裁決要旨 2過大報酬の判定
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040001
- 裁決年月日
- 令和4年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№128
要旨
○ 原処分庁は、各取締役が受けるべき報酬の割当額の決定を一任された代表取締役が作成した「取締役の報酬金額に対する決定書」(本件決定書)に記載された報酬金額は、法人税法施行令(令和3年政令第39号による改正前のもの。)第70条《過大な役員給与の額》第1号ロの「金銭の額の限度額」(形式基準限度額)に当たり、法人税法上の使用人兼務役員に該当しない取締役(本件取締役)に対しこれを超えて支給された金額は、不相当に高額な役員給与である旨主張する。しかしながら、当該代表取締役は、本件取締役に対する役員給与について、取締役分と使用人分を勘案した上で、その合計額を支給額として決定したと認められ、本件決定書に記載された金額は本件取締役に対する給与の額の積算根拠にすぎず、本件取締役の給与に係る形式基準限度額とは認められない。(令4. 7. 1 仙裁(法)令4-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010057
- 裁決年月日
- 令和2年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人の役員(本件役員)の職務は、同業種の法人の取締役として一般的に想定される職務の範囲を超えており、通常では考え難い個人換算所得を実現しているから、本件役員に支給した給与(本件役員給与)には、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項に規定する不相当に高額な部分の金額はない旨、そして、原処分庁の類似法人の選定基準は、請求人の業種認定を誤るものであり、売上高倍半基準を用いたこと及び、選定範囲を同一県内としたことに合理性はないし、原処分庁が本件役員の適正給与額を算定する際に用いた算式(本件算式)は、不合理な算式であるから、これらに基づいて行われた原処分は違法又は不当である旨主張する。しかしながら、本件役員の職務は、一般的に想定される役員の職務の範囲内であると認められ、請求人の収益の状況の推移等に相反する高額な給与を支給すべき特別な事情も見当たらず、また、原処分庁が用いた類似法人の選定基準は、事業区分の判定、事業規模の判断(売上高倍半基準を用いたこと)及び選定範囲(同一県内としたこと)のいずれにおいても合理性があり、さらに、原処分庁が、請求人と類似法人との間に存する収益の状況等の偏差を調整するために、本件算式において用いた勘案要素も合理的であると認められる。(令2.5.29大裁(法)令元-57)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和元年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表取締役(本件代表者)に支給した役員給与(本件役員給与)の額に、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項に規定する「不相当に高額な部分の金額」があるとした原処分について、①請求人の事業遂行が本件代表者の類まれな経営者としての資質・行動力に基づくものであり、その職務の対価として本件役員給与が支給された旨、②請求人の事業は新しい事業であり、請求人と同じような企業及び経営者は存在せず、また、仮に同業類似法人が存在するとしても、原処分庁により同業類似法人として抽出された法人は抽出件数が少ない旨、③原処分庁が同業類似法人として抽出した法人は、請求人の売上総利益率と大きく乖離しており比較すべきでない旨主張する。しかしながら、本件代表者の職務内容から特別に高額な役員給与を支給すべきものとは評価し難く、原処分庁が採用した同業類似法人の抽出方法は合理的なものといえ、審判所が抽出した法人は同業類似法人として相応と認められる。また、審判所が認定した役員給与としての相当額は、同業類似法人における売上金額及び売上総利益の額の平均額に対する請求人の額の割合を考慮したものであり、これにより売上総利益率の差異は可及的に捨像されるといえるから、これを大きく上回る本件役員給与の額は、不相当に高額な金額があるというべきである。(令元. 9.11 仙裁(法)令元-4)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280039
- 裁決年月日
- 平成29年4月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№107
要旨
○ 原処分庁は、請求人の同業類似法人における代表者に対する役員給与の最高額と比較すると、請求人の代表取締役(本件代表者)に対する役員給与(本件役員給与)の額は、極めて高額であり、明らかに不相当に高額な部分があるから、当該最高額を本件代表者に対する役員給与相当額とし、本件役員給与の額のうち役員給与相当額を超える部分の金額は、不相当に高額な部分の金額として損金の額に算入されない旨主張し、請求人は、本件代表者の職務は格別であり、原処分庁が採用した同業類似法人の抽出基準は合理性を有するものではないから、本件役員給与の額について不相当に高額な部分の金額はない旨主張する。しかしながら、審判所の調査の結果、本件代表者の職務の内容が特別に高額な役員給与を支給すべきほどのものとは評価し難く、原処分庁が採用した同業類似法人の抽出基準は合理性があるものと認められる。そして、本件代表者の職務内容に大きな変化はなく、請求人の収益の状況及び使用人給与の支給状況もおおむね一定であるところ、本件役員給与の額は同業類似法人の代表者に対する役員給与の額の最高額を上回るものであり、しかも当該最高額を支給する法人は、請求人よりも相当に経営状況が良好と評価される点を鑑みれば、本件役員給与の額のうち当該最高額を超える部分の金額は不相当に高額な部分の金額であるといえる。ただし、原処分庁が抽出した同業類似法人の中に、請求人とは業種の異なる法人が認められることから、同社を同業類似法人から除外した上で役員給与相当額を算定し、不相当に高額な部分の金額として損金の額に算入されない金額を計算すると、原処分の額を下回ることから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平29. 4.25 関裁(法)平28-39)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260002
- 裁決年月日
- 平成26年7月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の監査役(本件監査役)に対する給与(本件役員給与)の額に法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項に規定する「不相当に高額な部分の金額」があるとした原処分について、本件監査役は実質的に取締役と同様の職責を担っており、本件役員給与は取締役の給与として判断されるべきであるが、原処分庁による「不相当に高額な部分の金額」の算定においては、比較の対象とした請求人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するもの(類似法人)の取締役に対する役員給与支給額が考慮されておらず、本件監査役の職務の実態を無視して認定された旨主張する。しかしながら、会社法第335条《監査役の資格等》第2項の規定が、監査役が取締役と兼務することを禁止していることからすると、本件役員給与の額に「不相当に高額な部分の金額」があるか否かの判断において、本件監査役のその職務に対する対価として相当であると認められる金額(適正役員給与額)は、監査役が担う職責のみから判断されるべきであり、本件役員給与の額は、本件監査役の職務の内容、請求人の収益の状況、類似法人の監査役に対する給与の支給状況に照らし不相当に高額な部分の金額があると認められる。(平26. 7.29 関裁(法)平26-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240056
