裁決要旨 25その他の特例

裁決要旨 25その他の特例

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令070061
裁決年月日
令和7年11月14日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国関係会社(本件外国関係会社)は、①再保険契約(本件再保険契約1)により関連者に関するリスクを保険の対象とする再保険を引き受けた後、当該再保険の一部を出再するとともに非関連者に関するリスクを保険の対象とする再保険を引き受ける保険契約を締結しており、本件外国関係会社が実質的に引き受ける関連者に関するリスクは50%以下にとどまることから、本件再保険契約1に係る収入保険料の50%超は本件外国関係会社に帰属するものとは認められず、また、②仮に実質的な収入の帰属ではなく、契約書の記載に基づいて非関連者基準の判定を行うとしても、本件再保険契約1は、適法かつ有効に遡及的に修正されており、当該判定は当該修正後の保険契約(本件再保険契約2)により行うべきであるから、いずれにしても、本件外国関係会社は非関連者基準を満たす旨主張する。しかしながら、①保険業における非関連者基準を判定する場合の収入保険料の額は、保険契約によって定まる収入すべき保険料の総額をいうものと解すべきであり、また、②本件再保険契約2が締結されたのは、本件外国関係会社の外国子会社合算税制の対象となる事業年度(本件対象事業年度)の終了後であるから、当該事業年度において、有効に存在していたのは本件再保険契約1であって、ほかに、本件再保険契約1の契約内容を当該事業年度における収入保険料の基礎とすることが不当であると認められるような特段の事情も認められないから、本件対象事業年度において有効に存在していた本件再保険契約1の保険料の総額に基づいて判断するのが合理的と認められ、本件外国関係会社に係る非関連者基準における非関連者割合は100分の50を超えないこととなるから、本件外国関係会社は、非関連者基準を満たさない。(令7.11.14 東裁(法)令7-61)

支部名
東京
裁決番号
令070044ほか 1件
裁決年月日
令和7年10月21日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、外国子会社合算税制上、請求人の部分対象外国関係会社(本件外国関係会社)において、租税特別措置法(措置法)第66条の6第6項第11号の規定に基づき算出された所得の金額(異常所得の金額)については、①本件外国関係会社の本業である事業から生じた「能動的所得」であり、異常所得の金額を同項各号に規定する所得の金額に加えた立法趣旨や規定の構造に反するため益金の額に算入すべきではなく、また、②仮に異常所得の金額に該当するとしても、その算定要素である人件費の額の範囲には、本件外国関係会社が「事実上の指揮命令関係」を有している業務の委託先に対して支払う対価に含まれる人件費相当額(本件各人件費相当額)も含めるべきであり、これに基づき正しく算定すると、異常所得の金額は算出されない旨主張する。しかしながら、外国子会社合算税制は、内国法人が、法人の所得に対する租税の負担がないか又は著しく低い国又は地域に設立した子会社を利用して経済活動を行い、当該子会社に所得を発生させることによって我が国における租税の負担を回避するような事態を防止し、課税要件の明確性や課税執行面における安定性を確保しつつ、税負担の実質的な公平を図ることを目的とするものであり、また、租税法規は、多数の納税者間の税負担の公平を図る観点から、法的安定性の要請が強く働くから、その解釈は、原則として文理解釈によるべきであり、みだりに拡張解釈や類推解釈を行うべきではないと解するのが相当であるところ、①異常所得の金額の算定方法については、措置法第66条の6第6項第11号及び同号の委任を受けた租税措置法施行令第39条の17の3第27項から第31項までにおいて、客観的に把握される金額を基に計算する方法が具体的に規定されているのであるから、「能動的所得」であるか否かはこれらの各規定において具体的に定められた要件とはされておらず、また、②算定要素の人件費の額についても、その文言から本件外国関係会社に所属する従業員等に係る給与その他の費用の金額を指すものと解されることから、本件各人件費相当額を人件費の額の範囲に含めることはできず、本件外国関係会社において異常所得の金額は算出されることとなる。(令7.10.21 東裁(法)令7-44)

支部名
大阪
裁決番号
令070044
裁決年月日
令和7年10月21日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、外国子会社合算税制上、請求人の部分対象外国関係会社(本件外国関係会社)において、租税特別措置法(措置法)第66条の6第6項第11号の規定に基づき算出された所得の金額については、①本業から生じた「能動的所得」であり、益金の額に算入すべきではなく、②仮に同号に掲げる所得の金額に該当するとしても、その算定要素である人件費の額の範囲には、本件外国関係会社が「事実上の指揮命令関係」を有している業務の委託先に対して支払う対価に含まれる人件費相当額(本件各人件費相当額)も含めるべきであり、これに基づき正しく算定すると、同号に掲げる所得の金額は算出されない旨主張する。しかしながら、措置法第66条の6第6項第11号に掲げる各規定は客観的に把握される金額を基に計算する方法を具体的に定めた規定であり「能動的所得」であるか否かはこれらの各規定において具体的に定められた要件とはされておらず、また、算定要素の人件費の額についても、その文言から本件外国関係会社に所属する従業員等に係る給与等の金額を指すものと解されることから、本件各人件費相当額を人件費の額の範囲に含めることはできない。よって、本件外国関係会社において同号に掲げる所得の金額は算出される。(令7.10.21 大裁(法)令7-44)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令070026
裁決年月日
令和7年9月17日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国関係会社(本件外国関係会社)は、①再保険契約(本件再保険契約1)により関連者に関するリスクを保険の対象とする再保険を引き受けた後、当該再保険の一部を出再するとともに非関連者に関するリスクを保険の対象とする再保険を引き受ける保険契約を締結しており、本件外国関係会社が実質的に引き受ける関連者に関するリスクは50%以下にとどまることから、本件再保険契約1に係る収入保険料の50%超は本件外国関係会社に帰属するものとは認められず、また、②仮に実質的な収入の帰属ではなく、契約書の記載に基づいて非関連者基準の判定を行うとしても、本件再保険契約1は、適法かつ有効に遡及的に修正されており、当該判定は当該修正後の保険契約(本件再保険契約2)により行うべきであるから、いずれにしても、本件外国関係会社は非関連者基準を満たす旨主張する。しかしながら、①保険業における非関連者基準を判定する場合の収入保険料の額は、保険契約によって定まる収入すべき保険料の総額をいうものと解すべきであり、また、②本件再保険契約2が締結されたのは、本件外国関係会社の外国子会社合算税制の対象となる事業年度(本件対象事業年度)の終了後であるから、当該事業年度において、有効に存在していたのは本件再保険契約1であって、ほかに、本件再保険契約1の契約内容を当該事業年度における収入保険料の基礎とすることが不当であると認められるような特段の事情も認められないから、本件対象事業年度において有効に存在していた本件再保険契約1の保険料の総額に基づいて判断するのが合理的と認められ、本件外国関係会社に係る非関連者基準における非関連者割合は100分の50を超えないこととなるから、本件外国関係会社は、非関連者基準を満たさない。(令7. 9.17 東裁(法)令7-26)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令060053
裁決年月日
令和7年6月5日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集No.139

要旨

○ 請求人の自社キャプティブ保険会社である外国関係会社(K社)は、スポンサードキャプティブ保険会社(M社)を通じて第三者である各U社と請求人に係る保険リスクを引き受ける再保険契約を締結し、さらにM社を通じて第三者であるR社と引き受けた請求人に係る保険リスクの一部を非関連者に係る保険リスクと交換する契約を締結しているところ、請求人は、K社が外国子会社合算税制の非関連者基準を満たすか否かの判断に当たって、租税特別措置法施行令第39条の14の3《特定外国関係会社及び対象外国関係会社の範囲》第28項第5号に規定する「当該各事業年度の収入保険料」の金額については、①d州法上、K社は直接保険リスクを引き受けることができないこと、M社は受け取った収入保険料の全額をK社に支払っていないという金銭の流れや、K社はそれを前提とした会計処理を行っていること、また、②関係当事者が真に意図していたのは、最終的にK社は請求人に係る保険リスクのうち一部のみを引き受けるものであったため、監督官庁の承認を得た上で、再保険契約等の内容を遡及的に修正したことなどからすれば、請求人に係る保険リスクの一部をR社に移転するための保険料(本件保険料)を除いた金額(再保険契約修正後の収入保険料の金額と同額となる。)とすべきである旨主張する。しかしながら、①K社が請求人に係る保険リスクを引き受けるために締結した再保険契約等においては、K社が引き受ける請求人に係る保険リスクが一部であるとの記載がないことなどからすれば、K社の各事業年度の収入保険料の計算において本件保険料を除く理由はなく、また、②再保険契約が変更されたのは、K社の各事業年度の終了後であって、K社の各事業年度において有効に存在していたのは変更前の再保険契約であることなどからすれば、本件においては、変更前の再保険契約に基づいて、K社の収入保険料の金額を判断するのが合理的であると認められる。(令7. 6. 5 名裁(法)令6-53)

支部名
関東信越
裁決番号
令060046
裁決年月日
令和7年3月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、令和6年法律第8号による改正前の租税特別措置法(措置法)第42条の12の5《給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除》第5項前段の「確定申告書等」には「更正請求書を含む。」旨括弧書が付されて規定されており、また、措置法第42条の12の5の制度趣旨は積極的な賃上げ等を促すことを目的としたものであり、「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」の記載誤りという形式的な誤謬をもって同条で規定する特別控除を受けられないとすることは制度趣旨に反するから、同項後段の「確定申告書等」にも更正請求書が含まれる旨主張する。しかしながら、措置法第2条《用語の意義》第2項第28号以外にこの「確定申告書等」を定義している規定はなく、措置法第42条の12の5第5項後段の「確定申告書等」は括弧書が付されず規定されていることから、同項後段の「確定申告書等」は措置法第2条第2項第28号に規定するとおり、法人税法第2条《定義》第30号に規定する中間申告書及び同条第31号に規定する確定申告書をいうと解するのが相当である。また、租税法規の解釈は原則として文理解釈によるべきであり、文理解釈によっては規定の意味内容を明らかにすることが困難な場合に初めて、目的論的解釈が行われるべきであるところ、措置法第42条の12の5第5項後段の「確定申告書等」の規定の解釈は、文理解釈によってその意味内容を明らかにすることが困難な場合には当たらず、当該規定の趣旨目的に照らしてその意味内容を明らかにすべきとはいえない。したがって、措置法第42条の12の5第5項後段に規定する「確定申告書等」には更正請求書は含まれない。(令7. 3.19 関裁(法)令6-46)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令060037
裁決年月日
令和7年3月3日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、更正の請求書に租税特別措置法第42条の12の5《給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除》第1項に規定する法人税額の特別控除(新規雇用特別控除)に関する明細書(新規雇用明細書)などの所要の書類を添付したことにより、新規雇用特別控除の適用要件を満たす旨主張する。しかしながら、同条第5項前段は、確定申告書等に新規雇用特別控除の対象となる控除対象新規雇用者給与等支給額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、新規雇用特別控除を適用する旨規定しているところ、請求人は、確定申告書等に新規雇用明細書を添付しておらず、請求人は新規雇用特別控除の適用要件を充足しない。(令7. 3. 3 名裁(法)令6-37)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令060060
裁決年月日
令和6年11月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集No.137

要旨

○ 請求人は、外国子会社合算税制上、請求人の外国関係会社である複数の米国LLC(本件各社員LLC)が有する、米国の州法であるLLC法に基づき設立された米国LLC(本件各LLC)の株式等の保有割合の判定において、「出資の数」又は「議決権のある出資の数」を用いて判定することができ、当該保有割合はいずれも25%以上であり、本件各社員LLCは、令和2年法律第8号による改正前の租税特別措置法第66条の6第2項第2号イ(3)に規定する外国子会社の株式等の保有を主たる事業とする外国関係会社に該当し特定外国関係会社には該当しないから、外国子会社合算税制の適用はない旨主張する。しかしながら、「出資の数」においては、出資を均等の割合的単位に細分化する口数の定めがある場合において基準として用いることができると解されるところ、LLC法には持分を口数として均等の割合的単位によって細分化すべきことや、口数に応じて拠出がなされるべきことを定めた規定はなく、本件各LLCに係る契約書(本件各LLC契約書)にも本件各LLCの拠出資本及び持分に係る口数に関する定めはないことから、本件各LLCにおいては「出資の数」を観念することができない。また、本件各LLC契約書には出資に基づく議決権に係る定めがあるとは認められないことから、本件各LLCにおいては「議決権のある出資」を観念することはできず、本件各LLC契約書には株式に関する定めがないため、当該保有割合は「出資の金額」で判定することになる。これに基づき計算された当該保有割合は25%未満であると認められるため、本件各LLCは外国子会社に該当せず、本件各社員LLCは外国子会社の株式等の保有を主たる事業とする外国関係会社には該当しない。さらに、本件各社員LLCは、租税特別措置法第66条の6第2項第2号イに規定する各要件のいずれにも該当しないことから、本件各社員LLCは、請求人の特定外国関係会社に該当し、請求人は、本件各社員LLCに関して外国子会社合算税制の適用がある。(令6.11. 1 東裁(法)令6-60)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令060003
裁決年月日
令和6年8月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、法人税の確定申告において、租税特別措置法第42条の12の5《給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除》第2項の規定による法人税額の特別控除に関する明細書(本件中小企業明細書)を誤って添付したものの、調査結果の内容の説明前であれば、実地の調査中に提出した同条第1項の規定による法人税額の特別控除(新規雇用特別控除)に関する明細書(本件新規雇用明細書)は、本件中小企業明細書との差し替えが認められ、同項が適用できる旨主張する。しかしながら、本件中小企業明細書には、租税特別措置法第42条の12の5第5項に規定する控除対象新規雇用者給与等支給額等が記載されていないことから、同項に規定する書類とは認められず、法人税の法定申告期限後である実地の調査中に提出された本件新規雇用明細書を本件中小企業明細書と差し替えることができる旨の法令の規定はなく、請求人が本件新規雇用明細書を提出したことによって、新規雇用特別控除の適用を受けることはできない。(令6. 8. 6 名裁(法)令6-3)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令050022
裁決年月日
令和6年3月22日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の部分対象外国関係会社は、請求人が支配権を得る前に、特定所得の稼得及びこれを原資とする剰余金の配当を行っており、配当原資金額が当該部分対象外国関係会社から流出していたので、請求人に対し、租税特別措置法施行令(令和2年政令第207号による改正前のもの)第39条の117の2《部分適用対象金額の計算等》第3項(本件規定)を形式的に適用することは、外国子会社合算税制の趣旨及び目的に反し違法であり、また、本件の事実関係において請求人に本件規定を適用することは租税特別措置法の委任の範囲を逸脱し違法である旨主張する。しかしながら、文理解釈によって本件規定の意味内容は明らかであり、目的論的解釈をするまでもないところ、本件規定の文理上、個別部分課税対象金額の計算に当たり、部分対象外国関係会社が剰余金の配当等を行った時期を考慮することとはされておらず、請求人の主張には理由がない。また、審判所は原処分庁が行った処分について国税に関する法令に反する違法な処分等であるか否かを判断する機関であるところ、特定の事実関係において政令の規定を適用することが委任の範囲を超えているか否かを判断することは当審判所の権限に属さない。(令6. 3.22 名裁(法)令5-22)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令050080
裁決年月日
令和6年3月14日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集No.134

要旨

○ 原処分庁は、オランダ王国で設立された財団が株式(本件株式)と引き換えにデポジタリー・レシートを発行する契約(本件発行契約)により成立した法律関係は、法人税法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第12条《信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属》第1項に規定する信託に該当せず、また、外国子会社合算税制における基準所得金額の計算において、同項の規定は適用されないから、本件株式に係る配当(本件配当)に相当する金額は、租税特別措置法施行令(令和2年政令第207号による改正前のもの)第39条の115第1項第4号に規定する子会社から受ける配当等の額に該当せず、請求人の特定外国関係会社(本件h法人1)の基準所得金額の計算上控除することはできない旨主張する。しかしながら、本件発行契約等における合意のうち我が国の信託法第3条《信託の方法》第1号に規定する内容に当てはまる部分については、我が国の信託法上の信託契約に相当し、本件発行契約等により成立した法律関係は、法人税法第12条第1項に規定する信託に該当するものと認められる。また、外国子会社合算税制における基準所得金額を計算する場合においても、法人税法第12条第1項本文の規定の適用により、同項本文に規定する信託の受益者が当該信託の信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされると解される。したがって、本件h法人1は、同項本文の規定により、信託財産に属する資産である本件株式を有するものとみなされ、かつ、本件配当は受益者である本件h法人1の収益とみなされるから、本件h法人1の基準所得金額の計算上、本件配当に相当する金額は、租税特別措置法施行令第39条の115第1項第4号に規定する子会社から受ける配当等の額に該当し、控除される。(令6. 3.14 東裁(法)令5-80)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令050017
裁決年月日
令和6年2月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の部分対象外国関係会社が第三者に対して支払ったシステムの開発費(本件各支出)について、租税特別措置法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第66条の6第6項第9号が「その有する無形資産等に係る償却費の額として政令で定めるところにより計算した金額を含む」と規定されており、無形資産等に係る償却費の額として政令で定めるところにより計算した金額を超える金額を控除することを妨げるものではないなどとして、本件各支出の全額が同号の「当該使用料を得るために直接要した費用の額」に当たる旨主張する。しかしながら、同号の「含む」という文言からすると、無形資産等の使用料から控除することができる額は、「無形資産等に係る償却費の額」に限られないが、一方で、あえて「無形資産等に係る償却費の額」を明示していることからすると、「当該使用料を得るために直接要した費用の額」として無形資産等の使用料から控除することができるのは、当該無形資産等の取得価額のうちその償却費の額に限られると解されることから、本件各支出の全額が同号の「当該使用料を得るために直接要した費用の額」に当たるとはいえない。(令6. 2.19 名裁(法)令5-17)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令050017
裁決年月日
令和6年2月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の親会社が、請求人の部分対象外国関係会社(本件会社)に、請求人グループで共通して利用する機能(本件共通機能)を有するシステムに対する追加機能(本件各機能)の開発を委託した契約書(本件契約書)において、人的役務の提供の対価である「開発費」と、本件各機能の使用の対価である「使用料」が区別されていることなどから、本件会社が請求人の親会社から開発費という名目で受け取った収入(本件各収入)は、租税特別措置法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第66条の6第6項第9号の「使用料」に当たらない旨主張する。しかしながら、本件会社が本件共通機能を備えた当該システムを使用する他の請求人のグループ会社から受け取る「使用料」が本件契約書に定める「使用料」と同額であることから、本件契約書に定める「使用料」に本件各機能の使用の対価が含まれているとはいえず、他に請求人の親会社が本件各機能の使用の対価を支払っていないことなどからすると、本件各収入が本件各機能の使用の対価であり、同号の「使用料」に当たる。(令6. 2.19 名裁(法)令5-17)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令050017
裁決年月日
令和6年2月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の部分対象外国関係会社が有する請求人のグループ会社が利用するシステムに追加された機能(本件各機能)については、請求人グループで共通して利用する機能(本件共通機能)を単に日本仕様にカスタマイズしたものにすぎず、また、特別な技術を用いて開発されたものではない汎用技術の組合せにすぎないものであることなどから、租税特別措置法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第66条の6第6項第9号の「工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの(これらの権利に関する使用権を含む。)」に当たらない旨主張する。しかしながら、本件各機能は、本件共通機能を備えた請求人グループのシステムとともに購買、生産管理、販売、会計といった業務に必要な情報を管理することで業務の効率化を可能にするもので、生産その他業務に関し繰り返し使用し得るまでに形成された創作で、特別に技術的価値を有するものといえるため、「工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの(これらの権利に関する使用権を含む。)」に当たる。(令6. 2.19 名裁(法)令5-17)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令050017
裁決年月日
令和6年2月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人グループが使用するシステムに対する追加機能(本件各機能)の開発について、本件各機能の開発は請求人の部分対象外国関係会社(本件会社)が行ったものであり、租税特別措置法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第66条の6第6項第9号に規定する「自ら行った研究開発」に当たる旨主張する。しかしながら、①本件各機能の開発は、請求人及び請求人の親会社の必要に基づいて、請求人又は請求人の親会社が業者への委託を企画及び立案したものと認められ、本件会社が本件各機能の開発に係る企画及び立案を行ったとは認められないこと、②請求人グループの別法人の従業員がした行為を本件会社の行為と同視することはできず、本件会社が本件各機能の開発に係る委託先への開発方針の指示をしたともいえないこと、③本件会社は委託先に支払った開発費に一定の率を加えた金額を請求人の親会社から遅滞なく回収しており、本件会社が本件各機能の開発に係る費用負担をしたとはいえないこと、④本件各機能の開発に関して本件会社のリスク負担は大きいとはいえないことなどから、本件各機能の開発は、本件会社が「自ら行った研究開発」であるとは認められない。(令6. 2.19 名裁(法)令5-17)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令050018
裁決年月日
令和6年2月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人グループが使用するシステムに対する追加機能(本件各機能)の開発について、本件各機能の開発は請求人の子会社である連結法人に係る部分対象外国関係会社(本件会社)が行ったものであり、租税特別措置法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第68条の90第6項第9号に規定する「自ら行った研究開発」に当たる旨主張する。しかしながら、①本件各機能の開発は、請求人及び当該連結法人の必要に基づいて、請求人又は当該連結法人が業者への委託を企画及び立案したものと認められ、本件会社が本件各機能の開発に係る企画及び立案を行ったとは認められないこと、②請求人グループの別法人の従業員がした行為を本件会社の行為と同視することはできず、本件会社が本件各機能の開発に係る委託先への開発方針の指示をしたともいえないこと、③本件会社は委託先に支払った開発費に一定の率を加えた金額を請求人から遅滞なく回収しており、本件会社が本件各機能の開発に係る費用負担をしたとはいえないこと、④本件各機能の開発に関して本件会社のリスク負担は大きいとはいえないことなどから、本件各機能の開発は、本件会社が「自ら行った研究開発」であるとは認められない。(令6. 2.19 名裁(法)令5-18)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令050018
裁決年月日
令和6年2月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の子会社である連結法人に係る部分対象外国関係会社が有する請求人のグループ会社が利用するシステムに追加された機能(本件各機能)については、請求人グループで共通して利用する機能(本件共通機能)を単に日本仕様にカスタマイズしたものにすぎず、また、特別な技術を用いて開発されたものではない汎用技術の組合せにすぎないものであることなどから、租税特別措置法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第68条の90第6項第9号の「工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの(これらの権利に関する使用権を含む。)」に当たらない旨主張する。しかしながら、本件各機能は、本件共通機能を備えた請求人グループのシステムとともに購買、生産管理、販売、会計といった業務に必要な情報を管理することで業務の効率化を可能にするもので、生産その他業務に関し繰り返し使用し得るまでに形成された創作で、特別に技術的価値を有するものといえるため、「工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの(これらの権利に関する使用権を含む。)」に当たる。(令6. 2.19 名裁(法)令5-18)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令050018
裁決年月日
令和6年2月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の子会社である連結法人に係る部分対象外国関係会社が第三者に対して支払ったシステムの開発費(本件各支出)について、租税特別措置法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第68条の90第6項第9号が「その有する無形資産等に係る償却費の額として政令で定めるところにより計算した金額を含む」と規定されており、無形資産等に係る償却費の額として政令で定めるところにより計算した金額を超える金額を控除することを妨げるものではないなどとして、本件各支出の全額が同号の「当該使用料を得るために直接要した費用の額」に当たる旨主張する。しかしながら、同号の「含む」という文言からすると、無形資産等の使用料から控除することができる額は、「無形資産等に係る償却費の額」に限られないが、一方で、あえて「無形資産等に係る償却費の額」を明示していることからすると、「当該使用料を得るために直接要した費用の額」として無形資産等の使用料から控除することができるのは、当該無形資産等の取得価額のうちその償却費の額に限られると解されることから、本件各支出の全額が同号の「当該使用料を得るために直接要した費用の額」に当たるとはいえない。(令6. 2.19 名裁(法)令5-18)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令050018
裁決年月日
令和6年2月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の子会社である連結法人に係る部分対象外国関係会社(本件会社)に、請求人グループで共通して利用する機能(本件共通機能)を有するシステムに対する追加機能(本件各機能)の開発を委託した契約書(本件契約書)において、人的役務の提供の対価である「開発費」と、本件各機能の使用の対価である「使用料」が区別されていることなどから、本件会社が請求人から開発費という名目で受け取った収入(本件各収入)は、租税特別措置法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第68条の90第6項第9号の「使用料」に当たらない旨主張する。しかしながら、本件会社が本件共通機能を備えた当該システムを使用する他の請求人のグループ会社から受け取る「使用料」が本件契約書に定める「使用料」と同額であることから、本件契約書に定める「使用料」に本件各機能の使用の対価が含まれているとはいえず、他に請求人が本件各機能の使用の対価を支払っていないことなどからすると、本件各収入が本件各機能の使用の対価であり、同号の「使用料」に当たる。(令6. 2.19 名裁(法)令5-18)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令050047
裁決年月日
令和5年12月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国子会社(本件外国子会社)の事業は、株式保有業と資金運用業が組み合わさった「資金活用業」とでも呼ぶべき一つの事業である旨主張した上で、かかる資金活用業のための事業活動を行うに当たって、本件外国子会社の取締役は、利用権原の設定を受けたオフィススペースにおいて事業計画資料の作成、取締役会の開催等の業務を行っており、本件外国子会社は主たる事業を行うために必要となる固定施設を有しているとして、租税特別措置法第68条の90第2項第2号イ(1)(令和2年法律第8号による改正前のもの)に規定する外国子会社合算税制に係る要件(実体基準)を満たす旨主張する。しかしながら、本件外国子会社は、当該オフィススペースについて、賃貸借契約等に基づく正当な権原を有しておらず、本件外国子会社の取締役が、自身の有する利用権原の範囲内で、事実上、当該オフィススペースを本件外国子会社の業務の遂行に使用しているにすぎず、そもそも本件外国子会社が固定施設を有しているとは認められないことから、実体基準を満たさない。(令5.12. 6 東裁(法)令5-47)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令050047
裁決年月日
令和5年12月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国子会社(本件外国子会社)は、自らの事業の管理、支配及び運営に必要不可欠となる株主総会及び取締役会の開催並びに会計帳簿の作成保管等を本店所在地国において行っていること、本件外国子会社の取締役は、当該本店所在地国において、会社運営上の不可欠事項を自ら執行し、意思決定に参画していること、事業計画の策定という業務遂行上の重要事項を自らの意思で決定していることなどから、租税特別措置法第68条の90第2項第2号イ(2)(令和2年法律第8号による改正前のもの)に規定する外国子会社合算税制に係る要件(管理支配基準)を満たす旨主張する。しかしながら、当該本店所在地国における本件外国子会社の活動は、極めて限定的なものであったと認められ、また、事業計画の策定や保有株式に係る議決権の行使等といった業務遂行上の重要事項を自らの意思で決定しているとは認められず、これらの諸事情を総合的に考慮すると、本件外国子会社は、本店所在地国において親会社から独立した企業としての実体を備えて活動しているとはいえず、その事業を自ら管理、支配及び運営しているものとは認められないことから、管理支配基準を満たさない。(令5.12. 6 東裁(法)令5-47)

支部名
東京
裁決番号
令050025
裁決年月日
令和5年10月3日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人に係る租税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)第68条の90《連結法人に係る特定外国子会社等の個別課税対象金額等の益金算入》第1項柱書に規定する特定外国子会社等又は租税特別措置法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第68条の90第1項各号に掲げる連結法人に係る外国関係会社に該当する各外国法人(本件各外国関係会社)は複合的な事業(サービス業)のみを営んでおり、本件各外国関係会社の主たる事業が著作権の提供であるとはいえない旨主張する。しかしながら、本件各外国関係会社が得る各ロイヤルティ収入に係る各業務については、請求人らから利用許諾を受けた本件各外国関係会社がサブライセンサーとしての地位に基づき、サブライセンシーとの間で著作権の提供に係る事業を行っていることは明らかというべきであり、「著作権の提供」を事業とするものに該当すると認められ、また、本件各外国関係会社におけるそれぞれの事業活動によって得られた収入金額又は所得金額、事業活動に要する従業員の数、事務所の状況等を総合的に勘案して判定すると、本件各外国関係会社の各事業年度における主たる事業は、いずれも「著作権の提供」に該当すると認められる。(令5.10. 3 東裁(法)令5-25)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令050005
裁決年月日
令和5年10月2日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人に係る外国関係会社が収益の額に計上した各保険料収入(本件各保険料収入)は、当該外国関係会社の所在地国の法令によって課税標準である課税所得に含まれないこととされる「負債」の額であって、「所得」の金額にはなり得ないから、本件各保険料収入に係る所得の金額は、租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)第39条の14《特定外国子会社等の範囲》第2項第1号イに規定する「その本店所在地国の法令により外国法人税の課税標準に含まれないこととされる所得の金額」に該当しない旨主張する。しかしながら、同号イに規定する「その本店所在地国の法令により外国法人税の課税標準に含まれないこととされる所得の金額」には、本店所在地国の法令により非課税とされる所得の金額だけでなく、外国関係会社の各事業年度の決算に基づく所得の金額につき、本店所在地国における課税所得金額を計算する過程において、本店所在地国の法令により課税所得金額から除かれた結果、その除かれた部分に対する課税がされないこととなる金額も含まれると解するのが相当である。本件各保険料収入に係る所得の金額は、当該外国関係会社の所在地国の法令により課税所得金額の計算から除かれた結果、その除かれた部分に対する課税がされないこととなる金額に該当することから、同号イに規定する「その本店所在地国の法令により外国法人税の課税標準に含まれないこととされる所得の金額」に該当する。(令5.10. 2 名裁(法)令5-5)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040143
裁決年月日
令和5年6月28日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連取引が各事業年度の法人税の法定申告期限の各時点において残余利益等の発生に寄与した事実は認められず、請求人及びその国外関連者の事業における残余利益等の源泉は、いずれも当該国外関連者の活動に起因するものであることから、当該国外関連取引の独立企業間価格を残余利益分割法に準ずる方法と同等の方法によって算定することはできない旨主張し、また、請求人は、原処分庁は原処分に係る調査の開始当初より、残余利益分割法に準ずる方法と同等の方法の適用ありきで調査を行っており、審査請求手続においても、基本三法と同等の方法及び残余利益分割法に準ずる方法と同等の方法以外の算定方法の適否についてどのような調査及び検討を行ったかを示す資料を開示していないことから、仮に、当該国外関連取引の独立企業間価格を残余利益分割法に準ずる方法と同等の方法によって算定することが可能であったとしても、そのことは残余利益分割法に準ずる方法と同等の方法が「適切な方法」であることを示すにとどまり、残余利益分割法に準ずる方法と同等の方法が「最も」適切な方法に該当することにはならない旨主張する。しかしながら、請求人及びその国外関連者は、それぞれが製品の製造への寄与において重要な価値を有する無形資産を有し、これを使用することで各々の機能を果たすことによって、重要な無形資産を有しない又は独自の機能を果たさない非関連者間取引において通常得られる利益(基本的利益)を上回る超過利益(残余利益等)を得ていたと認められることから、当該国外関連取引の独立企業間価格の算定に当たっては、基本三法と同等の方法を適用することはできず、残余利益分割法に準ずる方法と同等の方法が最も適切な方法であると認められる。(令5. 6.28 東裁(法)令4-143)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040143
裁決年月日
令和5年6月28日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、技術開発等の委託に係る国外関連取引(本件技術開発等委託取引)と知的財産等の管理の委託に係る国外関連取引(本件知財等管理委託取引)とは当事者が異なっていること、本件知財等管理委託取引が存在しなくとも本件技術開発等委託取引は成立するから、これらの国外関連取引(本件各国外関連取引)は密接不可分とはいえないこと、また、本件各国外関連取引の価格設定は、それぞれ個別に行われており、一方の取引の価格が他方の取引の価格に影響を及ぼす関係にはないことから、本件各国外関連取引を一の取引として独立企業間価格を算定することは不合理である旨主張する。しかしながら、複数の取引を一の取引として独立企業間価格の算定を行うことが合理的である場合があることは、取引の当事者が複数の国外関連者に跨っている場合においても異なるものではなく、本件各国外関連取引は、同一の事業部内の取引であり、同一の事業セグメントに属する取引であるところ、それぞれの役務が一体的に提供されており、密接に結びついているものと認められ、また、非関連者との間で同様の状況で行われた場合には、一方の取引の価格が他方の取引の価格に影響を及ぼす関係にあると認められることから、本件各国外関連取引を一の取引として独立企業間価格を算定することが合理的であると認められる。(令5. 6.28 東裁(法)令4-143)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040143
裁決年月日
令和5年6月28日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が選定した請求人の比較対象法人(請求人側比較対象法人)は、提供する役務の内容が同種性又は類似性を欠く点、仮に類似性が認められたとしても、必要な差異調整が行われていない点などにおいて不相当である旨主張する。また、請求人は、原処分庁が選定した請求人の国外関連者(本件国外関連者)の比較対象法人(国外関連者側比較対象法人)は、その選定過程において本件国外関連者との機能その他の差異を十分に確認できたとは到底いえない上、実際に、利益率に影響を及ぼすことが客観的に明らかな機能その他の差異が存在するにもかかわらず、必要な差異調整が行われていない点、研究開発機能を有する点、取扱製品の性状、構造、機能等が本件国外関連者とは異なっており、取扱製品に係る差異が利益率に影響を与えないとは認められない点などにおいて不相当である旨、また、そもそも、国外関連者側比較対象法人の市場の状況に係る選定基準は、本件国外関連者と同種又は類似の業種であると到底いえず、売上規模においても、請求人に対する過去の更正処分と一貫しておらず、根拠がない旨主張する。しかしながら、請求人側比較対象法人及び国外関連者側比較対象法人は、いずれも相応の合理性が認められる選定基準に従って選定されたものであり、それぞれ、請求人の提供する役務の内容又は本件国外関連者の取扱製品、業種及び売上規模の類似性が認められるところ、利益率に影響を及ぼす差異は認められないことなどから、いずれも比較対象法人として相当であると認められる。(令5. 6.28 東裁(法)令4-143)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040143
裁決年月日
令和5年6月28日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が各事業年度に支出した研究開発費(請求人側研究開発費)は、実験結果の大半が立ち消えになるなど残余利益等の発生に寄与した程度を推測するに足りる要因には該当しない旨、各期を通じて大幅な増減がありその支出した事業年度の分割要因として用いることには弊害がある旨、仮に、分割要因とするとしても、請求人の各国外関連者(本件各国外関連者)が請求人の研究開発活動による無形資産の形成等に相当の貢献をしているといえることから、その全額を請求人の分割要因とすることは誤りである旨主張する。また、請求人は、本件各国外関連者の研究開発費(国外関連者側研究開発費)以外の費用も本件各国外関連者の分割要因とすべきである旨、本件各国外関連者それぞれの研究開発活動は、他の国外関連者の利益にも影響を与えていることから、国外関連者側研究開発費を本件各国外関連者それぞれの固有の分割要因とすることは不合理である旨主張する。しかしながら、請求人側研究開発費は、重要な無形資産の形成等に貢献し、独自の機能を果たした程度を推測するに足りる要因に該当し、かつ、請求人側研究開発費の売上高に対する割合は各期において比較的安定していることから、請求人側研究開発費をその支出した事業年度の分割要因とすることは合理的であるうえ、本件各国外関連者が当該無形資産の形成等に相当の貢献をしているとは認められない。また、国外関連者側研究開発費以外の費用は、基本的活動のみ行う法人の営業利益には包摂されない超過利益の源泉になっているとは認められないことなどから、基本的利益の算定に反映されているものとするのが相当である。そして、本件各国外関連者の研究開発活動は、それぞれが有する重要な無形資産の形成等へ貢献し、独自の機能を果たしており、一の法人が行った開発活動が他の法人の利益に及ぼす影響を具体的にうかがわせる事情は認められないことから、本件各国外関連者それぞれの固有の研究開発費用を分割要因とすることが合理的である。(令5. 6.28 東裁(法)令4-143)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040143
裁決年月日
令和5年6月28日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が、国外関連取引に係る分割対象利益等を、国外関連者3社(本件国外関連3社)ごとに3つに区分して算定したことは、当事者が合意していない新たな取引を創出するものであって許されない旨、仮に、当該国外関連取引を複数の取引と評価できたとしても、当該国外関連取引の取引条件及び取引価格は、1種類しかない以上、当該国外関連取引は1つの個別の取引と解するほかないから、当該国外関連取引を一の取引として独立企業間価格を算定することが相当である旨、また、当該国外関連取引に連鎖する国外関連者間の各取引が独立企業間価格で行われているか否かを検証する必要があるにもかかわらず、原処分庁はそのような検証を一切行っていないことから、原処分における分割対象利益等の算定方法は不合理である旨主張する。しかしながら、当該国外関連取引に係る所得は、本件国外関連3社ごとに生じていると認められることから、当該国外関連取引に係る分割対象利益等は、本件国外関連3社ごとに3つに区分して算定するのが合理的であり、このような算定方法は、請求人がいうところの当事者が合意していない新たな取引を創出するものではない。また、上記の国外関連者間の各取引については、①国外関連取引に連鎖する取引には該当しない取引であり、この点を措くとしても、当該取引により本件国外関連3社の間において移転価格税制上の問題が生じるものではない取引であること、又は、②損益を連結する際に相殺されている取引であることから、当該国外関連取引の独立企業間価格の算定に当たり、独立企業間価格で行われているか否かの検証を要しない。以上のことから、原処分庁による分割対象利益等の算定は合理的であると認められる。(令5. 6.28 東裁(法)令4-143)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
仙台
裁決番号
令040016
裁決年月日
令和5年6月7日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、新規に取得したハンドガイド式の自力走行型除雪機(本件除雪機)は、租税特別措置法(措置法)第42条の6(令和2年法律第8号による改正前のもの)《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第1項第1号に規定する「機械及び装置」に該当するから、同条第2項の中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除の適用がある旨主張する。しかしながら、措置法第2条《用語の意義》第2項第25号は、同法42条の6の「減価償却資産」の意義について、法人税法第2条《定義》第23号に規定する減価償却資産をいう旨規定していること等に照らせば、法人税法を適用する場合における「機械及び装置」の該当性と同様に判断すべきものと解されるところ、本件除雪機の用途、機能、実際の設置使用状況等を考慮すると、本件除雪機は、法人税法施行令第13条《減価償却資産の範囲》第3号に規定する「機械及び装置」に該当しない。したがって、本件除雪機は措置法第42条の6第1項第1号に規定する「機械及び装置」に該当しないことから、中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除の適用はない。(令5. 6. 7 仙裁(法)令4-16)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
札幌
裁決番号
令040004
裁決年月日
令和5年2月16日
裁決結果
棄却
争点番号
302502990
争点
25その他の特例/2準備金/5その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法施行規則第21条の18の2《農業経営基盤強化準備金》第2項に規定する書類(本件証明書)の確定申告書等への添付は、農業経営基盤強化準備金の積立額(本件積立額)を損金の額に算入するための課税要件とは認めがたく、また、本件証明書の提出期限は特に定められていないことから、確定申告書等に本件証明書の添付がなくても、税務調査において原処分庁の調査担当者に本件証明書を提出していれば本件積立額を損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件積立額を損金の額に算入するには、法令の規定上、本件証明書が確定申告書等に添付されていることが必要であり、また、確定申告書等の提出後に本件証明書の提出を認める旨の規定もなく、さらに、請求人は、本件証明書を確定申告書の提出までに取得していないことから、確定申告書の提出時において、交付金等の額のうち農業経営基盤強化に要する費用の支出に備えるものとして政令で定める金額を客観的に確認できる状況になく、積立限度額はないこととなるから、租税特別措置法第61条の2《農業経営基盤強化準備金》第1項の規定を適用して本件積立額を損金の額に算入することはできない。(令5. 2.16 札裁(法)令4-4)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040061
裁決年月日
令和4年12月20日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国関係会社は、再保険契約により関連者から引き受けたリスクの一部を再度再保険契約により出再して代わりに非関連者からのリスクを引き受ける保険契約を締結したのであり、租税特別措置法施行令第39条の14の3《特定外国関係会社及び対象外国関係会社の範囲》第28項第5号(本件措置法施行令)に規定する「当該各事業年度の収入保険料」に当たるのは、実質所得者課税の原則に従い、関連者に係る収入保険料のうち再度の再保険契約により出再した部分を除いた金額とすべきであり、形式的に関連者に係る収入保険料の全部が当たるとするのは、非関連者基準の考え方に反し、かかる適用がされることは本件措置法施行令が租税特別措置法第66条の6第2項第3号ハ(1)の委任の趣旨に反する旨主張する。しかしながら、非関連者基準は、保険業等の業種には所在地国基準を適用することには無理があるから、その代わりに、その事業の大部分が関連者以外の者との取引で成っているかどうかで判断しようとするものであり、かかる非関連者基準は、関連者以外の者との取引の多寡という数量的な判断基準によって統一的かつ画一的にその地にいる経済的合理性を判定しようとするものであって、保険業の場合には、収入保険料の金額が取引の多寡の基準であるといえることから、本件措置法施行令の「当該各事業年度の収入保険料」の金額は、各保険契約によって定まる当該外国関係会社が収入すべき保険料の総額をいうものと解すべきであり、関連者に係る収入保険料の全額を「当該各事業年度の収入保険料」に当たると判断しても、租税特別措置法第66条の6第2項第3号ハ(1)の委任の趣旨に反するものではない。(令4.12.20 東裁(法)令4-61)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040061ほか 1件
裁決年月日
令和4年12月20日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、基準所得金額の計算については、初めて外国子会社合算税制の適用を受ける場合に、本邦法令方式と本店所在地国法令方式のいずれの計算方式によるか法令上特段の制限がなく、納税者の選択に委ねられていることからすると、更正処分により初めて外国子会社合算税制の適用を受ける場合には、納税者にとって有利な計算方式により基準所得金額を計算すべきである旨主張する。しかしながら、対象外国関係会社等の本店所在地国の法人所得税に係る税制が様々であり、その本店所在地国の法令の規定に基づいて計算される所得金額にもおのずから差異が生ずるものであるところ、外国子会社合算税制においては、対象外国関係会社等の課税対象金額を、その株主である内国法人の所得に合算して課税する仕組みが採られていることから、その合算の対象となる適用対象金額の基礎となる対象外国関係会社の基準所得金額は、原則として、各国の税制によって左右されることがない、本邦法令の規定の例に準じて統一的に所得の金額の計算をする方式(本邦法令方式)が望ましいと考えられる。他方で、対象外国関係会社等の所得の金額の計算が本店所在地国の法令に基づいて既にされている場合において、常に本邦法令方式を強制すると、納税者が二重に税務計算をすることとなり、納税者に過重な事務負担を求めることにもなりかねないため、納税者の便宜のために、例外的に、本店所在地国の法令の規定により計算した所得の金額を基礎として基準所得金額について計算する方式(本店所在地国法令方式)が許容されたものであると解される。そして、請求人が本店所在地国の法令に基づく基準所得金額を計算して申告をしておらず、本店所在地国法令方式を選択していない本件においては、原処分庁が原則的な計算方式である本邦法令方式に基づいて基準所得金額を計算したことは、法令の趣旨に則ったものであり、違法はない。(令4.12.20 東裁(法)令4-61)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040062
裁決年月日
令和4年12月20日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国関係会社は、再保険契約により関連者から引き受けたリスクの一部を再度再保険契約により出再して代わりに非関連者からのリスクを引き受ける保険契約を締結したのであり、租税特別措置法施行令第39条の14の3《特定外国関係会社及び対象外国関係会社の範囲》第28項第5号(本件措置法施行令)に規定する「当該各事業年度の収入保険料」に当たるのは、実質所得者課税の原則に従い、関連者に係る収入保険料のうち再度の再保険契約により出再した部分を除いた金額とすべきであり、形式的に関連者に係る収入保険料の全部が当たるとするのは、非関連者基準の考え方に反し、かかる適用がされることは本件措置法施行令が租税特別措置法第66条の6第2項第3号ハ(1)の委任の趣旨に反することにもなる旨主張する。しかしながら、非関連者基準は、保険業等の業種には所在地国基準を適用することには無理があるから、その代わりに、その事業の大部分が関連者以外の者との取引で成っているかどうかで判断しようとするものであり、かかる非関連者基準は、関連者以外の者との取引の多寡という数量的な判断基準によって統一的かつ画一的にその地にいる経済的合理性を判定しようとするものであって、保険業の場合には、収入保険料の金額が取引の多寡の基準であるといえることから、本件措置法施行令の「当該各事業年度の収入保険料」の金額は、各保険契約によって定まる当該外国関係会社が収入すべき保険料の総額をいうものと解すべきであり、関連者に係る収入保険料の全額を「当該各事業年度の収入保険料」に当たると判断しても、本件措置法施行令は租税特別措置法第66条の6第2項第3号ハ(1)の委任の趣旨に反するものではない。(令4.12.20 東裁(法)令4-62)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040045
裁決年月日
令和4年11月18日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、①原処分庁が採用した比較対象事業の選定基準は、国外関連製造会社が非上場法人であることから、比較対象事業についても非上場法人とすべきであるにもかかわらず非上場法人を除外しているなど合理的でない旨、また、②原処分庁が採用した比較対象事業は、投資法人が含まれているなど、国外関連製造会社と同種又は類似の事業を営んでいるとは認められない旨主張する。しかしながら、①原処分庁が設定した国外関連製造会社の比較対象事業の選定基準は、比較対象取引の選定に当たって検討すべき諸要素に基づいて検討を行った上で、国外関連製造会社の事業内容、果たす機能及び負担するリスク、適用される独立企業間価格の算定方法の特徴等を踏まえた検討の上で設定されたものであり、比較対象事業の候補から比較可能性が認められない法人を除外するために設けられた定量基準及び定性基準として合理的なものと認められる。また、②原処分庁が選定した比較対象事業は、アニュアルレポート等から把握された事業内容から判断すると、推定課税の適用が認められる場合における独立企業間価格と推定される金額の算定の要件となる「同種の事業を営むこと(事業の同種性)」及び「事業規模その他の事業の内容が類似すること(事業内容の類似性)」の観点から逸脱したものではないと認められる。したがって、原処分庁が選定した比較対象事業は妥当なものである。(令4.11.18 東裁(法)令4-45)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040045
裁決年月日
令和4年11月18日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が価値を有すると主張する独自技術や製造ノウハウの内容は具体的に明らかではないこと、新規開発の際に顧客のニーズを把握する営業活動はメーカーとして一般的な営業行為であること、国外関連製造会社が製造している製品ははるか昔に開発された既存品であり請求人が現在行っている営業活動とは無関係であることなどから、請求人が有すると原処分庁が主張する重要な無形資産は存在しない旨主張する。しかしながら、請求人には、製品の開発・製造に係る基盤となる技術及びノウハウが蓄積されており、これは、重要な価値を有し所得の源泉となる無形資産であるというべきであり、当該無形資産が請求人から国外関連製造会社に供与されることで、国外関連製造会社は、当該無形資産を使用して、顧客に採用される製品の製造が可能となっているものと認められる。そうすると、請求人と国外関連製造会社との間では、無形資産取引に関する取決めはされていないが、その取引実態からすれば、請求人が保有する製品の開発・製造に係る基盤となる技術及びノウハウという無形資産を国外関連製造会社に供与する取引が行われているものと認められる。(令4.11.18 東裁(法)令4-45)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040045
裁決年月日
令和4年11月18日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、①租税特別措置法第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》第6項(推定課税規定)に規定する書類の提出について努力義務を尽くしていることから推定課税規定の適用の前提を欠いていること、②調査の初期段階において、国外関連者が保有する資料については提出できない旨請求人が回答していることから、原処分庁は速やかに租税条約に基づく情報交換等の方法で当該資料を入手すべきであったにもかかわらずこれを怠っていることなどから、推定課税規定に基づき独立企業間価格を推定したことは違法である旨主張する。しかしながら、①推定課税規定の適用の要件は、国外関連取引に係る「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類」を遅滞なく提示又は提出したか否かであり、ここで提示又は提出が求められている書類は、納税者が現に所持したり、作成したりしている書類等に限定されるものではないから、書類の提出に関する努力義務の履行をすれば推定課税規定の適用要件を欠くと解することはできないことは明らかである。また、②推定課税規定の文言上、租税条約に基づく情報交換等を行うことが推定課税を行うための要件となっていないことは明らかであり、また、原処分庁において、租税条約に基づく情報交換等の方法により国外の税務当局から情報収集等が可能であるとしても、一般にこれらの方法により入手できる情報は限定的であって、必ずしも独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類を入手できるわけではない。以上のことからすれば、本件において原処分庁が、推定課税規定に基づき、独立企業間価格を推定したことは違法であるとはいえない。(令4.11.18 東裁(法)令4-45)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040045
裁決年月日
令和4年11月18日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、個別の取引を一単位として独立企業間価格を算定するのが移転価格税制上の原則であり、合理的な理由なく複数の国外関連取引を一体のものとして独立企業間価格を算定することはできないから、本件において製品の輸入取引と無形資産の供与取引を一体として検証することは適切でない旨主張する。しかしながら、請求人が国外関連製造会社から輸入する製品は、請求人から供与された無形資産を用いて国外関連製造会社において製造されるものであることから、当該製品の輸入取引と当該無形資産の供与取引とは、その取引内容からみて、同一の無形資産が関係する取引が一体として行われているというべきであり、また、当該製品を輸入するために当該無形資産の供与取引が行われているともいえ、この取引の目的からみても、これらの取引が一体として行われているというべきであるから、独立企業間価格についても一体として算定することが合理的であると認められる。(令4.11.18 東裁(法)令4-45)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040045
裁決年月日
令和4年11月18日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連取引の対象である製品は長年顧客に供給を続けている既存品であるため、請求人は、営業活動、研究開発などの機能を果たしていないほか、開発設計に起因するリスクなども負担しておらず、一般的な販売会社と同等の単純な機能しか果たしていないのに対して、国外関連製造会社は、生産設備や人員を有することで在庫リスク、製造物責任リスク及び市場リスクなどを負っていることから、国外関連製造会社が請求人に比して単純であるとして国外関連製造会社を検証対象とすることは相当ではない旨主張する。しかしながら、請求人が当該国外関連取引において使用しているのは、長年にわたる請求人の開発活動によって蓄積された製品の開発・製造に係る基盤となる技術やノウハウ等であるから、これには既存品に関する技術やノウハウ等も含まれているというべきである。また、国外関連製造会社は独自性のある活動を行っておらず、請求人が指摘する国外関連製造会社が負っているとするリスクは、通常の製造・販売会社であれば負う通常のリスクと異なるものとはいえず、仮に国外関連製造会社がこれらのリスクを負っていたとしても、独自性のある活動として評価することはできない。そして、請求人及び国外関連製造会社の果たす機能を比較すると、請求人は独自性のある機能を果たしているのに対して、国外関連製造会社が果たす機能は限定的であり、請求人に比べて国外関連製造会社の果たす機能の方がより単純であると認められるから、国外関連製造会社を検証対象とすることが適切である。(令4.11.18 東裁(法)令4-45)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040021
裁決年月日
令和4年9月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの。措置法施行令)第39条の15《特定外国子会社等の適用対象金額の計算》第8項本文に規定する控除計算明細書は、特定外国子会社等が子会社から受ける配当等の額に係る実体的要件を満たすことを納税者が示すための証明手段である以上、確定申告後に提出された場合であっても、実体的要件を満たす場合には、当然に基準所得金額の計算上控除されるべきである旨、また、請求人は後日、控除計算明細書を原処分庁に提出していることから、確定申告書には控除計算明細書が添付されている旨主張する。しかしながら、確定申告書に控除計算明細書の添付を求めている趣旨は、税額確定手続の明確化、安定化を図り、もって当該手続きの画一的かつ的確な処理の実現を図るために、実体的要件とは別に手続要件を課しているものと解されることから、仮に、実体的要件を満たしていたとしても、手続要件を満たさない場合には、特定外国子会社等の基準所得金額の計算上、子会社から受ける配当等の額を控除することは認められない。また、確定申告書とは別に控除計算明細書が確定申告後に提出された場合においても、措置法施行令第39条の15第8項本文に規定する確定申告書に控除計算明細書の添付がある場合に該当すると解すると、提出さえされれば常に「添付がある場合」に該当することとなり、「やむを得ない事情」がある場合にのみ限定的に救済を図ろうとする同項ただし書の規定と整合しないことになる。したがって、確定申告書とは別に控除計算明細書を確定申告後に提出した場合には、措置法施行令第39条の15第8項本文に規定する確定申告書に控除計算明細書の添付がある場合には該当しないと解するのが相当である。(令4. 9. 6 東裁(法)令4-21)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令040021
裁決年月日
令和4年9月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、①税法上の「やむを得ない事情」には、規定をうっかり知らないで記載せずに提出した場合や善意であって、難しい規定をよく知らなかった場合が含まれ、広く寛大に解釈されるべきものである旨、②請求人は法人税申告書の提出までに、特定外国子会社等が子会社から受けた各配当(本件各配当)に関する情報を知ることができなかったものであり、法人税申告書に控除計算明細書が添付されていなかったことにつき「やむを得ない事情」がある旨主張する。しかしながら、①租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの。)第39条の15《特定外国子会社等の適用対象金額の計算》第8項ただし書に規定する「やむを得ない事情」とは、天災、交通途絶その他納税者の責めに帰することのできない客観的事情をいうものと解するのが相当である。また、②特定外国子会社等の財務諸表には、本件各配当が記載されていることなどからすれば、本件各配当について請求人は当然に把握していたと認められ、また、株式の取得から法人税申告書提出までの期間からしても、この期間内に本件各配当に関する情報を収集することが著しく困難であったとは認め難い。したがって、法人税申告書に控除計算明細書の添付がなかったことについて請求人の責めに帰すことのできない客観的事情があるとは認められない。(令4. 9. 6 東裁(法)令4-21)

