裁決要旨 1更正権限の濫用
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050040
- 裁決年月日
- 令和6年4月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.135
要旨
○ 請求人は、原処分庁による重加算税賦課決定処分が平等原則に違反する旨主張し、その根拠として、当該賦課決定処分が「消費税及び地方消費税の更正等及び加算税の取扱いについて(事務運営指針)」(平成12年7月3日付課消2-17ほか5課共同。)(本件事務運営指針)第2のⅣの3《重加算税を課す消費税固有の不正事実》に定められた5つのいずれの事由にも該当しないことのほか、本件事務運営指針によらないことが合理的であるとする理由がないことを挙げる。しかしながら、本件事務運営指針第2のⅣの3が掲げる5つの事由について、同項の本文には、「例えば、次のような不正事実が該当する」と定められていることからすれば、当該5つの事由は例示にすぎないものである。そして、請求人は、原処分に係る各課税期間において課税事業者であったにもかかわらず、意図的な集計違算に基づいて収支内訳書に1,000万円以下の売上金額を記載することにより、消費税等の免税事業者であるかのように装ったものと認められるところ、当該事由に基づき消費税等の重加算税を課することは、本件事務運営指針第2のⅣの3の定めに反するものではない。したがって、請求人の主張はその前提を欠くものであり、理由がない。(令6. 4.23 関裁(諸)令5-40)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030021
- 裁決年月日
- 令和4年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、審査請求の後に、原処分庁が当初の各更正処分等を取り消してした各更正処分等(本件各更正処分等)は、当初の各更正処分等に係る通知書の誤記の修正や、いわば無益的記載事項を付加しただけで必要性が認められない上、請求人に訴訟経済上の著しい損失や審査請求の審理の遅延などを生じさせるなど相当性も欠くものであって原処分庁の裁量権の逸脱や課税権を濫用して行われたものであるから違法である旨主張する。しかしながら、原処分庁は適正な課税の実現を図るため、更正処分等の瑕疵を発見したときは、当該瑕疵が実体的なものであれ、手続的なものであれ、これを取り消して新たな更正処分を行うことができると解されるところ、本件各更正処分等は、当初の各更正処分等に係る通知書の更正の理由の瑕疵を是正するためにされたものであって不相当とはいえず、裁量権の逸脱や課税権の濫用などの事実も見当たらないから本件各更正処分等が違法であるとは認められない。(令4. 3.16 関裁(所)令3-21)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令020002
- 裁決年月日
- 令和2年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、原処分庁が国税通則法施行令第6条《更正の請求》第2項に規定する「事実を証明する書類」(事実証明書類)の提出期限を更正の請求に係る更正ができる期限よりも早い日に設定したため、更正の請求に係る調査を受けるチャンスを逸した旨主張する。しかしながら、どの段階で更正の請求に係る調査を打ち切って課税処分を行うかについては、制度の趣旨、目的に反しない限りにおいて、課税庁に広範な裁量権が認められていると解されている。本件の場合、更正の請求をしようとする者は事実証明書類を更正の請求書に添付しなければならない旨規定されていることからすれば、請求人は更正の請求書を提出する時に事実証明書類を添付して提出すべきであったこと、原処分庁担当者は事実証明書類の早急な提出が必要である旨を説明していることから、請求人は遅くとも当該説明のあった日に事実証明書類の提出が必要なことを認識したと認められ、原処分庁担当者は請求人に対して十分な書類提出の機会及び準備期間を与えたものと評価できるのであるから、事実証明書類の提出期限を更正の請求に係る更正ができる期限よりも前に設定したとしても、更正の請求の制度の趣旨、目的に反しているとはいえず、また、原処分庁の裁量権を逸脱ないし濫用するものとは認められない。(令2.11.30熊裁(所)令2-2)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令020001
- 裁決年月日
- 令和2年8月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人らは、原処分庁が無申告加算税の当初賦課決定処分の全部を取り消して再賦課決定処分を行ったことは、一事不再理に抵触するようなものであり、極めて不条理である旨主張する。しかしながら、原処分庁は適正な課税の確保実現を図るため、更正及び決定等の処分の瑕疵を発見したときは、当該瑕疵が実体的なものであれ、手続的なものであれ、これを取り消して新たな更正及び決定等の処分を行うことができるものと解されるところ、原処分庁は、賦課決定通知書に記載した申告書の提出年月日に誤りがあったとして、当初賦課決定処分を取り消し、再度、申告書の提出年月日を正しく記載した賦課決定処分を行って当該処分に係る通知書を送付したものであり、再賦課決定処分に違法または不当な点は認められない。(令2.8.21福裁(諸)令2-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280048
- 裁決年月日
