裁決要旨 5外貨建債権債務の評価損益

裁決要旨 5外貨建債権債務の評価損益

支部名
名古屋
裁決番号
令060010
裁決年月日
令和6年11月11日
裁決結果
棄却
争点番号
301105000
争点
11特殊な損益の計算/5外貨建債権債務の評価損益
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が行ったスワップ取引(本件スワップ取引)に関して、請求人のデリバティブ取引管理規則に基づいて作成した社長上申書(本件上申書)の記載からは、本件スワップ取引のヘッジ対象が、原料購入代金そのものではなく、当該購入代金のうちの特定事由の変動により価格の影響を受ける部分であることが明らかであることなどから、法人税法第61条の6《繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ》第1項に規定するデリバティブ取引等がヘッジ対象資産等損失額を減少させるために行ったものである旨その他財務省令で定める事項を財務省令で定めるところにより帳簿書類に記載しなければならないとの要件(繰延ヘッジ帳簿書類記載要件)を満たす旨主張する。しかしながら、請求人の本件上申書における「ヘッジ対象」欄の記載からすると、本件スワップ取引のヘッジ対象は原料購入代金全体であると読むのが素直な読み方であり、本件上申書を含むその他の帳簿書類において、「金銭」(法人税法第61条の6第1項第2号にいう、資産の取得に係る決済により支払うこととなる金銭)が疑義のないような文言・体裁で帳簿書類上に明示されているとはいえないことから、本件スワップ取引は繰延ヘッジ帳簿書類記載要件を満たさない。(令6.11.11 名裁(法)令6-10)

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支部名
名古屋
裁決番号
平270001
裁決年月日
平成27年9月1日
裁決結果
棄却
争点番号
301105000
争点
11特殊な損益の計算/5外貨建債権債務の評価損益
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、A国所在の銀行(本件銀行)からの借入金(本件借入金)の返済(本件返済)は、本件借入金の残債務額とほぼ同額を同一の外国通貨で他の銀行からの借入金により行ったものであり、借入先の変更による実質的な変化は何もないから、外貨建取引に該当せず、本件返済によっては為替差益に相当する経済的価値は実現しておらず、所得を認識する必要がない旨主張する。しかしながら、本件借入金と他の銀行からの借入金は、借入金の使途、借入額及び金利等の借入れにおける重要な諸条件が異なっており、本件銀行が有していた担保物権等が消滅するなどの変動があったと認められることから、本件返済により別個の新たな事実関係が発生したというべきであるから、本件返済の際に生じる為替差益の円換算後の額が単に評価上のものにとどまらず、当該差額に相当する経済的価値が実現したものといえる。したがって、本件返済は、外国通貨で支払が行われる金銭の返済であり、法人税法第61条の8《外貨建取引の換算》第1項に規定する外貨建取引に該当するから、本件返済の際に生じる為替差益は、益金の額に算入される。(平27. 9. 1 名裁(法)平27-1)

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支部名
関東信越
裁決番号
平230037
裁決年月日
平成23年12月19日
裁決結果
棄却
争点番号
301105000
争点
11特殊な損益の計算/5外貨建債権債務の評価損益
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、繰延ヘッジ処理に係る帳簿書類記載要件を充足しており、また、法人税法第61条の6《繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ》第1項に規定する他の適用要件もすべて満たしているとして、同条の適用がある旨主張する。法人税法第61条の6第1項は、内国法人が繰延ヘッジ処理の適用を受けようとする場合について、デリバティブ取引等を行った時点において、それがヘッジ取引として行ったものであることを明らかにするために、帳簿書類にその旨及びヘッジ対象等の明細を記載させるものとし、これにより、法人の恣意性の排除をしようとしたものとするのが相当である。このような趣旨からすると、帳簿書類記載要件として内国法人が求められる記載は、それのみから法令上定められた事項を明確に判別することができるものでなければならず、他の事情も加味して理解することができれば足りるといえるものではないのであって、その記載をする時期についても、関係規定に従い当該デリバティブ取引等を行った日においてこれをする必要がある。これを本件についてみると、本件通貨オプション取引について、本件通貨オプション取引が行われた日において、それのみから法令上定められた事項を明確に判別することができる帳簿書類の記載があったということはできず、法人税法第61条の6第1項に規定する帳簿書類記載要件を満たしているとはいえないから、同項に規定する他の要件について判断するまでもなく、利益額又は損失額の繰延べの処理をすることはできないというべきである。(平23.12.19 関裁(法)平23-37)

支部名
東京
裁決番号
平220069
裁決年月日
平成22年10月1日
裁決結果
棄却
争点番号
301105000
争点
11特殊な損益の計算/5外貨建債権債務の評価損益
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要旨

