裁決要旨 4その他
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令070010
- 裁決年月日
- 令和7年8月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分の対象となった外注費(本件外注費)は役務提供の対価として外注先に支払われていることから、本件外注費は、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件外注費は、請求人の取締役(本件取締役)に対する給与に該当し、請求人は、当該給与を本件外注費に仮装して経理することにより本件取締役に支給したものといえるから、請求人には、国税通則法第68条(令和6年法律第8号による改正前のもの)《重加算税》第1項に規定する隠蔽又は仮装の事実があったと認められ、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第3項に規定する「内国法人が、事実を隠蔽し、又は仮装して経理することによりその役員に対して支給する給与の額」に該当することとなり、請求人の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(令7. 8. 5 大裁(法・諸)令7-10)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令060001
- 裁決年月日
- 令和6年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、設立後最初の事業年度の各支給時期における理事長に対する定期給与(本件役員給与)の支給額について、令和元年7月の増額改定及び同年9月の増額改定(本件各支給額改定)は、いずれも開業の日から三月以内にされた定期給与の額の改定であり、また、当該開業の日が設立後最初の会計期間開始の日であると解されるから、本件役員給与は定期同額給与に該当する旨主張する。しかしながら、法人税法第13条《事業年度の意義》第1項の規定によれば、請求人の設立後最初の事業年度は定款に定める設立後最初の会計年度であると認められるところ、本件全証拠をみても、本件役員給与の支給額について定めのある書類は月額報酬限度額を定めた請求人の設立総会に係る議事録以外に見当たらないから、本件各支給額改定は、そもそも事前の定めによるものと認めるに足りず、令和元年7月支給額及び同年9月支給額の元帳計上日にそれぞれされたと推認されるから、いずれも設立後最初の事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から三月を経過する日後にされた定期給与の額の改定であると認められる。したがって、本件各支給額改定は、法人税法施行令第69条《定期同額給与の範囲等》第1項第1号(令和2年政令第207号による改正前のもの)所定の給与改定に当たらず、本件役員給与は、設立後最初の事業年度の各支給時期における支給額が同額ではないから、定期同額給与に該当しない。(令6. 8. 1 金裁(法)令6-1)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令050002
- 裁決年月日
- 令和5年12月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が計上した外注費のうち請求人の取締役(本件取締役)に販売手数料として支払った金額は、実態のない架空の外注費であり、当該金額は、本件取締役に対する交際費等に該当する旨主張し、請求人は、当該金額は、本件取締役による直接的、間接的又は無形の支援業務の対価であるから外注費に該当する旨各主張する。しかしながら、本件取締役が行った業務はいずれも請求人の取締役たる立場で行われたもので、上記の金額は、請求人の業務に係るものとして支払われたことは明らかであり、請求人の取締役たる立場を離れて全く無関係に支給されたものと認めるに足る特段の事情もないことから、本件取締役に対する役員給与とみるのが相当である。(令5.12. 7 広裁(法・諸)令5-2)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令030002
- 裁決年月日
- 令和3年12月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、勤務実態のない者(本件受給者)に対する支出(本件支出)が請求人代表者に対する給与と認められ、本件支出に伴い請求人が負担した法定福利費(本件法定福利費)に相当する額の経済的利益は、本件受給者に対する寄附金の額に該当し、法人税基本通達9-4-2の2《個人の負担すべき寄附金》の定めにより、請求人の代表者が個人的に負担すべきものとして、代表者に対する役員給与に該当する旨主張する。しかしながら、法定福利費は、健康保険法等の法律に基づいて従業員等のために事業主が強制的に負担する費用であることから、本件法定福利費は代表者が個人的に負担すべきものではなく、また、本件法定福利費の支出により代表者が享受した経済的な利益があったとも認められないから、代表者に対する役員給与とは認められない。また、本件法定福利費について、請求人は、健康保険法等の規定により請求人に負担義務のある支出であるから、請求人の損金の額に算入される旨主張するが、法人の所得の金額の計算上損金の額に算入すべき販売費、一般管理費その他の費用の額とは、当該法人の業務との関連性を有し、業務の遂行上必要と認められるものでなければならないから、本件支出に伴い計上された本件法定福利費を損金の額に算入することはできない。(令3.12. 8 札裁(法・諸)令3-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300079
- 裁決年月日