- 平成29年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡母の相続に関し実弟を相手取って提起した訴訟の和解成立により実弟から支払われた金員(本件金員)について、原処分庁が請求人の不動産所得に該当するとして更正処分等を行ったところ、それに対する審査請求の裁決において、一時所得に該当するとして処分が取り消され、原処分庁がさらに同裁決に基づき原処分を行ったことは、課税権の濫用である旨主張する。しかしながら、本件金員は請求人の一時所得に該当し、所得税等の課税対象となるものであるから、これについて原処分庁が課税を行うことは、課税の適正、公平に資するものっであって、何ら不当ではなく、原処分が課税権の濫用に当たるということはできない。(平29. 3.14 大裁(所)平28-48)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平280001
- 裁決年月日
- 平成28年7月6日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№104
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、当初更正処分等の更正の理由付記に不備があったため、当初更正処分等を取り消し、更正の理由を書き直して当初更正処分等と同一の内容で再度更正処分等(本件更正処分等)を行ったことは、課税権の濫用であり違法である旨主張する。しかしながら、更正処分を取り消し、再度更正処分をすることができないとする法令上の規定はなく、適正な課税の確保の実現を図るため、更正処分等の瑕疵を発見したときは、当該瑕疵が実体的なものであれ手続的なものであれ、これを取り消して新たに更正をなし得るものと解すべきであるところ、本件の場合、原処分庁が、当初更正処分等に係る通知書に付記された更正の理由に不備を発見し、当初更正処分等を取り消して、是正した更正の理由を付記して本件更正処分等を行ったことは、瑕疵ある処分を是正したものであり、課税権の濫用をうかがわせる事実は何ら認められないから、原処分は違法とは認められない。(平28. 7. 6 沖裁(法・諸)平28-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260032
- 裁決年月日
- 平成26年12月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№97
要旨
○請求人は、事業所得の必要経費となる租税公課の計上漏れなどがあったとして提出した更正の請求について、原処分庁からの当初申告に係る租税公課の内容を確認するための資料等(本件資料等)の提出の求めに対して、請求人が本件資料等を提出する意思を示しているにもかかわらず、原処分庁が、本件資料等の提出を待たずして、その未提出を理由に更正の請求の一部を認めないとする原処分を行ったことは、違法又は不当な処分である旨主張する。しかしながら、調査担当職員は、約1年間、電話ないし文書により再三にわたり本件資料等の提出を求めたにもかかわらず、請求人からは本件資料等が提出されなかったため、調査を打ち切ったのであり、原処分庁が本件資料等の提出を待たずに原処分を行ったことは、原処分庁の合理的な裁量の範囲を超えておらず、違法又は不当であるとは認められない。なお、請求人は審査請求においてb町町費等の金員(本件金員)を請求する旨が記載された文書を提出したところ、当審判所が調査審理した結果、当該文書は請求人が所有する農地の所在するb町区長などが発行したものであり、当該文書に示された本件金員は、b町区などにおいて農地等の面積を賦課基準として徴収され、その用途は主に農地等の保全に係るものであると認められるから、本件金員は請求人の事業所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである。(平26.12. 4 大裁(所)平26-32)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平250004
- 裁決年月日
- 平成25年7月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が当初更正処分の全部を取り消して再更正処分(本件更正処分)を行ったことは、更正権の濫用に当たる旨主張する。しかしながら、原処分庁は適正な課税の確保実現を図るため、更正処分の瑕疵を発見したときは、当該瑕疵が実態的なものであれ、手続的なものであれ、これを取り消して新たな更正処分を行うことができるものと解されるところ、原処分庁は、更正通知書の更正の理由付記に不備があったとして、当初更正処分の全部を取り消し、再度、更正の期間制限内である事業年度について本件更正処分を行ったものであり、更正権の濫用をうかがわせる事実は何ら認められない。(平25. 7.24 広裁(法)平25-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220151
- 裁決年月日
- 平成23年2月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件査察調査をもって請求人に対し調査をしたとし、改めて調査を行わなかったのであるから、調査をすることなく行った本件各告知処分等及び本件各再更正処分は、適正な手続を欠く違法なものである旨、また、一度減額したものをいかなる理由があろうとも再度増額の処分をすることは権利の濫用である旨主張する。しかしながら、課税庁が内部において既に収集した資料を基礎として正当な課税標準を求めることも「調査」の範囲に含まれるものと解されるところ、本件各告知処分等及び本件各更正処分は、①請求人の源泉所得税について、当初告知処分に係る請求人の源泉徴収簿等の関係資料及び源泉所得税の納付事績等の既に収集した資料等を改めて照合及び検討した上で、また、②請求人の法人税について、当初減額更正処分の関係資料、法人税の確定申告書及び同付属書類等の既に収集した資料等を改めて照合及び検討した上で行われたものであるから調査手続を欠く違法な処分とは認められない。また、課税庁は、自ら行った処分に瑕疵を発見したときは、その瑕疵が実体的なものであれ、手続的なものであれ、適正な課税の確保実現を図るため、これを取り消して新たな処分をなし得るとものと解すべきであるから、原処分庁が国税通則法第36条《納税の告知》第1項第2号の規定に基づき請求人に対して本件各告知処分等を行ったことに違法は認められない。(平23. 2.14 東裁(法・諸)平22-151)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210002
