が行った評価通達に定められた評価方法により算定した価額(本件各通達評価額)は、その基礎となる事実関係の認定や計算過程に誤りはないのであるから、同条に規定する時価と推認できる(本件推認)こととなる。一方、本件各鑑定評価額等に係る各不動産鑑定評価書(本件各鑑定評価書)については、本件各鑑定評価書における各鑑定評価額の算定の基礎となった各数値について、論理的かつ実証的な説明がされたとは認めることはできず、また、当該各数値に係る資料も提出されず、当審判所の調査及び審理の結果によっても、ほかに当該各数値を正当なものと認めるに足る証拠もないことから、本件各鑑定評価書における鑑定評価は、合理性を有するものとは認められず、本件推認を覆すことはできない。したがって、本件各通達評価額は、本件土地及び本件借地権を適正に評価したものと認めることができる。(平28.12. 5 札裁(諸)平28-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280062
- 裁決年月日
- 平成28年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803010
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した家屋(本件家屋)の価額について、本件家屋は、東日本大震災後、部屋の天井に亀裂が入るなど、多数の損耗が多く見られる状態にあることなど、財産評価基本通達(評価通達)の定める方法によらないことが正当として是認されるような特別の事情があるから、本件家屋の価額は、評価通達89《家屋の評価》に基づいて固定資産税評価額と同額とするのではなく、零円である旨主張する。しかしながら、市長村長が地方税法第388条《固定資産に係る総務大臣の任務》第1項に規定する固定資産の評価基準並びに評価の実施の方法及び手続(固定資産評価基準)に従って決定した家屋の固定資産税評価額は、固定資産評価基準が定める評価の方法によっては再建築費を適切に算定することができないなどの特別の事情が存しない限り、同法第341条《固定資産税に関する用語の意義》第5号に規定する価格すなわち適正な時価と推認するのが相当であり、これに依拠して家屋を評価する評価通達は相当と認められる。そして、本件家屋の固定資産税評価額は、固定資産評価基準の定めに基づき算定した価額であり、その算定過程に不合理な点は認められない。また、本件家屋の固定資産税評価額は、東日本大震災の影響を考慮した上で決定されたものであり、当審判所が調査したところ、天井等におおむね請求人の主張する損傷は認められるものの、本件家屋の躯体は保持されていることや、本件建物が築40年を優に超えていることなどの事情を総合的に考慮すれば、このような損耗状況につき、経年減点補正を超えて更なる減価を要すると認められるものはない。これらを踏まえると、本件家屋について特別の事情があるとは認められず、請求人らの主張は、適正な時価であるという推認を妨げ、あるいは推認を覆すものではない。したがって、本件家屋の固定資産税評価額は適正な時価と推認され、相続税法第22条《評価の原則》に規定する「時価」として相当である。(平28.12. 2 東裁(諸)平28-62)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280025
- 裁決年月日
- 平成28年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803010
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である家屋(本件家屋)に相続開始前に施された工事(本件工事)は、主として本件家屋のバリアフリー化を企図した生活に通常必要な修繕であり、本件家屋の価値を高めるための改築とはいえないから、財産評価基本通達(評価通達)89《家屋の評価》(本件通達)を適用する基礎となる本件家屋の固定資産税評価額(本件家屋評価額)は、相続開始時の状況に応じて付されたものである旨主張する。しかしながら、本件工事は、本件家屋の既存の基礎、柱、梁及び屋根を残し、それ以外の部分については解体・撤去した上で、新たに外壁、床、建具、天井、室内壁等を構築し、内装の仕上げをし、設備を設置するなど、家屋全般にわたり改築を施されたものであり、その工事請負代金に照らしても、その価値を相当に増加させるものであったと認められる。しかるに、本件家屋評価額は、本件工事が施された後も現在に至るまで変更がなく、本件工事による価値の増加が本件家屋評価額に反映されていないことからすれば、本件家屋は、本件相続開始日において、増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない家屋であったと認めるのが相当である。このような場合、本件通達の定めにより評価しても、適正な時価を算定することはできないから、本件家屋は、評価通達5《評価方法の定めのない財産の評価》の定めに基づき、家屋に固定資産税評価額が付されていない場合等の評価方法を定めた評価通達89−2《文化財建造物である家屋の評価》の定めを参考に評価することが合理的である。(平28.11.17 大裁(諸)平28-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280015
- 裁決年月日
- 平成28年10月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件各土地に係る不動産鑑定評価書における鑑定評価(本件鑑定評価)は、本件各土地の個別要因を網羅し、それらを適正な鑑定評価手法に当てはめているから合理的である旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価のうち取引事例比較法において採用している取引事例は、夫婦間や代表者を同じくする法人間の取引であるなど取引事情が正常なものとは認められず、適切な取引事例の選択がされているとはいえないから、それらの事例に基づき試算された比準価格は合理的とは認められない。また、開発法の適用について、審判所認定の開発想定図も開発許可制度に適合しているということができ、本件鑑定評価の開発想定図と審判所認定の開発想定図のそれぞれの買取等予定地の面積を比較すると、後者の開発想定図における開発の方が少なく、買収費用の額も少なくなるといえることから、審判所認定の開発想定図による開発の方が、経済的合理性に優れているものというべきであり、より経済的合理性に優れる開発想定ができる以上、本件鑑定評価の開発想定図を前提に査定された開発法による価格は合理的とはいえない。また、地価公示法第8条は、公示価格を規準としなければならない旨規定しているところ、本件鑑定評価額は、公示価格を規準としていることについて疑義がある。したがって、上記の点から、本件鑑定評価が合理性を有するとは認められず、原処分庁が、本件各土地を財産評価基本通達の定めにより評価した価額は、本件各土地の時価を適正に評価したものであると認めることができる。(平28.10.20 関裁(諸)平28-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280017
- 裁決年月日
- 平成28年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した本件土地について、①沿接する河川との間に勾配があり、これが崩れないようにするための措置を講ずる必要があること、②公共下水への接続が困難なこと、③西南方の民地との間に高低差があることなど利用上の制限等が存するため、本件土地に適用される、財産評価基本通達(評価通達)21《倍率方式》(本件通達)による評価方法による評価額はこれらの事情を考慮しておらず適正な時価を超えており、評価通達の定める評価方法によることができない特別な事情があることから、不動産鑑定評価(本件鑑定評価)に基づく評価額により評価すべき旨主張する。しかしながら、請求人が指摘するような本件土地の利用上の制限等に関する事情は、本件通達の基礎となる固定資産税評価額の評価の基準である固定資産評価基準において既に定型的な減価要因として位置付けられているものであるから、評価通達の定める評価方法の不合理性を基礎付ける事情とはいえない。また、不動産鑑定評価基準においては対象不動産の最有効使用を判定しこれに基づく需要者の価値判断を基礎として価格を決定すべき旨定められているところ、本件鑑定評価においては、最有効使用が特定されていないことから、本件鑑定評価の比準価格、収益価格及び規準価格の試算等における各種の設定数値等がどのような価値判断に基づき査定されたものであるか明らかではなく、合理的な判断過程を経たものとはいえず、これをもって、本件土地につき評価通達の定める評価方法によることができない特別な事情があるということはできない。したがって、本件土地の評価は本件通達によって評価した評価額によるのが相当である。(平28.10.17 大裁(諸)平28-17)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280015
- 裁決年月日
- 平成28年10月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件土地が所在する地域は低層戸建住宅を中心とする住宅地域であること、②交通機関への接近性に直ちに優れているとはいえず、また地元大手デベロッパーの開発シミュレーションによっても本件土地は集合住宅等を建築するよりも戸建分譲の方が利益が大きいとされたことなどから、本件土地が存する地域は相当程度中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものに移行しつつある地域とはいえず、本件土地は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地が所在する地域(その地域)は、第一種中高層住居専用地域及び第三種高度地区に指定され、建ぺい率は60%、容積率は150%とされており、絶対高さ制限も20mと緩やかに定められていることから、少なくとも3階建以上の集合住宅の建築が可能であること、その地域は、最寄り駅であるA駅から約400m、B駅から約600mの範囲内にあり、いずれの駅からも徒歩圏内であって交通機関への接近性に優れていること、さらに、その地域においては、昭和44年以降(又は昭和40年代以降)、本件相続の開始の日まで3件の開発許可がされているが、その全てが集合住宅等の建築に係る開発行為に対するものであって、実際の利用状況も、全体の約70%という大部分が集合住宅等の敷地の用に供されていたことからすれば、その地域は、集合住宅等の敷地としての利用に地域が移行しつつある状態で、しかもその移行の程度が相当進んでいるものと認められ、その地域に所在する本件土地について経済的に最も合理的であると認められる開発行為は、中高層の集合住宅等の建築であると認めるのが相当である。したがって、本件土地は広大地通達に定める広大地に該当しない。(平28.10. 6 大裁(諸)平28-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280040
- 裁決年月日
- 平成28年10月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地、合計地積約3,900㎡)について、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)に定める本件土地に係る「その地域」は、請求人ら主張地域(本件土地の存する市街化調整区域(本件区域)及び周囲の市街化区域を含めた地域)であり、当該地域の標準的な宅地の地積は110㎡ないし170㎡程度で、開発行為を行うに際して公共公益的施設用地の負担が必要となるため、本件土地は本件通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、市街化調整区域と市街化区域とでは、土地利用の公法上の規制が明らかに異なることから、本件土地に係る「その地域」は本件土地が存する市街化調整区域となり、本件区域における土地の標準的使用は広大な住宅用敷地と認められ、その地積の中央値及び平均値からすると、「標準的な宅地の地積」は1,800㎡ないし2,100㎡程度となる。さらに、本件土地について、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるか否かを検討すると、本件地域については、①本件土地の存する地方公共団体が、市街化を抑制する方向での目標ないし方針を掲げていること、②①を受け市街化区域であった区域が市街化調整区域に指定された地域であること、③過去の開発事例等からして戸建住宅の開発が進んでいる地域とは認められないこと、④土地の標準的使用は広大な住宅用敷地であることなどから、本件地域の標準的な宅地の地積と同程度の地積をもって利用することが、本件地域における合理的な利用であると認められる。そうすると、本件土地を1,800㎡ないし2,200㎡程度で区画割りをした場合、2ないし3区画程度となり、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要となるとは認められない。したがって、本件土地は本件通達に定める広大地に該当しない。(平28.10. 5 東裁(諸)平28-40)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280009
- 裁決年月日
- 平成28年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した本件1土地及び本件2土地(本件1土地と併せて本件各土地)の評価において、本件2土地は、建築基準法上の道路に面しておらず、隣接する本件1土地に建築基準法上の道路を設けることもできないから、現状では本件2土地に建築物を建築することはできないため、本件2土地を宅地に比準して評価する場合のしんしゃく割合は、50%が相当である旨主張する。しかしながら、市街化調整区域内であっても、A市の条例の定める要件に該当する場合には建物の建築が可能と認められることからすれば、本件2土地には、建築可能な建物の用途に制限があるものの、建物の建築が全くできない場合には当たらないから、建築制限に係るしんしゃく割合は30%が相当である。また、宅地に比準して評価する場合のしんしゃく割合の取扱いは、飽くまで市街化調整区域に存する雑種地が建物の建築に当たり法的制限を受けることを踏まえ、建物の建築制限の程度に応じて減額するというものであるところ、請求人が主張する無道路地であることにより建物の建築ができないという事情は、市街化調整区域に存する雑種地であることに基因する法的制限ではないから、当該課税実務に基づくしんしゃく割合についての上記判断を左右するものではない。なお、財産評価基本通達20−2《無道路地の評価》(本件通達)において無道路地の価額の評価方法を定めており、無道路地である場合には、当該通達に基づく評価がされるところ、本件においては、本件各土地はいずれも被相続人の所有であり、本件2土地は本件1土地を介して建築基準法上の道路に接することからすれば、本件2土地が本件通達に定める無道路地であるとも認められない。(平28.10. 4 関裁(諸)平28-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280009
- 裁決年月日
- 平成28年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した本件各土地の上に建つ2棟の建物(本件建物)はいずれも違法建築物であり第三者による再建築が不可であることを踏まえて算定した結果であり妥当であるから、鑑定評価書(本件鑑定評価書)における鑑定評価には合理性が認められる旨主張する。しかしながら、A市の市街化調整区域(本件市街化調整区域)において建築物を建築する場合、A市の条例(本件条例)に定められた開発許可を要する上、その建築物の用途も本件条例に該当するものに限られること、本件建物が違法建築物であり、本件各土地上に当該違法建築物と同一の用途の建築物を再建築することはできないものの、当該違法建築物を取り壊した後、本件各土地上に本件条例に該当する開発であれば、建築物を建築することが可能であることが認められる。これらの事実に照らせば、本件各土地に係る利用の制約の程度は、本件市街化調整区域内に所在する他の土地に係る制約と同等であると認められ、本件各土地についてこれを超えるような制約があると認めるに足りる証拠資料は存しない。また、本件鑑定評価書は、標準価格の査定において本件市街化調整区域の取引事例を基にしており、A市の市街化調整区域内に所在する土地に係る制約は当該標準価格の査定において十分に評価されているものというべきである。したがって、本件鑑定評価書において、本件各土地への再建築不可等を理由として更に50.1%の減額をする補正は明らかに過大であり、本件鑑定評価書における鑑定評価は、合理性を有するとは認めることができない。(平28.10. 4 関裁(諸)平28-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280009
- 裁決年月日
- 平成28年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した本件各土地は変電所に近接しているところ、変電所は土地価格比準表においても環境条件の項目として列挙されていることからすれば、財産評価基本通達(評価通達)に基づき本件各土地の評価額を算定するに当たって、本件各土地を付近の宅地と比較して利用価値が著しく低下している宅地として減額することを要する旨主張する。しかしながら、本件各土地の相続税評価額を評価するための倍率を評定するための標準宅地が本件変電所の東方約○mの地点に設置されていること、及び、同地点は本件各土地の固定資産税評価額を評定するための標準宅地と同一地点であることが認められることからすれば、本件各土地の固定資産税評価額及び宅地の倍率の評定に当たって勘案された状況類似地域に変電所が存していることとなるから、本件各土地の相続税評価額を評価するための倍率は、付近に変電所が所在していることを前提に評定されているものと推認することができる。したがって、本件各土地の価額の算定の基礎となる倍率は、変電所が所在することを考慮して付されていることとなるから、本件各土地を評価通達に基づき評価した額について、本件変電所に起因する減額を要しないというべきである。(平28.10. 4 関裁(諸)平28-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280008
- 裁決年月日
- 平成28年9月26日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№104
要旨
○ 原処分庁は、請求人らが相続(本件相続)により取得した各土地(本件各土地)の財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)の適用につき、広大地通達に定める本件各土地の「その地域」は、原処分庁の主張する地域(原処分庁主張地域)は用途地域が工業地域に指定され、工場、事務所、戸建住宅及び駐車場等が混在する地域であるのに対し、その周囲は用途地域が第一種住居地域と指定されており、戸建住宅を中心とする地域であることから、本件各土地に係る「その地域」は原処分庁主張地域の用途地域、すなわち工業地域である旨主張する。しかしながら、原処分庁主張地域において、①本件相続の開始前20年間に工場の新築はなく、工場として利用されている戸数の割合は僅かであること、②良好な住宅地としての発展等を目的とした土地区画整理事業が施行されたこと、③本件各土地の所在する地方自治体の都市計画の方針により、住居系の土地利用への誘導が図られていることを踏まえると、本件各土地の所在する地域(本件地域)における土地の標準的な使用は工場用地から住宅用地に移行しつつあるものと認められる。そして、④本件地域は戸建住宅や共同住宅の建築において用途制限に差のない第一種住居地域に定められた地域(本件周辺地域)に囲まれるように存しており、容積率及び建ぺい率も同一であること、⑤本件地域及び本件周辺地域(審判所認定地域)の東側には川幅約8mの川が流れており、これを境に土地の利用状況が異なることなどの事情を総合勘案すると、審判所認定地域が本件各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると認めるのが相当である。(平28. 9.26 関裁(諸)平28-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280007
- 裁決年月日
- 平成28年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)について、財産評価基本通達(評価通達)24−4《広大地》(広大地通達)を適用することはできないものの、本件土地は付近の標準的な宅地と比較して面積が大きい土地(面大地)であり、本件土地の評価においては、請求人らが採用した鑑定評価(本件鑑定評価)のように減価要因(①需要者が不動産開発業者に限定されて市場性が減退すること、②広大地通達の適用がないとしても、宅地分譲に当たり、造成費用等を要すること等)を考慮すべきであるが、これを一切考慮していない評価通達に定める方法による評価額は、時価を超えており違法である旨主張する。しかしながら、評価通達の定める評価方法は、一般的な合理性を有するものとして、これによる評価額は、評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別な事情の存しない限り、当該相続財産の時価であると事実上推認することができ、また、請求人らの採用した本件鑑定評価における減価要因によって、特別の事情があると認めることもできない。(平28. 8.30 大裁(諸)平28-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280006
- 裁決年月日
- 平成28年8月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した本件1土地及び本件2土地(本件各土地)はそれぞれ市街地農地及び宅地と状況が類似する雑種地であって、互いに隣接しており、一団として評価することが合理的と認められるから、財産評価基本通達7《土地の評価上の区分》(本件通達)なお書の定めに基づき、一団の土地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地の形状、地積、位置等によれば、いずれの土地についても、予定建築物の敷地面積の最低限度及び本件各土地の近隣に存する公示地の地積を大きく上回っており、それぞれの形状や接道状況等を踏まえると、周辺の標準的な宅地と比較した場合に、本件各土地は、個々に見ても、宅地の効用を十分に果たすと認めることができるというべきであり、このような場合には、原則どおり、地目の別に評価することが、本件通達の文言及び趣旨にかなうものというべきである。したがって、本件各土地は、本件通達なお書に定める一団として評価することが合理的と認められる場合に該当しない。なお、請求人は、本件各土地を個別に開発しようとする場合、本件1土地については路地状開発を余儀なくされ、本件2土地については開発が困難であるから、本件各土地は一団の土地として評価すべきである旨主張するが、想定される開発方法が路地状開発になることをもって直ちに一団として評価すべきとまではいえず、また、本件2土地についても個別開発が困難であると認めるに足りる証拠資料はないことから請求人の主張には理由がない。(平28. 8.23 関裁(諸)平28-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280004
- 裁決年月日
- 平成28年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが相続により取得した土地(本件土地)に係る不動産鑑定評価(本件鑑定評価)は、①本件土地の接道状況によって受けるべき減価や、②本件土地が急傾斜地に隣接している点など、財産評価基本通達(評価通達)では適切に評価できない事情を適切に評価しており、公正妥当な鑑定理論に従ってなされたものといえるから、合理性を有するものである旨主張する。しかしながら、原処分庁が評価通達に基づき行った本件土地の評価において、特定路線価の評定では、本件土地の接道(本件道路)の幅員は考慮されていると認められ、加えて、本件土地を評価通達49−2《広大な市街地山林の評価》の定めに基づき評価した価額(本件通達評価額)は本件土地の間口が狭小であることを踏まえて評価した価額(評価通達49《市街地山林の評価》の定めにより求めた価額)より低いことからすれば、本件通達評価額は、本件土地の接道状況を踏まえた価額と認められる。また、本件土地は警戒区域に指定されていない上、本件土地に開発行為を行うとしても擁壁の設置や後退の措置を要さないと認められ、当該傾斜地が存することをもって、何らかの法的制約を受けることも、費用負担を強いられることもないことからすると、当該傾斜地に隣接することが、評価通達では適切に評価できないというほどの事情とはいえない。加えて、本件鑑定評価には、鑑定評価の手法の適用、開発法の適用において想定する開発道路の設置の仕方及び取引事例比較法の適用における取引事例の選択や補正について、鑑定評価の合理性を疑わせるような点が認められることからすれば、本件鑑定評価は合理性を有するものと認められない。したがって、評価通達の定めに従って評価した本件通達評価額は、本件土地の時価を適正に評価したものと認められる。(平28. 8. 2 関裁(諸)平28-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280004
- 裁決年月日
- 平成28年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した貸付金債権(本件貸付金)については、相続開始後に請求人らと債務者及び連帯保証人(債務者ら)との間で成立した訴訟上の和解により、その一部しか回収できなかったのであるから、当該回収額を本件貸付金の価額とすべきであり、財産評価基本通達(評価通達)により評価すべきではない旨主張する。しかしながら、相続開始時において、債務者に評価通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の(1)ないし(3)に定める事由が生じていた事実はなく、債務者の資産、損益の状況及び連帯債務者の所得の状況から判断して、相続開始時において、本件貸付金の回収の見込みがないことが客観的に確実であるとはいえない。したがって、本件貸付金の価額は、評価通達204《貸付金債権の評価》の定めに従い、返済されるべき元本の価額と相続開始時の既経過利息の合計額により評価すべきである。(平28. 7.25 大裁(諸)平28-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280008ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成28年7月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した各不動産(本件各不動産)について、それらの財産評価基本通達(評価通達)の定めにより評価した価額は、不動産鑑定士による鑑定評価額(本件各鑑定評価額)を上回り、相続税法《評価の原則》第22条に規定する時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、原処分庁が、課税処分における課税価格等の算定が評価通達の定めに従って相続財産の価額を評価したものであることを、評価通達の定めに即して主張・立証した場合には、その課税処分における相続財産の価額は「時価」すなわち客観的交換価値を適正に評価したものと事実上推認することができるところ、この推認を覆すには、不動産鑑定士による合理性を有する不動産鑑定評価等の証拠資料に基づき、評価通達の定めに従った評価が、当該相続財産の「時価」を適切に反映されたものでなく、「時価」を上回ることが立証されるなどする必要がある。これを本件についてみると、本件各鑑定評価額は、①不動産鑑定評価基準において規準すべき旨定められた公示価格を規準していないこと、②積算価格及び比準価格の算定における市場性の減価修正は、不動産鑑定士独自の予測に基づくもので客観的な根拠を欠き、合理性が認められないこと、③比準価格の算定における共有地を要因とする減価等の修正に合理性が認められないこと、及び④収益還元法における還元利回りに合理性が認められないことなどから、本件各不動産の「時価」を示すものとは認めることができず、本件各鑑定評価額をもって、評価通達の定めにより評価した価額を時価とする事実上の推認は覆らない。したがって、評価通達の定めにより評価した本件各不動産の価額に、時価を上回る違法があるとは認められない。(平28. 7.15 東裁(諸)平28-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280001
- 裁決年月日
- 平成28年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社が有する借地権の存する各土地は、同社の経営するガソリンスタンド敷地(本件各敷地)及びその隣接地であるから、その評価において、土壌汚染対策費用及び土壌汚染に基づく心理的嫌悪感を要因とする市場性の減退に基づく減価相当額並びに地下タンク撤去費用相当額を控除すべき旨主張する。しかしながら、本件各敷地に土壌汚染の事実が存することを明らかにする客観的な事情は認められず、土壌汚染対策費用及び土壌汚染に基づく心理的嫌悪感を要因とする市場性の減退に基づく減価相当額を控除することはできない。また、本件各敷地に埋設されている地下タンクは、ガソリンスタンドの敷地として利用するに当たり、その目的に従って有効に利用するために設置している構築物であり、本件各敷地につき土壌汚染が確認され、浄化措置を行わなければならない状況にあるとも認められず、地下タンクの撤去費用相当額を控除することはできない。(平28. 7. 4 東裁(諸)平28-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280001
- 裁決年月日
- 平成28年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各借地権(本件各借地権)の存する土地(本件各土地)について、不動産鑑定評価基準に準拠して行われた鑑定評価は、一般的には客観的な根拠を有するものであるから、鑑定評価額が財産評価基本通達(評価通達)に基づく評価額を下回るときは、鑑定評価額が時価に当たると判断すべきと主張する。しかしながら、本件各土地に係る鑑定評価(本件各鑑定評価)は、①取引事例比較法における比準価格の算出に当たり適切な補正等が行われているとは認められないこと、②公示価格との規準も適切に行われていないこと及び③土壌汚染の事実が客観的に明らかでないにもかかわらず、土壌汚染対策費用等を控除していることなどから、本件各鑑定評価に基づく各鑑定評価額(本件各鑑定評価額)はいずれも価格時点における客観的交換価値を示しているものとは認められない。また、本件各鑑定評価額を基に価格時点から課税時期までの間の時点修正等を行い、借地権割合を乗じて求めた請求人の主張する本件各借地権の価額についても、課税時期における当該価額の客観的な交換価値を示すものとは認められない。したがって、本件各土地に係る本件各鑑定評価額をもって、評価通達に基づく評価額(本件評価額)を時価とする事実上の推認は覆らず、本件評価額は時価を上回る違法なものではない。(平28. 7. 4 東裁(諸)平28-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280001
- 裁決年月日
- 平成28年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)の適用において、本件土地(500.34㎡)の所在する地域(本件地域)の標準的な土地の利用は戸建住宅用地であり、その標準的な地積は110㎡から170㎡であるから、本件土地は広大地に該当する旨主張する。しかしながら、請求人の主張は、課税時期から数年後の本件地域の土地の利用状況に基づくものであり、課税時期における本件地域の標準的な土地の利用は店舗又は事業所の敷地で、その標準的な地積は500㎡程度であると認められる。したがって、本件土地は、広大地通達に定める広大地に該当しない。(平28. 7. 4 東裁(諸)平28-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270067
- 裁決年月日
- 平成28年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続(本件相続)により取得した地積が500.34㎡の土地(本件8土地)について、本件8土地が所在するその地域(本件地域)における標準的な宅地の地積は、戸建住宅用敷地として110㎡から170㎡までと認められることから、本件8土地は、本件地域の標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地というべきであり、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件相続の開始時において、本件地域における土地の利用状況は店舗等の敷地が中心であり住居専用の戸建住宅の敷地は1区画のみであることからすると、本件地域における標準的な宅地の用途は店舗等の敷地と認めるのが相当である。そして、本件地域における宅地の利用状況からすると、その標準的な宅地の地積は500㎡程度と認められる。そうすると、本件8土地は、地積が500.34㎡であることから、本件地域における標準的な宅地の地積に比し著しく地積が広大な宅地であるとは認められない。したがって、本件8土地は広大地には該当しない。(平28. 6.27 関裁(諸)平27-67)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270067
- 裁決年月日
- 平成28年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続(本件相続)により取得したガソリンスタンドの敷地である土地(本件5土地、本件7土地及び本件8土地)については、地下タンクの撤去費用の負担、土壌汚染に係る調査費用及び土壌改良費等の負担又は土壌汚染に起因する心理的嫌悪感による市場性の減退という各事情を、また、ガソリンスタンドの隣接地である土地(本件6土地)については、上記市場性の減退という事情を、それぞれ考慮すべきであり、具体的には、不動産鑑定士が見積もった価額を上記各土地の評価額から控除すべき旨主張する。しかしながら、本件5土地から本件8土地までの各土地は、本件相続の開始時において、土壌汚染対策法で規定する要措置区域にも形質変更時要届出区域にも指定されておらず、また、ガソリンスタンドの敷地として使用されていた本件5土地、本件7土地及び本件8土地について本件相続の開始時以前に土壌汚染調査は行われていないことが認められ、本件5土地から本件8土地までの各土地が本件相続の開始時において汚染されていたと認めるに足りる証拠資料は存しないから、本件相続の開始時において、本件5土地から本件8土地までの各土地が汚染されていたと認めることができない。また、本件5土地、本件7土地及び本件8土地は、本件相続の開始時において、賃借人である本件会社がガソリンスタンドとして使用し、地下タンクなどのガソリンスタンドに係る設備を所有していたことが認められるところ、財産評価基本通達1《評価の原則》(2)が、相続の開始時における当該財産の現況により評価する旨定めていることからすれば、地下タンクの撤去を前提として上記各土地の価額を評価することは、上記各土地の現況により評価したことにならないから、地下タンク撤去費用の見込額を控除することはできない。以上のとおり、ガソリンスタンドの敷地又はその隣地であることに伴う市場性の減退の考慮は不要であり、また、地下タンク撤去費用の見込額を評価額から控除しなかったことが不合理とはいえない。(平28. 6.27 関裁(諸)平27-67)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270067
- 裁決年月日
- 平成28年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件1土地から本件8土地までの各土地(本件各土地)に係る不動産鑑定評価書(本件各鑑定評価書)における鑑定評価は合理性が認められる旨主張する。しかしながら、本件1土地から本件6土地までの各土地に係る鑑定評価においては、取引事例比較法を適用するに当たり、標準画地の合理性に疑問があり、また、本件7土地に係る鑑定評価においては、鑑定評価手法の適用に疑問があるほか、本件5土地から本件8土地までの各土地に係る鑑定評価においては、土壌汚染の事実は認められないが、土壌汚染を前提とした鑑定評価をしており妥当ではないことなどからすると、本件各鑑定評価書における鑑定評価はいずれも合理性を有しているとは認められない。(平28. 6.27 関裁(諸)平27-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270134
- 裁決年月日
- 平成28年5月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が同族会社(本件会社)に対して有していた貸付金債権(本件貸付金債権)について、本件会社は相続開始日において事業経営が客観的に破綻しており、本件貸付金債権の一部は回収の見込みがないことが客観的に確実であるから、当該債権の一部は財産評価基本通達(評価通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、債務者の資産負債の状況、売上金額、営業利益及び当期純利益の推移、対象となる債権の返済(回収)状況、金融機関等の債権者の協力状況等を総合的に検討し、評価通達205の(1)ないし(3)の事由と同視し得る程度に債務者の資産状況及び営業状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときであると解される。これを本件についてみると、①本件会社は、相続開始日において事業を継続しており、全国で数店舗が営業していたこと、②債権者である各金融機関は、期限の利益を喪失したことを理由に債権の一括返済を求めた事実はなく、協力的であったこと、③本件会社は、相続開始日の前後を通じて、不動産を売却するなどして経営改善に取り組んでいたことなどからすれば、本件会社は評価通達205の(1)ないし(3)の事由と同視し得る程度に資産状況及び営業状況が破綻していることが客観的に明白であって、本件貸付金債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとまで認められない。したがって、本件貸付金債権は、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。(平28. 5.12 東裁(諸)平27-134)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270130
- 裁決年月日
- 平成28年5月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№103
要旨
○ 原処分庁は、請求人らが相続により取得した東側と西側でそれぞれ道路に接する不整形な土地(本件土地)について、財産評価基本通達20《不整形地の評価》にいう「想定整形地」の間口距離は50.35m、奥行距離は35.0mであるから、本件土地の評価につき適用すべき同通達に定める不整形地補正率は0.98となる旨主張する。しかしながら、建築計画概要書の写しにある配置図によれば、本件土地に係る想定整形地の間口距離は50.50m、奥行距離は35.28mであるから、本件土地の評価につき適用すべき同通達に定める不整形地補正率は0.97となる。(平28. 5. 6 東裁(諸)平27-130)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270130
- 裁決年月日
- 平成28年5月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№103
要旨
○ 請求人らは、幹線道路に接する土地(本件土地)について、①本件土地の周辺の地域は住宅地への移行地域であり、標準的な使用は戸建住宅地で、標準的な宅地の地積は70㎡であるから、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であり、②最も経済的に合理的な戸建分譲開発を行うに当たっては開発道路の敷設を要するから、公共公益的施設用地の負担を要する土地であるとして、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。ところで、当審判所が認定した本件土地に係る広大地通達に定める「その地域」(本件地域)における土地の地積の中庸値は約300㎡、平均値は約440㎡であるところ、地積が主に分布している土地の平均地積を用途別にみると、駐車場、共同住宅及び事務所の用途では、それぞれ約360㎡、約400㎡、約280㎡であり、これらの地積はいずれも、上記の中庸値と平均値の範囲内にあることからすれば、本件地域における「標準的な宅地の地積」は300㎡ないし440㎡程度であると認められ、本件土地(地積1,329,05㎡)は、本件地域における「標準的な宅地の地積」に比して著しく広大な宅地に該当する。しかしながら、本件土地について経済的に最も合理的であると認められる利用のために開発行為を行うとした場合、本件地域における標準的な地積である300㎡ないし440㎡程度で区画割りするのが相当であり、本件土地をこれら程度の地積で区画割りした場合には、3又は4区画程度となり、これらが全て幹線道路等に接する区画割りをすることが可能であるから、本件土地について開発行為を行うに際して公共公益的施設用地の負担が必要となるとは認められない。したがって、本件土地は、広大地通達に定める広大地に該当しない。(平28. 5. 6 東裁(諸)平27-130)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270130
- 裁決年月日
- 平成28年5月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№103
要旨
○ 請求人らは、東側と西側でそれぞれ道路に接する土地(本件土地)の評価に当たって、財産評価基本通達(評価通達)17《二方路線影響加算》及び20−5《容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価》にいう「路線」とは、建築基準法上の道路に限られ、西側の道路は路線ではないから、評価通達17に定める二方路線影響加算及び評価通達20−5(注)3の定めはいずれも適用ない旨主張する。しかしながら、評価通達15ないし20−5は、路線価方式により宅地を評価する一連の定めであるところ、評価通達14は、不特定多数の者の通行の用に供されている道路(路線)ごとに路線価を設定する旨定めるのみで、ここにいう「道路」を建築基準法上の道路に限定する定めは置かれていない。そして、西側の道路は、不特定多数の者の通行の用に供されている道路であるから、評価通達に定める路線に該当し、本件土地の評価に当たり、評価通達17に定める二方路線影響加算及び評価通達20−5(注)3の定めをいずれも適用すべきである。(平28. 5. 6 東裁(諸)平27-130)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270054
- 裁決年月日
- 平成28年4月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した建物(本件建物)は、被相続人から請求人が代表を務める法人(本件法人)に賃貸されたものであり、被相続人と本件法人との間で賃貸借契約書が取り交わされ、賃料(本件賃料)及び敷金が支払われていたことからすると、本件建物は、対価を伴う賃貸借契約に基づき貸借されていた建物であるから、財産評価基本通達93《貸家の評価》に定める貸家に該当する旨主張する。しかしながら、民法第595条《借用物の費用の負担》第1項によれば、使用貸借においては、目的物の通常の必要費は借主が負担することとされているが、毎月の賃料の額は、本件建物及びその敷地に係る固定資産税及び都市計画税の1月当たりの額とほぼ同額であるから、これらの賃料としては、著しく低廉な金額であり、これは借主が負担すべき必要費の域を出ないものといわざるを得ない。そうすると、この額をもって本件建物の使用収益に対する対価と認めるべき特段の事情のない限り、本件建物に係る被相続人と本件法人との契約は使用貸借と認めるのが相当である。そして、被相続人と本件法人の代表取締役である請求人が親子であることや、請求人が本件賃料の振り込まれた口座の預金を費消していたことからしても、本件賃料の額をもって本件建物の使用収益に対する対価と認めるべき特段の事情があるとは認められない。なお、当審判所の調査の結果によっても、請求人が主張する敷金の支払の事実は認められない。以上のことから、本件建物は、賃貸借契約の目的となっている家屋ではないから、財産評価基本通達に定める貸家には該当しない。(平28. 4.25 関裁(諸)平27-54)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270046
- 裁決年月日
- 平成28年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、市街化調整区域に所在する地目が雑種地である各土地(本件各土地)について、原処分庁が雑種地の価額を付近の宅地を基として評価する場合の減価率をいずれも50%(本件しんしゃく割合)としたことなどに合理性はないから、財産評価基本通達(評価通達)に基づき算定した本件各土地の価額(本件各通達評価額)に合理性はない旨主張するとともに、本件各通達評価額は、不動産鑑定士が作成した各不動産鑑定評価書(本件各鑑定評価書)における各鑑定評価額を上回ることから、本件各通達評価額には、時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、原処分庁が、課税処分における課税価格等の算定が評価通達の定めに従って相続財産の価額を評価したものであることを、評価通達の定めに即して主張・立証した場合には、その課税処分における相続財産の価額は「時価」すなわち客観的交換価値を適正に評価したものと事実上推認することができるところ、この推認を覆すには、評価通達に基づく価額の算定過程に事実認定の誤りがある等不合理な点を指摘するか、あるいは、不動産鑑定士による合理性を有する鑑定評価等の証拠資料に基づいて評価通達の定めに従った評価が、客観的交換価値を上回るものであることを主張・立証する必要がある。これを本件についてみると、本件しんしゃく割合は、本件各土地に都市計画法に基づく利用制限があることに着目し、評価通達27−5《区分地上権に準ずる地役権の評価》の定めを参考に決定したものであり、本件各土地に係る諸条件を踏まえても不合理であるとはいえない。また、本件各鑑定評価書は、取引事例比較法の適用に当たり採用した事例の半数が個別性の強い補正困難な事例であることなどから、比準価格の合理性に疑問があり、また、規準価格の査定において非常に大きな補正を行っているにもかかわらず、この根拠が明らかでないことなどから、公示価格を規準したとはいえないものである。したがって、本件各通達評価額に、時価を上回る違法があるとは認められない。(平28. 3.28 関裁(諸)平27-46)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平270008
- 裁決年月日
- 平成28年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続によって取得した土地及び建物等(本件各土地建物)の価額について、不動産鑑定評価書(本件各鑑定評価書)における各鑑定評価額は客観的交換価値を適正に評価したものであるから、原処分庁による財産評価基本通達に定められた評価方法に従って評価した価額(本件各通達評価額)は時価を上回る旨主張する。しかしながら、原処分庁が、課税処分における課税価格等の算定が財産評価基本通達の定めに従って相続財産の価額を評価したものであることを、同通達の定めに即して主張・立証した場合には、その課税処分における相続財産の価額は「時価」すなわち客観的交換価値を適正に評価したものと事実上推認することができるところ、この推認を覆すには、不動産鑑定士による合理性を有する鑑定評価等の証拠資料に基づいて立証される必要がある。そして、不動産の鑑定評価については、不動産鑑定評価基準に従って行わなければならないとされていることから、その合理性の有無については、同基準に従ったものであるかどうか検討することとなる。これを本件各鑑定評価書についてみると、個別的要因による修正等や試算価格の調整(本件修正等)に係る査定根拠となる資料は存在せず、その具体的な内容が明らかにされないまま不動産鑑定士の経験により本件修正等が行われていることからすると、本件各鑑定評価書における本件各土地建物の鑑定評価は、不動産鑑定評価基準に従って行われたものとはいえないことから合理性を有するとは認められない。したがって、本件各鑑定評価書における各鑑定評価額が上記の推認を覆すものであるとは認められず、本件各通達評価額は本件各土地建物の時価すなわち客観的交換価値を適正に評価したものと認められる。(平28. 3.15 札裁(諸)平27-8)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平270006
- 裁決年月日
- 平成28年3月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が贈与により取得した取引相場のない株式を評価するに当たり、請求人は、当該株式の発行会社が出資する外国子会社所有の各船舶(本件各船舶)は請求人が依頼した鑑定業者(請求人鑑定業者)が行った収益還元法により評価すべき旨主張し、原処分庁は、本件各船舶は原処分庁が依頼した鑑定業者(原処分庁鑑定業者)が行った売買実例に基づいた取引事例比較法又は取得価額に基づいて算定する原価法(取得価額原価法)により評価すべき旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達136《船舶の評価》によれば、船舶の価額は、原則として売買実例価額、精通者意見価格等又はこれと同等の参酌すべき要素が存在する場合には、それを参酌して評価することとされているところ、実際の売却価額は時価を算定するに当たって参酌すべき要素であり、本件各船舶のうち本件の課税時期後に近接して売却されているものについては、その間大きな経済事情等の変化もないことから、その価額に基づき評価すべきである。次に、原処分庁鑑定業者又は請求人鑑定業者のいずれの評価方法等が合理的か検討するに、原処分庁鑑定業者が行った取引事例比較法は、売買実例の選択及び各船舶の個別的要因の評価額への反映において、請求人鑑定業者が行った定期傭船契約終了時の船舶価値を売買実例に基づき算定した収益還元法による評価よりも精緻に行われていると認められるから、本件各船舶のうち当該取引事例比較法により評価した船舶については、これにより評価することが相当と認められる。一方、原処分庁が行った取得価額原価法は、中古船売買市場の価格が大きく下落した本件の課税時期における評価方法としては合理性が認められないから、本件各船舶のうち当該取得価額原価法により評価した船舶については、請求人鑑定業者が行った収益還元法により評価することが相当と認められる。(平28. 3. 7 高裁(諸)平27-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270034
- 裁決年月日
- 平成28年2月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 4区画の各土地(本件各土地)の財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)の適用につき、原処分庁は、本件各土地のうち3区画の各土地(本件1ないし3土地)の本件通達に定める「その地域」(本件地域)は、財産評価基本通達14−2《地区》(6)の中小工業地区として定められた地域(原処分庁主張地域)であり、本件1ないし3土地は、いずれも原処分庁主張地域の標準的な宅地の地積と同程度であるから、本件通達の適用はない旨主張し、請求人らは本件各土地の本件地域は、道路等の施設の状況等を勘案した住居表示を基本単位とする地域(請求人ら主張地域)であり、本件各土地は、いずれも、請求人ら主張地域の標準的な宅地の地積に比して広大な土地で、かつ、開発に当たっては公共公益的施設用地の負担が必要な土地であるから、本件通達の適用はある旨主張する。しかしながら、本件各土地の本件地域は、本件1ないし3土地と同土地の以外の土地(本件4土地)で相違し、本件1ないし3土地の本件地域は、原処分庁主張地域を含んだより広範な地域(審判所認定地域①)であり、また、本件4土地の本件地域は、請求人ら主張地域のうち河川により分断された地域(審判所認定地域②)であると認められる。そして、本件1ないし3土地は、いずれも、審判所認定地域①の標準的な宅地の地積に比して広大な土地で、かつ、開発に当たっては公共公益的施設用地の負担が必要な土地であるから、本件通達の適用はある一方で、本件4土地は、審判所認定地域②の標準的な宅地の地積と同程度であるから、本件通達の適用はない。(平28. 2.29 関裁(諸)平27-34)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270033
- 裁決年月日
- 平成28年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803990
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が賃貸していた建物(本件貸家)及び居宅として利用していた建物(本件自用家屋)は、その相続の開始時が東日本大震災によるり災から半年程度であり、ひびが入るなど一部損壊していることなどからすれば、その存在が土地の価値を低下させるものとなっているところ、この実態を適切に評価した不動産鑑定士作成の鑑定評価書(本件鑑定書)は、本件貸家及び本件自用家屋(本件各家屋)を取り壊しその敷地を更地とすることが当該土地の最有効使用であると判断したことから、本件各家屋の価額はいずれも零円である旨主張するとともに、仮に、本件鑑定書によらない場合であっても、東日本大震災の影響が考慮された平成24年度の固定資産税評価額を基に時価を評価すべきである旨主張する。しかしながら、原処分庁が、課税処分における課税価格等の算定が財産評価基本通達の定めに従って相続財産の価額を評価したものであることを、同通達の定めに即して主張・立証した場合には、その課税処分における相続財産の価額は「時価」すなわち客観的交換価値を適正に評価したものと事実上推認することができるところ、この推認を覆すには、不動産鑑定士による合理性を有する鑑定評価等の証拠資料に基づいて立証される必要がある。これを本件についてみると、本件貸家は相続の開始時において賃貸され、また、本件自用家屋は相続の開始の直前まで被相続人の居宅として利用され、いずれも有効に使用収益されていたことからすれば、本件各家屋の相続の開始時における時価が零円であるとは考え難い。そして、本件鑑定書も、本件各家屋の価額を零円と評価したものとは認められない。次に、請求人が予備的に主張する点については、本件各家屋に係る固定資産税は、前年度の評価額に対して、経年による減価をしたことは認められるが、り災による減価をしたとは認められないことから、理由がない。以上のことから、財産評価基本通達の定めにより評価した本件各家屋の価額に、時価を上回る違法があるとは認められない。(平28. 2.23 関裁(諸)平27-33)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270033
- 裁決年月日
- 平成28年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が工場(本件工場)の所有を目的として賃借していた土地に係る借地権(本件借地権)について、当該土地が所在する地域と本件借地権の市場性を適切に評価した不動産鑑定士作成の不動産調査報告書(本件報告書)は、本件工場及び本件借地権の時価を示すものであるから、本件工場及び本件借地権の価額は、いずれも本件報告書記載の零円である旨主張する。しかしながら、原処分庁が、課税処分における課税価格等の算定が財産評価基本通達の定めに従って相続財産の価額を評価したものであることを、同通達の定めに即して主張・立証した場合には、その課税処分における相続財産の価額は「時価」すなわち客観的交換価値を適正に評価したものと事実上推認することができるところ、この推認を覆すには、不動産鑑定士による合理性を有する鑑定評価等の証拠資料に基づいて立証される必要がある。これを本件についてみると、本件工場は、相続の開始時において、賃借人である法人が現に使用し、それにより収益が上がっていたものであり、また、本件借地権は、旧借地法の適用により、今後も本件工場の敷地として安定的に存在することが見込まれるということができ、相続の開始時において、これらの経済的利益が存することを否定することができないことは明らかである。そうすると、相続の開始時における本件工場及び本件借地権の時価が直ちに零円になるとは考え難いから、本件報告書の本件工場及び本件借地権の評価は合理性を欠くといわざるを得ない。したがって、財産評価基本通達の定めにより評価した本件工場及び本件借地権の価額に、時価を上回る違法があるとは認められない。(平28. 2.23 関裁(諸)平27-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270098
- 裁決年月日
- 平成28年2月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)について、本件土地に係る財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)に定める「その地域」は、請求人ら主張地域であり、これを前提にすると、当該地域の標準的な宅地の地積は100㎡前後であるから、本件土地は、本件通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、①本件土地は、幅員約20mの通りに接しており、その道路の規模からすれば、当該通りに接しているという点は、環境・利用等の観点からして高い共通性を有していること、②本件土地は、都市計画による用途地域が準工業地域に指定されていることなどから、本件土地に係る「その地域」は、当該通り沿いの地域(本件地域)とするのが相当である。そして、本件地域における土地の標準的使用は店舗等の敷地であると認められるところ、本件地域における店舗等の敷地の地積の平均値は907.94㎡であり、本件土地の地積(1298.47㎡)は当該平均値の1.5倍に満たないこと、本件地域における店舗等の敷地の地積の範囲は206.67㎡から2,733.84㎡までと大小様々であるものの、店舗等の敷地の35画地のうちの3分の1以上である13画地は1,000㎡を超え、さらに、うち5画地は本件土地よりも地積が大きく、かつ1,600㎡を超えていることから、これらの点を総合勘案すると、本件土地は、本件地域における店舗等の敷地の地積に比して著しく広大な土地であるとは認められない。したがって、本件土地は、本件通達に定める広大地には該当しない。(平28. 2.18 東裁(諸)平27-98)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270088
- 裁決年月日
- 平成28年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、都市計画道路予定地の区域内となる部分がほとんどを占める土地(本件土地)について、極めて特異性が強く、財産評価基本通達(評価通達)の定めによる一律定量的な方法で評価することは不可能であり、評価通達の定めにより評価した本件土地の価額は、不動産鑑定士による鑑定評価額(本件鑑定評価額)を上回り、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、原処分庁が、課税処分における課税価格等の算定が評価通達の定めに従って相続財産の価額を評価したものであることを、評価通達の定めに即して主張・立証した場合には、その課税処分における相続財産の価額は「時価」すなわち客観的交換価値を適正に評価したものと事実上推認することができるところ、この推認を覆すには、不動産鑑定士による合理性を有する不動産鑑定評価等の証拠資料に基づいて立証される必要がある。これを本件についてみると、本件鑑定評価額は、①本件鑑定評価額と近隣の公示地に係る公示価格を規準とした価格とが相当程度乖離しているにもかかわらず、その原因についての分析や検討がないままに本件鑑定評価額が決定されており、公示価格を規準としなければならないという不動産鑑定評価基準に準拠して行われたとは認められないこと、及び②取引事例比較法を採用し、これにより算定された価格に本件土地上の建築物の収益面のリスク等による格差率(△62.8%)を乗じて比準価格を求めているが、当該格差率については、その判定する過程をみてみると合理性があるとはいえないことから、本件土地の客観的な交換価値(時価)を示すものとは認めることはできず、本件の鑑定評価書をもって、評価通達の定めにより評価した価額を時価とする事実上の推認は覆らない。したがって、評価通達の定めにより評価した本件土地の価額に、時価を上回る違法があるとは認められない。(平28. 2.12 東裁(諸)平27-88)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270029
- 裁決年月日
- 平成28年2月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 原処分庁は、請求人ら以外の第三者が所有する位置指定道路(本件位置指定道路といい、その所有者らを本件私道所有者らという。)に接する土地(本件土地)について、都市計画法第4条《定義》第12項に規定する開発行為(開発行為)を行うとした場合、本件私道所有者らの同意を要するとしても、そのような事情は本件土地自体に起因する客観的な事情ではないから財産の評価に当たって考慮されず、本件位置指定道路を利用した開発行為を行うことが経済的に最も合理的であり、当該開発行為においては、公共公益的施設用地の負担は必要ないので、本件土地は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地(広大地)に該当しない旨主張する。しかしながら、本件位置指定道路は、本件私道所有者らが所有するもので、被相続人及び請求人らは本件位置指定道路に係る権利を何ら有していない。そのため、本件位置指定道路を利用した開発の可否は、本件私道所有者らの意向に左右されるものであるところ、本件土地については、請求人らの主張するように、本件土地の敷地内に新たな道路を開設して行う開発方法が想定でき、その開発の方法が十分合理性を有するものである以上、このような場合にまで、第三者の所有に係る土地を利用しての開発方法を想定することに合理性があるとはいえない。そして、請求人らの主張する開発方法においては、公共公益的施設用地の負担が必要であると認められるから、本件土地は広大地に該当する。(平28. 2. 9 関裁(諸)平27-29)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270039
- 裁決年月日
- 平成28年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人らは、米国e州f市に所在する不動産17物件(本件対象不動産)の価額について、f市財産税の算定の基礎となる財産税評価額(本件財産税評価額)は、財産評価基本通達(評価通達)5−2《国外財産の評価》に定める売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価した価額であるから、本件財産税評価額から借家権として当該価額に30%の割合を乗じた金額を控除した価額が、本件対象不動産の価額である旨主張する。しかしながら、請求人らは、被相続人に係るe州遺産税について、e州認定の鑑定人による鑑定価額(本件鑑定価額)を本件対象不動産の価額として申告しているところ、米国内国歳入法等に規定するe州遺産税における財産の価額である適正市場価額と相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価とは同義の価額を指向するものと認められること、本件鑑定価額の算定手順に別段不合理な点は認められないこと、e州遺産税の申告がe州税務当局により是認されていることから、本件鑑定価額は相続税法第22条に規定する時価と認められる。一方で、本件財産税評価額は、収益方式によって評価されており、売買実例価額と比較して大幅に低い価額であること、財産税評価額に関する公的報告書等においても、財産税評価額が相当低額であり市場価格との相関関係が見出せない状況である旨の指摘がされていること等から、相続税法第22条に規定する時価とは認められない。また、借家権の控除は認められるべきとする点については、本件対象不動産は評価通達に定める評価方法に準じて評価することができない財産であるから、借家権の控除に関してのみ評価通達に準じて評価することを許容すべき理由はない。以上のことから、本件対象不動産の価額は、本件鑑定価額によることが相当である。(平28. 2. 4 大裁(諸)平27-39)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270023
- 裁決年月日
- 平成27年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①評価対象地(本件仮換地)に道路を開設した開発を行えば住環境の快適性が保たれること、②本件仮換地の隣接地(本件隣接地)において行われた道路を開設せずに路地状部分を有する宅地(路地状宅地)を組み合わせた開発(路地状開発)では路地状部分が短く、これをもって本件仮換地において路地状開発を行うことが合理的とはいえず、一方で、周辺の地域では道路を開設する開発方法が一般的といえること、及び③本件仮換地で本件相続の開始後に行われた路地状開発では、路地状宅地の所有者が路地状部分を専ら道路として利用しており、当該部分は実質的な潰れ地であることなどから、本件仮換地に開発行為を行う場合には、道路を開設することが合理的であり、公共公益的施設用地の負担が必要と認められるので、本件仮換地は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、同通達に定める「その地域」として当審判所が認定した地域においては、本件相続の開始前10年間の開発事例として本件隣接地の事例がある一方、道路開設した事例はないことからすれば、原処分庁の主張する区割り(上記③の路地状開発における区割り)は、当該地域における標準的な宅地の地積を踏まえて類似の利用に供しようとするものと認められ、また、この区割りが都市計画法等に反することをうかがわせる事情は見当たらない。さらに、路地状開発をした場合、路地状部分は駐車スペースなど宅地の一部として利用することが可能であり、土地の有効利用の点において優れるものというべきである。以上によれば、本件仮換地に関する経済的に最も合理的な開発行為は路地状開発であり、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要であるとは認められないから、本件仮換地は、同通達に定める広大地に該当しない。(平27.12.15 関裁(諸)平27-23)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平270008
- 裁決年月日
- 平成27年12月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被相続人の貸付金を相続財産たる債権(本件貸付金債権)として評価するに当たり、当該貸付金の金銭消費貸借に係る債務者である法人(本件法人)は、本件相続開始後約3年で経営破綻していることなどから、本件貸付金債権は、本件相続開始日において、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》(本件通達)に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる」場合に該当するので、本件通達の適用がある旨主張する。しかしながら、本件法人には、本件相続開始日において本件通達の(1)から(3)までの各列挙事由に該当する事実は認められない上、本件相続開始日を含む事業年度においても事業を継続し、本件相続開始日後の約1年後に銀行から追加融資を受けていることなどからすると、本件貸付金債権は、本件相続開始日において、本件通達の(1)から(3)までの各列挙事由と同視できる程度に本件法人の資産状況、経営状況等が破綻していることが客観的に明白であって、回収の見込みがないことが客観的に確実であるということはできない。したがって、本件貸付金債権は、本件通達に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる」場合に該当しないので、本件通達の適用はない。(平27.12. 3 広裁(諸)平27-8)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平270008
- 裁決年月日
- 平成27年12月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件被相続人の貸付金(本件貸付金)を相続財産たる債権として評価するに当たり、本件貸付金の金銭消費貸借契約に係る債務者は本件被相続人のおいである旨主張する。しかしながら、本件被相続人は、同人のおいが代表取締役を務める法人(本件法人)の取引金融機関からの借入金を返済するために、本件貸付金と同額の金額を本件法人の預金口座に直接振り込んだことが認められ、他方、当該金融機関は、当該振込みに対して、本件被相続人に本件法人から当該借入金の返済を受けた旨の書面を送付していることから、当該金融機関は、当該金額を本件法人が本件被相続人から借り入れたものと認識していたことが認められる。加えて、本件法人は、本件貸付金について、総勘定元帳において本件被相続人からの借入金として計上していたことからすると、本件法人は、本件貸付金を本件被相続人から借り入れたと認識していたことが認められる。以上のことからすると、本件貸付金の金銭消費貸借に係る債務者は、本件法人であると認めるのが相当である。(平27.12. 3 広裁(諸)平27-8)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平270004
- 裁決年月日
- 平成27年11月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№101
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める開発行為を行うとした場合における公共公益的施設用地の負担が必要か否かの判断について、分譲が販売である以上、購入者側のニーズや需要という経済的合理性に応えた上でのものでなければならず、請求人らが相続により取得した土地(本件土地)は、請求人らの開発想定図又は分譲完了直前図のように道路を設置することにより、宅地としての財産価値が高まり、経済的に最も合理的な分譲ができることから、広大地通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、①本件土地について道路等の公共公益的施設用地の負担を必要としない原処分庁の開発想定図は、本件土地の広大地通達に定めるその地域(本件地域)における標準的な宅地の地積に、本件土地がその四方を幅員約6mないし約8mの公道に面している接道状況を踏まえたものであり、同図の各区画には、間口距離、奥行距離及びその形状も特段不合理とする点は認められないこと、②本件土地の所在する地域及びその周辺地域において、相続開始日前おおむね10年以内に行われた戸建住宅用地としての開発は4事例が認められ、いずれも道路の設置を伴う開発であるところ、これら開発事例の土地は公道と面していないなど道路の接続状況が本件土地と明らかに異なるとして、いずれも本件土地の評価に当たり比較すべき開発事例とは認められないことからすると、本件土地は、戸建住宅の敷地として都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場合に道路等の公共公益的施設用地の負担が必要であるとは認められないから、広大地通達に定める広大地に該当しない。また、本件土地は、相続開始日から約1年5か月を経過した頃に実際に道路が設置された開発が行われているが、本件土地の相続開始日後の開発形態のみにより、本件土地について相続開始日において開発行為を行うとした場合に道路の設置を伴う開発が経済的に最も合理的と認められる開発であるか否かを判断することは相当でない。(平27.11.25 金裁(諸)平27-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270024
- 裁決年月日
- 平成27年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達26《貸家建付地の評価》に定める賃貸割合の算出に当たり、各独立部分を有する家屋のうち課税時期において空室であった部分が、同通達26の(2)の(注)2に定める「課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に該当するか否かは、各独立部分の空室期間の長短のみで判断するのではなく、各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものかどうか等の事実関係から総合的に判断すべきであり、各独立部分のうち課税時期において空室であった部分(本件各独立部分)は、「課税時期において、一時的に賃貸されていなかったものと認められるもの」に該当する旨主張する。しかしながら、相続税法第22条《評価の原則》にいう時価とは、相続により財産を取得した日における当該財産の客観的な交換価値をいうものと解されることからすれば、各独立部分を有する家屋の全部又は一部が貸し付けられているかどうかについては、課税時期(相続開始日)における現況に基づいて判断するのが原則である。そして、同通達の(2)の(注)2に定める「一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」とは、国税庁タックスアンサーが示す事実関係から、各独立部分の一部が課税時期において一時的に空室となっていたにすぎないと認められるものをいうものと解するのが相当であるところ、本件各独立部分に係る本件相続開始日前後の空室期間は、最も短いものでも約3か月、長いものでは約1年10か月に及んでおり、国税庁タックスアンサーの③で示された期間(空室の期間が、課税時期前後の例えば1か月程度であるなど、一時的な期間であること)を大幅に上回っているのであって、社会通念に照らしても、これが一時的なものにすぎないとは認め難く、本件各独立部分の従前の賃貸状況等の事情を踏まえても、本件各独立部分が「一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に該当するとは認めることができない。(平27.11.11 大裁(諸)平27-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270056
- 裁決年月日
- 平成27年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被相続人の同族会社(本件会社)に対する貸付金(本件貸付金)の本件相続開始日における時価は、A社作成の債権評価書(本件債権評価書)による価額である旨、仮に、財産評価基本通達の定めにより評価するとしても、本件会社は著しい債務超過の状態であることなどから、同通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の適用がある旨主張する。しかしながら、本件債権評価書は、本件会社の清算を前提とした評価になっており、事業を継続している本件会社の実態に合っておらず、合理性を有するとはいえない。また、同通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、同通達の(1)ないし(3)の事由と並列的に定められていることなどからすると、それらの事由と同視できる程度に、債務者の資産状況及び営業状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときであると解するのが相当であるところ、本件会社は、①債務超過ではあるが、負債のうち役員借入金が大部分であること、②営業状況は赤字基調ではあるが、実際に事業を継続していること、③本件貸付金について、一部返済していた事実が認められること、④金融機関からの借入れを継続的に有しており、相続開始日前後に新たな借入れをしていることから、破綻していることが客観的に明白で、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとはいえず、同通達205の適用はない。以上のとおり、同通達205の適用はなく、また、本件債権評価書での算定結果をもって、同通達204《貸付金債権の評価》の定めに従った価額が時価すなわち客観的交換価値を適正に評価したものであるとの事実上の推定は覆らず、同通達の定めに従った評価額が相続税法第22条《評価の原則》にいう時価と認められる。(平27.11. 5 東裁(諸)平27-56)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270012ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成27年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である株式の発行会社が区分所有する建物(本件建物)の評価に当たり、本件建物には相続開始時点で賃借人がおらず、また、本件建物のうち本件会社が専有している部分を使用収益に供することが不可能であったことから、本件建物の評価は、不動産鑑定士作成の調査報告書(本件調査報告書)に基づき零円と評価すべきであり、財産評価基本通達(評価通達)に定められた評価方法により評価した本件建物の価額について時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、評価通達に基づく本件建物の評価額は本件建物の客観的交換価値を適正に評価したものと推認できる。また、本件調査報告書は不動産鑑定評価基準にのっとらない価格調査である旨明示されていることなどから合理性を有しておらず、さらに、借り手がないことも上記推認を覆す事情とはいえないから、評価通達に定める評価方法により評価した本件建物の価額について時価を上回る違法はない。(平27.10. 7 関裁(諸)平27-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270027
- 裁決年月日
- 平成27年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)を戸建住宅の分譲用地として開発する場合には道路の開設が必要であること等から、本件土地は財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地について路地状部分を有する画地を組み合わせた戸建住宅の分譲用地として開発すること(路地状開発)が合理的と認められる場合には、本件通達における「公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」には該当しないところ、①本件土地は標準的な宅地の地積の区画に分割できること、②本件土地の路地状開発による区画割りは、都市計画法、建築基準法、都道府県等の条例等の定めに反しないといえること、③本件土地に路地状開発を行うことは、建ぺい率及び容積率の計算上有利であるといえること、④本件土地の所在する地域での戸建分譲用地の開発において、路地状開発は一般的に行われているといえることからすると、本件土地について、路地状開発を行うことが合理的であると認められるから、経済的に最も合理的に戸建住宅の分譲を行った場合にその開発区域内に道路等の開設が必要であるとは認められない。したがって、本件土地は、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要な宅地であるとは認められないから、本件土地は本件通達に定める広大地に該当しない。(平27. 9. 2 東裁(諸)平27-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270027
- 裁決年月日
- 平成27年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)に定める広大地(広大地)に該当するか否かの判定に当たっては、基本的には都市計画法に規定する開発許可を要する面積基準(面積基準)を指標とすることが適当である旨主張する。しかしながら、広大地の要件は、①その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地であること、②開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものであること、③中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものではないことの3要件であるところ、これら3要件を満たすものであれば、広大地に該当するものと判断すべきであるから、広大地は、都市計画法に規定する「開発許可」を受けることが義務付けられた土地である必要はない。したがって、本件通達は、広大地の適否に当たって、特に面積基準を課したものではないことから、この点に関する原処分庁の主張は採用できない。(平27. 9. 2 東裁(諸)平27-27)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270006
- 裁決年月日
- 平成27年8月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)は、その最有効使用が戸建分譲素地としての使用であること、及び容積率が300%の地域であってもそれだけでは直ちにマンション適地ということにならないことなどから、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地(広大地)に該当する旨主張する。しかしながら、当審判所が認定した本件土地の属する同通達の「その地域」においては、中高層の集合住宅用地としての使用割合が戸建住宅用地としての使用割合に比べ格段に高く、さらに、相続開始日以前20年間における本件土地と同規模の地積である土地に係る建物の建築状況は、中高層の集合住宅の建築例が3事例ある一方で、戸建分譲の土地開発事例はない。また、本件土地は、準工業地域に所在し、容積率が300%及び建ぺい率が60%であるところ、その接面道路の状況からすると、本件土地に中高層の建物を建築することについて特段の支障を来す状況は見受けられない。そして、本件土地は、学校、病院及びスーパーマーケット等に近接するなど、公的施設や商業施設の利用に関して利便性に大きく欠ける点は存しないことから、居住用住宅用地に適した土地であるといえる。以上のことを総合的に勘案すれば、本件土地の最有効使用は、中高層の集合住宅等の敷地として一体的に利用することであると認めるのが相当である。したがって、本件土地はマンション適地に該当するから、広大地に該当しないというべきである。(平27. 8.25 関裁(諸)平27-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270005
- 裁決年月日
- 平成27年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した市街化調整区域内に所在する宅地及び雑種地(本件各土地)の価額について、財産評価基本通達に定められた評価方式により算定した評価額(本件各土地通達評価額)は、本件各土地に係る不動産鑑定評価書(本件鑑定評価書)における鑑定評価額を基にした価額(本件各土地請求人評価額)をそれぞれ上回っているから、本件各土地通達評価額には時価を上回る違法がある旨主張する。しかしながら、本件各土地に係る鑑定評価において採用した取引事例の取引価額は、それぞれの近隣に存する地価公示地の公示価格や基準値の標準価格と比較して著しく低廉であり、また、当該取引事例の中の売り急ぎや競売の事例については、いずれも事情補正が行われていないところ、これらのことは、本件鑑定評価書の合理性に疑問を抱かせるものである。さらに、本件鑑定評価書では公示価格に基づく規準価格を算定していないが、公示価格を適用しないことが正当と認められる事情は見いだせない。以上によれば、本件各土地請求人評価額は、いずれも本件各土地の客観的交換価値を示すものと見ることはできないから、本件各土地通達評価額が時価を上回るとする請求人の主張には理由がない。(平27. 8. 4 関裁(諸)平27-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270005
- 裁決年月日
- 平成27年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した市街化調整区域に所在する雑種地(本件雑種地)の評価について、市街化調整区域内の雑種地の価額を宅地に比準して評価する場合のしんしゃく割合(本件しんしゃく割合)は、市街化の影響度と雑種地の利用状況により個別に判断すべきと主張する。しかし、原処分庁が本件雑種地について50%相当額を控除したのは、本件雑種地の状況が宅地に類似しているとはいえ、実際には都市計画法に基づく利用制限があることに着目して、財産評価基本通達27−5《区分地上権に準じる地役権の評価》が建築制限による減価率を定め、家屋の建築が全くできない場合には減価率を50%と借地権割合のいずれか高い割合としていることを参考にして控除したものと解される。また、本件雑種地に係る諸条件を踏まえても、原処分庁の行った財産評価基本通達に基づく価額の算定過程が財産評価基本通達82《雑種地の評価》の趣旨に照らして不合理であるとは認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平27. 8. 4 関裁(諸)平27-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270005
- 裁決年月日
- 平成27年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802021
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/1倍率方式による評価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した倍率地域に所在する宅地及び雑種地の価額について、平成24年度の雑種地の固定資産税評価額が平成23年度の固定資産税評価額に比し30%以上下落しており、平成23年度の固定資産税評価額及び近傍宅地の価額は高すぎて信用できない旨主張する。しかしながら、当該下落は、固定資産税評価額算定に当たり、雑種地の枝補正に係る補正率が見直された影響に過ぎない。また、固定資産税評価額は固定資産評価基準に基づき適正に算定されており一般に合理性が認められるところ、相続開始の年における固定資産税評価額が高すぎるというのであれば、固定資産評価審査委員会に対する審査の申出などの対応ができたにもかかわらず審査の申出等を行った事実が認められない以上、請求人の主張は前提を欠き、その他財産評価基本通達に基づき本件各土地の価額を評価するに当たり、当該固定資産税評価額や近傍宅地価格を用いることが不合理であるとうかがわせる事情も認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平27. 8. 4 関裁(諸)平27-5)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平260007
- 裁決年月日
- 平成27年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、貸家である家屋(本件家屋)の価額について、不動産鑑定士による鑑定評価(本件鑑定評価)に基づいて合理的に算定された価格を基に、本件家屋の貸家としての現況を考慮し、財産評価基本通達において一律に認められている借家権割合を乗じて算定した価額(本件請求人評価額)が相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価として相当である旨主張する。しかしながら、市町村長が地方税法第388条《固定資産税に係る総務大臣の任務》第1項に規定する固定資産の評価基準並びに評価の実施の方法及び手続(固定資産評価基準)に従って決定した家屋の固定資産税評価額は、固定資産評価基準が定める評価方法によっては再建築費を適切に算定することができない特別の事情等の存しない限り、地方税法第341条《固定資産税に関する用語の意義》第5号に規定する価格すなわち適正な時価であると推認するのが相当であり、これに依拠して家屋を評価する財産評価基本通達には合理性が認められる。これを本件についてみると、本件家屋の固定資産税評価額は、固定資産評価基準に基づき適正に算定していると認められ、また、本件家屋には、その価値を減少させるような大きな損傷は認められないことから、本件家屋の固定資産税評価額は、適正な時価である。したがって、これに基づき財産評価基本通達93《貸家の評価》により評価した本件家屋の価額は、相続税法第22条に規定する時価として相当である。なお、本件鑑定評価には、不動産鑑定評価基準における鑑定評価の手法を尽くしていないなど合理性が認められないから、これに基づき算定された価格を基礎とする本件請求人評価額は、相続税法第22条に規定する時価として相当でない。(平27. 6. 1 札裁(諸)平26-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260062
- 裁決年月日
- 平成27年5月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№99
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)について、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件各土地が所在する本件通達に定める「その地域」とは、その利用状況、環境等がおおむね同一と認められる国道沿いの南側の地域であると認められる。そして、当該地域における宅地の標準的な使用は、幹線道路沿いの広域沿道サービス施設又は店舗併用集合住宅の敷地と認められるところ、かかる標準的使用がされている区画の平均的な地積は、約1,500㎡であり、その過半数を占める区画が1,200㎡〜1,800㎡の間に分布していることから、これらの地積をもって、当該地域の「標準的な宅地の地積」であるものと認めるのが相当である。そうすると、それぞれ約1,200㎡又は約1,600㎡である本件各土地は「標準的な宅地の地積」に比して著しく地積が広大な宅地とは認められない。したがって、本件各土地は、本件通達に定める広大地に該当しない。(平27. 5.26 大裁(諸)平26-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260094
- 裁決年月日
- 平成27年4月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地については、その付近にある宅地に比して著しく高低差があることにより、その利用価値が付近にある宅地の利用状況からみて、著しく低下していると認められるから、国税庁ホームページのタックスアンサー「№4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件取扱い)により、利用価値が低下していないものとして評価した場合の価額からその価額の10%に相当する金額を控除した価額により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件取扱いは、同一の路線に接する一連の宅地に共通した地勢の宅地の地盤面と道路の路面との高低差と、評価する宅地の地盤面と道路の路面との高低差を比較検討しても、なお、後者に利用価値を著しく低下させるような道路の路面からの高低差のある場合に限るのが相当であるところ、本件各土地は、本件土地が接する道路(本件路線)の西側に所在し、本件路線の西側に所在する土地とその東側に所在する土地の地盤面との高低差を比較すれば、一定の高低差があることは否定できないものの、いずれの土地もその大小こそあるものの高低差があり、このことは本件路線に接する一連の宅地に共通したものであると認められること、また、土地の地盤面と本件路線の路面との高低差が本件土地の高低差と同程度の土地も認められること、さらに、本件路線の西側に所在する土地においては、当該土地の地盤面と道路の路面との高低差を利用して車庫を設置していることを併せ考えると、本件土地の地盤面と本件路線の路面との高低差は、本件土地の利用価値が著しく低下させるような高低差であるとは認められない。したがって、本件各土地は、本件取扱いにより評価することはできない。(平27. 4.10 東裁(諸)平26-94)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260091
- 裁決年月日
- 平成27年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、その地域における宅地の標準的使用は戸建住宅の敷地で、本件土地は標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な土地に当たるため、本件土地を戸建住宅の敷地として開発分譲する場合、公共公益的施設用地の負担が必要となるから、本件土地は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地を戸建住宅の敷地として開発することを想定した場合、路地状部分を有する宅地を組み合わせた戸建住宅分譲用地とする開発(路地状開発)を行うことによって、路地状部分を除いた各地の地積について、標準的な宅地の地積に区画割りをすることが可能であり、このような区画割りは建築基準法等の法令にも反しないし、容積率及び建ぺい率の計算上有利である上、その地域においては、道路開設による開発事例はないものの、路地状開発事例が1件認められ、路地状開発を行うことが不自然ではないことなどからすると、路地状開発を行うことが合理的と認められる。そうすると、本件土地について、経済的に最も合理的に戸建住宅の分譲を行った場合に道路等の開発が必要であるとは認められず、本件土地は、公共公益的施設用地の負担が必要な宅地であるとは認められないので、財産評価基本通達24−4の広大地には該当しない。(平27. 4. 6 東裁(諸)平26-91)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260052
- 裁決年月日
- 平成27年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集NO98
要旨
○ 請求人は、実父(父H)から贈与により取得した同族会社(本件同族会社)の株式(本件株式)の評価に当たり、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(昭和60直資2−58ほか)(60年通達)の6の注書及び「相当の地代を収受している貸宅地の評価について」(昭和43直資3−22ほか)は、いずれも相続税の課税上のみの取扱いであるから、20%の借地権相当額を本件同族会社の純資産価額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、60年通達の6の注書は、生前贈与の場合にも及ぼすべきであると考えられるところ、より一般的にいうなら、同族会社の株式を贈与する同族関係者からみて、相当程度年下の第1順位の推定相続人が受贈者である場合には、当該会社に借地権が設定されている土地の所有者との関係次第で、60年通達の注書の取扱いにより借地権相当額を当該会社の純資産価額に算入すべき場合があるということになる。本件においては、本件株式の贈与者である父Hが所有する土地を、相当の地代を収受して父Hが同族関係者となっている本件同族会社に貸し付けている状況において、本件株式を同人の実子である請求人に贈与していることから、本件株式の評価に当たり、借地権の価額を本件同族会社の純資産価額に算入することは相当である。(平27. 3.25 大裁(諸)平26-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260053
- 裁決年月日
- 平成27年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、実父(父A)から贈与により取得した同族会社(本件同族会社)の株式(本件株式)の評価に当たり、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(昭和60直資2−58ほか)(60年通達)の6の注書及び「相当の地代を収受している貸宅地の評価について」(昭和43直資3−22ほか)は、いずれも相続税の課税上のみの取扱いであるから、20%の借地権相当額を本件同族会社の純資産価額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、60年通達の6の注書は、生前贈与の場合にも及ぼすべきであると考えられるところ、より一般的にいうなら、同族会社の株式を贈与する同族関係者からみて、相当程度年下の第1順位の推定相続人が受贈者である場合には、当該会社に借地権が設定されている土地の所有者との関係次第で、60年通達の注書の取扱いにより借地権相当額を当該会社の純資産価額に算入すべき場合があるということになる。本件においては、本件株式の贈与者である父Aが所有する土地を、相当の地代を収受して父Aが同族関係者となっている本件同族会社に貸し付けている状況において、本件株式を同人の実子である請求人に贈与していることから、本件株式の評価に当たり、借地権の価額を本件同族会社の純資産価額に算入することは相当である。(平27.3.25 大裁(諸)平26‐53)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260037
- 裁決年月日
- 平成27年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が被相続人から相続した同族会社(本件会社)の株式を財産評価基本通達(評価通達)185《純資産価額》に基づき評価するに当たり、本件会社が営業所等の敷地として使用する土地及び賃貸している店舗の敷地として使用する土地(本件各土地)を評価通達の定めに従い評価すると、当該価額(通達評価額)は不動産鑑定評価による鑑定評価額(本件鑑定評価額)を上回ることから、本件各土地には評価通達の定めにより難い特別な事情がある旨主張する。しかしながら、一般に通達評価額と鑑定評価額の乖離は、鑑定評価額の試算価格算定過程における適用誤り等に起因することもあり得、単に各評価額の乖離の発生の一事をもって評価通達の定めにより難い特別な事情があることにはならない。そして、鑑定評価額が客観的交換価値を示しているというためには、鑑定評価の方法が合理的であることが前提である。これを本件についてみると、本件鑑定評価額の算定に当たって、①標準的画地の地積規模が合理的に想定されていないこと、②取引事例の標準化補正に合理性がないこと、③本件各土地の価格と公示価格との間に均衡を保たせているといえないこと、④個別的要因である規模大による減価の割合に合理性がないことがそれぞれ認められるから、本件鑑定評価額に係る不動産鑑定評価には、鑑定評価の方法に合理性が認められない。したがって、本件鑑定評価額は、相続開始時点における時価を適切に示しているとは認められないから、本件各土地の価額は、評価通達に基づき評価することが相当である。(平27. 3.24 関裁(諸)平26-37)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260037
- 裁決年月日
- 平成27年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が被相続人から相続した同族会社(本件会社)の株式を財産評価基本通達(評価通達)185《純資産価額》に基づき評価するに当たり、本件会社が営業所等の敷地として使用する土地(本件甲土地)について、本件甲土地が所在するその地域における標準的宅地の地積は500㎡であり、これに基づき経済的に最も合理的な方法により区割りすると、公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件甲土地は評価通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件甲土地の所在するその地域は主に駐車場を備えた店舗等の敷地(店舗等敷地)として利用されており、その地域における標準的な宅地の地積規模は、その地域における店舗等敷地の平均地積(877.33㎡)程度とするのが相当であるところ、当該地積規模となるよう区分する開発行為を行う場合、本件甲土地は三方が道路に接しており、開発道路を設けることなく4区画に区分することが経済的に最も合理的な方法であるから、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担は必要がない。したがって、本件甲土地は広大地通達に定める広大地に該当しない。 (平27. 3.24 関裁(諸)平26-37)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260037
- 裁決年月日
- 平成27年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が被相続人から相続した同族会社(本件会社)の株式を財産評価基本通達(評価通達)185《純資産価額》に基づき評価するに当たり、本件会社が所有する市街化調整区域内に所在する土地(本件乙土地)について、本件乙土地が所在するその地域における標準的宅地の地積は220㎡程度であり、これに基づき経済的に最も合理的な方法により区割りすると、公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件乙土地は評価通達24−4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件乙土地の所在するその地域の戸建住宅の敷地の平均地積は592.24㎡であり、また、戸建住宅の地積の地積規模別の区分のうち、区画数の占める割合が他の2倍以上である地積が200㎡を超え400㎡以下の区分に属する戸建住宅の敷地の平均地積は284.16㎡であるから、同地域における標準的な宅地の地積は300㎡から350㎡程度とすることが相当である。次にこの地積に基づき本件乙土地に係る経済的に最も合理的な方法による開発行為を検討すると、本件乙土地が接する道路の隣地を取得するなどによりその幅員を6m以上とした上で、当該道路にそれぞれ2m接する3区画に区分することが、最も経済的に合理的な方法による開発行為であると認められる。したがって、本件乙土地は、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担の必要がないことから、評価通達24−4に定める広大地に該当しない。(平27. 3.24 関裁(諸)平26-37)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260038
- 裁決年月日
- 平成27年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが株主となっている同族会社(本件会社)の株式を財産評価基本通達(評価通達)185《純資産価額》に基づき評価するに当たり、本件会社が営業所等の敷地として使用する土地(本件甲土地)について、本件甲土地が所在するその地域における標準的宅地の地積は500㎡であり、これに基づき経済的に最も合理的な方法により区割りすると、公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件甲土地は評価通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件甲土地の所在するその地域は主に駐車場を備えた店舗等の敷地(店舗等敷地)として利用されており、その地域における標準的な宅地の地積規模は、その地域における店舗等敷地の平均地積(877.33㎡)程度とするのが相当であるところ、当該地積規模となるよう区分する開発行為を行う場合、本件甲土地は三方が道路に接しており、開発道路を設けることなく4区画に区分することが経済的に最も合理的な方法であるから、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担は必要がない。したがって、本件甲土地は広大地通達に定める広大地に該当しない。(平27.3.24 関裁(諸)平26‐38)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260038
- 裁決年月日
- 平成27年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが株主となっている同族会社(本件会社)の株式を財産評価基本通達(評価通達)185《純資産価額》に基づき評価するに当たり、本件会社が営業所等の敷地として使用する土地及び賃貸している店舗の敷地として使用する土地(本件各土地)を評価通達の定めに従い評価すると、当該価額(通達評価額)は不動産鑑定評価による鑑定評価額(本件鑑定評価額)を上回ることから、本件各土地には評価通達の定めにより難い特別な事情がある旨主張する。しかしながら、一般に通達評価額と鑑定評価額の乖離は、鑑定評価額の試算価格算定過程における適用誤り等に起因することもあり得、単に各評価額の乖離の発生の一事をもって評価通達の定めにより難い特別な事情があることにはならない。そして、鑑定評価額が客観的交換価値を示しているというためには、鑑定評価の方法が合理的であることが前提である。これを本件についてみると、本件鑑定評価額の算定に当たって、①標準的画地の地積規模が合理的に想定されていないこと、②取引事例の標準化補正に合理性がないこと、③本件各土地の価格と公示価格との間に均衡を保たせているといえないこと、④個別的要因である規模大による減価の割合に合理性がないことがそれぞれ認められるから、本件鑑定評価額に係る不動産鑑定評価には、鑑定評価の方法に合理性が認められない。したがって、本件鑑定評価額は、課税時期時点における時価を適切に示しているとは認められないから、本件各土地の価額は、評価通達に基づき評価することが相当である。(平27.3.24 関裁(諸)平26‐38)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260038
- 裁決年月日
- 平成27年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが株主となっている同族会社(本件会社)の株式を財産評価基本通達(評価通達)185《純資産価額》に基づき評価するに当たり、本件会社が所有する市街化調整区域内に所在する土地(本件乙土地)について、本件乙土地が所在するその地域における標準的宅地の地積は220㎡程度であり、これに基づき経済的に最も合理的な方法により区割りすると、公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件乙土地は評価通達24−4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件乙土地の所在するその地域の戸建住宅の敷地の平均地積は592.24㎡であり、また、戸建住宅の地積の地積規模別の区分のうち、区画数の占める割合が他の2倍以上である地積が200㎡を超え400㎡以下の区分に属する戸建住宅の敷地の平均地積は284.16㎡であるから、同地域における標準的な宅地の地積は300㎡から350㎡程度とすることが相当である。次にこの地積に基づき本件乙土地に係る経済的に最も合理的な方法による開発行為を検討すると、本件乙土地が接する道路の隣地を取得するなどによりその幅員を6m以上とした上で、当該道路にそれぞれ2m接する3区画に区分することが、最も経済的に合理的な方法による開発行為であると認められる。したがって、本件乙土地は、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担の必要がないことから、評価通達24−4に定める広大地に該当しない。(平27.3.24 関裁(諸)平26‐38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260076
- 裁決年月日
- 平成27年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)の価額は、付近に嫌悪施設が存在するという事情(本件事情)があり、本件事情により本件土地の利用価値が著しく低下しているため、国税庁ホームページのタックスアンサーの「№4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」により10%相当額の評価減をすべきである旨主張する。しかしながら、本件土地の存する地域は工場、産業廃棄物処理施設等が混在する地域で、環境条件の良い地域でなく、本件事情は個別にしんしゃくを要するものではないことから、本件土地は、利用価値の著しく低下していると認められる土地には該当せず、10%相当額の評価減をすることはできない。(平27.3.4 東裁(諸)平26-76)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260077ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成27年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)は、本件A土地、本件B土地及び本件C土地の3区画に区分され、それぞれ別の者に駐車場として賃貸されているが、駐車場という同一の目的に供されており、設定された賃借権はいずれも弱いもので、本件土地を開発する場合には一体で開発することが合理的であるから、評価単位の判断においては、本件土地への賃借権の設定状況を考慮することは相当でなく、本件土地全体を一つの評価単位として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、財産評価基本通達(評価通達)82《雑種地の評価》本文の定めにより評価する宅地と状況が類似する雑種地であり、評価通達7−2《評価単位》(7)本文に定める評価単位の判断に当たっては、宅地の場合と同様に、他者の権利が存在する場合には、その権利の種類及び権利者の異なるごとに区分して行うのが相当であるところ、本件土地は3区画に区分されて、それぞれ異なる者の賃借権が設定されていたことから、評価通達7−2(7)本文に定める評価単位は、本件A土地、本件B土地及び本件C土地のそれぞれとなり、また、3区画に区分された各土地は、いずれも、宅地としての効用を果たさない形状、地積の大小、位置等とはならないので、評価通達7−2(7)ただし書に定める場合に該当する雑種地ではない。したがって、本件土地は、本件A土地、本件B土地及び本件C土地の3区画をそれぞれ評価単位として評価すべきである。(平27. 3. 4 東裁(諸)平26-77)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260077
- 裁決年月日
- 平成27年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)の価額は、付近に嫌悪施設が存在するという事情(本件事情)があり、本件事情により本件土地利用価値が著しく低下しているため、国税庁ホームページのタックスアンサーの「№4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」により10%相当額の評価減をすべきである旨主張する。しかしながら、本件土地の存する地域は工場、産業廃棄物処理施設等が混在する地域で、環境条件の良い地域でなく、本件事情は個別にしんしゃくを要するものではないことから、本件土地は、利用価値の著しく低下していると認められる土地には該当せず、10%相当額の評価減をすることはできない。 (平27. 3. 4 東裁(諸)平26-77)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260025
- 裁決年月日
- 平成27年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める「標準的な宅地の地積」を県の開発許可基準等が定める戸建住宅の最低敷地面積であると解した上で、本件土地は、「標準的な宅地の地積」と比べて著しく地積が広大な土地であり、公共公益的施設用地の負担も生じることから、広大地通達に定める広大地に該当する旨、また、仮に、広大地に該当しないとしても、市の定める規則により実質的に公益的な施設の負担を強いられることから、財産評価基本通達《評価の原則》1(3)に基づき当該負担を本件土地の評価において考慮すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は路地状部分を有する宅地を組み合わせ、戸建住宅等の敷地として開発することが可能であるところ、①路地状部分を組み合わせることによって本件地域における標準な宅地の地積に分割できること、②都市計画法等の法令に反しないこと、③建ぺい率及び容積率の計算上有利であること、④本件地域において路地状に分筆して売買された事例が存在することを総合的に勘案すると、広大地通達に定める「公共公益的施設用地」の負担が、必要であるとは認められない。したがって、本件土地は、広大地通達に定める広大地には該当しない。また、請求人が予備的に主張する点については、上記のとおり本件土地の戸建住宅敷地としての開発において、公共公益的施設の負担が生ずるとは認められないから、請求人の主張には理由がない。(平27. 2.17 名裁(諸)平26-25)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260043
- 裁決年月日
- 平成27年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達《貸家建付地の評価》26に定める賃貸割合の算出に当たり、各独立部分を有する家屋のうち課税時期において空室であった部分が、同通達26の(2)の(注)2に定める「一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に該当するか否かは、課税時期前後の空室期間のみで判断するのではなく、いかなる状況下において空室期間が生じていたか等の諸事情を総合勘案して判断すべきであり、請求人が相続により取得した各貸家に空室が生じた場合の賃借人の募集状況等を国税庁ホームページの質疑応答事例に示された基準及び先行裁決に照らせば、当該各貸家の各独立部分のうち課税時期において空室であった部分(本件各独立部分)は、全て「一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に該当する旨主張する。しかしながら、賃貸割合の算出上、各独立部分が貸し付けられているかどうかについては課税時期における現況に基づいて判断するのが原則であり、例外として課税時期において賃貸されている各独立部分には一時的に賃貸されていなかったと認められるものを含むこととして差し支えない旨定めているのであるから、賃貸されていなかった期間が一時的といえるかどうかについては、当該質疑応答事例が示す「空室の期間が、課税時期前後の1か月程度であるなど、一時的な期間であること」などの事実関係から、一時的に空室になっていたにすぎないと認められるものをいうと解するのが相当であるところ、本件各独立部分は、相続開始日から1年を経過してもいまだに賃貸されていない各独立部分が複数存在するほか、相続開始日後に賃貸された各独立部分についても相続開始日前後の空室期間は最短のものでも5か月を超える期間に及んでいるのであるから、本件各独立部分が「一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に該当すると認めることはできない。(平27. 2.17 大裁(諸)平26-43)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260043
- 裁決年月日
- 平成27年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人と請求人の共有に係る貸家(本件貸家)の請求人の共有持分2分の1に応じて、請求人が被相続人所有の本件貸家の敷地(本件宅地)に対して有する敷地利用権が使用借権であるとしても、本件貸家の各室の賃貸借契約は被相続人と各賃借人との間で締結されており、被相続人は各賃借人に対して本件宅地の全部について使用収益させる義務を負っているのであるから、本件宅地の全部を貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」の3《使用貸借に係る土地等を相続又は贈与により取得した場合》は、使用貸借に係る土地を相続により取得した場合における相続税の課税価格に算入すべき価額は、当該土地の上に存する建物等の自用又は貸付けの区分にかかわらず、全て当該土地が自用のものであるとした場合の価額による旨定めているところ、建物賃借人の敷地利用権は建物所有者の敷地利用権の範囲内において行使されるものにすぎず、当該建物所有者の敷地利用権が使用借権である場合には、使用借権の価額が零として取り扱われる以上、建物賃借人の敷地利用権の価額も零として取り扱われるのは当然であって、当該定めは合理的なものと認められる。したがって、本件宅地のうち請求人が使用借権を有する2分の1の持分に相当する部分については、貸家建付地として評価することはできず、自用のものとして評価することとなる。(平27. 2.17 大裁(諸)平26-43)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260063
- 裁決年月日
- 平成26年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(使用貸借通達)3《使用貸借に係る土地等を相続又は贈与により取得した場合》は、建物所有者と土地所有者を同一とみなして、土地を自用のものであるとした場合の価額とする旨定めているところ、不動産鑑定評価基準には、この自用のものと同様の状態にある建付地の定めがある一方で、財産評価基本通達(評価基本通達)には、このような定めがないから、建付地と実質的に同様の状態にある、本件相続開始日において、建物所有目的で使用貸借されており、かつ、使用借人所有の建物が存した本件土地は、その価額を、評価基本通達により評価することはできず、不動産鑑定評価基準により評価することになる旨主張する。しかしながら、使用貸借通達3は、使用貸借通達1《使用貸借による土地の借受けがあった場合》の取扱いに伴い、使用貸借により貸し付けられている土地の価額から控除する使用貸借に係る使用借権の価額を零とすることで、結果として土地の上に権利が存しない土地と同様に取り扱うことを定めたものであって、建物所有者と土地所有者を同一とみなす趣旨ではないから、この点に関する請求人の主張は採用できない。また、評価基本通達《貸宅地の評価》25に定める自用地としての価額とは、同23、同23−2、同24−3、同24−5の各定めの適用がない場合における宅地の上に権利が設定されていない宅地の価額をいうところ、上記の使用貸借通達3の定めることからすると、同通達に定める自用のものであるとした場合の価額と同一の意義であると解するのが相当であるから、評価基本通達23、同23−2、同24−3、同24−5の各定めの適用がない本件土地の価額は、評価基本通達により評価することができる。(平26.12.15 東裁(諸)平26-63)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260027
- 裁決年月日
- 平成26年11月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802990
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)について、本件土地の存する地域の開発状況は、道路等の公共公益的施設用地の負担をしている開発がほとんどであり、本件土地の開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担を必要とするから、財産評価基本通達24−4(広大地の評価)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、一般に、土地の開発及び分譲を業とする者は、経済的に合理的な判断に基づき、当該土地の価値を最大限に高められるような方法によって開発を行うのが通常であるところ、道路を開設する開発は、道路部分の面積に相当する潰れ地を生じさせるのに対し、路地状敷地を組み合わせた開発を行った場合には、建築基準法上の容積率及び建ぺい率の算定に当たって路地状部分の面積も敷地面積に含まれることとなるから、道路を開設するよりも、より広い建築面積や延べ床面積の建物等を建築することができるのであり、少なくともこの点において、道路を開設する開発は、路地状敷地を組み合わせた開発に比べ経済的に不利になるのが通常である。本件土地について、開発後の1区画当たりの面積が、審判所が認定した広大地の評価に定める「その地域」における標準的な戸建住宅用地の地積である路地状敷地を組み合わせた開発を行うことは、その接道状況や、都市計画法等法令に反するものでもないことなどから、十分に可能であると認められる。加えて、当該「その地域」には、本件土地と形状や地積、接道状況が比較的近似した土地につき、現に路地状敷地を組み合わせた開発をした事例が存在する。以上のことからすると、本件土地については、道路を開設せず、路地状敷地の組み合わせによる開発の方法が経済的に最も合理的であると認められる。したがって、本件土地は、広大地の評価に定める広大地に該当しない。(平26.11.25 大裁(諸)平26-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260020
- 裁決年月日
- 平成26年8月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400803030
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/3使用貸借に係る家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が親しい女性(D)に使用貸借により貸し付けている家屋(本件建物)及びその敷地(本件土地)の使用関係は、実質的には、被相続人がDに対して重婚的内縁関係における婚姻費用(被相続人が負担すべき生活費)を負担するという負担付の使用貸借関係であり、当該負担は公租公課の負担よりはるかに大きな負担であるとして、Dの本件建物及び本件土地(本件不動産)の使用権は、通常の使用借権よりも強い権利である旨、したがって、本件不動産の価額の評価について、財産評価基本通達の定めによらないことが正当として是認されるような特別の事情があるとして、本件不動産の評価額は零円である旨主張する。しかしながら、いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異なるものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げないというものであるところ、Dの答述等によれば、被相続人は、Dに対して、本件建物に無償で居住させたり、多額とまではいえない贈り物や小遣い程度の金銭を渡したりしており、被相続人とDは、約40年近くにわたり、親密な関係にあったものと認められる一方で、Dは、自らの収入で生計を立てており、被相続人から生活費の援助を受けたことはない。また、当審判所の調査の結果によっても、被相続人と被相続人の妻が事実上離婚状態にあったとは認められない。そうすると、そもそも被相続人とDが重婚的内縁関係にあったとは認められないから、請求人の主張はその前提を欠くものである。そして、被相続人とDの本件建物の使用に係る契約書をみると、Dが本件建物を使用貸借することについて定めたものと認められるから、本件不動産の評価につき財産評価基本通達の定めによらないことが正当として是認されるような特別の事情はない。(平26. 8.19 東裁(諸)平26-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260009
- 裁決年月日
- 平成26年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である各農地(本件各農地)について設定されている権利は、いずれも昭和27年7月の農地法施行前に設定されたもので、農地法第3条《農地又は採草放牧地の権利移動の制限》の許可を要するものではなく、また、当該各権利について、賃貸借の更新をしない旨の通知が行われているものではないので、当該各権利は、農地法第18条《農地又は採草放牧地の賃貸借の解約等の制限》第1項本文の適用があるものであり、本件各農地は設定された権利の解除に制約があるものであることから、本件各農地の自用地としての価額から耕作権の価額を控除して評価すべきと主張する。しかしながら、本件各農地のうち一つの農地の権利は、農地法施行後に設定されたものであり、農地に権利を設定する場合には、農地法第3条第1項の許可を受けなければならず、当該許可を受けないでした行為は、その効力が生じないところ(農地法第3条第7項)、当該農地への権利の設定に当たっては、同条第1項の許可を受けていないから、当該権利の設定の効力は生じないこととなるので、当該農地の価額は、自用地としての価額により評価するのが相当である。また、他の農地に係る権利については、契約期間10年の賃貸借に係る賃借権であり、賃貸借の更新をしない旨の通知の有無にかかわらず、当該賃借権は、農地法第18条第1項第3号に該当し、同項本文の許可を要することなく賃借権を解除できることから、昭和56年6月9日付直評10ほか「農用地利用増進法等の規定により設定された賃貸借により貸し付けられた農用地等の評価について」により評価するのが相当である。(平26. 7. 8 東裁(諸)平26-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260009
- 裁決年月日
- 平成26年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である各土地(本件各土地)の価額について、至近にある国有地(本件入札土地)の一般競争入札における最低売却価格に基づき評価した価額が本件各土地の時価であり、財産評価基本通達の定めにより評価した価額は、いずれも、当該時価を上回るため、財産評価基本通達の定めによらないことが正当として是認されるような特別の事情がある旨主張する。しかしながら、当該最低売却価格は、本件入札土地が不整形で傾斜部分が過半を占める土地であることを前提に43%減額して求められた鑑定評価額に基づいたものであるのに対して、本件各土地の各地盤面は、ほぼ平坦であるところ、請求人らは、当該最低売却価格を基に評価する際に、傾斜部分が過半を占める土地であることを考慮していないことから、請求人らが主張する本件各土地の価額は、当該最低売却価格を的確に補正して求められた価額とはいえず、本件各土地の時価を示すものとはいえない。また、本件各土地と建ぺい率、容積率の制限が同じで、街路の系統・構造等の状態にほとんど差のない近隣の土地の取引実例からみても本件各土地の接する路線価が時価を上回っているとは認められない。したがって、本件各土地の評価について、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と是認されるような特別の事情があるとは認められない。(平26. 7. 8 東裁(諸)平26-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260009
- 裁決年月日
- 平成26年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人が賃貸借契約により貸し付け、賃借人が、相続開始時点において、一部を倉庫建物(本件倉庫建物)の敷地に、他の部分を月ぎめ駐車場としていた土地(本件土地)について、月ぎめ駐車場となっている部分(本件駐車場部分)は建物の所有に通常必要な範囲とはいえず、借地権が及ばないから、本件土地のうち、本件倉庫建物の敷地の用に供されている部分は貸宅地として、本件駐車場部分は自用地として、それぞれ評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地に係る土地賃貸借契約が締結された当時において、本件土地に設定された権利は、借地法第1条《借地権の定義》に規定する建物の所有を目的とする賃借権(借地権)であると認められ、また、相続開始日において、本件土地について、その一部を月ぎめ駐車場として使用する旨の契約条件の変更や新たな賃貸借契約の締結等が行われた事実は認められないから、同一の条件をもって、当該契約は更新されているものと認められる。そして、本件駐車場部分は、本件倉庫建物への積荷の搬入等に通常必要な土地であるといえ、当該借地権は、本件駐車場部分にも及んでいたものと考えるのが相当である。したがって、本件土地の価額は、その全体を貸宅地として評価するのが相当である。(平26. 7. 8 東裁(諸)平26-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260009
- 裁決年月日
- 平成26年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が第三者に無償で耕作をさせていた農地(本件農地)の価額について、当該第三者に本件農地を耕作する権利を無償で付与しているものであること、権利の設定に当たり農地法3条《農地又は採草放牧地の権利移動の制限》の許可が不要であると錯覚した背景があることを考慮して、財産評価基本通達41《貸し付けられている農地の評価》(1)により本件農地の自用地としての価額から当該価額の35%相当額を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、農地に権利を設定する場合には、農地法第3条第1項の許可を受けなければならず、当該許可を受けないでした行為は、その効力が生じないところ(農地法第3条第7項)、本件農地への権利の設定に当たっては、同条第1項の許可を受けていないから、当該権利の設定の効力は生じないこととなる。したがって、本件農地の価額は、自用地としての価額により評価するのが相当である。(平26. 7. 8 東裁(諸)平26-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260009
- 裁決年月日
- 平成26年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である土地(本件土地)の価額について、本件土地は、被相続人が市に一括して無償で貸し付けており、他者の価値ある権利は設定されていないことから、全体を1画地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地の北側部分(本件菜園部分)は、市立幼稚園の園児の教育に資するための菜園として市に無償で貸し付けられ、南側部分(本件駐車場部分)は、主に当該幼稚園の職員に対して駐車場として貸し付けられていた土地であることから、いずれの部分も地目は雑種地に該当することとなり、当該各部分は、それぞれ別々の目的に供されている雑種地であると認められる。また、本件菜園部分はその北側及び東側の道路に、本件駐車場部分は東側の道路にそれぞれ接しており、いずれも長方形であること、本件菜園部分の地積及び本件駐車場部分の地積からすると、当該各部分ごとに評価しても、その土地の効用を果たさないような規模や形状で評価することにはならないから、利用の単位ごとに評価することが合理的である。以上のことから、財産評価基本通達7−2《評価単位》(7)の定めにより、本件土地は、菜園部分と駐車場部分とに区分して、それぞれ雑種地として評価するのが相当である。(平26. 7. 8 東裁(諸)平26-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250054
- 裁決年月日
- 平成26年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続した大規模店舗とその附属駐車場に供されている土地(本件土地)について、その最有効使用は、大規模店舗等の敷地として試算するより、戸建住宅分譲用地として試算する方が高くなるので、戸建住宅分譲用地であり、本件土地を戸建住宅分譲用地として使用するには、公共公益的施設用地の負担が必要な開発行為を要するから、本件土地は財産評価基本通達24−4≪広大地の評価≫に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地の属する地域は、これに属するほとんどの土地が大規模商業施設及びその附属駐車場として利用されており、相続の開始後も新たに広大な敷地を有する商業施設が2店舗開店するなど、一層の商業地域化が進められている地域であるから、本件土地の最有効使用は、大規模商業施設及びその附属駐車場用地と認めるのが相当である。そして、本件土地をその最有効使用たる大規模商業施設及びその附属駐車場用地に供するに当たって、開発行為は不要であるから、公共公益的施設用地の負担も必要がない。したがって、本件土地は、財産評価基本通達24−4に定める広大地に該当しない。(平26. 6.24 関裁(諸)平25-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250143
- 裁決年月日
- 平成26年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)及び建物(本件建物)について、不動産鑑定士の作成した不動産鑑定評価書(本件鑑定評価書)における鑑定評価額(本件鑑定評価額)によるべきであり、財産評価基本通達の定めにより評価した本件土地及び本件建物(本件不動産)の価額は時価を上回ることから、本件不動産の価額の評価について、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められるような特別の事情がある旨主張する。しかしながら、不動産鑑定評価基準に準拠して行われた不動産鑑定評価は、一般的には客観的な根拠を有するものであることから、本件鑑定評価書に係る不動産鑑定評価が不動産鑑定評価基準に準拠して行われているか否かについて検討したところ、①本件土地の比準価格の査定において、取引事例の選択、事情補正及び標準化補正が適切であるとは認められないこと、②本件建物の価格の査定において、本件建物の再調達原価の算定が不動産鑑定評価基準に準拠して行われたとは認められない上、観察減価法による減価が適切に行われたとは認められないこと、③本件不動産一体の積算価格の試算に当たっての減価が適切に行われたとは認められないこと、④本件不動産の収益価格の試算に当たり、算定された総合還元利回りが合理性を有するとは認められないことから、本件鑑定評価書には、本件鑑定評価額の算定に当たり、不動産鑑定評価基準に準拠していない点があり、積算価格及び収益価格も適正な価格とは認められず、本件鑑定評価額は、本件不動産の客観的な交換価値を示しているとは認められない。したがって、本件不動産の価額の評価について、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められるような特別の事情はない。(平26. 6.23 東裁(諸)平25-143)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250048
- 裁決年月日
- 平成26年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人の一人が相続により取得した土地(本件土地)について、財産評価基本通達(評価通達)の定めにより難い特別の事情があるから、本件土地の価額は、不動産鑑定士による鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、本件土地に係る不動産鑑定評価は、①取引事例比較法における比準価格を算定するために採用した取引事例の選択が不適切であり、②開発法における収入額や支出額の算定に当たって客観的な根拠を欠く係数や過大と認められる整地費を採用していることから、公正妥当な鑑定理論に基づいているものとは認められない。また、当審判所の調査によっても、本件土地につき、評価通達の定めにより難い特別な事情があるとは認められない。したがって、本件土地の価額は、評価通達の定めに基づいて算定するのが相当である。(平26. 6.10 関裁(諸)平25-48)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250061ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成26年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸用マンションの敷地である各土地(本件各土地)について、①周辺土地よりも低く冠水したことがあり、今後も冠水の危険があること、②公共下水道が整備されておらず浄化槽を設置しなければならないこと及び③将来にわたり公共下水道が整備されることが絶望的な状況であることから、国税庁ホームページに掲載のタックスアンサー№4617の取扱例に記載する利用価値が著しく低下している宅地に該当し、その要素ごとに10%、合計30%の評価の減額をすべきである旨主張するとともに、仮に、この減額が認められないのであれば、浄化槽の設置費用等に基づく調整率を用いた評価の減額を主張する。しかしながら、まず、30%の評価の減額について、請求人の主張する事情は、いずれも本件各土地付近が周辺の土地よりも低い位置にあるという点に起因しているものと認められ、このうち、公共下水道の整備がないという点については、相続開始時点において既に浄化槽が設置されており、土地の利用に支障を生じているとまでは認められないことから、路線との高低差の程度や浸水被害の状況を踏まえても、10%を超える減額をすべきものとは認められない。次に、浄化槽の設置費用等に基づく調整率について、本件各土地には相続開始時において既に浄化槽が設置済であり、浄化槽の設置費用は本件各土地の減額要素とならないことや、路線価が評価の安全のために公示価格の8割程度を目途として算定されていることからすると、10%の減額で足りないとはいえない。以上のことから、本件各土地は、タックスアンサー№4617の取扱例に基づき、本件各土地について利用価値が低下していないものとして評価した場合の価額から、その価額に10%を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価することが相当である。(平26. 6. 4 大裁(諸)平25-61)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250061ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成26年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803990
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸用マンション及びその附属建物(本件各建物)について、本件各建物の敷地に面する路線が冠水したことにより浸水し、完全な水分除去が難しく建物本来の耐用性が毀損するため、不動産鑑定士のアドバイスに基づいて評価額を10%減額すべきである旨主張する。しかしながら、本件各建物の受電設備等は、浸水被害後相続開始前に修理が完了しており、相続開始時において、本件各建物は、引き続き賃貸用マンションとして使用していることからすれば、本件各建物の客観的交換価値が10%下落したといえるほど、建物本来の耐用性が毀損したとまではいえない。また、不動産鑑定士によるアドバイスを受けた旨の主張については、不動産鑑定士が責任ある立場で行った鑑定評価等があるものでもない。そうすると、本件各建物の相続開始時における評価について、財産評価基本通達を適用して固定資産税評価額に基づき評価することが、実質的な租税負担の公平を害することが明らかな場合に当たるとまではいえないから、本件各建物は、同通達89《家屋の評価》に基づき評価を行うのが相当である。(平26. 6. 4 大裁(諸)平25-61)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250043
- 裁決年月日
- 平成26年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、隣接する市道に横断歩道橋(本件歩道橋)が設置されている土地(本件3土地)は間口が狭くなっていることにより、また、鉄道高架橋に隣接している土地(本件5土地)は、鉄道の騒音により、その利用価値が付近にある他の宅地に比して著しく低下しているので、いずれの土地についても財産評価基本通達(評価通達)の定めに従い評価した価額から10%の金額を減額して評価(本件評価方法)すべきである旨主張する。しかしながら、まず、本件3土地について、本件歩道橋が設置されている部分と本件土地との間には水路が存しており、当該水路は道路認定がされていないことから、本件3土地を評価通達の定めに従い評価する場合、当該部分については間口距離に含まれないところ、評価する土地の間口距離についてのしんしゃくは評価通達20-3《間口が狭小な宅地等の評価》による画地調整を行えば足りるものであるから、本件3土地を評価するに当たり、本件評価方法を適用することはできない。次に、本件5土地について、路線価は売買実例価額や公示価格等を基に宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面する路線ごとに設定されるもので、当該路線に接する宅地に共通する土地の価額に影響を及ぼす事情は考慮されているものであるから、一般に土地の価額に影響を及ぼすような鉄道の騒音については、路線に接する宅地に共通する事情であり、特定の土地のみに生ずる事情とはいえず、本件5土地のみが鉄道の騒音により利用価値が著しく低下している事情は認めらないから、本件5土地を評価するに当たり、本件評価方法を適用することはできない。 (平26. 5.13 関裁(諸)平25-43)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250043
- 裁決年月日
- 平成26年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が所有する賃貸用マンションの敷地である土地(本件1土地)、特定法人が所有する倉庫の敷地である土地(本件2土地)及び被相続人が所有する事務所・倉庫の敷地である土地(本件3土地)について、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める「その地域」における標準的な宅地の地積に比していずれも著しく広大な宅地で、いずれも最有効使用は戸建住宅分譲用地であり開発行為を行うと公共公益的施設用地の負担が必要となるから、広大地通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、まず、広大地通達の趣旨からすると、既に開発行為を了しているマンション等の敷地用地は特段の事情がない限り広大地には該当しないと解されるところ、本件1土地は既に開発行為を了しているマンションの敷地用地として使用され、かつ、本件1土地上のマンションの耐用年数の残存期間は31年であり、また、当該マンションは外観上著しい劣化や損傷はなく、今後相当の期間使用することができると見込まれるため、近い将来において新たな開発行為を行うべき事情も認められないことから、本件1土地は、広大地には該当しない。次に、審判所が認定した本件2土地の所在する「その地域」及び本件3土地の所在する「その地域」において、500㎡以上の地積の土地は、いずれにおいても倉庫及び店舗・事務所の敷地並びに集合住宅等の敷地として1画地で使用する方法が標準的使用方法であると認められ、また、本件2土地及び本件3土地は、いずれにおいてもそれぞれが所在する「その地域」の平均地積を下回っているから、本件2土地及び本件3土地は、それぞれ所在する「その地域」において標準的な宅地の地積に比して著しく広大な宅地とは認められない。したがって、本件2土地及び本件3土地は、いずれも広大地通達に定める広大地に該当しない。(平26. 5.13 関裁(諸)平25-43)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250043
- 裁決年月日
- 平成26年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、砂利敷きの駐車場として使用している土地(本件4土地)を財産評価基本通達82《雑種地の評価》に基づき評価するに当たり、本件4土地には凹凸があるからA国税局長が定めた整地費の金額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件4土地は、昭和43年に建物が建築され、当該建物が平成8年に取り壊されるまでの間は宅地として利用されていたことから、既に宅地として利用可能な状態にあった土地であると認められ、また、相続開始日においても、本件4土地の地表面には凹凸はなく、本件4土地の地盤面と本件4土地が接する道路面との高低差もないことから、本件4土地は、相続開始日において、宅地として利用可能な状態にするための整地、土盛り又は土止めに要する工事が必要な土地であるとは認められない。したがって、本件土地を財産評価基本通達82に基づき評価するに当たり、整地費の金額を控除することはできない。(平26. 5.13 関裁(諸)平25-43)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平250004
- 裁決年月日
- 平成26年5月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№95
要旨
○ 原処分庁は、請求人が母からの贈与(本件贈与)により取得した各土地(本件土地)について、請求人が代表者であるJ社が建築した建物(本件建物)は、本件贈与時前に滅失し、滅失後はJ社によって本件土地に建物は再建されていないことから、本件贈与時には、本件土地に係る借地権(本件借地権)は滅失している旨主張する。しかしながら、借地法(大正10年法律第49号、平成4年8月1日廃止前のもの)第2条《借地権の存続期間》第1項ただし書は、建物がその期間満了前に朽廃したときは借地権は消滅する旨規定され、滅失はこれと区分され、建物が滅失したことのみをもって借地権は消滅しないと解されていることから、この点についての原処分庁の主張は採用できない。J社は、遅くとも昭和63年から本件贈与時まで、本件土地の地代を支払っていたことが認められ、また、母は、亡父から本件土地を相続してから本件贈与時までの間に、J社が本件土地の使用を継続することに対して何ら異議を述べておらず、一方、J社は本件土地を継続して使用していたことが認められることからすると、遅くとも昭和63年に、J社と亡父の間には、本件土地に係る本件建物の所有を目的とする賃貸借契約が成立するとともに、母が亡父から本件土地を相続してから本件贈与時まで、同契約は継続しているものと認められる。したがって、本件贈与時には本件借地権は存在したものと認められる。(平26.5.9 沖裁(諸)平25-4)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平250004
- 裁決年月日
- 平成26年5月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№95
要旨
○ 請求人は、母からの贈与(本件贈与)により取得した各土地(本件土地)及び隣接する請求人の所有の土地(これらを併せて、本件評価対象土地)について、A不動産鑑定会社が本件評価対象土地を鑑定評価した価額は、不動産鑑定評価基準に基づいて算定された理論的で合理的なものであるから、当該価額の1㎡当たりの価額に基づき算定した本件土地の価額は相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価である旨主張する。しかしながら、A不動産鑑定会社の作成した鑑定評価書(本件鑑定書)は、本件評価対象土地が無道路地であることの補正において、本件評価対象土地と比較して小さい規模の標準画地を設定した合理的な理由が認められず、また、そもそも評価の対象となる土地は本件評価対象土地なのであるから、直接本件評価対象土地を対象として、無道路地の補正を行うことが相当であり、当該標準画地を設定する必要性はないなど、合理性に欠ける点が認められる。更に、本件土地と前面道路の間に存する各土地は、請求人の母並びに請求人、請求人の配偶者及び子がそのすべてを出資している法人がそれぞれ所有するものであるところ、本件土地を含めた各土地は、本件贈与以前から当該法人の建物の敷地等として一体として使用されているものであり、また、今後のこれらの土地の使用についても請求人らの意思によって決定できるものであると認められるから、本件土地を無道路地として単独で使用するなど、その経済的価値をいたずらに低下させるような不自然な土地使用は通常考えられないことからすると、本件鑑定書において考慮している無道路地であることの制約は、鑑定評価上考慮すべき事情には当たらず、この点を重視して大幅な補正をした本件鑑定書には合理性に欠ける点がある。以上のことから、A不動産鑑定会社が本件評価対象土地を鑑定評価した価額の1㎡当たりの価額に基づき算定した本件土地の価額は、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価とは認められない。(平26.5.9 沖裁(諸)25-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250111
- 裁決年月日
- 平成26年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、①本件被相続人がA社(本件賃借会社)に対して同時期に共同住宅5棟(本件各共同住宅)を一括で賃貸する建物等一括賃貸借契約(本件契約)を締結していたこと、②本件契約において敷地の使用範囲が3筆の宅地(本件各宅地)の全体に及ぶ旨が定められていることからすると、本件賃借会社の敷地利用権は本件各宅地の全体に及んでいるので、本件各宅地をそれぞれ取得した者(2名)ごとに、2画地の宅地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、一般に、建物の賃借人は、建物の賃貸借契約の性質上当然に、建物の使用目的の範囲内においてその敷地の利用権を有するものと解され、所有する宅地の上に貸家が複数ある場合、各貸家の敷地に、各貸家の使用目的の範囲内において利用権がそれぞれ生じ、その利用権に基づき各貸家の敷地がそれぞれ利用されることとなるところ、①本件契約は、その実態において、本件各共同住宅の棟ごとに締結された賃貸借契約を1通の契約書としたにすぎないと認められ、また、②本件各共同住宅は、構造上各棟がそれぞれ独立した建物であり、各棟が一体のものとして機能していた特段の事情があるとも認められないことからすると、本件各宅地の上に存する本件各共同住宅の賃借人である本件賃借会社の敷地利用権の及ぶ範囲は、本件各共同住宅(5棟)の敷地ごとに及んでいるものと認めるのが相当である。そうすると、本件各宅地は、財産評価基本通達7−2《評価単位》により、遺産分割後の所有者単位に基づき、本件各宅地をそれぞれ取得した者(2名)ごとに区分し、その上で、区分した各宅地に存する本件各共同住宅の敷地ごとに区分することとなるから、本件各土地の評価単位は、5画地とすることが相当である。(平26. 4.25 東裁(諸)平25-111)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250107
- 裁決年月日
- 平成26年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№95
要旨
○ 請求人らは、相続により取得し、隣接する各借地(本件各借地)とともに貸家の敷地として利用していた宅地(本件宅地)の価額について、本件各借地に係る借地権は、相当の地代の支払により、その価額が零とされ財産的価値がないものであるから、財産的価値がない使用借権が設定された場合と同様に、本件宅地のみを財産評価基本通達7−2《評価単位》(1)に定める評価単位(1画地の宅地)として評価すべきと主張する。しかしながら、本件各借地に係る借地権は、借地借家法上の借地権であり、被相続人は、本件各借地を継続的かつ専属的に利用できる権利を有し、相続開始日において、本件宅地と本件各借地を併せて、貸家の敷地としてその全体を一体として利用していたものであるから、借主の死亡が終了原因とされ、人的つながりのみを基盤とする使用借権が設定された場合と同一にみることはできないので、本件宅地の価額は、隣接する本件各借地と併せた全体を評価単位(1画地の宅地)として評価することが相当である。(平26. 4.22 東裁(諸)平25-107)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250052
- 裁決年月日
- 平成26年4月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№95
要旨
○ 請求人らは、相続財産である貸家(本件各貸家)について、賃貸の意図をもって経常的に維持・管理を行い、賃借人の募集業務を継続して行っていることなどを理由に、相続開始日において現に賃貸されていない各独立部分(本件各独立部分)は、財産評価基本通達26《貸家建付地の評価》の(注)2に定める「課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に該当するから、同通達に定める賃貸割合を100%として、本件各貸家及びその敷地を評価すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価とは、相続により財産を取得した日における客観的な交換価値をいうことからすれば、各独立部分を有する家屋の全部又は一部が貸し付けられているかどうかについては、課税時期の現況に基づいて判断するのが原則である。その上で、同通達26の(注)2が、例外として、賃貸割合の算出に当たり、賃貸されている各独立部分には、継続的に賃貸されていた各独立部分で、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるものを含むこととして差し支えない旨定めているのである。本件各独立部分については、相続開始日の前後の空室期間は、最も長いもので8年間、最短のもので4か月を超える期間に及んでいることから、「課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に該当しない。したがって、同通達に定める賃貸割合を100%として、本件各独立部分及びその敷地を評価することはできない。(平26. 4.18 大裁(諸)平25-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250049
- 裁決年月日
- 平成26年3月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
請求人らは、本件被相続人が三男夫婦(三男ら)に預託した定期預金の解約を原因とする損害賠償請求権等(本件損害賠償請求権等)は、三男らに返還する意思は無く、回収できる見込みはないから、相続財産としての価値はない旨主張し、原処分庁は、三男らに財産評価基本通達(評価基本通達)205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める事実は認められないから、本件損害賠償請求権等の評価上控除する部分はない旨主張する。しかしながら、本件損害賠償請求権等は、当初、契約に基づいて生じた正常な債権で、定期預金の預託の当初においては、債務者に債権回収の引当てとなる財産が存在していたものが、不法行為又は債務不履行によって損害賠償請求権に転化したものと認められ、評価基本通達204《貸付金債権の評価》に定める貸付金債権等に該当するものと認められるところ、三男らが、当審判所が調査により把握した三男らの所有資産以外に資産を有している可能性は極めて低く、三男らの収入が生活費程度のものと認められる本件においては、本件損害賠償請求権等のうち、当該三男らの所有資産の価額を超える部分については、評価基本通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するものとして評価するのが相当である。(平26. 3.27 大裁(諸)平25-49)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250098
- 裁決年月日
- 平成26年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した21箇所の土地(本件各土地)の評価について、不動産鑑定士による各鑑定評価額が相続開始日における本件各土地の客観的交換価値を示すものであり、財産評価基本通達(評価基本通達)の定めにより評価した本件各土地の各価額は、各鑑定評価額をそれぞれ上回るから、評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情がある旨主張する。しかしながら、請求人らの主張の根拠である各鑑定評価書は、不動産鑑定評価基準に照らし、①更地の鑑定評価において、取引事例比較法における比準価格の算出に当たって取引事例の選択が適切とは認められないこと及び適切な補正等も行われているとは認められないこと並びに比準価格等を妥当なものと判断した規準価格の算定に当たって、採用した公示地等の選択に適切さを欠くこと及び適切な補正等も行われていないこと、②底地の鑑定評価において、底地の鑑定評価における総合勘案すべき各事項の検討がなされているとは認め難いことなどからすると、当該各鑑定評価書による各鑑定評価額が本件各土地の相続開始日における交換価値を適切に示しているものとは認められない。したがって、本件各土地の評価に当たり、評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情はない。(平26. 3.26 東裁(諸)平25-98)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成26年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人Aが本件相続により取得したものとみなされる死亡保険金の支払請求権(本件保険金支払請求権)について、請求人Aが、当該死亡保険金の支払請求の際に年金として支払を受ける特約(本件特約)を当該死亡保険金に係る保険契約に付加したことにより、その権利が具体的に確定したのであるから、本件保険金支払請求権の取得は本件特約を付加した時であり、本件保険金支払請求権は、相続税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)第24条《定期金に関する権利の評価》第1項に規定する定期金給付契約に関する権利に該当する旨主張する。しかしながら、相続による財産の取得の時期は相続開始の時であり、相続開始後の事情変更は相続財産及びその価額に影響を及ぼさないと解されることから、請求人Aが本件保険金支払請求権を取得した時は本件相続の開始の時であり、その時において当該保険契約に本件特約は付加されていなかったことからすれば、本件保険金支払請求権は死亡保険金の一時金としての支払請求権であると認められるので、相続税法第24条第1項に規定する定期金給付契約に関する権利に該当するとは認められない。(平26. 2.21 札裁(諸)平25-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250090
- 裁決年月日
- 平成26年2月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な土地である本件土地を戸建住宅の敷地用地として、経済的合理性のある区画割りにし、本件土地の西側にある墓地の影響を最小限にすると、公共公益的施設用地の負担が必要となるから、本件土地は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地を戸建住宅の敷地用地として開発することを想定した場合、路地状部分を有する区画を含む複数の宅地に区画割りすることができ、このような区画割りは、建築基準法等の法令にも反しないし、容積率及び建ぺい率の計算上有利であることなどから、路地状部分を有する区画を含む複数の宅地に区画割りする方法が、経済的に最も合理的な方法である。そして、本件土地の存する地域における戸建住宅用地としての実際の開発状況等をみるに、本件相続開始日に近い時期の開発分譲事例では、路地状部分を有する区画が生ずる区画割りが行われている。そうすると、本件土地は、公共公益的施設用地の負担が必要な土地であるとは認められないので、財産評価基本通達24−4の広大地には該当しない。(平26. 2.18 東裁(諸)平25-90)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250011
- 裁決年月日
- 平成26年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、同族会社(本件会社)に対する本件被相続人の貸付金債権(本件貸付金債権)について、本件会社は、売上げが連年減少し、債務超過の状態にあることから、いつでも債権者又は自ら破産を申し立てることができる状態にあり、既存の金融負債も同族借入れへシフトせざるを得ず、企業としての信用性はゼロであるから、本件貸付金債権は、本件相続開始日において財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当し、その評価額は零円である旨主張する。しかしながら、同通達にいう「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、同通達205の(1)ないし(3)の事由と同程度に、債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、債権の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるときであると解すべきであるところ、①本件会社は、本件相続開始日を含む事業年度及びその前後の事業年度において、一定の売上げ及び売上総利益を確保し、現在も事業を継続していること、②本件会社は、取引金融機関からの借入金について、当初の返済計画どおり返済するとともに、本件被相続人などの親族からの借入金についても、毎期返済していたこと、③当該取引金融機関の支店長は、本件会社を非常に信用度の高い取引先と評価し、今後も同社からの融資には前向きに検討する意向であることが、それぞれ認められる。そうすると、本件貸付金債権は、本件相続開始日において、同通達に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」、すなわち、同通達205の(1)ないし(3)の事由と同程度に、債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、債権の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められる状況にあったとはいえない。(平26. 2.17 熊裁(諸)平25-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250036
- 裁決年月日
- 平成26年1月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続時精算課税の適用を受ける被相続人から贈与により取得したB社株式(本件株式)の相続税の課税価格に加算すべき価額は、B社から被相続人に退職慰労金が支払われたことから、当該贈与の日の価額ではなく、被相続人の相続開始日における財産評価基本通達186《純資産価額計算上の負債》(3)の定めにより評価し直した価額である旨主張する。しかしながら、相続税法第21条の9《相続時精算課税の選択》第3項、同法第21条の10《相続時精算課税に係る贈与税の課税価格》及び同法第21条の15第1項の規定からすると、相続税の課税価格に加算すべき相続時精算課税適用財産の価額とは、贈与税の課税価格の計算の基礎となる当該財産の贈与時の価額によることとなるのであるから、被相続人を特定贈与者とする相続時精算課税適用者である請求人が、被相続人から当該贈与によって取得した相続時精算課税の適用を受ける本件株式について、相続税の課税価格に加算すべき価額は、当該贈与が行われた日における価額となる。(平26. 1.10 大裁(諸)平25-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250071
- 裁決年月日
- 平成25年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した並行する二つの路線に接するL字型の不整形地(本件土地)を財産評価基本通達(評価通達)20《不整形地の評価》の定めに基づき評価するに当たって、①評価通達20(1)に定める方法を選択して本件土地を三つの整形地に区分し、その三つの整形地を別個独立した整形地として、②そのうち一方のみが路線に接面する二つの整形地には、その路線の路線価に評価通達15《奥行価格補正》の定めを適用しそれぞれの価額を算出し、③そのうち二方の路線に接面する一つの整形地には、正面路線と裏面路線の路線価に評価通達17《二方路線影響加算》の定めを適用しその価額を算出し、④②の各整形地の価額と③の整形地の価額を合計した価額を本件土地の地積で除したものが本件土地の1㎡当たりの価額となる旨主張する。しかしながら、本件土地のように一体として利用している1画地の宅地である場合、当該宅地が路線に接している有利さ、すなわち、採光、通風及び人の出入りの有利さは、評価対象地全体に及ぶものであり、評価通達においては、正面路線に接することによる宅地の経済的価値及び異なる系統の路線に接することによって生じる経済的価値の増加は、その1画地の宅地の一部分のみに影響するというものではなく、1画地の宅地全体に影響するとされている。また、評価通達20(1)が不整形地を区分された整形地として、不整形地補正率を乗じる前の価額を計算する旨定めている趣旨は、奥行距離が一様でない不整形地について、具体的な奥行価格補正の一つとして示しているものである。したがって、評価通達20(1)の定めの適用に当たっては、区分された各整形地を別個独立した整形地として、区分された整形地ごとに接する路線の路線価のみを適用して評価した各整形地の価額を合計して評価することはできない。(平25.12.11 東裁(諸)平25-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250069
- 裁決年月日
- 平成25年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与を受けた区分所有建物の専有部分及びその敷地権(本件不動産)の評価において、①マンションの敷地は、その建物を取り壊すために区分所有者全員の同意が必要であるなど、使用、収益及び処分方法に強い制約があること、②マンションの市場価格は、建物の専有面積と築年数が重要な考慮要素となるところ、これを財産評価基本通達の定めにより評価すると、マンション建物の存する敷地という現況が捨象されるので、マンションの敷地について過大に評価されること、③マンション建物は、これが老朽化したものであっても、その評価の基礎となる固定資産税評価額に基づき一律に20%という高い残価率で評価されるので、客観的交換価値を正確に反映したものになっていないことから、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情があるとして、鑑定評価した価額により評価すべきである旨主張する。しかしながら、①マンションの専有部分を譲渡する場合、その専有部分と敷地権を一体として行うものであり、マンション建物を取り壊す必要がないことから処分について特段の制約があるとはいえず、②敷地権持分に相当する土地の面積の広狭は取引価格に考慮され、当該土地の面積が広大であればそれに連動してマンションの価格が上昇すること、及び③本件におけるマンション建物の固定資産税評価額は、固定資産評価基準に基づき、老朽化の事情を考慮して評価されており、適正な時価であると認められることから、本件不動産の評価に当たり、財産評価基本通達の定めによらないことが正当であると認められる特別の事情があるとは認められない。加えて、請求人の主張する鑑定評価は、本件におけるマンションの建替えに係る個別的要因が検討されていないなどの誤りがあることから、合理的なものとは認められない。以上のことから、本件不動産の価額は、財産評価基本通達の定めにより評価することが相当である。(平25.12. 6 東裁(諸)平25-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250068
- 裁決年月日
- 平成25年12月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の更正の請求において、相続した土地(本件土地)の価額について、不動産鑑定評価基準に準拠して行われた不動産鑑定は、一般的には客観的な根拠を有するものとして扱われるべきであり、その鑑定評価額が財産評価基本通達に基づく評価額を下回るときは、前者が時価に当たると判断すべきであるから、同通達の定めによらないことが正当と認められる特別な事情があるなどと主張する。しかしながら、本件土地に係る不動産鑑定は、①取引事例比較法における比準価格を試算するために採用した取引事例の選択が不適切であったり、②鑑定評価の決定に当たって、収益価格を試算せず、試算しなかった理由の記載もなく、また、③公示価格との規準も適切に行われていないなど不動産鑑定評価基準に準拠していないものであるから、請求人の主張する本件土地の鑑定評価額は、本件土地の相続開始日における客観的交換価値を示す価格である時価とは認められない。したがって、本件土地の価額について、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情はないから、本件土地の価額は、同通達の定めにより評価した価額によるべきである。(平25.12. 5 東裁(諸)平25-68)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250018
