裁決要旨 8自己が便益を受けるための費用

裁決要旨 8自己が便益を受けるための費用

支部名
福岡
裁決番号
令020008
裁決年月日
令和3年4月27日
裁決結果
棄却
争点番号
300707018
争点
7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、LBOを目的とする資金の借入れを行うためのアレンジメント業務を依頼した金融機関に対し支出したアレンジメント・フィー(本件アレンジメント・フィー)について、当該支出により調達した資金によりLBOが実行され、成長投資が実行されることで、請求人の収益が増加することが計画されていたのであるから、本件アレンジメント・フィーは、支出の日以後1年以上に及ぶ継続的な収益を発生させる性質を有しており、法人税法第2条《定義》第24号(繰延資産)に規定する「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」に該当する旨主張する。しかしながら、ここでいう「支出の効果」とは、費用収益対応の原則における「収益の発生」を意味すると解されているところ、本件アレンジメント・フィーの支出の根拠となるものは覚書(本件覚書)以外には存在せず、その内容の解釈に当たっては、処分証書である本件覚書に即して客観的に判断されるべきものであり、本件覚書によると、本件アレンジメント業務は、金融機関との金銭消費貸借契約が締結された日をもって完了したと認められる。そうすると、本件アレンジメント・フィーの支出は、当該金銭消費貸借契約等の調印・交付という成果はもたらしたものの、「収益の発生」をもたらしたとまでは認めることができないから、本件アレンジメント・フィーは、「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」には該当しない。(令3. 4.27 福裁(法)令2-8)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平220076
裁決年月日
平成23年5月10日
裁決結果
一部取消し
争点番号
300707018
争点
7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人の海外販売会社に対する当該損失負担金は、請求人ブランドの商流維持のための支払であるところ、請求人にとっては自己が便益を受けるための支出であり、その支出の効果が将来に及ぶものであることから繰延資産に該当する旨主張する。しかしながら、当該損失負担金は、請求人側の要因により海外販売会社に生じた債務超過を解消するための費用で、あらかじめ結ばれていた約定等に基づくものと認められるから、支出の効果が1年以上に及ぶとは認められず、繰延資産には当たらない。(平23. 5.10 大裁(法)平22-76)

支部名
東京
裁決番号
平210091
裁決年月日
平成22年1月8日
裁決結果
棄却
争点番号
300707018
争点
7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が自社ビル(以下「本件建物」という。)の建築に際して請求人がP市に支出した開発協力金(以下「本件開発協力金」という。)は繰延資産に該当するとして行った課税処分等について、本件開発協力金は請求人との便益関係が迂遠であり繰延資産には該当せず、地方公共団体に対する寄附金に該当するから全額損金に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件開発協力金は、本件建物の建築行為に起因して付置住宅又は隔地住宅の建設に代えて納付されたことが認められるところ、①請求人は、本件開発協力金の納付によって本件建物の建築の許可を得るという特別の利益を受けたと認められることに加えて、②住宅付置要綱によれば、P市長は、同要綱に違反した者を公表することができること、③協力金要綱によれば、開発協力金の算定方法は一律に定められていること、④請求人は、P市から納入通知書の送付を受け本件開発協力金を納付していること、⑤協力金要綱の施行について定めたP市開発協力金制度実施要領によれば、開発協力金を分割で拠出する場合には一定の利子を付すことができることなどを併せ考えると、本件開発協力金は、本件建物の建築許可を受けるための条件としてあらかじめ定められた規定に基づき計算、請求された金額を支払わざるを得なかったものであるから、寄附金には該当しないとみるのが相当である。そして、本件開発協力金のように、P市民及びP市内在勤者向けの住宅の建設等のために要する費用等に充てられ、将来にわたってP市民及び請求人を含むP市内の企業の便益に寄与するものとして支出される費用については、繰延資産に当たると認められるから、同様の支出を定めている法人税基本通達7−3−11の2(3)の負担金等として更正した原処分は相当である。(平22. 1. 8 東裁(法)平21-91)