- 裁決年月日
- 平成21年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が証拠書類等を収集している最中であるにもかかわらず、その回答を待たずに行われた原処分は、十分な調査に基づいて行われたものとはいえず、違法又は不当であるから取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、調査の方法、時期、調査の打ち切りなどについては、税務官庁に広範な裁量権が認められており、たとえ納税者が自らの主張内容を証する書類等の収集途中であったとしても、税務署長の調査による更正を妨げるものではないと解するのが相当であるところ、原処分庁は、課税要件に係る質問、検査などの調査を行い、請求人が提出した申告書に記載された課税標準等又は税額等がその調査したところと異なることが確認されたことから、原処分を行ったことが認められ、請求人が主張するような、十分な調査に基づかずに原処分が行われたという事実はない。したがって、原処分の手続に何ら違法又は不当な点は認められず、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平21. 7. 8 東裁(所)平21-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200076
- 裁決年月日
- 平成20年11月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一連の原処分庁の行為は、本件の更正処分等に係る資料の収集及び事実確認をしないという不作為を超えて、請求人の提出した書面に対する回答をせず、担当統括国税調査官の人事異動に間に合わせるかのように更正処分等を行った点で行政手続法の適用除外の濫用に該当し、不法行為の疑いのあるものであるから、原処分は違法又は不当である旨主張する。しかしながら、調査担当職員が確定申告書及び請求人の提出した書面、資料の検討などを行ったことに基づき更正処分等がされていると認められるから、国税通則法第24条《更正》に定める調査が行われていることが明らかである。また、調査担当者は、上記の検討及び会社担当者に対する調査等を行い、課税標準等及び税額等の認定ができると判断したものと認められるから、質問検査権の行使の程度について、権限ある税務職員にゆだねられた合理的な選択の範囲を逸脱する違法は認められない。(平20.11.14 東裁(所)平20-76)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190046
- 裁決年月日
- 平成20年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、調査担当者が請求人の輸出取引の実態や輸出証明書等の保存を確認していないこと、また、税務代理権限証書を提出していない税理士に更正の理由や根拠を説明しても請求人に説明したことにならず、調査担当者は説明責任を果たしていないことから、更正処分の手続に瑕疵あり違法である旨主張する。しかしながら、調査担当者は、質問調査及び輸出関係書類等の調査に基づき更正処分を行っており、輸出証明書等の保存を確認しなかったとしても当該調査に裁量の逸脱等があり更正処分を取り消すべき違法があるとはいえず、また、税務代理権限証書の提出の有無が請求人と税理士の委任契約に影響を及ぼすことはなく、調査担当者は、請求人の代表者及び税理士に対し、非違事項の内容について説明したことが認められるから、説明責任を果たしていないということはできない。(平20. 4.24 大裁(諸)平19-46)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190033
- 裁決年月日
- 平成19年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は平成16年5月に調査着手したが、その時点では処分を行わず、約2年3か月も経過した平成18年8月に本件更正処分を行ったのであるから、本件更正処分は、国税通則法第24条に規定する調査を実施せずに行ったものというべきであって違法である旨主張する。 しかしながら、原処分庁は、本件更正処分の前に追加調査を行った事実が認められることから、国税通則法第24条に規定する調査を行っており、本件更正処分は同条に規定する要件を満たした適法な処分というべきであって、請求人の主張は採用できない。なお、調査開始から長期間経過後に更正処分を行ったことのみをもって直ちに更正処分が違法となるものではなく、当審判所の調査によっても、他に課税庁の裁量を逸脱した調査を行った事実は認められない。(平19.12.17 大裁(所)平19-33)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180036
- 裁決年月日
- 平成19年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が本件調査を拒んでいないにもかかわらず、原処分庁は、請求人を非協力者とみなし請求人の主張を汲み取らず一方的に更正処分を行っており違法である旨主張するが、本件調査における調査手続に違法な点は認められず、また、請求人の主張が税務署長の更正を妨げるものではないから、請求人の主張には理由がない。(平19. 5.22 広裁(所)平18-36)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170042