- 裁決年月日
- 平成25年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続した土地(本件土地)の評価において、財産評価基本通達(評価通達)20−3《間口が狭小な宅地等の評価》(間口狭小通達)に定める間口距離は道路に接する部分の距離であり、「接する」とは「通じる」、「続いている」などと解すべきであるから、本件土地の道路面と地盤面に高低差がある部分は間口に当たらず、本件土地の出入口であるすみ切り状部分が本件土地の間口となるので、当該部分の距離3.15mが間口距離である旨主張する。しかしながら、評価通達による画一的な評価方法が相当である趣旨は、税負担の実質的な公平の実現であり、評価により導き出されるべき財産の価額が客観的な交換価値であるとすれば、その評価通達の適用においても、画一的、統一的になされるべきであり、評価通達の各定めが予定していない要素は考慮されるべきでないものと解されるところ、間口狭小通達においては、間口の定義について特段の定めはなく、また、道路面との高低差という土地所有者の自由意思により容易に変更が可能な要素により間口距離が定まるということは、評価通達適用の画一性とも相容れないものであるから、間口狭小通達の適用においては、宅地の道路面との高低差を考慮に入れることは予定されていないものと解すベきである。したがって、本件土地の間口距離は、正面路線に接する14.2mであると認められる。(平25.12. 2 関裁(諸)平25-18)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250018
- 裁決年月日
- 平成25年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続した土地(本件土地)は、本件土地と同一町内にあり同じ路線価の路線に接する他の宅地がいずれも道路面と高低差がなく平坦な宅地であるのに、本件土地のみが道路面より異常に高いため、国税庁ホームページのタックスアンサー「№4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」(本件評価方法)の利用価値が著しく低下している宅地に該当する旨主張する。しかしながら、本件評価方法の適用は単に道路面との高低差が存在することのみで認められるものではなく、同一路線に接する一連の宅地の状況等付近にある宅地と、評価する宅地の状況とを比較検討しても、なお、後者において利用価値を著しく低下させるような道路面からの高低差が認められる場合に限られるのが相当であるところ、本件土地は、道路面との高低差の存在は認められるものの、本件土地が所在する自治体においてその道路面との高低差による建物の建築制限はなく、また、土地の道路面との高低差の存在は、例えば建物建築の場合において、高低差が存在することにより土地の価値を高くする場合もあることを考え合わせると、本件土地は付近の土地と比較してその利用価値が著しく低下しているとは認められない。したがって、本件土地は、本件評価方法の利用価値が著しく低下している宅地に該当しない。(平25.12. 2 関裁(諸)平25-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250055
- 裁決年月日
- 平成25年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400806000
- 争点
- 8財産の評価/6営業権等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達148《著作権の評価》に定める算式中の「年平均印税収入の額」(課税時期の属する年の前年以前3年間の印税収入の額の年平均額)の計算において、著作者である被相続人が著作権を行使するか、相続人が行使するかによって得られる印税収入の額は異なり、相続の開始後は相続人が著作権を行使することとなるので、相続の開始前に被相続人が著作権を行使したのと同じ水準の印税収入は見込めないことなどから、相続開始日の属する年の前年以前3年間の著作権に係る印税収入の額から新作の複製に係る印税収入の額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、同通達に定められた著作権の評価方法は、課税時期の属する年の前年以前3年間の印税収入金額を基に、印税収入期間を推算して、著作権の価額を評価するものであり、著作権の価額を著作者の別に一括して評価する場合には、各著作権の課税時期後の印税収入の額の変動の状況が区々であることを前提に、印税収入期間を推算して評価することとされているから、仮に、請求人らの主張する事情が認められるとしても、印税収入期間の推算において考慮されることになる。したがって、「年平均印税収入の額」の計算において、相続開始日の属する年の前年以前3年間の著作権に係る印税収入の額から新作の複製に係る印税収入の額を控除することはできない。(平25.10.17 東裁(諸)平25-55)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平250013
- 裁決年月日
- 平成25年10月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 原処分庁は、請求人Dと被相続人の共有であった家屋(本件家屋)の敷地(本件土地)の評価単位について、①本件家屋は、登記簿上、主である建物(本件主建物)を「共同住宅」、附属建物(本件附属建物)を「店舗・共同住宅」として記載されているので、本件附属建物は、効用上、本件主建物と一体のものとする登記がされていること、②住宅地図においては、本件主建物と本件附属建物は接していること、③請求人Dと被相続人は、本件家屋を共同住宅及び店舗として賃貸していることから、1画地の宅地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、1画地の宅地の判定は、その宅地を取得した者が、その宅地を使用、収益及び処分をすることができる利用単位又は処分単位であって、原則として、①宅地の所有者による自由な使用収益を制約する他者の権利(原則として、使用貸借による使用貸借権を除く。)の存在の有無により区分し、②他者の権利が存在する場合には、その権利の種類及び権利者の異なるごとに区分して行うものと解されるところ、本件主建物と本件附属建物は別棟で接しておらず、それぞれが独立して機能する建物と認められ、また、本件主建物は共同住宅として、本件附属建物は店舗付住宅として、それぞれ別の第三者に貸し付けられていたことから、本件主建物の敷地部分と本件附属建物の敷地部分は別の利用単位と認められるので、本件土地は、2画地の宅地として評価するのが相当である。(平25.10. 1 名裁(諸)平25-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平250013
- 裁決年月日
- 平成25年10月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 請求人らは、①請求人Aが被相続人の所有する土地(本件土地)を使用貸借により借り受け、②請求人Aがその上に賃貸に供する目的で家屋(本件家屋)を建築して第三者に貸付け、③その後、請求人Aから被相続人に本件家屋の持分が一部移転された状態で相続が開始したところ、請求人Aが相続により取得した本件土地について、本件家屋に被相続人の持分が一部でもあれば、借家人の存在により本件土地の処分は制約されるから、本件家屋の持分にかかわらず、本件土地に及ぶ経済的効果は同一であるといえるので、その全体を財産評価基本通達26《貸家建付地の評価》に基づき貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、本件家屋の敷地の用に供され、その共有持分に応じて利用されていたといえることからすると、被相続人と請求人Aは、本件家屋の共有持分に応じて敷地利用権を有していたと認められる。そして、請求人Aの共有持分に相当する敷地利用権は使用借権と認められるので、使用借権が付着している土地については、当該土地の上に存する建物について賃貸借関係が成立しているとしても、当該建物賃貸借は、敷地所有者との関係でみると、借地借家法の制限を受けることなく、建物の賃借人に土地の明け渡しを請求することができることから、本件土地のうち請求人Aの本件家屋の共有持分に相当する部分については、貸家建付地ではなく、自用地として評価するのが相当である。(平25.10. 1 名裁(諸)平25-13)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250002
- 裁決年月日
- 平成25年9月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802012
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/2地積
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 原処分庁は、本件における被相続人(本件被相続人)が代表取締役に就任していた有限会社(本件会社)に対する貸付金(本件貸付金)について、本件会社は、本件被相続人の相続の開始日(本件相続開始日)前後において、解散しておらず、清算手続を行っていないことを理由に財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に当たらない旨主張する。しかしながら、債務者について破産、民事再生、会社更生又は強制執行等の手続が開始していなくても、事業の閉鎖、代表者の行方不明等により、債務超過の状態が相当期間継続していて他からの融資を受ける見込みもなく、再起のめどが立たない場合には、営業状況、資産状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるときは、財産評価基本通達205に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に当たると解されるところ、本件会社は、本件相続開始日の属する事業年度を含む直近5期全てで、売上金額は零円で休眠状態にあり、負債の額が資産の額の3倍を上回る債務超過の状態が継続していたことや、代表者である本件被相続人の病気により、他から融資を受ける見込みもなく、再起のめどが立っていなかったといえることからすると、本件貸付金は、その全てが「回収が不可能又は著しく困難」であったといえる。(平25. 9.24 熊裁(諸)平25-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した無道路地である各土地(本件各無道路地)及び凸型の不整形地(本件不整形地)は、これらの土地を鑑定評価した各鑑定評価額(本件各鑑定評価額)が相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価であり、財産評価基本通達(評価通達)に定められた方法により評価した額はこれを上回ることから、評価通達により難い特別な事情がある旨主張する。しかしながら、一般に鑑定評価額と通達に基づいた評価額との乖離は、評価通達の適用上の過誤、不動産鑑定評価における試算価格算定方法の誤り、又は同試算価格算定過程における各種要件等の適用誤り等に起因する場合もあることから、単に上記乖離の発生の一事をもって評価通達の定めにより難い特別な事情があるとすべきではないところ、本件各無道路地の鑑定評価においては、その前面土地の利用状況やその前面土地を介した道路までの距離が異なるにもかかわらず、比準価格の算定における個別的要因(街路条件)や開発法による価格の算定における道路協力用地取得費用(1㎡の単価)を同じくしているなどの点において合理性が認められず、また、本件不整形地の鑑定評価においては、同地の最有効使用を戸建分譲(各区画の形状はほぼ矩形)とし、有効利用が阻害される部分がないにもかかわらず、個別的要因として減価率を設定するなどの点において合理性が認められない。したがって、本件各鑑定評価額は、相続税法第22条に規定する時価とは認められず、また、他に本件各無道路地及び本件不整形地につき、評価通達に定める評価方法により難い特別な事情があるとは認められない。(平25. 8.27 関裁(諸)平25-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平250006
- 裁決年月日
- 平成25年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)付近の宅地開発において、市町村の道路位置指定基準により実際に潰れ地が発生していることからすれば、本件土地を宅地開発した場合に発生することが想定される潰れ地に相当する地積は、評価の対象となる地積から減算すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達(評価通達)は、財産の価額は、課税時期における財産の現況に応じて評価する旨定めており、現実の土地の利用状況に即して土地の価額を評価しようとするものであるといえるところ、請求人の主張は、実際に本件土地を開発していない場合においてまで、宅地開発を行えば、市町村の道路位置指定基準により潰れ地が発生するという、いわば仮定の状況を前提に評価すべきであるとの主張であるから、現実の土地の利用状況に即して評価しようとする評価通達の趣旨に反するため、請求人の主張を採用することはできない。(平25. 8. 1 名裁(諸)平25-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平250006
- 裁決年月日
- 平成25年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)の財産評価基本通達に基づく評価において、①本件土地付近で、実際に宅地開発がなされている戸建住宅地における標準的な宅地の地積を基に、本件土地はその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大であるとともに、②本件土地が所在する市町村には、500㎡以上の宅地開発を規制する条例があり、当該条例を無視して宅地開発を進めることは事実上困難であることから、同通達24-4《広大地の評価》(広大地通達)を適用すべきである旨主張する。しかしながら、広大地通達が定める「標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大」であるとは、開発行為を行う場合に都市計画法に規定する許可が必要であり、かつ、その土地の面積がその地域における土地の標準的な宅地の地積よりも広大である場合をいうものと解されるところ、①本件土地は、約600㎡の面積であって、開発行為を行う場合、都市計画法の規定に基づく許可を必要とする3,000㎡以上の土地には当たらず、また、②当該条例は、500㎡以上の宅地開発を行おうとする際に、市町村長への届出及び確認を求めるものにすぎず、これを都市計画法に規定する許可と同視することはできないことから、本件土地は広大地通達に定める「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地」には該当しない。(平25. 8. 1 名裁(諸)平25-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250016
- 裁決年月日
- 平成25年7月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(A土地及びB土地)について、請求人らの依頼による鑑定評価による各価額は客観的交換価値を示すものであり、当該各価額を財産評価基本通達(評価通達)の定めにより評価した価額がそれぞれ上回っていることから、当該各土地の評価について、評価通達の定めによらないことが正当であるとして是認されるような特別の事情がある旨主張する。しかしながら、A土地の鑑定評価は、比準価格、収益価格及び規準価格の試算における道路用地買収費用の控除並びに規準価格の試算における地域格差(環境)において合理性が認められず、また、B土地の鑑定評価は、規準価格の試算における地域格差(居住環境)において合理性が認められないほか、鑑定評価額の決定において、開発法による価格を重視し、比準価格を参酌し規準価格にも留意したとしているが、収益価格についての試算・検討をしておらず、比準価格及び規準価格も、開発法の基本式に準じた算式によって試算しており、異なった視点から求めた各試算価格を関連付けて決定されたものとはいえないから、当該各鑑定評価による価額は、いずれも当該各土地の相続開始日における客観的交換価値を適切に示しているものと認めることはできない。したがって、当該各土地の評価には、いずれも評価通達の定めによらないことが正当として是認されるような特別の事情があるとは認められない。(平25. 7.18 東裁(諸)平25-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250016
- 裁決年月日
- 平成25年7月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地の評価に当たり、当該土地を戸建住宅用地として開発するとした場合の区画に分割し、当該区画ごとに財産評価基本通達(評価通達)の定めによる路線価及び各種補正率を基に評価した価額の合計額から、当該土地の宅地造成費の見積額を控除して評価した価額が当該土地の時価であるとし、当該価額を評価通達の定めにより評価した価額が上回っていることから、当該土地の評価について、評価通達の定めによらないことが正当であるとして是認されるような特別の事情がある旨主張する。しかしながら、請求人らの評価方法は、公示価格の80%程度の水準で評定されている路線価を基に当該土地の価額を計算しながら、他方で宅地造成費の見積額を控除するという、一部についてのみ実額計算を採り入れた一貫性のない評価方法というべきであり、更に区画の分割の仕方が評価する者により区々となるほか、宅地造成費の見積りについても区々とならざるをえない評価方法であり、また、当該土地の宅地造成費の見積額には、土地自体の価額を算定する場合に考慮すべきではない水道、ガス、給排水等の設備費用が含まれていることから、請求人らの主張する当該土地の価額は、当該土地の客観的交換価値を適切に示しているものとは認められない。したがって、当該土地の評価には、評価通達の定めによらないことが正当として是認されるような特別の事情があるとは認められない。(平25. 7.18 東裁(諸)平25-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250016
- 裁決年月日
- 平成25年7月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地の評価に当たり、売却価額(当該土地の一部を相続開始後に売却した価額)を時点修正した金額から売却に付随して発生する費用等を控除した売却部分の金額に、当該土地全体の地積による広大地補正率を適用した残地部分の金額を加えた価額が当該土地の時価であるとし、当該価額を財産評価基本通達(評価通達)の定めにより評価した価額が上回っていることから、当該土地の評価について、評価通達の定めによらないことが正当であるとして是認されるような特別の事情がある旨主張する。しかしながら、請求人らの売却部分の評価方法は、売却価額から当該売却に要した費用及び譲渡所得の税額を控除して求めるものであり、土地の客観的交換価値を把握する評価方法として合理性があるとは認めることはできず、更に、他方では残地部分についてのみ財産評価基本通達24−4《広大地の評価》により評価するという一貫性のない方法であるから採用することはできない。したがって、当該土地の評価には、評価通達の定めによらないことが正当として是認されるような特別の事情があるとは認められない。(平25. 7.18 東裁(諸)平25-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250007
- 裁決年月日
- 平成25年7月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 原処分庁は、1画地の宅地の一部分に区分地上権に準ずる地役権が設定されている場合に、財産評価基本通達27−5《区分地上権に準ずる地役権の評価》の定めにおける「承役地である宅地の自用地としての価額」は、当該区分地上権に準ずる地役権が設定された部分を1画地として評価した価額によるべきである旨主張する。しかしながら、区分地上権に準ずる地役権は、区分地上権と同様に、土地の地下又は空間について上下の範囲を定めて設定され建築物の設置を制限するもので、権利の設定に当たり支払われる補償金が、その設定に伴う土地利用の制限に応じて支払われる現状を考慮して、区分地上権と同様の評価方法が定められていることから、区分地上権を評価する場合の財産評価基本通達27−4《区分地上権の評価》(注)2と同様に、「承役地である宅地の自用地としての価額」は、1画地の宅地(本件土地の全体)の自用地としての価額のうち、当該区分地上権に準ずる地役権が設定された部分(本件土地のうち地役権が設定されている部分)の地積に対応する価額により評価することが相当である。(平25. 7. 5 東裁(諸)平25-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250007
- 裁決年月日
- 平成25年7月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 請求人らは、請求人らの一人が相続により取得した土地(本件土地)について、請求人らの依頼による鑑定評価額(本件鑑定評価額)は、本件相続開始日における本件土地の時価であり、財産評価基本通達(評価通達)による評価額は本件鑑定評価額を上回っているから、評価通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情があるので、本件土地の価額は、本件鑑定評価額に基づき評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価額は、開発法による価格を重視し、比準価格を比較考量して決定されているところ、①比準価格及び規準価格の試算において考慮されている減価40%(当該宅地の画地規模が大きいことに伴い市場参加者が限定されることによる減価)の必要性が認められないこと、②開発法による価格は上記①の減価40%を除いて試算した比準価格及び規準価格と大きく乖離することから、いずれの試算価格も合理性が認められないので、本件鑑定評価額は、本件相続開始日における本件土地の客観的交換価値を表しているとは認められない。したがって、本件土地の価額について、評価通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情はないといえるので、本件土地の価額は、評価通達に定められた評価方法により評価すべきである。(平25. 7. 5 東裁(諸)平25-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平250001
- 裁決年月日
- 平成25年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件被相続人が居住用家屋の敷地の用に供していた土地(本件各土地1)とこれに隣接する本件被相続人が耕作していた田(本件各土地2)の評価について、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(広大地通達)が「開発行為を行うとした場合」と仮定の状況を採用しており、土地の時価とは、最有効使用に即して評価されるべき売却可能な価値であることからすれば、同一の者が所有している隣接した土地を開発することが最有効使用である場合には、財産評価基本通達7《土地の評価上の区分》ただし書を類推適用して両土地を一団の土地として併せて一つの評価単位とし、広大地通達を適用すべき旨主張する。しかしながら、「開発行為を行うとした場合」という文言は、公共公益的施設用地の負担に関する定めであって、広大地通達に定める広大地の判定について特別の評価単位を定める趣旨のものではない。そして、本件各土地1は、本件相続の開始時の現況の地目は宅地であって、かつ、一つの利用の単位となっている一画地の宅地であり、また、本件各土地2は、本件相続の開始時の現況の地目が田である市街地農地であって、かつ、一つの利用の単位となっている一団の農地であり、更に、本件相続の開始時おいて、これらが一体として利用された事実も認められない。したがって、本件各土地1及び本件各土地2は、それぞれ別個の評価単位と認められ、そうすると、広大地通達に定める広大地に該当するか否かも、本件各土地1と本件各土地2でそれぞれ判定することとなり、いずれについても「標準的な地積に比して著しく地積が広大」ではないから、本件各土地1及び本件各土地2は広大地通達に定める広大地には該当しない。(平25. 7. 2 名裁(諸)平25-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250002
- 裁決年月日
- 平成25年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らが相続により取得した同族会社の株式の価額を純資産価額により評価するに当たり、当該同族会社が相続開始前3年以内に取得した本件不動産(土地及び建物)の相続開始日における通常の取引価額に相当する金額について、原処分庁は、当該土地は路線価を0.8で割り戻した価額に基づき各種補正をした金額により、当該建物は固定資産税評価額により、それぞれ算定すべきである旨主張し、請求人らは、①原処分庁主張の本件不動産の各金額に当該建物の新旧賃貸料に基づく下落率を加味して算定した金額、②請求人らの依頼による鑑定評価額、③原処分庁算定による本件不動産の各金額に財産評価基本通達26《貸家建付地の評価》及び93《貸家の評価》の定めと同様の減額の計算をした金額のいずれかである旨主張する。しかしながら、請求人ら主張については、①の金額は、新旧賃貸料に基づく下落率が本件不動産の価額の下落を示すものではないこと、②の鑑定評価額は、積算価格及び収益価格の算定並びに鑑定評価額の決定において合理性を欠くなどの問題点を有する鑑定評価に基づくものであること、③の金額は、本件不動産が相続開始日において現実に貸し付けられておらず、借家権の設定に伴う制約がなく貸家建付地及び貸家としての減額の必要性がないことから、いずれも、相続開始日における通常の取引価額とは認められない。また、原処分庁の主張については、当該建物の固定資産税評価額(固定資産評価基準に従って決定された価額)は、当該建物の相続開始日における通常の取引価額に相当する金額であると推認されるが、路線価を0.8で割り戻した価額に基づく金額は、間接的に求めた公示価格水準の価格に基づく金額であり、必ずしも当該土地の通常の取引価額を示すものではない。そこで、当該土地については、状況が類似する地域に存する公示地の公示価格を基に土地価格比準表により格差補正をした金額によることが相当であり、当該金額が当該土地の相続開始日における通常の取引価額に相当する金額となる。(平25. 7. 1 東裁(諸)平25-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240055
- 裁決年月日
- 平成25年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地の評価額は、不動産鑑定士が作成した不動産調査報告書(本件報告書)に記載のとおりとなり、財産評価基本通達(評価通達)に定められた評価方法に基づき算定した評価額を大きく下回っていることから、本件各土地には「評価通達の定めにより難い特別な事情」がある旨主張する。しかしながら、一般に評価額の乖離は、評価通達の適用上の過誤、不動産鑑定評価における試算価格算定方法の選択誤り又は同試算価格算定過程における適用誤り等に起因する場合もありえ、単に上記乖離の発生の一事をもって評価通達の定めにより難い特別な事情があるとすべきではないところ、本件報告書は、不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項に則って作成されたものではなく、本件報告書で採用された評価方法はいずれも客観的交換価値を算出する合理的な方法であるとは認めることができず、本件報告書記載の本件各土地の評価額を時価と認めることはできないから、請求人が主張する評価額との乖離が評価通達の定めにより難い特別な事情により生じたとは認められない。よって、本件各土地の価額は、評価通達の定めに基づいて算定するのが相当である。(平25. 6.11 関裁(諸)平24-55)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240228
- 裁決年月日
- 平成25年6月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分において課税価格に算入した財産の価額が固定資産税の評価証明書の金額に比して逸脱した過大な評価額になっている旨主張する。しかしながら、原処分庁は、本件の相続税の課税価格に算入すべき財産の価額について、財産評価基本通達(評価通達)の定めに従い評価を行っているものと認められ、また、当審判所の調査の結果によっても、本件の相続税の課税価格に算入すべき財産の価額を評価するに当たり、評価通達に定められた評価方法によると実質的な租税負担の平等を著しく害することが明らかであるといった特別の事情があるとは認められない。したがって、本件の相続税の課税価格に算入すべき財産の価額は、評価通達に基づき評価すべきである。(平25. 6.10 東裁(諸)平24-228)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240225
- 裁決年月日
- 平成25年6月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地(路線価の設定されていない私道(本件私道)のみに接している土地)の価額について、①本件私道が建築基準法上の道路ではないため特定路線価を設定すべきではないこと、②本件私道に設定された特定路線価(本件特定路線価)を基に本件土地を評価するか否かは納税義務者の選択によるべきであることから、本件特定路線価ではなく、本件私道に接続する路線の路線価に基づき評価すべきである旨主張する。しかしながら、路線価の設定されていない道路のみに接している宅地の価額は、当該道路に特定路線価が設定されている場合には、その特定路線価の評定において不合理であると認められる特段の事情がない限り、特定路線価に基づく評価方法により評価することが合理的であるところ、本件特定路線価は、本件私道の付近の路線(本件基準路線)に設定されている路線価を基として、本件私道及び本件基準路線の状況に即した客観的な格差率に基づく格差検討により評定されており、その評定において不合理であると認められる特段の事情があるとは認めれない。したがって、本件土地の価額は、本件特定路線価に基づき評価すべきである。(平25. 6. 6 東裁(諸)平24-225)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240050
- 裁決年月日
- 平成25年5月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№91
要旨
○原処分庁は、請求人らが相続により取得した土地(本件土地)の相続開始時(本件相続開始時)における価額は、財産評価基本通達(評価通達)による評価額(原処分庁通達評価額)によるべきである旨主張し、請求人らは、本件土地の時価を評価するに当たり評価通達の定めにより難い特別な事情があることから、請求人らが依頼した不動産鑑定士による鑑定評価額(請求人鑑定評価額)によるべきである旨主張する。しかしながら、本件の場合、請求人鑑定評価額は、開発法につき都市計画法第33条《開発許可基準》に関する審査基準(本件審査基準)を満たしていないなどの理由により、本件土地の本件相続開始時における時価とは認められないが、他方、本件土地の開発に際しては、袋路状道路の敷設は認められないなど特殊な制約が本件相続開始時にあったことから、当審判所において不動産鑑定士に鑑定評価を依頼し、その評価額(審判所鑑定評価額)を検討したところ、開発法につき本件審査基準を満たしているなどの理由により、本件相続開始時における時価として妥当なものと認められた。そして、評価通達に定められた評価方法により算定された価額が時価を上回る場合には、評価通達の定めにより難い特別な事情がある場合に該当するといえ、その場合には、他の合理的な評価方法により評価することが許されると解されるところ、原処分庁通達評価額は審判所鑑定評価額を上回るものであることからすると、本件土地の価額を評価するに当たっては、評価通達の定めにより難い特別な事情があると認められる。したがって、本件土地の本件相続開始時における価額は、審判所鑑定評価額とするのが相当である。(平25. 5.28 関裁(諸)平24-50)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240051
- 裁決年月日
- 平成25年5月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が相続により取得した土地(本件土地)の相続開始時(本件相続開始時)における価額は、財産評価基本通達(評価通達)による評価額(原処分庁通達評価額)によるべきである旨主張し、請求人は、本件土地の時価を評価するに当たり評価通達の定めにより難い特別な事情があることから、請求人が依頼した不動産鑑定士による鑑定評価額(請求人鑑定評価額)によるべきである旨主張する。しかしながら、本件の場合、請求人鑑定評価額は、開発法につき開発許可審査基準を満たしていないなどの理由により、本件土地の本件相続開始時における時価とは認められないが、他方、本件土地の開発に際しては、袋路状道路の敷設は認められないなど特殊な制約が本件相続開始時にあったことから、当審判所において不動産鑑定士に鑑定評価を依頼し、その評価額(審判所鑑定評価額)を検討したところ、開発法につき開発許可審査基準を満たしているなどの理由により、本件相続開始時における時価として妥当なものと認められた。そして、評価通達に定められた評価方法により算定された価額が時価を上回る場合には、評価通達の定めにより難い特別な事情がある場合に該当するといえ、その場合には、他の合理的な評価方法により評価することが許されると解されるところ、原処分庁通達評価額は審判所鑑定評価額を上回るものであることからすると、本件土地の価額を評価するに当たっては、評価通達の定めにより難い特別な事情があると認められる。したがって、本件土地の本件相続開始時における価額は、審判所鑑定評価額とするのが相当である。(平25. 5.28 関裁(諸)平24-51)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240212
- 裁決年月日
- 平成25年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが相続により取得した7筆の宅地(本件宅地)上には、3棟の共同住宅(本件各共同住宅)が建築されているところ、本件宅地全体が、建築基準法第86条《一の敷地とみなすこと等による制限の緩和》第1項の規定による一団地建築物設計制度の認定を受けたものであること及び本件各共同住宅は、同一の法人への賃貸の用に供されていることなどから、本件宅地の評価に当たっては、本件宅地全体を1画地の宅地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、1画地の宅地であるか否かの判断に当たっては、地続きの宅地の一部に著しい高低差のある部分が存する場合においては、当該高低差により分断された各部分をそれぞれ単独では利用することができないような特段の事情が認められる場合を除き、当該高低差により分断された各部分をそれぞれ1画地の宅地とみるのが相当であり、また、宅地の所有者がその宅地の上に存する複数の貸家である建物を所有している場合において、当該各建物が外観上それぞれ独立したものであるときには、母屋と離れのように当該各建物が一体で機能している特段の事情が認められる場合を除き、各建物の敷地部分をそれぞれ1画地の宅地とみるのが相当であるところ、①本件宅地は、本件宅地内の著しい高低差により分断された単独で利用可能な緑地(本件緑地)が存していること、②本件各共同住宅は、互いに連結された箇所がなく独立した建物で機能的にも独立していること及び③本件各共同住宅の賃貸に係る契約相互の関連もなく、本件各共同住宅の敷地全体を1画地とみるべき事情も認められないことなどから、本件宅地を本件各共同住宅3棟の各敷地及び本件緑地の四つに区分し、それぞれを1画地の宅地として評価するのが相当である。(平25. 5.20 東裁(諸)平24-212)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240181
- 裁決年月日
- 平成25年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)は、土地区画整理事業の施行区域内に存しており、当該区域内に存する土地は都市計画法による建築制限(本件建築制限)を受けることから、本件土地を路線価方式で評価するに当たり、財産評価基本通達(評価通達)27−5《区分地上権に準ずる地役権の評価》の定めを準用して30%の評価減をすべきである旨主張する。しかしながら、路線価方式により宅地を評価する場合、路線価を設定する地域に共通する事情については、路線価の評定の前提とされてその価格に織り込まれているのが通常であるのに対して、宅地ごとの客観的な個別事情については、評価通達に定められた個別の定めを適用することにより、その事情がしんしゃくされることとなるところ、本件建築制限は、路線価を設定する地域に共通する事情として、本件土地に適用される路線価(本件路線価)の評定の前提とされているものの、本件路線価の具体的な評定においては、影響を与える要因ではないと判断されており、その判断も相当であると認められることから、本件建築制限は、本件土地の価額に影響を与えるほどの要因とは認められない。また、請求人らの主張する評価通達の定めは、個別の設定契約により区分地上権に準ずる地役権が設定されている場合の評価方法であって、本件建築制限のように当該事業の施行区域に共通した事情を考慮する場合に適用できるものではない。したがって、本件土地の評価に当たり、本件建築制限を個別にしんしゃくすることはできない。(平25. 3.26 東裁(諸)平24-181)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240181
- 裁決年月日
- 平成25年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)は、土地区画整理事業の施行区域内に存しており、当該区域内に存する土地は都市計画法による建築制限(本件建築制限)を受けることから、本件土地を路線価方式で評価するに当たり、財産評価基本通達(評価通達)24−7《都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価》に定める補正率及び利用価値が著しく低下している宅地としてのしんしゃく割合を併用して適用すべきである旨主張する。しかしながら、路線価方式により宅地を評価する場合、路線価を設定する地域に共通する事情については、路線価の評定の前提とされてその価格に織り込まれているのが通常であるのに対して、宅地ごとの客観的な個別事情については、評価通達に定められた個別の定めを適用することにより、その事情がしんしゃくされることとなるところ、本件建築制限は、路線価を設定する地域に共通する事情として、本件土地に適用される路線価(本件路線価)の評定の前提とされているものの、本件路線価の具体的な評定においては、影響を与える要因ではないと判断されており、本件建築制限は、本件土地の価額に影響を与えるほどの要因とは認められない。また、請求人らの主張する評価通達の定めは、評価する宅地の一部又は全部が都市計画道路予定地の区域内である場合の評価方法であって、本件建築制限のように当該事業の施行区域に共通した事情を考慮する場合に適用できるものではないし、本件建築制限は、本件土地の価額に影響を与えるほどの要因とは認められないのであるから、請求人らの主張する利用価値が著しく低下している宅地としてのしんしゃく割合を適用する必要性も認められない。したがって、本件土地の評価に当たり、本件建築制限を個別にしんしゃくすることはできない。(平25. 3.26 東裁(諸)平24-181)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240172
- 裁決年月日
- 平成25年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した宅地(本件宅地)の評価に当たり、その面する市道に沿接する他の宅地や最寄りの公示地と比較して道路より高い場所に位置しているにもかかわらず、路線価が同額であることなどから、利用価値が著しく低下している宅地として10%の評価減の取扱い(本件取扱い)を適用すべきである旨主張する。しかしながら、本件取扱いの適用は、同一の路線(財産評価基本通達14《路線価》に定める路線)に接する一連の宅地に共通している地勢の宅地の地盤面と道路の路面との高低差と、評価する宅地の地盤面と道路の路面との高低差を比較検討しても、なお後者に著しい高低差のある場合に限るのが相当であるところ、本件宅地が面する路線は下り坂となっており、本件宅地を含む当該路線に接する各宅地の地盤面には当該路線の道路面との高低差があって、このことは当該路線に接している各宅地に共通したものであり、また、当該路線に接するその他の宅地の地盤面には、当該路線の道路面との高低差が本件宅地と同程度のものも認められることからすると、当該路線に接する一連の宅地に共通している地勢の宅地の地盤面と道路の路面との高低差と、本件宅地の地盤面と道路の路面との高低差を比較検討してもなお著しい高低差があるとはいえない。したがって、本件宅地の評価に当たり、本件取扱いを適用することはできない。(平25. 3.11 東裁(諸)平24-172)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240163
- 裁決年月日
- 平成25年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)の評価に当たり、本件土地について開発行為を行うとした場合、公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件土地は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、①本件土地の属する地域の開発の実例をみると、道路を開設して開発した事例は、開発区域と接する既存の道路が一つのみであり、かつ、その既存の道路から奥に戸建住宅用地を3区画以上分割することが可能である程度の奥行距離がある場合であり、それ以外の事例は、路地状部分を有する宅地を組み合わせるなどして道路を開設せずに開発がされている事例であるところ、本件土地は、その接する既存の道路が二つあり、これらの既存の道路からの奥行距離が戸建住宅用地を2区画分割することが可能である程度の距離の土地であり、上記の道路を開設して開発した事例と事情を異にしていること、また、②一般に道路を開設する開発は、道路部分の面積に相当する潰れ地を生じさせることとなり、容積率及び建ぺい率の算定上不利になるのが通常であること、更に③土地の開発業者は、経済的に合理的な判断に基づき当該土地の価値を最大限に高められるよう方法によって開発を行うことが通常であるところ、相続開始後に本件土地を譲り受けた業者が本件土地について道路開設することなく開発を行ったことからみても、本件土地においては、新たな道路を開設せず、路地状部分を有する宅地を組み合わせた開発が経済的に最も合理的であると認められる。したがって、本件土地について開発行為を行うとした場合、公共公益的施設用地の負担は必要ではなく、本件土地は、広大地に該当しない。(平25. 2.27 東裁(諸)平24-163)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240051ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成25年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価額を類似業種比準方式で計算するに際して、評価会社が出資した匿名組合契約(本件匿名組合契約)に係る損益のうちリース物件である固定資産の売却利益は、非経常的な利益に該当するから、「1株当たりの年利益金額」を算定する上で、これを控除すべきである旨主張する。しかしながら、匿名組合員は、匿名組合契約に基づいて分配された利益が営業者の行った営業のうち、いかなる取引に起因する利益として生じたものであるかを認識することは匿名組合契約の法的性格上あり得ないし、営業者が匿名組合の目的である事業の範囲に属する限りどのような取引を行うとしても、匿名組合員にとって出資に対する利益の額の分配であるという性格が異なることはないところ、本件匿名組合契約は、固定資産の所有、賃貸及び売却が一体となった契約であり、固定資産の売却は、匿名組合の目的である事業の内容として契約締結時に予定されていたものであるから、本件匿名組合契約における固定資産の売却は、匿名組合の目的である事業の遂行そのものであって、臨時偶発的なものとはいい難く、当該固定資産の売却に起因して生じた匿名組合の事業の利益も臨時偶発的なものとはいい難いことからすれば、評価会社が本件匿名組合契約に基づき営業者から受ける利益は、本件匿名組合契約に係る固定資産の賃貸(リース)から生じたものであると当該固定資産の売却により生じたものであるとを問わず、いずれも本件匿名組合契約の締結(取引)という評価会社自身の経常的な事業活動から生じた経常的な利益とみるべきである。したがって、「1株当たりの年利益金額」を算定する上で、本件匿名組合契約に係る固定資産の売却利益を非経常的な利益として除外すべきではない。(平25. 2.14 大裁(諸)平24-51)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240153ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成25年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808010
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/1預貯金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の課税価格に算入される各預金の価額は、請求人が相続開始日の後に解約して受領した各金額と同額であり、申告額に誤りはない旨主張する。しかしながら、当該申告における各預金の価額は、相続開始日の後の期間の既経過利子を含み、また、相続開始時の後に一部金員の出金がされるなどした後のものであって、相続開始時における各預金の価額といえるものではない。(平25. 2.12 東裁(諸)平24-153)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240030
- 裁決年月日
- 平成25年1月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続により取得した取引相場のない株式の評価に当たり、当該株式に適用される類似業種の株価(本件類似業種の株価)について、平成18年分の「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」通達(株価通達)に定める株価と平成19年分の株価通達に定める株価との差異及び類似業種の株価と東証業種別株価指数の騰落率との相関関係から導かれる年度間の格差並びに平成18年分の株価通達における業種間の格差などの理由から、平成18年分の株価通達に定める本件類似業種の株価は不合理なものである旨主張する。しかしながら、本件相続は平成18年5月に発生したものであるから、本件相続があった年度と異なる年度の類似業種の株価をもって本件相続があった年度の類似業種の株価の合理性を判断することはできず、また、株価通達に定める類似業種の株価は、東京証券取引所に上場している会社のみを標本会社として算定されるものではないから、東証業種別株価指数の騰落率との相関関係が認められないことをもって株価通達が不合理であるということはできない。さらに、特定の業種の株価の状況をもって株価通達が合理性を欠くというべき理由はない。したがって、本件類似業種の株価は、平成18年分の株価通達に定めるものによるのが相当である。(平25. 1. 8 関裁(諸)平24-30)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平240007
- 裁決年月日
- 平成24年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した賃貸マンション(本件建物)の敷地として使用されている土地(本件土地)の時価は、請求人依頼による鑑定評価額(本件鑑定評価額)であり、本件土地の財産評価基本通達(評価通達)に基づく評価額(本件相続税評価額)は本件鑑定評価額を上回るから、本件土地の評価に際し、評価通達によらないことが正当と認められる特別の事情がある旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価額については、①原価法及び収益還元法における各補正数値等の中に、その必要性や整合性が疑われるものがあること、②原価法における取引事例について、本件土地の属する地域内に、本件土地と同様に開発行為を行うに当たって都道府県知事等の許可を受ける必要がある土地の取引事例(本件取引事例)が存在することを把握していたにもかかわらず、これを採用しなかったこと、③収益還元法における還元利回りを算定するための取引事例について、本件建物はファミリー向けの住宅用賃貸物件であるにもかかわらず、本件建物とは類似性の低い事務所用賃貸物件や独身・単身者向けの住宅用賃貸物件を採用していること、④収益還元法における純収益の3年分平均額について、不動産鑑定士の算定額と当審判所の算定額が異なること、⑤本件鑑定評価額の決定方法について、収益還元法による試算価格のみを採用し、原価法による試算価格が比較考量されておらず、合理性があるとは認められないことなどから、本件鑑定評価額が本件土地の時価を適切に示していると認めることはできない。また、当審判所において、本件取引事例を基に原価法による試算価格及びファミリー向け賃貸住宅の期待利回りを基に収益還元法による試算価格をそれぞれ算定したところ、いずれも本件相続税評価額を上回る。これらのことから、本件相続税評価額が時価を上回ることが明らかであるとは認められず、本件土地の評価に際し、評価通達によらないことが正当と認められる特別の事情があるとは認められない。(平24.12.20 札裁(諸)平24-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240132
- 裁決年月日
- 平成24年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した歩道状空地(被相続人が、生前、共同住宅の建設のため、都市計画法上の開発行為の許可を受けるに当たり整備を求められていることを了解した上、当該共同住宅の敷地の一部に整備した歩道状の空地)は、市道と一体をなす歩道として第三者の通行を容認しなければならない状況にあり、開発許可権者による事実上の拘束力により、私道以外の形状への変更や建築物の築造等の通行を妨害する行為が禁止されるという制限がある土地であるので、財産評価基本通達24《私道の用に供されている宅地の評価》に定める私道の用に供されている宅地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、当該歩道状空地は、建築基準法上の「道路内の建築制限」や「私道の変更又は廃止の制限」の対象となる土地には該当せず、当該歩道状空地を使用・収益する権能の制約は、第三者の通行の用に供されている限度にとどまるものであり、また、当該敷地の用途を変更する場合において、当該歩道状空地を廃止することについても法令上の制限はなく、そして、当該歩道状空地を整備した経緯や当該整備により当該共同住宅の周辺環境全体も整ったと評価できることに照らすと、当該歩道状空地については、私有物としての使用・収益の権能の制約は限定的であり、宅地としての価値が著しく低下しているとは認められない。したがって、当該歩道状空地は、私道の用に供されている宅地に該当するものではなく、当該共同住宅の敷地の一部であり、貸家建付地として評価するのが相当である。(平24.12.20 東裁(諸)平24-132)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240011
- 裁決年月日
- 平成24年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した本件各土地の評価に当たって、本件各土地が面している私道は不特定多数の者の通行の用に供されておらず当該私道に路線価を設定すべきではないから、当該私道に設定された路線価によらずに評価すべきである旨主張する。しかしながら、当該私道は通り抜けが可能であり、当該私道沿いに存する戸建住宅3棟及び集合住宅2棟の居住者のみにその通行を制限した状態にはなっておらず、不特定多数の者の自由な通行の用に供されている道路であるから、当該私道に路線価を設定したことは相当であり、本件各土地は当該私道に設定された路線価を基に評価すべきである。(平24.12.17 仙裁(諸)平24-11)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240010
- 裁決年月日
- 平成24年12月14日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件ABC各土地の評価に当たり、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)にいう「その地域」は、土地区画整理事業の施行地域であり、当該地域は戸建住宅とマンション等が混在しているが、マンション建築の状況、隣接地域の状況及び不動産鑑定士の意見等からマンション適地には当たらず、本件ABC各土地の面積はいずれも3,000㎡前後と著しく広大で、開発行為を行う場合、公共公益的施設用地の負担が必要となることから、本件通達に定める広大地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件ABC各土地の「その地域」は、周辺の土地の利用状況、道路及び用途地域による地域の一体性の分断等を基に判断すると、土地区画整理事業の施行地区内で本件ABC各土地と用途地域を同じくする地域と見ることが相当であり、本件A土地の属するその地域はX地域であり、本件B土地及び本件C土地の属するその地域はY地域であるところ、両地域ともに、①用途地域がマンション等の建築に係る規制が厳しくなく、②交通機関、公共施設や商業施設との接近性に優れており、③用途地域、建ぺい率及び容積率が同一である、北側に隣接・近隣する地域の標準的使用及び開発状況は、中高層の建物の敷地であり、加えて④平成10年以降、1,000㎡以上の土地について戸建住宅用地の開発行為は行われていない。これらのことからすると、本件ABC各土地の最有効使用は、中高層の集合住宅等の敷地として一体的に利用することであると認められるから、本件ABC各土地はマンション適地に該当する。したがって、本件ABC各土地は、本件通達にいう広大地には当たらない。(平24.12.14 仙裁(諸)平24-10)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240010
- 裁決年月日
- 平成24年12月14日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件DEF各土地の評価に当たり、請求人ら依頼による不動産鑑定士が作成した不動産鑑定評価書(本件鑑定書)による鑑定評価額(本件鑑定評価額)は時価として妥当であり、本件鑑定評価額が財産評価基本通達(評価通達)に則して算定された評価額(本件相続税評価額)を下回ることから、評価通達の定めにより難い特別な事情があるとして、本件鑑定評価額を採用すべきであり、仮に本件鑑定評価額を採用しないとしても、本件鑑定書において個別格差要因として取り上げた接面街路条件、環境条件及び行政的条件などは、評価通達において手当てがされていないのであるから、これらの事情についての減価補正をすべきである旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価額は、取引事例比較法で選択した取引事例について物件的、用途的同一性が異なるなど、当該取引事例を採用することに大きな疑問がある上、個別的要因の格差率の算定に当たり土地価格比準表の定めに準拠していないなど合理性を欠き、公正妥当な不動産鑑定理論に従っているとは認められないことから、本件DEF各土地の時価を適切に示しているとは認められない。したがって、本件DEF各土地について、評価通達の定めにより難い特別な事情は認められない。また、本件鑑定評価額に係る接面街路条件及び環境条件は、基本的には路線価の評定において既に反映されていると認められ、また、行政的条件についても評価通達において手当てされていることから、減価補正をするべき事情も認められない。(平24.12.14 仙裁(諸)平24-10)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平240006
- 裁決年月日
- 平成24年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803010
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した家屋(本件家屋)の価額は、本件家屋は減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令)に規定する耐用年数を経過しているものであるから、同省令に規定する残存価額(取得価額に残存割合である100分の10を乗じて算定した価額)を基礎として評価すべきであり、財産評価基本通達89《家屋の評価》(本件通達)の定めにより固定資産評価額を基礎として算定した価額(本件評価額)は時価を上回るものである旨主張する。しかしながら、固定資産税における価格とは時価をいうから、家屋の固定資産評価額が合理的な評価方法により算定されていると認められる限り、これを家屋の客観的交換価値と認めるのが相当であるところ、本件家屋の固定資産税評価額は、固定資産評価基準に基づき、一般的な合理性を有するものと解されている評価方法(家屋の再建築費評点数を基礎としてこれに家屋の損耗の状態等による減点を行う評価方法)により適正に算定されていることから、客観的な交換価値を正確に反映したものと認められる。したがって、本件通達の定めにより当該固定資産税評価額を基に算定した本件評価額が時価を上回るとは認められない。また、耐用年数省令は減価償却費を計算するためのものであって、客観的交換価値を計算するためものではないから、請求人の主張する耐用年数省令が規定する残存価額は、本件家屋の客観的な交換価値を反映したものとは認められない。(平24.12.13 札裁(諸)平24-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240123
- 裁決年月日
- 平成24年12月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ ①原処分庁は、請求人らが相続により取得した一団の雑種地(本件各雑種地)は、その一部について、共有者の有無及び共有持分の割合が異なるため、5区画に区分した評価単位により評価すべきとし、開発許可を要する面積の基準を上回る1区画のみを財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地として評価すべきである旨主張し、他方②請求人らは、本件各雑種地については、一部の雑種地が共有となっているものの、全体が同族法人に賃貸され、当該法人が立体駐車場の敷地として利用していた土地であることから、全体を一つの評価単位により評価すべきであり、広大地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、①本件各雑種地は、堅固な立体駐車場の敷地として一括で貸し付けられ、一括して貸付けの用に供されていたことなどから、当該相続に係る遺産分割後も同一の用途に供される蓋然性が高いと認められる状況にあり、一部が共有地であることによる使用、収益及び処分の制約が実質的にないものと認められ、その利用状況、権利関係等から、全体を一つの評価単位により評価すべきであるが、②本件各雑種地の属する幹線道路沿いの地域における標準的使用は、商業施設等の敷地であり、本件各雑種地を当該地域の標準的使用に係る敷地の地積に区分したとしても、開発行為を行うに際して公共公益的施設用地の負担が必要であるとは認められないことから、本件各雑種地は、広大地には該当しないものとして評価すべきである。(平24.12.13 東裁(諸)平24-123)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240123
- 裁決年月日
- 平成24年12月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した雑種地(本件雑種地)の評価に当たり、本件雑種地の属する地域は、本件雑種地が面している幹線道路沿いを除く地域であり、当該地域には、戸建住宅が建ち並んでおり、また、本件雑種地は、請求人らが経営する会社に駐車場用地として賃貸されており、現に宅地として有効に利用されている建築物等の敷地ではなく、戸建住宅の敷地の分譲素地が最有効使用の土地であるから、財産評価基本通達24‐4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件雑種地の属する地域は、幹線道路沿いの地域であり、低層の小売店舗、飲食店等が比較的多く建ち並んでおり、これらの敷地が当該地域の標準的使用と認められ、本件雑種地は、当該標準的使用に係る敷地の標準的な地積に比して著しく広大とはいえない。したがって、本件雑種地は、広大地に該当しない。(平24.12.13 東裁(諸)平24-123)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240123
- 裁決年月日
- 平成24年12月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 原処分庁は、請求人らが相続により取得した、被相続人及び請求人の一人の各自宅の敷地として利用されている宅地(本件宅地)について、本件宅地の一部は、共有地であることにより、その使用収益などが制約されていることから、本件宅地は3区画に区分した評価単位により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件宅地は、一体として各自宅の敷地の用に供されていると認められ、所有者による自由な使用収益を制約する他者の権利は存在せず、当該相続に係る遺産分割後も一体として同一の用途に供される蓋然性が高いと認められる状況にあり、その利用状況、権利関係等から、当該共有地には、共有地であることによる使用、収益及び処分の制約が実質的にないものと認められる。したがって、本件宅地は、全体を一つの評価単位として、一体として評価するのが相当である。(平24.12.13 東裁(諸)平24-123)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240123
- 裁決年月日
- 平成24年12月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した賃貸用共同住宅の敷地(本件宅地)の評価に当たり、本件宅地の属する国道の東側の地域は、戸建住宅とマンションが混在しており、本件宅地は、明らかにマンションの敷地用地に適している土地ではなく、戸建住宅の敷地の分譲素地が最有効使用の土地であるから、財産評価基本通達24‐4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件宅地の属する地域は、当該国道沿いの準住居地域であると認められ、①当該地域は、マンション等の建築に係る開発規制が厳しくない地域であること、②当該地域には、中高層の集合住宅の敷地が6箇所所在すること、③当該地域における相続開始前10年間の開発許可事例は全て共同住宅の建築事例であること、④本件宅地は駅から徒歩圏内にあることを総合勘案すると、当該地域の標準的使用は中高層の集合住宅であると認められる。したがって、本件宅地は、マンションの敷地用地に適している土地と認められ、広大地には該当しない。(平24.12.13 東裁(諸)平24-123)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240123
- 裁決年月日
- 平成24年12月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 原処分庁は、請求人らが相続により取得した土地(本件土地)は、市街化区域内に所在する宅地及び雑種地で、それぞれ同族法人に賃貸され、当該法人がテニスクラブのクラブハウス及びテニスコートとして利用していたものであるところ、地目や賃貸借契約の内容・期間が異なり、共有の部分及び遺産分割による取得者が異なる部分もあることから、4区画に区分した評価単位により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、テニスクラブ用地として一括して賃貸の用に供されていたと認められるところ、取得者が異なる部分については、当該異なる部分のみでは、無道路地となり不合理な分割に該当するため、評価単位は当該遺産分割前の状態によるべきである。また、共有の部分については、他の部分とともに、一括して貸付けの用に供されていたことなどから、当該遺産分割後も同一の用途に供される蓋然性が高い状況にあったと認められ、このような利用状況、権利関係等からすると、一部が共有地であることによる使用等の制約が実質的にないものと認められる。したがって、本件土地は、全体を一つの評価単位により、一体として評価するのが相当である。(平24.12.13 東裁(諸)平24-123)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240122
- 裁決年月日
- 平成24年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した借地権の目的となっている各宅地(本件各土地)の価額について、①請求人ら依頼の各鑑定評価額(本件各鑑定評価額)は合理的なものであり時価といえるところ、本件各土地を財産評価基本通達(評価通達)に基づき評価した価額は本件各鑑定評価額と乖離していること、②底地を借地権価額控除方式により評価するのは飽くまで便宜上のものであるから、本件各土地の価額の評価に当たっては、評価通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情がある旨主張する。しかしながら、①本件各鑑定評価額を求めるに際して算定されたDCF法による収益価格A及び収益価格Bについては、まず、収益価格Aの算定過程で採用している割引率は、明確な基準を示し得ておらず、加えて、殊更に賃貸住宅と借地権の目的となっている宅地(底地)との間に差を設けて査定されているものであり、合理性が認められない。次に、収益価格Bは、賃貸借契約満了時に賃借人が無償で借地権を賃貸人に返還することを前提とするものであるところ、借地権には強い法的保護が与えられていることなどからすると、当該前提には合理性を認めることができない。更に、本件各鑑定評価額の決定方法にも、合理性を認めることができず、これらのことなどからすると、本件各鑑定評価額が時価を適切に示しているものとは認められない。②また、本件各土地について、評価通達が定めた借地権価額控除方式によらないことが正当と認められる特別の事情も認められない。したがって、本件各土地の価額の評価に当たり、評価通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情はない。(平24.12.10 東裁(諸)平24-122)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240013
- 裁決年月日
- 平成24年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が退社した医療法人(本件医療法人)の出資持分(本件出資持分)の評価に当たり、請求人の退社当時、本件医療法人の定款(本件定款)は、払込済出資額を限度として払戻しを請求できる旨定め、その定めは、請求人の退社当時、社員の大半が出資持分を有していなかったことから、出資持分の割合に応じて出資の払戻しをする旨に変更される可能性はなかったなどとして、財産評価基本通達(評価通達)194−2《医療法人の出資の評価》の定める方法により本件出資持分を適切に評価することができない特別の事情がある旨主張する。しかしながら、医療法の規定に照らせば、請求人の退社当時、本件定款を変更して、本件医療法人の財産全体につき自らの出資額の割合に応じて払戻し等をできる旨定めることは法的には可能であったものと認められるから、このような事情は、評価通達194−2の定める方法により本件出資持分を適切に評価することができない特別の事情には当たらない。(平24.11.27 広裁(諸)平24-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240101
- 裁決年月日
- 平成24年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各貸宅地(本件各貸宅地)の評価に当たり、相続開始の約5か月後に売却した価額を基礎として算出した価額が時価であり、財産評価基本通達(評価通達)の定めによらないことが正当とされるような特別な事情がある旨主張し、当該価額が時価であることについては、当該売却前に複数の不動産業者から交付を受けた価格査定書等(本件査定書等)に記載された金額及び請求人ら依頼による不動産鑑定評価書による鑑定評価額(本件鑑定評価額)により証明されている旨主張する。しかしながら、本件各貸宅地が自用地(更地)であるとした場合の価額については、評価通達の定めによらないことが正当とされるような特別な事情はないところ、本件各貸宅地の存する地域は借地権の取引慣行が成熟している地域であり、本件各貸宅地の評価に当たっては、評価通達25《貸宅地の評価》に定める借地権価額控除方式により評価することが妥当するというべきであり、また、評価通達27《借地権の評価》の定めに基づく本件各貸宅地の地域の借地権割合の決定に合理性を欠くような事情は認められない。また、相続税法第22条《評価の原則》は、「時価」の基準日を「取得の時」と規定しており、同条の適用にあっては、相続財産の「取得の時」である相続開始日の後に相続財産を実際に売却する際の価格の動向によって「時価」が影響されるものではないと解すべきであるから、請求人らが売却先の選択や交渉に当たって交付を受けた本件査定書等に記載された金額や本件各貸宅地をまとめて売却するという、請求人らが選択した売却方法における価額を求めた本件鑑定評価額が同条に規定する「時価」を証明するものと認めることはできない。したがって、本件各貸宅地の評価に当たっては、評価通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情は認められない。(平24.11.21 東裁(諸)平24-101)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240016
- 裁決年月日
- 平成24年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)は、路線価の設定されていない位置指定道路(本件位置指定道路)のみに接面しており、本件位置指定道路は、路線価の付された市道(本件市道)に接続しているところ、本件各土地の評価に当たっては、本件位置指定道路に設定された特定路線価(本件特定路線価)ではなく、本件市道に付された路線価を正面路線価とすべきである旨主張する。しかしながら、特定路線価を設定して評価する趣旨は、評価対象地が路線価の設定されていない道路のみに接している場合であっても、評価対象地の価額をその道路と状況が類似する付近の路線価の付された路線に接する宅地とのバランスを失することのないように評価しようとするものであって、このような趣旨からすると、特定路線価は、路線価の設定されていない道路に接続する路線及び当該道路の付近の路線に設定されている路線価を基にその道路の状況、評価しようとする宅地の所在する地区の別等を考慮して評定されるものであるから、その評定において不合理と認められる特段の事情がない限り、当該特定路線価に基づく評価方法は、路線価の設定されていない道路のみに接続する路線に設定された路線価を基に画地調整を行って評価する方法より合理的であると認められる。本件特定路線価の評定についてみると、不合理とみられる特段の事情は見当たらないから、本件各土地の価額は、本件特定路線価を正面路線価として評価するのが相当である。(平24.11.13 関裁(諸)平24-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240009
- 裁決年月日
- 平成24年10月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)について、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)にいう「その地域」における土地の標準的な利用は戸建住宅用地である旨の主張を前提に、戸建住宅用地として開発するには、公共公益的施設用地の負担が必要となるため、本件土地の相続税評価額の算定に当たっては、本件通達の評価方法を適用するべきである旨主張する。しかしながら、本件土地を含む、本件通達に定める「その地域」(本件地域)の土地の利用状況について、その利用区分を「戸建住宅」、「共同住宅(3階以上)」、「共同住宅(3階未満)」、「法人等事業所」、「店舗」及び「その他」に区分して調査したところ、「店舗」としての利用が本件地域における標準的な利用と認められ、さらに、本件地域において「店舗」として利用されている土地について、面積順で上位から2番目の物件は、3番目の地積の2倍ほどあることから、上位1、2番目を除き単純平均すると、その面積が730平方メートルとなること、及び地価公示地が本件土地から300メートルほど南に所在し、その地積が770平方メートルであることからすると、本件地域の標準的な宅地の地積は730〜770平方メートルと認められ、本件土地が867平方メートルであることからすれば、本件土地が標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地とは認められない。したがって、本件土地の評価に当たり、本件通達の評価方法を適用することはできない。(平24.10.30 名裁(諸)平24-9)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240009
- 裁決年月日
- 平成24年10月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人Aが、本件被相続人から本件土地を使用貸借により借り受け、その上に本件被相続人と共有で建物を有していたところ、請求人Aは当該建物の持分割合と同一の持分割合で本件土地の共有持分を相続していることから、請求人Aが取得した本件土地の持分の価額は全てを自用地としての価額とすべきであり、他方、当該建物と同一の持分割合で本件土地の共有持分を取得した請求人Bの当該共有持分の価額は全てを貸家建付地としての価額とすべきである旨主張する。しかしながら、民法第249条《共有物の使用》の規定のとおり、共有の対象は、その共有物の一部に限定されることはないのであるから、本件土地について自用地部分と貸家建付地部分とを明確に区別することはできず、貸家建付地としての制約は本件土地全体に及ぶものである。したがって、本件土地の評価に当たり、請求人Aが取得した本件土地の共有持分を自用地とし、請求人Bが取得した本件土地の共有持分を貸家建付地とするなどという区別をすることはできない。(平24.10.30 名裁(諸)平24-9)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240011
- 裁決年月日
- 平成24年10月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(本件土地)が①相続開始前から不動産会社に譲渡の媒介を依頼し、5年以上経過しているにもかかわらず買い手が見つからないこと、②地積が広大で、最有効使用は分譲住宅地の素地であり、不動産業者等が区画分譲販売を目的として購入することが通常であることなどから、財産評価基本通達(評価通達)により難い特別な事情があるので、本件土地の評価額は、請求人らの依頼に基づく不動産鑑定士による鑑定評価額(本件鑑定評価額)によるべきである旨主張する。しかしながら、①本件相続開始日における本件土地の媒介価格は、本件土地の評価通達の定めに基づき評価した価額を上回っていること、②本件土地が接面する幹線市道沿いの近隣地域は、戸建住宅に分譲することを目的として開発された事例はなく、当該地域の土地の標準的使用は、店舗、事務所の敷地又は店舗併用住宅の敷地と認められることからすると、本件土地の最有効使用が分譲住宅の素地であるとは認められないこと、さらに、本件鑑定評価額は、不動産業者等に分譲素地として売却する場合の売買価格を鑑定評価するという条件の下、決定されていることなどから、不動産業者等に分譲素地として売却するための価額を示しているにすぎず、相続税法第22条《評価の原則》にいう本件土地の時価を示しているとはいえないものである。したがって、請求人らの上記主張は、いずれも評価通達により難い特別な事情があるとは認められないので、本件土地の価額は、評価通達の定めに基づいて算定するのが相当である。(平24.10.30 名裁(諸)平24-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240010
- 裁決年月日
- 平成24年10月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が相続財産であるとする法人に対する本件被相続人の債権(本件債権)については、その存在を確認できず、また、本件債権が存していたとしても、当該法人の株式の相続税評価額が零円であることからすると、本件債権は回収不能であるから、本件債権に対し相続税が課されるべきではない旨主張する。しかしながら、当該法人における、法人税の申告書の記載内容、代表取締役の答述及び当該答述時に提出された各種書面並びに当該法人の経常損益の状況などからすると、本件債権は、相続開始日に存在しているものと認められ、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」には該当しないと認められるから、本件債権については、相続税の課税対象となる。(平24.10.23 関裁(諸)平24-10)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平240007
- 裁決年月日
- 平成24年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社である本件会社の帳簿に記載がない元役員らに対する未払金等の債務を本件会社の負債の額に含めて、その一株当たりの純資産価額を計算すべき旨主張する。しかしながら、相続税の課税価格の算定の際に控除すべき債務は、確実と認められるものに限られており、当該確実と認められる債務とは、債務が存在するとともに、債権者による請求その他により、債務者である被相続人の負担に帰すことが確実な債務であると解され、これは、取引相場のない株式の評価を行う際の純資産価額の計算においても同様であるところ、請求人の主張する元役員らに対する債務は、①商行為により生じた債務と認められること、②商法第522条《商事消滅時効》の5年の短期消滅時効の規定が適用されること、③時効中断事由があったとは認められないことから、遅くとも相続開始の年の前年中には既に消滅時効が完成していたものと認められる。したがって、当該元役員らに対する債務は、確実と認められる債務に該当せず、本件会社の株式の評価上、負債の額に含めることはできない。(平24.10.17 福裁(諸)平24-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240075
- 裁決年月日
- 平成24年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件各土地の価額は、請求人らが主張する開発想定図に基づいて本件各土地を複数の区画に分割し、分割後の当該区画ごとに財産評価基本通達(評価通達)による路線価及び各種補正率に基づいて評価した額から、宅地造成工事費用及び土地の取得経費等を控除するという評価方法(請求人ら評価方法)により算定した価額(時価)とすべきであり、原処分庁の評価通達に定められた評価方法により評価した価額は、上記時価と著しく乖離しこれを上回る価額であるから、本件各土地には評価通達の定めによらないことが正当として是認されるような特別の事情がある旨主張する。しかしながら、請求人ら評価方法により算定された本件各土地の価額は、①原則として公示価格水準の80%程度により評定されている路線価を基に、評価通達の各種補正率を用いて本件各土地の価額を計算しながら、他方で、当該価額の合計額から実際に要すると見込まれる宅地造成工事費用の見積額等を控除するという、一部についてのみ実額計算を取り入れた評価方法であるから、一貫性のない評価方法というべきであり、②区画の分割の仕方が評価する者により区々となるほか、宅地造成工事費用の見積りについても区々とならざるを得ない評価方法である。また、③請求人ら評価方法において控除されることとなる宅地造成工事費用の中には、土地の上に建築物を設置する際にその建築物の種類、用途等に応じて必要となる費用の一部であるというべきものが含まれており、土地自体の価額を算定する場合に考慮すべき要素に含めるのは相当ではないことのほか、④請求人ら評価方法における取得経費等については、その根拠が明らかにされていない。したがって、請求人ら評価方法は、合理的なものとはいえず、当該評価方法による価額は客観的交換価値を反映した価額とは認められないから、本件各土地には評価通達の定めによらないことが正当として是認される特別の事情は認められない。(平24.10.15 東裁(諸)平24-75)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240076
- 裁決年月日
- 平成24年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した本件土地の評価に当たり、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)にいう「その地域」は、請求人の主張する地域(請求人主張地域)である旨を前提として、当該地域内における標準的使用は戸建一般的住宅地であり、本件土地を戸建住宅の敷地として開発分譲する場合、公共公益的施設用地の負担が必要となるから、本件土地は、本件通達にいう広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件通達にいう「その地域」は、線路の北側にあって、区画整理区域内で本件土地と行政的規制を同じくする地域(審判所認定地域)であると認められ、これに反する請求人主張地域は採用できない。また、審判所認定地域における宅地の標準的使用の判断に際しては、当該区画整理の換地後の各区画の状況及び条例の影響も考慮すべきであるところ、審判所認定地域では、条例により、建物の建築をする場合、商業・事務系施設の集積を高めるため、少なくとも1階部分について店舗等の設置の協力依頼がされており、現に、戸建住宅や共同住宅に比して、店舗又は店舗併用住宅が多く建築されていることからすると、宅地の標準的使用は店舗又は店舗併用住宅と認めるのが相当である。そして、当該区画整理の換地後の各区画の建物の建築状況に基づいて、本件土地について公共公益的施設の負担の要否について検討すると、開発行為を要しないか、区画に割りをするとしても、公共公益的施設用地の負担は見込まれない。したがって、本件土地は、本件通達に定める広大地には該当しないものである。(平24.10.15 東裁(諸)平24-76)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240071
- 裁決年月日
- 平成24年10月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802990
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 原処分庁は、屈折路に内接する本件土地について、財産評価基本通達20《不整形地の評価》(本件通達)に定める評価をするに当たって、整形地の想定方法として、本件土地の全域を含むく形のうち最も面積の小さいものとすべきであり、原処分庁の採用した想定方法はこれに該当するものである旨主張する。本件通達の趣旨は、評価対象地が不整形の場合はその画地全部を宅地として十分に機能させることができず、整形地に比して利用価値が減少することを考慮して、利用価値が減少していると認められる範囲で補正するというものであり、この趣旨からすれば、整形地の想定方法が複数ある場合には、その想定方法自体が不合理なものでない限り、その想定されたもののうち、最も小さい面積のものを想定整形地として評価するのが合理的である。しかしながら、本件土地についてみると、本件通達に定める想定整形地とは、評価対象地の画地全域を囲む正面路線に面する最小面積のく形となっているものをいうことからすると、請求人らの主張する想定整形地のとり方に不合理な点は認められないが、原処分庁の主張する想定整形地は、正面路線に面したく形ではないことから、本件通達に定める想定整形地そのものには当たらない。したがって、本件土地の整形地の想定方法は、請求人らの主張する方法によるべきである。(平24.10.10 東裁(諸)平24-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240071
- 裁決年月日
- 平成24年10月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802990
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、本件土地に面して地下歩道施設が設置されていることによって宣伝効果の減少や採光等の著しい減少及び人や車両の交通障害が生じているとして、本件土地について、側方路線影響加算率に代えて二方路線影響加算率を適用するなど評価上のしんしゃくをすべき旨主張する。しかしながら、当該地下歩道施設は、周囲からの見通し、採光、景観及び通風等に配慮した構造となっており、宣伝効果の減少や採光等の著しい減少は認められないものである。また、当該地下歩道の設置は、これにより、幅員が広く交通量の多い国道を人や自転車等が安全に横断することができ、他方、横断歩道が設置されていないために自動車も国道を円滑に通行できるなど、人や車両等の安全かつ円滑な往来に寄与していることが認められるし、当該地下歩道の横を人や自転車等が通行できる幅員も確保されていることからすると、請求人らが主張するように交通障害が生じているとも認められない。したがって、本件土地の評価に当たり、請求人らが主張するしんしゃくは要しない。(平24.10.10 東裁(諸)平24-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240071
- 裁決年月日
- 平成24年10月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 原処分庁は、本件建物の評価に当たり、本件建物の賃貸借は一時使用のためのものであることが明らかであるから、本件建物には借家権が存せず、貸家として評価することはできない旨主張する。しかしながら、本件建物の賃貸借契約に係る契約書の文言や当該賃貸借契約締結後の更新状況からすると、本件被相続人が、当該賃貸借契約を特に短期間に限定して存続させる意思を有していたとは認め難いし、賃借人においても、当該賃貸借契約を特に短期間に限定して存続させる意思を有していたとも認め難い。加えて、当該賃貸借契約については、賃貸人から当該被相続人に対して、高額の保証金が差し入れられた上で、相当額の賃料の支払が継続されており、また、当該賃貸借契約の内容が通常の賃貸借契約と大きく異なるとはいい難い。これらの事実からすれば、当該賃貸借契約は、当事者双方が賃貸借契約を短期間に限って存続させる合意をしたものであることが客観的に明らかであるとは認められず、むしろ、当事者双方において、特段の事情が生じない限り継続することを前提とした賃貸借契約関係を継続してきたものと認められる。したがって、当該賃貸借契約は、一時使用のための賃貸借であるとは認められないから、本件建物は、財産評価基本通達93《貸家の評価》の定めにより貸家として評価すべきである。(平24.10.10 東裁(諸)平24-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240071
- 裁決年月日
- 平成24年10月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、レンタカー事業のために貸し付けられていた本件各土地(本件貸家の敷地及び駐車場部分の敷地)の評価に当たり、賃借人はその事業目的のため本件各土地を一体として借り受けることが絶対条件だったから、本件各土地の全体を一体として貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地が一体として利用されていることは、そのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価する(財産評価基本通達7《土地の評価上の区分》ただし書)か否かについての判断の基礎となるものではあっても、「貸家の敷地の用に供されている宅地」であるか否かについての判断の基礎となるものではない。そして、財産評価基本通達26《貸家建付地の評価》は、「貸家の敷地の用に供されている宅地」について定めたものであるところ、本件貸家と別個の賃貸借契約がされている駐車場部分の敷地は、利用状況からも「貸家の敷地の用に供されている宅地」部分がないことが明らかである。したがって、本件各土地のうち、本件貸家の敷地に当たる部分の土地については貸家建付地として評価すべきであるが、駐車場部分の敷地については貸家建付地として評価することはできない。(平24.10.10 東裁(諸)平24-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240071
- 裁決年月日
- 平成24年10月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802990
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、地下歩道施設によって、角地である本件土地の一方の路線は、自動車のための出入口が設置できず、また、地下歩道施設によって人や自転車等の通行の流れが中断されていることから、角地としての効用が著しく減少している等の理由により、評価に当たって正面路線価を自動車の出入のできる路線のものとし、更に、側方路線影響加算率に代えて二方路線影響加算率を適用すべきである旨主張する。しかしながら、駅から本件土地のある交差点までの路線(自動車の出入口が設置できない路線)沿いの主な利用者は歩行者であるから、本件土地においてのみ、直接自動車が出入りできないことをもって、当該路線からの影響を受ける度合いが著しく低いものということは相当ではない。また、地下歩道施設の横を人や自転車等が通行できる幅員も確保されていることも認められるから、請求人が主張するような、人や自転車等の通行の流れ中断は認められない。したがって、本件土地の評価に当たり、請求人らの主張はいずれも採用できない。(平24.10.10 東裁(諸)平24-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240070
- 裁決年月日
- 平成24年10月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、同族会社の株式の評価に当たり、当該同族会社が相続開始前3年以内に取得した借地権(本件借地権)の価額は、通常の取引額として、請求人らが依頼した不動産鑑定評価に基づく価額(本件請求人鑑定評価額)によるべきである旨主張し、原処分庁は、原処分庁が依頼した不動産鑑定評価に基づく価額(本件原処分庁鑑定評価額)によるべきである旨主張する。しかしながら、本件請求人鑑定評価額は、取引事例比較法による価額の算定において、①取引事例として採用したことに合理性がないものがあること、②補正が必要と認められるにも関わらず補正をしていない取引事例があること及び③標準価格から対象地の試算価格を求める際の個別格差率の算定が合理的でないことが認められ、本件借地権の時価を適切にに示しているものとは認められない。他方、本件原処分庁鑑定評価額も、上記①及び②と同様のことが認められるほか、取引事例比較法による比準価格と比較考量される収益還元法による収益価格の算定に当たり、不合理な点があることから、本件借地権の時価を適切にに示しているものとは認められない。そこで、いずれの不動産鑑定評価額も採用することができないので、当審判所において、本件借地権の通常の取引価額を検討したところ、本件借地権の存する地域の近隣地域及び同一需給圏内の類似地域においては、適切な補正や地域要因の比較及び個別要因の比較が可能である取引事例が限られ、多数の取引事例による比較考量が困難であるが、本件借地権の存する地域と状況が類似する地域には、公示地の公示価格及び基準地の標準価格が認められた。そして、当該公示価格及び当該標準価格の根拠となる規定内容からすると、これらの価格はいずれも、相続税法第22条《時価》に規定する時価と共に、自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格、すなわち客観的交換価値をいうものと解することができる。したがって、本件借地権の価額については、当該公示価格及び当該標準価格を基礎として算定するのが相当である。(平24.10. 9 東裁(諸)平24-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240070
- 裁決年月日
- 平成24年10月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、同族会社が所有する複数の土地(本件各土地)について、請求人らが依頼した不動産鑑定評価に基づき評価した価額(本件各鑑定評価額)は、合理的で客観的交換価値を示すものと認められ、その価額を財産評価基本通達による評価額が上回っているので、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情があり、本件各鑑定評価に基づき評価することが相当である旨主張する。しかしながら、本件各鑑定評価額は、その評価上、取引事例比較法による価額について、取引事例として採用したことに合理性がないものがあること、補正が必要と認められるにもかかわらず補正をしていない取引事例があること及び標準価格から当該各土地の試算価格を求める際の個別格差率の算定が合理的でないことなど、合理性を欠く点が多く認められるから、本件各土地の時価を適切に示しているものとは認められない。したがって、本件各土地の評価について、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別な事情はなく、本件各土地の価額は、財産評価基本通達により評価した価額によることが相当である。(平24.10. 9 東裁(諸)平24-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240070
- 裁決年月日
- 平成24年10月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、借地権が設定されている土地について、「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合には、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」通達(相当地代通達)の5《「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の借地権の価額》により、当該土地に係る借地権の価額は零として取り扱われることとなるから、同通達の8《「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の貸宅地の評価》及び「相当の地代を収受している貸宅地の評価について」通達により、当該土地を借り受けている同族法人の株式の評価上、当該土地の価額の20%に相当する金額は、同法人の純資産価額に含められるとしても、それは借地権の価額ではなく、財産評価基本通達189《特定の評価会社の株式》の(3)のイに定める土地保有割合を算定する際の「土地等の価額」には該当しない旨主張する。しかしながら、相当地代通達5及び8の取扱いは、借地権が設定されている土地を前提としており、設定された借地権の存在を否定することなく、課税の各場面における借地権の価額の多寡を定めているものであり、相当地代通達8により純資産価額に算入される自用地としての価額の20%に相当する金額を借地権以外の価額と解することはできず、また、当該20%に相当する金額を当該「土地等の価額」から除外するとの特段の定めもないことから、当該20%に相当する金額は、借地権の価額として当該「土地等の価額」に含まれるものと解するのが相当である。(平24.10. 9 東裁(諸)平24-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240070
- 裁決年月日
- 平成24年10月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、評価対象地の時価を直接的に評価する不動産鑑定による評価こそが相続税法第22条《評価の原則》の時価を算定する原則的な方法である旨の見解を前提に、請求人らが相続により取得した本件土地について、請求人らが依頼した不動産鑑定評価に基づき評価した価額(本件鑑定評価額)は、合理的で客観的交換価値を示すものと認められ、その価額を財産評価基本通達による評価額が上回っているので、本件土地の価額は本件鑑定評価額とすべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第22条にいう時価については、客観的交換価値を示す価額をいうものと解するのが相当であるところ、客観的交換価値については必ずもの一義的に確定されるものではないから、財産の評価は、財産評価基本通達により算定される価額が時価を上回るなど、同通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情がある場合を除き、同通達の定めにより算定することが相当である。また、本件鑑定評価額は、その評価上、取引比較事例法による試算価格については、類似性や規範性を欠く事例を採用している点など、合理性を欠く点が多く認められ、また、公示価格を規準とした価格については、価格動向に照らして合理性を欠くものであり、本件土地の時価を適切に示しているものとは認められない。したがって、本件土地の評価について、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情があるとは認められないから、本件土地の価額は、同通達の定めにより評価した価額とするのが相当である。(平24.10. 9 東裁(諸)平24-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240070
- 裁決年月日
- 平成24年10月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802019
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、被相続人が主宰する同族法人が他の法人との間で、借地借家法第38条《定期建物賃貸借》の定期建物賃貸借のための予約契約(本件予約契約)を締結し、当該賃貸借の目的物である建物を同族会社が建設中で本契約に至る前の段階で当該被相続人の相続が開始したところ、当該建物を建築中の土地(本件土地)の評価について、一方的に本件予約契約を解除するためには、契約上、受領した敷金の返還や違約金を支払う必要があるなどの理由から、本件土地の評価に当たり10%相当額を減額すべきであり、少なくとも、自用地として利用するために必要となる違約金相当額を減額するのが相当である旨主張する。しかしながら、本件予約契約は、将来の賃貸借契約の締結を予約したものにすぎないから、賃貸借契約と同視できず、本件予約契約の締結により賃貸借契約の効力が発生していたとはいえない。また、一般に、経過した賃貸借の期間が長いほど、その賃料は賃貸借の目的となっている貸家及びその敷地の経済価値に対応する適正な賃料から乖離する傾向がみられるが、賃料が適正な水準に維持されている場合は、いわゆる借家権価格は発生せず、当該貸家及びその敷地の価格は自用の建物及びその敷地の価額におおむね一致する。本件については、賃貸借契約は締結されておらず、上記適正賃料との乖離は発生しておらず、本件土地の評価上、本件予約契約に係る減額の必要は認められない。さらに、当該建物が本件予約契約の借主への賃貸を目的に建築中であることからすると、当該借主への賃貸が最も合理的な利用方法であり、自己利用や本件予約契約の解除を要する合理的な事情も認められないから、これらの点を考慮して、本件土地の評価上、上記違約金相当額を考慮する必要も認められない。(平24.10. 9 東裁(諸)平24-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240070
- 裁決年月日
- 平成24年10月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達185《純資産価額》かっこ書の定め及び189−4《土地保有特定会社の株式又は開業後3年未満の会社等の株式の評価》の定めは、旧租税特別措置法第69条の4《相続開始前3年以内に取得等をした土地等又は建物等についての相続税の課税価格の計算の特例》の規定の廃止に伴いその根拠法をなくしたものであるから、これらの定めによる課税は何ら法律の根拠を有しないものである旨主張する。しかしながら、旧租税特別措置法第69条の4の規定は、一定の期間内に取得した土地等及び建物等の相続税の課税価格に算入すべき価額は、相続税法第22条《評価の原則》に規定する「時価」かかわらず、「取得価額」によるとするものであるのに対して、財産評価基本通達185かっこ書の定め及び189−4の定めは、相続税法第22条の規定に基づいて「時価」を算定するものであり、旧租税特別措置法第69条の4の規定とはその趣旨や根拠を異にするものであって、相続税法第22条の「時価」を算定する方法として合理的な取扱いであると解される。(平24.10. 9 東裁(諸)平24-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240069
- 裁決年月日
- 平成24年10月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が財産評価基本通達(評価基本通達)により算定した本件各土地(本件A土地及び本件B土地)の価額は、本件各土地を適正に評価した請求人ら鑑定評価額(本件A土地鑑定評価額及び本件B土地鑑定評価額)を上回っているため、本件各土地の価額の評価については、評価基本通達によらないことが正当と認められる特別の事情があるから、当該請求人ら鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、本件A土地鑑定評価額については、①原価法による積算価格に採用した取引事例比較法による比準価格に係る取引事例の試算価格は合理性を有するとは認められないこと、②当該比準価格の査定において個別的要因における市場性(規模大)の要因として20%の減価を行うことは相当でないこと、③規準価格の査定において採用した公示地は適切なものとは認められないことから、原価法による積算価格は合理性を有するとは認められず、また、①収益還元法による収益価格の査定において総収入に係る駐車場の賃料収入を9台分と査定したことには合理性が認められないこと、②還元利回りに係る割引率は高めに求められており適切とは認められないことから、当該収益価格も合理性を有するとは認められないので、本件A土地鑑定評価額が本件A土地の本件相続開始日の時価を適切に示しているものとは認められない。また、本件B土地鑑定評価額については、①取引事例比較法による比準価格に係る取引事例の試算価格の査定において採用した取引事例は採用する取引事例として適切なものとは認められないこと、②規準価格の査定において採用した公示地は適切なものとは認められないことから、本件B土地鑑定評価額が本件B土地の本件相続開始日の時価を適切に示しているものとは認められない。したがって、本件各土地について評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情はないから、本件各土地の価額は、評価基本通達の定めにより評価した価額によるのが相当である。(平24.10. 5 東裁(諸)平24-69)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240024
- 裁決年月日
- 平成24年9月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、借地契約に係る弁済期未到来の無利息預り保証金(本件保証金)を相続税の申告において債務控除するに当たり、本件保証金の額面金額をそのまま債務控除額とするべきである旨主張する。しかしながら、相続財産の課税価格の算定の基礎となる債務の金額は、相続開始時における当該債務の経済的価値を客観的に評価した金額であり、当該経済的価値は、当該債務の利率や弁済期等によって客観的に定めるべきものであるところ、弁済期が未到来の金銭債務については、通常の利率による利息と約定利率による利息との差額に相当する経済的利益を弁済期が到来するまで毎年留保することになるから、当該債務は、このように留保される毎年の経済的利益の現在価値の総額だけその消極的経済価値を減じているというべきである。したがって、本件保証金は、相続開始時点の現在価値を算出して債務控除するべきである。(平24. 9.13 大裁(諸)平24-24)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240024
- 裁決年月日
- 平成24年9月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 原処分庁は、被相続人が有していたH(個人)に対する貸付金債権は相続開始日現在において存在しており、その評価額は貸付金元本とその遅延損害金の合計額となる旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》は、貸付金債権等の評価を行う場合において、その債権金額の全部又は一部が「回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」には、それらの金額は元本の価額に算入しない旨定めており、債務者が個人である場合には、債務超過の状況が著しく、その者の信用、才能等を活用しても、現にその債務を弁済するための資金を調達することができないだけでなく、近い将来においても調達することができる見込みがない場合がこれに該当すると解されるところ、本件においては、確かに、被相続人はHに対する貸付債権を有していた、つまり、Hは当該貸付金債権に対応する借入金を負っていたと認められるものの、Hの課税実績、不動産や預金の保有状況からすると、Hは著しい債務超過の状態にあり、当該借入金を返済するための資金を調達することは極めて困難であったと認められることなどに加え、当審判所における調査によっても、Hの具体的資力、返済能力を認めるに足りる証拠は見出せない。これらのことによれば、被相続人のHに対する貸付金債権は、「回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するというべきであり、その評価額は零円となる。(平24. 9.13 大裁(諸)平24-24)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240004
- 裁決年月日
- 平成24年8月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 原処分庁は、相続財産である本件土地の評価に当たり、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)に定める「その地域」は甲地域であり、甲地域の標準的な宅地の地積に基づき区画割すると路地状開発することが可能であること、また、甲地域内における路地状開発の事例は数多く存在し、一般的に行われていることなどから、本件土地については、路地状開発による開発が経済的に最も合理的な開発であり、公共公益的施設用地の負担の必要はなく、本件通達に定める広大地に該当しない旨主張する。しかしながら、本件通達に定める「その地域」は、本件土地と使用状況の連続性、地域の一体性が認められる丙地域と認めるのが相当であり、また、丙地域内においては、道路開設による開発事例と路地状開発事例とが存するものの、本件土地はいずれの事例の画地とも条件を異にするところ、丙地域は、将来、甲地域と同様な街並みになることが予想されることから甲地域における開発事例をみてみると、本件土地と類似する土地での路地状開発の事例はないことに加えて、本件土地において路地状開発を行うとする場合には原処分庁主張の開発想定図にある開発を行うことが想定されるが、その想定される路地の長さを有する開発事例もないことからすると、本件土地については、道路開設による開発を行うのが経済的に最も合理的な開発であると認められる。したがって、本件土地は、公共公益的施設用地の負担の必要があるものであり、本件通達に定める広大地として評価するのが相当である。(平24. 8.28 仙裁(諸)平24-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240038
- 裁決年月日
- 平成24年8月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である本件会社への各貸付金(本件各貸付金)の価額について、①本件会社の売上は、全てA社からの賃料収入であり、A社の売上が急激に減少していることから、本件各貸付金の回収可能性が減少していること、②本件会社は実質的に債務超過の状態にあること、③本件各貸付金は、その回収期間が長期にわたるものであり、財産評価通達204《貸付金債権の評価》及び205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の想定外の債権であること、などのことから財産評価基本通達の定めにより難い特別の事情がある旨主張する。しかしながら、本件会社は、法律上認められた権利に基づき適切な措置を講ずればA社からの賃料増額を確保することが可能であったにも関わらず、自らの意思でその措置を講じなかったのであるから、請求人の主張する上記①又は②の各事情があったとしても、当該各事情が財産評価基本通達の定めにより難い特別の事情に当たるとは認められない。また、財産評価通達204及び205が本件各貸付金をその範囲外とするような取扱いを予定していないことは、文理上明らかである。したがって、本件各貸付金の価額について、財産評価基本通達の定めにより難い特別の事情はない。(平24. 8.17 東裁(諸)平24-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240038
- 裁決年月日
- 平成24年8月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である本件会社への各貸付金(本件各貸付金)の評価に当たり、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、事実上回収不能となった場合をも含むと解すべきであり、請求人らの主張する評価手法に従って算出された回収不能見込額は、本件各貸付金の金額から控除されるべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達205に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、同通達(1)ないし(3)の事由と並列的に定められていることからすると、それらの事由と同程度に、債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、債権の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると確実に認められるときであると解されるところ、本件会社は、①金融機関からの借入金について返済を滞らせた事実はなく、②相続開始日前の各事業年度において、おおむね1億円を超える収入があり、継続的に経常利益を確保しており、③被相続人に対し元本の返済及び利息の支払を継続的に行っていることからすると、本件会社の借入金が同会社の経営をひっ迫させていたとは認められず、加えて、本件会社は、本件会社が貸付不動産の賃料増額のための適切な措置を講ずれば、賃料収入が増加し、経営状況の改善が十分見込まれたことを併せ考えれば、本件会社法人が実質的に債務超過の状態にあったからといって、直ちに本件会社が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、貸付金の回収の見込みがないか又は著しく困難であると確実にいい得る状況にあったとはいえない。したがって、本件各貸付金の金額から請求人らの主張する回収不能見込額を控除することはできない。(平24. 8.17 東裁(諸)平24-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240038
- 裁決年月日
- 平成24年8月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である貸付金の評価に当たり、①自己所有の会社に対する貸付金は、実質的には出資と変わらないにもかかわらず、資本金とした場合には株式の評価となり、貸付金とした場合にはその拠出額での評価となり、会社の会計処理で評価が変わるのは課税の公平に反する旨、②財産評価基本通達204《貸付金債権の評価》は評価の安全性が一切考慮されておらず、同通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》は評価の適正性を図る相続税法第22条《時価》に反するものである旨、主張する。しかしながら、①貸付金と資本金は、法的にも会計的にも全く別個のものであるから、その評価方法に差異があっても何ら不合理なものではなく、課税の公平に反するものでもない。また、②財産評価通達204及び205は、貸付金債権等の評価額は、原則として元本の価額及び利息の価額の合計額であるとしつつ、例外として、その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるときにおいては、それらの金額は元本の価額に算入しないとする取扱いであるところ、この評価方法は、貸付金債権等は日々その元本の価額が変動するといった性質の財産でないこと、一般に公開の取引市場は存せずその元本の価額に対する日々の取引価格の変動といったものを把握できないこと並びに納税者間の公平及び徴税費用の節減という見地から十分な合理性が認められるから、相続税法第22条に反するものではない。(平24. 8.17 東裁(諸)平24-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240037
- 裁決年月日
- 平成24年8月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、相続財産である本件土地の価額について、①遺言(本件遺言)により換価による分割方法の指定及び遺言執行者の指定がされており、請求人が売却に参加できないという事情があり、また、本件土地の最有効使用が区画分譲地であって、購入者が不動産業者に限定されるという実情があり、当該換価による価額(本件換価価額)は、当該実情に合ったところで決定されたものであるから、相続税法第22条《時価》に規定する時価であること及び②本件換価価額が時価であることは、請求人の依頼に基づく不動産鑑定評価額(請求人鑑定額)からも明らかであることから、本件土地の価額は本件換価価額とすべきである旨主張する。しかしながら、①相続税法第22条に規定する時価とは、「取得の時」における「不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額」を示すものであるから、「特定の者の間で限定的に行われた取引」における価額は、時価としての前提を欠くものであり、また、本件相続開始日の後にされた本件遺言に基づく換価による分割などが本件土地の価額を減ずる要因となるものでもない。そして、②請求人鑑定額は、その算定過程に不合理な点が認められ、本件換価価額が時価であることを明らかにしたものであるとは認められない。さらに、③異議審理庁が財産評価基本通達に基づいて算出した価額は、当審判所が近隣の地価公示地の公示価格に基づいて算出した本件土地の時価を超えるものではない。したがって、本件土地の価額について、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情はないから、本件相続税の課税価格に算入されるべき本件土地の価額は、同通達の定めによる価額を基礎とすべきである。(平24. 8.16 東裁(諸)平24-37)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平240001
- 裁決年月日
- 平成24年7月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、請求人が相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の評価に当たり、本件株式の発行会社は、子会社の株式を保有しているところ、当該子会社は債務超過の状況にあるから、当該子会社の株式は債務超過の額で評価すべきである旨主張する。しかしながら、当該子会社の株式は財産評価基本通達185《純資産価額》に定める純資産価額方式で評価するのが相当であるところ、同方式はストックとしての純資産及び清算時に株主が受け取る会社財産に着目した評価方法であるといえるため、同方式による評価額が零円を下回ることはないというべきである。したがって、当該子会社の株式は、零円で評価するのが相当である。(平24. 7.24 高裁(諸)平24-1)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平240001
- 裁決年月日
- 平成24年7月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400805990
- 争点
- 8財産の評価/5動産/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、本件船舶の価額については、売買実例価額、精通者意見価格が明らかでないことから、財産評価基本通達136《船舶の評価》(本件定め)のただし書に基づき、原価法により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件定めによれば、船舶の価額は、原則として売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価することとし、これらの価額等が明らかでない場合には、原価法により評価することを定めていることから、①売買実例価額及び精通者意見価格等が明らかな場合にはこれらを参酌して、②売買実例価額又は精通者意見価格等のいずれかが明らかな場合にはいずれか明らかな価額又は価格等を基として、③売買実例価額及び精通者意見価格等が明らかでない場合には本件定めのただし書による原価法により評価するのが相当であるところ、本件船舶については、売買実例価額は明らかでないが、合理性のある精通者意見価格が明らかであることから、当該精通者意見価格を基に評価するのが相当である。(平24. 7.24 高裁(諸)平24-1)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平240001ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成24年7月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、贈与を受けた本件株式の評価に当たって、財産評価基本通達185《純資産価額》に定める純資産価額方式の計算上、本件株式の発行会社である本件評価会社が行っている、いわゆるスワップ取引及びオプション取引(本件各取引)のうち、直前期末現在において金利支払日又は権利行使期日が未到来の取引(本件未到来取引)に係る各取引額相当額を、本件評価会社の資産及び負債に計上すべきである旨主張する。しかしながら、純資産価額方式の計算上、「評価会社の各資産」とは、課税時期において現実に評価会社に帰属していると認められる金銭に見積もることができる具体的な経済的価値を認識できる全てのものをいうと解され、また、「評価会社の各負債」とは、課税時期までに債務が成立し、その債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生しているものをいうと解されるところ、本件各取引は、各金利支払日が到来して、又は権利行使期日にオプションが行使されて初めて、取得する財物の価格より支払う対価の額が少なければ利益又は純資産として、その逆であれば損失又は負債として、個々の取引の経済的価値が認識されるものであることからすると、本件各取引は、本件評価会社が取得する資産が米ドルであることから、金利支払日又は権利行使期日が未到来の各取引についてその価値を認識しようとしても、その価値は、認識しようとした時点の為替レートに基づいて仮に決済又は取引が成立した結果の理論値(予測値)としていわば抽象的に認識されるにとどまるほかなく、具体的な経済的価値を認識した、あるいは、確実な債務であるということはできないから、本件株式の純資産価額の計算上、本件未到来取引に係る各取引額相当額を「評価会社の各資産」又は「評価会社の各負債」に計上することはできない。(平24. 7. 5 福裁(諸)平24-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240006
- 裁決年月日
- 平成24年7月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、本件土地が財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)の適用がないとされる、いわゆるマンション適地等に当たるか否かについて、①本件土地の周辺地域の状況は戸建住宅とマンションが混在している地域であること、②専門家が本件土地は、マンションの敷地よりも戸建住宅の敷地に適しているとの意見を述べていることなどからすると、本件土地はマンション適地等に該当しない旨主張する。しかしながら、マンション適地等であると認められる場合とは、本件通達に定める「その地域」におけるマンション等の建築の状況、用途地域・建ぺい率・容積率や地方公共団体の開発規制、また、交通、教育、医療等の公的施設や商業地への接近性等から判断して、評価対象地をマンション等の敷地とすることが経済的に最も合理的であると認められる場合を指すと解するのが相当であるところ、①本件土地の存する「その地域」は、マンション等の建築に係る規制が厳しくない地域であること、②本件土地は公共施設及び商業施設との接近性に優れていること、③「その地域」には複数のマンションが存すること、④「その地域」において、本件相続開始前10年間における500㎡以上の土地に係る建物の建築事例は2件あり、いずれもマンションの建築事例であること、⑤本件相続開始日後、現に本件土地上にマンションが建築されていることからすると、本件土地は明らかにマンション適地等に該当するものと認められる。(平24. 7. 4 東裁(諸)平24-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230084
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802021
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/1倍率方式による評価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、市街化調整区域に所在する本件B土地及び本件C土地は、いずれも農地法の許可を受けて宅地転用された土地であるため、転用許可を受けた者の相続承継人以外の者が新たに家屋を建築する場合、再度、開発許可を受けるための費用を負担する必要があり、また、都市計画法の規定により建築物の構造、用途について規制されていることから、財産評価基本通達27−5《区分地上権に準ずる地役権の評価》の(2)の定めを準用し、自用地としての価額から30%の割合を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件B土地は、従来と同一用途の建物を建築する場合であれば開発許可を受ける必要がないことから、相続開始日の現況において財産の価額に影響を及ぼす事情があるとは認められない。また、市街化調整区域に所在する宅地においては、建物の建替えなどに際し、開発許可申請等手数料の負担が発生したり、都市計画法の規定等により一定の公法上の規制が加えられたりするものの、かかる事情は、財産評価基準書の倍率に考慮されているものであり、本件B土地及び本件C土地が所在する地域において定められた倍率について、財産評価基準書上、これら各土地と同じ倍率が適用される地域に区分されている県地価調査基準地における基準地価格及び固定資産税評価額を基に検討しても、不合理な点があるとは認められないことから、上記規制等に関する補正が必要であるとは認められない。(平24. 6.19 関裁(諸)平23-84)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230084
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、倍率地域に所在する本件D土地の評価に当たっては、隣接する地域において町名が異なるだけで相続税評価額に1.5倍もの価額差が生ずることはあり得ないから、本件D土地の隣接する地域の畑の相続税評価額の1㎡当たりの価格を基礎として、その価額を算出すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基準書上、倍率方式を適用する場合の地域の範囲は、地価事情が類似する地域により区分して記載されており、隣接する地域であっても当該類似する地域が異なれば、相続税評価額が異なる場合もあり得るのであって、当審判所の調査の結果によっても、本件D土地が所在する地域における倍率の評定に不合理な点があるとは認められないから、請求人らの主張する評価方法により評価することはできない。(平24. 6.19 関裁(諸)平23-84)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230084
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、不動産鑑定士による本件A土地の鑑定評価額が相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価に当たり、当該鑑定評価額を上回る相続税評価額は時価を上回る旨主張する。しかしながら、当該鑑定評価額の算定上、近隣地域内の標準画地の地積規模及び取引事例の採用について問題がある上、個別的要因の格差率の算定に当たり土地価格比準表の定めに準拠していないなど合理性を欠く点が認められるから、当該鑑定評価額は相続税法第22条に規定する時価であるとは認められない。また、当審判所において、相続開始日における本件A土地の時価を算定した結果、本件A土地の相続税評価額は当該時価を上回るとは認められず、ほかに、本件A土地の評価に当たって、財産評価基本通達の定める評価方法により難い特別な事情があるとは認められない。したがって、課税価格に算入すべき本件A土地の価額は、相続税評価額によるのが相当である。(平24. 6.19 関裁(諸)平23-84)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230085
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地に係る財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める「その地域」における標準的な土地の利用形態は100㎡程度の地積の一般戸建住宅用地であるとして、本件土地について開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件土地は、同通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地に係る「その地域」における土地の利用の現況及び当該地域に所在する地価公示地の公示事項等からすれば、当該地域における標準的な土地の使用状況は、1,300㎡程度の規模の小工場、倉庫等の敷地であると認められる。そうすると、地積が約2,300㎡である本件土地は、当該地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大であるものの、本件土地は、南北において市道に接面し、その形状がおおむね長方形であることから、本件土地について上記標準的な宅地の規模により開発行為を行うとした場合、南北で二区画に分割すれば、開発区域内に新たな道路を開設せずとも、分割後の区画がそれぞれ既存の市道に接面するように開発することが可能であるから、公共公益的施設用地の負担が必要であるとは認められない。したがって、本件土地は、財産評価基本通達24−4に定める広大地に該当しない。(平24. 6.19 関裁(諸)平23-85)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230059
- 裁決年月日
- 平成24年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した本件各不動産について、相続開始後に売却が実現しているものについては実際の売却価額を基礎としてその評価額を算出すべきである旨主張する。しかしながら、相続により取得した不動産の評価に当たっては、財産評価基本通達に定められた評価方式によっては当該不動産を適切に評価することができない特別な事情があると認められない限りは、当該方式によって当該不動産を評価することに合理性があるところ、ある不動産の現実の売却価額は、その取引の際の個別的な事情によって左右されるものであって、当該売却価額もって当該不動産の客観的交換価値であるとは一般的にいうことはできないとされていること及び本件各不動産について、財産評価基本通達に定められた評価方式によっては適切に評価することができない特別な事情もないと認められるから、本件各不動産については、当該評価方式によってその評価額を算出するのが相当である。(平24. 6.14 大裁(諸)平23-59)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230059
- 裁決年月日
- 平成24年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802012
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/2地積
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人らが相続により取得した本件不動産566㎡について、利用状況に応じて評価単位ごとに評価すると、駐車場部分の地積が327㎡、路地状部分の地積が21㎡、建物敷地部分が218㎡である旨主張する。しかしながら、相続開始後において実施した測量の結果によれば、駐車場部分の地積が309㎡で、路地状部分の地積が25㎡であり、当該測量は、本件不動産の隣地所有者との間で、本件不動産に係る権利関係を事後的に整理したことによるものであると認められることからすると、本件相続開始時においても、駐車場部分及び路地状部分の各地積は、当該測量の結果のとおりと、また、本件不動産全体の地積から当該駐車場部分及び路地状部分の各地積を除いた地積232㎡が建物敷地部分であると、それぞれ認めるのが相当である。(平24. 6.14 大裁(諸)平23-59)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230105
- 裁決年月日
- 平成24年5月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№87
要旨
○ 請求人らは、相続した本件土地の上に、本件被相続人及び他の共同相続人ら(本件被相続人ら)が所有する本件建物が存しているところ、本件土地の使用料は無償であるものの、本件建物が存する権原は、本件建物の所有を目的とする地上権である旨主張する。しかしながら、親族間で土地の無償使用を許す関係を地上権の設定と認めるためには、当事者が何らかの理由で特に強固な権利を設定することを意図したと認めるべき特段の事情が存在することを必要と解すべきであるところ、①本件建物を本件被相続人らの共有とした理由からすれば、わざわざ本件被相続人にとって著しい負担となる無償の地上権を設定する必要もないこと、②本件被相続人と当該他の共同相続人らとの間で、地上権を設定する場合に通常取るであろう行動が、取れたにもかかわらず、これを取っていないこと及び③本件においては上記特段の事情も見当たらないことからすると、本件建物の所有に係る当該他の共同相続人らの本件土地上の権利は、せいぜい使用貸借によるものとみざるを得ない。そして、本件建物の建築後、本件相続開始に至るまで、権利関係に変動があったことを認めるに足る証拠はないから、本件相続開始時点で、本件土地上に、当該他の共同相続人の地上権が存在していたとは認められない。(平24. 5.22 名裁(諸)平23-105)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230225
- 裁決年月日
- 平成24年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地が存する地域の標準的な使用は戸建住宅用地であること、本件土地の南側に隣接し、本件相続開始日において駐車場であった土地が、その後、戸建分譲用地に開発されていることなどから、本件土地は財産評価通達24−4《広大地の評価》にいういわゆるマンション適地等には該当しない旨主張する。しかしながら、①本件土地の存する地域は、用途地域が準工業地域であり、建ぺい率は60%で容積率が300%であるから、マンション等の建築に係る規制が厳しくない地域であること、②本件土地の存する地域は、最寄り駅の北東約600mに位置し、公立の小中学校に近接するなど、公共施設への接近性に優れ、また、商業施設との接近性にも優れていること、③本件土地の存する地域には、複数のマンションが存し、本件地域の過半がマンション及び事務所ビル等の敷地であること、④現に、本件土地はマンションの敷地の用に供されていることからすると、本件土地はマンション適地等に該当するものと認めるのが相当である。(平24. 5.22 東裁(諸)平23-225)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230225
- 裁決年月日
- 平成24年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸宅地の時価は、請求人依頼の不動産鑑定士による貸宅地としての鑑定評価額と不動産業者の買取見積価額を基に査定した価額であり、財産評価基本通達(評価通達)により評価した価額は、時価を上回る高額なものであるから、本件貸宅地については、評価通達によらないことが正当と認められる特別の事情がある旨主張する。しかしながら、請求人依頼の不動産鑑定士による鑑定評価額の算定過程においては、取引事例比較法の適用において類似の取引事例を採用していないこと、開発法の適用において適切な分譲価額を用いていないこと等の不合理な点が多く、また、買取見積価額も単なる不動産業者の希望価額に過ぎないから、これらをもって本件貸宅地の時価を査定することは相当でない。更に、本件貸宅地の自用地としての時価は原処分庁が依頼した不動産鑑定士による鑑定評価価額が相当であると認められること、評価通達25《貸宅地の評価》に定める借地権控除方式は合理性を有すると認められること及び本件貸宅地の存する地域の借地権割合70%は複数の不動産鑑定士等の意見を基に適正に定められていることから、これらを基にして、本件貸宅地の価額を借地権価額控除方式により計算してみると、請求人の主張する時価を大きく上回る。このことに照らしても、請求人らの主張する本件各貸宅地の時価は合理性を欠くと認められる。したがって、本件貸宅地には、評価通達によらないことが正当と認められる特別の事情がないから、評価通達により評価した価額によるのが相当である。(平24. 5.22 東裁(諸)平23-225)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230222
- 裁決年月日
- 平成24年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件A土地は、間口、奥行が短く、面積も狭小で、通常の建物の建築に支障があることから、利用価値が著しく低下している宅地として、10%の評価減を行うべきであり、また、本件B土地は面積が特に狭小で、形状も悪いことから、建物が建築できない土地として、財産評価基本通達25《貸宅地の評価》(5)に準じ、同27−5《区分地上権に準ずる地役権の価額》(1)に定める区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地として、50%の評価減を行うべきである旨主張する。しかしながら、本件A土地は、現に建物の敷地として有効に利用されている土地と同程度の面積の土地であり、また、本件B土地についても、現に建物の敷地として有効に利用されている土地であることなどからすると、その利用価値が著しく低下しているとは認められない。(平24. 5.16 東裁(諸)平23-222)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230222
- 裁決年月日
- 平成24年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地に係る貸借契約については、本件被相続人と本件借地人の間で、相続開始前13年前に建物所有を目的とする土地貸借契約(本件貸借契約)が締結され、長期間地代が支払われていることなどから、賃貸借契約であり、本件土地は、借地権の設定された土地である旨主張する。しかしながら、①本件貸借契約締結時の地代はその年度の固定資産税額を下回っていること、②相続開始日前4年前の地代もその年度の固定資産税額を下回っていること、③相続開始日前3年以降は地代の支払いがされていないこと等の事実に照らすと、本件貸借契約における地代が使用収益に対する対価的意義を有するものであったとは認められないから、本件貸借契約は、本件被相続人が、親戚関係にあった本件借地人に対して、せいぜい本件土地の所有に必要な費用である固定資産税相当額程度を負担させて本件土地を使用させることを約した使用貸借契約であると認められる。また、本件土地については、本件貸借契約が締結されていたと認められるところ、使用貸借は借主の死亡により終了するものであり、本件相続開始日前に本件借地人は死亡しているから、本件相続開始日において本件貸借契約に係る使用貸借は終了していると認められる。そして、その後、本件相続開始日までに新たに借地権が設定されたと認められる証拠もないから、本件土地は借地権の設定された土地とは認められない。(平24. 5.16 東裁(諸)平23-222)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230222
- 裁決年月日
- 平成24年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地が存する地域は、戸建住宅と中高層住宅が混在している地域であること、当該地域の近隣の広大な土地の開発は、戸建分譲開発が主であること及び近隣マンションの9割以上は賃貸マンションであること等から、本件各土地は財産評価通達24−4《広大地の評価》にいういわゆるマンション適地等とはいえない旨主張する。しかしながら、①本件各土地の存する地域は、第一種住居地域であり、建ぺい率は60%で容積率は200%であるから、マンション等の建築に係る規制が厳しくない地域であること、②本件各土地は、駅から約700mの徒歩圏内に位置し、公立の小中学校に近接するなど、公共施設への接近性にも優れていること、③本件各土地の存する地域における本件相続開始日前10年間における500㎡以上の土地に係る建物の建築事例6件の内、5件がマンションの建築であること、④本件各土地の存する地域には、複数のマンションが存していること、⑤現に、本件各土地の複数はマンションの敷地であり、マンションの敷地でないものについても、状況の類似する隣地がマンションの敷地であること、⑥賃貸マンションの敷地であっても、分譲マンションの敷地と同様、土地を細分化せず一体利用することにより、道路等の公共公益的施設用地の負担を必要としない以上、これに係る減額の補正の必要はないことからすると、本件各土地は、マンション適地等に該当するものと認めるのが相当である。(平24. 5.16 東裁(諸)平23-222)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230222
- 裁決年月日
- 平成24年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地の時価は各鑑定評価額のとおりであり、財産評価基本通達(評価通達)により評価した価額は、時価を上回る高額なものであるから、本件各土地については、評価通達によらないことが正当と認められる特別の事情がある旨主張する。しかしながら、当該各鑑定評価額については、①不動産鑑定評価基準において適用すべき旨定められている取引事例比較法を適用していないこと、②原価法において、本件土地はマンション等の敷地として一体利用することが最有効使用の土地であり、地積が広大であることによる減額を行う必要がないにもかかわらず、当該減額を行っていること、③収益還元法(DCF法)において、過大な割引率を適用していること、④開発法において、マンション分譲価格を低額にし、マンション建築価格を高額にしていることなどから、本件各土地の時価を適切に示しているものとは認められない。したがって、本件各土地の価額は、評価通達により評価した価額によることが相当である。(平24. 5.16 東裁(諸)平23-222)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230222
- 裁決年月日
- 平成24年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は、本件土地の隣接土地(本件隣接地)と一体として建物の敷地の用に供していることが外観上明らかであること、本件土地は、本件隣接地に建物を建築する際に、容積率及び建ぺい率の算定上、当該建物の敷地としていた土地であることから、本件隣接地と一体として借地権の設定されている貸宅地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地については、自動車保管場所(車庫)として、本件隣接地については、建物所有を目的として、それぞれ、同日に、本件土地賃貸借契約及び本件隣接地賃貸借契約が締結された各書面が存し、現に当該各書面の記載に従って、本件土地については自動車保管場所として、本件隣接地については建物の敷地として利用されていることが認められることからすると、本件土地賃貸借契約は、建物所有を目的とする賃貸借契約とは認められない。また、契約当事者が、同日に、あえて対象物件ごとに契約の目的、賃料及び契約期間等を異にする契約書を作成して各契約を締結したということは、まさに各契約を別個のものととらえていたためと解するのが相当であり、その後の本件土地及び本件隣接地の利用状況はかかる当事者の意思の存在を裏付けるものである。したがって、本件土地を借地権の設定された土地として本件隣接地と一体で評価することは相当でない。(平24. 5.16 東裁(諸)平23-222)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230077
- 裁決年月日
- 平成24年5月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した貸宅地(本件各土地)について、財産評価基本通達(評価通達)25《貸宅地の評価》の(1)の定めに基づき、本件各土地の自用地としての価額からその借地権の価額を控除した金額によって評価すべきである旨主張する。しかしながら、借地権の設定に際し通常権利金を支払う取引上の慣行のある地域において、相当の地代を収受している場合及び通常の地代を超え相当の地代に満たない地代を収受している場合などの特殊な賃貸借により借地権が設定された場合における借地権の設定されている土地については、評価通達25の(1)の評価方法によることなく、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」通達(相当地代通達)の6《相当の地代を収受している場合の貸宅地の評価》及び7《相当の地代に満たない地代を収受している場合の貸宅地の評価》の定めに基づいて評価すべきであるところ、本件各土地は、通常権利金を支払う取引上の慣行のある地域内にあり、借地権の設定に際し、特別の経済的利益を考慮してもなお、通常の地代を超え相当の地代に満たない地代を収受していたと認められ、また、本件相続開始日においては、相当の地代又は通常の地代を超え相当の地代に満たない地代を収受していたと認められる。そうすると、本件各土地の価額は、相当地代通達6及び7の定めに基づき、本件各土地の自用地としての価額の100分の80によって評価するのが相当である。(平24. 5.15 関裁(諸)平23-77)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230101
- 裁決年月日
- 平成24年5月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した甲敷地及び乙敷地(本件各敷地)は、その面する道路(本件道路)に比べて高い位置にあり、いずれも利用価値が著しく低下している宅地に該当するから、利用価値の低下による減額をすべきである旨主張する。しかしながら、評価対象地が同対象地の面する路線と高低差がある場合には、同対象地の地勢と、同路線に面した一連の宅地に共通する地勢とを比較検討してもなお著しい高低差のある場合に限って、利用価値の低下による減額をするのが相当であるところ、本件道路に付された路線価設定区間の他の各宅地の約7割に本件道路との間に高低差が認められることに加えて、乙敷地に隣接する宅地と乙敷地とは高低差がないことなどのことからすると、本件各敷地が本件道路に係る路線に付された路線価設定区間の他の各宅地に比して著しく高低差があるとはいえない。そして、仮に請求人らが主張するように、単に、ある宅地と付近にある他の宅地との高低差のあることのみをもって、利用価値の低下による減額の適否を判断するという解釈を採れば、例えば、当該宅地の日当たり、風通し、水はけ及び眺望を良くする目的で盛土をしたような場合など、その利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて必ずしも低下要因とはならない高低差のある場合でも、容易に減額を受けられることとなって、利用価値の低下による減額を行う趣旨と相容れないこととなるから、請求人らが主張するような解釈を採ることはできない。したがって、本件各敷地について、利用価値の低下による減額をすることはできない。(平24. 5. 8 名裁(諸)平23-101)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230052
- 裁決年月日
- 平成24年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件宅地については、当該相続の約半年後における第三者との売買取引価額(本件譲渡価額)が存在しているのであるから、本件譲渡価額が時価でないという絶対的な根拠が存在しない限り、本件譲渡価額を基に計算した価額が時価である旨主張する。しかしながら、相続により取得した財産の評価は、評価通達に定められた評価方式がその合理性を肯定することができるものである限り、当該評価方式によらないことが正当として是認されるような特別な事情がある場合を除き、課税の公平の観点から、評価通達の評価方式に基づいて行うことが相当である。請求人らは、本件不動産の時価について、本件譲渡価額に基づき計算した価額が本件不動産の時価であるとする以外に、本件不動産について評価通達に定められた評価方式によらないことが正当として是認されるような特別な事情を具体的に主張しないところ、現実の取引価格は、その取引の際の個別的な事情による偏差があり、当該取引価格をもって直ちに当該財産の客観的交換価値であると一般的に推認することはできないから、本件譲渡価額を基に計算した価額をもって直ちに本件宅地の時価、すなわち客観的な交換価値であると推認することはできず、また、本件宅地と状況が類似していると認められる地域に所在する地価の年間変動率は、いずれもマイナス1.87%からマイナス3.60%の範囲内に収まっていること及び評価通達に従って倍率方式により評価する宅地の固定資産税評価額に乗ずる倍率は、1年間の地価変動に対応するなど評価上の安全性等を考慮して、公示価格の80%程度の水準を目処として設定されていることなどからすると、本件宅地について、評価通達に定められた評価方式によらないことが正当として是認されるような特別な事情は認められない。したがって、本件宅地の時価は、評価通達の定める基準に従って評価するのが相当である。(平24. 4.24 大裁(諸)平23-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230195
- 裁決年月日
- 平成24年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会社の本件相続開始日を含む事業年度は本件相続開始日の翌日に終了し、かつ、本件相続開始日及びその翌日は本件会社の定休日であるから、本件会社の本件相続開始日を含む事業年度は、事実上、本件相続開始日の前日に終了しているといえることなどから、本件会社の株式(本件株式)の時価は、本件相続開始日を含む事業年度の利益金額等の数値を基に財産評価基本通達(評価通達)180《類似業種比準価額》により計算した価額というべきであり、このことは、評価通達により難い特別の事情に該当する旨主張する。しかしながら、評価通達180に定める類似業種比準価額の計算において、評価会社の相続開始日の直前期の利益金額等の数値を用いることとしているのは、類似業種比準価額の計算に当たって比準する標本会社の利益金額等の算定時期と評価会社の利益金額等の算定時期を近づけることが、より適正な株価の算定を可能にすると考えられるからであるところ、本件相続税に適用される、取引相場のない株式の類似業種比準価額を評価する場合において比準する業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額及び純資産価額等を定めた「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」において基礎としている標本会社の事業年度は、本件会社の本件相続開始日の直前に終了する事業年度の末日の2か月後のものであることからすると、本件会社の利益金額等の数値についても、本件相続開始日の直前に終了した事業年度のものを用いることについて不合理な点は認められず、また、評価通達が行政の公平性を担保する一般的基準であることからすれば、請求人の主張する事情を評価通達により難い特別な事情と認めることはできない。(平24. 3.28 東裁(諸)平23-195)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230067
- 裁決年月日
- 平成24年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件1土地及び本件2土地(本件各土地)には、財産評価基本通達(評価通達)の定めにより難い特別な事情があるから、本件各土地の価額は、いずれも請求人の主張する鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、まず、本件1土地の鑑定評価額については、取引事例比較法による価格算定の際に想定した近隣地域における標準的な土地の使用状況及び規模は、実態に合わないものであるから、その想定に見合う取引事例のみを選択採用するなどして算定された比準価格は合理性を欠くものであり、また、開発法による価格算定の際に想定した開発道路を敷設して行う開発方法は、開発道路を敷設せずに行う開発方法に比べ合理性があるとは認められず、かかる開発方法を前提として算定された価格も合理性を欠いているから、本件1土地の時価を適正に評価したものとはいえない。次に、本件2土地の鑑定評価額については、比準価格及び規準価格の地域格差の算定は、周辺環境等及び接面道路に付された固定資産税路線価に比して、合理性を欠いており、また、取引事例の選択方法においても、同一の用途地域内で一連性のある地域における取引事例を選択採用しておらず、地域状況が類似した信頼性の高い事例を選択したものとは認められないから、本件2土地の時価を適正に評価したものとはいえない。したがって、請求人の主張する本件各土地の鑑定評価額は、いずれも本件各土地の時価を適正に評価したものとはいえず、他に本件各土地の価額を算定するに当たって、評価通達により難い特別な事情があるとは認められないから、本件各土地の価額は、評価通達の定めに基づいて算定するのが相当である。(平24. 3.27 関裁(諸)平23-67)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230067
- 裁決年月日
- 平成24年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地について開発行為を行うとした場合に、開発道路の敷設という公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件土地は財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に当たる旨主張する。しかしながら、本件土地は、開発道路を敷設せずとも南北にある既存の道路に面した区画で、本件土地の存する地域における標準的な戸建住宅の敷地の地積で区画割することが可能であることから、本件土地を最も合理性のある戸建住宅の敷地として分譲開発した場合に公共公益的施設用地の負担は必要ないと認められる。したがって、本件土地は、広大地通達に定める広大地に該当しない。(平24. 3.27 関裁(諸)平23-67)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230068
- 裁決年月日
- 平成24年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の周辺状況及び建築基準法第19条《敷地の衛生及び安全》の規定などを理由に、本件土地の「宅地として利用できる高さ」は道路面から0.3m高い位置であるとして、財産評価基本通達(評価通達)40《市街地農地の評価》に定める控除すべき土盛費及び土止費(本件宅地造成費)は、その高さを基に算定すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達40に定める控除すべき宅地造成費とは、宅地として利用可能な状態に造成するに当たり必要とされる整地、土盛り及び土止めに要する費用の額を指すところ、本件土地の周辺地域は、市街地として通常の排水機能を有しており、また、宅地造成に当たり一定の高さの土盛りを求める条例等の規制はなく、宅地と道路面が同じ高さであっても建築基準法第19条第1項ただし書に規定する要件を満たせば建築物の建築が可能であることからすれば、本件土地は、道路面の高さまで土盛りすれば、法令等の規制を受けることなく宅地として利用可能であると認められるから、請求人らの主張は採用できない。(平24. 3.27 関裁(諸)平23-68)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230068
- 裁決年月日
- 平成24年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地について開発行為を行うとした場合に、開発道路の開設という公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件土地が財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地について、広大地通達にいう「その地域」における標準的な土地の使用状況は戸建住宅の敷地であると認められるところ、同地域における近年の戸建住宅の分譲開発状況及び同地域における戸建住宅の敷地状況からすると、同地域では路地状開発が一般的に行われていると認められることからすれば、本件土地を分譲開発を行うとした場合、請求人が主張する開発道路を開設する区画割に比べ、原処分庁が主張する開発道路を開設せずに路地状開発によって行う区画割の方が経済的合理性があると認められるから、本件土地を最も合理性のある戸建住宅の敷地として分譲開発した場合に公共公益的施設用地の負担は必要ないと認められる。したがって、本件土地は、広大地通達に定める広大地に該当しない。(平24. 3.27 関裁(諸)平23-68)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230176
- 裁決年月日
- 平成24年3月6日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の価額を財産評価基本通達(評価通達)により評価した価額は、時価と乖離した高額なものであることが明らかであり、本件土地には評価通達によらないことが相当と認められる特別の事情が存在するから、本件土地の価額は、請求人依頼による鑑定評価額(本件鑑定評価額)により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価額の算定過程においては、本件土地が無道路地であることについて、2本の道路を開設する通り抜け型開発を想定して補正を行っているが、本件土地の所在する市の開発基準では、開設する道路が1本の行き止まり型開発も認められており、2本の道路を開設する通り抜け型開発に比して、1本の道路を開設する行き止まり型開発の方が、開設する道路用地の買収の実現可能性が高く、かつ、買収費用が低くなることからすると、2本の道路を開設する通り抜け型開発を想定して補正することには合理性がない。その他買収費用の算定や事業リスクの観点からも合理性がなく、本件鑑定評価額が本件土地の時価を適切に示しているものとは認められない。また、当審判所の依頼による不動産鑑定評価額からすると、本件土地に、評価通達によらないことが相当と認められる特別の事情があるとは認められない。したがって、本件土地の価額は、評価通達により評価するのが相当である。(平24. 3. 6 東裁(諸)平23-176)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230166
- 裁決年月日
- 平成24年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達による評価額が時価と乖離する場合は、同通達によらないことが正当と認められる特別の事情があると解すべきであるところ、本件土地は、宅地開発の範囲が特別に広大な土地区画整理事業地内に存する個別性の極めて強い土地であること及び同通達に定める無道路地に係る補正では適正な評価が行えない土地であることなどからすると、本件土地の時価は、これらの事情を考慮して算出された請求人らの主張する本件鑑定評価額によるのが相当であり、本件鑑定評価額は、本件土地を同通達により評価した価額と乖離するから、同通達によらないことが正当と認められる特別の事情がある旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価額は、取引事例比較法に基づく試算価格の算定に際し、採用する事例の選択を誤っていること並びに開発法に基づく試算価格の算定に際し、開発工事期間、有効宅地化率及び熟成度期間の各補正が不合理であるなどのことからすると、本件土地の時価を適切に示しているものとは認められない。また、財産評価基本通達による無道路地の補正は合理的なものであると認められるから、同補正を適用して評価した本件土地の価額が時価と乖離するとは認められない。したがって、本件土地の価額の評価に当たり、財産評価基本通達によらないことが正当と認められる特別の事情があるとは認められない。(平24. 2.20 東裁(諸)平23-166)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230168ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成24年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達による価額が時価と乖離する場合は、同通達によらないことが正当と認められる特別の事情があると解すべきであるところ、本件土地の時価は、請求人の主張する本件鑑定評価額であり、本件土地を同通達により評価した価額は時価である本件鑑定評価額と乖離した高額なものであること及び本件土地を同通達により評価する場合、近傍宅地の価額を基礎として評価することになるところ、本件土地は、仮換地指定前のものであるにもかかわらず、近傍宅地の価額が仮換地指定後のものより同指定前のものの方が高額であるという不合理な事情があることなどから、同通達によらないことが正当と認められる特別の事情がある旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価額は、取引事例比較法に基づく試算価格の算定に際し、採用する事例の選択を誤っていること並びに開発法に基づく試算価格の算定に際し、開発工事期間、有効宅地化率及び熟成度期間の各補正が不合理であるなどのことからすると、本件土地の時価を適切に示しているものとは認められない。また、本件土地の近隣の地価公示価格からすると、仮換地指定前の近傍宅地の価額が不合理なものとは認められない。したがって、本件土地の価額の評価に当たり、財産評価基本通達によらないことが正当と認められる特別の事情があるとは認められない。(平24. 2.20 東裁(諸)平23-168)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230117
- 裁決年月日
- 平成24年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、県道に接する雑種地(C土地)及びその雑種地に隣接し県道には接しない2筆の農地(A土地及びB土地)は、開発するとしたならばこれらの3筆の土地を一体として行うのが最も合理的であるから、一団の土地として、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)を適用して評価すべきである旨主張する。しかしながら、A土地は財産評価基本通達40−3《生産緑地の評価》に定める生産緑地であるから、同通達7なお書の適用はなく、これをB土地及びC土地と一体評価することはできない。また、B土地及びC土地はいずれも、他の道路に面している長方形の土地で、それぞれ単独で宅地開発可能な広さを有していること、B土地及びC土地は隣接地でいずれもセットバックが必要となるものの、B土地は開発道路を設けることにより宅地開発が可能であり、C土地は開発道路を設けることなく複数の宅地に区画割が可能であることからすれば、B土地及びC土地を一体として評価することが合理的であるとは認められない。したがって、A土地、B土地及びC土地は、それぞれ評価単位が別々であるとして評価するのが相当であるから、一団の土地として広大地通達を適用して評価することはできない。(平24. 1.27 東裁(諸)平23-117)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230117
- 裁決年月日
- 平成24年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被相続人は農作業に従事しておらず、経営にも関わっていなかったから、主たる従事者に該当せず、本件生産緑地は本件被相続人の死亡を原因として直ちに市町村長に対し買取りの申出をすることができる土地になったとはいえないとして、財産評価基本通達40−3《生産緑地の評価》の(1)により35%の減額をして評価すべきである旨主張する。しかしながら、原処分関係資料、請求人提出資料を精査しても、本件被相続人が本件生産緑地に係る農業の主たる従事者に該当しないとは直ちに認められない。また、請求人が、更正処分前に農業委員会会長に対し、本件被相続人の死亡を買取り申出事由として「生産緑地に係る主たる従事者についての証明願」を申請し、同会長より「生産緑地に係る主たる従事者についての証明書」が交付され、相続開始後に請求人からの買取りの申出を経て本件生産緑地に係る行為制限が解除されていることからすれば、本件生産緑地が買取りの申出をすることができない生産緑地であるとする請求人の主張を認めることはできない。したがって、本件生産緑地は財産評価基本通達40−3の(2)により、課税時期において市町村長に対し買取りの申出をすることができる生産緑地として評価すべきである。(平24. 1.27 東裁(諸)平23-117)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平230005
- 裁決年月日
- 平成23年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地を評価するに当たり、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)にいう「その地域」は、車の通行可能な道路及び行政区域を考慮して、市道Aの西側地域であるとするのが相当であり、当該地域では、様々な建物敷地が混在しているから、すべての敷地の平均地積をもって、当該地域の「標準的な宅地の地積」とするのが合理的であり、そうすると、本件土地は、著しく広大な土地に該当する旨主張する。しかしながら、本件通達にいう「その地域」とは、①河川や山などの自然状況、②行政区域、③都市計画法による土地利用の規制など公法上の規制等、④道路など、土地の使用状況の連続性及び地域の一体性を分断する場合がある客観的な状況を総合勘案し、利用状況、環境等が概ね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解されるところ、本件土地の周辺の土地の利用状況、道路及び水路による地域の一体性の分断等を基に判断すると、市道Aの東側地域及び西側地域の一部をもって本件通達にいう「その地域」とするのが相当である。また、当該地域においては、その約7割が、工場・倉庫敷地及び事務所敷地などに使用されていることから、これらの地積の平均をもって「標準的な宅地の地積」と認めるのが相当であり、当該平均地積と本件土地の地積とを比較すると、後者は前者に比して著しく広大とは認められないことから、本件土地は本件通達に定める広大地に該当しないと認められる。(平23.12.21 熊裁(諸)平23-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230036
- 裁決年月日
- 平成23年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分では、門塀等設備、取引相場のない株式及び医療法人の出資の各相続税評価額がいずれも過大に算定されている旨主張する。しかしながら、当審判所において、評価通達の定めに基づきこれらの財産の相続税評価額を算定すると、確かに、医療法人の出資については原処分額を下回る額となるものの、門塀等設備は原処分額と同額となり、取引相場のない株式については原処分額を上回る額となり、これらの財産の相続税評価額の総額としては、原処分額を上回る額となる。(平23.12.19 関裁(諸)平23-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230099
- 裁決年月日
