裁決要旨 16同族会社の行為計算の否認
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040005
- 裁決年月日
- 令和4年8月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301699000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、旧子会社が行った会社分割及び請求人と旧子会社との合併(本件組織再編成)は、グループ全体の一連の組織再編成の一環として行われたものであり、新旧子会社の事業の収益力向上という合理的な事業目的があるものであって、請求人の税負担の減少を意図したものではないし、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第2項のほか組織再編税制に係る各規定の本来の趣旨及び目的から逸脱する態様で、その適用を受けるものでもないから、本件組織再編成によって、旧子会社の未処理欠損金額に相当する金額を請求人において損金の額に算入したことは、同法第132条の2《組織再編成に係る行為又は計算の否認》に規定する「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に該当しない旨主張する。しかしながら、法人税法第57条第2項は、未処理欠損金額の付け替えを主たる目的とする合併が行われた場合においてまで、その引継ぎを認めることを想定したものではないと解されるところ、本件組織再編成によって、旧子会社の未処理欠損金額を旧子会社の事業から分離することは、新旧子会社の事業の収益力が向上するものとは認められず、また、旧子会社の営んでいた事業が、未処理欠損金額等を除いてそのまま新子会社に引き継がれていることなどからすると、本件組織再編成は、未処理欠損金額を旧子会社から請求人に付け替えることを意図したものであり、この意図に基づくものでなければ、これを行う必要のないものであって、通常は想定されない不自然な組織再編成というべきである。したがって、本件組織再編成は、法人税法第57条第2項の本来の趣旨及び目的を逸脱する態様でその適用を受けるものであって、同規定を租税回避の手段として濫用することによって法人税の負担を減少させるものであるから、同法132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に該当する。(令4. 8.19 大裁(法・諸)令4-5)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平270017
- 裁決年月日
- 平成28年6月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301699000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の受注単価を上回る単価(本件子会社単価)で本件子会社に外注しているが、本件子会社単価が業界の一般的な取引価格を逸脱するものではない限り、グループ全体で利益を考えて取引を行うことはむしろ自然であるから、当該取引によって、法人税法第132条《同族会社等の行為又は計算の否認》第1項に規定する「法人税の負担を不当に減少させる結果」とはならない旨主張する。しかしながら、本件子会社単価による取引は、本件子会社の有する繰越欠損金額を利用して請求人の税負担を圧縮する意図の下、請求人に経常的に損失を生じさせるものであり、本件子会社単価も一般的な取引の相場とかけ離れて高額であるなど、不自然かつ不合理なものであるほか、同族会社であるからこそ可能であり、独立かつ対等で相互に特殊関係のない当事者間で通常行われる取引とはいえない。したがって、当該取引による請求人の法人税の負担の減少は、法人税法第132条第1項に規定する「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる」場合に該当する。(平28. 6. 6 広裁(法)平27-17)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270034
- 裁決年月日
- 平成28年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301699000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員に対して第三者割当増資(本件割当増資)により取得条項付株式を発行したことに伴って請求人との間に完全支配関係を有しないこととなった法人に対し、譲渡損益調整資産を譲渡し、当該譲渡に係る譲渡損失額を各事業年度の損金の額に算入したことについて、請求人の税負担の軽減を講じつつ、種々の取引を行うこと自体は禁止されているものではなく、本件割当増資は従業員の士気高揚という目的もあることなどから、法人税法第132条《同族会社等の行為又は計算の否認》の規定の適用はできない旨主張する。しかしながら、本件割当増資は、請求人の事業規模に照らして資金調達等の経済的効果はないに等しいと評価できる上、その発行条件等(発行価額、取得条項)は、法人税法第61条の13《完全支配関係がある法人の間の取引の損益》第1項の規定の適用を免れる観点から定められたものと認められる一方、経済的合理性の観点から財産状況や経営状態等を具体的に勘案した形跡はうかがわれないこと、また、募集事項の立案検討に関与した従業員一人のみに当該株式が発行され、同人以外の従業員には募集の周知すらしていないことなど、これらの諸点に鑑みれば、本件割当増資は、経済的、実質的見地において純粋経済人として不合理、不自然な行為であると言わざるを得ず、本件割当増資によって、法人税法第61条の13の適用要件(完全支配関係)を不十足とすることにより本来繰り延べられるべき譲渡損失額を損金の額に算入したことは、法人税法第132条に規定する法人税の負担を不当に減少させる結果となるものと認めることができる。(平28. 1. 6 大裁(法)平27-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260069
