裁決要旨 7損金の額の範囲及び計算
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令070009
- 裁決年月日
- 令和7年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、日用品(本件商品)を各仕入先(本件各仕入先)から実際に仕入れて(本件各仕入れ)、輸出販売しており、コンテナ積込み作業写真においても、本件商品が確認できることから、本件各仕入れに係る取引は事実がある旨主張する。しかしながら、請求人が1年で仕入れたと主張する本件商品の個数は、本件商品の製造元が約7年間にわたって製造・販売したに近い数量であること、本件各仕入先からの仕入単価も流通単価の3倍から6倍に近い単価であること、輸出販売単価は仕入単価より低く営利性を認め難いこと、本件各仕入先の調達元である個人らの実在性が強く疑われること等からすれば、本件各仕入れが事実とは認められないから、本件各仕入れの金額は損金の額に算入されない。(令7.12.18 福裁(法・諸)令7-9)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令070005
- 裁決年月日
- 令和7年9月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の各取締役に対する定期給与のほかに支給する役員給与(本件役員給与)の支給額(本件支給額)が、法人税法第34条第1項第2号イ及び法人税法施行令(令和2年政令第207号による改正前のもの)第69条第4項第1号の規定による事前確定届出給与に関する届出書に記載した役員給与の額(本件届出額)と異なることとなったのは、会社として従業員が起こした事故に対するコンプライアンスを考慮して本件届出額のうち支給時期が未到来であった本件役員給与について減額する旨の臨時取締役会の決議(本件減額決議)をしたことによるものであり、利益調整を目的としておらず、また、同条第5項に規定する当該役員給与の額を変更した場合の届出書(変更届出書)の提出を失念したことに悪気はないから、本件支給額と本件届出額との相違をもって否認することは適正さを欠いている旨主張する。しかしながら、実際に支給された役員給与が事前確定届出給与に該当するためには、所轄税務署長に対する事前確定届出給与に関する届出がされたとおりに支給されたものであることを要するところ、本件減額決議に基因して、本件支給額は本件届出額と相違しており、また、変更届出書が提出されていないことから、本件支給額は、所轄税務署長に提出した事前確定届出給与に関する届出書のとおりに支給されたものとは認められないため、事前確定届出給与に該当せず、その異なる金額となった事情に利益を調整する意図がないとしても、結論を左右するものではなく、悪気がない場合に変更届出書の提出を不要とする法令の規定もないため、悪気の有無は問題とならない。(令7. 9. 9 仙裁(法)令7-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令070010
- 裁決年月日
- 令和7年8月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分の対象となった外注費(本件外注費)は役務提供の対価として外注先に支払われていることから、本件外注費は、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件外注費は、請求人の取締役(本件取締役)に対する給与に該当し、請求人は、当該給与を本件外注費に仮装して経理することにより本件取締役に支給したものといえるから、請求人には、国税通則法第68条(令和6年法律第8号による改正前のもの)《重加算税》第1項に規定する隠蔽又は仮装の事実があったと認められ、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第3項に規定する「内国法人が、事実を隠蔽し、又は仮装して経理することによりその役員に対して支給する給与の額」に該当することとなり、請求人の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(令7. 8. 5 大裁(法・諸)令7-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令070008
- 裁決年月日
- 令和7年7月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人に合併された法人(請求人被合併法人)は、関係法人に不動産(本件不動産)を売買契約(本件売買契約)により譲渡したところ、本件不動産の売買予約をした時の価額が予約完結権の行使によって本件売買契約を締結した時の適正な価額であり、譲渡対価の額(本件売買価額)との差額は生じていない旨主張する。しかしながら、本件不動産の適正な価額を本件不動産の引渡しがあった時点で再評価すると、当審判所が認定した本件不動産の適正な価額は本件売買価額を上回るところ、本件売買価額と本件不動産の適正な価額との差額(本件差額)が何らかの対価であったと認めるに足る証拠はなく、当該譲渡について通常の経済取引として是認することができる合理的な理由の存在も認めることができないから、請求人被合併法人は関係法人に対して本件差額に相当する金額を実質的に贈与したものというべきであり、本件不動産の譲渡は低額譲渡に該当し、当該上回る金額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額となる。(令7. 7.25 大裁(法)令7-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令070008
- 裁決年月日
- 令和7年7月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人に合併された法人(請求人被合併法人)は、関係法人に不動産を売買契約(本件売買契約)により譲渡したところ、関係法人に生じる売却益については、法人税法第61条の13に規定される、いわゆるグループ法人税制が適用されるため法人税等が課されることはないと信じ、仮に関係法人に生じる売却益に対して法人税等が課されることを認識していれば売買を行わなかったとして、本件売買契約は民法第95条《錯誤》に基づき無効であり、原処分庁の処分は存在しない売買契約に基づいてされた違法な処分である旨主張する。しかしながら、本件売買契約は、関係法人が本件売買契約に係る予約完結権を行使する旨の意思表示をしたことにより成立したものであるから、請求人被合併法人による本件売買契約に係る意思表示があったとは認められないので、請求人被合併法人による錯誤の主張はその前提を欠くものである。(令7. 7.25 大裁(法)令7-8)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令070002
- 裁決年月日
- 令和7年7月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/4評価方法
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、棚卸資産に係る評価の方法について、法定評価方法である最終仕入原価法と、法人税法第22条第4項の規定において一般に公正妥当と認められる会計基準である企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」が認める低価法により評価しており適法であるから、これを否定する各更正処分(本件各処分)は違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、棚卸資産の評価方法を、総平均法による原価法に基づく低価法に変更することについて税務署長の承認を受けているにもかかわらず、承認を受けた評価方法とは異なる上記の評価方法(本件請求人評価方法)により本件における棚卸資産(本件棚卸資産)を評価しているところ、法人税法第29条《棚卸資産の売上原価等の計算及びその評価の方法》並びに法人税法施行令第28条《棚卸資産の評価の方法》及び第31条《棚卸資産の法定評価方法》は、法人税法第22条第3項にいう別段の定めに当たり、同項各号に掲げる額について定める同条第4項は、内国法人が選定した評価の方法により評価しなかった場合における棚卸資産の評価の方法については適用されない。そして、請求人は、本件棚卸資産について選定した評価の方法により評価しておらず、また、本件請求人評価方法は、法人税法施行令第28条第1項に規定する評価の方法のいずれの方法にも該当しないことから、本件棚卸資産の評価方法は、法人税法第29条第1項及び法人税法施行令第31条の各規定に基づき、同施行令第28条第1項第1号ホに規定する最終仕入原価法による原価法となるところ、本件各処分は、最終仕入原価法による原価法としていることから、適法である。(令7. 7.17 仙裁(法・諸)令7-2)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令070001
- 裁決年月日
- 令和7年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員報酬勘定に計上した監査役(本件監査役)に対する役員給与の額(本件役員給与計上額)を本件監査役名義口座(本件口座)に入金しており、本件口座から出金して本件監査役に渡している金員は生活費で、給与支払明細書(本件明細書)は生活費の内訳であることから、本件監査役に本件役員給与計上額を支給している旨主張する。しかしながら、本件口座は、金融機関により本件監査役の親である代表者(本件代表者)の借名口座と判断され、本件監査役に帰属していないことなどから、本件口座に入金されたことをもって、本件役員給与計上額の全額が本件監査役に支給されたとは認められず、本件明細書に記載された金額(本件明細書支給額)が本件監査役に対して支給された給与等と認められる。また、本件代表者は、定款の定めに反して本件役員給与計上額を自ら決定し、本件役員給与計上額の一部を本件口座から出金して別の役員の口座に入金するなどしていることから、本件役員給与計上額のうち本件明細書支給額を除いた金額(本件残額)は、請求人を実質的に支配している本件代表者がその立場を利用して利得したと認められるため、その地位及び権限に対して受けた給与等であると認められる。そうすると、本件監査役に対して支給したと認められる本件明細書支給額は、労働日数等に単価を乗じて計算され、各月同額でないことから、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項に規定する定期同額給与等に該当せず、また、本件代表者に対して支給したと認められる本件残額は、本件代表者に支給されている役員給与であるにもかかわらず、本件監査役に対して支給する役員給与の額として経理され、損金の額に算入していることから、同条第3項に規定する「内国法人が、事実を隠蔽し、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額」に該当する。(令7. 7. 1 仙裁(法・諸)令7-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令060063
- 裁決年月日
- 令和7年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国法人(本件外国法人)との間で、コンサルティング業務契約(本件業務契約)を締結しているため、コンサルティング料として計上した販売促進費(本件販売促進費)は法人税法第22条第3項に規定する損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、①本件業務契約を定めた契約書(本件業務契約書)は存在するものの、その契約内容には不合理、かつ、不明確な点がみられ、請求人が本件業務契約を真に締結する意思を有していたか疑問を抱かざるを得ないこと、②本件業務契約に係る毎月の売上に関する連絡等をしていたことを裏付ける根拠がなく、客観的には、本件業務契約の目的を遂げる意思があったことに疑いを抱かざるを得ないこと、③請求人の売上高の増加が本件業務契約に基づく役務の提供によることを合理的に説明することができず、また、役務の提供と評価できるだけの行動があるとはいえないこと、④契約の相手方である本件外国法人において、本件販売促進費に見合う収入が財務諸表に計上されておらず、かつ、長期間にわたり、本件販売促進費の請求も本件外国法人に対する現実の支払もされないという不自然な状況が継続していることに加え、本件業務契約の締結に至る経緯も不明瞭であることをも併せ考えると、本件業務契約書が真正に成立していたとしても、請求人と本件外国法人の双方には本件業務契約書に記載されたとおりの合意をする意思はなかったと認められるから、本件業務契約は民法第94条《虚偽表示》第1項の規定により無効であり、本件販売促進費は損金の額に算入することはできない。(令7. 6.30 大裁(法)令6-63)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令060013
- 裁決年月日
- 令和7年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先から請求人との間の完成工事未収入金の残高(本件未収入金)が零円であるとの回答を受け、当該取引先に対する本件未収入金を前期損益修正損として処理しているところ、当該処理をした金額(本件修正損額)は、法人税法第22条第3項第3号に規定する損失の額として当事業年度(本件事業年度)の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件事業年度に本件未収入金に相当する債権が存在しない以上、請求人が本件未収入金を前期損益修正損勘定に振り替える帳簿上の処理をしたとしても、これは、本件未収入金に相当する債権が法的に消滅したり回収不能となったりするものではないから損失とはならず、本件修正損額は、本件事業年度の損金の額に算入されない。(令7. 5.22 広裁(法)令6-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060212
- 裁決年月日
- 令和7年5月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300713990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、販売促進費等として計上した商品券の購入金額について、商品券購入時の領収証の裏に配付先の氏名を記載しており、これらの者にお中元、お歳暮として配付したものであるから、請求人の業務との関連性は明らかであり、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人がこれらの者に配付したとする商品券の使途(配付内容、配付の相手方及び配付の時期等)が確認できず、請求人の業務との関連性は明らかでないから、損金の額に算入することはできない。(令7. 5.20 東裁(法・諸)令6-212)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令060012
- 裁決年月日
- 令和7年4月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注先(本件外注先)に支払った外注費は、本件外注先との包括的な工事請負契約に基づく適正な報酬であり、本件外注先は、下請業者(本件下請業者)が工事を遂行した対価を支払っているのであるから、請求人の本件事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人と本件外注先との取引は、①極めて多額の取引であるにもかかわらず、請求人の主張を裏付ける証拠が確認できないこと、また、②本件外注先は自ら工事代金を計算することはなく、請求人の取締役から指示されるとおりに請求書を作成し、請求人から入金があると、本件下請業者から毎月交付される本件外注先宛の請求書に、本件外注先が請け負っていない工事などが記載されていても内容の確認や審査をすることなく、本件下請業者の請求どおりに支払っていたと認められること、③本件外注先が請求人に提供した役務の内容が、指示された業務に対して役務を提供するいわゆる常傭工としての契約に近似した性格を持つ取引であるといえることを併せ考えれば、請求人が主張する包括的な工事請負契約なるものを認めることはできず、請求人が本件外注先に支払った外注費と審判所が認定した本件外注先に対する外注費との差額は、単に本件下請業者へ移動させるための金員であったと認めるのが相当である。したがって、当該差額は、請求人が、本件外注先の役務提供に係る対価として支払ったものと認めることはできず、請求人の本件事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(令7. 4.17 福裁(法・諸)令6-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060045
- 裁決年月日
- 令和7年4月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人の主たる取引先の意向に沿うことは請求人の存続に必要不可欠であること、②昨今の業界の統廃合リスク等による収益悪化を回避するための譲渡であること、③主たる取引先のグループ会社以外に譲渡することは事実上考えられないことから、譲渡対価(本件対価)には合理的な理由がある旨主張する。しかしながら、本件対価は、その適正な価額に比して低く、また、借地権について無償で譲渡があったものと認められるところ、本件対価と適正な価額との差額(本件差額)は経済的利益の無償の供与であって、通常の経済取引として是認できる合理的な理由があるとは認められず、費用としての性質が明白で明確に区別し得るものとはいえず、②業界の統廃合リスクという抽象的なリスクでは本件差額に合理的な理由があるとも認められないから、本件差額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する「寄附金の額」に該当する。(令7. 4. 2 名裁(法)令6-45)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060041
- 裁決年月日
- 令和7年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、増仕切価格と実際の販売価格との差額(本件対策費)は、委託者に対し劣後する立場にある卸売業者が、委託者が指示する販売価格と実際の販売価格との差額を負担するという業界の慣行があること、委託者から本件対策費の支出要請があり、委託者が指示する販売価格と実際の販売価格との差額を負担しなかったために、取引を打ち切られた事例が存在することなどからすれば、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、委託者から伝えられる委託物品の相場などは、飽くまでも委託者における委託物品の販売価格の希望であり、請求人を拘束するものであったとは認められないことや、請求人と委託者との間において、本件対策費の支出の対価として、委託者が何らかの義務を負う旨の合意があったと認めることはできないことなどからすると、請求人の本件対策費の支出は、対価的意義を有する反対給付を受けることなく、委託者に一方的に経済的利益を与えるものであって、資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与に当たるものと認めるのが相当である。そして、請求人が本件対策費を支出したために、その後も委託者から打ち切られることなく販売委託を受け続けることができたという明確な因果の関係を裏付ける客観的かつ具体的な事情は認められないことからすると、本件対策費は、客観的にみて法人の収益を生み出すのに必要な費用又は法人がより大きな損失を被ることを避けるために必要な費用(費用としての性質が明白であり明確に区別し得るもの)に当たるとまでは認められない。よって、本件対策費は法人税法第37条に規定する寄附金に該当する。(令7. 3.24 名裁(法・諸)令6-41)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令060010
- 裁決年月日
- 令和7年3月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注先(本件外注先)に支払った外注費は、本件外注先との包括的な工事請負契約に基づく適正な報酬であり、本件外注先は、下請業者(本件下請業者)が工事を遂行した対価を支払っているのであるから、請求人の本件各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人と本件外注先との取引は、①極めて多額の取引であるにもかかわらず、請求人の主張を裏付ける証拠が確認できないこと、また、②本件外注先は自ら工事代金を計算することはなく、請求人の実質的な親会社の取締役から指示されるとおりに請求書を作成し、請求人から入金があると、本件下請業者から毎月交付される本件外注先宛の請求書に、本件外注先が請け負っていない工事などが記載されていても内容の確認や審査をすることなく、本件下請業者の請求どおりに支払っていたと認められること、③本件外注先が請求人に提供した役務の内容が、指示された業務に対して役務を提供するいわゆる常傭工としての契約に近似した性格を持つ取引であるといえることを併せ考えれば、請求人が主張する包括的な工事請負契約なるものを認めることはできず、請求人が本件外注先に支払った外注費と審判所が認定した本件外注先に対する外注費との差額は、単に本件下請業者へ移動させるための金員であったと認めるのが相当である。したがって、当該差額は、請求人が、本件外注先の役務提供に係る対価として支払ったものと認めることはできず、請求人の本件各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(令7. 3.19 福裁(法・諸)令6-10)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令060020
- 裁決年月日
- 令和7年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/12その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法第42条《国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入》第1項に規定する圧縮記帳を適用していた除斥期間の経過した事業年度に国庫補助金等で取得した固定資産(本件固定資産)について、当該国庫補助金等を当該事業年度の益金に算入していなかったため、圧縮記帳することができないから、本件固定資産の帳簿価額を修正し、その減価償却費を損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、同項に規定する固定資産の圧縮記帳の制度は、受贈益に対する免税措置ではなく、課税の繰延べを図る制度であるところ、請求人は、除斥期間の経過により国庫補助金等への課税がされなくなった事業年度については、圧縮記帳の効果を享受し、課税の繰延べを図るという圧縮記帳制度の目的を達成したものと実質的に評価できる。そのため、請求人が行った会計上の処理に対し、税務計算上の調整をしないと、国庫補助金等相当額への課税が将来にわたってされないことになる。したがって、本件固定資産の帳簿価額を修正して、その減価償却費を損金の額に算入することはできない。(令7. 3.17 札裁(法)令6-20)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令060008
- 裁決年月日
- 令和7年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が有する債権(本件債権)について、債務者(本件債務者)との間で一定期間内に本件債権の一部を返済すれば、残りの債権は放棄する旨の合意(本件合意)をしたのは、本件債務者の財務諸表に粉飾決算が疑われ、所有財産は競売されていることなどから、本件債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、本件債権の弁済を受けることができない状態が続くと考えたためであり、そうすると、本件債務者が本件合意のとおりに返済したことによる本件債権の放棄額(本件債権放棄額)は、貸倒損失として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件債務者については、本件合意の5事業年度前から毎期資産超過となっていること、また、売上高及び売上総利益は本件合意の3事業年度前と比べると大幅に増加していることに加え、請求人が主張するような、本件債務者が財務諸表を粉飾決算する特段の事情も認められず、競売等の事情も本件合意時までに解消していることなどから、本件債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、本件債権の弁済を受けることができないとは認められず、本件債権放棄額を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(令7. 3.13 仙裁(法)令6-8)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令060008
- 裁決年月日
- 令和7年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が有する債権(本件債権)について、債務者(本件債務者)からの回収が困難であるところ、訴訟による紛争処理は多大な費用と時間を要すること、また、請求人において、請求人の債権者に対する期日どおりの債務の返済は請求人が破綻を免れるために絶対条件であったことなどから、より大きな損失を被ることを避けるために本件債権の一部を放棄(本件債権放棄)したのであり、そうすると、本件債権放棄による放棄額(本件債権放棄額)は、必要な費用と認められるから寄附金の額には当たらない旨主張する。しかしながら、本件債権放棄は本件債務者に対する経済的利益の無償の供与に該当すると認められるところ、請求人の主張は、抽象的かつ主観的な懸念等であり、また、請求人は請求人の債務の返済を期日までに行い、毎月の現預金の残高が一定額を超えていたことから、経営が破綻するという蓋然性は認められない。そうすると、本件債権放棄額が客観的にみて請求人の収益を生み出すのに必要な費用又は請求人がより大きな損失を被ることを避けるために必要な費用であるとは認められないから、本件債権放棄額は寄附金の額に該当する。(令7. 3.13 仙裁(法)令6-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060142
- 裁決年月日
- 令和7年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社(本件各子会社)との取引に係る価格の調整として売上原価に計上した金額(本件仕入調整額)は、請求人と本件各子会社との間の覚書(本件各覚書)に基づいて、見直し後の単価が遡及適用された結果の差額を、最終的な営業利益額と適正利益額との差額をもって計算したものであり、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額には該当しない旨主張する。しかしながら、本件仕入調整額は、本件各覚書に基づく見直し後の製品単価を遡及適用したことに伴うものと認めることはできず、本件各子会社の営業損失を補填することを目的としてなされた経済的利益の移転と認められることから、対価性のある同法第22条第3項第1号の売上原価、すなわち、反対給付としての製品の対価の一部を構成する費用には該当せず、ほかに客観的にみて本件仕入調整額の支出によって生み出されていると評価すべき請求人の収益を認めることはできないから、そのために必要な費用と認めることもできない。また、請求人が本件各子会社に対し本件仕入調整額及び消費税等相当額(本件仕入調整税込額)に相当する貸付金の返済免除を行ったことは、当時の状況の下で特段の必要性があったとは認め難く、やむを得ずこれをするに至ったなどの相当な理由があったとはいえないから、本件仕入調整税込額は、法人がより大きな損失を被ることを避けるために必要な費用に当たるとはいえない。したがって、本件仕入調整税込額は、同法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。(令7. 3.12 東裁(法・諸)令6-142)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060143
- 裁決年月日
- 令和7年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社等(本件各子会社等)との取引に係る価格の調整として売上原価に計上した金額(本件仕入調整額)は、請求人と本件各子会社等との間の覚書(本件各覚書)に基づいて、見直し後の単価が遡及適用された結果の差額を、最終的な営業利益額と適正利益額との差額をもって計算したものであり、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額には該当しない旨主張する。しかしながら、本件仕入調整額は、本件各覚書に基づく見直し後の製品単価を遡及適用したことに伴うものと認めることはできず、本件各子会社等の営業損失を補填することを目的としてなされた経済的利益の移転と認められることから、対価性のある同法第22条第3項第1号の売上原価、すなわち、反対給付としての製品の対価の一部を構成する費用には該当せず、ほかに客観的にみて本件仕入調整額の支出によって生み出されていると評価すべき請求人の収益を認めることはできないから、そのために必要な費用と認めることもできない。また、請求人が本件各子会社等に対し本件仕入調整額及び消費税等相当額(本件仕入調整税込額)に相当する貸付金の返済免除を行ったことは、当時の状況の下で特段の必要性があったとは認め難く、やむを得ずこれをするに至ったなどの相当な理由があったとはいえないから、本件仕入調整税込額は、法人がより大きな損失を被ることを避けるために必要な費用に当たるとはいえない。したがって、本件仕入調整税込額は、同法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。(令7. 3.12 東裁(法)令6-143)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060040
- 裁決年月日
- 令和7年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/3広告宣伝費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、高額な腕時計、衣服、靴及び装身具(本件各物品)を購入し、請求人の代表者(本件代表者)が本件各物品をその営業活動の際に身に着けることは、請求人が紹介する投資商品の顧客らに対して、本件代表者が当該投資商品によって利益を獲得していることを示すものであるから、本件各物品の購入代金(本件各代金)は広告宣伝費に該当し、支出した事業年度の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件各物品を身に着けることによって、本件代表者が多額の収入を得て多くの資産を有していることが受け手において想起されるとしても、本件各物品それ自体から、本件代表者の収入や資産の出所は判別できず、請求人の事業がわかるものでも当該投資商品の優位性が示されるものでもないから、本件各代金が、客観的にみて、不特定多数の者に対し、請求人の営む事業の存在や、当該投資商品の優位性を訴える宣伝的効果を意図して支出されたものであるとはいえない。したがって、本件各代金は、広告宣伝費に該当しない。(令7. 3. 7 名裁(法)令6-40)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060035
- 裁決年月日
- 令和7年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空取引であるとした海外の事業者(本件事業者)に対するアドバイザリー業務の費用(本件アドバイザリー料)について、実際に本件事業者から受けた役務提供の対価であるから、法人税に係る所得の金額の計算上損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件事業者の代表者から請求人の代表者に本件アドバイザリー料の支払を利用した節税スキームを紹介する資料が送付されていること、本件事業者がアドバイザリー業務を実際に行ったのであれば通常存在すると考えられる報告書等の成果物がなく、報告等がすべて口頭でなされたというのは不合理であること、本件アドバイザリー料のうち相当な金額が未払であるにもかかわらず本件事業者が未払を解消させるための行動をした形跡がないこと等から、本件アドバイザリー料の計上は、請求人の利益を海外に移転させるためであって、請求人は本件アドバイザリー料の対価としての役務提供を受けていないものと認められる。したがって、本件アドバイザリー料は、その支出内容が確認できず、そのため請求人の業務との関連性が明らかでないものといえるから、所得の金額の計算上、損金の額に算入されない。(令7. 2.20 名裁(法・諸)令6-35)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060035
- 裁決年月日
- 令和7年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/3広告宣伝費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、高額な腕時計、宝飾品及び衣類(本件各物品)を購入し、請求人の代表者(本件代表者)が本件各物品をその営業活動の際に身に着けることは、請求人が紹介する投資商品(本件各商品)の顧客らに対して、本件代表者が本件各商品によって利益を獲得していることを示すものであるから、本件各物品の購入代金(本件各代金)は広告宣伝費に該当し、これを支出した事業年度の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、受け手において本件各物品それ自体から、本件代表者の収入や資産の出所は判別できず、請求人の事業がわかるものでも本件各商品の優位性が示されるものでもないから、本件各代金が、客観的にみて、不特定多数の者に対し、請求人の営む事業の存在や、本件各商品の優位性を訴える宣伝的効果を意図して支出されたものであるとはいえない。したがって、本件各代金は、広告宣伝費に該当しない。(令7. 2.20 名裁(法・諸)令6-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060029
- 裁決年月日
- 令和7年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者(本件代表者)と交わした契約書(本件契約書)に基づき、本件代表者から特許の利用権を含む各種ノウハウ(本件ノウハウ)の提供を受け、本件契約書の内容は請求人と本件代表者の双方にとって経済的合理性があり、請求人は本件代表者との間において、本件契約書のとおりに本件ノウハウの提供を受けることを合意したといえることから、本件契約書に記載された本件ノウハウに係る対価の額(本件契約金額)は損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件契約書に記載された契約金額を回収できる具体的な計画を定めていたことを裏付ける客観的な証拠はない等、本件代表者からみた本件契約書の内容は不合理であり、また、請求人は、事業計画等を作成しておらず、本件ノウハウの購入によって、支払余力を超える高額な先行投資を実行するか否かの判断において、経済的合理性の有無を検討することなく本件契約書により契約を締結したこと等、請求人からみた本件契約書の内容も不合理というべきである。したがって、本件契約書の内容は、本件代表者及び請求人の双方からみて不合理なものであったといえ、また、請求人は、本件契約書の記載内容とは異なり、本件契約金額を対価として本件ノウハウの提供を受けたとは認められないから、本件ノウハウに係る対価の額は損金の額に算入されない。(令7. 2.12 関裁(法・諸)令6-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060102
- 裁決年月日
- 令和7年1月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国外の卸売業者(本件国外卸売業者)との間で売買契約書を締結し、本件国外卸売業者の顧客である国外の小売業者(本件小売業者)からの注文に応じた商品(本件各商品)を国内の卸売業者(本件国内卸売業者)から自ら仕入れ、本件国外卸売業者に販売しており、本件小売業者が本件国内卸売業者から本件各商品を購入したという事実はない旨主張する。しかしながら、本件各国内卸売業者との取引の関与の程度、注文の方法、商品代金の出捐、取引当事者の認識、商品の取得後の支配管理の状況等から総合して判断すれば、本件各商品に係る取引は本件小売業者の計算において行われたものであり、本件国内卸売業者から本件各商品を購入したのは本件小売業者であると認められ、請求人は、本件各商品に係る取引において何ら主体的な行動をしたことは見受けられず、本件小売業者が購入した本件各商品に係る受取、代金の支払及び通関手続という事実行為をし、本件小売業者の買付業務を代行(受託)したにすぎないと認められるから、請求人が本件各商品を仕入れていたとはいえない。(令7. 1. 8 東裁(法・諸)令6-102)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令060004
- 裁決年月日
- 令和6年12月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712091
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/1資産の取得の対価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.137
要旨
○ 原処分庁は、請求人が取得した構築物の新設工事(本件構築物工事)につき、これを請け負った取引先(本件取引先)が請求人の指示に従って請求人の関連法人(本件関連法人)に支払った金額(本件支払額)については、本件取引先が本件関連法人から役務の提供を受けていないこと、また、本件構築物工事に係る契約書記載の請負代金は、請求人が本件取引先に依頼して本件支払額に相当する金額を上乗せしたものであることなどの諸事情を総合勘案すると、本件支払額に相当する金額は、請求人が本件取引先を介して本件関連法人に対し贈与したものと認められる旨主張する。しかしながら、本件支払額については、本件取引先が本件関連法人に対し本件構築物工事に係る資材の購入等の対価として支払をしたものと認められることから、本件支払額に相当する金額は、請求人が本件取引先を介して行った本件関連法人に対する資金の贈与の額であると認めることはできない。(令6.12.10 金裁(法・諸)令6-4)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令060004
- 裁決年月日
- 令和6年12月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712091
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/1資産の取得の対価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.137
要旨
○ 請求人は、取得した建物等の新築工事(本件建物等工事)等につき、これらを請け負った各取引先(本件各取引先)が請求人の関連法人(本件関連法人)に支払った金額(本件各支払額)は、本件関連法人による役務の提供の対価であるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、本件各支払額については、本件各取引先が本件関連法人から何ら役務の提供を受けていないにもかかわらず、請求人の指示に従って支払われたものであることに加え、請求人は、本件建物等工事等に係る契約書等の請負代金等に本件各支払額に相当する金額を含めて当該契約書等を作成するとともに、本件各取引先に対し、本件各支払額を本件関連法人に支払うよう指示していたことを併せ考慮すれば、本件各支払額に相当する金額は、請求人が本件各取引先を介して、本件関連法人に金銭を対価なく移転するもの(資金の贈与)であると認められ、かつ、請求人が当該資金の贈与を行うことに通常の経済取引として是認することができる合理的理由は認められないから、本件各支払額に相当する金額は同項に規定する寄附金の額に該当する。(令6.12.10 金裁(法・諸)令6-4)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令060006
- 裁決年月日
- 令和6年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、総勘定元帳に記載していない人件費、仕入れ及び経費については、提出した証拠書類のとおりであるから、所得の金額の計算上損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人の提出した証拠書類は、従業員の手当額等の一覧表や仕入れ及び経費の検討表などであり、これらの事実を客観的に裏付ける資料を提出していない。したがって、請求人が主張する総勘定元帳に記載していない人件費、仕入れ及び経費は所得の金額の計算上損金の額に算入することはできない。(令6.12.10 札裁(法・諸)令6-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060076
- 裁決年月日
- 令和6年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、商品仕入高勘定に計上した材料等の仕入高(本件各仕入高)に係る各仕入れは実態のある取引であるから、本件各仕入高は損金の額に算入され、また、消費税相当額について仕入税額控除の適用がある旨主張する。しかしながら、関係者の申述をその信用性を踏まえて判断すれば、本件各仕入高に係る仕入れの事実はなかったと認められるから、本件各仕入高は、損金の額に算入されず、また、消費税相当額は仕入税額控除の対象とはならない。(令6.11.26 東裁(法・諸)令6-76)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060069
- 裁決年月日
- 令和6年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者(本件代表者)との間で交わした契約に基づき、本件代表者から提供を受けた各種情報等(本件各情報)に係る対価は、法人税法上、研究開発費(本件研究開発費)として繰延資産に該当し、その償却費は損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によっても本件各情報の内容を客観的に確認できず、請求人が本件代表者から本件各情報の提供を受けたとは認められないことから、本件研究開発費は、法人税法上繰延資産に該当せず、その償却費を損金の額に算入することはできない。(令6.11.18 東裁(法・諸)令6-69)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060008
- 裁決年月日
- 令和6年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、商品(本件商品)を実際に仕入れて代金を支払い、税関手続等を経て輸出しているから、本件商品の仕入れに係る取引、及び売上げに係る取引にはいずれも実体がある旨主張する。しかしながら、関係者の申述などからすると、取引の目的物であるはずの高い価値を有しているとする本件商品の引渡しは履行されず、別の価値のない物品が請求人を経て国外に輸出された一方で、売上げに係る取引の代金とされる金額は契約当事者ではない第三者が決定し、本件商品に係る取引の代金は、請求人及び、本件商品の仕入先であり請求人代表者が代表を務める他の法人を通過しただけであったと認めるのが相当である。そうすると、当該取引において、請求人に取引の目的物とは別の価値のない物品が引き渡され、請求人から輸出され、請求人が金員の支払を受け、金員を支払ったからといって、これらが売買契約である同取引の履行としてされたものであったということはできず、本件商品の仕入れに係る取引及び売上げに係る取引に実体があったとは認められないから、本件商品の仕入れは損金の額に算入されず、本件商品の売上げは益金の額に算入されない。(令6. 9.20 関裁(法・諸)令6-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060031
- 裁決年月日
- 令和6年9月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、実際には購入していない工具等の購入のために支出したとされる各金員(本件各金員)について、請求人のいわゆるみなし役員(本件みなし役員)が不正経理を行ったため使途が不明になったものであり、本件みなし役員の了解のもと本件各金員について返済を前提とした貸付金として決算上処理し、これに基づき修正申告書を提出していることから、本件各金員は本件みなし役員に対する貸付金であり、また、請求人は、本件各金員を本件みなし役員に対する給与等とする役員会等による決定はしておらず、本件みなし役員が本件各金員を自らに報酬として与えることは請求人との利益相反に当たるから、本件みなし役員に対する給与等に該当しない旨主張する。しかしながら、本件みなし役員は、請求人の法人経営の実権を掌握し、請求人を実質的に支配しており、本件各金員は、本件みなし役員により出金され、請求人の事業に関連する用途に使用された事実はないことから、本件みなし役員の管理下にあったものであり、また、請求人と本件みなし役員との間に金銭消費貸借契約が存在することを客観的に示す事実もないことからすれば、請求人と本件みなし役員との間に金銭消費貸借契約が成立していたとは認められず、本件各金員は、請求人を実質的に支配している本件みなし役員が、その地位及び権限に対して受けた給与等に該当する。また、金銭消費貸借契約を前提とした計算書類が確定した決算に基づき作成されたと認められないことから、修正申告書の内容は適正ではない。そして、法人税法上は、法人経営の実権を掌握し、法人を実質的に支配している法人の代表者等が、自己の権限を濫用して、当該法人の事業活動を通じて得た利得は、給与支出の外形を有しない利得であっても、原則として給与等に該当するとして所得の金額を計算するのであるから、請求人が主張する上記のような事由は、本件各金員が給与等に該当するかの判断を左右するものではない。(令6. 9.13 東裁(法)令6-31)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060005
- 裁決年月日
- 令和6年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702060
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/6支払運賃
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人の営業統括部長(本件営業統括部長)は、請求人が海上コンテナ輸送業務の発注先(本件各取引先)に対して支払った運送料の一部について、本件各取引先の実質的経営者(本件各取引先経営者)と折半して受領しているところ、請求人は、運送料勘定に計上した運送料(本件運送料)に本件営業統括部長が受領した金額(本件口座入金額)が含まれていたとしても、本件各取引先の業務能力等に鑑みれば妥当であり、本件各取引先と同等の下払率の取引先も他に存在することから、本件運送料のうち本件口座入金額に相当する金額は損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件営業統括部長と本件各取引先経営者は、本件各取引先との取引に当たって、請求前に当事者双方において請求内容を確認するために用いられる御支払書について、金額の異なるものを2通作成した上で、これらの差額のおおむね50%に相当する金額を本件営業統括部長が受領することを前提に請求人をして運送料の支払をさせていたと認められる。そうすると、このような受領に係る実態は、当初から請求人と本件各取引先との間の取引に併せ、本件運送料のうち本件口座入金額に相当する金額を本件営業統括部長に還流させることを目的とするものであったといえるから、請求人と本件各取引先との間においては、本件各取引先の請求人に対する役務提供の対価に本件口座入金額が上乗せされた上で取引が行われていたとみるのが相当である。したがって、本件運送料のうち本件口座入金額に相当する金額は、請求人が本件各取引先に対して発注した海上コンテナ輸送業務に対する対価として本件各取引先に支払ったものとは認められないから、請求人の所得の金額の計算上、損金の額に算入できない。(令6. 9. 5 関裁(法・諸)令6-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060022
- 裁決年月日
- 令和6年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/2仲介手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産売買に係る情報提供の各業務委託費については、当該業務委託費に係る役務の提供を受けていることから、損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、信用性の有無を踏まえて関係者の申述等について検討すると、当該業務委託費に係る具体的な役務の提供があったとは認められず、当該業務委託費が各業務委託先に支払われたものとも認められない。また、その使途は不明であり、請求人の業務との関連性が不明であるから、これを損金の額に算入することはできない。(令6. 9. 3 東裁(法)令6-22)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令060003
- 裁決年月日
- 令和6年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716150
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/15横領損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者(本件代表者)が元従業員の背任横領行為を見抜くことができず、請求人の各事業年度における確定した決算においては、背任横領が成功していた状況にあることから、請求人は被害者であり、架空外注費の計上により発生した損害は、所得の金額の計算上損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、元従業員は、架空外注費相当額を入金した元従業員名義口座から出金した金員を本件代表者からの借入金として請求人名義口座に入金しており、また、本件代表者は、元従業員が架空外注費の計上や架空外注費相当額を元従業員名義の預金口座に入金していたことについて承諾していたものと認められることから、元従業員に横領行為があったとは認められない。(令6. 8.27 札裁(法・諸)令6-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令060009
- 裁決年月日
- 令和6年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/3外注費処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注先(本件外注先)に支払った土地売買に係る外注費(本件支出金)は、本件外注先と取り交わした共同事業契約書(本件共同事業契約書)による近隣対策、立退き交渉等(本件各業務)を行ったことの対価であり、法人税法第22条第3項に規定する損金の額に算入することができる売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額(売上原価等)に該当する旨主張する。しかしながら、本件共同事業契約書が存在し、これに対応する支払の事実はあるものの、請求人と本件外注先との間で行われたとされる本件各業務に係る取引は、社会通念上、著しく不自然なものといわざるを得ず、本件共同事業契約書に係る合意がされ、同合意に基づいて本件各業務が行われたとみるのは困難であって、むしろ、本件共同事業契約書の作成は、請求人が本件外注先と通謀して存在しない取引を仮装して、本件支出金の支払の名目を作出する目的で行われたものであったと認めるのが相当であるから、本件支出金は法人税法第22条第3項に規定する損金の額に算入することができる売上原価等には該当しないというべきである。(令6. 8.27 大裁(法)令6-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060001
- 裁決年月日
- 令和6年8月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/4相手方との取引停止等の場合の貸倒れ
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先(本件取引先)に対して、親戚関係や地域性を考慮しつつ、継続的な受注を期待しながら5年以上の長期にわたって複数回の工事(本件各工事)を行っていた上、本件取引先も工事代金の一部を未払いにすることにより請求人との取引を継続する意思を表明していたことから、本件各工事は法人税基本通達9-6-3《一定期間取引停止後弁済がない場合等の貸倒れ》(本件通達)に定める「継続的な取引」に該当し、本件通達の定めに則り貸倒れとして損金経理した本件取引先に対する売掛金(本件売掛金)は、貸倒損失として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、①請求人と本件取引先との間で工事の必要性が継続的にあることを前提とした基本契約書等のやり取りはないこと、②本件取引先が営む事業の内容に照らせば、本件取引先が建物等に関して工事を要する状況になることや特定の時期にそのような状況が発生することが確実であったとは認められないこと、③本件各工事の内容等は様々であり、その工事別に引渡しがされていることなどからすると、請求人が本件取引先から工事を継続的に請け負う関係にあったということはできず、むしろ、請求人と本件取引先は、本件各工事の必要性が生じた都度、工事の受発注と代金の請求を行っていたとみるのが自然である。したがって、本件各工事は本件通達に定める「継続的な取引」に該当せず、本件売掛金は貸倒損失として損金の額に算入されない。(令6. 8.26 関裁(法・諸)令6-1)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令060001
- 裁決年月日
- 令和6年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、設立後最初の事業年度の各支給時期における理事長に対する定期給与(本件役員給与)の支給額について、令和元年7月の増額改定及び同年9月の増額改定(本件各支給額改定)は、いずれも開業の日から三月以内にされた定期給与の額の改定であり、また、当該開業の日が設立後最初の会計期間開始の日であると解されるから、本件役員給与は定期同額給与に該当する旨主張する。しかしながら、法人税法第13条《事業年度の意義》第1項の規定によれば、請求人の設立後最初の事業年度は定款に定める設立後最初の会計年度であると認められるところ、本件全証拠をみても、本件役員給与の支給額について定めのある書類は月額報酬限度額を定めた請求人の設立総会に係る議事録以外に見当たらないから、本件各支給額改定は、そもそも事前の定めによるものと認めるに足りず、令和元年7月支給額及び同年9月支給額の元帳計上日にそれぞれされたと推認されるから、いずれも設立後最初の事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から三月を経過する日後にされた定期給与の額の改定であると認められる。したがって、本件各支給額改定は、法人税法施行令第69条《定期同額給与の範囲等》第1項第1号(令和2年政令第207号による改正前のもの)所定の給与改定に当たらず、本件役員給与は、設立後最初の事業年度の各支給時期における支給額が同額ではないから、定期同額給与に該当しない。(令6. 8. 1 金裁(法)令6-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令050020
- 裁決年月日
- 令和6年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/3自己が便益を受ける公共的施設の費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、新工場建設に係る開発行為に伴い新設する道路(本件新設道路)のために支出した整備費用(本件道路工事代金)は、請求人が本件新設道路を専属的に利用しておらず、その他特別の利益も及んでいないことからすると、法人税法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第37条《寄附金の損金不算入》第3項第1号に規定する寄附金に該当し、同法第2条《定義》第24号に規定する繰延資産には該当しない旨主張する。しかしながら、本件道路工事代金は、①地方公共団体が管理する里道に対する改良費用及び②自己が所有する土地に対する整備費用から構成され、請求人が新工場建設に係る開発許可を受けるためには、道路工事の実施が不可欠であり、新工場が1年以上の稼働を見込んで建設されたものと認められることを踏まえると、本件道路工事代金の支出は、請求人に便益をもたらすもので対価性があるから寄附金には該当せず、自己が便益を受ける公共的施設の設置又は改良のために支出する費用に該当し、その支出の効果は、その支出の日以後1年以上に及ぶものと認められるから、繰延資産に該当する。(令6. 6.19 熊裁(法)令5-20)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令050018
- 裁決年月日
- 令和6年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、工事請負契約に係る建物解体工事等の中で事業年度末までに着手しなかった工事(本件一部工事)について、契約当事者間で任意の時期まで延期することに合意したのであり、本件一部工事について、見積もられた原価の額(本件見積金額)は適正なものであるから、収益に係る原価の額として当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、契約当事者間において、本件一部工事を工事請負契約の対象から除く旨記載された覚書(本件覚書)が取り交わされており、本件覚書締結の経緯、本件覚書の記載内容及び請負工事代金の支払状況からすると、当初の工事請負契約は、本件覚書によって、本件一部工事を除くこととする内容に変更されたと認められ、当該工事請負代金はその全額が当該事業年度の収益の額となることから、本件見積金額は、収益に係る原価の額として当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入すべき金額とは認められない。(令6. 6.18 広裁(法)令5-18)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050043
- 裁決年月日
- 令和6年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の前代表者(本件前代表者)が代表取締役から代表権のない取締役となった(本件分掌変更)以前は、本件前代表者が営業に関する業務、金融機関との折衝業務、会計業務など、請求人のほぼ全ての業務を行ってきたが、本件分掌変更後は、会計管理業務のみを行っており、本件分掌変更の前後で本件前代表者の業務内容には大きな変化があり、実質的に退職したと同様の事情があったと認められるから、本件分掌変更に伴って本件前代表者に退職金として支給した金員は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》(平成29年法律第4号による改正前のもの。)第1項括弧書所定の退職給与に該当し、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件分掌変更後の請求人の中心的な業務は、資金管理及び経理事務であったところ、本件前代表者は、本件分掌変更後も管理及び経理業務全般について担当しており、本件分掌変更により職務の内容が激変したとはいえない。これに加えて本件前代表者の勤務形態が引き続き常勤であること及び本件分掌変更後の役員報酬も現代表者の5倍の額であることなども踏まえれば、本件前代表者は本件分掌変更後も請求人の経営上主要な地位を占めていたと認められ、本件分掌変更により、役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあったとは認められない。したがって、本件前代表者に支給した金員は、法人税法第34条第1項括弧書所定の退職給与に該当せず、損金の額に算入されない。(令6. 5.23 関裁(法)令5-43)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050039
- 裁決年月日
- 令和6年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が関係会社(本件被支援会社)に対して行った債権の放棄(本件債権放棄)は、請求人の代表者が、経営危機に陥っていた本件被支援会社の株式の全部を第三者に譲渡したこと(本件株式譲渡)による経営権の譲渡に伴い行ったものであり、法人税基本通達9-4-1《子会社等を整理する場合の損失負担等》に定める相当な理由があるから、本件債権放棄の額は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当しない旨等主張する。しかしながら、本件債権放棄は、本件株式譲渡から約1年10か月後に行われているところ、請求人の主観的な動機や目的以外の証拠に基づいて認められる客観的な事実に即して判断すると、本件株式譲渡に際し本件債権放棄が前提とされていたとは認められず、他に請求人が本件債権放棄をすべき義務が成立していたとも認められないから、本件債権放棄は本件株式譲渡時に成立していた義務の履行とみることはできない。そのため、本件株式譲渡時ではなく本件債権放棄時の状況に基づいて判断すると、本件債権放棄の時点においては本件被支援会社は経営危機に陥ってはおらず、請求人の破産の危険を回避するために本件債権放棄が不可欠であったと認めることはできない。したがって、請求人が本件債権放棄をすることについて相当な理由はなく、経済的合理性の観点から特段の必要性があったとはいえないから、本件債権放棄の額は寄附金の額に該当する。(令6. 4.22 関裁(法)令5-39)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令050006
- 裁決年月日
- 令和6年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が自社で制作して業務の用に供した各ソフトウエア(本件各ソフトウエア)は、いずれも「複写して販売されるもの」であり、市場販売目的のソフトウエアに該当するから、本件各ソフトウエアに係る各研究開発費の額は、法人税基本通達7-3-15の3《ソフトウエアの取得価額に算入しないことができる費用》の(2)により、本件各ソフトウエアの取得価額に算入しないことができる旨主張する。しかしながら、本件各ソフトウエアは、いずれも製品マスターを制作し、これを複写して、不特定多数のユーザーに販売するという市場販売目的のソフトウエアの特徴を備えておらず、ソフトウエアの利用を通じて自社が有する情報やサービスを提供することによって対価を得るものとして、自社利用のソフトウエアに該当すると認められる。そして、本件各ソフトウエアの利用により将来の収益獲得は明らかであり、将来の収益獲得又は費用削減にならないことが明らかなものとは認められないから、本件各ソフトウエアに係る各研究開発費の額は、本件各ソフトウエアの取得価額に算入すべきものと認められる。(令6. 3.19 高裁(法)令5-6)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令050006
- 裁決年月日
- 令和6年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が自社で制作して業務の用に供した各ソフトウエア(本件各ソフトウエア)は、いずれも「複写して販売されるもの」であるから、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第三《無形減価償却資産の耐用年数表》(耐用年数省令別表第三)の「ソフトウエア」の「複写して販売するための原本」に該当し、本件各ソフトウエアに適用される耐用年数は3年である旨主張する。しかしながら、本件各ソフトウエアは、いずれも製品マスターを制作し、これを複写して、不特定多数のユーザーに販売するという市場販売目的のソフトウエアの特徴を備えておらず、市場販売目的のソフトウエアに該当しないと認められるから、耐用年数省令別表第三の「ソフトウエア」の「複写して販売するための原本」には該当せず、「その他のもの」に該当し、本件各ソフトウエアに適用される耐用年数は5年と認められる。(令6. 3.19 高裁(法)令5-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050021
- 裁決年月日
- 令和6年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、架空取引であり、役務の提供がなかったとしたコンサルティング費用の支出額(本件支出)について、仮に、支払の相手方(本件相手方)による役務の提供がされておらず、請求人が本件相手方に本件支出として支払った金銭が、本件相手方から請求人の従業員(本件従業員)に戻されていたとしても、本件従業員は、本件支出に相当する額の全額を、本件相手方とは別の者に対して役務の提供の対価として支払った旨主張する。しかしながら、請求人は、当審判所に対し、本件支出の支払時期や役務提供の内容等について具体的に明らかにせず、当審判所の調査によっても、その存在及び価額を具体的に立証されているとはいえない。したがって、本件支出に係る不動産取引に関し、本件相手方とは異なる相手先からの役務提供があったとは認められず、本件支出について、損金の額に算入すべき金額はない。(令6. 3.15 名裁(法・諸)令5-21)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050021
- 裁決年月日
- 令和6年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空取引であるとしたコンサルティング費用の支出額(本件支出)には、実際に役務の提供があったから、本件支出は法人税に係る所得の金額の計算上、損金の額に算入され、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に含まれる旨主張する。しかしながら、請求人の当時の担当者及びコンサルティング契約の相手先(本件相手先)の代表者は、いずれも、本件相手先による役務の提供はなかった旨、請求人から本件相手先に振り込まれた金銭は請求人に返金すべきものだった旨申述し、その内容が一致しているところ、これらの申述は証拠とも整合しており、当該各申述はいずれも信用できる。よって、本件支出に係る役務提供があったとは認められないから、本件支出は、損金の額に算入されず、支払対価の額に含まれない。(令6. 3.15 名裁(法・諸)令5-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050037
- 裁決年月日
- 令和6年3月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同業他社(本件会社)に対する市場調査名目の支出金(本件調査費)について、市場調査に関する業務を委託し役務の提供を受けていることから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金には当たらない旨主張する。しかしながら本件調査費は、労働組合の組合員である本件会社の従業員の給与相当分を本件会社と共同で負担するというものであり、請求人が本件会社に市場調査業務を依頼した事実も、本件会社が市場調査業務を行った事実も認められない。また、本件調査費は、請求人が労働組合による恐喝まがいの行動を懸念し、これを避けるために支払ったものであるが、客観的にみて請求人が事業を遂行する上で必要なものとはいえない。したがって、本件調査費の支払は、金銭を対価なく移転するものであって、その行為に通常の経済取引として是認することができる合理的理由が認められないから、本件調査費は本件会社に対する同項に規定する寄附金に該当する。(令6. 3. 6 大裁(法・諸)令5-37)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050037
- 裁決年月日
- 令和6年3月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、労働組合業務に専従する従業員(本件従業員)に対して支払った給与等(本件専従期間給与等)について、本件従業員は労働組合(本件労組)の業務に従事していたが、本件従業員は、本件労組が行う市場調査業務やコンプライアンス啓もう活動に従事しており、請求人は、当該業務等により業務上の利益を受けていることから、本件専従期間給与等を負担すべき理由があり、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金には当たらない旨主張する。しかしながら、本件従業員は、労働組合業務に専従しており、請求人の業務に従事していた事実は認められない。また、本件労組が請求人のために市場調査業務等を行っていた事実は認められず、仮に請求人が受けた利益があるとしても、それは本件労組の組合活動の結果に伴う反射的な利益にすぎないのであって、これをもって請求人から本件労組への経済的な利益に対する対価であるということはできない。したがって、本件専従期間給与等の支出による請求人から本件労組への経済的利益の供与は、金銭を対価なく移転するものであって、その行為に通常の経済取引として是認することができる合理的理由が認められないから、本件専従期間給与等の支出は、本件労組に対する同項に規定する寄附金に該当する。(令6. 3. 6 大裁(法・諸)令5-37)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050037
- 裁決年月日
- 令和6年3月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712097
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/7会費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同業他社と設立した任意団体(本件委員会)に対する会費名目の支出金(本件会費)について、本件委員会は複数の協同組合の利害を調整するために設立された組織であり、当該利害調整により、組合員相互の不当な値下げ競争の防止や安定した品質の製品提供が可能となることから、本件委員会への本件会費の支払は業務上必要なものであり、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金には当たらない旨主張する。しかしながら請求人は、本件委員会から本件会費の対価とみるべき役務の提供などを何ら受けておらず、本件会費は、本件委員会を介して労働組合に支払う金員の原資を捻出するために拠出されたものと認められ、通常の同業団体に対する会費とは異なるから、名目が会費であることを理由に損金の額に算入すべきものと解することはできない。また、本件会費は、労働組合から恐喝まがいのストライキや工事の妨害を受けないように、本件委員会が労働組合に支払う金員を捻出するためのものであり、客観的にみて請求人が事業を遂行する上で必要なものとはいえない。したがって、本件会費の支払は、金銭を対価なく移転するものであって、その行為に通常の経済取引として是認することができる合理的理由が認められないから、本件会費は本件委員会に対する法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。(令6. 3. 6 大裁(法・諸)令5-37)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050019
- 裁決年月日
- 令和6年2月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、実際の在庫金額(実在庫金額)と損益計算書に計上した在庫金額とに差額(本件差額)が生じているのは、過去に在庫の評価益を計上したことから、原処分庁が請求人に対して行った実地の調査の対象となった各事業年度(本件各事業年度)の期末において、過去に計上した在庫の評価益を考慮して実在庫金額とは異なる在庫金額を計上した(本件商品計上)もので、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準(公正処理基準)に適合する旨主張する。しかしながら、本件商品計上は、本件各事業年度において実地棚卸を行い、本件各事業年度の期末における実在庫金額を把握したにもかかわらず、実在庫金額とは無関係な金額を計上したものであって、その計上の裏付けとなる事実も認められないから、本件差額は、実態のない本件商品計上に基づくものであり、また、法人税法第25条《資産の評価益の益金不算入等》第1項は、棚卸資産の評価益の計上を認めていないところ、請求人が計上した実在庫金額とは異なる在庫金額が評価益を計上したものであれば、評価益の金額を益金の額に算入することはできず、評価益の金額が益金の額に算入されないのであれば、本件差額はそもそも発生しないはずのものであるから、いずれにしても、本件差額は本件各事業年度の損金の額に算入すべきでない。(令6. 2.22 名裁(法・諸)令5-19)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令050007
- 裁決年月日
- 令和6年2月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一括して購入した土地(本件土地)及び建物(本件建物)について、それぞれの価額が売買契約書上明らかでないことから、本件建物の購入の代価及び課税仕入れに係る支払対価の額は、路線価及び固定資産税評価額を基に本件土地の価額を算定しこれを売買代金の総額から差し引いて本件建物の価額を求める方法(本件差引法)により算定することが合理的である旨主張する。しかしながら、固定資産税評価額は、総務大臣が定めた固定資産評価基準により、一定の基準時における適正な時価として決定される価格とされているものであるから、固定資産評価基準の定める評価方法は、適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものと認められるところ、その評価方法によっては適正な時価を適切に算定できない特段の事情がない限り、原処分庁が主張する本件土地及び本件建物に係る各固定資産税評価額の価額比であん分して本件建物の購入の代価及び課税仕入れに係る支払対価の額を求める方法(本件あん分法)は、合理的な方法として採用することができる。そして、本件においては、上記特段の事情があるとは認められない。一方、本件差引法により算定した本件建物の価額は、本件土地及び本件建物に係る各固定資産評価額の比率とは大きく乖離した結果をもたらすものであって、客観的な交換価値としての範囲内にあるものとは通常認められず、本件建物について過大な評価が成立し得る事情がないから、本件差引法は、合理的な方法として採用することはできない。したがって、本件建物の購入の代価及び課税仕入れに係る支払対価の額は、本件あん分法を用いて算定することが相当である。(令6. 2. 5 熊裁(法・諸)令5-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050062
- 裁決年月日
- 令和6年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716064
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/4不動産取引に係る手数料等(取得価額算入)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、コンサルティング業務委託費用として計上した金額について、真正に成立した業務委託契約書に基づき、不動産売買の仲介に含まれないコンサルティング業務の対価として業者に支払ったものであるから、当事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される旨、また、業者に支払った金額が不動産の購入に係る仲介手数料であるとしても、そのような仲介手数料は経費にほかならないから、当事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入できないことは不当である旨主張する。しかしながら、当該業務委託契約書は真正に成立したものとは認められず、請求人が当該業者からコンサルティング業務に係る役務の提供を受ける旨及び業務委託報酬を支払う旨合意した事実並びに請求人が当該業者に対して当該業務委託契約書に記載された金額を支払った事実も認められない。なお、請求人は、当該業者に対し、業務委託契約書とは異なる信託受益権媒介契約書に基づき当該信託受益権媒介契約書に記載された金額を支払ったことが認められるところ、これは土地及び建物の購入の仲介業務の対価として支払われたものであると認められ、土地及び建物を購入するために必要となる仲介手数料の額が当該土地及び建物の購入の代価に含まれることは、法人税法施行令第54条《減価償却資産の取得価額》第1項第1号イの規定及び法人税基本通達7-3-16の2《減価償却資産以外の固定資産の取得価額》の定めのとおりであって、その全額が「経費」として直ちに損金に算入されることにはならない。(令6. 1.29 東裁(法)令5-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050062
- 裁決年月日
- 令和6年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法施行令第54条《減価償却資産の取得価額》第1項第1号イに規定する「購入の代価」とは、当該資産の時価相当額をいうものと解すべき旨、請求人が一括して購入した土地及び建物の各売買代金の額は時価とかい離した実態のないものであるから、請求人が実際の時価を基に土地及び建物それぞれの取得価額を算定しても誤りではない旨、また、建物本体及び建物附属設備の取得価額の売買価額が一体となっている場合において、これらの取得価額を時価で算定することが誤りであると解すべき法的な根拠はなく、請求人は各物件に係る建物本体及び建物附属設備の取得価額を時価を基準として算定したものであるから、取得価額に誤りはない旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第54条第1項第1号イに規定する「購入の代価」とは、売買契約により定められた代金額が当該資産の適正な価額と比較して不合理なものであるとする特段の事情がない限り、当該売買契約により定められた売買代金の額をいうものと解され、売買契約書等において土地及び建物又は建物本体及び建物附属設備の取得価額それぞれの価額が明らかでないときは、租税負担の公平及び実質主義の観点から、租税法の基本原則に合致する合理的な方法により土地及び建物又は建物本体及び建物附属設備の購入の代価を区分する必要があると解される。本件においては、各物件に係る売買契約において定められた各売買代金の内訳が当該各資産の適正な価額と比較して不合理なものであるとすべき事情はなく、また、当該各物件のうち、売買契約書等において土地及び建物それぞれの価額又は建物本体及び建物附属設備それぞれの価額がいずれも明らかでないものについて、請求人が採用した算定方法は、合理的なものとは認められず、採用することはできない。(令6. 1.29 東裁(法)令5-62)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令050004
- 裁決年月日
- 令和6年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法施行令第119条《有価証券の取得価額》第1項第1号に規定する「その有価証券の購入のために要した費用」は、株式を購入すると決めた後の費用のみが該当し、請求人が買収した会社(本件買収対象会社)に係るデューデリジェンス費用(本件各DD費用)は、請求人の取締役会等が買収の意思決定を行う前に発生した当該意思決定を得るための必要経費であるから、「その有価証券の購入のために要した費用」に該当しない旨主張する。しかしながら、「その有価証券の購入のために要した費用」には、原則として、当該有価証券の取得を目的としてその取得に関連して支出する一切の費用が含まれるというべきであり、本件各DD費用は、本件買収対象会社の株式という特定の株式の取得を目的としてその取得に関連して支出した費用であると認められるから、「その有価証券の購入のために要した費用」に該当する。(令6. 1.24 高裁(法)令5-4)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令050002
- 裁決年月日
- 令和5年12月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が計上した外注費のうち請求人の取締役(本件取締役)に販売手数料として支払った金額は、実態のない架空の外注費であり、当該金額は、本件取締役に対する交際費等に該当する旨主張し、請求人は、当該金額は、本件取締役による直接的、間接的又は無形の支援業務の対価であるから外注費に該当する旨各主張する。しかしながら、本件取締役が行った業務はいずれも請求人の取締役たる立場で行われたもので、上記の金額は、請求人の業務に係るものとして支払われたことは明らかであり、請求人の取締役たる立場を離れて全く無関係に支給されたものと認めるに足る特段の事情もないことから、本件取締役に対する役員給与とみるのが相当である。(令5.12. 7 広裁(法・諸)令5-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令050002
- 裁決年月日
- 令和5年12月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/2架空でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が損金の額に算入した外注費の一部は、請求人と外注先との間で工事の受発注に係る契約は成立しておらず、また、請求人の工事部長が当該外注先に請求書の宛名を書き換えさせるなど虚偽の請求書を作成させて計上したものであるから、実態のない架空の外注費である旨主張する。しかしながら、請求人と外注先との間の工事請負契約は有効に成立していると認められること、また、原処分庁の主張する書き換え前の請求書等は確認することができず、書き換えがあったとする証拠はないこと、そして、請求人の工事部長は一従業員に過ぎず、外注先に虚偽の請求書を発行させることが可能であったとも考え難いことから、請求人が損金の額に算入した外注費が過大に計上されたものとは認められない。(令5.12. 7 広裁(法・諸)令5-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令050002
- 裁決年月日
- 令和5年12月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/2架空でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が損金の額に算入した外注費の一部は、請求人の工事部長が外注先に単価を書き換えさせるなど請求金額を水増しした請求書を作成させ計上したものであるから、当該水増しした部分に係る金額については、役務提供の事実のない架空の外注費である旨主張する。しかしながら、請求人は、請求書に記載されたとおりの役務の提供を受けたと認められ、また、原処分庁の主張する書き換え前の請求書は確認することができず、水増しがあったとする証拠もないことから、請求人が損金の額に算入した外注費が過大に計上されたものとは認められない。(令5.12. 7 広裁(法・諸)令5-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050011
- 裁決年月日
- 令和5年11月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716120
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/12福利厚生費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が計上した福利厚生費(本件福利厚生費)は、過去の税務調査において同様の費用を損金の額に算入することが容認されているから損金の額への算入が認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件福利厚生費は、支出及び費途の確認ができず、請求人の事業との関連性も確認できないから、法人税法第22条第3項に規定する損金の額に算入すべきもののいずれにも当たらない。なお、過去の税務調査において請求人と過去の税務調査を担当した職員との間で具体的にどのようなやり取りがなされたのか明らかではない上、過去の税務調査において指摘されなかったとしてもそのことが本件福利厚生費の損金該当性に係る判断を左右するものではない。(令5.11.22 関裁(法・諸)令5-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050011
- 裁決年月日
- 令和5年11月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、独立行政法人中小企業基盤整備機構との中小企業倒産防止共済契約に基づく掛金(本件掛金)に係る損金算入に関する明細書を確定申告書に添付しなかったのは、税務署等による説明会において明細書を提出する必要があるとは言われなかったからであるから、当該明細書の添付がなくとも本件掛金は損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人の主張に係る事情をもって、租税特別措置法(措置法)第66条の11《特定の基金に対する負担金等の損金算入の特例》第2項の規定により必要とされる明細書の添付が不要となるものではないから、明細書の添付がない本件において、本件掛金を損金の額に算入することはできない。また、請求人の上記主張により、措置法第66条の11第2項に規定する「やむを得ない事情」が認められることにもならない。(令5.11.22 関裁(法・諸)令5-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050011
- 裁決年月日
- 令和5年11月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取得した土地(本件土地)の上に存した樹木の伐採、残材の処分工事(本件樹木伐採等工事)及び蔵(本件蔵)の解体処分工事(本件解体処分工事)によっても本件土地の価値は上がっていないことなどから、本件樹木伐採等工事及び本件解体処分工事に係る費用は、土地の取得価額に含まれず、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件樹木伐採等工事により、火災で焼けた建物の残部、樹木、廃材などが残された本件土地の一部が利用可能な更地となったことに照らすと、本件樹木伐採等工事の費用は本件土地を事業の用に供するために直接要した費用に該当するといえるから、本件土地の取得価額に算入すべきであると認められる。また、本件蔵は請求人が取得した時点で老朽化により損傷しており、利用できる状況になかった上、本件解体処分工事を行うまでの間、本件蔵を修繕するなどして実際に利用したという事情も認められないことからすると、本件蔵を取り壊して本件土地を利用する目的を有していたとみるのが自然であるから、本件解体処分工事に係る費用は、本件土地の取得価額に算入すべきであると認められる。(令5.11.22 関裁(法・諸)令5-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050042
- 裁決年月日
- 令和5年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が取得したクレジット(本件クレジット)の支払額(本件支払額)について、本件クレジットには資産性が認められる上、本件クレジットの取得による広告宣伝効果があり、購入先との間において贈与が成立するような合意等はなく贈与の事実は存在しないことから、本件支払額は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が広告宣伝に関する役務又はその他の役務の提供や資産の譲受け等の反対給付を受けた事実を認めるに足りる証拠はないことから、本件支払額は、金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与に当たるものであり、また、客観的にみて請求人の収益を生み出すのに必要な費用であって、かつ、その費用としての性質が明白であり明確に区分し得るものとは認められないことから、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。(令5.11.17 東裁(法・諸)令5-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040144
- 裁決年月日
- 令和5年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と共に取得した建物の取得価額及び課税仕入れに係る支払対価の額は、土地付建物売買契約書に記載された消費税等の金額に基づいて計算した金額ではなく、固定資産税評価額の比であん分する方法に基づいて計算した金額とすべきである旨主張する。しかしながら、請求人及び売主との間で、当該土地付建物売買契約書に記載されたとおりの内容で合意があったものと認められ、両者の間に、特殊な利害関係や、租税回避の意思や脱税目的等のもとに故意に実体と異なる内容を契約書に表示したなどの事情は認められず、また、当該土地付建物売買契約書に記載された消費税等の金額に対応する金額は、特段不合理なものとは認められないから、当該金額を基に建物の取得価額及び課税仕入れに係る支払対価の額を算定することが相当である。(令5. 6.29 東裁(法・諸)令4-144)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040144
- 裁決年月日
- 令和5年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の知人(本件知人)に対して支出した業務委託費は、宣伝等を委託する契約及び経営コンサルティングに係る契約に基づき本件知人から受けた役務提供に対する対価であることから、当該業務委託費の額は、法人税法における所得の金額の計算上損金の額に算入されるとともに、消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第1項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額に含まれる旨主張する。しかしながら、請求人と本件知人との間には、これらの契約はいずれも成立しておらず、請求人が支出した当該業務委託費の額は、いずれも架空の業務委託費の額であるから、当該業務委託費の額は、法人税法における所得の金額の計算上損金の額に算入することができず、また、消費税法における課税仕入れに係る支払対価の額に含まれない。(令5. 6.29 東裁(法・諸)令4-144)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040144
- 裁決年月日
- 令和5年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者から取得した航空機の取得価額及び課税仕入れに係る支払対価の額は、代表者が諸経費として負担した額を含めて計算した金額とすべき旨主張する。しかしながら、代表者において航空機の譲渡によって譲渡損益は生じていないと認識していたものと認められるものの、代表者が負担したと請求人が主張する費用のいずれについても、代表者が負担した事実を示す証拠はなく、仮に請求人がそれらの費用を負担していたとしても、当該費用が、当該航空機の取得価額を構成する購入の代価又は当該航空機を事業の用に供するために直接要した費用とは認められないことから、当該費用については、当該航空機の取得価額に含めることはできない。(令5. 6.29 東裁(法・諸)令4-144)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令040005
- 裁決年月日
- 令和5年6月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№131
要旨
○ 請求人は、売買により一括取得した土地及び建物について、まず当該土地の路線価に地積を乗じることにより当該土地の売買代金相当額を算出し、これを売買代金の総額から差し引くことにより当該建物の売買代金相当額を算出する方法(本件差引法)により算出すべきである旨主張する。しかしながら、本件差引法を用いて土地及び建物の売買代金相当額を区分した場合、土地の売買代金相当額に反映されるべき価額が反映されず、土地の売買代金相当額が客観的な時価に比して低額になる一方、当該価額が建物の売買代金相当額に転嫁され、建物の売買代金相当額が客観的な時価に比して高額になるという看過し難い不均衡が生じるから、本件差引法は合理的とは認められない。一方、原処分庁は、当該土地及び建物の各売買代金相当額は、土地及び建物の売買代金総額を各資産の固定資産税評価額比によりあん分する方法(固定資産税評価額比あん分法)により算出すべきである旨主張するところ、確かに、固定資産税評価額比は、土地及び建物の価額比を推認する手がかりとして一般的な合理性を有するものであるから、固定資産税評価額比あん分法は、一般的には合理的な算定方法であると認められる。しかしながら、本件の一部の建物には時価を増加させると認められる改修工事が実施されていたにもかかわらず、当該建物の固定資産税評価額にはこれらの時価の増加が反映されていない。他方、当該一部の建物及びこれと一括取得された土地について請求人が提出した不動産鑑定評価書における土地及び建物の積算価格の比は、土地及び建物の時価の価額比を推認する手がかりとして一定の合理性が認められる上、改修工事の実施を踏まえたものであり、当該一部の土地・建物については、固定資産税評価額比あん分法よりも当該積算価格比によりあん分する方法を用いることがより合理的であると認められる。したがって、当該一部の土地・建物については当該積算価格比によりあん分する方法を、他の土地・建物については固定資産税評価額比あん分法を用いるのが相当である。(令5. 6.21 金裁(法・諸)令4-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040024
- 裁決年月日
- 令和5年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入されず、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に算入されないとした、特定の相手先(本件相手先)に対する仕入高又は外注費として計上した金額(本件否認額)について、いずれも正当な資産の譲渡又は役務の提供の対価である旨主張する。しかしながら、請求人の当時の代表者及び本件相手先の関係者は、いずれも、本件相手先による資産の譲渡又は役務の提供はなかった旨、及び、請求人から本件相手先に振り込まれた金銭は請求人に返金すべきものだった旨申述しており、両者の各申述の内容が一致する上、証拠とも整合しており、当該各申述はいずれも信用できる。ただし、原処分庁による本件否認額の計算に誤りがあり、過大に算出されていることから、本件否認額のうち当該過大額を除く部分の金額について、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入することはできず、また、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に含まれない。(令5. 6.20 名裁(法・諸)令4-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040024
- 裁決年月日
- 令和5年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、役務の提供の対価を超えるため法人税の所得の計算上損金の額に算入されず、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に算入されないとした、特定の相手先(本件相手先)に対する外注費として計上した金額(本件否認額)について、正当な役務の提供の対価である旨主張する。しかしながら、本件相手先の関係者は、本件相手先が作成した請求書に記載された請求金額が正当な外注費の金額である旨、及び、当該正当な外注費を超えて請求人から本件相手先に振り込まれた金銭は請求人からの貸付金であった旨申述しており、その内容は他の証拠と一致する上、ほかに役務の提供があったと認めるに足りる証拠もないことから、当該申述は信用できる。この点、原処分庁は、請求書が現存しない期間の正当な外注費の金額について月報から計算した旨主張する。しかしながら、原処分庁の採用した計算方法は、月報を基に計算しているものの、請求書の記載から認められる計算方法とは異なっており、請求書の記載から認められる計算方法による算出額より過少な金額を正当な外注費の金額として算出していたところ、原処分庁が主張する計算方法を採用すべき事情は認められない。したがって、本件否認額のうち、原処分庁が外注費として算出した金額と請求書の記載から認められる計算方法から算出した外注費の金額との差額を除く部分の金額については、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入することはできず、また、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に含まれない。(令5. 6.20 名裁(法・諸)令4-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040024
- 裁決年月日
- 令和5年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入されず、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に算入されないとした、特定の相手先(本件相手先)に対する仕入高又は外注費として計上した金額(本件否認額)について、いずれも正当な資産の譲渡又は役務の提供の対価である旨主張する。しかしながら、請求人の当時の代表者及び本件相手先の代表者は、いずれも、本件相手先による資産の譲渡又は役務の提供はなかった旨、及び、請求人から本件相手先に振り込まれた金銭は、大半が請求人に返金すべきもので、残りは、第三者が本件相手先に負う債務を請求人が立て替えて支払ったものである旨申述しており、両者の申述の内容が一致する上、証拠とも整合しており、当該申述はいずれも信用できる。したがって、本件否認額は、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入することはできず、また、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に含まれない。(令5. 6.20 名裁(法・諸)令4-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040024
- 裁決年月日
- 令和5年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、役務提供の対価を超えるため、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入されず、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に算入されないとした、特定の相手先(本件相手先)に係る外注費として計上した金額(本件否認額)について、いずれも正当な役務の提供の対価である旨主張する。しかしながら、請求人の当時の代表者及び本件相手先の関係者は、いずれも、本件相手先が請求した金額が正当な外注費であり、当該正当な外注費を超える部分である本件否認額に係る取引は実在していなかった旨申述しており、両者の各申述の内容が一致する上、ほかに各申述の信用性を疑わせるような事情も認められず、当該各申述はいずれも信用できる。ただし、原処分庁による本件否認額の計算に誤りがあり、過大に算出されていることから、本件否認額のうち当該過大額を除く部分の金額について、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入することはできず、また、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に含まれない。(令5. 6.20 名裁(法・諸)令4-24)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令040017
- 裁決年月日
- 令和5年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国で請求人と各関連会社が提起された民事訴訟等(本件各民事訴訟等)において支払った各和解金(本件各和解金)について、本件各和解金は、請求人のみを当事者及び本件各和解金の支払義務者として和解が成立したことにより支払ったものであり、本件各和解金の全額について請求人が固有の支払義務を負っていることから、当該各関連会社への経済的利益の無償の供与ではない旨主張する。しかしながら、本件各和解金に係る和解合意書の記載内容及び和解に至る経緯によれば、本件各和解金は、本件各民事訴訟等を終結させるための解決金であると認められ、請求人が本件各和解金を全額負担することにより、本来であれば本件各民事訴訟等の被告であった各関連会社が負担すべき解決金の負担を免れさせたということができるのであるから、このことは、当該各関連会社に対する経済的利益の無償の供与というべきである。そして、請求人が本件各和解金を支払うことにより本件各民事訴訟等が終局的に終了するという効果は、当該各関連会社にも等しく及んでおり、本件各和解金を請求人のみが負担するべき特段の事情があったとは認められず、請求人及び当該各関連会社において等分に負担すべきものであったと認められるから、本件各和解金のうち、請求人が負担すべき金額を超える部分の金額は、当該各関連会社に対する寄附金(国外関連者に対する寄附金)の額に該当する。(令5. 6.15 広裁(法)令4-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040131
- 裁決年月日
- 令和5年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、学校法人である請求人が外国法人に送金した各金員(本件各金員)は、貸付金に該当し収益事業である金銭貸付業に係る資産であり、当該外国法人が破産手続を申請したことから、貸付金の貸倒損失として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人と当該外国法人との間に本件各金員に係る金銭消費貸借契約が成立したとは認められないことなどから、本件各金員は貸付金とはいえないし、請求人は金銭貸付業を営んでいるとはいえないから、収益事業である金銭貸付業に属する資産には該当しない。したがって、請求人が本件各金員に係る貸倒損失とした金額は収益事業に係る損金の額に算入されない。(令5. 6.14 東裁(法)令4-131)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040016
- 裁決年月日
- 令和5年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、新規に取得したハンドガイド式の自力走行型除雪機(本件除雪機)は、大型除雪機と一体となって除排雪業の用に供していることから、大型除雪機と一の設備を構成するものであり、法人税法施行令第13条《減価償却資産の範囲》第3号に規定する「機械及び装置」に該当する旨主張する。しかしながら、「機械及び装置」とは、複数の資産が設備を形成して、設備の一部としてそれぞれの資産がその機能を果たすものと解するのが相当であり、その該当性については、当該資産の用途、機能、実際の設置使用状況等に基づいて判断するのが相当であるところ、本件除雪機は、それ自体で固有の機能を果たし独立して使用され、それぞれ別の場所に保管されていることから、大型除雪機と物理的な接続及び機能的な関連を持って据え付けられたものではなく、複数の資産が設備を形成して、設備の一部としてそれぞれの資産がその機能を果たすものとは認められない。したがって、本件除雪機は法人税法施行令第13条第3号に規定する「機械及び装置」には該当せず、同条第7号に規定する「器具及び備品」に該当する。(令5. 6. 7 仙裁(法)令4-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040126
- 裁決年月日
- 令和5年6月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716150
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/15横領損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の架空の広告宣伝費(本件広告宣伝費)の計上は、請求人の役員でも従業員でもない業務委託先の代表者(本件業務委託先代表者)が、当該業務委託を奇貨として行ったものであり、本件広告宣伝費の計上により捻出された金員は、本件業務委託先代表者に領得されたのであるから、本件広告宣伝費と同額の横領による損失が認められ、請求人の損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人においては、本件業務委託先代表者が、請求人の仕入れ、経費、給与の支払及び税務申告の承認、銀行からの借入れの決定などの経営判断を行っており、請求人の業務について実質的な決定権限を有していた者であったと認められ、本件広告宣伝費は、本件業務委託先代表者の指示の下で計上されたのであるから、請求人の行為と同視することができる。そうすると、本件広告宣伝費の計上により捻出された金員は請求人の管理・支配下にあったものと認められ、本件広告宣伝費と同額の金員が第三者により横領されたとはいえないことから、請求人に、本件広告宣伝費と同額の横領損失が生じたとは認められず、当該金額を請求人の損金の額に算入することはできない。(令5. 6. 5 東裁(法・諸)令4-126)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令040010
- 裁決年月日
- 令和5年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706110
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/11事業用資産の取得事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、機械装置(本件機械装置)を取得し、事業の用に供したことから、当該事業年度において本件機械装置に係る減価償却費を損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件機械装置の買受けに係る契約書から、当事者間において、請求人が契約の相手方に本件機械装置の検査の結果を通知し、代金支払の完了時に本件機械装置の所有権が移転する旨合意していると認められるところ、請求人は、契約の相手方に検査の結果の通知を行っておらず、本件機械装置の代金支払も完了していなかった。したがって、本件機械装置の所有権が請求人に移転したとはいえず、請求人は、本件機械装置を取得し、事業の用に供したとは認められないため、本件機械装置に係る減価償却費を損金の額に算入することはできない。(令5. 6. 1 札裁(法・諸)令4-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040039
- 裁決年月日
- 令和5年5月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が関連会社へ譲渡した非上場株式(本件株式)の譲渡価額について、請求人が本件株式を取得した後、本件株式の発行会社の収益性が著しく低下したという事情があり、本件株式の価額を法人税基本通達4-1-6《上場有価証券等以外の株式の価額の特例》に基づき純資産価額方式で算出すると零円であったため、これを基に決定したのであるから、適正な価額である旨主張する。しかしながら、本件株式については、取得時も純資産価額方式による評価額は零円であったと認められるところ、請求人は、請求人と特別な関係がない者との間で経済的合理性を考慮して成立した適正な価額で本件株式を取得したものであり、そして、本件株式の取得から譲渡までの期間(約1年10か月)において、本件株式の価額に影響を与えるような特段の事情があるとは認められないから、本件株式の適正な価額は、取得時から譲渡時までの間を通じて変動しておらず、本件株式の取得価額と同額であると認められる。したがって、請求人の主張する譲渡価額を適正な価額とすることには合理性がない。(令5. 5.26 関裁(法)令4-39)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令040009
- 裁決年月日
- 令和5年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、機械装置の特許を第三者から取得したとする法人(本件法人)との間で作成した、当該特許に関連する技術的ノウハウ(ノウハウ)の使用許諾等に関する契約書(本件契約書)に基づく対価(本件対価)について、法人税法上の繰延資産に該当し、その償却費を損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件契約書に記載されたノウハウに関連するとしている特許又はその実施権を本件法人が取得した事実は認められず、請求人がノウハウの使用許諾等を受けたことの根拠として主張する事実はいずれもその存在が認められないことから、請求人は、本件法人からノウハウの使用許諾等を受けていなかったものと認められる。したがって、本件対価は、繰延資産に該当せず、その償却費を損金の額に算入することはできない。(令5. 5.23 札裁(法・諸)令4-9)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令040014
- 裁決年月日
- 令和5年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注先(本件外注先)から現場作業や作業員の確保という役務の提供を受け、本件外注先からの請求書に基づき金員を支払っているから、本件外注先に対する外注加工費(本件各外注費)は、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、作業現場で元請業者等が作成している作業に従事した作業員の名前が記載された各書類には本件外注先の名前の記載がないところ、当該各書類に記載されていない作業員が作業に従事することはない旨の元請業者等の関係人の申述等は十分に信用できるから、請求人が、本件外注先から役務の提供を受けたとは認められず、よって、本件各外注費は損金の額に算入されない。(令5. 3.23 広裁(法・諸)令4-14)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令040005
- 裁決年月日
- 令和5年3月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/3その他の資産の譲渡原価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人と代表者を同じくする別法人(本件別法人)が所有する土地を第三者に売却するに際し、請求人と本件別法人との間で行われた当該土地の開発許可に基づく地位の売買契約に関連して支出した業務委託費(本件業務委託費)は、本件別法人の土地の売却収益に係る売上原価となるものであって、請求人の当該地位の売却収益に係る売上原価には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人は当該地位を売り渡したことが認められるところ、本件業務委託費は、当該地位に係る売上高との間で直接的な対応関係がある費用であることから、請求人の当該地位の売却収益に係る売上原価に該当する。(令5. 3.17 沖裁(法)令4-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令040006
- 裁決年月日
- 令和5年3月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が所有する土地を第三者に売却するに際し、請求人と代表取締役を同じくする別法人との間で行われた、当該土地の開発許可(本件開発許可)に基づく地位の売買契約(本件契約)に関し、請求人は本件契約以前に行われた土地売買(本件土地売買)において、既に本件開発許可に基づく地位を当該別法人から取得していたと認められることから、本件契約は実体を欠くものであり、請求人が本件契約によって本件開発許可に基づく地位を買い受けたとは認められないなどとして、請求人による当該別法人への本件契約に基づく代金の支払(本件支出)は対価性のない支出であり、その支出額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項の「寄附金の額」に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地売買の際の契約書の記載内容、代金額、本件土地売買に至る動機・目的等を踏まえると、本件土地売買は本件開発許可に基づく地位を売買の目的物としたものであったとは認められない。そして、本件契約の内容、本件契約締結の必要性などに照らすと、本件契約が実体のないものであったとはいえないから、当該支出は本件契約に基づく代金の支払であり、資産を対価なく他に移転したものとは認められないため、本件支出額は、「寄附金の額」に該当しない。(令5. 3.17 沖裁(法)令4-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040030
- 裁決年月日
- 令和5年3月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/3高価買入れ
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№130
要旨
○ 原処分庁は、請求人が取締役(本件取締役)と親族関係にある仕入業者(本件仕入業者)から仕入れた資材の仕入金額(本件仕入金額)は、時価相当額と比較して不相当に高額であるから、その高額な部分は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金の額に該当する旨主張する。しかしながら、原処分庁が時価相当額を算出するために用いた計算式は、業界において一般的に用いられている計算式の一つであり、不特定多数の当事者における自由な取引において通常成立すると認められる当該資材の価額に比準するものとして合理性が認められるものの、原処分庁が計算に用いた具体的な数値については、当審判所に提出された全ての証拠によっても当該数値を用いることが相当であるとは認められないから、原処分庁が当該計算式により算出した金額は時価相当額であるとは認められない。また、原処分庁は、本件仕入業者からの仕入単価は、一定の金額が上乗せされた「いわゆる親戚価格」である旨主張するが、当該仕入単価は、本件仕入業者と本件仕入業者とは親族関係にない営業部長との間で交渉により決められており、本件取締役が当該仕入単価の決定に介入したとは認められないから、当該仕入単価が、本件仕入業者が本件取締役の親戚であることを考慮した金額であるということはできない。よって、本件仕入金額が時価に比して不相当に高額であったとは認められない。(令5. 3. 8 関裁(法)令4-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040032
- 裁決年月日
- 令和5年3月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、副社長(本件役員)が購入した宝飾品等及び服飾品等(本件購入品等)は、それぞれ請求人の非常用資産又は取引先への贈答品であり、本件役員が経済的利益を得たものではないし、仮に本件役員が経済的利益を得ているとしても、請求人が勤務の対価として供与したものではないから、給与等には該当しない旨主張する。しかしながら、本件役員は、請求人の取締役副社長かつ支配株主であり、経費の支出等について金額の上限なく一任されていたことから、請求人の経費を自由に使用できる立場にあったと認められる。そして、本件役員が購入した宝飾品等には請求人が商品として取り扱っていた形跡が全くないし、服飾品等については請求人が贈答した事実が明らかでないから、本件購入品等が請求人の資産や贈答品とは認められない。また、宝飾品等の中には本件役員が自ら使用するためにオーダーされたものがあり、服飾品等の中には本件役員のサイズに合わせて購入されたものがあることなどから、本件各購入品等は個人的な購入であったことが推察される。以上のことから、本件役員は、その地位及び権限を利用して、請求人の経費の支出等という名目の下で個人的に本件購入品等を購入したものと認められ、その購入費用を請求人に負担させることにより、請求人から経済的利益を得ていたと認められるから、当該経済的利益の額は、請求人から本件役員に対する給与等に該当する。(令5. 3. 1 大裁(法・諸)令4-32)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令040012
- 裁決年月日
- 令和5年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各外注先(本件外注先)に対する各外注加工費として計上した金額は、外注加工費ではないが給与等又は開業費に該当する費用、過去の外注加工費に係る単価の増額分及び役務の提供の対価であるから、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人が本件外注先から役務の提供を受けたとは認められない。そして、当該金額は、その使途の確認ができず請求人の業務との関連性が明らかではないから、損金の額に算入されない。(令5. 2.21 広裁(法・諸)令4-12)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令040012
- 裁決年月日
- 令和5年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事務所の運営資金として個人(本件依頼先)に金員(本件金員)を支払っており、本件依頼先は事業活動に本件金員を使用しているから、総勘定元帳には記載していないが、本件金員は繰延資産(開業費)として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人の主張は、事業活動のため支出した金額、支払年月日、支払先及び支払内容等の事実について具体性を欠いており、請求人の主張する経費は事実上存在しないものと推定されるから、本件金員は損金の額に算入されない。(令5. 2.21 広裁(法・諸)令4-12)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令040013
- 裁決年月日
- 令和5年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、総勘定元帳には記載していない費用を支出しており、これらの費用は、①外注先に対し建物解体工事を発注し、当該外注先から役務の提供を受けていること、②請求人が営業活動を依頼した個人(本件依頼先)に対して支払ったが、誤って請求人の関係法人の外注加工費として計上したものであることから、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人は、費用として支出した金額、支払年月日、支払先及び支払内容等の事実について具体的に特定して主張しておらず、請求人の主張を裏付ける具体的な資料の提出もないことからすれば、請求人の主張する費用は、事実上存在しなかったものと推定されるから、損金の額に算入されない。(令5. 2.21 広裁(法・諸)令4-13)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令040013
- 裁決年月日
- 令和5年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各外注先(本件各外注先)に対する外注加工費として計上した金額は、本件各外注先又は他の外注先から受けた役務の提供の対価であるから、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人が本件各外注先及び他の外注先から役務の提供を受けたとは認められず、当該金額は、請求人の業務との関連性が認められないことから、損金の額に算入されない。(令5. 2.21 広裁(法・諸)令4-13)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040011
- 裁決年月日
- 令和5年2月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が事前確定届出給与として届け出た各役員給与(本件各役員給与)は、過去の職務執行期間の業績を考慮して決定されていたことなどから、過去の職務執行期間の対価であると認められるため、当該届出は、職務執行開始の日から1月を経過する日までにされていないことになること、また、法人の業績を示す指標を基礎として算定されており業績連動給与に該当することから、本件各役員給与は事前確定届出給与に該当せず、損金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、本件各役員給与は業績評価期間(過去の職務執行期間)の業績を考慮して算定されたものではあるものの、本件各役員給与の支給額は飽くまで業績評価期間後の取締役会の決議により初めて決定するものであって、当該業績評価期間の業績等はその具体的な支給額の決定のために用いられる指針ないし参考情報にすぎないから、本件各役員給与は、過去の職務執行期間の対価とは認められず、また、業績連動給与にも該当しない。したがって、本件各役員給与は事前確定届出給与の要件を充足していることから、損金の額に算入される。(令5. 2. 3 仙裁(法)令4-11)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040011
- 裁決年月日
- 令和5年2月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、法人税法第55条第4項第1号の規定及び法人税基本通達9-5-9《外国等が課する罰金又は科料に相当するもの》の定めの趣旨からすれば、刑事訴訟手続を経て課された金銭の支払は全て罰金に相当するというべきであるから、請求人が外国で課された罰金を分割払したことによる利息(本件利息)は、同号に規定する罰金に相当するものに当たる旨主張する。しかしながら、法人税法第55条第4項第1号が「外国又はその地方公共団体が課する罰金又は科料に相当するもの」と限定的に規定している趣旨を踏まえると、刑事訴訟手続を経たものであっても、その支払の原因となった行為に対する刑事上の制裁としての性格が認められない場合、すなわち刑罰として課されるものとは認められない場合には、同号の罰金等には該当しないと解すべきである。そうすると、本件利息が何らかの刑事上の制裁金として課せられたとまで認めるに足る証拠は見当たらないから、本件利息は我が国でいう罰金又は科料に相当するものとは認められず、法人税法第55条第4項第1号に掲げる罰金等に該当するということはできない。(令5. 2. 3 仙裁(法)令4-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040007
- 裁決年月日
- 令和5年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、総勘定元帳(本件元帳)に記載した長期前払費用の期末残高(本件長期前払費用)は、太陽光発電設備(本件設備)を建設して行う売電事業(本件事業)に係るものとして支払ったものであるから、本件事業の譲渡契約に係る引渡しや本件事業に関する請求人の役務提供が、全て係争事業年度に完了したのであれば、本件長期前払費用についても、係争事業年度の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件元帳上、当該各支払の「摘要」欄には、本件設備とは別の太陽光発電設備(別件太陽光発電設備)の名称が記載されており、また、本件長期前払費用が本件事業に係る支払であることを確認できる証拠はないから、本件長期前払費用が本件事業に係るものとして支払われたとは認められない。また、本件元帳上、係争事業年度において、別件太陽光発電設備に係るものとして計上された売上高で本件長期前払費用に対応するものは存在しないから、本件長期前払費用については、係争事業年度における売上原価等の原価の額と認めることはできず、また、本件長期前払費用が係争事業年度における期間損益に属する費用の額に該当することとなる事実等も確認できない。したがって、本件長期前払費用を係争事業年度の損金の額に算入することはできない。(令5. 1.23 名裁(法・諸)令4-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040066
- 裁決年月日
- 令和5年1月6日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国内仕入高勘定に計上した原材料(本件材料)の仕入れについては、請求人の事務所で仕入先から本件材料を直接受け取り、その仕入れに係る請求書、納品書、領収書、領収明細書を受領し保管していたのであるから、請求人が製造した製品(本件商品)に本件材料が使用されたことは明らかであり、本件材料の仕入れの事実は存在する旨主張する。しかしながら、関係者の申述などからすると、本件商品の原材料として使用されたのは、本件材料とは別の安価な原材料であったと認められ、ほかに本件材料を仕入れたと認めるに足りる証拠もないから、本件材料を仕入れた事実は認められない。(令5. 1. 6 東裁(法・諸)令4-66)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040006
- 裁決年月日
- 令和4年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地及び建物の内訳の金額が区分されずに一括購入した土地(本件土地)及び建物(本件建物)について、減価償却費の計算の基礎となる本件建物の取得価額を算出する際、原処分庁が用いた土地及び建物の固定資産税評価額の比率によってあん分して算出する方法(固定資産税評価額あん分法)ではなく、請求人が近傍類似であるとして選定した土地の価額を基に算出した本件土地の価額を売買代金から差し引いて算出する方法(本件土地差引法)が合理的である旨主張する。しかしながら、請求人が本件土地差引法で用いた土地及びその価額は、本件土地と地域が異なる上、地番が不明で近隣地の価額として適正か否か判別できず、その価額も売買実例価額ではないから、適当な区分方法とはいえない。これに対し、原処分庁が採用した固定資産税評価額あん分法は、土地と建物の双方に利益が反映されることになり、また、固定資産税評価額は算出機関及び算出時期が同一であり、同一時期の時価を反映していると考えられる。したがって、原処分庁が採用した固定資産税評価額あん分法は合理的な区分方法と認められる。(令4.12.21 仙裁(法・諸)令4-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040063
- 裁決年月日
- 令和4年12月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№129
要旨
○ 原処分庁は、請求人が客引きに役務の提供の対価として支払った報酬(本件客引き報酬)であると主張する金額について、請求人が日々の売上金額及び支出金額等を記載した封筒(本件各封筒)を保管しているものの、そのほとんどについて支出の実態を確認することができないことなどを理由に、原処分庁が認定した金額を超える部分については本件客引き報酬であるとは認められない旨主張する。しかしながら、本件各封筒のうち、支出金額の使途として「給料」等の文言を記載したもの、又は支払の相手方として氏名等を記載したものであり、かつ、他の使途に係る支出金額と区分して記載したものについては、請求人が複数の客引きらから役務の提供を受け、本件客引き報酬を支払った事実及びその金額が記録されたものと認められる。したがって、上記の認定ができる支出金額については、本件客引き報酬として損金の額に算入すべきと認められる。(令4.12.21 東裁(法・諸)令4-63)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令040002
- 裁決年月日
- 令和4年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一括して購入した土地(本件土地)及び建物(本件建物)について、それぞれの価額が売買契約書上明らかでないことから、それぞれの購入の代価を区分するには、請求人が近隣地として選定した土地の販売価格を基に本件土地の価額を算定し、これを購入金額の総額から差し引くことによって本件建物の価額を算定する方法が合理的である旨主張する。しかしながら、請求人が選定した土地は本件土地とは地理的条件や法令に基づく制限等が異なっている上、その利用価値が著しく低いといえることや、その土地の販売価格1㎡当たりの金額と本件土地が接する道路の路線価及び本件土地の近隣に存する地価公示地の地価公示価格1㎡当たりの金額との間には数倍の開差があることからすると、請求人が選定した土地の販売価格を基礎として算定した本件土地の価額は本件土地の実勢価格と乖離しているといわざるを得ず、本件建物の価額の合理性が担保されているとはいえないから、請求人の主張する差引法は合理的な方法であるとは認められない。他方、原処分庁が主張するそれぞれの資産の固定資産税評価額の価額比であん分して算定する方法は、①特に中古建物の場合は、固定資産税評価額を用いることで簡易、迅速に土地及び建物の価額を把握してあん分することができること、②固定資産税評価額は、土地の場合は路線価と同様に地価公示価格や売買実例等を基に評価し、建物の場合は再建築価額に基づいて評価されているから、土地及び建物ともに時価を反映していると考えられること、③固定資産税評価額は、同一の公的機関が同一時期に合理的な評価基準で評価したものであるから、いずれも同一時期の時価を反映しているものと考えられること等からすると、固定資産税評価額の価額比を用いることに合理性があると認められるから、本件土地及び本件建物のそれぞれの購入の代価を区分する方法として合理的な方法であると認められる。(令4.12.13 金裁(法・諸)令4-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040037
- 裁決年月日
- 令和4年10月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失の対象とした債権(本件債権)は、①請求人が、請求人と代表取締役が同一であるA社に対する貸付債権の貸金返還請求権、又は、②上記①の貸付債権に係るB社に対する保証債務履行請求権などであり、A社は長期に渡り事実上事業を停止しており回収不能であったところ、B社が解散し清算手続中で、最後の弁済をもって支払能力がなくなり債権全額が回収不能となったことから、貸倒損失を損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、請求人からA社へ金銭を貸し付けた事実を示す具体的な証拠書類の提出がなく、上記①の債権が存在するとは認められない。よって、上記①の貸付債権の成立は認められず、また、当該貸付債権の存在が認められない以上、保証債務の付従性から、上記②の保証債務履行請求権の成立も認められない。したがって、本件債権に係る貸倒損失の額を損金の額に算入することはできない。(令4.10.26 東裁(法)令4-37)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令040005
- 裁決年月日
- 令和4年10月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が太陽光発電所の伐採造成工事及び自営線工事に係る収入金額(本件収入金額)の帰属する事業年度末において見積もった各工事費用(本件各見積額)は、本件収入金額に係る売上原価として損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件各見積額に係る工事の発注時期、工期及び施工内容等から、当該各工事が当該太陽光発電所の伐採造成工事及び自営線工事に係るものとは認められず、本件各見積額が本件収入金額に係る売上原価であると認められないから、本件各見積額を当該事業年度の損金の額に算入することはできない。(令4.10.14 福裁(法)令4-5)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令040003
- 裁決年月日
- 令和4年10月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空計上又は水増し計上であると主張する外注費(本件各外注費)は、取引の実体が存在しており架空取引ではないし、請求人に水増し部分があるとの認識はなく、請求人と外注先との間で適正な契約代金として合意して支払ったものであるから損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件各外注費は、請求人の元専務が外注先に依頼して、実際には請負契約が存在せず役務提供の事実がないにもかかわらず発行させた請求書に基づき計上されたもの、及び外注先から返還を受ける金額を請負代金額に上乗せさせて発行させた請求書に基づき計上されたものであるから、損金の額に算入されない。(令4.10. 6 広裁(法・諸)令4-3)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令040004
- 裁決年月日
- 令和4年10月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法施行令第119条《有価証券の取得価額》第1項第1号に規定する「その有価証券の購入のために要した費用」とは、特定の有価証券を購入する意思を確定的に決定し、当該意思の下で支出される費用を意味するものと解すべきところ、本件における企業提携に係る業務委託費等(本件費用)は、臨時株主総会において株式譲渡契約の締結が承認される前に生じた費用であり、意思決定前に実施された業務の対価であるから「その有価証券の購入に要した費用」に該当しない旨主張する。しかしながら、本件費用は、特定の有価証券の取得を目的として締結された業務委託契約に係る対価であり、特定の有価証券の購入に関する業務に対して支出された費用と認められるから、「その有価証券の購入のために要した費用」に該当する。(令4.10. 5 福裁(法)令4-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040026
- 裁決年月日
- 令和4年9月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国外関連者に該当する子会社(本件子会社)を当事者とする訴訟に係る弁護士費用等(本件弁護士費用等)に関し、本件子会社は、請求人の不良債権化しつつあった債権の回収目的で設立され、その債権回収業務による成果は全て請求人が享受しているから、本件弁護士費用等を請求人が負担することには合理的理由があり、本件弁護士費用等の額は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額には該当しない旨主張する。しかしながら、本件弁護士費用等は、訴訟の当事者である本件子会社が負担すべきものであり、請求人は当該費用の支払に対する何らの反対給付も受けていないから、請求人が本件弁護士費用等を負担したことは、本件子会社に対する金銭の贈与又は経済的な利益の無償の供与に当たる。そして、本件弁護士費用等が請求人の収益を生み出すのに必要な費用であるとも認められず、また、本件弁護士費用等が客観的にみて請求人がより大きな損失を被ることを避けるために必要不可欠な支出であるといった事情も認められないから、本件弁護士費用等の額は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。(令4. 9.26 東裁(法・諸)令4-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040007
- 裁決年月日
- 令和4年9月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人に対して支払った報酬(本件報酬)は、関連法人が提供した人事コンサルティング業務(本件業務)の対価であり、通常の経済取引として是認できる合理的理由があるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入額》第7項に規定する寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、関連法人は、請求人の代表取締役(本件代表者)が代表を務め同人以外に従業員等はいなかったこと、関連法人には外形的な実態がなく取引先は請求人のみであったこと、関連法人に本件業務を委託する前から、本件代表者が請求人の人事労務等に関する業務を行っていたことなどからすれば、本件代表者は、請求人の代表取締役として本件業務を行ったというべきであり、請求人が関連法人から役務の提供を受けたとは認められないから、本件報酬に対価性があるとは認められない。また、請求人が、本件業務をあえて本件代表者が関連法人の代表の立場で行うために関連法人に委託することが、客観的にみて請求人の収益を生み出すため又は請求人がより大きな損失を被ることを避けるために必要であったともいえない。したがって、本件報酬は同項に規定する寄附金に該当する。(令4. 9.14 関裁(法・諸)令4-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040008
- 裁決年月日
- 令和4年9月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自ら損失負担等をして子会社を清算することで、より大きな損失を回避することができると判断して子会社に対する債権(本件債権)を放棄したのであるし、その金額も合理的であるから、法人税基本通達9-4-1《子会社等を整理する場合の損失負担等》に定める相当な理由があり、請求人が放棄した本件債権の額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人は、子会社を清算する目的で子会社の事業譲渡に主体的に関与したところ、請求人を含む債権者が子会社に対して債務の早期返済を要求していた事実や、放棄する債権の額の合理性について請求人及び子会社が具体的に検討した事実なども認められないから、事業譲渡の前に、請求人が本件債権を放棄しなければ子会社が直ちに倒産するような危機にあったとまではいえず、客観的な事実に即して本件債権の放棄がされたともいえない。したがって、請求人がした本件債権の放棄には法人税基本通達9-4-1に定める相当な理由があるとは認められず、放棄した本件債権の額は法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。(令4. 9.14 関裁(法)令4-8)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令040002
- 裁決年月日
- 令和4年9月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各外注先(本件各外注先)に支払った各外注費(本件各外注費)は、請求人が施行する工事全般の施工管理業務及びコンサルタント業務に対する対価である旨主張する。しかしながら、本件各外注先が請求人に対して請求人が主張するような役務の提供を行ったとは認められないから、その対価が発生する余地はない。また、本件各外注費は、その使途の確認ができず、業務との関連性が明らかではないから、本件各外注費は法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入されない。(令4. 9. 9 広裁(法・諸)令4-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040002
- 裁決年月日
- 令和4年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その有する貸付金(本件貸付金)について、①貸付先の決算書によれば、貸付先は多額の債務超過であるところ、貸付先の決算書には本件貸付金に係る債務が計上されておらず、本件貸付金に係る債務の額を加えると更に悪い状態に陥るから、当該貸付先は実質的に破綻しており、今後の回収の見通しが立たないこと、②本件貸付金の返済期間は常識的には考えられないほど長期であり、全額の回収は不可能であることを理由に、貸倒損失として損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件貸付金の返済が続いていることに加え、本件貸付金を被担保債権とする抵当権が土地等に設定されていることからすると、請求人が貸倒損失を計上した事業年度において本件貸付金の全額が回収できないことが客観的に明らかになったとは認められない。したがって、本件貸付金について貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(令4. 8.24 関裁(法)令4-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040005
- 裁決年月日
- 令和4年8月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、受託物品の販売における、各取引先からの要請価格に基づく売上高から委託手数料を控除した金額と実際の販売価格に基づく売上高から委託手数料を控除した金額との差額(本件差額)の負担は、①各取引先からの要請価格が指値又は指値と同様の価格の拘束力を有するものであるから、請求人が負担すべきものであり、②指値又は指値と同様の価格の拘束力を有するものでないとしても、安定的な集荷の確保のための負担であり、通常の経済取引として是認できる合理的理由があるなどとして、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、本件差額の負担は、請求人から各取引先への経済的利益の移転であり、①各取引先からの要請価格は、請求人と各取引先の双方の認識からしても商法第554条の指値又は指値と同様の価格の拘束力を有するものとはいえず、請求人が本件差額を負担すべき契約上の義務も認められないから、対価なく行われたものであると認められること、②請求人が本件差額を負担することによって各取引先からの要請価格を維持し受託物品の安定的な供給を確保しなければならないとはいえず、また、将来的な集荷が保証されるわけではないことからすると、客観的にみて、請求人の収益を生み出し、又は請求人がより大きな損失を被ることを避けるために必要な費用であって、その費用としての性格が明白であり、寄附金と明確に区分し得るものとも認められない。したがって、法人税法第37条に規定する寄附金の額に該当する。(令4. 8.19 大裁(法・諸)令4-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040015
- 裁決年月日
- 令和4年8月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/3その他の資産の譲渡原価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№128
要旨
○ 原処分庁は、請求人が購入した電子マネーについて、請求人の業務との関連性を有する用途に使用された事実が確認できないことから、当該電子マネーの購入対価は損金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、請求人が提出した証拠資料から、当該電子マネーの一部は関係法人に譲渡した事実が認められることから、その取得価額は売上原価として損金の額に算入される。他方、その他の電子マネーについては、その費途が確認できず、請求人の業務との関連性の有無が明らかでないことから、その取得価額を損金の額に算入することはできない。(令4. 8. 4 東裁(法・諸)令4-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040010
- 裁決年月日
- 令和4年8月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の各子会社等(本件各子会社等)に対する各債権放棄(本件各債権放棄)について、資金繰りが逼迫した本件各子会社等に対しては債権放棄をする必要性があり、また、合理的な再建計画に基づく相当性があるものであって、経済合理性があるから、本件各債権放棄の額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、債権放棄の額が寄附金の額に該当しないといえるためには、本件各債権放棄について、業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われたものであるという必要性と、合理的な再建計画に基づくものであるという相当性について、総合的に判断して経済合理性があるといえるのか否かにより判断するところ、本件各債権放棄は、請求人があえて債権放棄という手段をとらなければ本件各子会社等が倒産したという状況にあったとは認められないから、必要性があったとは認められず、また、本件各債権放棄に係る再建計画が、本件各子会社等が再建するために必要最低限の要支援額の総額を見積もったものということができないなど、合理的なものとは認められないから、相当性も認められない。したがって、本件各債権放棄の額は、寄附金の額に該当する。 (令4. 8. 3 東裁(法)令4-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040011
- 裁決年月日
- 令和4年8月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社等(本件子会社等)に対する債権放棄(本件債権放棄)について、資金繰りが逼迫した本件子会社等に対しては債権放棄をする必要性があり、また、合理的な再建計画に基づく相当性があるものであって、経済合理性があるから、本件債権放棄の額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、債権放棄の額が寄附金の額に該当しないといえるためには、本件債権放棄について、業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われたものであるという必要性と、合理的な再建計画に基づくものであるという相当性について、総合的に判断して経済合理性があるといえるのか否かにより判断するところ、本件債権放棄は、請求人があえて債権放棄という手段をとらなければ本件子会社等が倒産したという状況にあったとは認められないから、必要性があったとは認められず、また、本件債権放棄に係る再建計画が、本件子会社等が再建するために必要最低限の要支援額の総額を見積もったものということができないなど、合理的なものとは認められないから、相当性も認められない。したがって、本件債権放棄の額は、寄附金の額に該当する。 (令4. 8. 3 東裁(法)令4-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040001
- 裁決年月日
- 令和4年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が受注した工事(本件工事)に係る業務を個人事業者(本件事業主)に外注しており、請求人が本件事業主に支払った金員はこの対価であるから、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入され、また、消費税法上の課税仕入れに係る支払対価の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件工事において作成された各書類からは、本件事業主が本件工事に関与していた事実は確認できず、また、本件工事の現場監督は、本件工事に本件事業主が関与していたことを把握していない。さらに、外注の事実を裏付ける契約書等の客観的な証拠が認められない上、本件事業主の業務に係る請求人の代表者及び本件事業主の申述及び答述は、不合理に変遷しており、業務の内容も抽象的で明らかではないことからすると、当該申述及び答述はいずれも信用できない。このような事情に加え、そのほかに本件事業主が役務を提供したことをうかがわせる事情は確認できず、請求人がいかなる理由で本件事業主に金員を支払ったか不明であるから、請求人が本件事業主に支払った金員は、損金の額にも、課税仕入れに係る支払対価の額にも算入されない。(令4. 8. 1 名裁(法・諸)令4-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040009
- 裁決年月日
- 令和4年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空取引であるとした電子部品等の仕入高等(本件各仕入高等)に係る各取引は実態のある取引であるから、本件各仕入高等の金額は損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件各仕入高等に係る取引の時点ではその仕入先が事実上の休業状態であったと認められることや関係人の申述などからすれば、本件各仕入高等に係る仕入取引はいずれも架空取引であって、実態がないものと認められることから、本件各仕入高等の金額は損金の額に算入されない。(令4. 8. 1 東裁(法・諸)令4-9)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040001
- 裁決年月日
- 令和4年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№128
要旨
○ 原処分庁は、各取締役が受けるべき報酬の割当額の決定を一任された代表取締役が作成した「取締役の報酬金額に対する決定書」(本件決定書)に記載された報酬金額は、法人税法施行令(令和3年政令第39号による改正前のもの。)第70条《過大な役員給与の額》第1号ロの「金銭の額の限度額」(形式基準限度額)に当たり、法人税法上の使用人兼務役員に該当しない取締役(本件取締役)に対しこれを超えて支給された金額は、不相当に高額な役員給与である旨主張する。しかしながら、当該代表取締役は、本件取締役に対する役員給与について、取締役分と使用人分を勘案した上で、その合計額を支給額として決定したと認められ、本件決定書に記載された金額は本件取締役に対する給与の額の積算根拠にすぎず、本件取締役の給与に係る形式基準限度額とは認められない。(令4. 7. 1 仙裁(法)令4-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040001
- 裁決年月日
- 令和4年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、受託物品の販売における、委託者である各取引先に対する売買仕切書に記載した単価に基づく売上高から委託手数料を控除した金額と実際の販売価格に基づく売上高から委託手数料を控除した金額との差額(本件差額)の負担は、①各取引先との合意に基づく損失補填であり、各取引先や仲卸業者等との取引継続を対価とするものであること、②支出の拒否により取引関係が消滅した例もあり、出荷先確保のために一定の経済的負担を負うことは、通常の経済取引として是認できる合理的理由があることなどから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、本件差額の負担は、請求人から各取引先への経済的利益の移転であり、①各取引先に請求人の負担の認識もなく反対給付の合意がないこと、及び商法第554条等の指値取引でないことから、その移転は対価及び法律の義務なく行われたものであると認められること、また、②本件差額を負担しないことで、各取引先において販売委託先の選定や委託数量等に影響が生じるとは考え難く、中長期的に見ても取引関係が失われるとも解されないことなどからすると、客観的にみて、請求人の収益を生み出し、又は請求人がより大きな損失を被ることを避けるために必要な費用であって、その費用としての性格が明白であり明確に区分しうるものとは認められない。したがって、本件差額の負担は法人税法第37条に規定する寄附金の額に該当する。(令4. 7. 1 大裁(法・諸)令4-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040003
- 裁決年月日
- 令和4年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、材料仕入勘定に計上した原料の仕入れ(本件各材料仕入れ)については、請求人が販売した商品(本件商品)の原料として使用されたことは明らかであり、本件各材料仕入れに係る仕入れの事実は存在する旨主張する。しかしながら、本件商品について製造委託を受けた業者の担当者の申述によれば、請求人は、本件各材料仕入れに係る原料とは別の原料を仕入れ、これを使用して本件商品を製造していること、本件商品のサンプルの分析結果によれば、本件商品から本件各材料仕入れに係る原料が検出されなかったことなどからすると、本件各材料仕入れに係る仕入れの事実はなかったと認められる。したがって、本件各材料仕入れの税抜金額は損金の額に算入することはできず、また、本件各材料仕入れの税込金額は課税仕入れに係る支払対価の額に含めることはできない。(令4. 7. 1 東裁(法・諸)令4-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030130
- 裁決年月日
- 令和4年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が実際に支給した役員給与(本件支給給与)の額が、事前確定届出給与に関する届出書により届け出た役員給与(本件届出給与)の額と異なることとなったのは経理手続上の過誤にすぎず、役員給与の支給の恣意性は認められないこと等から、本件支給給与は事前確定届出給与に該当する旨主張する。しかしながら、実際に支給された役員給与が損金の額に算入される事前確定届出給与の要件を満たすものであるというためには、当該役員給与の支給が届出に係る事前の定めのとおりにされたものであることを要するところ、本件支給給与の額は、株主総会の決議(定め)の額及び本件届出給与の額と異なっているため、本件支給給与は事前確定届出給与に該当しない。(令4. 6.16 東裁(法)令3-130)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令030010
- 裁決年月日
- 令和4年5月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が支出した金員(本件各金員)は、紹介者が請求人に施主を紹介し、建築工事を請求人に発注するよう働きかけるという、情報又は役務の提供の対価として、紹介者に支払った金員であるから、工事原価として損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件各金員は、工事に関連しない者に支払われたと認められ、業務との関連性の有無が明らかではないから、工事原価として損金の額に算入することはできない。(令4. 5.25 広裁(法)令3-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030109
- 裁決年月日
- 令和4年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が太陽光発電事業の権利を譲渡するための様々な支援業務に係る役務提供を取引先(本件外注先)から受けていたから、その対価(本件コンサル費)は損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人が主張する様々な支援業務については、本件外注先から役務提供を受けた事実が認められず、また、他にその支払先及び支払目的が明らかとなる事実も認められないため、本件コンサル費と請求人の業務との関連性は不明であり、本件コンサル費を損金の額に算入することはできない。(令4. 4.26 東裁(法・諸)令3-109)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030080
- 裁決年月日
- 令和4年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がその購入及び管理等の費用を支出している資産(本件資産)は、請求人の事業用資産にあたり、請求人のみなし役員(本件役員)の個人資産には当たらないと主張する。しかしながら、本件資産の購入、管理及び処分の状況、請求人における事業計画や事業活動の状況に照らせば、本件資産は、本件役員の個人資産に当たるものとするのが相当である。したがって、本件資産の購入代金及び管理等費用の額は、請求人が本件役員に対して経済的利益を供与したもので、本件役員に対する役員給与に該当する。(令4. 3.25 東裁(法・諸)令3-80)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030039
- 裁決年月日
- 令和4年3月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が事務所家具(コートスタンド)を購入した日の属する事業年度(本件事業年度)の事業の用に供したか否かに関し、原処分庁は、当該事務所家具が納品された1階事務室は、請求人代表者の配偶者が経営するクリニックの副院長室であり、請求人の社長室ではないため、当該事務所家具は本件事業年度において事業の用に供したとはいえない旨主張する。しかしながら、①請求人代表者は当該クリニックの副院長を兼務していること、②当該クリニック移転に伴い、当該クリニックの1階部分の引渡しがされた当初、1階事務室は請求人の社長室として使用されていなかった可能性があるものの、本件事業年度中には請求人の社長室として使用されていたと認められること、③当該事務所家具は本件事業年度末日の4日前に1階事務室に納品されたものであること、④その納品時期が季節的にも上着が必要な時期であり、納品日の翌日から使用している旨の請求人代表者の答述が信用できることから、当該事務所家具は、本件事業年度において事業の用に供されていたと認められる。 (令4. 3.17 大裁(法)令3-39)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030031
- 裁決年月日
- 令和4年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、商品仕入高勘定に計上した材料の現金仕入れ(本件各仕入れ)について、請求書及び領収証(本件各書類)に記載のとおり実在しており、架空の取引ではない旨主張する。しかしながら、①請求人が発行した販売先宛の請求書には、本件各仕入れの請求書に記載された材料と一致する内容の商品の記載はなく、本件各仕入れにより取得したとされる材料が販売された事実は認められないこと、②商品期末たな卸高の計上額は、本件各仕入れの合計額に比して著しく少額であり、在庫に計上されているとも認められないこと、③本件各仕入れを計上した期間において、現金残高が多額のマイナスとなった期間があり、請求人が本件各仕入れを行うに足る現金を保有していたとは認められないこと、④材料の仕入先は、本件各仕入れに対応する売上げを計上していないことなどから、本件各書類が存在するとはいえ、請求人が合理的な反論や反証を行わない限り、本件各仕入れが実在しないことが推認されるというべきであるところ、請求人は、本件各仕入れの全てを取り仕切っていた者は行方不明で、本件各書類以外の全ての書類は盗難に遭ったと主張するばかりで、合理的な反論及び反証を行わないことから、本件各仕入れは実在しない架空の取引であると認められる。(令4. 3. 4 名裁(法・諸)令3-31)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030028
- 裁決年月日
- 令和4年2月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716069
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 公益法人等である請求人は、不動産市場の拡大などのプロジェクトに係る業務及び事務所の管理業務を委託した各業務委託契約に基づいて支払った各費用は、収益事業に係る費用であるから、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、いずれの業務委託契約に係る契約書においても業務の具体的な内容が明らかでなく、請求人も各業務委託契約における具体的な業務内容を主張立証せず、当審判所の調査の結果によってもその業務内容は不明であるから、各業務委託契約に係る業務において生じた費用が収益事業に係るものと認めることはできず、当該費用を損金の額に算入することはできない。(令4. 2.18 名裁(法)令3-28)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030026
- 裁決年月日
- 令和4年1月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/3外注費処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注先4者に対する外注費として総勘定元帳に計上した各金額(本件支出額)について、請求人の代表者の知人の指示によって、請求人が警備業務を受注するための紹介料や警備業務を行う上でのトラブル対策費用を含むものとして支払ったものであるから、請求人の業務に関連する費用である旨主張する。しかしながら、①本件支出額の領収証や一部外注先預金口座への入金事実は存在するものの、外注先の実在性が不明であるもの、実在はするものの外注先自身が当該預金口座を管理していないものがあるなど、本件支出額が外注先4者に支払われたものとは認められず、具体的な支払先が明らかとなる証拠もない。また、②警備業務の受注と本件支出額の関連性及び請求人が警備業務を行う上でのトラブル対応等の具体的な内容は不明である。したがって、本件支出額の支出の相手方及びその支出の内容はいずれも明らかでなく、その費途及び業務との関連性を認めることができないから、本件支出額を法人税法上の損金の額に算入することはできないし、本件支出額は消費税法上の課税仕入れに係る支払対価の額に該当しない。(令4. 1. 5 大裁(法・諸)令3-26)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令030002
- 裁決年月日
- 令和3年12月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の元従業員(本件受給者)に支給した給与(本件支出)について、本件受給者には勤務実態があり、請求人との雇用関係に基づく給与であるから、請求人の代表者に対する給与には該当しない旨主張する。しかしながら、本件受給者には勤務実態がなく、本件支出の実態は本件受給者と代表者との個人的な関係に基づいた生活費の援助と認めるのが相当であるから、本件支出は、代表者が個人として負担すべき費用を請求人が負担したものとして、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第4項に規定する「経済的な利益」に該当する。そして、請求人は、勤務実態のない本件受給者の出勤簿等を作成し、本件受給者に対する給与であるかのように経理処理して代表者に対する給与を支給したと認められるから、法人税法第34条第3項に規定する「事実を隠ぺいし、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額」に該当する。(令3.12. 8 札裁(法・諸)令3-2)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令030002
- 裁決年月日
