裁決要旨 10繰越欠損金

裁決要旨 10繰越欠損金

支部名
東京
裁決番号
令070042
裁決年月日
令和7年10月20日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、青色申告の承認の取消通知書(本件通知書)が請求人に送達されていないため、青色申告の承認の取消処分(本件青色取消処分)は適法に行われておらず、請求人が前事業年度以前に提出した法人税の確定申告書は青色申告書であるから、前事業年度以前に生じた欠損金に相当する金額(本件欠損金相当額)は損金の額に算入できる旨、また、仮に本件青色取消処分が適法であったとしても、青色申告を取り消した事業年度以降も継続して欠損金を繰り越している誤りを放置し、青色申告の承認の再申請の機会を与えることもなかったことなどは、法令違反でないとしても不親切であり、更正処分(本件更正処分)は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、本件通知書は請求人に送達されているから、本件青色取消処分は適法に行われており、また、その後も請求人は青色申告の承認を受けていないため、請求人は、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第10項に規定する欠損金の生じた事業年度について青色申告書である確定申告書を提出した場合に該当しないから、所得の金額の計算上、本件欠損金相当額を損金の額に算入することはできない。また、納税者から提出された確定申告書の不備や誤りについて、税務署長がその有無の確認等を行う時期を定めた法令上の規定はないから、原処分庁が当該誤りが明らかになるまで連絡しなかったことをもって、本件更正処分に取り消すべき違法があるとはいえない。(令7.10.20 東裁(法)令7-42)

支部名
東京
裁決番号
令070016
裁決年月日
令和7年8月22日
裁決結果
棄却
争点番号
301001000
争点
10繰越欠損金/1法人税法57条の趣旨
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税法律主義の観点から条文の解釈は条文の規定に基づくべきであり、法人税法(平成27年法律第9号による改正前のもの)第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第10項に規定する「その後において連続して確定申告書を提出している場合」に該当するか否かの判断時点を限定する規定は法人税法上に存在しないことなどから、「その後において連続して確定申告書を提出している場合」の判断時点は確定申告書の提出時であるとは規定されておらず、請求人は、更正処分等の時点において連続して確定申告書を提出しているため、本件における繰越欠損金(本件繰越欠損金)は所得の金額の計算上損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、法人税法第57条第10項の規定は、同条第1項の適用要件を規定しており、「その後において連続して確定申告書を提出している場合」とは、繰越欠損金を損金の額に算入しようとする事業年度に係る確定申告書の提出時において、欠損金額が生じた事業年度後の各事業年度について確定申告書が提出済みである場合をいうものと解されるから、同条第10項にいう「その後において連続して確定申告書を提出している場合」の判断時点は、繰越欠損金を損金の額に算入する確定申告書の提出時として規定されているものと認められる。そして、請求人は、本件繰越欠損金を損金の額に算入する事業年度(本件事業年度)の確定申告書(本件確定申告書)の提出時において、本件繰越欠損金が生じた事業年度後の各事業年度のうちに確定申告書を提出していない事業年度があることから、本件確定申告書の提出後に、確定申告書を提出していなかった事業年度の期限後申告書を提出したとしても、法人税法第57条第10項に規定する「その後において連続して確定申告書を提出している場合」の要件を満たしていたことにはならず、本件事業年度の法人税の所得の金額の計算上、本件繰越欠損金を損金の額に算入することはできない。(令7. 8.22 東裁(法)令7-16)

支部名
大阪
裁決番号
令070003
裁決年月日
令和7年7月7日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、繰越欠損金額は、確定申告書に記載された範囲で確定的な効力が生じるため、過去の事業年度に係る確定申告書に記載された繰越欠損金額やその計算過程に誤りがあったとしても、これが更正処分等によって是正・変更されていない限り、一次的に確定している繰越欠損金額をそのまま受け継いで損金算入するほかなく、過去の事業年度に欠損金額が生じていないということを前提に、損金の額に算入できる繰越欠損金額はないと解することはできない旨主張する。しかしながら、繰越欠損金額は、各事業年度において生じた欠損金額を基礎として算定されるものであり、所得金額の計算上損金の額に算入するためには、その過去の事業年度において欠損金額が生じていると認められる必要があり、記載誤りにより増加した繰越欠損金額を損金の額に算入することはできない。(令7. 7. 7 大裁(法)令7-3)

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支部名
熊本
裁決番号
令050010
裁決年月日
令和6年3月14日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁に対し、青色申告の承認申請書を提出していることから、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第1項(平成28年法律第15号により改正された平成27年法律第9号による改正前のもの)に規定する欠損金額がある旨主張する。しかしながら、請求人の青色申告の承認申請書については、請求人がこれを原処分庁に提出したと認めるに足りる的確な証拠の提出がなく、当審判所の調査の結果によれば、請求人の設立日以降、原処分庁に提出されていなかったために、その保管等がないものと認定するのが相当であるから、請求人が原処分庁に対し、青色申告の承認申請書を提出していたと認めることはできない。(令6. 3.14 熊裁(法)令5-10)

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支部名
東京
裁決番号
令050034
裁決年月日
令和5年10月26日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、青色申告の承認の取消通知書(本件通知書)は、請求人に送達されておらず、青色申告の承認の取消処分の法的効力は到底認められないから、提出した法人税の確定申告書が青色申告書である以上、所得金額の計算上、欠損金の繰越額を損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件通知書は、請求人に送達され、青色申告の承認は取り消されており、その後も青色申告の承認を受けていないため、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第10項に規定する欠損金額の生じた事業年度について青色申告書である確定申告書を提出した場合に該当しないから、所得金額の計算上、欠損金の繰越額を損金の額に算入することはできない。(令5.10.26 東裁(法)令5-34)