支部名
東京
裁決番号
令040012
裁決年月日
令和4年8月5日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の特定外国子会社等が締結した再保険契約に係る元受保険契約において、被保険者には請求人に加えその下請負人(本件下請負人)も含まれていることからすれば、当該元受保険の再保険契約に係る収入保険料には、非関連者である本件下請負人の損害賠償責任を保険の目的とする保険に係る収入保険料が含まれる旨主張する。しかしながら、当該元受保険契約は、請求人自らが発生させた事故によって負う損害賠償責任に加え、使用者として負う損害賠償責任についても補填を受けようとするものと認められる一方、請求人は、本件下請負人に保険料を負担させておらず、また、本件下請負人が保険金の支払を請求することを想定していないなど、本件下請負人が負う損害賠償責任について填補を受けることを意図したものとは認められない。そうすると、当該元受保険契約は、実質的には、請求人が自らが負う損害賠償責任に対して填補を得ようとするものであり、請求人が負う損害賠償責任を保険の目的としていることが認められる。したがって、当該元受保険契約に係る再保険契約は、租税特別措置法施行令第39条の17《特定外国子会社等の事業の判定等》第10項第5号に規定する「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険」に該当しない。(令4. 8. 5 東裁(法)令4-12)

支部名
東京
裁決番号
令040001
裁決年月日
令和4年7月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、平成31年法律第6号による改正前の租税特別措置法(措置法)第42条の12の5《給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除》第5項の前段と後段に規定する「確定申告書等」は同じ意味に解釈されるから、後段の「確定申告書等」には、更正請求書が含まれる旨主張する。しかしながら、同項の前段においては、「確定申告書等(これらの規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)」と規定する一方、その後段においては、単に「確定申告書等」と規定しており、措置法第2条《用語の意義》第2項第27号以外にこの後段の「確定申告書等」を定義している規定はないから、措置法第42条の12の5第5項の後段に規定する「確定申告書等」は、措置法第2条第2項第27号に規定するとおり、法人税法第2条《定義》第30号に規定する中間申告書及び同条第31号に規定する確定申告書をいうと解するのが相当である。したがって、措置法第42条の12の5第5項の後段に規定する「確定申告書等」には更正請求書は含まれない。(令4. 7. 1 東裁(法)令4-1)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030127
裁決年月日
令和4年6月13日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が確定申告を委任している税理士より、租税特別措置法第66条の6(平成29年法律第4号による改正前のもの)《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の益金算入》第7項に規定する書面(適用除外記載書面)を、請求人の各事業年度の法人税申告書に添付せずとも、税務当局からの求めに応じて適用除外記載書面を提出すれば同条第3項の適用除外規定が適用されるというのが一般的な実務であるとの説明を受け、適用除外記載書面を法人税申告書に添付しなかったこと等から、請求人に同条第8項に規定する「やむを得ない事情」がある旨主張する。しかしながら、請求人の外国関係会社はその各事業年度において非関連者基準を満たさないのであるから、法人税申告書に適用除外記載書面を添付しなかったことについて同条第8項に規定する「やむを得ない事情」の有無を判断するまでもなく、同条第3項の規定は適用されない。(令4. 6.13 東裁(法)令3-127)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030127
裁決年月日
令和4年6月13日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)第39条の17《特定外国子会社等の事業の判定等》第10項第5号に規定する保険の目的は、保険契約の内容や取引の実態等を踏まえて実質的に判断すべきであり、本件における元受保険契約及びその再保険契約に係る一連の取引を考慮すれば、当該再保険契約によって支払われる保険金は、最終的に、建物建築工事の注文主である施主(非関連者)の建物に生じた被害に係る損害をてん補するために使用されるのだから、当該再保険契約は、当該施主の有する建物を保険の目的とする保険に該当し、請求人の特定外国子会社等(本件特定外国子会社等)はその各事業年度において非関連者基準を満たす旨主張する。しかしながら、当該再保険契約に係る元受保険契約は、本件特定外国子会社等の関連者である内国法人が提供するサービスに起因して法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して保険金を支払うものであると認められることから、当該元受保険契約は、関連者が負う損害賠償責任を目的とした保険であると認められる。したがって、当該元受保険契約を出再した再保険契約に係る保険料収入は、同号の「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険に係る収入保険料」に該当せず、本件特定外国子会社等はその各事業年度において非関連者基準を満たさない。(令4. 6.13 東裁(法)令3-127)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030115
裁決年月日
令和4年5月17日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、仮に請求人の外国関係会社(本件外国関係会社)が請求人の特定外国子会社等であったとしても、C社がB税務署に持参の上提出したとする書面に対するB税務署の職員の見解に依拠して、本件外国関係会社が請求人の特定外国子会社等に該当しないと判断し、確定申告書(本件確定申告書)を提出したのであり、本件確定申告書に租税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の益金算入》第7項に規定する書面を添付しなかったことについて、請求人に同条第8項に規定する「やむを得ない事情」があると認められる旨主張する。しかしながら、本件外国関係会社は非関連者基準を満たさないのであるから、本件確定申告書に同条第7項に規定する書面を添付しなかったことについて同条第8項に規定する「やむを得ない事情」の有無を検討するまでもなく、同条第3項の適用除外規定は適用されない。(令4. 5.17 東裁(法)令3-115)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030115
裁決年月日
令和4年5月17日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国関係会社(本件外国関係会社)の所得に対して課される租税の額の割合(租税負担割合)の算定において用いる租税の額は、本件外国関係会社の法人税控除前の帳簿上の純利益に米国における最高税率(本件最高税率)を乗じて算定すべきであり、本件外国関係会社の租税負担割合は100分の20以上であるから、本件外国関係会社は、租税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の益金算入》第1項に規定する特定外国子会社等に該当しない旨主張する。しかしながら、保険業を営む本件外国関係会社は、米国の内国歳入法典(歳入法)第831条(b)の規定の適用を選択したことにより、通常の課税所得に対する課税に代えて、保険料収入以外の投資等に係る所得(米国課税投資所得)に歳入法所定の税率を乗じて算定された額が租税として課されることととなるから、租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)第39条の14《特定外国子会社等の範囲》第2項第2号イに掲げる「課される外国法人税の額」は、課税標準となる米国課税投資所得の金額に本件最高税率を乗じて算出された額となり、本件外国関係会社の租税負担割合は100分の20未満となるから、本件外国関係会社は特定外国子会社等に該当する。(令4. 5.17 東裁(法)令3-115)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030115
裁決年月日
令和4年5月17日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、保険業を営む請求人の外国関係会社(本件外国関係会社)が非関連者との間で締結した再保険契約(本件再保険契約)に係る元受保険契約(本件元受保険契約)について、請求人の関連会社(A社)の顧客(本件顧客)が火災等により損害を被った事実が保険金の支払を行う原因となるものであり、関連者以外の者である本件顧客が有する資産を保険の目的とするものに該当することから、本件外国関係会社は非関連者基準を満たす旨主張する。しかしながら、本件元受保険契約は、A社が災害見舞金給付規程に基づく見舞金を本件顧客に給付することによってA社が被る損害を填補することを保険の目的とするものであると認められる。したがって、本件外国関係会社の本件再保険契約に係る保険料収入は、本件外国関係会社の関連者であるA社の損害を填補することを保険の目的とする保険に係る収入保険料となるから、租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)第39条の17《特定外国子会社等の事業の判定等》第10項第5号の「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険に係る収入保険料」に該当せず、本件外国関係会社は非関連者基準を満たさない。(令4. 5.17 東裁(法)令3-115)

支部名
東京
裁決番号
令030065
裁決年月日
令和4年2月21日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)(措置法施行令)第39条の16《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額の計算等》第1項が「請求権勘案保有株式等」の判断基準時点を事業年度末としている点を機械的に解釈・適用して行われた合算課税は、経済的にみて担税力のないところに課税するものであり、取引の実態を無視した違法なものである旨、実質的に利益が配当として流出済であって、所得が存在しないにもかかわらず合算課税が生ずるような帰結を招く措置法施行令の解釈は、法律による委任の趣旨に反し、違法・無効とならざるを得ない旨、さらに、そのような解釈をした外国子会社合算税制は、全体として合理性のある制度ではあり得ず、我が国の締結する租税条約の多くに違反するものとなってしまう旨主張する。しかしながら、租税法規は、多数の納税者間の税負担の公平を図る観点から、法的安定性の要請が強く働くから、その解釈は、原則として文理解釈によるべきであり、文理解釈によっては規定の意味内容を明らかにすることが困難な場合に初めて、規定の趣旨・目的に照らしてその意味内容を明らかにする目的論的解釈が行われるべきであって、みだりに拡張解釈や類推解釈を行うべきではないと解されるところ、措置法施行令第39条の16第1項に規定する割合は、その文言どおり、特定外国子会社等の各事業年度終了の時の現況によるものと解され、文理解釈によって規定の意味内容は明らかであり、目的論的解釈をするまでもない。なお、審判所は、原処分庁が行った処分について、国税に関する法令に反する違法な処分等であるか否かを判断する機関であって、その処分の基となった法令自体の違法、無効又は条約違反を判断することは、その権限に属さないことである。(令4. 2.21 東裁(法)令3-65)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030061ほか 1件
裁決年月日
令和4年2月17日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 保険業を営む請求人の外国関係会社(本件外国関係会社)は、米国の内国歳入法典(歳入法)第831条(b)項の適用を選択したことにより、保険料収入以外の投資等に係る収入から同収入に係る費用を控除した投資所得(課税投資所得)に対し課税されているところ、請求人は、本件外国関係会社の所得に対して課される租税の額は、課税投資所得の金額に、歳入法第831条(b)項の規定により法人税の課税標準に含まれないこととなった所得の金額を足した金額に対し、米国における最高税率(本件最高税率)を乗じて算出すべきであるから、本件外国関係会社の所得に対して課される租税の額の割合は100分の20を超え、本件外国関係会社は、租税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の益金算入》第1項に規定する特定外国子会社等に該当しない旨主張する。しかしながら、本件外国関係会社は、課税投資所得の金額に税率を乗じて算出された額が租税として課されているから、租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)第39条の14《特定外国子会社等の範囲》第2項第2号イに掲げる「課される外国法人税の額」は、課税標準となる課税投資所得の金額に本件最高税率を乗じて算出された額となる。したがって、本件外国関係会社の所得に対して課される租税の額は当該所得の金額の100分の20未満となるから、本件外国関係会社は特定外国子会社等に該当する。(令4. 2.17 東裁(法)令3-61)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030061ほか 1件
裁決年月日
令和4年2月17日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)第39条の17《特定外国子会社等の事業の判定等》第10項第5号に規定する「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険」の「保険の目的」というのは、「保険事故の原因」を意味するものと解するのが妥当であるから、請求人の外国関係会社(本件外国関係会社)が、非関連者との間で締結した再保険に係る元受保険契約(本件元受保険契約)は、請求人の関連会社(A社)の顧客が使用する住居等に対して損害が生じたことを原因とするものであるため、本件元受保険契約は、関連者以外の者が有する資産等を保険の目的とする保険に該当し、本件外国関係会社は非関連者基準を満たす旨主張する。しかしながら、同号に規定する「保険の目的」を「保険事故の原因」と解すべき理由は見当たらず、また、本件元受保険契約がてん補するのは、A社が見舞金をA社の顧客に給付することによってA社に生じた損害であるから、本件元受保険契約はA社の損害をてん補することを目的とする保険であると認められるため、再保険契約に係る本件外国関係会社の保険料収入は、同号に規定する関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険に係る収入保険料に該当せず、本件外国関係会社は非関連者基準を満たさない。 (令4. 2.17 東裁(法)令3-61)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030035
裁決年月日
令和3年11月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が国外関連者である製造会社(国外関連製造会社)に無形資産を提供する取引及び請求人が国外関連製造会社から製品を購入する取引を、異議審理庁が一体として独立企業間価格を算定したことに対し、異議審理庁の取引単位の選定は誤っている旨主張する。しかしながら、請求人が国外関連製造会社から購入する製品は、請求人が国外関連製造会社に提供した無形資産を用いて製造されていることからすれば、無形資産の提供に係る取引価格は請求人の製品購入価格に連動する密接な関連性があるといえることから、両取引を一の取引として独立企業間価格の算定を行うことは合理的である。(令3.11.25 東裁(法)令3-35)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030035
裁決年月日
令和3年11月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》第6項に規定する「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類」とは、納税者が現に保有していて提出することが可能な書類を前提としており、調査時に提出可能な資料は全て原処分庁に提出しているところ、本件の未提出書類は、国外関連者が保有する書類であって、国外関連者が提供依頼に応じず入手できなかったのであるから、独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類を遅滞なく提示又は提出しなかったとは認められない旨主張する。しかしながら、「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類」とは、納税者が現に所持したり、作成したりしている書類に限られず、本件の未提出書類については、異議調査時において、請求人から異議審理庁に対して提出されていることからすれば、請求人において入手した上で提出することが不可能であったとは認められず、また、請求人の国外関連者が提供依頼に応じなかったというだけでは、書類が提出されなかったことにつき特段の事情があったとは認められない。したがって、請求人は、調査期間において、独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類を遅滞なく提示し、又は提出していないことから、推定課税を行うための要件は満たされている。(令3.11.25 東裁(法)令3-35)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030035
裁決年月日
令和3年11月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連者である販売会社(国外関連販売会社)に対する輸出取引(本件国外関連取引)における対象製品と、異議審理庁が選定した比較対象法人(本件比較対象法人)が取扱う製品とが異なることなどから、国外関連販売会社の比較対象法人として不適切である旨主張する。しかしながら、取引単位営業利益法においては、棚卸資産の類似性以上に、売手の果たす機能が重視されるところ、本件比較対象法人の取扱う製品は、本件国外関連取引に係る製品と同じく製造産業市場向けの製品であり、その性状、構造、機能等の面における差異は比較すべき利益指標の算定に影響を与えないものと認められるから、本件国外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産に該当すると認められる。そして、本件比較対象法人の選定基準は恣意性がなく合理的なものであるとともに、国外関連販売会社と本件比較対象法人が果たす機能の類似性が高く、利益指標の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異は認められないことから、本件比較対象法人が行う取引は、本件国外関連取引について取引単位営業利益法に準ずる方法を適用する場合における比較対象取引に該当すると認められる。(令3.11.25 東裁(法)令3-35)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030026
裁決年月日
令和3年10月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の孫会社であるリベリア国所在の船舶貸船業を行う会社(本件孫会社)の決算に基づく所得は、請求人の子会社で本件孫会社の親会社であるオランダ国所在の会社(本件子会社)の所得に合算され、そもそも本件孫会社は外国子会社合算税制の対象となる所得を有さない旨主張する。しかしながら、本件孫会社は、本件孫会社の名のもとに船舶を所有し、収益を上げ、費用の支出も行うなど、本件子会社とは別法人として独自の活動を行っていたことが認められるから、本件孫会社の決算に基づく所得が本件子会社に帰属するとは認められず、本件孫会社は外国子会社合算税制の対象となる所得を有する。 (令3.10. 1 東裁(法)令3-26)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030026
裁決年月日
令和3年10月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の孫会社であるリベリア国所在の船舶貸船業を行う会社(本件孫会社)の所得は、請求人の子会社で、本件孫会社の親会社であるオランダ国所在の会社(本件子会社)の所得に合算され、オランダ国の法人税が課されているから、当該オランダ法人税は、本件孫会社の所得に対して課された外国法人税として外国税額控除が適用されるべきである旨主張する。しかしながら、外国子会社合算税制における外国税額控除の計算は外国関係会社ごとに行うことになるから、本件子会社が納付したオランダ法人税を本件孫会社の所得に対して課される外国法人税とすることはできず、外国税額控除の適用はない。(令3.10. 1 東裁(法)令3-26)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令030026
裁決年月日
令和3年10月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の孫会社であるリベリア国所在の船舶貸船業を行う会社(本件孫会社)の所得は、請求人の子会社で本件孫会社の親会社であるオランダ国所在の会社(本件子会社)の所得に合算され、オランダ国の法人税が課されていることから、本件子会社が納付したオランダ法人税のうち本件孫会社の所得に相応する金額を、租税特別措置法施行令第39条の14《特定外国子会社等の範囲》第1項第2号に定める「租税の額」として租税負担割合を計算すべきである旨主張する。しかしながら、租税負担割合の計算は外国関係会社ごとに行うから、本件孫会社以外の者に課された外国法人税が「租税の額」に含まれると解釈することは相当でなく、本件孫会社の所得金額相当額が本件子会社の所得に合算されたとしても、本件子会社が納付した法人税は飽くまでも本件子会社の租税であって、本件孫会社の租税と同視することはできない。したがって、本件孫会社の租税負担割合の計算上、本件子会社が納付した法人税を「租税の額」とすることはできない。(令3.10. 1 東裁(法)令3-26)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
令020048
裁決年月日
令和3年3月25日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連者であるA社に対する株式の譲渡は、租税特別措置法(平成31年法律第6号による改正前のもの)第68条の88《連結法人の国外関連者との取引に係る課税の特例》(本条)第1項に規定する国外関連取引に該当するところ、国外関連者に対する資産の譲渡については、同項に規定するいわゆる移転価格税制が優先的に適用され、いわゆる寄附金課税は、贈与の意思が認められ、取引に対価性がない例外的な場合にのみ適用される旨主張する。しかしながら、A社に対する株式の譲渡価格と本条第1項に規定する独立企業間価格とに差額が生じた場合には、本条第4項において、当該差額は連結法人の連結所得の金額の計算上損金の額に算入しない旨規定する一方で、本条第4項の括弧書において「寄附金の額に該当するものは除く。」と規定していることから、「寄附金金の額」に該当すると判断した当該差額については、移転価格税制の適用はなく、また、寄附金課税の課税要件について、贈与の意思が認められる等の例外的な場合に限定しなければならないとする法律上の根拠もない。(令3. 3.25 大裁(法)令2-48)

支部名
名古屋
裁決番号
令020013
裁決年月日
令和3年3月8日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 保険業を営む請求人の外国関係会社は、米国の内国歳入法典第831条(b)項の適用を選択したことにより、総収入から費用等を控除した所得(課税所得)に対する課税に代えて、保険料収入以外の投資等に係る収入から同収入に係る費用を控除した投資所得(課税投資所得)に対し課税されているところ、請求人は、本件外国子会社について、保険料収入から生じた所得(保険料所得)は、本店所在地国の法令により課税標準に含まれないと規定されていないことから、租税特別措置法施行令第39条の14《特定外国子会社等の範囲》第2項第1号イに規定する「その本店所在地国の法令により外国法人税の課税標準に含まれないこととされる所得の金額(非課税所得)」に該当しないため、同条第1項第2号に規定する「所得の金額」は、課税投資所得の金額である零米ドルとなり、同条第2項第4号が適用され、本件外国子会社の「所得の金額」に対する「租税の額」の割合(租税負担割合)は100分の20を超えるから、本件外国子会社は、請求人の租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の益金算入》第1項に規定する特定外国子会社等に該当しない旨主張する。しかしながら、本件外国子会社の保険料所得には外国法人税が課されていないから、「所得の金額」は、課税投資所得に保険料所得を加算した金額となり、「租税の額」は、課税投資所得(零米ドル)に税率を乗じた金額(零米ドル)となるため、本件外国子会社の租税負担割合は100分の20を下回るから、本件外国子会社は、請求人の特定外国子会社等に該当する。(令3. 3. 8 名裁(法)令2-13)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
令020039
裁決年月日
令和3年3月8日
裁決結果
棄却
争点番号
302599000
争点
25その他の特例/10その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の5の3(平成31年法律第6号による改正前のもの)《超過利子額の損金算入》第1項の適用を受けようとする事業年度(適用事業年度)の確定申告書(本件確定申告書)に、同項の適用を受ける金額(本件適用金額)の申告の記載及び明細書を添付しなかったことについて、適用事業年度前の事業年度において、請求人の関連者等に対する支払利子が租税特別措置法第66条の5の2(平成26年法律第10号による改正前のもの)《関連者等に係る支払利子等の損金不算入》に規定する関連者支払利子等の額に該当し、その一部が損金の額に算入されないとして法人税更正処分を受け、その後その一部が審査請求で取り消されたことを前提に、請求人は本件確定申告書の法定申告期限までに当該審査請求による裁決(過年度裁決)に係る裁決書を受領しておらず、①当該外国法人が関連者等に該当するという認識がなかったこと、②原処分庁の過年度の法人税更正処分における関連者等に係る支払利子等の損金不算入額及び超過利子額は確定した金額ではなかったことから、本件確定申告書に本件適用金額の申告の記載及び明細書を添付することができなかったのであり、当該各事情は、租税特別措置法第66条の5の3第9項に規定する「やむを得ない事情」に該当する旨主張する。しかしながら、①当該外国法人が請求人の関連者に該当する事実は過年度の確定申告時には既に生じ、関連者等に該当していたのであるから、裁決書の受領によって関連者等に該当することを認識したという請求人の主張する事情は請求人の主観的な事情にすぎず、また、②原処分庁の過年度の法人税更正処分により生じた関連者等に係る支払利子等の損金不算入額及び超過利子額が過年度裁決によってその後に変動があったとしても、そのことが直ちに本件確定申告書申告に本件適用金額の申告の記載及び明細書の添付ができなかった理由にはならない。したがって、請求人の主張する事情は、「やむを得ない事情」には該当しない。(令3. 3. 8 大裁(法)令2-39)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令020032
裁決年月日
令和2年11月11日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、請求人の各国外関連者(本件各国外関連者)との間には密接な関連性があることなどからすれば、残余利益分割法の適用に当たり、本件各国外関連者ごとに個別に分割対象利益を算定することは誤りであり、請求人及び本件各国外関連者の各取引を一体として分割対象利益を算定しなければならない旨主張する。しかしながら、本件の国外関連取引に係る製品は本件各国外関連者がそれぞれ別個独立して製造していることなどからすれば、本件各国外関連者ごとに区分して残余利益分割法を適用し分割対象利益を算定するのが合理的と認められる。(令2.11.11東裁(法)令2-32)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令020032
裁決年月日
令和2年11月11日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、請求人の国外関連者との間の各取引(本件各国外関連取引)の対価の額について、それぞれ他の取引の価格を考慮して設定していないことなどから、本件各国外関連取引を一の取引として独立企業間価格を算定すべきでない旨主張する。しかしながら、本件各国外関連取引は取引目的及び内容等に照らし密接な関係にあるといえ、さらにその価格設定においても、取引ごとに独立して行われたものではなく各取引の関連性を考慮して行われたものであることなどからすれば、一の取引とみて独立企業間価格を算定するのが相当である。(令2.11.11東裁(法)令2-32)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令020032
裁決年月日
令和2年11月11日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、請求人の国外関連者において、工場閉鎖等により多額の費用が生じていることから工場閉鎖等の費用は分割対象利益の計算上考慮すべきであり、また、当該国外関連者のみが発生に寄与しているコスト削減に係る利益は分割対象利益から除外すべきであるから、残余利益分割法における分割対象利益の計算に誤りがある旨主張する。しかしながら、請求人が主張する工場閉鎖等の費用は、その計上された事業年度の事業活動の直接の結果を示す費用であるとは認められず、請求人と当該国外関連者との間の各取引に係る営業損益の算定基礎とされるものではないから、これらの額を分割対象利益の計算上、考慮する必要はない。また、コスト削減に関する当該国外関連者の活動は、製造業を営む法人が通常行うものであって、基本的活動の域を超えるものとは認められないから、当該活動から生じる利益を分割対象利益から除外する必要はない。(令2.11.11東裁(法)令2-32)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令020032
裁決年月日
令和2年11月11日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、請求人の分割要因とされた請求人の研究開発費用(本件費用)について、請求人が行う研究開発活動に対して請求人の国外関連者が支払った対価の額は当然に当該国外関連者の分割要因とされるべきであるとともに、本件費用の中に含まれている残余利益の発生に全く寄与しない費用について、請求人の分割要因から除かなければならない旨主張する。しかしながら、本件費用に係る研究開発活動において、請求人は重要な無形資産の形成に貢献し、又は独自の機能を果たしていると認められるところ、国外関連者が多大な貢献を果たしているとは認められないことから、本件費用を国外関連者の分割要因とすべきとは認められない。また、当該研究活動は、顧客からの要請に基づく製品開発に資するために実施されたものであり、残余利益の発生に寄与していることから、本件費用の額は請求人の分割要因として認められる。(令2.11.11東裁(法)令2-32)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令020032
裁決年月日
令和2年11月11日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、請求人の国外関連者の分割要因について、当該国外関連者の一部門が行う歩留り改善、生産性向上及びコスト削減に係る活動などが、利益の獲得に大きく貢献していることから、これらの活動に係る費用も当該国外関連者の分割要因に含めるべきである旨主張する。しかしながら、製造業においては製品製造時における生産性や品質の改善、歩留りの改善などの業務は一般的に行われているものであり、請求人の主張する活動が、そのような製造業の一般的な業務の範囲を超え、基本的活動のみを行う法人の営業利益では包摂されない超過利益の源泉となっているとは認められないことなどから、これらの活動に係る費用は、基本的利益に包括されるものとするのが相当である。(令2.11.11東裁(法)令2-32)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令020032
裁決年月日
令和2年11月11日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、原処分庁が選定した請求人の各比較対象法人(本件各比較対象法人)はいずれも比較可能性がない旨、また、利益水準指標としては販売に係るコストを基準として利益率を求めるベリー比(営業費用売上総利益率)がより適切である旨主張する。しかしながら、原処分庁が設定した比較対象法人の選定基準には相応の合理性が認められ、本件各比較対象法人を請求人の比較対象法人とすることは相当と認められる。そして、本件の国外関連取引において、請求人が果たした機能の価値は当該国外関連取引の対象となった製品の販売先への売上げとの間に関係があると認められることから、請求人の利益指標には売上高営業利益率を用いるのが合理的である。(令2.11.11東裁(法)令2-32)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令020032
裁決年月日
令和2年11月11日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、請求人の国外関連者との間の各取引(本件各国外関連取引)の一方の当事者である請求人に重要な無形資産はないことから、本件各国外関連取引の独立企業間価格を算定するうえで残余利益分割法は合理的な方法ではない旨主張する。しかしながら、請求人は重要な無形資産を有し、当該無形資産による貢献又は独自の機能が果たされることにより、残余利益を生み出していると認められることから、本件における独立企業間価格の算定に当たっては、残余利益分割法を選定することが相当と認められる。(令2.11.11東裁(法)令2-32)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令020032
裁決年月日
令和2年11月11日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○原処分庁が選定した請求人の国外関連者の各比較対象法人(本件各比較対象法人)について、原処分庁はいずれも比較可能性がある旨主張する一方、請求人は、いずれも比較可能性がない旨、また、当該国外関連者の基本的利益の算定の基礎となる総費用には、請求人に対する手数料相当額を含めて計算されなければならない旨主張する。しかしながら、原処分庁が設定した比較対象法人の選定基準には相応の合理性が認められるところ、本件各比較対象法人の一部については、事業の内容、棚卸資産の種類、売り手又は買い手の果たす機能、取引段階において差異があり、基本的利益の計算に用いる利益水準指標の算定に重大な影響を及ぼす可能性が高いことから当該国外関連者の比較対象法人とすることは相当ではないが、その他の法人を比較対象法人とすることは相当と認められる。 そして、本件の分割対象利益は、対象となった国外関連取引に係る請求人の営業利益と当該国外関連者の営業利益の合計額となり、請求人と当該国外関連者との取引額は一方で費用、他方で収益として計上されることにより、請求人に対する手数料相当額も分割対象利益に含まれないことになるのであるから、当該分割対象利益を基礎とする当該国外関連者の基本的利益の算定に当たって、当該国外関連者の総費用に請求人に対する手数料相当額を含めなかったことは合理的である。(令2.11.11東裁(法)令2-32)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
仙台
裁決番号
令020006ほか 1件
裁決年月日
令和2年9月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○米国に所在する請求人の外国関係会社は、米国の内国歳入法典第831条(b)項の適用を選択したことにより、課税所得に対する課税に代えて、保険料収入以外の投資等に係る収入から同収入に係る費用を控除した課税投資所得に対し課税されているところ、請求人は、租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)第39条の14《特定外国子会社等の範囲》第1項第2号及び同条第2項第2号に規定する租税の額は、米国における当該外国関係会社の全ての所得を基に算出された金額とすべきであり、これによって計算すれば、当該外国関係会社の当該所得に対して課される租税の額は当該所得の金額の100分20以上となるから、当該外国関係会社は、租税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の益金算入》第1項に規定する特定外国子会社等に該当しない旨主張する。しかしながら、租税特別措置法施行令第39条の14第1項第2号及び同条第2項第2号に規定する租税の額は、課税投資所得を基に算出された金額となるから、当該外国関係会社の所得に対して課される租税の額は当該所得の金額の100分20未満となり、当該外国関係会社は特定外国子会社等に該当する。(令2.9.25仙裁(法)令2-6)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
仙台
裁決番号
令020006ほか 1件
裁決年月日
令和2年9月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、請求人の特定外国子会社等が非関連者との間で締結した再保険に係る元受保険(本件元受保険)は、保険証券の「保険の目的」に請求人が販売した住宅設備が記載されていることからすれば、本件元受保険の目的は請求人が販売した住宅設備であり、税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の益金算入》第3項第1号及び租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)第39条の17《特定外国子会社等の事業の判定等》第10項第5号括弧書(本件括弧書)に規定する「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険」に該当し、非関連者基準を満たす旨主張する。しかしながら、本件元受保険に係る契約において、①保険者は、被保険者(請求人)が住宅設備の瑕疵に係る責任を負担することによって被る損害について保険金を支払うこと、②①の損害の内容は請求人の支出した金額とすることが定められていることからすれば、本件元受保険契約がてん補するのは、請求人に生じた損害であると認められ、保険証券の記載は本件元受保険の対象となる生産物の範囲を示したものにすぎないから、本件再保険は本件括弧書の規定に該当せず、非関連者基準を満たさない。(令2.9.25仙裁(法)令2-6)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
令010043
裁決年月日
令和2年3月19日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人が、請求人の従業員を租税特別措置法第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》第1項に規定する国外関連者(本件国外関連者)の工場に出張させて、本件国外関連者の製造する部品(本件部品)に係る技術支援(本件技術支援)を行わせていた事実をもって、本件技術支援は、請求人が本件国外関連者との間で行った役務の提供である旨主張する。しかしながら、本件技術支援の対象である本件部品は、フィリピンに所在する法人が製造する製品の基幹部品であり、請求人は、このフィリピンに所在する法人との間で締結した技術支援契約に基づき、本件技術支援を行ったことがうかがわれるから、本件技術支援は本件国外関連者との間で行った役務の提供であったと認めることはできない。(令2. 3.19 関裁(法)令元-43)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令010088
裁決年月日
令和2年3月18日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連者との間の部品販売取引、技術実施許諾取引及び役務提供取引(本件国外関連取引)は、個々の取引が独立企業間価格で行われているのであるから、本件国外関連取引を一体として独立企業間価格を算定することには合理性がない旨主張する。しかしながら、本件国外関連取引は、製造に必要な特許権、ノウハウ等の使用許諾を行う技術実施許諾取引がその中心となり、部品販売取引により製品の製造に必要な部品を販売するとともに、役務提供取引により製品を製造するために必要な技術指導等を行っているものであり、また、技術実施許諾取引に係る対価の金額は部品販売取引の価格と密接に関連しているため、複数の取引が、その目的、取引内容等からみて、一体として行われているような場合に該当することから、本件国外関連取引については一の取引として独立企業間価格を算定するのが合理的である。(令2. 3.18 東裁(法)令元-88)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令010088
裁決年月日
令和2年3月18日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が選定した請求人の比較対象取引(本件比較対象取引)について、比較対象取引の選定過程において合理性の乏しい基準を用いて不適切な絞り込みが行われていることから、本件比較対象取引に比較可能性はない旨主張する。しかしながら、本件比較対象取引の選定基準は、租税特別措置法関係通達66の4(3)-3《比較対象取引の選定に当たって検討すべき諸要素等》に定める比較可能性の5要素を勘案したものであり、公開情報から入手可能な財務データを基に、事業内容及び機能、適用される独立企業間価格の算定方法の特徴等を踏まえ、情報の信頼性や開示の詳細度についても検討されており、比較対象取引を行う法人の候補から、明らかに比較可能性がないと認められる取引を除外するために設けられた定量的・定性的基準として相応の合理性が認められる。また、当事者が果たす機能の類似性という観点から、本件比較対象取引には相応の合理性が認められ、必要な差異調整も適切に行われている。よって本件比較対象取引には比較可能性があるものと認められる。(令2. 3.18 東裁(法)令元-88)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令010088
裁決年月日
令和2年3月18日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、独立企業間価格の算定において、請求人の国外関連者(本件国外関連者)が主導して行った部品の現地調達化による原価低減により営業利益の改善がなされ、これらにより生じた利益については本件国外関連者に帰属すべきであり、かかる差異について適切な調整がされるべきである旨主張する。しかしながら、一般的に営利を追求する法人であれば、原価の低減を図るべく仕入先との価格交渉やより廉価な材料仕入れの選定などの活動等を継続的に行っており、当該活動等を行っていることのみでは基本的活動を行っている法人と差異はないものと解され、差異調整の必要性は認められない。(令2. 3.18 東裁(法)令元-88)

支部名
東京
裁決番号
令010050
裁決年月日
令和元年12月10日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国関係会社(本件外国関係会社)が積み立てた保険準備金(本件保険準備金積立額)は、決算により作成された財務諸表ではなく、決算後に修正された財務諸表の記載内容のとおり、傷害保険に係る準備金に該当することとなり、租税特別措置法施行令第39条の14《特定外国子会社等の範囲》第2項第1号ニに規定する「異常危険準備金に類する準備金」に該当せず、その結果、本件外国関係会社の本店所在地国における租税負担割合は100分の20以上となり、本件外国関係会社は租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の益金算入》第1項に規定する特定外国子会社等には該当しない旨主張する。しかしながら、租税負担割合の計算における所得の金額の計算を行うに当たっては、決算について外国関係会社の本店所在地国の法令の重大な違反があり、又はその決算により作成された財務諸表の記載内容自体が矛盾しているなど、当該決算により作成された財務諸表の記載内容を基礎として計算を行うことが不当であると認められるような特段の事情がない限り、当該決算により作成された財務諸表の記載内容を基礎とすべきであると解されるところ、本件においては、上記のような特段の事情があるとは認められないことから、本件保険準備金積立額は、決算により作成された財務諸表の記載内容のとおり、賠償責任保険に係る準備金に該当することとなり、賠償責任保険は「異常危険準備金に類する準備金」に該当する結果、本件外国関係会社の本店所在地国における租税負担割合は100分の20未満となり、本件外国関係会社は特定外国子会社等に該当する。(令元.12.10 東裁(法)令元-50)