- 令和元年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表取締役及び業務執行役員に支給した利益連動給与は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項第三号イに規定する算定方法が客観的なものとの要件を満たすから、損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、同号イに規定する算定方法が客観的なものとは、当該算定方法に利益の状況を示す指標等を当てはめさえすれば個々の利益連動給与の額が自動的に算出される算定方法をいい、事前の定めとは別途の事後的な評価を加えて支給額が決まる算定方法などは客観的なものとの要件を満たさないというべきであるところ、請求人が利益連動給与の算定方法において用いている考課係数は、マイナス考課とするか否かも含めて事後的に取締役社長が決定しているのであるから、当該考課係数の決定において恣意が排除されていると認めることはできず、請求人の算定方法は、利益に関する指標を当てはめさえすれば個々の代表取締役及び業務執行役員に対する利益連動給与の額が自動的に算出されるものとは認められないから、同号に規定する客観的なものという要件を満たしていない。(令元. 6. 7 大裁(法)平30-79)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300026
- 裁決年月日
- 令和元年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員給与として損金の額に算入した理事長に対する宿直手当等(本件各院長手当)について、法人税法第34条(平成29年法律第4号による改正前のもの)《役員給与の損金不算入》の立法趣旨及び国税庁のホームページにある定期同額給与についてのQ&A等によれば、本件各院長手当は利益調整等に利用していていないのだから、その月額支給額のうち各事業年度において最も少ない金額に相当する額(本件各月額最低額)は、定期同額給与の額に該当する旨主張する。しかしながら、本件各月額最低額は、事業年度が終了した後に、当該事業年度における本件各院長手当の支給額が最低であるものを結果から見て月額最低額とするものであり、請求人が本件各月額最低額のみを別途計算して月ごとに支給しているものでもなく、月ごとに変動する本件各院長手当の額と同額又はその一部にすぎないから、同条第1項第1号に規定する定期同額給与とは認められない。(令元.5.30 広裁(法)平30-26)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300082
- 裁決年月日
- 平成31年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者(本件代表者)に対する給与(本件給与)を法人(本件法人)に対する外注費として計上したことについて、本件代表者の個人資産に対する差押えを回避するために、会計上、外注費の勘定科目を借りて計上したにすぎず、そこに事実を隠蔽又は仮装したと評価すべき行為はなかったのだから、法人税法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第34条《役員給与の損金不算入》第3項(本件条文)の適用はなく、本件給与は損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件条文に規定する「仮装して」とは、国税通則法第68条《重加算税》に用いられている同文言と同様、特定の所得、財産あるいは取引上の名義を装う等事実をわい曲することをいうものと解されるところ、請求人は、本件法人から役務の提供を受けていないにもかかわらず、本件法人に対して外注費を支払ったかのように経理し、故意に事実をわい曲して本件代表者へ本件給与を支給していたと認められることから、本件給与の支給額については本件条文が適用され、また、請求人が本件給与の支給額を本件法人に対する外注費として計上したことについて、その動機が本件代表者の個人資産に対する差押えを回避するというものであってもこの判断が左右されるものではない。(平31. 1.21 東裁(法・諸)平30-82)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290019
- 裁決年月日
- 平成29年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の親族である2名の取締役(本件各取締役)に対する役員給与として損金の額に算入した各金額(本件各役員給与額)は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項第1号に規定する定期同額給与に該当する旨主張する。しかしながら、請求人が作成した給与が記載された書面には、本件各取締役に係る記載はなく、請求人の各事業年度に係る試算表においては、本件各役員給与額が各事業年度の末月に一括して計上されていることが認められる。さらに、請求人は、総勘定元帳あるいは仕訳帳などの帳簿を作成しておらず、各事業年度に係る試算表には資産及び負債に係る記載もないことから、本件各役員給与額の支払及び未払の事実を確認することができないことを併せ考えると、本件各役員給与額の支給時期が1月以下の一定の期間ごとであると認めることはできない。したがって、本件各役員給与額は、定期同額給与に該当せず、損金の額に算入することはできない。(平29. 8. 4 東裁(法)平29-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280057
- 裁決年月日
