裁決要旨 1現金、小切手
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060255
- 裁決年月日
- 令和7年6月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.139
要旨
○ 原処分庁は、被相続人(本件被相続人)の相続(本件相続)に係る遺産分割協議書に相続財産として記載された現金(本件金員)は、請求人が管理・所有し、当該遺産分割協議書の記載のとおり請求人が本件相続により取得したものと認められるから、本件相続に係る相続財産に該当する旨主張する。しかしながら、本件金員の原資は本件被相続人名義の口座の各貯金であるところ、当該各貯金は、請求人の父の相続(亡父相続)に係る相続税の調査において、亡父相続に係る相続財産として当該相続税に係る修正申告の対象とされたもので、当該各貯金が現金出金された後、本件被相続人及び本件相続に係る共同相続人は、当該修正申告に伴う納税や残余財産の清算を協議し、その協議に沿って納税や残余財産の清算が行われたことが認められる。このような客観的状況を踏まえると、請求人が本件金員を本件相続により取得したものとは認められないから、本件金員は、本件相続に係る相続財産に該当しない。(令7. 6.17 東裁(諸)令6-255)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040008
- 裁決年月日
- 令和4年12月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、平成22年及び平成23年に被相続人(本件被相続人)から受領していた現金のうち相続開始日に保管していた現金(本件現金)について、死因贈与により取得したものであるから、相続税の相続財産に含まれる旨主張する。しかしながら、原処分庁が主張の根拠とした請求人の申述は、本件被相続人が請求人に費消を認める内容があり、贈与の効力を停止させる条件を付款した死因贈与の根拠になるものと評価することはできず、他に死因贈与であったと認めるべき事実が存在しないため、原処分庁の主張には理由がない。(令4.12.22 仙裁(諸)令4-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030026
- 裁決年月日
- 令和4年2月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№126
要旨
○ 原処分庁は、相続税の申告書(本件申告書)に計上されていない現金(本件現金)、被相続人の配偶者(本件配偶者)名義及び次男名義の預貯金(本件預貯金)は、出えん者や被相続人及び本件配偶者の収入比率などからその帰属を判断すると、いずれも被相続人に帰属する財産であると認められる旨主張する。しかしながら、①本件現金の出金元である本件申告書に計上された預貯金口座で管理運用されていた預貯金の原資が特定できないことや、本件配偶者も収入を得ていたと認められることなどからすると、本件現金には被相続人及び本件配偶者が得た収入が混在している可能性を否定できない中、審判所においても、被相続人及び本件配偶者の収入比率により本件現金を合理的にあん分することもできないことからすると、本件申告書に計上された預貯金及び現金の額を超えて、本件現金が被相続人に帰属する相続財産として存在していたと断定することはできない。また、②本件預貯金についても、本件現金と同様、それらの原資を特定することができず、本件配偶者が管理運用していたことからすると、被相続人が得た収入が混在している可能性は否定できない中、被相続人及び本件配偶者の収入比率により合理的にあん分することができないから、本件申告書に計上された預貯金及び現金の額を超えて、本件預貯金が被相続人に帰属する相続財産として存在していたと断定することはできない。(令4. 2.15 名裁(諸)令3-26)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令030001
- 裁決年月日
- 令和3年9月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№124
要旨
○ 請求人は、請求人の亡夫(被相続人)が代表取締役を務めていた法人(関連法人)の事務室内の金庫(本件金庫)から発見された現金(本件現金)について、本件金庫は関連法人の金庫としての機能を中心に利用されており、被相続人が本件現金を管理し、本件金庫内に被相続人の個人的な預金通帳等が混在していたとしても、本件現金が相続財産であると認定することはできない旨主張する。しかしながら、関連法人には簿外資産や使途不明金の存在をうかがわせる事情は見当たらず、関連法人の経理担当者にも本件現金が関連法人に帰属するとの認識はないから、関連法人の会計帳簿に資産計上されていない本件現金が関連法人に帰属するとは認められず、また、本件現金を本件金庫に保管し管理できたのは被相続人自身であり、本件金庫に被相続人の個人的財産も保管していたことに加え、被相続人が他から預託を受けて本件現金を保管していたことをうかがわせる事情も見当たらないから、本件現金は、被相続人が個人的な預金通帳とともに本件金庫内に保管していた自らの固有財産と認められ、被相続人の相続財産に含まれる。(令3. 9.17 金裁(諸)令3-1)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令030002ほか 2件