支部名
東京
裁決番号
令010024
裁決年月日
令和元年9月3日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、バミューダ諸島に所在する請求人の特定外国子会社等が非関連者である保険会社との間で締結した再保険に係る元受保険(本件元受保険)は、当該保険会社と請求人の関連者(本件海外子会社)が締結したものであるところ、その実体は、本件海外子会社の顧客(本件顧客)に帰属する保険危険を担保する保険であり、租税特別措置法施行令(平成28年政令第159号による改正前のもの)第39条の117《連結法人に係る特定外国子会社等の事業の判定等》第8項第5号括弧書(本件括弧書)の趣旨によれば、本件括弧書に規定する保険に当然に含まれるから非関連者基準を満たす旨主張する。しかしながら、本件元受保険は、非関連者である本件顧客の死亡、失業又は全身の障害という保険事故に関し一定の保険給付を行うことを約する内容のものであり、本件海外子会社が有する債権の回収を確実にすることがその契約上予定されていることからすると、本件元受保険は、本件顧客が有する資産に生ずる損害又は本件顧客が損害賠償責任を負うことによって被る損害の填補を約する内容のものとは認められず、本件括弧書の文言をその通常の用法に従って解釈すれば、本件元受保険は、本件括弧書に規定する「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険」に該当しないことから、租税特別措置法第68条の90《連結法人に係る特定外国子会社等の個別課税対象金額等の益金算入》第3項第1号に掲げる非関連者基準を満たしていない。(令元. 9. 3 東裁(法)令元-24)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令010018
裁決年月日
令和元年8月5日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の益金算入》第2項第1号に規定する特殊関係非居住者とは、外国法人の株式等を有する居住者との間に特殊な関係がある非居住者に限定して解釈すべきである旨主張する。しかしながら、居住者と親族の関係のある非居住者は特殊関係非居住者に該当することが文理解釈によって規定の意味内容は明らかであり、目的論的解釈をするまでもない。したがって、請求人の主張には理由がない。(令元. 8. 5 東裁(法)令元-18)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
令010018
裁決年月日
令和元年8月5日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人に係る特定外国子会社等は、船舶卸売業を目的として設立され、当該設立目的に沿って事業が遂行されてきたこと、定期用船として船舶を貸し付けていることは船舶卸売業の付随事業にすぎないこと、仮に船舶卸売業と定期用船業の複数の事業を行っているとしても、収入金額、所得金額、使用人の数及び固定施設の状況等を総合的に勘案しすると主たる事業は船舶卸売業になることから、当該特定外国子会社等の主たる事業は卸売業であり、船舶の譲渡先が全て関連者以外の者であるため、非関連者基準を充足する旨主張する。しかしながら、当該特定外国子会社等は、その所在地国において、自らの事業内容は用船又は用船に関連する事業とする旨の登録又は申告をし、その事業内容のとおり、実際の事業としても保有する船舶を定期用船として貸し付ける事業をしていたと認められるから、当該特定外国子会社等の事業は水運業に該当する。そして、当該特定外国子会社等の定期用船による収入金額の合計額のうちに当該収入金額で関連者以外の者から収入するものの合計額の占める割合が100分の50以下であることから、非関連者基準を充足しない。(令元. 8. 5 東裁(法)令元-18)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令010001
裁決年月日
令和元年7月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、残余利益分割法における比較対象法人の抽出の基準の一つである重要な無形資産を有する可能性のある法人を除外する旨の基準(本件重要無形資産基準)は、単に無形資産を保有していることを理由として、ある法人を比較対象法人から除外する趣旨のものではなく、基礎研究や新素材等の開発を行っているか否かにより、本件重要無形資産基準への該当性を判断しているところ、A社のホームページの記載からは、A社が基礎研究や新素材等の開発を行っていることを把握することができなかったから、A社は比較対象法人から除外されない旨主張する。しかしながら、A社は、そのウェブサイトから、積極的かつ能動的な研究開発を行っていたとうかがわれ、重要な無形資産を有する可能性のある法人に該当するといえ、また、そもそも基礎研究や新素材等の開発を行っていないとしても、そのことをもって直ちに重要な無形資産を有する可能性がないということはできない。(令元. 7. 2 名裁(法)令元-1)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令010001
裁決年月日
令和元年7月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、残余利益分割法における残余利益の分割に当たり、国外関連者(本件国外関連者)が有する重要な無形資産の寄与の程度を測る指標について、①本件国外関連者が製造する製品(本件製品)については、原材料を適切に管理し、その品質を維持することが極めて重要であるし、原材料の無駄をなくすことが不可欠であるところ、甲部門において、原材料の維持管理のための重要なノウハウが蓄積、管理されていること、②原材料の管理に関する改善が甲部門の貢献によってなされており、当該改善は、単なる原価低減等の活動を超えたものであることからすれば、原処分庁が用いた費用の額に、甲部門に係る費用を加えるべきである旨主張する。しかしながら、①については、製品の原材料を適切に管理して品質を維持することや原材料の無駄をなくすことが重要であることは、製造業において一般的に当てはまることであり、請求人の主張する本件製品の製造工程や製品特性から、直ちに本件製品に係る原材料の維持管理のためのノウハウが、分割要因となるべき重要な無形資産であるということはできない。また、②については、甲部門が当該改善活動にどの程度関与したのかは明らかではない上、当該改善活動自体も、それが通常の原価低減の活動・努力の範疇を超えて、基本的活動のみを行う法人の営業利益には含まれない超過利益の源泉となっているとまでは認められない。したがって、残余利益の分割に当たり、本件国外関連者が有する重要な無形資産の寄与の程度を測る費用の額に甲部門に係る費用を加えなかったことには合理性がある。(令元. 7. 2 名裁(法)令元-1)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令010001
裁決年月日
令和元年7月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、残余利益分割法における比較対象法人の抽出の基準の一つである関連者間取引が想定される法人を除外する旨の基準(本件関連者間取引基準)のA社への適用に際して、A社には、国外関連者と同種の事業を主業種とするグループ内の法人が確認できず、A社のホームページの記載から、A社の所在国以外の国に製造関連会社や関連販社が確認できないものの、A社が関連者間取引を行っている旨の記載があることからすれば、A社は、本件関連者間取引基準により比較対象法人から除外される旨主張する。しかしながら、A社のホームページには、製造プロセスの自動化を専門とする会社を子会社化した旨が記載されているにすぎず、当該記載をもって、ホームページにA社が関連者間取引を行っている旨の記載があるとは認められない。したがって、A社は本件関連者間取引基準により比較対象法人から除外されない。(令元. 7. 2 名裁(法)令元-1)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令010001
裁決年月日
令和元年7月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、残余利益分割法における比較対象法人の抽出の基準の一つである関連者間取引が想定される法人を除外する旨の基準(本件関連者間取引基準)のA社への適用に際して、A社が属する企業グループ(Aグループ)内の各法人の具体的機能が明らかでないことや、多国籍企業グループにおける海外法人の役割が多岐にわたること、また、Aグループ内には多数の第三者の代理店が存在することからすれば、A社は本件関連者間取引基準によっては比較対象法人から除外されない旨主張する。しかしながら、Aグループ内企業間において、製造会社が製造した製品を、販売会社に販売していることが想定されるから、製造会社であるA社は関連者間取引が想定される法人に該当するといえ、また、請求人の主張する事情があるからといって、当該製造・販売体制が否定されるわけではない。(令元. 7. 2 名裁(法)令元-1)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令010001
裁決年月日
令和元年7月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、残余利益分割法における比較対象法人の抽出の基準の一つである関連者間取引が想定される法人を除外する旨の基準(本件関連者間取引基準)のA社への適用に際して、A社が属する企業グループ内のA社以外の法人のうち、国外関連者と同種の事業を営んでいる法人は、B社しか確認できなかったところ、A社はB社の株式を41%しか保有しておらず、B社はA社に係る国外関連者に該当しないから、仮にA社とB社との間に何らかの取引があったとしても、当該取引は関連者間取引には該当せず、A社は本件関連者間取引基準により比較対象法人から除外されない旨主張する。しかしながら、A社は、当該国外関連者と同種の事業を営むC社の株式の90%を保有しており、A社が製造した製品をC社に販売し、C社が当該製品を顧客に販売していることが想定されるから、A社は、本件関連者間取引基準にいう関連者間取引が想定される法人に該当するといえる。(令元. 7. 2 名裁(法)令元-1)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令010001
裁決年月日
令和元年7月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、残余利益分割法における比較対象法人の抽出の基準の一つである重要な無形資産を有する可能性のある法人を除外する旨の基準(本件重要無形資産基準)のA社への適用に際して、①A社は、未公開の特許情報がある法人には該当せず、②A社が市場シェアで影響力を有していることは重要な無形資産を有する可能性に直結するものではなく、③A社が行っている研究開発の内容は不明瞭であって、重要な無形資産の保有とは関連しない可能性も存在することからすれば、A社は、本件重要無形資産基準により比較対象法人から除外されない旨主張する。しかしながら、A社は、研究開発活動に対する大規模な投資を積極的に行うことで、超過利益獲得の源泉となる重要な無形資産を生み出していると考えられるから、請求人が主張する事実が認められたとしても、A社は本件重要無形資産基準にいう重要な無形資産を有する可能性のある法人に該当するといえる。(令元. 7. 2 名裁(法)令元-1)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令010001
裁決年月日
令和元年7月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁は、残余利益分割法に準ずる方法と同等の方法(本件方法)について抽象的に述べるのみで、本件方法の具体的内容を明らかにしていないため、請求人において、課税要件である独立企業間価格の算定方法が具体的にどのようなものであるかを判断することができないから、本件方法を最適方法として適用することの実体的な適法性要件を欠いている旨主張する。しかしながら、本件の国外関連取引に係る独立企業間価格の算定に際しては、基本三法と同等の方法を用いることができず、請求人及び国外関連者は、各事業年度において、いずれも、当該国外関連取引に係る所得の源泉である重要な無形資産を有しており、当該国外関連取引の両当事者が独自の機能を果たすことにより、当該国外関連取引において請求人及び当該国外関連者が独自の価値ある寄与をしていることが認められる。そうすると、請求人及び当該国外関連者が分割対象利益の発生に寄与した程度を推測するにふさわしいものを用いた合理的な配分方法である本件方法を用いることが最適方法といえる。(令元. 7. 2 名裁(法)令元-1)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令010001
裁決年月日
令和元年7月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、残余利益分割法における比較対象法人の抽出に際しては比較可能性が求められるが、①法人の所在国が異なっていれば原則として比較可能性がないというべきところ、原処分庁は、複数国から比較対象法人を選定したうえで、二つの要因(主な取引先と想定される諸国の景気動向及び人件費等の生産コスト)のみしか考慮していない点で失当であるし、当該複数国に所在する国外関連者と同種事業を営む法人において、これらの要因が共通すると決め付けている点で誤っている旨及び②原処分庁が選定した比較対象法人(本件比較対象法人)と同種事業を営む法人の売上高営業利益率の平均及び経済成長率並びに為替相場の変動の程度等が、それぞれの国の間で異なることなどからすれば、当該複数国の各国間には、経営環境等について重大な差異がある旨主張する。しかしながら、①については、比較対象法人の選定における市場の特定は、地理的要因に加えて、比較対象法人の候補となる法人の経済活動やその性質等の事情を踏まえて判断すべきであり、所在国が異なるという点のみで比較可能性が一概に否定されるものではなく、また、主な取引先と想定される諸国の景気動向により受ける影響や人件費等の生産コスト以外に、本件比較対象法人のうち当該国外関連者の所在地国以外に所在する法人の比較可能性を失わせるほどの事情は認められない。②については、本件比較対象法人と同種事業を営む法人の売上高営業利益率の平均及び経済成長率並びに為替相場の変動の程度等が、当該複数国の各国の間で異なることをもって、直ちに、本件比較対象法人のうち当該国外関連者の所在地国以外に所在する法人には比較可能性がないということはできない。(令元. 7. 2 名裁(法)令元-1)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
令010001
裁決年月日
令和元年7月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、残余利益分割法における基本的利益の算定に用いる指標について、国外関連者(本件国外関連者)の利益の源泉は本件国外関連者が所有する大規模設備であるから、本件国外関連者が得る基本的利益の算定に当たっては、事業用資産営業利益率を用いるのが適切である旨、事業用資産営業利益率の使用に際しては事業用資産の評価等に留意しなければならないという問題点があるが、このことをもって、売上高営業利益率を製造業者へ用いることが正当化されるものではない旨主張する。しかしながら、入手可能な財務情報に記載されている売上高の数値は、費用や資産の数値とは異なり、当該財務情報に記載されている数値を調整することなく使用できるから、正確性を担保できること、法令等にも売上高営業利益率が例示されていること、日本国外に所在する法人については、当該法人の損益等に係る入手可能かつ信頼できる情報が限られていることからすれば、平均売上高営業利益率が最も適切な利益指標と認められる。(令元. 7. 2 名裁(法)令元-1)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平300163
裁決年月日
令和元年6月20日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が①租税特別措置法(措置法)第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の益金算入》第3項に規定する特定事業に係る事業基準の趣旨を無視ないし軽視し、著作権の提供の範囲を際限なく拡張した文言の拡張解釈をしている旨及び②特定外国子会社等が、自ら著作物を創作又は二次的著作物を創作するといった開発活動を行っている場合は、著作権の提供を事業として行っていることにはならない旨主張する。しかしながら、各海外子会社(本件各海外子会社)は、サブライセンサーとしての地位に基づき、その業務の中で著作物の現地化による二次的著作物の開発等も行っているが、当該二次的著作物に係る権利は請求人等に帰属するとした上で、最終的にサブライセンシーとの間でサブライセンス契約を締結しており、当該開発等に係るデザイン料等を別途請求することなく、当該契約に定められたロイヤリティ料率等に基づいてロイヤルティ収入を得ていると認められる。これらの点に鑑みると、本件各海外子会社が得るロイヤルティ収入に係る事業は、措置法第66条の6第3項及び措置法第68条の90《連結法人に係る特定外国子会社等の個別課税対象金額等の益金算入》第3項に規定する著作権の提供を事業とするものに該当すると認められる。(令元. 6.20 東裁(法)平30-163)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平300040
裁決年月日
平成30年12月14日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集№113

要旨

○ 請求人は、請求人に剰余金の配当を行った海外法人(本件法人)が法人税法施行令第22条の4《外国子会社の要件等》第1項第2号に規定する要件を満たす外国子会社に該当するか否かは、「議決権のある株式の金額」等を判断基準とするものと解され、これによれば同号に規定する割合は100分の25以上となるから、当該配当を行った日において本件法人は外国子会社に該当する旨主張する。しかしながら、外国法人が株式会社である場合、外国子会社の判断基準は「株式の数」であると解するのが相当であるところ、これによれば本件法人の同項各号に規定する割合は、当該配当を行った日においていずれも100分の25未満であると認められるのであるから、本件法人は外国子会社には該当しない。(平30.12.14 大裁(法)平30-40)

支部名
東京
裁決番号
平300058
裁決年月日
平成30年11月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、法人税の確定申告において、租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第42条の4《試験研究を行った場合の法人税額の特別控除》(本件措置法)第2項に規定する中小企業者等が試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(本件特別控除)を適用するに当たり、確定申告書に別表六(六)を添付すべきところ、誤って別表六(七)を添付したが、当該別表の添付をもって本件特別控除の適用を受ける旨の意思表示があったとみることができ、当該別表に同条第8項に規定する「試験研究費の額」が記載してあることからこの金額を用いて更正の請求により本件特別控除を適用することができる旨主張する。しかしながら、本件特別控除により控除される金額は、租税特別措置法第2条《用語の意義》第2項第27号に規定する確定申告書等に添付した別表六(六)に記載された試験研究費の額を基礎として計算した金額に限られるところ、請求人は、確定申告書に別表六(六)を添付していないから、本件措置法第8項に規定する要件を満たしておらず、更正の請求によって、本件措置法第2項に規定する本件特別控除の適用を受けることはできない。(平30.11. 1 東裁(法)平30-58)

支部名
東京
裁決番号
平300032
裁決年月日
平成30年9月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の開発部門(本件開発部門)は、これまで社会に存在していない、流通していないアイデア、新しい技術から生まれる事業の創出を試験研究する部署であり、本件開発部門に従事する者(本件従事者)は、プロジェクト計画における設計、試作、開発、評価、分析、データ収集といった研究活動に従事していることから、本件開発部門の試験研究活動に係る費用(本件費用)は、研究開発促進税制の適用時の社会・経済環境を踏まえた上で社会一般常識に従って判断すると、請求人の製品の製造に関する試験研究費用であり、租税特別措置法第42条の4《試験研究を行った場合の法人税額の特別控除》第6項第1号(本件条文)に規定する試験研究費に該当する旨主張する。しかしながら、本件費用は、請求人が行う家事支援サービス(本件サービス)の顧客獲得のための広告宣伝費や本件サービスに従事する者等の募集に要する費用等、本件従事者が本件サービスの事業拡大に向けてホームページの作成等をする人件費等であり、いずれも本件サービスを提供するために要する費用にすぎず、本件条文に規定する製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る「試験研究のために要する費用」に該当しない。(平30. 9. 6 東裁(法)平30-32)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平300010
裁決年月日
平成30年8月27日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302599000
争点
25その他の特例/10その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の役員とA国法人の役員を兼任していた者は、請求人の経営実務に一切関与しておらず、勤務実態もない名義上の役員であることなどから、請求人とA国法人との間には、租税特別措置法施行令第39条の13の2《関連者等に係る支払利子等の損金不算入》第8項第3号に規定する「いずれか一方の法人が他方の法人の事業の方針の全部又は一部につき実質的に決定できる関係」がなく、A国法人は請求人の関連者等に該当しない旨主張する。しかしながら、①請求人の事業年度(X年○月期)終了の時において、A国法人の役員の2分の1以上が請求人の役員を兼務している者であること、②請求人はA国法人からの多額の借入金及び未払利息があるが、A国法人は法的な回収方法を採らずに休眠状態となっていることから、請求人とA国法人との間に、請求人がA国法人の「事業の方針の全部又は一部につき実質的に決定できる関係」があったと強く推認され、A国法人は請求人の関連者等に該当する。(平30. 8.27 大裁(法)平30-10)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平300010
裁決年月日
平成30年8月27日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302599000
争点
25その他の特例/10その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人とA国法人との間には、租税特別措置法施行令第39条の13の2《関連者等に係る支払利子等の損金不算入》第8項第2号に規定する個人及びこれと特殊の関係のある個人によって「それぞれその発行済株式等の総数又は総額の100分の50以上の数又は金額の株式等を直接又は間接に保有される場合における当該二の法人の関係」がないから、A国法人は請求人の関連者等に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人の事業年度(X+1年○月期)終了の時において、請求人とA国法人は、同一の者(個人及びその親族)によって、請求人の発行済株式総数の約95.3%を、A国法人の発行済株式総数の52.0%をそれぞれ直接保有されていたから、A国法人は請求人の関連者等に該当する。(平30. 8.27 大裁(法)平30-10)

支部名
東京
裁決番号
平300025
裁決年月日
平成30年8月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法施行令(措置法施行令)第39条の16《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額の計算等》第1項が「請求権勘案保有株式等」の判断基準時点を事業年度末としている点を機械的に解釈・適用して行われた合算課税は、経済的にみて担税力のないところに課税するものであり、取引の実態を無視した違法なものである旨、実質的に利益が配当として流出済であって、所得が存在しないにもかかわらず合算課税が生ずるような帰結を招く措置法施行令の解釈は、法律による委任の趣旨に反し、違法・無効とならざるを得ない旨、さらに、そのような解釈をした外国子会社合算税制は、「全体として合理性のある制度」ではあり得ず、我が国の締結する租税条約の多くに違反するものとなってしまう旨主張する。しかしながら、租税法規は、多数の納税者間の税負担の公平を図る観点から、法的安定性の要請が強く働くから、その解釈は、原則として文理解釈によるべきであり、文理解釈によっては規定の意味内容を明らかにすることが困難な場合に初めて、規定の趣旨・目的に照らしてその意味内容を明らかにする目的論的解釈が行われるべきであって、みだりに拡張解釈や類推解釈を行うべきではないと解されるところ、措置法施行令第39条の16第1項に規定する割合は、その文言どおり、特定外国子会社等の各事業年度終了の時の現況によるものと解され、文理解釈によって規定の意味内容は明らかであり、目的論的解釈をするまでもない。なお、審判所は、原処分庁が行った処分について、国税に関する法令に反する違法な処分等であるか否かを判断する機関であって、その処分の基となった法令自体の違法、無効又は条約違反を判断することは、その権限に属さないことである。(平30. 8. 1 東裁(法)平30-25)

支部名
東京
裁決番号
平300006
裁決年月日
平成30年7月2日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 保険業を営む請求人の外国関係会社は、米国の内国歳入法典第831条(b)項の適用を選択したことにより、総収入から費用等を控除した所得(課税所得)に対する課税に代えて、保険料収入以外の投資等に係る収入から同収入に係る費用を控除した投資所得(課税投資所得)に対し課税されているところ、請求人は、租税特別措置法施行令第39条の14《特定外国子会社等の範囲》第1項第2号の計算に当たっては、課税所得を基に算出された金額が租税の額となるから、当該外国関係会社の所得に対して課される租税の額が当該所得の金額の100分20を超えることとなり、当該外国関係会社は、租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額等の益金算入》第1項に規定する特定外国子会社等に該当しない旨主張する。しかしながら、租税特別措置法施行令第39条の14第2項第2号に規定する課される外国法人税の額は、課税投資所得を基に算出された金額となるから、当該外国関係会社の所得に対して課される租税の額は当該所得の金額の100分20以下となり、当該外国関係会社は租税特別措置法第66条の6第1項に規定する特定外国子会社等に該当する。(平30. 7. 2 東裁(法)平30-6)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平290101
裁決年月日
平成30年3月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、コスト削減による利益は、いずれも国外関連者がその発生に寄与したものであるから、分割対象利益から除外すべきであり、原処分庁が行った分割対象利益の計算に当たって用いた数値も相当ではないことから、残余利益分割法における分割対象利益の計算に誤りがある旨主張する。しかしながら、コスト削減に関する当該国外関連者の活動は、通常行うコスト削減活動であって、基本的活動の域を超えるものではないから、分割対象利益から除外すべきとは認められない。そして、請求人が原処分庁へ提出した資料の数値が不合理なものとは認められないことから、原処分庁がこれをもとに分割対象利益を算定していることについて不合理とする理由もない。(平30. 3.20 東裁(法)平29-101)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平290101
裁決年月日
平成30年3月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁が選定した請求人の国外関連者の各比較対象法人について、原処分庁はいずれも比較可能性がある旨主張する一方、請求人は、いずれも比較可能性がなく不適切である旨、また、当該国外関連者の基本的利益の算定において、請求人に対する手数料相当額が総費用に含まれていないことなどから、適正に計算されていない旨主張する。審判所の調査及び審理の結果によれば、原処分庁が設定した比較対象法人の選定基準には相応の合理性が認められるところ、原処分庁が選定した比較対象法人の一部は当該国外関連者と業種が異なることから、当該国外関連者の比較対象法人とすることは相当ではないものの、その他の法人を比較対象法人とすることは相当と認められる。そして、本件の分割対象利益は、各国外関連取引に係る請求人の営業利益と当該国外関連者の営業利益の合計額となり、請求人と当該各国外関連者との取引額は一方で費用、他方で収益として計上されることにより当該分割対象利益に含まれないことになるのであるから、当該国外関連者の基本的利益の算定は合理的である。(平30. 3.20 東裁(法)平29-101)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平290101
裁決年月日
平成30年3月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁が選定した請求人の各比較対象法人について、原処分庁はいずれも比較可能性がある旨主張する一方、請求人は、いずれも比較可能性がなく不適切である旨、また、本件の製品の販売において営業活動はほとんど必要なく売上げが変動しても利益への影響はわずかであることから、請求人の利益指標には売上高営業利益率ではなく、ベリー比が適切である旨主張する。審判所の調査及び審理の結果によれば、原処分庁が設定した比較対象法人の選定基準には相応の合理性が認められるところ、原処分庁が選定した比較対象法人の一部は請求人と業種が異なることから、請求人の比較対象法人とすることは相当ではないものの、その他の法人を比較対象法人とすることは相当と認められる。そして、本件の国外関連取引において、請求人の機能の価値は当該国外関連取引の対象となった製品の販売先への売上げに比例するものであって、営業費用に比例するものではないことから、請求人の利益指標には売上高営業利益率を用いるのが合理的と認められる。(平30. 3.20 東裁(法)平29-101)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平290101
裁決年月日
平成30年3月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の国外関連者との間の各取引(本件各国外関連取引)は密接不可分の関係になく、価格設定も個別に行われ、それぞれが相互に影響を受けていないから、本件各国外関連取引を一の取引として独立企業間価格を算定する合理性はなく、また、本件各国外関連取引は個別の取引として基本三法を用いて独立企業間価格を算定することができる旨主張する。しかしながら、本件各国外関連取引は、取引目的及び内容等に照らし、密接な関係にあるといえ、さらにその価格設定においても相互に影響を受けるものと認められることから、一の取引とみて独立企業間価格を算定するのが相当であり、また、個々の取引について比較対象取引を把握することができないことから、基本三法を用いることはできない。(平30. 3.20 東裁(法)平29-101)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平290101
裁決年月日
平成30年3月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の製品の品質は競合他社と同じ水準にあり、その生産工程や技術等についても競合他社と大きな違いはないことなどから、本件において残余利益分割法は適用できず、取引単位営業利益法等又は寄与度利益分割法が最も合理的な独立企業間価格の算定方法である旨主張する。しかしながら、本件の各国外関連取引については、密接な関係にあることなどから、一の取引とみて独立企業間価格を算定することが合理的であり、請求人及び請求人の国外関連者は、重要な無形資産を有し、その貢献により重要な無形資産を有しない非関連者間取引において通常得られる利益を超える利益を得ていたと認められることから、本件における独立企業間価格の算定方法については、残余利益分割法を用いることが最も適切である。(平30. 3.20 東裁(法)平29-101)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平290101
裁決年月日
平成30年3月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人と請求人の国外関連者との間には貨幣購買力に大きな乖離が生じているにも関わらず、それぞれに発生した費用を調整することなく請求人及び当該国外関連者の分割要因を算定したことは誤りである旨主張する。しかしながら、本件において当該国外関連者の所在地国の貨幣購買力を請求人所在地国の貨幣購買力と同じ水準に調整して独立企業間価格を算定した場合、算出される当該国外関連者に帰属することとなる利益の額は、当該国外関連者が請求人所在地国において事業活動を行った場合に得られるであろう利益の額となり、貨幣購買力の乖離について調整を行うことはかえって矛盾した結果を招くこととなるほか、分割要因のみについて貨幣購買力の乖離を調整することに合理的な理由を見いだすことはできない。(平30. 3.20 東裁(法)平29-101)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平290101
裁決年月日
平成30年3月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人の分割要因について、請求人は、請求人が行う研究開発に係る活動はその委託者である請求人の国外関連者に帰属することなどから、研究開発費用の額は請求人ではなく当該国外関連者の分割要因とすべきである旨主張する。しかしながら、請求人が当該研究開発活動において果たした機能等は重要な無形資産の形成等に貢献していることから、当該研究開発費用の額は請求人の分割要因として合理的である。また、当該国外関連者の分割要因について、請求人は、当該国外関連者が行う一般的な品質管理の範囲を超えた品質改善等の業務は利益の獲得に貢献しているから、これらの業務に係る費用も当該国外関連者の分割要因に含めるべきである旨主張し、原処分庁は、当該国外関連者の技術開発を行う部門に係る間接部門等の費用は技術開発に要した費用ではないから、これの費用は当該国外関連者の分割要因に含めるべきではない旨主張する。しかしながら、当該品質改善等の業務は、製造業において一般的に行われているものであるから、一部を除き分割要因に含まれない一方、当該間接部門等の費用は技術開発に要した費用と認められるから、当該国外関連者の分割要因に含めるべきである。(平30. 3.20 東裁(法)平29-101)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平290082
裁決年月日
平成30年2月7日
裁決結果
棄却
争点番号
302508000
争点
25その他の特例/8過少資本
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人と金銭の借入れに係る貸主との間には、租税特別措置法施行令第39条の13《国外支配株主等に係る負債の利子等の課税の特例》第11項第3号に規定する事業の方針の全部又は一部につき実質的に決定できる関係があるとは認められないから、当該貸主は、請求人の租税特別措置法第66条の5《国外支配株主等に係る負債の利子等の課税の特例》第4項第1号に規定する国外支配株主等に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人は、その事業活動に必要とされる資金の相当部分を非居住者である当該貸主からの借入れにより調達しているから、租税特別措置法施行令第39条の13第11項第3号ロに該当し、請求人と当該貸主との間に租税特別措置法第66条の5第4項第1号に規定する特殊の関係があるから、当該貸主は請求人の国外支配株主等に該当する。(平30. 2. 7 東裁(法)平29-82)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平290008
裁決年月日
平成29年9月26日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集№108

要旨

○ 原処分庁は、請求人の国外関連者に当たる子会社(本件子会社)に対する米ドルの各貸付け(本件各貸付け)に係る利息の額の独立企業間価格の算定について、独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法である貸手の銀行調達利率による方法(米ドルのスワップレートにスプレッドを加えた利率)によることが最も適切である旨主張する。確かに、借手である本件子会社には非関連者である銀行等からの借入れの実績がなく、本件子会社が非関連者である銀行等から本件各貸付けと同様の状況の下で借り入れたとした場合に付されるであろう利率を見出すことはできないことから、借手の銀行調達利率による方法を採用することはできない。しかしながら、原処分庁が用いたスプレッドは、請求人が本件各貸付けと同様の状況で銀行等から借り入れた場合のスプレッドとして正確性を有するものとは認められず、当審判所の調査によっても他に請求人が非関連者である銀行等から本件各貸付けと同様の状況の下で借り入れたとした場合に付されるであろう利率を算定する適切な方法を見出すことはできないことから、貸手の銀行調達利率による方法を採用することはできない。そして、本件各貸付けには、米ドルで行われ、発行日が本件各貸付けの貸付開始日と近接し、発行日から満期償還日までの期間が本件各貸付けの貸付期間に近似する各米国債(本件各米国債)が存在することが認められた。そうすると、本件各米国債の利率は、本件各貸付けに係る資金を本件各貸付けと通貨、取引時期、期間等が同様の状況の下で国債等により運用した場合に得られるであろう利率に当たると認められることから、本件各米国債の利率をもって本件各貸付けに係る利率を算定することは相当というべきである。(平29. 9.26 関裁(法)平29-8)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平290036
裁決年月日
平成29年9月7日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、香港に所在する請求人に係る特定外国子会社等(香港社)においては、董事長兼総経理等が職務執行を行っており、香港社は、株主である内国法人の管理、支配を受けるものではなく、独立して、自ら管理、支配及び運営をしていたことは明らかである以上、管理支配基準を充足するというべきである旨主張する。しかしながら、香港社の董事長兼総経理は、香港社の中国子会社に常駐し、当該中国子会社において香港社の経営状況の管理を行っており、香港社においては、これを行っていなかったと認められること、香港に唯一常駐する香港社の董事は、他の複数の関連会社の董事及び総経理を兼務しており、関連会社の業務を通じて香港社の営業に関与していたにとどまることなどから、香港社は、香港において、その事業の管理、支配及び運営を自ら行っていたとは認められず、請求人は外国子会社合算税制の適用を受けることになる。(平29. 9. 7 東裁(法)平29-36)

支部名
東京
裁決番号
平280117
裁決年月日
平成29年4月14日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第42条の12の4《雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除》に規定する法人税額の控除(本件特別控除)により控除される金額は、確定申告書に添付された別表六(二十)(本件明細書)に記載すべき雇用者給与等支給増加額を基礎として計算した金額である旨主張する。しかしながら、同条第4項の規定から、本件特別控除の適用により控除を受けることができる金額は、飽くまで、確定申告書(当初申告書)に添付された書類に記載された雇用者給与等支給増加額を基礎として計算した金額に限られるから、請求人の確定申告書に添付された本件明細書の「雇用者給与等支給増加額」欄に記載された金額を基礎として計算した金額となる。(平29. 4.14 東裁(法)平28-117)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平270065
裁決年月日
平成28年6月27日
裁決結果
棄却
争点番号
302503990
争点
25その他の特例/3所得控除/3その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第67条の3《農業生産法人の肉用牛の売却に係る所得の課税の特例》(本件特例)第1項第2号に規定する「委託して行う売却」とは、その文理及び立法趣旨から解釈すれば、農業協同組合又は農業協同組合連合会のうち政令で定めるもの(指定農協等)が本件特例の適用要件を満たす子牛であることなどを確認できるものであればよく、また、この要件の確認を行うために必要な範囲で指定農協等が関与していれば足りるであるから、請求人が行った子牛の売却取引は、指定農協等において本件特例の要件を満たしていることが確認されており、「委託して行う売却」に該当する旨主張する。しかしながら、請求人が行った当該子牛の売却は当初から請求人から関連会社以外への売却が予定されていないものと認められ、指定農協等が当該子牛の売却先や取引価格を決定しているものとは認められないことからすると、指定農協等は請求人から子牛の売却の委託を受けたとして取引に関与してはいるものの、その役割は形式的なものにとどまり、実質的には請求人と関連会社が直接に取引をしたものと認めるのが相当であるから、当該取引は、租税特別措置法第67条の3第1項第2号に規定する「委託して行う売却」に該当しない。(平28. 6.27 関裁(法)平27-65)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平270037
裁決年月日
平成28年6月21日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の国外関連者(本件国外関連者)が製造した本件製品は比較対象取引の選定が困難なものであるから、寄与度利益分割法の適用に合理性がある旨主張する。しかしながら、請求人及び本件国外関連者が各事業年度において、いずれも重要な無形資産を有し、その貢献により重要な無形資産を有しない非関連者間取引において通常得られる利益(基本的利益)を超える利益(残余利益)を得ていたと認めることができることから、独立企業間価格の算定に当たっては、基本三法に準ずる方法その他政令で定める方法のうち、残余利益分割法を用いて行うのが最も適切であるというべきである。(平28. 6.21 名裁(法)平27-37)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平270037
裁決年月日
平成28年6月21日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の国外関連者(本件国外関連者)の基本的利益の算定に当たり、本件国外関連者の状況からすると、利益指標として事業用資産営業利益率を用いるべきであり、本件国外関連者と比較対象法人には売上高に対する利益率の変動に差異があるから、原処分庁が利益指標として用いた売上高営業利益率により独立企業間営業利益率を求めることはできない旨主張する。しかしながら、本件国外関連者の有する資産には重要な無形資産も含まれており、それらの無形資産も本件国外関連者の事業に供されていることからすれば、単純な製造活動から生ずる基本的利益の算定のために事業用資産営業利益率を利益指標とすることには合理性がなく、また、原処分庁が売上高営業利益率を利益指標として採用したことには合理性が認められるところ、請求人の売上高に対する利益率の変動の差異に基づく主張は、本件国外関連者の営業利益のうち基本的利益と残余利益に含まれるべき利益を区別せずに基本的利益の算定に係る営業利益率の差異を論じているものであり、採用できない。(平28. 6.21 名裁(法)平27-37)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平270037
裁決年月日
平成28年6月21日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、原処分庁が選定した比較対象法人の中に、①障害者を雇用している法人が含まれているが、障害者の雇用が直ちに営業利益率に影響を与えるとはいえないこと及び②全従業員の約1%が研究開発を担当している法人が含まれているが、研究開発に係る支出額が不明であり、重要な無形資産を形成していると認められるまでの水準であるとはいえないことから、これらの比較対象法人に比較可能性がないとはいえない旨主張する。しかしながら、これらの比較対象法人において、①については、障害者雇用助成金は、営業外収入に計上すべきものであるから、当該助成金の額について調整を行えば比較可能性を欠くとはいえないが、当該助成金の額が不明であり、その調整ができないこと、②については、研究開発を担当する従業員及び部門を有し、研究開発活動を行っていることからからすれば、重要な無形資産が形成されている可能性は極めて高いものと認められることから、これらの比較対象法人に比較可能性はないというべきである。(平28. 6.21 名裁(法)平27-37)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平270037
裁決年月日
平成28年6月21日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の国外関連者(本件国外関連者)の基本的利益を算定するにあたっての比較対象法人として、①事業、②機能及びリスク、③市場の状況並びに④事業規模といった点で本件国外関連者とは異なる法人が選定されていることから、原処分庁が選定した比較対象法人(本件比較対象法人)には比較可能性がない旨主張する。しかしながら、これらの点について検討するも、いずれも比較可能性に影響を与える又は直ちに営業利益率に影響を与えるような相違点であるとまでは認められないことから、これらの点において本件比較対象法人に比較可能性がないとはいえない。(平28. 6.21 名裁(法)平27-37)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平270037
裁決年月日
平成28年6月21日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁の計算による各事業年度のロイヤルティ・レートが毎年非常に大きく変動していることなどから、原処分庁が算定した独立企業間価格は不合理である旨主張する。しかしながら、独立企業間価格の算定の適否は租税特別措置法第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》等に従って算定されているか否かによるのであって、計算結果は独立企業間価格の算定の適否に影響を及ぼさない。また、同法第64条の4第1項は「各事業年度」における独立企業間価格を算定することを予定している規定であるから、同条第2項の規定に基づき算定された各年度の独立企業間価格が異なったとしても、それを不合理とする理由はない。(平28. 6.21 名裁(法)平27-37)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平270037
裁決年月日
平成28年6月21日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が行った様々な活動も請求人の国外関連者(本件国外関連者)の重要な無形資産の形成等に寄与したのであるから、これらの活動に係る費用も分割要因に加えるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の主張する活動は、多くの企業が実施している一般的なものと同等のもの又は多くの企業が行う原価低減の活動を超えるものではないものであり、重要な無形資産の形成に寄与するものとはいえないことから、これらの活動に係る費用は、残余利益の分割に際し、重要な無形固定資産の価値に係る指標には該当しない。(平28. 6.21 名裁(法)平27-37)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平270037
裁決年月日
平成28年6月21日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の国外関連者(本件国外関連者)とは異なり、原処分庁が選定した比較対象法人は本件国外関連者ほど為替変動の影響を受けていないため、この点について適切な調整をする必要がある旨主張する。しかしながら、請求人の主張する為替変動による収益とは、製造等に係る活動の内容に差異がなかったと仮定し、損益状況を推定値として計算したものに過ぎず、年ごとに活動内容に差異が生じ得ることは自明の理であるから、このような推定値により計算した結果として、為替変動の影響による営業利益の差異があると認めることはできない。(平28. 6.21 名裁(法)平27-37)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平270146
裁決年月日
平成28年6月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、事業年度末に国外関連者(本件国外関連者)に対する役務の提供の対価として未払計上したサービスフィー(本件サービスフィー)の実質は、本件国外関連者への製品の販売取引(本件国外関連取引)につき、その適正な営業利益率を達成すべく定期的に価格を交渉していくなどの請求人と本件国外関連者との事前の合意に基づき、本件国外関連者に本件国外関連取引に係る営業損失が生じたため支払うもので、合理的な理由に基づく取引価格の修正による価格調整金であるから、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件国外関連取引に係る取引価格について、遡及改定して調整金を授受する旨の事前の取決めがあったと認められないこと、並びに本件サービスフィーの支払等に係る理由、算定方法及び計算根拠は、本件国外関連者が請求人以外にも他の複数のグループ法人と取引しているにもかかわらず、請求人と他のグループ法人1社のみで折半して負担するよう計算してその金額を決めていることなどから、本件サービスフィーは、合理的な理由に基づく取引価格の修正による価格調整金とは認められない。そして、本件サービスフィーとしての負担につき、請求人が今後より大きな損失等を被るなどやむを得ず行ったものなどのように通常の経済取引として是認することができる合理的な理由は認められないから、本件サービスフィーは、本件国外関連者に対する寄附金の額に該当するが、当該事業年度の末日までに支払がされていないので、当該事業年度の損金の額に算入されない。(平28. 6. 9 東裁(法)平27-146)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
金沢
裁決番号
平270008
裁決年月日
平成28年3月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集№102

要旨

○ 請求人は、外国の子会社(本件子会社)の残余財産の分配に係るみなし配当の額の計算において、法人税法施行令第23条《所有株式に対応する資本金等の額又は連結個別資本金等の額の計算方法等》第1項第3号でいう直前資本金額等は、請求人が本件子会社に払い込んだ米ドルで表示された金額に基づき算定すべきである旨主張する。しかしながら、直前資本金額等とは、残余財産の分配を行った法人の当該分配の直前の資本金等の額をいうものであるところ、資本金の額については、法人税法に資本金等として払い込まれた額又は法人の財務諸表に表示された額のいずれをいうのかを判断するための明確な定義が置かれていないことから、会社法における資本金の額、すなわち、確定決算において資本金として計上された金額を意味すると解するのが相当であり、本件における直前資本金額等は、本件子会社の貸借対照表に資本金として計上された人民元で表示された金額に基づき算定するのが相当である。(平28. 3.25 金裁(法)平27-8)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平270099
裁決年月日
平成28年2月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集№102

要旨

○ 請求人は、国外関連者に対する金銭の貸付け(本件貸付け)に係る利息の独立企業間価格について、原価基準法と同等の方法により算定できる旨主張する。しかしながら、①当該国外関連者は請求人以外の者から借入れを行ったことはないこと、②原処分庁は本件各貸付けに係る比較対象取引を把握することができず、当審判所の調査の結果によっても当該比較対象取引を見いだすことができないこと、③請求人からも比較対象取引の具体的な提示がないことから、原価基準法と同等の方法を用いることはできず、他の基本三法と同等の方法を用いることもできない。そして、金融市場が存在する通貨の貸借取引について、比較可能な取引が実在しない場合には、融資取引の代表例である金融機関による貸付けを基準とすることにも十分な合理性があるというべきであるところ、本件貸付けの貸手である請求人は、本件貸付けの資金を金融機関からの借入れにより調達しており、当該借入れに係るスプレッド情報を得られるから、原処分庁が本件貸付けに係る利息の独立企業間価格を独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法である貸手が金融機関から本件貸付けと同様の状況の下で借り入れたとした場合に付されるであろう利率を用いる方法により算定したことは相当である。(平28. 2.19 東裁(法)平27-99)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平270099
裁決年月日
平成28年2月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集№102

要旨

○ 請求人は、国外関連者に対する貸付け(本件貸付け)に係る利息の独立企業間価格について、独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法である貸手が金融機関から本件貸付けと同様の状況の下で借り入れたとした場合に付されるであろう利率(貸手の銀行調達利率)を用いる方法により算定するとしても、本件貸付けに充てるための金融機関からの借入れ(本件借入れ)の利率は、当該金融機関との間で借入期間を本件貸付けと同じ期間とする合意に基づいて設定されたものであるから、本件借入れの利率を用いることができる旨主張する。しかしながら、本件借入れの金利は本件貸付けの貸借期間と同一の貸借期間の金利とは認められないから、本件借入れの利率を用いて算定することはできない。したがって、原処分庁が本件貸付けと同一貸借期間、同一通貨の金利スワップのスワップレートに、本件借入れに係る金融機関が得るべき利益に相当する金利であるスプレッドを加えた利率を貸手の銀行調達利率として独立企業間価格を算定したことには合理性が認められ、相当である。(平28. 2.19 東裁(法)平27-99)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平270097
裁決年月日
平成28年2月17日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、受取配当等の益金不算入額に係る配当等の額から控除する負債の利子の額(配当控除負債利子額)の計算における総資産の帳簿価額並びに株式及び出資の帳簿価額には、本件各更正処分前の事業年度において株式に係る受贈益の計上漏れなどの更正処分により増加された株式の帳簿価額(本件帳簿価額増加額)を含めるべきではない旨主張する。しかしながら、配当控除負債利子額の原則的な計算方法である資産あん分方式は、分母の総資産の帳簿価額については、簡素化の観点から貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額とされ、税務否認金につき調整を要しない(ただし一定の範囲内で調整は行う。)こととされているが、分子の株式等の帳簿価額については、その税務上の帳簿価額を計算してもさほど複雑にはならないことから税務否認金の調整を行うこととしたものであり、本件帳簿価額増加額は、法人税法施行令第22条《株式等に係る負債の利子の額》第1項第1号ヘのその他有価証券に係る評価損等相当額に該当することから、総資産の帳簿価額に加算することとなり、また、株式等の帳簿価額として調整を行う税務否認金であることから、株式等の帳簿価額に含めることとなる。(平28. 2.17 東裁(法)平27-97)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平270073
裁決年月日
平成28年1月6日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が自己の製品の販売業者(本件販売業者)に独占販売権を許諾し、その対価として受領した金員(本件許諾対価額)を、租税特別措置法(措置法)第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》第1項に規定する国外関連者に該当する請求人の関連者(本件国外関連者)に支払ったことについて、本件許諾対価額は当該製品に係る販売権、商標権及び特許権の所有者である本件国外関連者に帰属すること、及び本件国外関連者が請求人による本件販売業者への独占販売権の許諾を承認する取引などの国外関連取引が存在することから、請求人が本件各国外関連者に支払った額(本件支払額)は国外関連者に対する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、本件許諾対価額は請求人に帰属すると認められ、さらに、請求人が本件許諾対価額を本件国外関連者に支払う理由も見当たらないため、金銭その他の資産又は経済的利益を対価なく他に移転していると認められる。そして、請求人が本件国外関連者に本件許諾対価額を支払うことには通常の経済取引として是認できる合理的な理由も存在しないことから、措置法第66条の4第3項に規定する国外関連者に対する寄附金の額に該当する。(平28. 1. 6 東裁(法)平27-73)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平270073
裁決年月日
平成28年1月6日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、日仏租税条約第9条、日独租税協定第9条及び日米租税条約第11条(本件各条約)は国内税法に優先して適用すべきであり、また、租税特別措置法は一般法の法人税法に優先するから、国外関連者間の取引については、租税特別措置法(措置法)第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》第1項及び第2項が適用される場合には、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》の規定を用いる同条第3項の適用はあり得ないから、請求人の国外関連者への支払額(本件支払額)について同条第1項及び第2項を適用せず、同条第3項を適用し、本件支払額を寄附金と認定した更正処分(本件更正処分)は違法である旨主張する。しかしながら、国外関連者間の取引に関する本件各条約の規定は、我が国において独立企業原則に則した課税を行う直接の法的根拠とはなり得ないと解するのが相当である。また、措置法第66条の4第1項の適用がある場合における国外関連取引の対価の額と独立企業間価格との差額の取扱いを規定した同条第4項は、当該差額から法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当するものを除いており、仮に寄附金の額に該当するものは、同条第3項の国外関連者に対する寄附金の規定を適用することとなる。したがって、措置法第66条の4第1項の適用がある場合においても同条第3項の規定を適用する場合があるので、本件更正処分は適法である。(平28. 1. 6 東裁(法)平27-73)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平270073
裁決年月日
平成28年1月6日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人が自己の製品の販売業者に独占販売権を譲渡する契約(本件譲渡契約)を締結し、その対価として受領した金員(本件譲渡対価額)を、租税特別措置法第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》第1項に規定する国外関連者に該当する請求人の関連者(本件国外関連者)に支払ったことについて、本件譲渡契約の譲渡資産は販売権と商標権であるものの、商標権の譲渡対価は無償であり、本件譲渡対価額の全額が請求人に帰属し、本件国外関連者に支払う合理的な理由はないので、請求人が本件国外関連者に支払った額(本件支払額)の全額が国外関連者に対する寄附金の額に該当する旨主張する。しかしながら、本件譲渡契約では、販売権と商標権の譲渡対価額が区分されていないものの、商標権の価値は無価値であるとはいえず、本件譲渡対価額には商標権の譲渡対価が含まれていると認められる。そして、請求人は、本件譲渡契約によって本件国外関連者が所有する商標権を譲受者に引き渡す義務を負い、本件国外関連者に商標権の譲渡対価に相当する金額を支払うことになる。そうすると、本件支払額には商標権の譲渡収益に係る原価(本件原価)が含まれているものと認められ、譲渡原価とすべき金額は明らかではないものの本件支払額の全額が寄附金の額に該当するとはいえないから、本件支払額を寄附金とした原処分は取り消すべきである。(平28. 1. 6 東裁(法)平27-73)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平270074
裁決年月日
平成28年1月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成26年法律第10号による改正前のもの)(震災特例法)第17条の2《復興産業集積区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第2項に規定する法人税の特別控除(本件特別控除)の適用について、同条第8項前段に規定するとおり、更正請求書に控除の対象となる減価償却資産の取得価額、控除を受ける金額及びその金額の計算に関する明細として別表六(二十一)を添付しており、同項後段に規定する控除される金額は、請求人の法人税の確定申告書に添付された固定資産台帳に記載された本件特別控除の対象となる減価償却資産の取得価額を基礎として計算しているのであるから、更正の請求により新たに本件特別控除の適用を受けることができる旨主張する。しかしながら、震災特例法第17条の2第8項後段のとおり、本件特別控除により控除される金額は、確定申告書等に添付された別表六(二十一)に記載された取得価額を基礎として計算された金額に限られるところ、請求人は、法人税の確定申告書に別表六(二十一)を添付していないのであるから、震災特例法第17条の2第8項の規定には該当せず、本件特別控除の適用を受けることはできない。(平28. 1. 6 東裁(法)平27-74)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平270074
裁決年月日
平成28年1月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成26年法律第10号による改正前のもの)(震災特例法)第17条の2《復興産業集積区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第2項に規定する法人税の特別控除(本件特別控除)の適用を受けるに当たり、申告要件として確定申告書等に別表六(二十一)を添付することが要求されているところ、①請求人が行った事業が同条の適用対象事業に該当するかは事業年度終了の時点までに判断することができず、本件特別控除の適用を受けることを前提とした財務諸表が作成できないこと、及び②同条の規定振りは更正請求書に別表六(二十一)の添付があれば本件特別控除が適用できると認識させる内容となっていることから、請求人が確定申告書等に別表六(二十一)を添付しなかったことは、同条第9項に規定する「やむを得ない事情」があったことに該当する旨主張する。しかしながら、同条第9項に規定する「やむを得ない事情」とは、天災、交通途絶その他の納税者の責めに帰することのできない客観的な事情をいうものと解されるところ、請求人の主張する各事情は、いずれも法令の不知や誤認等の主観的事情であるといわざるを得ず、請求人の責めに帰することのできない客観的な事情には当たらないから、同条第9項に規定する「やむを得ない事情」に該当しない。(平28. 1. 6 東裁(法)平27-74)

