裁決要旨 5損害賠償金
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060005
- 裁決年月日
- 令和6年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の営業統括部長(本件営業統括部長)に対する損害賠償請求権を有していたとしても、これに係る損失が発生した事業年度において、①本件営業統括部長が受領した金額並びに期間及び回数、②請求書や御支払書、③請求人の取引先への下払率、のいずれからも、本件営業統括部長が当該取引先から運送料の一部を受領していた行為(本件受領行為)を把握又は本件受領行為の是正や防止の措置を講ずることはできなかったから、かかる損害賠償請求権の額は、当該損失が発覚した事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件営業統括部長は、海上コンテナ輸送業務に関し、請求人から相当程度広範な権限を付与されていたと認められ、そのような権限を逸脱又は濫用することにより本件受領行為を行うことは十分想定し得たものである。また、本件受領行為が発覚した経緯は、本件営業統括部長が自ら申し出たことによるところ、請求人において、従業員が取引先等から金品を借用し、又は贈与を受けることを禁止するという就業規則の定めを踏まえて請求人の従業員に対する監査を行っていれば、その時点で本件営業統括部長から本件受領行為の報告を受け、本件受領行為を把握し、本件営業統括部長に対する損害賠償請求権を行使することも十分可能であったというべきである。それにもかかわらず、請求人は上記就業規則の定めを正式かつ頻繁には周知せず、その定めに抵触する行為がされていないかの監査も実施していなかった。以上からすると、通常人を基準にして、損害賠償請求権の存在・内容を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったとはいえない。したがって、上記の損害賠償請求権の額は、損害賠償請求権に係る損失が発生した事業年度の益金の額に算入すべきである。(令6. 9. 5 関裁(法・諸)令6-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令040006
- 裁決年月日
- 令和4年10月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、和解及び業務解約に係る書面(本件書面)に基づき取引先から金員を受領したが、本件書面における和解の成否について現在係争中であり、当該金員について和解金として支払いを受ける権利が確定していないから、当該金員は本件書面の作成日の属する事業年度の益金の額に算入すべきものではない旨主張する。しかしながら、本件書面における和解は本件書面の作成日において成立したと認められ、かつ、請求人は当該事業年度において当該金員を実際に受領しているから、当該金員は当該事業年度の益金の額に算入すべきである。(令4.10.14 福裁(法)令4-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020026
- 裁決年月日
- 令和3年4月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の元代表者の不法行為(本件詐取行為)による損失額の証明が難しく、損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)の行使は困難であるから、本件損害賠償請求権の額は、元代表者との合意や訴訟等によりその額が決した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件損害賠償請求権は、請求人に損失が発生したと同時に元代表者に対し発生したものといえ、その権利行使が期待できないといえるような客観的状況があったなどとうかがわせる事情は存在しないことから、本件損害賠償請求権の額は、その損失が発生した事業年度の益金の額に算入すべきである。(令3. 4.14 関裁(法・諸)令2-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020019
- 裁決年月日
- 令和3年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、実体のない外注先(本件外注先)を使用した元従業員の不当な領得により発生した損失に対する損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)の額について、元従業員は法人税基本通達2−1−43《損害賠償金等の帰属の時期》に定める「他の者」に該当する上、元従業員による領得の事実を知らず本件損害賠償請求権の行使を期待することが困難であったから、その損失が発生した事業年度の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、元従業員が従業員であった当時から請求人と本件外注先との間では架空取引が行われていた上、請求人が本件外注先の経営状況等の確認を怠っていなければ容易に元従業員の行為を認識することができたと考えられるから、元従業員を「他の者」に該当するとするのは相当ではないし、通常人を基準にして本件損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得ず権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったとは認められないことから、本件損害賠償請求権の額はその損失が発生した事業年度の益金の額に算入すべきである。 (令3. 3.17 関裁(法)令2-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300075