- 令和3年12月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、勤務実態のない者(本件受給者)に対する支出(本件支出)が請求人代表者に対する給与と認められ、本件支出に伴い請求人が負担した法定福利費(本件法定福利費)に相当する額の経済的利益は、本件受給者に対する寄附金の額に該当し、法人税基本通達9-4-2の2《個人の負担すべき寄附金》の定めにより、請求人の代表者が個人的に負担すべきものとして、代表者に対する役員給与に該当する旨主張する。しかしながら、法定福利費は、健康保険法等の法律に基づいて従業員等のために事業主が強制的に負担する費用であることから、本件法定福利費は代表者が個人的に負担すべきものではなく、また、本件法定福利費の支出により代表者が享受した経済的な利益があったとも認められないから、代表者に対する役員給与とは認められない。また、本件法定福利費について、請求人は、健康保険法等の規定により請求人に負担義務のある支出であるから、請求人の損金の額に算入される旨主張するが、法人の所得の金額の計算上損金の額に算入すべき販売費、一般管理費その他の費用の額とは、当該法人の業務との関連性を有し、業務の遂行上必要と認められるものでなければならないから、本件支出に伴い計上された本件法定福利費を損金の額に算入することはできない。(令3.12. 8 札裁(法・諸)令3-2)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令030003
- 裁決年月日
- 令和3年10月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注先(本件外注先)に送金した金員(本件外注費)について、情報収集等の役務の提供(本件業務)の対価である旨主張する。しかしながら、本件業務は、高額な取引であるにもかかわらず、契約書が作成されておらず、本件外注先から本件業務に係る報告もなく、相当期間にわたり未払であったが本件外注先から催告もないなど、本件業務が実際に行われたのであれば通常存在するはずの証拠等が存在しておらず、本件業務は実際には行われていなかったものと認められる。よって、本件外注費の額を損金の額に算入することはできない。(令3.10. 8 仙裁(法・諸)令3-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030025
- 裁決年月日
- 令和3年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716160
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/16損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、経理担当者(本件経理担当者)の横領(本件横領)に係る本件経理担当者に対する損害賠償請求権の額は、本件経理担当者が着服した金額の合計額とすべきである旨主張する。しかしながら、請求人の主張額には妥当性、合理性がなく、本件経理担当者に対する損害賠償請求権の額は、本件横領に関する確実な証拠に基づいて認定された額と同額とするのが相当である。(令3. 9.27 東裁(法)令3-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030007
- 裁決年月日
- 令和3年9月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人に対して支払った業務委託料は、業務委託契約書に基づき関連法人代表者が請求人の土地開発事業における窓口業務に従事した対価であるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、関連法人代表者は請求人の取締役であり、請求人の取締役として業務を遂行したと認められること、土地開発事業の規模や人的・経済的な負担と業務委託料の金額に関連性が認められず、業務委託料の請求方法や支払時期と業務遂行との関連性が乏しいことも総合考慮すると、請求人は、支払に見合う便益を実際に享受していなかったにもかかわらず、関連法人に業務委託料を支払ったと認められるから、その支払は、関連法人による役務提供の対価ではなく、対価性のない支出であり、同項に規定する寄附金に該当する。(令3. 9.14 関裁(法)令3-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030022
- 裁決年月日
- 令和3年9月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注加工費はいずれも正当な金額であり、外注加工費として外注先口座に振り込んだ金額の一部が代表者名義の各口座に入金されているのは、前払いした外注加工費の回収額である旨主張する。しかしながら、請求人が主張する前払いの事実を裏付ける証拠はなく、また、代表者名義の各口座は、いずれも請求人の業務のために使用している口座とは認められないから、当該金額が各外注先に対する外注加工費として支払われたものとは認められない。(令3. 9. 7 東裁(法・諸)令3-22)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030009
- 裁決年月日
- 令和3年9月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、労働組合業務に専従する使用人(本件使用人)に対して支払った給与等(本件専従期間給与等)について、①本件専従期間給与等の支出と対価性のある役務の提供がされており、②仮に組合対策費であるとしても、それは労働組合との適切な関係を維持することを目的とするもので、請求人の業務遂行に不可欠であったから、本件専従期間給与等は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項の規定する寄附金には当たらない旨主張する。しかしながら、本件使用人は、労働組合業務に専従しており、請求人の業務に従事していた事実は認められないことから、当該支出について対価性はなく、また、客観的にみて請求人が事業を遂行する上で必要なものとはいえず、通常の経済取引として是認することができる合理的な理由も認められないから、本件調査費は当該任意団体に対する同項に規定する寄附金に該当する。(令3. 9. 6 大裁(法・諸)令3-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030009
- 裁決年月日
- 令和3年9月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712097
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/7会費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、任意団体に対する会費名目の支出金(本件会費)について、①当該任意団体は請求人にとって必要な活動を行っており、構成員一般の利益のために活動している組織であることから、会費の支払により構成員一般に対して提供される利益も享受している旨、また、②仮に組合対策費であったとしても、それは労働組合との適切な関係を維持することを目的とするもので、請求人の業務遂行に不可欠であるから、本件会費は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人は、当該任意団体から本件会費の対価とみるべき役務の提供などを何ら受けておらず、本件会費は、組合対策費の原資を当該任意団体を介して捻出するためのものであり、通常の同業団体に対する会費とは異なる。また、本件会費は、請求人が労働組合による恐喝まがいの行動を懸念し、これを避けるために支払ったものであるが、当該支出について対価性はなく、客観的にみて請求人が事業を遂行する上で必要なものとはいえず、通常の経済取引として是認することができる合理的な理由も認められないから、本件会費は当該任意団体に対する同項に規定する寄附金に該当する。(令3. 9. 6 大裁(法・諸)令3-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030009
- 裁決年月日
- 令和3年9月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同業他社に対する市場調査名目の支出金(本件調査費)について、①同業他社から本件調査費に対応する役務の提供を受けており、②仮に組合員給与の負担金であったとしても、労働組合との適切な関係を維持することを目的としたもので、請求人の業務遂行に不可欠であるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金には当たらない旨主張する。しかしながら、本件調査費の実質は、労働組合の組合員である同業他社の従業員の給与相当分を同業他社等と共同で負担するというものであり、請求人が同業他社に市場調査業務を依頼した事実も、同業他社が市場調査業務を行った実績も認められない。また、本件調査費は、請求人が労働組合による恐喝まがいの行動を懸念し、これを避けるために支払ったものであるが、その給与の全額は当該組合員の使用者である同業他社が負担すべきものであり、当該支出について対価性はなく、客観的にみて請求人が事業を遂行する上で必要なものとはいえず、通常の経済取引として是認することができる合理的な理由も認められないから、本件調査費は同業他社に対する同項に規定する寄附金に該当する。(令3. 9. 6 大裁(法・諸)令3-9)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令030002
- 裁決年月日
- 令和3年8月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、委託先(本件各委託先)に支払った委託費(本件委託費)は、実態を伴うものであるから、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項に規定する損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は本件各委託先の具体的な実績を示す証拠を提出せず、請求書は請求人によって作成され、本件各委託先は請求書に押印するだけで役務提供は行っていなかった旨申述していることからすれば、本件委託費は、本件各委託先から請求人に対する役務の提供の実態を伴わない支出であったと認められるから、法人税法第22条第3項各号のいずれにも該当せず、本件各事業年度の損金の額に算入することはできない。(令3. 8. 6 仙裁(法・諸)令3-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030011
- 裁決年月日
- 令和3年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、退職した役員に対して支給した退職給与のうち、法人税法施行令第70条《過大な役員給与の額》第2号に規定する相当と認められる金額を平均功績倍率法により算定するに当たり、原処分庁が採用した同業類似法人の抽出基準について、当該退職した役員は請求人の資産形成に多大な貢献があったこと及び請求人が他の事業も営んでいることが考慮されていないため、合理性がない旨主張する。しかしながら、退職した役員の貢献や資産形成について客観的に評価できるものが認められず、請求人の主張する事業の売上金額についても、総売上金額に占める割合が高いとは認められないから、原処分庁が当該事業を考慮しなかったことに不相当な点はない。そうすると、原処分庁が、地域の類似性、事業規模の類似性、業種の類似性などの基準を設けていることからすれば、当該抽出基準は合理的であると認められる。(令3. 8. 4 東裁(法)令3-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030008
- 裁決年月日
- 令和3年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/3その他の資産の譲渡原価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が太陽光発電プロジェクト(本件プロジェクト)の譲渡に伴い発生した譲渡収入の額及び譲渡原価について、譲渡日の属する事業年度(本件事業年度)の益金の額及び損金の額に算入する更正処分等を行ったのに対し、上記譲渡原価には、本件プロジェクトの譲渡に関連する弁護士報酬などの各費用が含まれておらず、当該各費用についても本件事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、上記各費用と本件プロジェクトとの対応関係は確認できない上、請求人が上記各費用を支払った事実は認められず、これを支払うべき根拠となる事実も確認できないから、上記各費用は、本件プロジェクトの譲渡原価とは認められず、本件事業年度の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(令3. 8. 2 東裁(法)令3-8)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令020004
- 裁決年月日
- 令和3年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建物の存する土地を取得した場合における法基通7−3−6《土地とともに取得した建物等の取得費等》が定める「当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められる」か否かの判断基準時(本件判断基準時)について、資産取得の目的は売買契約時には確定的に存在しており、不動産登記などの所有権移転の対抗要件を備えた時点で発生するものではないことなどから、売買契約日である旨主張する。しかしながら、同通達は土地の取得価額についての定めであるから、建物を取り壊して土地を利用する目的であったか否かについては、土地及び建物の取得時の事情をもとに判断されるべきであり、また、一般には「取得」とは「所有権取得」と解するのが相当であるところ、本件の不動産売買契約においては、契約日から半年後に売買代金の残代金を支払った時点で、土地及び建物の引渡しを受け所有権が移転するという特約が付されており、買主の意思に基づき最終的に所有権を取得しない場合もあるから、売買契約日においては本件建物の利用目的を確定することはできない。したがって、本件判断基準時は、所有権を取得していない売買契約日とするべきではなく、土地及び建物の引渡日とするのが相当である。(令3. 6.23 金裁(法)令2-4)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令020004
- 裁決年月日
- 令和3年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地及び建物(本件建物)を取得後、一定期間第三者に賃貸しており、本件建物の当初の取得目的が第三者への賃貸事業であったことは明らかであるほか、本件建物を改装して使用することも考慮していたから、法基通7−3−6《土地とともに取得した建物等の取得費等》が定める「当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかである」と認められない旨主張する。しかしながら、本件建物は、築50年以上経過し、老朽化及び機能低下がみられるところ、請求人は、本件建物の売買契約日以後、本件建物を取り壊すことを前提とした事業計画に基づく資金調達、外部広告等の行動を行う一方、本件建物を改装するための行動が請求人にあったことをうかがわせる証拠はない。また、請求人は、本件建物を売買契約の条件として売主に一定期間賃貸したものであって、第三者への賃貸事業を目的として取得したということはできず、本件建物の賃貸借契約の期間満了後、請求人は速やかに本件建物を取り壊している。これらの諸事実からすれば、「当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかである」と認められる。(令3. 6.23 金裁(法)令2-4)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令020010
- 裁決年月日
- 令和3年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712092
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/2工事の代金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が受注した工事(本件工事)に係る外注先であるA社は、工事を行わなかったものの、請求人にとって実質的には元請の立場であって、本件工事の受注・成約に尽力し、本件工事の開始から完成引渡しまで関与していたことから、外注工事の対価として支払った金額(本件支出金)には、A社の元請の立場としての利益や各種取引交渉に基づく対価としての利益が含まれており、事業活動の対価として正当なものであるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、A社が請求人にとって実質的に元請の立場にあったと認めるに足りる証拠はなく、また、請求人が主張の根拠とする請求人の前代表者の記録ノートに、A社が請求人と打合せを行った等の記載があるとしても、本件支出金の支払といかなる関連性を持つものかは不明であり、それらの打合せ等の対価として本件支出金が支払われた事実を裏付ける証拠もない。そして、当審判所の調査によっても、他に本件工事において請求人の主張する事実を具体的に裏付ける証拠も見当たらない。したがって、本件支出金は、請求人が主張する元請の立場としての利益や各種取引交渉に基づく対価としての利益を含んでいたとは認められず、対価なく支払われたものと解するのが相当であり、同項に規定する寄附金に該当すると解するのが相当である。(令3. 6. 23 福裁(法・諸)令2-10)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令020008
- 裁決年月日
- 令和3年4月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、LBOを目的とする資金の借入れを行うためのアレンジメント業務を依頼した金融機関に対し支出したアレンジメント・フィー(本件アレンジメント・フィー)について、当該支出により調達した資金によりLBOが実行され、成長投資が実行されることで、請求人の収益が増加することが計画されていたのであるから、本件アレンジメント・フィーは、支出の日以後1年以上に及ぶ継続的な収益を発生させる性質を有しており、法人税法第2条《定義》第24号(繰延資産)に規定する「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」に該当する旨主張する。しかしながら、ここでいう「支出の効果」とは、費用収益対応の原則における「収益の発生」を意味すると解されているところ、本件アレンジメント・フィーの支出の根拠となるものは覚書(本件覚書)以外には存在せず、その内容の解釈に当たっては、処分証書である本件覚書に即して客観的に判断されるべきものであり、本件覚書によると、本件アレンジメント業務は、金融機関との金銭消費貸借契約が締結された日をもって完了したと認められる。そうすると、本件アレンジメント・フィーの支出は、当該金銭消費貸借契約等の調印・交付という成果はもたらしたものの、「収益の発生」をもたらしたとまでは認めることができないから、本件アレンジメント・フィーは、「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」には該当しない。(令3. 4.27 福裁(法)令2-8)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令020011
- 裁決年月日
- 令和3年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300711012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/2勤務事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020048
- 裁決年月日
- 令和3年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300705990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が国外関連者であるA社へ譲渡したB社株式の価格(本件譲渡価格)について、その算定には明らかな誤り、具体的には、B社が保有するC社株式の評価額が過少であり、そのため、本件譲渡価格が、法人税法第61条の2《有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金不算入》第1項第1号に規定する「譲渡に係る対価の額」に比して低額である旨主張し、請求人は、請求人がDCF法を用いて算定したC社株式の評価額は、理論的にも実務的にも合理的なものであり、これに基づいて算定した本件譲渡価格は「譲渡に係る対価の額」に比して低額とはいえない旨主張する。 しかしながら、C社株式の評価額をDCF法により算定することは合理的な方法というべきであるところ、その算定で用いる余剰現預金については、C社が保有する現預金等の資産の状況からすると、少なくとも事業に投下されることなく保有されていた現預金の一定の額とすべきであるが、原処分庁は、C社の余剰現預金を高く見積もりすぎた結果、B社株式の価値を適正な価額よりも高く評価したものと認めざるを得ず、他方で、請求人は、C社の余剰現預金を低く見積もりすぎた結果、B社株式の価値を適正な価額よりも低く評価したものと認めざるを得ないことから、原処分庁及び請求人が算定した方法のいずれも合理的かつ適切な評価方法とはいえない。(令3. 3.25 大裁(法)令2-48)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020048
- 裁決年月日
- 令和3年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国外関連者であるA社に対するB社株式の譲渡価格(本件譲渡価格)とB社株式の法人税法第61条の2《有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金不算入》第1項第1号に規定する「譲渡に係る対価の額」(本件価額)との差額について、請求人には、本件譲渡価格と本件価額との差額をA社に対して贈与する意思又は認識がなく、企業間の特殊な関係に基づく租税回避のための価格操作が認められず、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第8項に規定する「実質的に贈与した」ものとはいえないから、同条第7項に規定する「寄附金」に該当しない旨主張する。しかしながら、資産の譲渡の対価の額と譲渡の時における価額との差額については、贈与する意思又は認識等を必ずしも必要とするものではなく、通常の経済取引として是認できる合理的な理由があり、費用としての性質が明白で明確に区別し得るものでない限り、「寄附金」に該当するものと解され、本件譲渡価格と本件価額との差額については、通常の経済取引として是認できる合理的な理由があるとは認められないし、その費用としての性質が明白で明確に区別し得るものとも認められないから、同条第7項に規定する「寄附金」に該当する。(令3. 3.25 大裁(法)令2-48)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020019
- 裁決年月日
- 令和3年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、架空取引が発覚した後解散した関連法人(本件関連法人)に対する貸付金等の全額を免除(本件債務免除)したことに対して原処分庁がその免除額の一部(本件金額)を法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額としたことついて、本件債務免除は金融機関等の信用を失うという大きな損失を回避するために必要であった上、社会的に存在意義を失った本件関連法人を解散するのは当然であり、やむを得ず請求人のみが損失を負担したのであるから、本件債務免除には相当な理由があったといえ、本件金額は寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、本件関連法人は、解散後事業活動を行っておらずその債権者は請求人のみであったため、本件債務免除の時点で更なる損失が生じる見込みはなく、本件債務免除を行わなければ今後より大きな損失が生ずる状況にはなかったといえ、経済的合理性の観点から特段の必要性があったとは認められず、また、請求人は、架空取引の発覚後できる限り早期に本件関連法人を清算結了させる目的で、本件債務免除という経済的利益を一方的に供与したと認めるのが相当であるから、本件金額は寄附金の額に該当する。 (令3. 3.17 関裁(法)令2-19)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020019
- 裁決年月日
- 令和3年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人(本件関連法人)に対する貸付金等(本件金銭債権)の全額を免除したことについて、本件関連法人は債務超過の状態が相当期間継続し、解散後に収益能力を喪失していたため本件金銭債権全額の弁済を受けることができないと認められるから、その債務免除額は貸倒損失として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件関連法人の代表者は架空取引により多額の金員を不法に領得していたところ、請求人が本件金銭債権を回収するために本件関連法人の代表者の支払能力等の把握に努めたということはできないし、同人の支払能力等が全くなかったことなどをある程度合理的に推認させるに足りる立証もされていないため、請求人自ら又は本件関連法人をして当該代表者に対する損害賠償請求を行うなどしていれば本件金銭債権の一部を回収できる可能性があったことは否定できないから、本件金銭債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとは認められず、その債務免除額は貸倒損失として損金の額に算入されない。(令3. 3.17 関裁(法)令2-19)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令020006
- 裁決年月日
- 令和3年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、商品仕入高勘定に含めて計上した現金仕入れ(本件現金仕入れ)については、領収証(本件領収証)が存在することや、正規の取引による仕入れのみでは採算が取れず、また、販売数量を確保することができないことなどの理由から、本件現金仕入れが存在することは明らかである旨主張する。しかしながら、本件領収証はいずれも真正に作成されたものとは認められず、請求人は商品の受払いや日々の在庫数量を記録していないなど、本件現金仕入れの金額を確認することができないから、本件現金仕入れの金額を損金の額に算入することができないことが事実上推認でき、請求人から本件現金仕入れの存在を推認させるに足りる具体的な立証はなされていないから、本件現金仕入れの事実はなかったと認めるのが相当である。(令3. 3.15 熊裁(法・諸)令2-6)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令020007
- 裁決年月日
- 令和3年3月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の各関係法人(本件各関係法人)は、適法に設立された法人で、従業員には所属する本件各関係法人から給与が支給され、また、二次下請として実際に業務を行っているなど事業実体があり、請求人及び本件各関係法人の申告は、いずれも適正である旨主張する。しかしながら、①本件各関係法人の代表取締役は、名目上の代表取締役であったと認められること、②本件各関係法人の設立及び解散は請求人の元代表取締役の発意の下で行われ、本件各関係法人への外注金額は、請求人の元代表取締役が請求人の管理職従業員との協議の上、現場業務の責任者との間で決定していたこと、③各業務の進捗及び従業員の休暇等の管理は、請求人が行っていたこと、及び④請求人は、元請先に提出する書類に本件各関係法人を記載しない一方で、本件各関係法人の所属とされる従業員を請求人の従業員として記載していたことなどを総合的に勘案すれば、本件各関係法人には独立した法人としての主体性は認められず、本件各関係法人の設立意義は、専ら請求人及び本件各関係法人を通じて消費税等の税負担の軽減を図ることが目的であって、本件各関係法人は、実質的に事業活動は行っておらず、本件各関係法人に事業実体はなかったものと認められる。したがって、請求人が本件各関係法人に外注したとする業務は、いずれも請求人が行っていたものであり、本件各関係法人がそれぞれ申告した収益、費用等に係る業務及び取引は、いずれも請求人が行っていたものと認められる。(令3. 3.10 札裁(法・諸)令2-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令020011ほか 1件
- 裁決年月日
- 令和3年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、増仕切価格と実際の販売価格との差額(本件対策費)は、①委託者(本件各取引先)が委託先を請求人にするという役務提供の対価として支出される費用であること、②その支出は業界の慣行により事実上強いられており、取引を確保するためにやむを得ず行われていることなどからすれば、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定される寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、①本件各取引先は本件対策費の負担を認識しておらず、増仕切取引は本件各取引先に伝えず請求人の判断で発生させた過大な負担であり、本件各取引先に一方的に経済的利益を与えるものであって、資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与に当たるものと認めるのが相当である。そして、②請求人が本件対策費を支出したために、その後も本件各取引先から打ち切られることなく受託できたという明確な因果の関係を裏付ける客観的かつ具体的な事情は認められず、本件対策費は、客観的にみて請求人の収益を生み出すのに必要な費用又は請求人がより大きな損失を被ることを避けるために必要な費用(費用としての性質が明白であり明確に区別し得るもの)に当たるとまでは認められない。よって、本件対策費は、法人税法第37条に規定される寄附金に該当する。(令3. 3. 2 名裁(法・諸)令2-11)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020016
- 裁決年月日
- 令和3年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社に対してデット・エクイティ・スワップ(本件DES)を行ったことは経済的合理性があるので、本件DESにより生じた損失額(本件損失額)は寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、本件損失額が寄附金の額に該当しないといえるためには、本件損失額に係る必要性と相当性の検討が必要であるところ、本件DESには必要性及び相当性がいずれも認められない。したがって、本件損失額は寄附金の額に該当する。(令3. 3. 2 仙裁(法)令2-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020047
- 裁決年月日
- 令和3年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ビルの解体等の工事(本件工事)において、下請業者(本件下請業者)にその一部を外注し、実際に役務の提供を受けたから、当該外注に係る費用(本件外注費)は、法人税の所得金額の計算上損金の額に算入され、また、消費税等の課税仕入れに係る支払対価の額に含まれる旨主張する。しかしながら、本件工事の現場の管理体制において、請求人の元請業者が作成する施工体系図に本件下請業者の名称の記載がなく、作業就労者名簿が提出されていない本件下請業者は、本件工事に従事することができないと考えられ、また、本件工事に関する契約は架空の取引であり工事を行っていない旨の本件下請業者の代表者の答述は信用できることからすると、役務の提供があったとは認められず、本件外注費は、法人税の所得金額の計算上損金の額に算入し、消費税等の課税仕入れに係る支払対価の額に含めることはできない。 (令3. 1. 6 東裁(法・諸)令2-47)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020031
- 裁決年月日
- 令和2年12月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710047
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/7使用人兼務役員に対する賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№121
要旨
○請求人は、同族会社である請求人の取締役(本件取締役)について、取締役に就任した後も請求人の営業部の部長職である職制上の地位を有していること、営業部長として代表取締役の指揮命令系統に属する職務を行っていること、請求人の代表取締役の親族でもなくまた株主でもないこと、及び請求人の実質的な意思決定の場である月例会議にも参加していないことから、使用人兼務役員に該当し、当該取締役に対して支払った賞与は使用人としての職務に対する賞与であるから、損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人では、機構上、使用人としての職制上の地位が明確に定められているところ、本件取締役は、請求人及び請求人のグループ法人内での職務分掌の変更(分掌変更)により請求人の営業部の部長職の地位を失っていることから、請求人における使用人としての職制上の地位を有していないと認められるので、分掌変更以後、本件取締役は使用人兼務役員には該当せず、分掌変更以後に支給された賞与の額は損金の額に算入されない。なお、分掌変更前の使用人兼務役員に該当する期間において支給された賞与の額については、他の使用人と同様に給与規程に基づく方法で決定されているものではないものの、他の使用人に対する賞与の支給時期に支給され、使用人としての職務の対価であったことを否定するに足りる証拠はないことから、損金の額に算入される。(令2.12.17大裁(法)令2-31)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020041
- 裁決年月日
- 令和2年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人の取締役が負った第三者に対する損害賠償金等(本件各金員)について、当該取締役が取引先の役員に就任するなどの請求人の業務命令により発生した損害であり、費用又は損失として請求人の法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件各金員は、請求人の事業遂行上必要なものではなく、当該取締役が個人の責任として負担すべき費用を請求人が負担したものであり、請求人が当該取締役に対して支給した退職給与以外の給与の額に該当し、かつ、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項各号に掲げる給与のいずれにも該当しないから、請求人の法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入されない。(令2.12.17東裁(法・諸)令2-41)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020009
- 裁決年月日
- 令和2年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、中国の子会社(本件子会社)の出資持分について計上した評価損(本件評価損)について、本件子会社が、中国の土地使用権を取得するための支出金を貸借対象表の無形資産勘定に計上していたが、当該土地使用権が中国の行政機関に没収され、その代金も返金されない可能性があるなど、実体に照らして判断すると当該無形資産は無価値であり、このことは、法人税法施行令(令和2年政令第112号による改正前のもの)第68条《資産の評価損の計上ができる事実》第1項第2号ロに規定する事実に該当するから、本件評価損は損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件子会社に対して土地使用権を没収する旨の通知等はされておらず、貸借対照表上の純資産価額は評価時点において取得直後から約26%下回っているにすぎず、また、評価時点での本件子会社の純資産価額が、貸借対照表上の純資産価額と大幅に異なっているとはいえないことから、本件子会社の資産状態が著しく悪化したとはいうことができず、本件評価損は損金の額に算入されない。(令2.12.16関裁(法)令2-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020028
- 裁決年月日
- 令和2年12月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№121
要旨
○原処分庁は、請求人の元代表取締役(本件元代表者)が、退職後においても、引き続き請求人の経営に従事しており、みなし役員に該当するから、実質的に退職したとは認められないとして、請求人が本件元代表者に支払った退職金の金額(本件各金員)は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項括弧書き所定の退職給与に該当しない旨主張する。しかしながら、原処分庁がその認定の根拠として適示する各事実には、いずれもその裏付けとなる退職当時の客観的な証拠がなく、各関係者の各申述においても、本件元代表者の請求人への具体的な関与状況が明らかではない。そして、本件元代表者は、退職後に請求人から報酬等を受領していないと認められ、本件元代表者の退職後に請求人の代表取締役となった者が、その代表取締役としての職務を全く行っていなかったと認めるに足りる証拠もないことからすると、本件元代表者が退職後も継続して、本件各法人の経営に従事していたと認めることはできないから、本件各金員は、退職給与として、本件各法人の損金の額に算入される。 (令2.12.15大裁(法)令2-28)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020029
- 裁決年月日
- 令和2年12月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○原処分庁は、請求人の各被合併法人(本件各法人)を退職した元代表取締役(本件元代表者)が、退職後においても、引き続き本件各法人の経営に従事しており、本件各法人のみなし役員に該当するから、本件各法人を実質的に退職したとは認められないとして、本件各法人が本件元代表者に支払った各退職金の金額(本件各金員)は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項括弧書き所定の退職給与に該当しない旨主張する。しかしながら、原処分庁がその認定の根拠として適示する各事実には、いずれもその裏付けとなる退職当時の客観的な証拠がなく、本件各法人の元役員等の各申述においても、本件元代表者の本件各法人への具体的な関与状況が明らかではない。そして、本件元代表者は、退職後に本件各法人から報酬等を受領していないと認められ、本件元代表者の退職後に本件各法人の代表取締役となった各人が、その代表取締役としての職務を全く行っていなかったと認めるに足りる証拠もないことからすると、本件元代表者が退職後も継続して、本件各法人の経営に従事していたと認めることはできないから、本件各金員は、退職給与として、本件各法人の損金の額に算入される。 (令2.12.15大裁(法)令2-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020036
- 裁決年月日
- 令和2年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、期末に原価として計上した額(本件期末計上額)は借り入れた仮想通貨(本件ビットコイン)の売却収益に対する原価を見積計上したものであり、将来において本件ビットコインに係る返還債務を履行するために支出される金額により見積もったものであるから、当該事業年度の損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件ビットコインの売却収益に対応する購入対価は既に全て原価として計上されていると認められるから、本件期末計上額を見積原価として追加的に計上する理由は認められない。また、本件期末計上額は、本件ビットコインの返還債務を履行した場合に生ずる損失の見積金額であると認められることから、収益を獲得するために費消されたビットコインの対価の額とは認められず、さらに、債務が確定した費用、又は当該事業年度において発生した損失の額であるとも認めらない。したがって、本件期末計上額は、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項第1号ないし第3号に規定する当該事業年度の損金の額に算入される金額には該当しない。(令2.12.4東裁(法)令2-36)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令020003
- 裁決年月日
- 令和2年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人が有する貸付金債権(本件債権)について、その債務者(本件債務者)に所得がなく、多額の債務超過の状態となっており、また、本件債務者の事情から融資により弁済資金を調達することも不可能であるなど、その回収ができなくなったことは明らかであるから、本件事業年度において本件債権を貸倒損失として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、金銭債権が貸倒損失として本件事業年度の損金の額に算入されるには、その債務者の資産状況及び支払能力等からみて金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかになったことを要するところ、本件債務者は、本件事業年度において、請求人の代表者への貸付けを継続して行い、利息収入を得ていたと認められるほか、その他多数の相手先との間においても金銭のやり取りを行っていたことから、相当程度の資力があったと推認される。そうすると、このことは、当該事業年度において、その全額が回収できないことが客観的に明らかになった場合には該当せず、請求人は、本件債権を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(令2.11.30広裁(法)令2-3)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020008
- 裁決年月日
- 令和2年10月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、外注先に支払った外注費(本件外注費)の額はいずれも工事請負契約に基づく役務提供の対価であり、客観的に適正な額を超える過大な額ではないから、本件外注費の額が法人税法第22条第3項に規定する損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件外注費の額は、役務提供の対価として支払われたものではなく、請求人の業務との関連性は認められないことから損金の額に算入することはできない。また、客観的に適正な額を超える過大な額であったか否かにより判断されるものではない。 (令2.10.20仙裁(法・諸)令2-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020013
- 裁決年月日
- 令和2年9月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、1個当たり数百円と少額で1年未満で使用不可となる場合もある納品予定の食品運搬用コンテナ(コンテナ)の取得金額について、継続して消耗品費に計上していることから、法人税法基本通達2−2−15《消耗品費等》に定める消耗品費等に準ずるものとして、当該取得金額は取得時の損金の額に算入すべきであり、また、コンテナが消耗品等ではなく固定資産に該当するとしても、当該コンテナにつき、納品前に費用の繰上計上を行っていたにすぎないから、同通達7−5−1《償却費として損金経理をした金額の意義》の定めにより、償却費として損金経理したものとして、法人税法施行令第133条《少額の減価償却資産の取得価額の損金算入》を適用し、当該コンテナの事業共用時に損金算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該コンテナは、請求人の工場等において繰り返し使用されており、その使用期間は平均7、8年であったことからすると、請求人の事業において反復継続的に使用される資産であって、法人税法第2条《定義》第23号に規定する減価償却資産に該当するから、同通達2−2−15の定めに準じて、コンテナの取得金額をその取得時の損金の額に算入することはできず、また、法人税法施行令第133条に基づき償却費として損金の額に算入される額は、その事業の用に供した日の属する事業年度において損金経理した時に損金算入を認めるものであるところ、同通達7−5−1は、単に、同法第31条《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》第1項に規定する「償却費として損金経理をした金額」に含まれる金額を明らかにしたものにすぎず、損金算入の時期について定めたものではないことから、請求人の主張は採用することはできない。(令2.9.14大裁(法・諸)令2-13)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令020002
- 裁決年月日
- 令和2年9月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/12その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人の所有する建造物は、四方の全てに周壁がなく、いわゆる吹きさらしであり、外気遮断性がないところ、不動産登記規則第111条《建物》では、建物について、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない旨規定していることからすると、構築物に該当する旨主張する。しかしながら、当該建造物は、完全な周壁を設けていないものの、その用途や利用状況を勘案して、それぞれの用途に供し得る程度の周壁を設け、屋根及び柱を有し、かつ、当該柱はコンクリート基礎に固定されていることからすると、土地に定着した建造物であると認められることから、建物に該当する。 (令2.9.11高裁(法・諸)令2-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020019
- 裁決年月日
- 令和2年9月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、原処分庁が法人税法施行令第13条《減価償却資産の範囲》第3号に規定する「機械及び装置」に該当するとして更正処分を行った資産(本件資産)について、製造設備と一つの設備を構成するものではないことから「機械及び装置」には該当せず、固有の資産として単独でその機能を果たしている「器具及び備品」に該当する旨主張する。しかしながら、「器具及び備品」とは、それ自体で固有の機能を果たし、独立して使用される機器をいい、「機械及び装置」とは、製品の生産・製造又は役務の提供を目的として、一つの機器が単体で一つの設備を構成、又は二つ以上の機器が有機的に結合することにより一つの設備を構成する有形資産をいうものと解するのが相当であるところ、本件資産は、当該資産の用途、機能及び実際の設置使用状況等に照らし、生産工程に係る設備とは無関係に、それ自体で固有の機能を果たし、独立して使用される機器であるとは認められず、反復的継続的な製品の生産・製造のために、生産工程に係る機器と有機的に結合することにより、生産工程に係る設備を構成していると認めることが相当であるから、「機械及び装置」に該当する。(令2.9.9東裁(法)令2-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010057
- 裁決年月日
- 令和2年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人の役員(本件役員)の職務は、同業種の法人の取締役として一般的に想定される職務の範囲を超えており、通常では考え難い個人換算所得を実現しているから、本件役員に支給した給与(本件役員給与)には、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項に規定する不相当に高額な部分の金額はない旨、そして、原処分庁の類似法人の選定基準は、請求人の業種認定を誤るものであり、売上高倍半基準を用いたこと及び、選定範囲を同一県内としたことに合理性はないし、原処分庁が本件役員の適正給与額を算定する際に用いた算式(本件算式)は、不合理な算式であるから、これらに基づいて行われた原処分は違法又は不当である旨主張する。しかしながら、本件役員の職務は、一般的に想定される役員の職務の範囲内であると認められ、請求人の収益の状況の推移等に相反する高額な給与を支給すべき特別な事情も見当たらず、また、原処分庁が用いた類似法人の選定基準は、事業区分の判定、事業規模の判断(売上高倍半基準を用いたこと)及び選定範囲(同一県内としたこと)のいずれにおいても合理性があり、さらに、原処分庁が、請求人と類似法人との間に存する収益の状況等の偏差を調整するために、本件算式において用いた勘案要素も合理的であると認められる。(令2.5.29大裁(法)令元-57)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令010013
- 裁決年月日
- 令和2年4月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、当事業年度において、機械装置の納品請求書を受領した日をもって取得し、機械装置を所有していなければ入札できない案件への参加表明を行っているから、機械装置は当事業年度において事業の用に供した旨主張する。しかしながら、請求人が機械装置の引渡しを受けたのは、翌事業年度に行われた本件機械装置の講習会終了後であり、当事業年度において機械装置を事業の用に供したとはいえないから、機械装置に係る減価償却費等の額を当事業年度の損金の額に算入することはできない。(令2.4.7仙裁(法・諸)令元-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010019
- 裁決年月日
- 令和2年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706110
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/11事業用資産の取得事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、減価償却資産である機械装置及びそれに取り付けるシステム(本件各機械装置)の取得に係る契約(本件各機械装置契約)は、代替性を有する規格品を目的物とした「売買契約」であり、本件各機械装置契約には所有権移転の時期に関して特約があることから、本件各機械装置の取得時期は請求人の工場に据え付けられた時点である旨主張する。しかしながら、本件各機械装置契約は、機械の納入元が一定の仕事を完成させ、完成された物を注文者に引き渡すことを内容とする「請負契約」であり、また、上記の特約があったとは認められない。そうすると、本件各機械装置の取得時期は、本件各機械装置を物理的に設置しただけでは足りず、所期の性能を有することが請求人によって確認された時(契約に定められた方法による検収の完了時)となり、当該確認は本件事業年度の末日までには了していない。よって、請求人は同日までに本件各機械装置を取得しているとはいえない。(令2. 3.23 名裁(法・諸)令元-19)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010019
- 裁決年月日
- 令和2年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、機械装置3台(本件各リース物件)のそれぞれの見積取得価額に占めるリース料の総額の割合は、法人税法施行令第131条の2《リース取引の範囲》第2項に規定する「おおむね100分の90に相当する金額を超える場合」には該当しない旨主張する。しかしながら、本件各リース物件に係るリース取引(本件各リース取引)においては、①本件各リース取引に係るリース料の総額を、それぞれその資産の取得のために要する価額で除した割合は、100分の90を極めて僅かに下回るものであり、②本件各リース物件の耐用年数に比してリース期間が相当短期間であるにもかかわらずリース料の総額が上記①の金額に設定されていること等から、本件各リース契約は、請求人が資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきものと認められ、本件各リース取引は、いずれも法人税法第64条の2《リース取引に係る所得の金額の計算》第1項に規定するリース取引に該当する。(令2. 3.23 名裁(法・諸)令元-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010038
- 裁決年月日
- 令和2年2月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が取得した同業者2社(本件各会社)の発行済株式(本件各株式)に係る購入代金(本件各金員)について、そのうち、本件各会社の資本金の額に相当する金額を超える部分については、本件各会社が所有する産業廃棄物の最終処分場(本件処分場)を優先的に安価で利用することによるコスト削減のための先行投資及び中間処分場を確保するための費用であるから、繰延資産又は前払費用に該当し、その償却費等を損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、請求人が本件各株式を取得したのは、本件各会社を請求人の子会社にすることによって、請求人が本件処分場を優先的に安価で利用し、また、本件処分場の稼働に当たり中間処分場を確保するといった請求人の利益確保によるものであって、そうすると、本件各金員が本件各株式の正当な対価と認めることができないとする事情は見当たらず、本件各金員はその全額が本件各株式の取得価額となる。(令2. 2.18 大裁(法)令元-38)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令010005
- 裁決年月日
- 令和2年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関係法人(本件関係法人)が作成し交付した請求書に基づき費用計上した管理諸費(本件管理諸費)は、本件関係法人の従業員が請求人の経理事務を行っていること等の役務の提供の対価であり対価性及び経済合理性があるから、本件管理諸費として支出した金員(本件金員)は寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、本件関係法人の代表者でもある請求人の代表者は、原処分庁所属の調査担当職員に対し、本件管理諸費については実体がないとみられてもやむを得ない旨申述しており、また、請求人は、本件管理諸費については実体がなく本件関係法人への資金援助を目的とした支払である旨記載した申立書(本件申立書)を原処分庁に提出しているところ、当該申述を記録した質問応答記録書及び本件申立書の作成経緯や記載事実の性質などの諸事情を総合考慮すると、当該申述及び本件申立書の内容はいずれも信用できる。そして、請求人は、当審判所に対して本件管理諸費の算定根拠や成果物に関する具体的資料を提出しておらず、当審判所の調査によっても、本件管理諸費と本件関係法人が行っていたという事務との対価関係を認めるに足りる証拠はないから、本件管理諸費には実体がないと認められる。したがって、本件金員の支出は、役務の提供の対価ではなく、本件関係法人への資金援助を目的とした対価性のない経済的な利益の供与であると認められ、かつ、請求人において本件金員を支出すべき経済的合理性が存する事情も認められないから、本件金員は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第1項に規定する寄附金に該当する。(令2. 2. 6 金裁(法・諸)令元-5)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令010006
- 裁決年月日
- 令和2年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関係法人(本件関係法人)が作成し交付した請求書(本件請求書)の金額又は本件関係法人の代表者(本件代表者)に確認した金額に基づき費用計上した管理諸費(本件管理諸費)は、本件関係法人の従業員が請求人の経理事務を行っていること等の役務の提供の対価であり対価性及び経済合理性があるから、本件管理諸費として支出した金員(本件金員)は寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人の実質的経営者でもある本件代表者は、原処分庁所属の調査担当職員に対し、本件管理諸費については実体がないとみられてもやむを得ない旨申述しており、また、請求人は、本件管理諸費の一部については実体がなく本件関係法人への資金援助を目的とした支払が含まれている旨記載した申立書(本件申立書)を原処分庁に提出しているところ、当該申述を記録した質問応答記録書及び本件申立書の作成経緯や記載事実の性質などの諸事情を総合考慮すると、当該申述及び本件申立書の内容はいずれも信用できる。また、本件管理諸費の請求金額は本件代表者が自ら決定しているところ、本件管理諸費として計上した額は、途中から本件請求書の金額の2倍に増加し、さらにその後の一定期間は請求書が存在しない上に金額も逓増していること、及び本件金員の支出は本件関係法人の資金繰り次第で本件管理諸費の計上時期と前後しその金額も一定していないことが認められる。そして、請求人は、当審判所に対して本件管理諸費の算定根拠や成果物に関する具体的資料を提出しておらず、当審判所の調査によっても、本件管理諸費と本件関係法人が行っていたという事務との対価関係を認めるに足りる証拠はないから、本件管理諸費には実体がないと認められる。したがって、本件金員の支出は、役務の提供の対価ではなく、本件関係法人への資金援助を目的とした対価性のない経済的な利益の供与であると認められ、かつ、請求人において本件金員を支出すべき経済的合理性が存する事情も認められないから、本件金員は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第1項に規定する寄附金に該当する。(令2. 2. 6 金裁(法・諸)令元-6)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 令010007
- 裁決年月日
- 令和2年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関係法人(本件関係法人)との間で取り交わした契約書(本件契約書)に基づき費用計上した管理諸費(本件管理諸費)は、本件関係法人の従業員が請求人の経理事務を行っていること等の役務の提供の対価であり対価性及び経済合理性があるから、本件管理諸費として支出した金員(本件金員)は寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人の実質的経営者でもある本件関係法人の代表者は、原処分庁所属の調査担当職員に対し、本件管理諸費については実体がないとみられてもやむを得ない旨申述しており、また、請求人は、本件管理諸費については実体がなく本件関係法人への資金援助を目的とした支払である旨記載した申立書(本件申立書)を原処分庁に提出しているところ、当該申述を記録した質問応答記録書及び本件申立書の作成経緯や記載事実の性質などの諸事情を総合考慮すると、当該申述及び本件申立書の内容はいずれも信用できる。そして、請求人は、当審判所に対して本件管理諸費の算定根拠や成果物に関する具体的資料を提出しておらず、当審判所の調査によっても、本件管理諸費と本件関係法人が行っていたという事務との対価関係を認めるに足りる証拠はないから、本件契約書に基づく本件管理諸費には実体がないと認められる。そうすると、本件契約書は、請求人と本件関係法人との間で、有償の準委任契約の合意をする意思がないにもかかわらず、その意思があるかのように仮装したものと認められるから、本件契約書に係る準委任契約は、通謀虚偽表示(民法第94条第1項)によりその効力は発生しないと解するのが相当である。したがって、本件金員の支出は、役務の提供の対価ではなく、本件関係法人への資金援助を目的とした対価性のない経済的な利益の供与であると認められ、かつ、請求人において本件金員を支出すべき経済的合理性が存する事情も認められないから、本件金員は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第1項に規定する寄附金に該当する。(令2. 2. 6 金裁(法・諸)令元-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010037
- 裁決年月日
- 令和2年2月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№118
要旨
○ 原処分庁は、請求人が海外の関係会社から輸入取引(本件輸入取引)により仕入れた商品に係る仕入額(本件仕入額)について、請求人は、本件仕入額を当該関係会社が発行した請求書に記載された金額としているが、本件仕入額は、輸入申告における申告価格に基づき原処分庁が算出した額(本件輸入申告額)であるから、そうすると、請求人は本件仕入額を過大に計上していた旨主張する。しかしながら、原処分庁がその主張を裏付ける証拠として指摘した、税関調査時における請求人の代表者(本件代表者)の申述からは、請求人がした輸入申告の価格が正しい価格であり、それが正しい仕入額であるという具体的理由が明らかではなく、また、本件代表者の申述のほかに原処分庁の主張を裏付ける証拠もないことから、請求人の本件輸入取引に係る仕入額が本件輸入申告額であるとはいえず、損金の額に算入された仕入額が過大であったとも認められない。(令2. 2. 5 大裁(法)令元-37)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010031
- 裁決年月日
- 令和2年1月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/2架空でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が損金の額に算入した各外注費(本件各外注費)について、①外注先の代表者等の申述によって役務の提供がなかったと認められるものであるか、②そもそも事業実体すら認められない外注先に係るものであるから、いずれも架空の外注費であって損金の額に算入することはできないなどと主張する。しかしながら、当審判所に提出された証拠資料等によれば、上記①の申述を直ちに信用することはできず、上記②の外注先に事業実体がなかったと認めることもできないし、むしろ、当審判所が認定した事実関係においては、請求人が外注先から役務の提供を受けるなどし、その対価が請求書に記載された金額相当のものであったとしても不自然ではないことなども考慮すれば、本件各外注費を損金の額に算入することができないとは認められない。(令2. 1.24 関裁(法・諸)令元-31)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010031
- 裁決年月日
- 令和2年1月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が損金の額に算入できないとした各外注費(本件各外注費)について、外注先に役務の提供の対価として支払ったものであるから、いずれも損金の額に算入することができると主張する。しかしながら、当審判所に提出された証拠資料等によれば、総勘定元帳の摘要欄が空欄である上、それに係る請求書及び領収書も保存されておらず、当審判所の調査によっても、役務の提供があったなどとうかがわせる事情も存在しないから、本件各外注費は損金の額に算入することはできない。(令2. 1.24 関裁(法・諸)令元-31)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010011
- 裁決年月日
- 令和元年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/3資本的支出と修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸用の建物を賃借人が入居している状態で購入して事業の用に供し、購入直後に防水工事及び塗装工事を主とする改修工事を行ったところ、請求人は、購入前には当該改修工事の必要性を把握できず、その内容は入居者保護のための必要最低限の原状回復工事であり、当該建物の価額を高めたり使用可能期間を増すものではないから、法人税法施行令第132条《資本的支出》の適用は受けず、支出した金額全額が修繕費として当該事業年度の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、当該改修工事は、当該建物の取得の時において、通常の管理又は修理をするものとした場合に予測されるその支出時における当該建物の価額を増加又は使用可能期間を延長させる部分に対応するものと評価できるため、当該改修工事の額は資本的支出に該当する。(令元.12.18 名裁(法)令元-11)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和元年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先に支払っていたコンサルタント業務に係る外注費を増額した部分の金額(本件各支出)は、取引先の代表者が請求人の事業の手助けを行うことが取引先の業務であると申述したこと及び取引先が請求人の依頼した業務に係る旅費交通費を計上していたことから、役務提供の対価であり、各事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件各支出に係る契約書等においても具体的な業務内容が明らかではないところ、請求人の代表者は取引先による役務提供はなかった旨、また、取引先の代表者も業務の具体的な内容について示す書類はない旨それぞれ申述又は答述し、ほかに役務提供があったと認めるに足りる証拠の提出もないことから、本件各支出は役務提供の対価として支出したものとは認められない。したがって、本件各支出を外注費の支払として各事業年度の損金の額に算入することはできない。(令元.12.16 札裁(法)令元-4)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令010010
- 裁決年月日
- 令和元年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第三者がした事務(本件作業)の対価として経理した外注加工費(本件外注費)は請求人の代表者(本件代表者)に対する役員給与に該当せず、損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件作業は請求人の事業遂行上必要なものではなく、本件外注費は、社会通念に照らし、客観的にみて、本件代表者が個人的に負担すべきものであると認められるから、本件代表者に対する給与に該当する。そして、請求人は、本件外注費を外注加工費として経理して損金の額に算入し、あたかも外注加工の実態があったかのように事実をわい曲し、事実を仮装していたと認められるから、本件外注費は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第3項に規定する「内国法人が、事実を隠蔽し、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額」に該当し、損金の額に算入することができない。(令元.12.10 仙裁(法)令元-10)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令010010
- 裁決年月日
- 令和元年11月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№117
要旨
○ 請求人は、自己の所有する不動産(本件山林)の譲渡は棚卸資産の譲渡であり、原処分庁の決定処分において損金の額に算入されていない費用(本件各金員)は、全て本件山林の売却に係る原価に該当するから、本件山林を譲渡した事業年度(本件事業年度)の損金の額に全て算入されるべきである旨主張する。しかしながら、①請求人は、総勘定元帳等その他の帳簿書類等を作成していないこと、②請求人からは本件各金員について、請求人の業務との関連性の立証等がないこと、③当審判所の調査によっても、本件各金員はいずれも、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項各号の規定に該当するとは認められないことから、本件各金員は、本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(令元.11.20 高裁(法)令元-10)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令010001
- 裁決年月日
- 令和元年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連会社に支払っていた経営援助協力費を増額した部分の金額(本件各金員)は、取引先(本件取引先)が事業を撤退した際に請求人が関連会社に対して委託した新たな業務の対価であり、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、本件取引先の事業撤退後に関連会社が行っている業務で、当該事業撤退以前から関連会社が行っていた業務の範ちゅうを超えるものは見当たらなく、本件取引先の事業撤退に際して、本件取引先の業務を引き継いだとは認められず、また、請求人が関連会社に対して新たな業務を委託したとは認められない。したがって、本件各金員は、請求人が関連会社に新たに委託した業務の対価ではなく、本件各金員を支払うことは、金銭を対価なく他に移転させたものと認められ、その行為に通常の経済取引として是認することできる合理的理由が存するとも認められないから、同項に規定する寄附金に該当する。 (令元.11.15 札裁(法・諸)令元-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010025
- 裁決年月日
- 令和元年11月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が外注先(本件外注先)に対して支払った外注費(本件外注費)に関して、本件外注先は、本件外注費に係る請求書(本件請求書)に記載された工事について、その補助的な雑工事を実際に施工しているから、本件外注費は正当な役務の提供の対価である旨主張する。しかしながら、本件請求書に記載された工事は、請求人の別の外注先が施工していると認められる一方で、本件外注先がその雑工事を施工したことをうかがわせる証拠はなく、本件外注費の大半が第三者の口座を経由して請求人の営業担当者に渡っていること、本件請求書は同人が作成しており、本件外注先は本件請求書に記載された工事の内容を把握していないと認められることからすると、本件外注費は本件外注先からの役務の提供の対価には該当しないから、損金の額に算入することはできない。(令元.11.14 大裁(法・諸)令元-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010014
- 裁決年月日
- 令和元年9月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、小屋、架台、配管断熱及び電源設備工事(本件各工事)は、機械装置(本件機械装置)を稼動させるために必要不可欠な工事であり、その工事に係る費用は、本件機械装置を「事業の用に供するために直接要した費用」であるから、本件機械装置の取得価額に含まれる旨主張する。しかしながら、本件各工事は、いずれも本件機械装置とは別個の資産の取得及び既存設備の改修工事であるから、その工事に係る費用は、本件機械装置を「事業の用に供するために直接要した費用」に該当するとは認められない。(令元. 9.25 関裁(法)令元-14)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令010004
- 裁決年月日
- 令和元年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表取締役(本件代表者)に支給した役員給与(本件役員給与)の額に、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項に規定する「不相当に高額な部分の金額」があるとした原処分について、①請求人の事業遂行が本件代表者の類まれな経営者としての資質・行動力に基づくものであり、その職務の対価として本件役員給与が支給された旨、②請求人の事業は新しい事業であり、請求人と同じような企業及び経営者は存在せず、また、仮に同業類似法人が存在するとしても、原処分庁により同業類似法人として抽出された法人は抽出件数が少ない旨、③原処分庁が同業類似法人として抽出した法人は、請求人の売上総利益率と大きく乖離しており比較すべきでない旨主張する。しかしながら、本件代表者の職務内容から特別に高額な役員給与を支給すべきものとは評価し難く、原処分庁が採用した同業類似法人の抽出方法は合理的なものといえ、審判所が抽出した法人は同業類似法人として相応と認められる。また、審判所が認定した役員給与としての相当額は、同業類似法人における売上金額及び売上総利益の額の平均額に対する請求人の額の割合を考慮したものであり、これにより売上総利益率の差異は可及的に捨像されるといえるから、これを大きく上回る本件役員給与の額は、不相当に高額な金額があるというべきである。(令元. 9.11 仙裁(法)令元-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010009
- 裁決年月日
- 令和元年8月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/3自己が便益を受ける公共的施設の費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、市に譲渡する土地を公衆用道路とするために負担した整備費用は、法人税法施行令第14条《繰延資産の範囲》第1項第6号イに規定する「自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用」であり、繰延資産に該当する旨主張する。しかしながら、同項柱書の括弧書は、「資産の取得に要した金額とされるべき費用」を繰延資産の範囲から除く旨を規定しているところ、上記道路整備費用は、請求人が市に譲渡した道路附属設備等の設置に要した費用であり、同施行令第54条《減価償却資産の取得価額》第1項第2号イの「当該資産の建設等のために要した原材料費、労務費及び経費の額」に該当し、当該道路附属設備等の取得価額に当たるから、繰延資産には該当しない。(令元. 8. 8 大裁(法・諸)令元-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010009
- 裁決年月日
- 令和元年8月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702025
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/5代物弁済、譲渡担保、交換
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、市との間の土地交換契約によって取得した土地(里道)の時価が譲渡した土地(道路用地)の時価よりも低額であるから、譲渡土地と取得土地の時価の差額は、交換差損として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、客観的な時価からみた場合には不等価な交換であっても、交換契約により不利益を受けるとみられる当事者の一方が、専ら当該交換によって取得する資産の持つ価値を重視したためであるなど、当事者が等価交換としたことに経済的合理性が認められる限り、正常な取引の範囲内といえ、税務上は、等価交換と認めるのが相当であるところ、本件の交換契約は、専ら請求人の里道取得の必要性に基づき、請求人が市に道路交換を要望して実施されたものであって、請求人においては、仮に交換により譲渡した道路用地等の時価が取得した里道の時価よりも高額であったとしても、当該里道を取得することを選択したものであるから、請求人がこれらを等価交換としたことには経済的合理性があり、また、当該交換契約が正常な取引の範囲を逸脱して締結されたものであることをうかがわせる事情も認められない。そうすると、本件の交換契約は、特段の利害関係のない請求人と市との間で、正常な取引の範囲内で締結されたものであると認められ、税務上も等価交換であると解するのが相当であり、請求人は、道路用地等の取得価額をもって、里道を取得したと解するのが相当であるから、上記の交換契約によって、請求人に交換差損が生じたとは認められない。(令元. 8. 8 大裁(法・諸)令元-9)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令010002
- 裁決年月日
- 令和元年7月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、住宅建築に係るフランチャイズ契約に関連して当該契約の期間中に支出した費用等について、開発費に該当する旨主張する。しかしながら、法人が支出する費用が開発費に該当するためには、①その支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶこと、②資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用ではないこと、③新たな技術若しくは新たな経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓又は新たな事業の開始(ただし、法人税法施行令第14条《繰延資産の範囲》第1項第5号(平成18年政令第125号による改正前のもの。)に規定されたもの。)のために特別に支出する費用であること、の各要件を満たすことが必要となるところ、いずれの支出についても、上記③の特定の目的のために特別に支出した費用に当たる事実を認めることはできないから、その他の開発費該当要件の充足性を判断するまでもなく、これらの費用等は開発費に該当しない。(令元. 7.29 広裁(法)令元-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令010002
- 裁決年月日
- 令和元年7月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/2償却期間
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、住宅建築に係るフランチャイズ契約に関連して当該契約の期間中に支出した費用等について、開発費に該当するから、その償却費を当該費用等を支出した日の属する事業年度以降の任意の事業年度の損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、法人税法第32条《繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法》第1項及び法人税法施行令第64条《繰延資産の償却限度額》第1項第1号の各規定のとおり、その事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する金額は、その事業年度においてその償却費として損金経理した金額のうち、開発費の額に達するまでの金額となるところ、当該費用は開発費に該当しないから、上記各規定の適用はない。したがって、当該費用等は、当該事業年度の損金の額に算入することはできない。(令元. 7.29 広裁(法)令元-2)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平300011
- 裁決年月日
- 令和元年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が販売する商品(本件商品)は請求人が主張する仕入先(本件仕入先)から仕入れたものであり、本件仕入先からの仕入金額(本件仕入金額)は損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は、各事業年度において、①本件仕入先に本件商品を発注することができなかったと認められ、②本件商品の原材料の仕入れから製造までの各業務(本件各業務)を受託している各業者(本件各委託先)は、本件各業務を請求人と直接取引していると認識し、③本件各業務に係る請求書(本件請求書)について、請求人の依頼で宛名を本件仕入先に変更したものを含め請求人の納税地に送付しており、④請求人が本件請求書に係る請求金額を自ら負担して支払っていたと認められる。したがって、①ないし④の理由から、請求人は、本件各委託先に本件各業務を直接委託した上で本件商品の製造業務を行っていたものと認められ、本件仕入先から本件商品を仕入れたとは認められないことから、本件仕入金額は法人税法(平成30年法律第7号による改正前のもの)第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項各号のいずれにも該当せず、請求人の各事業年度の損金の額に算入することはできない。(令元. 6.20 福裁(法・諸)平30-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300079
- 裁決年月日
- 令和元年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表取締役及び業務執行役員に支給した利益連動給与は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項第三号イに規定する算定方法が客観的なものとの要件を満たすから、損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、同号イに規定する算定方法が客観的なものとは、当該算定方法に利益の状況を示す指標等を当てはめさえすれば個々の利益連動給与の額が自動的に算出される算定方法をいい、事前の定めとは別途の事後的な評価を加えて支給額が決まる算定方法などは客観的なものとの要件を満たさないというべきであるところ、請求人が利益連動給与の算定方法において用いている考課係数は、マイナス考課とするか否かも含めて事後的に取締役社長が決定しているのであるから、当該考課係数の決定において恣意が排除されていると認めることはできず、請求人の算定方法は、利益に関する指標を当てはめさえすれば個々の代表取締役及び業務執行役員に対する利益連動給与の額が自動的に算出されるものとは認められないから、同号に規定する客観的なものという要件を満たしていない。(令元. 6. 7 大裁(法)平30-79)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300026
- 裁決年月日
- 令和元年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員給与として損金の額に算入した理事長に対する宿直手当等(本件各院長手当)について、法人税法第34条(平成29年法律第4号による改正前のもの)《役員給与の損金不算入》の立法趣旨及び国税庁のホームページにある定期同額給与についてのQ&A等によれば、本件各院長手当は利益調整等に利用していていないのだから、その月額支給額のうち各事業年度において最も少ない金額に相当する額(本件各月額最低額)は、定期同額給与の額に該当する旨主張する。しかしながら、本件各月額最低額は、事業年度が終了した後に、当該事業年度における本件各院長手当の支給額が最低であるものを結果から見て月額最低額とするものであり、請求人が本件各月額最低額のみを別途計算して月ごとに支給しているものでもなく、月ごとに変動する本件各院長手当の額と同額又はその一部にすぎないから、同条第1項第1号に規定する定期同額給与とは認められない。(令元.5.30 広裁(法)平30-26)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300075
- 裁決年月日
- 令和元年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、破産会社が外注した業務(本件業務)の報酬額は、外注先の裁量で決まるものであり、本件業務の報酬額には水増し請求と評価される部分はなく、原処分庁が水増し請求と評価する金額(本件係争請求額)を損金算入すべき旨主張する。しかしながら、本件係争請求額は、破産会社の元取締役の指示により、外注先が役務の提供をしていないにもかかわらず正規の報酬額に水増しして請求していたものと認められるから、本件係争請求額は本件業務の対価として損金算入することはできない。(令元.5.24 大裁(法・諸)平30-75)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平300010
- 裁決年月日
- 令和元年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 請求人は、請求人の従業員であった者(本件元従業員)が請求人の仕入れた商品を窃取してインターネットオークションで販売(本件オークション販売)したことによる本件元従業員に対する損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)について、原処分に係る事業年度(本件事業年度)の当時、本件元従業員の支払能力が皆無であったから、貸倒損失として本件事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件事業年度の当時、本件元従業員は請求人から給与収入を得ており、その支払能力が皆無であったとはいえず、請求人は、本件オークション販売の発覚後、遅滞なく本件元従業員に対して損害賠償請求訴訟を提起しており、請求人側において、損害賠償請求をすることのできない事情があったとも認められないから、本件損害賠償請求権について、本件事業年度の損金の額に算入すべき貸倒損失があるとは認められない。(令元.5.16 札裁(法・諸)平30-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300031
- 裁決年月日
- 平成31年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、登記上請求人が所有者となっている土地(本件土地)について、実際は、請求人の社員の一部の者(本件受給者)が本件土地の所有権又は使用収益権を有しており、本件土地に係る賃貸料(本件賃貸料)は本件受給者に帰属するから、本件受給者に対して支払った金員(本件金員)は寄附金にはなり得ない旨主張する。しかしながら、請求人が自らの意思に基づき記名押印した本件賃貸料に係る契約書(本件賃貸借契約書)では、請求人を賃貸人としており、また、本件賃貸借契約書の記載内容と別異に解する特段の事情があるとは認められないから、本件土地の賃貸人は請求人であり、そうすると、本件金員の支払は、金銭を対価なく本件受給者に移転するもので、かつ、その支払について経済的合理性が存在しないものに該当するから、本件金員は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する「寄附金の額」に該当する。(平31. 4.22 名裁(法)平30-31)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300064
- 裁決年月日
- 平成31年3月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が基本契約の実質的当事者であるとして損害賠償を請求され、その交渉に要した弁護士費用(本件弁護士費用)について、当該基本契約の主体が請求人ではなくその株主個人であるとの当審判所の先行裁決での判断が現在においても相当であるから、請求人の費用として損金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、本件弁護士費用は、当該損害賠償の請求についての弁護士費用であるところ、請求人自身が当事者となった紛争の対応のための費用であり、請求人の業務の遂行に関連して支出されたものであると認められるので、請求人の所得金額の計算上、損金の額に算入される。(平31. 3.27 大裁(法・諸)平30-64)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300064
- 裁決年月日
- 平成31年3月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716070
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/7和解金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、基本契約(本件基本契約)の実質的当事者であるとして本件基本契約上の債務不履行及び表明保証条項等に基づく完全履行の請求として損害賠償を請求されていたところ、紛争の長期化による費用や労力がかさむことや、本件基本契約の実質的な当事者であると認定されることにより当該損害賠償の請求が認められる可能性が十分にあったことを勘案し、訴え提起前の和解に基づき解決金(本件和解金)を支払うという合理的な判断をしたから、本件和解金は請求人に帰属する費用である旨主張する。しかしながら、本件和解金は、本件基本契約に係る損害賠償金であり、本件基本契約の主体は請求人ではなくその株主個人であるから、当該個人が負担すべきものと認められる。したがって、本件和解金は、請求人の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(平31. 3.27 大裁(法・諸)平30-64)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300030
- 裁決年月日
- 平成31年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、中国での原材料費及び開発費について、同国での原材料の栽培基地の確保及び機械装置等の開発のために、同国に在住する代表者の親族の資金により支払ったものの返済のために出金したものであるから損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、当該原材料費については、中国の仕入先の損益計算書に対応する売上げが計上されていない上、請求人の取締役が、その領収証を当該仕入先に依頼して作成してもらった旨を答述している。また、当該開発費については、請求人の取締役が、その領収証を開発依頼先に架空又は無関係な名称を用いて作成させた旨、及び開発依頼先である大学教授等に対する援助資金が金額の大半を占める旨の答述をしている。他に原材料の栽培基地の確保及び機械装置等の開発のために費用を支出したことを裏付ける客観的な証拠、並びに中国の代表者親族の資金により支払った事実の裏付けとなる資料の提出もないことからすると、当該原材料費及び当該開発費は、その使途が確認できず、請求人の業務との関連性が明らかではなく、損金の額に算入することはできない。(平31. 3. 4 関裁(法・諸)平30-30)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平300002
- 裁決年月日
- 平成31年3月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№114
要旨
○ 請求人は、請求人の関連会社への無利息の融資(本件無利息融資)は長年にわたって債務超過が続いていた関連会社を救済するために行ったものであるから当該融資に係る利息相当額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、本件無利息融資は、専ら当該関連会社の資金需要に基づき行われ、返済期限も具体的に定められていなかったことからすれば、当該関連会社の倒産を防止するためのやむを得ない合理的な再建計画に基づき行われたものとはいえず、本件無利息融資に係る利息相当額は、経済的な利益の無償の供与であるとして法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。(平31. 3. 1 沖裁(法・諸)平30-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300053
- 裁決年月日
- 平成31年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702043
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が支払った費用等は、契約に基づき情報提供料等として支払ったものなどであるとして、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人はその費用等を総勘定元帳に計上しておらず、その費用等の支払を認めるに足りる証拠もないから、請求人の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(平31. 2.25 大裁(法・諸)平30-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300082
- 裁決年月日
- 平成31年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者(本件代表者)に対する給与(本件給与)を法人(本件法人)に対する外注費として計上したことについて、本件代表者の個人資産に対する差押えを回避するために、会計上、外注費の勘定科目を借りて計上したにすぎず、そこに事実を隠蔽又は仮装したと評価すべき行為はなかったのだから、法人税法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第34条《役員給与の損金不算入》第3項(本件条文)の適用はなく、本件給与は損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件条文に規定する「仮装して」とは、国税通則法第68条《重加算税》に用いられている同文言と同様、特定の所得、財産あるいは取引上の名義を装う等事実をわい曲することをいうものと解されるところ、請求人は、本件法人から役務の提供を受けていないにもかかわらず、本件法人に対して外注費を支払ったかのように経理し、故意に事実をわい曲して本件代表者へ本件給与を支給していたと認められることから、本件給与の支給額については本件条文が適用され、また、請求人が本件給与の支給額を本件法人に対する外注費として計上したことについて、その動機が本件代表者の個人資産に対する差押えを回避するというものであってもこの判断が左右されるものではない。(平31. 1.21 東裁(法・諸)平30-82)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300064
- 裁決年月日
- 平成30年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№113
要旨
○ 請求人は、同業者から債務整理事件を引き継ぐとともに当該債務整理事件に係る依頼者からの預り金等(本件債権)を分割払を受けることで合意したが、当該同業者から支払不能である旨の回答があったことから、支払われていない本件債権について貸倒れが発生した旨主張する。しかしながら、請求人の総勘定元帳には、本件債権の額は資産として計上されておらず、また、当事業年度において本件債権の額を貸倒損失として損金経理した旨の記載もなく、本件債権の存在を認めることはできないから、本件債権の額は、貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平30.11.14 東裁(法・諸)平30-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300064
- 裁決年月日
- 平成30年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716082
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/8支払利息/2支払利息の額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№113
要旨
○ 請求人は、従業員(本件従業員)から金銭を借り入れ(本件借入金)、本件借入金に係る支払利息(本件支払利息)を支払ったことから、本件支払利息は損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、①請求人と本件従業員との間で本件借入金に係る金銭消費貸借契約書等の書面は存在しないこと、②請求人の総勘定元帳等には本件借入金及び本件支払利息の計上はないこと、③請求人は、本件借入金及び本件支払利息に関する客観的な証拠を提出していないことからすると、本件借入金及び本件支払利息が発生していたと認めることはできないことから、本件支払利息の額を損金の額に算入することはできない。(平30.11.14 東裁(法・諸)平30-64)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平300003
- 裁決年月日
- 平成30年10月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706089
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/8償却限度額/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取得した減価償却資産(本件各資産)について、本件各資産が一体として機械及び装置に該当し、租税特別措置法(措置法)第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第1項の適用がある旨主張する。しかしながら、減価償却資産とその耐用年数については、本件各資産が、法人税法施行令第13条《減価償却資産の範囲》各号に規定されたいかなる種類の減価償却資産に該当するかを判断した上で、減価償却資産の耐用年数等に関する省令に規定されたいずれの減価償却資産に該当するかを判断する必要があり、法令の規定を離れて減価償却資産の一体性の有無を検討することには意味がないと解されることから、これらを一体とみて措置法第42条の6第1項に規定する機械及び装置とみることはできない。したがって、本件各資産は、「建物」、「建物附属設備」及び「機械及び装置」に区分されるから、当該各区分に定められた耐用年数に基づき償却限度額を算定することになる。(平30.10.19 熊裁(法)平30-3)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平300002
- 裁決年月日
- 平成30年10月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№113
要旨
○ 請求人は、製品の共同開発契約(本件契約)に基づき一方の契約当事者(本件当事者)に支払った負担金(本件負担金)について、本件契約の製品に係る大臣の承認(本承認)を得るために本件当事者から開示された資料等は、共同開発の成果であって請求人が自己開発したものと同様であること、また、本件負担金の支出には、本承認が得られないリスクがありその支出の効果がその後に及ぶものといえないことなどから、本件負担金は繰延資産に該当しない旨主張する。しかしながら、本件負担金の対象となる各業務は、本件当事者が担当する業務であり、ほとんどが本件契約の締結日までに完了していたことに加え、請求人は本承認の申請に必要なデータを本件当事者から取得し、本件契約の締結日から短期間で本承認の申請をしていたことなどから、請求人が当該共同開発の主体であったとみることはできず、本件負担金は、本件当事者が開発の過程で得た成果の提供という役務の提供を受けるために支出する費用であると認められる。そして、当該製品は現に製造販売されていることに加え、本承認の取得後5年ごとに大臣の調査を受けなければならないことなどからすると、本承認を取得した効果は少なくとも5年は継続するということができる。したがって、本件負担金は、役務の提供を受けるために支出する費用で、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものと認められるから、繰延資産に該当する。なお、平成27年3月期に繰延資産の償却超過額の損金不算入額が増加したことに伴い、平成28年3月期に繰延資産の償却超過額の前期からの繰越額のうち当期損金算入額が増加したことから、平成28年3月期に一部取消しが発生したものである。(平30.10.10 金裁(法)平30-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300018ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成30年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関連法人に対する債権の清算として計上した寄附金について、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第2項のいわゆるグループ法人税制の規定(本件規定)を適用して申告したが、債権は清算しておらず債権放棄(本件債権放棄)は行われていない旨主張する。しかしながら、請求人及び関連法人の役員は、代表者及び代表者の弟の2名のみであり、当該役員で本件債権放棄を行うことを決め、これに沿った会計処理及び確定申告をしたことからすると、請求人が関連法人に対して本件債権放棄を行ったものと認められ、請求人と関連法人はいずれも個人である代表者一族が発行済株式の全部を保有しており両法人の間には「法人による完全支配関係」がないことから、本件規定が適用されず、本件債権放棄の額は、同条第1項に規定する寄附金となり、寄附金の損金算入限度額までの金額について損金の額に算入することとなる。(平30. 9.27 大裁(法)平30-18)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300005
- 裁決年月日
- 平成30年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の元従業員ら(本件各従業員)の勤務条件が正社員から嘱託社員に変更になったことに伴い、退職金(本件退職金)を本件各従業員名義の各口座(本件各口座)に振り込む方法により支給した旨主張する。しかしながら、本件各口座は請求人が開設当初から管理しており、本件退職金支給日以降もその管理状況に変わりはなく、本件各従業員が本件各口座から自由に現金出金等できる状況にはなかったことからすれば、請求人が本件退職金に相当する額を本件各口座に入金したからといって、そのことをもって直ちに本件各従業員に対して本件退職金が支給されたと認めることはできないこと、本件各従業員は本件退職金の受領を否定していること、更に、本件各従業員に対して本件退職金の支給日とは全く異なる時期に、商工会議所から全く異なる額の特退共の給付金が支払われていること等の事実も併せて考慮すれば、請求人が本件各従業員に対して、本件退職金を支給した事実はなかったと認めるのが相当である。(平30. 9.11 名裁(法)平30-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300005
- 裁決年月日
- 平成30年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が売買により土地(本件土地)とともに一括取得した区分所有建物の専有部分(本件建物)の取得価額について、原処分庁が用いた土地及び建物の固定資産税評価額の比率によってあん分して算定した価額ではなく、売買契約において定められた価額とすべきである旨主張する。しかしながら、売買契約における本件建物の価額は、固定資産税評価額、路線価及び公示価格に比べて著しく低額で、また、本件土地の借地権割合が90%であることを考慮して売買総額に占める本件土地の価額の割合を低く定めるなど不合理な算定方法を用いた結果、客観的な価値と比較して著しく不合理なものと認められることから、合理的な基準により本件建物の取得価額を算定する必要がある。そこで、過去の売買価額及び相続税評価額などからより合理的な基準を検討したところ、土地及び建物の固定資産税評価額は、算出期間及び算出時期が同一で同一時期の時価を反映していること等から、土地及び建物の固定資産税評価額の比率によってあん分して本件建物の取得価額を算定することには合理性があると認められる。(平30. 9.11 関裁(法・諸)平30-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300005
- 裁決年月日
- 平成30年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人(本件法人)との間で匿名組合契約(本件匿名組合契約)を締結し出資(本件金員)した後、本件法人から請求人への本件金員の返済に代えて別の法人へ本件金員を出資する旨の提案を受け、当該出資の申込みをしたが、当該別の法人に出資されることはなく、本件法人の代表者らの詐欺により本件金員が横領され損害を被ったとして、それに関連する損失(本件損失)が損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件匿名組合契約が成立したことを裏付ける証拠として請求人が提出した契約書に押印された本件法人の印影は、原処分庁が請求人の本社工場において把握した印章の印影と酷似していること、本件金員が多額であるにもかかわらず出資をした事業年度の確定申告書に計上されていないことなどからすれば、本件匿名組合契約が成立していたとは認められず、請求人の主張はその前提を欠き、本件損失が発生したとは認められないから、本件損失を損金の額に算入することはできない。(平30. 9.11 名裁(法)平30-5)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300005
- 裁決年月日
- 平成30年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/2売上原価等処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、コンサルタント料として損金の額に算入した支出(本件支出)は、コンサルタント業務に係る契約書に記載された相手方法人が役務の提供をしていなくても、当該相手方法人の代理人と称する者が役務の提供をし、当該者に対して支払ったものであるから、法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、法人の所得金額の計算上、損金の額に算入することができる支出は、請求人の業務の遂行上必要と認められるものでなければならないところ、当該代理人と称する者から請求人がコンサルタント業務に係る役務の提供を受けたことを証する客観的な証拠はなく、当該者及び請求人の代表者の答述は採用できない。したがって、当該者が役務の提供を行ったとは認められず、本件支出は、使途が確認できず、業務との関連性が明らかでないものであるから、法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(平30. 9.10 広裁(法・諸)平30-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300030
- 裁決年月日
- 平成30年9月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人が有する当該法人と完全支配関係がある子法人(子法人)の株式について、寄附修正事由(子法人が他の内国法人から法人税法第25条の2第2項に規定する受贈益の額で同条第1項の規定の適用があるものを受けたこと)(寄附修正事由)が生じる場合において、法人税法施行令第9条《利益積立金額》第1項第7号及び同令第119条の3《移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》第6項の各規定は、文理解釈により判断されるべきであり、子法人が権利内容等の異なる2以上の種類の株式を発行する場合であっても、その種類を区分せずに全ての発行済株式を対象として寄附修正を行うべきである旨主張する。しかしながら、当該各規定は、寄附修正事由が発生した場合に、子法人の株主である法人において、子法人の受贈による純資産の増加額相当分を寄附修正するというものであり、法人税法施行令第9条第1項第7号は、法人の利益積立金額に子法人の株式について寄附修正事由が生ずる場合の受贈益の額に寄附修正事由に係る持分割合を乗じて計算した金額を加算する旨規定しているところ、受贈益が生ずる場合の寄附修正は、①寄附修正事由が生ずる子法人の株式を対象として、②寄附修正事由に係る株式の持分割合を適用して計算するものと解される。そうすると、法人が子法人の発行する権利内容等の異なる2以上の種類の株式を有していて、そのうちいずれかの株式について財産的価値の増加が生ずる場合には、寄附修正事由が生ずる場合の受贈益の額にその財産的価値の増加が生ずる株式の持分割合を乗じて計算した金額を当該法人の利益積立金額に加算するとともに、同額を当該法人が有するその子法人の株式の帳簿価額にも加算すると解するのが相当である。(平30. 9. 4 東裁(法)平30-30)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平300002
- 裁決年月日
- 平成30年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712092
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/2工事の代金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、工場に常駐する下請会社等(本件協力会社)に対して支払った支出金(本件支出金)は、①過去の工事代金の値増金であるから役務提供の対価であり、②本件協力会社から工事代金の値上げ等の要請を受けている中、本件協力会社を除く外注先だけでは工事を完成できない請求人にとって、本件支出金の支払は通常の経済取引であるから、本件支出金は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金には当たらない旨主張する。しかしながら、①請求人と本件協力会社との間で締結された工事請負契約に係る書類のいずれにも本件支出金の記載はなく、当該工事請負契約に係る工事代金の合意内容に本件支出金を支払うことが含まれていたとは認められない。また、当該工事請負契約の成立後に工事代金について変更の合意があったことを示す証拠は見当たらず、過去の工事又は今後着工予定の工事に対応して本件支出金を支払う旨の合意が成立したと認めることはできないから、本件支出金に対応する役務提供があったとは認められず、本件支出金は対価なく支払われたと解するのが相当である。更に、②本件支出金の支払いの可否及び支払金額は請求人の裁量によって一方的に決定しており、本件支出金を支払わなかった場合に請求人の経営を困難にするような事態が生じると評価できるほどの事情は認められず、請求人が本件支出金を対価なく支払ったことに通常の経済取引として是認することができる合理的理由が存在するとは認められない。したがって、本件支出金は同項に規定する寄附金に該当する。(平30. 8.29 福裁(法・諸)平30-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300007
- 裁決年月日
- 平成30年8月23日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№112
要旨
○ 原処分庁は、請求人による設備(本件リース資産)を賃借する取引(本件リース取引)は、法人税法第64条の2《リース取引に係る所得の金額の計算》第3項に規定するリース取引(法人税法上のリース取引)に該当する旨主張する。確かに、本件リース取引は、資産の賃貸借であり、中途解約禁止要件及びフルペイアウト要件のいずれも充足し法人税法上のリース取引に該当するものと認められるが、請求人は、さらに本件リース資産を本件リース取引とほぼ同条件で転リースしていることから、当該転リース取引についても同様に法人税法上のリース取引に該当するものと認められる。よって、本件リース取引のみならず、当該転リース取引についても売買があったものとして処理することが相当であり、当該転リース取引に係る収益の額及び費用の額は、法人税基本通達2−4−2の2《売買があったものとされたリース取引》の定めにより、法人税法63条《長期割賦販売等に係る収益及び費用の帰属事業年度》第1項の延払基準の方法により計算した収益の額及び費用の額とし、各事業年度の課税所得を計算することとなる。(平30. 8.23 大裁(法・諸)平30-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300005
- 裁決年月日
- 平成30年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の前代表者が所有する別荘(本件別荘)に設置した家具購入費の額(本件家具購入費)について、本件別荘は主に請求人の接待用ゲストハウス及び従業員の福利厚生施設として使用していたものであるから、本件家具購入費は損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件家具購入費は、請求人が本件別荘を賃借して使用していた事実が認められないことなどから、請求人の前代表者が個人的に負担すべき費用であり、請求人の業務の遂行上必要と認められる費用とはいえないから、損金の額に算入されない。(平30. 7. 2 東裁(法・諸)平30-5)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290030
- 裁決年月日
- 平成30年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 調査対象事業年度のうち、コンパニオン送迎の業務委託先である運転手(本件運転手)が作成した原始記録(本件原始記録)の存在する期間において、請求人は、コンパニオン送迎の業務委託費(本件業務委託費)につき、本件原始記録ではなく、請求人が審判所に提出した本件運転手に係る領収書(本件業務委託領収証)により算定した金額を、法人税の所得金額の計算上損金に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件運転手の答述等によれば、本件業務委託領収証の記載内容に信用性はないと認められるから、本件業務委託領収証により本件業務委託費の額を算定してこれを損金に算入することはできない。ただし、請求人の業務委託先の中には、コンパニオン送迎ではなく、情報技術関連事業の業務を請け負っている者が存在する事実が認められ、当該情報技術関連事業に係る業務委託費は、当該業務の遂行上必要と認められるから、法人税の所得金額の計算上損金に算入することが相当と認められる。(平30. 6.29 広裁(法・諸)平29-30)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平290008
- 裁決年月日
- 平成30年6月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 請求人は、インターネットオークションによる販売業務(本件業務)に係る収益が請求人に帰属するならば、当該収益に対応する売上原価相当額を損金の額に算入すべきであると主張し、原処分庁は、売上原価のようなその存在自体を否定できない損金を主張するときであっても、請求人においてその存在及び内容につき具体的に主張及び立証がされない限り当該損金が存在しないとの事実上の推定が働くことから当該売上原価相当額を損金の額に算入できない旨主張する。しかしながら、①本件業務において売り上げた商品のうち一部請求人の仕入れに計上されていない商品の仕入額及び②本件業務に係る人件費のうち一部請求人の給与手当勘定に計上されていない給与支給額については、請求人の損金の額に算入するのが相当である。(平30. 6.28 金裁(法・諸)平29-8)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平290009
- 裁決年月日
- 平成30年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者(本件債務者)に対する債権放棄(本件債権放棄)について、本件債務者は大きな社会的要請から設立された法人であり、その経営に破綻を来すようになっては、地域や業界に計り知れない損失と大きな痛手をもたらすから、請求人がやむにやまれず行ったものであり、本件債権放棄の額は寄附金の額には該当しない旨主張する。しかしながら、本件債務者は、本件債権放棄の時点において資金繰りがひっ迫し直ちに経営危機に陥るような状況ではなかったこと、また、請求人から本件債権放棄を受けなければ直ちに事業の継続を困難にする事情もなかったこと、さらには、本件債権放棄を受けるに当たり、再建計画の作成等を行っていなかったことから、本件債権放棄は、業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われるもので合理的な再建計画に基づくものである等その債権放棄等をしたことについて相当な理由があったとは認められない。したがって、本件債権放棄の額は寄附金の額に該当する。(平30. 6.22 仙裁(法)平29-9)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平290009
- 裁決年月日
- 平成30年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者(本件債務者)に対する貸付金(本件債権)の放棄(本件債権放棄)について、本件債務者は実態ないし時価による貸借対照表では債務超過の状態であり、その収支状況からも本件債権の回収が不可能な状態であったことから、本件債権放棄の額は貸倒損失として損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件債権放棄の額を貸倒損失として損金の額に算入するためには、本件債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかでなければならないところ、本件債権放棄の時点において、本件債務者は、請求人等からの借入金の返済の猶予が継続する限り、資金繰りがひっ迫し直ちに経営危機に陥るような状況にはなかったと認められ、請求人等が本件債務者に対して本件債権放棄をすることなく、引き続き返済を猶予するなどしながら本件債権の回収を図ったならば、将来的に本件債権の全部ないし一部を回収できる可能性がなかったとはいえず、本件債権放棄の時点において、本件債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであったとは認められないことからすると、本件債権放棄の額は貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平30. 6.22 仙裁(法)平29-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290063
- 裁決年月日
- 平成30年6月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/2償却期間
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 請求人は、太陽光発電設備を電力会社の電力系統に接続する系統連系のための工事負担金(本件負担金)について、当該発電設備の施工会社に支払うことに合意し、その全額を支払い、後に精算された事実もないのであるから、本件負担金はその支出した事業年度(本件事業年度)において繰延資産に該当する旨主張する。しかしながら、本件負担金が本件事業年度における繰延資産に該当するためには、本件事業年度に計上すべき費用に該当する必要があるが、本件負担金は、電力会社が当該発電設備について行う系統連系のための工事の対価としての性質を有するものであると認められるところ、当該発電設備に係る系統連系のための工事が完了したのは本件事業年度の末日よりも後であるから、請求人は、本件事業年度内に本件負担金に対応する役務の提供を受けておらず、本件負担金は本件事業年度に計上すべき費用に該当しない。したがって、本件負担金は本件事業年度における繰延資産に該当しない。(平30. 6.19 関裁(法)平29-63)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290063
- 裁決年月日
- 平成30年6月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 原処分庁は、太陽光発電設備(本件設備)を囲むフェンス、門扉等(本件フェンス等)は、本件設備とともに生産性向上設備等の確認を受けたのであり、単独では生産活動等の用に直接供される減価償却資産とは認められないから、請求人は本件フェンス等を本件設備と一体で取得し、一体で事業の用に供したとみるべきであり、本件フェンス等を事業の用に供した日はその取得の日ではなく、本件設備について系統連系が行われた日である旨主張する。しかしながら、本件フェンス等は本件設備とは物理的にも機能的にも一体とはいえず、別個の減価償却資産であると認められるところ、本件フェンス等は、太陽光発電所内への外部からの侵入を防止し、同発電所内での事故や本件設備の毀損、盗難等を避けることを目的として設置されたものと認められ、請求人が本件設備を取得してから系統連系が行われ売電を開始するまでの間も、本件フェンス等は本件設備を第三者による毀損や盗難から保護し、接触による感電事故等を防止する機能を発揮していたと認められるから、本件フェンス等はその取得の日から使用を開始され、事業の用に供されたと認めるのが相当である。(平30. 6.19 関裁(法)平29-63)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290063
- 裁決年月日
- 平成30年6月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 請求人は、太陽光発電設備(本件設備)は、その引渡日以降、必要な維持管理が行われ、電力会社に対して売電の申込をしてその承諾を待っている状態であったのだから、その引渡日においていつでも稼動し得る状況にあったのであり、その引渡日に事業の用に供したと認められる旨主張する。しかしながら、本件設備は、発電した電力を電力会社に売電することにより収益を稼得することを本来の目的とする設備であると認められるところ、本件設備は、その取得の日を含む事業年度の末日において、系統連系のための工事が完了していないため、発電した電力を送配電事業者の電力系統に供給できず、売電できない状態にあったのであるから、当該事業年度内に本件設備の属性に従ってその本来の目的のために使用を開始したといえず、事業の用に供したとは認められない。(平30. 6.19 関裁(法)平29-63)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290141
- 裁決年月日
- 平成30年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 請求人は、不動産に係る中途解約不能で、中途解約した場合に残りの賃借期間の賃料を支払うことになっている長期の賃料減額期間のある賃借契約(本件賃借契約)の場合、その契約時に契約期間全体にわたる賃料総額の支払をすべき義務が確定していると解すべきであり、契約期間における賃料総額を当該契約期間で均等あん分した月額賃料相当額に基づいて算出した金額は、合理的に算定された金額であり、その金額が損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件賃借契約における契約当事者間では、賃借物件に係る賃料減額期間の賃料の減額という法律効果が本件賃借契約(法律行為)に基づき成立し、当該法律効果を変更又は消滅させる他の法律行為があるとする証拠も認められないことからすれば、当該賃借物件に係る賃料として事業年度終了の日までに債務が確定した金額は、本件賃借契約の特約条項により減額された月額賃料に基づいて算出された金額であり、当該金額が損金の額に算入される。(平30. 6.15 東裁(法・諸)平29-141)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290025
- 裁決年月日
- 平成30年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空又は過大であるとする外注費(本件各外注費)に関して、実際に工事を施工した業者(本件各施工業者)以外の者を発行名義人とする各領収証(本件各領収証)に基づいて総勘定元帳に計上していたことについて、①領収証さえあれば良いと考えていたので、本件各領収証の発行者(本件各外注先)の名称が正しいか確認していなかった旨、②本件各外注先が本件各外注費に係る工事代金を受領していない等と答えるのは、本件各施工業者の事情である旨、③請求人には代表者及び従業員2名しか工事を行う者おらず、本件各施工業者の役務の提供がなければ、本件各外注費に係る工事を完成させることはできない旨等の理由を挙げて、本件各外注費は実際に支払ったものである旨主張する。しかしながら、本件各外注先の答述や証拠によれば本件各領収証は虚偽のものであり、請求人は、本件各外注費を本件各外注先にも本件各施工業者にも支払った事実はないと認められる。請求人は本件各施工業者の特定に関する情報を提供しないため、これらの者の存在すら確認することができないし、本件各外注費に係る工事が工期内に完了していることのみをもって、本件各施工業者の存在や役務の提供が立証されたことにはならない。(平30. 6. 4 広裁(法・諸)平29-25)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290024
- 裁決年月日
- 平成30年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が売上原価として損金の額に算入した土地(本件土地)の取得価額のうち、請求人が本件土地の取得に係る支払債務と相殺した本件土地の売主に対する貸付債権等の額と、原処分庁が認定した本件土地の取得時の時価との差額相当額(本件債権差額)について、売上原価として本件土地を売却した事業年度の損金の額に算入することができないとしても、法人税基本通達9−6−1(金銭債権の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ)の(4)の要件を満たすから、貸倒れとして当該事業年度の損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件土地の売買契約書には、本件債権差額の債務を免除する旨の文言はなく、その他の証拠によっても、請求人が本件債権差額について、債務者に対し、書面をもって債務を免除した事実は認められないから、他の要件を検討するまでもなく、本件債権差額の消滅は、当該通達を適用するための要件を満たさない。したがって、本件債権差額を貸倒損失として当該事業年度の損金の額に算入することはできない。(平30. 6. 1 広裁(法)平29-24)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290024
- 裁決年月日
- 平成30年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/3高価買入れ
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地(本件土地)の取得に係る売買価額については、本件土地の売主が提示した金額であり、また、本件土地の売買代金と請求人が売主に対して有している貸付債権等(本件債権)とを相殺することで本件債権を清算することができるなどの特殊な事情の下、決定された金額であるから不合理なものではなく、本件土地の売買価額と原処分庁が認定した時価との差額(本件差額)は売上原価として本件土地を売却した事業年度の損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、原処分庁が算定した本件土地の時価には合理性があり、本件土地の売買価額は、算定された本件土地の時価を上回るから、本件土地の取得は高額譲受けに該当する。そして、請求人は、本件土地の取得に係る支払債務と本件債権を相殺したことにより、本件債権のうち本件土地の時価を超える金額の債務を免除したのと同じ経済的な効果を生じさせており、また、本件土地の売買価額を決定するに当たって、時価とのかい離を正当化するような事情はないから、本件差額は、その全額が請求人から本件土地の売主への対価のない経済的利益の移転部分とみるのが相当であり、本件差額は寄附金に該当する。したがって、本件差額を売上原価として損金の額に算入することはできない。(平30. 6. 1 広裁(法)平29-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平290033
- 裁決年月日
- 平成30年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地(本件土地)とともに取得した建物(本件建物)について、福利厚生施設として利用する目的で取得したものであり、当初から本件建物を取り壊して本件土地を利用する目的ではなかったのだから、本件建物の取壊しの時における帳簿価額及び取壊費用は本件土地の取得価額に算入されない旨主張する。しかしながら、請求人が①売買交渉の際、本件土地について更地での引渡しを売主に求めていたこと、②本件建物を取り壊し、本件土地の上に新たな建物を新築することを想定して融資の提案を金融機関から受けていたこと、③本件建物に係る電力契約、下水道契約及び火災保険契約を締結していないこと及び④本件建物を福利厚生施設として利用した回数は1回にとどまり、かつ、利用に供したのも本件建物の1階部分のみであったことなどからすれば、請求人は取得した時から本件建物を取り壊して本件土地を利用する目的であることは明らかであり、本件建物の取壊しの時における帳簿価額及び取壊費用の合計額は、本件土地の取得価額に算入されることになる。(平30. 6. 1 名裁(法)平29-33)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平290014
- 裁決年月日
- 平成30年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、中古で一括取得した同一敷地内の2棟の建物(本件建物)のうち1棟を取り壊した際の固定資産除却損の額の算出方法について、取得価額を各建物に区分していなかったため、残った1棟について不動産鑑定士が鑑定した不動産鑑定調査価格を本件建物の期末帳簿価額として、これと本件建物の減価償却費の額の合計額を本件建物の期首帳簿価額から差し引いた残額を固定資産除却損の額として損金の額に計上すべきである旨主張する。しかしながら、複数の建物が一括して売買により取得され、その売買契約書等により各建物の取得価額や期首帳簿価額が明らかでない本件のような場合は、租税負担の公平及び実質主義の観点から、合理的な方法により各建物の期首帳簿価額を求め、取り壊した建物の固定資産除却損の額を算出すべきであるところ、固定資産税評価額の価額比を用いて各建物の期首帳簿価額を求める方法は、特に中古建物の場合には、簡易、迅速に複数の建物の価額を把握してあん分することができ、また、建物の固定資産税評価額は、再建築価額に基づいて評価されているから、建物の時価を反映していると考えられること等、合理的な方法であるといえる。したがって、本件建物の期首帳簿価額を固定資産税評価額の価額比を用いてあん分し、各建物の期首帳簿価額を求め、取り壊した建物の固定資産除却損の額を算出することが合理的であると認められる。(平30. 5.31 福裁(法)平29-14)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平290029
- 裁決年月日
- 平成30年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員等を対象として実施した海外旅行(本件旅行)の費用(本件旅行費用)を負担したが、本件旅行費用の給付(経済的利益)のうち、本件旅行に参加した請求人の社員(法人税法上の役員に相当)に係る負担部分については、当該社員との委任契約等に基づく職務執行の対価ではないから給与等に該当せず、そもそも法人税法第34条《役員給与の損金不算入》の規定の対象外となる旨等主張する。しかしながら、当該社員が受けた本件旅行費用に係る経済的利益は、労務又は役務の提供との対価関係が認められることから給与等に該当し、また、当該給与等は、法人税法第34条1項第1号ないし第3号のいずれにも該当しない。したがって、当該社員が受けた本件旅行費用に係る経済的利益は、請求人の所得の金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(平30. 5.18 名裁(法・諸)平29-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290057
- 裁決年月日
- 平成30年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、中国に所在する研修生及び技能実習生(研修生等)の送出し機関(本件送出し機関)に対する研修生等の管理費として中国人名義の預金口座に送金した金員(本件管理費)は、本件送出し機関と請求人との契約に基づき本件送出し機関が研修生等の管理をしたことに対する対価であり、支払事実も明確であるから損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件送出し機関は、研修生等の管理は請求人が行っているから管理費を受け取っておらず、契約書に管理費の支払条項を入れたのは入国管理局から在留資格認定を受けるためであった旨回答していること及び本件送出し機関から本件管理費に係る請求書及び領収書が発行されていないことに加えて、本件送出し機関から受入れた研修生等が日本国内で研修等を受けているにも関わらず本件送出し機関への管理費の支払が停止していること及び本件管理費が本件送出し機関ではなく個人名義の預金口座に送金されていることに対して、請求人からいずれも合理的な説明がされないことを考慮すれば、契約書の内容に関わらず、本件送出し機関と請求人との間で、請求人は本件送出し機関に管理費を支払わないとの合意がされたのであり、本件管理費は本件送出し機関に対する管理費として送金されたものではなく、架空に計上されたとみるのが相当であるから、本件管理費は損金の額に算入されない。(平30. 5.16 関裁(法)平29-57)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290055
- 裁決年月日
- 平成30年5月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 請求人は、車両運搬具勘定に計上した乗用自動車(本件自動車)について、請求人の事業用資産であり、請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、本件自動車の車検証及び自動車保険に関する書類によれば、本件自動車の所有者及び保険契約者は請求人であるものの、そのことをもって、請求人が本件自動車を事業の用に供したと認めることはできない。また、請求人は、本件自動車について、請求人の代表者(本件代表者)が個人的に使用していたことがあったと自ら認めている一方で、本件代表者から使用料その他の本件自動車を使用させることの対価を受け取っておらず、この点からしても、請求人が本件自動車を事業の用に供していたとは認められない。そうすると、本件自動車は、請求人が事業の用に供することを目的として取得されたものであるとは認められず、本件代表者が個人的に使用することを目的として取得されたものであるというべきであるから、請求人の事業用資産であるとは認められない。(平30. 5.10 関裁(法・諸)平29-55)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290072
- 裁決年月日
- 平成30年5月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、借地権(本件借地権)と一括取得した建物(本件建物)につき、減価償却費の計算の基礎となる購入の代価は、売買契約書に記載された建物の価額によるべきである旨主張する。しかしながら、減価償却資産の「購入の代価」とは、原則として売買契約により定められた代金額をいうが、建物と土地が一括して売買された場合(借地権付建物が売買された場合を含む。)において、それぞれの代金額が適正な価額と比較して不合理なものであるとする特段の事情があるときには、合理的な基準により算定される当該資産の合理的な価額をいうと解するのが相当であるところ、請求人が行った本件建物及び本件借地権の代金額の割付けは、本件建物の価額が高額になりすぎていると認められ、本件建物と本件借地権それぞれの代金額が適正な価額と比較して不合理なものであるとする特段の事情が認められること、土地建物が一括して売買された場合の建物の算定方法のうち、あん分法(何らかの基準により算出した土地と建物の価額比により代金額をあん分することにより、土地及び建物の価額を算出する方法)は建物と土地の双方に売主の利益が反映されることになるので、本件建物及び本件借地権の価額を算定する方法として最も合理的であることから、本件の売買契約時における売買代金額に占める本件建物の価額を算出するに当たっては、固定資産税評価額を基礎としたあん分法を用いて算出することが合理的である。(平30. 5. 7 大裁(法・諸)平29-72)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平290006
- 裁決年月日
- 平成30年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、営業業務委託に関する覚書(本件覚書)に基づき支払うこととなる金員(本件金員)は、新規受注案件に係る営業活動の成果に対して支払った業務委託費であり通常の商取引として正当な対価であるから、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、本件覚書の締結日以降に営業業務が履行された事実は認められないこと及び本件覚書以外に本件金員が支払われることを内容とする契約又は合意があったことも認められないことなどからすると、本件金員の支出は、対価性のない支出であるというべきであり、本件金員は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金に該当する。(平30. 4.24 金裁(法・諸)平29-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290105
- 裁決年月日
- 平成30年4月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国外に所在する外国法人(本件外国法人)に対して支払手数料等として支払った金員について、本件外国法人は、同国に所在する請求人の得意先の独占的代理権者であって、請求人が当該得意先に対して販売した商品の不具合等に対して当該得意先と共同して役務の提供をしていることから、当該金員の支払は、反対給付を伴うものであり、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額には該当しない旨主張する。しかしながら、本件外国法人が当該役務を行った事実は認められず、また、請求人の代表者等は、当該得意先の担当部署に当該金員の支払の事実を隠していたことからすれば、本件外国法人が当該得意先と共同で当該役務を行っていたと認められることができず、当該金員の支払額は、対価なく本件外国法人に移転したものであり、法人税法上の寄附金の額に該当する。(平30. 4. 5 東裁(法)平29-105)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290041
- 裁決年月日
- 平成30年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706090
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/9損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№110
要旨
○ 請求人は、太陽光発電設備を取得した事業年度において、同設備に係る償却費の額を損金の額に算入して法人税の確定申告をした後、同設備を当該事業年度内に事業の用に供していなかったとして当該償却費の額を償却超過額として修正申告したところ、当該事業年度の翌事業年度に電力の供給を開始して同設備を事業の用に供したことから、当該翌事業年度の法人税について、同設備に係る償却費の額を損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、同設備は当該事業年度終了時においては事業の用に供されていないから、法人税法上の減価償却資産に該当しない。そして、当該事業年度において償却費として損金経理をしていたとしても、それは法人税法上の減価償却資産に該当しない資産に係るものであって、法人税法第31条《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》第1項に規定する償却費として損金経理をした金額(損金経理額)に該当せず、また、法人税法上の減価償却資産に係る償却超過額にも当たらない。そうすると、請求人が当該事業年度に償却超過額とした金額は、当該翌事業年度において、同条第4項に規定する当該償却事業年度前の各事業年度における当該減価償却資産に係る損金経理額のうち当該償却事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかった金額(償却超過額)には該当せず、当該翌事業年度の損金経理額に含まれないから、当該翌事業年度の損金の額に算入することはできない。(平30. 3.27 関裁(法)平29-41)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290034
- 裁決年月日
- 平成30年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/1中古資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法定耐用年数の全部又は一部を経過した機械及び装置(本件中古資産)を取得したことから、本件中古資産について、耐用年数省令第3条《中古資産の耐用年数》第1項第2号の規定を適用して見積もった耐用年数により償却限度額の計算をしたことは適法である旨主張する。しかしながら、総合償却資産については、資産の相当部分につき中古の資産を一時に取得した場合に限り、当該資産の総合耐用年数を見積もって他の資産と区別して償却することができることとされているところ、本件中古資産は、製品の製造を行う上で一体となって機能する製造設備の一部を構成する機械及び装置であるから総合償却資産の一部に該当するものの、「資産の相当部分につき中古の資産を一時に取得した」ものとは認められないことから、本件中古資産については、総合耐用年数を見積もって、他の資産と区別して償却することはできない。したがって、本件中古資産は、機械及び装置の法定耐用年数により償却限度額の計算を行うこととなる。(平30. 2.20 関裁(法)平29-34)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290015
- 裁決年月日
- 平成30年2月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、競争入札の結果、土地(本件土地)とともに取得した各建物(本件各建物)の取得価額について、①入札時点で本件土地及び本件各建物の個々の価額が提示されておらず、売買当事者間で個々の価額についてまで合意して売買契約を締結したものではないこと、②本件各建物には相当の固定資産税等が賦課されていること等、売買契約書に記載された本件各建物の価額(零円)によるべきでない特段の事情があるから、本件各建物の取得価額は、本件各建物の固定資産税の税額等を参考に算出した価額とすべきである旨主張する。しかしながら、①請求人は本件各建物を落札した後に売買契約を締結しないことによって、落札の効力を失わせることができたにもかかわらず、契約を締結していること、②請求人と売主の間には特殊な利害関係がなく、請求人と売主が通謀して租税回避の意思や脱税目的等の下に故意に実体と異なる内容を契約書に表示したなどの特段の事情が認められないこと、③売主は、鑑定を依頼した2名の不動産鑑定士が評価した評価額に基づいて本件各建物の価額を決定しているところ、その価額決定の経緯に不自然な点は見当たらないことから、請求人と売主は売買契約書に記載された内容で合意し売買契約の締結に至ったものと認められる。したがって、本件各建物の取得価額は、売買契約書に記載された価額によるのが相当である。(平30. 2. 7 広裁(法・諸)平29-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290050
- 裁決年月日
- 平成30年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人名義、請求人の代表者及びその妻名義の普通預金口座等(本件各口座)の入出金状況から、売上原価等を算定して更正処分等を行ったことに対し、原処分庁が算定した売上原価等には現金などで支払っていた売上原価等の大部分が算入されていない旨、及び、請求人提出資料を基に計算すると売上原価等の大部分が算入されていない旨主張する。しかしながら、請求人の総勘定元帳は、請求人の売上げ及び仕入れ等の一部しか記載されていないものと認められること等から、請求人が事業のために利用していたと認められる本件各口座の入出金内容から売上原価等の金額を算定することは合理的であり、本件各口座の出金状況を検討したところ、原処分庁認定額は実際の売上原価等の金額よりも多い可能性も十分に考えられ、また、請求人提出資料を検討すると、当該資料の内容の正確性を確認する資料がないことなど、記載内容を信用することができず、その他、請求人の主張する売上原価等を認めるに足りる証拠はないことから、原処分庁認定額を超える請求人の主張する売上原価等を損金の額に算入することはできないと認められる。(平30. 2. 6 大裁(法・諸)平29-50)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290050
- 裁決年月日
- 平成30年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人名義、請求人の代表者(本件代表者)及びその妻名義の普通預金口座等(本件各口座)の入出金状況から、代表者給与を算定して更正処分等を行ったことに対し、本件各口座には、請求人の売上げ以外の入金もあり、原処分庁が算定した代表者給与の一部は請求人以外の財産が原資となっており、当該一部については代表者給与ではない旨主張する。しかしながら、本件各口座の入金内容からみて、本件代表者及びその妻の個人的な入金が認められることから、請求人から本件代表者への役員給与(本件代表者給与)の金額は、①本件代表者が本件各口座から個人的に費消した金額から、②本件代表者及びその妻が請求人の事業と関係なく本件各口座に入金した金額を差し引くことにより算定するのが相当と認められる。そこで検討するに、原処分庁が本件代表者の個人的費用と認定した本件各口座からの振込出金の額は、実際の①を上回ることはなく、むしろ下回っている可能性があること、原処分庁が本件各口座への入金のうち請求人の事業との関連性が認められないと判断した額は、実際の②の額を下回るものではないことから、本件代表者給与は、原処分庁認定額を下回ることはないというべきである。したがって、請求人は、本件代表者給与として、少なくとも原処分庁認定額を支払ったものと認められる。(平30. 2. 6 大裁(法・諸)平29-50)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平290002
- 裁決年月日
- 平成29年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が設置した太陽光発電設備(本件設備)を事業の用に供した日について、電力会社の一方的な都合により決定した系統連系工事を了した日とするのは相当でなく、請求人が電力会社に対して行う手続の最終段階である工事費負担金の支払を終えた日とするべきである旨主張する。しかしながら、減価償却資産を事業の用に供しているというためには、業種、業態、その資産の構成及び使用の状況を総合的に勘案し、その資産の属性に従って本来の目的のために使用を開始したことが必要と解されるところ、本件設備を事業の用に供したというためには、系統連系工事を了し、電力会社へ発電した電力の供給を開始した事実を必要とするのが相当である。これを本件設備についてみると、系統連系工事を了し、電力の供給が開始された日は、本件事業年度の翌事業年度に属する日であるから、請求人は、本件設備を本件事業年度内に事業の用に供したとは認められない。(平29.12.21 金裁(法)平29-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290063
- 裁決年月日
- 平成29年12月12日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716120
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/12福利厚生費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の退職者を被保険者とする終身がん保険契約等(本件各保険契約)に係る支払保険料(本件退職者支払保険料)について、退職者に関する費用は、事業活動と直接の関連性を有する業務遂行上必要な費用であるとはいえず、業務との関連性が認められないから、損金の額に算入することはできない旨主張する。しかしながら、本件各保険契約は、請求人の従業員の福利厚生を目的とした社内制度に基づく見舞金等の原資とするために締結したものであり、請求人は、社内規程や入退社する従業員に対し周知する書面等により、従業員が退職した後5年間は、受取保険金を原資として退職者に見舞金等を支払うことを約しているのであるから、本件退職者支払保険料は、請求人の業務との関連性を有し、業務の遂行上必要と認められるから、損金の額に算入することができる。(平29.12.12 東裁(法)平29-63)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290017
- 裁決年月日
- 平成29年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/12その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№109
要旨
○ 請求人は、租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第1項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、その製作の後、製作者又は製作者から取得した者の下で固定資産として使用されたことのないものをいうとして、請求人が取得した機械装置(本件機械装置)は、製作された後請求人が取得するまでの間、①その販売者(本件販売者)の固定資産として使用されたことはなく、また、棚卸資産として管理されていて資産価値の減少はないこと、②本件販売者による1年間の保証の下、新品として取得したものであることから、本件機械装置は同項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当する旨主張する。しかしながら、同項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、その製作者及び取得した販売者(販売者等)において使用されたことのない、いわゆる新品であるものをいい、それに該当するかどうかは販売者等における業種、業態、その資産の構成及び使用の状況に係る事実関係を総合的に勘案して判断することとなる。本件機械装置は、製作された後、本件販売者において1年以上にわたり展示場での展示及び実演に供され、部品交換もされていたのであり、これらの事情を総合的に勘案すると、本件販売者において使用されていたというべきであり、「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当しない。(平29.10.31 関裁(法)平29-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290046
- 裁決年月日
- 平成29年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、顧客に対し、商品の購入金額に応じて付与したポイント(本件ポイント)に相当する金額について、本件ポイントを付与した時に法人税基本通達2−2−12《債務の確定の判定》に定める債務確定の要件を満たしているから、その付与した日の属する事業年度の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件ポイントの使用に要する費用に係る債務については、顧客が本件ポイントの使用を申し出て、実際に使用された時に初めて当該債務の内容等が具体的になるのであって、本件ポイントの付与時には具体的な給付原因となる事実が発生していると認めることはできないから、本件ポイントに相当する金額は、顧客が本件ポイントを使用した日の属する事業年度の損金の額に算入されることとなる。(平29.10.17 東裁(法)平29-46)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290003
- 裁決年月日
- 平成29年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/2勤務事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の元代表者及び現代表者の子(「本件子」)の仕事は、自宅において、請求人の営む道路の維持管理事業に関して、バリアフリーの推進のため、道路の段差解消等の必要性について、元代表者に助言することであり、請求人の従業員として勤務していた旨主張する。しかしながら、本件子が請求人に雇用されていたことを証する書類はなく、請求人の就業規則に在宅勤務に関する定めがないにもかかわらず、本社事務所に出勤したことがなく、また、他の従業員と異なり、作業日報の作成や給与等の額の支給の際に就労時間等について確認や管理をされることもなく、雇用保険料を控除されていなかったことに加え、請求人の指示管理の下で本件子に労務を提供させていたことを裏付ける資料も提出されていないことを総合すると、本件子は、請求人の従業員として勤務していたとは認められない。(平29. 9. 5 関裁(法・諸)平29-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290003
- 裁決年月日
- 平成29年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、棚卸資産ではあるが東日本大震災に起因する原子力発電所の事故により移動が不可能となった倉庫に保管していた在庫品(以下「本件在庫品」という。)について、風評被害のため無価値となったと判断し、廃棄損(本件廃棄損)に振り替える旨の振替伝票を作成したことで、実質的には評価替えをしたものといえ、仮に、このような処理が認められないとしても本件在庫品について、実質的には使用を廃止した固定資産と同様の状況にあるから、法人税基本通達7−7−2《有姿除却》(本件通達)に準じて除却したものとして、本件除却損を損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、請求人は、本件在庫品は倉庫に保管されており、廃棄されていたとはいえないこと、また、本件在庫品は棚卸資産であるから、仮に無価値となっていたとしても、固定資産についての例外的な取扱いである本件通達に定める有姿除却がされていたとみることもできないと認められるから、本件廃棄損は損金の額に算入できない。(平29. 9. 5 関裁(法・諸)平29-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290003
- 裁決年月日
- 平成29年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人を契約者及び支払者とする、請求人の代表者(本件代表者)名義のカード使用額における支出(本件支出)は、本件代表者が取引先への中元、歳暮の贈答品の手配など、事務担当者では目の届かない部分を補うためのものであったから、請求人の業務との関連性があるとして、本件支出は、本件代表者に対する役員給与に該当しない旨主張する。しかしながら、本件支出の内容は、主に食品及び日用品の購入代金並びに飲食費であり、総勘定元帳に物品等の内容や接待交際の相手方等について具体的な記載がないことが認められる。また、当該カードが、契約者(支払者)を請求人、カード名義人(使用者)を本件代表者とするものであること、本件代表者以外の者が当該カードを使用していたことをうかがわせる事実が認められない。これらのことから、本件支出は、請求人の業務と関連するものではなく、本件代表者により当該カードを食品及び日用品の購入代金並びに飲食費の支払に使用することにより、当該カードの使用額に相当する額の役員給与の支給を受けたものと見るのが相当であるから、本件支出は、本件代表者に対する役員給与の支給に該当する。(平29. 9. 5 関裁(法・諸)平29-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290026
- 裁決年月日
- 平成29年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710021
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/1報酬であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の役員の地位にあった者に対し、和解に基づいて支払った解決金について、当該役員に対する給与には該当せず、訴訟を終結させるための解決金であるから、所得金額の計算上損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、当該和解の内容からすると、当該和解に基づく解決金の支払は当該役員に対する給与の支払とみるべきものであり、当該解決金は法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項各号に規定する給与のいずれにも該当しないことから、請求人は当該解決金を所得金額の計算上損金の額に算入することはできない。(平29. 9. 1 東裁(法・諸)平29-26)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290005
- 裁決年月日
- 平成29年8月24日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取締役4名に対する役員給与(本件役員給与)について、本件役員給与は、請求人から適正に支給されるとともに、当該取締役4名も受領しているから、本件役員給与とこれに係る法定福利費(本件法定福利費)は、法人税の申告において損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、当該取締役4名のうち2名については、本件役員給与の支払の事実が認められず、また、残り2名については、支払の事実が一部認められるものの、当該取締役4名は、いずれも請求人の事業に関して役務の提供をしていなかったと認められる。したがって、本件役員給与は、損金の額に算入することはできず、同様に、本件役員給与に係る本件法定福利費も損金の額に算入することができない。(平29. 8.24 広裁(法・諸)平29-5)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290005
- 裁決年月日
- 平成29年8月24日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員に支払った給与(本件従業員給与)について、適正な役務提供の対価として支給しており、当該従業員も受領しているのであり、これに係る法定福利費(本件法定福利費)も併せて、法人税法上何ら問題はなく、法人税の申告において損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、当該従業員は、請求人の事務所に出勤せず、自宅においても請求人の事業に関して労働の提供を行っていないから、本件従業員給与は、労働の対価である給与とは認められない。したがって、本件従業員給与は、損金の額に算入することはできず、同様に、本件従業員給与に係る本件法定福利費も損金の額に算入することができない。(平29. 8.24 広裁(法・諸)平29-5)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290002
- 裁決年月日
- 平成29年8月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取締役に対する役員給与(本件役員給与)について、請求人から当該取締役へ適正に支給されるとともに、当該取締役も受領しているから、法人税の申告において損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、当該取締役は、請求人に対して、役員としての役務提供をしていないものと認められ、本件役員給与は、審査請求人に対する役務提供とは無関係なものである。また、本件役員給与は、請求人の管理する口座に振り込まれており、当該取締役は本件役員給与を受領していないから、本件役員給与の支払の事実も認められない。したがって、本件役員給与は、法人税の申告において損金の額に算入することはできない。(平29. 8.21 広裁(法・諸)平29-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290002
- 裁決年月日
- 平成29年8月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300711030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/3従業員退職給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人を退職した従業員が、退職したとされる日以降も請求人の下で勤務していることから、同人が退職した事実はなく、請求人が当該従業員に支払った金員は退職金に該当しないため、計上された退職金のうち過大計上された部分については損金の額に算入できない旨主張する。しかしながら、当該従業員は、横領発覚により、請求人での勤務を継続し難くなり、自主的に退職し、他方、後任者への引継ぎのために請求人に再雇用され、再雇用後の給与等の待遇面が退職前と異なっていることからすれば、再雇用された事実のみをもって当該従業員の退職の事実を否定することはできない。また、請求人において退職金支給規定はなかったが取締役会において従業員の退職金支給を決定することは可能であり、退職前2年の年収及び勤続年数等を勘案すると、当該従業員に対する退職金の額が不当に高額であるとは認められない。よって、当該従業員に対する退職金は、退職の事実に起因して支払われたものと認められ、全額を損金に算入することができる。(平29. 8.21 広裁(法・諸)平29-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290002
- 裁決年月日
- 平成29年8月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、2名の者に支給された従業員給与(本件従業員給与)について、適正な役務提供の対価として支給されるとともに、各人とも受領しているのであり、また、法定福利費については、請求人から適正に支給された本件従業員給与に係る社会保険料を納付したにすぎないことから、法人税法上何ら問題はなく、法人税の申告において損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人が当該2名の者を雇用し、請求人に対して役務の提供を行っていたとは認められず、また、請求人が本件従業員給与として金員を振り込んでいた当該2名の者の名義預金口座については、請求人が管理する口座であることから、本件従業員給与を支払った事実は認められない。したがって、本件従業員給与を損金の額に算入することはできず、同様に、本件従業員給与に係る当該法定福利費についても損金の額に算入することはできない。(平29. 8.21 広裁(法・諸)平29-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平290004
- 裁決年月日
- 平成29年8月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取締役(本件取締役)に対する役員給与(本件役員給与)について、請求人から本件取締役へ適正に支給されるとともに、本件取締役も受領しており、法人税法上何ら問題とすべきところはなく、損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件取締役は、請求人に対し、取締役として役務の提供をしておらず、本件役員給与は、請求人に対する役務の提供とは無関係なものである。また、本件取締役は、請求人から総勘定元帳に記載されたとおり現金で本件役員給与を受領しておらず、本件役員給与の支払の事実は認められない。したがって、本件役員給与は、損金の額に算入することはできない。 (平29. 8.21 広裁(法)平29-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290019
