裁決要旨 14貸倒損失
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令060008
- 裁決年月日
- 令和7年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が有する債権(本件債権)について、債務者(本件債務者)との間で一定期間内に本件債権の一部を返済すれば、残りの債権は放棄する旨の合意(本件合意)をしたのは、本件債務者の財務諸表に粉飾決算が疑われ、所有財産は競売されていることなどから、本件債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、本件債権の弁済を受けることができない状態が続くと考えたためであり、そうすると、本件債務者が本件合意のとおりに返済したことによる本件債権の放棄額(本件債権放棄額)は、貸倒損失として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件債務者については、本件合意の5事業年度前から毎期資産超過となっていること、また、売上高及び売上総利益は本件合意の3事業年度前と比べると大幅に増加していることに加え、請求人が主張するような、本件債務者が財務諸表を粉飾決算する特段の事情も認められず、競売等の事情も本件合意時までに解消していることなどから、本件債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、本件債権の弁済を受けることができないとは認められず、本件債権放棄額を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(令7. 3.13 仙裁(法)令6-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060001
- 裁決年月日
- 令和6年8月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/4相手方との取引停止等の場合の貸倒れ
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先(本件取引先)に対して、親戚関係や地域性を考慮しつつ、継続的な受注を期待しながら5年以上の長期にわたって複数回の工事(本件各工事)を行っていた上、本件取引先も工事代金の一部を未払いにすることにより請求人との取引を継続する意思を表明していたことから、本件各工事は法人税基本通達9-6-3《一定期間取引停止後弁済がない場合等の貸倒れ》(本件通達)に定める「継続的な取引」に該当し、本件通達の定めに則り貸倒れとして損金経理した本件取引先に対する売掛金(本件売掛金)は、貸倒損失として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、①請求人と本件取引先との間で工事の必要性が継続的にあることを前提とした基本契約書等のやり取りはないこと、②本件取引先が営む事業の内容に照らせば、本件取引先が建物等に関して工事を要する状況になることや特定の時期にそのような状況が発生することが確実であったとは認められないこと、③本件各工事の内容等は様々であり、その工事別に引渡しがされていることなどからすると、請求人が本件取引先から工事を継続的に請け負う関係にあったということはできず、むしろ、請求人と本件取引先は、本件各工事の必要性が生じた都度、工事の受発注と代金の請求を行っていたとみるのが自然である。したがって、本件各工事は本件通達に定める「継続的な取引」に該当せず、本件売掛金は貸倒損失として損金の額に算入されない。(令6. 8.26 関裁(法・諸)令6-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040131
- 裁決年月日
- 令和5年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、学校法人である請求人が外国法人に送金した各金員(本件各金員)は、貸付金に該当し収益事業である金銭貸付業に係る資産であり、当該外国法人が破産手続を申請したことから、貸付金の貸倒損失として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人と当該外国法人との間に本件各金員に係る金銭消費貸借契約が成立したとは認められないことなどから、本件各金員は貸付金とはいえないし、請求人は金銭貸付業を営んでいるとはいえないから、収益事業である金銭貸付業に属する資産には該当しない。したがって、請求人が本件各金員に係る貸倒損失とした金額は収益事業に係る損金の額に算入されない。(令5. 6.14 東裁(法)令4-131)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040037
- 裁決年月日
- 令和4年10月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失の対象とした債権(本件債権)は、①請求人が、請求人と代表取締役が同一であるA社に対する貸付債権の貸金返還請求権、又は、②上記①の貸付債権に係るB社に対する保証債務履行請求権などであり、A社は長期に渡り事実上事業を停止しており回収不能であったところ、B社が解散し清算手続中で、最後の弁済をもって支払能力がなくなり債権全額が回収不能となったことから、貸倒損失を損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、請求人からA社へ金銭を貸し付けた事実を示す具体的な証拠書類の提出がなく、上記①の債権が存在するとは認められない。よって、上記①の貸付債権の成立は認められず、また、当該貸付債権の存在が認められない以上、保証債務の付従性から、上記②の保証債務履行請求権の成立も認められない。したがって、本件債権に係る貸倒損失の額を損金の額に算入することはできない。(令4.10.26 東裁(法)令4-37)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040002
- 裁決年月日
- 令和4年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その有する貸付金(本件貸付金)について、①貸付先の決算書によれば、貸付先は多額の債務超過であるところ、貸付先の決算書には本件貸付金に係る債務が計上されておらず、本件貸付金に係る債務の額を加えると更に悪い状態に陥るから、当該貸付先は実質的に破綻しており、今後の回収の見通しが立たないこと、②本件貸付金の返済期間は常識的には考えられないほど長期であり、全額の回収は不可能であることを理由に、貸倒損失として損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件貸付金の返済が続いていることに加え、本件貸付金を被担保債権とする抵当権が土地等に設定されていることからすると、請求人が貸倒損失を計上した事業年度において本件貸付金の全額が回収できないことが客観的に明らかになったとは認められない。したがって、本件貸付金について貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(令4. 8.24 関裁(法)令4-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020019
- 裁決年月日
- 令和3年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人(本件関連法人)に対する貸付金等(本件金銭債権)の全額を免除したことについて、本件関連法人は債務超過の状態が相当期間継続し、解散後に収益能力を喪失していたため本件金銭債権全額の弁済を受けることができないと認められるから、その債務免除額は貸倒損失として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件関連法人の代表者は架空取引により多額の金員を不法に領得していたところ、請求人が本件金銭債権を回収するために本件関連法人の代表者の支払能力等の把握に努めたということはできないし、同人の支払能力等が全くなかったことなどをある程度合理的に推認させるに足りる立証もされていないため、請求人自ら又は本件関連法人をして当該代表者に対する損害賠償請求を行うなどしていれば本件金銭債権の一部を回収できる可能性があったことは否定できないから、本件金銭債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとは認められず、その債務免除額は貸倒損失として損金の額に算入されない。(令3. 3.17 関裁(法)令2-19)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令020003
- 裁決年月日
- 令和2年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人が有する貸付金債権(本件債権)について、その債務者(本件債務者)に所得がなく、多額の債務超過の状態となっており、また、本件債務者の事情から融資により弁済資金を調達することも不可能であるなど、その回収ができなくなったことは明らかであるから、本件事業年度において本件債権を貸倒損失として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、金銭債権が貸倒損失として本件事業年度の損金の額に算入されるには、その債務者の資産状況及び支払能力等からみて金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかになったことを要するところ、本件債務者は、本件事業年度において、請求人の代表者への貸付けを継続して行い、利息収入を得ていたと認められるほか、その他多数の相手先との間においても金銭のやり取りを行っていたことから、相当程度の資力があったと推認される。そうすると、このことは、当該事業年度において、その全額が回収できないことが客観的に明らかになった場合には該当せず、請求人は、本件債権を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(令2.11.30広裁(法)令2-3)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平300010
- 裁決年月日
- 令和元年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 請求人は、請求人の従業員であった者(本件元従業員)が請求人の仕入れた商品を窃取してインターネットオークションで販売(本件オークション販売)したことによる本件元従業員に対する損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)について、原処分に係る事業年度(本件事業年度)の当時、本件元従業員の支払能力が皆無であったから、貸倒損失として本件事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件事業年度の当時、本件元従業員は請求人から給与収入を得ており、その支払能力が皆無であったとはいえず、請求人は、本件オークション販売の発覚後、遅滞なく本件元従業員に対して損害賠償請求訴訟を提起しており、請求人側において、損害賠償請求をすることのできない事情があったとも認められないから、本件損害賠償請求権について、本件事業年度の損金の額に算入すべき貸倒損失があるとは認められない。(令元.5.16 札裁(法・諸)平30-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300064
- 裁決年月日
- 平成30年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№113
要旨
○ 請求人は、同業者から債務整理事件を引き継ぐとともに当該債務整理事件に係る依頼者からの預り金等(本件債権)を分割払を受けることで合意したが、当該同業者から支払不能である旨の回答があったことから、支払われていない本件債権について貸倒れが発生した旨主張する。しかしながら、請求人の総勘定元帳には、本件債権の額は資産として計上されておらず、また、当事業年度において本件債権の額を貸倒損失として損金経理した旨の記載もなく、本件債権の存在を認めることはできないから、本件債権の額は、貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平30.11.14 東裁(法・諸)平30-64)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平290009
- 裁決年月日