- 平成29年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、理事らに対する給与その他報酬として損金の額に算入した金額(本件各給与等)は、理事らに対する役員給与及び顧問料としての実体を有するものであるから、仮装経理により理事長に支給された役員給与とはいえない旨主張する。しかしながら、理事らは請求人に対して全く労務又は役務を提供しておらず、まして、請求人の経営に参画していないことなどからすると、本件各給与等は、労務若しくは役務の提供又は理事としての地位に対する対価の性質がなく、給与又は報酬とは認められない。そして、理事長は、請求人において全面的な権限を有し、本件各給与等について自ら支給額を決定していることも考慮すると、本件各給与等は、理事らに対する給与又は報酬ではないにもかかわらず、理事長が請求人を代表して、一方的に理事ら名義の預金口座に振り込んだものである。よって、請求人が理事長に対して支給した役員給与であると認められ、請求人は、本件各給与等の支給先を含めその支払の事実をわい曲したと認められるから、本件各給与等は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第3項に規定する「内国法人が、事実を隠蔽し、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額」に該当し、損金の額に算入することはできない。(平29. 6.14 大裁(法・諸)平28-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280066
- 裁決年月日
- 平成28年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、使用人(本件受給者)に対する給与として支給した金額(本件各支給額)は、使用人に対する労務の対価であり、請求人の代表者(本件代表者)に対する給与(経済的利益の供与)を使用人に対する給与と仮装して支給したものではない旨主張する。しかしながら、本件受給者が請求人に勤務した実態はなく、本件受給者が提供する労務は、本件代表者に対する個人的な手助けや協力の域にとどまると認められることなどからすれば、本件各支給額は、本件受給者に対する給与ではなく、本件代表者に対する給与であると認められる。そうすると、請求人は、本件受給者に勤務の実態がないにもかかわらず、事実に基づかない出勤簿を作成して本件受給者に対する給料手当を計上し、あたかも本件受給者に勤務の実態があったかのように事実をわい曲し、また、本件代表者が個人的に負担すべき本件各支給額を、本件受給者に対する給与として事実を仮装して経理をしていたと認められる。したがって、本件各支給額は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第3項に規定する「内国法人が、事実を隠ぺいし、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額」に該当し、損金の額に算入することはできない。(平28.12. 6 東裁(法・諸)平28-66)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260027
- 裁決年月日
- 平成26年9月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、業務主宰役員関連者である乙の有する請求人の株式(本件株式)が業務主宰役員関連者以外の者である丙に贈与されたことは乙と丙で取り交わされた株式贈与契約書(本件株式贈与契約書)からも明らかであるから、請求人は法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)第35条《特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入》第1項に規定する特殊支配同族会社に該当しない旨主張する。しかしながら、原処分庁の調査時の状況からすると、本件株式贈与契約書はその記載日に作成されたものとは断定できず、仮に、当該調査時に本件株式贈与契約書が存在していたとしても、本件株式贈与契約書の乙の氏名の箇所の押印は、代表取締役である甲がしたものと認められ、乙は甲から本件株式の贈与の事実を聞かされていないと認められるから、本件株式贈与契約書は、本件株式の移転があったことを示す証拠にはならないというべきである。そして、請求人は、いわゆる株券不発行会社であるから、請求人の株主であるか否かは、一義的には請求人の株主名簿の記載によって判定されるところ、請求人の株主名簿には甲及び乙の氏名が記載されているのみであり、丙の氏名が記載された事実はなく、また、本件株式の贈与者とされる乙及び受贈者とされる丙に対して贈与の事実が伝えられた事実や、丙に対する請求人の定時株主総会への招集通知など、丙に対して実際に株主としての地位が与えられた事実も認められないことからすれば、乙の有する本件株式が丙に贈与されたとは認められない。したがって、請求人は特殊支配同族会社に該当するから、法人税法第35条第1項の規定により、業務主宰役員給与の額のうち一定額が損金の額に算入されないこととなる。(平26. 9. 4 東裁(法)平26-27)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240032
- 裁決年月日
- 平成25年3月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表取締役であった者(本件役員)に対する役員給与として計上された額(本件役員給与計上額)は、その全額を損金の額に算入すべきである旨主張し、原処分庁は、本件役員が現実に受領していた金額以外は請求人の実質経営者が管理する銀行口座(本件銀行口座)に振り込まれていたこと等から、本件役員給与計上額のうち本件役員が現実に受領した金額を超える額は、実質経営者に対する貸付金であり、損金の額に算入することはできない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、本件役員が本件役員給与計上額に見合う役務を提供した事実は認められず、本件役員給与計上額が職務の対価としての意味を持つものということはできないほか、本件役員は現実に受領した金員を自らの給与であると認識していないことなどからすれば、現実に支払われた金員についても本件役員に対する給与であると認めることはできない。