支部名
東京
裁決番号
令040128
裁決年月日
令和5年6月8日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、青色申告の承認申請書を提出せずに、青色の申告書の様式を用いて申告していたところ、原処分庁が当該確定申告書の様式が誤っていることの確認及び請求人に対する修正の連絡を怠ったことから、請求人はその後、正しい確定申告を行えなかったのであり、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第1項の規定を適用できないとする原処分は、信義に従い誠実に行われていない違法な処分である旨主張する。しかしながら、請求人は、青色申告の承認申請書を原処分庁に提出しておらず、青色申告の承認を受けていないから、当該確定申告書は、同法第121条《青色申告》第1項に規定する青色の申告書とは認められず、同法第57条第1項の規定を適用することができない。また、原処分庁が請求人に対して提出された申告書の様式が誤っていることについて指摘をすべきとする法令の規定はない上に、原処分庁が確認及び請求人に対する修正の連絡をしなかったからといって、そのことをもって原処分庁が信義則に違反する処分をしたとはいえないから、請求人の主張は、請求人のいう原処分庁の対応に係る不服を述べるにすぎず、請求人の主張には理由がない。(令5. 6. 8 東裁(法)令4-128)

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支部名
関東信越
裁決番号
令040026
裁決年月日
令和5年2月9日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、設立当時に関与税理士を通じて青色申告の承認申請書(青色承認申請書)を原処分庁に提出しており、設立以降全ての事業年度において青色申告として確定申告をしていたにもかかわらず、原処分庁から、青色承認申請書の未提出について一度も指摘されなかったばかりか、毎年青色申告用の確定申告書の用紙(青色申告用紙)の送付を受けていたことは、請求人が青色承認申請書を提出していたことを示す事実である旨主張する。しかしながら、原処分庁は、請求人の設立以降、請求人の青色承認申請書は提出されていないものとして管理していたと認められ、請求人が青色承認申請書を提出したと認めるに足りる的確な証拠はないし、請求人が原処分庁から青色申告用紙の送付を受けていたことを認めるに足りる証拠もない。また、原処分庁から青色承認申請書の未提出について指摘されなかったことは、請求人が原処分庁に青色承認申請書を提出したことまでを推認するに足りる事情であるとはいえない。したがって、請求人が青色承認申請書を提出したとは認められない。(令5. 2. 9 関裁(法)令4-26)

支部名
仙台
裁決番号
令030012
裁決年月日
令和4年4月18日
裁決結果
棄却
争点番号
301099000
争点
10繰越欠損金/4その他
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要旨

○ 請求人は、欠損金の繰越控除は納税者に対する特典であって、納税者に平等に与えられるべきものであり、また、原処分庁は、青色申告でなければ欠損金の繰越控除が認められない旨を十分に説明すべきであったことからすれば、青色申告の承認申請書及び青色申告書の提出をしていない請求人にも欠損金の繰越控除が認められるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法が規定する所要の手続をとっていなくても欠損金の繰越控除等の特典を認めるべきとの主張は、法律に基づかない請求人の独自の主張であるから採用することができず、また、申告納税制度の下では、課税標準及び税額等の計算並びにこれらの前提となる制度の利用は、納税者の判断と責任において行われるべきものであり、請求人の主張は、原処分庁による行政サービスとしての情報提供の不足をいうものにすぎないから、原処分の適法性に影響しない。(令4. 4.18 仙裁(法)令3-12)

支部名
東京
裁決番号
令030028
裁決年月日
令和3年10月4日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第1項括弧書に規定する「当該各事業年度前の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの」とは、法人税の申告や更正によって所得の金額の計算上損金の額に算入された欠損金額のことであり、平成25年3月期の更正により増加する欠損金額(本件欠損金額)は、更正の請求の期間徒過により、更正されていない事業年度(平成26年3月期)の損金の額に算入されていないことから、翌事業年度(平成27年3月期)に繰り越される旨主張する。しかしながら、法人税法第57条第1項括弧書に規定する「損金の額に算入されたもの」とは、法人税の申告や更正における所得の金額の計算において欠損金額が損金の額に算入されたか否かにかかわらず、同項本文の規定により損金の額に算入することとなる欠損金額をいうものと解されるから、本件欠損金額は、その全額が平成26年3月期において損金の額に算入され、平成27年3月期に繰り越される欠損金額はない。(令3.10. 4 東裁(法)令3-28)

支部名
仙台
裁決番号
令010017
裁決年月日
令和2年6月12日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

〇請求人は、法人税の申告書の別表七に誤って記載した平成20年4月期の欠損金額は、既に平成25年4月期及び平成26年4月期の損金の額に算入されており、平成30年4月期の欠損金の当期控除額は、法人税の申告書の別表七に基づいたものであるから、過大に損金の額に算入されたものではない。また、更正するのであれば、平成20年4月期の欠損金額として記載した額を損金の額に算入した平成25年4月期及び平成26年4月期にされるべきであるから、原処分は違法である旨それぞれ主張する。しかしながら、青色申告による欠損金額は、法人税の申告書の別表七に記載された金額にかかわらず、事業年度において生じた欠損金額を翌事業年度以降の所得の計算上、損金の額に算入するものであるから、請求人の平成21年4月期以降の欠損金の当期控除額を計算すると過大に損金の額に算入したのは平成30年4月期であり、平成25年4月期及び平成26年4月期においては、欠損金の当期控除額として損金の額に算入した金額に誤りはない。(令2.6.12仙裁(法)令元-17)

