裁決要旨 15隠ぺい、仮装の意図
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070039
- 裁決年月日
- 令和7年10月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、複数の関係法人(本件各関係法人)に業務を委託したとする取引(本件各業務委託取引)は経済的実体のある取引であり、また、本件各業務委託取引に携わったとする従業員(本件各従業員)は本件各関係法人によって雇用されていることから、請求人に、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実はない旨主張する。しかしながら、本件各従業員は請求人によって雇用されていると認めるのが相当であるところ、請求人は、本件各業務委託取引が実在しない架空の取引であることを認識しながら、これがあたかも存在するかのように本件各業務委託取引に係る契約書等を作成し、本件各関係法人に対して本件各業務委託取引の対価を支払ったかのように装うなどしたのであるから、故意に事実をわい曲したものと認められ、請求人に「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったと認めるのが相当である。(令7.10.14 東裁(法・諸)令7-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070025
- 裁決年月日
- 令和7年9月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が営んでいた飲食店であるA店舗及びB店舗(本件各店舗)の売上げや給付金(本件各協力金等)の受取について、請求人の代表社員(本件代表者)が租税負担を回避するため本件各店舗の売上げに関する資料を一部を除き廃棄した旨申述したこと、本件各店舗の売上げに関する一部の資料しか提示しなかったことなどから、国税通則法第68条《重加算税》第1項又は第2項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があった旨主張する。しかしながら、本件代表者の申述は当初から租税負担を回避する趣旨であったとまでは評価できないこと、また、本件代表者は原処分に係る調査を受けるまでA店舗の収入等が請求人に帰属すると認識していたとは認められないこと、さらに、請求人はB店舗の売上げが記載された売上ノートを所持しており、期限後申告におけるB店舗に係る収入等は、本件代表者が原処分庁の調査担当職員に対して提出した当該売上ノートを基に算出されていること、加えて、請求人は本件代表者の預金口座を確認すれば実際に受領した本件各協力金等の金額を把握できることなどからすると、請求人に本件各店舗の収入等について請求人の所得から隠蔽し、又は仮装したと評価されるような事実があったとは認められず、また、請求人に当初から申告しない意図があったとも認めることはできない。(令7. 9.17 東裁(法)令7-25)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令070003
- 裁決年月日
- 令和7年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仕入金額の過大計上は、事業専従者である配偶者が、請求人の顧問税理士法人の担当者から12月までに発行した請求書があれば未払であっても経費計上できると聞いたため、取引先に翌年1年間に注文するワクチンの仕入金額を見積もって、当該仕入れに係る請求書を12月中に発行を依頼し、その請求書を顧問税理士法人に提出したことに起因しており、配偶者が、仕入金額を過大に計上することを意図して、取引先に架空の請求書の作成を依頼したものではなく、請求人に国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実はなかった旨主張する。しかしながら、重加算税を課し得るためには、納税者において過少申告を行うことの認識を有していることまでを必要とするものではないところ、請求人と同視できる配偶者が、取引先に事実と異なる内容を伝え、取引先以外の他の取引先からも取引事実のない見積請求書を入手しようとしていたのであるだから、故意、つまり仕入れがないことを認識した上で請求書を依頼し、それを受領していたものと認められる。そして、顧問税理士法人に提出した請求書(本件請求書)は、取引先から受領した請求書から「納品がされていない」という事実を示す文言が削除されたものとなっており、配偶者は、本件請求書の提出を受けた顧問税理士法人の担当者から複数回された質問に対して、取引先からの請求内容には問題がない、又は、二重計上ではないとの回答をしており、本件請求書に係るワクチンの仕入れの事実がないことについては回答していないのであるから、本件請求書は、ワクチンの仕入れを多く計上するために故意に作成されたものと認めるのが相当である。したがって、請求人には、国税通則法第68条第1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったものと認められる。(令7. 9. 2 福裁(所・諸)令7-3)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令070001
- 裁決年月日
- 令和7年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、監査役(本件監査役)に対する役員給与として役員報酬勘定に計上した額(本件役員給与計上額)を本件監査役名義口座(本件口座)に入金して支給しており、請求人に事実を隠蔽し、又は仮装したと評価すべき行為はなかった旨主張する。しかしながら、本件口座は、金融機関により本件監査役の親である代表者(本件代表者)の借名口座と判断され、本件監査役に帰属していないことなどから、本件口座に入金されたことをもって本件監査役に支給したとは認められず、本件監査役に対して支給した役員給与は、本件監査役の労働日数等に単価を乗じて計算し作成した給与支払明細書に記載された金額(本件明細書支給額)であるにもかかわらず、請求人は、本件役員給与計上額の全額を本件監査役に支給したかのように故意に事実をわい曲し、あたかも、それが真実であるかのように装って本件役員給与計上額を計上し、本件口座を利用して、本件代表者に本件役員給与計上額のうち本件明細書支給額を除いた金額の役員給与を支給しており、請求人はこれに基づき各事業年度の法人税の確定申告書及び各課税事業年度の地方法人税の確定申告書を作成し、源泉所得税等の一部を法定納期限までに納付しなかったことが認められるところ、これらの行為は、国税通則法第68条《重加算税》第1項及び第3項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する。(令7. 7. 1 仙裁(法・諸)令7-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060244
- 裁決年月日
- 令和7年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①現金で回収した売上げの一部が総勘定元帳に記録されていなかったことは、税務代理人(本件税理士)との相互の確認・コミュニケーション不足により生じたものであり、また、②他者が経営する店舗に対する立替金が総勘定元帳に請求人の経費として記録されていたが、本件税理士に対して請求人の経費科目に計上するよう指示した事実もないから、いずれも「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実はない旨主張する。しかしながら、請求人は、いずれも本件税理士の総勘定元帳への記録方法を利用して、本件税理士に対し、当該売上げの一部を記録させなかった又は当該立替金を請求人の経費として記録させていたのであるから、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったと認められる。(令7. 6.13 東裁(法・諸)令6-244)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060174
- 裁決年月日
- 令和7年4月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人名義の証券口座から出金した現金(本件金員)の大部分を請求人名義の各口座に入金したのは、被相続人から立替金等の返済を受けたものと認識していたからであって、隠蔽又は仮装の事実はなかったことから、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実はない旨主張する。しかしながら、請求人は、相続税の負担を軽減させること及び他の共同相続人に本件金員の存在を秘匿することを意図して、被相続人名義の証券口座から継続的かつ多数回にわたって、現金自動預払機から現金出金し、一旦貸金庫に保管した上で、請求人名義の各口座に入金しており、これらの請求人の行った一連の資金移動は、被相続人に帰属する財産の把握を困難にするものと認められる。さらに、請求人は税務調査の当初、請求人名義の各口座に入金した現金の原資について、事実とは異なる申述をしていることからすれば、請求人が当初から本件金員の存在を隠す意図を有し、そのような行動をとっていたことを強く推認させるものであるところ、当審判所の調査及び審理の結果によっても、上記推認を妨げる証拠はない。以上によれば、請求人は、当初から過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたと認められるから、国税通則法第68条第1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったと認められる。(令7. 4.14 東裁(諸)令6-174)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令060048
- 裁決年月日
- 令和7年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分に係る各事業年度等(本件対象期間)において、無申告となったことにつき、国税通則法(通則法)第68条《重加算税》第2項に規定する隠ぺい又は仮装した事実はない旨主張する。しかしながら、請求人は、①本件対象期間の前年である設立1期目から請求人の売上げを過少に装って申告し、②それ以降も毎年多額の収益及び利益が生じ、申告が必要であることを認識していたにもかかわらず、本件対象期間の7年間にわたって申告していなかった。また、請求人は、③請求人の売上げの大半を請求人と異なる名義の預金口座で回収することで請求人の売上げを第三者から把握されることを困難にしており、④請求人は、税理士法人に対し、請求人の事業を請求人の代表者個人の事業であると虚偽の説明を行うことにより、請求人の所得を第三者から把握されることを回避しようとしていた。これらのことからすれば、請求人は、当初から所得を申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたといえるから、請求人に、通則法第68条第2項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったと認められる。(令7. 3.27 大裁(法・諸)令6-48)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令060009
- 裁決年月日
- 令和7年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の申告が過少申告となったのは、車の整備に関する技術料(本件技術料)の売上金額のみを申告すればよいと誤信していたからであり、過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動を行った事実はないことから、請求人に国税通則法第68条《重加算税》第1項又は第2項に規定する隠蔽し、又は仮装に該当する事実はない旨主張する。しかしながら、請求人が申告書に記載した売上金額は、請求人が管理していた正しい本件技術料の売上金額と乖離しており、本件技術料の売上金額について正しい申告をしていなかったと認められることからすると、請求人は当初から所得金額及び課税標準を過少に申告する意図を有し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたと認められる。したがって、請求人に同条第1項又は第2項に規定する隠蔽し、又は仮装に該当する事実があったと認められる。(令7. 3.26 仙裁(所・諸)令6-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060121
- 裁決年月日
- 令和7年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、税理士と業務委託契約を締結しており、申告する意思があったことは明らかであり、新型コロナウイルス感染症の影響により書類整理が遅れ無申告となったものの、意図的に申告をしなかったわけではない旨、請求人は売上げに係る日計表を作成するなどして売上げや自治体からの感染拡大防止のための協力金(本件時短協力金)等の入金を管理していたから、請求人にこれらを隠蔽した事実はない旨主張する。しかしながら、税理士と業務委託契約を締結したことのみをもって、請求人に申告する意思があったと認められるものではなく、代表者がそもそも確定申告を行う意思を有していなかったと認められること、請求人は、あえて請求人の売上金額が明らかになるような書類を作成しようとしなかったものと認められること、請求人が作成した売上げに係る日計表は信ぴょう性に欠け、本件時短協力金等の申請の際に提出すること等を目的として作成したと認められること、本件時短協力金の振込口座をあえて同時期に作成した申告書において請求人の口座として扱っていなかった代表者の個人口座としていること及び過去に適正申告に関する指導を受け、代表者もその旨申し出たにもかかわらず、調査が行われるまで申告を行わなかったことは、単なる不申告行為にとどまるものではなく、請求人は、確定的な意思に基づきあえて無申告を貫いていたものと評価せざるを得ないものであることを考慮すると、当初から申告しないことを意図しその意図を外部からもうかがい得る特段の行動があったと認められ、国税通則法第68条《重加算税》第2項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったと認められる。(令7. 2.17 東裁(法・諸)令6-121)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060026
- 裁決年月日
- 令和6年9月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、広告記事の掲載(本件業務)において、事実と異なる証ひょう書類が作成されたのは、本件業務を担当した従業員(本件従業員)が経理処理を熟知しておらず、誤った理解をしていたことから、本件業務が実質的に完了したと誤認していたことによるものであり、故意に事実をわい曲する意思はなかった旨主張する。しかしながら、本件従業員は、事業年度の末日において、本件業務に要する画像の撮影が翌月以降も行われる旨の連絡を受けており、本件業務が完了していなかったことを認識していたものと認められるところ、本件業務に係る納品があったとする検査通知書を作成し、同日を納品日とする納品書の作成を取引先へ依頼したのであるから、故意に事実をわい曲したものと認められ、本件従業員による当該行為は、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する事実の仮装に該当する。(令6. 9. 6 東裁(法・諸)令6-26)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令050006
- 裁決年月日
- 令和6年6月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先から請求人の代表者(本件代表者)名義の普通預金口座(本件代表者口座)に振り込まれた各金員(本件各金員)について、請求人の帳簿書類に記載されなかったことは、本件代表者及び経理担当である本件代表者の妻の認識不足や両者間の連絡不足のほか、当該取引先の経理ミスなどが原因であって、請求人の故意によるものではない旨主張する。しかしながら、本件代表者は、本件各金員について、請求人の資産として計上すべきものであることを認識していた上、本件代表者口座に入金されていた事実を了知していたにもかかわらず、請求人の売上高計上の基礎資料である当該取引先宛の請求書を経理担当である本件代表者の妻に渡さなかったなど、請求人は、こうした本件代表者の意図的な行為により、本件各金員を総勘定元帳の売上高に計上しなかったと認められる。したがって、請求人に、国税通則法第68条《重加算税》第1項及び第3項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったと認められる。(令6. 6.17 金裁(法・諸)令5-6)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令050009
- 裁決年月日
- 令和6年5月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の確定申告が過少申告となったのは、税務に精通していないため技術料のみを申告すればよいと誤信していたからであり、意図的に売上金額を過少に計上したものではないことから、請求人に国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実はない旨主張する。しかしながら、請求人は、自ら使用する業務管理ソフト(本件ソフト)により年間の売上金額が集計できていたにもかかわらず、あえて売上金額を集計し直し、その集計し直した金額が本件ソフトにおける各月の技術料のみを集計した金額とも全ての月で異なっているのであるから、単なる誤信による集計違算ということはできず、請求人が意図的に売上金額を過少に集計しており、また、請求人は売上金額のみならず仕入金額等も過少に集計し直していることは、売上金額を過少に集計し直したことが露見しないように調整したものと認められる。この意図的に過少に集計し直した売上金額及び仕入金額等を決算書に記載した上で、当該決算書を原処分庁が開設していた申告書作成会場に持参し、当該会場に従事していた職員に提示するなどして所得税等及び消費税等の確定申告書を作成、提出していた行為を少なくとも7年という長期にわたって続けていたことが認められる。したがって、請求人は、当初から所得金額及び課税標準を過少に申告することを意図し、その意図を外部からも伺い得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたと認められるから、重加算税の賦課要件は満たされる。(令6. 5.15 仙裁(所・諸)令5-9)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040007
- 裁決年月日
- 令和5年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡契約書に記載の譲渡対価(本件譲渡対価)及び太陽光発電設備(本件設備)の建設工事の各下請業者からの各支払(本件対価1及び本件対価2)について、係争事業年度より後の事業年度において益金の額等に算入されるべきものであるとともに、請求人は、譲渡契約に係る引渡しや役務の提供及び当該各下請業者に対する役務の提供が係争事業年度に完了したとの認識はなかったから、請求人に、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「隠ぺいし、又は仮装し」に該当する事実はなかった旨主張する。しかしながら、請求人は、本件設備に係る権利等(本件権利等)の引渡しを完了した後は、相手方に対して引き渡すべき物や提供すべき役務がないことを十分認識し、もって、請求人は、本件譲渡対価について、益金の額に算入すべき事業年度が係争事業年度となることを十分認識していたと認められる。また、請求人は、本件対価1及び本件対価2に係る請求人の当該各下請業者に対する役務が、当該各下請業者が当該建設工事の元請業者から本件設備の資材納入等又は建設工事等の各業務をそれぞれ受注できるよう紹介又は仲介するというものであることを認識するとともに、当該役務の提供が、それぞれ、当該各業務を受注した日までに完了していたことを認識し、本件対価1及び本件対価2について、益金の額に算入すべき事業年度が係争事業年度となることを認識していたと認められる。にもかかわらず、請求人は、本件譲渡対価、本件対価1及び本件対価2のうち、係争事業年度に支払われた金額を長期前受金勘定に計上し、残りの金額については、係争事業年度の総勘定元帳に何も記載しなかったのであるから、あたかも本件譲渡対価、本件対価1及び本件対価2が係争事業年度の益金の額等に含まれないものであるかのように装ったものと認められるとともに、当該残りの金額については故意に脱漏したものとも認められる。したがって、請求人に「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったといえる。(令5. 1.23 名裁(法・諸)令4-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040063
- 裁決年月日
- 令和4年12月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№129
要旨
○ 請求人は、クレジットカード決済に係る売上げ(本件カード売上げ)及び請求人が仕入先との間で締結した専売契約の対価として受領した手数料(本件専売料)を総勘定元帳に収益として記録していなかったことについて、請求人が本件カード売上げ及び本件専売料を意図的に脱漏したものではないので、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実はない旨主張する。しかしながら、記帳代行会社との連絡は専ら請求人の代表者が担当していたところ、記帳代行会社の従業員は、代表者から本件カード売上げ及び本件専売料が請求人の収益として計上すべきものであると知らされず、これらに関する資料も受領していなかったのであり、代表者が自らの判断により本件カード売上げ及び本件専売料を請求人の収益に計上しなかったと認められる。したがって、代表者が記帳代行会社の従業員を介して、本件カード売上げ及び本件専売料に係る収益を故意に請求人の総勘定元帳に記載しなかったと認められるから、請求人は同項に規定する「隠蔽」に該当する行為をしたものと認められる。(令4.12.21 東裁(法・諸)令4-63)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令040002
- 裁決年月日
- 令和4年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、実地の棚卸金額と帳簿上の棚卸金額との差額(本件差額)の一部を雑益に計上せずに買掛金に計上した処理(本件会計処理)について、脱税的な意図をもって行った行為ではないから、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当しない旨主張する。しかしながら、重加算税を課しうるためには、納税者が故意に課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装をし、その隠蔽、仮装行為を原因として過少申告の結果が発生したものであれば足り、それ以上に、申告に際し、納税者において過少申告を行うことの認識を有していることまでを必要とするものではないところ、請求人の経理担当者は、前任者から引継ぎを受け、経理担当者の判断で本件差額を雑益と買掛金とに分け、実体のない買掛金を多額の買掛金残高に含めて目立たせないようにするなど、故意に事実と異なる会計処理を行っており、請求人の行為は同項にいう「隠蔽し、又は仮装し」に該当するものと認められる。(令4.11. 1 札裁(法)令4-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040034