- 平成23年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件私道はその大部分が建築基準法上の位置指定道路であること、水道管、ガス管等が埋設されていることなどの理由から、宅地化の可能性・資産価値が相当低く、公道的性格が強いから、財産評価基本通達(評価通達)24《私道の用に供されている宅地の評価》前段の定めにより評価すると時価を上回るとして、鑑定評価額により評価すべき旨主張する。しかしながら、評価通達24は、私道を①不特定多数の者の通行の用に供する通り抜け私道と②袋小路のように専ら特定の者の通行の用に供する行き止まり私道に分け、上記①に該当するものについては、公共性が強くなり、私有物としての利用が大きく制限され、私道を廃止して宅地となる可能性は極めて低くなるから、評価しないこととし、上記②に該当するものについては、ある程度の制約はあるが、私有物としての使用、収益、処分は可能であること、特にそのような私道に沿接する土地が同一人の所有に帰属することとなると、私道はその敷地内に包含され宅地になる可能性があり、相応の財産的価値があることから、路線価を基に計算した価額の30%に相当する価額で評価することとしているものと解され、また、旧国土庁が作成した土地価格比準表において、私道の利用状況が共用私道か準公道的私道かに応じ、前者の価値率を50%から20%までとし、後者の価値率を20%以内としていることからして、かかる取扱いは合理的であると認められる。そうすると、本件私道は行き止まりで、公共施設等が沿接していた事実もないから、その利用者は専ら本件私道に沿接する建物の居住者等に限定されるので、同通達24の定めにより路線価の30%相当額で評価することが相当である。なお、請求人の主張する鑑定評価額は、本件私道を不特定多数の者の通行の用に供される私道であることを前提に評価しているが、上記のとおり、本件私道は専ら特定の者の通行の用に供される私道であり、その前提を欠くことから、合理性がなく採用することはできない。(平23.12.19 東裁(諸)平23-99)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230026
- 裁決年月日
- 平成23年12月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人は、本件土地を戸建住宅の敷地として分譲開発した場合に開発道路の設置という公共公益的施設用地の負担が必要であるから、本件土地が財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地は、その所在する地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であるとは認められない。仮に、本件土地の地積が著しく広大であるとしても、①本件土地を低層店舗等の敷地として区画割する場合に公共公益的施設用地の負担が必要であるとは認められず、また、②本件土地を戸建住宅の敷地として分譲開発したとしても、公共公益的施設用地の負担が必要ではない路地状開発による区画割の方が、開発道路を設置する区画割に比べて経済的に合理的であると認められる。したがって、本件土地は、広大地通達に定める広大地には該当しない。(平23.12. 6 関裁(諸)平23-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230026
- 裁決年月日
- 平成23年12月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人は、本件土地には、財産評価基本通達(評価通達)により難い特別な事情が存在するので、本件土地の価額については鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、本件土地の鑑定評価書における標準化補正並びに画地条件及び環境条件の減価は、合理性に欠けることから、それらの減価を用いて決定された鑑定評価額は、本件土地の時価を適正に評価したものとは認められない。また、当審判所の調査の結果によっても、本件土地の価額を算定するに当たって、評価通達により難い特別な事情があるとは認められないから、本件土地の価額は、評価通達の定めに基づいて算定するのが相当である。(平23.12. 6 関裁(諸)平23-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230027
- 裁決年月日
- 平成23年12月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人は、本件土地は、その一部が過去の収用により買い取られたことに伴い、建物の一部が取り壊されており、当該収用後に未利用の状態であった空き地部分と建物の敷地として使用貸借していた部分との2つの利用単位からなっているので、それぞれ別の評価単位として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、当該収用以前から1棟の建物の敷地として一体として利用されており、当該収用に伴い建物の一部が取り壊された後も、その利用状況及び権利関係に変化がないことからすれば、財産評価基本通達7−2《評価単位》の定めに基づき1つの評価単位(1画地)として評価すべきである。(平23.12. 6 関裁(諸)平23-27)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230028
- 裁決年月日
- 平成23年12月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人は、本件B土地において開発行為を行うとした場合に、本件B土地に接面する位置指定道路幅を拡幅する必要があり、当該拡幅のための用地提供は公共公益的施設用地の提供と同じであるので、本件B土地は、財産評価基本通達(評価通達)24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、広大地通達を定めた趣旨は、開発行為により当該開発区域内に道路や公園等の公共公益的施設用地の開設が必要な場合には、相当規模の潰れ地が生じることになり、評価通達15《奥行価格補正》から20−5《容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価》までに定める減額補正では十分とはいえないので、相当規模の潰れ地が生じることを当該宅地の価額に影響を及ぼすべき客観的な個別事情として減額補正することとしたものであるところ、請求人が主張する位置指定道路に係る拡幅部分の提供は、開発区域内に新たな道路を提供する場合とは異なり、評価通達15から20−5までに定める減額補正では十分とはいえないほどの規模の潰れ地が生じたとは認められず、公共公益的施設用地を負担したものとみることはできない。したがって、本件B土地は、広大地通達に定める広大地には該当しない。(平23.12. 6 関裁(諸)平23-28)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230028
- 裁決年月日
- 平成23年12月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人は、本件B土地は、財産評価基本通達(評価通達)20−2《無道路地の評価》に定める無道路地に該当する旨主張する。しかしながら、評価通達20−2にいう無道路地とは、「道路」に面しない土地をいうところ、位置指定道路は、道路交通法上、一般の交通の用に供するその他の場所に該当し、他の道路と等しく同法の適用を受け、各種の規制を受けるとともに、道路法の規定に準じて道路敷である土地について、一般の交通を阻害する方法で私権を行使することができないというべきであることからすると、同通達20−2にいう「道路」に含まれると解される。したがって、本件B土地は、位置指定道路に接面する土地であると認められるから、同通達20−2に定める無道路地には該当しない。(平23.12. 6 関裁(諸)平23-28)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230028
- 裁決年月日
- 平成23年12月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人は、本件A土地は不特定多数の者の通行の用に供されている私道である旨主張する。しかしながら、本件A土地は、行き止まりの私道である位置指定道路の一部であり、本件相続開始日における利用状況は、専ら位置指定道路に隣接する土地上の数軒の家屋の居住者及び月ぎめ駐車場の利用者の通行の用に供されていたものと認められることからすれば、不特定多数の者の通行の用に供されている私道であるとは認められない。(平23.12. 6 関裁(諸)平23-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230085
- 裁決年月日
- 平成23年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、雑種地である本件土地と宅地である本件隣接地のように一体として開発することが経済的に合理的である場合には、地目別に評価することを定めた財産評価基本通達(評価通達)7《土地の評価上の区分》により難い特別の事情があるから、本件土地と本件隣接地は一体として評価をすべきである旨主張する。しかしながら、評価通達により算定される評価額が時価と乖離するなど、同通達に定められた評価方式を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の平等を著しく害することが明らかであるという特別の事情がある場合を除き、同通達に定められた画一的な評価方法によって、当該財産の評価をするのが相当と解するところ、請求人らの主張は、結局、評価通達7による評価方法より、請求人ら主張の評価方法を採用するほうが合理的であるというにすぎないから、仮に、請求人らの主張する評価方法が合理的であるとしても、そのことをもって、評価通達に定められた評価方式を画一的に適用することにより、かえって実質的な租税負担の平等を著しく害することが明らかであるという特別の事情があるということはできない。したがって、本件土地と本件隣接地と一体として評価をすべきであるという請求人らの主張は採用できない。(平23.12. 1 東裁(諸)平23-85)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230086ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成23年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、雑種地である本件土地と宅地である本件隣接地のように一体として開発することが経済的に合理的である場合には、地目別に評価することを定めた財産評価基本通達(評価通達)7《土地の評価上の区分》により難い特別の事情があるから、本件土地と本件隣接地は一体として評価をすべきである旨主張する。しかしながら、評価通達により算定される評価額が時価と乖離するなど、同通達に定められた評価方式を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の平等を著しく害することが明らかであるという特別の事情がある場合を除き、同通達に定められた画一的な評価方法によって、当該財産の評価をするのが相当と解するところ、請求人の主張は、結局、評価通達7による評価方法より、請求人主張の評価方法を採用するほうが合理的であるというにすぎないから、仮に、請求人の主張する評価方法が合理的であるとしても、そのことをもって、評価通達に定められた評価方式を画一的に適用することにより、かえって実質的な租税負担の平等を著しく害することが明らかであるという特別の事情があるということはできない。したがって、本件土地と本件隣接地と一体として評価をすべきであるという請求人の主張は採用できない。(平23.12. 1 東裁(諸)平23-86)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230021
- 裁決年月日
- 平成23年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、年金支払特約付の保険契約に係る死亡給付金(本件死亡給付金)の支払請求権(本件保険金請求権)について、相続税法第24条《定期金に関する権利の評価》第1項第1号の規定により有期定期金として評価すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第24条は、財産の時価を客観的に評価することは容易でないことから、特にその評価の困難な財産について、その価額の算定について置かれた規定であり、同条第1項第1号は、将来にわたって受けるべき各有期定期金給付契約に関する権利の取得の時における現在価値に引き直した金額の合計額に相当するものとして、これを相続税の課税対象とする趣旨の規定であると解されるところ、当該年金支払特約においては、本件相続の開始前には、本件死亡給付金を年金の方法により支払う旨が抽象的に定められていたにすぎないと認められることに加え、本件死亡給付金の受取人による年金の取得は、被保険者の死亡後に死亡給付金の受取人が一時金で受け取った死亡給付金の全部又は一部を原資として新たに所定の種類及び支払期間の年金契約を締結した上、当該年金契約に基づいて年金を取得するのと、その実体において何ら異なるところがないというべきであることからすると、本件保険金支払請求権は、相続税法第24条第1項第1号の規定の趣旨に照らして、同項に規定する定期金給付契約に関する権利には該当せず、同号を適用してその価額を評価することはできない。(平23.11.18 大裁(諸)平23-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230022
- 裁決年月日
- 平成23年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、年金支払特約付の保険契約に係る死亡給付金(本件死亡給付金)の支払請求権(本件保険金請求権)について、相続税法第24条《定期金に関する権利の評価》第1項第1号の規定により有期定期金として評価すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第24条は、財産の時価を客観的に評価することは容易でないことから、特にその評価の困難な財産について、その価額の算定について置かれた規定であり、同条第1項第1号は、将来にわたって受けるべき各有期定期金給付契約に関する権利の取得の時における現在価値に引き直した金額の合計額に相当するものとして、これを相続税の課税対象とする趣旨の規定であると解されるところ、当該年金支払特約においては、本件相続の開始前には、本件死亡給付金を年金の方法により支払う旨が抽象的に定められていたにすぎないと認められることに加え、本件死亡給付金の受取人による年金の取得は、被保険者の死亡後に死亡給付金の受取人が一時金で受け取った死亡給付金の全部又は一部を原資として新たに所定の種類及び支払期間の年金契約を締結した上、当該年金契約に基づいて年金を取得するのと、その実体において何ら異なるところがないというべきであることからすると、本件保険金支払請求権は、相続税法第24条第1項第1号の規定の趣旨に照らして、同項に規定する定期金給付契約に関する権利には該当せず、同号を適用してその価額を評価することはできない。(平23.11.18 大裁(諸)平23-22)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230047
- 裁決年月日
- 平成23年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人は、請求人の父(本件被相続人)の相続(本件相続)により取得した土地(本件土地)を、本件相続開始の日において、図書館建物及び駐車場施設の敷地としてa市との間で賃貸借契約を締結し(本件賃貸借契約)、賃貸していたのであるから、本件土地の価額は、財産評価基本通達25《貸宅地の評価》の定めに従い、自用地としての価額から借地権の価額を控除した価額で評価すべきである旨主張する。しかしながら、確かに、本件賃貸借契約に係る契約書(本件賃貸借契約書)の記載内容及びその解釈並びに本件土地の使用の主目的からすれば、本件土地には、当該図書館建物の所有を目的とする借地権の設定がされたものと認められるものの、①本件賃貸借契約書には、本件被相続人が本件土地の譲渡を希望するなどの場合には、賃借人であるa市は更地価格を意味する「適正価格」で買い取る旨が定められていること、②本件賃貸借契約における賃貸料の額からみて、本件土地上の借地権の価額については何ら考慮されていないこと、③a市が本件土地に係る鑑定評価を依頼した際に、a市は本件土地を買い取るに当たって考慮すべき借地権の価額は存在していなかったと認識していたものと認められ、また、実際にも本件土地は鑑定評価額に近似した価額で請求人からa市に譲渡されており、借地権の存在を考慮した価額で譲渡されたものではないことが明らかであることなどからすると、本件相続開始の日において、借地権が存した本件土地の自用地の価額から控除すべき借地権の価額はなかったと認められる。このような場合には、財産評価基本通達を形式的に適用すべきではなく、本件土地の評価に当たり、自用地としての価額から借地権の価額を控除しないこととするのが相当である。(平23.11.17 名裁(諸)平23-47)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230069
- 裁決年月日
- 平成23年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802044
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/4市街地山林
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続開始日における本件山林の時価は、請求人の主張する不動産鑑定額(請求人鑑定額)であり、原処分庁の主張する不動産鑑定額(原処分庁鑑定額)は時価を超える違法なものである旨主張する。しかしながら、請求人鑑定額の鑑定評価過程においては、①取引事例比較法では、採用した取引事例の3つの事例のすべてにおいて、標準化補正及び時点修正をしておらず、うち2つの事例にあっては、競売という事情を何ら補正していないこと、②開発法では、分譲価格が、本件山林の近隣に存する基準地の標準価格及び実際に開発された土地の分譲価格に比して極端に低いこと並びに③採用するのに不適切であるというべき事情のない公示価格があるにもかかわらず、公示価格を規準としていないことからすると、その合理性に疑問があるから、請求人鑑定額は、本件山林の適正な時価として採用することはできない。一方、原処分庁鑑定額は、その鑑定評価過程において合理性を疑わせるような点を認めることができないから、本件山林の相続開始日における適正な時価を示すものと認めるのが相当である。(平23.10.25 東裁(諸)平23-69)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230016
- 裁決年月日
- 平成23年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地(地積447㎡)は、請求人らの主張する地域における標準的な宅地(地積262㎡)に比して著しく地積が広大な宅地であること及び開発分譲する場合に公共公益的施設用地である道路を開設する必要があることから、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)にいう広大地に該当する旨主張する。しかしながら、広大地通達にいう評価宅地の属する「その地域」とは、①河川や山などの自然的状況、②行政区域、③都市計画法による土地利用の規制など公法上の規制等、④道路、⑤鉄道及び公園など、土地の使用状況の連続性及び地域の一体性を分断する場合がある客観的な状況を総合勘案し、利用状況、環境等がおおむね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解するのが相当であるところ、本件土地に係る「その地域」は、河川の存在、用途地域、宅地の利用状況及び幅員の広い道路の存在などの客観的な状況を総合勘案した結果、事務所・倉庫・工場等の事業用地の用途に供される地域(本件地域)をいうとするのが相当である。そうすると、本件土地は、本件地域における標準的な宅地(地積490.55㎡)に比して著しく地積が広大な宅地であるとは認められないから、広大地通達にいう広大地には該当しない。(平23.10.17 大裁(諸)平23-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230011
- 裁決年月日
- 平成23年10月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が相続により取得した土地(本件土地)の評価に当たり、①本件土地は、南側路線に幅員1.4mしか接しておらず、正面路線価の影響を受けているとはいえないこと、②本件土地は、開発不可能な土地であるから、開発行為による土地利用を前提とした財産評価基本通達40−2《広大な市街地農地等の評価》を適用すべきでないこと及び③相続開始前から、本件土地への通路を確保するために隣接地等の買取り交渉を行ってきたが、買取ることができなかったことを理由に、同通達により評価することが不合理と認められる特別な事情がある旨主張する。しかしながら、①確かに本件土地は、接道義務を満たしていない無道路地に該当するが、南側路線の隣接地の一部を買い取ることでその要件を満たすため建築物を建築することが可能となること、②本件土地は、市街化区域に所在しており、法令により開発が禁止されている土地ではなく、通路幅を確保することにより、本件土地の開発が可能となること、また、③隣接地を取得することが不可能であるといった事由は飽くまで当事者間の事情であること、加えて、当審判所の調査の結果によっても、本件土地について財産評価基本通達を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情は存在しない。なお、請求人は、本件土地の価額は、請求人の主張する不動産鑑定評価額を上回ることはない旨主張するが、同不動産鑑定評価額には、本件土地の利用状況の判定や取引事例比較法に基づく比準価格の認定などにおいて不合理な点が認められるから、同不動産鑑定価額と本件土地の相続税評価額とがかい離しているとしても、そのことをもって財産評価基本通達により評価することが不合理と認められる特別な事情があるということもできない。(平23.10. 3 大裁(諸)平23-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230011
- 裁決年月日
- 平成23年10月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が相続により取得した土地(本件土地)の評価に当たり、①本件土地は、南側路線に幅員1.4mしか接しておらず、正面路線価の影響を受けているとはいえないこと、②本件土地は、開発不可能な土地であるから、開発行為による土地利用を前提とした財産評価基本通達40−2《広大な市街地農地等の評価》を適用すべきでないこと及び③相続開始前から、本件土地への通路を確保するために隣接地等の買取り交渉を行ってきたが、買取ることができなかったことを理由に、同通達により評価することが不合理と認められる特別な事情がある旨主張する。しかしながら、①確かに本件土地は、接道義務を満たしていない無道路地に該当するが、南側路線の隣接地の一部を買い取ることでその要件を満たすため建築物を建築することが可能となること、②本件土地は、市街化区域に所在しており、法令により開発が禁止されている土地ではなく、通路幅を確保することにより、本件土地の開発が可能となること、また、③隣接地を取得することが不可能であるといった事由は飽くまで当事者間の事情であること、加えて、当審判所の調査の結果によっても、本件土地について財産評価基本通達を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情は存在しない。なお、請求人は、本件土地の価額は、請求人の主張する不動産鑑定評価額を上回ることはない旨主張するが、同不動産鑑定評価額には、本件土地の利用状況の判定や取引事例比較法に基づく比準価格の認定などにおいて不合理な点が認められるから、同不動産鑑定価額と本件土地の相続税評価額とがかい離しているとしても、そのことをもって財産評価基本通達により評価することが不合理と認められる特別な事情があるということもできない。(平23.10. 3 大裁(諸)平23-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230047
- 裁決年月日
- 平成23年9月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、評価会社であるJ社は、同族株主がおらず、また、J社の株主であるK社は請求人の同族関係者ではないから、請求人とその同族関係者の議決権割合が15%未満となるので、請求人が本件被相続人からの相続により取得したJ社株式(本件株式)は、配当還元方式により評価すべきである旨主張する。しかしながら、①K社の設立経緯、資産内容、人的・物的実体及び株主総会や取締役会の開催状況からすると、K社の出資者がJ社の経営や意思決定に関心や興味を有していたとは考え難く、また、②K社の出資者は、いずれもJ社の役員等であり、J社を退社した後は、K社の出資者たる地位を失うことになっていたこと並びにK社の出資者及び出資の譲受人は本件被相続人にその決定権があったものと認められることからすると、K社の出資者がJ社の代表取締役であった本件被相続人の意に沿った対応をすることが容易に認められること、③そして、K社は、本件被相続人死亡後開催されたJ社の取締役を選任する重要なJ社の株主総会において、K社が所有しているJ社の株式に係る議決権を、K社の出資者でも役員でもない請求人(本件被相続人の妻)に委任していることからすれば、K社は本件被相続人に代表されるJ社の創業家の強い支配下にあり、K社の出資者は、同社の意思決定を、いずれも、本件被相続人及び請求人に代表されるJ社の創業者一族の意思に委ねていたものと認められるから、K社の株主総会等における議決権の行使についても、J社の創業者一族の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意していた者と認めるのが相当である。そうすると、請求人は、法人税法施行令第4条《同族関係者の範囲》第6項の規定により、K社の株主総会において全議決権を有し、かつ、K社の唯一の出資者であるとみなされることから、同条第3項により、K社を支配していることとなって、同条第2項により、K社は請求人と特殊関係にある法人に該当するので、請求人の同族関係者に該当することとなる。そうすると、J社における請求人とその同族関係者の議決権割合は15%以上となるから、本件株式を配当還元方式で評価することはできない。(平23. 9.28 東裁(諸)平23-47)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230013
- 裁決年月日
- 平成23年9月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件7土地について、面積が広大で、経済的に最も合理的な開発行為を想定した場合、開発道路の設置が必要であり、また、原処分庁が主張するような路地状開発が周辺地域において一般的に行われているとは認められないため、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本通達)に定める広大地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本通達は、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大で、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められる土地を広大地とし、当該土地の評価の際、一定割合を減額する旨定めているところ、本件7土地は、その存する地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であると認められるものの、①その存する地域における標準的な宅地の地積の規模の範囲で路地状開発による区画割を行うことが可能であること、②かかる区画割によっても法令等の規定に反しないこと、③このような路地状開発が開発道路を設定する場合に比べ路地状部分も敷地面積に算入できるといった建ぺい率等の計算上有利な面があること及び④その存する地域においてこのような路地状開発が一般的に行われていると認められることからすれば、路地状開発による区画割の方が、開発道路を設置する区画割に比べて、戸建住宅の敷地の開発において経済的に合理性があるということができるから、経済的に最も合理性のある戸建住宅の敷地として分譲開発した場合に、公共公益的施設用地の負担が必要であるとは認められない。したがって、本件7土地は、本通達に定める広大地に該当せず、同通達を適用して評価することはできない。(平23. 9.13 関裁(諸)平23-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230013
- 裁決年月日
- 平成23年9月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件1土地から本件6土地までの各土地(本件各土地)について、その全体を一つの評価単位として評価すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達7《土地の評価上の区分》は、土地の価額は同通達に掲げる地目の別に評価することとし、その地目の区分は課税時期の現況によって判断する旨定め、そのただし書において、一体として利用されている一段の土地が2以上の地目からなる場合は、その一団の土地は、その主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価する旨定めているところ、本件各土地の相続開始時における現況地目は、本件1土地が山林、本件2土地、本件3土地及び本件5土地がそれぞれ宅地、本件4土地が畑並びに本件6土地が雑種地であり、本件各土地のうち、2以上の地目で一体として利用されている土地はない。また、財産評価基本通達7のなお書は、生産緑地を除く市街地農地、市街地山林、市街地原野又は宅地と状況が類似する雑種地について、2以上の地目が隣接しており、これらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の土地ごとに評価する旨定めているところ、宅地である本件2土地、本件3土地及び本件5土地並びに生産緑地である本件4土地は、当該定めの対象にはならず、市街地山林である本件1土地及び宅地と状況が類似する雑種地である本件6土地は、互いに隣接していない。そうすると、本件各土地は、各地目の別にそれぞれ評価するのが相当である。そして、財産評価基本通達7−2《評価単位》は、宅地の評価単位について、利用の単位となっている1区画の宅地ごととする旨定めているところ、本件2土地は、他の宅地と隣接しておらず、本件3土地及び本件5土地は、いずれも宅地で隣接してはいるものの、相続開始時における利用状況をみると、それぞれ独立した建物が存在し、それらの建物が別の第三者に賃貸されている事実が認められるから、これらの各宅地も、別々に評価するのが相当である。したがって、本件各土地は、各土地ごとを評価単位として評価するのが相当である。(平23. 9.13 関裁(諸)平23-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230013
- 裁決年月日
- 平成23年9月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件1土地について、財産評価基本通達20−2《無道路地の評価》(本通達)に定める無道路地として想定通路部分の価額を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本通達は、無道路地とは、道路に接しない土地(接道義務を満たしていない土地を含む。)をいい、そのような土地は、建築物を建築するとした場合に、接道義務を満たさないことからくる相当の利用の制限があることから、無道路地の価額の100分の40の範囲内において、接道義務に基づき最小限度の通路を開設する場合のその想定通路部分の価額を控除して評価することとしているところ、このような利用制限が認められない場合には、評価上しんしゃくする必要がないというべきであり、例えば、評価対象地から道路に接するまでの土地が自己所有である場合には、当該評価対象地の有効利用が阻害されることはなく、新たに道路を開設するための取得費用の負担がないから、当該評価対象地は、本通達に定める無道路地に該当しないと解される。本件1土地の場合、同土地及び本件2土地は、本件相続により同一の者がいずれも取得しており、本件1土地は、本件2土地を介して公道に接続できることからすれば、本件1土地に建築物を建築するとした場合、本件2土地を介していつでも接道義務を満たすことは可能であり、接道義務を満たさないことによる利用の制限があるとは認められない。したがって、本件1土地は、本通達に定める無道路地に該当しないから、想定通路部分の価額を控除して評価することはできない。(平23. 9.13 関裁(諸)平23-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230014
- 裁決年月日
- 平成23年9月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、隣接する本件各土地(本件1−1土地、本件1−3土地、本件1−4土地、本件2−1土地、本件3−1土地、本件5土地及び本件6土地)全体を一つの評価単位として評価すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達7《土地の評価上の区分》は、土地の価額は同通達に掲げる地目の別に評価することとし、その地目の区分は課税時期の現況によって判断する旨定め、そのただし書において、一体として利用されている一段の土地が2以上の地目からなる場合は、その一団の土地は、その主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価する旨定めているところ、本件各土地の相続開始時における現況地目は、本件1−1土地、本件1−3土地及び本件1−4が山林、本件2−1土地、本件3−1土地及び本件5土地が宅地並びに本件6土地が雑種地であり、これらの各地目のうち、2以上の地目で一体として利用されている土地はない。また、財産評価基本通達7のなお書は、生産緑地を除く市街地農地、市街地山林、市街地原野又は宅地と状況が類似する雑種地について、2以上の地目が隣接しており、これらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の土地ごとに評価する旨定めているところ、宅地である本件2−1土地、本件3−1土地及び本件5土地は、当該定めの対象にはならず、市街地山林である本件1−1土地、本件1−3土地及び本件1−4土地並びに宅地と状況が類似する雑種地である本件6土地は、互いに隣接していない。そうすると、本件各土地は、財産評価基本通達7の定めにより各地目の別にそれぞれ評価するのが相当である。そして、財産評価基本通達7−2《評価単位》は、宅地の評価単位について、利用の単位となっている1区画の宅地ごととする旨定めているところ、本件2−1土地は、他の宅地と隣接しておらず、本件3−1土地及び本件5土地は、いずれも宅地で隣接してはいるものの、相続開始時における利用状況をみると、それぞれ独立した建物が存在し、それらの建物が別の第三者に賃貸されている事実が認められるから、これらの各宅地も、別々に評価するのが相当である。したがって、本件各土地は、各土地ごとを評価単位として評価するのが相当である。(平23. 9.13 関裁(諸)平23-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230014
- 裁決年月日
- 平成23年9月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件1−1土地、本件1−3土地及び本件1−4土地について、財産評価基本通達20−2《無道路地の評価》(本通達)に定める無道路地として、想定通路部分の価額を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本通達は、無道路地とは、道路に接しない土地(接道義務を満たしていない土地を含む。)をいい、そのような土地は、建築物を建築するとした場合に、接道義務を満たさないことからくる相当の利用の制限があることから、無道路地の価額の100分の40の範囲内において、接道義務に基づき最小限度の通路を開設する場合のその想定通路部分の価額を控除する旨定めているところ、接道義務を満たさないことからくる相当の利用の制限が認められない場合には、評価上しんしゃくする必要がないというべきであり、例えば、評価対象地から道路に接するまでの土地が自己所有である場合には、当該評価対象地の有効利用が阻害されることはなく、新たに道路を開設するための取得費用の負担がないから、当該評価対象地は、本通達に定める無道路地に該当しないと解される。これを本件についてみると、本件1−1土地、本件1−3土地、本件1−4土地、本件2−1土地及び本件3−1土地は、本件相続により請求人がいずれも取得しており、本件1−1土地は本件2−1土地を介して、また、本件1−3土地及び本件1−4土地は本件3−1土地を介して、それぞれ公道に接続できることからすれば、本件1−1土地、本件1−3土地及び本件1−4土地は、本件2−1土地及び本件3−1土地を介していつでも接道義務を満たすことは可能であり、接道義務を満たさないことによる利用の制限があるとは認められない。したがって、本件1−1土地、本件1−3土地及び本件1−4土地は、本通達に定める無道路地に該当しないから、想定通路部分の価額を控除して評価することはできない。(平23. 9.13 関裁(諸)平23-14)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230003
- 裁決年月日
- 平成23年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802012
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/2地積
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件B土地の評価に当たり、登記簿上の地積によるべきである旨主張する。しかしながら、土地の価額を決定する場合の地積は、課税時期における実際の面積によるところ、本件B土地の登記簿地積は、それぞれ異なる時期に作成された地積測量図に基づくものであるのに対し、本件B土地の評価に係る資料として相続税の申告書に添付された「区割参考図」(本件参考図)は、請求人が平成13年ころに本件B土地の一部の売却を検討していた際に、地積の確認のために実際に測量を実施した際に作成されたものであり、当審判所において、本件B土地を実際に検分し、本件参考図における測点を確認したところ、本件参考図における測点と同じ場所に隣接する土地との境界杭又は測量標が確認され、その測点の位置からすると土地の形状もほぼ本件参考図の形状に一致したことからすると、本件B土地の実際の面積は、課税時期に最も近い時点の実測面積である本件参考図の地積が正しいものと推認されるから、本件B土地の評価は本件参考図の地積によるのが相当である。(平23. 9. 5 福裁(諸)平23-3)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230005ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成23年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件A土地(東南角地)の評価に当たり、入口がある南側道路を正面路線とすべきである旨主張する。しかしながら、一般的に角地の価額は、角地が面する路線のうち、経済的価値の高い方の路線に最も影響されることから、経済的価値の高い方の路線を正面路線として評価すべきであると解されるため、正面路線価の決定に当たっては、原則として角地の形状等により奥行距離をしんしゃくして補正を行った後の価額の高低によって判断すべきである。本件A土地の場合、その東側及び南側で2系統の路線に面する角地であり、それぞれの路線に付された路線価を基に奥行距離をしんしゃくした路線価を算定すると、東側の路線価が南側路線価を上回り、また、東側の路線価を正面路線価とすることが不合理であるという事情もないから、本件A土地の正面路線は、東側の路線となる。(平23. 9. 5 福裁(諸)平23-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230005ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成23年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件C土地を評価するに当たり、同土地は相続開始日現在において更地であったが、その前後の使用状況から貸家建付地として評価するべきである旨主張する。しかしながら、本件C土地は、相続開始以前の約30年間にわたり被相続人が所有する貸家の敷地として使用された事実はないから、貸家建付地として評価することはできない。(平23. 9. 5 福裁(諸)平23-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230005ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成23年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802044
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/4市街地山林
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件B土地の山林部分の評価に当たり、同部分は市街地山林であるから宅地比準方式により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件B土地の山林部分の現況は、宅地部分との高低差が約8mの急斜面であるとともに隣接する土地の高いよう壁に囲まれていることなどから、宅地への転用は困難であると認められる。よって、本件B土地の山林部分を評価するに当たっては、近隣の純山林の価額に比準して評価することが相当である。(平23. 9. 5 福裁(諸)平23-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230005ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成23年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件B土地の宅地部分を評価するに当たり、同部分はすり鉢状の土地で側面ががけ地であることから開発もできない土地であるにもかかわらず、このマイナス要素が考慮されていない旨主張する。しかしながら、本件B土地の宅地部分は、長年被相続人らの居住の用に供されている宅地であって、開発行為を行うことは可能であると認められ、すでに財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める評価方法が適用されており、不整形地としての評価減の要因を考慮した評価額より低額なものとなっている。したがって、請求人の主張は採用できない。(平23. 9. 5 福裁(諸)平23-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230005ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成23年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802012
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/2地積
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件B土地の評価に当たり、登記簿上の地積によるべきである旨主張する。しかしながら、土地の価額を決定する場合の地積は、課税時期における実際の面積によるところ、本件B土地の登記簿地積は、それぞれ異なる時期に作成された地積測量図に基づくものであるのに対し、本件B土地の評価に係る資料として相続税の申告書に添付された「区割参考図」(本件参考図)は、他の共同相続人が平成13年ころに本件B土地の一部の売却を検討していた際に、地積の確認のために実際に測量を実施した際に作成されたものであり、当審判所において、本件B土地を実際に検分し、本件参考図における測点を確認したところ、本件参考図における測点と同じ場所に隣接する土地との境界杭又は測量標が確認され、その測点の位置からすると土地の形状もほぼ本件参考図の形状に一致したことからすると、本件B土地の実際の面積は、課税時期に最も近い時点の実測面積である本件参考図の地積が正しいものと推認されるから、本件B土地の評価は本件参考図の地積によるのが相当である。(平23. 9. 5 福裁(諸)平23-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230009
- 裁決年月日
- 平成23年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、①本件土地は、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大で、本件における経済的に最も合理的な開発行為である戸建分譲開発を行うとした場合には、公共公益的施設用地の負担が必要であること、②路線価方式による土地の評価は、更地として評価することを前提としており、公共公益的施設用地の負担の要否は、開発行為を行うとした場合に負担を要するか否かで判断すべきであり、本件土地の現状が賃貸マンションの敷地の用に供されていることのみをもって、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)の定めの適用を排除すべきではないことから、本件土地は、同通達に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、既に開発行為を了しているマンションなどの敷地用地や評価時点において宅地として有効利用されている建築物の敷地用地については、標準的な地積に比して著しく広大であっても、特段の事情のない限り、広大地通達に定める広大地に該当しないと解されるところ、本件土地の場合、開発行為を了した上、共同住宅の敷地として使用されており、近い将来において新たな開発行為を行うべき事情も認められず、本件土地の属する地域(本件地域)は、戸建住宅と共同住宅の混在する地域であって、これらの用途のいずれもが本件地域における標準的な利用形態と認められることからすれば、本件土地は、その周辺地域の標準的な利用状況に照らしても、共同住宅用地として有効に利用されていると認められる。したがって、本件土地について開発行為を行うとした場合における公共公益的施設用地の負担の要否について検討するまでもなく、本件土地は広大地通達にいう広大地には該当しない。(平23. 9. 5 大裁(諸)平23-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230033
- 裁決年月日
- 平成23年8月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802012
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/2地積
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、登記実務上、土地の所有権移転登記の際には固定資産税評価証明書の添付が要求されており、贈与日において本件土地に係る当該証明書は有効であったのであるから、贈与に係る本件土地の評価額の算定に当たり採用すべき地積は、当該証明書に記載されている課税地積である旨主張する。しかしながら、登記実務において登記申請書に固定資産税評価証明書が添付されるのは、登記官が登録免許税を確認する際の便宜のために行われているものであり、かかる登記実務と、贈与税における贈与財産の評価は直接の関係がないところ、本件においては、既に贈与日において、本件土地の実際の地積が明らかになっていた以上、本件土地の評価に当たり上記課税地積を用いる理由はない。(平23. 8.10 東裁(諸)平23-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230018
- 裁決年月日
- 平成23年7月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の開発に当たっては道路を開設するのが一般的であり、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める「広大地」に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地における合理的な開発方法について判断すると、本件土地は、①路地状開発により標準的な宅地の地積に分割できること、②その開発が都市計画法、建築基準法、条例に反しないこと、③路地状開発の方が位置指定道路を設けるよりも広い延べ床面積及び建築面積の建築物を建てることができること、④本件土地の属する地域(本件地域)において路地状開発による戸建住宅の分譲が行われていることからすると、道路を開設することなく路地状敷地を含む区画に分割した開発が最も合理的な開発方法であると認められる。したがって、本件土地は「広大地」に当たらない。なお、本件土地の周辺地域の開発状況を見ると、路地状開発による事例及び道路開設による事例の双方が見受けられるところ、本件地域内において道路を開設して行われた開発事例は、一路線のみの道路に接面し当該道路からの奥行距離が長大である土地や土地の形状が極めて不整形である土地など、開発する土地の道路との接面状況やその形状及び面積等からみて開発区域内に道路を開設しなければもともと開発が不可能な状況にある土地の開発事例であるから、本件土地と形状、道路との接面状況及び面積等の点で条件を異にしている事例であり、道路開設の開発事例が存することをもって、本件土地が「広大地」に当たらないとの上記認定を覆すことはできない。(平23. 7.21 東裁(諸)平23-18)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230001ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成23年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した借地権(本件借地権)が設定されている土地(本件底地)の地積は登記簿上の地積とは異なるものであり、仮に本件底地の地積が登記簿上の地積と同じであったとしても、本件借地権の及ぶ範囲は本件底地の地積より小さい、また、仮に本件底地の地積すべてが本件借地権の及ぶ範囲であったとしても、側溝等の部分については、財産評価基本通達24《私道の用に供されている宅地の評価》後段の適用ないし準用により評価額をゼロとすべきである旨主張する。しかしながら、本件底地の登記簿上の地積は、土地家屋調査士が三斜法による求積によって作成した地積測量図により確定されたものであるから、本件底地の地積は、登記簿上の地積であると認められ、また、本件底地の登記簿上の地積に相当する面積を基礎に借地料が算定されていることから、本件借地権の及ぶ範囲も当該登記簿上の地積と同じ面積であると認められる。また、側溝等については、宅地としての利用を実現するために必要な施設にすぎず、社会通念上、建物敷地部分と一体として宅地とみるのが相当であるから、側溝等部分のみを公共施設として減額すべき特段の理由があるともいえないから、財産評価基本通達24後段の定めを適用ないし類推適用することはできない。(平23. 7. 4 大裁(諸)平23-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230003
- 裁決年月日
- 平成23年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、従前の宅地について、本件仮換地が指定されているものの、本件相続開始日においても、本件仮換地の使用収益開始の目処が立たない状況にあり、その大部分が公衆用道路である従前の宅地をそのまま使用収益しなければならず、従前の宅地は、長期間にわたり宅地としての効用を享受できない土地であるから、その取引価額は利用上の制約のない宅地に比べて大幅に低い価額となるのであって、これらのことは、財産評価基本通達により難い特別の事情に該当する旨主張する。しかしながら、本件仮換地は、法的には相続開始日の約13年程前から使用収益できることとなっており、実際に長期間にわたり使用収益できないのは、区画整理事業が協議移転の方法により進められ、従前の使用者の移転が完了しないことによるものであるところ、財産評価基本通達24−2《土地区画整理事業施工中の宅地の評価》ただし書に定められている100分の95相当額の減額評価は、仮換地が造成工事中であり、かつ、その工事完了までの期間が1年を超える長期間になると見込まれることによって当該仮換地の使用収益が物理的に大幅に制限されることを考慮した上での減価であるから、本件仮換地の利用の制約については、上記100分の95という減額により考慮されているというべきである。また、本件仮換地が指定された日以後においても、それまでと同様に従前の宅地を道路用地として使用させる代償として損失補償を受領していることにより代償措置がとられていることからすれば、従前の宅地の大部分が公衆用道路であることをもって、財産評価基本通達により難い特別の事情であるとすることはできない。(平23. 7. 4 東裁(諸)平23-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230001
- 裁決年月日
- 平成23年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件不動産を評価するに際し、財産評価基本通達により難い特別の事情はない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件不動産の購入価額と本件不動産の相続税評価額との差額が多額であることを認識しながら、当該差額について、本件相続税の課税価格を圧縮し相続税の負担を回避するために、○○に罹患し、自己の行為の結果を認識するに足る能力を欠いていた本件被相続人の名義を無断で使用し、本件不動産の売買契約に及んだことは優に認めることができる。そして、このような場合に、財産評価基本通達に基づき本件不動産を評価することは、相続開始日前後の短期間に一時的に財産の所有形態が不動産であったにすぎない財産について実際の価値とは大きく乖離して過少に財産を評価することとなり、納税者間の実質的な租税負担の平等を害することとなるから、本件の場合、同通達によらないことが正当として是認されるような特別な事情があるというべきである。(平23. 7. 1 東裁(諸)平23-1)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220032ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成23年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引相場のない株式である本件株式の譲り受けについて、相続税法7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合−低額譲受》の適用上、本件株式の時価を財産評価基本通達185《純資産価額方式》に定める方法により算定するに当たり、本件株式の発行法人(本件法人)の有する建物(本件建物)及び土地(本件土地)の価額は、いずれも本件法人の帳簿価額とすべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達に定める評価方法は、合理性を有するものであり、これを適用して財産を評価することが著しく不適当と認められる特別な事情が存する場合を除き、これによるべきであるところ、本件建物を財産評価基本通達に則して評価した価額、つまり本件建物の固定資産税評価額は、固定資産算定基準に則って適正に算定しているものと認められ、客観的交換価値を正確に反映していると認められるから、本件建物について、上記にいう特別の事情があるとは認められない。また、地価公示地の価格は客観的な交換価値を示しているものと認められること及び不動産鑑定理論に基づき取引事例価格を基に算定された価額も客観的交換価値を示すものとして合理性があると認められるところ、これらの価格及び価額に基づく本件土地の価額は、本件土地を財産評価基本通達に則して評価した価額を上回ることからすれば、本件土地についても、上記にいう特別の事情があるとは認められない。したがって、本件建物及び本件土地の価額は、財産評価基本通達に定める評価方法による価額とするのが相当である。(平23. 6.30 札裁(諸)平22-32)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220030
- 裁決年月日
- 平成23年6月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 原処分庁は、医療法人K会の出資持分(本件出資持分)について、本件相続開始時点で本件被相続人名義でないものも存するが、実質的に支配・管理していたのは本件被相続人であるから、同人に帰属するのは910口である旨主張する。しかしながら、財産の帰属については、当該財産の名義のほか、運用状況・取得原資の出えん者と名義人及び管理運用する者との関係・贈与契約の有無等の諸要素を総合勘案して当該財産の実質的な帰属を判定すべきであり、私法上の行為によって当該財産の帰属が変更された場合、当該財産を取得した者は当該財産を自由に利用・処分することができるのであるから、総合勘案に当たっては、当該私法上の行為による担税力の変動を前提に課税関係を判定すべきであり、当事者の実体の伴わない意図で法律行為を行うなど、私法上も当該財産の帰属が変動しないと解すべき特段の事情のない限り、これを否定することは適切ではない。本件においては、K会の設立当初は、本件出資持分910口の全部が本件被相続人に帰属していたと認められるものの、その後、本件被相続人と各相続人との間で本件出資持分合計845口を贈与する旨の契約書が作成されており、当該契約書は真正に作成されたものと認められ、本件被相続人及び当該各相続人との間で実質的にも贈与契約に係る意思が存在していたと認められることから、当該贈与契約は有効に成立しているものと認められる上、当該贈与について社員総会の承認も得ていることからすると、本件出資持分845口については、当該各相続人に移転したと認めるのが相当である。これらのことからすると、本件相続開始時において本件被相続人に帰属する本件出資持分の口数は、65口(910口−845口)となる。なお、K会の定款の定めによれば、出資持分を有する社員は、退社により社員たる地位を喪失し、K会に対する出資持分を失うとともに、払込済出資額を限度とする出資金払戻請求権を取得することになるところ、当該各相続人は、いずれの者も本件相続開始前に退社していることからすると、当該各相続人は、本件相続開始時において、K会に対する出資持分を失っていることとなるから、本件相続開始時におけるK会の出資持分の総数は、本件被相続人が保有する65口となる。したがって、本件出資持分の評価は、本件被相続人が保有する65口を総口数として、財産評価基本通達194−2《医療法人の出資の評価》の定めにより評価することとなる。(平23. 6.28 広裁(諸)平22-30)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220091
- 裁決年月日
- 平成23年6月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人は、登記簿上の地目が公衆用道路である本件土地は、財産評価基本通達82《雑種地の評価》の定めに基づき評価すべきであり、評価に当たっては、本件土地を売買する際に発生する宅地への地目変更登記費用、位置指定道路廃止手続費用及び本件土地の隣接地の所有者からその廃止の同意を得るための損失補償費用を控除すべきである旨主張する。しかしながら、専ら特定の者の通行の用に供されている私道である本件土地は、財産評価基本通達24《私道の用に供されている宅地の評価》の定めに基づき評価するのが相当であるところ、仮に同通達82の定めによっても、請求人が主張するような売買を前提とした場合に負担が見込まれる費用を個別に減額することは定められていないから、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平23. 6. 7 関裁(諸)平22-91)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220091
- 裁決年月日
- 平成23年6月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人らは、本件土地について不動産鑑定士が作成した不動産鑑定評価書(本件鑑定書)における鑑定評価額は零円(本件鑑定評価額)であって、この価額が本件土地の客観的な交換価値を示すものであるから、本件土地の価額は、本件鑑定評価額を基礎とすべきである旨主張する。しかしながら、本件鑑定書においては、本件土地が不特定多数の者の通行の用に供されている私道であることを前提に鑑定評価が行われているが、本件土地の大部分は一方が行き止まりのいわゆる袋小路であり、専ら本件土地に隣接する土地上の居宅及びアパートの居住者という特定の者の通行の用に供されているものと認められることからすると、本件鑑定書は本件土地を評価する上で前提となる事実の評価を誤ったものであり、その内容に合理性があると認めることはできず、本件鑑定評価額が本件土地の客観的な交換価値を示しているということはできない。また、ほかに本件土地の価額を評価するに当たって財産評価基本通達の定めによることが著しく不適当と認められる特別な事情があるとは認められないから、本件土地の価額は同通達の定めにより算定される評価額をもって時価とすることが相当である。なお、本件土地の一部については、不特定多数の者の通行の用に供されているものと認められるから、その部分の価額は評価しない。(平23. 6. 7 関裁(諸)平22-91)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平220013
- 裁決年月日
- 平成23年6月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802012
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/2地積
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地に係る実測図(本件実測図)について、①作成依頼目的は、本件各土地の間口距離及び奥行距離の測定であり、本件実測図には面積が一切記載されていないこと及び②本件各土地の測量においては隣接地所有者の立会いがなく、法務局に登記申請できないもので確定した実測面積とはいえないことなどを理由として、本件各土地の地積については、公簿上の地積によるべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達8《地積》において、土地の価額を算定する場合の地積は実際の面積による旨定められているところ、本件実測図は、請求人の依頼により本件相続税の申告前に作成され、その測量に際しては、請求人及び請求人の二女が立ち会って測量範囲を具体的に指示し、市道とは境界標、敷設された擁壁を境界とし、他の隣接地とは隣接地所有者が敷設したブロック塀を境界としていること、また、これらの境界について、これまで一切の争いがないことからすれば、本件実測図等における境界は合理的である。そうすると、本件実測図に記載の各土地の面積は、課税時期における実際の面積と認められるから、本件各土地の地積は本件実測図の面積によるべきである。(平23. 6. 6 熊裁(諸)平22-13)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平220013
- 裁決年月日
- 平成23年6月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802011
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/1地目
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、宅地である甲土地とゲートボール場である乙土地とは隣接して存しているところ、不動産登記事務取扱手続準則第69条《地目の認定》において、テニスコート等は宅地に接続するものは地目が宅地に該当する旨定められていることからすれば、乙土地については、テニスコート等と同様に宅地とみるべきであるから、甲土地と乙土地はその全体を1画地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、不動産登記事務取扱手続準則第68条《地目》では、宅地とは建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地と定めているところ、甲土地と乙土地とは高さ約1mのブロック塀で明確に区分され、かつ、乙土地の出入口は北側市道側1か所(幅約4m)のみであり、甲土地と乙土地とは当該市道を経由しなければ両土地相互間において直接出入りすることはできないこと、また、甲土地は、被相続人の居住する家屋の敷地として利用され、乙土地は、近隣住民のゲートボールの練習場や地区大会の会場として利用されるなど、甲土地と乙土地との利用目的はそれぞれ異なっていることからすれば、乙土地が甲土地上の家屋の維持若しくは効用を果たすために必要な土地と認めることは相当でない。また、乙土地の地目については、雑種地と認められることからすると、甲土地と乙土地は地続きではあるものの、地目はそれぞれ異なっており、また、それぞれが別個に利用されており、両土地が一体として利用されていた事実も認められないから、甲土地及び乙土地は、それぞれを1画地として別々に評価するのが相当である。(平23. 6. 6 熊裁(諸)平22-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220204
- 裁決年月日
- 平成23年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は、区画整理事業中の仮換地の区画であり町並みが整然としているから、宅地分譲としては整形地が相応であり、路地状敷地は、路地状部分を駐車スペースとして利用できるものの通路が狭く、売却する場合に不利であり、その価値は著しく減少するとともに、長期的な視点に立った場合においても、路地状開発は経済的に合理的とはいえず、請求人らが主張する開発想定図のとおり、道路を設けて区画割することが経済的に最も合理的な分割であるから、本件土地は、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(本件通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、道路等の公共公益的施設用地の負担の必要性については、経済的に最も合理性のある開発を行った場合においてその負担が必要となるか否かによって判断するのが相当であるところ、原処分庁が主張する開発想定図に基づいて本件土地を開発すれば、①1区画当たりの地積は、いずれの区画についても、本件土地が存する本件通達に定める「その地域」(本件地域)における標準的な宅地の地積の範囲内となること、②その開発が都市計画法等の法令などに反するものではないこと、③建ぺい率及び容積率の算定に当たって、道路を開設するよりも広い建築面積及び延べ床面積の建築物を建てることができることが認められる。加えて、現に、本件地域内において、本件土地と奥行距離を同等程度とする土地について路地状開発の区画が複数あることなどを総合的に勘案すると、本件土地については、路地状開発により戸建住宅用地とすることが経済的に最も合理的な開発方法であると認められる。このことは、本件相続開始日から近接した時期に本件土地が道路を開設することなく区画割されて宅地分譲が行われた事実からも明らかである。したがって、本件土地は、開発を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要な土地とは認められないから、本件通達に定める広大地として評価することはできない。(平23. 5.17 東裁(諸)平22-204)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220053
- 裁決年月日
- 平成23年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人らは、本件被相続人の自宅マンションの敷地となっている宅地(本件宅地)の評価について、付近にある宅地に比べて著しい高低差があるため、利用価値が著しく低下していることから、高低差がないとした場合の本件宅地の価額の10パーセントに相当する金額を減額すべきである旨主張するとともに、裏面路線に係る二方路線影響加算をすべきではない旨又は仮に裏面路線に係る二方路線影響加算するならば傾斜部分を平坦地とするための宅地造成費を控除すべきである旨主張する。しかしながら、利用価値が著しく低下している宅地の評価方法である10パーセントの減額は、評価対象宅地と付近にある一連の宅地に共通した地勢との高低差を比較検討してもなお著しい高低差がある場合に適用されるのが相当であると解されるところ、確かに、本件宅地は、南勾配に傾斜していることから、北側の裏面路線から南側の正面路線の間に高低差があると認められるものの、本件宅地に隣接する各宅地も、本件宅地と共通した地勢であると認められることから、本件宅地について利用価値が低下している宅地の評価方法を適用することはできない。また、本件宅地は、南勾配に傾斜しているものの、裏面路線を利用できないほどの急勾配はなく、裏面路線は、実際に本件宅地の出入り口として使用されていることから、仮に、裏面路線に接面しない本件宅地と同様な画地を想定し、これと本件宅地を比較する場合には、土地の価格形成に与える個別的要因は明らかに本件宅地の方が勝るものと認められ、接面する裏面路線が本件宅地の価額に与える影響は、それを無視し得るほどに著しく低いものと認めることはできないから、裏面路線に係る二方路線影響加算をすることとなる。さらに、本件宅地は、既に造成されマンションの敷地の用に供されており、周囲の状況と比較しても、新たに費用を投じて造成する必要があるとは認められないから、宅地造成費を控除することはできない。(平23. 5.16 名裁(諸)平22-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220198
- 裁決年月日
- 平成23年5月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 原処分庁は、本件土地が属する財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)に定める「その地域」(本件地域)の標準的な宅地の地積に基づき区画割をすると、本件土地は4区画に分割して路地状開発することが可能であること、路地状開発を行うとした場合は、路地状部分の土地は、通路に限らず駐車場として利用でき、建ぺい率・容積率の算定上道路を開設するよりも有利な点があること、また、本件地域に路地状開発の事例もあることから、路地状開発による開発が経済的に最も合理的な開発であるとして、本件土地は本件通達に定める広大地に当たらない旨主張する。しかしながら、原処分庁の主張する本件地域の標準的な宅地の地積の算定は誤っており、正しい地積に基づき区画割をすると本件土地は4区画又は5区画に分割して開発するのが経済的に合理的であると認められる。また、本件地域においては、路地状開発による事例もみられるものの、当該事例は道路の開設による開発がもとより困難な土地の事例であり、本件土地とは条件を異にする。他方、本件地域において本件土地の形状及び公道との接続状況及び面積等並びに本件地域における近年の土地の開発状況等からすれば、本件土地については、道路を開設して戸建住宅の敷地として分譲開発するのが経済的に最も合理的な開発方法であると認められる。したがって、本件土地は、本件通達に定める広大地として評価するのが相当である。(平23. 5. 9 東裁(諸)平22-198)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220073
- 裁決年月日
- 平成23年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)は、賃貸マンションの敷地となっているところ、地価公示法によれば賃貸マンションを建築することが地域の標準的使用とはなり得ないこと及び本件各土地が所在する地域の近傍地域が一群の戸建住宅分譲用地へと移行しつつあることからすると、本件各土地は「現に宅地として有効利用されている建築物等の敷地」には該当しないなどと主張して、本件各土地は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、広大地通達の趣旨に照らすと、評価対象宅地につき、評価時点における当該宅地の属する地域の標準的使用に照らして、当該宅地を分割することなく一体として使用することが最有効使用であると認められる場合には、広大地に該当しないと解するのが相当であり、既に開発行為を了しているマンションなどの敷地や現に宅地として有効利用されている建築物の敷地用地などについては、特段の事情がない限り、広大地には該当しないものと解せられるところ、本件各土地は、既に開発行為を了した共同住宅の敷地として使用されており、本件各土地について、近い将来において新たな開発行為を行うべき事情も認められない上、本件各土地の存する地域においては、戸建住宅用地、共同住宅用地、法人等事業用地、倉庫・車庫・工場用地の各用途のいずれもが標準的な使用形態であると認められることからすると、本件各土地は、既に開発行為を了した共同住宅の敷地として、その周辺地域の標準的な使用状況に照らして有効に利用されているものと認められる。したがって、本件各土地は、広大地には該当しないものと認めるのが相当である。(平23. 4.21 大裁(諸)平22-73)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220045
- 裁決年月日
- 平成23年4月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)の地中にごみが埋設されている事情が、本件各土地に係る路線価の評定に当たり考慮されておらず、また、本件各土地に建物を建築するためには、ごみを処分する必要があるところ、財産評価基本通達(評価通達)にはごみの処分費用について何ら定められていないから、当該事情は本件各土地を評価するに当たり減額の理由になるとして、評価通達により難い特別な事情があり、本件各土地の価額は不動産鑑定評価による評価額(本件鑑定評価額)とすべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地を含む地区内の土地においては、建物の建築に伴い、基礎工事のために必要な限度において、地中のごみを処分する必要があると認められるところ、当該地区が地中にごみが埋設されている地区であるということは周知の事実となっており、一般的に、このような事情があるということは、当該地区の土地の売買価額の形成に当たって確実に反映されているものとみるのが相当で、また、地価事情精通者の意見価格の算出に当たっても、地中にごみが埋設されていることが考慮されているものと認められることからすると、売買実例価額及び地価事情精通者の意見価格等を参酌して評定される路線価についても、その事情は反映されているものと認めるのが相当である。したがって、本件各土地における通常の基礎工事に係るごみ処分費用については、本件各土地に適用する路線価の評定に当たって考慮されているものと認められる。また、評価通達に定められた評価方法により算定される土地の価額が客観的交換価値を上回っているといえるためには、これを下回る不動産鑑定評価が存在し、少なくとも、その不動産鑑定評価が、一応公正妥当な鑑定理論に従っている必要があるところ、本件鑑定評価額は、本件各土地の地積に建ぺい率を乗じて算出した面積に相当する土地に埋設されている深さ2メートル分のごみのすべてを処分する必要と判断しており、その判断は妥当性を欠くものといわざるを得ない。したがって、本件各土地について、評価通達により難い特別の事情があるとはいえず、本件鑑定評価額をもって本件各土地の価額とすることはできない。(平23. 4.12 名裁(諸)平22-45)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220180
- 裁決年月日
- 平成23年4月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人らは、一般定期借地権の目的となっている土地の評価については、普通借地権に係る借地権割合に、借地契約の残存期間を賃貸借期間で除した割合を乗じる方法により評価すべきである旨主張する。しかしながら、一般定期借地権の目的となっている評価対象地について、財産評価基本通達及び平成10年8月25日付課評2−8「一般定期借地権の目的となっている宅地の評価に関する取扱いについて」によらないことが正当として是認されるような特別な事情は認められず、また、請求人らの主張する評価方法は、上記各通達のいずれとも異なる独自の解釈に基づくものであり、一般定期借地権の目的となっている土地の評価方法として妥当なものとは認められないから、これを採用することはできない。(平23. 4. 1 東裁(諸)平22-180)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220180
- 裁決年月日
- 平成23年4月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人らは、本件A土地ないし本件C土地は、開発行為を行う場合、セットバックが必要なほか道路を開設する必要があるから公共公益的施設用地の負担が必要であり、財産評価基本通達40−2《広大な市街地農地》に定める広大な市街地農地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件A土地については、①請求人らの開発想定図は本件A土地の存する市町村の開発行為審査基準に適合していないのに対し、②原処分庁の開発想定図では本件A土地の存する都道府県が定める接道義務を満たしており標準的な宅地の地積に分割することが可能であること、③路地状開発によれば容積率及び建ぺい率の算定に当たって、路地状部分の地積もその算定の基礎とすることができること及び④本件A土地の属する本件地域内には本件A土地と面積が同規模程度の土地で路地状開発の事例が複数見受けられることから、本件A土地は、路地状開発により戸建分譲を行うことが経済的に最も合理的な開発方法に当たると認めるのが相当で、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担の必要は認められない。また、本件B土地及び本件C土地については、これらの各土地に接する道路の幅員が2mないし3mであることから、開発許可を受けるためにはセットバックする必要があるものの、このようなセットバック部分は開発区域内の道路開設には当たらず、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担の必要は認められない。したがって、本件A土地ないし本件C土地は、広大な市街地農地として評価することはできない。(平23. 4. 1 東裁(諸)平22-180)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220180
- 裁決年月日
- 平成23年4月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人らは、一般定期借地権に係る預り保証金は、借地契約終了時に利息を付さないで全額返済することとなっており、時の経過とともに預かった保証金が減額されることはなく、預り保証金はその全額が控除すべき債務の金額となる旨主張する。しかしながら、相続税法第22条《評価の原則》では控除すべき債務の金額は、相続開始時の現況によるものと規定されていることからすれば、金銭債権につきその権利の具体的内容によって時価を評価するのと同様に、金銭債務についてもその利率や弁済期等の現況によって控除すべき金額を個別的に評価しなければならないと解すべきである。そうすると、弁済すべき金額が確定し、かつ、相続開始の時点でいまだ弁済期が到来していない金銭債務の金額については、その債務に通常の利率よりも低い約定利率による利息のあるとき又は全く利息のないときには、相続人において、通常の利率による利息と約定利率による利息との差額に相当する経済的利益又は通常の利率による利息相当額の経済的利益を弁済期が到来するまで毎年留保し得ることとなるのであるから、当該債務は、その留保される毎年の経済的利益の現在価値の総額だけその消極的価値を減じていると解され、このような債務については、通常の利率により割り引いて得られた現在価値をもって相続開始時における控除すべき金額とすべきである。(平23. 4. 1 東裁(諸)平22-180)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220180
- 裁決年月日
- 平成23年4月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 原処分庁は、本件D土地は、路地状開発によれば容積率及び建ぺい率の算定に当たって、路地状部分の地積もその算定の基礎とすることができること及び本件D土地の属する地域(本件地域)内には路地状開発の事例が複数見受けられることから、路地状開発により戸建分譲を行うことが経済的に最も合理的な開発方法に当たると認めるのが相当で、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担の必要は認められないから、財産評価基本通達40−2《広大な市街地農地》に定める広大な市街地農地として評価することはできない旨主張する。しかしながら、本件地域内の開発状況を見ると、①本件D土地と同規模程度の面積の土地で公共公益的施設用地の負担をしないで開発された事例がないこと、②周辺地域の路地状開発において見られる路地状敷地の数は2ないし4であり、原処分庁主張の開発想定図にある7つもの連続した路地状敷地を配置した開発事例はない。加えて、本件D土地の形状、他の道路との接続状況及び面積等を総合的に勘案すると、本件D土地は、道路を開設して開発するのが経済的に最も合理的な開発方法と認められる。したがって、本件D土地は、広大な市街地農地として評価するのが相当である。(平23. 4. 1 東裁(諸)平22-180)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220180
- 裁決年月日
- 平成23年4月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 原処分庁は、本件土地は、路地状開発によれば容積率及び建ぺい率の算定に当たって、路地状部分の地積もその算定の基礎とすることができること及び本件土地の属する地域(本件地域)内には路地状開発の事例が複数見受けられることから、路地状開発により戸建分譲を行うことが経済的に最も合理的な開発方法に当たると認めるのが相当で、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担の必要は認められないから、財産評価基本通達40−2《広大な市街地農地》に定める広大な市街地農地として評価することはできない旨主張する。しかしながら、本件地域内の開発状況を見ると、①本件土地と同規模程度の面積の土地で公共公益的施設用地の負担をしないで開発された事例がないこと、②周辺地域の路地状開発において見られる路地状敷地の数は2ないし4であり、原処分庁主張の開発想定図にある7つもの連続した路地状敷地を配置した開発事例はない。加えて、本件土地の形状、他の道路との接続状況及び面積等を総合的に勘案すると、本件土地は、道路を開設して開発するのが経済的に最も合理的な開発方法と認められる。したがって、本件土地は、広大な市街地農地として評価するのが相当である。(平23. 4. 1 東裁(諸)平22-180)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220181
- 裁決年月日
- 平成23年4月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件A土地について、その約4割が第一種低層住居専用地域に存していること、明らかにマンション建築に適した土地(容積率300%)でないことなどから、マンション適地等に該当せず、また、本件A土地を戸建住宅用地として最有効利用する場合には、公共公益的施設用地(開発道路)の負担が必要となるから、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》の定め(本件通達)の適用がある旨主張する。しかしながら、本件A土地の属する「その地域」は、第一種中高層住居専用地域で、中高層の集合住宅等を建築することが可能な地域であり、近年、中高層の集合住宅が複数建築されている反面、土地を細分化して戸建住宅用地として開発された土地はなく、中高層の集合住宅等が多く混在する地域であること、本件A土地は、駅から約1kmで徒歩約12分の距離に位置し、幹線通りに接面しており交通の便が良く、間口が約65mと広く基準容積率が160.09%であることから、中高層の集合住宅等の建築に適していると認められる。これらのことからすると、本件A土地の最有効利用は、中高層の集合住宅等の敷地として一体的に利用することであると認めるのが相当であるから、本件A土地はマンション適地等に該当する。したがって、本件A土地に本件通達を適用することはできない。(平23. 4. 1 東裁(諸)平22-181)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220181
- 裁決年月日
- 平成23年4月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、隣接する本件B−1土地及び本件B−2土地(本件B土地)について、①主意的に、本件B土地はマンション適地等に該当すると認められること、②予備的に、本件B土地は、路地状部分を含めた敷地を組み合わせた路地状開発が可能であり、公共公益的施設用地の負担は必要ないことから、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》の定め(本件通達)の適用はない旨主張する。しかしながら、①本件B土地の属する「その地域」は、戸建住宅、中高層の集合住宅、駐車場等が混在する地域で、中高層の集合住宅は散見される程度である一方、近年において本件B土地に隣接する周囲の土地を含め、戸建住宅用地の開発が比較的多く行われていることにかんがみれば、当該地域における土地の最有効利用は戸建住宅用地と認められるから、本件B土地はマンション適地等に該当しないと認められる。また、②本件B土地の属する「その地域」においては、本件B−1土地とほぼ同規模で接道状況も類似する土地について、道路を開設した戸建住宅用地の開発が行われていること、当該地域において近年路地状開発が行われた土地は、開発前の地積が比較的小規模で、その形状及び公道への接道状況からみて路地状開発に適した土地であったと認められること、本件相続の開始に近接した時期に、本件B土地の一部が道路を開設した戸建住宅用地として開発され、かなりの潰れ地が生じていることの各事実が認められ、これらを総合勘案すれば、本件B−1土地を経済的に最も合理的な戸建住宅用地として開発する場合には、道路を開設することが必要と認められる。そうすると、本件B−1土地の約2倍の規模である本件B−2土地についても道路を開設することが必要と認められるから、本件B−1土地及び本件B−2土地は、いずれも、本件通達を適用して評価するのが相当である。(平23. 4. 1 東裁(諸)平22-181)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平220011
- 裁決年月日
- 平成23年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人らは、出資額限度法人(定款において退社・解散時に払込出資額を限度として払戻し・分配等を行うことを決めた社団医療法人)であるT会(本件法人)に対する出資持分(本件出資持分)の価額について、本件法人の定款(本件定款)には、払込出資額を超えて払戻しをしないこと、本件法人が解散した場合の残余財産は払込出資額を限度とすることが定められており、請求人らはいずれの場合においても、払込出資額を超えて払戻し等を受けることはできないから、相続税法第22条《評価の原則》の時価、すなわち、本件出資持分の客観的交換価値は、本件払込出資額を上回るものではない旨主張する。 しかしながら、本件法人は出資額限度法人であるが、出資持分の定めのある社団医療法人であり、また、本件定款には払戻し等に係る定めの変更を禁止する条項が存するが、法令において、定款の再度変更を禁止する定めがない中では、このような条項があるからといって、法的に当該変更が不可能になるものではない。そうすると、本件出資持分の権利の内容の範囲については、本件相続時における定款の定めに基づく出資の権利内容がその後変動しないと客観的に認めるだけの事情はないといわざるを得ず、ほかに財産評価基本通達194−2《医療法人の出資の評価》の定める方法で本件定款の下における本件法人の出資を適切に評価することができない特別の事情も認められないから、本件出資持分について、同通達の定める方法により評価した原処分は相当である。(平23. 3.16 熊裁(諸)平22-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220059
- 裁決年月日
- 平成23年3月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地が財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)に定める広大地に該当するか否かを判定するに当たっては、開発許可を要する面積を超えること及び本件土地が属する地域(本件地域)の標準的な宅地の地積に比して著しく広大であることの2つの要件を満たしてさえいれば原則として足りる旨主張し、また、原処分庁が提出した開発想定図は、1区画当たりの面積が本件地域における標準的な宅地の地積を大幅に上回っていること及び本件地域では路地状開発が一般的でないことから、本件通達を適用しないとする原処分庁の主張は失当である旨主張する。しかしながら、本件通達の趣旨は、潰れ地が生じることを評価の対象となる宅地の価額に影響を及ぼす客観的な個別事情として、価値が減少していると認められる範囲で減額の補正を行うこととしたものであり、本件土地について本件通達を適用するためには、請求人の主張する上記の2つの要件のみならず、本件土地を経済的に最も合理性のある戸建住宅の敷地として分譲開発した場合に公共公益的施設用地の負担が必要であることを要すると解するのが相当である。そして、原処分庁が提出した開発想定図は、公共公益的施設用地の負担が必要でない路地状開発による区画割であるが、①本件地域における標準的な宅地の地積の規模の区画割であると認められること、②都市計画法等の法令の規定等に反していないこと、③路地状部分も敷地面積に算入できるといった建ぺい率等の計算上有利な面があること及び④本件地域において路地状開発が相当数行われていることからすれば、開発道路を設置した区画割に比べて経済的合理性があると認められるから、本件土地を経済的に最も合理性のある戸建住宅の敷地として分譲開発した場合に、公共公益的施設用地の負担が必要ではないと認めるのが相当である。したがって、本件土地は、本件通達に定める広大地に該当せず、同通達を適用することはできない。(平23. 3. 8 関裁(諸)平22-59)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220055
- 裁決年月日
- 平成23年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税法第22条《評価の原則》等の規定からすれば、建物賃貸借契約に基づいて預託を受けた敷金について、その全額が控除すべき債務の金額になる旨主張する。しかしながら、相続税法第22条は、相続税の課税価格の計算上、控除すべき債務の金額は相続開始時の現況により評価する旨規定しているところ、無利息債務を承継した相続人は、利息相当額の経済的利益を弁済期が到来するまでの間享受することとなり、その享受する経済的利益の相続開始時における現在価値に相当する額だけ相続により取得した経済価値の減殺要因が小さくなることから、無利息債務の相続開始時の評価額は、通常の利率と弁済期までの年数から求められる複利現価率を用いて相続開始時の経済的利益の額を算出し、無利息債務の元本額からこの経済的利益の額を控除した金額とするのが相当である。本件の場合、当該敷金は、賃貸借期間満了まで返還を要しない長期無利息のものであり、本件相続開始日においてその返還すべき時期が未到来の無利息債務であると認められるから、控除すべき債務の金額の計算上、その元本額から経済的利益の額を控除して評価すべきである。(平23. 2.23 関裁(諸)平22-55)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220014ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成23年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地が所在する「その地域」は、戸建住宅が立ち並ぶ地域であり、その「標準的な宅地の使用における地積」に比して本件各土地の地積は広大であり、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要であることから、本件各土地の評価に当たり、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》の定めを適用すべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地が所在する「その地域」は、道路、都市計画法などの規制及び地理的な共通性・連続性等を踏まえて総合判断すると、幹線道路の沿道サービス的な施設や周辺住宅地の利便を目的とした施設用地に供されることを中心としたひとまとまりの地域であると認められ、当該地域における「標準的な宅地の使用方法」は、共同住宅又は幹線道路沿道型の店舗等の敷地としての利用であって、そのような使用方法による宅地の平均地積と本件各土地の地積を比較すると、本件各土地の地積が当該平均地積より著しく広大とは認められない。(平23. 2.17 札裁(諸)平22-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220133
- 裁決年月日
- 平成23年1月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、評価対象地が自然の樹木が生い茂る山林であり、経済的合理性の観点からみれば、宅地への転用が見込めないから、近隣の純山林の価額に比準して評価すべきであると主張する。しかしながら、財産評価基本通達7《土地の評価上の区分》は、土地の価額は原則として地目の別に評価するが、例外として、一体として利用されている一団の土地は、これが2以上の地目からなるときには、そのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価する旨定めているところ、評価対象地は、被相続人の別荘の敷地と物理的な区分がなく一体として利用されていたと認めるのが相当であることから、当該別荘敷地と一体として評価するのが相当である。(平23. 1.18 東裁(所・諸)平22-133)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220133
- 裁決年月日
- 平成23年1月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するか否かは、当該債権の返済状況、債務者の資産・経営状況等の個別事情を十分に考慮して、法人税法に規定する個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の要件を参考にしつつ判断すべきである旨主張する。しかしながら、法人税における個別評価金銭債権の取扱いは、企業会計の要求に応ずるためのものであり、その目的が相続税法22条《評価の原則》に規定する時価を算定するものではない。また、貸付金の回収が不可能又は著しく困難と見込まれるときとは、その事業経営が客観的に破たんしていることが明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときであると解されるところ、①評価対象法人は現在まで存続して事業を継続していること、②評価対象期の直近の5事業年度とも、相当額の売上高があり、うち4事業年度を除き当期利益を計上していること及び③金融機関からの借入金は、順調に返済がなされていることにかんがみれば、本件相続開始日において、評価対象法人の事業経営が破たんしていることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得る状況にあったとは認められない。(平23. 1.18 東裁(所・諸)平22-133)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220133
- 裁決年月日
- 平成23年1月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802014
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/4区分地上権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、評価対象地について、その規模、形状及び区分地上権の設定契約の内容からすると、使用・収益をすることができず、また、売却をした場合であっても処分価値が全くないから、当該区分地上権を設定したことには売却と同様の効果があったものであり、評価対象地を零円と評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価対象地は、被相続人が所有権を有しているものであり、所有者は重畳的な複数の地上権を設定することが可能であること、当該区分地上権は、地表から一定の部分までの空間には及ばないから、被相続人はこの部分に別個の地上権を設定することが可能であることにかんがみれば、評価対象地を零円として評価することは相当でない。(平23. 1.18 東裁(所・諸)平22-133)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220016
- 裁決年月日
- 平成22年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人から相続した法人に対する貸付金債権(本件貸付金債権)について、当該法人は、多額の繰越欠損金があり、財産債務を財産評価基本通達に則して算定すると、債務超過の状態が継続していることから、本件貸付金債権は、回収不可能なものであって、その価額は零円で評価すべきである旨主張する。しかしながら、貸付金債権の価額は、財産評価基本通達204《貸付金債権の評価》及び同通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》の各定めに基づいて評価するのが相当と認められるところ、同通達205の定めにより貸付金債権のうち元本の価額に算入しないことができるのは、債務者が手形交換所において取引の停止処分を受けたときなど一定の事由が存する場合又はこれらの一定の事由と同視できる程度に債務者の営業状況等が客観的に破たんしていることが明白であって、貸付金債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといえる場合に該当する必要がある。これを本件貸付金債権についてみると、当該法人に上記一定の事由は存在しておらず、また、当該法人においては、債務超過の状態が継続していたことは認められるものの、本件相続開始日を含む事業年度の前後2事業年度において、約20,000,000円程度の不動産賃貸等収入を計上し、本件相続開始日を含む事業年度及びその前期には、いずれも約5,000,000円程度の営業利益を計上して、事業を継続していることが認められることからすると、当該法人において、営業状況等が客観的に破たんしていることが明白であって、本件貸付金債権の回収の見込みのないことが客観的に確実である場合に該当するとはいえない。したがって、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平22.12.21 広裁(諸)平22-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220112
- 裁決年月日
- 平成22年11月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸用共同住宅の敷地と貸駐車場の用に供されている評価対象地について、当該賃貸用共同住宅の入居者以外の者に貸し付けられている当該貸駐車場の土地については自用地として、当該賃貸用共同住宅の敷地及び同住宅の入居者用の貸駐車場部分の土地については貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、貸駐車場は、通常、家屋を利用する範囲内で使用することが必要な部分とは認められないから、原則として、自用地と評価すべきであるが、駐車場の貸付の状況が貸家の賃貸借と一体となっていると認められるような場合には、全体を貸家建付地として評価することができるものと解するのが相当であるところ、本件の場合、当該賃貸共同住宅の入居者以外の駐車場利用者は近隣の居住者であり、当該貸駐車場は、当該賃貸共同住宅の入居者のための専用区画を特に確保していないことから、相続開始日において当該賃貸共同住宅の賃貸借と当該貸駐車場の賃貸借とが一体となって行われているとは認められない。(平22.11.24 東裁(諸)平22-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220112
- 裁決年月日
- 平成22年11月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、駐車場の用に供されている各土地に挟まれた評価対象地(本件通路)について、当該駐車場部分の各土地にとって必要な土地であることから、当該駐車場部分の各土地に配分して評価すべきである旨主張する。しかしながら、①当該駐車場部分の各土地は、本件通路によって物理的に分断され別々に利用されていること、②本件通路は、コンクリート舗装されている一方、当該駐車場部分の各土地は砂利敷きでその状況が明確に異なること及び③本件通路は、専ら本件被相続人の居住用建物の敷地への進入路として利用されていることからすると、本件通路は、本件被相続人の居住用建物の敷地と一体として評価するのが相当である。(平22.11.24 東裁(諸)平22-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220112
- 裁決年月日
- 平成22年11月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、評価対象地はセットバックを要する土地であり、潰れ地が生じることから、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地評価を適用して評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価対象地が接する道路の道路幅は4m以上あり、評価対象地は、そもそも建築基準法第42条第2項の規定によるセットバックを必要とする土地には該当しない。(平22.11.24 東裁(諸)平22-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220112
- 裁決年月日
- 平成22年11月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、評価対象土地について、請求人が主張するところの実額評価法なるもの(土地の利用計画図及び造成費用等を基に算定する評価方法)により評価すると、財産評価基本通達の定めにより評価した金額を下回るから、同通達の定めにより難い特別な事情がある旨主張する。しかしながら、請求人が主張する実額評価法なるものは、想定土地利用図により土地を分割した上でその分割された区画ごとに、公示価格のおおむね80%の水準で決定されている財産評価基本通達に定める路線価及び各種の補正率を使って土地の評価額を計算する一方で、実際に要すると見込まれる水道、ガス等の給排水等の設備費用及び土地の造成見積費用を控除するという一貫性のない方法であるほか、土地の区画の分割の仕方が評価する者により区々となり、土地の造成工事費用の見積りについても区々とならざるを得ないから、土地の客観的交換価値を把握する評価方法として合理性があるとは認められない。したがって、財産評価基本通達に定められた評価方法によらないことが正当として是認されるような特別な事情があるとは認められない。(平22.11.24 東裁(諸)平22-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220112
- 裁決年月日
- 平成22年11月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、評価対象地は法人の建物の所有を目的として賃貸されており、賃貸先の法人との間で当該法人が存続する期間が賃貸借期間であるとの合意ができているから、貸宅地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達25《貸宅地の評価》が、普通借地権の設定されている宅地の評価について、原則として、その宅地の自用地の価額から設定されている権利の価額を控除して評価することとしている趣旨は、普通借地権は借地借家法により強い保護を受けており、当該土地の所有者は、自用地に比し相当の制約を受けていることから、普通借地権の価額に相当する価額の減額が生じているものとして評価をすることにしたものであるところ、本件の場合、①評価対象地の賃貸借に関し、被相続人と賃貸先の法人の間で、権利金等の約定もなく、授受もないこと、②評価対象地上の建物は未登記であり、借地権の第三者対抗要件を備えていないこと、③当該建物は、プレハブ倉庫用建物であり、その構造体は容易に解体撤去が可能なものであること及び④賃貸借が開始された以降の賃貸先の法人の法人税の確定申告書添付の貸借対照表には評価対象に係る借地権は計上されていないこと等を総合勘案すれば、評価対象地上に、借地借家法で保護されている普通借地権が存在しているとはいえないから、評価対象地を貸宅地として評価するのは相当でない。(平22.11.24 東裁(諸)平22-112)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平220005
- 裁決年月日
- 平成22年11月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、丙土地は1筆の土地上に数戸の古い建物が並列する土地で、貸家建付地及び自用地が混在する土地であるが、開発行為を行うとした場合、土地所有者の意向としては、すべての古い建物を取り壊し、一団の土地として開発行為を行うはずであるから、丙土地を一団の土地として財産評価基本通達24−4《広大地の評価》の定め(広大地評価)を適用すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達7−2《評価単位》は、宅地の評価単位について、「1画地の宅地」(利用の単位となっている1区画の宅地)を評価単位とする旨定めているところ、「1画地の宅地」とは、その宅地を取得した者が、その土地を使用収益、処分することができる利用単位ないし処分単位であって、①宅地の所有者による自由な使用収益を制約する他者の権利の存否により区分し、②他者の権利が存在する場合には、その種類及び権利者の異なるごとに区分して、それを1画地の宅地として評価するのが相当と解される。そうすると、丙土地については、「丙1土地」、「丙2土地」、「丙3土地」、「丙4土地」、「丙5土地及び丙5土地東側土地」、「丙6土地」及び「丙7土地」に区分して、それぞれ1画地の土地として評価することとなり、その面積はいずれも所定の面積未満であることから、広大地評価を適用することはできない。(平22.11.12 熊裁(諸)平22-5)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平220005
- 裁決年月日
- 平成22年11月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達7《土地の評価上の区分》の定めのとおり、評価の原則からいえば、地目・用途の別に評価することは承知しているが、同定めのただし書に特例的な取扱いがある趣旨からすれば、同通達24−4《広大地の評価》の定め(広大地評価)の適用に当たっては、評価の原則を当てはめることは相当でなく、あくまでも「開発行為をするとすれば」ということから判断すべきであり、開発行為を行うとした場合、地目や用途が異なるとしても同一所有者で地続きであれば、併せて開発を行うはずであることからすれば、このような土地は地目・用途に関係なく面積要件を満たしていれば広大地評価を適用すべきである旨主張する。しかしながら、甲土地と乙土地は地目が異なっており、また、甲土地は自用地の農地として、乙土地は貸家建付地としてそれぞれが別個に利用されており、甲土地と乙土地は地続きではあるものの、一体として利用されていた事実は認められないことから、そもそも財産評価基本通達7のただし書を適用する余地はなく、甲土地と乙土地を併せて一団の土地として広大地評価を適用することはできない。(平22.11.12 熊裁(諸)平22-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220103
- 裁決年月日
- 平成22年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続又は遺贈により取得した取引相場のない株式の価額を純資産価額方式で評価するに当たり、評価会社が課税時期前3年以内に取得した建物の価額を「通常の取引価額」により評価する旨定めた財産評価基本通達185《純資産価額》かっこ書は、個人が家屋等を直接所有している場合の評価方法(同通達89《家屋の評価》)や評価会社が相続開始の3年以上前に家屋等を取得した場合の評価方法と比較し、不平等であるから、同通達によらないことが正当と是認される「特別な事情」があるので、同通達89の定めにより評価すべき旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と是認される特別な事情がある場合とは、同通達により評価することが、明らかに財産の客観的交換価値から乖離した結果を導き、そのため、実質的な租税負担の公平を著しく害し、法の趣旨及び同通達の趣旨に反することとなるような事情がある場合をいうものと解されるところ、請求人らの主張は、財産の固有の事情を主張するものではなく、同通達の定めによる不平等・不合理を主張するものであるから、同通達の定めによらないことが正当と是認される特別な事情には当たらない。また、財産評価基本通達89の定めは、家屋の評価方法の一般原則を定めているものに対し、他方、同通達185かっこ書の定めは、株式の評価の一層の適正化を図る目的で定められたものであって、同通達185が同通達89と異なる定めとなっていることは合理的であるから、これを不平等であるとする請求人らの主張には理由がない。(平22.11.10 東裁(諸)平22-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220103
- 裁決年月日
- 平成22年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達185《純資産価額》かっこ書の定めは、旧租税特別措置法第69の4条《相続開始前3年以内に取得等をした土地等又は建物等についての相続税の課税価格の計算の特例》を根拠とするものであり、同条が廃止された今日ではその成立根拠を失っているから、時価主義を原則とする相続税法22条《評価の原則》に反する旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達185かっこ書は、株式を評価するための会社の純資産価額の計算において、評価会社が所有する土地等及び家屋等の「時価」を算定する場合には、個人が所有する土地等及び家屋等の相続税法上の評価を念頭においた同通達14《路線価》に定める路線価等によって評価することが唯一の方法であるとは言えず、適正な株式評価の見地からは、むしろ通常の取引価額によって評価すべきであると考えられること、特に、課税時期の直前に取得又は新築し、実際の取引価額が明らかに分かっている土地等や家屋等についてまで、路線価等によって評価を行うことは、「時価」の算定上、適切ではないと考えられることによる。このような趣旨にかんがみれば、財産評価基本通達185かっこ書の定めは、株式の「時価」を評価するための会社の純資産価額の計算において、土地等又は家屋等の「時価」を算定する方法として定められたものであると解するのが相当である。これに対し、旧租税特別措置法第69条の4の規定は、土地等又は建物等の相続税の課税価格に算入すべき価額について規定したものである上、相続税法第22条に規定する「時価」にかかわらず「取得価額」によるとするものであるから、財産評価基本通達185かっこ書の定めと旧租税特別措置法第69条の4の規定はその制定根拠を異にしている。したがって、財産評価基本通達185かっこ書の定めは、旧租税特別措置法第69条の4が廃止された今日では成立根拠を失っているとの請求人らの主張には理由がなく、財産評価基本通達185かっこ書の定めは、時価主義の例外を規定したものではないから、相続税法第22条の規定に反しているとはいえない。(平22.11.10 東裁(諸)平22-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220102
- 裁決年月日
- 平成22年11月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、市街化調整区域内に所在する雑種地である本件各土地について、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地の評価を適用すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達24−4に定める広大地とは、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な土地で、都市計画法に規定する開発行為を行うとした場合に、公共公益的施設用地として潰れ地が生じる土地を前提としている。そうすると、市街化調整区域内の開発が許可される条例指定区域内に所在しない本件各土地は、開発行為を行うことができない土地であることから、財産評価基本通達24−4に定める広大地として評価することはできない。(平22.11. 9 東裁(諸)平22-102)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220017
- 裁決年月日
- 平成22年10月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、B社に貸し付けている本件各土地について、その存在する地域は、権利金を支払う取引上の慣行のある地域に該当しないから、本件各土地を評価するに当たり、相当地代通達ではなく、財産評価基本通達が適用されるべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地が存在する地域は、国税局長が、借地権の取引慣行の有無の判定を含む借地権の評定に当たって、借地権の取引に精通している複数の不動産鑑定士等から借地権の取引慣行の有無及び借地権割合について精通者意見を求め、売買実例価額、地代の額等を勘案して借地権割合を定めた地域であり、本件各賃貸借契約時及び本件相続開始日における借地権割合は、いずれも50%であること、本件各土地の所在するA市には、平成4年12月、平成16年4月及び同年7月に借地権に係る取引事例があり、借地権の設定時に権利金を授受した取引事例が存在していること、また、無償返還届出書は、借地権の設定に際しその設定の対価として通常権利金を支払う取引上の慣行がある地域において、借地権の設定に際し土地所有者から借地人に対し借地権の価額に相当する財産的価値が移転していない経済的実態にあることを自ら明らかにする趣旨の届出書であるところ、被相続人及びB社は、平成11年4月に本件各土地に近接する土地について無償返還届出書を提出しており、さらに、本件各土地の所在する地域においては、昭和61年2月、平成3年1月及び平成4年11月の借地権の設定に際し、無償返還届出書が提出された事例が散見されている。以上の各事実からすれば、本件各土地が所在する地域は、賃貸借契約の締結時から、借地権の設定に際しその対価として通常権利金その他の一時金を支払う取引上の慣行のある地域であったと認めることができる。その他本件相続開始日における地代の金額からすると、本件各土地を評価するに当たっては、相当地代通達を適用するのが相当である。(平22.10.26 関裁(諸)平22-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220082
- 裁決年月日
- 平成22年10月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、評価対象地である本件土地の属する財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める「その地域」の範囲については、原処分庁の主張する範囲よりも広くとらえるべきであり、仮に、原処分庁の主張する範囲であるとしても、本件土地はマンション適地に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人の主張する「その地域」は、その東西で明らかに町並みが異なること、原処分庁の主張する「その地域」は、その南北では、土地の利用状況及び環境等が大きく異なっていることが認められることから、いずれの主張も採用することができず、総合的に判断すると、本件土地の属する「その地域」は、原処分庁の主張する「その地域」のうち、南側地域と認めるのが相当である。また、本件土地の属する「その地域」についてみると、徒歩圏内に利用できる駅が複数あり交通の便も良く、公立の小中学校、金融機関や商業施設にも近いなど利便性の高い地域に所在すること、同地区の近年の開発状況は、中高層の集合住宅等の敷地用地としての開発が多く、本件土地と同程度の地積規模の土地については中高層の集合住宅等の敷地用地としての開発が多いことが認められる一方、中高層の集合住宅等が建築されていない土地については、面積が狭小又はその地形から建設が不可能であったことが認められる。以上のことからすると、本件土地は、社会的・経済的・行政的見地から総合的に判断して、マンション適地等に該当するものと認められる。(平22.10.18 東裁(諸)平22-82)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220080
- 裁決年月日
- 平成22年10月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- №81
要旨
○ 請求人らは、贈与により取得したマンション住戸である本件各不動産について、建物の専有部分の床面積に対応するその敷地面積が広大であるから、本件各不動産の時価を財産評価基本通達の定めにより算定すると、売買の実態と乖離した高い評価額が算定されること及び本件各不動産は、住戸面積は狭く、建物等も老朽化していることなどの特別な事情があるから、本件各不動産の価額は鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、①本件各不動産の敷地部分について、本件贈与者の有する共有持分が他の区分所有者が有する共有持分と質的に異なることもないのであるから、建物の専有部分の床面積に対応するその敷地の共有持分が広大であれば、それに連動して本件各不動産の価額も上昇又は下落することになること、②財産評価基本通達においては、土地の形状等に応じて、奥行距離に応じた奥行価格補正率を適用したりするなどして、土地の減価要素を考慮した評価方法が採られていること、及び③同通達は、家屋の評価については、固定資産税評価額に1.0の倍率を乗じて計算した金額によって評価する旨定めており、この固定資産税評価額は、請求人らが主張する事情については、それを織り込んで評価していることからすれば、同通達の定めにより本件各不動産を評価した場合に、適正な時価が求められず、著しく課税の公平を欠くことが明らかな場合に当たるとはいえない。他方、本件各不動産の評価に際しては、贈与の日において建替えの蓋然性が極めて高く、その場合には敷地の持分価額に見合う既存建物の2倍以上の面積の建物を取得することが予定されていたことなどの事情を考慮して価額を算定すべきところ、請求人らの主張する鑑定評価額は、これらの事情が十分に考慮されておらず、不動産鑑定評価基準に定める予測の原則に基づく分析検討が客観的かつ十分にされていないといわざるを得ないから、本件各不動産の客観的な交換価値を表しているとは認められない。したがって、本件各不動産の評価に当たり、財産評価基本通達の定めにより難い特別な事情は認められず、同通達の定めにより評価した価額をもって本件各不動産の時価と認めることが相当である。(平22.10.13 東裁(諸)平22-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220081
- 裁決年月日
- 平成22年10月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した本件不動産について、建物の専用部分の床面積に対応するその敷地面積が広大であるから、このような本件不動産の時価を財産評価基本通達の定めにより算定すると、売買の実態と乖離した高い評価額が算定されること、及び本件不動産は、住戸面積は狭く、建物等も老朽化していることなどの特別な事情があるから、本件不動産の価額は鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、本件不動産の敷地部分について、本件贈与者の有する共有持分が他の区分所有者が有する共有持分と質的に異なることもないのであるから、建物の専有部分の床面積に対応するその敷地の共有持分が広大であれば、それに連動して本件不動産の価額も上昇又は下落することになる。そして、財産評価基本通達においては、土地の形状等に応じて、奥行距離に応じた奥行価格補正率を適用したりするなどして、土地の減価要素を考慮した評価方法が採られている。また、財産評価基本通達は、家屋の評価については、固定資産税評価額に1.0の倍率を乗じて計算した金額によって評価する旨定めており、この固定資産税評価額は、請求人が主張する事情については、それを織り込んで評価している。したがって、財産評価基本通達の定めにより本件不動産を評価した場合に、適正な時価が求められず、著しく課税の公平を欠くことが明らかとはいえない。そして、請求人の主張する鑑定評価額は、本件不動産が、本件贈与日において建替えの蓋然性が極めて高く、その場合には敷地の持分価額に見合う既存建物の2倍以上の面積の建物を取得することが予定されていたことなどの事情を考慮して価額を算定すべきところ、これらの事情が十分に考慮されておらず、不動産鑑定評価基準に定める予測の原則に基づく分析検討が客観的かつ十分にされていないといわざるを得ないから、本件不動産の客観的な交換価値を表しているとは認められない。(平22.10.13 東裁(諸)平22-81)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220067
- 裁決年月日
- 平成22年9月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人らが、本件マンションの相続税評価額が本件マンションの売却価額を上回っていることから、当該売却価額を相続開始時に時点修正した金額が本件マンションの時価であると主張するのに対し、本件マンションの売却価額については、請求人らの売申込により売却したものであること及び他の売買実例との比較がなされていないこと並びに本件売買契約は本件相続開始日からおおむね6か月を経過後に締結されたものであることから、売却時における本件マンションの適正な時価ではないとした上で、本件マンションの近隣の公示地の公示価格と近隣の宅地の売買実例を基に算定した金額が、本件マンションの時価であると主張する。しかしながら、本件売買契約に至る経緯や本件マンションが外国人向けの仕様であり痛みがひどいこと等の固有の事情を考慮すれば、原処分庁算定の時価は適正な時価とはいえない一方、本件マンションの売却価額は、請求人らの売申込により売却したことによって、その売却価額が下落したといえる事情は認められないこと及び請求人らと本件買受人との間に特別な関係はなく、その売却価額にし意的要素が入る事情は認められないことから、売却時の本件マンションの適正な時価を反映していると認められる。したがって、本件マンションの売却価額を基に時点修正を加え、本件マンションの相続開始時の時価を算定する方法には合理性があると認められる。(平22. 9.27 東裁(諸)平22-67)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220004ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成22年9月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、年金支払特約付の保険契約に係る本件保険金支払請求権について、相続税法第24条《定期金に関する評価》第1項第1号の規定により有期定期金として評価をすべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第24条に規定する定期金給付契約に関する権利とは、ある期間定期的に金銭その他の給付を受けることを目的とする債権をいい、「期間」又は「期限」の定めがない金銭その他の給付契約に関する権利は、同条の定期金給付契約に関する権利には該当しないと解すべきであるところ、本件保険金支払請求権については、被相続人の相続開始時までに年金の種類及び受給期間は具体的に決められていなかったのであるから、同条の定期金給付契約に関する権利に該当するとは認められない。(平22. 9. 8 札裁(諸)平22-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220041
- 裁決年月日
- 平成22年8月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》の定めにいう「開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」とは、評価対象地について、開発行為を行う必要があるか否かにかかわらず、開発行為を行うと仮定した場合に道路などの公共公益的施設用地の負担が生じるものをいう旨主張するが、これについては、経済的に最も合理性のある開発を行うとした場合に、道路などの公共公益的施設用地の負担が生じるものをいうのであって、評価対象地の既存道路との接道状況や土地の形状からみて、公共公益的施設用地の負担がほとんど生じないと認められる場合まで同定めが適用されるものではないから、請求人の主張は採用できない。(平22. 8.26 東裁(諸)平22-41)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220021
- 裁決年月日
- 平成22年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会社の出資持分である本件出資持分の時価を算定するに当たっては、本件会社が同族関係者のみで支配されている会社であるとはいえず、A社、B社及びその同族関係者が有する議決権割合は50パーセント未満であるから、財産評価基本通達185《純資産価額》ただし書のとおり、純資産価額の20%の評価減を適用すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達185ただし書は、小会社の中には、複数の同族関係者グループが存在し、一同族関係者グループだけでは、会社を完全に支配できない場合もあることから、このような支配力の差を考慮する趣旨と解されるところ、これを本件会社の社員についてみると、A社、B社及びその同族関係者が有する議決権割合は48%であるものの、他に同族グループはないこと、及び他の52%を有する複数の出資者が本件出資持分を保有していたのは、有力な取引先との関係強化のためであると認められることからすれば、A社、B社及びその同族関係者が本件会社を実質的に支配していたというべきであり、このことは、本件出資持分を評価するに当たり、同通達によらないことが正当と是認されるような特別の事情に当たるというべきである。したがって、本件出資持分の価額を純資産価額方式で算定するに当たっては、財産評価基本通達185ただし書を適用しないこととするのが相当である。(平22. 7.26 東裁(諸)平22-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220022
- 裁決年月日
- 平成22年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与を受けたB社の出資持分である本件B出資持分の評価方法は、純資産価額方式によるべきであるが、その純資産価額は、評価明細書通達に則して、課税時期の直前期末現在において所有する資産及び負債の金額を基礎として算出すべきである旨主張する。しかしながら、評価明細書通達第5表の2の(4)は、評価会社の1株当たりの純資産価額の計算は、課税時期における各資産及び各負債の金額によることとしているが、評価会社が課税時期において仮決算を行っていないため、課税時期における資産及び負債の金額が明確でない場合において、直前期末から課税時期までの間の資産及び負債の金額について著しく増減がないため評価額の計算に影響が少ないと認められるときは「相続税評価額」は直前期末の資産及び負債の課税時期の相続税評価額、「帳簿価額」は直前期末の資産及び負債の帳簿価額を基として計算しても差し支えないこととして取り扱う旨定めているのであって、B社の場合、直前期末から課税時期までの間に、他社の出資持分を時価より著しく低い価額の対価により譲り受けることによって、資産の金額が著しく増加していると認められるから、本件B出資持分の評価に当たり、直前期末の資産及び負債の金額を基礎として計算することは相当でなく、課税時期において仮決算をした資産及び負債の金額を基礎として評価するのが相当である。(平22. 7.26 東裁(諸)平22-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220022
- 裁決年月日
- 平成22年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会社の出資持分である本件出資持分の時価を算定するに当たっては、本件会社が同族関係者のみで支配されている会社であるとはいえず、A社、B社及びその同族関係者が有する議決権割合は50パーセント未満であるから、財産評価基本通達185《純資産価額》ただし書のとおり、純資産価額の20%の評価減を適用すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達185ただし書は、小会社の中には、複数の同族関係者グループが存在し、一同族関係者グループだけでは、会社を完全に支配できない場合もあることから、このような支配力の差を考慮する趣旨と解されるところ、これを本件会社の社員についてみると、A社、B社及びその同族関係者が有する議決権割合は48%であるものの、他に同族グループはないこと、並びに他の52%を有する複数の出資者が本件出資持分を保有していたのは、有力な取引先との関係強化のためであると認められることからすれば、A社、B社及びその同族関係者が本件会社を実質的に支配していたというべきであり、このことは、本件出資持分を評価するに当たり、同通達によらないことが正当と是認されるような特別の事情に当たるというべきである。したがって、本件出資持分の価額を純資産価額方式で算定するに当たっては、財産評価基本通達185ただし書を適用しないこととするのが相当である。(平22. 7.26 東裁(諸)平22-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220019
- 裁決年月日
- 平成22年7月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- №80
要旨
○ 請求人らは、相続開始前までは被相続人が一団の農地として利用していた本件各土地について、本件各土地の一部の遺産分割は財産評価基本通達7−2《評価単位》(1)注書に定める不合理分割に該当するから、同定めのとおり、分割前の利用の単位である本件各土地の全体を1つの評価単位として評価すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達7−2(1)注書の趣旨は、不合理分割された土地をそのまま評価した場合、実態に即した評価がなされないため、課税の公平に資する目的で評価単位を是正することにあると解されることからすると、遺産分割の一部が不合理分割である場合には、不合理分割に当たる部分についてのみ是正すれば足りるから、その部分のみ分割前の画地により評価単位を判定し、その余の部分については、分割後の画地により評価単位を判定するのが相当である。(平22. 7.22 東裁(諸)平22-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220019
- 裁決年月日
- 平成22年7月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- №80
要旨
○ 請求人らは、遺産分割により単独又は共有取得された市街地農地である本件各土地について、相続開始日までは被相続人が耕作し、相続開始日以後は請求人らが共同で耕作していたことから、本件各土地の評価単位は、財産評価基本通達7−2《評価単位》(2)ただし書の定めのとおり、現実の利用の単位となっている全体を1つの評価単位として評価すべきである旨主張する。しかしながら、同定めにいう市街地農地の評価単位は、耕作の単位となっている「1枚の農地」ではなく、宅地としての効用を果たす規模や形状等の観点から「利用の単位となっている一団の農地」によることとされており、この「利用の単位となっている一団の農地」とは、同通達7−2(1)の注書が準用されている点で、同本文にいう「1画地の宅地」に準ずる概念であると解され、当該土地を取得した者が、使用、収益及び処分等することができる利用単位ないし処分単位をいうものと解するのが相当である。したがって、遺産分割後における市街地農地の評価単位となる「利用の単位となっている一団の農地」の判定は、当該土地の利用状況や権利関係等諸般の事情を考慮し、①土地の所有者による自由な使用収益を制約する他者の権利の存否により区分し、②他者の権利が存在する場合には、その種類及び権利者の異なるごとに区分して行うのが相当である(なお、共有地は、その処分等に共有者の同意が必要であるなど、単独所有の場合と比較して使用、収益及び処分等について制約があるから、評価対象地が共有か否か及び共有の場合の持分割合は、評価単位の判定に当たって考慮すべき事情である。)。そうすると、本件各土地の場合、3つの評価単位として評価すべきである。(平22. 7.22 東裁(諸)平22-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220005
- 裁決年月日
- 平成22年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地が所在する地区内の土地は、当初の開発分譲時には500㎡を超える住宅地が多数存在していたものの、時の経過とともに、小規模な宅地も多数存在するようになり細分化が進行していること、及び最近の売買実例は200㎡から250㎡程度の地積が中心的なものであることからすると、当該地区内における標準的な宅地の地積は、200㎡から250㎡程度が相当であるから、本件土地は、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要な土地であると認められ、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める広大地に該当する旨主張する。しかしながら、本件相続開始日前後における本件土地が所在する地区内の宅地の一画地あたりの地積は、350㎡以上の宅地が半数以上を占めることが認められること、並びに近隣地域内で土地の利用状況、環境、地積及び形状等について標準的な画地として選定される当該地区内にある公示地及び基準地の地積が、それぞれ513㎡及び442㎡であることからすると、その地域における「標準的な宅地の地積」はおおむね400㎡から500㎡程度と認めるのが相当といえる。そうすると、本件土地は、その地域における「標準的な宅地の地積」に比して著しく広大であるものの、おおむね400㎡から500㎡程度の地積で分割するとすれば道路等を敷設することなく2区画に分割することができるから、本件土地は、公共公益的施設用地の負担を必要とする開発行為を行わなければならない土地であると認めるのは相当でなく、広大地に該当しない。請求人らは、当該公示地及び基準地について、長年改定されていないから、これをもって「標準的な宅地の地積」を判断するのは相当でない旨主張するが、長年改定されていないということは、近隣地域内の土地の利用状況等に大きな変更がないということを裏付けているといえるから、請求人の主張は採用できない。(平22. 7. 2 東裁(諸)平22-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210069
- 裁決年月日
- 平成22年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地に係る財産評価基本通達24−4《広大地の評価》にいう「その地域」における土地の最有効使用は戸建住宅用地である旨の主張を前提に、本件各土地について、戸建住宅用地として開発するには公共公益的施設用地の負担が必要となるため、相続税評価額の算定に当たっては、財産評価基本通達24−4に定める広大地の評価方法を適用するべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達24−4にいう評価宅地の属する「その地域」とは、①河川や山などの自然的状況、②行政区域、③都市計画法による土地利用の規制など公法上の規制等、④道路、⑤鉄道及び公園など、土地の使用状況の連続性及び地域の一体性を分断する場合がある客観的な状況を総合勘案し、利用状況、環境等がおおむね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解するのが相当であるところ、これを本件についてみると、本件各土地に係る「その地域」については、用途地域、行政区域、宅地の利用状況、幅員の広い道路の存在などの客観的な状況を総合勘案した結果、利用状況、環境等がおおむね同一であり、工場、倉庫及び事務所の敷地の用途に供されることを中心としたひとまとまりの各地域をいうのが相当であり、当該各地域における標準的な土地の使用方法は、工場、倉庫及び事務所の敷地であると認められる。したがって、そもそも本件各土地の最有効使用方法が戸建住宅用地であるとは認められず、本件各土地の評価に当たり、広大地の評価方法を適用することはできない。(平22. 6.16 大裁(諸)平21-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210172
- 裁決年月日
- 平成22年6月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人らは、3階建共同住宅の敷地の周囲に設けられた花壇、植木及び照明灯などの本件緑化設備は、公共道路の植込み及び街路灯と同じ役割を担っており、不特定多数の者の通行の用に供されている本件私道と一体として機能しているから、その公共的な利用状況をもって、その評価額は零円である旨主張する。しかしながら、本件緑化設備の一部はコンクリートブロックにより本件私道とは区分されており、また、他の一部は本件私道に面しておらず、いずれも賃貸建物の敷地内に設けられた構築物であって、本件私道そのものではないから財産評価基本通達24《私道の用に供されている宅地の評価》の定めは適用されない。また、財産評価基本通達24が不特定多数の者の通行の用に供されている私道を評価しないこととしているのは、その私道の廃止又は変更が制限されるなど、一定の利用制限を余儀なくされることから、換価性が著しく低く経済的価額を評価するまでに至らないことによるものと解されるところ、本件緑化設備は、経済的価額を評価するまでに至らないものとは認められないから、財産評価基本通達により難い特別な事情があるともいえない。したがって、本件緑化設備は、財産評価基本通達に則して、同通達97《評価の方式》により評価すべきである。(平22. 6. 9 東裁(諸)平21-172)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210067
- 裁決年月日
- 平成22年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803010
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物の評価に当たり、①著しい損耗、②収益物件としての価値の無さ、③廃業後長年経過している病院という心証の悪さが、財産評価基本通達89《家屋の評価》を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情に当たる旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達89においては、家屋は固定資産税評価額に基づき評価することとされており、その固定資産税評価額については、3年ごとの基準年度に、再建築価格を基準として、これに家屋の減耗の状況による補正及び需給事情による補正を行って評価する方法が採られているところ、本件建物についても、これらの補正が必要であるか否かを判断した上で必要な補正が行われているから、請求人指摘の事情等はすべて固定資産税評価額において考慮されていることとなり、財産評価基本通達89においても、請求人指摘の事情等はすべて考慮されていることになる。したがって、本件建物について、財産評価基本通達89を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情があるとは認められない。(平22. 6. 7 大裁(諸)平21-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210171
- 裁決年月日
- 平成22年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地について戸建住宅分譲を想定した場合には、本件土地の面積は500㎡未満であり開発による最低敷地面積の制限がないことから、周辺地域のミニ分譲の開発事例の画地規模(80㎡程度)も勘案し、位置指定道路を設けて、請求人らが主張する開発想定図のとおり5分割に区画割することが最も合理的な分割であり、そうすると、開発道路等の公共公益的施設用地の負担が生じることから、本件土地は、広大地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、公共公益的施設用地の負担の必要性については、経済的に最も合理性のある開発を行った場合においてその負担が必要となるか否かによって判断するのが相当であるところ、原処分庁が主張する路地状開発による開発想定図に基づいて本件土地を分割すれば、①各画地が標準的な宅地の地積(100㎡以上)を満たすこと、②分割方法も都市計画法等の法令などに反するものではないこと、③建ぺい率及び容積率の算定に当たって路地状部分の面積も敷地面積に含まれるため、位置指定道路を設けるよりも広い建築面積及び延べ面積の建築物を建てることができ、路地状部分を駐車場として利用することも可能になることが認められること、④現に、本件地域内に路地状敷地の区画が複数あることなども考慮すると、本件土地については、路地状開発により戸建住宅分譲用地とすることが経済的に最も合理的であるといえる。したがって、本件土地は、路地状開発を行うことにより道路等の公共公益的施設用地の負担は必要と認められないから、広大地として評価することはできない。(平22. 6. 7 東裁(諸)平21-171)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210168
- 裁決年月日
- 平成22年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、組合等の出資の評価について、財産評価基本通達が法人の種類ごとに評価方法を区分していることからすると、本件組合は事業協同組合であるから、同通達195《農業協同組合等の出資の評価》により評価すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達195が農業協同組合等に対する出資の価額について、原則として、払込済出資金額により評価する旨定めているのは、農業協同組合等は、その組合員及び会員のために最大の奉仕をすることを目的として事業を行い、営利を目的としてその事業を行ってはならないことから、その行う事業によって当該組合の資産が蓄積されることがなく、その財産は出資総額に近似することによるものと解されるところ、本件組合は、設立の基となった中小企業等協同組合法に違反し、営利事業(不動産賃貸)を継続して行ったことにより、組合の財産が増加しているものと認められるから、本件組合の出資については、財産評価基本通達195によると適正な時価を算定することができないため、同通達196《企業組合等の出資の評価》により純資産価額で評価するのが相当である。(平22. 6. 2 東裁(諸)平21-168)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210119
- 裁決年月日
- 平成22年5月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地を開発しようとする場合、開発指導要綱に基づく事前協議により新設道路用地の設置が義務付けられることになるから、本件各土地の評価に当たり、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》の定めを適用すべきである旨主張する。しかしながら、評価対象地が当該通達の定めにいう「広大地」に該当するというためには、原則として、評価対象地の属する地域において都道府県知事の許可が必要となる最小面積以上の宅地であることが必要であり、一般的基準による画一的評価を図った財産評価基本通達の趣旨及び課税の公平からみて、評価対象地に都道府県知事の許可は不要であるが要綱による行政指導を受ける場合には、法的拘束力に準じた事実上の強制力があり、開発に当たって公共公益的施設用地の負担による減歩が生じることが当該地域において一般的であり、これが明確に確認できる場合を除き、「広大地」に該当しないと解するのが相当であるところ、本件各土地は、都市計画法及び条例において開発許可を要しないとされており、また、事前協議においても、請求人が主張するような強制力のある行政指導が行われている事実は認められず、本件各土地は、公共公益的施設用地の負担が求められるのが明確であったものとまでは認められない。したがって、本件各土地の評価に当たり、当該通達の定めを適用すべきではない。(平22. 5.25 関裁(諸)平21-119)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210109
- 裁決年月日
- 平成22年5月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁評価額は、本件各土地が市街地農地に該当することから、財産評価基本通達40《市街地農地の評価》の定めにより、本件各土地の宅地としての価額から宅地造成費を控除するなどして本件各土地の価額を算定しているが、本件各土地に建物を建てるとするならば、市道○号線から本件各土地までの約200m以上の道路を整備しなければならず、また、当該市道から本件各土地までの間は、未だ宅地開発がされておらず、電気・水道等のライフラインの整備もされていないことからすれば、本件各土地は宅地開発を行うことが事実上困難な土地であると認められ、この点を加味していない原処分庁評価額については、直ちにこれを本件各土地の本件相続開始日における価額として採用することはできない。他方、請求人鑑定評価は、①市街化区域内の宅地見込地から接近した価格と②市街化調整区域内の農地から接近した価格について6対4の調整比率を乗じて算定しているが、②の価格は、おおむね1㎡当たり1,000円前後で、また、地域要因等の格差も極端に大きい取引事例に基づき算定されたもので、各種要因比較の合理性に疑義があり、その規範性は劣るから、これを基に算定された請求人鑑定評価額についても、本件各土地の本件相続開始日における価額として採用することはできない。以上のことから、当審判所において、本件各土地に係る鑑定評価を依頼したところ、審判所鑑定評価は、市街化調整区域における取引事例においても、請求人鑑定評価と比較し、より適切な事例を採用していると認められ、その余の鑑定内容においても合理性を欠く点は認められない。したがって、当審判所は、本件各土地の本件相続開始日における価額を審判所鑑定評価に基づく評価額と認定し、これに基づき本件相続に係る相続税の課税価格及び納付すべき税額を計算すると、これらの金額は原処分の金額を下回るから、原処分は、その一部を取り消すべきである。(平22. 5.19 関裁(諸)平21-109)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210030
- 裁決年月日
- 平成22年3月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件第一土地の価額を財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)24−4の定め(以下「広大地通達」という。)を適用せずに評価しているところ、本件第一土地は、①地積が8,312.43㎡とその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大であり、②開発行為を行うとした場合に、その形状等から判断して公共公益的施設用地の負担が必要と認められ、③評価通達22−2に定める大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものには該当しないと認められることから、広大地通達等を適用して評価することとなる。そして、この場合の広大地補正率については、地積が5,000㎡を超える土地であっても、広大地通達に定める広大地補正率の下限である0.35を適用して差し支えないとされていることから、0.35を適用するのが相当である。また、本件第三土地の所在する地域においては、1,000㎡以上の土地について開発行為を行う場合に開発許可が必要とされているところ、①別表2の番号1ないし7の各土地については、本件相続開始日において、同一人に貸し付けられている地積が1,000㎡以上のものはなく、②別表2の番号8ないし10の各土地については、同一人に貸し付けられている地積が1,000㎡以上の土地があるものの、当該土地の開発に当たってはその形状等から路地状敷地による開発を行うことが合理的と判断され、③別表3の番号11ないし19の各土地については、開発行為により土地の区画形質の変更をした際に公共公益的施設用地の負担が必要である土地とは認められず、④別表3の番号20の土地については、評価通達57に定める純原野に該当するので広大地通達に定める広大地の対象とはならないことから、本件第三土地のすべてについて、広大地通達の適用はできない。(平22. 3.30 福裁(諸)平21-30)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210094
- 裁決年月日
- 平成22年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地が鉄道高架に隣接しているため鉄道騒音等の減価要因があることから、本件各土地の評価額から10%を減額すべきである旨主張する。しかしながら、路線価は、売買実例価額、公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として国税局長がその路線ごとに評定した価額であるから、土地の取引価額に影響を与えると認められる鉄道騒音、震動、日照阻害等の環境要因については、基本的には、評定の基となる上記各価格等に反映されており、路線価は、価額に影響を与える環境要因を加味した結果となる。したがって、普通住宅地区にある宅地で、騒音等により利用価値が低下している場合に10%の減額をしても差し支えないとする課税実務上の取扱いは、騒音等によって、その土地の利用価値を低下させる程度が付近の宅地に比べて著しい場合で、取引価額に影響を与えていることが明らかなときに限り適用が認められるべきである。この点について、本件各土地の路線価が鉄道騒音等を加味して付されたもので、更にしんしゃくをする必要があるか否かを、売買実例を基に検討したところ、本件各土地の路線価は、鉄道騒音等の環境要因を加味して付されており、更にしんしゃくしなければならないほど本件各土地の利用価値が落ちているとは認められないことから、本件各土地の評価額から更に10%の減額をする必要はなく、請求人の主張は採用できない。(平22. 3.25 関裁(諸)平21-94)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210094
- 裁決年月日
- 平成22年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地に存する本件各調整池は、雨水流水対策として県の指導の下に設置されたものであるから、本件土地を利用する際には必要不可欠のものであり、本件各調整池の敷地を含めた本件土地全体を貸家建付地として評価すべきである旨主張する。これに対し、原処分庁は、本件各調整池が賃貸借されている事実が認められないことから、その敷地は自用地として評価すべきである旨主張するところ、①本件各調整池は、本件土地の開発行為を行うに当たり、県の指導により設置が義務付けられたものであって、本件土地の本件各調整池以外の部分を利用するため、必要不可欠な施設であること、②条例上罰則の定めはないものの、本件各調整池を取り壊し、転用することは事実上できないと認められること、③本件各調整池は、本件各貸倉庫の建設のための開発工事により設置され、本件各貸倉庫敷地としての利用が開始されるとともに、その機能が果たされてきていることからすれば、本件土地の一部である本件各調整池の敷地は本件各貸倉庫の敷地として一体で利用していたと認めるのが相当である。以上のことからすれば、本件各調整池の敷地を含め、本件土地は一団の土地として、本件各貸倉庫の敷地として利用されていたと認められるから、本件各調整池の敷地は、貸家建付地として評価するのが相当である。(平22. 3.25 関裁(諸)平21-94)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210018ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成22年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地の所在する地域においては、借地権及び底地の取引事例が把握できないことから、適正な借地権割合を算定できず、したがって、本件各土地を借地権価額控除方式により評価することは妥当ではない旨主張する。しかしながら、借地権価額控除方式を適用する場合における借地権割合の評定は、借地権又は底地の売買実例価額のみに基づいて行われるのではなく、財産評価基本通達27の定めに従って、借地権の売買実例価額、精通者意見価格、地代の額等を基として行うこととされているところ、当審判所の調査によれば、○○国税局長は、土地取引の精通者としての不動産鑑定士の意見等を勘案して本件各土地の所在する地域の借地権割合を40%と評定しており、これは、財産評価基本通達27の定めに従った適切な手続に基づいて行われたものであることから、当該借地権割合は、本件各土地の所在する地域における借地権割合として正当に評定されていると認められる。また、本件各土地は、いずれも普通建物所有を目的として締結された賃貸借契約に基づき賃貸中の土地であるところ、それぞれの土地全体が賃貸借の対象であり、賃借人はいずれも複数ではなく、他に特段の事情はないことからすれば、将来、本件各土地が本件各土地の上に存する借地権と併合されて完全所有権となることを妨げる特別な事情は認められない。そうすると、本件各土地の価額を評価するに当たって、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別な事情があるとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平22. 3.18 福裁(諸)平21-18)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210017
- 裁決年月日
- 平成22年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父A及び弟Bからの債務(以下「Aら債務」という。)及び本件被相続人に対する債権(以下「本件被相続人債権」という。)をC社の株式(以下「本件株式」という。)の評価における一株当たりの純資産価額の算定に反映させるべき旨主張し、Aら債務及び本件被相続人債権の存在を証する資料として、①本件被相続人とC社を当事者とする「契約書」と題する書面の写し、②「C社の横領の手口」と題する書面の写し、③「資金の流れ」と題する書面を当審判所に提出しているところ、これらの記載内容からは、Aら債務及び本件被相続人債権の存在を認めることができない。また、原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、Aら債務については、①C社が保存していた平成13年10月24日付の振替伝票によれば、C社は同日にAら債務を清算しており、②C社の平成14年8月期から本件相続開始の日を含む平成19年8月期までの各事業年度の法人税の確定申告書及び同申告書に添付された勘定科目内訳書にはAら債務の存在が確認できる記載はない。そして、C社は、平成19年9月1日から平成20年8月31日までの事業年度の法人税の確定申告書において、Aら債務として前期末に未払金及び仮受金が存在していたとしているものの、前記②のとおり、平成19年8月期の法人税の確定申告書にはその記載がなく整合性がないことからすれば、このことをもって直ちに本件相続開始の日にAら債務が存在していたと認めることはできない。加えて、請求人が存在するとするAら債務について、C社がその存在を認識した後においても、Aら債務を支払った事実も認められず、他にAら債務が本件相続開始の日において存在していたことを認めるに足りる証拠もない。また、本件被相続人債権は、Aら債務の存在を前提として、C社の平成14年8月期に発生したというものであるところ、C社の平成14年8月期ないし平成19年8月期までの各事業年度の法人税の確定申告書及び同申告書に添付された勘定科目内訳書において、本件被相続人債権の存在が確認できる記載はなく、他に本件被相続人債権が本件相続開始の日に存在していたことを認めるに足りる証拠もない。したがって、これらの事実を総合すると、本件相続開始の日において、Aら債務及び本件被相続人債権が存在していたと認めることはできず、本件株式の評価において、Aら債務及び本件被相続人債権があるとして本件株式を評価する必要はないこととなる。(平22. 3.15 福裁(諸)平21-17)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平210019
- 裁決年月日
- 平成22年3月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、最も合理的な本件各不動産の価額(時価)の算定方法は、当該土地の取引に関して時間的、場所的同一性及び物件的、用途的同一性の点で可及的に類似する土地の取引事例に依存し、それらを比準して算定する方法であるから、本件各不動産の時価は、本件相続の開始直後の本件各不動産の譲渡価額に基づいて算定すべきである旨主張する。しかしながら、請求人らが主張する土地の評価方法は、不動産鑑定評価における取引事例比較法であると考えられ、これによる鑑定手法の精度は取引事例の選択に依存しているから、意図的に取引価格を低く設定するなどして経済的合理性の認められない取引を行ったような場合の取引事例は、事情補正を施すことができないので、取引事例比較法において採用すべき取引事例とは認められず、このような取引事例の取引価格に基づいて算定された価額が時価を示すものとはいえないところ、本件各不動産の譲渡は、各売買当事者が当初から低額の譲渡価額を設定するという意図の下、譲受法人が取得資金の融資を受けた金融機関の評価額に照らしても、著しく低額の譲渡価額を設定してなされた経済的合理性の認められない取引であると認められるから、このような取引に係る譲渡価額を基に算定された価額が本件各土地の時価を示すということはできない。(平22. 3. 8 広裁(諸)平21-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210040
- 裁決年月日
- 平成22年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 財産評価基本通達24−4における「その地域」は、評価宅地の属する地域の土地の使用状況の連続性及び地域の一体性を分断する場合がある客観的な状況を総合勘案し、利用状況、環境等がおおむね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解するのが相当である。これを本件土地についてみると、幅員の大きな道路の存在、ゴルフ練習場の存在、11mの高低差があるがけの存在、都市計画法第8条第1項で規定する用途地域の違い、行政区域の違い及び宅地の使用方法の分布などの事実を総合考慮した結果、利用状況、環境等がおおむね同一であり、商業施設等及び中高層の集合住宅の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域である本件東地域を「その地域」とするのが相当であり、さらに本件土地の最有効利用について総合考慮すると中高層の集合住宅の敷地であると認めるのが相当である。したがって、中高層の集合住宅等の敷地用地に適していると認められる本件土地は広大地には該当しないというべきであり、更正の請求に対し、更正をすべき理由がないとした原処分に違法はない。(平22. 3. 5 大裁(諸)平21-40)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210023
- 裁決年月日
- 平成22年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、相続により取得した貸宅地である本件土地について、財産評価基本通達25の定めに基づき、本件土地の自用地としての価額からその借地権の価額を控除した金額によって評価すべきである旨主張する。しかしながら、貸宅地の評価において、借地権の価額を控除するのは、借地権の設定により、当該宅地の自用地としての価額のうち借地権部分に相当する経済的価値の地主から借地人への移転があり、借地人が経済的に相当の価額を有する借地権を取得したとみるべき経済的実態が存在するからであって、この場合、借地権部分に相当する経済的価値の移転の対価というべき権利金を授受することが広く行われていることからすると、借地権の設定に当たり権利金を授受する取引上の慣行があるにもかかわらず権利金を授受しなかった場合であっても、その土地の使用の対価として相当の地代を授受するときは、地主にとって経済的実態において自用地と異なることのない土地となることから、借地人への経済的価値の移転はなく、控除すべき借地権の価額もないこととなる。これを本件についてみると、本件土地は、借地権の設定に際し、通常権利金を支払う取引上の慣行のある地域内にあるところ、本件土地の賃貸借契約は、権利金の授受に代えて相当の地代を授受する内容であったと認められることから、本件土地の借地権部分に相当する経済的価値の賃貸人から賃借人への移転があったとは認められず、また、本件相続開始日においても相当の地代を収受していたと認められる。そうすると、本件土地の価額は、財産評価基本通達25の(1)の評価方法によることはできず、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」の6の定めにより、本件土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額によって評価するのが相当である。(平22. 2.15 名裁(諸)平21-23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210054
- 裁決年月日
- 平成21年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(以下「相当地代通達」という。)は、借地権の設定に際し通常権利金などを支払う取引慣行のある地域において、権利金の授受に代え相当の地代を収受している場合には、その土地の地代収受権としての経済的価値はいささかも侵食されておらず、その土地に借地権の設定がされてもなお更地としての経済的価値が維持されているものと考えられることを基礎とするものであり、当審判所もこれらの取扱いは相当と解する。そして、同通達は、借地権の取引慣行のある地域において、借地権の設定に際し、権利金の支払に代えて、①相当の地代の支払がある場合又は②通常の権利金の額に満たない一時金の支払と併せて通常の地代を超え相当の地代に満たない地代が支払われる場合などの方法を選択した場合といういわば特殊な賃貸借契約による借地権の設定の際の借地権者の受けた利益の取扱い及びその土地又は借地権について、相続、贈与などによる移転があった時における借地権又は貸宅地の評価について定めたものと認められるところ、相当地代通達にいう「借地権の設定に際しその設定の対価として通常権利金その他の一時金を支払う取引上の慣行のある地域」と財産評価基本通達27にいう「借地権の取引慣行があると認められる地域」は、同一の地域を指すものと解される。さらに、借地権の設定の時、つまり賃貸借契約の開始の時の地代の額が上記①又は②による相当の地代額であった場合に、はじめて同通達の適用があり、以後、権利金を支払って地代額を通常の地代額に引き下げるなど特段の事情の変化がない限り、同通達が継続して適用されるものと解される。また、財産評価基準書における借地権割合は、借地権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、当該価額に対する借地権の売買実例価額、精通者意見価格、地代の額等を基として評価した割合がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長が定めるとされるところ、本件各土地の所在する地域は、財産評価基準書において借地権割合が50%に定められていること及び借地権の取引事例があることなどからすれば、本件各土地の所在する地域は、借地権の取引慣行がある地域であり、相当地代通達の適用がある地域と認められるので、請求人らの主張する借地権の設定に際し権利金を支払う取引上の慣行のない地域である旨の主張は採用できない。(平21.12.18 関裁(諸)平21-54)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平210007
- 裁決年月日
- 平成21年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・461ページ
要旨
○ 請求人らは、請求人らの一人が相続により取得した本件土地(1,075㎡)の最有効使用は、本件土地が存する本件地域の状況及び本件土地の個別的要因を考慮すると、中高層の集合住宅等の敷地として利用することではなく、建築資金が小額でリスクの小さい戸建住宅の敷地として利用することである旨主張する。しかしながら、本件地域では、①平成X年にその用途地域が住居地域から近隣商業地域に変更され、建ぺい率は80%、容積率は300%と中高層の集合住宅等を建築することが可能であること、②平成X年以降、市に対して開発許可申請がなされていないことから1,000㎡以上の土地について開発行為をした場合に公共公益的施設の負担が必要な開発は行われていないこと、③本件相続の開始日以前10年間において、戸建住宅よりむしろ中高層の集合住宅等が多く建築されていることが認められる。次に、本件土地についてみると、本件土地の形状、接面道路の幅員、本件土地と接面道路との接する距離、接面道路と県道・国道との距離に加えて、容積率が300%と定められていることなどからしても、本件土地に中高層の建物を建築することに特段の支障を来たす状況は見受けられない。なお、平成10年8月には、本件地域内の約830㎡の土地に11階建の事務所ビルが建築されており、本件土地と同規模の土地が細分化されることなく一体として利用されている。以上の事実を勘案すると、本件土地の最有効使用は、戸建住宅の敷地の用に供することではなく、中高層の集合住宅等の敷地の用に供することであると認められる。したがって、本件土地はマンション適地等に該当するので、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》に定める広大地に該当するとして評価することはできない。(平21.12.15 熊裁(諸)平21-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210078
