裁決要旨 3対価補償金の範囲
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270069
- 裁決年月日
- 平成28年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 302303000
- 争点
- 23収用等の場合の課税の特例/3対価補償金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、収用に伴い起業者(本件起業者)から受領した①動産移転料及び立木補償金は収用等の譲渡の目的となった資産の対価たる補償金であること、②移転雑費は建物等の再取得に不可欠な費用の補償であること、③営業補償金は収用を行う上で必要不可欠な補償であることから、これらの金額が租税特別措置法第65条の2《収用換地等の場合の所得の特別控除》第1項の規定による特例の対象となる対価補償金に該当する旨主張する。しかしながら、同法第64条《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》第3項は、同条第1項第1号等に規定する補償金の額は、名義がいずれであるかを問わず、資産の収用等の対価たるもの(対価補償金)をいうものとし、収用等に際して交付を受ける移転料その他当該資産の収用等の対価たる金額以外の金額を含まないものとする旨規定しており、同項の補償金等の額とみなされる同条第2項第2号所定の「資産の損失に対する補償金」の額も、土地の収用等に伴い取壊し又は除去により失った資産の対価に相当する金額をいうものと解するのが相当であるところ、本件において、動産移転料、立木補償金、移転雑費及び営業補償金は、いずれも収用等による譲渡の目的となった土地、建物又は工作物の対価に相当する金額が含まれているとは認められない。ただし、建物移転料が建物の再取得価額に満たないことから、租税特別措置法通達64(2)−5《収益補償金名義で交付を受ける補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合》の定めに従い、営業補償金のうち、収益補償金に該当する金額のうち建物の再取得価額から建物移転料を控除した金額に達するまでの金額については、対価補償金として取り扱うことが相当である。したがって、動産移転料、移転雑費及び立木補償金はいずれも対価補償金に該当せず、営業補償金のうち一部の金額は対価補償金に該当し、その余は該当しない。(平28. 6.29 関裁(法)平27-69)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270032
- 裁決年月日
- 平成28年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 302303000
- 争点
- 23収用等の場合の課税の特例/3対価補償金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、収用される土地の上にある建物(本件建物)の移転雑費補償金の一部として受領した設計工事監理費用及び申請手数料(本件設計工事監理費用等)について、建物の解体移築に不可避に発生する費用であり、また、本件建物の解体移築を前提にその附帯的諸経費を補填する補償金として計算されている実態をみれば、租税特別措置法関係通達64(2)−8《ひき(曳)家補償等の名義で交付を受ける補償金》に定める「移築するために要する費用」に当たり、租税特別措置法第64条《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》第1項(本件特例)の適用を受ける補償金(対価補償金)に当たる旨主張する。しかしながら、本件特例の適用を受ける対価補償金とは、収用等された土地の上にある資産の対価に相当する部分に限られ、同通達64(2)−8に定める「移築するために要する費用として交付を受ける補償金」も飽くまで収用等された土地の上にある資産の対価に相当する部分に限られる。そうすると本件建物の対価に相当する部分は、国土交通省の「公共用地の取得に伴う損失補償基準の運用方針」所定の再築工法によって算定された建物移転料に包含されており、同運用方針において「法令上の手続に要する費用」として算定された本件設計工事監理費用等が本件建物の対価に相当する部分に当たらないことは明らかであり、本件特例の適用を受ける対価補償金には当たらない。(平28. 2.23 関裁(法)平27-32)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270003
- 裁決年月日
- 平成27年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 302303000
- 争点