- 裁決年月日
- 平成27年2月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301699000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が行った資金借入れ(本件借入れ)は、請求人を含む関連会社グループの組織再編成(本件組織再編取引)の一環として行われたものであり、当該組織再編成で行った各取引は、複数の事業目的を同時に達成するために関連会社グループ全体にとって経済的合理性を有するものであるから、本件借入れに係る支払利息(本件支払利息)を損金の額に算入することによって請求人の法人税が減少したとしても、このことは法人税法第132条《同族会社の行為又は計算の否認》第1項にいう法人税の負担を不当に減少させるものではない旨主張する。しかしながら、同項の「法人税の負担を不当に減少させる結果になると認められる」か否かは、専ら経済的、実質的見地において同族会社の行為又は計算として不合理、不自然なものと認められるか否かを基準として判断すべきところ、本件借入れによる債務(本件借入債務)は請求人に帰属するものであるから、本件借入れの主体である請求人の立場で本件組織再編取引をみると、本件組織再編取引が行われた結果、請求人は事業実態に何ら変更がないにもかかわらず高額の本件借入債務を負うこととなっており、請求人が本件借入債務を負担する合理的な理由は認められない。そうすると、本件借入債務に係る本件支払利息を負担する合理的な理由もないと認められるから、請求人が本件借入れを行い本件支払利息を支払った行為は、専ら経済的、実質的見地において、純経済人の行為として不合理、不自然なものというべきである。したがって、本件支払利息を損金の額に算入したことは、法人税の負担を不当に減少させる結果となる場合に該当する。(平27. 2. 2 東裁(法)平26-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220179
- 裁決年月日
- 平成23年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301699000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社である請求人が海外の親会社から、その日本子会社の発行済株式のすべてを購入した後、その株式の一部を当該日本子会社に売却したことには正当な事業目的があり、その結果生じた株式譲渡損失の額を損金の額に算入したことは、法人税法第132条《同族会社の行為又は計算の否認》第1項にいう法人税の負担を不当に減少させる結果となる場合には該当しないと主張する。しかしながら、請求人が行ったこれら一連の行為は、非同族会社では容易になし得ないような、純経済人の行為としては不自然・不合理な行為又は計算であるから、当該株式の譲渡によって生じた譲渡損失の金額を損金の額に算入したことは、法人税の負担を不当に減少させる結果となる場合に該当する。(平23. 4. 1 東裁(法)平22-179)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210004
- 裁決年月日
- 平成21年9月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 301699000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・383ページ
要旨
○ 請求人は、請求人が債務超過の状態にあるG社の増資(以下「本件増資」という。)を引受け、これに係る本件増資払込金を同社の清算結了により投資損失(以下「本件投資損失」という。)として処理したことについて、本件増資は株主の判断として通常なされる取引であり、また、請求人において発生が懸念される追加の損失や信用の失墜を最小限に食い止めるために行った本件投資損失の負担は経済的合理性があるから、本件増資払込金の支払は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当しないし、通常の経済人では行うことのない不自然、不合理な行為ではなく、法人税法第132条の同族会社の行為計算否認規定の適用はない旨主張する。しかしながら、請求人は、G社が営業休止、解散に向けた事務処理を行っているにもかかわらず、特段の事情も無く、第三者割当による有償増資に応じていること、また、請求人と関連会社で代表者が共通しているものの、資本関係や資金融通関係も無く、取引も少額であり、請求人が増資を引き受けなければならない必要性も無いことから、請求人が本件増資払込金を支払ったことは、純経済人の行為として不合理、不自然なものであり、これを投資損失として処理し、清算配当金との差額を損金の額に算入して法人税の確定申告し、法人税を不当に減少させていると認められるから、当該金額については損金の額に算入することは認められない。したがって、請求人の主張は認められず、また本件増資払込金の全額を寄附金とした原処分庁の主張も認められない。(平21. 9.16 名裁(法)平21-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200192