- 裁決年月日
- 平成25年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の理事長(本件理事長)に対する役員給与の額は、本件理事長の職務内容及び請求人の業績に対する貢献に見合った範囲内の金額であるから、不相当に高額な部分の金額はない旨、また、原処分庁が比較の対象とした類似法人の抽出には合理性がない旨主張する。しかしながら、①本件理事長の職務の内容は請求人に固有のものとまでは言えないこと、②本件理事長の役員給与の額は請求人の収益の額及び使用人の給与支給額の各伸び率等に比して高い伸び率を示していること、及び③類似法人の役員給与平均額と比較しても4.7倍から6.5倍と大幅に上回っていることを総合勘案すると、本件理事長の役員給与の額には不相当に高額な部分があることは明らかというべきである。また、原処分庁の類似法人の選定方法は、①業種目の選定、②抽出地域、及び③事業規模の範囲(収入金額の倍半基準)のいずれの観点からも合理性が認められることから、請求人の主張には理由がない。(平25. 6.11 関裁(法)平24-56)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各役員は、原処分庁が抽出した同業類似法人(本件同業類似法人)のどの役員よりも秀でた、最高に優秀な経営者であるから、本件同業類似法人の役員給与の最高額を当てはめるのは違法である旨主張する。しかしながら、役員の職務に対する対価として相当であると認められる金額の算定上、類似法人の抽出については、給与額の比較のための資料であり、業種、業態、規模、収益状況等ができるだけ当該法人と類似するものであることが望ましいとされるが、経営能力の類似性まで求めているものではない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同業類似法人の抽出に関し、原処分庁が、その抽出範囲を原処分庁の管内及び隣接する国税局の管内に限定し、その他の地域を考慮しないことは違法である旨主張する。しかしながら、類似同業者の抽出は、請求人との類似性を担保するため、請求人の所在地域を対象範囲とすることが望ましいが、当該所在地域に類似同業者が存在しないか数量的に少ない場合は、当該類似同業者の個別の特殊事情が反映され相当とはいえず、近接地域も抽出の対象範囲とすることが相当であり、原処分庁が原処分庁の管内及び隣接する国税局管内から類似同業者を抽出したのは不合理とは認められない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売上高倍半基準は、原価逓減を反映することなく、法人を捨象するため、適切な類似法人を抽出できず、法令上何ら根拠のない抽出基準であり、法人税法施行令第4条の3《適格組織再編成における株式の保有関係等》第4項第2号において、事業規模類似要件として5倍基準を採用している以上、明文にない売上高倍半基準を採用することは違法・不当である旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第4条の3第4項第2号の規定は、適格組織再編成に該当するか否かに関し、売上金額等が5倍を超えない範囲内の合併であるならば、合併の際の資産移動につき特に譲渡としての課税関係を生じさせない旨を定めたものであり、過大役員給与の額を算定する際の類似同業者を抽出する基準と直接に関係する定めではない。また、過大役員給与の額の算定に際しての類似規模という観点からすると、売上高倍半基準自体は類似規模の法人を抽出する基準として一定の合理性があるといえ、規模を拡大することは、類似性が薄れることにもなり適当ではない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員給与の相当性の判断においては、法人税法施行令第70条《過大な役員給与の額》第1号イの文言のとおり、①当該役員の職務の内容、②その法人の収益及びその使用人に対する給与の支給状況、③その法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員給与の支給状況等の順序で判断すべきであり、劣後する③を最重点の要素として判断することは違法である旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第70条第1号イの規定は、上記①ないし③の要素等を総合的に勘案して判定するものと解され、法令の文言の順序により、優先、劣後が定まるものではない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の代表取締役及び取締役の職務に対する役員給与として相当とする額(適正給与額)の算定に当たり、請求人と同業種で売上金額が倍半基準内にある法人(同業類似法人)の代表取締役及び取締役に対して支給した役員給与の最高額を適正給与額とした。しかしながら、当該最高額をもって適正給与額とすることは、当該役員給与を支給した法人の特殊事情が反映されるから相当とはいえず、また、同業類似法人の中に、たまたま不相当に高額な部分の金額が含まれた役員給与を支給しているものがあったときは明らかに不合理な結論となることから、代表取締役及び取締役に対して支給した役員給与の最高額の平均額をもって適正給与額とすることが、これら同業類似法人に通常存在する差異やその個々の特殊事情等が可及的に捨象されるので、合理的かつ客観的であるというべきである。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、企業の私的自治への介入は謙抑的である必要があるから、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項及び法人税法施行令第70条《過大な役員給与の額》第1号イの適用が許されるのは、役員給与の支給によって法人の維持・発展が阻害される場合に限られる旨主張する。しかしながら、法人税法第34条の規定は、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項の「別段の定め」に該当する規定であって、その趣旨は、法人段階において損金算入される役員給与の範囲を職務執行の対価として相当とされる範囲に限定しようとするものであり、その適用について、法人の適正な維持・発展が阻害される場合に限られる旨の規定もない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240011
- 裁決年月日