支部名
関東信越
裁決番号
平260043
裁決年月日
平成27年5月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第42条の12の4《雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除》第4項後段に規定する「当該確定申告書等」に、更正請求書が含まれると解釈すべきである旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第2条《用語の意義》第2項柱書及び同項第27号は、同法第42条の12の4を含む第3章における「確定申告書等」の意義について、法人税法第2条《定義》第30号に規定する中間申告書及び同条第31号に規定する確定申告書をいう旨規定しており、また、租税特別措置法第42条の12の4第4項は、その前段で、同条第1項の規定は、確定申告書等、修正申告書又は更正請求書に、同項の規定による控除の対象となる雇用者給与等支給増加額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り適用する旨、そして、後段で、この場合において、同項の規定により控除される金額は、当該確定申告書等に添付された書類に記載された雇用者給与等支給増加額を基礎として計算した金額に限るものとする旨規定していることからすると、租税特別措置法第42条の12の4第4項前段の「確定申告書等」とは、法人税法第2条第30号に規定する中間申告書及び同条第31号に規定する確定申告書をいい、それを受けた同項後段の「当該確定申告書等」とは、同項前段の「確定申告書等」、すなわち、中間申告書及び確定申告書をいうのであって、更正請求書は含まれない。(平27. 5.19 関裁(法)平26-43)

支部名
関東信越
裁決番号
平260041
裁決年月日
平成27年4月21日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が新規に取得したハンドガイド式の自力走行型除雪機(本件除雪機)は、舗装工事現場において自らの動力により移動して除雪作業を行う「自走式作業用機械設備」であるから、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(平成25年3月財務省令第24号による改正前のもの)の別表第二に掲げる「機械及び装置」の「総合工事業用設備」に該当し、租税特別措置法(平成25年3月法律第5号による改正前のもの)第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第2項の規定が適用できる旨主張する。しかしながら、本件除雪機は、単体で除雪作業を行うものであり、それ自体で固有の機能を果たし独立して使用するものであるから「器具及び備品」に該当し、ある業用設備に属する複数の機械及び装置が設備を形成して、その設備の一部としてその働きをなすものとは認められないから、「機械及び装置」に該当しない。(平27. 4.21 関裁(法)平26-41)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平260044
裁決年月日
平成27年3月5日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、仮に、残余利益分割法を適用して独立企業間価格を算定することが認められるとしても、本件の国外関連者2社は実質的に一つの法人のごとく事業活動を行っていたから、分割対象利益の計算上控除する当該2社の売上原価及び販売費及び一般管理費(販管費)は、当該2社の各財務数値を合計した上で、当該合計した売上高の比に応じて本件の国外関連取引とそれ以外の取引とにあん分するべきであることなどを理由に、残余利益分割法の対象となる合算利益が正しく算定されていない旨主張する。しかしながら、売上原価については、企業会計上、商品・製品を媒介とする個別的対応により計上されるべきものであるところ、当該2社は、それぞれ本件の国外関連取引の対象製品の売上げに個別に対応する売上原価を認識しているのであるから、当該売上原価を分割対象利益の計算上控除することが合理的であるといえ、販管費については、原処分において、当該2社のうち一方が他方の業務に関連して行う役務提供に係る費用及び当該2社の共用機械に係る減価償却費は、個別に調整が必要であるとして、既に請求人が主張するような各財務数値を合計したところでのあん分計算が行われているのであり、あらゆる販管費について、当該2社の財務数値を合計してあん分計算を行うべき理由はない。なお、法人又は国外関連者の売上原価、販管費その他の費用のうち国外関連取引及びそれ以外の取引の双方に関連して生じたもの(共通費用)がある場合には、これらの費用の額を、当該双方の取引の内容及び費用の性質に照らして合理的と認められる要素の比に応じてあん分することが合理的であり、分割要因の計算を費用の額に基づいて行う場合にも、共通費用についてはこの方法に準じて計算することが合理的であるところ、原処分においては、国外関連者の技術サービスに係る費用の額について、分割対象利益の計算上控除する共通費用のあん分と分割要因のあん分とで異なる比率を用いており、一貫性を欠き、この点について誤りがあると認めるのが相当である。(平27.3.5 大裁(法)平26‐44)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平260044
裁決年月日
平成27年3月5日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、残余利益分割法によれば、本件の国外関連者が自らリスクを負って行うライセンス製品の製造販売事業に係る成果の一部が、当該事業に関してリスクを負担しない請求人に帰属するという不合理な結果となる旨主張する。しかしながら、請求人は、無形資産の研究開発活動に先行投資しており、ライセンス製品の売上げが少なければ得られるロイヤルティも少なくなり、投資額を回収できないというリスクを負っているのは明らかであるし、ロイヤルティの決定には、ライセンサーとライセンシーの役割分担に応じて利益を分け合うアプローチなど、様々な方法があるところ、ライセンサーとライセンシーとの間で、その負担するリスクの比に応じてロイヤルティを決定し、利益配分を行わなければならないとする必然性はなく、とりわけ本件においては、請求人の研究開発活動及び国外関連者の技術サービスにより形成された無形資産が、国外関連取引に係る所得の源泉になっていると認められるから、当該所得をその源泉である無形資産の価値の比に応じて、請求人と国外関連者とにあん分することには合理性が認められるというべきである。したがって、原処分庁が独立企業間価格の算定方法として残余利益分割法を適用したことについて違法は認められない。(平27. 3. 5 大裁(法)平26-44)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平260044
裁決年月日
平成27年3月5日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、①移転価格税制においては、個別取引ごとに取引価格を算定することが原則であり、請求人と国外関連者との間で行う無形資産のライセンス取引(本件ライセンス取引)と本件ライセンス取引に係るライセンス製品の半製品等の販売取引(本件棚卸資産販売取引)とは別の取引であること、及び②更正処分の対象となった国外関連取引(本件国外関連取引)について、基本三法(独立価格比準法)及び基本三法と同等の方法を適用することが可能であるにもかかわらず、十分検討を行うことなく、また、適用できないことについて十分な立証をしないままこれを適用しなかった原処分は違法である旨主張する。しかしながら、①本件棚卸資産販売取引は、請求人が、国外関連者に対して、ライセンス製品の半製品等のうち高い利益の見込めるものを、その製法等を開示しないまま、ライセンス製品の原材料の一つとして指定することによって、国外関連者がこれを請求人から購入することを事実上義務付けるものと認めることができるから、租税特別措置法関係通達66の4(3)−1に照らして、本件ライセンス取引と本件棚卸資産販売取引とを一体のものとして独立企業間価格を算定することができるというべきであり、②請求人が、本件国外関連取引に係る比較対象取引に当たるとする取引については、その取引に係る無形資産が本件国外関連取引に係る無形資産と同種であると認めることはできず、また、使用許諾条件の差異や市場の状況等の差異により生ずる対価の額の差を具体的に算定及び調整することもできないため、本件国外関連取引に係る比較対象取引とすることはできないのであって、他に比較対象となる取引を見い出すこともできないから、原処分庁が基本三法と同等の方法を用いずに独立企業間価格を算定したことに違法はない。(平27. 3. 5 大裁(法)平26-44)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平260044
裁決年月日
平成27年3月5日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、仮に、残余利益分割法を適用して独立企業間価格を算定することが認められるとしても、原処分庁が基本的利益を算定するために採用した比較対象企業には、請求人及び本件の国外関連者とは取扱製品が異なるものが含まれているなど比較可能性がないことから各関連者の基本的な活動に係る利益について適正に配分されていない旨主張する。しかしながら、原処分庁は、一定の合理的な基準を設定、適用した上、請求人とも協議しその意見を取り入れて、事業の類似性が高く同種の事業を営む企業を抽出の対象とし、事業内容又は取扱製品について、請求人及び国外関連者と大きく異なるものを除外していると認められるから、不合理とはいえないこと、また、比較対象企業の抽出は、基本的利益を算定するためのものであるところ、基本的利益(営業利益)の算定上、売上総利益率に比べて取引上の差異等の影響を受けにくいと考えられる売上高営業利益率を用いていること、及び、一定数の企業が抽出されることにより個々の企業の差異が捨象され平均化されるものと考えられること、さらには、原処分庁が採用した抽出基準等が、恣意的で、かつ、不合理であるとする証拠は見いだせないことを総合的に考慮すれば、本件において原処分庁が採用した基準によって抽出された比較対象企業には、請求人及び国外関連者との比較可能性があると認めるのが相当である。(平27. 3. 5 大裁(法)平26-44)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平260044
裁決年月日
平成27年3月5日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、仮に、残余利益分割法を適用して独立企業間価格を算定することが認められるとしても、本件の各事業年度(本件各事業年度)における研究開発活動と本件の国外関連取引に係る無形資産との関連性について何ら実証することなく、請求人が有する重要な無形資産の価値を、安易に、本件各事業年度の研究開発費の額を分割要因として用いて評価すべきではない旨主張する。しかしながら、租税特別措置法関係通達66の4(4)−5《残余利益分割法》によれば、残余利益分割法により独立企業間価格を算定するに当たり、重要な無形資産の価値による配分を重要な無形資産の開発のために支出した費用等の額により行っている場合には、これが認められ、この場合に、当該無形資産の形成活動に係る支出費用の額が、過去から大きく変動しておらず、毎年おおむね一定しており、個々の製造ノウハウ等の無形資産の形成費用が特定できないものである場合には、当該費用は、平均的に無形資産の形成、維持に貢献しているものと考え、単年度ごとの支出費用の額をもって残余利益の分割要因とすることも一定の合理性を有するものと解される。請求人の製品に係る研究開発は継続して行われているところ、請求人の製品に係る研究開発費の額は大きく変動しておらず、本件各事業年度においておおむね一定しているものと認められること、また、請求人の個々の製品に係る無形資産の形成費用については、ある製品の無形資産の形成費用が他の製品の無形資産の形成費用になる場合があるなど無形資産の形成費用を特定することができないことから、本件各事業年度における請求人の研究開発費をそれぞれの事業年度に係る分割要因の基礎とした計算方法には合理性が認められる。(平27. 3. 5 大裁(法)平26-44)

支部名
東京
裁決番号
平260073
裁決年月日
平成27年2月23日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国子会社(本件外国子会社)から資本剰余金を原資とする剰余金の配当と利益剰余金を原資とする配当を受けたことについて、これらの剰余金の配当は、本件外国子会社において別々の議案で決議され別個に確定しており、資本剰余金と利益剰余金が同時に減少しているものではないから、利益剰余金を原資とする配当は法人税法第24条《配当等の額とみなす金額》第1項第3号に規定する資本の払戻しには該当せず、同法第23条《受取配当等の益金不算入》第1項第1号に規定する剰余金の配当に該当する旨主張する。しかしながら、これらの剰余金の配当は、その議案としてはそれぞれ分かれているものの、①いずれも一つの同意書によりこれらの剰余金の配当を行うことが決議されていること、②配当の効力発生日がいずれも同日であること、③本件外国子会社は資本剰余金と利益剰余金を同時に減少させる会計処理を行っていること及び④本件外国子会社はこれらの剰余金の配当の合計額を一括して請求人に支払っていることを併せ考えると、本件外国子会社は資本剰余金を原資とする剰余金の配当と利益剰余金を原資とする剰余金の配当の双方を同時に行ったものと認められるから、これらの剰余金の配当は一つの剰余金の配当として法人税法の規定を適用するのが相当であるところ、これらの剰余金の配当の原資に資本剰余金が含まれており、これらの剰余金の配当が同法第24条第1項第3号に規定する「資本剰余金の額の減少に伴うもの」に該当するから、これらの剰余金の配当の全額について同項の規定を適用すべきである。(平27. 2.23 東裁(法)平26-73)

支部名
東京
裁決番号
平260041
裁決年月日
平成26年11月11日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人が貨物の共同輸送を提携した相手先の子会社(本件提携先子会社)から提供を受けた輸送業務について、租税特別措置法第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》第1項に規定する国外関連者に該当する請求人の子会社(本件請求人子会社)を通じて、その輸送料金を本件提携先子会社に対して支払っているところ、請求人から本件請求人子会社に対して支払われた料金が、本件請求人子会社から本件提携先子会社に支払われた料金を上回っており、これらの料金の差額(本件差額)について、請求人が本件請求人子会社から反対給付を受けておらず、また、請求人が本件請求人子会社に本件差額を支払う合理的な理由もないことから、本件差額が国外関連者に対する寄附金の額に該当する旨主張する。しかしながら、本件差額については、請求人が提携先の法人と貨物の共同輸送を行うことにより請求人と本件請求人子会社との間で生じる利益の移転を解消するために、請求人から本件請求人子会社に対してこれを調整する必要性に基づき支払われたものと認められるところ、このような利益の移転が生じることを放置しなかったことは、通常の経済取引として自然な行為であり経済的合理性があると認められ、また、本件差額の算定についても一定の妥当性が認められるから、本件差額は寄附金の額に該当しない。(平26.11.11 東裁(法)平26-41)

支部名
東京
裁決番号
平260017
裁決年月日
平成26年8月6日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、特定外国子会社等に該当する請求人の香港子会社(A社)が、来料加工契約を締結した中国企業(B社)との合意により中国工場(本件来料工場)の経営管理権を有し、A社の中国子会社を通じて本件来料工場の管理運営を行い、本件来料工場の製造設備、原材料及び人材の確保及び管理を自らの責任と判断で主体的に行っていたこと、及び本件来料工場における製造行為に係る損益がA社に帰属していたことなどからすると、A社が自ら本件来料工場における製品の組立加工(本件製造行為)を行っていたものと認められるから、A社の主たる事業は製造業であり、外国子会社合算税制の適用除外要件である所在地国基準を満たさない旨主張する。しかしながら、A社とB社との間には、契約上、A社が本件来料工場の運営責任を負う旨の合意が成立していたと認められるものの、本件来料工場における管理運営は、A社の中国子会社の役員であり本件来料工場の工場長を兼務していた者が主体となって行っていたと認めるのが相当であり、A社が、本件来料工場の管理運営を当該工場長に直接又はA社の子会社を介して間接的に委任等した事実も認められないことからすると、A社が本件来料工場の管理運営について主体的に関与していたと認めることはできず、A社が本件製造行為を行うために必要な資金を提供し、その結果損益が帰属していたものの、本件製造行為に係る人員の確保及び管理、原材料の確保及び管理、製品の品質管理、製品の工程及び納期の管理、原価管理については、A社が自らの責任と判断の下でこれらの管理行為を主体的に行っていたと認めることはできないことから、本件来料工場において自ら本件製造行為を行っていたとは認められず、A社の主たる事業は卸売業に該当し、A社は非関連者基準を満たすこととなる。(平26. 8. 6 東裁(法)平26-17)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
福岡
裁決番号
平260004
裁決年月日
平成26年7月15日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税法文の解釈はいわゆる文理解釈が原則であり、その用語は当該法令等によって定義が付与されている場合はこれによるべきであることは当然であるが、仮に付与されていない場合は日本語の通常の用語例で意味内容を解すべきであって、「サービス業」とは無形の役務を提供する事業と解されるから、金融業はサービス業に該当し租税特別措置法第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第2項の対象事業(指定事業)に該当する旨主張する。しかしながら、租税法規の解釈については、当該法令が用いている用語の意味、内容が明確かつ一義的に解釈できるかをまず検討することが必要であることはいうまでもないが、それができない場合には、税負担の公平性、相当性を考慮した上で立法の趣旨目的及び経緯等を総合的に検討し、用語の意味、内容を合理的に解釈すべきである。指定事業をどのように分類して具体的にその該当性を判断するかについては、法令に定義規定が存在していないところ、租税特別措置法関係通達(法人税編)42の6−5《事業の判定》(本件通達)が定める日本標準産業分類(総務省)は、統計法に基づく指定統計調査及び届け出を要する統計調査の結果を産業別に表示する際の基本的事項を定めた統計基準として、事業所において社会的な分業として行われる財貨及びサービスの生産又は提供に係る全ての経済活動を分類するものであり、統計の正確性と客観性を保持し、我が国において広く用いられているものであるから、本件通達が定めているとおり、これを一つの基準として本件規定の「指定事業」該当性を判断することは、十分に客観的合理性があり、課税の公平の見地からも相当であると認められ、日本標準産業分類(総務省)によれば金融業はサービス業と別に分類されていることから指定事業に該当しない。(平26. 7.15 福裁(法)平26-4)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平250086
裁決年月日
平成26年2月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、仮に、請求人が譲り受けた有限会社の出資持分につき、請求人に受贈益(本件受贈益)が発生すると認定された場合であっても、法人税法施行令第22条《株式等に係る負債の利子の額》第3項は、受取配当等の益金不算入額の計算に関し、平成10年4月1日に存する内国法人についてはいわゆる基準年度実績による計算方法によることができる旨規定しており、請求人には確定申告時に本件受贈益が認定されることを知らなかったという錯誤があるなど特段の理由があることから、本件の更正処分において、受取配当等の額から控除する負債の利子の額は、当該基準年度実績による計算方法によって計算すべきである旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第22条第3項は、当年度実績による計算方法に代えて、基準年度実績による計算方法により計算した金額とすることができる旨規定し、いずれの計算方法によるかは法人の選択に委ねられているところ、請求人は当該事業年度の確定申告において、当該負債の利子の額をいわゆる当年度実績による計算方法により計算しており、また、本件の更正処分において当該基準年度実績による計算方法を採用しないことを不合理とする特段の理由はないから、当年度実績により計算することが相当と認められる。(平26. 2. 6 東裁(法)平25-86)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平250019
裁決年月日
平成25年12月2日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入(平成21年法律第13号による改正前)、内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額の益金算入(平成22年法律第6号による改正前)》第1項に規定する特定外国子会社等に該当する請求人の子会社(本件特定外国子会社)の事業は、地域統括事業であり、株式保有に係る特段の活動ないし業務を行っていないのであるから、租税特別措置法上の株式保有業は行っていないほか、本件特定外国子会社の主たる事業の判定に当たっては、収入金額又は所得金額、使用人の数、固定施設の状況のみならず、各事業の関係性や目的等の要素を具体的・実質的に総合考慮すべきである旨主張する。しかしながら、本件特定外国子会社は、地域関連会社に対するサービスに係る業務を行い、サービス業を行っているほか、地域関連会社の一部の株式を保有し、地域関連会社から配当金を収受しているから、租税特別措置法上の株式保有業も行っていると認められる。また、本件特定外国子会社は、①その収入金額及び所得金額のおおむねを株式保有業から得ていること、②使用人はすべて地域関連会社に対するサービス業に従事しているが、そもそも株式保有業は従業員がいなくても行い得る事業であること、③固定施設も専ら地域関連会社に対するサービスに係る業務に使用されているが、株式保有業には所在地国に固定施設を有する必要性は乏しいといえることから、使用人の数及び固定施設の状況を重視して租税特別措置法第66条の6第3項が規定する主たる事業が株式保有業等には該当しないという要件(事業基準)の判定を行うことは適当でなく、本件特定外国子会社の事業について、収入金額や所得金額の状況、使用人の数や固定施設の状況を事業基準の趣旨を踏まえて総合勘案すると、その主たる事業は株式保有業と認めるのが相当である。(平25.12. 2 名裁(法)平25-19)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平250019
裁決年月日
平成25年12月2日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法(平成22年法律第6号による改正前のもの)第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額の益金算入》第1項に規定する特定外国子会社等に該当する請求人の子会社(本件特定外国子会社)が同条第3項及び第4項に規定される適用除外要件を満たすことを前提にして確定申告を行う場合は、基準所得金額を計算する必要がないから、租税特別措置法施行令(平成22年政令第58号改正前のもの)第39条の15《特定外国子会社等の適用対象金額の計算》第8項(措令第39条の15第8項)は適用されないほか、仮に、措令第39条の15第8項本文が適用されるとしても、請求人が確定申告段階に際して、特定外国子会社等に係る課税対象金額又は個別課税対象金額の計算に関する明細書(別表17(3))を適切に作成して添付していれば措令第39条の15第8項に規定する明細書(控除計算明細書)の添付の要件を満たすことは明らかであるし、控除計算明細書の添付の要件を満たさないとしても「やむを得ない事情があると認める場合」に該当する旨主張する。しかしながら、特定外国子会社等が子会社から剰余金の配当等を受けていたとしても、剰余金の配当等の額があることを明らかにした控除計算明細書の添付がなければ、控除される額は不明といわざるを得ないのであるから、特定外国子会社等が一定の子会社から受ける剰余金の配当等の額や明細等が記載されているものでなければ控除計算明細書に該当しないと解されるところ、請求人が提出した別表17(3)には本件特定外国子会社が子会社から受ける配当の額等や明細等が記載されていなかったのであるから、同表が控除計算明細書に該当するとは認められず、また、請求人は、本件特定外国子会社等が適用除外要件を満たすものと判断して法人税の確定申告を行ったものであるが、このような適用除外要件に関する請求人の判断の誤りは、直ちに、客観的にみて納税者の責めに帰することのできない事情とはいえないから、本件において、「やむを得ない事情」があるとは認められない。(平25.12. 2 名裁(法)平25-19)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平250012
裁決年月日
平成25年7月11日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、株券等貸借取引(本件取引)に関して生じた金利を請求人に帰属する支払利息と観念し得るとしても、当該支払利息は、本件取引において貸し出した株式の取得とは全く無関係なものであるから、受取配当等の益金不算入の制度趣旨に照らせば、法人税法第23条《受取配当等の益金不算入》第4項に規定する負債の利子に該当しない旨主張する。しかしながら、当該負債の利子は、株式等の取得のために直接要した負債の利子、いわゆるひも付きの利子のみをいうのではなく、法人が各事業年度に支払った利子を株式又は配当に配賦するという考え方の下で規定されていると解され、法人税法施行令第21条は負債の利子に準ずるものとして、手形の割引料等の経済的な性質が利子に準ずるものなどを列挙しているところ、本件取引は、有価証券を担保とした融資取引と同様の性質を有していると認めるのが相当であるから、請求人において返還義務のある負債となる担保金から生じた金利は、その経済的な性質が利子に準ずるものとして、同項に規定する負債の利子に該当するというべきである。(平25. 7.11 東裁(法)平25-12)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平240207
裁決年月日
平成25年5月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、受取配当等の額から控除する負債の利子の額について、仮に、いわゆる当年度実績による計算方法により計算すべきであるとしても、当該負債の利子の額の計算において、分子となる株式等の帳簿価額に出資持分の譲受けに係る受贈益に相当する額を加算するのであれば、分母となる総資産の帳簿価額についても当該受贈益に相当する額を加算すべきである旨主張する。しかしながら、法人税法上、単に「帳簿価額」と規定されている場合は、会社決算上の帳簿価額ではなく、税務計算上の帳簿価額をいうものと解するのが相当であるところ、法人税法施行令第22条《株式等に係る負債の利子の額》第1項第1号が「確定した決算(中略)に基づく貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額」と規定していることからすれば、この場合の総資産の帳簿価額とは会社決算上の帳簿価額をいうことは明らかである。そして、先の更正処分により、当該受贈益に相当する額の帳簿価額が増加しているところ、これは、請求人が確定した決算に基づく貸借対照表に計上したものではなく、また、当該受贈益に相当する額は、当該出資持分が法人税法施行令第119条の2《有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法》第2項に規定する「その他有価証券」には該当しないから、法人税法施行令第22条第1項第1号ヘに掲げる当該総資産の帳簿価額に加算するものに該当しない。そうすると、当該受贈益に相当する額は、同号に規定する「総資産の帳簿価額」には含まれないというべきである。(平25. 5. 9 東裁(法)平24-207)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平240207
裁決年月日
平成25年5月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が譲り受けた有限会社の出資持分につき、仮に請求人に受贈益(本件各受贈益)が発生すると認定された場合であっても、法人税法施行令第22条《株式等に係る負債の利子の額》第3項は、受取配当等の額から控除する負債の利子の額の計算に関し、平成10年4月1日に存する内国法人についてはいわゆる基準年度実績による計算方法によることができる旨規定しているのであるから、請求人の当該事業年度の受取配当等の額から控除する負債の利子の額は、当該基準年度実績による計算方法によって計算すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、当該事業年度の確定申告及び修正申告において、当該負債の利子の額をいわゆる当年度実績による計算方法により計算し、また、原処分庁は、請求人が採用した当該当年度実績による計算方法により当該負債の利子の額を計算して再更正処分をしているところ、当審判所の調査の結果によっても、当該負債の利子の額を当該当年度実績による計算方法により計算することを不合理とする特段の理由もないから、原処分庁が当年度実績による計算方法により当該負債の利子の額を計算して再更正処分をしたことに誤りはないというべきである。(平25. 5. 9 東裁(法)平24-207)

支部名
大阪
裁決番号
平240060
裁決年月日
平成25年3月18日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、本件国外関連者との取引における独立企業間価格を算定するに当たり、請求人と合弁事業の相手方(非関連者)とが共同で実施した臨床試験に要した費用のうち、請求人が負担した額については、当該臨床試験に係る無形資産の形成等のための意思決定、費用負担及びリスク管理の主体がいずれも請求人であることから、請求人が有する無形資産の価値を示す指標(分割要因)とすべきである旨主張する。しかしながら、請求人は当該臨床試験の費用の半分を負担したにずぎず、他方で、当該臨床試験の成果は、本件国外関連者の利益に直接寄与するものであるとともに、本件国外関連者が、他から引き継いだものを含め、その成否についてのリスクを直接負担しているということができるから、当該臨床試験に係る無形資産の形成等のための意思決定及びリスク管理等の主体は本件国外関連者であったということができる。したがって、当該臨床試験の費用は、本件国外関連者の分割要因とするのが相当である。(平25. 3.18 大裁(法)平24-60)

支部名
福岡
裁決番号
平240014
裁決年月日
平成25年3月7日
裁決結果
棄却
争点番号
302504010
争点
25その他の特例/4税額控除/1投資税額控除
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第2項(本件規定)の適用に当たっては、特定機械装置等の設置場所は国内に限られるものではないと解すべきであるから、原処分を取り消すべきと主張する。しかしながら、本件規定の「国内にある」は、「当該特定中小企業者等」にかからず、「指定事業」にかかると解するのが相当である。そして、特定中小企業者等の営む指定事業は、国内にも国外にも存在し得るものであり、国内にある特定機械装置等は国内にある指定事業の用に、国外にある特定機械装置等は国外にある指定事業の用に、それぞれ供されるものであるところ、本件規定が適用範囲をあえて「国内にある当該特定中小企業者等の営む指定事業の用に供した場合」に限定したことに鑑みれば、本件規定は、特定機械装置等が国内にあることを前提にしているものと解するのが相当である。本件規定の立法趣旨が、中小企業の投資を促進し、内需を拡大して、もって国内の景気の早期回復を図る点にあると解されることからしても、上記のように解釈すべきであるから、原処分は適法である。(平25. 3. 7 福裁(法)平24-14)

支部名
大阪
裁決番号
平240057
裁決年月日
平成25年3月5日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、①本件国外関連取引と比較可能な取引(比較対象企業)が存在し、基本三法である再販売価格基準法又は再販売価格基準法に準ずる方法の適用が可能であるにもかかわらず、原処分庁が利益分割法と取引単位営業利益法に準ずる方法を適用した原処分は違法である旨主張し原処分の全部の取消しを求めるとともに、②仮に上記2法が適用できないとしても上記①の比較対象企業を用いた取引単位営業利益法又は取引単位営業利益法に準ずる方法に、ブランドや販売網といった無形資産を認めて差異調整を行い移転所得金額を算定すべきであると主張する。しかしながら、請求人の主張する比較対象企業は米国企業の100%子会社で独立企業ではなく、提出の財務情報も全社情報であることから、再販売価格基準法又は再販売価格基準法に準ずる方法を適用するに当たり必要な取扱い製品の同種又は類似性を判断することができないことからその主張は採用できない。また、取引単位営業利益法についても、請求人主張の比較対象企業は独立企業でないことから比較対象企業として採用することはできない。さらに、取引単位営業利益法に準ずる方法についても、請求人主張のブランドは、請求人の製品が寡占状態にある中で各最終製品メーカーにおいてその特性で使い分けられるもので単なる識別商標でしかなく、販売網も、請求人が営業戦略上組織再編し本件国外関連者に移管したものを利用しているにすぎず、独自の販売網とはいえないことから、いずれも重要な無形資産とは認められないので差異の調整は必要ないことから、採用できない。(平25. 3. 5 大裁(法)平24-57)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240035
裁決年月日
平成24年11月14日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、日本産業分類を踏まえると、卸売業は「有体的商品を購入して販売する業」と解すべきであり、請求人の特定外国子会社等のように、商社機能を持ち、製品の製造を委託して、その委託先が自身の立場で外注管理及び技術支援行うもの(いわゆる製造問屋)も含まれるから、本件では、非関連者基準を適用して、外国子会社合算税制の適用除外を認めるべきである旨主張する。しかしながら、日本標準産業分類において卸売業に分類される製造問屋は、自らは製造を行わないことを前提とするものであるところ、特定外国子会社等が本件工場において自ら製造活動を行っていることは明らかであるから、租税特別措置法関係通達66の6−17《事業の判定》の定めに従った場合においても、同社の行う主たる事業は卸売業ではなく製造業であると認められる。そうすると、卸売業ではない特定外国子会社等に非関連者基準を適用する余地はなく、また、製造業である同社は、その本店と本件工場の所在する地域が異なっているから、所在地国基準をも満たしていない。(平24.11.14 大裁(法)平24-35)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240035
裁決年月日
平成24年11月14日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、外国子会社合算税制の適用除外を受けるために必要な書面の添付については、税務調査においても指摘されたことは一度もなく、また、租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》第6項等においても、当該書面の提出期限が確定申告書の提出期限と同時であるとは明示されていないにもかかわらず、当該書面が確定申告時に添付されていなかったことを理由として、原処分庁が適用除外を認めないのは、違法、不当である旨主張する。しかしながら、本件における特定外国子会社等は、主たる事業が製造業であると認められ、また、所在地国基準を満たしておらず、外国子会社合算税制の適用除外要件を満たさないのであるから、確定申告時に当該適用除外規定の適用がある旨を記載した書面が添付されている場合に限り当該規定が適用できるか否かを判断するまでもない。(平24.11.14 大裁(法)平24-35)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240033
裁決年月日
平成24年11月8日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、所得の発生に寄与した程度を推測するに足る要因として合理的な分割要因とは、その分割要因と所得との間に因果関係が存在しているものであることが必要であり、その事業年度に発生した所得と因果関係のないその事業年度の研究開発費を分割要因とすることはできない旨主張する。ところで、租税特別措置法関係通達66の4(4)−5《残余利益分割法》によれば、残余利益分割法により独立企業間価格を算定するに当たり、重要な無形資産の価値による配分を重要な無形資産の開発のために支出した費用等の額により行っている場合には、これが認められる。この場合に、当該無形資産の形成活動に係る支出費用の額が、過去から大きく変動しておらず、毎年おおむね一定しており、個々の製造ノウハウ等の無形資産の形成費用が特定できないものである場合には、当該費用は、平均的に無形資産の形成、維持に貢献しているものと考え、単年度ごとの支出費用の額をもって残余利益の分割要因とすることも一定の合理性を有するものと解される。請求人の製品に係る研究開発は継続して行われているところ、請求人の製品に係る研究開発費の額及び製品売上高に占める研究開発費割合は大きく変動しておらず、本件各事業年度においておおむね一定しているものと認められること、また、請求人の個々の製品に係る無形資産の形成費用については、ある製品の無形資産の形成費用が他の製品の無形資産の形成費用になる場合があるなど無形資産の形成費用を特定することができないことから、本件各事業年度における請求人の研究開発費をそれぞれの事業年度に係る分割要因の基礎とした計算方法には合理性が認められる。(平24.11. 8 大裁(法)平24-33)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240033
裁決年月日
平成24年11月8日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、残余利益分割法は通達で定められたにすぎず、法令からは読み取れない不合理な方法である旨主張する。しかしながら、残余利益分割法は、利益分割法を適用するに当たり、ノウハウ等の無形資産が利益(所得)の発生に大きく貢献している場合には、一律に人件費や投下資本の額により配分するのは合理的とはいえず、無形資産の価値に着目した配分方法を採用する必要があると考えられることから、法人又は国外関連者が重要な無形資産を有する場合には、分割対象利益を基本的利益及び残余利益に区分した上で、これらの利益を、法人及び国外関連者それぞれの分割要因等に応じて分割するというものであり、利益分割法の趣旨に照らし合理的な方法であると認められる。(平24.11. 8 大裁(法)平24-33)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240033
裁決年月日
平成24年11月8日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件国外関連取引について、基本三法(独立価格基準法)と同等の方法を適用可能な状況にもかかわらず、それを適用しなかった原処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人が、本件国外関連取引に係る比較対象取引に当たるとする取引については、使用許諾条件の差異や市場の状況等の差異により生ずる対価の額の差を具体的に算定及び調整することができないから、本件国外関連取引に係る比較対象取引とすることはできず、また、他に比較対象となる取引を見出すこと等もできないから、基本三法と同等の方法を用いずに独立企業間価格を算定したことに違法はない。(平24.11. 8 大裁(法)平24-33)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240033
裁決年月日
平成24年11月8日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁は、基本的利益の算定において、選定した比較対象企業の四分位数の中位値を用いているが、平均値を用いるべきである旨主張する。ところで、平均値を算出する方法としては、代表的には、平均値(算術平均)、中央値、最頻値の3種類があるとされ、いずれも合理的な方法であると認められるところ、それぞれ数値には特性があるとされていることから、平均値を算定する場合には、その目的に応じた合理的な方法により平均値が算定されるべきである。原処分庁が用いた計算方法は、抽出された企業の利益率のうち、中間又は中間に近い企業の利益率を採用することにより、抽出された比較対象企業の平均的な利益指標を抽出しようとするものであると認められ、本件のように限られた抽出企業の中から平均値を抽出するためには、一定の合理性を有した計算方法であると認めるのが相当である。(平24.11. 8 大裁(法)平24-33)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240033
裁決年月日
平成24年11月8日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の残余利益の分割要因とされている研究開発費のうち、国外関連者が支払ったロイヤルティ相当額については、国外関連者の貢献費用に該当するものであるから、請求人の分割要因から除かれなければならない一方で、国外関連者の分割要因とすべきである旨主張する。ところで、移転価格事務運営要領2−11《無形資産の使用許諾等》によれば、無形資産の使用許諾取引等について調査を行う場合には、当該無形資産の法的な所有関係のみならず、当該無形資産を形成し、維持、発展させるに当たり法人又は国外関連者の行った貢献の程度も勘案することに留意する旨定めており、無形資産の形成等への貢献の程度を検討するに当たっては、当該無形資産を形成等するための意思決定への参画、役務提供、費用の負担及びリスクの管理等においてそれぞれの法人が果たした機能等を総合的に勘案すべきであるが、本件のロイヤルティは、国外関連者が請求人の無形資産を使用して製品を製造販売したことの対価(使用料)として所定の料率が受取り又は支払われるものであって、国外関連者が当該無形資産を形成し、維持、発展させるために負担等した費用でないことは、その契約書上からも明らかである。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平24.11. 8 大裁(法)平24-33)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240033
裁決年月日
平成24年11月8日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が基本的利益を算定するために採用した比較対象企業には、本件の国外関連者と異なる業種のものが含まれているなど比較可能性がない旨主張する。しかしながら、原処分庁は、本件の国外関連者が営む業種分類がないため、一定の合理的な基準を設定、適用した上、請求人とも協議しその意見を取り入れて、類似する業種を抽出の対象としたものと認められるから、不合理とはいえないこと、また、比較対象企業の抽出は、基本的利益(営業利益)を算定するためのものであり、粗利益に比べて取引上の差異等の影響を受けにくいと考えられること、及び、一定数の企業が抽出されることにより個々の企業の差異が捨象され平均化されるものと考えられること、さらには、請求人が主張するようなより詳細な基準を比較対象企業の除外基準とすることは、海外に所在する企業に係る入手可能な資料が極めて限られたものであり、詳細に比較、検証することが難しい状況であることに鑑みれば、かえって恣意的な抽出基準となりかねないことから、本件において原処分庁が採用した基準によって抽出された比較対象企業には、本件国外関連取引との比較可能性があると認めるのが相当である。(平24.11. 8 大裁(法)平24-33)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平240034
裁決年月日
平成24年8月15日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集№88

要旨

○ 請求人は、請求人の子会社からの利益剰余金を原資とする剰余金の配当及び資本剰余金を原資とする剰余金の配当について、会社法上別々の法律行為として成立しているのであるから、利益剰余金を原資とする剰余金の配当は法人税法第23条《受取配当等の益金不算入》第1項第1号の剰余金の配当に、資本剰余金を原資とする剰余金の配当は同法第24条《配当等の額とみなす金額》第1項第3号の資本の払戻しによるものにそれぞれ該当する旨、また、当該剰余金の配当の全額を同号に規定する資本の払戻しによるものとして取り扱うと、法人税法施行令第23条《所有株式に対応する資本金等の額又は連結個別資本金等の額の計算方法等》第1項第3号の「払戻し等に係る株式の総数」に、利益剰余金を原資とする剰余金の配当の対象となった種類株式数が含まれるため、種類株式ごとの対応が図れないこととなる点からも当該剰余金の配当の全額が資本の払戻しによるものに該当しない旨主張する。しかしながら、当該子会社は、剰余金の配当の原資となる利益剰余金及び資本剰余金を同一の効力発生日に同時に減少して剰余金の配当を行っているから、当該剰余金の配当は、その全額が資本剰余金の額の減少に伴うものに該当し、法人税法第24条第1項第3号に規定する資本の払戻しとして同条が適用されることとなる。また、上記「払戻し等に係る株式の総数」の「払戻し等」には同号の資本の払戻しが含まれ、当該剰余金の配当の全額が資本の払戻しによるものに該当するから、当該子会社から当該剰余金の配当の支払を受けた株主が所有する当該子会社発行済株式の総数が上記「払戻し等に係る株式の総数」となる。(平24. 8.15 東裁(法)平24-34)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平240034
裁決年月日
平成24年8月15日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集№88