支部名
関東信越
裁決番号
令010048
裁決年月日
令和2年5月20日
裁決結果
棄却
争点番号
301099000
争点
10繰越欠損金/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、原処分庁が、青色申告の承認の取消処分(本件青色取消処分)の時に欠損金額を翌期に繰り越すことはできないとする行政指導等を行わず、また、その後の事業年度においても請求人の提出した確定申告書が関係法令に反しているにもかかわらず、原処分庁はこれを故意に又は漫然と放置した上で、更正処分を行っており、このような原処分庁の不作為によって、請求人は改めて青色申告の承認の申請書を提出することもできなかったのであるから、当該欠損金額に相当する金額を損金の額に算入することはできないとしてなされた法人税等の各更正処分は処分権の濫用に当たり違法である旨主張する。しかしながら、申告納税制度の下では、納税者は自らの判断と責任において課税標準等及び税額等を計算し、適正な納税申告をしなければならないものであるから、本件青色取消処分後も青色申告の承認があることを前提とした誤った納税申告を続ける請求人に対し、その主張するような行政指導等を原処分庁が行わなかったとしても、それだけをもって、当該各更正処分を取り消すべき違法があるとはいえない。(令2.5.20関裁(法)令元-48)

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支部名
大阪
裁決番号
平300064
裁決年月日
平成31年3月27日
裁決結果
全部取消し
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、翌期へ繰り越す欠損金額がないとする先行事業年度の法人税の更正処分等(先行更正処分)は無効であり、公定力を有しないから、繰越欠損金額が存在する旨主張する。しかしながら、行政処分は、たとえ違法であっても、その違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効ならしめるものと認める場合を除いては、権限を有する機関によって適法に取り消されない限り、その効力を有するところ、当審判所は、先行更正処分に係る裁決において先行更正処分は適法である旨判断し、現在においてもこの判断を左右するような事実は認められず、また、先行更正処分が権限を有する機関によって適法に取り消された事実もないことから、先行更正処分は有効であり、請求人の主張する繰越欠損金額は適法な先行更正処分により零円となったのであるから存在しないこととなる。(平31. 3.27 大裁(法・諸)平30-64)

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支部名
大阪
裁決番号
平300041
裁決年月日
平成31年1月7日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、青色申告の承認申請書を提出していなかったが、所轄税務署長には、請求人が青色申告の承認申請書を提出せずに青色の確定申告書の様式を用いた確定申告書(本件各過年分申告書)が過年度に提出されたことを長期間放置したなどの落ち度があることから、本件各過年分申告書は、法人税法第121条《青色申告》第1項第2号に規定する青色の確定申告書として取り扱われるべきであり、本件各過年分申告書に計上した欠損金額に相当する金額を本件の対象事業年度(本件事業年度)において損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は、法人設立以後、本件事業年度開始の日の前日までに、青色申告の承認申請書を所轄税務署長に提出していない以上、本件各過年分申告書は、いずれも同号に規定する青色の確定申告書とは認められず、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第10項に規定する要件を満たさないから、本件事業年度において、本件各過年分申告書に計上した欠損金額に相当する金額の一部を損金の額に算入することはできず、また、その残額を翌期へ繰り越す欠損金額に計上することはできない。(平31. 1. 7 大裁(法)平30-41)

支部名
福岡
裁決番号
平300001
裁決年月日
平成30年7月18日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、青色申告の承認申請書(青色承認申請書)を提出しており、仮に青色承認申請書を提出していなかったとしても、原処分庁が、請求人に対して、青色申告が認められない旨の指摘をせず放置した行為は、信義則の法理に反し、また、青色申告が認められない旨を指摘しなかったことは、原処分庁の不作為によるものであるから、請求人が青色申告の承認を受けていないとしてされた更正処分(本件更正処分)は違法又は不当である旨主張する。しかしながら、請求人が、青色承認申請書を提出したと認めるに足る証拠はない。また、納税者が青色申告書によって納税申告したことをもって青色申告の承認申請をしたものと解することはできず、原処分庁が、請求人が提出した確定申告書の記載内容を確認しながら請求人に対して青色申告の承認を受けていない旨を連絡しなかったことをもって、青色申告の承認をしたとはいえず、請求人に信頼の対象となる公的見解を表示したということはできないから、信義則の法理が適用される余地はない。さらに、税務署が行う確定申告書等の内容審査事務の処理の実施時期は、業務の状況に応じた課税庁の裁量に委ねられていることを踏まえると、原処分庁が請求人に青色申告が認められない旨の指摘をしなかったとしても、裁量権の不合理な行使があったとは認められない。したがって、本件更正処分は違法又は不当なものとはいえない。(平30. 7.18 福裁(法)平30-1)