- 平成24年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人の経営する飲食店の一部の店舗につき収入金額及び経費を所得金額の計算に含めず法人税の申告をしていたとして当該店舗に係る損益を再計算した上で、除外した利益の一部を代表者に対する役員給与として認定した額(本件役員給与認定額)は事実を隠ぺい又は仮装して支給したもので損金の額に算入されないとして法人税の更正処分をしたのに対し、本件役員給与認定額は、推定の計算により算出されており合理性がなく、隠ぺいし又は仮装により支給した役員給与には当たらないから法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項第1号の定期同額給与に該当して損金の額に算入されるべきである旨主張し、また、請求人代表者の妻である取締役(本件取締役)名義の住宅ローン返済に充てられた金員は、同人に対する定期同額給与として損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、代表者及び本件取締役の答述等や預金口座の入出金の状況などからすれば、本件役員給与認定額は、当該店舗の収益を除外した資金の中から支出されたものと認められるところ、かかる事実からすれば、請求人が役員給与支給の事実を隠匿等していたことは明白であるから、本件役員給与認定額については、その全額が事実を隠ぺい又は仮装して代表者に支給された役員給与とみるのが相当である。また、本件取締役の生計は、請求人代表者から支出された金員で賄われており、本件取締役名義の住宅ローンの返済に充てられた金員の中に、請求人が本件取締役に対して支給したものがあると認めることはできないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平24.11. 1 関裁(法・諸)平24-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240046
- 裁決年月日
- 平成24年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、元代表取締役の職務に対する役員給与として相当とする額を、請求人と同業種で売上金額が倍半基準内にある法人(類似法人)の非常勤取締役に対する給与のうち最高額をもって相当額とした。しかしながら、当該最高額をもって適正給与額とすることは類似法人の中にたまたま高額な役員給与を支給しているものがあったときには不合理な結論となるから、類似法人の非常勤取締役に対して支給された役員給与の最高額の平均額をもって適正給与額とすることが、これら類似法人に通常存在する差異やその個々の特殊事情等が可及的に捨象されるので、合理的かつ客観的であると認められる。(平24. 9. 3 東裁(法・諸)平24-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240046
- 裁決年月日
- 平成24年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は、請求人の元代表取締役に対する適正給与額の算出に当り、法人税法施行令第70条《過大な役員給与の額》第1号イの①役員の職務の内容、②その法人の収益、③使用人に対する給料の支給状況、④類似法人の役員給与の支給状況のうち、①ないし③の本来重視すべき基準を全く考慮せず④だけを取り上げて判断し、その際、高収益な事業を行っている請求人と類似する法人とを比較したかどうかが不明であるから、原処分庁の判断には裁量判断の方法ないしその過程に誤りがあり違法である旨主張する。しかしながら、元代表取締役は、日常的に取締役として請求人の業務に従事していたとは認められず、いわゆる非常勤取締役に該当し、また、請求人の売上げについて積極的な役割を果たしたとは認められないから、請求人の収益の状況を基準とすることは相当ではない。さらに、請求人には設立以後、使用人はいなかったのであり、使用人に対する給与の支給の状況を基準とすることもできないのであるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。そして、原処分庁が請求人の類似法人の抽出基準とした業種は合理性があり、また、請求人と事業規模の近似した同業者を抽出するために、いわゆる倍半基準内にある法人を選定したことは相当と認められるから、類似法人の抽出は適正に行われていたといえ、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平24. 9. 3 東裁(法・諸)平24-46)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240001
- 裁決年月日
- 平成24年7月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の役員に支給された給与の額が、請求人の納税地を管轄する税務署及び隣接する税務署の管内に納税地を有し、請求人と同規模同業種である法人の役員の中から抽出した請求人の役員と職務内容が類似すると思われる同等の地位にある者の給与の平均額を超えることから、当該超える金額は法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項に規定する不相当に高額な部分の金額に当たる旨主張する。しかしながら、原処分庁の類似法人の抽出方法は、請求人の所轄税務署に隣接する複数の税務署のうち、一つの税務署管内の法人を抽出しておらず、そのことに合理的理由は認められない。そこで、当審判所において、類似法人を抽出し直し、当該類似法人における対象役員の平均給与額を算定したところ、当該平均給与額は請求人の役員の給与の額を上回ったことから、請求人の役員に支給された給与の額に不相当に高額な部分の金額はない。(平24. 7. 4 関裁(法・諸)平24-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230077
- 裁決年月日
- 平成23年11月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表取締役の長男は常勤の取締役であり、また、原処分庁が類似法人の抽出において認定した業種には誤りがあるから、同人の役員給与の額に不相当に高額な部分の金額があるとする原処分は違法である旨主張する。しかしながら、関係者の答述等からすると、同人の職務の内容は、必要に応じて代表取締役に助言等を行うにとどまるものであり、日常的に請求人の職務に従事していない、いわゆる非常勤の取締役に該当すると認められる。また、請求人が行っている器具の販売や資格養成の実態からみると、請求人の行う業務は資格養成事業を主とするものであると認められるところ、実質基準に係る金額の算定上、類似法人の抽出については、客観的に相当な給与額を算定するための一資料として用いられるにすぎないものであることからすれば、その類似性は厳密なものでなくとも資料としての意義は失われないから、原処分庁がその範囲を拡大して類似法人を抽出したことは不合理とはいえない。なお、原処分庁が選定した類似法人には請求人の類似法人とすることは相当でない業態の法人が含まれているから、これを除外して適正給与額の算定を行うべきであり、また、原処分庁は、適正給与額を算定するために類似法人における非常勤役員に対する給与の最高額を採用しているが、その平均額をもって適正給与額とすることが相当であると認められるから、これに基づき当審判所が適正給与額を算出すると、代表取締役の長男に対して支給した役員給与の額のうち不相当に高額な部分として認められる金額は、原処分庁が主張する額を上回ることとなるから、原処分は適法である。(平23.11.18 東裁(法・諸)平23-77)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230078