また、本件銀行口座に振り込まれた金員について、請求人と実質経営者との間で返還する合意をした事実又はそれを追認した事実や、当該金員が振り込まれた後、実質経営者が請求人に対して弁済した事実など、貸付けの事実をうかがわせる事情も認められないから、当該金員は、法人税法上の役員に該当する請求人の実質経営者に対して支給されたというべきである。そうすると、本件役員給与計上額は、内容虚偽の取締役会議事録及び株主総会議事録を作成するなど、あたかも本件役員に対する給与として支給したかのように仮装することにより、実質経営者に対して支給された役員給与であると認められるから、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第3項及び平成18年法律第10号による改正前の法人税法第34条《過大な役員報酬等の損金不算入》第2項の規定により、その全額を損金の額に算入することはできない。(平25. 3.15 名裁(法)平24-32)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230017
- 裁決年月日
- 平成24年6月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人の借入金返済のために代表取締役の役員給与を減額したのであり、そのことは、国税庁が作成したQ&Aの「取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において役員給与の額を減額せざるを得ない場合」に該当し、法人税法施行令第69条《定期同額給与の範囲》第1項第1号に規定する給与改定に該当するから、支給額の全額が損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人における役員給与の改定(本件役員給与改定)は、事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日までにされたものではなく、当該代表取締役の職制上の地位の変更等に基づく改定であったとも認められない。また、請求人の業績をみても収益の大幅な低下や多額の損失の発生などは認められず、経営の状態が著しく悪化したなどの事実はなかったと認められることから、本件役員給与改定は法人税法施行令第69条第1項第1号に規定するいずれの給与改定にも該当しない。(平24. 6.26 仙裁(法・諸)平23-17)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平230004
- 裁決年月日
- 平成23年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員は常勤である必要はなく、請求人の実質的経営者である清算人の子である元代表取締役に対する役員給与(本件給与)が振り込まれる普通預金口座(本件口座)は、委任を受けて清算人が管理していたもので、元代表取締役に帰属しているのであるから、本件給与は元代表取締役に対する給与に当たる旨主張する。しかしながら、元代表取締役は、就学のため遠隔地に居住し、帰省した際に書類に押印する程度で、経営に参画しているとはいえず、また、清算人は、元代表取締役を役員にしたのは、建設業の経営管理責任者となるための実績作りのためである旨答述していることからも、元代表取締役は名目上の役員であると認められる。また、本件口座については、元代表取締役が費消している証拠の提示もなく、清算人の経営する別法人へ送金していること及び清算人名義で証券会社の口座へ送金しているなどの事実からすれば、清算人の意思により本件口座から出金され、費消されていたとするのが相当であり、清算人に帰属すると認められる。以上のことから、本件給与は、元代表取締役に対する給与と仮装して経理をすることにより、清算人に対して支給された給与と認められる。(平23.11.17 沖裁(法・諸)平23-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220139
- 裁決年月日
- 平成23年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人は、決算月(平成20年7月)の2か月前において、経常利益が対前年比で6%減少している状況から、代表取締役の給与を減額改定したことは、法人税法施行令第69条《定期同額給与の範囲等》第1項第1号ハに規定する役員給与の減額に係る業績悪化改定事由に該当する旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第69条第1項第1号ハに規定する業績悪化改定事由とは、法人の経営状況の著しい悪化その他これに類する理由によりやむを得ず役員給与の額を減額せざるを得ない事情があることをいうのであり、本件は、①本件事業年度の売上高、経常利益は過去の業績と比べて何らそん色がないこと、②請求人が設定した業務目標を達成できなかったことが減額の理由であること等からすれば、業績悪化改定事由があるとは認められず、また、上記理由以外に役員給与を減額せざるを得ない特段の事情が生じていたと認めるに足る事実はない。(平23. 1.25 東裁(法)平22-139)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220023
- 裁決年月日
- 平成22年10月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の監査役が業務に従事していないこと及び当該監査役に対する金員を代表者が受領して代表者自身の生活費として費消していたことを根拠に、請求人の監査役に対する報酬は、代表者に対する報酬を仮装して計上したものである旨主張する。しかしながら、請求人の監査役が業務に従事していないとはいえず、また、本件の全証拠によっても、監査役に対する報酬を代表者自身が費消していたとはいえないから、原処分庁が主張の根拠とする事実はいずれも認めることができない。(平22.10. 8 大裁(法・諸)平22-23)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190026