支部名
大阪
裁決番号
平290083
裁決年月日
平成30年6月11日
裁決結果
棄却
争点番号
301001000
争点
10繰越欠損金/1法人税法57条の趣旨
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、再生手続に係る再生計画認可及び当該再生手続終結の決定を受けた後の事業年度(本件事業年度)において、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第1項本文所定の欠損金額に相当する金額について、本件事業年度が、当該再生計画認可の決定の日以後7年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度であり、当該欠損金額の損金算入限度額(当該欠損金額の控除前の所得金額に相当する金額の100分の65)を当該欠損金額控除前の所得金額に相当する金額まで増加させる特例(本件特例)が適用されるとして、当該欠損金額の控除前の所得金額に相当する金額を損金の額に算入して法人税の確定申告をしたことについて、上記の再生計画(本件再生計画)には、再生計画認可決定確定時に債権額が確定していない再生債権があり、これについては債権額が確定した日に応じて弁済日・弁済期間が定められ、当該期間は本件事業年度においていまだ満了していないことから、本件特例が適用される旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第112条《適格合併等による欠損金の引継ぎ等》第14項第2号ハに規定する「再生計画で定められた弁済期間」とは、再生計画認可決定の確定時において、再生計画上確定している最終弁済日までの期間をいうものと解するのが相当であるところ、金銭債権については、本件再生計画認可決定の確定時において、本件再生計画の一般条項及び個別条項上で定める日が最終弁済日となる。他方で、本件再生計画は、非金銭債権及び未確定債権の弁済の方法についても定めているが、これらの債権については、本件再生計画認可決定の確定時において、最終弁済日が確定していない。そして、上記金銭債権に係る最終弁済日は、本件事業年度末までに到来しているから、請求人については、法人税法施行令第112条第14項第2号ハに規定する「再生計画で定められら弁済期間が満了した」との事由が生じたものと認められ、本件特例の適用は認められない。(平30. 6.11 大裁(法)平29-83)

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支部名
東京
裁決番号
平290059
裁決年月日
平成29年12月1日
裁決結果
棄却
争点番号
301099000
争点
10繰越欠損金/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、青色申告の承認を受けているから、過年度に生じた欠損金額に相当する金額(本件欠損金額)を当事業年度の損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、請求人は、青色申告の承認を取り消された以後、青色申告の承認申請書を提出したとは認められないから、請求人が提出した過年度の各確定申告書は青色申告書とは認められない。したがって、請求人は、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第10項に規定する欠損金額の生じた事業年度について青色申告書である確定申告書を提出している場合に該当しないことから、本件欠損金額を当事業年度の損金の額に算入することはできない。(平29.12. 1 東裁(法)平29-59)

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支部名
東京
裁決番号
平280127
裁決年月日
平成29年5月18日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、子会社に対する未収入金等(本件未収入金等)につき、過去の事業年度(本件過去事業年度)において貸倒れの事実があり、その損失は本件過去事業年度において損金の額に算入すべきであったのであるから、これにより生じることとなる欠損金額は、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》の規定に基づき、原処分庁の本件過去事業年度に係る減額の更正処分を経なくても、当然に、本件過去事業年度の翌事業年度以降に繰り越すことができる旨主張する。しかしながら、過去の事業年度における欠損金額を、繰越欠損金の額として控除事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入するためには、その過去の事業年度において所得の金額の計算上欠損金額が認められる場合でなければならないところ、請求人の本件過去事業年度については減額の更正をすることができる期限を経過しており、本件過去事業年度の所得金額の計算上、本件未収入金等を損金の額に算入することによる欠損金額は生じなかったことに確定したのであるから、当該欠損金額が本件過去事業年度に生じたものとして、その翌事業年度以降へ繰り越すことはできない。(平29. 5.18 東裁(法)平28-127)

支部名
大阪
裁決番号
平280053
裁決年月日
平成29年5月17日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、翌期へ繰り越すべき欠損金額がないとする先行事業年度の法人税の更正処分(前回更正処分)については、重大な過誤があるため無効であり、公定力を有しないから、前回更正処分に伴い当事業年度の繰越欠損金の控除額が過大であるとする原処分は違法である旨主張する。しかしながら、行政処分は、たとえ違法であっても、その違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効ならしめるものと認める場合を除いては、権限を有する機関によって適法に取り消されない限り、その効力を有するところ、当審判所は、前回更正処分に係る裁決において、前回更正処分は適法である旨判断し、現在においてもこの判断を左右するような事実は認められず、前回更正処分が権限を有する機関によって適法に取り消された事実もないことからすれば、前回更正処分は有効である。したがって、先行事業年度において翌期へ繰り越す欠損金が存在しないことを前提になされた原処分は適法である。(平29. 5.17 大裁(法)平28-53)

支部名
東京
裁決番号
平280093
裁決年月日
平成29年3月2日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、青色申告の承認を受けているから、請求人の過年度に生じた欠損金額に相当する金額(本件欠損金額)は、請求人の損金の額に算入されると主張する。しかしながら、請求人が青色申告の承認を受けたとは認められないから、請求人が提出した各確定申告書は青色申告書とは認められない。したがって、本件欠損金額を損金の額に算入するために必要となる法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第10項に規定する要件を満たさないから、請求人は、本件欠損金額を損金の額に算入することはできない。(平29. 3. 2 東裁(法)平28-93)

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支部名
関東信越
裁決番号
平280002
裁決年月日
平成28年7月25日
裁決結果
棄却
争点番号
301099000
争点
10繰越欠損金/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の本件事業年度の前期及び前々期の法人税の各申告はいずれも青色申告であるから、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第1項に規定する欠損金繰越控除制度の適用が認められる旨、及び、仮に請求人の青色申告の承認の取消処分が過去にあったとしても、それは請求人の当時の関与税理士の怠慢が原因で、請求人には一切責任はなく、当該取消処分は無効であるから、前期及び前々期に計上されていたはずの欠損金額を本件事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が欠損金額が生じていたと主張する前々期については、当該青色申告の承認の取消処分を無効とする事実は認められず、請求人は青色申告の承認を受けていないことから、前々期において法人税法第57条第1項の規定の適用はなく、また、前期については、本件更正処分において損金の額に算入された金額のみを欠損金額として申告しているのであるから、本件事業年度については、本件更正処分において損金の額に算入された金額を超えて、損金の額に算入すべき欠損金の額はない。(平28. 7.25 関裁(法・諸)平28-2)