- 裁決年月日
- 平成23年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表取締役の長女は常勤の取締役であり、また、原処分庁が類似法人の抽出において認定した業種には誤りがあるから、同人の役員給与の額に不相当に高額な部分の金額があるとする原処分は違法である旨主張する。しかしながら、関係者の答述等からすると、同人の職務の内容は、必要に応じて代表取締役に助言等を行うにとどまるものであり、日常的に請求人の職務に従事していない、いわゆる非常勤の取締役に該当すると認められる。また、請求人が行う業務は、資格指導養成事業を営む関連法人の当該業務に係る管理補助的活動を行うことに該当すると認められるところ、実質基準に係る金額の算定上、類似法人の抽出については、客観的に相当な給与額を算定するための一資料として用いられるにすぎないものであることからすれば、その類似性は厳密なものでなくとも資料としての意義は失われないから、原処分庁がその範囲を拡大して類似法人を抽出したことは不合理とはいえない。なお、原処分庁は、適正給与額を算定するために、類似法人における非常勤役員に対する給与の最高額を採用しているが、その平均額をもって適正給与額とすることが相当であると認められるから、これに基づき当審判所が適正給与額を算定すると、代表取締役の長女に対して支給した役員給与の額のうち不相当に高額な部分として認められる金額は、原処分庁が主張する額を上回ることとなるから、原処分は適法である。(平23.11.18 東裁(法・諸)平23-78)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200024
- 裁決年月日
- 平成21年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件役員給与を過大とする原処分は、①適正な役員給与額を算定するに当たり、役員及び使用人に対する給与を基準としてその伸び率を実質基準の判断要素としているが、これらの、伸び率を実質基準の判断要素とすることは不当である、②役員給与につき、請求人の売上高、売上総利益及び使用人に対する給与の伸び率に比して役員給与の伸び率が極めて高いとしているが、「営業利益」と、役員給与の伸び率を比較する方が合理的である、③類似法人の代表取締役に対する役員給与の最高支給額を実質基準の金額として採用しているが、ただ単に類似法人の最高支給額を採用することは違法である旨主張する。しかしながら、営業利益が収益力を現すものであるとしても、本件においては、必ずしも営業利益が適正役員給与額を判断する際に適した基準とはいえず、実質基準の判断要素として営業利益の伸び率を判断基準とすべきであるとの請求人の主張は採用できない。また、法人税法施行令第70条第1号に規定される過大役員給与の一つの判断要素をもって検討したことを違法であるといえないことはもとより、本件類似法人の平均役員給与額を採用して過大役員給与額を算出することも可能であったところ、請求人に有利となる本件類似法人の役員給与最高額をもって判断しており、これをもって違法であるということは到底いえず、ただ単に本件類似法人の最高額を採用することは違法であるとの請求人の主張は理由がない。(平21. 6.29 高裁(法)平20-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200072
- 裁決年月日
- 平成21年6月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の役員の申述は、原処分に係る調査を担当した職員によって、原処分庁にとり都合のよい内容を半ば強制的に署名等させられたものであり、甲2、甲3、甲4及び乙2(以下「甲2ら」という。)が請求人の役員として従事した事実はあるから、その役員報酬として計上した額は適正である旨主張する。しかしながら、請求人の代表者甲1、甲3、甲4及び乙2の各申述は、請求人の役員としての勤務事実がないという主要な点で共通性が認められ、各申述書への署名、押印にも本件調査担当職員による強制を疑わせるような様子はうかがわれず、内容的にも不自然な点はないことから信用することができ、これらの申述からすると、甲2、甲4及び乙2は、請求人において役員報酬が支払われた平成14年7月1日から平成16年2月29日までの間は請求人の役員の職務に従事した事実は認められず、また、甲3についても、平成15年2月28日から平成16年2月29日までの間は、請求人の役員の職務に従事した事実は認められない。そして、請求人が甲2らの役員報酬として計上した額のうち、一部の額は、いずれも同人らの役員就任前の期間に対応するものであり、かつ、甲2らの請求人の役員就任前に請求人と同人らとの間で雇用契約が締結されていた事実がうかがわれる資料もないことから、請求人が支払うべき債務がないのに支払ったこととして計上していた架空の役員報酬であると認められ、また、それぞれの期間における甲2らの請求人の役員としての役務提供の対価の適正額は零円と認定することが相当であるから、請求人が甲2らに対する役員報酬として計上した上記各期間に係る金額は、いずれも不相当に高額な部分の金額に該当することとなる。そうすると、請求人が甲2らに対する役員報酬として計上した額は、いずれも請求人の役員として従事した事実に基づく適正な額とはいえず、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平21. 6.22 名裁(法・諸)平20-72)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200009
- 裁決年月日
- 平成20年11月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№76・285ページ
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者の妻で取締役である役員Hは、請求人の重要な職務に常に従事し、請求人の業績に多大な貢献をしており、常勤役員に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人の役員Hの職務内容及び役員報酬の支給状況、②請求人の売上高及び収益の状況、③請求人の使用人に対する給料の支給状況、④類似法人の役員報酬の支給状況等を勘案すると、請求人の役員Hは、特に重要な職務には従事しておらず、その従事日数も1か月のうち2日から3日と職務の従事程度が低いにもかかわらず、本件役員報酬額は、請求人の売上高及び収益並びに使用人給与に比し相当高い伸び率を示しており、さらに、類似法人の平均役員報酬額に比しても極めて高額であることから、類似法人の平均役員報酬額を超える金額は、法人税法第34条第1項に規定する「不相当に高額な部分の金額」に該当する。したがって、原処分は適法である。(平20.11.14 熊裁(法)平20-9)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200002
- 裁決年月日