要旨

○ 請求人は、仮に、請求人の子会社のした利益剰余金及び資本剰余金をそれぞれ原資とする剰余金の配当の全額が法人税法第24条《配当等の額とみなす金額》第1項第3号の資本の払戻しによるものに該当するとしても、原処分庁が行ったいわゆるみなし配当の額の計算は、当該子会社の資本剰余金の減少額を超えて資本金等の額を減額するものとなるから、立法担当者による解説書の記載内容と明らかに反するものであるから適正ではない旨主張する。しかしながら、当該払戻しによる剰余金の配当を受けた場合のみなし配当の額の計算方法は、法人税法第24条第1項第3号及び法人税法施行令第23条《所有株式に対応する資本金等の額又は連結個別資本金等の額の計算方法等》第1項第3号に規定されており、原処分庁が行ったみなし配当の額の計算は、当該規定に基づいて計算されている。(平24. 8.15 東裁(法)平24-34)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240013
裁決年月日
平成24年8月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連者へ支払う業務手数料(本件業務手数料)について、当該国外関連者に配置された営業活動を行う部署において、営業活動とともに研究開発も行っているため、人件費や旅費等の経費以外に、試験設備費用、外部依頼の試験費用、サンプル作製費用など多額の費用を要しており、本件業務手数料は、営業活動や研究開発を行い、欧州を主とするグローバルな売上増加を進める部署の活動に対する正当な手数料であり、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、当該部署の営業活動に係る利益は、直接的には、欧州等に存在する関連会社が享受するものと認められ、これらの関連会社の販売活動とは別に当該部署の営業活動が請求人の製造活動に具体的にどのような利益をもたらすものであるかについて、これを明らかにし得る資料は提出されておらず、本件の全証拠によっても、請求人が当該国外関連者や関連会社に代わって当該部署の活動に要した費用を支払わなければならない取引上の理由を見出すことはできない。それに加え、当該部署の性格及び活動内容等に特段の変化が生じた様子がうかがわれないにも関わらず、本件業務委託料の支払が廃止されたことなどを併せ考えれば、本件業務手数料は、請求人にとって、直接的には対価性を有するものということはできず、請求人が当該部署の活動を支援するために支払ったものと認められるから、請求人の国外関連者に対する寄附金に該当する。(平24. 8. 1 大裁(法)平24-13)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240013
裁決年月日
平成24年8月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、それぞれK国国外関連者の代表を兼務する従業員2名のK国出張は、その大部分が請求人のための業務であること、及び両名のK国出張に対する請求人と各国外関連者との費用負担は、給与等の人件費及び日本国内の交通費については請求人負担、往復航空券代、海外現地発生費用については、各国外関連者の負担としており、その負担割合は妥当と考えられることから、請求人による給与等負担額は寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、両名がいずれも日本を活動の拠点としていたこと、両名ともK国への出張の際には、主に各国外関連者の業務に従事していたものと認められることに鑑みれば、両名がK国に滞在していた日数とそれ以外の日本等に滞在していた日数の割合により、両名が、各国外関連者の業務及び請求人の業務にそれぞれ従事した割合とし、これをもって当該給与等負担額についての負担割合を算定することは、一定の合理性を有するものと認められる。そうであるとすれば、請求人がみずから負担すべき金額を超えて負担した金額は、各国外関連者に対する寄附金に該当する。(平24. 8. 1 大裁(法)平24-13)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240013
裁決年月日
平成24年8月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連者が提供する役務(技術サービス・広告宣伝)について、その量ではなくレベル(水準)に基づいて年間の支払額を契約したものであり、請求人は各事業年度においても契約当初と同等のレベルの役務提供を受けているのであるから、当該契約に基づく支払額は適正なものであり、寄附金に該当する金額はない旨主張する。しかしながら、請求人が当該国外関連者に対して支払うべき役務提供の対価の額は、当該国外関連者が実際に負担した費用につき、請求人がその受益の程度に応じてこれを負担する性格のものであるとみることができ、その額を当該国外関連者が負担した費用の70%相当額以内とすることには一応の合理性があるとしても、少なくともこれを超える金額は、請求人の当該国外関連者に対する金銭の贈与又は無償の供与として寄附金に該当する。(平24. 8. 1 大裁(法)平24-13)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240013
裁決年月日
平成24年8月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の国外関連者に対して行った金銭の貸付けに係る金利は、通常の銀行預金での運用に比較しても十分に利益が得られるものであり、原処分庁が独立企業間の金利であるとして適用した金利は、請求人が借入れを行う場合の金利に比べて高く不当な金利である。また、当該金銭の貸付けは、当該国外関連者の倒産を回避するためにやむを得ず行ったもので、法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》に定める相当な理由に該当する適正な貸付けである旨主張する。しかしながら、請求人は、これまで非関連者に対して貸付けを行ったこともなく、また、当該国外関連者も請求人以外の金融機関等から借入れを行ったこともないなど、本件の金銭の貸付け取引は比較対象取引がない。これらの点から、原処分庁は、比較対象取引として、特殊の関係にない金融機関が、当該貸付けと通貨、貸借時期及び貸借期間が同様の条件下で融資を行う場合、スワップ市場で客観的に成立する金利スワップレートに相当する金利を基に独立企業間価格を算定したもので、当該方法は、当審判所においても相当と認められる。なお、国外関連者は連続2期に渡って損失を計上し、経営状態が悪いことは示しているものの債務超過にはなっておらず、また、そもそも当該貸付けは再建計画を作成して行われた貸付けでもないなど、やむを得ず行われた適正な貸付けとは認めることができない。(平24. 8. 1 大裁(法)平24-13)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平240014
裁決年月日
平成24年8月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連取引に係る対価の額が独立企業間価格を満たしているかどうかと、それによって法人の所得が国外へ移転して減少したかどうかを併せて検討すべきところ、国外関連者からの製品仕入原価には国外関連者が負担した役務提供の対価の額が含まれるから、所得の国外移転による減少は発生せず移転価格税制は適用されない旨、さらに、移転価格税制が適用されるとしても、①非関連企業に対する類似の役務提供は無償であること、②対価の額の値上げにより仕入原価も上昇すること、③現地宿泊費用を国外関連者が負担していることは独立企業間価格の算定において考慮されるべきである旨、また、国外関連者からの製品仕入取引と本件の役務提供取引は、役務提供の対価の額の受払いという観点で相関関係にあり租税特別措置法関係通達66の4(3)-1《取引単位》の(2)の一体として算定することが合理的であると認められる場合に該当するため、国外関連者からの輸入割合が100%未満であれば、独立企業間価格の算定において調整が必要であり、国外移転所得は発生しない旨主張する。しかしながら、本件において、本件国外関連取引と同様である比較対象取引は見いだすことはできず、役務提供に要した費用の総額である総原価の金額によって独立企業間価格を算定したことは、本件の取引内容に適合し、かつ、基本三法と同等の方法の考え方からかい離しない合理的な方法によるものと認められる。また、本件において請求人は、観念的な主張を繰り返すばかりで具体的な証拠を提出しないのであり、本件の全証拠によってもこれを認めることはできないから、請求人の主張は採用することができない。(平24. 8. 1 大裁(法)平24-14)

支部名
大阪
裁決番号
平240015
裁決年月日
平成24年8月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連取引に係る対価の額が独立企業間価格を満たしているかどうかと、それによって法人の所得が国外へ移転して減少したかどうかを併せて検討すべきところ、国外関連者からの製品仕入原価には国外関連者が負担した役務提供の対価の額が含まれるから、所得の国外移転による減少は発生せず移転価格税制は適用されない旨、さらに、移転価格税制が適用されるとしても、①非関連企業に対する類似の役務提供は無償であること、②対価の額の値上げにより仕入原価も上昇すること、③現地宿泊費用を国外関連者が負担していることは独立企業間価格の算定において考慮されるべきである旨、また、国外関連者からの製品仕入取引と本件の役務提供取引は、役務提供の対価の額の受払いという観点で相関関係にあり租税特別措置法関係通達66の4(3)-1《取引単位》の(2)の一体として算定することが合理的であると認められる場合に該当するため、国外関連者からの輸入割合が100%未満であれば、独立企業間価格の算定において調整が必要であり、国外移転所得は発生しない旨主張する。しかしながら、本件において、本件国外関連取引と同様である比較対象取引は見いだすことはできず、役務提供に要した費用の総額である総原価の金額によって独立企業間価格を算定したことは、本件の取引内容に適合し、かつ、基本三法と同等の方法の考え方からかい離しない合理的な方法によるものと認められる。また、本件において請求人は、観念的な主張を繰り返すばかりで、具体的な証拠を提出しないのであり、本件の前証拠によってもこれを認めることはできないから、請求人の主張は採用することができない。(平24. 8. 1 大裁(法)平24-15)

支部名
大阪
裁決番号
平240005
裁決年月日
平成24年7月12日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税法の解釈においては、法令解釈通達の定めが合理的である限り、その定めが尊重されるべきであり、租税特別措置法関係通達66の6−17《事業の判定》によれば、特定外国子会社等の行う主たる事業は、原則として日本標準産業分類を基準に判定する旨定められているところ、製品の製造を行う各工場(本件各工場)は、請求人の外国子会社の下請工場であって、当該外国子会社が自ら製造活動を行うものではなく、当該外国子会社の主たる事業は、日本標準産業分類上の卸売業(製造問屋)であるから、本件では非関連者基準を適用をして、外国子会社合算税制の適用除外を認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の外国子会社は、その従業員を本件各工場の責任職や各部門の責任者に派遣、配置し、これらの派遣職員により本件各工場全体を組織的に管理運営する体制を整え、本件各工場における人員の確保及び管理、施設・設備の確保及び管理、原材料の確保及び管理、製品の品質管理、原価管理をいずれも自らの責任と判断において主体的に行っていたものと認められるから、当該外国子会社自身が実質的にみて、本件各工場における製造活動を行い、その販売する製品を自ら製造しているというべきである。したがって、当該外国子会社の行う主たる事業は製造業であると認められ、これを卸売業であると判定することはできない。(平24. 7.12 大裁(法)平24-5)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平230233
裁決年月日
平成24年5月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、受取配当等の益金不算入の規定及びみなし配当規定の制度趣旨などからすれば、東京証券取引所(東証)のToSTNeT市場における自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)を利用した自己株式の取得は、法人税法施行令第23条《所有株式に対応する資本金等の額又は連結個別資本金等の額の計算方法等》第3項第1号の「金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所の開設する市場における購入」による取得に該当せず、法人税法第24条《配当等の額とみなす金額》第1項第4号に規定するみなし配当規定の適用がある自己株式の取得に該当するから、ToSTNeT−3を利用した株式売却により交付を受けた金銭の額の一部はみなし配当額となる旨主張する。しかしながら、租税法規の解釈は、原則として文理解釈によるべきであり、文理解釈によっては規定の意味内容を明らかにすることが困難である場合に初めて、規定の趣旨・目的に照らしてその意味内容を明らかにする合目的的解釈が行われるべきであるところ、法人税法施行令第23条第3項第1号に規定する取得の形態は、金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所が開設するという明確な要件が付された市場における購入による取得とされており、文理解釈によってその意味内容を明らかにすることが困難ということはできないから、その文言の意味するところに即して解釈すべきである。そして、東証は、金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所に該当し、また、ToSTNeT市場は、東証が開設する同条第17項に規定する取引所金融市場のうち立会市場以外の市場に当たることは明らかであるから、東証のToSTNeT市場は、法人税法施行令第23条第3項第1号の「金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所の開設する市場」に該当する。したがって、ToSTNeT−3を利用した株式売却により交付を受けた金銭の額にはみなし配当額はないというべきである。(平24. 5.25 東裁(法)平23-233)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平230205
裁決年月日
平成24年4月16日
裁決結果
棄却
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の国外関連者に該当する外国法人に出向していた使用人の海外勤務手当を請求人が負担していたことについて、当該使用人は出向先法人において請求人の新商品の開発業務に携わっていたことなどから、当該海外勤務手当は、請求人が負担することに合理的な理由があるので、請求人の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、当該使用人は出向先法人に対して労務を提供していたのであり、当該出向に係る契約書においても、海外勤務手当は出向先法人の負担とすべき旨定められていたことに加え、当該使用人の労務の成果が出向先法人の利益のみならず請求人の利益にも資するものであったとしても、それは、請求人と出向先法人との資本関係を通じて間接的に得られる事実上の利益であるにすぎず、かかる事情をもって海外勤務手当を請求人が負担する合理的理由があると解することはできないことからすると、当該使用人について請求人が海外勤務手当を負担することにつき通常の経済取引として是認できる合理的な理由があるとは認められない。そうすると、請求人が当該海外勤務手当を負担したことは、請求人の国外関連者である出向先法人に対し、対価なく経済的利益を供与していたということになるから、当該海外勤務手当は、請求人の国外関連者に対する寄附金に該当し、その全額が損金の額に算入できないこととなる。(平24. 4.16 東裁(法・諸)平23-205)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平230044
裁決年月日
平成24年3月26日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、企業グループ内における役務提供取引の移転価格税制に基づく課税は平成14年6月の移転価格事務運営要領(事務運営指針)の改正により運用方針が明らかにされたものであるところ、原処分は、周知徹底期間等を一切考慮に入れずに改正直後の請求人の活動を課税対象としたものであり許されない旨、また、本件役務提供は、請求人の固有の業務と評価されるべき業務であり有償性がなく、仮に有償性のある役務提供取引であるとしても、原処分庁が独立企業間価格の算定に用いた指標の数値には合理性がないから、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、移転価格税制に関する規定は、昭和61年4月1日以後に開始する事業年度から適用されるところ、当該規定にいう役務の提供取引に企業グループ内における役務の提供が含まれないと解すべき根拠はなく、企業グループ内における役務の提供の取扱いを定めた移転価格事務運営要領の取扱いは、当該規定の趣旨を企業グループ内における役務の提供取引に即して確認的に明らかにしたものにすぎないと解される。また、本件の役務提供取引は、月次決算業務、資金の運用、調達等の本来国外関連者が行うべき業務を請求人の該当部署が国外関連者を支援する目的で行っているものと認められるから、有償性のある役務提供取引に該当すると認められる。さらに、独立企業間価格の算定に使用した業務件数割合等の数値は、原処分庁が請求人から提出を受けた文書等の信頼性を有する資料に基づいて算出されており、役務提供を行った部署の業務内容、業務項目の抽出態様等に鑑みると、当該数値は当該部署の活動実態を相当程度反映したものであると認めるのが相当であるから、当該数値によって独立企業間価格を算定した原処分は適法である。(平24. 3.26 大裁(法)平23-44)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平230044
裁決年月日
平成24年3月26日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が再販売価格基準法に準ずる方法により原処分を行ったことに対し、①本件受注販売取引については基本三法の適用が可能であること、また、②本件受注販売取引が売買取引であるのに代理店取引を比較対象取引としたこと、③請求人内部の海外営業部に係る営業口銭率により差異調整を行ったことなどを理由に、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、①請求人が主張する比較対象者(取引)は、法人のホームページ等の公開情報を基に事業概要等を確認したものにすぎず、これら公開情報では本件受注販売取引との比較に必要な棚卸資産の同種性又は類似性並びに比較対象者が果たす機能及び負担するリスク等について、十分に検討できるだけの情報を把握することはできないほか、本件の全証拠によっては、他に比較対象取引を見いだすことはできないから、原処分庁が基本三法を適用できないとしたことは相当である。また、②本件受注販売取引と比較対象取引は、いずれも類似した製品に係る受注販売取引であるところ、本件受注販売取引は、法形式は再販売取引であるものの、国外関連者は、売買差益によって利益を得るのではなく、一定のコミッション率により利益(報酬)を得ること及び在庫に係るリスク等を負担しないことなど、その経済的実質においては、比較対象とされた代理店取引と機能及びリスクが類似しており、比較対象取引とすることができること、そして、③請求人は、「海外営業部と海外販売会社」又は「海外営業部と代理店」により販売活動等を行っていることから、本件受注販売取引において、「海外営業部と海外販売会社」又は「海外営業部と代理店」のそれぞれが果たす機能及び負担するリスクは同等であると認められるから、営業口銭率は、請求人の海外営業部の活動量等の差を客観的に示すものであり、営業口銭率によって本件受注販売取引と比較対象取引に係る差異調整を行ったことは相当である。(平24. 3.26 大裁(法)平23-44)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平230044
裁決年月日
平成24年3月26日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連者との在庫販売取引について、①本件では独立企業間価格の算定に再販売価格基準法が適用できること、②原処分庁が採用した利益分割法は、請求人の経営実態からかい離した算定手法であり合理性を欠くこと、③仮に利益分割法を適用するとしても、原処分庁が分割要因とした原材料費を除く製造原価並びに販売費及び一般管理費から外注加工費を除かなかったこと及び分割要因にウエイト付けを行わなかったことは合理性を欠くことから、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、①請求人が主張する比較対象者(取引)は、法人のホームページ等の公開情報を基に事業概要等を確認したものにすぎず、これら公開情報では本件在庫販売取引との比較に必要な棚卸資産の同種性又は類似性並びに比較対象者が果たす機能及び負担するリスク等について、十分に検討できるだけの情報を把握することはできないほか、本件の全証拠によっては、他に比較対象取引を見いだすことはできないから、原処分庁が基本三法が適用できないとしたことは相当である。また、②業種のいかんを問わず企業における費用と収益との間には相応の対応関係が存するのが通常であり、取引当事者の一方が特に支出する費用を削減していないといえない限り、おおむね企業が支出する費用は、取引に係る所得の発生に寄与している度合いを表しているといえるから、本件において利益分割法が合理性を欠くとはいえないこと、③製造活動の一環として外注先に具体的な加工業務の指図を行うことは、本件在庫販売取引における重要な機能と評価できるから、外注加工費は所得の発生に寄与するものと認められること、そして、請求人において技術開発活動及びマーケティング活動と比較して製造活動の重要性が著しく低いということを認めるに足りる証拠はなく、他に分割要因として技術開発活動及びマーケティング活動に特にウエイト付けを行わなければならないような理由は認められない。(平24. 3.26 大裁(法)平23-44)

支部名
関東信越
裁決番号
平230058
裁決年月日
平成24年2月21日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が計算誤りについて指摘せず、指導の懈怠があるとして、請求人に法人税法第23条《受取配当等の益金不算入》第8項に規定する「やむを得ない事情」がある旨主張する。しかしながら、法人税法第23条第8項に規定する「やむを得ない事情」とは、災害又はこれに準ずるような外的要因によるものをいい、法令の不知、失念等の自己の責めに帰すべき事情はこれに該当しないと解するのが相当であるところ、本件確定申告書において益金不算入額に関する明細の記載がされなかったのは、法令の不知又は関与税理士の失念によるものと認めることができるから、請求人に法人税法第23条第8項に規定する「やむを得ない事情」があるとはいえない。また、請求人が提出した確定申告書には益金不算入額に関する明細の記載がなかったのであり、同項の規定を適用しないでされた当該確定申告書の計算に誤りはないのであるから、原処分庁に計算誤りがあるとして指導すべき理由はなく、指導の懈怠があるとはいえない。申告納税制度の下では、納税申告は納税者自身の判断と責任においてなされるべきであって、請求人に対し積極的な指導がなかったからといって、それが災害又はこれに準ずるような事情に当たるとはいえない。(平24. 2.21 関裁(法)平23-58)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
広島
裁決番号
平230011ほか 1件
裁決年月日
平成24年1月25日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集№86

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》第1項の規定による課税の特例(外国子会社合算税制)は、内国法人に租税回避行為がある場合にのみ適用すべきであり、外国子会社合算税制の適用により我が国の国際競争力を弱めるような事態が生じる場合には適用されない旨主張する。しかしながら、外国子会社合算税制は、租税特別措置法第66条の6第1項において外国子会社合算税制が適用される特定外国子会社等を定義した上で、同条第4項において適用除外要件を定め、特定外国子会社等が独立企業としての実体を備え、かつ、その本店又は主たる事務所の所在する国又は地域で事業活動を行うことについて十分な経済的合理性がある場合には、同条第1項の規定を適用しないとして、課税要件を具体的かつ明確に定め、その適用範囲を国際的な租税回避行為の事案に限定するとともに、法の適正な執行が担保されるようにした規定であると解され、同条がそれ以上に、「租税回避行為がある場合」といった要件まで要求していないことは、条文の文言上、明らかであるから、外国子会社合算税制は、租税回避行為がある場合に限定して適用されるべきであるということはできない。(平24. 1.25 広裁(法)平23-11)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
広島
裁決番号
平230011
裁決年月日
平成24年1月25日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集№86

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》第4項の規定の適用を受ける場合、同項の規定の適用がある旨を記載した書面の添付を規定する同法第66条の6第6項は、平成19年法律第6号による改正の経緯からすれば、その改正前は、当該書面の添付は行政上の便宜のために求めていたにすぎないこと、また、同条第1項の規定による課税の特例の趣旨は、租税回避の防止であり、懲罰的な側面も否定できない課税であることから、書面添付がなされていないだけで課税を許容することは、納税者に対し過大な負担を与えることとなり妥当ではないなどとして、同条第4項は、同条第6項に規定する書面が添付されている場合に限り適用されるものではない旨主張する。しかしながら、特定外国子会社等に該当する請求人の外国子会社は、その主たる事業として製造業を本店所在地国等で行っていたとはいえず、租税特別措置法第66条の6第4項第2号に規定する所在地国基準を満たさないのであるから、同条第4項は、同条第6項に規定する書面が添付されている場合に限り適用することができるか否かを判断するまでもなく、本件においては、同条第4項の規定の適用はないというべきである。(平24. 1.25 広裁(法)平23-11)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
広島
裁決番号
平230011ほか 1件
裁決年月日
平成24年1月25日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集№86

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》第4項の所在地国基準の趣旨は、特定外国子会社等の本店所在地国において資本投下を行い、その地域の経済と密接に関連して事業活動を行っている場合には、その地域にいる経済的合理性が推認できるため、外国子会社合算税制は適用されないところにあるから、ここにいう「国又は地域」の同一性はその地域と政治的経済的に密接に関連しているか否かによって、判断すべきものであり、特定外国子会社等に該当するA社の本店所在地国たるC区とB国を別の国と解するべきではなく、A社は、その事業を主として本店所在地国等で行っていたといえる旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第66条の6第4項第2号の「地域」とは、特定の国の中で特に租税の負担がない又は税率が著しく低い一定の地域を意味し、同号の規定を適用するに当たっては同一の「国又は地域」に当たるかどうかの判断は、税制の同一性を基準として判断すべきであるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平24. 1.25 広裁(法)平23-11)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
広島
裁決番号
平230011
裁決年月日
平成24年1月25日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集№86

要旨

○ 請求人は、特定外国子会社等の営む事業が租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》第4項第1号に掲げる卸売業等(第1号事業)又は同項第2号に掲げる第1号事業以外の事業(第2号事業)のいずれかに該当するかは、租税特別措置法関係通達(法人税編)66の6−17《事業の判定》により日本標準産業分類を基準として判定するものとされており、卸売業とは有体的商品を購入して販売することを意味するところ、特定外国子会社等に該当する請求人の外国子会社(A社)は、B国の工場(本件工場)から○○等の部品(本件部品)を仕入れ、それを他に販売する事業を行っていること、また、A社は請求人から完成品を仕入れ、当該完成品を第三者に販売している点からしても、A社の主たる事業は第1号事業である卸売業に該当する旨主張する。しかしながら、A社は、本件工場で本件部品の加工生産を行うために必要な物的設備及び人員を管理、支配し、製造した商品の品質、納期などを管理していたということができるとともに、本件工場の損益を自らに帰属させていたということができることから、それらの事実を総合的に判断すると、A社は本件工場において自ら製造行為を行っていたといえる。そして、A社の売上高及び売上原価、使用人の数並びに固定資産の状況は、それらのほとんどが本件工場に係るものであることからすれば、A社は、本件各事業年度において、第2号事業である製造業を主たる事業として行っていたと認めるのが相当である。(平24. 1.25 広裁(法)平23-11)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
広島
裁決番号
平230012
裁決年月日
平成24年1月25日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、特定外国子会社等の営む事業が租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》第4項第1号に掲げる卸売業等(第1号事業)又は同項第2号に掲げる第1号事業以外の事業(第2号事業)のいずれかに該当するかは、租税特別措置法関係通達(法人税編)66の6−17《事業の判定》により日本標準産業分類を基準として判定するものとされており、卸売業とは有体的商品を購入して販売することを意味するところ、特定外国子会社等に該当する請求人が株式を保有する外国法人(A社)は、B国の工場(本件工場)から○○等の部品(本件部品)を仕入れ、それを他に販売する事業を行っていること、また、A社は請求人の関連法人から完成品を仕入れ、当該完成品を第三者に販売している点からしても、A社の主たる事業は第1号事業である卸売業に該当する旨主張する。しかしながら、A社は、本件工場で本件部品の加工生産を行うために必要な物的設備及び人員を管理、支配し、製造した商品の品質、納期などを管理していたということができるとともに、本件工場の損益を自らに帰属させていたということができることから、それらの事実を総合的に判断すると、A社は本件工場において自ら製造行為を行っていたといえる。そして、A社の売上高及び売上原価、使用人の数並びに固定資産の状況は、それらのほとんどが本件工場に係るものであることからすれば、A社は、本件各事業年度において、第2号事業である製造業を主たる事業として行っていたと認めるのが相当である。(平24. 1.25 広裁(法)平23-12)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
広島
裁決番号
平230012
裁決年月日
平成24年1月25日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》第4項の規定の適用を受ける場合、同項の規定の適用がある旨を記載した書面の添付を規定する同法第66条の6第6項は、平成19年法律第6号による改正の経緯からすれば、その改正前は、当該書面の添付は行政上の便宜のために求めていたにすぎないこと、また、同条第1項の規定による課税の特例の趣旨は、租税回避の防止であり、懲罰的な側面も否定できない課税であることから、書面添付がなされていないだけで課税を許容することは、納税者に対し過大な負担を与えることとなり妥当ではないなどとして、同条第4項は、同条第6項に規定する書面が添付されている場合に限り適用されるものではない旨主張する。しかしながら、特定外国子会社等に該当する請求人が株式を保有する外国法人は、その主たる事業として製造業を本店所在地国等で行っていたとはいえず、租税特別措置法第66条の6第4項第2号に規定する所在地国基準を満たさないのであるから、同条第4項は、同条第6項に規定する書面が添付されている場合に限り適用することができるか否かを判断するまでもなく、本件においては、同条第4項の規定の適用はないというべきである。(平24. 1.25 広裁(法)平23-12)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平230038
裁決年月日
平成23年12月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、外国子会社の行う主たる事業が卸売業であり、租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》第4項第1号に規定する卸売業等の事業に当たる旨主張する。しかしながら、特定外国子会社等の主たる事業が製造業に当たるか卸売業に当たるか、すなわち、販売する製品の製造を自ら行っているか否かを判断するに当たっては、現実の当該事業の経済活動としての実質・実体がどのようなものであるかという観点から、①製品製造のための生産設備の整備、人員の配置及び原材料・補助材料等の調達等への特定外国子会社等の関与の状況を踏まえた上で、②当該外国子会社等の設立の目的並びに製品製造のための人員の組織化、生産管理の策定・実施、生産設備の投資計画の策定、財務管理の実施及び人事・労務管理の実施等への当該外国子会社等の関与の状況等を総合的に考慮した上で、③製品の製造・販売を行うために関係当事者との間で作成されている契約書の記載内容も勘案しつつ、事業実体の具体的な事実関係に即した客観的な観察によって、社会通念に照らして個別具体的に判断すべきものと解するのが相当である。これを本件についてみると、当該外国子会社は、現地事務所とA国工場(本件工場)の一体的運営による製品の製造販売を行うことを目的として当該運営に係る事業展開を予定して設立され、A国企業との間の各協議書等による合意に基づき、本件工場における製品製造のための生産設備の整備、人員の配置及び原材料・補助材料等の調達等の全ての面において主体的に関与し、本件工場の技術指導及び品質管理を目的として派遣した工場長や各部長等を通じ本件工場の製造業務を掌握・管理し、製造業務に従事する人員を組織的に統括して本件工場における生産管理に主体的に関与しており、また、本件工場の財務管理を行い、実質的に人事・労務管理も行うなど本件工場の経営管理を行い、更には、当該外国子会社は、上記各協議書等により、本件工場の経営を請け負い、本件工場の生産経営管理につき権利を有し、企業の全ての経営コストを負担することになる。そうすると、上記各協議書等の全体を勘案しつつ、当該外国子会社がA国企業と提携して遂行する事業の全体を具体的な事実関係に即して客観的に観察すれば、当該外国子会社は、社会通念上、実質的に本件工場において自ら販売製品の製造を行っていたものと認めることができる。そして、本件工場に関する費用が当該外国子会社全体の80%を超えており、当該外国子会社が、その人員及び資本の大半を本件工場における製造業務に集中的に投下していたことなどを考え併せると、当該外国子会社の主たる事業は、製造業であるというべきであり、租税特別措置法第66条の6第4項第1号に規定する卸売業等の事業に当たらない。(平23.12.19 関裁(法)平23-38)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平230038
裁決年月日
平成23年12月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、外国子会社の事業が製造業に当たるとの見解が原処分庁から示されておらず、当該外国子会社の事業が卸売業であるとの見解の下で確定申告書を作成すれば外国税額控除の適用自体を判断する余地はあり得ないものであるなどとして、請求人に法人税法第69条《外国税額の控除》第18項に規定するやむを得ない事情がある旨主張する。しかしながら、同項の「やむを得ない事情」とは、例えば、外国所得税を課されたことを証する書類を添付しようとしたが、外国政府の事務処理上の都合でこの書類の作成が遅れ、期限までに入手できず確定申告書に添付できなかった場合など、納税者の責めに帰すことのできない客観的事情をいい、納税者の法の不知や事実の誤認などの主観的事情はこれに当たらないと限定的に解するのが相当であるところ、請求人は、外国子会社の主たる事業について原処分庁から何らの見解も示されていないことをもって、当該外国子会社の主たる事業が卸売業であると判断し、外国税額控除に関する記載及び書類の添付をせずに本件各確定申告を行っていたのであり、このことは、請求人の主観的な事情によるものというべきであるから、請求人に法人税法第69条第18項に規定するやむを得ない事情があるとはいえない。(平23.12.19 関裁(法)平23-38)

支部名
名古屋
裁決番号
平230049
裁決年月日
平成23年11月22日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法(平成21年法律第13号による改正前のもの。)第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》第1項に規定する特定外国子会社等に該当する請求人の子会社(本件特定外国子会社)の事業は、地域統括事業であり、その内容は、地域企画機能・調達機能・経理機能など多岐にわたっており、これらの機能は、それぞれが独立して機能するわけではなく、有機的一体として、地域の各拠点に提供されており、また、所得金額の多寡のみを基準として事業の判定を行った場合には、本件特定外国子会社における現実の事業活動の実態を無視し又は実態から乖離した判断がなされるおそれがあり、本件特定外国子会社のような地域統括会社においては、必ずしも、所得金額がその事業活動の結果、経済的効果を反映するものではなく、所得金額が使用人の数や固定施設の状況に比して重要であるとはいえない旨主張する。しかしながら、本件特定外国子会社は、その収入金額、所得金額のおおむねを株式保有業から得ており、また、保有資産の額の過半が株式保有業に係るものと認められる。一方で、使用人はすべて地域関連会社に対するサービス業に投入されているが、そもそも株式保有業は従業員がいなくても行い得る事業であり、固定施設についても、株式保有業にはさして必要ではないから、これらを重視して本件特定外国子会社の事業基準に係る主たる事業の判定を行うことは適当ではないと考えられる。本件特定外国子会社の事業について、収入金額や所得金額の状況、使用人の数や固定施設等の状況を事業基準の趣旨に基づいて総合勘案すると、その主たる事業は株式保有業と認めるのが相当である。(平23.11.22 名裁(法)平23-49)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平230023
裁決年月日
平成23年7月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、所在地国基準を適用するに当たって、1997年の返還後はB区はA国の一部であり、地理的な近接さや経済的協力関係等をかんがみれば、それらは一つの国又は地域として解すべきである旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》で国又は地域として規定しているのは、国単位のみで外国子会社合算税制を適用した場合、必ずしも租税の負担が著しく低いとはいえない国のうち租税の負担が著しく低い特定の地域に所在する外国関係会社の留保利益が合算税制の対象とならないことに対応するためであり、B区については、A国への返還後においても、A国とは租税制度が異なること、課税権を行使する権限ある当局もそれぞれ異なることから、B区は同税制の適用上、A国とは税制の異なり租税負担が著しく低く定められた地域に該当する。(平23. 7.25 東裁(法)平23-23)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平230023
裁決年月日
平成23年7月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国子会社の事業は、自らは製造を行わないで、自己の所有に属する原材料等を下請工場に支給して製品をつくらせ、これを自己の名称で販売するものであり、日本標準産業分類上、卸売業に分類される「製造問屋」に当たり、租税等別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》第4項第1号に規定する卸売業に該当し、非関連者基準を充足するから同条第1項の適用はない旨主張する。しかしながら、卸売業に当たるか否かの判定については、外国子会社が製造を自ら行わず、下請工場などの他社が製造した製品を購入して卸売しているか、製品の加工等を行うにしても販売業務に付随して行う軽度の加工、取付修理の範囲内にとどまっているかにより判定すべきところ、請求人の外国子会社は自ら販売に付随して行う加工、取付修理の範囲を超えて、有体的商品に物理的又は化学的な変化を加えることで、本件製品を製造していると認められるから、当該外国子会社の事業は卸売業以外の事業に該当し、非関連者基準の適用はない。(平23. 7.25 東裁(法)平23-23)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平230023
裁決年月日
平成23年7月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国子会社が所在地国基準を満たすか否かは、当該外国子会社の重要なマネジメントを行っている代表取締役が所在する場所で判定すべきであり、これによれば当該子会社は所在地国基準を満たし適用除外となる旨主張する。しかしながら、所在地国基準を満たすか否かは、特定外国子会社等の事業にとっての本質的な行為、例えば、製造業にあっては製造行為が行われる物理的場所がその本店所在地国等にあるか否かで判定すべきである。(平23. 7.25 東裁(法)平23-23)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平230023
裁決年月日
平成23年7月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の外国子会社に対して租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》(いわゆる外国子会社合算税制)第1項を適用して行った更正処分に対し、請求人には租税回避の意図はなく、当該外国子会社は本店所在地を物流拠点としてA国の安価な労働力を利用できるといった経済合理性があるから、制度創設の趣旨から判断して、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、経済的合理性を有するとして同税制の適用を除外するか否かは、同条第4項に規定する要件を満たすか否かによって判断すべきであり、租税回避の意図の有無は当該要件に含まれていないことは明らかであり、請求人の主張には理由がない。(平23. 7.25 東裁(法)平23-23)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平220121
裁決年月日
平成22年12月10日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、法人税基本通達の各種の弾力的な取扱いにかんがみれば、申告納税方式である税については必ずしも申告納税日の属する事業年度に損金算入を要求されていないから、特定外国子会社等の適用対象留保金額の計算上、法人税等の課税標準となる所得の帰属年度において当該法人税等の額を未処分所得の金額から控除することも税務上認められるべき合理的な基準に該当する旨主張する。しかしながら、特定外国子会社等の適用対象留保金額の計算上、未処分所得の金額から控除する法人所得税の額を規定した租税特別措置法施行令第39条の16第1項第1号については、特定外国子会社等の範囲を定めた租税特別措置法施行令第39条の14第1項第2号にある「その各事業年度の所得に対して課される租税の額」等の表現が用いられず、「当該各事業年度において納付をすることとなる法人所得税の額」と納付に着目して規定されていることからすると、当該各事業年度において納付すべきことが具体的に確定した租税債務の金額をいうものと解されるから、合算対象事業年度終了後の申告に係る法人税等の額は、当該事業年度の未処分所得の金額から控除することはできない。(平22.12.10 東裁(法)平22-121)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平220121
裁決年月日
平成22年12月10日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の6のいわゆる外国子会社合算税制の規定は、外国子会社が稼得する国外源泉所得を日本の課税に取り込む制度であるから、当該外国子会社の国内源泉所得として課税済の所得をもう一度その親会社(内国法人)の課税所得として取り込むべきではない旨、また、請求人のA国子会社B社は租税特別措置法施行令第39条の14第1項第2号の外国関係会社には当たらないが、同社のように日本で法人税を課されるべき国内源泉所得を有する場合には、同号及び租税特別措置法関係通達66の6−20の解釈を踏まえ、外国法人税に日本の法人税等を含めて計算した租税負担率が25%以下であるかどうかで特定外国子会社等に該当するかどうかを判定すべきである旨主張する。しかしながら、B社は、同項第1号の「法人の所得に対して課される税が存在しない国又は地域に本店又は主たる事務所を有する外国関係会社」に該当し、請求人の特定外国子会社等に当たると判断するのが相当であるところ、租税法規の解釈は、原則として文理解釈によるべきであり、本件においては、同号の規定は明確であり、同項が特定外国子会社等の要件を法人の所得に対して課される税が存在しない国又は地域に本店又は主たる事務所を有する外国関係会社とそれ以外の外国関係会社とに分けて規定していることは明らかであるから、請求人の主張は採用できない。(平22.12.10 東裁(法)平22-121)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平220118
裁決年月日
平成22年12月8日
裁決結果
棄却
争点番号
302508000
争点
25その他の特例/8過少資本
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法施行令第39条の13第22項の自己資本の額たる純資産の価額は、内国法人の信用力を表すべきであるので、時価に基づくべきであるところ、請求人の作成した会計帳簿において、一部の月につき、保有する投資有価証券の時価による評価損益が反映されずに総資産の帳簿価額又は総負債の帳簿価額が求められているから、すべての月において投資有価証券の時価による評価損益が反映されるよう記帳し直し、それにより純資産価額を計算すべきである旨主張する。しかしながら、租税特別措置法施行令第39条の13第23項が、同令第22項の帳簿価額を当該内国法人がその会計帳簿に記載した資産又は負債の金額によるものとする旨規定している趣旨は、当該内国法人がその会計帳簿に記載した資産又は負債の金額を基礎として純資産の額である自己資本の額を計算することにより、自己資本の額の計算の簡明化を図り、納税者の予測可能性を高めることにあるとされ、この趣旨からすると、同項の「会計帳簿に記載した資産又は負債の金額」とは、当該内国法人が改めて資産及び負債を時価評価した上で求めた金額ではなく、企業が関係各法令又は会計原則の定めに従い、作成し保存している帳簿そのものに記載された資産又は負債の額であると解される。したがって、請求人の主張には理由がない。(平22.12. 8 東裁(法)平22-118)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平220118
裁決年月日
平成22年12月8日
裁決結果
棄却
争点番号
302508000
争点
25その他の特例/8過少資本
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の5《国外支配株主等に係る負債の利子等の課税の特例》(過少資本税制)に規定する「負債の利子等」は、過少資本税制の制度趣旨、租税条約の規定及び請求人の本件契約を締結するに至った事情をかんがみて、条文上の形式的な文言のみから解釈すべきではなく、限定的に解釈すべきであるから、本件契約に基づく本件利息は「負債の利子等」に該当しない旨主張する。しかしながら、租税法の解釈は、法的安定性の要請が強く働くことから、原則として文理解釈によるべきであり、みだりに拡張解釈や類推解釈を行うことは許されないと考えられるところ、過少資本税制における「負債の利子等」は、租税特別措置法第66条の5第4項第3号のほか、租税特別措置法施行令第39条の13第14項(平成18年1月期については同条第1項)、第15項及び第16項において、利子に準ずるもの及び政令で定める費用等まで詳細に規定され、租税特別措置法関係通達66の5−7《負債の利子の範囲》においても留意すべき点が明らかにされており、これらの規定等を併せ考慮すれば、適用対象となるべき「負債の利子等」の意義は明確に規定されており、他に解すべき理由はない。これを本件利息についてみると、過少資本税制における「負債の利子等」に該当することは明らかである。(平22.12. 8 東裁(法)平22-118)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平220118
裁決年月日
平成22年12月8日
裁決結果
棄却
争点番号
302508000
争点
25その他の特例/8過少資本
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、日A国租税条約の特殊関連企業条項又はその趣旨からすると、租税特別措置法第66条の5《国外支配株主等に係る負債の利子等の課税の特例》(過少資本税制)は、特殊関連企業間における取引のいかなる点が独立企業間の条件とは異なるのかが証明された上で適用されるべきところ、原処分庁は、その点を証明していないから、本件各更正処分は、日A国租税条約の特殊関連企業条項又はその趣旨に反するものとして違法である旨主張する。しかしながら、日A国租税条約の特殊関連企業条項は、OECDモデル租税条約第9条に倣い、いわゆる「独立企業原則」を定めたものであるところ、OECDモデル租税条約第9条に関するコメンタリーの3a)は、「過少資本税制による課税所得の調整の結果が、関連企業から借入れを行った企業の利得を独立企業の状況においてであれば発生したであろう利得に接近させるものとなっていれば、租税条約の独立企業原則により当該過少資本税制の適用は妨げられない」としており、日A国租税条約の特殊関連企業条項の独立企業原則と我が国過少資本税制との関係も同様に解するのが相当であるところ、我が国の過少資本税制は、我が国の企業の実体等を踏まえて負債と資本の比率について3倍という固定比率を原則的な基準として設定した上で、類似法人の負債・資本比率を選択的に適用することも認めているのであり、上記の独立企業原則の考え方に沿った規定になっていると解されるから、日A国租税条約の特殊関連企業条項により我が国の過少資本税制の適用が制限されると解することはできない。そして、本件利息については、我が国の過少資本税制の適用要件をすべて充足するのであるから、本件各更正処分は適法である。(平22.12. 8 東裁(法)平22-118)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平220058
裁決年月日
平成22年9月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、独立企業間価格の算定方法を検討する前提として、租税特別措置法関係通達66の4(3)−1は、独立企業間価格の算定は、原則として個別の取引ごとに行うとしており、複数の取引を一の取引として独立企業間価格を算定するという例外が認められるためにはその各々の価格に相関関係があること等、一つのパッケージ取引としてまとめて価格算定を行う合理性が認められる必要があり、本件ではパッケージ取引としてまとめて一つの価格を付することが認められる例外的な場合には当たらない旨主張する。しかしながら、租税特別措置法関係通達66の4(3)−1は、独立企業間価格の算定は、個別の取引ごとに行うのが原則であるが、生産用部品の販売取引と当該生産用部品に係る製造ノウハウの使用許諾取引等が一体として行われている等、独立企業間価格についても一体として算定することが合理的であると認められるような場合には、複数の取引を一の取引として独立企業間価格を算定することができる旨定めており、同通達の取扱いは当審判所においても相当と認められるところ、請求人は、国外関連者に対し、取引段階のそれぞれにおいて、個々の無形資産につき個別に対価を求めるのではなく、包括的に製品に関する製造及び販売並びにサービスの実施を許可し、技術情報の使用を許可して提供し、商標使用権を与えているのであり、このような場合においては、無形資産の一つ一つが製品の価値を高めるのにどの程度の貢献をするか分割して量ることは極めて困難であると認められることから、製品の輸出取引及び役務提供取引に、重要な無形資産の使用に係る取引を含めた本件国外関連取引を一の国外関連取引として独立企業間価格を算定することは合理的である。(平22. 9. 9 東裁(法)平22-58)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平220058
裁決年月日
平成22年9月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、基本的利益を算出するに当たっての比較対象法人に、①関連者取引を行っている企業、②海外売上比率の高い企業、③登録特許権等の重要な無形資産を有する企業、④事業の継続性に問題がある企業、⑤国外関連者が存する国の税恩典を享受しない企業や特有の割賦販売システムを利用しない企業を選定しているので違法又は著しく不当である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、国外関連者に係る比較対象企業について、公開データからその候補を選定し、明らかに比較可能性のない企業及び様々な観点からの合理的に定められた6つの基準にあてはまる企業を一律に除外し、さらに重要な無形資産の有無について入手可能な情報を基に個別に検討の上、比較対象企業を選定しており、原処分庁による比較対象企業の選定過程にし意性は認められず、国外関連者所在地国企業に関する公開情報が限られているという制約の下で一定の比較可能性が確保される比較対象企業を選定し、必要な金利の差異に係る調整を行った上で、それに基づき基本的利益を算出したものと認められることから、原処分庁の行った基本的利益の算出には合理性があると認められ、この点について違法又は不当は認められない。(平22. 9. 9 東裁(法)平22-58)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平220058
裁決年月日
平成22年9月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁の独立企業間価格の算定において、取引ごとに基本三法又は基本三法と同等の方法の適用が可能かを検討するための基本的な調査すら行っていないから、合理的な調査をしたにもかかわらず、これらの方法を用いることができないことを主張・立証したとはいえない旨主張する。しかしながら、原処分庁が行った比較対象取引の調査分析過程は合理的なものと認められ、これらの取引に基本三法又は基本三法と同等の方法を用いることができなかったことについて、原処分庁は可能な限り調査を尽くしているものと評価できるとともに、当審判所の調査によっても、本件国外関連取引について、基本三法又は基本三法と同等の方法を用いるに当たって、適切な比較対象取引が請求人主張の取引を含めても見出すことができない以上、本件においては、これらの方法を用いることができないというべきである。(平22. 9. 9 東裁(法)平22-58)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平220058
裁決年月日
平成22年9月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、残余利益の配分において、請求人側の分割指標に、単なる人的役務提供の対価ないし第三者の無形資産に係る費用、基礎研究費用等の残余利益の発生との間に具体的関連性がない費用及び国外関連者側の重要な無形資産を形成している開発活動費が含まれているとともに、国外関連者側の分割指標に、国外関連者の販売網の重要な構成要素となっている費用、税恩典に起因する利益の発生に寄与する費用及び国外関連者側の重要な無形資産を形成している開発活動費等の費用が含まれていないので、不合理である旨主張する。しかしながら、請求人側の分割指標として原処分庁が用いた費用については、製品や生産体制等に係るノウハウ等の形成に貢献した費用として無形資産の開発のために支出した費用に当たり、請求人側の分割指標として合理的であり、違法又は不当は認められない。また、請求人が国外関連者側の分割指標に含めるべきであると主張する費用については、いずれも分割指標とすべき合理性又は国外関連者の重要な無形資産の形成・維持への貢献が認められないから、請求人の主張は採用できない。(平22. 9. 9 東裁(法)平22-58)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平220058
裁決年月日
平成22年9月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連者が存する国の税恩典に起因する利益を、分割対象利益に含めることは許されず、原処分庁において、当該国の税恩典に起因する利益金額を明らかにした上で、分割対象利益から除外すべきである旨、また、当該国特有の割賦販売システムを利用した製品の販売に起因する利益の獲得に、請求人側の貢献は一切ないから、当該利益は、分割対象利益から除外すべきである旨主張する。しかしながら、本件国外関連取引に係る所得とは、請求人及び国外関連者が本件国外関連取引によって生じた営業利益の合計額であるところ、国外関連者が所在地国の税恩典を認められたことそれ自体からは利益が生ずるものではなく、営業活動の結果利益が生ずるものであり、また、所在地国固有の割賦販売システムを利用した利益もまた国外関連者の営業利益を構成するにすぎないから、請求人の主張に理由はない。(平22. 9. 9 東裁(法)平22-58)

支部名
東京
裁決番号
平220024
裁決年月日
平成22年8月2日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が租税特別措置法(以下「措置法」という。)第66条の6(いわゆる外国子会社合算税制)第1項の特定外国子会社等である香港子会社A社が行う事業(以下「本件事業」という。)は同法第4項第2号に規定する製造業であり所在地国基準を充足しないとして外国子会社合算税制を適用して課税したことに対し、事業の判定は原則として日本標準産業分類に従って判定すべきところ、A社の事業は、得意先から加工の委託を受け、原材料を外部から仕入れ、加工した上でその製品を得意先へ販売する事業であり、日本標準産業分類上、卸売業に分類される「製造問屋」に該当するから、同法第4項第1号に規定する卸売業に該当し、非関連者基準を充足するから原処分は違法である旨主張する。しかしながら、日本標準産業分類が卸売業を「有体的商品を購入し、最終消費者以外の事業者に販売する事業」とし、製造業を「有機又は無機の物質に物理的、化学的変化を加えて新製品を製造し、これを卸売する事業」としていることからすれば、卸売業は他者が製造した製品を購入した上で販売する事業であり、製造業は自ら製品を製造した上で販売する事業であると解され、外国子会社合算税制の適用除外要件における製造業か卸売業かの判定においては、加工等を行うための工場建物や製造設備等の購入又は賃借、原材料の調達、労働者の雇用、エネルギーや消耗品等の購入などの特定外国子会社等の資本投下等の状況を踏まえた上で、当該特定外国子会社等が専ら自己の計算において原材料の加工等を行っていると評価される場合には、措置法第4項第1号所定の卸売業には該当せず、同項第2号に含まれる製造業に該当するものと解される。そして、A社は、原材料の加工等を行うための資本投下を行った上で、自己の計算において、製造部門における製造に必要な原材料を仕入れ、これを同部門に持ち込み、加工等を施した上で製品を製造し、完成した製品の全量を引き取りこれを自己の名称において最終消費者以外の事業者に販売する事業を営んでいたものと認めるから、A社の事業は同号の製造業に該当し、A社は当該事業を主として本店所在地国等で行っているとは認められないから、所在地国基準を満たさず、外国子会社合算税制の適用対象となる。(平22. 8. 2 東裁(法)平22-24)

