裁決要旨 4収益の帰属事業年度
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060143
- 裁決年月日
- 令和7年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300411000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/11受贈益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、親会社との取引に係る価格の調整額(本件売上調整額)は、法人税法第22条第2項に規定する「資産の販売」に係る収益の額に該当し、受贈益には該当しないから、支出を受けた事業年度の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、本件売上調整額は、当該取引に係る対価の調整としての合理的な算定方法により算定されたものではなく、請求人が適正利益を確保するという観点のみから算定されたものと認めるのが相当である。したがって、本件売上調整額は、売上げに係る価格の調整としての性質が認められず、法人税法第22条第2項に規定する「資産の販売」に係る収益の額に該当せず、同項に規定する「無償による資産の譲受けその他の取引」に係る収益の額として、受贈益に該当するから、支出を受けた事業年度の益金の額に算入される。(令7. 3.12 東裁(法)令6-143)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060035
- 裁決年月日
- 令和7年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406020
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/2手数料等収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の行った受託販売(本件受託販売)に係る手数料(本件売上げ)は、販売委託契約書においてあらかじめ決められた期間にわたって分割して支払われる旨が定められており、その支払請求権は、顧客が商品を購入した後1月毎に発生するから、本件売上げはこれに応じて益金の額に算入すべきであり、また、請求人が販売を再委託したエージェントに支払う販売手数料(本件販売手数料)も本件売上げの計上に応じて分割して損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、顧客が商品を購入し、その代金を支払った時点で、本件受託販売に係る請求人の役務は完了し、その購入に係る本件売上げの全額について収入すべき権利が確定したものと認められるから、当該金額を当該支払の日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであり、また、本件売上げに対応する売上原価に該当すると認められる本件販売手数料は、当該事業年度にその全額を損金の額に算入すべきである。(令7. 2.20 名裁(法・諸)令6-35)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令060003
- 裁決年月日
- 令和7年2月6日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、契約時の合意に反し行われた期日前返済又は借入利率の変更(期日前返済等)の違約行為に伴う違約金につき、請求人が、借主が期日前返済等を行う前にこれを免除した場合は、期日前返済等の時に発生した違約金を免除したにすぎないから、期日前返済等が行われたと同時に益金の額として収入すべき権利が確定していた旨主張する。しかしながら、期日前返済等が行われる前に、借主からの違約金の全部又は一部の免除の申出を請求人が承諾した場合は、これは当初合意の変更の申込みに対する承諾の意思表示と認められ、請求人と借主との間で違約金が発生しない、又は新たな違約金の額の合意が成立したとみるのが自然であるから、期日前返済等が行われた時において違約金が発生するような違約行為は存在せず、当該違約金の免除額に対する実現可能な権利自体が発生しないこととなる。したがって、期日前返済等が行われる前に当該違約金を免除した場合は、期日前返済等が行われた時に益金の額として収入すべき権利が確定していたと認めることはできない。(令7. 2. 6 熊裁(法)令6-3)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令060002
- 裁決年月日
- 令和6年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請負による建設工事等に係る収益の帰属の時期について、作業を結了した日を引渡しの日としてその収益計上を行うことを継続適用しているところ、請求人の行った特定の工事(本件各工事)の作業を結了した日は、いずれも原処分に係る事業年度終了の日の翌日以後であるから、本件各工事の請負代金等の合計額は、当該事業年度の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、本件各工事の引渡しの日については、遅くとも本件各工事に係る引渡書等に記載の引渡日等が本件各工事の種類及び性質、契約の内容等に応じてその引渡しの日として合理的であると認められる。そして、当該引渡日等は、いずれも当該事業年度内であるから、本件各工事の請負代金等の合計額は、当該事業年度の益金の額に算入するのが相当である。(令6.10. 4 金裁(法・諸)令6-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060029
- 裁決年月日
- 令和6年9月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300402000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/2期間損益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、設立以来、空調設備等の工事を請け負っている取引先(本件取引先)から受注した請負工事に係る売上金額を見積額で計上し、実際の入金額との差額によって売掛金の残高が過大となっており、事業年度末に、正しい売掛金の残高にするために売上高の減額処理をしたものであるから、当該減額した金額(本件減額処理額)を当該事業年度の収益の額から減額できる旨主張する。しかしながら、当該事業年度において、請求人と本件取引先の間において、見積計上していた金額と異なる金額として売上金額が確定したなどの事実は認められないことから、本件減額処理額を当該事業年度の収益の額から減額することはできない。(令6. 9.13 東裁(法・諸)令6-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060005
- 裁決年月日
- 令和6年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の営業統括部長(本件営業統括部長)に対する損害賠償請求権を有していたとしても、これに係る損失が発生した事業年度において、①本件営業統括部長が受領した金額並びに期間及び回数、②請求書や御支払書、③請求人の取引先への下払率、のいずれからも、本件営業統括部長が当該取引先から運送料の一部を受領していた行為(本件受領行為)を把握又は本件受領行為の是正や防止の措置を講ずることはできなかったから、かかる損害賠償請求権の額は、当該損失が発覚した事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件営業統括部長は、海上コンテナ輸送業務に関し、請求人から相当程度広範な権限を付与されていたと認められ、そのような権限を逸脱又は濫用することにより本件受領行為を行うことは十分想定し得たものである。また、本件受領行為が発覚した経緯は、本件営業統括部長が自ら申し出たことによるところ、請求人において、従業員が取引先等から金品を借用し、又は贈与を受けることを禁止するという就業規則の定めを踏まえて請求人の従業員に対する監査を行っていれば、その時点で本件営業統括部長から本件受領行為の報告を受け、本件受領行為を把握し、本件営業統括部長に対する損害賠償請求権を行使することも十分可能であったというべきである。それにもかかわらず、請求人は上記就業規則の定めを正式かつ頻繁には周知せず、その定めに抵触する行為がされていないかの監査も実施していなかった。以上からすると、通常人を基準にして、損害賠償請求権の存在・内容を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったとはいえない。したがって、上記の損害賠償請求権の額は、損害賠償請求権に係る損失が発生した事業年度の益金の額に算入すべきである。(令6. 9. 5 関裁(法・諸)令6-5)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令050012
- 裁決年月日
- 令和6年3月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300499000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が交付を受けた補助金(本件補助金)の額は、本件補助金の額が確定した旨の通知があった日の属する事業年度の益金の額に算入すべき旨主張する。この点、法人税法第22条第4項の規定によれば、補助金等は、原則として、当該補助金等の交付決定がされた日の属する事業年度に収益計上すべきであるところ、本件補助金の額については、書類の審査や現地調査等により条件に適合しないと判断された場合は交付されないことからすれば、補助事業の実施結果が本件補助金の交付決定の内容及びこれに付した条件に適合すると認められ、本件補助金の額が確定した旨の通知があったときに収入すべき権利が確定すると認められることから、当該通知があった日の属する事業年度において益金の額に算入されると解するのが相当である。ただし、概算払により交付を受けた本件補助金の額については、補助事業が実際に完了した部分に応じて交付されるものであり、払い過ぎによる返還を求められることはなく、書類の審査等により不備がなければ概算払をするとされていることからすれば、交付を受けたときに収入すべき権利が確定すると認められることから、実際に交付を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入されると解するのが相当である。(令6. 3.15 札裁(法)令5-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050028
- 裁決年月日
- 令和6年2月26日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300413010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/1保険金収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.134
要旨
○ 原処分庁は、請求人の前代表者を被保険者とした生命保険契約において、前代表者の死因は当該保険契約に係る保険金の支払事由に該当するとともに、免責事由のいずれにも該当しないことからすると、請求人は、前代表者の死亡日において、当該保険金に係る保険金請求権の実現可能性を客観的に認識でき、その行使が可能となったといえるから、請求人が受領した死亡保険金(本件保険金)の額は、前代表者の死亡日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件保険金は、保険会社の確認調査等の結果次第では支払われないこともあり得たこと、請求人が恣意的に本件保険金の額の収益計上時期を繰り延べようと企図した事実は認められないことを踏まえれば、本件保険金の額を支払通知日の属する事業年度の雑収入に計上した請求人の会計処理は、取引の経済的実態からみて合理的な収益計上の基準に則したものであり、法人税法上も正当なものとして是認すべきと認められる。(令6. 2.26 関裁(法)令5-28)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050019
- 裁決年月日
- 令和6年2月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300402000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/2期間損益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当事業年度の期末における売上高の減額(本件仕訳)は、前々事業年度に売上高を先行計上したために売掛金の残高が実際よりも多くなっていることから、当事業年度に売上高から取り消した訂正仕訳であり、会計原則の基本に従った適正な処理であるから、当事業年度の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、当事業年度において、請求人の会計帳簿から、本件仕訳により減額された売上高に相当する返品、売上戻り等の事実は確認できず、当該減額には根拠がない。また、過去において過大に計上した収益の修正は、法人税法施行令第18条の2第1項にいう一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従った修正の経理には該当せず、法人税法上許容されない。そして、法人税法第22条の2第1項の規定によれば、資産の販売に係る収益は原則として目的物を引き渡した事業年度の益金の額に算入すべきであるから、本件仕訳により根拠なく減額された売上高は、損金の額には算入されない。(令6. 2.22 名裁(法・諸)令5-19)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050011
- 裁決年月日
- 令和5年12月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.133
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、発注者から24回の月額均等分割払で受領し、部品の量産開始日を含む月から24か月に分割して毎月月末に収益に計上していた、請求人が所有権を有する金型等の製作費用相当額(金型等相当額)について、契約の変更により一括で受領しており、請求人が受領した時点で請求人の管理支配下に置かれ所得が実現したとして、金型等相当額を受領した日の属する事業年度において、全額を益金の額に算入すべき旨主張する。しかしながら、金型等相当額の負担に係る請求人と発注者との契約の法的性質及び当該契約に係る各役務の特質からすれば、請求人が受領した金型等相当額は、請求人から発注者に対し、継続的に日々提供される役務に応じて、1か月を単位として対価が支払われる約定に基づき、各月末日の経過ごとに、24回にわたり、過去1か月分の役務に対する対価として代金が確定し、その支払期日を翌月とする発注者と請求人との間の契約に基づき支払われるものと認められること及び金型等相当額の支払に関する基本契約書の条項が変更されていないことから、請求人が、部品の量産開始日を含む月から24回にわたり、毎月末日に収益に計上した会計処理は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に適合するものであり、一括で受領した金型等相当額の全額を受領した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきとは認められない。(令5.12.21 名裁(法・諸)令5-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050011
- 裁決年月日
- 令和5年11月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300406990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/3その他の役務提供による収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、路線バスの運行業務に係る地方公共団体(本件地方公共団体)からの金員(本件金員)について、更正処分により運行期間の末日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであるとされた金員(別件金員)とほぼ同様の契約に基づくものであるから、別件金員と同様に運行期間の末日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件金員は請求人が主体となって行う事業に係る損失を補填するため本件地方公共団体から補助金交付要綱に基づき補助金として支払われたものであり、本件金員が、請求人による申請を受け、本件地方公共団体による審査を経て交付の決定及び額の確定(本件決定)がされた後、請求人に対し通知がされ、請求人が本件地方公共団体に対してこれらを請求できることになるものであることからすると、本件金員に係る収益は、本件決定がされた時点において実現し、その収入すべき権利が確定したというべきであるから、本件金員は本件決定がされた日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである。(令5.11.22 関裁(法・諸)令5-11)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令050001
- 裁決年月日
- 令和5年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同企業体(本件共同企業体)の構成員として請け負った工場(本件工場)の新築工事(本件新築工事)はその追加変更工事と併せて一つの請負契約に基づくものであって、当該追加変更工事の一部である機械配線工事が原処分の事業年度(本件事業年度)の終了日以降も施工されていたことからすれば、本件事業年度内に本件工場の全部の完成引渡しはなかったと認められるから、本件新築工事に係る請負代金のうち本件共同企業体の構成員の出資割合に従って請求人に帰属する額(本件請求人帰属額)は本件事業年度の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、本件新築工事については、その請負契約(本件請負契約)において、本件新築工事が完了して検査に合格した場合には、本件共同企業体は本件請負契約の目的物を引き渡し、その発注者は完成払金を支払うこととされている。そして、本件共同企業体は、上記検査に合格した後、本件事業年度内に本件工場の鍵、本件新築工事に係る工事引渡書及び完成払金に係る請求書を交付している。その後、上記発注者は、当該請求書に基づき完成払金を支払い、本件工場の所有権の保存登記を行い、本件工場に各種機械を据え付け、製品の製造等を開始している。これらのことからすると、本件請負契約の目的物は本件工場であり、本件新築工事は本件事業年度内に完了し、本件工場は本件事業年度内に引き渡されたと認められる。他方、上記機械配線工事については、契約(合意)の時期及び工期、工事費の決定、工事の内容及び代金の支払の諸点について検討したところ、本件新築工事とは全く別のものと認められ、本件新築工事と上記機械配線工事は別個の請負というべきである。そうすると、上記のとおり、本件請負契約の目的物である本件工場の全部を完成して引き渡した時期は本件事業年度内であると認められることから、本件請求人帰属額は、本件事業年度の益金の額に算入するのが相当である。(令5. 9.11 金裁(法・諸)令5-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050006
- 裁決年月日
- 令和5年7月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300415030
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/15特例/3長期請負工事
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法施行令第129条《工事の請負》第4項の規定は、請負の対価の額が確定していない場合や追加工事の際に追加分の対価の額が確定していない場合に適用されるものと解されるところ、請求人が受注した長期大規模工事(本件工事)の請負の対価の額は、本件工事の請負契約書において既に確定しており、本件工事のうち岩盤に係る部分の工事(本件岩盤工事)は、当該請負契約書に当初から工程として含まれていることから、当初契約額からの受注金額変更(設計変更)であり、追加工事ではない旨主張した上で、請求人は、本件工事の設計変更協議において発注者が真摯に対応しなかったことから請負契約書に記載された請負代金の金額を前提として本件岩盤工事に係る費用を見積り工事損失引当金を計上し、また、訴訟が係属しており敗訴の可能性もあったことからすると、法人税法施行令第129条第4項を適用できる工事であると認めることはできない旨主張する。しかしながら、各連結事業年度終了の時における発注者と請求人との間における協議及び訴訟の状況からすると、各連結事業年度終了の時のいずれにおいても、本件岩盤工事を含む本件工事の請負の対価の額が確定していないと認められることから、法人税法施行令第129条第4項の規定を適用することが相当である。(令5. 7.11 東裁(法)令5-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040007
- 裁決年月日
- 令和5年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300405990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/5その他の資産の譲渡による収益/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が締結した譲渡契約による譲渡対象物は売電事業(本件事業)であって、売電開始まで本件事業の引渡しは完了しないから、当該譲渡契約における譲渡の対価(本件譲渡対価)は係争事業年度の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、当該譲渡契約における譲渡の目的物が本件事業に関する権利等(本件権利等)であることは譲渡契約書の文理上明らかであり、当該譲渡契約の締結に至るまでの交渉経過や当該譲渡契約の相手方の社内文書の内容等からすると、請求人及び当該相手方の双方が、当該目的物を本件権利等のみであると明確に認識していたと認められ、請求人は、係争事業年度中に、本件権利等の移転に必要な手続を完了していたと認められるから、本件権利等は、係争事業年度中に、請求人から譲受人に引き渡されたと認められる。したがって、本件譲渡対価は係争事業年度の益金の額に算入される。(令5. 1.23 名裁(法・諸)令4-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040007
- 裁決年月日
- 令和5年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406020
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/2手数料等収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、太陽光発電設備(本件設備)の建設工事等の下請業者からの支払(本件対価2)は、本件設備による売電の開始以後、本件設備に関するリスク管理の責任を負担することの対価であり、請求人の役務の提供は、本件設備による売電が開始されたときから行うことになるから、本件対価2は係争事業年度の益金の額には算入されない旨主張する。しかしながら、当該下請業者の代表者は、本件対価2について、請求人の紹介により当該下請業者が元請業者から本件設備の建設工事等を受注することができたことに対する対価であり、当該元請業者への工事代金に上乗せした額を原資としたものであって、工事の完了後に請求人が当該下請業者に対して行う支援業務は存在せず、本件対価2は、当該支援業務の対価ではないなどと供述するところ、かかる供述は、各事実等と整合し信用することができる。そうすると、本件対価2は、当該下請業者が当該元請業者の下請として本件設備の建設工事等を受注できるよう、請求人が紹介又は仲介したという役務の提供の対価であり、当該役務の提供は、遅くとも、当該下請業者が当該元請業者から当該業務を受注した日までには全部完了していたと認められるから、本件対価2は、同日の属する事業年度(係争事業年度)の益金の額に算入される。(令5. 1.23 名裁(法・諸)令4-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040007
- 裁決年月日
- 令和5年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406020
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/2手数料等収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、太陽光発電設備(本件設備)の資材納入等の下請業者からの支払(本件対価1)は、本件設備による売電の開始以後、本件設備に関するリスク管理の責任を負担することの対価であり、請求人の役務の提供は、本件設備による売電が開始されたときから行うことになるから、本件対価1は係争事業年度の益金の額には算入されない旨主張する。しかしながら、当該下請業者と取り交わした業務協定書の内容や当該下請業者の経理状況、請求人と当該下請業者のその後のやり取りからすると、当該下請業者には、本件設備の売電開始以後に請求人から支援を受けるという認識はなく、請求人においても具体的な支援を想定していなかったことが推認される。さらに、当該下請業者の担当者は、本件対価1は、請求人の紹介により、当該下請業者が元請業者から本件設備の資材納入等の業務を受注することができたことの対価であり、当該下請業者が元請業者から当該業務を受注した後は、本件設備を建設して行う売電事業について、請求人の関与は予定されていないなどと供述しており、かかる供述は、上記事実と整合するから、信用することができる。そうすると、本件対価1は、当該下請業者が当該元請業者の下請として本件設備の資材納入等の業務を受注できるよう、請求人が紹介又は仲介をしたという役務の提供の対価であり、当該役務の提供は、遅くとも、当該下請業者が当該元請業者から当該業務を受注した日までには全部完了していたと認められるから、本件対価1は、同日の属する事業年度(係争事業年度)の益金の額に算入される。(令5. 1.23 名裁(法・諸)令4-7)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令040006
- 裁決年月日
- 令和4年10月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、和解及び業務解約に係る書面(本件書面)に基づき取引先から金員を受領したが、本件書面における和解の成否について現在係争中であり、当該金員について和解金として支払いを受ける権利が確定していないから、当該金員は本件書面の作成日の属する事業年度の益金の額に算入すべきものではない旨主張する。しかしながら、本件書面における和解は本件書面の作成日において成立したと認められ、かつ、請求人は当該事業年度において当該金員を実際に受領しているから、当該金員は当該事業年度の益金の額に算入すべきである。(令4.10.14 福裁(法)令4-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040013
- 裁決年月日
- 令和4年8月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/3その他の役務提供による収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人からシステムサービスの提供を受ける取引先との間の約款による合意、設計契約及びサービス利用変更契約は不可分の一つの契約であり、設計工事(本件設計工事)が完了したことは、システムの開発、更改、運用及び保守という総合的な役務の提供のための準備作業となる工程が終了したにすぎず、それ単体では「役務の提供」には当たらないから、工事費の全額が本件設計工事が完了した日の属する事業年度の益金の額に算入されることはない旨主張する。しかしながら、当該約款は当該設計契約及び当該サービス利用契約を統合する基本契約とはいえないし、当該設計契約及び当該サービス利用変更契約の目的、締結した時期、負うべき債務の性質等はそれぞれ異なるものであるから、これらの契約は一つの契約とはいえない。そして、当該設計契約は、本件設計工事という仕事の完成を顧客に約し、顧客がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約したもので、それ単独で物の引渡しを要しない請負契約であり、本件設計工事が完了した時点をもって「役務の提供」があったといえるから、工事費の全額が本件設計工事が完了した日の属する事業年度の益金の額に算入される。 (令4. 8. 8 東裁(法・諸)令4-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040014
- 裁決年月日
- 令和4年8月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地区画整理法第103条《換地処分》第1項に基づく換地処分による収益の額は、清算金額通知書により確定したのであって、換地処分の公告のあった日の翌日の属する事業年度(本件事業年度)においてはその額が確定していないため、本件事業年度の益金の額には算入されない旨主張する。しかしながら、収益をどの事業年度に計上すべきかは法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第4項に規定する一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従い、その収入すべき権利が確定したときの属する年度の益金に計上すべきであるところ、換地処分の効果は、土地区画整理法第104条《換地処分の効果》第1項に基づき同法第103条第4項の公告のあった日の翌日に生じ、同法第104条第8項に基づき清算金等もその公告のあった日の翌日に確定し、換地処分により収入すべき権利が確定することになるから、換地処分による収益の額は換地処分の公告のあった日の翌日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである。(令4. 8. 8 東裁(法・諸)令4-14)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令030013
- 裁決年月日
- 令和4年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が平成31年3月期の益金の額に算入した各装置(本件各装置)の販売代金総額(本件各代金総額)は、本件各装置に係る契約(本件契約)が本件契約の一方当事者である中華人民共和国に所在する有限公司(本件有限公司)により解除されたこと、及び本件契約に定める役務の全てを請求人が履行しておらず、収益が確定していないことから、本件各代金総額は平成31年3月期の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件契約に係る解除通知書が請求人に送達された後に、本件有限公司との間で、本件契約を基本としながら、その支払期日等その一部を変更した新たな合意(本件新合意)を成立させており、本件契約の解除の有効、無効にかかわらず、本件各装置の売買等を内容とする契約が平成31年3月期において存在していたというべきである。また、本件新合意の内容は、本件各装置の販売部分と据付け等部分に区別することができるところ、本件各装置は、遅くとも平成31年3月期の末日までに中華人民共和国に出荷されており、当該出荷により引渡しがあったと認めるのが相当であるから、本件各装置の販売部分の代金である本件各代金総額は、本件各装置を引き渡した平成31年3月期の益金の額に算入される。(令4. 6.27 広裁(法)令3-13)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令030005
- 裁決年月日
- 令和4年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地(本件土地)の引渡日は、土地の上に存する建物の撤去を事業者(本件事業者)が確認した日である旨主張する。しかしながら、不動産の譲渡において、当該不動産の引渡日が外見上明らかでない場合には、取引に関する諸事情を考慮して当該不動産の現実の支配がいつ移転したかを判断し、その現実の支配が移転した時期をもって当該不動産に係る引渡日であると判断するのが相当であるところ、本件土地の引渡しに当たっては、請求人においてあらかじめ根抵当権の登記を抹消することとされ、売買契約書を取り交わした時点で本件土地に係る所有権移転登記関係書類を本件事業者に提出していたことからすれば、根抵当権の抹消登記の日(本件抹消登記日)に所有権移転の登記が可能となったと認められ、これにより本件土地の売買代金のうち約7割に当たる金額の請求権が生じたことや、本件土地の固定資産税も本件事業者が負担していることなどからすれば、本件抹消登記日に本件土地の現実の支配が請求人から本件事業者へ移転したと認められるから、同日が本件土地の引渡日であると判断するのが相当である。(令4. 3.22 札裁(法・諸)令3-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020026
- 裁決年月日