- 平成20年7月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の代表者の義兄及び姉(以下、「本件理事等」という。)に支給した報酬の額(以下「本件役員報酬額」という。)について、本件理事等の勤務実態は非常勤理事等であるから、選定した類似法人(以下「本件類似法人」という。)に係る非常勤理事等の報酬の額から算定した本件適正報酬額を超えて支給された報酬額は、法人税法第34条第1項に規定する「不相当に高額な部分の金額」に当たり、損金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、類似法人の選定に当たり、請求人の業種、業態からみて、介護老人保健施設を主体的に運営し、内科診療所を併設する医療法人を選定するのが相当であるところ、本件類似法人は内科を診療科目とする医療法人で、介護老人保健施設を有していないことから、事業内容について請求人と類似するものとは認められない。そこで、当審判所において、改めて類似法人を選定し、その類似法人の非常勤理事等に対する役員報酬の平均額を適正報酬額として、本件役員報酬額が当該適正報酬額を超える金額を「不相当に高額な部分の金額」と認定したところ、当該超える金額は原処分の損金不算入額を下回るから、原処分はその一部を取り消すのが相当である。 (平20. 7.31 熊裁(法)平20-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190031
- 裁決年月日
- 平成20年3月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株主総会から役員ごとの支給額の決定を一任された本件取締役会の決議には強制力があるから、本件取締役会で決議した役員ごとの支給額(以下「本件取締役会決議額」という。)を形式基準限度額として、役員ごとに過大役員報酬額を判定すべきである旨主張する。しかしながら、本件取締役会決議額の合計額は株主総会で決議された役員報酬の総額を超えており、その支給限度額が個々の役員ごとに定められている場合には当たらない。したがって、支給限度額が総額で定められている場合として判定することとなるので、本件取締役会決議額を形式基準限度額とすることはできない。(平20. 3. 4 関裁(法)平19-31)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190031
- 裁決年月日
- 平成20年3月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成16年4月期から平成18年4月期までの各事業年度(以下「本件各事業年度」という。)における役員報酬の支給限度額に関する株主総会の決議はされておらず、平成13年6月開催の株主総会(以下「本件株主総会」という。)において決議した役員報酬の総額(以下「本件株主総会決議額」という。)を形式基準限度額とすることはできないから、過大役員報酬額の算定に当たっては、形式基準を適用できず、実質基準を適用すべきであり、実質基準超過額が過大役員報酬額となる旨主張する。しかしながら、請求人は、有効期間を定めることなく本件株主総会の決議により本件株主総会決議額を定め、その後、本件各事業年度においてその改定をしていないことからすると、本件株主総会決議額の定めは本件各事業年度においてその効力を有すると認められる。よって、過大役員報酬額の算定に当たっては、形式基準が適用され、形式基準超過額をもって過大役員報酬額とされるべきところ、請求人の主張する実質基準超過額は形式基準超過額を下回るものであるから、請求人の主張する実質基準超過額をもって過大役員報酬額とすることはできない。(平20. 3. 4 関裁(法)平19-31)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190012
- 裁決年月日
- 平成19年11月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の各役員に対する報酬の額は、類似法人に係る報酬の額に比較すると不相当に高額であり、また、請求人の各役員は常勤役員としての勤務実態はなく、非常勤役員であり、類似法人に係る非常勤役員の報酬の額と比較すると、当該各役員の報酬の額は不相当に高額であるので、その不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入することはできない旨主張する。 しかしながら、当該各役員は、業務執行機関である理事会に出席し意見を述べるほか、①使用人の採用や賞与の査定など、人事上の決定に関与していること、②取引先の選定や新規契約など、営業上の決定に関与していること及び③借入先の選定や資金管理方法の決定など、会計上の決定に関与していることから、役員として経営に関する重要事項の意思決定に参画していたものと認められるので、常勤の役員に該当するということができる。 そこで、請求人の所在する国税局管内に事業所を有し、請求人と同業種の法人で、かつ、その事業年度の売上金額が請求人のそれの2分の1以上2倍以内であるなど、事業規模も類似する4法人の常勤の取締役の最高報酬額の平均額を基として、請求人の各役員に対する適正報酬額を算定し、当該各役員の報酬額のうち不相当に高額な部分として請求人の損金の額に算入されない金額を計算すると、原処分の額を下回るから、原処分はその一部を取り消すべきである。(平19.11.21 広裁(法・諸)平19-12)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180037
- 裁決年月日
- 平成19年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が支給した役員報酬の総額は、定時株主総会において決議した役員報酬総額の限度額以内であり、何ら問題のない額であるから、役員報酬として損金の額に算入できるものである旨主張する。 しかしながら、法人の役員報酬が過大であるか否かの判定は、当該法人が形式基準限度額を各役員ごとに定めている場合には、役員全体で行うのではなく、各役員ごとの形式基準限度額を超えているか否かによって行うべきものであると解されるところ、請求人は、形式基準限度額を各取締役ごとに定めている法人であり、各取締役ごとに判定するのであるから、代表取締役に対する役員報酬のうち、その形式基準限度額を超える部分の金額は、損金の額に算入できない。(平19. 5.29 広裁(法・諸)平18-37)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180042
- 裁決年月日
- 平成19年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件役員報酬は正当な金額であり、類似法人の役員報酬のうち最高額を超える金額を過大な役員報酬として所得に加算した原処分庁の処分は違法である旨主張する。しかしながら、①請求人の役員の職務内容及び役員報酬の支給状況、②請求人の売上高及び収益の状況、③請求人の使用人に対する給料の支給状況、④類似法人の役員報酬の支給状況を勘案すると、請求人の代表者の職務内容は特別なものとはいえず、また、本件各事業年度においても格別変化があったもともいえないにもかかわらず、本件役員報酬は、他の役員報酬や使用人給与に比し極めて高い伸び率を示しており、更に、類似法人の平均役員報酬額に比しても相当高額であることから、類似法人の平均役員報酬額を超える金額は「不相当に高額な部分」(法人税法第34条第1項)に該当する。したがって、これを下回る金額を過大役員報酬とした原処分庁の処分に違法はない。(平19. 1.23 関裁(法)平18-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180115