- 平成30年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者(本件債務者)に対する貸付金(本件債権)の放棄(本件債権放棄)について、本件債務者は実態ないし時価による貸借対照表では債務超過の状態であり、その収支状況からも本件債権の回収が不可能な状態であったことから、本件債権放棄の額は貸倒損失として損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件債権放棄の額を貸倒損失として損金の額に算入するためには、本件債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかでなければならないところ、本件債権放棄の時点において、本件債務者は、請求人等からの借入金の返済の猶予が継続する限り、資金繰りがひっ迫し直ちに経営危機に陥るような状況にはなかったと認められ、請求人等が本件債務者に対して本件債権放棄をすることなく、引き続き返済を猶予するなどしながら本件債権の回収を図ったならば、将来的に本件債権の全部ないし一部を回収できる可能性がなかったとはいえず、本件債権放棄の時点において、本件債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであったとは認められないことからすると、本件債権放棄の額は貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平30. 6.22 仙裁(法)平29-9)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290024
- 裁決年月日
- 平成30年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が売上原価として損金の額に算入した土地(本件土地)の取得価額のうち、請求人が本件土地の取得に係る支払債務と相殺した本件土地の売主に対する貸付債権等の額と、原処分庁が認定した本件土地の取得時の時価との差額相当額(本件債権差額)について、売上原価として本件土地を売却した事業年度の損金の額に算入することができないとしても、法人税基本通達9−6−1(金銭債権の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ)の(4)の要件を満たすから、貸倒れとして当該事業年度の損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件土地の売買契約書には、本件債権差額の債務を免除する旨の文言はなく、その他の証拠によっても、請求人が本件債権差額について、債務者に対し、書面をもって債務を免除した事実は認められないから、他の要件を検討するまでもなく、本件債権差額の消滅は、当該通達を適用するための要件を満たさない。したがって、本件債権差額を貸倒損失として当該事業年度の損金の額に算入することはできない。(平30. 6. 1 広裁(法)平29-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280127
- 裁決年月日
- 平成29年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元従業員に対する損害賠償請求権相当額(本件損害賠償請求権相当額)は、元従業員を刑事告訴した日から一般債権の消滅時効期間である10年(民法第167条《債権等の消滅時効》参照)が経過した日において貸倒れになっていたものというべきであるから、当該10年を経過した日を含む事業年度(本件事業年度)の貸倒損失として損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件損害賠償請求権相当額は、本件事業年度以前の事業年度においてその全額が回収できないことが明らかになっていたと認められ、当該本件事業年度以前の事業年度において損金の額に算入すべきであるから、本件損害賠償請求権相当額を本件事業年度の損失として損金の額に算入することはできない。(平29. 5.18 東裁(法)平28-127)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280085
- 裁決年月日
- 平成29年2月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が業務委託の事実がなく請求人の実質経営者に対する貸付金であると認定した金額(本件業務委託費)について、原処分庁は貸付先を事実誤認により認定しており、請求人以外の者に対する国税犯則取締法に基づく犯則調査(本件犯則調査)において認定された貸付先(本件貸付先)が正当な貸付先であるところ、本件貸付先は既に解散しているから、本件業務委託費と同額が貸倒損失として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件業務委託費は、その支出の事実は確認できるものの、役務提供の事実がない支出であると認められることから費用として損金の額に算入することはできず、また、請求人において貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足る立証を行わない限り、事実上その不存在が推定されるものと解するのが相当であるところ、請求人は、本件業務委託費に相当する金額の発生原因、内容、帰属及び回収不能の事実等を立証せず、貸倒損失として損金の額に算入することができるとする事実等が不明であることから、当該金額を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平29. 2. 9 東裁(法)平28-85)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280022
- 裁決年月日
- 平成28年11月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付金債権(本件債権)に係る金銭授受の証拠である領収書(本件領収書)に何ら不自然な点はなく、本件債権の支払請求訴訟において、裁判所から本件債権に係る支払を命ずる決定がされていることからすれば、本件債権の存在は明らかである旨主張する。しかしながら、審判所の調査の結果によれば、本件領収書は信ぴょう性がなく、請求人の代表者の申述も信用できない上、請求人は、当該訴訟を提起するまで本件債権の回収の手立てを講じていなかったことからすれば、本件債権はもとより存在しなかったと認めるのが相当である。(平28.11. 9 大裁(法)平28-22)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平270012
- 裁決年月日
- 平成28年4月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/2債権放棄等の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№103
要旨
○ 原処分庁は、債権放棄に関する請求人と子会社との間の意思について、回収不能額が不確定な状態の下、子会社に対する売掛債権(本件売掛債権)の全額を放棄する旨の内容虚偽の債権放棄声明文(本件声明文)を作成し交付することで子会社の清算を進めることを企図し、その交付後において、子会社の請求人に対する返済不足額として確定した回収不能額を債権放棄する趣旨であることが明らかであるなどとして、本件声明文の交付をもって請求人が本件売掛債権を放棄したとは認められない旨主張する。しかしながら、本件売掛債権の放棄に至る経緯等からすれば、請求人は、子会社を破産させることなく清算する必要から本件売掛債権の全額を放棄したと認めるのが自然であり、本件売掛債権の放棄は、請求人の真意に基づくものといえることから、本件声明文の交付をもって、請求人は、本件売掛債権を有効に放棄したものと認められる。そして、請求人が子会社の清算に伴う損失負担を行う理由は認められないので、本件売掛債権の放棄に経済的合理性があるとはいえず、当該子会社の債務超過が相当期間継続した事実もないことから、本件売掛債権の放棄に係る損失の額は法人税法上の寄附金の額に該当する。(平28. 4.14 広裁(法)平27-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270086
- 裁決年月日
- 平成28年2月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、請求人が個人事業を営む代表者に有していた売掛金(本件債権)の放棄は、代表者が旧賃貸人から賃借していた建物(本件建物)に係る旧賃貸人による本件建物の明渡し等を求めた訴訟についての和解により旧賃貸人が代表者に対して債権放棄を行っている事実からも明らかなように、その時点において本件債権の回収可能性がなく、本件債権の放棄の金額は法人税基本通達9−6−1《金銭債権の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ》の(4)の取扱いにより損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件債権の放棄が行われた事業年度(本件事業年度)末の前後における代表者の収入の状況及び本件事業年度中の代表者からの売掛金の回収の状況を考慮すると、本件債権の全額が回収不能とは認められない。また、本件債権を放棄した事実は認められるが、本件債権の放棄が書面により行われたことを示す証拠がないことからすれば、債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額はないのであるから、本件債権の放棄は同通達の(4)に掲げる事実に該当しない。さらに、法人税基本通達9−6−1の(1)ないし(3)に掲げる事実に関する証拠はなく、これらの事実も認められない。したがって、本件債権の放棄は法人税基本通達9−6−1に定める法律上の貸倒れに該当せず、請求人が本件債権の放棄をしたとして計上した雑損失の金額は、貸倒損失として損金の額に算入されない。そして、本件債権の放棄は、回収不能とはいえない債権を放棄したものであるから、対価なくして経済的価値を有する債権を債権者が任意に処分したものであり、かつ、その行為について通常の経済取引として是認できる合理的な理由が存在するとは認められないから、請求人が本件債権の放棄をしたとして計上した雑損失の金額は、寄附金の額に該当する。(平28. 2. 8 東裁(法)平27-86)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270016
- 裁決年月日
- 平成27年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、A社に振込み等を行った金額(本件金員)はA社に対する貸付金であり、これが回収不能である以上、貸倒損失として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は、A社の経営状態等から金銭を貸し付けても回収は容易ではないことを認識していたにもかかわらず、金銭消費貸借契約書の作成や資金回収のための保全措置を執らないまま振込み等を行い、また、請求人が本件金員が返還約束のある貸付金であるとの主張の根拠としている金銭消費貸借契約書についても、事後的に債権放棄通知書と共にA社に送付され押印されたものであることなどから、振込当時に返還約束を合理的に裏付けるものとはいえない。また、請求人は他に振込み等した時点で返還約束があったことをある程度合理的に推認させるに足りる立証をしておらず、当審判所の調査の結果によっても他にそれをうかがわせる事実の存在も認められないことから、本件金員は貸付金ではなく、これを貸倒損失として損金算入することはできない。(平27.12. 9 名裁(法)平27-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270016
- 裁決年月日
- 平成27年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に振込みした金額(本件金員)の真の債務者はB社であり、B社は破綻して本件金員の回収は不能であるから、A社に対する債権(本件債権)はB社に対する貸倒損失として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は、A社に対する振込みに当たって借用書等を作成しておらず、それが返還約束のある貸付金であったこと自体が疑わしい。また、本件債権が返還約束のある貸付金であったとしても、本件金員は請求人がA社名義の口座に振り込んだこと、A社の代表者の申述によれば本件金員はA社の事業資金として請求人に用立ててもらったものであることなどを総合すれば、本件債権の債務者はA社であるというべきである。そして、A社は事業を継続しており、法的整理手続がされた事実もないことから、本件金員の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとはいえず、本件債権を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平27.12. 9 名裁(法)平27-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270054
- 裁決年月日