- 令和3年4月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の元代表者の不法行為(本件詐取行為)による損失額の証明が難しく、損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)の行使は困難であるから、本件損害賠償請求権の額は、元代表者との合意や訴訟等によりその額が決した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件損害賠償請求権は、請求人に損失が発生したと同時に元代表者に対し発生したものといえ、その権利行使が期待できないといえるような客観的状況があったなどとうかがわせる事情は存在しないことから、本件損害賠償請求権の額は、その損失が発生した事業年度の益金の額に算入すべきである。(令3. 4.14 関裁(法・諸)令2-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020019
- 裁決年月日
- 令和3年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、実体のない外注先(本件外注先)を使用した元従業員の不当な領得により発生した損失に対する損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)の額について、元従業員は法人税基本通達2−1−43《損害賠償金等の帰属の時期》に定める「他の者」に該当する上、元従業員による領得の事実を知らず本件損害賠償請求権の行使を期待することが困難であったから、その損失が発生した事業年度の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、元従業員が従業員であった当時から請求人と本件外注先との間では架空取引が行われていた上、請求人が本件外注先の経営状況等の確認を怠っていなければ容易に元従業員の行為を認識することができたと考えられるから、元従業員を「他の者」に該当するとするのは相当ではないし、通常人を基準にして本件損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得ず権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったとは認められないことから、本件損害賠償請求権の額はその損失が発生した事業年度の益金の額に算入すべきである。 (令3. 3.17 関裁(法)令2-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020057
- 裁決年月日
- 令和3年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/7その他の収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が収受した賃貸建物の原状回復費用相当額(本件原状回復相当金)について、当該建物の賃借人が行うべき原状回復工事を請求人が代わりに請け負った対価であるから、法人税の所得金額の計算上益金の額に算入すべき事業年度及び消費税の課税資産の譲渡等の対価の額に算入すべき課税期間は、それぞれ当該建物の原状回復工事が完了した日の属する事業年度及び課税期間である旨主張する。しかしながら、本件原状回復相当金は、請求人が当該建物の賃借人の原状回復義務を免除したことの対価であり、合意された支払の履行期の到来をもってその収入すべき権利が確定するから、法人税の所得金額の計算上益金の額に算入すべき事業年度及び消費税の課税資産の譲渡等の対価の額に算入すべき課税期間は、それぞれ支払日である建物賃貸借契約の解約日の属する事業年度及び課税期間である。(令3. 2.16 東裁(法・諸)令2-57)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令020004
- 裁決年月日
- 令和2年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/7その他の収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№121
要旨
○請求人は、請求人が取り交わした地上権設定契約(本件契約)において、契約書上、請求人が権利金(本件権利金)を受領することとしているが、本件権利金の受領に関する記載は、契約の当事者間の有効な内心的意思を欠くものとして民法第94条《虚偽表示》第1項の規定により無効であり、本件権利金に係る債権債務は発生していないなどの理由から、本件権利金は、収益に計上されない旨主張する。しかしながら、本件契約の後に取り交わされた解約合意書においては、本件契約の各当事者間(各当事者間)で本件契約を解約していることを確認しており、本件契約が各当事者間で有効なものとして扱っていることからしても、本件契約は、全体として有効に成立していたものと認められ、また、本件権利金は、地上権設定登記がされたことによりその収入すべき権利が確定していることになるから、これに係る収益は、当該登記がされた日の属する事業年度に計上される。(令2.12.15広裁(法)令2-4)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令020004
- 裁決年月日
- 令和2年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300406990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/3その他の役務提供による収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№121
要旨
○原処分庁は、請求人が取り交わした土地の開発等申請及び造成工事等の業務(本件業務)に係る合意(本件合意)のうち、造成工事等は請求人が行わないこととなったのだから、請求人が請け負う本件業務の範囲は、土地の開発申請の業務(本件開発申請業務)に限られ、また、本件開発申請業務に係る収益は、知事から林地開発行為の許可がされた日の属する事業年度(本件事業年度)に計上すべきである旨主張する。しかしながら、本件合意に係る基本合意書では、請負人である請求人は、本件業務の「一切を行う」ものとされるとともに、注文主は、「一切を行う」ものとされる本件業務に「かかる費用」を支払うと記載されていることからすれば、本件契約において、請求人は、本件業務を一括して請け負い、その全てが完成して初めて注文者に対して、その報酬の請求をなし得ると解するのが合理的である。そうすると、本件合意に係る収益は、その目的物の全部を完成して相手方に引き渡した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきこととなるが、上記造成工事等は、本件事業年度までの間に完成していないことから、本件開発申請業務に係る収益は、本件事業年度に計上すべきではない。(令2.12.15広裁(法)令2-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300161
- 裁決年月日
- 令和元年6月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300413990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/7その他の収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が建造し、取引先による積荷の保証により運航していた船舶が、取引先によりその使用を終了することに伴い、取引先から受領する金員(本件金員)について、積荷の保証期間中の輸送役務の対価として得られるはずであった収益を逸したことに対する損害賠償金であるから、法人税基本通達2−1−43《損害賠償金等の帰属の時期》に基づき支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件金員は、対価性のない逸失利益の補填と認められるところ、取引先から本件金員の額についての通知を受けた日にその収入すべき権利が確定していることから、当該通知を受けた日を含む事業年度(本件事業年度)に本件金員の全額が益金の額に算入されることとなる。なお、請求人は、本件金員を逸失利益を補填するための損害賠償金といいながら、本件事業年度から15年間の売上げとして本件事業年度の収益を計上しており、また、支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入すべきと主張しながら、実際にはそうしていないことから、請求人の主張は前提を欠き理由がない。(令元. 6.13 東裁(法・諸)平30-161)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300075
- 裁決年月日
- 令和元年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、破産会社は原処分庁が水増し請求と評価する金額(本件係争請求額)相当の損害を被っているから、本件係争請求額は損失として損金算入すべきであり、同額の損害賠償請求権は損害の発生した事業年度ではなく破産会社又は破産会社の代表者が水増し請求を認識した事業年度において益金算入すべきである旨主張する。しかしながら、仮に本件係争請求額が損失に該当するとしても、破産会社の業容が比較的小規模であり、水増し請求が行われた業務は破産会社の業績や業務運営に大きな影響を及ぼし得る主要な業務であることを考慮すれば、破産会社の代表者の地位にある者が通常行うであろう確認作業を行えば水増し請求がされていた事実やその内容は比較的容易に判明したものと考えられ、さらに、継続的かつ長期間にわたって水増し請求が行われていたことを鑑みると、損害賠償請求権の存在、内容等を把握できず、権利行使が期待できないような客観的状況にあったとはいえないから、損害賠償請求権は、損失が発生した事業年度において損金と同時に益金算入すべきである。(令元.5.24 大裁(法・諸)平30-75)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平300010
- 裁決年月日
- 令和元年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 請求人は、請求人の従業員であった者(本件元従業員)が請求人の仕入れた商品を窃取してインターネットオークションで販売した取引(本件取引)による本件元従業員に対する損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)の額は、本件取引の日を含む事業年度(本件事業年度)の終了時に確定できる状況になかった旨主張する。しかしながら、本件損害賠償請求権の額は、請求人が本件事業年度の当時において仕入れに係る資料と売上げ及び棚卸しに係る資料とを照合し、窃取された商品を特定した上、その商品に係る価額等に係る資料を保全することで計算することのできた金額を上回らないものと認められるから、通常人を基準とすれば、本件事業年度においてその金額を把握し得ないとはいえず、また、本件損害賠償請求権につき権利行使を期待できない客観的状況があったとはいえない。(令元.5.16 札裁(法・諸)平30-10)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平300007
- 裁決年月日
- 平成31年3月14日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300405990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/5その他の資産の譲渡による収益/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№114
要旨
○ 原処分庁は、請求人が譲渡した開発権(本件開発権)の収益計上時期について、本件開発権に係る譲渡契約書(本件契約書)等には、本件開発権が決済日前に適法かつ有効に取引先に移転し取得され承継手続が全て完了している旨記載されており、また、当該取引先が自治体から開発許可に基づく地位の承継承認通知書(本件通知書)の交付を受けた日が、当該取引先において本件開発権を使用収益できることとなった日であると認められることから、本件開発権は当該取引先が本件通知書の交付を受けた日に譲渡された旨主張する。しかしながら、本件開発権の譲渡に係る収入すべき権利が確定する時期は、請求人が本件契約書に定められた物又は権利の全てを引き渡し、当該取引先に移転又は取得させた時と認められるところ、請求人と当該取引先との清算合意書の締結時まで、その全てが引き渡されておらず、当該清算合意書が締結された日に収入すべき権利が確定したと認められる。また、原処分庁は、本件契約書等には、本件開発権が決済日前に適法かつ有効に取引先に移転し取得され承継手続が全て完了している旨記載されていると主張するが、当該記載は、譲渡対価の支払条件等を定めたものであって、当該条件が成就されているとの趣旨ではないことから、原処分庁の主張はその前提を欠いており理由がない。(平31. 3.14 札裁(法)平30-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300043
- 裁決年月日
- 平成31年1月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人の元代表者(本件元代表者)が取引先とは別会社の代表者から受領していた金員(本件金員)が請求人に帰属するとしても、本件元代表者が本件金員を請求人の口座に入金しなかったこと(本件金員未入金)や、請求人が本件元代表者の指示で作成された虚偽の内容の請求書に基づき請求金額を振り込んだこと(本件架空広告宣伝費振込み)が、本件元代表者個人の犯罪行為であって、平成27年3月期に本件元代表者の行為が発覚するまで、請求人はこれらに係る各損害賠償請求権(本件各損害賠償請求権)を認識できなかったこと、②請求人と本件元代表者との間での損害賠償請求訴訟に係る地裁判決が確定しておらず、本件各損害賠償請求権は法人税に係る原処分がされた各事業年度(本件各事業年度)に確定していないことから、本件各事業年度の益金の額に算入すべきものではない旨主張する。しかしながら、収益はその実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定した時の属する事業年度の益金に計上すべきものと解されるところ、本件元代表者は、本件金員未入金及び本件架空広告宣伝費振込みという自らの不法行為の当時、請求人の代表者であったから、請求人は、当該不法行為と同時に、本件元代表者を通じて本件各損害賠償請求権の権利実現の可能性を客観的に認識することができたといえる。したがって、本件各損害賠償請求権は、当該不法行為により請求人が受けた損失額を本件各事業年度の損金の額に算入すると同時に、その損失額と同額を本件各事業年度の益金の額に算入すべきである。(平31. 1.11 大裁(法・諸)平30-43)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300064
- 裁決年月日
- 平成30年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300406990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/3その他の役務提供による収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№113
要旨
○ 請求人は、原処分庁が売上計上漏れがあったとした事件業務に係る請求金額の一部について、①請求した金額ではなく調停により減額決定した金額であること、②着手金の支払がなく委任契約が途中解約されたことから零円であること及び③日当旅費は、委任契約上免除する旨の合意がありその支払もなかったことから零円であることなどから益金の額が過大である旨主張し、原処分庁は、当該事件業務の売上高は、請求人が保管していた顧客との委任契約書及び請求書を基に算出したもので、当該事件業務に係る契約が解除された等の事実は認められない旨主張する。しかしながら、収益はその収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金に計上すべきところ、①及び②については、請求人は報酬金を依頼人に請求していることから、この時点で当該報酬金の支払請求権が確定したものと認められ、当該請求金額は請求した事業年度の益金の額に算入されることとなり、③については、依頼人との委任契約書において、日当を免除する旨定められていることから、請求人は、当該依頼人に対して日当を請求する権利を有していたとは認められず、請求書に記載されている日当の額は益金の額には算入されない。そして、①の減額金額については、請求した事業年度の益金の額に算入されるものの、翌事業年度に減額が確定しており、当該減額金額は翌事業年度の損金の額に算入されること及び③の金額は益金の額に算入されないことになるから、それらの部分を取り消すべきである。(平30.11.14 東裁(法・諸)平30-64)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290053
- 裁決年月日
- 平成30年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元部長が各外注先から受領した各金員(本件各金員)は元部長個人に帰属するから、そもそも損害賠償請求権は生じないが、仮に損害賠償請求権が生じるとしても、元部長は本件各金員を元部長の預金口座への振込入金又は現金で受領しており、他者からはその受領が分からず、また、従業員にリベートの授受を禁止していたことから、その受領を予測できるものでもないので、通常人を基準として、請求人においては、損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得ないから、損害賠償請求権は横領時の各事業年度の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、請求人の代表者が元部長による本件各金員の受領を認識していなかったとしても、元部長に実質的に外注先及び発注金額の判断を一任し、その判断の妥当性を具体的に検討したことはなかったのであるから、元部長による本件各金員の受領は想定し得ないことではなく、請求人において元部長が本件各金員を受領した事実を把握することが特に困難であったとは認められない。そうすると、通常人を基準として、請求人において損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得なかったとはいえないから、元部長の横領に基づく損害賠償請求権は、横領時の各事業年度の収益としてそれぞれ確定し、各事業年度の益金の額に算入すべきものである。(平30. 4.24 関裁(法)平29-53)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290022
- 裁決年月日
- 平成30年4月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300406990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/3その他の役務提供による収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 原処分庁は、請求人が元請先から請け負った各工事(本件各工事)に係る注文書及び注文請書には、請負代金の支払条件として、元請先の検収に基づく出来高払いによることとされていることから、法人税基本通達2−1−9《部分完成基準による収益の帰属時期の特例》が定める特約又は慣習があり、出来高に応じた請求金額(本件各出来高請求金額)を出来高が検収された日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件各出来高請求金額は、本件各工事の工事監督者が本件各工事の出来高を査定したもので、本件各工事の出来高の請求書ではこの査定を「検収」と記載しているが、これは出来高の金額を確認する、あるいは出来高の金額の支払を認めるという意味で使用しているものであり、元請先が本件各出来高請求金額に相当する部分の完成を確認したものではない。そして、元請先は、工事の竣工検査における合格日(検査合格日)を検収日(引渡日)としているから、本件各工事はそれぞれの検査合格日に請求人の役務の提供が完了したと認められる。したがって、本件各工事に係る収益は、法人税基本通達2−1−5《請負による収益の帰属の時期》に定めるいわゆる工事完成基準により、本件各工事の請負代金の全額を本件各工事の検査合格日の属する事業年度に益金の額に算入すべきものである。(平30. 4.13 広裁(法・諸)平29-22)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290016
- 裁決年月日
- 平成30年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先との間で締結した太陽光発電事業者の地位等(本件各地位)の譲渡及び太陽光発電設備等(本件設備)の譲渡に係る各契約(本件各契約)の実質は、太陽光発電設備の建設及び引渡しを目的とした一体不可分の請負契約であって、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの事業年度(本件事業年度)の末日の時点で本件設備は完成しておらず、引渡しも未了であるから、本件各契約に係る収益は、本件事業年度の法人税の所得金額の計算上益金の額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、本件各契約は、互いに密接に関連するものと認められるが、あえて別々の契約とする法形式を採用したことや、本件各契約が単独でも履行可能であることからすれば、それぞれ別個の独立した契約であると解するのが相当である。そこで、各契約ごとに検討するに、①本件事業年度の末日までに、本件各地位の移転に必要な手続及び代金の精算は、いずれも完了していること、②本件事業年度の終了後に軽微な補修等を行った事実は認められるものの、本件設備は、本件事業年度の末日の時点で売電も開始されており、当該補修は、本件設備の完成、引渡しに影響を及ぼすものではなく、本件設備は、実質的に完成し、代金の精算を完了したものと認められる。したがって、本件各契約に係る収入すべき権利は、本件事業年度の末日の時点でいずれも確定していたのであるから、本件各契約に係る収益は、本件事業年度の所得金額の計算上益金の額に算入すべきである。(平30. 2.21 広裁(法・諸)平29-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290045
- 裁決年月日
- 平成30年1月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、先行事業年度において関係会社に対し土地建物(本件土地建物)を売却したとして、賃料等の収益をその後の事業年度において修正経理により益金の額から減額するなどして確定申告したところ、原処分庁が、先行事業年度における本件土地建物の売却が仮装の取引であり、現に売却されたと認められる日までの賃料等が請求人に帰属するとして更正処分を行ったのに対し、本件土地建物の売買契約(本件売買契約)は、再建計画に基づき締結したもので、通謀虚偽表示に及ぶ動機・目的がなく、有効である旨主張する。しかしながら、本件売買契約が、課税対策を目的として便宜的に行われた仮装の取引であり、売買の実体を伴わないものであると判断した先行事業年度に係る裁決は適法であるから、本件売買契約は、民法第94条《虚偽表示》第1項により無効となる。そして、請求人らは、本件売買契約について、事後的にその実態を整え出し、無効であることを知りながらこれを追認したと認められる。なお、本件土地建物の譲渡日について、当該追認は、遅くとも、請求人らが共同して、建物賃借人に対して賃料の振込口座の変更等に関する通知書を送付した日までにされたと認めるのが相当であり、民法第119条《無効な行為の追認》ただし書により、請求人らは、遅くとも同日までに、本件売買契約と同様に、請求人が関係会社に対して本件土地建物を売却する旨の売買契約を締結したものとみなされ、また、当該賃料は、請求人が平成26年3月分までを収受し、関係会社が同年4月分以降を収受していることからすると、本件土地建物は、同月1日をもって、請求人から関係会社に譲渡したものと認められる。(平30. 1.12 大裁(法・諸)平29-45)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290046
- 裁決年月日
- 平成30年1月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、先行事業年度において関係会社から土地建物(本件土地建物)を譲り受けたとして、賃料等の収益及び減価償却費等の費用をその後の事業年度において修正経理により益金又は損金の額に算入するなどして確定申告したところ、原処分庁が、先行事業年度における本件土地建物の譲受けが仮装の取引であり、現に譲り受けたと認められる日までの賃料等が関係会社に帰属するとして更正処分を行ったのに対し、本件土地建物の売買契約(本件売買契約)は、関係会社の再建計画に基づき締結したもので、通謀虚偽表示に及ぶ動機・目的がなく、有効である旨主張する。しかしながら、本件売買契約が、課税対策を目的として便宜的に行われた仮装の取引であり、売買の実体を伴わないものであると判断した先行事業年度に係る裁決は適法であるから、本件売買契約は、民法第94条《虚偽表示》第1項により無効と認められる。そして、請求人らは、本件売買契約について、事後的にその実態を整え出し、無効であると知りながらこれを追認したと認められる。なお、本件土地建物の譲渡日について、当該追認は、遅くとも請求人らが共同して、建物賃借人に対して賃料の振込口座の変更等に関する通知書を送付した日までにされたと認めるのが相当であり、民法第119条《無効な行為の追認》ただし書により、請求人らは、遅くとも同日までに、本件売買契約と同様に、関係会社が請求人に対して本件土地建物を売却する旨の売買契約を締結したものとみなされ、また、当該賃料は、関係会社が平成26年3月分までを収受し、請求人が同年4月分以降を収受していることからすると、本件土地建物は、同月1日をもって、関係会社から請求人に引き渡されたものと認められる。(平30. 1.12 大裁(法・諸)平29-46)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290033ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成29年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人が経理担当者の不正行為(本件不正行為)自体を認識していない場合やその回収見込額を全く見通すことができない状態においては、損失額に相当する金額を収益として計上することが権利確定主義の観点から困難であるため、本件不正行為による損害賠償請求権(本件請求権)について、その実態等及び回収見込額が明らかとなった事業年度で、その回収見込額を益金計上すべきである旨主張する。しかしながら、損害賠償請求権の額を損失が発生した事業年度の益金の額に算入しないとする例外的な取扱いをするか否かの判断は、通常人を基準として、権利の存在、内容等を把握し得ず、権利行使ができないといえるような客観的状況にあったか否かにより判断されるものであり、不正行為による損失の発生日の属する事業年度当時ないしその確定申告当時の納税者の主観や、回収見込額(債務者の資力、資産状況等といった経済的観点)は、上記判断を左右するものではない。本件においては、本件不正行為に係る部分のいずれにおいても、それらが行なわれた各事業年度の法定申告期限までに、通常人を基準として、本件請求権の存在、内容等の把握ができず、権利行使ができないような客観的状況があったということはできない。したがって、本件請求権の全額を、本件不正行為による損失の発生した日の属する各事業年度の益金の額に算入すべきである。(平29.12. 1 大裁(法・諸)平29-33)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290010
- 裁決年月日
- 平成29年10月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№109
要旨
○ 請求人は、改修工事(本件工事)を請け負い、主要な工事を終えて発注者(本件発注者)に対し、竣工日を平成27年3月27日とする竣工届(本件竣工届)を提出し、本件発注者から工事完了年月日を同月31日とする工事検査通知書(本件検査通知書)を受領しているが、本件工事には、次期工事が開始されるまでの間、本件工事の完了箇所及び次期工事予定区域を囲うためにバリケードを設置して現場管理することが含まれ、それらを同年9月まで継続して行っていたのであり、本件工事は同年3月31日までに完了していなかったから、本件工事の請負代金の額は、同日を含む事業年度(本件事業年度)の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、本件工事には設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等は含まれておらず、請求人は、本件発注者に対して本件竣工届を提出して、同月31日付で本件工事の請負代金の残額を請求したこと、本件発注者は、請求人に対して本件検査通知書を発行し、同日以降、設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等をしていたことからすると、請求人は、本件発注者に対して、同日までに本件工事の全部を完了して引き渡したものと認められるから、本件工事の請負代金の額は、本件事業年度の益金の額に算入するのが相当である。(平29.10. 4 関裁(法・諸)平29-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290003
- 裁決年月日
- 平成29年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人を下請業者とする下請工事契約(本件下請契約)が、当事業年度において合意解除されたとする覚書(本件覚書)は、請求人の元課長(本件元課長)が、当時の請求人の代表者(本件前代表者)の了解を得ずに請求人の契約印を押印したものであり、本件前代表者が本件覚書の存在を知りその合意内容を承諾したのはその翌事業年度であるから、本件下請契約に係る前受金(本件前受金)は翌事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件元課長は、以前から継続して本件下請契約に関する業務を担当し、本件下請契約に係る工事(本件工事)の中断や中断延長に関する各覚書の作成等を行っており、当該各覚書には、請求人の契約印が押印されていたことも考慮すれば、本件元課長は、本件下請契約に関して請求人の契約印を使用することを許容されていたと認められる。また、発注者、元請業者及び請求人の間で、本件工事の一時中断に関する覚書(本件中断覚書)において、既に、特約事項として、本件下請契約の解除及び解除する場合には三者相互に債権債務はなく、一切の請求を求めない旨が合意されており、その後、訴訟上の和解の成立を受けて、本件中断覚書で合意していた内容を確定させるために本件覚書が作成されたと認められる。そして、請求人は、本件中断覚書及び訴訟上の和解の有効性は認めているところ、本件前代表者は、訴訟上の和解が成立した当事業年度において、発注者の代表者であったことも考慮すれば、本件元課長は、本件中断覚書及び訴訟上の和解に従って本件覚書を作成し、これに請求人の契約印を押印することについて、請求人の承諾を与えられていたと認めるのが相当である。したがって、本件下請契約は当事業年度において合意解除されたものと認められるから、本件下請契約の前受金は、当事業年度の益金の額に算入すべきである。(平29. 9. 5 関裁(法・諸)平29-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280050
- 裁決年月日
- 平成29年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/3その他の役務提供による収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①海外子法人から受注した鋼矢板の打設工事(本件工事)が、請求人と海外子法人が共同企業体工事として請け負った工事の一部であること、一定工区の施工後に検収を経て引渡しとなること、施工内容に瑕疵があった場合には請求人の責任で補修等が発生することからすれば、鋼矢板の打設を完成させて引き渡すことを目的とした請負であり、施工ミスによる瑕疵が発覚したため対策補修費が当初の工事代金の額から減額された事情からすると、本件工事が完了し、その代金の額が確定したのは翌連結事業年度であったこと、②請求人は本件工事が極めて困難な工事であったことから、最低限の費用等を仮払請求したにすぎず、この請求時点で本件工事の代金が確定したものではないことから、本件工事に係る金員(本件各金員)は、当該請求をした日の属する連結事業年度の連結所得の金額の計算において益金の額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、本件工事においては、請求人が海外子法人へクラッシュパイラーの賃貸及びオペレーターの派遣を行い、当該オペレーターに当該機械を操作させることとされており、本件各金員の額が1日の作業ベースに基づいて算出されていたことからすれば、本件工事の性質は、当該機械の賃貸及びオペレーターの派遣を目的とする役務の提供であったと認めるのが相当である。そして、当該役務の提供は、日々の作業により完了するものであり、請求人が、当該役務の提供の対価として海外子法人に対して本件各金員の支払を請求した月末ごとに、当該役務の提供に係る収益が実現し、その収入すべき権利が確定したというべきであるから、本件各金員の額は、その請求した日の属する連結事業年度の益金の額に算入すべきである。(平29. 6.27 関裁(法)平28-50)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平280028
- 裁決年月日