- 裁決年月日
- 平成29年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の親族である2名の取締役(本件各取締役)に対する役員給与として損金の額に算入した各金額(本件各役員給与額)は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項第1号に規定する定期同額給与に該当する旨主張する。しかしながら、請求人が作成した給与が記載された書面には、本件各取締役に係る記載はなく、請求人の各事業年度に係る試算表においては、本件各役員給与額が各事業年度の末月に一括して計上されていることが認められる。さらに、請求人は、総勘定元帳あるいは仕訳帳などの帳簿を作成しておらず、各事業年度に係る試算表には資産及び負債に係る記載もないことから、本件各役員給与額の支払及び未払の事実を確認することができないことを併せ考えると、本件各役員給与額の支給時期が1月以下の一定の期間ごとであると認めることはできない。したがって、本件各役員給与額は、定期同額給与に該当せず、損金の額に算入することはできない。(平29. 8. 4 東裁(法)平29-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290004
- 裁決年月日
- 平成29年7月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№108
要旨
○ 請求人は、その代表者(本件役員)が代表取締役社長を辞任し、代表権のない取締役会長となったこと(本件分掌変更)に伴い、請求人が本件役員に対し支給した金員(本件金員)について、本件役員は本件分掌変更により本件役員の各業務に関する権限を他の役員等に移譲し、仕事量、質及び内容が大幅に縮小又は変更したため、請求人の役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあったといえるから、本件金員は法人税法上の退職給与に該当する旨主張する。しかしながら、本件分掌変更に伴い、本件役員の地位や職務につき相当程度の変動が生じたことは認められるものの、本件役員は、本件分掌変更後も、請求人の経営ないし業務において主要な地位を占め、請求人の取締役として重要な決定事項に関与していたことが認められるから、本件役員は、本件分掌変更により、役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあるとはいえず、本件金員は法人税法上の損金算入することができる退職給与に該当しないものと認められる。(平29. 7.14 大裁(法・諸)平29-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290002
- 裁決年月日
- 平成29年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が設置した太陽光発電設備のうち一部(本件設備)について、電力会社との間で電力受給契約を締結し、系統連系を行っているのであるから、本件設備は、本件事業年度内に事業の用に供したものとして、租税特別措置法第42条の5《エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第1項第1号イ及び第6項の各規定(本件特例)により取得価額の全額を減価償却費として損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、請求人は、本件設備に電力会社への申請と異なるパワーコンディショナーが設置されていた事実が発覚したことで、保安上の理由から電力会社が本件設備の系統連系を拒否したため、特別償却を適用するために、電力会社の合意のもと、系統連系と解列を繰り返したのであり、本件設備は、僅かな売電量及び売電金額の存在が認められるものの、そのような若干の売電の実績を残すことによって、本件特例を適用するという目的を実現するために作動されたにすぎず、本質的には、継続的に電力を発生させ電力会社に供給するという本来の目的のために使用を開始されたものと評価することはできないことから、事業の用に供していないものと認められる。(平29. 7. 7 大裁(法)平29-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290004
- 裁決年月日
- 平成29年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716069
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人を窓口として資金の調達を行っていたところ、請求人が当該関連法人を通して利用した資金に係る利息相当額について、請求人がこれを負担することとし、支払手数料を計上したのであるから、当該支払手数料は損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人が主張する当該関連法人を通じた資金調達があったことを裏付ける証拠はなく、当該支払手数料に係る取引があったとは認められないことから、当該支払手数料を損金の額に算入することはできない。(平29. 7. 5 東裁(法・諸)平29-4)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平280007
- 裁決年月日
- 平成29年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、総勘定元帳の雑損失勘定に計上した金額(本件雑損失)は、良品の納品がされなかったことから必要となった代替品の納品に係る費用を見積り計上した金額であって、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項第1号の売上原価等に当たり、また、その金額については、納入先からの指示に基づき適正に見積もった金額である旨主張する。しかしながら、納入先から請求人に対して、返品に係る具体的な数量等を通知した事実、実際に返品した事実及び返品に係る代金を請求した事実が認められない上、請求人からの代替品の納品が翌事業年度に行われていることからすれば、当該事業年度において、請求人の純資産の減少の原因となる支出その他の経済的価値の減少は認められない。したがって、本件雑損失は、当該事業年度の損金の額に算入することはできない。(平29. 6.22 金裁(法・諸)平28-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280057
- 裁決年月日
- 平成29年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、理事らに対する給与その他報酬として損金の額に算入した金額(本件各給与等)は、理事らに対する役員給与及び顧問料としての実体を有するものであるから、仮装経理により理事長に支給された役員給与とはいえない旨主張する。しかしながら、理事らは請求人に対して全く労務又は役務を提供しておらず、まして、請求人の経営に参画していないことなどからすると、本件各給与等は、労務若しくは役務の提供又は理事としての地位に対する対価の性質がなく、給与又は報酬とは認められない。そして、理事長は、請求人において全面的な権限を有し、本件各給与等について自ら支給額を決定していることも考慮すると、本件各給与等は、理事らに対する給与又は報酬ではないにもかかわらず、理事長が請求人を代表して、一方的に理事ら名義の預金口座に振り込んだものである。よって、請求人が理事長に対して支給した役員給与であると認められ、請求人は、本件各給与等の支給先を含めその支払の事実をわい曲したと認められるから、本件各給与等は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第3項に規定する「内国法人が、事実を隠蔽し、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額」に該当し、損金の額に算入することはできない。(平29. 6.14 大裁(法・諸)平28-57)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平280004
- 裁決年月日
- 平成29年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716066
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/6その他の手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分に係る調査の際には提示できなかったが、業務委託契約書及び領収証のとおり支払報酬料(本件支払報酬料)を支払った旨主張する。しかしながら、請求人は、取引先と通謀して当該領収証を作成し、本件支払報酬料を支払ったかのように見せかけたことを自認している上、本件支払報酬料の支払先において、請求人から業務を受託した事実や請求人から本件支払報酬料を受領した事実は認められず、請求人において、本件支払報酬料に係る役務提供を受けたことを裏付ける証拠も認められない。したがって、請求人が本件支払報酬料を支払った事実は認められない。(平29. 6. 7 金裁(法・諸)平28-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280127
- 裁決年月日
- 平成29年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元従業員に対する損害賠償請求権相当額(本件損害賠償請求権相当額)は、元従業員を刑事告訴した日から一般債権の消滅時効期間である10年(民法第167条《債権等の消滅時効》参照)が経過した日において貸倒れになっていたものというべきであるから、当該10年を経過した日を含む事業年度(本件事業年度)の貸倒損失として損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件損害賠償請求権相当額は、本件事業年度以前の事業年度においてその全額が回収できないことが明らかになっていたと認められ、当該本件事業年度以前の事業年度において損金の額に算入すべきであるから、本件損害賠償請求権相当額を本件事業年度の損失として損金の額に算入することはできない。(平29. 5.18 東裁(法)平28-127)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平280015
- 裁決年月日
- 平成29年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各建築工事を受注するために(以下、請求人が受注した各建築工事を「本件各建築工事」という。)、紹介者の指示に従い、やむを得ず本件各業者を一次下請業者として契約し、この契約に基づき本件各業者に本件各支出をしたものであるから、本件各支出は本件各建築工事の工事原価として損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件各支出は、本件各建築工事に必要な費用として支払われたと証拠上認めることができず、本件各建築工事に係る役務を提供していない本件各業者に対する支出と認めるほかないから、本件各支出を本件各建築工事に係る工事原価として損金の額に算入することはできない。(平29. 5. 8 広裁(法・諸)平28-15)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280039
- 裁決年月日
- 平成29年4月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№107
要旨
○ 原処分庁は、請求人の同業類似法人における代表者に対する役員給与の最高額と比較すると、請求人の代表取締役(本件代表者)に対する役員給与(本件役員給与)の額は、極めて高額であり、明らかに不相当に高額な部分があるから、当該最高額を本件代表者に対する役員給与相当額とし、本件役員給与の額のうち役員給与相当額を超える部分の金額は、不相当に高額な部分の金額として損金の額に算入されない旨主張し、請求人は、本件代表者の職務は格別であり、原処分庁が採用した同業類似法人の抽出基準は合理性を有するものではないから、本件役員給与の額について不相当に高額な部分の金額はない旨主張する。しかしながら、審判所の調査の結果、本件代表者の職務の内容が特別に高額な役員給与を支給すべきほどのものとは評価し難く、原処分庁が採用した同業類似法人の抽出基準は合理性があるものと認められる。そして、本件代表者の職務内容に大きな変化はなく、請求人の収益の状況及び使用人給与の支給状況もおおむね一定であるところ、本件役員給与の額は同業類似法人の代表者に対する役員給与の額の最高額を上回るものであり、しかも当該最高額を支給する法人は、請求人よりも相当に経営状況が良好と評価される点を鑑みれば、本件役員給与の額のうち当該最高額を超える部分の金額は不相当に高額な部分の金額であるといえる。ただし、原処分庁が抽出した同業類似法人の中に、請求人とは業種の異なる法人が認められることから、同社を同業類似法人から除外した上で役員給与相当額を算定し、不相当に高額な部分の金額として損金の額に算入されない金額を計算すると、原処分の額を下回ることから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平29. 4.25 関裁(法)平28-39)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平280014
- 裁決年月日
- 平成29年4月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706110
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/11事業用資産の取得事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、生産性向上のために取得した設備等(本件設備等)に係る工事(本件設備工事)の引渡しを受けた日について、本件設備工事に係る請負契約(本件契約)において、納入日が定められており、契約当事者は当該納入日を変更していないのであるから、本件設備工事の引渡しを受けた日は当該納入日とみるべきであり、この場合、当該納入日は産業競争力強化法の施行の日(本件施行日)以後であるから、本件設備等は、租税特別措置法第42条の12の5《生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第2項の規定による特別償却が適用される旨主張する。しかしながら、本件契約に係る契約条件及び本件設備工事に係る工程表などに照らすと、当該納入日は、納入期限を定めたものであって、実際の引渡し日ではない。そして、請求人が本件施行日より前の日付で本件設備工事の請負人に対して交付した検収書は、請求人において、本件設備工事が終了し、本件設備等が稼働していることを実際に確認した上で検収を行い、作成したものと認められ、また、検収完了日には既に本件設備等を事業の用に供していることが明らかであることからすれば、本件設備工事は、遅くとも当該検収完了日には完成し、請求人に引き渡されていたものと認められる。したがって、請求人が本件設備等を取得して事業の用に供したのは、本件施行日より前であるから、同項に規定する特別償却を適用することはできない。(平29. 4.19 札裁(法・諸)平28-14)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平280013
- 裁決年月日
- 平成29年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自身が賃借する店舗(本件店舗)の家賃として計上した賃貸人への支払金額(本件各金員)について、原処分庁は、請求人が賃貸人に対して有していた借入債務(本件借入債務)を返済させるために家賃を減額改定した旨の賃貸人の申述から口頭による家賃の減額の合意があるとして、請求人が家賃として計上した本件各金員は過大であると認定するが、当該賃貸人の申述は本件店舗の家賃の減額改定があったことを裏付けるものとはならないことなどから本件各金員は家賃として適正な金額である旨主張する。しかしながら、本件借入債務の残高を相互に確認した覚書、各関係者の答述の信用性及び請求人を実質的に支配する賃貸人と請求人の主従関係などを総合して判断すると、請求人と賃貸人との間で、毎月債務の返済を行うことに合意するとともに、当該合意に伴い家賃を減額改定することで合意したと認められる。よって、請求人が家賃として計上された本件各金員は過大であったと認められる。(平29. 4. 6 札裁(法・諸)平28-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280032
- 裁決年月日
- 平成29年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、新工場の建設に先駆けて行った、①既存工場の敷地及び新工場の建設予定地の造成工事、②既存工場と新工場の床面の高さを揃えるための切土盛土工事、③軟弱化した地盤の改良工事(①から③の工事を併せて本件各工事)については、専ら新工場の建設を目的として行ったものであり、土地の改良を直接の目的としたものではないから、法人税基本通達7−3−4《土地についてした防壁、石垣積み等の費用》注書きの定めに基づき、本件各工事に係る費用(本件各工事費用)の額は、新工場の建物の取得価額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件各工事は、従前は山間の傾斜地であった各土地を既存工場に連接して新工場を建設できるよう平坦な敷地に形状を変更したものであり、現に固定資産税評価額が上昇したように各土地の価値を高めたものと認められ、本件各工事の規模、構造等からみて土地と区分して構築物とすることが適当と認められる事実は見当たらない。そうすると、本件各工事費用を支出したことにより、各土地の価値を高めたものであるから、本件各工事費用の額のうち、請求人が所有する各土地に係る部分については、当該各土地の取得価額に算入されるべきものであり、新工場の建物の取得価額には含まれない。また、本件各工事費用の額のうち、請求人が使用貸借により借り受けた各土地に係る部分については、当該各土地を無償で使用収益している請求人が当該各土地に対して支出した費用であることに鑑みると、請求人が有益費を支出した、あるいは、使用収益に対する対価的な支出をしたとみる余地があるが、いずれにしても、請求人が当該各土地を使用収益する権利の価値を高める支出とみるべきであって、新工場の建物の取得価額に算入されるべきものではない。(平29. 3.22 関裁(法)平28-32)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280029
- 裁決年月日
- 平成29年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が中国で支払ったとする礼金(本件各礼金)については、その支出先の具体的な名前等を明らかにすることはできないが、中国企業を相手とする取引において必要な支出であり、その支払年月日及び支払金額は各更正の請求書に添付した「支払実績(日本円)」と題する書面(本件書面)に記載のとおりであること、また、その支出内容及び支出先が明らかであり、請求人の業務との関連性があることから、本件各礼金を各事業年度の損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人が提出した本件書面の記載内容のみでは、本件各礼金の使途を確認することができず、請求人の業務との関連性が明らかではないというほかない。そして、当審判所は、請求人が支払ったとする本件各礼金について、支払の事実を証する書類や請求人の業務との関連性に係る証拠資料の提出を求めたものの、請求人は、抽象的な主張をするにとどまり、具体的な支出内容及び支出先を主張立証しなかった。そうすると、本件各礼金については、請求人が提出した本件書面のみでは、請求人の業務との関連性が明らかではなく、他にこれを認めるに足りる証拠資料も見当たらないから、本件各礼金を当該各事業年度の損金の額に算入することはできない。(平29. 2.21 関裁(法)平28-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280085
- 裁決年月日
- 平成29年2月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が業務委託の事実がなく請求人の実質経営者に対する貸付金であると認定した金額(本件業務委託費)について、原処分庁は貸付先を事実誤認により認定しており、請求人以外の者に対する国税犯則取締法に基づく犯則調査(本件犯則調査)において認定された貸付先(本件貸付先)が正当な貸付先であるところ、本件貸付先は既に解散しているから、本件業務委託費と同額が貸倒損失として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件業務委託費は、その支出の事実は確認できるものの、役務提供の事実がない支出であると認められることから費用として損金の額に算入することはできず、また、請求人において貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足る立証を行わない限り、事実上その不存在が推定されるものと解するのが相当であるところ、請求人は、本件業務委託費に相当する金額の発生原因、内容、帰属及び回収不能の事実等を立証せず、貸倒損失として損金の額に算入することができるとする事実等が不明であることから、当該金額を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平29. 2. 9 東裁(法)平28-85)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280026
- 裁決年月日
- 平成29年1月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712080
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/8無償貸与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№106
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社を通じて行っていた事業について、新会社を設立し、当該新会社に当該事業を承継させることなどの方法により、請求人が当該事業から撤退したものであるから、当該事業承継に際し、請求人が当該新会社に対して、当該新会社が請求人に支払うべき賃貸料を免除したこと(本件免除)は、法人税基本通達9−4−1《子会社等を整理する場合の損失負担等》の要件を充足するから、本件免除の額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、本件免除についてみると、請求人が子会社等の解散、経営権の譲渡等に伴い当該子会社等のために損失負担等をしたものとは認められないことから、法人税基本通達9−4−1の適用はないところ、本件免除が、業績不振の子会社の倒産を防止するためにやむを得ず行われたものとは認められず、合理的な再建計画に基づくものとも認められない。以上のことからすると、本件免除に経済合理性があるとは認められないから、本件免除の額は法人税法第37条に規定する寄附金の額に該当する。(平29. 1.26 関裁(法)平28-26)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280071
- 裁決年月日
- 平成28年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、税理士に対して支払ったとする報酬(本件支払報酬)及び事務所等として使用していた物件の所有者に対して支払ったとする家賃(本件支払家賃)について、それぞれ契約を締結し、実際に支出したものであるから、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件支払報酬については税理士から顧問契約に基づく役務提供を受けた事実は存在せず、本件支払家賃については賃貸借契約は存在せず、また、いずれもその支出があったとは認められないことから架空に計上されたものであると認められ、これらは法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項各号のいずれにも該当しないから、法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(平28.12.20 東裁(法・諸)平28-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280066
- 裁決年月日
- 平成28年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、使用人(本件受給者)に対する給与として支給した金額(本件各支給額)は、使用人に対する労務の対価であり、請求人の代表者(本件代表者)に対する給与(経済的利益の供与)を使用人に対する給与と仮装して支給したものではない旨主張する。しかしながら、本件受給者が請求人に勤務した実態はなく、本件受給者が提供する労務は、本件代表者に対する個人的な手助けや協力の域にとどまると認められることなどからすれば、本件各支給額は、本件受給者に対する給与ではなく、本件代表者に対する給与であると認められる。そうすると、請求人は、本件受給者に勤務の実態がないにもかかわらず、事実に基づかない出勤簿を作成して本件受給者に対する給料手当を計上し、あたかも本件受給者に勤務の実態があったかのように事実をわい曲し、また、本件代表者が個人的に負担すべき本件各支給額を、本件受給者に対する給与として事実を仮装して経理をしていたと認められる。したがって、本件各支給額は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第3項に規定する「内国法人が、事実を隠ぺいし、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額」に該当し、損金の額に算入することはできない。(平28.12. 6 東裁(法・諸)平28-66)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平280006
- 裁決年月日
- 平成28年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が一括取得した土地及び建物について、①建物の価額は、建物の客観的状態及び所有権移転登記完了後に賦課された不動産取得税の金額からみて高額になると予想され、かつ、②売買契約書(本件契約書)に記載された土地の価額は、請求人が以前に取得した隣接する土地の価額などからみて高額であることからすれば、本件契約書に記載された土地及び建物の価額は、時価と大きくかい離し、合理的に区分されたものとはいえないので、土地及び建物の購入の代価は、不動産取得税の賦課割合を基にあん分して算定すべきである旨主張する。しかしながら、本件契約書には、土地及び建物それぞれの売買価額が明確に区分して記載され、明示されているから、土地及び建物の購入の代価は、それとは異なる金額が実際には合意された金額であったなどの特段の事情のない限り、本件契約書に記載された金額とするのが合理的である。本件において、建物の価額については、契約当事者の間に売買契約締結時において、建物を使用せずに解体する予定があったと認められることからすれば、その売買価額を零円とすることに合意したとしても不合理であったとはいえない。また、土地の価額は、請求人が約1年後に取得した隣接する土地の価額と比較した場合、合理性を欠くものであるとはいえない。したがって、本件契約書に記載された土地及び建物それぞれの売買価額を購入の代価とすべきではない特段の事情があるとは認められず、土地及び建物の購入の代価は、請求人と売主が本件契約書において合意し、請求人が実際に対価として支払うことになった金額とするのが相当である。(平28.11.18 熊裁(法)平28-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280022
- 裁決年月日
- 平成28年11月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付金債権(本件債権)に係る金銭授受の証拠である領収書(本件領収書)に何ら不自然な点はなく、本件債権の支払請求訴訟において、裁判所から本件債権に係る支払を命ずる決定がされていることからすれば、本件債権の存在は明らかである旨主張する。しかしながら、審判所の調査の結果によれば、本件領収書は信ぴょう性がなく、請求人の代表者の申述も信用できない上、請求人は、当該訴訟を提起するまで本件債権の回収の手立てを講じていなかったことからすれば、本件債権はもとより存在しなかったと認めるのが相当である。(平28.11. 9 大裁(法)平28-22)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平280005
- 裁決年月日
- 平成28年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自身の関係会社(本件関係会社)との継続的な取引に係る対価として支出した外注費(本件外注費)とは別に支出した金員(本件金員)は、本件外注費を適正な価格に調整するために請求人と本件関係会社の合意に基づいて支出したものであり対価性があるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第1項に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、本件外注費が、事後に調整することを予定した暫定的なものであるなどといった調整を要するものであったことをうかがわせる事情は認められないほか、本件金員の算定方法は、専ら請求人と本件関係会社の税引前利益の額をどのようにすべきかという観点によるものであり、本件外注費の調整として合理的なものではないことからすれば、本件関係会社への利益供与であると認められ、本件金員は対価性のある支出とはいえない。また、請求人が本件金員を支出しなければ、自身がより大きな損失を被ることが明らかであるといった事情も見当たらず、請求人が本件金員を支出することに経済的合理性も認められない。以上からすれば、本件金員は法人税法第37条第1項に規定する寄附金の額に該当する。(平28.11. 8 札裁(法・諸)平28-5)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平280006
- 裁決年月日
- 平成28年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自身の関係会社(本件関係会社)との継続的な取引に係る対価として支出した外注費(本件外注費)とは別に支出した金員(本件金員)は、本件外注費を適正な価格に調整するために本件関係会社との合意の下に支出したものであり対価性があるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第1項に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、本件金員の算定方法は、専ら本件関係会社及び関係会社Bの税引前利益をどのようにするべきかの観点によるものであり、合理的な算定方法とはいえないほか、本件外注費を事後に調整することを予定した暫定的なものであるとか、調整を要するものであったことをうかがわせるような事情は認められないことなどからすれば、本件金員は、本件外注費を適正な価格とするための調整額ではなく、関係会社Bの損失の補填又は支援を最終的な目的として、その原資を本件関係会社に供与したものと認められ、対価性のある支出とはいえない。また、請求人が本件金員を支出しなければ、自身がより大きな損失を被ることが明らかであるといった事情も見当たらず、請求人が本件金員を支出することに経済的合理性も認められないことから、本件金員は、法人税法第37条第1項に規定する寄附金の額に該当する。(平28.11. 8 札裁(法・諸)平28-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280054
- 裁決年月日
- 平成28年11月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己の所有する不動産の賃貸事業(本件事業)を行っていたが、総勘定元帳等その他の帳簿書類等を一切作成せず法人税等の確定申告書を提出していなかったため、原処分庁から所得の金額があるとする決定処分等(本件決定処分)が行われたところ、本審査請求に至って、本件決定処分において損金の額に算入されていない追加経費(本件追加経費)がある旨主張する。しかしながら、本件追加経費について、本件事業との関連性の立証がなく損金該当性を認めることはできないから、本件追加経費を損金の額に算入することはできない。(平28.11. 7 東裁(法)平28-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280055
- 裁決年月日
- 平成28年11月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、決定処分(本件決定処分)に係る不動産賃貸事業の所得の計算において、損金の額に算入された経費以外に追加して損金の額に算入すべき経費(本件追加経費)はない旨主張する。しかしながら、請求人は総勘定元帳等その他の帳簿書類等を一切作成しておらず、本件決定処分を受けた後、本審査請求に至って初めて本件追加経費があると主張して当該追加経費に係る証拠として領収証等を当審判所に対して提出したものであるが、その一部については請求人の当該不動産賃貸事業に関連して支出したものと認められることから損金の額に算入することができる。他方、それ以外の領収証等に係る支出については、当該業務との関連性の立証がないこと等から損金該当性を認めることはできず、損金の額に算入することはできない。(平28.11. 7 東裁(法)平28-55)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280056
- 裁決年月日
- 平成28年11月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 原処分庁は、決定処分(本件決定処分)に係る不動産賃貸事業の所得の計算において、損金の額に算入された経費以外に追加して損金の額に算入すべき経費(本件追加経費)はない旨主張する。しかしながら、請求人は総勘定元帳等その他の帳簿書類等を一切作成しておらず、本件決定処分を受けた後、本審査請求に至って初めて本件追加経費があると主張して当該追加経費に係る証拠として領収証等を当審判所に対して提出したものであるが、その一部については請求人の当該不動産賃貸事業に関連して支出したものと認められることから損金の額に算入することができる。他方、それ以外の領収証等に係る支出については、当該業務との関連性の立証等がないこと等から損金該当性を認めることはできず、損金の額に算入することはできない。(平28.11. 7 東裁(法・諸)平28-56)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平280001
- 裁決年月日
- 平成28年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、マンション新築工事に係るコンサルタント料の支払(本件各支出)は、実在するコンサルタント契約に基づく支払であるから、当該マンション工事の原価として損金算入が認められるべきである旨主張し、原処分庁は、本件各支出は使途が確認できず、請求人の業務との関連性の有無も明らかではないから、損金算入は認められない旨主張する。しかしながら、本件各支出については、その支払先は認定でき、業務との関連性が認められるものの、当該コンサルタント契約は便宜上のものであって、その実質を有しないことから、コンサルタント料として正当な対価と認めることはできない。なお、本件各支出は、事業に関係のある者に支払われ、請求人が支払先との親睦を密にし、今後の受注に対する期待を込めて謝礼として支出したものと認められることから、租税特別措置法第61条の4《交際費等の損金不算入》第3項に規定する交際費等に該当する。(平28.10.17 広裁(法・諸)平28-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280013
- 裁決年月日
- 平成28年10月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が設置した太陽光発電設備(本件設備)を事業の用に供した日については、本件設備が稼働したか否かを問わず、本件設備の引渡しを受けた日とすべきである旨主張する。しかしながら、減価償却資産を事業の用に供したと認められるか否かは、業種、業態、その資産の構成及び使用の状況を総合的に勘案し、その資産の属性に従って本来の目的のために使用を開始したといえるか否かによって判定するのが相当であるところ、本件設備が本来の目的のために使用を開始した日は、本件設備の使用に必要不可欠な系統連係が行われた日と認められ、当該系統連係を受けた日は本件事業年度の翌事業年度に属する日であるから、本件事業年度において、本件設備を事業の用に供したとは認められない。(平28.10. 3 大裁(法)平28-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280020
- 裁決年月日
- 平成28年8月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原子力発電所の事故により請求人が受領し収益の額に計上した損害賠償金(本件賠償金)については、平成22年4月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律(口蹄疫免税臨特法)第2条《法人税の特例》第1項に規定されている手当金等と被災者の生活再建のための金銭であり、そのためには免税措置が必要不可欠なものであるという点等で共通していることから、同項を類推適用し、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件賠償金の額は、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項各号に規定する「売上原価」等に該当せず、その他本件賠償金の額を損金の額に算入する旨の別段の定め等もないのであるから、損金の額には算入されない。また、口蹄疫免税臨特法第2条第1項は、特定の手当金等に係る利益の額に相当する金額を損金の額に算入する旨の規定であるから、みだりに当該規定の文言を離れて解釈すべきものではない。(平28. 8.25 東裁(法)平28-20)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平280001
- 裁決年月日
- 平成28年8月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№104
要旨
○ 請求人は、請求人が経営している飲食店(申告店舗)について収入の計上漏れはなく、また、請求人とは異なる者が営業許可の名義人となっている複数の飲食店(本件各店舗)に係る収益は請求人に帰属しないので、請求人から請求人の代表者(本件代表者)に対し、原処分庁が推計の方法により算出した利益(本件利益)に相当する額の給与等は支給されていない旨主張する。しかしながら、申告店舗と本件各店舗の経営実態は何ら変わるところはないことからすれば、本件各店舗の収益は請求人に帰属すると認められる。そして、本件利益に相当する請求人の資産は発見されず、本件代表者が申告店舗及び本件各店舗の売上金を回収及び管理し、任意に処分できる状態であったことからすると、本件利益は本件代表者が請求人の事業活動を通じて得た利得であり、給与支出の外形を有していないものの、本件代表者がその地位及び権限に対して受けた給与等であると認められる。したがって、請求人から本件代表者に対し、本件利益に相当する額の給与等が支給されたものと認められる。(平28. 8.22 熊裁(法・諸)平28-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270065
- 裁決年月日
- 平成28年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の元代表取締役に支給した役員退職給与(本件役員退職給与)について、元代表取締役の創業者としての貢献度を評価し、かつ、役員報酬が据え置かれていたことなどを踏まえて算定した相当な金額であり、また、原処分庁が算定した役員退職給与の相当額において、請求人と同種の事業を営み、かつ、その事業規模が類似する法人(同業類似法人)の選定基準に合理性がないから、本件役員退職給与には、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項に規定する不相当に高額な部分の金額はない旨主張する。しかしながら、原処分庁が当該役員退職給与の相当額の算定方法として平均功績倍率法を用いたこと及び原処分庁が請求人の同業類似法人を選定した基準はいずれも合理的であると認められるところ、同業類似法人4社のうち1社は業種に相違があると認められることなどを踏まえて当該役員退職給与の相当額として算定した額を、本件役員退職給与の額が上回ることから、本件役員退職給与のうちその上回る部分の金額は、法人税法第34条第2項に規定する不相当に高額な部分の金額となる。(平28. 6.27 関裁(法)平27-65)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270066
- 裁決年月日
- 平成28年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の元取締役に支給した役員退職給与(本件役員退職給与)について、元取締役の創業者としての貢献度を評価し、かつ、役員報酬が据え置かれていたことなどを踏まえて算定した相当な金額である旨、また、原処分庁が算定した役員退職給与の相当額(原処分庁算定額)において、請求人と同種の事業を営み、かつ、その事業規模が類似する法人(同業類似法人)の選定基準に合理性がないから、本件役員退職給与には、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項に規定する不相当に高額な部分の金額はない旨主張する。しかしながら、原処分庁算定額については、①同業類似法人の選定に当たって取締役ではなく代表取締役に対して退職給与を支給した法人を基準とした点、②選定した同業類似法人のうち事業内容が異なる法人を含めた点、③元取締役の勤続年数を過大に認定した点は相当ではないものの、原処分庁が用いた同業類似法人の選定方法は、退職役員の役職の点を除いて合理的なものといえる。そして、同業類似法人のうち事業内容が異なる法人を除き役員退職給与相当額を算定した場合、原処分庁算定額において代表取締役に対する退職給与を基準とした点及び勤続年数を過大に認定した点を併せ考えると、算定される役員退職給与相当額が原処分庁算定額を上回ることは考え難く、少なくとも原処分庁算定額を超える金額が法人税法第34条第2項に規定する不相当に高額な部分の金額となることは明らかである。(平28. 6.27 関裁(法)平27-66)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270150
- 裁決年月日
- 平成28年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/1役員の範囲/2使用人兼務役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の取締役(本件取締役)は、請求人の株主名簿に株主として記載されておらず、また、本件取締役が株主の権利を行使した事実の確認はとれていないから、請求人の株主とは認められず、法人税法施行令第71条《使用人兼務役員とされない役員》第1項第5号に規定する要件の全てを満たす同族会社の役員に該当しないから使用人兼務役員に該当する旨主張する。しかしながら、請求人において、実務上の弊害がないとして昭和63年頃から株主名簿の書換えが行われておらず、株主を把握する機能を果たすことなく形骸化しているから、本件では、株式の取得経緯、株式の譲渡承認、議決権行使、利益配当等を総合的に考慮して株式の実際の権利者を判定すべきであり、本件取締役が請求人の取締役会において請求人の株式の譲受けを承認されていること、定時株主総会議事録からすると請求人は本件取締役を株主として認め、本件取締役もそれを自認していたこと及び本件取締役に対して配当を支払っていたことなどの各事情を総合的に考慮して判断すると、本件取締役は、請求人の実際の株主と認められ、そうすると、同号に規定する要件を全て満たすことになるから、本件取締役は使用人兼務役員に該当しない。(平28. 6.24 東裁(法)平27-150)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270016
- 裁決年月日
- 平成28年5月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税基本通達9−1−19《減価償却資産の時価》(本件通達)による評価方法は、請求人が譲渡した船舶(本件船舶)の譲渡価額が低額か否かを判断する場合の適正な価額を算定する場合においても当然に妥当する旨主張する。しかしながら、本件通達は、資産について法人税法第33条《資産の評価損の損金不算入等》第2項及び同条第4項に規定する評価損を計上するに当たって、当該資産が、例えば、生産工程において使用される機械設備のように、そもそも市場での流通が予定されておらず、市場における客観的な価格が形成されていない資産である場合に、実務上の便宜に資するため、当該資産の価額の算定において、その評価方法を認める旨を示したものであり、評価損の計上事由が生じておらず、市場における売買価格が当事者双方によって検証され、本件船舶の類似船舶について客観的な価額が形成されていると認められる本件において、本件通達の評価方法によることは相当でない。(平28. 5.19 熊裁(法)平27-16)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270016
- 裁決年月日
- 平成28年5月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁の行った、請求人が譲渡した船舶(本件船舶)の鑑定評価額の算定は、採用した売買事例の比準価格について譲渡資産と同一の尺度で比較・検証されていないほか、本件船舶の個別的要因が評価額に反映されておらず、また、費用性、市場性及び収益性の三つを考慮した複数の評価方法による検証が十分になされていないなど、本件船舶の適正な価額として合理性を認めることはできない。これに対し、請求人の鑑定評価額の算定は、本件船舶の減価の度合など個別的要因に係る資料を収集して評価時点の現況を考慮した上で、上記の三点に対応するコストアプローチ(原価法)、マーケットアプローチ(取引事例比較法)及びインカムアプローチ(収益還元法)の三手法により求めたそれぞれの評価額を比較検討し、当該三手法の中から最も相対的規範性が高いとするコストアプローチ(原価法)による評価額を採用したものであり、合理的かつ適切な方法により評価されたものといえることから、請求人の鑑定評価額をもって本件船舶の適正な価額と認めることが相当である。(平28. 5.19 熊裁(法)平27-16)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270016
- 裁決年月日
- 平成28年5月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、競合会社との共同事業実現のため、やむを得ず船舶(本件船舶)を譲渡対価の額(本件譲渡価額)で関連会社に譲渡したものであり、関連会社間の利益移転を目的としたものではなく、また、本件船舶を譲渡せず、請求人が直接傭船したとしても本件譲渡価額を上回る利益を得ることはできないのであるから、本件船舶を本件譲渡価額で譲渡したことには通常の経済取引として是認することができる合理的理由が存在し、本件譲渡価額と適正な価額との差額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、当該譲渡は、当該差額分低廉な価額で譲渡したものといえ、他に当該差額が何らかの対価であったと認めるに足る証拠はなく、通常の経済取引として是認することができる合理的理由の存在を認めることはできず、寄附金に該当すると認められるところ、請求人の主張は、関連会社グループ内の事情及び関連会社グループ内の当事者間のみにおいて享受できる利益を前提とした価格決定の理由をいうものにすぎず、当該差額が寄附金であるとの認定を左右しない。(平28. 5.19 熊裁(法)平27-16)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270017
- 裁決年月日
- 平成28年5月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、競合会社との共同事業実現のため、やむを得ず各船舶(本件各船舶)を譲渡対価の額(本件各譲渡価額)で関連会社に譲渡したものであり、関連会社間の利益移転を目的としたものではなく、また、本件各船舶を譲渡せず、請求人が直接傭船しても本件各譲渡価額を上回る利益を得ることはできないのであるから、本件各船舶を本件各譲渡価額で譲渡したことには通常の経済取引として是認することができる合理的理由が存在し、本件各譲渡価額と適正な価額との差額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、当該譲渡は、当該差額分低廉な価額で譲渡したものといえ、他に当該差額が何らかの対価であったと認めるに足る証拠はなく、通常の経済取引として是認することができる合理的理由の存在を認めることはできず、寄附金に該当すると認められるところ、請求人の主張は、関連会社グループ内の事情及び関連会社グループ内の当事者間のみにおいて享受できる利益を前提とした価格決定の理由をいうものにすぎず、当該差額が寄附金であるとの認定を左右しない。(平28. 5.19 熊裁(法)平27-17)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270017
- 裁決年月日
- 平成28年5月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁の行った、請求人が譲渡した各船舶(本件各船舶)の鑑定評価額の算定は、採用した売買事例の比準価格について譲渡資産と同一の尺度で比較・検証されていないほか、本件各船舶の個別的要因が評価額に反映されておらず、また、費用性、市場性及び収益性の三つを考慮した複数の評価方法による検証が十分になされていないなど、本件各船舶の適正な価額として合理性を認めることはできない。これに対し、請求人の鑑定評価額の算定は、本件各船舶の減価の度合など個別的要因に係る資料を収集して評価時点の現況を考慮した上で、上記の三点に対応するコストアプローチ(原価法)、マーケットアプローチ(取引事例比較法)及びインカムアプローチ(収益還元法)の三手法により求めたそれぞれの評価額を比較検討し、当該三手法の中から最も相対的規範性が高いとするコストアプローチ(原価法)による評価額を採用したものであり、合理的かつ適切な方法により評価されたものといえることから、請求人の鑑定評価額をもって本件各船舶の適正な価額と認めることが相当である。(平28. 5.19 熊裁(法)平27-17)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270017
- 裁決年月日
- 平成28年5月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税基本通達9−1−19《減価償却資産の時価》(本件通達)による評価方法は、請求人が譲渡した各船舶(本件各船舶)の譲渡価額が低額か否かを判断する場合の適正な価額を算定する場合においても当然に妥当する旨主張する。しかしながら、本件通達は、資産について法人税法第33条《資産の評価損の損金不算入等》第2項及び同条第4項に規定する評価損を計上するに当たって、当該資産が、例えば、生産工程において使用される機械設備のように、そもそも市場での流通が予定されておらず、市場における客観的な価格が形成されていない資産である場合に、実務上の便宜に資するため、当該資産の価額の算定において、その評価方法を認める旨を示したものであり、評価損の計上事由が生じておらず、市場における売買価格が当事者双方によって検証され、本件各船舶の類似船舶について客観的な価額が形成されていると認められる本件において、本件通達の評価方法によることは相当でない。(平28. 5.19 熊裁(法)平27-17)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270057
- 裁決年月日
- 平成28年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第三者から賃借している店舗の支払家賃(本件家賃)について、原処分庁が本件家賃の計上すべき額から総勘定元帳の地代家賃勘定の本件家賃の支払額を控除した額を損金の額に算入したことに対し、総勘定元帳の地代家賃勘定に計上された本件家賃の支払額のみで損金算入額を算定しており、発生ベースとなっておらず未払費用が正しく反映されていないから、本件家賃について原処分で損金の額に算入された額を超えて損金の額に算入すべき金額がある旨主張する。しかしながら、請求人は、期中に支払額を計上し期末に当期末未払金額と前期未払金額との差額を計上すること、つまり期中はいわゆる現金主義を採り、期末に発生主義に戻すことにより当該事業年度の損金の額とする経理処理方法を採用していることが認められるところ、①各事業年度の地代家賃の未払費用は一括計上され、賃借物件ごとの未払費用は記載されていないこと、②本件家賃について請求人の総勘定元帳に計上がある(ない)が賃貸先の帳簿に記載がない(ある)もの及び金額が一致しないものがあること、③請求人が証拠とする未払費用の内訳書を見ても地代家賃に係る未払費用合計額の増減額と地代家賃の未払費用計上額が符合しない事業年度が複数あり、その程度も単純な計算誤りとはいえないようなものであることが認められ、これらの事実から本件家賃の当期末未払費用計上額及び前期末未払費用計上額のいずれも特定することができないといわざるを得ない。また、本件家賃について総勘定元帳の地代家賃勘定に支払額として期中に計上された金額の全額を当事業年度の損金の額等に算入された金額であると認め、これを前提に各事業年度において本件家賃として追加で損金の額等に算入されるべき金額を認定した原処分庁の判断に不合理な点は見いだせず、更正処分時に存在し、又は提出された資料等を基に判断して、原処分庁主張額を超えて損金に算入される金額がないものと事実上推認できるというべきである。(平28. 5.18 関裁(法・諸)平27-57)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平270012
- 裁決年月日
- 平成28年4月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/2債権放棄等の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№103
要旨
○ 原処分庁は、債権放棄に関する請求人と子会社との間の意思について、回収不能額が不確定な状態の下、子会社に対する売掛債権(本件売掛債権)の全額を放棄する旨の内容虚偽の債権放棄声明文(本件声明文)を作成し交付することで子会社の清算を進めることを企図し、その交付後において、子会社の請求人に対する返済不足額として確定した回収不能額を債権放棄する趣旨であることが明らかであるなどとして、本件声明文の交付をもって請求人が本件売掛債権を放棄したとは認められない旨主張する。しかしながら、本件売掛債権の放棄に至る経緯等からすれば、請求人は、子会社を破産させることなく清算する必要から本件売掛債権の全額を放棄したと認めるのが自然であり、本件売掛債権の放棄は、請求人の真意に基づくものといえることから、本件声明文の交付をもって、請求人は、本件売掛債権を有効に放棄したものと認められる。そして、請求人が子会社の清算に伴う損失負担を行う理由は認められないので、本件売掛債権の放棄に経済的合理性があるとはいえず、当該子会社の債務超過が相当期間継続した事実もないことから、本件売掛債権の放棄に係る損失の額は法人税法上の寄附金の額に該当する。(平28. 4.14 広裁(法)平27-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270047
- 裁決年月日
- 平成28年3月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/1役員の範囲/1みなし役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 原処分庁は、現代表者(E)が代表取締役に就任する前において、請求人の発行済株式の50%を超える株式を保有していたところ、Eが代表取締役として署名押印している契約書面があり、本件調査時に請求人から提出された文書の記載内容やEの申述からすれば、Eは法人税法施行令第7条《役員の範囲》第2号に規定する経営に従事しているものに該当し、法人税法第2条《定義》第15号の役員に該当する旨主張する。しかしながら、代表取締役でなかったEが代表取締役として署名押印している契約書面があるからといって、代表者でない者が契約当事者になっているにすぎず、その内容も重要な業務に係るものとはいえないことから、経営に従事していたことを裏付けるものとまでは認められず、また、本件調査時に請求人から提出された文書及びEの申述の内容からでは、Eが人事や資金計画に関わっていたことについて、いつの時点においていかなる役割を担っていたのか明らかでなく、これを具体的に裏付ける証拠収集がなされていない。さらに、Eが請求人の経営に従事していたかどうかについて、役員や従業員に確認を行っておらず、経営に従事していたとする具体的な事実関係が証拠資料上明らかではない。そうすると、原処分庁が主張する事実をもって、Eが請求人の経営に従事していたと認めるに足りないといわざるを得ないから、代表取締役に就任する前においてEが法人税法上の役員に該当するとはいえない。(平28. 3.31 関裁(法・諸)平27-47)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270047
- 裁決年月日
- 平成28年3月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、現代表者(E)及び前代表者(K)に対して支払った報酬について、請求人の役員給与として処理した以上、両名が各自の所得税の事業所得の必要経費として申告した各事業経費は、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》の規定により、請求人の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、同条第3項の規定により内国法人の所得金額の計算上、損金の額に算入することができる支出は、当該法人の業務の遂行上必要と認められるものでなければならないというべきであり、支出のうち、使途の確認ができず、業務との関連性の有無が明らかでないものについては、損金の額に算入することができないところ、Eの総勘定元帳及び領収書等の記載内容からでは、請求人の業務との関連性を合理的に推認させるに足らず、請求人は、当審判所に対してこの点に関する証拠を提出しなかったことから、請求人は、Eの事業経費について請求人の業務との関連性を合理的に推認させるに足りる具体的な立証をしたものとは認められない。また、Kの当該事業経費について、領収書等は提出されておらず、勘定科目ごとの支払額を月ごとに集計した経費明細書の記載内容からではその支払事実を確認することはできず、請求人の業務との関連性を認めることはできない。したがって、請求人の事業経費として損金の額に算入することはできない。(平28. 3.31 関裁(法・諸)平27-47)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270117
- 裁決年月日
- 平成28年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自身が営んでいる事業の用に供している構築物(本件構築物)の耐用年数につき、原処分庁が認定した耐用年数(原処分庁耐用年数)は誤りであり、請求人が確定申告書において適用した耐用年数(請求人耐用年数)が正当である旨主張する。しかしながら、本件構築物について、その用途又は構造に基づき、減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第一により判断すれば、原処分庁耐用年数及び請求人耐用年数が正当であるとは認められない(当審判所が正当な耐用年数を判断したもの)。(平28. 3.24 東裁(法)平27-117)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270052
- 裁決年月日
- 平成28年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物(本件建物)を一括して取得したところ、本件建物の取得価額(本件建物取得価額)について、当該取得に係る国有財産売買契約(本件契約)自体は有効であるが、土地及び本件建物の内訳の価額の合意はされたものではないなどとして、本件建物取得価額は、請求人が依頼した不動産鑑定士による鑑定評価額等から算定した価額によるべきである旨主張する。しかしながら、減価償却資産を売買契約により取得した場合、購入の代価は、原則として当該売買契約により定められた金額がこれに当たると解されるところ、請求人が記名押印して締結された国有財産売買契約書(本件契約書)には、売買代金の内書として、消費税及び地方消費税(消費税等)相当額が記載されており、消費税の課税対象となるのは本件建物のみであるからすると、本件契約において、当該消費税等相当額から逆算した価額により本件建物の売買代金が定められていることが明らかであるというべきであり、請求人は、本件契約において土地及び本件建物の内訳の価額についても合意がされていると認められる。よって、本件建物取得価額は、本件契約書に定められた金額と認めるのが相当である。(平28. 3.11 大裁(法・諸)平27-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270097
- 裁決年月日
- 平成28年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者が理事長を務める学校法人に対し上場株式を譲渡し、その譲渡対価の額(本件譲渡対価の額)を市場価格のおおむね95%相当額としたことについて、相対で上場株式を譲渡する場合の価額は、当事者の思わくや事情により定まるもので市場の終値にはならず、本件譲渡対価の額は請求人及び譲渡先の当該学校法人の思わくや事情を踏まえ決定したものであること、法人税基本通達2−3−7《通常要する価額に比して有利な金額》の注書1は株式の価額と払込金額等の差額が当該株式の価額のおおむね10%相当額以上であるかどうかで判定する旨定めていることなどを理由に、本件譲渡対価の額は適正な価額であり、請求人に寄附金の額は生じない旨主張する。しかしながら、上場株式の譲渡については、特段の事情がない限り、取引日の金融商品取引所の終値を基礎として算出した価額をもって適正な価額と認めるのが相当であるところ、請求人の主張する思わくや事情等は、いずれも本件譲渡対価の額を適正な価額とみるべき特段の事情とは認められない。また、本件譲渡対価の額と適正な価額との差額について、通常の経済取引として是認することができる合理的な理由が存在するとは認められないから、請求人に、当該差額に相当する寄附金の額が生ずることとなる。(平28. 2.17 東裁(法)平27-97)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270086
- 裁決年月日
- 平成28年2月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、旧賃貸人から代表者が賃借していた建物(本件建物)に設置し、代表者に貸し付けていた内装設備等(本件設置設備)に関し、本件建物の明渡し等を求めた訴訟についての和解に係る条項(本件和解条項)で用いられた「現状有姿のまま明け渡した」という文言に本件設置設備の所有権を放棄することが含まれているものと理解していたことを理由に、本件和解条項に従って本件設置設備の所有権を放棄したのであるから、固定資産除却損等として計上した金額は損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、所有権の放棄は相手方のない単独行為であるから、少なくともその意思が一般に外部から認識できる程度になされることが必要であると解されるところ、請求人が本件設置設備の所有権の放棄の意思表示を行っていないこと、また、当該放棄の意思が外部から認識できる程度になされたことを示す証拠は存在しないこと、さらに、本件和解条項において請求人の有する本件設置設備の所有権の放棄に関する記載がないことを併せ考えると、請求人が本件設置設備の所有権を放棄した事実は認められない。そして、請求人は本件設置設備を事業の用に供しているという事実が認められるから、固定資産除却損等として計上した金額のうち、本件設置設備に係る償却限度額を超える部分の金額については、損金の額に算入されない。(平28. 2. 8 東裁(法)平27-86)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270086
- 裁決年月日
- 平成28年2月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、請求人が個人事業を営む代表者に有していた売掛金(本件債権)の放棄は、代表者が旧賃貸人から賃借していた建物(本件建物)に係る旧賃貸人による本件建物の明渡し等を求めた訴訟についての和解により旧賃貸人が代表者に対して債権放棄を行っている事実からも明らかなように、その時点において本件債権の回収可能性がなく、本件債権の放棄の金額は法人税基本通達9−6−1《金銭債権の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ》の(4)の取扱いにより損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件債権の放棄が行われた事業年度(本件事業年度)末の前後における代表者の収入の状況及び本件事業年度中の代表者からの売掛金の回収の状況を考慮すると、本件債権の全額が回収不能とは認められない。また、本件債権を放棄した事実は認められるが、本件債権の放棄が書面により行われたことを示す証拠がないことからすれば、債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額はないのであるから、本件債権の放棄は同通達の(4)に掲げる事実に該当しない。さらに、法人税基本通達9−6−1の(1)ないし(3)に掲げる事実に関する証拠はなく、これらの事実も認められない。したがって、本件債権の放棄は法人税基本通達9−6−1に定める法律上の貸倒れに該当せず、請求人が本件債権の放棄をしたとして計上した雑損失の金額は、貸倒損失として損金の額に算入されない。そして、本件債権の放棄は、回収不能とはいえない債権を放棄したものであるから、対価なくして経済的価値を有する債権を債権者が任意に処分したものであり、かつ、その行為について通常の経済取引として是認できる合理的な理由が存在するとは認められないから、請求人が本件債権の放棄をしたとして計上した雑損失の金額は、寄附金の額に該当する。(平28. 2. 8 東裁(法)平27-86)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270016
- 裁決年月日
- 平成27年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、A社に振込み等を行った金額(本件金員)はA社に対する貸付金であり、これが回収不能である以上、貸倒損失として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は、A社の経営状態等から金銭を貸し付けても回収は容易ではないことを認識していたにもかかわらず、金銭消費貸借契約書の作成や資金回収のための保全措置を執らないまま振込み等を行い、また、請求人が本件金員が返還約束のある貸付金であるとの主張の根拠としている金銭消費貸借契約書についても、事後的に債権放棄通知書と共にA社に送付され押印されたものであることなどから、振込当時に返還約束を合理的に裏付けるものとはいえない。また、請求人は他に振込み等した時点で返還約束があったことをある程度合理的に推認させるに足りる立証をしておらず、当審判所の調査の結果によっても他にそれをうかがわせる事実の存在も認められないことから、本件金員は貸付金ではなく、これを貸倒損失として損金算入することはできない。(平27.12. 9 名裁(法)平27-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270016
- 裁決年月日
- 平成27年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に振込みした金額(本件金員)の真の債務者はB社であり、B社は破綻して本件金員の回収は不能であるから、A社に対する債権(本件債権)はB社に対する貸倒損失として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は、A社に対する振込みに当たって借用書等を作成しておらず、それが返還約束のある貸付金であったこと自体が疑わしい。また、本件債権が返還約束のある貸付金であったとしても、本件金員は請求人がA社名義の口座に振り込んだこと、A社の代表者の申述によれば本件金員はA社の事業資金として請求人に用立ててもらったものであることなどを総合すれば、本件債権の債務者はA社であるというべきである。そして、A社は事業を継続しており、法的整理手続がされた事実もないことから、本件金員の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとはいえず、本件債権を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平27.12. 9 名裁(法)平27-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270016
- 裁決年月日
- 平成27年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表取締役会長が代表権のない取締役会長(本件役員)となったこと(本件分掌変更)、勤務形態が常勤から非常勤になったこと、及び本件役員の報酬が半額以下となったことなどから、その役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあると認められるため、本件役員に支給した退職金は、退職給与に該当し損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件役員は本件分掌変更後においても、重要な取引先である金融機関との交渉、重要な事業用資産の売却取引に対する最終意思決定及び同業者団体の行事に請求人の代表者として継続的に参加している。また、これらの社内外での働きぶりに対して本件分掌変更1年経過後に本件役員の報酬が約3倍以上に増加されたことは、本件役員が請求人にとって貢献度の高い必要不可欠なものであると評価されたことを示すものといえる。さらに、これらの事情に合わせて、本件役員が本件分掌変更後においても、引き続き会長という名称を有し、過半数の株式を保有する筆頭株主であることなどを考慮すれば、本件役員は、本件分掌変更後においても請求人の経営上主要な地位を占めていると認められるため、本件役員は本件分掌変更により、その役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあるとは認められない。(平27.12. 9 名裁(法)平27-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270025
- 裁決年月日
- 平成27年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、期末棚卸資産の計上額(本件棚卸資産計上額)について、期末在庫商品を個別に実地検査し、それぞれの商品のキズ等の劣化具合、型番遅れ等による陳腐化などにより在庫商品の価値を再評価した金額を集計して、含み損が残らない金額にして棚卸計上したものであり、適正に計上されている旨主張する。しかしながら、請求人は、棚卸資産の評価損の計上が認められる事実が生じていることを個別具体的に主張・立証せず、本件棚卸資産計上額は、従業員による実地棚卸しが行われた後に、請求人の代表者が、各商品の個々の状態や個別の評価額を検討することなく、一律の割合で減額したものであり、災害による著しい損傷、著しい陳腐化、破損、型崩れ、たなざらし、品質変化等の評価損の計上が認められる事実が生じているとは認めることはできない。(平27.11.13 大裁(法)平27-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270054
- 裁決年月日
- 平成27年11月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連結親法人であり後に破産した債務者であるA社に対し書面により放棄した債権(本件債権)の全額が回収不能であることが客観的に明らかであったか否かについて、A社の子会社であり後に破産したB社の外部金融機関に対する債務をA社が債務保証していたことから、A社も当該債務を同様に負担していたとみるべきであり、本件債権は当該外部金融機関の債権に対して劣後的扱いを受けざるを得ない状況にあったこと、また、請求人の回収可能額は僅かであったことなどを総合的に考慮すると、本件債権は、本件債権の放棄(本件債権放棄)の時点において、その全額が回収不能であることが客観的に明らかであった旨主張する。しかしながら、本件債権放棄による損失の額を損金の額に算入するためには、本件債権について、回収不能の要件と債務超過状態継続の要件のいずれも満たす必要があるところ、本件債権放棄の時までにA社が当該保証債務について履行をする責任を負った事実や当該外部金融機関が本件債権放棄を要請した事実はなく、A社の本件債権放棄の前々日における資産の状況は、同社が本件債権放棄の前日に放棄をした債権の額を除いたとしてもなお1億円超の資産を有していたものと認められ、これらの資産が本件債権放棄の時までに消滅等した事実は認められず、また、本件債権放棄の時において、A社の資産の具体的な処分方針等が決まっていた事実は認められないことからその時点において、本件債権の全額が回収不能であったとは認められない。したがって、債務超過の状態の継続の有無について判断するまでもなく、本件債権放棄は回収不能とはいえない債権を放棄したものであり、本件債権放棄による損失の額は貸倒損失の額に該当せず、対価なくして経済的価値を有する債権を債権者が任意に処分したものであり、その行為について通常の経済取引として是認できる合理的な理由が存在しない限り、寄附金の額に該当し、損金の額に算入されない。(平27.11. 4 東裁(法)平27-54)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270020
- 裁決年月日
- 平成27年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、耐用年数省令において別表第一の器具及び備品の細目に掲げられる個々の減価償却資産と、別表第二の機械及び装置に掲げられる各設備を構成する個々の減価償却資産といずれにも該当する減価償却資産は存在せず、別表第一に列挙された機器はすべからく器具及び備品と扱われるべきであるなどして、原処分庁が機械及び装置に該当するとした減価償却資産のうち別表第一に列挙されている機器(本件対象資産)は器具及び備品と扱われるべきである旨主張する。しかしながら、機械及び装置とは、複数の機器により設備を形成し、かつ、設備の一部としてそれぞれのものがその機能を果たすもので、工程の最初から最後に至るまで有機的に牽連結合して一体として用いられる性質を有するものをいうものと解するのが相当であり、本件対象資産を含む各機器は、製造工程に沿って各機器が順次その機能を果たせるよう、機能的に、かつ近接して設置されているものと認められる。さらに、本件対象資産は、ほかの各機器とともに製造設備を構成し、製品の製造という最終目標に向けて、一連の製造工程の一部としてそれぞれの機能を果たしており、工程の最初から最後に至るまで有機的に牽連結合して一体として用いられる性質を有することから、機械及び装置に当たるというべきである。(平27.10.21 大裁(法)平27-20)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270005
- 裁決年月日
- 平成27年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/3資本的支出と修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、機械式駐車設備(本件駐車設備)の補修工事費用のうち、原処分庁が資本的支出に該当するとした循環装置駆動部(本件循環装置)の電動機、制御用ブレーキ、停止用ブレーキ及び減速機入力軸(本件各部品)の取替工事費用は、本件駐車設備の通常の維持管理のため、又は摩耗、劣化、き損した固定資産につきその原状を回復するために要した費用であり、修繕費に該当する旨主張する。しかしながら、本件駐車設備は、車両を搭載する複数のケージを循環させることにより初めてその機能が発揮されるところ、本件循環装置は、その複数のケージを循環・停止させるための動力装置であって、電動機の回転及び制御用ブレーキと減速機入力軸で繋がれた減速機の減速によりケージを循環させ、停止用ブレーキによりその循環を停止させることからすれば、本件循環装置を構成する本件各部品は、本件駐車設備全体を機能させるための主要部品であるといえる。そして、本件各部品の取替工事は、本件駐車設備において通常の維持管理のために定期的に行われている修理、取替えとは異なり、取得時に予測された使用可能期間を超える経年劣化に基因して、本件駐車設備の竣工以来初めて本件各部品の全部を新しい部品に取り替えたものであって、通常の使用により使用可能期間が経過した固定資産の主要部品について新たな取得が行われたものといえ、本件循環装置ひいては本件駐車設備全体の使用可能期間を延長させる効果があったものと認められることから、本件各部品の取替工事費用は、資本的支出に該当する。(平27.10.15 熊裁(法)平27-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270046
- 裁決年月日
- 平成27年10月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/2債権放棄等の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先から受け取った約束手形で不渡りとなったものに係る債権の一部について、当事業年度において、債務者の債務超過の状態が相当期間継続し回収不能と判断した上で、当該債務者に対して書面通知により債権放棄したのであるから、当事業年度の損金の額に算入したことは相当である旨主張し、原処分庁は、請求人が当該債権について、過年度において、その全額が回収できないことが明らかになったものと認められることから、その明らかになった事業年度において損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該書面通知による意思表示は債務者には到達しておらず債権放棄はその効力が生じていないことから、当該債権の一部は、法律上消滅していないと認められること、また、当該債権について、事実上もその全額が回収できないことが明らかになったと特定することはできないことから、当事業年度の損金の額に算入することはできない。(平27.10. 2 東裁(法)平27-46)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平270001
- 裁決年月日
- 平成27年9月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が取得し事業の用に供した自家用給油所(本件給油所)は、それを構成する各設備が一体となって給油という機能、効用を有しているから本件給油所全体が一つの機械及び装置に該当する旨主張する。しかしながら、本件給油所は、それぞれ独立の機能、効用を有する①構築物、②工具、器具及び備品、③機械及び装置から構成されていると認められるから、本件給油所全体を一の機械及び装置とみることはできない。(平27. 9. 8 札裁(法)平27-1)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平270007
- 裁決年月日
- 平成27年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/4評価方法
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が原材料のはちみつの種類等を①国内産原材料と②外国産原材料の二つに区別(請求人区別)して期末棚卸資産の評価額を計算して申告したことについて、原処分庁が①国内産原材料は「採蜜源の花」別に、②外国産原材料は「採蜜国」別に区別(原処分庁区別)して期末棚卸資産の評価額を計算し、請求人区別の違法性を証明しないまま更正処分をしたことは違法である旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第28条《棚卸資産の評価の方法》第1項第1号ホ(最終仕入原価法)は、期末棚卸資産をその種類等の異なるごとに区別し、その種類等の同じものについて、当該事業年度終了の時から最も近い時に取得をしたものの1単位当たりの取得価額(最終取得時の取得価額)をその1単位当たりの取得価額とする旨規定しており、取得価額が恒常的に明らかに異なる複数の期末棚卸資産について、それらを同じものとし、そのいずれかの取得価額で評価額を計算すれば、算定される売上原価は収益に対応するものにならないことは明らかであるから、取得価額が恒常的に明らかに異なるものは、「その種類等の同じもの」とはいえないと解するのが相当であるところ、①国内産原材料については「採蜜源の花」別に、②外国産原材料については「採蜜国」別に、それぞれの最終取得時の取得価額を見てみると、その取得価額に明らかに開差が認められるから、①国内産原材料については「採蜜源の花」が異なるもの、②外国産原材料については「採蜜国」が異なるものを「その種類等の同じもの」ということはできない。そうすると、請求人区別による期末棚卸資産の評価額の計算は、法人税法施行令第28条第1項第1号ホに規定する最終仕入原価法にのっとったものとは認められないことから適法ということはできず、恒常的に明らかに取得価額が異なるものを「その種類等の異なる」ものとして区別した原処分庁区別による期末棚卸資産の評価額の計算に違法な点はない。(平27. 9. 1 福裁(法)平27-7)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平270003
- 裁決年月日
- 平成27年8月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、総勘定元帳に記載した外注費のうち、実際に外注先に支払った金額(本件金員)は、請求人に対する作業員及び外注先の紹介及び斡旋並びに受注先との受注のためのセッティングなどの役務提供に係る対価の支払であり、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、①当該外注費に係る請求書は、請求人の代表者の指示により請求人の従業員が作成していたこと、②当該外注費が振り込まれた預金口座の通帳及びキャッシュカードを請求人の関係者が預かり、振り込まれた外注費とほぼ同額を現金で引き出して請求人代表者が受領していたことから、当該預金口座は請求人が管理していたものと認められ、これらのことから当該外注費は架空と認められた。さらに、外注先から請求人への役務提供があった事実は確認できず、請求人が外注先に本件金員を支払ったとする事実を認めるに足りる証拠もなく、請求人の主張どおりに本件金員の支払いがあったと直ちに認めることはできない。したがって、仮に本件金員の支払いの事実があったとしても、上記のとおり、役務提供があった事実が認められないことから、本件金員は、損金の額に算入することはできない。(平27. 8.25 仙裁(法)平27-3)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平270001
- 裁決年月日
- 平成27年7月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№100
要旨
○ 請求人は、代表者が青年会議所の会議等(本件各会議等)に出席するための交通費、宿泊費及び日当(本件旅費交通費)は、本件各会議等を含む青年会議所の活動が経営者に対する教育費用、請求人の受注活動費用及び新規事業開拓費用としての性質を有していることなどからすると、請求人の事業の遂行上必要な費用であり、代表者が負担すべきものではないことから、代表者に対する給与に該当しない旨主張する。しかしながら、本件会議等は、特定の個人又は法人の利益を目的として行われるものではなく、青年会議所の定款に掲げられた公益的な目的及び事業の内容に則した活動が行われ、代表者は、そのプログラムに沿った活動を行っており、代表者が本件会議等に出席したことが、取引先の確保や代表者の経営者としての能力の向上、新規事業の開拓に寄与することになったとしても、それは青年会議所の活動に付随する副次的な効果にすぎないことなどからすると、本件旅費交通費は、社会通念に照らし客観的にみて、請求人の事業遂行上必要な費用ではなく、代表者が個人的に負担すべきものであるから、代表者に対する給与に該当する。(平27. 7.28 高裁(法・諸)平27-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270017
- 裁決年月日
- 平成27年7月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空の外注費であると認定した各外注先との取引(本件役務提供取引)について、本件役務提供取引は当該各外注先から営業活動や清掃業務等の役務の提供を受けた実態のある取引であること、また、請求人の代表者が本件役務提供取引の対価として当該各外注先の預金口座に振り込まれた金員を引き出していたのは、同人が当該各外注先に対して個人的に有していた貸付金の返済を受けるためであり、当該貸付金の返済額を差し引いた残額を当該各外注先に対して現金で渡していたのであるから、架空の外注費であるとの原処分庁の認定は誤りである旨主張する。しかしながら、請求人が当該外注先から役務提供を受けたことを証するに足りる証拠はなく、また、請求人の代表者が当該各外注先に対して金銭を貸し付けていた事実及び現金を渡していた事実を証する証拠もないことから、当該各外注先に対する外注費は架空の外注費であったというべきである。したがって、本件役務提供取引に係る外注費の額は、法人税の所得の金額の計算上、損金の額に算入されない。(平27. 7.23 東裁(法・諸)平27-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270018
- 裁決年月日
- 平成27年7月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空の外注費であると認定した各外注先との取引(本件役務提供取引)について、本件役務提供取引は当該各外注先から営業活動や清掃業務等の役務の提供は受けた実態のある取引であること、また、請求人の代表者が本件役務提供取引の対価として当該各外注先の預金口座に振り込まれた金員を引き出していたのは、同人が当該外注先に対して個人的に有していた貸付金の返済を受けるためであり、当該貸付金の返済額を差し引いた残額を当該各外注先に対して現金で渡しているのであるから、架空の外注費であるとの原処分庁の認定は誤りである旨主張する。しかしながら、請求人が当該外注先から役務提供を受けたことを証するに足りる証拠はなく、また、請求人の代表者が当該各外注先に対して金銭を貸し付けていた事実及び現金を渡していた事実を証する証拠もないことから、当該各外注先に対する外注費は架空の外注費であったというべきである。したがって、本件役務提供取引に係る外注費の額は、法人税の所得の金額の計算上、損金の額に算入されない。(平27. 7.23 東裁(法)平27-18)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270001
- 裁決年月日
- 平成27年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№100
要旨
○ 請求人は、請求人の役員ら名義の各預金口座に振り込まれた金員(本件各金員)は、請求人の意思決定の下に役員らへ支給されたとはいえず、また、本件各金員については、役員らが請求人へ返金する旨株主総会において決議したのであるから、本件各金員を請求人から役員らに支給された給与であるとした納税告知処分は違法である旨主張する。しかしながら、法人の代表者等が法人経営の実権を掌握し、法人を実質的に支配している事情がある場合には、法人の代表者等が当該法人の事業活動を通じて得た利得は、給与支出の外形を有しない利得であっても、それが法人の資産から支出されたと認められる場合には、当該利得は法人の代表者等がその地位及び権限に対して受けた給与であると解されるところ、本件においては、役員らが請求人の株式の3分の1ずつを保有し、役員らの決議の下に請求人の経営方針が決定されていることから、請求人の業務においては、役員らが法人経営の実権を掌握し、法人を実質的に支配しているものと認められ、また、本件各金員は、役員らが請求人の事業活動を通じて得た利得であり、役員らが管理する各預金口座に振り込まれ任意に処分できる状態になったことからすれば、役員らの各預金口座に振り込まれた時点で役員らに帰属したといえる。そうすると、本件各金員は、役員らがその地位及び権限に対して請求人から受けた給与であると認められ、当該給与につき、じ後に返還債務が発生した場合であっても、役員らが現実に本件各金員を取得した限り、その時点で給与に該当するというべきである。(平27. 7. 1 熊裁(法・諸)平27-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平260009
- 裁決年月日
- 平成27年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仕入高勘定に計上した現金仕入れ(本件現金仕入れ)について、本件現金仕入れは、いわゆるバッタ取引であり領収証等が交付されないことは当然であって、本件現金仕入れが事実であることは、物品出納帳、現金出納帳及び出金伝票という客観的証拠並びに請求人の各営業所長等の申述によって明らかである旨主張する。しかしながら、①本件現金仕入れに係る商品の管理方法とそれ以外の商品の管理方法とに、本件現金仕入れに係る商品の入庫数量のみを商品管理システムに入力しないなど極めて不自然かつ不合理な相違が生じていること、②本件現金仕入れに係る関係帳簿である物品出納帳の記載内容には、本件現金仕入れの入庫数量と廃棄処理による出庫数量が同時期に計上されているなど、本件現金仕入れに係る商品の入庫がなかったことをうかがわせる点があること、③本件現金仕入れの相手先が実在する旨の各営業所長の申述は、本件現金仕入れの取引回数が各営業所において相当回数に上る取引として計上されているにもかかわらず相手先をほとんど知らないような曖昧かつ一様の申述に終始し信ぴょう性に欠けるのに対し、市場関係者の申述は、本件現金仕入れが実在しないことについて、申述内容が相互に一致しており、その内容に全く不自然な点はなく信用できるものであることなどを総合勘案すれば、本件現金仕入れに係る仕入れの事実はなく、本件現金仕入れは架空に計上されたものと認定するのが相当である。(平27. 6.26 熊裁(法・諸)平26-9)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平260010
- 裁決年月日
- 平成27年6月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仕入高勘定に計上した現金仕入れ(本件現金仕入れ)について、本件現金仕入れは、いわゆるバッタ取引であり、領収証等が交付されないことは当然であって、本件現金仕入れが事実であることは、物品出納帳、現金出納帳及び出金伝票という客観的証拠並びに請求人の営業所長等の申述によって明らかである旨主張する。しかしながら、①本件現金仕入れに係る商品の管理方法とそれ以外の商品の管理方法とに、本件現金仕入れに係る商品の入庫数量のみを商品管理システムに入力しないなど極めて不自然かつ不合理な相違が生じていること、②本件現金仕入れに係る関係帳簿である物品出納帳の記載内容には、本件現金仕入れの入庫数量と廃棄処理等による出庫数量が同時期に計上されているなど、本件現金仕入れに係る商品の入庫がなかったことをうかがわせる点があること、③本件現金仕入れの相手先が実在する旨の請求人の営業所長の申述は、本件現金仕入れに直接携わっている者が営業所長のみであるにもかかわらず相手先をほとんど知らないような曖昧な申述に終始し信ぴょう性に欠けるのに対し、市場関係者の申述は、本件現金仕入れの相手先が実在しないことについて、申述内容が相互に一致しており、その内容に全く不自然な点はなく信用できるものであることなどを総合勘案すれば、本件現金仕入れに係る仕入れの事実はなく、本件現金仕入れは架空に計上されたものと認定するのが相当である。(平27. 6.26 熊裁(法・諸)平26-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260128
- 裁決年月日
- 平成27年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その有する金銭債権(本件金銭債権)について、債務者である法人は既に実体がなく、連帯保証人についても所有資産を競売され、その後行方不明となっており、請求人が把握した当該事業年度における連帯保証人の収入状況や年齢をも考慮すると、本件金銭債権については、当該事業年度において、その全額が回収できないことが明らかになった旨主張する。しかしながら、事実上回収不能であることを理由として貸倒処理することは、債務者(連帯保証人を含む。)の資産状況、支払能力等からみて金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかとなり、かつその明らかとなった事業年度に損金経理した場合に限られるところ、請求人は当該事業年度に連帯保証人に対してその資産状況等の確認をとっている状態を継続させていると認められ、本件金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかになったといえる何らかの事実が当該事業年度に両者の間に生じたとは認められないこと、連帯保証人が行方不明である事実が明らかとなったということもできないこと、請求人が把握した連帯保証人の収入状況からは本件金銭債権が全く回収できないことが客観的に明らかとなるものとは認められないことなどからすれば、本件金銭債権については、当該事業年度において、その全額が回収不能であることが客観的に明らかになったとは認められない。(平27. 6.24 東裁(法・諸)平26-128)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260049
- 裁決年月日
- 平成27年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項第3号に規定する「当該事業年度の取引に係る損金の額」とは、当該事業年度において取引当事者間相互の合意によって成立した金額であると解すべきであり、特定金銭信託契約(本件特金契約)及び投資一任契約の解約に係る損失(本件投資損失)に対する補填の請求(本件損失補填請求)の結果が出るまでの間は、本件投資損失の額は確定していなかったのであるから、本件投資損失の額を損金の額に算入することができるのは、本件損失補填請求を断念した平成22年4月1日から平成23年3月31日までの事業年度(平成23年3月期)である旨主張する。しかしながら、本件特金契約は、昭和63年4月1日から平成元年3月31日までの事業年度(平成元年3月期)に解約されるとともに、平成元年3月期までに本件特金契約の信託財産に係る払戻しがされたのであり、本件投資損失は平成元年3月期までに確定的に発生したというべきであり、本件損失補填請求をしていたと認めるに足りる証拠もないことから、本件投資損失を平成23年3月期の損金の額に算入することはできない。(平27. 6.23 関裁(法)平26-49)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260050
- 裁決年月日
- 平成27年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が元代表者に対して支給した役員退職給与(本件役員退職給与)は、役員退職慰労金規定に基づいて支給されたものであり、役員退職金を恣意的に大きくして租税回避を行ったものではないから、本件役員退職給与は全額損金の額に算入されるべきであり、仮に不相当に高額な部分があったとしても、①同業類似法人の選定に当たり業種及び地域等の事情が適切に反映されておらず平均功績倍率法の適用の前提を欠いていることから、本件役員退職給与相当額は最高功績倍率法により算定すべきであり、②会社法は、役員賞与を役員報酬の一つとして位置付けているのであるから、本件役員退職給与相当額を平均功績倍率法により算定する際の最終報酬月額(本件最終報酬月額)は賞与を加味して算定する旨主張する。しかしながら、役員退職慰労金規定に基づいて支払われたか否かにかかわらず、役員退職給与の額に不相当に高額な部分がある場合には、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項の適用があることから相当に高額な部分の金額は損金の額に算入されない。また、①平均功績倍率法は、その同業類似法人の抽出が合理的に行われる限り、法人税法第34条第2項及び法人税法施行令第70条《過大な役員給与の額》第2号の趣旨に最も合致する合理的な方法であって、同業類似法人の抽出基準が必ずしも十分でない場合、又は、その抽出件数が僅少であり、かつ、当該法人と最高功績倍率を示す同業類似法人が極めて類似していると認められる場合など、平均功績倍率法によるのが不相当である特段の事情がある場合に限って最高功績倍率法を適用すべきであるところ、業種、事業規模、地域及び退職事由等による同業類似法人の選定基準はいずれも合理的であり、②本件役員退職給与支給事業年度において、役員に対する事前確定届出給与(賞与)の支払はないことから、請求人の主張には理由がない。(平27. 6.23 関裁(法)平26-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260112
- 裁決年月日
- 平成27年6月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№99
要旨
○ 請求人は、請求人が競売により一括で取得した土地及び建物(本件建物)等の取得価額の区分について、原処分庁が用いた土地及び家屋の固定資産税評価額の比率によってあん分する方法ではなく、請求人が依頼した不動産鑑定士の鑑定評価における土地と建物等の評価額の比率によってあん分し、法人税に係る建物等の減価償却費の額を計算すべきである旨主張する。しかしながら、鑑定評価による価額を用いたあん分法も一応合理性が認められる方法であるところ、請求人が用いた不動産鑑定士の評価額の計算が本件建物と構造の異なる建物に基づく査定を行っているなど必ずしも合理性のある算出方法となっていない一方、原処分庁が用いた土地及び家屋の固定資産税評価額は、いずれも同一の評価機関により算定されたものであり、かつ、同一時期の時価を反映しているものであることから合理性があるというべきである。よって、固定資産税評価額の比率によってあん分することが相当である。なお、原処分庁の固定資産税評価額の比率によるあん分は、本件建物に設置されたディスプレイ設備に係る固定資産税評価額に相当する額が含まれていないことから、原処分庁の計算は誤りである。(平27. 6. 1 東裁(法・諸)平26-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260108
- 裁決年月日
- 平成27年5月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地とともに一括購入した建物の取得価額について、当該取得に係る売買契約書に記載されている土地及び建物の価額は合理的に区分されたものではないことから、当該契約書に記載された建物の金額(零円)をもとに算出することは適正でなく、当該売買契約に基づく支払金額を含む土地及び建物の取得に要した費用の額の合計額を土地及び建物に適正に配賦して算出すべきである旨主張する。しかしながら、当該売買契約については、契約締結に先立ち実施された入札において売主から提示された①土地及び建物が現況有姿での引渡しとなり、売主は瑕疵担保責任を負担しないこと、②建物の対価を零円とすること、③建物の経年変化を含む土地及び建物に関する留意点などの売却条件等について、請求人がこれらを承諾した上で購入申込みをし、当該購入申込みに際して請求人が提示した応札金額と同額の売買代金により締結されたものであったと認められること、また、請求人及び売主が通謀の上故意に実体と異なる内容を当該売買契約書に表示したなどの特段の事情は認められず、売主が提示した建物対価を零円とする売却条件は、売主における建物の価額としての評価を踏まえたものであり、当該売買契約において建物の価額を零円としたことに特段不合理な点も認められないことからすると、当該建物の購入代価は、当該売買契約書に記載されているとおり零円とするのが相当である。(平27. 5.25 東裁(法)平26-108)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260104
- 裁決年月日
- 平成27年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№99
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社(本件子会社)において、法人税法施行令第68条《資産の評価損の計上ができる場合》第1項第2号ハに規定する「ロに準ずる特別の事実」が生じているので、本件子会社に対する請求人の出資持分に係る評価損を損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、この「ロに準ずる特別の事実」とは、同号ロとは異なる原因、すなわち、その有価証券を発行する法人そのものの資産状態以外の当該有価証券の価額の変動を生じさせる客観的な要素について、災害に準ずるような何らかの「特別の事実」が生じたことにより、当該有価証券の価額が著しく低下し、かつ、その価額の回復の見込みがないような場合を指すものと考えられるところ、本件子会社において法人税法施行令第68条第1項第2号ハに規定する「ロに準ずる特別の事実」が生じているとは認められないことから、本件子会社に対する請求人の出資持分に係る評価損を損金の額に算入することはできない。(平27. 5.20 東裁(法)平26-104)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260104
- 裁決年月日
- 平成27年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№99
要旨
○ 請求人は、法人税法施行令第68条《資産の評価損の計上ができる場合》第1項第2号ロに規定する「有価証券を発行する法人の資産状態が著しく悪化したこと」の判定は、法人税基本通達9−1−9《上場有価証券等以外の有価証券の発行法人の資産状態の判定》に定められた判断基準が唯一絶対の基準ではなく、請求人の子会社(本件子会社)には出資単位として「1株又は1口」という概念がないから、「当該事業年度終了の日における当該有価証券の発行法人の資本金1元当たりの純資産価額が当該有価証券を取得した時の当該発行法人に対する資本金1元当たりの純資産価額に比して50%以上下回ることとなったか否か」により判断すべきであって、これによると、本件子会社は「資産状態が著しく悪化している」といえるから、本件子会社に対する請求人の出資持分に係る評価損を損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、請求人の主張する方法では、本件子会社の設立後、請求人が出資持分を追加取得した時における本件子会社の純資産価額が全く考慮されておらず、有価証券を発行する法人の資産状態を判定する基準として合理的ということはできないところ、本件子会社の各出資者の地位を数量的に測定する単位は、株数又は口数に代えて米ドル数が用いられていることからすると、同通達に定める「1株又は1口当たり」を「1米ドル当たり」として純資産価額を計算するのが相当であり、これによると、本件子会社において1米ドル当たりの純資産価額が50%以上下回っているとはいえず、「有価証券を発行する法人の資産状態が著しく悪化した」とは認められないので、本件子会社に対する請求人の出資持分に係る評価損を損金の額に算入することはできない。(平27. 5.20 東裁(法)平26-104)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260059
- 裁決年月日
- 平成27年5月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、グループ法人(本件グループ法人)に対し、自己の所有する土地建物(本件土地建物)を売却する売買取引(本件売買取引)を行ったとして固定資産売却損を計上したことについて、本件売買取引は、売買契約書(本件売買契約書)が作成され、請求人の取締役会及び本件グループ法人の株主総会の各承認決議(本件各機関承認決議)を経ており、真正に行われたものである旨主張する。しかしながら、本件売買取引について本件各機関承認決議を経て本件売買契約書が作成されてはいるものの、その後原処分時に至るまで、売買代金の支払、所有権移転登記手続、本件土地建物に設定された根抵当権の抹消等といった、本件売買契約書上定められた債務の履行が何らされておらず、請求人は、売買契約の締結後も本件建物の賃料を収受して収益に計上したり、本件土地建物の維持管理費用を請求人自ら支出して経費に計上するなど、従前と変わらず本件土地建物の所有者として振る舞い、他方、本件グループ法人においても本件土地建物の所有者としてこれを使用収益等していた形跡は見られない。また、請求人と本件グループ法人とは同一の代表取締役による一体的な経営支配の下にあるものと認められることから、本件の売買契約のような両社間における契約の締結は、同人の一存によりいかようにもなし得ることに加え、そもそも、請求人も自認するように、請求人と本件グループ法人が売買契約を締結した意図は、請求人において、多額の債務免除益が発生し、これに対する法人税の課税リスクが生じたことから、本件土地建物の売却により固定資産税売却損を計上することによって債務免除益に係る法人税を軽減することにあり、それ以外に、本件グループ法人がその事業の用に供する目的で本件土地建物を取得したような事情は一切うかがわれないことに照らせば、本件の売買契約は、課税対策を目的として便宜的に行われた仮装の取引であり、売買の実体を伴わないものであると認めるのが相当である。(平27. 5.19 大裁(法)平26-59)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260060
- 裁決年月日
- 平成27年5月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、グループ法人(本件グループ法人)から土地建物(本件土地建物)を購入する売買取引(本件売買取引)を行ったとして、建物に係る減価償却費を損金の額に算入し、建物に係る消費税の仕入税額控除を行ったことについて、本件売買取引は、売買契約書(本件売買契約書)が作成され、請求人の株主総会及び本件グループ法人の取締役会の各承認決議(本件各機関承認決議)を経ており、真正に行われたものである旨主張する。しかしながら、本件売買取引について、本件各機関承認決議を経て本件売買契約書が作成されてはいるものの、その後原処分時に至るまで、売買代金の支払、所有権移転登記手続、本件土地建物に設定された根抵当権の抹消等といった、本件売買契約書上定められた債務の履行が何らされておらず、売買契約の締結後も本件グループ法人が本件建物の賃料を収受して収益に計上したり、本件土地建物の維持管理費用を支出して経費に計上するなど、従前と変わらず本件グループ法人が本件土地建物の所有者として振る舞い、他方、請求人においては、本件土地建物の所有者としてこれを使用収益等していた形跡は見られない。また、請求人と本件グループ法人とは同一の代表取締役による一体的な経営支配の下にあるものと認められることから、本件の売買契約のような両社間における契約の締結は、同人の一存によりいかようにもなし得ることに加え、そもそも、請求人と本件グループ法人が売買契約を締結した意図は、本件グループ法人において、多額の債務免除益が発生し、これに対する法人税の課税リスクが生じたことから、本件土地建物の売却により固定資産売却損を計上することによって債務免除益に係る法人税を軽減することにあり、それ以外に、請求人がその事業の用に供する目的で本件土地建物を取得したような事情は一切うかがわれないことに照らせば、本件の売買契約は、課税対策を目的として便宜的に行われた仮装の取引であり、売買の実体を伴わないものであると認めるのが相当である。(平27. 5.19 大裁(法・諸)平26-60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260102
- 裁決年月日
- 平成27年5月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社(本件子会社)に対して支出した追加加工賃(本件追加加工賃)には対価性及び経済的合理性があるので、本件追加加工賃としての支出額は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、本件子会社が行った加工業務(本件加工業務)に対する反対給付として請求人が支払う加工賃は単価に加工数量を乗じて算出されている一方、本件追加加工賃は本件加工業務の終了後に本件子会社に対する出資割合に基づき算出されたものであること、また、本件追加加工賃を支出する主な動機は本件子会社の損失補てんと認められることからすると、本件追加加工賃は本件加工業務に対する反対給付とはいえず、対価性を欠くものといえる。また、本件子会社は債務超過の状態にあったと認められるものの、本件子会社の債務超過が直ちに請求人に損失を生じさせるものではなく、本件子会社が破産等に至る可能性が高かったとも認められないことから、本件追加加工賃としての支出は、経済的合理性のある支出とは認められない。したがって、本件追加加工賃としての支出額は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。(平27. 5.15 東裁(法)平26-102)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平260013
- 裁決年月日
- 平成27年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者(本件代表者)から株式(本件株式)の購入代金相当額を借り入れ、購入する意思を表示して本件株式を取得したものであり、平成24事業年度において本件株式を売却したことにより生じた投資有価証券売却損は損金として計上できる旨主張する。しかしながら、請求人が購入したとする本件株式について、①本件株式を購入したと主張する日を含む平成18事業年度の総勘定元帳(本件総勘定元帳)に、本件株式を取得した旨及び本件株式の購入代金相当額を本件代表者から借り入れた旨の記載はない一方で、平成22事業年度の総勘定元帳に本件株式を取得した旨の記載があり、②本件株式を購入したとする領収証(本件領収証)は、本件領収証を作成したとする日付と本件領収証を発行した法人の代表者及び代表者印の形状が一致せず、本件領収証のとおりの事実があったと認められない。また、③本件株式に係る保管状況が、請求人の他の重要資料等の保管状況と異なり、本件代表者の自宅の金庫に保管していた等不自然であることなどからすると、請求人が本件株式を取得したと認めることはできず、本件株式に係る投資有価証券売却損を計上することはできない。(平27. 5.13 高裁(法)平26-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260099
- 裁決年月日
- 平成27年5月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/2仲介手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有していた不動産(本件不動産)の譲渡原価として損金の額に算入した本件不動産の取得費用及び仲介手数料等については、本件不動産の取得に係る契約書に基づき支払ったもの及び受領者の押印のある領収証のとおり本件不動産の取得に係る報酬又は手数料として支払ったものであるから、本件不動産の譲渡原価として損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件不動産の取得費用及び仲介手数料等に係る契約書及び領収証に記載されたとおりの事実を認めることはできず、当該取得費用等はいずれも架空の譲渡原価と認められるから、当該取得費用等を損金の額に算入することはできない。(平27. 5. 7 東裁(法)平26-99)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260099
- 裁決年月日
- 平成27年5月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702023
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有する不動産の譲渡対価として、支払手数料及び弁護士費用の支払の事実があるにもかかわらず、請求人の代表者が実質的な経営者に確認せずに申告したためこれらの費用が簿外となっただけであるから、当該支払手数料等は損金の額に算入されるべきである旨主張し、原処分庁は、当該支払手数料等の支払を損金の額に算入することについて請求人から合理的な説明や立証がなく、請求人が当該支払手数料等を支払った事実も認められないことから、当該支払手数料等は損金の額に算入されない旨主張する。納税者が、税務署長が合理的と認められる方法により把握した費用以外の費用が帳簿外に存在すると主張する場合には、当該納税者においてその存在及び価額を具体的に立証する必要があると解すべきであるところ、当該支払手数料については、請求人から提出された資料からは請求人の主張する事実が具体的に立証されない一方、当該弁護士費用については、請求人の主張に沿う内容の領収証等が存在し、当該弁護士が役務提供した事実や当該弁護士費用の支払の事実が認められることから、当該弁護士費用についてのみ損金の額に算入されるべきである。(平27. 5. 7 東裁(法)平26-99)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260099
- 裁決年月日
- 平成27年5月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人又は個人への貸付けの事実及び当該貸付けに係る貸倒損失(本件貸倒損失)が発生した事実があるにもかかわらず、請求人の代表者が実質的な経営者に確認せずに申告したために簿外となっただけであるから、本件貸倒損失は損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、納税者においては、貸倒損失の内容を熟知し、これに関する証拠も納税者が保持しているのが一般であるから、納税者において貸倒損失となる債権の発生原因、内容、帰属及び回収不能の事実等について具体的に特定して主張し、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行わない限り、事実上その不存在が推定されるものと解するのが相当であるところ、本件貸倒損失について、その前提となる貸付債権の発生及び存在を合理的に推認させる立証が行われておらず、当該貸付債権が存在していたという事実は認められないことから、本件貸倒損失は損金の額に算入されない。(平27. 5. 7 東裁(法)平26-99)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平260007
- 裁決年月日
- 平成27年4月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の非常勤役員(本件非常勤役員)が会議等に出席した場合に支払われた日当(本件日当)について、①所得税基本通達《非常勤役員等の出勤のための費用》9−5に照らし、本件日当のうち交通費等の実費相当額を超える部分の金額は、本件非常勤役員に対する役員給与に該当する旨、②当該実費相当額を超える部分は毎月おおむね一定であるから、法人税法施行令《定期同額給与の範囲等》第69条第1項第2号に規定する経済的利益に該当し、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項第1号に規定する定期同額給与に該当する旨主張する。しかしながら、本件日当は、本件非常勤役員が出勤するために直接必要な費用とは認められず、会議等への出席という労務に対する報酬と認められることから、その全額が本件非常勤役員に対する役員給与に該当する。そして、法人税法第34条第1項第1号に規定する定期同額給与とは、その支給時期が毎日、毎週、毎月のように月以下の期間を単位として規則的に反復又は継続して支給され、各支給期間における支給額が同額であるものをいうと解されるところ、本件日当についてみると、会議等の開催日に支給されることもあれば、数日分がまとめて支給されることもあり、規則的に反復又は継続して支給されるものとは認められない上、その支給額も零円から24,000円であり、支給額が同額とはいえないことからすれば、本件日当は定期同額給与には該当しないというべきである。(平27. 4.27 熊裁(法)平26-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260042
- 裁決年月日
- 平成27年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が各外注先(本件各外注先)に対して支払った外注費(本件外注費)について、役務提供の対価として正当な支出であることから架空に計上したものではない旨主張する。しかしながら、請求人口座から本件各外注先の振込口座(本件各口座)への本件外注費の振込み等と実質経営者口座への入金等の取引は、一連のATM操作により同一の人物によって行われていることが認められること、また、本件各外注先の申述等によれば、本件各外注先は、いずれも本件各口座の通帳・キャッシュカードを実質経営者に渡しており、入出金の内容は知らなかったことが認められることからすると、本件各外注先が請求人から本件外注費を受領した事実及び本件各外注先が請求人に対して役務の提供を行った事実はないといえ、本件外注費は架空に計上されたものと認められる。(平27. 4.21 関裁(法・諸)平26-42)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平260007
- 裁決年月日
- 平成27年2月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己が購入した他の会社の発行済株式(本件株式)の取得価額について、法人税法施行令第119条《有価証券の取得価額》第1項第1号が規定する「その購入の代価」とは、本件株式の購入のために支払った金額ではなく、本件株式の購入時における時価相当額と考えるべきであるから、本件株式の購入代価のうち時価相当額を超える金額については、営業権に準ずる性質の繰延資産として計上し、その償却費を損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、法人が有価証券を購入した場合、その購入代価が経済的合理性を欠き不当に高額と認められる場合など、適正な対価とは認められない場合を除き、その購入代価の全額が当該有価証券の取得価額となるところ、本件株式の売買契約の経緯からすると、請求人は、当該売買契約に係る契約書記載の価額で本件株式のみを購入したものと認められ、本件株式の購入代価について、経済的合理性を欠く事情など本件株式の適正な対価と認めることができない場合に当たる事情は見当たらないから、本件株式の購入代価の全額が本件株式の取得価額となり、その一部を繰延資産として計上し、その償却費を損金の額に算入することはできない。(平27. 2. 2 広裁(法)平26-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260062
- 裁決年月日
- 平成26年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①臨時株主総会における役員改選決議に基づき選任された役員に対して、役員報酬支給決議に基づき支払われることとなった役員報酬(本件役員報酬)の額、及び②当該役員が職務執行停止中に請求人の業務に関連して支出した経費(本件経費)の額は、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件役員報酬については、請求人が当審判所に提出した臨時株主総会議事録からは、請求人において本件役員報酬の支給に関する有効な決議が行われたと認めることはできず、他に本件役員報酬が本件事業年度において請求人の債務として確定したものであることを認めるに足りる証拠もないことから、本件役員報酬の額は、本件事業年度の損金の額に算入することはできず、また、本件経費については、請求人の承諾を得ず、当該役員が自身の判断に沿って個々の金員を支出したものと認められ、そのような支出が即座に請求人に帰属する費用として成立したということはできないから、請求人に本件経費の額に係る債務は成立せず、本件経費の額を本件事業年度の損金の額に算入することはできない。 (平26.12.11 東裁(法)平26-62)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平260009
- 裁決年月日
- 平成26年12月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№97
要旨
○原処分庁は、請求人の主張する原処分庁が更正処分により益金の額に算入した特定の取引先への売上げ(本件売上げ)に係る売上原価(本件売上原価)の額について、請求人の帳簿には、本件売上げに係る仕入れ(本件仕入れ)について継続的な記録がされていないことから、本件売上原価の支払いの事実も不明であり、確定申告書に添付された貸借対照表、損益計算書に記載された仕入金額及び棚卸金額について不相当と認められる事実はないなどとして、損金の額に算入済みであると推認される旨主張する。しかしながら、帳簿書類による以上に客観的信頼性のある資料及び計算方法に基づき、本件仕入れの事実及び金額を特定し、本件仕入れの金額が当初申告の仕入れ金額に含まれていないこと及び請求人の各事業年度の売上金額と対応することを具体的に主張立証できれば、当該主張が排斥されるものではなく、請求人から提出されたノート等に記載された取引の一部については、取引先、取引年月日、取引金額及び取引内容等により取引の事実及び金額が特定でき、当該取引金額が該当する事業年度の当初申告の仕入金額に含まれていないことが認められる。また、請求人の期首期末の棚卸金額については、不相当とする理由は認められないことから、当該取引金額は、当該事業年度の本件売上金額と対応関係を有するということができ、当該事業年度の損金の額に算入することが相当と認められる。(平26.12. 8 福裁(法)平26-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260045
- 裁決年月日
- 平成26年12月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300704010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/1たな卸資産の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が本件事業年度末に所有していた土地(本件土地)について、請求人がその取得時に今後相当の期間継続して保有することが予定されていたため、固定資産とする会計処理を選択したと認められることに加え、本件事業年度末において、本件土地に建築する建物の仕様等が具体的に定まっておらず、請求人が本件土地を通常の営業過程において販売する目的ないし意思で保有していたとは認められないことからすると、本件土地は棚卸資産に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が本件土地を取得するに至った経緯及び取得後の状況並びに本件土地に係る請求人の会計処理等について総合的に勘案すると、請求人が自社所有の状態を続ける目的で本件土地を固定資産に計上したものとは認められず、本件事業年度末において本件土地に新築する建物の仕様等が具体的に決まっていなくても、それは本件土地に係る大規模な工事計画の遅延の範疇の問題にすぎず、請求人は、本件事業年度末において本件土地をその営業過程において販売する目的をもって所有していたものと認めるのが相当であるから、本件土地は棚卸資産に該当するものと認められる。(平26.12. 1 東裁(法)平26-45)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260048
- 裁決年月日
- 平成26年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の現代表者(本件現代表者)が役員を務める法人(本件取引先)との取引(本件仕入れ)については、調査担当職員に対し提示した契約書(本件契約書)及び領収証のとおり実態のある取引であるから、本件仕入れの額は損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件取引先は、請求人が設立される以前に清算結了した法人であり、本件契約書に記載された所在地に存在せず、請求人と取引していた事実は認められない上に、本件現代表者が本件契約書に押印されていた本件取引先の印鑑を所有していたことからすると、本件契約書は本件現代表者により作成された虚偽のものと認められ、本件仕入れは、実態のない架空のものと認められることから、本件仕入れの額を損金の額に算入することはできない。(平26.12. 1 東裁(法)平26-48)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260039ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成26年11月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/2架空でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が請求人の従業員(本件従業員)から残商品を仕入れた事実は認められず、請求人が当該残商品の架空仕入れの計上によって捻出し、支出した金員は、支出の内容、支出の相手方、支出の時期等が明らかではないから、当該残商品に係る仕入高(本件認定額)は損金の額に算入できない旨主張する。しかしながら、関係者の答述によると、当該残商品は請求人に帰属するものであって、請求人が本件従業員から当該残商品を仕入れた事実は認められないものの、請求人と本件従業員との間には、本件従業員からの報告に応じて、請求人が本件従業員に対して金員を支払うという黙示の契約が成立しており、請求人は当該契約に基づき金員を支払い、その会計処理として当該金員を仕入高と経理したものと認められ、そうすると、本件認定額に相当する金員は、①当該黙示の契約に基づき支払われたものであり、②労務費としての性格を有し、③請求人と本件従業員との間の給付債務として認識すべきもの、すなわち本件従業員に対する給与と認められるから、請求人が当該給与を仕入高と計上した本件認定額は、各事業年度の所得金額の計算上、損金の額に算入すべきである。(平26.11. 4 東裁(法)平26-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260034
- 裁決年月日
- 平成26年10月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の前代表者が代表取締役から取締役相談役となったこと(本件分掌変更)に伴い前代表者に支給された退職慰労金(本件退職慰労金)について、本件分掌変更により「実質的に退職したと同様の事情」があり、本件退職慰労金は本件事業年度の損金の額に算入すべきであったから、本件の更正の請求は国税通則法第23条《更正の請求》第1項第1号に規定する更正の請求ができる場合に該当する旨主張する。しかしながら、請求人の現代表者は役員の経験がなく、代表取締役に就任する前は請求人の使用人としての営業部長の地位にあったところ、前代表者は、①社長室に相当するスペース内に座席を設けられ、取締役相談役として引き続き常勤していたこと、②現代表者の助言者として、稟議書の決裁や営業会議等の議事録の作成に関与していたこと、③従業員賞与の査定、予算の算定、資金調達などに関与していたことなどからすると、前代表者は、本件分掌変更後の請求人においてその役員として主要な地位にあったものというほかなく、本件分掌変更により「実質的に退職したと同様の事情」があったと認めることはできない。したがって、本件退職慰労金は、法人税法上の退職給与とはいえず、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項各号のいずれにも該当しないから、本件事業年度の損金の額に算入することはできず、更正の請求は認められない。(平26.10.16 東裁(法)平26-34)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260017
- 裁決年月日
- 平成26年10月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、出資者であるA社との匿名組合契約は成立しておらず、また、匿名組合出資金に振り替えられた準金銭消費貸借契約に係るA社からの短期借入金は現に存在しているのであるから、当該短期借入金に係る支払利息は発生している旨主張する。しかしながら、A社との匿名組合契約書には当事者双方の押印があり、その形式等にも特段不自然な点も認められないことから匿名組合契約は有効に成立していると認められ、当該匿名組合契約に基づき、当該短期借入金は、出資金(匿名組合預り金)へ振り替えられたことによって既に消滅していることから、支払利息の計上は認められない。(平26.10. 8 大裁(法)平26-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260029
- 裁決年月日
- 平成26年9月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716186
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/6支出額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社(本件子会社)に対して行った債権放棄(本件債権放棄)の額については、本件子会社との間で相殺合意があるので、本件子会社との取引において発生する債権の額(本件債権額)と本件子会社に対する債務の額(本件債務額)とを相殺した後の額となる旨主張する。しかしながら、請求人から提出された資料及び当審判所の調査によれば、本件債権放棄に際して、本件債権額と本件債務額とを相殺することについて、請求人と本件子会社との間で合意したと認められる証拠はなく、また、当該相殺について請求人あるいは本件子会社が意思決定をした事実や、それぞれの相手方に対してその意思表示をした事実も認められないことからすると、本件債権放棄の額は本件債権額に相当する額と認められる。 (平26. 9.18 東裁(法)平26-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260029
- 裁決年月日
- 平成26年9月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社(本件子会社)に対する債権の放棄(本件債権放棄)について、資金繰りが逼迫していた本件子会社に対して、支払猶予の継続という方針は採用できず、本件債権放棄以外に方策はなかったのであるから、本件債権放棄には法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》に定める相当の理由があるので、本件債権放棄の額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入額》に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、債権放棄の額が寄附金の額に該当しないといえるためには、当該債権放棄がやむを得ず行われるものであること(必要性)と、当該債権放棄について相当な理由があること(相当性)が必要であるところ、本件子会社は、資金繰りに窮していた様子はあるものの、本件子会社が保有する土地の共有持分(本件共有持分)には含み益があり、実質的な債務超過の状態になく、また、請求人に対して、本件共有持分をもって債務の弁済を行うこともできたと考えられるから、本件債権放棄がやむを得ず行われたというまでの必要性があったとは認められず、また、債権放棄の相当性については、被支援者の財務内容、営業状況の見通し等を加味した的確な支援額であることなど、合理的な再建計画に基づくことが必要とされるところ、本件子会社の収支改善計画書によれば、本件子会社のリストラ策が記載されているのみで、その後の実績が更新されていることはうかがわれず、更に、本件債権放棄の額が必要最小限の額でないばかりか、むしろ過大であったと認められることからすれば、本件債権放棄の相当性は認められず、本件債権放棄の額が寄附金の額に該当しないといえるための要件である必要性及び相当性のいずれの要件も満たしていないから、本件債権放棄の額は、寄附金の額に該当するというべきである。(平26. 9.18 東裁(法)平26-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260027
- 裁決年月日
- 平成26年9月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、業務主宰役員関連者である乙の有する請求人の株式(本件株式)が業務主宰役員関連者以外の者である丙に贈与されたことは乙と丙で取り交わされた株式贈与契約書(本件株式贈与契約書)からも明らかであるから、請求人は法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)第35条《特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入》第1項に規定する特殊支配同族会社に該当しない旨主張する。しかしながら、原処分庁の調査時の状況からすると、本件株式贈与契約書はその記載日に作成されたものとは断定できず、仮に、当該調査時に本件株式贈与契約書が存在していたとしても、本件株式贈与契約書の乙の氏名の箇所の押印は、代表取締役である甲がしたものと認められ、乙は甲から本件株式の贈与の事実を聞かされていないと認められるから、本件株式贈与契約書は、本件株式の移転があったことを示す証拠にはならないというべきである。そして、請求人は、いわゆる株券不発行会社であるから、請求人の株主であるか否かは、一義的には請求人の株主名簿の記載によって判定されるところ、請求人の株主名簿には甲及び乙の氏名が記載されているのみであり、丙の氏名が記載された事実はなく、また、本件株式の贈与者とされる乙及び受贈者とされる丙に対して贈与の事実が伝えられた事実や、丙に対する請求人の定時株主総会への招集通知など、丙に対して実際に株主としての地位が与えられた事実も認められないことからすれば、乙の有する本件株式が丙に贈与されたとは認められない。したがって、請求人は特殊支配同族会社に該当するから、法人税法第35条第1項の規定により、業務主宰役員給与の額のうち一定額が損金の額に算入されないこととなる。(平26. 9. 4 東裁(法)平26-27)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260002
- 裁決年月日
- 平成26年7月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の監査役(本件監査役)に対する給与(本件役員給与)の額に法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項に規定する「不相当に高額な部分の金額」があるとした原処分について、本件監査役は実質的に取締役と同様の職責を担っており、本件役員給与は取締役の給与として判断されるべきであるが、原処分庁による「不相当に高額な部分の金額」の算定においては、比較の対象とした請求人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するもの(類似法人)の取締役に対する役員給与支給額が考慮されておらず、本件監査役の職務の実態を無視して認定された旨主張する。しかしながら、会社法第335条《監査役の資格等》第2項の規定が、監査役が取締役と兼務することを禁止していることからすると、本件役員給与の額に「不相当に高額な部分の金額」があるか否かの判断において、本件監査役のその職務に対する対価として相当であると認められる金額(適正役員給与額)は、監査役が担う職責のみから判断されるべきであり、本件役員給与の額は、本件監査役の職務の内容、請求人の収益の状況、類似法人の監査役に対する給与の支給状況に照らし不相当に高額な部分の金額があると認められる。(平26. 7.29 関裁(法)平26-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260004
- 裁決年月日
- 平成26年7月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300713040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/4手数料処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№96
要旨
○ 原処分庁は、請求人がj社に対して支払ったと主張する販売手数料(本件販売手数料)は、その費途が不明であり、また、業務関連性も明らかではないので本件各事業年度の損金の額に算入することはできない旨主張する。しかしながら、請求人が保存するi社名義の請求書や領収証に記載された数量が請求人が主張するj社に対する商品の販売数量と一致し、本件販売手数料の支払金額が請求人のj社に対する商品の販売数量に応じて割戻単価を乗じて算定されているものと認められることや、請求人が振り出した小切手がj社の常務取締役に支払われており、同人が管理する銀行口座で取り立てられていることなどからすれば、本件販売手数料は、j社に対し売上割戻し又はそれに類似する費用として支払われていたものと認められ、請求人業務との関連性を有するものと認められることから、費途不明であるということはできず損金の額に算入することができる。(平26. 7.28 大裁(法・諸)平26-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260005
- 裁決年月日
- 平成26年7月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/4手数料処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に対するものとして支払ったコンサルタント料又は外注加工費(本件コンサルタント料等)は、支払先が明らかであり、また、業務に関連した情報提供又は販売協力に係る役務の内容から業務関連性も明らかであることから、本件各事業年度の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件コンサルタント料等は、請求人が提出した領収証の作成名義どおりA社に支払われたと認めることができない上、業務に関連した情報提供等の具体的内容を示す証拠も認められないなど、その支払先及び業務関連性が明らかでなく、費途が不明な支払であるといわざるを得ないことからすれば、請求人の業務の遂行上必要な経費であると認めることはできない。(平26. 7.28 大裁(法・諸)平26-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260006
- 裁決年月日
- 平成26年7月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/4手数料処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に対するものとして支払った下請工賃(本件下請工賃)は、支払先が明らかであり、また、業務に関連した情報提供又は販売協力に係る役務の内容から業務関連性も明らかであることから、本件各事業年度の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件下請工賃は、請求人が提出した領収証の作成名義どおりA社に支払われたと認めることができない上、業務に関連した情報提供等の具体的内容を示す証拠も認められないなど、その支払先及び業務関連性が明らかでなく、費途が不明な支払であるといわざるを得ないことからすれば、請求人の業務の遂行上必要な経費であると認めることはできない。(平26. 7.28 大裁(法・諸)平26-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260011
- 裁決年月日
- 平成26年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、過去の事業年度において売掛金勘定の不一致を把握した後、当該債権が不明債権であることが確認され、取締役会において損金処理することが承認された事業年度(本件事業年度)において、前期損益修正損として処理しているところ、当該処理をした金額(本件損失額)は、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項及び第4項の規定により、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、法人税法上、損金とは、純資産の減少の原因となる支出その他経済的価値の減少をいうものと解されるところ、取締役会の承認は請求人内部の意思決定がされたことを示す事実にすぎず、そのことが資産の減少を意味するものではないことは明らかである。また、法人税法上、資産の評価損については、同法第33条《資産の評価損の損金算入》に規定する所定の場合に限られるところ、本件損失額については、本件事業年度においてこれらの場合に該当する事実は認められず、法的に消滅した場合や貸倒れに該当する事実があったとは認められないないから、本件損失額は、本件事業年度の損金の額に算入されない。(平26. 7.25 東裁(法)平26-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260010
- 裁決年月日
- 平成26年7月24日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人がコンサルティング契約を締結した法人が、当該コンサルティング契約に係る契約書に記載された業務(本件各コンサル業務)を行った事実は認められず、また、当該コンサルティング契約に基づき、請求人から当該法人に対して支払われた報酬(本件各支払額)は、当該法人からの役務提供が認められない支出であることから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金に該当する旨主張する。しかしながら、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当するためには、本件各支払額に対する反対給付が伴っていないことが必要となるところ、関係者の答述等によれば、当該法人は本件各コンサル業務を行ったものと認められることから、本件各支払額は反対給付を伴っており、法人税法上の寄附金の額に該当しない。(平26. 7.24 東裁(法・諸)平26-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260003
- 裁決年月日
- 平成26年7月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地とともに取得した建物の取得価額は、時価により最も合理的に算定すべきであるから、売買契約書に記載された建物の価額によらず、路線価及び建築統計年報(国土交通省)の建物の標準的な建築価額表に基づき算定した価額によるべきである旨主張する。しかしながら、本件の売買契約(本件契約)は、請求人及び譲渡人が、契約当事者として売買契約書(本件契約書)に記載された内容で合意し、本件契約の締結に至ったものと認められ、両者の間に、同族会社であるなど特殊な利害関係や故意に実体と異なる内容を契約書に表示したなどの事情は認められず、また、本件契約書に記載された建物(本件建物)の価額は、第三者である不動産売買の仲介業者が固定資産評価額を基に算定した価額によって決定されたものであって、当審判所の調査によっても特段不合理な点は認められないことから、本件建物の減価償却に係る取得価額は、本件契約書に記載された本件建物の価額とするのが相当である。(平26. 7.15 大裁(法・諸)平26-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250144
- 裁決年月日
- 平成26年6月24日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人がコンサルティング契約を締結した法人が、当該コンサルティング契約に係る契約書に記載された業務(本件各コンサル業務)を行った事実は認められず、また、当該コンサルティング契約に基づき、請求人から当該法人に対して支払われた報酬(本件各支払額)は、当該法人からの役務提供が認められない支出であることから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金に該当する旨主張する。しかしながら、法人税法第37条第7項に規定する寄附金とは、法人が行う対価性のない支出、すなわち反対給付の伴わない支出と解されるところ、関係者の答述等によれば、当該法人は本件各コンサル業務を行ったものと認められるから、本件各支払額は反対給付を伴っており、法人税法上の寄附金の額に該当しない。(平26. 6.24 東裁(法・諸)平25-144)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250138
- 裁決年月日
- 平成26年6月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の経営するパチンコ店で行われたいわゆる貯玉再プレーに係る売上高及び売上原価を過大計上した事実はないと主張するが、貯玉再プレーについては、新たにパチンコ玉等に係る売上取引を行うものではなく、景品交換もされないから、収益及び費用に計上すべき金額が発生しないと認められる。また、請求人は、貯玉再プレーに係る売上高と売上原価を同額計上するのではなく、売上高についてのみ消費税等相当額を控除した金額を計上していたため、当該消費税等相当額だけ納付すべき消費税等が過大となっていたことから、原処分庁から消費税等について納付すべき消費税等の額を減額する更正処分を受けたところ、仮に、貯玉再プレーに係る売上高及び売上原価を過大に計上したとしても、その差額に相当する金額は消費税等の減額更正により事後的に還付される還付消費税等の額であり、法人税基本通達2−2−16≪前期損益修正≫に該当し、その事実が発覚した事業年度において修正されるべきである旨主張する。しかしながら、法人税基本通達2−2−16は、過年度においてその収益の額を益金の額に算入した取引について当該事業年度において契約の解除又は取消し、値引き、返品等の事実が生じた場合における取扱いであるから、請求人の収益及び費用について修正を要することとなったのは、当該通達が定める場合に該当せず、貯玉再プレーに係る売上高及び売上原価を過大計上した事業年度において過大に計上された金額が是正されると解するのが相当である。(平26. 6.13 東裁(法)平25-138)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250136
- 裁決年月日
- 平成26年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/1役員の範囲/1みなし役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、特許業務法人において代表社員を定めた場合、対外的な業務を執行する権利を有するのは代表社員に限られることから、代表社員以外の社員(本件各社員)は法人税法第2条《定義》第15条に規定する役員に該当せず、また、本件各社員が法人税法上の役員に該当するかを判定する場合には、本件各社員が経営に従事する権限を有しているか否かではなく、実際に経営に従事しているか否かにより判断すべきである旨主張する。しかしながら、弁理士法第46条《業務を執行する権限》の規定によれば、特許業務法人の社員は、全て業務を執行する権利を有し、義務を負うと規定しているところ、同条に規定する業務の執行には、特許業務法人の事業運営上の重要事項に参画することが含まれると解され、定款はもちろんのこと、法人内部の取決めや社員間の合意等によって事業運営上の重要事項に参画する権利及び義務を制限することはできず、一部の社員を当該参画から排除することもできないと解されるところ、本件各社員が代表社員に意見を述べることがないとしても、それは本件各社員が代表の意向や判断等を承認又は追認しているのであり、当該承認又は追認することにより法人の経営に従事しているものと認められるから、本件各社員は法人税法上の役員に該当する。(平26. 6.12 東裁(法)平25-136)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250136
- 裁決年月日
- 平成26年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/1役員の範囲/2使用人兼務役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表社員以外の社員(本件各社員)が法人税法上の役員に該当するとしても、本件各社員は、使用人としての職制上の地位を有しており、かつ、社員ではない弁理士と同様の業務に従事していることから、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項に規定する「使用人としての職務を有する役員」に該当する旨主張する。しかしながら、弁理士法第46条《業務を執行する権限》の規定によれば、特許業務法人の社員は、全ての業務を執行する権利を有し、その義務を負っており、出資のみを行い業務執行を行わない社員は認められていないことから、社員各自が特許業務法人の業務を執行する機関となり、その地位は使用人たる地位と併存するものでなはないと解されるところ、仮に、本件各社員が外見上は使用人と同様の業務を行っているように見えるとしても、それは業務を執行する機関である社員の職務として行っているのであり、使用人としての職務を行っているものではないから、法人税法上の「使用人としての職制上の地位を有するもの」でもなく、また、「常時使用人としての職務に従事するもの」でもない。(平26. 6.12 東裁(法)平25-136)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250132
- 裁決年月日
- 平成26年6月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が業務委託契約を締結した法人が、当該業務委託契約に係る契約書に記載された業務(本件委託業務)を行った事実は認められず、また、当該業務委託契約に基づき、請求人から当該法人に対して支払われた報酬(本件支払額)は、当該法人からの役務提供が認められない支出であることから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金に該当する旨主張する。しかしながら、法人税法第37条第7項に規定する寄附金とは、法人が行う対価性のない支出、すなわち反対給付の伴わない支出と解されるところ、関係者の答述等によれば、当該法人は本件委託業務を行ったものと認められるから、本件支払額は反対給付を伴っており、法人税法上の寄附金の額には該当しない。(平26. 6. 5 東裁(法・諸)平25-132)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250103
- 裁決年月日
- 平成26年4月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社との間の株式交換契約を含む経営統合(本件経営統合)に関するアドバイザリー業務等の報酬として証券会社等に支払った手数料は、株式交換によりA社の株式を取得するという請求人の意思決定(取締役会の決定又は株主総会の決定)前に生じたものであるから、法人税法施行令第119条《有価証券の取得価額》第1項第9号ロに規定する「株式の取得をするために要した費用」には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件経営統合の検討に着手した時点から、経営統合の相手方をA社に限定していたものと認められることから、その時点において、A社との間で株式交換を行うことによりA社の株式を取得することを目的としていたものであり、また、証券会社等に支払った手数料に係る業務は、いずれも本件経営統合、すなわち、株式交換によるA社の株式の取得に関連した業務であったと認められるから、当該手数料は、A社の株式の取得をするために要した費用に該当し、取得価額に加算すべきである。(平26. 4. 4 東裁(法)平25-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250103
- 裁決年月日
- 平成26年4月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が開発、製造したパチンコ器等で、市場動向等を検討するためにパチンコ店に設置(無償貸与)したパチンコ器等(本件調査用パチンコ器等)は、実際の設置期間が平均で4か月であるから、法人税法施行令第133条《少額の減価償却資産の取得価額の損金算入》に規定する使用可能期間が1年未満の減価償却資産に該当する旨主張する。しかしながら、使用可能期間が1年未満であるかどうかは、①法人の属する業種において種類等を同じくする減価償却資産の使用状況等を勘案して一般的に消耗性のものと認識されている減価償却資産で、②その法人の平均的な使用状況等からみてその使用可能期間が1年未満であるものが該当するするの相当であるところ、遊技場業界で使用されているパチンコ器等については、物理的・経済的に1年未満で使用することができなくなるというものではなく、通常、1年以上にわたり使用されているのが一般的であり、また、本件調査用パチンコ器等は、当初定めた予定期間にかかわらず設置期間を延長することができ、実際にパチンコ店に設置されていた期間が1年を超える本件調査用パチンコ器等が存在すること、及び、予定期間終了後もパチンコ店が設置を希望する場合には、請求人と別途合意する価格で売買契約を締結する旨の定めがあり、実際に売買された実績もあることが認められるから、以上の各事実を総合すれば、本件調査用パチンコ器等は、法人税法施行令第133条に規定する使用可能期間が1年未満の減価償却資産には該当しない。(平26. 4. 4 東裁(法)平25-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250103
- 裁決年月日
- 平成26年4月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人と同種の事業を営むB社が保有する特許権を使用して実際にパチンコ器等を製造販売していたのであるから、B社との間で特許権の実施許諾に関する契約書が取り交わされなかった期間(本件期間)に対応する特許権実施料については、その見積額が当事業年度の売上原価として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項第1号の売上原価等が確定していない場合の見積りについては、事業年度終了の日において、近い将来に支出することが相当程度の確実性をもって見込まれており、かつ、当該事業年度終了の日の現況によりその金額を適正に見積もることが可能である場合に限り、その見積金額を当該事業年度の損金の額に算入することができると解するのが相当であるところ、請求人とB社とは、本件期間中に係る特許権の実施料に関する合意をすることなく、互いに本件期間中において特許権を相互に対価を支払うことなく使用している状況にあると認められるから、当該事業年度終了の日において、近い将来に支出することが相当程度の確実性をもって見込まれていたと認めることはできない。したがって、請求人が本件期間中における特許権の実施料の見積額であると主張する金額は、当該事業年度の損金の額に算入することはできない。(平26. 4. 4 東裁(法)平25-103)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平250011
- 裁決年月日
- 平成26年2月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716029
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/2旅費、交通費/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№94
要旨
○ 原処分庁は、請求人が出張に際し支出した旅費日当及び宿泊費は、法人税基本通達2−2−12《債務の確定の判定》が定める債務確定基準を満たさず、また、支出内容、支出先、支出の時期及び法人の業務に関連した費用か否かが明らかでないため、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項が規定する損金の額に算入することはできない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、旅費日当の一部については、請求人から従業員等に対し支給され、かつ、債務確定基準を満たし、また、支給額は不当に多額とは認められず、法人の業務との関連性も特段疑われるような事情はないため、損金の額に算入することができ、宿泊費については、請求人が出張に際し宿泊施設を利用し、その対価として賃借料を支払ったものと推認され、その金額も妥当な金額の範囲内であり、法人の業務との関連性も特段疑われるような事情はないため、損金の額に算入することができる。また、請求人は、海外出張に際し支出したレンタカー代及びクレジットカードを利用した支出(カード支出)については、福利厚生費、旅費交通費、交際費等に該当し損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、請求人が、レンタカーを借りた事実を認めることはできず、仮に当該事実を認めることができたとしても、当該レンタカー代が業務関連性を有する費用であったと確認することがでないこと、及び、消耗品費、車両費、交際費と認められた一部の支出を除き、カード支出に係る支払の内容及び業務との関連性等を確認することができないこと等から、当該レンタカー代及び消耗品費、車両費、交際費と認められた一部の支出を除くカード支出は損金の額に算入することはできない。(平26. 2.21 金裁(法)平25-11)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平250011
- 裁決年月日
- 平成26年2月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300713010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/1交際費処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№94
要旨
○ 請求人は、帳簿書類に支出先が記載されていない販売促進費(本件販売促進費)に関し、①本件販売促進費の支出先を開示した場合に支出先と取引継続ができなくなることは、租税特別措置法第62条《使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例》第2項が定める「相当の理由」に該当すること、また、②原処分庁が、本件販売促進費の支出先のイニシャル、支出日及び支出額等が記載された資料(本件資料)を確認すれば、請求人の販売先を知り得る原処分庁において本件販売促進費の支出先を把握することができることから、本件販売促進費は使途秘匿金に該当しない旨主張する。しかしながら、①使途秘匿金課税制度の趣旨からすれば、「相当の理由」とは取引慣行上帳簿書類に記載しないことが通例となっている場合や、災害等による帳簿書類の紛失等の場合のことをいうのであるから、支出先と取引継続ができなくなるといった理由は「相当の理由」に該当せず、また、②本件資料には単に本件販売促進費の支出先のイニシャル、支出日、支出額等が記載されているにすぎない以上、本件資料の存在をもって、本件販売促進費の支出先が帳簿書類に記載されたことにはならず、原処分庁が支出の相手方を知り得る状況にあるか否かは、使途秘匿金に該当するか否かの判断を左右するものではないことから、本件販売促進費は使途秘匿金に該当する。(平26. 2.21 金裁(法)平25-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250087
- 裁決年月日
- 平成26年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、金融商品取引所に上場されている株式(上場株式)を関連会社に譲渡する際の譲渡対価の額(本件各譲渡対価の額)を市場価額よりも低い価額としたことについて、金融商品取引所を経由せずに相対で取引されるような場合にはお互いの思惑や今後の予見的思慮等が働き売買価額が決定されること、各売買契約日直近の金融商品取引所における株価の安値と比較しても、特に異常な取引価額とは認められないこと、加えて、法人税基本通達2−3−7注書の1で「社会通念上相当と認められる価額を下回るかどうかは、当該株式の価額と払込金額等の差額が当該株式の価額のおおむね10パーセント相当額以上であるかどうかにより判定する」ことが処理として許容されており、本件各譲渡対価の額は、社会通念上妥当と認められる価額であることから、請求人に寄附金の額は発生しない旨主張する。しかしながら、上場株式については、特段の事情がない限り、金融商品取引所における株価をもって適正な価額と認めるのが相当であるところ、本件各譲渡対価の額は、各売買契約締結日等における金融商品取引所の終値で計算した額(本件各譲渡時市場価額)の約9割相当額となっており、その理由について、請求人から具体的かつ合理的な説明はなく、当審判所の調査の結果によっても特段の事情があったと認めることはできない。また、法人税基本通達2−3−7は新たな株式等の発行が有利発行であるかの判定に当たって、その払込金額等の決定方法等の実態をも考慮して定められたものであり、本件の場合とは事情が異なるから、これをもって本件各譲渡対価の額が適正な価額であるということはできない。以上によれば、本件各譲渡時市場価額をもって適正な価額と認めるのが相当であり、請求人は、合理的な理由もなく当該適正な価額よりも低い対価をもって株式を譲渡し、本件各譲渡時市場価額と本件譲渡対価の額との差額(譲渡差額)に相当する額を関係会社に供与したというべきである。(平26. 2.13 東裁(法)平25-87)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平250022
- 裁決年月日
- 平成26年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失に係る債権(本件債権)は貸借対照表及び総勘定元帳に約20年間継続して整然かつ平穏に記帳してきたのであるから、本件債権が存在していた事実は明らかであるし、本件債権の発生から約20年以上経過していることなどからすると、原処分庁の要求する物的証拠を提示することはむしろ不自然であり、提示できないことが自然である旨主張する。しかしながら、貸倒損失は、所得金額の算定に当たって損金として控除すべきものであり、所得の発生要件事実であるといえるから、その有無が争われる場合には、課税庁において当該貸倒損失の不存在を立証すべきであるが、その不存在の立証には相当の困難を伴う反面、納税者においては、貸倒損失の内容を熟知し、これに関する証拠も保持しているのが一般であるから、納税者において貸倒損失となる債権の発生原因、内容、帰属及び回収不能の事実等について具体的に特定して主張し、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行わない限り、事実上その不存在が推定されるものと解されるところ、請求人は、本件債権の発生原因及び内容については何ら主張しておらず、請求人の代表者や関与税理士の各答述によっても、本件債権の発生原因及び内容等は明らかでなく、本件債権の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行ったとは認められないから、事実上貸倒損失の不存在が推定されるといえる。(平26. 1. 7 名裁(法)平25-22)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250035