- 裁決年月日
- 令和元年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、破産会社は原処分庁が水増し請求と評価する金額(本件係争請求額)相当の損害を被っているから、本件係争請求額は損失として損金算入すべきであり、同額の損害賠償請求権は損害の発生した事業年度ではなく破産会社又は破産会社の代表者が水増し請求を認識した事業年度において益金算入すべきである旨主張する。しかしながら、仮に本件係争請求額が損失に該当するとしても、破産会社の業容が比較的小規模であり、水増し請求が行われた業務は破産会社の業績や業務運営に大きな影響を及ぼし得る主要な業務であることを考慮すれば、破産会社の代表者の地位にある者が通常行うであろう確認作業を行えば水増し請求がされていた事実やその内容は比較的容易に判明したものと考えられ、さらに、継続的かつ長期間にわたって水増し請求が行われていたことを鑑みると、損害賠償請求権の存在、内容等を把握できず、権利行使が期待できないような客観的状況にあったとはいえないから、損害賠償請求権は、損失が発生した事業年度において損金と同時に益金算入すべきである。(令元.5.24 大裁(法・諸)平30-75)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平300010
- 裁決年月日
- 令和元年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 請求人は、請求人の従業員であった者(本件元従業員)が請求人の仕入れた商品を窃取してインターネットオークションで販売した取引(本件取引)による本件元従業員に対する損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)の額は、本件取引の日を含む事業年度(本件事業年度)の終了時に確定できる状況になかった旨主張する。しかしながら、本件損害賠償請求権の額は、請求人が本件事業年度の当時において仕入れに係る資料と売上げ及び棚卸しに係る資料とを照合し、窃取された商品を特定した上、その商品に係る価額等に係る資料を保全することで計算することのできた金額を上回らないものと認められるから、通常人を基準とすれば、本件事業年度においてその金額を把握し得ないとはいえず、また、本件損害賠償請求権につき権利行使を期待できない客観的状況があったとはいえない。(令元.5.16 札裁(法・諸)平30-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300043
- 裁決年月日
- 平成31年1月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人の元代表者(本件元代表者)が取引先とは別会社の代表者から受領していた金員(本件金員)が請求人に帰属するとしても、本件元代表者が本件金員を請求人の口座に入金しなかったこと(本件金員未入金)や、請求人が本件元代表者の指示で作成された虚偽の内容の請求書に基づき請求金額を振り込んだこと(本件架空広告宣伝費振込み)が、本件元代表者個人の犯罪行為であって、平成27年3月期に本件元代表者の行為が発覚するまで、請求人はこれらに係る各損害賠償請求権(本件各損害賠償請求権)を認識できなかったこと、②請求人と本件元代表者との間での損害賠償請求訴訟に係る地裁判決が確定しておらず、本件各損害賠償請求権は法人税に係る原処分がされた各事業年度(本件各事業年度)に確定していないことから、本件各事業年度の益金の額に算入すべきものではない旨主張する。しかしながら、収益はその実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定した時の属する事業年度の益金に計上すべきものと解されるところ、本件元代表者は、本件金員未入金及び本件架空広告宣伝費振込みという自らの不法行為の当時、請求人の代表者であったから、請求人は、当該不法行為と同時に、本件元代表者を通じて本件各損害賠償請求権の権利実現の可能性を客観的に認識することができたといえる。したがって、本件各損害賠償請求権は、当該不法行為により請求人が受けた損失額を本件各事業年度の損金の額に算入すると同時に、その損失額と同額を本件各事業年度の益金の額に算入すべきである。(平31. 1.11 大裁(法・諸)平30-43)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290053
- 裁決年月日