- 平成29年5月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の取締役営業部長(本件取締役)が行った本件取締役の知人等(本件知人等)の名義を使用して工事精算表に虚偽の記載をした及び請求書を偽造した並びに本件知人等の名義の預金口座に委託加工費を振り込ませた一連の行為(本件行為)に基づいて、請求人が取得した本件取締役に対する損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)に係る収益は、請求人における不正防止体制は十分なものであり、内部牽制が機能している状態であったにもかかわらず、本件行為は用意周到かつ巧妙な手口であったことから、通常人を基準にして本件損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえる客観的状況にあったといえるから、本件行為による損失が発生した事実を請求人の代表者が把握した時が属する事業年度に帰属させるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が行う工事のうち本件取締役が担当するものについては、現場監理や工事精算表の作成までの過程が全て本件取締役一人に委ねられており、他の従業員によるチェック体制は全く整備されておらず、仮に、本件取締役以外の従業員によるチェック体制が存在すれば、本件取締役の本件行為が容易に発覚したはずである。よって、通常人を基準として、請求人の代表者が損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったとはいえないのであり、本件損害賠償請求権に係る収益は、それぞれ損失が発生した時が属する事業年度に帰属させるべきである。(平29. 5. 9 名裁(法・諸)平28-28)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平280005
- 裁決年月日
- 平成28年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300411000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/11受贈益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自身の関係会社A(本件関係会社A)との継続的な取引(本件取引)に係る対価として収受した売上代金(本件売上額)とは別に受領した金員(本件金員)は、本件売上額を適正な価格に調整するために請求人と本件関係会社Aとの合意に基づいて受領したものであり、本件関係会社Aに対し本件売上額に見合う役務の提供を行った事実があるから、本件金員は当該役務の提供が行われた事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件金員の算定方法は、請求人の関係会社Bの赤字を補填又は支援することを目的に請求人の税引前利益の額が赤字とならないよう本件関係会社Aにもその原資を支出させるべく本件取引の内容や本件売上額に何ら関係なく増額されたものであるほか、本件売上額が事後に調整することを予定した暫定的なものであるなどといった調整を要するものであったことをうかがわせる事情も認められないことからすれば、本件金員は本件売上額を適正な価格に調整するものではないから、対価性があるものとはいえない。そうすると、本件金員は法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第2項に規定する「無償による資産の譲受け」に係る収益の額(受贈益)として、その支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである。(平28.11. 8 札裁(法・諸)平28-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270057
- 裁決年月日
- 平成28年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元従業員から金員(本件金員)を受け取っているが、これは請求人が経営していたホストクラブについて多年にわたり築き上げてきた顧客、店の信用及び従業員のマナーなどの専門的な技術、手法、情報、経験等の営業権を元従業員に譲渡した対価に係る未収金の回収であり、本件金員は譲渡時期である平成21年8月の属する事業年度の益金の額に算入すべき旨主張する。しかしながら、当該ホストクラブの営業許可名義は同月以降も請求人の従業員であり、店舗等は請求人が賃借し賃料を支払っていること及び元従業員は、店舗等の賃借料、電気代等のほか本件金員を請求人へ毎月支払っていることに加え、本件金員が当該ホストクラブを営業する代わりに支払う手数料のようなもので、営業を続けていく限り支払が続くものである旨の元従業員の申述を総合すると、当該ホストクラブの名称、信用及び設備等を使用して営業する権利は、請求人に帰属するところ、本件金員は、元従業員が当該営業権を使用することについての月々の対価として支払われたものであると認めるのが相当である。そして、請求人と元従業員との間でされた当該ホストクラブの経営に係る合意においては、本件金員の毎月の支払額は定められているものの、支払期限等は定められていないと認められるから、本件金員の支払請求権は、元従業員が当該ホストクラブの営業を行うことで毎月発生し、遅くとも当該月の末日までには確定するものというべきである。よって、本件金員は、各月末日の属する各事業年度の益金の額に算入すべきである。(平28. 5.18 関裁(法・諸)平27-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270096
- 裁決年月日
- 平成28年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その所有する土地(本件各土地)を地方公共団体に対して譲渡したところ、本件各土地の譲渡は収用であることから、相手方の使用収益の開始をもって引渡しがあったとみるべきであり、売買契約の日の属する事業年度(本件事業年度)に引渡しがあったとするのは誤りで、本件各土地の譲渡による収益の額は、本件各土地の代金が入金された日の属する翌事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、不動産の譲渡の取引において、外見上引渡しがあった日や収益が実現したといえる日が明らかでない場合には、当該取引に関する諸事情を考慮し、当該不動産の現実の支配がいつ移転したかを判断し、当該不動産に係る「引渡しがあった日」を判断するのが相当である。本件では、売買契約書の定めの内容自体から「引渡しがあった日」が客観的に明白であるとは認められず、①本件各土地の所有権は売買契約締結と同時に移転するものと定められていること、②遅くとも当事業年度中には所有権移転登記の嘱託に必要な書類及び本件各土地の譲渡に係る請求書が請求人から地方公共団体に提出され、売買契約締結日の売買を原因とする所有権の移転登記がされたこと、③「公共事業用資産の買取り等の証明書」の「買取等年月日」欄には売買契約締結日が記載されていること、④地方公共団体は売買契約締結日に本件各土地の借地人及び借家人との間で、本件各土地上にある物件の移転期限及び立退きについての契約を締結したことが認められること等の諸事情からすると、本件各土地の現実の支配は本件事業年度に移転したと認められ、当該移転した時期をもって本件各土地に係る引渡しがあったとみることが相当である。したがって、本件各土地の譲渡による収益の額は、いずれも本件事業年度の益金の額に算入される。(平28. 2.16 東裁(法)平27-96)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平270011
- 裁決年月日
- 平成27年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/3その他の役務提供による収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、廃棄物一次仮置場(一次仮置場)での廃棄物の保管管理業務及び破砕処理業務(本件各業務)について、市が作成した打合せ簿からも明らかなとおり、平成25年2月に、一次仮置場用地を更地とし返還するまでの物の引渡しを要する請負業務に変更され、平成26年9月の検収をもって完了したのであるから、本件各業務に係る収益は、平成26年1月期の益金の額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、①本件各業務は、一次仮置場での廃棄物の保管管理業務及びコンクリートがらの破砕処理業務でそれぞれが反復継続した業務であること、②請求人は本件各業務の対価を作業従事人員や重機等の稼働実績により算定したこと、③請求人は月末締めで業務の対価を請求しその都度対価を受領したことなどから、本件各業務の業務内容は、物の引渡しを要しない請負契約であると認められ、本件各業務に係る収益は、業務を行った各月末において各月分の役務の提供が完了し、収益として計上すべきものと認められる。また、市が作成した打合せ簿が、本件各業務の内容の変更の合意があったことを明らかにした書面とは認められず、このほかに保管管理業務の発注元である市が、本件各業務の内容を変更したとする事実もないこと、さらに、廃棄物の搬出状況、搬出完了に係る確認の状況及び現場事務所の撤去の状況などから、本件各業務は遅くとも平成25年8月には完了したと認められるのであるから、本件各業務に係る収益は、平成26年1月期の益金の額に算入すべきものである。(平27.12.14 仙裁(法・諸)平27-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270018
- 裁決年月日
- 平成27年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/7その他の収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、睡眠貯金に係る収益計上等についての取扱基準(本件睡眠貯金事務手続)を定めているところ、睡眠貯金の貯金者宛に送付した通知書が返却された場合に、その睡眠貯金口座の残高を収益に計上しなければならないとする本件睡眠貯金事務手続の基準は、実態を正しく反映したものではないことから合理性を欠くものであって、貯金者の解明調査の結果をもって収益に計上すべきである旨主張する。しかしながら、睡眠貯金は、最終取引日から一定期間を経過した時点においては、払戻請求権が行使される可能性は相当に低く、実質的に請求人の管理支配下に置かれ、所得として実現したものと認めることが相当であり、上記の基準は、経済的実態を正しく反映したもので合理的であるから、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第4項に規定する「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に該当する。これに対し、請求人が主張する取扱いは、自ら定めた本件睡眠貯金事務手続に明確に反している上、請求人自身が認めるもの以外は収益として計上することを要しないこととなり、経済的実態に照らして合理的なものといえないばかりか請求人の恣意を許すことにもなりかねず、また、本件睡眠貯金事務手続と同一の基準が銀行等でも広く一般に採用されていると認められるところ、請求人のみが課税を免れることとなり、法人税法が企図する公平な所得計算の要請という観点からも是認し難いものであるから、請求人の主張する取扱いは、法人税法第22条第4項に規定する「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に該当しない。(平27.12. 1 関裁(法)平27-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270002
- 裁決年月日
- 平成27年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404019
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、基本契約である承諾書に基づき、複数の不動産物件の全て(本件各物件)を買収してA社に引き渡さなければならないところ、本件各物件の売買につき、契約を二つに分けて締結し、そのうちの第1契約により引き渡した物件(甲物件)は本件各物件の一部であり、第2契約による残りの物件の引渡しは本件事業年度において完了していないことから、甲物件の譲渡収益は、義務の完了という収益実現の条件を満たしていないため、当該収益は本件事業年度の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、不動産の譲渡による収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金の額に算入すべきであり、具体的には、当該不動産の引渡しの日として合理的であると認められる日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであると解されるところ、甲物件については、本件事業年度において、その所有権者を請求人からA社とする所有権移転登記が行われるとともに、請求人からA社へ甲物件の引渡しも行われており、所有権が移転したことは明らかである。さらに、A社は請求人から引き渡しを受けた甲物件の使用収益を開始していることからすると、甲物件は、本件事業年度において請求人からA社への引渡しが行われたと認められるため、甲物件の譲渡収益は、本件事業年度の益金の額に算入される。(平27. 7. 1 東裁(法)平27-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270002
- 裁決年月日
- 平成27年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404019
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、実現主義における収益計上時期は、「認識」と「測定」の両方が満足した時点であるから、「測定」が確定するまで収益は計上されないところ、請求人がB社に売却した不動産物件(乙物件)は、先行して行われた請求人とA社との相互売買契約に基づき、請求人がA社へ譲渡した物件(甲物件)と引き換えに、請求人がA社から取得した物件であり、甲物件に係る収益が実現していないことから、乙物件の売上原価の額も確定しておらず、乙物件に係る譲渡収益の「測定」が確定していないため、当該収益は本件事業年度の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、不動産の譲渡による収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金の額に算入すべきであり、具体的には、当該不動産の引渡しの日として合理的であると認められる日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであると解されるところ、乙物件については、本件事業年度において、その所有権者を請求人からB社とする所有権移転登記が行われるとともに、請求人からB社へ乙物件の引渡しも行われており、所有権が移転したことは明らかである。さらに、B社は請求人から引き渡しを受けた乙物件の使用収益を開始していることからすると、乙物件は、本件事業年度において請求人からB社への引渡しが行われたと認められるため、乙物件の譲渡収益は、本件事業年度の益金の額に算入される。(平27. 7. 1 東裁(法)平27-2)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260027
- 裁決年月日
- 平成27年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が請け負った工事(本件工事)に係る追加工事(本件追加工事)は、本件工事の一部であって、本件追加工事が完了しなければ本件工事に係る設備(本件設備)が完成したとはいえず、本件追加工事が完了したのは本事業年度の翌事業年度であるから、本件工事に係る代金(本件請負代金)は本事業年度の益金の額には算入されない旨主張する。しかしながら、本件工事と本件追加工事は別々に契約された別個の工事であり、本件工事の完了は本件追加工事の完了とは別に判断すべきところ、本事業年度末までに、①本件工事は予定されていた工程を終了していたと認められること、②請求人は本件工事の発注者(本件発注者)からの連絡を受け、本件発注者に対し本件請負代金を請求していたこと、③請求人は工事完了届を作成し、本件発注者は検収書を作成していたこと、さらに、④本件発注者は本件設備を資産として計上していたことからすれば、本件設備は本事業年度末までに完成し、請求人から本件発注者に引き渡されたものと認められるので、本件請負代金は本事業年度の益金の額に算入すべきである。(平27. 3.18 名裁(法・諸)平26-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260013
- 裁決年月日
- 平成26年7月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300402000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/2期間損益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己が所有する住宅ローン債権を信託により流動化した上で保有している劣後受益権(本件劣後受益権Ⅰ及び本件劣後受益権Ⅱ)は請求人が「取得」したものであるからその取得差額を区分し、収益配当金を元本償還額と受取利息とに区分した処理は、金融商品会計基準に準拠したもので、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に従った処理であるから、当該元本償還額を収益配当金計上もれとして益金の額に算入した原処分は違法ある旨主張する。しかしながら、金融商品等に係る課税上の規定については、金融商品会計基準の公表に伴って関連する政令及び通達が整備されているところ、取得差額の区分処理を定めた法人税基本通達2−1−34《債権の取得差額に係る調整差損益の計上》に請求人の行った区分処理の方法は採り入れられておらず、本件劣後受益権Ⅰは、請求人が信託した債権に係る信託受益権の劣後部分であるため法人税法第12条《信託財産に係る収入及び支出の帰属》第1項により請求人が当該債権を有するものとみなして課税されることとなるが、信託契約によれば、信託収益の配当は分配可能金利金額から行い、劣後受益権に係る信託元本の償還は優先受益権の未払元本残高が零円になった後に行われることとされており、本件事業年度末における当該優先受益権の未払元本残高はいまだ零円となっていないから、本件劣後受益権Ⅰに係る収益配当金の全額が信託収益の配当として請求人に分配されたものと認められる。また、本件劣後受益権Ⅱは、請求人が中間法人に譲渡した債権に係る信託受益権の劣後部分を請求人が取得したものであり、取得差額が生ずる場合には法人税基本通達2−1−34により利息法又は定額法に基づきその取得差額の範囲内において金利の調整により生じた部分の金額を益金の額又は損金の額に算入されることになるが、本件劣後受益権Ⅱの取得差額は発生していないから、信託収益の配当を元本の回収と受取利息とに区分すべきとの請求人の主張には理由がない。(平26. 7.29 東裁(法)平26-13)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250016
- 裁決年月日
- 平成26年6月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300411000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/11受贈益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社の発行済株式の約50%の株式(本件株式)を譲り受けたことについて、本件株式の譲受けの対価は、本件株式の過去の全ての取引における1株当たりの譲渡金額と同額であるから時価であり、受贈益は発生しない旨主張する。しかしながら、本件株式の過去の取引は10回程度で、いずれも請求人及び請求人の子会社の役員又は従業員間で行われたものであることからすると、本件株式の過去の取引における譲渡金額は、株式の価値を正当に認識した当事者間の自由な取引により成立した取引金額とはいえないから、時価であると認めることはできない。他方、財産評価基本通達(評価通達)178から189-7まで《取引相場のない株式の評価》は、法人が無償又は低い価額で有価証券を譲り受けた場合における上場有価証券等以外の株式の価額の算定の具体的な方法を定めているところ、評価通達179《取引相場のない株式の評価の原則》の(3)により、原処分庁が認定した1株当たりの価額は、本件株式の適正な価額(時価)であると認められることから、本件株式の譲受けにおける譲渡金額と本件株式の時価との差額は受贈益となる。(平26. 6. 2 熊裁(法)平25-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240067
- 裁決年月日
- 平成24年10月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300404019
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人が都市再開発法の規定に基づいて設立された市街地再開発組合から受領した権利変換処分に基づく土地補償金(本件土地補償金)及び移転補償金等(本件移転補償金等)を、本件係争事業年度(平成20年11月期)の益金の額に算入したことについては、原処分庁も是認するところであり、当事者間に争いはない。しかしながら、都市再開発法第87条《権利変換期日における権利の変換》第1項、第91条《補償金等》第1項、第96条《土地の明渡し》第1項、同条第3項、第97条《土地の明渡しに伴う損失補償》第1項及び同条第3項の各規定によれば、同法に定める権利変換処分(権利変換期日において権利を失い、かつ、当該権利に対応して、施設建築敷地等が与えられないものに限る。)が行われた場合には、施行者は、権利変換期日までに施行地区内の土地を有する者に対して補償金を支払う義務を負い、また、施行者が定めた明渡しの期限までに当該土地及び当該土地にある物件に関し権利を有する者に対して移転補償金等を支払う義務を負う一方で、当該土地は権利変換期日において新たに所有者となるべき者に帰属するとともに、当該土地又は当該土地にある物件を占有している者は、施行者が定めた明渡しの期限までに施行者に土地若しくは物件を引渡し又は物件を移転する義務を負うことになるから、権利変換処分を受けた施行地区内の土地及び当該土地にある物件を有する者においては、土地に対する補償金については権利変換期日に、移転補償金等については土地及び当該土地にある物件の明渡しの期限(明渡しの義務が生じることとなる日)に、それぞれ収入すべき権利が確定したものと解するのが相当である。そうすると、本件における権利変換処分に係る権利変換期日並びに土地及び建物の明渡しの期限はいずれも本件係争事業年度の前事業年度(平成19年11月期)に属するから、本件土地補償金及び本件移転補償金等はいずれも平成19年11月期の益金の額に算入すべきである。(平24.10. 5 東裁(法)平24-67)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240014
- 裁決年月日
- 平成24年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406020
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/2手数料等収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が国外関連者に対して行った役務提供取引は、双方合意の下、出張許可申請書に基づいて行われる取引であって、請求人が一方的に行ったものではなく、当該役務の内容が請負契約か準委任契約であるかに関係なく、当該役務の目的及び内容等の実態で、当該役務の対価の額がいつ確定するかを判断すべきであり、本件の場合は、役務提供の内容が設備の移管に付随した国外関連者の工場の立ち上げから連続生産といった一連の業務の中で必要となる製造技術、品質管理技術など広範囲にわたり、個々に業務を細分できるものではなく、また、1日単位で仕事が完結するものでもないから、法人税基本通達2−1−12《技術役務の提供に係る報酬の帰属の時期》の(1)の例外の定めには該当せず、役務の全部の提供を完了した日の属する事業年度の益金となる旨主張する。しかしながら、本件受取手数料の額は、国外関連者に出張した従業員の数及び現地出張期間の日数等によって算定されるもので、概ね毎月20日までに帰国した出張者ごとに計算されている事実からすると、当該役務提供の対価の額は日々確定するものと認められることから、各出張者の帰国を待たずに、日々受取手数料の額が確定する都度益金の額に算入するのが相当である。(平24. 8. 1 大裁(法)平24-14)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240016
- 裁決年月日
- 平成24年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406020
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/2手数料等収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、グループ法人(関係法人)に対して行った役務提供取引は、双方合意の下、出張許可申請書に基づいて行われる取引であって、請求人が一方的に行ったものではなく、当該役務の内容が請負契約か準委任契約であるかに関係なく、当該役務の目的及び内容等の実態で、当該役務の対価の額がいつ確定するかを判断すべきであり、本件の場合は、役務提供の内容が設備の移管に付随した関係法人の工場の立ち上げから連続生産といった一連の業務の中で必要となる製造技術、品質管理技術など広範囲にわたり、個々に業務を細分できるものではなく、また、1日単位で仕事が完結するものでもないから、法人税基本通達2−1−12《技術役務の提供に係る報酬の帰属の時期》の(1)の例外の定めには該当せず、役務の全部の提供を完了した日の属する事業年度の益金となる旨主張する。しかしながら、関係法人に対して行った役務提供取引に係る対価の額は、当該関係法人の現地工場に出張した従業員の数及び現地出張期間の日数等によって算定されるもので、概ね毎月20日までに帰国した出張者ごとに計算されている事実からすると、当該役務提供に係る対価の額は日々確定するものであると認められることから、各出張者の帰国を待たずに、日々当該役務提供に係る対価の額が確定する都度、益金の額に算入することが相当である。(平24. 8. 1 大裁(法)平24-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230109
- 裁決年月日
- 平成24年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300411000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/11受贈益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の取締役が主宰する別の同族会社(B社)に対してゴルフ場(本件ゴルフ場)の営業を譲渡するに当たって締結した営業譲渡契約(本件営業譲渡契約)に定める営業譲渡の基準日以前に、請求人はB社から、本件ゴルフ場の建物施設管理契約(本件建物施設管理契約)に基づき営業権を譲り受けた経緯があり、請求人には、当該基準日において本件ゴルフ場に係る営業権が生じているから、本件営業譲渡契約に基づき受け取った金員(本件金員)は、営業権の譲渡の対価に当たる旨主張する。しかしながら、本件建物施設管理契約に係る契約書の内容によれば、当該契約は、本件ゴルフ場の建物、施設の賃貸借契約と認められることから、本件建物施設管理契約をもって、請求人がB社から本件ゴルフ場の営業権を譲り受けたとは認められず、他に請求人がB社から本件ゴルフ場の営業を譲り受けたことをうかがわせる事実も認められないから、本件金員は営業権の譲渡の対価ででないことは明らかである。そうすると、B社は、対価性のない金員を請求人に支払ったこととなるので、当該金員は、B社から請求人に対する金銭の贈与と認められ、請求人の受贈益となる。(平24. 6.18 名裁(法)平23-109)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230178
- 裁決年月日
- 平成24年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413060
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/6契約金収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、タレントの広告への出演等に関する契約に係る契約金について、その全額は契約締結日等の属する事業年度において収入すべき権利が確定しているとはいえないから、契約期間であん分して各事業年度の益金の額に算入すべきであるなどと主張する。しかしながら、法人税法上、各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき収益の額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算すべきものとされており、これによれば収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金の額に算入すべきものと解されるところ、本件においては、当該契約金は、当該契約に基づく特定の役務の提供と具体的な対応関係をもって発生する対価とは認められず、また、請求人が当該契約の相手方に対し一定期間にわたって継続して役務の提供を行うことの対価として受領するものとも認められないから、当該契約の締結により、当該タレントの出演等の承諾及び第三者の広告への出演制限の受忍義務が生じた事業年度において、請求人の当該契約金を収入すべき権利が確定したと認めるのが相当であり、当該契約金は、その全額を、当該契約の契約締結日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである。(平24. 3. 7 東裁(法・諸)平23-178)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230064
- 裁決年月日
- 平成24年3月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 請求人は、請け負った施設等の修繕工事(本件工事)については事業年度末にその一部が完了しておらず、引渡しもしていないこと、また、本件工事の契約も解除されたことから工事代金の確定もなく、収益計上できない旨主張する。しかしながら、当該事業年度末までには本件工事は完了して施設が稼働し相手先にて使用収益されていると認められる。そして、工事代金が未確定の場合には事業年度終了の日の現況により適正に見積もることが相当とされるところ、請求人は本件工事に係る原価明細書を相手先に提示しており、その提示額は代金の見積額として合理的と認められるから、当該金額を当該事業年度の益金の額に算入すべきである。(平24. 3. 6 関裁(法・諸)平23-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230162
- 裁決年月日
- 平成24年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その所有する土地につき地方公共団体に対して譲渡したところ、当該土地の譲渡に係る収益計上の基準となる引渡しの時期については、相手方の使用収益開始日(当該土地の借地人が所有していた建物等の撤去を行った日)をもって引渡しがあったものとみるべきであるから、本件事業年度の翌事業年度において引渡しが行われたとみるべきである旨主張する。しかしながら、固定資産の譲渡に係る収益の計上時期について外見上その引渡しがいつ行われ収益がいつ実現したか必ずしも明らかでないような場合は、その具体的な引渡しの日がいつであるかの判断に当たっては、取引に関する諸事情を考慮し、当該固定資産の現実の支配がいつ移転したかを判断し、その現実の支配が移転した時期をもって当該固定資産の引渡しがあったものと判断するのが相当であるところ、本件においては、売買契約において契約締結と同時に所有権が移転するとされていること、当該売買契約と同時期に所有権移転登記に必要な書類を相手方に交付し所有権移転登記の嘱託が受け付けられていること、当該売買契約の締結時に譲渡代金の請求書を提出していること及び公共事業用資産の買取り等の証明書の買取年月日欄には当該売買契約の締結日が記載されていることが認められ、また、これらの事実に加え、当該地方公共団体が契約の当事者として、当該土地の借地人と借地権補償契約等を締結していることが認められ、これらを総合すると、当該土地の現実の支配は、売買契約の締結により請求人から地方公共団体に移転したと認めるのが相当であり、当該土地の譲渡代金に係る収益計上時期は本件事業年度となる。(平24. 2.15 東裁(法)平23-162)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230071
- 裁決年月日
- 平成24年1月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が運行便数を水増しした架空のものであるとした運行に係る外注費(本件各外注費)について、請求人の元部長の不法行為によるものであり、損害賠償請求権が生じているとしても、当該損害賠償請求権の額は、本件各外注費に係る損失が発生した各事業年度の益金の額に算入すべきでない旨主張する。しかしながら、不法行為による損害賠償請求権については、通常、損失が発生した時には損害賠償請求権も発生、確定しているから、これらを同時に損金と益金とに計上するのが原則であり、例えば加害者を知ることが困難であるとか、権利内容を把握することが困難なため、直ちには権利行使(権利の実現)を期待することができないような場合には、いまだ権利実現の可能性を客観的に認識することができるとはいえないが、請求人において、本件各外注費に係る損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったとはいえないので、本件各外注費に係る損害賠償請求権は、不法行為があった各事業年度の益金に算入するのが相当である。(平24. 1.18 名裁(法・諸)平23-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230108
