裁決要旨 1法人税法57条の趣旨

裁決要旨 1法人税法57条の趣旨

支部名
東京
裁決番号
令070016
裁決年月日
令和7年8月22日
裁決結果
棄却
争点番号
301001000
争点
10繰越欠損金/1法人税法57条の趣旨
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、租税法律主義の観点から条文の解釈は条文の規定に基づくべきであり、法人税法(平成27年法律第9号による改正前のもの)第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第10項に規定する「その後において連続して確定申告書を提出している場合」に該当するか否かの判断時点を限定する規定は法人税法上に存在しないことなどから、「その後において連続して確定申告書を提出している場合」の判断時点は確定申告書の提出時であるとは規定されておらず、請求人は、更正処分等の時点において連続して確定申告書を提出しているため、本件における繰越欠損金(本件繰越欠損金)は所得の金額の計算上損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、法人税法第57条第10項の規定は、同条第1項の適用要件を規定しており、「その後において連続して確定申告書を提出している場合」とは、繰越欠損金を損金の額に算入しようとする事業年度に係る確定申告書の提出時において、欠損金額が生じた事業年度後の各事業年度について確定申告書が提出済みである場合をいうものと解されるから、同条第10項にいう「その後において連続して確定申告書を提出している場合」の判断時点は、繰越欠損金を損金の額に算入する確定申告書の提出時として規定されているものと認められる。そして、請求人は、本件繰越欠損金を損金の額に算入する事業年度(本件事業年度)の確定申告書(本件確定申告書)の提出時において、本件繰越欠損金が生じた事業年度後の各事業年度のうちに確定申告書を提出していない事業年度があることから、本件確定申告書の提出後に、確定申告書を提出していなかった事業年度の期限後申告書を提出したとしても、法人税法第57条第10項に規定する「その後において連続して確定申告書を提出している場合」の要件を満たしていたことにはならず、本件事業年度の法人税の所得の金額の計算上、本件繰越欠損金を損金の額に算入することはできない。(令7. 8.22 東裁(法)令7-16)

支部名
大阪
裁決番号
平290083
裁決年月日
平成30年6月11日
裁決結果
棄却
争点番号
301001000
争点
10繰越欠損金/1法人税法57条の趣旨
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、再生手続に係る再生計画認可及び当該再生手続終結の決定を受けた後の事業年度(本件事業年度)において、法人税法第57条《青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し》第1項本文所定の欠損金額に相当する金額について、本件事業年度が、当該再生計画認可の決定の日以後7年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度であり、当該欠損金額の損金算入限度額(当該欠損金額の控除前の所得金額に相当する金額の100分の65)を当該欠損金額控除前の所得金額に相当する金額まで増加させる特例(本件特例)が適用されるとして、当該欠損金額の控除前の所得金額に相当する金額を損金の額に算入して法人税の確定申告をしたことについて、上記の再生計画(本件再生計画)には、再生計画認可決定確定時に債権額が確定していない再生債権があり、これについては債権額が確定した日に応じて弁済日・弁済期間が定められ、当該期間は本件事業年度においていまだ満了していないことから、本件特例が適用される旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第112条《適格合併等による欠損金の引継ぎ等》第14項第2号ハに規定する「再生計画で定められた弁済期間」とは、再生計画認可決定の確定時において、再生計画上確定している最終弁済日までの期間をいうものと解するのが相当であるところ、金銭債権については、本件再生計画認可決定の確定時において、本件再生計画の一般条項及び個別条項上で定める日が最終弁済日となる。他方で、本件再生計画は、非金銭債権及び未確定債権の弁済の方法についても定めているが、これらの債権については、本件再生計画認可決定の確定時において、最終弁済日が確定していない。そして、上記金銭債権に係る最終弁済日は、本件事業年度末までに到来しているから、請求人については、法人税法施行令第112条第14項第2号ハに規定する「再生計画で定められら弁済期間が満了した」との事由が生じたものと認められ、本件特例の適用は認められない。(平30. 6.11 大裁(法)平29-83)

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支部名
金沢
裁決番号
平190015
裁決年月日
平成20年3月14日
裁決結果
棄却
争点番号
301001000
争点
10繰越欠損金/1法人税法57条の趣旨
事例集登載頁
裁決事例集 No.75・370ページ

要旨

○ 請求人は、本件事業年度の所得の金額の計算上、繰越欠損金を損金の額に算入して、法人税の確定申告書を提出し、その後、本件更正処分前に、欠損金額が生じた事業年度後の事業年度で無申告であった事業年度に係る確定申告書を提出しているのであるから、法人税法第57条第10項に規定する「その後において連続して確定申告書を提出している場合」に該当する旨主張する。ところで、法人税の確定申告書の提出は、各事業年度の所得の金額等を確定する行為であるところ、法人税法第57条第1項の規定は、各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入すべき金額に係る別段の定めとして、一定の条件のもとに繰越欠損金を損金の額に算入することとした規定である。このことから、各事業年度の所得の金額の計算上繰越欠損金を損金の額に算入するかどうかは、遅くとも、内国法人が当該各事業年度に係る確定申告書を提出する時までに定まっていなければならない。そうすると、法人税法第57条第1項の適用要件を規定する同条第10項にいう「その後において連続して確定申告書を提出している場合」に該当するかどうかも、当該各事業年度に係る確定申告書の提出時までに定まっていなければならないことになる。したがって、法人税法第57条第10項に規定する「その後において連続して確定申告書を提出している場合」とは、繰越欠損金を損金の額に算入しようとする事業年度に係る確定申告書の提出時において、欠損金額が生じた事業年度後の各事業年度について確定申告書が提出済みである場合をいうものと解される。これを本件についてみると、請求人が本件事業年度に係る法人税の確定申告書を提出した時点において、欠損金額が生じた事業年度後に無申告の事業年度があり、請求人が、その後に、無申告であった事業年度に係る確定申告書を提出したとしても、繰越欠損金が生じた事業年度から連続して確定申告書を提出していることにはならない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 3.14 金裁(法)平19-15)

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