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支部名
関東信越
裁決番号
平240007
裁決年月日
平成24年9月25日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、法人税法が企業会計と相違する欠損金額の取扱いを規定しているのであれば、原処分庁は当該規定を知らない納税者が相談に来ることを想定して、青色申告と白色申告の相違点を説明するべきであるところ、法人設立に伴う税務手続の相談に出向いた請求人に対し、原処分庁が青色申告でなければ繰越控除制度を適用できない等の基本的事項を説明しなかったため、設立事業年度から青色申告の承認を受けることができなかったのであるから、請求人の設立事業年度に生じた欠損金額(本件欠損金額)について繰越控除制度の適用を認めるべきである旨主張する。しかしながら、税務署長が所轄する納税地の納税者等に対して、青色申告に関する説明をしなければならないとする法令上の規定はなく、申告及び申請等は納税者自身の判断と責任においてなされるべきものであるから、この点に関する請求人の主張は採用できず、請求人は設立事業年度において青色申告書を提出することについて承認を受けていないから、本件欠損金額について繰越控除制度を適用することはできない。(平24. 9.25 関裁(法・諸)平24-7)

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支部名
東京
裁決番号
平230207
裁決年月日
平成24年4月20日
裁決結果
棄却
争点番号
301099000
争点
10繰越欠損金/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、法人税法第57条の2《特定株主等によつて支配された欠損等法人の欠損金の繰越しの不適用》第1項の規定の適用において、旧事業の事業規模と非従事事業の事業規模を比較する際の事業規模算定期間は、支配日直前事業年度及び支配日以後事業年度だけでなく、支配日直前期間及び支配日以後期間の1年ごとに区分した期間によることも認められているところ、一方の事業規模の倍率が5倍以下と算出され、他方の事業規模の倍率が5倍超と算出された場合には、法令において「いずれかがおおむね5倍を超えることとなること」との明確な規定がない以上、納税者に有利な解釈を適用すべきであり、請求人の場合、支配日直前期間及び支配日以後期間の1年ごとに区分した期間による非従事事業の事業規模は旧事業の事業規模のおおむね5倍を超えないこととなる旨主張する。しかしながら、それぞれの事業規模は、それぞれ1年間に換算した収入金額等を、特定支配日以後及び特定支配日の直前を1年ごとに区分した期間又は特定支配事業年度以後の事業年度及び特定支配事業年度の直前の事業年度の、それぞれの期間又は事業年度で比較することを要するものと解され、前者の期間による比較又は後者の事業年度による比較のいずれかにおいて非従事事業の事業規模が旧事業の事業規模のおおむね5倍を超える場合には、政令で定める場合を除いて、同項の規定が適用されるものと解するのが相当である。そうすると、平成20年11月期においては、事業年度による比較により非従事事業の事業規模が旧事業の事業規模の8倍を超え、政令に定める場合にも当たらないから、平成20年11月期は、同項第5号に規定する非従事事業の事業規模が旧事業の事業規模の「おおむね5倍を超えることとなること(政令で定める場合を除く。)」に該当する。(平24. 4.20 東裁(法)平23-207)

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支部名
東京
裁決番号
平230207
裁決年月日
平成24年4月20日
裁決結果
棄却
争点番号
301099000
争点
10繰越欠損金/4その他
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、法人税法第57条の2《特定株主等によつて支配された欠損等法人の欠損金の繰越しの不適用》第1項第5号の当該欠損等法人が当該特定支配関係を有することとなったことに基因して、当該特定支配日の直前において当該欠損等法人の業務に従事する使用人(旧使用人)が退職した場合とは、企業買収が行われたことを原因として退職した場合と同意義であり、使用人の人員整理や雇用調整など会社都合による退職が該当するところ、請求人の旧使用人は、健康上の理由や年齢などの自己都合により退職したのであるから、これに当たらない旨主張する。しかしながら、同号に規定する「当該欠損等法人が当該特定支配関係を有することとなったことに基因して」とは、いわゆる因果関係として、当該特定支配関係を有するという事実がなかったならば役員の退任又は使用人でなくなるという事実も生じなかったと認められる関係をいうものと解するのが相当であるところ、本件旧使用人6名のうち2名は、請求人とA社が特定支配関係を有することに基因してその地位が低下することや勤務体制が変更になることを理由として請求人を退職した事実が認められ、これは、いわゆる因果関係として、当該2名が特定支配関係を有することとなったことに基因して使用人でなくなったと認めるのが相当である。そうすると、請求人は、同号に規定する当該特定支配関係を有することとなったことに基因して旧使用人の総数のおおむね100分の20以上に相当する数の者が使用人でなくなった場合に該当するというべきである。(平24. 4.20 東裁(法)平23-207)