- 裁決年月日
- 平成24年1月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の使用人が行った本件詐取行為による請求人の損害賠償金の額の収益計上時期について、①当該使用人の詐取行為は、巧妙な伝票操作により行われたものであり、通常の管理体制では容易に発覚するものではないこと、②当該使用人は詐取行為発覚前において既に退職していること等から、法人税基本通達2-1-43《損害賠償金等の帰属の時期》(本件通達)に定める「他の者」に該当し、実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入する取扱いが適用されるべきである旨主張する。しかしながら、不法行為による損害賠償請求権については、通常、不法行為による損失が発生した時に同額の損害賠償請求権も発生、確定しているから、これらを同時に損金と益金に計上するのが原則であるところ、本件通達の取扱いは、基本的には、第三者による不法行為等に基づく損害賠償請求権については、その行使を期待することが困難な事例が往々にしてみられることに着目した趣旨のものであると解され、これを本件についてみると、本件詐取行為における取引に係る伝票について担当部署における現物との照合や資材課長によるチェックが確実に行われていれば本件詐取行為は間違いなく発覚するものであったと認められることからすれば、請求人は、本件事業年度において損害賠償請求権につき、その存在、内容等を把握できず、権利の行使を期待できないような客観的状況にあったとはいえず、また、当該使用人が本件詐取行為の発覚時に請求人を退職していたことをもって第三者による不法行為ということはできないから、本件通達にいう「他の者」に当たらず、本件詐取行為に係る損害賠償請求権の額の収益計上時期について本件通達の適用はない。したがって、当該使用人の詐取行為による損失の発生と同時に損害賠償請求権を益金の額に算入すべきこととなる。(平24. 1.13 東裁(法・諸)平23-108)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230089
- 裁決年月日
- 平成23年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/7その他の収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が受領する協力金は、請求人の店舗において取り扱う商品を、その商品を製造・販売しているA社の商品のみとすることを条件として受領するものであり、その契約期間が5年であること及び契約に定める解除事由が生じた場合には協力金の返還義務があることから、5年間にあん分して益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該協力金は、請求人の店舗における取扱商品がA社の商品のみに制限されるという義務を負うことを承諾した対価と認められ、一定期間にわたって特定の役務の提供を行うことの対価として受領したものではないから、一定期間の役務の提供と具体的な対応関係をもって発生する対価とは認められない。したがって、請求人の店舗における取扱商品がA社の商品のみに制限される義務が発生し、当該協力金を収受すべき権利が確定した事業年度において、その全額を益金の額に算入すべきものと解するのが相当である。なお、協力金の返還が発生することとなる解除事由は、手形不渡などという限られた不測の事態であるものを除き、請求人の行動によって当該事由の発生を防ぐことができる条件であると認められ、また、当該事由が発生し、当該協力金の返還の事実が生じたとしても、それは新たな事由の発生によるものであるから、当該協力金の返還が生じる可能性があることをもって、請求人に当該協力金の全額を収受すべき権利が確定していないということはできない。(平23.12. 7 東裁(法・諸)平23-89)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平230001
- 裁決年月日
- 平成23年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300412000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/12債務免除益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件債務に関して、その債権者であるX社の貸倒損失の損金算入時期と請求人の債務免除益の益金算入時期とが異なることはあり得ないことから、X社が、本件債務の債務免除による貸倒損失を、合意書を作成した日の属する事業年度の損金の額に算入していないにもかかわらず、請求人の法人税について、本件債務に係る債務免除益を、合意書を作成した日の属する本件事業年度の益金の額に算入した更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人には、合意書の記載のとおり、債務免除の効果が発生していることから、債権放棄をしたX社における損金算入の有無にかかわらず、その債務免除額に相当する額を本件事業年度の益金の額に算入することは何ら違法ではない。(平23. 7. 6 広裁(法)平23-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230006
- 裁決年月日
- 平成23年7月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、請求人の使用人が行った詐取行為による請求人の損害賠償金の額の収益計上時期について、①当該使用人の詐取行為は、巧妙な伝票操作により行われたものであり、通常の管理体制では容易に発覚するものではないこと、②当該使用人は詐取行為発覚前において既に退職していること等から、法人税基本通達2-1-43《損害賠償金等の帰属の時期》(本件通達)に定める「他の者」に該当し、実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入する取扱いが適用されるべきである旨主張する。しかしながら、不法行為による損害賠償請求権については、通常、不法行為による損失が発生した時に同額の損害賠償請求権も発生、確定しているから、これらを同時に損金と益金に計上するのが原則である。本件通達の取扱いは、基本的には、第三者による不法行為等に基づく損害賠償請求権については、その行使を期待することが困難な事例が往々にしてみられることに着目した趣旨のものであると解され、これを本件についてみると、本件詐取行為における取引に係る伝票について担当部署における現物との照合や資材課長によるチェックが確実に行われていれば本件詐取行為は間違いなく発覚するものであったと認められる。そうすると本件においては、通常人を基準とすれば、請求人は、本件事業年度において損害賠償請求権につき、その存在、内容等を把握できず、権利の行使を期待できないような客観的状況にあったとはいえない。また、当該使用人が本件詐取行為の発覚時に請求人を退職していたことをもって第三者による不法行為ということはできないから、本件通達にいう「他の者」に当たらず、本件詐取行為に係る収益計上時期について本件通達の適用はない。したがって、当該使用人の詐取行為による損失の発生と同時に損害賠償請求権を益金の額に算入すべきこととなる。(平23. 7. 6 東裁(法)平23-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220237
- 裁決年月日
- 平成23年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の使用人が行った不法行為(本件詐取行為)による請求人の損害賠償請求権の収益計上時期について、当該使用人が請求人の主要な地位にある者でないことから、法人税基本通達2-1-43《損害賠償金等の帰属の時期》(本件通達)にいう他の者から支払を受ける損害賠償金として、請求人が実際に当該使用人から損害賠償金の支払を受けた日の属する事業年度とすべきである旨主張する。しかしながら、不法行為による損害賠償請求権については、通常、不法行為による損失が発生した時には同額の損害賠償請求権も発生、確定しているから、これらを同時に損金と益金に計上するのが原則である。本件通達の取扱いは、法人が第三者の不法行為により損害を受けた場合には、相手方に損害賠償責任があるかどうかについて争いがあることが少なくなく、損害賠償金の額も当事者間の合意等を待たなければ具体的に確定しないのが普通であり、損害賠償請求権が発生していても実現可能性を客観的に認識することができるとは必ずしもいえないことにより認められたものである点を踏まえると、請求人の使用人であった者は、本件通達の「他の者」に当たらず、本件詐取行為に係る収益計上時期について本件通達の適用はない。また、本件詐取行為の発生状況などの客観的状況に基づいて判断してみても、本件詐取行為に係る納品書には偽りの工事番号や品名が記載されていることからすると、当該納品書に係る決裁及び在庫管理等が適切に行われていれば、本件詐取行為は容易に発覚するものであり、通常人を基準とすれば、請求人は、本件各事業年度において、本件詐取行為に係る損害賠償請求権の存在、内容等を把握できず、権利行使を期待できないような客観的状況にあったともいえない。(平23. 6.28 東裁(法・諸)平22-237)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220070
- 裁決年月日
- 平成23年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、K社との間で締結したコンサルティング契約に定められた業務(本件開発業務)の完了は、地権者Mに対する代替地の譲渡が完了した平成21年9月期である旨主張する。しかしながら、当該コンサルティング契約によれば、本件開発業務は、請求人が区画整理事業地内の各地権者から土地売買の同意を得るなどの取りまとめを行うことであり、K社が当該各土地の引渡しを受けること(土地の買収が完了すること。)で完了するとされているところ、代替地の提供は請求人と地権者Mとの間の取り決めであってコンサルティング契約の内容を変更するものでない。そうすると、同土地の所有権移転登記がすべて完了した平成19年12月○日が同業務の完了の日と認められるから、本件開発業務の報酬は、同日の属する事業年度である平成20年9月期の収益に計上すべきである。(平23. 3.23 関裁(法・諸)平22-70)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220050
- 裁決年月日
- 平成23年2月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人は、会計帳簿の記載の基礎となる売上伝票の一部を抜き取るなどして行った売上除外(本件不正行為)は従業員R及びJ常務の個人的な不正行為であるから、①これに係る損害賠償請求権に係る収益は、権利確定主義により請求人が本件不正行為を把握した事業年度に計上すべきである旨、②本件不正行為を請求人の行為と同視して重加算税を課することはできない旨、③請求人に税額を免れる意図はないから偽りその他不正の行為はない旨主張する。しかしながら、①不法行為による損失の発生と損害賠償請求権の発生、確定は、原則として、これを同時に損金と益金とに計上すべきであるところ、請求人の経営に参画する常務取締役が本件不正行為の事実を把握していたのであり、通常人を基準とすると、請求人において、本件損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得ず、権利行使を期待できないといえるような客観的状況にあったということはできず、権利の行使を期待することができないような場合にも当たらないから、本件損害賠償請求権の額は、本件不正行為による損失の発生した日の属する各事業年度の益金の額に算入され、②J常務の行為は請求人の行為と同視できるから、請求人に重加算税を課することができ、③本件不正行為は「偽りその他不正の行為」に当たるというべきである。(平23. 2. 8 関裁(法・諸)平22-50)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220050
- 裁決年月日
- 平成23年2月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300412000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/12債務免除益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 原処分庁は、原処分時において、平成14年○月課税期間分の消費税等の更正可能期間は徒過しており、これに係る納付すべき税額はないから、14年○月課税期間の売上げ計上漏れに係る仮受消費税等相当額は、消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて(取扱通達)6の定めにより、平成14年○月期の益金の額に算入される旨主張する。しかしながら、当該仮受消費税相当額は、消費税等の更正処分がなされて清算された清算差額とは異なり、更正の期間制限により消費税等の更正処分ができないことにより、納付すべき消費税等の額が発生せず、未払消費税等相当額と清算できない状況になっているものであり、消費税等を納付しなくてよいことにより収益として確定するものであるから、平成21年○月1日が含まれる事業年度において、雑収入として益金の額に算入すべきものであり、平成14年○月期の益金の額に算入されない。(平23. 2. 8 関裁(法・諸)平22-50)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220043
- 裁決年月日
- 平成22年12月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300406990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/3その他の役務提供による収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、道路新設に伴うテレビジョン電波受信障害の改善措置に係る施設の維持管理に関し、その対象となる地上波放送がアナログ地上波放送のみであり、また、その維持管理期間がアナログ地上波が終了する平成23年7月24日までであることを前提に、本件の対価の額の収益計上時期について、平成23年7月24日までの期間に応じて、収益として計上すべきである旨主張する。しかしながら、本件の全証拠によれば、本件維持管理については、アナログ地上波放送だけでなく、デジタル地上波放送が含まれ、また、本件維持管理期間は20年間であると認められるから、本件対価の額については、20年にわたり収益として分割計上することは認められる。(平22.12.13 大裁(法・諸)平22-43)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220093
- 裁決年月日
- 平成22年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の取引は、組合契約における内部取引であり、実質は担保目的で登記上の名義をA社に移したにすぎず、本件土地の取引に係る収益は、組合契約に係る事業の目的達成時又は事業の終了等に基づく清算時に計上すべきである旨、また、本件土地の取引は、譲渡担保であることから請求人からA社への譲渡がなかったものとして取り扱うべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、請求人が所有していた棚卸資産であり、土地売買契約書によって、所有権は売買代金総額の支払と同時に請求人からA社に移転するとの合意がなされているところ、その契約日にA社から請求人に売買代金の総額が支払われ、請求人から相手方に所有権移転登記が行われたことからすれば、本件土地の引渡しは、合意がなされた契約日に完了したと認められるから、同日に本件土地の譲渡があったと認めるのが相当である。そうすると、本件土地は請求人が棚卸資産として所有していたものをA社に対して譲渡したものであるから、組合契約における内部取引として担保目的で土地名義をA社に移したとは認められないし、また、本件土地の売買契約には請求人が従来どおり使用収益できる旨の条項はなく、請求人が本件土地を自己の固定資産として経理した事実はないこと等から、本件土地の譲渡について譲渡担保の取扱いは認められない。(平22.11. 1 東裁(法・諸)平22-93)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220085
- 裁決年月日
- 平成22年10月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- №81
要旨
○ 請求人は、本件建物賃貸借契約において敷引とされた金員(本件敷引金)は実質的な前受家賃であるから、本件建物賃貸借契約における賃貸借期間で均等償却した額を毎期収益に計上すべきである旨主張する。しかしながら、本件敷引金は、①従前の建物賃貸借契約の解除に伴い返還を要しないこととなった金額の一部が、本件建物賃貸借契約の予約契約の敷金に振り替えられたものと認められること、②本件建物賃貸借契約では敷金の一部とされ前受家賃としては合意されておらず、請求人において前受家賃とする合理的理由がないこと、③借主は、本件敷引金について前払家賃とはしなかったことからすると、本件建物賃貸借契約において敷引とすることにより、契約当事者の双方が返還を要しないことに合意(確認)したものと認められる。そして、本件建物賃貸借契約において、本件敷引金が契約開始後に請求人の任意の方法で償却できるものとされていることからすれば、本件敷引金は、本件建物賃貸借契約が締結された時点において、請求人において返還を要しないことが確定していたものと認められることから、同時点において、一種の権利の設定の対価として返還を要しない確定収入となり、請求人は、自己の所有として自由に処分することができると認められる。したがって、本件敷引金は、本件建物賃貸借契約が締結された日の属する事業年度において、その全額を収益に計上すべきものと解するのが相当である。(平22.10.18 東裁(法・諸)平22-85)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220072
- 裁決年月日
- 平成22年10月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、買受人との間で締結した土地建物売買契約は、請求人が保有する本件土地に本件建物を建設して引き渡す土地建物の一括売買契約であるから、建物の引渡日に売買価額全体を収益に計上すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地については、平成20年7月○日に、買受人への所有権移転登記が行われ、買受人の借入金の担保として提供され抵当権設定登記が行われていることから、買受人は同日をもって本件土地の使用収益を開始したと認められ、また、請求人は、本件土地に係る契約上の売買価額を上回る金額を同日までに受領し、同日以後の固定資産税等相当額の精算金を同日に受領していることからすれば、本件土地は平成20年7月○日に引渡しが行われたと認められるので、本件土地の販売に係る収益は同日の属する本件事業年度に計上するのが相当である。(平22.10. 1 東裁(法・諸)平22-72)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220003
- 裁決年月日
- 平成22年8月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の元営業部長が特殊景品を窃取した不法行為による損害賠償請求権の額は、その権利が発生していても、本件不法行為が秘密裏に行われていたため、損害の発生及びその加害者を知ることができず、その権利を直ちに行使することは事実上不可能であるから、請求人が本件調査により本件不法行為の事実を認識した時の属する事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、元営業部長は、本件不法行為の発覚を防ぐために、日計表などを改ざんしたことから、日計表は当営業日の特殊景品の前日繰越数量と前営業日の残数量が一致しないなど日計表等の数量が不自然かつ不合理なものとなったこと、その日計表は代表者が請求人の従業員による不正を把握することを目的の一つとして作成させていたこと、日計表は日々代表者が確認できる状態に置かれていたことなどからすると、代表者は、日計表等の記載の状況、数量の推移等を注意して見ていれば、不自然かつ不合理な記載に容易に気付き、日計表の特殊景品の数量の改ざんが行われていることを確認することが可能であったものと認められる。そして、代表者は、特殊景品が何者かによって盗まれているのではないかと疑念を持てば、日計表及び景品移動数リストを取りまとめて管理する立場である元営業部長を問いただし、同人の窃取行為であることを突き止めることも可能であったと認められる。そうすると、通常人を基準にして、損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的な状況にあったとは認められないから、本件不法行為による損害賠償請求権は、損害が発生した時に発生、確定しているといえ、当該損害賠償請求権の額は、本件各事業年度の益金の額に算入すべきことになるから請求人の主張には理由がない。(平22. 8.18 広裁(法)平22-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220005
- 裁決年月日
- 平成22年7月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300404030
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/3借地権等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件合意解除により賃料を支払わなくなった以降は使用貸借に当たるので、本件合意解除により借地を無償返還した日が課税時期である旨主張する。しかしながら、本件合意解除がなされたとしても、請求人と地主との間で、本件建物の処分に関する協議が整わず、賃借人である請求人において本件借地についての原状回復義務を履行したとはいえない間は、地主においては、請求人所有の本件建物が本件借地上に存在しているため、本件借地の使用収益をすることが制限される状態であったということができ、本件借地の引渡しがあったということはできない。これに対し、本件建物売買契約を締結した日以降は、地主らにおいて、本件建物と一体としてあるいは本件建物を収去して、本件借地を自由に使用収益することができることになったというべきであり、同日に本件借地の返還があったと見るのが相当である。(平22. 7. 9 大裁(法・諸)平22-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210173
- 裁決年月日
- 平成22年6月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300402000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/2期間損益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己が所有する住宅ローン債権を信託により流動化した上で保有している劣後受益権(以下「本件劣後受益権Ⅰ」及び「本件劣後受益権Ⅱ」という。)は請求人が「取得」したものであるからその取得差額を区分し、収益配当金を元本償還額と受取利息とに区分した処理は、金融商品会計基準に準拠したもので、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」(以下「公正処理基準」という。)に従った処理であるから、当該元本償還額を収益配当金計上もれとして益金の額に算入した原処分は違法ある旨主張する。しかしながら、法人税の課税所得計算については、法人税法及び租税特別措置法によって租税政策上の理由から多数の別段の定めがなされ、公正処理基準は大幅な修正を受けており、金融商品等に係る課税上の規定についても、金融商品会計基準の公表に伴って関連する政令及び通達が整備されているところ、取得差額の区分処理を定めた法人税基本通達2−1−34には請求人の行った区分処理の方法は採り入れられていない。また、本件劣後受益権Ⅰは、請求人が信託した債権に係る信託受益権の劣後部分であるから、法人税法第12条第1項により請求人が当該債権を有するものとみなして課税されることとなるが、信託契約によれば、信託収益の配当は分配可能金利金額から行われることとされ、信託元本の償還及び信託収益の配当は優先受益権に対し優先的に行われ、劣後受益権に係る信託元本の償還は優先受益権の未払元本残高が零円になった後に行われるのであり、本件各事業年度末における当該優先受益権の未払元本残高はいまだ零円となってはいないから、本件劣後受益権Ⅰに係る収益配当金の全額が信託収益の配当として請求人に分配されたものと認められるから、原処分は相当である。そして、本件劣後受益権Ⅱは、請求人が中間法人に譲渡した債権に係る信託受益権の劣後部分を請求人が取得したものであり、取得差額が生ずる場合には法人税基本通達2−1−34により利息法又は定額法に基づきその取得差額の範囲内において金利の調整により生じた部分の金額を益金の額又は損金の額に算入することになるが、本件劣後受益権Ⅱの取得差額は発生していないから、信託収益の配当を元本の回収と受取利息とに区分すべきとの請求人の主張には理由がない。(平22. 6. 9 東裁(法・諸)平21-173)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平210008
- 裁決年月日
- 平成22年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300402000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/2期間損益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度の益金の額に算入した過年度損益修正益は、過年度に架空仕入等の計上により発生した買掛金等を適正額に修正したものであるから、架空仕入等を計上した事業年度において修正処理がなされるべきであり、本件事業年度の益金の額に算入した当初申告は誤りだから、更正の請求を認めるべきである旨主張する。しかしながら、本修正益は、発生原因等が不明な買掛金等の残高を請求人が解明したとする適正残高との差額を債権の確定及び債務の不存在を理由として、適正な財務諸表に是正するため、損益計算書に計上したものであることからすれば、法人税法第22条第2項の規定により、本件事業年度の益金の額に算入されるべきものであり、これは、同条第4項に規定する「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」にも合致するものである。したがって、本修正益を本件事業年度の益金の額に算入し計算された課税標準等又は税額等の計算は正当なものと認められ、請求人の主張は認められない。(平22. 6. 2 沖裁(法)平21-8)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210011
- 裁決年月日
- 平成22年2月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300410000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/10仕入割戻し等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ ①A仕入割戻しについては、いずれも算定基準が購入価額又は購入数量によっており、かつ、各算定基準が請求人と各仕入先との間で交わされた各書面に明示されていることから、請求人がその算定の対象となった商品を購入した日の属する平成20年2月期の益金の額及び本件課税期間の仕入れに係る対価の返還に該当する。また、②B仕入割戻しについては、平成20年2月末までに仕入割戻しの金額の通知を受けていることから、当該通知を受けた日の属する平成20年2月期の益金の額及び本件課税期間の仕入れに係る対価の返還に該当する。③C仕入割戻しについては、その算定が仕入れの購入価額又は購入数量によるものではなく、請求人によるセールスコンテストの実施を支払の条件としており、請求人において平成20年2月末までに当該コンテストの実施という役務の提供を行っていることから、平成20年2月期の益金の額及び本件課税期間の課税資産の譲渡等の対価に該当し、本件課税期間の仕入れに係る対価の返還等の額には該当しない。なお、請求人は、C仕入割戻しについて、平成20年3月に仕入先から新たな提案があったことにより支払われることとなった旨主張するが、新たな提案があったとする証拠はなく、平成20年2月末までに役務の提供が終了していることからすれば、請求人の主張には理由がない。(平22. 2. 3 福裁(法・諸)平21-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210059
- 裁決年月日
- 平成22年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各事業年度においては、通常人を基準にして、横領行為に係る損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使ができないといえる客観的状況にあったのであるから、横領行為が発覚した事業年度に、当該損害賠償請求権の金額を益金に計上するのが、一般に公正妥当と認められる会計処理基準に適合した処理である旨主張する。しかしながら、法人税法上、ある収益をどの事業年度に計上すべきかは、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきであり、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金の額に計上すべきものと考えられ、この権利の確定とは、権利の発生とは同一ではなく、権利発生後一定の事情が加わって権利実現の可能性が客観的に認識することができるようになることを意味するものと解されるところ、横領行為に係る損害賠償請求権についても特に異なった取扱いをすべき理由はないため、その判断は、税負担の公平や法的安定性の観点からして客観的にされるべきものであるから、通常人を基準にして、損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったかどうかという観点から判断していくべきであり、本件は、①取締役により本件売却処理による車両売却代金の一部を横領されており、このことは請求人に対して損失を発生させ、それと同時に取締役に対する不法行為による損害賠償請求権が発生し、この債権は確定していること、②請求人においては、実際、本件売却処理のほかに原始資料なしに起票する経理処理は一切行われておらず、経理担当者らの間で同経理処理について疑問・注意が提起され話題にも上がっており、直接、取締役や売却の相手方に具体的な売却額を聞き確認を取れば容易に横領行為を発覚できたにもかかわらず、取締役が運輸部の責任者であることなどを理由に同人を信頼してしまっていたものと認められることなど、通常人を基準として本件行為による損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえる客観的状況にあったとは認められないことから、請求人の主張を採用することはできない。(平22. 1. 7 関裁(法・諸)平21-59)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210060
- 裁決年月日
- 平成22年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、本件各事業年度においては、通常人を基準にして、横領行為に係る損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使ができないといえる客観的状況にあったのであるから、横領行為が発覚した事業年度に、当該損害賠償請求権の金額を益金に計上するのが、一般に公正妥当と認められる会計処理基準に適合した処理である旨主張する。しなしながら、法人税法上、ある収益をどの事業年度に計上すべきかは、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきであり、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金の額に計上すべきものと考えられ、この権利の確定とは、権利の発生とは同一ではなく、権利発生後一定の事情が加わって権利実現の可能性が客観的に認識することができるようになることを意味するものとと解されるところ、横領行為に係る損害賠償請求権についても特に異なった取扱いをすべき理由はないため、その判断は、税負担の公平や法的安定性の観点からして客観的にされるべきものであるから、通常人を基準にして、損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったかどうかという観点から判断していくべきであり、本件は、?業務を委託した先の取締役Eにより本件売却処理による車両売却代金の一部を横領されており、このことは請求人に対して損失を発生させ、それと同時にEに対する不法行為による損害賠償請求権が発生し、この債権は確定していること、?請求人の代表者は、委託先の代表者でもあるところ、請求人は、実際、本件売却処理のほかに原始資料なしに起票する経理処理は一切行われておらず、業務を委託した経理担当者らの間で同経理処理について疑問・注意が提起され話題にも上がっており、直接、Eや売却の相手方に具体的な売却額を聞き確認を取れば容易に横領行為を発覚できたにもかかわらず、Eが運輸部の責任者であることなどを理由に同人を信頼してしまっていたものと認められることなどから、通常人を基準として本件行為による損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえる客観的状況にあったとは認められない。よって、請求人の主張を採用することはできない。(平22. 1. 7 関裁(法・諸)平21-60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210074