- 裁決年月日
- 平成25年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716066
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/6その他の手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者と個人的に親交のあるヨーロッパに在住する者及びその家族(本件ファミリー)に対して支払った手数料(本件支払手数料等)は、ヨーロッパにおける仕入先工場(メーカー)の開拓に係る委託契約(本件工場開拓契約)に基づく、当該開拓に係る役務提供の対価として支払ったものであるから、本件支払手数料等は損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件支払手数料等と対価関係を認め得るような役務の提供があったとは到底認められないし、請求人と本件ファミリーとの間に、あらかじめ報酬額や算定方法等についての明確な合意があった事実は認められないことや、両者の人的関係等を踏まえてもなお、対価を生じさせるのが相当であるような役務を提供したものと認めるには足らない。また、本件支払手数料等のその後の使途からみても、本件ファミリーによる本件工場開拓契約に係る役務提供の対価であるというよりは、請求人の代表者との間の特別な関係により交付されたとみるのが自然である。したがって、本件支払手数料等は、役務の提供の対価として支払われたものであると認められないから、請求人の業務の遂行上必要な販売費及び一般管理費その他の費用であるとはいえないのであって、本件各事業年度の損金の額に算入することはできない。(平25.12.19 大裁(法)平25-35)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平250007
- 裁決年月日
- 平成25年12月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人(A社)に対する貸付金の全額が回収不能であるから、貸倒損失(本件貸倒損失)の計上は認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件貸倒損失は、A社が請求人に支払った営業収益手数料について、原処分庁から寄附金に該当するとして法人税の更正処分等を受けることが明らかになったため、これを回避するために、A社が行っていた業務を請求人を経由して関係法人(B社)に事業譲渡させた上、A社を解散させたことによるものと認められるところ、請求人の代表者はA社の代表者も務めていることから、請求人は、自ら本件貸倒損失が発生するような状況を作出したものというべきであり、このような状況を作出することができたのは、請求人及びA社が同族会社であって代表者を同じくする関係会社同士であったからと認められる。そうすると、同族会社である請求人が行ったこれら一連の行為は、非同族会社間では容易になし得ないような、純経済人として不自然・不合理な行為又は計算に該当するというべきであり、本件貸倒損失を損金の額に算入することにより請求人の所得金額を減少させ法人税の負担を不当に減少させる結果になると認められることから、本件貸倒損失は、法人税法第132条《同族会社等の行為又は計算の否認》第1項第1号の規定により損金の額に算入することはできない。(平25.12.18 仙裁(法)平25-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平250003
- 裁決年月日
- 平成25年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/1中古資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 請求人は、中古建物に適用すべき耐用年数について、誤って法定耐用年数を適用していた場合、その誤りに気付いた時点において是正できないという解釈は、社会通念等に即さないものであり、また、新築建物の耐用年数を遡って是正する以上、中古建物についても使用可能期間を実態に即して見直した耐用年数を遡って適用すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、中古建物を取得した事業年度において、法定耐用年数を適用していたものと認められるところ、中古資産についての減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令)第3条《中古資産の耐用年数等》第1項第1号及び第2号に掲げる各方法(見積法等)による耐用年数の算定は、当該中古資産を取得してこれを事業の用に供した最初の事業年度に限りすることができ、当該事業年度においてその算定をしなかった場合は、その後の事業年度において算定することができないこととなるのは、耐用年数の適用等に関する取扱通達1−5−1《中古資産の耐用年数の見積法及び簡便法》の定めのとおりであるから、当該事業年度後の事業年度において、当該中古建物の耐用年数を見積法等を用いて変更することはできない。(平25.12.17 沖裁(法)平25-3)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250007
- 裁決年月日
- 平成25年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族グループ法人(本件グループ法人)との間の土地(本件各土地)の売買取引(本件各取引)により固定資産売却損が生じたとして当該固定資産売却損を損金の額に算入して法人税の確定申告をしたことにつき、請求人を含む本件グループ法人に土地所有権移転の意思が確定的にあり、代金支払の意思もあったことから、本件各取引は、いずれも適法・有効に成立している旨主張する。しかしながら、①本件グループ法人各社はいずれも同族会社であったこと、②請求人の前代表者は死亡直前に請求人に対し債務免除を行っていること、③当該債務免除額が請求人が損金の額に算入した固定資産売却損の額に極めて近似していることなどを併せ考えれば、本件各取引は、本件グループ法人が同族グループ法人であることを利用して、本件グループ法人内で土地を売買したとし固定資産売却損を計上することで、前代表者の相続に係る相続税対策の結果生じた法人税の負担を軽減することを意図して行われたと推認される。そして、本件各取引に係る経理処理からすると、請求人は、買主とされている本件グループ法人各社から代金あるいは代金に相当する経済的利益を得たとはいい難いこと、本件各土地の使用状況からすると、本件各取引により目的物が引き渡され、所有権の移転があったとはいい難いことなどを総合評価すると、本件各取引の当事者には、本件各土地の所有権を移転する意思及び本件各土地の代金を支払う意思はなかったものと推認される。したがって、本件各取引は、土地の譲渡による固定資産売却損を計上することにより、前代表者の相続に係る相続税の負担軽減に伴い発生する法人税の負担を軽減する意図のもとに行った架空の取引であると認めるのが相当である。(平25.12.16 熊裁(法)平25-7)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250009ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成25年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族グループ法人(本件グループ法人)との間の土地(本件各土地)の売買取引(本件各取引)により固定資産売却損が生じたとして当該固定資産売却損を損金の額に算入して法人税の確定申告をしたことにつき、請求人を含む本件グループ法人に土地所有権移転の意思が確定的にあり、代金支払の意思もあったことから、本件各取引は、いずれも適法・有効に成立している旨主張する。しかしながら、①本件グループ法人各社はいずれも同族会社であったこと、②請求人の前代表者は死亡直前に請求人に対し債務免除を行っていること、③当該債務免除額が請求人が損金の額に算入した固定資産売却損の額に極めて近似していることなどを併せ考えれば、本件各取引は、本件グループ法人が同族グループ法人であることを利用して、本件グループ法人内で土地を売買したとし固定資産売却損を計上することで、前代表者の相続に係る相続税対策の結果生じた法人税の負担を軽減することを意図して行われたものと推認される。そして、本件各取引に係る経理処理からすると、請求人は、買主とされている本件グループ法人各社から代金あるいは代金に相当する経済的利益を得たとはいい難いこと、本件各土地の使用状況からすると、本件各取引により目的物が引き渡され、所有権の移転があったとはいい難いことなどを総合評価すると、本件各取引の当事者には、本件各土地の所有権を移転する意思及び本件各土地の代金を支払う意思はなかったものと推認される。したがって、本件各取引は、土地の譲渡による固定資産売却損を計上することにより、前代表者の相続に係る相続税の負担軽減に伴い発生する法人税の負担を軽減する意図のもとに行った架空の取引であると認めるのが相当である。(平25.12.16 熊裁(法)平25-9)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平250006
- 裁決年月日
- 平成25年12月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人に対する支払手数料及びこれに係る仮払消費税(本件支払手数料等)について、①譲渡契約(本件契約)に基づいて関係法人が営んでいた事業(本件事業)の譲渡対価として支払われたものであること、②本件事業から生ずる収益に基づき最終的に経済的利益を享受しているのは関係法人であること、③関係法人に対して受贈益として課税するのみならず、請求人に対して寄附金と認定して課税することは不当な二重課税であることから、本件支払手数料等は寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、①本件契約の契約書には譲受対価及び手数料の支払期間の定めがなく、本件支払手数料等が本件事業の譲受対価であるとは認められないこと、②請求人は、本件事業を自社の従業員により行い報酬を受領しており、請求人が関係法人に本件業務を委託した事実及び関係法人から本件業務に係る役務の提供を受けた事実はなく、関係法人が実質的所得者であるとは認められないこと、③法人税法は法人ごとに適用されるものであるから、請求人に寄附金として課税し関係法人に受贈益として課税することが不当な二重課税であるとは認められないことから、本件支払手数料等は寄附金に該当する。(平25.12.13 仙裁(法・諸)平25-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250065
- 裁決年月日
- 平成25年11月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①飲食店での飲食代(本件飲食費)は、飲食及び支払の実態がある領収証に基づいて計上されたものであり、また、②チケットショップで購入した図書券の購入費用(本件図書券購入費用)の領収証には、数字を書き加えて過大に計上した事実はないので、いずれも損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、①本件飲食費については、各領収証に記載された日付及び金額は、いずれも当該飲食店において売上げ又は現金入金として記帳されておらず、当該飲食店の役員は、請求人の役員Aの依頼に基づき、白紙の領収証を渡した旨などを申述しており、②本件図書券購入費用については、請求人の役員Bは本件図書券購入費用に係る領収証に数字を書き加えた旨申述しており、当該チケットショップの代表者は、当該領収証に記載された日付で領収証の記載金額の売上げはなく、金券の販売単価からすれば真の販売価額が領収証の記載金額になることはない旨申述しており、当該申述はいずれも信用することができること等からすれば、請求人は、当該飲食店における飲食の事実がないにもかかわらず、当該飲食店に依頼して入手した白紙の領収証に日付及び金額を記載するなどして本件飲食費を損金の額に算入し、また、請求人は当該チケットショップから受領した領収証の金額を改ざんすることにより、実際の支払金額よりも過大に損金の額に算入したものと認められることから、本件飲食費及び本件図書券購入費用のうち水増しをしたと認められる部分の金額は、いずれも損金の額に算入されない。(平25.11.22 東裁(法・諸)平25-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250065
- 裁決年月日
- 平成25年11月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716069
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係者に交付するための商品券等の購入費用(本件商品券等購入費用)は、お世話になった人等に通常の範囲で渡しているから損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人の業種において多額の商品券を配布することは通常では考えられず、代表者の申述自体が不自然であることに加え、商品券を配布したことを見たことがないという複数の元従業員の回答を疑うべき理由はないことからすれば、当該代表者の申述は信用することができず、また、請求人は本件商品券等の具体的な交付先を明らかにしておらず、当審判所の調査によっても、請求人の業務との関連を明らかにする証拠は認められないことからすれば、本件商品券等購入費用は損金の額に算入されない。(平25.11.22 東裁(法・諸)平25-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250065
- 裁決年月日
- 平成25年11月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710045
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/5その他の経費との区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人が支出した役員の旅行費用(本件旅行費用)は、将来海外で事業を行うための現地調査に係る費用であり、その都度レポートも作成していること、②出版社に支払った費用(本件出版費用)は、請求人の役員が著作した書籍の購入費用であり、請求人の宣伝になっていること、また、③請求人の代表者の腕時計の購入費用(本件腕時計購入費用)については、請求人の理事長として相当なものであり、請求人の業務に関連した費用であるから、いずれも理事に対する給与には該当せず損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、①本件旅行費用に係る各旅行は、年末年始及び夏季の旅行であり、現地における滞在で自由に行動できる日は元旦1日のみである上、請求人が主張するような現地調査を元旦に行うということは不自然であること、また、本件旅行費用が請求人の業務に関連した支出であることを示す証拠書類を提出しないことからすれば、当該各旅行は観光目的の個人的な旅行であると認められ、②本件出版費用は、役員が出版社との間で締結した出版契約に基づき支払った業務に関連しない書籍の出版費用であると認められ、③本件腕時計購入費用については、高額な腕時計が一般の業務の遂行上必要なものとは考えられないことからすれば、いずれの費用も役員が負担すべき個人的な費用を請求人が負担することにより、請求人は、当該役員に対し経済的利益の供与をしたと認められることから、当該役員に対する給与に当たるところ、当該給与は、法人税法第34条《役員賞与等の損金不算入》第1項各号に掲げる給与以外の給与に該当し、損金の額に算入されない。(平25.11.22 東裁(法・諸)平25-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250059
- 裁決年月日
- 平成25年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716067
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/7その他の手数料等(架空でないと認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が計上した名簿データ(本件名簿データ)の購入に係る費用の計上に関し、①請求人と相手方はライセンス契約を取り交わしていないこと、②本件名簿データの単価が他の購入単価に比べ高額なこと、③購入代金の一部しか支払われていないこと、④費用計上の経理処理入力が遅れたこと及び⑤本件名簿データのファイル名が「預かりデータ」と記載されていることなどを理由に架空の取引であると主張する。しかしながら、取引の相手方は本件名簿データを請求人に引き渡し、請求書を発行して代金も分割で受け取っている旨答述し、現実に売却代金を収益の額に計上しており、請求人においても、請求人のパソコンに本件名簿データが保存されていること、当該代金を分割払で支払っていること、請求人は本件名簿データの引渡し後に内容をチェックし、一部不備があることを理由に相手方に値引きの申入れを行っていることなどから、本件名簿データの購入は架空の取引でないと認められる。(平25.11.14 東裁(法・諸)平25-59)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年10月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売上金額の一部が申告漏れとなっていることは認める一方、総勘定元帳に計上されていない仕入れ(本件各簿外仕入れ)がある旨及び本件各簿外仕入れに関する資料はない旨申し立てているところ、本件各簿外仕入れの仕入先等を明示できないのは、企業の存続のために真にやむを得ない事情があるためであり、したがって、本件各簿外仕入れの存在を証明する証ひょう書類の保存がなく、仕入先等を明示しなくとも、本件各簿外仕入れの存在を合理的に推認できるから、その金額を見積計算によって損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が本件各簿外仕入れが存在する証拠として提出した資料では、本件各簿外仕入れが存在する事実を認めるには至らず、また、当審判所が本件の全証拠を精査しても請求人が主張する本件各簿外仕入れの事実を認めるに足る証拠はないから、本件各簿外仕入れは存在しないと認めることが相当である。(平25.10.10 広裁(法)平25-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250051
- 裁決年月日
- 平成25年10月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、中国からの食材等の仕入取引及び消耗品等の購入取引(本件中国仕入れ等取引)並びに店舗の内装工事取引(本件内装工事取引)は、それぞれ取引の事実があった旨主張する。しかしながら、本件中国仕入れ等取引及び本件内装工事取引は、その取引に関する書類の保存が一切がなく、また、請求人が本件中国仕入れ等取引があったことを証する書類と主張する中国の販売業者が発行した販売証明書や請求人の従業員等が中国から食材等を持ち込んだとする従業員等が記載した持込証明書等の書面には信ぴょう性がなく、更に、本件中国仕入れ等取引及び本件内装工事取引の代金決済に要する資金について、請求人にその原資があったと認めるに足る証拠がないのであるから、本件中国仕入れ等取引及び本件内装工事取引は、その取引自体存在しなかったとするのが相当である。そうすると、本件中国仕入れ等取引及び本件内装工事取引は架空の取引であるからそれらの取引に基づき計上された仕入れ、消耗品費及び減価償却費は損金の額に算入されないところ、本件中国仕入れ等取引及び本件内装工事取引の計上額は、請求人の実質的な経営者に対する給与の支給と認められるから、当該給与と認められる金額については損金の額に算入されるべきところではある。しかしながら、請求人の実質的な経営者は、請求人のみなし役員若しくは取締役であり、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第3項の規定に基づき、仮装して経理することによりその役員に支給する給与の額は、各事業年度の所得金額の計算上、損金の額に算入しない旨規定されていることから、本件中国仕入れ等取引及び本件内装工事取引を計上することによって当該実質経営者に対して支給した給与は損金の額に算入されない。(平25.10. 8 東裁(法・諸)平25-51)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250050
- 裁決年月日
- 平成25年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地(本件土地)及び建物(本件建物等)の各金額が区分されずに一括購入した場合のそれぞれの取得価額について、本件建物等の金額を先に算出し、当該一括購入に係る代金総額から当該建物等の金額を控除した残額を本件土地の金額とする方法は合理的である旨主張する。しかしながら、請求人が主張する算出方法は、直ちに不合理な方法であるとはいえないものの、①土地及び建物が一括購入された場合に、必ずしも売買金額がそれぞれの客観的な交換価値の合計額とは限らなし、②建物等の評価額は、その評価方法の選択の仕方等により異なった評価額が算出され得るものであるから、その結果、土地の取得価額が低すぎたりすることがあり得ることなどを総合すると、必ずしも適切とはいえず、結果としてそれぞれの取得価額として不合理な金額が算出されることも考えられるところ、これを本件についてみると、請求人が主張する方法による本件土地の金額は、本件土地に係る路線価又は本件土地の近隣地の公示価格に基づいて算出される各金額と比較して著しく低額であり、結果として本件土地及び本件建物等の各取得価額は不合理な金額が算出されているというべきであるから、請求人が主張する方法による算定を合理的と認めることはできない。一方、 原処分庁の、当該代金総額を土地及び建物等の各固定資産税評価額の比に基づきあん分する方法は、①特に中古建物等の場合は、簡易、迅速に土地及び建物等の価額を把握してあん分することができること、②固定資産税評価額は、土地の場合は、路線価と同様に地価公示価額や売買実例等を基に評価し、建物等の場合は、再建築価額に基づいて評価されているから、土地及び建物等ともに時価を反映していると考えられること、③土地及び建物等の固定資産税評価額は、同一の公的機関が同一時期に合理的な評価基準で評価したものであるから、いずれも同一時期の時価を反映しているものと考えられることに照らし、合理的な算出方法である。(平25.10. 7 東裁(法・諸)平25-50)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250003
- 裁決年月日
- 平成25年9月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に対する商品の売却取引(本件各売上取引)は、請求人の仕入先であるB社の紹介によって行った正当な取引であり、また、本件各売上取引の売上分をA社から買い戻した仕入取引(本件仕入取引)も正当な取引である旨主張する。しかしながら、①B社の社内調査報告書(本件報告書)には、同社が請求人に対する売掛金(本件売掛金)を回収するために、A社等を経由して請求人に資金(本件各金員)を回し、本件各金員により本件売掛金を回収したという循環取引(本件循環取引)の詳細が記載されており、本件報告書は、同社の代表取締役等の主要な役員及び弁護士等の社外委員を構成員とした社内調査委員会による調査結果として公表されたこと、②請求人をはじめ本件循環取引に関係した各社の担当者も、本件循環取引が行われたことを否定しない答述等を行っていること、及び③実際にA社から請求人に本件各金員が支払われ、請求人は本件各金員を本件売掛金の支払に充てていること等からすると、本件報告書の記載内容は信用することができ、本件循環取引は本件売掛金を回収するために行われた架空取引であると認められるから、本件各売上取引も架空取引と認められる。また、本件仕入取引も、架空の売上げに見合う額を仕入れたように仮装した、架空の取引と認められる。(平25. 9.30 熊裁(法)平25-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250007
- 裁決年月日
- 平成25年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が不動産開発に係る役務提供等の対価を支払ったとして損金の額に計上した仕入高及び支払手数料(本件仕入等計上額)に関し、支払先とした各業者(本件支払先業者等)から近隣調査、手直し工事、土地買収の交渉などの役務提供等を実際に受けており、これらの役務提供等について、具体的な業務内容やその事実を証する書類はないものの、本件支払先業者等に対して本件仕入等計上額の支払をし、支払に関する請求書及び領収証も存在しているから、本件仕入等計上額は架空の取引金額を計上したものではない旨主張する。しかしながら、本件支払先業者等は活動実態が明らかでなく、役務提供等の具体的内容を明らかにする証拠がないこと、請求書については原本の提示がなく、当該請求書の写しは代表者印などの位置がすべて重なり合うように一致する不自然なものであること、本件仕入等計上額の帳簿上の決済資金の大部分が、請求人の銀行口座から引き出された後に直ちに請求人の代表者の個人口座に入金されていたことなどからすれば、本件支払先業者等による役務提供等があったと認めることはできない。したがって、本件仕入等計上額は架空の取引金額を計上したものというべきである。(平25. 9. 3 関裁(法・諸)平25-7)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平250002
- 裁決年月日
- 平成25年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716130
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/13租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 請求人は、不動産を譲り受けた際に譲渡人に支払った未経過固定資産税相当額(当該不動産に係るその譲受けの年度の固定資産税及び都市計画税のうち当該不動産の引渡日以後の所有期間分に相当する額をいう。)は、固定資産税等そのものであるから、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に含まれず、また、未経過固定資産税等相当額のうち建物に係る分のみ消費税法上の課税取引とし、土地に係る分は課税取引としないことは矛盾である旨主張する。しかしながら、固定資産税等は地方税法に基づき1月1日の不動産の所有者が納税義務を負うことになっており、賦課期日後に所有者となった譲受人が固定資産等の納税義務を負うものではないから、譲受人が譲渡人に支払った未経過固定資産税相当額を租税公課そのものであるということはできない。そして、消費税法基本通達10−1−6《未経過固定資産税等の取扱い》は、固定資産税等の課税の対象となる資産の譲渡に伴い、未経過固定資産税等相当額を授受している場合には、当該未経過固定資産税等相当額は当該資産の譲渡等の対価の額に含まれる旨定めているところ、建物についての未経過固定資産税等相当額は、当該建物の譲受人が固定資産税等の負担なしに所有又は使用することができる当該建物の購入代金の一部として支払うものといえるから、当該取扱いは当審判所においても相当と認められ、一方、土地の譲渡は消費税法第6条《非課税》第1項に規定する非課税取引に該当し、未経過固定資産税等相当額のうち土地に係る金額は非課税となることは明らかであり何ら矛盾するところはない。(平25. 8.30 福裁(法)平25-2)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平250002
- 裁決年月日
- 平成25年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 請求人は、不動産を譲り受けた際に譲渡人に支払った未経過固定資産税等相当額(当該不動産に係るその譲受けの年度の固定資産税及び都市計画税のうち当該不動産の引渡日以後の所有期間分に相当する額をいう。)は、固定資産税等そのものであり租税公課であるから不動産の取得価額に含まれない旨主張する。しかしながら、固定資産税等は地方税法に基づき1月1日の不動産の所有者が納税義務を負うことになっており、賦課期日後に所有者となった譲受人が固定資産税等の納税義務を負うものではないから、譲受人が譲渡人に支払った未経過固定資産税等相当額を租税公課そのものであるということはできない。そして、売買当事者間で合意に基づき授受された未経過固定資産税等相当額は、あくまでも合意された売買の取引条件の一つであり、当該条件を満たさないことには売買取引そのものが完了しないと考えられるから、当該未経過固定資産税等相当額は取得関連費用ではなく、狭義の購入の代価として取得価額に含まれるとするのが相当である。(平25. 8.30 福裁(法)平25-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250003
- 裁決年月日
- 平成25年8月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、下請先の従業員であったAに対して支払った金員(本件各支出金)から消費税額を控除した金額を外注加工費として計上し(本件各外注費計上額)、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入していたことについて、本件各支出金は、Aが作成した各請求書に基づいて工事に係る外注工事の対価として支払ったものであり、本件各外注費計上額は、請求人の完成工事原価の額であるから、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人が請け負った各工事については、本件の全証拠によっても、Aが請求人に対し、いかなる役務提供等を行ったのかが具体的に明らかではない以上、請求人がAに支払った本件各支出金と請求人の業務との関連性の有無も明らかではないというほかないから、本件各外注費計上額については、本件事業年度の法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入することはできない。(平25. 8. 6 関裁(法・諸)平25-3)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平250004
- 裁決年月日
- 平成25年7月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税の確定申告書別表五(一)に利益積立金額として留保していた金額(本件利益積立金額)から総勘定元帳の「機械装置」勘定に振り替えて計上した金額(本件資産計上額)は、新たな減価償却資産の取得価額を構成することから、本件資産計上額に係る減価償却費(本件償却費)の額は振り替え後の事業年度(本件各事業年度)の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件利益積立金額は、本件各事業年度前に既に売却している機械装置(本件機械装置)に係る減価償却超過額であり、本件資産計上額について本件機械装置とは別の減価償却資産を新たに取得したものとは認められず、また、請求人は本件各事業年度において本件機械装置を有していないと認められることから、本件償却費を損金の額に算入することはできない。(平25. 7.24 広裁(法)平25-4)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平250002
- 裁決年月日
- 平成25年7月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 請求人は、請求人が設立の際に、請求人の代表者個人から譲り受けた事業に係る債権と債務の一部を貸借対照表に計上し、その債権と債務の差額(債務超過部分)を営業権としたことについて、当該営業権に係る減価償却費は、実質的に求償不能な代表者の債務を引き受けたことにより生じた債務引受損失の一部であり、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項第3号に規定する損失に該当する旨主張する。しかしながら、請求人が事業等を引き継ぐ段階において、将来の超過収益力があり明確に財産的価値があると認定できるような具体的な無形資産は見受けられず、逆に引き継ぐ直前の代表者個人の事業経営の内容は極めて悪く、請求人の設立は、代表者の行っていた同一内容の営業の継続を図り、代表者個人の負債整理を円滑に行うことを目的として行われたものと認められることから、事業等を引き継いだ請求人が財産的価値のある営業権を取得したと認定することはできない。(平25. 7.19 金裁(法・諸)平25-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250008
- 裁決年月日
- 平成25年7月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 原処分庁は、請求人の中国の子会社への送金(本件送金)は、請求人と当該子会社との間の金銭消費貸借契約に基づく貸付けである旨主張し、請求人は、本件送金に係る金員は、当該子会社からの仕入れに係る値増し金であって損金の額に算入されるものであり、仮に、本件送金が経済的利益の無償の供与等とされる場合であっても、合理的な経済目的に基づいて行ったものであるから寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人及び当該子会社が金銭消費貸借契約書を作成したことは、請求人が中国の外貨管理局の許可を得て当該子会社に必要な資金を送付するために、金銭消費貸借契約の形式を採用したにすぎないと認められ、請求人と当該子会社との間に当該金銭消費貸借契約に基づく貸付けがあったと認めることはできず、一方、本件において作成された値増しに係る合意書及び覚書に記載された値増し金の算定根拠によれば、本件送金は、当該子会社の為替差損、諸経費の増加、裁判費用、建物の補修費及び赤字補填のために行われたとみるのが相当であり、親会社である請求人が、資金不足に陥った当該子会社に対し、金銭の贈与(本件金銭贈与)を行ったものと認めるのが相当である。そして、本件金銭贈与がなければ当該子会社が倒産する状況にあったとは認められないから、本件金銭贈与が当該子会社の倒産を防止するなどのためにやむを得ず行われたものとはいえず、また、合理的な再建計画に基づくものであるなど、本件金銭贈与をしたことについて、相当な理由があるとは認められないから、本件金銭贈与の額は、租税特別措置法第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》第3項に規定する寄附金の額に該当し、その全額が損金の額に算入されない。(平25. 7. 5 東裁(法)平25-8)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平250001
- 裁決年月日
- 平成25年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人(A社)との出向契約に基づき役員の出向を受け、A社に対して給与負担金(本件支出額)を支出したことについて、①本件支出額は、役員給与として正当な対価であること及び②本件支出額は、A社を通じて危機的財政状態にある他の関係法人(B社)を支援しているものであり、法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》の要件に合致することから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》の寄附金には該当しない旨、また、③A社が請求人から受領した本件支出額を収益計上している以上、これを請求人からA社に対する寄附金と認定することは、同一所得に対する二重課税である旨それぞれ主張する。しかしながら、①出向元のA社役員らが請求人に出向していたとしても、A社から当該役員らに請求人の役員報酬相当額が支給されていないことから給与負担金としての性格はないものと認められ、また、②本件支出額は、B社に対して支払われたものではないことから法人税基本通達9−4−2の要件について検討する余地はない。そして、③法人税法は、各法人に適用されるものであり、法人が寄附金を支出した場合には、一定の基準を超える金額は法人の所得金額の計算上損金の額に算入されず、当該寄附金の支払を受けた法人においては、無償による資産の譲受け(受贈益等)として法人の所得金額の計算上益金の額に算入すべきであるから、同一所得に対する二重課税である旨の請求人の主張は採用できない。(平25. 7. 3 仙裁(法)平25-1)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平240018
- 裁決年月日
- 平成25年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社との間で取り交わした契約(本件契約)に基づき、請求人がA社に対して有する貸付金(本件貸付金)等に相当する金額を繰延資産とした開発費(本件開発費)について、社会福祉法人B会の理事等の地位に請求人の推薦者を就任させるための対価であり、当該理事等の地位を得ることにはそれなりの価値があることから、本件開発費は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、本件契約によって請求人にもたらされる経済的な価値があるとは認められず、むしろ、請求人は、本件貸付金等を平成20年6月期の決算書から無くしておきたいと考え、本件契約には経済的な価値があるとは認められないにも関わらず、本件契約を締結し、本件契約に係る対価の額と本件貸付金等とを相殺する形を整えることによって、当該決算書から本件貸付金等を無くすとともに、本件貸付金等と同額の本件開発費を繰延資産に計上することにより、本件開発費に係る償却費を損金の額に算入したものと認められる。そうすると、請求人が、本件契約に係る対価の額と本件貸付金等を相殺したことは、実質的に債務免除という経済的な利益を無償でA社に供与したものであるから、本件貸付金等と同額である本件開発費は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当すると認められる。(平25. 6.26 札裁(法・諸)平24-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240239
- 裁決年月日
- 平成25年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706069
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各貴金属(本件各貴金属)に係る各貸借契約(本件各契約)は、本件各貴金属の返還債務に貴金属の現物商品相場に連動する売建先渡契約が組み込まれた複合金融取引と考えるのが合理的であり、本件の特別損失計上額は、デリバティブ取引の手仕舞約定等に係る損失として損金の額に算入されるべきものである旨主張する。しかしながら、本件各契約の法的性質は、有償の貸借と条件付売買予約が合体した一種の混合契約と解するのが相当であり、本件各契約は、本件における各取引の開始から終了までの間においては賃貸借契約に近い性質が認められるから、当該各取引の開始の時に請求人が本件各貴金属を取得したと認めるのは相当ではない。そして、請求人は、本件各貴金属について、返還選択権(貸借した貴金属と同質・同量の貴金属を返還する)、又は買取選択権(時価で貸借した貴金属を買い取る)の行使により当該各取引を終了させ返還義務を消滅させたものと認められ、当該各取引の終了の時において本件各貴金属を取得したものと認めるのが相当であり、当該終了の時において請求人の資産に計上すべきであるから、当該特別損失計上額は、本件各貴金属(資産)の取得価額を構成するというべきである。また、請求人は、当該各取引の開始の時に、その時の価額で本件各貴金属を取得したものではなく、請求人の本件各貴金属の取得価額は、本件各貴金属につき、請求人がA契約の終了の時において返還選択権を行使するために米国B社から貴金属を購入した代価及びC契約の契約解除の時における買取選択権の行使による買取価額の合計金額であるから、本件各契約が売建先渡契約が組み込まれた複合金融取引(デリバティブ取引)であると認めることはできない。(平25. 6.20 東裁(法)平24-239)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240027
- 裁決年月日
- 平成25年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の各関係会社(本件各関係会社)が行った取引全体が全て請求人自身の行為と評価されるから、本件各関係会社の役員報酬、帳簿作成費用等は、請求人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件各関係会社は固有の法人格を有する会社であり、その取締役の業務に係る報酬として支払われた役員報酬は、関係会社固有の費用であり、また、本件各関係会社は、法律の定めるところにより、会計帳簿の作成及び納税申告をする必要があり、そのために要した費用である帳簿作成費用等も本件各関係会社固有の費用であって、請求人の費用ではない。したがって、本件各関係会社の役員報酬、帳簿作成費用等は、請求人において、各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することはできない。(平25. 6.17 広裁(法・諸)平24-27)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240027
- 裁決年月日
- 平成25年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の各関係会社(本件各関係会社)に対し、請求人が各売上先から請け負った業務を実際に外注(本件各外注取引)しており、本件各外注取引は実体のない取引ではない旨主張する。しかしながら、本件各関係会社に所属するとされた各労働者(本件各労働者)が従事していた本件各外注取引に係る業務において、請求人が本件各労働者の人事管理や配属現場での労務管理を行っていたこと、また、本件各労働者に対する給料手当等は実質的には請求人の資金で支払われたことに加え、本件各関係会社が順次設立されていった際、本件各労働者の配属現場を異動させることなく本件各労働者の所属会社の名義を当該新設会社に変更していること、請求人の代表者の会社設立後2課税期間は免税事業者となる旨の消費税に対する認識を併せ考えると、本件各労働者の雇用者は請求人であって、本件各外注取引は、請求人の代表者が消費税を免れることを意図して作出した実体のない取引であると認められる。(平25. 6.17 広裁(法・諸)平24-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240232
- 裁決年月日
- 平成25年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706062
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/2借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事業用定期借地権である各借地権(本件各定期借地権)は、各借地の無償返還を前提とする純然たる土地利用権であり、その設定に当たって対価の支払が行われておらず交換価値がないから、法人税法上の資産に該当せず、本件各定期借地権に係る仲介手数料(本件各仲介手数料)の額は、支出時の損金の額に算入されるべきである旨、また、仮に本件各仲介手数料について法人税法施行令第54条《減価償却資産の取得価額》第1項の規定が準用されるとしても、本件各定期借地権は土地の賃貸借に伴い派生し請求人に帰属したものであり購入したものではないから、同項第6号が適用され、同号には取得するための費用を取得価額に含めるとの規定はないから、本件各仲介手数料の額は本件各定期借地権の取得価額には含まれない旨主張する。しかしながら、本件各定期借地権は、法人税法上、土地の上に存する権利に該当し、減価償却資産以外の固定資産に該当するところ、本件各仲介手数料は、法人税基本通達7−3−8《借地権の取得価額》の(3)に定める「借地契約に当たり支出した手数料その他の費用の額」に該当するから、本件各仲介手数料の額は本件各定期借地権の取得価額に含まれ、支出時の損金の額に算入することはできず、また、法人税法施行令第54条第1項第1号は、購入時に購入代金が支払われることに着目した規定というより、その取引の有償性に着目した規定であると解されるところ、請求人は本件各定期借地権の設定に当たり、敷金を預託することにより各賃借人に対して経済的利益を供与したものと認められることから、同号の規定を準用するのが相当である。(平25. 6.13 東裁(法)平24-232)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240056
- 裁決年月日
- 平成25年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の理事長(本件理事長)に対する役員給与の額は、本件理事長の職務内容及び請求人の業績に対する貢献に見合った範囲内の金額であるから、不相当に高額な部分の金額はない旨、また、原処分庁が比較の対象とした類似法人の抽出には合理性がない旨主張する。しかしながら、①本件理事長の職務の内容は請求人に固有のものとまでは言えないこと、②本件理事長の役員給与の額は請求人の収益の額及び使用人の給与支給額の各伸び率等に比して高い伸び率を示していること、及び③類似法人の役員給与平均額と比較しても4.7倍から6.5倍と大幅に上回っていることを総合勘案すると、本件理事長の役員給与の額には不相当に高額な部分があることは明らかというべきである。また、原処分庁の類似法人の選定方法は、①業種目の選定、②抽出地域、及び③事業規模の範囲(収入金額の倍半基準)のいずれの観点からも合理性が認められることから、請求人の主張には理由がない。(平25. 6.11 関裁(法)平24-56)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平240016
- 裁決年月日
- 平成25年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aとの間に雇用契約の合意が成立しており、Aが請求人において従業員として勤務していた実態がある旨主張する。しかしながら、Aは、日々相当の時間を他社の従業員としての業務に費やしていることが認められ、請求人における従業員としての勤務実体を認めるに足る証拠はなく、また、Aは調査担当者に対し、請求人において働いたことはない旨を繰り返し申述しており、Aに請求人の従業員としての勤務実態がなかったことは、請求人の社業全般を統括している取締役Cも答述するところであることからすれば、請求人とAとの間の雇用契約は存在せず、Aが請求人の事務所を訪れていたことをもって、Aが従業員として請求人の指揮命令に服して労務を提供していたとは認められない。そして、請求人は、Aが新たに設立する法人の資本金の一部に充てるためなどの経済的支援目的で、請求人の費用(給与手当)として金員を支払ったものと認められるから、当該金員は、請求人からAに対する直接的な対価を伴わない支出、すなわち、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金に該当すると認めるのが相当である。(平25. 5.28 札裁(法)平24-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240052
- 裁決年月日
- 平成25年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社に譲渡した土地建物(本件土地建物)の土地(本件土地)には土壌汚染があるから、その譲渡対価の額を、本件土地の積算価格から土壌汚染対策費を控除して算定することには合理性があり、低廉譲渡による経済的利益の供与はないので、寄附金とすべき額はない旨主張する。しかしながら、土壌汚染が存在しないとした場合の本件土地建物の時価は、当審判所が依頼した不動産鑑定士による不動産鑑定評価書(審判所鑑定評価書)の鑑定評価額が、請求人が2年前に本件土地建物を購入した際の購入金額に近く、その内容に不合理な点も認められないことからすれば、審判所鑑定評価書の鑑定評価額を、土壌汚染が存在しないとした場合の本件土地建物の時価と認めるのが相当であり、次に、土壌汚染対策費用については、請求人が行った本件土地に係る土壌汚染調査は土壌汚染対策法に規定する詳細な調査ではなく、本件土地が汚染の拡散防止対策が必要であるかどうかが明らかでない上、請求人の主張する土壌汚染対策費用の見積額は、本件土地の汚染の拡散防止を目的とした工事費用として算定したものとは認められないのみならず、そもそも本件土地には既にアスファルト舗装等が施されており、必ずしも新たに汚染の拡散防止等の措置を講ずる必要があるとはいえず、現に、その後も何らの土壌汚染対策も施されておらず、その結果、何らかの問題が生じたとも認められないことなどを考慮すると、土壌汚染対策費用を控除する必要はないというのが相当である。そうすると、請求人は、本件土地建物の時価と譲渡価額との差額分を下回る金額で譲渡したというべきであり、当該差額に相当する金額を実質的に贈与等したというべきであるから、当該差額に相当する金額は寄附金の額に該当する。(平25. 5.28 関裁(法)平24-52)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240052
- 裁決年月日
- 平成25年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706090
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/9損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、工場の選別ラインに新たに取り付けた冷暖房設備(本件冷暖房設備)を現実に7か月間は使用しており、その取得価額について損金経理もしているのであるから、本件冷暖房設備の取得価額は法人税基本通達7−5−1《償却費として損金経理をした金額の意義》(本件通達)に定める償却費として損金経理した金額に該当するとみるべきであり、本件通達に例示された文言を形式的に適用して、本件冷暖房設備の取得価額の全額が損金の額に算入されないとの判断をすべきではない旨主張する。しかしながら、そもそも、法人税法は減価償却費の損金算入について確定した決算において「償却費」として損金経理することを要件としているところ、償却費以外の科目で費用とした金額についても、税法上一切これを減価償却費として認めないとすると実情に即さないと考えられることから、償却費以外の科目であっても償却費として損金経理したとみて差し支えないものを本件通達において限定的に定めたものと解され、当該減価償却資産を事業の用に供していて取得価額を損金経理したとしても、そのことをもって全ての場合において償却費として損金経理したとみて差し支えないわけではないことは明らかであり、請求人は、本件冷暖房設備の取得価額を修繕費勘定に計上しているが、償却費として損金経理したものではなく、本件通達が掲げる要件のいずれにも該当しないから、その全額が損金の額に算入されない。(平25. 5.28 関裁(法)平24-52)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240053
- 裁決年月日
- 平成25年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706090
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/9損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、新たに取得した溶接機(本件溶接機)を現実に2か月間は使用しており、その取得価額について損金経理もしているのであるから、本件溶接機の取得価額は法人税基本通達7−5−1《償却費として損金経理をした金額の意義》(本件通達)に定める償却費として損金経理した金額に該当するとみるべきであり、本件通達に例示された文言を形式的に適用して判断すべきではない旨主張する。しかしながら、そもそも、法人税法は、減価償却費の損金算入について、確定した決算において「償却費」として損金経理することを要件としているところ、償却費以外の科目で費用とした金額についても、税法上一切これを減価償却費として認めないとすると実情に即さないと考えられることから、償却費以外の科目であっても償却費として損金経理したとみて差し支えないものを本件通達において限定的に定めたものと解され、当該減価償却資産を事業の用に供していて取得価額を損金経理したとしても、そのことをもって全ての場合において償却費として損金経理したとみて差し支えないわけではないことは明らかであり、請求人は、本件溶接機の取得価額を原材料仕入高に計上したものであって償却費として損金経理をしたものではなく、本件通達に掲げる要件のいずれにも該当しないから、その全額が損金の額に算入されない。(平25. 5.28 関裁(法)平24-53)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240015
- 裁決年月日
- 平成25年4月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人(本件子会社)から受領した又は受領すべき出向職員等に係る出向負担金相当額について、返金又は免除したことにより益金の額に算入しなかった金額及び本件子会社から受領したリース料立替金相当額と同額を本件子会社に対し賃借料として支払い、損金の額に算入した金額は、本件子会社の再建を支援するためのものであり、法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》に該当するから、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、本件子会社は経営危機の状況になく、また、支援金額の算定に当たっても、請求人の利益予想額を判断要素とし、更には合理的な再建計画に基づく再建管理もなされていないことなど、請求人の損失負担の必要性及び再建計画の合理性は認められないことから、当該各金額は寄附金の額に該当する。(平25. 4.12 仙裁(法)平24-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240188
- 裁決年月日
- 平成25年4月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が譲渡したゴルフ会員権の取得時期が不明であるものの、いずれにしてもその取得価額は帳簿価額のとおりであるから、それを基に当該ゴルフ会員権の譲渡原価の額を計算すべきである旨主張する。しかしながら、当該ゴルフ会員権に係るゴルフ場運営会社の変更により当該変更前のゴルフ倶楽部の会員は当該ゴルフ場施設を利用することができなくなったと認められるから、当該ゴルフ倶楽部に係る会員権は、その基本的な部分を構成するゴルフ場施設の利用権が行使できなくなったことにより包括的な債権的契約関係としては存続し得なくなったと解するのが相当であることなどからすると、当該会員は、実質的には当該変更後の運営会社との間で、当該ゴルフ倶楽部に係る会員権と新たな会員権とを交換する又はそれに類する契約を締結したものであり、また、その際に、請求人は当該ゴルフ倶楽部に係る会員権を譲渡したことの対価として新たな会員権をその取引相場の価格で取得したものと認めるのが相当である。そうすると、当該ゴルフ会員権の取得時期にかかわらず、その取得価額は当該取引相場の価格であると認められる。したがって、請求人が譲渡したゴルフ会員権の譲渡原価の額は、当該取得価額を基に計算した額と同額又はそれを下回る金額と認められる。(平25. 4. 3 東裁(法)平24-188)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240042
- 裁決年月日
- 平成25年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/1交際費処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、購入した商品券(本件商品券)は、いずれも業務に関連して配付したものであるから、その購入費用は交際費等に該当する旨主張する。しかしながら、請求人が提出したいずれの証拠資料からも、本件商品券の具体的な配付の事実が明らかとはいえず、請求人は、本件商品券に関する受払簿等を作成しておらず、他に本件商品券の具体的な配付先や在庫の存在を認めるに足りる証拠もないことからすれば、本件商品券の使途は不明というほかなく、使途が不明である以上、請求人の業務との関連性の有無も明らかであるとはいえない。したがって、本件商品券の購入費用は交際費等の額に該当せず、その全額を損金の額に算入することができない。(平25. 3.26 関裁(法)平24-42)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240043
- 裁決年月日
- 平成25年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、学校法人に支払った金員(本件金員)について、当該学校法人との間で事務所(本件事務所)を借り受ける旨の賃貸借契約(本件賃貸借契約)を過去に締結し、契約期間満了後も使用したことに対する謝礼であるから、本件金員を交際費とした経理処理が認められる旨主張する。しかしながら、本件賃貸借契約の継続の有無について、当該学校法人の理事長である請求人の前代表者の答述は変遷し、請求人が本件事務所を使用していた事実を明らかにする資料はなく、また、使用の事実が存在するのであれば、請求人は本件金員を地代家賃と経理処理するのが通常であると考えられるところ、交際費として経理処理したことは不自然である。以上のことからすると、本件賃貸借契約の継続及び請求人が本件事務所を使用していたという事実を認めることはできない。そして、学校法人は事業に直接関係のない者であり、請求人が学校法人との間で親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図る必要性は認められないことから、本件金員は交際費等に当たると認めることはできず、また、他に広告宣伝など寄附金から除かれる費用に当たると認めることはできない。そうすると、本件金員は、対価性のない支出であり、寄附金の額に該当する。(平25. 3.26 関裁(法)平24-43)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240043
- 裁決年月日
- 平成25年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/1交際費処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、購入した商品券(本件商品券)について、受注獲得のため関係者に対して配付したものであるから業務関連性があり、本件商品券の購入費用を交際費等とした請求人の処理は認められる旨主張する。しかしながら、請求人からは、本件商品券を配付した時期、配付した相手方の氏名又は名称、配付した商品券の各金額、及び商品券の在庫の存在に関して、具体的に明らかにする資料の提出がなく、請求人は本件商品券の受払簿等を作成していない。そうすると、本件商品券の使途は不明であるというほかなく、当該使途が不明である以上、請求人の業務との関連性の有無も明らかとはいえない。したがって、本件商品券の購入費用は交際費等の額に該当せず、その全額を損金の額に算入することができない。(平25. 3.26 関裁(法)平24-43)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240014
- 裁決年月日
- 平成25年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する債権放棄(本件債権放棄)は、特別清算の終結決定に基づいており、法人税基本通達9−6−1《金銭債権の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ》の(4)の要件を満たし、貸倒損失に該当することから、損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件債権放棄は、請求人グループの財務改善計画実施の過程でなされた子会社等の事業譲渡に起因して行われたものであり、当該事業譲渡後に子会社の特別清算を予定していたことからすると、子会社に対する債権については弁済を受けられない状況になることが明らかであったと認められる。そうすると、本件債権放棄の額の損金算入についての適否を判断するに当たっては、同通達の要件を満たすかどうかで判断するのは相当でなく、当該財務改善計画に盛り込まれた子会社の整理等が合理的な計画の下で実施されたか否かで判断すべきである。本件債権放棄の必要性及び合理性など債権放棄をしたことに相当な理由があると認められるか否かについては、当該債権放棄を受けた子会社が経営の危機に陥っていたとまでは認められず、また、当該債権放棄の額についても合理性があったとはいえないことから、相当な理由があったと認めることはできない。したがって、本件債権放棄の額は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当する。(平25. 3.25 仙裁(法)平24-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240177
- 裁決年月日
- 平成25年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、名義書換料等の諸費用が発生しない有価証券の相対取引においては、市場価格から1割程度減額した価格を取引価格とすることは、税法上認められるべきであり、また、いわゆる有利発行や相対取引で行われる株式公開買付けの場合に鑑みれば、市場価格に比して1割程度低い価格での売買は税法上妥当なものであるから、被合併法人であるa社が株式を譲渡したことについて寄附金の額は発生しない旨主張する。しかしながら、本件における譲渡株式は上場株式であるから、特段の事情がない限り、譲渡時の市場価格をもって当該譲渡株式の適正な価額と認めるのが相当である。また、株式の売買委託手数料が、通常、売買価額の1%程度にも満たない金額であることからすると、市場価格の1割相当額を減額して譲渡すべき理由はなく特段の事情があるとはいえず、また、当該譲渡株式は、関係会社との間の相対取引によって譲渡されたものであって、いわゆる有利発行や株式公開買付けの場合とは事情が異なるのであり、これらの場合において市場価格より1割程度低い価額での売買が税法上認められているとしても、このことをもって、当該譲渡株式の譲渡価額が適正な価額であるということはできない。したがって、a社は、当該譲渡株式の市場価額と譲渡価額との差額に相当する額を関係会社に供与したというべきであるから、当該差額に相当する額が寄附金の額となる。(平25. 3.19 東裁(法)平24-177)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240177
- 裁決年月日
- 平成25年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/1交際費処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被合併法人であるa社は事業に関連して商品券を取引関係者に配付しているから、当該商品券の購入費用は、交際費等に当たる旨主張する。しかしながら、法人の支出が交際費等に該当するためには、①支出の相手方が事業に関係のある者等であり、②支出の目的が事業関係者等との間の親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図ることであるとともに、③行為の形態が接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であること、の三要件を満たすことが必要であると解されるところ、a社は、当該商品券の使途を明らかにしていないこと、当該商品券の交付の相手方、金額、交付日、a社の業務との関連を明らかにする証拠もないことからすれば、当該商品券に関し、上記①ないし③の要件のいずれも満たしておらず、当該商品券の購入費用は、交際費等に当たらないというべきである。そして、使途の確認ができず、業務との関連性の有無が明らかでない支出については、損金の額に算入することができないのであるから、当該商品券の購入費用は、損金の額に算入することはできない。(平25. 3.19 東裁(法)平24-177)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平240003
- 裁決年月日
- 平成25年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№90
要旨
○ 請求人は、請求人に勤務する職員で看護師等の資格取得のために看護専門学校に入学した者に対し奨学金として負担した金員については、当該奨学金に係る奨学金貸与規則どおりに運用されている実態がなく、奨学金の返還を目的としていないことなどから、支出した事業年度の損金に算入することも認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、当該奨学金貸与規則に基づき、奨学金申請書を提出した者に対し奨学金を支給していることが認められ、また、奨学金の返還については、当該奨学金貸与規則は規定どおり一定期間の勤務を条件に免除されることが予定されていることから、その奨学金は、支給時点においては債務免除の条件が付された貸付金であり、損金の額に算入することはできず、また、各事業年度終了の日までに、その返還免除の意思表示がされていないことから、各事業年度の損金の額に算入することはできない。(平25. 3.18 金裁(法)平24-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240032
- 裁決年月日
- 平成25年3月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表取締役であった者(本件役員)に対する役員給与として計上された額(本件役員給与計上額)は、その全額を損金の額に算入すべきである旨主張し、原処分庁は、本件役員が現実に受領していた金額以外は請求人の実質経営者が管理する銀行口座(本件銀行口座)に振り込まれていたこと等から、本件役員給与計上額のうち本件役員が現実に受領した金額を超える額は、実質経営者に対する貸付金であり、損金の額に算入することはできない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、本件役員が本件役員給与計上額に見合う役務を提供した事実は認められず、本件役員給与計上額が職務の対価としての意味を持つものということはできないほか、本件役員は現実に受領した金員を自らの給与であると認識していないことなどからすれば、現実に支払われた金員についても本件役員に対する給与であると認めることはできない。また、本件銀行口座に振り込まれた金員について、請求人と実質経営者との間で返還する合意をした事実又はそれを追認した事実や、当該金員が振り込まれた後、実質経営者が請求人に対して弁済した事実など、貸付けの事実をうかがわせる事情も認められないから、当該金員は、法人税法上の役員に該当する請求人の実質経営者に対して支給されたというべきである。そうすると、本件役員給与計上額は、内容虚偽の取締役会議事録及び株主総会議事録を作成するなど、あたかも本件役員に対する給与として支給したかのように仮装することにより、実質経営者に対して支給された役員給与であると認められるから、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第3項及び平成18年法律第10号による改正前の法人税法第34条《過大な役員報酬等の損金不算入》第2項の規定により、その全額を損金の額に算入することはできない。(平25. 3.15 名裁(法)平24-32)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240033
- 裁決年月日
- 平成25年3月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710059
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取締役の地位にあった者(本件役員)に対して支払われた役員退職金(本件退職金)について、本件役員は実際に稼働しており本件退職金は正当に支給したものであるから、損金の額に算入することができる旨主張し、原処分庁は、本件退職金が請求人の代表取締役が管理する銀行口座に振り込まれており、本件役員に支払われた事実及び本件役員が受領した事実がないとして、代表取締役に対する貸付金である旨主張する。しかしながら、本件役員は、取締役としての職務はもちろんのこと、請求人に関する何らかの業務を遂行した事実を認めるに足りる証拠は認められず、取締役会議事録、臨時株主総会議事録及び退職所得の受給に関する申告書は、いずれも本件退職金を適正かつ適法に支給したかのように仮装するために作成されたものであり、本件退職金が本件役員に対する退職金であると認めることはできない。ただし、本件退職金が代表取締役の資産と認められる本件役員名義の銀行口座に振り込まれた際、請求人と代表取締役との間で返還する合意をした事実若しくはそれを追認した事実や、本件退職金が振り込まれた後、代表取締役が請求人に対して弁済した事実など、貸付けの事実をうかがわせる事情は認められないから、本件退職金は、代表取締役に対する役員賞与であるとするのが相当であり、法人税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)第35条《役員賞与等の損金不算入》第1項の規定により、請求人の所得の金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(平25. 3.15 名裁(法・諸)平24-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240170
- 裁決年月日
- 平成25年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己がA社から融資を受けるに当たり、B社からアドバイザリー業務契約に基づく債務の保証サービスという役務の提供を受けているから、当該契約に基づきB社に成功報酬として支払った金員は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、当該融資は、甲が実質的に支配する請求人等にC社の株式を取得させるために、甲が実質的に支配するA社に指示して実行させたものと認めるのが相当であり、そして、当該契約に係る契約書は、甲の当該融資に関して手数料を発生させられるとの発案及び指示に基づき、A社の役員2名により作成されたものであって、B社は、債務保証以外の契約上の各サービスを提供できる状況になかったと認めるのが相当である。また、当該融資は無担保の条件で決定、実行されており、貸主であるA社は、当該融資において保証人を必要としなかったことが明らかであること等からすれば、A社とB社との間において当該融資に関する債務保証契約が成立していたと認めることはできないから、請求人は、当該融資に関し、B社から、当該契約に基づき債務の保証サービスという役務の提供を受けていたと認めることはできない。そうすると、当該金員は、請求人が行う対価性のない支出、すなわち、請求人からB社に対する寄附金に該当するというべきである。(平25. 3. 7 東裁(法・諸)平24-170)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表取締役(本件役員)が同職を辞職し、取締役となったこと(本件分掌変更)によって、本件分掌変更後は、商品の製造に関する技術的な指導を行うだけで請求人の経営に関与してないこと及び役員給与の額が3分の1に減額されたことなどから、本件役員には実質的に退職したと同様の事情があり、本件分掌変更に際して支給した金員は、役員退職給与に該当する旨主張する。本件役員について、分掌変更後の出勤状況が月に3、4日程度になるとともに役員給与の額が3分の1になっていることは確認されるが、請求人には同族関係者以外の役員はいないこと、本件役員が、請求人の発行する株式総数の2分の1を超える数を有していること、また、請求人にとって重要な商品の製造管理業務を行っていること等を総合的に勘案すると、本件役員は、本件分掌変更後においても、請求人にとって不可欠な業務を行い、影響力のある地位を占めていると認められるから、本件分掌変更により実質的に退職したと同様の事情にあるとは認められず、本件金員について、役員退職給与として取り扱うことはできない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各役員は、原処分庁が抽出した同業類似法人(本件同業類似法人)のどの役員よりも秀でた、最高に優秀な経営者であるから、本件同業類似法人の役員給与の最高額を当てはめるのは違法である旨主張する。しかしながら、役員の職務に対する対価として相当であると認められる金額の算定上、類似法人の抽出については、給与額の比較のための資料であり、業種、業態、規模、収益状況等ができるだけ当該法人と類似するものであることが望ましいとされるが、経営能力の類似性まで求めているものではない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同業類似法人の抽出に関し、原処分庁が、その抽出範囲を原処分庁の管内及び隣接する国税局の管内に限定し、その他の地域を考慮しないことは違法である旨主張する。しかしながら、類似同業者の抽出は、請求人との類似性を担保するため、請求人の所在地域を対象範囲とすることが望ましいが、当該所在地域に類似同業者が存在しないか数量的に少ない場合は、当該類似同業者の個別の特殊事情が反映され相当とはいえず、近接地域も抽出の対象範囲とすることが相当であり、原処分庁が原処分庁の管内及び隣接する国税局管内から類似同業者を抽出したのは不合理とは認められない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売上高倍半基準は、原価逓減を反映することなく、法人を捨象するため、適切な類似法人を抽出できず、法令上何ら根拠のない抽出基準であり、法人税法施行令第4条の3《適格組織再編成における株式の保有関係等》第4項第2号において、事業規模類似要件として5倍基準を採用している以上、明文にない売上高倍半基準を採用することは違法・不当である旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第4条の3第4項第2号の規定は、適格組織再編成に該当するか否かに関し、売上金額等が5倍を超えない範囲内の合併であるならば、合併の際の資産移動につき特に譲渡としての課税関係を生じさせない旨を定めたものであり、過大役員給与の額を算定する際の類似同業者を抽出する基準と直接に関係する定めではない。また、過大役員給与の額の算定に際しての類似規模という観点からすると、売上高倍半基準自体は類似規模の法人を抽出する基準として一定の合理性があるといえ、規模を拡大することは、類似性が薄れることにもなり適当ではない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/1役員の範囲/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の各役員(本件各役員)は、経営判断に関与する役員としての実体を持った役員であるため、本件各役員に法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項及び法人税法施行令第70条《過大な役員給与の額》第1号イの適用を行うのは違法である旨主張する。しかしながら、法人税法第34条に規定する役員とは、同法第2条《定義》第15号で規定する法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している者のうち政令で定めるものとされており、本件各役員は同条で規定する法人の取締役に該当するから違法はない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員給与の相当性の判断においては、法人税法施行令第70条《過大な役員給与の額》第1号イの文言のとおり、①当該役員の職務の内容、②その法人の収益及びその使用人に対する給与の支給状況、③その法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員給与の支給状況等の順序で判断すべきであり、劣後する③を最重点の要素として判断することは違法である旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第70条第1号イの規定は、上記①ないし③の要素等を総合的に勘案して判定するものと解され、法令の文言の順序により、優先、劣後が定まるものではない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の代表取締役及び取締役の職務に対する役員給与として相当とする額(適正給与額)の算定に当たり、請求人と同業種で売上金額が倍半基準内にある法人(同業類似法人)の代表取締役及び取締役に対して支給した役員給与の最高額を適正給与額とした。しかしながら、当該最高額をもって適正給与額とすることは、当該役員給与を支給した法人の特殊事情が反映されるから相当とはいえず、また、同業類似法人の中に、たまたま不相当に高額な部分の金額が含まれた役員給与を支給しているものがあったときは明らかに不合理な結論となることから、代表取締役及び取締役に対して支給した役員給与の最高額の平均額をもって適正給与額とすることが、これら同業類似法人に通常存在する差異やその個々の特殊事情等が可及的に捨象されるので、合理的かつ客観的であるというべきである。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、企業の私的自治への介入は謙抑的である必要があるから、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項及び法人税法施行令第70条《過大な役員給与の額》第1号イの適用が許されるのは、役員給与の支給によって法人の維持・発展が阻害される場合に限られる旨主張する。しかしながら、法人税法第34条の規定は、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項の「別段の定め」に該当する規定であって、その趣旨は、法人段階において損金算入される役員給与の範囲を職務執行の対価として相当とされる範囲に限定しようとするものであり、その適用について、法人の適正な維持・発展が阻害される場合に限られる旨の規定もない。(平24.12.18 沖裁(法)平24-5)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平240007
- 裁決年月日
- 平成24年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が賃借する業務用建物(本件建物)の賃貸借契約(本件賃貸借契約)について、賃貸借期間の定めがある本件賃貸借契約は中途解約が禁止された契約であり、法人税法第64条の2《リース取引に係る所得の金額の計算》第3項第1号に規定する「賃貸借期間の中途においてその解除をすることができないもの」に該当すること、また、仮に該当しないとしても、本件賃貸借契約を取り巻く事情から、同号に規定する「これに準ずるもの」に該当することから、本件賃貸借契約に係る取引は、同条第1項に規定する売買とされるリース取引に該当する旨主張する。しかしながら、本件賃貸借契約にには、請求人が解約しようとする場合の手続き及び条件が定められているから、本件賃貸借契約は、「賃貸借期間の中途においてその解除をすることができないもの」には該当しない。また、法人税法第64条の2第3項第1号に規定する「これに準ずるもの」とは、資産の賃貸借に係る契約が法的には解約可能な契約であっても、当該契約の内容等を勘案し、事実上解約不能であると認められるものをいうと解されるところ、本件賃貸借契約が定める解約違約金は、法人税基本通達12の5−1−1《解除をすることができないものに準ずるものの意義》の(1)において例示された基準(未経過期間に対応するリース料の額のおおむね全部(原則として100分の90以上))及びリース会計基準に係る指針に定める基準(未経過期間に係るリース料から利息相当額を控除した残額のおおむね全額)のいずれも満たしておらず、当該解約違約金以外に中途解約権の行使を制約する効果を生じさせる条項は認められないから、本件賃貸借契約は事実上解約不能な契約(「これに準ずるもの」)とはいえず、請求人が主張する本件賃貸借契約を取り巻く事情は当該判断を覆すものとは認められない。したがって、本件賃貸借契約に係る取引は、法人税法第64条の2第1項に規定する売買とされるリース取引に該当するとは認められない。(平24.12.10 高裁(法・諸)平24-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240042
- 裁決年月日
- 平成24年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が製作した、錠剤を打錠成型する機械の試作品(本件各試作品)は、試験用として製作されたものであり、これを社内テストに使用し、それ自体に更なる試作・研究を繰り返すなど、研究のプロセス(過程)にあったものであるから、本件各試作品の製作に要した費用は、工業化研究に該当する試験研究費であり、製造原価として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、法人税法は、試験研究目的で取得した資産であっても、その機能や属性が機械装置である限り、固定資産として計上しなければならず、その使用目的のいかんにかかわらず、減価償却資産の実体を備えているものであれば、法定耐用年数で償却すべきであるとの考え方を採っているところ、本件各試作品は、①製作時点で機械装置としての機能である「自動で打錠成型する機能」を有しており、②請求人の工場内において顧客の要望に応じて実演を行うなど事業の用に供されていたと認められるので、その製作に要した費用の額は、法人税法施行令第13条《減価償却資産の範囲》第3号に規定する機械装置の取得価額に該当するから、当該費用が損金の額に算入されないとしてされた更正処分は適法である。(平24.12. 1 大裁(法)平24-42)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240008
- 裁決年月日
- 平成24年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連企業に対する業務委託管理費について、請求人の業務を遂行する上で必要不可欠な費用であるから、損金として控除されるべきである旨主張する。しかしながら、当該業務委託管理費についての契約内容や算定根拠を明らかにする証拠はなく、支払われた事実も認められないから、当該業務委託管理費については、業務遂行上の必要性及び業務との関連性は認められず、法人税法上の損金として認めることはできない。(平24.11.28 仙裁(法・諸)平24-8)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240007
- 裁決年月日
- 平成24年11月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/2架空でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 原処分庁は、請求人の取締役業務部長が、取引先の担当者と通謀した上で、請求人の海上輸送等に係る各運搬費(本件各運搬費)を水増しして請求人に請求させ、その水増しした金額の一部を取引先担当者から返金させていた旨主張する。しかしながら、本件各運搬費が過大に計上されたものであるというためには、請求人が故意に過大な金額としたこと、また、過大な金額を支払うことについて通常の取引と認めるべき合理的な理由がないことが必要であるところ、請求人が本件各運搬費が過大な金額であることを認識していたと認めるべき客観証拠は存在しない上、請求人の取締役業務部長と取引先の担当者が通謀して、本件各運搬費を水増しして支払い、その水増しした金額の一部を返金させていた証拠はないから、請求人が本件各運搬費を過大に計上したとは認められない。(平24.11. 5 広裁(法・諸)平24-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240011
- 裁決年月日
- 平成24年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人の経営する飲食店の一部の店舗につき収入金額及び経費を所得金額の計算に含めず法人税の申告をしていたとして当該店舗に係る損益を再計算した上で、除外した利益の一部を代表者に対する役員給与として認定した額(本件役員給与認定額)は事実を隠ぺい又は仮装して支給したもので損金の額に算入されないとして法人税の更正処分をしたのに対し、本件役員給与認定額は、推定の計算により算出されており合理性がなく、隠ぺいし又は仮装により支給した役員給与には当たらないから法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項第1号の定期同額給与に該当して損金の額に算入されるべきである旨主張し、また、請求人代表者の妻である取締役(本件取締役)名義の住宅ローン返済に充てられた金員は、同人に対する定期同額給与として損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、代表者及び本件取締役の答述等や預金口座の入出金の状況などからすれば、本件役員給与認定額は、当該店舗の収益を除外した資金の中から支出されたものと認められるところ、かかる事実からすれば、請求人が役員給与支給の事実を隠匿等していたことは明白であるから、本件役員給与認定額については、その全額が事実を隠ぺい又は仮装して代表者に支給された役員給与とみるのが相当である。また、本件取締役の生計は、請求人代表者から支出された金員で賄われており、本件取締役名義の住宅ローンの返済に充てられた金員の中に、請求人が本件取締役に対して支給したものがあると認めることはできないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平24.11. 1 関裁(法・諸)平24-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240012
- 裁決年月日
- 平成24年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712094
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/4賃借料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、飲食店業の用に供する店舗(本件店舗)を関連法人を通じて賃借し、当該関連法人が家主に対して支払う地代家賃の約2倍近くの金額を、当該関連法人に対する店舗管理料として損金の額に算入していたことについて、請求人の営業以外の管理事務等の業務を関連法人に委託しているのであるから、店舗管理料の額と当該関連法人が店舗の家主に支払った地代家賃との差額(本件賃料差額)は、通常の経済取引の対価であり、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、管理事務等の業務が行われたことを裏付ける具体的な証拠はなく、金額の算定根拠も不明確であり、関連法人の運転資金確保のため行われた旨の関係者の申述等や経理の状況などを勘案すると、本件賃料差額は、関連法人の運転資金を確保する目的で、名目上、店舗管理料という科目を用いて損金の額に算入していたと認められる。したがって、本件賃料差額は、関連法人に対する直接的な対価を伴わない支出であるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金の額に当たるというべきである。(平24.11. 1 関裁(法・諸)平24-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240013
- 裁決年月日
- 平成24年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712094
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/4賃借料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、飲食店業の用に供する店舗(本件店舗)を関連法人を通じて賃借し、当該関連法人が家主に対して支払う地代家賃の約2倍近くの金額を、当該関連法人に対する店舗管理料として損金の額に算入していたことについて、請求人の営業以外の管理事務等の業務を当該関連法人に委託しているから、店舗管理料の額と当該関連法人が店舗の家主に支払った地代家賃との差額(本件賃料差額)は、通常の経済取引の対価であり、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、管理事務等の業務が行われたことを裏付ける具体的な証拠はなく、金額の算定根拠も不明確であり、関連法人の運転資金確保のため行われた旨の関係者の申述等や経理の状況などを勘案すると、本件賃料差額は、関連法人の運転資金を確保する目的で、名目上、店舗管理料という科目を用いて損金の額に算入していたと認められる。したがって、本件賃料差額は、関連法人に対する直接的な対価を伴わない支出であるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金の額に当たるというべきである。(平24.11. 1 関裁(法・諸)平24-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240014
- 裁決年月日
- 平成24年11月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712094
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/4賃借料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人は、飲食店業の用に供する店舗(本件店舗)を関連法人を通じて賃借し、当該関連法人が家主に対して支払う地代家賃の約2倍近くの金額を、当該関連法人に対する店舗管理料として損金の額に算入していたことについて、請求人の営業以外の管理事務等の業務を当該関連法人に委託しているから、店舗管理料の額と当該関連法人が店舗の家主に支払った地代家賃との差額(本件賃料差額)は、通常の経済取引の対価であり、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、管理事務等の業務が行われたことを裏付ける具体的な証拠はなく、金額の算定根拠も不明確であり、関連法人の運転資金確保のため行われた旨の関係者の申述等や経理の状況などを勘案すると、本件賃料差額は、関連法人の運転資金を確保する目的で、名目上、店舗管理料という科目を用いて損金の額に算入していたものと認められる。したがって、本件賃料差額は、関連法人に対する直接的な対価を伴わない支出であるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金の額に当たるというべきである。(平24.11. 1 関裁(法・諸)平24-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240014
- 裁決年月日
- 平成24年11月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 原処分庁は、請求人の実質経営者(実質経営者)の妻が個人使用するために請求人名義で取得した車両(本件車両)について、請求人が実質経営者の指示により本件車両の取得費等を費用に計上していること、実質経営者の妻は請求人の役員又は従業員ではなく、実質経営者が請求人の100%株主であることからすれば、本件車両の取得費等は、実質経営者に対する役員給与に当たり、また、個人で使用する目的で取得した本件車両の取得費等を請求人の費用に計上したことは、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第3項に規定する隠ぺい又は仮装による役員給与に当たる旨主張する。しかしながら、請求人は、①本件車両の購入に関する注文の当事者であり、②信販会社を通じて本件車両の売買代金を支払い、③自動車車検証に使用者として記載されていることからすると、本件車両の所有者は請求人であると認めるのが相当であり、請求人から実質経営者に対して本件車両の贈与があった等、請求人が一定の行為をしたことにより実質的に実質経営者に対して給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらしたとまでは認めることができず、仮装隠ぺいと認めるに足る証拠もない。ただし、実質経営者の妻は、実質経営者の権限を利用して、本件車両を専属的に利用していることが認められるから、実質経営者は、本件車両の使用につき通常支払うべき使用料の額に相当する経済的な利益を享受しているというべきであり、当該経済的な利益の額は、実質経営者に対する役員給与に当たる。(平24.11. 1 関裁(法・諸)平24-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240014ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成24年11月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№89
要旨
○ 請求人は、営業以外の総務、経理、人事業務等を関連法人に委託しており、その対価として事務手数料(本件事務手数料)を当該関連法人に対して支払うことは、通常の経済取引であるから、本件事務手数料は寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、当該業務等が行われたことを裏付ける具体的な証拠はなく、金額の算定根拠も不明確であり、関連法人の運転資金確保のための支出である旨の関係者の申述等や経理の状況などを勘案すると、本件事務手数料は、関連法人の運転資金を確保するために支出された、直接的な対価を伴わない支出であると認められるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金の額に当たるというべきである。(平24.11. 1 関裁(法・諸)平24-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240050
- 裁決年月日
- 平成24年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者は、不動産、預金及び有価証券は有しておらず、現金は生活費程度のみを有していたにすぎないものであり、また、前代表者の収入は、公的年金収入のみであり、年金債権が差押禁止債権であることからすれば、請求人の前代表者に対する金銭債権はその全額が回収できないことが明らかである旨主張する。しかしながら、①請求人は、前代表者が保有していた株式を現代表者等に贈与したことを容認し、金銭債権の回収の努力をしていたとは認められないこと、②請求人は、短期間での回収が見込めないことを十分に予測できたにも関わらず、前代表者に追加の貸付けを行った結果、前代表者に対する金銭債権の額が累積したものと認められる上、請求人が貸倒損失を計上した本件事業年度末は、当該追加の貸付けが行われてから僅か1年余りしか経過していないこと、③前代表者が請求人を退職した後の収入は公的年金のみであるものの、前代表者は妻と同居し、生計を一にしていると認められ、妻には請求人の関係会社からの給与収入があり、両者のこれらの合計収入は夫婦として生活する上では十分な収入があるということができることに加え、同族会社である請求人においては、家族間において協議し、前代表者に公的年金収入を原資として返済させるなどの合理的な返済計画を立てさせ、分割弁済をさせれば、長期間を要しても、当該金銭債権の一部でも回収を期待できる状態にあったものと認められることを総合勘案すれば、本件事業年度末において、前代表者に対する金銭債権の回収不能の事態が客観的に明らかであったとは認められず、当該金銭債権の全額が回収不能であったということはできない。(平24. 9.12 東裁(法)平24-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240046
- 裁決年月日
- 平成24年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、元代表取締役の職務に対する役員給与として相当とする額を、請求人と同業種で売上金額が倍半基準内にある法人(類似法人)の非常勤取締役に対する給与のうち最高額をもって相当額とした。しかしながら、当該最高額をもって適正給与額とすることは類似法人の中にたまたま高額な役員給与を支給しているものがあったときには不合理な結論となるから、類似法人の非常勤取締役に対して支給された役員給与の最高額の平均額をもって適正給与額とすることが、これら類似法人に通常存在する差異やその個々の特殊事情等が可及的に捨象されるので、合理的かつ客観的であると認められる。(平24. 9. 3 東裁(法・諸)平24-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240046
- 裁決年月日
- 平成24年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716021
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/2旅費、交通費/1海外渡航費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取締役に対して支給した海外出張費は、当該取締役が請求人のための経営学及び国際化に対応するための英語を勉強するために職務として海外出張し、請求人の旅費規程に基づいて支給したものであり、請求人の業務に関連する費用であるから、当該取締役に対する役員給与には該当しない旨主張する。しかしながら、当該取締役の当審判所に対する答述内容等からは、取締役個人の動機に基づく留学であったと認められなくもなく、当該取締役に対する海外出張費名目の旅費計上額は、渡航の目的、費用の支給額及び日数の決定基準からみて、加えて、当該取締役の渡航先での行動及びこれらに係る運賃、宿泊費、滞在費などの費用等の内容が全く不明であることからも、請求人の業務遂行に関連性があるとは認められないというべきである。したがって、請求人が当該取締役に支給した当該海外出張費計上額は、取締役が請求人との委任契約に基づくその地位により請求人から給付を受けた以外に合理的な理由は認められないから、請求人から当該取締役に支給された経済的利益に該当し、同人に対する役員給与に該当すると認められる。(平24. 9. 3 東裁(法・諸)平24-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240046
- 裁決年月日
- 平成24年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が元代表取締役に対する適正役員退職給与額の算出に当たり、高収益な事業を行っている請求人と類似する法人を抽出して比較したかどうかが不明であり、法人税法施行令第70条《過大な役員給与の額》第2号の規定に基づいた判断が行われておらず違法である旨主張する。しかしながら、原処分庁が請求人の類似法人の抽出基準とした業種には合理性があり、また、請求人と事業規模の近似した同業者を抽出するため、請求人の売上金額を基準としておおむね2分の1以上4倍以下の範囲にある法人を選定しているところ、この基準は、事業規模において請求人に劣るものを抽出したものとは認められない。また、退職役員の役職について代表取締役という基準を設けて選定したこと、さらに、類似法人の選定地域を請求人の所在地を所轄する税務署及びその近隣の地域を管轄する税務署としたことは、請求人の所在地との経済事情の類似性を担保していることから、合理的と認められる。そうすると、当該選定基準は、過大な役員退職給与の額を定めた法人税法施行令第70条第2号の規定に沿ったものとして合理性があり、恣意性は認められないから、請求人の主張には理由がない。(平24. 9. 3 東裁(法・諸)平24-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240046
- 裁決年月日
- 平成24年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁は、請求人の元代表取締役に対する適正給与額の算出に当り、法人税法施行令第70条《過大な役員給与の額》第1号イの①役員の職務の内容、②その法人の収益、③使用人に対する給料の支給状況、④類似法人の役員給与の支給状況のうち、①ないし③の本来重視すべき基準を全く考慮せず④だけを取り上げて判断し、その際、高収益な事業を行っている請求人と類似する法人とを比較したかどうかが不明であるから、原処分庁の判断には裁量判断の方法ないしその過程に誤りがあり違法である旨主張する。しかしながら、元代表取締役は、日常的に取締役として請求人の業務に従事していたとは認められず、いわゆる非常勤取締役に該当し、また、請求人の売上げについて積極的な役割を果たしたとは認められないから、請求人の収益の状況を基準とすることは相当ではない。さらに、請求人には設立以後、使用人はいなかったのであり、使用人に対する給与の支給の状況を基準とすることもできないのであるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。そして、原処分庁が請求人の類似法人の抽出基準とした業種は合理性があり、また、請求人と事業規模の近似した同業者を抽出するために、いわゆる倍半基準内にある法人を選定したことは相当と認められるから、類似法人の抽出は適正に行われていたといえ、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平24. 9. 3 東裁(法・諸)平24-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240046
- 裁決年月日
- 平成24年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、退職給与として相当と認められる金額について、退職した役員の最終月額給与の額に勤続年数及び類似法人として抽出した法人における退職した役員への退職給与の支給事例のうち、功績倍率の最高値を乗じて算出する方法は法人税法施行令第70条《過大な役員給与の額》第2号の趣旨に合致する合理的な算出方法であると主張する。しかしながら、請求人の元代表取締役は退職した事業年度においては無報酬であり報酬月額がないという特段の事情があることから、当該算出方法によるのではなく、類似法人における役員退職給与の額を勤続年数で除した額の平均額に、その退職した役員の勤続年数を乗じて算出する1年当たり平均額法によることが合理的である。(平24. 9. 3 東裁(法・諸)平24-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240046
- 裁決年月日
- 平成24年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元取締役には請求人を退職している事実があり、元取締役に支給した金員は、同人が退職したという事実に基づいて支給されたものであるから、退職給与に該当し損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、使用人も存せず、家族の他に取締役も存しない家族のみで営まれる請求人のような不動産賃貸業においては、テナント入居の可否及び賃貸等契約条件の決定、請求人の実印及び銀行印の管理、融資契約の交渉及び締結、請求人の決算、申告への関与、税務調査への対応という業務は重要な業務ということができ、元取締役は、請求人の取締役を辞任した後も、取締役であったときから引き続き、これらの業務を行っていたもの認められ、他方、元取締役の子である前代表取締役及び現代表取締役の両名は、代表取締役等の職にあった事実は認められるものの、請求人の重要な業務に常時従事したと認められる事実は存在しない。そうすると、元取締役は、取締役辞任後においても、請求人内における地位、職務等からみて実質的にその法人の経営に従事していると認められ、法人税法上の役員に該当すると認めるのが相当である。したがって、元取締役には請求人を退職した事実はないというべきであるから、元取締役に支給した金員は退職給与に該当しないというべきあり、そうすると、当該金員は、元取締役に支払われた退職給与に該当しない臨時的な役員給与と認められ、損金の額に算入することはできない。(平24. 9. 3 東裁(法・諸)平24-46)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平240002
- 裁決年月日
- 平成24年8月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/5労務費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の従業員(本件従業員)に対し支払った業務手数料(本件業務手数料)は、請求人と本件従業員との間で締結した請負契約に基づくものであり、所得税法第28条《給与所得》第1項に規定する給与等には該当しない旨主張する。しかしながら、本件業務手数料の支払が開始される前後において本件従業員の業務内容に特段の変化はなく、その金額を本件従業員が自ら算定することができないことからすれば、本件従業員が、本件業務手数料に係る業務を自己の計算と危険において独立して営んでいるとは認めることができない。そして、本件従業員は、本件業務手数料の対象業務とそれ以外の業務のいずれについても他の者に代替させて業務を遂行することはできず、また、作業内容や方法について請求人の指揮監督を受けて労務又は役務を提供しており、さらに、業務の遂行に関して請求人から時間的拘束を受けているほか、業務において使用する用具等は請求人から供与されていることなどを総合勘案すると、本件業務手数料は、雇用契約又はこれに類する原因に基づく労務の対価として本件従業員が請求人から給付を受けたものと認められるから、所得税法第28条第1項に規定する給与等に該当する。(平24. 8.31 札裁(諸)平24-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240003
- 裁決年月日
- 平成24年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関係会社(本件関係会社)との間で行う新規事業の共同開発に係る開発費について、当該新規事業に関する情報を社内外に漏えいすることが許されないため、やむを得ず開発費として支出した金額を請求人から本件関係会社に対し請け負わせた警備業務に係る外注加工費(本件外注加工費額)とし、本件関係会社が負担すべき開発費相当額を請求人の本件関係会社に対する売上げ(本件売上額)として計上したのであり、架空計上したものではない旨主張する。しかしながら、請求人専務取締役の答述及び請求人の提出資料によれば、システム開発が実際に行われたことを明らかにする証拠はない上、①本件売上額と本件外注加工費額の計上が、本件関係会社の決算の月を境として一定の傾向をもって変動するとういう不自然な状況であること、②請求人及び本件関係会社は請求人代表者が株式総数の過半数を保有する同族会社であること、③請求人専務取締役は両社の役員を兼務していること及び④請求人専務取締役が請求人及び本件関係会社の資金状況等をみながら請求書等の作成を指示していたことを併せて考えると、本件売上額及び本件外注加工費額は、新規事業のシステム開発費用であるということはできず、架空の売上げ及び費用と認められる。したがって、本件売上額を益金の額に算入することはできず、本件外注加工費額を損金の額に算入することはできない。(平24. 8.28 関裁(法・諸)平24-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240041
- 裁決年月日
- 平成24年8月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、長期傷害保険契約に基づき支払った支払保険料は、各事業年度終了の日までに債務が確定しているものであるから、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項第2号の規定に基づきその全額が損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、長期傷害保険契約は、保険期間のおおむね前半において支払う保険料には前払保険料としての性質を有する部分の金額が含まれていること、及び長期傷害保険契約に係る解約返戻金の額が支払保険料の累計額に比して相当多額に生じるものであることからすれば、支払保険料の全額を支払った日の属する事業年度の損金の額に算入することは、課税所得の期間計算を著しく歪める結果となり課税上の弊害が生じるものというべきであり、法人税法の企図する公平な所得計算という要請に反するものといえるから、法人税法第22条第4項の規定に照らして、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従ったものとは認められないというべきである。一方、長期傷害保険に係る支払保険料について、資産に計上する額を支払保険料の4分の3相当額とすることは、保険業の同業者団体が保険数理をも踏まえた上で成案として国税庁に提出した照会案に対して、同庁がその内容の適正性を検討した上で回答し、同庁及び同団体によって広く周知されたものであり、また、4分の3という指標は不合理なものとはいえないから、法人税法第22条第4項の規定に照らして、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従ったものと認められる。したがって、本件各更正処分は、不合理なものとはいえず、違法とはいえない。(平24. 8.28 東裁(法)平24-41)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240035
- 裁決年月日
- 平成24年8月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人に譲渡した建物等(本件建物等)の価額は、当該建物等を再建築した場合の価額(本件再建築見積価額)等に基づいて請求人が算出した価額によるべきであるから、当該譲渡は低額譲渡に該当しない旨主張する。しかしながら、建物等の適正な価額を求めるための合理的かつ適切な評価方法としては、一般に、①建物等の再調達原価を基礎とした原価法、②取引実例を基礎とした取引事例比較法、③賃料等の建物等が将来生み出すであろう収益を基礎とした収益還元法があるところ、請求人が①方法で算出するために用いた本件再建築見積価額は適正さを欠くものであると認められ、また、②の方法では、そもそも建物等が単独で売買される事例が少なく、本件においても適正な売買実例の把握はできないと認められ、さらに、③の方法についても、本件建物等の実際賃料によって算出される収益価格に大きな差異が生じていることから、いずれの方法によっても本件建物等の適正な価額を算定することはできない。ところで、地方税法第341条《固定資産税に関する用語の意義》は、固定資産税における価格とは適正な時価をいう旨規定しており、この適切な時価とは、正常な条件の下に成立する取引価額、すなわち、客観的な交換価値をいうものと解されるところ、本件建物等のように本件再建築見積価額等に基づき適正な価額が算出できない場合には、固定資産税評価額をもって適正な価額とすることにも合理性があると認められ、これにより算出した価額は、請求人が算出した価額を上回ることになるから、本件建物等の譲渡は低額譲渡に該当する。(平24. 8.16 東裁(法)平24-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240029
- 裁決年月日
- 平成24年7月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、a国において締結した複数のリミテッド・パートナーシップ契約(以下、これらの契約によって構成される仕組みを「LPS」という。)に基づく収益金の分配を受けるに当たり、各LPSが営む不動産賃貸事業の用に供する建物は請求人の持分に応じて直接に帰属するから、当該建物に係る減価償却費の損金算入は認められるべきである旨主張する。しかしながら、減価償却費を損金の額に算入するに当たっては、事業年度終了時において減価償却に係る資産を有していなければならないところ、当該各契約及びa国のリミテッド・パートナーシップに関する法令上、①事業活動(法律行為)の結果(法律効果)が当該各LPSに帰属することが予定されていること、②当該各LPSの業務執行を請求人が行うことが予定されていないこと、③当該各LPSと第三者において成立している法律関係に請求人が賠償責任を負わない上、特別な場合を除き請求人が出資額を超えて損失を負担することが予定されていないこと、④請求人は当該各LPSの事業活動の成果に関わらず、所定の額の分配を受ける権利を有していること、⑤請求人には当該建物を直接売却する権限がなく、現金以外の形式での分配等を受ける権利がないことなどの定めがあることからすれば、当該建物を賃貸していたのは当該各LPSであって、請求人が当該建物を主体的に賃貸に供していたと認められない。したがって、当該建物を請求人が取得したものと同視し、かつ、請求人の各事業年度終了の時において当該建物を有していたと認めることはできず、減価償却費を損金の額に算入することはできない。(平24. 7.31 東裁(法)平24-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240015
- 裁決年月日
- 平成24年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706089
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/8償却限度額/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地及び当該土地の上に存する各構築物等の取得に係る売買契約書には当該土地と当該各構築物等の別に売買代金の記載がなかったことから、各事業年度の損金の額に算入される当該各構築物等の償却費の額は、請求人が請求人の利用価値による評価を踏まえて算出した価額を当該各構築物等の取得価額として計算すべきである旨主張する。しかしながら、当審判所は、過年度分の更正処分に係る裁決において、「当該各構築物の取得価額について、請求人が算出した価額は合理的であるとは認められず、他に適正な価額を算出する方法が見いだし難いことなどからすれば、当該各構築物等の建築時における取得価額から請求人の譲受時までの償却費の額を差し引く方法によって算出することも合理的である」とする判断を示したところであるから、原処分庁が当該方法により算出した当該各構築物等の取得価額に基づき償却限度額を計算し、請求人が損金の額に算入した償却費の額のうち当該償却限度額を超える部分の金額は損金の額に算入できないとしてした各更正処分は適法である。(平24. 7. 9 東裁(法)平24-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240013
- 裁決年月日
- 平成24年7月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、不動産の取得に際して請求人が売主へ支払った固定資産税等相当額は、地方税法上の納税義務者として支払う固定資産税等そのものではないものの、請求人と売主との間で、それぞれの当該不動産を所有する期間に対応する固定資産税等を負担したものであり、損金の額に算入すべきものである旨主張する。しかしながら、地方税法上、固定資産税等の納税義務者は、その賦課期日である毎年1月1日現在における固定資産の所有者であると解されるところ、賦課期日後に所有者に異動が生じたからといって課税関係に変動が生じるものではなく、同日後に固定資産の所有者となった者が納税義務を負うことはないから、固定資産の売買の当事者間において売買後の期間に対応する、いわゆる未経過分の固定資産税等相当額が授受されたとしても、買主において地方税法上の固定資産税等の納税義務に伴う負担とみることはできない。そうすると、請求人が売主へ支払った固定資産税等相当額は、当該不動産に係る売買契約書の定めにより請求人と売主との間に生じる債権債務関係に基づいて授受されたものであって、また、当該不動産の売買に伴って授受されたものであり事後費用とはいえないことからすれば、当該固定資産税等相当額は、当該不動産の購入の代価の一部であると認めるのが相当である。したがって、当該固定資産税等相当額は取得した不動産の取得価額に算入すべきである。(平24. 7. 5 東裁(法)平24-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240001
- 裁決年月日
- 平成24年7月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が賃貸用資材として取得したH型鋼について、賃貸実績がなく、未使用で保管されていることなどから、当該H型鋼に係る減価償却費の額は損金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、当該H型鋼は、実際に賃貸された実績がないとしても、資材置場に整理保管されていつでも賃貸できる状態にあり、また、その一部は切断及び溶接加工されて建設機械の運搬用のカゴ等として使用されていることから、事業の用に供していたと認めるのが相当である。(平24. 7. 4 関裁(法・諸)平24-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240001
- 裁決年月日
- 平成24年7月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の役員に支給された給与の額が、請求人の納税地を管轄する税務署及び隣接する税務署の管内に納税地を有し、請求人と同規模同業種である法人の役員の中から抽出した請求人の役員と職務内容が類似すると思われる同等の地位にある者の給与の平均額を超えることから、当該超える金額は法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第2項に規定する不相当に高額な部分の金額に当たる旨主張する。しかしながら、原処分庁の類似法人の抽出方法は、請求人の所轄税務署に隣接する複数の税務署のうち、一つの税務署管内の法人を抽出しておらず、そのことに合理的理由は認められない。そこで、当審判所において、類似法人を抽出し直し、当該類似法人における対象役員の平均給与額を算定したところ、当該平均給与額は請求人の役員の給与の額を上回ったことから、請求人の役員に支給された給与の額に不相当に高額な部分の金額はない。(平24. 7. 4 関裁(法・諸)平24-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平240001
- 裁決年月日
- 平成24年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706110
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/11事業用資産の取得事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税基本通達7−1−4《建設中の資産》の定めにより、工事請負契約に係る建物(本件建物)及び設備等(本件設備等)は減価償却資産に該当するものとして取り扱い、本件事業年度において本件建物及び本件設備等に係る減価償却費並びに消耗品費の損金算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、工事請負契約の目的物の工事は工事請負業者に請け負わせたものであるから、当該工事請負業者から本件建物及び本件設備等の引渡しを受けなければ請求人が本件建物及び本件設備等を取得したことにはならないところ、本件建物及び本件設備等を請求人に引渡されたのは本件事業年度の翌事業年度以降であると認められるから、本件建物及び本件設備等に係る減価償却費並びに消耗品費を本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平24. 7. 2 熊裁(法・諸)平24-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240003
- 裁決年月日
- 平成24年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、a国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約(以下、当該契約により組成された仕組みを「本件LPS」という。)に基づき損金の額に算入した本件建物に係る減価償却費について、本件建物は、実体のない本件LPSに帰属することなく、請求人が取得したものであることから、一定の権利を有する請求人が自己の計算の下で計上した減価償却費の額は、各事業年度の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件建物については、実質的に請求人が本件建物を取得したかを判断すべきものであり、かつ、請求人の各事業年度終了の時において本件建物を有するか否か、少なくとも、自己の計算において本件建物を賃貸したか否かを判断すべきところ、本件についてみると、①請求人は、本件LPSを代表する権限を有さないこと、②リミテッド・パートナーシップ契約における本件LPSと外部との関係は、第三者に対する権利義務は本件LPSに帰属し、請求人と第三者との間に法律関係はないこと、③請求人は、本件LPSの確定損益に関わらず、当該契約における分配額を保証する条項に基づいて、本件LPSの収益金を受領していること、④本件LPSは、外部の第三者との間で不動産管理委託契約を締結し本件建物に係る賃貸業務の全てを委託していることからすれば、自己の計算において本件建物を賃貸していたのは、本件LPSであるというべきであって、請求人は、本件LPSが本件建物を賃貸することによって生じた損益の分配を受けていたものである。そうすると、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として主体的に本件建物を賃貸していたとか、自己の計算において本件建物の収支管理をしていたとか、又はそれによる収益の稼得や費用の負担を行っていたということはできないことから、本件建物に係る減価償却費の額は、各事業年度の損金に算入することはできない。(平24. 7. 2 東裁(法)平24-3)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平230014
- 裁決年月日
- 平成24年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建物解体工事(本件解体工事)をA社に発注するほか、他の4業者(本件4業者)に対する外注費(本件外注費)を計上しているところ、本件外注費相当額は、本件解体工事をあっせんした者から本件解体工事に必要があるといわれて支払っており、本件解体工事に係る請求人と本件4業者との間の取引に実体がなかったとしても、本件外注費相当額は何らかの費用に充てられたはずであるから、本件外注費は、実体のある取引に基づき計上されたものである旨主張する。しかしながら、請求人から本件解体工事の全てを請負ったのはA社であり、本件解体工事は、A社及びその下請業者が行った業務で完了したと認められるので、本件4業者に対する本件外注費は、実体のある取引に基づき支払われたものではないと認められる。また、仮に請求人が本件解体工事をあっせんした者に本件外注費相当額を支払ったとしても、請求人が当該金員につき誰に対する何のための費用であるかを明らかにしない以上、当該金員が「本件解体工事に係る何らかの費用」として支払われたと認めることはできない。(平24. 6.27 高裁(法・諸)平23-14)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230017
- 裁決年月日
- 平成24年6月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が負担した請求人の代表取締役(甲)が個人事業者として経営するコンビニエンスストアに係る経費(本件経費)は、甲が個人で支払うべき費用を請求人が負担したものであるから、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第4項に規定する経済的な利益に該当し、請求人から甲に対する給与に該当する旨主張する。しかしながら、上記コンビニエンスストア事業の損益は甲個人に帰属すること及び当該コンビニエンスストアに係る入出金が請求人の仮受金として処理されていた状況を踏まえると、本件経費のみを請求人から甲に対する経済的利益の供与とすることは相当ではない。(平24. 6.26 仙裁(法・諸)平23-17)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230017
- 裁決年月日
- 平成24年6月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人の借入金返済のために代表取締役の役員給与を減額したのであり、そのことは、国税庁が作成したQ&Aの「取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において役員給与の額を減額せざるを得ない場合」に該当し、法人税法施行令第69条《定期同額給与の範囲》第1項第1号に規定する給与改定に該当するから、支給額の全額が損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人における役員給与の改定(本件役員給与改定)は、事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日までにされたものではなく、当該代表取締役の職制上の地位の変更等に基づく改定であったとも認められない。また、請求人の業績をみても収益の大幅な低下や多額の損失の発生などは認められず、経営の状態が著しく悪化したなどの事実はなかったと認められることから、本件役員給与改定は法人税法施行令第69条第1項第1号に規定するいずれの給与改定にも該当しない。(平24. 6.26 仙裁(法・諸)平23-17)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230017
- 裁決年月日
- 平成24年6月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人に対し支払っていた支払手数料(本件支払手数料)について、①請求人と当該関係法人は実質的に同一であるから、法人税法第11条《実質所得者課税の原則》により請求人の事業利益は実質所得者である当該関係法人に帰属すべきであり、本件支払手数料がそれに当たること、②当該関係法人との間の顧問先に係る譲渡契約(本件譲渡契約)に基づく収益獲得源泉の譲受対価として支出したものであること、及び③法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》の趣旨及び要件にも合致するのであるから、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、①請求人及び当該関係法人は、商法(現会社法)の規定により設立され、法律上の行為者である株式会社としてそれぞれ活動していることは明らかであり、法人は、法律により、損益の帰属すべき主体として設立が認められるものであるから、その事業として行われた活動に係る損益は、法律上その法人に帰属するものと認めるべきものであって、2つの法人が実質的に同一であるからそれらに係る損益が同一の法人に帰属するという解釈はそもそも認められないというべきであり、また、②請求人と当該関係法人との間で本件譲渡契約において、譲受けの対価が定められているとは認められず、本件支払手数料の算出方法についても対価的関連なく定められていたと認められるのであるから、本件支払手数料をもって本件譲渡契約に基づく譲受けの対価ということもできず、加えて、③当該関係法人を再建するための計画書等は何ら作成されておらず、債権者及び支援者を交えた再建会議が開催された事実も認められないことから、同通達の要件に該当せず適用できない。本件支払手数料は、当該関係法人から役務の提供がないから対価性はなく、請求人から当該関係法人への資金贈与というべきであり、寄附金に該当する。(平24. 6.26 仙裁(法・諸)平23-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230253
- 裁決年月日
- 平成24年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、販売事業者(本件各販売店)から取得した顧客に対する営業権は、事業の譲受けに伴って取得したものではなく、契約により本件各販売店が有する個々の顧客に対する営業権を取得したものと評価されるべきであり、顧客1軒当たりの取得価額はいずれも100,000円未満であるから法人税法施行令第133条《少額の減価償却資産の取得価額の損金算入》の規定が適用される旨主張する。しかしながら、本件各販売店は各顧客との供給契約が請求人に引き継がれた後にいずれも廃業していることから、請求人による当該営業権の取得は、いわゆるM&A(合併・買収)による事業の譲受けと認められるところ、企業会計上、合併や事業譲渡により第三者の事業を承継する場合に事業とともに取得する営業権は、一般に、企業の長年にわたる伝統と社会的信用、立地条件、得意先関係、取引関係の独占性等を統合した概念であるから、これらの個々の要素に分解して観念することはできないと解される。そうすると、本件における営業権は、本件各販売店ごとの取得価額で判定すべきであり、それらの取得価額はいずれも100,000円未満ではないことから、法人税法施行令第133条の規定の適用はない。(平24. 6.20 東裁(法)平23-253)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230061
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する売掛債権の放棄(本件各債権放棄)について、子会社は実質的債務超過の状態で経営危機に陥っており、合理的な再建計画によって本件各債権放棄を行ったものであるから、本件各債権放棄の額は寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、子会社は実質的債務超過の状態ではあったものの経営危機に陥っていたとまではいえないこと、本件各債権放棄を行わなければ請求人の利益が損なわれるといったような具体的な事情を認めるに足りる証拠もないことから、損失負担の必要性を認めることはできない。また、支援額や支援の方法等に関しては、子会社の財務内容、営業状況の見通し等から的確に算定される等の事実は認められず、子会社の再建計画等の進行度合いに伴って変更がなされているなどの事実もないことから、再建計画等の合理性を認めることはできない。以上のことから、本件各債権放棄は経済的利益を無償で供与したこととなるから、寄附金に該当する。(平24. 6.19 大裁(法・諸)平23-61)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230086
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、上場株式を関連会社に市場価格の9割相当額で譲渡したことについて、請求人の売り急ぎの事情に加え、買手側の希望価額を考慮するなどの事情により合意に至った取引であり、それ以外に特別な意図はないから税務上是認されるべき取引価額であり、譲渡時市場価格と譲渡価額との差額は経済的な利益の無償供与に当たらない旨主張する。しかしながら、上場株式については、特段の事情がない限り、上場された証券取引所における株価をもって適正な価額と認めるのが相当であるところ、 請求人が市場価格の9割相当額で譲渡したことについて合理的な説明がなく、その譲渡価額を適正価額とみるべき特段の事情があるとはいえないから、当該市場価格と譲渡価額の差額は寄附金の額に当たる。(平24. 6.19 関裁(法)平23-86)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230086
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aに給与として支給した金員(本件金員)は、Aが過去に多大な貢献をした請求人のシンボル的な存在で、同人の功績に対する謝意等として支払ったものであり、寄附金の額に当たらない旨主張する。しかしながら、Aは請求人の役員ではなく、請求人との間に雇用関係も存在しないことからすれば、本件金員は、雇用契約又はこれに類する原因に基づき、請求人の指揮命令に服して提供した労務の対価として支給された給与ではないと認めることができる。また、通常、退職金の支払が継続している間、退職関係書類を保存するなどして支給者において退職に関する事情を把握しているものであるが、請求人において、退職金の支給決定に至った経緯を承知しておらず、また、関係書類も存在しないとして提出されず、Aの請求人における就業の有無や退職の事実すら明らかではないことからすると、本件金員が退職給与や退職金の分割払として支払われたものであるともいえない。さらに、本件各事業年度において、Aが請求人に何らの役務提供もしていないことからすると、本件金員が何らかの対価として支払われたものではないということができる。以上によれば、本件金員が給与又は退職給与に当たるとはいえず、他に本件金員の支出につき合理的な理由の存在を認めるに足りる証拠もないから、本件金員は、請求人が直接の対価を伴わないでした支出というほかなく、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に当たると認めるのが相当である。(平24. 6.19 関裁(法)平23-86)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230088
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№87
要旨
○ 請求人は、上場株式を関連会社に市場価格の9割相当額で譲渡したことについて、相対取引の慣行として不当・不合理なことはなく、譲渡差額は寄附金の額に当たらない旨主張する。しかしながら、上場株式については、特段の事情がない限り、上場された証券取引所における株価をもって適正な価額と認めるのが相当であるところ、 請求人が市場価格の9割相当額で譲渡したことについて合理的な説明がなく、その譲渡価額を適正価額とみるべき特段の事情があるとはいえないから、市場価格と譲渡価額の差額は寄附金の額に当たる。(平24. 6.19 関裁(法・諸)平23-88)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230088
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/12その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№87
要旨
○ 原処分庁は、請求人が取得価額の全額を償却費として損金の額に算入した減価償却資産(本件減価償却資産)について、請求人から資料の提出がなく、償却限度額の計算をすることが不可能であったから、その全額の損金算入を認めないとする更正処分をした。しかしながら、法人税法第31条《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》第1項は、所得の金額の計算上減価償却費として損金の額に算入できる金額は、当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額のうち、償却限度額に達するまでの金額とする旨規定し、同条第4項は、損金経理をした金額には、償却費として損金経理をした事業年度前の各事業年度における当該減価償却資産に係る損金経理額のうち当該償却事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかった金額を含むものとする旨規定するところ、審判所の調査によれば、請求人は本件減価償却資産を取得し、事業の用に供していると認められるから、本件減価償却資産につき、各事業年度における償却限度額に達するまでの金額は減価償却費として損金の額に算入される。(平24. 6.19 関裁(法・諸)平23-88)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230108
- 裁決年月日
- 平成24年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者が取締役を務める別の同族会社(A社)からゴルフ場(本件ゴルフ場)の営業を譲受けるに当たって締結した営業譲渡契約(本件営業譲渡契約)に定める営業譲渡の基準日以前に、請求人はA社に対して本件ゴルフ場の建物施設管理契約(本件建物施設管理契約)に基づき営業権を譲渡した経緯があり、A社には、当該基準日において本件ゴルフ場に係る営業権が生じているから、本件営業譲渡契約に基づき支払った金員(本件金員)は、営業権の譲受けの対価に当たる旨主張する。しかしながら、本件建物施設管理契約に係る契約書の内容によれば、当該契約は、本件ゴルフ場の建物及び施設の賃貸借契約と認められることから、本件建物施設管理契約をもって請求人がA社に対し本件ゴルフ場の営業権を譲渡したとは認められず、他に請求人がA社に対し本件ゴルフ場の営業を譲渡したことをうかがわせる事実も認められないから、本件金員は営業権の譲受けの対価でないことは明らかである。そうすると、請求人は、対価性のない金員をA社に支払ったこととなるので、本件金員は、請求人からA社に対する金銭の贈与と認められ、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金に該当する。(平24. 6.18 名裁(法・諸)平23-108)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230247
- 裁決年月日
- 平成24年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法施行令(平成9年政令第17号による改正前のもの)第139条の10《資産に係る控除対象外消費税額の損金算入》第4項の「計算した金額に達するまでの金額とする」との規定は、計算した金額の範囲内において損金の額に算入することが可能な限度額を示していると解すべきであるから、繰延消費税額につき損金経理をした結果、損金算入限度超過額が生じた場合、当該損金算入限度超過額が生じた事業年度後の任意の事業年度において、同項に定める限度額の範囲内で任意の金額を損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、同条第4項は、その文理上「損金の額に算入する金額は」を主語として始まり、「とする」で結んでいることからすると、同項は、損金の額に算入できる金額を規定したものではなく、損金の額に算入する金額を規定したものと解され、また、同項における「当該事業年度において損金経理をした金額のうち」、「当該繰延消費税額を60で除しこれに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額に達するまでの金額」とは、当該事業年度において損金経理をした金額と損金算入限度額とのいずれか少ない金額を損金の額に算入することを規定したものと解するのが相当である。(平24. 6.14 東裁(法)平23-247)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230082
- 裁決年月日
- 平成24年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関係会社(本件関係会社)との間で行う新規事業の共同開発に係る開発費について、当該新規事業に関する情報が社内外に漏えいすることが許されないため、やむを得ず、請求人がその開発費として支出した金額を請求人から本件関係会社に対し請け負わせた警備業務に係る外注加工費とし、本件関係会社が負担すべき開発費相当額を請求人の本件関係会社に対する売上げとして計上したのであり、架空計上したものではない旨主張する。しかしながら、請求人専務取締役の答述及び請求人の提出資料によれば、システム開発が実際に行われたことを明らかにする証拠はない上、本件売上額と本件外注加工費額の計上が、本件関係会社の決算の月を境として一定の傾向をもって変動するとういう不自然な状況と、①請求人及び本件関係会社は請求人代表者が株式総数の過半数を保有する同族会社であること、②請求人専務取締役は両社の役員を兼務していること及び③請求人専務取締役が請求人及び本件関係会社の資金状況等をみながら請求書等の作成を指示していたことを併せて考えると、本件売上額及び本件外注加工費額は、新規事業のシステム開発費用であるということはできず、架空の売上げ及び費用と認められる。したがって、本件売上額を益金の額に算入することはできず、本件外注加工費額を損金の額に算入することはできない。(平24. 5.29 関裁(法・諸)平23-82)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230083
- 裁決年月日
- 平成24年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対するロイヤルティを収受しないこととしたのは、請求人が提供した技術情報に瑕疵があったこと起因する不良品の発生及び請求人が子会社に引き受けさせた不採算製品の製造引受けに係る損害の補償として行われたものであり、経済合理性を有するから、当該ロイヤルティ相当額は寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、当該ロイヤルティの免除は、請求人が主張するような設計不良や採算割れ製品の受注により生じた損害の補償として行われたものではなく、請求人が税務調査の当初から説明していたとおり、倒産の危機にまでは陥っていない子会社について、請求人の親会社の経営理念又は指示に従い、飽くまで子会社の経営状況の改善を図るために任意に行われたものと認められる。そうすると、当該ロイヤルティの免除は、これを行わなければ逆に大きな損失を被ることが客観的に明らかであるためにやむを得ず行われたといえるような経済合理性を有する相当な理由がある場合に当たるとはいえず、当該ロイヤルティ相当額は、経済的利益の無償の供与と認められ、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に当たると解するのが相当である。(平24. 5.29 関裁(法)平23-83)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230224
- 裁決年月日
- 平成24年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社に対する債権の放棄が、当該子会社に倒産の危機が迫っていたために、合理的な再建計画に基づき行ったものであり、当該債権放棄には法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》に定める相当の理由があるので、当該債権放棄の額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入額》に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、債権放棄等の額が寄附金の額に該当しないといえるためには、当該債権放棄等がやむを得ず行われるものであること(必要性)と、当該債権放棄等について相当な理由があること(相当性)が必要であるところ、当該子会社は、資金繰りに窮していた様子はあるものの、当該子会社の保有する土地の共有持分に含み益があり、実質的な債務超過の状態になく、本件においては、請求人による支払猶予などの方法によって当該子会社の資金繰りへの対応が可能であったと考えられるから、当該債権放棄がやむを得ず行われるものであることの必要性があったとは認められず、また、債権放棄等の相当性については、被支援者の財務内容、営業状況の見通し、被支援者の自己努力などを加味した的確な支援額であることなど合理的な再建計画に基づくことが必要とされるところ、本件においては、当該債権放棄前にリストラ策などの当該子会社の自己努力がうかがわれず、更に、当該債権放棄の額が必要最小限の額ではないばかりか、むしろ過大であったと認められることからすれば、債権放棄等の相当性は認められず、当該債権放棄等の額が寄附金の額に該当しないといえるための要件である必要性及び相当性のいずれの要件も満たしていないから、本件債権放棄の額は、寄附金の額に該当するというべきである。(平24. 5.17 東裁(法)平23-224)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230205
- 裁決年月日
- 平成24年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、百貨店において開催された請求人の商品の展示会に際し、百貨店との間で締結した契約(本件契約)の実態は、請求人が商品を販売するための場所を百貨店が請求人に提供する賃貸借契約であるから、商品の売上代金と、請求人が百貨店から受け取る金額との差額相当額(展示会費)は、会場使用料として損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件契約の契約書等によれば、展示会における商品の販売が百貨店の名義をもって行われ、請求人がその販売業務を受託したこと、展示会における商品の売上代金は百貨店が管理していること、請求人は、展示会会場について賃借権その他の権利を有していないことが認められ、また、当該契約書等には、賃貸借契約であれば当然に存在すべきであろう賃借場所を特定する定め等がない一方で、販売方法等の決定や売上代金の収受及び管理を行う旨の定め等賃貸借契約には通常ない定めが置かれていることが認められることからすれば、本件契約の内容は、請求人が百貨店の名義をもって百貨店の営業管理の下、商品を販売するというものであって、展示会会場の賃貸借契約ではないと認めるのが相当である。そして、本件契約に基づく取引は、請求人が、展示会で販売された商品を顧客に引き渡した時点で、百貨店に対し、商品代金に本件契約で定められた一定の料率(原価率)を乗じて計算した金額で商品を売り渡したこととなる、いわゆる百貨店において一般に行われている取引(売上仕入取引)であると認められる。そうすると、請求人の展示会に係る商品の売上げの対価は、商品の展示会における商品代金に原価率を乗じて計算した金額となり、展示会の開催に当たって展示会会場の使用料が生ずることはないから、請求人が主張する展示会費を損金の額に算入することはできない。(平24. 4.16 東裁(法・諸)平23-205)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230015
- 裁決年月日
- 平成24年3月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 請求人は、代表者が所有する土地に店舗を建設し、賃貸していたのであるから、請求人が算定した代表者に支払うべき土地の賃借料相当額は損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人と代表者との間で当該土地の使用に係る賃貸借契約書は作成されていないことから、賃借料の額の取決めの確認ができず、また、請求人は代表者に対して当該土地に係る賃借料を支払っておらず、さらに、総勘定元帳に賃借料の計上もしていないことからすると、請求人は当該土地を無償で使用していたものと認められる。そうすると、請求人が算定した当該土地の賃借料相当額については、債務が成立していたとはいえず、また、金額も合理的に算定できたものとはいえないことから、債務が確定したものとは認められず、請求人の損金の額に算入することはできない。(平24. 3.28 仙裁(法・諸)平23-15)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230015
- 裁決年月日
- 平成24年3月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706090
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/9損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 請求人は、簿外資産としていた賃貸用建物に係る減価償却費を損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は当該賃貸用建物を自己の資産として認識できる経理処理をしておらず、各事業年度のいずれにおいても、確定した決算において当該賃貸用建物の減価償却費として損金経理をしていないのであるから、当該賃貸用建物に係る減価償却費に相当する金額は損金の額に算入されない。(平24. 3.28 仙裁(法・諸)平23-15)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230015
- 裁決年月日
- 平成24年3月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/3その他の資産の譲渡原価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 原処分庁は、売却された重機2台について、取得価額などの原価に関する具体的な資料が何ら提示されず、原価の額を算定することはできないのであるから、損金の額に算入する金額はない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、当該重機のうち1台については帳簿価額が確認されたことから、当該帳簿価額は当該重機の売却に係る原価として損金の額に算入される。(平24. 3.28 仙裁(法・諸)平23-15)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230090
- 裁決年月日
- 平成24年3月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 原処分庁は、請求人の役員であるJ、N及びP(本件各役員)に対する役員給与(本件各役員給与)について、役員給与を受け取っていない旨のJ及びNの申述などから、本件各役員給与は本件各役員に支給されておらず、架空の役員給与である旨主張する。しかしながら、本件各役員はいずれも役員として勤務実態がある上、本件各役員の役員給与の金額が、請求人の取締役会等において承認され、支給時期等は、請求人の従業員と同様に、毎月10日払いとされており、これらの事実に基づいて、請求人は、本件各事業年度において、本件各役員の役員給与の合計額を総勘定元帳の「役員報酬」勘定に計上したのであるから、毎月10日の時点で、請求人の本件各役員の役員給与の当月分の支払債務が実際に確定していたとみるのが相当である。そして、支払債務の確定した本件各役員の役員給与は、請求人において支給事務が行われたと認められるのであるから、本件各役員給与は架空のものとは認められない。(平24. 3.28 名裁(法)平23-90)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230069
- 裁決年月日
- 平成24年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710059
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員の分掌変更に伴い退職慰労金を支給することを決定し、資金繰り等の都合から、その一部を当該分掌変更のあった事業年度及びその翌事業年度にそれぞれ支給したものであり、いずれも法人税基本通達9-2-32《役員の分掌変更等の場合の退職給与》(本件通達)及び同通達9-2-28《役員に対する退職給与の損金算入の時期》が適用されるというべきであり、原処分庁が役員賞与と認定した分掌変更の翌事業年度に支給された金員(本件金員)が退職給与として取り扱われるべきである旨主張する。しかしながら、退職によらない役員退職給与の損金算入を例外的に認める本件通達は、恣意的な損金算入などの弊害を防止する必要性に鑑み、原則として、法人が実際に支払ったものに限り適用されるべきであって、当該分掌変更等の時に当該支給がされなかったことが真に合理的な理由によるものである場合に限り、例外的に適用されるというべきである。本件における退職慰労金については、株主総会議事録や取締役会議事録が存在せず、請求人が主張する資金需要を認めるに足りる具体的な資料もない上、一部支払われた後の退職慰労金の残額については支払時期やその支払額を具体的に定めず漠然と3年以内とされており、請求人の決算の状況を踏まえて支払がされていることがうかがえることからすると、本件金員をその支払日の属する事業年度において損金算入を認めた場合には、請求人による恣意的な損金算入を認める結果となり、課税上の弊害があるといわざるを得ない。以上によれば、本件分掌変更の時に本件金員が支払われなかったことが合理的な理由によるものであると認めるに足りる証拠はなく、本件金員を退職給与として取り扱うことはできないというべきである。(平24.3.27 関裁(法・諸)平23-69)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230013
- 裁決年月日
- 平成24年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族関係法人(A社)から役員の出向を受けたとして、A社に役員給与に相当する金額を支出したことについて、①当該支出額は、役員給与として正当な対価であり、②当該支出額を寄附金と認定することにより、請求人とA社の双方の課税所得に加算され不整合となること及び③当該支出額は、仮に役員給与に当たらなくとも、A社を通じて、倒産の危機にある他の同族関係法人(B社)に支払われていることから、法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》に該当し、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金に当たらない旨それぞれ主張する。しかしながら、①請求人に出向した役員は、A社においても役員となっているところ、当該出向について法人税基本通達9−2−46《出向先法人が支出する給与負担金に係る役員給与の取扱い》と同様の取扱いに基づき判断することに不合理はないと認められ、そうすると、A社においては当該支出額が請求人に出向した役員に対し支給されていないことから、給与負担金としての性格はなく、また、請求人に対する経営指導等としての対価性も認められないことから、当該支出額は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。また、②法人税法は、それぞれの法人に適用されるのであり、法人が寄附金を支出した場合には、一定の基準を超える金額は、法人の所得金額の計算上損金の額に算入されず、他方、当該寄附金の支払を受けた法人においては、受贈益等として法人の所得金額の計算上益金の額に算入されることとなるのであって、その結果、双方の法人の課税所得となったとしても、不整合な結果とはいえず、③当該支出額は、B社に支払われたものではないことから、法人税法基本通達9−4−2の要件を検討するまでもない。(平24. 3.26 仙裁(法)平23-13)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230014
- 裁決年月日
- 平成24年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人(A社)から役員の出向を受けたとして、A社に役員給与に相当する金額を支出したことについて、①当該支出は、役員給与として正当な対価であり、②当該支出額を寄附金と認定することにより、請求人とA社の双方の課税所得に加算され不整合な課税関係となること及び③当該支出額は、仮に役員給与に当たらなくとも、A社を通じて、倒産の危機にあるA社の同族関係法人(B社)に支払われていることから、法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》に該当し、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金に当たらない旨主張する。しかしながら、①請求人に出向した役員は、A社においても役員となっているところ、当該出向について、法人税基本通達9−2−46《出向先法人が支出する給与負担金に係る役員給与の損金不算入》と同様の取扱いに基づき判断することに不合理はないと認められ、そうすると、出向元のA社においては当該支出額が請求人に出向した役員に対し支給されていないことから給与負担金としての性格はなく、また、請求人に対する経営指導等としての対価性も認められないことから、当該支出額は法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。また、②法人税法は、それぞれの法人に適用されるのであり、法人が寄附金を支出した場合に一定の基準を超える金額は、法人の所得金額の計算上損金の額に算入されず、他方、当該寄附金の支払を受けた法人においては、受贈益等として法人の所得金額の計算上益金の額に算入されることとなるのであって、その結果、双方の法人の課税所得となったとしても、不整合な結果となっているとはいえず、③当該支出額は、B社に支払われたものではないことから、法人税基本通達9−4−2の要件を検討するまでもない。(平24. 3.26 仙裁(法)平23-14)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平230007
- 裁決年月日
- 平成24年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706062
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/2借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場の営業譲渡契約時にゴルフ場用地の借地権を既に取得しており、村とのゴルフ場用地賃貸借契約(本件賃貸借契約)により借地権を設定したものではないこと、また、請求人が負担金(本件負担金)として支出した、営業の譲渡人である破産者が負担すべきであった未納固定資産税及び未納土地賃貸料は、本来、請求人に法的支払義務はないが、契約上の条件として村の歳入不足を手助けすることに同意したものであり、営業を円滑に行うための好意での資金負担であるから、当該権利金名目で村に対して支出した本件負担金は、損金の額に算入すべき金額である旨主張する。しかしながら、賃貸借契約書において、村は営業譲渡契約を是認し、請求人は、村に対し、本件賃貸借契約による借地権設定の対価として本件負担金を分割して支払う旨、本件負担金を村は請求人に返還することを要しない旨及び本件負担金の支払いを怠ったときは、契約を解除することができる旨定められていることから、請求人は、土地の賃貸料のほか本件負担金を支払わなければ土地を賃借することができなかったものと認められる。したがって、請求人は、ゴルフ場用地を賃借する権利を取得するために、本件負担金を支払うことを条件として賃貸借契約を締結しているものと認められることから、本件負担金は土地の借地権設定の対価であり、一時の損金の額に算入することはできない。(平24. 3.13 熊裁(法)平23-7)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平230007
- 裁決年月日
- 平成24年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 請求人は、土地建物の譲渡契約における譲渡日以降の期間に対応する未経過分の固定資産税に相当する金額(未経過固定資産税相当額)を請求人が負担したことについて、未経過固定資産税相当額は、譲り受けた土地建物の取得価額に算入されるが、請求人が減価償却資産として計上している建物は、取得した建物のうち事業の用に供する本件建物のみであるから、本件建物以外の建物に係る未経過固定資産税相当額は、繰延資産である開業費に含まれる旨主張する。しかしながら、固定資産税は、その賦課期日である1月1日現在の所有者に課されるもので、賦課期日後に当該固定資産が譲渡された場合であってもその譲渡前の所有者が納税義務者とされていることから、売買当事者においてその譲渡時点における未経過固定資産税相当額を譲受人に負担させようとする取引慣行は、いわば売買の取引条件の一つとして行われるものであると考えられる。したがって、譲受人が未経過固定資産税相当額を負担することは、租税公課としての固定資産税の負担ではなく、飽くまでも売買の取引条件としての負担であることから、譲受人にとって未経過固定資産税相当額は、譲受けに係る資産の購入の代価を構成するものとして、当該資産の取得価額に含まれることとなる。そうすると、請求人が譲渡契約において取得の目的としている建物は、本件建物のみであることからすれば、請求人が支払った本件建物以外の建物に係る未経過固定資産税相当額は、本件建物の購入の代価の一部として支払ったものと認めるのが相当であるから、その全額を本件建物の取得価額に算入すべきである。(平24. 3.13 熊裁(法)平23-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230085
- 裁決年月日
- 平成24年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が関係会社にリースをするために取得したLPガス容器は、平成22年3月29日に請求人と関係会社との間でリース契約(本件リース契約)が成立しており、本件事業年度(平成21年4月1日から平成22年3月31日まで)において請求人の事業の用に供されているので、法人税法施行令第133条《少額の減価償却資産の取得価額の損金算入》に規定する減価償却資産に該当するとして、当該LPガス容器の購入代金を本件事業年度の損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は、LPガス容器を本件リース契約に係る事業の用に供するために購入したことが認められるところ、本件リース契約は、平成22年3月29日付で成立したとは認められるものの、その期間が平成22年4月から平成42年3月とされたリース契約である以上、請求人がLPガス容器を本件リース契約に係る事業の用に供した時は、早くとも平成22年4月1日であり、本件事業年度の翌事業年度である。(平24. 3. 5 名裁(法)平23-85)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230083
- 裁決年月日
- 平成24年3月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706063
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/3ゴルフ会員権等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、預託金制ゴルフ会員権を発行した旧経営会社が民事再生手続による事業譲渡(本件事業譲渡)をしたことによって、当該ゴルフ会員権(本件旧会員権)の預託金の一部を弁済金として受領し、当該事業譲渡を受けた新経営会社が発行した預託金制でないゴルフ会員権(本件新会員権)を無償で取得したことから、預託金制ゴルフ会員権の帳簿価額から当該弁済金を控除した残額を雑損失の金額として計上するのが相当である旨主張する。しかしながら、本件旧会員権は、会員の旧経営会社に対する当該ゴルフ場(本件ゴルフ場)の預託金返還請求権、優先利用権及び年会費等の納入義務で構成される契約上の地位であり、預託金制ゴルフ会員権であるところ、請求人が新経営会社に対して入会届出書を提出したことによって、本件事業譲渡契約書に基づき本件旧会員権に係る優先利用権が承継され、新経営会社に対する年会費等の納入義務が会員に発生したものと認められるのであるから、請求人と新経営会社との間で、本件新会員権に係る新しい契約が成立したと認められる。また、請求人は、本件新会員権を無償で取得しているものの、本件旧会員権と本件新会員権に資産としての同一性があるとは認められないから、本件新会員権の経済的価値の有無は、本件新会員権の内容に基づいて判断するべきところ、本件新会員権は施設利用権であり、会員は当該ゴルフ場を優先的かつ低料金で利用することができると認められるから、請求人が本件新会員権を無償で受領したからといって、経済的価値を全く有していなかったとまではいえず、本件新会員権は、経済的価値があるものとして売買されていることからすれば、その経済的価値を算定するために同日の時価相当額と、本件旧会員権に係る雑損失の金額と合わせて、請求人が本件旧会員権の預託金の一部の弁済を受けたことにより被ることとなる実質的な損失の金額を算定するべきである。(平24. 3. 1 名裁(法)平23-83)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230077
- 裁決年月日