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)第269条の趣旨は、取締役の報酬に関し、株主及び債権者保護のため、取締役ないし取締役会によるいわゆるお手盛り支給の弊害を防止する点にあるから、その支給額又は具体的な算定方法を定款に定めなかったときは、株主総会の決議で取締役全員の報酬の総額を定め、その具体的な配分は、取締役会の決定に委ねることもできることとされている(最高裁昭和60年3月26日第三小法廷昭59(オ)第1100号判決)。また、法人税法第34条第1項及び同法施行令第69条第2項は、定款の規定又は株主総会、社員総会若しくはこれらに準ずるものの決議により役員報酬の支給限度額を定めている内国法人が、その役員に対して支給した報酬の額の合計額が当該役員報酬の支給限度額を超える場合には、その超える部分の金額は、損金の額に算入しない旨規定している。 請求人は、定款に定めがないため、株主総会において取締役の報酬総額を定め、その配分方法を取締役会に一任し、取締役会で代表取締役を含む各取締役に対する具体的な配分額(月額給与の額)を決定しているところ、当該手続によって取締役会において定められた代表取締役の月額給与の額は、任意に増額し得る月々の支払額を定めたものと解する余地はなく、代表取締役に対して支払うべき月額給与の支給限度額を定めたものと解するのが相当である。 したがって、請求人の取締役会において議決された代表取締役の月額給与の額は、「株主総会、社員総会若しくはこれらに準ずるものの決議により役員報酬の支給限度額を定め」たものと認められ、代表取締役に実際に支給された報酬の総額は、当該取締役会で決定された支給限度額を超えることとなるから、その超える部分の金額は、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(平18.12.20 東裁(法)平18-115)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170010
- 裁決年月日
- 平成18年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の前代表者に対して支給した平成15年3月期の役員報酬について、類似法人の代表取締役報酬の平均額を売上金額、売上総利益率、個人換算所得金額及び使用人最高給与額の4項目により加重平均する方法で比準報酬月額を算出し、その比準報酬月額を超える金額を不相当に高額な報酬額であるとした。 当該比準報酬月額の算定方法は、役員報酬が各法人においてその具体的事情に応じ個別的に定められ、法人間でその報酬額にも差異があることを考慮したものであり、併せて請求人の収益等の状況も反映したもので、合理性が認められる。 請求人は、比準報酬月額の算定に当たり、報酬を改定した前年度の平成14年3月期の数値で行うべきである旨主張するが、平成15年3月期の役員報酬の相当額を検討したものであるから、同期分の数値で行うべきであるので、請求人の主張には理由がない。 また、請求人は、類似法人の売上金額等のデータを入手する術がないので、独自に市販の専門誌からデータを入手して検討したところ、不相当に高額な報酬額はない旨主張する。しかしながら、請求人が入手したデータは、業種にばらつきがあり、かつ、随意的に抽出したものであるので、類似法人として適格がなく、請求人の主張には理由がない。(平18. 5.22 熊裁(法)平17-10)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170008
- 裁決年月日
- 平成18年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の前代表者に対して支給した役員報酬について、類似法人の代表取締役報酬の平均額を売上金額、売上総利益率、個人換算所得金額及び使用人最高給与額の4項目により加重平均する方法で比準報酬月額を算出し、その比準報酬月額を超える金額を不相当に高額な役員報酬額であるとした。当該比準報酬月額の算定方法は、役員報酬が各法人においてその具体的事情に応じ個別的に定められているもので、法人間で報酬額に多少の差異があることを考慮し、併せて請求人の収益の状況等を反映したもので、合理性が認められるところ、請求人は、当該算式により算定するとしても、会社収益確保のため行った不動産収入が反映されておらず、これを加えると不相当に高額な報酬額は算定されない旨主張し、原処分庁は、その算式の適用に当たっては、請求人の主たる事業である運送業のみに関する数値を採用すべきである旨主張する。しかしながら、請求人においては不動産収入が重要な収益項目であること、また、役員報酬は、特定の収入に対応するものではなく、法人の全収入に対応するとみるのが相当であることから、比準報酬月額の算定は、請求人の売上金額に不動産収入を含めて計算し、また、類似法人の売上金額についても、総売上金額を採用するのが相当と認められるから、原処分庁の主張には理由がない。そこで、比準報酬月額を再計算すると、開差は生ずるものの、本件役員報酬に、法人税法第34条に規定する不相当に高額な役員報酬額があるとまでは認められない。(平18.3.22熊裁(法)平17-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170034
- 裁決年月日
- 平成17年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・215ページ
要旨
○ 請求人は、非常勤取締役である代表者の母(以下「本件役員」という。)に支給した役員報酬(以下「本件役員報酬」という。)のうち適正報酬額は、本件役員の設立時における尽力は大であり、設立後は、代表取締役のよき相談相手として経営に参画しており、請求人の従業員に対する給与の支給額を参酌して算定することが最も妥当であるから、原処分庁が、不相当に高額な部分として損金の額に算入できないとした額は過大である旨主張する。しかしながら、本件役員報酬について法人税法施行令第69条第1号に照らしてみると、①本件役員の職務の内容については、本件役員の設立時における役割、貢献度等は職務の内容の構成要素ではなく、尽力が大という判断は極めて主観的であり、よき相談相手というのも同様に客観性・具体性に欠け、その裏づけとなる確たる証拠資料はなく、本件役員は、従業員からの相談を受けていることが主な仕事で、決められた仕事はないこと、②特定の従業員の給与の支給額に照らすことについては、当該従業員の職務の内容や勤務の状況等を請求人は明らかにしていないこと及び請求人の収益の状況如何にかかわらず本件役員の職務の内容からして、当該従業員に支給されている給与額をもって根拠とならないこと、そして、③原処分庁が、請求人と業種、事業規模などが類似し、請求人の所在する地域の非常勤役員が存する法人を選定したこと及び当該類似法人に存する非常勤役員に支給された年間報酬額の平均値をもって本件役員に対する報酬額を算出した方法は妥当なものと認められることなどを勘案すると、原処分庁が、本件役員報酬のうち、不相当に高額な部分として算出した額は相当と認められる。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平17.12.19名裁(法)平17-34)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平160029
- 裁決年月日