- 平成27年11月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連結親法人であり後に破産した債務者であるA社に対し書面により放棄した債権(本件債権)の全額が回収不能であることが客観的に明らかであったか否かについて、A社の子会社であり後に破産したB社の外部金融機関に対する債務をA社が債務保証していたことから、A社も当該債務を同様に負担していたとみるべきであり、本件債権は当該外部金融機関の債権に対して劣後的扱いを受けざるを得ない状況にあったこと、また、請求人の回収可能額は僅かであったことなどを総合的に考慮すると、本件債権は、本件債権の放棄(本件債権放棄)の時点において、その全額が回収不能であることが客観的に明らかであった旨主張する。しかしながら、本件債権放棄による損失の額を損金の額に算入するためには、本件債権について、回収不能の要件と債務超過状態継続の要件のいずれも満たす必要があるところ、本件債権放棄の時までにA社が当該保証債務について履行をする責任を負った事実や当該外部金融機関が本件債権放棄を要請した事実はなく、A社の本件債権放棄の前々日における資産の状況は、同社が本件債権放棄の前日に放棄をした債権の額を除いたとしてもなお1億円超の資産を有していたものと認められ、これらの資産が本件債権放棄の時までに消滅等した事実は認められず、また、本件債権放棄の時において、A社の資産の具体的な処分方針等が決まっていた事実は認められないことからその時点において、本件債権の全額が回収不能であったとは認められない。したがって、債務超過の状態の継続の有無について判断するまでもなく、本件債権放棄は回収不能とはいえない債権を放棄したものであり、本件債権放棄による損失の額は貸倒損失の額に該当せず、対価なくして経済的価値を有する債権を債権者が任意に処分したものであり、その行為について通常の経済取引として是認できる合理的な理由が存在しない限り、寄附金の額に該当し、損金の額に算入されない。(平27.11. 4 東裁(法)平27-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270046
- 裁決年月日
- 平成27年10月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/2債権放棄等の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先から受け取った約束手形で不渡りとなったものに係る債権の一部について、当事業年度において、債務者の債務超過の状態が相当期間継続し回収不能と判断した上で、当該債務者に対して書面通知により債権放棄したのであるから、当事業年度の損金の額に算入したことは相当である旨主張し、原処分庁は、請求人が当該債権について、過年度において、その全額が回収できないことが明らかになったものと認められることから、その明らかになった事業年度において損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該書面通知による意思表示は債務者には到達しておらず債権放棄はその効力が生じていないことから、当該債権の一部は、法律上消滅していないと認められること、また、当該債権について、事実上もその全額が回収できないことが明らかになったと特定することはできないことから、当事業年度の損金の額に算入することはできない。(平27.10. 2 東裁(法)平27-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260128
- 裁決年月日
- 平成27年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その有する金銭債権(本件金銭債権)について、債務者である法人は既に実体がなく、連帯保証人についても所有資産を競売され、その後行方不明となっており、請求人が把握した当該事業年度における連帯保証人の収入状況や年齢をも考慮すると、本件金銭債権については、当該事業年度において、その全額が回収できないことが明らかになった旨主張する。しかしながら、事実上回収不能であることを理由として貸倒処理することは、債務者(連帯保証人を含む。)の資産状況、支払能力等からみて金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかとなり、かつその明らかとなった事業年度に損金経理した場合に限られるところ、請求人は当該事業年度に連帯保証人に対してその資産状況等の確認をとっている状態を継続させていると認められ、本件金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかになったといえる何らかの事実が当該事業年度に両者の間に生じたとは認められないこと、連帯保証人が行方不明である事実が明らかとなったということもできないこと、請求人が把握した連帯保証人の収入状況からは本件金銭債権が全く回収できないことが客観的に明らかとなるものとは認められないことなどからすれば、本件金銭債権については、当該事業年度において、その全額が回収不能であることが客観的に明らかになったとは認められない。(平27. 6.24 東裁(法・諸)平26-128)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260099
- 裁決年月日
- 平成27年5月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人又は個人への貸付けの事実及び当該貸付けに係る貸倒損失(本件貸倒損失)が発生した事実があるにもかかわらず、請求人の代表者が実質的な経営者に確認せずに申告したために簿外となっただけであるから、本件貸倒損失は損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、納税者においては、貸倒損失の内容を熟知し、これに関する証拠も納税者が保持しているのが一般であるから、納税者において貸倒損失となる債権の発生原因、内容、帰属及び回収不能の事実等について具体的に特定して主張し、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行わない限り、事実上その不存在が推定されるものと解するのが相当であるところ、本件貸倒損失について、その前提となる貸付債権の発生及び存在を合理的に推認させる立証が行われておらず、当該貸付債権が存在していたという事実は認められないことから、本件貸倒損失は損金の額に算入されない。(平27. 5. 7 東裁(法)平26-99)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平250022
- 裁決年月日
- 平成26年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失に係る債権(本件債権)は貸借対照表及び総勘定元帳に約20年間継続して整然かつ平穏に記帳してきたのであるから、本件債権が存在していた事実は明らかであるし、本件債権の発生から約20年以上経過していることなどからすると、原処分庁の要求する物的証拠を提示することはむしろ不自然であり、提示できないことが自然である旨主張する。しかしながら、貸倒損失は、所得金額の算定に当たって損金として控除すべきものであり、所得の発生要件事実であるといえるから、その有無が争われる場合には、課税庁において当該貸倒損失の不存在を立証すべきであるが、その不存在の立証には相当の困難を伴う反面、納税者においては、貸倒損失の内容を熟知し、これに関する証拠も保持しているのが一般であるから、納税者において貸倒損失となる債権の発生原因、内容、帰属及び回収不能の事実等について具体的に特定して主張し、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行わない限り、事実上その不存在が推定されるものと解されるところ、請求人は、本件債権の発生原因及び内容については何ら主張しておらず、請求人の代表者や関与税理士の各答述によっても、本件債権の発生原因及び内容等は明らかでなく、本件債権の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行ったとは認められないから、事実上貸倒損失の不存在が推定されるといえる。(平26. 1. 7 名裁(法)平25-22)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平250007
- 裁決年月日
- 平成25年12月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人(A社)に対する貸付金の全額が回収不能であるから、貸倒損失(本件貸倒損失)の計上は認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件貸倒損失は、A社が請求人に支払った営業収益手数料について、原処分庁から寄附金に該当するとして法人税の更正処分等を受けることが明らかになったため、これを回避するために、A社が行っていた業務を請求人を経由して関係法人(B社)に事業譲渡させた上、A社を解散させたことによるものと認められるところ、請求人の代表者はA社の代表者も務めていることから、請求人は、自ら本件貸倒損失が発生するような状況を作出したものというべきであり、このような状況を作出することができたのは、請求人及びA社が同族会社であって代表者を同じくする関係会社同士であったからと認められる。そうすると、同族会社である請求人が行ったこれら一連の行為は、非同族会社間では容易になし得ないような、純経済人として不自然・不合理な行為又は計算に該当するというべきであり、本件貸倒損失を損金の額に算入することにより請求人の所得金額を減少させ法人税の負担を不当に減少させる結果になると認められることから、本件貸倒損失は、法人税法第132条《同族会社等の行為又は計算の否認》第1項第1号の規定により損金の額に算入することはできない。(平25.12.18 仙裁(法)平25-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240050
- 裁決年月日
- 平成24年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者は、不動産、預金及び有価証券は有しておらず、現金は生活費程度のみを有していたにすぎないものであり、また、前代表者の収入は、公的年金収入のみであり、年金債権が差押禁止債権であることからすれば、請求人の前代表者に対する金銭債権はその全額が回収できないことが明らかである旨主張する。しかしながら、①請求人は、前代表者が保有していた株式を現代表者等に贈与したことを容認し、金銭債権の回収の努力をしていたとは認められないこと、②請求人は、短期間での回収が見込めないことを十分に予測できたにも関わらず、前代表者に追加の貸付けを行った結果、前代表者に対する金銭債権の額が累積したものと認められる上、請求人が貸倒損失を計上した本件事業年度末は、当該追加の貸付けが行われてから僅か1年余りしか経過していないこと、③前代表者が請求人を退職した後の収入は公的年金のみであるものの、前代表者は妻と同居し、生計を一にしていると認められ、妻には請求人の関係会社からの給与収入があり、両者のこれらの合計収入は夫婦として生活する上では十分な収入があるということができることに加え、同族会社である請求人においては、家族間において協議し、前代表者に公的年金収入を原資として返済させるなどの合理的な返済計画を立てさせ、分割弁済をさせれば、長期間を要しても、当該金銭債権の一部でも回収を期待できる状態にあったものと認められることを総合勘案すれば、本件事業年度末において、前代表者に対する金銭債権の回収不能の事態が客観的に明らかであったとは認められず、当該金銭債権の全額が回収不能であったということはできない。(平24. 9.12 東裁(法)平24-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230105
- 裁決年月日
- 平成24年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証をしているから、貸倒損失の損金算入が認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、貸倒損失を損金算入した事業年度末までに、債務者である法人の資産状態、支払能力等を客観的に把握していたとはいえない上、貸倒損失の対象とした未収入金額についても回収可能と期待していたことがうかがえるのであるから、当該未収入金額は、請求人にとって、当該事業年度末までにその全額の回収不能が客観的に明らかになっていたと認めることはできず、請求人が当該未収入金額を貸倒損失として当該事業年度の損金の額に算入することはできないというべきである。(平24. 1. 6 東裁(法)平23-105)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平230003
- 裁決年月日
- 平成23年11月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/5損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、金銭債権を貸倒損失とした根拠は、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項第3号の規定で、取引の事実、債権の有無、債務者の倒産又は事業廃止の事実があればよく、破産又は倒産等で回収不可能となった金銭債権を貸倒損失として損金経理することを否定する法令は存在しない旨主張し、更に、貸倒損失の計上時期について法律に定めはなく、金銭債権の回収不能は、債務者側の事情、債権者側の事情も踏まえ判断すべきであり、回収不能と判断された段階で、貸倒損失として損金経理することは正当な処理であると主張する。しかしながら、法律上債権が存在するにも関わらず債務者の資産状況や支払能力等経済的観念から事実上回収不能であることを理由として貸倒処理ができるのは、①金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかであり、かつ、②金銭債権の全額が回収できないことが明らかになった事業年度において損金経理した場合に限られるとしており、この基準は、貸倒損失の計上時期についての判断基準として合理性を有すると解され、一般的な基準として認められている取扱いである。そして、この取扱いは、債務者ごとに資産状況、支払能力等により貸倒れに該当するかどうかを判断するものであり、企業の主観的判断によっていつでも自由に行い得るものではないから、請求人の主張は採用できない。(平23.11.10 沖裁(法・諸)平23-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220196