- 平成24年2月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702029
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が請求人のグループ会社のうちの1社(買主)との間で締結されたとする請求人が所有する各土地(本件各土地)の売買契約(本件各土地売買契約)について、請求人グループでの政策会議において売却が決定されたとは認められず、また、請求人の代表取締役と取締役との会議で決定されたとする本件各土地の売却は、当該会議での審議事項やその結果が不明であり、売却が決定されたとの結論を導き出すことはできないから、本件各土地売買契約は、締結されていない旨主張する。しかしながら、政策会議の議事録によれば、本件各土地を買主へ移し利用することが提言されたことが認められ、請求人の経理担当者から関与税理士に対する電子メールの内容によれば、遅くとも当該会議が行われた日には本件各土地の売却が決定されたと認められ、さらに、本件各土地売買契約に係る売買契約書の記載内容、売買代金の入金状況、本件各土地に係る固定資産税及び都市計画税並びに不動産取得税の納付状況、本件各土地の所有権移転登記及び設定されていた抵当権抹消登記の状況、本件各土地に係る請求人及び買主の経理処理、請求人及び買主における取締役会での承認状況、本件各土地の利用状況及び賃貸借の状況のいずれをみても、本件各土地が売買されなかったとすることをうかがわせる事実はなく、本件各土地を買主に売却するに至った経緯及びその趣旨目的等をみても、不自然なところは見受けられないから、本件各土地売買契約は、請求人と買主の間で締結され、真正に成立し、現実にその履行がなされたものと認めるのが相当である。(平24. 2.15 名裁(法)平23-77)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230119
- 裁決年月日
- 平成24年2月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 原処分庁は、新工場におけるエレベータ工事、電気設備工事、内装工事等の各工事費用(本件各工事費用)の金額が、機械及び装置、建物附属設備並びに建物として、減価償却資産の取得価額に該当し損金の額に算入できない旨主張する。しかしながら、本件各工事費用には、既存の機械設備の移設に要した移転費用として、また、法人税法施行令第133条《少額の減価償却資産の取得価額の損金算入》に規定する少額の減価償却資産の取得価額として、損金の額に算入することが相当と認められる金額があるから、これらについては、原処分庁の主張は採用できない。(平24. 2. 6 東裁(法)平23-119)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230119
- 裁決年月日
- 平成24年2月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/3資本的支出と修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 請求人は、工場移転に伴い新工場の用に供するために賃借した建物について行った高圧受電設備工事等の工事費用(本件各工事費用)について、実態は機能復旧補償金として移転前の旧工場の賃貸人から受領した賃貸借合意解約金(本件解約金)をもって、移転後においても旧工場と同等の工場の稼動を可能とするための機能復旧工事に充てた支出であるから、法人税基本通達7−8−7《機能復旧補償金による固定資産の取得又は改良》の定めにより修繕費等として損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、賃貸借合意解約書に、本件解約金が旧工場において請求人が有する固定資産について上記通達に掲げられているような電波障害や騒音等により機能の低下が生じたことにより支払われるものである旨の記載はなく、また、当審判所の調査の結果によっても、旧工場において請求人が有していた固定資産について電波障害や騒音等により機能の低下が生じていた事実を認めるに足りる証拠もないから、本件解約金の受領は、同通達に定める「その機能を復旧するための補償金の交付を受けた場合」に当たらないというべきであり、さらに、本件各工事費用は、高圧受電設備の設置、エレベーター設備の設置、その他機械設備等の移設のための改良等に係るものであり、同通達に定める「その機能復旧のために支出した」金額にも当たらない。(平24. 2. 6 東裁(法)平23-119)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230119
- 裁決年月日
- 平成24年2月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 請求人は、新工場へ移設した印刷設備及び製本設備の帳簿価額には、取得時に旧工場で行った電気配線設備等の工事費用として同帳簿価額の15%相当額が含まれており、当該電気配線設備等は、移転の際にすべて除却しているから、当該15%相当額は、除却損として損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、請求人の主張の根拠となる具体的な証拠を提示しておらず、また、当審判所の調査の結果によっても、請求人が主張する事実を認めるに足りる具体的な証拠はないから、請求人の主張には理由がなく、採用できない。(平24. 2. 6 東裁(法)平23-119)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230042
- 裁決年月日
- 平成24年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/3固定資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有する預託金制ゴルフ会員権について、ゴルフ場経営会社の更生計画認可の決定により預託金の一部が切り捨てられたとして、法人税法施行令第68条《資産の評価損の計上ができる事実》第1項第3号ホの規定により、当該切り捨てられた金額を評価損として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、同号ホについては、固定資産を有する内国法人について会社更生法の規定による更生計画認可の決定があったことにより、当該法律の規定に従って当該内国法人の有する資産につき評価換えをする必要が生じた場合をいうものと解するのが相当であるところ、請求人に会社更生法の規定による更生計画認可の決定がされた事実はなく、同法の規定に従ってその有する資産の評価換えをする必要が生じたということはできないから、法人税法施行令第68条第1項第3号ホの事実に該当するとはいえず、当該切り捨てられた金額を評価損として本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平24. 1.24 関裁(法)平23-42)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230043
- 裁決年月日
- 平成24年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する利息免除について、子会社の倒産防止のためにやむを得ず行ったものであり、再建計画等の合理性もあることから本件利息免除額は寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、子会社には債務超過会社はあるものの、財務状況が急激に悪化しているとは認められないものがあること、取引先への支払遅延や金融機関からの借入金に係る利息返済がされていることなどから、請求人があえて利息免除という手段をとらなければ直ちに支払不能の状態になるとまでは認められず、損失負担の必要性はなかったということができる。また、債務免除の必要最低額についての検討が行われていないことから再建計画に合理性はあるということはできない。そうすると、本件利息免除を行ったことに相当な理由があるとは認められず、本件利息免除額は寄附金の額に当たる。(平24. 1.24 関裁(法・諸)平23-43)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230043
- 裁決年月日
- 平成24年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する各債権放棄については、子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われたものであり、合理的な再建計画に基づくことから寄附金に当たらない旨主張する。しかしながら、請求人は親会社としての責任から本件各債権放棄を行ったことは認められるが、あえて債権放棄という手段をとらなければ子会社が倒産したという状況にあったとは認められず、倒産を防止するためにやむを得ず行ったものであるということはできない。また、具体的な債権計画が明らかにされていないことも併せると本件各債権放棄には、損失負担の必要性及び再建計画の合理性はなく、本件各債権放棄に相当な理由があると認めることはできず、本件各債権放棄の額はいずれも寄附金の額に当たる。(平24. 1.24 関裁(法・諸)平23-43)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230075
- 裁決年月日
- 平成24年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、確定した決算において貯蔵品タイヤ(本件貯蔵品タイヤ)の本数を過大に計上した分については消耗品費として当期の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、ある事業年度の末日において計上された在庫の数量又は金額が誤っていた場合には、当該事業年度の期中において計上された仕入れの数量又は金額を検証した上で誤りがなければ、当該事業年度の正しい在庫の数量又は金額に基づいて、前事業年度の末日における正しい在庫の数量又は金額を算定し直さなければ、計上された在庫の数量又は金額が誤っていたとする事業年度の仕入れについて、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されたものとはいえないと解されるところ、本件事業年度の期中における仕入れに誤りはなく、本件事業年度の末日における本件貯蔵品タイヤの本数を前提に、前事業年度の末日における本件貯蔵品タイヤの在庫の本数及び金額を算定すると、請求人の申告における前事業年度の在庫の本数及び金額を下回ることとなる。そうすると、本件事業年度の期首における本件貯蔵品タイヤの在庫の金額を減少させるとともに、期末の本件貯蔵品タイヤの在庫の金額を減少させて、本件事業年度における本件貯蔵品タイヤに係る仕入金額を算定すると、結果的に、本件事業年度の所得金額に加算される金額が増加することとなるから、本件事業年度の末日における本件貯蔵品タイヤの本数及び金額が過大であるとされたとしても、本件更正処分に係る所得金額が過大となることはない。(平24. 1.23 名裁(法・諸)平23-75)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230071
- 裁決年月日
- 平成24年1月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が運行便数を水増しした架空のものであるとした運送に係る外注費(本件各外注費)について、運送代金の価格調整分であるから、全体としてみると正当なものであり、架空のものではない旨主張する。しかしながら、本件外注先は、請求人の元部長から、月ごとの水増し請求する便数の指示を受けたところに基づき各運行報告書及び各請求書を作成しており、請求人の各事業年度の総勘定元帳の外注費勘定には、本件外注先からの各請求書に記載された請求金額がそのまま計上されたのであるから、本件各外注費が水増しされた架空のものであることは明らかであり、このことは、元部長に対し交付された即時解雇通知書に記載された解雇理由及び本件外注先の代表者が請求人の代表者へ提出した書面によっても裏付けられる。以上のことから、本件各外注費は水増しされた架空のものである。(平24. 1.18 名裁(法・諸)平23-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230104
- 裁決年月日
- 平成24年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、非上場有価証券に係る評価損の計上につき評価損の対象とした法人(A社)は、当該事業年度末において、事業を再開する見込みは全くなかったのであるから法人税法施行令第68条《資産の評価損の計上ができる場合》第1項第2号に掲げる要件を満たし、評価損の損金算入が認められるべきである旨主張する。しかしながら、非上場有価証券に係る評価損を損金の額に算入するためには、①有価証券を発行する法人の資産状態が著しく悪化した、②その事実のため、その有価証券の価額が著しく低下したという2つの特定事実の状態が、評価損を計上する事業年度の終了の時に存在していたことを要すると解するのが相当であるところ、A社には、請求人が評価損を計上した事業年度終了の時において、特別清算開始の命令があったこと等の事実はなく、また、評価する前の直近のA社の事業年度における資産状態が請求人によるA社の株式を取得した時の資産状態に比して50%以上下回った事実はなく、A社における主要資産の譲渡についても純資産価額に著しい悪化の影響を与えることは想定されず、評価損を計上した事業年度終了の日におけるA社の資産状態を示す同日における1株当たりの純資産価額は明らかでないことから、A社の資産状態が著しく悪化した事実があったと認めることはできず、また、当該事業年度終了の時にA社の株式の帳簿価額のおおむね50%相当額を下回っていることが明らかであったということもできないことから、A社の株式の価額が著しく低下した事実があったと認めることもできない。したがって、評価損の額は、損金の額に算入することはできない。(平24. 1. 6 東裁(法)平23-104)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230105
- 裁決年月日
- 平成24年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証をしているから、貸倒損失の損金算入が認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、貸倒損失を損金算入した事業年度末までに、債務者である法人の資産状態、支払能力等を客観的に把握していたとはいえない上、貸倒損失の対象とした未収入金額についても回収可能と期待していたことがうかがえるのであるから、当該未収入金額は、請求人にとって、当該事業年度末までにその全額の回収不能が客観的に明らかになっていたと認めることはできず、請求人が当該未収入金額を貸倒損失として当該事業年度の損金の額に算入することはできないというべきである。(平24. 1. 6 東裁(法)平23-105)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230027
- 裁決年月日
- 平成23年12月14日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716110
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/11燃料費、消耗品費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が購入した消耗品その他これに準ずる棚卸資産は実際に使用された時点で消費されたものとして損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該棚卸資産は、いずれも消耗品と認められ、所定の場所へ備え付けられた時点で事業の用に供したものということができるから、原処分庁の主張は採用できない。(平23.12.14 大裁(法)平23-27)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平230002
- 裁決年月日
- 平成23年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空であると認定した請求人が所有する建物の改修工事(本件工事)は、実際に施工されているのであるから、本件工事に係る外注費を法人税の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、一般に役務の提供の有無の証明は、発注者において役務の具体的内容についての説明や関係書類の提出が容易であるところ、本件工事の発注者である請求人からは本件工事の具体的内容の説明や本件工事が施工されたと認めるに足りる証拠の提出もなく、また、請求人の代表者及び本件工事の受注者とされている者の答述はいずれも信用することができず、さらに、実際の施工業者も確認できないことからすると、本件工事は施工されていないと認めざるを得ず、当該外注費は損金の額に算入されない。(平23.11.30 札裁(法・諸)平23-2)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230060
- 裁決年月日
- 平成23年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法上の損金の額に算入し消費税法上の課税仕入れとした取引先法人(A)に対する外注費(本件外注費)について、役務の提供はされており、Aに請求書等を作成させることによって仮装された架空のものではない旨主張する。しかしながら、Aの代表者(B)は、原処分庁所属の調査担当職員(本件調査担当職員)に対し、請求人を代表する取締役(X)から話を持ち掛けられ、毎月、請求人がファックスにより送信してくる文書(本件ファックス文書)に基づいて、請求人宛の請求書等(本件請求書等)を作成し、これを交付していたが、本件外注費に係る役務を何ら提供したことはなく、内容虚偽の本件請求書等の作成、交付と引換えに、Aは請求人から本件請求書等に記載された金額(消費税及び地方消費税(消費税等)を含まない。)の10パーセントの金額及び本件請求書等に記載された消費税等相当額を合わせた金額(本件請求書等作成手数料)を現金で受領していた旨申述しており、当該申述内容は、本件調査担当職員による調査の当初から変更されていないことが認められ、当審判所に対する答述においても変更されておらず、具体的で、矛盾がなく筋道の通ったものということができることに加え、①請求人とAとの間では、本件ファックス文書及び本件請求書等を除いて、本件外注費に係る契約書等を作成しておらず、請求人の業務を委託されたXが代表取締役を務める関係会社(Z)との間で締結した「請負基本契約」に、工事及び作業を依頼する旨などが定められているものの、その内容及び金額の決定方法について具体的に定めたところはないこと、②Aの作業日誌に作業記録がなく、Zの作業場所への入退場記録にもAの従業員が入退場した記録がなかったことなどからすれば、AがZに対し何ら役務の提供をしなかったと認めるのが相当である。(平23.11.30 名裁(法・諸)平23-60)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230061
- 裁決年月日
- 平成23年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法上の損金の額に算入し消費税法上の課税仕入れとした取引先法人(A)に対する外注費(本件外注費)について、役務の提供はされており、Aに請求書等を作成させることによって仮装された架空のものではない旨主張する。しかしながら、Aの代表者(B)は、原処分庁所属の調査担当職員(本件調査担当職員)に対し、請求人の代表取締役(X)であり、当時、請求人の関係会社(Z)を代表する取締役であったXから話を持ち掛けられ、毎月、請求人がファックスにより送信してくる文書(本件ファックス文書)に基づいて、請求人又はZ宛の請求書等(本件請求書等)を作成し、これを交付していたが、本件外注費に係る役務を何ら提供したことはなく、内容虚偽の本件請求書等の作成、交付と引換えに、Aは請求人又はZから本件請求書等に記載された金額(消費税及び地方消費税(消費税等)を含まない。)の10パーセントの金額及び本件請求書等に記載された消費税等相当額を合わせた金額(本件請求書等作成手数料)を現金で受領していた旨申述しており、当該申述内容は、本件調査担当職員による調査の当初から変更されていないことが認められ、当審判所に対する答述においても変更されておらず、具体的で、矛盾がなく筋道の通ったものということができることに加え、①請求人とAとの間で締結した「請負基本契約」に、工事及び作業を依頼する旨などが定められているものの、その内容及び金額の決定方法について具体的に定めたところはなく、ZとAとの間では、本件ファックス文書及び本件請求書等を除いて、本件外注費に係る契約書等を作成していないこと、②Aの作業日誌に作業記録がなく、請求人の作業場所への入退場記録にもAの従業員が入退場した記録がなかったことからすれば、Aが請求人に対し何ら役務の提供をしなかったと認めるのが相当である(平23.11.30 名裁(法・諸)平23-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230077
- 裁決年月日
- 平成23年11月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表取締役の長男は常勤の取締役であり、また、原処分庁が類似法人の抽出において認定した業種には誤りがあるから、同人の役員給与の額に不相当に高額な部分の金額があるとする原処分は違法である旨主張する。しかしながら、関係者の答述等からすると、同人の職務の内容は、必要に応じて代表取締役に助言等を行うにとどまるものであり、日常的に請求人の職務に従事していない、いわゆる非常勤の取締役に該当すると認められる。また、請求人が行っている器具の販売や資格養成の実態からみると、請求人の行う業務は資格養成事業を主とするものであると認められるところ、実質基準に係る金額の算定上、類似法人の抽出については、客観的に相当な給与額を算定するための一資料として用いられるにすぎないものであることからすれば、その類似性は厳密なものでなくとも資料としての意義は失われないから、原処分庁がその範囲を拡大して類似法人を抽出したことは不合理とはいえない。なお、原処分庁が選定した類似法人には請求人の類似法人とすることは相当でない業態の法人が含まれているから、これを除外して適正給与額の算定を行うべきであり、また、原処分庁は、適正給与額を算定するために類似法人における非常勤役員に対する給与の最高額を採用しているが、その平均額をもって適正給与額とすることが相当であると認められるから、これに基づき当審判所が適正給与額を算出すると、代表取締役の長男に対して支給した役員給与の額のうち不相当に高額な部分として認められる金額は、原処分庁が主張する額を上回ることとなるから、原処分は適法である。(平23.11.18 東裁(法・諸)平23-77)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230077
- 裁決年月日
- 平成23年11月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関連法人に支出した業務委託費は、当該関連法人からの役務提供の対価であるから、寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、当該業務委託費は、当該関連法人からのアドバイス等を期待して当該関連法人に支払っていることは推認できる一方、業務委託契約書に記載された当該関連法人の具体的な役務提供の対価として支払われたことを裏付ける具体的、明確な証拠がないことに加え、請求人が当該関連法人に対して支払った当該業務委託費、貸付金額及び賃借料額をみると、それぞれの月で金額に変動があるにもかかわらず、それぞれの金額の合計額は各月とも定額であることを総合すると、当該業務委託費はむしろ当該関連法人の業務の運営に必要な費用を請求人が負担したものであると認めるのが相当であることから、当該業務委託費は、法人が行う対価性のない支出であり法人税法上の寄附金に該当する。(平23.11.18 東裁(法・諸)平23-77)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230078
- 裁決年月日
- 平成23年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表取締役の長女は常勤の取締役であり、また、原処分庁が類似法人の抽出において認定した業種には誤りがあるから、同人の役員給与の額に不相当に高額な部分の金額があるとする原処分は違法である旨主張する。しかしながら、関係者の答述等からすると、同人の職務の内容は、必要に応じて代表取締役に助言等を行うにとどまるものであり、日常的に請求人の職務に従事していない、いわゆる非常勤の取締役に該当すると認められる。また、請求人が行う業務は、資格指導養成事業を営む関連法人の当該業務に係る管理補助的活動を行うことに該当すると認められるところ、実質基準に係る金額の算定上、類似法人の抽出については、客観的に相当な給与額を算定するための一資料として用いられるにすぎないものであることからすれば、その類似性は厳密なものでなくとも資料としての意義は失われないから、原処分庁がその範囲を拡大して類似法人を抽出したことは不合理とはいえない。なお、原処分庁は、適正給与額を算定するために、類似法人における非常勤役員に対する給与の最高額を採用しているが、その平均額をもって適正給与額とすることが相当であると認められるから、これに基づき当審判所が適正給与額を算定すると、代表取締役の長女に対して支給した役員給与の額のうち不相当に高額な部分として認められる金額は、原処分庁が主張する額を上回ることとなるから、原処分は適法である。(平23.11.18 東裁(法・諸)平23-78)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平230004
- 裁決年月日
- 平成23年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員は常勤である必要はなく、請求人の実質的経営者である清算人の子である元代表取締役に対する役員給与(本件給与)が振り込まれる普通預金口座(本件口座)は、委任を受けて清算人が管理していたもので、元代表取締役に帰属しているのであるから、本件給与は元代表取締役に対する給与に当たる旨主張する。しかしながら、元代表取締役は、就学のため遠隔地に居住し、帰省した際に書類に押印する程度で、経営に参画しているとはいえず、また、清算人は、元代表取締役を役員にしたのは、建設業の経営管理責任者となるための実績作りのためである旨答述していることからも、元代表取締役は名目上の役員であると認められる。また、本件口座については、元代表取締役が費消している証拠の提示もなく、清算人の経営する別法人へ送金していること及び清算人名義で証券会社の口座へ送金しているなどの事実からすれば、清算人の意思により本件口座から出金され、費消されていたとするのが相当であり、清算人に帰属すると認められる。以上のことから、本件給与は、元代表取締役に対する給与と仮装して経理をすることにより、清算人に対して支給された給与と認められる。(平23.11.17 沖裁(法・諸)平23-4)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平230003
- 裁決年月日
- 平成23年11月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/5損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、金銭債権を貸倒損失とした根拠は、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項第3号の規定で、取引の事実、債権の有無、債務者の倒産又は事業廃止の事実があればよく、破産又は倒産等で回収不可能となった金銭債権を貸倒損失として損金経理することを否定する法令は存在しない旨主張し、更に、貸倒損失の計上時期について法律に定めはなく、金銭債権の回収不能は、債務者側の事情、債権者側の事情も踏まえ判断すべきであり、回収不能と判断された段階で、貸倒損失として損金経理することは正当な処理であると主張する。しかしながら、法律上債権が存在するにも関わらず債務者の資産状況や支払能力等経済的観念から事実上回収不能であることを理由として貸倒処理ができるのは、①金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかであり、かつ、②金銭債権の全額が回収できないことが明らかになった事業年度において損金経理した場合に限られるとしており、この基準は、貸倒損失の計上時期についての判断基準として合理性を有すると解され、一般的な基準として認められている取扱いである。そして、この取扱いは、債務者ごとに資産状況、支払能力等により貸倒れに該当するかどうかを判断するものであり、企業の主観的判断によっていつでも自由に行い得るものではないから、請求人の主張は採用できない。(平23.11.10 沖裁(法・諸)平23-3)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平230004
- 裁決年月日
- 平成23年11月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する貸付金等債権を放棄し、特別損失として損金の額に算入したことについて、本件債権放棄は、取引金融機関から融資継続等の条件として求められていたため、やむを得ず行ったものであり、本件債権放棄を行わなければ取引金融機関から融資を受けられなくなることは明らかであるから、債権放棄をしたことに経済的合理性があり、寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が取引金融機関から融資継続等の条件として本件債権放棄を求められていたとする事実は認められず、また、本件債権放棄を行わないことにより、融資が受けられなくなることは明らかであるとも認められないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。また、本件債権放棄が法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》に定める要件である再建計画の合理性及び損失負担の必要性を満たすか否かについて検討すると、本件事業計画書には子会社の再建に向けた具体的な再建計画に関する記載は認められず、再建計画を策定した事実もないことから合理的な再建計画が存在したとは認められない。さらに、当該子会社は債務超過の状態ではあるが、当該子会社の借入金の大部分は請求人からのものであり、直ちに破産ないしそれに準じた支払不能の状態になるともいえず、子会社にとっての資金効果は、請求人が子会社に対する貸付けの継続や返済猶予を行った場合と何ら異なることはなく、本件債権放棄によって損失負担を行う相当の理由も認められない。よって、本件債権放棄をしたことに経済的合理性は認められず、請求人は子会社に対して本件債権放棄に係る債権の債務消滅という経済的利益を供与したことになるから、本件債権放棄の額は、寄附金の額に相当する。(平23.11. 7 金裁(法)平23-4)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230030
- 裁決年月日
- 平成23年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項第2号に規定する役員給与(事前確定届出給与)は、事前に届出をしておけば、損金の額に算入すべき金額と損金の額に算入する事業年度に関して、法人の恣意性は排除できるから、翌事業年度を支給時期とした事前確定届出給与は、支給時期が到来していなくてもそれより前の事業年度(本件事業年度)の損金の額に算入でき、また、当該事前確定届出給与のうちの一部を本件事業年度に未払金として計上した役員給与(本件各未払役員給与)についても、届出をした金額の一部であるから本件事業年度の損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、事前確定届出給与として当事業年度の損金の額に算入される給与は、所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給するもの、すなわち、支給時期、支給金額が事前に確定し、実際にも「その定めのとおりに支給する給与」に限られるので、役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づく給与で所定の届出の要件を満たすものであっても、その定めた支給時期が到来していないものは、事前確定届出給与に該当しないものと解される。したがって、本件各未払役員給与は、その支給時期が到来していないのであるから、事前確定届出給与に該当しないこととなり、本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平23.10.28 名裁(法)平23-30)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230024
- 裁決年月日
- 平成23年10月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の債権者から受けた債務免除(本件債務免除)が、法人税法施行令(平成22年政令第51号による改正前のもの。以下同じ。)第117条《再生手続開始の決定に準ずる事実等》第4号に規定する「前3号に掲げる事実に準ずる事実」に該当することから、法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの。)第59条《会社更生法等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入》第2項の規定を適用できる旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第117条第4号に規定する「前3号に掲げる事実に準ずる事実」とは、債務超過に陥った債務者について、全ての債権者に対して公正な弁済が行われることが保障され、当該債務者の再生等に向けた計画に基づき行われるものに限られると解するのが相当であるところ、本件債務免除は、請求人と本件債務免除をした債権者との間の和解に基づき、請求人がその和解金を支払うことにより受けたものであって、請求人は、本件債務免除をした債権者以外にも複数の債権者を有しており、本件債務免除をした債権者は、本件債務免除について、請求人から決算書の提出や再生計画案の提出は受けておらず、また、債権者集会も行われていないから他の債権者も把握していない状況にある。そうすると、本件債務免除は、債権者に対して公正な弁済が行われることを保障して行われ、請求人の再生等に向けた計画に基づき行われたものでないことは明らかであり、請求人の主張には理由がない。(平23.10.19 名裁(法)平23-24)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230002
- 裁決年月日
- 平成23年8月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、グループ法人との間で締結した各業務委託契約に基づく業務は行われているから、費用計上した各業務委託料は損金の額に算入されるべきである旨主張し、原処分庁は、当該契約は実体のない架空の業務委託契約であり、当該各委託料は請求人の会長が実質支配するグループ法人への貸付金等であるとした上、当該貸付けに係る利息相当額は益金の額に算入すべきである旨主張する。当該各委託料は、①役務提供の有無にかかわらずに支払われている対価性のないものであること②当該各委託料がグループ法人に対する貸付債権と相殺されていることからすると、その計上額は、請求人がグループ法人に対して債務消滅という経済的利益を無償で供与したこととなり、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当すると認めるのが相当である。したがって、請求人の主張には理由がなく、また、当該各委託料が貸付金に当たるとして利息相当額を益金の額に算入すべきであるとする原処分庁の主張にも理由がない。(平23. 8.23 仙裁(法・諸)平23-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230005
- 裁決年月日
- 平成23年8月2日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710047
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/7使用人兼務役員に対する賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人の各関連会社(L社及びK社)が請求人の各取締役に対して「永年勤続賞金」又は「褒賞金」の名目で支払った各金員(第二金員、第三金員及び第四金員)は、請求人が支払うべき使用人兼務役員に対する給与と認められるところ、当該各金員の算定根拠は明らかでなく、使用人と同一の基準で算出されたと認めるに足りる証拠もないことからすると、当該給与は損金の額に算入できない。(平23. 8. 2 関裁(法・諸)平23-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230006
- 裁決年月日
- 平成23年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が関連会社の取締役に対して「褒賞金」の名目で支払った金員(本件金員)については、当該取締役が請求人に対して営業指導を行ったことに対する対価である旨主張する。しかしながら、請求人は、調査時において説明の機会があったにもかかわらず、当該取締役が営業指導したなどの具体的な役務の内容について説明せず、また、請求人と当該関連会社との間に直接的な取引関係がないことからすれば、当該取締役が当該関連会社の業務として請求人に対して何らかの役務提供をしたということは考えがたい。そして、当該関連会社と当該取締役との間に雇用関係がないことには争いがないことからすると、本件金員は、何らかの役務提供の対価や当該関連会社の役員の給与としてではなく請求人から当該取締役に対して支払われたというべきであって、これは、金銭その他の資産又は経済的利益を対価なく当該役員に移転させたものであり、そこには通常の経済取引として是認できる合理的な理由は存在しないというべきであるから、寄附金に該当する。(平23. 8. 2 関裁(法)平23-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230007
- 裁決年月日
- 平成23年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が関連会社の取締役に対して「永年勤続賞金」又は「褒賞金」の名目で支払った各金員(本件各金員)は、請求人と当該取締役との間で交わした合意書(本件各合意書)に基づき、情報提供を受けたことに対する対価として支払ったものであり、当該関連会社が支払うべき給与を請求人が負担したものではない旨主張する。しかしながら、①本件合意書は調査時に提出されておらず、調査時におけるその存在又は成立に疑義があり、信用できないこと、②当該取締役が提供した役務は、当該関連会社の業務の一環としてなされたものであって当該取締役が個人として提供したものとは認められないことなどを総合すると、請求人において本件金員を支払う特段の理由はなく、当該関連会社が支払うべき給与を請求人が支払ったものと認めるのが相当である。したがって、これは金銭その他の資産又は経済的利益を対価なく他に移転させた贈与に当たり、そこには通常の経済取引として是認できる合理的な理由が存在しないということができるので、寄付金に該当する。(平23. 8. 2 関裁(法)平23-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230008
- 裁決年月日
- 平成23年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が関連会社の取締役に対して「永年勤続賞金」の名目で支払った金員は、請求人と当該取締役との間で交わした合意書(本件合意書)に基づき、情報提供を受けたことに対する対価として支払ったものであり、当該関連会社が支払うべき給与を請求人が負担したものではない旨主張する。しかしながら、①本件合意書は調査時に提出されておらず、調査時におけるその存在又は成立に疑義があり、信用できないこと、②当該取締役が提供した役務は、当該関連会社の業務の一環としてなされたものであって当該取締役が個人として提供したものとは認められないこと及び③当該金員の支払が当該取締役の当該関連会社における永年勤続表彰に関して支払われていることなどを総合すると、請求人において本件金員を支払う特段の理由はなく、当該関連会社が支払うべき給与を請求人が支払ったものと認めるのが相当である。したがって、これは金銭その他の資産又は経済的利益を対価なく他に移転させた贈与に当たり、そこには通常の経済取引として是認できる合理的な理由が存在しないということができるので、寄付金に該当する。(平23. 8. 2 関裁(法)平23-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230011ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成23年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/2評価方法
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、連結加入直前事業年度において、債務超過となっている子会社の株式(時価評価資産)の時価評価額の算定に当たっては、債務超過に相当する金額をマイナス評価するのが相当である旨主張する。しかしながら、仮に当該子会社の1株当たりの純資産価額等が零円を下回るとしても、強行規定である会社法第104条《株主の責任》によって請求人が追加的に出資を要求されることはなく、一方、将来的に当該子会社の業績によっては配当を得る可能性も残っており、当該子会社の株式が通常取引されると認められる価額は零円以上となると解されるから、請求人の連結加入直前事業年度終了の時において、当該子会社の株式の1株当たりの純資産価額等が零円を下回る場合の「1株当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額」は、零円以上と認めるのが相当である。(平23. 7. 7 東裁(法)平23-11)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平230001
- 裁決年月日
- 平成23年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716070
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/7和解金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、本件和解(訴訟上の和解)は、原告ら(L及びNら)の請求内容(出資持分の払戻請求及び退職金の支払請求)を認めた内容の和解ではなく、多様な意味合いを包含した金額面での和解であり、本件和解金からLの退職金を控除した金員(本件金員)は、経営上当然の経済行為に基づく支払金という性格を意味しており、出資持分があることを根拠として支払ったものではないから、本件金員の額からLの出資額などを控除した額(本件特別損失額)は本件事業年度の損金の額に計上できる旨主張する。しかしながら、本件訴訟の経緯、対立点及び和解において請求人が本件和解金を支払うに至った経過並びに和解調書の和解条項内容及び請求人の会計処理の事実についてみると、請求人は、原告らに出資持分の払戻請求権相当の権利を認めるなど、本件和解金を支払うことで請求人と原告らの債権債務関係を消滅させたものと推認されることから、本件金員からNの退職金相当額を差し引いた金員は、出資者たる地位に基づき支払われた金員であるといえ、当該金員から請求人が資本金勘定から減額したLの出資金相当額などを控除した金員は、剰余金の分配に当たると認められるので、法人税法第22条《各事業年度の所得金額の計算》第5項に規定する資本等取引に該当する。また、平成8年3月期に請求人がNに対する役員退職金として支出した金員相当額が本件和解金の計算に含められた経緯等から判断すると、当該退職金相当額については、請求人が真に支払を受けた者に代わって仮払金・立替金の類として支払ったものであると考えるのが自然である。したがって、本件特別損失額は、法人税法第22条第3項の規定により本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平23. 7. 5 熊裁(法・諸)平23-1)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平220015
- 裁決年月日
- 平成23年5月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①死亡した本件取締役には請求人に対する多大な貢献をした特別な事情があるところ、同人の最終報酬月額は低く抑えていた経緯があるので、別途、適正な報酬月額に改め、かつ、特別功労加算金を加算すべきである旨、②勤続年数について、請求人の前身となった会社の事業及び能力をそのまま請求人が引き継いだ経緯があるので、本件取締役の前身会社での在職期間を加えるべきである旨、③原処分における功績倍率は「同業種他社との比較」が行われていないので容認できない旨の理由から原処分は違法であると主張する。しかしながら、①最終報酬月額は、一般的にその役員の法人に対する貢献度をよく反映した指標であると解されているところ、本件取締役の最終報酬月額が低く抑えられていた事実は認められず、当該最終報酬月額は本件取締役の請求人に対する貢献度を適正に反映したものであること、また、平均功績倍率は同業類似法人における役員退職給与の額を当該役員の最終報酬月額に勤続年数を乗じたもので除した倍数の平均値であるところ、当該役員退職給与の額には、その支出の名目のいかんにかかわらず、退職により支給される一切の給与が含まれ、請求人の主張する特別功労加算金は同業類似法人の功績倍率に反映されているものと解されるから、これを基礎として算定した役員退職給与相当額は特別功労加算金を反映したものというべきであること、②勤続期間については、旧法人税法施行令第72条《過大な役員退職給与の額》の規定から、前身会社での在職期間は勤続年数に含めることはできないこと、③原処分における功績倍率は同業類似法人の功績倍率の平均値を基に算定されているところ、本件同業類似法人の選定基準は旧法人税法施行令第72条の規定に沿ったものとして合理性があり、これを基に算定した功績倍率は適正であることがそれぞれ認められる。以上のことからすると、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平23. 5.25 仙裁(法)平22-15)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220082
- 裁決年月日
- 平成23年5月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当初たな卸データから当日出荷した商品や不良品及び預り品等誤って混入した商品の金額として推定金額を減額した修正たな卸データを作成し、当該修正たな卸データに基づく金額を期末商品たな卸高としていたことについて、確かに実地たな卸の不手際もあり期末たな卸商品の計上漏れがあったことは認めるが、残額については正当な修正額である旨主張する。しかしながら、当初たな卸データに当日出荷商品や不良品及び預かり品等が混入し、さらに重複計上や数量単位の誤りがあったためである旨の請求人の説明には不自然不合理な点が多く、その信用性は著しく低い。したがって、請求人の主張にはいずれも理由がなく、本件事業年度の期末商品たな卸高は、当初たな卸データのたな卸高と認められる。(平23. 5.11 関裁(法)平22-82)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220082
- 裁決年月日
- 平成23年5月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、過年度分の地代家賃等が未計上であったとしてこれらを一括して損金の額に算入したことについて、賃貸人との間で「いつか払う」との合意をしていたのであり、事務所等の貸付等の役務提供が無償で行われていたのではない旨主張する。確かに請求人は、設立のころから役務の提供を受けてきたことは認められるものの、その対価の授受がされたことはなかったこと、本件合意がされるまでは役務の提供期間、対価の額、対価の額の算出基準及び支払時期等の定めがなかったこと、さらにこのような処理は、関係者が親子関係にあることからできたと認められることからすると、無償により役務を提供するという合意が成立していたということができ、過去に無償で提供された役務について支払義務がないにもかかわらず金員の支払を約すことは、通常の経済取引として是認できる合理的理由は存在しないことから、当該地代家賃等の額は寄附金の額に該当する。(平23. 5.11 関裁(法)平22-82)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220200
- 裁決年月日
- 平成23年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》第1項第2号に規定する事前確定届出給与とは、①その支給額が事前に確定し、所定の時期に届出書が提出され、届出どおりに支給される給与であり、②当該給与が2回にわたり支給される場合は、各支給時期及び各支給額ごとに上記の3要素が具備されたものか否かにより、それぞれ事前確定届出給与に該当するか否か判定すべきであるところ、請求人が本件事業年度において役員に対し支給した2回の給与(本件各役員給与)のうち、2回目の役員給与は、届出額と実際の支給額が異なるから事前確定届出給与に該当しないが、1回目の役員給与は、届出額と実際の支給が同額であり上記3要素を具備しているから、事前確定届出給与に該当し損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、事前確定届出給与として届け出た役員給与が届出どおりに支給されたか否かは、原則として、職務執行期間における事前確定給与として届け出た役員給与の各支給時期及び各支給額のすべてについて届出どおりに行われているか否かにより判定すると解するのが相当であるところ、請求人の場合、2回目の役員給与は届出どおりに支給されておらず、また、当該支給額に関して変更する旨の届出書の提出もされてないから、本件各役員給与のすべてが事前確定届出給与に該当せず本件事業年度の損金の額に算入されないこととなる。(平23. 5.11 東裁(法)平22-200)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220076
- 裁決年月日
- 平成23年5月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の海外販売会社に対する当該損失負担金は、請求人ブランドの商流維持のための支払であるところ、請求人にとっては自己が便益を受けるための支出であり、その支出の効果が将来に及ぶものであることから繰延資産に該当する旨主張する。しかしながら、当該損失負担金は、請求人側の要因により海外販売会社に生じた債務超過を解消するための費用で、あらかじめ結ばれていた約定等に基づくものと認められるから、支出の効果が1年以上に及ぶとは認められず、繰延資産には当たらない。(平23. 5.10 大裁(法)平22-76)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220050
- 裁決年月日
- 平成23年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①損金の額に算入した特定の外注先に対する外注費等(本件各外注費等)の金額の一部には水増しをした金額があるものの、その全部が架空の取引に係るものではない旨及び②解体工事に係る工事の外注先に対する各解体工事外注費(本件各解体工事外注費)については、水増し請求は一切ない旨主張する。しかしながら、これらの取引に係る外注先は、請求人の代表取締役が裏金ねん出を取引先の専務に依頼したことにより、当該専務が指定したものあり、請求人は、当該専務が手配した各外注先の口座へ本件各外注費等及び本件解体工事外注費を振り込んでいるところ、当該専務は原処分庁の調査担当職員に対し、各外注先に対する請求人の外注費の支払は、すべて架空の取引に係る支払である旨申述しており、当審判所の調査等によれば、当該専務の当該申述は十分信用できるものと認められる。さらに、請求人の提出する資料によっても、請求人と本件各外注先との間で実態を伴う取引が行われていたとは認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平23. 4.26 名裁(法・諸)平22-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220196
- 裁決年月日
- 平成23年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702029
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、損金の額に算入した売上原価及び仲介料(本件売上原価等)はすべて真実の取引の費用であるから、本件売上原価等を架空の取引に係るものであるとして行われた原処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、請求人は、請求人が本件売上原価等を支出したと主張する相手先から役務の提供を受けた事実はなく、それらはいずれも架空の取引に係るものであると認められることから、請求人の主張には理由がなく、本件売上原価等が、本件各事業年度の損金の額に算入されないとしてなされた原処分は適法である。(平23. 4.22 東裁(法・諸)平22-196)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220196
- 裁決年月日
- 平成23年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人に対する長期貸付金等の額(本件長期貸付金等の額)については、同社が平成17年8月末時点で破産状態にあり、本件貸付金等の全額が回収できないことが客観的に明らかであるから、当該事業年度において貸倒損失として損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件貸付金等の額の大半は、翌事業年度に発生したものであり、また、平成17年8月末において有する貸付金等の額についても、請求人が債務免除したのは平成19年5月であって平成17年8月期においては貸倒損失として計上していないのであるから、当該事業年度において損金の額に算入することはできない。なお、本件貸付金等の額について請求人は、平成19年5月31日付で書面により債務を免除しており、かつ、関連法人は同日付で清算結了し、その時点において金銭債権は消滅しているから、本件貸付金等の額を平成19年8月期の貸倒損失と認定した原処分は相当である。(平23. 4.22 東裁(法・諸)平22-196)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220187
- 裁決年月日
- 平成23年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地とともに一括して取得した建物及び機械の取得価額を再調達価額等により算出した金額とすべきであると主張するが、本件においては、売主が保存する売買契約書に消費税等の額が記載されており、当該記載は契約当事者双方の契約意思を表示したものと認められることからすれば、請求人も建物及び機械に係る消費税等の額を認識していたと解すべきであるから、建物及び機械の取得価額は当該消費税等の額を基に算出するのが相当である。また、建物と機械の取得価額を区分する方法としては、本件においてはあん分法によることが合理的であると考えられるところ、それぞれの取得価額の算出に当たっては、同一の時期の合理的な同一の評価基準で評価した固定資産税評価額を用いてあん分することが適当と認められる。(平23. 4. 6 東裁(法・諸)平22-187)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220189
- 裁決年月日
- 平成23年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706062
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/2借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件定期借地権設定契約に当たり取得した本件定期借地権については、取得のための対価が存在せず、企業会計上も資産性がないから、仲介業者に支払った手数料についても、土地の賃貸借に係る費用として、その支出時の損金処理が認められるべきである旨主張する。しかしながら、借地権は法人税法上の土地に含まれるところ、土地の取得価額については同法施行令第54条が準用され、法人税基本通達7−3−8《借地権の取得価額》は、借地権の取得価額には借地契約に当たり支出した手数料その他の費用の額も含むものとする旨定めていることからすれば、当該手数料は、本件定期借地権の取得価額に含まれると判断するのが相当である。(平23. 4. 6 東裁(法)平22-189)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220174
- 裁決年月日
- 平成23年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人(月刊誌等の出版業)は、棚卸資産のうち、書店等から返品された雑誌等については、古紙としての価値があるにすぎないから、評価損の計上が認められるべきである旨主張する。しかしながら、棚卸資産について評価損が認められるのは、陳腐化等の事実が生じ、かつ、損金経理によりその帳簿価額を減額した場合であるところ、請求人の棚卸資産については評価損の計上が認められる状態にあったと認めるに足る証拠はなく、損金経理により棚卸資産の帳簿価額を減額した事実も認められないから、請求人は、当該雑誌等について、その評価損を損金の額に算入することはできない。一方、原処分庁は、平成20年12月期の請求人の棚卸資産の期首計上額が過少であると認めるに足る証拠の提出がされなかったことを理由に、売上原価が過少となっているとの請求人の主張は認められない旨主張する。しかしながら、請求人から提出された証拠資料によれば、棚卸資産の期首計上額が過少であると認められ、これにより過少となった売上原価の額を損金に算入して請求人の所得金額を再計算すると、更正処分の金額を下回ることから、更正処分はその一部を取り消すべきである。(平23. 3.25 東裁(法)平22-174)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220174
- 裁決年月日
- 平成23年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300709010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/1たな卸資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 月刊誌等の出版業を営む請求人は、棚卸資産のうち、書店等から返品された雑誌等については、古紙としての価値があるに過ぎないから、評価損の計上が認められるべきである旨主張する。しかしながら、棚卸資産について評価損が認められるのは、陳腐化等の事実が生じ、かつ、損金経理によりその帳簿価額を減額した場合であるところ、請求人の棚卸資産については評価損の計上が認められる状態にあったと認めるに足る証拠はなく、損金経理により棚卸資産の帳簿価額を減額した事実も認められない。よって、請求人は、当該雑誌等について、その評価損を損金の額に算入することはできない。(平23. 3.25 東裁(法)平22-174)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220069
- 裁決年月日
- 平成23年3月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項は、寄附金の額について、金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与をした場合における当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする旨規定している。ところで、法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》は、その子会社等に無利息貸付け等をした場合において、その無利息貸付け等が、業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われるもので合理的な再建計画に基づくものである等、その無利息貸付け等をしたことについて相当の理由があると認められるときは、その無利息貸付け等により供与する経済的利益の額は、寄附金の額に該当しないものとする旨定めている。その趣旨は、無利息貸付け等に経済的合理的性が存する場合にまで、直ちに当該無利息貸付け等を寄附金として取り扱うことは相当でないことから、このような場合には当該経済的利益の額を寄附金として認定課税をしないことを明らかにしたものと解され、同通達の定めは、上記法人税法第37条第7項の趣旨に照らし、当審判所においても相当であると認められる。これを本件についてみると、請求人はA社の経営状態を勘案して貸付けを行い、その後、コスト削減等を命じていることが認められるものの、経営状態の確認やコスト削減を命じていることをもって、本件無利息貸付けが合理的な再建計画等に基づいて行われた相当の理由があるものということはできないから、本件無利息貸付けにより請求人がA社に供与した経済的利益相当額は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当すると認めるのが相当である。(平23. 3.23 関裁(法・諸)平22-69)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220069
- 裁決年月日
- 平成23年3月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、収益事業に係る利益相当額が法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第5項に規定する寄附金(みなし寄附金)に該当するとして法人税の決定処分等をしたが、当審判所の調査の結果によれば、本件各事業年度のいずれにおいても収益事業に係る利益は生じず、また、同項に規定する収益事業から非収益事業への資産の支出とは、現に収益事業に属する資産を収益事業以外の事業(非収益事業)に支出して、これにつき明確に区分経理をし、かつ、その資産がその公益法人等の本来の事業のための資金として使用されることをいうものと解するのが相当であるところ、請求人は収益事業に係る経理と非収益事業に係る経理とを明確に区分していないため、請求人に収益事業の利益が生じたとしても、その利益が非収益事業に支出されたことは明らかにはならず、非収益事業から収益事業への資産の支出があったとまでいうことはできないから、請求人にみなし寄附金が生じるということはできない。(平23. 3.23 関裁(法・諸)平22-69)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220064
- 裁決年月日
- 平成23年3月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が外注費を支払った各関係法人にはいずれも事業実体があるので、それらを架空であるとした原処分には事実誤認がある旨主張する。しかしながら、請求人が営む労働者派遣事業に係る労働者の派遣先と請求人との間で締結された労働者派遣契約書等に基づき、各派遣先に対し自己の雇用する労働者を派遣すべき派遣元の事業主は請求人であり、また、各派遣社員等と雇用契約書を締結し給与等の支払を行ったのも請求人である。一方で、請求人と各派遣社員等との出向契約書等及び請求人と当該各関連法人との業務請負契約書は架空の契約書であること及び当該各関連法人は、いずれもその事業を遂行するための設備や人材等が全く存在しない実態のない法人であると認められることから、請求人と当該各関連法人との取引等については、すべて仮装又は隠ぺいにより、架空に計上されたものであると認められる。(平23. 3. 9 大裁(法・諸)平22-64)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220060
- 裁決年月日
- 平成23年3月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706089
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/8償却限度額/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、機械及び装置の減価償却費の損金算入に際し、法人税法施行令第60条《通常の使用時間を超えて使用される機械及び装置の償却限度額の特例》(本件特例)を適用したことについて、同条に規定する書類の提出はしていないものの、当該機械及び装置の稼働状況は本件特例の適用要件を満たすこと及び確定申告書に添付した別表16(2)の記載により、本件特例を適用していることは明白であることから本件特例の適用は認められる旨主張する。しかしながら、本件特例の適用を受けるためには、確定申告書の提出期限までに所定の書類を所轄税務署長に提出していることが要件とされているところ、当該期限までに提出がないのであるから、本件特例の適用は認められない。(平23. 3. 8 関裁(法)平22-60)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220061
- 裁決年月日
- 平成23年3月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712092
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/2工事の代金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人は、各事業年度に追加の外注費として支出し損金の額に算入した金員(本件支出金)は、①過去に施工された工事に係る追加の支払を現場名を付け替えて支出したもの、及び②実際の工事対価の支払として支出したものであり、対価性があることから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金には当たらない旨主張し、一方、原処分庁は、本件支出金にはいずれも対価性がなく寄附金に当たる旨主張する。上記①に係る本件支出金については、請求人の会計帳簿等に記載された現場と関係がない上、請求人が主張する追加支払に合理的理由や支払うべき特段の事情があったとはいえず、対価性のない支出であると認められることから寄附金に該当する。一方、②に係る本件支出金については、実際に工事が行われており、当該工事に係る対価であると認められることから寄附金に該当しない。(平23. 3. 8 関裁(法・諸)平22-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220139
- 裁決年月日
- 平成23年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人は、決算月(平成20年7月)の2か月前において、経常利益が対前年比で6%減少している状況から、代表取締役の給与を減額改定したことは、法人税法施行令第69条《定期同額給与の範囲等》第1項第1号ハに規定する役員給与の減額に係る業績悪化改定事由に該当する旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第69条第1項第1号ハに規定する業績悪化改定事由とは、法人の経営状況の著しい悪化その他これに類する理由によりやむを得ず役員給与の額を減額せざるを得ない事情があることをいうのであり、本件は、①本件事業年度の売上高、経常利益は過去の業績と比べて何らそん色がないこと、②請求人が設定した業務目標を達成できなかったことが減額の理由であること等からすれば、業績悪化改定事由があるとは認められず、また、上記理由以外に役員給与を減額せざるを得ない特段の事情が生じていたと認めるに足る事実はない。(平23. 1.25 東裁(法)平22-139)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220011
- 裁決年月日
- 平成23年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者が構成員である民法上の組合(本件家主会)に差し入れた保証金及び請求人の代表者が理事の職にある中小企業等協同組合法に基づく協同組合に対する仮払金の本件事業年度末の残高(本件仮払金残高)は、いずれも全額が回収不能であり貸倒れとして損金に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件保証金については、本件家主会の構成員たる請求人の代表者が、請求人から役員報酬を得ていることからすれば、請求人は少なくとも本件保証金の一部分について当該代表者から返還を受けることが可能であると認められる。また、本件仮払金残高は、請求人が当該協同組合に対して平成18年7月から本件事業年度以降も引き続き協同組合に対してほぼ毎月一定額を継続して支出していることは、本件仮払金残高を回収不能と判断した営利法人たる請求人の行為としては極めて不自然かつ不合理であり、請求人は本件仮払金を回収することができると見込んでいたものと認めるのが相当である。したがって、本件保証金及び本件仮払金残高の全額が回収不能であるとはいえない。(平23. 1.24 札裁(法)平22-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220045
- 裁決年月日
- 平成23年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A氏は請求人の発展に並々ならぬ貢献をしたが、過労により死亡退職したもので、その貢献度及び退職の事情をかんがみれば、さらに高額な退職金を支払うべきところ、請求人の資金繰り及び経営状況等を考慮して、本来であれば支払うべき金額よりも少ない金額を支給することとしたのであるから、本件役員退職給与計上額は不相当に高額ではない旨主張する。しかしながら、退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額(役員退職給与相当額)は、役員退職給与の支給がある同業類似法人を合理的な基準によって選定し、その同業類似法人の退職した役員の勤続年数、役員退職給与の額及び適正報酬月額等の数値を求め、これらの数値から合理的と認められる方法によって算出するのが相当と認められ、勤続年数及び最終報酬月額をその計算の基礎とする「平均功績倍率法」が一般的には役員退職給与相当額の算出方法として最も妥当なものであると解されるが、最終報酬月額が著しく低いなど退職役員の在職期間を通じての当該法人に対する功績を適正に反映したものでない場合には、最終報酬月額を計算の基礎としない「1年当たり平均額法」がより合理的な方法と認められる。これを本件についてみると、請求人が損金の額に計上した役員退職給与の額は、具体的な算出式によることなく請求人の代表者の意思によって決定されたものであると認められ、その算出に合理性があるということはできず、一方、原処分庁が役員退職給与相当額の算出のために選定した同業類似法人は、選定基準、事業規模、退職役員の役職の類似性、地域及び退職時期の類似性において合理的であったが、選定基準に該当する法人1社が含まれておらず、また、A氏は死亡退職時は無報酬であったことから「平均功績倍率法」を用いることは相当ではない。そこで、審判所が「1年当たり平均額法」により役員退職給与相当額を再計算したが、本件役員退職給与計上額のうち、審判所が認定した役員退職給与相当額を超える不相当に高額な部分の金額は、原処分の額を上回るから原処分は適法である。(平23. 1.24 関裁(法・諸)平22-45)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220046
- 裁決年月日
- 平成23年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取締役A氏は請求人の発展に並々ならぬ貢献をしたが、過労により死亡退職したもので、その貢献度及び退職の事情をかんがみれば、さらに高額な退職金を支払うべきところ、請求人の資金繰り及び経営状況等を考慮して、本来であれば支払うべき金額よりも少ない金額を支給することとしたのであり、また、代表取締役B氏は創業者であり、一定の退職金算定根拠に基づいて取締役会において決定したものであるから、本件役員退職給与計上額は不相当に高額ではない旨主張する。しかしながら、退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額(役員退職給与相当額)は、役員退職給与の支給がある同業類似法人を合理的な基準によって選定し、その同業類似法人の退職した役員の勤続年数、役員退職給与の額及び適正報酬月額等の数値を求め、これらの数値から合理的と認められる方法によって算出するのが相当と認められ、勤続年数及び最終報酬月額をその計算の基礎とする「平均功績倍率法」が一般的には役員退職給与相当額の算出方法として最も妥当なものであると解されるが、最終報酬月額が著しく低いなど退職役員の在職期間を通じての当該法人に対する功績を適正に反映したものでない場合には、最終報酬月額を計算の基礎としない「1年当たり平均額法」がより合理的な方法と認められる。これを本件についてみると、請求人が損金の額に計上した役員退職給与の額は、具体的な算出式によることなく請求人の代表者の意思によって決定されたものであると認められ、その算出に合理性があるということはできず、一方、原処分庁が役員退職給与相当額の算出のために選定した同業類似法人は、選定基準、事業規模、退職役員の役職の類似性、地域及び退職時期の類似性において合理的であったが、A氏に係る同業類似法人のうち1社は、その退職役員の退職時の役職が取締役ではないことから相当ではなく、また、B氏は退職時は無報酬であったことから「平均功績倍率法」を用いることは相当ではない。そこで、審判所がA氏及びB氏の役員退職給与相当額についてそれぞれ「平均功績倍率法」及び「1年当たり平均額法」により再計算したが、本件役員退職給与計上額のうち、審判所が認定した役員退職給与相当額を超える不相当に高額な部分の金額は、原処分の額を上回るから原処分は適法である。(平23. 1.24 関裁(法)平22-46)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220047
- 裁決年月日
- 平成23年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A氏は請求人の発展に並々ならぬ貢献をしたが、過労により死亡退職したもので、その貢献度及び退職の事情をかんがみれば、さらに高額な退職金を支払うべきところ、請求人の資金繰り及び経営状況等を考慮して、本来であれば支払うべき金額よりも少ない金額を支給することとしたのであるから、本件役員退職給与計上額は不相当に高額ではない旨主張する。しかしながら、退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額(役員退職給与相当額)は、役員退職給与の支給がある同業類似法人を合理的な基準によって選定し、その同業類似法人の退職した役員の勤続年数、役員退職給与の額及び適正報酬月額等の数値を求め、これらの数値から合理的と認められる方法によって算出するのが相当と認められ、勤続年数及び最終報酬月額をその計算の基礎とする「平均功績倍率法」が一般的には役員退職給与相当額の算出方法として最も妥当なものであると解されるが、最終報酬月額が著しく低いなど退職役員の在職期間を通じての当該法人に対する功績を適正に反映したものでない場合には、最終報酬月額を計算の基礎としない「1年当たり平均額法」がより合理的な方法と認められる。これを本件についてみると、請求人が損金の額に計上した役員退職給与の額は、具体的な算出式によることなく請求人の代表者の意思によって決定されたものであると認められ、その算出に合理性があるということはできず、一方、原処分庁が役員退職給与相当額の算出のために選定した同業類似法人は、選定基準、事業規模、退職役員の役職の類似性、地域及び退職時期の類似性において合理的であったが、同業類似法人の退職役員の勤続年数の期間に誤りがあった。そこで、審判所が「平均功績倍率法」により役員退職給与相当額を再計算したが、本件役員退職給与計上額のうち、審判所が認定した役員退職給与相当額を超える不相当に高額な部分の金額は、原処分の額を上回るから原処分は適法である。(平23. 1.24 関裁(法・諸)平22-47)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220048
- 裁決年月日
- 平成23年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A氏は請求人の発展に並々ならぬ貢献をしたが、過労により死亡退職したもので、その貢献度及び退職の事情をかんがみれば、さらに高額な退職金を支払うべきところ、請求人の資金繰り及び経営状況等を考慮して、本来であれば支払うべき金額よりも少ない金額を支給することとしたのであるから、本件役員退職給与計上額は不相当に高額ではない旨主張する。しかしながら、退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額(役員退職給与相当額)は、役員退職給与の支給がある同業類似法人を合理的な基準によって選定し、その同業類似法人の退職した役員の勤続年数、役員退職給与の額及び適正報酬月額等の数値を求め、これらの数値から合理的と認められる方法によって算出するのが相当と認められ、勤続年数及び最終報酬月額をその計算の基礎とする「平均功績倍率法」が一般的には役員退職給与相当額の算出方法として最も妥当なものであると解されるが、最終報酬月額が著しく低いなど退職役員の在職期間を通じての当該法人に対する功績を適正に反映したものでない場合には、最終報酬月額を計算の基礎としない「1年当たり平均額法」がより合理的な方法と認められる。これを本件についてみると、請求人が損金の額に計上した役員退職給与の額は、具体的な算出式によることなく請求人の代表者の意思によって決定されたものであると認められ、その算出に合理性があるということはできず、一方、原処分庁が役員退職給与相当額の算出のために選定した同業類似法人は、選定基準、事業規模、退職役員の役職の類似性、地域及び退職時期の類似性において合理的であったが、同業類似法人のうちの1社については倍半基準外であり除外すべきであった。そこで、審判所が「平均功績倍率法」により役員退職給与相当額を再計算したが、本件役員退職給与計上額のうち、審判所が認定した役員退職給与相当額を超える不相当に高額な部分の金額は、原処分の額を上回るから原処分は適法である。(平23. 1.24 関裁(法)平22-48)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平220003
- 裁決年月日
- 平成22年12月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の代表取締役甲が本件預金口座を実質的に管理し、自由に出金することができる立場にあることから、本件預金口座からの現金出金額のうち使途が明らかでない金額は甲がなんらかの形で自己の用途に使用したものとして、甲に対する給与等に該当する旨主張する。しかしながら、確かに、本件預金口座は、請求人に帰属するものと判断することが相当であるが、その出金については、本件預金口座の名義人で請求人の従業員乙の所在が不明であり、本件預金口座の通帳等の管理者が甲か乙のいずれかであるかを特定できないことからすれば、本件預金口座からの現金出金を甲が行ったとまでは認定することはできない。そして、本件預金口座からの現金出金額のうち使途が明らかでない金額を甲に対する給与等と認めるには、甲がこれを何らかの形で取得し、あるいはその経済的利益を享受したことが積極的に立証されるか、少なくともそれを推認するに足りる事実が立証されることが必要であるが、原処分庁は、当該金額について甲が何らかの形で自己の用途に費消したものと主張するだけで、当審判所に対し、主張事実を認めるに足りる証拠を提示せず、また、当審判所の調査によっても、甲が当該金額を受領し、又はその経済的利益を享受していた事実を明らかにする証拠を見いだすことはできず、さらに、甲個人に、その申告所得金額等によっては説明できない純資産の増加又は消費支出が存在する事実等も認められない。そうすると、請求人が甲に対して本件預金口座からの現金出金額のうち使途が明らかでない金額を給与等として支給したものと認めることはできない。(平22.12.17 福裁(法・諸)平22-3)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平220006
- 裁決年月日
- 平成22年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、組合員に配分した金員(本件配分金)は、事業に直接関係ある者に対しやむを得ず配分したものであり必要な経費として損金として扱われるべきものであること及び配分方法は請求人から独立した組織が決定し請求人の裁量にゆだねられているものでないことから、本件配分金は寄附金に該当せず、本件配分金を寄附金とした原処分は違法である旨主張する。しかしながら、当該組織は、請求人の内部において、理事会、理事、総会などの他の機関から独立した組織というに止まり、請求人の機関として交渉や内部的な配分を検討していると認められ、また、請求人は理事会において配分を留保する旨を決議していることからすると、組合員に配分するか否かは請求人の意思にゆだねられているものであり、本件配分金は、対価性のない金銭の支出と認められることから寄附金に該当する。(平22.12.17 高裁(法)平22-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220037
- 裁決年月日
- 平成22年12月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連会社の広告宣伝に係る支出金は、請求人と関連会社がタイアップして行った広告について、これを双方で負担する旨の合意に基づき負担したものであって、その負担額が合理的に算出されている旨主張し、配分基準等が記載された計算書を当審判所に提出した。しかしながら、上記配分計算書によれば、請求人と関連会社との間での配分基準は、請求人及び関連会社の各事業年度の1月時点での決算金額の総額に基づいて計算するというものであることが認められ、決算状況に応じて請求人と関連会社との間の広告宣伝費の配分を決定していることからすると、グループ全体の採算が合うように、請求人が関連会社の広告宣伝費を負担することで請求人が関連会社に対して資金提供していたということができ、当該配分基準には請求人の広告宣伝等の直接の対価を算出する基準としての合理性がないから、これによって算出された請求人の負担額が請求人の広告宣伝等に係る直接の対価であると認めることはできない。以上によれば、上記支出金は、請求人の関連法人が負担すべき広告宣伝に係る費用を決算状況に応じて請求人が負担したものであって、請求人が行った直接の対価のない支出であると認めることができるから、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。(平22.12.17 関裁(法)平22-37)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平220003
- 裁決年月日
- 平成22年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①債務者は本件土地の売却により資産はすべてなくなったこと、②本件土地の担保の解除に応じた理由は、本件土地の鑑定評価額を上回る額を回収できるなら妥当であり、適正な会計処理ができると判断したこと、③金銭債権を長期にわたり回収努力を行ったこと、などから本件事業年度において、本件金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかであるから貸倒れが認められるべきと主張する。しかしながら、債務者は債務超過の状況にあるものの、債務者の本件事業年度において、第三者に対する貸付金が存在する事実が認められ、一般に債権者であれば、債務者の決算書等の作成・提出を求め、資産状況等を確認しながら債権の回収を行うことが常識的な行動であるところ、請求人は、債務者の決算書等を入手していないことから、本件事業年度末において、当該貸付金の存在を把握していなかったと認められ、債務者に当該貸付金が資産として存在する上、請求人においては本件金銭債権を当該貸付金から回収する努力が尽くされておらず、その債務者の資産の状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかであるとは認められず、本件金銭債権を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平22.12.16 沖裁(法)平22-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220124
- 裁決年月日
- 平成22年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716064
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/4不動産取引に係る手数料等(取得価額算入)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法施行令第54条第1項第1号イに規定する減価償却資産の購入の代価に加算される当該資産の購入のために要した費用とは、当該資産の売却者に対して支払われるものをいうため、自社の事務所兼工場に供する土地及び建物を購入した際に不動産仲介業者に支払った仲介手数料は、本件土地建物の取得価額に算入されない旨主張する。しかしながら、本件仲介手数料は、請求人が仲介業者に土地及び建物の取得の仲介を依頼し、当該依頼に基づき成立した本件土地建物の売買契約締結に伴い支払った不動産仲介手数料であり、その金額も本件土地建物の売買価額を基礎として算定されていることからすれば、本件仲介手数料が本件土地建物の購入のために要した手数料(購入手数料)に該当することは明らかであり、法人税法施行令第54条第1項第1号イの規定及び法人税基本通達7−3−16の2の定めに基づく同号イの規定の類推適用により、本件土地建物の購入の代価に含まれると解されるから、本件仲介手数料を本件土地建物の取得価額に算入すべきものとして行った原処分は適法である。(平22.12.15 東裁(法)平22-124)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平220002
- 裁決年月日
- 平成22年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産業を営む請求人は、請求人が取得した土地及び建物(本件土地建物)は賃貸の用に供する目的で取得した固定資産であり、減価償却費相当額を損金の額に算入し申告したことは適法である旨主張する。しかしながら、請求人は、本件土地建物を販売することを目的として取得したものであり、収用されるまでの間に本件建物の一部を賃貸の用に供した事実はあるものの、それは所有していた不動産を有効活用するために行った一時的な貸付けにすぎなかったと認められ、そうすると、本件土地建物は取得時から譲渡するまでの間、一貫して不動産業を営む法人が販売することを目的として所有していた不動産であり、請求人にとって、商品の性質を有するものであるから棚卸資産に該当し、法人税法第31条第1項の規定による減価償却資産の償却費の計算は適用できない。(平22.12.13 沖裁(法)平22-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220035
- 裁決年月日
- 平成22年12月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A機器及びB機器は、いずれも独立しても機能し、他の装置と一体となってのみ機能するものではないから、機械装置には該当しない旨主張する。しかしながら、A機器は、印刷原版を製作する機器であり、印刷機やプリンタなどと一体的に用いられて印刷工程の一部分をなすものであり、請求人の印刷工場においても、印刷設備を構成し、紙器の製造工程の一部分として使用されており、B機器は、印刷された紙器を各装置に移動させ、その中から不良品を選り分けて良品と不良品を別個に収集するという、紙器製造工程のうちの検品過程を担うものであるから、本件各機器は、いずれも、一定の相対運動をなし、外部から与えられたエネルギーを有用な仕事に変形するものであって、かつ、複数のものが設備を構成して、設備の一部としてそれぞれのものがその機能を果たすものということができるから機械装置に該当する。(平22.12. 8 関裁(法・諸)平22-35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220035
- 裁決年月日
- 平成22年11月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、更正の請求において、配合飼料の変動(上昇)等の一定の要件を満たす場合に交付される配合飼料価格差補てん金は、仕入れた配合飼料の購入量に応じた割戻しであるが、製造原価の額から控除していないため、肉用牛に係る期末棚卸高が過大に計上されていると主張する。しかしながら、仕入れに係る割戻しは一定期間に多額又は大量の取引をした仕入先から直接仕入代金の払い戻しを受けるのに対して、配合飼料価格差補てん金は、①原料価格の変動によって生じる畜産経営者の損失を補てんすることを目的とすること、②畜産経営者、国及び配合飼料メーカーが負担、助成した基金が原資であること、③価格の上昇という一定の条件が整った場合に補てん金が支払われること及び④請求人が支払った負担金は販売費及び一般管理費に計上されていることからすれば、当該補てん金は、自らが拠出した積立金の返還分、保険金ないしそれに類する金員及び補助金が混合した性質を有する金員と認められるので、仕入れに係る割戻しの性質を有するものではなく、営業外収入とすべき性質のものであると解するのが相当である。したがって、当該補てん金を製造原価の額から控除することは認められない。(平22.11.24 大裁(法)平22-35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220036
- 裁決年月日
- 平成22年11月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の海外SPCであるA社が発行した出資証券Aの早期償還に際して、A社が投資家に対してプレミアムとして支払った金額(本件プレミアム金額)は、A社と請求人との間で締結した契約により、請求人が負担すべきものであり、請求人が計上した子会社清算損は、請求人の子会社S社に対する経済的利益の供与に当たらず、本件子会社清算損がS社への寄附金であるとする原処分は違法である旨主張する。しかしながら、S社は同社の海外SPCであるB社に出資証券Aと類似する条件で出資証券Bを発行させてA社から資金調達しており、出資証券Aに係る資金は実質的にS社が資金調達していたと認められ、また、本件子会社清算損は、主に本件プレミアム金額の支払により生ずる資金不足を負担するため、請求人がA社に対し追加出資したことから生じたものと認められるところ、請求人が、経営会議において、①本件早期償還に伴って投資家に本件プレミアム金額を支払うこと、②優先出資証券Bの早期償還に係るプレミアムをS社に求めないこと、③本件追加出資を行うことにより本件資金調達の解消から生ずるA社の資金不足を請求人が負担することをそれぞれ意思決定し、これらの決定を実行したことは、請求人とS社が第三者間であるとするならば第三者間取引としては経済的に合理的な理由のある取引とはいえず、本件追加出資は請求人が金銭その他の資産又は経済的利益を対価なくS社に移転することを意味するものであり、請求人がS社に供与したと認められる経済的利益の額は、本件追加出資の金額であると認められる。(平22.11.24 大裁(法)平22-36)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平220006
- 裁決年月日
- 平成22年11月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①前代表者の退職の理由が労災又は労災に準じた不慮の事故死によるものであり、その退職の事情を考慮したものであること、②前代表者は生前約2億円の生命保険に加入しており、もしもの場合、1億円は会社の経営のため、残りの1億円は家族のために役立てて欲しい旨話していたことから、本件退職金はその遺志を尊重したものであり、また、本件退職金は、生命保険金の範囲内で支給しているのであるから請求人に損害を与えていないこと、③前代表者は請求人の創業者であり、27年間の苦労を考えればその功績は大であることから本件退職金に不相当に高額な部分はない旨主張する。しかしながら、法人税法第34条第2項に規定する「不相当に高額な部分の金額」があるかどうかは、退職した役員の業務に従事した期間及びその退職した事情を考慮するとともに、比較法人の役員に対する退職給与の支給状況等を比較して判断するものであるところ、原処分庁が適正役員退職の給与の額を算定するに当たり、前代表者の最終報酬月額を採用したことは相当であり、比較法人の選定も合理的であり、また、本件平均功績倍率も妥当であると認められるから、原処分庁が、平均功績倍率法を用いて適正役員退職給与の額を算定したことは相当と認められ、本件退職金には、不相当に高額な部分の金額があることは明らかである。(平22.11.12 熊裁(法)平22-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220093
- 裁決年月日
- 平成22年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人とB社で合意された本件土地建物の抵当権等抹消のための書類の取得を約した契約に基づき、B社がC社に任せた業務につきB社が対価としてC社に支払った金員について、請求人がこれを実質的に負担することは当然のことであり金銭の贈与ではない旨主張する。しかしながら、本件土地建物に係る各権利者と交渉したのはD社の相談役X個人又はY個人であり、C社がそれらの業務にかかわった事実は認められず、また、本件土地建物に付着する各権利者の権利に係る抹消書類等についても、本件契約の締結日時点において、既に作成され、請求人又はB社がこれらを入手していたことが認められる。そうすると、本件金員は本件契約書に記載された抵当権等抹消書類等の対価とは到底認められないから、本件金員を寄附金の額に含めるとした原処分は適法である。(平22.11. 1 東裁(法・諸)平22-93)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220023
- 裁決年月日
- 平成22年10月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の監査役が業務に従事していないこと及び当該監査役に対する金員を代表者が受領して代表者自身の生活費として費消していたことを根拠に、請求人の監査役に対する報酬は、代表者に対する報酬を仮装して計上したものである旨主張する。しかしながら、請求人の監査役が業務に従事していないとはいえず、また、本件の全証拠によっても、監査役に対する報酬を代表者自身が費消していたとはいえないから、原処分庁が主張の根拠とする事実はいずれも認めることができない。(平22.10. 8 大裁(法・諸)平22-23)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220025
- 裁決年月日
- 平成22年10月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件の賃借料の対象とされている「ゴルフ場の什器備品」については、賃貸人と主張する個人の所得税の確定申告書の減価償却資産及び同人に係る相続税の確定申告書の相続財産には計上されていない一方で、請求人に当該ゴルフ場の運営の一切を業務委託している法人の減価償却資産として計上されていることが認められる。さらに、賃貸人と主張する者が死亡した以後は、当該賃借料が支払われていないことなどに照らせば、本件の賃借料は、その支払の基礎となる賃借物の貸付けの事実がないにもかかわらず計上された架空の賃借料と認められる。(平22.10. 8 大裁(法・諸)平22-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220074
- 裁決年月日
- 平成22年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の本件事業年度の費用の額は、領収証等を基に集計した支払額に、請求人代表者の経験則に基づく配分割合(85%)を乗じた金額である旨主張する。しかしながら、請求人の費用の額は、①請求人が本件事業年度の帳簿書類を作成していないこと、②請求人の収益の額が本件委託料金に含まれる独占保証契約金と受取利息のみであることから、本件委託料金の振り込まれた普通預金口座からの出金及び請求人の保管に係る領収証等を基に算定すべきであり、原処分庁の認定額は相当であると認められる。また、①請求人が集計した支払額の中には、支出内容の確認できない多額の請求人の代表者個人のクレジットカード決済額が含まれるなど、その全額を請求人の費用と認めることはできないこと、②当該領収証等を基に集計した支払額の85%相当額とすることについては、単に代表者個人の経験則に基づくというだけであり具体的根拠はないことから、請求人の主張は採用することができない。(平22.10. 4 東裁(法)平22-74)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220021
- 裁決年月日
- 平成22年9月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、医療器具である自動対外式除細動器の専用収納スタンドに複写して組み込むソフトウエアは研究開発費等に係る会計基準に定める市場販売目的のソフトウエアに該当し、最初に製品化された製品マスター完成時点までの製作活動は研究開発であり、その製作費は法人税基本通達7−3−15の3(2)に定めるソフトウエアの取得価額に算入しないことができる費用に該当する旨主張する。確かに、当該ソフトウエアは研究開発費等に係る会計基準に定めるソフトウエアに該当し、当該ソフトウエアの製作費のうち最初に製品化された製品マスターの完成時点前までの作業に係る費用である事前調査費は金額も区分され明らかであり研究開発費として損金の額に算入できる。しかし、事前調査費を除く当該ソフトウエアの製作費については、最初に製品化された製品マスターの完成時点前に発生していたと認められるものも一部あるが、その時点までの作業に係る金額は個別に区分されておらず、本件の全証拠によってもこれを明らかにすることはできない。したがって、事前調査費を除く当該ソフトウエアの製作費は、研究開発費の金額が明確でないことから、法人税法施行令第54条第1項第2号の規定によって当該ソフトウエアの取得価額にその全額を算入すべきである。(平22. 9.28 大裁(法)平22-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220066
- 裁決年月日
- 平成22年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が資本関係等のない取引先3社に対し、売上げ及び当該売上金額を上回る売上原価を計上し、その売掛金と買掛金の差額(以下「本件差額」という。)を支出し損金の額に算入したことについて、本件差額は本件取引先3社に対する口銭の支払であり、商社間相互の包括的な事業協力の対価、個別の情報や役務提供の対価、事業協力に対する利益分配の性質を有する金銭など、慣習又は契約に基づき支払われる手数料と同一のものである旨主張する。しかしながら、本件差額の支払については、①請求人と本件取引先3社との間に口銭の授受に関する契約は存在しないこと、②本件取引先3社が請求人のために対価を受領すべき仲介等取引を行ったとする具体的事実も認められないこと、③本件差額は請求人の常務取締役により一方的に決定されその算出根拠が不明であること、④任意の時期に任意の金額が支払われていること、及び⑤他に費用と認めるに足る合理的理由も存在しないこと等からすると、請求人から本件取引先3社に対する金銭の贈与と認められ、法人税法第37条に規定する寄附金に該当すると判断するのが相当であるから、原処分は適法である。(平22. 9.27 東裁(法・諸)平22-66)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220020
- 裁決年月日
- 平成22年9月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連会社A社の策定した再建計画(以下「本件再建計画」という。)に基づき債権放棄(以下「本件債権放棄」という。)を実行したことは法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》で定める債権放棄をすることに相当な理由がある場合に該当するので、本件債権放棄の額(以下「本件債権放棄額」という。)は寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、A社には金融機関からの借入金はなく、債務のほとんどを請求人が有することから直ちにA社が倒産に至るとは考えられず、経営の危機に陥っていたとまで認めることができないこと、本件債権放棄の前後を通じて営業利益がマイナスの状態で推移しており、請求人のA社に対する債権の弁済可能性が高まったとはいえないこと及び請求人の金融機関からの格付にA社の債務超過が格付区分の変更にまで影響したとまでは認められないことから、請求人のA社に対する損失負担の必要性を認めることができない。また、本件再建計画の要支援額がA社の法人税法上の青色申告書を提出した年度の欠損金の繰越額を基に算定されたもので、A社の財務状況及び営業状況の見通し等から的確に算定されたものではないこと、A社の債務超過の原因である請求人に対する賃借料の支払いについて見直し等を求めておらず、自己努力が認められないこと及び本件債権放棄をすることにより、A社の経費負担の軽減される効果も認められないことから本件再建計画に合理性があるとは認められない。以上のことから請求人の主張は採用することはできない。したがって、本件再建放棄額は法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。(平22. 9.17 大裁(法)平22-20)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220005
- 裁決年月日
- 平成22年9月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表取締役Aに対し、役員給与とは別に支払った金員(以下「本件金員」という。)は、請求人が経営する店(クラブ)のママとして委託したホステス業務の対価であるから、役員給与には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が経営する店でのAの業務は、同店において客に侍してその接待をするという業務のみを目的とするものではなく、会社の経営に必要であるとして行われたものであり、Aが経営者としての立場で業務を行っていると認められ、また、本件金員は、Aの請求人における代表取締役の立場と全く無関係に支給されたものとは認められない。したがって、本件金員は、請求人がAに対し役員としての業務執行の対価として支給した給与に該当すると認めるのが相当であるから、これを定期同額給与に該当しない又は役員賞与に該当するとして損金の額に算入することはできないとする原処分は適法である。(平22. 9.16 札裁(法・諸)平22-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220017
- 裁決年月日
- 平成22年9月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、請求人と請求人の親会社との間で締結したとする本件契約書により支払った追加利子及び損害賠償金である本件追加費用は、請求人が親会社に対する支払を虚偽の契約書を作成することにより支払ったものであり、当該利益の供与は寄附金に当たるとして更正処分をした。しかしながら、請求人は不動産を購入・売却することを目的に設立された法人であり、当初契約書の内容を実行することが困難となった状況で、請求人と親会社の当事者間において、当初契約書の内容を変更することに合意していたものと認められ、本件契約書は経済的合理性のある内容の契約と認められる。したがって、本件契約書に基づく本件追加費用は、対価性があることから、寄附金と認めるのは相当でない。(平22. 9. 3 大裁(法)平22-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220054
- 裁決年月日
- 平成22年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/2従業員賞与
- 事例集登載頁
- №80
要旨
○ 請求人は、本件各事業年度において計上した使用人に対する決算賞与(本件各決算賞与)については、利益調整でないことが明らかであり、本件各事業年度末日における税引前利益から自動的に算出され債務が確定するから、本件各事業年度において損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、平成22年改正前の法人税法施行令第72条の5《使用人賞与の損金算入時期》(本件施行令)は、使用人賞与の実情や支給実態にかんがみ、使用人賞与の損金算入時期を具体的に定めるとともに、これを使用人賞与一般についての統一的な基準として規定することにより課税の明確性及び統一性を図ったものであり、使用人賞与の損金算入に関し、法人税法第22条第3項第1号及び第2号について、その施行のために必要な技術的、細目的事項を定めたものと解されるから、使用人賞与については、本件施行令の規定に従って損金算入時期を判断することになるところ、本件各決算賞与は、労働協約又は就業規則で定められた支給予定日が到来しているとは認められず、また、本件各事業年度終了の日の翌日から1月以内に使用人へ支払われていないことから、本件施行令の第3号に規定する賞与として、実際に支払われた日の属する事業年度において損金の額に算入されることとなる。(平22. 9. 2 東裁(法)平22-54)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220015
- 裁決年月日
- 平成22年9月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人に譲渡した上場有価証券等以外の株式(以下「本件株式」という。)の価額は、関係法人の他には買い手は見つからず、本件株式の取引当時、多額な資金を必要とし、本件株式を売り急いでいた請求人にとって取引価額は譲歩できるぎりぎりの価額であり、関係法人から一方的に押し付けられたものではなく、熟慮し必要な検討もした後の適正な価額である旨主張する。しかしながら、本件株式の取引価額は株式発行法人の純資産価額を考慮することなく、本件株式の取得価額から、請求人が本件株式の保有期間中に受け取った配当金を差し引くことにより算出されたものであり、請求人に売り急ぎの状況は認められず、また、本件株式の取引において関係法人の代表取締役でもある請求人の取締役の影響を受けたことは疑いえないことから、取引価額の算定に合理性が認められず、本件取引は純資産価額により算定された価額を下回る低廉譲渡に当たることとなる。そうすると本件株式の時価算定は、法人税基本通達2−3−4に基づき、同通達9−1−13及び9−1−14を準用することにより、純資産価額等を参酌し、財産評価基本通達178から189−7までの例によることとなり、同算定額と取引価額との差額は寄附金と認めることが相当である。(平22. 9. 1 大裁(法)平22-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220013
- 裁決年月日
- 平成22年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件外注費は本件請求書に基づき計上されたものであるところ、本件請求書からうかがえる外注の事実ないし外注費の支払が認められない場合には、本件外注費が架空に計上されたものとなる。本件調査時に把握された代表者、経理担当者及び事務所の各パソコンには、日報データ、給料データ及び金銭流通表データが保存されており、それぞれのデータは、相互に関連しているほか、請求人の元請先が作成した工事日報や銀行への振込金額等の外部資料とも一致することなどから、本件各事業年度を含む請求人の業務に係る真正なデータであると認められる。請求人の外注先6者に係る請求書の金額は、これらのデータと一致せず、外注先6者の答述等を併せ考えれば、外注先6者に係る請求書は、請求人又は請求人の依頼を受けた者により、調査時に把握されたゴム印及び印章を使用するなどして作成された内容虚偽の請求書であり、これにより本件の外注費が架空に計上されたものと認められる。(平22. 8.30 大裁(法・諸)平22-13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220009
- 裁決年月日
- 平成22年8月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が関連会社に行った本件売上値引き等が寄附金に該当するとして原処分庁が法人税の更正処分等を行ったことに対し、請求人は、関連会社に対する本件売上値引き等は事業に関係して行われたものであるから寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、本件売上値引き等は、関連会社の当期見込損益が損失となる場合に限って、当該損失を支援するために行われるものであり、財政支援と評価するのが相当であることから利益の無償の供与と認められ、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。(平22. 8. 5 大裁(法)平22-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220028
- 裁決年月日
- 平成22年8月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716066
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/6その他の手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の被合併法人(メガネ、コンタクトレンズの小売店を経営する法人)が損金の額に算入した関連法人に対する業務委託費は役務提供の事実がない架空の費用であるとし、法人税の青色申告の承認の取消処分及び更正処分等を行ったのに対し、本件業務委託費は、派遣された専門検査員に、メガネ、コンタクトレンズの販売促進をしてもらったことに対する対価として被合併法人が計上したものであり、架空の費用ではないから、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件業務委託費に係る取引については、①業務委託に係る契約書、覚書等が存在せず、②請求書の作成及び総勘定元帳への記帳が、業績(損益)見込みが明らかになる事業年度末から期末後の決算手続時において行われ、③請求金額も当初の請求金額から後に変更されていることが認められるなど、極めて不自然であるところ、関連法人の理事長及び経理担当者が、関連法人間の利益調整のための取引である旨の申述をしていること等からすれば、本件業務委託費は、これら両名の申述のとおり、関連法人間の利益調整を目的として、業務委託の実体がないにもかかわらず業務委託に係る取引が行われたかのように帳簿書類が整えられて計上された架空の費用とみるのが相当である。(平22. 8. 3 東裁(法・諸)平22-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220028
- 裁決年月日
- 平成22年8月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/3広告宣伝費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人の被合併法人(メガネ、コンタクトレンズの小売店を経営する法人)が前事業年度に支出した広告宣伝費の一部を自己の広告宣伝費勘定から減額した上で関連法人から負担金として受領した金員は当該関連法人からの受贈益であるとして法人税の更正処分等を行ったのに対し、本件金員は関連法人が負担すべき広告宣伝費を合理的な基準により算定したものであるから、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、被合併法人と関連法人との間において本件広告費を関連法人が負担することの事前の約定はなく、被合併法人のチラシ広告には、関連法人についての具体的な記載もないことから、本件広告費を関連法人が費用負担する経済的合理性は認められない。そうすると、関連法人が被合併法人からの請求に基づき費用に計上した本件広告費には対価性がなく、単に関連法人が被合併法人からの請求に応じて費用に計上したものにすぎないと認められるから、当該請求により関連法人が支払った本件金員については、関連法人から被合併法人に対する資金の供与(贈与)と判断するのが相当である。(平22. 8. 3 東裁(法・諸)平22-28)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220002
- 裁決年月日
- 平成22年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/3資本的支出と修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が建物A及び建物Bの修繕費を資本的支出と認定したことは誤りである旨主張する。しかしながら、建物Aの工事は、①9か月にも及ぶ休業期間の間に行われたこと、②全客室について、床、壁及び天井等の木工事、ウレタン吹付工事、電気工事、入口ドア及び窓の取替工事、ベッド・家具・換気扇・洗面台・ユニットバス及び便座等の取替え、電気、配管及び水回りの改修、フロント管理人室、廊下及び階段等に係る木工事、左官工事、板金工事並びに看板及び料金表の取替え等を行ったこと、③建物Aが昭和49年5月10日に建築されてものであること、及び④修繕費計上額が30,193,212円に及ぶことなどからすると、建物Aは相当老朽化していたことから、ホテル建物全体に及ぶ大規模な改修工事を行ったものと認めるのが相当であり、建物Aに係る修繕費は資本的支出というべきである。また、建物Bは、①平成18年12月25日の取得以降、本件各事業年度の全期間を通じて営業を行っていないこと及び②修繕費として計上された金額が63,463,589円にも上ることからすると、その建物等について大規模な改修工事を行ったものと認めるのが相当であり、建物Bに係る修繕費も資本的支出というべきである。(平22. 7. 6 関裁(法・諸)平22-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220004
- 裁決年月日
- 平成22年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前理事長の理事長辞任に伴い同人に支給することとした退職金(本件金員)について、前理事長は理事長を辞任したことにより、理事長としての決定権を失ったのであるから、法人税基本通達9−2−32《役員の分掌変更等の場合の退職給与》に定める実質的に退職したと同様の事情があると認められる場合に当たり損金の額に算入されると主張する。しかしながら、前理事長は理事長辞任後も請求人の理事として理事会に出席し、請求人の重要な事項の決定等にかかわっており、請求人の役員としての職務を行っていることから非常勤の理事になったと認められないところ、前理事長の辞任前後の報酬月額を比較しても、給与が激減(分掌変更等の後における報酬がおおむね50%以上減少)したとも認められない。したがって、本件金員の支給は、同通達の「分掌変更等により、役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあると認められることによるものである場合」に該当しないから、役員退職給与として取り扱うことはできない。(平22. 7. 2 東裁(法・諸)平22-4)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平210011
- 裁決年月日
- 平成22年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人の工事台帳等にA社の記載がないこと、A社の代表者及び経理担当者による工事は行っていない旨の申述、請求人の関与税理士による請求人がA社に振り出した手形は融通手形である旨の申述等を根拠として、A社に対する外注工事費(以下「本件外注工事費」という。)を架空取引であると認定したことについて、本件外注工事費のうち大部分は架空取引ではなく、真実の取引に係るものである旨主張し、また、A社の代表者は、当審判所に対し原処分調査時の申述内容を否定して工事は実際に行っている旨答述し、同様にA社の経理担当者及び関与税理士も当初の申述内容を否定する。しかしながら、当初のA社の代表者、A社の経理担当者及び関与税理の各申述には信用性があると認められ、その変遷理由には合理性がなく、他に本件外注工事費に係る工事が実際に行われた事実を認めるに足る証拠もなく、変遷後の供述をそのまま信用することはできない。そして、請求人とA社との間に本件外注工事費に係る工事の発注及び受注などの請負契約等が締結されたことを示す証拠資料等はなく、請求人の工事台帳にもA社が当該工事を実施したことの記載もなく、工事を実施したとするA社自体にも工事の実施の事実を示す記録がなく、他に工事が行われたことを示す記録がないこと等からすると、本件外注工事費に係る工事は、すべて架空の取引に係るものであると認められ、この点について、請求人の主張には理由がない。(平22. 6.30 金裁(法・諸)平21-11)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平210022
- 裁決年月日
- 平成22年6月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、P国との間で、化粧品原料の独占販売権を2億円で取得する契約を交し、当該権利の対価の一部をP国に支払ったのであるから、当該支払金員は営業権に該当する旨主張する。しかしながら、化粧品原料の独占販売権の売買に係る契約はあり、当該権利は営業権に該当するとは認められるものの、当該権利の価額は、当該売買契約書に記載の300,000ドルと認めるのが相当であり、また、当該売買契約書に基づく当該権利の売買は未だ履行されていないと認められるほか、請求人が主張する営業権の中には証拠書類の全くないものも含め、支払先や支払理由の確認できないものがあり、請求人はこれらを営業権に仮装していたと認められることから、請求人の主張には理由がなく、原処分は適法である。(平22. 6.25 札裁(法・諸)平21-22)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平210022
- 裁決年月日
- 平成22年6月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、P国におけるすべての事業を行うことのできると称する権利をP国との間の契約により6億円で取得した旨主張する。しかしながら、請求人の提示する契約書、領収証は信用に値せず、また、請求人の主張する対価支払の事実や6億円の支払を経理した記帳も確認できないほか、他に当該権利が実在することを証するに足りる証拠もないことから、請求人の主張には理由がなく、当該権利を架空とした原処分は適法である。(平22. 6.25 札裁(法・諸)平21-22)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平210023
- 裁決年月日
- 平成22年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社から取得したP国におけるすべての事業を行うことのできると称する権利は実在する資産である旨主張する。しかしながら、関係会社が取得したとする当該権利に関する契約書、領収証は信用に値せず、その他に資産の実在を証するものはないことから、請求人の主張には理由がなく、当該権利を架空とした原処分は適法である。(平22. 6.25 札裁(法)平21-23)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210035
- 裁決年月日
- 平成22年6月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件金員について、本件業務の対価として本来帰属すべきB社に対し、A社から手数料が支払われるごとにこれに対応して手数料名目で支払っているものであり、本件金員の支払には本件業務としての対価性が認められから、法人税法第37条第7項に規定する寄附金には該当しない旨を主張する。しかしながら、請求人は、A社の代理店業務を行うことについてA社の承認を受け、本件代理店契約等に基づいて代理店業務を行っているところ、当審判所の調査によれば、①請求人がA社から継続手数料等を受領しているのは、本件代理店契約等に基づくものであり、②本件覚書等のいずれにも平成17年4月1日以降にB社が行う業務についての定めはなく、本件各事業年度において、請求人が対価を支払わずにB社から受けた業務はないと認められる。そうすると、B社に対する本件金員の支払は、金銭を対価なく他に移転する場合であって、その行為について通常の経済取引として是認できる合理的理由が存在しないことから、経済的にみて贈与と同視し得る利益の供与と認めることが相当であり、同項に規定する寄附金に該当する。(平22. 6.25 福裁(法・諸)平21-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210189
- 裁決年月日
- 平成22年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712092
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/2工事の代金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が外注費として親会社へ支払った金員のうち、親会社が実際に作業を行った下請業者(以下「本件各外注先」という。)に支払った外注費の額を超える金額(以下「本件各外注費差額」という。)を原処分庁が寄附金と認定したことについて、本件各外注費差額は請求人と親会社との間で締結した作業委託契約書に基づく営業譲渡の対価及び経営協力報酬(総務、経理、営業等の事務支援の対価)であり、その額も相当な金額であるから、寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、①請求人と親会社間の契約書には営業譲渡の対価及び経営協力報酬に関する記載が一切なく、請求人の主張を客観的に裏付ける証拠資料等は提出されておらず、また、当審判所の調査によっても証拠資料等が確認できないことから、請求人と親会社間に営業譲渡の対価及び経営協力報酬の合意があったとは認められないこと、②請求人が作業委託契約により親会社に委託したとする作業は、請求人と本件各外注先との請負契約に基づき本件各外注先によって行われ、親会社は関与していないこと等からすれば、請求人は、親会社から当該作業委託契約に係る役務の提供を何ら受けていないにもかかわらず、親会社発行の請求書に基づき本件各外注費差額を支払い、外注費として損金の額に算入したというべきである。そうすると、本件各外注費差額は、作業委託契約書に定める役務の提供とは無関係に支払われたものであり、外注費としての実体のない架空のものであるから、本件各外注費差額は、請求人から親会社に対する金銭の贈与として寄附金に該当する。(平22. 6.23 東裁(法・諸)平21-189)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210124
- 裁決年月日
- 平成22年6月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が計上した債務保証損失及び支払手数料について、債務保証損失はA社が川砂採取の開発事業を行うための資金調達において振り出された約束手形を請求人らが手形保証として裏書を行ったために負った保証債務を履行したために生じたものであり、支払手数料は手形保証債務の和解金であるから、請求人が負担すべきものであり、本件各事業年度の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、債務保証損失については、手形上の保証債務として支払われた場合に行われるはずの約束手形の呈示を受けて支払ったものではないこと及び貸付先の管理表に単に債務の返済として記載されていること等からすると、請求人自身の債務の履行であり、損金の額に算入することはできず、また、支払手数料については、請求人が負っている保証債務の履行であり、請求人が負担すべき金員として損金の額に算入されると認められるが、請求人は、それと同時に手形の振出人であるA社に対し求償権を取得し、これを放棄したものと認められるので、当該求償権を益金の額に算入し、同額をA社に対する寄附金として損金の額に算入した上で、寄附金の損金不算入額の計算をするべきであった。そうすると、原処分の一部を取り消すべきである。(平22. 6.16 関裁(法・諸)平21-124)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210050
- 裁決年月日
- 平成22年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712092
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/2工事の代金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁がX社に対する外注加工費には単価Aと単価Bがあり、単価Aにより算出した外注加工費Aが正当額であり、これと請求人が単価Bにより算出して計上した外注加工費Bとの差額(以下「本件差額外注加工費」という。)は寄附金に該当するとしたことについて、X社に対する外注加工費Bは、請求人の工場と認識している同社の製造原価である立替経費をベースとして算出した実際の取引額であるから、その一部について利益供与を行った事実はなく寄附金となるものはない旨主張する。しかしながら、単価Bは請求人がX社に対する資金援助を行うために任意に調整した外注加工費Bを算出するために用いられたのであり、本件差額外注加工費は対価性のない金額を長期貸付金と相殺することにより経済的な利益を無償で供与したものであると認められるから、本件差額外注加工費は法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。したがって、請求人の主張には理由がない。(平22. 6.11 名裁(法・諸)平21-50)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平210013
- 裁決年月日
- 平成22年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成16年3月期において、残土処理場の残土処理に係る工事原価として見積計上した未払外注費(以下「本件見積計上額」という。)には、残土処理場における仮設道路の設置等の費用は含んでいないのであるから、これらの費用は本件見積計上額から取り崩すのではなく、平成18年3月期及び平成19年3月期に係る法人税の確定申告の損金の額に算入できる旨主張する。ところで、平成16年4月1日以降は残土処理場に新たな残土は搬入されていないことからすると、請求人が平成18年3月期及び平成19年3月期に支出した仮設道路の設置等の費用は、平成16年3月期までに残土処理場に搬入した残土を処理するためのものであると考えられる。そうすると、仮設道路の設置等の費用は、本件見積計上額から取り崩すべきであり、このことと仮設道路の設置等の費用の額が本件見積計上額の範囲内に収まっていることを併せて考えれば、仮設道路の設置等の費用を平成18年3月期及び平成19年3月期に係る法人税の確定申告の損金の額に算入することはできない。(平22. 6. 2 高裁(法・諸)平21-13)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平210014
- 裁決年月日
- 平成22年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、監査役Aについては、従業員の名前を借りただけであり、同人は設立以来一度も監査役の業務を行ったことや、決算書や帳簿等を見たことはない旨、また、Aは現場労働者であり、同人へ支給した本件賞与等は、他の従業員と同様の基準で計算され、労働法規に則して支払われる賃金であるから、製造原価として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、Aは、請求人の監査役として登記されていることから、監査役は使用人兼務役員とはならない。そして、本件賞与は、その支給状況からすると、定期同額給与等には該当せず、また、他に定期に給与を受けている者に対する臨時的な給与であるから、改正前法人税法においては役員賞与に該当する。次に、本件残業手当等は、Aが従事した残業時間等に応じて支給されるものであるから、定期同額給与等に該当せず、また、法人税法基本通達(平成19年課法2-3ほかによる改正前のもの)9−2−15《役員の歩合給若しくは能率給又は超過勤務手当》の解釈に示したとおり、使用人兼務役員に該当しない監査役に支給された本件残業手当等は臨時的な給与であるから、改正前法人税法においては役員賞与に該当する。そうすると、本件賞与等の額は、本件各事業年度の所得の計算上、損金の額に算入することはできない。以上のことから、原処分庁が、本件賞与等の額を本件各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することはできないとして行った本件各更正処分等は適法である。(平22. 5.24 熊裁(法)平21-14)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210063
- 裁決年月日
- 平成22年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、子会社の資産状況の悪化から「帳簿価額のおおむね50%相当額を下回る」こととなり、業績の回復が見込めないことが確実であったことから、子会社株式の有価証券評価損を計上したものであり、損金算入は認められるべきである旨主張する。しかしながら、非上場の子会社の株式について有価証券評価損が損金算入できる場合は、法人税法施行令第68条第1項第2号ロに規定する?有価証券を発行する子会社の資産状態が著しく悪化したため、?その価額が著しく低下した場合に限られる。子会社の資産状態が著しく悪化したかどうかについては、法人税基本通達9−1−9の定めに基づき判断することになるところ、当該事業年度の終了時における1株当たりの純資産価額は、取得時の1株当たりの純資産価額に比して50%以上下回っておらず、資産状態が著しく悪化した事実は認められないから、有価証券評価損の損金算入は認められず、請求人の主張は採用できない。(平22. 5.24 大裁(法)平21-63)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210063
- 裁決年月日
- 平成22年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、請求人が支給した役員給与のうち、?事前確定届出給与に関する届出書(以下「本件届出書」という。)において、支給対象者とした役員に支給した役員給与(以下「本件届出役員給与」という。)は、事業年度首において年俸通知書により期末報酬額を期末に支給する旨を通知し、その旨を記載した本件届出書を期限内に税務署長へ提出していること、?使用人兼務役員に対する給与(以下「本件使用人兼務役員給与」という。)は、年俸制に基づく年俸の金額から毎月支給する給与の金額を控除した差額を支払ったものであり、損金算入できない使用人兼務役員の使用人としての職務に対する賞与に該当しないことから、いずれも損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、?事前確定届出給与は、職務執行の開始の日から1月を経過する日までに役員給与の支給時期や支給金額が確定していることを要するところ、当該日までに、株主総会の決議等により、役員給与の支給すべき確定額及び確定時期を定めたとはいえず、本件届出役員給与は、事前確定届出給与に該当するとは認められないこと、また、?本件使用人兼務役員給与は、本件届出役員給与と同様な経緯で支給時期及び支給金額が決定され、本件届出役員給与と同日に支払われているが、当日に他の使用人に賞与を支払った事実もないことから、使用人としての職務に対する給与と認められないので、いずれも損金の額に算入することはできない。(平22. 5. 24 大裁(法)平21-63)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210041
- 裁決年月日
- 平成22年4月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702029
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、F社に売買益の50%を支払う旨の業務協定を結んだ上で、請求人名義で仕入れた土地及び建物(以下「本件土地等」という。その後、請求人は建物を取り壊した上で土地を転売し、利益の50%をF社に分配した。)について、売主であるA社との売買契約(以下「本件売買契約」という。)における購入代金とは別に、A社の増額要求に応じてA社に支払った金員(以下「本件別口金」という。)は、損金の額に算入される旨主張し、一方、原処分庁は、本件別口金が本件土地等の購入代金として支払われたとは認められず、損金の額には算入されないなどと主張する。しかしながら、本件別口金については、①請求人とF社がその50%ずつを用意し、本件売買契約に係る契約及び代金授受の会場である銀行の会議室に現金にて持ち込まれ、A社の関係者に交付されたこと、②A社から本件売買契約の金額とは別に支払を求められたものであること、③請求人の代表者が契約書の金額は訂正されず領収証も出ないことを認識していたと認められることからすれば、本件売買契約における代金とみることはできず、請求人が、本件売買契約を成立に至らせるために、返還されないことを前提として用意し、支払ったものということができ、請求人及びF社によって、A社の会長と称される者Kに対し、本件売買契約を円滑に進めるために、贈呈されたと認めるのが相当である。そうすると、本件別口金のうち、F社が負担した50%部分は請求人の損金の額に算入にされておらず、請求人が負担した50%部分は、租税特別措置法第61条の4《交際費等の損金不算入》第3項に規定する交際費等に該当して損金の額に算入されない部分があることとなる。したがって、交際費等の損金不算入額以外の部分については原処分庁の主張には理由がない。(平22. 4.20 名裁(法)平21-41)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平210008
- 裁決年月日
- 平成22年4月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/3資本的支出と修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件土地に係る土砂搬出、地盤改良及び排水設備の設置等の工事(以下「本件工事」という。)に係る支出は、いずれも本件土地の価値を増加させる資本的支出又は新たな構築物の取得のための支出であり、その全額を本件土地及び構築物の取得価額とすべきである旨主張する。しかしながら、固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の耐久性を増し使用可能期間を延長させ、又はその価値を高めることとなると認められる部分に対応する金額は資本的支出に該当するのであるが、当該固定資産の通常の維持管理に充てられる部分やき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分に充てられる金額は修繕費に該当するものと解されるところ、排水溝設置工事は新たな構築物の取得に該当するが、この部分を除く本件工事に支出した金額は、自然崩落前の状態に復旧する範囲の工事のほか、法面からの雨水流出により柔らかくなっていた地面の強度回復を行った工事などに係るものであり、本件土地の耐久性を増し又はその価値を高めるものとは認められず、本件土地の原状を回復するためのものとみるのが相当であるから修繕費と認められる。(平22. 4. 6 金裁(法)平21-8)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平210008
- 裁決年月日
- 平成22年4月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員退職給与の相当額の算定における功績倍率方式は合理的な算定方法の一つではあるが、請求人の本件退職役員の場合は、最終報酬月額は、政策的に増額してこなかった最終報酬月額に代えて類似法人の平均報酬月額を採用すべきであり、勤続年数は、みなし役員であった年数と取締役であった年数を合計すべきであり、功績倍率は、創業者の一人として功績も多大であったことから、請求人の役員退職慰労金規程に定める功績倍率に功労加算したものか、あるいは類似法人の最高倍率を用いるべきであるから、本件役員退職給与が不相当に高額であるとはいえない旨主張する。しかしながら、最終報酬月額は、客観的にそれが明らかに不相当に低額であると認められるなどの特別な場合を除き、一般的にその役員の法人に対する貢献度を最もよく反映した指標と解されるところ、本件退職役員の役員報酬の額は、相当の期間、変更されておらず、退職間際に引き下げられた事実もなく、また、他の役員のそれと比較して格別低額とも認められず、しかも、請求人が主張する類似法人の平均報酬月額は、本件退職役員に対し実際に支給された報酬額ではなく統計上の数値であるから、これを本件における役員退職給与の相当額の算定の基礎にそのまま採用すべき理由はない。また、勤続年数は、本件退職役員は取締役に就任以前においてもみなし役員に該当していたからみなし役員時代も含めるべきであり、功績倍率は、平均功績倍率方式が功績倍率を平均化することにより類似法人間に存在する差異や個々の特殊性を捨象することができるから、適正に算出された平均功績倍率を用いる限り、客観的かつ合理的な方法であるところ、本件において類似法人の抽出は十分であり、その選定は合理的に行われているから、平均功績倍率を採用し難い特別な事情も認められない。したがって、本件役員退職給与のうち、以上の要素により功績倍率方式で算定された役員退職給与相当額を超える部分は、法人税法第36条に規定する不相当に高額な金額に該当し、損金の額に算入することができない。(平22. 4. 6 金裁(法)平21-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210049
- 裁決年月日
- 平成22年4月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 外注費相当額の受領を否定する外注先の関係者の申述、答述には一応の合理性、信用性が認められる一方、外注先から役務の提供を受けて外注費を支払った旨の請求人の主張に沿う請求人代表者の答述、請求人が提出した証拠はいずれも不合理、不自然な点があって信用し難く、採用することができない。このほか、提出された証拠及び当審判所の調査の結果によって得られた証拠の内容等を総合的に検討しても、請求人が各外注先から役務の提供を受け、その対価として外注費相当額を支払ったと認めるには足りない。そうすると、請求人が外注先から役務提供を受けた事実も、その対価として外注費を支払った事実もないというべきであり、請求人が作成し、提出した振替伝票は、実際には支払っていない外注費について、支払に係る帳簿書類として作成されたものと認められ、これに加えて、当該振替伝票記載の内容を含んだ総勘定元帳等が作成されていることからすると、外注費は帳簿書類に架空に計上されたものというべきである。(平22. 4. 2 大裁(法・諸)平21-49)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210036
- 裁決年月日
- 平成22年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、適格株式移転時により所有していた自己株式に対して割当てを受けた株式移転完全親法人の株式の譲渡に当たり、当該割当てを受けた株式移転完全親法人の株式の取得価額を零円として譲渡損益を計算し、法人税の確定申告書を提出したものの、当該割当てを受けた株式移転完全親法人の株式の取得価額は株式移転時に所有していた自己株式の取得価額を引き継ぐべきであり、法人税の確定申告書に記載した譲渡損益の計算に誤りがある旨主張する。しかしながら、平成18年の改正により、税務上、法人が取得した自己株式は取得時に資本金等の額を減少させ、資産(有価証券)として計上しないことから帳簿価額がないことになり、法人税法施行令第119条第1項第10号は、株式移転完全子法人の株主が株式移転により株式移転完全親法人の株式の交付を受け、それ以外の資産の交付を受けなかった場合には、当該株主が取得した株式移転完全親法人の株式に付すべき価額は、株式移転完全子法人の株式の株式移転の直前の帳簿価額に相当する金額とする旨規定しているところ、請求人は、その保有する自己株式について株式移転完全親法人の株式の交付を受け、それ以外の資産の交付を受けていないから、当該交付を受けた株式移転完全親法人の株式に付すべき価額は、請求人が有していた自己株式の、株式移転の直前の帳簿価額であるから零円となる。したがって、請求人が株式移転完全親法人の株式の取得価額を零円として譲渡損益を計算し確定申告したことは、国税通則法第23条第1項第1号に規定する「国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は計算に誤りがあったこと」には該当せず、請求人の主張には理由がない。(平22. 3.29 名裁(法)平21-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210139
- 裁決年月日
- 平成22年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/2従業員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度の損金の額に算入した使用人に係る未払賞与(本件未払賞与)について、本件事業年度に締結した労使協定により未払額が確定し、その支払義務が発生しており、当該労使協定の締結日が本件未払賞与の支給予定日といえるから、法人税法施行令第72条の5第1号に規定する賞与に該当し、支給予定日である当該労使協定の締結日の属する本件事業年度の損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、当該労使協定書において具体的な支給予定日は定められておらず、また、その締結日を支給予定日と認めるに足る記載もないから、本件未払賞与の支給予定日を当該労使協定の締結日と認めることはできず、同条第1号に規定する賞与には該当しない。また、本件未払賞与については、本件事業年度終了の日の翌日から1月以内の支払もないため、同条第2号に規定する賞与にも該当しない。したがって、本件未払賞与を本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平22. 3.25 東裁(法)平21-139)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210042
- 裁決年月日
- 平成22年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表取締役であるAは、登記上役員であったものの、前代表取締役が在任中、経営には参画しておらず、平成13年5月30日に代表取締役に就任するまで従業員として従事していたのであるから、実質的には従業員であり、請求人が平成17年11月4日にAに支払った金員(以下「本件金員」という。)は、Aが昭和49年4月1日から代表取締役に就任するまでの期間において従業員として勤務したことに対する退職給与である旨主張する。しかしながら、Aは昭和49年4月1日以降、代表取締役就任後に至るまで一貫して法人税法上の役員であり、本件の全証拠によってもAが請求人の使用人であった事実を認めるに足りない。また、役員の退職とは、会社と役員の関係は委任関係にあることから役員の死亡、会社の解散、任期の満了等による委任の終了又は辞任、解任等による委任の解除等により役員を退任し、原則として役員が現実にその法人から退職した場合と解されるところ、①Aは、昭和49年4月1日以降継続して取締役として登記されていること、②Aは、請求人の平成15年6月7日の定時株主総会及び取締役会において、代表取締役として議長を務めたものと認められること等を総合勘案すると、Aが、昭和49年4月1日以降、役員を退任し、請求人を退職した事実は認められない。(平22. 3.12 大裁(法・諸)平21-42)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210041
- 裁決年月日
- 平成22年3月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、①請求人が本件各金員の支払内容が外注費等の役務提供の対価であることを具体的に証明する証拠書類を提出しなかったこと、②請求人が本件各金員の支払根拠となった業務の内容を把握しておらず、Aに業務の指示を行っていないこと、③請求人がBから本件業務を受注するに当たり本件各金員の支払を求められ、同人との間でその金額を取り決めた旨の請求人の申述を否定する申述をBがしたこと、④AがBから受け取ったと申述する本件各金員相当額の使途を証明する証拠書類をAが提出しなかったことを理由に、本件各金員は、費途が明らかでない旨主張する。しかしながら、上記①の点については、請求人は、調査担当職員に本件各金員を外注工賃として記載している総勘定元帳及び本件各領収書のみを提示して、本件各金員の支払内容を具体的に証明する証拠書類を提出しなかったものの、当審判所の調査により、請求人の外注先のCがAに対し伐採に関する具体的な指示を行って、Aが本件伐採業務を実際に行ったことが認められるのであるから、請求人が本件各金員の支払内容を具体的に証明する証拠書類を提出しなかったからといって、その支払内容が外注費等の役務提供の対価であることが認められないということにはならない。また、上記②の点については、Aは、地域対策業務の実施については不明であるものの、請求人の代表者から測量業務を依頼されたCの指示を受けて本件伐採業務を行っていることから、本件各金員をその対価とする業務を行っていたことが認められ、当該事実によれば、請求人が本件各金員の支払根拠となった業務内容を把握していなかったとはいえず、仮に、請求人がAに対して伐採について直接に具体的な指示を行わず、また、地域対策業務の実施が確認できないものであったとしても、上記のとおり請求人の外注先であるCが本件伐採業務に関して指示を行っていた以上、本件各金員の費途が不明であることの根拠とはなり得ない。そして、原処分庁の主張するその他の点を考慮しても、請求人は、本件各合意に基づいてAによって実際に行われた役務提供の対価としてCに本件各金員を支払ったものと認められることから、本件各金員が費途不明とはいえず、原処分庁の主張は採用することができない。(平22. 3.11 大裁(法)平21-41)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平210015
- 裁決年月日
- 平成22年3月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人は本件寄附金を支出しない限り本件土地を取得できなかったのであり、本件寄附金の支出と本件土地の取得は一体不可分のものと認められるから、本件寄附金は何ら反対給付を求めない寄附金として支出されたものとは言えず、外形上は指定寄附金に該当するとしても、本件土地の購入のために要した費用となる旨主張する。しかしながら、指定寄附金が固定資産の代価を構成するか否かについては、その支出した金額が、寄附金を支出することが条件とされているため著しく低い価額で固定資産を購入できた等、実質的にみてその資産の代価を構成しているか否かによって判断すべきであるところ、原処分庁は、本件土地の売買において本件寄附金が条件であったことを主張するのみで、客観的に見て妥当な金額で売買された本件土地について、本件寄附金が実質的にみて本件土地の代価を構成しているとする根拠を示していない。確かに、一般に土地の売買においては、買主にとって土地取得の必要性が高ければ高いほど、通常の取引金額よりも高額な取引金額になることもみられるところであるが、そのことのみをもって、本件売買契約における本件土地の売買価額が著しく低額であり、この価額に本件寄附金の額を加えた金額が実質的な売買価額であると評価することはできない。したがって、原処分庁の主張には理由がない。(平22. 3. 5 札裁(法)平21-15)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210076
- 裁決年月日
- 平成22年2月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、損金の額に算入した従業員Aに対する給与及び賞与はその全額を支給しており、架空に計上したものはない旨主張するが、従業員Aが請求人の主張どおりに勤務したことを具体的に証する証拠がなく、また、振り込まれた金額は、従業員Aに渡ることなく代表者が受領していたと認められることからすれば、その支給金額は従業員Aに対する給与等と認めることはできず、原処分は相当である。(平22. 2.22 関裁(法・諸)平21-76)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210117
- 裁決年月日
- 平成22年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 預託金制から株式制に転換されたゴルフ会員権は、その転換の前後においてもゴルフ会員権としての資産の同一性を維持しており、また、この転換により請求人が保有することとなった株式(以下「本件株式」という。)に対して付与された価額(払込価額)は、発行会社の時価純資産価額を算出して決定されたものではなく、他社の預託金問題の解決事例にならって単に額面金額の50%と決定したものに過ぎず、預託金債権を回収し株式制ゴルフ会員権に転換することを目的として付与された、特に法的又は経済的な裏付けのない名目的な価額に過ぎないから、本件株式の帳簿価額は、預託金制ゴルフ会員権の帳簿価額を引き継ぐこととするのが相当であり、転換に伴い帳簿価額を減額することは認められない。そして、本件株式は、一連の転換スキームに伴い取得したものと認められるところ、請求人が本件評価損が生じていると主張する平成19年8月期末における本件株式1株当たりの純資産価額は本件株式取得時の1株当たりの純資産価額に比しておおむね50%以上下回っているとは認められない。そうすると、本件株式を発行する法人の資産状況が著しく悪化したとは認められないから、本件株式について評価損を計上することは認められない。(平22. 2.15 東裁(法)平21-117)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210012
- 裁決年月日
- 平成22年2月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/3資本的支出と修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件空調設備工事は、B店の空調設備の一部に不具合が生じたことから、その空調設備の一部を更新したもので、当該空調設備の使用可能期間を延長させたものであり、資本的支出に該当する旨主張する。しかしながら、B店の商品売場の空調設備は、室外機1台と室内機2台を1組とする冷暖房機器の12組で構成し、一体として稼動するよう備付けられた設備であり、室外機1台ごとを単体として稼動させることはできないことからすると、本件空調設備工事によって、空調設備自体の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなる部分はないと認められることからすると、本件空調設備工事費は、原処分庁が主張する資本的支出には該当しないことになり、修繕費としてその全額が本件事業年度の損金の額に算入されることになるから、原処分庁が、更正処分において減価償却超過額としたその全額を取り消すべきである。(平22. 2. 8 福裁(法)平21-12)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210012
- 裁決年月日
- 平成22年2月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/3自己が便益を受ける公共的施設の費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、側溝工事は、A店の開店に伴い、当該店舗東面の既存の側溝を改良し、耐加重25トン以上の横断側溝にするために実施した工事で、その耐久性が増加し価値が増加していると認められるので、側溝工事費は、資本的支出に該当する旨主張し、請求人は、A店東面の側溝は、国の所有物であり請求人の資産ではないが、側溝工事の内容は、側溝破損による事故の防止のための保守的工事であり、修繕費に見合う工事であること、また、側溝工事に含まれる工作物設置工事は、請求人所有の駐車場内の工作物の設置工事であるが、事故防止のための保守的工事であることから、資本的支出に当たらず、本件事業年度の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、側溝工事のうち側溝改修工事は、A店の駐車場へ顧客が車両を乗り入れる際に側溝を横断しなければならないため実施した工事であり、請求人の必要に基づいて工作物を改良した工事であること、また、側溝改修工事により、A店が存続する間は、顧客が側溝を横断し来店できることになることが認められ、そうすると、側溝改修工事費は、自己が便益を受ける公共的施設の改良のために支出する費用ということになり、その費用の支出の効果は、1年以上に及ぶものと認められるから、繰延資産に該当することになり、原処分庁及び請求人の主張には理由がないことになる。また、側溝工事のうち工作物設置工事費は、独立した3種類の減価償却資産を取得した金額であり、また、それぞれの減価償却資産の取得価額が10万円未満であることからすると、少額の減価償却資産に該当し、その全額が本件事業年度の損金の額に算入されることになる。(平22. 2. 8 福裁(法)平21-12)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210012
- 裁決年月日
- 平成22年2月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社の財務調査(以下「本件財務調査」という。)は、監査法人から、連結財務諸表を監査するに当たり財務調査が必要との指導を受けたため、やむを得ず監査目的で実施したこと、A社の財務諸表は、上場企業と同程度に信頼性の高い決算書であったため、A社の株式(以下「本件株式」という。)を取得する目的での財務調査は必要なしと判断していたこと、純資産○○○○千円(平成19年3月31日現在)の価値があるA社を○○○○千円程度で譲り受けることを基本合意していたのであるから、本件株式を取得する目的で改めて財務調査を実施する必要はないと判断していたのであり、本件財務調査の費用は、本件株式の取得価額に算入されない旨主張する。しかしながら、請求人は、平成19年7月18日に開催した臨時取締役会において、本件株式を取得する旨決議しており、このことからすれば、請求人は本件株式を取得することを決意していたと認められ、本件財務調査の目的が本件株式の買収についての意思決定の参考とするために行われたものと認められることからすれば、本件財務調査に要した費用は、特定の有価証券を購入することを決定した後に当該有価証券の購入に関連して支出される費用に該当することになるから、有価証券の購入のために要した費用として、本件株式の取得価額に算入されることになる。(平22. 2. 8 福裁(法)平21-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210070
- 裁決年月日
- 平成22年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716081
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/8支払利息/1借入れ、利息支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件債権の買取資金は請求人と代表者との間の金銭消費貸借契約の成立を前提に、代表者が立替払いしたものであり、金融機関からの借入れにより当該立替資金を調達していることから、当該借入金を返済しなければならないところ、それに見合う年40%の支払利息相当額を損金の額に算入すべきである旨主張するが、①請求人と代表者との間において、金銭消費貸借に係る契約書が作成されていないこと、②請求人は、本件各事業年度において一切会計帳簿等を作成しておらず、本件借入金に係る支払利息を損金の額に算入する経理処理を行った事実は認められないこと、③代表者は、本件借入金に係る受取利息について所得税の申告をしていないこと、④請求人が代表者に本件借入金の利息を支払っておらず、また、代表者は、当審判所に対し、本件借入金に係る支払利息に関する約定はなかった旨回答していることからすれば、請求人と代表者との間には、本件借入金については無利息とする約定があったと認められ、本件借入金に係る支払利息相当額を本件各事業年度の損金の額に算入することはできないから、請求人の主張には理由がない。(平22. 2. 8 関裁(法)平21-70)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210011
- 裁決年月日
- 平成22年2月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712072
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/2寄附金と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件海外手当等の負担は、請求人の子会社に対する「金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与」に該当するところ、その負担に経済的合理性を有する相当な理由が存する場合には、その供与した経済的利益の額は寄附金の額に該当しないこととなるが、請求人からその負担について経済的合理性を有する相当な理由が存するとする証拠資料等の提出はなく、当審判所の調査によっても、請求人が本件海外手当等を負担することに相当な理由があるとは認められないことから、本件海外手当等は、寄附金に該当することとなる。(平22. 2. 3 福裁(法・諸)平21-11)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210011
- 裁決年月日
- 平成22年2月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、B監査法人あるいはC法律事務所に依頼した調査がA社の株式の購入の意思決定後に行った調査でないことをもって、本件財務調査費等が本件株式の購入のために要した費用には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人が、平成18年10月6日に、A社の株式の引受けに対する第二次入札参加の意思表示を行ったことからすれば、請求人はA社の株式を取得することを決意していたと認められる。そして、請求人は、A社の財務調査をB監査法人に、また、法務調査監査をC法律事務所に依頼し、これらの調査が終了したとして、調査に要した費用を支出しているところ、これらの支出は、A社の株式という特定の有価証券を購入する意図の下で当該有価証券の購入に関連して支出された費用ということができる。そうすると、本件財務調査費等は、本件株式を購入する意図の下で本件株式の購入に関連して支出される費用として、本件株式の購入のために要した費用に該当することとなるところ、請求人がB監査法人あるいはC法律事務所に調査を依頼した時点において、請求人は本件株式を取得することを決意していたと認められることから、請求人の主張には理由がない。(平22. 2. 3 福裁(法・諸)平21-11)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210011
- 裁決年月日
- 平成22年2月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/3資本的支出と修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ ①A工事費は、地盤沈下による漏水を原因として行った被災資産の被災前の効用を維持するための補強工事に要した費用であり、使用可能期間を延長させる部分又は価額を増加させる部分がないことから、修繕費として損金の額に算入することとなる。②B店出入口改修工事は、シャッター取替えなど出入口の改造又は改装であり、同工事に要した費用の額は、用途変更のための模様替え等の改造又は改装に直接要した費用の額であると認められることから、資本的支出に該当することとなる。③C店照明器具取替工事は、平成12年の賃借に当たって取り替えなかった照明器具を賃借後初めて本体ごと取り替えた工事であり、同工事に要した費用の額は、資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額であると認められることから、資本的支出に該当することとなる。④D工事費は、E工事費とF工事費の2つの工事費が混在しているところ、E工事費については、既存の取付け枠を利用し、使用材料も改修前と同様のアルミ複合板インクジェットシートであるものの、形や訴求内容の違う看板の新規製作であり、資産の価額を増加させる部分に対応する金額に該当することから、資本的支出に該当し、また、F工事費については、色あせたフロア案内板の補修であり、修繕費と認められることから、平成20年2月期の損金の額に算入するのが相当である。(平22. 2. 3 福裁(法・諸)平21-11)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210013
- 裁決年月日
- 平成22年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地建物の取得に際して売主に支払った固定資産税相当額は、土地建物の維持管理費用として損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が負担する本件固定資産税相当額は、本件土地建物の売買に基因して負担するものであり、本件土地建物の取得のために実質的に欠かせない費用の負担であることから、資産の購入のために要した費用として本件土地建物の購入の代価の一部であるとするのが相当である。したがって、本件固定資産税相当額は、法人税法施行令第54条第1項第1号の規定により、本件土地等の取得価額に算入すべきものと認められる。(平22. 1.19 仙裁(法)平21-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210094
- 裁決年月日
- 平成22年1月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、B土地の期末評価額(時価)の算定にあたり、予定されている無償譲渡が公正妥当な取引である以上、その譲渡価格(零円)が正しい市場価格(時価)である旨主張する。しかしながら、B土地については、評価対象地の近隣に適当な取引事例がなく、近隣に公示地もないのであるから、公示価格に相当するものとして算定される価額をもって時価とみるのが合理的であり、B土地はP市の固定資産税の土地評価における標準宅地に選定されているから、その時価は当該固定資産税の評価額をもとに算定するのが合理的であるところ、固定資産税評価額は、時価を表している地価公示価格の7割を目途として定められていることからすれば、固定資産税評価額を0.7で除して算出した価額が時価に相当する金額となる。そして、当該金額は原処分庁が認定した価額を上回ることとなるから原処分は適法と認められる。(平22. 1.13 東裁(法)平21-94)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210094