- 裁決年月日
- 令和4年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一旦売上高に計上した収入について、その事業年度(本件事業年度)の決算時に経理システムから削除して翌事業年度の売上高に計上したのは、異常事態が生じたことにより当該収入は本件事業年度の収益とすべきでないと判断したからであり、利益調整のために意図的に帳簿データを改ざんしたものではないから、当該経理処理は国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する隠蔽又は仮装の行為に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人は、明確な利益調整の目的をもって、当該収入を翌事業年度へ繰り延べるために、本件事業年度の売上高から除外し、虚偽の記載をした帳簿書類に基づき納税申告書を作成したものと認められることから、請求人の行為は、同項に規定する課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽又は仮装したことに該当する。(令4.10.21 東裁(法・諸)令4-34)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030039
- 裁決年月日
- 令和4年3月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が事業年度末に購入した事務所家具に係る取得価額及び減価償却費を当該事業年度の損金の額に算入したことについて、請求人は、当初から過少に申告することを意図していたものであり、請求人が顧問税理士に当該事務所家具に係る納品書等を渡さず、当該事務所家具の納品日等の具体的内容も伝えなかったことは、請求人が当初から過少に申告する意図を有していたことをうかがい得る特段の行動に当たるとして、国税通則法第68条《重加算税》第1項の重加算税の賦課要件を満たす旨主張する。しかしながら、請求人の過少申告行為に係る所得金額やこれにより納付すべき税額の差額、過少申告行為の内容性質その他当該事業年度の前後の事業年度における請求人の所得の状況等からすれば、請求人に過少申告を行うべき積極的な動機は見いだしがたく、請求人が当初から過少申告を行う意図を有していたとは認められない。また、請求人は、経理等に関する知識は乏しく、顧問税理士から単に依頼や確認をされなかったため納品書等を当該顧問税理士に渡さなかったにすぎないと認められ、これをもって過少申告を意図した行動であるとはいえない。したがって、請求人に国税通則法第68条第1項に規定する隠蔽又は仮装の行為があったということはできない。(令4. 3.17 大裁(法)令3-39)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令030004
- 裁決年月日
- 令和4年3月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、保育所の改修工事に関し、工事業者と通謀して請負金額を水増しした工事請負契約書等(本件各契約書等)を作成又は取得したのは、保育事業の助成金をより多く受給するためであり、過少申告を行う意図はなかったとして、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する仮装行為は存在しない旨主張する。しかしながら、重加算税を課し得るためには、納税者が故意に課税標準等の計算の基礎となる事実を仮装し、その仮装行為を原因として過少申告の結果が発生したものであれば足り、納税者において過少申告を行うことの認識を有していることまでを必要とするものではないところ、請求人は、請負金額を水増しした本件各契約書等を作成することにより、存在しない課税要件事実が存在するように見せかけたものであるから、課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実を仮装したものであり、仮装行為が存在したといえる。(令4. 3. 8 札裁(法)令3-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030017
- 裁決年月日
- 令和3年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の国外関連者に該当する外国法人(国外関連者)に対する送金額のうち、寄附金に該当するとされた金額(本件寄附金)を国外関連者からの製品輸入(本件輸入仕入れ)に係る仕入金額として損金の額に算入していたことについて、国外関連者に対する送金額の全額が輸入のために必要な金額であり、これを製品の仕入代金であると認識していたのであって、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する事実の隠蔽又は仮装はない旨主張する。しかしながら、本件輸入仕入れに係る輸入許可通知書に記載のインボイス(仕入書)価格が製品の仕入代金の金額であり、請求人も、かかるインボイス価格が仕入代金の金額であり、同価格に含まれない本件寄付金の金額が仕入代金に当たらないことを認識していたと認められるから、請求人が、本件寄附金の金額を仕入高等として総勘定元帳に計上し、製品の仕入代金であるかのように装ったことは、事実の仮装と認められる。(令3.11.19 大裁(法)令3-17)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020015
- 裁決年月日
- 令和3年2月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、在留期間が経過していた外国人労働者(本件外国人)へ支払った給与の額(本件各金額)を外注加工費勘定に計上したのは、本件外国人の帰国旅費等を経済的に支援するため、1年間に限り雇用継続と同様の待遇としたが、本件外国人の名前を公にできないことから社内外注としたものであり、また、本件金額の支払が雇用契約に基づく給与等の支払であるとの認識はなかったのだから、本件金額の支払につき、請求人に国税通則法(通則法)第68条《重加算税》第1項及び第3項に規定する「仮装」に該当する事実はなかった旨主張する。しかしながら、①通則法第68条第1項による重加算税を課し得るためには、納税者が故意に課税標準等又は税額等の基礎となる事実について、これを隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、仮装したところに基づき過少申告の結果が発生したものであれば足り、また、②通則法第68条第3項による重加算税を課し得るためには、納税者が故意に事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、仮装したところに基づきその国税を法定納期限までに納付しなかったという結果が発生したものであれば足り、上記①及び②は、それ以上に、納税者において過少申告を行うことの認識又は源泉所得税等を免れることの認識を有していることまでを必要とするものではなく、そして、ここでいう事実の仮装とは、納税者がその意思に基づて特定の所得、財産あるいは取引上の名義を装うなどして事実をわい曲することをいうものと解するのが相当であるところ、請求人は、在留期間が経過した本件外国人の存在を秘匿しようとして、「その意思に基づいて」会計日記帳に本件各金額を外注加工費として記載するなどしたというべきであり、そうすると、請求人に通則法68条第1項及び第3項に規定する「仮装」に該当する事実があったと認められる。(令3. 2.10 関裁(諸)令2-15)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令020004
- 裁決年月日
- 令和2年9月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、総勘定元帳の写しの完成工事高に記載のない完成工事(本件工事)に係る収益(本件収益)は、請求人の代表者(本件代表者)個人のものであるから、本件代表者個人に帰属するのであって、隠蔽又は仮装の事実はない旨主張する。しかしながら、本件収益は請求人に帰属するところ、請求人は、本件収益が請求人に帰属することを認識した上で、請求人の会計ソフトに本件収益に係る取引のデータを入力することなく、請求人の税務代理人であった税理士に当該データを手交し、本件収益に係る請求書及び領収書を提示することなく確定申告書を作成させ提出したと認められ、そうすると、本件収益を計上しなかったことは、請求人に、国税通則法(平成29年法律第15号による改正前のもの)第68条《重加算税》に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったというべきである。 (令2.9.14高裁(法・諸)令2-4)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令010015
- 裁決年月日
- 令和2年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、酒類に係る専売料(本件専売料)の額が益金の額に算入されなかったのは、会計システムへの入力を失念したものであり単なる経理ミスにすぎないのであるから、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「仮装し、又は隠蔽し」に該当する事実はなかった旨主張する。しかしながら、請求人は、本件専売料は請求人に帰属する収益であることを認識していたにもかかわらず、あえて請求人以外の個人名義の口座を本件専売料の振込口座に指定するとともに、本件専売料を会計システムに入力しなかったと認められるから、このことは、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「隠蔽し」に該当する。(令2.6.24高裁(法・諸)令元-15)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令010006
- 裁決年月日
- 令和2年5月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.119
要旨
○原処分庁は、請求人が取引先の法人(本件法人)から軽種馬(本件軽種馬)を購入する取引(本件各取引)に係る売買契約は、通謀虚偽表示により無効であり、請求人は、本件各取引が実体を伴うかのように装って、請求人が、本件法人が農業協同組合から落札し購入した金額と、本件各取引に係る売買金額の差額分に相当する金額(本件各差額)を課税仕入れに係る支払対価の額に該当するとして仕入税額控除をしていたことは、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する隠蔽又は仮装の行為に該当する旨主張する。しかしながら、本件各取引に係る売買契約については、契約内容のとおり履行されており、また、請求人と本件法人との間に通謀虚偽表示を行う十分な動機があったとまでいえない上、これを基礎付ける証拠もないから、通謀虚偽表示により無効であるとは認められず、本件各差額は、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するから、請求人に隠蔽又は仮装の行為に該当する事実があるか否かを判断するまでもない。(令2.5.19札裁(諸)令元-6)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令010012
- 裁決年月日
- 令和2年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、翌事業年度に支給した決算時賞与(本件賞与)を当事業年度の損金の額に算入したのは、発生基準を適用してその支払が確実となった時に経費に計上し、その支給原資となる現金を資産から減少させるという考え方に基づいて行ったものであるから、請求人には国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実はなかった旨主張する。しかしながら、請求人は、本件賞与を翌事業年度に使用人らの各預金口座に入金することを認識した上で、組合員に対して決算説明の便宜を図ることを目的として、当事業年度に現金で支給した旨の架空の会計処理を行い、これを奇貨として、本件賞与の額を当事業年度の損金の額に算入していたことが認められる。したがって、請求人は、故意に、本件賞与の支給日及び支給方法に係る事実をわい曲したことが認められるから、請求人には、同項に規定する「仮装し」に該当する事実があったと認めるのが相当である。(令2. 3. 4 高裁(法)令元-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010036
- 裁決年月日
- 令和2年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当初申告において被相続人が保管していた現金(本件現金)を相続財産としていなかったことについて、①実際に確認できたのは本件現金の一部だけであること、②本件現金を申告しない意向を示した他の相続人らに反対の意思を表明し、関与税理士に対しても他に相続財産があるかもしれないと伝えていたことなどから、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する重加算税の賦課要件を満たしていない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件現金が被相続人の相続財産であると認識していたと認められ、結果的には他の相続人らに加担して本件現金が記載されていない遺産分割協議書を作成し、それを添付した相続税の申告書を提出したのであるから、請求人の行為については、当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上で、その意図に基づく過少申告をしたものと評価するのが相当であり、重加算税の賦課要件を満たしていると認められる。(令2. 2.19 関裁(諸)令元-36)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令010011
- 裁決年月日
- 令和2年2月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№118
要旨
○ 原処分庁は、請求人が請求書があるにもかかわらず廃棄したと虚偽答弁をしたことは、確定的な意思に基づいて、無申告を貫いたものと認められ、そのことは、申告しないことによって税を免れることを意図した外部からもうかがい得る特段の行動に該当するから、重加算税の賦課要件を充足する旨主張する。しかしながら、請求人は、無申告であった期間において、複数名の税理士に税務代理の依頼を試みており、申告をしようとしていたことがうかがえ、また、請求人は、原処分庁に対し、請求書は全て捨てたと一度は申述したものの、その申述をした日の翌日以降、順次、原処分庁に請求書等を提示した上で、期限後申告をしていたことからすると、当該申述を直ちに請求人が虚偽答弁を行ったとまで評価することはできず、まして、調査を困難ならしめたと評価することもできず、重加算税の賦課要件を充足する事実があったと認めることはできない。(令2. 2.13 高裁(法)令元-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010025
- 裁決年月日
- 令和2年1月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の減価償却資産である車両(本件車両)の売却代金(本件売却代金)が益金の額に算入されていなかったのは、請求人の代表者(本件代表者)に本件車両及び本件売却代金が請求人に帰属するとの認識がなかったからであり、国税通則法(平成29年1月1日前に法定申告期限が到来した国税については、平成28年法律第15号による改正前のもの)第68条《重加算税》第1項に規定する事実の隠蔽には該当しない旨主張する。しかしながら、当審判所が認定した事実関係によれば、本件代表者は、本件車両及び本件売却代金が請求人に帰属すると認識していたものと認められ、このような認識の下で、本件売却代金を帳簿に記載しなかったのであり、その意思に基づいて本件売却代金を脱漏したものといえるから、同項に規定する事実の隠蔽があったと認められる。(令2. 1. 9 関裁(法)令元-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010009
- 裁決年月日
- 令和元年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人(本件被相続人)の長男である請求人(請求人長男)が同人名義の預貯金(本件預貯金)を本件被相続人の相続財産としていなかったことについて、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する重加算税の賦課要件を満たしていない旨主張する。しかしながら、請求人長男は、本件預貯金が本件被相続人の相続財産であることを認識していたにもかかわらず、それを他の相続人らに告げず、本件預貯金の記載がない遺産分割協議書を自ら作成した上、相続税の申告書の作成を依頼した税理士にも虚偽の回答をし、当該認識に反する申告書を作成させるなどしたことが認められるから、請求人長男は当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき過少申告をしたものと評価するのが相当であり、同項に規定する重加算税の賦課要件を満たしている。(令元. 9.10 関裁(諸)令元-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010009
- 裁決年月日
- 令和元年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人(本件被相続人)の妻である請求人(請求人妻)が他の請求人ら名義の預貯金(本件預貯金)を本件被相続人の相続財産としていなかったことについて、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する重加算税の賦課要件を満たしていない旨主張する。しかしながら、請求人妻は、本件預貯金が本件被相続人の相続財産であることを認識していたにもかかわらず、それを他の相続人らに告げず、本件預貯金の記載がない遺産分割協議書を作成させてそれに署名押印した上、相続税の申告書の作成を依頼した税理士にも虚偽の回答をし、当該認識に反する申告書を作成させるなどしたことが認められるから、請求人妻は当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき過少申告をしたものと評価するのが相当であり、同項に規定する重加算税の賦課要件を満たしている。(令元. 9.10 関裁(諸)令元-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300074
- 裁決年月日
- 平成30年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、被相続人が亡くなる直前に被相続人名義の口座から引き出した現金(本件金員)について、見知らぬ男性(本件男性)から被相続人の病気に効くとされる物品(本件物品)を購入するために費消してしまい、相続開始時点において本件金員は存在しなかったとして、相続税の課税財産に含めずに申告したことに対して、原処分庁が、請求人は相続税の課税財産をことさら過少に申告したとして、相続税法第19条の2《配偶者に対する相続税額の軽減》第5項及び国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する隠蔽仮装行為があったと認定したことについて、請求人は、当該認定は誤りである旨主張する。しかしながら、請求人は本件金員を本件物品の購入代金として費消していないにもかかわらず、本件金員を除外した内容虚偽の遺産分割協議書を作成するとともに、関与税理士に対して虚偽の説明をして本件金員を除外した相続税の申告書をさせており、請求人が当初から本件金員を相続税の課税財産とすることなく、過少に申告することを意図していたことは明らかである。また、請求人は調査時においても調査担当職員に対し虚偽の申述をし、真実の課税財産を隠蔽する態度をできる限り貫こうとしたことなどが認められる。これらの請求人の一連の行為は、当初から財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行為をした上、その意図に基づき、過少申告をしたと認められることから、請求人について、国税通則法第68条第1項に規定する「隠ぺいし、又は仮装し」た行為が認められ、相続税法第19条の2第5項に規定する「隠蔽仮装行為」にも該当すると認められる。(平30.12.11 東裁(諸)平30-74)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290059
- 裁決年月日
- 平成30年6月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の元役員(本件元役員)が、請求人が所有する土地の売却(本件取引)に際し、真の売主が請求人であるにもかかわらず売主を請求人及び本件元役員が代表者を務める法人(本件法人)とする売買契約書を作成し、譲渡代金の一部を本件法人名義の口座に入金させた行為(本件行為)について、本件法人の行為であって、譲渡代金の一部は本件法人の所得であると考えていたことから請求人の所得として申告しなかったのは当然であり、請求人には国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為はない旨主張する。しかしながら、本件元役員は、当該譲渡代金の額を少なく偽った契約書の写しの外形を有する書面を作成して請求人に備え付けた上で本件行為を行っており、これらの行為は隠ぺい又は仮装の行為に該当するものと認められる。そして、本件元役員は、本件取引をした当時、請求人において代表者に次ぐ地位と権限を与えられた上で、その地位及び権限に基づき本件取引を行っていたと認められる。そうすると、本件元役員による本件行為は請求人の行為と同視し得るものというべきであり、請求人の隠ぺい又は仮装の行為に当たる。(平30. 6. 5 関裁(法・諸)平29-59)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290078
- 裁決年月日
- 平成30年5月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 原処分庁は、請求人がいわゆる兄弟会社(本件分割法人)の債務を引受け、当該債務引受けによる債権を放棄して貸倒損失として損金の額に算入したことについて、請求人における課税負担を軽減する目的で、本件分割法人の解散、請求人による債務引受けや債権放棄、本件分割法人の特別清算などの一連の行為(本件分割法人整理)を検討したことなどからすると、請求人は当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上で、その意図に基づいて法人税の確定申告(本件確定申告)をしたから、本件確定申告は事実を隠ぺい又は仮装したところに基づくものである旨主張する。しかしながら、法人税基本通達9−4−1《子会社等を整理する場合の損失負担等》によれば、兄弟会社の債務引受け等であっても、そのことについて相当の理由があると認められる場合には、その債務引受け等により供与する経済的利益の額は、寄附金の額に該当しないことから、支援者が課税負担を軽減する目的で当該債務引受け等を行ったことのみをもって、直ちに当該債務引受け等により供与する経済的利益の額が、寄附金となるものではないというべきであり、原処分庁が主張する本件分割法人整理に係る上記各事実をもって、直ちに請求人が計上した貸倒損失について寄附金の額に該当することを認識していたとは認められず、その他、請求人にそのような認識があったことを認めるに足りる証拠はないから、本件確定申告は、事実を隠ぺい又は仮装したところに基づくものであるとは認められない。(平30. 5.31 大裁(法)平29-78)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290124