- 23収用等の場合の課税の特例/3対価補償金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、租税特別措置法第64条《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》の規定(本件特例)は、行政の必要のために国民が財産を喪失したことに対する補償金は損失補償として課税扱いしないという趣旨から、国の土地収用等に伴い国から補償金を受けた場合にその補償金については特別に損金算入処理を認めているところ、請求人の店舗の使用に不可欠な顧客用駐車場の土地が収用され、店舗がその用途を果たせなくなったために請求人は移転を余儀なくされ、その事実に基づいて、建物移転とこれに対する補償金の支払いを受けたのであるから、その補償金には本件特例がおしなべて適用されるべきである旨主張する。しかしながら、収用等される資産は、原則として、その資産を収用することができる公共事業の用に直接供されるものに限られるところ、租税特別措置法第64条第2項第2号が、収用等される土地の上にある資産の取壊し又は除去が土地の収用等と同じ性格のものであり、収用等に準じて課税の特例を認めるとの趣旨であることからすれば、同号に規定する「その土地の上にある資産」とは正に収用されることとなる土地自体の上にある資産をいうものと解するのが相当であり、このことは文理上も明らかである。また、租税特別措置法関係通達64(2)−8《ひき(曳)家補償等の名義で交付を受ける補償金》は、公共事業施行者の補償の仕方いかんにより課税上の差異が生じることのないよう課税の公平を図る趣旨から定められたものであり、同通達に定める「当該土地等の上にある建物又は構築物」も、租税特別措置法第64条第2項第2号に規定する「その土地の上にある資産」と同様、収用されることとなる土地自体の上にある物件をいうものと解するのが相当である。そうすると、本件において、店舗の移転補償金は、収用されることとなる土地自体の上にある物件の移転に要する費用等を補償したものではないから、本件特例の対象となる補償金に該当しない。(平27. 8.28 熊裁(法・諸)平27-3)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成26年6月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 302303000
- 争点
- 23収用等の場合の課税の特例/3対価補償金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№95
要旨
○ 請求人は、請求人の建物の敷地として賃借していた土地の一部(本件土地)の公共用地の買取りに伴い起業者(本件起業者)から取得した補償金(本件建物補償金)について、①租税特別措置法関係通達(措置法通達)64(2)−3《対価補償金等の判定》の定めにより本件起業者の判断が尊重されるところ、本件起業者が請求人に交付した「公共事業用資産の買取り等の証明書」に「買取」と記載されていること、また、②本件建物補償金の算定根拠となった建物の庇部分を取り壊していることからすると64(2)−8《ひき(曳)家補償等の名義で交付を受ける補償金》の各定めに該当又は類似し、本件建物補償金の全額が、租税特別措置法第65条の2《収用換地等の場合の所得の特別控除》第1項の規定による所得の特別控除の特例(本件特例)の対象となる補償金に該当する旨主張する。しかしながら、①措置法通達64(2)−3は、交付の目的が明らかでない補償金について、対価補償金、収益補償金、経費補償金、移転補償金又はその他対価補償金たる実質を有しない補償金のいずれに該当するかの判定が困難な場合に、課税上弊害がない限り、起業者が証明するところによる旨定めているのであって、請求人は、本件起業者から本件建物補償金の算定資料の交付を受けており、本件建物補償金については、その算定の内訳等が明らかであり、いずれの補償金に該当するかが判断できる。また、②請求人が本件起業者から交付を受けた本件建物補償金の算定資料によれば、本件建物補償金のうち、本件土地の買取りによって減少する展示場及び駐車場の代替として本件土地の外に立体駐車場を設置する費用の補償及び当該立体駐車場を設置する際に支障となる建物の移転に要する費用の補償の各金額は、いずれも本件土地の上に存する資産に係るものではないから、措置法通達64(2)−8の定めに該当しない。(平26. 6. 3 沖裁(法)平25-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230087
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 302303000
- 争点
- 23収用等の場合の課税の特例/3対価補償金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、都市再開発法による第一種市街地再開発事業において、建物補償として受領した金員(本件建物補償金)は都市開発法第97条《土地の明渡しに伴う損失補償》第1項に基づく補償金であり、租税特別措置法第64条《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》第2項第2号に規定する補償金に該当するから、対価補償金でなくとも租税特別措置法第65条の2《土地の明渡しに伴う損失補償》の規定の適用がある旨主張する。しかしながら、本件建物補償金は、権利変換の対象となった建物部分の解体工事に伴って生じた建物壁面等の損失を補償するものであり、建物の移転に伴う補償金とは性格と異にするものである。したがって、本件建物補償金に租税特別措置法第65条の2の規定の適用はない。(平24. 6.19 関裁(法)平23-87)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平230003
- 裁決年月日
- 平成23年11月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 302303000
- 争点