- 裁決年月日
- 平成21年12月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は、接道面と高低差があり、また、その地表には凹凸があることから著しく利用価値が低下しており、これを考慮して評価すべき旨主張するが、本件土地は、奥行距離33mに対し、接面する西側道路から中央部に向かって高低差があり、東側の方が約1.5m高くなっていること及び土地の一部に凸凹があることが認められるものの、接面道路又は付近の宅地との間に著しい高低差があるとは認められず、駐車場として支障なく利用されていることから、本件土地が、付近にある宅地と比較して著しく利用価値が低下しているものとは認められない。(平21.12.14 東裁(諸)平21-78)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210078
- 裁決年月日
- 平成21年12月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の最有効使用は戸建住宅敷地で、その地域の標準的な地積に比し本件土地は著しく広大であり、その開発に当たって、公共公益的施設用地の負担を要することは明らかであるから、広大地の評価によるべきである旨主張する。しかしながら、本件土地が属する「その地域」の宅地の標準的かつ経済的に最も合理的な使用方法は、工場、倉庫又は事務所の敷地であると認められるところ、本件土地について、経済的に最も合理的な開発行為は工場、倉庫又は事務所の敷地として、2分割又は3分割することであると認められ、本件土地の開発行為に当たり、公共公益的施設用地の負担が生じるとはいえないから、請求人らの主張は採用できない。(平21.12.14 東裁(諸)平21-78)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210078
- 裁決年月日
- 平成21年12月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、自宅敷地と駐車場土地はいずれも登記簿上の地目も固定資産税の課税地目も宅地であること又は仮に駐車場部分の地目が雑種地であるとしても、2以上の地目の土地を一体として利用している場合に当たることから、一団の土地として広大地の評価を適用するべきである旨主張するが、財産評価基本通達に定める地目の判定は、課税時期の現況により判断すべきものであり、固定資産税等の地目によってすべきではなく、また、本件土地は自宅敷地と駐車場土地は明確に区分されて利用されていることから、本件土地を一団の土地として評価すべきである旨の請求人らの主張は採用できない。一方、原処分庁は、本件駐車場土地はフェンス等で区分されていることから一体評価することはできできない旨主張するが、本件駐車場土地は、一括して不動産管理会社に管理委託され、月極め駐車場として同一の利用目的に供され、財産評価基本通達7−2が、雑種地は、利用の単位となっている一団の雑種地(同一の目的に供されている雑種地をいう)を評価単位とする旨定めていることなどからすれば、本件駐車場土地は1画地として一体評価すべきであり、原処分庁の主張は採用できない。(平21.12.14 東裁(諸)平21-78)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210041ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成21年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件新定款は、拠出金払戻請求権及び残余財産分配請求権について、自らが拠出した範囲に限定していることからすると、本件医療法人は出資額限度法人と認められる。しかしながら、定款変更により、出資額限度法人へ移行したとしても、定款の後戻り禁止規定や医療法人の運営に関する特別利益供与の禁止が法令上担保されておらず、また、出資額限度法人の出資者は、通常の持分の定めのある医療法人との合併により、当該医療法人の出資者となることが可能であり、合併や譲渡の場合には、法人内に留保されている利益の多寡も大きな要素であることからすれば、定款の後戻り禁止規定等が法令上担保されていないこと等を併せ考慮すると、本件医療法人の拠出金の価額は、通常の出資持分の定めのある医療法人と同様に財産評価基本通達194-2の定めに従い評価すべきである。(平21.11.19 関裁(諸)平21-41)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210025
- 裁決年月日
- 平成21年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 財産評価基本通達の定める基準は時価評価の一方法として合理性を肯定でき、財産評価基本通達を適用することが特に不合理と認められる特別な事情が認められない本件においては、財産評価基本通達の定めに従って評価するのは合理的と認められる。請求人は、不動産鑑定士による鑑定評価額等により相続税法第22条に規定する時価を評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が提出した鑑定評価書には、①周知の埋蔵文化財包蔵地に位置することのみをもって減価要因としていること、②特定の者の通行の用に供されている私道を零評価していること、③取引事例比較法における比準価格、地価公示価格との規準価格を求める際の格差率に合理性が乏しいことなど、その鑑定評価に合理性が認められない。したがって請求人の主張は採用できない。(平21.11.18 大裁(諸)平21-25)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210020
- 裁決年月日
- 平成21年10月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・469ページ
要旨
○ 請求人は、本件借地権について、存続期間は相続開始後3年9ヶ月であり、本件家屋は老朽化が進み朽廃寸前のものであり、安全性を考慮して取壊した上で、無償で土地所有者に返還することが決まっているので存続期間も残りわずかであるから、正常な借地権としての評価をすべきでない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査したところによれば、本件借地権の返還についての合意は、本件相続開始日後に、相続人である請求人と土地所有者との間でなされたものにすぎないというべきである。また、そのほかに、被相続人と土地所有者の間で本件相続開始日までに本件借地権の存続期間を短期間に制限する合意がなされていた事実は認められないのであるから、相続税の課税価格の計算における本件借地権の価額の算定に当たって、上記本件借地権の返還についての合意を考慮すべきではない。したがって、残存期間が3年9ヶ月と確定していることを前提とする請求人の主張は採用することができない。(平21.10.23 大裁(諸)平21-20)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210020
- 裁決年月日
- 平成21年10月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・469ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件家屋につき、①相続開始の7か月前以降公共料金の使用実績がないこと、②賃料の支払を確認できないこと、③請求人の本件家屋は空家であり本件相続開始日において貸していない旨の原処分庁の調査担当者に対する申述をもって、賃貸されていたとは認められない旨主張する。しかし ①については、仮に賃借人が、電気、ガス、水道を使用していなかったとしても、不在により使用がなかったにすぎず、本件家屋が賃貸借の目的となっていない理由とはならない。また、②の賃料の支払を確認できないことについては、確かに、相続開始前の数年間支払いがないことが認められるが、当審判所の調査したところによっても、被相続人が賃借人に対し借地借家法第26条第1項及び同法第27条1項に規定する解約の申入れをした事実は認められず、借地借家法には、賃料が未払である事実があれば解約されたものとみなす規定もないから、家賃が未払になった後も賃貸借契約は継続していたというほかはない。さらに、③の請求人の原処分庁の調査担当者への申述についても、賃借人は、本件相続開始日において本件家屋に荷物を置いて占有しており、父親の死亡後被相続人から本件家屋を賃借したものであり、請求人も相続開始後3年8月経過したころ、賃借人から残置家財の放棄承諾書の送付を受けるなど、同人の適法な占有を前提とするかのような行為をもしていることと整合せず、本件家屋が本件相続開始日において賃貸の用に供されていないことを裏付けるに足りるものではない。したがって、これらの原処分庁の主張は採用することができない。(平21.10.23 大裁(諸)平21-20)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210023ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成21年10月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、パチンコ景品卸売業を営むA社のたな卸商品の評価について、原処分庁が認定したたな卸商品の相続税評価額は、未使用景品の数量を過少に認定した結果、たな卸商品の相続税評価額が過大であり、株式の評価に誤りがあると主張する。しかしながら、A社の取り扱う特殊景品は、同社が準備した特殊景品が巡回する方式であり、既流通景品と未使用景品は、仕入価額が異なることから、区分されているべきところ、直前期末の貸借対照表には区別することなく全て景品交換業者からの仕入価額で計上されており、請求人が主張する数量の未使用景品が直前期末にあったと確認できる証拠は見受けられない。一方、原処分庁は、証拠がないことから異議調査時に確認した未使用景品の数量を直前期末の未使用景品の数量として株式の評価をすべきと主張するが、当審判所の調査によれば、直前期末において、原処分庁が主張する未使用景品の数量のほか、未使用景品があったことが確認できた。よって、当審判所の調査結果に基づきたな卸商品の相続税評価額を算定すると、原処分の課税価格及び贈与税額等は過大であり、その一部を取り消すべきである。(平21.10.19 関裁(諸)平21-23)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210001
- 裁決年月日
- 平成21年10月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、○○社が行う医療に直接関係する補助業務(以下「本件業務」という。)が、請負先の病院の部屋に○○社の従業員が常駐して継続的に行うものであり、病院という事業所の一部であることから「医療業」に該当し、類似業種比準価額計算上の業種目(以下「本件業種目」という。)に医療業がないことから、本件業種目は、「その他の産業(業種目番号118)」となる旨主張する。しかしながら、○○社が行う本件業務は、その作業請負契約等の内容からすると、いずれも、同法人が主として病院に対するサービスを提供していることから、類似業種比準価額により評価する場合の業種目は大分類サービス業となり、このサービス業は、中分類①ホテル・旅館業(業種目番号114)、②劇場・興行場経営業(業種目番号115)、③遊園地・遊戯場・競技場・その他の娯楽施設経営業(業種目番号116)及び④その他のサービス業(業種目番号117)に区分されているところ、本件業務が上記①ないし③に該当しないことが明らかであることからすれば、本件業種目は、「その他のサービス業(業種目番号117)」となる。なお、類似業種比準価額により評価会社の株式の価額を算定する場合における同価額計算上の業種目の判定は、事業所において行われている経済活動により判定することとなるところ、同一の構内において種々の経済活動が営まれている場合のこの事業所とは、経済活動を営む経営主体ごとに別区画とし、それぞれを一事業所として判定することとなる。そうすると、本件業種目については、○○社が営むその経済活動をそれぞれの事業所が独立して行っているとして判定することとなることから、たとえ、病院の構内でその業務が行われ、その業務がその病院に不可欠なものであったとしても、そのことをもって同法人が「医療業」を行っていると認めることはできないから、請求人の主張には理由がない。(平21.10. 5 福裁(諸)平21-1)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平210003
- 裁決年月日
- 平成21年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産として申告した土地等の評価額は時価と比較すると高すぎるので、それぞれの申告額に一定の割合を乗じた金額に減額すべきである旨主張する。しかしながら、相続税の相続財産の評価に当たり、財産評価基本通達で定める基準に基づき画一的に相続財産の評価を行うことには合理性があると認められているところ、請求人は、財産評価基本通達に基づいて算定した評価額から減算すべきと主張する割合について、明確な算定根拠はないと自認し、具体的な証拠書類等を提出しておらず、また、財産評価基本通達を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情も認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平21. 9. 3 札裁(諸)平21-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210012
- 裁決年月日
- 平成21年8月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は、本件相続に係る相続税申告期限の日において、その全体を居住の用に供していること及び平成7年1月12日付の審判所が裁決した事例と極めて類似しているから、同裁決と同様に、全体を1画地の宅地として広大地の評価をすべきである旨主張する。しかしながら、請求人らが主張する裁決と本件は前提が異なり、また、本件土地は、本件遺産分割により、本件A土地は請求人甲及び乙が共有持分で取得し、本件B土地は請求人甲が単独で取得している。そうすると、本件A土地は共有財産であるから、共有物の変更や処分は共有者の同意が必要であるなど、単独所有の場合と比較して使用、収益及び処分について制約がある土地であると認められる。そして、本件遺産分割が著しく不合理な分割であるとは認められないから、本件土地を1画地の宅地として評価する事情は認められず、本件遺産分割後の本件A土地及び本件B土地をそれぞれ1画地の宅地として、本件A土地のみを広大地として評価することが相当と認められるから、請求人らの主張には理由がない。(平21. 8.26 東裁(諸)平21-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210009
- 裁決年月日
- 平成21年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の評価額を、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》の定めを適用して評価すべきである旨主張する。しかしながら、同通達は都市計画法第4条《定義》第4項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められる場合に適用される。本件土地は、請求人らが提出した開発想定図によれば、道路等を設けず路地状開発を行っても、付近の標準的な宅地規模に、かつ、都市計画法等の法令違反することなく分割が可能である。また、本件土地の存する地域には、本件と同様に路地状開発が行われていることから、本件土地は、開発行為を行なうとした場合、道路等の公共公益施設用地の負担が必要とは認められない。(平21. 8.24 関裁(諸)平21-9)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平200012
- 裁決年月日
- 平成21年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は評価対象地について不動産鑑定士による鑑定評価額に基づき評価しているが、当該原処分庁鑑定評価は、違法な条件を付すとともに各試算価格を求める段階においても、し意的で不当な内容となっていることから、請求人鑑定評価額が時価というべきである旨主張する。しかしながら当審判所が請求人鑑定評価額について検討したところ、請求人鑑定評価額は、①不動産鑑定評価基準において、土地の正常価格を求めるときは、公示価格による標準地の価格を規準とした価格を採用しなければならない旨定められているところ、それを採用しておらず、不動産鑑定評価基準に照らし合理的なものとは認められないこと、②地代徴収権の現在価値を求める場合の複利年金現価率及び更地への復帰価値を求める場合の複利現価率は、それぞれ異なる性質のものでありその利率も異なるものであるところ、同一の率を採用しており、適切なものとは認められないこと、及び③底地価格の算定に当たり、全額借入による投資のみを前提とした場合には、借入金返済及び利潤ないしは利得が得られないため市場性の減退があるとして、減価を行い鑑定評価額を決定しているが、それは一部の特定した購入形態において成立する限定的な交換価値であって、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に成立する客観的な交換価値とはいえず、独自の見解に基づくものであり相当とは認められないこと等、合理性を欠く点が相当程度認められる。一方、原処分庁鑑定評価額は、公衆用道路の面積について相当と認められない点があるものの、それ以外は特に、不合理とする内容は認められず、両鑑定評価を比較する限りにおいては、原処分庁鑑定評価が信用性に優るということができる。したがって、評価対象地については、原処分庁鑑定評価を基に評価するのが相当である。(平21. 6.26 沖裁(諸)平20-12)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平200012
- 裁決年月日
- 平成21年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸宅地を評価する場合の財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)25の(1)《貸宅地の評価》に定める借地権価額控除方式には合理性がなく、また、売買実例による貸宅地の売買価額は借地権価額控除方式に基づき求めた評価額を下回っていることから、借地権価額控除方式を採用した原処分庁評価は違法である旨主張する。ところで、底地の価額を借地権価額控除方式により評価する趣旨は、借地権の取引慣行のある地域では、底地価格は単なる地代徴収権の価格にとどまらず、むしろ将来借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価格形成されているのが一般的であると認められるところ、この潜在的価値の合理的な算出は困難であり、また、底地価格そのものを単独で算出することも困難であるから、底地価格を算出するに当たっては、借地権価額控除方式により評価するのが相当であると考えられることなどによるものであると解されている。そして、底地価格を借地権控除方式により評価する場合の借地権の価額は、その借地権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、当該価額に対する借地権の価額の割合(以下「借地権割合」という。)を乗じて計算することとされているところ、この借地権割合は、借地権の売買実例価額、精通者意見価格及び地代の額等を基として評定され、その割合がおおむね同一と認められる地域ごとに定められているものであることからすれば、この評価方法は、相続税法第22条《評価の原則》の趣旨及び評価通達の考え方に照らし合理性を有するものと認められる。なお、評価通達25(1)に定める評価方法は、一般的に合理性を有すると認められるところ、将来、底地に借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値が存すると認めることが困難であるとするような特別な事情が存する場合には、この限りではないと解される。以上のとおり、評価通達25(1)に定める評価方法は合理的と認められ、また、本件貸宅地が本件貸宅地の上に存する借地権と併合されて完全所有権となることを妨げる特別な事情は認められないことから、本件貸宅地については、評価通達25(1)の定めに基づいて評価すべきであり、当該定めに基づいた原処分庁評価額は相当と認められる。また、請求人主張の底地の売買実例価額には、その取引の個別の事情が反映されているため、売買実例価額をもって直ちに客観的交換価値である時価とみることはできないことからしても、請求人の主張には理由がない。(平21. 6.26 沖裁(諸)平20-12)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平200012
- 裁決年月日
- 平成21年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は評価対象地が広大地で無道路地に該当するとして、開発想定図を作成しそれに基づき評価額を算定しているが、原処分庁の開発想定図における開発区域外の道路と開発区域内道路とを接続する道路(以下「接続道路」という。)は、当該道路を設定した後の隣接地の北東側の残地が、住宅地として利用できないように設定しており、当該隣接地の所有者は、そのような区分での売却には応じず実現不可能なものである旨主張する。ところで、広大地を評価する場合には、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に基づき行うべきところ、同通達の趣旨は、未開発な土地を宅地として活用する場合や広大な宅地を再開発する場合には、都市計画法による開発行為が必要となり、その結果、道路、公園等の公共公益的施設用地としてかなりの提供用地が生ずることから、その土地の評価に当たって提供用地となる部分の地積を考慮することとしたものであり、この取扱いは相当であると認められる。そして、広大地補正率の基になる公共公益的施設用地については、経済的に最も合理的であると認められる開発行為を行うとした場合の公共公益的施設用地の地積をいう旨定めている。これを本件についてみると、評価対象地は、広大地に該当するため、広大地補正率の基となる公共公益的施設用地、すなわち開発区域内道路について経済的に最も合理的に設定して面積の算定を行うべきところ、原処分庁の開発想定図は、区画数の多寡、道路の設置状況及び各画地の形状等を総合勘案すると、経済的に合理的であると認められるところであり、当該開発想定図における開発区域内道路からの接続道路の設定は相当と認められる。(平21. 6.26 沖裁(諸)平20-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平200027
- 裁決年月日
- 平成21年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・383ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地は、土地区画整理事業が完了しているが、戸建住宅分譲用地の開発では公共道路の取付けが必要であるから、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》を適用すべきである旨主張する。しかしながら、当審判所において、経済的に最も合理的である利用を前提として、1区画の面積及び接道義務の基準、本件土地の地形並びに近隣地域の利用状況をしんしゃくして開発想定図を作成すると、本件土地は、①本件土地周辺地域の利用状況にあった宅地の地積に分割され、②当該分割による開発が、都市計画法等の法令などに反しておらず、③容積率及び建ぺい率も経済的に利用されることから、このような開発は、同通達に定める「経済的に最も合理的な」開発に該当し、この場合に、公共公益的施設としての道路を敷設することなく開発することが可能である。したがって、財産評価基本通達24−4の適用はなく、請求人の主張には理由がない。(平21. 6.25 仙裁(諸)平20-27)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平200027
- 裁決年月日
- 平成21年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・383ページ
要旨
○ 請求人は、本件賃貸借土地が所在する地域は、財産評価基本通達27《借地権の評価》に定める通常権利金を支払う慣行のない地域であり、本件出資の評価額の算定に当たり資産の額に加算すべき同通達28《貸家建付借地権の評価》に定める貸家建付借地権はない旨主張する。しかしながら、国税庁長官が財産評価の一般的な基準として財産評価基本通達を定め、これに基づき、国税局長が借地権売買の実例や権利金の授受等の地域ごとの実態に即して借地権割合等を定めて、納税者の申告・納税の便に供するためにこれを財産評価基準書として公開しているのであるから、これによらないことが正当として是認されるような特別な事情がない限り、財産評価基本通達の定めに従って評価すべきである。そして、財産評価基準書の借地権割合等の評定方法は、売買実例価額、精通者意見価格、地代の額等に関する資料を収集、整理して行うこととされ、本件賃貸借土地の所在する地域の借地権割合については、土地取引の精通者としての不動産鑑定士の意見を勘案して適切に評定されていることから、その借地権割合を30%と定めたことは相当であると認められる。一方、請求人からは、本件賃貸借土地の所在する地域が財産評価基本通達27に定める「取引慣行があると認められる地域以外の地域」であること、あるいは、当該通達の定めに従った評価をしないことが正当として是認されるような特別な事情があることについて、具体的な主張、立証もなく、また、審判所の調査、審理においても、そのような事実あるいは事情は認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平21. 6.25 仙裁(諸)平20-27)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平200033
- 裁決年月日
- 平成21年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、隣接宅地及び本件私道の各共有持分について暴力団関係者が登記名義を有していることは、所有者という立場を利用して不当な言いがかりをしてくる可能性があるから、本件宅地について減価要因が生じているとして、当該要因を近隣対策費として減価した請求人ら鑑定評価に基づく鑑定評価額が本件宅地の時価である旨主張する。しかしながら、請求人ら鑑定評価は、標準画地比準方式を適用する際の近隣地域の範囲の判定及び標準画地の設定において土地価格比準表の定めに準拠していないばかりか、格差の程度の判定においても土地価格比準表の定めを著しく超える判定を行うなど、その合理性に問題がある。また、上記減価要因は、現実的かつ具体的な要因ではなく心理的要因であると認められるところ、請求人ら鑑定評価が市場性及び費用性の両観点から算定した減価率100分の30はその算定方法に問題があるといわざるを得ないから、請求人ら鑑定評価額が時価を示すものとはいえない。これに対し、原処分庁鑑定評価は、上記減価要因を近隣地域と類似地域の格差要因とみて、その格差率を100分の5と判定して地域格差の補正を行っていることは、当審判所においても相当と認められ、その他の部分についても、不動産鑑定評価基準等に準拠して適正に鑑定評価が行われており、原処分庁鑑定評価は十分合理性を有するものである。そして、本件においては、このようにして算定された原処分庁鑑定評価額が相続税評価額を下回るから、原処分庁鑑定評価額を本件宅地の時価とみるのが相当である。(平21. 6.25 広裁(諸)平20-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200173
- 裁決年月日
- 平成21年5月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・444ページ
要旨
○ 請求人は、本件会社は、営業譲渡後は主たる事業は行っておらず、債務超過の状態が相当期間続き、資産状況及び経営状況が改善される見込みもないことなどから、既に破たんしていることは明白であり、本件相続開始日において、本件貸付金の一部は回収が不能である旨主張する。しかしながら、貸付金の回収が不可能又は著しく困難と見込まれるときとは、その事業経営が客観的に破たんしていることが明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときであると解されるところ、①本件会社は現在まで存続し、出向料収入や不動産の売買による収益があること、②本件会社の借入金債務は、関係会社、本件被相続人及びその親族からの債務が大半であって、返済期限等の定めがないため、直ちに返済を求められる可能性は極めて低く、金融機関等外部からの借入れに比べて有利といえること、③本件会社は、本件相続開始日の直前期において、本件被相続人に対し、借入金の一部の返済をしていることが認められる。そうすると、本件相続開始日において、本件会社の事業経営が破たんしていることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得る状況にあったとは認められないのであるから、請求人の主張には理由がない。(平21. 5.12 東裁(諸)平20-173)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200051
- 裁決年月日
- 平成21年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件隣接土地が、一般競争入札において最低売却価格の120%に相当する価額で落札されたとして、その価額を基に算定した価額が、本件土地の時価である旨主張するが、その価額は、平成16年当時の価額であり、また、その当時の本件隣接土地の行政規制による最低敷地面積は、100㎡で、容積率は80%であり、本件相続開始日における行政規制と異なっていることから、時点修正等何らのしんしゃくも行わず算定した請求人らの主張額に合理性はない。(平21. 4.22 関裁(諸)平20-51)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200051
- 裁決年月日
- 平成21年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものに当たるから本件土地の評価に財産評価基本通達24‐4の適用がある旨主張するが、本件土地の地積は479㎡であることからすれば、本件土地には2〜3戸の住宅建築が可能であると認められる。本件相続開始日において本件土地の属する地域における開発事例をみてみると、本件土地に隣接する土地において道路を設けず二画地に路地状開発されており、このように本件土地も当該隣接土地と同様に、道路を設けなくても法令等に反することなく二画地とする開発は可能であるから、本件土地について開発行為を行う場合に道路の負担は必要ないと認められる。また、公共公益的施設用地のうちごみ集積所用地は、開発行為を行うとした場合に必ず義務付けられているものではなく、仮に必要であったとしても同通達15から同20‐5による減額の補正では十分とはいえない程のつぶれ地が生じるとは認められない。以上のとおり、本件土地について開発行為を行うとした場合に公共公益施設用地の負担が必要とは認められないことから、本件土地の評価に同通達24‐4の適用はない。 (平21. 4.22 関裁(諸)平20-51)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200050
- 裁決年月日
- 平成21年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地の時価は、不動産鑑定士の鑑定評価額によるべきである旨主張するが、本件鑑定には合理性を欠く点が認められることから本件相続開始日における本件土地の相続税法第22条に規定する時価とは認められない。一方、本件路線価は、当審判所が本件区画整理事業地内の本件基準地価格から算定した価額155,090円/㎡と比較してみても時価を上回ると認められない。また、本件路線価は、本件基準地と取引事例地が本件区画整理事業地内における建築制限等が同様と認められる上、本件路線価の評定担当署所属の職員の答述からすれば、制限はしんしゃく済と認められる。よって、本件路線価を基に本件土地の相続税評価額を算定すると、本件申告額を上回る。したがって、本件申告額は、時価を下回り相続税評価額も下回ることからそれを取り消すべき理由はない。(平21. 4.20 関裁(諸)平20-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200158
- 裁決年月日
- 平成21年4月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の所在する地域の標準的な宅地の地積は、その所在地における宅地開発指導要綱指導基準に定める135㎡に基づいて判断すべきである旨主張する。しかしながら、標準的な宅地の地積は、利用状況、環境等がおおむね同一と認められる、ある特定の用途に供されるひとまとまりの地域における標準的な宅地の地積に基づいて判断するのが相当であり、行政指導における目安として定められたものである宅地開発指導要綱指導基準に定める地積のみに基づき判断すべきものとは認められない。(平21. 4. 9 東裁(諸)平20-158)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200158
- 裁決年月日
- 平成21年4月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、広大地に該当するか否かの判断は、開発行為を行うことが経済的に最も合理的であるか否かを考慮する必要はなく、開発許可申請が必要な行為をするとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要であるか否かによって判断するべきである旨主張する。しかしながら、広大地の評価は、その土地の経済的に合理的な用途である戸建住宅分譲用地として開発を行う場合に、相当規模の公共公益的施設用地の負担が生じることを前提として、その負担を考慮して減額の補正を行うとしたものである。そうすると、経済的に合理的な開発行為であるか否かにかかわらず、開発行為を行う場合に公共公益的施設用地の負担がありさえすれば、広大地の評価の適用があると解釈することはできない。(平21. 4. 9 東裁(諸)平20-158)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200151
- 裁決年月日
- 平成21年4月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、土地の評価の安全性をかんがみれば、複数の隣接する貸家建付地を一体で評価することによって、納税者有利に広大地の評価をすることは合理的である旨主張する。しかしながら、宅地の評価単位について、財産評価基本通達7−2は、利用の単位となっている1区画の宅地を評価単位とする旨定めている。この評価単位の判定は、①宅地の所有者による自由な使用収益を制限する他者の権利の存在の有無により区分し、②他者の権利が存在する場合には、その権利の種類及び権利者の異なるごとに区分することとされており、貸家建付地の評価において貸家が数棟あるときには、原則として、各棟の敷地ごとに区分して評価することとなる。(平21. 4. 6 東裁(諸)平20-151)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200151
- 裁決年月日
- 平成21年4月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、4階建の共同住宅が存する本件土地は、中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものであるから、広大地の評価の適用はない旨主張する。しかしながら、本件土地は、①低層住宅地における良好な居住の環境を保護する第一種低層住居専用地域に存し、建ぺい率が50%、容積率が80%であって、建築物の高さ制限は都市計画において第1種高度地区に指定されていることから10m以下であり、②付近の土地の利用状況は、一部に3階建程度の集合住宅が存するものの、大部分は戸建住宅の用に供され、③本件相続開始日前5年程度の近隣での宅地開発状況は、戸建住宅となっているものが多くその中には地積2,000㎡以上の土地が含まれていることから、その周辺地域の標準的使用は戸建住宅の敷地であるということができる。また、本件土地上の4階建共同住宅は、建築後既に35年を経過しており、当該建物建築後の都市計画の変更により本件相続開始日においては同じ4階建の建築物の建築はできないことなどの特殊事情があることからすれば、当該建物の存在を考慮しても、本件土地はマンション適地等に該当するとはいえないというべきである。そして、①本件土地の地積は、周辺の標準的な戸建住宅の敷地面積に比して著しく広大と認められ、②接面道路から奥行距離の長い形状で、戸建住宅の敷地として利用する場合には、敷地内の道路開設など公共公益的施設用地を負担する必要が認められるから、相続税評価額の計算上、広大地の評価の適用を認めるのが相当である。(平21. 4. 6 東裁(諸)平20-151)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200151
- 裁決年月日
- 平成21年4月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担の必要が認められるか否かの判断は、経済的に合理性のある戸建住宅用地の分譲を行った場合において、その負担が必要になるか否かによって判断するのが相当と解される。そうすると、①原処分庁が路地状敷地を組み合わせて区画割した開発想定図における各画地の地積は、ほぼその所在する地域における標準的な宅地(戸建住宅の敷地)の地積の範囲内となっていること、②原処分庁が路地状敷地を組み合わせて区画割りした開発想定図に基づく開発は可能であり、都市計画法等の法令に違反しないこと、③原処分庁の路地状敷地を組み合わせて区画割りした開発想定図は、潰れ地を生じさせずに土地を活用できるものであり、容積率及び建ぺい率の計算上、有利に作用する区画割であると認められること、④近隣の地域においても、路地状敷地を有する開発が行われていることから、本件土地については、原処分庁の開発想定図のとおり路地状敷地を組み合わせた開発が経済的に合理性を有するということができ、経済的に合理性のある戸建住宅用地の分譲を行った場合において、公共公益的施設用地の負担が必要な土地とは認められないから、広大地の評価の適用は認められない。(平21. 4. 6 東裁(諸)平20-151)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200151
- 裁決年月日
- 平成21年4月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、路線価は、平坦地を想定して付されていることから、道路との高低差が認められる本件土地はその事情を評価に考慮すべきである旨主張する。しかしながら、路線価は、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに設定することとし、その一連の宅地に共通した地勢にある宅地について評定した価額とすることとしている。すると、路線価が設定された路線に面した一連の宅地に共通した地勢が道路との高低差がある地勢である場合には、高低差があることが路線価の設定に当たって考慮されているから、その所在地の周辺の一連の宅地に共通した地勢と評価する宅地の高低差を比較検討してもなお著しい高低差がある場合に限って、著しい利用価値の低下があるとして減額をする旨の取り扱いをするのが相当である。これを本件土地についてみると、本件土地周辺の一連の宅地に共通した地勢は、緩やかな傾斜地であり、本件土地と同程度の接面道路との高低差があるものである。そうすると、本件土地は、周辺の一連の宅地に共通した地勢と比較検討して、その付近にある宅地に比べて著しく高低差があるとはいえないから、著しく利用価値が低下していると認められる部分があるとは認められず、その評価上、高低差を理由とする減額はできない。(平21. 4. 6 東裁(諸)平20-151)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200062
- 裁決年月日
- 平成21年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸家のように、登記簿上一棟の建物である場合には、建物内部に構造上の各独立部分があっても、その一部分が賃貸された場合には、借地借家法の解釈上その借家人の権利は建物全体に及ぶと解されるから、本件貸家は、財産評価基本通達26にいう「各独立部分がある場合」に該当せず、賃貸割合に基づいて評価することはできない旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達26の算式の(2)の算式の注書は、「各独立部分」につき、建物の構成部分である隔壁、扉、階層等によって他の部分と完全に遮断されている部分で、独立した出入口を有するなど独立して賃貸その他の用に供することができるもの、すなわち構造上の独立性を有しているものと定めており、請求人が主張するように当該貸家の各戸ごとの処分が可能でない場合には「各独立部分がある場合」に該当しない旨を定めたものでないことは明らかであるし、実質的にみても、賃貸建物の各入居部分が構造上独立している場合には、個々の入居者の借家権はその居住部分に限って及ぶのであり、建物全体に及ぶとは解されないのであって、請求人の主張は前提を誤っている。確かに、貸家のうちの1戸でも入居者が退去に応じなければ、これを譲渡したとしても譲受人としてはその敷地をやはり自由に利用できないという点では、その経済的価値が低下することに変わりはないが、その低下する価値は、あくまで借家人の有する借家権の経済的価値に対応した立退料等を基に算出されるものであり、構造上独立している以上は、借家権が及ぶ範囲がその独立した居住部分に限定され、立退料等もこれを基に算出されるのであるから、この場合にも賃貸割合に従って評価するのが相当というべきであって、「各独立部分がある場合」に該当しないと解することはできない。(平21. 3.25 大裁(諸)平20−62)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200062
- 裁決年月日
- 平成21年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は、マンション適地ではなく、その最有効使用は戸建分譲地であり、公共公益的施設用地の負担が必要であるから、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》に定めのある広大地に該当し、評価するに当たって広大地補正をすべき旨主張する。しかしながら、本件土地は、本件土地の所在する地域における標準的な使用方法が店舗等の敷地としての使用であることに加え、幹線道路を挟んで本件土地の向かい側にある街区や北側の街区のうち当該道路に面している部分の大半が商業施設であることや、本件土地が6階建のマンションに挟まれていることなどの状況も考慮すると、本件土地における最有効使用の方法は、開発行為等を行って戸建住宅の敷地用地として利用するのではなく、標準的な使用方法である店舗等の敷地として利用することであると認めるのが相当である。そして、本件土地を店舗等の敷地として利用する場合、戸建住宅の敷地として利用する場合のように、これを小規模の複数の店舗用地に分割して利用することが経済的に最も合理的であるとは考えられず、むしろ、一体として利用することが最有効使用の方法であると認められる。そうすると、本件土地は、これを最有効使用した場合に公共公益的施設用地の負担が必要となる土地ではないと認められるから、広大地には該当しないというべきである。(平21. 3.25 大裁(諸)平20−62)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200058
- 裁決年月日
- 平成21年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が出資していた株式会社及び有限会社に対する貸付金の評価について、①被相続人が各法人の唯一の株主又は社員でかつ代表者であること、②各法人の長期借入金の借入先が被相続人のみであること、③本件貸付金には返済期限等の定めはなく、実際の返済も不規則で借入れと返済を繰り返していることから、各法人は実質的に被相続人の事業の一部にすぎず被相続人と経済的に一体であり、財産評価基本通達が適用できない特別な事情がある旨主張する。しかしながら、法人の長期借入金に係る債権者が債務者法人の唯一の株主又は社員でかつ代表者であること、当該債権者が当該法人の長期借入金に係る唯一の債権者であること又は当該債権者に係る借入金に弁済期の定めがないことのいずれによっても債権者としての地位に変動をもたらすこととなる旨の法令の規定はなく、上記①ないし③の事実をもって本件各法人の資産及び負債が被相続人自らの資産及び負債となる法的根拠は見当たらない上、被相続人が本件各法人の不動産賃貸業に係る利益を自己の不動産所得として申告しているわけでもなく、被相続人は、本件各法人から不動産賃貸料及び給与の支払を受け、本件各法人は、これらを経費としている事実に照らせば、被相続人と本件各法人が経済的に一体であるということはできない。したがって、請求人の主張は採用できず、本件貸付金の価額は、財産評価基本通達の定めに基づいて評価するのが相当である。(平21. 3.16 大裁(諸)平20-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200136
- 裁決年月日
- 平成21年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802044
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/4市街地山林
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、市街地山林を宅地比準方式により評価する場合に控除する造成費は、当該市街地山林を相続開始後に開発行為をした際に支出した費用のすべてが対象になる旨主張する。しかし、財産評価基本通達49《市街地山林の評価》は、市街地山林を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費に相当する金額として、整地、土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長が定める金額を定め、この定められた造成費を適用するのが不適当と認められる場合には個別に造成費を算定することとしている。この個別に算定する場合であっても、ここにいう造成費は、財産評価基本通達が想定する土地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費と同様のものであり、同通達がその範囲を「整地、土盛り又は土止めに要する費用」と定めていることから、具体的には、整地、土盛り又は土止めに要する費用、すなわち、宅地以外の土地を宅地にするために通常必要とされる土地の形質の変更に要する費用を指すものと解するのが相当である。したがって、当該市街地山林に開発行為をした場合であっても、請求人が主張する、開発許可に要する費用、給排水設備費、道路工事費、開発行為に伴う公共公益的施設用地の負担に相当する金額等は造成費には含まれない。(平21. 3. 2 東裁(諸)平20-136)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200136
- 裁決年月日
- 平成21年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件甲土地は道路に接していないこと、接道義務を満たしていないこと及び開発行為をする場合に取付道路の設置が要件とされていることから、無道路地として評価すべきである旨主張する。無道路地とは道路に接しない土地(接道義務を満たしていない土地を含む。)をいい、そのような土地は、建築物を建築するとした場合に、接道義務を満たさないことからくる相当の制限があることから、財産評価基本通達20−2《無道路地の評価》は、無道路地の価額の100分の40の範囲内において、接道義務に基づき最小限度の通路を開設する場合のその通路に相当する部分の金額を控除することと定めている。そうすると、接道義務を満たさないことからくる相当の利用の制限が認められない場合には、評価上しんしゃくする必要がないというべきであり、例えば、道路に接するまでの土地が自己所有である場合には、新たに道路を開設するための取得費用の負担がなく、いつでも道路を開設することが可能であるから、財産評価基本通達に定める無道路地に該当しないと解される。本件甲土地は、道路に接する本件乙土地と隣接しており、両土地とも同一の相続人が取得したことから、本件乙土地を介して道路に接していることになり、接道義務を満たさないことによる利用の制限があるとは認められないので、本件甲土地は無道路地に該当しない。(平21. 3. 2 東裁(諸)平20-136)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200052
- 裁決年月日
- 平成21年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、乙社及び丙社は、債務超過の状態で、本件相続の開始時には事実上倒産状態にあり、本件貸付金は、本件相続の開始時において回収不能の状態にあったといえるから、その評価額は零円とすべきである旨主張する。しかしながら、乙社及び丙社は、資産状況が債務超過で、営業状況が赤字であったとしても、直ちに事業経営が破たんするような状況ではなく、本件相続開始日において事業活動を継続していることからすると、両社の事業経営が客観的に破たんしていることが明白で、本件貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得る状況にあったとは認められない。(平21. 2.25 大裁(諸)平20-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200052
- 裁決年月日
- 平成21年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各鑑定が適正であり、路線価方式では適正な時価が反映されないから、その評価額は、本件各鑑定の評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達に定められた評価方法により、画一的に財産の評価を行なうことは、税負担の公平、効率的な租税行政の実現という観点からみて合理的であり、これを形式的にすべての納税者に適用して財産の評価を行なうことは、一般的には、税務負担の実質的な公平をも実現し、租税平等原則にかなうものであり、財産評価基本通達に定める評価方式によらないことが正当として是認されるような特別の事情がある場合に限り、他の合理的な評価方式によることが許されると解すべきである。そして、財産評価基本通達に定める路線価方式による評価方法は、実勢価格を相当程度性格に反映しており、基本的に合理性を有するものということができ、これによらないことが正当として是認されるような特別な事情がない限り、路線価方式により評価すべきである。本件各土地の地価の変動等が特別な事情に当たるかどうか検討すると、本件土地が所在する地域の平成16年分及び平成17年分の地価及び各路線価の年間下落率は最大で12.03%であるから、平成16年分の評価時点の平成16年1月1日から本件相続開始日までの間に20%を超える下落があったものとは認められず、路線価方式により算定される評価額が、客観的な交換価値を上回るような特別な事情があったとは認められない。なお、本件各鑑定は、資料選択及び判断が合理的に行われたものとはいえず、本件各鑑定の評価額は、本件各土地の時価を適正に評価したものとは認められない。したがって、本件各土地の評価額は、路線価方式によって評価するのが相当である。(平21. 2.25 大裁(諸)平20-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200130
- 裁決年月日
- 平成21年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が有する貸付金は、その回収が定期的かつ長期的になるから、相続税法第24条に規定する有期定期金にほかならない旨主張する。しかしながら、相続税法第24条は定期金給付契約に関する権利を評価する規定であるところ、当該貸付金は、金銭消費貸借契約に基づく貸付金債権であるから、権利内容の異なる有期定期金として評価すべき理由は認められない。また、当該貸付金について、財産評価基本通達204及び205に定める方法により評価すべきでない特別の事情も認められない。したがって、請求人らの主張には理由がない。(平21. 2.23 東裁(諸)平20-130)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200130
- 裁決年月日
- 平成21年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が同族会社の従業員甲に対して有する貸付金は、相続開始日における甲の財産状況が債務超過の状態であり、その全財産を処分しても貸付金の一部につき一時に回収することができない状況にあるから、その債務超過部分については、財産評価基本通達205の適用がある旨主張する。しかしながら、債務の支払は、債務者の財産、信用、労働力を総合的に活用してなされるものであるところ、一般に、債務者に、多額の債務があり、債務超過の状態にあったとしても、返済条件に従った返済が行われている限り、債権者から繰り上げ弁済を求められることはなく、債務の支払を継続することは可能であるから、単に債務超過の状態にあることをもって、債務超過相当額につき財産評価基本通達205の適用があるということはできない。また、甲は、①相続開始日の当時、年間700万円弱の給与収入を得ており、定年まで20年程度同族会社に勤務することが可能であって、その間経常的な給与収入が見込まれ、②更に、勤務する同族会社に退職給与規定はないものの、前例に照らすと、その退職時には勤続期間等を考慮した退職金の支給も見込まれ、③加えて、当該貸付金は、甲所有の居宅に設定された抵当権により担保されている。これらの事情に照らせば、たとえ相続開始日における甲の資産及び負債の状況が、請求人ら主張額のとおり債務超過状態であったとしても、その資産状況及び支払状態が破たんしていて、貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとはいえないから、当該貸付金については、財産評価基本通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当すると認めることはできない。(平21. 2.23 東裁(諸)平20-130)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200018
- 裁決年月日
- 平成21年1月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・413ページ
要旨
○ 請求人は、本件相続の開始の際には、社員・役員全員の同意により出資持分権者がその有する請求人の出資持分を放棄することが決定済みで、その履行途中の段階にあったのであり、このような特別の放棄の意思決定及び特別の法的手続の拘束下にあり、不特定多数の当事者間で自由な取引が行なわれること自体が起こり得ない本件出資持分の価額は、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)に定める評価方法に基づいた評価額で評価すべきでなく、かかる取引が行なわれる場合に通常成立するとみられる価額は零円と評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達に定められた評価方法は合理的なものであり、これが形式的にすべての納税者に適用されることによって租税負担の実質的な公平をも実現することができるといえるから、評価通達194−2に定める評価方法を適用したのでは適正な時価が求められず、著しく課税の公平を欠くことが明らかであるなど、評価通達194−2の定めによらないことが正当と認められるような特別の事情がある場合を除き、評価通達194−2に定める評価方法により、取引相場のない株式に準じて評価することが相当であると認められるが、本件においては、このような特別な事情は認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21. 1. 9 熊裁(諸)平20-18)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200037
- 裁決年月日
- 平成20年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地(6筆、合計面積は3,108.74㎡)は、財産評価基本通達7−2に基づき、全体を1画地の宅地として、また、財産評価基本通達26に基づき、貸家建付地の評価をすべきである旨主張する。そこで、本件土地の相続時の状況をみると、①居宅の南側に隣接する駐車場の敷地、②居宅及び庭園の敷地、③共同住宅の敷地及び④共同住宅の北側に隣接する駐車場の敷地の4つの部分から構成されており、その利用状況から評価単位を判断すると、②の居宅及び庭園は自用物件であり、共同住宅の入居者の賃借権は及んでいない。また、①の南側駐車場は共同住宅と一体として利用されていない一方、②の土地と一体として利用されていると認められるから、①と②の土地は、財産評価基本通達7ただし書により一団の宅地として、自用地評価をするのが相当である。③の共同住宅は、賃貸住宅として貸し付けられており、宅地として貸家建付地評価するが、④の北側駐車場は、共同住宅の利用者用の駐車場として使用されている部分はあるが、駐車スペースの相当部分が余剰スペースであり、入居者の賃借権が及んでいないというべきであることから、③の敷地と一体として利用されているとは認めることはできないので、雑種地として自用地評価すべきである。(平20.12.19 大裁(諸)平20-37)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200037
- 裁決年月日
- 平成20年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地(6筆、合計面積は3,108.74㎡)には、57.8%の容積率の建物が建っているにすぎないこと等から、「既に開発を了しているマンション・ビル等の敷地用地」として最有効利用している土地に該当しているとは認められないため、本件土地全体に財産評価基本通達24−4に定める広大地の評価の適用を認めるべきである旨主張する。そこで、本件土地の評価単位をみると、本件土地は、①居宅及び庭園の敷地並びに居宅の南側に隣接する駐車場の敷地、②共同住宅の敷地及び③共同住宅の北側に隣接する駐車場の敷地の3画地に区分され、それぞれの画地ごとに評価することとなる。広大地補正の可否について判断すると、②及び③の敷地は、いずれも1,000㎡未満であり、広大地補正の対象とはならないが、①の敷地は、その合計面積が1,608.40㎡で1,000㎡以上であり、本件土地の用途制限、周辺状況や本件居宅が戸建住宅であることを総合すると、財産評価基本通達22−2に定める大規模工場用地及び中高層の集合住宅等の敷地に適しているもののいずれにも該当しないことが明らかであり、宅地の開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものに該当することから広大地補正の対象となる。(平20.12.19 大裁(諸)平20-37)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200038
- 裁決年月日
- 平成20年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地(6筆、合計面積は3,108.74㎡)は、財産評価基本通達7−2に基づき、全体を1画地の宅地として、また、財産評価基本通達26に基づき、貸家建付地の評価をすべきである旨主張する。そこで、本件土地の相続時の状況をみると、①居宅の南側に隣接する駐車場の敷地、②居宅及び庭園の敷地、③共同住宅の敷地及び④共同住宅の北側に隣接する駐車場の敷地の4つの部分から構成されており、その利用状況から評価単位を判断すると、②の居宅及び庭園は自用物件であり、共同住宅の入居者の賃借権は及んでいない。また、①の南側駐車場は共同住宅と一体として利用されていない一方、②の土地と一体として利用されていると認められるから、①と②の土地は、財産評価基本通達7ただし書により一団の宅地として、自用地評価をするのが相当である。③の共同住宅は、賃貸住宅として貸し付けられており、宅地として貸家建付地評価するが、④の北側駐車場は、共同住宅の利用者用の駐車場として使用されている部分はあるが、駐車スペースの相当部分が余剰スペースであり、入居者の賃借権が及んでいないというべきであることから、③の敷地と一体として利用されているとは認めることはできないので、雑種地として自用地評価すべきである。(平20.12.19 大裁(諸)平20-38)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200038
- 裁決年月日
- 平成20年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地(6筆、合計面積は3,108.74㎡)には、57.8%の容積率の建物が建っているに過ぎないこと等から、「既に開発を了しているマンション・ビル等の敷地用地」として最有効利用している土地に該当しているとは認められないため、本件土地全体に財産評価基本通達24−4に定める広大地の評価の適用を認めるべきである旨主張する。そこで、本件土地の評価単位をみると、本件土地は、①居宅及び庭園の敷地並びに居宅の南側に隣接する駐車場の敷地、②共同住宅の敷地及び③共同住宅の北側に隣接する駐車場の敷地の3画地に区分され、それぞれの画地ごとに評価することとなる。広大地補正の可否について判断すると、②及び③の敷地は、いずれも1,000㎡未満であり、広大地補正の対象とはならないが、①の敷地は、その合計面積が1,608.40㎡で1,000㎡以上であり、本件土地の用途制限、周辺状況や本件居宅が戸建住宅であることを総合すると、財産評価基本通達22−2に定める大規模工場用地及び中高層の集合住宅等の敷地に適しているもののいずれにも該当しないことが明らかであり、宅地の開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものに該当することから広大地補正の対象となる。(平20.12.19 大裁(諸)平20-38)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200033
- 裁決年月日
- 平成20年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父から贈与を受けたP国Q区所在のA社の出資(以下「本件出資」という。)に係る贈与税について、同社が出資するR市所在のB社が有する土地使用権等の資産(以下「本件各資産」という。)がP国政府による開発や整理に遭遇した場合、同国政府から何らの補償を得ることなく即日退去等ということがあるので、本件各資産の相続税評価額は零円として本件出資に係る課税価額を算出すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が本件出資の贈与を受けた当時にP国において施行されていた土地○○法及び都市○○管理法は、法に従って登記された土地使用権は法律の保護を受ける侵害できない権利であり、土地使用権は譲渡及び抵当権設定が可能である旨規定していることに加え、本件各資産は、現にB法人の製造活動に使用され、又は使用されることが予定されているものであることからすれば、本件各資産に財産価値があることが認められ、本件各資産の相続税評価額については、財産評価基本通達5−2《国外財産の評価》等の評価方法に準じたものとして、課税時期の直前期末のB社の貸借対照表に記載された金額に基づき計算した金額とするのが相当である。(平20.12. 1 名裁(諸)平20-33)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200034
- 裁決年月日
- 平成20年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、叔父から贈与を受けたP国Q区所在のA社の出資(以下「本件出資」という。)に係る贈与税について、同社が出資するR市所在のB社が有する土地使用権等の資産(以下「本件各資産」という。)がP国政府による開発や整理に遭遇した場合、同国政府から何らの補償を得ることなく即日退去等ということがあるので、本件各資産の相続税評価額は零円として本件出資に係る課税価額を算出すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が本件出資の贈与を受けた当時にP国において施行されていた土地○○法及び都市○○管理法は、法に従って登記された土地使用権は法律の保護を受ける侵害できない権利であり、土地使用権は譲渡及び抵当権設定が可能である旨規定していることに加え、本件各資産は、現にB法人の製造活動に使用され、又は使用されることが予定されているものであることからすれば、本件各資産に財産価値があることが認められ、本件各資産の相続税評価額については、財産評価基本通達5−2《国外財産の評価》等の評価方法に準じたものとして、課税時期の直前期末のB社の貸借対照表に記載された金額に基づき計算した金額とするのが相当である。(平20.12. 1 名裁(諸)平20-34)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200035
- 裁決年月日
- 平成20年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・368ページ
要旨
○ 請求人は、父から贈与を受けたP国Q区所在のH社の出資(以下「本件出資」という。)に係る贈与税について、同社が出資するR市所在のK社及びL社が有する土地使用権等の資産(以下「本件各資産」という。)がP国政府による開発や整理に遭遇した場合、同国政府から何らの補償を得ることなく即日退去等ということがあるので、本件各資産の相続税評価額は零円として本件出資に係る課税価額を算出すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が本件出資の贈与を受けた当時にP国において施行されていた土地○○法及び都市○○管理法は、法に従って登記された土地使用権は法律の保護を受ける侵害できない権利であり、土地使用権は譲渡及び抵当権設定が可能である旨規定していることに加え、本件各資産は、現にK社及びL社の製造活動に使用され、又は使用されることが予定されているものであることからすれば、本件各資産に財産価値があることが認められ、本件各資産の相続税評価額については、財産評価基本通達5−2《国外財産の評価》等の評価方法に準じたものとして、課税時期の直前期末のK社及びL社の貸借対照表に記載された金額に基づき計算した金額とするのが相当である。(平20.12. 1 名裁(諸)平20-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200019
- 裁決年月日
- 平成20年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地の一部の価額は、相続税評価額ではなく不動産鑑定士の鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地は区画整理事業が実施され宅地造成が既に完了しているにもかかわらず、多額な造成工事費を計上するなどして評定された鑑定評価額には合理性を認めることはできない。そこで、当審判所が本件各土地の近隣における公示価格及び取引事例から時価を検討したところ、本件各土地の原処分庁算定による相続税評価額が本件相続開始日における本件各土地の時価を明らかに上回るような特別な事情があるとは認められない。したがって、原処分庁算定による相続税評価額は相続税法第22条に規定する時価として合理性が認められる。(平20.11.19 関裁(諸)平20-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200075
- 裁決年月日
- 平成20年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、ゴルフ練習場敷地の一部として本件会社に貸し付けられている本件土地について、本件会社において造成工事を行っているから、財産評価基本通達86の注書きにより、造成工事を行う前の地目である畑として評価すべき旨主張する。 しかしながら、財産評価基本通達86の注書きは、賃借人がその雑種地の造成を行っている場合には、その造成が行われていないものとして同通達82の定めにより評価した価額から、同通達87の定めに準じて評価した賃借権の価額を控除して評価する旨定めているところ、この注書きは、賃貸人所有の貸し付けられている雑種地について、賃借人が造成工事を行っている場合に、造成した後の土地の価額を基としてその価額を評価すると、賃借人が負担した造成費相当額だけ高くなった土地の価額に基づいて評価することになるので、このように賃借人が造成している場合には、賃借人が行った造成工事による増価の影響を排除することとし、雑種地の自用地価額は、造成工事が行われていないものとして、財産評価基本通達82に定めるとおり、状況の類似する近傍の土地の価額から比準して求めることとするものである。したがって、財産評価基本通達86の注書は、飽くまでも造成工事による影響を排除するものであるから、注書きを適用して財産評価基本通達82の定めにより評価する場合は、造成工事以外の事項については、財産評価基本通達82が定める方式によるのが相当であり、評価対象地と状況が類似する付近の土地の地目の判定は、評価時点における評価対象地の周囲の土地の状況を考慮して行うのが相当である。そして、本件土地は、市街化調整区域内に存するものの、市街化区域に隣接しており、ゴルフ練習場を用途とした農地転用及び権利移動の許可を受け、ゴルフ練習場とするための開発許可を受けた土地であり、加えて、市街化区域外にある農地であっても、農地法第5条による転用及び権利移動の許可を受けた場合は市街地農地とし、宅地比準方式により評価することとしていることとの均衡から、その比準する状況の類似する土地は宅地とするのが相当である。(平20.11.13 東裁(諸)平20-75)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200075
- 裁決年月日
- 平成20年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、同族会社の株式の評価に係る純資産価額の計算において、同法人がゴルフ練習場の敷地として借りている本件土地に係る賃借権は、その権利自体が経済性の乏しいものであるから、株式の評価に当たってその価額は零とすべき旨主張する。ところで、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(以下「相当地代通達」という。)8において、被相続人所有の同族会社の株式評価上、無償返還届出書の提出されている土地の20%に相当する金額(借地権の価額)は、同社の純資産価額に算入する旨定めているところ、この取扱いは、被相続人が、80%評価した土地を賃借している法人の同族関係者である場合においては、被相続人に係る相続税の課税上、当該土地の評価額が個人と法人を通じて100%顕在化することが課税の公平上適当と考えるからあり、当審判所においても相当と認められる。本件土地の評価においては、同族会社である本件会社の構築物等の設置による使用収益の制約について相当地代通達8の取扱いとの均衡を考慮し、自用地としての価額から、100分の20の減価を行っている。そうすると、本件株式の評価における純資産価額の計算では、相続税の課税上の公平を図るためには、相当地代通達8の取扱いに準じて、本件土地の自用地としての価額から減じた100分の20相当の価額を本件会社の資産として計上するのが相当である。(平20.11.13 東裁(諸)平20-75)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200065
- 裁決年月日
- 平成20年10月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400806000
- 争点
- 8財産の評価/6営業権等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・336ページ
要旨
○ 請求人らは、贈与により取得した本件株式の価額の算定に当たり、1株当たりの純資産価額を算出する際の営業権の評価について、財産評価基本通達165に定める営業権の評価方法は、営業権の持続年数、平均利益金額を求める期間、総資産価額に乗ずる率等その計算要素について補正が必要であり、所要の補正をした上で本件株式の価額を算出すると原処分庁が算定した本件株式の価額を下回るから、原処分庁が算定した本件株式の価額は時価を超え違法である旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められるような特別の事情がある場合を除き、財産評価基本通達の定めに基づき評価した価額をもって時価とすることが相当であるところ、請求人らの主張する計算要素の補正については、補正すべき合理的理由は見当たらず、請求人らの主張する補正をした後の価額が本件株式の時価であるとはいえない。したがって、本件株式の価額の算定上、営業権の価額は、財産評価基本通達の定めに基づき算定することが相当と認められる。なお、本件株式の贈与者は、本件贈与の直前に本件株式を財産評価基本通達の定めに基づき算定した価額を大きく上回る価額で一部上場の会社に譲渡しており、本件贈与後においても、一部上場の会社は株式交換により本件株式を取得しているが、この際の価額も財産評価基本通達の定めに基づき算定した価額を大きく上回っている。これらの譲渡価額や交換価額は、それぞれの時点の本件株式の客観的交換価値を示している可能性が高いから、財産評価基本通達の定めにより算定した本件株式の価額が時価を上回っているとは認められず、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められるような特別な事情は認められない。(平20.10.23 東裁(諸)平20-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200065
- 裁決年月日
- 平成20年10月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・336ページ
要旨
○ 請求人らは、贈与により取得した本件株式の価額の算定に当たり、1株当たりの純資産価額を算出する際の営業権の評価について、財産評価基本通達165に定める営業権の評価方法は、営業権の持続年数、平均利益金額を求める期間、総資産価額に乗ずる率等その計算要素について補正が必要であり、所要の補正をした上で本件株式の価額を算出すると原処分庁が算定した本件株式の価額を下回るから、原処分庁が算定した本件株式の価額は時価を超え違法である旨主張する。 しかしながら、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められるような特別の事情がある場合を除き、財産評価基本通達の定めに基づき評価した価額をもって時価とすることが相当であるところ、請求人らの主張する計算要素の補正については、補正すべき合理的理由は見当たらず、請求人らの主張する補正をした後の価額が本件株式の時価であるとはいえない。したがって、本件株式の価額の算定上、営業権の価額は、財産評価基本通達の定めに基づき算定することが相当と認められる。なお、本件株式の贈与者は、本件贈与の直前に本件株式を財産評価基本通達の定めに基づき算定した価額を大きく上回る価額で一部上場の会社に譲渡しており、本件贈与後においても、一部上場の会社は株式交換により本件株式を取得しているが、この際の価額も財産評価基本通達の定めに基づき算定した価額を大きく上回っている。これらの譲渡価額や交換価額は、それぞれの時点の本件株式の客観的交換価値を示している可能性が高いから、財産評価基本通達の定めにより算定した本件株式の価額が時価を上回っているとは認められず、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められるような特別な事情は認められない。(平20.10.23 東裁(諸)平20-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200049ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成20年10月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803010
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件物件は、車庫として賃貸していることなどの特別の事情が存するから、その敷地権及び建物の価額を財産評価基本通達に基づいて画一的に、居住用マンション等と同じ方法で評価するのは不適当であり、不動産鑑定士による鑑定評価額によるのが相当である旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達による画一的な評価は、納税者間の公平、納税者の便宜、徴税費用の節減という見地からみて合理的であり、これを形式的にすべての納税者に適用して財産の評価を行うことは、租税負担の実質的公平をも実現することができ租税平等主義にかなうものであるから、著しく課税の公平を欠くことが明らかであるなどの特別の事情がある場合を除き、財産評価基本通達の定めに基づき評価した価額をもって時価とすることが相当である。本件についてみると、本件建物は固定資産税評価額が居住用のマンションと比較して30%程度低く定められており、本件建物の構造が固定資産税評価額に反映されていると推認できる。そして、本件建物は周辺のマンションにおいて一般的な構造の車庫である。また、本件土地の利用方法は、本件土地の存する地域において標準的なマンション敷地であり、本件被相続人の有する持分が他の区分所有者が有する共有持分と質的に異なることはない。したがって、財産評価基本通達により評価したのでは適正な時価が求められず、著しく課税の公平を欠くことが明らかであるとはいえない。請求人は2件の取引事例を掲げるが、この事例は、その所在地も異なり、本件物件と類似性もないことから、これらの取引事例をもって、本件物件の客観的交換価値が低いことが明らかであるとはいえない。以上のことから、請求人が主張する上記事情のみによって、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別な事情があるとは認められない。また、請求人が示した本件鑑定評価額についても、収益価格を鑑定評価額としていることについて明確な根拠がないこと等から本件物件の時価であるともいえない。(平20.10. 2 東裁(諸)平20-49)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200042
- 裁決年月日
- 平成20年9月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・307ページ
要旨
○ 本件各土地は、宅地として利用される地域に所在し、その相続税の評価においても、市街地山林であることから、財産評価基本通達においては宅地化を前提として評価される土地であると認められる。また、本件各土地は、周知の埋蔵文化財包蔵地に該当すると認められる区域内に所在し、実際にその一部に貝塚部分が存在していることから、宅地開発に係る土木工事等を行う場合には、文化財保護法第93条の規定に基づき、埋蔵文化財の発掘調査を行わなければならないことが明らかであり、しかも、その発掘調査費用は、その所有者(事業者)が負担することとなり、その金額も、埋蔵文化財発掘調査基準に基づき積算すると約○○○○円もの高額になる。そうすると、上記の宅地開発における埋蔵文化財の発掘調査費用の負担は、一般的利用が宅地であることを前提として評価される本件各土地において、その価額(時価)に重大な影響を及ぼす本件各土地固有の客観的な事情に該当すると認められる。そして、本件各土地に接面する路線に付されている路線価は、周知の埋蔵文化財包蔵地であることを考慮して評定されたものとは認められず、また、財産評価基本通達上に発掘調査費用の負担に係る補正方法の定めも認められないことから、本件各土地の評価上、当該事情については、本件各土地の評価の基礎なると路線価の評価水準とのバランスを取り、発掘調査費用額の80%相当額を控除するのが相当である。(平20. 9.25 東裁(諸)平20-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200042
- 裁決年月日
- 平成20年9月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・307ページ
要旨
○ 請求人は、埋蔵文化財の発掘調査に27年程度を要する本件各土地については、地上権が設定されている土地と同様の制約があるから、相続税法第23条の規定を準用して評価すべきである旨主張し、仮に当該主張が認められないとしても、著しく利用価値が低下しているものとして10%の減額をするべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第23条は、地上権及び永小作権は、民法に規定されている他人の土地を排他的に使用収益する用益物権についての使用収益価値の評価方法について規定したものである。これに対し、本件各土地における埋蔵文化財の発掘調査は、文化財保護法に基づく負担であって、本件各土地を使用収益できる物権ではないから、用益物権の評価方法を規定した相続税法第23条を準用して評価することはできない。また、埋蔵文化財の発掘調査期間については、調査員を増員することで調査期間を短縮することが可能であり、発掘調査が完了すれば調査の記録及び整理並びに報告書の作成を待つまでもなく発掘調査の対象となった土地の開発工事に着手することは可能とされる。さらに、①開発工事等において新たな遺跡等を発見し、文化庁長官へ届出をした場合において、文化庁長官は、最長6か月を超えて開発工事等の停止又は禁止を命ずることができないこと及び②請求人が当審判所へ提出した本件報告書には、本件各土地における発掘調査期間が6か月と見積もられていることからすると、本件各土地において要する発掘調査期間は6か月程度であると解するのが相当である。したがって、発掘調査期間が27年程度であることを前提とし、著しく利用価値が低下しているとして10%を減額すべき旨の主張も採用できない。(平20. 9.25 東裁(諸)平20-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200020ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成20年7月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達に従い取引相場のない株式の純資産価額を算定するに当たり、評価会社が匿名組合契約に係る出資をしていた場合において、営業者の資産状況が貸借対照表上損失になっているときには、当該匿名組合契約に係る出資は価値がないので評価額は零円となる旨主張する。しかしながら、匿名組合契約継続中に匿名組合員が営業者に対して有する権利は、営業者に対する利益配当請求権と匿名組合契約終了時における出資金返還請求権が一体となった権利と認めることができることから、その価額は、出資金を含めた匿名組合契約に基づく営業者のすべての財産及び債務を対象として、課税時期において、その匿名組合契約が終了した場合に匿名組合員が分配を受けることができる清算金の額に相当する金額と解するのが相当である。そして、この清算金の額を算出するに当たっては、財産評価基本通達185の定めを準用するのが相当である。なお、この金額は匿名組合契約の営業者の企業会計上の純資産価額と一致しないが、これは、事業継続期間中においては、営業者がその所有する固定資産を時価換算しないことによる当然の結果である。(平20. 7.25 東裁(諸)平20-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200009
- 裁決年月日
- 平成20年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、株式を相互に持ち合う大会社と中会社については、各会社の株式の原則的な評価方式より評価した価額をもって株式保有割合を算定すべきである旨主張する。しかしながら、株式保有特定会社の判定は、評価会社の有する各資産を財産評価基本通達の定めるところにより評価した価額の合計額のうちに占める株式等の価額の合計額である株式保有割合で判定する旨定められていることから、評価会社が所有する株式の評価額が明らかでないと、株式保有割合を算定することができないところ、本件における中会社は、その所有する大会社の株式を類似業種比準方式で評価した価額をもって株式保有割合を算定すると、株式保有割合が50%以上となる。そうすると、当該中会社については、株式保有特定会社に該当することが明らかである。そして、当該中会社が株式保有特定会社に該当することから、当該中会社の株式をもつ当該大会社の株式保有割合の算定に当たっては、当該中会社の株式の価額は、財産評価基本通達189?3の定める純資産価額又はS1+S2方式により評価した価額をもって算定するのが相当である。(平20.7.16 東裁(諸)平20-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200010ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成20年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、2以上の取引相場のない株式の発行会社が相互に株式を持ち合っている場合の株価の調整計算は、財産評価基本通達に定めのない事項であるから、原処分庁が自らこれを解釈して課税処分を行うことは違法である旨主張する。しかしながら、株式を相互に持ち合っている場合、純資産価額方式で評価しようとすると、相互に持ち合う株式の評価額が連鎖する関係にあることから、その調整を図る必要があると解され、その調整方法は、これらの会社の資産及び資本の関係を数式化し、この数式に基づき評価額を算定することとなるのであって、このような関係は、株式を相互に持ち合っている場合の資産及び資本の関係を矛盾なく合理的に分析することで容易に判断することができる。本件の場合、ともに株式保有特定会社に該当する大会社と中会社が相互に株式を持ち合っていることから、純資産価額方式又はS1+S2方式で評価することとなり、相互に持ち合う株式の評価額が連鎖するので評価額の調整計算が必要となる。(平20. 7.16 東裁(諸)平20-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200010ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成20年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、株式を相互に持ち合う大会社と中会社については、各会社の株式の原則的な評価方式より評価した価額をもって株式保有割合を算定すべきである旨主張する。しかしながら、株式保有特定会社の判定は、評価会社の有する各資産を財産評価基本通達の定めるところにより評価した価額の合計額のうちに占める株式等の価額の合計額である株式保有割合で判定する旨定められていることから、評価会社が所有する株式の評価額が明らかでないと、株式保有割合を算定することができないところ、本件における中会社は、その所有する大会社の株式を類似業種比準方式で評価した価額をもって株式保有割合を算定すると、株式保有割合が50%以上となる。そうすると、当該中会社については、株式保有特定会社に該当することが明らかである。そして、当該中会社が株式保有特定会社に該当することから、当該中会社の株式をもつ当該大会社の株式保有割合の算定に当たっては、当該中会社の株式の価額は、財産評価基本通達189−3の定める純資産価額又はS1+S2方式により評価した価額をもって算定するのが相当である。(平20. 7.16 東裁(諸)平20-10)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平200001
- 裁決年月日
- 平成20年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地は甲ストアに賃貸している建物の敷地及びその来店者のための駐車場として利用されているので、貸家建付地と貸宅地に区分して評価するのが相当である旨主張する。しかしながら、本件宅地は一括して甲ストアに賃貸されており、当該建物及び駐車場の敷地以外の用途には供されていないこと、当該駐車場は当該建物を賃借している甲ストアの来店客専用駐車場であり、かつ、甲ストアの来店客のほとんどが自動車等を利用していることから、当該建物を店舗として使用するためにそれに付設される駐車場は欠かせないこと、当該駐車場部分は、店舗の規模や来店客の状況に比して、特に過大なものとは認められないこと、当該駐車場部分に係る賃貸借契約は、本件建物賃貸借契約と不可分一体のものとして締結されたものと認められることからすると、当該駐車場部分は建物の効用を果たすために必要な部分であり、当該建物の敷地の一部であると認めることができる。そうすると、本件宅地は、貸家建付地として評価することが相当である。(平20. 7. 7 沖裁(諸)平20-1)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平200001
- 裁決年月日
- 平成20年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地は、賃借人甲(以下「甲」という。)が本件事務所の敷地及び来客用の駐車場として利用するために賃貸借したものであり、本件事務所は、鉄骨造りの重量建物構造物であるから、本件宅地に係る賃借権は、借地借家法第2条に規定する建物の所有を目的とする土地の賃貸借に該当し、かつ、同法第25条に規定する一時使用目的の借地権には該当しないから、本件宅地に係る賃借権は、財産評価基本通達27により評価すべき借地権である旨主張する。しかしながら、賃貸人乙(被相続人とともに甲に対して本件宅地を賃貸している者)は、本件宅地にアパートを建築する予定であったから、長期にわたる賃貸を望んでおらず、こうした意向を受けて仲介人丙(本件土地の賃貸借を仲介した者)は、5年間の賃貸借期間満了時には必ず被相続人らに本件宅地が返還されるよう、本件土地一時賃貸借契約に借地借家法第3条から第8条まで、第13条、第17条及び第22条から第24条までの規定(以下「借地借家法上の適用除外条項」という。)を適用しないことを本件土地一時賃貸借契約書に盛り込むなど、契約内容に十分配慮した旨を当審判所に答述している。そして、甲は、5年間の賃借期間を10か月徒過したものの、自費で本件事務所を取り壊し、平成19年4月末に賃貸人である請求人及び乙に本件宅地を返還するに当たり、本件事務所の買取請求を行っていないなど借地借家法上の適用除外条項を適用していないこと、本件土地一時賃貸借契約を締結した際に権利金の授受がなく、しかも月額330,000円の地代は、この付近の一時使用により建物を建築する場合の賃料相場に相当する金額であることなどの諸事情を勘案すると、本件宅地の上に存する賃借権は、借地借家法第25条に規定する一時使用目的の借地権であると認めるのが相当である。(平20. 7. 7 沖裁(諸)平20-1)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平190027
- 裁決年月日
- 平成20年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・582ページ
要旨
○ 請求人は、本件相続開始日現在、本件法人が所有する建物が存しないとしても、本件土地賃貸借契約は、2年後に本件建物を本件法人の所有とすることを条件として締結されているのであるから、総合勘案して判断すると、本件土地には本件賃貸借契約に基づく本件法人の借地権が存するのは明らかである旨主張する。しかしながら、相続税法における時価の算定に当り、その価額が土地の価額から減額される借地権とは、土地上の建物の所有状況、権利金の支払いの有無、地代の価額などの事情を総合的に考慮して、借地権が土地の効用価値の一部として把握され、借地権が設定されている土地の価額を低下ならしめるものと評価することが相当と認められるものを指すと解されるところ、本件法人は、本件土地の利用権を実質的に支配しているということはできず、借地権として評価すべきほどの資本投下もしておらず、さらに、本件の借地権は市場における流通も想定できないと認められることからすれば、相続財産評価において借地権と評価するには、その実質を欠き、したがって、本件土地の価額算定に当り、本件土地にその価額を減価させる権利の存在を考慮する必要はないと認められることから、請求人の主張には理由がない。(平20. 6.27 仙裁(諸)平19-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190221
- 裁決年月日
- 平成20年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・594ページ
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達に定める類似業種比準価額を算定する場合の「評価会社の1株当たりの年利益金額」を算出するに当たって、匿名組合契約に基づいて分配を受けたリース事業に係る最終分配金額は非経常的利益に該当するため、これを控除すべきである旨主張する。しかしながら、「評価会社の1株当たりの年利益金額」を算定するに当たっては、法人税の課税所得金額をその基礎とすることについては合理性があり、また、非経常的な損益か否かについては、法人の事業の内容、その利益の発生原因、その発生原因たる行為の反復継続性又は臨時偶発性等を考慮して判断するのが相当であるところ、匿名組合契約に係る損益については、①法人税の取扱いでは、営業者の計算期間の末日の属する匿名組合員の各事業年度の益金の額又は損金の額に算入することとされること、②匿名組合契約が存続する限り定期的に発生すること、③発生の源泉が異なるという性質を持っているとしても、リース事業は、リース物件の所有、賃貸及び売却が一体となった事業であるから、その一部分を取り出して非経常的な損益とすべき理由は見当たらないことから、そのすべてを経常的な損益とみるべきである。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 6.26 東裁(諸)平19-221)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平190025
- 裁決年月日
- 平成20年6月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、共同住宅及びその敷地の相続税評価額の算定に当たって、相続開始時点で共同住宅に一部空室があることから、当該空室及び当該空室に対応する敷地部分は、自用家屋及び自用地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、当該空室の課税時期における空室期間は、短いもので2か月、長いもので1年11か月ではあるが、請求人は、当該空室について速やかに所要の手当てを施した上で不動産業者に入居者募集の依頼を行っているほか、築25年の当該共同住宅について定期的に補修等を施すなど、経常的に賃貸に供する意図が認められる。なお、当該共同住宅の近隣周辺にはマンション等の共同住宅が林立していることからすると、空室が発生したからといって速やかに新入居者が決定するような状況ではなかったことが認められる。また、当該共同住宅の各部屋の間取りも全室すべてが統一されたものであり、各室に対応した駐車スペースも確保されるなど、その形状は共同住宅としてのものにほかならない。加えて、被相続人は、相続開始日まで継続して当該共同住宅を賃貸の用に供し、不動産収入を得ていたことは明らかである。以上のことを総合して判断すると、当該空室は一時的に空室となっていたにすぎないものであると認められ、当該共同住宅については、その全部について貸家及び貸家建付地として評価するのが相当である。(平20. 6.12 高裁(諸)平19-25)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平190025
- 裁決年月日
- 平成20年6月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が相続開始直前に被相続人預金口座から出金し請求人預金口座へ入金した現金5,000,000円は請求人の被相続人に対する立替金の清算である旨主張する。しかしながら、請求人が被相続人が入院した平成16年5月29日の直後の同年6月2日以降、○○○○円の残高があった被相続人預金口座から順次引き出し請求人預金口座に入金した現金7,000,000円のうち当該5,000,000円以外の2,000,000円は、当該5,000,000円と同様、被相続人の入院後被相続人が死亡する前日までに引き出されたものであるところ、被相続人の妻が当該2,000,000円を現金取得したとして相続税の申告をしていることからすると、当該2,000,000円と当該5,000,000円との性格が異なるとする特段の理由も見当たらないこと及び請求人預金口座に入金された7,000,000円は相続開始時点においてその全額が請求人預金口座に残っていることからすれば、当該7,000,000円全額が相続財産たる現金とするのが相当である。(平20. 6.12 高裁(諸)平19-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190198
- 裁決年月日
- 平成20年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は位置指定道路であり、私権の行使が制限され、経済的価値も認められないことから、相続税法上評価されない土地である旨主張する。しかしながら、本件土地は、位置指定道路であって私権の行使に制約があるものの、飽くまで私人の所有に属するものであることからその維持管理は位置指定道路の目的に反しない限り所有者に任されており、その処分権は所有者に帰属し、抵当権の設定等も可能であることからすれば財産的価値があると解するのが相当である。また、本件土地は、行き止まりの袋路状の土地であり、これに隣接する数件の居住者のみの通行の用に供されている私道であるから、財産評価基本通達24前段の定めに基づき、自用地価額の100分の30で評価するのが相当である。(平20. 6. 4 東裁(諸)平19-198)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190198
- 裁決年月日
- 平成20年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は、その地域の標準的な宅地である地価公示地の地積及び形状を前提とした開発行為を行う場合に、公共公益的施設用地の負担を要する土地であるから、広大地の評価を適用して評価するべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、相続開始後に行われた戸建住宅用地の分譲において、路地状敷地を組み合わせた区画割により公共公益的施設用地の負担を生じることなく分割されているところ、当該区画割における各画地の地積は、本件土地の近隣で行われた宅地開発での分割地積及び審判所の採用した近隣の地価公示地の地積と同等のものであり、本件土地の属する地域における標準的地積のものと認められる。また、路地状敷地を組み合わせた区画割についても、潰れ地を生じさせずに土地を活用するもので、建物敷地として容積率及び建ぺい率の面からも有効であり、本件土地の近隣の地域において一般的に行われているものと同様と認められるから、合理性のあるものと認められる。したがって、本件土地は、経済的に合理性のある戸建住宅用地の分譲を行った場合において、公共公益的施設用地の負担が必要な土地であるとは認められないから、その相続税評価額の計算上、広大地の評価の適用はない。(平20. 6. 4 東裁(諸)平19-198)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平190006
- 裁決年月日
- 平成20年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人ら鑑定評価は、A土地を使用借権が付着した宅地として鑑定評価し、原処分庁は、貸宅地として評価している。ところで、「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(昭和48年11月1日付直資2−189、直所2−76、直法2−92。以下「使用貸借通達」という。)においては、建物の所有を目的として使用貸借により土地を借り受けている場合においては、借地権の設定に際し、その設定の対価として権利金等を支払うなど借地権の取引慣行のある地域においても、当該土地の使用貸借に係る使用権の価額は、零として取り扱う旨定めているところであるが、使用貸借通達の前文からも明らかなとおり、この通達の取扱いは、個人間の貸借関係の実情を踏まえて定めたものであるから、当事者の一方が法人である場合のその一方の個人については、法人税の課税との整合性を図るため、使用貸借通達による取扱いではなく、原則として、法人税の取扱いに準拠して取り扱うこととしている。そして、法人税法上の借地権の設定には、土地の賃貸期間、地代の額等についての明確な取決めをしないで若しくは使用貸借の名の下に他人に建物等を建てさせた場合も含まれるものと解されており、法人税基本通達13−1−3《相当の地代に満たない地代を収受している場合の権利金の認定》において、通常収受すべき権利金を収受せず、しかも、その収受する地代の額が法人税法施行令第137条《土地の使用に伴う対価についての所得の計算》に規定する相当の地代の額に満たないときは、原則として借地権利金の認定課税を行うことを明らかにしており、その後、土地の借主が借地権を有するものとして取り扱われる。ただし、たとえ法人間あるいは法人を一方の当事者とする土地の賃借であっても、それが現実に土地の使用貸借であって、当該貸借については借地借家法の適用がないことを当事者双方が十分承知しているものであるときには、税務上もその当事者の意図するところに従って課税関係を処理することが自然であるとの考えから、法人税基本通達13−1−7《権利金の認定見合わせ》において、当事者の一方又は双方が法人の場合にも土地の使用貸借があり得るとの立場に立って、当事者が連名で、将来借地を無償で土地所有者に返還する旨を無償返還届出書により税務署長に届け出ることを条件に、権利金の認定課税は行わないことを併せて明らかにしている。これらの取扱いについては、当審判所においても、土地の貸借関係の実態に沿ったものであり、相続税法及び法人税法の趣旨に照らしても相当なものと認められ、これを本件についてみると、甲は、被相続人からA土地を借り受けるのに際し、権利金及び地代の支払いも行ったことがなく、また、税務署長に対する無償返還届出書の提出もされていないことから、被相続人に係る相続開始時には甲が借地権を有していたものとみるのが相当であり、A土地を貸宅地として財産評価基本通達等に基づいて評価した原処分庁の評価方法は、相当であると認められる。(平20. 6. 2 沖裁(諸)平19-6)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平190006
- 裁決年月日
- 平成20年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、市道○号に面しているB土地、D土地及びG土地についても、特定路線価を基として評価額を算定している。しかしながら、特定路線価は、路線価の設定されていない道路のみに接している宅地を評価するために設定されるものであるところ、これらの土地の面する市道○号には1㎡当たり100,000円の路線価が設定されており、当該路線価に基づいてこれらの土地を評価することについて、特段不都合な事情も見受けられない。したがって、B土地及びD土地については、当該路線価によらずに特定路線価によって評価したことは相当ではない。ところで、G土地については、B土地及びD土地と同様に市道○号に面しているのであるから、市道○号に付された1㎡当たり100,000円の路線価に基づいて計算するのが原則ではあるが、G土地自体に特定路線価が設定されており、この特定路線価の評定には、特に不都合な事項が認められないから、G土地は、特定路線価1㎡当たり78,000円を基として、評価額を算定することも課税実務上認められているものと解されることから、路線価に基づいた評価額と特定路線価に基づいた評価額のうち、いずれか低い価額を評価額とするのが相当である。なお、特定路線価に基づいて評価額を算定する場合にあっては、特定路線価は、道路の状況、地区の別等を考慮して評定されることから、奥行価格、間口狭小などの各補正を行わない評価方法によるべきである。(平20. 6. 2 沖裁(諸)平19-6)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平190021
- 裁決年月日
- 平成20年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・481ページ
要旨
○ 原処分庁は、借地権の無償設定により同族会社の出資者である請求人が受けたとみなされる経済的利益の計算をするに当たり、当該同族会社の出資1口当たりの純資産価額を算定する場合には、当該同族会社が取得した借地権の価額は、財産評価基本通達185かっこ書きの定めを適用し、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によるべきである旨主張する。 しかしながら、評価会社が課税時期の直前に取得した土地等の評価については通常の取引価額によることが合理的であるとの同かっこ書きの趣旨に照らせば、本件のように同族会社に対し無償で財産の提供があり、その時に当該同族会社の出資者が当該財産を提供した者から贈与があったとみなされる場合には、同かっこ書きを適用することは予定されていないと解され、このことは同かっこ書きの「課税時期前3年以内に取得した土地及び土地の上に存する権利等」との規定振りからも明らかである。さらに、相続税法第9条の規定の趣旨が、法律上は贈与契約による財産の取得ではなくとも対価を支払うことなく実質的に贈与と同様の経済的効果が生じる場合には税負担の公平の見地からその経済的利益の価額を贈与により取得したものとみなして贈与税を課税するという点にあることに照らせば、個人が直接贈与により土地等を取得した場合には路線価等により評価し、法人が贈与により土地等を取得し当該法人の株主等にみなし贈与が発生する場合には同通達のかっこ書きを適用して通常の取引価額に相当する金額で評価するとすれば、それぞれの価額が異なることとなり合理的ではないことからも、同通達のかっこ書きの定めは適用しないとするのが相当である。(平20. 5.30 高裁(諸)平19-21)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平190022ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成20年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、借地権の無償設定により同族会社の出資者が受けたとみなされる経済的利益の計算をするに当たり、当該同族会社の出資1口当たりの純資産価額を算定する場合には、当該同族会社が取得した借地権の価額は、財産評価基本通達185かっこ書きの定めを適用し、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によるべきである旨主張する。しかしながら、評価会社が課税時期の直前に取得した土地等の評価については通常の取引価額によることが合理的であるとの同かっこ書きの趣旨に照らせば、本件のように同族会社に対し無償で財産の提供があり、その時に当該同族会社の出資者が当該財産を提供した者から贈与があったとみなされる場合には、同かっこ書きを適用することは予定されていないと解され、このことは同かっこ書きの「課税時期前3年以内に取得した土地及び土地の上に存する権利等」との規定振りからも明らかである。さらに、相続税法第9条の規定の趣旨が、法律上は贈与契約による財産の取得ではなくとも対価を支払うことなく実質的に贈与と同様の経済的効果が生じる場合には税負担の公平の見地からその経済的利益の価額を贈与により取得したものとみなして贈与税を課税するという点にあることに照らせば、個人が直接贈与により土地等を取得した場合には路線価等により評価し、法人が贈与により土地等を取得し当該法人の株主等にみなし贈与が発生する場合には同通達のかっこ書きを適用して通常の取引価額に相当する金額で評価するとすれば、それぞれの価額が異なることとなり合理的ではないことからも、同通達のかっこ書きの定めは適用しないとするのが相当である。(平20. 5.30 高裁(諸)平19-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190189
- 裁決年月日
- 平成20年5月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件各土地は、平成2年に事業計画決定された土地区画整理事業の施行地区内に所在し、未だ仮換地の指定を受けておらず、将来も長期にわたり指定される見込みがない土地であり、また、土地区画整理法第76条第1項に規定する建築物の建築等に係る許可を受けることができないという制限を受けるものと認められる。土地区画整理事業の施行地区内にあり既に仮換地の指定を受けている土地については、仮換地の造成中で、造成工事完了までの期間が1年を超えると見込まれる場合、財産評価基本通達24−2により5%減額して評価することと定められているが、本件各土地は仮換地の指定がされていないので、当該通達の適用はなく、また、原処分庁の相続税評価額算定の過程においても、当該制限については考慮されていない。しかしながら、本件各土地が利用上の制限を受ける期間は、同通達の適用を受ける場合と比較して長期に及ぶこととなり、財産の評価に当たっては、その財産の価額に影響を及ぼすべきすべての事情を考慮する必要があるところ、本件各土地の利用上の制限は、財産の価額に影響を及ぼすべき事情と認められるので、本件各土地の評価に当たり考慮するのが相当である。ところで、課税実務上、付近の宅地の利用状況からみて、著しく利用価値が低下していると認められる部分がある宅地の価額は、その利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額から10%を減額して評価する旨取り扱われている。本件各土地については、土地区画整理法に基づき長期間にわたり利用上の制限を受け、また近い将来にこの制限が解消される見込みもないことから、当該取扱いを適用して10%の減額をするのが相当である。(平20. 5.29 東裁(諸)平19-189)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190189
- 裁決年月日
- 平成20年5月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地の時価は本件各鑑定評価額であり、相続税評価額はいずれも本件各土地の鑑定評価額、すなわち時価を上回るものであることから、本件相続に係る相続税の計算上、課税価格に算入すべき本件各土地の価額は、本件各鑑定評価額によるべきである旨主張する。ところで、本件各鑑定書においては、本件各土地の宅地見込地としての比準価格及び開発法による価格を求め、それらの価格の中庸値により鑑定評価額を決定している。しかしながら、①本件各土地は最短でも平成23年度までは仮換地が指定される見込はなく、その後の土地区画整理事業の進捗の見通しも不透明であることからすると、現実に開発し、販売できる時期を想定することは困難であり、開発法による価格を比較考量する方法は相当ではないこと、②本件各鑑定書で採用された取引事例は、本件各土地との地域格差が著しく、規範性に欠ける事例であると認められることからすると、本件各土地の鑑定評価額の算定方法は合理性を欠いている。したがって、本件鑑定評価額をもって、本件各土地の相続税評価額が、相続開始時における時価を上回っている特別な事情があると判断することはできない。そこで、当審判所において、本件各土地の近隣で本件各土地の存する地域と状況が類似する地域に存し、地積、形状等の画地条件の格差が最小限となるような取引事例を基に本件各土地の時価を算定したところ、その価額はいずれも本件各土地の相続税評価額を上回り、本件各土地の相続税評価額が本件相続開始日における本件各土地の時価を上回るような特別な事情があるとは認められないことから、相続税の課税価格に算入すべき本件各土地の価額は相続税評価額によるのが相当である。(平20. 5.29 東裁(諸)平19-189)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平190005
- 裁決年月日
- 平成20年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸宅地を評価する場合の財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)25の(1)《貸宅地の評価》に定める借地権価額控除方式には合理性がなく、また、売買実例による貸宅地の売買価額は借地権価額控除方式に基づき求めた評価額を下回っていることから、本件貸宅地を借地権価額控除方式により評価することは違法である旨主張する。ところで、底地の価額を借地権価額控除方式により評価する趣旨は、借地権の取引慣行のある地域では、底地価格は単なる地代徴収権の価格にとどまらず、むしろ将来借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価格形成されているのが一般的であると認められるところ、この潜在的価値の合理的な算出は困難であり、また、底地価格そのものを単独で算出することも困難であるから、底地価格を算出するに当たっては、借地権価額控除方式により評価するのが相当であると考えられることなどによるものであると解されている。そして、底地価格を借地権控除方式により評価する場合の借地権の価額は、その借地権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、当該価額に対する借地権割合を乗じて計算することとされているところ、この借地権割合は、借地権の売買実例価額、精通者意見価格及び地代の額等を基として評定され、その割合がおおむね同一と認められる地域ごとに定められているものであることからすれば、この評価方法は、相続税法第22条《評価の原則》の趣旨及び評価通達の考え方に照らし合理性を有するものと認められる。なお、評価通達25(1)に定める評価方法は、一般的に合理性を有すると認められるところ、将来、底地に借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値が存すると認めることが困難であるとするような特別な事情が存する場合には、この限りではないと解される。以上のとおり、評価通達25(1)に定める評価方法は合理的と認められ、また、本件貸宅地が本件貸宅地の上に存する借地権と併合されて完全所有権となることを妨げる特別な事情は認められないことから、本件貸宅地については、評価通達25(1)の定めに基づいて評価すべきであり、当該定めに基づいた原処分庁評価額は相当と認められる。また、請求人主張の底地の売買実例価額には、その取引の個別の事情が反映されているため、売買実例価額をもって直ちに客観的交換価値である時価とみることはできないことからしても、請求人の主張には理由がない。(平20. 5.21 沖裁(諸)平19-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平190005
- 裁決年月日
- 平成20年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸家の目的に供されている宅地(以下「本件貸家建付地」という。)を財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)26《貸家建付地の評価》に基づき評価することは、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価を適正に反映していないことから、請求人評価額(以下「鑑定評価額」という。)が時価である旨主張する。ところで、貸家建付地の価額を自用地としての価額から自用地としての価額にその宅地に係る借地権割合と貸家に係る借家権の割合との相乗積を乗じて計算した価額を控除した価額によって評価する趣旨は、借家人は、その賃借している建物の敷地に対して借地権を有しているわけではないが、借家した建物利用の範囲内でその敷地に対しても事実上の支配権を有していることが認められるため、例えば、敷地の所有者が、その借家人の支配権を消滅させる場合には、それなりの立退料の支払を要し、また、借家人が建物を賃借したままで土地を譲渡する場合には、譲受人は、その敷地利用に制約を受けることとなるので、通常の取引に比べ、譲渡価額が安くなるなど、その敷地の経済的価値が、これらの権利の目的となっていない自用地に比して低下することを考慮して、借家人の有する権利を控除しているものと解されており、この評価方法は、相続税法第22条の趣旨及び評価通達等の考え方に照らし合理性を有するものと認められる。なお、評価通達26に定める評価方法は、一般的に合理性を有するものと解されるところ、当該通達を適用して評価することが著しく不適当と認められる特別な事情が存する場合、すなわち、評価通達により算定される土地等の評価額が客観的交換価値を上回る場合には、他の合理的な評価方法により時価を求めるべきものと解されている。この場合の評価通達により算定される土地等の評価額が客観的交換価値を上回っているといえるためには、これを下回る不動産鑑定評価が存在し、その鑑定評価が一応公正妥当な鑑定理論に従っているというのみでは足りず、同一の土地等について他の不動産鑑定評価があればそれとの比較において、また、周辺における公示価格や都道府県地価調査による基準地の標準価格の状況、近隣における取引事例等の諸事情に照らして、評価通達により算定された土地等の評価額が客観的交換価値を上回ることが明らかであると認められることを要するものと解されている。以上のことから、本件貸家建付地を評価通達26に基づき評価することは合理的であり、また評価通達により難い特別な事情は認められないことから、本件貸家建付地については、評価通達26により評価すべきであり、当該定めに基づいて評価した原処分庁評価額は相当と認められる。(平20. 5.21 沖裁(諸)平19-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平190005
- 裁決年月日
- 平成20年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件各土地及び建物の時価について、請求人は、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)に定められた財産の評価方法に基づき算出した評価額が、すべて相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価になるとは限らないとし、請求人が算出した評価額(路線価評価による更地価格を基に複利原価率を用いた価格等、或いは、鑑定評価額)が時価である旨主張し、原処分庁は、評価通達及び財産評価基準(以下「評価通達等」という。)並びに「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」国税庁長官通達(以下「使用貸借通達」という。)に基づき算出した価格が時価である旨主張する。ところで、財産の価額について、相続税法第22条は、相続、遺贈又は贈与(以下「相続等」という。)により取得した財産の価額は当該財産の取得の時における時価による旨規定しているところ、この場合の時価とは、当該財産を相続等により取得した日において、それぞれの財産の現況に応じ不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額、すなわち、当該財産の客観的な交換価値をいうものと解されている。課税実務においては、財産評価の一般的基準が評価通達等及び使用貸借通達によって定められ、これに定められた画一的な評価方法によって土地等の財産の時価、すなわち客観的交換価値を評価することとしている。土地等の評価についてこのような画一的な評価方法が採用されているのは、土地等の客観的な交換価値は必ずしも一義的に確定されるものではなく、的確に把握することが必ずしも容易ではないため、これを個別に評価する方法を採ると、その評価方式や基礎資料の選択の仕方等により異なる評価額が生じる結果となって租税負担の公平を害するおそれがあり、かつ、納税者及び課税庁の双方ともに過大な負担と費用を強いることになるから、課税庁が準拠すべき一般的で簡便な評価方法を定め、あらかじめ定められた評価方法によって画一的に評価することにより、課税の適正や納税者間の公平を図ることが合理的であるという理由によるものと解されている。そして、租税平等主義という観点からして、評価通達等及び使用貸借通達に定められた評価方法が合理的なものである限り、これが形式的にすべての納税者に適用されることによって租税負担の実質的な公平をも実現されるものと解されることからすると、特定の納税者あるいは特定の相続財産についてのみ評価通達等及び使用貸借通達に定める評価方法以外の方法によって評価を行うことは、たとえその方法による評価額がそれ自体として相続税法第22条に定める時価として許容できる範囲内のものであったとしても、納税者間の実質的公平を欠くこととなり、許されないものと解するのが相当である。以上のとおり、評価通達等及び使用貸借通達に定める評価方法は、一般的に合理性を有するものと解されるところ、これらを適用して評価することが著しく不適当と認められる特別な事情が存する場合、すなわち、評価通達等及び使用貸借通達により算定される土地等の評価額が客観的交換価値を上回る場合には、他の合理的な評価方法により時価を求めるべきものと解されている。この場合の評価通達等及び使用貸借通達により算定される土地等の評価額が客観的交換価値を上回っているといえるためには、これを下回る不動産鑑定評価が存在し、その鑑定評価が一応公正妥当な鑑定理論に従っているというのみでは足りず、同一の土地等について他の不動産鑑定評価があればそれとの比較において、また、周辺における公示価格や都道府県地価調査による基準地の標準価格の状況、近隣における取引事例等の諸事情に照らして、評価通達等及び使用貸借通達により算定された土地等の評価額が客観的交換価値を上回ることが明らかであると認められることを要するものと解されている。以上のとおり、本件各土地及び建物を評価通達等及び使用貸借通達に基づき評価することは合理的であり、また、評価通達等及び使用貸借通達により難い特別な事情は認められないことから、本件各土地及び建物については、評価通達等及び使用貸借通達により評価すべきであり、これらの定めに基づいて評価した原処分庁評価額は相当と認められる。(平20. 5.21 沖裁(諸)平19-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平190005
- 裁決年月日
- 平成20年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が使用貸借により貸し付けられてられている土地(以下「本件使用貸借地」という。)の使用借権(以下「本件使用借権」という。)には経済的価値がないとして本件使用貸借地を「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」国税庁長官通達(以下「使用貸借通達」という。)に基づき更地価額で評価しているが、使用貸借通達は相続税法第9条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合—その他の利益の享受》に反しており、本件使用借権には相当の権利と経済的価値が認められることから、使用貸借通達を根拠に本件使用貸借地を更地価額で評価することは違法である旨主張する。ところで、使用貸借通達の取扱いは、使用貸借により建物の所有を目的として土地を借り受けた場合の建物所有者の使用権が、借地借家法上の保護を受ける借地権のような強い権利に比して、いわば権利性の薄弱なものであり、土地所有者から返還を求められた場合には無償で返還することになり、専ら親子あるいは夫婦といった当事者の信頼関係などの人的つながりを基盤とするのが通例であることから、経済的価値を有しないものと解されていることに基づき定められたものであり、この取扱いは相当であり合理性を有するものと認められる。このように、使用貸借通達は、使用貸借に係る土地の使用者に借地権ほどの強い権利はないと認められる事情を背景に、社会通念上独立の経済的価値を有するものとは評価されていないのが通常であり、使用貸借に係る土地の使用借権の経済的価値を一般的に零として取り扱う趣旨であるから、例えば、使用貸借地に存する建物が極めて公共性の高いもので、土地所有者と土地使用者(建物所有者)の双方の意思のみによって使用貸借地における貸借関係を解消させることが事実上不可能であると認められる場合など、使用貸借通達が予定している使用貸借地と比較して利用上の制約や処分上の制限を受けるような、特殊事情が存するような場合に限り、利用上の制約を斟酌して評価することも認められるものと解される。以上のことから、本件使用貸借地を使用貸借通達に基づき評価することは合理的と認められ、また、使用貸借通達により難い特殊事情は認められないことから、本件使用貸借地については、使用貸借通達に基づいて評価すべきであり、当該定めに基づいて評価した原処分庁評価額は相当と認められる。(平20. 5.21 沖裁(諸)平19-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平190005
- 裁決年月日
- 平成20年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸家である家屋(以下「本件貸家」という。)を財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)93《貸家の評価》に基づき評価することは、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価を適正に反映していないことから、請求人評価額(以下「鑑定評価額」という。)が時価である旨主張する。ところで、貸家の価額を家屋の価額が自用のものとした場合の評価額から、その家屋が自用のものとした場合の評価額に借家権割合を乗じた金額を控除して評価する趣旨は、建物が借家権の目的となっている場合、賃貸人は、自己の必要性などの正当事由がある場合を除いて、賃貸借契約の更新を拒んだり、解約の申し入れをすることができないから、借家権を消滅するためには立退料の支払を要することになること、借家人は、建物の引渡しを受けた後には第三者に対する対抗要件を有するから、建物に借家権を付着させたままで建物を譲渡する場合には、譲受人は、その建物の利用について制約を受けることとなるので、通常の取引に比べ、譲渡代金が安くなるなど、 その建物の経済的価値が借家権の目的となっていない建物に比して低下することを考慮して、借家人の有する権利を控除しているものと解される。そして、借家権割合は、貸家に係る売買実例価額及び精通者意見価格等を基にして各国税局長が定めているものであるから、家屋の価額から家屋の価額に借家権割合を乗じた金額を控除して評価することとしている評価通達に定める貸家の評価方法は、相続税法第22条の趣旨及び評価通達等の考え方に照らし合理性を有するものと認められる。なお、評価通達93に定める評価方法は、一般的に合理性を有するものと解されるところ、当該定めを適用して評価することが著しく不適当と認められる特別な事情が存する場合、すなわち、評価通達により算定される建物の評価額が客観的交換価値を上回る場合には、他の合理的な評価方法により時価を求めるべきものと解されている。この場合の評価通達により算定される建物の評価額が客観的交換価値を上回っているといえるためには、これを下回る不動産鑑定評価が存在し、その鑑定評価が一応公正妥当な鑑定理論に従っているというのみでは足りず、同一の建物について他の不動産鑑定評価があればそれとの比較において、また、近隣における取引事例等の諸事情に照らして、評価通達により算定された建物の評価額が客観的交換価値を上回ることが明らかであると認められることを要するものと解されている。以上のことから、本件貸家を評価通達93に基づき評価することは合理的であり、また、評価通達により難い特別な事情は認められないから、本件貸家については、評価通達93により評価すべきであり、当該定めに基づいて評価した原処分庁評価額は相当と認められる。(平20. 5.21 沖裁(諸)平19-5)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平190015
- 裁決年月日
- 平成20年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、金融業を営む同族会社(以下「本件会社」という。)に対する貸付金債権(以下「本件貸付金」という。)については、その一部が相続開始前に消滅しており、その額を把握することができないため、本件会社が有する貸付金の回収可能額と所有不動産の相続税評価額との合計額によって評価すべきであると主張する。しかしながら、本件貸付金について、相続開始日前に既に一部が消滅していた等の事実は認められないこと、及び本件貸付金については無利息とされていたと認められることから、本件貸付金の元本の額と認められる本件会社の残高試算表の短期借入金勘定の残高により評価することが相当である。(平20. 4.1 仙裁(諸)平19-15)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平190016ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成20年3月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・508ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件土地の価額は本件買収予定価額とするのが相当である旨主張し、その理由として、①本件土地が贈与時点において市の道路用地になることが明らかで、本件買収予定価額という時価として客観的交換価値を示す価額が現に存在していたこと、②財産評価基本通達により定められた評価方式で評価した場合の価額が本件買収予定価額に比べ著しく低額となるから財産評価基本通達6に定める特別の事情がある場合に当たることを挙げている。しかしながら、贈与税の課税実務上、特別な事情がない場合には、財産評価基本通達により定められた評価方法によって画一的に財産の評価を行うのが相当であるところ、上記①の点については、本件買収予定価額はあくまでも売買契約前の時点における予定価額にすぎないこと及び請求人が取得した財産を売買代金請求権と認めることはできないことからすれば、本件買収予定価額は、贈与税の課税時期における時価としての客観的な交換価値が顕在化したものとまでは認め難く、また、上記②の点については、仮に本件買収予定価額が時価を表しているものとするならば、評価しようとするその土地の地価公示価格水準の価格の80%相当額となるように、財産評価基本通達に基づき各国税局長が定めた財産評価基準書に路線価や倍率が定められていることが周知の事実であることに照らせば、その定められた路線価や倍率の合理性が問われることはあっても、財産評価基本通達により定められた評価方式で評価した場合の価額が本件買収予定価額に比べ著しく低額となることのみをもって財産評価基本通達6に定める特別な事情がある場合に該当するとはいえないというべきである。加えて、当審判所の調査によっても、本件土地の評価に当たり、財産評価基本通達に定める評価方法を適用することが著しく不合理であるとする特別な事情があるとは認められないことからすれば、原処分庁の主張には理由がなく、本件土地の価額は、財産評価基本通達に定める方式で評価するのが相当である。(平20. 3.28 金裁(所・諸)平19-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190035
- 裁決年月日
- 平成20年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達に基づく評価額に建付減価、利用価値低下、開発法等を準用するなど減価要因を反映させた額が相続税の課税価格に算入すべき財産の価額である旨主張する。しかしながら、本件各土地の原処分庁評価額は、財産評価基本通達に基づきなされ相当であると認められ、当審判所が土地価格比準表に準じて算定した時価を超えていないことから、本件各土地の相続税評価額が本件相続開始日における本件各土地の時価を上回っているような特別な事情があるとは認められない。したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平20. 3.25 関裁(諸)平19-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190035
- 裁決年月日
- 平成20年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803010
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、建物の固定資産税評価額は、経年による減価、敷地内における建物の配置、建物と敷地の規模の対応関係等による価値の差等の特殊な場合の建物の減価が反映されていないため、適正な時価を反映していないから、財産評価基本通達を適用して本件各建物等を評価することが著しく不適当であり、評価額は鑑定評価額による価額の零円である旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達による家屋の価額は、客観的交換価値を正確に反映しているものであると認められ、また仮に、請求人らが主張するように、固定資産税評価額に、敷地内における建物の配置、建物と敷地の規模の対応関係等による価値の差等による建物の減価が反映されていないとしても、このことをもって財産評価基本通達を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情があるとはいえず、このような事情を考慮して特定の納税者あるいは特定の財産についてのみ評価通達に定める方法以外の方法によって評価を行うことは、かえって納税者の租税負担の実質的公平を欠くことになるから、本件各建物等の評価については、財産評価基本通達の定めに基づき評価するのが相当である。(平20. 3.25 関裁(諸)平19-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190130
- 裁決年月日
- 平成20年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、甲社に対する貸付金債権の回収可能性について、甲社は乙社と一体化した組織形態をもって運営されていたのであるから、両社の債権債務を合算したところで判断すべきであり、両社の債権債務を合算すると大幅な債務超過となるため、当該貸付金債権について回収可能性はなかった旨主張する。しかしながら、甲社と乙社は出資者が同一であるものの、両社の間には資本関係はなく、法律上別個独立した存在であり、法的にはそれぞれが有する債権債務関係について、他の一方が責任を持つべき関係にはないことが明らかであり、両社の債権債務を合算して、甲社に対する貸付金債権の回収可能性を判断すべき合理的な理由は見出せない。そして、甲社の資産状況及び経営状況をみると、相続開始日において、資産状況及び経営状況が客観的に破綻していることが明白であって貸付金債権の回収の見込みがないことが客観的に確実であったと認めることはできない。(平20. 3.14 東裁(諸)平19-130)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190038
- 裁決年月日
- 平成20年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付金の回収可能性は、貸付先の事業継続を困難ならしめる主要な資産の売却をせずに返済できる能力で判定すべきであり、その返済能力は、通常の営業活動による利益に減価償却費の金額を加えた金額で考えるべきであるところ、本件貸付金の貸付先である同族会社における当該金額からみて、その返済する能力はないから、本件貸付金の評価額は零円となる旨主張する。しかしながら、債務者が弁済不能の状態とは、一般には、債務者が手形交換所において取引停止処分を受けたとき、会社更生手続若しくは民事再生手続の開始の決定があったとき、又は事業閉鎖等があったことその他債務超過の状態が相当期間継続しながら、他から融資を受ける見込みがなく、再起のめどが立たないなどの事情により、営業状況、資産状況が破綻していることが明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときをいうものと解されており、当該同族会社にはこのような事実関係は認められないから、利息についての定めのない本件貸付金の価額は、元本の価額となる。(平20. 3. 4 大裁(諸)平19-38)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190055
- 裁決年月日
- 平成19年12月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、地方税法第388条第1項に規定された固定資産評価基準は、総務大臣が告示したものであり、「納税者間の公平及び納税者の便宜という見地からみても合理的と認められる。」との判断もされており、X市長が土地評価額の算定に使用した、固定資産評価基準の奥行補正計算等の補正率及び宅地造成費は、物件ごとの個別要因を反映させていることから、著しく公平を欠く場合を除き、相続税法においても当然に採用されるべきである旨主張する。 しかしながら、財産評価基本通達に定められた評価方法が合理的である限り、それによって画一的に評価するのが相当であるとともに、財産評価基本通達に定められた画地補正率及びY国税局長が定めた宅地造成費等(以下「評価通達画地補正率等」という。)は、専門機関の調査結果に基づき統計的な手法によって求められた標準的な数値であり、路線価と一体となって土地の時価を合理的に算定するという理由に基づき定められているものであり、評価通達画地補正率等が合理的であることに起因して、評価通達画地補正率等を画一的に適用することにより納税者間における実質的な租税負担の公平を図ることなどに合理的理由があると解されるところ、請求人らの主張する画地調整率は、X市長が土地評価額の算定に使用した固定資産評価基準の画地調整率を参考にしているものの、評価通達画地補正率等とは異なるもので、相続財産の評価に当たり請求人らの主張する画地調整率を適用することは、請求人らの独自の評価方法というほかはなく、採用することはできない。(平19.12.25 名裁(諸)平19-55)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190055
- 裁決年月日
- 平成19年12月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、①A、B及びC土地は、相続人甲が従来より所有している、P市Q町○○○−○の雑種地363㎡(以下「甲所有土地」という。)と一体となって、有料駐車場として利用してきたものであるから、それらの土地を一体として評価するのが相当であり、そうすると、その合計地積が開発許可を要する面積を超えるため、財産評価基本通達24−4に定める広大地補正(以下「広大地補正」という。)を適用すべきであり、また、②国税庁の質疑応答事例の回答要旨が「所有する宅地を自から使用している場合には、居住の用か事業の用かにかかわらず、その全体を1画地の宅地とする。」としているところ、DないしH土地は、全体を事業の用に使用していることから、併せて1画地として評価すべきであり、そうすると、その合計地積が開発許可を要する面積を超えるため、広大地補正を適用すべきである旨主張する。 しかしながら、①相続又は遺贈により取得した土地については、取得者ごとに財産評価基本通達等に定める評価方法を適用して時価を算出するのが相当であるところ、A、B及びC土地について甲所有土地と併せて評価することはできず、A土地は、相続人甲が取得し、B及びC土地は相続人乙が取得していることから、これらを取得者ごとに分けて評価するのが相当であって、それぞれの各1画地が開発許可を要する面積を超えるものはないから、広大地補正を適用することはできないとともに、②財産評価基本通達7が、原則として評価する土地の地目ごとに評価する旨定めていることから、農地であるD土地は宅地であるEないしH土地とは分けて評価する必要があり、同通達7−2が宅地は利用の単位ごとに1画地とする旨定めていることから、F土地は、被相続人が使用貸借により相続人甲に貸しており、E、G及びH土地上には、それぞれに貸家が建っており、それぞれに貸付られていることからE、G及びH土地をそれぞれに分けて評価するのが相当であって、DないしH土地は、いずれも開発許可を要する面積を超えないから、広大地補正を適用することはできない。(平19.12.25 名裁(諸)平19-55)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190085
- 裁決年月日
- 平成19年12月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地における相続税法第22条に規定する時価は、市街化調整区域に所在するため開発行為ができない土地であるとして決定した第1次鑑定評価額であり、仮に、開発行為が可能とした場合には、第2次鑑定評価額となるから、これらの鑑定評価額を上回る本件土地の相続税評価額は、本件土地の時価として妥当性に欠けるとして、本件土地については、相続税評価額が時価を上回っている特別な事情があるため、相続税の課税価格に算入すべき本件土地の価額は、相続税評価額によらず鑑定評価額によるべきである旨主張する。 しかしながら、第1次鑑定評価額は、開発行為が許可されうることを看過し、異なる前提で決定されたものであって適切なものとはいえず、また、第2次鑑定評価額は、①本件土地の近隣に本件土地と同様、その有効活用において開発行為が想定される画地規模の大きい取引事例が存在するにもかかわらず、この取引事例による本件土地の価額の検証はされていないこと、②本件土地の宅地分譲計画において想定された開発道路の設定は、合理性に欠けること、③個別的要因における格差率は、土地価格比準表の格差と比較しても著しく大きく、その根拠も専ら不動産鑑定士の経験的判断に依拠したもので、実証性及び客観性に欠けていること等、その算定の過程に不合理な点が認められるから、第1次鑑定評価額及び第2次鑑定評価額をもって、本件土地について、相続税評価額が相続開始時における時価を上回っている特別な事情があると判断することはできない。 当審判所において、本件土地の近隣で本件土地の存する地域と状況が類似する地域に存し、地積、形状等の画地条件の格差が最小限となるような取引事例を基に本件土地の時価を算定したところ、その額は本件土地の相続税税評価額を上回ることからすると、本件土地の相続税評価額が本件相続開始日における本件土地の時価を上回るような特別な事情があるとは認められないから、相続税の課税価格に算入すべき本件土地の価額は、相続税評価額によるべきである。(平19.12.14 東裁(諸)平19-85)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190085
- 裁決年月日
- 平成19年12月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 課税実務上、騒音、日照阻害、臭気等により、その取引金額に影響を受けると認められる宅地のように、その利用価値が、付近にある他の宅地の利用状況から見て著しく低下していると認められる宅地の価額は、その利用価値の低下していないものとして評価した場合の価額から、利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に10%を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価して差し支えない旨取り扱われており、この取扱いは、上記のような状況にある宅地とそうでない宅地を比較して、そのような状況にある宅地の価値に減価が生じていることを考慮する趣旨からして相当と認められる。 本件土地の接面する道路は、固定資産税の宅地の評価においても、騒音、振動に係る補正(減価)を行う幹線道路に該当することから、本件土地の相続税評価額の算定に当たっては、上記の著しく利用価値の低下が認められる場合の取扱いの例による減価をするのが相当である。(平19.12.14 東裁(諸)平19-85)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190060
- 裁決年月日
- 平成19年11月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802033
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/3比準宅地の選定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・357ページ
要旨
○ 宅地比準方式によって市街地農地を評価する場合において、当該農地が倍率方式により評価する地域内に存在するときの評価方法について、原処分庁は、財産評価基本通達40に定める「その農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額」は、市が呈示した1㎡当たりの近傍宅地の価額を基に、当該近傍宅地と当該農地との位置、形状等の条件の差を考慮して算定すべきである旨主張する。 しかしながら、本件の場合、市が呈示した近傍宅地1㎡当たりの価額は、基準となる固定資産税の路線価に時点修正率を乗じただけのものであり、評価対象地の付近の宅地について、画地調整を行った後の1㎡当たりの価額を示しているものではないから、これを基として評価するのは相当ではない。 一方、本件の場合、市は、市街地農地の固定資産税評価額について、当該農地が宅地であるとした場合の固定資産税評価額から造成費相当額を控除する方法により算出しているから、本件の場合には、「その農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額」は、あえて付近の宅地の価額を基に算定するまでもなく、市が算定した当該農地が宅地であるとした場合の固定資産税評価額を基に評価するのが相当である。(平19.11. 5 東裁(諸)平19-60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190060
- 裁決年月日
- 平成19年11月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802041
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/1山林の評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・357ページ
要旨
○ 請求人らは、国税局長が定めた財産評価基準書において、中間山林として区分された本件各山林の中には、純山林として評価すべき山林が存する旨主張する。 しかしながら、純山林とは、宅地又は農地等への転用が見込めず、専ら木竹の生育の用に供される山林をいい、中間山林とは、都市近郊や農村付近にある林地で、宅地化や農地化の影響を多少なりとも受けている山林をいい、両者はその価格形成要因が異なり、狭い地域で混在することはないと認められるところ、本件各山林は市街地付近にあり、また○○○などの施設がある地域に所在するなどの周辺の状況から、純山林とは状況を異にする山林と認められるから、請求人らの主張には理由がない。(平19.11. 5 東裁(諸)平19-60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190060
- 裁決年月日
- 平成19年11月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・357ページ
要旨
○ 市街地農地を評価する際に控除する「農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる造成費」について、請求人らは、宅地に転用するに当たっては、給水管等敷設費が必要であるから、これを加えるべきである旨主張する。 しかしながら、農地を宅地に転用するとは、農地を建築物の建築の用に供するためにその地面や地盤の変更を行うことを指し、具体的には、①宅地化するために土地の形質を変更するための整地、土盛り又は土止めに係る工事と、②どのように開発するかによって個別に必要とされる工事が考えられるところ、市街地農地の評価上控除する造成費は、どのように開発するかにかかわらず、更地である宅地との比較において、通常必要と認められる上記①の整地、土盛り又は土止めに要する費用に限られると解するのが相当であり、請求人らの主張する給水管等敷設費は、宅地を戸建住宅の敷地として利用するための費用であり、上記②の費用に当たるので、市街地農地の評価上控除する造成費には該当しない。(平19.11. 5 東裁(諸)平19-60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190060
- 裁決年月日
- 平成19年11月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・357ページ
要旨
○ 請求人らは、市街化区域内に所在する畑について、雑種地が隣接していたとしても、両土地は明らかに利用区分が異なることから、区分して評価すべきである旨主張する。 しかしながら、市街化区域内に所在する農地や雑種地は、宅地としての利用を前提に価額が形成されるため宅地に比準して評価することとされており、評価単位についても、宅地としての標準的使用を基準として捕らえるのが相当であるところ、本件の場合は、市街地農地である畑と宅地と状況が類似する雑種地とが隣接しており、また、当該畑は道路に面しておらず宅地としての利用を前提にすると単独で利用するのは合理的ではないなど、その規模、形状、位置等の関係から、宅地としての有効利用を前提として当該雑種地と一体で評価することが相当である。(平19.11. 5 東裁(諸)平19-60)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190015
- 裁決年月日
- 平成19年11月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・1ページ
要旨
○ 本件土地は、本件判決の確定により、相続開始前に取得時効の時効期間が経過しており、相続人にとっては、所有権を確保すべき攻撃防御方法がないために、相手方に援用されれば所有権の喪失を甘受せざるを得ない状態の土地であり、相続人が所有権を確保しようとすれば、時効を援用する相手方に対し、課税時期現在における当該土地の客観的交換価値に相当する金員の提供を要する土地ということができ、そのことを価額に与える要因として考慮すると、土地の価額と提供を要する金額が同額であるから、本件土地の価額は零円になると解するのが相当である。(平19.11. 1 大裁(諸)平19-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190050ほか 4件
- 裁決年月日
- 平成19年10月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・274ページ
要旨
○ 貸付金債権の評価については、財産評価基本通達に定められた評価方法を画一的あるいは形式的に適用することによって、実質的な租税負担の公平を著しく害し、相続税法あるいは財産評価基本通達自体の趣旨に反するような結果を招くというような特別な事情がない限り、財産評価基本通達204、205の解釈に照らして判断するのが相当である。 請求人は、貸付金債権について、債務者である法人の株式の評価額が零円であること及び当該法人が返済資力を持たないため回収が不可能であることから、その評価額が零円である旨主張するが、株式の評価額が仮に零円であったとしても、それは相続税の財産評価において会社の株価が算出されないことにすぎず、貸付金債権が回収不能等によって無価値であるということを直接示すものではない。 また、本件の貸付金債権は、本件A会社及び本件B会社の2社に対するものであるところ、本件A会社は、相続開始前から事業を休止しているものの、相続開始後においても法人税の確定申告書を提出し、その資産及び負債の存在を明らかにしており、当該申告書に記載された資産及び負債については、そのすべてが存在しないものであるとはいえないから、その存在する資産の額を限度として債権に対する弁済を受けることができるというべきであり、同社を貸付金債権の返済資力のない会社であるということはできない。 さらに、本件B会社については、①被相続人所有の賃貸用不動産の管理料及び転貸料を収入源とする会社であって、当該賃貸用不動産の存する限りは事業の継続が見込まれること、②相続開始日の属する同社の事業年度の決算期には、欠損金額を上回る役員報酬を計上していることなどを総合勘案すれば、相続開始日において、同社の事業経営が客観的に破たんしていることが明白で、貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得る状況にあったとは認められない。 以上のとおり、請求人のいずれの主張も、上記特別な事情とは認められないから、本件の貸付金債権の評価は、財産評価基本通達204、205の解釈に照らして判断するのが相当である。(平19.10.24 東裁(諸)平19-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190050ほか 4件
- 裁決年月日
- 平成19年10月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・274ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地の一部が都市計画公園区域内にあって都市計画法による建築制限があるため、その利用に制限を受けるとして財産評価基本通達27−5を準用し、本件土地に利用制限がないものとして評価した価額の70%に相当する価額で評価すべきである旨主張する。 しかしながら、本件土地を含む周辺一帯は、第一種低層住居専用地域に指定されており、その定められた建ぺい率及び容積率から、通常建築される建築物は、上記都市計画法に基づき許可される建築物の構造と比較して格別の差が生じるものとは認められないから、本件土地に同通達を準用する旨の請求人の主張には理由がない。(平19.10.24 東裁(諸)平19-50)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190014
- 裁決年月日
- 平成19年10月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件鑑定評価額は本件土地の譲渡価額に近似しているから、本件鑑定評価額が時価である旨主張し、また、財産評価基本通達による評価が不合理である特別な事情として、本件土地は、①路線価に基づき評価した価額で売りに出したものの、その半額程度の価額でしか売却できなかったこと、②道路面から高さ約3mの擁壁が築造されており、また面積も大きいことから、区画分割の上掘込車庫を設置して分譲するのが最有効使用であり、そのためには再造成及び掘込車庫設置が必要となると主張する。 しかしながら、路線価は公示価格の評価水準の80%で評価されているところ、本件土地の年間の地価下落率は20%を超えておらず、①本件土地の譲渡の経過及びその後の転売の状況からみると、譲渡価額は適正な時価とは認められないこと、②本件土地は既に宅地造成されており、多額の費用をかけて再造成する必要は認められず、また、掘込車庫の設置費用は土地に係る費用とは認められないことから、財産評価基本通達による評価が不合理と認められる特別な理由は認められない。なお、本件鑑定評価額は、比準価格及び規準価格の算定において、地域格差率及び個別格差率に問題があり、また、開発法による価格も造成費の算定に問題があることから、合理的に算定されたものとは認められない。 したがって、財産評価基本通達により本件土地の価額を評価した原処分は適法である。(平19.10.22 大裁(諸)平19-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190046
- 裁決年月日
- 平成19年10月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・414ページ
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件貸付金の債務者である同族会社について、「①同社は、年商の約8倍もの銀行借入金を有していること、②返済期限の迫っている銀行借入金を返済する原資を有しておらず、賃貸用建物の売却代金をもってしても当該銀行借入金を完済することができなかったこと等から判断して、同社の事業経営は事実上破たんしていたといえるから、本件貸付金は回収不能債権と認められ、評価額は零円である」旨主張する。 しかしながら、①一般的に収入に比し借入金等の負債の額が大幅に上回る会社は多数存在しているが、たとえ、借入金額が多額であっても返済条件に従った返済が行われている限り、債権者がそれ以上の返済を求めることはなく、事業経営を継続することは可能であり、同社の銀行借入金については、本件相続開始日において返済期限は到来しておらず、かつ、過去において、その返済が滞ったことはなく、銀行から臨時弁済を求められた事実はないことから、借入金額が多額であることをもって、同社の事業経営が破たんしていることが客観的に明白であるとまでいうことはできないこと、②同社は、収入は年々減少しているものの、本件相続開始後も解散するまで営業を継続している状況であり、一般的に売上高が減少し営業収入が赤字であっても直ちに事業経営が破たんするわけではなく、このような状況でも事業を継続している企業は多数存在するから、収入が減少していることをもって、同社の事業経営が破たんしていることが客観的に明白であるとまでいうことはできないこと、③本件においては、相続開始後に同社所有の賃貸用建物が、同社から、同社の代表取締役である審査請求人の一人に譲渡され、同日にその譲渡代金をもって銀行借入金が返済されたこと及び、その結果、同社は主たる財産及び収入の手段がなくなったため、その後に解散し清算結了したものであることから、当該賃貸用建物の譲渡がなされた日をもって事業経営が破たんしていることが客観的に明白となったものと判断するのが相当である。 そうすると、本件貸付金については、本件相続開始日において、財産評価基本通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当していた事実は認められない。(平19.10.10 東裁(諸)平19-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190046
- 裁決年月日
- 平成19年10月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・414ページ
要旨
○ 請求人らは、「財産を評価する基準は、相続税法第22条に規定する「時価」により、本来、個別に評価されるべきである。財産の評価を、納税者間の課税の適正・公平の確保の見地から、課税庁の事務マニュアルにすぎない財産評価基本通達に定める評価方法により画一的に行うとすることは、財産の評価を客観的に行えないことを前提とするものであって、財産の時価を確定する客観的な評価方法がないから形式的かつ画一的な基準により評価するほかないといっているにすぎず、公平の観点から画一的に評価することは、財産の個別性を無視するものであり、財産を時価で評価するという相続税法第22条の趣旨を逸脱している」旨主張する。 しかしながら、相続税法第22条に規定する「時価」とは、その財産の取得の時において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額、すなわち客観的交換価値をいうものであると解されるが、客観的交換価値は、必ずしも一義的に確定されるものではなく、これを個別に評価する方法を採ると、その評価方法、基礎資料の選択の仕方等により異なった評価額が生じることを避け難いことなどから、課税実務上、国税庁長官は、財産の評価方法に共通する原則や財産の種類及び評価単位ごとの評価方法などを財産評価基本通達に定め、相続財産の評価を画一的に行うとともに、これを公開し、納税者の申告及び納税の利便に供しているものとされている。 このような、財産評価基本通達の趣旨に照らすと、財産評価基本通達に定められた評価方式が合理的なものである限り、これをすべての納税者に適用することが、租税負担の実質的な公平の実現に適するところでもあり、特定の納税者あるいは特定の相続財産についてのみ財産評価基本通達に定める評価方法以外の方法によってその評価を行うことは納税者間の負担の公平を欠くことになり、ひいては、相続税法第22条の解釈適用上要請される評価の客観性を損なうおそれがあるものとなるから、財産評価基本通達に定められた評価方法を画一的あるいは形式的に適用することによって、実質的な負担の公平を著しく害し、相続税法あるいは財産評価基本通達自体の趣旨に反するような結果を招くというような特別な事情がない限り、財産評価基本通達に定められた評価方法によって画一的に評価することが相当であるというべきである。(平19.10.10 東裁(諸)平19-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190017
- 裁決年月日
- 平成19年8月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は通常の地代を収受して法人へ貸し付けている土地であるから、本件土地の価額は財産評価基本通達25又は相当の地代を支払っている場合の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて(以下「相当地代通達」という。)7により評価すべきである旨主張する。 しかしながら、本件の場合、本件土地の貸付けに際して「土地の無償返還に関する届出書 (以下「無償返還届出書」という。)が提出されており、無償返還届出書が提出されていることは、権利金又は相当の地代をいずれも授受しない場合に権利金の認定課税に代えて相当の地代の額について認定課税を選択する意思を課税庁に届け出たものであり、無償返還届出書が提出された場合の貸地の評価については、地主の下に借地権部分に相当する経済的価値が残存し、貸地であっても自用地同然の収益力を有し経済的価値が保持されているものとみるのが経済的実態に通常合致し、課税関係にこれを反映することには合理性がある。 そして、無償返還届出書によって税務署長に対して積極的に申し出たのと経済的実態が異なり、通常の借地権が存在するというためには、権利金の授受又は認定課税を前提として、無償返還届出書提出時の借地契約が実態と異なるか又は契約内容を変更した旨改めて税務署長に申し出るなど、通常の借地権が存在することを外形的に明確に示す特段の行為の存在が認められる必要があると解されるから、上記特段の行為が認められない本件においては、相当地代通達8によって評価することに合理性があり、本件土地の価額を財産評価基本通達25又は相当地代通達7により評価するべきであるとする請求人の主張は採用できない。(平19. 8. 9 東裁(諸)平19-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190017
- 裁決年月日
- 平成19年8月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、「土地の無償返還に関する届出書」(以下「無償返還届出書」という。)が提出されていても、①土地の無償返還の合意は借地借家法上無効である等の理由から、相当の地代を支払っている場合の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて(以下「相当地代通達」という。)8による本件土地の評価は不合理である旨、また、②無償返還届出書が提出されている場合には、土地所有者と借地人との間に課税関係に反映させるべき特殊な関係があったとしても当該特殊な関係は一身専属的なものであって、土地所有者たる被相続人の相続開始によって消滅し、被相続人と借地人との間にはもはや特殊な関係は存在しないから、本件土地の価額は特殊な関係が存在しないものとして評価すべきである旨主張する。 しかしながら、相当地代通達8は、土地の貸借当事者の積極的意思表明に従って判断された借地関係の経済的実態に、権利金の授受の慣行のない地域における評価とのバランス及び自用地と比較した事実上の不便を考慮して評価する合理的な取り扱いと認められ、また、相続が包括承継であって相続開始前の経済的実態を変更するものではないことから請求人の主張には理由がなく、本件土地の価額は相当地代通達8の定めによって評価するのが相当である。(平19. 8. 9 東裁(諸)平19-17)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190003
- 裁決年月日
- 平成19年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・326ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地について、戸建分譲による開発行為を行うとした場合には、公共公益的施設用地(道路)の負担が必要であるから、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(以下「本件通達」という。)を適用すべきである旨主張し、また、原処分庁は、戸建分譲を行うにしても、路地状開発の方法によれば道路等の公共公益的施設用地の負担は必要ないため、本件通達の適用はない旨主張する。 しかしながら、本件土地周辺地域の、①都市計画法上の用途地域などの指定状況、②P市のP市プランによる都市計画方針、③建築物の現状及び過去10年間の建築状況などからすると、本件土地は、いわゆるマンション適地等と認められるため、本件通達の適用はなく、原処分は適法である。(平19. 7. 9 関裁(諸)平19-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190004
- 裁決年月日
- 平成19年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・342ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地を整形な土地5区画による戸建住宅用地として開発しようとすれば、同土地内に道路を開設する必要があるから、同土地の評価額を算出するに当たって、財産評価基本通達24−4《広大地の評価》の定めを適用して評価すべきである旨主張する。 しかしながら、本件土地は、路地状開発が可能である上、①路地状部分を組み合わせることによって「その地域」における標準な宅地の地積に分割できること、②都市計画法等の法令に反しないこと、③建ぺい率及び容積率の計算上有利であること、④評価対象地を含む周辺地域において路地状開発により戸建分譲が一般的に行われていることなどからすると、路地状開発により戸建分譲を行うことが経済的に最も合理性のある開発に当たるといえ、公共公益的施設用地の負担が必要とはならないから、本件土地の評価額を算出するに当たって、同通達の定めを適用することはできない。(平19. 7. 9 関裁(諸)平19-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180096
- 裁決年月日
- 平成19年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、債務者の営業状況等からみて債務者は客観的に破綻していることが明白ではないから、本件貸付金の回収が不可能又は著しく困難とは認められない旨主張する。しかし、債務者の財産状況を調査したところ、著しい債務超過の状況にあり、900万円程度の経常的収入があるものの、全額を本件貸付金の返済に充てたとしても返済完了までに100年に近い期間を要し、また、債務者の不動産には被相続人が仮登記を設定しているが、当該不動産には根抵当権が設定されており、その被担保債権の額が不動産の時価を大幅に上回っていることから、不動産が換価処分されても配当が見込まれない。したがって、財産評価基本通達204及び205の定めに基づき本件貸付金の価額は零円とするのが相当である。(平19. 6.29 大裁(諸)平18-96)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180008
- 裁決年月日