- 裁決年月日
- 平成23年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人に対する長期貸付金等の額(本件長期貸付金等の額)については、同社が平成17年8月末時点で破産状態にあり、本件貸付金等の全額が回収できないことが客観的に明らかであるから、当該事業年度において貸倒損失として損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件貸付金等の額の大半は、翌事業年度に発生したものであり、また、平成17年8月末において有する貸付金等の額についても、請求人が債務免除したのは平成19年5月であって平成17年8月期においては貸倒損失として計上していないのであるから、当該事業年度において損金の額に算入することはできない。なお、本件貸付金等の額について請求人は、平成19年5月31日付で書面により債務を免除しており、かつ、関連法人は同日付で清算結了し、その時点において金銭債権は消滅しているから、本件貸付金等の額を平成19年8月期の貸倒損失と認定した原処分は相当である。(平23. 4.22 東裁(法・諸)平22-196)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220011
- 裁決年月日
- 平成23年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者が構成員である民法上の組合(本件家主会)に差し入れた保証金及び請求人の代表者が理事の職にある中小企業等協同組合法に基づく協同組合に対する仮払金の本件事業年度末の残高(本件仮払金残高)は、いずれも全額が回収不能であり貸倒れとして損金に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件保証金については、本件家主会の構成員たる請求人の代表者が、請求人から役員報酬を得ていることからすれば、請求人は少なくとも本件保証金の一部分について当該代表者から返還を受けることが可能であると認められる。また、本件仮払金残高は、請求人が当該協同組合に対して平成18年7月から本件事業年度以降も引き続き協同組合に対してほぼ毎月一定額を継続して支出していることは、本件仮払金残高を回収不能と判断した営利法人たる請求人の行為としては極めて不自然かつ不合理であり、請求人は本件仮払金を回収することができると見込んでいたものと認めるのが相当である。したがって、本件保証金及び本件仮払金残高の全額が回収不能であるとはいえない。(平23. 1.24 札裁(法)平22-11)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平220003
- 裁決年月日
- 平成22年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①債務者は本件土地の売却により資産はすべてなくなったこと、②本件土地の担保の解除に応じた理由は、本件土地の鑑定評価額を上回る額を回収できるなら妥当であり、適正な会計処理ができると判断したこと、③金銭債権を長期にわたり回収努力を行ったこと、などから本件事業年度において、本件金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかであるから貸倒れが認められるべきと主張する。しかしながら、債務者は債務超過の状況にあるものの、債務者の本件事業年度において、第三者に対する貸付金が存在する事実が認められ、一般に債権者であれば、債務者の決算書等の作成・提出を求め、資産状況等を確認しながら債権の回収を行うことが常識的な行動であるところ、請求人は、債務者の決算書等を入手していないことから、本件事業年度末において、当該貸付金の存在を把握していなかったと認められ、債務者に当該貸付金が資産として存在する上、請求人においては本件金銭債権を当該貸付金から回収する努力が尽くされておらず、その債務者の資産の状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかであるとは認められず、本件金銭債権を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平22.12.16 沖裁(法)平22-3)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平210005
- 裁決年月日
- 平成21年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件工事未収入金は、本件工事の請負契約締結後、本件工事に係る増減部分が発生し、その金額が同額であるにもかかわらず、施主が減額部分のみがあったと判断した結果、本件事業年度までに支払われなかったため、計上されたものであり、貸倒損失として本件事業年度の損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、法人の有する金銭債権について貸倒損失として法人の損金の額に算入されるためには、その前提として、当該金銭債権が真に存在し、かつ、当該法人に帰属することが明らかであることが必要であり、その立証については、貸倒損失の内容を熟知している被課税者においてこれに関する証拠並びに貸倒損失となる債権の発生原因、内容、帰属及び回収不能の事実等について具体的に特定して主張し、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行わない限り、事実上その不存在が推定されるものと解される。請求人は、本件工事代金がいつ回収され、それにより残余の金額がいくらであるかなど、当審判所に対して、本件工事未収入金の存在をうかがわせるに足りる客観的な証拠等の提出やこれを具体的に特定する立証もしておらず、また、当審判所の調査においてもその存在を認めることはできないことから、本件事業年度において、本件工事未収入金を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平21.12. 7 沖裁(法)平21-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210058
- 裁決年月日
- 平成21年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/5損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各債権は本件事業年度終了の時点で債権の全額が回収できないことが確実であったものであることから、法人税基本通達9−6−2に基づき本件事業年度の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件事業年度において法人税基本通達9−6−2に定める損金経理(法人がその確定した決算において費用又は損失として経理することをいう。)の要件を満たしておらず、また、法人税基本通達9−6−1に掲げる事実があったとは認められない。したがって、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平21.11.13東裁(法)平21-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210034
- 裁決年月日
- 平成21年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人税基本通達9−6−2は、法律上債権が存在するにもかかわらず、事実上回収不能であることを理由として帳簿上これを貸倒処理することができる場合を規定したものであるが、これによれば、貸倒損失として計上できるのは、金銭債権が全額回収不能な場合で、かつ、その債権の全額を貸倒損失として計上した場合に限ると解され、これを本件にあてはめると、請求人が貸倒損失と計上した金額は、本件貸付金の一部であり、その全額を貸倒損失として計上していない。したがって、請求人の計上した本件貸倒損失の額を損金の額に算入することは認められない。(平21.10. 7 東裁(法)平21-34)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200032
- 裁決年月日
- 平成20年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人Mから、同社が売掛債権の支払としてN社から受け取った約束手形の裏書譲渡を受けたが、N社は不渡りを出して倒産したことから、上記手形債権は貸倒損失として、昭和61年3月期の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、法人の各事業年度の所得の金額の計算において、金銭債権の貸倒損失を法人税法第22条3項3号にいう「当該事業年度の損失の額」として当該事業年度の損金の額に算入するためには、当該金銭債権の全額が回収不能であることを要し、かつ、その全額が回収不能であることは客観的に明らかでなければならないと解され、また、貸倒損失の計上時期については、これを納税者の恣意に委ねると、利益操作目的で利用されるおそれがあることから、当該債権の全額が回収不能になった時期の属する事業年度の貸倒損失として損金の額に算入しなければならないと解される。これを本件にみれば、①N社は、Mから商品を仕入れていたが、昭和56年12月30日に不渡りを出して、昭和57年3月11日に破産宣告を受けたこと、②破産手続きにおいて、請求人が上記手形債権を届け出たこと、③請求人は昭和57年12月10日に配当を受けたこと、④そのころ、上記破産につき、破産終結決定がされたこと、⑤請求人はその後N社に対して残債権の支払を請求したことがないことの各事実が認められ、請求人主張の債権は、破産終結決定があった昭和58年3月期までにその金額が回収不能であることが客観的に明らかになったと認められるから、仮に、請求人がMから上記手形債権を譲り受けた事実があったとしても、これを昭和61年3月期の貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平20.12.10 大裁(法)平20-32)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200027
- 裁決年月日
- 平成20年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当該売掛金はK社が経営不振で回収が見込めないのであるから貸倒損失として損金の額に算入すべきである旨主張するが、請求人の主張は、K社が支払を滞りだしたことによるものであり、そのことのみでは、回収不能の事態が客観的に明らかであるとはいえない。また、請求人は当該売掛金の放棄や免除をするなどしておらず、その取立てを断念していないこと、K社に対し、個別執行手続などの法的手続がなされていないこと、K社の資産状況が悪化していたとは認められないことから、本件各事業年度において、当該売掛金が回収不能の事態であったとは認められない。したがって、当該売掛金は、本件各事業年度の貸倒損失として損金の額に算入することはできず、請求人の主張は採用できない。(平20.11.18 大裁(法・諸)平20-27)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190041
- 裁決年月日
- 平成20年5月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/2債権放棄等の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件金額は、本件各和解によって、平成16年1月期において、法人税基本通達9−6−1(3)ロに定める「切り捨てられることとなった」という要件を満たすので、損金の額に算入されるべきである旨主張するが、本件各和解調書によれば、本件各和解における支払の免除は、本件各内金が完済されたときに初めてその効力が発生する停止条件付債務免除であると認められるところ、平成16年1月期において、本件各内金は完済されていないことから、本件各和解の条件は成就していないので、本件金額は、基本通達9−6−1(3)に定める「切り捨てられることとなった部分の金額」に当たらず、他に平成16年1月期において貸倒れが生じたと認めるに足る事実も見当たらないことから、平成16年1月期の損金の額に算入することができない。(平20. 5. 2 関裁(法)平19-41)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平190006
- 裁決年月日
- 平成19年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件売掛債権につき、債務者が事業閉鎖していたことから、貸倒損失として計上したものであり、この処理は正当である旨主張する。しかしながら、①請求人は、本件売掛債権につき、貸倒損失計上後も引き続き請求していること、及び②当該債務者は、その後、商号変更したものの原処分調査時においても事業活動を行っていることが認められることから、本件売掛債権につき、本件貸倒損失計上時に全額回収不能であることが客観的に明らかであったと認めることはできず、請求人の主張は採用できない。(平19.11.19 仙裁(法・諸)平19-6)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180018