支部名
東京
裁決番号
平230164
裁決年月日
平成24年2月15日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分庁が青色申告の承認を受けていないとして行った前回各更正処分等は違法であるから、この更正処分等に係る事実認定を前提として、本件事業年度までにおいて生じた欠損金額を翌事業年度以後の事業年度へ繰り越すことはできないとして行われた本件更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、当審判所は、前回各更正処分等について、①請求人が設立事業年度の青色申告の承認申請期限までに青色申告の承認申請書を提出した事実は認められず、②請求人が青色申告の承認申請書に該当すると主張する申告書には、青色申告の承認を求める旨の記載がないところ、確定申告書及び修正申告書は、申告納税方式による国税を確定させるために税務署長に提出するものであって、青色申告の承認申請書とはその記載事項も法的な効果も異なるものであるから当該申告書に納税地、法人名及び欠損金額などの記載があるとしても、当該申告書を青色申告の承認申請書と同視することはできないなどとして、前回裁決において適法である旨判断を示したところであり、同判断の内容は相当である。また、請求人は、本件事業年度開始の日の前日までに青色申告の承認申請書を提出しておらず、青色申告の承認を受けていないから、本件事業年度の確定申告書は青色申告書に該当せず、本件事業年度において生じた欠損金額は、翌事業年度以後の事業年度へ繰り越すことはできないというべきである。(平24. 2.15 東裁(法)平23-164)

支部名
東京
裁決番号
平230115
裁決年月日
平成24年1月25日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、前回各更正処分は、事実認定と法令解釈の誤認による違法な処分であり取り消されるべきであるから、前回各更正処分が適法であることを前提に、前回各更正処分において法人税法第81条の9《連結欠損金の繰越し》第2項の規定により連結欠損金額とみなされた欠損金額(みなし連結欠損金額)を前提として行われた本件各更正処分等及び更正の請求に対する本件通知処分はいずれも違法であるから取消すべきである旨主張する。しかしながら、当審判所は既に裁決において、前回各更正処分は適法である旨の判断を示し、同判断の内容は相当であるとともに、本件各更正処分等についても相当と認められることから、適法な前回各更正処分によるみなし連結欠損金額が連結所得の金額の計算上損金の額に算入されたことを前提として行われた本件各更正処分等及び本件通知処分はいずれも適法である。(平24. 1.25 東裁(法)平23-115)

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支部名
熊本
裁決番号
平200029
裁決年月日
平成21年6月24日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
裁決事例集No.77・303ページ

要旨

○ 請求人は、請求人の役員であるAらの債権放棄(以下「本件債権放棄」という。)による債務免除は法人税法施行令第117条第4号に規定する「前3号に掲げる事実に準ずる事実」に当たり、法人税法第59条第2項の規定に該当するから、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第117条第1号から第3号までに規定する各事実は、いずれも法律によりその手続が定められているもので、その債務者の全資産を対象にすべての債権者に対して公正な弁済が行われるよう裁判所が関与して行われるものであるから、同条第4号に規定する「前3号に掲げる事実に準ずる事実」とは、債務超過に陥った債務者について、上記の手続に準じ、すべての債権者に対して公正な弁済が行われることが保障されているものに限られると解すべきであるところ、請求人は、①臨時株主総会において、本件債権放棄の要請を行うことを決議しただけで、Aらからの借入金以外の借入金及び買掛金などの営業債務に係る債務額の整理に関する事項などについて債権者集会で協議を行うなど、法人税基本通達12−3−1に定める、法律等の定めに準じた一連の手続等は行われていないと認められること、②本件債権放棄による債務免除を受けた直前の平成16年9月期の事業年度末において、貸借対照表上、債務超過の状態にはあるものの、事業経営が成り立たなくなるほどの経営の危機に陥っている状態ではなかったと認められること、③さらに、本件債権放棄による効果は、請求人の資金繰りにはほとんど影響がないことからすると、請求人も自認しているように、請求人があえてAらに対して債権放棄の要請という手段を早急にとらなければ、請求人は、債務超過の状態によって倒産するという状況にあったとは認められないこと、及び④請求人は、競売物件の取得等に係る資金として融資を受けるには、E銀行からの求めに応じて債務超過の状態を解消する必要があったことから、請求人の財務内容を表面的に改善するためにAらに本件債権放棄の要請を行ったものと認めるのが相当である。そうすると、本件債権放棄による債務免除は、多数の債権者によって協議の上決められたものでなく、単に請求人とAらとの間における私的な協議によって決定され、その内容が一定の計画のもとに合理的に定められたものではないと認められることから、法人税法施行令第117条第4号に規定する事実に当たらないとした原処分は適法である。(平21. 6.24 熊裁(法)平20-29)

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支部名
関東信越
裁決番号
平200032
裁決年月日
平成21年1月28日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、国税通則法第70条第1項の規定により、その申告期限から3年を経過した事業年度の更正処分はできないから、それ以前の事業年度の欠損金額が減少したとしても、法人税法第57条第1項の規定により当該事業年度以後の事業年度の損金の額に算入される欠損金額は、当該事業年度の申告書に記載した翌期繰越欠損金額となる旨主張する。しかしながら、申告書の翌期繰越欠損金額に係る記載の有無及び記載金額の多寡は同項の規定の適用要件とされていないから、前7年間の各事業年度に生じた欠損金額を是正した場合には、当該事業年度の更正処分をしたか否かにかかわらず、その是正後の金額に基づいて本規定を適用すべきであるから、請求人の主張は採用できない。(平21. 1.28 関裁(法)平20-32)

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支部名
金沢
裁決番号
平190015
裁決年月日
平成20年3月14日
裁決結果
棄却
争点番号
301001000
争点
10繰越欠損金/1法人税法57条の趣旨
事例集登載頁
裁決事例集 No.75・370ページ