- 平成17年3月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ A役員に対する役員報酬と認定した本件賃貸料等収入の一部は、①契約者が請求人であるにもかかわらず、A役員名義の普通預金に振り込ませ、②本来契約者を請求人とすべきところA役員とし、③直接現金で受領する等により、いずれも雑収入に計上していないことが認められる。そうすると、請求人のこれらの行為は、事実の隠ぺい又は仮装に該当し、事実を隠ぺいし又は仮装して経理することにより支給した役員報酬の額と認められるから、法人税法第34条第2項により請求人の本件各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができない。(平17.3.29仙裁(法・諸)平16-29)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160068
- 裁決年月日
- 平成17年3月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人がその役員に対して支給する報酬の額のうち不相当に高額な部分の金額は損金の額に算入されないところ、不相当に高額である部分の金額については、形式基準による限度額を超える部分の金額及び実質基準による金額を超える部分の金額のうちいずれか多い金額とされている。実質基準による金額に関する原処分庁の主張は、類似法人の選定方法が相当性を欠き、かつ、当該類似法人における非常勤役員の平均報酬額をもって直ちに相当報酬額であるとしている点において既に失当であり、その他の考慮要素である本件役員の職務の内容や請求人の収益の状況等を総合的に勘案しても、本件役員に対する報酬額に実質基準による金額を超える部分があると認めることはできない。以上のとおりであるから、形式基準による限度額及び実質基準による金額のいずれの基準によっても、本件役員に対する報酬の額のうちこれらを超える不相当に高額な部分の金額があるということはできない。したがって、原処分庁の主張には理由がないから、本件各更正処分等は違法である。(平17.3.25大裁(法)平16-68)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160084
- 裁決年月日
- 平成17年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の取締役会長について、常勤役員としての勤務実態はなく非常勤の役員であり、類似法人の非常勤役員の報酬の額と比較すると、不相当に高額であるので、その不相当に高額な部分の金額は請求人の損金の額に算入することはできない旨主張する。しかしながら、請求人の取締役会長は、①取締役会に出席するなどして会社の経営方針の決定にかかわっていること、②決算関係書類ないし税務関係書類について、その内容を確認しており、会社の業績について熟知していること、③役員や従業員の給与、賞与の金額を最終的に決定していることなど、取締役として経営に参画し、ほぼ常時勤務している事実が認められ、常勤の取締役会長としてその業務を執り行っていたものと認められる。そこで、請求人の所在地県内に事業所を有し、請求人と同業種の法人で、かつその事業年度の売上金額が請求人のそれの0.5倍以上2倍以内であるなど、事業規模も類似する法人2社の常勤の取締役会長の報酬の支給状況を基として、請求人の取締役会長に対する適正報酬額を算定し、取締役会長の役員報酬額のうち不相当に高額な部分として請求人の損金の額に算入されない金額を計算すると、原処分の額を下回るから、原処分はその一部を取り消すのが相当である。(平17.3.25名裁(法・諸)平16-84)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160085
- 裁決年月日
- 平成17年3月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の取締役Sについて、常勤役員としての勤務実態はなく非常勤の役員であり、類似法人の非常勤役員の報酬の額と比較すると、本件役員報酬額は不相当に高額であるので、その不相当に高額な部分の金額は本件各事業年度の損金の額に算入することはできない旨主張する。しかしながら、取締役Sは、①取締役会に出席するなどして会社の経営方針の決定にかかわっていること、②請求人の決算書や法人税の確定申告書を所轄の税務署へ提出する前にその内容を確認するなどして、会社の業績について十分承知していること、③代表取締役から各従業員の勤務成績の説明を受け、これを基に請求人の業績等を参考にして従業員の給与や賞与を決定しているなど、取締役として経営に参画し、ほぼ常時勤務している事実が認められ、常勤役員と認められるから、類似法人の非常勤役員の報酬額と比較することは相当でない。そして、取締役Sの役員報酬額は、社員総会の決定額の範囲内の支給であり、代表取締役の報酬及び他の従業員と比較しても相当であると認められることから、取締役Sの役員報酬は形式的にも実質的にも不相当に高額とは認められない。(平17.3.25名裁(法)平16-85)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160001
- 裁決年月日
- 平成16年7月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分は理事長の次男の実質的な職務内容を考慮せず、非常勤理事と決め付けてなされたものであり、また、適正報酬額の算定に当たっての類似役員の抽出にも合理性がないことから、原処分が法人税法第34条第1項及び同施行令第69条に抵触していることは明らかである旨主張する。しかしながら、理事長の次男は他の医療機関で常勤の医師として勤務しており、請求人においては非常勤の理事と認められるところ、請求人の主張する理事長の次男の職務内容は具体性に乏しく、主張を裏付ける証拠は認められない。仮に、理事長の次男が、請求人の主張する事業経営に携わっていたとしても、それは、他の医療機関での常勤の医師としての勤務の合間になされたとみるのが自然である。さらに、原処分庁は、理事長の次男の適正報酬額を算定するに当たって、診療収入が請求人のそれの半分から倍額までの同業種・同規模法人及び同一条件を充たす類似役員を抽出していることが認められ、法人税法施行令第69条に照らして、その選定を不相当とする理由はなく、請求人の主張は採用できない。(平16.7.23熊裁(法)平16-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140122
- 裁決年月日
- 平成15年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、非常勤取締役に支給した一時払い給与は役員報酬であり、支払保険料のうち役員報酬と経理した給与相当額は株主総会決議の役員報酬総額の範囲内にある旨主張する。しかしながら、一時払い給与は法人税法35条4項の要件を満たさない役員賞与であり、役員報酬と経理した給与相当額は取締役会決議の報酬支給限度額を超える過大役員報酬であるから、原処分に違法はない。(平15.06.25.関裁(法)平14-122)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130026
- 裁決年月日