- 裁決年月日
- 平成18年2月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続に係る遺言書についての無効確認訴訟が係争中で相続財産が未確定の段階で、更正処分を行うことは時期早尚であるから、原処分は不当である旨主張する。しかしながら、相続税法第2条第1項の文言に照らせば、相続税法上の租税債権の成立要件としては、納税義務者が相続等の所定の理由によって課税財産を取得することが必要であり、かつ、それをもって足り、相続財産の取得の効力について他と争いがないこと、ないし取得の有効であることが判決等をもって確定していることまでも必要とするものではないと解するのが相当である。これを本件についてみると、原処分時には本件遺言書の効力について争いがあり訴訟が係属中であるものの、被相続人の死亡により相続が開始され、請求人は相続人であるから本件相続により課税財産を取得し、これにより同人に対する租税債権は成立しているから、原処分庁が調査担当職員の調査により判明した課税標準等に基づき原処分を行っていることに違法はなく、他に不当とすべき事由もない。したがって、原処分が違法又は不当であるとは認められない。(平18.2.22大裁(諸)平17-42)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平170003
- 裁決年月日
- 平成17年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分に係る調査手続には、原処分の調査を担当する職員が請求人宅を訪れ、①いきなり訳の分からない状態で「今月末までに連絡又は来署が無い場合は更正決定等の処理をすることになります」という文書を孫に渡したこと、②何の説明もなく修正申告をするよう迫ったことの職権濫用の事実がある旨主張する。しかしながら、原処分の調査担当職員が数度にわたり本件特例の適用誤りの内容及び修正申告のしょうようを行っている事実が認められることからすれば、職権濫用の事実はなく、したがって原処分の手続に違法性はない。(平17.10.31高裁(所)平17-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160079
- 裁決年月日
- 平成17年4月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、無申告加算税の賦課決定及び延滞税の督促処分は権利の濫用に当たる旨主張するが、無申告加算税は正当な理由がある場合を除き、申告書が法定申告期限後に提出されたという客観的必要性事実のみにより課されるものであり、また、延滞税の督促処分は特別の手続を要せずに確定する国税であり、本件処分に権利の濫用の事実は認められない。(平17.4.25大裁(諸)平16-79)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平150013
- 裁決年月日
- 平成16年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は青色申告者であるが、更正の理由附記がされてない当初更正処分に係る更正通知書を受け取ったため、その取消しを求めて審査請求書を提出したところ、原処分庁は当初更正処分を取消し、更正の理由を附記した上で再び同じ事実に基づいて本件更正処分を行っており、これは、職権濫用、一事不再理及び信用失墜行為に当たる旨主張する。しかしながら、国税通則法第70条には、国税の減額更正は法定申告期限から5年以内に行うことができると規定され、増額更正は法定申告期限から3年以内に行うことができると規定されている。そうすると、当初更正処分の取消しは法定申告期限から5年以内に行われ、本件更正処分は法定申告期限から3年以内に行われているので、いずれも期間制限内に行われた適法な処分である。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平16.6.30沖裁(所)平15-13)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平150019
- 裁決年月日
- 平成16年5月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分は所得税法第157条第1項の規定の適用を事前に断定し、認定通告して行われた調査のない処分であり、国税通則法第24条の規定に違反している旨主張する。しかしながら、原処分庁は、請求人が各年分の確定申告書に記載した税額等と請求人から提示を受けた帳簿等種々の資料に基づく調査により算定した税額等が異なるために、原処分を行ったことが認められ、また、請求人の主張する通告は、調査担当職員が本件調査の結果を説明し修正申告書の提出をしょうようしたものと認められるが、そのことをもって原処分が違法になると解すべき理由はないから、原処分は相当である。(平16.5.24福裁(所)平15-19)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140071
- 裁決年月日
- 平成15年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・851ページ
要旨
○ 請求人は、本件取引の事実関係に関連した訴訟の判決が確定するまで、原処分庁は、当該取引に係る更正処分をすべきでない旨主張する。しかしながら、課税庁と取引先との間で、本件取引に係る事実関係を争点とした訴訟が係属中であるとしても、それをもって請求人に対する課税ができなくなるとする実定法上の根拠はない上、上記訴訟は、当該取引の主体が誰であるかを主な争点とするものであり、本件取引が輸出取引であるか否かという事件の争点とは直接関係しないものであるから、当該訴訟が、請求人に対する更正処分に何ら影響を及ぼさないものであることは明らかであるので請求人の主張には理由がない。(平15.02.20.関裁(諸)平14-71)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140016