要旨

○ 請求人は、本件事業年度の所得の金額の計算上、繰越欠損金を損金の額に算入して、法人税の確定申告書を提出し、その後、本件更正処分前に、欠損金額が生じた事業年度後の事業年度で無申告であった事業年度に係る確定申告書を提出しているのであるから、法人税法第57条第10項に規定する「その後において連続して確定申告書を提出している場合」に該当する旨主張する。ところで、法人税の確定申告書の提出は、各事業年度の所得の金額等を確定する行為であるところ、法人税法第57条第1項の規定は、各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入すべき金額に係る別段の定めとして、一定の条件のもとに繰越欠損金を損金の額に算入することとした規定である。このことから、各事業年度の所得の金額の計算上繰越欠損金を損金の額に算入するかどうかは、遅くとも、内国法人が当該各事業年度に係る確定申告書を提出する時までに定まっていなければならない。そうすると、法人税法第57条第1項の適用要件を規定する同条第10項にいう「その後において連続して確定申告書を提出している場合」に該当するかどうかも、当該各事業年度に係る確定申告書の提出時までに定まっていなければならないことになる。したがって、法人税法第57条第10項に規定する「その後において連続して確定申告書を提出している場合」とは、繰越欠損金を損金の額に算入しようとする事業年度に係る確定申告書の提出時において、欠損金額が生じた事業年度後の各事業年度について確定申告書が提出済みである場合をいうものと解される。これを本件についてみると、請求人が本件事業年度に係る法人税の確定申告書を提出した時点において、欠損金額が生じた事業年度後に無申告の事業年度があり、請求人が、その後に、無申告であった事業年度に係る確定申告書を提出したとしても、繰越欠損金が生じた事業年度から連続して確定申告書を提出していることにはならない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 3.14 金裁(法)平19-15)

支部名
東京
裁決番号
平180153
裁決年月日
平成19年1月18日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 法人税法第57条第9項第1号は、連結法人が、自らを分割法人とする分割型分割を行った場合の分割前事業年度は、同法第14条第12号の規定に基づき、みなし事業年度として連結単体納税を行うこととなるところ、当該連結単体納税における欠損金の繰越控除について、分割前事業年度前の各事業年度において生じた欠損金(単体欠損金)は、ないものとする旨規定している。連結納税制度の下での単体納税における欠損金の取扱いについての考え方は、税制の本来の在り方と租税回避のおそれを防止する目的を根拠に導かれるものであるから、連結加入後、連結納税を行うことなく連結離脱したような例外的な場合には、いわば納税単位の変更がなく、事実上単体納税が継続していることに着目し、単体欠損金の繰越控除を認めたとしても、あながち不合理ともいえないと考えられる。そうすると、単体欠損金の繰越控除の仕組みとしては、連結加入した法人について、①連結加入した以上は、連結離脱せずに連結納税を行うか又は連結離脱して単体納税を行うかという連結加入後の納税態様にかかわりなく、単体欠損金の繰越控除を一切認めないとするものと、②連結加入し、一度連結納税を行った場合には単体欠損金の繰越控除を認めず切り捨てるが、連結納税前の連結離脱により一度も連結納税を行わない場合には単体欠損金の繰越控除を認めるとするものとの二通りがあり得ることとなる。ところで、同法第57条第9項第1号は、分割前事業年度前の単体欠損金を「ないものとする」としており、連結納税前の連結離脱により一度も連結納税を行わなかった場合においても単体欠損金の繰越控除を制限していることは明らかであるから、立法上、上記②ではなく、①の仕組みを採用したものと考えられる。したがって、同号に規定する単体欠損金は「ないものとする」については、連結納税開始後の分割前事業年度後の各事業年度において単体欠損金の繰越控除は認めない、すなわち、切り捨てるとの趣旨と解するのが相当である。(平19. 1.18 東裁(法)平18-153)

支部名
関東信越
裁決番号
平180002
裁決年月日
平成18年7月5日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、その最初連結親法人事業年度開始の日の5年前の日からその開始の日までの間に行われた株式移転に係る完全子会社であった連結子法人のその開始の日前5年以内に開始した各事業年度において生じた欠損金額はないとする当該連結子法人に対する法人税の更正処分が違法であるので、本件連結事業年度において請求人の繰越連結欠損金額とみなされる当該連結子法人の繰越欠損金額は存在する旨主張する。しかしながら、当該連結子法人に対する法人税の更正処分は欠損金額はないとするもので、当審判所の調査の結果によれば、同更正処分には、当然に無効とされる客観的に明白かつ重大な瑕疵があるとは認められず、また、これまでに当審判所を含む権限ある機関によって取り消されていないことが認められるので、本件連結事業年度において請求人の繰越連結欠損金額とみなされる当該連結子法人に生じた繰越欠損金額は存在しない。(平18. 7. 5 関裁(法)平18-2)

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支部名
東京
裁決番号
平170082
裁決年月日
平成17年12月19日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
裁決事例集 №70・249ページ

要旨

○ 東京高等裁判所昭和63年9月28日判決(昭和62年(行コ)第68号法人税更正処分取消請求控訴事件、税務訴訟資料165号913頁参照。最高裁判所平成元年4月13日判決の原審である。)によれば、過去の事業年度における欠損金額を繰越欠損金の額として控除事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入するためには、その過去の事業年度において所得金額の計算上欠損金額が認められる場合でなければならないとされている。すなわち、過去の事業年度について、その後に欠損金額が生じていたことが判明した場合においては、更正により当該事業年度の欠損金額として確定することができる場合に限り、当該欠損金額を控除事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入することができると解するのが相当である。(平17.12.19東裁(法)平17-82)