- 裁決年月日
- 令和3年9月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№124
要旨
○ 請求人は、請求人の亡父(被相続人)が代表取締役を務めていた法人(関連法人)の事務室内の金庫(本件金庫)から発見された現金(本件現金)について、本件金庫は関連法人の金庫としての機能を中心に利用されており、被相続人が本件現金を管理し、本件金庫内に被相続人の個人的な預金通帳等が混在していたとしても、本件現金が相続財産であると認定することはできない旨主張する。しかしながら、関連法人には簿外資産や使途不明金の存在をうかがわせる事情は見当たらず、関連法人の経理担当者にも本件現金が関連法人に帰属するとの認識はないから、関連法人の会計帳簿に資産計上されていない本件現金が関連法人に帰属するとは認められず、また、本件現金を本件金庫に保管し管理できたのは被相続人自身であり、本件金庫に被相続人の個人的財産も保管していたことに加え、被相続人が他から預託を受けて本件現金を保管していたことをうかがわせる事情も見当たらないから、本件現金は、被相続人が個人的な預金通帳とともに本件金庫内に保管していた自らの固有財産と認められ、被相続人の相続財産に含まれる。(令3. 9.17 金裁(諸)令3-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300074
- 裁決年月日
- 平成30年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が亡くなる直前に被相続人名義の口座から引き出した現金(本件金員)について、本件金員は、被相続人の同意を得て、見知らぬ男性(本件男性)から被相続人の病気に効くとされる物品(本件物品)を購入するために費消してしまい、相続開始時点において本件金員は存在しなかったから、相続税に係る課税財産に含まれない旨主張する。しかしながら、請求人の主張を裏付ける売買契約書、領収証等はなく、本件物品が入れられていたケースの保存もなく、売主である本件男性の氏名、連絡先も不明であり、唯一の証拠は請求人の申述及び答述だけであるところ、当該申述等は、当審判所が調査した事実と矛盾しており、信用することができない。そして、当事者間に本件金員が相続開始の前日に自宅に保管されていたことに争いはないところ、本件金員は本件物品の購入のために費消されておらず、他に本件金員が預金されたりした事実もみられないことからすると、本件金員は、相続開始時点において、自宅に保管されていたと推認するのが合理的であるから、相続税に係る課税財産に含まれる。(平30.12.11 東裁(諸)平30-74)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280029
- 裁決年月日
- 平成28年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が入院中に、被相続人から依頼を受けて被相続人名義の預金から引き出した現金(本件金員)について、被相続人の病室(本件病室)で被相続人に交付したが、その後の管理状況は知らず、相続開始日には存在しなかったのであるから相続財産ではない旨主張する。しかしながら、そもそも入院先の病室に多額の現金を持ち込むこと自体、通常は考え難いことである上に、本件病室には多額の現金を安全に保管できるような設備はなく、また、被相続人は、本件金員が引き出された後、入院中の病院から外出したことはなかったことから、本件金員が引き出されてから死亡するまでに、これを費消することは極めて困難であったものと認めることができる。さらに、被相続人の入院中に必要な費用については、本件金員とは別に引き出された金員によって十分賄われており、その他に被相続人が多額の現金を必要としていたような事情はうかがわれない。これらの点に加え、被相続人から依頼を受けて本件金員を引き出した請求人が、本件金員の使途について何ら具体的に説明し得ないことにも照らせば、請求人は、本件金員を被相続人に交付していないものと認めるのが相当であり、相続開始日において、本件金員は、請求人の管理下にあったものと推認されるから、本件相続に係る相続財産であると認めるのが相当である。(平28.12. 7 大裁(諸)平28-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270068
- 裁決年月日