- 裁決年月日
- 平成30年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、工事代金(本件工事代金)のうち、現金で受領した金額を売上金額に含めていなかったことについて、単に会計ソフトへの入力を失念していただけであって、故意に帳簿に記載しなかったものではないことから、事実の隠ぺい行為はない旨主張する。しかしながら、請求人の代表者が請求書の控えに手書きで入金額を記載していることや、銀行振込された一部の本件工事代金の経理処理が通常の経理処理と異なること、さらに、本件工事代金の総額が請求人の売上規模からして多額であること並びに本件工事代金に係る請求書の発行から現金の受領及び銀行振込までの期間が短期間で行われていることからすれば、単なる失念や誤りによるものではなく、請求人は、本件工事代金の総額を認識していたにもかかわらず、あえて銀行振込された金額のみを売上金額に含めたものであり,このことは、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する事実の隠ぺい又は仮装の行為に該当する。(平30. 5.17 東裁(諸)平29-124)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平290016
- 裁決年月日
- 平成30年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、金地金等(本件金地金等)は相続財産ではないと考えていたのであるから隠ぺいはないなどと主張する。しかしながら、金地金等はその帰属を明らかにすることが困難な財産であって秘匿性が高いという特性があるところ、共同相続人(請求人である長女、配偶者及び長男)は、かかる金地金等の特性を奇貨として、本件金地金等が本件相続に係る相続財産であると認識しながら、互いに示し合わせて、本件金地金等をあえて遺産分割協議書に明示的に記載せず、また、本件金地金等の存在を担当税理士に告げずに当該協議書に基づいた相続税の申告書を作成させて、これを原処分庁に提出したと認められる。その後の原処分庁の調査では当初、共同相続人は、いずれも被相続人から本件金地金等の贈与を受けたなどとは申述せず、また、本件金地金等を提示しなかったが、長男が原処分調査担当者に本件金地金等の一部を提示してからは、共同相続人はいずれも本件金地金等は被相続人から生前に贈与されたものであるなどと主張して、本件金地金等が相続財産であることを隠ぺいしようとする態度を貫こうとした。このような共同相続人の行為に照らせば、当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告を行ったものと認められる。したがって、本件金地金等を申告しなかった請求人の行為は、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する重加算税の賦課要件を満たす。(平30. 2.28 名裁(諸)平29-16)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平290005
- 裁決年月日
- 平成30年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が行う商品のインターネット販売に係る事業(本件事業)において、請求人名義のほか親族名義等を使用したことは、サイト運営会社の担当者からのアドバイスや契約名義を分散してリスクヘッジを図るなどの理由があり、税を免れることを意図して親族名義等を使用したものではないから、国税通則法第68条《重加算税》同条第1項ないし第3項に規定する事実の隠ぺい又は仮装行為には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人は、取引実態とは異なる複数の書類を作成し、本件事業において他人名義を利用して取引を行っていたほか、原処分庁に対し虚偽の回答や、事業実態と異なる内容の領収証を受領、作成するなどし、当該事業実態を隠匿していたと認められ、請求人の当該行為は、同条第2項及び第3項に規定する事実の隠ぺい又は仮装行為に該当する。(平30. 2. 6 札裁(所・諸)平29-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290010
- 裁決年月日
- 平成29年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、特定の財産(本件財産)を申告していないという行為を積極的かつ具体的な工作を含意する隠ぺい行為と評価すべきではなく、請求人らは外形的な隠ぺい工作の痕跡が存在するような隠ぺい行為は一切していない上、請求人らの間で本件財産について申告しないことを共謀したこともないから、国税通則法(通則法)第68条《重加算税》の賦課要件である隠ぺいの事実はない旨主張する。しかしながら、重加算税制度の趣旨に鑑みれば、架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在したことまで必要であると解するのは相当でなく、納税者が、当初から財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の賦課要件が満たされるものと解すべきであるところ、本件において請求人らは、本件財産を過少に申告することを意図し、相続税の申告書を作成させた請求人らの代理人税理士に対して、虚偽資料の提出や再三にわたる虚偽答弁を行うなどの過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上で、その意図に基づく過少申告をしている。したがって、請求人らのこれら一連の行為は、通則法第68条に規定する「隠ぺい」に当たるものと認められる。(平29. 8. 2 東裁(諸)平29-10)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平280003
- 裁決年月日
- 平成29年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、重加算税の対象となった現金売上げ(本件売上)等を計上しなかったのは、会計知識が乏しかったこと等が原因であり、所得を過少に申告するという確定的な意図はなく、その意図を外部からうかがい得る特段の行動もないから、国税通則法第68条《重加算税》第1項及び第2項に規定する「隠ぺいし、又は仮装し」た事実はない旨主張する。しかしながら、請求人は、当初、関与税理士に対し、売上げについては全て振込決済であり現金売上げはない旨説明していたものの、請求人が保存していたメモの指摘を受け、関与税理士に対して現金売上げの一部を認めるに至ったこと、その後における関与税理士からの再三にわたる質問に対し、本件売上がない旨の事実に反する虚偽説明を繰り返していたことからすれば、本件売上の存在をできる限り隠し通そうという確定的な意図の下、関与税理士に本件売上を秘匿し、過少な申告金額を記載した確定申告書を作成させ、原処分庁へ提出させたものと認められる。さらに、請求人が、原処分庁所属の職員による調査においても、申告した以外に現金売上げはない旨事実に反する虚偽の申述に終始したこと、本件売上を含む請求人の売上げに係る取引資料を一切保存していなかったことに加え、本件売上は、その把握が困難な現金売上げで3年分にもわたる多額なものであること等を併せ考えると、請求人は、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしていたものと認められる。したがって、本件においては、同条第1項及び第2項に規定する重加算税の賦課要件を満たすというべきである。(平29. 5.17 金裁(所・諸)平28-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280024
- 裁決年月日
- 平成28年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、金地金の各売却取引(本件各取引)は請求人になりすました知人が行ったものであり、そもそも請求人は本件各取引を行っていないから、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する隠ぺい又は仮装の事実はない旨主張する。しかしながら、本件各取引は請求人が行ったものであり、請求人はその代金を現金で受領しているところ、請求人は、金地金の譲渡で利益が出た場合には所得税の申告をしなければならないことを理解していたにもかかわらず、3年分にわたって本件各取引に係る譲渡所得を一切計上せず、所得金額を過少に記載した所得税の確定申告書を原処分庁に提出し続けたものと認められる。そして、請求人は、調査担当職員からの質問検査に対し、本件各取引は請求人が行ったものではないなどと事実に反する虚偽の答弁を繰り返した上、事実に反する内容の記載がうかがわれる資料を提示しており、請求人がこのような資料をあえて提示したことは、上記虚偽答弁と相まって、申告時における事実の隠ぺい又は仮装を合理的に推認させる事情であるということができる。加えて、請求人は、調査担当職員からの修正申告の勧奨にも応じていないのであって、これら申告の前後を通じた一連の事情からすると、請求人は、各年分の所得税につき、本件各取引の事実及びこれによる所得金額を隠ぺいしようという確定的な意図の下、これらを隠ぺいする態度、行動をできる限り貫こうとしていたものと評価することができ、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたものと認めるのが相当である。したがって、請求人が行った所得税の各申告は、本件各取引に関し、事実を隠ぺいしたところに基づく過少申告であると認められる。(平28.11.17 大裁(諸)平28-24)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280002
- 裁決年月日
- 平成28年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引法人に作成させた本件請求書は保険金を請求するためのものであって、確定申告に利用する意図を有していなかったが、当時の関与税理士が本件請求書の内容等を確認せずに、それに基づき確定申告書を作成し提出したもので、確定申告が過少申告になった責任は当該税理士にあり、請求人には過少申告の意図はなく、国税通則法第68条《重加算税》第2項に規定する「隠ぺいし、又は仮装し」た事実はない旨主張する。しかしながら、重加算税の賦課については、納税者が故意に課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺい又は仮装の行為を原因として過少申告の結果が発生したものであれば足り、それ以上に、申告に際し、納税者において過少申告を行うことの認識を有していることまでを必要とするものではないと解されるところ、請求人は、実際には当該取引法人が工事を行っていないにもかかわらず、当該取引法人に本件請求書を作成させ、本件請求書に基づき確定申告書を提出したのであるから、請求人において同法第68条第2項に規定する「隠ぺいし、又は仮装し」た事実があったと認められる。(平28. 7.25 関裁(法・諸)平28-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270060
- 裁決年月日
- 平成28年5月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№103
要旨
○ 原処分庁は、請求人は、11口の死亡保険金を自ら受領しそのうち4口は当初申告しており、これらの死亡保険金全てを相続税額の計算の基礎とすべきことを認識していたと認められるから、その余の7口の死亡保険金(本件各無申告保険金)を受領した事実を隠ぺいする意図があったと推認されることや、調査担当職員に対し、本件各無申告保険金についても申告したと認識していた旨の虚偽の申述をしたことなどを総合考慮すると、本件各無申告保険金を当初申告から除外したことは、課税要件事実を隠ぺいしたところに基づくものである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件各無申告保険金をいずれも請求人名義の預金口座への振込送金により受領した上、調査の際には、調査担当職員からの求めに応じて、当該預金口座に係る預金通帳等を逡巡なく提示しているのであって、本件各無申告保険金の発見を困難ならしめるような意図や行動はうかがわれない。また、請求人が、調査担当職員から本件各無申告保険金の申告漏れを指摘されると、特段の抗弁をすることなく当該事実を認めており、修正申告の勧奨に応じて遅滞なく修正申告をしていることにも照らせば、本件各無申告保険金を故意に当初申告の対象から除外したものとまでは認め難い。これらによれば、請求人が、相続税を当初から過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたものと認めることはできないから、本件各無申告保険金を当初申告の対象に含めなかったことが、課税要件事実の隠ぺい、仮装に基づく過少申告であるとは認められない。(平28. 5.20 大裁(諸)平27-60)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270058
- 裁決年月日
- 平成28年5月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№103
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、生命保険金及び生命保険契約上の権利が相続税の計算の基礎となる財産であることを十分に認識しながら、生命保険契約の一部のみを申告した一方、関与税理士に対して5口の保険契約(本件各保険)に関する書類を提出せず、これらを申告しなかったことは、当初から課税標準等を過少に申告することを意図して、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をし、その意図に基づく過少申告をしたものと認められる旨主張する。しかしながら、請求人は、①本件各保険の契約締結に関与していないこと、②相続開始の約4か月後に保険会社から教示を受けるまでは、本件各保険の2口について、相続に起因する保険金の支払請求手続ないし契約者等の変更手続の必要性を認識しておらず、保険会社から促されて受動的にこれらの手続を行ったものとみられること、③当初申告後に保険会社から連絡を受けるまでは、本件各保険の3口の存在を認識していなかったことがうかがわれることに加え、④当初申告書の作成過程で関与税理士に対し相続財産の計上漏れを指摘して訂正を求めるなど、正確な申告を行う姿勢を示していたこと、⑤原処分庁の調査担当職員から本件各保険の申告漏れを指摘された後、遅滞なく修正申告に応じていることに照らせば、請求人が、本件各保険を故意に当初申告の対象から除外したものとは認め難い。したがって、請求人が、相続税を当初から過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたものとは認めることができない。(平28. 5.13 大裁(諸)平27-58)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270031
- 裁決年月日
- 平成28年5月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式の売却取引及び株券オプション取引(本件各取引)により生じた多額の利益を申告しなかったことにつき、申告時には本件各取引の利益の額及び申告義務を具体的に認識しておらず、また、申告に必要な資料は請求人が主宰する法人に勤務する事務員を通じて、関与税理士が確認をした上で、確定申告書が作成されているものと考えていたのであるから、隠ぺい・仮装と評価すべき行為はない旨主張する。しかしながら、請求人が本件各取引に至った経緯、請求人の投資経験及び申告に至る一連の経緯等からすれば、請求人は、本件各取引に係る申告義務を熟知していながら、確定的な過少申告の意思に基づいて、本件各取引の存在を関与税理士に対して秘匿し、本件各取引に係る所得の記載がない確定申告書を関与税理士に作成させ、これを提出したものといえる。したがって、請求人は、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたものと認められるから、請求人の過少申告行為は、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する重加算税の賦課要件を満たしている。(平28. 5.12 名裁(所)平27-31)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270053
- 裁決年月日
- 平成28年3月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 原処分庁は、原処分に係る調査時の被相続人の子ら(本件子ら)の申述等を根拠に、本件子らの間では、遅くとも法定申告期限までに、相続税の申告をしない旨の合意が成立しており、かかる合意に基づき、法定申告期限までに申告書を提出しなかったものであるから、請求人らが、事実を隠ぺい又は仮装し、その隠ぺい又は仮装したところに基づき法定申告期限までに申告書を提出しなかったことは明らかである旨主張する。しかしながら、本件子らの申述等を含む本件の全証拠を総合しても、本件子らの間で、法定申告期限までに相続税の申告をしない旨の意思の合致があったとはにわかに認め難い。また、本件子らには、事前通知後、原処分庁の調査に積極的には協力しない旨の漠然とした合意が形成されていたことが認められ、調査の際、被相続人が証券会社との取引があった事実を秘匿するため、虚偽の答弁や香典メモの破棄行為という明らかな証拠隠滅行為に及んだことなど、相続財産を隠ぺいし、相続税を無申告で済ませようとする意図をうかがわせる一定の事情が認められるが、これらの事情は、いずれも、法定申告期限から約1年8月が経過した後の調査時点における言動等であって、事前準備を要するような計画的なものではなく、とっさにとった行動とも評価し得るものであり、その後直ちに証券会社との取引の事実を認め、遅滞なく期限後申告に応じていることから、相続財産を隠ぺいする態度、行動をできる限り貫こうとしたとまではいえない。したがって、請求人らが、相続税を申告しない意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき法定申告期限までに申告書を提出しなかったとまでは認められないから、事実を隠ぺい又は仮装し、その隠ぺい又は仮装したところに基づき、法定申告期限までに申告書を提出しなかったものとは認められない。(平28. 3.30 大裁(諸)平27-53)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平270002
- 裁決年月日
- 平成27年10月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№101
要旨
○ 請求人は、法定申告期限までに所得税の確定申告書を提出しなかったのは請求人の税知識の不足により失念していたからであり、請求人は外国人研修・技能実習制度の送出し機関であるK社の従業員であるから、原処分庁の前回の調査結果に従って、K社から証明書の交付を受けた上で給与所得等に係る所得税の期限後申告書を提出しているなどとして、当該期限後申告書の提出並びに原処分庁の今回の調査に基づく更正について、重加算税の賦課要件を満たさない旨主張する。しかしながら、架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在しない場合であっても、納税者が当初から課税標準等及び税額等を申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき期限内申告書を提出しなかった場合には、重加算税の賦課要件が満たされると解するのが相当であるところ、請求人は、自身が事業主体であったにもかかわらず、①当該事業から生ずる収入を、K社の肩書が付された口座に振込入金させた上で毎月ほぼ全額を現金で出金し、金員の流れを容易に把握できないようにすることによって、K社に帰属するものであると装い、②多額の事業収入を得ていながら5年間にわたり無申告を続け、③原処分庁の前回調査を受けても、K社に内容虚偽の証明書を作成・提出させるなどの工作を行って、事業主体は飽くまでK社にあり自身は給与を得ていたと装うなどしていることからすると、請求人は、当初から課税標準等及び税額等を申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたといえるから、その意図に基づき期限内申告書を提出しなかったことについては、国税通則法第68条《重加算税》第2項に規定する重加算税の賦課要件を満たすというべきである。(平27.10.30 金裁(所・諸)平27-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270047
- 裁決年月日
- 平成27年10月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、コンピュータプログラムの開発業務の委託先(本件開発委託会社)から請求人に対して、課税期間の末日までに、当該開発業務に係る目的物が納品されていないにもかかわらず、請求人が検収業務を委託した会社(本件検収委託会社)の従業員が、当該事実を知りながら、本件開発委託会社から虚偽の納入日付が記載されている納品書を受領するとともに、検収年月日欄に同日付を記載し検収欄に押印した検収書を作成していることから、事実の隠ぺい又は仮装が認められ、また、請求人は当該従業員ないし本件検収委託会社に対する監督義務を果たしていないので、当該従業員の行為は請求人の行為と同視できる旨主張する。しかしながら、当該開発業務の目的物については本件開発委託会社の検査をもって請求人の検収としていたことから、当該目的物の納品と同時に請求人の検収が行われたと認められるところ、請求人は本件開発委託会社とプロジェクトチームを組んで当該開発業務を行い、当該従業員は、当該課税期間の末日の2日前に当該開発業務に係る全ての目的物の請求人への納品が完了したとの報告を本件開発委託会社から受けることにより、当該課税期間内に当該開発業務の目的物の全部の納品が完了したと認識し、検収年月日を当該課税期間の末日とし、検収欄に押印した検収書を作成したと認められることから、本件には国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する、事実の隠ぺい又は仮装はないと認められる。(平27.10. 7 東裁(諸)平27-47)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260122
- 裁決年月日
- 平成27年6月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、メーカー等から受領する金員(本件メーカー等受領金)及び請求人の勤務していた法人から受領したキャンペーン手数料(本件各キャンペーン手数料)から生じる所得について、当該金員の一部の送金を受けた個人事業者がその名義で確定申告をする旨の合意があり、当該合意に基づき、当該個人事業者が自身の名義で確定申告をしているから、請求人に税務上の問題は生じないと考えていたこと、本件各キャンペーン手数料について、請求人が架空の請求書を作成させた事実はないこと及び請求人が本件メーカー等受領金及び本件各キャンペーン手数料を受け取る際、他人名義の口座を使用した理由は、他から収入を得ていることが請求人の勤務先に明らかになることを避けるためであって、借名していただけであるから 請求人は、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装した」ことには該当しない旨主張する。しかしながら、請求人は、メーカー等及び請求人の勤務していた法人に対し、第三者名義で、実際には提供していない役務の内容を記載した請求書又は納品書を発行して、本件メーカー等受領金及び本件各キャンペーン手数料の全てを、当該第三者名義の口座に送金させるなどして、自らに帰属する収入金額が当該第三者に帰属する収入金額であるかのように仮装したから、請求人のこれらの行為は、国税通則法第68条第1項に規定する「課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装した」ことに該当する。(平27. 6.10 東裁(所)平26-122)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260034