- 平成30年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元部長が各外注先から受領した各金員(本件各金員)は元部長個人に帰属するから、そもそも損害賠償請求権は生じないが、仮に損害賠償請求権が生じるとしても、元部長は本件各金員を元部長の預金口座への振込入金又は現金で受領しており、他者からはその受領が分からず、また、従業員にリベートの授受を禁止していたことから、その受領を予測できるものでもないので、通常人を基準として、請求人においては、損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得ないから、損害賠償請求権は横領時の各事業年度の益金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、請求人の代表者が元部長による本件各金員の受領を認識していなかったとしても、元部長に実質的に外注先及び発注金額の判断を一任し、その判断の妥当性を具体的に検討したことはなかったのであるから、元部長による本件各金員の受領は想定し得ないことではなく、請求人において元部長が本件各金員を受領した事実を把握することが特に困難であったとは認められない。そうすると、通常人を基準として、請求人において損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得なかったとはいえないから、元部長の横領に基づく損害賠償請求権は、横領時の各事業年度の収益としてそれぞれ確定し、各事業年度の益金の額に算入すべきものである。(平30. 4.24 関裁(法)平29-53)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290033ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成29年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人が経理担当者の不正行為(本件不正行為)自体を認識していない場合やその回収見込額を全く見通すことができない状態においては、損失額に相当する金額を収益として計上することが権利確定主義の観点から困難であるため、本件不正行為による損害賠償請求権(本件請求権)について、その実態等及び回収見込額が明らかとなった事業年度で、その回収見込額を益金計上すべきである旨主張する。しかしながら、損害賠償請求権の額を損失が発生した事業年度の益金の額に算入しないとする例外的な取扱いをするか否かの判断は、通常人を基準として、権利の存在、内容等を把握し得ず、権利行使ができないといえるような客観的状況にあったか否かにより判断されるものであり、不正行為による損失の発生日の属する事業年度当時ないしその確定申告当時の納税者の主観や、回収見込額(債務者の資力、資産状況等といった経済的観点)は、上記判断を左右するものではない。本件においては、本件不正行為に係る部分のいずれにおいても、それらが行なわれた各事業年度の法定申告期限までに、通常人を基準として、本件請求権の存在、内容等の把握ができず、権利行使ができないような客観的状況があったということはできない。したがって、本件請求権の全額を、本件不正行為による損失の発生した日の属する各事業年度の益金の額に算入すべきである。(平29.12. 1 大裁(法・諸)平29-33)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平280028
- 裁決年月日
- 平成29年5月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の取締役営業部長(本件取締役)が行った本件取締役の知人等(本件知人等)の名義を使用して工事精算表に虚偽の記載をした及び請求書を偽造した並びに本件知人等の名義の預金口座に委託加工費を振り込ませた一連の行為(本件行為)に基づいて、請求人が取得した本件取締役に対する損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)に係る収益は、請求人における不正防止体制は十分なものであり、内部牽制が機能している状態であったにもかかわらず、本件行為は用意周到かつ巧妙な手口であったことから、通常人を基準にして本件損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえる客観的状況にあったといえるから、本件行為による損失が発生した事実を請求人の代表者が把握した時が属する事業年度に帰属させるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が行う工事のうち本件取締役が担当するものについては、現場監理や工事精算表の作成までの過程が全て本件取締役一人に委ねられており、他の従業員によるチェック体制は全く整備されておらず、仮に、本件取締役以外の従業員によるチェック体制が存在すれば、本件取締役の本件行為が容易に発覚したはずである。よって、通常人を基準として、請求人の代表者が損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったとはいえないのであり、本件損害賠償請求権に係る収益は、それぞれ損失が発生した時が属する事業年度に帰属させるべきである。(平29. 5. 9 名裁(法・諸)平28-28)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230071