- 平成28年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件被相続人の財産である請求人名義の預金口座(本件各口座)から解約して受領した金員(本件金員)について、①本件被相続人は入院中も外部との連絡や外出が可能であり、自由に行動できた期間があること、及び②請求人名義の普通預金ではあったものの、本件被相続人の財産であり、現金で引き出された後の管理状況について請求人は知らなかったことを併せ考えると、本件相続の開始時に既に請求人の下に存在していなかったのであるから、本件相続に係る相続財産に該当しない旨主張する。しかしながら、①本件金員は請求人名義の本件各口座の解約により受領したものであること、②本件各口座の解約手続は、本件被相続人が同行した上で、請求人が行ったこと、③本件金員は本件被相続人が入院する前日に引き出されたものであり、かつ、多額であったことに照らせば、請求人が本件金員の使途を全く知らなかったとは考え難い。また、④本件被相続人の入院が決まってから入院するまでの時間はきわめて短期間であり、本件被相続人には入院までに本件金員を費消する機会はほとんどなく、⑤本件被相続人が病室に本件金員を持ち込んでこれを費消した可能性も低いということができる。加えて、⑥本件被相続人の入院から本件相続の開始までの間に、本件被相続人、請求人を含む本件被相続人の共同相続人等の取引金融機関の預貯金口座に本件金員が入金された事実はなく、⑦本件被相続人が本件金員を贈与したり、費消した事実も確認できない。以上の検討結果を総合すれば、請求人が本件金員の保管状況及び使途を知らなかったとはいえず、また、本件被相続人が本件金員を費消したと認めることができないから、本件金員は、請求人の管理下において、本件相続の開始時に存在していたと認めるのが相当である。したがって、本件金員は、本件相続に係る相続財産に該当する。(平28. 6.28 関裁(諸)平27-68)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240006
- 裁決年月日
- 平成24年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が生前に株式を売却したことにより受領した現金(本件金員)について、一切承知しておらず管理もしていないところ、被相続人が管理し、贈与や費消等したと推認できる状況があったのであるから、これを相続財産とした原処分庁の判断には事実誤認がある旨主張する。しかしながら、①請求人である被相続人の妻及び長女は本件金員を被相続人が受領した際に同席していることから本件金員について承知していたと認められ、②被相続人が本件金員を贈与や費消等をした事実は認められず、③被相続人が入院を繰り返していたことから本件金員は請求人らが管理していたと認めるのが相当であり、④請求人らの各金融機関の各口座には本件金員を原資とする入金の事実があったことが認められることなどからすると、本件金員は被相続人から請求人らに消費寄託されたものと認めるのが相当である。したがって、本件金員の消費寄託による返還請求権は相続財産に該当すると認められる。(平24.10.29 仙裁(諸)平24-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220097
- 裁決年月日
- 平成23年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人らは、相続開始の数日前に被相続人名義の預金から相続人が出金した50,000,000円(本件金員)について、出金された当日に被相続人に引き渡され、相続開始日までに被相続人によって費消されて存在していなかったから、本件相続に係る相続財産ではない旨主張する。しかしながら、被相続人が、50,000,000円という高額な金員を家族に知られないまま費消することは通常であれば考えられないことに加え、本件金員をギャンブル等の浪費によってすべて費消するには相続開始前の数日間では短すぎるのであって、被相続人の消費傾向に照らしても、本件金員がすべて費消されたとは考え難く、また、被相続人自身、数日後に死亡するとは考えておらず、多額の費用が必要な手術の準備をしていた時に、本件金員を引き出す直前の預貯金残高の8割を超え、総所得金額の2倍以上に相当する50,000,000円もの金員が、そのような短期間で軽々に費消されたとも考え難い。さらに、原処分庁及び当審判所の調査の結果によっても、本件金員が、相続開始日までに、他の預金等に入金された事実、債務の返済や貸付金に充てられた事実、資産の取得又は役務の提供の対価に充てられた事実、その他何らかの費用に充てられた事実はなく、家族以外の第三者に渡されたような事実もない。以上のとおり、通常想定し得る金員の流出先についてみても、本件金員が費消等された事実はなかったのであるから、本件金員は被相続人によって費消等されなかったと認めることができ、ほかにこれを覆すに足りる証拠はない。したがって、本件金員は、本件相続の開始時点までに被相続人の支配が及ぶ範囲の財産から流出しておらず、本件相続に係る相続財産であると認められる。(平23. 6.21 関裁(諸)平22-97)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220078