支部名
東京
裁決番号
平220015
裁決年月日
平成22年7月20日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が、請求人のA国子会社B社は租税特別措置法第66条の6(いわゆる外国子会社合算税制)第1項に規定する特定外国子会社等に該当し、B社は製造業に係る適用除外の要件(所在地国基準)を満たしていないとして同税制を適用して法人税の更正処分等を行ったことについて、①特定外国子会社等が軽課税国等に本店所在地を置くことに経済的合理性がある場合にまで外国子会社合算税制を適用することは、同税制の趣旨・目的に反する旨、②同税制の適用除外要件である所在地国基準を充足するか否かは、重要な人的機能を担う資源が所在する国か否かで判定すべきである旨、③仮に本質的な行為が行われた場所で所在地国基準を判定したとしても、B社における製造行為は、外注先を通じて本店所在地国等でも行われているから、製造費用過半基準(本店所在地国等の製造費用が総額の過半を占めているかどうかで判定する基準。)によればその製造行為は主として本店所在地国等で行われ、B社は所在地国基準を満たしており、適用除外要件に該当する旨主張する。しかしながら、①特定外国子会社等が軽課税国等に所在することの経済的合理性を有するか否かの判断は、租税特別措置法第66条の6第4項に規定する適用除外要件を満たすか否かによって判断することが予定されており、同項の規定を離れてその判断をすることは予定されていないと解するのが相当であり、②特定外国子会社等の事業にとっての本質的な行為、例えば、製造業にあっては製造行為が行われる物理的な場所がその本店所在地国等であれば、その地に所在する十分な経済的合理性があるものと認められ、所在地国基準を満たすと解するのが相当であり、そして、③事業者が製造行為を行っているかどうかは、製造行為を自己の計算において行っているかどうかにより判定することが相当であるところ、B社の本店所在地国における取引については、ⅰ) 製造金型や製造設備等の貸借対照表への計上及びそれらに係る経費等の損益計算書への計上がないこと、ⅱ) 外注先での加工行為における原材料のリスクも負っていないこと、ⅲ) 資本の面でも経営の面でも外注先を支配・管理していた事実がないこと、ⅳ) 部品仕入れとして計上していることなどから、単なる部品等(原材料)の仕入行為と評価すべきであり、B社は製造行為を自己の計算において行っているとは認められないことからすれば、B社の製造行為はC国のみで行われたものと認められ、製造費用過半基準を適用する余地もなくB社は所在地国基準を満たしていない。(平22. 7.20 東裁(法)平22-15)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210194
裁決年月日
平成22年6月28日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
No.79

要旨

○ 請求人は、原処分庁が請求人とP国国外関連者間における使用許諾取引(以下「本件国外関連取引」という。)には比較対象取引が存在せず、基本三法と同等の方法が適用できないとして残余利益分割法と同等の方法により独立企業間価格を算定したことについて、請求人とQ国非関連者との間における使用許諾取引(以下「本件比較対象取引」という。)は、本件国外関連取引と使用許諾に係る製品種別及び技術が同種であり、また、使用許諾に係る条件に差異はあるものの、実質的に同様の状況にあるか、当該差異がロイヤルティ率に影響を及ぼすと結論付ける合理的な理由はないことから、これを比較対象取引として「独立価格比準法と同等の方法」を適用することができる旨主張する。しかしながら、無形資産の使用許諾取引に「独立価格比準法と同等の方法」を適用する場合の比較対象取引の選定に当たっては、使用許諾に係る無形資産が「同種」であり、かつ使用許諾の時期、使用許諾の期間等の使用許諾に係る条件が「同様」であることが要件であるところ、本件国外関連取引と本件比較対象取引については、使用許諾に係る無形資産は「同種」であるが、?使用許諾開始時期、?使用許諾期間、?独占許諾・非独占許諾の許諾条件、?技術者派遣の有無及び?販売地域という使用許諾に係る条件が契約上も実態上も明らかに異なっているものと認められる。そして、本件においては、技術者派遣の有無、許諾条件の相違、許諾期間の制限の有無など、使用許諾に係る条件の差異が明らかに認められ、これらの差異は独立企業間価格(ロイヤルティ率)に影響を及ぼすものであり、その差異による具体的な影響額を調整することもできないものと認められることから、本件比較対象取引を使用して「独立価格比準法と同等の方法」を適用することはできない。(平22. 6.28 東裁(法)平21-194)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210194
裁決年月日
平成22年6月28日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
No.79

要旨

○ 請求人は、原処分庁が残余利益分割法の適用にあたり、品質管理ノウハウと製品開発技術ノウハウに係る人件費等を請求人の分割指標とし、生産管理ノウハウ、販売促進ノウハウ及び製造設備改良ノウハウに係る超過人件費等を国外関連者の分割指標としたことについて、残余利益分割法を用いて独立企業間価格を算定するとしても、?請求人の研究開発部門の担当者が国外関連者の販売する製品のために国外関連者の顧客等に対して行っている活動はほとんどないことから、同部門の人件費等を請求人の分割指標に含めるべきではない、また、?国外関連者の営業及び製造部門を統括する責任者といえる立場にある者に加え、その職務内容等から重要な無形資産の価値の形成等に貢献している者についても、その者に係る超過人件費を国外関連者の分割指標に含めるべきであると主張する。しかしながら、?請求人の研究開発部門の海外出張報告書を検討したところ、同部門の担当者が、国外関連者と共同して顧客等に対して製品の紹介、製品のトラブル等の対策・改善を行うなど製品に関する技術営業活動を行っている事実が認められることから、同部門の人件費等を請求人の分割指標に含めることは合理的であると認められ、また、?そもそも国外関連者自体の規模がそれほど大きくなく、課単位の人員はかなり少人数であることを考慮すると、原処分庁が、特定の部署の責任者といえる者が重要な無形資産の価値の形成等に貢献し、その指揮命令を受けるような者については重要な無形資産の価値の形成等に貢献していないものとして対象者を決定したことには合理性があるから、請求人の主張は採用できない。ただし、原処分庁が重要な無形資産の価値の形成等に貢献していると認定した部署・対象者に一部抽出もれがあることから、その者に係る超過人件費を国外関連者の分割指標に含めるべきである。(平22. 6.28 東裁(法)平21-194)

支部名
東京
裁決番号
平210160
裁決年月日
平成22年5月21日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、甲社と乙社の株式交換に反対し、株式買取請求権を行使したことにより、株式の発行法人である甲社に対し請求人が有する甲社株式を譲渡したのであるから、その譲渡の対象となった株式は甲社株式であり、甲社の自己株式の取得に当たり、その対価の一部は「みなし配当」に該当するから、受取配当等の益金不算入の規定が適用される旨主張する。しかしながら、請求人と甲社は、買取請求に係る価格の協議中に株式交換の日が経過したため、株式交換により請求人にも乙社株式が割り当てられると解釈し、当該乙社株式を請求人が甲社に譲渡することで合意したものと認められ、実際に、請求人は、乙社から乙社株式を受領し、甲社に引き渡しているから、譲渡の対象となった株式は乙社株式であると認められる。したがって、当該譲渡は、甲社の自己株式の取得に当たらず、みなし配当は発生しないから、受取配当等の益金不算入の規定の適用の余地はない。(平22. 5.21 東裁(法・諸)平21-160)

支部名
関東信越
裁決番号
平210092
裁決年月日
平成22年3月23日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302504010
争点
25その他の特例/4税額控除/1投資税額控除
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人が製品検査のために市販の汎用画像処理装置等(以下「本件市販機器」という。)のパーツをもって製作して製品生産ラインに設置した機器(以下「本件製作機器」という。)について、原処分庁は、本件製作機器は請求人が自ら製作した検査装置であり、電子計算機として使用されるために製作されたものではないから、租税特別措置法第42条の11に規定するいわゆるIT減税(以下「本件特例」という。)の対象となる特定情報通信機器等に該当しない旨主張し、これに対し、請求人は、本件製作機器は一の減価償却資産であり、減税対象電子計算機の機能を有する市販機器等を組み込むことによってその機能を果たすものであるから、本件製作機器全体が本件特例の対象となる特定情報通信機器等に該当する旨主張する。しかしながら、特定情報通信機器等とは、情報通信に関する器具及び備品その他の減価償却資産並びにソフトウェアで財務省令で定めるものと規定され、これらはそれぞれ一の減価償却資産となりうるものであり、特定情報通信機器等であれば、これを取得又は製作した上で機械及び装置に組み込んだものであっても、その個々の資産ごとに本件特例の適用対象資産となりうる旨規定したものと解され、本件市販機器で事業の用に供されているものについては、本件特例の適用対象資産に該当し、本件特例の適用はあるが、これを組み込んだ本件製作機器全体について本件特例の適用はない。(平22. 3.23 関裁(法)平21-92)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210108
裁決年月日
平成22年1月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が調査に当たって請求人の説明に耳を傾けることなく強引に調査を進め、実質的に請求人の告知聴聞の機会を奪い去っており違法である旨主張する。しかしながら、原処分調査担当者は、調査において文書により本件国外関連取引の問題点等について説明し、請求人からも文書による意見書を提出している事実が認められ、また、法人税の更正処分に当たり告知聴聞の機会を与えなければならない旨の法令上の規定はないから、請求人の主張に理由はない。また、請求人は、事前確認申請書の取下げ及び再申請のしょうようは、調査の真意を隠してなされたもので違法又は不当である旨主張する。しかしながら、事前確認担当者による事前確認申請の取下げしょうようの事実はあるものの、原処分庁が事前確認審査期間中は税務調査が行われ更正処分を受けることはないという実務慣行を充たすため、税務調査を行うという真意を隠して事前確認申請の取下げをしょうようした事実及び税務調査と事前確認申請取下げとの関連性を示す事実は見当たらず、原処分庁の行った調査手続きは違法又は不当とは認められないことから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平22. 1.27 東裁(法)平21-108)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210108
裁決年月日
平成22年1月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、残余利益分割法の適用上、国外関連者の所在地国の貨幣購買力の違いを反映しなければ適正な所得の配分結果は得られない旨主張する。確かに、一般的に我が国とA国に内外価格差があり、請求人のいうところの貨幣購買力には差があることは認められるものの、残余利益分割法を適用するに当たり、このような貨幣購買力の差をその計算に反映させるべきとする法令の規定は存在しない。そうすると、残余利益分割法の適用上、本件各事業年度に適用する為替レートにより円換算した上で、国外関連者への所得配分額を計算した方法には、違法性は認められない。(平22. 1.27 東裁(法)平21-108)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210108
裁決年月日
平成22年1月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連者がB国の加工委託先企業に支払う加工委託費中に、国外関連者の分割指標となった費用と同等に重要な無形資産の形成等に係る費用が含まれていることから、当該費用を国外関連者の分割指標の額に含めるべき旨を主張する。しかしながら、当該費用については、B国の加工委託先企業から人件費相当額の支払請求があることは認められるものの、当該部署がどのような業務内容であるか明らかでないことから、国外関連者の重要な無形資産の形成等に貢献するものとは認められない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平22. 1.27 東裁(法)平21-108)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210108
裁決年月日
平成22年1月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、残余利益分割法の適用上、国外関連者が非関連者から調達した部品に帰属する損益を分割対象となる合算利益(営業利益)から除外すべき旨主張する。しかしながら、租税特別措置法施行令第39条の12第8項第1号は、利益分割法について、国外関連取引に係る棚卸資産の法人又は当該法人に係る国外関連者による購入、製造、販売、その他の行為に係る所得が、寄与割合に応じて当該法人及び当該国外関連者に帰属するものとして計算した金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法とする旨規定している。そうすると、利益分割法の適用に当たっては、原則として、国外関連取引に係る棚卸資産の販売等により生じた所得として認識される当該法人及び国外関連者に係る営業利益の合計額を分割対象利益として用いることが合理的であると解され、分割対象利益は請求人及び国外関連者の本件の国外関連取引に係る営業利益の合計額となり、国外関連者が非関連者から調達した部品に帰属する利益を除外することはできない。(平22. 1.27 東裁(法)平21-108)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210108
裁決年月日
平成22年1月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、残余利益分割法の適用に当たり、国外関連者が請求人と国外関連者の研究開発契約に基づき研究開発費の負担金を支出していたことについて、本件研究開発契約は、実質的には本件国外関連取引の取引価格の修正を回避しつつ、国外関連者に留保された資金を請求人に送金するための本件国外関連取引の補完契約にすぎず、国外関連者の分割指標としての研究開発費とすることも、請求人の分割指標としての研究開発費から差し引くことも理由はない旨主張する。しかしながら、請求人と国外関連者は、研究開発によりそれぞれ製造に係る無形資産を形成していることから、研究開発費を残余利益の配分の指標として用いることは合理的であると認められ、本件研究開発契約における本件研究開発の研究対象及び国外関連者の役割を総合的に勘案すると国外関連者は本件研究開発において相応の役割を果たしており、本件研究開発を通じて生ずる無形資産の形成に貢献していると認められることから、本件負担金は、残余利益分割法による独立企業間価格の算定に当たっては、国外関連者の分割指標としての研究開発費と見るのが相当である。よって、原処分庁の主張には理由がない。(平22. 1.27 東裁(法)平21-108)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210108
裁決年月日
平成22年1月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、残余利益分割法の適用上、製造技術が請求人の所得の発生に貢献する重要な無形資産であるとしていくつかの部署を挙げ、その部署の費用の額を分割指標としている。しかしながら、当該部署は製造の補助部門であり、研究開発部署ではなかったことが認められることから、当該部署の費用は、重要な無形資産である○○製造技術の形成等に貢献したものとは認められない。したがって、当該費用は請求人の分割指標としての費用から除外すべきである。(平22. 1.27 東裁(法)平21-108)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210108
裁決年月日
平成22年1月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、残余利益分割法の適用上、国外関連者の基本的利益を算定する上で選定したA国企業のS社については、公開データを用いた合理的な基準に基づく妥当な選定である旨主張する。しかしながら、国外関連者の基本的利益の算定上、重要な無形資産を有しない非関連者間取引に係る通常得られる利益に相当する金額を算定するためには、国外関連者の事業と同種の事業を営み、市場、事業規模等が類似する法人で、重要な無形資産を有しない企業を比較対象企業として選定する必要があるが、①原処分庁が選定した連結法人であるS社の財務諸表の数値は、本件各事業年度に対応するS社の各事業年度において著しく変動していること、②S社の財務諸表には、香港で国外関連者と同種の事業を営む連結対象法人の損益が短期間しか反映されていないことから、S社は国外関連者の比較対象企業としての通常の事業状況で得られる利益水準を示しているとは認められない。したがって、国外関連者の基本的利益を算定するに際して、S社は比較対象企業として適当ではなく、S社を除いて基本的利益を計算することが相当である。(平22. 1.27 東裁(法)平21-108)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210108
裁決年月日
平成22年1月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、国外関連者の分割指標としての研究開発費について、当該国外関連者の分割指標とした研究開発費中の労務費勘定(従業員賞与)がマイナスになっており、その原因は、前期分の利益連動型の支給基準による未払計上額と賞与の支給基準を変更した当期の未払計上額が大幅に変動しており、前期の賞与支給基準に基づいて前期に未払計上したものを当期に支給しない部分を賞与勘定のマイナスとして戻し入れたことであることが判明したとしても、残余利益分割法の適用に当たり、国外関連者の分割指標としての研究開発費について、当該国外関連者が採用した会計処理に基づく費用計上額を分割指標とすべきである旨主張する。しかしながら、研究開発費は、残余利益の分割指標として合理的であるところ、研究開発に従事する従業員も無形資産の形成等の活動を行っていると認められることから、その給与及び賞与も研究開発費に含まれると解されるが、分割指標としての研究開発費は、双方が所有する無形資産の相対的な割合を示すものでなければならないことから、国外関連者の賞与の額が、賞与基準の変更により著しく変動している場合には、その変動等を排除するため、研究開発費に含まれる従業員賞与については、その年度における従業員の活動実績を表す当該年度に係る従業員賞与の額を指標として採用することが相当である。(平22. 1.27 東裁(法)平21-108)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210108
裁決年月日
平成22年1月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、更正処分額を超えて余りある配当をA国の子会社を通じて回収しており、それによって移転価格税制の目的である本邦の課税権が確保されているにもかかわらず、移転価格課税が行われたことは、移転価格税制の立法趣旨に反するものであり、違法ないし著しく不当である旨主張する。しかしながら、我が国の移転価格税制は、独立企業間価格と異なる価格で法人と国外関連者との間の取引が行われることによって、所得が国外移転して我が国の課税権が失われる場合には、その取引が独立企業間価格で行われたものとみなしてその法人の課税所得を計算することとしているものであり、法人に国外関連者から配当があった場合にあっては、実質的に所得移転額が回収されているとして同条の規定を適用しないとする法令の規定は存在しないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平22. 1.27 東裁(法)平21-108)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平210108
裁決年月日
平成22年1月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人と国外関連者が行った3つの国外関連取引は、個別に成り立っている取引であり、基本三法等(基本三法及び基本三法と同等の方法)が適用できないことが立証されていない違法な処分であり、それぞれの取引について、基本三法等を適用できる旨主張する。しかしながら、本件における国外関連取引は、重要な無形資産を介した一連の取引であり、原処分庁は、個別の取引として調査・情報収集したが比較対象取引を把握できず、その点において原処分庁は合理的な調査を尽くしており、基本三法等を用いることができないものと認められる。また、請求人の主張する3つの国外関連取引に係る独立企業間価格の算定方法は、それぞれ、①W製品の販売取引については、請求人の主張する全ての製品が同種であるとは認められず、加重平均価格での比較ができないこと、及び販売時期の相違が価格に重大な影響を及ぼしているが比較対象取引の販売時期が明らかでないことなど、②H製品の購入取引については比較対象取引における対象となる半導体製品等はH製品と機能面で違いがあり、同種又は類似であるとは認められず、売手の果たす機能やリスクも相違すること、③無形資産の供与取引については、比較対象取引の無形資産の類似性や取引条件が不分明であることなどの理由から採用できない。そうすると、残余利益分割法は、独立企業間価格の算定において基本三法等を用いることができない場合に用いる方法であり、重要な無形資産を介する一連の取引である本件の国外関連取引について有効な方法であると認められることから、H製品を最終製品とする一連の取引に対して、国外関連取引に係る分割対象利益に影響がある非関連取引に挟まれる取引全体を対象に、原処分庁が残余利益分割法を適用したことに違法性は認められない。(平22. 1.27 東裁(法)平21-108)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
福岡
裁決番号
平210005
裁決年月日
平成21年11月27日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、A社の解散に伴う残余財産の分配(以下「本件分配」という。)によりみなし配当が生じたとしても、確定申告書に益金の額に算入されない配当等の額及びその計算に関する明細を記載できなかったのは、①更正処分という外的要因によって自己の力だけでは到底申告書の記載ができないような場合に該当する、②二重課税回避の機会を喪失することになってしまう、③原処分が重加算税の対象になっていない、④法人税基本通達を忠実に適用した結果であり自己の責めに帰すべき事情があったとは言えないことからすると、「その記載がなかったことについてやむを得ない事情」があったというべきである旨主張する。しかしながら、法人税法第23条第7項に規定する「やむを得ない事情」とは、客観的にみて、当該法人の責めに帰すことができない事情に基づく場合をいうものであって、自己の責めに帰すべき事情は該当しないと解されるところ、A社の清算業務については、その実務を請求人において行っていたことが認められることからすると、請求人は、A社の残余財産の価額の算定方法について、十分に知り得る、また、誤りがあれば是正を求めることができる立場にあったと認められる。そうすると、請求人が本件確定申告書に本件分配により生じるみなし配当の額を記載しなかったことは、A社の清算業務において、請求人がみなし配当は生じないと判断したこと、すなわち、請求人の税法の解釈誤りにその要因があるものであり、この税法の解釈誤りは、請求人の自己の責めに帰すべき事情であることからすると、「やむを得ない事情」はないこととなり、請求人が主張する理由が、客観的にみて、請求人の責めに帰すことができない事情に該当しないことは明らかである。(平21.11.27 福裁(法)平21-5)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平210012
裁決年月日
平成21年9月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国外関連者との間には国外関連取引は存在せず、仮に、存在するとしても、当該取引は、無形資産の使用許諾取引であり、役務の提供取引とは認められず、比較対象取引には比較可能性が認められないなどを理由として、原処分庁が行った独立企業間価格の計算は違法である旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第66条の4第1項に定める取引は、実際に有償で行われているかどうかを問わず、法人税法第22条と同様に、広く当事者間の意思の合致に基づいて生じた法的及び経済的な結果を把握する概念と解されるところ、本件において、請求人と国外関連者との間には、当該取引、すなわち国外関連取引が認められ、請求人と国外関連者との契約関係等によれば、当該国外関連取引は、請求人が国外関連者に便益を供与する取引、すなわち役務の提供取引であると認められる。また、比較対象取引にも比較可能性が認められ、原処分庁が行った独立企業間価格の計算方法も不合理とは認められないことから、請求人の主張は採用できない。(平21. 9. 1 大裁(法)平21-12)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平210012
裁決年月日
平成21年9月1日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、特定外国子会社等であるA社の事業の一部を、特定外国子会社等であるT社に営業譲渡した上で、当該営業譲渡した事業の一部を、改めてA社に業務委託することにより、A社はT社より手数料を受領することとなるが、当該手数料は、租税特別措置法施行令第39条の17第2項第1号括弧書きに規定する「棚卸資産の売買の代理又は媒介に関して受け取る手数料」には該当せず、A社は非関連者基準を満たし、適用除外要件を充足する旨主張するとともに、そもそも実体を備え経済合理性を有するA社にタックスヘイブン税制を適用することが違法又は不当である旨主張する。しかしながら、A社がT社より受領する手数料は、租税特別措置法施行令第39条の17第2項第1号括弧書きに規定する「棚卸資産の売買の代理又は媒介に関して受け取る手数料」に該当すると認められ、A社の非関連者割合を再計算すると、当該割合は50%以下となり、非関連者基準を満たさず適用除外要件を充足しないのであって、A社にタックスヘイブン税制を適用することも不当とは認められないことから、請求人の主張は採用できない。(平21. 9. 1 大裁(法)平21-12)

支部名
大阪
裁決番号
平210008
裁決年月日
平成21年7月30日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、同人の特定外国子会社等に該当し、H国K区に所在する子会社等が行う事業(以下「本件事業」という。)は、自らは製造を行わないで、自己の所有に属する原材料等をH国の企業に支給して製品を造らせ、これを自己の名称で販売するものであり、日本標準産業分類上、卸売業に分類される「製造問屋」であるから、租税特別措置法(以下「措置法」という。)第66条の6第4項第1号に規定する卸売業に該当し、非関連者基準をも充足するから外国子会社合算税制の適用は除外される旨主張する。しかしながら、外国子会社合算税制の適用除外要件における事業区分の判定については、必ずしも日本標準産業分類に絶対的に拘束されるものではなく、措置法第66条の6第4項各号の立法趣旨、目的等も勘案して判定すべきであり、本件事業のように、自己の計算において原材料等を仕入れ、加工等をして製品を完成させ、最終消費者以外の事業者に販売する事業は、たとえ当該製品の加工等を外部へ委託する形式がとられているときであっても、卸売業には該当しないと認められる。そうすると、外国子会社合算税制の適用除外要件を満たすか否かは、所在地国基準をもって判断することとなるが、本件事業は、当該事業を主として本店所在地国等で行っているとは認められないため、請求人の主張は採用できない。(平21. 7.30 大裁(法)平21-8)

支部名
大阪
裁決番号
平210005
裁決年月日
平成21年7月7日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、同人の特定外国子会社等に該当し、H国K区に所在する子会社等が行う事業(以下「本件事業」という。)について、自らは製造を行わないで、自己の所有に属する原材料等をH国の企業に支給して製品を造らせ、これを自己の名称で販売するものであり、日本標準産業分類上、卸売業に分類される「製造問屋」であるから、租税特別措置法(以下「措置法」という。)第66条の6第4項第1号に規定する卸売業に該当し、非関連者基準をも充足するから外国子会社合算税制の適用は除外される旨主張する。しかしながら、外国子会社合算税制の適用除外要件における事業区分の判定については、必ずしも日本標準産業分類に絶対的に拘束されるものではなく、措置法第66条の6第4項各号の立法趣旨、目的等も勘案して判定すべきであり、本件事業のように、自己の計算において原材料等を仕入れ、加工等をして製品を完成させ、最終消費者以外の事業者に販売する事業は、たとえ当該製品の加工等を外部へ委託する形式がとられているときであっても、卸売業には該当しないと認められる。そうすると、外国子会社合算税制の適用除外要件を満たすか否かは、所在地国基準をもって判断することとなるが、本件事業は、当該事業を主として本店所在地国等で行っているとは認められないため、請求人の主張は採用できない。(平21. 7. 7 大裁(法)平21-5)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平200185
裁決年月日
平成21年6月2日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、確定申告書に受取配当等の益金不算入の額等の記載がなかったのは、関与税理士が請求人に受取配当等の益金不算入の制度を利用するか否かの意思確認を怠り、故意に同記載がない当該申告書を提出したことによるのであり、法人税法第23条第7項が規定する「やむを得ない事情」に該当することから、請求人の更正の請求は認められるべきである旨主張する。しかしながら、この「やむを得ない事情」とは、客観的にみて、当該法人の責めに帰することができない事情に基づく場合をいうものであって、法令の不知、失念等、自己の責めに帰すべき事情は該当しないと解するのが相当であり、関与税理士が請求人の意思を確認しないで同記載がない申告書を提出したことは、これに当たらない。また、その他請求人に「やむを得ない事情」があったとする事実を認めるに足りる証拠もないので、請求人の主張は採用できない。(平21. 6. 2 東裁(法)平20-185)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平200182
裁決年月日
平成21年5月28日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が請求人と国外関連者であるC国法人との間で行った○○の輸入取引(以下「本件国外関連取引」という。)に租税特別措置法66条の4(移転価格税制)を適用し、利益分割法により独立企業間価格を算定して行った更正処分等について、東京地裁平成19年12月7日判決が独立企業間価格算定の方法として基本三法以外の方法を使用する場合には、原処分庁が合理的な調査を尽くしたにもかかわらず基本三法を用いることができないことについて主張立証しなければならない旨判示しているにもかかわらず、原処分庁は、これについて主張立証をしていない旨主張する。しかしながら、原処分庁は、基本三法の適用のため比較対象取引の把握に努めたにもかかわらず、比較可能な比較対象取引を把握できなかったとが認められ、合理的な調査を尽くしたにもかかわらず基本三法を用いることができなかったのであるから、原処分庁が基本三法を用いることができないことについては事実上推定され、他方で、請求人はこの点について何ら反証を挙げて主張立証していない。したがって、この推定は覆されないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平21. 5.28 東裁(法)平20-182)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平200182
裁決年月日
平成21年5月28日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が請求人と国外関連者であるC国法人との間で行った○○の輸入取引(以下「本件国外関連取引」という。)に租税特別措置法66条の4(移転価格税制)を適用し、販売費及び一般管理費を分割ファクターとする利益分割法により独立企業間価格を算定して行った更正処分等について、措置法施行令第39条の12第8項第1号及び措置法通達66の4(4)-2は、分割ファクターの要件として、分割対象利益と分割ファクターとの間に定性的関係の存在は当然のこと定量的関係の存在も要求されるところ、本件国外関連取引においては、販売費及び一般管理費と分割対象利益の間には、定性的関係及び定量的関係(正の相関関係)のいずれも認められないこと、及び○○の輸入販売企業においては、販売費及び一般管理費の支出と営業利益の増加に相関関係も定性的な関係も認められず、本件に利益分割法を適用するに当たり、販売費及び一般管理費を分割ファクターとすることは不合理であり違法である旨主張する。しかしながら、措置法施行令39条の12第8項第1号は分割ファクターを「所得の発生に寄与した程度を推測するに足りる要因」とのみ規定していることから、個別事案に適用すべき分割ファクターについては、事案ごとにその事情を考慮して判断すべきであり、当該分割ファクターは、所得の発生に寄与した程度を推測するにふさわしいものでなければならないことは当然であるが、必ずしも一定の統計的手法等により分割対象利益との間に一定の数値以上の定性的関係及び定量的関係を認められなければならないと解することはできない。そうすると、請求人が分割ファクターと分割対象利益の間に統計的に定性的関係及び定量的関係が認められないことを根拠として、販売費及び一般管理費を分割ファクターとすることは不合理であるということはできない。したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平21. 5.28 東裁(法)平20-182)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平200182
裁決年月日
平成21年5月28日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が請求人と国外関連者であるC国法人との間で行った○○の輸入取引(以下「本件国外関連取引」という。)に租税特別措置法66条の4(以下「移転価格税制」という。)を適用し、利益分割法により独立企業間価格を算定して行った更正処分等(以下「本件更正処分等」という。)について、移転価格事務運営要領の別冊移転価格税制の適用に当たっての参考事例集の事例7は、利益分割法を適用する前に基本三法に準ずる方法の適用の可否について検討を行っているから、本件各更正処分等においても、原処分庁は、この事例のように、利益分割法を適用するに当たっては基本三法に準ずる方法の適用の検討及び調整をするべきであり、基本三法に準ずる方法の適用の可否について検討を行っていれば、利益分割法に比べて信頼性の高い基本三法に準ずる方法を見い出すことができた旨主張する。しかしながら、基本三法に準ずる方法とその他政令で定める方法とでは、その適用に優先劣後関係はないから、基本三法に準ずる方法を検討しなかったとしても、違法ではないし、また、事務運営指針別冊の各事例は、一定の前提条件を置いた設例であることから、類似の事例であっても、前提条件が異なることにより移転価格税制上の取扱いは異なり得るところ、事例7において、利益分割法を適用する前に基本三法に準ずる方法の適用の可否について検討を行っているのは、飽くまで個別具体的な一定の前提条件があったからであり、利益分割法の適用を検討する前には、必ず基本三法に準ずる方法の適用の検討及び調整をするべきであることを示したものではない。したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平21. 5.28 東裁(法)平20-182)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平200182
裁決年月日
平成21年5月28日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が請求人と国外関連者であるC国法人との間で行った○○の輸入取引(以下「本件国外関連取引」という。)に租税特別措置法66条の4(以下「移転価格税制」という。)を適用して行った更正処分等について、平成12年12月期及び平成13年12月期の営業利益率の減少原因は、市況の変化等による売上げの大幅な減少及び青果物の廃棄に伴う費用の増加によるものであり、所得の移転又は取引価格の設定によるものではないから、本件国外関連取引には移転価格税制上の問題はなく、同税制の適用は違法である旨主張する。しかしながら、移転価格税制は、グループ内取引が非関連者間において成立する価格と異なる価格によって行われたことによって、所得が国外に移転されている場合には、その取引を正常な状態に引き直して課税所得を算定することにより、このようなゆがみを取り除くものであるところ、本件国外関連取引については、平成12年12月期及び平成13年12月期において、日本における南米産青果物の浜値の著しい下落にもかかわらず、請求人と国外関連者の間で輸入価格の見直し交渉が行われなかった結果、国外関連者が日本の市況の変化等の影響を受けずに一定の利益を確保することが可能な価格設定となっており、さらに、このような価格設定により請求人が○○の価格下落の影響を受けて損失を計上する一方で、国外関連者は利益を計上していたものであり、このように、国外関連者に利益が著しく偏っていたという事情が認められる。そうすると、本件国外関連取引に移転価格税制上の問題はあったものと認められ、したがって、これに同税制を適用したことは違法ではなく、この点に関する請求人の主張に理由はない。(平21. 5.28 東裁(法)平20-182)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平200182
裁決年月日
平成21年5月28日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が請求人と国外関連者であるC国法人との間で行った○○の輸入取引(以下「本件国外関連取引」という。)に租税特別措置法66条の4(以下「移転価格税制」という。)を適用し、利益分割法により独立企業間価格を算定して行った更正処分等について、分割対象利益(又は損失)については、移転価格要因により生じる損益といずれか一方の貢献又は帰責事由によるものと認められない外生的要因により生ずる損益に区分し、外生的要因による損益については両当事者の支配が及ばず、所得の移転とは関係ないものであるから、外生的要因による損益を除いた損益のみを当事者の寄与度に応じて分割すべきである旨主張する。しかしながら、移転価格税制は、国外関連取引につき、国外関連者から支払を受ける対価の額が独立企業間価格に満たないとき、又は国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格を超えるときは、これらの取引が独立企業間価格で行われたとみなして行われる課税であり、国外関連取引により発生した損益を外生的要因と移転価格要因に区分し、移転価格要因により生じた損益に対してのみに移転価格税制を適用するものではないから、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平21. 5.28 東裁(法)平20-182)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平200182
裁決年月日
平成21年5月28日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が請求人と国外関連者であるC国法人との間で行った○○の輸入取引(以下「本件国外関連取引」という。)に租税特別措置法66条の4(以下「移転価格税制」という。)を適用し、販売費及び一般管理費を分割ファクターとする利益分割法により独立企業間価格を算定して行った更正処分等(以下「本件更正処分等」という。)について、分割対象利益が負の場合に、販売費及び一般管理費を分割ファクターとして選択することは、事業者が、利益を上げることを目的として、販売促進活動や他の営業活動を行っているという常識に反する不合理なものであるから、分割対象利益が負の場合には、販売費及び一般管理費を分割ファクターとして選択することはできない旨主張する。しかしながら、移転価格税制の趣旨は、法人とその国外関連者との間において、独立企業間価格と異なる価格で取引が行われ、課税所得の国外移転が生じることによる租税負担のゆがみを是正するところにあり、国外関連取引により利益が生じているか否かを直接の問題としているわけではなく、利益分割法は、比較対象取引が存在しない等の理由により、基本三法を用いることができない場合に限り用いることができる独立企業間価格の算定方法であるところ、利益分割法について規定する措置法第66条の4第2項ニ及び措置法施行令第39条の12第8項は、いずれも分割対象利益が負の場合に利益分割法が適用することができないとは規定していないのであるから、分割対象利益が負の場合であっても利益分割法を適用することは可能である。また、分割対象利益が正(利益)の場合と負(損失)の場合で分割ファクターを異にしなければならない合理的理由もない。したがって、分割対象利益が負の場合に、販売費及び一般管理費を分割ファクターとして利益分割法を適用した本件各更正処分は違法とは認められず、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平21. 5.28 東裁(法)平20-182)

支部名
東京
裁決番号
平200148
裁決年月日
平成21年3月27日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人が国外関連者から○○キャラクターを使用した幼児向け教材(以下「D」という。)を輸入した取引について、独立企業間価格でないとして、再販売価格基準法を適用し、比較対象取引の売上総利益率にロイヤルティ、外交員報酬・マーケティング費・販売促進費の販管費及び仕入代金支払猶予期間についての差異調整を行い算出した独立企業間価格で取引が行われたものとみなして移転価格課税を行った。これに対し、請求人は、原処分庁が行った差異調整について、①ロイヤルティはDの訪問販売事業以外の○○教室事業(以下「W」という。)の収入にも貢献しているのであるから、売上比で按分すべきである、②外交員報酬・マーケティング費・販売促進費の販管費はD及びWの共通経費であるから売上比で按分すべきである旨などと主張した。これらの点について検討したところ、①ロイヤルティに係るライセンス契約書においてDを日本国内で販売する非独占的権利が与えられており、支払ロイヤルティの額もDの販売金額に基づいて算出されていること、また、Wでは当該有名キャラクターとは別に独自のキャラクターを使用していることから、有名キャラクターに係るロイヤルティはD固有の費用であり、Wとの共通経費とは認められない。②外交員はDの販売だけではなくWの入会勧誘も行っていること、雑誌等の媒体への広告等はWの紹介も行っていること、及び販売促進用プレゼントについては直接費用と認められる部分を除き共通経費であると認められることから、これらの販管費はDとWの売上比で按分して配賦すべきであると認められる。そして、①及び②の判断に基づき、再販売価格基準法により独立企業間価格を算出し国外移転所得の額を再計算すると、原処分の国外移転所得の額を下回るため、原処分はその一部を取り消されるべきである。(平21. 3.27 東裁(法)平20-148)

支部名
東京
裁決番号
平200085
裁決年月日
平成20年12月4日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、確定申告書に記載した受取配当等の益金不算入の額が過少となったのは、法人税法第24条第1項第4号に規定する「みなし配当」に該当する株式の譲渡により得た金員を認識錯誤により有価証券売却益として処理していたためであり、法人税法第23条第7項に規定する「やむを得ない事情」に該当することから、更正の請求は認められるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法第23条第7項にいう「やむを得ない事情」とは、外的要因によって、自己の力だけでは到底申告の記載ができないような場合であると解するのが相当であり、本件における事情は、請求人の認識錯誤による自己の責めに帰すべき事情によるものといわざるを得ず、「やむを得ない事情」に当たらないというべきである。また、その他請求人に「やむを得ない事情」があったとする事実を認めるに足りる証拠もないことから、請求人の主張は採用できない。(平20.12. 4 東裁(法)平20-85)

支部名
東京
裁決番号
平200004
裁決年月日
平成20年7月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ A国法人日本支店である請求人、国外関連者であるB国法人C社、及び他のA国法人D社の3社は、顧客との間において、B社を契約当事者としてエクイティ・デリバティブの売買等(以下「本件事業」という。)を行っていたが、本件事業に係る損益が契約当事者であるB社に計上(ブック)されるため、請求人は、本件事業に係る自己の役務提供の対価を、ヘッジ・ファンドにおける利益分割割合を用いた利益分割法により算定した独立企業間価格で、B社に請求していた。これに対して、原処分庁は、本件事業には、トレーダーの人件費を分割要因とした利益分割法を用いるのが合理的であるとして、この方法により独立企業間価格を算定すべきである旨主張した。しかしながら、当審判所で審理したところ、本件事業に係る独立企業間価格の算定方法は、請求人が用いた方法も原処分庁の主張する方法も合理性に欠け、トレーダーの人件費と、B社が本件事業に係る取引を計上(ブック)するために金融当局に義務付けられる規制資本に係る利子相当額との2つを分割要因とする利益分割法が合理的であると認められたことから、この方法により独立企業間価格を算定したところ、国外移転所得が原処分の額を下回るため、原処分はその一部を取り消すべきである。(平20. 7. 2 東裁(法)平20-4)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平190061
裁決年月日
平成20年6月26日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、同人の特定外国子会社等に該当するA国B区の子会社(以下「B区子会社」という。)等が行う事業(以下「本件事業」という。)は、自らは製造を行わないで、自己の所有に属する原材料等をA国の企業に支給して製品をつくらせ、これを自己の名称で販売するものであり、日本標準産業分類上、卸売業に分類される「製造問屋」であるから、租税特別措置法(以下「措置法」という。)第66条の6第3項第1号に規定する卸売業に該当し、非関連者基準をも満たしているから外国子会社合算税制の適用は除外される旨主張する。しかしながら、仮に、B区子会社等の行う事業が日本標準産業分類上は「製造問屋」に該当し、卸売業に分類されるとしても、外国子会社合算税制の適用除外要件における事業区分の判定は、必ずしも日本標準産業分類に絶対的に拘束されるものではなく、措置法第66条の6第3項各号の立法趣旨、目的等も勘案して判定すべきである上、本件事業のように、自己の計算において原材料等を仕入れ、加工等をして製品を完成させ、最終消費者以外の事業者に販売する事業は、たとえ当該製品の加工等を外部へ委託する形式がとられているときであっても、卸売業には該当しないと認められる。そうすると、外国子会社合算税制の適用除外要件を満たすか否かは、所在地国基準をもって判断することとなるが、本件事業は、当該事業を主として本店所在地国等で行なっているとは認められないため、請求人の主張は採用できない。(平20. 6.26 大裁(法)平19-61)

支部名
大阪
裁決番号
平190062
裁決年月日
平成20年6月26日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、同人の特定外国子会社等に該当するA国B区の子会社(以下「B区子会社」という。)等が行う事業(以下「本件事業」という。)は、自らは製造を行わないで、自己の所有に属する原材料等をA国の企業に支給して製品をつくらせ、これを自己の名称で販売するものであり、日本標準産業分類上、卸売業に分類される「製造問屋」であるから、租税特別措置法(以下「措置法」という。)第66条の6第3項第1号に規定する卸売業に該当し、非関連者基準をも満たしているから外国子会社合算税制の適用は除外される旨主張する。しかしながら、仮に、B区子会社等の行う事業が日本標準産業分類上は「製造問屋」に該当し、卸売業に分類されるとしても、外国子会社合算税制の適用除外要件における事業区分の判定は、必ずしも日本標準産業分類に絶対的に拘束されるものではなく、措置法第66条の6第3項各号の立法趣旨、目的等も勘案して判定すべきものである上、本件事業のように、自己の計算において原材料等を仕入れ、加工等をして製品を完成させ、最終消費者以外の事業者に販売する事業は、たとえ当該製品の加工等を外部へ委託する形式がとられているときであっても、卸売業には該当しないと認められる。そうすると、外国子会社合算税制の適用除外要件を満たすか否かは、所在地国基準をもって判断することとなるが、本件事業は、当該事業を主として本店所在地国等で行なっているとは認められないため、請求人の主張は採用できない。(平20. 6.26 大裁(法)平19-62)

支部名
東京
裁決番号
平190181
裁決年月日
平成20年5月14日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人がA国B区に有する特定外国子会社等(以下「B区子会社」という。)について、請求人は、B区子会社は製造問屋として卸売業に該当し、非関連者との仕入取扱金額が50%超であることから、外国子会社合算税制の適用除外の要件のすべてを満たすと主張する。しかしながら、B区子会社は原材料を自ら調達し、A国P市に所在する委託加工先である○○工場で自己の保有する製造設備を使用して製品を製造させ、発生した電子部品等の製造費用のすべてを負担しており、コストダウンのメリット又はコストアップのデメリットを自らの利益又は損失として製造原価に取込み、販売に至る一連の業務を自己の計算において行っていることからするとB区子会社の事業は製造業とすることが相当であり、請求人の主張するB区子会社の主たる事業は卸売業とは認められない。したがって、租税特別措置法施行令第39条の17第5項第3号に規定する特定外国子会社等がその事業を主として本店の所在するA国B区で行っている場合に該当しないことから、B区子会社を特定外国子会社等であるとして課税対象留保金額を益金の額に算入した本件各更正処分は適法である。(平20. 5.14 東裁(法)平19-181)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平190160
裁決年月日
平成20年4月10日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、受取配当等の益金不算入の額の計算における連結法人に支払う負債利子等の元本の負債の額等の範囲について、圧縮記帳積立金が貸借対照表上の額である旨主張するが、圧縮記帳積立金の額は、法人税法施行令第22条第1項は固定資産の帳簿価額を損金経理することに代えて積立金として積み立てている金額とされ、法令では帳簿価額と規定されていることから、税務上の計算による額となるので、請求人の主張には理由がない。さらに、請求人は、その他有価証券に係る評価差額は繰延税金負債に相当する金額を控除すべきである旨主張するが、評価益等相当額については、法人税法施行令第22条第1項第1号のニにおいて、確定した決算に基づく貸借対照表に計上されている当該その他有価証券の金額と当該事業年度終了時の税務上の帳簿価額との差額である旨定められていることから、繰延税金負債に相当する額を控除することはできない。また、請求人は、協同組合に対する出資金も含めて計算すべきである旨主張する。この点について、中小企業等協同組合法第5条第1項第4号では、組合の剰余金の配当は主として組合事業の利用分量に応じてするものとし、出資額に応じて配当をするときはその限度が定められていることを要する旨規定されていることや、連結法人株式等及び関係法人株式等に該当しない株式及び出資等の帳簿価額の計算における出資金の額について、無配の株式もこれに含まれることからすると、請求人の主張のとおり協同組合に対する出資金もこれに含めて計算しなければならない。(平20. 4.10 東裁(法)平19-160)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平190160
裁決年月日
平成20年4月10日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、試験研究税額控除制度は適用期限の定めのない恒久的制度として導入された趣旨から、また、その合併が適格合併に該当するものであるから、被合併法人の有する前事業年度の試験研究税額控除に係る繰越税額控除限度超過額は、合併法人に引き継がれ、控除できる旨主張する。そして、租税特別措置法第42条の4の第4項の規定がほかの条文の規定と相違すること及び租税特別措置法通達42の5〜48(共)−5が本制度について明示していないことは、この点を明らかにしたものである旨主張する。しかしながら、たとえその合併が適格合併であるとしても、法人税法は、私法上の合併が行われた場合の納税義務、税務経理の方法及び所得金額の計算方法等につき、税法固有の立場から個別的に明文の規定を設け、その規定により処理することとしており、規定がない事項については、合併前の被合併法人限りで処理され、合併後の合併存続法人に影響を及ぼさないという建前をとっているものと解されるから、被合併法人の本件繰越税額控除限度超過額は、合併法人には引き継がれることなく、最終事業年度の末日である合併の日に遮断されているものと解すべきであり、請求人の主張は採用はできない。また、試験研究費割合等を計算する際には、被合併法人に係る売上金額を含めて計算する旨の規定は存するが、これらの規定は、合併等があった場合とそうでない場合とで、有利不利が生じないよう調整するための規定であると認められるところであり、租税特別措置法通達42の5〜48(共)−5の規定は、国税庁長官が税務行政を執行する上での指針を示したものであり、飽くまでも引継ぎができないことを留意的に明らかにしているものであることから、これを法源として租税特別措置法第42条の4の規定を適用するとの拡張解釈や、類推適用をすることができるものではなく、請求人の主張には理由がない。(平20. 4.10 東裁(法)平19-160)