- 裁決年月日
- 平成27年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先(本件取引先)に対する第三者の買掛債務を第三者に代わり本件取引先へ支払った金額(本件立替金)について、本件取引先から請求人に弁済する旨の合意があったことから、本件取引先から受け取った拡売費(本件拡売費)の一部が本件立替金の弁済である旨記載した伝票を作成し、本件立替金残高の相殺として経理処理したことは、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「隠ぺいし、又は仮装し」たことに当たらない旨主張する。しかしながら、拡売費という名称からすると、これを受け取った者としては、販売を拡大・促進するための費用に充てるための金員であることが容易に理解できるといえ、さらに、請求人は、取引先から相殺確認書の交付を受け、本件拡売費の支払を受けるに当たって消費税額が併せて支払われていることを認識していたことが認められることからすると、本件拡売費が立替金の弁済ではなく仕入割戻しなどに該当するものと請求人が認識していたことを強く推認させる。そして、請求人は、平成19年7月から平成21年6月までの間に受領した本件拡売費を雑収入又は仕入値引きとして経理処理しており、当該期間に受領した本件拡売費が仕入割戻しなどに当たると認識していたことが認められる。以上によれば、請求人が本件拡売費を本件立替金の弁済ではないと認識しつつ、伝票に本件立替金の弁済である旨記載し、本件立替金残高の相殺として経理処理したことは、国税通則法第68条第1項に規定する「隠ぺいし、又は仮装し」たことに該当する。(平27. 3.10 関裁(法・諸)平26-34)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250047
- 裁決年月日
- 平成26年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、A社から受領した幼稚園の教室施設の使用料収入(本件収入)の申告漏れについて、関与税理士に対する本件収入の不告知及び資料の不提出という事情だけでは、当初から過少申告を意図していたとはいえず、むしろ、①幼稚園を経営していた亡母(本件被相続人)が○○病にり患していたことから、過少申告を「意図」するとことなど不可能だったこと、②当初から過少申告を意図しているのであれば、領収証を発行せず、本件収入に係る明細書の破棄・隠匿等をするのが通常であるのに、そうしていないこと、③相続人である請求人らは、自主的な修正申告をするための行動を一貫して取っていたことなど、当初から過少申告を意図していなかったことがうかがえる事情が多数存在していたから、本件収入について、最高裁が判示した、当初から過少申告を意図していたことを外部からもうかがい得る「特段の行動」が存在しない旨主張する。しかしながら、本件被相続人又は本件被相続人の補助者である長女は、本件収入以外の収入については、自ら作成した入金伝票等の関係書類を関与税理士に提出し、全て申告していたのに対し、本件収入については、決済方法を銀行振込みから現金払に変更した上で、複写式ではない領収証を発行し、入金伝票も作成せず、8年もの長期間にわたり本件収入の全額を申告していなかったことが認められるところ、これらの事実を総合的に判断すると、各年分の確定申告等は、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合に該当する。(平26. 6.10 関裁(所)平25-47)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250051
- 裁決年月日
- 平成26年4月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№95
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、基礎控除額を超える相続財産の存在を認識しながら、「相続についてのお尋ね」(お尋ね書)に一部の財産のみを記載し、遺産総額が基礎控除額以下であるから、申告は不要と思っているとして、お尋ね書を原処分庁に対して提出したことは、「隠ぺい、仮装と評価すべき行為」又は「相続財産を申告しないとの意図を外部からもうかがい得る特段の行動」と認められる旨主張する。 しかしながら、お尋ね書の提出は、相続税の申告をすべきことを知りながらこれをしなかったこと(認識ある無申告)と同等の行為と評価することができ、無申告行為そのものとは別に、「隠ぺい、仮装と評価すべき行為」をしたものと認めることはできない。また、お尋ね書は、課税庁が、申告の要否を確認する趣旨で、納税者に対して提出を求める書面であるところ、お尋ね書には金額の記載のないものを含めれば、基礎控除額を超える相続財産の記載があり、原処分庁として、請求人が申告義務を有することを十分に予想することができたものといえるから、お尋ね書を提出したことをもって、「相続財産を申告しないとの意図を外部からもうかがい得る特段の行動」と評価することはできない。(平26. 4.17 大裁(諸)平25-51)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平250007
- 裁決年月日
- 平成25年12月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、店舗A、B及びC(本件各店舗)の損益は請求人に帰属しないから、請求人は国税通則法第68条《重加算税》第1項又は同条第2項に規定する重加算税の賦課要件を満たすことがない、仮に本件各店舗の損益が請求人に帰属するとしても店舗Aについての請求人名義の確定申告書はDが作成して請求人に提出を指示したものであること、請求人の親族名義の各借名口座の開設に請求人が関与したことはなく、それらの実質的預金者が誰かについて請求人の知るところではないことからすれば、国税通則法第68条第1項又は同条第2項に規定する重加算税の賦課要件を満たすのはDであって、請求人はその賦課要件を満たさない旨主張する。しかしながら、請求人及びDは本件各店舗の共同経営者であり、請求人は日々の売上金額を認識し、請求人の親族名義の各借名口座の開設に請求人が関与し、これらを管理していたものであり、請求人は、Dにより店舗Aの売上金額の一部が除外されている状況を認識し、これを利用して、また、店舗B及びCの収益が請求人に帰属しないかのような外形を作出して、所得税の確定申告書を提出した、又は提出しなかったといえるから、国税通則法第68条第1項又は同条第2項に規定する重加算税の賦課要件を満たす。(平25.12. 3 広裁(所・諸)平25-7)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平250007
- 裁決年月日
- 平成25年12月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、店舗A、B及びC(本件各店舗)の損益は請求人に帰属しないから、請求人は国税通則法第68条《重加算税》第1項又は同条第2項に規定する重加算税の賦課要件を満たすことがない、仮に本件各店舗の損益が請求人に帰属するとしても請求人の親族名義の各借名口座の開設に請求人が関与したことはなく、それらの実質的預金者が誰かについて請求人の知るところではないことからすれば、国税通則法第68条第1項又は同条第2項に規定する重加算税の賦課要件を満たすのはDであって、請求人はその賦課要件を満たさない旨主張する。しかしながら、請求人及びDは本件各店舗の共同経営者であり、請求人は日々の売上げを認識し、請求人の親族名義の各借名口座の開設に請求人が関与し、これらを管理していたものであり、請求人は、Dにより店舗Aの売上金額の一部が除外されている状況を認識し、これを利用して、また、店舗B及びCの収益が請求人に帰属しないかのような外形を作出して、消費税等の確定申告書を提出しなかったといえるから、国税通則法第68条第2項に規定する重加算税の賦課要件を満たす。(平25.12. 3 広裁(所・諸)平25-7)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平250004
- 裁決年月日
- 平成25年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が行った未公開株式(本件株式)の取引(本件取引)に係る譲渡所得金額について、請求人に隠ぺい又は仮装の行為はない旨主張する。しかしながら、請求人は、①本件取引の一部取引について本件株式の譲渡益を試算していたこと、②事前にインターネット等で譲渡所得の税金の計算の知識を習得し、一定の株式数を譲渡した場合の税金等を算出するシミュレーションを行っていたこと、③請求人の説明に基づいて税理士が作成した申告書が過少申告であることを認識していたことから、請求人は当初から所得を過少に申告することを意図していたと認められる。そして、請求人は、税理士に本件取引のうち一部の取引しか説明していなかったことを認めているところ、このことは、①当該一部取引について、本件株式の譲渡に関する重要な書類を提示しなかったこと、②譲渡した本件株式の代金全てが入金された請求人の預金通帳を見せなかったこと、③本件株式が相応の価値があることを説明しなかったことなどからすると、税理士に、本件取引について、価値のない株式を取得させられ、詐欺的行為でだまされているとの印象を与えて、税理士が、請求人の手元に残った金額が譲渡所得であると誤解するよう仕向けることを意図していたものと推認される。したがって、請求人は、確定申告書作成の当初から所得を過少に申告することを意図した上、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動したものと認められ、その意図に基づいて請求人の行った過少申告行為は、国税通則法第68条《重加算税》第1項「隠ぺい」に該当する。(平25.11.21 福裁(所)平25-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250021
- 裁決年月日
- 平成25年11月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 請求人は、売上げの計上漏れについて、隠ぺい又は仮装の意図はないと主張する。しかしながら、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する「事実を隠ぺいした」とは、課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実を隠ぺいしあるいは故意に脱漏したことをいうと解されるところ、請求人は現金で受領した追加工事代金等について、経理事務を行う者に指示するなどして継続的に帳簿に記入しないことにより売上げから除外していた。したがって、このことは追加工事代金等を故意に脱漏したと認められるので、隠ぺい又は仮装の事実があったというべきである。(平25.11. 1 大裁(所・諸)平25-21)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240035
- 裁決年月日
- 平成25年2月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№90
要旨
○ 請求人は、過少申告の原因は単なる計算誤りであり隠ぺい仮装の行為はない旨主張する。しかしながら、請求人は、出面帳に毎日の業務及び売上金額等を記載し、また、預金通帳で入金状況をチェックしてその入金状況を更に出面帳に記すなどし、日頃から収入の管理に努めており、自己の収入金額を正しく把握していたものと認められるところ、7年にわたりほぼ連続して、各収支内訳書の「上記以外の売上先」欄のみ過少に記載することにより多額の収入を申告せず、さらに、調査当初において過少である理由について曖昧な説明に終始していたものである。そうすると、請求人は、作為的に収入金額を過少に記載した各確定申告書及び各収支内訳書を提出して多額の収入を意図的に申告せず、更には調査当初において過少申告の意図を隠そうとしていたものと認められる。したがって、請求人の過少申告は、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上で行われたものといえるから、重加算税の賦課要件を満たすと認めるのが相当である。もっとも、必要経費については、本人所得率を基に算出した必要経費の額が、当初申告額を下回る年分と上回る年分があり、このような必要経費の額の動きをみると、特段、請求人において必要経費を過大に計上しようとした意図を推認することはできず、他に必要経費につき、請求人に同意図を認めるに足りる証拠もないから、必要経費部分に関する請求人の過少申告行為は、重加算税の賦課要件を満たさない。(平25. 2.25 関裁(所・諸)平24-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240022
- 裁決年月日
- 平成24年7月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸人名義を仮装したこともなく、所得税法の知識が足らず、不動産所得が赤字であると認識していたため申告は不要であると考え、帳簿及び収支の集計表の作成をせず、領収書や不動産取引に係る原始記録を保存していなかったのであるから、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する重加算税の賦課要件を満たさない旨主張する。しかしながら、重加算税制度の趣旨に鑑みれば、架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在したことまで必要であると解するのではなく、納税者が、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の課税要件が満たされるものと解されるところ、請求人は、少なくとも一般の社会人と同程度ないしはそれ以上の、課税を含む不動産取引全般に関する知識を持ち、また、自身に多額の不動産所得があることを正確に把握し得る立場にありながら、長年にわたり、不動産の賃貸業務に係る帳簿書類を全く作成せず、経費に係る領収証を廃棄し続けた上、そのために請求人の真実の所得を捕捉するのが困難な状況下において、本件各年分を通じて、7年にわたり、上記同様に帳簿書類を全く作成することなどなく、不動産所得の金額を除外することにより、当該各年分の真実の所得金額よりも相当低額の、自身の不動産所得以外の所得金額又は他人の行っていた事業に係る所得金額のみを作為的に記載した内容虚偽の申告書を提出して、ことさらに過少な申告をし続けたものと認められる。このことは、請求人が、少なくとも本件各年分の所得税については、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたものと認められるから、国税通則法第68条第1項に規定する重加算税の賦課要件を満たすというべきである。(平24. 7.23 東裁(所・諸)平24-22)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230016
- 裁決年月日
- 平成23年9月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、相続財産である現金、貯金及び出資金の申告漏れについて、現金については相続税申告時に手元になく失念したためであり、また、貯金及び出資金については、その存在を知らなかったためであるから、隠ぺい又は仮装の行為はなかった旨主張する。しかしながら、重加算税は、その制度の趣旨にかんがみれば、架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在したことまで必要と解するのは相当でなく、納税者が当初から財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の賦課要件が満たされるものと解すべきであるところ、請求人は、現金については、その保管状況等からみてその存在を認識していたものと認められるにもかかわらず、申告書作成の際に関与税理士に対してその存在を秘匿する虚偽の説明をしていること、また、貯金については、請求人の取引への関与の状況からしてその存在を認識していたものと認められるにもかかわらず、申告書作成の際に関与税理士から金融機関の残高証明書の入手依頼があったのに入手手続を行わず関与税理士にその存在を知らせなかったことからすれば、これらの財産の申告漏れについては、当初から過少に申告することを意図し、その意図を外部からうかがい得る特段の行動をした上でその意図に基づく過少申告をしたものと認められるから、重加算税の賦課要件を満たしているといえる。一方、出資金の申告漏れについては、申告前に請求人がその存在を認識していたとまでは認められないから、重加算税の賦課要件を満たしているとはいえない。(平23. 9.27 関裁(諸)平23-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230017
- 裁決年月日
- 平成23年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、許可を受けることなく行った中古品取引により主たる業務の許可が取り消されることをおそれたのであって、売上除外の意図はなく、また、中古品取引による利益の額が僅少であったことから隠ぺい又は仮装の事実はない旨主張する。しかしながら、請求人は、中古品取引を帳簿書類に全く記載せず、その売上げの全部を代表者の個人口座に入金させていたことは、事実の全部又は一部を隠ぺいし又は仮装した行為と認められる。また、重加算税を課すに当たっては、納税者が過少申告を行うことの認識を有していることまでを必要としていないのであり、金額の多寡も考慮する必要はないから、請求人の主張を採用することはできない。(平23. 9.27 関裁(法・諸)平23-17)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230018
- 裁決年月日
- 平成23年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、工事について売上に計上しなかったのは、取引先が倒産し、工事代金の一部が未回収となっていたことや記帳を忘れただけで故意ではないなどと主張する。しかしながら、請求人は、工事の売上及び工事原価を原処分に係る調査の際に提出した書類等には記載していなかったのであり、また取引に関する証ひょう類を保存せず、その工事代金の一部を代表者の個人口座に入金するなどの事実からすると、事実の全部又は一部を隠ぺいし又は仮装した行為と認められる。また、仮に請求人が主張するような取引先の倒産や代金の一部に未収があったとしても、一般的に、代金の回収に困難が見込まれる場合には、通常の取引よりもさらに細心の注意をもって債権管理を行うのが通常であるところ、請求人代表者自らが工事代金の一部を個人口座で取り立てていることからすれば、単なる不注意で記帳漏れのみならず証ひょう類を保存しなかったことは極めて不自然であるから、請求人の主張を採用することはできない。 (平23. 9.27 関裁(法・諸)平23-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220227
- 裁決年月日
- 平成23年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、布施収入及び葬儀場使用料収入(本件布施収入等)を帳簿に記帳しなかったのは、代表役員の不注意によるものであって、事実を隠ぺいしたものではない旨主張するが、本件布施収入等については、①いずれも請求人の収入規模に照らし比較的多額であると認められるにもかかわらず現金出納帳への記帳が漏れていること、②各期の決算書類作成の段階においてもその修正がなされなかったこと、③葬儀場使用料収入と同時に収受した葬儀料が記帳されているにもかかわらず葬儀場使用料収入が記帳されておらず、経理処理が極めて不自然であること、さらに、④代表役員は請求人の経理責任者であったことを併せ考えると、代表役員は本件布施収入等を個人的に費消した事実を認識した上で、これらの事実を請求人の帳簿に記載しなかったと判断するのが相当であり、請求人が代表役員に対する給与等の支払いに係る事実を隠ぺいしたと認めるのが相当である。(平23. 6.17 東裁(諸)平22-227)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220029
- 裁決年月日
- 平成23年6月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 請求人は、法定申告期限までに所得税並びに消費税及び地方消費税(消費税等)の各確定申告書を提出しなかったことについて、所得税については申告する意思があってその準備をしていた、消費税等については、経理業務の委託先が申告してくれるものと誤認していた、などとして、重加算税の賦課要件を満たさない旨主張する。しかしながら、架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在しない場合であっても、納税者が、当初から課税標準等及び税額等を申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき期限内申告書を提出しなかった場合には、重加算税の賦課要件が満たされるものと解するのが相当であるところ、請求人は、法定申告期限から7年を経過すれば所得税等の納付から免れることができるとの認識を持った上、請求人の経理業務の委託先から確定申告手続の税理士への委任の要否を問われて、これを断り、連年にわたり多額の収入金を得ていながら無申告を続けていたことなど、当初から課税標準等及び税額等を申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたものといえるから、その意図に基づき期限内申告書を提出しなかったことについては、国税通則法第68条《重加算税》第2項に規定する重加算税の賦課要件を満たすというべきである。(平23. 6. 3 広裁(所・諸)平22-29)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220049
- 裁決年月日
- 平成23年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、故意に所得を隠ぺいし、仮装した事実はない旨主張する。しかしながら、請求人が営んでいた刺繍機械等の販売業及び刺繍機械等の輸出代行業(本件事業)に係る収入は、一部の現金決済によるものを除き請求人名義の預金口座への振込入金である上、請求人は、他社に営業担当として勤務して刺繍機械の販売を行った経験もあるから、本件事業に係る収入金額からおおよその所得金額を算定することは容易にできたと認めるのが相当であるところ、請求人は、所得税等の期限後申告ないし修正申告をするまでの間、請求人以外の名義の使用による仮装を行い、本件事業に係る取引資料を廃棄したほか、原処分庁及び原処分庁所属の調査担当職員に対し、事実とは明らかに異なる内容の回答及び申述をし、知人に対して、税務署の調査が入ったため請求人との取引はお金を借りたことにして欲しい旨依頼している。以上によれば、請求人は、当初から本件事業に係る所得を申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき申告をしなかった場合に該当することは明らかであり、請求人がした一連の行為は重加算税の賦課要件を満たす。(平23. 4.26 名裁(所・諸)平22-49)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220196