支部名
福岡
裁決番号
平190021
裁決年月日
平成20年3月24日
裁決結果
棄却
争点番号
300707018
争点
7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、①ある支出が繰延資産に該当するかどうかは、「新たな便益」又は「より大きな便益」を生じさせるかどうかを基準にしており、法人税法施行令第14条第1項第9号ホにいう「便益」は「新たな便益」に限定的に解釈すべきであるところ、②本件しゅんせつ工事は、港湾として機能していた本件水域が「き損」したのを修復したもので、固定資産の「取得」又は「改良」に当たらず、本件しゅんせつ工事により可能となった安全な航行等の便益は、従来から継続して受けていたもので「新たな便益」ではないこと、及び③本件しゅんせつ工事費用は、その揚出物の大半がヘドロで大規模などぶさらいであり、使用開始当初以上に水深を深くするものではなく原状に復するための費用であって、港湾としての機能を果たしえなくなる障害を除去するもので「通常の修理」に当たること等からみて、修繕費的支出に該当する旨主張する。しかしながら、①法人税法施行令第14条第1項第9号ホに規定する繰延資産に該当するか否かの判断は、請求人の主張する「新たな便益」又は「より大きな便益」を生じさせるかどうかではなく、「自己が便益を受けるために支出する費用」で、かつ、「その支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」かどうかを基準とすべきものであり、②その支出の対象となった固定資産が「き損」した状態であるか、しゅんせつした揚出物がヘドロであるか、原状に復する費用か、通常の修理に当たるかなどは、自己の有する固定資産について支出する金額が資本的支出に該当するか否かなどの判断に際しての基準であり、繰延資産に該当するかどうかの判断には影響しないというべきである。したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平20. 3.24 福裁(法)平19-21)

支部名
福岡
裁決番号
平140033
裁決年月日
平成15年6月12日
裁決結果
一部取消し
争点番号
300707018
争点
7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、新工場建設に係る開発行為の許可を受けるために支出した用水路整備費用について、法人税法施行令第14条第1項第9号ホに規定する自己が便益を受けるための支出には該当せず、地方公共団体に対する寄附金に該当する旨主張する。しかしながら、用水路整備費用の支出に対価性があるか否かについてみると、請求人は、新工場用地を埋め立てるに際し、農業環境及び災害防止の観点から関係者と十分に協議することを地方公共団体と事前確認していること並びに請求人は、中央用水路により分断されている新工場用地を有効利用するための通路を確保する必要性から請求人の要望により中央用水路を原則として許可されない暗渠構造とし、中央用水路上に確保した通路の占用許可を受けて利用していることが認められ、これらの事実を併せて考えると、用水路整備費用は、開発行為を実施することによる災害防止の観点等からの用水路の拡幅及び請求人が新工場用地を有効利用するという自己が便益を受けるための公共施設の工事費用の支出であると認められ、当該支出には対価性があることから、法人税法第37条第3項第1号により損金の額に算入される寄附金には該当しないこととなる。また、用水路整備費用により設置された用水路は、地方公共団体の所有であることから、当該費用は、法人税法施行令第14条第1項第9号イに規定する自己が便益を受ける公共的施設の設置又は改良のために支出する費用に該当することとなる。(平15.06.12.福裁(法)平14-33)

支部名
高松
裁決番号
平130034ほか 10件
裁決年月日
平成14年4月8日
裁決結果
棄却
争点番号
300707018
争点
7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人を含む漁業協同組合によって設立された振興協会に対して拠出した本件出捐金が繰延資産に該当する旨主張する。しかしながら、振興協会は民法第34条の規定に基づいて設立された公益法人であり、振興協会寄付行為に定められた事業はいずれも公益に関するものであること、本件出捐金は請求人の総会の決議を経て任意にきょ出されたものであること及び振興協会の基本財産は原則として処分し、又は担保に供することができず、また、解散時においても返還されないことなどからすると、本件出捐金は、法人税法第37条第6項にいう寄付金となり、繰延資産には該当しない。また、請求人は、本件出捐金は法人税基本通達8−1−11でいう同業者団体等の加入金と同様であるから繰延資産として取り扱うべきである旨主張するが、ここでいう同業者団体等とは、その構成員に対して専属的に利益を供与する団体で、加入金を支出することによりはじめて当該団体に加入することができ、以後引き続いて当該団体から会員としてのサービスの提供を受けることができるものであるところ、振興協会は、公益法人であることから公益事業として不特定多数の者に便益を供与するもので、かつ、出捐金のきょ出も任意であることからすると、仮に請求人が何らかの便宜の供与を受けているとしても、本件出捐金を同業者団体等の加入金として取り扱うことは相当ではない。(平14. 4. 8.高裁(法)平13-34)

【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】

  • 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
  • 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
  • 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
  • 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
  • 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。