- 平成19年6月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人所有の本件甲土地及び本件乙土地(以下、これらを併せて「本件各土地」という。)に建物及び駐車場施設(以下建物及び駐車場施設を併せて「本件建物等」という。)を建築、設置し、相続開始時点において本件建物等をA社に貸付けていた。請求人は、被相続人に本件各土地に係る賃借料(以下「本件地代」という。)を相続開始時まで支払っていたので本件各土地の貸借関係は賃貸借であり、また、A社が本件建物等を賃借している間は、土地の利用に制限があると認められることから、本件各土地は貸宅地として評価すべきである旨主張する。 ところで、一般に土地の貸借関係には賃貸借(民法第601条)と使用貸借(民法第593条)があるが、土地の貸借関係が賃貸借であるか使用貸借であるかは、その貸借に当たり対価の支払いを伴うか否かにより判断するのが相当である。しかしながら、①請求人からは、本件地代の金額及び支払を示す証拠の提出はなく、②当審判所の調査においても本件地代の支払を確認することができなかったこと、さらに、③本件各土地に係る貸借関係は賃貸借であるとするのは、請求人の答述のみであることからすると、被相続人と請求人との間で本件各土地の貸借に当たり対価の支払いがあったとは認められないというべきであり、本件各土地に係る貸借関係は使用貸借であると認めるのが相当である。したがって、本件各土地の評価額の算定においては、自用地として評価するのが相当である。 また、使用貸借による土地の使用権は、賃貸借契約に基づく権利に比し権利性が極めて低い上、親族間の情誼や信頼関係に基づく土地の無償使用関係であり、これに独立した経済的価値を認めることはできず、土地の時価に影響を与えるものということはできないと解されている。そして、貸家における借家人の敷地利用権は、建物所有者の敷地利用権から独立した別個の存在ではなく、建物所有者の敷地利用権に従属してその範囲内の権能に過ぎないと解されているところ、請求人と被相続人との間の本件各土地の貸借関係が使用貸借であることからすると、本件各土地の価額から本件建物等を借り受けているA社の敷地利用権の価額を控除すべき理由はないと解するのが相当である。(平19. 6.25 沖裁(諸)平18-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180072
- 裁決年月日
- 平成19年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地を雑種地として評価するに当たり、本件土地の形状が宅地に類似しているが、建築基準法の接道義務を満たしておらず、建築物を建築できない土地であるから、そもそも宅地を比準地として評価するのは誤りであるが、仮に、宅地を比準地として評価したとしても、無道路地の補正を行った上に、建築制限を理由に50%の減価をすべきである旨主張する。 しかしながら、本件土地は、その周辺地域が一団の宅地開発が行われていた地域であり、同地域内には住宅が散見され、また、同土地の周辺地域は、道路の位置指定がされれば建築可能で、建築が全くできない土地ではないことから、当該土地の価額は、状況が類似する付近の宅地を比準地として評価するのが相当である。 なお、財産評価基本通達20−2《無道路地の評価》の定めによる無道路地の評価は、そもそも建築制限による減価であると解されるところ、無道路地として評価した価額から、更に建築制限による50%の減価をするならば、建築制限による減価を二重に行うこととなり不相当であり、請求人の主張は採用できない。(平19. 6.22 関裁(諸)平18-72)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180072
- 裁決年月日
- 平成19年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、神社の敷地として利用されている土地の評価に当たり、地域の住民からなる氏子から低額といえども賃料を受け取っているから賃貸借であり、また、他の用途に使用することが事実上不可能であり、処分可能性が低く、財産価値が認められない土地であるから、貸宅地としての評価額に5%を乗じた額を評価額とすべき旨主張する。 しかしながら、当該土地の貸借は、賃貸借契約書等の書面は存在しないこと、権利金等の授受はされていないこと、「神社地代」名目で年間12,000円(月1,000円)の支払いがあること及び神社が移転したときの経緯からすると、使用貸借と解するのが一般的であるから、自用地として評価すべきであるが、①地域住民等の信仰の対象とされることによって事実上の使用制限を受けており、更地に復帰する可能性が低いことから、その使用制限に応じた何らかの減価を考慮するのが相当であることに加え、②現状及び将来の可能性並びに建造物の敷地の用に供されている点を併せ考えると、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)24−8に定める重要文化財に指定された建造物の敷地の用に供されている宅地に準じて、自用地としての価額の30%に相当する金額で評価するのが相当である。 この点につき、原処分庁は、当該土地を評価通達24の「行き止まり私道」に準じて評価すべきである旨主張するが、当該土地が建造物の敷地の用に供されていることを考慮すると、その主張は採用できないものの、減額割合において差異はない。 なお、仮に、請求人が主張するように当該土地の貸借が賃貸借であるとしても、借地権割合が50%であることから、自用地としての50%に相当する金額で評価するのが相当であり、使用貸借とした場合の評価額を上回り、また、貸宅地の評価額の5%とすべき合理的な根拠もないから、請求人の主張は採用できない。(平19. 6.22 関裁(諸)平18-72)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180015ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、純山林の評価についての財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)の理念は肯定し得るが、評価通達に定められた数値のすべてについてまで肯定できず、各山林の評価上適用される倍率(以下「本件倍率」という。)には信頼性及び合理性を見出すことができないから、各山林の価額は請求人らの調査依頼に基づく調査報告書による評価額によるべきである旨主張する。 しかしながら、本件倍率は、各山林が所在する町における標準地ごとに、地価事情に精通しており、立場を異にする者から出された意見価格と、一般に公表されて土地の取引価格の指標と認められている基準地の標準価格を基に、評価上の安全性をも加味して求めた各標準地の各価額の各標準地に係る固定資産税の評価額に対する割合を求め、これに土地にかかわる諸般の状況を総合的に考慮したところで、比較的似通っている地域ごとに定められているということができるため、本件倍率には合理性があると認めるのが相当である。 また、当該調査報告書にいう各土地の価額は、不適切な基礎資料に基づき、不適正な方法により算定されたものと認めるのが相当であるため、その価額をもって相続税法第22条に規定する時価と認めることはできず、この点に関する請求人らの主張を採用することはできない。(平19. 6.19 札裁(諸)平18-15)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180015ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400804000
- 争点
- 8財産の評価/4立竹木
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、立木の評価についての財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)の理念は肯定し得るが、評価通達に定められた数値のすべてについてまで肯定できず、各立木の評価上適用される立木標準価額(以下「本件立木標準価額」という。)には信頼性及び合理性を見出すことができないから、各立木の価額は請求人らの調査依頼に基づく調査報告書による評価額によるべきである旨主張する。 しかしながら、標準伐期を超える立木に適用する本件立木標準価額は、立木の価格に精通しており、立場を異にする者から出された意見価格、売買実例価額及び素材市場価格等を総合考慮し、評価上の安全性をもしんしゃくして定められていることが認められ、また、樹齢10年を超え標準伐期に達するまでの立木に適用する本件立木標準価額は、グラーゼル法を基とした方法により定められていることが認められるため、本件立木標準価額には合理性があると認めるのが相当である。 また、当該調査報告書にいう各立木の価額は、不適切な基礎資料に基づき、不適正な方法により算定されたものと認めるのが相当であるため、その価額をもって相続税法第22条に規定する時価と認めることはできず、この点に関する請求人らの主張を採用することはできない。(平19. 6.19 札裁(諸)平18-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180257ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の課税価格に算入すべき本件土地の価額は、不動産鑑定士による意見価格(以下「本件意見価格」という。)によるべきである旨主張するが、本件意見価格については、①取引事例比較法に基づく比準価格の算定において採用した取引事例は、本件土地に比べて画地規模が著しく小さい取引事例が含まれており、比準対象として適切な事例を選択しているとは言い難いこと、②開発法による価格の算定において想定した本件土地の分割案は、本件土地の中に設定した道路の形状が、県の定める開発許可の要件を充足していない上、本件土地の形状からすると、その配置が適切とは認められないことから、信憑性及び実証性に欠けること、③本件意見価格を決定した不動産鑑定士は、本件意見価格の決定に先立って本件土地に係る鑑定評価を行っているが、当該鑑定評価と本件意見価格では、開発法による価格の算定上投下資本利益率等の想定要素が異なり、この相異に合理性があるとは認め難いこと等、種々不合理な点が認められることに加え、当審判所において、本件土地の近隣で、本件土地の存する地域と状況が類似する地域に存し、地積、形状等の画地条件の格差が最小限となるような取引事例を基に本件土地の時価を試算したところ、その額は○○○○円となり、本件意見価格を上回ることからすると、本件意見価格は、本件相続開始日における適正な時価を示しているものとは認められないから、請求人の主張には理由がなく、本件土地の相続税評価額は、本件相続開始日における本件土地の時価である上記○○○○円を上回っていないことから、相続税の課税価格に算入すべき本件土地の価額は、相続税評価額によるべきである。(平19. 6. 4 東裁(諸)平18-257)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180257ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の自宅敷地に隣接していた本件土地は、登記地目は畑であるが、家庭菜園として自宅敷地と一体利用されていたものであるから、自宅敷地と併せて一団の宅地として評価すべきである旨主張する。 しかしながら、本件土地は、①固定資産税評価では、本件土地の現況地目は畑と判定されていたこと、②相続開始後に農業委員会に対し農地法上の転用届出が提出され、登記地目が宅地に変更されていることから、相続開始日においては農地法上の農地に該当すること、③相続開始日において現に農作物の栽培が行われていたことから、これらを総合的に判断すると、これを農地と認定することが相当である。 したがって、本件土地は宅地である自宅敷地と一体として利用されている一団の土地と認めることはできず、農地として別に評価することとなる。(平19. 6. 4 東裁(諸)平18-257)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180251
- 裁決年月日
- 平成19年5月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人がA市に無償で貸し付けていた一般廃棄物の埋立処分場の跡地(以下「本件処分場跡地」という。)に所在する本件乙土地の本件相続開始日における現況では、本件乙土地上に建物等を建築することが不可能であるから、本件乙土地は財産評価基本通達27−5の(1)に定める承役地と同様の状況にあるものと認められるので、本件乙土地の相続税評価額の算定に当たっては、本件乙土地の自用地の価額から区分地上権に準ずる地役権の価額(本件乙土地の自用地の価額に財産評価基本通達27−5の(1)に定める割合である本件乙土地の借地権割合(60%)を乗じて計算した金額)を控除して評価するべきである旨主張する。 しかしながら、請求人らが本件相続開始日後に本件乙土地の買取請求をした場合、A市はいつでも応じ、その買取価格は一般廃棄物が埋められていることを考慮しない通常の土地としての取引価額となる状況にあったことが推認されるので、本件相続開始日における本件乙土地は、一般廃棄物が埋められていないのと同様の通常の価額を維持しているものと認められるから、本件乙土地に一般廃棄物が埋められていることを斟酌しないで評価するのが相当である。 また、本件乙土地に建物の建築確認をするか否かについては、A市の建築指導課が関係課と協議の上、慎重に判断されることが認められるものの、本件相続開始日において、直ちに本件乙土地上に建物を建築することが不可能であったとまでいうことはできず、仮に、請求人らが主張するように、本件乙土地に一般廃棄物が埋設されていることなどにより建物等が建築できない場合であっても、そのような取引価額に影響を与える減価要素については、上記のとおり、A市の通常の取引価額による取得をもって回避されているというべきであるから、請求人らの主張には理由がない。(平19. 5.23 東裁(諸)平18-251)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180251
- 裁決年月日
- 平成19年5月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件甲土地の最有効使用の方法は戸建住宅分譲用地であり、その場合に公共公益的施設用地の負担が認められるから、本件甲土地の相続税評価額の算定に当たっては広大地の評価を適用するべきである旨主張する。 しかしながら、①本件甲土地の所在する地域は、駅から徒歩圏内にあり、交通接近性に優れた道路付けがよい住宅地域で、戸建住宅や共同住宅が建ち並ぶなかにマンションが混在し、駐車場などの空閑地も多く見られる状況にあるところ、このような状況にある本件甲土地の所在する地域において、地積が1,000㎡以上の土地については、平成元年から本件相続開始日までの間、すべてマンション敷地として開発されており、戸建住宅分譲地の開発は行われていないこと、②本件甲土地の現況等によれば、本件甲土地をマンション敷地として開発することに特段の支障をきたす状況はみられず、むしろ、本件甲土地は、接面する道路の幅員及びその道路に接面する長さ、形状並びに規模において優れた点を有しており、マンション開発に適した土地であると認められること、③不動産鑑定士が本件甲土地の最有効使用の方法はマンション敷地である旨申述していることを併せ考えた場合、本件甲土地の最有効使用の方法はマンション敷地であると認められ、本件甲土地の形状及び接面する道路の状況等から道路、公園等の公共公益的施設用地の地積が生じないことからすると、本件甲土地の相続税評価額の算定に当たっては、広大地の評価の適用はなく、奥行価格補正率を適用して評価するのが相当である。(平19. 5.23 東裁(諸)平18-251)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成19年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が甲土地の接する道路(以下「本件側道」という。)に特定路線価を設定して評価していることに対して、本件側道は、境界未確定の私有地で周辺所有者が協力して設置した道路であり、現実に建築基準法で道路として利用できるかどうか不明瞭であるから本件土地を無道路地として評価すべきである旨主張する。 しかしながら、本件側道は都市計画法第33条第1項第2号に規定する開発行為を行う区域内の道路であることから、建築基準法第42条第1項第2号に規定する道路に該当し、そして同条第1項に規定する道路は、公道であるか私道であるかを問わず、その間に建築基準法上の道路としての効果に何ら差異はないと解されることから、請求人らの主張は採用できない。 なお、財産評価基本通達14−3にいう特定路線価は、路線価の設定されていない道路のみに接している宅地は、特定路線価が付されていないときには、その道路に接続する路線の路線価を基に画地調整を行って評価することになるが、そのように評価することが実情に即していない場合に路線価方式によって評価することができるようにするために、その特定路線価を設定しようとする道路に接続する路線及びその道路の付近の路線に設定されている路線価を基に、その道路の状況、地区の別等を考慮して税務署長が評定するものであるから、その評定が不合理と認められない限り、特定路線価に基づき評価することが相当である。 そして、当審判所の調査によっても本件側道の特定路線価を評定するに当たって不合理と認められる事実は認められない。 したがって、原処分庁が本件側道に特定路線価を設定し、これに基づき本件土地の価額を評価したことは相当であると認められる。(平19. 5.16 沖裁(諸)平18-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成19年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、甲土地が用悪水路であるとして不動産鑑定評価の対象から除外しているのに対し、原処分庁は、甲土地は乙土地と一体で建物の敷地として利用されているから、乙土地と一体評価するのが相当である旨主張する。 しかしながら、相続開始時点において、甲土地は、周囲の土地に比して低地となっており、甲土地の北西側に広がる農地の排水等の水路になっていること及び甲土地と乙土地の境にはブロック塀が設置され、乙土地と明確に区分されることから用悪水路であり、乙土地とは一体として利用されてはいないと認められる。 そうすると、用悪水路は財産評価基本通達7の注書きのとおり、これを評価しないものとすることはできないと解するのが相当であることから、甲土地は財産評価基本通達に基づき雑種地として評価するのが相当である。(平19. 5.16 沖裁(諸)平18-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成19年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件町道に面している本件土地の部分で、国道までの75.84㎡についてセットバックが必要である旨主張し、原処分庁は、セットバックを要するのは町道に面している本件土地のうち使用貸借地部分の31.86㎡についてである旨主張する。 しかしながら、セットバックを要する宅地とは、建築基準法第42条第2項に規定する道路(以下「2項道路」という。)に面する宅地で、その道路の中心線から原則として左右に2mずつ後退した線が道路の境界線とみなされ、将来、建築物等の建替え等を行う場合にはその境界線まで後退して道路敷として提供しなければならない宅地をいうものと解されている。 そうすると、本件町道は2項道路に指定されておらず、本件土地のうちにはセットバックを要する宅地に該当する部分は存しないのであるから、請求人ら及び原処分庁の主張はいずれも採用できない。(平19. 5.16 沖裁(諸)平18-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成19年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地を被相続人所有の建物、被相続人所有の廃屋(以下「本件廃屋」という。)及び請求人甲とその夫(以下「請求人甲ら」という。)の共有の居宅(以下「本件居宅」という。)のそれぞれの敷地並びに相続開始前には家庭菜園であったが、相続開始時点は荒地であった更地部分(以下「本件更地部分」という。)の4画地に区分して評価すべきである旨主張し、原処分庁は、それぞれが同一の利用単位であるから1画地で評価すべき旨主張する。 ところで、本件土地について、幅員が1mほどの町道に面して国道から奥まったところにある本件居宅の敷地部分を請求人甲が取得し、その余の部分を請求人乙が取得していることから、その分割が不合理な分割かどうかについては、①本件居宅の敷地部分は被相続人から請求人らに使用貸借により貸し付けられていたもの(以下、本件居宅の敷地部分を「本件使用貸借地部分」という。)であることからすると、請求人甲が本件使用貸借地部分を取得し、請求人乙がその余の部分を取得したことは現実の利用状況を無視した分割とは認められないこと、②本件居宅の建築に当たり、町道を拡幅する場合には協力する旨の被相続人と請求人甲らの連署による誓約書を町長あてに提出していること及び相続開始時点において、請求人甲らは本件廃屋の敷地部分を国道に通じる通路として利用していたことなどからすれば、本件土地の分割は、将来においても有効な土地利用が図られず通常の用途に供することができない不合理な分割とは認められない。 また、③請求人乙が取得した本件使用貸借地部分を除くその余の部分は、連たんする一団の宅地であるとともに自由な使用収益を制約する他者の権利は存在しないところ、その規模、形状、位置関係等からして、これを請求人ら主張のとおり4画地に区分して評価することとすると、本件更地部分について無道路地としての補正を行わなければならなくなるなど、実態に即した評価ができなくなると認めるのが相当であること、及び④相続等により取得した土地は、原則として取得者ごとにその取得した部分ごとに財産評価基本通達7−2《評価単位》の(1)に定める評価単位の判定を行うことが相当であることからすると、請求人甲が取得した本件使用貸借地部分と請求人乙が取得したその余の部分の2画地に区分して評価するのが相当であると認められる。(平19. 5.16 沖裁(諸)平18-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成19年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、甲土地の評価に当たり、甲土地の通路である乙通路は2m以上の幅員があるとして、甲土地は建築基準法その他の法令において規定されている建築物を建築するために必要な道路に接すべき最小限度の間口距離の要件(以下「接道義務」という。)を満たしている旨主張する。 しかしながら、乙通路は、丙土地及び甲土地に接する通路であるため、建築基準法第43条第1項の規定によりその幅員は4mを要するところ、乙通路の幅員は2.63mであることから、甲土地は接道義務を満たしていない宅地と認められる。 したがって、原処分庁が甲土地が接道義務を満たさない宅地であることを考慮せず、財産評価基本通達20−2に基づき評価しなかったことは相当とは認められない。(平19. 5.16 沖裁(諸)平18-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成19年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らのうちの1名が使用貸借により使用していた土地(以下「本件使用貸借地」という。)の鑑定評価額の算定に当たり、使用借権の付着に伴う減価10%を行っている。 しかしながら、使用借権は、賃貸借契約に基づく権利に比し権利性が極めて低い上、親族間の情誼や信頼関係に基づく土地の無償使用関係であり、これに独立した経済的価値を認めることはできず、また、土地の時価に影響を与えるものということもできないと解されている。 したがって、本件使用貸借地について、使用借権が付着していることによる減価を行ったことは、相当とは認められない。(平19. 5.16 沖裁(諸)平18-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成19年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件各土地の時価について、請求人らは、不動産鑑定士の鑑定評価による鑑定評価額(以下「請求人ら鑑定評価額」という。)である旨主張し、原処分庁は、財産評価基本通達及び財産評価基準(以下、これらを併せて「評価通達等」という。)に基づく評価額である旨主張する。 請求人ら鑑定評価額を検討したところ、不動産鑑定評価基準(平成14年7月3日付全部改正前のもの。)総論第8の八《鑑定評価額の決定》は、地価公示法第2条《標準地の価格の判定等》第1項の都市計画区域において土地の正常価格を求めるときは、公示価格を規準としなければならない旨を定め、同法第11条《公示価格を規準とすることの意義》において、規準することとは評価対象地と標準地との位置等の土地の客観的価値に作用する諸要因との比較を行い、当該標準地の公示価格と当該対象地の価格との間に均衡を保たせることをいう旨規定しているにもかかわらず、取引事例に基づく比準価格のみを採用していることからすれば、公示価格を規準しているとはいえず、請求人ら鑑定評価額は、相当とは認められない。(平19. 5.16 沖裁(諸)平18-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180068
- 裁決年月日
- 平成19年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・442ページ
要旨
○ 請求人は、定期借地権契約等に基づいて預託を受けている保証金債務等について、その全額を債務控除すべきである旨主張する。 しかしながら、相続税の課税価格の計算上、控除すべき債務の金額は、その時の現況により評価することと規定されており、本件各保証金等は長期無利息であることから、これを承継した相続人は、通常の利率による利息相当額の経済的利益を弁済期が到来するまでの期間享受することとなり、その享受する経済的利益の相続開始時における現在価値に相当する額だけ相続により取得した経済的価値の減殺要因が小さくなることから、本件各保証金等の相続開始時の評価額は、通常の利率と弁済期までの年数から求められる複利現価率を用いて相続開始時現在の経済的利益の額を計算し、無利息債務の元本額からこの経済的利益の額を控除した金額とするのが相当である。(平19. 4.26 関裁(諸)平18-68)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180067
- 裁決年月日
- 平成19年4月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件各宅地は、本件東側道路より平均で1.2m程度高い位置にあるものの、本件東側道路に接する本件各宅地以外の宅地も本件東側道路より高い位置にあり、本件各宅地だけが、その付近にある宅地に比較して著しく高低差があるとまではいえないから、利用価値が著しく低下している宅地には該当しない旨主張する。 しかしながら、本件各宅地は、周辺の宅地と比して、本件東側道路より約1.2m高い土地であり、また、本件各宅地のみが、この高低差のために車両の進入ができないことに加えて、本件東側道路の幅員及び路面状況にも差が認められることなどの本件各宅地の事情を総合勘案すると、本件各宅地は、この付近にある他の宅地の利用状況からみて、利用価値が著しく低下した土地であると認められる。(平19. 4.23 関裁(諸)平18-67)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180067
- 裁決年月日
- 平成19年4月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各宅地と本件位置指定道路を含めて1画地の宅地であるから、本件西側道路が本件各宅地の面する路線に当たると主張する。 しかしながら、財産評価基本通達7−2において、宅地は利用の単位となっている1画地ごとに評価する旨定められているところ、本件位置指定道路は、通り抜けができず、もっぱら特定の者が通行の用に供する私道と認められ、また本件各宅地は、自用地及び貸家建付地として利用されていることが認められるから、それぞれを1画地として評価すべきであり、本件西側道路は、本件位置指定道路には接しているものの、本件各宅地に面する路線には当たらないから、本件西側道路の路線価を持って本件各宅地を評価することはできない。(平19. 4.23 関裁(諸)平18-67)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180074
- 裁決年月日
- 平成19年4月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分は、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)の定めに従って時価を算定しているところ、評価通達の定める基準は時価評価の一方法として合理性を肯定でき、評価通達を適用することが特に不合理と認められる特別な事情が認められない本件においては、評価通達の定めに従って評価するのは合理的と認められる。 請求人らは、不動産鑑定士による鑑定評価額を基に算定した価額により相続税法第22条に規定する時価を評価すべきである旨主張する。 しかしながら、請求人らが提出した鑑定書には、比準価格及び規準価格算定の基となった標準化補正の修正率、地域要因の格差率等に誤りが認められる。また、対象不動産である貸家の利用方法が最有効使用の状態に劣るとして、借家人を立ち退かせた上で地上建物を取り壊し、更地化することを前提とした価格を採用しているが、相続税法第22条に規定する時価は、それぞれの財産の相続開始時の現況に応じて評価すべきものと解されるところ、対象不動産は、相続時点において満室の状態で貸家(共同住宅)として有効に使用されていることからすれば、あえて入居者を立ち退かせたり、建物を取り壊したりするための多額の費用を要してまで、更地化すべき理由はない。したがって、鑑定評価の方式の誤りもあり、その鑑定評価に合理性が認められず、請求人らの主張は採用できない。(平19. 4.23 大裁(諸)平18-74)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180005
- 裁決年月日
- 平成19年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地は、里道により区分された3筆の土地であることから、請求人ら及び原処分庁は、各筆をそれぞれ1画地として評価している(以下、里道とこれら3筆の土地を併せて「本件一体利用土地」という。)。 しかしながら、本件一体利用土地は、借地権者が貸家の敷地として里道を含み一体で利用しているところ、①里道の廃止も比較的容易であり、その廃止に支障がないと認められること及び②本件一体利用土地の利用を継続するためには里道を廃止する必要がありその廃止に費用が伴うものであることからすると、本件一体利用土地の全体を1評価単位として評価した価額から、里道の購入価額を控除して評価するのが合理的であると認められるとともに、当該里道の購入価額が地価公示価格水準の価額であり、路線価が地価公示価格の80%相当額となることからすれば、財産評価基本通達及び財産評価基準による評価額と同一水準となるよう実際の購入価額の80%相当額を里道の購入価額とすることが評価の均衡を維持する面からも相当であるから、請求人ら及び原処分庁の評価方法はいずれも適当とは認められない。(平19. 3.28 沖裁(諸)平18-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180005
- 裁決年月日
- 平成19年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続開始時点において資材置き場となっていた本件土地の上に存する権利について、審査請求人らは借地権、原処分庁は財産評価基本通達87《賃借権の評価》(2)に定める地上権に準ずる権利として評価するのが相当と認められる賃借権以外の賃借権である旨それぞれ主張する。 しかしながら、本件土地は、相続開始時点において資材置き場として利用されていたものの、当初から建物の所有を目的として貸付けられていたことからすると、相続開始時点まで建物の建築が行われず、相続開始時点で建物が存在していないとしても、本件土地の上に存する権利は借地権であると解するのが相当である。(平19. 3.28 沖裁(諸)平18-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180005
- 裁決年月日
- 平成19年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件各土地の時価について、請求人らは、不動産鑑定士の鑑定評価による鑑定評価額(以下「請求人ら鑑定評価額」という。)である旨主張し、原処分庁は、財産評価基本通達及び財産評価基準(以下「評価通達等」という。)に基づく評価額である旨主張する。 請求人ら鑑定評価額を検討したところ、都市計画区域内に所在する本件各土地の鑑定評価額の決定に当たり、地価公示法第8条《不動産鑑定士等の土地についての鑑定評価の準則》は、都市計画区域内にある土地について正常価格を求めるときは公示価格を規準としなければならない旨、同法第11条《公示価格を規準とすることの意義》は、規準することとは、評価対象地と標準地との位置等の土地の客観的価値に作用する諸要因との比較を行い、当該標準地の公示価格と評価対象地の価格との間に均衡を保たせることをいう旨規定しているにもかかわらず、取引事例に基づく比準価格を採用していることは、公示価格を規準しているとは認められないことなど請求人ら鑑定評価額は合理性を欠いていることから、請求人ら鑑定評価額が時価であるとの主張には理由がない。 したがって、本件各土地には評価通達等により難い特別な事情は認められず、本件各土地の時価は原処分庁評価額が相当である。(平19. 3.28 沖裁(諸)平18-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180005
- 裁決年月日
- 平成19年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが使用貸借により使用していた本件土地の鑑定評価額の算定に当たり、使用借権の付着による減価10%を行っている。 しかしながら、使用借権は、賃貸借契約に基づく権利に比し権利性が極めて低い上、親族間の情誼や信頼関係に基づく土地の無償使用関係であり、これに独立した経済的価値を認めることはできず、また土地の時価に影響を与えるものということもできないと解されていることから、使用借権の付着による減価には合理性は認められない。(平19. 3.28 沖裁(諸)平18-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180152
- 裁決年月日
- 平成19年1月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、賃貸されている中高層共同住宅(本件建物)の敷地である本件土地の価額は、収益還元法に基づき査定された本件鑑定評価額を基礎として算定した本件申告評価額が相続税評価額を下回るので、本件申告評価額によるべきである旨主張する。 しかしながら、本件鑑定評価書における本件収益価格の査定においては、学校法人が使用貸借している本件建物の1階部分に係る賃料について何ら考慮されていないところ、本件建物の所有者である本件被相続人は当該学校法人の理事長であることから、本件使用貸借は、本件被相続人の意思に基づくものと推認され、また、本件使用貸借に係る契約書の定めからすると、本件被相続人は当該学校法人に対し、いつでも本件建物の1階部分を無条件で明け渡すよう請求することができるものと認められる。そうすると、本件被相続人は、本件使用貸借を賃貸借に変更し、又は本件使用貸借を解約して、本件建物の1階部分を第三者に賃貸することも可能であるから、本件収益価格は、当該部分から生じるであろう適正な賃料を見積った上で、査定されるべきである。 また、本件土地の収益価格は、本件収益価格から本件建物の取得価額を控除して査定されているところ、本件建物の取得価額は、合理的な方法により査定された時価ではないことから、本件土地の収益価格の査定方法は合理性に欠ける。 したがって、本件収益価格及び本件土地の収益価格を基礎として決定されている本件鑑定評価額には合理性は認められず、本件鑑定評価額を基礎として算定した本件申告評価額は、本件相続開始日における適正な時価を示しているとは認められない。(平19. 1. 9 東裁(諸)平18-152)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180140
- 裁決年月日
- 平成18年12月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の課税価格に算入すべき本件土地の価額は、不動産鑑定士による鑑定評価額(本件鑑定評価額)によるべきである旨主張するが、本件鑑定評価額は、開発法のみに基づいて決定されており、取引事例に基づく比準価格等との比較考量が行われておらず、本件鑑定評価額の決定において国土交通省の定める不動産鑑定評価基準における手法を尽くしていないものであるから、合理性が認められないことに加え、当審判所において、本件土地の近隣で、本件土地の存する地域と状況が類似する地域に存し、地積、形状等の画地条件の格差が最小限となるような取引事例を基に算定した本件相続開始日における本件土地の時価が本件鑑定評価額を上回ることからすると、本件鑑定評価額は、本件相続開始日における適正な時価を示しているものとは認められないから、請求人の主張には理由がない。(平18.12.26 東裁(諸)平18-140)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180118
- 裁決年月日
- 平成18年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した被相続人の同族会社に対する本件貸付金等は、相続開始当時、同社は一見営業活動を行っているものの、実質的に破たん状態であり、回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるため、財産評価基本通達205に該当し評価額は算出されないから相続税の課税価格に含まれない旨主張する。 しかしながら、①同社は金融機関に対する借入金の返済について履行遅滞となった事実も強制執行等の手続を受けた事実もないこと、②同社は債務超過が継続しているとは認められるものの、相続開始後も破たんすることなく現実に営業を継続をしていること、③メインバンクは貸付金の返済条件の変更を認めているものの、その他に保証債務の履行を求めることもなく取引を継続しており、相続開始から約2年後には追加融資も認めていること等から、債務者の資産状況及び営業状況が客観的に破たんしていることが明白であり、債権の回収の見込みがないことが客観的に確実とまで認めることはできない。 したがって、本件貸付金等は財産評価基本通達205に定める貸付金に該当しない。 (平18.12.22 東裁(諸)平18-118)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180023
- 裁決年月日
- 平成18年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、課税時期後であるが、申告済の貸付金について返還請求訴訟を提訴の後、和解が成立し、160回ないし171回の月払いで分割回収することになったから、当該貸付金は、財産評価基本通達205に該当し、課税時期の5年後以降に回収することとなった部分は、回収が不可能又は著しく困難な状況に該当し、当該貸付金の元本に算入しなくてもよい旨主張する。 しかしながら、当該通達の適用の可否は、課税時期を基準に判断すべきであり、当該債務者は、課税時期において、事業活動を継続し、借入金の返済も滞っておらず、債権者から強制執行の申立て等を受けた事実もないから、その経営は客観的に破綻していないのであって、本件債権の回収が不可能又は著しく困難な状況であったとは認められないから原処分は相当である。(平18.12.11 広裁(諸)平18-23)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成18年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地(以下「本件土地」という。)は、接面する路線の路面より高い位置にあるとして、利用価値低下を理由に評価減10%を考慮すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地が接面している路線は東から西方向への緩やかな下り坂になっており、当該路線に接面している土地については、本件土地と同様に西側部分に路面との高低差がみられ、このような形状は、当該路線に接面している土地に共通しているものであることから、当該路線の路線価は、当該路線の路面と土地との高低差を反映しているものと認められる。本件土地は、本件土地が接面している路線の路面とは高低差があるものの、路線に接面している他の土地についても同様の高低差がみられ、その高低差も本件土地固有のものではなく他の土地に比べて著しいものでないと認められ、また、他の土地と同様の制限を受けることから、本件土地の利用価値は、本件土地が接面している他の土地の利用状況からみても著しく低下しているとは認められない。したがって、請求人らの主張には理由がない。(平18.12. 8 仙裁(諸)平18-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180039
- 裁決年月日
- 平成18年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・565ページ
要旨
○ 財産評価基本通達24-4(以下「本件通達」という。)でいうその地域とは、利用状況、環境等がおおむね同一と認められるある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものであり、①河川や山などの自然的状況、②行政区域、③都市計画法による土地利用の規制など公法上の規制等、④道路、⑤鉄道及び公園など、土地の使用状況の連続性及び地域の一体性を分断する場合がある客観的な状況を総合勘案し、判断すべきものである。 そうすると、本件通達でいう標準的な地積を導くための評価宅地の属する「その地域」は、原処分庁が主張するように、都市計画法第8条第1項第1号に規定する用途地域のみをもって判断するものではなく、また、本件通達でいう標準的な地積は、請求人らが主張するように、本件各土地からの距離のみをもって、第一種住居地域の平均的な広さである200㎡とすべきものではない。 本件各土地の属する本件地域のおける宅地は、評価時点において、主として倉庫、事務所等の敷地として利用され、その利用区分ごとの地積の平均は、約2,000㎡程度であることなどからすれば、本件各土地(各約800㎡)は、広大地にはあたらず、本件通達の適用はない。(平18.12. 8 大裁(諸)平18-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180098
- 裁決年月日
- 平成18年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件被相続人所有の本件土地について、平成元年に、相続人である次女及び三女(以下「次女ら」という。)の建物(昭和50年建築)の所有を目的とした土地賃貸借契約 (以下「本件契約」という。)が本件被相続人との間で締結され、預託された保証金3,000万円の運用益を加算した地代相当額が固定資産税等の金額を上回っていることから、本件契約は使用貸借には当たらず、本件土地の価額は本件土地の自用地としての価額から20%を控除した価額である旨主張する。しかしながら、①本件契約は、権利金の支払がないにもかかわらず、本件契約に係る地代等は既存の借地権に係る地代率をも下回る程度のものであるので、親子関係に基づく経済的合理性を欠いた契約であること、②本件被相続人は将来的に発生する自身の相続の手当てとして本件契約を行っていること、③本件建物が建築された昭和50年から本件契約を締結するまでの十数年間は使用貸借であり、本件被相続人と次女らの間に本件土地の使用をめぐる争いはなく、何ら本件契約を行う合理性がないこと、④次女らは、本件契約の当事者であるにもかかわらず保証金や地代の算定根拠が不明であるなど賃貸借契約の当事者としての意識が希薄であることから、本件契約が本件契約書の表記どおりの賃貸借を目的としたものであったとは認め難く、本件契約は本件土地の利用状況を本件被相続人と次女らにおいて確認した上で、本件契約成立後の本件土地に係る必要経費程度の金額を次女らが負担することを条件に次女らが本件被相続人から本件土地を確実に相続するための担保として締結しているものと評価するのが相当である。したがって、本件契約は使用貸借契約であるから、請求人らの主張を採用することはできない。(平18.12. 7 東裁(諸)平18-98)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平180006ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、「相続税法第22条が規定する時価は、取得財産の客観的交換価値であると解されるが、家屋の客観的交換価値は、経年劣化により減価するにもかかわらず、固定資産税評価額はほとんど減価しないことなどから、固定資産税評価額を基に家屋の価額を算定する財産評価基本通達89は、相続税法第22条が規定する時価を表すものとはいえず、また、家屋の価額は、財産評価基本通達89により一律に評価すべきではなく、請求人らのように自らが客観的交換価値である相続税法第22条の時価を算定可能な場合は、その方法を認めるべきである。」旨主張する。 しかしながら、相続財産の時価を客観的な基準に基づき算定することとしている財産評価基本通達の定めは、その評価方法が合理的である限り、相続税法が規定する時価に合致するものであるから、財産評価基本通達を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情がない限り、一般基準としての財産評価基本通達に基づき各種財産の時価を評価することには合理性があると認められ、また、財産評価基本通達に定められた評価方式が形式的にすべての納税者に適用されることによって租税負担の実質的な公平をも実現することができるものと解され、財産評価基本通達を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情がないにもかかわらず、特定の納税者あるいは特定の財産についてのみ財産評価基本通達に定める方法以外の方法によって評価を行うことは、納税者の実質的負担の公平を欠くことになり、許されないものと認められるところ、本件家屋の評価に当たり、財産評価基本通達を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情は認められないことから、本件家屋については財産評価基本通達89の定めに従って評価するのが相当である。(平18.12. 4 熊裁(諸)平18-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180035
- 裁決年月日
- 平成18年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)の定めに従って時価を算定しているところ、評価通達の定める基準は時価評価の一方法として合理性を肯定でき、評価通達を適用することが特に不合理と認められる特別な事情が認められない本件においては、評価通達の定めに従って評価するのは、合理的と認められる。 請求人らは、不動産鑑定士による鑑定評価額により相続税法第22条に規定する時価を評価すべきである旨主張するが、請求人らが提出した鑑定評価書には、比準価格算定の基となった、標準化補正の修正率及び地域要因の格差率等や、収益価格算定の基となった資料に多くの誤りが認められるほか、生産緑地の鑑定評価において、主たる農業従事者が死亡しているにもかかわらず、相続人が買取りの申出を行っていないことを理由に、相続開始後20年間使用が制限される土地として鑑定していたり、貸家の敷地について、鑑定評価額に評価通達26を適用して貸家建付地割合を控除しているのに、鑑定評価額そのものが貸家建付地としての価額になっているなど、解釈上の誤りもあり、その鑑定評価に合理性が認められないから、請求人の主張は採用できない。(平18.11.28 大裁(諸)平18-35)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180005
- 裁決年月日
- 平成18年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・589ページ
要旨
○ 請求人らは、定款において退社・解散時に払込出資額を限度として払い戻すことを定めた医療法人(以下「出資額限度法人」という。)の出資持分の価額については、①医療法人は非営利法人であり営利法人とは異なること、②財産評価基本通達194-2に定める評価方法は出資額限度法人でないことを前提としたものであること、③出資限度額法人が出資持分の定めのある社団たる医療法人へ移行(後戻り)すること(以下「本件移行(後戻り)」という。)は厚生労働省医政局長から適当でない旨の通知により事実上禁止されており、本件移行(後戻り)を禁止している定款規定の変更を行う際に必要な知事の認可を受けることができないことから、同通達194-2による評価は著しく不適当であり、払込出資額によるべきである旨主張する。 しかしながら、①医療法人は、医療法で剰余金の配当を禁止しているものの、一般の営利法人とその性格を異にするものではなく、医療法人の出資の価額を取引相場のない株式の評価に準じて評価することについて特段の不合理は認められないこと、②同通達194−2は、出資額限度法人でないことを前提とした通達ではなく、また、同通達は合理的であると認められること、③厚生労働省医政局長通知には、本件移行(後戻り)をすることは適当でない旨の記載はあるが、禁止する旨の記載はなく、その通知の基となった厚生労働省医政局長から国税庁課税部長への照会文書は、本件移行(後戻り)ができることを前提としており、また、医療法その他関係法令上、これを禁止する規定がないことからすれば、本件移行(後戻り)をすることが絶対的な拘束力を有して禁止されるものとは認めることができず、医療法第50条によりその手続が法令又は定款に違反しない限り定款の変更も可能であると認められることから、本件法人の出資持分の価額について同通達194−2に基づき評価した原処分は相当である。(平18.11. 8 福裁(諸)平18-5)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平180012
- 裁決年月日
- 平成18年11月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802031
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/1農地の評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件農地の所在地域では現実に賃貸借していれば賃借人の権利を認める社会的な慣習があることから、本件農地の相続税評価額の算定に当たっては、その自用地としての価額から耕作権相当額を控除すべきである旨主張する。 しかしながら、規範的効力を有する慣習が成立しているというためには、その内容が一義的に確定し得ること及びその内容を当該行政庁のみならず当該慣習の効力が及ぶ範囲の住民も拘束力ある規範として確信していることが必要であるところ、本件農地を管轄する農業委員会に保存されている和解の仲介記録によっても、農地法第3条の許可のない賃借権について当該地域に存在する慣行等に基づいて和解の仲介が行われた事例はないことから、当該地域に請求人の主張するような規範的効力を有する特別な事情が存在しているとは認められず、また、請求人が本件農地の賃借人に対しその返還請求を行うことが困難であるとする特別な事情も認められないので、農地の賃貸借につき農地法第3条の許可を受けていない本件農地価額は、財産評価基本通達に基づき、自用地として評価するのが相当である。(平18.11. 6 金裁(諸)平18-12)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平180012
- 裁決年月日
- 平成18年11月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の1株当たりの純資産価額を計算する場合の家屋の価額について、固定資産税評価額は税法の耐用年数と異なる経過年数によって算定されているなど相続税法にいう時価から乖離しており、また、本件建物の雨漏り等の状況が評価額に反映されていないことから、固定資産税評価額によらずに帳簿価額によって評価すべきである旨主張する。 しかしながら、固定資産の価格である適正な時価とは、正常な条件の下において成立する取引価格、すなわち、客観的な交換価値をいうものと解され、また、固定資産評価基準が採用している再建築価格方式は、再建築費を適切に算定することができない特別の事情等が存しない限り、家屋の適正な時価であると推認することができ、家屋の客観的な交換価値の算定方法として一般的な合理性を有するということができるから、財産評価基本通達による家屋の価額は、これにより決定された固定資産税評価額に基づき評価することとされているのであって、その評価額は、相続税法にいう時価に合致するものである。 そして、再建築価格方式の経過年数は、税法上の耐用年数と趣旨・目的を異にするものであり、また、本件建物に係る雨漏り等による損耗については、通常の維持管理を行っている場合の損耗度を超える状況にあったことを認めるに足りる証拠がなく、固定資産評価審査委員会に対する審査の申出もないから、請求人の主張は採用できないから、1株当たりの純資産価額を計算する場合の家屋の価額は、固定資産税評価額により評価するのが相当である。(平18.11. 6 金裁(諸)平18-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180074
- 裁決年月日
- 平成18年10月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続税の課税価格に算入すべき本件土地の価額は、請求人らが申告に用いた不動産鑑定士による鑑定評価額(本件鑑定評価額)によるべきである旨主張するが、本件鑑定評価額については、①取引事例比較法に基づく比準価格の算定において採用した取引事例は、本件土地に比べて画地規模がいずれも著しく小さい取引事例であるが、本件土地と同様地積が大きな土地の取引事例があるにもかかわらず、画地規模が著しく小さい取引事例を採用したことについて、にわかに首肯できないこと、②個別的要因における格差修正率が大きく、その査定をした不動産鑑定士の判断が鑑定評価額の決定に及ぼす影響が大きいことから、本件鑑定評価額は実証性及び客観性に欠けていること、③地積過大を含む個別的要因における格差修正率を乗じた取引事例比較法による比準価格を重視した試算価格と控除方式による価格を比較考量した上で、更に市場性減価としての価格調整がなされているが、その価格調整は地積過大に他ならず、同一の理由をもって二重に減算を行うことになり、合理的な理由が見いだせないこと、④公示価格との規準において、本件土地と行政的条件をほぼ同じくする公示地が存するにもかかわらず、その条件が大きく異なる公示地を規準としていることに合理的な理由が見いだせないこと、⑤控除方式による価格の算定過程において、市役所が定める開発許可の基準と異なること等、種々不合理な点が認められることに加え、当審判所において、本件土地の近隣で、本件土地の存する地域と状況が類似する地域に存し、地積、形状等の画地条件の格差が最小限となるような取引事例を基に本件土地の時価を算定したところ、当該金額は本件鑑定評価額を上回ることからすると、本件鑑定評価額は、本件相続開始日における適正な時価を示しているものとは認められないから、請求人らの主張には理由がなく、本件土地の相続税評価額は、本件相続開始日における本件土地の時価(上記算定額)を上回っていないことから、課税価格に算入すべき本件土地の価額は、相続税評価額によるべきである。(平18.10.25 東裁(諸)平18-74)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180022ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年10月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、正面の間口距離と裏面の間口距離の差異が僅少であるから、調整を行う必要はないと主張するが、正面の間口距離と裏面の間口距離とに差異がある場合は、整形な土地に比べ裏路線価の及ぼす影響が全く同じとはいえないので、請求人の主張のとおり、裏面の間口距離を正面の間口距離で除した割合で二方路線影響加算率を調整すべきである。(平18.10.10 名裁(諸)平18-22)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成18年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、類似業種比準方式における評価会社の①1株当りの配当金額、②1株当りの利益金額及び③1株当りの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)の各比準数値について、本件課税時期における評価会社の経営状態及び財産内容は、課税時期の直前に終了した事業年度より課税時期の属する事業年度の方が実態を的確に反映しているから、課税時期の属する事業年度の直前期末の数値ではなく、課税時期の属する事業年度末の数値を採用して類似業種比準価額を計算すべきである旨主張する。 しかしながら、請求人が主張する法人の各営業期の業績の良否は、企業活動の通例であり、本件株式の評価に当たり、財産評価基本通達に定める評価方法を適用することが著しく不合理であるとする特別な事情に該当するとは認められず、さらに、請求人の場合、贈与税の法定申告期限までに、請求人が主張する課税時期の属する事業年度末の数値を採用し類似業種比準価額を算定することは不可能であるから、請求人の主張は合理性を欠いた独自の見解というべきであって採用することはできない。(平18. 8. 1 金裁(諸)平18-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180010
- 裁決年月日
- 平成18年7月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803010
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・534ページ
要旨
○ 財産評価基本通達上の家屋とは、住宅、店舗、工場その他の建物を指称しており、固定資産税の課税客体となる家屋、つまり、不動産登記法の建物とその意義を同じくするもので、建物登記簿に登記されるべき建物と同趣旨であると解される。 そして、地方税法第341条及び「地方税法の施行に関する取り扱いについて」(昭和29年5月13日自乙発第22号、自治庁次官通達)並びに不動産登記事務取扱手続準則第136条第1項の定めを総合すると、「建物」の認定基準としては、①土地の定着性、②外気遮断性及び③用途性を一応要求してはいるものの、②については、少なくとも周壁については、必ずしも完全な外気遮断性があることまでをも要求するものではなく、その建築物の用途や利用状況を勘案して、完全な周壁を設けないことがその建造物の効用上合理的であり、完全な周壁を設けると帰って不都合が生じると認められる場合には、要件を緩和して認定することを妨げない趣旨であると解するのが相当である。 ところで、請求人は、本件土地に存する建物は、壁も床もない作業場を覆うだけの設備であり家屋に該当しない旨主張し、現に本件建物は東側の周壁がなく開放されている。 しかしながら、本件建物は、事務所兼居宅部分と造船等のための作業場で構成され、作業場は屋根を有しており、また、本件建物は、二方に周壁を有し、一方は居宅兼事務所に接しているから、外気遮断性を有しているとみるのが相当であり、さらに、柱を有し土地に定着した造船施設との用途性も満たしているのであるから、本件建物は家屋と認定するのが相当であるところ、周壁がないのは、船の陸揚げや造船等のために作業場としての効用上必要かつ合理的であるからであり、これら必要性及び合理性が認められる以上、本件建物のこのような構造は、家屋に該当するかどうかの判定に影響を与えるものではないから、請求人の主張は採用できない。(平18. 7.11 大裁(諸)平18-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180010
- 裁決年月日
- 平成18年7月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802019
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・534ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地は甲入堀の管理施設の一部であり、ゴルフ場などの土地と同様とみなされる河川敷とは異なること、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)87-5の規定は、地下街を目的とした道路敷のような大規模な土地の占用権を評価する場合を想定しており、本件のような小規模の管理施設の占用権は、一般市場における譲渡、流通になじまない権利であるから、当該権利の評価に当たって評価通達87-5の規定を適用すべきではなく、評価通達6の規定を適用すべきである旨主張する。 しかしながら、本件土地占用権は、河川法第24条に基づくものであり、その許可目的は造船施設等であって、当該造船施設等は工作物に該当すると認められるから、評価通達9の(10)に定める占用権に該当するのであり、占用権の評価方法を定めた評価通達87-5は、占有権の実態に即した評価を行うよう措置されているから、本件土地占用権の評価に当たり、評価通達87-5を適用することは相当である。 また、評価通達87-5は、一般に市場価格が形成されていない占用権についても評価方法を定めたものであるが、土地の規模の大小に関する評価上の差異について特に定めていないほか、河川法においても規模による同法適用上の差異は定められず、本件土地占用権についても、他の河川区域内の土地の占用の許可に基づく権利と取扱いの差はないのであるから、評価通達6を適用すべき特別の事情があるとはいえない。(平18. 7.11 大裁(諸)平18-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180010
- 裁決年月日
- 平成18年7月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・534ページ
要旨
○ 請求人は、路線価の設定箇所(以下「本件通路」という。)は、一般公衆の通行の用に供している道路ではなく、評価対象となる宅地は存在しないから、路線価の設定は妥当でなく、当該設定された路線価を適用して占用権の目的となっている土地の価額を算出した上で、占用権の価額を評価するのは誤りである旨主張する。 しかしながら、本件通路は防潮堤防であって道路法及び建築基準法に規定する道路ではないものの、公道と接しており、西側に車止めが設置されていることにより車の通り抜けはできないが乗り入れは可能であり、歩行者にとっては通行に際してなんらの制限もないのであるから、財産評価基本通達14に規定する不特定多数の者の通行の用に供されている路線と認めるのが相当である。 そして、本件通路の一部に設定された路線価は、本件土地の東端から西端までの河川区域内の土地に接する路線だけに設定されたものであり、当該路線の北側の土地は実際に建物の敷地として利用されている宅地と認められるから、本件通路の一部に路線価が設定されていることに特段の不合理はないほか、仮に、本件通路のうち路線価の設定されていない部分に路線価を設定するとした場合には、当該部分は本件通路と同一路線内にあり、既に設定された路線価と同額となると推認されるのであるから、原処分庁が本件占用権を評価するに当たり、これらの路線価を基としたことに特段の不合理はないというべきである。(平18. 7.11 大裁(諸)平18-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180010
- 裁決年月日
- 平成18年7月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・534ページ
要旨
○ 河川法第24条の河川区域内の土地とは、同法第6条《河川区域》第1項所定の河川区域内の土地であり、河川の流水が継続して存する土地、すなわち、河状を呈している土地を含むと考えるのが相当であるところ、本件占用許可は、本件土地(河川敷)と本件流水面(河状を呈している土地の流水面)が一体となったものと考えられ、占用目的も造船施設等とされていることからすると、当該許可に基づき設定された占用権は、造船等事業用としての利用が予定されているものであって、実際にも、造船及びそれに付随する一連の事業の用に使用されていると認められることから、本件土地占用権の評価の基礎となる土地等は、(河川敷と河状を呈している土地の全体を)一画地として評価すべきものである。(平18. 7.11 大裁(諸)平18-10)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180001
- 裁決年月日
- 平成18年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地及び本件各建物について、本件鑑定評価書による評価額と財産評価基本通達による評価額には大きな開きがあり、同通達により評価することが著しく不適当であるから、本件鑑定評価書に基づいた評価額を相続税法第22条に規定する時価とすべきである旨主張する。 しかしながら、相続税法第22条に規定する時価とは、相続によって取得した財産のその取得時における時価であり、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に成立すると認められる客観的な交換価値をいうものと解され、財産評価基本通達を適用して評価することが特に不合理と認められる特別な事情のない限り、一般基準としての財産評価基本通達に基づき各種財産の時価を評価することには合理性があると認められる。 本件各土地及び本件各建物には、財産評価基本通達により評価することが著しく不合理と認められる特別な事情はなく、また、相続税の課税価格として本件鑑定評価書に基づいた評価額を採用する合理性もないから、本件各土地及び本件各建物の価額は、財産評価基本通達によって評価した金額を相続税の課税価格とするのが相当と認められる。(平18. 7. 4 仙裁(諸)平18-1)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170020
- 裁決年月日
- 平成18年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件各土地の時価について、請求人は、不動産鑑定士の鑑定評価による鑑定評価額(以下「請求人鑑定評価額」という。)である旨主張し、原処分庁は、財産評価基本通達及び財産評価基準(以下「評価通達等」という。)に基づく評価額である旨主張する。 ところで、地価公示法第8条《不動産鑑定士等の土地についての鑑定評価の準則》は、都市計画区域内にある土地について正常価格を求めるときは公示価格を規準としなければならない旨、同法第11条《公示価格を規準とすることの意義》は、規準とすることとは、評価対象地と標準地との位置等の土地の客観的価値に作用する諸要因との比較を行い、当該標準地と評価対象地の価格との間に均衡を保たせることをいう旨規定しているところ、請求人鑑定評価額は、都市計画区域内に所在する本件各土地の鑑定評価額の決定に当たり、公示価格との均衡を図ることなく取引事例に基づく比準価格を採用しており、公示価格を規準しているとは認められないことなど合理性を欠いていることから、請求人鑑定評価額が時価であるとの主張には理由がない。 本件各土地には評価通達等により難い特別な事情は認められないから、本件各土地の時価は、原処分庁評価額が相当である。(平18. 6.30 沖裁(諸)平17-20)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170020
- 裁決年月日
- 平成18年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、無道路地に囲繞地通行権が内蔵されているといっても隣地所有者との関係等により建築基準法に規定する接道義務を満たす道路の確保及びその通路を路線価に基づく価格で取得できる保証がないことから、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)20−2《無道路地の評価》に定める方式(以下「通路開設方式」という。)に基づく評価額は、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価を適正に表示するものではない旨主張する。 しかしながら、無道路地を解消し一般的な宅地として利用するためには、前面の土地を買収する方法、又は公道への取付道路を開設する方法があるが、無道路地はその所有権の属性として囲繞地通行権を内蔵しているため、無道路地の評価に当たっては、囲繞地に通路が開設され袋地(旗竿状の画地)となったことを想定して、その通路開設費用相当額を控除することが最も現実的であることからすれば、通路開設方式が合理的であると認められるのであり、また、時価の算定に当たり考慮すべき事情は、相続税法第22条に規定する時価が客観的交換価値であるために客観的に認められるものであることが必要であるが、隣地所有者との関係等は、個別的な事情で主観的な事情と認められることから時価の算定に当たり考慮すべき事情には当たらない。 したがって、請求人の主張には理由がない。(平18. 6.30 沖裁(諸)平17-20)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170020
- 裁決年月日
- 平成18年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件私道は市から建築基準法第42条《道路の定義》第1項第5号に規定する指定をうけた位置指定道路であるため、一定の利用制限を受けており、所有者の意思により自由に処分することもできないことから、経済的価値が認められないので評価すべきでない旨主張するが、本件私道は、位置指定道路で私権を行使することに制約が認められるが、私人の所有物である以上管理権及び処分権は所有者に属しており、抵当権の設定等も可能であることからすれば財産的価値があると解するのが相当であるので、請求人の主張には理由がない。 本件私道のように、特定の者の通行の用に供されている私道で私権を行使することに制約がある土地について、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)24《私道の用に供されている宅地の評価》は自用地価額の100分の30で評価することとしており、この評価方法は相当と認められることからすれば、評価通達に基づき評価を行なっている原処分庁評価額は相当である。(平18. 6.30 沖裁(諸)平17-20)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170019
- 裁決年月日
- 平成18年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の時価については、請求人らの不動産鑑定士による鑑定評価額によるべきであるが、仮に財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)を適用して時価を算定する場合には、評価通達24−4《広大地の評価》を適用すべきである旨主張する。 しかしながら、評価通達24−4に定める広大地とは、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な土地で、その土地に都市計画法に規定する開発行為を行うとした場合に、公共公益的施設用地として相当規模の負担が必要と認められるものをいうのであって、広大地の評価は、戸建住宅分譲用地として開発され道路等の潰れ地が生じる土地を前提としていることから、戸建住宅分譲用地として開発できない市街化調整区域内の土地については、評価通達24−4の適用はないと取り扱われている。 この取扱いは相当であるから、本件土地については、評価通達24−4は適用することができない。(平18. 6.27 沖裁(諸)平17-19)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170019
- 裁決年月日
- 平成18年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802014
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/4区分地上権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の時価については請求人らの不動産鑑定士による鑑定評価額によるべきであるが、仮に財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)を適用する場合には、本件土地は市街化調整区域内の土地(雑種地)で、都市計画法の規制により建物を建築するとしても1棟の住宅しか建築できず建物が建築できないのと同等であると考えられることから、建築可能な通常の宅地と比準させて評価を行うことは非常に不合理であり、従って、50%減価して評価すべきである旨主張する。 しかしながら、市街化調整区域内の雑種地を宅地比準方式により評価する場合における建物の建築制限に係るしんしゃく割合については、評価通達27−5《区分地上権に準じる地役権の評価》を準用することと取り扱われており、この取扱いは相当であるほか、県の建築指導課の担当者の答述によれば、市街化調整区域内の土地であっても都市計画法第34条の各号に該当すれば建物が全く建てられないことはないという事実が認められることから、本件土地の建物の建築制限に係るしんしゃく割合については、評価通達27−5のロに定める30%が相当である。(平18. 6.27 沖裁(諸)平17-19)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170019
- 裁決年月日
- 平成18年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地の時価について、請求人らは請求人らの不動産鑑定士による鑑定評価額(以下「請求人ら鑑定評価額」という。)である旨主張し、原処分庁は原処分庁の不動産鑑定士による鑑定評価額(以下「原処分庁鑑定評価額」という。)である旨主張する。 しかしながら、請求人ら不動産鑑定士は、本件土地を借地権の付着した底地として請求人ら鑑定評価額を算定しているが、本件土地は、病院の駐車場敷地として利用され、借地権の付着した土地とは認められないことから、借地権の付着している土地と同じ方法により本件土地の鑑定評価額を求めることは不動産鑑定評価基準からみて相当ではなく、請求人ら鑑定評価額には合理性が認められないほか、原処分庁の不動産鑑定士は、比準価格の算定に当たり、取引事例4事例について環境条件による格差補正等として地域要因格差に基づく減価を行っているが、当該減価割合の根拠は具体性に乏しいことから原処分庁鑑定評価額にも合理性は認められない。 したがって、請求人ら鑑定評価額及び原処分庁鑑定評価額のいずれも時価とは認められず、財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)により算定された評価額が時価すなわち客観的交換価値を上回ることが明らかであるとは言えないから、本件土地については、評価通達により難い特別な事情は認められず、評価通達の定めに従って評価するのが相当である。(平18. 6.27 沖裁(諸)平17-19)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170036
- 裁決年月日
- 平成18年6月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802031
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/1農地の評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・593ページ
要旨
○ 農地法の前身である農地調整法が改正施行された昭和21年11月22日以後、農地の賃借権の設定に関しては、許可(地方長官)又は承認(市町村農地委員会)が必要になったが、その施行前に開始された賃貸借は、この許可又は承認を要することなく有効に成立しているものと解されており、同日前に賃貸借に付された農地の賃借人は、農地法施行(昭和27年10月21日)後に改めて農地の賃借権の設定等に係る許可を要することはなく、また、その後賃借人に相続が開始した場合には、その相続人は、その賃借権を適法に承継したものと扱われる。 かかる賃借権は、その解約等を行う場合、農地法第20条第1項の規定により都道府県知事の許可が必要であり、同法の保護を受ける賃借権、つまり、財産評価基本通達9の(7)の耕作権に該当することになるから、昭和21年11月22日前に賃貸借が開始され、その後引き続き賃貸されていることが認められる農地の価額については、その自用地としての価額から財産評価基本通達に定める耕作権の価額を控除して評価するのが相当と認められる。(平18. 6.19 金裁(諸)平17-36)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170018
- 裁決年月日
- 平成18年6月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、取引事例から算出した底地割合を自用地価額に乗じた鑑定評価額が本件土地の時価である旨主張するが、①請求人らが主張する底地割合は、個別補正等を行うことなく3件の取引事例にのみ基づいて算出したものであるほか、②取引事例の内には近隣地域内又は同一需給圏内の類似地域に存しない取引事例が含まれているから、請求人らの鑑定評価額は、鑑定評価基準が予定している取引事例比較法に基づいた評価方法とはいい難く採用できない。(平18. 6.15 沖裁(諸)平17-18)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170018
- 裁決年月日
- 平成18年6月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件各土地の評価に当り、甲鑑定、乙鑑定及び丙鑑定による評価額がそれぞれ時価相当額である旨主張する。 ところで、不動産鑑定評価基準は、底地価格は収益価格と比準価格とを関連付けて決定する旨定めているところ、①乙鑑定及び丙鑑定は、比準価格が求められないとして競売評価基準の借地権価額控除方式を評価要素とする控除価格を比準価格としている点において説得力に欠け、また、②道路敷地部分については、将来的に他の用途に転用、すなわち更地復帰する可能性は極めて小さいから、更地価格への復帰価格及び比準価格相当額を算出する際の更地価格の算定に当ってはその基礎に含めないこととするのが相当であると認められるところ、甲鑑定及び乙鑑定は、道路敷部分を含めており合理性に欠けると認められるので、原処分庁の主張にも理由がないが、比準価格については甲鑑定の採用したところにより、また、道路敷部分については更地価格の算定に当って含めないこととする丙鑑定の方法を併用することによって本件土地の適正な評価額が算定されることとなる。 したがって、本件各土地の評価に当っては、それぞれ、乙鑑定及び丙鑑定における比準価格に代わり甲鑑定における比準価格相当額を用いて評価額を決定し、更地価格の算定に当って道路敷部分を含めないこととして甲鑑定の方法によりそれぞれ評価額を決定するのが合理的である。(平18. 6.15 沖裁(諸)平17-18)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平170019
- 裁決年月日
- 平成18年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件家屋の固定資産税評価額は、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額とは到底考えられないとして、本件家屋の時価は、請求人が依頼した不動産鑑定士の鑑定評価額が相当である旨主張する。 しかしながら、鑑定評価額は、観察減価率50%に関する具体的な補修箇所や明確な算定根拠の提示がなく、当審判所の本件家屋の実地調査においても損壊等の箇所は認められないことから、減価率の合理性が認められず、相続税法が規定する時価に合致するとは認められない。 本件家屋に係る平成15年度固定資産税評価額は、固定資産評価基準に従い決定され、決定の過程においては、家屋の構造及び経年による老朽化などが加味され、適正に算定されていると認められることから、本件家屋の価額を財産評価基本通達89に定める方法によって算定することは、本件家屋の価額に影響を及ぼすべきすべての事情を考慮した客観的交換価値を反映した価額を算定していることになり、相続税法第22条に規定する時価に合致するものと判断される。(平18. 5.24 仙裁(諸)平17-19)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170062
- 裁決年月日
- 平成18年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件法人税調査の結果に基づき行われた本件法人税更正処分は違法であるから、これを基礎としてなされた本件株式の評価額は誤りであり、この評価額に基づいて行われた本件更正処分は違法である旨主張する。 しかしながら、財産評価基本通達に基づいて株式を評価する際の比準要素である所得金額等は、当該法人の所得金額等であり、この所得金額等には、行政処分である税務署長の更正・決定に係る所得金額等も含まれる。 そして、行政処分である更正・決定といった課税処分がなされると、課税処分は、当然無効の場合を除くほか、正当な権限を有する行政機関又は裁判所により取り消されるまでは、相手方はもとより一般第三者も国家機関もこれを有効なものとして取り扱わなければならない。 そして、課税処分が当然無効であるというためには、処分に重大かつ明白な暇疵が存することを要すると解される。 これを本件についてみると、本件法人税更正処分に重大かつ明白な瑕疵が存することについて、請求人は、具体的な事実の主張をせず、当審判所の調査の結果によっても、瑕疵が存することは認められないから、本件法人税更正処分等が当然無効であるとはいえない。 そうすると、本件審査請求において、本件法人税更正処分については、請求人も当審判所もこれを有効なものとして取り扱わなければならないこととなるから、本件更正処分の違法を理由とする請求人の主張は採用できない。(平18. 5.24 名裁(諸)平17-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170170
- 裁決年月日
- 平成18年5月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件相続開始時に債務者(法人)が客観的に破たんしていることが明白であって、本件貸付金の回収の見込みのないことが客観的に確実であるとまでは認められず、同日において本件貸付金の一部が回収不可能であったとは認められないと主張する。 しかしながら、①債務者は債務超過及び大幅な赤字営業の状態が相当期間続いている上に、それらの状況が飛躍的に改善される見込みがないと認められること、②債務者の事業活動が維持されたのは関連法人の無制限な資金援助によるものであると認めれることからすれば、営業活動は継続しているものの債務者の営業状況、資産状況は極めて危機的な状況にあったと認められる。また、本件営業譲渡は、①取引銀行の強い申し入れにより行われたもので、その意向が強く反映されており、し意性がないと認められること、②遅くとも平成13年12月ころには、本件貸付金を営業譲渡対象外とすることが計画されていたこと、③債務者において、本件相続開始日の2月前の平成15年2月の株主総会及び取締役会で営業譲渡、解散の時期を平成16年2月期中とすることが決定されたことからすれば、債務者は、本件貸付金を営業譲渡の譲受会社に引き継がずに営業譲渡し、解散・清算することが事実上、平成15年2月には確実であったと認められる。 以上のことから、資産状況、営業状況が危機的状況にあった債務者は、本件相続開始日において、本件貸付金を除いた営業用の資産・負債を譲受会社に対し、営業譲渡し、解散・清算することが確実であったのであるから、同日における本件貸付金の客観的価値は、債務者の営業譲渡見込額及び残余財産見込額を合理的に算出した場合の本件貸付金の配当見込相当額にとどまるというべきであり、すなわち、本件貸付金の一部は、同日において、回収の見込みのないことが客観的に確実であったというべきである。(平18. 5.12 東裁(諸)平17-170)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成18年5月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・533ページ
要旨
○ 請求人は、例え借地上の建物が土地所有者の承諾なくして建築されたものとしても、その敷地利用権は借地権と解されるべきである旨主張する。 しかしながら、借地借家法第2条第1号は、借地権とは建物の所有を目的とする地上権又は賃借権をいう旨規定しており、借地上に建物を所有していても、建物の所有が借地の主たる目的と認められない場合には借地借家法の適用はないと解されているところ、①相続開始後に締結された相続人と賃借人との土地賃貸借契約書等からすれば、被相続人と賃借人との契約においても評価対象地を資材置場として賃貸借していたと認められ、また、②このことは、賃借人が平成16年12月16日付和解契約により、借地権を含まない価額で建物を相続人に代物弁済していることからも明らかであるから、評価対象地に借地権は存在しないと解するのが相当である。(平18. 5. 8 沖裁(諸)平17-17)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成18年5月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・533ページ
要旨
○ 財産評価基本通達20−2は、無道路地から利用路線まで最小限度の通路を開設するものとした場合に要する通路開設費用により無道路地の評価額を補正する旨定めているものの、評価対象地と利用路線との間に第三者の家屋が存する場合は当該家屋を含んだ通路を開設通路とすることは現実的ではないと解するのが相当である。(平18. 5. 8 沖裁(諸)平17-17)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成18年5月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・533ページ
要旨
○ 原処分庁は、既に擁壁が存する面については、土止めの必要性は認められない旨主張する。 しかしながら、財産評価基本通達40で定めている造成費は宅地転用を前提としていることから、擁壁は建築基準法上の家屋の建築が可能なものであることが必要であり、仮に擁壁が存在していても家屋の建築ができないような場合には当該擁壁は存在しないものとして造成費を算出し、また、隣接地に評価対象地の所有者が既に擁壁を設置している場合には擁壁の設置は必要ないものとして造成費を算出するのが相当であると解されるところ、①評価対象地の東側の擁壁にL型擁壁が使用されているとしても、その上部にあるブロック製の擁壁を撤去しさらにL型擁壁を積み重ねる方式は、建築基準法上家屋の建築は認められないから擁壁はないものとして、また、②西側は請求人の所有地と接し既にコンクリート製の基礎が設置されているから新たな擁壁の設置は必要ないものとして造成費を算出するのが相当であるから、原処分庁の主張には理由がない。 (平18. 5. 8 沖裁(諸)平17-17)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成18年5月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・533ページ
要旨
○ 原処分庁は、評価対象地は、①自治会の建物及びその敷地として使用され既に開発を了しており、②隣接地と比較しても著しく広大な地積とは認められないから、広大地補正の適用は認められない旨主張する。 しかしながら、開発を了しているか否かについては、評価対象地がその地域の土地の標準的な使用に供されているかどうかで判断し、また、著しく広大な地積とは、近隣の標準的な宅地の地積を基に判定するものとされているところ、①評価対象地は、自治会の集会所敷地として利用されているものの、当該地域の標準的な使用は戸建住宅地と認められ、半分以上が空閑地となっていることからすれば標準的な使用に供されているとはいえないので開発を了しているとは言い難いこと及び②評価対象地は、標準的な宅地の5倍程度の地積を有し、また、戸建住宅地とするには都市計画法第4条第14号に規定する道路の負担が必要と認められることからすれば、広大地に該当すると認めるのが相当である。(平18. 5. 8 沖裁(諸)平17-17)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成18年5月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・533ページ
要旨
○ 財産評価基本通達20−2は、通路開設費用は接道義務に基づき最小限度の通路を開設する場合のその通路に相当する部分の価額とする旨定めていることから、無道路地において実際に利用している路線が二つある場合は、開設通路の価額の低い方の路線が利用路線であると解するのが相当である。(平18. 5. 8 沖裁(諸)平17-17)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成18年5月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・533ページ
要旨
○ 原処分庁は、評価対象地は近傍宅地の利用状況と比較して利用価値が著しく低下しているとは認められない旨主張する。 しかしながら、普通住宅地区にある宅地で、忌みによりその取引金額に影響を受けると認められるもののように、その利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて著しく低下していると認められるものの価額は、その宅地について利用価値が低下していないものとして評価した場合の価額から、利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に10%を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価して差し支えない旨取り扱われており、また、宅地比準方式によって評価する農地についても同様に取り扱うこととされており、これらの取扱いは相当と認められるところ、評価対象地は造成後においても三方が墓地に囲まれており、当該取扱いに該当すると認められるから、原処分庁の主張には理由がない。(平18. 5. 8 沖裁(諸)平17-17)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成18年5月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・533ページ
要旨
○ 請求人は、貸駐車場に設置されたアスファルト敷舗装路面は堅固な構築物であるから、財産評価基本通達87の(1)の定めにより、自用地としての価額から控除される賃借権の価額は自用地としての価額の5%相当額である旨主張する。 しかしながら、賃借人の答述によれば、当該アスファルト敷舗装路面は撤去が容易な構築物であり、堅固な構築物とは認められないから、評価対象地の存する賃借権は地上権に準ずる権利とはいえず、賃借権の評価に当っては財産評価基本通達87の(2)が適用されるのであり、賃借権の残存期間は1年未満と認められ、賃借権の評価額は、自用地としての価額の2.5%相当額となるから、請求人の主張には理由がない。(平18. 5. 8 沖裁(諸)平17-17)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170049
- 裁決年月日
- 平成18年5月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式の評価に当たり、類似業種比準方式による1株当たりの利益金額及び純資産価額の計算上、本件退職金等に相当する額を評価会社の課税時期の直前期の法人税の課税所得金額等から控除すべきであるのに、控除しないことは実質的な二重課税であると主張する。 しかしながら、類似業種比準方式は、類似業種の株価に評価会社の標本会社に対する各要素の比準割合等を乗じて、評価会社の1株当たりの比準価額を算出する方式であり、この比準割合の基となる各要素の数値は、標本会社及び評価会社ともに課税時期の直前期又は直前期末以前の決算数値を使用して算定することとされているところ、評価会社において課税時期後に確定した本件退職金等を、課税時期の直前期の法人税の課税所得金額等から控除することは、標本会社と評価会社の比準要素の同質性を失わせることになるから、請求人の主張は認められない。(平18. 5. 2 大裁(諸)平17-49)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170163
- 裁決年月日
- 平成18年4月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は、広大地の判定基準である①財産評価基本通達22-2に定める大規模工業用地に該当しないこと、②容積率が100%未満でマンション等の敷地に適さないこと、③その地域における標準的な宅地に比して著しく地積が広大な土地であること、④開発行為を行うとした場合において、公共公益的施設用地である道路等の負担が必要となる土地であること等のすべてに該当するから、広大地に該当する旨主張する。 しかしながら、①本件土地は、路地状部分を有する土地を組み合わせることによって、道路等の公共公益的施設用地の負担を必要とせず、標準的な地積の宅地に分割できること、②当該分割は、都市計画法等の法令に反していないこと、③当該分割は、道路等の公共公益的施設用地の負担を必要とせず、本件土地のすべてを宅地として有効に利用することが可能であるから、道路を設置する土地利用に比して経済合理性があること、④本件土地を含む周辺地域の開発において、路地状部分を有する土地を組み合わせた戸建分譲は、一般的に行われていること等からすれば、本件土地は、広大地に該当するとは認められない。(平18. 4.27 東裁(諸)平17-163)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平170015
- 裁決年月日
- 平成18年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・606ページ
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式の価額は、評価会社が土地の収用等に伴い取得した代替資産については、租税特別措置法第64条の2の規定を適用したことにより算定される圧縮記帳後の価額を、上場会社の発行した非上場の無額面株式については、当該上場会社の一般の株式と同様に評価した価額をそれぞれ基にして算定すべきである旨主張する。 しかしながら、当該代替資産に係る圧縮記帳後の価額は、法人税に関する法令の規定を適用する場合のものであること等から、これをもって客観的な交換価額であると認めることはできず、また、当該無額面株式の価額を、その払込金額と同額とすることは相当と認められるから、これらの点に関する請求人らの主張にはいずれも理由がなく、原処分は適法である。(平18. 4.11 札裁(諸)平17-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170149
- 裁決年月日
- 平成18年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した本件土地は、財産評価基本通達9の(5)に定める借地権が設定されている土地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、借地権とは借地借家法第2条第1号に規定する建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいうところ、これらの規定の「建物の所有を目的とする」とは、借地使用の主たる目的がその地上に建物を建築し、これを所有することにある場合をいい、借地人がその地上に建物を建築し、所有しようとする場合であっても、それが借地使用の主たる目的を達するための従たる役割を果たすものに過ぎないときは、そのことにより、「建物の所有を目的とする」ことになるものではないと解される。そして、本件借地人は、本件土地を昭和37年11月1日から本件相続開始日まで引き続いて賃借し、貸駐車場として使用していたと認められるところ、この間、本件土地上には、本件借地人の建築した本件建物及び本件車庫が存在し又は存在していたと認められるが、本件車庫は、床及び壁がないという構造からして建物以外の構築物と認められ、また、本件建物は、その規模及び利用状況から、駐車場の経営に必要な管理事務所であり、本件土地を貸駐車場として使用するための従たる役割を果たすものにすぎないと認められる。そうすると、本件土地の賃貸借の目的は建物の所有ではなく、本件土地を貸駐車場の敷地として使用することにあったと認められるから、本件借地人が本件土地上に有する賃借権は、建物の所有を目的とする賃借権には該当せず、財産評価基本通達9の(9)に定める借地権以外の賃借権であると認められる。(平18.3.31東裁(諸)平17-149)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170043
- 裁決年月日
- 平成18年3月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人が非上場株式の売買契約を締結し、当該株式の引渡しを受ける前に死亡したため、相続開始時においては、株式に係る権利関係がいまだ確定していないものであるから、相続財産は、株式ではなく、債権(株式引渡請求権)であるとした上で、債権としての評価に関する定めである財産評価基本通達204を準用し、その評価額を売買代金と同額であるとした。しかしながら、株式引渡請求権と株式の法的性格が異なることは、原処分庁の主張するとおりであるが、株式引渡請求権の相続財産としての経済的価値は、引渡しの対象である株式の価値と異なるところはないというべきであるから、株式引渡請求権の価額の評価方法も、引渡しの対象である株式の評価方法に準じるのが相当である。そして、財産評価基本通達は、取引相場のない株式を上場株式及び気配相場等のある株式とは区別し、評価会社の規模、業種、株主の実態等に応じて別の評価方法を定めているが、こうした評価方法は、当審判所においても合理的なものと認められるので、取引相場のない株式の価額は、財産評価基本通達によらないことが正当として是認され得るような特別な事情がある場合を除き、その定めるところにより評価するのが相当である。(平18.3.22名裁(諸)平17-43)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170015
- 裁決年月日
- 平成18年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続開始時点において相続人や相続人の夫の建物の敷地として使用貸借により利用されていた土地についての鑑定評価額の算定に当たり、使用貸借による土地の使用権(以下「使用借権」という。)が付着していることによる10%の評価減を認めるべきであると主張する。しかしながら、使用借権は、賃貸借契約に基づく権利に比し権利性が極めて低い上、親族間の情誼や信頼関係に基づく土地の無償使用関係であり、これに独立した経済的価値を認めることはできず、また、土地の時価に影響を与えるものということもできないと解されていることから、使用借権が付着していることによる減価には合理性は認められないため、請求人らの主張には理由がない。(平18.3.15沖裁(諸)平17-15)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170015
- 裁決年月日
- 平成18年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の造成費相当額は重力式擁壁に基づく造成工事を行うものとして算出した造成工事費及び測量設計費等付帯費用(以下「造成工事費等」という。)の合計額である旨主張する。しかしながら、擁壁工事については、L型擁壁が一般的であるにもかかわらず重力式擁壁に基づく工事を必要とする特別な事情があるとは認められず、また、造成工事費等の算出根拠についても、請求人らの不動産鑑定士の実務経験によるものであるなど具体性に乏しいといわざるを得ない。したがって、請求人らが主張する造成工事費は合理的とは認められず、請求人らの主張には理由がない。(平18.3.15沖裁(諸)平17-15)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170015
- 裁決年月日
- 平成18年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、借地権の目的となっている宅地(以下「本件底地」という。)の時価について、財産評価基本通達25に定める方式(以下「借地権価額控除方式」という。)により求めた評価額は時価を超えており借地権価額控除方式により難い特別な事情があることから、請求人ら鑑定評価による鑑定評価額(以下「請求人ら鑑定評価額」という。)である旨主張する。しかしながら、請求人ら鑑定評価額の内容を検討したところ、本件底地価格の算定に当たり、還元利回りと割引率とは異なる性質のものでありその利率も異なるものと考えられるところ、同一の率を採用して還元利回りと割引率を算出しているなど合理性を欠いていることから、請求人ら鑑定評価額が時価であるとは認められない。さらに、借地権の取引慣行のある地域では、底地価格は単なる地代徴収権の価額にとどまらず、むしろ将来借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価額形成されているのが一般的であると認められるところ、このような場合には底地価額を借地権価額控除方式により評価するのが相当であると解されている。本件底地については、土地賃貸借契約の内容等からすると、将来借地権を併合して完全所有権となることを妨げる特別な事情はないことから借地権価額控除方式により難い特別な事情は認められず、請求人らの主張には理由がない。(平18.3.15沖裁(諸)平17-15)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170015
- 裁決年月日
- 平成18年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件各土地の時価について、請求人らは不動産鑑定士の鑑定評価による鑑定評価額(以下「請求人ら鑑定評価額」という。)である旨主張し、原処分庁は財産評価基本通達及び財産評価基準(以下「評価通達等」という。)に基づく評価額である旨主張する。請求人ら鑑定評価額の内容を検討したところ、①不動産鑑定評価基準(平成14年7月3日付全部改正前のもの。以下「鑑定評価基準」という。)総論第8の八《鑑定評価額の決定》は、地価公示法第2条《標準地等の価格の判定等》第1項の都市計画内において土地の正常価格を求めるときは公示価格を規準としなければならない旨定め、同法第11条《公示価格を規準することの意義》において、規準することとは評価対象地と標準地の位置等土地の客観的価値に作用する諸要因との比較を行い、当該標準地と評価対象地の価格との間に均衡を保たせることをいう旨規定しているにもかかわらず、更地価格の算定に当たり、公示価格との規準による規準価格を採用せずに比準価格のみを採用していることは規準価格との均衡を図っているとはいい難いこと及び②鑑定評価基準各論第1の一の(一)の1において、更地の鑑定評価額は再調達原価が把握できる場合は積算価格をも関連づけて決定するべきである旨定められているにもかかわらず、鑑定評価額の算定に当たり、土地建物の積算価格のうち土地の再調達原価と土地の収益価格とに極端な開差があるのに収益価格のみを採用していることなど請求人らの鑑定評価額は合理性を欠いていることから、請求人ら鑑定評価額が時価であるとは認められない。したがって、本件各土地について評価通達等により難い特別な事情は認められないことから、本件各土地の時価は、原処分庁の評価額が相当である。(平18.3.15沖裁(諸)平17-15)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170016
- 裁決年月日
- 平成18年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・505ページ
要旨
○ 本件各土地の時価について、請求人は不動産鑑定士の鑑定評価による鑑定評価額(以下「請求人鑑定評価額」という。)である旨主張し、原処分庁は財産評価基本通達及び財産評価基準(以下「評価通達等」という。)に基づく評価額である旨主張する。請求人鑑定評価額を検討したところ、不動産鑑定評価基準(平成14年7月3日付全部改正前のもの)総論第8の八《鑑定評価額の決定》は、地価公示法第2条《標準地の価格の判定等》第1項の都市計画区域内において土地の正常価格を求めるときは公示価格を規準としなければならない旨定め、同法第11条《公示価格を規準とすることの意義》において、規準することとは、評価対象地と標準地の位置等の土地の客観的価値に作用する諸要因との比較を行い、当該標準地と評価対象地の価格との間に均衡を保たせることをいう旨規定しているにもかかわらず、更地価格の算定に当たり、公示価格との規準による規準価格を採用せずに比準価格のみを採用していることは規準価格との均衡を図っているとはいい難いことなど請求人鑑定評価額は合理性を欠いていることから、請求人鑑定評価額が時価であるとは認められない。したがって、本件各土地について評価通達等により難い特別な事情は認められないことから、本件各土地の時価は、原処分庁の評価額が相当である。(平18.3.15沖裁(諸)平17-16)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170016
- 裁決年月日
- 平成18年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・505ページ
要旨
○ 請求人は、借地権の目的となっている宅地(以下「本件貸宅地」という。)の時価について、財産評価基本通達25に定める方式(以下「借地権価額控除方式」という。)による貸宅地の評価額は相続税法第22条に規定する時価を適正に反映しないことから、請求人鑑定評価による鑑定評価額である旨主張する。しかしながら、請求人鑑定評価額の内容を検討したところ、底地価格の算定に当たり、還元利回りと割引率とは異なる性質のものであり、その利率も異なるものと考えられるところ、同一の率を採用して還元利回り及び割引率を算出しているなど合理性を欠いていることから、請求人鑑定評価額が時価であるとは認められない。さらに、借地権の取引慣行のある地域では、底地価格は単なる地代徴収権にとどまらず、むしろ将来借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価額形成されているのが一般的であると認められるところ、このような場合には底地価格を借地権価額控除方式により評価するのが相当であると解されている。本件貸宅地の地主と借地人の契約関係及び請求人が既に本件貸宅地と賃貸借関係が類似している借地権を借地人から買取り完全所有権としていることからすれば、本件貸宅地には、将来底地と借地権を併合して完全所有権となることを妨げる特別な事情がないことから借地権価額控除方式により難い特別な事情は認められず、請求人の主張には理由がない。(平18.3.15沖裁(諸)平17-16)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170016
- 裁決年月日
- 平成18年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・505ページ
要旨
○ 請求人は、請求人が使用貸借により使用していた本件土地の鑑定評価額の算定に当たり、使用貸借に係る土地の使用権(以下「使用借権」という。)には相当の権利と経済的価値が認められることから、原処分庁が使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱い(昭和48年11月1日付直資2−189ほか国税庁長官通達)により更地価額で評価していることは相続税法第22条に反しており、使用借権の付着による10%の評価減を認めるべきである旨主張する。しかしながら、使用借権は、賃貸借契約に基づく権利に比し権利性が極めて低い上、親族間の情誼や信頼関係に基づく土地の無償使用関係であり、これに独立した経済的価値を認めることはできず、また、土地の時価に影響を与えるものということもできないと解されていることから、使用借権の付着による減価には合理性は認められないため、請求人の主張には理由がない。(平18.3.15沖裁(諸)平17-16)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平170011
- 裁決年月日
- 平成18年3月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、採石業を営む評価会社に対する出資の評価に当たり、同社が法人税基本通達2−2−4に基づき未払金に計上している採石跡地の埋戻しに要する費用(以下「本件埋戻費用」という。)は、本来、採取及び販売の終わった後における事後的費用であり、あくまでも見積計上であるから、純資産価額計算上の負債には当たらない旨主張する。しかしながら、評価会社と採石地の所有者との間に埋戻しを条件とする採石契約が締結されており、採石法第8条により採石後の土地については原状回復等の義務が課されるから、評価会社は、採石地の所有者に対して埋戻し義務(債務)を負っていることが認められる。そして、評価会社は、M地方振興局長から「採取計画認可申請書」に記載されている方法に従い操業することを指示されているほか、S町長からS町環境保全条例の規定による基準の審査を受けた後、地域住民に対して採掘後は県道の高さまで埋め戻す旨説明していることからすると、評価会社は、採石地の所有者に対して埋戻しをしなければならないという債務を負っていることに加え、法的にその債務の履行が義務付けられ、社会生活上及び営業継続上からもその履行を避けることができない状況下にあることが認められるから、本件埋戻費用(本件相続開始日現在において埋め戻すとした場合に要する費用に限る。)は、債務の存在と履行の確実性の観点から相続税法上の「確実と認められる債務」であると判断するのが相当であり、評価会社の1口当たりの純資産価額の計算上、負債として資産の金額から控除すべき債務と認められる。(平18.3.10仙裁(諸)平17-11)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平170012
- 裁決年月日
- 平成18年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件乙土地は、横断歩道橋及び歩行者自転車用柵(ガードレール)により前面車道との連続性が失われており、接面道路の歩道幅員が狭いことから、セットバックの手法に準じた評価方法によって評価すべきである旨主張するが、本件乙土地の接面道路は、建築基準法第42条第2項に規定する道路には当たらないから、セットバックを必要とする宅地の評価をすることはできず、セットバックの手法に準じた評価方法を適用すべきとの主張は、独自のものであり認めることはできない。しかしながら、本件乙土地は、横断歩道橋が設置されていることにより、車両進入の障害となっていること及び有効歩道幅員が狭いことから、著しい利用制限をその全面積に受けているものと認められるので、10%の減額をして評価することが相当である。(平18.3.10仙裁(諸)平17-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平170012
- 裁決年月日
- 平成18年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件甲土地は、国税局長が路線価図により普通住宅地区と定めている地域に所在するから、財産評価基本通達に定める広大地の評価により標準化補正をして評価すべきである旨主張する。しかしながら、広大地の評価の適用要件は、財産評価基本通達に定められており、その地域の標準的使用によって現に宅地として有効利用されている建築物の敷地などについては、評価に当たって公共公益的施設用地となる部分の地積を考慮する必要がないから、その地域の標準的な地積に比して著しく広大な宅地であっても広大地には該当しないものと解される。本件甲土地の所在する地域は、準工業地域内の大規模店舗、事務所、ファミリーレストラン、複合商業施設等が連たんする地域であり、現に本件甲土地は、ホームセンターの店舗の敷地として、その地域の標準的使用によって建築物の敷地として有効利用されているから、財産評価基本通達の広大地の評価を適用することはできない。(平18.3.10仙裁(諸)平17-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平170012
- 裁決年月日
- 平成18年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件甲土地は、接面道路に対して1.5m〜2.6m高い位置にあり、評価に当たって、避難安全上の階段・スロープの設置費用及びそのつぶれ地を加味する必要があるから、10%の減額が可能である旨主張する。しかしながら、この高低差は、本件甲土地の全体に生じているものではなく店舗の敷地部分に限られており、本件甲土地は、店舗の床面を国道の高さに合わせたことにより店舗の敷地としての利用価値が高められており、付近の宅地の利用状況に比較して利用価値が低下していないから、本件甲土地の接面道路との高低差は、評価額を減額する要因とは認められない。(平18.3.10仙裁(諸)平17-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170114
- 裁決年月日
- 平成18年2月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、債務者法人は、相続開始日以前から、資産状況は債務超過で、営業状況は赤字であり、これらの状況は、相続開始日後も解散するまで改善できず、貸付金債権の返済原資を得るに至らなかったことは、相続開始日において、貸付金債権等の回収が不可能又は著しく困難であった旨主張する。しかしながら、貸付金債権等の回収が不可能又は著しく困難か否かの判定は、単に資産状況が債務超過で、営業状況が赤字であるという事情のみでなく、債務者法人の事業経営が破たんしていることが客観的に明白な状態であることを要するものとされているところ、①資産状況が債務超過で、営業状況が赤字であっても、直ちに、事業経営が破たんするわけでなく、このような状況でも、事業を継続している企業は存すること、②現に、債務者法人は、相続開始日後も、その解散まで事業所を閉鎖することなくその事業を継続していること、③債務者法人は、相続開始日において、新規事業を開業して、僅か1年9ヶ月しか経過しておらず、その事業収入は増加傾向にあったこと、④債務者法人は、解散するまで、主たる取引金融機関との間で当座貸越を受けるなど正常な当座取引を継続していること、⑤債務者法人の主たる債務である役員等借入金については、返済期限及び金利の定めがないことから、特に経営を圧迫していた事実はないことなどから、相続開始日において、債務者法人の事業経営が破たんし、将来においても、事業再建の見通しがない状態にあったということはできないと認めるのが相当であり、貸付金債権等が、財産評価基本通達205に定める回収が不可能又は著しく困難である貸付金債権等に該当するとは認められない。(平18.2.16東裁(諸)平17-114)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170114
- 裁決年月日
- 平成18年2月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、債務者法人が、国税通則法第23条第1項に規定する更正の請求の期間内である相続開始日から1年9か月という極短期間に解散し、その結果、貸付金債権等の回収が不可能となったことは、相続開始日においても、貸付金債権の回収が不可能又は著しく困難であったと判断すべきである旨主張する。しかしながら、債務者法人が、当該期間内に解散し、貸付金債権等が回収不可能となったことをもって、直ちに、貸付金債権等が相続開始日においても回収不可能又は著しく困難であったとする請求人の主張は、法令及び通達の規定等に基づかない独自の見解と言わざるを得ず、また、貸付金債権等の回収が不可能又は著しく困難か否かは、相続開始日において、債務者法人の事業経営が破たんしていることが客観的に明白である状態にあったか否かで判断すべきである。(平18.2.16東裁(諸)平17-114)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170042
- 裁決年月日
- 平成18年2月14日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地改良区内に存する農地を財産評価基本通達に定める宅地比準方式により評価するに当たり、宅地の価額から控除する宅地造成費には、農地を宅地に転用する際に土地改良区に支払う土地改良費決済金が含まれる旨主張する。しかしながら、宅地造成費として考慮すべきその農地それ自体に関する属物的な事情に係る費用とは、地盤・地面の変更に関するもの、具体的には、整地費や盛土費などの宅地造成工事に要する費用であると解するのが合理的であるところ、本件土地改良費決済金は、①賦課金、分担金等が残存農地の耕作者に転嫁され増額されることの防止及び②転用農地に対応する補助金又は政府融資金の返還又は償還措置を目的として、土地改良区の組合員が、組合員たる資格に係る権利の目的たる土地の全部又は一部についてその資格を喪失した場合に、土地改良区に対して有していた権利義務を清算するために徴される費用とみるのが相当である。したがって、本件土地改良費決済金は、本件各土地の地盤・地面の変更に関して要する整地費や盛土費などの宅地造成工事に要する費用には当たらない。(平18.2.14関裁(諸)平17-42)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170042
- 裁決年月日
- 平成18年2月14日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地改良費決済金は、その土地の価額に影響を及ぼす事項である以上、造成費相当額の算定に当たって加算すべきであるにもかかわらず、財産評価基本通達を受けて国税局長が定めた造成費の金額には土地改良費決済金が含まれていないから、土地改良費決済金が必要となった原因である本件各土地が土地改良区の区域内にあることは、財産評価基準書の注書3にいう「特殊な形状等にあり国税局長の定めた宅地造成費の基準により難い場合」に当たるから宅地造成費相当額に含めるべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基準書の注書3は、宅地造成費に含まれることを前提に、その算定方法を定めたものであるから、本件土地改良費決済金が宅地造成工事費用に当たらない以上、本件土地改良費決済金は、本件各土地の評価に当たって、本件各土地が宅地であるとした場合の価額から控除されるべき金額ではない。(平18.2.14関裁(諸)平17-42)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平170008
- 裁決年月日
- 平成18年1月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、事業用定期借地権が設定された土地に係る本件敷金の一部が相続開始時において未収となっている場合には、当該未収敷金に係る経済的利益を債務の金額から控除することなく、未収敷金全額を債務控除できる旨主張するが、本件敷金は、当該借地権設定契約が終了するまで賃貸人において返還を要しない無利息のものであることから、本件敷金に係る債務控除の額は、通常の利率と本件相続開始日から本件返還期日までの期間から求められる複利現価率を用いて本件相続開始日現在の経済的利益の額を計算し、本件敷金からこの経済的利益の額を控除した金額とするのが相当である。(平18.1.31仙裁(諸)平17-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170035
- 裁決年月日
- 平成17年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の本件法人への貸付金について、本件法人が、本件相続開始日において債務超過の状態が相当期間継続しており、かつ、銀行借入金の返済が滞るなど資力喪失の状況であったため、借入先である本件取引銀行等から追い貸しを受けながら、かろうじて事業を継続していた状態にあり、事実、相続開始直後に廃業していることから、本件貸付金は回収の見込みがなかったことは明らかであり、財産評価基本通達205により、その評価をするに当たって、元本の価額に算入しないのが相当である旨主張する。しかしながら、本件相続開始日の属する平成13年7月期以前の数年間の決算においては損失を計上しているものの、その経営状態が悪化傾向にあった形跡は認められず、本件相続開始日前に、破産、和議等の手続が開始されたこともなく、事業を閉鎖した事実もない。また、その後、本件法人が廃業したのは、請求人らの事情によるものであり、本件取引銀行等からの借入金に対する各返済状況等からみても、本件相続開始日前に融資を受ける見込みがないほどの経営状況にあったとは到底いえず、本件相続開始日において、法律上あるいは事実上、債権の回収ができない状態にあるとは認められない。したがって、本件貸付金は、財産評価基本通達205により、その評価を行うに当たって、元本の価額に算入しないとすることはできないというべきである。(平17.12.20名裁(諸)平17-35)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平170008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続した土地の隣接地の売買事例や請求人らの調査依頼に基づく調査報告書により土地の価額を算定すべきである旨主張する。しかしながら、相続により取得した財産の価額は、課税実務上財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)に定められた評価方式によって評価することとされ、これは、公平な税負担と効率的な租税行政の実現の観点に照らして合理性を有するものと認めることができる。ただし、評価通達に定められた評価方式によって算定される価額が相続財産の相続開始時における客観的な交換価額を上回っていることが明らかであると認められる特別の事情がある場合はこの限りでないところ、請求人らの主張する売買事例や調査報告書に係るものには売り急ぎ等の特殊事情や時点修正が行われていないこと等が認められることからすれば、評価通達による当該価額が相続財産の相続開始時における客観的な交換価額を上回っていることが明らかであるとは認められないから、この点に関する請求人らの主張を採用することはできない。(平17.12.16札裁(諸)平17-8)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平170008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400804000
- 争点
- 8財産の評価/4立竹木
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らの調査依頼に基づく調査報告書により立木の価額を算定すべきである旨主張する。しかしながら、相続により取得した財産の価額は、課税実務上財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)に定められた評価方式によって評価することとされ、これは、公平な税負担と効率的な租税行政の実現の観点に照らして合理性を有するものと認めることができる。ただし、評価通達に定められた評価方式によって算定される価額が相続財産の相続開始時における客観的な交換価額を上回っていることが明らかであると認められる特別の事情がある場合はこの限りでないところ、請求人らの主張する調査報告書に係るものは場所的修正が行われていないこと等が認められることからすれば、評価通達による当該価額が相続財産の相続開始時における客観的な交換価額を上回っていることが明らかであるとは認められないから、この点に関する請求人らの主張を採用することはできない。(平17.12.16札裁(諸)平17-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170080
- 裁決年月日
- 平成17年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した本件土地の価額は、鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、請求人らの鑑定評価額は、開発法のみにより算定されていることから、不動産鑑定評価基準に準拠して算定されたものとは認められず、本件相続開始日における適正な時価を表しているとは認められないので、請求人らの主張には理由がない。次に、財産評価基本通達に基づき評価した相続財産の価額(相続税評価額)が、相続開始時におけるその財産の時価を上回っているような特別な事情がない限り、財産評価基本通達に基づき評価する方法には合理性があると認められるところ、本件土地の相続税評価額は、当審判所が、本件土地の近隣地域及び同一需給圏内の類似地域の取引事例を基に算定した本件土地の時価額を下回ることから、相続税評価額に基づく原処分は適法である。(平17.12.15東裁(諸)平17-80)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170025ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与により取得した株式の発行会社に対する法人税の更正処分は違法であるから、当該更正処分に係る所得金額等に基づいた評価額によるべきであるとしてなされた贈与税の本件更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達に基づいて株式を評価する際の比準要素である所得金額等は、当該法人の所得金額等であり、この所得金額等には、行政処分である税務署長の更正・決定に係る所得金額等も含まれる。そして、行政処分である更正・決定といった課税処分がなされると、課税処分は、当然無効の場合を除くほか、正当な権限を有する行政機関又は裁判所により取り消されるまでは、相手方はもとより一般第三者も国家機関もこれを有効なものとして取り扱わなければならず、また、課税処分が当然無効であるというためには、処分に重大かつ明白な暇疵が存することを要すると解される。これを本件についてみると、法人税更正処分に重大かつ明白な瑕疵が存することについて、請求人は、具体的な事実の主張をせず、当審判所の調査の結果によっても、上記のような瑕疵が存するとは認められないから、法人税更正処分等が当然無効であるとはいえない。そうすると、本件審査請求において、法人税更正処分については、請求人も当審判所もこれを有効なものとして取り扱わなければならないこととなるから、法人税更正処分の違法を理由とする請求人の主張は採用できない。(平17.11.15名裁(諸)平17-25)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170023
- 裁決年月日
- 平成17年10月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件土地は公道には直接接していないが、国有地である法定外道路(幅員1.8m)を通路として利用し、その通行には制限があるとは認められないとし、本件土地が建築基準法その他の法令において規定されている建築物を建築するために必要な道路に接すべき最小限の間口距離(幅員2m)の要件(以下「接道義務」という。)を満たしていないことから、接道義務を満たすために必要な通路拡幅に相当する部分(幅員0.2m)の価額を控除して本件土地を無道路地に準じて評価している。しかしながら、当該法定外道路は、道路法に規定する道路又は建築基準法に規定する道路ではないことから、本件土地に建物の建築をする場合には、公道までの距離から幅員2m以上の通路を自己所有地に開設し、公道に直接接しなければならないものと認められる。したがって、本件土地は、無道路地として評価するのが相当である。(平17.10.28名裁(諸)平17-23)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170011
- 裁決年月日
- 平成17年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・353ページ
要旨
○ 請求人は、相続により取得した取引相場のない株式を類似業種比準方式により行うに当たって、1株当たりの配当金額及び利益金額を最大限5事業年度までさかのぼって算定すべき旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達における類似業種比準方式は、株式の価格形成の基本要素として考えられている3要素(配当金額、利益金額、純資産金額)を比準要素とし、標本会社の数値と評価会社の数値を同一の基準により算定するなど所定の措置を講じることにより、評価上の恣意性の排除、評価の統一性、画一性、安定性の担保に配意したものであるところ、評価会社の数値のみを課税時期の直前5年間の業績を基に算定するとすれば類似業種比準方式の合理性自体が失われるおそれがある等のため、請求人の主張には理由がない。(平17.10.4広裁(諸)平17-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170042
- 裁決年月日
- 平成17年9月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地が所在する地域に隣接する地価公示地として、一戸建て住宅地が選定されていることから、本件土地を開発する場合、一戸建て住宅の建設を想定し、本件土地の評価をするに当たって、広大地の評価を適用したとしても合理性に欠けることは全くない旨主張するが、財産評価基本通達24−4は、評価対象地の経済的に最も合理的であると認められる開発行為がマンションを建築することを目的とする場合は広大地の評価が適用できない旨定めているから、土地の用途が同質と認められるまとまりのある地域において、土地の利用状況、環境、地積、形状等がその地域において通常であると認められる一団の土地について選定されるもの(地価公示法施行規則第2条)である地価公示地が一戸建て住宅地であることをもって、直ちに評価対象地の経済的に最も合理的な開発行為が戸建住宅分譲用地であると判断されるものではない。(平17.9.16東裁(諸)平17-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170042
- 裁決年月日
- 平成17年9月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続開始日後に本件土地を取得した譲受人が、同土地上にマンション等を建築したからといって、相続開始後の後発的な事象を、相続開始の時点に遡及して評価要素として反映させ、公共公益的施設用地の負担が必要ないとの判断をすべきではない旨主張するが、本件土地については、明らかにマンション適地と認められるところ、そのマンション適地であるとの判断の証左のひとつとして、本件土地の売却後のマンション建築という事実が掲げられるのであって、当該事実のみを本件相続開始日に遡及させてマンション適地と判断するものではないから、請求人の主張には理由がない。(平17.9.16東裁(諸)平17-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170042
- 裁決年月日
- 平成17年9月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の上には、現に納屋や物置が存在し、また畑として耕作している部分もあるから、これらの部分を未開発の土地として本件土地を2画地の評価単位としたことに誤りはない旨主張するが、財産評価基本通達7は、土地の価額は、課税時期の現況の地目ごとによって評価する旨定めており、開発、未開発の別により評価するものではなく、また、財産評価基本通達7−2は、宅地の評価単位は、その利用の単位となっている1画地の宅地ごとに評価する旨定めている。ところで本件土地は、三路線に面する地積が極めて広大な土地(4,311.26㎡)に、建坪399.50㎡の本件自宅等が存する土地であるところ、①本件自宅等は、この広大な土地の北側中央部分に、請求人が2画地の評価単位とした土地の上に跨って建っていること、②本件土地は、その周囲すべてを高さ2m弱ないし4m強の石塀で囲まれていること、③本件土地内は、幅2m程度の通路が周遊可能な状況に配置されていること、④本件土地の南西部分の一部は家庭菜園であると認められること、⑤請求人が2画地の評価単位とした土地の固定資産税における現況地目はいずれも宅地であることからすれば、本件土地は、本件自宅等の敷地として一体で利用されていると認められることから、本件土地全体を1画地の宅地として評価するのが相当である。(平17.9.16東裁(諸)平17-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170033ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件土地の評価額は、相続税評価額ではなく鑑定評価額によるべきである、②仮に鑑定評価額が認められないとしても、平成16年6月4日付けで改正された「広大地の評価」の通達の定めを適用して算定した価額によるべきである旨主張する。しかしながら、鑑定評価額は、①価格時点が本件相続開始日から7ヶ月後とされていること、②公図に基づき評価されているが、当該公図は、当審判所が収集した実測図(現況)と大きく異なっていること、③本件土地の接面道路の幅員について、測量図(現況)と異なる幅員により評価されていること等から、本件相続開始日における時価を表しているとは認められない。これに対し、原処分庁が算定した相続税評価額は、セットバックに係る面積が4.38㎡過大に算出されている点を除き、適正に算定されており、当該算定された相続税評価額は、当審判所が、本件土地の近隣の地域に所在し、地積等の条件格差が最小限になるような取引事例を基に算出した時価額を上回っているような特別の事情はない。したがって、本件土地の価額は鑑定評価額ではなく相続税評価額によるべきである。また、平成16年6月4日付けで改正された「広大地の評価」の通達は、平成16年1月1日以降に相続等により取得した財産の評価に適用されることとなっているから、平成14年4月○日に相続開始があった本件に適用がないことは明らかである。(平17.9.2東裁(諸)平17-33)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170011
- 裁決年月日
- 平成17年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、被相続人から相続により取得した本件貸付金の貸付先法人の資産及び負債を時価評価すると所有不動産の相続税評価額の下落により大幅な債務超過となっていることなどから、本件貸付金につき、財産評価基本通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当する旨主張する。しかしながら、本件貸付金の貸付先法人は、①本件相続の開始の前後を通じ、継続して事業を行っていること、②本件相続の開始の前後の決算期において当期利益を計上していること、③本件相続の開始時を含む事業年度の帳簿価額では、貸付先法人は債務超過となっていないこと及び④本件相続の開始の前後の事業年度において本件貸付金以外の債務を返済していることなどから、貸付先法人は、債務超過の状態が相当期間継続しているとはいえず、事業活動を継続しており、弁済が不能の状態にはなかったと認められる。したがって、本件貸付金の回収が不可能又は著しく困難であると見込まれないことから、原処分は適法である。(平17.9.1関裁(諸)平17-11)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平170002
- 裁決年月日
- 平成17年8月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが相続により取得した本件土地の評価に際し、横断歩道橋及びガードレールにより、本件土地が面している歩道は車道と完全に分断され、かつ、歩道の幅員が狭められており、他に比べて利用価値が低いこと等の事情が考慮されるべきであるから、国税局長が定める財産評価書どおりの路線価や地区区分を適用するのは合理性がない旨主張する。しかしながら、本件土地の評価を財産評価基本通達の定めに基づいて行うことについては争いがないところ、歩道は道路の一部であること、本件土地が面している路線には既に路線価が設定されていること、地区区分は宅地の利用状況がおおむね同一と認められる一定の地域ごとに定められるものであって、宅地ごとに定められるものではないことからすれば、請求人らの主張を採用することはできない。(平17.8.23札裁(諸)平17-2)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170002
- 裁決年月日
- 平成17年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、財産評価基本通達24−4〈広大地の評価〉の適用において、同人らが相続により取得した各土地(以下「本件各土地」という。)について開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要か否かは、①A市開発指導基準が求める合理的な区画割及び②課税時期における開発行為後の各土地の処分可能性の2つの基準を基に判断すべきであるとし、原処分庁が主張する土地開発図の区画割では「処分が困難」であるのに対し、請求人らが主張する土地開発図の区画割を行うと「処分が容易」となり、同指導基準の目的にも合致するから公共公益的施設用地の負担が必要である旨主張する。しかしながら、本件各土地を公共公益的施設用地の負担のない区画割で開発行為を行うとした場合、①同指導基準及び運用では、1画地の地積を135平方メートル以上としており、区画割後の各土地の平均地積は、同指導基準が定める1画地の面積の基準をいずれも満たしているほか、これら平均地積は、本件各土地の所在地周辺における戸建住宅の居住用建物として利用されている宅地の標準的な地積と同程度となること、②本件各土地は、いずれも正面と裏面の路線に接していることから、区画割後の各土地は、正面又は裏面のいずれかの道路に接することとなること及び③同指導基準に定める道路、公園等の公共公益的施設用地の設置に関する基準に反しないことが認められる等の事実が認められる。これらのことからすると、本件各土地について開発行為を行うとした場合において、新たに公共公益的施設用地となる部分(道路)を設ける必要性は認められないから、請求人らの主張には理由がない。(平17.8.4金裁(諸)平17-2)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170003
- 裁決年月日
- 平成17年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・272ページ
要旨
○ 相続財産の時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われた場合に通常成立すると認められる価額であると解されるところ、本件各貸宅地の評価額について、請求人はA不動産鑑定士の鑑定評価(収益還元法に準じた方法により評価した金額を○○用地の取引状況と比較して減額)による鑑定評価額である旨主張し、原処分庁はB不動産鑑定士らの鑑定評価に基づき算定した金額である旨主張する。請求人側の鑑定評価及び原処分庁側の鑑定評価の内容を検討したところ、請求人側の鑑定評価は、還元利回りと更地への復帰価値を算定するための割引率が同一である等合理性があるものとはいえず、原処分庁側の鑑定評価に合理性があると認められることから、本件各貸宅地の評価額は、原処分庁側の鑑定評価に基づき算定した金額であると認められる。(平17.7.7沖裁(諸)平17-3)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170001
- 裁決年月日
- 平成17年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件私道は特定の者のみ利用し、かつ、通り抜けできない私道であり、そのような本件私道に路線価を設定することは、財産評価基本通達に反すると主張する。しかしながら、本件私道は、市道に接し、全長85メートルで、途中から二股に分かれた行き止まり私道ではあるが、車両の折り返しが可能な私道であり、かつ、建築基準法第42条第1項第3号に該当する道路であることなどから、①道路としての用法に応じて利用されることにより、第三者が通行することも容認せざるを得ないものであること、②道路内建築の制限により、通行を妨害する行為が禁止されること、及び③他の用途に変更又は廃止することが禁止又は制限されるため、不特定多数の者の通行の用に供されている道路に含まれると解され、本件私道に路線価を設定することは相当と認められる。よって、請求人らの主張には理由がない。(平17.7.1沖裁(諸)平17-1)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170001
- 裁決年月日
- 平成17年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、評価対象地と隣接地との高さが一致する2面については、土止の必要性は認められないと主張する。しかしながら、財産評価基本通達7−2の(2)は、農地の評価単位は1枚の農地ごととする旨定めていることから、宅地造成費も1枚の農地ごとに算定することが相当であり、土止めを要する面の数については、既に道路と接している面等土止めの必要性が認められない面を除き、その他の面については、土止めを要すると解するのが相当である。ここで、評価対象地の現況は、①北西側に存する擁壁は隣接地所有者がその敷地内に設置したものであること、②北東側に存する市の土地には下水道管が埋設されており、当該下水道管を保護するため擁壁が必要であること、③南東側及び南西側で接している田及び土地との間には擁壁が設置されていないことから、評価対象地に必要な土止めの面数は4面であると認められる。よって、原処分庁の主張には理由がない。(平17.7.1沖裁(諸)平17-1)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170001
- 裁決年月日
- 平成17年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 土地は、登記上の一筆を単位として正面路線価を判定し、その筆の利用状況を評価単位として評価すべきであるから、A土地等は、利用区分ごとの評価単位別にみると正面路線価の設定されている県道には面していないので、無道路地であると主張する。しかしながら、財産評価基本通達20−2は、無道路地とは道路に接しない宅地をいう旨定めているところ、本件私道は路線に含まれ、そして、本件私道に路線価を設定することは相当と認められることから、本件私道に面しているA土地等は、無道路地には該当しない。よって、請求人らの主張には理由がない。(平17.7.1沖裁(諸)平17-1)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170001
- 裁決年月日
- 平成17年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、一筆単位でみた場合の土地が面する道路に設定された路線価が正面路線価であると主張する。しかしながら、路線価方式における宅地の評価に当たっては、筆数の多寡にかかわらず、その利用の単位となっている1区画の宅地(以下「1画地の宅地」という。)を評価単位として判定することが合理的であり、その1画地の宅地が面する路線に設定された路線価を正面路線価として評価することが相当と認められる。ここで、財産評価基本通達7−2は、宅地は1画地を評価単位とする旨定め、同通達13は、その宅地の面する路線に設定された路線価を基として評価する旨定めているところ、本件私道に路線価を設定することは相当と認められることから、本件私道に面しているA土地等は本件私道に設定された路線価を正面路線価として評価することが相当である。よって、請求人らの主張には理由がない。(平17.7.1沖裁(諸)平17-1)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170001
- 裁決年月日
- 平成17年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件河川通路に既に路線価が設定されており、かつ、その路線価は特定路線価を設定した場合と同様な水準であると考えられることから、本件河川通路に設定された路線価を正面路線価とみなすべきであると主張する。しかしながら、本件河川通路は河川区域内に存し、河川の管理のための通路であり道路ではないことから、本件河川通路に設定された路線価を正面路線価とすることは相当ではない。したがって、A土地等は、市道に付された路線価を正面路線価として評価することが相当である。よって、請求人らの主張には理由がない。(平17.7.1沖裁(諸)平17-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160284
- 裁決年月日
- 平成17年6月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は、容積率が150%の部分と同100%の部分とがあるので、財産評価基本通達20−5の定めを適用すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達20−5の定めは、正面路線価の評定の基となる容積率より低い容積率の地域にわたる宅地の価額を正面路線価に基づいて評価するに当たり、その宅地が低い容積率の地域にわたることを減価調整する趣旨と認められるところ、本件土地の正面路線に面する宅地の大部分は容積率100%の地域にあり、正面路線価は財産評価基本通達14の定めにより容積率100%を基に定められていると認められるから、本件土地は、財産評価基本通達20−5の定めにより減価調整する宅地に当たらない。(平17.6.21東裁(諸)平16-284)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160284
- 裁決年月日
- 平成17年6月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地に存する貸家の借家人が使用する道路、緑地としなければならない部分は、宅地として利用していないから、財産評価基本通達24に定める私道と同様に、宅地としての価額の100分の30に相当する価額によって評価すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達24に定める私道は、もっぱら特定の者の通行の用に供する道路をいうものであるところ、請求人らの主張する道路等の部分は、本件土地に建物を建築するために必要な敷地を構成するもので、建築基準法上の建ぺい率や容積率の計算に当たっては建物の敷地面積に含まれ、通常の建物の敷地と何ら異ならないから、財産評価基本通達24の定めを適用して評価することはできない。(平17.6.21東裁(諸)平16-284)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160284
- 裁決年月日
- 平成17年6月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件宅地の価額の評価に当たっては、その最長部分の奥行距離に応じた奥行価格補正率によるべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達の定めにより宅地の奥行距離に応じた奥行価格補正を行う場合においては、奥行距離が一様でない宅地の奥行距離は、その宅地の地積を間口距離で除するなどして求めた平均的な奥行距離によることが合理的であり、本件宅地の平均的な奥行距離は35.73mが相当と認められるから、奥行価格補正率は、当該奥行距離に応じた0.96が相当である。(平17.6.21東裁(諸)平16-284)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160284
- 裁決年月日
- 平成17年6月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400803010
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、建物の評価に当たっては、相続税の法定申告期限の日の属する年度の固定資産税評価額を基に評価すべきである旨主張する。しかしながら、相続により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時、すなわち、相続開始日を基準とすることに照らせば、建物の価額を財産評価基本通達の定めに基づいて評価するに当たり、相続税の法定申告期限の日の属する年度の固定資産税評価額を基とすることはできない。(平17.6.21東裁(諸)平16-284)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160021
- 裁決年月日
- 平成17年6月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・217ページ
要旨
○ 請求人は、仮に、所得税還付請求権が「訴訟中の権利」に該当するとしても、その評価は、財産評価基本通達210によることとなり、課税処分取消訴訟の相手方は、更正処分を行った原処分庁であり、原処分庁は、当該訴訟の対象である所得税の更正処分等を適法として長年にわたり争い、裁決でも適法として判断しているのであるから、所得税等の納付額に相当する価額が、係争中の所得税還付請求権の時価であると評価することは不可能である旨主張する。しかしながら、①課税処分取消訴訟は、被相続人等に係る所得税の更正処分等取消訴訟であり、この訴訟を通じて過納金の還付を求めていること、②課税処分取消訴訟に係る判決の確定により更正処分等の全部が取り消され、具体的に還付金の金額が確定していることからすれば、過納金の還付を求める権利の価額は、還付金相当額と同額として評価するのが相当である。したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平17.6.20熊裁(所・諸)平16-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160095
- 裁決年月日
- 平成17年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件評価土地に申告後に改正された広大地に関する財産評価基本通達(以下「改正評価通達」という。)を適用すると申告評価額を下回るから減額更正をすべきと主張する。しかしながら、改正評価通達は適用時期及び対象を明確にしており、かつ、改正評価通達の適用を遡及させるべき特段の事情も認められないから、租税行政の円滑な推進等の観点から遡及適用を認めるべきではない。そして、請求人らは、相続税の申告に際し、本件評価土地について個別の評価方法である不動産鑑定に基づいて鑑定評価額を算出し、その鑑定評価額に不合理な点は認められない上、請求人らも時価であることを認識している。そうすると、本件は、国税通則法第23条《更正の請求》第1項第1号の更正の請求が認められる要件である、「当該申告書に記載した課税標準等又は税額の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったこと」により「税額が過大となった」場合には該当しない。(平17.6.13大裁(諸)平16-95)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160069
- 裁決年月日
- 平成17年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802011
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/1地目
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、いわゆる郊外型大規模小売店舗の敷地及びその駐車場として貸し付けられている本件土地のうち、駐車場部分の土地について、相続開始時の現況が駐車場であり、建物の敷地及びその維持管理に必要な土地には当たらないから、その地目は雑種地である旨主張する。しかしながら、地目判定上の宅地とは、「建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地」と解されるところ、本件については、①本件土地の賃貸借契約は、店舗敷地と駐車場を目的とし、賃料に格差のないこと、②本件土地と同様に賃借人が使用している周囲の土地の賃貸借契約の内容が、すべて本件土地の契約内容と同一であること、③本件土地と周囲の土地を併せた全体の利用状況が、すべて店舗敷地及び専用駐車場であること等からすれば、これらすべての土地が一体として店舗の営業の用に供されているというべきであるから、そのすべての土地が店舗の効用を果たすために必要な土地に当たり、宅地であると認められる。(平17.5.31関裁(諸)平16-69)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160068
- 裁決年月日
- 平成17年5月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の長男等の親族が貸家の敷地として使用していた相続財産である本件土地の使用権限について、本件土地の使用に対する対価として、被相続人の長男が本件土地を含む被相続人の不動産に係る固定資産税等をすべて負担していたから、その使用権限は使用借権ではない旨主張する。しかしながら、被相続人の長男による固定資産税等の負担は、被相続人がその所有する土地の管理・活用をその長男に委ねる代わりに固定資産税等の公租公課を負担させるという契約に基づくものであると認められるから、被相続人の長男による固定資産税等の負担は被相続人の所有する土地の用益に対する対価とは認められない。したがって、本件土地を使用していた親族が有していた本件土地の使用権限は、被相続人の長男の使用借権ないしはこれに従属して認められる占有であるというべきである。(平17.5.17関裁(諸)平16-68)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160068
- 裁決年月日
- 平成17年5月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の親族が貸家の敷地として使用していた相続財産である本件土地の評価について、本件土地の使用権限は使用借権ではなく、また、借家人には家屋使用の範囲でその敷地の利用権があり、敷地所有者はその借家人の敷地利用権の範囲でその所有権が制限され、さらに、借家の敷地は建物の取壊費用や立退料等により更地の時価より低額となるから、本件土地は貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達26にいう貸家建付地とは、土地の所有者がその土地上に所有する建物を賃貸している場合をいうものと解されるから、本件土地を貸家建付地として評価することはできない。なお、借家人の敷地利用権は、建物所有者の敷地利用権に従属しその範囲内での権能にすぎないと解されるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平17.5.17関裁(諸)平16-68)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160084
- 裁決年月日
- 平成17年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人の関係会社の株式評価額は1株当たりの残余財産の分配額に基づき申告しているが、関係会社が相続開始前に解散し清算中であることを理由に、その評価額は零円である旨主張する。しかしながら、関係会社の清算結了の申告書によれば、残余財産についての分配額があり、当該分配額は、いずれも相続開始後6か月までに分配がされているので、申告している関係会社の株式評価額は、時価として適正なものであると認められるから、請求人らの主張には理由がない。(平17.5.17大裁(諸)平16-84)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160086
- 裁決年月日
- 平成17年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・264ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地の中古車展示場等の敷地としての賃貸借契約について、貸付けの際に建物の建築を承諾していたこと並びに本件土地上の建物について所有権保存登記がされていることから借地法の適用があり、本件土地は借地権の目的となっている貸宅地として自用地価額から借地権価額を控除して評価すべき旨主張する。しかしながら、本件土地の賃貸借の目的である中古車販売業は、事業目的遂行のため多数の自動車を野外に展示して販売する事業であり、賃貸地の一部に管理のための事務所及び商談スペースとなる建物の建築を承諾し、実際に建築され登記がされたとしても、建物の所有以外の目的のための賃貸借であると認められるから、本件土地に係る賃貸借契約には借地法の適用はなく、借地権の目的となっている貸宅地としての評価をすることはできず、財産評価基本通達86に定めのある、貸し付けられている雑種地として評価すべきである。(平17.5.17大裁(諸)平16-86)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160250
- 裁決年月日
- 平成17年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件物件(リゾート型マンション)の価額について、原処分庁は、本件物件と同一棟内の唯一の取引事例の取引価額を時点修正した金額(以下「本件認定額」という。)と認定し、請求人らは、これを下回る額の零円と主張する。しかしながら、相続財産を評価基本通達の定めによって評価することは一定の合理性が認められるところ、評価基本通達の定めによらないで相続財産の価額を算出するには、評価基本通達の定めにより相続財産の価額を評価したのでは、市場価格との格差が著しく、かつ、納税者間の実質的負担の公平を害することが明らかであるなど評価基本通達の定めによらないことが正当と是認されるような特別の事情があることを要すると解される。これを本件についてみると、原処分庁の本件認定額は、その算定方法には合理性は認められず、また、唯一の取引事例に基づき算出したものであるから、本件物件の時価を適正に表す金額とは認められない一方、請求人らの主張する価額(零円)も、直ちに本件物件の価額を零円とする根拠は認められないから、その主張には理由がないことは明らかである。また、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によっても、上記特別の事情に該当する事実を見いだすことはできない。(平17.5.13東裁(諸)平16-250)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160074ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年4月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、財産評価基本通達に基づき作成された相続税申告書は無効である旨主張するが、請求人は、適正に相続税評価額を算定した上、相続税法第27条《相続税の申告書》に基づき、自主的に納税申告書を提出しており、請求人自身、通達基準に沿った相続税評価額の算定方法を十分に認識していたものであり、当該申告には重大かつ明白な錯誤が存在せず、請求人の主張には理由がない。(平17.4.12大裁(諸)平16-74)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平160025
- 裁決年月日
- 平成17年3月23日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、内部に立体駐車場設備を備え付けた建物の敷地の評価に当たり、当該建物の賃貸借契約の中心は立体駐車場設備部分の賃貸借であり、建物部分の賃貸借はそれに付随するものにすぎず、当該賃貸借契約は建物の賃貸借ととらえることはできないから、借地借家法の適用はなく、当該敷地について貸家建付地と評価することはできない旨主張する。しかしながら、上記建物賃貸借契約の契約書には賃貸借物件の表示として建物部分が明示されている上、建物部分は自動車及び立体駐車場設備を格納し、これらを風雨、熱射、塵などから保護するものであること、管理人が常駐している管理室が存することにかんがみれば、建物部分の賃貸借を付随的なものとみることはできない。このように、上記建物賃貸借契約に建物の賃貸借の面が併存する以上、これに借地借家法の適用を否定する理由はないから、上記敷地は貸家建付地と評価すべきである。(平17.3.23広裁(諸)平16-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160053
- 裁決年月日
- 平成17年3月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、貸家建付地として評価すべき本件家屋の敷地の範囲について、本件家屋の1階床面積を建ぺい率で割り返した地積によるべきである旨主張する。しかしながら、借地借家法の適用に関する建物の敷地の範囲は、実際の土地の利用状況等に応じて考慮することが相当であるから、本件家屋の敷地は、直接本件家屋の敷地として利用されている部分の地積と、共用駐車場の地積のうち、直接本件家屋の敷地として利用されている土地の地積に対応する部分の地積との合計地積とすることが合理的である。(平17.3.17関裁(諸)平16-53)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160053
- 裁決年月日
- 平成17年3月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、ゴルフ練習場として被相続人の同族会社に賃貸されている本件家屋は、その相当部分を占める打席の部分の一面に周壁がないことから、借地借家法にいう建物に該当せず、これを貸家として評価することはできない旨主張する。しかしながら、本件家屋の使用目的がゴルフ練習場である以上、打席部分の一面に周壁がないことは当然であって、本件家屋は土地に定着し、一面の周壁がない打席部分以外は周壁と屋蓋を有し、ゴルフ練習場という営業の用に供することのできる永続性のある建造物であるから、借地借家法にいう建物とするのが相当であり、貸家として評価すべきである。(平17.3.17関裁(諸)平16-53)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160044
- 裁決年月日
- 平成17年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地等に係る相続税法第22条に規定する時価を算定するに際し、路線価は設定時点から相続時点までの地価下落が反映されておらず、実際の取引においても路線価での売却は困難であるという特段の事情があるとして、鑑定評価に基づく評価額が適正である旨主張するが、①本件土地の価格の下落率は、各路線価の評価時点から相続開始日までの間に20%を超える下落は認められないこと、②取引事例比較法における規準とされる基準地が無道路地であることの個別格差の補正がないこと、③収益還元法(インウッド式)による収益価格にも計算過程に想定部分が多く、割引率の算定についても客観的かつ合理的な根拠が示されていないこと、④取引事例比較法による比準価格又は原価法による積算価格と収益還元法による収益価格とのウェイト付けの合理的な根拠の裏付けもないことから、請求人らの主張する鑑定評価額は同条に規定する時価とは認められない。(平17.2.4大裁(諸)平16-44)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平160010
- 裁決年月日
- 平成17年2月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、増資の際に受贈した本件株式については財産評価基本通達168にいう新株引受権が発生しているが、当該新株引受権については、増資決議後に行われた本件株式の贈与後の保有株式数に対して割当てたのであるから、新株式の割当ては、保有株式数に対する1対1の株主割当てと同様になり、相続税法第9条でいう利益は受けていない旨主張する。しかしながら、取締役会や臨時株主総会において、請求人らがその時点で保有していた株式の割合を超えて新株式の割当てがされることで承認可決があり、その承認可決のまま、事後の手続がされているのであるから、当該承認可決の際に保有していた割合を超える部分の新株に係る引受権については、その評価額に相当する金額のうち払込金額を超える部分の金額について利益を受けたものと認めるのが相当である。(平17.2.3札裁(諸)平16-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160042
- 裁決年月日
- 平成17年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、物納財産である本件土地は、整形地としての効用を得られるように土地区画整理事業によって設計された土地であって、宅地としての利用に支障がないから、不整形地としての減額を行うべきではない旨主張する。しかしながら、相続税の課税価格の計算上、財産評価基本通達の定めにより財産を評価することは合理的であると解されており、また、相続税法第43条第1項の規定からすれば、物納財産の収納価額を算定する場合においても同通達によることが相当であると認められるところ、同通達20は不整形地の補正率を統一的に適用することで課税の公平、簡素化を図ったものと認められるから、同通達20にいう不整形地に該当する本件土地について、同通達を適用して評価すべきであるとした原処分は適法である。(平17.1.27関裁(諸)平16-42)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160042
- 裁決年月日
- 平成17年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件土地は公共公益的施設用地の負担のない開発行為を行うことが経済的に最も合理的であるから、本件土地を評価するにつき財産評価基本通達24−4の定めを適用することはできない旨主張する。しかしながら、都市計画法に規定する開発許可を必要とする面積基準以上の土地については、周囲の状況等からみて明らかにマンション用地として適している土地等、開発行為を行うとした場合に明らかに潰れ地が生じない土地に該当する場合以外は、同通達24−4の定めを適用して評価することが相当と認められる。本件土地について開発行為を行うとした場合には開発許可が必要であり、本件土地は明らかに潰れ地が生じない土地には該当せず、また、請求人の主張する開発行為の方法も相当であることから、本件土地は同通達24−4の定めを適用して評価することが相当である。(平17.1.27関裁(諸)平16-42)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160040
- 裁決年月日
- 平成17年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・288ページ
要旨
○ 請求人は、農業経営基盤強化促進法(旧農用地利用増進法)の規定による農用地利用集積計画により設定された賃貸借に基づき貸し付けられている農地について、財産評価基本通達41《貸し付けられている農地の評価》の(1)に定める耕作権の目的となっている農地にほかならないから、同通達に従い評価すべきであり、「農用地利用増進法等の規定により設定された賃貸借により貸し付けられた農用地等の評価について」通達(昭和56年直評10、以下「評価個別通達」という。)の適用が強制されるべきではない旨主張する。しかしながら、農用地利用集積計画により設定された賃貸借により生ずる賃借権は、賃貸期間終了により離作料の支払もなく当然に農地が返還されるものであり、農地法の規定により強い保護を受け、また一定の価額で取引され離作料の対象となるいわゆる耕作権とはその性質が異なることから、同賃貸借により貸し付けられている農地については、財産評価基本通達41の定め(70%評価)によらず、評価個別通達により、その賃貸借の期間がおおむね10年以内であることから、相続税法第23条《地上権及び永小作権》の規定に照らし、その農地の自用地としての価額から、その価額に100分の5を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価するのが相当であると解される。(平17.1.19関裁(諸)平16-40)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平160004