- 裁決年月日
- 平成23年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①原処分庁が架空であるとした売上原価(本件売上原価等)は、真実の取引に係るものであること、②破産状態にあった関連法人に対する貸付債権の額(本件貸付債権の額)の全額を本件保証債務履行損として計上する一方で、同社からの預り敷金を益金に計上しなかったのは、関与税理士の経理手続きミスにより失念しただけであるから、いずれも隠ぺい又は仮装の事実はない旨主張する。しかしながら、本件売上原価等は実態を伴わない架空の取引に係る費用計上であり、その多くの取引で請求人が虚偽の領収証を作成しあるいは作成させ、保存したものと認められ、また、請求人は、本件売上原価等の決済方法について代表者からの借入金により支払ったと仮装するとともに、当該仮装計上した代表者借入金について架空の支払利息割引料を計上していたことが認められる。また、請求人の代表取締役は、関連法人に対する実質的な債権の額が本件貸付債権の額と預り敷金の額との差額であることを認識した上で、あえて本件貸付債権の額の全額を本件保証債務履行損として計上していると認められるところ、このことは、請求人が当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をした場合にあたると認められる。したがって、これらのことはいずれも、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出した場合に該当する。(平23. 4.22 東裁(法・諸)平22-196)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220056
- 裁決年月日
- 平成23年2月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 原処分庁は、請求人が本来行うべき仮受金勘定から売上勘定への振替処理を行っていなかったことについて、①税理士から仮受金勘定の増加原因の解明を求められながらこれを行わなかったこと、②現金出納帳に虚偽の記載をしたり同税理士にあえて説明しなかったこと、及び③同税理士に特定の帳簿を提出しなかったことなどからすると、この行為は隠ぺい又は仮装に当たる又は所得を過少に申告する確定的な意図を外部からうかがい得る特段の行動であるなどとして、請求人の経理処理が隠ぺい又は仮装に当たる旨主張する。しかしながら、③同税理士に特定の帳簿を提出しなかったとしても、そのことを容易に知り得るだけの資料を提出していたと、②請求人が取引内容の具体的説明を同税理士自身にしなかったからといって、それが故意の隠ぺい又は仮装の行為である等とはいえないこと、①仮受金勘定の増加原因の解明について同税理士と請求人との間に認識の相違や意思疎通の欠如があったとしても、請求人が積極的な意思をもってあえて適正な経理処理を行うことなくこれを放置したとまで認めるに至らなかったこと等からすれば、請求人に故意の隠ぺい又は仮装の行為や過少申告の確定的意図を外部からうかがい得る特段の行動があったとまでいうことはできない。したがって、重加算税を賦課することは相当ではない。(平23. 2.23 関裁(法・諸)平22-56)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220058
- 裁決年月日
- 平成23年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、消費税等を免れるために請求人の使用人に対する給与等を本件関係法人等への外注費に仮装していたが、源泉所得税については、納税を免れる意思はなく、かつ、事実を隠ぺい又は仮装する行為をしていない旨主張する。しかしながら、請求人は本件給与等の実質の支払者であるにもかかわらず、本件給与等を事業実体のない本件関係法人等の名義で支払い、かつ、本件関係法人等名義で源泉徴収義務者であるかのごとく給与支払事務所の開設届出書を各所轄税務署長に提出した上で、本件給与等に係る源泉所得税を本件関係法人等の名義で納付し、さらに、本件給与等を本件関係法人等に対する外注費に仮装していたのであり、このことは、請求人が本件給与等の真実の支払者である事実を隠ぺいし、本件関係法人等が本件給与等の支払者であり源泉所得税の納税義務者であるかのごとく仮装していたものであり、源泉所得税の納税義務を負う請求人が納付すべき源泉所得税額の計算の基礎となる本件給与等の支払金額の全部を隠ぺいしたものと認められる。(平23. 2.21 大裁(諸)平22-58)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220013
- 裁決年月日
- 平成23年2月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税及び消費税等の申告に際し、課税標準額について収入等を正確に記載しているノートに基づき算出したものであるから国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する隠ぺい又は仮装はない旨主張する。しかしながら、請求人は、現金収入の一部を当該ノートの記載者である妻に報告しないで当該ノートに記載しないまま放置し、また、確定している収入について確定していないかのように装うために妻に当該ノートに「あずかり分」などと記載するよう指示したものであって、請求人が故意に課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠ぺい・仮装し、その隠ぺい・仮装行為を原因として過少申告の結果が発生した場合に当たる。(平23. 2. 9 札裁(所・諸)平22-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220136
- 裁決年月日
- 平成23年1月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 会社員である請求人が、勤務の傍ら個人的に行った取引に係る事業所得があるとして、所得税の期限後申告書を提出したところ、原処分庁は、請求人が当初から当該事業所得を申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上で、その意図に基づき法定申告期限までに申告しなかったものであり、国税通則法第68条《重加算税》第2項に規定する重加算税の賦課要件を満たす旨主張する。しかしながら、原処分庁が上記「特段の行動」に当たるとした、①請求人は、勤務先等に当該取引が露見しないようにするため、取引先の従業員に対して、リベートと称する金員を支払ったこと、②請求人は、勤務する営業所の売上げを記載した「請求書明細」を週1回本社に報告する際に、当該取引を記載せずに報告したことについては、請求人が当該取引を秘匿することを意図して行ったものとはいえず、ほかに請求人が当該取引及びこれに係る事業所得を隠ぺい又は仮装したと評価すべき事実は認められないことから、原処分については、無申告加算税相当額を超える部分の金額を取り消すのが相当である。(平23. 1.25 東裁(所)平22-136)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220119
- 裁決年月日
- 平成22年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、過少な所得金額を記載した確定申告書を提出したことに作為はなく、多忙又は税法の不知若しくは売上げの計上時期に関する見解の相違がその原因であり、事実の隠ぺい又は仮装の行為はない旨主張する。しかしながら、請求人は、事業を始めた当初の平成15年分から平成17年分の所得税の確定申告に至るまで、事業で得た所得金額がありながらその全部を申告しなかったばかりか、確定申告書に少額の給与収入があるとの虚偽の事実を記載して提出し、平成18年分及び平成19年分の所得税の確定申告では、支払調書が発行された取引に係る収入金額だけを収入金額とすることで、真実の金額の1割にも満たない金額を総所得金額とする確定申告書を提出していたのであるから、請求人は、作為的に、過少な所得金額を記載した確定申告書を提出し続けていたものと認められる。さらに、請求人は、経理帳簿を作成しておらず、そのため報酬等の金額を確認できる債務整理業務に関する事件簿等の書類及び当該書類に係るパソコン内のデータは、正しい申告をするために必要であり、通常であれば保管しておくと考えられるものであるが、これを紛失したり、散逸するままにしていたことが認められる。そうすると、請求人は、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたのであり、このことは、重加算税制度の趣旨からみて、隠ぺい又は仮装と評価すべき行為が存在するものとして、重加算税の賦課要件を満たすといえるから、原処分庁のした重加算税の賦課決定処分はいずれも適法である。(平22.12.10 東裁(所・諸)平22-119)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220028
- 裁決年月日
- 平成22年8月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の被合併法人(メガネ、コンタクトレンズの小売店を経営する法人)が損金の額に算入した関連法人に対する業務委託費は役務提供の事実がない架空の費用であるとして、重加算税の賦課決定処分を行ったのに対し、本件業務委託費は、派遣された専門検査員に、メガネ、コンタクトレンズの販売促進をしてもらったことに対する対価として被合併法人が計上したものであり、架空の費用ではないから、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件業務委託費に係る取引については、①業務委託に係る契約書、覚書等が存在せず、②請求書の作成及び総勘定元帳への記帳が、業績(損益)見込みが明らかになる事業年度末から期末後の決算手続時において行われ、③請求金額も当初の請求金額から後に変更されていることが認められるなど、極めて不自然であるところ、関連法人の理事長及び経理担当者が、関連法人間の利益調整のための取引である旨の申述をしていること等からすれば、本件業務委託費は、これら両名の申述のとおり、関連法人間の利益調整を目的として、業務委託の実体がないにもかかわらず業務委託に係る取引が行われたかのように帳簿書類が整えられて計上された架空の費用とみるのが相当であり、このことは、国税通則法第68条第1項に規定する課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部の隠ぺい又は仮装に該当する。一方、原処分庁は、請求人の被合併法人が前事業年度に支出した広告宣伝費の一部を自己の広告宣伝費勘定から減額した上で関連法人から負担金として受領した金員は当該関連法人からの受贈益であるとして重加算税の賦課決定処分を行ったが、被合併法人が、関連法人の負担すべき金額であるとして関連法人に本件広告費を請求し、この請求のとおりに請求額を自己の広告宣伝費勘定から減算する会計処理をしたとしても不自然とはいえず、また、この請求行為について、被合併法人が関連法人からの資金供与を仮装するために架空の本件広告宣伝費に係る請求書を作成したなどの事実を認めるに足る証拠はないから、本件金員の額を益金の額に算入しなかったことについて、国税通則法第68条第1項に規定する課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部の隠ぺい又は仮装があったと認めることはできない。(平22. 8. 3 東裁(法・諸)平22-28)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210058
- 裁決年月日
- 平成22年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが居住していない場所に住所を異動をしたことについては税理士の示唆があったことから行ったものであり、隠ぺい又は仮装の意図や税を免れようとする悪意はなかったと主張するが、重加算税を賦課するためには、事実の隠ぺい又は仮装があり、その隠ぺい又は仮装の行為を原因として過少申告の結果が発生したものであれば足り、請求人の脱税の意図や悪意は必要としないところ、本件においては、請求人が、本件譲渡家屋とは異なるマンション(別件マンション)を実質的に生活の本拠として継続して利用しているにもかかわらず、別件マンションから本件譲渡家屋に転居したとして本件住所異動の届出をしたことは、虚偽の届出をして住民票に誤った記載をさせたことになり、国税通則法第68条に規定する仮装行為に該当し、重加算税の賦課要件を満たすから、原処分は相当である。(平22. 4.22 大裁(所)平21-58)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210046
- 裁決年月日
- 平成22年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人のした確定申告には、架空外注費等が含まれていたとして、法人税及び消費税等について重加算税の各賦課決定処分をしたことに対し、直前の法人税等の調査の際に、原処分庁が既に当該架空計上の外注費等を把握し、一方請求人は税の専門家である税理士に確定申告を依頼して適法に処理されていると考えたのであって、申告時において、隠ぺい、仮装行為や過少申告の故意又は認識がないことからすれば、過少申告の結果と隠ぺい、仮装行為との間に因果関係はないというべきであるから、当該重加算税の各賦課決定処分は賦課要件を満たしていない違法な処分である旨主張する。しかしながら、請求人が故意に課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実を仮装し、当該仮装行為を原因として過少申告の結果が発生したものであり、仮に、請求人の主張どおりの事実が認められるとしても、仮装行為と過少申告行為に因果関係が認められるから、請求人の主張は採用することができない。(平22. 4. 1 大裁(法・諸)平21-46)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210028
- 裁決年月日
- 平成21年12月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、消費税等を免れる意図で請求人の使用人等に対する給与等を請求人の関連法人への外注加工費に仮装して支出していたが、源泉所得税については、納税を免れる意思はなく、当該関連法人の名義を借用しているものの、全額を法定納期限までに国に納付しており、源泉所得税の納税義務を果たしていること、当該関連法人との間の業務請負契約関連書類は、前回の調査の際に、前回の調査担当者にすべて開示したことをそれぞれ理由として、源泉所得税について、事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装する行為をしていない旨主張する。しかしながら、請求人が源泉所得税の納税義務を履行したとは認められないことに加え、重加算税の賦課要件のうちの主観的要件は、納税者が税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装することを認識していれば充足されるものであり、源泉所得税を免れようとする意図を有していることまで必要とするものではないことにかんがみれば、納税者がした行為の目的いかんにかかわらず、その行為自体が、納税者が免れようと意図した以外の国税についてもその課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装したと認められる場合には、その国税についても隠ぺい又は仮装の事実があったというべきである。また、請求人が、前回の調査担当者に対し、当該関連法人との間の業務請負契約関連書類をすべて開示していたとしても、そのことが隠ぺい又は仮装の事実の存在を左右するものではない。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平21.12. 3 大裁(諸)平21-28)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平210008
- 裁決年月日
- 平成21年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人には、本件各金員の払出しにより、請求人が本件各法人(13社)によって構成される本件企業グループから支給を受けた役員給与の額を上回る額の所得が生じた認識はないから、請求人は、申告による納付すべき所得税額の存在すら認識しておらず、税を免れる意図をもって本件調査担当者に答弁等したものではなく、重加算税の賦課要件を満たしているとはいえない旨主張する。しかしながら、本件各金員の払出しにより請求人に多額の給与所得が生じたところ、請求人は、本件各法人の実質的経営者として、本件企業グループを統括する地位にあり、本件企業グループにおいて、A社及びB社が本件各法人の原価又は費用等を一括して支払うという異常な支払方法を採用させた上で、本件各年分において、本件各法人の原価又は費用等の支払に請求人個人の様々な債務の支払を混入させて自己又は自己の親族のため多額の金員を払い出させ、課税庁による所得の捕捉を困難にした上で、自己又は自己の親族においてそれを取得又は消費し、一方、本件各法人をして、本件各年分において請求人に給与を支払ったとする源泉徴収票及び給与支払報告書を提出させなかったばかりか、請求人は、特殊関係人に対する支払を同人からの借入金の返済に仮装しようとして、本件調査担当者に対し虚偽の答弁をし、本件各借用証書を作成したことからすれば、請求人は、当初から所得を申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき申告しなかったものといえるから、請求人の行為は、重加算税の賦課要件を満たしている。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21.12. 1 広裁(所)平21-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210014
- 裁決年月日
- 平成21年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税及び消費税等の重加算税の賦課に関し、課税庁が定めている事務運営指針に掲げる二重帳簿の作成、帳簿書類の改ざん、請求人以外の架空名義等による事業の経営や資産の取得等の事実はなく、また、自宅の引っ越しの際に原始記録を破棄したものの、隠匿したわけではないから、隠ぺい又は仮装に該当する事実はない旨主張する。しかしながら、上記通達は、重加算税賦課の適用に当たって「隠ぺい又は仮装」の行為に該当する事実を例示しているにすぎないところ、請求人は、消費税等の課税を免れるため、開業当初の平成12年分から平成18年分までの7年間にわたり、継続して事業所得の総収入金額を真実の金額ではなく3,000万円以下に圧縮して計算し、当該総収入金額に見合うように売上原価や給料賃金についても圧縮した上で収支内訳書を作成し、これを本件各年分の所得税の確定申告書に添付して提出しており、消費税等についても、納税義務が免除される基準期間の課税売上高が3,000万円以下から1,000万円以下に改正されるまでの間については申告書を提出せず、上記の改正以降についても課税標準の一部を除外して記載した申告書を提出していたものと認められる。したがって、請求人は、当初から所得を過少に申告するとともに消費税等の課税をも免れることを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づいてこれらの過少申告等の行為を行ったことが明らかであるから、国税通則法第68条第1項及び第2項の規定に基づきされた所得税及び消費税等の重加算税の賦課決定処分はいずれも適法である。(平21. 9. 1 東裁(所・諸)平21-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210008
- 裁決年月日
- 平成21年8月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 業種
- サービス業(風俗業)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は所得税及び消費税等の確定申告をすべき多額の所得金額及び課税売上高があることを認識していながら、正確な売上金額及び必要経費の額を算定する基礎となる正確な帳簿書類等を作成せず、これに基づき所得税及び消費税等の確定申告をせず、あるいは、所得金額の大部分を除外した売上給料合計表を作成し、また、不動産収入の一部についてあえて報告せず、これによりA税理士に多額の所得を脱漏した確定申告書を作成させて、確定申告及び期限後申告をしたというべきである。そうすると、請求人のこれらの行為は、国税通則法第68条第1項及び第2項に規定する、その国税の課税標準等又は税額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき、①法定申告期限までに納税申告書を提出していたとき、②法定申告期限までに納税申告書を提出していないとき、又は③法定申告期限後に納税申告書を提出していたときに該当するというべきである。(平21. 8.21 関裁(所・諸)平21-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200054
- 裁決年月日
- 平成21年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各資産については相続財産と認識しながら、①本件譲渡の売却代金について、誰にもその存在を知られたくないと思い、被相続人名義の預金口座に振り込まれた譲渡代金を、請求人の預金口座に振り替え、残金は、現金で請求人名義の貸金庫に保管したこと、②被相続人の容態が悪化したため、子に指示し、被相続人名義の預貯金口座の残高を零円にするまで出金させ、③さらに、請求人は、本件出資について、相続開始後に被相続人の名前を記載した領収証を作成した上で売却代金を現金で受け取り、そのまま手元に保管し、その後費消したこと、④その上で、本件各資産について、相続財産として申告書に記載しないようにするために、関与税理士に対し、本件各資産の存在を秘して、相続税の申告書を作成させた上で申告書を提出したものと認められる。このことからすれば、上記の各行為は、国税通則法第68条第1項に規定する、「基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき」納税申告書を提出していたときに該当すると認めることが相当である。この点について、請求人は、請求人の夫に財産を渡したくなかったため上記各行為をしたのであって、脱税する意図はなかった旨主張する。しかしながら、重加算税を課し得るためには、納税者の隠ぺい行為等を原因として過少申告の結果が発生したものであれば足り、それ以上に申告に際し、納税者において過少申告を行うことの認識を有していることまでを必要とするものではない。(平21. 6. 4 関裁(諸)平20-54)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200052
- 裁決年月日
- 平成21年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、輸出物品販売場における外国人の買付業者への中古自動車の販売について、別の外国人旅行者の名義で作成された消費税法施行規則第6条に規定する誓約書等を保存していたのは、外国人旅行者が実際の販売先であるとの買付業者の説明に従っただけであるから、事実の隠ぺいも仮装もない旨主張するが、買付業者との契約書に、必要書類は買付業者が用意する旨が記載されていることなどからすると、請求人がそのような説明を受けていたとは認められず、請求人は、当該買付業者が用意した書類を保存することにより、あたかも当該旅行者が、請求人の輸出物品販売場で当該自動車を購入し、請求人に旅券等を提示し、当該誓約書を提出したかのようにして、消費税の免税措置の適用を受けていたものと認められることから、請求人には、国税通則法第68条第1項に規定する事実の隠ぺい又は仮装があったというべきである。(平21. 4.24 関裁(諸)平20-52)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200023