- 裁決年月日
- 平成23年5月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aが本件被相続人の生前に同人の預金を数十回にわたり出金し(本件各出金)、1850万円の現金(本件金員)を保管していたという事実関係の下、本件各出金についてAは本件被相続人の了解を得ていたこと及び本件被相続人が各親族に対して各100万円を生前贈与する意思表示をしていたことをそれぞれAから聞いており、これに見合う本件各出金の事実の確認もできることから、少なくとも、本件金員のうち200万円については、本件被相続人からA及びBに対して贈与があったものである旨主張する。しかしながら、Aは、本件被相続人の死期が近いことを悟り、同人の死亡により同人の預金の払戻しが困難になると考えて、同人から預かり保管していたキャッシュカードを用いて本件各出金をし、その事実を他の親族に知らせずに本件金員を保管し、本件被相続人の死後、請求人から本件相続税の申告手続を任されていたCに対して本件各出金の事実を明らかにしたところ、Cから本件金員の全額を引き渡すよう求められたことから、Aとともに本件被相続人の面倒を見ていたとするBと相談の上、各自が100万円ずつそれぞれ領得することとして、本件金員から200万円を控除した残額を請求人の預金口座に入金したものと認められることからすると、Aによる本件各出金あるいはA及びBによる200万円の領得が、本件被相続人のA及びBに対する贈与の意思表示に基づいて行われたものであるとは考え難く、本件被相続人とA及びBとの間において各100万円ずつ、合計200万円の金員を生前贈与する旨の合意が成立していたとは認められない。(平23. 5.19 大裁(諸)平22-78)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220037
- 裁決年月日
- 平成22年11月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が相続財産であると認定した本件相続開始時に被相続人が居住していた家屋内の各金庫に保管されていたという現金(本件各金庫内現金)について、本件各金庫内現金がいくら存在していたかは不明であり、各金庫内に現金が存在した旨の受遺者Aの供述等は信用性に欠けるから、相続財産として存在しない旨主張する。しかしながら、Aの供述等は、被相続人の死亡確認時にAと共に本件各金庫の内容物を確認したことに関する警察署の取扱記録と整合する限度では信用性を認めることができ、また、本件各金庫内に少なくとも原処分庁が主張する額の現金が存在したことも認めることができることから、請求人の主張は採用することができない。そして、本件の全証拠によっても、被相続人以外の者が被相続人の本件家屋にそのような現金を保管していたとする事情や事実は認められないから、本件各金庫内現金は、被相続人の相続財産に属するものと判断するのが相当である。(平22.11.30 大裁(諸)平22-37)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200053
- 裁決年月日
- 平成21年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の父である被相続人名義の預貯金口座からその弟により引き出された金員(以下「本件引出金」という。)について、同人から弟への預け金であるとして相続税の更正処分等をしたことに対し、本件引出金は、被相続人から弟へ贈与されたものであり、相続開始の時点において請求人のところに存在しない財産であるから相続財産ではない旨主張する。 しかしながら、被相続人の弟が、生前に被相続人から葬儀及び法要等を依頼され、その支出に備えて相続開始日に本件引出金を引き出し、その後葬儀費用等を支払っていることが認められ、被相続人の最も身近にいた弟が、被相続人に帰属する同金員を同人のために、預かり費消したものであるから、本件引出金は被相続人から弟への預け金として、相続財産となると認められる。なお、請求人は、被相続人の弟を被告として、本件引出金の損害賠償請求訴訟を提起し、その準備書面において弟自身が贈与を認めていることや請求人が当該訴訟を取り下げたことから、本件引出金は被相続人から弟に贈与されたものである旨主張しているところ、準備書面は証拠ではなく主張書面にすぎないこと、訴えの取下げは訴訟を終了させる訴訟行為にすぎず、被告の反論を原告である請求人が認めたことになるものではないことから、これらの事実は上記の贈与の有無の判断に影響を与えるものではない。したがって、請求人のこれらの点に関する主張には理由がない。(平21. 3. 4 名裁(諸)平20-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180254