- 裁決年月日
- 平成16年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税法は、時価の算定方法について何ら定めていないことから、相続財産の評価については、一般基準として財産評価基本通達等が存しており、この基準は、全国に大量に存在する課税対象土地について評価方法の基準化を図り、評価に関与する者の個人差に基づく不均衡を解消するという点から合理的なものと解することができる。しかしながら、財産評価基本通達等は、法規としての性格を有するものではないから、納税者はこれに拘束されるものではないと解されるところ、財産評価基本通達等を適用して評価することが著しく不適当と認められる特別の事情が存する場合、すなわち、財産評価基本通達等により算定される土地の価格が客観的交換価値を上回るなどの場合には、他の合理的な評価方法により時価を求めるべきものと解する。本件土地(底地)の時価について、請求人らは、請求人らが依頼した不動産鑑定士の鑑定評価額である旨主張し、原処分庁は、原処分庁が依頼した不動産鑑定士の鑑定評価額である旨主張するが、両鑑定評価額には種々の不的確な点があり、また、不動産鑑定評価基準に照らして合理性を欠いている点が認められることから、いずれも採用し難い。当審判所の調査によれば、本件土地の賃貸借契約の内容に特別の事情が存しているとはいえず、更に、請求人ら及び原処分庁双方の鑑定評価額は、相続税法第22条に規定する時価とは認めることができないことから、財産評価基本通達等により評価することが著しく不適当と認められる特別の事情が存するとは認められない。以上のことから、本件土地の時価額については、財産評価基本通達等の定めに従って評価するのが相当である。(平16.12.17沖裁(諸)平16-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160038
- 裁決年月日
- 平成16年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地に係る相続税法第22条に規定する時価を算定するに際し、路線価では高くて売買できず、また、路線価の設定時点と相続時点では価額にずれがあり、路線価方式による評価額は時価と比較して高いという特段の事情があるとして、鑑定評価に基づく評価額が適正である旨主張するが、①本件土地の価額の下落率は、各路線価の評価時点から相続開始日までの間に20%を超える下落は認められないこと、②取引事例比較法における取引事例には競売による事情補正の必要のあるもの及び借家権を有する賃借人に対して譲渡された限定価格取引によるものが含まれていること、③収益還元法による収益価格にも計算過程に想定部分が多く、純収益の標準化や資本還元率の設定についても客観的かつ合理的な根拠が示されていないこと、④取引事例比較法による比準価格と収益還元法による収益価格とのウェイト付けの合理的な根拠の裏付もないことから、請求人らの主張する鑑定評価額は相続税法第22条に規定する時価とは認められない。(平16.12.17大裁(諸)平16-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160144
- 裁決年月日
- 平成16年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が経営する同族会社に対する貸付金債権を、相続税の課税価格に算入して申告したが、その後、同債権は、同社の決算書には記載があるが、実体がなく、また、仮に実体があるとしても同社は事実上破たんしており、同債権の回収ができない状況にあると主張し、更正の請求をした。しかしながら、①同債権は、決算書に記載されているだけでなく、同社の総勘定元帳に記載があり、また、被相続人は、同総勘定元帳に基づき、自己が経営する同社の法人税確定申告においても、毎期、自ら同債権があることを認め、同債権の金額を記載し、申告していたこと、②同社は、相続開始日が属する平成14年7月期の資産の額が負債の額を上回っており、本件相続開始日において、債務超過の状態が長期間継続している事実も認められないことに加え、相続開始日以降も事業を継続しており、平成14年7月期以降の売上高は増加し、平成16年7月期の所得金額は黒字となっていることからすれば、同債権は、本件相続開始日において、その回収が不可能又は著しく困難であったとは認められないから、請求人の主張には理由がない。(平16.12.9東裁(諸)平16-144)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平160002
- 裁決年月日
- 平成16年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続税法は、時価の算定方法について何ら定めていないことから、相続財産の評価については、一般基準として財産評価基本通達等が存しており、この基準は、全国に大量に存在する課税対象土地について評価方法の基準化を図り、評価に関与する者の個人差に基づく不均衡を解消するという点から合理的なものと解することができる。しかしながら、財産評価基本通達等は、法規としての性格を有するものではないから、納税者はこれに拘束されるものではないと解されるところ、財産評価基本通達等を適用して評価することが著しく不適当と認められる特別の事情が存する場合、すなわち、財産評価基本通達等により算定される土地の価格が客観的交換価値を上回るなどの場合には、他の合理的な評価方法により時価を求めるべきものと解する。本件土地(底地)の時価について、請求人らは、請求人らが依頼した不動産鑑定士の鑑定評価額である旨主張し、原処分庁は、原処分庁が依頼した不動産鑑定士の鑑定評価額である旨主張するが、両鑑定評価額には種々の不的確な点があり、また、不動産鑑定評価基準に照らして合理性を欠いている点が認められることから、いずれも採用し難い。当審判所の調査によれば、本件土地の賃貸借契約の内容に特別の事情が存しているとはいえず、更に、請求人ら及び原処分庁双方の鑑定評価額は、相続税法第22条に規定する時価とは認めることができないことから、財産評価基本通達等により評価することが著しく不適当と認められる特別の事情が存するとは認められない。以上のことから、本件土地の時価額については、財産評価基本通達等の定めに従って評価するのが相当である。(平16.12.7沖裁(諸)平16-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160032
- 裁決年月日
- 平成16年12月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №68・170ページ
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地及び建物の価額について、路線価は相続開始日現在までの地価下落が反映されておらず、実際の取引において路線価では売却できないこと、また、建物に居住するためには相当の修理費用が必要であること等から、財産評価基本通達によらず、不動産鑑定士による鑑定評価額により評価すべきであると主張する。しかしながら、本件土地の所在する地域の地価は平成14年1月1日から相続開始日までの間に20%を超える下落があったものとは認められないなど、本件土地及び建物の価額については、財産評価基本通達を適用して評価することが著しく不適当と認められる特別の事情は認められず、更に、請求人提出の不動産鑑定士による鑑定評価書の評価額は適正な時価であるとはいえないことから、財産評価基本通達の定めに従って評価するのが相当である。(平16.12.3大裁(諸)平16-32)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160026
- 裁決年月日
- 平成16年11月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続開始の時において、本件土地に付されていた抵当権に係る債務の債務者は、請求人の資金援助がなければ当該債務の弁済が不能の状態にあって、抵当権が実行されることが確実であり、求償権の行使も見込めないことから、本件土地の評価上、相続開始後に請求人が代位弁済した金額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件相続開始の前後を通じ、債務者は当座取引を停止されることなく事業を継続しており、また、債務者に対して会社整理等の手続が行われた事実は認められず、さらに、債務者は当該債務を継続して弁済していた事実が認められる。そうすると、本件相続開始の時において、当該債務に係る債権者が債権を回収できないことが客観的に明らかであったということはできないから、債務者が弁済不能の状態であるために抵当権が実行されることが確実であったということはできない。したがって、求償権の行使の可否を考慮するまでもなく、本件土地の評価上控除すべき弁済不能額はないものというべきであるから、請求人が相続開始後に代位弁済した金額を控除すべき理由は認められず、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.11.24関裁(諸)平16-26)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160096
- 裁決年月日
- 平成16年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各宅地と南側貸宅地は、書籍に掲載されている設例よりも近くに位置しているから、当該書籍に掲載されている評価方法を適用すべきである旨主張する。しかしながら、本件各宅地と南側貸宅地は、公法上の規制の程度である行政的条件を明らかに異にしており、宅地の利用状況がおおむね同一と認められる地域ごとに定められる地区も異なるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。また、請求人らは、1㎡当たりの地代が低い本件各宅地の価額が、1㎡当たりの地代が高い南側貸宅地の価額を上回ることは不合理である旨主張する。しかしながら、地代の額は、個々の借地契約の締結時期、契約条件、土地の形状等により異なるものであるから、本件相続に係る遺産において現に授受されている1㎡当たりの地代の多寡のみをもって、本件各宅地と南側貸宅地の価額の高低を判断することはできないので、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平16.11.18東裁(諸)平16-96)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平160006
- 裁決年月日
- 平成16年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが相続した地積が535㎡である本件土地は、次の理由により、「その地域における標準的な宅地の地積」に比して著しく地積が広大な宅地に当たる旨主張する。① 「その地域」とは、財産評価基本通達14−2に定める地区区分により厳密に線引きされるものではなく、町や校区などの言葉で表現されるある程度の周辺一帯の広い範囲を指すものである。② 「標準的な宅地の地積」とは、「その地域」に小さな戸建住宅用地が数多く見受けられること、また、相続開始日以前の10年間の開発状況をみると居住地域化が進行していることから、標準的な戸建住宅用地の地積、つまり、K市開発指導基準における最低区割の地積の150㎡程度である。しかしながら、地積が535㎡である本件土地は、相続開始日における利用状況に基づいて判断すると、次の理由により、「その地域における標準的な宅地の地積」に比して著しく地積が広大であると認められず、広大地に当たらない。① 「その地域」とは、広大地には財産評価基本通達14−2の地区区分ごとの奥行距離に応じて定められた奥行価格補正率に代えて、単に、有効宅地化率が適用されることから、奥行価格補正率の適用区分である地区と解するのが相当であるところ、本件土地は同通達14−2に定める中小工場地区に所在すると認められることから、本件土地の所在地周辺の中小工場地区と定められたひとまとまりの地域であるとするのが相当である。② 「標準的な宅地の地積」とは、「その地域」において同様な利用形態である宅地の地積に基づいて判断するのが相当であるところ、「その地域」における中小の工場、事務所等として利用されている宅地の地積は、その多くが400㎡から700㎡の範囲にあり、その中でも500㎡台の地積のものが最も多くを占め、かつ当該地域に存する基準地の地積も611㎡であることが認められる。したがって、請求人の主張は採用できない。(平16.11.11金裁(諸)平16-6)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平160005
- 裁決年月日
- 平成16年11月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らが相続した甲土地について、原処分庁は、当該土地は広大地に当たり、①「K市開発指導基準の運用」に基づいて原処分庁が作成した土地開発図により公共公益的施設用地となる部分の地積は有効な宅地面積が最大となる経済的に最も合理的なものであること、②請求人らが主張する公共公益的施設用地となる部分の地積は必要最小限ではないことから、請求人らが「K市開発指導基準」に基づいて作成した土地開発図は経済的合理性があるとはいえない旨主張する。しかしながら、①土地の価額を評価するに当たっては、明文化されている「K市開発指導基準」に従った開発行為を前提として、公共公益的施設用地となる部分の地積を算定する必要があるところ、原処分庁が作成した土地開発図には、同指導基準に定める施設が設けられておらず、算定した公共公益的施設用地となる部分の地積は相当とは認められないこと、及び少なくとも同指導基準に反したものではないこと、②当審判所において、請求人らが作成した土地開発図について、精通者の意見等を参考に検討したところ、特に経済的に不合理な点は認められないことから、原処分庁の主張は採用できない。他方、請求人は、請求人らが相続した乙土地について、当該土地における「その地域」には、小さな戸建住宅用地が数多く見受けられること及び相続開始日以前の10年間の土地開発において居住地域化が進行しており、①「その地域」における「標準的な宅地の地積」とは、標準的な戸建住宅用地の地積、つまり、K市開発指導基準における最低区割の地積であり、乙土地は著しく地積が広大な土地であること、②開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められることから、乙土地は広大地に当たる旨主張する。しかしながら、乙土地について、著しく地積が広大であると認められるものの、「標準的な宅地の地積」で区画変更すると、いずれの区画も既に設置されている道路に面することとなり、新たな公共公益的施設用地の負担が必要とは認められず、乙土地は広大地に当たらないことから、請求人の主張は採用できない。したがって、原処分はその一部を取り消すのが相当である。(平16.11.9金裁(諸)平16-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160019
- 裁決年月日
- 平成16年10月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の債務控除において、本件土地の定期借地権設定契約に際して預託された保証金の返還債務の評価に当たり、保証金の元本金額から控除する経済的利益の額の算出に用いる利率について、その利率を相続開始時点における長期国債(10年)の約定利率1.8%とすべき旨主張し、一方、原処分庁は、財産評価基本通達27−3との均衡上、同通達4−4に基づき、平成12年分の基準年利率4.5%とすべき旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、平成12年分における債務控除の評価に用いる利率は、原処分庁が主張する4.5%であるとは言い難く、相続開始月以前10年間の長期プライムレートと長期国債(10年)の応募者利回りの平均である年3.9%とするのが相当である。(平16.10.19大裁(諸)平16-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160068ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年10月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人らが贈与により取得した居宅の敷地は、以前から使用貸借により借り受けている土地であり、従前の取扱いによれば、その借り受けた時点で借地権相当額の贈与があったものとして贈与税が課されていたものであるから、自用地としての評価額から借地権相当額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、当該居宅は、請求人が贈与を受ける以前に相続によりその所有者が異動していることから、使用貸借通達の取扱いにより、本件居宅に係る敷地利用権は零として取り扱われるところ、当該相続の際に当該敷地に係る借地権相当額は課税される相続財産として計上されておらず、また、当該相続から贈与までの間においても、当該敷地は引き続き使用貸借により借り受けているものと認められることから、当該居宅の敷地は、自用地として評価することが相当と認められる。(平16.10.19東裁(諸)平16-68)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160068ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年10月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が贈与により取得した建物は貸家の用に供しているから、その敷地は貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、当該建物は請求人の被相続人から相続により取得したものであるところ、その敷地は、請求人の被相続人が、同人の兄から使用貸借により借り受け、当該相続後においても使用貸借の状況が継続していたものであることからすれば、その建物の所有者の使用貸借に係る使用権の価額は零であり、また、その建物の賃借人の権利は、その建物の所有者の敷地利用権に従属し、当該賃借人の敷地利用権も零となるのであるから、当該建物の敷地は自用地として評価すべきである。(平16.10.19東裁(諸)平16-68)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160010
- 裁決年月日
- 平成16年9月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件宅地は公共公益的施設用地の負担のない開発行為を行うことが経済的に最も合理的であるから、本件宅地を評価するにつき財産評価基本通達24−4の定めを適用することはできない旨主張する。しかしながら、都市計画法に規定する開発許可を必要とする面積基準以上の土地については、周囲の状況等からみて明らかにマンション用地として適している土地等、開発行為を行うとした場合に明らかに潰れ地が生じない土地に該当する場合以外は、同通達24−4の定めを適用して評価することが相当と認められる。本件宅地について開発行為を行うとした場合には開発許可が必要であり、本件宅地は明らかに潰れ地が生じない土地には該当せず、また、請求人らの主張する開発行為の方法も相当であることから、本件宅地は同通達24−4の定めを適用して評価することが相当である。(平16.9.28関裁(諸)平16-10)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160005
- 裁決年月日
- 平成16年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の貸借は固定資産税等相当額の地代の授受であるから、税法上無償とみなし、使用貸借に該当するので借地権の評価を要しない旨主張する。しかしながら、個人間の土地の使用貸借に係る使用権の価額は零として取り扱う旨定めているところ、本件土地の貸借については、当事者の一方が法人であり、その一方が個人であることから、税務上の取り扱いは、法人税の取扱いに準拠することとなる。そうすると、本件土地の貸借は、権利金等の授受がなされておらず、本件土地に係る地代の額が固定資産税等相当額であることから使用貸借と認められるところ、貸地人が法人である本件においては、使用貸借であっても税法上借地権が存在すると認めるのが相当であり、当事者から原処分庁に対して土地の無償返還に関する届出書が提出されていないのであるから、相続財産としての借地権の評価を要することになる。したがって、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平16.9.10熊裁(諸)平16-5)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160005
- 裁決年月日
- 平成16年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地が所在する地域は借地権の取引慣行がない地域であるので、借地権の評価を要しない旨主張する。しかしながら、本件土地が所在する地域における取引事例をみると、借地権の目的となっている土地を売却する際、借地人に対して底地価額相当額で宅地を売却している事例や賃貸人が借地権消滅の対価を支払っている事例のほか、借地権の設定時に権利金の授受が行なわれている例も見受けられ、借地権の価額が反映されている取引が存することは明らかであり、借地権の取引慣行があると認められる。そうすると、本件土地が所在する地域は取引慣行がある地域であるので、借地権の評価をすべきである。したがって、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平16.9.10熊裁(諸)平16-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160005
- 裁決年月日
- 平成16年7月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が財産評価基本通達に基づき算定した本件土地の価額は、本件土地と同じような条件にある土地の取引事例である競売価額と比して著しく高額であり不当であるから、本件土地の価額は、路線価ではなく、当該競売価額を基礎に時点修正や地域格差の修正を加えて算定すべきである旨主張するが、①競売は、換金を目的とした強制売却であるという特殊性を有し、その売却価額は客観的時価より低額となるのが通例であること、②当該競売価額の1㎡当りの価額は、国土利用計画法施行令第9条の規定による基準地の標準価格の10%程度にすぎないこと、及び③実地に調査しても当該競売物件と上記基準地の価額が異なる特別な事情は認められないことから、当該競売価額は、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額であるとは認められない。そして、原処分庁が評定した路線価及び地区区分については、これを不合理とする特別の事情は認められないから、本件土地の価額は、路線価を基礎として、財産評価基本通達に基づき算定するのが相当である。(平16.7.8大裁(諸)平16-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160005
- 裁決年月日
- 平成16年7月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件土地については、借地権の認定課税がないまま除斥期間が経過しているから、借主の宗教法人に借地権相当額の利用権が帰属したとして扱うのが相当であり、また、②本件貸借関係は、法形式上の使用貸借を仮装した地代の免除による実質的上の賃貸借であるから、借主に原始発生的な借地権が存することになる旨主張する。しかしながら、借主は公益法人であり、借地権の認定課税が行われることはないから、無償返還の届出書を提出していないことをもって、借主に借地権相当額の利用権が帰属するとも原始発生的な借地権が存するともいうことはできない。ところで、土地の貸借関係は極めて個別性が強いことから、当事者の関係、権利金や地代の有無、土地が貸借された事情や返還時期、利用状況等の事実関係等を総合勘案して、当該土地に係る利用権の実情等を判断すべきであると思料されるところ、本件土地に係る使用借権は、保育園の運営が継続される限り返還される可能性は期待できないこと等の事情を勘案すると、本件土地の貸借により土地所有者の利用権が著しく制限されていると認められ、また、土地所有者が本件土地を更地として利用できる可能性も極めて少ないものといえることから、本件土地については、法律上の借地権が存する場合とまではいかないまでも、評価上何らかのしんしゃくをするのが相当である。そうすると、本件土地の価額は、貸し付けられている土地の価額に係る各取扱いとの権衡を勘案して算定するのが相当であり、借地権のある土地について無償返還の届出書が提出されている場合の取扱い等が適用される場合と、上記事情が本件土地の価額に及ぼす影響は同程度であるというのが相当であるから、本件土地の価額は、自用地としての価額から20%控除した価額とするのが妥当である。(平16.7.8大裁(諸)平16-5)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平160001ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地は地価動向がマイナスになっている地域に存在していることを理由に、本件宅地について、路線価方式により評価すると、請求人に法令の規定を上回る租税負担を強いることになる旨主張する。ところで、財産評価基本通達11〈評価の方式〉においては、市街地的形態を形成する地域にある宅地の価額は、路線価方式により評価する旨定められており、路線価方式の基となる路線価は、売買実例価額の収集等技術的な理由から1年間適用することとされており、毎年1月1日を評価時点として、売買実例価額、公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基に、公示価格の水準の80パーセント程度を目途に定められている。このことは、贈与税の課税に当たって路線価が1年間適用されることから、その間の地価変動にも耐え得るものであることの必要性など、評価上の安全性等を考慮して取り入れられているものと認められる。これを本件についてみると、本件宅地の近傍の公示地に係る平成13年1月1日から平成14年1月1日までの公示価格の下落率は11.88%となり、路線価が評価上の安全性等を考慮し公示価格の水準の80%程度を目途に定められられていることに照らせば、その範囲内であることから、路線価方式により本件宅地の価額を算定することは、特段不合理であるとは認められない。(平16.7.7金裁(諸)平16-1)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平160001ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地と同地区内で行われた土地売買実例から、本件宅地については、路線価方式による評価額が課税時期の時価を大幅に上回る逆転現象が確認できることを理由に、本件宅地について、路線価方式により評価すると、請求人に法令の規定を上回る租税負担を強いることになる旨主張する。しかしながら、請求人が主張する土地売買実例のうち、事例1ないし事例8については、請求人が土地売買取引があった旨を主張するのみで、取引があったとする具体的な証拠を提出せず、また、別表2の事例9については、最低売却価額をもって売買価額とみなしているところ、この最低売却価額については、競売という特殊な状況の下で設定された価額であることから、請求人の主張する土地売買実例による価額を採用することはできない。また、請求人は、各土地売買実例の売買価額についての時点修正、形状等の画地条件による格差等も考慮せずに、単にその1平方メートル当たりの売買価額又は最低売却価額と路線価とを比較して主張しているに過ぎず、その比較方法に合理性を認めることはできない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.7.7金裁(諸)平16-1)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平160001ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地の背後にがけ地が迫っていること及び廃虚と化している建物に隣接していることから、評価上、何らかのしんしゃく配慮が必要である旨主張する。当審判所の調査によれば、普通商業・併用住宅地区内に所在する本件宅地の周辺地の利用状況は、温泉旅館、商店、住宅、駐車場等の敷地として利用されており、また、廃虚と化した建造物の近隣においても同様の利用状況であることが認められる。そして、本件宅地等は、その全体を一体として数台の大型バスが駐車できる規模の駐車場の敷地として利用されている。これらの状況からすると、本件宅地等の背後にがけ地が迫っていたとしても、また、廃虚と化した建造物に隣接していたとしても、本件宅地等の利用価値は、同一路線にある他の宅地に比較して著しく低下しているとは認められない。なお、公示地が本件宅地等の近隣に所在しており、本件宅地等と同様の状況の下で公示価格が判定されていると認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平16.7.7金裁(諸)平16-1)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平150012
- 裁決年月日
- 平成16年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地(底地)の時価について、請求人らは、請求人らが依頼した不動産鑑定士の鑑定評価額である旨主張し、原処分庁は、原処分庁が依頼した不動産鑑定士の鑑定評価額である旨主張するが、両鑑定評価額には種々の不的確な点があり、また、不動産鑑定評価基準に照らして合理性を欠いている点が認められることから、いずれも採用し難い。ところで、相続税法は、時価の算定方法について何ら定めていないことから、相続財産の評価については、一般基準として財産評価基本通達等が存しており、この基準は、全国に大量に存在する課税対象土地について評価方法の基準化を図り、評価に関与する者の個人差に基づく不均衡を解消するという点から合理的なものと解することができる。しかしながら、財産評価基本通達等は、法規としての性格を有するものではないから、納税者はこれに拘束されるものではないと解されるところ、財産評価基本通達等を適用して評価することが著しく不適当と認められる特別の事情が存する場合、すなわち、財産評価基本通達等により算定される土地の価格が客観的交換価値を上回るなどの場合には、他の合理的な評価方法により時価を求めるべきものと解する。当審判所の調査によれば、本件土地の賃貸借契約の内容に特別の事情が存しているとはいえず、更に、請求人ら及び原処分庁双方の鑑定評価額は、相続税法第22条に規定する時価とは認めることができないから、財産評価基本通達等により評価することが著しく不適当と認められる特別の事情が存するとは認められない。以上のことから、本件土地の時価額については、財産評価基本通達等の定めに従って評価するのが相当である。(平16.6.30沖裁(諸)平15-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150077
- 裁決年月日
- 平成16年6月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件土地は周辺の状況からして必ずしも広大であるとはいえず、また、相続開始後に譲渡された本件土地の一部に実際に行なわれたような旗状による開発が可能であるから、財産評価基本通達24−4に定める広大地には該当しない旨主張する。しかしながら、周囲の状況等からみて、明らかにマンション敷地として適している土地などのように、明らかに潰れ地が生じないと認められる土地について、同通達を適用し評価することは合理性を欠くものといわざるを得ないが、本件土地は開発許可を要する土地であり、その周辺は、主に1画地が100㎡程度の戸建住宅を中心に、マンションや倉庫等が混在する住宅地域であり、最近においてはマンション建設がないことからすれば、明らかに潰れ地が生じない土地には該当しないから、財産評価基本通達24−4を適用することは合理的と認められる。また、本件土地は、旗状により開発した場合には、本件土地内に不整形地を生み出し、公共公益的施設としての道路を設ける開発と同様に、本件土地の評価額を低下させる要因となると認められるから、同じ通達を適用することが必ずしも不合理とはいえない。そこで、当審判所において、本件土地の広大地としての評価方法について検討したところ、請求人らの主張する開発の方法は相当と認められる。(平16.6.28関裁(諸)平15-77)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150343
- 裁決年月日
- 平成16年6月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、A土地の価額について、不動産鑑定士による鑑定評価額が相続開始日における時価である旨主張する。しかしながら、A土地の標準的画地及び最有効使用は、不動産鑑定評価基準の定め、地価公示法の規定及び土地の開発行為に係る指導要綱の定めによれば、①一体利用するか、②2画地に分割して使用するか、又は③3画地に分割して使用するとの判断をするのが相当であるところ、当該鑑定評価額は、この前提条件である標準的画地及び最有効使用が異なるので、合理性のある価格とは認められない。なお、A土地の地積は、当該指導要綱の定める面積基準を下回るため、当該鑑定評価書で採用したとおり、任意に4画地に分割することも可能ではあるが、当該鑑定評価書の「取引事例比較法による比準価格」の個別的要因及び「開発法による価格」の個性率の一部は、これらの根拠が明らかでないことから、「取引事例比較法による比準価格」及び「開発法による価格」は、合理性のある価格とは認められない。当審判所において、A土地の近隣及び類似する地域に所在し地積等の条件格差が最小限となるよう選定した取引事例地の取引価格を基にA土地の時価(客観的な交換価値)を算定したところ、この時価が財産評価基本通達により評価した価額を上回るから、A土地の価額は、当該通達により評価した価額によるべきであるので、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.6.25東裁(諸)平15-343)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150339
- 裁決年月日
- 平成16年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・619ページ
要旨
○ 請求人は、本件農地について財産評価基本通達40−2に定める生産緑地の評価(以下「生産緑地の評価」という。)を適用すべきである旨主張するが、同通達は課税時期において生産緑地法に規定する生産緑地である農地についての評価方法を定めており、生産緑地とは同法に規定する生産緑地地区内の土地であるところ、本件農地は、相続開始日後において生産緑地地区の決定の効力が生じた土地であり、課税時期(相続開始日)では未だ生産緑地地区の区域内の土地ではないから、本件農地については生産緑地の評価を適用することはできない。(平16.6.22東裁(諸)平15-339)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150339
- 裁決年月日
- 平成16年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・619ページ
要旨
○ 請求人は、本件農地について生産緑地の評価の適用を否認した原処分庁の判断には、本件附帯決議が全く加味されておらず違法である旨主張する。しかしながら、本件附帯決議は、生産緑地地区制度の見直しに係る法律改正に際して国会での議論を踏まえて決議されたものであるところ、特定市街化区域農地等に係る税制においては、平成3年度の税制改正によって各種の改正がなされた。そして、相続税の納税猶予制度では、特定市街化区域内農地等について、生産緑地を除き平成3年12月31日をもって当該制度を廃止することとしたが、平成4年1月1日から同年12月31日までの間に係る措置が規定され、また、生産緑地の評価についても、同様の趣旨から同様の取り扱いが講じられたが、この規定及び取扱いは、改正初年度であることを考慮した経過措置であると解され、当該経過措置の適用期間を経過した本件農地について、これを適用あるいは準用して生産緑地の評価を適用することはできない。(平16.6.22東裁(諸)平15-339)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150073
- 裁決年月日
- 平成16年6月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件私道は、道路位置の指定を受けており、自由に処分したり道路以外に使用することができないから財産的な価値がなく、また、A市が固定資産税を非課税としていることからも、課税価格の計算上、評価すべきでないと主張する。しかしながら、私道は、その処分や使用収益にはある程度の制約があるものの、私人の所有物である以上これを処分等することは可能であり、本件私道は請求人宅や貸付地から公道に通ずるための道路として現に使用収益されているから、財産的価値がないということはできない。また、固定資産税と相続税とでは課税の趣旨及び目的が異なるから、固定資産税が非課税であることをもって本件私道を評価すべきでないとする請求人の主張には理由がない。(平16.6.16関裁(諸)平15-73)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150094
- 裁決年月日
- 平成16年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、甲土地(無道路地)の奥行距離が本件道路から150mであるにもかかわらず、財産評価基本通達15に定める奥行価格補正率(奥行距離100m以上の場合最大0.8)を適用することは不合理であるから、他の補正率が最大0.6を限度としているように、甲土地の評価に当たっては奥行価格補正率を0.6とすべきである旨主張するが、甲土地を路線価と同通達に定める各種補正率を適用し評価方法することには、特に不都合と認められる特段の事情は認められず、同通達20−2に基づき、①奥行価格補正、②不整形地補正,③無道路地としてのしんしゃく(道路開設費用相当額の計算)を行って評価することが相当である。(平16.6.8大裁(諸)平15-94)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150094
- 裁決年月日
- 平成16年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、甲土地の宅地造成費相当額の算定において、甲土地は道路より低い位置にあることから、盛土方式による「平坦地」に係る宅地造成費相当額を適用すべき旨主張するが、財産評価基準書における宅地造成費相当額の算定は、傾斜地、平坦地の区分に従って行うこととされており、傾斜地であるか否かは道路との高低ではなく、傾斜のある土地であるか否かにより判断すべきと解すべきであるから、請求人の主張は認められない。(平16.6.8大裁(諸)平15-94)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150094
- 裁決年月日
- 平成16年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802012
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/2地積
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、乙土地の地積は実測面積と台帳面積との差が少なく、隣接地との境界確認ができていないので実測面積によるべきではない旨主張するが、当審判所の調査によれば、請求人らは、乙土地を譲渡する際、隣接地の所有者と筆界確認を行うとともに、乙土地の実地測量を行い法務局に登記申請していることが認められるから、乙土地の地積は、実測面積によるのが相当である。(平16.6.8大裁(諸)平15-94)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150323
- 裁決年月日
- 平成16年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件宅地の建ぺい率及び容積率と各地価公示地のそれらを比較するなどして、本件宅地が有効利用されているとはいえないから、本件宅地の評価に当たっては、財産評価基本通達24−4の適用を認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件宅地と各地価公示地をみると、街路条件、交通・接近条件、環境条件及び行政的条件を異にすることから、本件宅地と各地価公示地との比較をもって本件宅地が有効利用されていないということはできず、そもそも財産評価基本通達24−4に定める広大地とは、①その属する地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大であること、②経済的に最も合理的であると認められる開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要であると認められること及び③大規模工場用地に該当しないことの3つの要件すべてを充たす宅地であるところ、本件宅地の街路条件、交通・接近条件、環境条件、行政的条件等の地域要因を総合勘案すると、本件宅地の経済的に最も合理的である開発行為は、共同住宅の敷地として一体利用することであると認められる。そうすると、本件宅地を共同住宅の敷地として一体利用する場合には、公共公益的施設用地の負担は必要ないと認められるから、本件宅地の評価に当たっては、財産評価基本通達24−4の適用はないので、請求人らの主張には理由がない。(平16.6.8東裁(諸)平15-323)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150076
- 裁決年月日
- 平成16年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802011
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/1地目
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地の現況地目は宅地であるが、いずれも市街化調整区域内に所在し、農地法の転用許可を受けていないことから、本件各土地は農地に戻すしかなく、農地の価格でなければ売却できないのであるから、本件各土地は農地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第22条でいう時価とは、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいうものと解するところ、土地の場合は、土地の現況に応じた利用価値ないし資産価値が金銭に見積もられ、当事者間での価格交渉等を通じて最終的な売買価額が決まることから判断すると、課税時期の現況の地目に応じて財産評価を行うとした財産評価基本通達7の定めは当審判所においても合理性を有すると認められるから、本件各土地の相続開始日における時価を畑として算出することは許されないというべきである。確かに、請求人らが主張するとおり、本件各土地は、本件公示地のような既存の宅地とは価格差が生ずることはあり得ることであるが、このことは、一律に財産評価基本通達を適用して対象となる土地の時価を算定するという評価方式に必然的に伴うやむを得ない結果であると認められ、同通達が、課税実務の公平と効率のためにあることからすれば、ある程度の一般性を有することは避けられず、その適用の結果不合理が生じた場合には、個別に適正時価の主張、立証することによって是正されるのであるから、現況地目に応じて評価することは不合理であるとはいえず、請求人らの主張するような事情は、同通達7の定めが合理性を有するとの判断を左右するものではない。また、請求人らが本件各土地を畑として評価したことが、本件各土地の適正時価を立証したことにはならない。(平16.5.17名裁(諸)平15-76)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150079
- 裁決年月日
- 平成16年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・696ページ
要旨
○ 取引相場のない株式の課税時期における1株当たりの純資産価額の計算を行う場合、退職手当金等も弔慰金も、課税時期、すなわち相続開始時において確定している債務ではないから、本来、評価会社の純資産価額を算定するについての負債とはならないものであるが、退職手当金等については、相続税法第3条第1項第2号の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税価格に算入されて相続財産として課税されるため、負債に計上しなければ相続税において実質上の二重課税が生じることになるため、財産評価基本通達186において、負債に含まれるものとして取り扱われているもので、弔慰金は、退職手当金等と異なり相続財産とはみなされず、実質上の二重課税とはならないので、弔慰金を負債に算入する必要はない。(平16.4.22大裁(諸)平15-79)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150270
- 裁決年月日
- 平成16年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の相続税評価額は借地権相当額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件建物は、地面に直接立てた角材及び屋根部分にそれぞれトタンを張った固定資産税が賦課されない建物で、作業用の木型を乾燥させる干し場として日光及び雨露を防ぐために建てられたものであることからすれば、本件土地の使用者は、建物の所有及び堅固な構築物の所有を目的として被相続人から本件土地を借りたものとは認められず、当該使用者に借地権に相当する経済的利益が帰属するとは認められないから、借地権価額を控除しないのが相当である。そして、当該使用者は、本件土地を口頭により期間の定めなく借り受け、その使用料として年額350,000円を支払っていることからすると、民法第601条に規定する賃貸借に該当すると認められるから、財産評価基本通達86の規定に基づき評価するのが相当である。(平16.4.21東裁(諸)平15-270)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150072
- 裁決年月日
- 平成16年4月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・589ページ
要旨
○ 請求人は、更正の請求の一部を容認する更正処分に対し、相続により取得した土地(以下「本件土地」という。)が接する路線価(以下「本件路線価」という。)は時価を上回っているから、本件土地の価額は、①相続後に譲渡した本件土地の譲渡価額の7割相当額とすべきであり、②仮に、①の主張が認められないならば、本件土地の近隣に位置する土地の公売価額を基準に算定すべきである旨主張する。しかしながら、本件路線価を評定する基準とした地価公示地の価額と本件土地の宅地としての価額が異なる特別な事情はないことから、本件宅地の時価は、宅地としての正常な価格である当該公示価格というのが相当であり、路線価が時価を上回っているとは認められない。また、公売は、換金を目的とした強制売却であるという特殊性を有し、その売却価額は客観的時価より低額となるのが通例であることのほか、他の同条件の公売の売買実例から検討しても当該公売価額を本件土地の時価と認めることはできない。以上のことから、本件土地の価額に関する請求人の主張を認めることはできない。(平16.4.12大裁(諸)平15-72)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150072
- 裁決年月日
- 平成16年4月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・589ページ
要旨
○ 請求人らは、請求人らが、被相続人に代わってポケットマネーから納付した固定資産税等(以下「本件立替金」という。)は、証拠として提出した確認書の記載にもあるとおり、被相続人の債務であるから、相続財産から控除すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人名義の預金口座の取引状況を調査したところ、当該口座は、被相続人が受給していた年金の受取口座であり、請求人らからの入金は認められないこと、及び本件立替金は、当該口座から振替納付されていることなどから、請求人の主張は明らかに事実と相違しており、本件立替金に関する請求人の主張は認められない。(平16.4.12大裁(諸)平15-72)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150258
- 裁決年月日
- 平成16年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・491ページ
要旨
○ 請求人らは、本件甲土地の時価を請求人らが採用する取引事例から3,843円/㎡であると主張する。しかしながら、請求人らの主張する取引事例は事情補正率等の算定根拠が明らかにされていないから、適正な時価であることの検証ができない。請求人らは、本件甲土地は売買取引が行われる可能性がないから、時価算定に当り公示地と比較することができないと主張する。しかしながら、相続税法第22条に規定する時価と公示価格とは、ともに客観的交換価値を指向していると解されるから、本件甲土地の時価の検証は、近隣の取引事例及び公示価格等に比準した価格により行うのが相当である。本件甲土地の時価は上記の方法により、23,641円/㎡となるところ、この価格は、本件土地の評価基本通達の定めに基づく相続税評価額を上回っているから、同評価額によって評価して行われた原処分に違法性はない。(平16.3.31東裁(諸)平15-258)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150258
- 裁決年月日
- 平成16年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・491ページ
要旨
○ 請求人らは、倍率地域にある地目が雑種地の本件丙土地の相続税評価額は、固定資産税評価額に評価基準書に定める宅地の倍率1.1を乗じ算出すべきと主張するが、評価基準書に定める倍率は、固定資産税評価額が地目により差異があるので、それぞれの地目に応じた適正な価額を算出するために定めているのであって、雑種地を宅地に準ずる土地として評価する場合には、雑種地が宅地であるとした場合の価額に宅地の倍率を乗じて評価するのが相当である。また、請求人らは、財産評価基本通達82の「位置、形状等の条件の差を考慮して」とは、単に、財産評価基本通達27−5を適用すればよいのではなく、雑種地であることの諸条件を考慮して評価すべきであるという趣旨であると主張するが、評価すべき土地は個別的要因を有しているのであり、比準土地との差異が、都市計画法上の建築可能な建物の用途制限のみを原因とするならば、このことを評価すべき土地の差異として考慮すれば足りるのであるから、抽象的な諸条件をもって考慮すべきとする請求人らの主張には理由がない。(平16.3.31東裁(諸)平15-258)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150052
- 裁決年月日
- 平成16年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・679ページ
要旨
○ 請求人は、相続により取得したA株式及びB株式(いずれも取引相場のない株式)は、取得時点で既に合併契約及び株式交換契約が締結されているものであるところ、A株式及びB株式の価額は、合併及び株式交換の相手会社のC株式(店頭登録株式)の相続開始時の取引価格を基にそれぞれ合併比率及び株式交換比率を適用して合理的に算定することができるから、本件は、財産評価基本通達で定められた評価方式により難い特別の事情がある旨主張する。しかしながら、一般に、合併若しくは株式交換の一方の当事者が非上場会社である場合、当事者は、まず、当該非上場会社の株式を評価し、その価額を算定した上で、相手会社の市場価格(取引価格)と比較するなどして合併比率若しくは株式交換比率を算定することとなるが、この場合に、非上場株式の価額を算定する目的は、客観的交換価値を算定するためのものではなく、あくまでも合併比率若しくは株式交換比率を算定するためのものであり、評価時点における当事者の思惑が介在する余地も考えられるから、このようにして算定された合併比率若しくは株式交換比率が必ずしも純粋に株式の時価を反映しているとはいえないし、また、合併比率若しくは株式交換比率に沿った価額で株式の取引がなされるとも言い得ない。本件においては、合併比率若しくは株式交換比率を算定するに当たって採用した株式の評価方法について、純資産価額方式における評価時点や純資産価額方式と市場価額方式の比準割合などに問題があり、算定された価額が適正に時価を示していると評価し得るか疑問があるから、これにより算定された本件合併比率及び本件株式交換比率も、適正に時価が反映されたものとも言い切れず、また、合併比率及び株式交換比率に市場が従うとも限らないと認められるから、請求人の主張する評価方式が、財産評価基本通達による以上の合理性があるとも、同通達により難い特別の事情があるとも認められない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.3.30広裁(諸)平15-52)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150019
- 裁決年月日
- 平成16年3月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・633ページ
要旨
○ 原処分庁は、一株当たりの年配当金額の計算について、直後期の普通配当が直前期の特別配当と普通配当を合計した金額と同額であること等から、特別配当を普通配当に含めて算定すべきである旨主張する。しかしながら、直後期の配当金額が同額であること等をもって、直前期の特別配当を普通配当に含めなければならないとの判断は相当ではなく、株式の評価会社は、従来から同額の普通配当を行っており、合併を奇貨として特別配当を行ったとしても不合理であるとはいえないから、原処分庁の主張は採用できない。また、請求人らは、一株当たりの年利益金額の計算について、修正申告ではないとの理由で直前期の年利益金額により計算しているが、財産評価基本通達183(2)の定めにより、直前々期の年利益金額も合せた平均の金額によるべきである旨主張する。しかしながら、同183(2)は、いずれか低い金額によるべきである旨の定めではなく、原則的に直前期の年利益金額による旨定めており、また、直前期の年利益金額によりがたい個別事情等も認められないから、請求人らの主張は採用できない。(平16.3.23熊裁(諸)平15-19)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150019
- 裁決年月日
- 平成16年3月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・633ページ
要旨
○ 請求人らは、株主の保有する取引相場のない株式の評価方法を財産評価基本通達188の規定に基づいて判定(株主区分の判定)するに当たり、単位未満株式の取扱いが、同188の規定の適用上、発行済株式数から控除すべき株式を定めた同188−3及び188−4に含まれていないから、同188において発行済株式数から単位未満株式を控除せずに、その判定をすべきである旨主張する。しかしながら、株主区分の判定については、株式の保有割合を基として会社支配の可否を基本的な考え方としているから、商法第240条が株主総会の決議要件である発行済株式数に議決権のない株式等を算入しない旨を規定していることと符合させたものと解することが相当である。そうすると、同178における原則的な評価方法に対して設けられた同188の特例的評価方法についても、会社支配に関係する株式について比較すべきであり、株式の保有割合を判定する場合における発行済株式数についても、議決権を有しないこととされる株式及び議決権のない株式は、当然に含まれないと解すべきものである。したがって、同188の判定において、単位未満株式については、発行済株式数から除外すべき株式を定めた上記各通達に含まれていないから、発行済株式数から控除すべき株式ではないと限定的に解するのではなく、議決権のない株式であることから控除すべきであり、請求人らの主張は採用できない。(平16.3.23熊裁(諸)平15-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150207
- 裁決年月日
- 平成16年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・606ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地の価額は自用地としての価額から借地権相当額を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件賃貸借契約によると、賃借人であるP市から土地所有者である被相続人に対し権利金等の一時金の授受がないことから、被相続人は本件賃貸借契約の期間中であってもP市に対して更地時価買取請求ができ、P市は当該請求に対し異議なく応じるものとされることは、P市は借地権者としての経済的利益について享受しないものとしたと認められるところであり、一方、土地所有者である被相続人は賃貸した本件土地の底地価額は何ら減損することなく自用地と同額の価額として保証されているものと認められる。そうすると、P市及び被相続人は本件賃貸借契約において、本件土地における借地権の経済的価値を認識しない旨を定めたものというべきで、本件土地の評価に当たっては、借地権相当額を何ら減額すべき事由はなく、自用地としての価額と同額で評価するのが相当である。(平16.3.5東裁(諸)平15-207)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150207
- 裁決年月日
- 平成16年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・606ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地は都市公園の用地として貸し付けられている土地の評価についての通達に準じ、自用地としての価額から40%相当額控除されるべき旨主張する。しかしながら、この通達は、土地所有者は貸付期間において正当な事由がない限り土地の返還を求めることはできないなど、都市公園を構成する土地については、都市公園法により私権が行使できず、また、公園管理者に対する都市公園の保存義務規定も定められているために、都市公園の用地として貸し付けられている土地には相当長期間にわたりその利用が制限されることから、自用地としての価額から40%相当額を控除するものと解されるところ、本件は、P市に対し更地時価買取請求ができることからすれば、都市公園の用地として貸し付けられている土地に準じて評価することは相当ではない。(平16.3.5東裁(諸)平15-207)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150207
- 裁決年月日
- 平成16年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・606ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地は近隣の標準的な土地に対し著しく広大な土地であるから、本件土地の更地価額には財産評価基本通達24−4に定める広大地補正がなされるべきである旨主張する。しかしながら、評価基本通達24−4に定める広大地とは、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大な宅地で都市計画法に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められる土地であり、既に開発行為を了している土地は標準的な地積に比して著しく広大であっても広大地に該当しないところ、本件土地は既に建物の敷地として利用されていることから、広大地補正をすることはできない。(平16.3.5東裁(諸)平15-207)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平150018
- 裁決年月日
- 平成16年2月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、①本件土地には、存続期間50年という本件地上権及び借地人に係る抵当権が設定されているという個別事情があるから、借地権割合を30パーセントとすべきであり、また、②平成11年分財産評価基準書によれば、本件土地が所在する地区は、借地権の取引慣行がない地域となっているが、その理由の説明がなく、借地権割合を20パーセントとしたことの説明が不十分である旨主張する。しかしながら、①本件土地は、本件契約に基づきホテルの敷地の用に供されているから、本件地上権は、借地借家法に規定する借地権に該当し、かつ、建物等敷地、駐車場用地、緑地、調整池、源泉地盤地及び源泉地盤周辺地と合わせて一体利用されているから、本件土地のすべてに及ぶものと認められ、たとえ存続期間50年の本件地上権が設定されているとしても、建物の所有を目的とする地上権と賃借権は、借地借家法の保護の下に経済的価値及び法的機能の面でその実態を同じくするものであることから、相続財産の評価上、本件地上権を特別に扱うべき特段の事情も認められず、また、抵当権は、債務の弁済により消滅し、目的物の処分についても何ら制限を加えるものではないから、抵当権が設定されていることによる価値の低下はないものと考えられ、本件土地の評価に当たっては控除する借地権の割合を特に高くすべき特段の事情は認められない。さらに、②国税庁長官が財産評価の一般的な基準として財産評価基本通達を定め、これに基づき、国税局長が借地権売買の実例や権利金の授受等の地域ごとの実態に即して借地権割合等を定め、納税者が申告する場合に、その便に供するために財産評価基準書として公開しているのであるから、借地権の取引慣行がない地域であることや借地権割合の算定根拠を個別に説明しないとしても、何ら違法でなく、また、これらのことを説明すべきであるとする法律上の規定もないことから、請求人らの主張にはいずれも理由がない。(平16.2.26仙裁(諸)平15-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150159
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、会社の役員である被相続人が当該会社に対する貸付金債権に係る利息について、取締役会において当該貸付金債権の利息を約定し、その約定に基づき1回の利息支払があり、その後に当該貸付金債権を無利息にするとの約定がないことから、当該貸付金債権が無利息になった事実が認められない旨主張する。しかしながら、会社の帳簿に支払利息等の計上がないこと及び会社の役員の答述等からすると、被相続人より会社に対し無利息とするとの申出があり、当該会社においてその申出を了承したものと認められるので、当該貸付金は、無利息に変更されたとするのが相当である。したがって、本件更正処分等の全部を取り消すべきである。(平16.1.29東裁(諸)平15-159)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150161
- 裁決年月日
- 平成16年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 正面と側方に路線がある宅地の価額は、原則として、奥行価格補正率を乗じて求めた価額の高い路線を正面路線とする財産評価基本通達の定めは、いかなる状態の土地についてもこれによるべきものとする趣旨でないことは文言上から明らかであるところ、本件土地については、①本件県道側ほぼ全面にわたって擁壁が築造され、その高さは最大で2mを超えており、通常の利用に供する上での阻害要因と認められること、②本件土地の西側に所在する土地以西の土地とは本件県道との接面状況が明らかに異なっていること、③原処分庁が本件A土地の評価において、前記①及び②のことについて利用価値の低下を認めて10%の減額をしており、これに従えば、本件県道の路線価による価額は138,105円と試算され、本件市道の路線価による価額138,600円を下回ること、④本件県道及び本件市道と面する距離は、それぞれ27.2m、28.4mであり、本件市道の方が大きいこと、⑤有効宅地化率の算定根拠とした本件市道からの開発想定図については基本部分について当事者に争いがないことが認められるのであり、そして、正面路線が土地の利用形態及び価格形成に最も影響を及ぼす路線をいうものと解されることをも併せ考えると、本件A土地の正面路線の判定については、財産評価基本通達の定めの原則を画一的に適用することは適当でないから、本件土地の正面路線は本件市道と判断される。(平16.1.29東裁(諸)平15-161)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150146
- 裁決年月日
- 平成16年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、類似業種比準価額に係る類似業種の前年平均株価を課税時期の属する年分の前年の業種目別株価表の1月分から12月分までの単純平均値で求めるべきである旨主張する。しかしながら、業種目別株価表は、課税時期における評価会社の実態に即した比準価額を求めるように、前年平均株価、各月の株価、配当金額、利益金額及び簿価純資産価額を定めたものであるところ、請求人が主張するように前年平均株価を1月分から12月分までの単純平均値とすることは、課税時期の属する年分の標本会社に係る配当金額、利益金額及び簿価純資産価額とその前年分の標本会社に係る株価によって類似業種比準価額を計算することとなり、このことは、異なる標本会社に係る各数値で計算されることから、統一性に欠け、その計算された数値は評価会社の実態に即したものとは認められない。したがって、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平16.1.20東裁(諸)平15-146)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150141
- 裁決年月日
- 平成16年1月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、使用貸借により貸し付けられているA土地及びB土地並びにE土地の3区画の土地について、これらの土地全体を1画地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、A土地とB土地は隣接地で、その接する度合い及びその形状から一団の画地を形成していると認められるが、B土地とE土地の接する距離は1.6mでその接する度合いが低く、各土地の位置及び利用する路線等その形状から、これらの土地全体で一団の画地を形成しているとはいえないと認められるから、A土地及びB土地については1画地の評価単位とすべきであり、E土地については単独で1画地の評価単位とすべきである。(平16.1.8東裁(諸)平15-141)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150141
- 裁決年月日
- 平成16年1月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、F土地及びG土地について、広大地の評価をすべきである旨主張するが、F土地及びG土地はともに三方の路線に接しており、F土地及びG土地の中に道路を設置するまでもなく整形地に区画割りすることが十分に可能であることから、有効宅地として利用できない道路等の潰れ地を想定し、当該潰れ地を除いて評価する必要があるとは認められない。なお、G土地の南側の道路は幅員1.2mであり、接道義務を満たしていないから、当該路線に係る路線価をG土地の評価に採用することは合理的でない。したがって、G土地は、二方路線による評価が相当である。(平16.1.8東裁(諸)平15-141)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150141
- 裁決年月日
- 平成16年1月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ A土地は接道義務を満たしていない道路に面しており無道路地として評価するところ、原処分庁はB土地の東側の路線に係る路線価を基に価額を算定しているが、A土地上にある共同住宅の入居者が実際に使用している路線は、A土地の西側の路線を通じC土地の北側の路線であると認められることから、A土地を評価する場合の正面路線価は、C土地の北側の路線に係る路線価によることが相当である。(平16.1.8東裁(諸)平15-141)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150035
- 裁決年月日
- 平成15年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803010
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/1自用家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件家屋は相続開始日において使用されておらず、また、使用される見込みもないから、収益性に着目して評価された固定資産税評価額を基に評価するという財産評価基本通達の定めによらず、鑑定評価額で評価すべきである旨主張する。しかし、財産の評価は、特別な事情がない限り財産評価基本通達の定めに従い行うことが合理的であると解されている。本件においては、①家屋が使用されていないことが本件家屋の客観的な交換価値に影響を及ぼすということはできず、②相続開始時において本件家屋を取り壊す予定があったとは認められないから、本件家屋を取り壊すことを前提として本件家屋の価額をないものとする鑑定評価により本件家屋を評価することには合理性が認められないことからすれば、財産評価基本通達の定めにより本件家屋を評価し難い特別な事情があるとは認められない。本件家屋の固定資産税評価額は、所有者に認知され争いのないものであることから、財産評価基本通達89の定めに従い本件家屋を評価することが相当であり、請求人らの主張には理由がない。(平15.12.19関裁(諸)平15-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150035
- 裁決年月日
- 平成15年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件貸付金の貸付先法人は6か月以上休業状態であり、事業再開の見込みはなく、また、鑑定評価額で本件家屋及び本件借地権を評価して貸付先法人の出資を評価すれば債務超過であるから、財産評価基本通達205に定める貸付金に該当する旨主張する。しかし、同通達205に定める貸付金に該当するというには、債務者の営業、資産状況等が客観的に破綻していることが明白で、債権の回収の見込みがないことが客観的に確実であるといい得ることが必要であると解されている。よって、貸付先法人が6か月以上休業状態であることをもって、直ちに同通達205に定める貸付金に該当するということはできない。また、貸付先法人の本件家屋及び本件借地権を鑑定評価額で評価する合理的理由はなく、純資産価額方式により貸付先法人の出資を評価すれば、資産の額が負債の額を大きく上回っており、貸付先法人の資産状況が客観的に破綻していることが明白であるとは認められず、本件貸付金を回収する見込みがないことが客観的に確実であるということはできないから、本件貸付金は同通達205に定める貸付金に該当しない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.12.19関裁(諸)平15-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150128
- 裁決年月日
- 平成15年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802031
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/1農地の評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は農地法第5条に基づく転用許可がされたとはいっても、宅地転用可能性を有する土地に過ぎず、現況は農地のままであるから純農地として評価すべき旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達において、農地を純農地、中間農地、市街地周辺農地、市街地農地の4つに区分しているのは、農地の価額が転用許可等の可能性に応じて、相当の高低が生ずる事実に着目し、その許可等の難易に応じて農地を分類し、評価方法を区分しているものと解される。そして、農地法第5条に基づく転用の許可を受けた農地を市街地農地としたのは、市街地農地は、農地法上の宅地転用制限のない土地であり、農地としての価額よりむしろ宅地の価額に類似する金額で取引される実情を考慮したものであると認められる。したがって、本件土地は、財産評価基本通達36−4に基づき市街地農地に該当するものとして評価することが相当であり、請求人の主張には理由がない(平15.12.12東裁(諸)平15-128)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150128
- 裁決年月日
- 平成15年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802034
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/4宅地造成費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件甲土地を市街地農地に該当するものとして取り扱うとしても、宅地並みに評価するのは行き過ぎであり、贈与に係る個別事情による減価要因を考慮する必要があるとして、本件甲土地の更地評価額の2分の1程度の宅地化工事費(通常の宅地造成費のほか、本件甲土地が畑であることから土購入費、土運搬費等の地盤改良費用を含む。)を控除すべき旨主張する。ところで、財産評価基本通達に定める宅地造成費は、農地等を宅地とするために通常必要とされる費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長が定めた金額であり、この金額は、整地費その他宅地造成に要するすべての費用を含むものとして定められたものであり妥当な金額であると認められる。請求人の主張する額は評価基準書に定める宅地造成費を超える金額であるところ、請求人は、当該工事費の具体的根拠を何ら示さず、単に本件甲土地が畑であることを理由として、当該宅地造成費を超える宅地化工事費用を控除すべきである旨主張しているもので、採用することはできない。(平15.12.12東裁(諸)平15-128)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150036
- 裁決年月日
- 平成15年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802035
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/5使用貸借に係る農地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人から相続した使用貸借契約で学校法人に貸し付けていた農地の評価に当たり、同土地は、幼稚園の教材農園として利用されていることから、貸付という制限がある分については、自用地ではなく貸地として、自用地としての価額からその5%相当額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、当該土地の相続時の現況は農地であり、教材農園として使用貸借されているところ、請求人が、本件土地について農地を使用収益する権利を主張するためには、農地法上、農業委員会の許可を受けなければならないが、学校法人である借主はこれを受けることができない。また、本件土地の一部が無償で返還されていることからすると、本件土地は自用としての評価が相当であり、請求人らの主張は採用できない。(平15.12.11大裁(諸)平15-36)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150036
- 裁決年月日
- 平成15年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人から相続した使用貸借契約で学校法人に貸し付けていた土地の評価に当たり、同土地は、学校法人所有の学校事務所及び教材農園倉庫の敷地として使用されており、通常の借地権が設定されているものとして、自用地としての価額から借地権相当額を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件使用貸借契約に基づく土地の使用関係は、借地権等と同視すべき特段の事情があるとはいえず、法人税基本通達、使用貸借通達の趣旨から契約当事者間の関係や契約内容等の実情に照らして評価しても、本件土地の評価に当たり、上記通達を根拠として借地権等が設定されたのと同様の取り扱いを行うべき事情は認めることができないというべきであり、請求人らの主張は採用できない。(平15.12.11大裁(諸)平15-36)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150029
- 裁決年月日
- 平成15年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各宅地は利用状況に関係なく1筆ごとの土地が面している路線価を基として評価すべきである旨主張するが、財産評価基本通達10は宅地は1画地ごとに評価する旨、また、同通達13は路線価は評価する宅地の面する路線価による旨それぞれ定めており、当該定めによれば、路線価は1画地の宅地ごとに判定することとなる。本件各宅地は1画地であるから、本件各宅地の評価に適用すべき路線価は、1画地である本件各土地が面する路線価によることが相当であり、請求人の主張を採用することはできない。(平15.12.8関裁(諸)平15-29)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150033
- 裁決年月日
- 平成15年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802041
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/1山林の評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件調整区域山林について、当初、鑑定評価額により申告したが、当該山林は行政的規制及び約30度の傾斜角度があるため宅地開発できない山林であること、また、当該山林西側の本件道路は、道路法及び建築基準法に規定する道路ではなく、財産評価基準書(倍率表)にいうところの道路沿いに該当しないことから、相続税法第22条に規定する時価は、評価通達にいう純山林として評価するのが相当であるとして、更正の請求を認めるべき旨主張する。しかしながら、本件調整区域山林は市街化調整区域に所在するものの市街化区域と隣接しており、近隣の開発状況からみて宅地化を予定して売買される場合、その売買価格が地勢、土層、林産物の搬出の便等考慮して算定される通常の山林経営のための林地の売買価格とは状況を異にする山林であること、また、本件道路は、道路法及び建築基準法に規定する道路ではないものの、いわゆる里道(国有財産)といわれる道路であり、一般の通行を規制することなく、不特定多数の者の自由な通行用に供されているなど、評価倍率表にいう道路であるといえることから、本件調整区域山林について純山林として評価することは不適当と認められ、本件更正の請求には更正すべき理由がないとしてされた本件通知処分は適法である。(平15.12.2大裁(諸)平15-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150116
- 裁決年月日
- 平成15年11月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産のうち2つの土地について、一方は開発法により他方は有期還元法により評価した鑑定価額をもって時価であると主張する。しかしながら、開発法は、原価方式、比較方式又は収益方式により求めた試算価格の検証手段として位置づけられており、開発法のみによる評価額は不動産鑑定評価基準の定めからして問題があるといわざるを得ず、また、有期還元法により評価した土地については、評価の基礎となる事実が異なっていることから、いずれも採用できない。ところで、財産評価基本通達による土地の評価額は、特別な事情がない限り時価と解されているところ、本件対象土地について特別な事情があるとは認められないから、財産評価基本通達に基づく評価額を時価とするのが相当である。(平15.11.25東裁(諸)平15-116)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150026
- 裁決年月日
- 平成15年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、A土地ないしE土地の財産評価基本通達に従い評価した金額は時価額を上回るから、当該評価した金額に、土地の状況に応じて調整を行った金額をもって財産評価額とすべきである旨主張する。ところで、相続税法第22条に定める時価とは、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額、すなわち、客観的な交換価値を示す価額をいう。課税実務上は、財産評価の一般的基準である評価通達によって相続財産を評価することとされている。これは評価通達よって画一的に評価する方が納税者間の公平という観点から合理的という理由による。したがって、特定の納税者、特定の相続財産について、理由もなく、評価通達に定める方式以外の方式によって評価することは、公平を欠き、許されない。評価通達により評価すべき趣旨が課税の公平にあるから、評価通達により評価することにより、かえってその価額が客観的交換価値(時価)を上回るというような特別な事情がある場合には、評価通達により評価することはできない。評価通達により評価したAないしE土地の価額は、取引事例から求めたA土地ないしE土地の価額、すなわち、時価をいずれも上回っておらず、他に、評価通達に定められた評価方式を採用できないとする特別な事情は認められない。したがって、当審判所においても、評価通達により評価した価額をもってA土地ないしE土地の価額とすべきことになる。(平15.11.14関裁(諸)平15-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150026
- 裁決年月日
- 平成15年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が側方路線の影響加算を行った結果、得られたC土地及びD土地の価額は、周辺の宅地の価額に比べて高くなっている旨主張する。当審判所の認定事実によれば、固定資産税の課税上、C土地及びD土地の所在する地域の複数路線に接面する宅地を評価する場合、側方路線の影響加算は行われないことが認められる。そうすると、財産評価基本通達82に従い、C土地及びD土地とA土地等に係る標準宅地との位置及び形状等の条件差を判定してC土地及びD土地の価額を評定するについて、原処分庁が主張する側方路線の影響加算を行うと、その結果得られたこれらの土地の価額は、C土地及びD土地付近に所在する宅地の評価額に比し、高額となることが認められ、雑種地であるC土地及びD土地の価額を周辺の宅地の価額より高額に評価しなければならない合理的な理由は認められない。したがって、原処分庁のC土地及びD土地の価額の算定方法は、課税の公平という観点からみて、合理性を欠くものと言わざるを得ない。(平15.11.14関裁(諸)平15-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150026
- 裁決年月日
- 平成15年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁の採用したA土地ないしD土地の評価方法は財産評価基本通達には定められていない旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達82は、雑種地の評価方法について定めているところ、原処分庁は、A土地等に係る標準宅地をA土地ないしD土地と状況が類似する土地として選定し、A土地等に係る標準宅地の1㎡当たりの固定資産税評価額に宅地の倍率1.1倍を乗じて算定した1㎡当たりの価額を基に、本件調整率を適用してA土地等に係る標準宅地とA土地ないしD土地との位置及び形状等の条件差についての調整を行って、A土地ないしD土地の1㎡当たりの価額を求め、これにそれぞれの土地の地積を乗じてA土地ないしD土地の価額を算定している。そして、この原処分庁が採用したA土地ないしD土地と状況が類似する土地の選定及び位置、形状等の条件差の調整の方法は、いずれも評価通達82の定めに沿った合理的なものと認められる。したがって、この点に関する請求人の主張は理由がない。(平15.11.14関裁(諸)平15-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150026
- 裁決年月日
- 平成15年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802011
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/1地目
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本請求人は、仮に、評価通達に従い評価するとしても、A土地ないしD土地はいずれも宅地であるから、これらの固定資産税評価額に宅地の倍率を乗じて算定すべきである旨主張し旨主張する。しかしながら、A土地ないしC土地は、その利用状況等からみて、いずれも付近の宅地と状況が類似する雑種地と認められ、また、D土地は、一部建物の敷地として利用されている部分も認められるが、その面積はわずかであって、その大部分は露天の自動車展示場として利用されているのであるから、D土地の評価上、その全部について付近の宅地と状況が類似する雑種地と認めるのが相当である。したがって、A土地ないしD土地の地目に関する原処分庁の認定は相当であって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.11.14関裁(諸)平15-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150026
- 裁決年月日
- 平成15年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、F土地及びG土地が無償で貸し付けていた公立学校のグランドであること等の事情を考慮し、財産評価基本通達の定めにかかわらず、付近の田に準じて評価すべきである旨主張する。原処分庁は、F土地及びG土地を付近の宅地に状況が類似している雑種地として財産評価基本通達82の定めに従い、評価しているところ、F土地及びG土地は、いずれもグランド敷地として利用されているのであって、その現況からみて田とは認められず、したがって、原処分庁のこれらの土地の地目の判定は相当と認められる。そうすると、付近の宅地に状況が類似する本件各土地を、雑種地として同通達82の定めに従い付近の宅地に準じて評価した原処分は適法であり、請求人らの主張を採用することはできない。(平15.11.14関裁(諸)平15-26)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150095
- 裁決年月日
- 平成15年11月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、駐車場を目的として賃貸されていたA土地に、その後、賃借人において地下に浄化槽及び地上に受水槽が設置されているので、堅固な構築物の設置による地上権に準ずる賃借権に該当する旨主張するが、浄化槽等の設置に関して作成された念書には駐車場以外の権利の設置を認めておらず、新たな契約の締結や契約の変更並びに賃料の支払いがあるとする事実も存しないことからすると、浄化槽等の設置に係る貸借関係は使用貸借と認められるから、本件A土地に存在する賃貸借契約は駐車場用地としてのものと判断される。(平15.11.4東裁(諸)平15-95)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150095
- 裁決年月日
- 平成15年11月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 鉄道沿線の土地について、①評価計算に採用された路線価が電車走行による振動及び騒音の要因を斟酌して評定されていないこと、②鉄道沿線から20m範囲内では電車走行による騒音及び振動が環境省の騒音対策における指針である60デシベルを超えていること、③同地区に存する分譲地における分譲価額に開差が10%を超える取引事例が存在することからして、資産評価企画官情報による著しく利用価値の低下している宅地として、鉄道から20mの範囲内の部分について、その相続税評価額から10%を減額するのが相当である。(平15.11.4東裁(諸)平15-95)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150095
- 裁決年月日
- 平成15年11月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 同族法人に貸付けられているゴルフ練習場等用地について、原処分は、相続開始日現在、賃料が公租公課以下であるから使用貸借として認定しているが、そもそも賃貸借における賃料については当事者の自由契約に任されており、また、相続税における使用貸借の取扱いは個人間における貸借を前提としていることから、原処分庁の主張は採用できない。ゴルフ練習場等の設備は高額な資金が投下された堅固な構築物があり、その耐用年数に相当する期間が満了するまでは賃貸借契約は更新されるものと認められるから、課税時期現在の耐用年数の残存期間をもって地上権に準じる権利として評価することが相当と認められる賃借権相当額を控除した金額で評価するのが相当である。(平15.11.4東裁(諸)平15-95)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150013
- 裁決年月日
- 平成15年10月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①被相続人の関係同族法人に対する貸付金については、法人の会計処理が正しくないことから、相続開始日における法人の帳簿残高によって貸付金としたことは貸付金を過大に認定していること、仮に、貸付金の額が正しいとしても、当該法人の経営状況及び将来性を考慮すると、財務状況が悪化して債務超過となり、本件貸付金の回収可能性はないことから、その評価は零である旨主張し、また、②個人に対する貸付金は、被相続人が生前に債権放棄しているから、相続開始日には存在しない旨主張する。しかしながら、①請求人の提出した調査書によっても、帳簿残高が誤りであることは確認できない上、その他、個別・具体的に確認できる証拠資料等の提出もないこと、相続開始日後の事業年度には請求人は代表取締役に就任し、当該貸付金は請求人に名義変更されていること等を考え合わせると、帳簿残高により請求人が相続したものと認められる。また、当該法人は相続開始日を含む事業年度は事業活動を行っており、当期利益、申告所得金額とも黒字であり、営業状況、資産状況等が客観的に破たんしていることが明白であるとは認められず、しかも債権の回収見込みのないことが客観的に確実であるとも認められないから、財産評価基本通達205に定める「その回収が不可能又は著しく困難であると認められるとき」に該当しないというべきである。②個人に対する貸付金は、債務者の答述等によれば、被相続人が債権放棄したとは認められず、また、請求人からも被相続人が生前中に債権を放棄したとする具体的な証拠資料等の提出がないことから、相続開始日において存在するものと認められる(平15.10.3名裁(諸)平15-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150064
- 裁決年月日
- 平成15年9月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地の価額は、本件各鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、Aが本件修正申告書を提出した法令上の根拠は、相続税法第31条第1項の規定に基づく修正申告書の提出と認められるところ、Aは、本件各修正申告書において、①本件遺産分割事由に基づく相続財産の取得のほか、②本件各土地の評価額を減額していることが認められる。そして、本来、Aが提出すべき修正申告書は、相続税法第31条第1項の規定に基づく本件遺産分割事由の部分に限られ、本件土地評価事由の部分は、当初申告した本件各土地の価額を減額するものであって、同項に規定する修正申告書を提出することができる要件に該当しないので、本件各土地の価額を本件各鑑定評価額によるべきであるとの主張は認められないので、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.9.25東裁(諸)平15-64)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平150007
- 裁決年月日
- 平成15年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・265ページ
要旨
○ 請求人らは、本件底地の価額は、収益還元法による収益価格を基準として底地割合方式に基づく試算価格をも十分に関連づけて算定した価額であることから合理性がある旨主張する。しかしながら、収益還元方式により時価を算定しようとするならば、標準化された適正な「純収益」を用いて、これを適正な「還元利率」で還元する必要があるところ、「純収益」を、過去の実績及び将来の予測等に基づいて標準化するということは極めて困難が伴うものと認められ、また、「資本還元率」の設定に当たり、その客観的、理論的な算定方法も見いだし難い状況にあるものと認められる。本件鑑定評価においても、「純収益」は、平成8年中における年間地代から公租公課(固定資産税)を控除し、これに3年ごと4%の地代上昇率を加算したものとするが、これは標準化されたものとは言えないし、また、「資本還元率」は5%を適用しているが、その根拠は示されていない。また、借地権割合については、原処分庁において、長年にわたり、借地権の売買実例価額、精通者意見価額等を基として評定され、公開されているものであることが認められるから、一定の地域における借地権の実勢価額を反映しているものと考えられるが、底地割合については、底地そのものの取引事例は、借地権の取引事例に比してはるかに少ないものと予測され、しかも、本件鑑定評価も認めるように、収集した取引事例には底地割合にかなりのばらつきがあるということからも、取引事例から求められた底地割合が、その地域の底地の実勢価額を反映し得るほどの指標性をもつものとは認め難いことから、請求人らが主張する評価方式は、相続税における財産評価の方式としては、合理性を有するものとは認めることができず、採用することはできない。(平15.9.2沖裁(諸)平15-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平150007
- 裁決年月日
- 平成15年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・265ページ
要旨
○ 請求人らは、借地権が設定されている宅地(貸宅地)の評価方法について、当該宅地上の借地権の価額と貸宅地(底地)の価額との総和は自用地としての当該宅地の価額よりも低い水準にとどまるものであるから、評価基本通達が定める借地権価額控除方式により算定した価額を時価とするのは相当ではなく、収益価格と底地取引事例から決定した試算価格を3対1の比率で加重平均する評価方法が合理的である旨主張する。しかしながら、一般的な借地契約においては、底地価額は、単なる地代徴収権の価額にとどまらず、将来、借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価額形成がされるので、借地権価額控除方式は、一般に合理性を有するものと解される。ところで、本件宅地に、将来、借地権を併合して完全所有権となる潜在的価値が存すると認めることが困難である特別の事情が存する場合には、借地権価額控除方式の合理性の根拠を失うことになるが、本件宅地の賃貸借の状況は、①賃貸借契約書は存在しないこと、②本件宅地の所有者である被相続人と賃借人であるAとは、同族関係者という関係にあることということ以外に本件借地契約における契約条件は明らかではなく、結局、本件宅地にかかる借地権は、被相続人とAという特別関係者の間で、倉庫の建設敷地として利用することを目的として本件宅地を賃貸借した事実に基づき自然発生的に生じたものということができ、一般的な第三者間の借地契約におけるものよりも、将来、本件宅地とその上の借地権とが併合し、完全な土地所有権となる可能性はより高いものと認められるから、本件宅地に、将来、借地権を併合して完全所有権となる潜在的価値が存すると認めることを困難とする特別の事情はない。(平15.9.2沖裁(諸)平15-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平150007
- 裁決年月日
- 平成15年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・265ページ
要旨
○ 請求人らは、本件宅地の評価について、路線価を相続開始日に時点修正した価格に基づき評価すべきであり、時価下落の際に、路線価の修正を行わないことによって、納税者に20%の評価上のアローアンスを認めないことは公平を失するものである旨主張する。しかしながら、評価上のアローアンスによる利益は、課税庁が評価の安全性等を考慮して路線価を低めに定めていることによって得られる事実上の利益にすぎず、法律上保護された利益とはいえないものであり、また、これによって受ける利益に差異が生じたとしても、それは相続財産について、その時価の範囲内で画一的評価を行うことによって生ずるやむを得ない結果というべきであって、そのことによって納税者間の公平が害され、その評価が違法なものとなるわけではないというべきであるから、請求人らのこの点に関する主張は採用することはできない。(平15.9.2沖裁(諸)平15-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150009
- 裁決年月日
- 平成15年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地には、①取付道路予定地に建物があること、②高速道路に隣接し、擁壁工事等に多額の造成費を要すること、及び③宅地造成に伴い有効宅地の面積が減少することなどの特殊事情があり、このことが本件鑑定評価書において考慮されてない旨主張するとともに、本件鑑定評価額は、推定時価(理論値)であり、推定時価の70〜80パーセントが公示価格、公示価格の70〜80パーセントが路線価といわれているから、本件土地の価額は推定時価である本件鑑定評価額の2分の1とすべきである旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価書においては、不動産鑑定士が、請求人らの主張する特殊事情について、それぞれの個別事情の分析に基づいて査定を行っていることが認められ、本件鑑定評価書が不合理なものということはできない。また、本件鑑定評価額は、不動産鑑定士が公示価格との均衡を考慮しつつ本件土地の特殊事情をしんしゃくした上で求めた正常価格であって、客観的な交換価値を示すものであるから、これに評価水準等を乗じなければならない理由は認められず、請求人の主張は採用することができない。(平15.7.7大裁(諸)平15-9)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の賃貸借は、土地所有者に対して権利金の支払もなく、また、土地所有者に無償で返還しているから、本件土地の上に借地権は存しない旨主張する。しかしながら、①本件土地の賃貸借は、建物の所有を目的とするものであること、②本件土地の上に存する建物は、被相続人名義で登記されていること及び③被相続人は、土地所有者に地代を支払っていることから本件土地賃貸借契約に基づく賃借権は、借地法に規定する借地権と認められ、また、本件借地権には財産評価基本通達を適用して評価することに特に不都合と認められる特段の事情も認められないことから、本件借地権を財産評価基本通達の定めにより評価した原処分は適法である。(平15.7.4札裁(諸)平15-1)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は、その上に長女の夫名義の建物を建ち、同人の家族が居住していること及び固定資産税は同人の家族が支払っていることから、貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地については、本件被相続人と長女の家族との間において賃貸借契約の締結及び地代の授受もないのであるから、この宅地の使用権は使用貸借に基づくものと認めるのが相当である。また、請求人は、長女の家族がこの宅地の固定資産税を支払っている旨主張するが、民法第595条第1項では使用貸借の場合「借主は借用物の通常の必要費を負担す」と規定しており、固定資産税はこの規定でいう通常の必要費に該当すると認めるのが相当であるから、固定資産税を支払っていることをもってこの宅地の使用権が使用貸借契約に基づくものでないと解することはできない。したがって、この宅地の使用権は使用貸借契約に基づくものと認められ、貸家建付地として評価することはできない。(平15.7.1高裁(諸)平15-1)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は複数筆の土地を1画地として評価しているが、A及びB宅地(以下「A宅地等」という。)は、消防署が無償で駐車場として使用していたが、使用貸借契約の締結した事実もなく、また、不動産業者が売却する場合には小規模宅地等の特例の適用ができるよう区割りをして販売するのが普通であること並びにC、D、E及びF宅地(以下「C宅地等」という。)は、不動産業者なら当たり前の投資用と考える物件であることから、各筆ごとに評価すべきである旨主張する。しかしながら、A宅地等は、相続開始時において消防署が一体として無償使用しており、また、その形状から一体として使用可能と認められ、そして、C宅地等は、相続開始時においては更地で各筆ごとの区割りがされておらず、現在も一体として駐車場として貸付けている。そして、財産評価基本通達7−2(1)では、宅地は、1画地の宅地を評価単位とする旨定めており、当該通達の定めは当審判所においても相当と認められるところ、この通達の定めを上述の事実に照らして判断すると、A宅地等及びC宅地等はそれぞれ1画地の宅地として評価するのが相当であり、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.7.1高裁(諸)平15-1)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803030
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/3使用貸借に係る家屋
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、長男の家族が居住の用に供している建物を、長男の家族が賃貸借による占有権で本件被相続人が死亡時以前より同居していることから、借家権付の建物として評価すべきである旨主張する。しかしながら、長男は本件被相続人との間でこの建物の賃貸借契約の締結や家賃を支払った事実はない旨及びこの建物の固定資産税は、本件被相続人が支払った旨答述をしているところで、財産評価基本通達93では、貸家は、評価した家屋の価額から借家権割合及び家屋に係る賃貸割合を連乗した金額を控除して評価する旨定めており、この通達でいう借家権とは、借地借家法の適用のある家屋賃借人の有する賃借権をいい、家屋の無償使用はこれに含まれないと解される。これは、使用貸借による建物の使用権は、借家権のように法律上の手厚い保護を与えられておらず、また、当事者の好意、信頼関係等にその基盤を持ち、交換経済の範囲外にあるものなので、借家権のように客観的な交換価値を有するものとみることが困難であることから、その価値は零として評価するのが相当であると解されているからであり、この通達の取扱いは、当審判所においても相当と認めるところである。そこで、上述の事実を通達の定めに照らして判断すると、本件被相続人と長男との間において賃貸借契約の締結及び家賃の授受もないので、この建物の使用権は使用貸借に基づくものと認められるから、この建物を借家権付の建物として評価することはできない。(平15.7.1高裁(諸)平15-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140028
- 裁決年月日
- 平成15年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、甲自用地を利用の単位(1画地)として、その時価はY鑑定評価の額に相当する金額である旨主張する。しかしながら、当該医療法人は、本件借地を賃借して自己の事業の用に現に供しており、各土地に対する医療法人の使用権原もその経緯及び利用の状況から借地借家法の建物の所有を目的とする賃借権(借地権)に基づくものであり、一部の土地は駐車場として利用されているものの、他の賃貸している土地と同様に相当地代が授受されていることからすると、実質的には他の土地と同様の権原に基づくものと推定される。そうすると、当該医療法人は、本件自用地とすべての借地とを併せた全体(本件土地等)につき、所有権及び建物の所有を目的とした賃借権に基づき利用する権原を有するから、本件自用地の評価に当たっては、これら全体を1画地として評価することが合理的である。したがって、甲自用地のみを1画地として評価すべきとする請求人の主張は採用することはできず、前提となる条件を誤認して行われたY鑑定評価は採用することができない。また、原処分庁は、本件土地等を1画地として、路線価方式により算定した1㎡当たりの価額を基に評価すべき旨主張する。しかしながら、本件土地等の状況は、路線価方式により評価することができる宅地の範囲を超えていることから、合理的であるとは認められない。したがって、原処分庁の主張は採用をすることができない。(平15.06.30.熊裁(諸)平14-28)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140028
- 裁決年月日
- 平成15年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、昭和43.10.28付直資3−22通達は、借地人が医療法人である場合又は贈与課税が行われる場合には適用がない旨、仮に医療法人の出資の贈与があった場合に同通達が適用されるとしても、贈与者の所有に係る貸宅地の評価上控除されることになる20%の借地権相当額のみである旨の主張をする。しかしながら上記通達は、個別の照会に対して指示されたものであるものの、土地の所有者である地主が借地人である法人を地主の所有に係る株式等で支配する関係にある場合には、相続又は贈与を原因として当該株式等の所有権が他に移転するときにも同様に取扱うことが、合理的であり、適切である。そうすると、当該医療法人は持分の定めのある社団たる医療法人であり、当該医療法人の社員は、請求人らと請求人らの母の3人のみで構成されており、かつ、出資額に応じて社員が出資持分を有し、社員は、医療法人の財産を出資持分を通じて有すると認められるところから、持分の定めのある医療法人の出資の価額の評価方法が財産評価基本通達194−2に定められていることも考慮すれば、請求人らの母から請求人らに対する当該医療法人の出資の贈与の場合にも直資3−22通達に準じて、自用地価額の20%相当額は、当該医療法人の資産に計上することが相当である。したがって、この点に関する請求人らの主張は、採用できない。なお、原処分庁は、A社が相当地代を収受して当該医療法人に貸し付けている土地の自用地価額の20%相当額についても、医療法人の資産に計上すべき旨主張するが、A社が贈与の当事者ではない本件においては、これらの土地の自用地価額の20%相当額を当該医療法人の資産に計上する必要性はない。したがって、この点に関する原処分庁の主張には理由がない。(平15.06.30.熊裁(諸)平14-28)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140091
- 裁決年月日
- 平成15年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地は、貸し付けられている雑種地に該当し、本件賃借権の価額は、地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権以外の賃借権として評価するのが相当であることに争いがなく、その賃借権の存続期間について、請求人は、文化会館の専用駐車場用地の一部として貸し付けている土地に係る賃借権の存続期間は、①文化会館はその目的、構造、利用状況等から判断して本件契約の賃貸借期間の満了日をもって閉館又は取壊しをすることは考えられず、駐車場部分のみが返還されることは想定できないこと、②駐車場用地のほぼ中央部分に位置する主要な土地であること、③事実上の無道路地であり、利用に制約があることから請求人からの契約解除の申出はあり得ないこと、及び④賃借人も本件会館が存在する限り本件契約は継続されると認識していたことから、契約更新を当然の前提とした契約であることは明らかであり、「存続期間の定めのないもの」に該当する旨主張する。しかしながら、本件契約における本件土地の賃貸借期間は、平成6年8月1日から平成16年3月31日までの9年8か月間であると定められており、本件相続開始時において依然5年近く契約期間が残存していること、②本件契約は今までに更新されたことがなく、自動更新規定も存しないこと、及び③本件土地は駐車場として使用されており、本件土地上に建物が存在しないことが認められるから、本件相続開始時における本件土地に係る賃貸借期間の残存期間は、4年11か月間であると認められる。また、駐車場部分は本件会館を利用する上で必要性が高いとしても、本件会館の運営上、本件駐車場の利用が不可欠の前提条件とはいえず、残存期間の判断を左右するものとは認められない。したがって、本件契約に係る残存期間は4年11か月であることから、相続税法第23条に規定する残存期間が10年以下のものに該当するとして行った本件更正処分等は相当である。(平15.06.27.大裁(諸)平14-91)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140121
- 裁決年月日
- 平成15年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、地価調査基準地の価格をもとに、これを比準した価額から広大地補正及び開発費相当分を控除して算定した価額が評価すべき土地の価額である旨主張するが、その適否を検討したところ、①戸建住宅地として熟成傾向にある地域であるにもかかわらず、請求人らは、未成熟な地域であり、宅地開発困難な路線であるとして、行政的条件を−6%と算定していること、②評価すべき土地と基準地とは、150m程しか離れていないにもかかわらず、最寄駅への接近性を−2.5%、商店街への接近性を−6%及び公共施設への接近性を−3%として算定しているなど、その評価方法には合理性が認められず、この点に関する請求人らの主張を採用することはできない。(平15.06.20.関裁(諸)平14-121)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140121
- 裁決年月日
- 平成15年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、自らが相続開始後に譲渡した土地の売買価額が客観的価額であるとして、この価額をもってこの相続税課税上の時価である旨主張するが、相続税法第22条に規定する「時価」とは、相続開始の時におけるそれぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額、すなわち、客観的な交換価値を示す価額をいうものであって、その取引における売り急ぎや買い進みなどの特殊事情のない状況で取引された取引価格を基に算定されるべきものであって、当審判所の調査によれば、この土地は本件相続開始日から1か月後に売買予約の覚書を締結した後、売買契約が締結されていることが認められることから、相続税を納付するために売却したことがうかがわれ、この売却価額が客観的な交換価値を示す価額といえないことから、請求人らの主張を採用することはできない。(平15.06.20.関裁(諸)平14-121)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140121
- 裁決年月日
- 平成15年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802011
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/1地目
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、自宅敷地に隣接する土地の地目は畑であり、相続開始の時の利用状況からみて畑として評価すべきであって、仮に、宅地として評価する部分があったとしても、農具小屋の敷地となっていた22㎡程度である旨主張する。しかしながら、この部分には、請求人も自認するとおり、農具小屋が建てられており、認定事実によれば、原処分調査時には、農具小屋のほかに、庭石が置かれ、庭木が植えられるなど、この部分は原処分の調査が行われたときにおいては、被相続人の妻が相続した居住用建物の敷地の一部となっていたと認めるのが相当である。そして、原処分調査時の農具小屋、庭石及び庭木の状況からみて、本件相続開始日においても、この部分は、原処分の調査が行われたときと同様の状況にあったことがうかがわれ、この認定を覆すに足りる証拠資料は見当たらない。そうすると、原処分庁がこの部分を含めて宅地として評価したことは相当であり、この点に関する請求人らの主張は採用できない。(平15.06.20.関裁(諸)平14-121)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140121
- 裁決年月日
- 平成15年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続した土地は通常の使用収益をすることができず、換価処分できない旨主張するが、当審判所の調査によれば、この土地には、何ら行政上の規制があるとは認められず、また、河川法施行令第15条の4《河川区域における土地の掘削等で許可を要しないもの》第1項は、河川区域内において河川管理施設の敷地から10メートル以上離れた土地における耕作は、河川管理者の許可を要しない旨規定しているところ、この土地は河川管理施設の敷地から10メートル以上離れており、その耕作に当たっては、河川管理者の許可を要しないと認められ、現に、この土地の所在する地域において相当の価額で売買取引が行われていることからすると、この点に関する請求人らの主張を採用することはできない。(平15.06.20.関裁(諸)平14-121)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140121
- 裁決年月日
- 平成15年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、自治事務次官平成5年11月22日自治評第47号通達に宅地の固定資産税評価に関して、地価公示法による地価公示価格等の70%程度を目途とする旨定められていることから、本件土地の価額は、固定資産税評価額を70%で除した価額である旨主張する。しかしながら、同通達は、宅地の固定資産税評価額を地価公示価格等の価格の70%程度とする旨を定めた通達であって、相続税法第22条で規定する時価を表しているものとは認められないことから、請求人らの主張を採用することはできない。(平15.06.20.関裁(諸)平14-121)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140121
- 裁決年月日
- 平成15年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 純農地の価額は、固定資産税評価額に倍率を乗じて計算した金額によって評価することとなるところ、請求人らは、評価すべき純農地が所在する倍率地域の区分が本件県道沿いとそれ以外しか定められていないため、この評価すべき純農地のような袋地状態にあるいわゆる旗竿地等が市道沿いの土地と同じ倍率で算定されることになり、不合理である旨主張する。しかし、純農地に係る固定資産税評価額が決定されるに当たっては、その農地の個別事情等がしんしゃくされており、また、純農地の価額に影響を与える事情は、請求人の主張するような市道沿いであるか否かというよりは、むしろ、その農地の地勢、土性及び水利等の状況であるというべきであるから、この点に関する請求人らの主張は採用することができない。(平15.06.20.関裁(諸)平14-121)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140121
- 裁決年月日
- 平成15年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、評価すべき宅地の価額を、県道沿い以外の倍率を適用し、評価基本通達24−4に基づき、広大地の補正を行い、更に、この宅地の県道への出入通路を除いて不整形地の補正を行った上で、間口狭小の補正を行って算定しているところ、この宅地が県道に接面しているにもかかわらず、県道沿い以外の倍率を適用することの根拠が必ずしも明らかでなく、また、この宅地が所在する地域の標準的な使用画地の面積は1,200㎡程度の農家住宅用地又は事業所用地が相当と認められ、この評価すべき宅地の面積が約1,500㎡であることからすると、この宅地は、上記通達の定める「その地域の標準的な宅地の地積に比して著しく広大な宅地」とはいい難く、更に、不整形地補正を行うについて、出入通路を除いて判定する理由も明らかでなく、原処分庁の採用した評価方法は、全体として合理性を欠くものといわざるを得ない。一方、請求人らの主張する評価方法は、この宅地の一部を畑として評価したこと以外には、その評価手法自体、評価基本通達に従ったものであり、直ちに、これを不合理であると認定することはできない。(平15.06.20.関裁(諸)平14-121)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140083
- 裁決年月日
- 平成15年6月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・622ページ
要旨
○ 請求人らは、相続開始時において、既に本件賃貸借契約が結ばれていることから、本件土地が貸家建付地に該当する旨主張する。しかしながら、本件賃貸借契約は、本件建物が完成し、事業者の店舗が開店した時から、請求人の持分に係る本件建物を賃貸するという停止条件付契約であるところ、本件相続開始時において、本件建物は完成しておらず、店舗は開店もしていないのであるから、本件賃貸借契約が締結されていたとしても、本件土地に、事業者の支配権が及んでいるものとは認められない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。また、請求人は、本件土地の評価を租税特別措置法通達69の3−2に準じて行うべきである旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第69条の3は、生活基盤の維持、個人事業者等の事業継承を図ることを目的として、相続財産の経済的な価値には関係なく、特に相続税の課税価格の軽減を図る優遇措置を認めたものであり、租税特別措置法通達69の3−2は、その適用に当たり、相続開始時において建築中である建物敷地が、事業の用に供されているか否かの判断基準を示したものであって、相続財産の一般的な評価方法を定めたものではないから、事業用に供されているか否かの判断と関係のない本件土地の評価に当たり、当該措置法通達を準用することはできない。(平15.06.06.大裁(諸)平14-83)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140083
- 裁決年月日
- 平成15年6月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・622ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件土地が一体として利用されているとは認められないから2区画の土地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地及び他の開発地(以下「本件開発地」という。)の所有者らは、相続開始時において、①本件開発地に本件建物を建築して賃貸するという賃貸借契約を締結し、②本件開発地の開発許可を受けて、本件建物の建築に着手している状況からみて、当該所有者らが、本件開発地に、店舗として使用する本件建物を建築することは明らかであり、本件開発地が一画地の店舗用地として使用されることは確定であると認められることから、この点に関する原処分庁の主張は採用できない。また、請求人らは、一体となって利用されている土地の範囲について、本件開発地には借地が存在するから、当該借地を除く本件開発地を一画地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件相続開始時において、当該借地について、本件開発地の所有者らが賃借権に基づいて専属的に使用する権限を有しているものと認められ、当該借地を含む本件開発地を一体となって利用されている一画地の土地として評価するのが相当である。(平15.06.06.大裁(諸)平14-83)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140101
- 裁決年月日
- 平成15年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・703ページ
要旨
○ 審査請求人らは相続により取得した土地について、相続税の計算上、道路に接していない土地等(以下「無道路地」という。)として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、請求人も自認するとおり、位置指定道路(建築基準法第42条《道路の定義》第1項第5号に規定する土地を建築物の敷地として利用するため、道路法及び都市計画法等によらないで築造する一定の基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの)に間口4.2mの長さで接しており、位置指定道路の敷地所有者は、その位置指定道路について所有権の移転、抵当権の設定・移転のほかは、一般の交通を阻害するような方法で私権を行使できないのであるから、財産評価基本通達に定める無道路地に該当しないことは明らかである。したがって、審査請求人らの更正の請求に対して原処分庁が更正すべき理由がないとして行った本件通知処分は適法である。(平15.05.21.関裁(諸)平14-101)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140029
- 裁決年月日
- 平成15年5月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・721ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件A宅地等の賃貸借契約に請求人が使用借権を有する立場で参加していること及び賃料を請求人が収受していた実態があることをもって、請求人が被相続人から使用貸借により借地したものを他の者に転貸したものであるから自用地として評価すべき旨主張する。しかしながら、本件土地賃貸借契約書には、賃貸人の承継人として請求人名が記載されているだけで、どのような権限を有するか明らかではないが、①賃貸人は被相続人と明記されていること及び②農地に関して被相続人と請求人との間の使用貸借は宅地転用される前にすでに解除されていることから、当該記載をもって、原処分庁主張のとおりに解することはできないし、また、賃料を現実に享受している者が誰であるかのみによって、同宅地の利用関係が決せられることにもならないので、同宅地には、相続開始時において建物の所有を目的とする賃借権が存するものと認められ、借地権相当額を控除して算定するのが相当であり、原処分庁の主張には理由がない。(平15.05.19.仙裁(諸)平14-29)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140029
- 裁決年月日
- 平成15年5月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・721ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件B宅地等(同族法人使用宅地)につき、被相続人が農業者年金を受給するため被相続人と請求人との間で使用貸借契約を締結していたことを主たる理由として、請求人が被相続人から使用貸借により借地し、それを同族法人に転貸していたものであり、自用地として評価すべきであると主張する。しかしながら、本件B宅地等について、請求人と被相続人との間の使用貸借契約は宅地転用前に解除されており、また同族法人から所轄税務署長に対して無償返還届出書は提出されておらず、過去に原処分庁が借地権の認定課税を行っていないとしても、そのことが本件B宅地等の利用関係に影響して同宅地が借地権の目的となっているか否かを左右するものでないことは明らかであることから、本件相続開始時において、本件B宅地等は借地権設定の目的となっている宅地と認められ、借地権相当額を控除して算定するのが相当であり、原処分庁の主張は採用できない。(平15.05.19.仙裁(諸)平14-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140097
- 裁決年月日
- 平成15年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した市街化調整区域内の国道沿いの土地の相続税法22条に規定する時価について、国税庁長官が定めた財産評価基本通達により評価した価額によるべきではなく、不動産鑑定士が行った本件鑑定により評価した価額によるべきであると主張する。しかしながら、鑑定評価に係る近隣地域の範囲の判定に当たっては、土地利用形態や土地利用上の利便性等に影響を及ぼす事項を考慮することが不可欠であると解されるところ、本件鑑定の近隣地域の判定等には合理性がなく、それに基づいた本件鑑定評価額は採用できない。そこで、当審判所において、本件土地を鑑定評価の手法と同様の方法によって評価した結果、財産評価基本通達により評価した価額は、当審判所算定額の範囲内であるから、本件更正処分は適法である。(平15.04.25.関裁(諸)平14-97)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140026
- 裁決年月日
- 平成15年4月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族法人の関連各社が民事再生法の再生手続開始の決定を受け、請求人の本件貸付金が消滅したこと及び請求人は、相続後に確定した保証債務の履行を行ったことから負債が財産を上回り、完全に資力を喪失した状態となっており、本件貸付金を相続財産から除外すべきである旨主張する。しかしながら、本件相続開始時において、請求人が取得した財産の価額から本件貸付金に係る貸付金債権の価額及び債務控除額を差し引いてもなお約2億6千万円の財産があり、請求人には本件相続開始年度において経常的な所得が約21,000,000円あることからすれば、本件貸付金の弁済が不可能とは認められないこと及び請求人は破産の宣告を受けたことがなく、請求人が債務保証をしていた関連各社が民事再生決定を受けたのは本件相続開始時から2年半後であることからすると、本件相続開始時において資力喪失の状態であったとは認められず、本件貸付金は、財産評価基本通達205に定める貸付金債権の価額に算入しない場合には当たらない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.04.09.高裁(諸)平14-26)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140026
- 裁決年月日
- 平成15年4月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件金銭消費貸借契約証書においては借主が請求人となってはいるが、その実質は、同族法人が借りたもので、当該法人は、本件相続開始以前から債務超過の状態が続いており、当該貸付金は事実上回収不能の状態であった旨及び本件貸付金は、当該法人の民事再生法による再生手続き開始の決定により当該法人の特別利益となったため、原処分時には、これに相続税を課税することは不可能であることから、本件貸付金を相続財産から除外するべきである旨主張する。しかしながら、本件金銭消費貸借契約証書、当該資金の流れ、当該法人の総勘定元帳及び当該法人の法人税の確定申告書に本件貸付金が請求人からの借入金と記載されていること等からすると、本件貸付金の債務者は請求人であると認めるのが相当である。なお、当該法人に対して本件相続開始後2年半して行われた民事再生法による再生決定は、本件における取得した財産の価額の評価に影響を与えるものではない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.04.09.高裁(諸)平14-26)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140229
- 裁決年月日
- 平成15年4月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は広大な土地であるから、近隣の標準的な敷地面積に調和させながら宅地としての再開発を行う必要があり、本件土地利用計画図のとおり6区画に分割し、ガス、上下水道等の設備を設けるなど宅地造成して初めて有効に活用できる宅地になるのであるから、本件土地の価額は、造成後の有効宅地面積を基に、つまり、各区画ごとに画地調整を行って算出した額から実額造成費用を控除した額とすべきある旨主張する。しかしながら、請求人が主張する土地の価額算出方法は、財産評価基本通達に定める路線価及び各種の補正率を使って計算する一方、財産評価基本通達に定めのない区画ごとの評価及び業者見積りの実額造成費用を控除するという一貫性のない方法であり、本件土地の適正な時価を表しているとは認められないから、請求人の主張する評価方法を採用することができない。(平15.04.09.東裁(諸)平14-229)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150063
- 裁決年月日
- 平成15年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件生産緑地については、本件課税時期において農業委員会から生産緑地に係る主たる従事者の証明書の交付を受けていないこと、②生産緑地法第10条の規定は買取り申出ができるとした選択規定であって、本件課税時期においてその選択をしていないこと、③主たる従事者の認定は、農業委員会が行うものであり課税庁が行うことは違法であることから、本件生産緑地は、財産評価基本通達40−2の(1)で定める買取りの申出ができない生産緑地として評価すべきである旨主張する。確かに、生産緑地買取申出書には、農業委員会による主たる従事者の証明書等を添付すべきことが記載されているが、これは買取り申出をする場合の手続を定めたものにすぎない。また、財産評価基本通達40−2は買取り申出の有無及びその手続規定に触れてない上、課税時期に買取り申出の手続が行われていない場合でも、客観的に生産緑地に係る主たる従事者が死亡している事実が認められれば、時価による買取り申出をすることができ、生産緑地としての告示の日から30年の経過を待たずに行為制限を解除することが可能であることからすると、かかる場合にも最大100分の35の割合に相当する額を控除して評価するというのは、財産評価基本通達40−2が定められた趣旨に照らして相当でない。そうすると、生産緑地の買取り申出をすることができるかどうかは、その手続を行ったかどうかで判断するのではなく、買取り申出をすることができる状態にあるか否かで判断すべきものであると解すべきである。また、相続税の課税のため財産評価基本通達40−2を適用する場合には、被相続人が主たる従事者であるか否かの判断は、課税庁がその職責の範囲内において判断しなければならないと解するのが相当である。以上のことから、請求人の主張には、いずれも理由がない。(平15.3.29名裁(諸)平15-63)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140026
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、不整形地の評価に当たり、平成4年3月3日付資産評価企画官情報第1号(以下「本件情報」という。)を財産評価基本通達とみなして本件更正処分を行ったことは不当である旨主張する。しかしながら、本件情報による減価補正の方法は、不整形地である評価対象地に対応する整形地を想定して、当該想定整形地に占める想定整形地と評価対象地との地積の差の割合を基に、評価対象地が所在する地区区分及び評価対象地の地積の大小に応じて減価補正する率を求めるといもので、減価補正の方法としては、評価上勘案すべき不整形地の程度、その地域の最有効使用、標準的な画地という要素が考慮されており、合理的な減価補正の一基準であると認めることができる。もっとも、請求人らは、必ずしも本件情報の取扱いによらなければならないというものではなく、他に合理的な減価補正の方法があればそれによることができることはいうまでもないが、請求人らは、本件情報のかげ地割合に相当する率をそのまま減価率とするもので、これは、財産評価基本通達及び本件情報を正解しない方法であり、合理性を有するものとは認めることができない。(平15.03.25.仙裁(諸)平14-26)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140026
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、アスファルト舗装の駐車場として貸し付けている土地の評価に当たり、賃借権の価額は、財産評価基本通達86(1)に定める地上権に準ずる賃借権に該当し、自用地価額の40%である旨、また、砂利敷きの駐車場は、利用価値の著しく低下している宅地として自用地価額の5%相当額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、アスファルト舗装の構造は簡易なもので、比較的容易に設置及び撤去ができるものであり、また、耐用年数省令に規定する耐用年数も10年であることからすると、到底堅固な構築物と認めることはできず、地上権に準ずる賃借権が設定されたものと認めることはできないのは、明らかであり、他に地上権に準ずる賃借権が設定されたという事実も認められない。また、砂利敷きの駐車場はアスファルト舗装に係る駐車場と賃借権の内容に差異を認めることができない。以上のとおり、請求人らの主張には理由がなく、これらの土地の上の賃借権はいずれも地上権に準ずる賃借権以外の賃借権に該当するから、それぞれ各土地の自用地としての価額から、財産評価基本通達に基づいて算定した賃借権の価額を控除した金額によって評価するのが相当である。(平15.03.25.仙裁(諸)平14-26)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140026
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、A及びB土地の評価に当たり、両土地はフェンスで区分された駐車場であることなどから利用区分は明らかに異なるので、それぞれ1画地として評価すべきであると主張する。しかしながら、両土地は、甲契約に基づき一括して同族法人に貸付けられており、隣接していることからも、同族法人による当該土地の現実の利用状況の如何にかかわらず全体を1画地の貸宅地であると判断するのが相当である。したがって、請求人らの主張には理由がない。(平15.03.25.仙裁(諸)平14-26)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140026
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、賃借権に市場性はなく、また、本件土地の地域は、賃借権の取引価格が成立しない地域と判断されるから、同族法人が駐車場用地として被相続人から賃借している土地に係る賃借権は、同族会社の出資金の評価上、資産として計上する必要はない旨主張する。しかしながら、雑種地に係る賃借権は、借地借家法によって保護される借地権と比較するとその財産価値は低く、また、多種多様であるから、借地権のように同一需要圏内の類似地域における取引慣行とその成熟の程度等を考慮して、その地域における借地権割合を求めるというようなことはできないが、一般に雑種地に係る賃借権も財産的価値を有し、これを譲渡することができるものとされていることから、財産評価基本通達87は、雑種地に係る賃借権の価額は、原則として、その賃貸借契約の内容、利用状況等を勘案して個々に評価することとしている。したがって、市場性がないあるいは乏しいことから、賃借権の取引価格は成立しないので賃借権に経済的価値がないとする請求人らの主張には理由がない。(平15.03.25.仙裁(諸)平14-26)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140026
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、旧建物保護法からも、登記されている建物が所在する土地については地上権が発生し、借地権割合の40%を控除すべきである旨主張する。しかしながら、①請求人らと借地人らは親族関係にあること、②賃料は、住宅用地であることに対する課税標準の特例が適用される前の固定資産税等の額とほぼ同額であること及び③貸し付けられた土地の一部は借地人らに贈与されていることが認められ、また、当該土地は、権利金の授受の慣行のある地域に所在するにもかかわらず、土地の賃借に関して権利金授受の事実も認められない。これらの事実を総合すると、賃料は公租公課に相当する程度のもので、土地使用の対価であるとは認めがたく、賃貸借契約ではなく、親族という特殊関係に基づいた民法第593条に規定する使用貸借契約と解すべきであるから、使用貸借権の付着している土地として自用地に相当する価額により評価するのが相当である。したがって、この点に関する請求人らの主張には理由がない。(平15.03.25.仙裁(諸)平14-26)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140052
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・671ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地には隣地土地に係る本件判決の効果が及び、借地人が営業を継続する限り返還されることのない土地であるところ、財産評価基本通達にはこのような土地の評価方法の定めがないことから、財産評価基本通達によることのできない特別の事情があり、その価額は、収益還元法によって時価を算定した鑑定評価額によるべきである旨主張するが、本件土地と隣地土地とでは取得の経緯及びその占有者の使用権原を異にするものであるから、本件判決において判断された「遺産分割協議に当たって、家業の樹苗園が存続する限りは使用させるとの使用貸借契約が黙示的に成立した。」との法律関係は本件土地については認められず、また、本件土地は、特段の制約を受ける権利関係の付着した土地ではなく、他に、本件土地について適用される路線価230,000円が、客観的交換価値である時価を上回っていることを推認させるような事情は何らうかがえないのであるから、本件において、財産評価基本通達により難い特別な事情があるとは認められない。また、収益還元法による鑑定評価額について検討するに、相続税法第22条に規定する時価を収益還元法による価額を勘案して決定する場合には、対象不動産が将来生み出すと期待される純収益を算定するために予測される諸要素を的確に把握すること及び収益還元率を正しく定めることが不可欠の要件であるが、これらには、①土地の価額に見合う収益の算定が困難であること、②経営者の能力、財産の状態により収益の額が左右されること、③還元利回りの算定が困難なことなどの問題があると認められるところ、本件において、請求人らは、本件判決の効果が本件土地に及ぶことを前提とし、還元利回りもこれを考慮して算定しているのであって、その前提に誤りがある上、これに代わる適正な還元利回りの算定も困難であることからすれば、本件において、収益還元法を本件土地の評価の基準として採用することは相当とは認められない。したがって、これらの点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.03.25.広裁(諸)平14-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140068
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・601ページ
要旨
○ 請求人は、本件株式を財産評価基本通達169の(1)の定めにより評価した結果が請求人に不条理な租税債務を負担させることとなるから、財産評価基本通達6の定めにより、国税庁長官の指示を受けて不条理な結果が生じないような評価をすべきである旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達6の定めは、財産評価基本通達に定める評価方法を画一的に適用した場合には、適正な時価評価が求められず、その評価額が不適切なものとなり、著しく課税の公平を欠く場合も生じることが考えられることから、そのような場合に、個々の財産の態様に応じた適正な時価評価が行えるように措置されたものと解されるところ、本件株式は、証券取引所に上場されていた上場株式であり、証券取引所が公表する取引価格はそのまま時価を示しているということができるから、財産評価基本通達169の(1)の定めにより評価した上場株式の価額は、財産評価基本通達6にいう「著しく不適当な価額」には当たらないというべきである。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.03.25.大裁(諸)平14-68)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140068
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・601ぺージ
要旨
○ 請求人は、認知裁判の確定により初めて相続人の地位を取得したものであるから、本件株式の取得の時期は認知裁判の確定した日と解すべきであり、また、遺産分割請求権の行使や相続財産の換価処分等も認知された日以降でないとでき得ない状況であったことから、その評価時点も、早くても認知裁判が確定した日と解すべきである旨主張する。しかしながら、相続は、被相続人の死亡によって開始し、相続人は、被相続人の一切の権利義務を承継し、遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものであることから、相続による財産取得の時期は、相続開始の時であると認められ、また、相続により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による旨の相続税法第22条の規定からすると、相続等により取得した財産の評価時点も相続開始時と解するのが相当である。このことは、①認知は出生の時にさかのぼってその効力を生ずること、②相続税法第2条、第15条第2項、第16条、第17条の各規定からすると、相続税法は、民法上の法定相続人が法定相続分に従って遺産を分割取得したものと仮定して相続税の総額を計算し、この相続税額を、実際に遺産を取得した者が、その取得分に応じて納付するといういわゆる法定相続分課税方式による遺産取得課税方式を採用しており、また、すべての相続税の納税義務者について、相続開始時を基準とした課税を行うことを予定していること③相続税法第22条において、相続により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による旨規定していること及び④被相続人の死亡後における認知裁判の確定により相続人となった者が、当該相続により財産を取得した場合におけるその財産の価額について、相続税法第3条の2のような相続税法第22条の例外としての別段の定めがないことなどからすると、相続人が、被相続人の死亡後に認知裁判が確定したことにより相続人たる地位を取得した場合であっても、同様と解される。以上のことから、これらの点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.03.25.大裁(諸)平14-68)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140087
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件土地に借地権を認めず、貸し付けられている雑種地の評価により、本件土地の価額を算定している。しかしながら、本件建物の一部が本件土地上に現に存していること、及び本件建物と駐車場は一体として利用されていることから、本件土地には財産評価通達に定める借地権が存在すると認められ、宅地と評価するのが相当である。(平15.03.25.関裁(諸)平14-87)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140213
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件A土地から本件D土地までの価額は本件鑑定評価額を基に算出した価額によるべきである旨主張する。しかしながら、本件B土地に係る鑑定評価額はその時価として相当と認められるが、①本件A土地については、当該土地が市街化区域と市街化調整区域に所在するにもかかわらず、その区分をして評価がされていないこと、②本件C土地及び本件D土地については、比準価格の算定の基とした取引事例について、請求人は、その所在地等を明らかにせず、また、当審判所で、状況が類似する他の取引事例及び同一と認められる取引事例と比較し検討を行ったところ、1㎡当たりの価格に相異があることから、比準する取引事例の単価として相当とは認められない。したがつて、本件A土地,本件C土地及び本件D土地の鑑定評価額は採用することができない。(平15.03.25.東裁(諸)平14-213)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140214
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・772ページ
要旨
○ 請求人らは、請求人らが相続により取得した第1種市街地再開発事業に係る施設建築物の給付を受ける権利の価額は、鑑定評価額を基に、財産評価基本通達に定める貸家として評価すべきである旨主張する。しかしながら、当該権利については、被相続人が生前に権利変換価額に同意していること、本件相続開始後において、請求人らは、この価額を基に精算金を受領している事実があり、権利変換価額に減少は認められないこと、また、貸家とは借家権の目的となっている現況にある家屋をいうところ、本件相続開始時点では建築中であり、賃貸の用に供している家屋ではないことからすれば、請求人らの主張には理由がなく、施設建築物の給付を受ける権利の価額は、権利変換価額を基に建築中の家屋との均衡を図り、当該価額から30%減額して算出した価額が相当であると認められる。(平15.03.25.東裁(諸)平14-214)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140215
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807070
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/7医療法人の出資持分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件法人の出資の評価について、①監督官庁の認可を経て変更した定款は効力のあるものであるから、定款に定められた方式により評価すべきであり、②東京地裁八王子支部判決及び同事件の所轄税務署は、出資額限度方式に変更した定款に基づく評価を認容しており、方式の違いはあっても変更した定款による評価は認められるべきである旨主張する。しかしながら、①変更された定款において、運用財産をもって分配するとした定めのほかにも出資持分に関する定めがあるから、これらの定めを総合して相続税法第22条の時価を判断すべきであり、さらに監督官庁の答述等から定款の変更は随時可能であり、これらのことは財産評価基本通達に定めた評価が著しく不適当と認められる特段の事情に当たらないと解されるのであり、さらに、②東京地裁八王子支部判決は、本件とは明らかに事実関係の異なる事件であって、先例性はないから本件法人の出資について財産評価基本通達194−2に基づき評価した原処分は相当である。(平15.03.25.東裁(諸)平14-215)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140221
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が居住の用に供していた建物の敷地である土地及び請求人が代表者である法人が所有する共同住宅の敷地である土地は、それぞれの土地が広大であるから、近隣の敷地面積に調和させながら宅地として再開発する必要があり、当該土地の価額は、区画ごとに画地調整を行った価額から再開発に係る造成費用を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、相続開始日現在、土地は、既に有効利用されており、再開発の必要性は認められないのであるから、財産評価基本通達を適用して評価することに特に不都合と認められる特段の事情があると認められず、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.03.25.東裁(諸)平14-221)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140221
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同住宅の敷地である土地は、共同住宅の居住者の生活の利便に一番貢献している路線の特定路線価を基に土地の価額を評価すべきである旨主張する。しかしながら、特定路線価は、路線価の設定されていない道路のみに接している宅地を評価するために設定されるものであり、路線価の付設された路線に当該土地が面している以上、その付設されている路線価を基に土地の価額を算出すべきであるから、評価基本通達を適用して評価することに特に不都合と認められる特段の事情があるとは認められず、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.03.25.東裁(諸)平14-221)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140221
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、過少宅地で市場性がない等事情がある土地は、当該土地の相続税評価額を30%減額して評価すべきである旨主張する。しかしながら、当該土地は、建物の建築に制限を受ける土地ではなく、また、請求人は、当該土地に隣接する土地を本件相続により取得しており、この隣接土地は契約期間終了後に無償返還することを約した土地であることも考え合わせると、宅地として有効利用が図れない土地であるとも認められない。さらに、財産評価基本通達20は、不整形地の価額は、同通達15の定めにより計算した価額に、その不整形の程度、位置及び地積の大小に応じ、「不整形地補正率表」に定める補正率を乗じて計算した価額により評価する旨、財産評価基本通達20−3は、間口が狭小な宅地については「間口狭小補正率表」、奥行が長大な宅地については「奥行長大補正率表」に定める補正率を乗じて計算した価額によって評価する旨、それぞれ定めており、これらの補正率は、通常規模の画地と比較した場合の利用価値の低下を宅地の評価に織り込む趣旨で計数化されたものと解される。そうすると、請求人が主張するように土地の地積が過少であり、利用価値が低下するとしても、評価基本通達の補正率表に定める補正率において、考慮し得るものと認められる。したがって、評価基本通達を適用して評価することに特に不都合と認められる特段の事情があるとは認められず、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.03.25.東裁(諸)平14-221)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平140021
- 裁決年月日
- 平成15年3月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である土地の評価に当たって、①原処分庁が適用した財産評価基本通達(平成11年7月19日付課評2−12・課資2−271により一部改正された通達、以下「新通達」という。)に合理性がない、②新通達は、不整形地補正100分の30までのしんしゃくの廃止及び奥行距離の求め方に対する制限の付加について規定しているが、同通達を平成11年7月19日に発遣して平成11年1月1日に遡って適用するのは、ともに納税者に対する不利益変更であり、予測可能性を損なっており違法である旨主張する。しかしながら、①財産評価基本通達は、財産評価の公平・簡便化に加え、評価の一層の適正化を図る観点から、平成3年12月18日付課評2−4・課資1−6の改正により、社会経済情勢の変動に伴う土地取引や土地利用の変化に対応した全体的な見直しを行い、同時にその地区にふさわしい奥行価格補正率等の画地調整率を定め、また、不整形地補正率については、不整形地の評価上勘案すべき各要素を盛り込んだ補正率を設けていることから、この改正を受けた新通達には合理性がある、②不整形地補正100分の30までのしんしゃくの廃止及び奥行距離の求め方に対する制限の付加については、国税庁がそれぞれの具体的な取扱いを情報に盛り込み、これを公表して、不整形地の評価の取扱いの明確化・統一化を図ってきたものであり、新通達はこれまでの不整形地の評価方法を通達として取りまとめたものと認められるから違法ではない。(平15.03.20.福裁(諸)平14-21)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平140021
- 裁決年月日
- 平成15年3月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産である土地の評価に当たって、使用貸借により貸し付けられている宅地は自用地ではなく、貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、使用貸借により建物の所有を目的として土地を借り受けた場合の建物所有者の使用権は、借地法上の保護を受ける借地権のような強い権利に比して権利性の薄弱なものであり、専ら当事者の信頼関係のみを基盤とするのが通常であり、経済価値を有しないものと解されていることから、使用貸借により貸し付けられた土地は自用地として評価すべきである。(平15.03.20.福裁(諸)平14-21)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140023
- 裁決年月日
- 平成15年3月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である農地の評価を、その農地の収益を基礎として算定した価額と近傍の売買取引実例による価額との範囲内とすべきである旨主張する。しかしながら、①営利市場価格とはいわゆる収益還元方式による評価であり、この評価は、対象不動産が生み出すであろうと期待される純収益を算定するために、予測される諸要素を的確に把握すること及び収益還元率を正しく定めることが不可欠の要件であるが、これらは客観的なよりどころを求めることに困難性があり、理論的にはともかく、本件評価方法としては採用することはできない。また、②近傍地の売買取引実例価額は、時点修正、その取引に至った事情及び位置、形状等の画地条件による格差等が一切考慮されていないことから、その価格が直ちに本件の時価となるものではないので、請求人の主張は採用することはできない。(平15.03.20.高裁(諸)平14-23)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140022
- 裁決年月日
- 平成15年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が行った土地の譲渡に係る未決済金額(以下「本件未収入金」という。)は、相続後における相続人と債務者との話合いにより本件未収入金を放棄の上、本件土地を500万円で買戻すことにしたものであり、また、土地の譲受人(債務者)が自己破産していることから、財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める回収が不可能又は著しく困難と見込まれる貸付金債権等に該当し、相続財産たる貸付金債権等の元本の価額に算入すべきではないと主張しているものと認められる。しかしながら、原処分調査関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、①相続開始日において本件土地上に6,200万円の抵当権が設定されていること及び本件土地の買戻し契約において、本件未収入金の額が6,200万円であることを請求人甲と債務者との間で確認していることから、本件未収入金の額は6,200万円であると認めるのが相当であり、そして、②当該抵当権は、相続を理由に権利者を請求人甲とする移転登記がなされていること及び本件土地の買戻し契約によると、本件土地の価額は6,700万円であることから、本件未収入金は抵当権によってその全額が担保されていると認めるのが相当であり、また、③債務者は破産宣告を受けておらず、相続開始日前後においても事業を営んでいること、④本件未収入金は、本件土地の買戻し代金の一部として相殺、回収されていること及び⑤被相続人が債権放棄していたとの事実も認められないことから、本件未収入金が財産評価基本通達205に定める回収が不可能又は著しく困難と見込まれる貸付金債権等に該当するとの請求人の主張は認められない。(平15.03.17.高裁(諸)平14-22)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成15年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地の評価に当たっては、本件各土地が同和地区に所在しており、環境は劣悪、道路は狭小で、かつ、価格は他の地区の同条件の土地と比較して低価格であるので、昭和45年2月10日付官総2−6「同和問題について」(以下「本件長官通達」という。)の趣旨を適用して評価額を算出すべきである旨主張するが、本件長官通達は、同和問題についての考え方を示したものであるところ、本件各土地の地価事情及び居住環境等は、既に固定資産税評価額及び倍率に織り込まれていることから、原処分庁が倍率方式により評価した本件各土地の価額は適法であると認められる。(平15.03.13.福裁(諸)平14-20)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140064
- 裁決年月日
- 平成15年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が保有していた有限会社の出資の額を純資産価額方式によって評価することについて、原処分庁は同社が相続開始前3年以内に取得した土地の価額を過大に評価した旨主張する。しかしながら、本件土地と極めて近接した場所にある基準地の各標準価格などからみると、原処分庁が算定した相続開始日現在の本件土地の1㎡当たりの通常の取引価額に相当する金額は相当と認められるから、これに基づき原処分庁が算定した本件出資の額は相当と認められる。(平15.02.06.関裁(諸)平14-64)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140063
- 裁決年月日
- 平成15年2月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地は、その使用状況から判断して、私道として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件宅地は、専らその所有者である請求人、請求人の家族及び請求人の養父母の通行の用に供されるとともに、請求人及び請求人の家族の自家用車の保管場所として使用されており、請求人が、本件宅地を使用するに当たって、自己の意思に基づいて自由に使用できないものとは認められないのであって、実際の使用状況に照らしても、また、財産評価基本通達24の趣旨に照らしても、同通達に定める私道として評価することはできない。(平15.02.05.関裁(諸)平14-63)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140006
- 裁決年月日
- 平成15年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、宅地以外の土地を宅地に比準して評価する以上、宅地造成費控除後の土地は宅地とみなすべきであるから、造成後の宅地にがけ地部分が生ずるときには、がけ地補正を適用すべきであると主張する。しかしながら、本件土地の近隣の宅地は、一帯が緩やかな傾斜地となっているものの、傾斜地部分を有する宅地はほかになく、ほとんどの宅地が傾斜地を平たんにして建物の敷地としており、そして、本件土地の傾斜地部分にかかる宅地造成工事の見積価格は、垂直な擁壁を設置する工事に係るもので、がけ地部分(傾斜地部分)が生ずるものではないことから、請求人らの主張は採用できない。(平15.01.22.沖裁(諸)平14-6)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140006
- 裁決年月日
- 平成15年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、物件Aと物件Bの両物件を1画地として評価するか、又は切り離して評価するかは納税者の選択に任せられており、その選択の結果、評価額を低下させたとしても評価基本通達に抵触するものでもなく、原処分庁がこれを否定できるものではないと主張する。しかしながら、当審判所が調査したところによれば、物件Aは本件相続開始時において貸駐車場として利用され、また、物件Bは、私道で当該貸駐車場と公道を結ぶ通路として利用されていたと認められ、そうすると、両物件は利用単位が異なることから、それぞれ区分して評価することになる。(平15.01.22.沖裁(諸)平14-6)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140006
- 裁決年月日
- 平成15年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 私道の評価について、請求人らは、当該私道に付された路線価を基に画地調整を行った額の60%相当額により評価すべきである旨主張する。しかしながら、路線価は、財産評価基本通達13に定めるとおり、その路線に面する宅地の評価額を算定するために付された価額であり、その路線自体の評価額を算定するために付された価額ではないから、私道の評価に当たっては、当該私道に路線価が付されている場合であっても、当該私道に面する道路に付された路線価を基に画地調整を行って評価額を算定することになる。(平15.01.22.沖裁(諸)平14-6)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平140010ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した使用貸借に係る土地の評価について、本件土地の上に建物が存在しており、その建物が存在する限り請求人には使用・収益がないのであるから、自用地として評価するのは不合理であると主張する。しかしながら、使用貸借により建物の所有を目的として土地を借り受けた場合の建物所有者の使用権は、借地法上の保護を受ける借地権のような強い権利に比していわば権利性の薄弱なものであり、専ら当事者の信頼関係のみを基盤とするのが通常であり、経済価値を有しないものと解されている。したがって、使用貸借により貸し付けた土地の価額について、自用地として評価した本件更正処分は適法である。(平14.12.19.福裁(諸)平14-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140050
- 裁決年月日
- 平成14年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、貸主及び借主に借地権に関する認識がなく、借地上の建物の増改築又は賃貸等が認められていないから、借地権は建物の敷地部分にのみに存する旨主張するが、①賃貸借契約書上、貸主の書面による承諾があれば借主は増改築ができること②貸主は借地権を認識していること③旧借地法第1条に「借地権と称するは建物の所有を目的とする地上権及び賃借権をいう。」と規定されていることから、借地権が借地全体に及ぶとした原処分は相当である。(平14.12.19.関裁(諸)平14-50)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140014
- 裁決年月日
- 平成14年12月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、賃借人の土地の利用の状況は、貸宅地の評価には影響を及ぼすものとは認められない旨主張するが、宅地が私道の用に供されていることから、土地の使用収益及び処分に制約があることを斟酌して減額評価する趣旨で設けられている評価基本通達24及び25の定めに基づき、私道の用に供されている宅地の部分については、路線価方式による画地計算の方法によって算定した価額の100分の30に相当する価額によって評価を行うのが相当である。(平14.12.18.仙裁(諸)平14-14)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140014
- 裁決年月日
- 平成14年12月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地が東側、西側及び北側の三方の路線に接しているところ、西側路線が利便性の面で最も寄与しているから西側路線を正面路線とすべき旨主張するが、正面路線は、現実に出入口として利用しているか否かには関係なく、土地の客観的な最有効使用を前提として判断すべきであるから、請求人らの主張は採用できない。(平14.12.18.仙裁(諸)平14-14)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140014
- 裁決年月日