○ 請求人は、原処分庁が、請求人が保有する米国ドル建社債の為替差損を減少させるためのヘッジ手段として通貨オプション取引を行い、期末において通貨オプションの基礎商品の時価変動額とヘッジ対象の時価変動額を比較する方法(本件基礎商品比較法)により有効性判定を行って、本件通貨オプション取引に係る利益について法人税法第61条の6《繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ》を適用して繰延ヘッジ処理を行う一方で、本件米ドル社債について、外国為替の売買相場が著しく変動したとして法人税法施行令第122条の3《外国為替の売買相場が著しく変動した場合の外貨建資産等の期末換算》の規定を適用し、これに係る為替換算差損(本件為替差損)を損金の額に算入したことは認められないとして行った更正処分等に対し、本件基礎商品比較法は、法人税法施行令第121条《繰延ヘッジ処理におけるヘッジの有効性判定等》第1項第1号に規定する有効性判定方法とは異なり、また税務署長の承認も受けていないため、これにより有効性判定することは認められないから、本件通貨オプション取引に係る有効性判定は、本件基礎商品比較法ではなく、同号に規定する方法によって行うべきであり、その方法によればヘッジが有効と判定されず、そうすると、本件米ドル社債は、法人税法第61条の6第1項の規定の適用を受ける資産ではなく、法人税法施行令第122条の3に規定する外貨建資産等に該当するので、本件為替差損は損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人が行った有効性判定の計算方法(本件基礎商品比較法)は、①ヘッジ対象資産とヘッジ手段の通貨が同一であり、双方の相場変動が完全に連動し、密接な相関関係にあり、合理性が認められること、②会計上認められている有効性判定方法であること、③国税庁のホームページ上においても有効性判定の計算方法として認められ、税務署長の承認を要しない旨の取扱いが公表されていること等から、法人税法施行令第121条第1項第1号に規定する有効性判定方法のひとつに含まれると解される。したがって、本件米ドル社債は、法人税法第61条の6第1項の規定の適用を受ける資産に該当し、法人税法施行令第122条の2に規定する外貨建資産等から除かれることから、法人税法施行令第122条の3に規定する外貨建資産等に該当しないので、本件為替差損は損金の額に算入できない。(平22.10. 1 東裁(法)平22-69)

支部名
東京
裁決番号
平200118
裁決年月日
平成21年1月22日
裁決結果
棄却
争点番号
301105000
争点
11特殊な損益の計算/5外貨建債権債務の評価損益
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、請求人が行ったスワップ取引に係る繰延ヘッジ処理は、①子会社の輸入原材料在庫平均価格の変動による価格リスクを特定事由としたもので「金銭の特定事由ヘッジの場合」に該当し、②処理の有効性を判定する有効性割合の計算においては、分子の金額には既経過分のデリバティブ取引に係る決済損益額を含め、分母の金額には既経過分のデリバティブ取引に係るヘッジ対象金銭受払差額を含めることにより、ヘッジ手段とヘッジ対象の算出方法の整合性が確保されるべきであり、③仮に、①及び②の主張が認めらないとしても、ヘッジが有効か否かは、分母のヘッジ対象取引のキャッシュ・フロー変動と、分子のヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動が相殺関係にあるか否かにより判定されるべきであるから、ヘッジ対象金銭受払差額(分母の金額)は理論上の固定価格によりキャッシュ・フローを算出することが合理的であるから、当該繰延ヘッジ処理は有効である旨主張する。しかしながら、①請求人における子会社からのA製品購入価格は円建ての変動価格であるから、ヘッジ対象となるのは仕入価格の変動リスクと認められ、②請求人の繰延ヘッジ処理の有効性判定の対象となる取引は未経過分のデリバティブ取引のみで、繰延ヘッジ処理の有効性を判定する有効性割合の計算における分子及び分母の金額は、いずれも未経過分のデリバティブ取引に係るみなし決済金額とヘッジ対象金銭受払差額となり、③有効性割合の計算は、その分子及び分母の金額がそれぞれ客観的な数値、方法に基づいて算出されている限りにおいて合理性があると認められるところ、請求人の主張する理論上の固定価格は請求人の想定を前提として算出された価格であって実際の取引価格ほどに客観性があるとは言い難く、客観的な金額(数値)と認められる実際の取引価格である子会社からの仕入価格によりヘッジ対象金銭受払差額を算出するのが合理性があると認められるから、請求人の主張はいずれも採用することができない。(平21. 1.22 東裁(法)平20-118)

支部名
東京
裁決番号
平180162
裁決年月日
平成19年1月29日
裁決結果
棄却
争点番号
301105000
争点
11特殊な損益の計算/5外貨建債権債務の評価損益
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要旨

○ 請求人は、本件各スワップ取引について、法人税法第61条の8第2項に規定する先物外国為替契約等若しくは法人税法施行規則第27条の7第2項に規定するスワップ取引又は法人税法第61条の6に規定する繰延ヘッジ処理が適用されるデリバティブ取引のいずれかに該当するから、法人税法第61条の5第1項規定を適用してみなし決済金額を益金の額に算入した更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、以下の理由により、請求人の主張には理由がない。①本件各スワップ取引は、元本について相互の支払がされないのであるから、法人税法施行規則第27条の11第1項に規定する取引当事者が元本及び利息として定めた外国通貨の金額について金銭の支払を相互に約する取引に係る契約には該当しない。したがって、本件各スワップ取引は、法人税法第61条の8第2項に規定する先物外国為替契約等に該当しない。②本件各スワップ契約は、請求人がユーロ建買掛金に係る為替相場の変動に伴って生ずるおそれのある損失の額を減少させるために行ったものであって、法人税法施行規則第27条の7第2項第1号に規定する金利変動損失額を減少させるために行ったものではなく、同項第2号に規定する法定事項の帳簿書類への記載もないから、同項に規定する取引に該当しない。③ヘッジ対象とされるユーロ建買掛金は、短期外貨建債務に該当し、期末換算方法の選定に関する届出がないから、期末時換算法で評価される期末時換算資産等に該当する。そうすると、ヘッジ対象資産等損失額に相当する損失は、ヘッジ対象とならない期末時換算資産等に係る為替相場の変動に伴う損失であると認められる。また、法人税法施行規則第27条の8第1項に規定する法定事項の帳簿書類への記載もない。したがって、本件みなし決済金額については、法人税法第61条の6第1項に規定する繰延ヘッジ処理をすることができない。(平19. 1.29 東裁(法)平18-162)

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