- 裁決年月日
- 平成19年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、多額の負債を抱えて閉店廃業した債務者に対する求償債権(保証債務の履行に係る求償債権で一部回収後のもの。以下「本件求償残債権」という。)の全額が回収できないこととなったから、本件求償残債権の全額を貸倒損失として損金の額に算入したことは認められるべきである旨主張する。しかしながら、法人税基本通達9−6−2においては、法律上債権が存在するにもかかわらず、債務者の資産状況等経済的観点から事実上回収不能であることを理由として貸倒処理ができるのは、金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかであり、かつ、金銭債権の全額の回収ができないことが明らかとなった事業年度において損金経理した場合に限られるとしており、当審判所においても、この取扱いは相当と認められる。 これを本件についてみると、本件事業年度末の債務者の資産のうちAに対する出資金は本件事業年度終了後に債務者に全額払い戻されていること、同じくAに対する貸付金は現在も貸し付けられ、債務者がその利息を徴していること、そして、Bに対する出資金については、譲渡制限があるものの譲渡は可能であることが認められることから、債務者は、債務者の資産保有状況に照らして、本件求償残債権の一部について支払能力を有しており、返済資力を喪失しているとはいえない。 また、債務者は、解散登記をしたものの、解散事業年度の確定申告及びその後の清算確定申告がないことなどから、本件事業年度末においては、債権の取立てや債務の弁済等の清算事務の執行途中にあって、債権債務関係の整理がついていない状況にあったものと認められる。 これらのことを総合的に判断すると、本件求償残債権は、本件事業年度末現在においては貸倒れ状態にあったとは認められないから、本件求償残債権の全額を貸倒損失として本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平19. 6. 7 仙裁(法)平18-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180228
- 裁決年月日
- 平成19年4月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が計上した貸倒損失は第三者に対する貸付金に係る損失を正当に計上したものであるから、原処分庁がこれを否認して行った更正処分等は違法である旨主張する。しかしながら、この貸付金については、①請求人が貸付先であると主張する第三者との間で金銭消費貸借契約の締結や担保の設定等がないこと、②帳簿上及び法人税の申告書上、請求人から請求人の代表者に対する貸付金として計上されていたものであることなどから、請求人から請求人の代表者に対して貸し付けられたものと認めるのが相当である。そうすると、請求人は、請求人から請求人の代表者に対する貸付金を、第三者に対する貸付金に振り替えた上で、貸倒損失に計上したものと認められるから、請求人の主張には理由がない。(平19. 4. 9 東裁(法)平18-228)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平170016
- 裁決年月日
- 平成18年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度において貸倒損失として損金の額に算入したA社及びB社の各売掛金(以下「本件金銭債権」という。)について、貸倒れが生じたと認められるから、貸倒損失として本件事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、A社及びB社は、本件調査の時点において存続し、事業活動を継続している法人であり、かつ、破産、強制執行、整理、長期の債務超過等のいずれの状況にもないことが認められる。そうすると、本件事業年度の属する日において、A社及びB社の資産状況、支払能力等の債務者側の事情からみて、本件金銭債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとは認められない。また、債権者側の事情からみて、本件事業年度において、本件金銭債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとは認められず、この点に関する請求人の主張は採用することができない。したがって、本件金銭債権については、本件事業年度において貸倒れが生じたとは認められないから、本件事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することを認めなかった本件法人税更正処分等は適法である。(平18.3.31福裁(法・諸)平17-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170107
- 裁決年月日
- 平成18年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者側であるA社には、①所有する土地につき路線価等自体を時価として純資産額を算定すると連年債務超過であること、②事業不振で事業収入もほとんどないこと、③事業が好転する見込みがなく、保有する土地を売却した場合、A社の倒産は確実であるとの事情があり、他方、請求人側には、④株式上場のためには不良債権である本件立替金の貸倒処理が必須の条件であることとの事情があり、これらを総合判断し、本件立替金は回収不能と判断し貸倒損失処理したものであり、それは妥当である旨主張する。しかしながら、①請求人が主張する路線価等自体による評価は、時価を示している地価公示価格水準と乖離しており、路線価方式等により算定した評価額を基礎に地価公示価格水準に基づき試算し純資産額を算定すると、A社は債務超過の状態にないこと、②請求人は、債権放棄後もA社に対して倉庫の賃借料を支払っていること、③A社は債権放棄直後の事業年度において法人税を納税していること、④A社には事業の閉鎖や廃止という事情が生じていないこと、⑤A社は負債総額におおむね見合う土地を有していることから、本件事業年度において、A社は債務超過の状態にはなく、本件立替金が回収不能であったとは認められないため、本件立替金を貸倒れとして損金の額に算入することはできないから、原処分は相当である。(平18.2.8東裁(法)平17-107)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170035
- 裁決年月日
- 平成17年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の製造子会社が設立直後で信用力がなく、請求人を通じなければ製品の販売ができなかったことから、請求人と商社との業務委託契約に基づいて製造子会社の製品を販売したものである旨主張し、原処分庁は、製品の各ユーザーへの納入は、請求人が行ったものではなく、製造子会社が行ったものであるから、製品の売買取引は存せず、当該製品に係る各ユーザーに対する売掛金は架空のものであるからこれの貸倒損失は認められない旨主張する。しかしながら、商社との業務委託契約及びその売掛金の回収状況等から判断すると、一定期間、商社自身の製造子会社への売掛金の保全のために売掛金の回収業務を商社が受託し、請求人も介在したと認められ、当該売上げの益金算入時期は異なるものの、売掛金は架空のものといえないが、当期末においてM社は稼動中であり、K社は破産手続中であり、かつ、請求人はこれら売掛金の放棄をしていないことから、いずれもその全額が回収できないとは認められないので、本件売掛金を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平17.12.15関裁(法・諸)平17-35)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170030
- 裁決年月日
- 平成17年12月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、AないしDの4社に対する貸倒れを損失に計上(以下「本件各貸倒損失」という。)したのは、いずれも当該各社に対する商品の販売による債権が、当該各社の倒産等により当該債権の回収が困難であるためであり、本件各貸倒損失に係る取引は真実である旨主張する。しかしながら、本件各貸倒損失に係る取引は、①A社については、請求人から当該貸倒損失に係る取引を証明する資料の提出がなく、請求人の帳簿書類に当該取引を売上げに計上した事実も認められず、A社は実質的に請求人が支配している関係会社と認められるところ、A社を利用し架空の取引を計上してA社に対する債権を発生させた、②BないしD社については、当該各社の帳簿書類等では当該貸倒損失に係る各取引の事実は認められないこと及び請求人の帳簿書類に当該各取引に係る売上げが計上されたとは認められず、加えて、請求人から提出された当該各社の各貸倒損失に係る取引の請求書等の資料は、いずれも内容虚偽のものであると認められることから、本件各貸倒損失に係る取引は存在しないと認められる。そうすると、請求人は、本件各貸倒損失に係る取引が存在しないにもかかわらず、当該各社に対する架空の債権を発生させ、請求人の帳簿書類に本件各貸倒損失を仮装して計上したものと認められるので、この点に関する請求人の主張には理由がない。したがって、本件各貸倒損失は、請求人の所得の計算上、損金の額に算入できない。(平17.12.9名裁(法・諸)平17-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170028
- 裁決年月日
- 平成17年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失に計上した政治団体に対する貸付金は、貸付後、相当期間経過し督促するも、返済のめどが立たないこと及び各団体とも長期間にわたり活動していないので、貸倒損失として処理したことに正当性がある旨主張する。しかしながら、①政治団体が活動していること、②政治資金収支報告書に記載されている貸付金は、当該団体においてT個人の選挙活動のために費消されていることなど、同人から返済を受ける可能性がある。したがって、本件貸付金は法人税基本通達9−6−2の金銭債権の回収不能である場合には該当しない。(平17.12.7大裁(法)平17-28)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160017
- 裁決年月日
- 平成16年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する売掛金の放棄は、放棄をした時点で回収可能性のない債権について行ったものであるから、貸倒損失に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人の当該子会社対する売掛金は、特に滞ることなく、順次、請求人に支払われていたこと、②当該子会社は解散するまで事業の閉鎖や廃止をすることなく事業活動を継続していたこと、③当該子会社に対して債権放棄を行ったのは請求人のみであることから、当該子会社が解散するまでは、請求人の当該子会社に対する売掛債権は順次回収されていたことが認められ、当該子会社が解散する時点において、当該子会社に対する請求人の売掛金等が、特段、回収不能の状態にあったとは認められない。そうすると、債権放棄の時点で売掛金が回収不能であったとしても、債権放棄が債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、再起の見通しが立たず、事業を閉鎖あるいは廃止して休業するに至った場合等のように、債権が回収不能の状況にあることが客観的事実により明らかな場合において行われたということはできない。したがって、子会社に対する債権放棄は回収不能な金銭債権の貸倒れに該当するとは認められず、当該債権放棄相当額の経済的な利益を供与したこととなり、請求人の主張には理由がない。(平16.10.29関裁(法・諸)平16-17)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平160006
- 裁決年月日
- 平成16年8月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者が夜逃げ同然に転居し連絡先も不明のため、当該債権は当然に回収不能と認められるから、債権放棄による損失は、貸倒損失に該当する旨主張するが、当該債権放棄の当時の状況についてみると、請求人から当該債権を回収できないことを示す証拠資料の提出がなく、また、債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その債権が回収不能であったとも認められない。なお、債務者は自己都合により通常の転居をしていると認められるから、夜逃げ同然に転居した旨の請求人の主張には理由がない。そうすると、当該債権の放棄は、債務者に対して経済的利益の無償の供与をしたというべきであるから、債権放棄による損失の額は、寄附金の額に該当する。(平16.8.9広裁(法)平16-6)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150025