- 裁決年月日
- 平成19年5月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Kが本件相続開始日に本件被相続人名義の銀行預金口座から引き出した本件300万円は、Kが所持しているものなので、相続財産ではない旨等主張する。 しかしながら、銀行が預金名義人の死亡を知った場合には、当該名義人の預金は凍結され、当該預金からの払戻しは困難となるところ、高齢者が入院等して容態が悪化等した場合において、一番身近にいる親族が万一のことを考え葬儀費用等当面の費用の支出に備えるため、当該預金から当該費用相当額を払い戻すことは一般的に見られる行動である。Kは、本件300万円について、「本件相続開始日に、本件被相続人の身に万が一のことがあったときのために同人名義の預金口座から引き出した。」旨申述しているが、当該申述は、合理的かつ自然であり、引出時間及び死亡時間の各事実とも矛盾がない。 そうすると、本件相続開始日において、Kが本件300万円を出金し所持していたとしても、Kは本件被相続人に帰属する本件300万円を本件被相続人のために所持していたものであり、本件300万円は本件被相続人の相続財産であると認められる。(平19. 5.28 東裁(諸)平18-254)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170053
- 裁決年月日
- 平成18年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続開始前に被相続人ほか3名名義の預貯金口座から引き出された本件現金は、被相続人が管理していたもので、被相続人は身体的には不自由ではあったが、意思の疎通や外出のできる状態にあったため、被相続人が費消することは可能であったほか、原処分庁は、本件現金の存在を立証していないから、相続財産に加算すべきでないと主張する。 しかしながら、①被相続人は、身体的に不自由で、日常生活において全介助が必要であったほか、②請求人は、昭和25年ころから被相続人と同居し、同人及び相続人らと信頼関係があった状況の下、被相続人の入院以降、常時介護し、預貯金通帳、印鑑及びキャッシュカード等を預かって預貯金口座の解約及び引き出しを行い、引き出した現金も実質的に管理していたと認められ、さらに、③被相続人の入院中の身体状況等から、請求人が知ることなく本件現金の費消はできない状況にあったにもかかわらず、請求人は、本件現金について、費消されたと証明するに足る証拠を提出せず、当審判所の調査によっても、被相続人が、本件相続開始日までに本件現金を資産の取得その他の費消に充てた事実も認められないから、本件現金は、相続財産を構成し、請求人が取得したものと認めるのが相当である。(平18. 5. 8 大裁(諸)平17-53)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平130005
- 裁決年月日
- 平成13年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が葬式費用相当額2621740円を手持現金から支払ったと認定して相続財産である現金・預貯金等に加算したこと並びに甲支店長自己宛小切手及び乙支店長自己宛小切手合計27547326円が相続開始の時に残存していたか不明であるのに現金・預貯金等に加算したことは不当である旨主張する。しかしながら、手持現金は確認できなかったので、相続開始の時の現金・預貯金等に加算したことは不当であるが、両支店長自己宛小切手は、被相続人の依頼を受けて発行されたもので、両小切手が金融機関に持ち込まれたのは相続開始後であり、相続開始の時において両小切手は残存していたことが認められる。この結果、相続開始の時における現金・預貯金等の金額は、異議決定を経た後の更正処分の金額を上回るので更正処分は適法である。(平13.10.25沖裁(諸)平13-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120092
- 裁決年月日
- 平成13年3月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 400307010
- 争点
- 3相続税の課税財産の認定/7預貯金等/1現金、小切手
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、割引債にかかる償還金が請求人固有の財産であること、また、預貯金等の解約金を医療費等に費消し、本件相続開始日には存在していないことを理由に相続財産ではない旨主張する。しかしながら、本件償還金は管理運用等からみて本件被相続人の財産であると認められ、また、預貯金等の解約金については、これを費消した事実が認められず、現金として課税することに違法はない。(平13.3.7東裁(諸)平12−92)
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