- 裁決年月日
- 平成24年1月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が運行便数を水増しした架空のものであるとした運行に係る外注費(本件各外注費)について、請求人の元部長の不法行為によるものであり、損害賠償請求権が生じているとしても、当該損害賠償請求権の額は、本件各外注費に係る損失が発生した各事業年度の益金の額に算入すべきでない旨主張する。しかしながら、不法行為による損害賠償請求権については、通常、損失が発生した時には損害賠償請求権も発生、確定しているから、これらを同時に損金と益金とに計上するのが原則であり、例えば加害者を知ることが困難であるとか、権利内容を把握することが困難なため、直ちには権利行使(権利の実現)を期待することができないような場合には、いまだ権利実現の可能性を客観的に認識することができるとはいえないが、請求人において、本件各外注費に係る損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったとはいえないので、本件各外注費に係る損害賠償請求権は、不法行為があった各事業年度の益金に算入するのが相当である。(平24. 1.18 名裁(法・諸)平23-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230108
- 裁決年月日
- 平成24年1月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の使用人が行った本件詐取行為による請求人の損害賠償金の額の収益計上時期について、①当該使用人の詐取行為は、巧妙な伝票操作により行われたものであり、通常の管理体制では容易に発覚するものではないこと、②当該使用人は詐取行為発覚前において既に退職していること等から、法人税基本通達2-1-43《損害賠償金等の帰属の時期》(本件通達)に定める「他の者」に該当し、実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入する取扱いが適用されるべきである旨主張する。しかしながら、不法行為による損害賠償請求権については、通常、不法行為による損失が発生した時に同額の損害賠償請求権も発生、確定しているから、これらを同時に損金と益金に計上するのが原則であるところ、本件通達の取扱いは、基本的には、第三者による不法行為等に基づく損害賠償請求権については、その行使を期待することが困難な事例が往々にしてみられることに着目した趣旨のものであると解され、これを本件についてみると、本件詐取行為における取引に係る伝票について担当部署における現物との照合や資材課長によるチェックが確実に行われていれば本件詐取行為は間違いなく発覚するものであったと認められることからすれば、請求人は、本件事業年度において損害賠償請求権につき、その存在、内容等を把握できず、権利の行使を期待できないような客観的状況にあったとはいえず、また、当該使用人が本件詐取行為の発覚時に請求人を退職していたことをもって第三者による不法行為ということはできないから、本件通達にいう「他の者」に当たらず、本件詐取行為に係る損害賠償請求権の額の収益計上時期について本件通達の適用はない。したがって、当該使用人の詐取行為による損失の発生と同時に損害賠償請求権を益金の額に算入すべきこととなる。(平24. 1.13 東裁(法・諸)平23-108)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230006
- 裁決年月日
- 平成23年7月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、請求人の使用人が行った詐取行為による請求人の損害賠償金の額の収益計上時期について、①当該使用人の詐取行為は、巧妙な伝票操作により行われたものであり、通常の管理体制では容易に発覚するものではないこと、②当該使用人は詐取行為発覚前において既に退職していること等から、法人税基本通達2-1-43《損害賠償金等の帰属の時期》(本件通達)に定める「他の者」に該当し、実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入する取扱いが適用されるべきである旨主張する。しかしながら、不法行為による損害賠償請求権については、通常、不法行為による損失が発生した時に同額の損害賠償請求権も発生、確定しているから、これらを同時に損金と益金に計上するのが原則である。本件通達の取扱いは、基本的には、第三者による不法行為等に基づく損害賠償請求権については、その行使を期待することが困難な事例が往々にしてみられることに着目した趣旨のものであると解され、これを本件についてみると、本件詐取行為における取引に係る伝票について担当部署における現物との照合や資材課長によるチェックが確実に行われていれば本件詐取行為は間違いなく発覚するものであったと認められる。そうすると本件においては、通常人を基準とすれば、請求人は、本件事業年度において損害賠償請求権につき、その存在、内容等を把握できず、権利の行使を期待できないような客観的状況にあったとはいえない。また、当該使用人が本件詐取行為の発覚時に請求人を退職していたことをもって第三者による不法行為ということはできないから、本件通達にいう「他の者」に当たらず、本件詐取行為に係る収益計上時期について本件通達の適用はない。したがって、当該使用人の詐取行為による損失の発生と同時に損害賠償請求権を益金の額に算入すべきこととなる。(平23. 7. 6 東裁(法)平23-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220237