- 裁決年月日
- 平成21年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が営む介護付有料老人ホームの入居一時金に係る収益計上基準について、請求人の会計処理の基準は、①各施設ごとに平均居住年数、残余平均余命を合理的、科学的に見積もり均等に収益を計上しているものであること、②費用収益対応の原則にも適応したもので厚労省指導指針に基づくものであること、③監査法人からも監査適正意見が継続して出されているものであること等からすれば、法人税法第22条第4項に規定する公正妥当な会計処理の基準に該当するものである旨主張する。しかしながら、厚労省指導指針は有料老人ホームが行うべき税法上の公正妥当な会計処理の基準を規定しているものではなく、監査法人の監査適正意見についても請求人の収益計上基準を法人税法上客観的な規範性をもつ公正妥当と認められる会計処理の基準に該当するか否かについて判断したものではない。また、本件の場合のように、本件各契約が入居者に対し終身にわたり請求人の施設を利用させるものであるところ、入居者の死亡する日が予測不可能であることからすれば、上記①の年数についても不確定なものであるといわざるを得ず、この収益計上時期と、返還請求権が一定の期間経過までに消滅するとされていることの整合性もなく、請求人の主張する収益計上基準を、客観的な規範性を持つ公正妥当と認められる会計処理の基準ということはできない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21.12. 9 東裁(法)平21-74)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平210004
- 裁決年月日
- 平成21年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件製品に係る所有権が移転するのは、検収が完了した時点になることから、本件収益計上日は、本件検収日によるべきである旨主張する。しかしながら、本件製品は、請求人から出荷された後、本件倉庫へ搬入され、請求人は、倉庫の担当者から受領印を押印した受領書を受け取っていることからすれば、この時点で本件製品が得意先の支配下に置かれたと考えられることから、本件搬入日が、本件製品の引渡しの日として合理的であると認められる。したがって、本件収益計上日を本件搬入日によることが合理的であるとした原処分は適法である。(平21.11.30 高裁(法・諸)平21-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210035
- 裁決年月日
- 平成21年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404030
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/3借地権等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、借地上の建物の明渡しに際して支出した本件明渡補償金は、償却可能な繰延資産又は建物の取得価額と解すべきであり、その償却費は損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件明渡補償金は、事業用借地権設定のために支出した費用であり借地権の取得価額と認められるところ、法人税法第2条第23号及び同法施行令第12条によれば、借地権は固定資産(土地及び土地の上に存する権利)に該当し、当該借地権から事業用借地権を除くとの法令上の規定もない。したがって、本件明渡補償金は、固定資産(土地の上に存する権利)に該当するから、請求人の主張には理由がない。(平21.10. 7 東裁(法)平21-35)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平210002
- 裁決年月日
- 平成21年9月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・303ページ
要旨
○ 法人税法上、ある収益をどの事業年度に計上すべきかは、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきであり、これによれば、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金の額に算入すべきものと考えられる。そして、権利の確定とは、権利の発生とは同一ではなく、権利発生後一定の事情が加わって権利の実現の可能性を客観的に認識することができるようになることを意味するものと解されている。ところで、不法行為による損害賠償請求権については、例えば加害者を知ることが困難であるとか、権利内容を把握することが困難なため、直ちには権利行使を期待することができないような場合があり得るところ、このような場合には、権利(損害賠償請求権)が法的には発生しているといえるが、いまだ権利の実現の可能性を客観的に認識することができるとはいえないから、不法行為が行われた時点が属する事業年度の益金の額に算入すべきであるとはいえないと解されている。ただし、この判断は、税負担の公平や法的安定性の観点から考えて客観的にされるべきであるから、通常人を基準にして、権利(損害賠償請求権)の存在・内容等を把握し得ず、権利行使を期待することができないといえるような客観的状況にあったかどうかという観点から判断していくべきである。本件については、通常人を基準にして、本件損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使を期待することができないといえるような客観的状況にあったといえ、その権利の実現の可能性を客観的に認識することができるとはいえないから、本件損害賠償請求権を請求人の本件各事業年度の益金の額に算入すべきであるとはいえない。(平21. 9. 9 広裁(法・諸)平21-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210008
- 裁決年月日
- 平成21年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、マンションの管理会社から請け負ったマンションの鍵及び錠前の一括交換工事(以下「本件各工事」という。)に係る収益の計上時期について、当該工事の注文書に工事の完了日として記載された日(以下「本件各設定日」という。)に収益計上するのが合理的である旨主張する。しかしながら、物の引渡しを要する請負契約による収益計上時期については、目的物の全部を完成して相手方に引渡した日となるところ、本件各設定日は、飽くまでも工事の終了予定日であり、本件各設定日をもって一律に収益計上するのは合理的ではなく、本件各工事については、請求人は本件各設定日より前である本件事業年度末までに工事完了通知とみなされる①作業完了報告書②鍵受領書③請求書(以下「本件作業完了報告等」という。)を受注先に提出しており、引渡しが完了していると認められる。なお、本件各工事には部分的に未了となっているものもあるが、①未了部分は全体の戸数のうちのわずかであること、②その原因が請求人の責めに帰すものではないこと、③未了部分の鍵等は受注先に引渡されていること、④これらの各物件についても本件事業年度末までに本件作業完了報告書等が受注先に提出されていること及び⑤契約当事者である請求人と受注先の双方が未了の事実を認識した上で本件作業完了報告書等の授受及び代金の決済を行っていることからすると、当該各物件についても、本件事業年度の収益に計上するのが相当である。また、本件各工事のうち1棟は完了していないと認められるが、本件各工事以外で完了した工事を収益に計上していないものが認められ、これを所得金額に加算すると本件更正処分の金額を上回ることになるから、本件更正処分は適法である。(平21.8.24 東裁(法・諸)平21-8)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平210001
- 裁決年月日
- 平成21年8月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件甲取引は本件建物工事全体の中での工事請負であり、本件甲取引に係る収益の額及び原価の額は、本件建物工事全体が完成し、元請業者が一括して施主に引き渡した日の属する事業年度の益金の額及び損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が施主から本件建物工事を請負っている事実は認められず、本件甲取引の当事者は請求人と元請業者であるところ、本件甲取引については、①元請業者からの注文書ごとに個々の対価の額及び元請業者への納期が定められていること、②請求人は当該注文書ごとに対応する請書をそれぞれ発行していること、③当該各請書の定めに従って個々の指定品の販売を行っていること、④納品した個々の指定品については元請業者の検収を受け、納品書及び請求書を発行し、毎月分の代金を受領していること、⑤請書ごとの指定品の納品を了した都度、売上代金を確定させて残代金を精算していることから、注文書及び請書の授受によって個々の指定品の納入業務が個別に契約されたものと認められる。したがって、本件甲取引の収益及び原価の帰属の時期は、契約ごとに一の取引としてその帰属の時期を判断するのが相当であり、請求人の主張には理由がない。なお、請求人は、本件甲取引が原処分庁の主張する収益計上基準で収益に計上すべきであるとすれば、未成工事で赤字の生じている本件乙取引についても同様の基準で収益に計上すべきである旨主張するところ、本件乙取引は、元請業者から一括して受注した請負工事であり、事業年度内にその検収も受け工事は完了していることから、本件乙取引に係る収益の額及び原価の額は、当該事業年度の益金の額及び損金の額に算入すべきである。(平21. 8.19 金裁(法・諸)平21-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210004
- 裁決年月日
- 平成21年7月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A団体から請け負った産業廃棄物等の撤去作業には、当該廃棄物等の分別処理の作業を含んでおり、当該廃棄物のうちいったん別の土地に搬出した土砂等については、再分別の作業が終了していないことから、請け負った役務は完了しておらず、当該撤去作業に係る対価を益金の額に算入する必要はない旨主張する。しかしながら、請求人とA団体とは、請負契約書記載の内容により請負契約を締結していたと認められることから、当該廃棄物の全部を本件土地から搬出することによって、請負契約に係る役務の提供を完了したというべきであるから、請求人の主張は採用できない。(平21. 7. 8 関裁(法・諸)平21-4)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平200028
- 裁決年月日
- 平成21年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/7その他の収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 旅館業等を営む同族会社である請求人は、原処分庁が、製造業者が食材の仕入価格に上乗せして請求人に請求し、当該製造業者から従業員である総料理長らが受領していた金員は、請求人に帰属するとして行った更正処分等について、当該金員は、当該製造業者から総料理長らに対する情報提供料で個人に帰属するものであり、請求人には帰属しない旨、また、仮に、請求人に損害賠償請求権が発生するとしても請求人が具体的に確定した金額を認識した事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、総料理長らは請求人の重要な会議に出席する立場にあり、仕入先選定についての絶対的な権限を有し、約7年間の長期にわたって給与の2倍ないし5倍に相当する多額の金員を受領していたものであり、総料理長らが請求人の従業員の職を離れて役務提供していたような特別な事情は認められないことから、当該金員は、取引関連業者から請求人に対するリベートとみるのが相当であり、請求人に帰属すべきものと認められる。そして、請求人が総料理長らの横領行為によって被った損害に係る損害賠償請求権は、横領の事実発覚のいかんにかかわらず、損害賠償請求権が発生した時にその権利が確定し、これを確定した時の属する事業年度の益金の額に算入すべきものである。したがって、請求人の主張は採用できない。(平21. 6.26 仙裁(法・諸)平20-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200168
- 裁決年月日
- 平成21年4月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413060
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/6契約金収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が親会社と締結したライセンス契約(以下「本件ライセンス契約」という。)に基づいて行った研究開発のすべてが本件ライセンス契約上の「改良等」に該当し、その成果は親会社に譲渡されたと認められるから、請求人の研究開発費用の実費に5%相当額を加えた金額を親会社から受領すべきである旨主張する。しかしながら、請求人の行っている研究開発は、請求人自身の製品化のための仕様調整であり、そのすべてが本件ライセンス契約上の「改良等」に該当するわけではなく、その研究開発のうち親会社のデータベースに製品登録(資源登録)されたものについては、親会社の使用許諾対象製品として、請求人も親会社にロイヤリティを支払うこととされているから、本件ライセンス契約上の「改良等」として請求人から親会社に譲渡されたものと認められる。したがって、請求人が譲渡対価として親会社から受領すべき額は、資源登録された研究開発に係る試験研究費の実費に5%を加えた金額であると認められる。(平21. 4.22 東裁(法)平20-168)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200152
- 裁決年月日
- 平成21年4月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員に対する損害賠償請求権の収益計上時期は、請求人が損害を知り、損害賠償請求権の行使が事実上可能となった日の属する事業年度であると主張する。しかしながら、法人税法上、当該事業年度の収益の額は、一般に公正妥当な会計処理の基準に従って計算すべきものとされているから、これによれば、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金に計上すべきものと考えられる。この権利の確定とは、法律上その権利を行使することができるようになったことをいうものと解されるところ、横領等の不法行為による損害賠償請求権についても、法律上権利行使が可能となったとき、すなわち、不法行為によって損害賠償請求権が発生したときに、その権利が確定し、これを当該事業年度の収益に計上すべきと解される。そうすると、本件従業員の不法行為は、本件各事業年度において行われていることから、請求人は、本件各事業年度において、不法行為に基づく損害賠償請求権の行使が法律上可能となる。したがって、本件における損害賠償請求権は、従業員の不法行為が行われた本件各事業年度において発生し、その権利が確定することとなる。また、A元所長は、本件出張所の業務全般の管理及び仕入れに関する責任者という請求人の主要な地位にあり、従業員の行った本件取引は、請求人の行為と同一視でき、法人税基本通達2−1−43を適用する前提となる「他の者」に該当するとみることはできず、当該通達の適用は認められないことから、本件においては、収益計上時期を損害賠償請求権が発生し、その権利が確定した本件各事業年度とすることが妥当である。(平21. 4. 6 東裁(法・諸)平20-152)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200014
- 裁決年月日
- 平成21年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、○○放送事業を包括的に譲渡しており、いまだ既存施設の撤去作業が終了していないことから、この譲渡に係る収益の額及び課税資産の譲渡等の対価は発生していない旨主張する。しかしながら、請求人は、請求人の営業活動により、請求人の契約者(以下「本件既契約者」という。)が請求人の事業を継承する法人(以下「本件締結法人」という。)との契約(以下「本件新規契約」といい、本件新規契約を行った者を「本件新規契約者」という。)を行った場合には、請求人と本件締結法人が取り交わした「事業継承に関する覚書」(以下「本件覚書」という。)に基づき、本件締結法人から1契約者当たり○○○○円(以下「本件対価の額」という。)を受領することとなっているところ、請求人は、本件新規契約の獲得に向けた営業活動を行っていること、本件新規契約者が本件締結法人の放送を受信できるまでの作業のすべてを行っていること、請求人が本件対価の額を請求するまでの手順からすると、本件新規契約者が本件締結法人の放送を受信できるまでの作業を行い、その作業の完了をもって、本件締結法人に対し、本件対価の額の請求を行うことができ、また、現に、その請求を行っていることからすると、請求人は、本件新規契約の獲得及び本件新規契約者が本件締結法人の放送を受信できるまでの作業としての役務の提供(以下「本件役務提供」という。)を請け負ったものと認めるのが相当である。そうすると、本件請求額は、本件対価の額に本件事業年度及び本件課税期間における収入すべき権利及び課税資産の譲渡等による対価を収受する権利が確定している本件役務提供の件数を乗じたものであることから、本件事業年度の法人税の収益の額及び本件課税期間の消費税の課税資産の譲渡等の対価の額に該当する。(平21. 3.25 福裁(法・諸)平20-14)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平200001
- 裁決年月日
- 平成20年10月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300405990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/5その他の資産の譲渡による収益/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度(平成19年2月期)内に本件営業権の譲渡価額が決まっておらず、本件営業譲渡契約の効力は発生していないから、その譲渡による収益は本件事業年度の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、①平成19年2月1日の営業譲渡日において、本件営業権の譲渡価額が確定していないことを理由として、当事者間で契約を解除することはもはやできない状態に至っていたこと、②本件営業用資産及び本件営業権の引渡しが行われたこと、③同月3日に請求人が提示を受けた本件LPガス営業権の価額は、営業を譲渡する各社において統一した評価方法により算定されたもので、当該各社との関係からみても、もはや動かすことのできない程度に確定した金額となっていたことなどからすると、本件事業年度内に本件営業権の総額は確定していないとしても、本件LPガス営業権の譲渡については、契約の効力は発生し、収入すべき権利が発生したといえる。加えて、本件LPガス営業権に係る譲渡価額が確定したのであるから、収入すべき権利の実現が客観的に認識し得る状況になったものといえる。したがって、同日、収入すべき権利が確定したものといえ、本件LPガス営業権の譲渡による収益は、本件事業年度に帰属する。(平20.10.30 広裁(法・諸)平20-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200001
- 裁決年月日
- 平成20年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300414000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/14リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、リース不適格資産(法人税法施行令第136条の3第1項の規定により売買があったものとされるリース資産をいう。以下同じ。)であっても請求人が所有権を有する資産ではないことから、法人が有する資産として法人税法第31条第1項の規定に基づき減価償却の方法により損金算入することにはならないこと、また、法人税基本通達12の5−2−16《償却費として損金経理をしたものとするリース料の額》の定めの適用に当たっては、同通達と同項との間に特別な因果関係はないから、同通達はリース不適格資産について特段の条件なく適用されること、さらに、請求人は現実のリース資産に係るリース料を支払っているのであるから、本件リース料は上記通達に基づき損金算入がされるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第136条の3第1項が「引渡しの時に当該リース資産の売買があったものとして、各事業年度の所得の金額の計算をするものとする。」と規定していることから、各事業年度の所得の金額の計算においては、リース資産を自己の減価償却資産として、法人税法第31条の規定に基づき減価償却の方法により損金算入することになるので、この点に関する請求人の主張には理由がない。また、請求人が本件のリース取引において実際に引渡しを受けているのは本件取得資産(建物附属設備)であるにもかかわらず、請求人は、本件のリース取引を本件各リース契約書を改ざんしリース適格資産に係るリース取引に詐称しており、本件各事業年度終了の時に確定した決算に基づく貸借対照表に本件リ−ス資産を計上していないことが認められ、減価償却資産の費用化として償却費の計上を行う前提を欠いていると認められるとともに、請求人がリース料科目で損金経理した金額は、本件各リース契約書を改ざんし、実際には引渡しを受けていないリース資産に係るリース料として経理処理されたものであるから、確定した決算において減価償却資産を費用化する意思表示としての観点から、償却費の科目により損金経理されたものとの同一性は認められず、また、法人税基本通達12の5−2−16が定める償却費の科目に代わる損金経理の方法として企業会計上合理性があるとも認められない。そうすると、リース料科目で計上された金額は、本件リ−ス資産に係る償却費として損金経理した金額には該当しないと解するのが相当であり、この点に関する請求人の主張にも理由がない。(平20. 7. 7 熊裁(法・諸)平20-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190159
- 裁決年月日
- 平成20年4月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法基本通達2−1−43の定めにより、損害賠償請求権の収益計上時期は、本件取引が発覚し、本件取引を行った専務取締役と損害賠償金の支払に係る金銭消費貸借契約を締結した本件事業年度の翌事業年度である旨主張するが、当該通達には、この取扱いを認める前提として、「他の者から支払を受ける損害賠償金の額」という限定が付されており、本件取引を行った者は、請求人において専務取締役及び仕入担当責任者という主要な地位を有しており、本件取引が、請求人のなした行為と同視できるものであるから、本件取引を行った専務取締役が当該通達適用の前提となる「他の者」に該当しないことは明らかであり、この点に関する請求人の主張には理由がない。請求人は、本件取引によって本件各銀行口座に振り込まれた本件取引金額相当額の損害を被ったことから、これを資産の減少として、同損害額を請求人の本件事業年度の損金の額に算入する一方、この不法行為時において、本件取引金額相当額の不法行為に基づく損害賠償請求権の行使が法律上可能となることから、損害賠償請求権が発生し、その権利が確定することになると解される。なお、本件においては、請求人は、専務取締役から本件に係る損害を回収している事実があり、原処分に係る調査時においても、その損害額の回収が事実上不可能であると認められないことから、損害賠償請求権を損金の額に算入することはできない。したがって、請求人は、損害賠償請求権が確定した本件事業年度において、損害賠償請求権を取得し、それが請求人の資産を増加させたものとして当該損害賠償請求権の額をもって本件事業年度の益金の額に算入すべきこととなる。(平20. 4. 9 東裁(法・諸)平19-159)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190003
- 裁決年月日
- 平成19年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、大手建設会社(以下「ゼネコン」という。)から請け負った防水工事等(以下「本件工事」という。)については、①平成16年8月1日から平成17年7月31日までの事業年度(以下本件事業年度」という。)の翌事業年度の平成17年8月に下請業者に手直し工事をさせ追加経費を支払っていること、②本件事業年度末においては、当該ゼネコンとの間で本件工事の価額について交渉中であったことから、本件工事の引渡しが完了していないため、本件工事の引渡しの日の属する事業年度は、翌事業年度である旨主張する。 しかしながら、①ゼネコンが施主から請け負った建物建設工事(以下「本件建物建設工事」という。)は、平成17年6月30日に施主に引き渡されていることから、請求人からゼネコンへの引渡しが、当然、同日前に行われていると判断できること、また、請求人が主張する手直し工事は、工事完成後の補完、補修等の工事と判断するのが相当であること、②請求人が主張する工事価額の交渉については、ゼネコンの工事長の答述によれば、請求人の発行した平成17年7月6日付の請求書により、本件工事の工事代金の精算残額をゼネコンの工事長は確認していること及び請求人から本件工事の工事代金の精算残額についての交渉はなかったことが認められるから、本件事業年度末において請求人が主張する本件工事の価額に関する交渉の事実があったとは認められない。 したがって、本件工事の引渡しの日の属する事業年度は、本件事業年度である。(平19. 7. 4 名裁(法・諸)平19-3)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平180024
- 裁決年月日
- 平成19年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300412000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/12債務免除益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人に対して貸金債権を有している法人の特別清算に当たり、①平成14年3月29日の時点では、当該法人は当該貸金債権の放棄の意思決定が行われておらず、また、特別清算手続上必要な商法上の手続がとられていないこと、②仮に意思決定があったとしても、債務者に対して当該法人による債権放棄の意思表示が行われていないことから、平成15年2月期に債務免除益は発生しない旨主張する。 しかしながら、当該法人の特別清算手続については、債権者集会で協定案が可決された後、地裁により認可決定されていることから、商法上の手続の基に適法に行われており、また、請求人に対する債権処理については、当該協定案に沿って、適正に行われていると認められる。さらに、請求人は、当該法人からの債権放棄の提案を認識した上で、請求人に対する当該法人の債権処理について、請求人に有利になるように、当該法人の代表清算人と交渉を進めていたと認められること、また、請求人は、当該代表清算人から債権を放棄する旨の口頭説明を受け、この説明を了解した上で、本件協定に沿った諸手続を行っていると認められる。そうすると、債務免除の意思表示の方法は、書面その他の形式を必要とせず、その効力は、債権者の意思表示が到達したときに生ずることとされているところ、平成14年3月29日に、当該代表清算人から請求人の代表者に対して、口頭により債権放棄の意思表示が行われたと認められ、同日に債権者の意思表示が到達したとみるのが相当である。 したがって、平成15年2月期に債務免除益を益金の額に算入した原処分は適法である。(平19. 6.27 熊裁(法)平18-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180192
- 裁決年月日
- 平成19年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事業用建物賃貸借契約に基づいて賃借人から受け入れた保証金のうち、建物明渡し時に償却する金額(以下「本件保証金償却額」という。)について、当該契約に基づき賃貸を開始した時点では本件保証金償却額を賃借人に返還しないことが確定しているとはいえないから、当該契約を締結した時点で益金の額に算入するべきでない旨主張する。しかしながら、当該契約書の各条項によれば、いかなる形の契約解除の場合でも、請求人が建物明渡し時に保証金の一部を返還しないことが明らかであり、当該契約に基づいて賃貸借を開始した時点で賃借人に対し保証金の一部を返還しないことが確定していると認めるのが相当であるから、本件保証金償却額は、賃貸を開始した日の属する事業年度の益金の額に算入することになる。(平19. 3. 2 東裁(法・諸)平18-192)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180009
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸建物の家賃について、賃借人の経営状況から判断して、家賃が入金された日の収益の額として計上したことは適法である旨主張する。しかしながら、法人税法第22条第4項は、各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき収益の額について、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算される旨規定しており、これによれば、収益の実現があった時、すなわち権利が確定した時に収益の額に計上すべきものと考えられる。また、法人税基本通達2−1−29は、賃貸借契約に基づく使用料等の計上の時期について、前受けに係る額を除き、当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日の属する事業年度の益金の額に算入する旨定めており、当審判所においても、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に照らして、この取扱いには合理性があると認められる。したがって、賃貸建物に係る家賃を、賃貸借契約によりその支払を受けるべき日の属する事業年度の益金の額に算入した原処分は適法である。(平18.12.20 仙裁(法・諸)平18-9)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180003
- 裁決年月日
- 平成18年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が売上計上漏れとして平成14年2月期の所得金額に加算したA商事に対する債権転売取引に係る売上代金は、法人税基本通達2−1−2に定める検収基準により平成15年2月期に計上すべきものである旨主張する。しかしながら、請求人の代表者及びA商事の代表者の答述等によると、請求人は、平成13年11月2日、A商事に対して上記債権転売取引に係る書類を引き渡し、同日、A商事からその対価の全額を受領していることが認められるから、同日に収益の実現があったというべきである。したがって、請求人の主張は採用できない。(平18.11.29 札裁(法)平18-3)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180003
- 裁決年月日
- 平成18年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が売上計上漏れとして平成15年2月期の所得金額に加算したA商事に対する債権転売取引に係る売上代金は、法人税基本通達2−1−2に定める検収基準により平成16年2月期に計上したものである旨主張する。しかしながら、請求人の代表者及びA商事のBの答述等によると、請求人は、平成14年12月16日、Cが有する債権を買い受ける契約をCとの間で締結し、その代金の支払と引換えにCから当該債権転売取引に係る書類一式の引渡しを受けており、同日、A商事から、当該債権転売取引に係る書類一式の引渡しと引換えに売上代金を受領したものと認められる。したがって、上記売上は平成15年2月期に計上すべきものであるから、請求人の主張は採用できない。(平18.11.29 札裁(法)平18-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180072
- 裁決年月日