- 裁決年月日
- 平成16年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失の処理をした本件債権は、代表者に対する仮払金ではなく、取引先法人に対する真正な貸付金である旨主張する。しかしながら、本件債権は、90数回にも及ぶ一時的な小口の貸付であるにもかかわらず、一度も返済されていないこと、金銭消費貸借契約書等を作成しておらず、債権保全の措置をとっていないこと、債権放棄通知書を作成していないことなど、本件債権に対する取扱いが不合理である。また、代表者仮払金のうち本件債権の額を代表者に対する短期貸付金や代表者勘定の科目間で相互に移動(振替処理)したり、本件債権を代表者に対する認定利息の計算の基礎としていることからすると、請求人は、本件債権は代表者に対する貸付金と認識していたとするのが相当である。(平16.6.7熊裁(法)平15-25)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150068
- 裁決年月日
- 平成16年6月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失について連帯保証人の退職時の事情などから法的手段を講じて貸付金の回収をすることができない旨主張するが、請求人は、連帯保証人に対して貸付金の返済を求めていたことが認められ、また、当審判所に対して、連帯保証人から回収不能であることを明らかにする資料を提出せず、同人に請求できない事情等も具体的に説明しないから、請求人の主張には理由がない。(平16.6.4広裁(法・諸)平15-68)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150018
- 裁決年月日
- 平成16年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/5損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が融資会社に支払った金額は、請求人と融資会社との信用保証契約に基づくものであり、また、請求人からの保証金支払請求書に基づいて債務者の破産、行方不明及び債務超過等の事実を確認したものであるから貸倒れの事実はある旨、そして、請求人の経理処理は、保証預り金を減額したといっても、請求人の預金から支払っており、簿外処理でもないことから損金経理をしたものとして、当該事業年度の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、債務者に対する債権について損金経理をしていないこと及び債務者の全額の貸倒損失を処理したものではなく、一部の金額についての貸倒損失を処理したことになるから、法人税基本通達9−6−2の要件を充たさないことは明らかである。加えて、請求人が貸倒損失に該当すると主張する金額に、交渉中や回収中のものまで含まれている事実を踏まえると、請求人において、貸倒損失に該当するか否かについて適正な判断をしたとは認められない。したがって、請求人の主張は、採用することができない。(平16.3.17熊裁(法)平15-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150009
- 裁決年月日
- 平成15年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者が作成したメモは、請求人の取引先に対する債権の回収に係るメモではなく、代表者が個人的に行っていた融資に係るメモであるから、請求人が当該債権の回収を行った事実はなく、当該債権を貸倒処理したことは正当である旨主張する。しかしながら、①当該メモが請求人の事務所内で発見されたこと、②当該メモの「請求総額」の金額が当該取引先に対する債権額に見合うこと、③当該メモには請求人の取引先が振り出した手形及び小切手に係る金額が記載されていること、④当該メモの現金入金額の記載も、当該金額と手形及び小切手の金額とを単純に合計した累積額が記載されていることからみて当該取引先に対する債権の回収に係るものと認められる。したがって、請求人は、当該取引先に対する債権を簿外で回収したものと認められ、原処分は相当である。(平15.7.8東裁(法・諸)平15-9)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150002
- 裁決年月日
- 平成15年7月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失として計上した貸付金は得意先の紹介等で世話になっていたA社からの依頼により貸し付けたものであり、当該貸付金は請求人に帰属する貸付債権である旨主張する。しかしながら、請求人とA社との間で金銭消費貸借契約を取り交わしたと認めるに足る証拠資料はないこと、A社の破産申立書に添付されている債権者一覧表には、本件貸付金の記載がないこと、請求人は債権者として債権届出ができるにもかかわらず、裁判所に対して債権届出書を提出していないことからすると、この貸付債権が存在していたと認めることはできず、これを貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平15.7.3高裁(法)平15-2)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140013
- 裁決年月日
- 平成15年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税基本通達9−6−3を根拠に本件貸付金等を貸倒れ処理することができる旨主張する。しかしながら、同通達は、商品の販売、役務の提供等の営業活動によって発生した売掛債権のうち継続的な取引を行っている債務者に対するものについては、履行遅滞があったからといって直ちに債権確保のための手続をとることが事実上困難であり、債務者の資産状況、支払能力等の悪化を見極めた上で、取引を停止する場合があることから、そのような場合に企業が行う貸倒れ処理に関する取扱いを明らかにしたものであると解されるところ、保証債務の履行金額等である本件貸付金等は、請求人の営業活動によって発生した債権ではないから、同通達の対象外であると解するのが相当であり、請求人の主張は採用できない。(平15.06.10.沖裁(法)平14-13)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140013
- 裁決年月日
- 平成15年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金等について、法人税基本通達9−6−2でいうところの「全額が回収できないことが明らかになった場合」とは破産手続完了のときに限らず、請求人の独自調査によって本件貸付金等のほぼ全額が回収できないことが判明した場合も含まれるべきであると主張する。しかしながら、金銭債権については、法人税法第33条第2項の規定により評価損の計上が禁止されていることにかえりみ、法律上債権が存在するにもかかわらず、事実上回収不能であることを理由として帳簿上これを貸倒れとして処理することができるのは、金銭債権の全額が回収不能である場合でなければならず、また、企業の主観的判断によって債権の回収可能性が左右され貸倒れ処理が利益操作に用いられることのないよう、当該債権の全額が回収不能となった事実が客観的に認知し得た場合に当該回収不能額を貸倒れ処理することが、一般に公正妥当な会計処理の基準に適合するというべきであり、法人税基本通達9−6−2はこのことを定めたものと解される。そうすると、法人税基本通達9−6−2でいうところの「全額が回収できないことが明らかになった場合」とは、当該債権の全額が回収不能となった事実が客観的に認知し得た場合を指すのであるから、本件貸付金等は破産手続完了のときをもって損金の額に算入すると判断した原処分は相当である。(平15.06.10.沖裁(法)平14-13)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140030ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年6月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各貸付金の取引は本件簿価譲渡計画に基づく真実のものであり、請求人が取得し、取立不能が明らかとなったことから、請求人が貸倒処理をしたものである旨主張する。しかしながら、①本件簿価譲渡計画の全貌は請求人グループの代表者のみしか知りえず、また、当該計画が存在したことを証する証拠書類等はないことから、当該計画が存在したとは認められず、②多額の貸倒損失が見込まれる本件各貸付金を簿価で取得しなければならない経済的合理性もないこと及び③本件各貸付金が多額の債権であるにもかかわらず、何らの保全措置を行った事実も認められず、また、本件各貸付金の存在自体が疑わしいことなど、請求人が本件各貸付金を取得した事実があったと認めることはできないから、請求人の主張には理由がない。(平15.06.06.高裁(法)平14-30)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成15年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・450ページ
要旨
○ 請求人は、本件乙債権につき、債務者の死亡及びその相続人等の不存在が平成9年3月期に確認されたから、当該債権が法人税基本通達9−6−1の定める法律的に消滅した債権に該当し、貸倒金として同期の損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、①本件乙債権の債務者には相続人の兄弟姉妹が存在すること及び②債務者の死亡等は民法上の債権の消滅原因に該当せず、それにより当該債権が法律上消滅したことにならないことから、法人税基本通達9−6−1の定めに該当しない。また、同期において、請求人は本件乙債務の債務者が所有する宅地に根抵当権を設定したままであり、さらに、当該債権の連帯保証人は当該債権に係る履行を求められたことが全くない旨答述しているところであり、法人税基本通達9−6−2に定める貸倒れの事実が同期には発生していないと認められる。したがって、本件乙債権を平成9年3月期の貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平15.02.19.仙裁(法)平14-20)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成15年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・450ページ
要旨
○ 請求人は、本件甲債権につき、法律上の債権としては存在するものの、平成9年3月期において、法人税基本通達9−6−2に定める事実上回収不能にある債権に該当することが確認されたから、同期の貸倒金として損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、本件甲債権については、同期において、①請求人が当該債権の債務者所有の山林2筆に根抵当権を設定したままであること及び②当該債権に係る連帯債務者及び連帯保証人は、それぞれ田等を所有していることが認められ、これらの事実によれば、法人税基本通達9−6−2に定める貸倒れの事実が同期には発生していないと認められるため、本件甲債権を平成9年3月期の貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平15.02.19.仙裁(法)平14-20)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成15年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/1回収不能とした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・450ページ
要旨
○ 請求人は、本件丙債権につき、債務者が死亡し、処分できる資産がなく、相続人及び債務の承継者も存在しないことが平成10年3月期に確認されたから、本件丙債権は法人税基本通達9−6−1に定める法律的に消滅した債権に該当し、貸倒金として同期の損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、①債務者の死亡及び相続人不存在は民法上の債権の消滅原因に該当せず、それらにより当該債権が法律上消滅したことにならないこと及び②本件丙債権につき、法令の規定による決定等により、その全部又は一部が切り捨てられた事実並びに請求人が書面により債権放棄及び債務免除の事実はない。また、①請求人は、昭和62年損害賠償請求事件において、原告である請求人の主張として、本件丙債権の債務者は支払不能の状態にあり、回収の見込みがない旨述べていたこと及び②当該債権の債務者は、昭和61年5月に自己破産を裁判所に申立て、同63年11月に完結しているから、本件丙債権については遅くとも平成元年3月期に法人税基本通達9−6−2に定める貸倒れの事実が生じていたと認められるため、本件丙債権を平成10年3月期の貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平15.02.19.仙裁(法)平14-20)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140044