- 裁決年月日
- 平成19年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の実質経営者甲の関係人乙が発行済株式の過半数を保有する法人Dに対して支払ったコンサルティング料(以下「本件コンサルティング料」という。)について、Dによるコンサルティング業務が、単なる方針や発案といったもののみではなく、実践的な実務研修を含めた総体的なコンサルティング内容であることからして、Dに対する支払であって甲に対する役員報酬ではない旨主張する。 しかしながら、当該コンサルティング業務は、①請求人の実質経営者である甲が、Dの外注先という立場で当該業務を行うという、およそ、不自然、不合理な形態となっていること、②Dと甲との間にコンサルティングを外注する契約書の作成もなく、研修に関しては甲自身が企画立案等を行っておりDは関与していないこと、③当該コンサルティング料の月額は、甲が請求人の代表取締役を退任するまで請求人から甲に支払われていた報酬の月額と同額であり、甲が請求人の代表取締役に本件コンサルティング料の支払先をDとするよう指示していたこと、④Dへの本件コンサルティング料の支払は、甲に起因して生じたDの借入金返済に充てるためのものであること及び⑤請求人から、当該コンサルティング業務に係る具体的な成果物等の証拠書類の提出がないことから、Dが当該コンサルティングの役務提供を行ったという実体はなく、甲が行ったものと認められる。したがって、本件コンサルティング料は、甲が請求人の業務に貢献して支払われた金員であると認められるから、請求人の主張には理由がない。 そして、当審判所の認定した事実によれば、請求人は、Dが本件のコンサルティング業務を行ったという実体がないにもかかわらず、甲が作出した契約書によりあたかもDにコンサルティング業務を委託したかのように仮装したものと認められる。そうすると、本件コンサルティング料は、甲に対する役員報酬の支給と認めるのが相当である。(平19.11. 8 名裁(法・諸)平19-26)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110016
- 裁決年月日
- 平成11年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人の代表者及びその妻に対する役員報酬は、本件各事業年度中で平成2年9月期のみに計上されている上、請求人が本件役員報酬の計上に際し、いったん、平成2年9月期の当期利益を3,178,516円と算定しながら、本件役員報酬等を再び計上することによって、これを11円と算定し直した形跡がうかがわれるなど不自然、不合理な会計処理を行っていることを考え併せると、請求人は、当初から利益調整を意図し、本件役員報酬を架空計上したものというべきである。さらに、代表者は、当審判所に対し、請求人から給与を受けていない旨答述している上、①本件役員報酬は、毎月計上されず、平成2年9月期の末日に決算修正仕訳により一括して計上されていること及び②平成8年9月30日に貸付金と相殺する会計処理をした1,000,000円以外の未払金については、代表者及びその妻に対し現実に支払われていないことから、請求人が本件役員報酬を支給した事実は認められない。 なお、請求人は本件役員報酬について、社員総会及び取締役会により年額を定めて計上した旨主張するが、代表者は、当審判所に対し、社員総会及び取締役会について、「決算の承認の決議さえしていない」旨及び「議事録は形だけのものしか作成していない」旨の答述をしており、しかも、請求人が異議担当者に対し提示した社員総会議事録は、昭和63年10月20日付で総会が開催されたと記載されているにもかかわらず本文中に「平成」の元号が使用されていることから、明らかに元号が「平成」になってから後に作成されたものと認められるから、請求人の主張する議事録に記載のとおりの決議があったと認めることはできない。(平11.11.29広裁(法)平11-16)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080013
- 裁決年月日
- 平成8年9月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の長男は正式な手続に従って選任された取締役であり、その報酬は取締役会等の決議に基づき支払った正当なものである旨主張するが、(1)長男は、就任期間中、他市に居住していたこと、(2)長男が業務に従事していたと認めるべき客観的証拠がないこと、(3)長男は、請求人の経営の具体的状況等についての認識を有していなかったと認められること、(4)報酬の支給方法についても、定時に定額が支給されていたのではなく、経理担当である母がいったん保管し、生活費等の資金として送金したり、帰省時に手渡したりしていたこと、(5)報酬を支給していない時期があること、(6)(5)の理由について、経理担当は、請求人の資金繰りや、長男の他らの給与収入が多かったことによるものと申述していること、(7)代表者は、家族分を含め、請求人の株式をすべて保有し、同人の管理支配の下で、報酬の資金を自由に処分し得る状態においていたこと等の事実が認められることから、長男は、取締役として登記されていたとはいうものの、名目上の取締役にすぎず、当該役員報酬の額は、請求人から代表者に対して支払われたものと認めるのが相当であり、役員報酬の支給限度額を超える当該役員報酬の額は、損金の額に算入できない。(平 8. 9.30広裁(法)平 8-13)
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