- 裁決年月日
- 平成21年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301699000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者甲の配偶者乙といえども請求人の主要な取引先であるから金銭の贈答を行ったのであり、法律の定める「法人の交際費」の定義に合致し、交際費であることは明らかである旨主張する。しかしながら、請求人らの業務は、もっぱら甲乙夫婦二人のみで行われているものと認められるところ、このような夫婦間のみで行われている取引において、利益追求を目的とする法人である請求人が乙に対して、その歓心をつなぎ止め、又はその者との間の親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図るために、収入金額の40%強に当たる多大な交際費を支出する特段の事情は認められない。しかも、請求人が誕生日祝金等の金額を交際費に計上すること、それも交際費等の定額控除限度額を念頭にその金額を超えない金額で計上していることを併せみると、請求人は、単に交際費の名目を利用して費用を計上したにすぎず、この請求人の行為又は計算が、純経済人の行為として不合理、不自然な行為又は計算に当たり、その結果、請求人が本件各事業年度の法人税の負担を一切していないことからすると、請求人は、税負担軽減を図るためだけに誕生日祝金等の金額を交際費に計上し、本件各事業年度の法人税の負担を不当に減少させていたとみるのが相当である。そうすると、同族会社である請求人が、誕生日祝金等の金額を本件各事業年度の交際費に計上したことは、法人税法第132条第1項に規定する「法人税の負担を不当に減少させる結果となる」場合に該当するため、請求人が交際費として計上した誕生日祝金等の金額を、請求人の損金の額に算入することはできないとした本件更正処分は適法である。(平21. 6.10 東裁(法・諸)平20-192)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200193ほか 4件
- 裁決年月日
- 平成21年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301699000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の主要な取引先に対して接待を行ったのであり、法律の定める「法人の交際費」の定義に合致し、交際費であることは明らかであり、また、交際費の要件である①支出の相手方が事業関係者であること、②支出の目的がかかる相手方に対する接待、供応、慰安贈答に類する行為であることに本件交際費は合致している旨主張する。しかしながら、請求人らの業務は、もっぱら甲乙夫婦二人のみで行われているものと認められるところ、このような夫婦間のみで行われている取引において、利益追求を目的とする法人である請求人が相手方である乙に対して、その歓心をつなぎ止め、又はその者との間の親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図るために、収入金額の40%強に当たる多大な交際費を支出する特段の事情は認められない。しかも、請求人が誕生日祝金等の金額を交際費に計上すること、それも交際費等の定額控除限度額を念頭にその金額を超えない金額で計上していることを併せみると、請求人は、単に交際費の名目を利用して費用を計上したにすぎず、その行為又は計算が、純経済人の行為として不合理、不自然な行為又は計算に当たることは明らかであり、請求人が本件各事業年度の法人税の負担を一切していないことからすると、請求人は、税負担軽減を図るためだけに誕生日祝金等の金額を交際費に計上し、本件各事業年度の法人税の負担を不当に減少させていたとみるのが相当である。そうすると、同族会社である請求人が、誕生日祝金等の金額を本件各事業年度の交際費に計上したことは、経済的合理性を書いた同族会社の行為又は計算であり、その結果として法人税の負担を減少させているため、法人税法第132条第1項に規定する「法人税の負担を不当に減少させる結果となる」場合に該当する。よって、誕生日祝金等の金額を、請求人の損金の額に算入することはできないとした本件各更正処分は適法である。(平21. 6.10 東裁(法・諸)平20-193)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190028
- 裁決年月日
- 平成20年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301602000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/2売買否認