- 裁決年月日
- 平成14年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 貸倒損失は法人税法第22条第3項に規定する「損失」に該当し、所得金額の算定上損金の額に算入すべきものであり、所得の発生要件事実を構成するものであるから、貸倒損失の有無が争われる場合には、所得の一定額の存在を主張する課税庁側において当該貸倒損失の不存在を立証すべきとも考えられるが、貸倒損失は、通常の事業活動によって必然的に発生する必要経費とは異なり、債務者等、相手方の倒産等の特別の事情がない限り生じることのない、いわば特別の経費というべき性質のものである上、貸倒損失の不存在という消極的事実の立証には相当の困難を伴うものである反面、被課税者においては貸倒損失の内容を熟知し、これに関する証拠も被課税者が保持しているのが一般的であるから、貸倒損失の存在を主張する被課税者において貸倒損失となる債権の発生原因、内容、帰属及び回収不能の事実について具体的に特定して主張し、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行わない限り、事実上その不存在が推定されるものと解するのが相当である。(平14.12.12.関裁(法)平14-44)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140044
- 裁決年月日
- 平成14年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に対する貸付が融通手形によるものであったため、やむなく簿外で処理した旨主張するが、その主張自体合理性を有するものとはいえないばかりか、請求人は青色申告の承認を受けた法人であるから、その資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引につき、複式簿記の原則に従い、整然と、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づいて決算を行わなければならないにもかかわらず、上記融通手形に係る取引の一切を帳簿に記載せず、また、契約書及び借用証書その他融資に関する書類等、貸付金の存在を立証する具体的な証拠を何ら提出していないことを考え併せると、A社に対する貸付金が存在しないものと認定されてもやむを得ないものというほかはない。(平14.12.12.関裁(法)平14-44)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130092ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に対する手形貸付は、本件手形が不渡りとなり、A社の所在も不明となっているから、A社に対して債権放棄の法的手続きを行って、本件手形債権について貸倒損失としたのであるため、本件貸倒損失の損金算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が手形貸付をしたとするA社は、法人としての実体がなく、その代表者とされる人物もA社の存在を知らないこと及び請求人はA社に多額な融資を行っているにもかかわらず、A社に対して金銭消費貸借に係る契約書、領収証及び担保物を徴しておらず、信用調査も行っていないことが認められる。さらに、請求人は本件手形債権が回収不能となったとする事業年度に貸倒処理をせず、請求人の保有する土地を売却し、多額な土地売却益が生じた事業年度に本件手形債権に対する債権放棄の法的手続きを行って、本件貸倒損失を計上していることが認められる。そうすると、本件貸倒損失は、実体のない法人に手形貸付を架空計上することによって、本件土地売却益の減殺を目的とした意図的かつ計画的に行われたものと認められるから、本件貸倒損失を認めなかった原処分は適法である。(平14. 6.24名裁(法)平13-92)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130086
- 裁決年月日
- 平成14年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成9年6月30日付で帳簿に受け入れ同日付で貸倒損失に経理した本件貸付金につき、請求人と得意先との取引の関係から生じたものであり、請求人の代表者の個人的な融資ではないから、当該損失は請求人の債権に係るものとして損金の額に算入されるべきである旨主張するが、本件貸付金の原資は代表者らが個人的に手当てした資金であり、融資先から担保として差し入れられた手形は、代表者の妻が記載する手形受払帳で期日管理等がされた上、代表者らの個人預金で取り立てられていることが認められるところ、代表者の平成8年分所得税確定申告書に添付された財産債務明細書には本件貸付金が代表者の債権として記載されており、また、請求人は、上記受入れ処理をするまで、本件貸付金に関する取引を一切その帳簿に記載していないから、本件貸付金は請求人の有する債権には当たらないと解するのが相当であり、したがって、本件貸付金に係る貸倒損失を請求人の所得金額の計算上損金の額に算入することはできない。(平14. 6.13関裁(法)平13-86)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130080
- 裁決年月日
- 平成14年5月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金は請求人のA法人に対する貸付金であり、A法人が解散したことにより回収困難となったため貸倒損失に計上した旨主張する。しかしながら、本件貸付金は、請求人の帳簿書類及び資金の流れ等から判断すると、実際には請求人から請求人の代表者に貸し付け、それをA法人の代表者に貸し付け、さらに、A法人に貸し付けたものと認められること及び本件貸付金は、請求人の代表者から全額返済を受けているのであるから、請求人のA法人に対する貸付金であるとは認められず、貸倒損失を認めなかった本件更正処分は適法である。(平14. 5.21関裁(法)平13-80)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130041
- 裁決年月日
- 平成14年2月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、本件土地の明渡しに関わる裁判上の和解(本件和解)において、自己の有する相手方に対する金銭債権(本件金銭債権)とその明渡しに伴う立退料(本件立退料)を相殺したとされていることにつき、本件債権が本件立退料に転嫁したものであり、それは本件土地の取得価額を構成すると主張する。しかしながら、本件債権については、(1)債務者が破産し、長期間にわたり多額の債務超過にあること、(2)債務者が休業状態で稼働していないこと、(3)本件立退料の対象となる建築物が本件土地上にはなく、本件条項は請求人側の一方的事情に基づく虚構のものと認められること、及び(4)債務者には債務返済のための財産もなく、本件債権に対する担保物もないことが認められる。したがって、請求人が、これらの事実に基づき、法人税基本通達9−6−2を適用して本件債権を貸倒処理したことは妥当と認められるから、原処分は取り消すのが相当である。(平14. 2. 5.名裁(法)平13-41)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120119
- 裁決年月日
- 平成13年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 業種
- 浄化槽の維持管理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、損金の額に算入した仮払金が前代表者の不正により発生した税金であり、同人が負担する旨申し出たため、立て替えて支払ったものであるから同人に対する貸付債権である旨主張する。しかしながら、前代表者が負担する旨を申し出た事実は認められず、請求人が自己の租税を納付し、法人税法上、損金の額に算入できないことから仮払金として経理処理したものと認められる。したがって、本件貸倒損失の対象とした貸付債権は存在していないというべきである。(平13.6.25大裁(法)平12−119)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120054
- 裁決年月日
- 平成13年5月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、決算期において計上した貸倒損失に係る貸付金について、本来、審査請求人の一事業部門の事業遂行のために取得した資産に係る資金を誤って、当該事業部門に対する貸付けとして会計処理していたものであり、当該取得資産を除却した際、その除却損を貸付金の貸倒れとして損金の額に算入した旨主張する。しかしながら、当該貸付金は審査請求人の一事業部門に係るもの、すなわち、内部取引であり、本来、貸付金として資産勘定に計上されるべきものでない上、審査請求人から、資産を取得し、当該資産の除却損についての主張を裏付ける証拠の提出もないから、当該貸倒損失は損金の額に算入できないとした。(平13.5.25広裁(法・諸)平12−54)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120098
- 裁決年月日
- 平成13年4月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/2債権放棄等の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金は合併の際に債権放棄したものであるから貸倒損失を認めるよう主張するが、法法第22条第3項3号、法基通9−6−1及び9−6−2によれば、貸倒れとして損金の額に算入できるのは、債務者の資産状況、支払能力等からみて個々の貸付金の全額を回収できないことが明らかになった場合であり、さらに請求人が明らかに回収できないことについて自らが立証すべきところ、合併の際に債権放棄した旨主張するのみで、当該債権の回収のために、債務者の資産状況、支払能力等について検討したとする事実は見受けられるず、また、その全額が回収できないことが明らかであるとする証拠資料も提出されないことから、本件貸付金の貸倒損失は損金の額に算入することができない。(平13.4.27大裁(法)平12−98)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120085
- 裁決年月日
- 平成13年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社等に対して行った債権放棄について、債務者の弁済能力がないから、貸倒損失として認められるべき旨主張するが、(1)債務者は事業を継続していること、(2)債務者は本件債権放棄時に他の債権者に借入金を返済していること、(3)債権放棄をしたのは請求人のみであり、他の債権者は放棄していないことからみて、請求人が弁済を受けることができなかった状態であったとは認められない。したがって、本件債権放棄は、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入することができないから、請求人の主張には理由がない。(平13.3.22大裁(法)平12−85)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120032
- 裁決年月日
- 平成13年2月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 業種
- 貸金業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 貸金業を営む請求人は、貸倒損失に係る債権は回収できないとして、当該事業年度の損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、請求人が損金の額に算入した貸倒損失に係る債権のうち、(1)その基礎となる債権の存在が認められないものがあること、(2)不渡手形についても、不渡りとなった事実のみをもって直ちに損金の額に算入できるものでないこと、(3)請求人は、貸倒損失に係る債権が回収不能であることについて何も立証しようとしないことから、請求人の主張する貸倒損失を当該事業年度の損金の額に算入することは認められない。(平13.2.19広裁(法・諸)平12−32)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平110047
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付金が事業年度末において、回収不能の状態が客観的に発生していれば貸倒損失となると解すべきであり、法人への本件貸付金については根抵当権を設定しているものの順位が後位であって担保価値がないのは明らかであり、また、個人への本件貸付金については貸付金額が10億円という巨額なものであり、個人にとっては返済不能の借入であるから、いずれも貸倒損失となる旨主張する。しかしながら、法法第33条第2項の規定により金銭債権についての評価損の計上が認められていないところから、法律上債権が存在するにもかかわらず事実上回収不能であることを理由として、貸倒損失として帳簿に計上することができるのは、債権の全額が回収不能である場合に限られると解するのが相当である。法人への本件貸付金については、A市内の土地及び建物に根抵当権を設定しており、平成4年9月期において当該担保物の処分がされていない、また、個人への本件貸付金については、当該個人が平成4年9月期において事業活動をしており、貸付金の全額が回収不能ということはできない。したがって、本件貸付金は、貸倒れとして損金経理をすることはできず、請求人の主張は採用できない。(平12. 6.29福裁(法・諸)平11-47)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110066