支部名
東京
裁決番号
平190121
裁決年月日
平成20年3月3日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が全株式を所有する外国関係会社について、外国の法令に基づき所得に対して26%の税率で本件法人所得税が課されているから、租税特別措置法第66条の6第1項に規定する特定外国子会社等に該当しない旨主張する。しかしながら、特定外国子会社等とは、所得に対して課される割合が25%以下で法人税法第69条第1項に規定する外国法人税が課税される外国関係会社をいい、同項に規定する外国法人税とは、我が国の法人税に相当する税であると解されるところ、本件法人所得税は、①0%〜30%の範囲で納税者が税率を自由に選択できるものであること、②「租税」の一般的な性質である公平性(画一性)を著しく欠いたものであること、さらには、③非課税の申請を行えばそれが認められるのにそれをせず、あえて26%の税率を選択して納付したものであるため、納付しなくてよいものを納付した極めて任意性の強い支出であり、通常の取引から必然的に外国法人税を支払ったものとは認められないことなどから、我が国の法人税に相当する税(外国税額控除の制度において予定される外国法人税)とはいえない。したがって、当該外国関係会社は、所得に対する外国法人税の割合が25%以下の外国関係会社であり、特定外国子会社等に該当するから、同社に係る課税対象留保金額に相当する金額を審査請求人の益金の額に算入した原処分は適法である。(平20. 3. 3 東裁(法)平19-121)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平190115
裁決年月日
平成20年2月20日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集 No.75・415ページ

要旨

○ 原処分庁は、請求人がL国のM区に有する子会社J社について、その主たる事業は製造業であると認められるところ、L国P市に所在するL国工場で主として製造行為を行っており、その事業を主として本店の所在地であるM区において行っているとはいえないから、外国子会社合算税制の適用除外要件である所在地国基準を満たさないと主張する。しかしながら、J社は、M区の下請業者に委託して原材料を半製品に加工製造させ、その半製品をL国工場において組立加工していることから、J社は、M区においても製造行為を行っていると認められる。またM区における半製品の製造費用の額が製造費用の総額の過半を占めていることからすると、J社は、製造行為を主としてM区で行っていると認められる。そうすると、J社については、外国子会社合算税制の適用除外要件である所在地国基準を満たすことになり、他の適用除外要件も満たしていることから、外国子会社合算税制は適用されない。(平20. 2.20 東裁(法)平19-115)

支部名
東京
裁決番号
平190107
裁決年月日
平成20年2月7日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が受け取った配当について、法人税法第23条第1項に定める関係法人株式等に係る配当であるから、その全額を益金不算入とすべきであると主張する。しかしながら、請求人は、その配当に係る株式の全部をその配当の額の支払義務が確定する日、すなわち配当を行う法人の定時株主総会の開催日の前に他に譲渡し、配当の額の支払義務が確定する日にはその株式を保有していないのであるから、請求人が受け取った配当は関係法人株式等に係る配当には該当しない。したがって、連結法人株式等及び関係法人株式等のいずれにも該当しない株式等に係る配当等の額として、その100分の50に相当する金額が請求人の益金に算入されない金額となるとした原処分は相当である。(平20. 2. 7 東裁(法)平19-107)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平190012
裁決年月日
平成20年2月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集 No.75・447ページ

要旨

○ 請求人は、①各E国子会社を設立した目的は賃金が安い外国船員を雇用することで国際競争力を確保するためであり租税回避目的ではないこと、②各E国子会社は実体を有さず単なる名義人であり請求人がその損益を請求人の損益と合算経理して申告しており各E国子会社には未処分所得はないこと、③租税特別措置法第66条の6の規定は合算経理を禁じたものではなく法人税法第11条の規定により各E国子会社の実質所得者は請求人であると自認して合算申告していることを否定する理由はないこと、④租税特別措置法第66条の6の規定が法人税法第11条の特別法として優先的に適用される関係にはないこと、⑤各E国子会社の収益及び費用は請求人に帰属する旨の合意(私法取引)があり原処分庁がこれを否認することはできないこと、⑥損失が生じている各E国子会社の当該損失は各E国子会社固有のものとし、利益が生じている各E国子会社の当該利益のみを内国法人の所得とすることは、本来請求人に生じていない所得に課税することになり日本国憲法第84条及び法人税法第5条に反することから、租税特別措置法第66条の6の規定は適用されない旨主張する。 しかしながら、各E国子会社は、契約上の地位を有し、自ら船舶を所有して定期傭船契約を結び収益を得るなど個々の法人としての実体を有していると認められ、また、租税特別措置法第66条の6に規定する所定の要件を満たすことから、原処分は適法である。(平20. 2. 6 高裁(法)平19-12)

支部名
東京
裁決番号
平190102
裁決年月日
平成20年1月24日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、A国のB区に所在する子会社について、その主たる事業は製造問屋で、卸売業に該当し、非関連者との仕入取扱金額が50%超であるから、外国子会社合算税制の適用除外の要件のすべてを満たすと主張する。しかしながら、同子会社の主たる事業は、自己の計算において、原材料を仕入れ、加工等を加えて製品を完成させ、当該製品を最終消費者以外の事業者に販売する事業(以下「本件事業」という。)であると認められるところ、租税特別措置法第66条の6第3項第1号に規定する卸売業とは、有体的商品を仕入れ、物理的又は化学的な変化を加えずに、最終消費者以外の事業者に販売する事業をいうから、同子会社の事業は卸売業には該当しないと認められる。そうすると、同子会社が外国子会社合算税制の適用除外要件を充足しているかどうかの判定に当たっては、所在地国基準が適用され、その事業が主として本店所在地国等において行われていたかどうかは、その事業における本質的な行為が本店所在国等において行われていたかどうかによるところ、本件事業が、製品の原材料を購入し、その原材料をA国に所在するA国企業の工場に持ち込んで加工等をして製品を製造し、完成した製品を最終消費者以外の事業者に販売する事業であることからすると、本件事業における本質的な行為は、製品の製造行為であり、同子会社は、製品の製造行為をA国の工場で行っていたと認められるから,その事業を主として本店所在地国等であるB区で行っていたとはいえず、所在地国基準を満たしていないこととなる。したがって、同子会社については適用除外要件のすべてを充足していたとはいえないから、租税特別措置法第66条の6第1項の規定が適用されこととなる。(平20. 1.24 東裁(法)平19-102)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平190019
裁決年月日
平成20年1月18日
裁決結果
棄却
争点番号
302503990
争点
25その他の特例/3所得控除/3その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、前回調査の調査担当者が売買仕切書等が肉用牛売却証明書類に該当する旨指導があったために確定申告書に肉用牛売却証明書類を添付しなかったのであるから、租税特別措置法第67条の3第4項に規定する「やむを得ない事情」がある旨主張するが、当審判所の調査した結果によれば、そのような事情があったとは認められない。(平20. 1.18 関裁(法)平19-19)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平190019
裁決年月日
平成20年1月18日
裁決結果
棄却
争点番号
302503990
争点
25その他の特例/3所得控除/3その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件肉用牛売却取引は卸売市場における売却であるから、租税特別措置法第67条の3に規定する特例を適用できる旨主張する。しかしながら、本件肉用牛売却取引は、請求人が取引先との間において直接行った本件肉用牛の売却に係る取引であり、卸売市場において行われた取引ではないので、当該特例を適用することはできない。(平20. 1.18 関裁(法)平19-19)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平190026
裁決年月日
平成19年11月8日
裁決結果
棄却
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、E国の関連会社Cに対する支払手数料として計上した支出(以下「本件E国関連会社手数料」という。)について、Cが請求人に対して新営業システムに関する情報を提供していることから、最終的には請求人の営業成績に結びつく経費負担としてCに支払われたものであり、国外関連者に対する寄附金に該当しない旨主張する。 しかしながら、Cが請求人に送信したファクシミリの内容によれば、本件E国関連会社手数料は、Cの取締役でもある請求人の実質経営者甲に対してCが支払うべき給与、甲の給与に対して使用者であるCに課されるE国の税金及び甲の○○申請費用であり、請求人が負担するものではないところ、Cがその経営状態から甲に給料等を支払うことが困難なため、請求人が負担することになったと認められる。また、当審判所がCからの具体的な反対給付について証拠を提出するよう再三求めたのに対し、請求人はこれを提示しないことから、請求人に本件E国関連会社手数料を負担すべき合理的な理由があるとは認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。 以上から、本件E国関連会社手数料は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。また、請求人は、外国法人であるCの出資金額の60%を保有しているから、Cは租税特別措置法第66条の4第1項に規定する国外関連者に該当する。そうすると、本件E国関連会社手数料は、国外関連者に対する寄附金に該当する。(平19.11. 8 名裁(法・諸)平19-26)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
広島
裁決番号
平190008
裁決年月日
平成19年10月30日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集 №74・214ページ

要旨

○ 請求人は、リースにより賃借した本件各減価償却資産が、①剛性のある物体から構成されている、②一定の相対運動をする機能を持っている、③それ自体が仕事をする、という機械の判定要件である三つを満たすものであり、法人税法施行令《減価償却資産の範囲》第13条第3号に規定する「機械及び装置」に該当する旨主張する。 しかしながら、請求人の主張する三つの要素は、機械及び装置の一般的な要素とはいえるものの、法人税法施行令第13条第3号に規定する「機械及び装置」というためには、複数のものが設備を形成して、その設備の一部としてそれぞれのものがその機能を果たしていなければならないと認められるところ、本件各減価償却資産は、①検査、分析、判定、測定等を行うことにより、その工程が全て終了するものであること、②それ自体単体で個別に作動するものであり、他の機器と一体となって機能を発揮するものではないことなどの性質を有していることから、上記の要件を満たしているものということはできないので、同号に規定する「機械及び装置」には該当しない。 また、本件各減価償却資産は、それ自体で固有の機能を果たし、独立して使用されるものであるので、法人税法施行令第13条第7号に規定する「器具及び備品」に該当するが、租税特別措置法第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合等の特別償却又は法人税額の特別控除》第3項の適用対象となる器具及び備品は、事務処理の能率化に資するものとして財務省令に定めるものに限定されているところ、本件各減価償却資産の機能からすれば、同項に規定する「器具及び備品」にも該当しないので、同項の規定は適用できない。(平19.10.30 広裁(法)平19-8)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平190008
裁決年月日
平成19年10月16日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集 №74・226ページ

要旨

○ 請求人は、同人の特定外国子会社等に該当するL区の子会社が行う事業(以下「本件事業」という。)は、自らは製造を行わないで、自己の所有に属する原材料をK国の企業に支給して製品を造らせ、これを自己の名称で販売するものであり、日本標準産業分類上卸売業に分類される「製造問屋」であるから、租税特別措置法第66条の6第3項第1号に規定する卸売業に該当する旨主張する。 しかしながら、当該製品の製造に係る費用を同子会社が負担していることなどからすると、同子会社は、自己の計算において原材料を仕入れ、加工等をして製品を完成させ、最終消費者以外の事業者に販売する事業を行っていたと認められるところ、租税特別措置法第66条の6第3項第1号に規定する卸売業とは、有体的商品を仕入れ、物理的又は化学的な変化を加えずに、最終消費者以外の事業者に販売する事業をいうから、本件事業は、同号に規定する卸売業には該当しないと認められる。 また、外国子会社合算税制の適用除外要件を適用するために行う事業区分の判定は、租税特別措置法第66条の6第3項各号の立法趣旨・目的等も勘案して判定すべきものであり、必ずしも日本標準産業分類の分類どおりに判定するものではないと解される上、その事業内容の実態に照らしても、本件事業は租税特別措置法第66条の6第3項第1号に規定する卸売業に該当しないと認められるから、請求人の主張は採用できない。(平19.10.16 関裁(法)平19-8)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平190005
裁決年月日
平成19年7月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の子会社でA国のB区を本店所在地とするC社の営む事業は、A国に所在するD社に製造を委託する「製造問屋」であり、製造問屋は日本標準産業分類上「卸売業」に分類されるから、C社の事業は卸売業である旨主張する。 しかしながら、C社の主たる事業は、自己の計算において、原材料を仕入れ、加工等を加えて製品を完成させ、当該製品を最終消費者以外の事業者に販売する事業(以下「本件事業」という。)であると認められるところ、租税特別措置法第66条の6第3項第1号に規定する卸売業とは、有体的商品を仕入れ、物理的又は化学的な変化を加えずに、最終消費者以外の事業者に販売する事業をいうから、C社の事業は卸売業には該当しないと認められる。 そうすると、C社が外国子会社合算税制の適用除外要件を充足しているかどうかの判定に当たっては、所在地国基準が適用され、その事業が主として本店所在地国等において行われていたかどうかは、その事業における本質的な行為が本店所在国等において行われていたかどうかによるところ、本件事業が、製品の原材料を購入し、その原材料をD社のA国工場に持ち込んで加工等をして製品を製造し、完成した製品を最終消費者以外の事業者に販売する事業であることからすると、本件事業における本質的な行為は、製品の製造行為であり、C社は、製品の製造行為をD社のA国工場で行っていたと認められるから,その事業を主として本店所在地国等であるB区で行っていたとはいえず、所在地国基準を満たしていないこととなる。 したがって、C社については適用除外要件のすべてを充足していたとはいえないから、租税特別措置法第66条の6第1項の規定が適用されることとなる。(平19. 7. 6 名裁(法)平19-5)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平190006
裁決年月日
平成19年7月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の関係会社でA国のB区を本店所在地とするC社の営む事業は、A国に所在するD社に製造を委託する「製造問屋」であり、製造問屋は日本標準産業分類上「卸売業」に分類されるから、C社の事業は卸売業である旨主張する。 しかしながら、C社の主たる事業は、自己の計算において、原材料を仕入れ、加工等を加えて製品を完成させ、当該製品を最終消費者以外の事業者に販売する事業(以下「本件事業」という。)であると認められるところ、租税特別措置法第66条の6第3項第1号に規定する卸売業とは、有体的商品を仕入れ、物理的又は化学的な変化を加えずに、最終消費者以外の事業者に販売する事業をいうから、C社の事業は卸売業には該当しないと認められる。 そうすると、C社が外国子会社合算税制の適用除外要件を充足しているかどうかの判定に当たっては、所在地国基準が適用され、その事業が主として本店所在地国等において行われていたかどうかは、その事業における本質的な行為が本店所在国等において行われていたかどうかによるところ、本件事業が、製品の原材料を購入し、その原材料をD社のA国工場に持ち込んで加工等をして製品を製造し、完成した製品を最終消費者以外の事業者に販売する事業であることからすると、本件事業における本質的な行為は、製品の製造行為であり、C社は、製品の製造行為をD社のA国工場で行っていたと認められるから,その事業を主として本店所在地国等であるB区で行っていたとはいえず、所在地国基準を満たしていないこととなる。 したがって、C社については適用除外要件のすべてを充足していたとはいえないから、租税特別措置法第66条の6第1項の規定が適用されることとなる。(平19. 7. 6 名裁(法)平19-6)

支部名
東京
裁決番号
平180327
裁決年月日
平成19年6月21日
裁決結果
棄却
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、A国に所在する100%子会社(以下「A国子会社」という。)に社員を出向させ、A国子会社の業務のみに従事させているが、請求人が日本において支給し、請求人の損金の額に算入した当該出向者に係る給与等の人件費について、A国子会社から給与負担金等を受領していない。また、請求人は、グループの各子会社に対して提供する役務の対価を各子会社から収受しているが、A国子会社については、他の子会社と同様に役務を提供しているにもかかわらず、その対価の支払を免除している。これらの点について、請求人は、A国の外貨送金規制により、給与負担金及び役務提供の対価を送金できないというやむを得ない状況にあり、これらを収益に計上していないことは、法人税基本通達2−1−31《送金が許可されない利子、配当等の帰属時期の特例》に照らしても公正妥当な処理であって、免除の意思もないことから寄附金には該当しない旨主張する。 しかしながら、①出向者の給与等人件費を出向元である請求人が負担する合理的な理由はなく、本来出向先であるA国子会社が負担すべきものについて、請求人側で損金算入していたものであること、②法人税基本通達2−1−31は利子等の収益の帰属時期に関する特例であり、給与負担金等については適用がないこと、③請求人がA国子会社に対する役務提供の対価の支払を免除する旨の社内決定を行っていること等から、請求人が、A国子会社への出向者の給与等人件費を負担したこと及びA国子会社に対する役務提供の対価の支払を免除したことは、いずれも請求人からA国子会社に対する経済的な利益の供与に当たり、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。そして、A国子会社は租税特別措置法第66条の4第1項に規定する国外関連者に該当するから、同条第3項の規定により当該寄附金の全額が損金不算入となる。(平19. 6.21 東裁(法)平18-327)

支部名
東京
裁決番号
平180246
裁決年月日
平成19年5月17日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が全株式を所有する外国関係会社について、外国の法令に基づき所得に対して26%の税率で本件法人所得税が課されているから、同社は特定外国子会社等に該当しない旨主張する。しかしながら、租税特別措置法施行令第39条の14の規定によれば、特定外国子会社等とは、所得に対して課される租税の額の割合が25%以下で法人税法第69条第1項に規定する外国法人税が課税される外国関係会社をいい、同項に規定する外国法人税とは、我が国の法人税に相当する税であると解されるところ、本件法人所得税についてみると、①0%から30%の範囲で納税者が税率を自由に選択できるものであること、②本件法人所得税が「租税」の一般的な性質である公平性(画一性)を著しく欠いたものであること、さらには、③非課税の申請を行えばそれが認められるのにそれをせず、あえて26%の税率を選択して、本件法人所得税を納付したものであるため、納付しなくてよいものを納付した極めて任意性の強い支出であり、通常の国際的取引から必然的に外国法人税を支払ったものとは認められないことなどから、本件法人所得税は、外国税額控除の制度において予定される外国法人税とはいえない。したがって、当該外国関係会社は、所得に対して課される外国法人税の割合が25%以下の外国関係会社となるため、特定外国子会社等に該当するから、同社に係る課税対象留保金額に相当する金額を審査請求人の益金の額に算入した原処分は適法である。(平19. 5.17 東裁(法)平18-246)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平180240
裁決年月日
平成19年5月8日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、本件新造船舶に係る取引について、請求人が外国子会社を設立する前に、請求人と造船会社との間では22.2億円で、また、船主となる会社と請求人との間では23億円で売買することを合意し、当該売買金額の差額である8,000万円の帰属が請求人にあると認識していたにもかかわらず、当該外国子会社と造船会社及び船主となる会社と当該外国子会社との契約にすることにより、当該8,000万円を当該外国子会社の売買益として付け替えたものであるから、当該8,000万円は国外関連者に対する寄附金となる旨主張する。しかしながら、本件新造船舶の取引は仕組船方式(便宜置籍国に設立した子会社に日本の造船会社の船台を斡旋して、船舶を建造させ、それらの国の船籍で登録・保有し、外国船員を乗船させた上で親会社等が傭船して運航させる方式)を前提としたものであるところ、本件新造船舶が外国船籍仕様であり、請求人自身では船舶法上本件新造船舶を所有できないことから、請求人の外国子会社を造船契約の一方の当事者として、当該外国子会社から船主となる法人の外国子会社に本件新造船舶を売却したものであり、当該造船契約と当該売買契約の結果として本件売船益8,000万円が請求人の外国子会社に帰属することとなったものであるから、請求人が請求人の外国子会社に本件売船益相当額の利益を供与したと認めることはできない。(平19. 5. 8 東裁(法)平18-240)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
名古屋
裁決番号
平180056
裁決年月日
平成19年4月10日
裁決結果
棄却
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集 №73・405ページ

要旨

○ 請求人は、請求人の租税特別措置法第66条の4第1項に規定する国外関連者に該当する取引先(以下「K社」という。)に支払った業務委託費(以下「本件業務委託費」という。)は、K社から提供されたサービス業務(以下「本件サービス業務」という。)の支払額以外に、本来は支払うべきであった本件サービス業務に係る販売費及び一般管理費が見落とされ、精算されていない費用(以下「本件サービス業務の未精算費用」という。)があることが判明したため、K社と新たな契約書を作成した上で支払ったものであるから、K社に対する法人税法第37条第7項に規定する寄附金には該当しないと主張する。 しかしながら、一般の取引通念に照らせば、取引上、未精算費用があった場合には、会社間で当該未精算費用の額、支払方法等についての検討等がされてしかるべきであり、その結果を両社ともに文書で記録しておくのが通常であるところ、本件の場合、原処分庁の調査担当職員が、請求人の担当課長(以下「本件担当課長」という。)に対して、本件業務委託費の計算根拠について説明を求めても具体的な計算根拠の説明及び資料の提出はなく、また、請求人の担当部長は、本件サービス業務の未精算費用は積み上げて計算したものではなく、具体的に計算した資料はない旨答述している。 さらに、本件担当課長が、同人の上司等に送信した電子メールの記載内容から判断すると、本件業務委託費の支払は、K社の欠損を補てんするための金銭の贈与であると認められることから、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。 そして、当該寄附金の額は、租税特別措置法第66条の4第3項に規定する国外関連者に対する寄附金の額に該当するので、同条同項の規定により、請求人の損金の額に全額算入することができない。(平19. 4.10 名裁(法)平18-56)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平180063
裁決年月日
平成19年3月30日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人の従業員等が国外関連者である海外子会社2社の工場において行った無償の役務提供は国外関連取引に該当し、独立企業間価格の算定に当たり、当該2社との取引を一括して総額で算定したことに違法はない旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第66条の4第1項の適用に当たっては、個々の国外関連取引ごとに独立企業間価格を算定し、同取引において支払われた対価の額と比較することを要すると解するのが相当であり、2つの国外関連者との取引を一括して総額で独立企業間価格を算定して行った原処分には明らかに法令の適用誤りがある。(平19. 3.30 関裁(法・諸)平18-63)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平180056
裁決年月日
平成19年2月27日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集 №73・376ページ

要旨

○ 原処分庁は、請求人の営業費用であるC研究所及びD研究所の販売費及び一般管理費は、事業部ごとの損益管理を採用する請求人が各事業部の費用としていずれにも配賦していないから、移転価格事務運営要領3−2に定める共通費用とみて、国外関連取引及びその他の取引に配賦すべき旨主張する。しかしながら、両研究所の販売費及び一般管理費と国外関連取引との関連性を具体的に検討することなく、上記共通費用とみたことは相当でなく、C研究所の業務内容は、利益分割法対象製品の取引と異なる事業セグメントに属するというべきであり、国外関連取引から生じる利益との関連性を有するとは認められないから、原処分庁の上記主張のうち、同研究所の販売費及び一般管理費を国外関連取引に関連して支出された費用とみるべきとの部分は、採用できない。また、請求人は、D研究所の費用は、すべて将来の××用品及び○○用器具の研究開発に要した費用であるから、国外関連取引に関連して支出された費用とみるべきではない旨主張するが、同研究所の業務内容には、利益分割法対象製品の取引と同一の事業セグメントに属するものが含まれていると認められる上、同研究所は、同製品を製造する機械の製作をし、その研究開発が同製品の改良行為に生かされていたともいうことができる。そうすると、D研究所の販売費及び一般管理費は、国外関連取引に関連して支出された費用とみるべきであるから、請求人の上記主張は採用できない。(平19. 2.27 大裁(法)平18-56)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平180056
裁決年月日
平成19年2月27日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集 №73・376ページ

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法施行令(以下「措置法施行令」という。)第39条の12第8項に規定する方法(以下「利益分割法」という。)における分割の対象は、事業活動の直接の結果として生じた所得であり、かつ、分割要因の寄与に基づく所得に限られると解されるところ、為替の変動による所得である予算レート(予算策定・事業計画立案のための円価換算レート)と社内レート(外貨建取引を会計帳簿に記載する円貨換算レート)との差により算出される金額は、同項の「所得」に含まれない旨主張する。しかしながら、請求人の国外関連取引に係る損益計算は、社内レートにより換算された利益分割法対象製品の対価の額に基づいて行われるのであるから、予算レートと社内レートとの差により算出される金額は、管理会計上では算出されはしても、財務会計上では認識されない。そうすると、上記金額は、財務会計上の営業外損益に属する為替差損益ではなく、上記「所得」に含まれるというべきであるから、請求人の上記主張は採用できない。(平19. 2.27 大裁(法)平18-56)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平180056
裁決年月日
平成19年2月27日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集 №73・376ページ

要旨

○ 請求人は、営業損失は、純資産の減少をもたらすものであり、租税特別措置法関係通達(法人税編)66の4(4)−1が、分割対象利益を営業利益と定めていることから、租税特別措置法施行令(以下「措置法施行令」という。)第39条の12第8項の「所得」に含まれない旨主張する。しかしながら、上記通達の定めは、営業損失を分割の対象から排除すべきか否かについて直接言及したものではないこと、企業会計原則上、「営業利益を計算する」(第二損益計算書原則二)あるいは「営業利益を表示する」(同三)とされていても、営業損失は損益計算書に記載すべきこと、租税特別措置法第66条の4第2項第1号のイないしハに規定する方法(以下「基本三法」という。)によれば、国外関連取引により損失が生じていたとしても、独立企業間価格を算定することになるから、措置法施行令第39条の12第8項に規定する方法(以下「利益分割法」という。)において、営業損失を分割の対象から排除し、その結果、独立企業間価格を算定できないとすれば、納税者間の課税の公平を損なうことなどから、上記「所得」とは、国外関連取引に参加したすべての関連者に生じた当該取引に係る損益(原則として営業損益)の総和をいうと解するのが相当である。そうすると、上記「所得」には営業損失も含まれるというべきであるから、請求人の上記主張は採用できない。(平19. 2.27 大裁(法)平18-56)

支部名
東京
裁決番号
平180103
裁決年月日
平成18年12月11日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人がA国に子会社を設立したのは賃金が安い外国船員を雇用して国際競争力を確保するためであり、実質所得者は審査請求人であるとして当該子会社の資産、負債及び損益を合算経理により審査請求人に帰属させて申告しており、請求人には租税回避目的がないから、租税特別措置法第66条の6の趣旨からしても同条を適用することは違法である旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第66条の6の立法趣旨は、外国法人を利用することによる税負担の不当な回避又は軽減を防止するとともに、課税執行面の安定性を確保しつつ税負担の実質的公平を図ることにあり、このような趣旨に鑑みれば、特段の明文の規定がないにもかかわらず、租税回避のおそれの有無という認定の困難な要件を同条の適用の要件に加えるべきではなく、同条の適用の有無は、特定外国子会社等に該当するか否かでのみ判断すべきであると解される。そうすると、内国法人の子会社が特定外国子会社等に当たる場合には、租税特別措置法第66条の6第3項の適用除外に該当しない限り、同条を適用することとなるところ、審査請求人の子会社は、同条第1項に規定する特定外国子会社等に該当し、A国に固定的施設を有さないことから、同条第3項の適用除外に該当しないので、審査請求人に租税回避目的がなかったとしても、同条第1項の規定を適用することとなる。したがって、当該子会社に係る課税対象留保金額に相当する金額を審査請求人の益金の額に算入した原処分は適法である。(平18.12.11 東裁(法)平18-103)

支部名
高松
裁決番号
平180003
裁決年月日
平成18年9月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、A国に設立した子会社に係る損益の額について、租税特別措置法第66条の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》を適用せず、法人税法第11条《実質所得者課税の原則》を適用して、請求人の法人税に係る所得金額の計算上、そのまま合算して申告することは、租税回避ではないので認められるべきである旨主張する。しかしながら、A国に設立した子会社が措置法第66条の6第1項に規定する外国関係会社で、かつ同法施行令第39条の14《特定外国子会社等の範囲》第1項に規定する特定外国子会社等に該当し、同法第66条の6第3項に規定する適用除外の対象とならない以上、租税回避のおそれの有無にかかわらず同条の規定を適用して所得金額を計算することとなる。(平18.9.25 高裁(法)平18-3)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平180021
裁決年月日
平成18年9月22日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法(平成14年法律第79号による改正前のもの)第66条の6第3項の規定する株式の保有を事業とするとは、株式を保有することによって得られる配当を反復・継続的に取得する行為を意味すると解すべきところ、請求人の外国子会社は、その主たる事業が卸売業であり、自らの卸売業に付随して株式を保有し、その保有する株式から配当を受けたのは一度だけであるから、非持株会社等基準を充足すると主張する。しかしながら、非持株会社等基準は、配当のみならず、有価証券売却益など受動所得を得ることを主たる事業とする場合には、タックス・ヘイブン課税規定の適用除外としない趣旨で設けられているから、株式の保有を事業とするというためには、継続的に株式を保有する事実があれば足りるというべきである。そして、卸売と株式の保有など複数の事業を行う請求人の外国子会社の主たる事業が何であるかは、当該事業活動の客観的結果として得られた収入金額又は所得金額の状況、使用人の数、固定施設の状況、保有資産の状況等を総合的に勘案して判定すべきである。これを当該外国子会社が行う各事業についてみると、その主たる事業は株式の保有というほかない。したがって、請求人の外国子会社が非持株会社等基準を充足しないとした原処分に違法はない。(平18. 9.22 大裁(法)平18-21)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
仙台
裁決番号
平180002
裁決年月日
平成18年9月4日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集 №72・424ページ

要旨

○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、①租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの。以下「措置法」という。)第66条の4第7項に規定する帳簿書類等とは我が国の納税者が作成・保管することを要求されているものをいい、我が国の納税者が保有していない外国で作成されている資料は、同条第8項に規定する帳簿書類等に該当し、あくまでも入手努力義務があるにすぎないこと、②国外関連者との取引価格の算定資料については、同社との取引を独立した第三者間の取引と認識しているため、見積書以外はないところ、当該資料は原処分庁に提出したから、提出すべき資料はすべて提出していること及び③請求人が再販売価格基準法及び取引単位営業利益法により算定した独立企業間価格によれば所得移転はないことから、帳簿書類等を請求人が提示又は提出しないことを理由として原処分庁が同条第7項の推定規定を適用して更正をしたことは違法である旨主張する。しかしながら、原処分庁の調査担当職員が提示又は提出を求めた資料は国外関連者の財務諸表及び国外関連者との取引価格の算定資料であるところ、これらは、独立企業間価格の検討を行う上で基本となる資料であり、国外関連者が有する帳簿書類等であっても、措置法第66条の4第7項の帳簿書類等に含まれるものと認められるから、これらの独立企業間価格の算定に不可欠な帳簿書類等が遅滞なく提示又は提出されない場合には、同項の推定規定の要件を充足すると解される。また、請求人は、請求人が主張する再販売価格基準法が本件における独立企業間価格の算定方法として合理的であると主張するが、当該方法については、取引段階及び取引市場が国外関連取引とは異なっていることから、比較対象取引としての類似性を有するものとは認められず、請求人が加えた差異の調整も、当該差異の調整の算定根拠が不明で、その合理性が認められないから、請求人の主張は採用できない。さらに、請求人は、取引単位営業利益法により計算したところによれば所得移転はない旨主張するが、請求人が用いた方法は、比較可能性を検証する事項についての言及もないまま、単に請求人と国内関連企業2社の計3社の平均連結営業利益率と請求人が競合他社と認識している2社の営業利益率を比較しているものであり、合理性が認められないから、請求人の主張を採用することはできない。そうすると、原処分庁は、請求人から独立企業間価格の算定に必要な帳簿書類等の提示又は提出を受けることができず、他に比較対象取引となり得る取引も見出せなかったことから、本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定に当たって措置法第66条の4第2項第1号イ、ロ、ハ及びニに掲げる方法のいずれも適用することができなかったものであり、当審判所の調査の結果によっても、当該独立企業間価格の算定について当該各方法のいずれも適用することができないと認められる。したがって、原処分庁が、本件調査により国外関連者の総原価の額を把握し、措置法第66条の4第7項の規定により独立企業間価格を推定したことは適法である。(平18. 9. 4 仙裁(法)平18-2)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
仙台
裁決番号
平180002
裁決年月日
平成18年9月4日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集 №72・424ページ

要旨

○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、①原処分庁が租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの。以下同じ。)第66条の4第7項の推定規定の適用に当たって比較対象とした事業は、業態が異なることから比較可能性がないこと及び②原処分庁が比較対象法人とした法人は、日本の親会社と国外関連者間取引を行っている法人であり、移転価格税制の趣旨から判断して、関係会社間の取引価格は独立企業間価格ではないから、関係会社間取引価格に基づいて独立企業間価格を推定することは矛盾している旨主張する。しかしながら、本件各更正処分における比較対象法人は、いずれも本件国外関連取引の対象資産と同様の商品を販売している業者が選定されており、検証対象法人と同種の事業を営む法人と認められること、また、その事業規摸、取引段階及び取引形態においても本件国外関連取引と同様と認められ、事業規模その他の事業の内容が類似するものが選定されていると認められることから、原処分庁が行った比較対象法人の選定には合理性があると認められる。また、推定規定の適用に当たって、租税特別措置法施行令(平成16年政令第105号による改正前のもの。以下同じ。)第39条の12第11項には、独立企業間価格の算定方法を定めた原価基準法に係る同条第7項のように、非関連者間取引で構成されなければならないとの要件はなく、独立企業間価格の算定の基礎となる比較対象法人の通常の利益率の算出においても不合理な点は認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。なお、請求人は、原処分庁が選定した比較対象法人は在庫リスク、短納期対応等を負わない商社であり、かつ、関連者に販売又は関連者から仕入れるという非常に限定された機能及びリスクしか負っていないので比較可能性がない旨主張するが、請求人が主張する国外関連者の短納期対策及び品質管理機能については、請求人から国外関連者の具体的指示内容についての資料の提出及び説明がないこと及び国外関連者との価格算定に関する資料の提出もなく、具体的にどの程度のリスクを負っているかは不明であることから、請求人の主張は採用できない。(平18. 9. 4 仙裁(法)平18-2)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平180022
裁決年月日
平成18年8月14日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集 №72・463ページ

要旨

○ 審査請求人は、審査請求人が全株式を所有する外国関係会社について、外国の法令に基づき所得に対して26%の税率で本件法人所得税が課されているから、租税特別措置法第66条の6の規定により、同社は特定外国子会社等に該当しない旨主張する。 しかしながら、特定外国子会社等とは、租税特別措置法施行令第39条の14の規定により、所得に対して課される租税の額が25%以下の法人税法第69条第1項に規定する外国法人税が課税される外国関係会社をいうところ、同項に規定する外国法人税とは、我が国の法人税に相当する税であると解される。これを、本件法人所得税についてみると、①0%から35%の範囲で納税者が税率を自由に選択できるものであること、②非課税の申請を行えばそれが認められるのにそれをせず、我が国のタックス・ヘイブン課税を回避するために、あえて26%の税率を選択して、本件法人所得税を納付したものであること、③本件法人所得税が「租税」の一般的な性質である画一性(公平性)を著しく欠いたものであること、さらには、④納付しなくてよいものを納付した極めて任意性の強い支出であり、通常の国際的取引からみても、必然的に外国法人税を支払ったものとは認められないことなどから、本件法人所得税は、外国税額控除の制度において予定される外国法人税とはいえない。 したがって、当該外国関係会社は、所得に対する外国法人税の割合が25%以下の外国関係会社となるため、特定外国子会社等に該当し、同社に係る課税対象留保金額に相当する金額を審査請求人の益金の額に算入した原処分は適法である。(平18. 8.14 東裁(法)平18-22)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平170078
裁決年月日
平成17年12月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が算定した独立企業間価格は、①請求人は役務提供取引業者であるところ、卸売業者を比較対象法人としていること、及び②両者の取引の間には、調整不可能な差異が多数存在することから、比較可能性のない取引を比較対象取引として算定された不適法なものである旨主張する。しかしながら、原処分庁の選定した取引は、請求人が行う国外関連取引と、①同種又は類似の製品を取り扱い、同様の役務提供を行うものであることから、その機能において類似すること、及び②取引に係るリスクの差異も軽微で調整できる程度のものであることから、取引内容が実質的に近似していると認められ、比較可能性を有するものであると認められる。したがって、原処分庁の選定した取引を、比較対象取引とすることには合理性があると認められるので、請求人の主張には理由がない。(平17.12.9東裁(法)平17-78)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平170017
裁決年月日
平成17年9月30日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の海外子会社(以下「本件子会社」という。)に対する貸付金の利息を免除したこと(以下「本件免除」という。)は、本件子会社を再建するためにやむを得ず行ったものであり、合理的な理由がある旨主張する。しかしながら、本件子会社が作成した再建計画書(以下「本件再建計画書」という。)には、再建の目標は記載されているものの、その目標を達成するためにどのような方法で組織を再構築するかについての具体的な方法は示されておらず、本件再建計画書に本件免除を受けることは記載されているものの、本件免除が本件子会社の再建にどのような効果を及ぼすのか明らかにされていない。そうすると、本件再建計画書によっては、本件免除が本件子会社の再建のために必要であるか否か、本件免除の額が支援額として妥当なものであるか否かは不明といわざるを得ない。したがって、本件免除は、本件子会社の倒産を防止するため、合理的な再建計画に基づきやむを得ず行われたものではないといわざるを得ず、合理的な理由はないというべきである。よって、請求人の主張は採用することはできない。(平17.9.30関裁(法)平17-17)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平170017
裁決年月日
平成17年9月30日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の海外の子会社(以下「本件子会社」という。)に対する貸付金の利率は請求人が日本国内で資金調達する際の短期プライムレートを基準として設定しているから、独立企業間価格として適正である旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第66条の4第2項第2号において、棚卸資産の販売又は購入以外の取引に係る独立企業間価格の算定は、独立価格比準法、再販売価格基準法及び原価基準法(以下、これらを併せて「基本三法」という。)と同等の方法によることとし、その方法を用いることができない場合には、基本三法に準ずる方法と同等の方法によって行う旨規定している。本件においては、基本三法と同等の方法を用いることができないことから、本件子会社以上の信用力が認められる請求人が同様の状況の下で金融機関等から借入れをしたとした場合に通常付されるであろう利率に基づいて独立企業間価格を算定していることが認められ、かかる算定は合理的と認められる。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平17.9.30関裁(法)平17-17)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平170017
裁決年月日
平成17年9月30日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の海外の子会社(以下「本件子会社」という。)の輸入商品に係るA国での関税、乙仲費用及び保険料等の費用(以下「本件関税等」という。)について、本件子会社との取決めにより、合理的に算出した金額を受領しているから、請求人がこれら費用の一部を負担していることは、寄附金には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人と本件子会社は、商品売買契約書において、本件関税等は本件子会社が負担する旨合意していることが認められる。そうすると、平成14年2月期においては、本件関税等は本件子会社が負担するのが相当であり、また、平成15年2月期においては、請求人は本件子会社の商品輸入取引に係る事務代行を行っているにすぎないから、本件関税等はやはり本件子会社が負担すべきものというべきである。したがって、請求人が本件関税等を負担したことに合理的な理由は認められず、請求人の主張は採用することができない。(平17.9.30関裁(法)平17-17)

支部名
東京
裁決番号
平160285
裁決年月日
平成17年6月23日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、独立企業間価格について、①更正の理由書には、比較対象データが具体的に記載されておらず記載不備があること、②独立企業間価格の算定に必要な書類等を提出したにも関わらず、他社の比較対象取引を採用していること、③独立企業間価格は、複数の比較対象取引の価格の幅により算定すべきであり、原処分は製品郡別に唯一の比較対象取引をもって算定しているから法的及び論理的に逸脱しているとし、④公開データを使用して価格の幅で独立企業間価格を算定した相互協議の合意結果を準用すべき旨主張する。しかしながら、①記載内容は、原処分庁の恣意抑制及び納税者の不服申立ての便宜という理由付記制度の趣旨目的を充足しており、また、原処分庁の職員には守秘義務が課されていて、具体的な名称等の記載がなくも、そのことをもって理由付記が不十分とはいえない、②書類等の提出は要求後相当な期間経過後であり、また、その内容が独立企業間価格の算定に必要な要件を充たしていなかった結果、同業他社のデータ等を収集したものであり適法である、③本件国外関連取引の製品は特定医療材料であり、保険請求上の分類を基準にその用途等の類似性に着目して分類した製品群を取引単位としたことには合理性があり、また、取引の機能面での類似性を重視した比較対象取引の選定の結果、最終的に類似性の最も高いものを比較対象取引としたもので、原処分の独立企業間価格の算定方法には合理性がある、④本件相互協議の合意結果を他の国外関連取引に準用すべき法的根拠はない。よって、請求人の主張はいずれも理由がない。(平17.6.23東裁(法)平16-285)

支部名
東京
裁決番号
平160225
裁決年月日
平成17年3月30日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 審査請求人は、審査請求人の外国関係会社について、外国の法令に基づき所得に対して26%の税率で税を課されているから、租税特別措置法第66条の6の規定により、課税対象留保金額に相当する金額を益金の額に算入すべき特定外国子会社等に該当しない旨主張する。しかしながら、特定外国子会社等とは、租税特別措置法施行令第39条の14の規定により、25%以下の税率で法人税法第69条第1項に規定する外国法人税が課税される外国関係会社をいうところ、同項に規定する外国法人税とは、法人税に相当する税であること、すなわち我が国の法人税と基本的構造が類似する税をいうものと解される。これを当該外国関係会社に課された税についてみると、当該税は、零%を上回り30%以下の範囲で税率を選択できる税であり、納税額の決定について納税者の広範な裁量が認められる点で、我が国の法人税と基本的構造を根本的に異にしているから、同項に規定する外国法人税には該当しないと認められる。したがって、当該外国関係会社は、外国法人税の税率が25%以下の外国関係会社であると認められ、特定外国子会社等に該当するから、同社に係る課税対象留保金額に相当する金額を、審査請求人の所得の金額に加算した原処分は適法である。(平17.3.30東裁(法)平16-225)

支部名
熊本
裁決番号
平160010
裁決年月日
平成16年11月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302504010
争点
25その他の特例/4税額控除/1投資税額控除
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法(平成15年法律第8号による改正前のもの)第42条の5第2項に規定(以下「本件規定」という。)する資産を取得し、指定事業の用に供しているから、本件規定に係る要件は実質的に満たしており、また、本件規定に関する明細書を添付すべきところ、単純な誤認により租税特別措置法第42条の11第2項に関する明細書を添付したものであるから、本件規定は適用されるべきである旨主張する。しかしながら、本件規定の適用を受けるためには、租税特別措置法第42条の5第7項(平成14年法律第79号による改正前は第6項)の法文上、当該金額の計算に関する明細書が確定申告書に添付されていなければならないことは明らかであるところ、請求人は当該明細書を確定申告書に添付していないから、本件規定を適用することはできない。したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平16.11.25熊裁(法)平16-10)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平160029
裁決年月日
平成16年8月5日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、確定申告書に記載した受取配当等の益金不算入の額が過少となったのは、請求人の責めに帰すことのできない関与税理士の事実誤認によるものであり、法人税法第23条第6項が規定する「やむを得ない事情」に該当することから、請求人の更正の請求に対して、当該過少額については理由がないとして行なわれた本件更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、この「やむを得ない事情」とは、風水害、地震、火災、法令違反の嫌疑等による帳簿書類の押収等、外的要因により自己の力だけでは確定申告書に記載ができなかった場合であると解するのが相当であり、関与税理士の事実誤認はこれに該当しないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。そうすると、法人税法第23条第5項の規定により、受取配当等の益金不算入額は、確定申告書に記載された金額が限度となるから、受取配当等の益金不算入額についての更正を行わなかった本件更正処分は適法である。(平16.8.5東裁(法)平16-29)