- 裁決年月日
- 平成22年1月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/1たな卸資産の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産販売業を主要な事業の一つとして営んでおり、賃貸の用に供していたA土地を売却して資金を回収することを取締役会で決議し、その後担当部署にて販売活動を行い、資産区分も固定資産から棚卸資産に変更していることから、A土地は固定資産ではなく棚卸資産に該当する旨主張する。しかしながら、A土地について、①事業用土地として取得され固定資産勘定に計上されていたこと、②取得直後から事業用固定資産として賃貸用店舗の敷地の用に供されていたこと、③期末時においても、賃貸用店舗の敷地及び駐車場として賃貸されていたこと、④取締役会の意思決定に基づき資産区分を固定資産から棚卸資産に変更した前後において、その利用状況、区画・形態の現況に何ら変化がなかったこと、⑤期末時において賃貸用店舗の賃借人が立ち退きに応じず、現実に分譲用のための区画形質の変更が困難な状況にあったことの各事実を総合勘案すれば、A土地は、通常の営業過程において販売を目的として所有する商品等としての土地(棚卸資産)に該当するとは認められず、固定資産というのが相当であるから、原処分は適法である。(平22. 1.13 東裁(法)平21-94)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210095
- 裁決年月日
- 平成22年1月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己が行うサービス業務に係るソフトウエア(以下「本件ソフトウエア」という。)の取得に際して請求人がその取得費用とは別にソフトウエア制作会社に支払った業務外注費(以下「本件業務外注費」という。)について、原処分庁が、本件ソフトウエアの取得価額に含まれるとして課税処分等を行ったのに対し、①本件ソフトウエアは購入した減価償却資産に該当するところ、本件業務外注費は、本件ソフトウエアの開発の要件を伝えるための要望書の作成支援等に係る費用であり、購入のために要した費用に当たらないから取得価額に含まれない旨、また、②仮に自己の製作等に係る減価償却資産に該当するとしても、本件業務外注費は本件ソフトウエアの開発費用に該当せず取得価格に含まれない旨主張する。しかしながら、本件ソフトウエアは、請求人主導の下、請求人の指示に従うこと等を条件に複数の開発会社に開発を委託することにより製作したものと認められるから、自己の製作等に係る減価償却資産に該当する。したがって、本件ソフトウエアの取得価額は製作のために要した原材料費、労務費及び経費の額等となるところ、本件業務外注費は本件ソフトウエアの製作等のための一連の作業支援のために要する費用であり、本件ソフトウエアの製作のために必要な経費と認められるから、本件ソフトウエアの取得価額に含まれるとするのが相当である。(平22. 1.13 東裁(法)平21-95)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210091
- 裁決年月日
- 平成22年1月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が自社ビル(以下「本件建物」という。)の建築に際して請求人がP市に支出した開発協力金(以下「本件開発協力金」という。)は繰延資産に該当するとして行った課税処分等について、本件開発協力金は請求人との便益関係が迂遠であり繰延資産には該当せず、地方公共団体に対する寄附金に該当するから全額損金に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件開発協力金は、本件建物の建築行為に起因して付置住宅又は隔地住宅の建設に代えて納付されたことが認められるところ、①請求人は、本件開発協力金の納付によって本件建物の建築の許可を得るという特別の利益を受けたと認められることに加えて、②住宅付置要綱によれば、P市長は、同要綱に違反した者を公表することができること、③協力金要綱によれば、開発協力金の算定方法は一律に定められていること、④請求人は、P市から納入通知書の送付を受け本件開発協力金を納付していること、⑤協力金要綱の施行について定めたP市開発協力金制度実施要領によれば、開発協力金を分割で拠出する場合には一定の利子を付すことができることなどを併せ考えると、本件開発協力金は、本件建物の建築許可を受けるための条件としてあらかじめ定められた規定に基づき計算、請求された金額を支払わざるを得なかったものであるから、寄附金には該当しないとみるのが相当である。そして、本件開発協力金のように、P市民及びP市内在勤者向けの住宅の建設等のために要する費用等に充てられ、将来にわたってP市民及び請求人を含むP市内の企業の便益に寄与するものとして支出される費用については、繰延資産に当たると認められるから、同様の支出を定めている法人税基本通達7−3−11の2(3)の負担金等として更正した原処分は相当である。(平22. 1. 8 東裁(法)平21-91)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平210012
- 裁決年月日
- 平成21年12月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aは代表取締役及び取締役を辞任したことなどから、退職の事実はある旨主張する。しかしながら、Aが代表取締役及び取締役を辞任したとする登記がされた後においても、Aは従前と変わらず請求人の経営に従事していたと認めるのが相当であるから、法人税法上、引き続き請求人の役員であったと認められ、また、分掌変更により同人の地位又は職務の内容が激変したとも認めらないことから、請求人を退職したとは認められない。(平21.12.17 札裁(法・諸)平21-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210008
- 裁決年月日
- 平成21年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者に対して見舞金として支払った金員は、見舞金として福利厚生費に該当するものであり、原処分庁が行った役員給与の認定は誤っている旨主張する。しかしながら、本来、病気見舞金は、入院中又は退院直後などといった事象をとらえ適時に支払われるのが一般的と考えられるところ、当該金員は、術後10年以上、又は4か月から7か月が経過した後の支払であることからすると、一般的な病気見舞金の支払とは認められない。加えて、当該金員の支払は、その算出根拠及び支出事情からすると、保険金の給付を受けたことと連動して支払われたものであると認められる。そうすると、当該金員は、社会通念上相当と認められる病気見舞金とは認められず、福利厚生費には該当しない。そして、当該金員は、代表者に対して給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらすものであり、社会通念上相当と認められる病気見舞金のような純然たる贈与とは認められないものであることから、法人税法第34条第4項に規定する役員給与に含まれる経済的利益に該当するものであり、請求人の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(平21.12.15 仙裁(法・諸)平21-8)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平210005
- 裁決年月日
- 平成21年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件工事未収入金は、本件工事の請負契約締結後、本件工事に係る増減部分が発生し、その金額が同額であるにもかかわらず、施主が減額部分のみがあったと判断した結果、本件事業年度までに支払われなかったため、計上されたものであり、貸倒損失として本件事業年度の損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、法人の有する金銭債権について貸倒損失として法人の損金の額に算入されるためには、その前提として、当該金銭債権が真に存在し、かつ、当該法人に帰属することが明らかであることが必要であり、その立証については、貸倒損失の内容を熟知している被課税者においてこれに関する証拠並びに貸倒損失となる債権の発生原因、内容、帰属及び回収不能の事実等について具体的に特定して主張し、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行わない限り、事実上その不存在が推定されるものと解される。請求人は、本件工事代金がいつ回収され、それにより残余の金額がいくらであるかなど、当審判所に対して、本件工事未収入金の存在をうかがわせるに足りる客観的な証拠等の提出やこれを具体的に特定する立証もしておらず、また、当審判所の調査においてもその存在を認めることはできないことから、本件事業年度において、本件工事未収入金を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平21.12. 7 沖裁(法)平21-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210070
- 裁決年月日
- 平成21年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①原処分庁が退職給与適正額の計算の基礎とした勤続年数には誤りがあること、②原処分庁が選定した比較法人は請求人と類似規模の法人とは認められないこと、及び③前代表者の請求人に対する功績に基づき退職給与適正額を計算すると不相当に高額な部分の金額はないことから、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、①請求人が実質的に事業を開始した時期及び前代表者が請求人の代表取締役に就任した時期からすれば勤続年数には誤りはなく、②事業規模が類似するものの選定については、事業規模の実態を最も端的に反映していると考えられる売上金額を基準の柱としていることは合理的と解される上、売上金額、所得金額、純資産価額、役職及び勤続年数を総合的に判断していることから、本件各比較法人の選定基準は、相当なものであると認められること、③各比較法人の退職役員(創業者)にも前代表者と同様にそれぞれの法人において功績があると考えられるところ、当該功績は、それぞれの役員退職給与の額に織り込まれていると認められ、それらの金額を基として算定された原処分における退職給与適正額は、前代表者の貢献度を反映したものというべきであることから、原処分は適法である。(平21.12. 4 東裁(法)平21-70)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平210005
- 裁決年月日
- 平成21年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 適正役員退職給与額の判定基準について、原処分庁が採用すべきと主張する最終報酬月額については、前事業年度において役員報酬月額が40%以上減額され、役員在職中における法人に対する功績を最もよく反映しているものであるとまでは言えず、当該最終報酬月額を採用しない特段の事情があるものと認められるから、適正な役員退職給与額を平均功績倍率法により算定するに当たり、算定の基礎とすることが相当であるとは言えない。次に、請求人が採用すべきと主張する額については、請求人の臨時株主総会議事録において、異なる額を死亡時月給として退職金の計算をする方法を承認可決していることからみると、算定の基礎とすることも相当であるとは言えない。そうすると、本件においては、適正な役員退職給与額を算定するに当たり、報酬月額を基礎として算定する平均功績倍率法よりも、むしろ1年当たり平均額法を採用することが相当であり、合理性が認められる。これにより、当審判所が本件適正役員退職給与額と認定した額を超える額が役員退職給与として不相当に高額な部分の金額となり、原処分は、その一部を取り消すべきである。(平21.12. 1 熊裁(法)平21-5)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210005
- 裁決年月日
- 平成21年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・369ページ
要旨
○ 請求人が民事再生法の適用を受けた結果、連帯保証人である請求人の代表者らが再生計画において切り捨てられた債務について保証債務の履行をしたことから、請求人は、同履行金額について求償債務として支払義務が生ずるとして、請求人の所得金額の計算上損金の額に算入するのが相当である旨主張する。しかしながら、民事再生法の規定による再生手続開始の決定後の債務者に対する保証債務に係る求償権は、債権者がその債権全部の満足を得ない限り行使できないと解され、行使できる求償権の範囲も、弁済による代位によって取得する債権者の再生債権(再生計画により変更されたもの。以下同じ。)が限度であると解されるところ、本件債権者の一人は債権全部の満足を得ておらず、もう一人の債権者は、債権全部の満足は得ているものの、再生債権の弁済は当該連帯保証人ではなく請求人自身が行っており、連帯保証人が代位行使できる再生債権は存在しないことから、いずれの場合も連帯保証人は請求人に求償権を行使できないと認められる。したがって、請求人に新たな求償債務の発生はなく、連帯保証人が履行した保証債務の金額を請求人の所得金額の計算上損金の額に算入することはできないことから、請求人の主張には理由がなく、よって原処分は適法である。(平21.11.27 仙裁(法)平21-5)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平210003
- 裁決年月日
- 平成21年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件金員は、元役員に退職金として支給したものであり、本件事業年度の損金の額に算入されるべきであるから、本件更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件金員は元役員に対する退職金として支給されていないところ、本件金員は、請求人から請求人の代表者に交付され、代表者によって費消されたと認めるのが相当であるから、代表者に対する臨時的な給与を支給したものとして、原処分庁が当該給与は法人税法第35条第4項に規定する役員賞与に該当するものと認定し、同条第1項の規定に基づき当該役員賞与を損金の額に算入しないとして行った本件更正処分は適法である。(平21.11.17 熊裁(法・諸)平21-3)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平210003
- 裁決年月日
- 平成21年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の評価損について、法人税法施行令第68条第1項第2号ロに規定する「資産状態が著しく悪化したため、その株式の価額が著しく低下した」という事実が生じているから、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、非上場有価証券の発行法人の資産状態の著しい悪化の判断は、その評価時と取得時の発行法人の純資産価額を同一の基準によって評価し、これを比較して行うべきであるところ、評価時において本件株式発行法人の貸借対照表上の純資産価額が著しく減少したように見えるのは、専ら固定資産の減損処理に起因しており、①本件株式の取得時と評価時における本件株式発行法人の純資産価額を比較するに当たり、取得時において減損会計基準が存在せず、現状において取得時における本件株式発行法人の固定資産を回収可能価額で評価することが困難であること、また、②法人税法は、固定資産の減損処理をしても法人税法上の評価損として認められない限りそれを減価償却限度額の範囲でしか損金と認めておらず、本件株式発行法人が減損損失額の大部分を損金の額に算入していないことからすれば、評価時と取得時の純資産価額の比較可能性を担保するためには、評価時における本件株式発行法人の純資産価額は固定資産の減損処理を反映させずに算定するのが相当である。そうすると、本件株式発行法人において「資産状態の著しい悪化」の事実は認められないから、請求人の主張には理由がない。(平21.11.13 金裁(法)平21-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210058
- 裁決年月日
- 平成21年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/5損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各債権は本件事業年度終了の時点で債権の全額が回収できないことが確実であったものであることから、法人税基本通達9−6−2に基づき本件事業年度の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件事業年度において法人税基本通達9−6−2に定める損金経理(法人がその確定した決算において費用又は損失として経理することをいう。)の要件を満たしておらず、また、法人税基本通達9−6−1に掲げる事実があったとは認められない。したがって、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平21.11.13東裁(法)平21-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210058ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成21年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貯玉等は顧客の遊技の結果得られた遊技球の景品への交換が未了なものであり、最終的には景品に帰結するものであることから、未換金貯玉債務(本件事業年度末において請求人の顧客の有するパチンコの玉等の残高数を現金に換算した金額)は本件事業年度の売上原価と認識されるべきである旨主張する。しかしながら、企業会計上、売上原価とは発生主義により認識された費用のうち売上げに直接的に対応関係があるものと認められるところ、本件未換金貯玉(顧客が保有する貯玉等)については、本件事業年度において景品交換に伴う費用が発生しておらず、また、本件事業年度後においても本件未換金貯玉が景品に交換されるか、あるいは再プレーに利用されるかは、顧客の任意であり、必ずしも、そのすべてが景品に交換されるとは限らないこと等からすれば、実際に本件未換金貯玉が景品に交換され当該景品交換に伴う費用が発生した日の属する事業年度の損金の額に算入するのが相当であり、当該未換金貯玉債務を本件事業年度の売上げに直接的に対応する売上原価として損金の額に算入する合理性はない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21.11.13 東裁(法)平21-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210058ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成21年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件パチンコ器等は一般的に消耗性があると認識されるから、使用可能期間が1年未満の減価償却資産に該当する旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第133条に規定する「使用可能期間」とは、物理的・客観的な使用可能期間を指すものと解され、また、「使用可能期間が1年未満の減価償却資産の範囲」について定めた法人税基本通達7−1−12における「一般的に消耗性のもの」とは、法人税法施行令第133条に規定する「使用可能期間」の趣旨から物理的に消耗され使用できなくなるものをいうものと解されているところ、本件パチンコ器等は請求人の営む遊技場業において物理的に耐久性を持ったものであり、一般的に消耗性のものと認識されているとはいえないから、本件パチンコ器等は法人税法施行令第133条に規定する使用可能期間が1年未満の減価償却資産に該当しない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21.11.13 東裁(法)平21-58)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平210003
- 裁決年月日
- 平成21年11月11日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710059
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、平成19年12月期(以下「本件事業年度」という。)に未払金計上した前代表取締役に対する退職給与(以下「本件退職給与」という。)について、①本件退職給与の計算方法を記載した書類が平成20年1月以降に作成したと認められること、②本件退職給与の額を決議したという臨時株主総会の議事録が作成されていないため、その開催事実が確認できないこと、③本件退職給与に係る伝票入力は、翌事業年度において、本件事業年度に遡った日付で入力されていること及び④本件退職給与を支払うための原資がありながら本件事業年度ではなく翌事業年度に支払っていることから考えると、本件退職給与の額が具体的に確定したのは翌事業年度であり、本件事業年度の損金の額には算入できない旨主張する。しかしながら、①本件退職給与の計算方法を記載した書類の作成は本件事業年度であると認められること、②前代表取締役の妻で監査役の日記帳には、本件事業年度において株主3名全員が集まり本件退職給与の額を具体的に決めたことが記載されており、当該日記帳には高い信用性があることからすると、本件事業年度に臨時株主総会を開催し、本件退職給与を支払うことが決議されて確定したと認められること、③株主総会の議事録の作成の有無は、株主総会の決議の効力には影響しないと解されていること、④本件退職給与に係る伝票入力は、入力漏れによる一般的な経理処理と認められること及び⑤本件退職給与を支払う原資は翌事業年度まで担保に供されていたために支払が遅延していたと認められることからすれば、原処分庁の主張にはいずれも理由がなく、本件退職給与は、本件退職給与の額が具体的に確定した日を含む本件事業年度において損金の額に算入することが相当と認められる。よって、原処分はその全部を取り消すべきである。(平21.11.11 高裁(法・諸)平21-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210054
- 裁決年月日
- 平成21年11月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716066
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/6その他の手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件商品売買取引は、A国在住のB氏からの委託により行われたものであると主張する。しかしながら、①委託によるものであるとすれば、通常存在するはずの委託契約等に係る書類が何ら存在しないこと、②本件査察調査時に請求人の本社事務所等に保管されていた資料は、いずれも請求人が自ら本件商品等の販売をしていたことを窺わせるものであり、本件取引について、請求人がA国在住のB氏から委託を受けていたことを窺わせる客観的な資料が何ら発見されなかったこと、③本件支払手数料計上額が支払われた(入金された)A国在住のB名義口座は請求人が実質的に支配しており、これらの金員がA国のB氏の手に渡ったことを窺わせる資料もないこと、④請求人が査察調査着手後に提出した書類等の証拠価値が乏しいことからすれば、本件取引はA国在住のB氏からの委託によるものではなく請求人自身の取引であって、本件手数料計上額は、架空の費用に該当するというべきである。(平21.11. 9 東裁(法・諸)平21-54)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210001
- 裁決年月日
- 平成21年11月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・358ページ
要旨
○ 請求人は、その監査役である代表者の父及び義姉に対する役員報酬について、両監査役が監査役として就任し登記されている以上、報酬の支給が行われて当然であり、両監査役は、商法上の責任の対価としても報酬を受給する権利があるから、当該報酬の額は損金の額に算入されるべきであり、また、当該報酬を常務が費消していたのは、当該報酬の額の一部を代表者の妻である常務を通じて実際に両監査役に対して支給し、その残額を両監査役から代表者が借り受けていたものである旨主張する。しかしながら、監査役に対する報酬として請求人が支出した金員の全額について、常務は、現金で直接受領し、自己の預貯金口座に入金するなどして管理し、自らの支払に費消していたこと、本件金員は常務の意思により管理し自由に費消可能な状態にあったこと、代表者と両監査役との間に本件金員に関する金銭消費貸借の事実も認められず、両監査役が実際に監査業務に従事しておらず、常務が監査業務を行っていることなどの諸事情を併せ考慮すれば、本件金員が、常務に対して支給されたものであり、請求人から常務に対する報酬と認めるのが相当であり、また、本件金員を請求人が両監査役に対して支給したとしていたことは、常務に対する報酬を監査役に対する報酬に仮装して経理していたと認められる。よって、請求人の主張には理由がない。(平21.11. 6 仙裁(法・諸)平21-1)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210003
- 裁決年月日
- 平成21年10月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注費について、本件外注先が請求人の工事を請け負ったように仮装して計上したものではなく、取引実態がある旨主張する。しかしながら、①本件外注先の代表は、調査担当職員に対し、本件外注先が請求人に対し発行した請求書については、請求人の代表者からの依頼により作成し、その対価として請求書1回の作成につき5万円を得ていたものであり、本件各請求書に記載した工事の内容については、全く知らず、また、本件外注先名義預金についても請求人の代表者が管理していた旨申述していること、②本件各工事の現場は21か所であるところ、そのうち、当審判所において調査を行った14か所の現場の本件各元請先あるいは本件各発注者において保存されていた施工体制台帳等又は同写しには、いずれも本件外注先、本件外注先の代表及び本件下請先あるいは本件下請先の代表の記載がないこと、③上記14か所のうち5か所の施工体制台帳等又は同写しとともに保存されていた請求人が作成した請求人の従業員名簿にも、本件外注先の代表及び下請業者の代表の名前の記載がないこと、及び④3か所の本件各元請先の各現場代理人は、当審判所に対し、本件外注先、本件外注先の代表及び本件下請先あるいは本件下請先の代表なる名称あるいは名前を知らない旨答述していることからすると、請求人から本件外注先、本件外注先から本件下請先への外注の実態があったと認めることができず、請求人の本件外注費について、取引実態がある旨の主張については、信用できない。したがって、請求人は、本件外注先から役務の提供を受けていないにもかかわらず、具体的な役務の提供があったように経理処理を行い、架空の外注費を計上していたと判断せざるを得ない。(平21.10.30 福裁(法・諸)平21-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210034
- 裁決年月日
- 平成21年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人税基本通達9−6−2は、法律上債権が存在するにもかかわらず、事実上回収不能であることを理由として帳簿上これを貸倒処理することができる場合を規定したものであるが、これによれば、貸倒損失として計上できるのは、金銭債権が全額回収不能な場合で、かつ、その債権の全額を貸倒損失として計上した場合に限ると解され、これを本件にあてはめると、請求人が貸倒損失と計上した金額は、本件貸付金の一部であり、その全額を貸倒損失として計上していない。したがって、請求人の計上した本件貸倒損失の額を損金の額に算入することは認められない。(平21.10. 7 東裁(法)平21-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210035
- 裁決年月日
- 平成21年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連結子法人による他の連結子法人に対する貸付け(以下「本件貸付け」という。)に係る社内貸付利率について、この利率をグループ内では適用せざるを得ない必然性があり、また、その適用は一般に公正妥当と認められる企業会計の原則に合致する合理的な会計処理方法であり、課税標準を操作する意図をもって社内貸付利率の適用不適用を恣意的に行なった事実は一切なく、グループ全体の資金コストを総平均法により算出した合理的なものである旨、そして、本件貸付けについて、財務状態の悪い連結子法人の財務内容強化のため無利息貸付もやむをえないところ、寄附金の問題を生じさせないため、恣意性を排除する目的で社内貸付利率を適用したものであり、低利率で貸し付けたことについて相当の理由があるときに該当し、法人税法上の寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、本件貸付けは、銀行借入れを原資としたいわゆるひも付き貸付けであると認められるから、当該利率により算出された利息の額と社内貸付利率により算出された利息額との差額は、他の連結子法人に対する経済的な利益の無償供与として寄附金に該当する。よって、請求人の主張には理由がない。(平21.10. 7 東裁(法)平21-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210035
- 裁決年月日
- 平成21年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連結子法人Bが資金調達に係る成功報酬として支出した業務委託費について、当該業務委託費の負担は連結子法人Bの資金需要を充足するために締結されたものであり、全額連結子法人Bが負担すべきものである旨主張する。しかしながら、連結子法人Bが支出した本件業務委託費には、他の連結子法人Cの業務委託に係る部分も含まれていると認められるから、それぞれが使用した資金の割合であん分して負担するのが合理的であり、そのあん分額を超えて支出した金額は、他方の連結子法人に対する経済的な利益の供与として寄附金に該当する。(平21.10. 7 東裁(法)平21-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210014
- 裁決年月日
- 平成21年9月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716065
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/5不動産取引に係る手数料等(その他)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人がAに支払った手数料が、新規店舗出店に関する企画の提案に係る対価ではなく、出店が具体化するまでの一連の交渉等の業務の委託に係る対価であると認められるところ、本件事業年度終了の日において、Aはその出店に向けた交渉等を行っている最中であり、役務の提供が完了していないことから、本件事業年度の損金の額に算入することはできない旨主張する。しかしながら、Aは請求人に各企画提案書を引き渡し、その手数料を請求し、これにより、請求人が当該手数料を支払っているところ、現実に出店まで至らなかった物件についても各企画提案書を引き渡し後に支払われており、また、出店まで至った物件については、別途手数料が支払われていることなどからすると、請求人がAに委託した業務は、地主との概括交渉等をし、地主から出店について一応の内諾を得た後、各企画提案書の提出までであると認められ、当該手数料は本件事業年度の損金の額に算入できることから、取り消すのが相当である。(平21. 9.16 関裁(法・諸)平21-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210015ほか 6件
- 裁決年月日
- 平成21年9月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件各中古台の売買は請求人にもAにも利益をもたらす合理的な取引であり、かつ、請求人とAとの合意に基づく取引であること、及び、②本件各中古台の所有権・占有権・処分権は、いずれもAに移転していることなどから、本件各中古台は請求人からAに売却されており、請求人の減価償却資産ではない旨主張する。しかしながら、本件各中古台をどの店舗に再設置するのか、どの店舗で再利用するのかは請求人グループの本部が決定しており、なかには取り外し前から再設置等の予定が決定されていることからすれば、本件各中古台の処分権限は本部にあり、請求人グループ各社の本部機能を担っている請求人が処分権限を有していると認められ、さらに、本件各中古台に関する代金の決済状況についてみれば、本件各中古台が①本件各店舗で再設置された場合には、Aにおいて損益が発生せず、②本件各店舗で下取り等に供された場合には、Aは引取り及び引渡しいずれにおいても代金の授受をせず、これらの行為を無償で行っていることになり、③Aがグループ各社から引き取った本件各中古台につき、第三者に引き渡すか廃棄するかという引き取り後の事情によって、売買代金が支払われるか否かが決定されることからすれば、Aに引き渡された段階で、Aに売却されてAの所有物となったとはいえない。よって、本件中古台はAが取り外した段階ではいまだ請求人の減価償却資産であるというべきである。また、請求人は①本件中古台は法人税基本通達7-1-12に定める少額減価償却資産に当たり、②本件中古台を本件各店舗から取り外したことは法人税基本通達7-7-2に定める有姿除却したことに当たる旨主張するが、本件中古台は使用可能期間が1年未満の減価償却資産ではなく、事業年度終了の日以降、本件各店舗に再設置するなどにより事業の用に供する可能性があることからいずれのその前提を欠く主張であり採用することはできない。(平21. 9.16 関裁(法)平21-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210013
- 裁決年月日
- 平成21年9月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Sに対する外注費は架空に計上したものではない旨主張する。しかしながら、請求人は、架空の領収証を作成するなどして請求人の一部署であるM支店を、Sという請求人から独立した事業体であると見せかけるよう工作したと認めるのが相当であり、そのうえで、外注費を支払ったとして総勘定元帳に計上したのであるから、これらの行為は仮装というべきであり、外注費は架空に計上されたものと認められる。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平21. 9. 8 大裁(法・諸)平21-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210008
- 裁決年月日
- 平成21年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、鍵の予備在庫である期末棚卸商品の金額について、予備在庫一覧表(以下「本件予備在庫一覧表」という。)に記載された金額は誤りであり、請求人が改めて記憶などを基に再計算した金額が正当である旨主張する。しかしながら、本件予備在庫一覧表は、更正の請求時に請求人から鍵の予備在庫の基礎資料として提出されたものであること、請求人は、工事物件ごとに必要な個数に加えて予備在庫を仕入れていること、請求人の答述によれば、請求人が予備在庫をパソコンで管理していたと認められること、請求人の主張も曖昧で本件予備在庫一覧表の金額に誤りがあると認めるにたるものではないこと等からすれば、当該予備在庫一覧表の個数、金額等を不相当とする合理的な理由もなく、当該金額は正当な在庫金額を表したものと認めることができ、また、請求人の主張を裏付ける証拠資料の提出もないことから、請求人の主張には理由がない。さらに、請求人は、商品の一部分については不要であったため、注文しないか又はこの部分は廃棄したから、その部分を除いて期末棚卸商品の金額を算定すべきとも主張するが、当該商品の発注を止めたのは本件事業年度以降であること、廃棄の事実を確認する証拠資料もないことから、この点についても請求人の主張には理由がない。(平21. 8.24 東裁(法・諸)平21-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210010
- 裁決年月日
- 平成21年8月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/2無償譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が子会社からの仕入れの額を値増し又は単価の増額変更により増額したことは、覚書に基づく価格変更によるものとは認められないこと、利益調整を目的として行われた利益の移転であることから寄附金に該当する旨主張する。しかしながら、法人税法第37条の寄附金とは、その名義にかかわらず、金銭その他の資産又は経済的利益の贈与又は無償の供与のことであり、法人の事業に関連するか否かを問わず、法人が行う対価性のない支出であり、また、法人税法は、個々の法人を課税主体として、それぞれの担税力に応じて課税を行うこととしており、たとえ親子会社のような同一企業グループを構成している場合であっても、寄附金に該当するか否かの判断については、独立した経済主体である法人ごとにその経済的実質に基づいて行われるべきものであると解されるところ、請求人は、同一企業グループを構成する各社との間の本件仕入れ値増し等に係る金額を部材の購入に係る対価として仕入金額に計上し支出したものであるが、部材の価格決定方法及び価格自体がいずれも合理的であり、本件仕入れ値増し等に係る金額も対価の一部として合理的なものと認められること、並びに、本件仕入れ値増し等の理由が取引価格の変更あるいは修正であることから、同金額は寄附金には該当しない。(平21. 8.21 大裁(法)平21-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210003
- 裁決年月日
- 平成21年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 魚介類等の輸入販売を行う請求人は、H国に所在する各取引先に対して、仕入代金とは別に検品作業等に係る各費用を支払うのだから、当該各費用は、請求人の所得金額の計算上、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が当該各取引先から役務の提供等を受けた事実を認めることができないことに加えて、請求人が当該各取引先に対して役務提供等の対価を支払った事実も認められないことから、当該各費用はいずれも実体のない架空の費用と認めるのが相当であるので、当該各費用は本件各事業年度の所得金額の計算上いずれも損金の額に算入されない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21. 7. 9 東裁(法・諸)平21-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210004
- 裁決年月日
- 平成21年7月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A団体から請け負った産業廃棄物の撤去作業に係る対価を本件事業年度の益金の額に算入しなければならないのであれば、この収益に対応する売上原価として適正に見積もった金額を本件事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張するところ、原処分調査において、請求人が具体的な主張をせず、関係資料も提示しなかったことが認められるものの、撤去費用の一部については請求人において負担すべきものと認められ、当該廃棄物は、いったん搬出した借地から再分別して最終処分場等に再搬出する必要があると認められることから、未計上の撤去費用並びに今後行う分別及び運搬作業に係る費用の見積額については、いずれも当該収益に対応する原価の性質を有する費用であり、その金額の計算に不合理な点のない範囲では、本件事業年度の損金の額に算入すべきである。(平21. 7. 8 関裁(法・諸)平21-4)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200024
- 裁決年月日
- 平成21年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件役員給与を過大とする原処分は、①適正な役員給与額を算定するに当たり、役員及び使用人に対する給与を基準としてその伸び率を実質基準の判断要素としているが、これらの、伸び率を実質基準の判断要素とすることは不当である、②役員給与につき、請求人の売上高、売上総利益及び使用人に対する給与の伸び率に比して役員給与の伸び率が極めて高いとしているが、「営業利益」と、役員給与の伸び率を比較する方が合理的である、③類似法人の代表取締役に対する役員給与の最高支給額を実質基準の金額として採用しているが、ただ単に類似法人の最高支給額を採用することは違法である旨主張する。しかしながら、営業利益が収益力を現すものであるとしても、本件においては、必ずしも営業利益が適正役員給与額を判断する際に適した基準とはいえず、実質基準の判断要素として営業利益の伸び率を判断基準とすべきであるとの請求人の主張は採用できない。また、法人税法施行令第70条第1号に規定される過大役員給与の一つの判断要素をもって検討したことを違法であるといえないことはもとより、本件類似法人の平均役員給与額を採用して過大役員給与額を算出することも可能であったところ、請求人に有利となる本件類似法人の役員給与最高額をもって判断しており、これをもって違法であるということは到底いえず、ただ単に本件類似法人の最高額を採用することは違法であるとの請求人の主張は理由がない。(平21. 6.29 高裁(法)平20-24)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200024
- 裁決年月日
- 平成21年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/2従業員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員に対して支払ったとする賞与について、賞与の支払通知時にその支給義務が確定していることから損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、償却費を除く販売費及び一般管理費その他の費用を当該事業年度の損金の額に算入するためには、当該事業年度終了の日までにその債務が確定しているものであることが要件となるが、ここにいう、当該事業年度終了の日までに債務が確定しているものとは、当該事業年度終了の日までに、①当該費用にかかる債務が成立していること、②当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること、③当該債務の金額を合理的に算定することができるものであることの各要因のすべてを充足する場合をいうと解されるところ、本件賞与については、事業年度終了の日までには「債務が確定しているもの」の各要因のいずれも満たしておらず、損金の額に算入することはできない。(平21. 6.24 福裁(法)平20-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200072
- 裁決年月日
- 平成21年6月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人及び請求人と同一の名称の関係法人A1社(以下、両者を併せて「A社ら」という。)は、A社らの役員乙が代表者である屋号X社(個人)及び法人X社(法人)(以下、両者を併せて「X社」という。)に対して支払っていたコンサルティング料は、①X社の代表者乙が、A社らのために労働者派遣事業の推進というコンサルティング業務を行っていたものであるから金銭の贈与ではなく、本件各コンサルティング料はコンサルティング契約に基づく役務の提供の対価である旨、また、②仮に屋号X社に対するコンサルティング料が乙の給与とされたとしても、定期同額で支給されていることから、役員賞与に該当することはない旨主張する。しかしながら、コンサルティングに係る役務の提供等に係る書面は作成されておらず、単に「販売手数料」又は「コンサルティング料」としか記載されていない請求書が存在するのみで、コンサルティング契約の存在をうかがわせる具体的な提供役務の内容を記載した資料もないことからすると、A社らとX社との間にコンサルティングに係る役務の提供に関する契約があったと認められず、また、A社らの代表者甲が甲と乙の間でA社らの労働者派遣事業の利益の取り分をコンサルティングという形で分配していたと申述していることを総合してみると、乙が請求人における職務とは別にコンサルティングに係る役務の提供を行っていたとみることはできないので、本件コンサルティング料は、A社らとX社とのコンサルティング契約に基づく役務の提供の対価と認めることはできず、対価性のない支払と認められる。そうすると、本件コンサルティング料の支払のうち、屋号X社に対するものはA社らが乙に対して支払った損金の額に算入されない役員賞与と認めるのが相当であり、法人X社に対するものは対価性のない支払であり金銭の贈与と認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21. 6.22 名裁(法・諸)平20-72)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200072
- 裁決年月日
- 平成21年6月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の役員の申述は、原処分に係る調査を担当した職員によって、原処分庁にとり都合のよい内容を半ば強制的に署名等させられたものであり、甲2、甲3、甲4及び乙2(以下「甲2ら」という。)が請求人の役員として従事した事実はあるから、その役員報酬として計上した額は適正である旨主張する。しかしながら、請求人の代表者甲1、甲3、甲4及び乙2の各申述は、請求人の役員としての勤務事実がないという主要な点で共通性が認められ、各申述書への署名、押印にも本件調査担当職員による強制を疑わせるような様子はうかがわれず、内容的にも不自然な点はないことから信用することができ、これらの申述からすると、甲2、甲4及び乙2は、請求人において役員報酬が支払われた平成14年7月1日から平成16年2月29日までの間は請求人の役員の職務に従事した事実は認められず、また、甲3についても、平成15年2月28日から平成16年2月29日までの間は、請求人の役員の職務に従事した事実は認められない。そして、請求人が甲2らの役員報酬として計上した額のうち、一部の額は、いずれも同人らの役員就任前の期間に対応するものであり、かつ、甲2らの請求人の役員就任前に請求人と同人らとの間で雇用契約が締結されていた事実がうかがわれる資料もないことから、請求人が支払うべき債務がないのに支払ったこととして計上していた架空の役員報酬であると認められ、また、それぞれの期間における甲2らの請求人の役員としての役務提供の対価の適正額は零円と認定することが相当であるから、請求人が甲2らに対する役員報酬として計上した上記各期間に係る金額は、いずれも不相当に高額な部分の金額に該当することとなる。そうすると、請求人が甲2らに対する役員報酬として計上した額は、いずれも請求人の役員として従事した事実に基づく適正な額とはいえず、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平21. 6.22 名裁(法・諸)平20-72)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200028
- 裁決年月日
- 平成21年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件業務委託契約は、本件施設の存続に主体を置いた内容のものである旨、また、本件の金員の額は、社長同士の合意が得られた合理的な金額であり、その支払には対価性がある旨主張する。しかしながら、①請求人は、設立1期目から資金的に困窮し経営困難な事態に陥った関連会社を救済するために本件業務委託契約を締結したと認められること、②本件施設の実質的な経営は関連会社により行われていると認められること、③本件業務委託料の額については、具体的な算出根拠は不明であることから、経済合理性は認められないこと、④関連会社は少なくとも本件施設から生じる収入に係る部分については、自己の計算においてなすものとして本件施設に係る運営管理等の業務を行っていたものと認められることからすると、関連会社が行った本件施設に係る業務は、本件業務委託契約に基づいて請求人に対し提供されたのではなく、関連会社自身の営業活動として行われたとみるのが相当である。以上の事実を総合すると、請求人は、関連会社の救済策として、本件施設の経営上生じる不足資金の贈与を行うこととし、この資金贈与を合法化するために、形式的に本件経営権移譲契約及び本件業務委託契約を締結したものと認めるのが相当である。そうすると、法人が行う支出が法人税法第37条の寄附金に該当するものか否かの判断は、対価性のない支出であれば、同条第7項の括弧書のものに該当しない限り、法人の事業に関連するか否かを問わず、寄附性を有すると解されるところ、請求人が関連会社に対して支払った本件金員は、関連会社から提供された役務に対する対価ではなく、経営状態の悪かった関連会社に対する本件施設の経営資金の贈与と認められることから、本件金員の支出は法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当すると認めるのが相当である。(平21. 6.17 熊裁(法・諸)平20-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200200
- 裁決年月日
- 平成21年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、K社からリース会社に買取条件付で売却された本件各物件について、本件各リース契約によりリース会社から請求人に賃貸されているが、請求人とK社との間で口頭の売買の合意が存しており、買取りの約定金額(残価)を支払う義務が生じることから、この残価を加算してフルペイアウトの要件を判定すべきであり、フルペイアウトの要件を満たしているから税務上売買とされる「リース取引」に該当する旨主張する。しかしながら、本件各リース契約は、当該契約で定められた本件各物件のリース料総額の取得価額に占める割合は、いずれも法人税基本通達12の5−1−2に定める100分の90以上の基準に該当していないところ、請求人が本件各リース契約締結時において、実質的に残価を負担することが確定していた事実を認めるに足りる証拠もないから、本件各リース契約に係る取引は、経済的実質からみても、フルペイアウトの要件を満たしているとは認められない。また、フルペイアウトの要件の判定に当たり、法人税基本通達12の5−1−3(1)を適用し、リース料の総額に残価を加算して判断すべき理由もないからフルペイアウトの要件を満たしているものと取り扱う特段の理由は認められない。以上のことから、本件各リース契約に係る取引は、法人税法施行令第136条の3第3項に規定する税務上の「リース取引」に該当しないというべきである。(平21. 6.15 東裁(法・諸)平20-200)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平200023
- 裁決年月日
- 平成21年6月12日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710043
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/3債権放棄、債務免除等に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人がその役員に対する貸付金債権を放棄して損金に算入した額は、役員Cに対する賞与であり、損金の額に算入されないとして更正処分等を行ったのに対し、借主の名義は形式的なものにすぎず、その実質は請求人からB組合に対する貸付けであり、この借入債務を相続により前代表者から承継した役員Cも請求人に対して実質的な返済義務を負担していないから、本件債権放棄は当該役員Cに対して給与を支給したと同様の経済的効果も認められない旨主張し、原処分庁は、請求人と前代表者の金銭消費貸借契約及び前代表者とB組合の金銭消費貸借契約は有効に成立しており、本件債権放棄により、本来、請求人の役員Cが請求人に対して借入債務を返還すべき義務を消滅させることになるから、役員Cに対し臨時的な給与を支給したと同様の経済的な利益をもたらしている旨主張する。この点については、請求人と前代表者、前代表者とB組合の間で作成された各金銭消費貸借契約証書が真正に成立したことについて争いはなく、B組合においても前代表取締役からの借入金と認識していることから、当該各金銭消費貸借契約証書のとおりの金の貸し借りがあったと認めることが相当であり、この点に関する請求人の主張は採用できない。しかしながら、本件債権放棄は、放棄する旨の意思表示が当該役員に対してされていないと認められることからすると、本件債権放棄の効果はいまだ生じていないと認めるのが相当であり、役員に対する経済的な利益の供与は認められず、原処分庁の主張は採用できない。(平21. 6.12 仙裁(法・諸)平20-23)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200079
- 裁決年月日
- 平成21年6月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件施設リース取引は、リース取引の要件を充足しないため、売買とされるリース取引に当たらないほか、仮に、当たるとしても、本件施設は、一体として機能する一つの減価償却資産で、耐用年数省令第2条第2号に規定する「ばい煙処理装置」に該当するから、法人税基本通達12の5—2—5により、売買とされるリース取引に当たらない旨主張する。しかしながら、売買とされるリース取引であるか否かについて判断されるリース取引の単位は、一のリース契約で複数のリース資産が記載され、それぞれのリース資産について個別にリース期間及びリース料が定められている場合は、それぞれのリース資産を一つの取引単位として判断すべきであり、また、一つのリース資産が施設等として個々の機械装置等から構成されており、当該リース資産である施設等を構成する個々の機械装置等についてそれぞれ個別にリース期間もリース料も区分して定められておらず、一つのリース資産である施設等として定められている場合には、当該施設等を一つの取引単位として判断すべきと解される。本件施設リース契約においては、本件施設全体を一つのリース資産として定めているものと認められ、再び他に賃貸又は譲渡することは困難であるというべきであるから、本件施設は、法人税法施行令第136条の3第1項第3号に規定する「その使用可能期間中当該賃借人によってのみ使用されると見込まれるもの」に該当しリース取引に該当する。なお、法人税基本通達12の5−2−5は、機械装置等を対象とするリース取引で、実務上、個々の機械装置等についてその汎用性の有無を厳密に判定することが困難な場合も少なくないことから、そのような場合について形式基準を定め専用機械装置等に該当しないものとして取り扱うことができる旨を定めたものにすぎず、本件施設リース取引のように、賃借人によってのみ使用されることが明らかである場合には、同通達の定めにかかわらず、法人税法施行令第136条の3第1項第3号の要件を満たすというべきである。したがって、本件施設リース取引は、売買とされるリース取引であると認められる。(平21. 6. 9 大裁(法)平20-79)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200079
- 裁決年月日
- 平成21年6月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件改修工事は、特にばい煙処理を行う装置を付加するために行われたものであり、各装置は、一体として廃棄物を減容しながら、ばい煙処理を行う機械装置であると主張する。しかしながら、ばい煙処理の用に供されている減価償却資産に係る償却期間の規定は、一般的な費用の期間配分の方法の例外として、政策目的のために定められた特別措置であるから、規定の文言を拡大解釈することは相当でない。そして、ある資産がばい煙処理の用に供されている減価償却資産に該当するかどうかは、個別の資産ごとに検討すべきであり、そのうえで、ばい煙を公害の生ずるおそれのない状態で排出するため特に設けられた構築物並びに機械及び装置と認められるものについてのみ適用があるものと解すべきであり、ばい煙処理と直接関係がない資産にまで拡大して適用することはできないと解される。耐用年数省令第2条第2号が、ばい煙処理を、ばい煙の「重力沈降、慣性分離、遠心分離、ろ過、洗浄、電気捕集、音波凝集、吸収、中和、吸着又は拡散の方法その他これらに類する方法による処理」と具体的に定義付けているところ、これらで挙示されている処理の方法は、中和以外については、いずれも既に発生したばい煙を物理的に除去するものであり、また、中和についても、既に発生したばい煙に当たる物質を、酸と塩基の反応によって中性の塩に化学的性質を転換させるものである。そうすると、ばい煙の発生自体を抑制するなど、上記列挙された方法以外の手段でばい煙の排出対策を行うことは、同号が適用を予定しないところであり、その効果がいかに大きいものであっても、同号にいう「ばい煙の処理」に該当しないと解される。本件改修工事における○○ノズルは、ばい煙の発生自体を抑制するものであったとしても、既に発生したばい煙を物理的に除去するものではないことから、ばい煙処理装置ではないため、ばい煙処理の用に供されている機械装置等に該当しない。(平21. 6. 9 大裁(法)平20-79)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200017
- 裁決年月日
- 平成21年6月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702026
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/6部分譲渡等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件各土地の譲渡は、借地権部分を請求人に留保した底地部分の譲渡と認められることから、本件各土地の譲渡に伴い発生する損失の額は、本件各土地の譲渡の対価の額から本件帳簿価額に底地割合である50%を乗じた金額を差し引いた金額となる旨主張する。しかしながら、借地借家法第2条《定義》第1号の規定によれば、借地権は、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権であり、土地所有者との間の地上権設定契約、あるいは、土地の賃貸借契約により設定され、また、同法第15条《自己借地権》第1項の規定によれば、自己借地権は原則として認められないことから、土地とその土地を敷地とする建物を所有する者は、自己が所有する土地には借地権を設定することができないこととなり、同者が土地のみを売却した場合には、いったん利用制限のない土地を相手方に譲渡し、その譲渡後に締結された土地の賃貸借契約により借地権が設定されると解するのが相当である。そうすると、請求人が本件各土地に係る借地権部分を留保して底地部分のみを譲渡したと解することはできず、本件各土地は更地として代表者に譲渡されたと認められることから、本件各土地の譲渡に伴い発生する損失の額の算定においては、本件譲渡対価の額から本件帳簿価額を差し引くことが相当であり、原処分庁の主張は採用できない。(平21. 6. 3 福裁(法)平20-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200183
- 裁決年月日
- 平成21年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710047
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/7使用人兼務役員に対する賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各取締役の使用人兼務役員の判定に当たっては、本件各取締役は請求人の経営に参画しておらず経営方針等の決定事項の諾否等に実質的に関与していないなどの事情を考慮すべきである旨主張するが、請求人は同族会社であるところ、本件各取締役は、請求人の取締役として登記されており、いずれも法人税法第2条第15号に規定する役員に当たり、また、法人税法施行令第71条第4号に規定する本件各取締役の属する株主グループは、いずれもその持株割合が3分の1で請求人の第1順位の株主グループとなり、かつ、本件各取締役の属する株主グループの持株割合においても、本件各取締役の持株割合においても、いずれも3分の1であることから、同号に規定する要件のすべてを満たす者に該当し、法人税法第35条第5項に規定する使用人兼務役員に該当しない。法人税法が、法人における持株割合及び株主間の関係に基づき同族会社を規定し、法的地位及び持株割合に基づき役員の範囲を規定している以上、本件各取締役が実質的に経営に参画していたか否かを問わず、請求人の使用人兼務役員に該当しないことから、原処分は適法である。(平21. 6. 1 東裁(法)平20-183)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平200025
- 裁決年月日
- 平成21年5月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706062
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/2借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が所有していた立体駐車場の除却に伴い特別損失とした無形固定資産(立体駐車場の取得時に支払った立退料)の額について、請求人は、当該立退料は、立体駐車場から車両を撤収する代償として立退料の名目でB社に支払ったものであり、立体駐車場の取得に係る支出であるから、当該土地の帳簿価額に加算すべきものではない旨主張する。しかしながら、当該立退料は、借地権相当額として決定された経緯が存することなどからすれば、建物の所有を目的とする賃貸借契約が解約されたことにより、当該土地は、請求人に返還され、当該土地に係る借地権は消滅し、それらの対価として本件立退料が支払われたと認めるのが相当である。そして、借地権が設定されたことにより減少していた当該土地の価額は、借地権が消滅したことにより増加したと認められるから、土地の取得価額を構成する支出であると認められる。したがって、本件立退料は、本件土地の帳簿価額に加算すべきである。(平21. 5.27 広裁(法・諸)平20-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200181
- 裁決年月日
- 平成21年5月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・161ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人がM国船籍の船舶を所有するM国法人3社と締結した契約(以下、M国船籍の船舶を「本件各船舶」、M国法人3社を「本件各M国法人」、これらの契約を「本件各契約」という。)は裸傭船契約であるから、本件各船舶に係る減価償却費は計上することはできないとして行った法人税の更正処分等(以下「本件更正処分等」という。)について、本件各契約は、裸傭船契約の書式を使用しているが、同時に船舶の買取りの権利・義務に関する覚書を締結することによる所有権留保付割賦売買契約に基づき請求人が本件各M国法人から本件各契締結約時に本件各船舶を取得したものであり、本件各船舶の取得価額を基に算定された減価償却費は損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件各契約は、裸傭船契約書の書式を用いて行われており、その記載内容を読む限り、裸傭船契約(船舶賃貸借契約)であると解するのが自然である。そして、請求人にとっては、本件各船舶を自ら所有して、日本船籍の船舶として使用するよりも、本件各M国法人が所有するM国船籍の船舶を借りて使用する方が、経済的にメリットがあることからすれば、請求人が、売買契約ではなく裸傭船契約の法形式を選択することには合理性がある。さらに、請求人は、裸傭船契約であることを前提とした経理処理を行っているから、請求人自身、本件各契約を、所有権留保付割賦売買契約ではなく、裸傭船契約であると認識していたといえ、また、本件各M国法人も、その経理処理からすれば、本件各契約を裸傭船契約と認識していたといえる。以上によれば、本件各契約は、所有権留保付割賦売買契約ではなく、裸傭船契約(船舶賃貸借契約)であると認められる。そうすると、請求人が本件各契約締結時に本件各船舶を取得した事実はないため、原処分庁が行った本件更正処分等は適法である。(平21. 5.27 東裁(法・諸)平20-181)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200168
- 裁決年月日
- 平成21年4月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人がロイヤリティ料率を遡及改定して親会社に支払ったロイヤリティの改定差額は、相当の理由は認められないから損金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、ロイヤリティ料率の遡及改定は、請求人と親会社との間で相応の交渉・検討を行って修正合意に至ったものであり、これを不相当とする理由はない。したがって、当該修正合意の成立の日をもって、請求人に遡及改定分に係るロイヤリティの支払債務が確定したものと認められるから、改定差額は当該成立の日の属する事業年度の損金の額に算入するのが相当である。(平21. 4.22 東裁(法)平20-168)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200156
- 裁決年月日
- 平成21年4月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/2仲介手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、マンション販売に係る本件支払手数料について、当初、仲介人に貸し付けたものであるが、まるで返済する意思もないことから支払手数料として経費計上したものである旨主張する。しかしながら、仲介人が生活費等が不足していたため請求人から借りて現在も返済していない旨申述していることなどから、仲介人に対する貸付金を支払手数料に仮装して計上していたことが認められる。したがって、本件支払手数料は損金として認められないとした原処分は相当である。(平21. 4. 8 東裁(法・諸)平20-156)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200156
- 裁決年月日
- 平成21年4月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/5修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件修繕費については、販売物件に対するオプションとして購入した家電製品等であり、代表者宅の家電製品の購入代金ではない旨主張するが、当該購入した家電製品等は代表者宅に配送されていること、修繕を行ったとする物件の売却後に本件修繕費に計上した家電製品が購入されていることから、請求人の代表者宅の家電製品の購入代金を修繕費として架空に計上していたものと認められる。したがって、本件修繕費は損金として認められないとした原処分は相当である。(平21. 4. 8 東裁(法・諸)平20-156)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200046
- 裁決年月日
- 平成21年4月3日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、○○等の小売業を営む関連法人に対し支出した広告宣伝費用の負担金について、請求人の広告宣伝が医療法により制限されていることから、関連法人と提携して広告宣伝を行い、その費用を一定の配分基準に従って請求人が負担したものであるから、請求人の広告宣伝費である旨主張する。しかしながら、当該広告宣伝は請求人に対して直接の役務提供があったとは認められず、近隣に請求人の診療所が設置されていない関連法人の小売店舗の広告宣伝費も負担の対象としていることからすると配分基準も合理的なものとは認められないため、当該負担金は関連法人に対して直接の対価のない支払をしたものであり、関連法人に対する金銭の贈与に該当することから、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。(平21. 4. 3 関裁(法・諸)平20-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200149
- 裁決年月日
- 平成21年4月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・281ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人がその外国子会社P社に対して増資した事業年度の終了時においてP社の資産状態が著しく悪化したためにその価額が著しく低下したとして損金の額に算入したP社株式の評価損(以下、この増資を「本件増資」いい、損金算入した株式評価損を「本件評価損」といい、これらを行った事業年度を「本件事業年度」という。)についてP社は業績等の回復の見込みあるから損金算入できないとして行った法人税の更正処分等に対し、①P社株式の価額の回復可能性の判断は翌事業年度の増資払込みを含めて行うべきではないこと、②本件増資は実質的には「つなぎ資金の貸付け」であり、本件増資にはP社の業績回復に直結する経済効果はないことから、P社株式の価額には回復が見込まれず、本件評価損の損金算入は認められるべきである旨主張する。しかしながら、P社株式の価額の回復可能性の判断は、本件事業年度終了の時までの株式発行法人の業況等や既に行われた事実のみで判断するのではなく、既に具体的に実行することが決定されている事業計画等がある場合には、これについても含めて判断するのが相当であり、本件においては、本件事業年度中に、請求人の取締役会において外国事業の経営改善計画として本件事業年度及び翌事業年度にA社に追加出資を行うことが決定されていること等からすれば、当該外国事業の経営改善計画も含めて判断することが相当である。そうすると、当該経営改善計画を実施すれば、P社は単年度ベースで利益が生じ、その資産状態が改善される方向にあったことが認められる。よって、本件事業年度終了の時において、P社の株式の価額の回復が見込まれないとはいえないから、請求人の主張は採用できない。(平21. 4. 2 東裁(法)平20-149)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200147
- 裁決年月日
- 平成21年3月23日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、A社に対するMBO(経営者による企業買収)のためのTOB(株式公開買付け)に係る資金調達(以下「本件投資」という。)について、B社との間で締結したフィナンシャル・アドバイザリー契約(以下「本件契約」という。)に基づいて受け取った報酬は、請求人が本件契約の当事者として行った役務提供の対価であり、その全額が請求人に帰属するのであるから、請求人がこれを本件組合の収入としてその出資割合に応じて請求人の親会社に分配した金額(以下「本件金員」という。)は、何らの理由もなく請求人が親会社に支払ったのであるから、寄附金に該当する旨主張する。しかしながら、本件金員は、請求人がB社に対して行った本件投資に係る早期意向表明の前提として、請求人の親会社が請求人に与えた内諾の対価として請求人から親会社に支払われたとみるのが相当であるから、原処分庁の主張には理由がなく、したがって、本件金員を、請求人から親会社に対する贈与として寄附金に該当すると認定してなされた本件各更正処分はいずれも取り消すべきである。(平21. 3.23 東裁(法・諸)平20-147)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200134
- 裁決年月日
- 平成21年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法第35条の特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入(以下、この損金不算入の制度を「本件損金不算入制度」という。)の計算において、当該事業年度に業務主宰役員に異動があった場合には、基準期間に含まれる各事業年度(以下「基準期間内各事業年度」という。)の所得の金額に加算する業務主宰役員給与額は、当該事業年度の期末業務主宰役員である現代表者が、基準期間内各事業年度において業務主宰役員であった期間に支給された給与額であると解すべきであるから、当該基準期間内事業年度の業務主宰役員給与額は零円であり、これに基づき基準所得金額を計算すると適用除外の要件に該当し、本件損金不算入制度は適用されない旨主張する。しかしながら、基準所得金額の計算上、基準期間内各事業年度の所得の金額に加算する業務主宰役員給与額は、法人税法施行令第72条の2第5項及び第11項によると、基準期間内各事業年度の各事業年度ごとにその年度の業務主宰役員に対して支給される給与額であり、請求人の基準期間内各事業年度の業務主宰役員は、いずれも前代表者であり、前代表者に対して支給された給与額が加算されることとなる。この結果、請求人には本件損金不算入制度が適用されることから、原処分庁がした本件更正処分及び本件賦課決定処分は適法である。(平21. 2.25 東裁(法)平20-134)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平200003
- 裁決年月日
- 平成21年2月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、平成16年6月期に本件営業権の譲渡代金名目で支払った本件金員は、昭和48年の請求人設立当時の貸借対照表に本件営業権の計上がないほか、本件営業権の対価の額や支払時期が不明確であったことからすると、本件営業権は請求人設立時に存在しなかったか、あるいは無償で取得したと認めざるを得ないから、本件営業権の対価として支払った本件金員は役員賞与及び寄附金に該当する旨、また、昭和48年当時に取得した本件営業権を平成16年6月期に計上することは、一般に公正妥当と認められる会計処理基準から認められず、単なる資金繰りの都合で自由にその計上を認めることになれば利益調整にもつながることから認められない旨主張する。しかしながら、①LPガス販売業界に営業権取引の慣行があること、②請求人は、本件各権利者が有していた顧客を引き継いだものと認められ、本件営業権の取引対価は相当多額になると見込まれたこと、③株主には本件各権利者以外の者もいることから利益配当及び役員報酬も本件営業権を反映したものとはなっていないこと、④請求人は一貫して本件営業権を買い取る約束をした旨を主張し、利害関係のない役員もこれに即した答述をしていることからすれば、本件営業権の有償譲渡が合意されたことは一応推認することができる。また、本件金員が本件営業権の対価の支払であることを否定するためには、請求人設立時に本件営業権の対価が授受されていない事実を主張立証するだけでは足りず、支払を猶予する合意が存しないこと、更に本件金員が本件営業権の譲渡対価以外の理由で支払われたことを主張立証する必要があるが、原処分庁からはこれを認めるに足る主張立証はなされていない。以上によれば、本件金員は、請求人設立時に請求人が本件各権利者に対して負っていた本件営業権に係る債務を平成15年に具現化したものと推認せざるを得ない。なお、原処分庁は本件営業権の計上を認めれば利益調整にもつながると主張するが、当事者間では本件営業権の譲渡対価として合意した取引で、請求人においてはその支払のために金融機関から借入れまで行っており、他に利益調整のために行ったと認めるに足りる証拠は存しない。(平21. 2.20 沖裁(法・諸)平20-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200127
- 裁決年月日
- 平成21年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社に過去に譲渡した土地・建物(以下「本件土地等」という。)を再取得するにあたり、本件土地等の代金とは別に損失補てん金名目で関係会社に支払った金員(以下「本件金員」という。)は、過去の譲渡の2年後に交わした本件土地等を簿価相当額で請求人が買い戻す旨の合意書により義務付けられた支払いであるから、寄附金には当たらない旨主張する。しかしながら、過去の譲渡における契約書には買戻し特約や譲渡担保に関する特記事項の記載はなく、買戻し特約の登記もないから、請求人が関係会社から不動産を担保に借り入れたと認めるに足る事実はなく、また、本件土地等の再取得についても、契約の締結、売買代金の支払い、所有権の移転の状況から売買取引として有効に成立し、本件土地等が関係会社から請求人に譲渡されたと認められるから、本件金員は、本件土地等の対価とは認められず、関係会社が被る譲渡損失を請求人が負担したにすぎないから、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。なお、本件金員の支払いが合意書に基づく支払いであったとしても、本件土地等の時価との差額を請求人が損失補てん金の名目で供与したものにすぎず、何ら対価性のある支払に当たるとはみることはできないから、請求人のこの点に係る主張は採用できない。(平21. 2.20 東裁(法)平20-127)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200112
- 裁決年月日
- 平成21年1月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712072
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/2寄附金と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、子会社へ出向した従業員の給与等に関して、子会社から回収する給与負担額の回収割合で全額回収する部署があること等の理由から、全額を回収していない部署の出向者に対する請求人の給与負担額(以下「本件給与負担額」という。)は寄附金に当たるとして原処分を行ったところ、請求人は、本件給与負担額を負担することには経済的・法的合理性等があることから、本件給与負担額は寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、法人の使用人が他の法人に出向した場合において、その出向者は、たとえ出向元法人との間の雇用関係が維持されていたとしても、その労務を出向先法人に対して提供するのであるから、これに対する対価である給与等は、原則として出向先法人が負担すべきものであり、本件における出向社員の子会社での勤務は、請求人への労務提供を包含しているものではなく、その労務提供の反対給付として請求人に特別な経済的利益を与えているとも認められないところ、請求人が本件出向社員の給与等を負担することについて、比較対象となるプロパー社員が存在しないことから給与条件等の較差の補てんとは認めることはできず、また、請求人が主張するその他の理由についても、合理性は認められない。したがって、請求人には本件給与負担額を負担する合理的理由があるとは認められないことから、本件給与負担額については、請求人が当該子会社に対して、金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与をしたものということになり、その負担した金額を法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当するとした原処分は適法である。(平21. 1.15 東裁(法・諸)平20-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200112
- 裁決年月日
- 平成21年1月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/2架空でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が子会社に外注した工事(以下、原処分庁が外注の事実がないとした工事を「本件各外注工事」という。)は、当該子会社が実際に施工している事実が認められないこと、請求人から出向した工事担当者は請求人の立場で請求人の業務に従事していると認められること等の理由から、本件各外注工事にかかる外注費は、当該子会社に対する無償の資金提供であり、金銭の贈与として寄附金に該当する旨主張する。しかしながら、本件各外注工事のうち原処分庁が実地に調査した外注工事については、当該工事担当者が、実際に当該外注工事に従事していたものと認められる一方で、当該工事担当者は請求人の立場で業務に従事していたとみることができず、当該子会社が本件各外注工事を実施していないとする具体的な証拠も乏しいことから、本件各外注工事を架空の外注費であるとした原処分庁の認定は相当でない。(平21. 1.15 東裁(法・諸)平20-112)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200011
- 裁決年月日
- 平成20年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社グループに対する本件貸付金○○○○万円を本件貯蔵品に振り替え、本件貯蔵品の除却をもって、除却損を損金の額に算入したことについて、本件貯蔵品は本件貸付金と同等の価値があると評価し、本件貸付金に対する代物弁済として取得ししたものを除却し、法人税法第22条第3項及び公正妥当な会計基準に基づいて除却損を計上したものである旨主張する。しかしながら、請求人は、建設業において最も重要視される経営事項審査の評価が下がることを回避するために、本件手形に係る取引について、公表帳簿に記載のないいわゆる簿外処理としてきたところ、平成17年5月、代表者bが死亡したことに伴い生命保険金を受け取ったことから、請求人の法人税の課税所得を下げるために、簿外資産としていた本件貯蔵品を、本件貯蔵品の取得の経緯とは全く関連のない本件貸付金の代物弁済として取得したとして、本件貸付金を本件貯蔵品に振り替えた上で、これを除却して、本件事業年度において本件除却損の額を損金の額に計上したものとみるのが相当である。また、本件貸付金については、①当該貸付金の債務者であるA社グループの甲法人は平成7年には社員総会の決議により解散しており、A社グループの乙法人及び丙法人は平成14年12月3日付で休眠会社として職権で解散されていること、②平成10年7月にはA社グループの代表者であったdが死亡していること、③A社グループは、平成8年に事実上倒産していると認めるのが相当であり、A社グループの代表者であったdが死亡した平成10年7月には本件貸付金が回収不能であることが明らかであったと認められることから、本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平20.12.17 熊裁(法)平20-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200032
- 裁決年月日
- 平成20年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人Mから、同社が売掛債権の支払としてN社から受け取った約束手形の裏書譲渡を受けたが、N社は不渡りを出して倒産したことから、上記手形債権は貸倒損失として、昭和61年3月期の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、法人の各事業年度の所得の金額の計算において、金銭債権の貸倒損失を法人税法第22条3項3号にいう「当該事業年度の損失の額」として当該事業年度の損金の額に算入するためには、当該金銭債権の全額が回収不能であることを要し、かつ、その全額が回収不能であることは客観的に明らかでなければならないと解され、また、貸倒損失の計上時期については、これを納税者の恣意に委ねると、利益操作目的で利用されるおそれがあることから、当該債権の全額が回収不能になった時期の属する事業年度の貸倒損失として損金の額に算入しなければならないと解される。これを本件にみれば、①N社は、Mから商品を仕入れていたが、昭和56年12月30日に不渡りを出して、昭和57年3月11日に破産宣告を受けたこと、②破産手続きにおいて、請求人が上記手形債権を届け出たこと、③請求人は昭和57年12月10日に配当を受けたこと、④そのころ、上記破産につき、破産終結決定がされたこと、⑤請求人はその後N社に対して残債権の支払を請求したことがないことの各事実が認められ、請求人主張の債権は、破産終結決定があった昭和58年3月期までにその金額が回収不能であることが客観的に明らかになったと認められるから、仮に、請求人がMから上記手形債権を譲り受けた事実があったとしても、これを昭和61年3月期の貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平20.12.10 大裁(法)平20-32)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200033
- 裁決年月日
- 平成20年12月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300715000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/15債権償却特別勘定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、昭和63年9月期の債権償却特別勘定への本件償却対象債権の繰入れが認められるべきである旨主張する。ところで、法人税基本通達(ただし、平成10年6月23日付課法2−7による改正前のもの。以下同じ。)9−6−5《形式基準による債権償却特別勘定の設定》は、本件償却対象債権相当額を損金の額に算入するためには、損金経理により債権償却特別勘定に繰り入れることが必要である旨定めている。この取扱いは、当審判所も相当と認めるところ、当審判所の調査によれば、請求人は、本件各事業年度において、本件償却対象債権を損金経理により債権償却特別勘定に繰り入れていないと認められるから、本件償却対象債権相当額を損金の額に算入することはできないというべきである。したがって、請求人の主張は採用できない。(平20.12.10 大裁(法)平20-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200086
- 裁決年月日
- 平成20年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716150
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/15横領損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁によって架空取引と認定された請求人と一定の顧客との間で生じた外国為替証拠金取引(本件FX取引)に係る損失は、従業員Aが請求人に無断で行った取引に係る損失で、取引による金員を請求人から横領したものであるから横領損失として認容されるべきである旨主張する。しかしながら、本件FX取引に係る関係当事者等の申述及び借用預金口座の開設等が代表者の指示であったことなどを併せ考えると、請求人の代表者は架空取引の事実を知っていたのみならず、代表者の関与があったからこそ実行が可能であったとみるのが合理的であるから、本件FX取引は、代表者の主導のもとに実行されたものと認めるのが相当であり、請求人の行為そのものであると認められ、請求人の主張は採用できない。(平20.12. 4 東裁(法)平20-86)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200080
- 裁決年月日
- 平成20年11月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300713040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/4手数料処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が総勘定元帳の支払手数料勘定において計上した相手方の氏名等の記載のない本件各支出金は、取引先への交際費として支出したものであり使途秘匿金に当たらず、また、領収証をもらえない支出は、帳簿書類への記載に当たって相手方を特定することができないものであり、支出の相手方を秘匿することとは全く異なるものであるから租税特別措置法第62条第2項に規定する「相当の理由がある場合」に該当し、使途秘匿金課税が適用される課税要件事実はない旨主張する。しかしながら、請求人は、当審判所に対して、本件各支出金に関する証拠書類等を何ら提出しておらず、当該金額が取引先への交際費として支出されたとする事実も認められない。また、代表者は、原処分担当者に対して、当初、本件各支出金は、いわゆる談合金である旨や近隣対策で必要であった旨の申述をしていたにもかかわらず、その後には、本件各支出金は、同業者との飲み食いである旨申述するなど、申述に一貫性がなく信ぴょう性に欠け、さらに、関与税理士事務員が「代表者に話を聞いた際に、領収証の保存は無いが入札で取るとか取らないとか、一杯飲んでくれといったための現金支出があるという話しがあった」旨、答述していることからすると、単なる飲食に要した交際費等の支出とは認められない。法は、その経理処理をするに当たって、相手方の氏名等を記帳することを求めているのであるが、請求人は、相手方の氏名等を帳簿書類に記帳しておらず、また、記帳していないことについて相当の理由があるとは認められないから、請求人の主張は採用できない。(平20.11.25 東裁(法・諸)平20-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200080
- 裁決年月日
- 平成20年11月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件土地売買契約書には、土地を売買する旨記載されているものの、本件土地の上に存する本件構築物等に関する記載が一切認められないこと及び譲渡人が譲渡価額は本件土地のみの価額であると認識していた旨を申述していていることからすると、請求人と譲渡人は、本件構築物等を無償で譲渡することで合意し、本件土地の売買取引(以下「本件取引」という。)を行っていたものと認められ、本件構築物等の取得価額は零円であるから本件構築物等に係る減価償却費は認められない旨主張する。しかしながら、請求人は、請求人工場の違反建築物の是正勧告を受け土地を探さざるを得ない状況であったことがうかがえるほか、本件土地及び本件構築物等の取得後において、その取得の目的にそった事業の用に供している状況からみて、本件土地とともに本件構築物等を取得することを目的に土地売買取引を行ったものと認められ、また、本件取引が、請求人と譲渡人双方が本件土地と本件構築物等を一体として売買するとの認識のもとに行われ、実際に一体として引き渡されていることからすれば、本件土地売買契約書記載の金額は本件土地と本件構築物等との対価の合計額とみるのが相当であり、原処分庁の主張には理由がない。ただし、請求人の算定した本件構築物等の取得価額は、新規に造るとした場合の見積価額を基礎に、代表者の経験と判断を考慮して算定した価額であり、譲渡時点における適正な価額を示しているということは認められず、譲渡人における本件構築物等の取得価額から減価償却費の額を差し引いて本件各構築物等の価額を算定するのが合理的と認められる。これにより算定された本件構築物等の取得価額に基づいて減価償却費の額を計算すると、本件各事業年度の法人税の所得金額及び納付すべき税額は、本件各更正処分の額を下回るから、原処分は、いずれもその一部を取り消すべきである。(平20.11.25 東裁(法・諸)平20-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200080
- 裁決年月日
- 平成20年11月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、給料手当と外注費とを二重に計上したことについて、隠ぺい・仮装の事実はなく、うっかりミスである旨主張する。しかしながら、①経理担当の代表者妻は、長年にわたり当該事務に従事し、かつ、熟知していると認められること、②使用人には、その雇用の形態等により給料手当扱いとする者と外注費扱いとする者とがいること、及び③給料等の支払に際しては、本人に現金を数えさせて確認させるとともに、受領印を徴していることから、同一人に対して同時に給料手当と外注費を重複して支給することは考えられない。また、①タイムカードから各人別の支払明細書を作成し、同明細書から支払集計表を作成することからすれば、支払明細書が同一人に対して同時に複数枚作成されるとは考え難く、したがって、支払集計表に本件使用人の名前が二重に記載されること自体通常考えられないことであり、さらに、②支払の際に使用する給料袋には手書きで名前を記入することからすれば、当該袋が同一人に対して同時に複数枚作成されるとは考え難いこと、③給料袋への現金の封入に当たっては、支払集計表に記載した各人の支払総額の合計額に見合う現金をそろえ、支払明細書に記載の支給金額と現金が合っているかどうかを二度三度確認していること等からすれば、支払集計表に二重計上があったとしても、現金を封入する際に当然認識できたものと認められる。以上のことからすれば、同一人に対する給料手当と外注費の双方が同時に二重に計上されるというミスが生じるとは認め難い。そうすると、給料手当を外注費に二重に計上したことは、単純なミスとは到底認められず、請求人は、二重計上を認識しながらその訂正を意識的に行わず、経費を過大に計上したものというべきであり、請求人は、所得金額が過少に計算された法人税の確定申告書を原処分庁に提出したものと認められ、国税通則法第68条第1項に規定する隠ぺい・仮装の事実に該当する。(平20.11.25 東裁(法・諸)平20-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200080
- 裁決年月日
- 平成20年11月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716066
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/6その他の手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の娘に現金で支払った本件コンサルタント料について、代表者の娘が行った車両保険や従業員の傷害保険など損害保険関係の更新等の役務の提供の対価であり、隠ぺい・仮装の事実はなく、原処分は事実誤認に基づく不適法なものである旨主張する。しかしながら、当審判所が、請求人に代表者の娘が行った損害保険等の役務の提供の事実を証する証拠資料等の提出を求めたのに対し、請求人から、これらの事実を証する証拠書類の提出はなく、また、代表者の娘の「自宅又は請求人工場で従事していた」との答述も具体性に乏しく同人が損害保険等のコンサルタントとして請求人のために役務の提供をしていたとは認められない。本件コンサルタント料を計上したことについては、代表者の娘から役務の提供を受けた事実及び支払の事実がないにもかかわらず、決算期末後に日付をさかのぼって、同人に本件コンサルタント料を現金で支払ったように経理するなど、あたかも事実であるかのごとく仮装することにより、所得金額を過少に計算したものと認められるので、国税通則法第68条第1項に規定する隠ぺい・仮装の事実に該当する。(平20.11.25 東裁(法・諸)平20-80)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200004
- 裁決年月日
- 平成20年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、退職した前代表者に対し支給した役員退職給与の適正額を功績倍率法により算定する場合の役員在任年数については、法人成りの際に営業権の対価として前代表者に支払うべきであった金額を考慮する必要があることから、個人事業及び法人事業を通じた事業の継続年数としなければならず、前代表者が法人設立前に個人事業として経営していた期間(以下「個人事業期間」という。)を含めるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法施行令72条(平成18年改正前)では、「当該役員のその内国法人の業務に従事した期間」と規定されていることから、功績倍率法により役員退職給与の適正額を算定するために役員在任年数をその基準とする以上、個人事業期間を含めることはできないこととなる。したがって、役員在任期間を前代表者が請求人において業務に従事した期間として、過大な役員退職給与を算定した更正処分は適法であり、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20.11.21 福裁(法・諸)平20-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200027
- 裁決年月日
- 平成20年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当該売掛金はK社が経営不振で回収が見込めないのであるから貸倒損失として損金の額に算入すべきである旨主張するが、請求人の主張は、K社が支払を滞りだしたことによるものであり、そのことのみでは、回収不能の事態が客観的に明らかであるとはいえない。また、請求人は当該売掛金の放棄や免除をするなどしておらず、その取立てを断念していないこと、K社に対し、個別執行手続などの法的手続がなされていないこと、K社の資産状況が悪化していたとは認められないことから、本件各事業年度において、当該売掛金が回収不能の事態であったとは認められない。したがって、当該売掛金は、本件各事業年度の貸倒損失として損金の額に算入することはできず、請求人の主張は採用できない。(平20.11.18 大裁(法・諸)平20-27)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200005
- 裁決年月日
- 平成20年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先Aに支払った外注加工費及びよう車料(以下「本件外注費等」という。)に係る金員は、Bに対する貸付金の返済金であることから、当該金員を賞与とする認定は違法である旨主張する。しかしながら、①請求人は、代表者及びその配偶者によって支配されている同族会社であること、②本件外注費等は架空に計上されたものであり、その支払額は請求人の簿外預金口座に入金されていること、③当該簿外預金口座を支配管理しているのは、請求人の代表者自身であること、及び④本件外注費等に係る金員は、会社の経費として支出した事実が認められないことなどからすれば、本件外注費等に係る金員は、貸付金の返済金であることを肯定する具体的な説明がない限り、賞与として認定するのが妥当であり、また、給与支給の外形を有しないとしても代表者が臨時的な給与すなわち役員賞与として受領したものと認められる。したがって、請求人の主張は採用することはできない。(平20.11.14 高裁(法・諸)平20-5)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200005
- 裁決年月日
- 平成20年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先Aに支払った外注加工費及びよう車料(以下「本件外注費等」という。)は、請求人がBから作業員の派遣を手配してもらった報酬として支払った金員であり、Bから取引先としてA名義を使用するように指示のあったものであるが、指定納品書及び請求書で確認できるとおり、取引先Aからの労務提供は事実であることから、本件外注費等は損金の額に算入されるべきであり、また、本件外注費等が役務提供に対する対価である以上、消費税法上の課税仕入れに該当する旨主張する。しかしながら、①取引先A及びその代表者の存在が確認できないこと、②Bが手配した作業員に係る出勤管理表等の書類の提出は一切なく、Bが作業員の派遣を行ったとする事実は認められないこと、及び③本件外注費等に係る金員は、請求人の簿外預金口座に入金され、その出金等の手続は、請求人の代表者が行っており、さらに、その出金額の大半が代表者名義及びその親族名義の預金口座に入金されていることなどからすれば、本件外注費等は、架空のものと認めるのが相当であり、また、本件外注費等は、作業員の派遣に係る役務の提供に対する支払であるとは認められないことから、消費税法に規定する課税仕入れとならない。したがって、請求人の主張は採用することはできない。(平20.11.14 高裁(法・諸)平20-5)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200005
- 裁決年月日
- 平成20年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先Cからの請求金額(以下「本件請求金額」という。)は、翌期認容項目であり、原処分日には翌事業年度が既に経過していることから、課税の根拠はなく、不当である旨主張する。しかしながら、①本件請求金額に係る商品の納品日は翌事業年度であり、当該翌事業年度の収益に対応するものであること、②各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額とされており、企業会計上の利益の測定と同様、法人税法においても期間損益対象としていること、また、このような期間損益を対象とする場合は、発生したすべての費用は、収益の対応関係において同一の会計年度に計上しなければならないとされていること、及び③正確な期間損益計算を行うことは、税負担の公平性を担保するものであることなどからすれば、本件請求金額は、損金の額に算入できないとするのが相当である。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20.11.14 高裁(法・諸)平20-5)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200009
- 裁決年月日
- 平成20年11月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№76・285ページ
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者の妻で取締役である役員Hは、請求人の重要な職務に常に従事し、請求人の業績に多大な貢献をしており、常勤役員に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人の役員Hの職務内容及び役員報酬の支給状況、②請求人の売上高及び収益の状況、③請求人の使用人に対する給料の支給状況、④類似法人の役員報酬の支給状況等を勘案すると、請求人の役員Hは、特に重要な職務には従事しておらず、その従事日数も1か月のうち2日から3日と職務の従事程度が低いにもかかわらず、本件役員報酬額は、請求人の売上高及び収益並びに使用人給与に比し相当高い伸び率を示しており、さらに、類似法人の平均役員報酬額に比しても極めて高額であることから、類似法人の平均役員報酬額を超える金額は、法人税法第34条第1項に規定する「不相当に高額な部分の金額」に該当する。したがって、原処分は適法である。(平20.11.14 熊裁(法)平20-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200073
- 裁決年月日
- 平成20年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先であったA社の全株式を、その所有者であった同社の代表者から譲り受けた際、支払金額のうち価格調査基準日における同社の貸借対照表上の純資産に相当する額が本件株式の取得価額となり、残額は同社の営業権に対するもので、取得経緯や買収による成果等を考慮すれば、請求人の営業権として資産計上すべきであり、購入による有価証券の取得であるという理由で支払金額のすべてを本件株式の取得価額とする認定は誤りである旨主張する。しかしながら、本件取引の後、請求人が主張するA社の営業の全部又は一部の包括的移転の事実は認められず、同営業は現在まで継続してA社自らが営んでいる。また取引当事者で作成した株式譲渡契約書には、支払金額は本件株式の譲渡価額であることが明記され、営業権の譲渡を約したものではない。そうすると、請求人が営業権の対価として支出したとする金員は、A社の財産的価値に対する支出であり、これは同社の株式価格を構成し、本件株式の取得対価であるとするのが相当であるから、営業権の資産計上及びその償却額の損金算入を認めないとした原処分は適法である。(平20.11.11 東裁(法)平20-73)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200062
- 裁決年月日
- 平成20年10月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ナイトクラブの売上除外金及び架空修繕費の計上に係る金額を代表者に対する役員賞与と認定した処分は、個人的に流用したという根拠がない限り、違法であり、同人には売上除外金を個人的に使う理由はないから、これらの資金は請求人の資金繰りに使用されているものである旨主張する。しかしながら、修繕費等として架空に計上された金額は、代表者の実家のリフォームのために支出されたものであり、また、本件クラブの売上除外金は、代表者の個人資産の形成に充てられたものと認められる。これらの金員は代表者が費消及び取得したものと認められることから、請求人が代表者に対する臨時の給与、すなわち賞与として支給した金額であるとみるのが相当である。また、請求人は、査察調査において、売上除外金及び架空修繕費は代表者に対する貸付金とする旨の言質をもらっていたので、同人に対する役員賞与と認定した本件処分は誤りである旨主張するが、当審判所の調査によってもこのような事実は認められず、請求人の主張は採用できない。(平20.10.20 東裁(法・諸)平20-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200062
- 裁決年月日
- 平成20年10月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者の両親は役員としての勤務実態があったもので、両親に対する役員報酬が振り込まれていた両親名義の預金口座は、両親が請求人の経営のために使用することを承知して代表者に口座の管理を任せていたものであるから、代表者の両親に対する役員報酬は実際に支給されたとみるべきである旨主張する。しかしながら、代表者の両親は査察調査において、役員としての業務関与は一切なかった旨申述していること、さらに、代表者も査察調査着手日において、同人らは実際には名義上の役員であり、請求人の業務に関与した事実は一切なかった旨申述していることからすれば、同人らには勤務実態がないというべきであり、請求人に勤務していたと認めることはできない。また、当該預金口座の預金通帳及びキャッシュカードは、本件査察調査において代表者の居宅で差し押さえられていたこと、代表者も当該預金口座は自らが管理していた旨答述していること、さらに、両親は、査察調査において、請求人から役員報酬を受領した事実はない旨申述していることからすれば、当該預金口座に入金された金員は、代表者に帰属するものとみるのが相当である。したがって、代表者の両親に対する役員報酬は、代表者に対する報酬を同人らの名義で架空に計上したものと認められ、請求人は、本件役員報酬を同人らに対する役員報酬であるかのように仮装して支払っていたことが認められ、このことは、法人税法第34条第2項に規定する「事実を隠ぺいし、又は仮装して経理をすることにより役員に支給する報酬」に該当するため、損金の額に算入することはできない。(平20.10.20 東裁(法・諸)平20-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200062
- 裁決年月日
- 平成20年10月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成17年12月期において代表者の役員報酬として計上した4,800万円について、当該事業年度の開始当初から関与税理士と相談して月額400万円と決めていたものであり、請求人の資金繰り等の理由から月額150万円を支給していたところ、決算期末に正しい支給金額に戻したものである旨主張する。しかしながら、①査察調査において経理担当者宅において把握された事業年度末のファックス文書には、当期利益が4,200万円と予想され、代表者の給与を250万円増加させ未払計上する旨の内容が記載されていること、②関与税理士が役員報酬は決算期当初に150万円とされていたが、代表者が同年11月分の月次試算表を見て予想以上の利益となるため事業年度当初から月額250万円を増額し、請求人の利益金額を不正に調整したものである旨答述していることからすれば、請求人は、利益調整を意図し、代表者の役員報酬の金額を決算期中に支給された150万円ではなく、あたかも当該事業年度の期首から400万円であったかのように仮装して損金計上したものとみるのが相当である。そうすると、代表者の定時定額の役員報酬額は150万円であり、当該事業年度の期首に遡及して各月250万円を増額計上した金額については、定期の給与とは認めることはできず、法人税法第35条第4項に規定する臨時的な給与に当たると解するのが相当であり、役員賞与に該当する。(平20.10.20 東裁(法・諸)平20-62)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200015
- 裁決年月日
- 平成20年10月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人の代表者であるAが代表を務めるその他の政治団体に管理料を支払っており、当該管理料は、契約書等に基づき当該団体からトラブルの処理等の役務の提供を受けており、その対価であるから損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、①請求人の代表者と当該団体の代表者は同一人であり、株式会社の代表者である代表取締役は、取締役会の承認を得ない限り自らとの間で取引ができないが、当該契約書等を交わすに際して、そのような手続が取られていないこと、②当該契約書等の当該団体の役務内容は、トラブル等の解決というあいまいなものでありながら、支払う金員は非常に高額であること、③そもそもトラブル等が請求人寄せられるような取引がないことからすれば、当該契約書等に基づき、請求人がトラブル等の解決を委託し、その対価を支払うことを約し、当該団体が実際に当該契約書等に基づいて何らかの役務提供をしたとは考え難い。さらに、Aは、①請求人から当該団体への送金を管理料名目でしたのは、政治資金規正法に抵触するから、当該団体は寄附金名目の領収証を発行できない旨、②請求人の取引先等からトラブル等の解決を依頼されたことはない旨申述する一方で、役務提供の事実を裏付ける証拠はなんら提出しない。以上の点からすれば、当該管理料は、Aが自認するとおり、請求人と表裏一体の関係にある当該団体の運営資金として無償で供与したものであって、当該契約書等は、その支出の根拠を作出するために形式的に作成された架空のものにすぎず、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当するため、請求人の主張は採用できない。(平20.10.17 大裁(法・諸)平20-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200015
- 裁決年月日
- 平成20年10月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710059
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人の代表者Aの妻である取締役Bから辞任届があり、定時株主総会において役員退職金を支給する旨決議し、未払費用として計上したものであるから損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、①Bは、一方的に取締役を解任されたので辞任を申し出た事実はなく、退職金は出ないと聞いていた旨答述していること、②当該辞任届のBの印影と定期株主総会議事録の取締役Cの印影は酷似しており、同辞任届は偽造である疑いがあること、③退職金相当額は、4期にわたって未払費用として計上し続け、原処分後にBの預金口座に振り込まれているが、請求人の資産状況を見るに長期間にわたって支給できなかった事情はないこと、④当該定時株主総会議事録には、退職金支給決議についてのみ記載があり、利益処分等決算承認に関する記載がなく、本来の議事録とは別個に作成された偽造の議事録の疑いが強いこと、⑤Bは、Aから受け取った退職金の半分を支払う旨要求されたと答述するところ、当審判所の調査により答述が裏付けられたこと、⑥Aは、退職金を支給する意思がない旨申述していることからすると、当該辞任届は偽造されたものであり、請求人が定時株主総会でBに対する役員退職金の支払決議をした事実はなく、役員退職金相当額は架空の退職金を計上したものと認められ、損金の額には算入できない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平20.10.17 大裁(法・諸)平20-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200016
- 裁決年月日
- 平成20年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人の前代表者であるAが代表を務めるその他の政治団体に管理費を支払っており、当該管理費は、契約書に基づき当該団体からトラブルの処理等の役務の提供を受けており、その対価であるから損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、①請求人の前代表者と当該団体の代表者は同一人であり、株式会社の代表者である代表取締役は、取締役会の承認を得ない限り自ら及び自らが代表者である法人との間で取引ができないが、当該契約書を交わすに際して、そのような手続が取られていないこと、②当該契約書の当該団体の役務内容は、トラブル等の解決というあいまいなものでありながら、支払う金員は非常に高額であり、その算定根拠は合理的といえないことからすれば、当該契約書に基づき、請求人がトラブル等の解決を委託し、その対価を支払うことを約し、当該団体が実際に当該契約書に基づいて何らかの役務提供をしたとは考え難い。さらに、Aは、①請求人から当該団体への送金を管理費名目でしたのは、政治資金規正法に抵触するから、当該団体は寄附金名目の領収証を発行できない旨、②請求人の取引先等からトラブル等の解決を依頼されたことはない旨申述する一方で、役務提供の事実を裏付ける証拠はなんら提出しない。以上の点からすれば、当該管理費は、Aが自認するとおり、請求人と表裏一体の関係にある当該団体の運営資金として無償で供与したものであって、当該契約書は、その支出の根拠を作出するために形式的に作成された架空のものにすぎず、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当するため、請求人の主張は採用できない。(平20.10.17 大裁(法・諸)平20-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200017
- 裁決年月日
- 平成20年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人の代表者であるAが代表を務めるその他の政治団体に管理費を支払っており、当該管理費は、契約書に基づき当該団体からトラブルの処理等の役務の提供を受けており、その対価であるから損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、①請求人の代表者と当該団体の代表者は同一人であり、株式会社の代表者である代表取締役は、取締役会の承認を得ない限り自ら及び自らが代表者である法人との間で取引ができないが、当該契約書を交わすに際して、そのような手続が取られていないこと、②当該契約書の当該団体の役務内容は、トラブル等の解決というあいまいなものでありながら、支払う金員は高額であり、その算定根拠は合理的といえないことからすれば、当該契約書に基づき、請求人がトラブル等の解決を委託し、その対価を支払うことを約し、当該団体が実際に当該契約書に基づいて何らかの役務提供をしたとは考え難い。さらに、Aは、①請求人から当該団体への送金を管理費名目でしたのは、政治資金規正法に抵触するから、当該団体は寄附金名目の領収証を発行できない旨、②請求人の取引先等からトラブル等の解決を依頼されたことはない旨申述する一方で、役務提供の事実を裏付ける証拠はなんら提出しない。以上の点からすれば、当該管理費は、Aが自認するとおり、請求人と表裏一体の関係にある当該団体の運営資金として無償で供与したものであって、当該契約書は、その支出の根拠を作出するために形式的に作成された架空のものにすぎず、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当するため、請求人の主張は採用できない。(平20.10.17 大裁(法・諸)平20-17)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200006
- 裁決年月日
- 平成20年9月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件仮装経理において、現金の入出金は認められず、本件貸付金の返済は架空のものであって実質的な返済は行われていないと判断できるから、役員に対する経済的利益の発生する余地はなく、本件納税告知処分は違法である旨主張する。しかしながら、①本件仮装経理が行われる以前において当該役員が請求人からの多額の貸付金を清算するため金融機関から融資を受けて返済する際に、請求人は当該役員を被保険者とする生命保険に加入し、多額の保険料を一括で支払っており、その生命保険の保険積立金は請求人の資産として計上されていること、②そのころから当該役員の言動に不信感を抱き、代表者の妻を経理事務補助として従事させていることから、請求人は以前から当該役員に多額の貸付金が発生していることを知っていたと認められること、また、③本件仮装経理が行われた直後の年度において、関与税理士を替えて決算内容を見直しをしており、その際に、異常な決算が行われているとの指摘を受け、本件貸付金に係る修正処理が行われていることからすると、当該役員が役員報酬よりも多額の本件貸付金の返済を行っていることに気付かないのは不自然であり、本件仮装経理について、税務調査が行われるまで知らなかったというのは信じ難く、請求人は本件仮装経理を知りつつも、これを容認していたと認めるのが相当である。そうすると、当該役員は、本件仮装経理により、本件貸付金を減額することにより請求人への負債の返済を免れており、経済上の利益を得ているということができる。すなわち、請求人が当該役員に対して経済的な利益を与えたものとみるのが相当であり、減額した金額は、所得税法上の「給与所得」に該当するものと認められる。そして、当該本件貸付金の減額処理は、定期的に定額を支払われたものではなく、臨時的な給付であるといえるから、給与所得のうち役員に対する賞与に該当するものと解するのが相当である。(平20. 9.19 熊裁(法・諸)平20-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200014
- 裁決年月日
- 平成20年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者及び代表者の息子が所有する一団の土地(以下「本件土地」という。)を利用した事業の計画に基づいて行った本件土地上に存する代表者等個人が所有していた居住用建物等の取壊し及び樹木の伐採及び庭園内の工作物の移設などの工事(以下「本件工事」という。)の対価について、請求人の資金的事情から代表者が個人の資金でその全額を立替払したのであるから、請求人が本件土地の賃貸を開始した当該事業年度において代表者の立替払に係る債務を雑損失として損金の額に計上することは相当である旨主張する。しかしながら、①本件工事の対価を請求人が負担する旨の合意書等はなく、②請求人の株主総会及び取締役会の議事録の内容や請求人の会計処理などからすれば、請求人が本件工事の対価の負担による債務を認識していたとは認められず、さらに、③本件工事を行った当時、請求人が本件土地を代表者等から賃借することが具体的に確定していたとも認められないことからすると、請求人が本件工事の対価を負担する旨の合意等があったとは認められず、代表者による本件工事の対価の支払も請求人の債務の立替払であるとは認められない。よって、請求人は代表者に対する債務もなく、当該債務を雑損失として損金の額に算入することも認められず、請求人の主張には理由がない。(平20. 9.11 関裁(法・諸)平20-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200033
- 裁決年月日
- 平成20年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取締役に支払った本件外注費は、請求人と取締役の間に業務委託契約が締結されたものと法的に評価できるのであるから、外注費であると認められ、仮に外注費と認められないとしても、取締役に対する定期の給与たる歩合給に当たるものであるから、取締役の外交営業活動を独立した事業と解釈した単純な税法上の解釈の誤りにすぎない旨、また、当該給与は、不正な簿外の収益等を原資としたものではなく、労務の対価として現実に支払っているものであるから、原処分庁の法人税法第34条第2項の解釈はその立法趣旨を逸脱したものである旨主張する。しかしながら、本件外注費は、請求人が、取締役に対する給与を、架空の外注先に対する外注費に仮装して経理していたものと認められるから、本件は、取締役に対して支給した金員が外注費か給与のいずれであるかという単純な税法上の解釈誤りの問題ではない。また、そのような仮装経理により支給された取締役に対する給与が、法人税法第34条第2項に該当することは明らかであり、取締役とは別の者に対する外注費の支払と仮装して経理された本件外注費相当額の金員を原資として、取締役に給与が支給されていることから、本件条項の立法趣旨を逸脱したものとはいえない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 9. 1 東裁(法・諸)平20-33)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200007
- 裁決年月日
- 平成20年8月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の取得した産業廃棄物処理施設のうち、原処分庁が建物であるとした廃棄物ピット及び再燃焼室ピットも含め、一体の機械装置として、ばい煙等となる硫黄酸化物及び窒素酸化物等を処理していることから、これら全体が、耐用年数省令別表第6に掲げる機械及び装置に該当する旨、仮に、一体的評価が認められないとしても、高温焼却装置等のうち、少なくとも、再燃焼室、汚泥乾燥設備、廃油処理装置、廃液処理装置及び後燃焼ストーカは、ばい煙等の処理を行っているから、それぞれ耐用年数省令別表第6のばい煙処理用減価償却資産に掲げる機械及び装置に該当し、汚水処理も行っているから、耐用年数省令別表第5の汚水処理用減価償却資産に掲げる機械及び装置にも該当する旨主張する。しかしながら、廃棄物ピット及び再燃焼室ピットは、建物に分類される。また、高温焼却装置等は、ばい煙等の処理に直接供される機械及び装置等であるとは認められず、耐用年数省令別表第6に掲げる機械及び装置に該当しない。また、再燃焼室は、ガスを完全燃焼させることにあると認められ、汚泥乾燥設備は、その主要な用途は有機汚泥の処理であること、廃油処理装置及び廃液処理装置は、外部から搬入された廃油及び廃液を貯蔵し、再燃焼室へ供給排出することを目的としたものであることから、いずれも汚水等を公害の生じない水液に処理するために直接供される機械及び装置とは認められず、また、廃油処理装置及び廃液処理装置並びに後燃焼ストーカは、廃油及び廃液の供給排出先又は熱源の供給先である再燃焼室が汚水処理用減価償却資産に当たらないので、汚水等を処理するための機械及び装置の附属装置にも該当しないこととなるから、再燃焼室、汚泥乾燥設備、廃油処理装置、廃液処理装置及び後燃焼ストーカはいずれも耐用年数省令別表別表第5に掲げる機械及び装置に該当しない。よって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 8. 6 名裁(法)平20-7)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平200002
- 裁決年月日
- 平成20年7月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の代表者の義兄及び姉(以下、「本件理事等」という。)に支給した報酬の額(以下「本件役員報酬額」という。)について、本件理事等の勤務実態は非常勤理事等であるから、選定した類似法人(以下「本件類似法人」という。)に係る非常勤理事等の報酬の額から算定した本件適正報酬額を超えて支給された報酬額は、法人税法第34条第1項に規定する「不相当に高額な部分の金額」に当たり、損金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、類似法人の選定に当たり、請求人の業種、業態からみて、介護老人保健施設を主体的に運営し、内科診療所を併設する医療法人を選定するのが相当であるところ、本件類似法人は内科を診療科目とする医療法人で、介護老人保健施設を有していないことから、事業内容について請求人と類似するものとは認められない。そこで、当審判所において、改めて類似法人を選定し、その類似法人の非常勤理事等に対する役員報酬の平均額を適正報酬額として、本件役員報酬額が当該適正報酬額を超える金額を「不相当に高額な部分の金額」と認定したところ、当該超える金額は原処分の損金不算入額を下回るから、原処分はその一部を取り消すのが相当である。 (平20. 7.31 熊裁(法)平20-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200007
- 裁決年月日
- 平成20年7月29日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、経営破たんした子会社の経営権を譲渡した先が、甲法人ではなく、当該子会社の発行済株式の過半数を譲り受けた当該子会社の代表者であるから、甲法人との約定に従って当該子会社に対する債権の全額を放棄したことは、連結納税基本通達8−4−1に定める要件を満たさないため、この債権放棄により請求人が負担した損失の額は寄附金の額に該当する旨主張する。しかしながら、当該子会社の経営状況からすれば、当該代表者が株主権等を行使して当該子会社の経営を再建できる状況にあるとは認められず、また、甲法人は、請求人からの要請を受けて、それまで全く関係のなかった当該子会社に対し、その従業員を役員として派遣する一方、当該子会社は甲法人の指示に従って、その決算期及び関与税理士を甲法人と同じ決算期及び税理士に変更し、さらに、毎月の経理状況等を甲法人に報告していることから、当該子会社の経営権は甲法人に移譲されたと認められる。そして、①請求人と当該子会社との間に事業関連性があること、②当該子会社が経営危機に陥っていること、③この債権放棄は、請求人の将来のより大きな損失を回避するために行われたものであると認められること、④必要最低限の負担となっていると認められること、⑤請求人以外に損失を負担すべき者がいるとは認められないことからすれば、この債権放棄は、上記通達に定める要件を満たしていると認められることから、この債権放棄により請求人が負担した損失の額は、寄附金の額に当たらないというべきである。(平20. 7.29 関裁(法)平20-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200003
- 裁決年月日
- 平成20年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、特定の賃借人について、賃貸施設の使用に伴う諸費用の実費相当額として賃借料とは別に徴収していた金額(以下「別途徴収金」という。)の一部を減額したことは、経済合理性に基づく商取引の一環として行われた行為であり、寄附、贈与等ではないと主張する。しかしながら、本件別途徴収金は賃借人が当然に負担すべき費用の立替金的性格のものと認められ、本来請求人が有する別途徴収金に係る債権を免除すべき理由はないものと認められ、請求人が主張する別途徴収金の一部を減額した理由は、請求人が本件別途徴収金の減額を行った動機において、将来的に見れば何らかの反対給付が受けられるであろうというような漠然とした間接的利益を期待したという意味を有するものにすぎないと認められる。したがって、請求人が本件別途徴収金の減額をすることの経済合理性のある相当の理由はなく、また、本件別途徴収金の減額をすることに対する反対給付と評価すべきものはないといわざるを得ないから、本件別途徴収金の減額について、経済的利益の無償の供与をしたものであり、寄附金に該当するとした本件法人税各更正処分は適法である。 (平20. 7. 1 東裁(法・諸)平20-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190063
- 裁決年月日
- 平成20年6月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/2無償譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各事業年度末等に親会社に対して行った売上値引き及び単価変更による売上げの減算は、契約書等に基づく合理的な原価計算によるものであり、正当な価格変更である旨主張する。しかしながら、当該売上値引き及び単価変更は、両社間の合意に基づき行われたものではあるものの、親会社からの指示文書等によると、各事業年度の請求人を含む子会社の見込利益額に基づいて値引額等を指示したものであり、しかも同様の取引を行っているにもかかわらず、特定の子会社のみに指示をしていることなどから、合理的な原価計算に基づくものとはいえず、かえって、グループ各社間の利益調整目的で行われたものと認められ、通常第三者間では行われない経済的合理性を欠くものといわざるを得ない。そして、その取引内容や親子会社の関係にあることに照らすと、子会社である請求人は、親会社に対し、当該売上値引き及び単価変更による金額を贈与又は無償で供与したものというべきであり、法人税法第37条7項の寄附金に該当する。(平20. 6.30 大裁(法・諸)平19-63)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190215
- 裁決年月日
- 平成20年6月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①遊技場業界においては、パチンコ器等のメーカーからの新機種発売状況や顧客の関心等から判断するとパチンコ器等は消耗品として扱われており、顧客の支持を得るために、1年未満の期間で旧機種を新機種と交換している状況から、消耗性の高い減価償却資産であると認められること、②パチンコ器等の入替えを創業以来、1年未満で続けてきた実績があることから、法人税法施行令第133条により同法施行令第132条第1号に規定する使用可能期間が1年未満であるものに該当する旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第132条第1号に規定する使用可能期間とは、物理的・客観的な使用可能期間を指すものであり、また、使用可能期間が1年未満であるかどうかについては、その法人の属する業種において、種類を同じくする減価償却資産の使用状況等から判定してみて一般的に使用可能期間が1年未満であると認識されているものをいうものと解されるのであり、請求人の所有するパチンコ器等が1年未満で取り替えられているものがある実態は認められるものの、それは品質の劣化等に起因するものではなく、機種の変更により顧客の関心を促し、もっぱら集客目的にあることが認められ、遊技場業界においても、パチンコ器等は、最低でも3年以上の耐久性を持ったものとしてされており、パチンコ器等が一般的に消耗性のものとして認識されているものとは認められない。よって、当該パチンコ器等は、「使用可能期間が1年未満の減価償却資産」には該当しない。(平20. 6.25 東裁(法)平19-215)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190216ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成20年6月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①遊技場業界においては、パチンコ器等のメーカーからの新機種発売状況や顧客の関心等から判断するとパチンコ器等は消耗品として扱われており、顧客の支持を得るために、1年未満の期間で旧機種を新機種と交換している状況から、消耗性の高い減価償却資産であると認められること、②パチンコ器等の入替えを少なくとも平成11年以降、1年未満で続けてきた実績があることから、法人税法施行令第133条により同法施行令第132条第1号に規定する使用可能期間が1年未満であるものに該当する旨主張する。しかしながら、法人税法施行令第132条第1号に規定する使用可能期間とは、物理的・客観的な使用可能期間を指すものであり、また、使用可能期間が1年未満であるかどうかについては、その法人の属する業種において、種類を同じくする減価償却資産の使用状況等から判定してみて一般的に使用可能期間が1年未満であると認識されているものをいうものと解されるのであり、請求人の所有するパチンコ器等が1年未満で取り替えられているものがある実態は認められるものの、それは品質の劣化等に起因するものではなく、機種の変更により顧客の関心を促し、もっぱら集客目的にあることが認められ、遊技場業界においても、パチンコ器等は、最低でも3年以上の耐久性を持ったものとしてされており、パチンコ器等が一般的に消耗性のものとして認識されているものとは認められない。よって、当該パチンコ器等は、「使用可能期間が1年未満の減価償却資産」には該当しない。(平20. 6.25 東裁(法)平19-216)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190207
- 裁決年月日
- 平成20年6月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300711020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/2従業員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の決算賞与は、毎期、代表者から手渡しにより支給していたが、今期の決算賞与(以下「本件決算賞与」という。)については、その支給の時期に代表者の海外出張があったことにより支給が遅れたにすぎないものであり、また、従業員に対する支給割合は前年の支給割合で決まっており、従業員も例年のこととして支給があることを承知していたから、決算賞与として平成13年2月期の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、決算賞与を未払費用として損金算入するための要件を本件会計事務所の指導により十分に認識していた上で、請求人の経理担当者が、確定申告書の法定申告期限直前になって、突然に、会計事務所の担当者に対して本件決算賞与を未払費用として計上するように依頼しており、この依頼があった時において、本件決算賞与は、いまだ支給もされておらず、本件決算賞与が、既に平成13年2月期の損金の額に算入されないことが明白であったにもかかわらず、あえて本件決算賞与を計上していることが認められる。そして、この本件決算賞与の計上は、代表者の指示により、当期利益金額の圧縮を目的として行われたものであることは明らかであり、本件決算賞与を架空計上したものと認めるのが相当であるから、原処分は相当である。(平20. 6.16 東裁(法)平19-207)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190207
- 裁決年月日
- 平成20年6月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者の妻に対して支給した役員退職金が架空の役員退職金であるとした原処分に対し、前代表者の妻は、会社創業時より取締役としての業務全般を取り仕切って、事業発展に多大な尽力をしてきたものであり、当社の業績が安定してきた時期において、会社役員総意により正式に役員を退職することとなったもので、相当の役員退職金を支給することは当然に許されることであり、また、代表者の妻は、実質的に創業時から長年にわたって会社の業績に尽くしていることから、役員退職金を支給する正当な理由があり、源泉徴収を行った上、全額本人名義の預金口座に振り込んでいるので、当該役員退職金の全額を所得金額に加算するのは違法である旨主張する。しかしながら、当該役員退職金は、請求人が、請求人の当期利益金額を圧縮し、法人税額を減少させるために、前代表者の妻が、勤務実績もなく、役員としての職責を一切果たしていない名目上だけの取締役となっていたことを利用して、本人の知らないところで退職したことを装い計上された架空の役員退職金と認めるのが相当であることから、原処分は相当である。(平20. 6.16 東裁(法)平19-207)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190047
- 裁決年月日
- 平成20年6月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件A土地の売買金額は、買主である請求人と売主(以下「請求人ら」という。)とが当初合意した金額であり、本件A土地が旧国土利用計画法の規制により売買金額の引下げ指導を受けたことから、請求人らは、この規制を免れるために、旧国土利用計画法の規制を受けない本件B土地を当初の合意価額と指導価額との差額で売買したことにし、実際には売主が請求人に無償で譲渡した本件B土地を、請求人がその取得から約7年後に売却して過大な譲渡損失を計上した旨主張するが、本件A土地の売買価額は、旧国土利用計画法の規定に基づく指導価額であり、旧国土利用計画法が売買契約を締結しようとする当事者に対して事前の届出を義務付け、都道府県知事に対しては、①取引の中止を勧告し、②勧告を受けた者に報告させ、③勧告に従わない場合は公表し、④届出や報告を怠った者に対しては罰則を課すことができる権限を与えており、請求人らが旧国土利用計画法の規定に違反して売買を行ったと認めるに足る証拠はないところ、本件B土地は、売主がその融資先から代物弁済により取得した別荘地であり、その売却を進めていた売主が、上記引下げ指導により資金的余裕ができた請求人に対し、本件B土地の売込みを図ることは通常行われる行為であると認められ、また、請求人が当初の予算内で本件B土地を対価をもって購入することは不合理ではなく、むしろ、本件B土地を請求人が無償で取得したとする原処分庁の認定には根拠がないから、これらの土地は、それぞれその契約書に記載された対価の額をもって売買されたと認められるため、原処分は、その全部を取り消すべきである。(平20. 6.10 関裁(法)平19-47)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平190018
- 裁決年月日
- 平成20年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712091
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/1資産の取得の対価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件加湿器はグループ会社A社から親会社が購入し、これを請求人が親会社から買い取ったことになっており、本件加湿器を取得したことは事実であるから、本件加湿器の対価とした支出は法人税法第37条第7項に規定する寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、①本件加湿器は法定耐用年数の全部を経過しA社において当時遊休資産であったものであること、②請求人が親会社から取得したとされる後においても、本件加湿器はそれ以前と同様にA社に設置され続けているが、A社との間では本件加湿器に係る賃貸借契約は締結されておらず、請求人は同社から賃貸料も収受していないこと、また、③請求人は本件加湿器をすぐに必要としていたわけではなく、その後代替資産を取得していないことなどからすれば、請求人は、何ら必要としない資産を有償で取得し、自己において使用することも賃貸することもなく所有し続けていることになる。加えて、本件加湿器の売買がグループ会社間取引であることを併せ考えると、本件加湿器に係る取引は、あたかも売買がなされたかのごとく外観を作出して、請求人の利益を移転させたものというべきである。したがって、本件加湿器の対価とした支出は、請求人からの親会社に対する対価性のない支出であると認められるから、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の支出に該当し、取得の事実がない本件加湿器に係る減価償却費は損金の額に算入されない。(平20. 5.30 金裁(法・諸)平19-18)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平190018
- 裁決年月日
- 平成20年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注加工費について、対応する加工業務が行われた事実はないが、その実質は従来○円/㎏であった親会社のマージンを○円/㎏に引き上げたことによるマージンの追加分(○円/kg)であるから、対価性があり、法人税法第37条第7項に規定する寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、①親会社と請求人との間においては、本件各事業年度において親会社のマージンを○円/kgとする取引が継続していること、②請求人からは通常であれば作成され存在するはずのマージン変更に係る契約書等の提出がなく、また、部内資料も存在しないこと、③請求人からはその主張を裏付ける証拠資料の提出がないことなどからすると、本件外注加工費がマージンの追加分であるとする請求人の主張には理由がなく、また、当審判所の調査によっても、その支出に対価性を認めることはできない。そして、請求人が、いわば親会社の一工場として事業を行っている状況を併せ考えると、本件外注加工費に係る支出は、請求人が親会社の求めに応じてその利益を親会社に移転させたものというべきである。したがって、本件外注加工費に係る支出は、何らの役務提供に基づくものとは認められず、請求人からの親会社に対する対価性のない支出であると認められるから、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当すると判断される。(平20. 5.30 金裁(法・諸)平19-18)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平190021
- 裁決年月日
- 平成20年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/3固定資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有する本件土地の評価換えに係る評価損について、本件土地が、法人税法施行令第68条第3号ロの「1年以上にわたり遊休状態にあること」、同号ハの「本来の用途に使用することができないため他の用途に使用されたこと」又は同号トの「イからヘまでに準ずる特別の事実」のいずれかに該当し、その価額も帳簿価格を下回っているから、同法第33条第2項の規定により損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件土地は取得日以降一度も事業の用に供していないこと、本件土地購入時における市街化調整区域である等の要因以外の要因で取得のときから1年以上事業の用に供されないため本件土地の価額が低下した特別な事情は認められないこと、本件土地の価額が取得価額に比し下落しているとしても全国的土地価額の下落傾向によるものと認められることから、本件土地について法人税法施行令第68条第3号ロ、ハ及びト(法人税基本通達9-1-16(1))の要件に該当する事実はなく、同法第33条第2項の規定は適用できず、本件土地の評価損を損金の額に算入することはできない。(平20. 5.21 仙裁(法)平19-21)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190034
- 裁決年月日
- 平成20年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡契約書写しを提出し、本件店舗の営業権をAから譲り受けたが、この金額を償却していなかったのであるから、営業権未償却残高の除却損失は損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、①請求人は、本件譲渡契約書写しの基となる原本を提出せず、その所在が不明である旨申述するのみで、重要な証拠である当該原本を喪失した理由について、十分納得できる説明をせず、また、請求人は、本件譲渡契約書写しを所持しているところ、その写し作成の経緯について十分な説明をしていないことからすれば、その基となる原本の存在自体が極めて疑わしい上、②当該営業権の譲渡者とされるAは、本件店舗の営業権を譲渡していない旨及び譲渡契約書に署名・押印していない旨答述していること、③本件譲渡契約書写しには、譲渡の対価の支払期日、支払方法など、営業等の譲渡契約を締結する際に通常必要な事項の記載がなく、記名された代表取締役の氏名が作成時点で就任してない者であるなど、契約書としては極めて不自然、不合理であること、④本件譲渡契約書写しの内容も、十分信用できるAの答述に反していることからすれば、本件譲渡契約書写しは全く信用できない。以上のことからすると、請求人は、全く信用できない本件譲渡契約書写しを提出しているだけであり、本件元帳に計上されていない損失の内容について、具体的な立証を行っているとはいえないのであるから、請求人の主張する損失は事実上存在しないものと推認され、請求人の所得金額の計算上損金の額に算入できない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 5.20 広裁(法・諸)平19-34)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190050
- 裁決年月日
- 平成20年5月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注費について、役務提供や支払の事実があり架空のものではない旨主張する。しかしながら、本件各外注先は、請求書及び領収書に記載された各所在地に存在していた事実が確認できないこと、本件各外注先に本件作業を委託していない期間は、他の外注先が行う作業量が増加し支払う外注費も増加するはずであるが、目立った変化がないか逆に減少していること、請求人が提出した証拠は、原処分調査後に加筆されたものであり、本件作業の外注の事実を裏付けるものということはできないことからすると、請求人が本件各外注先に本件作業を外注委託し、実際に作業を行った事実はないものと推認される。加えて、本件各領収証は、請求人自らが作成した疑いがあり、これをもって本件外注費が本件各外注先に対し、本件作業を行った対価として支払われてることを認めることはできない。したがって、本件外注費は、具体的な役務の提供があったかのように本件各外注先に対する外注費として帳簿書類に虚偽記載されたものであり、損金の額に算入されない。(平20. 5.15 大裁(法・諸)平19-50)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190047
- 裁決年月日
- 平成20年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・711ページ
要旨
○ 請求人は、土地とともに一括取得した建物の取得価額は、売買契約書に記載された建物の価額によらず、土地及び建物の時価である各固定資産税評価額の価額比であん分する方法により合理的に算定すべきである旨主張する。しかしながら、請求人及び売主であるA社は、契約当事者として売買契約書に記載された内容で合意し、売買契約の締結に至ったものと認められ、両者の間に、同族会社であるなど特殊な利害関係あるいは租税回避の意思や脱税目的等のもとに故意に実体と異なる内容を契約書に表示したなどの事情は認められず、また、売買契約書に記載された建物の価額は,特段不合理なものとは認められないから、売買契約書に記載された建物の価額を基にその取得価額を算定することが相当であり、単に当該価額が当該建物に係る固定資産税評価額を下回っているというだけで、売買契約書に記載された建物の価額によることなく、固定資産税評価額の価額比であん分する方法によることは相当でない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平20. 5. 8 大裁(法・諸)平19-47)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190041
- 裁決年月日
- 平成20年5月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/2債権放棄等の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件金額は、本件各和解によって、平成16年1月期において、法人税基本通達9−6−1(3)ロに定める「切り捨てられることとなった」という要件を満たすので、損金の額に算入されるべきである旨主張するが、本件各和解調書によれば、本件各和解における支払の免除は、本件各内金が完済されたときに初めてその効力が発生する停止条件付債務免除であると認められるところ、平成16年1月期において、本件各内金は完済されていないことから、本件各和解の条件は成就していないので、本件金額は、基本通達9−6−1(3)に定める「切り捨てられることとなった部分の金額」に当たらず、他に平成16年1月期において貸倒れが生じたと認めるに足る事実も見当たらないことから、平成16年1月期の損金の額に算入することができない。(平20. 5. 2 関裁(法)平19-41)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190175
- 裁決年月日
- 平成20年5月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社甲社との合意に基づき、甲社が①業務代行行為、②訪問介護契約独占行為、③医薬品販売独占行為の3つの行為を行った対価として委託料を支払ったものであり、その対価を請求人の訪問介護事業から生じた利益を算定基準としても何ら不合理ではなく、妥当な水準の金額であるから、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、当該業務代行行為は、甲社自身が業務の一環として行っていたというのが実態であり、請求人の訪問介護事業に係る主要業務を甲社が実施している事実は認められない。また、訪問介護契約独占行為及び医薬品販売独占行為に係る権利付与の対価である旨主張するが、これらの権利は甲社に帰属する権利ではなく、また、請求人がこれらの権利の対価として支払わなければならない合理的な理由がないことから、対価性は認められない。さらに、委託料の対価の額は、請求人の訪問介護事業に係る利益の全額であり、そもそもこれを本件業務代行行為の対価であるとみることはできない。そして、請求人は、本件委託料額について委託料として費用処理しており、その決済は甲社に対する貸付金の額を減額し、一方、甲社もこの対価を売上計上することにより請求人からの借入金の額を減額している。そうすると、請求人が費用計上した当該委託料は対価性はなく、本件委託料額に係る支払決済により、甲社に対する貸付金債権が消滅していることから、請求人は甲社に対して債務消滅という経済的利益を供与したことになり、本件委託料額は甲社に対する寄附金の額と認めるのが相当である。(平20. 5. 1 東裁(法)平19-175)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190175
- 裁決年月日
- 平成20年5月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件医療協力報酬額について、請求人は、医療協力契約を取り交わした医療法人社団乙会(以下「乙会」という。)から医薬品納入業務に関する優先的地位を得る対価として支払ったものであり、損金の額に算入される費用である旨主張し、原処分庁は、何らかの便益を受けることを期待する目的で支出されたものであり、乙会に対する交際費等に該当する旨主張する。しかしながら、乙会との取引は当該契約の締結以前から行われているが、契約後の取引金額は年々減少していること、また、本件医療協力報酬額は法人に対する支払であり、接待等に該当する行為つまり相手方の快楽追求欲、金銭や物品の所有欲などを満足させる行為ではなく、親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図ることを目的とした支出であるとは認められないことから、交際費等には該当しない。当該契約は、医薬品の納入に係る優先的地位を請求人に与え、乙会及び請求人の事業上の発展を相互に補てんするために報酬額を支払うこととされているが、具体的な役務提供の対価として支払うものではなく、当該契約によって新たな権利が付与されるものでもない。また、①医薬品の納入についても乙会の事業年度末において大幅な値引きが行われていることから請求人の乙会に対する医薬品売上に係る利益は生じないこと、②請求人は総合病院等の発行した処方箋も調剤していること、③契約条項によれば自動更新されることとされているが、実際には1年で契約は終了し、その支払も契約から1年経過後であるなど、独立した第三者間の取引とはかけ離れた内容となっていることなどからすれば、報酬額は、役務提供に係る対価性はなく、乙会に対して金銭を贈与したものと認められるので、寄附金に該当する。(平20. 5. 1 東裁(法)平19-175)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190084
- 裁決年月日
- 平成20年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が請求人の代表取締役Aの妻であるBに対して委託した自動車部品等を製造する工場への従業員の派遣の業務(以下「本件請負業務」という。)は、Bが行っていたものであるから、本件請負業務は請求人が行っているものであるとして原処分庁が行った法人税等の更正処分等は違法である旨主張する。しかしながら、本件請負業務に係る事業の経営主体がだれであるかについてみれば、①A自らが、本件請負業務に係る事務は、請求人の本社事務所で請求人の役員であるA及びAの父であるC並びに請求人の従業員が行っていることを認めていることに加え、②本件請負業務に係る請負代金の請求、従業員の給与計算及び本件単価改定が請求人の従業員において行われていること、③本件請負業務に係る請負代金の請求金額の算定方法は、請求人の売上先に対する請求金額の算定方法と同一であること、④Bの従業員であるDらは請求人の元従業員であり、単にBの従業員に異動させたにすぎないこと、⑤請求人の役員であるA及びC並びに請求人の従業員の本件請負業務に係る事務への従事に係る対価の精算については、請求人とBとの間では何ら契約もなく、一部の費用の請求を除き、その精算が一切なされていないこと及び⑥Bを求人主とする求人広告を広告代理店に依頼したのは請求人であり、請求人は、当該求人広告費用の全額を支払うとともにその全額を請求人の帳簿に広告費として計上し、損金の額に算入していることを併せ考えれば、本件請負業務に係る事業の経営主体は請求人であると認められる。以上によれば、本件請負業務に委託の事実は認められず、Bは本件請負業務に係る事業の名義上の事業主にすぎないものであり、本件請負業務に係る事業は請求人が行っていたものであると認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 4.25 名裁(法・諸)平19-84)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平190011
- 裁決年月日
- 平成20年4月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、旧病院の建物(以下「本件建物」という。)を取得後に取り壊してはいるがその跡地を含む土地に本件建物の用途と同じ新病院施設を建設しており、本件建物の用途とは別の用途の建物を建てたものではないから、法人税基本通達7−3−6《土地とともに取得した建物等の取壊費等》の適用はない旨主張するが、取り壊した建物の帳簿価額相当額を損金の額あるいは借地権の取得価額に算入すべきかについては、取得の当初から当該建物を取り壊してその敷地を利用する目的であるか否かで判断すべきであり、当該建物と新たに建設された建物の用途が一致するか否かによって決するものではないから、請求人の主張は採用できない。(平20. 4.10 札裁(法)平19-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190153
- 裁決年月日
- 平成20年4月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712072
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/2寄附金と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
請求人は、子会社等に対する債権放棄は、法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》で定める債権放棄をすることに相当な理由がある場合に当てはまり、本件債権放棄額は損金の額に算入されるべき旨主張する。しかしながら、請求人の子会社等が再建計画書案を銀行に提示したのは、本件事業年度の申告期限直前のことであり、当該銀行は、この再建計画書案に必要な語句等を加えた本件再建計画書に基づいて、再建計画を承認し同意書に調印を行っていることからすると、本件再建計画書は、請求人の法人税の申告をするに当たり、本件債権放棄額を損金の額に算入するために急遽作成されたものであるといわざるを得ず、請求人が本件債権放棄を行った本件事業年度において、合理的な再建計画が策定されたと認めることは困難である。また、①本件再建計画には、再建に向けた具体的な事業計画等が定められていないこと、②請求人等に対しては債務免除を要請しているものの、銀行には何ら金利減免等の要請はせず、当該銀行も十分な担保により債権額の切捨てや金利減免を行っていないこと、③その他の銀行に対しては、本件再建計画を知らせず、当初の返済計画どおり返済を継続していることからすれば、子会社等が直ちに経営の危機にあったとは認め難く、さらに、請求人が子会社等に対して引き続き本件貸付金の返済猶予及び金利棚上げを一定期間行った場合と本件債権放棄を行った場合とで子会社等のキャッシュフローに何ら異なるところはなく、以前から別口の貸付金等の返済を猶予していることからしても、本件債権放棄による資金効果は、業務改善に直接的な効果があるものとは認められず、請求人が本件事業年度において、あえて債権放棄という手段をとらなければならない相当な理由は見当たらないというべきである。したがって、本件債権放棄は、その債権放棄を行うことに相当な理由がある場合には当たらないことから、本件債権放棄額は損金の額に算入することはできず、寄附金に該当する。(平20. 4. 4 東裁(法)平19-153)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190029
- 裁決年月日
- 平成20年3月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が認定した簿外経費等の金額以外に簿外経費等がある旨主張する。しかしながら、請求人が主張する簿外経費等に係る証拠として審判所に提出された書類等のうち、スクラップ仕入れ、古紙仕入れ、燃料代等に係る書類等は請求人の経費であることを立証するものと認められるものの、廃材仕入れ、外注費、修繕費及び厚生費等に係る書類等は、いずれもそれらの簿外経費等の存在を具体的に立証するものとはいえず、また、他にそれらの簿外経費等の存在を認めるに足りる証拠はない。そうすると、請求人が主張する廃材仕入れ等の金額は、請求人の所得金額の計算上損金の額に算入することはできないから、請求人の主張には理由がない。(平20. 3.28 広裁(法・諸)平19-29)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190021
- 裁決年月日
- 平成20年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①ある支出が繰延資産に該当するかどうかは、「新たな便益」又は「より大きな便益」を生じさせるかどうかを基準にしており、法人税法施行令第14条第1項第9号ホにいう「便益」は「新たな便益」に限定的に解釈すべきであるところ、②本件しゅんせつ工事は、港湾として機能していた本件水域が「き損」したのを修復したもので、固定資産の「取得」又は「改良」に当たらず、本件しゅんせつ工事により可能となった安全な航行等の便益は、従来から継続して受けていたもので「新たな便益」ではないこと、及び③本件しゅんせつ工事費用は、その揚出物の大半がヘドロで大規模などぶさらいであり、使用開始当初以上に水深を深くするものではなく原状に復するための費用であって、港湾としての機能を果たしえなくなる障害を除去するもので「通常の修理」に当たること等からみて、修繕費的支出に該当する旨主張する。しかしながら、①法人税法施行令第14条第1項第9号ホに規定する繰延資産に該当するか否かの判断は、請求人の主張する「新たな便益」又は「より大きな便益」を生じさせるかどうかではなく、「自己が便益を受けるために支出する費用」で、かつ、「その支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」かどうかを基準とすべきものであり、②その支出の対象となった固定資産が「き損」した状態であるか、しゅんせつした揚出物がヘドロであるか、原状に復する費用か、通常の修理に当たるかなどは、自己の有する固定資産について支出する金額が資本的支出に該当するか否かなどの判断に際しての基準であり、繰延資産に該当するかどうかの判断には影響しないというべきである。したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平20. 3.24 福裁(法)平19-21)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190022
- 裁決年月日
- 平成20年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・342ページ
要旨
○ 本件建屋は、改装して製造工場として利用する目的で取得したもので、初めから取壊しをする予定はなかったから、本件建屋の取得価額は、本件土地の取得価額には含まれない旨主張する。しかしながら、原処分関係資料及び当審判所の調査において、その意思決定を示す具体的資料はなく、競売に係る評価書によれば本件建屋は従前工場として有害物質が使用されていた旨記載されており、そして、請求人の監査役が本件土地及び本件建物等を取得する直前に土壌汚染の調査方法等についてP県保健福祉環境事務所に相談していることからすれば、請求人は、競売に参加する時点において、本件建屋が従前工場であり有害物質が使用されていたことを承知しており、本件建屋が食品物の製造に適さない可能性があることを想定した上で、本件土地及び本件建物等を取得したものと認められる。また、本件土地及び本件建物等の競売価格はその固定資産税評価額の約5分の1の金額であることからみて、本件建屋を取り壊しても、その跡地を利用する価値があったからこそ競売への参加を決定したものと認められる。そして、請求人は、稟議書の記載内容から、平成16年12月の時点では本件建屋を解体して、新工場を建設することを決めていたものと認められ、平成16年10月から平成17年8月にかけて、本件排水施設及び本件建屋を順次取り壊し、その後、その跡地を利用して平成18年1月に本件社屋を増築するとともに、同年2月に別棟を新築取得していることから、取得後1年以内に本件建屋の取壊しに着手したと認められ、また、取得後に事情変更等があったとは認められない。これらを総合すれば、請求人は、当初から本件建屋を利用する計画はなく、それを取り壊して、その跡地を利用する目的であったと認められ、法人税基本通達7−3−6の「その取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手する等、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかである」と同視しうる状況にあったものと認められる。そうすると、本件では、本件建屋の取得価額を本件社屋の取得価額に含めて減価償却を行っているが、上記のとおり、本件建屋は取得後事業の用に供されることなく取り壊されているので、本件建屋の取得価額に係る減価償却費は損金の額に算入することは相当ではなく、また、本件建屋の取得価額は、本件社屋の取得価額とは別に、本件排水施設解体費等とともに本件土地の取得価額に算入するのが合理的であるというべきである。また、本件タンク設備等についても、食品製造工場として利用できるものではなく、平成17年6月までに取り壊されており、本件タンク設備等撤去工事費は、本件タンク設備等を取り壊して、本件土地を使用するために要した費用であると認められることから、本件土地の取得価額に算入すべきである。以上のことから、本件建屋の帳簿価額及び本件解体工事費等は、本件各事業年度の損金の額に算入することはできず、本件土地の取得価額に算入すべきである。(平20. 3.24 福裁(法)平19-22)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190022