- 平成14年6月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・309ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人の取締役会長は長期入院が継続し通常の勤務ができなかったことから非常勤の取締役に該当すると認められるところ、類似法人の非常勤取締役に支払われた役員報酬の状況をそれぞれ比較検討した結果、同人の役員報酬の適正額は月額500.000円であると認められることから、当該金額を超える部分の報酬額は法人税法第35条に規定する役員賞与に該当し、損金の額に算入できない旨主張する。しかしながら、請求人の取締役会長は入退院は繰り返しているものの、相当程度にわたりかなりの頻度で請求人の職務に従事していたと認められ、また、同人が正規の手続により非常勤の取締役となった事実も認められない。そうすると、請求人の取締役会長は常勤の取締役と認めるのが相当であり、また、類似法人の常勤取締役会長に支払われた役員報酬の状況等の検討によっても同人に対して支払われた報酬額が不相当に高額であるとは認められない。(平14. 6.13熊裁(法・諸)平13-26)裁決事例集NO63・309ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120090
- 裁決年月日
- 平成13年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 業種
- 水産食料品製造
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の妻が常勤役員として職務に専念しているから、妻に支払った各事業年度の役員報酬は全額損金の額に算入すべき旨主張する。しかしながら、妻は取締役として登記されているものの、(1)会社へ出勤していないこと、(2)取締役会にも出席せず、請求人の業績も知らないこと、(3)自宅でシール貼りの仕事をしていると主張するが勤務記録の保存はなく、確認もできないことからすると、非常勤役員とみるのが相当である。そして、妻に対する適正役員報酬の額については、法令第69条によれば、請求人は取締役の報酬額について各人ごとの支給限度額を定めていないから、形式基準によって適正報酬の額を算定することができず、実質基準により算定することとなる。したがって、請求人が代表者の妻に支払った各事業年度の役員報酬の額はいずれも適正役員報酬の額を上回っているから、適正報酬の額を上回る金額については、請求人の各事業年度の損金の額に算入することができない。(平13.6.22名裁(法)平12−90)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120028
- 裁決年月日
- 平成13年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 業種
- 内科病院
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、医療法人を営む審査請求人の常務理事は非常勤の理事であり、適正報酬額を法人税法施行令第69条の規定による実質基準により判断すると年間6.000.000円であるとして、その金額を超える部分の金額を過大な役員報酬の損金不算入額として所得金額に加算した。これに対して請求人は常務理事は常勤の役員であり、請求人の経営する病院の運営及び管理業務を行っているとるる主張し、更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、常務理事は他の医療機関において常勤の医師として各事業年度とも勤務しており、その勤務状況及び請求人から提示された証拠からは、常勤の理事として勤務していたと認められず、各事業年度とも非常勤の理事として勤務していたこと及び一部の期間は非常勤の医師として勤務したと認めることが相当である。よって、実質基準によって判断すると、平成9年3月期及び平成10年3月期の適正報酬額は原処分庁の金額を上回るため、更正処分はその一部を取り消すべきである。(平13.6.20熊裁(法)平12−28)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平100019
- 裁決年月日
- 平成11年3月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、元代表者Aの役員報酬増額分について、①請求人が未払金として計上している事実がないこと、②取締役が経理担当者に平成5年11月16日(増額決議日)に遡って支払うよう指示していること及び③関連会社がAに対する報酬を増額したのは平成6年1月支給分からであることからAに係る役員報酬の増額決議の日は平成6年1月である旨主張するが、①については、未払金計上がなかったことにより事実認定が左右されるものでないこと、②については、取締役会の決議事項に基づき増額分の支払を徹底するための指示と認められること及び③については、関連会社の増額支給日が平成6年1月であることをもって役員報酬の増額支給を決議した日を平成6年1月であると認定することは相当でないことから、Aに対する役員報酬増額分は、請求人の取締役会における報酬増額決議に基づき平成5年11月分及び同12月分の既支給額との差額を支払ったものであり過大役員報酬には該当しない。(平11. 3.26仙裁(法・諸)平10-19)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100025
- 裁決年月日
- 平成10年11月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、適正報酬月額を算定するに当たり、法令第69条第1号の規定により、収益の状況及び役員の職務内容等が類似すると認められる類似法人の平均報酬月額を採用したことは相当であると認められるが、選定した類似法人5社のうち2社は、売上高が請求人の売上高の2倍を超えているなどにより、適当でなく、新たに選定した3社を加え、6社の平均額によるのが相当である。 また、請求人は、前期と比較し売上高が著しく減少している当期の売上高を基準として、類似法人を選定するのは不当である旨主張するが、法令第69条第1号の規定では、適正報酬月額であるかの判断を各事業年度でするとなっていることから、請求人の主張は採用できない。(平10.11.11名裁(法)平10-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090018
- 裁決年月日
- 平成9年9月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・306ページ
要旨
○ 請求人は、取締役である代表者の妻ら3名に対する役員報酬は、社員総会の決議によって定められた金額の範囲内であり、請求人が従業員に支給した給与と比較しても、不相当に高額ではないこと及び取締役の職務状況を考慮すると、本件役員賞与はその全額を損金に算入すべきである旨主張するが、(1)取締役としての具体的な職務執行の内容が不明確であること、(2)本件取締役は業務執行権を有しない非常勤の取締役であること、(3)代表者の答述によれば役員報酬額等は社員総会において支給総額を決定し、代表者及び他の役員一族で折半すること等を考慮すると、本件役員報酬額は本件取締役の職務の対価として著しく高額であると認められることから、類似法人の平均的役員報酬額を超える部分の金額は、損金の額に算入しないとしてされた原処分は適法である。(平 9. 9.29関裁(法)平 9-18) 裁決事例集No54・306ページ
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