- 裁決年月日
- 平成21年4月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仮に修正申告書が有効であるとしても、請求人において、仮装・隠ぺいの事実はないことから、重加算税の賦課決定処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、請求人名義の預金口座において、請負工事代金、リース売上代金及び重機の売却代金を取り立てていること、また、これらの口座は帳簿にも記載していなかったところ、当該各口座の開設期間及び入出金事績からすると、上記預金口座は、いわゆる簿外預金口座と認められる。また、同口座を使用して行った隠ぺい取引により生じた収益を原資とする簿外の貸付金及び当該貸付金から生じる果実としての利息も隠匿し、これらを請求人の収入として計上せず確定申告書を提出したことは、課税標準等の計算の基礎となるべき事実を隠ぺいし、その隠ぺいしたところに基づき過少申告をしていると認められ、このことは、国税通則法第68条第1項の規定に該当するので、原処分庁が同項の規定に基づいて法人税に係る重加算税の賦課決定処分をしたことは適法である。(平21. 4.17 熊裁(法・諸)平20-23)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200167
- 裁決年月日
- 平成21年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先に対して社史の納品書を作成させる行為は行っておらず、仮装の事実はないから、重加算税の賦課決定処分は取り消されるべきである旨主張するが、請求人は、平成19年3月末までに社史の引渡しを受けていない事実を認識した上で、平成19年3月31日付の納品書及び請求書の発行を取引先に依頼していることが認められ、これは、単純な会計処理上の過誤に止まるものでなく、本来同年4月6日に納品されたものを同年3月31日に納品されたように装い、本件社史作成費用を平成19年3月期の損金の額に算入していると認められ、請求人のこれらの行為は、国税通則法第68条第1項に規定する仮装行為に該当するというべきである。(平21. 4.16 東裁(法)平20-167)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200166
- 裁決年月日
- 平成21年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人が事業年度末に期首に遡及して損金計上した役員報酬(以下「本件役員報酬」という。)は、役員報酬のごとく仮装することにより損金に算入したものであり、隠ぺい又は仮装の事実があったとして法人税及び源泉所得税の重加算税賦課決定処分等を行ったの対し、本件役員報酬は利益処分に係る賞与ではなく、あくまで役員報酬と認識し、会計上、正しい処理として損金に計上し、支出したに過ぎないことから、本件役員報酬の計上等に隠ぺい又は仮装の事実はない旨主張する。しかしながら、本件役員報酬の計上に関しては、請求人の代表者らが、法人税法違反事件において請求人の臨時の利益の分配であって損金とならない役員賞与を役員報酬の未払金の精算であると偽って経理処理した旨供述しているように、代表者らは、本来、本件役員報酬が、請求人の臨時の利益の分配に当たり、請求人の損金と認められない税法上の役員賞与であることを認識していたものと認められ、そのうえで、請求人に多額な利益が出たことから、請求人の法人税を脱税する目的で、本件各事業年度において本件役員報酬を期首に遡及して水増し、あたかも損金となる役員報酬の未払があったように偽り計上することにより、法人税を過少に申告し、また、本件役員報酬をあたかも役員報酬の支払として支出することにより、役員賞与に係る源泉所得税を納付していなかったものであると認められる。したがって、このような請求人の行為は、国税通則法第68条第1項及び第3項でいう事実の一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときに該当するから、請求人の主張には理由がない。(平21. 4.15 東裁(法・諸)平20-166)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200122
- 裁決年月日
- 平成21年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、出演料等の現金売上げ及び請求人の代表者名義等の個人口座への入金売上げ(以下、これらの売上げを併せて「本件現金売上げ」という。)が売上計上漏れとなったのは、関与税理士のミス等によるもので隠ぺい又は仮装の意図はないから、国税通則法第68条第1項及び第2項に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人の代表者は、本件現金売上げの一部を申告していること等からすれば、本件現金売上げを申告しなければならない認識がありながら、①本件現金売上げを長年にわたって申告していないこと、また、②確定申告書の作成を関与税理士に依頼する際に、関与税理士から現金売上げ等についての確認を受けていたにもかかわらず、本件現金売上げがあることを報告することなく、関与税理士に対し、本件現金売上げに係る資料等を提出していないことが認められる。このような請求人の行為は、請求人が当初から所得を過少に申告することを意図し、本件現金売上げを計上しなかったと認められ、請求人は、当初から過少な申告を意図し、関与税理士に本件現金売上げの関係書類を提出しないなど、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、過少申告をしたものとみるのが相当である。これは、請求人が、国税通則法第68条第1項及び第2項に規定する「国税の課税標準又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたとき」に該当するから、原処分庁がした重加算税賦課決定処分は適法である。(平21. 2.12 東裁(法・諸)平20-122)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200030
- 裁決年月日
- 平成21年1月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件家屋への居住の時期を仮装する目的で住民登録を異動させたのではないから、その住民票の除票の写し(以下「本件住民票の写し」という。)を確定申告書に添付して提出した行為は、国税通則法第68条第1項に規定する国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺい又は仮装したところに基づき納税申告書を提出した場合に当たらない旨主張する。しかしながら、請求人は、平成13年11月末ころ以後は、当該家屋に居住していないにもかかわらず、平成17年3月20日から同月31日までの期間を本件家屋所在地に住民登録していた記載のある本件住民票の写しを確定申告書に添付し、同申告書の特例適用条文欄に居住用財産の譲渡の特例である「措置法35条」と記載して申告しており、この行為は、仮装したところに基づき納税申告書を提出していたことにほかならないから、国税通則法第68条第1項に規定する納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときに当たる。(平21. 1. 8 関裁(所)平20-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200097
- 裁決年月日
- 平成20年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子供ら名義の本件FX取引に係る売買差益等は請求人に帰属せず、また、請求人は税務の専門家でないため、申告に不備があったとしても、隠す意図も悪意もなかったのであるから、隠ぺい又は仮装の事実はない旨主張する。しかしながら、請求人は、請求人名義の本件FX取引の取引口座に証拠金を追加して預託するのではなく、子供ら名義の本件FX取引の取引口座を開設してより高額の証拠金を基に本件FX取引を行うことにより、真実の所得等を秘匿したことが認められ、請求人において申告しない又は過少に申告する意思があったことが推認される。そして、請求人は、①各年分において多額の売買差益等を得ていたほか不動産所得等を有し、これらについて確定申告すべきことを認識していたにもかかわらず、前回調査ないし本件調査を受けるまで確定申告書を提出せず、②前回調査において当該売買差益等及び不動産所得その他の所得について調査担当職員から指摘を受けなかったことを奇貨として、故意に課税標準等及び税額等を過少に記載した内容虚偽の平成17年分の期限後申告書を提出したことからして、請求人は当初から申告しないこと又は過少に申告することを意図し、その意図を外部からうかがい得る特段の行為をしていると認められ、その上で本件FX取引に係る売買差益等及び不動産所得等に係る課税を免れる確定的な意図の下に、それらを申告しなかった又は過少に申告したものと認められるから、国税通則法第68条第2項に規定する課税標準等又は税額等の基礎となるべき事実を隠ぺいし又は仮装したところに基づき期限後申告書等を提出していたということができる。(平20.12.15 東裁(所)平20-97)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200002
- 裁決年月日
- 平成20年9月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成17年分の所得税の確定申告書の作成の際に、FX取引に係る所得金額が○○○○円近くあるにもかかわらず、また、FX取引に係る所得について申告が必要なことを熟知しているにもかかわらず、C税理士事務所のD事務員にFX取引に関することについて一切述べず、年金及び譲渡以外の収入はない旨の答弁をし、FX取引に関する資料を全く提示していないことが認められる。また、請求人は、平成18年分の所得税の確定申告書の作成に当たり、FX取引に係る所得について申告が必要なことを熟知していたと認められ、また、FX取引業者との間におけるFX取引に係る所得について、源泉徴収されている事実がないにもかかわらず、D事務員に本件取引内容報告書のみを提示し、平成18年分のE社以外のFX取引に係る所得は、平成17年分以前分を含めて、源泉徴収で納付済みである旨答え、平成18年分のE社以外のFX取引に関する資料については全く提示していないことが認められる。そうすると、請求人は、当初から所得を過少に申告することを意図し、C税理士に、過少な所得金額を記載した平成17年分及び平成18年分の所得税の確定申告書を作成させ、原処分庁へ提出したことが認められる。また、請求人が当初から所得を過少に申告することを意図していたことは、請求人には平成16年から平成18年にかけて、E社、A社、F社、G社、B社及びH社とFX取引があるところ、請求人は原処分調査担当職員のFX取引業者との取引の有無についての質問に対し、平成19年4月4日の原処分の調査の際には、E社及びA社との取引があると述べ、平成19年5月18日の原処分の調査の際には、さらに、F社、G社及びB社との取引があった旨を述べ、平成19年5月24日の原処分の調査の際には、いったんは、その他のFX取引業者はない旨述べ、その後、H社との取引がある旨を述べていることからも明らかである。以上のことは、請求人が、当初から所得を過少に申告することを意図した上、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたものであるから、その意図に基づいて請求人のした過少申告行為は、国税通則法第68条第1項に規定する「納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたとき」に該当する。請求人は、取引を開始した当時のFX取引業者は、物件の説明が主でFX取引に係る所得の申告についての説明は皆無であり、原処分に係る調査において原処分調査担当職員は、FX取引に係る所得が雑所得になる旨記載された書面を発見できなかった旨、さらに、平成18年分の所得税の確定申告書の作成を依頼したC税理士に対してE社以外のFX取引に係る所得があることを秘匿した事実はない旨主張する。しかしながら、請求人はFX取引に係る所得について申告が必要なことを熟知しながら、平成17年分及び平成18年分の確定申告書の作成を依頼したC税理士に、過少な所得金額を記載した平成17年分及び平成18年分の所得税の確定申告書を作成させ、原処分庁へ提出したと認められる。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。請求人は、平成19年5月18日及び同月24日に原処分調査担当職員に対し、FX取引について利益があったにしても申告しなくてよいものと理解していた旨述べたのであって、これを原処分庁は本人の意思を無視しわい曲して解釈しており、このことが仮装・隠ぺいの根拠とはならない旨主張する。しかしながら、請求人がFX取引に係る所得について申告が必要なことを熟知していたのは、前記のとおりであるから、この点に関する主張には理由がない。以上のとおり、請求人の主張には理由がなく、原処分庁が行った平成17年分及び平成18年分の所得税に係る重加算税の各賦課決定処分は適法である。(平20. 9.26 福裁(所)平20-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200002
- 裁決年月日
- 平成20年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が営んでいた○○業の所得税及び消費税等の確定申告について、何ら、国税通則法第68条にいう、隠ぺい又は仮装の事実はない旨主張する。しかしながら、被相続人は、本件各年分ないし本件各課税期間において、本件事務員に対して実額での所得等の計算を可能とする書類は破棄したと伝え、一部取引先又は売上げを除外した上で取引先から取扱数量を把握させ、かつ、一部は差益の単価を過少に伝え、これにより真実よりも低い所得等を計算させ、必要経費及び仕入税額控除も概算で算出することにより、真実の所得等を秘匿したことが認められ、被相続人において過少な申告をする意思があったことが推認される。そして、被相続人は、所得税及び消費税等に関し、①本件各年分等において、真実は被相続人に帰属する所得等の一部を除外して申告したこと、②平成10年から平成14年において、問屋に対する売上げを一部除外し、借名義の領収書を発行していたこと、③本件各年分等において、特定の問屋に対する売上げをすべて除外し、当該収入をA名義の各預金口座に入金したこと、④平成10年から平成14年において、特定の取引先に係る手数料収入をすべて除外し、当該収入を借名儀の口座に入金させ、さらに、架空名義での納品書を発行させて受領していたことからして、被相続人は、本件各年分について、当初から所得等を殊更過少に申告することを意図していることが外部からうかがい得る特段の行動をしていると認められ、その上で、その意図に基づく過少申告をしたものと認められ、過少申告となった金額全額が、このような隠ぺい、仮装行為に基づくものであるということができる。したがって、国税通則法第68条第1項の規定に基づき、これらの事実に係る部分の税額を計算の基礎としてなされた、本件各年分等における重加算税の各賦課決定処分は適法である。(平20. 7. 1 東裁(所・諸)平20-2)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平190005
- 裁決年月日
- 平成20年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A工事が架空の解体工事であったことは認めるが、意図的にA工事の代金として支出した金員を修繕費として損金の額に計上したものではなく、実際にA工事が行われたものと誤認したまま会計処理をし、確定申告をしたものであるから、当該行為は国税通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装行為に基づく過少申告には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人の代表者は、Bに指示し、C社の預金口座を利用するなどした上、架空の見積書、注文請書及び請求書の存在をもって、A工事が実際に行われたように装い、A工事の代金として支出した金員を修繕費として損金の額に算入し、所得金額を過少に申告したものと認められるところ、これらの一連の行為は国税通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装行為に基づく過少申告に当たるというべきであるから、請求人の主張は採用できない。(平20. 1. 7 札裁(法・諸)平19-5)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平190009
- 裁決年月日
- 平成19年10月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件売買契約書及び本件合意書は、実質的に事実をわい曲しないことを前提として専門的知識を有する買主である不動産業者及び請求人が依頼した弁護士が作成した正当な契約書類であり、租税回避を目的に作成されたものではなく、また、請求人には過少申告をする意思もなかったのであるから、重加算税の賦課要件を満たしていない旨主張する。 しかしながら、本件売買契約書及び本件合意書は、単に譲渡価額を分けたにとどまらず、保証債務の継続的な弁済資金の捻出という目的を達成すべく、取引の実態と相違することを承知の上で事実を仮装した契約書類とみるのが相当である。 また、本件売買契約書及び本件合意書が租税回避を目的に作成されたものではないにしても、請求人は、本件土地建物の売買代金額が、本件売買契約書記載の金額に本件合意書記載の金額を加えた金額であることを認識し、本件合意書が関与税理士に渡らなければ、本件合意書記載の金額が譲渡収入金額に加算されないままに申告に至る可能性がある状況にあったことを承知していたと推認されるところ、請求人が本件確定申告書を提出するまでに関与税理士が作成した申告書を点検するなど上記仮装により生じた状況を是正するための具体的な方策や措置を採った事実は認められない。 したがって、請求人は、取引の実態と相違する本件売買契約書及び本件合意書が存在することを奇貨として、本件売買契約書に係る金額のみを譲渡収入金額として記載した本件確定申告書を提出し、これをもって具体的に納税額の過少をもたらしたものと認めるのが相当であるから、申告に際し過少申告の意図があったか否かにかかわらず、国税通則法第68条第1項の規定に該当する。(平19.10.19 金裁(所)平19-9)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180069
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、期末棚卸資産の額の算出に当たり、代表者が指示した主力4商品(以下「本件4商品」という。)に係る単価(以下「本件各指示単価」という。)は、事業年度の末日の市況の建値を基準に算定したもので合理性があり、関与税理士が算出した、事業年度終了の末月1か月の総仕入金額を総仕入数量で除した平均単価(以下「本件各平均単価」という。)は、最終仕入原価法による1単位の取得価額ではなく飽くまでも参考単価であり、いずれの単価により計上するかということは、評価額の解釈及びその採用の問題で、結果として本件各指示単価が関与税理士の提示した本件各平均単価より低い価額になったもので、原処分庁が主張する過少に書き換えさせた行為とは全く異なるものであるから、国税通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装に該当しない旨主張する。 しかしながら、本件4商品のうち建値のあるA商品についてみれば、請求人が主要得意先であるX社から提示されている事業年度末日の買取単価が、同日の市況建値を大きく上回っていること及び請求人の実際の仕入単価は市況建値ではなくX社の買取単価を参考として代表者自身が決定していること並びに請求人の帳簿書類等では仕入商品に係る取引日の記載がなく最終仕入れを確定できないことからすれば、仕入日記帳の事業年度末月における1か月の実際の仕入価額を基に算出したA商品の平均単価は、代表者が決定した仕入単価の累積の結果でありA商品の実際の仕入単価として合理性のある値であるのに対し、主要得意先の買取単価を大きく下回る市況建値から更に利益分を差し引いた本件各指示単価は、実態を反映したものではなく、代表者のし意に基づく不合理なものであるといわざるを得ず、このことは代表者も十分承知していたものと認められる。 そして、代表者は、関与税理士による決算の中間報告の席上、当該税理士らから提示された本件各平均単価により計算された期末棚卸資産の額を基にした法人税額等の説明を受けたがこれに納得せず、本件各指示単価が実際の仕入単価を基礎とした最終仕入原価法による1単位の取得価額ではないこと及び実際の仕入単価が本件各指示単価より高いことを十分認識していたにもかかわらず、利益の繰延べを目的に棚卸資産のうち本件4商品について実際の仕入単価とはかけ離れた額と認められる本件各指示単価により期末棚卸資産の額を算出させ、その期末棚卸資産の額が本件各平均単価により算出した期末棚卸資産の額より約1億円低くなることを確認した上で、関与税理士らの助言と異なる本件各指示単価により期末棚卸資産の額を計上して本件申告書を提出したのであるから、代表者のこれら一連の行為は当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき殊更過少な申告をしたと認められるから、国税通則法第68条第1項に規定する重加算税を賦課する場合に該当すると認められる。(平19. 6.19 名裁(法)平18-69)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180033
- 裁決年月日
- 平成19年3月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・79ページ
要旨
○ 請求人は、建物附属設備を器具及び備品等に書き換えた見積書により各リース会社とリース契約を締結したのは、店舗開設等に要する資金調達を図る目的で行ったものであり、税金を不当に軽減する意図はないから、隠ぺい又は仮装の故意はないので、重加算税の賦課決定処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、リース資産の売主に、建物附属設備等の見積金額を器具及び備品等の見積金額に上乗せさせる方法で、リース資産の全てが器具及び備品等であるかのように事実を仮装した内容のリース会社用見積書を作成させることにより、そのリース料を損金の額に算入し、また、課税標準額に対する消費税額からそのリース料に係る消費税相当額を控除していたものであり、この行為は課税標準の計算の基礎となるべき事実の一部を仮装した場合に該当する。また、これら請求人の行為は、税額等の基礎となる事実の一部である損金等の額が事実と異なることを知りながら、不正行為に及んだものであって、隠ぺい又は仮装の故意があることは明らかであり、それ以上に請求人が過少申告を行うことの認識まで有していることは重加算税の賦課要件ではないので請求人の主張には理由がない。(平19. 3. 7 広裁(法・諸)平18-33)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180030
- 裁決年月日