- 裁決年月日
- 平成20年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・342ページ
要旨
○ 請求人は、本件固定資産税相当額は、本件契約書に租税公課の分担等と明記しており、本件固定資産税相当額を土地取得価額に算入することは土地の価額を膨らますことになることから、土地の取得価額に含めるべきではなく、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、売買当事者が、これを固定資産税等の所有期間に対応した経費分担と認識しているとしても、地方税法上、固定資産税等は毎年1月1日を賦課期日としてその年の4月1日から始まる年度分の税として課税されるものであって、所有期間に対応して課税することにはなっておらず、また、不動産売買取引においても未経過分固定資産税等相当額の算定は、会計年度を基準にするものもあれば、暦年を基準とするものもあり、その算定方法の決定等はその金員の授受を行うか否かを含め売買当事者の意思にゆだねられているのであるから、未経過分固定資産税等相当額は、売買条件の一つとして買主が売主に給付する金員にほかならず、買主にとって購入資産の代価の一部として支払うものと認めるのが相当である。(平20. 3.24 福裁(法)平19-22)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190028
- 裁決年月日
- 平成20年3月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702043
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社に支払った簿外の車両運搬具等の使用料は損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人が提出した当該使用料に関する書類は、請求人の独自の概算使用料の計算過程及び関係会社が取得した車両運搬具等を示すものにすぎず、請求人が主張する当該使用料の存在を具体的に立証するものとはいえない。また、請求人の設立以後、請求人と関係会社との間で車両運搬具等の賃貸借に関する契約がなされたことを認めるに足る証拠はなく、加えて、請求人が関係会社に対して車両運搬具等の使用料を支払ったことを認めるに足る証拠もないことからすると、車両運搬具等の使用料の存在を認めることはできない。そうすると、請求人が主張する車両運搬具等の使用料は、請求人の所得金額の計算上損金の額に算入することはできないから、請求人の主張には理由がない。(平20. 3.14 広裁(法)平19-28)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190028
- 裁決年月日
- 平成20年3月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注費勘定への計上額は当時の状況において可能な限り適切な見積りに基づいて計上したもので損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、外注費勘定への計上額は、請負工事を建物等の構造別に分類し、各工事の完成工事高に根拠のない請求人の独自の原価率を乗じて算出されたもので、かつ、各工事ごとの完成工事売上高に対応する原価に係る事実を具体的に把握したものではないから、平成17年6月期の末日の現況により適正に原価の額を見積もったものとはいえず、また、外注費勘定に振り替えられた未成工事支出金の実態は、関係会社に対する融通金又は同社に対する使途不明金であることから、外注費勘定への計上額に損金性はないというべきである。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 3.14 広裁(法)平19-28)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190026
- 裁決年月日
- 平成20年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人甲社からの仕入れは本件売買契約に基づく正当な取引であるから、請求人の関係法人からの仕入金額と同社の材料業者からの仕入金額との本件仕入差額は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人関係法人甲社との取引については、①甲社には同社の業務を行うために必要な従業員が存しないこと、②甲社は、同社の本店所在地に事務所を有しておらず、また、看板も掲げていないこと、③甲社の帳簿書類は請求人に保管されており、また、甲社としての電話番号は存しないこと、④材料業者からの材料の納入は、甲社ではなく、請求人に直接行われていること、⑤材料業者への材料の発注等の業務は請求人の取締役又は工場長が、支払等の業務は請求人の総務部長がそれぞれ行っていること及び⑥請求人の取締役は材料業者に請求先を関係法人へ変更するように依頼し、甲社を通して仕入れることにより請求人の年間利益が減少すると見込んで当該取引を行ったことが、それぞれ認められる。また、請求人が材料業者からの直接仕入れを関係法人甲社を経由しての仕入れに変更すべき具体的理由は認められず、本件売買契約は、請求人と関係法人の双方が独立した第三者であったならば当然とったであろう取引形態を前提とした場合、不自然、不合理なものであり、経済的合理性を欠くものである。そうすると、請求人と関係法人との取引に実体があるということはできず、また、本件仕入差額は、法人税法第37条第7項に規定するかっこ書の広告宣伝及び見本品の費用等にも該当しないから、請求人が関係法人に対して直接的な対価を伴わないでした支出として同項に規定する寄附金に該当する。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 3.13 広裁(法・諸)平19-26)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190026
- 裁決年月日
- 平成20年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人と関係法人乙社との売買に係る本件売買差額は、請求人が行うべき業務を関係法人が代行した費用を精算したものであり、関係法人に対する正当な対価の支払いであるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、本件売買差額に係る売買は、請求人が、関係法人に対し架空の数量等を記載した請求書を交付することにより架空の売上金額を、また、同社から架空の数量等が印字された請求書の交付を受けることにより架空の仕入金額を、売上勘定及び仕入勘定の各金額に上乗せした上で、請求人の会計帳簿等に記載したものであり、売買としての実体を有しているとは認められない。そうすると、請求人と関係法人との取引に実体があるということはできず、また、本件売買差額は、法人税法第37条第7項に規定するかっこ書の広告宣伝及び見本品の費用等にも該当しないから、請求人が関係法人に対して直接的な対価を伴わないでした支出として同項に規定する寄附金に該当する。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 3.13 広裁(法・諸)平19-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190031
- 裁決年月日
- 平成20年3月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株主総会から役員ごとの支給額の決定を一任された本件取締役会の決議には強制力があるから、本件取締役会で決議した役員ごとの支給額(以下「本件取締役会決議額」という。)を形式基準限度額として、役員ごとに過大役員報酬額を判定すべきである旨主張する。しかしながら、本件取締役会決議額の合計額は株主総会で決議された役員報酬の総額を超えており、その支給限度額が個々の役員ごとに定められている場合には当たらない。したがって、支給限度額が総額で定められている場合として判定することとなるので、本件取締役会決議額を形式基準限度額とすることはできない。(平20. 3. 4 関裁(法)平19-31)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190031
- 裁決年月日
- 平成20年3月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成16年4月期から平成18年4月期までの各事業年度(以下「本件各事業年度」という。)における役員報酬の支給限度額に関する株主総会の決議はされておらず、平成13年6月開催の株主総会(以下「本件株主総会」という。)において決議した役員報酬の総額(以下「本件株主総会決議額」という。)を形式基準限度額とすることはできないから、過大役員報酬額の算定に当たっては、形式基準を適用できず、実質基準を適用すべきであり、実質基準超過額が過大役員報酬額となる旨主張する。しかしながら、請求人は、有効期間を定めることなく本件株主総会の決議により本件株主総会決議額を定め、その後、本件各事業年度においてその改定をしていないことからすると、本件株主総会決議額の定めは本件各事業年度においてその効力を有すると認められる。よって、過大役員報酬額の算定に当たっては、形式基準が適用され、形式基準超過額をもって過大役員報酬額とされるべきところ、請求人の主張する実質基準超過額は形式基準超過額を下回るものであるから、請求人の主張する実質基準超過額をもって過大役員報酬額とすることはできない。(平20. 3. 4 関裁(法)平19-31)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190120
- 裁決年月日
- 平成20年3月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、土地と一括して購入した建物の取得価額を、路線価により算定した当該土地の取得価額を購入代金の合計額から控除する方法により算定し、減価償却費の計算を行ったことについて、原処分庁が、売主法人における当該土地及び建物それぞれの売却価格(当該売主法人の経験値によるあん分価格)は、当該土地及び建物の固定資産税評価額の価額比に近似する合理的なものであるから、当該売却価格を請求人における取得価額として減価償却費を算定すべきであるとして、法人税の更正処分等をしたのに対し、請求人は、請求人の算定方法は合理的であり、売主法人の区分に倣う必要はないから、原処分は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、取得価額の算定が難しい中古の建物を土地とともに一括して購入した本件においては、土地又は建物どちらか一方の取得価額を算定した上で購入代金の合計額からそれを控除することにより他方の取得価額を算定する方法よりも、購入代金の合計額を当該土地及び建物の固定資産税評価額や相続税評価額の価額比によりあん分し、それぞれの取得価額を算定する方法が、より合理的と認められるところ、同方法により算定した取得価額と請求人が採用した方法により算定した取得価額には著しい差異が認められる一方、本件売主法人における当該土地及び建物の売却価格に基づく取得価額が、合理的と認められる固定資産税評価額や相続税評価額の価額比によりあん分する方法に基づき算定された取得価額に極めて近似していることからすれば、当該売主法人における区分が経験値によるものであったとしても、結果的に当該区分に基づく取得価額には合理性があると認められるから、当該取得価額を基礎として減価償却費の計算を行った原処分は相当と認められる。(平20. 3. 3 東裁(法・諸)平19-120)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190014
- 裁決年月日
- 平成20年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人A社との間において取り交わした業務委託契約書に基づき、A社に対する短期貸付金と相殺した外注委託費は、有効な業務委託契約に基づいて実施した経済実態のある取引に対する対価であるから、法人税法(平成18年法律第10号による改正前のもの。以下同じ。)第37条第7項に規定する寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が行っている業務は、運送業務、不動産貸付け及び輸入品の通関手続の代行業務であり、また、請求人の売上高には傭車収入、運送収入、家賃収入及び通関手数料収入が計上されているだけである。そして、上記業務委託契約書に記載されている委託する業務は、①検品業務、②値札加工業務、③①及び②の業務に付帯する一切の業務とされているが、これらの業務は、関連法人であるB社がA社との間において取り交わした基本契約書に基づいてB社からA社に委託されており、請求人がB社から当該業務を委託されていると認めるに足りる証拠もないから、請求人がB社から当該業務を引き受けているとは認められず、請求人は当該業務を委託する立場にない。また、請求人は、請求人が作成すべき「送り状」の作成をA社が行った旨及び平成16年12月16日の役員会議において、契約を行うことを決定したから上記業務委託契約書を平成17年1月1日付で平成17年12月下旬に作成した旨主張するが、「送り状」に記載(印字)される内容から、「送り状」の作成業務は請求人の業務とは関連しないものである。また、上記業務委託契約書を作成したのは決算期末に近い平成17年12月下旬であり、契約書作成までの経緯をみても、契約期間の始期である平成17年1月1日時点において、請求人の主張するような業務委託に関する契約の成立があったとは認められない。さらに、請求人が計上した外注委託費は、A社の従業員の人件費にA社が請求人から賃借していた物流倉庫の年間家賃の3分の1の金額を加算して算定しているが、物流倉庫の家賃については請求人とA社との間において賃貸借契約書が取り交わされ、その賃借料は毎月精算されており、仮に請求人がA社の賃借スペースの一部を一時的に使用していたとしてもその事実を証する証拠はなく、また、上記業務委託契約書には賃借料に関して何ら記載されていない。以上のことから、上記業務委託契約書に記載された業務は、B社がA社に委託した業務であり、請求人が計上した外注委託費は、業務委託の対価とは認められない。なお、外注委託費の支払原因についてみると、A社は多額の累積欠損金を抱えており、A社とB社との間においても上記業務委託契約書と同様の内容の契約書を作成し、A社は同時期にB社からも短期借入金の債務免除を受けている。そして、請求人とB社がA社の債務を免除した金額の合計額は、A社の累積欠損金とほぼ同額である。そうすると、請求人の外注委託費名目の支出は、A社の欠損を補てんするために行った債権放棄による経済的利益の無償の供与であると認められ、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 2.27 福裁(法・諸)平19-14)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190015
- 裁決年月日
- 平成20年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人A社との間において取り交わした業務委託契約書に基づき、A社に対する短期貸付金と相殺した外注委託費は、有効な業務委託契約に基づいて実施した経済実態のある取引に対する対価であるから、法人税法(平成18年法律第10号による改正前のもの。以下同じ。)第37条第7項に規定する寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、上記業務委託契約書に記載されている業務は、①検品業務、②値札付加工業務、③①及び②の業務に付帯する一切の業務とされているところ、これらの業務は、請求人とA社との間で取り交わした平成8年8月1日付の基本契約書に記載されている内容と同一の内容である。A社は当該基本契約書に基づき、検品、値札付け、箱詰め等の一連の作業を従前から行っており、当該一連の作業の中で「送り状」も作成されている。そして当該一連の業務に対する対価は、毎月A社から請求人のメーカー等に対する売上の○%相当額が請求され、請求人は毎月請求額を支払っている。このことは、本件事業年度においても変わった点はなく、上記業務委託契約書により新たな業務の発生や業務量の増加も認められない。また、請求人は、上記「送り状」の作成業務はA社の請求人に対する無償役務の提供であり、その是正のために上記業務委託契約書を作成した旨及び平成16年12月16日の役員会議において、契約を行うことを決定したから、業務委託契約書を平成17年1月1日付で平成17年12月下旬に作成した旨主張する。しかしながら、「送り状」は、検品業務、値札付加工業務の一環として作成されていると認められるから、仮に、基本契約書に定める業務委託料を変更するのであれば、請求人のメーカー等に対する売上の○%相当額がその業務の内容に照らして低額かどうかの検討が行われてしかるべきであり、その結果は何らかの形で文書で記録しておくのが通常であるところ、本件においては、そのような業務委託契約書の作成に当たっての具体的な検討資料の提出もなく、契約金額の算定に当たっては、「送り状」の作成業務に携わる従業員の給与支払実績から算定されているから、基本契約書に記載された契約金額の計算方法とは全く関係がない算定方法を用いた点からも不自然かつ不合理といわざるを得ない。さらに、上記業務委託契約書の契約締結日は平成17年1月1日とされているが、契約書を作成したのは決算期末に近い平成17年12月下旬であり、契約書作成までの経緯をみても、契約期間の始期である平成17年1月1日時点においては、委託する業務でさえも決まっていなかったと認められることから、請求人が主張するような業務委託に関する契約の成立があったとは認められない。以上のことから、請求人が計上した外注委託費は、業務委託の対価とは認められない。なお、A社は、多額の累積欠損金を抱えており、関連法人B社との間において上記業務委託契約書と同様の内容の契約書を作成して同時期にB社からも短期借入金の債務免除を受けている。そして、請求人とB社がA社の債務を免除した金額の合計額は、A社の累積欠損金とほぼ同額である。そうすると、請求人の外注委託費名目の支出は、業務委託の対価ではなく、A社の欠損を補てんするために行った債権放棄による経済的利益の無償の供与であると認められ、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 2.27 福裁(法・諸)平19-15)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190068
- 裁決年月日
- 平成20年2月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社甲社に対する支払地代(以下「本件地代」という。)が過大であるとしても、これは、当該取引をしなければ逆により大きな損失を被ることが明らかであるためやむを得ず行ったものであり、甲社に対する債権放棄を行うなど甲社の再建を図っている事情から、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が甲社の再建計画等を取締役会及び株主総会において検討し、あるいは、取引銀行等に提出したことはない旨の請求人の代表取締役等の答述から判断すると、甲社が倒産するような状況であったとは認められない。そうすると、本件地代の支払について、甲社の倒産を防止するためにやむを得ず行われるもので合理的な再建計画に基づくものである等の相当な理由があったとは認められないから、本件地代のうち適正地代を超える部分の金額に法人税基本通達9−4−2の規定の適用はなく、当該金額は寄附金の額に該当するとしたことは相当と認められる。(平20. 2.13 名裁(法)平19-68)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190068
- 裁決年月日
- 平成20年2月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712094
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/4賃借料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地と利用条件が類似するものを選定することは困難であり、本件各土地と類似する土地との格差を補正することは不可能に近いから、原処分庁が算定した地代(以下「原処分庁主張地代」という。)は合理性がなく、また、適正地代を算定する方法である利回り法又はスライド法等の方法を加味することなく、原処分庁が本件各土地と利用条件が類似する土地を選定しその地代の平均単価により算定する方法のみをもって本件各土地の地代が高額であるとしたことは誤りであり、原処分庁主張地代は適正額ではない旨主張する。しかしながら、原処分庁は、本件各土地の所在する町及び同町に隣接した地域に所在する土地であること等の選定基準により選定した土地を比準物件とし、本件各事業年度の開始の日である各々の日を含む各比準物件の1㎡当たりの月額地代の平均値をもって原処分庁主張地代としていることが認められ、比準物件の地代の平均値により本件各土地の適正地代を算定する場合には、本件各土地と比準物件との間に通常存在する程度の条件の差異はその平均値に吸収され捨象されるため、原処分庁主張地代の算定方法には合理性があると認められる。なお、原処分庁の比準物件の選定基準では、土地所有者と建物所有者が同族会社とその株主等の関係にあるもの等が含まれ、比準物件に係る地代の客観性をそこなうおそれがあることから、これらを除くため、当該基準に新たに基準を追加して比準物件を選定することが相当であり、原処分庁が比準物件として採用した18物件のうち14件については比準物件から除外し、新たに1件を比準物件に追加して、比準物件を5件とすることが相当と認められる。(平20. 2.13 名裁(法)平19-68)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190108
- 裁決年月日
- 平成20年2月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空外注加工費と認定した外注加工費について、架空計上したものではなく、紹介手数料又は外注加工費であるから、損金の額として認めるべきである旨主張する。しかしながら、紹介手数料又は外注加工費と認められる客観的証拠はなく、紹介手数料又は外注加工費として支払われた事実を認めることは困難であることから、請求人の主張は採用することはできず、原処分は相当であると認められる。(平20. 2. 8 東裁(法・諸)平19-108)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190106
- 裁決年月日
- 平成20年2月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/2架空でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、代表者が作成したメモに記載された金額は、そのほとんどが外注先の領収書と一致していることから、外注費の実際の支払金額であり、外注費の計上金額との差額は、得意先に対するバックリベート及び請求人の取り分である旨主張する。しかしながら、請求人は、外注先に対して外注費計上額を送金しており、また、代表者のメモに記載された金額が外注費の実際の支払金額であると認めるに足りる証拠資料は見当たらない。さらに、請求人が、請求人自身の取り分を外注先から、いつ、どのような方法で受け取ったのか、得意先に対するバックリベートは、いつ、どのような方法で、誰に支払ったのか等の具体的な事実関係について一切明示されることなく、そのまま、代表者の当該メモだけをもって原処分庁が主張するような事実を許容することが相当であるとは言い難い。したがって、原処分庁の主張は採用することはできない。(平20. 2. 7 東裁(法)平19-106)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平190012
- 裁決年月日
- 平成20年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/12その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・447ページ
要旨
○ 請求人は、確定申告書に添付した「減価償却費明細書」に誤りがあったとして減価償却費の総額は変更せずに個々の船舶の償却費を加減算した訂正後の「減価償却費明細書」を提出し、特定外国子会社等の課税対象留保金額の算定に当たっては当該訂正後の「減価償却費明細書」に基づくべきである旨主張する。しかしながら、その後の事業年度の確定申告書に添付された「減価償却費明細書」をみると、確定申告書に添付された「減価償却費明細書」との連続性があること、さらに、請求人は租税特別措置法第66条の6の規定を適用して更正処分が行われることを前提に個々の船舶の償却費の訂正を求めていることからしても、確定申告書に添付された「減価償却費明細書」の記載内容には誤りはなかったものと認められ、各船舶の減価償却費の計算は確定申告書に添付された「減価償却明細書」に記載された金額に基づき行われることとなる。(平20. 2. 6 高裁(法)平19-12)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190013
- 裁決年月日
- 平成20年2月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地建物の取得後に、売主であるA社に支払った当該土地建物に係る固定資産税等相当額は、取得後の期間に応じた費用(公租公課)として、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地建物に係る固定資産税等の精算については、本件契約の締結時に、請求人とA社との間で話合いが行われ、請求人がA社に対して本件土地建物の売買後の期間に対応する金額を支払うことを口頭により合意したことが認められ、この合意に基づいて、A社は請求人に対して本件固定資産税等相当額の請求を行い、請求人がA社に支払を行ったことが認められる。そうすると、本件固定資産税等相当額の授受は、本件売買当事者間の合意により生じる債権債務関係に基づいて売買当事者間で授受されるもので、本件土地建物の売買条件の一つであると認められる。すなわち、本件固定資産税等相当額は、本件土地建物の売買に基因し、それと因果関係のある給付であると認められることから、買主である請求人にとっては、契約に基づき売主であるA社に支払う購入の代価の一部であると認めるのが相当であり、土地の取得価額に算入すべきであると認められる。(平20. 2. 5 福裁(法)平19-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190063
- 裁決年月日
- 平成20年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の取締役を退任した2名(以下「本件各退職役員」という。)に対して支給した役員退職給与(以下「本件役員退職役員」という。)の適正額は、所得税法第30条《退職所得》第3項に規定する退職所得控除額と功績倍率を用いた方法により算定すべきであり、この方法で算定された本件役員退職給与は損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件各退職役員については、請求人の業務に従事した事実がなく、無報酬の名目的な役員であったことが明らかである。また、本件役員退職給与については、請求人の財産を本件各退職役員に配分することを前提に支給されたものにすぎないと認められる。そうすると、本件役退職給与は、本件各退職役員の請求人に対する過去の功労に対する対価の後払あるいは在職中の功労に対する報償ではないとみるのが相当であるから、本件役員退職給与の全額が法人税法第36条(平成18年法律第10号による改正前のもの)に規定する不相当に高額な部分の金額に該当し、法人の所得の金額の計算上、損金の額に算入できない。(平20. 1.25 名裁(法)平19-63)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190018
- 裁決年月日
- 平成20年1月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その給食業務の委託先に支払った本件給食材料費について、当該委託先からの請求に基づく正当な取引の対価である旨主張する。しかしながら、①当該給食業務の対価の計算方法等は、委託契約書において別途約定されて本件委託費として支払うこととされており、②本件給食材料費の額はこの計算額とは別に支払われたものであって、③本件給食材料費の額と同額が、当該委託先からこの給食業務に関して何ら役務提供を行っていない請求人の関係会社に支払われていると認められることから、本件給食材料費の額は、請求人から当該関係会社に対する金銭等の贈与に当たり、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。(平20. 1. 9 関裁(法・諸)平19-18)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平190005
- 裁決年月日
- 平成20年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/5修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A工事の代金として支出した金員を修繕費として損金の額に計上したのは誤りであったが、当該金員は、Bらの不正行為により失った金員であるから、雑損失等に該当し、その使途が分かれば、支払手数料等として損金の額に算入できるものである旨主張する。しかしながら、実際に行われた工事の全般において主導的立場にあった請求人の代表者は、Bに指示し、A工事が実際に行われたように装い、A工事の代金として支出した金員を修繕費として損金の額に算入したものと認めるのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。(平20. 1. 7 札裁(法・諸)平19-5)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平190005
- 裁決年月日
- 平成20年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、リース先各社に対するリース料を減額したことには相当の理由があるので、当初のリース料と減額したリース料との差額を寄附金の額に含めたことは誤りである旨主張する。しかしながら、請求人がリース料を減額したことに合理的な理由は認められず、当初のリース料を不相当とする理由も認められないことから、当初のリース料と減額したリース料との差額は、請求人からリース先各社に対する「無償による資産の譲渡等」に該当し、益金の額に算入される。また、リース先各社に対する経済的利益の供与に当たるから、寄附金として取り扱うのが相当である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平20. 1. 7 札裁(法・諸)平19-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190091
- 裁決年月日
- 平成19年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・181ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁がFらに対する給与を架空と認定したのに対し、Fらは請求人の役員であり、架空給与ではない旨主張する。しかしながら、①形式的にはFらが請求人の理事である旨の届出がされているものの、Fらが請求人において勤務した事実はなく、その実態は、請求人の理事長Dから懇請され、Fらが請求人にその名義を貸したにすぎないこと、②請求人自らもFらが請求人の理事であると認識していないこと、③Fらが請求人の理事として固有の業務をしていたとする証拠もないこと、そして、④Fらはその支払を受けていない旨申述していることからすれば、原処分庁がFらに対する給与を架空給与であると認定したことは相当と認められる。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平19.12.19 東裁(法)平19-91)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190015
- 裁決年月日
- 平成19年12月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が支払手数料勘定に費用として計上した本件手数料額は、何らの法的根拠なく支出された金銭の贈与に当たるから、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金に該当する旨主張する。 しかしながら、本件契約書作成の経緯等からすれば、本件手数料額は、本件建物の賃借料及びコンサルタント料(名義借り料及びトラブル処理料)から成ることが認められるところ、①建物の賃借料は、請求人が長年本件建物を事業所として使用してきたこと、②名義借り料は、請求人が法人であるので事業を行うための免許を取得することができないこと及び請求人の代表者も当該免許を有していないこと、③トラブル処理料は、請求人が事業所を経営するに当たり、トラブルの発生する可能性を否定することができないことなどから、本件手数料額は、請求人が事業所を経営するために必要な対価と認められ、その支払金額にも一応の合理性が認められるから、金銭の贈与に当たる金額は存しない。 したがって、本件手数料額は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当せず、損金の額に算入すべきであるから、原処分を取り消すのが相当である。(平19.12.12 広裁(法)平19-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190032
- 裁決年月日
- 平成19年12月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、機械装置に使用されたソフトウエア(以下「本件システム」という。)は同装置に組み込まれているから全体を機械装置とみるべきであり、同装置が別の船に使用され廃棄されていない以上、本件システムを廃棄したとは認められない旨主張する。 しかしながら、本件システムを構成するソフトウエアのうち主要なものは廃棄されており、そのことにより当該機械装置の機能は働かないと認められることから、同装置が存在するか否かにかかわらず本件システム全体について本件事業年度における除却を認めるのが相当というべきであり、同装置が別の船に使用され廃棄されていないことのみをもって本件システムが廃棄されていないということはできないから、原処分庁の主張は採用できない。したがって、本件システムの帳簿価額は除却損として損金の額に算入することができる。そうすると、原処分は取り消すのが相当である。(平19.12.11 大裁(法・諸)平19-32)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190081
- 裁決年月日
- 平成19年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の所有する土地建物を請求人の代表取締役会長(以下「会長」という。)に譲渡する際に行った補修工事(以下「本件補修工事」という。)の費用(以下「本件補修費」という。)について、本件補修工事は当該建物の設備の不具合・老朽化、竣工時からの不備による使用上の不具合、居宅として使用するための不具合等を補修するための工事であるから、請求人が負担すべきである旨主張する。 しかしながら、①当該建物の品等は上位であり、経年相応の摩滅等はあるものの、保守管理の状態は普通であったこと、②本件補修工事は、当該建物等の譲渡価額が鑑定評価額より高額になったことをも理由に実施されていること、③本件補修工事は、買受人である会長の要望を受け入れて実施されていること、④本件補修費総額のうち、約4割が会長の居宅部分であるキッチンルームの工事に係るものであり、客観的にみて、居宅として使用するための不具合等を理由として請求人が当該補修費を負担すべき理由が見出せないこと、⑤当該建物全体を会長が居宅として使用していたと認められることなどを総合勘案すると、本件補修工事は、会長及びその家族の求めに応じて建物全体をグレードアップするために行われたものであり、請求人が本件補修費相当額を負担すべき合理的な理由は認められない。 そうすると、請求人は、会長に対して、本件補修費相当額を負担することによる経済的利益を供与したというべきである。(平19.12.11 東裁(法・諸)平19-81)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190013
- 裁決年月日
- 平成19年12月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・133ページ
要旨
○ 請求人は、取締役会の協議に基づいて各役員の報酬の月額を決め、その全額を支給したものであるから、その全額が損金の額に算入できる旨主張する。 しかしながら、役員報酬勘定に計上された金額のうち、①毎月の支給日に未払金経理された部分の金額(A)については、その支給日が使用人の賞与の支給日と同じ日で、その支給回数が使用人の賞与支給回数と同じ年2回であること、また、平成17年7月27日の計上額(B)及び同年12月27日の計上額(C)は、その各計上日に全額が支給されているところ、②Bについては、「前3か月及び後4か月」の支給額(前3か月と後4か月の支給額は同額)が定額であること、③Cについては、「前4か月」の支給額が定額で、「後7か月」の支給額も定額であることからすると、Aの金額についてはその全額が、Bの金額については「前3か月及び後4か月」の支給額を超える額が、Cの金額については「後7か月」の支給額を超える額が、経常性のない一時的なものと認められ、役員賞与に該当するから、請求人の主張には理由がない。(平19.12. 5 広裁(法)平19-13)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190012
- 裁決年月日
- 平成19年11月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の各役員に対する報酬の額は、類似法人に係る報酬の額に比較すると不相当に高額であり、また、請求人の各役員は常勤役員としての勤務実態はなく、非常勤役員であり、類似法人に係る非常勤役員の報酬の額と比較すると、当該各役員の報酬の額は不相当に高額であるので、その不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入することはできない旨主張する。 しかしながら、当該各役員は、業務執行機関である理事会に出席し意見を述べるほか、①使用人の採用や賞与の査定など、人事上の決定に関与していること、②取引先の選定や新規契約など、営業上の決定に関与していること及び③借入先の選定や資金管理方法の決定など、会計上の決定に関与していることから、役員として経営に関する重要事項の意思決定に参画していたものと認められるので、常勤の役員に該当するということができる。 そこで、請求人の所在する国税局管内に事業所を有し、請求人と同業種の法人で、かつ、その事業年度の売上金額が請求人のそれの2分の1以上2倍以内であるなど、事業規模も類似する4法人の常勤の取締役の最高報酬額の平均額を基として、請求人の各役員に対する適正報酬額を算定し、当該各役員の報酬額のうち不相当に高額な部分として請求人の損金の額に算入されない金額を計算すると、原処分の額を下回るから、原処分はその一部を取り消すべきである。(平19.11.21 広裁(法・諸)平19-12)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190012
- 裁決年月日
- 平成19年11月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の支出した委託費は、請求人の各組合員との間で締結した本件委託契約に基づく支出であり、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項第2号に規定する費用に該当するから、損金の額に算入できる旨主張し、これに対し、原処分庁は、当該委託費が、法人税法第22条第5項に規定する資本等取引に該当するから、損金の額に算入することはできない旨主張する。 この点について、当該委託費は、①請求人の各組合員からの出資金額に応じた金額となっておらず、その他特段の支払要因(基準)も認められないこと、②その支出した事業年度の期首から月々処理されており、期末に一括して処理されたものと認められないこと、③利益の分配として行う旨の請求人の機関決定又は当該組合員らの意思決定がなされたものとは認められないことから、当該委託費は、単にその支出先のすべてが出資者であったにすぎず、出資者たる地位に基づいてなされたものということはできないから、利益の分配には当たらず、法人税法第22条第5項に規定する資本等取引に該当しないが、本件委託契約は、経済的合理性に欠けるものであり、その役務内容にも個別かつ具体性が認められないことから、委託費の支出の理由とはなり得ず、また、委託費の算定基準に妥当性や合理性が認められないことなどからすれば、当該委託費は、請求人から当該組合員らへ一方的に支払われた金員、すなわち直接的な対価を伴わないでした法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金に該当するものと認められる。(平19.11.21 広裁(法・諸)平19-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平190006
- 裁決年月日
- 平成19年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件売掛債権につき、債務者が事業閉鎖していたことから、貸倒損失として計上したものであり、この処理は正当である旨主張する。しかしながら、①請求人は、本件売掛債権につき、貸倒損失計上後も引き続き請求していること、及び②当該債務者は、その後、商号変更したものの原処分調査時においても事業活動を行っていることが認められることから、本件売掛債権につき、本件貸倒損失計上時に全額回収不能であることが客観的に明らかであったと認めることはできず、請求人の主張は採用できない。(平19.11.19 仙裁(法・諸)平19-6)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190021
- 裁決年月日
- 平成19年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/3従業員退職給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・146ページ
要旨
○ 請求人は、元取締役及び従業員に対する退職給与を支給したのは事実であり、その額を損金の額に算入できる旨主張する。 しかしながら、請求人は、本件事業年度末において多額の負債を抱える財務状況であるところ、支給したとする退職給与の額は、元取締役及び従業員の退職前の職務内容、給与月額等からすると、いかにも高額で不自然であること、また、退職給与とされる金員が振り込まれた預金口座の開設、出金等に係る手続を請求人の代表者等が行っていること、さらに、同口座から出金された多額の金員が、請求人及びその関連会社との間で貸付金等の名目で移動していることが認められることを総合すると、退職給与とされた金員は、請求人が、多額の保険金を取得したことによって生じる利益の調節を図り、自己の運転資金として利用する目的で、元取締役及び従業員名義の預金口座を借用し振り込んだにすぎないものと推認するのが相当である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19.11.15 大裁(法)平19-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190021
- 裁決年月日
- 平成19年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・146ページ
要旨
○ 請求人は、①原処分庁が、功績倍率を求めるに当たり、類似法人として選定した会社は不明であり数も少なく、また、原処分庁が算定した功績倍率の2.2は、代表取締役と取締役が同じで不自然であり、社会通念上も余りに低率で裁判事例や裁決事例では功績倍率が3.3〜3.6倍というのが定着している、②勤続年数について、請求人は関連法人の事業を引き継いでいることから、当該関連法人の設立時から事業を引継いだとする時点までの期間を役員在任期間として加算すべきである旨主張する。 しかしながら、①平均功績倍率の算出に当たっては、比較法人の数が多いことは望ましいものの、その数が少ないことのみをもって算出された平均功績倍率が相当性を欠くということはいえず、原処分庁が比較法人を3社として平均功績倍率を算出したことに合理性がないとはいえない。また、功績倍率の算定に当たり、役職名などの名目だけでなく、当該法人への実際の貢献度等も考慮されるべきところ、本件の功績倍率が相当性を欠くと認められるほどの事情は認められない。さらに、本件に関する具体的事情を考慮せず、裁判事例や裁決事例と異なるというだけで、原処分庁が算出した平均功績倍率が社会通念上不相当に低率であるということもできない。②法人税法施行令第72条に規定する「法人の業務に従事した期間」は、法人の役員は個々の会社と委任の関係にあることから、個々の法人間を勤続年数として通算することはできないと解される。 したがって、請求人の主張は採用できない。(平19.11.15 大裁(法)平19-21)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190026
- 裁決年月日
- 平成19年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、社員に対して支給したとしてその全額を損金の額に算入した決算賞与(以下「本件決算賞与」という。)について、全社員に対して支払われており、代表取締役甲に対する役員賞与に該当するものはない旨主張し、その理由として、①社員から個々に受領書を受け取っていること、②社員一人当たりの支給額は1,500,000円のところ、基本的支給として一人当たり200,000円を社員各自に支給した上で、残余の金額は、請求人の社員代表が社員から預かり、管理していることを挙げている。 しかしながら、本件決算賞与の資金は、甲の普通預金及び甲の関係人乙の普通預金に入金され、これらの預金口座を経由して移動している。また、本件決算賞与支給時において請求人に在職していた元社員3名の申述によれば、請求人が各社員に対して受領書にサインさせた賞与の額は、請求人が支給したとする一人当たり1,500,000円ではなく、100,000円ないし200,000円であり、当該元社員3名が残余の金額を請求人の社員代表に預けたとの事実も認められない。そうすると、本件決算賞与が各社員に支給されたとは認められず、請求人の主張には理由がない。 そして、当審判所が認定した事実によれば、本件決算賞与の資金は、その使途に応じて、社員に対する賞与と認められる部分を除き、損金の額に算入することのできない①甲に対する役員賞与、②仮払金及び③費途不明金であると認められる。(平19.11. 8 名裁(法・諸)平19-26)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190026
- 裁決年月日
- 平成19年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716066
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/6その他の手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人のA国子会社が有限会社から株式会社へ組織変更に伴う手数料として計上した支出(以下「本件株式会社化手数料」という。)について、A国子会社に出資しているA国の現地法人Bとの契約に基づき、現金の代わりにA国子会社への出資持分から出資全体の5%で支払ったものである旨主張する。 しかしながら、請求人が提出したBとの間の平成15年1月付の契約書(以下「本件株式会社化契約書」という。)では、本件株式会社化手数料として請求人が保有しているA国子会社の出資持分から出資全体の5%を等価譲渡形式でBに支払うとしているが、平成17年12月現在、平成14年8月にA国子会社への5%の持分が請求人の代表取締役甲に名義変更された以降、BのA国子会社への出資割合は20%と変動がないことからすると、本件株式会社化契約書の記載内容と明らかに矛盾するものであり、本件株式会社化契約書は、信用することができない。 そして、当審判所の認定した事実によれば、請求人は、請求人の代表取締役甲へA国子会社の出資持分から出資全体の5%を無償譲渡したこととつじつまを合わせるため、本件株式会社化契約書を作出し、かつ、(借方)支払手数料、(貸方)出資金とする虚偽の振替伝票を起票し、架空の支払手数料をA国子会社の出資持分から出資全体の5%で支払ったかのように仮装していたと認められる。(平19.11. 8 名裁(法・諸)平19-26)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190026
- 裁決年月日
- 平成19年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の実質経営者甲の関係人乙が発行済株式の過半数を保有する法人Dに対して支払ったコンサルティング料(以下「本件コンサルティング料」という。)について、Dによるコンサルティング業務が、単なる方針や発案といったもののみではなく、実践的な実務研修を含めた総体的なコンサルティング内容であることからして、Dに対する支払であって甲に対する役員報酬ではない旨主張する。 しかしながら、当該コンサルティング業務は、①請求人の実質経営者である甲が、Dの外注先という立場で当該業務を行うという、およそ、不自然、不合理な形態となっていること、②Dと甲との間にコンサルティングを外注する契約書の作成もなく、研修に関しては甲自身が企画立案等を行っておりDは関与していないこと、③当該コンサルティング料の月額は、甲が請求人の代表取締役を退任するまで請求人から甲に支払われていた報酬の月額と同額であり、甲が請求人の代表取締役に本件コンサルティング料の支払先をDとするよう指示していたこと、④Dへの本件コンサルティング料の支払は、甲に起因して生じたDの借入金返済に充てるためのものであること及び⑤請求人から、当該コンサルティング業務に係る具体的な成果物等の証拠書類の提出がないことから、Dが当該コンサルティングの役務提供を行ったという実体はなく、甲が行ったものと認められる。したがって、本件コンサルティング料は、甲が請求人の業務に貢献して支払われた金員であると認められるから、請求人の主張には理由がない。 そして、当審判所の認定した事実によれば、請求人は、Dが本件のコンサルティング業務を行ったという実体がないにもかかわらず、甲が作出した契約書によりあたかもDにコンサルティング業務を委託したかのように仮装したものと認められる。そうすると、本件コンサルティング料は、甲に対する役員報酬の支給と認めるのが相当である。(平19.11. 8 名裁(法・諸)平19-26)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190026
- 裁決年月日
- 平成19年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人と請求人の実質経営者甲との間で行ったUSドルと日本円との交換に係る支払手数料として計上した支出(以下「本件交換手数料」という。)について、請求人が、甲の所有する1,000,000USドルを1USドル当たり105円で買い受ける旨の買受同意書に基づき、為替レートが1USドル当たり110円88銭になってから買い取ったものであるから、請求人の買取処理が遅れたことにより甲に生じた為替差損を請求人が負担した正当な支払であり、甲に対する役員賞与には該当しない旨主張する。 しかしながら、当時の請求人の代表取締役丙の申述によれば、平成16年9月30日に請求人と甲との間で行われたUSドルと日本円の交換取引は、請求人の1,000,000USドルを甲の日本円と交換したものであり、平成16年9月30日の換算レートは1USドル当たり110円88銭であるから、甲から請求人に対して110,880,000円が支払われるはずであったにもかかわらず、甲が1USドル当たり105円だと押し切ったため、甲からは105,000,000円しか支払われず、差額5,880,000円を請求人が補てんする必要性が生じたものと認められる。また、請求人が主張の根拠とする買受同意書は、原処分庁の調査の際には提示されておらず、丙の申述とも食い違うことから信用できない。したがって、請求人の主張には理由がない。 そして、当審判所の認定した事実によれば、請求人は、本来甲が負担すべき5,880,000円を補てんするための資金を捻出するため、(借方)支払手数料、(貸方)当座預金とする虚偽の振替伝票を起票することにより、架空の本件交換手数料を計上したものと認められる。そうすると、本件交換手数料は、甲が負担すべきものであるから、役員である甲に対して臨時に支給されたものと認められ、甲に対する役員賞与に該当する。(平19.11. 8 名裁(法・諸)平19-26)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190026
- 裁決年月日
- 平成19年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/1無償譲渡に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成15年3月期に請求人から代表取締役甲に対して行ったA国の子会社の出資持分から出資全体の5%の譲渡(以下「本件出資持分譲渡」という。)について、甲との間で譲渡契約解約合意書を作成して契約時にさかのぼって譲渡契約を解約しており、甲は、現在、A国子会社の5%の株式を所有していないから、無償譲渡を行ったことにはならず、役員賞与にもならない旨主張する。 しかしながら、本件出資持分譲渡については、①請求人は、その所有するA国子会社の出資持分から出資全体の5%を甲に譲渡する契約書を同人と取り交わしていること、②請求人のA国子会社の出資持分から出資全体の5%が平成14年8月に甲へ名義変更されていること、③その後、甲は当該出資持分に係る配当金をA国子会社から受領していること及び④請求人は、本件出資持分譲渡に係る譲渡代金を受領していないことから、請求人は甲に当該出資持分を無償で譲渡したと認められる。また、請求人が提出した合意書のとおり平成18年9月に本件出資持分譲渡の契約を合意解除したとしても、平成15年3月期の請求人の経理処理及び納税義務には何ら影響を及ぼさない。したがって、請求人の主張には理由がなく、本件出資持分譲渡は、請求人から甲に対する経済的利益の供与であるから、役員賞与に該当する。(平19.11. 8 名裁(法・諸)平19-26)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190026
- 裁決年月日
- 平成19年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の実質経営者甲の関係人乙が発行済株式の過半数を保有する法人D発行の「新営業システム開発費及び研修費用」と記載された請求書に基づきシステム開発費として支払った費用(以下「本件システム開発費」という。)について、Dが開発した新営業システムは画期的考案であり、この考案について対価を費用として計上することに問題はなく、Dに対する正当な支払であるから、甲に対する役員賞与には該当しない旨主張する。 しかしながら、本件システム開発費については、多額な取引であるにもかかわらず、請求人とDとの間で契約書が作成されていないこと、請求人においては10,000,000円以上の経費などの支出に関して取締役会の承認事項となっているにもかかわらず、本件システム開発費に関して取締役会の承認決議がされていないこと、また、本件システム開発費に係る証拠書類としては、関係会社からの請求書及び領収証のみであり、請求人からは具体的な説明及び成果物等の証拠書類の提示がないことからすると、本件システム開発費が、新営業システムのアイデア料や当該システムの導入に伴う社員研修のための費用であるとは認められない。したがって、請求人の主張には理由がない 。そして、当審判所の認定した事実によれば、請求人は、実体のないD発行の請求書及び領収証を作出し、あたかもDから役務の提供があったかのように仮装して架空の支払手数料を計上し、甲に支払っていたと認められる。そうすると、本件システム開発費の支払は、甲が請求人の業務に貢献したことに対して臨時的に支払われた金員であると認められるから、役員賞与に該当する。(平19.11. 8 名裁(法・諸)平19-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190007
- 裁決年月日
- 平成19年9月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が100%出資する外国子会社A社の解散に伴う残余財産の分配により請求人が取得した外国孫会社B社の株式の価額について、以前A社が関係会社C社からB社の発行済株式の30%を買い増しして80%の持株割合を確保した際、その購入価額の中に企業支配の対価が含まれており、その購入資金を請求人がA社の増資引受けという形で実質的に負担しているから、当該企業支配の対価を当該B社株式の価額に加算すべきであるとした上で、A社株式の譲渡について譲渡損失は発生せず、みなし配当が発生する旨主張する。 しかしながら、①請求人はB社設立当初からA社を通じて実質的にB社を経営支配していたと認められ、②当該買増しはC社の買取要請を受けての取引であって、③請求人及びC社は企業支配の対価について何らの考慮も払っておらず、さらに、④B社の純資産価額と購入価額との差額が直ちに企業支配の対価となるものではないことは明らかであるから、B社株式の購入価額の中に企業支配の対価が含まれていたと認めることはできない。 したがって、請求人が残余財産の分配により取得したB社株式の価額に加算すべき企業支配の対価はないとするのが相当であり、A社株式の譲渡について譲渡損失が生じ、みなし配当は発生しないから、原処分は取り消すべきである。(平19. 9.21 関裁(法)平19-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190007
- 裁決年月日
- 平成19年9月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、100%出資の外国子会社A社の解散に伴う残余財産の分配により取得した外国孫会社B社の株式の価額について、請求人の算定に係る評価額はB社の純資産価額とB社の企業価値をディスカウント・キャッシュフロー法(DCF法)によって算定した価額との平均値を基礎とするものであり、結果として原処分庁が主張する純資産価額のみによる評価額を下回ったが、DCF法は一般に認知された合理的な算定方法であり、また、本件のDCF法による評価額も第三者の評価機関X社によって算定された恣意性のない価額であるから、合理性及び客観性を備えた適正な価額である旨主張する。 しかしながら、DCF法は企業の将来のキャッシュフローの予測値を予測利子率で割り引いて現在価値を計算する方法であるから、これにより算定された評価額を採用しようとする場合には、算定の根拠とされたデータに相応の合理性が求められるというべきところ、①X社が作成した評価書にはB社の過去の売上総利益率の実績値を相当下回る予測利益率を採用した理由等についての具体的な記載はなく、②他の変動要因等を考慮検討することも困難であって、さらには、③A社がその解散の3年前にB社株式を購入する際に売買金額の根拠とした他の評価機関Y社によるB社株式のDCF法評価額はX社の評価額の5倍を超えており、評価時点の差を斟酌しても、X社の評価額を合理的と認めるに足るほどの差異に収まるとは認められず、④当審判所の調査の結果によっても、この差異に合理的な理由があるとは認められないので、請求人が主張するDCF法による評価額は、その算定の根拠の合理性に欠けるところがあるといわざるを得ない。 したがって、これを採用してB社株式の価額を計算することはできない。(平19. 9.21 関裁(法)平19-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190022
- 裁決年月日
- 平成19年9月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人の国外関連者である外国法人がスポーツ事業への参入資金の融資を国外金融機関から受けるに際し、請求人がA社株式を担保として提供(物上保証)したところ、当該スポーツ事業の失敗のため当該外国法人が資力を喪失し、上記A社株式に対し担保権が実行されるおそれが生じたため、請求人が、当該外国法人の債務の肩代わりとして当該外国法人に貸付金を支出し、その後当該貸付金について債権放棄し、子会社整理損として損金の額に算入したことについて、請求人は、当該貸付金の支出は経済合理性のある当該担保提供に基づくものであるなどやむを得ないものであるから、当該債権放棄した金額は損金の額に算入されるべきである旨主張する。 しかしながら、当該担保提供時において当該外国法人は債務超過であり、当該スポーツ事業の成功の見込みもなく、当該スポーツ事業及びそれ以外の事業からの収益をもって当該外国法人が国外金融機関から借り入れた資金を返済することは困難で、資金を貸し付けた場合には回収不能となることが予測され、かつ、そのような認識を請求人も持ちながら、請求人は、あえて、当該スポーツ事業のリスクに見合う反対給付を求めることなく無償で物上保証を行い、当該担保提供に基づき、債務の肩代わりとして貸付金を支出した結果、回収不能となった額が生じたものと認められる。 そうすると、当該担保提供から当該債権放棄に至る一連の行為は、当該外国法人に対する経済的な利益の無償の供与に当たり、支出された当該貸付金は法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。そして、当該外国法人は租税特別措置法第66条の4第1項に規定する国外関連者に該当するから、同条第3項の規定により当該寄附金の全額が損金不算入となる。(平19. 9. 4 東裁(法)平19-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190019
- 裁決年月日
- 平成19年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712094
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/4賃借料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の本件各事業年度の課税所得金額の圧縮を目的として、また、請求人の各子会社等が営業権(建造引当金)の償却費を損金計上すると赤字決算となり、当該各子会社の融資金融機関の融資継続に障害が生じるおそれがあることから、これを回避するため、当該各子会社等の営業権の未償却残高に着目し、営業権の償却費相当額が一般の船主に支払う傭船料の算定の基礎とされないにもかかわらず、孫会社に支払う傭船料に当該営業権償却費相当額分を増額し、孫会社から各子会社に支払う傭船料にも当該営業権償却費相当額を増額したものと認められる。 そうすると、請求人は、自らの課税所得金額の圧縮等を目的として、各子会社等に対し、本来傭船料のコストを構成しない営業権の償却費相当額の利益の供与を行ったのであり、その供与したことについては、子会社を再建するための合理的な再建計画に基づく経済的な利益供与等には該当せず、他に合理的な理由も認められないから、営業権の償却費相当額の供与は寄附金に該当すると認めるのが相当である。(平19. 8.27 東裁(法・諸)平19-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190015
- 裁決年月日
- 平成19年7月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712092
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/2工事の代金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、業務委託している子会社12社(以下「本件各子会社」という。)に対して年度末賞与の原資として支払った「その他請負工事費」の支出(以下「本件支出」という。)について、業務委託費(下請代金)の追加払いであり、当該支払は、客観的計算根拠と経済的合理性をもった正常な業務委託費の支払であることから、寄附金には該当せず、全額が損金の額に算入されるべきである旨主張する。 しかしながら、請求人が本件各子会社に対して支払う業務委託費は、合理的に算定された請負単価に基づき操業時間の実績で計算された契約金額が、本件各子会社からの納品及び請求人による成果物の検収完了後に支払われるものであることから、注文書による本件各子会社の役務提供の義務と請求人の対価の支払義務の履行については、その支払の都度、終了していると認められる。 また、本件支出については、①業績連動型賞与決定方式の年度末賞与分の支給という内部要因に起因して行われていると認められること、②請求人と本件各子会社との間で、請求人からの通知文書に基づく事務処理は行われているものの、個別契約の契約金額の変更についての取引基本契約に基づく手続は行われていないこと、及び③具体的な請負単価の改定や注文書の変更が行われた事実も認められないことから、当該支出は、個別契約の契約金額の変更に基づく業務委託費の追加払いとは認められない。 さらに、①請求人の各事業所における場内請負については、本件各子会社のほか協力会社など多数の業者が請負っているにもかかわらず、本件支出の対象となっているのは本件各子会社のみであること、及び②本件各子会社の社員等への年度末賞与の支給を目的として、請求人から本件各子会社に対して支出されたものと認められることなどからしても、本件支出は、請求人から本件各子会社に対する業務委託費(下請代金)の追加払いとは認められない。 したがって、本件支出は、請求人から本件各子会社に対する金銭の贈与と認められるので、寄附金に該当する。(平19. 7.23 東裁(法・諸)平19-15)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190004ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成19年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716181
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/1会費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その所有するマンションの各管理組合に対して支払った管理費及び修繕積立金は、法人税基本通達2−2−12に定める債務の確定要件を充足しており、法人税法第22条第3項第2号に規定する当該事業年度終了の日までに債務が確定しているから、当該事業年度の損金の額に算入すべき旨主張する。 しかしながら、①上記各管理組合は、請求人及びその関連法人で構成され、いずれの管理組合も当該マンションの大部分を区分所有する1法人がその議決の決定権を有している状況にあること、②当該各管理組合が管理者とした当該関連法人のうちの1法人自らが、管理業務を行うとともに、請求人及び当該関連法人が区分所有するマンションの賃貸業務及びその関連業務についての業務も行っていること、③当該各管理組合の管理費及び修繕積立金の剰余金の大部分は、当該各管理組合の規約で定めている資産の運用と異なり、上記各法人の関連法人に無利息で預けられていることから、上記各管理組合は、実質的には、当該各マンションの各区分所有者がその業務及び資金を管理していると認められ、その構成員とされる当該各マンションの区分所有者から別個・独立したものとして認めることはできないので、当該管理費及び修繕積立金として支払われた金員は、単に当該各管理組合の預金口座に預けられたものとみるのが相当である。 そうすると、上記管理費及び修繕積立金として支払われた金員は、当該預金口座に入金された時には、債務が確定しているとはいえず、当該金員が実際に当該各マンションの維持管理等に充てられたときに債務が確定したと認めるのが相当であり、当該事業年度終了の日までに当該管理費及び修繕積立金が実際に当該各マンションの維持管理等に充てられていない剰余金については、損金の額に算入されないとするのが相当である。(平19. 7. 9 福裁(法・諸)平19-4)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190001
- 裁決年月日
- 平成19年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社から仕入れを行っていた旨主張する。しかしながら、当該仕入取引は実態のないものであり、請求人は、休業状態であった子会社の名称を用いて、あたかも同社から仕入れをしたかのように納品書、請求書等を作成したものであるから、同人が子会社との仕入代金として計上した金額の一部は、架空と認められる。そして、架空な仕入代金により当該子会社に対する貸付金の返済を受けていたことからすると、請求人が当該仕入代金に相当する金員を子会社に支出することによって、同社が負担すべき借入金の返済資金等に相当する額の経済的利益の無償の供与をしたものと認められる。(平19. 7. 5 関裁(法・諸)平19-1)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平190001
- 裁決年月日
- 平成19年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/3損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先に対する貸付金と鋳造法の使用に対して将来にわたり支払うべきイニシャルペイメント等は相殺されることから、当該貸付金を試験研究費勘定に振り替える会計処理を行い、本件各事業年度において繰延資産償却費として損金の額に算入したのは適法である旨主張する。 しかしながら、請求人は、取引先の破産事件において、裁判所に対し貸付金を有しているとして貸付金を含めた金額で破産債権届出書を提出し、その届出後は、破産事件における貸付金の有無に関して何ら異議を申し述べていないことが認められる。また、当該破産事件は請求人に配当金を交付し、平成2年5月に終結していることが認められる。そうすると、請求人の会計処理は勘定科目を振り替えたものにすぎず、貸付金は、イニシャルペイメント等の支払債務と相殺されていないと認められるから、債権として存在しているものと認めるのが相当である。 したがって、請求人の主張には理由がなく、請求人が繰延資産であるとして、その償却費を損金の額に算入することは認められない。また、請求人が本件各事業年度において行った繰延資産償却費としての損金経理が貸付金の貸倒れを損金経理したものであるとしても、平成2年5月に破産事件が終結していることなどからすると、本件各事業年度において当該貸付金が回収できないことが明らかになったとは認められないから、本件各事業年度において損金の額に算入することはできない。(平19. 7. 4 仙裁(法)平19-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180075ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成19年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が本件株式の譲渡先に支出した金員について、請求人は、本件株式の譲渡価額の見直しによる雑損失、又はそれと同視できるものである旨主張し、原処分庁は、その支出することとした交渉において、請求人の役員である甲が個人で負担する旨約したことに基づくものであるから、同人が負担すべきものである旨主張する。しかしながら、請求人は、当審判所に対し、同金員の支出が本件株式の譲渡価額を見直したことによるものであることを証する具体的な資料を提示せず、当審判所の調査の結果によっても、同金員が、本件株式の譲渡価額の見直しによる雑損失、又は実質的にそれと同視できるようなものであるといえる事実は認められない。 また、請求人は、同金員のうち請求人が負担した部分について、本件株式の譲渡に係る旧株主(請求人、A社及びB社)の責任の一端と主張するのみで、請求人側で同金員を支出した理由を知る甲も、当審判所に対して、旧株主であった請求人らが同金員を負担しなければならなかった具体的理由を明らかにせず、当審判所の調査の結果によっても、請求人らがこれを負担すべき理由はうかがえないから、請求人らが同金員を負担すべき理由はなかったといわざるを得ない。 そして、請求人らに負担すべき理由のない同金員を負担させたのは甲であるから、請求人らは、同人に対しこれを求償すべきものであるが、請求人はこれを行わず、このことは、請求人が同人に対する求償権を放棄したことと同視できるから、請求人は、同人に対して同金員相当額の経済的利益の供与をしたというべきである。(平19. 6.28 関裁(法・諸)平18-75)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平180022ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当初の審査請求書において、原処分が請求人の査察調査における事実誤認の下に行われたもので違法であり、原処分の全部取消しを求めた。 しかしながら、請求人は、法人税法違反事件による刑事訴訟の第二審判決の結論をもって、原処分のうち当該判決において、ほ脱行為ではないとされた取引等に係る金額についてのみ争い、その他のものについては争わないと主張するに至ったこと、及び当審判所が審理したところにおいても原処分の調査手続に違法はなく、また、請求人が一部取消しを主張する部分について、当該判決における認定を揺るがすものはなく、他にこれを覆すに足りる証拠もないことから、原処分の一部を取り消すべきである。(平19. 6.27 高裁(法・諸)平18-22)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180022
- 裁決年月日
- 平成19年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の顧問を子会社の代表者として派遣し、その役員報酬相当額を負担したことは、法人税基本通達9−4−2に定める合理的な再建計画に基づく子会社の再建支援のための経費負担等に当たるから、寄附金とはならない旨主張する。 しかしながら、当該経費負担は、子会社の倒産を防止するためにやむを得ず実施するもの等であるとする経費負担の必要性・不可欠性を認めることができず、また、合理的な再建計画等に基づいて検討・実施されたとは認められないから、法人税基本通達9−4−2に定める経済合理性を有する相当な理由があるとは認められない。 したがって、請求人が子会社の代表者の役員報酬相当額を負担したことは、法人税法第37条第7項に規定する「金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与」に該当するから、当該子会社に対する寄附金とするのが相当である。(平19. 6.27 福裁(法)平18-22)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180022
- 裁決年月日
- 平成19年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する貸付金を実質的に放棄した一連の行為は、法人税基本通達9−4−1に定める子会社等を整理する場合の債権放棄等又は法人税基本通達9−4−2に定める子会社等を再建する場合の債権放棄等に該当するから、寄附金に該当しない旨主張する。 しかしながら、請求人は貸付金を放棄した後も子会社に対して人的関係、資金関係等において支援を継続していることからみて、本件債権放棄は、今後の請求人との関係を断ち切るためのものとはいえず、子会社支援のために行われたと認めるのが相当であり、法人税基本通達9−4−1に定める子会社の経営権の譲渡等のために行われたものとは認められない。 また、本件貸付金は利息の支払がないことから、請求人が本件貸付金の返済を猶予した場合と本件貸付金を放棄をした場合とで何ら異なるところはなく、請求人が子会社に対する支援を継続している状況下において、請求人の子会社に対する支援として債権放棄という手段が必要不可欠であったとする事情は見当たらないから、子会社の倒産を防止するためにやむを得ず行われたもの等であるとする債権放棄の必要性・不可欠性を認めることはできず、さらに、当該債権放棄が必要不可欠であるとする合理的な再建計画等が存在したとは認められず、債権放棄を行うに際しての相当性に関する主要な検討を欠いた実施であるのであるから、請求人が本件貸付金を放棄したことについて法人税基本通達9−4−2に定める相当な理由があるとは認められない。 したがって、請求人が子会社に対する貸付金を放棄したことは、法人税法第37条第7項に規定する「金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与」に該当し、寄附金とするのが相当である。(平19. 6.27 福裁(法)平18-22)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180022
- 裁決年月日
- 平成19年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716064
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/4不動産取引に係る手数料等(取得価額算入)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、新規店舗の出店に関して不動産業者らに支払った手数料は、①不動産業者らは年間を通じて請求人の店舗開発業務に従事し、当該手数料は給与的な性格を有する期間費用であること、②これまでのすべての役務の提供の清算として支払われたものであること、また、③当該手数料の一部100万円は補助金申請に係る事務コンサルタントフィーであることから、土地又は借地権の取得に要した費用ではない旨主張する。 しかしながら、当該手数料は、その一部である100万円を除き、請求人が新規に店舗を出店する際の手数料として経理処理されており、また、請求人の関係者の答述及び不動産業者らの申述から、請求人が店舗用地を購入等する際の地権者との交渉や契約業務の成功報酬として支払われたことが認められる。 ただし、請求人が支払った手数料の一部100万円については、請求人が支払った他の手数料とは別途支払われ、請求人の振替伝票の記載内容も異なっており、請求人の関係者の答述からも補助金申請の折衝等の業務の対価として支払われたと認めるのが相当である。 したがって、補助金の申請等の対価として支払った100万円を除き、原処分庁が当該手数料の額を土地又は借地権の取得価額に算入したことは相当である。(平19. 6.27 福裁(法)平18-22)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平180024
- 裁決年月日
- 平成19年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当初の審査請求書において、原処分が関係法人の査察調査における事実誤認の下に行われたもので違法であり、原処分の全部取消しを求めた。 しかしながら、請求人は当該刑事訴訟の第二審判決の結論をもって原処分について争わない旨主張するに至ったこと、及び当審判所が審理したところにおいても原処分の調査手続に違法はなく、請求人は架空外注費を計上したと認められることから原処分は相当である。(平19. 6.27 高裁(法・諸)平18-24)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180021
- 裁決年月日
- 平成19年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国外関連者であるA社に対する売掛金債権の一部を放棄したことについて、合理的な再建計画に基づくものであるから当該放棄をした売掛金債権の額は、寄附金の額には該当しない旨主張する。 しかしながら、A社は、当該放棄があった平成17年12月期においては、返済計画の金額を超える金額を弁済し、また、平成18年12月期においては、返済計画の金額の弁済はないものの、請求人の売掛金債権については新規発生額のほぼ全額を支払っていることから、A社が経営危機に陥ったとは認められず、さらに、A社は請求人以外の債権者に対する債務の支払いを行っていることからも、請求人がA社に対して売掛金債権の一部を放棄する必要性は認められない。 また、①再建のための損失負担額(支援額)をA社の自己(自助)努力額を加味しないで算定していること、②請求人が放棄した売掛金債権の額は請求人の17年3月期の所得を赤字にしない程度の金額であることから、A社の再建支援として必要最低限の負担金で算定されたものとは認められないこと、さらに、③売掛金債権放棄後の再建計画を見直した事実がないことからも、請求人がA社に対して売掛金債権の一部を放棄する合理性は認められない。 したがって、請求人が放棄したA社に対する売掛金債権の額は、法人税法第37条第7項の規定から、A社に対する経済的利益の供与として寄附金の額に該当し、A社は請求人の国外関連者に該当することから、租税特別措置法第66条の4項第3項により、請求人の損金の額に算入されないことになる。(平19. 6.26 仙裁(法)平18-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180333
- 裁決年月日
- 平成19年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/3その他の資産の譲渡原価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本社から海外事務所あてに送金した金員を請求人の子会社のために費消したことから、当該金員を子会社に対する貸付金として計上し、その後、子会社株式に振り替えたのであるから、当該金員の額は同子会社の株式を譲渡した際の原価となる旨主張する。しかしながら、当該金員は、海外事務所に到着後の費消状況が不明であり、子会社のために費消された事実は確認できないことから、子会社に対する貸付金ではなく、当該事務所に対する仮払金と認められるため、同子会社の株式を譲渡した際の原価となり得るものではない。したがって、当該金員相当額の子会社株式の譲渡損の過大計上があるとしてされた原処分は適法である。(平19. 6.21 東裁(法・諸)平18-333)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180018
- 裁決年月日
- 平成19年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、多額の負債を抱えて閉店廃業した債務者に対する求償債権(保証債務の履行に係る求償債権で一部回収後のもの。以下「本件求償残債権」という。)の全額が回収できないこととなったから、本件求償残債権の全額を貸倒損失として損金の額に算入したことは認められるべきである旨主張する。しかしながら、法人税基本通達9−6−2においては、法律上債権が存在するにもかかわらず、債務者の資産状況等経済的観点から事実上回収不能であることを理由として貸倒処理ができるのは、金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかであり、かつ、金銭債権の全額の回収ができないことが明らかとなった事業年度において損金経理した場合に限られるとしており、当審判所においても、この取扱いは相当と認められる。 これを本件についてみると、本件事業年度末の債務者の資産のうちAに対する出資金は本件事業年度終了後に債務者に全額払い戻されていること、同じくAに対する貸付金は現在も貸し付けられ、債務者がその利息を徴していること、そして、Bに対する出資金については、譲渡制限があるものの譲渡は可能であることが認められることから、債務者は、債務者の資産保有状況に照らして、本件求償残債権の一部について支払能力を有しており、返済資力を喪失しているとはいえない。 また、債務者は、解散登記をしたものの、解散事業年度の確定申告及びその後の清算確定申告がないことなどから、本件事業年度末においては、債権の取立てや債務の弁済等の清算事務の執行途中にあって、債権債務関係の整理がついていない状況にあったものと認められる。 これらのことを総合的に判断すると、本件求償残債権は、本件事業年度末現在においては貸倒れ状態にあったとは認められないから、本件求償残債権の全額を貸倒損失として本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平19. 6. 7 仙裁(法)平18-18)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180019
- 裁決年月日
- 平成19年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の役員が、非常勤取締役から非常勤監査役に分掌変更し、「実質的に退職したと同様の事情」にあるとして、法人税基本通達9-2-23により、当該役員へ支給した退職金は損金算入される旨主張する。 しかしながら、①当該役員の非常勤の監査役に就任する前の非常勤の取締役としての職務とでは、その内容は異なる(業務執行と会計の監査)ものの、そのいずれにしても請求人との関係は委任関係にあること、②当該役員は、非常勤監査役就任の前後においてその業務に大きな変化も認められず、その業務が激変したとする証拠も認められないこと、③請求人の監査役は当該役員1名であり、その職責は非常勤の取締役と同様に重要であること、④役員報酬は役員の職務執行の対価として受け取るものであるところ、当該役員の非常勤監査役としての役員報酬は非常勤取締役時の金額と変わりがないこと、⑤当該役員は請求人の代表者の妻であり、請求人の株式を配偶者と合わせて66%所有し、法人税基本通達9−2−23の(2)のかっこ書きで同通達の適用が除外されている主要な株主であることから、当該役員は、非常勤取締役を辞任後も引き続き非常勤監査役として請求人の経営において主要な地位を占めていると認められ、また、職務の内容も激変したとは認められないから、退職したと同様の事情にあるとは認められない。(平19. 5.30 福裁(法・諸)平18-19)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180039
- 裁決年月日
- 平成19年5月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A国のB社へのコンサルタント料(以下「本件コンサルタント料」という。)は、請求人が、A国内での市場調査等の役務提供を受けることを内容としたコンサルタント契約(以下「本件コンサルタント契約」という。)に基づくもので、請求人の費用となるものであるから、A国のC社への寄附金には該当しない旨主張する。 しかしながら、B社から請求人への本件コンサルタント料に係る請求書などによれば、請求人のA国内における顧客は国外関連者であるC社のみであり、本件コンサルタント契約に係る業務は、C社に係る業務と認めるのが相当であるから、本件コンサルタント料は、C社が負担すべきものであり、請求人がこれを負担すべき事情は認められない。そうすると、請求人は、本件コンサルタント料を支出することによって、C社に対して、同社が負担すべき本件コンサルタント料に相当する金額の経済的利益の無償の供与をしたものと認めるのが相当である。したがって、本件コンサルタント料として支出した金員は、直接的な対価を伴わないでした支出として法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。(平19. 5.30 広裁(法・諸)平18-39)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180039
- 裁決年月日
- 平成19年5月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、外国への輸出取引(以下「本件取引」という。)に係る仕入れの算定について、本件取引に係る収支の状況を記載した出納帳や代表者名義の預金などの出金から認められる限度とすることが妥当である旨主張する。 しかしながら、請求人の主張するA社及びB社からの仕入れに係る請求書に記載のある商品については、サンプル品と認められるものを除き、本件取引の売上げ(以下「本件売上げ」という。)に係る請求書に記載された商品名及び数量と一致し、本件売上げに対応するものと認められるから、当該仕入れに係る金額は、本件売上げに係る売上原価として損金の額に算入すべきである。(平19. 5.30 広裁(法・諸)平18-39)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180037
- 裁決年月日
- 平成19年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が支給した役員報酬の総額は、定時株主総会において決議した役員報酬総額の限度額以内であり、何ら問題のない額であるから、役員報酬として損金の額に算入できるものである旨主張する。 しかしながら、法人の役員報酬が過大であるか否かの判定は、当該法人が形式基準限度額を各役員ごとに定めている場合には、役員全体で行うのではなく、各役員ごとの形式基準限度額を超えているか否かによって行うべきものであると解されるところ、請求人は、形式基準限度額を各取締役ごとに定めている法人であり、各取締役ごとに判定するのであるから、代表取締役に対する役員報酬のうち、その形式基準限度額を超える部分の金額は、損金の額に算入できない。(平19. 5.29 広裁(法・諸)平18-37)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180037
- 裁決年月日
- 平成19年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件カタログはA国内で商品を拡販するためのもので、その代金は請求人が負担すべきものである旨主張する。 しかしながら、本件カタログは、請求人の同族関係法人の製品についての広告宣伝等のためのもので、本件カタログ代金は同族関係法人が負担すべきものであり、請求人がこれを負担する事情は認められず、また、本件カタログ代金が請求人と同族関係法人との間で精算された事実も認められない。 そうすると、請求人は、本件カタログ代金を支出することによって、同族関係法人に対して、同社が負担すべき本件カタログ代金に相当する金額の経済的利益の無償の供与をしたものと認めるのが相当であるから、本件カタログ代金は、直接的な対価を伴わないでした支出として法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。(平19. 5.29 広裁(法・諸)平18-37)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180037
- 裁決年月日
- 平成19年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仕入先であるA社が請求人の元従業員であるBに対して支払った手数料は、Bが請求人を退職した後も請求人の同意なしに支払われたものであり、寄附金に該当しない旨主張する。 しかしながら、A社は、請求人の了解の下で本件手数料を支払っていたものであり、また、A社は、請求人に係る商品の契約単価に手数料部分を上乗せした単価で請求金額を算出し、請求金額から上乗せ額(以下「本件上乗せ額」という。)を差引いた金額を請求人に対する正当な売上金額と認識していたものであるから、本件上乗せ額は、請求人がA社を介してBに対して支払ったものと認められる。そして、請求人は、Bの採用時にA社から歩合給を支払うことを給与条件としており、当該歩合給と本件上乗せ額は同一であると認められるところ、請求人がBを雇用していた期間はともかく、Bが請求人を退職した後においては、もはや請求人がBに対して本件上乗せ額を支払う合理的理由は存在せず、その支出には対価性がないといわざるを得ない。 そうすると、請求人は、Bに対して本件上乗せ額に相当する金銭を贈与したものと認めるのが相当であり、本件上乗せ額は、直接的な対価を伴わないでした支出として法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。(平19. 5.29 広裁(法・諸)平18-37)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180038ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/1交際費処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件調査において、商品券等の贈答先及び贈答理由についてよく説明している旨主張するが、本件商品券等の引渡しは、租税特別措置法第62条第2項に規定する金銭の支出に該当し、相当の理由がなく、相手方の氏名等を法人税の各確定申告書の提出期限までに請求人の帳簿書類に記載していないものであり、かつ、明らかに取引の対価の支払としてされたものではないことから、使途秘匿金の支出に該当する。(平19. 5.29 広裁(法)平18-38)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180057
- 裁決年月日
- 平成19年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表取締役を辞任し代表権のない取締役となった者(以下「A氏」といい、当該辞任を「本件役員変更」という。)は、本件役員変更後、①請求人とは別の会社の代表取締役の職務に従事しており請求人の取締役としては非常勤の状況にあること、②役員報酬は、80%以上も減額されていること及び③当該役員変更は、請求人の社内外に公表していることから、A氏は、本件役員変更をもって、実質的に請求人を退職したと同様の事情にあるから、A氏に対して支給した金員は、役員退職給与に該当する旨主張する。 しかしながら、A氏は本件役員変更後も、約3か月半の間請求人の稟議書の約4分の3について社長決裁欄に自署する方法で決裁していること、請求人の売上の約3割を占める飲食事業については自ら指示を出し店長等の採用や査定等を行っていること及び請求人の取引金融機関との間で資金調達に関する取引業務等にかかわっていることなどから、A氏は、本件役員変更をもって実質的に請求人を退職したと同様の事情にあるとは認められないので、A氏に支給した金員は、役員退職給与として取り扱うことはできず、A氏に対する役員賞与(法人税法第35条)とするのが相当と認められ、請求人の損金の額に算入することはできない。(平19. 4.24 名裁(法・諸)平18-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180234
- 裁決年月日
- 平成19年4月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/3高価買入れ
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がその子会社に開発を委託した本件ソフトウエアの著作権はその開発者(著作者)である子会社に帰属することになるので、請求人の企業再編に伴い本件ソフトウエアを子会社から相応の価格で購入したことは何ら問題ない旨主張する。しかしながら、本件ソフトウエアは、請求人が昭和55年に当該子会社に譲渡したソフトウエアを基に、請求人が多額の費用を負担して改良を加えたものであって、その内容において著しく加工、改変されているため、取引通念に照らせば、昭和55年当時のソフトウエアとは同一性を有しない新たなものになっており、その結果、本件ソフトウエアは、昭和55年当時のソフトウエアの価額を著しく超える価額となっていたものと認められるから、平成15年の上記購入の時点においては、請求人が本件ソフトウエアの著作権その他一切の権利を取得していたと認めるのが相当である。したがって、本件ソフトウエアに係る譲渡対価は請求人から子会社に対する寄附金に当たるとして行った原処分は相当である。(平19. 4.17 東裁(法)平18-234)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180231
- 裁決年月日
- 平成19年4月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 病院を営む審査請求人(以下「請求人」という。)は、理事長兼病院長であった前理事長に対し病院長退任時に支給した金員(以下「本件金員」という。)について、前理事長が回復困難な重度の疾病により病院長を退任した時に、報酬を大幅に減額の上、理事長職も実質的に退任したとして支給したものであるから、法人税基本通達9−2−23《役員の分掌変更等の場合の退職給与》の(3)の取扱いにより、役員退職給与に該当し、損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、①医療法上、医療法人の理事長は医療法人を代表し、その業務を総理するものであることから、理事長には業務の分掌という概念はなく、したがって、理事長にあっては、同通達の適用に当たり、分掌変更を理由として「実質的に退職したと同様の事情にある」とする余地はないこと、②前理事長が重度の疾病を患っていた事実は認められるものの、請求人における理事長の職務の大部分は常務理事が代行しており、前理事長の主たる職務は請求人の各般の業務に関する最終的な判断にあったと認められること、及び③前理事長が病院長退任後、報酬は大幅に減額されたものの、引き続き常勤の医師として病院に勤務するとともに、嘱託医として他の複数の社会福祉法人に医師として勤務していたことを総合的に考慮すれば、前理事長は、病院長退任当時においても、請求人における理事長の職務を十分に遂行し得る判断力を有し、十分理事長の職務に耐え得る状態にあったものと認められるから、前理事長について、病院長退任時において、実質的に請求人を退職したと同様な事情があったとは認められない。したがって、当該通達の取扱いは適用されず、請求人が前理事長に対して支給した本件金員は、理事長在任期間中に支給された臨時的な給与であると認められるので、法人税法第35条《役員賞与等の損金不算入》第4項に規定する役員賞与に該当し、損金の額に算入することはできない。(平19. 4.13 東裁(法・諸)平18-231)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180228
- 裁決年月日
- 平成19年4月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が計上した貸倒損失は第三者に対する貸付金に係る損失を正当に計上したものであるから、原処分庁がこれを否認して行った更正処分等は違法である旨主張する。しかしながら、この貸付金については、①請求人が貸付先であると主張する第三者との間で金銭消費貸借契約の締結や担保の設定等がないこと、②帳簿上及び法人税の申告書上、請求人から請求人の代表者に対する貸付金として計上されていたものであることなどから、請求人から請求人の代表者に対して貸し付けられたものと認めるのが相当である。そうすると、請求人は、請求人から請求人の代表者に対する貸付金を、第三者に対する貸付金に振り替えた上で、貸倒損失に計上したものと認められるから、請求人の主張には理由がない。(平19. 4. 9 東裁(法)平18-228)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180063
- 裁決年月日
- 平成19年3月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が国外関連者に低額譲渡した機械等(以下「本件譲渡資産」という。)に係る譲渡損失及び譲渡費用は、国外関連者に対する寄附金に該当し、損金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、本件譲渡資産の譲渡は、対価性を有することが明らかであり、贈与の意図をもって行われた無償の取引ではないから、租税特別措置法第66条の4第3項を適用した原処分には法令の適用誤りがある。(平19. 3.30 関裁(法・諸)平18-63)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180063
- 裁決年月日
- 平成19年3月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が決算期末において車両運搬具等の賃借料(以下「本件賃借料」という。)の支払方法を変更した本件合意は、法人税基本通達2−2−14《短期の前払費用》を適用するために急きょ締結した不合理なものであり、課税上弊害がある旨主張する。しかしながら、本件合意に基づき支払った本件賃借料は、一部を除いて短期の前払費用の要件を満たしており、また、課税上弊害があるとも認められない。(平19. 3.30 関裁(法・諸)平18-63)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180068ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成19年3月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 破産会社の破産管財人である請求人は、破産会社のした数件の土地等の売買に係る価額は、譲渡時点におけるA鑑定による評価額等によるべき旨主張し、原処分庁は、当該価額は、譲渡時点における相続税評価通達に基づく路線価方式により算出された価額等である旨主張する。 ところで、法人税法第22条第2項の規定の趣旨からすれば、資産の低額譲渡が行われた場合には、譲渡時における当該資産の適正な価額をもって同項にいう資産の譲渡に係る収益の額に当たると解するのが相当であり、ここでいう適正な価額とは客観的な交換価値をいい、当該不動産について事実的支配が移転した時点における当該土地及び建物の現況を考慮し、合理的かつ適切な評価方法によって評価すべきものであると解されるところ、法人税法には、法人が所有する不動産を譲渡した場合等における当該不動産の客観的な交換価値を評価する方法に関する具体的な定めはないことから、当該不動産の客観的な交換価値は、上記時点における当該土地及び建物の現況を考慮し、合理的かつ適切な評価方法によって評価すべきものである。そして、一般的には、土地の客観的な交換価値の評価方法は、公示価格に基づいて算出する方法が、また、建物、特に中古建物の客観的な交換価値の評価方法は、再建築価額に基づいて算出する方法が、それぞれ合理的かつ適切と認められるが、不動産が個別性を有することにかんがみ、当該不動産に係る不動産鑑定について、その内容等に対して合理性の検討がされた結果、その合理性が高いと判断できるもの、あるいは複数の異なる不動産鑑定が存在し、それらの比較検討により、その内容等の合理性が高いと判断できるものにあっては、当該鑑定の評価額をもって、客観的な交換価値とすることも、法人税法の規定から導かれる合理的かつ適切な評価方法として、許容することができるものと解される。 そして、本件においては、各土地等の売買時点における客観的な交換価値の評価額に関し、1件の売買に関しては、不動産鑑定基準に基づいてされた2つの鑑定が存在する。そして、A鑑定は、その内容が合理的であり、かつ、他のB鑑定との比較においても合理性が高いと認められるから、A鑑定による鑑定の評価額をもって、当該土地等の客観的な交換価値と認めるのが相当であり、他の売買に係る土地等については、土地に関しては公示価格に基づいて算出した額、また、建物に関しては再建築価額に基づいて算出した額をもって客観的な交換価値と認めるのが相当である。 なお、路線価は相続税の課税のために定められ、評価の安全性の観点から公示価格の80%程度となっていることに照らせば、原処分庁が主張する路線価そのものの価格をもって評価する方式により算出した価額を、譲渡等における土地の客観的な交換価値として採用することはできない。また、建物についても、中古建物を評価する場合は、建物取得時点の価額に基づいてその価額を算出するよりも、譲渡時等における再建築価額等に基づいて算出する方が、譲渡時等における客観的な交換価値として、より合理性があると認められるから、原処分庁が主張する当初取得価額から譲渡時までの減価償却費相当額を控除したものをもって、譲渡時等における建物の客観的な交換価値として採用することはできない。(平19. 3.30 大裁(法・諸)平18-68)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平180018
- 裁決年月日
- 平成19年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①前代表者が代表取締役を退任したのは、メインバンクから退陣を求められたためであり、同人が退任した事実は取引先等にも周知し、実際に経営及び経営の中核から退いたのであるから退職事実は存在する、②前代表者が引き続き取締役に就任しているのは、建設業法においては、経営業務の管理責任者が必要とされており、その責任者として前代表者の名義を借りているものである、③仮に前代表者は実質的に退職した者ではないとしても、前代表者は、常勤役員から非常勤役員へ分掌が変更されており、役員報酬も月額200万円から20万円に変更されていることから、退職したと同様な事情にあると認められ法基通9−2−23の取扱いを適用し、本件退職金は損金の額に算入されるべきである旨主張する。 しかしながら、前代表者は、代表取締役を退任した日に取締役に就任したとする役員登記を行い、取引先に対し前代表者が代表取締役を辞任し、取締役相談役に就任したことを周知するとともに、前代表者に対し取締役に対する役員報酬として平成15年7月から月額20万円を支払っていることが認められ、前代表者も、取締役に就任していることを自認している。そうすると、前代表者には、請求人の代表取締役から取締役に分掌が変更された事実は認められるものの、請求人を退職した事実は認められない。 また、本件通達は、職務分掌の変更等によりその地位又は職務の内容が激変した場合など退職したと同様な事情にある場合に、一種の特例として、打切り支給することに損金性を認めているものであり、実際に金銭の支給があった場合を前提とする取扱いと認められるところ、本件退職金は長期間にわたり未払いであることから本件通達の取扱いは適用できず、本件退職金を損金の額に算入することは認められない。(平19. 3.29 高裁(法)平18-18)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180013
- 裁決年月日
- 平成19年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各工事をAに外注したのは事実であり、本件各工事は本件外注明細書のとおり更にAからBらに外注されているのであるから、本件各工事に係る本件各請求書に基づき計上した本件外注費は架空ではない旨主張する。しかしながら、①本件各工事の元請企業が工事発注者に提出した作業員名簿にBらの作業員名が登載されていないこと、②Bは、Aから工事を受注し、その代金を受領した旨を記載したB作成の書面について、当審判所に対し、「請求書等の発行や保管又は記帳の有無は覚えていない」と答述しており、当該書面は、Aとの取引内容を確認する手立てがないまま、裏付けのない事項を記載したもので、客観性に欠け、信用できないこと、③本件各請求書に記載された工事内容と本件外注明細書に記載された工事内容は全く異なっていること、④本件各工事に関して、請求人又はAがBらに外注した事実を証する取引記録及び証ひょうは存在しないこと、⑤Bらが本件外注明細書に記載のとおり本件各工事に従事した事実が認められないことから、本件各工事がAからBらに外注されているとは認められず、さらに、本件請求書及び本件外注明細書はいずれも信ぴょう性が認められないことから、請求人がAに外注した事実はなかったものと認められる。そうすると、本件外注費は架空に計上したものであるから、請求人の主張には理由がない。(平19. 3.28 仙裁(法・諸)平18-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180061
- 裁決年月日
- 平成19年3月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仮に、本件指名料が請求人の収入であるとしても、その相当額全額を、タレントバックとして、本件各パブの各タレントに支払った旨主張する。しかしながら、課税庁は、損金の存否に関連する事実に直接関与していないのに対し、納税者はより証拠に近い立場にあること、一般に、不存在の立証は困難であることなどにかんがみると、更正時に存在し又は提出された資料等をもとに判断して算定し、算定した支出を損金の額に算入することが事実上推認できる場合には、納税者において、この推認を破る程度の具体的な反証、すなわち、当該支出の存在とその支出額を合理的に推認させるに足りる具体的な立証を行わない限り、課税庁の主張額を超える支出の損金への算入は否定されるというべきであるところ、請求人が当審判所に提出した各書面は、いずれも信用できないものといわざるを得ず、そうすると、請求人は、タレントバックとして支出した金額を合理的に推認させるに足りる具体的な立証を行ったとはいえず、また、当審判所の調査の結果によっても、本件指名料相当額の全額を、タレントバックとして、本件各パブの各タレントに支払ったと認めることはできず、また、原処分庁がタレントバックとして支出した金額の算定において、請求人がそれまで使用していた算定方法を踏まえて平成16年2月に作成したB表に基づいて、更正処分の対象となった本件各事業年度を通じてタレントバックの金額を算出したことには、合理性があるというべきである。(平19. 3.27 関裁(法・諸)平18-61)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180004
- 裁決年月日
- 平成19年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件建物に賃借人募集の張り紙等を行っていたこと、②本件建物の賃貸借契約は締結されており、賃料の授受があること、③調査担当者に契約書を提示し、内容・締結の経緯を説明し、調査が完了していること、④本件建物を使用する裁量権は賃借人にあることから、電力の供給の停止、建物改修工事の実施の有無が事業供与の時期を判断する材料にならないことなどから、本件建物の減価償却を認めないのは違法である旨主張する。 しかしながら、①請求人が本件建物を積極的に賃貸しようとした事実は認められないこと、②本件建物は賃貸用として利用できる状態にないこと、③既に判決において、本件建物は取得時から事業の用に供されてなかったとの判断が示されている(一部を除く)こと、④本件建物の賃貸借契約書は作成日付等からして事後的に遡って作成されていること、⑤請求人の総勘定元帳の賃料授受に関する記載はその記載事項に信ぴょう性が認められないことから、請求人の主張は採用することができない。(平19. 3.26 沖裁(法)平18-4)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平180004
- 裁決年月日
- 平成19年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/1中古資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、中古資産の耐用年数の見積りについて、減価償却資産の耐用年数等に関する省令第3条《中古資産の耐用年数等》第1項は、「・・その用に供した時以後の使用可能期間の年数によることができる。」と規定するのみで、「使用可能期間を合理的に見積もることが必要である。」との文言はなく、社会通念上及び社会観念上も文言どおりであり他に解釈の余地はなく、また、耐用年数の適用等に関する取扱通達は請求人を拘束するものではないから、請求人が本件建物の耐用年数を一律に25年とした見積りに不合理はない旨主張する。 しかしながら、本件建物は複数の建物であり、それらの建築年月日は同一ではなく、また、構造も同一ではない。そうすると、本件建物の耐用年数を一律に25年とすることには合理性が認められないから、請求人の主張は採用することはできない。 (平19. 3.26 沖裁(法)平18-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180065
- 裁決年月日
- 平成19年3月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716183
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/3社葬費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、満中陰志の費用は、前代表者の葬儀に会葬のあった得意先、仕入先及びその他業務関係者に対するものであるから、請求人が負担すべき費用である旨主張する。 しかしながら、葬儀費用は特段の事情がない限り、葬儀を実施した者が負担すると解するのが相当であり、葬儀を実施した者とは、一般的には喪主を指すが、単に形式的に喪主の席に座った者ではなく、自己の責任と計算において葬儀を準備、手配して挙行した実質的な葬儀主宰者を指すと認めるのが相当であり、また、満中陰志の費用についても葬儀の主宰者が負担すべきものであると認めるのが相当である。 前代表者の葬儀は、葬儀施行者及び領収書のあて名が請求人とはなっていないこと、葬儀社が形式は個人葬であると回答していること及び代表者が通常の個人で行う葬儀形式をとっていたと答述していることを考え併せると、個人葬であると認められ、そして、代表者及びT取締役(前代表者の妻、現代表者の母)は、同葬儀は代表者を喪主としているものの、葬儀社の選択、同葬儀の費用の交渉、決定及び支払の立替え、香典の受取及び管理並びに満中陰志の手配及び支払の立替えはT取締役が行ったと答述し、同答述は、葬儀の見積立会者がT取締役であること及び請求人が同葬儀の費用及び満中陰志の費用をT取締役に支払っていることと合致し信用できる。そうすると、同葬儀の主宰者は、同葬儀を準備し、手配して挙行したT取締役と認めるのが相当であるから、満中陰志の費用はT取締役が負担すべきものであり、請求人が負担すべきものではない。(平19. 3.22 大裁(法・諸)平18-65)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180065
- 裁決年月日
- 平成19年3月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716186
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/6支出額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成14年4月8日付で満中陰志の費用550,956円を雑費に計上し、同月末に同費用に係る消費税相当額26,236円を仮払消費税に振り替えていることから、請求人が平成14年6月期に雑費として損金の額に算入した満中陰志の費用は524,720円であると主張する。 しかしながら、上記消費税等相当額は、満中陰志の費用が個人が負担すべき費用であるから、消費税の課税仕入れの対象とならず、決算期末の消費税等の計算において課税仕入れに係る仮払消費税に含められないから、結果的に雑収入として益金の額に算入されることとなる。 そうすると、平成14年6月期の所得金額に加算すべき金額は、雑費として損金の額に算入した524,720円ではなく、上記消費税等相当額26,236円を含めた550,956円となる。(平19. 3.22 大裁(法・諸)平18-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180197
- 裁決年月日
- 平成19年3月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者に対する退職金の額は法人税基本通達9−2−18に基づき株主総会の決議等により具体的に金額が確定した日の属する本件事業年度において損金の額に算入すべきである旨主張するが、前代表者が本件事業年度終了の日までに請求人を退職したというべき事実は認められない。したがって、法人税基本通達2−2−12に定める「具体的な給付をすべき原因となる事実が発生している」との要件を欠いていることなるので、未払金計上した本件退職金の額を本件事業年度の法人税の所得金額の計算上損金の額に算入することはできない。(平19. 3. 6 東裁(法)平18-197)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180191
- 裁決年月日
- 平成19年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者に対する退職金であるとして損金の額に算入した金員(以下「本件金員」という。)について、前代表者は、①社長から顧問相談役になったことにより職務内容が激変したこと及び②報酬の額も約42パーセントに激減していることから、法人税基本通達9−2−23で定める実質的に退職したと同様の事情にあると認められるので、適正な経理処理である旨主張する。しかしながら、前代表者は、社長職を辞任したとされる日以後も、①継続して代表取締役として商業登記がされ、対外的にも業務執行のための代表権を有する地位にあったこと、②請求人が媒介業者として締結した不動産取引の契約書に、請求人の代表取締役として記名押印していること、③取締役会で議長を務め、取締役会議事録に代表取締役として署名押印していること、④請求人が作成に関与した各書面において、前代表者名を請求人の代表者として記名していること等から、引き続き請求人を代表する者としての行為を行っていたと認めるのが相当である。そうすると、本件金員は、退職に基因して支給されたものではなく、また、定期の給与にも該当しないため、法人税法第35条第4項に規定する賞与と認められ、同条第1項の規定により、所得金額の計算上損金の額に算入することはできない。(平19. 3. 2 東裁(法・諸)平18-191)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180192
- 裁決年月日
- 平成19年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者に対する退職金であるとして損金の額に算入した金員(以下「本件金員」という。)について、前代表者は、①社長から顧問相談役になったことにより職務内容が激変したこと及び②前代表者の報酬も半減していることから、法人税法基本通達9−2−23で定める、実質的に退職したと同様の事情にあると認められるので、適正な経理処理である旨主張する。しかしながら、前代表者は、社長職を辞任したとされる日以後も、①継続して代表取締役として商業登記がされ、対外的にも業務執行のための代表権を有する地位にあったこと、②請求人が締結した不動産取引の契約書に請求人の代表取締役として氏名を記載していること、③株主総会で前代表者が代表取締役社長として議長を務め、さらに、取締役会において前代表者が代表取締役に選任されその承認を承諾していること、④法人税申告書に添付された「決算報告書」に代表者として前代表者の氏名が記載されていること等から、社長職を辞任したとされる日以後も引き続き、請求人を代表する者としての行為を行っていたと認めるのが相当である。そうすると、本件金員は、退職に基因して支給されたものではなく、また、定期の給与にも該当しないため、法人税法第35条第4項に規定する賞与と認められ、同条第1項の規定により、所得金額の計算上損金の額に算入することはできない。(平19. 3. 2 東裁(法・諸)平18-192)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180050
- 裁決年月日
- 平成19年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/1役員の範囲/2使用人兼務役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取締役Aの使用人兼務役員の判定に当たっては、同人が請求人の経営に従事していなかった等の実態を考慮すべきである旨主張する。しかしながら、法人税法が、法人における持株割合及び株主間の関係に基づき同族会社を規定し、法的地位及び持株割合に基づき役員の範囲を規定している以上、請求人の取締役である同人は、法人税法第2条第15号より請求人の役員に当たり、また、同人の属する株主グループは持株割合が100%で請求人の第1順位の株主グループとなり、かつ、同人の持株割合が10%であるから、法人税法施行令第71条第1項第4号により、実質的に経営に参画していたか否かを問わず、請求人の使用人兼務役員に該当しないことは明らかである。(平19. 2.27 関裁(法)平18-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180170
- 裁決年月日
- 平成19年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、損害保険契約は棚卸資産を対象に事業の一環として行ったものであるから、棚卸資産に損害が発生したことを基因として受領した損害保険金は事業活動に係る収入金額として収益に計上すべきであり、また、受領した損害保険金は、損害を受けた棚卸資産の代替品を調達するためのものであるから、代替品の引渡しは本件事業年度中に行われてはいないが、代替品の調達見積金額を損害により破損した棚卸資産と入替えに損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、災害等を受けた場合に損害保険金を受領することは、災害等による損失の事実それ自体とは別個の現象と解されることから、価値滅失額を特別損失として計上するとともに、保険金受領額は特別利益として計上することが一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従っているものと認められる。そして、損害保険金を受領したこと及び棚卸資産が滅失したことのほかには、棚卸資産の損害によって請求人の純資産の増加又は減少の事実がないことは明らかであり、また、販売予定の棚卸資産が滅失したことを基因として、その代替品を調達するために要する価額が入替えに売上原価となる旨の法令上の規定もないことから、請求人の主張は採用することはできない。(平19. 2. 8 東裁(法)平18-170)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180011
- 裁決年月日
- 平成19年2月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/1たな卸資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、棚卸資産として所有する本件土地について、宅地分譲開発が断念され、一般住宅用としても疑問視されたものであり、「はんぱ物」、「見切り品」及び「たなざらし」と同視でき、通常の販売価額や販売方法では販売できないことは明らかであることから、法人税法施行令第68条第1号ニに規定する「イからハまでに準ずる特別の事実」が生じた場合に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地について、土地自体の滅失又は毀損等の土地の形状の欠陥や性状等の変化が生じた事実はないことから、品質変化等により通常の方法によって販売することができなくなったとはいえず、請求人が主張する上記「特別の事実」が生じたとは認められない。(平19. 2. 5 仙裁(法)平18-11)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180011
- 裁決年月日
- 平成19年2月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/1たな卸資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、棚卸資産として所有する本件土地について、①河川法の規定で本件土地に接続する道路の拡幅許可が得られないこと、②接道義務が果たせないこと及び③上水道の配管に当たり100m以上も離れた本管に接続しなければならないことから、建売分譲地として通常の価格で販売することができなくなったものであり、法人税法施行令第68条第1号ロに規定する「資産の著しい陳腐化」に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地については、請求人が本件土地を取得する以前から河川法の規定による河川管理者からの道路の拡幅許可が必要であったうえ、接道義務が果たせないこと及び上水道の配管に当たり100m以上も離れた本管に接続しなければならないことが本件土地取得後に生じたと認めるに足る証拠はないことから、本件土地について請求人が主張する「資産の著しい陳腐化」が生じたとは認められない。(平19. 2. 5 仙裁(法)平18-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180042
- 裁決年月日
- 平成19年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件役員報酬は正当な金額であり、類似法人の役員報酬のうち最高額を超える金額を過大な役員報酬として所得に加算した原処分庁の処分は違法である旨主張する。しかしながら、①請求人の役員の職務内容及び役員報酬の支給状況、②請求人の売上高及び収益の状況、③請求人の使用人に対する給料の支給状況、④類似法人の役員報酬の支給状況を勘案すると、請求人の代表者の職務内容は特別なものとはいえず、また、本件各事業年度においても格別変化があったもともいえないにもかかわらず、本件役員報酬は、他の役員報酬や使用人給与に比し極めて高い伸び率を示しており、更に、類似法人の平均役員報酬額に比しても相当高額であることから、類似法人の平均役員報酬額を超える金額は「不相当に高額な部分」(法人税法第34条第1項)に該当する。したがって、これを下回る金額を過大役員報酬とした原処分庁の処分に違法はない。(平19. 1.23 関裁(法)平18-42)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180042
- 裁決年月日
- 平成19年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、乙に対する貸付金その他の金銭債権(以下「本件金銭債権」という。)が不良債権であり、また、ほかに買受人もなかったところ、当時乙の財務・経理を担当していた使用人丙を代表者とする甲からの簿価の約5%の金額(以下「本件譲渡価額」という。)で買い取るとの申し出に応じて譲渡したものであるから、適切な譲渡価額である旨主張する。しかしながら、乙が債務超過の状況にあるなどの特段の事情はなく、乙が本件金銭債権の一部ではあるが請求人に返済を行っていた事実からみて、本件金銭債権の時価は本件金銭債権の簿価と認められる。また、本件譲渡価額で譲渡したことに合理的な理由があるとは認められない。したがって、本件金銭債権の簿価と本件譲渡価額の差額を甲に対する寄附金とした原処分に違法はない。(平19. 1.23 関裁(法)平18-42)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平180010
- 裁決年月日
- 平成19年1月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710047
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/7使用人兼務役員に対する賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の取締役工務部長を専務取締役とする人事異動書を社内に掲示したが、請求人の定款に専務取締役を選任する規定はなく、また、請求人の総会もしくは取締役会の決議等により当該取締役を専務取締役に選任されていないのであるから、当該人事異動書は、単に社内における呼称のため掲示されたものであり、請求人の使用人としての職制上の地位も免じていない。したがって、当該取締役は、使用人兼務役員に該当し、当該取締役に対し支給した賞与については、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人においては、組織としての明確な機構と代表取締役を頂点とした取締役、部長、課長等の職制上の地位が明確に定められており、また、請求人の株主総会や取締役会は開催されておらず、請求人の代表取締役が決定した事項が請求人の意思決定となっている状況からすると、当該人事異動書の掲示により当該取締役に請求人の専務取締役としての職制上の地位が付与されており、当該人事異動後の請求人の実態からしても、当該取締役は、請求人の専務取締役としての職務に従事しており、さらに後任の工務部長が発令されていて請求人の使用人としての職制上の地位にもないのであるから、使用人兼務役員には該当せず、当該取締役に対し支給した賞与は損金の額に算入されない。(平19. 1.18 熊裁(法)平18-10)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180024
- 裁決年月日
- 平成19年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁の平均功績倍率法による役員退職給与の相当額の算定について、①最終報酬月額は退職者の功績等を反映した額でないから、増額した上で比較法人の功績倍率の最高値を採用して算定すべきである旨主張する。しかしながら、原処分庁の算定は合理的であり、最終報酬月額を増額調整したり、比較法人の功績倍率の最高値を採用しなければ、その算定の合理性が確保されない事情は認められないから、請求人の主張には理由がない。(平19. 1.10 広裁(法)平18-24)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180024
- 裁決年月日
- 平成19年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716184
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/4弔慰金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、損金の額に算入されるべき弔慰金について、死亡退職した役員の最終報酬月額は80万円と評価されるから、同評価額の3年間分にあたる2,880万円が損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、労働基準法第79条《遺族補償》及び相続税法基本通達3−20《弔慰金等の取扱い》からすると、死亡時直前の報酬月額の3年分に相当する金員が弔慰金として相当な金額であると認められるところ、最終報酬月額は50万円であり、80万円と評価すべき理由はないから、本件最終報酬月額50万円の3年分に相当する1,800万円を弔慰金として損金の額に算入した原処分は相当である。(平19. 1.10 広裁(法)平18-24)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成18年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710052
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/2損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、損金経理を行ったかどうかの判定はその法人の意思が明確かどうかが重要視されるべきであり、請求人の役員退職給与の支払においては、請求人の基準に基づき損金経理により役員退職慰労引当金に所要額を繰り入れ、当該引当金を取り崩して未払金を計上し、その未払金を消却する経理処理を行っており、こうした経理処理から請求人の損金経理の意思は明らかであり、企業会計上の特定の仕訳をしなくても損金経理したと認識すべきであると主張する。 しかしながら、損金経理とは、確定した決算において費用又は損失として経理することであり、一般的には、損益計算書において何らかの表示を行い、株主総会において承認を受けるべきものであると解されるところ、請求人は、本件役員退職慰労金について、費用又は損失として経理しておらず、本件事業年度の確定申告書に添付された損益計算書にも損金経理したことを表す記載はないから、損金経理を行ったものとは認められない。 請求人は、請求人の基準に基づき損金経理により役員退職慰労引当金に所要額を繰り入れ、当該引当金を取り崩して未払金を計上しており、当該引当金額と支給金額が一致していることから、法人税基本通達9−2−20の基準を実質的に充たすものである旨主張する。 しかしながら、請求人が計上した役員退職慰労引当金は、未だ退職していない役員に対して退職給与の額を見積もり、損金経理によって引当金を計上したものであり、同通達にいう取締役会等で内定した金額を損金経理により未払金に計上した場合とは異なるものであるから、同通達の取扱いは適用できない。(平18.12.21 福裁(法)平18-7)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180009
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件寄附金を支払ったのは請求人であるから、本件寄附金を請求人の本件事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入したことは適法である旨主張する。しかしながら、寄附金はそれ自体は対価性のない支出であることから、法人又は個人のいずれが負担すべき寄附金かは、寄附金を支出した動機、寄附にいたる経過・手続、寄附に対する受け手の認識等を検討し、法人にとっての事業関連性と個人の関連性を総合的に勘案した上で判断すべきところ、本件寄附金については、請求人の代表者であるAが行った寄附をあたかも請求人が行った寄附であるかのごとく装うために受領書が変造されていること、AがA個人として褒章を受章する目的で寄附されたものと認められること及び受取人である特定公益増進法人の担当者が、A個人から本件寄附金を受領しているが、請求人から寄附金を受領した事実はないと申述していることが認められ、これらの事実から判断からすると、本件寄附金は、A個人が負担すべきものと認められる。したがって、本件寄附金は、法人税法第22条3項に規定する損金の額に算入すべき金額に当たらないから、請求人の本件事業年度の所得の金額の計算上本件寄附金を損金の額に算入しなかった原処分は適法である。(平18.12.20 仙裁(法・諸)平18-9)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180009
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件寄附金について、請求人が支払ったものであり、請求人の所得の金額の計算上損金の額に算入したことは適法であるから、原処分庁が、請求人の代表取締役であるAが負担すべきものとして、請求人が資金を負担した部分を役員に対する賞与と認定したことは違法である旨主張する。しかしながら、法人税基本通達9−4−2の2は、法人が損金として支出した寄附金で、その法人の役員等が個人として負担すべきものは、その負担すべき者に対する給与とする旨を定めており、当審判所においてもこの取扱いには合理性があると認められる。そして、本件寄附金については、Aが、A個人として褒章を受章する目的で寄附を行い、A個人として褒章を受章していることが認められ、寄附を受けた特定公益増進法人の担当者も、A個人から本件寄附金を受領したが、請求人から寄附金を受領した事実はないと申述していることからすると、本件寄附金はA個人が負担すべきものであり、請求人が資金を負担した部分についてはAに対する給与と認められる。また、Aは、請求人の代表取締役であることから、法人税法第2条第15号の役員に当たり、当該給与は、臨時的に支給されたものであるから、法人税法第35条第4項に規定する役員賞与に該当する。したがって、本件寄附金の額のうち請求人が資金負担した部分を代表取締役であるAに対する賞与と認定した原処分は適法である。(平18.12.20 仙裁(法・諸)平18-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180106
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/2勤務事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前役員の子B及びCは共に縁故採用であり、その採用形式は一般社員と異なるものの正規に雇用され、Bは企画業務を、また、Cは社命によりK国で研修を行っており、両名は勤務実態がある旨主張する。しかしながら、請求人とB及びCとの関係、勤務といわれるものの内容及び日常生活の状況並びに関係者の申述等からすれば、社会通念上、客観的には、両名と請求人との間には、いずれも雇用関係又はこれに類似する契約関係があるとは認められず、また、社会通念上、両名が請求人の従業員として勤務している実態がないことは明らかであるから、請求人がB及びCに支払った給与等及び海外研修費は、法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(平18.12.20 東裁(法・諸)平18-106)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180108
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aマンションの2室は、B前役員が私的に専用していた事実はないから、原処分庁の認定は誤りである旨主張する。しかしながら、Aマンションの2室を実際に使用していたのは、B前役員及び氏名不詳の者であり、それ以外の者が使用したことはないから、B前役員は、Aマンションの2室を無償で使用することにより、賃貸物件である当該マンションを賃貸した場合における通常の賃貸料相当額の経済的利益を供与されていたものと認められる。また、当該2室に係る水道光熱費等の費用は、B前役員が個人的に負担すべき費用と認められることから、水道光熱費等相当額についても経済的利益を供与されていたものと認められる。したがって、B前役員が負担すべき賃貸料相当額及び水道光熱費等相当額について、請求人の法人税の計算上、益金の額に算入すべきとした原処分庁の認定は相当である。なお、請求人がB前役員に供与した経済的利益の額と認められる無償使用の対価(給与)及び同人が負担すべき水道光熱費等の対価(給与)のうちB前役員が請求人の代表取締役を辞任する前までの金額は、その支払の形態が定期的なものと認められるから、それらの対価相当額は請求人からのB前役員に対する役員報酬に該当し、損金の額に算入されることとなるが、請求人は、所得税法第183条第1項の規定により、これらの給与等については所得税の源泉徴収義務があるから、原処分庁が行った処分は適法である。また、B前役員の役員辞任後における金額については、同人が負担すべき費用であり、寄附金に該当する。(平18.12.20 東裁(法・諸)平18-108)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180109
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/2勤務事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aに給与として支払った金員は、請求人からAに対する贈与であるからB前代表取締役に対する法人税法第34条第2項に規定する過大報酬には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人がAに対して勤務実態がないにも関わらず、給与の名目で金員を支給しているのは、B前代表取締役の意向に沿ってのものであり、かつ、AがB前代表取締役の子であること以外に事情は認められないことから、当該金員は、請求人のB前代表取締役に対する利益供与と同視できる。よって、原処分庁がAに給与として支払った金員を過大役員報酬として法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入しなかったことは相当である。(平18.12.20 東裁(法・諸)平18-109)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180110
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社であるX社から無償で運転手の派遣を受けたが、請求人とX社との間で運転手の派遣に関する契約を締結した事実はないから、受贈益は生じない旨主張する。しかしながら、請求人は、X社に依頼して運転手の派遣を受け、かつ、当該運転手は、請求人の指示に従って運転業務を行っていることからすれば、契約事項を記載した書面が存在しないとしても、事実上、当該運転業務の提供に係る合意が請求人とX社との間でなされたものと認めるのが相当である。また、請求人は、当該運転業務に対する対価をX社に支払っていない。 したがって、請求人は、X社から当該運転業務に係る対価の額に相当する金額を贈与されたものと認めるのが相当であり、請求人が支払うべき当該対価の額に相当する金額については、法人税法第22条第2項の規定により、請求人の各事業年度の益金の額に算入すべきである。 また、請求人は、上記のとおりX社から派遣された運転手が請求人のB前役員の知人であるMの専任運転手としての業務(専任運転業務)を行っていたことについて、便宜を受けたMとX社との取引であるから、請求人からB前役員に対する経済的利益の供与はない旨主張する。 しかしながら、当該専任運転業務は、請求人とX社との取引と、請求人とMを通じたB前役員との取引に分けられ、そして、請求人は、Bからの要請により当該専任運転業務を行い、当該専任運転業務に係る費用を負担したのであるから、請求人からB前役員に対し経済的利益を供与したものと認められる。(平18.12.20 東裁(法・諸)平18-110)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180111
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/2無償譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社に請求人の運転手を無償で派遣したことについて、関係会社との間で当該運転手派遣についての契約書を取り交わした事実はなく、派遣に係る対価を請求していないから、雑収入は発生せず寄附金の発生も認められない旨主張する。 しかしながら、請求人は、関係会社の依頼に基づき、請求人の従業員である運転手を関係会社へ派遣し、同運転手は関係会社の指示に従い運転業務を行っていたと認められるにもかかわらず、請求人は当該運転業務に係る対価を関係会社に請求していないのであるから、本来、請求人が受け取るべき当該対価の額に相当する金額については、法人税法第22条第2項の規定により、請求人の各事業年度の益金の額に算入すべきであり、また、同金額は、請求人から関係会社に対する法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額とすべきである。 なお、上記のことからすれば、契約事項を記載した書面が存在しないとしても、本件の運転業務に係る合意(契約)が請求人と関係会社との間でなされたものと認めるのが相当である。(平18.12.20 東裁(法・諸)平18-111)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180112
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/2無償譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社が所有する施設を請求人の研修施設として利用する予定で、使用開始するまでの間、請求人の従業員を当該施設に派遣し無償で清掃業務を行っていたのであるから関係会社に対する収益は発生せず寄附金の発生も認められない旨主張する。 しかしながら、当該施設は、P市に譲渡する直前まで、請求人の関係会社のA専用の施設として使用されていること及びその知人であるBが居住していたことからすれば、請求人が同施設を研修施設として使用する予定であったとは認められず、また、ほかに請求人が関係法人に対し従業員を派遣し役務の無償提供をすべき特別の事情も認められない。 したがって、当該清掃業務に係る対価の額に相当する金額については、法人税法第22条第2項の規定により、請求人は益金の額に算入すべきである。また、同金額は、法人税法第37条第7項に規定する経済的な利益の無償の供与と認められることから、寄附金の額に該当することとなる。(平18.12.20 東裁(法)平18-112)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180115
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)第269条の趣旨は、取締役の報酬に関し、株主及び債権者保護のため、取締役ないし取締役会によるいわゆるお手盛り支給の弊害を防止する点にあるから、その支給額又は具体的な算定方法を定款に定めなかったときは、株主総会の決議で取締役全員の報酬の総額を定め、その具体的な配分は、取締役会の決定に委ねることもできることとされている(最高裁昭和60年3月26日第三小法廷昭59(オ)第1100号判決)。また、法人税法第34条第1項及び同法施行令第69条第2項は、定款の規定又は株主総会、社員総会若しくはこれらに準ずるものの決議により役員報酬の支給限度額を定めている内国法人が、その役員に対して支給した報酬の額の合計額が当該役員報酬の支給限度額を超える場合には、その超える部分の金額は、損金の額に算入しない旨規定している。 請求人は、定款に定めがないため、株主総会において取締役の報酬総額を定め、その配分方法を取締役会に一任し、取締役会で代表取締役を含む各取締役に対する具体的な配分額(月額給与の額)を決定しているところ、当該手続によって取締役会において定められた代表取締役の月額給与の額は、任意に増額し得る月々の支払額を定めたものと解する余地はなく、代表取締役に対して支払うべき月額給与の支給限度額を定めたものと解するのが相当である。 したがって、請求人の取締役会において議決された代表取締役の月額給与の額は、「株主総会、社員総会若しくはこれらに準ずるものの決議により役員報酬の支給限度額を定め」たものと認められ、代表取締役に実際に支給された報酬の総額は、当該取締役会で決定された支給限度額を超えることとなるから、その超える部分の金額は、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することはできない。(平18.12.20 東裁(法)平18-115)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180116
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716066
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/6その他の手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の営む事業について、若い女性の視点から各種の助言等を提供してもらう目的でAと業務委託契約を締結したのであり、会議の席でそのようなアドバイスが報告された事実もあり、また、業務委託契約に係る支払報酬もA指定の銀行口座に振り込み、入金額もA本人が費消しているのであって、単に役務提供等の報告書が保存されていないとの理由のみで、業務委託契約が仮装であり、支払報酬をAの父であるBに対する役員報酬と認定したことは誤りである旨主張する。 しかしながら、請求人が主張する会議での報告は、BがAの発言を会議の出席者に語ったと述べているにすぎず、その内容等からしても業務委託契約に基づき行われたアドバイスとは到底認められない。また、関係者の申述等によってもAが業務委託契約に基づき業務を行っていたとは認められない。 請求人が、業務委託契約に基づく役務提供を行っていないにもかかわらず、Aに対して支払報酬の名目で一定の金額を支払っていた理由が、AがBの子であること以外に事情は認められないことからみても、Aに支払われた金員は、Bがその子であるAに対する経済的支援を目的として、虚偽の業務委託契約書等を作成させ、請求人にBが個人で負担すべき金員を支払報酬に仮装して支払わせたと認めることが相当である。そうすると、Bに支払われたと認められる当該金員は、法人税法第34条第2項に規定する「事実を仮装して経理をすることにより役員に対して支給する報酬の額」に該当し、同項の規定により各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することはできない。また、請求人は、Bに対する役員報酬に係る源泉所得税の徴収義務を負うこととなる。(平18.12.20 東裁(法・諸)平18-116)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180117
- 裁決年月日
- 平成18年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A前代表取締役による請求人所有のヘリコプターの使用は事業用施設の改良や開発に係る事業の計画を検討するに際して、現状把握のための有効な手段として、上空から視察を行ったものであり、また、A前代表取締役は、多忙を極めており効率的な移動のため当該ヘリコプターを使用したのであるから、A前代表取締役がヘリコプターを私的に使用したものでない旨主張する。 しかしながら、A前代表取締役によるヘリコプターの使用が私的か否かについては、その目的、行先及び行動内容などを総合勘案して判断すべきところ、その利用目的が①業務関連のない者との私的な移動である場合、②A前代表取締役の私的なパーティーに出席する場合、③A前代表取締役の実母の墓参りを目的とする場合、及び④A前代表取締役の私的な知人の住居に赴くためである場合の運行は、いずれもA前代表取締役による私的な使用であると認められる。 したがって、請求人は、A前代表取締役に対し同人が当該ヘリコプターの私的利用により負担すべき費用に相当する経済的利益を供与したと認められる。(平18.12.20 東裁(法・諸)平18-117)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180036
- 裁決年月日
- 平成18年12月14日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・382ページ
要旨
○ 請求人は、本件債権について、親会社に対する売掛金が回収遅滞となっているものであり、同債権に対して利息を徴していないことは、親会社に対する経済的利益の無償の供与には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人が主張するような売掛金の回収遅滞の事実はなく、本件債権は貸付金に当たると認められる。また、その貸付けに関して利息等の金銭の授受はなく、かつ、利息等を収受しない経済的合理性等が認められないから、本件債権に係る利息相当額の経済的利益が貸主である請求人から借主である親会社に供与されたものと認められる。(平18.12.14 関裁(法)平18-36)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180005
- 裁決年月日
- 平成18年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、監査役として登記されていたAが、監査役の職務について事実誤認があり、就任承諾の意思表示に欠陥があったとして、登記の抹消を求めた判決により、錯誤無効を原因として登記が抹消されたことから、Aは就任時に遡及して監査役でなかったことになり、本件賞与は役員賞与に該当しない旨主張する。しかしながら、①Aは、請求人の株主総会において、監査役に選任され、これを承諾し、その後の株主総会においても二度重任しており、その間、錯誤であることの主張もされてないことから、就任承諾が有効であることを前提とした意思表示が積み重ねられていること、②請求人が、調査過程で、Aの監査役の登記を抹消するので本件賞与を損金として認めてもらいたい旨上申していること、③請求人が、当初、法務局に錯誤を理由とする登記抹消を申請したが認められず、登記事項の無効を証明するためAを原告とする訴訟提起をしたことが認められ、Aが判決に基づき本件登記の抹消を求めたのは、請求人が、賞与を損金に算入したことを正当化するためであると推認される。そうすると、民法第95条に規定する錯誤が存在するとは認められず、監査役登記が遡って抹消されているか如何かにかかわらず、Aが本件各事業年度において、監査役の地位にあったことは明らかであるから、本件賞与は法人税法第35条第1項に規定する役員賞与に当たる。(平18.11.30 仙裁(法)平18-5)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180003
- 裁決年月日
- 平成18年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者の息子であるAに対する役員報酬であるとして申告した金額について、Aが請求人の業務を手伝った対価であり損金性を否認されるものではない旨主張する。しかしながら、請求人の代表者及び同人の前妻の答述等によると、請求人がAに役員報酬として金員を支払っていた時期に、Aは国内の専門学校で色彩、デザイン等を学び、その後は、外国において、語学や映像関係の勉学をしていたものと認められ、これらの勉学の目的及び社会通念上推測されるAの生活状況などから、Aが取締役として請求人の経営に参画し、職務を遂行していたとは認められないから、Aに対して支払った金員は役員報酬に当たらず、請求人の主張は採用できない。(平18.11.29 札裁(法)平18-3)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180003
- 裁決年月日
- 平成18年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aに対する役員報酬等であるとして申告した金額について、Aから経営に関する助言を常日ごろより受け、役員報酬等も間違いなく同人に支給しており、A名義の口座は請求人が管理していたものではない旨主張する。しかしながら、A及び請求人の代表者の答述等によると、Aが、請求人の取締役として請求人の業務に関する職務を執行していたことも、請求人から役員報酬等の支払を受けたこともなかったと認められ、A名義の口座は、請求人が裏金等を捻出するために開設した預金口座であり、請求人に帰属するものと認めるのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。(平18.11.29 札裁(法)平18-3)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平180003
- 裁決年月日
- 平成18年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aからの仕入代金として申告した金額について、携帯電話に係る違約金債権及びその他の債権を購入したものである旨主張する。しかしながら、請求人の代表者の答述等によると、当該仕入代金を振り込んだ預金口座は、請求人の代表者によって開設された請求人に帰属する預金口座であり、また、請求人は、Aから携帯電話の解約違約金債権の回収業務を受託したものであって、Aと請求人との間に当該債権の譲渡はなかったと認めるのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。(平18.11.29 札裁(法)平18-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180037
- 裁決年月日
- 平成18年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人と代表者の母との間で、口頭により清掃、集金、電話番を労務の内容とする雇用契約が成立し、同人は実際に、ビルのトイレ等及び自宅前貸家の周辺の清掃、貸地・貸家の2件の現金集金、自宅における電話番の業務に従事していた旨主張する。しかしながら、代表者の母の請求人に対する労務の提供の事実は認められない。(平18.11.29 大裁(法)平18-37)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180018
- 裁決年月日
- 平成18年11月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、取締役辞任後に会長に就任した前代表者が、その辞任後も経営に参画するなど退職の実体が認められないから、同人の辞任に際して支給された本件金員は役員退職給与に当たらず、役員賞与に該当する旨主張する。しかしながら、前代表者の①辞任に至った経緯及び②辞任後の請求人への関与の程度などからすれば、同人は、取締役の辞任を契機として、その地位を追われ、経営の第一線からの引退を余儀なくされたものであり、その辞任後は、過去の功績に報いるために与えられた名誉職である会長として、単に名義上存しているにすぎず、同人が請求人の経営に従事していると言うことはできないから、請求人の役員を退職したものと認めるのが相当である。したがって、本件金員は、役員退職給与と認められるから、役員賞与に該当し損金の額に算入されないとしてされた原処分はその全部を取り消すのが相当である。(平18.11.28 広裁(法)平18-18)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180032
- 裁決年月日
- 平成18年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・410ページ
要旨
○ 請求人は、同人が放棄した債権(以下「本件債権」といい、本件債権の放棄を「本件債権放棄」という。)は、本件債権放棄の当時、回収不能であったといえるから、本件債権放棄に係る債権額は貸倒損失の額に該当する旨主張する。しかしながら、本件債権の債務者が施主である本件建物は、約70%程度完成していて既に建物として成立し、何らの担保も設定されておらず、本件債権放棄の前後を通じ、その処分についての協議が請求人を交えて継続されていたことからすると、本件債権放棄の当時において、本件建物自体に資産価値がないことが最終的に明らかとはなっていなかったものということができ、そうすると、本件債権放棄の当時、本件債権の回収不能の事態が客観的に明らかであったということはできないから、同放棄に係る債権額は「寄附金の額」に当たる。(平18.11.27 関裁(法・諸)平18-32)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平180010
- 裁決年月日
- 平成18年9月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社等に対する貸付金債権を放棄し、関係会社支援損として損金の額に算入したことについて、①子会社等が倒産の危機にあり、そのまま放置すれば請求人自身が今後より大きな損失を蒙るおそれがあったため、やむを得ず行ったものであり、②合理的な再建計画に基づく再建支援と認められるため、債権放棄を行うことに相当な理由があるとして、本件債権放棄が法人税基本通達9−4−2に定める損失負担の必要性と再建計画の合理性のいずれの要件も満たしている旨主張する。しかしながら、上記要件のうち損失負担の必要性の有無についてみると、本件債権放棄の日以前から親会社である請求人の主導によって子会社等に対する支援が継続的に行われていることが認められ、また、子会社等にとっての資金効果は、請求人が子会社等に対する貸付金の元本の返済猶予及び金利の棚上げを一定期間行った場合と本件債権放棄を行った場合とで何ら異なるところはなく、一方で、請求人のみが本件債権放棄の原因債権である貸付金を貸し付け、そのわずか数ヵ月後にあえて債権放棄という手段をとらなければならない特段の事由も見当たらない。したがって、子会社等が経営危機に陥っていたとは認められず、さらに、請求人にとって損失負担等を行う相当な理由があるとは認められないことから、本件債権放棄はこれが寄附金に該当しないものとして取り扱う場合の損失負担の必要性の要件を欠くことになる。よって、請求人が主張する再建計画の合理性について判断するまでもなく、本件債権放棄の額は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。 (平18. 9.22 金裁(法)平18-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180019
- 裁決年月日
- 平成18年9月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、各事業年度において計上した未成工事支出金の額には誤りがあり、各事業年度の未成工事の受注金額に当該各事業年度の帳簿書類等から算出した各未成工事の進ちょく率及び当該各事業年度の決算書等から算出した各未成工事の原価率を乗じて当該各事業年度の未成工事支出金の額を算出すると、各事業年度の工事原価の額が過少又は過大である旨主張する。しかしながら、①請求人における棚卸資産としての未成工事支出金の評価方法は最終仕入原価法であることから、各未成工事支出金の額は個々の原価の積上げとなり、個々の工事に係る原価率はそれぞれ異なるのが通常であるが(当審判所に顕著な事実)、請求人が計算した各未成工事の原価率は一定の率とされていること、②請求人の役員及び設計管理課長は、工事の進ちょく率は工事担当者の経験的数値である旨、あるいは個々の工事について実際の原価を積み上げることは無理である旨を答述していること、そして、③請求人がその主張する未成工事支出金の計算に係る具体的な資料や仕入れ等の明細を提示していなことなどの事実を総合すると、請求人がした未成工事支出金に関する計算は、合理的なものとは認められない。したがって、請求人の主張する未成工事支出金の額が正しいと認めるに足る資料はないから、請求人の主張は採用できない。(平18. 9.21 名裁(法・諸)平18-19)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180008
- 裁決年月日
- 平成18年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者の妻が代表者を務めるA社から得意先を譲り受けた事実があるから営業権は架空ではない旨主張する。しかしながら、A社は、①工場が火災になったことにより操業不能となったこと、②優れた技術を有していないこと、③債務超過の状態であること、④得意先と独占的に取引を行っていないことの事実を総合勘案すれば、A社には営業権たる超過収益力を認めるに足りる証拠はなく、両当事者においてもA社の営業権の価値について積極的な評価をなしていないことが認められる。したがって、A社に営業権が存していたと認めることはできない。さらに、営業譲渡契約書は、①譲渡したとする日から1年近く後に作成されていること、②譲渡対価の支払期日、支払方法などの通常必要な事項の記載がないことから、その信用性に乏しい。のみならず、①営業譲渡にあたり、株主総会、取締役会のいずれも開催されていないこと、②譲渡したとする日後にA社と取引を行っていた者、譲渡したとする日に存在しない者が含まれていること、③得意先においても、取引の相手方が請求人に替わったとの認識はないこと、④譲渡対価の額について具体的な内容が話し合われた事実はないこと、⑤営業権の算出根拠に係る請求人の主張は著しく変遷し、その変遷について何ら合理的な説明がないこと、⑥A社は、営業権の譲渡に係る法人税の申告を行っていないことからすれば、A社から請求人への営業権の譲渡はなく、請求人の営業権は存在しないものと認められる。したがって、営業権は存在しないとし、それに係る営業権の償却費を認めないとした原処分は適法である。(平18. 9.20 広裁(法)平18-8)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平180001
- 裁決年月日
- 平成18年9月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、出向職員に係る事業主負担分の社会保険料を請求人が全額負担していることについては、そのことを前提に出向職員に係る給与について出向先法人にやや重く80パーセントを負担してもらうことに合意しているから、合理的な理由があり、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、その具体的根拠を示す証拠資料等の提出がなく、また、他に請求人の主張を認めるに足る証拠もないから、その主張は採用することができない。したがって、事業主負担分社会保険料を請求人が全額負担していることについて合理的な理由があるとは認められない。そうすると、出向先法人が負担すべき社会保険料の額については、請求人から出向先法人に対する経済的利益の供与と認められ、法人税法第37条第7項に規定する寄附金等に該当することから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平18. 9. 4 熊裁(法・諸)平18-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180008
