裁決要旨 18清算所得課税
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210006
- 裁決年月日
- 平成21年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301801000
- 争点
- 18清算所得課税/1残余財産の内容
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・413ページ
要旨
○ 請求人は、利益積立金額等がマイナスの場合にその金額をゼロとして清算所得の金額を算定しないことは、過年度の損失であるマイナスの利益積立金に対し清算時に課税することといえ、これは、清算前の通常の事業年度でも課税しない損失に対して課税することを意味するものであり、また、資本金に対して課税することと同義であり、所得に対して課税するという法人税の根幹に反するものとなる旨主張する。しかしながら、法人税法第93条は、解散による清算所得の金額は、その残余財産の価額から、その解散の時における資本金等の額と利益積立金額等との合計額を控除した金額である旨規定しているところ、清算所得の計算要素である資本金等の額及び利益積立金額についてマイナスが生じることが、法人税法第2条《定義》第16号及び第18号において明らかにされていることからすると、解散の時における資本金等の額と利益積立金額との合計額は、解散の時における税務上の資産と負債の差額と同額になり、この金額は、解散の時における税務上の純資産の額とみることができ、清算所得の具体的な金額を残余財産の価額と解散の時における税務上の純資産の額の差額により認識することからすると、法人の清算所得は、あくまで法人の清算中に生じた所得の金額、すなわち清算中に生じた純資産の増加分、換言すれば解散時において会社が保有する資産の含み益が実現化したものと解することができる。このことは、法人税が、いわゆる実現主義に立脚し、資産の含み益については当該実現したときに初めて課税することとしているところ、解散の時において会社が保有する資産の含み益は、清算により初めて実現するものであり、清算所得に対する課税の趣旨は、かかるいまだ課税されていない資産の含み益について、会社財産の清算の過程で実現した際に法人税を課するもので上記実現主義に適合するものということができる。そして、清算所得の計算において、利益積立金額がマイナスの場合に、その額をないものとして計算すると、正確な清算所得の算出ができないことは明らかであることからすると、利益積立金額がマイナスとなった場合には、その額はマイナスのまま計算することとなり、結果として、利益積立金額等がマイナスとなった場合にも、マイナスのまま計算することとなる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21.11.27 福裁(法)平21-6)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210006
- 裁決年月日
- 平成21年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301801000
- 争点
- 18清算所得課税/1残余財産の内容
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・413ページ
要旨
○ 請求人は、法人税基本通達4−1−6では配当還元方式の適用が認められており、この通達が関係会社間等において気配相場のない株式の売買を行う場合の適正取引価額の判定に当たっても準用されると解説され、請求人は同通達における要件を充足していること、配当還元方式を適用することに仮装隠ぺい等の課税上の弊害はないこと及び配当還元方式を適用できないとする理由も存在しないことから、本件株式の価額の算定において配当還元方式が認められるべきである旨主張する。しかしながら、この配当還元方式は、事業経営への影響の少ない同族株主の一部及び従業員株主などのような少数株主は単に配当を期待するにとどまるという実質のほか、評価手続きの簡便性をも考慮して特例的に採用した方式であることから、このような株主に該当しない場合には、価額の算定方法としても不合理な結果を生じさせ、課税上の弊害をもたらすことになると考えられる。この点、①本件株式に係るH社は、請求人及びE社が営業を共同して行うことを目的として、新設分割により設立された法人であること、②H社の取締役に請求人グループから3名が就任し、このうち1名は代表権を有していることからすると、請求人グループがH社の経営方針に与える影響は大きいと認められる。そうすると、H社の発行済株式の33.4%を保有する請求人が、単に配当を期待して本件株式を保有していたと解することは相当ではなく、請求人ひいては請求人グループは、H社の事業経営につき上記保有割合に基づく影響力を有していたと推認するのが相当である。しかも、請求人が本件株式を譲渡する場合には、少なくとも時価純資産に基づき算定される譲渡価額で売買されるものと認められる。これらのことからすると、本件株式の価額を配当還元方式により算定すると著しく不合理な結果を生じさせて、課税上の弊害をもたらすということができ、そして、H社の株式は非上場株式であることから、本件株式の価額は、法人税基本通達4−1−5により、「1株当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額」を基に算定することが相当である。(平21.11.27 福裁(法)平21-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080066
- 裁決年月日
- 平成9年4月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301801000
- 争点
- 18清算所得課税/1残余財産の内容
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地重課税額は、清算所得とは無関係に課税されるものであり、清算所得に対する法人税の額から控除されるものではないことから、残余財産の価額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、土地重課税額は、清算所得に対する法人税の額に加算されるものであり、清算中に納付する法人税であることから、法法第94条の規定に該当し、清算所得の金額の計算上、残余財産の価額に算入することとなる。(平 9. 4.14名裁(法)平 8-66)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080066
- 裁決年月日
- 平成9年4月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301801000
- 争点
- 18清算所得課税/1残余財産の内容
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、確定時の決算報告書の修正に関する株主総会を開催し、その株主総会において、清算確定申告書に記載されている役員退職金の額を変更したことについては、清算確定申告書を作成したA税理士の計算に重大な誤りがあることから増額変更する決議がされたものであり、増額変更された役員退職金の額は、清算所得の金額を算出するに当たり、残余財産の価額の計算上、債務として控除することを認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、役員退職金を支給し、これらの事実に基づき残余財産の価額を基礎として、清算確定申告書に記載した課税標準額を算定しているところ、役員退職金に関して当該課税標準額に誤りがあったとは認められないことから、更正の請求のうち清算結了の登記後に増額変更された役員退職金の額を理由とする部分は更正をすべき理由がない。したがって、清算のやり直しに伴い開催された株主総会の決議に基づき役員に支給されることとなった役員退職金の額は、更正の請求及びそれ以外の方法によって清算所得の金額を算定するに当たり、残余財産の価額の計算上、債務として控除することは認められない。(平 9. 4.14名裁(法)平 8-66)
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