- 平成19年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、正しい申告をしたいと思っていたが、やむを得ず過少申告したものであり、故意に税を免れる意図はない旨主張する。しかしながら、課税要件事実について、隠ぺい又は仮装することの認識がある場合には、納税者が故意に課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実を隠ぺい又は仮装したものというべきであり、隠ぺい又は仮装に該当する場合には、納税者において租税負担を回避する意図を有していたか否かは判断に影響するものではないと解するのが相当であるところ、請求人が、売上げを管理、把握するために本件売上帳を作成しているにもかかわらず、当該売上帳のほかに本件申告用売上帳を作成するなど、いわゆる「二重帳簿」を作成した上で、本件申告用売上帳に記載した売上金額に基づいて青色申告決算書及び確定申告書を作成し、提出したことは、課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実を隠ぺい又は仮装し、その隠ぺい又は仮装した行為を原因として過少申告の結果が発生したものと認めるのが相当であり、請求人の主張には理由がない。(平19. 1.31 広裁(所)平18-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180141
- 裁決年月日
- 平成18年12月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が各クリニックの院長に支払った経費部分及び歩合部分(各クリニックの事業に係る収支の精算金)が各院長の事業所得であることは、各クリニックの事業実態、帳簿及び確定申告書から客観的に明らかであり、請求人が源泉所得税の対象にしなかったことについて、事実の隠ぺい又は仮装はない旨主張する。 しかしながら、請求人と各院長とは、各院長が請求人に対して非独立的、従属的に役務を提供して、請求人が各院長に対してその対価を支払う関係にあり、請求人は、各院長の役務提供に必要な費用及び役務提供に係る成果成就の危険性を負担する一方、各院長は、これらを負担していなかったにもかかわらず、請求人は、各クリニックの賃貸借契約の当事者、雇用保険及び給与等の支払者、薬品代等の支払者を各院長名義とし、また、各クリニックの収支の管理のために各院長名義の預金口座を開設するなど、各院長がそれぞれ独立して経営しているように仮装又は隠ぺいした。また、院長経費部分が源泉徴収の対象とならないように給与明細書の「その他控除」欄にマイナスを記載して仮装し、各院長の所得税に係る確定申告書には歩合部分のみを事業所得であると記載した確定申告書を作成し、これを各院長の所得税の確定申告書として提出した。このようにして、院長経費部分及び歩合部分に係る源泉所得税の徴収・納付を免れた請求人の行為は、国税通則法第68条第3項に規定する「事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装した」に当たることから、重加算税を賦課決定した原処分は適法である。(平18.12.26 東裁(諸)平18-141)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180083
- 裁決年月日
- 平成18年11月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・41ページ
要旨
○ 請求人は、被相続人名義の投資信託(以下「本件投資信託」という。)が申告漏れとなったのは税理士への本件投資信託に係る残高証明書(以下「本件残高証明書」という。)の手渡しもれという単純なミスにより発生したものであり、隠ぺい・仮装の行為はない旨主張する。 しかしながら、請求人は、預金に係る残高証明書とともに本件残高証明書を入手していたにもかかわらず、当初から財産を過少に申告することを意図し、税理士に本件残高証明書を提示することなく、また、遺産分割協議を4回行い、その都度、遺産分割協議書を作成し、その内容を請求人が共同相続人に説明するなど、本件投資信託の漏れを是正する機会が再三あったにもかかわらずこれを是正することなく、本件投資信託の存在を税理士に対して秘匿し、税理士に過少な申告内容を記載した相続税の申告書を作成させ、これを原処分庁に対して提出したものと認められる。 これは、請求人が、当初から財産を過少に申告することを意図した上で、その意図を外部からうかがい得る特段の行動をとったものであるから、その意図に基づいて請求人のした過少申告行為は、国税通則法第68条第1項に規定する重加算税の賦課要件を満たすものというべきである。(平18.11.16 東裁(諸)平18-83)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平180002
- 裁決年月日
- 平成18年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人が所有していた株式は、売買契約書、覚書及び売買予約契約書によって、被相続人からAに移転しているため相続財産に該当せず、Cはその事実に基づいて相続税の申告書を提出したのであるから、隠ぺい又は仮装した事実はなく、また、隠ぺい又は仮装する理由もない旨主張する。しかしながら、Cは、売買契約書、覚書及び売買予約契約の作成に主導的に関与し、被相続人が所有していた株式を譲渡した事実がないにもかかわらず、譲渡したかのごとく、同人と被相続人及びAの三者が通謀して仮装し、その仮装したところに基づき、相続税の申告書を提出したものであり、この行為は、国税通則法第68条第1項に規定する重加算税の賦課要件に該当する。(平18. 7. 7 高裁(諸)平18-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170202
- 裁決年月日
- 平成18年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業の私法上の権利は、本件各法人に帰属するから、本件事業の主体が法人であるかのように仮装したものである場合には該当しない旨主張する。 しかしながら、請求人は、本件事業が請求人の収支計算の下に行われているにもかかわらず、本件事業に係る取引を本件各法人名義で行い、本件事業の所得が本件各法人に帰属するように仮装していたものと認められるから、本件各賦課決定処分は適法である。(平18. 6.23 東裁(所・諸)平17-202)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170061
- 裁決年月日
- 平成18年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各通信販売に係る売上げの計上もれは、故意に脱税する認識を持って行われたものではなく、隠ぺい又は仮装の行為には該当しないから、重加算税を課した本件処分は違法である旨主張する。しかしながら、隠ぺい又は仮装の行為というためには、納税者の行為が客観的にみて隠ぺい又は仮装と判断されるものであれば足り、納税者の故意の立証までは要求されていないと解されるところ、請求人は、本件各通信販売を行い、その売上代金が本件郵便振替口座に入金されているにもかかわらず、その事実を帳簿書類に記録せず、さらに、関与税理士にも伝えず、本件公表口座への入金額に基づいて確定申告をしたものである。そうすると、請求人の当該行為は、客観的にみて、請求人が課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実を隠ぺいし、その隠ぺい行為を原因として過少申告の結果が発生したものであると認められるから、請求人の主張は採用できない。(平18. 5.23 大裁(法・諸)平17-61)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170041
- 裁決年月日
- 平成18年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、収入金額の申告漏れは、記帳を従業員任せにし、また、申告時期が税理士業務の最も多忙な時期と重なり、申告書類を帳簿に基づき作成する余裕がなく、前年分の申告書類に基づき作成したため生じたもので、故意に申告漏れをしたのではないから、隠ぺい又は仮装には該当しない旨主張する。 しかしながら、請求人が各年分の確定申告書に添付した「所得の内訳書」には多数の取引先からの決算料等の記載漏れがあるところ、請求人は、経理の専門家として会計処理に練達した税理士であり帳簿書類に基づく正確な経理処理が重要であることを熟知していること、4年もの長きにわたり決算料等の申告を脱漏し、その件数も各年分とも約60件と多数であって、単なる失念による記載漏れとは考え難いことなどからすれば、請求人が「所得の内訳書」に決算料等の記載を遺漏したものではなく、意図的に記載しなかったものと認められ、同行為は隠ぺい行為に該当する。したがって、原処分庁が行った重加算税の賦課決定処分は適法である。(平18. 5.22 広裁(所・諸)平17-41)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170054
- 裁決年月日
- 平成17年10月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その行う事務処理の受託事業(本件受託事業)は、法人税基本通達15−1−28に基づく実費弁償による事務処理の受託等の確認(本件実費弁償確認)を受けており、法人税の申告義務がなく、法人税の所得計算等は不要であったから、そこには仮装、隠ぺいにより課税を免れようとする意図はない旨主張する。しかしながら、請求人の行う本件受託事業は実費弁償により行われておらず、また、請求人は、本件各事業年度において本件受託事業の剰余金の一部を、次期繰越収支差額に計上せず、意図的に「必要な費用」を過大に計上するなどして、あえて次期繰越収支差額を前期と同額になるように調整していることが認められることからすれば、本件実費弁償確認が取り消される蓋然性が高いことを自認しながら、それを回避する行為を行っていたというべきであり、法人税の所得計算等は不要であったから、仮装、隠ぺいにより課税を免れようとする意図はない旨の請求人の主張には理由がない。(平17.10.28東裁(法・諸)平17-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170030
- 裁決年月日
- 平成17年8月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成15年の夏期賞与の計上が、平成15年4月期の損金の額とは認められないことについては争わないが、当該賞与の支給行為には事実の仮装はなく、また、仮装の意図もなかったので、重加算税の賦課事由はない旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第134条の2《使用人賞与の損金算入時期》第2号は、「期末までにすべての従業員に対して賞与の支給額を通知していること」を損金算入の要件としているところ、請求人は、上記賞与の支給額の決定日は翌期の5月28日であるにもかかわらず、全従業員に、各人の支給金額と「支給決定日」を当期中の4月30日と印字した書面に署名押印させていることからすれば、課税要件となる事実を仮装したものと認められる。したがって、請求人には、国税通則法第68条《重加算税》に規定する重加算税の賦課事由があるから、請求人の主張には理由がない。(平17.8.12東裁(法・諸)平17-30)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平160038
- 裁決年月日
- 平成17年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人には、故意に脱税する意思はなく、他人名義で事業を行ったのは、不動産賃貸借契約及び許可の名義変更手続等に手間取り、その変更が遅れたにすぎず、また、請求人の妻名義の口座で金を管理していたのは、請求人の取り分とホステスの取り分とを区分するためであり、各年分の確定申告書を提出しなかったのは、税に対して無知であり、税務署から用紙配付もなかったため申告の仕方がわからなかったためであるから、仮装、隠ぺい行為は存しない旨主張する。しかしながら、本件においては、①請求人は、各年分において作成した売上帳や領収証など取引に関する書類の大半を破棄していること、②本件事業を営むに当たり、他人名義により営業を継続していたこと、③当該営業により得た収入を他人名義の預金口座(本件各銀行口座)により管理していたことの各事実が認められ、請求人が当初から、取引に係る資料を破棄し、所得がないかの如く仮装していることは明らかであり、請求人の上記各行為は、いずれも、仮装、隠ぺいに該当すると言わざるを得ない。(平17.6.28広裁(所・諸)平16-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160277
- 裁決年月日
- 平成17年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・46ページ
要旨
○ 請求人は、被相続人名義の普通預金及び定期預金(以下、これらの預金を併せて「本件預金」という。)が、申告漏れとなったのは、本件預金の残高証明書を税理士に提示し忘れたための単純なミスによるものであり、隠ぺい、又は仮装に基づくものではないことから、本件重加算税の賦課決定処分は取り消すべきである旨主張する。しかしながら、①請求人は、本件預金が被相続人の財産であることを認識していたこと、②本件預金の額が2億円超と高額であり、被相続人の預金総額の約56%を占めており、申告の直前に本件預金の残高証明書を入手し保管していたのであって、本件預金が申告書及び遺産分割協議書に記載されていないことに気付かなかったとか、税理士に知らせることを失念したとはにわかに信じ難いこと、③請求人は、税理士から申告書及び遺産分割協議書の内容について事前に説明を受けていることなどからすれば、請求人は、本件預金の存在を秘匿して相続税の申告をする意思で、すなわち、当初から財産を過少に申告することを意図し、税理士に本件預金の存在をあえて知らせなかったと認めるのが相当であり、このことは、請求人が、相続財産を過少に申告することを意図した上、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたものであるから、その意図に基づいて請求人のした過少申告行為は、国税通則法第68条に規定する隠ぺい、又は仮装に該当する。したがって、本件重加算税の賦課決定処分は適法である。(平17.6.13東裁(諸)平16-277)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160255
- 裁決年月日
- 平成17年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、派遣型ファッションヘルスに係る風俗業の売上金額についての基礎資料を廃棄したのは、警察当局の取締りを忌避するためであり、税務申告若しくは税務調査を念頭に隠ぺい行為を行ったものではない旨主張する。しかしながら、請求人は、多額の所得があること及び確定申告の必要性があることを認識しつつも、売上金額に係る唯一の基礎資料であるリスト表等を廃棄し、また、事業所に係る名義を請求人以外の者にするなど、税務調査があった場合に正確な所得金額の把握の妨げとなることは明らかであり、請求人の当該各行為は、事実の隠ぺい又は仮装の行為に該当し、もって無申告の状況を招来したと解するのが相当である。したがって、請求人の主張を採用することはできない。(平17.5.16東裁(所)平16-255)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160221
- 裁決年月日
- 平成17年3月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、故意に収入金額を隠匿した事実はなく、積極的な不正行為は存在しないから、重加算税を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、所得税の確定申告に当たり、過少に集計された所得の内訳書に基づいて事業所得及び雑所得の金額をことさらに過少に記載した所得税確定申告書を提出したものと認められ、請求人の行為は、国税通則法第68条第1項に規定する所得税の課税標準等又は税額計算の基礎となるべき事実の一部を隠ぺいし、その隠ぺいしたところに基づき納税申告書を提出していたときに該当するから、原処分は適法である。なお、雑所得とした貸付金利息収入のうち、未収利息については、請求人は収入の時期を入金の時であると主張しており、収入金額として認識していたとは認め難いことから、過少申告加算税相当額を上回る部分の重加算税を取り消す。(平17.3.30東裁(所)平16-221)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平160018
- 裁決年月日
- 平成17年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人には事実を隠ぺい又は仮装する意図はなく、また、その事実はないから、重加算税の賦課決定処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、本件各事業年度の売上金額を賃貸料振込み口座で把握し確認できたにもかかわらず、当初から真実の売上金額を隠ぺいしようという確定的な意図の下に、真実に反する賃貸借契約の締結を装い、しかも、真実の賃貸借契約において、賃貸人名義及び賃貸料振込口座名義に様々な借名を使い分けることによって、売上金額(課税売上高)を不透明にするなどして、売上を除外あるいは圧縮して記載した虚偽の帳簿に基づき内容虚偽の確定申告書を作成、提出したものと認められる。こうした請求人の行為は、国税通則法第68条第1項に規定する課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実を隠ぺいし又は仮装したところに基づき、納税申告書を提出又は提出しなかったときに該当するから原処分は相当である。(平17.3.7高裁(法・諸)平16-18)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160044
- 裁決年月日
- 平成17年2月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前回調査の際の指導により帳簿書類に基づき所得金額を適正に申告しなければならないことは十分に承知しており、各年分の事業所得の金額及び給与所得の金額を算定できる資料を手元に有しており、真実の所得金額を十分認識していたことが認められるところ、確定申告額は、修正申告額の零%又は45%と極めて低い率となっており、3年間にわたりあえて極めて過少な申告をしたことが認められる。しかも、調査担当職員が再三にわたり原始記録等を提示するよう求めたにもかかわらず、整理した上で提示することもなく、調査担当職員の質問に対して虚偽の答弁ともとれる対応をし、速やかに真実の回答をしなかったことも認められる。そうすると、請求人は、確定申告の当初から、真実の所得金額を十分に認識していながらあえて秘匿し、それが課税対象になることを回避することを意図し、事後的に隠ぺいすることも予定しつつ、真実の所得金額を把握できる帳簿書類等に基づかずに、ことさらに所得金額を過少に記載した内容虚偽の確定申告書を提出したとみるのが相当である。(平17.2.7関裁(所)平16-44)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160001
- 裁決年月日
- 平成16年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A他5店又は6店(以下「本件全店舗」という。)に係る所得は請求人には帰属せず、請求人には所得税の納税義務はないから、所得税の決定処分を取り消すことに伴い、重加算税の賦課決定処分も取り消すべきである旨主張する。しかしながら、本件全店の売上はすべて請求人に帰属すると認められるところ、①本件全店に係る風営法の営業許可の申請は、いずれも請求人以外の名義で行われていること、②本件全店に係るクレジットカードによる売上を借名口座に入金させて隠ぺいしていること、③本件全店の酒類の仕入金額を2分の1の金額にさせて請求させていること、④請求人は、原処分庁の調査に際し、本件全店の日々の売上げの基礎資料である営業日報をまったく提示せず、本件全店に関する売上や経費を入力したデーターを消去しており、これらの事実は、国税通則法第68条第2項に規定する「その国税の課税標準等または税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装した」ときに該当し、請求人は法定申告期限までに納税申告書を提出していないことが認められるので、重加算税の賦課決定処分は適法である。(平16.7.7名裁(所・諸)平16-1)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140036
- 裁決年月日
- 平成14年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・102ページ
要旨
○ 請求人は、取引先役員等に要請された取引謝礼金を支出する当たって、仲介業者の名義を利用し、実態と異なる仲介契約書を作成したことにつき、脱税の目的でないから、重加算税の賦課決定処分は違法であると主張するが、請求人は、当該支出が販売手数料としての実態を有するものでなく、また、真実は仲介契約書の相手方である仲介業者に支払われるものでなく、取引先役員等に対して支払われるものとの認識を持ちながら、仲介業者の名義を利用して虚偽の仲介契約書を作成し、会計帳簿には、あたかも仲介業者に対する販売手数料を支出したかのように装い、その結果、確定申告において交際費課税を免れていたものである。そして、国税通則法第68条第1項による重加算税を課し得るためには、納税者が故意に課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺい、仮装行為を原因として過少申告の結果が発生したものであれば足り、それ以上に納税者において過少申告を行うことの認識までも必要ないと解されるから、本件重加算税の賦課である。(平14.12.19.広裁(法)平14-36)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130044
- 裁決年月日
- 平成14年5月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人名義の定額貯金を申告しなかったのは、定額貯金が請求人に帰属するものであるとの認識であったためであり、確定的な意図の下に隠ぺいしたものではないから重加算税の賦課決定処分は取り消すべきである旨主張する。しかしながら、定額貯金は請求人に帰属する余地はなく、請求人は、(1)相続開始直後に定額貯金を解約し、その存在を確知していること、(2)相続税の申告書の作成を依頼したA税理士から、郵便貯金については、郵便局長の発行する残高証明書では正確な残高が得られないことから、貯金事務センター所長発行の残高証明書を入手するよう指導されたにもかかわらず、郵便局長発行の証明書を入手し同税理士に提示したこと、(3)また、同税理士から、申告書作成の際、再度、被相続人名義の定額貯金は本当にないかとの質問にも、定額貯金はない旨回答して、同税理士に定額貯金の存在を明らかにせずに相続税の申告書の作成を依頼し、同申告書を税務署長に提出したこと、さらに、(4)税務調査の際に、定額貯金の存在及びその解約手続をしたことを否定し、後日それを認めていることなどの事実からすれば、請求人は定額貯金について秘匿することを意図し、その意図に基づいて過少申告をしたことが認められ、請求人のこれらの行為は、重加算税の賦課要件たる事実の隠ぺいに該当する。(平14. 5. 9.広裁(諸)平13-44)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130057
- 裁決年月日