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者とその家族が居住する建物及び土地を請求人の代表者の妻から購入し、その1年後に請求人の代表者に売却することにより、約4,000万円の損失を計上しているが、当該建物に物質的き損があることが判明したのが購入後であり、当該建物の購入及び売却は、純経済人の行為として不合理かつ不自然な行為又は計算ではない旨主張する。しかしながら、①当該建物及び土地は、建物の新築時点から請求人の代表者家族の住居として利用されており、売却後においてもその利用状況は本件建物の新築時から変わっていないこと、②当該建物及び土地の購入及び売却に係る請求人の所有権移転登記は行われておらず、また、本件建物及び土地に係る抵当権上の債務者等の登記は、売却に係る所有権移転登記後も変更されていないこと、③請求人が、本件建物等を第三者に売却しようとしたとする事実を証する証拠はないことなど、当該建物及び土地については、当初から第三者に売却することを目的として購入されたものとは到底考えられず、また、当該建物及び土地の購入及び売却の一連の取引は、結果から見れば、請求人が介在して、請求人の代表者の妻から、その夫であり同物件に同居している請求人の代表者に売却したこととなり、しかも、購入後わずか1年で購入価額の約6割に相当する損失が発生したとして、請求人がその損失を負担することについて、何らの経済合理性も見当たらず、請求人がこの一連の取引を行ったことは不自然、不合理といわざるを得ない。以上のとおり、請求人が当該建物及び土地を購入し売却した一連の行為は、通常の不動産取引では到底考えらないことであって、純経済人の行為として不自然かつ不合理な行為又は計算といわざるを得ない。したがって、原処分庁が当該建物及び土地の売買について、法人税法第132条第1項を適用して更正処分を行ったことは適法であり、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 6.19 福裁(法)平19-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190014
- 裁決年月日
- 平成19年7月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 301604000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/4過大賃借料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・197ページ
要旨
○ 請求人は、親会社からの劣後特約付の借入れ(以下「本件借入れ」という。)は、①請求人の組織再編に伴うメーカーや卸業者からの保証金差し入れ要求に備えるため、②設備投資(リース)及び新店舗の展開を行うため、並びに③請求人の財務体力・信用力の維持を同時に実現するために行ったのであるから、合理性があった旨主張する。 しかしながら、請求人は、本件借入れ時点において十分な事業資金を有しており、請求人には劣後特約を付した高率の利息を支払ってまで借入れを行う必要性は全く認められないことからすれば、請求人が本件借入れを行ったことは、通常の経済人を基準にすれば、経済的合理性のない不自然・不合理な行為と認められ、結果的に法人税の負担を不当に減少させるものと認められる。 したがって、法人税法第132条の規定を適用して劣後特約を否認し、通常あるべき行為(劣後特約の付されていない借入れ)に引き直すと、本件借入れの適正な利率は、請求人の当時の取引銀行からの平均調達金利とするのが相当であるから、それを超える支払利息は、何ら対価性がなく、法人税法第37条第7項に規定する寄附金と認めるのが相当である。(平19. 7.23 東裁(法)平19-14)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180019
- 裁決年月日
- 平成19年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301606000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/6過大給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の長男を従業員として入社又は非常勤の取締役に就任させ、給与又は役員報酬を支給する行為は、後継者を育成することが目的であり、また、長男は請求人の従業員又は非常勤の取締役としての勤務実績があるから、純経済人の行為として不合理、かつ不自然な行為又は計算ではない旨主張する。 しかしながら、①長男は本件各事業年度を通じて米国の大学で就学中であり、本件各事業年度の帰国日数は通算でわずか60日間であること、②長男が業務報告として請求人に提出したレポートは、請求人の業務に関する内容が記載されているものも含まれているものの、毎回A4の用紙1ないし2枚程度の簡単なものであること、③長男が日本に帰国した際に外国企業の案内役等に従事した期間は短期間であること、④長男が出席したと記載された取締役会の開催日には長男は帰国しておらず、当該取締役会議事録に押印された長男の印影は、取締役会に出席しない場合に作成したとする回答票の印影と同一であり、長男の取締役会等への出席状況についてはにわかに信用することができないことなどから、長男の就学状況及び居住状況に照らし、実際に業務に従事することのない又は従事することが不可能な長男に対して、従業員又は取締役として本件役員報酬等を支払うことは、その全額について純経済人の行為として不自然かつ不合理な行為又は計算といわざるを得ず、本件役員報酬等を損金に算入することは、請求人の法人税の負担を不当に減少させるものというほかない。 