- 平成18年10月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 割賦販売法に基づく前払式特定取引に該当する冠婚葬祭役務の提供事業者である請求人は、掛金の払込中断後5年を経過した払込済掛金(以下「長期中断払込済掛金」という。)を益金の額に算入するとした社団法人全日本冠婚葬祭互助協会作成の「冠婚葬祭互助会経理基準−事務処理マニュアル−」(以下「互助会経理基準」という。)は法人税法第22条第4項の「一般に公正妥当と認められる会計基準」に該当せず、仮に該当するとしても、加入者との間でその加入時に互助会経理基準にいう「特段の合意(保留扱いの合意)」をしており、掛金の払込が中断しても請求人が引き続き債務を負担することとなっているから、長期中断払込済掛金を益金の額にした本件更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、長期中断払込済掛金については、法的には払込中断加入者の返還請求権が消滅せず存続しているとしても、実質的には互助会事業者が自由に運用し得るものであり、所得の実現があったとみることができる状態が生じているといえるから、互助会事業者の管理支配下にある経済的利得として担税力を認め、これを雑収入として益金の額に算入するというのが互助会経理基準の趣旨であり、当該経理処理に何ら不合理な点はない。そして、互助会経理基準は、互助会業界の慣行として多数の互助会事業者に採用されているから、互助会事業者の一般に公正妥当な会計処理の基準であると認められる。また、互助会経理基準でいう「特段の合意」は、払込中断加入者との契約関係を速やかに整理するために、払込中断加入者に対して契約継続の意思の有無を確認して締結されるものであって、請求人が主張する加入時の「特段の合意」はこれに当たらない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平18.10.23 東裁(法)平18-72)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180019
- 裁決年月日
- 平成18年9月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、A工事の発注先に確認したところによればA工事は平成14年3月中に完成し、引き渡されているから、A工事に係る収入は平成14年3月期の収益に計上すべきである旨主張する。しかしながら、審査請求人は、請負工事に係る収益につき、継続して、受注施設に係る設備等が据付工事を要する場合には据付工事が完了した日の属する事業年度の、また、受注施設に係る設備等が据付工事を要しない場合には当該設備等の引渡しの日の属する事業年度の収益として計上しており、当該収益計上基準は法令等に照らして合理的と認められるところ、A工事は、①据付工事を要しないもので、②平成14年4月4日に請求人の工場から搬送用トラックでA工事に係る設備等が発送され、③同年4月5日に発注先から指定された場所へ搬入されたことが認められることから、A工事収入に係る収益の計上時期は、A工事に係る設備等の引渡日である平成14年4月5日が属する平成15年3月期と認められる。したがって、この点に関する原処分庁の主張には理由がない。(平18. 9.21 名裁(法・諸)平18-19)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170049
- 裁決年月日
- 平成18年6月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の産業廃棄物再生処理プラントの製造工事に係る収益について、当該プラントを相手方に引き渡した日の属する事業年度は、その完成日、県の完成確認検査日及び施主の資産計上日等からすれば平成15年11月期であるから、平成15年11月期の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該プラントの製造工事に係る契約において、請求人が履行すべき債務は、当該プラントの設計、製作、据付けに加えて負荷試運転及び調整工事を含むものとされ、その引渡しは、当該プラントの負荷試運転を行い施主に検収された時とする旨約定されているところ、当該プラントの検収が完了し相手方に引き渡した日の属する事業年度は平成16年11月期であるので、当該プラントの製造工事に係る収益は平成16年11月期の益金の額に算入すべきである。(平18. 6.15 広裁(法・諸)平17-49)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平170018
- 裁決年月日
- 平成18年5月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300402000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/2期間損益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件一時金の支払がされた事業年度、すなわち平成10年度から平成14年度の損金ではあるものの、本件事業年度において損金算入すべき事実が生じていることから、本件一時金の合計額を本件事業年度の前期損益修正として損金算入することができる旨主張する。 しかしながら、法人税の課税所得は法人の期間計算を対象としているところ、計上漏れになっている収益の額、あるいは損失の額は、それぞれの発生した事業年度におけるものとして更正等によりその事業年度の課税所得の金額を是正することとなる。そして、その更正等については、除斥期間が設けられており、一定期間を超えた場合には、更正等を行うことができないこととされている。すなわち、当該事業年度の課税所得の計算上、他の事業年度に属する益金の額や損金の額を含めることは認められない。また、法人税基本通達2−2−16《前期損益修正》は、法人税の課税所得の計算における損益の認識はむしろ経済的観測に重点を置いて、その契約の解除等が生じた事業年度において、その契約の解除等に伴い発生する損失はその事業年度の損金の額として処理する旨を定めたものである。 これを本件についてみると、請求人が行った計算は、平成13年4月1日から平成14年3月31日までの事業年度以前に計上すべきであった原料費(材料副費)の額について、その後の事業年度である本件事業年度に、特別損失ではなく原価の額に計上し、損金の額に算入したものであるが、本件事業年度において本件一時金に関する契約内容が変更されたなどの後発的事由が生じた事実はないことから、本件事業年度において、前期損益修正として損金の額に算入することは認められない。(平18. 5. 9 福裁(法)平17-18)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170047
- 裁決年月日
- 平成18年3月23日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員の詐欺行為に基づく各架空外注費の計上は認めるが、それと同額の詐欺損失が発生しており、その詐欺損失に係る損害賠償請求権が発生するとしても、当該損害賠償請求権の額は、当該従業員から回収したときの益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、法人税法は、原則として発生主義のうち権利確定主義を採用していると解されるから、当該従業員の詐欺により被った損失を資産の減少として損金の額に算入するのであれば、同額の損害賠償請求権を当該事業年度の益金の額に算入すべきこととなる。また、法人税基本通達2−1−43の「他の者」に当たるか否かは、具体的には、その者の行為の内容、その者の当該法人における役職や付与された権限、その者に対する当該法人の監督の可能性や実態等の事情を総合的に勘案して判断せざるを得ない。本件において、当該従業員は、経理部長の職にあり、請求人の経理業務全般の責任者の立場にあり、同人の経理事務を実質的にチェックする体制は採られていなかったことからすると、当該従業員を法人税基本通達2−1−43の「他の者」に当たるとみることはできない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平18.3.23関裁(法)平17-47)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170041
- 裁決年月日
- 平成18年2月24日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ ケーブルテレビ事業を営む請求人は、新規にケーブルテレビ事業を開始する地域の町村との間で締結した、ケーブルテレビの専用幹線から加入者の自宅等までのケーブルの引込工事に係る工事料(以下「引込工事料」という。)を町村が助成する旨の契約に基づいて、町村から受領することとなる金員等(以下「本件引込工事料」という。)は、一定の負担を課すことを交付条件とする地方自治法上の補助金の性質を有するものであるから、その収益計上時期は、引込工事が完了した日ではなく、適法に放送業務を開始した日(以下「本件放送業務開始日」という。)の属する事業年度である旨主張する。ところで、法人税基本通達2−1−5では、請負による収益の額は、別に定めるものを除き、物の引渡しを要しない請負契約にあっては、その約した役務の提供の全部を完了した日の属する事業年度の益金の額に算入する旨定めているところ、法人税法第22条第4項に照らし、当審判所においてもこの取扱いは相当と認められる。そして、請求人作成に係る加入契約約款の内容からすると、ケーブルテレビのサービスを受けようとする者(以下「サービス希望者」という。)と請求人が締結する加入契約(以下「本件加入契約」という。)は、サービス希望者がケーブルテレビに加入する契約と引込工事を目的とする請負契約との混合契約であると解され、引込工事料は、そうした性質を有する本件加入契約に基づいて支払われるものと認められる。また、請求人は本件引込工事料を受領することにより、サービス希望者の引込工事料を減額又は無料としていることからすると、本件引込工事料の実質はサービス希望者が本件加入契約に基づいて支払うべき引込工事料を町村が代わって支払ったものであると認められる。そうすると、本件引込工事料の収益計上時期の判断に当たっては、上記通達によるのが相当であり、また、本件引込工事は物の引渡しを要しないものであるから、本件引込工事料の収益計上時期は、引込工事の全部を完了した日の属する事業年度となる。(平18.2.24名裁(法・諸)平17-41)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170041
- 裁決年月日
- 平成18年2月24日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300413060
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/6契約金収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、ケーブルテレビ事業を営む請求人が、新規にケーブルテレビ事業を開始する地域の市町村との間で締結した、ケーブルテレビの加入者が支払うべき加入契約料(以下「加入料」という。)を市町村が負担する旨の契約に基づいて、市町村から受領することとなる金員(以下「本件市町村支払加入料」という。)の収益計上時期は、適法に放送業務を開始した日(以下「本件放送業務開始日」という。)ではなく、当該契約締結日の属する事業年度である旨主張する。ところで、法人税法上、各事業年度の収益の額は、一般に公正妥当と認められ会計処理の基準に従って計算すべきものとされ(法人税法第22条第4項)、これによれば、収益は、その実現があったとき、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する年度の益金の額に算入すべきものと考えられる。そして、ケーブルテレビのサービスを受けようとする者(以下「サービス希望者」という。)の居住地が、新規にケーブルテレビの事業を開始する地域の場合、放送事業者は、総務大臣に提出する「有線ケーブルテレビ放送業務開始届出書」等に記載した放送業務開始日以後でなければ、適法に放送サービスという役務を提供することはできず、当該サービス希望者は、放送業務開始日までは放送サービスという役務の提供を受けることはできないから、既に放送サービスが行われている地域と異なり、放送事業者が受領することとなる加入料は、適法に放送業務を開始した日に確定するというべきである。そうすると、実質的に加入料の全部又は一部と認められる本件市町村支払加入料を受領することにより、請求人はケーブルテレビの放送サービスという役務を提供する義務を負うものと認められ、本件市町村支払加入料が請求人に帰属したと認められる時期は、請求人がケーブルテレビの放送サービスという役務を提供した本件放送業務開始日となる。(平18.2.24名裁(法・諸)平17-41)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170026
- 裁決年月日
- 平成17年10月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300411000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/11受贈益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対しソフトウェアの不具合対応業務に係る役務提供はしておらず、受け入れた金員は子会社からの受贈益であるとして行われた原処分には事実誤認があり違法である旨主張するが、①子会社の利益を請求人へ役務提供の対価として振り替えた上、その事実があるかのように装うために必要な書類を整えるための文書が存し、②請求人の保管書類によれば、当該業務に従事したとされる者1名が当該業務以外の業務に従事し、③請求人を退職した者8名の申述によれば、当該業務に従事したとされる者30名のうち19名(②の1名を含む。)が、当該業務の期間中、当該業務以外の業務に従事していたと認められることから、請求人が当該業務を実施したと認めることはできず、当該業務を発生させた目的は、子会社の利益を請求人へ振り替えるためにしたものであり、役務提供の事実はなかったと認められる。したがって、受け入れた金員は子会社からの受贈益であるから、当該金員は、受領した事業年度の益金の額に算入すべきである。(平17.10.26関裁(法)平17-26)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170019
- 裁決年月日
- 平成17年10月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300402000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/2期間損益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件絵画取引における本件絵画は、平成14年2月26日に関係法人の事務所において買主の事務員に交付し、その後、同年3月20日付で絵画売買契約を締結し、同年3月25日の代金決済と同時に引き渡し所有権が買主に移転したこと、また、本件絵画取引の内容が買主の商業帳簿にも明確に記載されていることから、平成14年3月期に引き渡された旨主張する。しかしながら、原処分関係資料や買主の申述及び答述並びに請求人の答述から判断すると、①請求人が買主に本件絵画を交付した証拠はない、②平成15年12月16日の原処分庁の調査時において現物が確認されず、また、買主も同日においていまだ引渡しを受けていなかった旨申述しており、本件絵画の存在は明らかでなかったことから、本件絵画が平成14年3月期に引き渡されたとする事実は認められない。したがって、法人税法第22条第1項ないし第4項の規定により、平成14年3月期には、本件絵画の売上代金及び売上原価はそれぞれ益金及び損金の額に算入することはできない。(平17.10.18大裁(法・諸)平17-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170006
- 裁決年月日
- 平成17年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、単に5年を経過した時点で特段の合意(保留扱いの合意)が成立した場合を除いて雑収入に計上するという業界の慣例となっている互助会経理基準と異なる独自の基準を採用して行った原処分は違法である旨主張する。しかしながら、長期中断払込済掛金は、払込中断加入者が月掛金の払込中断後5年間も払込済掛金を放置し、その間に権利の行使をしないのであるから、その後も復活等がされる可能性は少ないものと推認され、長期中断払込済掛金は、実質的には請求人がこれを管理支配下におき自由に運用できる状況にあって、所得の実現があったと同視することができる状態であるということができ、請求人の管理支配下にある経済的利得として担税力を認め、これを益金に計上する会計処理には何ら不合理な点はない。したがって、原処分庁がその全額を益金に計上すべきであるとして行った課税処分は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に適合するものと認められる。(平17.8.29大裁(法)平17-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170006
- 裁決年月日
- 平成17年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当社の会計処理は、業界の特質、加入者との契約の法律実体、会社の設立経緯・企業理念、地域社会ないしは消費者の単なる代行会社にすぎないことから形成されており、公正妥当といえる旨主張する。しかしながら、請求人の経理方式を主張する請求人と業界の慣例となっている互助会経理基準方式を採用する他の会員との間には、長期中断払込済掛金の実態について、①月掛金の払込中断後5年を経過した後も契約は法的には消滅していない、②長期中断払込済掛金を実質的に自由に運用できる点で差異は認められないにもかかわらず、請求人の経理方式によれば、請求人が月掛金の払込中断後5年目に所在確認を行った以後は払込中断加入者の所在確認を行わないことから、払込中断加入者から解約、施行の申出がなされない限り、長期中断払込済掛金は半永久的に収益に計上されないことになる。このことは、互助会経理基準に従い長期中断払込済掛金をすべて雑収入として益金の額に算入している他の会員の場合と比して、税負担に大きな格差を生じさせるものであり、課税の公平・適正を著しく欠くというべきである。このような請求人の経理方式は、法人税法の企図する公平な所得計算の要請という見地から是認し難いものであるから、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に該当するとは認められない。(平17.8.29大裁(法)平17-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160076
- 裁決年月日
- 平成17年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に対し、工場用地の全部について、開発工事を完了した上、一括して引き渡す旨契約しているから、当該工場用地のうち、第一期計画として先行して開発した土地(以下「本件第一期計画土地」という。)について、引渡しはしていない旨主張する。しかしながら、本件事業年度中に、①A社は、本件第一期計画土地に係る開発及び農地転用許可を自ら取得していること、②本件第一期計画土地の造成工事はA社が自ら行っていること、③売買を原因として、本件第一期計画土地の所有者をA社とする所有権移転登記が完了していること、④工場用地全体の売買代金の大部分(全体の売買代金の98.7%)がA社から請求人に支払われていること及び⑤本件第一期計画土地に係る平成15年度分の固定資産税はA社が支払ったことが認められ、これらを併せ総合勘案すると、本件第一期計画土地の現実の支配は本件事業年度においてA社に移転したというべきである。したがって、本件第一期計画土地は本件事業年度中に引き渡されたと認めるのが相当である。(平17.6.28関裁(法)平16-76)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160046
- 裁決年月日
- 平成17年2月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300412000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/12債務免除益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 冠婚葬祭互助会会員が月掛金の払込みを中断した後、5年間を経過した払込済掛金(以下「長期払込済掛金」という。)の経理処理に関し、請求人は、①長期払込済掛金に係る会員の権利を消滅させていないこと、②月掛金が中断した場合の払込済掛金に係る権利保留の書面を契約時に徴していることから請求人が採用する長期払込済掛金を収益に計上しない経理処理は、「一般に公正妥当な経理処理」として認めるべきであると主張する。しかしながら、①については、会員の払込済掛金に係る権利が法的に消滅していないとしても、当該権利の行使をされることは少なく、同掛金は実質的に請求人の管理下におかれ自由に運用できる状態にあるから、所得の実現があったと見ることができ、収益に計上すべきものであること、また、②については、権利保留の書面は、月掛金払込みの中断に際して徴されたものではなく、通産省通達等の趣旨に沿うものとは認められず、同通達でいう合意書面に当たらないから、請求人の主張は採用できない。そして、請求人の経理処理を認めると実質的に所得の実現があったとみられるにもかかわらず、長期払込済掛金は預り金として計上され半永久的に課税されないことになり、その実態を反映したものとはいえないから請求人の採用する経理処理は一般に公正妥当なものと認めることはできず、通産省通達の処理に準じて長期払込済掛金を収益に計上した原処分は相当である。(平17.2.7大裁(法)平16-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160189
- 裁決年月日
- 平成17年2月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300405010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/5その他の資産の譲渡による収益/1ゴルフ会員権等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、複数のゴルフ会員権を事業年度末に他の同族グループ法人に譲渡したことにより生じた固定資産処分損を認めなかった原処分は、契約書の存在、契約当事者の売買の意思を無視したものであり事実認定に誤りがあるから違法であると主張する。しかしながら、本件各ゴルフ会員権の譲渡については、取引の経済的合理性、売買代金の実質的な授受、各会員権証書の引渡しの等が認められず、また契約書も契約日に作成されたとは認められないこと等を総合勘案すれば、いずれのゴルフ会員権についても譲受人に対して使用、収益及び処分する権利並びに会員としての契約上の地位が実質的に移転しているとは認められないので、本件会員権の譲渡の事実は認められない。(平17.2.3東裁(法)平16-189)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160178
- 裁決年月日
- 平成17年1月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300412000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/12債務免除益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 社団法人A互助協会に加入している請求人は、加入者が月掛金の支払を中断した後5年を経過した長期中断払込済掛金については支払催告等の利用契約の失効手続を行っておらず、引き続き債務であり、益金とはならない旨主張する。しかしながら、長期中断払込済掛金は、法的には、払込中断加入者の返還請求権が消滅せず存続しているとしても、実質的には請求人が自由に運用し得るもので、所得の実現があったとみることができる状態が生じているということができ、請求人の管理支配下にある経済的利得として担税力を認め、催告の有無にかかわらず、これを益金に計上すべきと解するのが相当である。(平17.1.18東裁(法)平16-178)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150068
- 裁決年月日
- 平成16年6月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300405990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/5その他の資産の譲渡による収益/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、航空機の譲渡に係る収益について、航空機登録原簿において所有権移転の登録がされた日の属する事業年度の収益に計上すべき旨主張するが、法人税基本通達の取扱いに照らし、航空機の譲渡に係る収益の計上時期を判断すれば、航空機の引渡しが実際に行われ、譲渡先で使用収益が可能となった日とするのが相当であるから、航空機の譲渡に係る収益の額は、実際に引渡しが行なわれた日の属する事業年度の益金の額に算入される。(平16.6.4広裁(法・諸)平15-68)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150024
- 裁決年月日
- 平成16年5月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404012
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/2引渡が完了していないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の売買処理につき、契約基準を採用して契約日に計上したことに対し原処分庁がその日に譲渡はないとして行った更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、不動産の売買に当たっては、契約書に記載された契約内容に従って根抵当権の抹消、所有権の移転登記、代金決済等が行われ引渡されるのが通常であるところ、本件売買契約書に基づく土地の譲渡については、本件売買契約書及び覚書の特約条項、所有権の登記及び代金の決済状況並びに譲渡先が特殊関係人であること等を総合勘案すると、売買契約に基づく実質的成果である土地の引渡しは予定されていなかったものと判断されるので、本件土地については、売買契約書は作成されているものの、その譲渡はなかったものと認められる。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平16.5.19熊裁(法)平15-24)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150018
- 裁決年月日
- 平成16年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406020
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/2手数料等収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、信用保証料(以下「保証料」という。)は役務の提供の対価に該当し、その信用保証は債務者が借入金の返済が終了するまで継続することから、収益の計上時期は、債務者が借入金の返済を完了した時点であるから、保証料の全額を受領した時点で収益に計上すべきとした原処分は違法である旨主張する。しかしながら、融資会社から債務者に対する融資が実行されたことにより、役務の提供は完了していること及び債務者らが借入金を繰上返済しても保証料は一切返還されないことから、収益は確定したと見るべきであり、当該保証料について、経費の発生が当該事業年度以降に見込まれるとしても、これを当該事業年度の収益の額に算入すべきであることは、法人税法第22条第2項及び第4項の規定に照らしても明らかである。また、請求人が債務保証の履行に充てるために保証料の一部を積み立てたとしても、そのことをもって、保証料の収益計上時期を将来に繰り延べる法的根拠はない。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平16.3.17熊裁(法)平15-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150184
- 裁決年月日
- 平成16年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300414000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/14リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件リース取引は、同業者とリース資産を共有し、ユーザーと当該資産の賃貸借を行っているものであるから、金融取引には当たらない旨主張し、当該リース資産は請求人の取得した少額減価償却資産であるから、これらの取得価額を損金の額に算入したことは認められるべき旨主張する。しかしながら、本件リース取引には、リース資産を共有しているという事実はなく、同業者がユーザーに賃貸しているリース資産について、さらに、請求人と同業者の間でリースバック取引が行なわれているものと認められる。そして、請求人が、当該リースバック取引を行うことについて、金融目的以外の理由が見出せないことから、本件リース取引を実質的には金銭の貸借に当たるとして所得計算をし、請求人の当該リース資産に係る損金経理を否認した本件更正処分は適法である。(平16.2.16東裁(法・諸)平15-184)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150033
- 裁決年月日
- 平成15年12月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300409000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/9利息収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引相手からの収入金のうち、当期に手形で受け取ったものについては、当期末直後に不渡りとなり入金されていないことから、当期の収益ではない旨主張する。しかしながら、手形で受け取った当該収入金は、本件確約証に基づいて受け取った当期の期間に対応する受取利息であり、また、当該手形が不渡りとなったことをもって当期の収益でないということはできないことから、当該収入金を当期の所得の金額の計算上、益金の額に算入した原処分は相当である。(平15.12.17関裁(法)平15-33)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150032
- 裁決年月日
- 平成15年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300409000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/9利息収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が受取利息と認定した金額は、貸付金の担保として受領した手形を書き換える都度、券面金額を上乗せして受領した手形及び小切手の当該上乗せ額を機械的に合計したものであって、受取利息と評価し得る収益の実現はない旨主張する。しかしながら、請求人は券面額を上乗せした手形、小切手及び現金を現実に受領しているのであるから、これらが利息であるか否かは厳密には明らかではないが、何らかの収益として認識すべきものと認められる。なお、請求人は、最終的に手形及び小切手が決済されなかったことをもって収益の実現がない旨主張するが、現金及び手形等を受領したときにそれぞれ収益として実現しており、当該手形及び小切手が決済されたか否かは収益の実現の認否には直接関係しないものである。(平15.12.16関裁(法)平15-32)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150025
- 裁決年月日
- 平成15年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件医業収入の額は、本件事業年度末において請求すべき金額を具体的に計算できないこと及び請求人は請求先に請求していないことから請求すべき金額は確定していないので、法人税法第22条第2項に規定する「当該事業年度の収益の額」に該当しない旨主張する。しかしながら、当該医療行為の終了時点において医業収入の額の算定は可能であると認められること、また、本件医療行為が本件事業年度末までに終了していることに争いがないことから、本件医業収入の請求の如何にかかわらず、本件行為が終了した本件事業年度の収益の額に算入すべきことになるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平15.11.11関裁(法)平15-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150025
- 裁決年月日
- 平成15年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件医業収入は本件医療行為の終了後2か月末の支払約定による振込入金をもって確定したと見るべきであり、この処理は法人税法第22条第4項に規定する「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」(実現主義)に準拠しており、請求人のこの会計処理を継続適用しているから妥当なものである旨主張するが、本件のような物の引渡しを要しない請負契約における収益については、役務の提供が完了してその対価を受領する権利が確定したときに実現したと考えるのが一般に公正妥当な会計慣行であると認められ、請負契約による報酬請求権が確定するときとは役務提供の完了するときであるから、請負契約による収益は、役務提供の完了した事業年度の益金の額に算入すべきと考えるのが相当である。(平15.11.11関裁(法)平15-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150006