- 裁決年月日
- 平成23年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の使用人が行った不法行為(本件詐取行為)による請求人の損害賠償請求権の収益計上時期について、当該使用人が請求人の主要な地位にある者でないことから、法人税基本通達2-1-43《損害賠償金等の帰属の時期》(本件通達)にいう他の者から支払を受ける損害賠償金として、請求人が実際に当該使用人から損害賠償金の支払を受けた日の属する事業年度とすべきである旨主張する。しかしながら、不法行為による損害賠償請求権については、通常、不法行為による損失が発生した時には同額の損害賠償請求権も発生、確定しているから、これらを同時に損金と益金に計上するのが原則である。本件通達の取扱いは、法人が第三者の不法行為により損害を受けた場合には、相手方に損害賠償責任があるかどうかについて争いがあることが少なくなく、損害賠償金の額も当事者間の合意等を待たなければ具体的に確定しないのが普通であり、損害賠償請求権が発生していても実現可能性を客観的に認識することができるとは必ずしもいえないことにより認められたものである点を踏まえると、請求人の使用人であった者は、本件通達の「他の者」に当たらず、本件詐取行為に係る収益計上時期について本件通達の適用はない。また、本件詐取行為の発生状況などの客観的状況に基づいて判断してみても、本件詐取行為に係る納品書には偽りの工事番号や品名が記載されていることからすると、当該納品書に係る決裁及び在庫管理等が適切に行われていれば、本件詐取行為は容易に発覚するものであり、通常人を基準とすれば、請求人は、本件各事業年度において、本件詐取行為に係る損害賠償請求権の存在、内容等を把握できず、権利行使を期待できないような客観的状況にあったともいえない。(平23. 6.28 東裁(法・諸)平22-237)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220050
- 裁決年月日
- 平成23年2月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人は、会計帳簿の記載の基礎となる売上伝票の一部を抜き取るなどして行った売上除外(本件不正行為)は従業員R及びJ常務の個人的な不正行為であるから、①これに係る損害賠償請求権に係る収益は、権利確定主義により請求人が本件不正行為を把握した事業年度に計上すべきである旨、②本件不正行為を請求人の行為と同視して重加算税を課することはできない旨、③請求人に税額を免れる意図はないから偽りその他不正の行為はない旨主張する。しかしながら、①不法行為による損失の発生と損害賠償請求権の発生、確定は、原則として、これを同時に損金と益金とに計上すべきであるところ、請求人の経営に参画する常務取締役が本件不正行為の事実を把握していたのであり、通常人を基準とすると、請求人において、本件損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得ず、権利行使を期待できないといえるような客観的状況にあったということはできず、権利の行使を期待することができないような場合にも当たらないから、本件損害賠償請求権の額は、本件不正行為による損失の発生した日の属する各事業年度の益金の額に算入され、②J常務の行為は請求人の行為と同視できるから、請求人に重加算税を課することができ、③本件不正行為は「偽りその他不正の行為」に当たるというべきである。(平23. 2. 8 関裁(法・諸)平22-50)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220003
- 裁決年月日
- 平成22年8月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の元営業部長が特殊景品を窃取した不法行為による損害賠償請求権の額は、その権利が発生していても、本件不法行為が秘密裏に行われていたため、損害の発生及びその加害者を知ることができず、その権利を直ちに行使することは事実上不可能であるから、請求人が本件調査により本件不法行為の事実を認識した時の属する事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、元営業部長は、本件不法行為の発覚を防ぐために、日計表などを改ざんしたことから、日計表は当営業日の特殊景品の前日繰越数量と前営業日の残数量が一致しないなど日計表等の数量が不自然かつ不合理なものとなったこと、その日計表は代表者が請求人の従業員による不正を把握することを目的の一つとして作成させていたこと、日計表は日々代表者が確認できる状態に置かれていたことなどからすると、代表者は、日計表等の記載の状況、数量の推移等を注意して見ていれば、不自然かつ不合理な記載に容易に気付き、日計表の特殊景品の数量の改ざんが行われていることを確認することが可能であったものと認められる。