また、請求人は、更正処分により増加した法人税額は更正処分前の法人税額のいずれも5%未満であり、法人税法第132条に規定する法人税の負担を不当に減少させる結果とまではいえない旨主張するが、同族会社のある行為又は計算が純経済人の行為として不自然、かつ不合理な行為又は計算であれば実際に増額する法人税が僅少であっても、租税負担の公平を図る見地からみても、法人税の負担を不当に減少させる結果となったといわざるを得ない。 さらに、請求人は、本件役員報酬等について源泉所得税の納税告知処分をしながら、本件役員報酬等を損金不算入とするのは矛盾すると主張するが、法人税法第132条第1項の規定は、本件役員報酬等を支払うこと自体が不自然、かつ不合理であるとすれば、その損金への算入を否認するものであって、行為又は計算そのものに実体的変動を生じせしめるものではないと解されるから、請求人の主張には理由がない。(平19. 5.30 福裁(法・諸)平18-19)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140109
- 裁決年月日
- 平成15年6月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 301602000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/2売買否認
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が本件土地を売却し、それによって生じた売却損を計上したことが、本件保険金の課税回避の目的で、経済的に不合理、不自然な行為計算をすることによって法人税の負担を不当に減少させたものであるとし、法人税法第132条を適用して本件土地の売却損の損金算入を否認している。確かに、同族会社が課税回避の目的で土地を形式的に売却して売却損を計上するような場合には、かかる行為計算は経済的に不合理、不自然な行為計算であるといえるものの、本件土地の売買は、当事者双方にとって経済的に合理性のある取引であるといえること、また、請求人は、本件土地の売買において、土地を売買する際に売主が通常行うべき行為をしていること、本件売買取引に買戻特約も付されていないことなどを併せて考慮すると、原処分庁の主張する各事実によっては、請求人の行為計算が課税回避の目的で土地を形式的に売却して売却損を計上したものであるということを認めるに足りず、他にその事実を認めるに足りる証拠はない。したがって、請求人の行為計算が経済的に不合理、不自然な行為計算であるとはいえず、よって、請求人の行為計算に法人税法第132条第1項を適用することはできないのであって、この点に関する原処分庁の主張には理由がない。(平15.06.03.関裁(法)平14-109)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130058
- 裁決年月日
- 平成13年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301699000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、法人税法第22条第2項の要件を満たさない行為に対し、同法第132条を用いて無理に「益金」を生じさせているので同条の適用を誤っている旨、また、請求人のした株式決議を無かったものと仮定しても、税額の増加は生じないから、「法人税回避の結果」が生じているとはいえず、同条の適用はできない旨主張する。しかしながら、請求人が行った上記株主決議は、経済効果において、請求人が保有する子会社株式の未計上の資産(含み益)の大部分を、請求人のグループ法人の子会社に無償で移転させた不自然・不合理な行為と認められ、このような場合には、通常、未計上の資産は請求人において収益として実現し、その収益に相当する額は寄附金として社外に流出したものと解される一方、当該寄附金は、法人税法上損金の額に算入される額が制限されるのであるから、請求人の行為により、請求人の法人税の負担が不当に減少している事実が認められる。したがって、上記株主決議については、法人税法第132条を適用することができると判断される。(平13. 9.27東裁(法)平13-58)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120089
- 裁決年月日
- 平成13年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301606000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/6過大給与等
- 業種
- 水産食料品製造