- 平成14年12月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地が東側、西側及び北側の三方の路線に接しているところ、東側路線において、本件土地と道路面とは1m以上の段差があり、かつ現実に利用しておらず、利便性の面で何ら寄与していないから、東側路線の影響を加算すべきでない旨主張するが、東側路線は道路として使用されており、東側路線と接面しない本件土地と同様な画地を想定し、これを本件土地と比較する場合には、土地の価格形成に与える個別的要因は明らかに本件土地の方が勝るものと認められ、接面する東側路線が本件土地の価額に与える影響は、それを無視しうるほどに著しく低いものと認めることはできないことから、請求人らの主張は採用できない。(平14.12.18.仙裁(諸)平14-14)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140022
- 裁決年月日
- 平成14年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・445ページ
要旨
○ 請求人らは、甲企業組合の脱退時の払戻金額は払込済出資金額50円であり、また、組合加入時の払込金額も1口当たり50円であるから、この金額が相続税法第22条に規定する時価、すなわち客観的交換価値に相当するので、甲企業組合の出資の価額は、1口当たり50円で評価すべきである旨主張する。一般に、市場を通じて不特定多数の当事者間における自由な取引が形成されている場合には、これを時価とするのが相当であるが、本件出資のように取引相場のない資産にあっては、市場価格が形成されていないから、その時価を把握することは困難である。したがって、合理的と考えられる評価方法によってその時価を算定するほかなく、その評価方法が合理性を有する限り、それによって得られた評価額をもって「時価」を推定することに妨げはないというべきであると解されているところ、財産評価基本通達に定められた評価方法が合理的である限り、その評価方法によって評価した財産の価額は、特段の事情のない限り、相続税課税における財産の時価と認めるのが相当である。この企業組合の出資の価額は、評価基本通達196の定めにより純資産価額に基づいて評価することとされており、この評価方法は企業組合の実態に照らして合理性を有するものと認められる。そして、請求人らは、当該出資の時価を立証するものとして、甲企業組合定款第13条《脱退者の持分の払戻し》の定めをいうにすぎず、これによってはその立証があったと認めるには足りない(評価通達に定める評価方法によりえない特別な事情はない)から、財産評価基本通達196の定めに基づき評価するのが相当である。(平14.12.16.名裁(諸)平14-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140099
- 裁決年月日
- 平成14年11月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・469ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件代償債権(被相続人が、審査請求人Aを債務者として、第一次相続で取得した代償分割に係る債権)は、返済期限等の定めがなく、Aには経常的な所得が年間約1000万円前後あるので、回収不可能とはいえない旨主張する。しかしながら、債務者Aが、仮に年間所得金額の全額を代償債務の返済に充てたとしても返済完了まで55年の期間を要することから、とうてい本件代償債権の全額が回収可能である債権であるとはいえない。したがって、財産評価基本通達205の定めに基づき、相続開始時における債務者Aの純資産価額を限度とし、その資産の価額を超える部分については本件代償債権の元本に算入しないとすることが相当である。(平14.11.28.東裁(諸)平14-99)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140019
- 裁決年月日
- 平成14年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、実際の取引価格事例や不動産競売手続における評価人による評価額に基づく請求人評価額が、路線価方式等による評価額よりも正確であると主張し、原処分庁は、異議調査において本件各土地の鑑定評価を行って路線価方式等により算定した評価額を検証し、当該評価額は適正である旨主張する。請求人のいう競売手続における評価は、最低売却価額を決定する基礎とするための評価人の作業による結果で、いわゆる正常価格ではないと解されているから、相続税法第22条にいう時価とは異なるものというべきであり、また、請求人は請求人評価額の具体的な計算過程を何ら明らかにしないことなどから、その評価額の決定方法には合理性があるとは認め難い。また、当審判所の調査によっても、原処分庁の鑑定評価による評価額は本件各土地の個別事情を反映した適正なものと認められ、本件各土地の評価額はいずれも鑑定評価額による評価額以下であり、本件各土地に評価基本通達に定める路線価方式以外の方法により評価すべき特別な事情も認められないので、本件更正処分は適法である。(平14.11.27.名裁(諸)平14-19)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140008
- 裁決年月日
- 平成14年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が取締役であった同族法人に対する貸付金債権等について、本件法人は著しく債務超過の状態であり、返済能力を有していなかったことから、財産評価基本通達205に定める回収が不可能又は著しく困難であった債権等に該当し、取得財産の価額にも含めるべきでない旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達205における、貸付金債権等の元本の価額に算入しない場合とは、債務者の営業状況、資産状況等が破綻していることが客観的に明白であって、債権の回収の見込みのないことが客観的に確実であるといい得るときを指すものということができるところ本件法人は、①被相続人が取締役の同族会社であること、②債務超過の状態が継続しているとはいえ、主たる債権者である金融公庫及び銀行からの借入金を遅滞することなく返済していること、③本件相続開始日以後も継続して事業活動を行い、家賃収入等を得ていること、④本件貸付金債権等以外の債務について、本件相続開始日前後においても返済されていること、⑤被相続人の生存中に債権放棄の通知を受けていないこと、⑥本件相続開始日後において金融機関から借入れを行い債務の返済に充てていることが認められることから、本件貸付金債権等について返済能力を有しておらず、回収が不可能又は著しく困難であったとは認められない。(平14.11.19.高裁(諸)平14-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140085
- 裁決年月日
- 平成14年11月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の価額は、本件鑑定評価書に記載された本件鑑定評価額とすべきである旨主張する。そこで、当審判所が本件鑑定評価額の内容について、検討したところ、①積算価格の算定方法が明確でないこと、②収益方式による収益価格の基とした賃料収入の価額が適正でないこと、③本件鑑定評価額は、収益価格に8割のウエイト付けをしているが、その根拠が明確でなく、この収益方式に重きを置く本件鑑定評価額には合理性がないことから、本件鑑定評価額は、本件土地の時価を表しているとはいえない。そこで、当審判所で本件土地の時価を算定したところ、その価額は、原処分庁が評価基本通達を基に算定した価額を下回らないことから、原処分庁が同通達の定めにより算出した価額を本件土地の価額としたことに違法はない。(平14.11.19.東裁(諸)平14-85)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140085
- 裁決年月日
- 平成14年11月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802012
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/2地積
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の地積は、公簿面積によるべきである旨主張する。しかしながら、①本件土地に本件ビルを建築する際に提出された建築計画概要書に記載された変更前の面積は、本件実測図によるものと認められること、②本件土地の地積を当審判所が測量した値は、当該実測図と均衡していること、③当該実測図は、土地測量の専門家によって作成されたものと認められること、及び建築計画概要書の面積の変更は、建築基準法第12条第3項の規定によるものであることから、④建築計画概要書に記載の地積は、十分に信頼できるものと判断される。したがって、本件土地の地積は、建築計画概要書に記載の地積が相当と認められるから、請求人の主張には理由がない。(平14.11.19.東裁(諸)平14-85)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140076
- 裁決年月日
- 平成14年10月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件山林等の時価は、本件乙土地(造成費用の代物弁済とした土地)の譲渡価額が117,198,000円であるから、これにより算出した1㎡当たりの価格は49,708円となり、この価格は、取引事例から試算した価格に近似していることからも本件山林等の時価として相当である旨主張する。しかしながら、原処分庁が採用した取引事例は、本件山林等と状況が類似した取引事例であるとは認められず、また、本件乙土地の譲渡価額は94,698,000円であり、当該価額は、客観的な交換価値と認められるのであるから、本件乙土地の譲渡価額を当該土地の地積に当該地積に対応する本件公共用地の地積を加算した地積で除して算出した1㎡当たりの価格30,019円が本件相続開始日における本件山林等の1㎡当たり価格として相当と認められる。したがって、原処分庁の主張は採用することができない。(平14.10.29.東裁(諸)平14-76)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140019
- 裁決年月日
- 平成14年10月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802035
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/5使用貸借に係る農地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続開始日において本件農地に第三者の賃借権に係る取得時効が完成していた事実を認定した判決が確定したから、当該農地の相続税の課税価格に算入すべき価額について、賃借権の価額を控除した金額に減額すべきである旨主張するが、課税上、民法144条の適用はなく、賃借権の時効取得の効果は遡及しないため、請求人の主張は採用できない。しかしながら、本件農地には、賃借権の取得時効が完成していたという事実上の制約があったものであり、このことは評価に影響を与える事実と認められることから、当審判所がその事実を前提として鑑定評価を依頼したところ、適正価格から時効援用に係る「解決金」(請求人が採用した路線価に基づく評価額の35%)相当額を控除した金額を鑑定評価額とする鑑定評価書が提出され、その鑑定方法等に合理性が認められたため、本件農地については、請求人が採用した路線価に基づく評価額から解決金相当額を控除した金額を課税価格とするのが相当である。(平14.10.02.大裁(諸)平14-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140039
- 裁決年月日
- 平成14年9月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地の価額は、本件路線価でなく国有宅地の定価売払価格を基に算定した価格により算定すべきである旨主張する。しかしながら、本件路線価について、当審判所で本件宅地の近隣に所在し、用途区域、容積率、建ぺい率及び地区がいずれも同一である基準地の平成9年度の価格を基に土地価格比準表により、時点修正及び地域格差の補正を行い、本件相続開始日における本件宅地の客観的な交換価値と認められる1㎡当たりの時価を算定すると、88,830円となり、本件路線価64,000円を上回っているので、本件路線価を基として評価基本通達の定めを適用して評価することに特に不都合と認められる特段の事情は認められないから、請求人の主張には理由がない。(平14.09.10.東裁(諸)平14-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140037
- 裁決年月日
- 平成14年9月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、①本件土地に係る貸借は、戦前から継続するものであること、②本件土地の使用料は、本件相続開始日の後も固定資産税等の額の2倍程度と極端に低廉であること及び③被相続人が地主から借用していた別件の土地を、平成8年に無償で返還した事実があることからすれば、本件土地に係る貸借関係は使用貸借である旨主張する。しかしながら、本件土地の貸借は、①建物の所有を目的とする契約であること、②地主は本件土地に係る被相続人との貸借関係は賃貸借であると答述していること、③被相続人が支払っていた地代の額は、固定資産税等の額の2倍程度であり低廉とはいえないこと、④請求人らの作成した遺産分割協議書には本件借地権の記載があり、請求人らも本件申告書においては、当該借地権を相続財産として申告するなど、本件借地権の存在を認識していること及び⑤本件相続によって地主から本件土地の返還を求められた事実はなく、本件土地の貸借関係は断続していることからすれば、本件土地に係る被相続人と地主との貸借契約を使用貸借と解することはできず、賃貸借と解すべきであり、本件土地には借地権が存在すると認められる。(平14.09.05.東裁(諸)平14-37)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140012
- 裁決年月日
- 平成14年8月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、「相当地代通達」は特殊関係者間の賃貸借のみの取扱いを定めたものであり、本件のような特殊関係にない第三者間の賃貸借に係る本件土地の評価については、相続税評価基本通達に定める借地権割合を控除すべきである旨主張する。しかしながら、相当地代通達は建物の所有を目的とする借地権の設定に際して、その設定の対価として通常授受される権利金に代えて、相当の地代が授受されている場合等における土地の評価について、全般的な取扱いを定めたものであり、必ずしも特殊関係者間の賃貸借のみに限られた取扱いではないことから、この点に関する請求人らの主張は採用できず、相当地代通達に従い、この土地は自用地価額の80パーセントをもって評価すべきである。(平14.08.06.大裁(諸)平14-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140012
- 裁決年月日
- 平成14年8月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は実際には返還されず、「土地の無償返還に関する届出書」が実質的な効力を失っているから、これらの土地は相続税評価基本通達に定める借地権割合を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、信頼関係が損なわれたことにより使用貸借契約は別件民事事件において相手方に訴状が送達された日に終了しており、その後の相続開始時点においては正当な権限のない者による占有となっているのであるから、当該届出書の効力の有無は、相続開始時点における土地の評価に影響を及ぼすものではない。(平14.08.06.大裁(諸)平14-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140007
- 裁決年月日
- 平成14年7月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・416ページ
要旨
○ 請求人は、同族法人の株式の評価に当たり、当該同族法人の所有する本件土地の価額は、本件鑑定評価書を基に広大地補正率を適用して評価すべき旨主張し、これに対し、原処分庁は、路線価に基づき計算した価額は、原処分庁が時価として試算した価額を下回るから適法である旨主張する。しかしながら、双方が主張する価額は、いずれも相続税法第22条に規定する時価として採用することはできないので、当審判所が採用した近隣の取引事例の取引価格及び公示地の公示価格を基に、本件相続開始時における本件土地の時価を算出したところ、当該価額は、原処分庁が財産評価基本通達に基づいて評価した価額を下回ることから、原処分庁の評価に係る価額は時価を超えているものと認められるので、本件更正処分はその一部を取消すべきである。(平14.07.22.東裁(諸)平14-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140009
- 裁決年月日
- 平成14年7月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人が定期借地権の設定に伴って預かった保証金について、相続人である請求人は、相続開始後、当該定期借地権が設定された土地を物納に供するため当該保証金を借地人に全額返還したことから債務控除すべき額は返還した保証金全額である旨主張する。しかしながら、請求人が当該保証金を返還したのは相続開始後であり、相続開始時において当該保証金の返還債務は確定していたものではなく、相続開始時において確定していた債務は当初の定期借地契約において定められている50年後の全額返還であり、控除すべき債務の額は、通常の利率による利息相当額の経済的利益を弁済期が到来するまで留保される毎年の経済的利益の相続開始時における現在価値を当該保証金の額から差し引いた価額とするのが相当である。なお、本件における通常の利率は、統一的な指標となり得る長期金利等を基準として求めるのが相当であり、当該利率は長期国債の応募者利回りと長期プライムレートの本件相続開始日以前10年間のこれらの平均値を基に評価の安全性に配慮して年4.5%とするのが相当である。(平14.07.22.東裁(諸)平14-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140008
- 裁決年月日
- 平成14年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、T社の株式の価額については、評価通達に定める類似業種比凖価額で評価すると、本件直前期の業績がたまたま良好であったことから過大な評価となるため、類似業種比凖方式により算定した過去3期分の1株当たりの株価の平均値で評価すべきである旨主張する。しかしながら、①類似業種比凖方式は、評価の安全性の確保及び単年度の計算に伴う危険性の排除に十分配慮したものであること、及び②請求人らが主張する評価方法は、請求人らの独自の見解で、合理的な根拠がないと認められることから、T社の株式の評価については、評価通達に定める類似業種比凖価額で評価することが時価を算出する上で合理的な評価方法であるというべきである。また、法人の各営業期の業績の良否は、企業活動の通例であり、本件直前期の業績がたまたま良好であったという理由だけで、本件について評価通達に定める評価方法を適用することが著しく不合理であるとする特別な事情に該当するとは認められない。したがって、T社の株式の価額は、類似業種比凖価額によって評価するのが相当であるから、この点に関する請求人らの主張は採用することができない。(平14.07.16.大裁(諸)平14-8)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140002
- 裁決年月日
- 平成14年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の評価に当たっての正面路線を、国道に沿った路線は河川によって隔てられていることから、西側の路線とすべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、県知事から公有水面の占用の許可を得た上で、当該河川に幅12mの鉄筋コンクリート製の橋を設置し、バス等及びホテル利用客の通行のように供されており、公有水面の占用に関する権利と一体で利用されていると認められるから、国道に沿った路線を正面路線として評価するのが相当である。したがって、請求人らの主張は採用できない。(平14.07.09.高裁(諸)平14-2)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140002
- 裁決年月日
- 平成14年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 1請求人らは、取引相場のない株式の評価に当たり、評価会社の利益金額等を、原処分庁の租税特別措置法第66条の6の誤った解釈により、株式の発行も出資もない外国会社を特定外国子会社等として行われた更正処分に基づいていることが違法である旨、また、仮に外国会社が特定外国子会社等に該当するとしても租税特別措置法第66条の6の適用により増加した所得金額は評価通達183の(2)でいう非経常的な利益の金額に該当するから、当該増加所得を利益金額に加算したことが違法である旨主張する。しかしながら、当該更正処分は既に確定しており、また、上記通達でいう「非経常的な利益の金額」とは、固定資産売却益、保険差益等の臨時偶発的なものをいうと解するのが相当であり、租税特別措置法第66条の6の規定の適用により増加した所得がこれに含まれると解することができないから、請求人らの主張には理由がない。また、請求人らは、租税特別措置法第66条の6の規定の適用は資本関係のある外国関係会社に限定されているにもかかわらず、株式の発行もなく出資もしていない外国会社を同条第1項に規定する特定外国子会社等と認定して、その外国会社の純資産価額を株式として、評価会社の株式勘定に加算したことが違法である旨主張する。しかしながら、株式等の意義を我が国商法の規定に従って解釈しなければならないとする合理的な理由はなく、むしろ当該規定が外国会社を対象とする規定であることからすると、その国の法人の設立準拠法に沿って解釈するのが相当である。そして、本件における評価外国会社はいずれもパナマ国に本店を有するものであるところ、パナマ国の会社法では、株式会社は定款の登記によって設立手続を終えるもので、定款には、資本の額、発行される株式の数や種類のほか、各発起人が引き受けることに合意した株式の数等が必要的記載事項とされているものの、株式の発行、引受け及び払込み等は必要的記載要件とされているものではなく、また、株式発行前の定款の変更は、発起人全員と株式の引受けを承諾した者全員によって署名されれば可能であること等とされていることからすると、株式の発行前においては株主は存在しないものの、発起人及び株式の引受けを承諾した者ないしその地位を承継した者が会社を支配し得る物的持分としての法的地位を保有しているものと解するのが相当であり、本件において、評価会社が外国子会社を支配していることを自認していると認めるのが相当であるから、上述のパナマ国の法制下において判断すると、原処分庁が会社を支配し得る法的地位を株式等と認めて、その純資産価値をもって株式の評価額としたことに違法、不当な点は認められないから、請求人らの主張には理由がない。(平14.07.09.高裁(諸)平14-2)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平130032
- 裁決年月日
- 平成14年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件両宅地のうち本件両借家人ら等の通行の用に供されている本件両通路は、財産評価基本通達に定める私道に当たるから、本件両宅地は、宅地、本件両通路及び駐車場をそれぞれ1画地として、当該それぞれの区画ごとに評価し、かつ、本件両通路は貸家建付地の価格の100分の60に相当する価額により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件両通路は本件両宅地内に存し、もっぱら本件両借家人らが通行の用に供しているいわゆる路地状の宅地と認められるから、財産評価基本通達に定める私道には当たらない。また、請求人が主張する駐車場については、本件両借家人らの駐車スペースとして確保していることが認められることから、区分して評価するのは相当でない。したがって、本件両通路及び駐車場をそれぞれ1画区として評価することはできず、本件両通路に隣接する貸家建付地と合わせて1区画の宅地として評価するのが相当であるから、請求人らの主張には理由がない。(平14. 6.28仙裁(諸)平13-32)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130098
- 裁決年月日
- 平成14年6月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、債務者に売上げが計上され、当期利益があることから、債権の回収の見込みがないことが客観的に確実でないと主張するが、債務者は赤字決算と債務超過の状態が継続しており、倒産直前期にごくわずかの当期利益はあるものの、営業規模は大幅に縮小され、借入金は減少していないにもかかわらず支払利息が急減していることからみても、その営業活動が悪化していることは明らかであり、また、貸金業に係る貸付金に異動はないこと、事業活動に係る基本的な経費である人件費の計上がなく、売上げは全て親会社に対するものであること等からすると、営業活動の実態はほとんどなかったものと認められる。以上のことからすれば、債務者は、一見、営業活動は継続しているものと認められるものの、その実態は極めて危機的な状況であったというべきであるから、その回収は著しく困難と認めるのが相当であり、本件貸付債権は財産的価値がなかったものと判断するのが相当である。(平14. 6.28関裁(諸)平13-98)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130098
- 裁決年月日
- 平成14年6月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地建物について、本件相続開始日において担保権の実行が確実であり、かつ、債務者に対して求償権を行使しても返還を受ける見込みがない状態であったと認められるから、本件土地建物の価額から抵当権等により担保されている債務の額を控除すべきである旨主張するが、債務者は、本件相続開始日前後を通じて営業活動及び金融取引を行っていること、また、債務超過の状態が相当期間継続していたとも認めることができないことからすると、本件相続開始日において、債務者に対して債権が事実上回収できない状況にあることが客観的に認められるとはいえず、債務者が弁済不能の状態であったとは認めることができないから、本件土地建物の価額から根抵当権により担保されている債務の額を控除することはできない。(平14. 6.28関裁(諸)平13-98)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130281
- 裁決年月日
- 平成14年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地が接面する路線に原処分庁が付設した路線価は、請求人の生活実感から高額であり、又、減価要素が取り込まれていないから相当でないと主張する。そこで、審判所で、近隣の公示地、取引事例及び本件土地を土地価格比準表に準じて比較したところ、各土地の路線に係る格差率の割合と路線価の割合は相互に均衡が取れていると認められたから、本件路線価は、財産評価基本通達に基づいて設定された妥当なものと認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平14. 6.27東裁(諸)平13-281)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130281
- 裁決年月日
- 平成14年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の時価は請求人が隣地を購入した価額である旨主張する。そこで、審判所で、調査したところ、当該隣地の購入価額は、(1)土地の形状、譲渡人及び請求人の事情から形成された正常価格ではない価額と認められ、(2)近隣の公示地、取引事例、本件土地及び当該隣地を土地価格比準表に準じて比較したところ、当該金額は著しく低廉な価額と認められたことから、請求人の主張には理由がない。(平14. 6.27東裁(諸)平13-281)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130281
- 裁決年月日
- 平成14年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802041
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/1山林の評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件市街地山林は、近隣私道の地権者から開発同意が得られない土地だから、現況の使用形態である農地として評価すべきであると主張し、一方、原処分庁は、これに対して、私道の地権者から開発同意が得られないのは個人的理由であるとして、財産評価基本通達に基づく評価を行っている。そこで、審判所で、宅地開発に係る法規制を調査したところ、近隣私道の幅員が狭いため、本件土地内には新たな道を設置できず、開発を行うとしても、旧建築基準法によって現存する本件土地内の私道に開発地が各々2m接地するようにするしかない旨判明した。したがって、土木事務所の担当職員の意見及び近隣の宅地の取引価格から宅地見込地としての価額を算定したところ、農地としての価額を下回ったため、当該土地の最有効使用形態は畑と認定され、本件土地については、評価通達によることが妥当性を欠き、著しく不合理である場合にあたると判断するのが相当であるから、農地としての価額が本件土地の価額である。(平14. 6.27東裁(諸)平13-281)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130041
- 裁決年月日
- 平成14年6月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400806000
- 争点
- 8財産の評価/6営業権等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、商標権は被相続人に帰属し、被相続人はこれを法人に無償で使用させていたことから、その評価額は零である旨主張する。しかしながら、財産評価基本通達の規定に従うと商標権の評価額は算定されないことになるが、法人が商標を使用して多額の商標使用料を収受している以上、商標は法人の事業活動において収益力すなわち経済的価値を有すると認めるのが相当である。この経済的価値を生み出しているのは商標の通常使用権であり、この通常使用権は商標法上の登録はないが、法人にとって重要な価値を有する事実上の財産であると認められ、この経済的価値を有する無形財産は一般に営業権として認識されており、営業権は相続税法に規定する相続財産に含まれると解される。したがって、相続財産の課税価格の算定において、法人に帰属する商標の経済的価値の評価を営業権として法人の資産に計上して、当該法人の出資金を算定すべきである。(平14. 6.26福裁(諸)平13-41)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130055ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 路線価が付されていない道路のみに接している宅地については、その道路に接続する路線の路線価を基に画地調整を行って評価することになるが、このように評価することが実情に即していない場合には、実務上、納税義務者からの申請等により、その道路に路線価を仮に設定し、それを基に評価することとされている。この仮路線価を設定する取扱いは、財産評価基本通達が設定された昭和39年以来行われてきており、既に定着していると認められるところ、この仮路線価を設定して評価する趣旨は、評価しようとする宅地が、路線価の付されていない道路にのみ接しているような場合であっても、当該宅地の価額をその道路と状況が類似する付近の路線価の付された路線に接する宅地とのバランスを失することのないように評価しようとするものであって、この方法は合理的なものと認められる。これを本件についてみると、A土地とa路線との間には幅約1mの水路が存在しており、A土地がa路線に直接面しているとはいえないが、A土地は、路線価の付されていない市道であるb路線に直接面している矩形の土地であると認められ、このように、A土地が現実に市道であるb路線に面した矩形の土地である以上、請求人らが主張するように、その道路がないものと仮定し、不整形地として評価することは、本件土地の実情に即した適切な評価方法とは認められないものである上、その評価方法はあまりにも便宜的である。他方、原処分庁は、A土地は、市道であるb路線にのみ面した矩形の土地であり、路線価の付されていないb路線に接続するa路線の路線価を基に画地調整を行って評価することが実情に即さないとして、b路線に仮路線価を設定してA土地を評価したものであるところ、上記の仮路線価を設定して評価する趣旨等に照らせば、原処分庁がA土地を仮路線価に基づいて評価したことは相当であると認められる。(平14. 6.26広裁(諸)平13-55)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130055ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は3等分に区分すべきであると主張するが、財産評価基本通達10によれば、宅地の価額は、利用の単位となっている区画ごとに評価すべきである旨定められているところ、貸家建付地を評価する場合において、貸家が数棟ある場合には、各建物の敷地ごとに1画地として評価し、その区分は、各敷地が明確に区分されていれば、その区分に従ってなされるべきであるが、これがなされていない場合には、土地の利用状況、各建物の使用目的、建物の規模、構造等を総合的に勘案して各画地の区分をするのが相当である。これを本件についてみると、本件土地上には、A建物ないしC建物の独立した3棟の貸家が有り、各建物間をフェンス等で仕切っていないため、本件土地を明確に区分することはできないところ、土地の現実の利用状況については、現実に建物が建築されている部分は各建物の1階部分の床面積に応じた差異がある一方、その他の部分については、特段の差異は認められず、また、A建物ないしC建物の各建物の使用目的、規模、構造等については、いずれも軽量鉄骨造瓦葺2階建の共同住宅であるが、建築基準法上、建築物の延べ床面積の敷地面積に対する割合には制限が加えられており、両者の間には相関関係があると認められることからすれば、各建築物の延べ床面積によってあん分した場合に、現実の土地の利用状況と著しく異なるような状況が認められない限り、建築物の延べ床面積によってあん分するのが相当と認められる。そして、本件の場合、各建物の延べ床面積に応じて本件土地をあん分する方法により、本件土地を区分したとしても、いずれかの敷地が他の建物にかかってしまうといった状況が生じるわけでもないから、原処分庁が、この方法により本件土地を区分し、評価したとしても不合理であるとはいえない。(平14. 6.26広裁(諸)平13-55)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平130030
- 裁決年月日
- 平成14年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の評価に当たり、全体を1画地として評価すべきである旨、また、本件土地は、平成6年分相続税の申告において同様に評価し、申告是認を受けている旨主張する。しかしながら、本件土地は、全体が16名に対し賃貸されている貸付地であり、評価通達10《評価単位》の定めに基づき、その利用の単位となっている貸し付けられている部分ごとに16の画地として評価するのが相当である。また、申告納税制度の下では、納税者が納税申告書を原処分庁に提出し、原処分庁がこれを受理した場合には有効な納税申告書として取り扱うことになるが税務署長による申告書の受理が、その申告内容を是認することまでを意味するものではないと解するのが相当である。したがって、これらに点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 6.21仙裁(諸)平13-30)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130091
- 裁決年月日
- 平成14年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・554ページ
要旨
○ 協業組合であるA社の出資の価額の評価方式について、請求人は、払込済出資金額に相当する金額又は配当還元方式により評価すべきである旨主張し、原処分庁は、財産評価基本通達196の定めを適用して純資産価額を基として評価すべきである旨主張する。しかしながら、協業組合の活動実態は、企業組合など他の営利事業を営む中小企業等協同組合と異なり、むしろ合名会社に近いものと認められることから、税法の解釈適用にも要請される租税負担公平の原則に照らし、合名・合資会社の出資に適用される、収益性が法人の規模に応じて反映される併用方式(財産評価基本通達179)によって評価することが相当である。ただし、協業組合においては、議決権等の配分が各組合員相互間の平等を原則とされているから、零細株主等に適用される特例的な評価方式である配当還元方式及び財産評価基本通達185に定める20%評価減の特例を採用することは相当でない。(平14. 6.21関裁(諸)平13-91)裁決事例集NO63・554ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130089
- 裁決年月日
- 平成14年6月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802043
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/3市街地調整区域内の山林
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人らが相続により取得した土地の価額を財産評価基本通達の定めにより評価すると、著しく高く、時価として不適切なものと判断されたので、本件土地の価額を鑑定評価により申告したところ、原処分庁も同様な理由から本件土地の価額を鑑定評価した。原処分庁は、請求人らの鑑定評価が低すぎるとして更正処分を行い、原処分庁の鑑定評価が適切である旨主張するが、鑑定評価における標準画地の認定、最有効使用の考え方、取引事例の選定等について判断すると、原処分庁の主張よりもむしろ請求人らの主張に合理性があると認められ、本件土地の価額は、請求人らの主張する鑑定評価によることが相当であると認められる。(平14. 6.18関裁(諸)平13-89)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130087
- 裁決年月日
- 平成14年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は、高圧線下地であり、本件土地の31.4%に建築制限があることから、本件土地全体の自用地価額から100分の30の割合で減額をするのが相当である旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、本件土地上の特別高圧架空電線路の最下垂時の位置は地上から約40.5メートルの高さにあり、この高さから離隔距離3.75mを差し引いた高さまでの範囲ならば、家屋の構造、用途等に制限は受けるものの建造物の築造も可能である。したがって、本件土地のうち特別高圧架空電線路下の建築制限のある土地の面積及び利用が制限されると認められる三角地以外の土地には、その立地条件、隣接地、土地の面積、形状、土地の出入り口等の状況等を総合的に判断しても、利用価値の低下が生じているとは認められないから、原処分庁が本件土地の自用地価額から特別高圧架空電線路下の建築制限のある土地の面積及び利用が制限されると認められる三角地の自用地価額に100分の30の区分地上権に準ずる地役権の割合を乗じて計算した価額を控除して本件土地を評価したことは相当と認められる。(平14. 6.14名裁(諸)平13-87)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130087
- 裁決年月日
- 平成14年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件路線価について、本件路線価には現地の実情が反映されておらずに高く評価されていると主張する。しかしながら、本件路線価は、精通者意見価格等を基に本件公示価格と同水準の価格の80%の評価割合で評定された8か所の標準地に面する道路の路線価と地域の事情等を総合勘案して評定されているところ、8か所の標準地の一つである本件公示地に面する道路と本件土地に面する道路の状況からも、本件公示地に面する道路の路線価と比較して本件路線価は相当と認められ、請求人からは、本件路線価が時価を上回っているような特別の事情についての資料の提示及び説明もない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平14. 6.14名裁(諸)平13-87)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130042
- 裁決年月日
- 平成14年6月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の評価に当たっての正面路線を、国道に沿った路線は河川によって隔てられていることから、西側の路線とすべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、県知事から公有水面の占用の許可を得た上で、当該河川に幅12mの鉄筋コンクリート製の橋を設置し、バス等及びホテル利用客の通行のように供されており、公有水面の占用に関する権利と一体で利用されていると認められるから、国道に沿った路線を正面路線として評価するのが相当である。したがって、請求人らの主張は採用できない。(平14. 6. 6.高裁(諸)平13-42)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130042
- 裁決年月日
- 平成14年6月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、取引相場のない株式の評価に当たり、評価会社の利益金額等を、原処分庁の租税特別措置法第66条の6の誤った解釈により、株式の発行も出資もない外国会社を特定外国子会社等として行われた更正処分に基づいていることが違法である旨、また、仮に外国会社が特定外国子会社等に該当するとしても租税特別措置法第66条の6の適用により増加した所得金額は財産評価基本通達183の(2)でいう「非経常的な利益の金額」に該当するから、当該増加所得を利益金額に加算したことが違法である旨主張する。しかしながら、当該更正処分は既に確定しており、また、上記通達でいう「非経常的な利益の金額」とは、固定資産売却益、保険差益等の臨時偶発的なものをいうと解するのが相当であり、租税特別措置法第66条の6の規定の適用により増加した所得がこれに含まれると解することができないから、請求人らの主張には理由がない。また、請求人らは、租税特別措置法第66条の6の規定の適用は資本関係のある外国関係会社に限定されているにもかかわらず、株式の発行もなく出資もしていない外国会社を同条第1項に規定する特定外国子会社等と認定し、その外国会社の純資産価額を株式として、評価会社の株式勘定に加算したことが違法である旨主張する。しかしながら、株式等の意義を我が国商法の規定に従って解釈しなければならないとする合理的な理由はなく、むしろ当該規定が外国会社を対象とする規定であることからすると、その国の法人の設立準拠法に沿って解釈するのが相当である。そして、本件における評価外国会社であるヘッドカンパニーはいずれもA国に本店を有するものであるところ、A国の会社法では、株式会社は定款の登記によって設立手続を終えるもので、定款には、資本の額、発行される株式の数や種類のほか、各発起人が引き受けることに合意した株式の数等が必要的記載事項とされているものの、株式の発行、引受け及び払込み等は必要的記載要件とされているものではなく、また、株式発行前の定款の変更は、発起人全員と株式の引受けを承諾した者全員によって署名されれば可能であること等とされていることからすると、株式の発行前においては株主は存在しないものの、発起人及び株式の引受けを承諾した者ないしその地位を承継した者が会社を支配し得る物的持分としての法的地位を保有しているものと解するのが相当である。また、当審判所の調査によれば、外国子会社を有する評価会社は、いずれも外国子会社の損益を合算して法人税の申告をしていることが認められる。このことは、各評価会社が外国子会社を支配していることを自認していると認めるのが相当であるから、上述のA国の法制下において判断すると、原処分庁が会社を支配し得る法的地位を株式等と認めて、その純資産価額をもって株式の評価額としたことに違法、不当な点は認められない。(平14. 6. 6.高裁(諸)平13-42)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平130028
- 裁決年月日
- 平成14年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件区画整理事業において、平成6年10月12日付で行われた1回目の仮換地指定通知は平成11年10月25日付の本件取消通知で取り消されており、従前の土地に係る仮換地の指定は、本件贈与の日以後行われた2回目の仮換地指定通知の平成11年10月25日であるから、本件土地の価額は従前の土地の形状を基礎として評価すべきである旨主張する。しかしながら、(1)請求人の父は1回目に指定された仮換地上に建物を建築し居住していること、(2)請求人の父及び請求人は実際に使用収益権を有する仮換地を売買の対象として従前地の一部を売却していること、(3)本件区画整理組合の理事会及び総代会で承認された「仮換地の指定の軽微な変更の取扱い」は、地権者からの「仮換地指定変更願い」に基づき、仮換地の実質を変更しないといったものに限定して、理事会の承認を受けたものについて仮換地指定の取消し及び再度仮換地の指定通知という手続きにより行っていることなどを念頭に、1回目の仮換地指定通知から2回目の仮換地指定通知に至る一連の事実を総合勘案すると、1回目の仮換地指定通知は本件取消通知により取り消されているが、それはむしろ財産管理及び権利関係の明確化の観点からの便宜によるもので、仮換地指定制度がらみると従前の土地に係る仮換地の指定は、1回目の仮換地指定通知により実質的に行われたと認めるのが相当である。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 5.20仙裁(諸)平13-28)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130078
- 裁決年月日
- 平成14年5月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が物上保証人(根抵当権設定者)兼連帯保証人として行った本件保証について、債務控除の対象となる金額は、保証に係る極度額である980000000円のうち申告において債務控除した金額780000000円を認めるべきである旨主張し、原処分庁は、本件保証の極度額全額の履行となるかどうかは不確実な状況にあるが、担保に提供した土地建物については、主たる債務者の債務に充てられることが確実と認められるので、本件土地建物に係る財産評価額448925466円までは債務控除できる旨主張する。しかしながら、被相続人の物上保証に係る負担限度額は、根抵当権設定に係る本件土地建物の財産評価額である448925466円と認められ、一方、被相続人の連帯保証に係る負担限度額は、連帯保証人相互間において保証に際しての負担部分の特約が存在しないこと及び連帯保証人のうちに償還する資力のない者がいる場合には、その償還資力のない者の負担部分も他の連帯保証人の間で分割負担することを考慮すれば、590000000円と認められる。そうすると、本件保証債務について、債務控除すべき債務の額は、連帯保証に係る負担限度額の590000000円と認めるのが相当である。(平14. 5.17関裁(諸)平13-78)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130226
- 裁決年月日
- 平成14年4月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続で取得した本件生産緑地については、主たる従事者証明書の交付を受けておらず、また、買取りの申出をする意思もないことから、財産評価基本通達40−2(生産緑地の評価)(1)の定めにより、課税時期において買取りの申出をすることができない生産緑地として、生産緑地でないものとして評価した価額から、その価額に100分の30の割合を乗じて計算した金額を控除した価額が評価額である旨主張する。しかしながら、買取りの申出をすることができる生産緑地とは、主たる従事者証明書の交付を受けたという事実の有無が買取りの申出をすることができる生産緑地に該当するかどうかの判断基準となるものではなく、買取りの申出をしないことをもって、買取りの申出をすることができない生産緑地であるということはできない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 4.19東裁(諸)平13-226)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130226
- 裁決年月日
- 平成14年4月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、(1)本件相続人が本件生産緑地の所有者で耕作に携わっていること、(2)本件被相続人が納税猶予の適格者であること、(3)本件被相続人は主たる従事者に該当するとの農業委員会会長の回答結果から、本件被相続人は主たる従事者に該当するので、財産評価基本通達40−2(2)の定めにより評価すべきである旨主張する。本件の場合、(1)中心となって農業に従事していたのは請求人であり、主たる従事者に該当すること。(2)本件被相続人の従事日数は主たる従事者である請求人の8割未満と認められること、(3)本件被相続人の死亡により同人が農業に従事できなくなったために農業経営が客観的に不可能になるとは認められないことから、本件被相続人は主たる従事者に該当しない。したがって、買取りの申出ができない生産緑地として財産評価基本通達40−2(1)の定めにより評価すべきであり、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平14. 4.19東裁(諸)平13-226)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130058
- 裁決年月日
- 平成14年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、耕作権のある本件農地(市街化農地)の評価は、小作料は非常に低いこと、また、古くからの耕作権であること等を考慮するならば、付近の宅地に係る借地権におけると同様一般的規定より多くの離作料を負担する可能性が高いから、本件農地の価額から控除すべき耕作権の価額の計算の基となる耕作権割合を100分の60とすべきである旨主張する。しかしながら、(1)本件農地の所在する町内に耕作権の割合が100分の40を超えると認められる取引事例はなく、(2)請求人らは耕作権の割合が60%であることを立証する証拠資料の提出をしていないこと、(3)本件農地について評価基準に定める割合により評価することが実情に即さないと認められる特殊事情もないことから、本件農地に係る耕作権の割合は、100分の40とするのが相当である。(平14. 4.11名裁(諸)平13-58)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130058
- 裁決年月日
- 平成14年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続財産の評価は、相続開始時の現況に応じ、不特定多数の当事者間での自由な取引が行われる場合に成立すると認められる価格であることからすれば、納税者間の公平及び便宜という見地から見ても評価通達の定めに基づき、画一的に評価することは、かえって租税負担の公平性を欠くことから、本件鑑定評価額を採用すべきである旨主張する。しかしながら、課税庁が各種財産の時価の評価に関する原則及びその具体的な評価方法を明らかにし、評価通達を定め、さらに、土地の価額については具体的な評価方法として国税局長が評価基準を定めて、部内職員に示達するとともに、これを公開することによって納税者の申告、納税の便に供することが認められ、この課税庁の取扱いは相当であると解されるから、相続により取得した財産の価額は、原則として評価通達に基づき適正に算出した額とすべきである。また、本件鑑定評価額における標準価格は、本件各土地の正面路線価を上回っているから、正面路線価は時価を上回っているとは認められず、本件評価基準である路線価を基に本件各土地の価額を算定するのが相当と認められる。(平14. 4.11名裁(諸)平13-58)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130058
- 裁決年月日
- 平成14年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802019
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件1土地ないし本件3土地の価額の計算において、都市計画道路予定地があることによる行政的条件のしんしゃく割合を、それぞれ100分の40、100分の35及び100分の50とし、本件1土地ないし本件3土地のすべての面積に適用すべきである旨主張する。しかしながら、それぞれのしんしゃく割合の根拠及び本件1土地ないし本件3土地の全体にしんしゃく割合を適用すべき理由となる証拠資料の提出はなく、また、これらの土地についての建築物の構造等の制限の影響度は大きいものとは認められないことなどから、本件1土地ないし本件3土地の一部が都市計画道路予定地であることにつき、その部分につきその利用に制限等を受ける場合のしんしゃく割合を区分地上権に準ずる地役権の割合(100分の30のしんしゃく割合)を準用した原処分庁の評価は相当と認められる。(平14. 4.11名裁(諸)平13-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130203
- 裁決年月日
- 平成14年3月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802044
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/4市街地山林
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・538ページ
要旨
○ 1.甲土地について 甲土地の価額について、請求人は、零円である旨主張し、原処分庁は、評価基本通達の定めに基づき評価した11742800円である旨主張する。しかしながら、甲土地は、その地積が狭小であること、急峻ながけ地であることから、評価基本通達に定める宅地比準方式を適用して評価することに特に不都合がある特段の事情があるものと認められ、その価額は、近隣の山林の売買価額を基とした121892円であると認められる。 2.乙土地について 乙土地の価額について、請求人は、付近の不動産業者に見積もってもらった1億円である旨主張し、原処分庁は、評価基本通達の定めに基づき評価した316954560円である旨主張する。しかしながら、乙土地には、評価基本通達を適用して評価することに特に不都合がある特段の事情があるものと認められず、同通達の定めに基づき評価した価額は102594240円であると認められる。(平14. 3.27東裁(諸)平13-203)裁決事例集NO63・538ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130068
- 裁決年月日
- 平成14年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の価額は本件申告書に記載した価額が適正な時価であるとし、その根拠として、収益利回り計算による評価、売買実例による評価及び固定資産税評価額との比較による評価を加味して適正な評価をしたとして、路線価に基づき本件土地の価額を算定した原処分は違法である旨主張するが、請求人らの主張する根拠については、いずれについても、客観的で合理的な算定であると認めるだけの具体的な証拠資料を提出しているとはいえず、また、公示価格及び基準地価格を十分に参酌することなく本件土地の価格を算定していることから、その価額算定方法は、請求人らの独自のものといわざるを得ず、請求人らの算定した本件土地の価額に合理性を認めることはできない。そこで、当審判所が本件相続開始日における本件土地の価額を時価評価したところ、原処分庁が算定した本件土地の価額の合計額を上回ることから、更正処分は適法である。(平14. 3.18関裁(諸)平13-68)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130183
- 裁決年月日
- 平成14年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の価格について、不動産鑑定士が鑑定評価した本件鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、請求人らが採用した本件鑑定評価額は、本件土地に含まれるがけ地部分の減価率などの個別格差率の算定が相当とは認められず、本件相続開始日における適切な本件土地の時価を表しているとは認められない。そこで、当審判所において、本件土地の時価を算定したところ、原処分庁が評価基本通達を基に算定した価額を下回らないことから、本件土地の評価に当たっては評価基本通達に基づいて評価するのが相当である。(平14. 3.11東裁(諸)平13-183)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130027
- 裁決年月日
- 平成14年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・576ページ
要旨
○ 請求人は、相続税の申告に当たり同族法人に対する貸付金を申告していたが、これを相続税の申告期限前の当該法人の決算時において一部受贈益として確定させたものであるから、この部分に関してはその回収が不可能なことは動かしがたい事実である旨主張するが、債務者が弁済不能の状態にあるか否かは、一般には、破産、和議、会社更正あるいは強制執行等の手続開始を受け、又は事業閉鎖、行方不明、刑の執行等により、債務超過の状態が相当期間継続しながら、他から融資を受ける見込みがなく、再起の目途が立たないなどの事情により、事実上債権の回収が不可能又は著しく困難な状況であることが客観的に認められるか否かにより判断すべきと解されるところ、当該法人は、本件相続の開始日当時、赤字申告が続いていた事実は認められるが、債務超過の状態が継続していた事実は認められず、事業活動を継続しており、事業閉鎖等の事実、会社更正又は強制執行の申立て等を受けた事実はなく、弁済不能の状態にあったとは認められない。また、回収不能の判断時期は、相続開始時であるから、本件相続の開始時点において、貸付金の回収が不可能又は著しく困難な状況であると認められない以上、相続開始後に起きた事実等に基づいて、貸付金の価額の評価が左右されるものではない。(平14. 2.26広裁(諸)平13-27)裁決事例集NO63・576ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130160
- 裁決年月日
- 平成14年2月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件農地の地積は広大であるから、評価基本通達24−4の定めを適用して広大地として評価すべきである旨主張し、一方、原処分庁は、本件農地がその所在する地域における標準的な土地の地積に比して著しく広大な土地とは認められない旨主張する。しかしながら、本件農地の地積は2527.93平方メートルであり、本件農地の存する同一用途地域内において標準的な宅地の地積を有すると認められる地価公示法の規定に基づき公示された標準地の地積は150平方メートルであり、本件農地は、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な土地と認められる。そうすると、本件農地は、市の宅地開発指導要綱によれば、本件農地を宅地開発する場合には、公共公益的施設用地の負担が必要とされていることから評価基本通達24−4に定める広大地に該当する。したがって、原処分庁の主張には理由がない。(平14. 2.25東裁(諸)平13-160)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130160
- 裁決年月日
- 平成14年2月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件農地はB路線の影響を受ける度合いが著しく低いと認められることから、A路線を正面路線とすべきである旨主張するが、本件農地は、B路線に接している距離が11.5mであることから、B路線の影響を受ける度合いが著しく低いというほどその路線に接する間口が狭小であるとは認められない。そうすると、本件農地の価額は、B路線を正面路線として評価することが相当であり、請求人の主張には理由がない。(平14. 2.25東裁(諸)平13-160)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130013
- 裁決年月日
- 平成14年2月19日
- 裁決結果
- 却下
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が取得した本件土地についての原処分の評価額は、その計算に違法があるから、原処分の一部を取り消すべきである旨主張するが、双方に争いのない財産評価基本通達の定める方法により本件土地を評価したところ、原処分の評価額はその評価額を下回り、また、当該評価額等を基に納付すべき相続税の額を計算したところ、原処分の額はその範囲内であることから、原処分は相当である。(平14. 2.19熊裁(諸)平13-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130142
- 裁決年月日
- 平成14年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・523ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地に上には借地権が存する旨主張する。しかしながら、本件土地に係る対価の額は固定資産税等の額以下であること、その貸借関係は被相続人と借受人の信頼関係を基盤としたものであること、及び借受人は対価の額を謝礼として支払ったと認識していると認められること等から、土地の貸借は使用貸借と解するのが相当であり、借地権が存するとは認められないことから、本件土地は自用地として評価すべきである。(平14. 1.31東裁(諸)平13-142)裁決事例集NO63・523ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130143
- 裁決年月日
- 平成14年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地が接面する甲路線及び乙路線の路線価の平成10年分以降の下落率が高いことを勘案すれば、平成10年分の路線価は異常に高く評価されたものであるから、少なくとも平成11年分の路線価の価額を用いて算定すべきものであると主張する。しかしながら、評価通達には、同一年中に地価が上昇もしくは下落した場合において、相続開始の日の属する年分以外の路線価を選択できるとする定めはないのであるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 1.31東裁(諸)平13-143)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130046
- 裁決年月日
- 平成14年1月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、贈与を受けた宅地に接面する本件路線に付されている路線価は適正な時価を反映したものとはいえないから、請求人が主張する路線価に基づき評価するべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張する路線価は、独自の見解によるものであって、何ら合理的根拠に基づくものでないから採用できない。また、本件路線価につき、本件路線のすぐ南の路線に設置された標準地を基に検討すると、その標準地の精通者意見価格と相互に均衡が取れており、本件路線に基づき評価した本件宅地の相続税評価額が本件宅地の時価を上回っているとは認められない。したがって、原処分は適法である。(平14. 1.28大裁(諸)平13-46)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130047
- 裁決年月日
- 平成14年1月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地が事務所及び倉庫の敷地とそれ以外の敷地が一体として利用された土地であるから、全体を貸家建付地として評価すべき旨主張する。しかしながら、本件各土地は、賃貸借契約書及びその利用状況から見て、中古車販売業者の展示場及び運送業者の大型車両の駐車場としての利用を主たる目的とした土地であり、建物の利用を主たる目的としているとは認められない。したがって、本件各土地は雑種地として評価すべきであり、また、同土地には、雑種地上の賃借権以外の権利が認められないことは明らかであることから、請求人らの主張は採用することができない。(平14. 1.28大裁(諸)平13-47)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平130015ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年12月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が平成8年分の贈与税の課税に当たり不整形な宅地の価額を資産評価企画官情報の取扱いにより評価したのは、通達化(平成11年1月1日以後に相続又は贈与により取得した財産の評価に適用)された当該情報を遡及して適用したものであるから、租税法律主義及び信義誠実の原則に反する旨主張する。しかしながら、当該通達を遡及して適用した事実はなく、また、不整形な宅地の評価に当たり必ずしも当該情報の取扱いによらなければならないものではなく、他に合理的な評価方法があればそれにより評価することができるのであり、更に、請求人の主張する評価方法が合理的であるとはいえないから、請求人の主張は当を得てないといわざるを得ない。(平13.12.25仙裁(諸)平13-15)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平130015ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年12月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃借した土地上に賃貸駐車場用として敷設したアスファルト舗装は、耐用年数が10年であること等の理由がら「堅固な構築物」である旨主張する。ところで、民法は、当事者の設定行為によって存続期間を定める場合、賃借権については、同法第604条《賃借権の存続期間》第1項において「賃貸借の存続期間は20年を超えることができない」旨規定しているが、地上権についてはこのような制限がなく、また、同法第268条《地上権の存続期間》第2項では、「当事者間で存続期間を定めないときは、裁判所は、当事者の請求によって20年以上50年以下の範囲内においてその地上権の存続期間を定めることができる」旨規定している。そうすると、評価基本通達87の(1)が、地上権に準ずる賃借権として、堅固な構築物の所有を目的とするものを例示しているが、この「堅固な構築物」とは、一般に、その建築物の建設及び撤去に相当の期間を要し、また、賃借権の存続期間も地上権の存続期間に準ずる相当の期間が想定されるような構築物をいうものと解するのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。(平13.12.25仙裁(諸)平13-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130079
- 裁決年月日
- 平成13年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件私道には特殊事情があり、また、相続開始後に市に対して寄付しているのだから、本件私道の価額は零円である旨主張する。しかしながら、本件私道に係る事情からは、本件私道に客観的な交換価値がないとは認められないし、また、合理的と認められる評価基本通達の定めを適用することが得に不都合と認められる特段の事情があるとも認められず、さらに、当該寄付は、租税特別措置法第70条の規定の適用がない寄付であるから、本件私道は、同通達の定めに基づいて評価し、その価額を相続税の課税価格に算入すべきであって、請求人らの主張には理由がない。(平13.10.31東裁(諸)平13-79)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平130005
- 裁決年月日
- 平成13年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建築基準法第47条《壁面線による建築制限》による土地のセットバックを受ける部分の土地の評価については、建築物が建築できず附帯的利用しかできないので、建築基準法第42条《道路の定義》第2項に規定する将来道路の敷地として提供する土地部分と同様に、更地価額の30%の価額を控除した価額を評価額とすべきであると主張する。しかしながら、建築物は建築できないとしても、さく、垣の敷地又は庭等としての利用は可能であるから、宅地に便益を与え、一体として宅地の効用が発揮される土地と認められ、更にセットバックを受ける部分の土地の面積については、容積率及び建ぺい率の算定をする場合の敷地面積にも算入される。そうすると、セットバックを受ける部分の土地の評価については、建築基準法第42条第2項に規定する将来道路の敷地として提供する土地部分とは同一視することはできず、宅地としての効用が発揮される土地と認められ、更に評価減をしなければならない特別の理由も認められないので、請求人の主張は採用できない。(平13.10.25沖裁(諸)平13-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平130005
- 裁決年月日
- 平成13年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地区画整理事業施行中の宅地の評価について、仮換地について造成工事が完了したものとしての価額の5%程度の評価減のしんしゃくでは、評価額に反映しているとはいえないと主張する。しかしながら、相続によって取得した財産が当該取得の時において取引の対象となっていることは極めてまれであり、当該財産の時価を的確に把握することは必ずしも容易でないこと、他方、相続税の課税においては統一的な方法によって財産の価額を算定する必要があることから、財産評価基本通達及び財産評価基準において、特定の財産を除きその時価の具体的な評価方法が定められているところ、一般的には、相続等により取得した財産の評価は、評価基本通達及び評価基準に定める評価方法によって行われていることが認められ、当該評価方法によって評価した財産の価額は、特段の事情のない限り相続税の課税の時における財産の時価と認めるのが相当と解されている。そうすると、評価基本通達24−2によらないことが正当として是認されるような特別の事情もなく、また、仮換地について造成工事が完了したものとしての価額の5%を超えて更に評価減をしなければならないと認められる合理的理由及び算定資料の提出もないので、同通達を適用して評価することになり、請求人の主張は採用できない。(平13.10.25沖裁(諸)平13-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平130005
- 裁決年月日
- 平成13年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、甲土地及び乙土地の路線価が、状況類似地区でありながら一方では上昇、一方では下落し適切に地価動向を反映しているとはいえず、近傍の公示価格と比較しても高めに付されており、更に売買実例価額についても、買い進み売り急ぎなどの事情を排除したか疑問であると主張する。しかしながら、都市計画法第8条による地域は、甲土地が第二種中高層住居専用地域に、乙土地は第一種低層住居専用地域に指定されており、それぞれ用途地域が異なり、状況類似地区とはいえず、地価動向が同じとはいえない。また、請求人の主張する公示地は、準工業地域に所在し、本件土地と直線で約650m程離れており比較対象地としては適さない。そして、当審判所の調査によると、本件土地の路線価は、売買実例価額、公示価格及び精通者意見価格等を総合的に参酌して、買い進み売り急ぎなどの事情を排除した価格により定められていると認められるため、請求人の主張は採用できない。(平13.10.25沖裁(諸)平13-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130020
- 裁決年月日
- 平成13年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地(雑種地)の評価に当たって、本件土地と状況が類似する付近の土地(以下「近傍宅地」という。)の1平方メートル当たりの固定資産税評価額が本件相続開始日の時価を反映していないので、本件土地の前に付設されている路線価の下落率を基に時点修正したものを、近傍宅地の1平方メートル当たりの評価額とし、これに評価倍率を乗じて、本件土地の1平方メートル当たりの評価額とすべき旨主張するが、評価倍率は、毎年、その地域にある地価事情の類似する地域ごとに、宅地の売買実例価額、公示価格、精通者意見価格等を基として国税局長が定めたものであり、請求人らが主張するところの地価の下落率の要素についても、当該評価倍率に反映されているものと認められることから、地価の下落に伴い、固定資産税評価額の時点修正が行われるべきであるとする請求人らの主張は、地価の下落を重複して考慮するもので、評価通達に定める方法により本件土地を評価するとの前提と矛盾し、採用することはできない。(平13.10.25関裁(諸)平13-20)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130015
- 裁決年月日
- 平成13年10月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の価額は本件取引金額である旨主張し、原処分庁は、本件土地の相続税評価額より売買実例を基に算定した価額の方が低い価額であるから、当該売買実例を基に算定した価額が本件土地の価額として相当である旨主張するので、当審判所において、本件土地の価額及び相続税法第7条の適否について審理したところ、以下のとおりである。相続税法第7条に規定する時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額を、すなわち、客観的な交換価値(以下「通常の取引価額」という。)をいうと解するのが相当である。しかし、客観的な交換価値というものが必ずしも一義的に確定されるものではなく、これを個別に評価すると、評価方法等により異なる評価額が生じたり、課税庁の事務負担が重くなり、課税事務の迅速な処理が困難となるおそれがあるため、課税実務上は、財産評価の一般的基準が評価通達により定められ、これに基づいて画一的に財産の評価が行われているところである。ところで、相続税法第7条の規定の趣旨にかんがみると、同条にいう「著しく低い価額の対価に該当するか否か」は、当該財産の譲受けの事情、当該譲受けの対価、当該譲受けに係る財産の市場価額、当該財産の相続税評価額などを勘案して、社会通念に従い判断すべきものと解するのが相当である。そこで、本件土地の通常の取引価額を算定するに際しては、取引事例比較法による比準価格並びに本件公示地及び本件基準地の規準価格を基に算定するのが相当であるから、これに基づいて、本件土地の通常の取引価額を算定したところ、本件取引金額は、通常の取引金額の6分の1にも満たない金額であり、また、比準価格及び規準価格の最低額を基に算定した価額及び当審判所が認定した相続税評価額のいずれかの価額の5分の1にも満たない金額である。そうすると、社会通念上、本件取引は、著しく低い価額の対価である財産の譲渡を受けた場合に当たるものと認めるのが相当であるといわざるを得ない。したがって、原処分庁が認定した本件土地の時価と本件取引金額との差額55907350円を、請求人が贈与によって取得したものとみなしてなされた贈与税の決定処分は、適法である。(平13.10.11関裁(諸)平13-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130057
- 裁決年月日
- 平成13年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・366ページ
要旨
○ 請求人は、本件相続税の計算に当たり、本件被相続人の所有する本件土地に請求人の自宅を昭和52年に建築する際に、本件被相続人と請求人は借地契約を締結し、これに基づき地代を支払っていたことなどから、本件宅地の借地権を請求人が有しており、本件土地は底地である旨主張する。しかしながら、両者の本件土地の貸借は、権利金の授受がないこと、地代の額が近隣の相場の約39%であること、地代の額を相当に上回る生活費の支払や現金の贈与が本件被相続人から請求人及びその家族に対してなされていることなどから、親子という特殊関係に基づく使用貸借であって、賃貸借でないと解すべきであり、本件土地は自用地である。(平13. 9.27東裁(諸)平13-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130055
- 裁決年月日
- 平成13年9月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の路線価は、実勢価格とかい離しており、請求人らが本件申告書に記載した路線価評価額は、過大であるから、本件土地の時価は、請求人らが依頼した不動産鑑定士による鑑定評価額によるべきである旨主張する。一方、原処分庁は、原処分庁が依頼した2名の不動産鑑定士の鑑定評価額がいずれも本件土地の路線価評価額を上回っているから、本件土地の価額は路線価評価額とすることが相当である旨主張する。しかしながら、請求人鑑定評価額には種々の不的確な点が認められ、適切な本件土地の時価を表しているとは認め難い。一方、原処分庁から提出された鑑定評価書の写しにはその鑑定を行った不動産鑑定士の氏名が明らかにされていないので、本件土地の時価を証明する証拠書類として採用できない。そこで、当審判所において、本件土地と地域的に状況が類似する取引事例及び公示価格を基に土地価格比準表に準じて本件土地の時価を算定したところ、本件土地の時価は路線価評価額を下回らないことから、本件土地の価額は路線価評価額とすべきであり、本件通知処分は適法である。(平13. 9.25東裁(諸)平13-55)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130056
- 裁決年月日
- 平成13年9月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・352ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地の価額は時価である取引価額に路線価の評価水準を乗じ、さらに、評価基本通達に定める控除を適用すべきである旨主張する。しかしながら、相続税法第22条に規定する時価に、路線価の評価水準を考慮する必要性はないし、評価基本通達に定める路線価等を適用しないで土地を評価しようとする場合には、同通達の各定めの適用はなく、請求人らの主張には理由がない。(平13. 9.25東裁(諸)平13-56)裁決事例集NO62・352ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130053
- 裁決年月日
- 平成13年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・380ページ
要旨
○ 請求人らは、本件出資及び本件株式を純資産価額方式で評価するに当たっては、評価基本通達の定めに従って、法人税額等相当額を控除して評価すべきである旨主張するが、本件のように、ことさら評価差額を人為的に作出して相続税の軽減を図っているような場合に、評価基本通達を形式的、画一的に適用し、法人税額等相当額を控除することは、評価基本通達の趣旨に沿わないのみならず、このような計画的な行為を行うことのない納税者との間での租税負担の公平を著しく害し、又、富の再分配機能を通じて経済的平等を実現するという相続税法の立法趣旨に反する著しく不相当な結果をもたらすこととなるから、財産評価基本通達によらないことが相当と認められる特別な事情があるとして、法人税額等相当額を控除しないで計算したものをもって当該株式の時価とみるのが相当である。(平13. 9.21東裁(諸)平13-53)裁決事例集NO62・380ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130011
- 裁決年月日
- 平成13年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、定期借地権の設定に伴い地主である被相続人が預託を受けた保証金は、賃貸借期間満了後は全額を返還すること、将来受けるかもしれない不確実な経済的利益は考慮すべきではないことから、当該保証金の全額を債務控除すべきである旨主張する。しかしながら、当該保証金は相続開始日において弁済期末到来の金銭債務であることから、相続開始日現在における控除すべき債務の価額は、相続開始日以後弁済期までの間に地主に生ずるものと認められる経済的利益相当額を控除した金額とするのが相当である。したがって、当該保証金の価額から、経済的利益相当額を控除した価額を債務の価額として更正処分を行った原処分は適法である。(平13. 8.29名裁(諸)平13-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130011
- 裁決年月日
- 平成13年8月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件生産緑地の評価について、奥行価格補正と有効宅地化率による補正を重ねて行い、控除する造成費は実額によるべきである旨、また、本件私道について、評価すべきでない旨主張する。しかしながら、本件生産緑地は、広大地として評価するのが相当と認められ、広大地補正は奥行価格補正に替えて行うものであり、有効宅地化率による補正を重ねて行うべき特別の事情は認められないし、造成費を実額によるべき特別の事情も認められず、請求人の主張には理由がない。また、本件私道については、一部分は私道の用に供されている事実が認められないし、その他の部分は特定の者の通行の用に供されていると認められ、評価すべきでない旨の請求人に主張には理由がない。ただし、本件更正処分は、私道の地積について過大に算定した結果、課税価格及び納付すべき税額が過大であることから、その一部を取り消すべきである。(平13. 8.13東裁(諸)平13-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130008
- 裁決年月日
- 平成13年8月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、取引相場がない、いわゆる預託金制の本件各会員権の価額は、請求人らが相続開始日以後に、ゴルフ会員権取引業者に売却した個別取引価額によるべきである旨主張するが、相続税法第22条は、(1)相続により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価とする旨規定していること、(2)時価とは不特定多数の者間で自由な取引がされる場合の客観的な交換価値をいうものと解されていることからすれば、市場原理の働かない個別取引金額をもって本件各会員権の時価とすべきであるとする請求人らの主張は採用できない。また、本件各会員権について、(1)本件各クラブの会則によれば、預託金は据置期間後、返還を受けることができること、(2)本件各ゴルフクラブを経営する会社は、相続開始日現在において経営破たん等をしておらず、本件各ゴルフクラブの経営を継続していることからすれば、本件各会員権は、ゴルフ会員権評価通達の定めにより評価することが相当である。(平13. 8. 3.東裁(諸)平13-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130008
- 裁決年月日
- 平成13年8月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 生産緑地に指定されている本件土地の評価額を財産評価基本通達40−2に定める評価方法によることについては、請求人及び原処分庁の双方に争いがないから、当該通達に基づき本件土地を評価することとし、同通達(1)と(2)のいずれによるべきか検討するに、課税時期において、本件土地は、相続人らが耕作しているものの、その主たる従事者は被相続人と認められるから、本件土地は、被相続人の死亡により、生産緑地法第10条の規定に基づいて、買取りの申出をすることができる生産緑地に該当し、その評価額は、本件土地が生産緑地でないものとした評価額から、それに100分の5の割合を乗じて計算した金額を控除した価額となる。したがって、原処分庁がした本件更正処分は、相当である。(平13. 8. 2.大裁(諸)平13-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130001
- 裁決年月日
- 平成13年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件B土地の評価上、(1)規模が小さいこと、(2)三角地であること、(3)建築が困難であることを理由として合計95%の減価補正率を適用すべきである旨主張するが、当審判所の調査の結果によれば、本件B土地の所在地域の土地評価に精通した不動産鑑定士は、本件B土地の形状からしても、通常15%から20%の減価率が相当である旨答述していること、また、土地価格比準表によると、標準宅地の画地条件での地積の劣る場合の最大減価率を10%、三角地の場合の最大減価率を25%としていることに照らすと、請求人らの減価率の算定及び適用根拠が明らかでなく、請求人ら独自の見解に基づく減価率とみるのが相当であることから、請求人の主張を採用することはできない。(平13. 7.16東裁(諸)平13-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130001
- 裁決年月日
- 平成13年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件耕作権の目的となっている本件A土地の価格は、(1)本件耕作権者が納税猶予の特例を適用している事情により、宅地化できず、また、(2)本件耕作権者への譲渡ができないこと及び(3)固定資産税額に満たない地代徴収権しかないことから、評価基本通達に定める耕作権価額を控除した額ではなく、本件意見書の価額により評価すべき旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、本件A土地は市街化区域内に所在する知事への届出のみで転用等ができる農地であり宅地化できない理由がなく、また、耕作権者固有の事情を勘案して算定した価格は、客観的な交換価値を表すものとはいえず、更に、農地の標準賃料には、全国一律1000平方メートル当たり10000円の相場が形成されており、賃料額が固定資産税額に満たないことは一般的であることが認められることに照らすと、本件A土地の評価上、特別の減価補正が必要とはいえないから、請求人らの主張額は採用できない。(平13. 7.16東裁(諸)平13-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120202
- 裁決年月日
- 平成13年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、仮換地指定後も長期にわたり使用収益権の行使が停止されている本件仮換地の評価に当たり、財産評価基本通達24−2を適用することは著しく不適当であるから、同通達6を適用し、有期還元法でもって評価すべきである旨主張するが、有期還元法で採用されている必須係数は将来の不確定要素を含んだものであるから、有期還元法は採用できないところ、本件仮換地は、長期にわたり使用収益権の行使が停止されており、造成工事の着工はなされていないが、同通達24−2のただし書の趣旨に該当するものと認められるから、同通達ただし書を適用して評価することが相当である。(平13.6.29東裁(諸)平12−202)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120032ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成13年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地に借地権を有しているXがタイル舗装や給排水設備等を提供しており、区分地上権に準ずる地役権も有しているから、区分地上権に準ずる地役権を考慮して評価すべきである旨主張する。しかしながら、区分地上権に準ずる地役権とは「地下又は空間について上下を定めて設定された地役権で、建造物の設置を制限するもの」であるが、本件土地には、建造物の設置に制限を受けることなくすでにX所有の建物が存在しており、Xの設置しているこれらタイル舗装や給排水等の設備は建物の維持管理に必要な付属施設であり、別途区分地上権に準ずる地役権を設定しなければ設置できないものでない。そうすると、本件土地には区分地上権に準ずる地役権は存在しないので、請求人の主張には理由がない。(平13.6.26熊裁(諸)平12−32)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120032ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地上にある建物A、建物B及び建物Cの全部をXが貸店舗として事業の用に供しているからXは借地権を本件土地全体に有しているので、本件土地は1画地の貸宅地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、(1)建物Aの敷地の用に供されている土地については、XがYから賃貸借で借りていることから貸宅地として評価することとなり、(2)建物Bの敷地の用に供されている土地については、建物BはYがXに賃貸していることから、貸家建付地として評価することとなり、(3)建物Cの敷地の用に供されている土地については、建物CはZの所有であり、YはZから地代を収受していないので使用貸借であるから自用地として評価すべきこととなる。以上のとおり、本件土地は建物A、建物B及び建物Cの敷地ごとに評価すべきものであるから、請求人の主張は採用できない。(平13.6.26熊裁(諸)平12−32)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120195
- 裁決年月日
- 平成13年6月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ ゴルフ会員権通達にいう通常の取引価格は、原則的には課税時期である相続開始日の取引価格によるべきであるが、発行数量の限られるゴルフ会員権の流通状況を勘案すると、必ずしも課税時期の取引価格があるとは限らず、そうした場合においては、売買の成立し得る譲渡価額の下限価額というべき買取気配相場価額の高値を通常の取引価格とすることが相当と解される。なお、ゴルフ会員権の売買に際し、当該ゴルフ会員権に係る支払不足の預託金がある場合には、当該預託金は譲渡人が追加負担となる取引慣行が認められることから、支払不足の預託金負担額を考慮しない取引価格から預託金負担額を控除した金額を通常の取引価格とすることが相当である。(平13.6.26東裁(諸)平12−195)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平120033
- 裁決年月日
- 平成13年6月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 新幹線の高架線の敷地に隣接し、かつ、元墓地である土地の価額の評価について、請求人は、新幹線の震動・騒音による10%の評価減のほか、本件土地には第2次世界大戦中の空襲による死者の人骨が埋没しており土の入替えが必要であることから、更に50%の評価減をすべきと主張し、原処分庁は、本件土地が現に宅地として使用されているから土の入替えによる評価減は認められないので、元墓地であることの評価減10%と震動・騒音による評価減10%を合わせた20%の評価減とすべき旨主張する。しかしながら、本件土地は元墓地であったが昭和19年4月に別地に改葬され、人骨が埋没していると認めるに足る証拠もないことから、元墓地であることによる10%の評価減を行った原処分をあえて不相当とすべき理由はない。また、新幹線の高架線の敷地に隣接していることによる著しい利用価値の低下については、甚だしい震動及び騒音のほか、本件土地の付近は、主として住宅地として利用されており、高架線が地上約7メートルの高さにあることからすれば、日照及び眺望への影響が認められるので、震動及び騒音による10%の評価減に加え、更に10%の評価減を行うのが相当である。(平13.6.15仙裁(諸)平12−33)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120111
- 裁決年月日
- 平成13年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件各保証金は、本件相続開始の時における現況において、その返還期限を本件各契約の終了期限とする本件相続開始時における残存期間が24年及び17年と長期の無利息債務であることから、原処分庁が、金融市場における長期貸出金利の平均に着目して、長期プライムレート及び長期国債応募者利回りの平均を通常の利率の参考としたことには合理性がある。そして、原処分庁が通常の利率として年6%と算定したことについても、平成6年当時において、過去10年間の長期プライムレート及び長期国債の応募者利回りの平均がおおむね6%であったことによるものであること、平成5年以降金利の低下傾向が続いており、本件相続開始時の長期プライムレート及び長期国債の利回りはいずれも6%を下回っていることは認められるものの、本件相続開始の時においては、この低金利傾向が構造的に定着したものとはただちに断言できないこと、及び課税庁が通常の利率として年6%を採用することとしてから1年3か月余しか経過していないことを併せ考慮すると相当と認められる。(平13.6.15関裁(諸)平12−111)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120183
- 裁決年月日
- 平成13年6月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地の時価について、請求人らは、請求人らの依頼した不動産鑑定士による本件鑑定額である旨主張し、原処分庁は、財産評価基本通達を基として評価した価額を路線価の下落率で割り戻した価額である旨主張するところ、その土地等の適正な個別の鑑定評価額を求めることができる場合には、当該通達を基として算定した価額にかかわらず、相続税法第22条の時価として、これが採用されるべきであり、そして本件鑑定額を基として、本件土地の時価を検討した結果の金額は原処分庁の主張する金額を下回るから、本件更正処分はその一部を取り消すべきである。(平13.6.15東裁(諸)平12−183)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120110
- 裁決年月日
- 平成13年6月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の所在する地域に借地権の取引慣行はあるが、借地権の設定に際し権利金を支払う慣行がないから、原処分庁に本件無償返還届出書が提出されているとしても、本件土地の評価に相当地代通達8の適用がなく、本件土地の自用地としての価額から借地権相当額を控除して評価すべき旨主張する。しかしながら、本件土地の所在する地域は、A市の中心部に隣接し、都市計画法上の商業地域内で容積率の高い地区にあって中高層の店舗及び事務所が連なる高度商業地域に位置していることから、借地権自体が高い経済的価値を有しており、当該地域において、借地権が取引の対象となっていることは周知の事実である。このような地域において、土地の所有者が第三者に建物を建築させる場合、(1)借地借家法により借地人が強い保護を受けること、(2)将来、地代の値上げができるという保証がないこと、及び(3)上記のとおり借地権自体が取引の対象となっていることを考慮すれば借地権の設定に際し貸主が高額な権利金を要求することは容易に推認できる。したがって、本件土地が所在する地域は借地権の設定に際し権利金を支払う慣行のある地域と認定できるから、原処分庁が、本件無償返還届出書の提出されている本件土地の評価に当たり、相当地代通達8を適用し自用地としての評価額の80パーセント相当額で評価したことは相当である。(平13.6.6大裁(諸)平12−110)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120110
- 裁決年月日
- 平成13年6月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産鑑定評価額が時価を表しているから、原処分庁が相続税評価額により行った本件更正処分は不当である旨主張する。しかしながら、(1)本件鑑定評価額を算定する上で採用した取引事例Aは、破産法人が任意売却したものであること、(2)同取引事例Bの近隣地域は、本件土地の近隣地域と地域性が異なる上に面積が狭小であり、最有効使用が異なること、(3)同取引事例C.Dの近隣地域と本件土地の近隣地域との地域要因の格差補正が適切でないこと、及び(4)規準価格の算定において、過大な時点修正を行った上、当該価格を鑑定評価額決定の参考としていないことなど、本件鑑定評価書には種々の不適切な点が認められることから、本件鑑定評価額が相法第22条に現定する時価を表しているとはいえない。ところで、本件土地に関する比準価格の算定上、適切な取引事例は見当たらないが、本件土地の近隣地域には本件公示地が所在し、この価格を規準として本件土地の価額を算定したところ、当該価額は相続税評価額を上回っていることが認められる。よって原処分庁が相続税評価額により行った本件更正処分は相当である。(平13.6.6大裁(諸)平12−110)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120151
- 裁決年月日
- 平成13年5月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の価額の評価について、評基通に定める路線価方式及び倍率方式によりながらも、更に減額されるべきである旨主張する。しかしながら、評基通を適用して評価することには合理性があるのであって、本件土地の価額の評価に当たって評基通の各定めを適用したことに、特に不都合と認められる特段の事情があるとは認められないから、請求人らの主張には理由がない。(平13.5.10東裁(諸)平12−151)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120144
- 裁決年月日
- 平成13年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件借地権を請求人が依頼した不動産鑑定士の鑑定した価額(鑑定更地価格に財産評価基準に定める借地権割合を乗じた後に、非堅固建物から堅固建物への土地所有者に対する建替承諾料相当額を更に控除した価額)により評価すべきであるから、更正の請求を認めるべきである旨主張する。しかしながら、借地権価額を算定するにあたり、請求人の主張するように、借地権割合を乗じた後に更に建替承諾料相当額を控除することは、およそ合理的なものといえず、また、当審判所が、取引事例及び公示価格を基に更地価格を算定し、当該更地価格に借地権割合を乗じてみても、当該価額は請求人が申告書に記載した路線価評価額を上回ることが認められる。したがって、請求人が申告書に記載した路線価評価額に誤りは認められないから、更正の請求に対し更正をすべき理由がないとしてなされた通知処分は適法である。(平13.4.25東裁(諸)平12−144)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120140
- 裁決年月日
- 平成13年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続で取得した本件各土地の価額について、売買実例4件から算出した想定路線価を基に評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が採用した売買実例は、いずれも被相続人等が所有する土地に存する借地権及び建物を底地所有者である被相続人等が借地権者から買取った取引に係るもので限定された当事者間の取引であるから、当該取引に基づく価格は不特定多数の当事者で形成される価格とは認められず、また、当該売買実例に係る借地権価額を評基通で定める借地権割合で割り戻して更地価額を算出するなど種々の不合理な方法によっているため、請求人が主張する想定路線価は採用できない。(平13.4.20東裁(諸)平12−140)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120140
- 裁決年月日
- 平成13年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸宅地の評価に当たって、評基通25に定める借地権の目的となっている宅地の価額から借地権の価額を控除する方法(借地権控除方式)により算定した底地の割合は40%となるのに対し、底地所有者に帰属する経済的利益を基に底地の価額を算定する方法による底地の割合はおよそ20%となるから、当該かい離部分には課税すべきでない旨主張する。しかしながら、請求人が主張する底地割合は、請求人の算定した底地の価格の路線価に対する割合であるなど種々の不合理な方法により計算されているものであって、採用することはできない。(平13.4.20東裁(諸)平12−140)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120140
- 裁決年月日
- 平成13年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建築基準法第42条第2項に規定する道路に接している土地の評価に当たって、建築基準法の公布以後に増改築した建物がある場合には、たとえセットバックしていなくてもセットバックして取り扱うべきであり、そして、請求人は契約書等において当該部分の地代の収受を放棄しているなどのことから、経済的価値が認められないので零とすべきである旨主張する。しかしながら、財産の価額は相続開始時における現況に応じて評価するものであり、そして、本件各土地のうち2項道路に接する土地の現況についてみると、未だセットバックされておらず、実際に建物の敷地として有効に利用されており、経済的価値がないとは認められないから評価額を零とすべき旨の更正の請求(申告時には、更地価格の30%を減額)には理由がない。(平13.4.20東裁(諸)平12−140)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120056ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件生産緑地については、課税時期において市町村長に対する買取り申出に必要な主たる従事者証明書を農業委員会から交付も受けておらず、また、主たる従事者の判定は農業委員会が判定を行うものであり、課税庁の行うものではないことから、評基通40−2の(2)の買取りの申出をすることができる生産緑地に該当せず、同通達40−2の(1)に定める買取り申出をすることができない生産緑地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、生産緑地の買取り申出をすることができるかどうかは、課税時期において、買取り申出の手続を行っていたかどうかでなく、買取り申出をすることができる状態にあるか否かで判断すべきものであり、、また、主たる従事者が死亡した場合において、相続税の課税のため評基通40−2を適用する場合の主たる従事者であるか否かの判断は、課税庁がその職責を果たすためにその権限の範囲内において判断しなければならないと解すべきである。よって、本件生産緑地は、評基通40−2の(2)に定める買取り申出をすることができる生産緑地として、評価するのが相当である。(平13.3.22名裁(諸)平12−56)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120081
- 裁決年月日
- 平成13年3月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した土地が文化財保護法に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地に該当することから、路線価等を基として計算した価額から10パーセント相当額を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地の全部につき埋蔵文化財の存在を確認できる事実は本件全証拠によっても認められない上、請求人らは、更正の請求をしているにもかかわらず、その主張の根拠となるべき埋蔵文化財の存在につき具体的な立証をしていないことから、請求人らの主張を採用することはできない。ただし、本件土地のうち甲土地については、相続開始前の試掘調査により埋蔵文化財の存在が確認されており、甲土地全域にわたって埋蔵文化財が存在することは確実と推認される。相続開始時において、甲土地は青空駐車場として利用されていたが、付近の状況から甲土地の一般的な用途は二階建て程度の住宅の敷地と解するのが相当であり、甲土地をこの用途に利用しようとすれば、埋蔵文化財の発掘調査を要することは確実であると認められることから、甲土地についてはその客観的交換価値に影響を及ぼすべき固有の事情が存するというべきである。そうすると、甲土地の評価に当たっては、路線価等を基して計算した価額から発掘調査費用相当額の80パーセント相当額を控除して計算することが相当である。(平13.3.15大裁(諸)平12−81)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平120017
- 裁決年月日
- 平成13年3月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 業種
- 同族会社関係者
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建築基準法に規定する接道義務を満たすためにある宅地について、私道評価すべきである旨主張し、原処分庁は、これらの宅地はすべて通路として使用されているものであるから、私道に当たらない旨主張する。しかしながら、いわゆる私道とはもっぱら特定の者の通行の用に供される宅地を言うものと解されており、請求人が私道評価すべきであると主張する宅地の一部はそれに当たることから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平13.3.13仙裁(諸)平12−17)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平120017
- 裁決年月日
- 平成13年3月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 業種
- 同族会社関係者
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が不整形な宅地の価額を資産評価企画官情報の取扱いにより評価したのは租税法律主義及び信義誠実の原則に反する旨主張するが、必ずしも当該情報の取扱いによらなければならないものではなく、他に合理的な評価方法があればそれにより評価することができるのであり、更に、請求人の主張する評価方法が合理的であるとは言えないことから、請求人の主張には理由がない。(平13.3.13仙裁(諸)平12−17)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平120017
- 裁決年月日
- 平成13年3月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 業種
- 同族会社関係者
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸借契約書を取り交わして貸借されている宅地について、貸地として評価すべきである旨主張するが、実際には、当該契約書で約定されたとする地代の授受がなされていないことからすると、当該契約書は親と子という特殊な関係を基に存在したものであり、当該宅地の貸借は使用貸借に当たると判断するのが相当である。(平13.3.13仙裁(諸)平12−17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120089ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年3月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が相続により取得した本件土地の価額について、原処分庁は、原処分庁が依頼した不動産鑑定士の不動産鑑定評価額である旨主張し、請求人は、請求人が依頼した不動産鑑定士の不動産鑑定評価額である旨主張するが、当審判所において、双方の鑑定評価額の適否を検討したところ、取引事例及び個別的要因等の格差補正に種々の不的確な点が認められることから、双方の鑑定評価額は本件土地の時価を表したものと認められない。そこで、当審判所において、本件土地の価額を取引事例等に基づき算定したところ、請求人の鑑定評価額を下回るから、請求人の申告額を不相当とする理由は認められず、原処分庁の主張は採用できない。(平13.3.5東裁(諸)平12−89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120075
- 裁決年月日
- 平成13年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807030
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/3類似業種比準方式の合理性
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の評価に当たり、原処分庁は類似業種の業種目をサービス業であるとしているが、評価会社の業種目の判定に当たっては、日本標準産業分類の考え方に基づくべきであり、そして、当該考え方に基づいて判定すれば、製作所を有し製品を製造する評価会社において、製品のレンタルに係る取引金額や、製品を使用して行う建設工事に係る取引金額についても製造業に係る取引金額に該当することから、評価会社の業種目は製造業に該当し、原処分の一部は取り消されるべきである旨主張する。当審判所が調査した結果によれば、製品のレンタルに係る取引金額は製作所以外の営業所で行われており、サービス業に該当し、製品を使用して行う建設工事に係る取引&金額は、製品を道具として使用するとはしても、建設業に該当するものと認められることから、評価会社の業種目は最も取引金額の割合が多いサービス業に該当するものと認められる。なお、請求人の主張する日本標準産業分類に基づく考え方は、統計調査のために事業所を単位として業種を判定するためのものであり、評基通にいう業種目は評価会社の業種目を判定するためのものであることから、評価会社、一事業所として行種目を判定することは合理的ではなく、請求人の主張を採用することはできない。(平13.2.14東裁(諸)平12−75)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120073
- 裁決年月日
- 平成13年2月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人は、1棟の借地権付分譲マンションに係る底地の全部(以下、被相続人が所有する分譲マンションに係る底地に係る部分を「底地被相続人使用分」といい、被相続人以外の者が所有する分譲マンションに係る底地に係る部分を「底地第三者使用分」といい、これらを併せて「本件底地」という。)及び当該分譲マンションの一部(以下、この借地権を「被相続人借地権」という。)とを所有していた。請求人らは、多数の借地権者が存在しており、借地契約により公租公課と同額の地代しかとれない本件底地の価額については不動産鑑定士の価格報告書のとおり零円とすべきである旨主張するのに対し、原処分庁は、評基通が定める借地権価額控除方式により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件底地のうち底地第三者使用分については、収益価格以外に他の適当な価格を算定し得ないことから収益還元方式により評価し、また、底地被相続人使用分については、被相続人借地権と一体として利用されていることから評基通に定めるところにより、自用地価額(更地価額)から借地権価額を控除した価額により評価するのが相当である。なお、被相続人借地権については、評基通に定めるところにより自用地価額(更地価額)に借地権割合(70%)を乗じて計算した価額によるのが相当であると認められる。このことから、原処分はその一部を取り消すべきである。(平13.2.9東裁(諸)平12−73)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120078
- 裁決年月日
- 平成13年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 1 請求人らは、本件相続開始日現在で入居申込書の提出があるものの、賃貸借契約書の取り交わされていなかった本件6部屋について、被相続人と各賃借人との間には口頭による賃貸借契約が成立していたから、貸家として評価すべきである旨主張する。しかしながら、入居申込書の提出の段階では、賃借人の入居したいという意思表示は認められるものの、賃貸人の承諾の意思表示があったものとは認められず、この時点で賃貸借契約が成立したとは認められず、仮に、賃貸人の承諾があったとしても、当該入居申込書は単に当事者間で賃貸借契約を結ぶ予約をしたものにすぎないと認められることから、入居申込書の提出をもって事実上の賃貸借契約の締結とすることはできない。2 請求人らは、措法通69の3−2及び特定転用の規定などを引用して、財産の評価に当たっては、単に相続開始時における状態のみを考慮すべきでなく、本件建物を建築するに至った経緯や利用状況等を考慮すべきである旨主張する。しかしながら、措法通69の3−2及び特定転用の規定については、本件建物及びその敷地の評価に何ら影響を与えるものでなく、また、請求人らの主張する事情は、いずれも主観的な事情であって、本件6部屋の客観的な交換価値に影響を及ぼすものとは認められず、たとえ、そのような事情があったとしても、相続開始時点において本件6部屋が借家権の目的となっていない部屋である以上、相続開始時点における客観的交換価値は、借家権のないものと認めざるを得ない。3 請求人らは、本件6部屋は、まさに、改正評基通26の(注)2に定める「一時的に賃貸されていなかった(空室であった)状態」に当たり、貸家として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件相続開始日における空室部分については、いまだ貸付け実態が現存していないため、借家人の有する敷地支配権が発生しているものとは認められず、また、その時点では、貸付行為が継続的に行われているものと客観的にも認定できないことから、同通達26(注)2の「賃貸されている各独立部分で、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」には当たらない。4 請求人らは、諸事情をしんしゃくすれば、本件建物の全室を貸家として評価するに足りる合理的な理由があるものと判断すべきであり、借家権の存在のみを基準とした評基通93の定めを弾力的に運用すべきであるとし、仮にそれができないのであれば、評基通6の定めを適用すべきである旨主張する。しかしながら、当該諸事情に請求人らの主張する合理的な理由があるとは認められず、評基通6は、この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の評価についての定めであり、本件建物は評基通93の定めにより正当に評価できるのであるから、評基通6の定めを適用する必要性は認められない。5 請求人らは、本件4部屋についても、諸事情をしんしゃくすれば、本件6部屋と同様に貸家として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件相続開始日以前に入居申込書が提出されたとする本件6部屋について貸家として評価はできないのであるから、本件相続開始後に入居申込みがされた本件4部屋についても貸家として評価できないことは明らかである。6 以上のことから、本件相続開始日現在で現に賃貸の用に供せられていた部分、すなわち、借家権の目的なっている部屋のみ貸家として評価し、それ以外の部屋については自用家屋として評価するのが相当と認められる。(平13.1.31関越(諸)平12−78)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120078
- 裁決年月日
- 平成13年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件建物の全部を貸家として評価すべきであるから、本件土地もその全部について貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件建物の空室部分は借家権の目的となっている部屋と認められないことから、本件建物全部を貸家として評価することはできず、したがって、本件相続開始日現在において本件建物が現に貸付けの用に供されていなかった部分に対応する部分(24部屋のうち14部屋)については、その価額の算定上考慮すべき借家人の事実上の支配権は存在せず、また、他に当該敷地部分の価額の算定上考慮すべき事情も認められないことから、本件相続開始日現在で本件建物が現に賃貸の用に供せられていた部分に対応する部分のみ貸家建付地として評価し、その余の部分は自用地として評価するのが相当である。(平13.1.31関裁(諸)平12−78)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120037ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成12年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人の関係同族会社に対する貸付金債権について、相続開始当時に同社が債務超過の状態にあり、倒産状態にあったから回収不可能というべきであり、相続財産から除外すべきであると主張するが、同社は、相続開始後も事業所を閉鎖することなくその事業を継続しており、金融機関からの借入金も減少し、当該金融機関と正常な取引が継続していることなどから、相続開始日において同社が倒産状態にあったとは認められず、また、他に請求人の主張を認めるに足る証拠もないので、上記債権を相続財産であると認定した原処分は相当である。(平12.12.18大裁(諸)平12−37)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120011
- 裁決年月日
- 平成12年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 業種
- 家庭用電気器具販売
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、受贈した農地の評価に当たり、隣接する3筆の中央の1筆に地役権が設定されている場合には土地の利用状況が異なることから、それぞれの筆ごとに評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件農地は、一体として畑として耕作されていることから1枚の農地であることが認められ、同時に利用の単位となっている一団の農地であることが認められる。また、本件地役権の制限内容は本件農地の利用を筆ごとに物理的に分断するような制限と認められない。したがって、本件農地の評価単位である1画地とは、請求人が主張する3筆ごとでなく、3筆を併せた一体の土地であるとみるのが相当である。なお、本件地役権の制限内容は建物の築造がまったくできない場合に該当せず、一定の制限の基に、築造は可能であることから、その権利の割合は請求人が主張する100分の50でなく、100分の30であると認められる。(平12.12.7熊裁(諸)平12−11)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平120001
- 裁決年月日
- 平成12年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、農地法第3条((農地又は採草放牧地の権利移動の制限))第1項に定める農業委員会の許可を受けないで長期間にわたり他人に耕作させている農地の評価に当たり、地域の特別な事情から農地の返還請求が困難であることを理由に、耕作権の価額の控除が認められる旨主張する。しかしながら、(1)上記許可を受けていないこと、(2)本件農地の返還請求が困難であり、賃貸借の解約等が制限されている事実も認められないことから、本件農地の評価に当たり、自用地としての価額から耕作権割合(50%)の価額を控除した価額を評価額とすることはできない。(平12.11.30沖裁(諸)平12−1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120035
- 裁決年月日
- 平成12年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・522ページ
要旨
○ 請求人らは、本件雑種地が市街化調整区域内に所在する建物を建築できない、もともとは山林であった土地であり、植樹することにより容易に山林になり得、そのことが周囲の状況にも適合するから、山林の価額を比準して評価すべきである旨主張する。しかしながら、地目の判断は課税時期の現況において行うのであるから、植樹をすれば山林に復するからといって山林に類似しているということはできない。本件雑種地の状況からすると、本件雑種地が農地や山林又は原野の状況に類似していないことは明らかである。また、本件雑種地は、条件によっては建物の建築が可能で、まったく建築が禁止されているとまでは言えないのであって、その状況及び立地条件からすると、宅地の状況に最も類似しているといえる。したがって、本件雑種地は、建物の建築が制限されているといえ、宅地の状況に最も類似しているのであるから、本件雑種地の価額は、本件雑種地と状況が類似する付近の宅地を比準地とした、宅地比準方式により評価するのが相当である。また、請求人らは、市街化調整区域内の雑種地には建物が建築できないとして、宅地比準方式が採用できない旨主張するものと解されるが、市街化調整区域であっても一切の建物の建築が禁止されているとまではいえず、現に、本件相続開始後に建物が建築されていることに照らすと、宅地比準方式を採るについて市街化区域内の雑種地と市街化調整区域内の雑種地とを区別して取り扱うべき理由はないというべきであり、請求人らの主張は採用できない。(平12.11.21東裁(諸)平12−35)裁決事例集NO60・522ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120021
- 裁決年月日
- 平成12年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・509ページ
要旨
○ 請求人は、相続した土地区画整理中の本件土地について、相続開始時に仮換地指定が行われているものの、区画整理事業の遅れから使用収益のできない状況にあるから、路線価により評価すべきでなく、従前の市街化調整区域内に存する農地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、評基通24−2の本文及びただし書に定める仮換地の指定がなされている土地に関する評価方法は合理性を有することが認められ、また、当審判所が調査したところによれば、本件土地は、相続開始時点で区画整理事業が進行中で、実際に本件相続開始日のおよそ1年後に造成工事が完了し、請求人に対し使用収益の開始ができる旨通知されている事実が認められることから、同通達に定める評価方法によることは相当であり、請求人の主張には理由がない。(平12.10.31東裁(諸)平12−21)裁決事例集NO60・509ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120014
- 裁決年月日
- 平成12年9月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、農業委員会から農地法第3条((農地又は採草放牧地の権利移動の制限))に基づく小作権(地上権又は賃借権)の設定許可を受けていたとして、相続農地の課税価額の減額を主張する。しかしながら、耕作目的で地上権を設定することはできないこと、賃料等の支払がないことから賃貸借契約が設定されていたとも認められないこと、農地法上、親子間の権利設定であっても申請があれば不許可にはならず、また、本件においては、小作人台帳にも小作権の記載がされていないこと等の事実が認められることから、農地法第3条の許可を受けていたことをもって、相続財産の評価を減額させるような権利が設定されていたとは認められず、地上権等が存在しないとした原処分は相当である。(平12.9.26大裁(諸)平12−14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120011
- 裁決年月日
- 平成12年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、(1)農地法3条の手続がなくても耕作権を容認した裁判例があること、(2)本件耕作は昭和60年以降継続されており、本件贈与農地は本件農地の耕作権見返りであることから、本件農地の価額の算定に当たっては、耕作権相当額を減額すべきである旨主張する。しかしながら、本件裁判例の内容は、農地法第3条の許可は、任意取引に基づく賃借権等の権利の移動を統制する趣旨であって、時効による権利の取得を禁止したものとは解せられないとして、農地法第3条の許可がないとしても賃借権の時効取得を認めたものであるところ、本件農地については、賃料の継続的支払という賃借権の時効取得の要件を欠いていることが明らかであって、本件裁判例とはその前提を異にする。むしろ、本件は、使用貸借契約という任意取引に基づく賃借権等の権利の移動に関するものであり、本件裁判例の考えによっても、農地法第3条の許可がなければ、使用貸借契約自体の効力が生じないというべきであり、耕作権に相当する価額を観念することはできない。よって、本件裁判例を根拠とする請求人の主張には理由がない。また、本件相続開始日において本件耕作が継続されていたとしても、その権原は使用貸借であり、しかも、農地法第3条の許可がなく、その効力を生じないものであるから、本件農地の価額の算定に当たり、賃借権に基づく耕作権に相当する価額を控除することはもちろん、その他の減額すべき事情を考慮することもできないものというべきである。なお、仮に、請求人が、本件贈与農地が本件農地の耕作権の見返りであり、本件農地については耕作権に相当する権利があると認識していたとしても、客観的には、Aは、農地法上効力を生じない使用貸借契約に基づいて本件農地を耕作していたにすぎないことから、Aが有していた本件農地の耕作に係る経済的価値は零であると認めるのが相当であり、本件相続開始日における本件農地について何ら経済的価値の負担を認めることはできない。(平12.8.28関裁(諸)平12−11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120001
- 裁決年月日
- 平成12年7月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・546ページ
要旨
○ 被相続人らが本件株式を取得した主たる目的は将来において発生する被相続人に係る相続税の負担の軽減を図るためであると認められる。すなわち、被相続人らが、一連の経済的に不合理な行為を繰り返した後、A社の株式を取得した目的は、A社がB社と合併することにより、B社に移転させていた上場会社株式を著しく低い価額で受け入れることにあり、これにより多額の評価差額を創り出し、これに形式的に本件通達を適用して法人税額等相当額を控除する方法で課税価格を著しく圧縮し、計画的に相続税の負担の軽減を図ったものであると認められる。評基通186−2が評価差額に対する法人税額等相当額を控除するのは、事業用資産を個人が直接所有する場合と株式を通じて間接所有する場合の均衡を図るものであるが、本件のような場合にまで法人税額等相当額を控除して評価することは、同通達の趣旨を著しく逸脱するものであるとともに、このような保有形態を利用していない他の納税者との間の租税負担の公平という観点からしても看過し難いといわざるを得ないものである。したがって、本件については、評基通6により評基通に定める評価方法によらないことについての特別な事情があると認められることから、本件株式の価額については、同通達に定める法人税額等相当額を控除せずに評価するのが相当である。(平12.7.12大裁(諸)平12−1)裁決事例集NO60・546ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110184
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・226ページ
要旨
○ 請求人は、本件解決金は、本件土地の適正な価額であり、これを無視することは、我が国の裁判制度を無視することになるから、調停によって算出された本件解決金を厳に尊重すべきであって、相法第7条の規定を適用すべきではない旨主張する。しかしながら、当該規定の趣旨からすれば、当該規定が適用されるか否かは、遺産分割事件の調停の場で示された価額が本件土地の時価と異なる場合には、本件土地の時価に基づいてその判断がなされるべきであると解され、遺産分割事件の調停において本件土地の時価を解決金の額としたのであれば、先ず、本件土地の時価が明らかにされるべきであると考えられるが、調停調書においては本件土地の時価をいくらと算定したかが明らかではなく、また、当審判所が相当と認める本件土地の価額が解決金の額の3倍超となっていることからすれば、解決金の額が本件土地の時価を表すものとは認められない。むしろ、相手方の答述からすれば、解決金の額は、最終的には、それが事実であるか否かはともかく、請求人及び相手方が兄弟であるとの両者の認識に基づいて、相手方から請求人に対して低廉の価額で本件土地を取得させる調停を成立させるために合意に至った金額と認めるのが相当である。(平成12. 6.29東裁(諸)11-184)裁決事例集 №59・226ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110143
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・332ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地のうち本件建築物の敷地(本件敷地)については、評基通9の(5)に定める借地権が認められるべきである旨主張する。しかしながら、賃借人は、本件敷地を含む本件土地を昭和53年ころから本件相続開始日まで引き続いてバッティングセンター経営の事業用地として利用し、本件構築物を構成する待合フロアー及び店舗はバッティングセンターと構造上一体となっており、倉庫も含めて本件構築物はいずれもバッティングセンターの経営に必要な付属建物として建築されたものと認められるから、本件土地の賃貸借の主たる目的は、バッティングセンターとして使用することにあるといえる。そうすると、賃借人が本件建築物を建築所有していたとしても、それは本件土地をバッティングセンターとして使用するための従たる目的にすぎないというべきであるから、本件土地の賃貸借は、借地借家法第2条第1号に規定する建物の所有を目的とする賃借権に該当せず、したがって、本件敷地には、評基通9の(5)の定める借地権はない。(平12. 6.27大裁(諸)平11-143)裁決事例集 №59・332ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110179
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・297ページ
要旨
○ 請求人は、本件宅地の価額は、請求人が提出した本件鑑定評価書に記載された金額とすべきである旨主張する。当審判所が、本件鑑定評価書を検討したところ、①比準価格の算定につき、取引事例との比較計算において、不合理な点があること及び②収益価格の算定に明らかな誤りがある。そして、原処分庁は、取引事例から本件宅地の価額を算定し、当該価額が本件宅地の価額である旨主張するところ、①原処分庁の採用している取引事例は、地理的条件、環境条件及び行政的条件が本件宅地と近似し、比準対象地として適切なものと認められること、②結果的に規準価格を採用しなかったことを不相当とすることはできないこと、また、③事情補正、時点修正、標準化補正、建付減価補正及び地域格差補正並びに個別格差補正については、土地価格比準表に照らして検討したが、特に不適切な点は認められない。(平成12. 6.27東裁(諸)11-179)裁決事例集 №59・297ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110179
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・297ページ
要旨
○ 請求人は、本件宅地の価額は、請求人が提出した本件鑑定評価書に記載された金額とすべきである旨主張する。当審判所が本件鑑定評価書を検討したところ、①比準価格の算定につき、取引事例の選定に不適切な点があること及び②収益価格の算定に不明確な点がある。また、原処分庁は、原処分庁が算定した金額は本件宅地の路線価評価額を上回る旨主張するが、原処分庁の算定額にも一部の取引事例に不適切な点がある。そこで、当審判所が、原処分庁が採用した取引事例の中から、本件宅地と同一の地域区分にあると認められるもの及び公示地の価格を基に、本件宅地の価額を算定したところ、当該算定額は、路線価評価額を上回っていることが認められる。(平成12. 6.27東裁(諸)11-179)裁決事例集 №59・297ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110179
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・297ページ
要旨
○ 請求人は、取引相場のない本件株式について、原処分庁の当該株式の純資産価額の算定には一部誤りがある旨主張する。当審判所の調査によれば、原処分庁は、当該株式を類似業種比準価額(5,229円)及び純資産価額(16,919円)の併用方式で評価(8,150円)していることが認められるところ、評価会社は、評基通178に定める「大会社」に区分されることが認められ、類似業種比準価額(5,229円)で評価するのが相当であるから、請求人らの主張を判断するまでもなく、一部は取り消されるべきである。(平成12. 6.27東裁(諸)平11-179)裁決事例集 №59・297ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110179
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・297ページ
要旨
○ 請求人は、取引相場のない本件株式は、①評価会社は平成6年12月末日をもって業務を停止し、②同族株主以外の出資者と協議し、1株当たり30,000円で買い取ったものであり、また、③その買取先も15名であり、不特定多数とはいえないものの、極少人数の間で決められたものともいえないから、実際に売買が成立している1株当たり30,000円で評価すべきである旨主張する。しかしながら、当審判所が調査したところによれば、請求人らの主張する評価会社の譲渡価額は、概算によって算定した金額を株式を譲渡する者が承諾して決定したものにすぎず、本件相続開始日の客観的交換価値を表しているものとは認められない。(平成12. 6.27東裁(諸)平11-179)裁決事例集 №59・297ページ
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110025
- 裁決年月日
- 平成12年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件評価会社には高額配当や低額報酬の支払等事業運営において種々の事情が存在することから、本件評価会社は評基通で規制しようとしている同族会社とは別のものであり、評基通を画一的に適用するのは妥当でなく、また、額面より高い金額では取引できないことから、本件株式等の評価は額面により評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人らの主張する個別の事情は、実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかであるなどの特別な事情に当たるとは認められず、また、原処分庁が評基通によって評価した価額に対して請求人らが不合理であると主張するには、評基通により算定された評価額が著しく妥当性を欠くことを立証し、かつ、これ以上により合理的な具体的算定方法を摘示して初めて認容されるところ、請求人らは、何らこれをなさず、加えて、額面で評価することが合理的であるとする具体的な理由、あるいは根拠書類の提出を一切行っておらず、他に請求人らの主張を認めるに足りる証拠もない。そうすると、本件株式等の評価は評基通に定められた評価方法によって評価することが相当である。(平成12. 6.23仙裁(諸)平11-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110172
- 裁決年月日
- 平成12年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、「1年分1路線価」は不合理として、前後5年間あるいは3年間の路線価の中からの選択適用を認めるべきであり、本件の場合は、本件相続開始日の時価に近い平成8年分の路線価の選択適用を認めるべきである旨主張する。しかしながら、必ずしも平成8年分の路線価が本件相続開始日の時価を表しているとはいえないのであるから、請求人の主張は採用できない。なお、相続開始日の属する年分の路線価が相続開始日現在の時価を下回っている場合には、その年分の路線価を適用すべきであり、また、相続開始日の属する年分の路線価が相続開始日現在の時価を上回っている場合には、評基通(その年分の路線価)を適用できない特別の事情がある場合として評基通によらない方法により個別に適正な価額を求めるのが相当である。(平成12. 6.22東裁(諸)11-172)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110172
- 裁決年月日
- 平成12年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、路線価が必ずしも実勢価格を反映していないこと及び路線価の時点修正を認めないことは多額の評価額の差額に対応する税額について納税者に過大な負担を強いる不合理なものであることから、路線価を相続開始日に時点修正した価格に基づいて本件各宅地の評価額を算定すべきである旨主張する。しかしながら、路線価は、画一的評価を行うための基となる価額であって評定基準日を設けてこれを決定せざるを得ないことから、毎年1月1日における地価動向を基に毎年改定することとし、各年の1月1日を評価時点として、売買実例価額、工事価格及び不動産鑑定士等の精通者意見価格を基に、公示価格水準の80%程度に評定されており、地価動向が反映されているものと認められる。また、評基通に定める財産の評価は合理的なもので、相法第22条もこれを許容していると解され、その評基通には、同一年中に地価が下落した場合において、路線価の時点修正を行うことができるとする定めがないことからすれば、路線価の時点修正が行われないとしても、そのことは、不合理なもの、あるいは、違法なものということはできず、本件各土地の路線価評価額が時価を下回っている限りにおいては、請求人に過大な税負担が生ずるものでもない。(平成12. 6.22東裁(諸)11-172)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平110007
- 裁決年月日
- 平成12年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、倍率方式で評価する土地B、土地C及び土地Dについて、固定資産税評価額はこれらの土地を1画地として評価しているが、それぞれを1画地として評価すべきである旨主張する。しかし、土地Dは、請求人以外の相続人が遺産分割により取得しているものの、面積は11.99平方メートルと極めて狭小で、地形も道路と土地Bに挟まれた奥行のほとんどない細長い宅地であり、この土地のみを独立した画地として通常の用途に供することは困難と認められ、その分割は著しく不合理と認められる。また、土地B及び土地Cについては、いずれも請求人が遺産分割により取得し、かつ、請求人が自用地として使用しており、相続税課税における評価上、特段利用単位を異にする1画地の土地と認めるに足る事実はない。したがって、土地B及び土地Cについては、土地Dと合わせて一団の土地を構成しており、土地Dとともに全体として1画地の土地を構成するものと認めるのが相当である。(平成12. 6.13沖裁(諸)11-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平110007
- 裁決年月日
- 平成12年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802021
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/1倍率方式による評価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、倍率方式により評価する本件土地について、同一基準年度の固定資産税評価額に乗ずる倍率が財産評価基準書では、平成7年分が1.2、平成8年分が1.1となっているが、不動産鑑定評価が毎年上昇しており、平成8年分が平成7年分より下がる理由もないことから、平成7年分は平成8年分と同じ1.1によるべきである旨主張するが、当審判所において売買実例を調査したところ、財産評価基準に定める倍率に基づいて算定した価額が売買実例により算定した価額を下回ることは明らかであり、平成7年分の財産評価基準に定める倍率を適用することによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかである等の特別な事情があることについての具体的な証拠の提出がなく請求人の主張には理由がない。(平12. 6.13沖裁(諸)平11-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平110007
- 裁決年月日
- 平成12年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802011
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/1地目
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続によって取得した本件土地の一部が、耕作されていたことは認められるが、①土地登記簿上、過去において地目が農地となった事実がないこと、②農地基本台帳に登載されていないこと、③農地として町役場に届出等の手続をしていないこと、④町役場の固定資産税課において毎年実施している現況確認調査においても農地とは認定されず、家庭菜園と認定されていることから、本件土地の一部は農地法及び農地転用許可基準の対象となる農地とは認められず、請求人が主張する市街地周辺農地であるから評基通39により評価の2割減をすべきである旨の主張には理由がない。(平成12. 6.13沖裁(諸)11-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110093
- 裁決年月日
- 平成12年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件株式の評価について、純資産価額、平均配当基準、年利益金額基準の比準三要素の適用に当たり、二要素以上が零円となるため、純資産価額方式を採用することにより、類似業種比準方式により算定した価額に比べ何倍もの評価額になることから、評価会社は三期連続して利益の配当がないにもかかわらず、1株当たり1円の配当をしているものとして評価することも許されるべきであり、このような実情を無視し、すべて評基通をもって算定された本件更正処分は違法である旨主張するが、納税者間の公平の観点からみると、特別な事情がない限り、評基通が形式的にすべての納税者に適用されることによって租税負担の実質的な公平が実現すると解され、純資産価額方式により算定した株式の価額が、類似業種比準方式により算定した株式の価額に比べ高いという理由だけで、特定の納税者あるいは特定の財産についてのみ評基通に定める方法以外の方法によってその財産の評価を行うことは、納税者間の実質的負担の公平を欠くこととなり、請求人の主張は採用できない。(平12. 6. 2関裁(諸)平11-93)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110093
- 裁決年月日
- 平成12年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、平成7年分の路線価は時価と大幅に乖離しているため、本件土地の価額の算定に当たっては、本件土地の隣接地の売買実例と路線価との割合の比例値78%を基に算定すべきであり、本件土地の路線価に78%を乗じた額を基に評基通に従い本件申告をしたものであるから、これらの実情を全く無視して、すべて路線価をもって算定された本件更正処分は違法である旨主張するが、請求人らが採用した売買実例については、伝聞により取引があった旨を主張するのみであったり、時点修正、その取引に至った事情及び位置・計上等の画地条件による格差等を一切考慮せずに、単にその取引価格と路線価とを比較して主張しているものに過ぎなかったりと、その価格の決定方法に合理性を認めることはできず、請求人らの主張には理由がない。そこで、当審判所が本件土地と同一需給圏内の類似地域に所在すると認められる取引事例3件を基に、本件土地の価格を、①基準地価格に規準した価格及び②取引事例比較法による比準価格により算定したところ、当該価額は、原処分庁が鑑定を依頼した鑑定評価額及び路線価を基に算定した価額をいずれも上回っていることから、本件土地の路線価は相当と認められる。(平成12. 6. 2関裁(諸)平11-93)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110106
- 裁決年月日
- 平成12年5月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が贈与を受けた土地は、建設土木機械等の展示場及びレンタカーの駐車場として使用することを目的として第三者に賃貸され、当該土地に建築された事務所及び看板は借主が公正証書等に定める各条件の範囲内で営業活動を効率的に行うための施設として附属的に設置したものと認められる。そして、当該公正証書の定めにより賃貸借期間終了のときは借主の負担において地上施設を撤去して明け渡し、立退料等の請求はできないこととされているほか、地上権又は賃借権の設定の対価たる権利金等の授受も行われていない上、公正証書の定めによれば本件賃貸借契約は借地権の成立を積極的に排除する意思で締結されたものと認められることから、当該土地には建物の所有を目的とする借地権が存在するとは認められないので、当該土地の上に借主の所有する建物等が存在することを根拠として請求人の土地の上に借地権が存在する旨の主張を認めることはできない。(平12. 5.26名裁(諸)平11-106)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110120
- 裁決年月日
- 平成12年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の価額は、倍率方式によって農地に準じた価額で評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、市街化調整区域及び農業振興地域の区域内に所在するものの、農業振興地域の整備に関する法律に規定する農用地区域の区域外に所在しており、また、登記上の地目は宅地で、固定資産税評価においても現況は宅地又は雑種地として認定されているから、本件土地の大部分が農業関連の施設、家庭菜園及び栗園として利用されていても、これらを農地に準じた価額で評価すべき理由はないから、請求人の主張を採用することはできない。(平12. 5.24大裁(諸)平11-120)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110105
- 裁決年月日
- 平成12年4月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の自用地の価額は、請求人が提出した本件鑑定評価書における鑑定評価額とすべきである旨主張する。そこで、当審判所が本件鑑定評価書の内容について検討したところ、本件鑑定評価額は、取引事例比較法及び土地残余法に加え、本件土地の最有効使用である分割使用を想定した開発法を適用しており、これら三手法により求められた各価格は、いずれも適正に算定されていると認められる。また、本件鑑定評価額の決定における各価格のウェイト付けも相当であると認められる。そうすると、本件鑑定評価額は、本件土地の自用地の価額として相当であり、この価額は、原処分の額を下回ることから、本件更正処分の一部を取り消すべきである。(平成12. 4.18大裁(諸)11-105)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110079
- 裁決年月日
- 平成12年4月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802019
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ A財産区に属する土地は相続財産(共有の土地)であることは認めるが、請求人は地域外住人であり、当該土地を相続後A財産区規則が改正(平成11.1.1)されるまでの間、当該土地からの収益の分配も受けられず、管理運営にも関わらなかったので、本件土地の価額は、更正処分をした当該土地の価額から更に減額をした評価をすべきである旨主張するが、本件土地は相続により承継されており、所有権は各個人に帰属するところ、請求人は本件相続土地の価額から更に軽減した評価をすべきであると主張するのみで、具体的な額を示さず、その根拠を明らかにする資料等の提出もなく、他にこれを明らかにする証拠資料等もないことから、当審判所において審理したところ、評基通により評価することが不相当と認められるような特段の事情は認められないので、本件相続土地の価額を本件土地の利用状況に応じて、評基通の定めに従い算定したのは適法である。(平12. 4.13関裁(諸)平11-79)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110079
- 裁決年月日
- 平成12年4月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801030
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/3共有財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ A財産区に属する土地は相続財産(共有の土地)であることは認めるが、請求人は地域外住人であり、当該土地を相続後A財産区規則が改正(平成11.1.1)されるまでの間、当該土地からの収益の分配も受けられず、管理運営にも関われなかったので、本件土地の価額は、更正処分をした当該土地の価額から更に減額をした評価をすべきである旨主張するが、本件土地は相続により承継されており、所有権は各個人に帰属するところ、請求人は本件相続土地の価額から更に軽減した評価をすべきであると主張するのみで、具体的な額を示さず、その根拠を明らかにする資料等の提出もなく、他にこれを明らかにする証拠資料等もないことから、当審判所において審理したところ、評基通により評価することが不相当と認められるような特段の事情は認められないので、本件相続土地の価格を本件土地の利用状況に応じて、評基通の定めに従い算定したのは適法である。(平成12. 4.13関裁(諸)平11-79)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成12年3月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・242ページ
要旨
○ 請求人らは、相続税の債務控除において、長期間利息で預託される敷金に係る債務控除額を、敷金の全額とすべき旨主張し、一方、原処分庁は敷金の金額から経済的利益の額を控除して評価した金額とすべき旨主張する。当審判所がこの敷金について検討した結果、事業用定期借地権の設定に係る敷金であり、通常の場合、契約期間満了まで返還義務を免れるのであるから、返還期までの間、無利息であることにより請求人らが通常の利率による経済的利益を享受していることとなり、本件敷金の債務控除額は、請求人らが相続開始の時から契約期間満了日までに享受する経済的利益の額を敷金の金額から控除した金額とするのが相当である。さらに、請求人らは、仮に経済的利益があるとしても経済的利益の額の算出に用いる率を年6%とすることは課税時期の経済状況と合致していない旨主張するので、この率について検討すると、統一的な指標となり得る長期金利等を基準として、弁済期までの金利の動向を考慮して求めるのが相当と解されるから、相続開始月以前10年間の長期プライムレートと長期国債(10年)の応募者利回りの平均である5.23%の端数を切り捨てた年5%とするのが相当である。したがって、年5%の複利現価率を適用し、課税価格を算出したところ、原処分を下回るので、その一部を取り消すべきである。(平成12. 3.28金裁(諸)平11-11)裁決事例集 №59・242ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110118
- 裁決年月日
- 平成12年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引相場のない株式の評価につき、原則的評価(純資産価額方式)と特例的評価(配当還元方式)に区分する持分割合に合理性がないこと及び本件株式に市場性がなく、評価会社の役員から提示された買取価格が純資産価額よりも低額であることから、配当還元方式によって評価すべきである旨主張する。しかしながら、①取引相場のない株式には市場価格が形成されていないから、合理的な評価方法によって、その時価を評価するほかはなく、また、評基通の評価方法は、一般的な合理性を有するものということができること、②評基通の区分する持分割合には合理性があること及び③市場価格がないことは、評基通が合理的でないとの理由にはならず、限られた当事者間の価額は時価というものではないことから、請求人の主張はいずれも採用することができず、本件株式を配当還元方式によって評価することはできない。(平12. 3.28東裁(諸)平11-118)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平110010
- 裁決年月日
- 平成12年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、①本件土地は、相続人所有の住宅が建っており、その住宅に被相続人及び相続人(請求人ら)が居住している②本件土地の地代と住宅の家賃が相殺されており、有償取引であるため、本件土地には借地権が存在する③原処分庁は、過去に本件土地に隣接する甲土地の譲渡において、借地権の消滅の対価として立退料を認めていることから、本件土地にも借地権の存在を認めて、財産の価額から借地権割合を控除すべきである旨主張する。ところで、借地法第1条によれば、借地権とは、建物の所有を目的とする地上権及び賃借権をいうものと規定し、使用貸借については、借地法の適用はないものとされている。そして、賃貸借については、民法601条において、当事者の一方が相手方にある物を使用及び収益させることを約して相手方がこれにその賃金を支払うことを約することによって効力を生ずる契約である旨規定しており、本件について、①本件土地及び甲土地について、被相続人と相続人との間に、賃貸借契約の締結があったという具体的証拠がない②本件土地の地代と住宅の家賃が、相殺されていたという具体的証拠がない③被相続人も相続人も、当該地代及び家賃に係る所得税の申告をしていないことから、賃貸借によるものではなく、親族間における使用貸借によるものと認めるのが相当であり、請求人らの主張には理由がない。(平12. 3.27金裁(諸)平11-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110068
- 裁決年月日
- 平成12年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、A町3丁目2番9所在の土地を相続したが、本件土地は相続開始の時点において学校用地(グラウンド及びテニスコート)として学校法人B学園に無償で貸与されており、被相続人が生前この土地の返還を求めて提訴したが、学校法人B学園に使用借権があるので明渡しを受けることができないこととされたため、本件土地の評価に当たっては、借地権以上の強い権利性を有する使用借権が付着しているとして、少なくとも借地権がある土地と同じ評価をすべきである旨主張するが、本件土地の使用関係は、あくまで使用貸借契約に基づくものであり、その使用権の価額は零と評価すべきところ、本件土地については、公益性の強い学校の敷地としての使用を目的とする使用借権を有していること、学校経営が継続する限りは返還の可能性は当面期待できないことなどの特殊事情を考慮すると、評基通に基づき、貸し付けられている雑種地として評価すべきであり、使用借権については、評基通87の規定を準用して、自用地としての価額から、自用地としての価額に賃借権の残存期間に応じ賃借権が地上権であるとした場合に適用される法定地上権割合の2分の1に相当する割合を乗じて計算した金額を控除することによって評価額を算定した原処分は適法である。(平12. 2.28関裁(諸)平11-68)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平110005
- 裁決年月日
- 平成12年1月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400808030
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/3債務
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続税の債務控除において、長期間無利息で預託される保証金の評価に当たり、保証金の元本金額から控除する経済的利益の額の算出に用いる複利原価率について、その適用利率を年3%とすべき旨主張し、一方、原処分庁は年6%とすべき旨主張する。当審判所がこの適用利率について検討したところ、統一的な指標となり得る長期金利等を基準として、弁済期までの金利の動向を考慮して求めるのが相当と解されるから、相続開始月以前10年間の長期プライムレートと長期国債(10年)の応募者利回りの平均である5.60%の端数を切り捨てた年5%とするのが相当であると認められる。したがって、年5%の複利現価率を適用し、課税価格を算出したところ、原処分を下回るので、その一部を取り消すべきである。(平成12. 1.27金裁(諸)平11-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110056
- 裁決年月日
- 平成12年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802012
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/2地積
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、民法第958条の3の規定により分与を受けた土地の地積について、原処分庁主張の地積は家庭裁判所の分与に係る審判の確定日後に行った測量の結果判明したものであるから、本件分与同時の登記簿の地積により評価すべきである旨主張する。しかしながら、土地の価額を算定する場合の地積は、実際の地積によるのが相当であると解されているところ、登記簿上の地積はあくまで実際の地積を認定するための証拠方法にすぎないのであるから、本件のように分与後に行われた測量等により実際の地積が分与当時の登記簿上の地積と異なることが判明した場合には、当該測量等により判明した実際の地積により土地の価額を算定するのが相当であるから、請求人の主張は理由がない。(平12. 1.25名裁(諸)平11-56)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110077
- 裁決年月日
- 平成12年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件路線は傾斜度及び幅員の面でB路線より劣るにもかかわらず、それぞれの路線価が同額であるのは不均衡であるから、本件宅地の評価に当たっては、本件路線価を修正した修正路線価により評価すべきである旨主張する。しかしながら、路線価は、売買実例価額、公示価格、精通者意見価格等を基として、公示価格水準の80%程度となるように評定されるものであるところ、本件路線に連続する路線上にある本件公示価格を基に検討すると、本件路線価は本件公示価格と相互に均衡が取れていると認められることから、本件路線価は、評基通に基づいて設定された妥当なものであると認められる。また、当審判所の調査によれば、本件路線価に基づく本件宅地の相続税評価額は、本件宅地の時価を上回っているとは認められない。したがって、請求人らの主張には理由がなく、また、本件宅地の本件路線価に基づく相続税評価額は時価を上回っているとは認められないことから、原処分は適法かつ正当である。(平12. 1.20東裁(諸)平11-77)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110073
- 裁決年月日
- 平成12年1月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件出資の価額の算定に当たり、評基通の純資産価額方式に定めている評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件出資の価額は、評基通に定める取扱いとは異なる特別の評価方法により純資産価額を算定したものであり、また、当該控除は、評基通上における課税財産上のしんしゃくであると解されていることからして、本件出資の価額の算定に当たり、評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除することは認められない。(平成12. 1.18東裁(諸)平11-73)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110073
- 裁決年月日
- 平成12年1月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807010
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/1評価上の区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、評価会社の出資の価額を評価するに当たり、被相続人が評価会社の出資を譲渡したことから、評価会社の出資割合は50%未満にすぎず、同社は請求人らの特殊関係法人にならず、同社の所有する本件株式はその発行法人の総株数の30%未満となることから、本件株式の評価を評基通に定める配当還元方式により算定した上、評価会社の出資を純資産価額方式によって評価したことは適法である旨主張する。しかしながら、評基通は課税実務上の財産評価の一般的基準として定められたものであり、同通達に定められた評価方式を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかである等の特別な事情がある場合には、他の合理的な評価方法によることができるものと解されるところ、当審判所の調査によれば、評価会社の出資の取得に要した価額と相続税評価額とにおいて、また、課税価格及び相続税の総額において著しい開差が生じていることが認められるから、同出資の価額を評基通によらず、別な評価方法によって算定した原処分は適法である。(平12. 1.18東裁(諸)平11-73)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110052
- 裁決年月日
- 平成11年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件道路は、一方が行き止まりの農道で、両側の農地の所有者が通行するのみのものであり、評基通14で定める不特定多数の者の通行の用に供される道路ではないので、路線価を設定すべき路線に該当しない旨主張する。しかしながら、本件道路は、道路法による道路ではなく、いわゆる里道といわれるものであるが、市の管理下にある道路であり、道路の一方が行き止まりであっても、一般の通行を規制するものではなく、自由な通行の用に供されている道路であることが認められることから、当該通達にいう路線と解することは相当である。(平11.12.22名裁(諸)平11-52)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110052
- 裁決年月日
- 平成11年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地上には本件課税時期において、請求人甲が所有する建築途上の共同住宅が存在し、更地としての利用が制限されているから、借地権相当額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地の使用関係について、被相続人と甲との間に、①特段の契約、②地代の授受及び③権利金等の授受があったとは認められず、また、被相続人と甲が親子関係にあって当時生計を一にしていた点を考慮に入れてこれらを総合判断した場合、これを使用貸借に基づくものと推認するのが相当であり、使用貸借による土地の敷地使用権は、借地権のように法律上の手厚い保護を与えられておらず、借地権のような客観的な交換価値を有するものと見ることは困難であるから、その価額は零円として評価するのが相当である。(平11.12.22名裁(諸)平11-52)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110052
- 裁決年月日
- 平成11年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802011
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/1地目
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、課税時期における本件土地の現況は宅地であるが、この宅地の造成は契約上は被相続人名義で行われているが、この契約は請求人甲の一存で行ったものであり、被相続人の意思の及ばないところでなされたものであるから、宅地造成前の農地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、評基通7は、土地の価額は課税時期における地目の現況に基づき評価する旨定めており、宅地造成を誰が行ったかどうかは地目の判定に影響を及ぼすものでないと認められるところ、本件土地は、課税時期において建築途上の共同住宅の敷地の用に供されていることから、宅地と解するのが相当であり、原処分は相当である。(平11.12.22名裁(諸)11-52)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110052