支部名
金沢
裁決番号
平160011
裁決年月日
平成17年6月15日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、被合併法人であるS森林組合決算報告書の内容から、当該S森林組合の欠損金を引き継いでいるので租税特別措置法第66条の2に基づき、引き継いだ欠損金の損金算入を認めるべきである旨主張する。ところで、請求人は、森林組合合併助成法第4条第2項の認定を受け、S森林組合を含む複数の森林組合が合併して設立された森林組合であるところ、被合併法人であるS森林組合の控除対象欠損金額を合併法人である請求人の事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入するには、被合併法人であるS森林組合の控除対象欠損金を引継ぎしていることが必要である。そして、引継要件は、合併法人が控除対象欠損金額を引き継ぐことであるから、この控除対象欠損金額にいう欠損金額とは、各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額が当該事業年度の益金の額を超える場合におけるその超える部分の金額である。そうすると、①請求人の代表理事は、欠損金の引継ぎに関する書類はなく、本件合併に当たっての書類としては本件引継貸借対照表である旨を答述していることからすると、記載されている資産、負債及び資本とその内訳の金額は認識しているものの被合併法人であるS森林組合の控除対象欠損金額を認識していたとはうかがえず、控除対象欠損金額を引き継いだ事実は認められないこと、②本件引継貸借対照表には、被合併法人であるS森林組合の控除対象欠損金額に関する記載は一切なく、当該貸借対照表からは控除対象欠損金額を引き継いだ事実は認められないこと、③当審判所の調査によっても請求人が被合併法人であるS森林組合の控除対象欠損金額を引き継いだ事実は認められない。したがって、請求人のこの点に関する主張には理由がない。(平17.6.15金裁(法)平16-11)

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支部名
熊本
裁決番号
平160014
裁決年月日
平成17年2月24日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
裁決事例集 №69・186ページ

要旨

○ 請求人は、仮装経理に基づく過大申告額を修正経理した場合の損失の額について、その損失の額が法人税法第57条第1項に規定する前5年以内の各事業年度に係る金額であれば、当該損失の額(以下「本件損益修正損の額」という。)は、修正経理をした事業年度の損金として認められるべきである旨主張するが、法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入される金額は、その金額がその事業年度において生じたものであることが必要であるところ、本件損益修正損の額が本件事業年度において生じたものでないことは明らかである。また、修正経理に係る損失の額は、仮装経理をした各事業年度について税務署長が更正を行うことにより、当該仮装経理をした各事業年度の損金の額として確定し、欠損金相当額は繰越欠損金として控除対象となるところ、本件においては、原処分庁による減額更正がされる時点において、平成10年12月期については法定申告期限から5年を経過していたために、国税通則法第70条第2項の規定により減額更正をすることができなかったのであり、その結果、平成10年12月期においては欠損金額が生じなかったことに確定したのであるから、これを本件事業年度の繰越欠損金の当期控除額として損金の額に算入することはできない。したがって、本件損益修正損の額を損金の額に算入せず、また、平成10年12月期の欠損金額はないものとして行われた本件事業年度の更正処分は適法である。(平17.2.24熊裁(法)平16-14)

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支部名
札幌
裁決番号
平150025
裁決年月日
平成16年5月17日
裁決結果
棄却
争点番号
301003000
争点
10繰越欠損金/3繰越欠損金の額
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件事業年度前の5事業年度において、架空の売上高を益金の額に算入していたことから、これらの額を当該各期における欠損金額に加算し、本件事業年度の損金の額として認められるべきである旨主張するが、請求人は帳簿書類を作成しておらず、請求人が提出した証拠書類のみでは、請求人主張の売上高が架空であるとする事実及び本件事業年度前の5事業年度の益金の額に算入されていたとする事実が認められないことから、本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平16.5.17札裁(法)平15-25)

支部名
熊本
裁決番号
平100049
裁決年月日
平成11年6月8日
裁決結果
棄却
争点番号
301002000
争点
10繰越欠損金/2青色申告書提出の有無
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、①青色承認申請書を提出しているとの認識の下に、青色申告書として申告書を提出しており、また、帳簿書類の記載と保存も青色申告法人と同等であること、②本件事業年度前の確定申告書に欠損金明細書を添付していること及び原処分庁は、税務調査において、欠損金の繰越処理及び承認申請書の提出の指導をすべきところその指導を怠ったものであることから、請求人を青色申告法人として認め、請求人が損金の額に算入した繰越欠損金額を青色申告における繰越欠損金額として取扱うべきである旨主張する。しかしながら、申告納税制度の下における法人税の確定申告及び申請関係は、本来、納税者自身の判断と責任においてなされるべきは当然のことであり、請求人は、原処分庁の指導の有無にかかわらず、青色申告法人となろうとすれば、原処分庁に承認申請書を提出すべきであったと認められることから、請求人の主張には理由がない。さらに、請求人が欠損金明細書を添付していること及び税務調査において、原処分庁から欠損金の取扱い及び承認請求書の提出について指摘及び指導がなかったとしても、青色申告法人でない請求人が青色繰越欠損金額を損金の額に算入したときには、原処分庁が法の定めに従って、これの是正を求めることは当然のことであり、不当なものとはいえない。(平11. 6. 8熊裁(法)平10-49)

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