- 裁決年月日
- 平成15年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ サブリース業においては、昨今の経済状態の悪化に伴い賃貸借契約の解約率が上がり、賃貸借契約が終了した場合に、賃借人が転借人から預託された保証金を賃貸人に対して引き渡す事態が例外ではないことは認められる。しかしながら、本件償却費の経済的実質は権利金であり、転貸借契約を締結して保証金を収受した時点で、転借人に対して返還を要しないことが確定しており、請求人において、これを自己の所有として自由に収益処分し得るものと認められるから、本件償却費の額を、請求人が本件転貸借契約を締結した事業年度の収益として計上し、益金の額に加算するのが相当である。(平15.7.4東裁(法・諸)平15-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140084
- 裁決年月日
- 平成15年6月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300412000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/12債務免除益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人税法第22条第4項は、内国法人各事業年度の課税所得の計算上、益金の額に算入すべき収益の額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算すべき旨規定しており、そして、公正妥当と認められる会計処理の基準とは、企業会計原則等に代表される、経営者に恣意的な会計方法の選択を許すものではなく、一般社会通念に照らして公正かつ妥当であると評価され得る会計処理の基準を意味するものと解される。また、企業会計原則等に定められていない会計処理の基準であっても、現実に継続して使用され、社会的に容認されているものであれば、会計慣行としての規範性を有するものと解される。例えば、業界団体等がそれぞれの実情に応じて、明確かつ簡単な会計基準を独自に定めているような場合で、①それが業界に属する各法人において広く採用されて、かつ、②当該会計基準に従った会計処理が、社会通念上も公正妥当であると認められる場合には、当該会計基準は企業会計原則等を補完するものということができるから、内国法人の各事業年度の所得の金額の計算を、当該会計基準によって行うことは認められる。そして、業界において一般に公正妥当と認められる会計基準を直ちに用いることができない事情がある法人においては、一般に公正妥当と認められる会計基準が他にもあり、それによることができる場合は別として、当該会計基準が設けられた趣旨、当該会計基準を用いている法人との公平性、当該法人と業界の他の法人との異同等を考慮し、できる限り当該会計基準に沿った処理を行うことが、公正妥当な会計処理に当たるというべきである。したがって、請求人は、割賦販売法に基づく前払式特定取引に該当する事業を営む同族会社であり、長期にわたり支払が中断しているものも含め会員から払込済の月掛金をすべて預り金として計上しつづける経理処理を行っているところ、これに対して、請求人における事情、他の同業法人との公平性を勘案し、業界の一般に公正妥当と認められる会計基準に準じて、支払中断後5年を経過した払込済掛金を益金の額に算入した本件各更正処分は適法である。(平15.06.09.大裁(法)平14-84)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140029
- 裁決年月日
- 平成15年6月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が営業権の譲渡取引を賃貸借取引に仮装したとする認定に対し、2種類存在する契約では日付の新しい契約の方が有効であり、売買契約ではなく、賃貸借契約が正しいので、原処分庁の事実認定は誤っている旨主張する。しかしながら、契約の相手方の代表者は、賃貸借契約書には請求人の代表者から依頼され押印したもので、売買契約書が正しい旨答述し、当該答述には請求人の同族法人が記載者、譲渡先を名宛人とする平成11年2月11日付の念書の記載内容から、信ぴょう性が認められ、また、売買契約書で約定されたとおりの金額が授受されていることからすると、当該取引が売買契約に基づくものであると認めるのが相当である。そうすると、賃貸借契約書は事実に基づかないものであるから、賃貸借契約が後で作成されたとしても、それが有効となるものではないので、請求人の主張には理由がない。(平15.06.03.高裁(法・諸)平14-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140187
- 裁決年月日
- 平成15年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人所有の貸事務所の賃借人との賃貸借契約に基づいて収受した保証金のうち一定額については解約時あるいは建物明け渡し時に償却する旨の約定となっており、当該保証金の額では担保できない未収賃料等が発生しその債権を回収できないことが往々にしてあることから、本件保証金償却額は、保守主義の原則を適用して、賃借人の立ち退きが完了しすべての債権の回収が完了したときに収益計上すべきであるとし、その会計処理が法人税法第22条第4項に規定する「公正妥当な会計処理」に適合する旨主張する。しかしながら、保証金のうち返還を要しない金額の収益計上時期は、その返還を要しないことが確定した日であるところ、本件保証金償却額については、償却の条件とする契約の終了事由等の定めはなく、他に償却を妨げる特約もないので、本契約を締結・実行し、当該保証金を収受した日において、もはや請求人が自由に収益処分できる金員としてその返還を要しないことが確定しているから、本件保証金償却額は、本契約締結の日の属する事業年度において収益に計上すべきである。(平15.03.13.東裁(法)平14-187)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140019
- 裁決年月日
- 平成15年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 建物の賃貸借契約期間の満了に伴って、賃借人より原状回復工事費相当額として請求人が受領した本件金員は、建物の原状回復工事に要する費用と関係があるとは認められるものの、請求人は当該金員の受領によって必然的に建物の復旧その他の債務を負担するものではなく、また返還する必要のない金員であり、明らかに請求人によって自由に収益処分することができる性格を有しているから、本件金員はその入金のあった日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである。(平15.02.19.仙裁(法)平14-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140136
- 裁決年月日
- 平成14年12月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が平成8年9月期において保険契約に係る支払金額を雑収入に計上するとともに、同額を保険積立金としたことにつき、過去の保険積立金を減少させた経理処理の内容が明らかでなく、その処理は計上していなかった保険積立金を再度正当な金額で資産計上を行ったものと認められるから、それを同期の所得金額から減額する理由がないとするが、その雑収入処理は、単なる経理処理の誤りと認められるため、それを平成8年9月期における所得金額から減額すべきである。(平14.12.20.東裁(法・諸)平14-136)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平140006
- 裁決年月日
- 平成14年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/1保険金収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・301ページ
要旨
○ 請求人は、養老保険の転換契約をしたこと(以下「本件契約転換」という。)により請求人に収益等が発生したとしても、翌事業年度において、本件契約転換の締結は重大な瑕疵により無効となり、締結時に遡って取り消されたことから、本件更正処分を行う理由がない旨を主張する。しかしながら、法人の所得計算は発生主義を建前としており、本件契約転換は本件事業年度において有効に成立していることから、本件更正処分は適法である。(平14.12.19.札裁(法)平14-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140015
- 裁決年月日
- 平成14年10月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300405010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/5その他の資産の譲渡による収益/1ゴルフ会員権等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・287ページ
要旨
○ 請求人が、その所有していたゴルフ会員権を請求人の代表者に名義変更手続の廃止中に譲渡し、その後、倶楽部側の都合により行われた預託金の償還期限の延長及び会員権の分割の手続きに請求人が同意をし、請求人名で手続きが行われているが、これをもって本件ゴルフ会員権の譲渡はなかったものというのは相当でなく、当倶楽部との関係においては名義人である請求人は将来名義変更が可能となった時点で、名義変更承認願い手続きに協力する義務を負っていたことから、代表者に代わって当該手続きを行ったにすぎないと解すべきである。また、本件ゴルフ会員権の譲渡は、単に税額を軽減させるために行った不自然かつ不合理な譲渡であるとは認められず、正常な経済行為と認められることから、本件譲渡に係る固定資産売却損の金額は、本件事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入するのが相当である。(平14.10.02.関裁(法)平14-15)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130029ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年4月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413040
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/4補償金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件漁業協力金等について、仮受金として処理すべきである旨主張する。しかしながら、本件漁業協力金等は、請求人も自認するとおり漁業操業への影響に対する補償金であることから、法人税基本通達2−1−34(平成12年6月28日課法2−7による改正前のもの。現行法人税基本通達2−1−40)にいう「法人が他の者から営業補償金、経費補償金等の名目で支払いを受けた金額」に該当し、その支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであると解するのが相当である。また、本件漁業協力金等は、租税特別措置法通達64(2)−29でいう「国等」が支出した補償金を取得した場合に当たらないから、当該通達を適用して仮受金処理をすることは認められない。(平14. 4. 8.高裁(法)平13-29)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130039
- 裁決年月日
- 平成14年4月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413040
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/4補償金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件工事同意料を、仮受金として処理すべきである旨主張する。しかしながら、本件工事同意料は、請求人も自認するとおり漁業操業への影響に対する補償金であることから、法人税基本通達2−1−34(平成12年6月28日課法2−7による改正前のもの。現行法人税基本通達(2−1−40)にいう「法人が他の者から営業補償金、経費補償金等の名目で支払いを受けた金額」に該当し、その支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであると解するのが相当である。また、本件工事同意料は、租税特別措置法通達64(2)−29でいう「国等」が支出した補償金を取得した場合に当たらないから、当該通達を適用して仮受金処理をすることは認められない。(平14. 4. 8.高裁(法)平13-39)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130039
- 裁決年月日
- 平成14年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300412000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/12債務免除益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・110ページ
要旨
○ 請求人は、信用保証協会からの債務免除益は代位弁済した日の翌日以後の年14.6パーセントの割合により算出された損害金(以下「損害金」という。)の免除部分を含めて算出されているが、当該損害金は仮計算によって算出されたものであるから、債務免除益に該当しない旨主張する。しかしながら、損害金は毎年返済の滞っている元金に対して本件委託契約書第6条(求償権の範囲)に基づいて計算され、かつ、残高通知書に損害金残高として記載して請求人に対し送付されていること、及び請求人は各事業年度の決算に当たり、信用保証協会に対する借入金は残高通知書の総求償権残高により計上し、また、損害金は支払利息割引料として損益計算書に計上しているものと認められる。そして一般に債務の免除は、債務者の意思にかかわりなく、債権者の債務者に対する一方的な意思表示によってなされるものであり、当該意思表示が相手方に到達したときをもってその効力が生ずるものであるから、信用保証協会が損害金残高から本件土地譲渡代金のうち元金残高の弁済に充てた後の残額を控除した金額を損害金の減免額として請求人に通知し、これを請求人において受領した以上(請求人は、この免除損害金を雑収入としたところで、申告を行っている)、この部分は債務免除益となるものである。したがって、請求人の主張には理由がない。(平14. 1.24名裁(法)平13-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130103
- 裁決年月日
- 平成13年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・227ページ
要旨
○ 請求人は、その経営する介護専用型有料老人ホームの入居者が支払う入居一時金の収益計上時期について、契約上、契約終了時に本件入居一時金の返還義務の免除を受けるとされ、その返還義務は入居契約時から契約終了までの間常に存在するから、入居契約終了時等に計上すべきであると主張するが、本件入居一時金は、入居金が終身にわたって介護を受けるための権利を得るために支払われるものであり、そして、本件入居一時金について、請求人は特定保管の義務を負わず、実際、本件施設の運転資金にあてられており、請求人は本件入居一時金を自己の所有として自由に利用処分することができたものであるから、本件入居一時金は、請求人が本件入居契約に基づいて本件入居者から収受した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである。(平13.12.18東裁(法)平13-103)裁決事例集NO62・227ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130010
- 裁決年月日
- 平成13年10月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300412000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/12債務免除益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、更正の期間制限により消費税の更正処分ができないため清算できない仮受消費税等について、仮受消費税等と仮払消費税等との差額と納付すべき又は還付を受ける消費税等の差額と同様に、その課税期間を含む事業年度において益金の額又は損金の額に算入すべきと主張する。しかしながら、そのような仮受消費税等については、消費税の更正処分ができないため、納付すべき消費税額(未払消費税)が発生せず、消費税を納付しなくてよいことによる収益(債務免除益)として確定するものであるから、それが収益として確定する事業年度において益金の額に算入すべきである。(平13.10.29広裁(法・諸)平13-10)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130010
- 裁決年月日
- 平成13年10月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300406990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/3その他の役務提供による収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、終身無料で入園できる会員制クラブの入会金について、入園料そのものを一括収受した売上金であり、一定期間(10年間)に分割して収益計上すべきである旨主張する。しかしながら、当該入会金は会員たる地位等を付与する対価であり、また、返還義務がなく、すでに確定した収入金であり、会員資格を付与した時に益金の額に算入すべきであるから、会員証発行時において益金の額に算入することが一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に適合するものである。(平13.10.29広裁(法・諸)平13-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130022
- 裁決年月日
- 平成13年10月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300402000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/2期間損益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売上げの計上基準を引渡基準から契約日基準に変更したから、本件土地建物の売上金額は平成8年7月期の売上げに該当する旨主張するが、請求人は、本件売上金額を契約日において計上しておらず、また、他の売買契約に係る売上げも契約日に計上していないから、平成8年7月期において売上げの計上基準を契約日基準に変更したとの主張に沿う事実は認められず、そして、売上げの計上基準を変更したのは平成8年7月期末以降申告するまでの間であるとの代表者の答述によっても、平成8年7月期中に売上げの計上基準を変更した事実はないと認められ、さらに、請求人の主張が、法人税の確定申告に際して計上基準を変更したとの主張であるとしても、従来の売上計上基準である「引渡基準」は法人税法第22条第4項の規定に合致する基準であるのに対し、請求人が主張する「契約日基準」は、未実現利益を計上することともないかねない基準であり、特段の事由に基づくものでない限り、合理的な基準であるとは認めがたく、上記代表者の答述によっても、このような売上げの計上基準の変更は合理的な理由に基づくものとは認められないため、本件売上金額は平成9年7月期の益金の額に算入するのが相当である。(平13.10.25関裁(法・諸)平13-22)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130029ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年10月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413020
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/2違約金収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・236ページ
要旨
○ 請求人は、本件の株式譲渡契約が同契約に係る解除通知書の送付後も譲受人との間で交渉を継続しており存続していたもので、その後、覚書の作成時に両者が合意して当該契約を解除した旨主張するが、当該交渉は、請求人が譲受人との契約関係をそのまま維持するために継続されていたというよりも、新たな譲受人に対して株式を譲渡するための契約締結準備として行われていたと見るのが合理的であり、また、上記覚書による合意は、請求人による解除通知書による解除権の行使及び違約金の取得がいったん有効にされたことを前提として、双方の合意により上記解除の意思表示を撤回したものと認めるのが相当であるから、本件の株式譲渡契約は上記解除通知書の送付により解除され、解除に伴い収受した違約金が益金の額に該当するとした原処分は相当である。(平13.10.18大裁(法)平13-29)裁決事例集NO62・236ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130017
- 裁決年月日
- 平成13年10月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、正規の簿記の原則に従い本件商品券の発行に係る収益を商品の引渡等のあった日の事業年度の収益として処理をしていたにもかかわらず、当該収益は本件商品券を発行した事業年度の収益であるとした原処分庁の判断には、法律上の根拠もなく違法である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、請求人の本件商品券に係る経理処理には、法人税基本通達2−1−33(以下「本通達」という。)のただし書きに定める要件を満たしていないとして本件更正処分を行ったものであり、本通達の定める収益計上基準には、法人税法第22条第4項に規定する一般に公正妥当な会計処理の基準としての合理性があると認められるから、請求人の主張には理由がない。(平13.10.11名裁(法)平13-17)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130001
- 裁決年月日
- 平成13年7月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300410000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/10仕入割戻し等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・199ページ
要旨
○ 請求人は、本件金員は生コンの仕入先と仕入割戻金の算定基準について話合い中に当該仕入先が一方的に持参し、置き去っていったものであり、金額が確定していないから仕入割戻しとして本件事業年度の益金の額に算入する義務はない旨主張する。しかしながら、法人税基本通達では、法人が仕入割戻しを計上しなかった場合には仕入高から控除しないで益金の額に算入する旨、また、その計上の時期は、算定基準が契約等で明示されている場合にはその購入の日の属する事業年度、それ以外の場合には仕入割戻しの通知を受けた日の属する事業年度とする旨定められているところ、本件においては、算定基準の契約がなく、また、仕入先は本件金員を仕入割戻金の精算金である旨を告げてから請求人に手渡していることが認められるから、その時に支払の通知があったものというべきであり、本件金員は仕入割戻しとして請求人が受け取った日の属する本件事業年度の益金の額に算入すべきである。(平13. 7. 9.高裁(法・諸)平13-1)裁決事例集NO62・199ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120035
- 裁決年月日
- 平成13年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・393ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地を分譲する際、請求人の名称では分譲しにくいため、販売主の名称を変える目的で本件売買契約書を作成したものであって、所有権まで移転させるものでなく、本件土地の譲渡を行っていない旨主張するが、本件売買契約書はそれより以前に締結された譲渡担保契約の解除及び譲渡担保物の清算を目的として作成されたものであり、本件売買契約書作成日に売買代金の精算も了しており、また所有権移転登記も完了していることから、同日に本件土地の引渡しがあったとするのが相当である。(平13.6.28熊裁(法)平12−35)裁決事例集NO61・393ページ
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120043
- 裁決年月日
- 平成13年6月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300406020
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/2手数料等収入
- 業種
- 不動産代理仲介
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件業務委託契約の業務内容は、本件ゴルフ場用地の買収のみならず、完成に至るまでの総合コンサルタント、付随して生じる近隣住民とのトラブルの仲裁、解決であることから本件業務は終了していない旨主張する。しかしながら、法人税法第22条第2項に、「内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。」と規定し、また、同項に規定する収益について、どの事業年度の収益に計上すべきかについては、同条第4項において、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算する。」と規定されているところ、これらの規定については、ある事業年度内における営業活動の成果である収益は、その実現があった時の属する事業年度に計上すべきものであると解されており、そして、本件の場合、本件業務は本件ゴルフ場等の用地買収斡旋業務に係る協力であり、その業務は本件ゴルフ場の用地買収斡旋業務の完了とともに終了したと認められるから、本件業務委託契約に係る役務の提供は本件ゴルフ場の用地買収が100%達成された時点において終了したと認められるため、原処分は相当である。(平13.6.21福裁(法・諸)平12−43)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120028
- 裁決年月日
- 平成13年1月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件賠償金は地裁の事情判決を受けた高裁の和解勧告による和解により受領したものであるから非課税である旨主張する。しかしながら、法人税法では、益金の額に算入されないものを列挙しており、本件賠償金は益金不算入となる「別段の定め」又は「資本等取引」に該当しないことから、その額が確定した日の属する事業年度の益金の額に算入される。(平13.1.26高裁(法)平12−28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120048
- 裁決年月日
- 平成12年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 業種
- 中古自動車販売
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡の対象となった本件土地の一部について、隣接地との境界が確定しないことから、本件土地等の譲渡収益は境界が確定した時に認識すべきであり、また、仮に、本件売買契約日に収益を認識するとしても、境界が未確定であったから、支払いの留保された金額を控除した金額を収益金額とすべきである旨主張する。しかしながら、境界の問題は、対象となった土地面積が本件土地面積の0.22パーセントを占めるに過ぎず、位置的にも本件土地の利用上ほとんど支障をきたすものではなく、境界確定の遅滞を理由に契約を解除される客観的理由も存しなかったと認められる。また、当審判所の調査によれば、売買契約日に本件土地等が引き渡されており、同日に、代金総額の9割に当たる金額が請求人に支払われていること、また、同日に本件土地等の所有権移転登記がなされていること等から、売買代金総額について、この日を含む事業年度の収益に計上すべきものと認められる。(平12.12.14東裁(法)平12−48)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120013
- 裁決年月日
- 平成12年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、有償支給している外注先が期末に保有する原材料等に係る利益相当額について、加工後に支給金額で買い戻すことを理由に、未実現利益として損金計上することを主張する。しかしながら、法法第22条第4項で収益の額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算する旨規定されている。なお、棚卸資産の譲渡に係る具体的な収益計上の時期については法基通2−1−1で「棚卸資産の販売による収益の額は、その引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入する。」と規定し、法基通2−1−2では、その引渡しの日の判定について取扱うこととしている。本件の場合、請求人が原材料等を有償支給した際に納品書、請求書等関係書類が作成され、それを基に決済され、外注先においても、支給時に材料仕入れと認識してしていることから、請求人が外注先へ原材料を販売した時、すなわち支給した時を、引渡しの時とみるのが相当である。以上のことから、有償支給に係る売上げは請求人が外注先へ支給した時に収益に計上するのが相当である。そうすると、期末の有償支給した外注先在庫に係る利益相当額を未実現利益として損金に計上することはできない。(平12.11.28高裁(法)平12−13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110145