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表取締役の母親は取締役就任前の従業員当時においてもみなし役員となるから、同人に支払った給料はみなし役員の報酬として、その全額が損金として認められるべきである旨主張する。しかしながら、代表取締役の母親が請求人の同族会社の判定の基礎となる株主グループに該当することは認められるが、同人は、同人等の申述のとおり、請求人の取締役会に出席せず、業績も知らないこと、また、請求人が融資を受けるに当たって個人財産を担保として提供しているものの、その担保提供が融資の決定権を有しているともいえないことから、代表取締役の母親が請求人の経営に従事していたとは認められず、法令第7条第2号に規定する役員には該当しないから、請求人のみなし役員とは認められない。また、代表取締役の母親の取締役就任前における勤務状況については、当審判所の調査によっても、その勤務の事実を確認することができず、請求人から同人が業務に従事していたとする証拠資料の提出もない。したがって、原処分庁が、これらの事実を踏まえ、法法第132条の規定に基づいて、請求人が代表取締役の母親に支払った給料について、本件各事業年度の損金の額に算入することを認めなかったことは相当である。(平13.6.22名裁(法)平12−89)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120032
- 裁決年月日
- 平成13年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301607000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/7逆合併
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・440ページ
要旨
○ 請求人は、合併法人及び被合併法人は表裏一体のものであるので、本件合併は租税回避行為でない旨主張するが、本件合併は、合併法人の経営実体の同一性が保持されておらず、また、合併法人の事業の継続性も認められないことから、極めて異常かつ不自然ないわゆる逆さ合併という法律上の形式を採用しているものといわざるを得ず、正に法法第132条によって否認されるべき法人税の負担を不当に減少させる行為又は計算に該当するというべきである。したがって、合併法人の所得の金額の計算上、繰越欠損金を損金の額に算入することを否認した本件更正処分は相当である。(平13.1.22名裁(法)平12−32)裁決事例集NO61・440ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120056
- 裁決年月日
- 平成12年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301699000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 同族会社の役員であった被相続人の当該法人の借入債務に係る連帯保証債務が、相続税の課税価格の計算上、債務控除できるか否かについて、請求人は、当該法人は多額の債務を抱えて債務返済能力がなく、仮に、保証人が保証債務を履行し、求償権を行使しても返還される見込みもないので、債務控除を認めるべきであり、また、法法第132条の同族会社の行為計算否認の規定からみても、経済的に会社と代表者個人が一体であり、当該会社の債務はまさしく被相続人の債務であると主張する。しかしながら、当該法人は、相当期間債務超過の状態にあるものの、破産、和議等の手続開始を受けることも、事業閉鎖等の事実もなく、営業活動を継続しており、本件相続開始時前後を通じて継続的に金融取引が行われていることが認められることからすると、本件相続開始時前後において、当該法人が債務超過の状態にあったことは認められるものの、当該法人が破産等したり、あるいは、事業閉鎖等により債務超過の状態が相当期間継続しながら、他からの融資を受ける見込みもなく、再起の目途が立たないなどの事情によりおよそ債権の回収ができない状況にあるとは客観的に認めることができず、したがって、当該法人の債務超過を理由に、被相続人が連帯保証人として本件保証債務の履行を求められる状況にあったとしても、本件相続開始時において、被相続人が当該法人に求償権を行使しても返還を受ける見込みがないものとは必ずしもいえないというべきであるから、請求人の主張を採用することはできない。また、法法第132条の規定は、租税回避を是正し、負担の適正化を図るための規定であり、自己の利益のためその法人格を自ら否認することは許されないというべきであり、請求人の主張を採用することができない。(平12.11.30関裁(諸)平12−56)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110069
- 裁決年月日
- 平成12年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301606000
- 争点
- 16同族会社の行為計算の否認/6過大給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員(親族)の退職給与の額の算定について、会社内のただ1人の他人従業員の退職給与の額を基準に算定し、法法第132条に規定する法人税の負担を不当に減少させる結果となる部分があるとするのは違法である旨主張するが、請求人の従業員(親族)へ支払った退職給与の額は会社内ただ1人の他人従業員と比較して相当高額であること、しかも請求人が法人を解散するにあたり得た立退料のほとんどの額が退職給与の額として従業員に支払われており、このような行為は同族会社であるからなし得た行為であり、したがって、会社内のただ1人の他人従業員の退職給与の額を基準に算定し、その額を超えた金額は法法第132条に規定する法人税の負担を不当に減少させる結果となる部分に該当するとした原処分は適法である。(平12. 6.30高裁(法)平11-69)
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