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①工事原価等及び土地造成費についてはA、B及びCに対して、実際支払っているから青色申告承認の取り消し処分の取り消し及び重加算税の賦課決定処分の取り消しを求める、②D振り出しの手形が不渡りとなったため貸倒償却として損金の額に算入したものであり、架空計上ではない、③使途秘匿金については、①のとおり支払っており、使途秘匿金は発生は違法である旨主張するが、①Aは工事原価等及び土地造成工事を行なっておらず、また、B及びCが土地造成工事を行なった事実を確認することができず、支払い方法等についての説明もないことから、架空計上と認められるから、青色取消し処分及び重加算税の賦課決定処分は適法である、②貸倒償却については、不渡りとなった手形の提出がなく、その確認もできないことから、貸付債権は存在しないから貸倒償却は認められない、③工事原価等及び土地造成費のうちの一部については請求人の別口口座で取り立てているものの、その後の使途は複雑多岐にわたっており、留保されているのか費消されたのか判然とせず法人がした金銭の支出とは言い難いことから使途秘匿金には該当しない。(平12. 6.27高裁(法・諸)平11-66)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110058
- 裁決年月日
- 平成12年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/2債権放棄等の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件事業年度において完済された債権(以下「本件債権」という。)以外にも債務者に対する貸付金を有しているが、債務者の事業経営は、債務超過の状態が現在に至るまで長期間にわたって継続し債務は増加傾向にあることから、貸付金の回収は極めて困難であること、②債務者に対する貸付金に係る未収利息は、長期間にわたって支払いがないことから、回収は不可能であること、③本件債権に係る未収利息(以下「本件未収利息」という。)を債務免除することを債務者に告げていることから、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人は債務者に対して債務免除した事実を明らかにしている書面を作成していないと認められるから、本件未収利息は消滅したとは認められない。また、請求人は本件未収利息以外の債権を有しており、これら債権については、本件債権が本件事業年度において完済されていることからみても、その全額が、回収できないことが明らかになったとは認められない。したがって、本件未収利息は本件事務年度の貸倒損失に該当せず、損金の額に算入されないこととなる。(平12. 6. 7高裁(法)平11-58)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110089
- 裁決年月日
- 平成12年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者であるT社の状況及び将来性などを勘案して本件債権を放棄した上で貸倒損失として処理したものである旨主張するが、T社は債務超過の状態が相当期間継続しているものの、その金額は同社の資産総額に比較して多額なものとは認められないこと、他の債権者は債権放棄をしていないこと、資産総額の約50%を占めるJ社に対する本件前渡金について、本件訴訟に係る判決前において回収不能と判断すべき理由も認められないこと、T社は本件各事業年度において借入金に係る利息を支払っていることから、請求人が本件債権を放棄した時点において、請求人がT社から本件債権の弁済を受けられないことが客観的に確認できる状態であったと認められることはできない。また、請求人は、本件債権の放棄は、請求人の財務体質の健全化及び信用の回復並びにT社に対する更なる負担の回避を目的として決断したものである旨主張するが、T社には現時点においても解散等の事実はないこと、請求人以外の他の債権者は債権放棄をしていないこと、T社の資産、負債の状態が直ちに請求人の経営危機に結び付く危険性があるとは客観的に認められないこと、その他請求人が本件債権を放棄しなければ、より大きな損失を被り、あるいは異常な状態に立ち至ることとなるような事情があったと認めるに足る証拠はないこと、おって、本件債権の放棄に当たって、T社の再建計画等は存在しないことが明らかであることから、請求人の本件債権の放棄は、T社に対する経済的な利益の供与とみるのが相当であり、寄付金に該当すると認められる。さらに、請求人は、本件債権の放棄にはT社に対する贈与的意思は全くなく、利益を与えるために放棄したものではない旨主張するが、法法第37条第6項に規定する寄付金は、金銭等の資産の無償の供与等がされた場合にその経済的な効果が贈与と同視しうるものであれば足りるのであって、必ずしも贈与の意思を有していることを必要としないと解されるところ、上記Bで判断したとおり、本件債権の放棄は、T社に対する経済的な利益の供与として寄付金に該当すると認められる。(平12. 5.30関裁(法)平11-89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110037
- 裁決年月日
- 平成11年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が100%出資の米国子会社に対して有していた債権の放棄は、法基通9−6−1の要件を満たしているので、当該放棄による損失を貸倒損失として認めるべきである旨主張するが、米国子会社は、本件債権の大部分の返済が可能な資産を有していることが認められるが、事業の廃止等をして、その資産から弁済としたとの事実は認められず、継続して不動産賃貸業を営んでいることからすると、本件債権が回収不能であることが明らかであるとは認められない。(平11.11.29東裁(法)平11-37)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平100016
- 裁決年月日
- 平成11年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先であるA社に対する売掛金(以下「本件債権」という。)の代金として受け取っていた約束手形が不渡りとなり、A社は銀行取引停止処分を受け事実上倒産したことから、本件債権を回収することができなかったので、本件債権については本件事業年度(平成9年3月期)における貸倒損失として損金の額に算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、①A社は、銀行取引停止処分を受けた後は経営状況が悪化していたものの、引き続き営業を継続しており、また、請求人との取引を継続していた事実が認められること、②請求人は、平成9年6月10日に開催した取締役会において、本件債権を全額不良債権として処理する旨を可決し、請求人の代表者は、請求人が当該意思決定をした後の平成9年7月に、本件債権の回収の見込等を確認するために、A社の大口債権者が集って協議した場に出席している事実が認められたこと、③さらに、請求人は、平成9年12月1日に開催した取締役会において本件債権を放棄する旨を決定し、同日、A社に対し本件債務について債権放棄することを通知している事実が認められることから、本件債権についてその回収をすることができないことが明らかになった日は、平成9年12月1日であると認めるのが相当であり、本件債権が本件事業年度においてその全額が回収することができなくなったとは認められないから、当該債権を本件事業年度の貸倒損失として損金の額に算入することはできないと判断するのが相当である。(平11. 3.11仙裁(法)平10-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100050
- 裁決年月日
- 平成10年11月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失として計上したA社に対する貸付金及び固定資産除却損として計上したA社の有価証券は、①請求人の事情をよく知る税理士が請求人に帰属する資産として貸借対照表に計上したこと、②本件各資産の計上の約2年前に請求人の代表者がB社と締結したA社の株式及び経営権の譲渡契約で、A社に対する貸付金の債権放棄及びA社の株式を譲渡しているが、これは当該契約を担当した弁護士の過誤により譲渡人を請求人とすべきを代表者としたものであること、しかも③当該契約は契約代金のほとんどが支払われず代表者が手形代金請求訴訟を提起したが、当事者間で和解が成立し契約は無効となっているため、本件各資産は請求人に帰属し、その損失も請求人が負担すべきである旨主張するが、①A社の貸借対照表からは、請求人に帰属していることを裏付ける証拠はなく、かえって代表者等に帰属する資産と認められること、②当該契約の譲受人の答述によれば、代表者との契約であり、訴訟で契約代金より少ない金額で和解したが、契約は有効であること、③当該契約の譲渡代金のうち決済された手形が代表者及びその母の個人預金で取立てられていること、④手形代金請求訴訟の代表者の担当弁護士の答述によれば、当該和解は、譲渡代金の争いを精算するためのもので当該契約を無効とするものではないこと及び⑤担当税理士の答述によれば、この間の事情を詳しく知っていたとは認められないこと等の事実が認められるから、本件各資産は請求人に帰属するとは認められない。(平10.11.20東裁(法・諸)平10-50)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平090011
- 裁決年月日
- 平成10年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関連会社の増資に当たり払い込んだ過大払込金について、当該関連会社が資本欠損で請求人の多額な貸付金が回収不能の状況にあったので、その債務を免除するために行ったものであるから、本件過大払込金相当額は貸倒損失として損金算入されるべきである旨主張する。しかしながら、貸倒損失として損金に算入するためには、債務者の資産状況、支払能力等から貸付金等の回収が不可能であることがその事業年度に明らかになったことを要するところ、本件関連会社は債務超過の状態が相当期間継続していることが認められるものの、(1)同社は継続して事業活動を展開しており、(2)請求人以外の債権者が貸金等の放棄をした事実もなく、(3)同社は当該事業年度及び翌事業年度において、債務の返済や新たな融資を受けている事実が認められることからして、本件増資の時期である本件事業年度において、請求人の同社に対する貸金等が同社の資産状況、支払能力等から回収が不可能であることが明らかになった場合に該当すると認定することはできない。したがって、過大払込金相当額については、書面により明らかにされた債務免除額が存するか否かを判断するまでもなく、貸倒損失として損金算入はできない。(平10. 6.25金裁(法)平 9-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090062
- 裁決年月日
- 平成10年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社は事実上破産状態にあり、A社に対する貸付金の放棄時においても本件貸付金の回収は不可能であったことから、本件債権放棄額は貸倒損失とすべき旨主張する。しかしながら、貸金等が回収不能であるとして貸倒損失が認められるためには、その債務者の資産状況等からみてその全額が回収できないことが明らかになったことが必要であるところ、A社は債務超過の状態が相当期間継続している状況は認められるものの、債務超過の額は資産の額に比較して少額であり、その貸付金の弁済を受けることができないとは認められないことから、請求人の主張は採用できない。(平10. 2.19関裁(法)平 9-62)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080032
- 裁決年月日
- 平成8年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒れとなる本件立替金は架空なものではない旨主張するが、(1)本件立替金の支払先が当該金銭を受領していない旨答述していること、(2)本件立替金に係る領収証は請求人の元従業員が作成したものであること、(3)本件立替金以外の立替金はおおむね支払先の預金口座に振り込まれていること、(4)本件立替金の支払資金の一部が請求人代表者の個人的な借入金の返済に充てられていることからすれば、本件立替金は架空の立替金と認められる。(平 8.10.31広裁(法)平 8-32)
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