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300412000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/12債務免除益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、契約に基づき会員に前払方式による月掛金を一定額積み立てさせ、会員に対して一定の役務を提供する前払式特定取引を営む同族会社である。原処分庁は、会員のうち月掛金の支払を中断しているもの(以下「中断会員」という。)に係る既払の月掛金(以下「中断払込済掛金」という。)については、請求人には月掛金の最終入金月の翌月から中断会員に対する未払の月掛金の払込請求権が発生し、当該払込請求権はその時点から5年で時効消滅する、また、払込請求権の時効消滅は同時に本件利用契約の効力の発生を不能にするもので、当然に本件利用契約が解除されたのと同様の状態をもたらすものであるが、約款によれば中断会員の解約返戻金請求権はその事由が生じたときから5年間請求がなければ消滅するのであるから、月掛金中断後10年を経過した時点で雑収入として益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件利用契約上、会員が一回でもその支払を怠ったときには契約金残額すべてについて払込義務が生ずる旨の定めはないから、払込請求権はそれぞれの払込期日毎に発生し、時効の起算日もそれぞれの払込期日の翌日になるのであって、払込請求権の全てが消滅時効にかかるのは最終の月掛金の払込期日の翌日から5年を経過した時点となるのである。のみならず、払込請求権が時効で消滅するとしても、本件においては、請求人あるいは中断会員が時効の援用をしたことが認められないから、払込請求権が5年で時効消滅するという主張は、その前提において理由がない。さらに、本件利用契約では、解約返戻金の返還請求権はその事実が生じた時から5年間請求がない場合には「消滅することもある」旨定められ、中断払込済掛金に係る返還請求権の消滅時効の効力の発生には、請求人の援用を要するものと解されるから、そのような意思表示のない本件において、5年の経過により自動的に当該返還請求権が消滅するということはできない。次に、原処分庁は、上記主張が認められないとしても、通産省通達の経理処理基準は一般に公正妥当と認められる会計処理基準と認められるから、これに従わず中断払込済掛金は半永久的に預り金としている請求人の経理処理は、同通達に定める経理処理に従い益金の額に算入した場合と比較して課税の適正公平を著しく害する旨主張する。ところで、法法第22条第4項は、現に法人のした利益計算が法人税法の企図する公平な所得計算という要請に反するものでない限り、課税所得の計算上もこれを是認するのが相当であるとの見地から、収益を一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計上すべきものと定めたものと解されるから、収入すべき権利の確定時期に関する会計処理については、法律上どの時点で権利の行使が可能となるかという基準を唯一の基準としなければならないものではなく、取引の経済的実態からみて合理的なものとみられる収益計上の基準の中から、当該法人が特定の基準を選択し、継続してその基準によって収益を計上している場合には、法人税法上もその会計処理を正当なものとして是認することを認めていると解される。そうすると、法法第22条第4項が、各事業年度の所得金額の計算を委ねている会計処理の基準とは、企業会計の実務の中に慣習として発達具体化した会計原則をいうものであり、これが一般社会における会計処理として妥当視され、現実に継続適用され容認されているものであれば、それは会計慣行として規範性を帯びると解すべきであり、それぞれの実情に応じて、明確かつ簡便な会計基準を独自に定め、その基準に従った会計処理が社会通念上公正妥当であると認められる場合は、当該慣行が企業会計原則の定めを補完するものとして、法人税の課税所得の計算においてもこれに依拠するのが相当である。そこで、本件を判断するに当たって、互助会の業界における会計処理慣行について検討すると、請求人が加入する(社)A互助協会は、通産省通達の発遣を契機として、月掛金中断後5年を経過した時点で中断払込済掛金を益金の額に算入するという基準を定めたこと、当該基準に従った処理が約20年にわたり継続され、現在も請求人を除く主たる協会加入互助会はおおむねこの基準に従った会計処理をしていることが認められるから、この基準は、互助会業界の会計処理基準として確立されたものということができる。そして、この基準は、通産省通達のそれと内容はほぼ同一であるから、簡便で明確性があるということができ、協会加入互助会は、月掛金中断後5年を経過したとして雑収入に計上した分についても従前どおりの前受金保全措置を継続していることが認められるから、この経理処理自体は利用契約の終了を前提とせず、法律上の権利実現時、すなわち会員の互助会に対する中断払込済掛金の返還請求権の消滅時を唯一の収益計上時とするものではない。また、月掛金払込中断後5年という期間の設定についても、この程度の長期間にわたって中断状態が継続し、その間、会員から特段の意思表示がなければその後も施行の申出等により中断払込済掛金が充当されるなどの可能性は少ないという実態に適合するものとして当該基準は合理性もあると認められ、(社)A互助協会が定めた経理処理基準は、その内容においても互助会業界特有の実態をより正しく反映させるという方向で互助会各社の財務諸表の作成の指針となるものということができるから、公正妥当なものということができる。以上に照らし、本件中断払込済掛金の収益計上の是非及び時期について判断すると、請求人がその経験等に基づき独自に一定の基準を定めて益金の額に算入するという会計処理を継続的に行っている場合はともかくとして、そうでない場合は、互助会業界において慣行するという基準が法法第22条第4項にいう公正妥当な会計処理の基準であるといえるから、これに従って益金の額に算入すべきである。けだし、請求人の業務のうち、中断会員の中断払込済掛金に関する現実の運用の実態が他の上記会計処理基準に従って処理をしている互助会のそれと大きく乖離しているということはできず、中断払込済掛金に関する運用の実態が導かれるものでないことは明らかである。そうすると、請求人において上記実態について他の互助会との違いを明確にしないにもかかわらず、互助会の業務の実態に即するものとして設けられた上記基準に従わない経理処理を行い、利用契約の継続を理由に中断払込済掛金額の収益計上基準を半永久的に延ばすことには、請求人自身の業務の実態及びその財政状態をその財務諸表上に正確に反映させない結果をも招来しかねないというべきである。以上のとおり、中断払込済掛金については、月掛金中断後5年を経過した時点で益金の額に算入することが法法第22条第4項に規定する一般に公正妥当と認められる会計処理基準に合致するものと認められる。(平12. 6.29大裁(法・諸)平11-145)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110098
- 裁決年月日
- 平成12年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件損害賠償請求権について、本件事業年度の益金の額に算入すべき金額は、請求人が従業員Aから本件事業年度中に受領した本件返済金のみである旨主張するが、不法行為による資産の減少と損害賠償請求権という資産の増加とは同時に発生し、時間的な差異は生ずる余地はないと認められるので、不法行為に基づく損失が当該事業年度において確定し、その額が所得金額の計算上損金の額に算入されるとしても、同時に同額の損害賠償請求権を取得し、当該請求の額を当該事業年度の益金の額に算入することとなり、そして、その損害賠償請求権は、不法行為を行った従業員の無資力その他の事由によってその実現不能が明らかとなったときには、その事業年度の損金として計算することとなる。(平12. 6.12関裁(法)平11-98)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110031
- 裁決年月日
- 平成11年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413040
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/4補償金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が受領した本件漁業協力金等は、措法通64(2)−29によると共同漁業権等の消滅等により補償金等を取得した場合には仮勘定処理が認められていること、これまで措置法通達に準じて所得申告を行っており、従来この処理方法は認められてきていることなどから、総会の決定をもって各組合員にその帰属が明確になる事業年度において雑収入に計上すべきであると主張する。しかしながら、措置法通達は国等から補償金等の支払いを受ける場合に限定されていると解されているところ、本件漁業協力金等の支払い者は国等でないことから、措置法通達の適用はできず他に別段の定めもないことから、本件漁業協力金等は本件事業年度の益金の額に算入すべきである。(平11.12.22高裁(法)平11-31)、(平11.12.22高裁(法)平11-32)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110047
- 裁決年月日
- 平成11年12月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300401000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/1収益の益金算入基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110056
- 裁決年月日
- 平成11年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300403030
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/3通常のたな卸資産の販売による収益/3輸出取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人がA社から受注した本件プラント輸出に係る機械装置の製造及び据付調整作業は、本件注文書の授受によって個々の機械装置ごとの販売(商品販売)と据付調整作業の役務の提供(請負)がそれぞれ個別に契約されたものとみるのが相当であるから、これらをすべてまとめて1個の請負契約であるということはできず、また、本件通知書によりA社の検収を了した時点において、個々の機械装置の販売及び据付調整作業ごとに請求人が受領する代金の債権が確定しているから、この時点で収入すべき権利が確定したものとして、その収益を計上するという会計処理が合理的なものというべきであり、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に適合するものということができる。以上によれば、本件前受金は、本件事業年度において収益の帰属の時期が確定したものとして、本件事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入すべきである。(平11.12.20大裁(法・諸)平11-56)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110017
- 裁決年月日
- 平成11年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、J社から受領した本件建設協力金のうち本件事業年度の益金の額に算入すべき金額はその10分の1相当額(1,500,000円)である旨主張する。しかしながら、本件契約上、請求人がJ社に本件建設協力金を返還すべき旨の特約は一切認められないので、請求人がJ社にこれを返還すべき事由は一切生じないから、その経済的実質は権利金であり、請求人が本件駐車場の舗装工事を完成させ、それをJ社に引き渡した時にその返還を要しないことが確定したものと認められる。したがって、本件建設協力金の収益計上時期は、その返還を要しないことが確定した、本件駐車場を請求人からJ社に引き渡した本件事業年度となる。そうすると、本件建設協力金のうち請求人が預り金として経理した13,500,000円を、雑収入計上漏れとして本件事業年度の益金の額に算入した原処分は相当である。(平11.10.21関裁(法)平11-17)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平110005
- 裁決年月日
- 平成11年10月12日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が行った本件工事は、大手ゼネコンから本件注文書により発注を受けたもので、平成8年3月期に完成したと認定しているが、本件工事は、請求人と株式会社Nが共同企業体として、用地取得、造成、近隣対策等を行い、H商事に引き渡すという駐車場造成工事の工事委託契約を基本契約として行われたことが関係人の答述等から明らかであり、このことは、平成11年3月19日の精算書とも一致していること、また、同精算書によるとH商事に引き渡したのは、平成10年6月20日であると認められることから、本件工事の収益計上時期は、平成11年3月期であると認められる。なお、本件注文書に基づく本件工事代金には、本件工事以外の土地代や近隣対策費等の金額が約49%も含まれている事実からすると、当初から、本件工事代金には用地取得等に係る資金の一部を含むことが当事者間において了解されていたもので、融資の手段としての目的もあったものと推認される。したがって、原処分庁が本件注文書に係る本件工事だけを切り離して、平成8年3月期に完成したと認定したことは相当でない。(平11.10.12福裁(法・諸)平11-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100201
- 裁決年月日
- 平成11年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 業種
- スナック
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・287ページ
要旨
○ 請求人は、本件請負工事等に係る代金は入金されておらず未収入金も存在しない旨主張するが、本件請負工事等については、①本件発掘工事及び本件設置工事は役務提供を目的とした請負契約であり、本件賃貸は現場事務所等の賃貸借を目的とした契約であると認められ、②本件事業年度分の本件請負工事等は、いずれも請求人において実際に行われ完了しており、③本件請負工事等に係る原価相当額が請求人の所得の金額の計算上損金の額に算入され、④本件請負工事等及び請求人が請け負った他の工事の状況を見ること、それらの工事代金等については月単位で計算する商慣習となっていたことが認められる。そうすると、本件事業年度分の本件請負工事等に係る代金相当額は、本件請負工事等に対する工事代金が請求人のもとに入金されているか否かにかかわらず、本件事業年度の収益とすべきものであると解するのが相当である。(平11. 6.28東裁(法・諸)平10-201)裁決事例集 №57・287ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100081
- 裁決年月日
- 平成11年3月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、甲物件を譲渡した日は、契約書の契約日(平成4年8月17日)であるから同物件の譲渡により得た所得は、平成3年4月期の所得ではない旨主張する。しかしながら、契約書の契約日は当該事業年度以降の事業年度の日付となっているが、この契約書は仕入先との転売禁止特約違反の責任を免れるため作成された内容虚偽の契約書であり、実質的には当該事業年度の取引である。(平11. 3.26名裁(法・諸)平10-81)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100084
- 裁決年月日
- 平成11年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300405010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/5その他の資産の譲渡による収益/1ゴルフ会員権等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会員権は適法に譲受人に譲渡されているのであるから、本件譲渡に係る固定資産売却損について、損金の額に算入できないとした本件更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件会員権の譲渡は、名義変更手続の停止中にされたものであり、会員資格の移転を本件倶楽部に主張することができないものであることに加え、本件譲渡の際に作成された本件確認書によれば、本件会員権の名義変更が可能となるまでの期間、ゴルフ場の利用については請求人が従前どおり会員としての利益を享受する代わりに、本件倶楽部に支払う会費については請求人が負担する旨合意され、本件会員権の権利義務が、請求人に留保されていることにかんがみれば、本件譲渡は本件倶楽部との関係でその効力を対抗できないもののみならず、当事者間においても本件会員権に包含される権利義務を即時に移転させる意図はなかったものと解するのが自然であって、当該譲渡は、将来において名義変更手続がされることを停止条件とする売買であると解するのが相当である。そうすると、本件譲渡によっては未だ本件会員権に係る権利義務の移転があったとはいえないから、本件譲渡に係る固定資産の売却損を損金の額に算入できないとした本件更正処分は適法である。(平11. 2.19大裁 (法) 平10-84)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100082
- 裁決年月日
- 平成10年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の住宅について貸借人との間で締結した賃貸借契約においては、賃借人から預かった保証金から賃料の2か月分相当額を本件契約の終了の際に控除し、その残額を賃借人に返還する旨を定めていることから、本件保証金償却額の収益計上時期は本件契約の終了時である旨主張するが、保証金のうち返還を要しない部分の収益計上時期は、その返還を要しないことが確定した日である。そうすると本件保証金償却額は、本件契約を期間満了、解約又は解除により終了するいずれの場合にも返還を要しないことをきめており、本件契約の締結の日においてその返還を要しないことが確定しているから、本件保証金償却額は、本件契約締結の日が属する事業年度において収益に計上すべきである。(平10.12.21東裁(法)平10-82)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100004
- 裁決年月日
- 平成10年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300411000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/11受贈益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成3年3月27日に本件株式の譲受契約を締結するに際して、平成2年12月31日時点で評価された金額をもって購入金額を決めているのであるから、本件株式を評価するのは平成2年12月31日時点である旨主張する。 しかしながら、契約が成立した平成3年3月27日に本件株式の譲受価額が合意確認されており、当該時点の時価と譲受契約金額とを比較し、時価が上回った場合には受贈益として課税されるべきであるから、請求人の主張は採用できない。(平10.7.6東裁(法・諸)平10-4)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平090056
- 裁決年月日
- 平成10年6月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地をA社が各地権者から買収するに当たり請求人に依頼した本件仲介業務は、一部を除いて履行できなかったことから完了していないので、本件受領額は収益に当たらない旨主張する。しかしながら、(1)各地権者は、本件土地の真実の売買価額について請求人との間で合意し、請求人に売り渡した旨申述していること及び(2)請求人の本件土地の買付価額がいくらであるかにかかわらず、A社がこれを請求人から買い受ける価額は、請求人とA社との間で約定した価額であること等から、請求人は、本件土地売買の仲介をしたものではなく、各地権者から本件土地を自らの計算によって買付けした上本件土地の登記を中間省略し、これを契約先であるA社に売り渡したと認めるのが相当であり、また、本件土地の引渡しも完了していることから、本件受領額は収益に計上すべきである。(平10. 6.18仙裁(法・諸)平 9-56)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平090056
- 裁決年月日
- 平成10年6月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件仲介業務が完了せず収益は発生しなかったことから、本件受領額がA社からの債務として残っており、同社から債務の確認と返済を迫られているから、収益に計上すべきでない旨主張するが、本件土地売買に基づく請求人の収益が発生し、この収益の一部がA社に対する未収金として存在することと、本件受領額がA社からの債務として存在することとは直接関連しないものというべきであり、たまたま相殺適状にある両者の債権債務がそれぞれ両建てで計上されてしかるべきところ、未計上であるためその精算がされていない状況にあるとみるのが相当である。したがって、本件受領額が残存していることをもって収益が発生しないということはできない。(平10. 6.18仙裁(法・諸)平 9-56)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090168
- 裁決年月日
- 平成10年5月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406020
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/2手数料等収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、航空券の代理販売により各航空会社から受領する本件手数料の収益計上時期について、本件手数料が航空機に搭乗した顧客を対象に認められ、顧客が搭乗しなければ発生しないのであるから、顧客が航空機に搭乗した時である旨主張する。しかしながら、本件手数料は、(1)各航空会社と締結した旅客販売代理店協定に基づく手数料であり、その収受すべき金額が当該協定に基づく料率により明示されていること、(2)請求人が航空券を発券すると各航空会社から請求される航空券代金の請求書から本件手数料が控除され、結果として請求人は顧客から預かった航空券代金から本件手数料を収受したことになること及び(3)各航空会社は、請求人が航空券を発券した時において本件手数料を債務として認識していることから、本件手数料の収益計上時期は、請求人が航空券を発券した時と解するのが相当であり、請求人の主張には理由がない。(平10. 5.27東裁(法)平 9-168)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090081
- 裁決年月日
- 平成10年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/1保険金収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、定期保険契約に基づく満期支払金を、満期支払金を受領した各事業年度の帳簿には計上していないが、後の事業年度において雑収入として会計帳簿に計上していることから、いわゆる期間損益に係る事項であり、請求人の計上方法を認めるべきである旨主張するが、益金の額に算入すべき時期は、収入すべき債権の確定した日をもって判断すべきであるから、満期支払金については、各定期保険契約の満期日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである。(平10. 3.31広裁(法・諸)平 9-81)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090144
- 裁決年月日
- 平成10年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300407000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/7賃貸料等(権利金を含む)収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度においては、その賃貸建物に係る賃貸料の入金が全くなく、権利金も一部しか入金されていないので、当該賃借料収入及び権利金のうちの返還不要分を益金の額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、不動産賃貸料及び権利金収入の益金計上時期は、その債権が確定した時期により判断すべきであり、現金の受領時期によって判断すべきものではないと解されるところ、(1)賃貸料収入については、本件事業年度において、請求人が当該建物を当該賃借人に賃貸し、当該賃借人は当該建物に入居していたのであるから、請求人は当該賃貸料収入に係る債権を有することが確定しており、また、(2)権利金収入については、その賃貸借契約において、契約解約時には少なくとも6,600,000円を請求人が受領する旨定められており、この契約を締結した本件事業年度において、請求人が当該6,600,000円を受領することは確定しているのであるから、当該賃貸料収入及び権利金収入は、いずれも本件事業年度の益金の額に計上すべきである。(平10. 3.31東裁(法・諸)平 9-144)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平090010
- 裁決年月日
- 平成9年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/7その他の収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第2次救急医療病院群輪番制病院運営補助金の交付請求権確定日は、当該補助金の交付決定通知書が到達した平成8年5月13日であることから、当該補助金の収益計上時期は、交付決定通知書到達日の属する事業年度である平成9年3月期であり、当該補助金の支払の基となった協定書の協定期間満了日の属する平成8年3月期の収入として計上すべきであるとした原処分は違法である旨主張するが、(1)当該補助金は、請求人の医師等の給与費を補てんするために交付され、(2)請求人は、あらかじめ当該補助金の交付があることを前提として、当該補助金に係る協定を締結し、輪番制の当番日に従事する医師等の給与費を支出したものであり、(3)当該補助金の額を見積もることも可能であったと認められることから、法法第22条第1項に規定する費用収益対応の原則の趣旨に照らし判断すると、当該補助金の額が本件事業年度の終了の日において確定していない場合であっても、その金額を見積もり、協定期間満了日の属する平成8年3月期の益金の額に算入すべきであると解するのが相当である。(平 9.12.11熊裁(法)平 9-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090019
- 裁決年月日
- 平成9年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件設計監理料について、請求人の設計監理業務が不十分なことから設計監理料の減額が決まっていたものであり、(1)当該設計監理料に係る請求書等は誤って作成されたものであること、(2)平成5年6月末には請求人の設計監理担当者及び代表者と相手方の代表者との間で設計監理料の減額は認識されていたことから、売上げの計上漏れではない旨主張する。しかしながら、本件設計監理料に係る請求人の役務の提供は、平成5年6月期において完了していると認められることから、当該設計監理料に係る請求書等は誤って作成されたものとは認められず、仮に請求人が負担すべき費用であるとしても、本件報告書等は平成5年12月25日付及び同月27日付で作成されており、他に平成5年6月末までに設計監理料の減額が確定していたとする事実を認めるべき資料もないことから、原処分庁が、本件設計監理料を設計料収入として平成5年6月期の益金の額に算入したことは相当である。(平 9.11.26名裁(法)平 9-19)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090017
- 裁決年月日
- 平成9年9月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300409000
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/9利息収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度における債務者の経済事情は将来も含めて最悪となり、回復の可能性がまったく見られない状況となったので、利息はおろか、貸付金元本の回収さえ危ぶまれるに至ったから、法基通2−1−25の定めにより、本件利息相当額を益金の額に算入しないことができる旨主張するが、(1)本件貸付金に係る金銭消費貸借契約書等の作成がないこと、利息についての定めがないこと、利息の請求をしたことを証する証拠資料もないことなどから、請求、督促をしたことはないと推認されること、(2)債務者においても、利息を支払えないことについて客観的にやむを得ないと認められるような理由がないこと、(3)債務者の資産状態をみると、実質的に債務超過に陥っていたとは認められないこと及び(4)債務者は、本件貸付金の返済能力が十分でなかったことは推認されるものの、本件貸付金の全部又は相当部分を回収することが危ぶまれる状況に至っていたとは認められないことから、請求人の主張は採用できない。(平 9. 9.26関裁(法・諸)平 9-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090013
- 裁決年月日
- 平成9年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300404011
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/4土地等の販売又は譲渡による収益/1宅地等/1引渡が完了しているとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地取引に仮装はなく、加えて本件土地取引は翌事業年度の取引であり、さらには本件土地取引は合意解除され、利益が生じていないことから本件更正処分は取り消すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地取引は請求人からA社に売却する売買契約(一次契約)を締結後、関係者と通謀の上、一次契約に係る契約書を破棄し、改めて請求人からB社及びB社からA社に売却する売買契約書(二次契約)を作成し、二次契約に基づいたところで請求人の売上帳にB社へ売却したごとく記載して売上げを除外したことが認められ、加えて本件土地の売買代金の決済が本件事業年度中に行われ、その日にA社に所有権移転登記がなされるとともに、A社の借入金の担保として抵当権設定の登記がなされていることからすれば、遅くても同日までに本件土地の引渡しがあったと認められるので、本件土地取引に係る収益も本件事業年度中に実現したと認めるのが相当であり、さらには本件土地取引の契約において解除権の約定があったと認めることができないし、仮にあったとしても請求人主張の合意解除は本件事業年度経過後であり、更正の請求をしていないから当該合意解除の損失を本件事業年度に計上することができないので、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平 9. 7. 7東裁(法)平 9-13)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平080010
- 裁決年月日
- 平成9年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300406020
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/2手数料等収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成元年12月21日と平成3年2月19日にA社から不動産仲介手数料を受領しているが、不動産仲介に係る売買契約は平成3年7月3日に合意解除されており、それに基づきA社から不動産仲介手数料の返還を求める訴訟が提起され、その訴えが棄却された旨の判決が言い渡されたのは平成8年3月14日であることから、当該仲介手数料の収益計上時期は平成8年である旨主張する。しかしながら、不動産仲介業者の仲介手数料請求額は、仲介に必要な役務の提供があり、仲介に係る契約が有効に成立し、かつ、仲介手数料の額が具体的に定められておれば、その定められた日の属する事業年度の収益として計上すべきものであるため、当該仲介手数料の収益計上時期は平成元年と平成3年となり、請求人の主張は採用できない。(平 9. 6.30沖裁(法・諸)平 8-10)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平080014
- 裁決年月日
- 平成9年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/7その他の収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、冬期雇用安定奨励金については、入金のあった日の属する事業年度の収益に計上すべきである旨主張するが、同奨励金は、一定の条件を満たせば、後日補てんされることが法令等により明らかであり、事業主にとってみれば、費用の立替払をしたと同様の経済的実質を有すると解するのが相当であるから、給付の原因となった労働者の就労の事実があった日の属する事業年度の収益として見積り計上することが相当である。(平 9. 3.27札裁(法)平 8-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080066
- 裁決年月日
- 平成9年3月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300406010
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/6役務提供による収益/1工事等請負収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、工事請負契約をしたマンションの収益計上時期について、一部の工事が未完成であること及び追加工事が完成していないことから、当該マンションは、平成5年4月期において引渡しが完了しておらず、平成5年4月期の収益に計上すべきでない旨主張する。しかしながら、当該マンションは平成5年4月期末までに(1)各工事発注者が当該マンションの所有権保存登記等を行っていること、(2)工事代金の全額又は大部分を受領していること、(3)各工事発注者が当該マンションの使用収益を行っていることから、平成5年4月期において引渡しが終了しているものと判断されるので、平成5年4月期の収益に計上すべきであるとした原処分は適法である。(平 9. 3. 7関裁(法・諸)平 8-66)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080013
- 裁決年月日
- 平成8年9月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413990
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/7その他の収入
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地開発公社から受領し、前受金として計上していた請求人所有のポンプ場施設に係る負担金は、請求人の宅地開発計画が10年遅延することに対する補償金として受領したものであるから、10年間で収益に計上すべきものでる旨主張するが、請求人は当事業年度においてポンプ場施設を市に寄付しているところ、(1)当該負担金は、向後10年間のポンプ場施設の設置及び管理の対価であり、請求人は、ポンプ場施設を維持管理する義務を負っていたこと、(2)請求人は、ポンプ場施設を市に寄付したことによる損失の額を損金の額に算入していること、(3)請求人がポンプ場施設を市に引き渡した後は、この維持管理は市が行うこととされており、請求人は何ら義務を負わないこと、(4)当該負担金は返還不要であることから、当該負担金は、ポンプ場施設を市に引き渡した当事業年度の益金の額に計上すべきである。(平 8. 9.30広裁(法)平 8-13)
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