- 23収用等の場合の課税の特例/3対価補償金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、駐車場として使用していた本件土地の公共用地の買取りに伴い、起業者から取得した自動車保管場所補償金名義の補償金(本件補償金)について、収用等による補償金は、収用等により生じた何らかの損失を補償するためのものであるところ、本件土地の買取りにより消滅するのは買取りされる本件土地のみで、その他に補償対象となるべき経済的損失がないことから、本件補償金の実質は本件土地の対価であるとして、租税特別措置法第65条の2《収用換地等の場合の所得の特別控除》第1項に規定する特別控除の特例(本件特例)の対象となる旨主張する。しかしながら、本件補償金は、起業者が、本件土地の買取りにより自動車保管場所の機能が失われることから、その機能回復のために立体駐車場を設置することとし、その設置に要する費用を算定し、請求人と合意の上で交付したものであり、自動車保管場所補償金の実質を有するものであるから、本件土地の対価たる性質はなく、本件特例の対象にはならない。(平23.11.16 高裁(法)平23-3)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190022
- 裁決年月日
- 平成20年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 302303000
- 争点
- 23収用等の場合の課税の特例/3対価補償金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・342ページ
要旨
○ 請求人は、本件補償金の全額が、租税特別措置法第64条第1項に規定する補償金に該当すると主張する。しかしながら、本件動産移転費用補償金は、本店建物の屋内にある請求人所有の什器備品等の動産の移転費用の補てんに充てるためのものであり、移転補償金に該当し、対価補償金に該当しない。本件営業休止補償金は、休業期間中の収益減少及び損失額等を補償するものであり、収益補償金に該当し、対価補償金に該当しない。(平20. 3.24 福裁(法)平19-22)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110036
- 裁決年月日
- 平成12年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 302303000
- 争点
- 23収用等の場合の課税の特例/3対価補償金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃借権消滅補償名目で支払われた本件補償金が本件土地賃貸借契約に基づく賃借権の消滅の対価であること及び本件事業施工者が発行した本件収用証明書に基づき申告をしたことから本件特例の適用がある旨主張する。しかしながら、本件土地賃貸借契約に基づく賃借権の存在は認められるものの本件賃借権の経済的価値は著しく低いものであり、土地造成費補償として支払われた対価補償金以外に賃借権の対価補償金と認められる補償金はないことから本件補償金は賃借権の消滅の対価として支払われたものとは認められない。また、申告書に添付された本件収用証明書は、請求人の再三の要請により本件事業施工者がやむを得ず発行したものであると認められる。(平12. 6.22熊裁(法)平11-36)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平100033
- 裁決年月日
- 平成11年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 302303000
- 争点
- 23収用等の場合の課税の特例/3対価補償金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件公共事業に係る用地買収等により、賃借していた本件建物の一部から移転する旨の借家人補償契約を締結し本件補償金を受領したが、本件補償金は、本件買取証明書の適用欄に買取り等の対価以外の損失補償の交付名義ごとの支払金額の記載がないから、その全額が措法第65条の2に規定する補償金に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は①本件公共事業に係る説明会において各種損失補償の説明を受けていること、②その損失補償の算定に決算書等を使用するとの説明を受け、これに基づき損益計算書等を提出していること、③借家人補償契約に係る契約書において、損失補償の補償区分が明示されていること、④借家人補償契約の締結の際に本件公共事業の用地買収等の担当者から、損失補償の交付名義ごとの支払金額の説明を受けていること、⑤本件買取証明書に添付された本件支払調書には損失補償の交付名義ごとの支払金額の記載があること及び⑥上記⑤の送付に係る文書には「不明な点は照会してください」との記載があるにもかかわらず、照会を行っていないことから、本件補償金に買取り等の対価以外の損失補償の交付名義ごとの支払金額があったことを承知していたと認められ、本件補償金のうち建物等の移転補償を除く各種の補償金については、いずれも資産の収用等の対価たるものとは認められないことから、措法第65条の2に規定する補償金に該当しない。(平11. 3.16札裁(法)平10-33)
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