支部名
大阪
裁決番号
平160002
裁決年月日
平成16年7月5日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人が、海外販売子会社に対して製品を輸出する取引(国外関連取引)に係る価格は、独立企業間価格として認められないからA国の非関連者との取引を比較対象取引とし、原価基準法を採用して、当該取引の対価の額に貿易条件の差異等の調整を施して求められる通常の利益率に基づいて独立企業間価格を算定すべき旨を主張する。しかしながら、上記通常の利益率の算定に当り、原処分庁は取引段階及び取引規模の差異の調整をしなかったところ、取引段階については、海外販売子会社は商社であるのに対し、当該海外の非関連者はメーカーであることから業態に明らかな差異が認められ、かつ、各々の取引の粗利率にも開差が認められることから、取引段階の差異を調整する必要があり、さらに、取引規模についても、取引規模の増大と粗利率の逓減の間には、弱いあるいは中程度の負の相関関係が認められるため、当該差異も調整する必要がある。したがって、原価基準法を採用して通常の利益率を求めるに当り、貿易条件の差異等の調整に加え、取引段階、取引規模の各差異の調整をして得られた通常の利益率から独立企業間価格を算定すると、原処分庁のそれを下回るため、原処分はその一部を取り消されるべきである。(平16.7.5大裁(法)平16-2)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平150024
裁決年月日
平成16年6月14日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、A国に設立した子会社に対して1ドルの出資も、1株の株式も保有しておらず、資本関係を有していないことから、当該子会社は租税特別措置法第66条の6に規定する特定外国子会社等には該当せず、同条の規定は適用されない旨主張する。しかしながら、当該子会社は、A国会社法に基づき設立されており、株式の払込や株式の発行がなされていなくても請求人は当該子会社の株式を引き受ける権利を有しており、当該子会社を支配し得る法的地位を有していると認めるのが相当である。そうすると、当該子会社は、特別措置法第66条の6第1項に規定する請求人の特定外国子会社等に該当し、さらに当該子会社はA国内には実体がないことから、同条第3項に規定する適用除外の対象となるものではない。したがって、合算経理により租税負担の不当な軽減がなかったとしても、請求人は租税特別措置法第66条の6第1項の規定の適用を受けることになる。(平16.6.14高裁(法・諸)平15-24)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平150024
裁決年月日
平成16年6月14日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、A国に設立した子会社がA国において実体がないペーパーカンパニーであることから子会社の損益の額を請求人の所得金額に含めて申告することは、法人税法第11条の規定から妥当性がある旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第66条の6の規定は、当初から便宜置籍船を保有するペーパーカンパニーを有する内国法人に対しても適用することを予定して立法されたものである。すなわち、タックスヘイブン対策税制は、我が国経済の国際化に伴い、一部の国又は地域において租税負担がないか又は著しく租税負担が軽減されていることを利用してこれらの国又は地域に子会社を設立し、租税負担の不当な軽減を図る事例が見受けられるために、租税負担の公平の見地からこれを防止することを目的として設けられたもので、実質所得者課税の原則を定めた法人税法第11条あるいは、法人格否認の法理などの適用では制約や限界があることから、これらによることの可能な場合も含め、その適用対象と課税要件を明文化したものであって、法定の要件が充足されている以上、ペーパーカンパニーであってもタックスヘイブン対策税制の適用があり、これを実質所得者課税の原則によって直接的に内国法人の収益として取り込むことはできないと解される。つまり、法人税法第11条租税特別措置法第66条の6とは、それぞれ独立した規定として存在することが意図されているといえ、両者の適用が競合する場合には、まず、法人税法の特別法である租税特別措置法の規定を適用することになる。(平16.6.14高裁(法・諸)平15-24)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平150022
裁決年月日
平成16年6月7日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の6は内国法人に帰属すべき所得が不当に海外に移転されている場合に海外子会社の所得を内国親会社の収益とみなして課税することを規定したものであって、法人税法第11条により海外子会社の損益を親会社に含めて申告することを禁じるものではない旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第66条の6の規定は、我が国経済の国際化に伴い、一部の国又は地域において租税負担がないか又は著しく租税負担が軽減されていることを利用してこれらの国又は地域に子会社を設立し、租税負担の不当な軽減を図る事例が見受けられるために、租税負担の公平の見地からこれを防止することを目的として設けられたもので、実質所得者課税の原則を定めた法人税法第11条あるいは、法人格否認の法理などの適用では制約や限界があることから、これらによることの可能な場合も含め、その適用対象と課税要件を明文化したものであって、法定の要件が充足されている以上、ペーパーカンパニーであってもタックスヘイブン対策税制の適用があり、これを実質所得者課税の原則によって直接的に内国法人の収益として取り込むことはできないと解される。つまり、法人税法第11条租税特別措置法第66条の6とは、それぞれ独立した規定として存在することが意図されているといえ、両者の適用が競合する場合には、まず、法人税法の特別法である措置法の規定を適用することになる。(平16.6.7高裁(法)平15-22)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平150022
裁決年月日
平成16年6月7日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、A国に設立した子会社は賃金が安い外国船員の雇用等の経営戦略のためにA国に設立したもので、当該子会社の収益及び費用は合算経理により請求人に帰属させて申告しており、海外への利益の移転又は留保による租税負担の不当な軽減はないから、租税特別措置法第66条の6の規定は適用されない旨主張する。しかしながら、当該子会社は、租税特別措置法第66条の6第1項に規定する請求人の特定外国子会社等に該当し、加えて当該子会社はA国に固定的施設を有さず、現地に実体がないことから、同条第3項に規定する適用除外の対象となるものではない。そうすると、合算経理により租税負担の不当な軽減がなかったとしても、租税特別措置法第66条の6第1項の規定を適用することとなる。(平16.6.7高裁(法)平15-22)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平150022
裁決年月日
平成16年6月7日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が租税特別措置法66条の6を請求人に適用して請求人がA国に設立した子会社の損失は当該外国子会社等に固有のものであるとして、請求人の所得金額から減算せず、利益のみを請求人の所得金額に加算することは、請求人に生じていない所得に課税することになるから、法人税法第5条に反する旨主張する。しかしながら、法人税法第5条は、各事業年度の所得について各事業年度の所得に対する法人税を課する旨規定し、所得の金額は、法人税法第22条により、当該事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額である旨規定しているところ、租税特別措置法66条の6は、特定外国子会社等の課税対象留保金額を、請求人の収益の額とみなして請求人の益金の額に算入する旨を規定しているに過ぎず、租税特別措置法第66条の6法人税法第5条は、当然のことながら抵触又は相反する関係にはないと考えられるから、請求人に措置法第66条の6の規定を適用することが法人税法第5条に反する旨の請求人主張を採用することはできない。(平16.6.7高裁(法)平15-22)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平150023
裁決年月日
平成16年6月7日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、A国に設立した子会社は賃金が安い外国船員の雇用等の経済的合理性追求のためにA国に設立したペーパーカンパニーであり、また、請求人には租税回避行為はないから、租税特別措置法第66条の6の規定は適用されない旨主張する。しかしながら、当該子会社は、租税特別措置法第66条の6第1項に規定する請求人の特定外国子会社等に該当し、さらに当該子会社はA国内に固定的施設を有さず、現地には実体がないことから、同条第3項に規定する適用除外の対象となるものではない。そうすると、合算経理により租税負担の不当な軽減がなかったとしても、租税特別措置法第66条の6第1項の規定を適用することとなる。(平16.6.7高裁(法)平15-23)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平150023
裁決年月日
平成16年6月7日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、A国に設立した子会社はその存在を無視しても経営活動に全く支障がない形骸化した法人であり、その法人格は否認されるべきであることから、当該子会社の収益、費用及び損失は、法人税法第11条の規定により、実質経営者である請求人に帰属するものとして課税されるべきである旨主張する。しかしながら、当該子会社は、当該子会社の名称をもって企業活動を行っており、また、請求人は当該子会社の設立代理人から、発起人として引き受けた株式の譲渡契約証書(譲渡者:設立代理人、譲受者:空欄)を徴するなどの法的対策を講じていることから、請求人は当該子会社の法人格を肯定しているものと認められ、請求人の主張には理由がない。また、租税特別措置法第66条の6の規定は、当初から便宜置籍船を保有するペーパーカンパニーを有する内国法人に対しても適用することを予定して立法されたものであり、法定の要件が充足されている以上、ペーパーカンパニーであってもタックスヘイブン対策税制の適用があり、これを法人税法第11条の規定によって直接的に内国法人の収益として取り込むことはできないと解される。つまり、法人税法第11条租税特別措置法第66条の6とは、それぞれ独立した規定として存在することが意図されているといえ、両者の適用が競合する場合には、まず、法人税法の特別法である租税特別措置法の規定を適用することになる。(平16.6.7高裁(法)平15-23)

支部名
東京
裁決番号
平150249
裁決年月日
平成16年3月30日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が全株式を有する外国関係会社が外国において課されている本件外国税は、当該外国の法令に基づき法人の所得に対して課されている税であり、実質的税負担があることから、法人税法第69条第1項に規定する外国法人税に該当する旨主張する。しかしながら、同項で規定する外国法人税は我が国の法人税に相当する税であると解されるところ、本件外国税は、税率が納税者の申請と当局の承認を得て決定されるという点で、我が国の法人税の基本的構造と類似するとは認めがたく、まして、本件外国税は、限りなく零%に近い税率を選択し得ることから、納税額の決定について納税者の広範な裁量が認められ、我が国の法人税に相当する税の範囲を逸脱していることから、本件外国税は、法人税法第69条第1項に規定する外国法人税には該当しない。(平16.3.30東裁(法)平15-249)

支部名
札幌
裁決番号
平150020
裁決年月日
平成16年3月24日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、特定外国子会社等の判定について、本店所在地国において外国関係会社の法人税額は外国税額控除と同様に納付が確定した租税の額に基づいて計算すべきところ、租税の額が未確定の場合には特定外国子会社等に該当するか否かを判定できないので租税特別措置法第66条の6第1項に規定する申告ができない旨主張する。しかしながら、租税特別措置法施行令39条の14第1項の租税の額は、同条第2項第2号のとおり、外国関係会社の外国法人税の額のみによるのではなく、内国法人に係る部分や、同項第3号のとおり、最高税率で算定した外国法人税の額とすることができる場合もあるとされているので、当該租税の額は、法人税法第69条第1項の規定と同様に納付することとなる場合を前提として計算するものと解することはできず、内国法人が自ら関係法令に従って計算すべきものと解するのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。また、請求人は、仮に当該外国関係会社が特定外国子会社等に該当するとしても、租税特別措置法第66条の6第3項に規定する適用除外要件を充足していることから課税されないと主張するが、当該外国関係会社は本店所在地国において管理支配基準等の各要件を充たしていないことから同項を適用することはできないので、租税特別措置法第66条の6第1項に規定する特定外国子会社等に係る課税対象留保金額を益金の額に算入した原処分は適法である。(平16.3.24札裁(法)平15-20)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平150206
裁決年月日
平成16年3月5日
裁決結果
棄却
争点番号
302502990
争点
25その他の特例/2準備金/5その他
事例集登載頁
裁決事例集No.67・476ページ

要旨

○ 請求人は、請求人が共同所有し傭船者等の輸送の用に供している船舶について、租税特別措置法第57条の8の規定(以下「本件規定」という。)に基づき特別修繕準備金を積み立て、当該積み立てた金額(以下「本件積立額」という。)を損金の額に算入している。ところで、本件規定により特別修繕準備金の積立額を損金の額に算入するためには、特定の固定資産に係る特別の修繕の費用の支出に備える必要があることが要件とされるところ、請求人の場合は、各傭船者等との間の定期傭船契約等により、各傭船者から特別の修繕の額に相当する金額を、当該修繕が発生する時点で各傭船者等から受領できることが明らかにされているから、請求人は特別の修繕の費用を負担するとは認められず、また、特別の費用の支出に備える必要があるとも認められない。したがって、請求人の場合は、本件規定の適用対象とはならないから、本件積立額は損金の額に算入できないとした原処分は適法である。(平16.3.5東裁(法)平15-206)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平150008
裁決年月日
平成15年12月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、P国に設立した子会社には1ドルの出資もしておらず、また、1株の株式も保有していないことから、当該子会社は租税特別措置法第66条の6に規定する特定外国子会社等には該当せず、同条の規定は適用されない旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第66条の6第1項に規定する「発行済株式等」については、同条が外国法人を対象とした規定である以上、当該外国法人の設立準拠法によって解釈すべきであり、①P国では会社の設立に当たって、株式の払込みや株式の発行が設立要件とされていないこと、②請求人は当該子会社の設立代理人から、設立代理人が発起人として引き受けた株式の譲渡契約証書(譲渡者:設立代理人、譲受者:空欄)を徴していることから、請求人が当該株式に係る権利を取得しているとみるのが相当であり、結果として請求人は当該子会社を支配し得る物的持分としての法的地位を100%保有していると解するのが相当である。そうすると、当該子会社は、租税特別措置法第66条の6第1項に規定する請求人の特定外国子会社等に該当し、さらに当該子会社はP国内に固定的施設を有さず、現地には事業実体がないことから、同条第3項に規定する適用除外の対象となるものではないことから、同条の規定が適用されることとなる。(平15.12.19高裁(法・諸)平15-8)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平150008
裁決年月日
平成15年12月19日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、P国に設立した子会社の損益の額を親会社の一部門として親会社の所得金額に合算して申告することも、法人税法第11条の規定により認められるべきである旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第66条の6の規定は、当初から便宜置籍船を保有するペーパーカンパニーを有する内国法人に対しても適用することを予定して立法されたものである。すなわち、タックスヘイブン対策税制は、我が国経済の国際化に伴い、一部の国又は地域において租税負担がないか又は著しく租税負担が軽減されていることを利用してこれらの国又は地域に子会社を設立し、租税負担の不当な軽減を図る事例が見受けられるために、租税負担の公平の見地からこれを防止することを目的として設けられたもので、実質所得者課税の原則を定めた法人税法第11条あるいは、法人格否認の法理などの適用では制約や限界があることから、これらによることの可能な場合も含め、その適用対象と課税要件を明文化したものであって、法定の要件が充足されている以上、ペーパーカンパニーであってもタックスヘイブン対策税制の適用があり、これを実質所得者課税の原則によって直接的に内国法人の収益として取り込むことはできないと解されている。つまり、法人税法第11条租税特別措置法第66条の6とは、それぞれ独立した規定として存在することが意図されているといえ、両者の適用が競合する場合には、まず、法人税法の特別法である租税特別措置法の規定を適用することになる。(平15.12.19高裁(法・諸)平15-8)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
金沢
裁決番号
平150006
裁決年月日
平成15年11月11日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件明細書に配当等の収入金額を正しく記載しているのであるから、その収入金額から導き出される正しい益金不算入額を限度とすると解すのが相当であり、更正の請求は認められるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法第23条第5項に規定する「当該金額として記載された金額を限度とする」とは、益金不算入となる配当等の額が確定申告後に増加することが明らかになっても、その確定申告書に記載された金額を超えて益金不算入とすることがない旨を定めたものであり、法人が自ら正確にそれを計算することを要求しているものと解されることに照らせば、請求人の主張は採用できない。(平15.11.11金裁(法)平15-6)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
金沢
裁決番号
平150006
裁決年月日
平成15年11月11日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、添付書類や過去の申告の経緯等から申告者の意図が明確であり、正当な受取配当等の益金不算入額が容易に算出できるのであるから、法人税法第23条第6項に規定する「やむを得ない事情」と認め、更正の請求は認められるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法第23条第6項でいう「やむを得ない事情」とは、同法第23条第5項が法人が自ら正確に益金不算入額を計算することを要求していると解されることから、外部的な事実によって自己だけの力では到底申告書の記載ができない場合のことをいい、自己の責めに帰すべき事情はこれに該当しないと解され、本件における事情は、正に自己の責めに帰すべき事情によるものであり、「やむを得ない事情」に当たらないというべきである。また、その他請求人に「やむを得ない事情」があったとする事実を認めるに足りる証拠もないので、請求人の主張は採用できない。(平15.11.11金裁(法)平15-6)

支部名
東京
裁決番号
平150017
裁決年月日
平成15年7月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 本件各貸付けに係る比較対象取引を金利スワップレートが成立するスワップ取引とし、当該金利スワップレートを基準金利とした上で、本件各貸付けと同種で同様の条件の下で、本件各貸付けを非関連者である金融機関等から借入れた場合に付されるであろう利率を独立企業間価格とする方法は、独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法として適法と認められる。本件移転価格課税における独立企業間価格は、金融機関が請求人に付すであろう利率、すなわち、タイバーツの金利スワップレートを基準金利とした上で、本件各貸付けと同種で同様の条件の下で、最優遇金利である短期プライムレートから、金融機関の調達コストの一つである円ライボーを控除した率を、最低でもタイバーツの金利スワップレートに加算した利率となると考えられる。したがって、審判所の調査の結果に基づき算出される独立企業間価格は、原処分庁の独立企業間価格と同額となることから、本件各更正処分は、違法とは認められない。(平15.7.9東裁(法)平15-17)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平140103
裁決年月日
平成15年5月27日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、「受取配当等の益金不算入に関する明細書」の受取配当等の金額につき記載を誤ったというような単純な誤りにより益金不算入額が過少に申告されていた場合には、法人税法第23条第5項の「当該金額として記載された金額を限度とする」旨の規定を「当該金額として記載されるべき正当な金額を限度とする」と解釈して、同条第1項の適用を認めるべきである旨主張するが、法人税法第23条第1項の規定は、法人自らが、正確に益金不算入額の計算をすべきことを要求しているものと解されるから、これに反する取扱いを求めることとなる請求人の主張は採用することができない。(平15.05.27.関裁(法)平14-103)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
関東信越
裁決番号
平140103
裁決年月日
平成15年5月27日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、「受取配当金等の益金不算入に関する明細書」の受取配当等の金額につき記載を誤ったといてような単純な記載誤りは、法人税法第23条第6項に規定する「やむを得ない事情があるとき」に該当する旨主張するが、同項に規定する「やむを得ない事情」とは、風水害、地震、火災、帳簿書類の押収などの外的要因をいうと解するのが相当であり、自己の責めに帰すべき事情はこれに該当しないというべきであるから、請求人の主張は採用できない。(平15.05.27.関裁(法)平14-103)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平140180
裁決年月日
平成15年3月5日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集No.65・520ページ

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第66条の6に規定する特定外国子会社等の課税対象留保金額の計算において、特定外国子会社等が当該事業年度の翌事業年度に行った中間配当は、当該事業年度の未処分利益から支払われたものと理解するのが自然であるから、当該中間配当の額を当該事業年度に係る利益の配当等の額として、当該事業年度の未処分所得の金額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、特定外国子会社等の各事業年度の未処分所得の金額から控除される利益の配当等の額に当たるか否かは、当該事業年度に係る利益の配当等の額であるか否かによるのであるから、翌事業年度に行った中間配当の額を当該事業年度の未処分所得の金額から控除することはできない。(平15.03.05.東裁(法)平14-180)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平140020
裁決年月日
平成15年2月20日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302502030
争点
25その他の特例/2準備金/3公害防止準備金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、岩石採取後の災害防止費用の支出に備えるため、国、県及び採石工業組合の指導に従って特定金銭信託契約を結び、当該契約に基づく積立金(以下「採石災害防止準備金」という。)を保険料勘定で損金経理しており、当該積立金が準備金経理されていないとしても、採石災害防止準備金制度の主旨に沿ったものであるから、形式的不備をもって当該積立金の損金の額への算入を認めないことには納得できない旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第55条の6に規定する特定災害防止準備金の損金算入の適用を受けるには、申告書等に損金算入に関する申告の記載及び明細書の添付が要件とされており、その規定振りからすると、いずれも当該規定の適用を受けるための要件であると解するのが相当である。また、当該法令の規定は、所得金額の計算の特則、例外規定であり、そして、租税法の解釈適用に当たっては、租税法律主義の見地から、一般にみだりに拡張すべきでなく、なかでも特則、例外規定たる特例措置の解釈、適用に当たっては、税負担公平の原則から、解釈の狭義性、厳格性が要請され、安易にこれを拡張して解釈することは許されないところであるから、その適用に当たっては、上述の要件に該当する場合に限られると解するのが相当である。そうすると、請求人が租税特別措置法第55条の6第1項にいう法人に該当し、かつ、当該積立金が同条第2項第1号ロにいう金銭信託に該当するとしても、請求人は、確定申告書に特定災害防止準備金の適用に関する手続きをしていないことから、当該積立金を特定災害防止準備金として損金の額に算入することはできないというべきである。(平15.02.20.高裁(法)平14-20)

支部名
高松
裁決番号
平140001
裁決年月日
平成14年7月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、①本件パナマ法人に対して1ドルの出資も1株の株式の保有もしていないから特定外国子会社等には該当しないこと、②原処分庁が「発行済株式等」の意味を株式の払込がされていない事実を認識しながら特定外国子会社等に該当するとしたのは誤りであること等から本税制は適用されない旨主張する。しかしながら、発行済株式等の解釈については、本税制が外国法人を対象とした税制である以上その国の法人の設立準拠法に沿って解釈するのが相当であり、パナマ国においては発起人による株式の取得の同意により法人が設立できることからすると、発起人が取得に同意した株式をもって発行済株式等と解するのが相当である。そうすると、本件パナマ法人が請求人の特定外国子会社等であるというためには、請求人が当該取得に同意した株式を所有していることが要件であるところ、①請求人が同社設立時の商業登記簿謄本の写しを保管しており、本件パナマ法人の設立時の役員が請求人の役員であること、②同社の発起人から何らの権利の主張がされることなく同社の業務運営が支障なく遂行されていること及び③本件パナマ会社法においては株主が会社運営に直接関与する場合があることからすれば、発起人と請求人との間では、発行予定株式等の全部の譲渡に関する契約ないしこれに類する契約が黙示的にせよ締結されたものと推認されるから、請求人が本件パナマ法人を支配し得る単位化された物的持分としての法的地位を有すると認めるのが相当であるので、本件パナマ法人は、請求人の特定外国子会社等に該当するものと認められる。(平14.07.09.高裁(法・諸)平14-1)

支部名
大阪
裁決番号
平130103
裁決年月日
平成14年6月28日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 電子部品製造販売業を営む請求人は、H国に設立したM販売子会社に対して、請求人の製品を輸出する国外関連取引を行っている。原処分庁は、当該国外関連取引について、租税特別措置法第66条の4第2項ハに規定する原価基準法に基づき独立企業間価格を算定した結果、国外移転所得があるとして更正処分を行った。これに対して、請求人は、自社の販売価格については各製品ごとに基準価格を設定し、当該基準価格に基づいて不特定多数の取引先との間で取引を行っているもので、M販売子会社との間の国外関連取引価格についても当該基準価格を踏まえたものであるから、当該価格自体が独立企業間価格であり、原処分庁が原価基準法により算定した独立企業間価格は租税特別措置法第66条の4に規定する独立企業間価格と認められない旨主張する。しかしながら、本件国外関連取引は、本件各事業年度を通じてM社に請求人の製品を輸出する取引であり、租税特別措置法第66条の4第2項第1号に規定する「棚卸資産の販売」の取引に該当し、原処分庁が請求人と非関連者との間の取引を比較対象とし、売上総利益率という間接的な指標を用いた原価基準法によって独立企業間価格を算定したことには合理性がある。なお、独立企業間価格の算定に当たって行われるべき本件比較対象取引と本件国外関連取引との調整について、比較可能性の点でより合理的と判断される方法により調整を行って算出した国外移転所得が原処分を下回ったため、その一部を取り消す。(平14. 6.28大裁(法・諸)平13-103)

支部名
東京
裁決番号
平130276
裁決年月日
平成14年6月24日
裁決結果
棄却
争点番号
302509000
争点
25その他の特例/9国外関連者寄附金
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、中華人民共和国における広告宣伝に要した費用は、(1)開発費であること、(2)請求人が行った独自の宣伝広告費用であること、(3)利益供与に該当しないこと、(4)税務上の取り扱いからみても不当なこと、から寄附金には該当しない旨主張するが、本件広告宣伝費は中国の合弁会社が製造販売するブランド品の広告宣伝に係るものであり、本件合弁会社が負担すべきものと認められ、合弁会社の資金状況が厳しいため、広告宣伝費を請求人が負担したものと認められることから原処分は相当である。(平14. 6.24東裁(法)平13-276)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平130247
裁決年月日
平成14年5月24日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集No.63・454ページ

要旨

○ 原処分庁は、請求人が行う、(1)同人の全額出資海外子会社の発行する債券の保証、(2)同子会社の債券発行に係るキープウェル契約の締結、(3)同子会社の金融機関からの借入に係る保証予約念書及び(4)経営指導念書の差入れについて、(2)(3)(4)を保証とみなした上で、請求人と同子会社のデフォルト確率を計算要素とする算式により、それぞれの対価の独立企業間価額を算定し、請求人が(1)に対してのみ収受していた保証料を超える部分について、移転価格課税を行った。しかしながら、(2)については、債券購入者に対して請求人は保証と実質的に同等の法的責任を負うと認められるものの、(3)及び(4)については、債権者である金融機関に対して請求人は保証と同等の法的責任を負うものということはできず、また、原処分庁の独立企業間価格の算定方法についても、取引時点において金融市場で一般に認められていた保証料の算定方法とは認められず、かつ、合理性も認められないから、非関連者の発行する債券に係る本邦銀行の保証取引を比較対象取引として独立企業間価格を算定することが可能と認められる部分を除き、原処分の一部を取り消すべきである。(平14. 5.24東裁(法・諸)平13-247)裁決事例集NO63・454ページ

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平130023
裁決年月日
平成14年3月20日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 1請求人は、措税特別措置法66条の6に規定する発行済株式等については我が国の商法等により解釈すべきである旨主張する。しかしながら、本税制が外国法人を対象としたものである以上、その国の法人の設立準拠法によって解釈するのが相当であり、A国においては、発起人による株式取得の同意により法人を設立することができることからすると、発起人が取得同意した株式の株主たる地位ないし株主たり得る地位をもって発行済株式等と解するのが相当である。したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平14. 3.20高裁(法・諸)平13-23)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平130023
裁決年月日
平成14年3月20日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、(1)タックスヘイブン対策税制(以下「本税制」という。)の立法趣旨は、タックスヘイブンを利用した租税回避を防止するためのものであるが、請求人は租税回避もしていないし、その意図もないことから同条の規定は適用されないし、(2)所得の帰属については本税制の創設当時の取扱通達で合算経理を認めていることからも実質所得者課税の原則による合算経理が認められるべきである旨主張する。しかしながら、(1)本税制は、租税負担の不当な軽減を図る事例が見受けられることからこれを防止するために設けられたもので、法人税法第11条等によることの可能な場合も含め、その適用対象と課税要件を明文化したものであり、また、(2)法人税法と租税特別措置法の規定が競合する場合には、法人税法の特別法である本税制の規定が適用されることになるのであるから租税回避の有無に関わらず法定の要件が充足されている以上本税制が適用されると解される。なお、請求人の主張する取扱通達は、本税制の施行日前に合算申告をしていた外国関係会社の取扱いを示したものであって、請求人のように本税制施行日以降に設立した法人についてまで同様の取扱いをするというものではない。(平14. 3.20高裁(法・諸)平13-23)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平130023
裁決年月日
平成14年3月20日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 3請求人は、タックスヘイブン対策税制(以下「本税制」という。)の適用要件は特定外国子会社等が適用対象留保金額を有していることとされているところ、請求人はA国法人の収益及び費用を合算して申告しており、適用対象留保金額がないことから、本税制の適用はない旨主張する。しかしながら、措置法66条の6(2)において、特定外国子会社等で生じた欠損の金額は当該特定外国子会社等の翌事業年度以降5年間繰り越して適用対象留保金額から控除することができる旨規定していることからすると、特定外国子会社等に該当する場合には適用対象留保金額の有無のいかんにかかわらず、本税制が適用されると解するのが相当である。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 3.20高裁(法・諸)平13-23)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平130014
裁決年月日
平成13年12月21日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集No.62・293ページ

要旨

○ 1請求人は、A国子会社から名義を借りて外航船舶を自ら運行しているので、法人税法第11条《実質所得者課税の原則》により同社の損失を請求人の所得金額に合算したものであると主張し、また、「船舶所有権等に関する契約公正証書」によれば当該外航船舶の所有権は請求人にあると認められ、この点からも、本件には、租税特別措置法第66の6《内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入》は適用されないと主張するが、法人税法第11条と租税特別措置法第66の6とは、それぞれ独立した規定として存在することが意図されているといえ、両者の適用関係が競合する場合には、まず、法人税法の特別法である租税特別措置法の規定が適用されるので、請求人の主張には理由がない。2また、請求人は、仮に、租税特別措置法第66の6の規定が適用されるとしても、A国子会社は株式を発行しておらず、同法第2項第1号の規定によって「発行済株式等」の保有割合を基準に判定される外国関係会社ひいては特定外国子会社等にも当たらないので、この点からも請求人には同税制の適用はないと主張するが、A国会社法は、発起人による「株式を取得することの合意」によって法人が設立でき、株式の発行自体が設立要件となっていないことからすると、A国法人が請求人の特定外国子会社等であるというためには、請求人が当該取得に合意した株式を所有していることが要件であるところ、(1)A国法人の設立時の役員が請求人の役員であること、(2)請求人が同社設立時の商業登記簿謄本の写しを保管していること、(3)請求人は、同社の発起人からなんらの権利を主張されることなく、支障なく業務運営を遂行していること及び(4)A国会社法においては株主が会社運営に直接関与する場合があることからすれば、発起人と請求人との間では、発行予定株式等の全部の譲渡に関する契約ないしこれに類する契約が黙示的にせよ締結されたものと推認されるから、このことによって、請求人はA国法人を支配し得る単位化された物的持分としての法的地位を承継したものと認めるのが相当であるので、請求人の主張には理由がない。(平13.12.21高裁(法・諸)平13-14)裁決事例集NO62・293ページ

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平130082
裁決年月日
平成13年11月6日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集No.62・284ページ

要旨

○ 請求人は、租税特別措置法第42の4《試験研究費の額が増額した場合等の法人税の特別控除》第3項に規定する法人税額の特別控除について、納税者が自主的に提出した修正申告により増加した法人税の額に対応する控除額は、認められるべきである旨主張する。しかしながら、同項に規定する控除額は、「確定申告書等」に控除を受ける金額の記載があり、当該申告に係るその控除を受けるべき金額に限るとされ、修正申告による控除の増額は認められないことから、原処分は相当である。(平13.11. 6.東裁(法)平13-82)裁決事例集NO62・284ページ

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平130058
裁決年月日
平成13年9月27日
裁決結果
棄却
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、子会社の営む事業が不動産賃貸業であること、また、同社が不動産事業の管理支配及び運営を自ら行っていることから、同社が平成8年9月期において、租税特別措置法第66条の6第3項のいわゆるタックス・ヘイブン税制における適用除外要件を満たしており、同条第1項が規定する課税対象留保金額の益金算入は適用されるべきでない旨主張する。しかしながら、当該子会社の財務諸表から平成8年9月期の利益金額を比較すれば、債券利息及び株式配当に係る利益金額は、不動産賃貸に係る利益金額の約7倍であり、さらに、同期の保有資産を比較すれば、株式及び債券は賃貸用不動産の約18倍であることから、同期における同社の主たる事業は、株式及び債券の保有であると認められ、したがって、適用除外要件の第一の要件であるいわゆる事業基準に該当しないことが認められるのであり、請求人の主張には理由がない。(東裁(法)平13-58)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
高松
裁決番号
平120030ほか 2件
裁決年月日
平成13年2月23日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
業種
コンクリートブロック製造、雑貨及び不動産業、測量設計
事例集登載頁
裁決事例集No.61・464ページ

要旨

○ 請求人は、本件受取配当金の益金不算入の申告ができなかった原因は本件増資法人が支払通知をしなかったことにあり、このことは法法第23条第6項に規定する「やむを得ない事情」に該当するから、同項の規定を適用すべきである、旨及び「やむを得ない事情」の判断に当たっては「旧通達の11及び12」を参考にすべきである旨主張する。しかしながら、この場合の「やむを得ない事情」とは、たとえば、風水害、地震、火災、法令違反の嫌疑等による帳簿書類の押収及びこれらに準ずるもの、即ち、外的要因によって、自己の力だけでは到底申告の記載ができないような場合であって、自己の責めに帰すべき事情はこれに該当しないと解されるところ、請求人は、(1)本件増資会社の筆頭株主であり、かつ、請求人の代表者は本件増資法人の取締役であること、(2)本件増資に係る定時株主総会議事録には、請求人代表者の記名、押印があることから、確定申告書に益金不算入額及びその計算明細の記載がないことは「やむを得ない事情」に該当しない。(平13.2.23高裁(法)平12−30)裁決事例集NO61・464ページ

支部名
大阪
裁決番号
平110076
裁決年月日
平成12年2月29日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、供用年度に係る繰越税額控除明細書を法定申告期限内に提出した本件申告書へ添付するよう求めて法定申告期限後に原処分庁に提出し受理されたのであり、同明細書の添付要件が補完されたとみるのが相当であるから、措法第42条の6第4項に規定する特例の適用を認めるべきである旨主張する。しかしながら、同特例の適用を受けるためには、当該明細書が有効に提出された一の確定申告書に添付されていなければならないことは同条第10項の法文上明白であり、また、当該明細書を確定申告書に添付しなかった場合でも後日提出すれば同特例の適用を受けることができる旨のいわゆるゆうじょ規定もないから、当該明細書の添付された供用年度の確定申告書が法定申告期限後に提出された場合においても同特例の適用が認められることをもって、当該明細書が確定申告書とは別に法定申告期限後に提出された場合においても同特例の適用が可能であるとする法文解釈の余地はない。(平12. 2.29大裁(法)平11-76)

支部名
高松
裁決番号
平110001
裁決年月日
平成11年7月5日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人及び国内関係法人がA国に設立した国外関連者との間において造船取引を行っているが、①当該国外関連者は、タックスヘイブン対策税制の規定を適用して申告を行っていること、②A国と我が国は租税条約もなく相互協議が行われないこと、③造船取引は請負契約であり、個々の取引要因によって取引価格が決定される極めて個別性の強い取引であること、また、独立企業間価格の算定に当たっては、請求人の非関連者との取引を比較対象取引とするのではなく同業他社の非関連者との取引を比較対象取引とすべきであることなどから、本件造船取引に移転価格税制を適用した原処分は、違法、不当である旨主張する。しかしながら、①移転価格税制は、国外関連者が租税条約を締結している国に所在しているか否かを問わず適用されるものであること、②移転価格税制は、対象となる取引の日の属する内国法人の事業年度の所得とされ、タックスヘイブン対策税制は、特定外国子会社等の事業年度終了の日以後2月を経過した日を含むその内国法人の事業年度の所得とされていることから移転価格税制の適用が先行すると解され、両税制の調整措置が設けられていること、③造船取引は、棚卸資産の販売に当たり、移転価格税制に規定されている資産の販売に該当すること、また、④原処分庁が採用した内部取引価格比準(請求人と非関連者との取引に基づく価格を基準)は、外部取引価格比準に比べ、同種の資産の取引か否かの判断が的確かつ容易であること、取引段階、取引数量、取引時期、支払条件等の取引に係る諸条件の差異はなく、また、差異があったとしても、その差異の調整は容易であることなどから、優先して適用されることが適当であり、移転価格税制を適用した原処分は相当である。なお、原処分庁が行った差異の調整のほかに用船契約の有無及び取引数量につき差異の調整が必要と認められるので、原処分の一部を取り消すべきである。(平11. 7. 5高裁(法・諸)平11-1)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平100115
裁決年月日
平成11年3月31日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、国外関連者に設置されている機械設備等の立ち上げ作業、技術指導等及び国外関連者の出荷業務等は、請求人が国外関連者の要請に基づき行うものであるから、役務提供取引である旨主張する。しかしながら、遊休又は中古の機械設備等を簿価で売却することは、当該機械設備等を廃棄又はスクラップとして売却した場合における損失を考慮すれば、必ずしも利益のないことではなく、また、売却に伴ってその機械設備等を請求人の国外関連者に据え付け、試運転を行い、検収を受けることは、売手においてされるべきことであるから、当該業務が対価を収受すべき役務提供取引であるとはいえない。また、請求人の下請けかつ仕入先である国外関連者における生産及び品質管理等の確認又は検査等の業務は、請求人において必要な業務であると認められるから、請求人が当該業務に要する費用を負担することは当然であって、当該国外関連者から対価を収受すべき役務提供取引とすることはできない。(平11. 3.31大裁 (法・諸) 平10-115)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平100115
裁決年月日
平成11年3月31日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人が損金の額に算入した海上運賃及び保険料は、国外関連者からの仕入れに係る積送品に対するものであるが、請求人とヨーロッパの顧客との取引条件であるCIFが請求人と国外関連者との取引の計算基準になっているから、請求人と国外関連者との取引においては、国外関連者が海上運賃及び保険料を負担するのは当然であり、請求人が国外関連者に対して海上運賃及び保険料を支払うべき合理的な理由はない旨主張する。また、国外関連者であるA社は、国外関連者であるB社と直接取引をしており、請求人とA社の間には直接の取引はないことから、請求人が損金の額に算入した会社案内、ビデオの制作費及びショーの出展費用は、B社製品及びA社を中国市場で広告宣伝するための費用であり、請求人が負担すべき性質のものではない旨主張する。しかしながら、請求人の国外関連者製品のヨーロッパ向け販売に係る売買契約書によれば、その取引条件はCIFであるから、売主である請求人が海上運賃及び保険料を負担するのは当然のことである。一方、国外関連者からの仕入金額は、売上金額の95パーセント相当額としているまでのことであって、仕入価格をCIF価格としているのではないから、国外関連者が海上運賃及び保険料を負担する理由はなく、請求人の寄附金には該当しない。また、中国市場向けPR資料の制作費の内容は、請求人及びそのグループ法人並びにそれらの製品のPRのための費用であり、また、ショーの出展は、請求人が主宰したものであって、中国の国外関連者が創業準備中であることからすれば、請求人がこれらの費用を負担したとしてもやむを得ないとするのが相当で、請求人の寄附金とは認められない。(平11. 3.31大裁 (法・諸) 平10-115)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平100115
裁決年月日
平成11年3月31日
裁決結果
全部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、比較対象取引とした23件の技術支援契約のうち18件のロイヤリティ料率が3パーセントを適用しており、業界の標準的なロイヤリティ料率は3パーセントであると認められることから、適用すべきロイヤリティ料率は3パーセントである旨主張するが、比較対象取引としたA部品の製造に関する23件の技術支援契約に係るロイヤリティ料率はいずれも2パーセント以上であること、B部品とA部品との差異はあるとしても、いずれも輸送用機器の駆動系部品及び制御系部品としての機能は同一であり、かつ、請求人ブランド部品の高い技術水準等から、B部品の製造とA部品の製造とではそれらを製造するために必要とする技術情報等の種類、内容及び価値等が相違すること等を考慮しても、少なくとも2パーセントのロイヤリティ料率が適用されるとするのが相当である。したがって、ロイヤリティ料率を3パーセントと認定の上、算定した独立企業間価格は、一部取り消し相当である。(平11. 3.31大裁 (法・諸) 平10-115)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平100136
裁決年月日
平成11年3月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、措法第42条の9が適用される「特定国内販売会社」の意義につい、同条第6項第1号は、内国法人が製造業を営む外国法人に、その発行済株式の過半数を必ずしも「直接」所有される場合とは規定していないから、請求人の資本関係、請求人の実態面、同条の立法趣旨からして、請求人は「特定国内販売会社」に該当し、同条第2項に規定する法人税額の特別控除の適用が認められるべきである旨主張する。 しかしながら、措法第42条の9第6項第1号における「特定国内販売会社」の意義に関する規定上、「その発行済株式の総数又は出資金額の2分の1以上の数又は額の株式又は持分が、製造業を営む外国法人により所有されている内国法人で」の中の「所有」という用語の一般的な法的意味は、所有権を有することを意味するものと解されているところ、同条第4項第2号及び同法施行令第27条の9第7項第1号において、「所有」に類似する用語である「保有」を「間接保有」の場合も含めて用いていることからも「所有」と「保有」とは、明確に区別する用語であって、同条及び関連条文の中で、双方は使い分けられているのであり、この場合の「所有」には「間接所有」の意味はないと解すべきである。 そうすると、請求人の発行済株式の2分の1以上が製造業を営む外国法人により間接に「保有」されているといえるものの「所有」されていないことは明らかであるから、請求人は「特定国内販売会社」に該当せず、法人税額の特別控除は適用できない。(平11.3.25東裁(法)平10-136)

支部名
関東信越
裁決番号
平100040
裁決年月日
平成10年11月30日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302506000
争点
25その他の特例/6移転価格税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件更正対象取引は原処分庁が独立企業間価格を算定するために採用した比較対象取引と同様の状況の下での取引ではない旨主張するが、本件比較対象取引の中から最も比較可能性が高いと認められる取引1件を採用し、比較対象取引として相当であるか否かについて検討したところ、当該取引は、本件更正対象取引に係る役務提供等と同種の役務提供等を本件更正対象取引と同様の状況の下で提供していると認められた。(平10.11.30関裁(法・諸)平10-40)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
東京
裁決番号
平090248
裁決年月日
平成10年6月25日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、(1)本件みなし配当は、商法の改正に伴い強制的に行われたものであり、金銭の授受や株式数の増加もないこと及び(2)措法第9条の3により、本件みなし配当に所得税は課されないことから、法人税については、法法第23条第6項のやむを得ない事情を適用して受取配当の益金不算入を認めるべきである旨主張するが、請求人は本件各増資法人から交付された株主総会の議事録、事業報告書及び決算書により、増資に係る決議の内容について承知しており、また、特段の事情も認められないことからすると、やむを得ない事情が存するとは認められない。(平10. 6.25東裁(法)平 9-248)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
広島
裁決番号
平090089
裁決年月日
平成10年4月24日
裁決結果
棄却
争点番号
302501000
争点
25その他の特例/1受取配当金の益金不算入の特例
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が措法第9条の3の規定の適用のあるみなし配当について、法人株主においては、従来どおりの手続が必要であることを周知徹底しなかったことは、法法第23条第6項に規定する「やむを得ない事情」に該当する旨主張する。しかしながら、申告納税制度の下においては、納税義務のある納税者が、自らの判断と責任において申告等を行うべきものであるところ、税務官庁が法令に規定してある内容について周知徹底しなければならない旨を定めた法令の規定はないから、原処分庁が、本件みなし配当について申告書別表八に記載しなければならない旨請求人に周知徹底しなかったとしても違法ではなく、当該事情は、「やむを得ない事情」に該当しないものである。また、請求人は、みなし配当を取得していることについて認識し、当該みなし配当以外の配当については、申告書別表八に記載して申告しているにもかかわらず、当該みなし配当を申告書別表八に記載せずに申告したのは、請求人において、措法第9条の3の規定の解釈を誤ったためであると認められ、当該事情は、「やむを得ない事情」に該当しないものと認められる。(平10.4.24広裁(法)平 9-89)

  •  
  •  
  •  
  •  
支部名
大阪
裁決番号
平080137
裁決年月日
平成9年6月30日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302504990
争点
25その他の特例/4税額控除/2その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、措法第42条の5(エネルギー環境変化対応設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)の規定により、法人税額の特別控除ができる旨主張するが、当該特別控除は、青色申告書を提出する法人に適用されるものであり、本件青色申告の承認の取消処分は適法であるから、同条の規定を適用することはできない。(平 9. 6.30大裁 (法・諸) 平 8-137)

支部名
熊本
裁決番号
平080011
裁決年月日
平成8年12月16日
裁決結果
一部取消し
争点番号
302507000
争点
25その他の特例/7タックスヘイブン対策税制
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の100パーセント出資する子会社であるA社(本店所在地 香港)は管理支配基準を充足しており、タックスヘイブン課税を適用した原処分は違法である旨主張する。しかしながら、A社は、取締役会や株主総会による同社の重要な意思決定を専ら請求人の本店所在地で行い、役員も全員が請求人との兼務であって、かつ、A社には常勤しておらず、同社の役員の選任など人事に関する事項から給与や休暇等に至るまでの各種のA社の事務処理の方針を請求人において最終的に決定し、また、これらに要する費用の支出についてもA社では独自にその支出を決定するのではなく請求人の決裁を仰ぐといった方法で、その事業の管理、運営を行っていたものと認められる。このような事実関係からすれば、A社は、その本店所在地国たる香港において独立した法人としての立場でその事業を自ら管理、支配及び運営していたものとはいえず、むしろ、その親会社たる請求人が、その本店所在地国たる我が国においてその管理、支配を行っていたものと認めるのが相当である。したがって、A社の課税対象留保金額は、請求人の所得の金額の計算上益金の額に算入されるべきこととなり、請求人の主張には理由がない。(平 8.12.16熊裁(法)平 8-11)

支部名
東京
裁決番号
平080025
裁決年月日
平成8年7月9日
裁決結果
棄却
争点番号
302502990
争点
25その他の特例/2準備金/5その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、プログラム等準備金として損金経理した金額の基礎となる収入金額について、措法第56条の5(プログラム等準備金)第1項第3号の立法趣旨及び文理解釈から、統合情報処理システムサービスの提供に係る収入金額に該当するので、各事業年度のプログラム等準備金の積立額は損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は発注者との間で書面による個別契約を締結することになっており、その契約については、一の契約で、設計から保守までの提供を行う内容の契約ではないため当該収入金額は、統合情報処理システムサービスの提供に係る収入金額には該当せず、プログラム等準備金の積立額を損金の額に算入することはできない。(平 8. 7. 9東裁(法・諸)平 8-25)

【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】

  • 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
  • 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
  • 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
  • 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
  • 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。