そして、代表者は、特殊景品が何者かによって盗まれているのではないかと疑念を持てば、日計表及び景品移動数リストを取りまとめて管理する立場である元営業部長を問いただし、同人の窃取行為であることを突き止めることも可能であったと認められる。そうすると、通常人を基準にして、損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的な状況にあったとは認められないから、本件不法行為による損害賠償請求権は、損害が発生した時に発生、確定しているといえ、当該損害賠償請求権の額は、本件各事業年度の益金の額に算入すべきことになるから請求人の主張には理由がない。(平22. 8.18 広裁(法)平22-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210059
- 裁決年月日
- 平成22年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各事業年度においては、通常人を基準にして、横領行為に係る損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使ができないといえる客観的状況にあったのであるから、横領行為が発覚した事業年度に、当該損害賠償請求権の金額を益金に計上するのが、一般に公正妥当と認められる会計処理基準に適合した処理である旨主張する。しかしながら、法人税法上、ある収益をどの事業年度に計上すべきかは、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきであり、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金の額に計上すべきものと考えられ、この権利の確定とは、権利の発生とは同一ではなく、権利発生後一定の事情が加わって権利実現の可能性が客観的に認識することができるようになることを意味するものと解されるところ、横領行為に係る損害賠償請求権についても特に異なった取扱いをすべき理由はないため、その判断は、税負担の公平や法的安定性の観点からして客観的にされるべきものであるから、通常人を基準にして、損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったかどうかという観点から判断していくべきであり、本件は、①取締役により本件売却処理による車両売却代金の一部を横領されており、このことは請求人に対して損失を発生させ、それと同時に取締役に対する不法行為による損害賠償請求権が発生し、この債権は確定していること、②請求人においては、実際、本件売却処理のほかに原始資料なしに起票する経理処理は一切行われておらず、経理担当者らの間で同経理処理について疑問・注意が提起され話題にも上がっており、直接、取締役や売却の相手方に具体的な売却額を聞き確認を取れば容易に横領行為を発覚できたにもかかわらず、取締役が運輸部の責任者であることなどを理由に同人を信頼してしまっていたものと認められることなど、通常人を基準として本件行為による損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえる客観的状況にあったとは認められないことから、請求人の主張を採用することはできない。(平22. 1. 7 関裁(法・諸)平21-59)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210060
- 裁決年月日
- 平成22年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、本件各事業年度においては、通常人を基準にして、横領行為に係る損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使ができないといえる客観的状況にあったのであるから、横領行為が発覚した事業年度に、当該損害賠償請求権の金額を益金に計上するのが、一般に公正妥当と認められる会計処理基準に適合した処理である旨主張する。しなしながら、法人税法上、ある収益をどの事業年度に計上すべきかは、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきであり、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金の額に計上すべきものと考えられ、この権利の確定とは、権利の発生とは同一ではなく、権利発生後一定の事情が加わって権利実現の可能性が客観的に認識することができるようになることを意味するものとと解されるところ、横領行為に係る損害賠償請求権についても特に異なった取扱いをすべき理由はないため、その判断は、税負担の公平や法的安定性の観点からして客観的にされるべきものであるから、通常人を基準にして、損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的状況にあったかどうかという観点から判断していくべきであり、本件は、?業務を委託した先の取締役Eにより本件売却処理による車両売却代金の一部を横領されており、このことは請求人に対して損失を発生させ、それと同時にEに対する不法行為による損害賠償請求権が発生し、この債権は確定していること、?