- 裁決年月日
- 平成11年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802032
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/2市街地周辺農地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、評価基準の定めに基づき、本件農地を市街地周辺農地として路線価方式により算定した価額と本件農地に隣接する農地を中間農地として倍率方式により算定した価額を1㎡当たりで比較すると、本件農地の価額は隣接農地の価額の6倍強と著しい格差があり過大であるから、隣接農地の評価方式に準じて評価すべき旨主張する。しかしながら、本件農地は、都市計画法に定める第二種住居専用地域に所在するとともに、農地転用許可基準に定める第三種農地に該当することから、原処分庁が評価基準を適用して市街地周辺農地として評価したことは相当と認められ、他にこれを不相当とする特段の事情も認められない。また、請求人らは、原処分に係る本件農地の価額は過大である旨主張するが、当該価額は、本件農地の近隣地域の取引事例から算定した本件農地の価額を下回っており、原処分は相当である。(平11.12.22名裁(諸)平11-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110066
- 裁決年月日
- 平成11年12月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が相続によって取得した貸店舗の敷地とその店舗の来客用駐車場に利用されている一団の土地について、店舗と駐車場の賃貸借契約がそれぞれ別個に締結されていることから、貸店舗の敷地部分のみを評基通26に定める貸家建付地として評価し、駐車場部分の土地を雑種地として評価した。請求人は、駐車場の賃貸借契約は形式的なもので、駐車場は貸店舗の賃借権に付随して一体として利用されていたのであるから、一団の土地全体を貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人と賃借人は、本件相続の開始日において、貸店舗について公正証書に基づいて賃貸借しているところ、同公正証書によって賃貸借されている土地の部分(すなわち借家権の目的となっている土地の部分)は特定できないが、①貸店舗の賃貸借と来客用駐車場の賃貸借はそれぞれ別個に継続され、②同公正証書に係る貸店舗と賃貸借期間の始期を同じくする覚書に基づいて来客用駐車場の賃貸借を更新していることから、貸店舗の賃貸借の対象となっている土地の部分は、貸店舗の敷地に限られるものと認められる。したがって、来客用駐車場は、駐車場等の土地の賃貸借に基づいて賃貸借されていることから、賃借権の目的となっている雑種地として評価するのが相当である。(平11.12.20東裁(諸)平11-66)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110056
- 裁決年月日
- 平成11年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802990
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件山林の接する道路に路線価を設定していなかったことは違法である旨主張する。確かに土地評価の利便性を考慮すれば多くの路線に路線価が設定されることが望ましいが、仮に、路線価方式により評価すべき地域において路線価が設定されていないとしても、その道路の延長上で状況が類似する道路に設定されている路線価を基として、路線価方式による評価額を算定することは可能であるから、本件山林の接する道路に路線価の設定がないからといって、そのことをもって直ちに本件更正処分が違法となるということはできない。(平11.12.14東裁(諸)平11-56)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110056
- 裁決年月日
- 平成11年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件山林の時価は鑑定評価額であり、その価額は路線価評価額を下回っていると主張する。しかしながら、①鑑定書において採用されている4つの取引事例のうち3つの取引事例は、市街化調整区域内の売買事例であり、市街化区域内に所在する本件山林とはその区域を異にしているから、市街化区域内にある本件山林の評価を行うに当たって採用する取引事例としては不適切なものと、また、②鑑定書では、宅地にする造成工事が必要であること等から、減価率を60%としているところ、鑑定書における取引事例地の使用及び近隣地域の標準的使用は林地であって、本件山林も林地であることからすれば、宅地ではない本件山林の比準価格を算定するのに林地と宅地との比較に基づく当該減価率を用いて林地の標準価格を補正するのは不適切なものと認められるから、鑑定評価額は、相続開始日における本件山林の時価を表しているものとは認められない。一方、原処分庁は、原処分庁主張額は取引事例比較法及び標準地比準方式に基づいて本件山林の価額を算定しているところ、原処分庁主張額の算定上作用している取引事例は、本件山林の価額を算定するための比準対象地として適切なものと認められ、また、事情補正、時点修正標準化補正及び地域格差補正については、当審判所においても相当と認める基準の一つである土地価格比準表等に照らして検討したが、特に不適切な点は認められない。しかしながら、原処分庁主張額の算定上採用している取引事例のうち一つの取引事例の取引価格は誤っているので、正当額により比準価格を修正した価格を本件山林の価額とするのが相当である。そこで、原処分庁主張額を修正して本件山林の価額を算定したところ、その額は路線価評価額を上回っているので、路線価評価額を基に行なった方法更正処分は適法である。(平成11.12.14東裁(諸)11-56)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110038
- 裁決年月日
- 平成11年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件生産緑地は、課税時期において生産緑地法第10条に定める買取り申出は行われておらず、またその手続に必要な主たる従事者証明書も発行されていないこと、②請求人自身、本件生産緑地について、買取り申出をしておらず、相続税の納税猶予の特例を受けており、今後とも買取り申出をする意思はないので、同法第8条に規定する行為の制限(以下「行為制限」という。)を受けることなどから、評基通40−2の(1)に定める買取り申出をすることができない生産緑地として評価すべきであると主張する。しかしながら、生産緑地の買取り申出をすることができるかどうかは、課税時期において、買取り申出の手続を行っていたかどうかではなく、買取りの申出をすることができる状態にあるか否かで判断すべきものであり、本件生産緑地は、主たる農業従事者である被相続人の死亡により、買取り申出をすることができる生産緑地に該当すると認められる。また、請求人が本件生産緑地について、買取り申出を行わず、かつ、相続税の納税猶予の特例の適用を受けたことの結果、行為制限を受けるとしても、本件生産緑地の評価に何ら影響を及ぼすものではない。よって、本件生産緑地は、評基通40−2の(2)に定める買取り申出をすることができる生産緑地として評価するのが相当である。(平11.11.30名裁(諸)平11-38)、(平11.12. 8名裁(諸)平11-40)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110041
- 裁決年月日
- 平成11年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、災害減免法第6条の規定に該当する土地の被害を受けた部分を本件あらましにより算定するに当たり、被害割合を求める分母となる被害直前の時価は、相続税評価額とすべきであると主張するが、対応する分子の被害額は実際に支払われる費用であることから、市場価格とすべきである。さらに、被害直前の時価を算定するに当たって、震災調整率を適用すべきであると主張するが、被害直前の時価は大震災発生直前の時価であるため、震災調整率は適用すべきではない。(平成11.11.30大裁(諸)11-41)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110015
- 裁決年月日
- 平成11年11月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 株式評価(純資産価額方式)の基礎のゴルフ場用地の評価について、請求人らは、同土地のうちの一部の土地については、倉庫、従業員休憩所及び神社に係る敷地並びに遊休地等として利用されていること、生垣等で分離されていることからゴルフ場用地とは分離して評価すべきであると主張するが、これらの一部の土地は、ゴルフ場経営に必要不可欠な施設に係る敷地として利用されていること及び道路等によって分離されていないことからゴルフ場用地と一体として利用されている土地であり、ゴルフ場用地に含めて評価すべきものである。(平成11.11.24高裁(諸)11-15)、(平成11.11.24高裁(諸)11-16)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110005
- 裁決年月日
- 平成11年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、大蔵省大臣官房金融検査部通達の別添「資産査定について」を根拠として、本件貸付債権に係る債務者は大幅な債務超過が相当期間継続していることから、本件貸付金債権を25%で評価すべきである旨主張する。しかしながら、「資産査定について」は、同通達の資産査定の目的に記載されているとおり、金融機関の保有する資産を個別に検討して、回収の危険性又は価値の毀損の危険性の度合いに従って区分することであり、預金者の預金などがどの程度安全確実な資産に見合っているか、言い換えれば資産の不良化によりどの程度の危険にさらされているかを判断するものであり、相続税の場合の財産評価に適用されるものではないことから、請求人の主張は採用できない。(平成11.11.15仙裁(諸)平11-5)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110005
- 裁決年月日
- 平成11年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金債権の回収が平成6年より停止しており、本件貸付金債権に係る債務者は破産宣告や事実上の倒産状態に陥らなくとも回収は不可能又は著しく困難であったことから、評基通205により、本件貸付金債権の回収が不可能と認定されるときは取得財産価額とすべき金額は0円となり、また、貸付金債権の回収が著しく困難であると認定されるときは取得財産価額とすべき金額は28,679,745円となる旨主張する。しかしながら、本件貸付金債権は、評基通205で定めている要件には該当せず、また、本件貸付金債権の全部又は一部の回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるときにも該当しないので、本件貸付金債権は評基通204で評価することとなり、そうすると本件貸付金債権の取得財産価額は114,718,983円とするのが相当である。(平成11.11.15仙裁(諸)平11-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110036
- 裁決年月日
- 平成11年11月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・241ページ
要旨
○ 本件組合は、人格のない社団としての実体を備えていると認められるが、評基通には、人格のない社団の出資の評価方法について定めがないことから、同通達5の定めにより、同通達に定める評価方法に準じて評価することになるところ、本件組合自体が一個の企業体として営利を目的として事業を行うことを禁止し、又は本件組合の組合員に出資口数に応じて議決権を与えなければならないことを定めた法令の規定はないことから、株式会社や有限会社などの法人格を有する団体の株式や出資の評価方法について定めた評基通169ないし196の定めのうち、組合自体が営利を目的とする事業を行うことができ、かつ、組合員が各々一個の議決権を有することとされている(出資持分の大小と関係なく議決権が与えられている)企業組合、漁業生産組合その他これに類似する組合等に対する出資の評価方法を定めた評基通196の定めを準用して評価するのが最も合理的な方法であるということができる。(平成11.11.11大裁(諸)平11-36)裁決事例集 №58・241ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110036
- 裁決年月日
- 平成11年11月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・241ページ
要旨
○ 請求人ら主張する本件組合の出資の売買実例価額は、譲渡人及び譲受人の双方が組合員という限定された市場において成立した稀少な事例によるものであり、しかも当該売買実例価額が客観的な交換価値を反映したものと認めるに足りる証拠もなく、売買当事者の主観的、個人的事情等の要素が影響しているというほかないものであるから、この価額を本件出資の時価として採用することはできない。(平成11.11.11大裁(諸)平11-36)裁決事例集 №58・241ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110032
- 裁決年月日
- 平成11年11月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が所有していた同族会社の株式については、同社が相続開始日に多大な累積赤字を有しており、また、業種転換のため3年間休業状態にあり、同株式に流通価値及び交換価値はなかったから、その評価は、純資産価額でなく、各資産に評価益が含まれていないところの帳簿価額によるべきと主張するが、帳簿価額は、評価時点における真の経済価値を表していないから、純資産価額により同株式を評価するのが相当である。(平11.11. 9東裁(諸)平11-32)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110024
- 裁決年月日
- 平成11年10月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・201ページ
要旨
○ 評基通で定める配当還元方式によることが不相当であると認められるような特別の事情が存する場合には、これ以外の評価方法によることができると解されるところ、本件においては、出資者が本件出資を取得したことに経済的合理性は認められず、また、評価会社は、設立後、出資割合を意図的に調整していること、額面金額と払込金額とが大きく乖離し、払込金額の1%しか資本金に組み入れていないことなどを総合すると、本件出資は、単に同社の社員たる地位を有するにとどまらず、評基通が定める配当還元方式を適用することによって、租税の負担を減少させることを目的としたものと認められる。そうすると、本件出資の評価は、配当還元方式によらないことが相当と認められる特別な事情があると認められるから、別の方法により評価することとなる。そして、評価会社は、課税時期現在において設立後3年を経過していない会社であるから、評基通189及び同通達189-3により、純資産価額によって評価することが相当である。(平成11.10.18大裁(諸)平11-24)裁決事例集 №58・201ページ、(平成11.10.18大裁(諸)平11-25〜27)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110012
- 裁決年月日
- 平成11年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物には全所有者の租税債務に係る本件差押等がなされているところ、全所有者が既に清算中の法人で租税債務を支払うことができない状態にあり、被相続人が本件差押等に係る租税債務を負担せざるを得ないことからすると、①本件建物の価額は、評基通の定めによって評価するのは相当でなく、買手がつかない物件であることから、流通価額により零円と評価するか、若しくは②本件差押等に係る租税債務を債務控除の対象とすべきである旨主張する。しかしながら、本件建物には本件差押等がなされているが、①本件差押等に係る租税債務の債務者は本件建物の前所有者であり、被相続人は、本件差押等に係る租税債務の債務者ではないばかりか、これについて保証債務を負担しているものでもなく、また、本件差押等に係る租税債務を担保するため本件建物を物上保証に供しているものでもないのであるから、被相続人には本件差押等に係る租税債務を負担すべき法的義務は存しないと認められること、②本件相続の開始時点において、本件建物について公売のための具体的な手続きが進められていた事実は存せず、また、本件建物の前所有者は、本件建物のほかにも不動産を所有しているところ、本件差押等に係る租税債務については、本件建物のほかにこれらの不動産についても差押処分等がなされていることからすると、本件相続の開始時点において、本件建物が公売に付されるとか、被相続人あるいはその相続人らにおいて本件差押等に係る租税債務を当該前所有者に代わって弁済しなければ、本件建物の所有権を喪失することになるというような差し迫った状況にあったとは認められないことを総合すると、本件建物に本件差押等がなされていることは、評基通等の定めによる評価を不相当とする特段の事情に当たらず、本件建物の価額は評基通等の定めによって評価することが相当と認められ、また、本件差押等に係る租税債務は債務控除の対象となるものではないと認めるのが相当である。(平成11. 9.27名裁(諸)11-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110009
- 裁決年月日
- 平成11年9月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件借地権は土地賃貸借契約書及び賃貸人であるA宗教法人が定めた内規により制約を受けており、独立した財産権あるいは独立して取引の対象とされるものではなく通常の借地権と異なるので、評基通6の特段の事情があるということができるから、本件借地権の価額は、本件内規で定められた賃貸借契約を解除する際の契約解除金の額1坪当たり30,000円の額で評価すべきであると主張する。しかしながら、借地権の価額は、私的契約の条件により制約を受ける借地権としてではなく、借地借家法の法的保護を受ける借地権としての経済的価値に着目して評価するのが相当であり、そうすると、本件賃貸借契約書及び本件内規の定めは、借地借家法の法的保護を受ける本件借地権の価額に特段の影響を及ぼすものではないというべきであるから、本件借地権の評価に当たり評基通の定めによらない特段の事情があるとは認められず、本件借地権については評基通及び評価基準等に定められた評価方法により評価するのが相当である。(平11. 9.16名裁(諸)平11-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110009
- 裁決年月日
- 平成11年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、地価が急激に下落しつつある時期においては、その年の1月1日現在の評価をその年1年間の評価とすることには無理があり、また、本件鑑定評価額は、不動産鑑定士が専門的知識に基づいて決定したものであるから、本件宅地の価額として妥当である旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価書には種々の不的確な点が認められるから、本件宅地の時価が路線価に基づく相続税評価額を下回るという事実が立証されたことにはならない。一方、原処分庁の公示価格等を基に場所的修正を相続税評価額の比により行う方法では、本件宅地の時価を立証したことにはならない。そこで、当審判所において、本件宅地と同一の用途地域内の取引事例及び公示価格等を基に土地価格比準表を適用して比準価格等を求める方法により、本件宅地の価額を算定したところ、本件宅地の時価は相続税評価額を下回っていないと認められるため、請求人らの主張には理由がないというべきである。(平成11. 9. 2東裁(諸)11-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110005
- 裁決年月日
- 平成11年7月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802013
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/3評価基準の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各宅地が接面する本件道路に付されている本件路線価は実態とかけ離れた高いものと認められるので、本件各宅地の価額は、隣接する路線に付されている路線価の80パーセント相当額を基に計算した価額によるべきである旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、本件路線価に基づく本件各宅地の評価額は当該各宅地の価額(時価)を上回っているとは認められない。また、本件各宅地の近隣地域に所在する本件公示地の公示価格を基に試算した本件道路及び本件公示地が接面する2路線に係る標準想定画地の80パーセント相当額は、これら各路線に付されている路線価とほぼ同額となることからすると、当該各路線価は公示価格水準の80パーセント程度の水準で設定されており、相互に均衡がとれていることが認められるから、本件路線価は評基通に基づいて設定された妥当なものと認められる。したがって、請求人の主張には理由がなく、また、本件各宅地の価額は本件路線価に基づく評価額を下回っていないことが認められるから、本件更正処分は適法である。(平11. 7.15東裁(諸)平11-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100102
- 裁決年月日
- 平成11年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・443ページ
要旨
○ 請求人らは、被相続人は同人が代表者であった有限会社から建物の所有を目的として土地を賃借する一方、同社に対して倉庫を賃貸していたことから、被相続人が受け取っていた家賃の額と適正な家賃の額との差額を被相続人が支払っていた地代の額に加算して相当の地代かどうかを判断すべきである旨主張する。しかしながら、相互に資産の貸付けが行われている場合であっても、借地権の評価における相当の地代の額を計算する際の実際支払地代は、各賃貸借契約が相互に関連があって一体不可分のものであり、かつ、各賃料の額の一定額が相殺関係にあることが契約上明示されているなど特段の事情がない限り、現実に授受されるべき金員そのものの額によるのが相当であり、被相続人と有限会社の間における土地の賃貸借と建物の賃貸借の契約には、各賃料の額の一定額が相殺関係にあるとは認められないから、請求人らの主張を採用することはできず、現実に授受されるべき金員の額で相当の地代か否かを判定すべきである。(平11. 6.28名裁(諸)平10-102)裁決事例集 №57・443ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100188
- 裁決年月日
- 平成11年6月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁の算定した価額は、①上場会社の株価との大幅な乖離、②評価会社が保有する上場株式の低額な平均取得価額及び③評価会社の6期連続の欠損計上にかんがみれば、実態を離れた価額であって時価とは認められず、本件株式の価額は類似業種比準方式か評基通6の定めにより評価すべきである旨主張する。しかしながら、類似業種比準方式は、評価会社と標本会社との間に資産の構成、収益の状況等において類似性が認められない場合には合理的な評価方式とはいえないから、資産の保有状況が著しく株式等に偏っている株式保有特定会社については、類似業種比準方式では適正な株価の算定を行うことはできない。そして、株式が会社資産に対する持分としての性質を有することからすると、本件株式については、会社の資産内容を最も的確に反映する純資産価額方式により評価すべきであるが、いわゆるS1+S2方式により評価することも合理的であると認められるから、両方式のうちいずれか低い方の価額により評価するのが相当である。(平11. 6.24東裁(諸)平10-188)、(平11. 6.24東裁(諸)平10-189〜199)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平100065
- 裁決年月日
- 平成11年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続した土地の上に存する賃借権の価額の評価に当たり、本件土地には契約期間1年の駐車場施設の所有を目的とする等の賃借契約のほかに、賃貸借期間を30年以上とする建物の所有を目的とする土地賃貸借予約契約が締結されていることから、本件土地に係る賃借権の残存期間を30年として計算すべきである旨主張する。しかしながら、本件予約契約において本件土地が貸し付けられることが将来確実であるとしても、現実に土地が貸し付けられていなければ、賃借権が生じていないことは明らかであるから、本件土地の価額の評価において減額すべき根拠はなく、本件土地の価額を評価するに当たって控除すべき賃借権は、本件賃貸借契約に基づくもので、その残存期間は1年未満であるとした原処分は相当である。(平11. 6.21高裁(諸)平10-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100186
- 裁決年月日
- 平成11年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400803040
- 争点
- 8財産の評価/3家屋及び庭園設備/4貸家
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件建物の貸借は実質的には賃料と立退料とを相殺している有償の貸借であるから、本件建物については、貸家として評価すべきである旨主張する。しかしながら、①本件和解条項にはその旨の記載はないこと、②他に本件明渡猶予期間中の貸借が有料であること並びに借家人が本件建物を明け渡す際に立退料の支払を要すること及びその金額について定めた証拠も認められないこと、更に③貸主は借家人が建物を明け渡す場合に常に立退料の支払をしなければならないわけではないことからすれば、賃料と立退料とが相殺されているとは認められず、むしろ、本件和解に至る経緯及び本件和解条項によれば、本件明渡猶予期間は、本件被相続人の本件建物の明渡請求が起こり、その解決方法として本件建物の明渡しを一時猶予する趣旨で裁判上の和解によって約定されたものである。そして、本件和解条項によれば、借家人は本件明渡猶予期間は本件建物を無償で使用できるとされており、本件明渡猶予期間中の貸借は無償使用と認められるので、本件建物には借家法又は借地借家法に基づく建物の賃借人が有する権利、すなわち、借家権はないといわざるを得ないから、本件建物は貸家には当たらない。(平11. 6.21東裁(諸)平10-186)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100186
- 裁決年月日
- 平成11年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件建物の貸借は実質的には賃料と立退料とを相殺している有償の貸借であるから、本件建物の敷地である本件宅地については、貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、①本件和解条項にはその旨の記載はないこと、②他に本件明渡猶予期間中の貸借が有料であること並びに借家人が本件建物を明け渡す際に立退料の支払を要すること及びその金額について定めた証拠も認められないこと更に③貸主は借家人が建物を明け渡す場合に常に立退料の支払をしなければならないわけではないことからすれば、賃料と立退料とが相殺されているとは認められず、むしろ、本件和解に至る経緯及び本件和解条項によれば、本件明渡猶予期間は、本件被相続人の本件建物の明渡請求が起こり、その解決方法として本件建物の明渡しを一時猶予する趣旨で裁判上の和解によって約定されたものである。そして、本件和解条項によれば、借家人は本件明渡猶予期間は本件建物を無償で使用できるとされており、本件明渡猶予期間中の貸借は無償使用と認められるので、本件建物には借家法又は借地借家法に基づく建物の賃借人が有する権利、すなわち、借家権はないといわざるを得ないから、本件宅地は貸家建付地には当たらない。(平11. 6.21東裁(諸)平10-186)、(平11. 6.21東裁(諸)平10-187)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平100051
- 裁決年月日
- 平成11年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地には、A路線とこれに166度の角度で交わるB路線の二の路線があるが、これは、A路線がその途中で166度の角度で曲がっているものであるから、路線の中途で路線価が異なっている本件宅地を評価する場合には、それぞれの路線価に接する距離により加重平均して求めるべきである旨主張するが、路線価は、宅地の価格が概ね同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに設定されるものであることからすれば、A路線は中小工業地区であり、B路線は普通住宅地区であること、A路線は国道でありB路線は里道であること及びA路線価はB路線価と比較して2倍以上であることを総合的に判断すると、A路線及びB路線を一の路線と解することはできないから、本件宅地はA路線とB路線の二の路線を有する宅地であり、本件宅地における正面路線価は、A路線と認めるのが相当であり、本件宅地の正面路線価を求めるに当たっては、A路線価及びB路線価の加重平均によることはできないから、請求人の主張は採用できない。 また、B路線は正面路線であるA路線と交差する路線であることからすると、本件宅地は、正面と側面がそれぞれ路線に接する宅地であるので、正面路線をA路線とし側方路線をB路線として側方路線影響率を加算して行った原処分は適法であるから、請求人の主張には理由がない。(平10.6.11熊裁(諸)平10-51)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100089
- 裁決年月日
- 平成11年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、貸宅地として利用していた本件A宅地の価額について、遺産分割協議により本件B宅地及び本件C宅地に分筆し、異なる相続人が取得した場合には、宅地の評価単位とは「利用の単位」ではなく、各相続人ごとの「所有者単位」で判断すべきであり、更に「著しく不合理な分割」に該当しない旨主張するが、本件B宅地及び本件C宅地は、分筆の前後にかかわりなく両宅地が一体として利用されている事実に何ら変化は認められず、全体が一の利用単位として利用されていることから、それぞれ独立した1筆の土地として評価すべきではなく、相続開始時の利用状況に従い、1画地の宅地として評価するのが合理的である。(平11. 5.24名裁(諸)平10-89)、(平11. 5.24名裁(諸)平10-90)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平100021
- 裁決年月日
- 平成11年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地及びその周辺一帯の地域は、亜炭鉱坑道跡存在の可能性が高く、また、急傾斜地であり、公示価格及び路線価の評定資料となっている固定資産税評価額の評定資料の鑑定評価書には、取引事例比較法及び収益還元法を基礎としている旨の記載はあるものの、亜炭鉱坑道跡存在の可能性等の社会的条件及び自然的事情を勘案した記載がないことから、公示価格及び路線価の評定においても、これらの事情は考慮されているとは認められず、本件土地の評価に当たっては、これらの事情は別途考慮して評価すべきである旨主張する。しかしながら、公示価格は、自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格であり、近隣の売買実例価額及び近隣の賃料等の額等を総合勘案して評定されているものである。本件土地及びその周辺一帯の地域は、亜炭鉱坑道跡存在の可能性が高いこと及び急傾斜地であること等の事情は認められるが、これらの事情は、本件土地及びその周辺一帯の地域に共通するものと認められるから、近隣の土地等の売買価額の形成に当たって反映されているものであり、公示価格の評定においても、反映されているものである。また、路線価は、売買実例価額、公示価額及び精通者意見価格等を計算の基礎として評定されることから、公示価格と同様、これらの事情は、近隣の土地等の売買価額の形成に当たって反映されているものである。そうすると、亜炭鉱坑道跡存在の可能性が高いこと及び急傾斜地であること等の事情は、公示価格及び路線価のいずれにおいても考慮され評定されているものとするのが相当である。(平11. 3.30仙裁(諸)平10-21)、(平11. 3.30仙裁(諸)平10-22)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100113
- 裁決年月日
- 平成11年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・504ページ
要旨
○ 請求人らは、原処分は、本件株式の価額の評価に当たり、本件課税時期から5か月余り経過後に行われた本件合併の事実を無視し評価通達を形式的かつ画一的に適用したもので、その価額は時価である客観的交換価額と乖離した実態にそぐわないものであるから評基通6を適用し、課税時期において本件合併後の法人を想定し、その純資産価額により算定するのが合理的である旨主張する。しかしながら、相法第22条に規定する評価の原則が、課税時期における時価であることからして請求人らの主張は到底認め難く、また、評価通達に定められた評価方式が合理的である限り原処分に違法、不当があるとはいえず、評基通179の定めにより算定した価額をもってした原処分は適法である。(平11. 3. 26大裁 (諸) 平10-113)裁決事例集 №57・504ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100074
- 裁決年月日
- 平成11年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は、過去22年間継続して賃貸していること、またA組合が長期間の使用を予定して本件土地の路面にアスファルト舗装をし、将来にわたって賃借することを予定していることを理由に、本件土地に係る賃借権は地上権に準ずる賃借権に該当する旨主張するが、①本件土地の賃貸借契約は、駐車場用地として使用することを目的としていること、②本件土地上には、現に建物が存在していないこと、③その賃借権設定の対価たる権利金の授受がないこと及び④本件土地に係る不動産登記簿上には賃借権等の権利の設定等の登記がされていないことから、本件契約に基づく賃借権は、民法等により法的に保護されるべき権利としては地上権又は借地権に比較して極めて薄弱なものと認められ、本件土地に係る賃借権は、評基通86に定めた地上権に準ずる賃借権以外の賃借権に該当するものとするのが相当である。また、本件土地の利用状況等を総合勘案すれば、本件土地の賃借権の残存期間は、本件契約に基づく賃借期間の残存期間とするのが相当であるが、本件契約の賃貸借期間は、本件相続開始日には経過していたことが認められるものの、本件契約の賃貸借期間の満了までに当事者のいずれからも契約解除の申出がなく、本件契約書第3条のただし書により、その賃貸借期間を更に1年間延伸したものと認められ、本件相続開始日において賃借権の残存期間は1年未満と認められる。(平11. 3.18名裁(諸)平10-74)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100074
- 裁決年月日
- 平成11年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の付近に、暴力団事務所等及びパチンコ店があることを理由として、財産評価基本通達の定めに基づき算定された本件土地の評価額は過大である旨主張するが、相続財産の価額の算定における路線価は、地価公示価格等に基づき評定されており、その路線価を基に算定した価額は、特段の事情のない限り相続税の課税価格の計算においてその財産の時価と認められ、また、請求人の主張する暴力団事務所等及びパチンコ店は、本件土地に係る平成7年分の路線価が評定された基準日において既に存在しており、この地価公示価格や精通者から収集した土地の価額は、請求人の主張する事情を反映しているものと判断される。(平11. 3.18名裁(諸)平10-74)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100019
- 裁決年月日
- 平成11年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、評基通6が相法第22条に規定する時価の個別具体的評価規定であるから、評基通6の適用には客観的合理性が必要である旨主張するが、評価通達に定められた評価方法を形式的にすべての納税者に適用されることが望ましいとしても、他方、形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかである場合には、他の合理的な方法によることができるものと解すべきである。また、本件出資の評価に当たり、評価差額に対する法人税額等相当額を控除しないことは、評基通185及び186−2の予定していない利用によるし意的な租税負担の軽減防止という合理的目的を有するものであり、この点に客観的合理性のある理由が存在するというべきである。(平11. 3.17福裁(諸)平10-19)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100073
- 裁決年月日
- 平成11年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件出資の評価について評基通185及び186−2に定める1口当たりの純資産価額の計算上、評価差額に対する法人税額等相当額を控除すべきであるのに、原処分庁が控除できないと認定したのは、違法である旨主張する。しかしながら、本件出資を行った会社は贈与税等の負担の軽減を図るという目的で意図的に作り出されたものであり、このような場合には、同通達に定められた評価方法を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかである特別な事情があると認められるから、当該出資の評価額は、評価差額に対する法人税額等相当額を控除せずに評価するのが相当である。(平11. 3.17名裁(諸)平10-73)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100101
- 裁決年月日
- 平成11年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802035
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/5使用貸借に係る農地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、農業委員会の小作台帳には、本件農地の耕作権者が請求人である旨記載されているから、本件農地の評価に当たっては、当該耕作権の価額を控除すべきである旨主張するが、本件小作台帳への登載は、本件農地の所有者である被相続人の死亡後、請求人が提出した小作台帳追加申請願に対して行ったものであり、本件相続開始時においては、農地法所定の許可を受けて設定された耕作権が存在していなかったのであるから、本件農地の評価に当たっては、自用地としての価額から耕作権の価額を控除することはできない。(平11. 3. 5大裁 (諸) 平10-101)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100010
- 裁決年月日
- 平成11年1月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、株式の発行会社の「株主間の取引」、つまり、「特定少数の当事者間取引」を基に時価を算定した原処分は、相法第22条の時価に違反する旨主張する。しかしながら、①出資及び売買の際にも1株当たりの単価を時価による純資産価額を基に算出されていること、②当事者は、この価額を株式の時価と認識していること及び③この価額は特定の出資者だけに成立するものでなく、出資しようとする者であればだれでもが適用される一般的な価額である認められることから、この価額が株式の客観的な時価と認められる。(平11. 1.28福裁(諸)平10-10)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100010
- 裁決年月日
- 平成11年1月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、株式の取得の意図という課税時期前後の状況を基として、株式の評価方法及び価額を判断したことは財産評価の基本を覆す違法なものである旨主張する。しかしながら、配当還元方式は、単に配当を期待する少数株主を対象とする特例的な評価方法であり、限定的に用いるべき方法であって、原処分庁がその配当還元方式の適用の可否を判断するに当たって、株式の取得の意図等様々な見地から検討することは当然のことであるから、請求人らの主張には理由がない。(平11. 1.28福裁(諸)平10-10)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100010
- 裁決年月日
- 平成11年1月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が株式投資というリスクを考慮しないで株式の評価を行ったことは、他の取引相場のない株式の評価と比較して、全く公平性を欠くものである旨主張する。しかしながら、本件株式の取得に際し、請求人らが主張するようなリスクが存しないことは明らかであり、また、株式の評価において、株式投資のリスクの有無が株式の評価方法を決定する唯一の要因ではないと解され、さらに、他の取引相場のない株式とはその発行システム等が著しく異なっていることから他の株式の評価と取扱いが異なったとしても、公平負担の原則の観点から是認されるものというべきである。(平11. 1.28福裁(諸)平10-10)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100010
- 裁決年月日
- 平成11年1月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが相続税を意図的に免れているという原処分庁の判断は主観的判断であり、相法第22条の時価が客観的な交換価値であるから、株式の評価にこのような主観的要素の入り込む余地はない旨主張する。しかしながら、請求人らの算定した株式の評価額について、その算定方法や取得に至る事情等が課税時期における財産評価に影響を及ぼしているかどうかを検討した結果、配当還元方式を適用して算出された価額は、客観的な交換価値である時価とは認められないとする客観的な判断をしたものであり、請求人らが主張するような主観的判断に基づいて行われたものとは認められない。(平11. 1.28福裁(諸)平10-10)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100010
- 裁決年月日
- 平成11年1月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、評基通5を適用したことは、通達の適用誤りであり、評基通6であれば、更正処分時に国税庁長官の指示がないまま評基通6を適用したこととなり、通達違反である旨主張する。しかしながら、評価基本通達は税務執行の便宜上、単に評価の目安となるべき基準を示したものであり、通達とは、上級行政庁が下級行政庁に対する命令であって法規たる性質を有せず、それ自体が納税者を拘束するものではないこと及び通達の適用に関する国税庁長官の指示は、関係下級行政庁ないしその職員のみを拘束するにすぎないものであり、加えて国税庁長官の当該指示を納税者に対して明確にしなかったとしても、これにより直ちに違法の問題が生じることはないと解される。(平11. 1.28福裁(諸)平10-10)、(平11. 3.17福裁(諸)平10-19)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100050
- 裁決年月日
- 平成11年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802049
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・462ページ
要旨
○ 請求人らは、本件各土地を畑、野原、用悪水路として評価すべきである旨主張するが、土地の価額は地目の別に評価することとされており、その地目は不動産登記簿等によるのではなく、課税時期の現況によって判定するのが相当であるところ、本件各土地の現況はすべてが山林と化した雑木地であることから山林として評価するのが相当である。(平11. 1.25名裁(諸)平10-50)裁決事例集 №57・462ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100050
- 裁決年月日
- 平成11年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・462ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地の評価に当たり、本件公示価格から推定した本件土地の公示価格水準の額に80パーセントを乗じた額により評定すべきである旨主張するが、相続税の評価については売買価格が相続税評価額を下回ることのないよう、地価公示価格水準の80パーセントを目途として行われているものであり、請求人らの求めた評価額が正常価格とするならば、これに評価水準の80パーセントを乗じなければならない理由はなく、また、公平の原則に反するものともいえない。(平11. 1.25名裁(諸)平10-50)裁決事例集 №57・462ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100035
- 裁決年月日
- 平成10年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が道路でない土地に仮路線価を付設して相続財産である土地を評価するのは誤りである旨主張するが、本件土地の進入路は、建築基準法上においても道路として定義づけられているところ、我が国の実定法体系の下においては、ある法律分野における法律用語は他の法律分野においても同一の意味、内容を有しているのが原則であるから、原処分庁がこれを路線と認定し、仮路線価を通知するとともに評価額算定の基礎としたことは相当である。(平10.12.11名裁(諸)平10-35)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100035
- 裁決年月日
- 平成10年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802022
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/2正面路線価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、平成6年分の相続開始に係る本件各土地を評価するにあたり、平成7年分の路線価を適用したのは違法である旨主張するが、原処分庁が本件土地に付設する本件仮路線価及び平成7年分の路線価の評定に当たり、その基となる近隣公示地の平成6年1月1日時点及び平成7年1月1日時点の地価公示価格が同額であったことから、地価変動率は零パーセントであると判断したため、本件仮路線価と平成7年分の本件各土地に係る路線価が同一になったものであるから、原処分庁は、合理性を有する本件仮路線価を基として、適正に本件土地の評価を行っており、平成7年分の路線価を基として評価している事実は認められない。(平10.12.11名裁(諸)平10-35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100051
- 裁決年月日
- 平成10年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802014
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/4区分地上権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の評価に当たり、市が民法第265条に規定する地上権を設定しているのであるから、相法第23条の規定を適用し、自用地としての価額から地上権の価額を控除して評価するべきである旨主張するが、市は本件土地に設置されていた本件吸気施設の存続及び維持を目的として本件地上権を設定していること、本件契約においては、本件吸気施設の機能に支障がないかぎり本件土地に構築物を設置占有できるとされ、実際に本件土地上に本件建物を建築し、本件吸気施設の機能に支障を来たさない部分を占有し、使用収益していること、本件土地の払下げ価格は地上権の設定の対価を考慮せずに更地価格で決められていることなどからすると、本件地上権は本件土地に係る所有者の使用を排他的に制限するものではなく、当該施設の機能を阻害する一定の範囲においてのみその所有権を制限するものにすぎないというべきである。そうすると、本件地上権の実質は、まさに民法第269条の2第1項に規定する区分地上権と同視し得るものであるから、その評価に当たっては、相法第23条の規定によるのではなく、本件地上権が本件土地を妨げる程度及び割合を控除して評価するのが妥当である。したがって、本件土地の評価に当たっては、本件土地の自用地としての価格から、上記記載の方法により評価した本件地上権の価格を控除して評価すべきであるから、請求人の主張を採用することはできない。(平10.12.10大裁 (諸) 平10-51)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100069
- 裁決年月日
- 平成10年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・291ページ
要旨
○ 請求人は、本件財産の個々の価額が相法第22条及び評価基本通達に照らし相当であるか疑問である旨主張する。しかしながら、香港の遺産税法は、財産査定(評価)の一般原則として、遺産税が課税される財産の価額は公開市場で死亡日に売却される価額であると定めているところであり、相法第22条に規定する「時価」及び香港の遺産税法に定める「公開市場で死亡日に売却される価額」は、共に自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額を指向しているものと解することができるから、公開市場で死亡日に売却される価額をもって本件相続税の課税価格に算入する価額とすることを不相当とする理由は認められない。そして、上記のような香港の遺産税の財産査定の原則があることからすれば、遺産宣誓書に記載されている財産の価額がその原則に従って評価されているものと容易に推認でき、それが香港税務当局による是正処分あるいは他の相続人らによる遺産宣誓書の更なる修正といったことによって変更がない限りは、現時点において既になされている遺産宣誓に表現されている財産及びその価額が正当額と推認できるのであって、その価額をもって本件財産の価額とすることは、十分に合理的である。(平10.12. 8東裁(諸)平10-69)裁決事例集 №56・291ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平100032
- 裁決年月日
- 平成10年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人提出の不動産鑑定評価書の価額が、相続により取得した土地の時価である旨主張する。 しかしながら、請求人提出の不動産鑑定評価書には、評価の前提となる近隣地域の地域要因の分析と取引事例比較法における標準化補正の内容に疑義があり、時価の証拠資料として採用できないと認められる。そこで、当審判所が、請求人提出の不動産鑑定評価書、土地価額精通者の意見等から、鑑定評価基準及び土地価格比準表に基づき比準して、相続により取得した土地の価額を算出すると、当該土地の価額は、評価基本通達に基づく評価額を上回るので、更正の請求は認められない。(平10.11.30広裁(諸)平10-32)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100028
- 裁決年月日
- 平成10年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した貸家の用に供していた土地について、建物の共有者の各人の権利等が土地全体に及ぶから、貸家建付地と自用地(使用貸借部分)とに区別して評価することは相当ではなく、土地全体について貸家建付地として評価すべきである旨主張するが、本件建物は、被相続人と請求人らの共有であるから、共有者の敷地利用権も本件建物の持分割合に応じて有することとなり、本件土地の評価に当たっても建物の持分割合に応じて評価することは相当である。ところで、請求人らは、本件土地を使用貸借によって借り受けているものであり、敷地利用権の価額は零であるから、請求人らの持分割合の部分については、自用地としての価額から控除すべき敷地利用権はない。(平10.11.17名裁(諸)平10-28)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100028
- 裁決年月日
- 平成10年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続により取得した貸家(被相続人及び請求人らの共有建物)の用に供していた土地の評価は、その使用貸借に係る部分(貸家のうち、請求人らの共有持分に対応する土地部分)についても貸家建付地として自用地価額から借家人の土地使用権相当額を控除して算定すべきである旨主張するが、使用貸借により建物所有を目的として土地を借り受けた場合の建物所有者の土地使用権は権利性の薄弱なもので経済的価値を有せず、借家人の土地使用権は、建物所有者の土地使用権に従属しその範囲内での権能にすぎない。したがって使用貸借により貸し付けた土地の価額については、自用地としての価額から控除すべき土地使用権の価額はないものとして算定するのが相当と認められる。(平10.11.17名裁(諸)平10-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100042
- 裁決年月日
- 平成10年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、公示価格水準の80パーセント程度あるいは公示価格そのものが相続財産評価のための時価に相当するとの法令上の規定はなく、租税法律主義に違反するほか、路線価が公示価格水準の80パーセント程度で定められていることによって得られる評価上の利益は、路線価の時点修正を行わないと、相続が開始した時期によってその差が生じることから、その時期いかんにかかわらず、納税者に等しく帰属するのでなければ課税の公平は保たれない旨主張する。しかしながら、路線価は公示価格水準の80パーセント程度で評定されており、相法第22条にいう時価と公示価格の内容たる標準地の正常な価格とは同義と解されるから、公示価格水準より低額に路線価を評定することを法令上の規定がないことのみをもって違法というはできない。また、請求人らがいう評価上の利益は、課税庁が評価の安定性等を考慮して路線価を低めに定めていることによって得られる事実上の利益にすぎず、法律上保護された利益とはいえないものであり、また、相続開始の時期いかんによってその受ける利益に差異が生じたとしても、それは、相続財産について、その時価の範囲内で画一的評価を行うことによって生ずるやむを得ない結果というべきであって、そのことによって納税者間の公平が害され、その評価が違法なものとなるわけではない。(平10.10.29東裁(諸)平10-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100042
- 裁決年月日
- 平成10年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相法第22条の時価は路線価そのものであり、その価額は当年1月1日現在のものであるから、地価が下落した場合には、同月2日以降は路線価が時価を上回ることになるので、当然に路線価の時点修正が行われるべきである旨主張する。しかしながら、相法第22条にいう時価とは、当該財産の取得の時における客観的な交換価値をいうものであり、これに対し、路線価は市街地的形態を形成する宅地について画一的評価を行うための基となる価額であって、その価額は、評価の安全性等を考慮して、一般的に土地の時価に近接した価格水準を示すものと考えられている公示価格の評価水準よりも低額に定められているものであるから、路線価そのものが相法第22条にいう時価の評価水準を示すものでないことは明らかであり、この点に関する請求人らの主張は、その前提を欠くものである。(平10.10.29東裁(諸)平10-42)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100017
- 裁決年月日
- 平成10年10月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 路線価は、公示価格、売買実例価額及び不動産鑑定士等の精通者意見等を基に、公示価格水準の80パーセント相当額で評定されており、その評定根拠には合理性があり、相続税の課税に当たり時価として適正なものと認められるところ、請求人が本件宅地の時価として主張する不動産鑑定士による評価は、①基準地を基とする比準価格の査定において、異なる行政条件についての格差補正がされているとは認め難いなどの問題があり、時価としては不相当であり採用することはできない。(平10.10.20大裁 (諸) 平10-17)、(平10.11.30広裁 (諸) 平10-31)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100017
- 裁決年月日
- 平成10年10月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801030
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/3共有財産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地の評価額算定においては、相基通21の6−3ただし書の取扱いを考慮すべきである旨主張するが、同取扱いに従い、贈与を受けた店舗兼住宅の敷地の共有持分すべてを居住用とし相法第21条の6第1項の規定を適用して贈与税の申告があった後、その残りの持分に相当する部分の相続税の評価額を算定するに当たっては、その取扱いが贈与税の当該特例においてのみ認められるものであることから、本来の利用区分に応じて評価することとなる。(平10.10.20大裁 (諸) 平10-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100039
- 裁決年月日
- 平成10年10月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802044
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/4市街地山林
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続に係る相続財産である本件山林の価額の評価に当たり、①原処分庁所属の職員から倍率方式で評価するようにとの指導があったこと、②本件山林を宅地比準方式により評価する場合に必要となる近傍宅地評価証明書を入手することができないこと、また、本件山林の地域には路線価が付されていないこと及び③原処分庁が認定した本件山林の価額は他の共同相続人が提出した本件相続に係る申告書に記載された価額と同額であり、この価額は評価基本通達に定めのないものであることから、評価基本通達に定められている倍率方式により評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人の主張する倍率方式により算定した価額は、評価基本通達に定められた評価方法により算定された金額とは認められず、また、請求人は当該金額が本件山林の時価として妥当であることの立証もしていないのであり、さらに、近傍宅地評価証明書の入手も可能である等から、請求人の主張には理由がなく、一方、原処分庁は、本件山林の価額を本件近隣山林の価額を基に、本件近隣山林と本件山林との格差率を乗じて算定し、別件申告書に記載されている本件山林の価額と同額としているが、本件近隣山林に係る価額の算定方法及び本件山林に係る格差率は合理的に算定されており、妥当と認められ、かつ、評価基本通達に定める宅地比準方式により算定した価額より下回っており、請求人に何ら不利益を与えるものではないから、原処分庁が算定した本件山林の価額は相当である。(平10.10.20東裁(諸)平10-39)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100026
- 裁決年月日
- 平成10年9月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802049
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/4山林/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・369ページ
要旨
○ 請求人は、市街化調整区域内に所在する山林の評価に当たり、高圧線下の部分については、評価基本通達の定めに従って、価額を50パーセント減額すべきである旨主張する。しかしながら、本件各契約は高圧線の架設を目的としたものであり、山林としての利用に何ら制約を受けるものではないこと、高圧線下部分には建造物の建築ができない契約になっているものの、契約内容の変更は可能であり、その場合、建造物の高さにかかる制約はあるが、本件各土地が市街化調整区域内に所在することから、もともと建造物の建築は制限されている土地であることが認められる。そうすると、高架線下にあることによる影響は皆無とはいえないものの、本件各土地の評価に当たり、なおこれをしんしゃくすべき特段の理由は認められない。(平10. 9.30関裁(諸)平10-26)裁決事例集 №56・369ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100007
- 裁決年月日
- 平成10年9月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ゴルフ会員権の評価について、ゴルフ会員権評価通達を適用するのは誤りである旨主張するが、相続税及び贈与税におけるゴルフ会員権に関する評価通達は、ゴルフ会員権の実態に応じ、評価上の取扱いを個別具体的に定めたものであり、当該通達に定める評価方法は、変動する会員権取引相場に対応できるよう評価の安全性等、納税者の利益を考慮に入れた妥当かつ合理的なものと認められ、これにより評価したゴルフ会員権の価額は、相法第22条に規定する財産取得時の時価として相当な価額であるから、請求人の主張には理由がない。(平10. 9.18大裁 (諸) 平10-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100010
- 裁決年月日
- 平成10年7月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の価額を評価通達に基づいて算定して相続税の申告をした後、この評価額が時価を上回っており、不動産鑑定評価額が相法第22条に規定する時価である旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価額には種々の不的確な点があり、かつ、本件鑑定は不動産鑑定評価基準に照らしても合理性を欠いているといわざるを得ない、一方、本件土地と同一需給圏内の類似地域にある土地の3件から比準した比準価格並びに本件土地に近接する公示地の公示価格及び基準地の標準価格から比準した規準価格がいずれも原処分庁の価額を下回ることが立証されたと認めることはできない。(平10. 7.22関裁(諸)平10-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090256
- 裁決年月日
- 平成10年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の価額は請求人らが依頼した本件鑑定評価額によるべきである旨主張するが、(1)相法第22条に規定する相続又は遺贈により取得した財産の価額は、客観的な交換価額をいうものと解されるところ、本件鑑定評価額は収益還元法のみに基づき算定されており、収益還元法の理論的なことはともかく、その方法のみで算定した価額をその土地の価額とすることは課税の公平が保たれないこと及び(2)本件鑑定評価額の算定には、種々の不的確な点が認められることから、本件鑑定評価額は、本件土地の時価を表しているものとは認められない。(平10. 6.30東裁(諸)平 9-256)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090256
- 裁決年月日
- 平成10年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件相続開始日においては、本件寮は建築中ではあるが、本件被相続人及びA社の間に本件賃貸借契約が締結されており、A社の本件寮に対する利用権を通じての本件寮の敷地に対する支配権が存在していたのであり、その実質に着目して貸家建付地として評価すべきであり、また、過去の裁決事例からみても本件寮の敷地は貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、貸家建付地とは原則として、(1)賃貸人の所有する完成した建物が現実に存在していること、(2)賃借人がその建物の引渡しを受けて現実に入居していることあるいは契約上の賃貸借の開始期日が到来していること及び(3)通常の賃料に相当する金銭の授受があることあるいはその権利義務が発生していること等の要件をすべて具備する建物の敷地をいうものと解することができるところ、本件相続開始日において、これらの要件を具備していない本件寮の敷地は、貸家建付地として評価することはできず、また、請求人らが引用する裁決事例は、本件寮の敷地の場合と事実関係を異にするなどしており、当該裁決事例をもって本件寮の敷地が貸家建付地に当たるということはできない。(平10. 6.30東裁(諸)平 9-256)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090257
- 裁決年月日
- 平成10年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の価額は、請求人が提出した鑑定評価書を基に評価すべきである旨主張する。一方、原処分庁は、公示地及び取引事例から本件土地の価額を検証すると、本件土地の価額は本件土地の相続税評価額を上回っているから、路線価に基づいて評価した本件土地の価額は正当である旨主張する。当審判所が本件鑑定評価書の内容について検討したところ、(1)比準対象とした取引事例及び規準とした公示地の選択に不適切な点があること、(2)取引事例からの比準計算において、標準化補正、地域要因の比較、個別的要因の比較において種々の不的確な点が認められることから、本件鑑定評価額をもって時価として合理性を有する価額であると認めることはできない。また、原処分庁の検証額にも比準対象とした取引事例の選択等に不適切な点があることから、原処分庁の主張は採用できない。そこで、当審判所が、本件土地の現地確認等を実施して調査したところに基づき、本件土地の価額等を検討したところ、(1)比準価格及び規準価格を基に本件土地の価額を検討することは相当と認められること、(2)本件土地の価額を算定するに当たり適切と認められる取引事例及び規準とすべき公示地の価格に基づきその標準価格を求め、さらに画地条件以外の個別的要因を比較検討した本件土地の1平方メートル当たりの価格は、本件土地のうちの一部を除き、正面路線価を下回っていること等が認められる。したがって、これらの土地について、個別標準価格を基に、土地価格比準表に準じ、画地条件による個別的要因による格差の比較を行い、その価額を算定したところ、原処分価額を下回るので、その一部を取り消すべきである。(平10. 6.30東裁(諸)平 9-257)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090257
- 裁決年月日
- 平成10年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地には、本件相続開始日現在、請求人の親族であるAの所有する建物が存在し、立退料として25,200,000円を支払っているから、同土地の更地としての価額から当該立退料相当額を控除し、利用制限のある土地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、(1)本件建物に係る登記簿謄本によれば、本件建物は、本件相続開始後の平成6年11月29日に「真正な登記名義の回復」を登記原因として請求人に所有権移転されていることが認められること、(2)同建物の所有権が被相続人にあることを確認し、立退料を授受する旨の「合意書」と題する文書が存在することは認められるものの、当該文書は、請求人とAとを当事者として本件相続開始後約11か月を経過した平成6年11月23日付で作成されたものであること、(3)同建物又は本件土地に係る家賃、地代等の収入に係る所得税の申告もないこと及び(4)本件相続開始日現在において、他に本件建物が貸家の用に供されていたこと等により本件土地が自用地以外の用に供されていたことを証するに足る証拠資料等も認められないことからすれば、仮に請求人の主張する事柄が事実であるとしても、そのことのみをもって本件土地を利用制限のある土地であると判断することはできないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平10. 6.30東裁(諸)平 9-257)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090257
- 裁決年月日
- 平成10年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、昭和36年5月11日付の当初賃貸借契約で被相続人がA社に賃貸した土地のうち、建物の用に供されていない土地については、(1)当初賃貸借契約時には建物が存在しなかったこと、(2)相続税法上の借地権の範囲は、借地借家法の規定による建物の所有を目的とする地上権又は賃借権とされ、建物所有の目的かどうかは契約内容により決定されるべきであり、建物所有の目的で土地を賃貸したことが明らかである場合には、借地上に建物がない場合等でも借地借家法は適用されること、(3)本件賃貸借土地全体について借地権を認めない場合には、本件賃貸借土地の更地としての価額よりも同土地に係る権利金の方が高くなり、経済取引としてあり得ないこと、(4)被相続人とA社とが昭和47年に作成した公正証書は、A社のテナントに借地借家法を適用させないために作成したものであること及び(5)被相続人は、本件権利金を譲渡所得として確定申告をしているにもかかわらず、本件賃貸借土地のうち建物が存在しない部分の借地権相当額に相続税が課されることは二重課税となること等から借地権が存在する旨主張する。しかしながら、借地借家法にいう「建物の所有を目的とする」とは、建物を建築して所有することが土地使用の主たる目的となっている場合を指し、その主たる目的が建物の所有以外の事業を行う場合は、特段の事情がない限り、その土地の賃貸借は借地借家法第1条にいう「建物の所有を目的とする」賃借権に含まれないと解すべきであり、本件の場合、本件相続の開始日現在において、建物の敷地の用に供されていない土地が建物の所有を目的として賃貸されていることを証するに足る特段の事情は認められないこと及び同土地の相続開始日現在の利用状況は、建物の敷地の用に供されている土地とは独立し、専ら駐車場として利用されているものと認められ、駐車場が建物を所有する上で建物と一体として利用されているものと認めることもできないことから、同土地にまで借地権が存在する旨の請求人の主張は採用することができず、同土地は、貸駐車場の事業の用に供することを目的とする賃借権の付着した土地であると判断するのが相当である。また、本件公正証書の内容及びその後の料金改訂の状況、本件土地の現況、過去の贈与税及び所得税の申告状況等からすれば、当初賃貸借契約による契約内容がそのまま本件相続開始日現在において継続しているとみることはできず、その使用目的は賃貸ビルの敷地から駐車場の敷地に変更されているか又は改めて賃貸借され、駐車場の敷地とされているものと認めるのが相当である。さらに、当審判所の調査によれば、建物の敷地の用に供されている土地について、その時価を超える権利金が支払われたものと認めることはできず、本件公正証書に関しては信ぴょう性が認められ、所得税と相続税はその課税要件を異にするものであり、また、請求人が原処分の基となった法令自体の不当性を主張するとしても、当審判所は、原処分庁が行った処分が違法又は不当なものであるか否かを判断する機関であって、その規定自体の適否を判断することは、当審判所の審理の限りではないこと等から、請求人の主張には理由がない。(平10. 6.30東裁(諸)平 9-257)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090129
- 裁決年月日
- 平成10年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、贈与により取得した本件出資の価額について、評基通185を適用して評価したことは、評価通達に定める法人税額等相当額の控除が、資産を個人が所有する場合と所有する株式等を通じて間接所有する場合との均衡を図るものであることからすると、贈与者がA社の出資持分を取得するために払い込んだ金額をはるかに下回る価額で当該出資持分をB社に現物出資することにより多額の評価差額を創り出した本件出資の価額について、法人税額等相当額を控除して評価することは、評価通達の趣旨及び実質的な租税負担の公平の観点から相当でなく、これを控除しないで評価することが本件出資の適正な時価を算定する上で合理的であるというべきである。(平10. 6.26大裁 (諸) 平 9-129)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平090057
- 裁決年月日
- 平成10年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・479ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地が賃借人であるA社の所有する複数の建物の敷地として、最有効使用されているものであるから、本件土地の評価に当たっては、当該建物の事業の用に供されている状況ごとに区分し、それぞれを1画地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、地続きの土地であり、そして、区分されることなく一体で相続されており、その全体がA社の事業に係る建物の敷地として貸し付けられ、現実に、A社の事業として、その全体が利用されているものであることからすると、その全体が1利用単位つまり1画地の宅地であると判断するのが相当である。(平10. 6.23仙裁(諸)平 9-57) 裁決事例集No55・479ページ、(平10. 6.23仙裁(諸)平 9-58)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090116
- 裁決年月日
- 平成10年6月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・581ページ
要旨
○ 原処分庁は、評基通185かっこ書に定める「通常の取引価額」について、本件建物は、相続開始日の約2年前に取得され、取得価額が明らかであることから、取得価額を基に減価償却費相当額を控除した金額、すなわち評価会社の帳簿価額により評価するのが相当である旨主張する。しかしながら、請求人が求めた本件鑑定評価額は、その価格時点を本件相続開始日とし、本件建物の再調達原価を求めた上、これを減価修正し、更に借家権の割合を控除して貸家の用に供されているものとして算出されているところ、その鑑定根拠については当審判所が調査した結果、特に不相当と認められる要素はない。そうすると、本件鑑定評価額は帳簿価額よりも時価を反映したものとして、これをもって評基通185のかっこ書にいう「通常の取引価額」と認めるのが相当である。(平10. 6. 5大裁 (諸) 平 9-116) 裁決事例集No55・581ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090116
- 裁決年月日
- 平成10年6月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・581ページ
要旨
○ 請求人は、本件出資の評価について、法人税額等相当額を控除すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人が本件出資を取得した目的は、A社に対して著しく低額な現物出資を行うことにより多額の評価差額を創り出し、これを形式的に本件通達を適用して法人税額等相当額を控除して計算することにより、課税価格を著しく圧縮し、相続税の負担の軽減を図るものと解されるところ、かかる目的のために取得した本件出資については、本件通達を適用して法人税額等相当額を控除することは、他の納税者との間の実質的な租税負担の公平という観点から看過し難いといわざるを得ない。したがって、本件については、評価通達に定める原則的な評価方法によらないことの特別な事情があると認められるから、本件出資の評価に当たっては、本件通達に定める法人税額等相当額を控除せずに評価することがその客観的な交換価値を算出する上で合理的な評価方法であると解すべきである。(平10. 6. 5大裁 (諸) 平 9-116) 裁決事例集No55・581ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090114
- 裁決年月日
- 平成10年6月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、A社の出資持分(以下「本件出資」という。)の評価に当たり、A社が保有するB社の出資の評価に際し、B社が所有する本件不動産の価額を帳簿価額により評価すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達は、純資産価額の計算に当たり、各資産のうちに課税時期前3年以内に取得した資産がある場合、その価額は通常の取引価額により評価する旨定めており、取得価額が通常の取引価額に相当すると認められるときは帳簿価額に相当する金額によって評価する旨定めているところ、本件不動産が取得された時期は、いわゆるバブル崩壊後であり、本件相続開始日までの間に相当の地価の下落があったことなどから当該帳簿価額が本件相続開始日において通常の取引価額に相当するものとは解し難い事情があること及び本件不動産についての鑑定評価額はその算出根拠が合理的であり通常の取引価額を反映していると認められることなどから、本件出資の価額の評価に当たり、A社が所有するB社の出資の評価に際しては、B社が所有する本件不動産の価額は帳簿価額によらず、通常の取引価額と認め得る鑑定評価額により評価すべきである。(平10. 6. 3大裁 (諸) 平 9-114)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090110
- 裁決年月日
- 平成10年5月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・511ページ
要旨
○ 請求人らは、本件土地は、土地区画整理法に基づき甲土地との交換により取得したものであるから、甲土地に存していた借地権は、同法の規定により本件土地に移行存続する旨主張し、本件土地の価額を評基通25の(1)の定めにより評価すべきである旨主張するが、本件土地と甲土地の交換は同法に基づく換地処分としてされたものではなく、土地区画整理事業における換地処分前に当事者間で任意にされたものである。したがって、本件土地と甲土地の交換が土地区画整理法に規定する換地処分でない以上、甲土地に存していた借地権が本件土地に移行存続することはないから、本件土地の価額は、その土地の課税時期における使用の現況、すなわち駐車場の敷地として賃貸していることに基づき評基通86の(1)の定めにより評価するのが相当である。(平10. 5.28大裁 (諸) 平 9-110) 裁決事例集No55・511ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090099
- 裁決年月日
- 平成10年5月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は土地の無償返還に関する届出書を提出している貸宅地及び転貸借地権であるが、日本を代表する高度商業地域に立地するものであり、本件土地の価額を考える上で本件土地上の建物の所有者は異なるものの一体と見て、そこから得られる収益を加味することは相当の現実性と経済的合理性があり、本件土地の価額は収益還元法を加味した鑑定評価額を基に評価すべきである旨主張するが、収益還元法によることは、(1)本件土地と本件建物の所有者が異なっていること、(2)本件建物から得られる収益の帰属が同族会社であること、(3)収益は建物所有者の手腕、力量に負うところが多く、建物の所有者によって評価額が異なること、(4)収益、費用の見積りは、将来の不確定要素を含んだものであること及び(5)収益を資本還元する場合の還元利回りの決定が困難であること等の問題があり、更に本件土地の貸宅地部分については、無償返還届出書の提出により自用地価額の80パーセント相当額で評価することと取り扱われており、建物の立地等が土地価格の形成の要因の1つであったとしても、本件建物から得られる収益を加味した鑑定評価額を基に算定した本件土地の評価額は、相続財産の取得時の時価を反映しているものとは認められない。(平10. 5.25関裁(諸)平 9-99)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090161
- 裁決年月日
- 平成10年5月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各宅地の価額は請求人らが依頼した本件鑑定評価額によるべきである旨主張し、原処分庁は、本件売買実例(本件宅地の一部の譲渡)を基に評価した本件各宅地の価額は原処分額を上回るから原処分は適法である旨主張するが、(1)請求人らの鑑定評価書には、比準価格の算出上採用した取引事例に不適切な事例があり、また、標準化補正及び地域要因の比較について種々の不適切な点が認められること及び(2)本件売買実例は、隣接地所有者への譲渡であるところ、その売買価額が合理的な市場で形成されるであろう価格と異ならないことが明らかではないことから、本件鑑定評価額及び本件売買実例に基づいて算出された価額は、いずれも本件各宅地の価額を表しているとは認められない。そこで、当審判所が本件宅地の価額を取引事例からの比準価格及び本件公示地の公示価格からの規準価格を基に算定したところ、当該算定価額はいずれも原処分額を下回ることが認められることから、本件更正処分はその一部を取り消すべきである。(平10. 5.13東裁(諸)平 9-161)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090102
- 裁決年月日
- 平成10年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・556ページ
要旨
○ 請求人は、本件出資の評価について、評基通185に定める要件を満たしているにもかかわらず、同通達を適用しないとした本件更正処分は租税法律主義に違背する違法なものである旨主張するが、原処分庁は、本件出資の取得行為自体を租税回避行為として否認したものではなく、相続税の負担軽減を目的として取得した本件出資について、同通達を適用することは不合理・不適正であるとした上で、同通達に定める法人税額等相当額を控除しない価額が相法第22条に規定する時価であるとしたものにすぎず、このように同通達によらないことが相当であると認められるような特別な事情がある場合に、他の合理的な評価方法により評価することは、何ら租税法律主義に違背するものではない。(平10. 4.24大裁 (諸) 平 9-102) 裁決事例集No55・556ページ、(平10. 3.13大裁 (諸) 平 9-75)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090102
- 裁決年月日
- 平成10年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・556ページ
要旨
○ 請求人は、本件出資の価額については、評基通185を適用し、法人税額等相当額を控除して評価すべきである旨主張するが、被相続人が本件出資の取得に際し著しく低額な現物出資を行ったことは、多額の評価差額を創り出し、これを形式的に同通達を適用して法人税額等相当額を控除して計算することにより相続税の負担の軽減を図るためのものであると推認されるところ、この場合に法人税額等相当額を控除して評価することは、他の納税者との間の実質的な納税負担の公平という観点からして看過し難いといわざるを得ず、加えて、税負担の累進性を補完するとともに富の再配分機能を通じて経済的平等を実現するという相続税法の立法趣旨からしても著しく不相当というべきであるから、本件には、評価通達に定める原則的な評価方法によらないことの特別な理由があると認められる。(平10. 4.24大裁 (諸) 平 9-102) 裁決事例集No55・556ページ、(平10. 3.13大裁 (諸) 平 9-75)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平090048
- 裁決年月日
- 平成10年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の地積は狭小で、立地条件及び有効利用の観点から個別的な要因があることから、本件土地の評価に当たっては、本件土地にビルを建築した場合の本件建築費積算資料及び本件収益試算資料に基づき算定した本件減価率により評価額を算定すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、近隣の平均的な地積からみて著しく狭あいなものとは認められず、また、本件土地が狭あいであるとして本件建築費積算資料及び本件収益試算資料に基づいて算定した本件減価率にも、それを合理的であるとする理由が認められないことからすると、本件減価率を適用して算定した評価額が本件土地の客観的な交換価値を示したものとはいえない。(平10. 4.16仙裁(諸)平 9-48)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平090048
- 裁決年月日
- 平成10年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、相続開始時における本件土地の評価に当たっては、平成5年分の路線価を時点修正する方法により計算した適用主張路線価に基づき評価額を算定すべきである旨主張する。しかしながら、評価通達に定める路線価を時点修正の方法により計算した適用主張路線価が、本件土地の時価であることを具体的に証する資料の提出はなく、また、適用主張路線価が、当該通達の定めによらない他の唯一の評価方法であるともいえないことから、適用主張路線価が本件土地の客観的な交換価値を示す価格である相法第22条に規定するところの時価であるということはできないものと判断するのが相当である。(平10. 4.16仙裁(諸)平 9-48)、(平 9.12.18名裁(諸)平 9-32)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平090006
- 裁決年月日
- 平成10年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400808020
- 争点
- 8財産の評価/8預貯金、貸付金債権、債務/2貸付金債権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人がA社へ送金した金員について、それが貸付金であるとしても、同社は粉飾決算をしており公表以上に債務超過の会社であり、実質的にその返済能力がないことから、相続税の課税価格に算入した原処分は取り消すべきであり、仮にそれが認められないとしても、送金の趣旨等から弁済期が15年後に到来する無利息債権として評価減すべきである旨主張する。しかしながら、A社は、相続開始日において以前と変わらない営業活動を継続しており、また、その事業年度及びその後の事業年度においても、同業者と比較してそん色のない売上高であり、従業員への給与支払も特に問題がなく、金融機関への借入金弁済も約定に従い行っていることなどからして、相続開始時において客観的に債権の回収ができない状況にあったと認定することはできない。なお、請求人の弁済期が15年後に到来する無利息債権とする主張は、被相続人の送金時の状況等から想像したものに過ぎず、他に弁済期を明らかにするもの及び合理的に推認する事情もない以上、債務者の答述等からみて弁済期の定めのない貸付金と認定せざるを得ず、請求人の主張には理由がない。(平10. 3.19金裁(諸)平 9-6)、(平10. 3.19金裁(諸)平 9-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090077
- 裁決年月日
- 平成10年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、評基通10に基づき、遺産分割協議により分割して取得した宅地部分ごとに各別に評価して行った申告は適法である旨主張するが、相続人らが相続により取得した本件土地は、そのほぼ全体が相続開始直前に新築された堅固で大規模な建物の敷地として利用されており、本件土地全体が一体として利用されている実態に着目すれば、本件土地については、相続人ら各人が取得した部分それぞれを1画地の宅地として個々に評価するのではなく、本件土地全体を1画地の宅地として評価すべきであり、その評価額に、遺産分割協議による分割割合を乗じて算出した価額が請求人の取得した土地の時価であると解すべきであり、請求人の主張には理由がない。(平10. 3.17大裁 (諸) 平 9-77)、(平10. 3.17大裁 (諸) 平 9-78,79)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090117
- 裁決年月日
- 平成10年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件宅地の価額は、請求人らが提出した本件鑑定評価書の鑑定評価額により評価すべきであり、本件路線価により本件宅地の価額を評価することは、適正でない旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価書には種々の的確でない点が認められることなどから、当審判所が取引事例比較法を適用するための比準対象として適切と認められる複数の取引事例からの比準価格及び本件宅地と状況の類似する公示地等の価格からの規準価格を基に本件宅地の価額を算定したところ、同価額は、本件宅地の相続税評価額を上回っており、本件宅地の価額が、本件更正処分に係る価額を下回るとは認められないことから、請求人らの主張には理由がなく、本件更正処分は適法である。(平10. 2.27東裁(諸)平 9-117)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平090004
- 裁決年月日
- 平成10年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分の路線価に基づく本件宅地の評価額は時価を上回っており、請求人らの鑑定評価額が本件宅地の時価である旨主張する。しかしながら、当該鑑定評価額は、(1)比準している基準地や取引事例が本件宅地の存する地域と用途的区分が相違する地域のものがあること及び(2)地域要因又は個別的要因の比較における格差に問題点があることなどから、相法第22条に規定する時価を適切に表したものと認めることができない。そこで、当審判所が本件宅地の価額について調査したところ、(1)本件宅地と同一の類似地域の基準地から比準した基準地比準価格及び(2)取引事例から求めた取引事例比準価格は、本件宅地の路線価に基づく価額を上回ることから、本件相続開始時において当該路線価に基づく価額が本件宅地の時価を上回るとは認められないので、当該路線価に基づく価額でした原処分は適法である。(平10. 2.25金裁(諸)平 9-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090058
- 裁決年月日
- 平成10年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・533ページ
要旨
○ 請求人らは、本件贈与で取得した株式を評基通188及び188-2で定める配当還元方式に基づいて評価すべき旨主張するが、本件贈与者が取引相場のない本件株式を取得した目的は、事業から生じる配当を期待したものではなく、本件株式が評価通達の定めにより配当還元方式で評価されることを利用して贈与税の負担の軽減を図るものと解されるところ、かかる目的のために取得した本件株式については、単に配当を期待するにとどまる少数株主を対象とした特例的な評価方法である配当還元方式による評価は適さないし、このような場合にまで形式的に配当還元方式を適用すると実質的な租税負担の公平を著しく害することになるから、本件株式の評価に当たっては、当事者等が時価と認識し、それが不特定多数の当事者間でも通常成立すると認められる価額である時価純資産価額を基に評価するのが相当である。(平10. 1.29大裁 (諸) 平 9-58) 裁決事例集No55・533ページ、(平 9.12. 2東裁 (諸) 平 9-72,73)、(平10. 3. 5東裁 (諸) 平 9-123)、(平10. 1.26大裁 (諸) 平 9-56)、(平10. 1.29大裁 (諸) 平 9-58)、(平10. 1.30大裁 (諸) 平 9-59)、(平10. 2.25大裁 (諸) 平 9-66)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090054
- 裁決年月日
- 平成10年1月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人が取引相場のない本件株式を取得した目的は、事業から生じる配当を期待したものではなく、本件株式が評価通達の定めにより配当還元方式で評価されることを利用して相続税の負担の軽減を図るものと解されるところ、かかる目的のために取得した本件株式については、単に配当を期待するに止まる少数株主を対象とした特例的な評価方法である配当還元方式による評価は適さないし、このような場合にまで形式的に配当還元方式を適用すると実質的な租税負担の公平を著しく害することになるから、本件株式の評価に当たっては評価通達を適用すべきでなく、当事者等が客観的な時価と認識し、それが不特定多数の当事者間でも通常成立すると認められる価額である時価純資産価額を基に評価するのが相当である。(平10.1.14大裁(諸)平9-54〜56、59、66)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090098
- 裁決年月日
- 平成9年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各土地の価額は、売買実例6件の売買価額と請求人らが当該売買実例の周辺から選定した路線価との格差の平均値により求めた本件格差率を適用して評価すべき旨主張する。しかしながら、土地の価額は、個々の土地の地質や地形等あるいは地域の環境や利用状況等の諸要因の相互作用によって形成されるものと解されるから、ある土地の価額とその土地の相続税評価額の格差率を他の土地に乗じても、当該他の土地の価額を表したことにはならず、また、本件格差率は、売買実例の売買価額と当該売買実例が接面していない道路に付されている路線価あるいは請求人らが推定した平成4年の路線価とを比較しているなど種々の不合理な方法により算出されていることから、請求人らの主張は採用することはできない。(平 9.12.19東裁(諸)平 9-98)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090032
- 裁決年月日
- 平成9年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802050
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/5雑種地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件雑種地は、広告看板塔の敷地の用に供するために貸し付けられ、その賃貸借期間が一年以内であることから、賃借人が有する権利が強固な権利とは認められず、1画地の自用地として評価すべきである旨主張するが、本件雑種地については、賃貸契約期間は1年間となっているものの、契約期間が更新されていることから、自用地として評価した価額から、相法第23条に規定する地上権の残存期間が10年以下のものの100分の5に2分の1の割合を乗じて計算した金額を控除した価額により評価することが相当である。(平 9.12.18名裁(諸)平 9-32)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090032
- 裁決年月日
- 平成9年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、甚だしく高低差のある土地については、著しく利用価値が低下している土地に該当し、自用地と評価した額から10パーセントに相当する額を控除した価額により評価すべきである旨主張するが、当該土地の近隣の土地についても同様な高低差がみられ、当該土地のみの形状でないから、当該土地に接する路線価に反映されているものと認められ、請求人の主張には理由がない。(平 9.12.18名裁(諸)平 9-32)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090053
- 裁決年月日
- 平成9年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件出資の評価に当たっては、評基通188−2に定めるとおり配当還元方式により評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件出資は、評基通188が定める同族株主以外の株主等に該当するように、被相続人の出資割合を調整した上で、同通達188−2の定める配当還元方式が1口当たりの資本金の額を基準に評価する旨定めていることを利用して、その額を低廉に設定することにより本件出資の評価額を減少させ、相続が発生した場合に請求人らの相続税の負担を軽減させることを主たる目的としてなされたものと解するのが相当であり、およそ同通達188において評価することを予定している出資に当たらず、また、同通達188-2の定める配当還元方式が単に配当を期待するにとどまる少数株主等を対象とした特例的な評価方法であることからみても、同通達を適用することはできず、本件出資については、本件相続開始日の客観的な交換価値で個別的に評価することが相当と解される。そうすると、A社は、本件相続開始時点において開業後約1年4か月程しか経ていない会社であり、かつ、被相続人の同社に対する本件出資が、専ら相続税の負担の軽減を図る目的としてなされたに過ぎないことにかんがみれば、評基通189−3の本文の定めるところにより、同通達185の本文の定めにより1株当たりの純資算価額により評価することが相当である。(平 9.12.18大裁 (諸) 平 9-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090096
- 裁決年月日
- 平成9年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地は、広大で全体の価額も高額であり、類似土地の取引事例が少ない等特殊な事情があることから、路線価方式の評価によらず個別評価による方がより適正であるとして、本件鑑定評価額を基礎として本件土地の価額を算定すべきである旨主張する。しかしながら、本件鑑定評価は、取引事例からの比準価格の算定において、地域要因及び個別要因の格差修正に種々の適切でない点があり、本件土地の時価を算定したものとはいえないから、当審判所が、正常取引と認められる取引事例から比準した価格及び本件公示地から規準した価格を基に本件土地の価額を算定したところ、原処分庁が路線価を0.8で割り戻し、これを時点修正して求めた本件評価額は、当審判所の本件土地の算定価額を上回っていないので、原処分庁が本件土地の価額を本件評価額として行った本件更正処分は適法である。(平 9.12.18東裁(諸)平 9-96)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090084
- 裁決年月日
- 平成9年12月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・420ページ
要旨
○ 請求人らは、(1)本件課税時期における本件宅地の時価は、相続税評価額を下回っており、請求人らが依頼した不動産鑑定士による鑑定評価額が相法第22条に規定する時価である旨及び(2)A宅地の価額は、本件課税時期においてもその売却時点の価額と変わらないはずであり、原処分庁が本件課税時期から売却時点までの時点修正を行ってA宅地の価額を算定した方法は、地価の下落について事実誤認がある旨主張し、一方、原処分庁は、(1)原処分庁が依頼した不動産鑑定士による鑑定評価額は、評価基本通達に基づく価額を上回っている旨及び(2)A宅地については本件課税時期の約5か月後実際に売買された事実があり、当該売買の時期と本件課税時期との期間が短いことから、その売買価額を本件課税時期に時点修正した価額をA宅地の価額とすべき旨主張する。しかしながら、請求人鑑定評価書には種々の不的確な点が認められ、請求人らの主張・立証をもって、本件宅地の時価が原処分に係る価額を下回るという事実が立証されたことにはならないといわざるを得ず、一方、原処分庁から提出された鑑定評価書の写しにはその鑑定を行った不動産鑑定士の氏名が明らかにされていないので、原処分庁提出の鑑定評価書の写しを、本件宅地の時価を証明する証拠資料としては採用できない。そこで、当審判所において本件宅地の価額を算定したところ、原処分に係る価額を下回っていると認められることから、原処分はその一部を取り消すべきである。(平 9.12.11東裁 (諸) 平 9-84) 裁決事例集No54・420ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090086
- 裁決年月日
- 平成9年12月11日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件宅地の相続税評価額724,944,665円は、本件売買実例及び本件基準地に基づく本件宅地の更地価額に底地割合20パーセントを乗じて算定した本件宅地の価額を上回っていないから、当該相続税評価額は相法第22条の規定による本件宅地の時価を上回っていない旨主張し、一方、請求人は、本件宅地の価額は、請求人の提出する鑑定評価額200,000,000円とすべきである旨主張する。しかしながら、(1)本件売買実例は、同族関係者間の取引であり、同実例から比準して本件宅地の価額を算定することには疑問があること及び(2)本件宅地は借地権付の分譲マンションの敷地であることから多数の借地権者が存在しており、かつ、当該借地権は建物の区分所有権とともに独立した市場を有していることから、本件宅地については、本件宅地と当該借地権とが併合し、完全な土地所有権となる可能性は著しく低いものと認められること等の特別の事情があることから、本件宅地については、借地権価額控除方式によって評価した当該相続税評価額によることは相当でないと認められる。また、請求人の主張する鑑定評価額は、割合方式による比準価格と1パーセントの還元利回りを採用した収益還元方式による収益価格に基づき、後者の価格を重視し、前者の価格を考慮して決定されているところ、本件宅地の場合、本件宅地の存する近隣地域は既に商業地域として成熟していること等からすれば、特に低い還元利回りを採用すべき事由は認められないので、同鑑定評価額が1パーセントの還元利回りを採用して収益価格を算出したことを相当ということはできない。ところで、本件宅地については、当審判所においても第三者間における底地の取引事例を確認できず、当該取引事例から本件宅地の価額の検証ができないため、当審判所が鑑定評価を依頼したところ、本件宅地の価額は、割合方式による価格と収益還元方式による価格の双方を調整の上評価した鑑定評価額60,000,000円と認められるので、原処分はその全部を取り消すべきである。(平 9.12.11東裁(諸)平 9-86)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090083
- 裁決年月日
- 平成9年12月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件宅地の評価額は、借地権価額控除方式により評価した価額である旨主張し、一方、請求人らは、請求人らが提出した鑑定評価額である旨主張する。ところで、借地権の取引慣行が成熟している地域では、底地価額は、単なる地代徴収権の価額にとどまらず、むしろ将来借地権を併合して完全所有権とする潜在的価値に着目して価格形成されているのが一般的であり、このような場合には、底地価額を借地権価額控除方式により評価するのが相当であると解されるが、特別の事情があることにより、借地権価額控除方式によって評価することが著しく不適当と認められる場合には、他の合理的な方式によることも相当と解されるところ、本件土地については、本件宅地とその上に存する借地権とが併合し完全な土地所有権となる可能性は著しく低いものと認められることなどからすれば、本件宅地の価額を借地権価額控除方式のみによって評価することは相当でないと認められ、また、原処分庁の採用した本件取引事例は、底地と借地権を同時に又は底地を取得することにより借地関係を解消して、更地すなわち権利形態を完全所有権にするという特別の事情を背景にした取引であり、同取引事例から比準する方法により本件宅地の価額を検証することを相当と認めることはできないから、原処分庁の主張は採用できない。また、収益価格のみによる評価手法は直ちに合理的な方式ということはできないこと及び当該鑑定評価額には種々の不的確な点が認められることから、請求人らの主張も採用できない。本件宅地については、当審判所においても第三者間における底地の取引事例を確認できず、当該取引事例から本件宅地の価額の検証ができないため、当審判所が鑑定評価を依頼したところ、割合方式による価格と収益還元方式による価格の双方を調整の上評価した鑑定評価額が相当と認められるので、原処分はその一部を取り消すべきである。(平 9.12.10東裁(諸)平 9-83)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090034
- 裁決年月日
- 平成9年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が提出した本件鑑定評価額は適正に算定されたものであり、本件路線価額を明らかに下回っているから、本件通知処分は違法である旨主張するが、本件鑑定評価額は公示価格を規準としておらず、また、本件鑑定書の取引事例は、(1)土地及び建物を一括して売買しているが、土地の価額の算定が不的確であること及び(2)相続税納付等のための売り急ぎの事情についての補正が一切なされていない等の不合理な点があることなど本件鑑定書には種々の不的確な点が認められる。そこで、当審判所において、本件土地の所在地と近接する地価公示地の公示価格を基に本件土地の価額を算定したところ、その価額は本件申告に係る路線価額を上回っていることから、本件鑑定評価額をもって本件土地の価額が申告に係る額を下回ると立証されたと認めることはできず、請求人の主張には理由がない。(平 9.12. 2関裁(諸)平 9-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090072
- 裁決年月日
- 平成9年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件株式の評価に当たり、配当還元方式による評価を認めなかったことは財産評価の基本を覆す違法なものである旨主張する。しかしながら、請求人が適用した配当還元方式は、単に配当を期待する少数株主を対象とする特例的な評価方法であり、限定的に用いられるべき方法であって、本件株式の贈与契約の目的が実質的価値を含んだ財産の移転であること、また、実質上の取引価額と評価額とが著しくかい離していることからすれば、実質的な租税負担の公平の観点からして、原処分庁が本件株式の価額の算定において、配当還元方式を適用することができないと判断したことは相当と認められる。ところで、本件株式は、各月末、1株当たりの単価を客観的な時価による純資産価額を基に算定されており、この1株当たりの単価は同社に出資しようとする者であればだれもが適用される一般的な価額と認められること、また、相法第22条に規定する時価とは、課税時期においてそれぞれの財産の現況に応じ不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる客観的な交換価値を示す価額であると解されていることから、本件株式は、課税時期に最も近い時期の客観的な時価による純資産価額の1株当たりの単価を基に評価すべきである。そうすると、本件課税時期に最も近い平成6年2月28日現在の1株当たりの単価17,134円が相当と認められるから、この金額の範囲内でされた本件更正処分は適法である。(平 9.12. 2東裁(諸)平 9-72)、(平 9.12. 2東裁(諸)平 9-73)、(平10. 3. 5東裁(諸)平 9-123)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090023
- 裁決年月日
- 平成9年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A市内における耕作権割合は50パーセントが現状であり、不動産鑑定士の意見書によっても本件農地の近隣地域の耕作権割合は50パーセントである旨主張する。しかしながら、本件農地の所在する地域の現状等からすると、B国税局長が評価基準に定めた市街地周辺農地の耕作権割合40パーセントは、本件農地の所在する地域の実態に即したものと認められるから、本件農地に係る耕作権の価額は、評価基準に定める耕作権割合に基づき算定するのが相当である。(平 9.11.27大裁 (諸) 平 9-23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090032
- 裁決年月日
- 平成9年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件出資を純資産価額方式で評価するに当たっては、評価基本通達の定めに従って、法人税額等相当額を控除して評価すべきである旨主張するが、被相続人は、有限会社A及び有限会社Bを全額借入金により設立し、有限会社Bを設立するに当たって、有限会社Aの出資を著しく低い価額で現物出資することにより、本件相続に係る相続税の課税価格を約11億8千万円と大幅に圧縮させる結果を招いていることから、本件出資の取得は、資産として運用し収益を得るといった目的で行われたものではなく、経済的合理性を無視し、本件通達の定めを利用して、本件借入金と本件出資との差額に相当する課税価格を圧縮することにより、不当に相続税の負担の軽減を図るという目的のみで行われたものであることが推認できるので、このような場合、本件出資の評価に当たっては、評価基本通達の定めによらないことが相当と認められる特別事情がある場合に該当すると解すべきであるから、原処分は適法である。(平 9.11.13関裁(諸)平 9-32)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090057
- 裁決年月日
- 平成9年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件敷地は建築制限を受けるなどの固有の事情があり、路線価方式による評価は実情に即していないことから、請求人らが依頼した不動産鑑定士による鑑定評価書に基づいて評価すべきである旨主張し、一方、原処分庁は、原処分庁の依頼した不動産鑑定士による鑑定評価書に基づく評価額は、原処分に係る評価額を上回っており、原処分は適法である旨主張する。しかしながら、請求人側鑑定評価書は、取引事例の具体的な所在地等が明らかにされず、当該取引事例を基に査定された比準価格を検証できないこと等から鑑定評価額が時価を表しているものと判断できないので、請求人らの主張は採用することができず、また、原処分庁側鑑定評価書も、その鑑定を行った不動産鑑定士の氏名が明らかにされていないことから本件土地の時価を証明する証拠資料として採用することはできない。そこで、当審判所において本件敷地の価額を、取引事例及び本件公示地からの比準価格等を基に、同一需給圏内の地域に存する複数の公示地の公示価格等を基に算定した価格により検証したところ、本件敷地の価額は、原処分に係る価額を上回っていることが認められた。よって、原処分は相当である。(平 9.11.10東裁(諸)平 9-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090057
- 裁決年月日
- 平成9年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802023
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/3各影響要因に基づく加減
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件敷地は接道義務規定の要件を充足せず、合法的に建物を建てることのできない土地であるにもかかわらず、このような評価額を減額する規定のない評価基本通達により本件敷地を評価することには合理性がない旨主張するが、原処分庁は、本件土地の評価において、本件敷地が不整形地であるため評基通20の(1)の定めによる不整形地としての補正を行った上、さらに、本件敷地は無道路地ではないものの、接道義務規定を充足していないため無道路地と同様に建築制限を受けることを考慮して、無道路地の評価に準じてその減価相当額をしんしゃくしており、当審判所の調査によっても、これが合理的でないとする理由は認められないので、原処分庁が評価基本通達によりした本件土地の評価は相当である。(平 9.11.10東裁(諸)平 9-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090052
- 裁決年月日
- 平成9年11月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・375ページ
要旨
○ 請求人らは、不動産鑑定評価額が時価を表しているから、原処分庁の相続税評価額による本件更正処分は不当である旨主張する。しかしながら、(1)本件鑑定評価額を算定する上で採用した取引事例は、評価対象地である本件各土地の近隣地域とその地域性(都市計画法上の用途地域を含む。)が異なる地域に所在すること、(2)本件各土地の近隣地域と取引事例の属する地域との地域要因の格差補正が適切でないこと及び(3)規準地価格の算定において、本件各土地の近隣地域と地域性の異なる地域にある公示価格を採用していることなど、本件不動産鑑定評価書には種々の不的確な点が認められることから、本件鑑定評価額は相法第22条に規定する時価を表しているとはいえない。ところで、本件各土地に関する比準価格の算定上、適切な取引事例は見当たらないが、本件各土地の近隣地域及び類似地域には、規準とすべき公示地及び基準地が所在し、これらの価格を規準として土地価格比準表に基づく所要の格差補正を行い、本件各土地の価額を算定したところ、当該価額は相続税評価額を上回っていることが認められる。よって、本件更正処分は相当である。(平 9.11. 6東裁(諸)平 9-52) 裁決事例集No54・375ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090017
- 裁決年月日
- 平成9年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が株式保有特定会社であると認定したA社が保有するB社の株式の評価について、(1)不動産管理会社であるB社の1株当たり利益金額の算定に当たっては不動産売却益を経常利益とすべき旨及び(2)業績の悪化により比準3要素のうちの2要素以上が零となった会社にまで評基通189−3を適用すべきでない旨主張する。しかしながら、本件不動産売却益は固定資産の売却益であり、特別利益として計上されているもので、経常的な利益に該当するものではないことから、1株当たり利益金額の算定の基礎とすることは相当でなく、また、本件通達の適用において利益操作によるものであるか否かといったことは直接関連しないものであるから、請求人の主張には理由がない。(平 9.10.28大裁 (諸) 平 9-17)、(平 9.12. 3大裁 (諸) 平 9-31)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090017
- 裁決年月日
- 平成9年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社が保有するB社の株式の評価は、A社がB社の発行済株式の100パーセントを保有していること等から、A社と合一して評価すべきである旨主張するが、仮にA社とB社が経済的実質的に一体のものとみるとしても、B社が法的に独立した会社である以上、B社の株式の評価については独立した評価を行うべきであり、請求人の主張には理由がない。(平 9.10.28大裁 (諸) 平 9-17)、(平 9.12. 3大裁 (諸) 平 9-31)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090044
- 裁決年月日
- 平成9年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・4ページ
要旨
○ 請求人は、本件取引は相法第7条に規定する著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合に該当しない旨主張する。しかしながら、相法第7条の著しく低い価額の対価に該当するか否かは、当該財産の譲受けの事情、当該財産の対価、当該譲受けに係る財産の市場価額等を勘案して社会通念に従い判断すべきものと解されるところ、本件取引は専ら贈与税の負担を回避するために、通常第三者間では成立し得ない著しく低い価額により売買を行い、かつ、証券取引所における株価の変動による危険を防止する措置も講じた上、本件株式の市場価格と本件評価額との間に相当の格差があることを利用して請求人の父から請求人へ実質的な財産の移転につき贈与税の負担を回避するために行われたものであると認められること及び請求人が譲渡を受けた本件株式の取引時の時価は518,340,000円であると認められるところ、その取引価額は327,063,000円であり、その差額は191,277,000円にも及ぶことからすれば、本件取引における対価の額は同条に規定する著しく低い価額の対価に該当するものと認めるのが相当である。(平 9.10.15東裁(諸)平 9-44) 裁決事例集No54・4ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090044
- 裁決年月日
- 平成9年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400899000
- 争点
- 8財産の評価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・4ページ
要旨
○ 請求人は、本件株式を評基通169により評価した価額により取引したことは、妥当である旨主張する。しかしながら、本件取引は、本件株式の市場価格と本件評価額との間に相当の格差があることを利用して、請求人の父から請求人へ実質的な財産の移転に伴う贈与税の負担を回避するために行われたものであると認められるので、このような場合に、同通達に定める評価方法を形式的に採用することなく、本来的に上場株式の客観的な市場価格である証券取引所の公表する課税時期の最終価格による評価を行うことには合理性があると認められることから、本件株式の価額については、本件取引の日における最終価格で評価するのが相当である。(平 9.10.15東裁(諸)平 9-44) 裁決事例集No54・4ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090043
- 裁決年月日
- 平成9年10月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁が本件株式の取得の意図等課税時期前後の状況を基として本件株式の評価方法及び価額を判断し、配当還元方式による評価を認めなかったことは財産評価の基本を覆す違法なものである旨主張する。 しかしながら、請求人らが適用した配当還元方式は、単に配当を期待する少数株主を対象とする特例的な評価方法であり、限定的に用いられるべき方法であって本件株式の取得から売却に至る一連の行為により判断すれば、評価基本通達に定められた評価方法を利用し、相続税の負担の軽減を図る目的で本件株式が取得されたものと推認されるので、このような場合には、実質的な租税負担の公平の観点からして、原処分庁が本件株式の価額の算定において、配当還元方式を適用することができないと判断したことは相当と認められる。(平9.10.14東裁(諸)平9-43)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090009
- 裁決年月日
- 平成9年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807020
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/2評価方式の合理性
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・451ページ
要旨
○ 請求人らは、本件相続により取得した本件評価会社の株式について、評基通188及び188-2の定めを適用して、配当還元方式により評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人らが適用した配当還元方式は、単に配当を期待する少数株主を対象とする特例的な評価方法であり限定的に用いるべき方法であって、本件株式の取得から売却に至る一連の行為等により判断すれば、本件通達に定められた評価方法を利用し、相続税の負担の軽減を図る目的で本件株式を取得したものと推認されるので、このような場合には、実質的な租税負担の公平という観点からして、原処分庁が本件株式の価額の算定において、配当還元方式を適用することができないと判断したことは相当である。ところで、本件評価会社は、各月末、自社株式の1株当たりの単価を客観的な時価による純資産価額を基に算定しているところ、当該単価は、本件評価会社に出資する場合に適用される一般的な価額と認められること、また、相法第22条に規定する時価とは、課税時期においてそれぞれの財産の現況に応じ不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額であると解されていることから、本件株式の評価に当たっては、課税時期に最も近い時期における本件株式の客観的な時価による純資産価額の1株当たりの単価を基に評価すべきであり、そうすると、本件株式については、課税時期である本件相続開始日に最も近い平成5年11月25日の新株発行価額が相当と認められるので、この価額により算定された金額の範囲内でされた原処分は相当である。(平 9. 7. 4東裁(諸)平 9-9) 裁決事例集No54・451ページ、(平 9.10.14東裁(諸)平 9-43)、(平10. 3. 5東裁(諸)平 9-123)、(平10. 1.14大裁(諸)平 9-54)、(平10. 1.26大裁(諸)平 9-55)、(平10. 1.30大裁(諸)平 9-59)、(平 9.12.18名裁(諸)平 9-32)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平090001
- 裁決年月日
- 平成9年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801990
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)本件土地等については、農業振興地域内の土地であり、措法第33条の2の規定に該当するから、同法第69条の4の適用除外資産であり、取得価額ではなく評価基本通達により評価すべきであり、(2)本件家屋は、同法第33条の2に規定する交換に該当するものであるが、措法通69の4-8の選択により同法第37条を適用し、買換資産としたものであるから、取得に要した金額の合計額から減価償却費の累計額を控除した金額により評価すべきであり、(3)本件農地は賃貸していることから、評基通42(1)の定めにより、農地の自用地としての価額から耕作権割合50パーセントを控除した金額により評価すべきである旨主張する。しかしながら、(1)の土地等は、任意の売買により取得し、申告に際し措法第37条を適用しており、かつ、相続開始前3年以内に取得していることから、同法第69条の4に規定する土地等又は建物等に該当し、(2)の家屋は、申告に際し同法第37条の適用を受けており、かつ、相続開始前3年以内に取得した家屋でないことから、同法第69条の4の規定を適用する余地はなく、(3)の農地は、農地法第3条の農業委員会の許可を受けておらず、耕作権が設定されていない農地について評基通42の定めを適用される余地はないことから、請求人の主張にはいずれも理由がなく、原処分は適法である。(平 9. 7. 1熊裁(諸)平 9-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080087
- 裁決年月日
- 平成9年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)本件各土地の一筆について売却交渉の際に複数の買主と交渉した際の交渉価格から算出した評価額が本件各土地の時価であり、また、(2)本件各土地には評価基本通達により難い「特段の事情」があることから本件各土地の課税価格は請求人主張額を認めるべきである旨主張する。しかしながら、(1)請求人のいう一般的経済要因をもって「特段の事情」があるとはいえないこと、(2)請求人が主張する本件各土地の一筆に係る売買交渉価格を時価と認めることは到底できず、当審判所が調査したところによっても「特段の事情」を認めることはできないから、請求人の主張・立証をもって当該土地の価格が原処分に係る価格を下回ると立証されたと認めることはできず、また、審判所が算定した本件各土地の時価は路線価を下回ってはいないから、当該土地の価格が原処分に係る価格を下回ると立証されたと認めることはできない。(平 9. 6.30名裁(諸)平 8-87)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080089
- 裁決年月日
- 平成9年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の鑑定評価額が、(1)公示価格等を規準とした価格との間に開差が生じたこと、(2)長期間市場に存在した取引事例に対して事情補正を行わなかったこと、(3)対象物件と同一町内にある取引事例を採用しなかったこと、(4)土地価格比準表に記載された補正率によったことは、いずれも問題がなく、適正である旨主張する。しかしながら、(1)ないし(3)については不適切である上、他にも種々の不的確な点が認められること、評価通達に定める各種補正率を不合理とする理由が認められないこと、課税の公平の観点からも課税価格に算入すべき価格の計算に際しては評価通達に定める各種補正率を適用することがより相当と認められることからして、請求人の主張は採用できない。(平 9. 6.30名裁(諸)平 8-89)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平080006
- 裁決年月日
- 平成9年5月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、賃貸借契約の締結に際し権利金等の授受があった事実は認められず、また、本件地代率は「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」通達(相当地代通達)における相当の地代率と認められることから、本件貸宅地の評価に当たっては当該通達を適用すべきである旨主張する。しかしながら、本件の場合、賃貸借契約の締結すなわち借地権の設定に伴い、敷金の額として、通常収受される程度の敷金等の額相当額を超えると認められる賃貸借料の10か月分相当額を、無利息で60年間保管し賃貸借契約の終了と同時に賃借人に支払うことを約していることから、借地権設定の対価として権利金等の授受があったものとして、借地権は賃借人に移転したと認めるのが相当であり、本件貸宅地の評価に当たり相当地代通達を適用することは相当でない。(平 9. 5.30金裁(諸)平 8-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080115
- 裁決年月日
- 平成9年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人がA社を設立し、その出資を現物出資して設立したB社の出資を相続したが、A社への払込金額とB社の受入金額に開差があることについて、請求人は、B社の事業目的が同族グループ法人の経理事務の代行で、資本金を多額にする必要はないことから、有限会社法に規定する最低資本金に近い資本金にした旨主張するが、(1)A社とB社が、同時に同一の所在地及び同一の役員により設立されたこと、(2)B社の設立が、すべて被相続人のA社に対する出資の現物出資によりなされたこと、(3)B社がA社の出資を40分の1という極めて低額で受け入れていることからすると、評基通185及び186−2の適用により、本件出資の評価を低くするという意図があったと認めざるを得ず、請求人の主張は採用できない。(平 9. 5.13大裁 (諸) 平 8-115)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080115
- 裁決年月日
- 平成9年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080108
- 裁決年月日
- 平成9年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地に係る地代は支払っていなかったが、地代に代えて、被相続人の家政婦の費用を支払っていることから、本件土地を貸宅地として評価すべきである旨主張するが、請求人が被相続人から建物を贈与された以後、被相続人と請求人の間で権利金等の授受及び賃貸借契約の締結がなされたことを立証する証拠の提出はなく、また、被相続人は本件土地に係る地代収入を申告していないことから、地代の支払があったとは認められないので請求人の主張を採用することはできず、本件土地の使用関係は使用貸借と認められ、貸宅地として評価することはできない。(平 9. 3.31大裁 (諸) 平 8-108)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080110
- 裁決年月日
- 平成9年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、鑑定評価額は、合理的客観的根拠を有するもので容認されるべきであり、また、路線価は、相続開始時の土地の現況、将来に向けての土地の利用の形態等を勘案すると、相続開始時の時価を正確に反映しているとは考えられないから、鑑定評価額をもって相法第22条に規定する時価とするのが相当である旨主張する。しかしながら、鑑定書については、(1)本件土地は宅地見込地域内に存する土地であると判定するのが相当であること、(2)本件土地の比準価格の決定に当たり規準とした取引事例は、取引時点の地積について事実の判定に誤りがあること、(3)本件土地の同一地域と認められる取引事例があるが、この取引事例を採用しない合理的な理由がないこと、(4)本件土地の近隣地域にある公示地を採用せず、行政的条件の異なる公示地を採用していることなど大きな疑問がある。また、本件土地のうちA土地について、原処分庁が無道路地の評価の定めを適用しなかったことは、A土地が農道を通路として使用していることから、問題はなく、無道路地の評価の定めを適用しなかったことをもって、鑑定評価額を採用することはできない。当審判所において算定した本件土地の価額は、減額更正処分で算定した価額を上回るから、請求人らの主張は認めることができない。(平 9. 3.31大裁 (諸) 平 8-110)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080060
- 裁決年月日
- 平成9年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件構築物について、評基通96のかっこ書の規定から、土地又は家屋と一括して評価すべきで別個に評価すべきではないから財産の価額はない旨主張する。しかしながら、評基通96のかっこ書の規定は、相続財産である家屋及び土地の評価額に構築物の評価額が含まれている場合に、これを別個に評価すると二重課税となるために、これを排除する趣旨と解するのが相当であるところ、請求人の家屋及び土地の評価額に本件構築物の評価額は含まれていないことが明らかであるから、評基通96のかっこ書には該当しない。したがって、本件構築物は、評基通97の規定により家屋及び土地と別個に評価することとなり、その評価額は取得価額から減価償却費分を控除して算定すべきものとなる。(平 9. 3.27名裁(諸)平 8-60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080149
- 裁決年月日
- 平成9年3月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地の価額は鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、(1)鑑定評価書におてい採用されている時点修正率は公示価格等の変動率と大幅な差異があること、(2)土地価格比準表に照らして検討したところ、本件宅地の個別的要因として採用されている地積規模大による市場性減価率が過大であること、また、騒音による減価は行わないこととするのが相当であることから鑑定評価額を採用することはできない。また、原処分庁は、公示地及び取引事例から比準した価額は原処分庁が主張する評価額を上回っている旨主張するが、公示地は本件宅地と交通接近条件を異にすること及び取引事例は本件宅地の価額を算定するための比準地として不適切である。このため、当審判所が本件宅地の価額を算定したところ、当該価額は原処分庁が主張する評価額を下回るから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平 9. 3. 7東裁(諸)平 8-149)、(平 9. 3. 7東裁(諸)平 8-150・151)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080071
- 裁決年月日
- 平成9年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802024
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/4私道
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は固定資産税が非課税となっており、不特定多数の者の通行の用に供される私道であることから、当該土地を評価すべきでない旨主張する。しかしながら、本件土地は、相続開始時において、通り抜けができる道路ではなく、専ら隣接居住者の通行の用に供されていることから、不特定多数の者の通行の用に供されているものとは認められず、本件土地を評価すべきでないとの請求人の主張は採用できない。また、固定資産税と相続税とではその課税主体、課税客体、課税の趣旨及び目的が異なるから、固定資産税が非課税であることをもって、当然に相続税においても当該土地を評価すべきではないとする合理的な理由はない。(平 9. 2.28大裁 (諸) 平 8-71)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080071
- 裁決年月日
- 平成9年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地の価額は、鑑定評価額により評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張する鑑定評価額には種々の不適格な点があり、本件各土地の時価が原処分額を下回っていることを立証しているとは認められず、本件各土地の近隣類似地域内にある公示価格又は基準地価格を基に時点修正及び形状等の調整をして本件各土地の時価を算定すると、本件各土地の価額は原処分の額を上回るので、請求人の主張を採用することはできない。(平 9. 2.28大裁 (諸) 平 8-71)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080071
- 裁決年月日
- 平成9年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地に建物の所有を目的とする借地権が存する旨主張するが、(1)本件土地上の車庫は屋根が自動車駐車場所の上部のみを覆っているだけで周囲と空間を遮る壁も扉もないものであるから、雨覆いのために設けられた駐車場の付属設備にすぎず、借地法上の建物に該当しないこと、(2)土地の利用状況からみても、建物の所有を目的とするものとはいえないこと、(3)賃貸契約がなく権利金や地代の授受もないから賃貸借とは認められないことから、借地権は存せず、自用地として評価するのが相当である。(平 9. 2.28大裁 (諸) 平 8-71)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080071
- 裁決年月日
- 平成9年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802012
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/1通則/2地積
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の地積は、公簿面積によるべきである旨主張するが、評価の対象となった土地について測量が行われ、実際の地積が明らかである場合には、その実際の地積を基として評価し、測量が行われていない場合は公簿面積を基として評価するのが相当であると解されるところ、本件土地は地積測量図があるので、原処分庁が実測面積を採用して評価したことについて特段の不合理は認められず、請求人の主張は採用できない。(平 9. 2.28大裁 (諸) 平 8-71)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080062
- 裁決年月日
- 平成9年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801020
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/2評価単位
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地(地積合計1,373㎡)は、被相続人が使用貸借により貸し付けていた部分と借地権の設定のない賃貸借により貸し付けていた部分で構成されていた土地であるから、その全体を一区画の自用地としてその評価額に面積広大地補正を適用して評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、使用貸借により同族会社に貸し付けていた部分と、賃借権が付された賃貸借により貸し付けていた部分の別に評価すべきであり、また、面積広大地補正の趣旨に照らすと、本件土地についてはその適用の必要性は認められない。(平 9. 2.27関裁(諸)平 8-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080141
- 裁決年月日
- 平成9年2月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は請求人が相続により本件宅地上に存在する借地権を取得したとして借地権相当額を相続税の課税価格に算入しているが、本件宅地の所有者であるA市は、本件宅地上には請求人らの権利は存在しない旨説明していること等から借地権は存在せず、仮に、借地権が存在するとしてもその2分の1は、相続開始日において請求人に帰属しているから当該持分については相続税の課税価格に算入すべきでなく、かつ、借地権のすべての部分を貸家建付借地権として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件宅地に係る使用関係は、実質的に、借地権が設定されている場合に準じたものであり、払下げの価格は、更地価格から借地権相当額を控除した底地価格とされること等から判断すれば、本件宅地上には借地権に準ずる貸借権が存在し、その経済的価値は借地権に準じたものであるとみることができる。また、その価額は本件宅地の利用状況に基づき空地部分及び貸家建付地部分の2画地に区分して評価するのが相当である。(平 9. 2.24東裁(裁)平 8-141)、(平 9. 2.24東裁(諸)平 8-142)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080040
- 裁決年月日
- 平成9年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の価額は鑑定評価額によるべきである旨、また、仮に鑑定評価額が適正でないとして路線価に基づいて評価することとしても、平成4年1月1日の相続開始日の場合と本件の相続の場合では、路線価を時点修正しないと課税に不公平が生ずる旨主張する。しかしながら、鑑定評価において採用した取引事例は実際の取引価格と相違すると認められるなど、鑑定評価には種々の不適切な点が認められることから鑑定評価額を採用することはできず、また、路線価は相続税の課税に当たって1年間適用されることなどから、評価上の安全性を考慮して、地価公示価格水準の80パーセント程度により定められていることが認められ、同一年の課税時期の違いによる著しい価格の変動等特段の事情がない限り、路線価により算出された評価額を時価としても不相当でなく、本件相続における路線価を時点修正しないことをもって課税に不公平が生ずるとする請求人の主張は採用できない。なお、本件土地の価額について当審判所で調査したところ、本件土地の価額は申告に係る価額を下回っているとは認められず、請求人の主張には理由がない。(平 9. 2.19名裁(諸)平 8-40)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080037
- 裁決年月日
- 平成9年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802039
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/3農地及び農地の上に存する権利/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・442ページ
要旨
○ 請求人は、相続で取得した生産緑地である本件土地の価額は、被相続人が市町村長に対し買取りの申出をしておらず、また、市町村長に対し買取りの申出をする手続中に死亡したものであることから、評基通40−2(生産緑地の評価)(1)の定めにより、課税時期において市町村長に対して買取りの申出をすることができない生産緑地に該当し、生産緑地でないものとして評価した価額から、その価額に100分の35の割合を乗じて計算した金額を控除した価額である旨主張する。しかしながら、本件土地は、請求人が生産緑地法第10条の規定により市町村長に対し買取りの申出をすることができる生産緑地に当たるから、評基通40−2(2)に定める課税時期において市長村長に対して買取りの申出をすることができる生産緑地に該当し、本件土地の価額は、生産緑地でないものとして評価した価額から、その価額に100分の5の割合を乗じて計算した金額を控除した価額とするのが相当である。(平 9. 2.17名裁(諸)平 8-37) 裁決事例集No53・442ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080058
- 裁決年月日
- 平成9年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802025
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/5使用貸借に係る土地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人とAとの本件土地の賃貸関係は、本件建物の建築時から本件相続開始日まで権利金及び賃料授受のない民法593条の使用貸借であるから、借地権は存在せず、本件土地の価額の算定に当たっては借地権相当の価額を控除して評価すべきではない旨主張する。しかしながら、税法上においては、法人が本来営利追求を目的として設立されるものであり、その活動はすべて合理的な経済人としての立場から行われるべきものとの考え方から、本件土地の貸借が使用貸借の名の下にAに建物を建築させた場合であっても、借地権相当額の認定課税が行われていたと認めるのが相当であるから、Aには本件土地の借地権相当額が存することとなる。(平9.2.17大裁(諸)平8-58)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080058
- 裁決年月日
- 平成9年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人とA社との間における本件土地の貸借関係は、昭和33年から相続開始日まで、(1)両者間において権利金及び地代の授受はなかったこと、(2)A社は本件土地の公租公果を全額負担していたこと、(3)A社の貸借対照表には本件土地の借地権に関する記載がないことなどを併せ考えると、本件土地の貸借関係の実体は私法上の使用貸借であると認められなくもないが、私法上においては、法人が本来営利追及を目的として設立されるものであり、その活動はすべて合理的な経済人としての立場から行われるべきものとの考え方から、前記(1)、(2)及び(3)の事実には関係なく、本件土地の貸借が使用貸借の名の下にA社に建物を建築させた場合であっても、借地権相当額の認定課税が行われていたと認めるのが相当であるから、A社には本件土地の借地権相当額が存することとなり、本件土地は借地権の設定されていた土地として評価すべきである。(平 9. 2.17大裁(諸)平 8-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080130
- 裁決年月日
- 平成9年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・400ページ
要旨
○ 請求人は、相続財産のうち有限会社の出資の価額は、評基通(平成6年6月27日付直評2−8による改正前のもの)185及び186−2の定めに準じて、評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除した価額で評価すべきである旨主張するが、当該評価差額は、恣意的に創り出されたものであり、このような場合には、同通達の定めによらないことが相当と認めらる特別な事情があると認められるから、当該出資の価額は、評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除せずに評価するのが相当である。(平 9. 2. 6東裁(諸)平 8-130) 裁決事例集No53・400ページ、(平 9. 2. 7東裁(諸)平 8-131)、(平 9. 5. 7東裁(諸)平 8-192〜195)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080130
- 裁決年月日
- 平成9年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・400ページ
要旨
○ 請求人は、相続財産の土地は時価が路線価を下回るから、鑑定評価額によるべきである旨主張するが、請求人が提出した鑑定評価書の内容には、取引事例比較法の適用に当たり採用した各売買実例地の比準価格及び公示地の規準価格の算定においての標準化補正等に問題が認められ、また、原処分庁が採用した鑑定評価書は、その作成者の氏名が明らかでなく、いずれの鑑定評価書も採用できないことから、当審判所において、当該土地の近隣の売買実例及び公示価格を基に土地価格比準表の地域格差及び個別格差の補正率を適用して当該土地の価額を算定した結果、その価額はいずれも原処分の価額を上回ることが認められ、原処分に違法は認められない。(平 9. 2. 6東裁(諸)平 8-130) 裁決事例集No53・400ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080124
- 裁決年月日
- 平成9年1月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地の価額は、鑑定評価額を基礎とした価額によるべきである旨主張する。しかしながら、当該鑑定評価書は、その評価方法及び比準価格の算定における標準化補正や個別的要因についての格差等に種々の疑問点があること並びに取引事例地の所在が確認できないためその適否について検証できないこと等から、請求人の主張する鑑定評価額を当該土地の時価として採用することはできない。当審判所が近隣の取引事例及び公示地価格等を基に当該土地の価額を算定したところ、いずれも評価基本通達に基づく価額を下回っているとは認められず、請求人の主張には理由がない。(平 9. 1.28日東裁(裁)平 8-124)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080043
- 裁決年月日
- 平成8年12月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地は、その上に存する建物等とともに中古車販売センターに賃貸し、事務所敷地及び中古車展示場敷地として利用されている土地であるが、請求人は、本件土地は、建物の賃貸の目的に供された宅地であるから、そのすべてを貸家建付地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、事務所敷地が宅地、中古車展示場敷地が雑種地の2つの地目からなる一団の土地であり、その利用状況は、中古車展示場敷地に中古車を展示して販売し、それに附帯する事務を遂行するため建物を利用していると認めるのが相当であるから、本件土地の評価上の主たる地目は、中古車展示場敷地の地目である雑種地と認められる。したがって、本件土地を貸家建付地として評価することはできない。(平 8.12.20大裁 (諸) 平 8-43)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080112
- 裁決年月日
- 平成8年12月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の価額は、鑑定評価額によるべきである旨主張するので、本件宅地や取引事例等の現地を確認のうえ、各土地を比較して土地価格比準表に基づき地域要因や個別的要因の格差を判定し、これらの格差に基づいて本件宅地の価額を算定したところ、鑑定評価額にほぼ近似した価格が求められ、請求人が主張する鑑定評価額は一部を除き相当であると認められる。(平 8.12.19東裁(諸)平 8-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080113
- 裁決年月日
- 平成8年12月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地の相続開始日における価額は鑑定評価額により評価すべきである旨主張するが、鑑定書に係る取引事例はその具体的な所在地が明らかにされておらず、また、当審判所の調査によっても当該事例の存在が確認できないこと並びに鑑定書において開発方式を採用しているが、本件宅地の価額の算定に当たり開発方式を採用することは不適切であると認められる。他方、原処分庁は、本件宅地が存する地域と容積率が異なる地域に存する売買事例に基づいて、本件宅地の価額を算定しているが、容積率は宅地の価格形成要因として特に重要な要素であることからすると、売買実例の選定が不適切である。そこで審判所が容積率が等しい土地の売買実例を基に本件土地の価額を算定したところ原処分庁主張の価額を下回るのでその一部を取り消した。(平 8.12.19東裁(諸)平 8-113)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080093
- 裁決年月日
- 平成8年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地の価額は、請求人が提出した不動産鑑定士の鑑定評価額で評価すべきである旨主張する。しかしながら、この鑑定書で採用している取引事例は、当審判所の調査ではその存在が確認できなかったので、請求人に対し所在地番等の説明を求めたところ、請求人はこれに答えることがなきなかったため、比準価格の適否を検証することができない。また、収益還元価格は、予測される諸要素を的確に把握して収益還元率を正確に求めているか疑問であるため、この鑑定書をもって本件宅地の時価を証明したことにはならない。(平 8.12.13東裁(諸)平 8-93)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080089
- 裁決年月日
- 平成8年12月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、面大地に該当するような個別性の強い本件宅地の価額は鑑定評価によるべきである旨主張するが、当該鑑定書で採用された取引事例は、地理的及び環境等の条件が本件宅地とは大きく異なっており、比準価格の算定の対象としてはふさわしくないと認められ、また、当該鑑定書が採用している開発方式による価格は、その手法の大半が想定に基づく点に難点があり、この価格を本件宅地の実証的な価格であるとはいい難いことから、請求人の主張、立証をもって本件宅地の価額が原処分に係る価額を下回ると立証されたと認めることはできない。なお、本件A宅地北側部分は、その利用価値が付近にある他の宅地の利用状況から見て著しく低下しているものと認められ、このような場合には、実務上、利用価値が低下していると認められる部分に対応する価額の10パーセントを控除した価額により評価することとして取り扱われているから、本件A宅地北側部分については10パーセントの評価減をするのが相当である。(平 8.12.12東裁(諸)平 8-89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080092
- 裁決年月日
- 平成8年12月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802026
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/6貸宅地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地上には、A・B・C・Dの4棟の建物が存し、いずれも借地権が存することから、本件土地は、すべてを貸宅地として評価すべきである旨主張するが、(1)A建物は、相続開始日現在、存在していなかったことが認められるから、その敷地は自用地、(2)B建物の敷地部分は、使用貸借と認められるから、自用地、(3)C建物の敷地部分は、税務上、建物新築時に借地権相当額の課税が行われたとして取り扱われるから、貸宅地、(4)D建物の敷地部分は、無償返還の届出もなく、相当地代の支払もないから、貸宅地、(5)その他の土地は、期間の定めのない賃借権の対象となっている貸宅地とそれぞれ評価するのが相当と認められる。(平 8.12.12東裁(諸)平 8-92)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080029
- 裁決年月日
- 平成8年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802029
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No52・128ページ
要旨
○ 請求人は、被相続人の遺産のうち、本件土地については、同族会社が時効取得した地上権が存在し、その残存期間は永久であることから、相法第23条の規定に基づき本件土地の自用地価額に100分の90を乗じて評価した地上権の価額を控除して評価すべきである旨主張する。しかしながら、(1)被相続人と同族会社との間には、本件土地に係る賃貸借契約を締結した事実はなく、権利金及び地代の授受の事実もないこと、(2)被相続人は同族会社において取締役であったこと、(3)本件土地の隣の土地は、同族会社が本件土地と同様に利用しておきながら、被相続人が建物を新築する際に無償で返還していること、(4)同族会社が本件土地上に地上権を時効取得した証としての判決は、同族会社と同族社員という特殊な関係を利用して請求原因事実を十分に争うことなく得たものであり、相続税軽減という動機を専ら経済的、実質的に行為化したと認められることなどから、本件土地の使用関係は、被相続人と同族会社間の特殊な信頼関係に基づく使用貸借によるものと認められるので、本件土地の価額は、自用地価額により評価することが相当である。(平 8.12. 9大裁 (諸) 平 8-29) 裁決事例集No52・128ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080078
- 裁決年月日
- 平成8年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、路線価が時価を上回っている場合には、路線価を適用しないで、その地域の実勢価格等を基礎として納税者が新しい路線価を算出すべきである旨主張するが、請求人が時価下落割合とした割合は、2事例の売買公告価額から算出した1平方メートル当たりの価額と当該取引事例の対象となった土地が面する区道の路線価との単純な比較によるもので、請求人の独自の算定割合であるため、請求人は時価を適正に算出したことにはならず、また、請求人が採用した取引事例は特殊な取引によるもので、時価の判断に活用する売買実例としては不相当であるから、請求人の時価の計算方法には合理性がない。(平 8.12. 6東裁(諸)平 8-78)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080018
- 裁決年月日
- 平成8年11月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の評価について、個々の土地の実情を無視して画一的、簡便的に時価を算定する路線価により評価することは適正妥当なものとはいえないことから、本件土地の価額は鑑定評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、鑑定評価書には、(1)土地の客観的価値からみて公示地Aを採用せず、公示地Bを採用したことは不適切であること、(2)地域要因・個別的要因の比較検討等を行っているが、数値のみ記載されているだけでその算定根拠が明らかでなく、鑑定評価額が正常な価格であるとするには疑問がある等、種々の不的確な点が認められる。そこで、当審判所において本件土地を評価したところ、その評価額の総額は、原処分の額を上回るから、請求人の主張には理由がない。(平 8.11.12大裁 (諸) 平 8-18)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080016
- 裁決年月日
- 平成8年10月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400802028
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/8借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)相続開始前から、被相続人所有の本件土地の上に、妻と共有で店舗兼住宅を新築の上、住居及び妻の事業所として利用していること、(2)妻は、被相続人に対して権利金及び地代を支払っていたこと、(3)本件土地に係る固定資産税は妻が負担していたことから、本件土地は、妻が借地権を有しているので、底地として評価すべきである旨主張する。しかしながら、被相続人と請求人の妻との貸借については、(1)賃貸借契約書を作成していないこと、(2)権利金及び地代を支払っていたとは認められないことから賃貸借であるとは認められないので、請求人の妻が借地権を有していたとする請求人の主張は採用できない。なお、固定資産税の負担については、被相続人と請求人の妻との貸借が親族間における使用貸借であると認められることから、民法第595条に規定する費用負担と解するのが相当である。(平 8.10.24大裁 (諸) 平 8-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080031
- 裁決年月日
- 平成8年9月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807990
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、合資会社の出資の評価額について、原処分庁が他の相続人より100倍も高く算定し、請求人に不利益を与えている旨主張するが、当該出資は未分割であることから、各相続人ともそれぞれ未分割のすべての出資を取得したとして計算する必要がある。そうすると、各相続人の出資割合はいずれも5パーセント以上になり、純資産価額により評価するのが相当であり、請求人が不利益を受けているとは認められない。(平 8. 9. 4東裁(諸)平 8-31)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080030
- 裁決年月日
- 平成8年9月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は本件宅地の存する近隣地域における標準的画地価格を路線価と比較して路線価の正当性を強調しているが、本件宅地の時価を算定する上での個別事情が一切考慮されておらず、また、本件宅地のうち、都市計画法上の用途地域は商業地域であっても現況は商住混在の地域に所在するA宅地に係る路線価は、現況を考慮して算定されているとはいえない旨主張する。当審判所が調査・審理したところによれば、本件宅地のうちA宅地以外の価額については、標準画地価格は路線価を下回っていないことから路線価に基づき評価することに不合理は認められないが、A宅地については、当審判所が比準地から比準し算出した標準的画地価格に基づき評価し、さらに、東京都建築安全条例等による容積率の制限をしんしゃくする必要があると認められる。(平 8. 9. 2東裁(諸)平 8-30)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080012
- 裁決年月日
- 平成8年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400807040
- 争点
- 8財産の評価/7取引相場のない株式/4純資産価額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件出資の評価に当たり、評価会社が設立(合併)1期目で直前期末がないこと及び課税時期において仮決算を行っていないことから、合併前の4法人の直前期末の公表決算に基づいて評価基本通達に定める純資産価額方式により合理的に評価した旨主張するが、請求人が評価した純資産価額方式による本件出資の評価額は、評価会社とは法人格を異にする合併前の4法人のうち実質的に2法人を評価会社として、相続税評価額と帳簿価額との評価差額に対する法人税等相当額を控除し算出したものであり、4法人が合併し設立された法人の出資の評価方法としては合理的ではない。(平 8. 8.30広裁(諸)平 8-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080003
- 裁決年月日
- 平成8年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の価額を、その上に存する建物とともに借家人へ売却するために交渉中であった価額(売買予定価額)から建物の価額を差し引いた価額を時点修正して算出すべきである旨主張する。しかしながら、(1)請求人は、その後本件土地を売買したが、その買主は結果において建物の借家人であり、売買価額は広く一般に売り出したものとは関係なく、借家人という特別な権利関係を有する者との間で決定したもので正常価額とは認められないこと、(2)売買予定価額は、実際の売買価額でもなく、根拠のない金額であること、(3)建物の価額も、本来であれば実際に売買された日を基準としなければならないにもかかわらず、平成4年6月の時点を基準として再調達価額、減価償却等を計算していること、(4)土地の価額の時点修正も適正にされていないなど、請求人の主張する本件土地の価額には種々の不明確な点が認められ、採用することができない。(平 8. 8.28大裁 (諸) 平 8-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080003
- 裁決年月日
- 平成8年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400802027
- 争点
- 8財産の評価/2土地及び土地の上に存する権利/2宅地及び宅地の上に存する権利/7貸家建付地
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地のように繁華街にある貸家建付地には、一・二階部分と三・四階部分の価値に当然に差があり、階層ごとに比率をつけて評価することが実体に則しているから、路線価に基づいて貸家建付地である本件土地を評価するのであれば評基通27−2の区分地上権の立体利用阻害率を準用して、建設省の併存住宅に対する階層別指数C群による効用比率、又は、本件土地の鑑定評価に記載された効用比率によって評価すべきである旨主張する。しかしながら、貸家建付地の評価方法としては、評基通26が制定されている以上、通達全体の整合性を無視してまで評基通27−2を準用することはできず、また、評基通27−2は、平成4年1月1日以後の相続により取得した財産の評価に適用されるものであって、相続開始が、平成3年4月2日である本件には、適用の余地がない。(平 8. 8.28大裁 (諸) 平 8-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080008
- 裁決年月日
- 平成8年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400801010
- 争点
- 8財産の評価/1評価の原則/1時価の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件借地権の価額は不動産鑑定士の調査報告書による評価額とすべきである旨主張するが、当該調査報告書では、取引事例比準価格の算定に使用した取引事例に係る地域要因の格差補正、事情補正及び環境条件の補正等について、種々の不的確な点が認められることから、請求人の主張・立証をもって本件借地権の価額が原処分に係る価額を下回ると立証されたと認めることはできない。また、当審判所の調査によれば、本件借地権の価額は、原処分庁認定の額を上回ると認められるので、原処分は適法である。(平 8. 7. 4東裁(諸)平 8-8)
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