- 裁決年月日
- 平成15年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130028
- 裁決年月日
- 平成14年6月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が更正処分の理由附記の不備を指摘され当該処分を取り消し、再度更正処分を行ったことは更正権限の濫用である旨主張するが、税務署長は適切な課税の実現を確保するため、更正処分の瑕疵を発見したときは、不当に納税者の負担を重くするなどの特別の意図を持ってなされるものでない限り、これを取り消して新たな更正処分をなし得ると解するのが相当であり、また、その更正処分の時期については、更正処分をなし得る法定期限内である限り、原更正処分に対する異議申立て又は審査請求が継続している段階であってもこれをなすことが許されると解するのが相当であるところ、原処分は更正処分をなし得る法定期限内に行われており、当初の更正処分と重複するものではなく、また、請求人に不当な負担を与えたものでもないことから、課税の公平の見地からみて原処分庁の権限の行使として許されるべきものであると認められ、請求人の主張には理由がない。(平14. 6.17熊裁(法)平13-28)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120033
- 裁決年月日
- 平成13年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 業種
- 自動車整備販売
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が調査担当者から申告内容の検討を依頼され、その内容を検討中であったにもかかわらず、原処分は一方的に原処分を行っており、違法・不当である旨主張する。 しかしながら、通則法第24条は、税務署長は、納税申告書に記載された課税標準等は又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する旨規定しており、納税者が申告内容を検討中であったとしても、税務署長の調査による更正を妨げるものではないと解するのが相当であるところ、調査担当者は、請求人の長男及び長男の妻に対して、請求人の提示した帳簿書類の内容の不明部分について解明を依頼し、これに対する回答を得た上で、調査による所得金額等を説明したことが認められ、請求人が修正申告をする意思がなかったことから、原処分庁は更正処分を行ったものであり、このことに違法・不当はない。(平13.2.23広裁(所・諸)平12−33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100159
- 裁決年月日
- 平成11年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、調査担当職員が本件申告に係る問題点等の具体的な指摘又は議論等をしないで「更正をしますから」との権力的な発言をしているにもかかわらず、原処分庁が調査着手から1年9か月後に理由附記のない拙速的、恣意的及びずさんな処分を行ったことは、公正の確保と透明性の向上を図ることによって国民の権利利益の保護がなされるべきとする行政手続法第1条の規定等に違反している旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、調査担当職員の調査は適法であること及び税理士に対して調査内容の疑問点等を説明の上、修正申告のしょうようを行っていること等が認められるから、具体的な議論等を行わないで恣意的、権力的及びずさんな処分を行ったとする請求人の主張は採用できない。(平11. 4.21東裁(諸)平10−159)、(平11. 4.21東裁(諸)平10−160)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090010
- 裁決年月日
- 平成9年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100204041
- 争点
- 2国税の納付義務の確定/4更正又は決定等/4権限濫用/1更正権限の濫用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成7年中にA事業団から支給を受けた共済金の課税上の取扱いに関し、担当職員の指導に基づいて退職所得の金額の計算上掛金の額を控除して申告したものであり、原処分庁がこれを控除できないとして更正処分をしたことは、不適切な指導による職権濫用に当たる旨主張する。しかしながら、請求人は数回にわたり担当職員に相談した事実は認められるが、請求人の主張、答述はその根拠において整合性に欠けるといわざるを得ず、また、共済金支払決定等通知書の所得税額等の算定根拠から掛金の額が控除されないことは、当然知り得ていたというべきであり、当審判所の調査によれば、担当職員は退職所得の金額の計算方法について請求人から相談を受け、税法、解説書等を参考にして説明を行ったこと及び担当職員の記録によれば、共済金及び掛金の課税上の取扱いについて適切に説明していることが認められ、掛金を控除できる旨の指示をした事実は認められないところ、申告納税制度の下における申告納税は、納税者が自己の判断と責任において行うものであり、また、担当職員が不適切な指導をした事実は認められず他に請求人の主張を裏付ける証拠もないことから、所法第30条第2項の規定に従って退職所得の金額を計算した原処分は、職権濫用に当たるものではない。(平 9. 7. 4東裁(所)平 9-10)、(平 9. 7. 4東裁(所)平 9-11)
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