請求人の代表者は、委託先の代表者でもあるところ、請求人は、実際、本件売却処理のほかに原始資料なしに起票する経理処理は一切行われておらず、業務を委託した経理担当者らの間で同経理処理について疑問・注意が提起され話題にも上がっており、直接、Eや売却の相手方に具体的な売却額を聞き確認を取れば容易に横領行為を発覚できたにもかかわらず、Eが運輸部の責任者であることなどを理由に同人を信頼してしまっていたものと認められることなどから、通常人を基準として本件行為による損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使が期待できないといえる客観的状況にあったとは認められない。よって、請求人の主張を採用することはできない。(平22. 1. 7 関裁(法・諸)平21-60)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平210002
- 裁決年月日
- 平成21年9月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・303ページ
要旨
○ 法人税法上、ある収益をどの事業年度に計上すべきかは、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきであり、これによれば、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金の額に算入すべきものと考えられる。そして、権利の確定とは、権利の発生とは同一ではなく、権利発生後一定の事情が加わって権利の実現の可能性を客観的に認識することができるようになることを意味するものと解されている。ところで、不法行為による損害賠償請求権については、例えば加害者を知ることが困難であるとか、権利内容を把握することが困難なため、直ちには権利行使を期待することができないような場合があり得るところ、このような場合には、権利(損害賠償請求権)が法的には発生しているといえるが、いまだ権利の実現の可能性を客観的に認識することができるとはいえないから、不法行為が行われた時点が属する事業年度の益金の額に算入すべきであるとはいえないと解されている。ただし、この判断は、税負担の公平や法的安定性の観点から考えて客観的にされるべきであるから、通常人を基準にして、権利(損害賠償請求権)の存在・内容等を把握し得ず、権利行使を期待することができないといえるような客観的状況にあったかどうかという観点から判断していくべきである。本件については、通常人を基準にして、本件損害賠償請求権の存在・内容等を把握し得ず、権利行使を期待することができないといえるような客観的状況にあったといえ、その権利の実現の可能性を客観的に認識することができるとはいえないから、本件損害賠償請求権を請求人の本件各事業年度の益金の額に算入すべきであるとはいえない。(平21. 9. 9 広裁(法・諸)平21-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200152
- 裁決年月日
- 平成21年4月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員に対する損害賠償請求権の収益計上時期は、請求人が損害を知り、損害賠償請求権の行使が事実上可能となった日の属する事業年度であると主張する。しかしながら、法人税法上、当該事業年度の収益の額は、一般に公正妥当な会計処理の基準に従って計算すべきものとされているから、これによれば、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金に計上すべきものと考えられる。この権利の確定とは、法律上その権利を行使することができるようになったことをいうものと解されるところ、横領等の不法行為による損害賠償請求権についても、法律上権利行使が可能となったとき、すなわち、不法行為によって損害賠償請求権が発生したときに、その権利が確定し、これを当該事業年度の収益に計上すべきと解される。そうすると、本件従業員の不法行為は、本件各事業年度において行われていることから、請求人は、本件各事業年度において、不法行為に基づく損害賠償請求権の行使が法律上可能となる。したがって、本件における損害賠償請求権は、従業員の不法行為が行われた本件各事業年度において発生し、その権利が確定することとなる。また、A元所長は、本件出張所の業務全般の管理及び仕入れに関する責任者という請求人の主要な地位にあり、従業員の行った本件取引は、請求人の行為と同一視でき、法人税基本通達2−1−43を適用する前提となる「他の者」に該当するとみることはできず、当該通達の適用は認められないことから、本件においては、収益計上時期を損害賠償請求権が発生し、その権利が確定した本件各事業年度とすることが妥当である。(平21. 4. 6 東裁(法・諸)平20-152)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190159
- 裁決年月日