- 平成14年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、得意先に支出した金員(以下「本件支出金」という。)を改修補修工事代金(以下「本件工事」という。)として仕入金額に計上したことについて、脱税や着服といった意図が全くないから、重加算税の賦課決定処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、本件支出金の領収証がもらえなかったことから、外注先に依頼して入手した白紙の請求書及び領収証を使用し、本件工事を発注したかのような真実と異なる取引を記載した請求書及び領収証を作成したことが認められ、このことは事実の仮装といえるから、原処分庁が行った本件重加算税の賦課決定処分は、適法である。(平14. 3.11大裁(法・諸)平13-57)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120054
- 裁決年月日
- 平成13年5月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人の実質代表者は、十数社にわたる法人を経営しており、同人が経営する法人のうち、納税申告の事績が営業活動に影響する法人については、法定申告期限内に確定申告書を提出されているから、内国法人にあっては所得金額等の有無にかかわらず確定申告書を提出しなければならないことを十分に熟知していたと認められる。そうすると、審査請求人は、法人税等の申告すべきことを熟知しながら、あえて申告しなかったのみならず、当初から無申告による租税回避を意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行為をした上、その意図に基づいて法人税等の確定申告書を法定申告期限までに提出しなかったことが認められるから、その行為は法人税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部を隠ぺいし、その隠ぺいしたところに基づき納税申告書を法定申告期限までに提出しなかったことに該当するから、重加算税の賦課決定処分は適法である。(平13.5.25広裁(法・諸)平12−54)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120072
- 裁決年月日
- 平成13年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、勤務先の代表者に依頼されたものであり、故意に還付申告をしたものでなく、重加算税の賦課決定処分は取り消されるべきである旨主張するが、請求人は、本件還付申告書について(1)内容の説明を受けていること、(2)請求人が還付金の振込口座を記載し、押印をしていることが認められ、結局、請求人は、本件輸出取引が自己に帰属しないことを十分認識しながら、これを自己に帰属する取引であるかのように装って本件還付申告書を提出したものと認められる。また、重加算税は、納税者が故意に課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺい、仮装行為を原因として過少申告の結果が発生したものであれば足り、それ以上に、申告に際し、納税者において過少申告を行うことの認識を有していることまでを必要とするものではない。したがって、請求人は、自己の取引でない取引を請求人の実際の取引であるように仮装し、本件還付申告書を提出したというべきで、この行為は、通則法第68条第1項に規定する「課税標準又は税額等の基礎となるべき事実の全部又は一部を仮装し、その仮装したところに基づき納税申告書を提出していたとき」に該当するから、重加算税の賦課決定処分は相当である。(平13.2.28大裁(諸)平12−72)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110070
- 裁決年月日
- 平成12年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件工事に係る所得の帰属は請求人ではなく、代表者個人に帰属するものであること、②本件運送収入のうち1,000,000円は除外したことを認めるが、残額は燃料代等で相殺され受け取っていない旨主張するが、本件工事に係る原材料の請求書及び領収書が請求人あてになっていること、本件工事に係る費用の一部が経費として損金の額に算入されていることなどから、本件工事に係る所得は明らかに請求人に帰属するものと認められる。更に、本件工事に係る所得は上記②のとおり明らかに請求人に帰属し、本件工事代金及び本件運送収入を代表者名義の預金口座に入金し、請求人の帳簿書類に記載せず、所得を過少にした納税申告書を提出していることは、重加算税の賦課要件に該当する。以上のことから、原処分庁の行った処分は適法である。(平12. 6.30高裁(法・諸)平11-70)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平110012
- 裁決年月日
- 平成12年5月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、建築工事業を営む請求人がマンションの建築工事を受注するに当たり、建築主から依頼のあった資金の一時的な貸付けに応じるため、工事の下請先である請求人の子会社に外注費を支払いその外注費のなかから建築主に貸付けを行わせていることをもって、外注費の支払は貸付資金を提供するための金融取引であるにもかかわらず外注取引に仮装したものであり、また、その支払の基になった請求書は、工事の事実があったかのごとく記載されたり、工事の進行状況と何ら関連性のない金額が記載されたものであるから事実を仮装しており、建築工事の引渡しもなされていないことからしても仕入税額控除を行うことはできないものであり、よって、通則法第68条第1項に該当する旨主張する。しかしながら、本件外注費の支払は、建築工事の実体を伴ったものであるから金融取引ではなく外注取引であると認めることが相当であり、また、本件請求書及び本件外注費の支払には事実を仮装するという請求人の意図はみられないこと等から、通則法第68条第1項の規定には該当せず、したがって、重加算税の賦課決定処分は過少申告加算税相当額を超える部分につき取り消すべきである。(平12. 5.22金裁(諸)平11-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110115
- 裁決年月日
- 平成12年4月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者が税法を知らないこともあり、故意に脱税したつもりはない旨主張するが、請求人が、売上げを除外し、その決済代金を簿外の本件外貨預金口座で取り立てたり、負債科目である前受金として会計処理するとともに、本件外貨預金口座に係る受取利息及び為替差益を会計帳簿に記載せず、法人税の所得金額を過少に申告していたことが認められ、通則法第68条第1項の規定に該当するから、重加算税の賦課決定処分は適法である。(平12. 4.28大裁(法)平11-115)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各事業年度の法人税について、申告すべき義務のあることを熟知しながら、あえて法定申告期限内に申告しなかったのみならず、確定的な脱税の意思に基づいて、関与税理士にあらかじめ所得金額を圧縮する会計処理をした帳簿書類等及び原処分調査時提示試算表を提示して決算書を作成させ、また、これに基づき関与税理士が法定申告期限内に作成した確定申告書の所得金額をさらに減額するよう求め、関与税理士から所得金額を減額した確定申告書の作成を拒まれるままにこれを放置し、まさに租税回避の意図に基づいて、本件各事業年度の法人税の確定申告書を法定申告期限までに提出しなかったものと認められる。以上のとおり、請求人は、当初から租税回避を意図した上、その意図を外部からもうかがい得る特段の行為をしたものであるから、その意図に基づいて請求人が本件各事業年度の法人税の確定申告書を法定申告期限後に提出したことは、通則法第68条第2項に規定する重加算税の課税要件を満たすものというべきである。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-11)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110012
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件各課税期間の消費税の決定処分は適法であり、また、請求人は、法人税の重加算税の賦課決定処分の場合と同様に、当初から租税回避を意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行為をしたものであるから、その意図に基づいて本件各課税期間の消費税の確定申告書を提出しなかったことは、その消費税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部を隠ぺいし、その隠ぺいしたところに基づき法定申告期限までに納税申告書を提出しなかったことに該当するというべきであるから、原処分庁が通則法第68条第2項の規定に基づいて行った本件各課税期間の消費税の重加算税の賦課決定処分は適法であり、請求人の主張には理由がない。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-12)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110012
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各事業年度の法人税について、申告すべき義務があることを熟知しながら、あえて申告しなかったのみならず、確定的な脱税の意思に基づいて、関与税理士が法定申告期限内に作成した確定申告書の所得金額を減額するよう求め、関与税理士が所得金額を減額した確定申告書の作成を拒むと、租税回避の意図に基づいて、本件各事業年度の法人税の確定申告書を提出しなかったものであると認められる。以上のとおり、請求人は、当初から租税回避を意図した上、その意図を外部からもうかがい得る特段の行為をしたものであるから、その意図に基づいて請求人が法定申告期限までに納税申告書を提出しなかったことは、通則法第68条第2項に規定する重加算税の課税要件を満たすものというべきである。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100137
- 裁決年月日
- 平成11年3月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、青色事業専従者が事業に従事していないにもかかわらず、帳簿書類に青色事業専従者給与を記帳していたことは、故意に青色事業専従者が事業に従事していたかのように事実を歪曲したことにならず、また、仮名若しくは偽名を用いるなど虚偽の帳簿を作成したわけではないことから、仮装行為に該当していない旨主張するが、本件の場合、①総勘定元帳の記帳は会計事務所で行われていたが、総勘定元帳の基となる給与台帳は請求人が作成していたこと及び②請求人は配偶者が請求人の事業に従事していないことを十分認識していたことにもかかわらず、青色事業専従者に該当するかのように虚偽の内容を会計事務所の担当者に説明していたことから、請求人は、青色事業専従者給与が認められるような総勘定元帳の作成が行われるために仮装行為を行っていたと認められる。(平11.3.25東裁(所)平10-137)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100054
- 裁決年月日
- 平成11年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ほ場整備事業に係る受益者負担金の取扱について原処分庁の誤指導があった旨主張し、重加算税の賦課決定処分及び修正申告の取消しを求める旨主張する。 しかしながら、請求人は、申告に際し申告した所得以外に多額の所得があることを知りながらこれを除外して真実の所得を秘匿してことさら過少に記載した内容の申告書を提出したものと認められ、また、請求人提出資料及び原処分関係資料によって当該負担金について誤った指導をしたことを認めるに足る証拠がないことから原処分が違法となるものではない。 なお、修正申告は、通則法第75条第1項に規定する「国税に関する法律に基づく処分」に当たらないことから、審査請求の対象となる処分が存在しないので、修正申告取消に係る審査請求は不適法である。(平11.1.19関裁(所)平10-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100065
- 裁決年月日
- 平成10年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・1ページ
要旨
○ 請求人は、本件取引に脱税の目的及び認識はないから、請求人に隠ぺい・仮装の故意はないことを理由に、本件賦課決定処分は賦課要件を欠いた違法な処分である旨主張する。しかしながら、重加算税制度が、納税義務違反に対する行政上の制裁措置であることからすれば、重加算税を賦課するに当たり、課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実の全部又は一部に隠ぺい又は仮装があり、その隠ぺい又は仮装を原因として過少申告の結果が生じたものであれば足り、それ以上に納税者において過少申告を行うことの認識を有していることまでも必要とはしない。(平10.12. 2東裁(法)平10-65)裁決事例集 №56・1ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100024
- 裁決年月日
- 平成10年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が「仮装・隠ぺい」と認定した収入除外の行為は、商工会の担当者が独自の判断で行ったもので、請求人自身が隠ぺい又は仮装した事実はない旨主張するが、請求人は、正確な収入金額を把握し得るキャンパスノートを作成していながら、商工会の担当者に指示して月々の収入金額を減額した決算書及び所得金額を過少に記載した確定申告書を作成し、過少申告であることを認識した上で本件確定申告書を原処分庁に提出していたと認められ、更に、請求人はその後の本件調査においても内容虚偽の帳簿書類を作成して調査担当者に提示し、本件調査を困難ならしめること等の行為を行っており、これらの一連の行為は、重加算税の賦課要件たる「仮装・隠ぺい」に当たるものと認められる。(平10.11.10名裁(所)平10-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090091
- 裁決年月日
- 平成10年6月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税の確定申告に当たり、関与税理士にすべての資料を提供し、決算、税務申告の一切を依頼していたものであるから、請求人には過少申告の認識はなかった旨主張する。しかしながら、請求人の記録等によれば、売上除外、架空仕入れ・架空経費の計上等により所得金額を過少に申告していた行為はすべて請求人の指示に基づいて行われた事実が認められ、請求人の主張は認められない。(平10. 6.16名裁(法)平 9-91)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090083
- 裁決年月日
- 平成10年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件預金を相続財産に含めなかったのは、請求人の税に対する無知によるもので、隠ぺい又は仮装の行為によるものではない旨主張するが、請求人は、(1)被相続人から受け取った本件預金が仮名預金であることを認識の上、その存在をだれにも知らせず、請求人が保管していたこと、(2)本件預金を解約し、その中から自己の裁量で請求人の姉妹に分与し、また、自らも消費していたこと、(3)請求人の姉妹に相続財産の一部であるといって本件預金を分与しながら、遺産分割協議に図らず、また、顧問税理士から預金名義が相違していても、相続財産となる場合があることの説明を受けていながら本件預金を提示しなかったことなどの事実から、本件預金が架空名義であったことを利用して、相続税を免れる意図をもって、相続財産から除外して本件申告書を提出したものと推認するのが相当であり、その行為は通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の事実に当たるから、重加算税の賦課決定処分は適法である。(平10. 3.25大裁 (諸) 平 9-83)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090066
- 裁決年月日
- 平成10年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、計上した外注費が寄付金に認定されることを認めつつも、仮装の行為及び脱税を意図したものではない旨主張する。しかしながら、請求人は、関係法人に業務委託をした事実がないにもかかわらず、委託があったごとく請求書を整え、当該外注費を請求人の当該事業年度の損金の額に算入したと認められ、このことは、事実の仮装に該当する。したがって、原処分庁が通則法第68条第1項の規定に基づいて行った重加算税の賦課決定処分は適法である。(平10. 1.27広裁(法・諸)平 9-66)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平090009
- 裁決年月日
- 平成9年12月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、住宅ローンが被相続人の債務でないことを知りながら、そして被相続人の債務であるとして発行された残高証明書の内容が誤りであることを知っていたにもかかわらず、当該残高証明書を奇貨として債務を過大に計上し、相続税を過少に申告したものであり、これらの行為は、事実を隠ぺいし又は仮装したところに基づいて申告書を提出していた場合に該当するから、重加算税の賦課決定処分は適法である旨主張するが、請求人には、(1)住宅ローンの不存在を認識し、債務を過大に計上したと認めるに足る証拠はなく、(2)本件調査に際して、別段事実を隠匿したり虚偽答弁をしている事実も認められず、(3)債務が過大に計上されたことは農協支所を調査すれば容易に判明することの各事実からみて、請求人がその意思に基づいて、事実を隠匿し、又は債務を過大に装う等の事実は認めることはできず、重加算税の賦課要件を満たしているとは認められない。(平 9.12. 2仙裁(諸)平 9-9)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080094
- 裁決年月日
- 平成9年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)未払金の債務免除が法人税法上益金の額に算入されることを、調査により指摘されて初めて知ったこと、(2)調査担当職員に対して故意に本件の事実を隠匿し、作為を施して調査を妨げたこともないこと、(3)未払金の債務を免除されたことについて、積極的に事実と相反する経理処理をしようという認識も自覚もなく、また、事実に相反する経理がなされていることを知りながら、あえてそのまま放置し、訂正しないでおこうという意思もなかったことから、重加算税の課税要件である隠ぺい行為の事実はない旨主張する。しかしながら、請求人は、(1)過去の事業年度において未払金の債務免除益を雑収入として計上していること、(2)多額の未払金の債務免除の事実を関与税理士に知らせなかったこと、(3)調査においても未払金の債務免除に関する書類が存在することを知りながら、調査担当職員にこれを提示せず、虚偽の答弁を行っていることからすると、請求人のこれらの行為は、未払金の債務免除の事実を積極的に隠ぺいする意思に基づいてなされたものであると認められるから、原処分庁がした重加算税の賦課決定処分は適法である。(平 9. 5.30広裁(法)平 8-94)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080069
- 裁決年月日
- 平成9年2月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得を申告しなかったのは税に対する知識がなかったことによるものであって、仮装、隠ぺいによるものではない旨主張するが、請求人及び従業員並びに各証券会社の各担当者の供述から判断すると、請求人は本件所得の申告の必要性を十分認識していたことが認められる。したがって、請求人は、本件所得について申告の必要があることを十分承知していながら、そのすべてを除外し、事業所得のみによる殊更過少な所得金額を記載した確定申告書を4年間にわたって提出し続け、しかも、従業員に対して、従業員名義の取引は自分のものであると供述するように指示するほか、有価証券の売買に関して一切の記録を残さず、真実の所得の調査解明に困難が伴う状況をつくるなど真実の所得金額を隠ぺいする態度、行動をできる限り貫こうとしているのであって、確定申告書の提出は単なる過少申告行為に留まらず、通則法第68条第1項にいう仮装、隠ぺいしたところに基づき納税申告書を提出した場合に該当するので、重加算税の賦課決定処分は適法である。(平 9. 2.27大裁 (所) 平 8-69)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080045
- 裁決年月日
- 平成8年12月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、確定申告書に譲渡所得の金額を零円と記載したが、仮装、隠ぺいの意思及び原処分庁に対して虚偽の申立てをした事実はなく、申告が必要であることに思いが及ばなかったもので悪質な内容を有するものではない旨主張する。しかしながら、本件譲渡契約は瑕疵なく有効に成立し、代金決済、所有権移転登記もしており、請求人は、ほぼ自己の所得金額を把握していたにもかかわらず、確定申告書に零円と記載したばかりでなく、現状変更禁止の仮処分申請事件を奇貨として、錯誤により名義を戻すと附記した上、原処分庁の調査担当職員に対し、いまだ土地の引渡しが終わっておらず、土地代金の授受もない等虚偽の答弁をし、また、関係書類の提示もしなかった。このような事情からすると、請求人は、単純な誤りから譲渡所得の金額を零円と記載した確定申告書を提出したというにとどまらず、確定申告の時点で、所得を隠ぺいしようという確定的な意図の下に、必要に応じて事後的にも隠ぺいのための具体的工作を行うことも予定しつつ、所得金額を殊更過少に記載した内容虚偽の確定申告書を提出したことが明らかである。したがって、重加算税の賦課決定処分は相当である。(平 8.12.20大裁 (所) 平 8-45)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080040
- 裁決年月日
- 平成8年10月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 100915000
- 争点
- 9重加算税/15隠ぺい、仮装の意図
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、調査に際して、当初は貸付金があることを秘匿しようとし、貸付金があることの確証を示されるに至って、貸付金の存在は認めたものの、次には、当該貸付金の全容を明らかにしないことを意図して証書等の提出を拒んだもので、このことは、貸金利息等に対する課税を回避しようとする意図が当初からあったものと認めるのが相当であり、そして、貸金利息等に係る所得について申告しなければならないこと及び貸金利息等の額が相当高額になることを認識しながらこれを申告しなかったものと認められるので、原処分庁が、通則法第68条第1項に基づき重加算税を賦課したことは適法である。(平 8.10.21東裁(所)平 8-40)
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