- 平成20年4月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法基本通達2−1−43の定めにより、損害賠償請求権の収益計上時期は、本件取引が発覚し、本件取引を行った専務取締役と損害賠償金の支払に係る金銭消費貸借契約を締結した本件事業年度の翌事業年度である旨主張するが、当該通達には、この取扱いを認める前提として、「他の者から支払を受ける損害賠償金の額」という限定が付されており、本件取引を行った者は、請求人において専務取締役及び仕入担当責任者という主要な地位を有しており、本件取引が、請求人のなした行為と同視できるものであるから、本件取引を行った専務取締役が当該通達適用の前提となる「他の者」に該当しないことは明らかであり、この点に関する請求人の主張には理由がない。請求人は、本件取引によって本件各銀行口座に振り込まれた本件取引金額相当額の損害を被ったことから、これを資産の減少として、同損害額を請求人の本件事業年度の損金の額に算入する一方、この不法行為時において、本件取引金額相当額の不法行為に基づく損害賠償請求権の行使が法律上可能となることから、損害賠償請求権が発生し、その権利が確定することになると解される。なお、本件においては、請求人は、専務取締役から本件に係る損害を回収している事実があり、原処分に係る調査時においても、その損害額の回収が事実上不可能であると認められないことから、損害賠償請求権を損金の額に算入することはできない。したがって、請求人は、損害賠償請求権が確定した本件事業年度において、損害賠償請求権を取得し、それが請求人の資産を増加させたものとして当該損害賠償請求権の額をもって本件事業年度の益金の額に算入すべきこととなる。(平20. 4. 9 東裁(法・諸)平19-159)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170047
- 裁決年月日
- 平成18年3月23日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員の詐欺行為に基づく各架空外注費の計上は認めるが、それと同額の詐欺損失が発生しており、その詐欺損失に係る損害賠償請求権が発生するとしても、当該損害賠償請求権の額は、当該従業員から回収したときの益金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、法人税法は、原則として発生主義のうち権利確定主義を採用していると解されるから、当該従業員の詐欺により被った損失を資産の減少として損金の額に算入するのであれば、同額の損害賠償請求権を当該事業年度の益金の額に算入すべきこととなる。また、法人税基本通達2−1−43の「他の者」に当たるか否かは、具体的には、その者の行為の内容、その者の当該法人における役職や付与された権限、その者に対する当該法人の監督の可能性や実態等の事情を総合的に勘案して判断せざるを得ない。本件において、当該従業員は、経理部長の職にあり、請求人の経理業務全般の責任者の立場にあり、同人の経理事務を実質的にチェックする体制は採られていなかったことからすると、当該従業員を法人税基本通達2−1−43の「他の者」に当たるとみることはできない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平18.3.23関裁(法)平17-47)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120028
- 裁決年月日
- 平成13年1月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件賠償金は地裁の事情判決を受けた高裁の和解勧告による和解により受領したものであるから非課税である旨主張する。しかしながら、法人税法では、益金の額に算入されないものを列挙しており、本件賠償金は益金不算入となる「別段の定め」又は「資本等取引」に該当しないことから、その額が確定した日の属する事業年度の益金の額に算入される。(平13.1.26高裁(法)平12−28)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110098
- 裁決年月日
- 平成12年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300413050
- 争点
- 4収益の帰属事業年度/13その他の収益/5損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件損害賠償請求権について、本件事業年度の益金の額に算入すべき金額は、請求人が従業員Aから本件事業年度中に受領した本件返済金のみである旨主張するが、不法行為による資産の減少と損害賠償請求権という資産の増加とは同時に発生し、時間的な差異は生ずる余地はないと認められるので、不法行為に基づく損失が当該事業年度において確定し、その額が所得金額の計算上損金の額に算入されるとしても、同時に同額の損害賠償請求権を取得し、当該請求の額を当該事業年度の益金の額に算入することとなり、そして、その損害賠償請求権は、不法行為を行った従業員の無資力その他の事由によってその実現不能が明らかとなったときには、その事業年度の損金として計算することとなる。(平12. 6.12関裁(法)平11-98)
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