- 裁決年月日
- 平成18年7月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/3その他の資産の譲渡原価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、支出した170,000,000円のうち、①120,000,000円については、地裁に損害賠償請求の訴えを提起し民事裁判中であったが和解が成立し、和解の内容によれば本件公正証書に基づく120,000,000円の債務が従来から存在していたことが確認されており、②50,000,000円については、権利金であることは明白であり請求人が提起した損害賠償請求金額からも除外してある旨主張する。 しかしながら、①の120,000,000円は、当初から個人的資金の捻出を目的として取引金額を計画的に水増しし、それを借入金の名目で請求人の元代表者に還流させ、同人の個人的支出金に充てるため自ら不正に領得したものであり、本件転貸借取引の対価とは認められない。 なお、②の50,000,000円は、本件転貸契約に基づき権利金の一部として支払われたものであり、契約の相手先に入金がないからといって、直ちに請求人が権利金として支出したことを否定することはできない。賃料の額が原契約と同額になっている本件転貸借契約において、権利金とする対価の額はないと認定すれば、当該契約が実質的に無償で行われたことになり、契約として不自然である。原処分庁は、本件支出金のうち50,000,000円については請求人が個人に支払った謝礼であると主張するが、その主張を裏付ける具体的な証拠は認められない。よって、本件支出金のうち50,000,000円は、本件転貸借取引の対価として認めるのが相当であり、この点に関する原処分庁の主張は採用できず、原処分は一部取消しが相当である。(平18. 7.14 東裁(法)平18-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成18年7月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が平成12年12月から平成15年6月までの間においてFに支払った内職工賃とFへの銀行振込額との差額は、請求人の代表者Gの配偶者であるHが平成12年4月25日にHの実妹であるFに4,500,000円を貸し付けた際に、Fの内職工賃単価を引き上げて当該貸付金の返済金相当額をFに対する内職工賃から控除したことによるもので、内職工賃を水増し計上したものではない旨主張する。しかしながら、平成10年5月から平成13年10月までの間のFに対する内職工賃の計上額は月額454,000円から488,000円の間で推移しており、Fの内職工賃単価を引き上げた事実は認められず、Fに貸し付けた資金をどのように用意したかも不明である。また、Fに貸し付けたとする「借用証」と題する書面のみ存しながら、返済に関する書類は処分したとしていること、Fの内職工賃の支払方法を銀行振込みの方法に変更したと同時に上記貸付金に係る返済が始まっていること、そして、上記貸付金の元金の返済期間中にはまったく無かった現金支払が上記貸付金の元金の完済後に発生していることは、いずれも不自然といわざるを得ない。請求人の主張にそう各答述等は、客観的事実と符合せず、内容も不自然であり、これに加えて、請求人が、原処分に係る調査の段階では上記の内職工賃の差額について貸付金がある旨反論するのみで詳細については主張せず、調査担当職員に対するFの申述においてもこの点については触れられていなかったにもかかわらず、異議審理以降になって初めて証拠を提出していること、請求人の代表者とFに親族関係があること及び原処分に係る調査開始後に経理担当者であるEが不正計算発覚を防止するための工作行っていたことを併せ考慮すると、上記の貸付け及び返済についての各答述等は、容易に信用することができない。したがって、Fの内職工賃に係る上記差額は、Fに支払う内職工賃を請求人が水増し計上したことにより生じたものであると認めるのが相当である。(平18. 7.13 関裁(法・諸)平18-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180007
- 裁決年月日
- 平成18年7月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各外注加工費について、いずれも、加工業務を外注し、その対価として帳簿に記載したとおりに各外注先に支払ったものであり、架空ではない旨主張する。しかしながら、A、B及びCは、本件各事業年度において、いずれも請求人の外注業務に従事しておらず、また、A及びDについては、外注加工費の支払を担当しているEが、外注加工費を支払っていたかのように工作をしていたというのであるから、A、B、C及びDに対する外注加工費は、いずれも架空のものであったと認めるのが相当である。そして、請求人の代表取締役はもちろん、外注に係る材料の配達及び製品の回収並びに外注加工費の支払を担当していたEですら、この4名を含めた本件各外注加工費に係る外注先について、通常外注を行うに当たって当然に把握しておくべき、そのグループ構成、配達先、回収先及び支払先である各グループの代表者、外注先の氏名及び連絡先といった情報を全くといっていいほど把握しておらず、また、この4名を含めた本件各外注加工費に係る外注先の中には別に定職を有している者もおり、さらに、Eは、関与税理士の架空計上と認められるものがあるとの指摘を受けて本件各外注加工費の計上を取り止めたというのであり、これに、Eが、原処分に係る調査開始後、不正計算発覚を防止するための工作を行っていたことを併せ考慮すると、この4名以外の本件各外注加工費についても、すべて架空のものであるとみるのが相当である。請求人の主張にそう各答述等は、それぞれ、共にその業務を行っている者、材料の受渡し担当者、従事期間、金額、受領方法、従事場所において食い違いがあり、Eが、原処分に係る調査開始後、不正計算発覚を防止するための工作を行っていたこと及び各答述者とEとの関係を考慮すると、これらの答述等はいずれも信用することができず、上記認定を覆すに足りない。(平18. 7.13 関裁(法・諸)平18-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180006
- 裁決年月日
- 平成18年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/2無償譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、廃棄するよう指示してパチンコの換金用特殊景品(以下「特殊景品」という。)を特殊景品卸売業者に引き渡したのであるから、特殊景品の贈与には当らない旨主張し、さらに、特殊景品は、パチンコ店が遊戯客にパチンコ遊戯の景品として渡したときには経済的価値があるが、特殊景品が現金と交換され、景品として提供した請求人に戻ったときには消耗品であるから、経済的な価値はない旨主張する。しかしながら、請求人が引き渡した特殊景品は、廃棄されておらず、請求人が廃棄を指示したとする翌日に特殊景品として請求人のパチンコ店舗に納品されていること、及び、請求人が、当該特殊景品の廃棄を指示したとしながら、当該特殊景品の自動払出機の入換え手続を何らとっていないことから、請求人が当該特殊景品を卸売業者に引き渡した意図は、廃棄ではなく、贈与であったとすることが相当である。また、特殊景品は、景品買取業者、景品卸売業者及び請求人の3者間をあらかじめ設定された価額で経済的な価値をもったものとして流通しており、請求人が贈与した特殊景品は、贈与した後においてもこの3者間において継続的に流通しているのであるから、経済的な価値があると認められる。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平18. 7. 7 関裁(法)平18-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180001
- 裁決年月日
- 平成18年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所属する企業集団に関連する法人に対し支出した金員について、同企業集団は、悪化したA社の経営から撤退する際に、各取引金融機関から本件金員の支出を事実上求められ、請求人がこれを拒否ないし態度を留保すれば、同各金融機関の協力を得られなくなり、同企業集団の信用不安が顕在化し、また、同企業集団がA社の経営から撤退しないまま、同社が破綻すれば、これに連鎖して同企業集団も破綻することとなり、いずれにしろ、フランチャイズ契約が解除され請求人の事業継続に支障が出るのは必至で、その結果、請求人自身の破綻という計り知れない損失を負うのは確実で、このような事態を回避するためにやむを得ず本件金員の支出をしたのであるから、同支出には同事態の回避という対価があり、また、経済取引としての合理的な理由もあるから、請求人が支出した本件金員は、寄附金に当たらない旨主張する。しかしながら、本件金員の支出は、請求人の兄弟会社がA社の経営から撤退するに当たり、その兄弟会社が負担することとなった撤退費用を、請求人がその求償権を放棄することを前提に第三者弁済しこれによりその兄弟会社に対し経済的利益を供与したものであるとみるのが相当であるから、請求人は、その対価としての反対給付を受けていないというべきである。また、請求人が本件金員を支出したことによって、相手方からこれと対価的意義を有するものと認められる経済的な利益の供与がされたと認めるに足りる証拠はない。そして、請求人自らとは直接的には何ら関係もないA社に対して支出されたものであるから相当な理由があるとは認められない、さらに、請求人があえて本件金員を直接支出するという手段をとらなければその兄弟会社に破たんの恐れがあったと認めるに足りる証拠はなく、その兄弟会社又は企業集団の合理的再建計画も存しない以上、本件金員の支出が合理的な再建計画に基づくものでないことは明らかであり、また、他に請求人が経済的利益の供与をしたことに相当な理由があると認めることはできないので、本件金員の支出に何らかの合理的な経済目的その他の事情も存しないから、本件金員は寄附金に当たる。(平18. 7. 5 関裁(法)平18-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170020
- 裁決年月日
- 平成18年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、出資先の医療法人が出資持分ありの法人から出資持分なしの法人への定款変更をしたため、出資持分に係る残余財産分配請求権が失われたことは、特別損失に当たる旨主張するが、本件出資については、出資後に当該医療法人の定款変更により出資持分が失われることを前提に出資し、出資時から有していた資産価値を、当該医療法人の定款変更に伴い何ら対価を得ずに放棄したものであり、請求人から当該医療法人に対し、病院施設等を無償で供与したものと認められることから、法人税法第37条に規定する寄附金に該当し、原処分は適法である。(平18. 6.29 熊裁(法)平17-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170072
- 裁決年月日
- 平成18年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、B社の全株式を取得するに当たってC社に委託したB社株式の購入及びB社との株式交換並びにこれらに関連する取引に関するアドバイザリー業務(以下「本件アドバイザリー業務」という。)の内容は、B社の全株式を取得すべきか否かの意思決定に資する提案、助言及び情報等の提供であり、C社に支払った報酬(以下「本件報酬」という。)はB社株式購入の成功報酬としてを支払ったものであるから、本件報酬は法人税法施行令119条第1項第1号に規定する有価証券の購入のために要した費用には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件アドバイザリー業務が履行されたことにより、所期の目的であるB社の全株式の取得をするに至ったものといえるから、同業務は、単にB社の全株式を取得すべきか否かについての請求人の意思決定に資する提案、助言及び情報の提供にとどまらず、請求人によるB社の全株式の取得を目的として行われた一連の仲介及びあっせん業務であったと認められる。そして、請求人は、B社株式の購入に係る業務の対価として、本件報酬を支払ったものであるから、本件報酬は、法人税法施行令第119条第1項第1号に規定する有価証券の購入に要した費用に該当する。(平18. 6.27 名裁(法)平17-72)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170072
- 裁決年月日
- 平成18年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、B社株式の買取り及びB社との株式交換(以下「本件株式交換」という。)によりB社の全株式を取得するに当たってD社に委託した本件株式交換に係る株式交換比率の算定業務(以下「本件株式交換比率算定業務」という。)の内容は、請求人がB社の全株式を取得すべきか否かの意思決定に資する提案、助言及び情報等の提供であって、本件株式交換をするか否かの意思決定をするに際して請求人の考える市場価額に準じた株式交換比率が社会的に認められる株式交換比率であるか否かを検証したものであり、D社に支払った報酬(以下「本件報酬」という。)はその対価として支払ったものであるから、本件報酬は法人税法施行令119条第1項第4号に規定する有価証券の受入れのために要した費用には該当しない旨主張する。しかしながら、本件株式交換比率算定業務は、本件株式交換を推し進めるために必須の株式交換比率の算定業務であったと認められる。そして、請求人は、こうした本件株式交換比率算定業務の対価として本件報酬を支払ったものであるから、本件報酬は、法人税法施行令第119条第1項第4号に規定する有価証券の受入のために要した費用に該当する。(平18. 6.27 名裁(法)平17-72)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170072
- 裁決年月日
- 平成18年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、B社株式の買取り及びB社との株式交換(以下「本件株式交換」という。)によりB社の全株式を取得するに当たってE弁護士に委託したB社とのM&Aに関する法務関係の基礎調査、法律相談、契約内容の確認等の業務(以下「本件弁護士業務」という。)の内容は、B社の全株式を取得すべきか否かの意思決定に資するために行うB社経営陣へのストックオプション付与などに係る法務審査及びそれらに関する助言であり、E弁護士に支払った報酬(以下「本件弁護士報酬」という。)はその対価として支払ったものであるから、本件弁護士報酬は法人税法施行令119条第1項第1号又は第4号に規定する有価証券の購入又は受入れのために要した費用には該当しない旨主張する。しかしながら、本件弁護士業務は、請求人がB社の全株式の取得を推し進めるために必須のB社の全株式の取得に係る一連の契約書等の法務審査及びそれらに関する助言・指導であったと認められる。そして、請求人は、本件弁護士業務の提供を受けたことによりB社の全株式を取得し、こうした本件弁護士業務の対価として本件弁護士報酬を支払ったものであるから、本件弁護士報酬は、法人税法施行令第119条第1項第1号又は第4号に規定する有価証券の購入又は受入のために要した費用に該当する。(平18. 6.27 名裁(法)平17-72)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170072
- 裁決年月日
- 平成18年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、A社の全株式を購入するに当たって請求人と証券会社との仲介あっせん覚書(以下「本件仲介あっせん覚書」という。)に基づき証券会社に委託した業務(以下「本件委託業務」という。)の内容は、A社の全株式を購入すべきか否かの請求人の意思決定に資する資料情報等の提供であり、当該証券会社に支払った報酬(以下「本件報酬」という。)はその対価としてを支払ったのであるから、本件報酬は法人税法施行令119条第1項第1号に規定する有価証券の購入のために要した費用には該当しない旨主張する。しかしながら、本件仲介あっせん覚書に明記された本件委託業務の実際は、そこに記載された請求人のA社全株式を購入すべきか否かの意思決定に資する情報提供等の業務にとどまらず、請求人のA社全株式の購入に至る一連の手続を包括的にサポートしたものであると認められる。そして、請求人は、本件委託業務が履行されたことにより、A社全株式の購入を実現し、当該業務の対価として、本件報酬を支払う義務が生じたのであるから、本件報酬は、法人税法施行令第119条第1項第1号に規定する有価証券の購入に要した費用に該当する。(平18. 6.27 名裁(法)平17-72)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170204
- 裁決年月日
- 平成18年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・429ページ
要旨
○ 請求人は、H社に対して支払った金員(以下「本件金員」という。)について、請求人がG社から受託した宗教法人Fの施設の建設に係る近隣対策等業務に対するH社の妨害を排除するために支払ったもので、業務遂行上必要な費用であり、寄付金の額には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人の上記近隣対策等業務をH社が妨害した事実は認められず、本件金員はH社とG社との間で生じた紛争を回避するためにH社へ支払われたものと認めることが相当である。そして、紛争を回避するための費用は、特段の事情がない限り紛争当事者が負担すべきものであるところ、本件において請求人が当該費用を負担すべき特段の事情は認められず、本件金員がG社との間で清算された事実もない。したがって、請求人による本件金員の支出はG社に対する経済的利益の供与に当たるから、本件金員の額は法人税法第37条第3項に規定する寄附金の額に該当する。(平18. 6.23 東裁(法・諸)平17-204)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170069
- 裁決年月日
- 平成18年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712080
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/8無償貸与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)が、その所有し、又は現理事長から賃借している病院用建物の敷地(以下「本件敷地」という。)を関係法人に無償で使用させ、関係法人が本件敷地に病院用建物(以下「本件建物」という。)を建設していることは、地代相当額(以下「本件地代相当額」という。)の関係法人への贈与に当たるとして、原処分庁が本件地代相当額を法人税法第37条第7項の寄附金に該当すると認定したことについて、請求人は、関係法人が本件建物を請求人に有償で貸し付けているところ、本件敷地の賃料は本件建物の賃料(以下「本件建物賃借料」という。)に包含されており、本件建物賃借料の額は本件敷地が請求人の所有地又は借地であることを考慮した上で算定された適正なものであるから、本件地代相当額は法人税法第37条第7項に規定する寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、本件建物賃借料の単価を一坪当たり月額9,500円等とする具体的な根拠は明らかではなく、本件建物賃借料が本件土地の賃料を斟酌して定められたと認め得る証拠はない。また、本件建物賃借料の表面利回りが同地区における建物賃借料の表面利回りを上回っていることから、本件土地の賃料が加味され、本件建物賃借料が低く設定されているとは認定できない。そうすると、本件建物賃借料が本件土地の賃料を包含しているとは認められず、当審判所の調査の結果によっても請求人が関係法人から本件土地の借地料を収受しないことについて合理的・経済的理由が存すると認めるべき事情は見当たらない。そして、地代相当額として原処分庁が認定した一坪当たり月額550円は、請求人が病院の駐車場として第三者に支払っている地代と同額あるいは同程度であり、また、相当な地代を授受している場合に借地権の認定課税を見合わせる旨規定している法人税法施行令第137条に基づき法人税基本通達で定める相当な地代の算定方法(相続税評価額×6%)によって算定した額と比較するとかえって低額である。したがって、本件各土地の通常収受すべき地代として原処分庁が算定した本件地代相当額は相当と認められ、請求人が関係法人に対して本件地代相当額を贈与したものと認められるから、本件地代相当額は、法人税法第37条第7項の規定により、寄附金の額に含まれることになる。(平18. 6.20 名裁(法・諸)平17-69)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170069
- 裁決年月日
- 平成18年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/1役員の範囲/1みなし役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、現理事長である甲が登記上の役員でなかった期間(以下「本件理事長退任期間」という。)において甲に支給した賞与について、甲は請求人の理事長を法律的に解職されていたのであり、甲が請求人の経営に従事していた事実もなく、法人税法第2条第15号に規定する役員に該当しないから、本件賞与を損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、請求人の関与税理士(以下「乙税理士」という。)の答述によると、①乙税理士は本件理事長退任期間においても請求人の監査や決算の結果説明及び決算書や法人税確定申告等の内容説明を甲に対して行っていたこと、②確定申告書等は甲に預けられ、その提出に当たっては甲の承認を受けていたこと、及び③乙税理士は本件理事長退任期間中の理事長と面識がないことが認められる。また、請求人作成の資料によると、甲が、請求人の営む病院を療養型病床群へ転換するために会長に選任され、当該療養型病床群のための病棟の用地取得交渉において指導的な役割を果たしていたことが認められる。これらの事実からすると、甲が本件理事長退任期間中も請求人の実質的な理事長として請求人の主要な業務執行の意思決定に参与していたことは明らかである。したがって、甲は、法人税法施行令第7条第1号に規定する使用人以外の者で当該法人の経営に従事している者に当たり、法人税法第2条第15号に規定する役員に該当するから、本件賞与は、法人税法第35条第1項の規定により損金の額に算入することができない。(平18. 6.20 名裁(法・諸)平17-69)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170069
- 裁決年月日
- 平成18年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、審査請求人(以下「請求人」という。)の医療用酸素の購入先であるA社から請求人の関係法人であるB社に振り込まれた金員(以下「本件金員」という。)は請求人が受領すべきリベートであり、請求人が本件金員をB社に贈与したものであるとして、本件金員を法人税法第37条第7項の寄附金と認定したことについて、請求人は、本件金員が請求人の使用する医療用酸素に係るリベートであるかどうか関知しておらず、これら一連の取引や代金請求・支払等について一切関与していないから、本件金員は法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、A社の営業所長の答述によれば、B社がA社との間で取り交わした保守管理契約書(以下「本件保守管理契約書」という。)に基づいてA社から委託を受けた医療用酸素の保守管理業務の対価としてB社が受領したとされる本件金員の実態は、A社が請求人に販売した医療用酸素の販売単価の引き下げに代わる割戻金であると認められ、本件保守管理契約書は、本来であれば請求人に支払うべき当該割戻金を保守管理料名目でB社に支払うために作成されたものと認められる。以上からすると、請求人は、B社が本件保守管理契約書に基づき医療用酸素の保守管理業務を行ったかのように仮装した上で、本来であれば請求人がA社から収入し益金の額に算入すべき本件金員をB社に受領させたと認めることができる。したがって、請求人がB社に対して本件金員を贈与したものといえるから、本件金員は、法人税法第37条第7項の規定により、寄附金の額に含まれることとなる。(平18. 6.20 名裁(法・諸)平17-69)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170069
- 裁決年月日
- 平成18年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 病院を営む審査請求人(以下「請求人」という。)が病院の清掃業務(以下「本件清掃業務」という。)を清掃業者に委託した後も関係法人に病院の清掃業務に係る業務委託料(以下「本件業務委託料継続支払分」という。)を支払っていたことは、本件業務委託料継続支払分の関係法人への贈与に当たるとして、原処分庁が、本件業務委託量継続支払分を法人税法第37条第7項に規定する寄附金と認定したことについて、請求人は、本件清掃業務を清掃業者に委託した後も関係法人が清掃業者の業務範囲外のトイレ部分及びベッド下部部分の清掃業務を行っていたから、本件業務委託料継続支払分は法人税法第37条第7項の寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人の主張は具体性に欠け、また、関係法人に対する支払額からすれば、関係法人が行う清掃業務は本件清掃業務より作業回数、従事時間ともに多数、長時間となり、必然的に清掃員を雇用しその管理を行わなければ成し遂げられないところ、そのような事実を明らかにする証拠等も見当たらず、かえって、清掃業者がトイレの清掃は毎日、病室の清掃は隔日で行い、他の業者がトイレ清掃等を行っているのを見たことはない旨の清掃業者従業員の答述がある。さらに、清掃業者に本件清掃業務を委託した時点で請求人に所属する清掃員を解雇し、清掃業者に再雇用を依頼していることは関係法人がトイレ掃除等の清掃業務を実施していることを否定する事実といえ、これらを総合すると、請求人の上記主張は到底信用できない。以上のとおり、本件業務委託料継続支払分に対価性を認めることはできず、請求人が本件業務委託料継続支払分を関係法人に贈与したものと認められるから、本件業務委託料継続支払分は、法人税法第37条第7項に規定により、寄附金の額に含まれる。(平18. 6.20 名裁(法・諸)平17-69)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170014
- 裁決年月日
- 平成18年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、K社からの借入金は、T信用金庫N支店の借入の切替え時にAから保証人としての許諾を拒否されたことや同店が遠隔地であり他に保証人が見つからないことから、借入の更新ができず返済を要求されたこともあって、やむを得ずK社から借入れをして返済したものであり、経済取引を全く念頭に置かずに措置したものではない旨、当該借入金の利率は、純粋に経済人が日常的に行う正常な取引であって、寄附行為という認識の下で行ったものではなく、むしろ、通常であればK社から年利率39.9%及び29.2%の金利で借入れすべきところを大幅な値引き交渉を行い低金利の15%で契約が成立し、請求人は多額の利益を得られた旨主張する。 しかしながら、K社からの借入金発生時及び本件各事業年度においては、①M銀行融資枠の空き額によると借入れを困難にするほどの融資枠の制限があったという事情は認められないこと、②請求人は、平成16年3月期にM銀行融資枠の空き額を利用してK社からの借入金を返済しており、金融機関からの借入れが特に困難であったという事情は認められないことから、K社からの借入金に適用すべき利率は、請求人の金融機関からの平均調達金利によるのが相当であり、請求人の主張を採用することはできない。(平18. 6.12 熊裁(法・諸)平17-14)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170015ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表取締役会長Aから事業資金を借り入れた理由について、得意先金融機関における融資枠の制限があり、担保物及び保証人が十分でなかったことから、Aからの所有資金を一時融資してもらったものである旨、当該借入金の利率は、①無期限、無担保、保証人なし等を融資条件としていることから金融機関等からの融資条件と大きな相違があること、②金融機関の事業ローンと相似したものであること、③Aから借り入れた資金を小口消費者金融の利用申込者に年利率39.9%及び29.2%の高利率で貸付運用するのであって貸金業の商取引として合理性があることから、当事者間で合意した最も妥当なものである旨主張する。 しかしながら、Aからの借入金発生時及び本件各事業年度においては、①M銀行融資枠の空き額によると借入れを困難にするほどの融資枠の制限があったという事情は認められないこと、②M銀行以外の金融機関から営業資金の借入れを行っており、これらの金融機関からの借入れが特に困難な状況にあったとは認められないこと、③取引先金融機関からの借入れに際し、貸付債権を担保としており、担保のついていない債権を担保にして借り入れることも可能であったことから、Aからの借入金に適用すべき利率は、請求人の金融機関等からの平均調達金利によるのが相当であり、請求人の主張を採用することはできない。(平18. 6.12 熊裁(法・諸)平17-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170065
- 裁決年月日
- 平成18年6月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、投資ファンド会社から外国の受取口座に入金された月利1%の金員について、請求人がこれに相当する金員を請求人の代表者に役員報酬として支出した事実もないから、法人税法第34条第2項に規定する隠ぺい、仮装の事実もない旨主張する。 しかしながら、請求人が、月利1%の金員の収受を前提に投資ファンド契約を締結し、請求人の代表者が実質的に支配管理する上記口座を月利1%の金員の受取口座としたことが認められる。 そうすると、上記金員は、法人税法第34条第2項に規定する隠ぺいして支給された役員報酬に該当するから、原処分は適法である。(平18. 6.12 大裁(法・諸)平17-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170179
- 裁決年月日
- 平成18年5月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/3その他の資産の譲渡原価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が収受するマンションの受託販売業務に係る販売手数料は、住戸ごとの販売について発生するものであり、請求人が当該マンションのモデルルーム等の受付業務等のために人材派遣会社に支払う本件外注費とは、直接かつ個別的な対応関係が存在しないから、本件外注費は、発生した事業年度に計上すべきである旨主張する。 しかしながら、法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第3項第1号は、収益の額に直接、個別的に対応すると認められる売上原価等の額を、当該事業年度に帰属すべき収益に対応させて損金の額に算入すべき旨規定していると解されるところ、請求人と委託業者との契約によれば、請求人の受託販売業務の内容には、本件外注費の支出によって遂行される販売営業活動に係る業務(モデルルーム等の運営、管理業務)が含まれているのであり、請求人は、当該業務の遂行によって、上記販売手数料を得ることができるのであるから、両者の間には個別的な対応関係があると認められる。したがって、本件外注費は、売上原価等に該当するといえるから、翌事業年度に収益計上された販売手数料に対応させて、翌事業年度の損金の額に算入すべきであり、請求人の主張は採用できない。(平18. 5.26 東裁(法・諸)平17-179)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170042
- 裁決年月日
- 平成18年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710052
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/2損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 役員退職慰労金を退職慰労金計上処理によって損金経理した経理事実は、役員退職慰労金と退職慰労引当金取崩益が相殺処理により損益計算書上から消えた場合にも残り、当該経理処理を経た確定決算を株主総会で承認しているのであるから、役員退職慰労金を損金経理していることとなる。したがって、役員退職慰労金は損金の額に算入すべきであり、退職慰労引当金取崩益のみを益金の額とした本件更正処分は違法である旨を請求人は主張する。 しかしながら、役員退職慰労金と退職慰労引当金取崩益は、相殺処理によって経理処理上撤回されたものと認められるから、退職慰労引当金取崩益は計上されたと認めることはできないし、役員退職慰労金は確定した決算において費用又は損失として経理されていると認めることもできない。したがって、退職慰労引当金取崩益は計上もれとして所得金額に加算されるべきであるし、役員退職慰労金は損金経理されたものと認められず損金の額に算入することはできないから、本件更正処分は適法であり、請求人の主張には理由がない。(平18. 5.24 広裁(法)平17-42)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170061
- 裁決年月日
- 平成18年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716130
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/13租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件調査により増加した事業税の損金算入時期について、審査請求事業年度の前後の事業年度においては、法人税基本通達9-5-2を適用して損金算入されているから、審査請求事業年度について同通達を適用しないのは不当である旨主張する。ところで、事業税の損金算入額は、法人税法第22条第3項第2号の規定により、当該事業年度の終了の日までに確定したものに限られるところ、法人税基本通達9-5-2は、事業税の損金算入時期の特例を行政裁量によって認め、事業税の損金算入だけを内容とする更正は、原則としてこれを行わないとしているものであり、この取扱いは、行政裁量による特例の適用と課税処理の簡便性の衡量によるものであって、当審判所においても相当と認める。そして、原処分庁は、同通達の定めに従い、その裁量権の範囲において本件事業税について減額更正を行わなかったものであり、当審判所の調査の結果によっても、本件事業税を審査請求事業年度の損金の額に算入しなければ著しく課税の公平を欠くといった特別の事情も認められない。したがって、本件更正の請求には理由がないとした原処分庁の通知処分が不当であるとはいえない。(平18. 5.23 大裁(法・諸)平17-61)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170010
- 裁決年月日
- 平成18年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、類似法人として抽出した中で、功績倍率の高い2社の平均功績倍率が、請求人の「役員退職慰労金規程」の役員退職慰労金額の計算における、代表取締役に対する役位係数3.5の近似値であるとして、功績倍率を3.5として適性役員退職給与の額を算出し、それを超える部分を法人税法第36条に規定する不相当に高額な部分であるとした。 一方、請求人は、請求人の「役員退職慰労金規程」に基づいて役員退職慰労金等を支給したのであり、法人税法第36条に規定する不相当に高額な部分はない旨主張する。 このため、類似法人の抽出内容を検討すると、原処分庁は、類似法人として抽出した法人の功績倍率の上位2社の平均値で類似法人の功績倍率を算定しており、かつ、当該2社は、いずれも代表取締役に対する支給事例ではないため、類似性が認められない。そこで、当審判所において、A国税局管内及び隣接県のB県における類似法人を再抽出した。しかしながら、その抽出した法人の中で、代表取締役に対する支給事例は1社のみであるため、当該類似法人の各指標を用いて平均功績倍率法等を採用(適用)することは相当でないところ、原処分庁と請求人が採用した功績倍率3.5を不相当とする理由もないことから、功績倍率を3.5として役員退職給与の相当額を算定したところ、原処分と同額となったので、原処分は適法である。(平18. 5.22 熊裁(法)平17-10)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170010
- 裁決年月日
- 平成18年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の前代表者に対して支給した平成15年3月期の役員報酬について、類似法人の代表取締役報酬の平均額を売上金額、売上総利益率、個人換算所得金額及び使用人最高給与額の4項目により加重平均する方法で比準報酬月額を算出し、その比準報酬月額を超える金額を不相当に高額な報酬額であるとした。 当該比準報酬月額の算定方法は、役員報酬が各法人においてその具体的事情に応じ個別的に定められ、法人間でその報酬額にも差異があることを考慮したものであり、併せて請求人の収益等の状況も反映したもので、合理性が認められる。 請求人は、比準報酬月額の算定に当たり、報酬を改定した前年度の平成14年3月期の数値で行うべきである旨主張するが、平成15年3月期の役員報酬の相当額を検討したものであるから、同期分の数値で行うべきであるので、請求人の主張には理由がない。 また、請求人は、類似法人の売上金額等のデータを入手する術がないので、独自に市販の専門誌からデータを入手して検討したところ、不相当に高額な報酬額はない旨主張する。しかしながら、請求人が入手したデータは、業種にばらつきがあり、かつ、随意的に抽出したものであるので、類似法人として適格がなく、請求人の主張には理由がない。(平18. 5.22 熊裁(法)平17-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170056
- 裁決年月日
- 平成18年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706110
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/11事業用資産の取得事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・413ページ
要旨
○ 請求人は、各旋盤(以下「本件各旋盤」という。)のうち、5台は平成14年12月期末までに、10台は平成15年12月期末までにいずれも引渡しを受けた旨主張する。 しかしながら、請求人は、請求人の工場において、自己の製品加工に本件各旋盤を使用する目的でG社に本件各旋盤を発注したというべきであるから、G社との間で、標準機本体に請求人仕様の特別付属品及び特注品を取りけた仕様の旋盤を目的物とした売買契約を締結したというべきである。そして、同仕様の状態に至った後の本件各旋盤のうち、5台は平成15年2月14日、10台は平成16年1月14日及び同月15日に、それぞれ引渡しを受けたと見ることが相当である。 したがって、請求人の主張は理由がない。(平18. 5.22 関裁(法・諸)平17-56)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170168
- 裁決年月日
- 平成18年5月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の妻である甲は自宅で勤務しており、甲名義預金に振り込んだ本件報酬等の額は、甲の役務提供の対価であるから、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、①甲には請求人における勤務実態がなく、請求人に対して役務提供を行っているとは認められないことから、甲に本件報酬等を支給すべきものとは認められないこと、②甲名義預金は、代表者の指示により従業員が開設したものであり、当該預金の通帳及び印鑑は請求人の事務所の耐火金庫に保管されていること、③甲本人は当該預金に一切関与していないこと、及び④当該預金への入金は、代表者の指示により従業員が入金した本件報酬等の額に限られており、本件報酬等のほぼ全額が預金残高として留保されていることからすれば、甲名義預金に入金された本件報酬等の額が甲に支払われたものと認めることはできず、当該預金は本件報酬等の額を請求人に留保するために利用した請求人の簿外預金とみるのが相当である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平18. 5.10 東裁(法)平17-168)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平170018
- 裁決年月日
- 平成18年5月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件建物は、特殊な形状をしており他の用途に転用できるものではなく、今後事業の用に供する可能性がないこと、②使用していた小ホール等の部分は、区分できる構造となっており、床面積割合をもって除却処理していないことから、本件建物の一部の有姿除却が認められるべきである旨主張する。 しかしながら、有姿除却は、固定資産としての命数が尽きたことをもって除却損失を計上するものであるから、固定資産の単位ごとに使用の廃止等の有無を判断することとなり、建物の場合には建物一棟ごとに判断することとなる。そうすると、本件建物を面積比によって区分し、一部分のみを除却処理することは認められない。また、本件建物は、本件事業年度終了後も小ホールの使用が行われていたことからすると、本件事業年度末の時点において、本件建物の使用を廃止していたと認めることはできず、本件建物には、建物としての使用価値は存していたと認めるのが相当である。(平18. 5. 9 福裁(法)平17-18)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平170016
- 裁決年月日
- 平成18年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度において貸倒損失として損金の額に算入したA社及びB社の各売掛金(以下「本件金銭債権」という。)について、貸倒れが生じたと認められるから、貸倒損失として本件事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、A社及びB社は、本件調査の時点において存続し、事業活動を継続している法人であり、かつ、破産、強制執行、整理、長期の債務超過等のいずれの状況にもないことが認められる。そうすると、本件事業年度の属する日において、A社及びB社の資産状況、支払能力等の債務者側の事情からみて、本件金銭債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとは認められない。また、債権者側の事情からみて、本件事業年度において、本件金銭債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとは認められず、この点に関する請求人の主張は採用することができない。したがって、本件金銭債権については、本件事業年度において貸倒れが生じたとは認められないから、本件事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することを認めなかった本件法人税更正処分等は適法である。(平18.3.31福裁(法・諸)平17-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170048
- 裁決年月日
- 平成18年3月24日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、建設協力金等の差入保証金の返還請求権のうちの22件(以下「本件各債権」という。)を譲渡した(以下「本件取引」という。)として、本件各債権の帳簿価額と譲渡価額との差額を損金の額に算入して申告したことについて、本件取引は、売買としての法形式を整えてはいるものの、その実態は金銭消費貸借取引である旨主張する。しかしながら、①譲渡価額の算定について、金利をベースにした算定方法は合理的であり、譲渡取引以外の取引を行うことを意図して決定されたものとは認められないこと、②本件取引に係る契約書及びローン・コミットメント契約書において、ローン・コミットメント契約の実行により、本件各債権に係る信用リスクを請求人が法律的に負担することを定めた条項はないこと、③5年の有効期間の定めは、請求人に本件各債権に係る取立てを委任する期間の合意と解することが合理的であること、④二重譲渡の事実は認められるものの、それは22件のうちの1件にすぎず、本件取引についての当事者の意思が、売買以外であることを推認させるに足りるものではないこと、⑤本件取引に係る契約とローン・コミットメント契約は、別個独立の合意であることから、原処分庁の主張は採用できない。一方、請求人は、本件取引は、その形式どおり本件各債権の売買であり、法人税基本通達2−1−44に定める要件を満たしているから、本件各債権に係る権利の支配は移転している旨主張する。これについて、本件取引に係る契約書及びローン・コミットメント契約に係る契約書によれば、①本件各債権の売却を受けた者は、本件各債権に係る権利を実質的な制約なしに行使できること、②請求人は、本件各債権を本件各債権の満期日前に買い戻す権利及び義務を実質的に有していないこと、がそれぞれ認められる。よって、本件取引に係る契約により、本件各債権に係る権利の支配は、売却を受けた者に移転したとみることが相当である。したがって、原処分はその全部を取り消すべきである。(平18.3.24関裁(法)平17-48)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170008
- 裁決年月日
- 平成18年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、類似法人として抽出した中で、功績倍率の高い2社の平均功績倍率が、請求人の「役員退職慰労金規程」の役員退職慰労金基準額の計算における取締役社長に対する支給倍率の近似値であるとして、当該支給倍率を功績倍率として適正役員退職給与の額を算出し、それを超える部分を不相当に高額であるとした。請求人は、請求人の「役員退職慰労金規程」に基づいて役員退職慰労金等を支給したものであり、法人税法第36条に規定する不相当に高額な部分はない旨主張する。ところで、退職給与は、法人の業績及び資産形成に寄与したことの功績に報いるために支払われるものであり、法人税法施行令第72条に規定する退職給与としての相当額を認定するに当たり、法人の事業規模を把握するためには、その指標を売上金額、申告所得額、総資産価額、純資産価額に求めるのが相当であり、かつ、比較の期間も、異常数値を捨象するために、3事業年度程度の期間の平均値をもって類似性を判断するのが相当である。そこで、審判所において再度類似法人を抽出し、この4指標で類似性を検討したところ、原処分庁が抽出した法人を含めて11社中5社については、請求人に比べて事業規模が小さいことから、審判所において、残りの6社を類似法人として採用した。平均功績倍率法により適正役員退職給与の額を算定した結果、請求人の本件事業年度の所得金額は審判所認定額が原処分の額を上回るから、原処分は適法である。(平18.3.22熊裁(法)平17-8)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170008
- 裁決年月日
- 平成18年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の前代表者に対して支給した役員報酬について、類似法人の代表取締役報酬の平均額を売上金額、売上総利益率、個人換算所得金額及び使用人最高給与額の4項目により加重平均する方法で比準報酬月額を算出し、その比準報酬月額を超える金額を不相当に高額な役員報酬額であるとした。当該比準報酬月額の算定方法は、役員報酬が各法人においてその具体的事情に応じ個別的に定められているもので、法人間で報酬額に多少の差異があることを考慮し、併せて請求人の収益の状況等を反映したもので、合理性が認められるところ、請求人は、当該算式により算定するとしても、会社収益確保のため行った不動産収入が反映されておらず、これを加えると不相当に高額な報酬額は算定されない旨主張し、原処分庁は、その算式の適用に当たっては、請求人の主たる事業である運送業のみに関する数値を採用すべきである旨主張する。しかしながら、請求人においては不動産収入が重要な収益項目であること、また、役員報酬は、特定の収入に対応するものではなく、法人の全収入に対応するとみるのが相当であることから、比準報酬月額の算定は、請求人の売上金額に不動産収入を含めて計算し、また、類似法人の売上金額についても、総売上金額を採用するのが相当と認められるから、原処分庁の主張には理由がない。そこで、比準報酬月額を再計算すると、開差は生ずるものの、本件役員報酬に、法人税法第34条に規定する不相当に高額な役員報酬額があるとまでは認められない。(平18.3.22熊裁(法)平17-8)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成18年3月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/1不動産取引に係る手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、支払先と請求人との間で取り交わした包括的業務提携に基づく協定書(以下「協定書」という。)、領収証及び本件取引を担当していた実質経営者の記載した日記等があることを理由に、不動産の仲介業務に係る手数料を支払ったことは間違いない旨主張する。しかしながら、支払先は、原処分庁に対し、協定書及び領収証は、請求人の実質経営者に頼まれて、署名押印するなどして作成したもので、協定書にあるような業務は一切行っていない旨申述し、また、日記等についても、他の認定事実と総合して判断すると事実とは認め難く、請求人の主張を裏付ける証拠としては採用できない。したがって、請求人は支払先から本件仲介業務に係る役務の提供を受けた事実がなく、また、本件支払手数料の支払に係る相手方、目的等が客観的に確認できないことから、請求人の損金の額に算入することは認められない。(平18.3.22高裁(法・諸)平17-17)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平170015
- 裁決年月日
- 平成18年3月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件雑費は、賃貸借契約の解約に当たり、協定書に基づき支払うもので、その実質的内容は、収用補償金の修正分配金及び新店舖建設の承諾料であるから、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、賃貸借契約を締結していた事実を確認することができないし、本件雑費を支払う合理的な理由もないのであるから、損金の額に算入されないとした原処分は相当である。(平18.3.9高裁(法・諸)平17-15)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平170015
- 裁決年月日
- 平成18年3月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件退職給与が、役員の分掌変更後における報酬が激減した者に対するものであり、法人税基本通達9−2−23の(3)に該当し、退職給与として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、当該通達は、その例示に該当するような事実があったことなどによりその役員としての地位又は職務の内容が激変した場合には、実質的に退職したと同様の事情にあるものとしてもよいとしたにすぎず、当該例示のいずれかに形式的に該当するか否かにより実質的に退職したと同様の事情にあるかどうかを判定する趣旨ではない。本件においては、役員の分掌変更後における報酬が当該通達に例示するとおり激減しているものの、当該役員が、代表取締役辞任後も、引き続き実質的に請求人の経営上主要な地位を占めているものと認められ、他に役員としての影響力を否定するような特段の事情も認められないから、役員の分掌変更等により実質的に退職したと同様の事情にあるとは認められない。(平18.3.9高裁(法・諸)平17-15)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平170010
- 裁決年月日
- 平成18年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人税法上、役員に対する給与が報酬に当たるか賞与に当たるかは、実際に支給される給与が定期の給与か臨時的な給与かの支給の形態ないし外形によって判定すべきところ、出向役員に対し実際に給与を支給しているのは出向元法人であって、請求人が出向元法人に対して本件給与負担金を支払ったことは、実質的に、請求人が出向役員の職務の対価として支払うべき給与を出向元法人に立替払いしてもらい、その立替債務を弁済しているにすぎないのであるから、本件給与負担金が定期の給与か臨時的な給与であるかどうかは、現実の支給形態、すなわち出向元法人における支給形態によって判断するのが相当である。(平18.2.28仙裁(法)平17-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170110
- 裁決年月日
- 平成18年2月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各事業年度の法人税の確定申告に当たり、本件各事業年度の期首に残存した従来の収益計上基準により繰上計上した売掛金の残高を、会計の健全性を高めるために収益計上基準を変更したことによって減額したことに伴い、法人税基本通達2−2−16に基づき雑損失として損金の額(以下、当該損金の額に計上した金額を「本件各雑損失計上額」という。)に算入した処理は認められるべきであるから、本件各更正処分等は違法である旨主張する。しかしながら、本件各雑損失計上額は、その基因となる売掛金の発生に係る収益計上基準自体が法人税法第22条第4項に規定する一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に基づいていないことから、本件各事業年度における後発的事由により生じた損失とはいえず、法人税基本通達2−2−16により本件各事業年度の損金の額として計上することは認められないため、本件各更正処分等は適法である。(平18.2.9東裁(法)平17-110)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170107
- 裁決年月日
- 平成18年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①債権放棄通告書の送付は債権放棄そのことが目的ではなく、法人税基本通達に定められている要件を満たすために行ったものであるから、その存在のみをもって寄附金と認定した違法がある旨、②債権放棄通告書の送付は請求人の税法の解釈の錯誤によるものであり、撤回通知書により撤回したから寄附金の認定を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、債権放棄通告書の送付は、株式上場の意向をもっていた請求人が、上場を支援する会社から、不良債権である本件立替金を処理すべきであるとの指摘を受けて、本件債権債務を整理(処理)すべく、本件立替金を放棄する意思をもってなされたものと認めるのが相当であることから、債権放棄通告書の送付には錯誤がなく、請求人の主張は、その前提において理由がない。さらに、課税処分の適否は、その処分時における事実に基づいて判断すべきものと解されているから、原処分後になされた撤回通知書の送付は、そもそも原処分の取消事由とはならない。そして、本件債権放棄は①債務者であるA社が債務超過の状態になかったこと、②A社の負債のほとんどは請求人及びA社の代表者に対するものであるから、債権放棄をしなければ請求人がより大きな損害を被る関係になかったこと、③A社には事業閉鎖あるいは廃止等の事実が生じておらず、倒産の危機にあったとは認められないこと、④A社の再建計画等も存在しないことが認められるから、本件債権放棄が「相当な理由」によるものとはいえないので、寄附金の額に該当するとした原処分は相当である。(平18.2.8東裁(法)平17-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170107
- 裁決年月日
- 平成18年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者側であるA社には、①所有する土地につき路線価等自体を時価として純資産額を算定すると連年債務超過であること、②事業不振で事業収入もほとんどないこと、③事業が好転する見込みがなく、保有する土地を売却した場合、A社の倒産は確実であるとの事情があり、他方、請求人側には、④株式上場のためには不良債権である本件立替金の貸倒処理が必須の条件であることとの事情があり、これらを総合判断し、本件立替金は回収不能と判断し貸倒損失処理したものであり、それは妥当である旨主張する。しかしながら、①請求人が主張する路線価等自体による評価は、時価を示している地価公示価格水準と乖離しており、路線価方式等により算定した評価額を基礎に地価公示価格水準に基づき試算し純資産額を算定すると、A社は債務超過の状態にないこと、②請求人は、債権放棄後もA社に対して倉庫の賃借料を支払っていること、③A社は債権放棄直後の事業年度において法人税を納税していること、④A社には事業の閉鎖や廃止という事情が生じていないこと、⑤A社は負債総額におおむね見合う土地を有していることから、本件事業年度において、A社は債務超過の状態にはなく、本件立替金が回収不能であったとは認められないため、本件立替金を貸倒れとして損金の額に算入することはできないから、原処分は相当である。(平18.2.8東裁(法)平17-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170103
- 裁決年月日
- 平成18年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706062
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/2借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が取得した建物を平成16年3月に取り壊したことについて、同建物は請求人の代表者が平成13年11月に取得したころから改修計画を進めてきたものの、やむを得ない事由により同計画を中止して取り壊し、その敷地に新たな建物を建設せざるを得なくなったものであり、当初から同敷地を利用するために当該建物を取得したものではないから、同建物の帳簿価額から減価償却費を差し引いた除却額は、固定資産除却損に計上して損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、請求人の代表者から当該建物を買い受け、平成16年1月に取得したものと認められるところ、遅くとも平成15年12月1日までには、同建物を取り壊してその敷地に新たな建物を建設することを決定していたものと認められることから、取り壊した建物の帳簿価額から減価償却費を差し引いた除却額は、借地権の取得価額を構成するものとして固定資産に計上すべきであり、損金の額に算入することはできない。(平18.2.1東裁(法)平17-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170092
- 裁決年月日
- 平成18年1月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人はA社から購入した本件システムは実在しているから、その減価償却費は損金の額に算入できる旨主張するが、①ダイヤルQ2の規制により、平成8年までにダイヤルQ2契約を取り止め、その後、使用されたことは一度もなかったこと②譲渡価額は本件システムの使用価値ないし交換価値を何ら考慮することなく売主の帳簿価額により行われていることなどの事実があり、さらに請求人が本件システムをA社から購入したとする以前に、A社は税務調査時にB社から平成11年3月に購入した本件システムは、その契約時には既に廃棄等により存在していなかった旨記載した確認書を所轄税務署長に提出し、請求人社長もその税務調査の際に本件システムを平成11年に廃棄した等の具体的な申述をしていることからすると、本件システムは平成11年3月には、既に存在しなかったものである。したがって、請求人が本件システムを取得した事実はなく、本件システムに係る減価償却費を損金の額に算入することはできない。(平18.1.13東裁(法・諸)平17-92)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170020
- 裁決年月日
- 平成18年1月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員A及びBに係る各役員退職金の計上は①甲臨時株主総会を経て役員辞任の変更登記をしているとおり退職の事実があり、②乙臨時株主総会において支給金額が具体的に決定しているのであるから架空計上したものではない旨主張する。しかしながら、請求人は、利益圧縮の目的で辞任の法形式を整えるため事実に反して甲議事録を作成したにすぎず、かつ、役員Aは代表取締役変更後も請求人の経営の実権を有していることなどからその実体を有すると認められないし、乙議事録についても、その作成時期など事実を仮装して作成されたと認めるのが相当であり、役員A及びBの支給金額が具体的に決定していたとは認められないから、いずれにしても請求人の主張には理由がない。(平18.1.5広裁(法)平17-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170034
- 裁決年月日
- 平成17年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・215ページ
要旨
○ 請求人は、非常勤取締役である代表者の母(以下「本件役員」という。)に支給した役員報酬(以下「本件役員報酬」という。)のうち適正報酬額は、本件役員の設立時における尽力は大であり、設立後は、代表取締役のよき相談相手として経営に参画しており、請求人の従業員に対する給与の支給額を参酌して算定することが最も妥当であるから、原処分庁が、不相当に高額な部分として損金の額に算入できないとした額は過大である旨主張する。しかしながら、本件役員報酬について法人税法施行令第69条第1号に照らしてみると、①本件役員の職務の内容については、本件役員の設立時における役割、貢献度等は職務の内容の構成要素ではなく、尽力が大という判断は極めて主観的であり、よき相談相手というのも同様に客観性・具体性に欠け、その裏づけとなる確たる証拠資料はなく、本件役員は、従業員からの相談を受けていることが主な仕事で、決められた仕事はないこと、②特定の従業員の給与の支給額に照らすことについては、当該従業員の職務の内容や勤務の状況等を請求人は明らかにしていないこと及び請求人の収益の状況如何にかかわらず本件役員の職務の内容からして、当該従業員に支給されている給与額をもって根拠とならないこと、そして、③原処分庁が、請求人と業種、事業規模などが類似し、請求人の所在する地域の非常勤役員が存する法人を選定したこと及び当該類似法人に存する非常勤役員に支給された年間報酬額の平均値をもって本件役員に対する報酬額を算出した方法は妥当なものと認められることなどを勘案すると、原処分庁が、本件役員報酬のうち、不相当に高額な部分として算出した額は相当と認められる。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平17.12.19名裁(法)平17-34)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170019
- 裁決年月日
- 平成17年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社等の欠損金を補てんする趣旨で支出した支援金は、子会社等が事業に直接関係ある取引先であること、子会社等が将来自立可能な販売店になることで、請求人のグループ全体の市場地位の向上を図れるという対価ないしは反対給付が見込まれることから、原処分庁が寄附金と認定したのは誤りである旨主張する。しかしながら、当該支援金は、子会社等を欠損にしないという管理のもと行なわれた経済的な支援であるものや、子会社の債務の一部を整理する意図のもとに、請求人の債権を相殺する目的で債務を計上したと認められることから、経営不振の子会社等の業績の立ち直りを請求人が期待して行った経済的な支援と認められる。これらの趣旨で支出された当該支援金等は、請求人が対価的意義を有するものと認められる経済的利益の供与を受けているとは認めがたく、また、営利法人である請求人が当該支援金等の支出により無償でその利益相当額の利益を手離すことを首肯させるに足る合理的理由も見出しがたいことから、当該支援金等の支出は、子会社等に対し金銭の贈与、債務免除による経済的利益の無償の供与をしたことになり、法人税法第37条第7項の括弧書きに規定する営業費にも当たらないといと認められるので、法人税法上寄附金と判断するのが相当である。(平17.12.16広裁(法・諸)平17-19)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平170007
- 裁決年月日
- 平成17年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706070
- 争点
- —
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、本件内部造作は木工事を主とした造作であるとして建物の耐用年数(22年)を適用したのに対し、請求人は、本件内部造作は壁板、陳列棚、カウンター及びクロスなどであり、3年後には全面的に取り替える予定であったことから、「建物附属設備」の「店用簡易装備」に該当する旨主張する。そこで、当審判所が調査したところ、本件内部造作費用は、①店用簡易装備(アクセサリー販売店舗としての装飾を兼ねた造作、陳列棚、カウンター等で短期間に取替えが見込まれるもの)、②電気設備(電気配線工事及び照明器具取付工事)及び③器具及び備品(エアコンディショナー及び換気扇など)の取得費用であることが認められるから、それぞれの資産ごとに耐用年数省令別表第一の区分に応じた耐用年数を適用すべきである。(平17.12.15仙裁(法)平17-7)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平170007
- 裁決年月日
- 平成17年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712080
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/8無償貸与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が関連法人に店舗を無償で使用させているのは、賃貸料相当額を収受しないことを前提として関連法人との商品取引価額を決めているからであり、経済的な利益の無償の供与には当たらない旨主張する。そこで、当審判所が調査したところ、請求人は、賃借した店舗を関連法人に無償で使用させており、賃貸料相当額を収受していないことは無償の役務の提供に当たり、賃貸料相当額を請求人の益金の額に算入するのが相当である。また、①請求人と関連法人は独立した課税主体であり、その取引については独立した第三者間における取引と同様に経済取引として合理性を持つものでなければならないと解されること、及び②請求人と関連法人の商品取引価額は、請求人が賃貸料相当額を収受していないことを考慮して合理的な根拠に基づいて定められた価額であるとは認められないことから、請求人が関連法人から賃貸料相当額を収受していないことは、関連法人に対して経済的な利益を無償で供与したものと認められ、寄附金に当たる。(平17.12.15仙裁(法)平17-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170035
- 裁決年月日
- 平成17年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、N社株式の取得代金を誤って子会社に対する貸付金としたものであって、子会社を介して同代金を支払った請求人が実質的にその株式を取得した旨主張する。しかしながら、N社株式の契約書上の譲受人は子会社であること、請求人は、N社株式の譲渡が行われた平成11年において、株式を取得したとする記帳は行っておらず、N社に対する出資金として計上したのは、N社の清算が結了した後である上、それまで子会社に対する貸付金として計上していたものから振り替えていること、子会社は、設立以降平成15年6月30日までの間に請求人が支出した金員を請求人からの借入金として計上し、N社株式を、譲渡人に対する貸付金及びN社に対する諸費用立替金と併せて、営業権として計上していること、子会社は、請求人の子会社であり、かつ、その代表者も請求人の代表と同じであることもそれぞれ認められることから、設立以降平成15年6月30日までの間に請求人が支出した金員は、子会社がN社株式を取得する資金として子会社に貸し付けたものとみるのが相当であり、N社株式の譲受人は、請求人ではなく、子会社であるというべきであり、そうすると、請求人が雑損失として計上したN社に対する出資金は、子会社に対する貸付金を仮装したものであるから、N社が清算結了したとしても、当該出資金を雑損失として損金の額に算入することはできない。(平17.12.15関裁(法・諸)平17-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170035
- 裁決年月日
- 平成17年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の製造子会社が設立直後で信用力がなく、請求人を通じなければ製品の販売ができなかったことから、請求人と商社との業務委託契約に基づいて製造子会社の製品を販売したものである旨主張し、原処分庁は、製品の各ユーザーへの納入は、請求人が行ったものではなく、製造子会社が行ったものであるから、製品の売買取引は存せず、当該製品に係る製造子会社に対する未払金は架空のものであり、当該未払金の支払に係る金員は製造子会社に対する金銭の贈与である旨主張する。しかしながら、商社との業務委託契約及びその売掛金の回収状況等から判断すると、一定期間、商社自身の製造子会社への売掛金の保全のために売掛金の回収業務を商社が受託し、請求人も介在したと認められ、当該仕入れの損金算入時期は異なるものの、仕入れに係る未払金は架空のものといえず、その支払は贈与ではない。(平17.12.15関裁(法・諸)平17-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170035
- 裁決年月日
- 平成17年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の製造子会社が設立直後で信用力がなく、請求人を通じなければ製品の販売ができなかったことから、請求人と商社との業務委託契約に基づいて製造子会社の製品を販売したものである旨主張し、原処分庁は、製品の各ユーザーへの納入は、請求人が行ったものではなく、製造子会社が行ったものであるから、製品の売買取引は存せず、当該製品に係る各ユーザーに対する売掛金は架空のものであるからこれの貸倒損失は認められない旨主張する。しかしながら、商社との業務委託契約及びその売掛金の回収状況等から判断すると、一定期間、商社自身の製造子会社への売掛金の保全のために売掛金の回収業務を商社が受託し、請求人も介在したと認められ、当該売上げの益金算入時期は異なるものの、売掛金は架空のものといえないが、当期末においてM社は稼動中であり、K社は破産手続中であり、かつ、請求人はこれら売掛金の放棄をしていないことから、いずれもその全額が回収できないとは認められないので、本件売掛金を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平17.12.15関裁(法・諸)平17-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170035
- 裁決年月日
- 平成17年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する無利息貸付は財政状態がよくない子会社の救済のため行ったものであり、無利息貸付けにより供与する経済的利益の額が寄付金の額に該当しないものと取り扱うべき相当な理由がある旨主張する。しかしながら、請求人は、債務超過で財政状態がよくない子会社を救済するための無利息貸付けである旨を主張するのみで、同社の合理的な再建計画等を当審判所に提示せず、また、当審判所の調査によっても同計画等は認められず、本件無利息貸付けについて、それにより供与する経済的利益の額が寄付金の額に該当しないと取り扱うべき相当の理由はないといわざるを得ず、本件無利息貸付けにより供与する経済的利益の額は寄付金の額に当たり、また、原処分庁が通常収受すべき利息について、請求人の同期間の銀行からの借入金に付された利率をもって計算し、無利息貸付けにより供与した経済的利益の額を算定しているが、これは合理性があると認めらるれから、原処分は適法である。(平17.12.15関裁(法・諸)平17-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170035
- 裁決年月日
- 平成17年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人の子会社株式の売却に際し、子会社の有する不良債権に係る債務を負担することとしたことについて、請求人は、ゴルフ場の経営におけるノウハウに相当する経営権又は営業権をマイナスの権利として評価し計上したものであり、営業権の取得に当たる旨主張し、原処分庁は、当該株式の譲渡時の費用であって営業権には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人が平成10年3月期に「営業権」として計上したのは、本件債務の負担のみであり、本件債務は、一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産には当たらないから、本件債務の負担をもって、請求人が営業の全部または一部の包括的移転を受けたとはいえず、むしろ、本件債務の負担は、請求人が、債権者に対し、いわゆる併存的債務引受をしたものというべきである。したがって、本件債務の負担は、営業権の取得ではなく、同営業権を償却して損金の額に算入できない。(平17.12.15関裁(法・諸)平17-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170036
- 裁決年月日
- 平成17年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706010
- 争点
- —
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、店舗内に設置したパチンコ器及びスロットマシン(パチンコ器等)は、貸し玉補給装置等と一体として稼動するものであるから、独立した減価償却資産としての器具備品には当たらない旨主張する。確かに、パチンコ遊戯をさせる役務を提供するためには、パチンコ器等だけでなく貸し玉補給装置等が設置されていることが通常必要であることは認められるものの、他方、パチンコ器等は、それ自体単体でパチンコ器等として作動することができること、パチンコ器等の取引は、1台当たりを単位として行われていることも認められる。そうすると、パチンコ業を行うには、パチンコ器等に貸し玉補給装置等を付加することが通常必要であるとしても、一般的・客観的にみると、資産としての機能はパチンコ器等単体で発揮することができるものと認めることが相当である。したがって、パチンコ器等は、独立した減価償却資産としての器具及び備品に当たる。(平17.12.15関裁(法・諸)平17-36)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170031
- 裁決年月日
- 平成17年12月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が子会社に対して賃貸マンション等の管理業務(以下「本件業務」という。)に対する報酬として支出した金員(以下「本件管理報酬」という。)については、子会社から当該報酬に対応する役務の提供を受けていないことから、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する旨主張する。しかしながら、①子会社は本件業務に係る委託契約基本約定書に定める各業務を実行していること、②請求人は、子会社の本件業務遂行により、相応の便益を享受していること、③本件管理報酬が、他の賃貸住宅管理会社の管理報酬の例と比較しても、また、子会社の本件業務に係る収支状況からみても、不相当に高額とはいえないことから、請求人は、子会社から本件業務に対応する役務の提供を受けていたと認められる。したがって、本件管理報酬は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金には該当しないから、この点に関する原処分庁の主張には理由がない。(平17.12.14名裁(法・諸)平17-31)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170030
- 裁決年月日
- 平成17年12月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、AないしDの4社に対する貸倒れを損失に計上(以下「本件各貸倒損失」という。)したのは、いずれも当該各社に対する商品の販売による債権が、当該各社の倒産等により当該債権の回収が困難であるためであり、本件各貸倒損失に係る取引は真実である旨主張する。しかしながら、本件各貸倒損失に係る取引は、①A社については、請求人から当該貸倒損失に係る取引を証明する資料の提出がなく、請求人の帳簿書類に当該取引を売上げに計上した事実も認められず、A社は実質的に請求人が支配している関係会社と認められるところ、A社を利用し架空の取引を計上してA社に対する債権を発生させた、②BないしD社については、当該各社の帳簿書類等では当該貸倒損失に係る各取引の事実は認められないこと及び請求人の帳簿書類に当該各取引に係る売上げが計上されたとは認められず、加えて、請求人から提出された当該各社の各貸倒損失に係る取引の請求書等の資料は、いずれも内容虚偽のものであると認められることから、本件各貸倒損失に係る取引は存在しないと認められる。そうすると、請求人は、本件各貸倒損失に係る取引が存在しないにもかかわらず、当該各社に対する架空の債権を発生させ、請求人の帳簿書類に本件各貸倒損失を仮装して計上したものと認められるので、この点に関する請求人の主張には理由がない。したがって、本件各貸倒損失は、請求人の所得の計算上、損金の額に算入できない。(平17.12.9名裁(法・諸)平17-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170027
- 裁決年月日
- 平成17年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件物件の取得価額は、正当な取引による価格である旨主張する。しかしながら、本件一覧表、本件取引メモ及び本件明細表の記述に矛盾がなく、実際の資金の流れとも一致しており、当該各表の記載内容並びにAが裁判所に提出した陳述書に記載された内容及びBがC国税局長に提出した申述書の内容には信ぴょう性が認められ、本件物件に係る取引は、請求人の裏金をねん出する目的で、取得価額を意図的に水増していたものと推認できる。そして、請求人は、水増金額に係る架空の減価償却費及び固定資産売却損を計上することで、請求人の所得金額を過少なものにしていた。したがって、本件物件に係る減価償却費の計算においては、水増金額を本件物件の取得価額から除いて計算される減価償却限度額を超える部分の金額は当該各事業年度の損金の額に算入できない。(平17.12.7大裁(法)平17-27)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170027
- 裁決年月日
- 平成17年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/2売上原価等処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件支出額はAからBを経由してすべて請求人がCに寄付したものであり、また、調査担当者に普通預金通帳を提出済みであるなど、Cとの関連をいつでも立証でき、証拠も提示できる用意があったと主張するが、仮にそうだとしても、使途秘匿金の課税関係においては、租税特別措置法施行令第38条第3項の規定により、請求人の帳簿書類には、本件支出額について、その支出の相手方の氏名等が記載されていないことになる。そして、当該支出は、その相手方の氏名等が帳簿書類に記載されていないことに相当の理由があるもの、あるいは、その支出が当該取引の対価として相当であり、かつ、当該取引の対価の支払としてされたものであることが明らかなものには該当せず、その相手方の氏名等が請求人の帳簿種類に記載していないことが、相手方の氏名等を秘匿するためでないとも認められない。また、使途秘匿金に係る支出について、自主的に修正申告をすれば、租税特別措置法第62条第1項の規定を適用しないとする法令の規定は存在しない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平17.12.7大裁(法)平17-27)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170028
- 裁決年月日
- 平成17年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失に計上した政治団体に対する貸付金は、貸付後、相当期間経過し督促するも、返済のめどが立たないこと及び各団体とも長期間にわたり活動していないので、貸倒損失として処理したことに正当性がある旨主張する。しかしながら、①政治団体が活動していること、②政治資金収支報告書に記載されている貸付金は、当該団体においてT個人の選挙活動のために費消されていることなど、同人から返済を受ける可能性がある。したがって、本件貸付金は法人税基本通達9−6−2の金銭債権の回収不能である場合には該当しない。(平17.12.7大裁(法)平17-28)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170028
- 裁決年月日
- 平成17年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件物件に係る取引は、正規の商取引契約に基づき、納品書、諸求書、金銭の授受等すべて正当な商取引行為であり、飽くまで、今までの関係や経緯とは別に、Yと正規の契約に基づき決済したものである旨主張する。しかしながら、請求人は、Yに利益を供与するため、Aと請求人との間に事業に関係のないYを単発で介入させ、本件物件の取得価額を水増しすることによってその資金を支払い、水増しした金額に係る架空の減価償却費を計上することで、請求人の所得金額を過少なものにしていた。したがって、本件物件に係る減価償却費のうち、当該水増金額を本件物件の取得価額から除いて計算される減価償却限度額を超える部分の金額は、当該各事業年度の損金の額に算入できない。(平17.12.7大裁(法)平17-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170071
- 裁決年月日
- 平成17年11月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当期において消費税の新規課税事業者となったが、消費税法第36条第1項の規定により消費税額の調整の対象となる期首仕掛工事高と前期の期末仕掛工事高は同額を計上しなければならないから、当期の期首仕掛工事高を税抜経理方式によって算出しなかったことを理由に完成工事原価の額が過大であるとして行われた更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、当期の消費税等の経理処理に当たって、その行うすべての取引について税抜経理方式を選択適用している請求人にあっては、当期の期首仕掛工事高を含めたすべての取引について、税抜経理方式を適用すべきであり、請求人の主張は認められない。なお、期首仕掛工事高を税抜経理処理しない場合でも、「仮受消費税等の額と仮払消費税等の額との差額」と「還付を受ける消費税等の額」との差額は当期の利益になるので、当期の所得金額等の額は更正処分に係る金額と同額となる。したがって、本件更正処分は適法である。(平17.11.25東裁(法)平17-71)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170029
- 裁決年月日
- 平成17年11月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/3高価買入れ
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が使用困難又は使用する予定のない特許実施権の取得代金として多額の金員を支出する目的は、子会社への資金提供にあるから、当該金員の支払は、当該特許実施権の取得の対価としてされたものではなく、金銭の贈与である旨主張する。しかしながら、請求人は、当該取得した特許実施権を使用した事業展開はしていないものの、当該特許実施権には客観的に相当の価値があると認められることから、当該金員は何らの反対給付も伴わずに支出されたものとはいえない。したがって、当該金員の支払は、贈与には当たらない。(平17.11.10関裁(法)平17-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170029
- 裁決年月日
- 平成17年11月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する貸付金等の債権を放棄したことは、当該子会社を再建するためにやむを得ず行ったものであるから、当該債権放棄には相当の理由がある旨主張する。この点につき、請求人にとって、債務超過に陥っている子会社を支援するために損失を負担する必要性は認められるにしても、当該子会社の再建計画は親会社である請求人が単独で策定したものであり、大口債権者である金融機関は何らその計画に関与していないことからすれば、債権者の総意による再建計画とは認められず、請求人のみが損失を負担することとしたものであり、債権者の総意による再建計画とはいえない。そうすると、当該債権放棄が子会社の再建のために必要であるか否かは不明といわざるを得ず、再建計画は合理的であるとはいい難い。したがって、当該債権放棄には、経済的利益の無償の供与と認められない相当な理由はないといわざるを得ない。(平17.11.10関裁(法)平17-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170060
- 裁決年月日
- 平成17年11月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710043
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/3債権放棄、債務免除等に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者に係る保証債務の履行に伴い銀行から損害を被ったとして、当該損害相当額は、保証債務履行損失として損金算入できる旨主張する。しかしながら、当該保証債務の履行は、当該銀行との間の有価証券担保差入証書の定めに基づき行われており、同人に対し、その履行により返済した債務相当額の求償権が発生しているから、請求人に損害が発生しているとは認められない。請求人は、代表者に当該求償権を行使した事実はなく、当該保証債務の履行に係る経理処理においては、保証債務履行損の損金計上を行い、当該求償権相当額を資産計上していないことからみれば、請求人は当該求償権を放棄したものと認められ、代表者に対し、経済的利益の供与を行った(役員賞与を支給した)と認められるから、当該求償権相当額は、保証債務履行損失として損金算入することは認められない。(平17.11.7東裁(法・諸)平17-60)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170025
- 裁決年月日
- 平成17年10月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710052
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/2損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員退職給与を損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、法人が役員退職給与を損金の額に算入するためには、当該事業年度における損金経理が必要であり(法人税法第36条)、法人が、役員退職給与の額が具体的に確定する日の属する事業年度より前の事業年度において役員退職給与として内定した金額を損金経理により未払金に計上した場合、同確定日又はその額を支給した日の属する事業年度において、申告調整により損金の額に算入すれば、その退職給与の額について損金経理したものとして取り扱うこととされており、当審判所においてもその取扱いは相当であると認められる。そして、請求人は、本件役員退職金についてその額が具体的に確定し、それが実際に支給された事業年度において、本件退職金を損金経理しておらず、申告調整においても損金の額に算入していないところ、法人税法第36条は、役員退職給与が、報酬の後払いとしての性格と、剰余金の分与という性格の二面性を有することから、役員退職給与について明確に損金経理をした金額のみを損金とし、それ以外は剰余金処分として経理したとみなすという趣旨を規定したものであり、申告納税制度を原則とする以上、法人が役員退職給与を損金の額に算入するためには、その額が確定した事業年度において、これを損金の額に算入して申告することにより、その意思を明確に表示することが必要であると解せられる。したがって、請求人が本件役員退職金に関連した不服申立てを行っているからといって、これをもって、本件退職金が確定した事業年度において、これを損金の額に算入して申告したものとみることはできないといわざるを得ない。(平17.10.26関裁(法)平17-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170047
- 裁決年月日
- 平成17年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が国外で発行した社債の支払利息は、直接の取引当事者である外国法人や外国信託に帰属し、請求人の取締役である家族には帰属していないので、当該支払利息を請求人の取締役である家族への役員報酬とした原処分は取り消されるべき旨主張する。しかしながら、当該社債取引は、請求人と請求人の取締役が通謀し、請求人の欠損金の作出と請求人の取締役である家族への利益供与を目的として行われた仮装取引であり、請求人が社債利息として支払った金員が外国法人等に留まっていたとしても、当該外国法人等は取締役である家族のためにこれを受領し、保有しているものと認められるので、当該金員は、請求人の取締役である家族に帰属し、役員報酬に該当する。したがって、請求人の主張は採用できず、原処分は相当と認められる。(平17.10.21東裁(法)平17-47)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成17年9月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716120
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/12福利厚生費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が福利厚生費勘定に計上して損金の額に算入した金額のうち、各店舖において懇親会等の費用として現金で支出した金額(以下「本件支出金」という。)について、領収証等の証拠書類を廃棄しており、具体的な支出内容等を確認することができないので、本件懇親会等費用は使途が不明であるから損金の額に算入しない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、本件支出金のうちの一部に係る領収証等がA健康保険組合に保存されており、これらによれば、請求人の従業員を対象として行われた運動会等に係る費用が含まれていることが認められる。よって、これらの金額は請求人の福利厚生費であって、請求人の業務との関連性がないとはいえないから、損金の額への不算入は認められない。しかしながら、同金額を除いた本件支出金の残額については、請求人の帳簿上懇親会費として支出した旨の記載があるに止まり、そのほかにその支出を裏付ける証拠は、請求人においても保存されておらず、当審判所の調査の結果においても認められない。したがって、本件支出金の残額については、使途は不明であるといわざるを得ず、損金への算入は認められない。(平17.9.30関裁(法)平17-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170043
- 裁決年月日
- 平成17年9月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仕入先との取引について、仕入単価の水増しは、前代表者の個人的な行為であるから、前代表者が費消した水増相当額は役員賞与には該当しない旨主張する。しかしながら、代表取締役は、会社の代表権を有し、その範囲は会社の営業に関する一切の行為に及ぶ包括的なものであり、自己又は第三者の利益のために行為する場合であっても、その行為が客観的に代表権の範囲に属するものであれば、取引の効果は原則として会社に帰属するものと解されている。そうすると、前代表者は、当時、会社の機関たる代表取締役の職にあって、請求人の業務全般を執行し、仕入先との取引について、仕入単価及び水増しする金額等を決定していたことが認められ、かつ、請求人と仕入先との間の取引は、請求人の名義で行われているのであるから、前代表者の行為は請求人の行為と認められる。そして、前代表者の地位及び権限に照らせば、前代表者が仕入先との取引により受領した水増相当額を費消したことは、請求人が前代表者に対し、経済的な利益を与えたものとみるのが相当であり、当該金額は定期的に定額が支払われたものではなく、臨時的な給与と認められることから、前代表者に対する役員賞与に該当する。(平17.9.29東裁(法・諸)平17-43)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170008
- 裁決年月日
- 平成17年9月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300711030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/3従業員退職給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件退職金を本件計算書のとおり支給することを決定し、このうち本件退職金相殺額を本件貸付金等(A部長の横領に基づく損害賠償請求権)と相殺したものである旨主張する。そこで、まず、A部長による横領の事実及び本件貸付金の発生事実についてみるに、①請求人は、A部長が平成6年ころから横領したと主張するにもかかわらず、平成6年ころから平成9年3月までの間の売上計上漏れの金額については、貸付金とする経理処理がされていないこと、②請求人はA部長に対する刑事告訴等をしていないこと、③本件貸付金についての返済期限や返済方法等が定められておらず、金銭消費貸借証書や示談書等も作成されていないこと、④請求人は、A部長やBから、本件貸付金の返済を受けた事実がないこと、⑤その他、A部長による横領の事実及び本件貸付金の存在を証明する客観的な証拠がないことからすると、A部長による横領の事実及び本件貸付金の発生事実があったとは認められない。次に、本件退職金相殺額の存否についてみるに、上記のとおり、本件貸付金等の発生事実が認められないことに加えて、①請求人は、従業員の退職金に関する規程を定めていないこと、②請求人は、Bに対して、本件説明書に記載されている金額を退職金として支給する旨説明したものであり、本件退職金相殺額を本件貸付金等と相殺する旨の説明はしていないこと、③本件計算書にA部長に係る弔慰金の計算根拠として「1か月分+α」と記載し、端数まで本件貸付金等の金額に合わせるなど、本件退職金相殺額の計算根拠は、もっぱら本件貸付金等と相殺処理したように見せかけるために作出されたものであると認められることからすると、本件退職金相殺額は、実態のない架空のものであると認められる。(平17.9.21広裁(法)平17-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170012
- 裁決年月日
- 平成17年9月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、過年度分の業務委託料としての支払が、これまでの未払分を支払ったものにすぎず、役務の提供の対価であり、仮に不適正な金額であったとしても、資産の譲渡の対価の一部である旨主張し、原処分庁は、過年度における業務委託料は、毎年減額して更新する旨の合意をしてきたものであり役務の提供の対価ではなく、贈与であり、寄附金に当たる旨主張する。しかしながら、過年度分の業務委託料は請求人が民事再生法による再生計画認可決定を受けるに当たり、不良債権化していた多額の保証金返還債権を整理する必要があったため支払われものと考えるのが相当であり、贈与に当たるが、法人が、その子会社等の解散、経営権の譲渡等に伴い当該子会社等のために損失負担又は債権放棄したことに相当の理由があると認められるときは、その損失負担等により供する経済的利益の額は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当しないものと解され、請求人を再建し、より大きな損失を防ぐべくやむを得ず行った損失負担であるというべきであり、寄附金には当たらない。(平17.9.9関裁(法・諸)平17-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170008
- 裁決年月日
- 平成17年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706070
- 争点
- —
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件機械装置は、その構造・機能において有機的一体性を有する減価償却資産であり、ダイオキシン類を含むばい煙の大気汚染防止法第2条第1項に規定されたばい煙処理の用に供されている減価償却資産であることから、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(以下「耐用年数省令」という。)別表第6の機械及び装置に該当する旨主張する。ところで耐用年数省令は、第1条及び第2条において、減価償却資産を「一般の減価償却資産」と「特殊の減価償却資産」とに区分し、耐用年数省令別表第5及び同別表第6に掲げる「汚水処理の用」あるいは「ばい煙処理の用」に供される減価償却資産の耐用年数については、特殊の減価償却資産として、同別表第1又は同別表第2に掲げる一般の減価償却資産の耐用年数とは異なる耐用年数が適用される旨規定しているところ、耐用年数の適用等に関する取扱通達1−4−1は、機械及び装置については、これらを別表第2、別表第5から別表第8までの種類や用途等に応じて区分し、その用途等にふさわしい耐用年数を適用することを定めており、当審判所においても相当と解する。そうすると、当該施設の減価償却資産は、産業廃棄物の焼却装置、ばい煙処理装置及び汚水処理装置が組み合わされた複合的な施設であることから、それぞれの減価償却資産を耐用年数省令が規定する減価償却資産の区分等ごとに分類し、それぞれに応じた耐用年数を適用するのが相当であり、「原処分庁主張額」欄のとおりとなるから、原処分は適法である。(平17.9.5大裁(法・諸)平17-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170008
- 裁決年月日
- 平成17年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件リース物件である焼却炉システム一式及び焼却炉設備一式は、本件施設の機械及び装置をダイオキシン類を含むばい煙の処理の用に供するものに改修するために設置したもので、ばい煙処理の用に供されていることから、本件リース物件の耐用年数は7年であり、また、本件リース契約は、本件リース物件の耐用年数である7年の80%を超える6年間をリース期間としていることから、法人税基本通達12の2−2−5が定める形式基準に該当し、本件リース物件は売買により取得したものには該当しない旨主張する。しかしながら、本件リース物件は、その用途及び設置の状況からすると、リース資産がその使用可能期間中、請求人によってのみ使用されると見込まれるものであることから、本件施設の専用機械装置等に該当し、また、焼却炉システムは焼却設備であることから、耐用年数は17年であり、ばい煙処理設備及び焼却設備で構成される焼却炉設備一式は、それぞれの耐用年数は7年及び17年となり、その耐用年数とリース料の額を基に加重平均したところの耐用年数は10年となることから、本件リース契約は、リース資産の耐用年数の100分の80に相当する年数以上の年数をリース期間とするものとはいえず、同基本通達12の2−2−5の取扱いを適用することができない。そうすると、本件リース物件は、法人税法施行令第136条の3第1項第3号に規定する「その使用可能期間中当該賃借人によってのみ使用されると見込まれるもの」に該当し、本件リース会社から請求人に本件リース物件の引渡しがあった日に売買があったとした原処分は適法である。(平17.9.5大裁(法・諸)平17-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170008
- 裁決年月日
- 平成17年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706070
- 争点
- —
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件施設の本件改修工事のうち、自社取得部分である二次燃焼室ノズル増設工事は、ダイオキシン類を含むばい煙の処理の用に供する減価償却資産であることから、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第6の機械及び装置に該当する旨主張する。しかしながら、二次燃焼室ノズル増設工事は、焼却設備である再燃焼室の一部の補強工事等であり、その主要部材質が金属製であることから、同省令の別表第2のその他の機械及び装置に該当するとした原処分は適法である。(平17.9.5大裁(法・諸)平17-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170002
- 裁決年月日
- 平成17年8月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者が旅行会社から受け取った旅行代金の返戻金について、旅行先において社員及び販売員に対する費用として支出したものであるから、個人的に費消したものではなく役員賞与には該当しない旨主張するが、代表者は上記返戻金に係る領収証を妻名義で発行し、また、支出したとする費用に係る領収証等もないことから、代表者が個人的に費消したとみるのが相当であり、役員賞与に該当する。(平17.8.24大裁(法・諸)平17-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170002
- 裁決年月日
- 平成17年8月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300700000
- 争点
- —
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、調査時に支払先を明らかにしなかったのは、相手先及び請求人に不利益が発生する可能性が懸念されたからであり、審査請求時において相手先及び使途を明らかにしたのであるから、使途秘匿金には該当しない旨主張するが、確定申告時に請求人の帳簿書類には支払先の氏名等の記載がなく、また、支払内容を証する証ひょう類もないことから、資産の譲受けその他取引の対価の支払としてされたものであるかどうか明らかでなく、使途秘匿金に該当する。(平17.8.24大裁(法・諸)平17-2)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170006
- 裁決年月日
- 平成17年8月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の取得した産業廃棄物処理施設のうちの機械及び装置(以下「本件機械装置」という。)のうち、原処分庁が減価償却資産の耐用年数等に関する省令(以下「耐用年数省令」という。)別表第2の機械及び装置に該当するとした高温焼却装置等(以下「本件高温焼却装置等」という。)のうち、①廃油処理装置(以下「本件廃油処理装置」という。)及び廃液処理装置(以下「本件廃液処理装置」という。)は、いずれも耐用年数省令別表第五の汚水処理用減価償却資産に掲げる機械及び装置に該当する、②その他の本件高温焼却装置等は、耐用年数省令別表第六のばい煙処理用減価償却資産に掲げる機械及び装置に該当する、③本件高温焼却処理装置等は、耐用年数別表省令別表第二の「前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」の細目に規定する「その他のもの」に該当し、その耐用年数は8年となる旨主張する。しかしながら、①本件廃油処理装置及び本件廃液処理装置は、外部から搬入された廃油及び廃液を貯蔵し、再燃焼室へ供給排出することを目的とした機械及び装置であり、いずれも汚水を公害の生じない状態に直接処理する装置とは認められない、②ばい煙処理用減価償却資産に該当するためには、ばい煙の処理の用に直接供される機械及び装置並びにその付属設備であることが必要と解されているところ、本件高温焼却装置等は、いずれも直接供される機械及び装置並びにその付属設備であるとは認めらない、③その他の本件高温焼却装置等についても、非金属製品を多量に使用している事実はなく、そのすべてが、金属製の機械装置と認められるから、耐用年数別表省令別表第二の「前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」の細目に規定する「主として金属製のもの」に該当し、その耐用年数は17年となるから、請求人の上記主張はいずれも理由がない。(平17.8.22名裁(法)平17-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170006
- 裁決年月日
- 平成17年8月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の取得した産業廃棄物処理施設のうち、①廃棄物ピット(以下「本件廃棄物ピット」という。)は、ばい煙の除去を確実にするために、廃棄物の受入れ、廃棄物クレーンと一体となって廃棄物の均質化のための破砕・攪拌等を担っており、そのために建屋の床部分を深く掘り下げて設置したものであるから機械及び装置に該当する、②再燃焼室ピット(以下「本件再燃焼室ピット」という。)は、焼却炉本体である再燃焼室の基礎を構成する部分であるから、機械及び装置に該当する旨主張する。しかしながら、①本件廃棄物ピットは、建屋の床及び基礎としての機能を有していることから建物に該当する、②本件再燃焼室ピットは、床及び壁面を有し、天井部分が再燃焼室に覆われた部屋上の空間であり、建物としての構造を有しているということができ、かつ、照明設備、排水設備及び階段が設置され、機能的にも建物に該当することから、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平17.8.22名裁(法)平17-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170030
- 裁決年月日
- 平成17年8月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712094
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/4賃借料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が甲社及び甲社の子会社(以下「甲社サイド」という。)に対して支払う賃料のうちに、関連会社の違約金債務の弁済額が含まれているとの原処分庁の認定は誤りである旨主張する。ところで、請求人と甲社サイドとの取引は、請求人が、所有する不動産を現状のまま甲社サイドに売却し、甲社サイドから当該不動産を賃借するというものであり、これらの取引の一連の流れは、当事者間で合意された文書に基づいて行われていると認められ、その実態は、甲社サイドに特別な影響力をもつ請求人のオーナー株主の要請により、請求人が、不動産売却額に相当する多額の資金提供を受ける代わりに、過去に甲社サイドとの合意によって清算された関係会社の違約金債務に見合う金額を、適正な賃料に上乗せして支払うことを条件として実行されたものと認められる。したがって、上記の原処分庁の認定に誤りはなく、請求人は本件賃料が適正であることの根拠を明らかにせず、また、請求人が甲社サイドに対して過去に清算した違約金に見合う金額を支払うことの合理的な理由も認められないことから、本件賃料に含まれる違約金債務に見合う金額は、甲社サイドに対する金銭の贈与であり、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当する。(平17.8.12東裁(法・諸)平17-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170030
- 裁決年月日
- 平成17年8月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716186
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/6支出額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成15年4月期末において、平成15年4月から平成16年3月分までのパチンコ事業の換金業務手数料を、全額損金経理したことについて、これらは、委託契約に基づき月額の定額を一括払いするもので、何ら売上高に対応しない支払であるから原価性はなく、法人税基本通達2−2−14《短期の前払費用》の取扱いの適用がある旨主張する。しかしながら、①請求人は、平成14年4月期及び平成15年4月期では、上記と同様の委託契約に基づく支払について、換金業務手数料を前払費用として計上し、期間の経過ごとに損金経理をしていること、②請求人の経理担当者は、上司の指示に基づき平成15年4月期末のみ一括損金経理した旨申述していること、③契約に基づく支払方法の変更などの特別の理由はなく、単に経理処理を変更したにすぎないと認められることからみれば、本件手数料の経理処理は、法人税基本通達2−2−14の取扱いが定める「継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているとき」には該当しないと認められるから、同通達の適用はない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平17.8.12東裁(法・諸)平17-30)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170004
- 裁決年月日
- 平成17年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、タンクローリーの購入は消防法の兼ね合いで記帳できず、購入費用を賃借料として経理したのであり勘定科目の誤りであると主張する。しかしながら、平成12年3月31日にAに対する賃借料を計上し、さらに保存していた請求書にはタンクローリーの賃借期間、単価等の記載があることからすれば、タンクローリーの取得費用については請求書を改ざんし賃借料に仮装した経理処理を行っていたと認められる。このことは、請求人の主張でも裏付けられる。また、請求人は減価償却相当額は損金に算入されるべきであるとも主張するが、法人税法第31条《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》第1項は償却費として損金に算入する金額はその償却費として損金経理をした金額のうち償却限度に達する金額と規定しているところ、請求人の経理処理は償却費として損金経理したものではないので、損金には算入されないこととなる。したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平17.7.26沖裁(法・諸)平17-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170018
- 裁決年月日
- 平成17年7月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716180
- 争点
- —
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、保険リスクの一部を再保険に出再(再保険に出すこと)した際に支払った保険料を損金の額に算入したことは適法である旨主張する。しかしながら、当該再保険契約は、再保険料の積み立てを行うものであり、再保険料は、保険事故が発生しない限り出再者に返還されるものである。そうすると、再保険料は、出再者にとっては預託金の性格を有するものであり、保険期間に応じて保険リスクを負担する対価であるとは認めることができない。したがって、当該再保険を損金の額に算入することはできない。(平17.7.20東裁(法)平17-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170013
- 裁決年月日
- 平成17年7月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件契約書及び本件覚書の存在を根拠に、甲社から、実際に役務提供を受けていた事実がある旨主張する。しかしながら、本件契約書は、契約書の締結日付には存在することのない名称が使用されており、締結日付ではなく、後日に作成されたものであることが明白であるから、虚偽の契約書と認められる。そして、本件覚書についても、虚偽の本件契約書を前提とした内容であることから、本件覚書の信用性も認めることはできない。また、請求人の提出資料、関係人の答述等を審理したところによっても、請求人が甲社から役務提供を受けていたとは認められず、本件契約書等の形式面及び業務内容等の実質面のいずれにおいても、役務提供を受けた事実はないものと認められる。したがって、本件代理業務委託手数料は、何らの役務提供に基づくものではなく、請求人から甲社に対する金銭の贈与と認められるから、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。(平17.7.13東裁(法・諸)平17-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170014
- 裁決年月日
- 平成17年7月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件コンサルティング費用は、請求人が本件買付対象株式の公開買付けを実行すべきか否かの判断に資するために提供された費用であり、本件買付対象株式の公開買付けを遂行するために要した費用ではないことから、本件買付対象株式を購入するために要した費用には該当せず、本件株式の取得価額に含まれるものではない旨主張するが、本件コンサルティング費用は、①主要株主がX社を非公開会社にすることを意図したものであり、②その意図を実現するために、公開買付けの方法を選択したものであること、③本件コンサルティング契約の内容においても、本件買付対象株式の公開買付けについての役務提供の記載があること、④本件コンサルティング契約の締結時において、本件株式の公開買付けに係る具体的なスケジュールが検討されていたこと、⑤公開買付届出書には、請求人が公開買付けを実施するために設立されたとの記載があり、請求人自身もこれを認めていること、及び⑥請求人は、本件コンサルティングに係る役務提供は、プロジェクトチームを通じ、請求人も受けた旨回答していること等から、本件買付対象株式の公開買付けの遂行のために要した費用であり、本件株式の取得価額に含まれると認められることから、請求人の主張には理由がない。(平17.7.13東裁(法)平17-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170014
- 裁決年月日
- 平成17年7月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Z社から本件各役員に直接支払われる給与に対する我が国の所得税及び住民税等は、その給与の支払の都度、我が国に対する納税義務が潜在的に発生しており、それらは定期の給与に対して経常的に発生するものであることから、本件所得税等相当額についても、①法人税基本通達9−2−9の2の既往にそ及して役員報酬の支給限度額を増額改定した場合の取扱い及び②法人税基本通達9−2−16の経常的に負担した生命保険料の取扱いと同様に扱うべきである旨主張するが、本件所得税等相当額は、支給時期、支給額があらかじめ定められた定期の報酬となるものではなく、本件各役員の所得税の確定申告時や予定納税時、あるいは住民税の普通徴収に発生する臨時的な経済的利益の供与と認められるので、役員賞与と認められ、上記①及び②の通達に該当しないことは明らかであることから、請求人の主張には理由がない。(平17.7.13東裁(法)平17-14)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平160035
- 裁決年月日
- 平成17年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、A残土置場に搬入した建設発生土は撤去の必要がある仮置きであるから、当該残土を最終処分場へ搬出する費用として見積もった未払外注費の額は本件各事業年度の収益に係る売上原価等として損金の額に算入されるべきである旨主張するが、当該残土置場は、土地所有者である甲から日本道路公団に賃貸されていたところ、本件土地賃貸借契約に定める条項どおり建設発生土が搬入されたままの状態で甲に返却されていることが認められる。そうすると、A残土置場に搬入された建設発生土の管理責任は、土地所有者の甲にあるというべきであり、請求人は本件土地賃貸借契約の当事者でもないから、請求人が残土撤去義務を有していると認めることはできない。(平17.6.30高裁(法)平16-35)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平160035
- 裁決年月日
- 平成17年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、B残土置場に搬入した土砂等は撤去の必要がある仮置きであるから、当該残土を最終処分場へ搬出する費用として見積もった未払外注費の額は本件各事業年度の収益に係る売上原価等として損金の額に算入されるべきである旨主張するが、当該残土置場に搬入された土砂等の量は合計94,857?、また、搬出された土砂等は15,396?、その差79,461?が残土量であることが認められる。そうすると、B残土置場は池(沼)であり、これを更地として埋め立てられる部分の量は本件残土処理図面の65,283.6?であるところ、79,461?について「フケ」を2割として見込んだ場合の圧縮量は約66,218?となり、その他不確定要素を加味するとこの圧縮量66,218?はそのまま埋め立てられたものと認めるのが相当である。したがって、B残土置場は、撤去を必要とする土砂等が存在しないのであるから、見積原価を認めないとした原処分は相当である。(平17.6.30高裁(法)平16-35)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平160035
- 裁決年月日
- 平成17年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、C残土置場に搬入した土砂等は撤去の必要がある仮置きであるから、当該残土を最終処分場へ搬出する費用として見積もった未払外注費の額は本件各事業年度の収益に係る売上原価等として損金の額に算入されるべきである旨主張するので審理したところ、①C残土置場に搬入されている土砂等は、ヘドロ等と渾然一体となったものであり、曝気、区分け等が行われて順次最終処分場に搬出されていること、②収益計上されている請負金額には、最終処分を行うまでに要する費用相当分が含まれていると認められること、③最終処分を行うための1?当たり見積単価も不相当とする理由は認められないことからして、請求人が収益に対応する売上原価等として損金の額に見積計上した未払外注費の額は相当である。(平17.6.30高裁(法)平16-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160075
- 裁決年月日
- 平成17年6月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/2架空でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人がその親会社に対してソフトウェアの開発を委託したとして計上した外注費について、親会社に対する寄附金を仮装したものである旨主張するが、請求人は当該作業を親会社に外注したが、受注先から出された他のソフトウェアの仕様変更及び機能追加の要望に合わせて、請求人が親会社に依頼していた当該作業を他のソフトウェアの開発支援作業に振り替えた上、当該作業の契約分として納品させたものと認められ、したがって、本件外注費には、作業内容が異なるとはいえ、外注の事実が認められ、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平17.6.22関裁(法・諸)平16-75)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160075
- 裁決年月日
- 平成17年6月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/2架空でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その親会社に対してソフトウェアの不具合対応業務を委託したとして計上した外注費について、親会社に対する寄附金を仮装したものであるとして行われた原処分には事実誤認があり違法である旨主張するが、①請求人の利益を親会社へ外注費として振り替えた上、その事実があるかのように装うために必要な書類を整えるための文書が存し、②親会社の保管書類によれば、同社の当該業務に従事したとされる者1名が当該業務以外の業務に従事し、③親会社を退職した者8名の申述によれば、同社において当該業務に従事したとされる者30名のうち19名(②の1名を含む。)が、当該業務の期間中、当該業務以外の業務に従事していたことから、親会社が不具合対応業務を実施したと認めることはできず、本件外注費を発生させた目的は、請求人の利益を親会社へ振り替えるためにしたものであり、外注の事実はなかったと認められ、請求人の親会社に対する寄附金というべきであるところ、本件事業年度中に現実に支払われた金額については法人税法第37条第6項の寄附金の額に該当し、同条第2項の損金算入限度額を超える部分の金額は損金の額に算入されず、又同年度末における未払金の額に相当する金額は、法人税法施行令第78条により本件事業年度の損金の額に算入されない。(平17.6.22関裁(法・諸)平16-75)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160102
- 裁決年月日
- 平成17年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、監査役に対する賞与について、当該監査役の勤務実態は、従業員と同様で、役員としての実質がないから損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法上、当該法律上の地位に従えば、本件賞与はまさしく役員に対して支給した賞与に他ならず、請求人の所得の金額の計算上、損金の額に算入されない。よって、請求人の主張は採用できない。(平17.6.22大裁(法)平16-102)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160102
- 裁決年月日
- 平成17年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者が所有する本件建物の使用契約において本件建物の管理維持費用を負担することとしていたが、新たに一定の限度額の範囲内でその他の工事等の負担にも応じる旨の更改(本件更改)をした後に、これに基づいて負担した代表者個人の墓碑の購入費用及び工事費用等(本件墓碑関係等費用)を請求人の営業経費として損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、法人の損金の額に算入すべき金額は、法人が営む事業との関連性若しくは必要性を要すると解されるところ、本件墓碑関係等費用は、その支出の効果が当該個人にのみ及ぶものであるから、個人が負担すべき費用で法人の損金の額には算入されない。また、本件墓碑関係等費用が、請求人の事業に関連のある若しくは必要なものである費用に代えて請求人が負担するものであれば、請求人の損金の額に算入される余地が生じるが、当審判所が行った調査によっても、損金の額に算入されるべき金額を代替するものであるとの事実は確認できない。よって、本件墓地関係費用は、請求人の事業に関連するあるいは必要なものであるといえないから、請求人の所得の金額の計算上、損金の額に算入されない。(平17.6.22大裁(法)平16-102)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160020
- 裁決年月日
- 平成17年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710043
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/3債権放棄、債務免除等に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者の長男に対する仮払金が回収不能になったとして、雑損失として損金の額に算入した金額は、請求人の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件仮払の経緯及び実態からみると、長男を援助するという個人的動機から、本件仮払金が回収不能又は困難になることが予見できるような状況下で請求人の資金が支出されたものであり、本件仮払は、代表者が、長男の私的借財返済のために、親としての立場から、同族会社の代表者である地位を利用して請求人の資金を流用し個人的に援助ないし貸し付けたものと認められる。したがって、本件仮払金は、請求人の代表者個人に対する貸付金とみるのが相当であり、請求人は、当該債権の額を本件雑損失計上時に放棄していることから、代表者に対し経済的利益の供与(債務の免除)をしたものと認められ、これは法人税法第35条第4項に規定する臨時的な給与であり、同条第1項に規定する賞与の支給に該当するので、請求人の損金の額に算入することはできない。よって、請求人の主張は採用できない。(平17.6.16熊裁(法・諸)平16-20)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160098
- 裁決年月日
- 平成17年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710052
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/2損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 1 法人税法は損金経理を選んだときに役員退職金につき損金算入を認めたものであり、法人が各事業年度において損金経理をしなかった金額は、所得の計算上損金の額に算入されない。なお、損益計算書においてそのことを表示することは必ずしも予定されていないが、損金経理を行ったことを客観的に認識できる状況が明示されていることが必要であり、一般的には、損益計算書において何らかの表示を行い、株主総会において承認を受けるべきものであると解される。2 本件役員退職金は、株主総会等の決議に従い支払われたものであるが、費用又は損失としての経理処理を行ったとは認められず、また、請求人は損金経理を行った後の損益計算書に修正し、自ら原処分庁に嘆願していることからすると、利益処分による未払役員退職金を取り崩して支払いしていることを自認していることは明らかである。3 なお、請求人が積立金を取り崩して、役員に対して支給する退職給与の額を利益処分で経理し、確定申告書上で所得金額から減算する申告調整の方法を行っても、損金算入は認められないと解されており、請求人が確定申告書で行った申告調整を認めることはできない。(平17.6.16大裁(法・諸)平16-98)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160111
- 裁決年月日
- 平成17年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、使用を廃止した設備(以下「本件各設備」という。)について、法人税基本通達7−7−2《有姿除却》の(1)に定める有姿除却の要件を充足しているから、有姿除却による固定資産除却損は、損金に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、上記通達が適用されるのは、法人が、その固定資産の使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないことが客観的に明らかであると認められる場合に限られると解すべきであり、その判断は、当該固定資産の使用を廃止した時点を基準に、事後処理の方法、客観的な経済情勢、その他状況の変化等を総合した上で、社会通念に照らしてなすのが相当である。そして、当該固定資産が、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないことについては、上記通達の適用を主張する者において、主張・立証することが必要であるところ、請求人が、本件各設備が、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないことについて主張・立証するところは、個々にみた場合はもちろん、総合してみても、主張・立証いずれも不十分である。したがって、本件各設備については、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないことが客観的に明らかになっているとは認められないから、本件除却損は損金の額に算入することはできない。(平17.6.14名裁(法)平16-111)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平160033
- 裁決年月日
- 平成17年6月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・177ページ
要旨
〇原処分庁は、本件各さん橋(耐用年数省令別表第一の第1欄「種類」が「構築物」、第2欄「構造又は用途」が「金属造のもの」に該当)の耐用年数について、耐用年数の適用等に関する取扱通達1−1−9の取扱いによっても、その構造が鋼矢板岸壁と類似しないことから、「構築物」の「金属造のもの」の第3欄「細目」欄に特掲されている「鋼矢板岸壁」の25年を適用することはできず「その他のもの」の45年の耐用年数を適用すべき旨主張する。しかしながら、本件各さん橋と鋼矢板岸壁は、「構造又は用途」及び使用状況が類似していると認められることから、本件各さん橋の法定耐用年数として、「構築物」の「金属造のもの」の「鋼矢板岸壁」の25年を適用することができる。(平17.6.9広裁(法)平16-33)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平160018
- 裁決年月日
- 平成17年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有している有価証券について、①法人税法施行令第68条第2号ロに規定する特定の事実が生じていること、②法人税基本通達9−1−12の趣旨は新株式を評価損の対象としない旨の趣旨を明らかにしたものであることから、旧株式のみを対象とした本件有価証券評価損の損金算入は認められるべきである旨主張する。しかしながら、有価証券評価損が損金の額に算入できるか否かの判断は、評価換えをした日の属する事業年度終了の時で判断することとなるところ、増資払込みからわずか3か月しか経過しておらず、増資による経済効果が判断できる相当の期間が経過したとは認められないこと、債務超過の状態が予想し難い新しい事態によって発生したなどの特段の事情も認められないことから、特定の事実が生じているとは認められず、本件有価証券評価損を損金の額に算入することはできない。また、同一銘柄の株式を取得の時期により区分して評価することは認められていないことから、法人税基本通達9−1−12の取扱いに当たっても、期末に有する同一銘柄の株式のすべてを対象としなければならないものと解される。したがって、請求人の主張は採用できない。(平17.5.24福裁(法)平16-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160258
- 裁決年月日
- 平成17年5月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件材料仕入高は、請求人の関連会社であるH社を通して建築資材を購入している関係から、H社の仕入先であるS木材の社長Sからの依頼により、過去の取引単価の見直し分として支払ったものであり、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の仕入先であるH社が計上した本件材料費は、当該S木材の社長Sが請求人の代表者I(関連会社の実質的な経営者)に個人的な借入れを申し込んだ際に作成させられた架空の請求書等に基づいたものである旨を当該社長Sが答述しており、このことは、①当該S木材が本件材料費に係る金員を入金処理していないこと、②当該社長Sのメモ及び個人口座の入出金状況等からみれば、請求人の代表者Iに対し、本件材料費相当額の借入金を返済していると認められることからみれば、事実であると認められる。そうすると、請求人の関連会社であるH社は、仕入先であるS社の社長Sの借入れの申込みに乗じて、架空の取引に基づき、本件材料費を計上していることから、当該取引に基づいて行われた請求人と関連会社H社との間の取引についても、架空の取引であるということができる。したがって、本件材料仕入高は架空の取引に基づき計上されたものであるから、損金の額に算入することはできず、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平17.5.18東裁(法・諸)平16-258)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160258
- 裁決年月日
- 平成17年5月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件役員報酬は、請求人の取締役に対して、取締役として責任を負うことへの対価として支払ったものであり、同人らの名義の各預金口座に振り込んで同人らもこれを受領していることから、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、当該取締役は、①請求人の取締役としての職務に従事したことはなく、②本件役員報酬は、兄である請求人の代表者が、実母の相続財産の調整を図る金員として支払ったものである旨答述しており、このことは、①本件役員報酬が、実母の死亡の直後から支払われていること、②相続税の納税資金に充てられていること、③納税後の残額は、請求人の代表者等に貸し付けられていることからみれば、事実であると認められる。したがって、本件役員報酬は、当該取締役に対する役員報酬とは認められず、請求人の代表者の私的な事情により、当該取締役に対して支払われ、また、同人の代表者の個人的な資金として運用されているものと認められることから、同人に対する役員賞与であると認めるのが相当であり、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平17.5.18東裁(法・諸)平16-258)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160258
- 裁決年月日
- 平成17年5月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、競売により取得した土地に係る立退き料等の名目で支払った金員は、架空のものではなく、当該土地の仕入原価として損金に計上すべきである旨主張する。しかしながら、本件立退き料等は、①本件土地及び建物の所有者らは、本件土地等に係る立退き料等は請求したこともなく、受領した事実もない旨答述していることには信ぴょう性があり、事実を述べたものと認められること、②立退き料等の名目で支払われた金員に対する領収証については、請求人の代表者の指示により、架空に作成されたものであると認められること等から、請求人が本件土地等の所有者らに対して本件土地等を取得するために支払ったものと認めることはできず、請求人の代表者は、本件立退き料等を請求人が本件土地等の取得に要した費用であるかのように装うため、本件領収証を請求人の従業員等に作成させ、土地仕入高として、損金の額に算入したものと認められる。したがって、本件立退き料等は、架空のものと認められるから、土地仕入高として損金の額に算入することはできず、この点に関する請求人の主張は、採用することができない。(平17.5.18東裁(法・諸)平16-258)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160258
- 裁決年月日
- 平成17年5月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが建築販売する建売住宅の外構工事につき、A建築に発注した工事代金は、正当な対価であり、架空外注加工費ではないことから損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の代表者は、A建築の代表者と外構工事を実際に施工したB外構工事店の代表者に対し、あたかも請求人からA建築に発注した取引であるかのように虚偽の請求書及び領収証を作成するよう依頼したとみるのが相当であり、請求人がA建築に外構工事を発注したという事実は存在しないと認められる。したがって、本件外構工事に係る外注加工費は、請求人とA建築との間の仮装取引に基づく架空な外注加工費であるということができるから、損金の額に算入することはできず、請求人の主張は採用することができない。(平17.5.18東裁(法・諸)平16-258)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160259
- 裁決年月日
- 平成17年5月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件給与は、本件従業員を雇用し、その労働の対価として正当に支払ったものである旨主張する。しかしながら、本件従業員本人は、請求人には勤務したことはなく、本件給与を受け取ったことはない旨答述しており、当該答述の内容は、原処分庁に対する申述と矛盾する点はないから、信ぴょう性が認められる。また、以上のことは、①本件給与が代表者報酬や従業員等の給与と比較して、著しく高額なものであるにもかかわらず、請求人によって、本件従業員の具体的な職務内容が明らかにされていないこと、及び②本件給与の支給額の内訳が、他の従業員給与の内訳と比較して不自然なものであることからみても、事実であると認められる。したがって、本件各給与は、請求人に勤務したことのない本件従業員の名義で計上された、架空の給与であると認めるのが相当であり、請求人の主張には理由がない。(平17.5.18東裁(法)平16-259)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160259
- 裁決年月日
- 平成17年5月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件材料費は、仕入先であるS木材の社長からの要請に応じて、過去の取引単価の見直し分として支払ったものであり、損金の額に算入されるべき旨主張する。しかしながら、当該S木材の社長は、請求人の実質的な経営者に個人的な借入れを申し込んだ際に、同人の指示により作成させられた架空の請求書等に基づいたものである旨を答述しており、このことは、①当該S木材が本件材料費に係る売上げを計上していないこと、②当該社長のメモ及び個人口座の入出金状況等によると、請求人の実質的な経営者に対し、本件材料費相当額の借入金を返済していると認められることからみれば、事実であると認められる。そうすると、請求人の実質的な経営者は、S木材の社長の借入れの申込みに乗じて、架空の取引に基づいて本件材料費を計上し、その支出金を簿外資金として流用したものと認められるから、本件材料費を損金の額に算入することはできず、請求人の主張を採用することができない。(平17.5.18東裁(法)平16-259)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160259
- 裁決年月日
- 平成17年5月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件役員報酬は、請求人のA取締役に対して、取締役として責任を負うことの対価として支払ったものであり、同人もこれを費消していることから、損金の額に算入されるべき旨主張する。しかしながら、Aは、①請求人での業務に従事したことはなく、②本件役員報酬は、義兄である請求人の実質的な経営者Bが、義母の相続財産の調整を図る金員として支払ったものである旨答述しており、このことは、本件役員報酬が、①義母の死亡の直後から支払われていること、②相続税の納税資金に充てられていること、③その納税後の残額は、B及びBの経営する会社に貸し付けられていることからみれば、事実であると認められる。したがって、本件役員報酬は、請求人の実質的な経営者Bに支払われた後に、①Bの私的な事情により、Aに対して支払われ、また、②Bの個人的な資金として運用されているものと認められることから、Bに対する役員賞与であると認めるのが相当であり、請求人の主張には理由がない。(平17.5.18東裁(法)平16-259)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160082ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 国等に対する寄附金は国等において採納されるものをいうと解されるところ、法人税基本通達9−4−3は、募金団体等への寄附であっても、実質的に国等に対して直接支出したと同様の事情にある寄附金については、その募金団体に対して寄附金を支出した時点をもって国等に対する寄附金に該当する旨定めている。しかしながら、請求人の支出した金員(以下「本件金員」という。)は、国等に直接支出された事実はなく、また、①本件金員を振り込んだ口座は募金団体の寄附金振込口座ではなく、中間介在者Xの個人的口座と認められること、②本件金員は、一部しか募金団体に受け入れられておらず、そのいったん受け入れられた金員についてもXに対して後日返還していることなどを踏まえれば、国等に対して直接支出したと同様の事情にあるとも認められないことから、国等に対する寄附金とは認められない。(平17.5.13大裁(法)平16-82)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160245ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年4月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が取得した本件利用権は、取得価額が10万円未満であるから法人税法施行令第133条が規定する少額減価償却資産に該当し、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、少額減価償却資産の取得価額は、法人税基本通達7−1−11が定めるとおり、企業の事業活動との関連において、その用役を提供し得る状態にあると評価できる一定の単位、換言すれば、減価償却資産としての機能を発揮できると認められる単位をもって判定すべきところ、本件利用権が請求人の事業に供されている実態等を総合勘案すると、本件利用権は単独では用役を提供できず、2つの本件利用権が減価償却資産としての用役の提供単位であると認められる。そうすると、本件利用権の取得価額は10万円以上となり、少額減価償却資産には該当しないから、請求人が損金経理したその取得価額に相当する金額のうち、本件利用権の償却限度額を超過する金額についは損金の額に算入することはできない。(平17.4.25東裁(法)平16-245)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平160017
- 裁決年月日
- 平成17年4月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の取得に際し売主に支払った固定資産税等相当額は、取得後の期間に対応した費用(租税公課)として、損金の額に算入すべきであると主張する。しかしながら、固定資産税等は、その賦課期日である1月1日現在の所有者に課されるものであり、賦課期日後に土地の所有者となった者が固定資産税等の納税義務を負うことはなく、当該土地の売買当事者間において、固定資産税等を納めた売主が買主に対し、売買後の期間に対応する(未経過分の)固定資産税等の求償権を取得するものではない。そうすると、未経過分の固定資産税等相当額の授受は、売買当事者間の契約により初めて生じる債権債務関係に基づいてなされるものであり、その性質は売買条件の一つであると認められる。すなわち、未経過分の固定資産税等相当額は、土地の譲渡に基因し、それと因果関係のある給付であると認められることから、法人税法施行令第54条第1項第1号の規定を適用し、購入の代価の一部であると認めるのが相当であり、土地の取得価額に算入すべきものと認められる。(平17.4.19福裁(法・諸)平16-17)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160063
- 裁決年月日
- 平成17年4月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、合併から1年後に、合併により継承した資産の評価替えを行ったことにより発生した評価差額は営業権である旨主張する。しかしながら、営業権とは、当該企業が超過収益力を生ずることができる場合に、当該企業を構成する物又は権利と別個独立の財産的価値として評価を受けるべき事実関係をいい、法人の合併、他企業の買収のように営業の全部又は一部の包括的移転の際に実現すると解される。そして商法は、のれんは、有償で譲受け又は合併により取得した場合に限って貸借対照表の資産に計上することができる旨規定している。本件の場合、合併契約書に営業権に関する記載はなく、合併後の貸借対照表にも営業権は計上されていないことからすれば、請求人は、合併において、被合併法人が超過収益力を生ずることができる事実関係を評価して営業権として取得した事実はないと認められる。そして、請求人が営業権である旨主張する評価差額は、合併の1年後に、合併により承継した資産の評価替えを行い、それによって発生した評価損相当額を営業権として計上したにすぎないと認められる。したがって、請求人が計上した営業権は減価償却資産に該当せず、それに係る減価償却費を損金の額に算入しないとした原処分は適法である。(平17.4.13関裁(法)平16-63)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160089
- 裁決年月日
- 平成17年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/2勤務事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aら3名が従業員として請求人に勤務していた旨主張するが、①出勤簿、営業報告書等がないこと、②事務室内に机等がないこと、③元従業員はAらを全く知らないこと、④Aらのうち1名は、他社に勤務していること、⑤Aらの営業内容が明確にされず営業活動の確認ができないことから、請求人の従業員としての雇用関係にあったとは認められず、また、具体的な営業活動などの役務提供があったとも認められないことから、Aらには勤務実態がなく、給与としての支払額はAらに対する寄附金と認めるのが相当である。(平17.4.7名裁(法)平16-89)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平160029
- 裁決年月日
- 平成17年3月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ A役員に対する役員報酬と認定した本件賃貸料等収入の一部は、①契約者が請求人であるにもかかわらず、A役員名義の普通預金に振り込ませ、②本来契約者を請求人とすべきところA役員とし、③直接現金で受領する等により、いずれも雑収入に計上していないことが認められる。そうすると、請求人のこれらの行為は、事実の隠ぺい又は仮装に該当し、事実を隠ぺいし又は仮装して経理することにより支給した役員報酬の額と認められるから、法人税法第34条第2項により請求人の本件各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができない。(平17.3.29仙裁(法・諸)平16-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160057
- 裁決年月日
- 平成17年3月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者は請求人を退職しており、それにより退職金の支給を受けている旨主張する。しかしながら、請求人の部長職にある従業員から当時収監されていた代表者にあてた書簡からすれば、当該事業年度後に、利益調整のために代表者が退職したこととして退職金を計上することを決定したと認めることが相当である。そして、請求人は、当該退職金を現金で支給した旨主張するが、現金出納帳には当該退職金に係る記載はないことからすれば、当該退職金の支給に係る現金の移動はなかったと認められる。そうすると、請求人が代表者に対して当該退職金を支給した事実はないと認められ、当該退職金は架空に計上されたものと認めることが相当である。したがって、請求人の主張を採用することはできない。(平17.3.29関裁(法・諸)平16-57)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160057
- 裁決年月日
- 平成17年3月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300711020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/2従業員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員Aに対する賞与は実際に支給されており、架空に計上されたものではない旨主張する。しかしながら、①当該賞与の一部については、それを支給するための財源がなく、実際に支給することはできなかったと認められること及び②従業員Aは当該賞与の一部については受領していない旨答述していることからすれば、当該賞与の一部は従業員Aに支給されていないと認められるから、請求人の主張を採用することはできない。(平17.3.29関裁(法・諸)平16-57)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160088
- 裁決年月日
- 平成17年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、特定の法人(以下「A社」という。)との取引のうち、各工事(以下「本件各工事」という。)にA社が関わったことは事実であり、本件各工事にかかるA社に対する完成工事原価は正当なものであるから、A社がこれらの取引に関わった事実はなく、完成工事原価を架空計上したとしてされた法人税の更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、A社には、その実態がなく、そのことを前提として、上記の取引についてみると、実際には、請求人から、A社以外の下請業者に直接、本件各工事を発注したにもかかわらず、A社に本件各工事を下請したよう仮装し、A社に対する完成工事原価を架空計上としたものと認められるから、請求人の主張には理由がない。(平17.3.29名裁(法・諸)平16-88)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160068
- 裁決年月日
- 平成17年3月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人がその役員に対して支給する報酬の額のうち不相当に高額な部分の金額は損金の額に算入されないところ、不相当に高額である部分の金額については、形式基準による限度額を超える部分の金額及び実質基準による金額を超える部分の金額のうちいずれか多い金額とされている。実質基準による金額に関する原処分庁の主張は、類似法人の選定方法が相当性を欠き、かつ、当該類似法人における非常勤役員の平均報酬額をもって直ちに相当報酬額であるとしている点において既に失当であり、その他の考慮要素である本件役員の職務の内容や請求人の収益の状況等を総合的に勘案しても、本件役員に対する報酬額に実質基準による金額を超える部分があると認めることはできない。以上のとおりであるから、形式基準による限度額及び実質基準による金額のいずれの基準によっても、本件役員に対する報酬の額のうちこれらを超える不相当に高額な部分の金額があるということはできない。したがって、原処分庁の主張には理由がないから、本件各更正処分等は違法である。(平17.3.25大裁(法)平16-68)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160084
- 裁決年月日
- 平成17年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件原価については水増しの事実確認ができないこと、水増ししたとする金額が請求人に返金された事実も確認できないことから、当該取引は正当な取引であり、請求人の損金の額にならないとした原処分は違法である旨主張する。しかしながら、当該外注費等に係る請求書に記載された工事内容の一部が架空のものであること、支払先が、請求人の役員から依頼されて水増しした請求書を発行し、当該請求書に基づいて工事等の代金として受け取った金額の一部を請求人の役員に返金した事実を請求人の代表者が認めていることからすると、請求人は、取引先に対して水増しした請求書の発行を依頼し、当該請求書により外注費等を架空に計上したものと認められるから、当該金額は請求人の損金の額に算入されない。(平17.3.25名裁(法・諸)平16-84)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160084
- 裁決年月日
- 平成17年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の取締役会長について、常勤役員としての勤務実態はなく非常勤の役員であり、類似法人の非常勤役員の報酬の額と比較すると、不相当に高額であるので、その不相当に高額な部分の金額は請求人の損金の額に算入することはできない旨主張する。しかしながら、請求人の取締役会長は、①取締役会に出席するなどして会社の経営方針の決定にかかわっていること、②決算関係書類ないし税務関係書類について、その内容を確認しており、会社の業績について熟知していること、③役員や従業員の給与、賞与の金額を最終的に決定していることなど、取締役として経営に参画し、ほぼ常時勤務している事実が認められ、常勤の取締役会長としてその業務を執り行っていたものと認められる。そこで、請求人の所在地県内に事業所を有し、請求人と同業種の法人で、かつその事業年度の売上金額が請求人のそれの0.5倍以上2倍以内であるなど、事業規模も類似する法人2社の常勤の取締役会長の報酬の支給状況を基として、請求人の取締役会長に対する適正報酬額を算定し、取締役会長の役員報酬額のうち不相当に高額な部分として請求人の損金の額に算入されない金額を計算すると、原処分の額を下回るから、原処分はその一部を取り消すのが相当である。(平17.3.25名裁(法・諸)平16-84)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160084
- 裁決年月日
- 平成17年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、請求人の賃借土地の地代が不相当に高額であり、賃借土地と所在が近隣で利用状況も類似する法人の地代の平均単価と請求人の賃借土地の公簿地積に基づいて算定した額を超える部分の金額は損金に算入することはできないとして更正処分を行ったことについて、請求人は、本件賃借土地の地代は、賃借開始時に借地権の認定課税を避けるべく法人税基本通達の定めに従い、土地の更地価額のおおむね8%相当額として決せられたもので適正額であること、また、地代の額は公簿地積ではなく実際の地積を基に算定すべきである旨主張するので、適正地代について検討したところ、次のとおりである。原処分庁が更正処分の適正地代の計算の基礎とした青色申告法人4社ないし5社の賃借内容について見ると、一部に賃貸期間が短期であるものや所在が近隣でないものなど適正地代の算定の基礎に含めるには適切ではない事例が認められるが、その他の2社については適切な事例と認められる。一方、請求人が主張の根拠とする売買実例における土地と家屋の価額が不明であり、買い進み等の取引事情補正も行われていない。そこで、単価について、当審判所において求めた賃貸借開始当初の賃借土地の当時の更地価額の8%相当額と近隣の適切と認められる事例の平均額とを比較検討したところ、適切と認められる事例の平均額が更地価額の8%相当額を上回ることから、当該金額を基礎とするのが相当と認められる。また、面積については、通常、土地の実際の面積により算定されていることから、原処分庁の主張する公簿面積によるべきである主張は採用できない。そうすると、請求人の支払地代のうち、近隣の支払地代の平均単価に実際の面積を乗じて計算した額を超える金額については、不相当に高額な部分として、請求人の損金の額に算入されないこととなり、当該金額は、原処分の額を下回るから、原処分はその一部を取り消すのが相当である。(平17.3.25名裁(法・諸)平16-84)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160085
- 裁決年月日
- 平成17年3月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の取締役Sについて、常勤役員としての勤務実態はなく非常勤の役員であり、類似法人の非常勤役員の報酬の額と比較すると、本件役員報酬額は不相当に高額であるので、その不相当に高額な部分の金額は本件各事業年度の損金の額に算入することはできない旨主張する。しかしながら、取締役Sは、①取締役会に出席するなどして会社の経営方針の決定にかかわっていること、②請求人の決算書や法人税の確定申告書を所轄の税務署へ提出する前にその内容を確認するなどして、会社の業績について十分承知していること、③代表取締役から各従業員の勤務成績の説明を受け、これを基に請求人の業績等を参考にして従業員の給与や賞与を決定しているなど、取締役として経営に参画し、ほぼ常時勤務している事実が認められ、常勤役員と認められるから、類似法人の非常勤役員の報酬額と比較することは相当でない。そして、取締役Sの役員報酬額は、社員総会の決定額の範囲内の支給であり、代表取締役の報酬及び他の従業員と比較しても相当であると認められることから、取締役Sの役員報酬は形式的にも実質的にも不相当に高額とは認められない。(平17.3.25名裁(法)平16-85)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平160022
- 裁決年月日
- 平成17年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、実地棚卸に基づき適正に期末棚卸高を計上しており、原処分庁が期末棚卸高計上漏れと認定した携帯電話機の在庫台数は無い旨主張する。しかしながら、当該携帯電話機について、①翌期の仕入れ以前に販売した事実があること、②原処分庁が在庫台数を算出した基礎資料の数値は相当であること、③その算定方法は当該携帯電話機の総仕入台数から総売上台数を控除する方法で合理性があることから、その算出結果も相当と認められ、当該算出結果に基づく台数が在庫としてあったと認められ、その価額を期末棚卸高計上漏れと認めるのが相当である。(平17.3.16広裁(法)平16-22)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平160024
- 裁決年月日
- 平成17年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/3固定資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、産業廃棄物の処分場として使用した本件土地は、もはや一般の山林とはいえず、その財産価値は激減していることから、法人税法施行令第68条第3号へに規定する「特別の事実」に該当し、法人税法第33条第2項の規定により本件土地の評価損は損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、「特別の事実」とは、災害等の異常な事態が発生し、それによる資産損失の程度が通常の予想を超えたものであると解されるところ、本件土地には当該事実があったとは認められないことから、本件土地の評価損を損金の額に算入することを認めなかった本件更正処分は相当である。(平17.3.11高裁(法)平16-24)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160049
- 裁決年月日
- 平成17年2月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702043
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、異議申立て時に主張した、宅地造成工事等の収入計上漏れに対応する残土・コンクリート塊等の処分費用(外注費)について、取引日・取引台数等を記載した工事日報とその領収証があるから、損金の額に算入すべき旨主張する。しかしながら、納税者が帳簿書類に記載のない外注費が存在すると主張するときは、納税者自身においてその損金性を合理的に推認するに足りる程度の具体的な立証を行わない限り、当該支出を損金の額に算入することはできないと解するのが相当であるところ、請求人が提出した工事日報は日々作成したものではないと認められ、その内容の真偽を疑わざるを得ない。また、外注先の2名は領収証の記載地に居住せず、事業所も存在しないこと及び請求人の現金出納帳の残高では外注先1名に外注費の金額の支払をすることはできず、その者は審査請求人から仕事を受けたかどうか分からない旨申述していることから、領収証の真偽も極めて疑わざるを得ない。そうすると、審査請求人は、外注費の損金性を合理的に推認するに足りる程度の具体的な立証をしていないものと認めるのが相当であり、当審判所の調査によっても外注費の存在は確認できないので、これを損金の額に算入することはできない。(平17.2.22関裁(法)平16-49)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160049
- 裁決年月日
- 平成17年2月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、盗難等被害届出証明書のとおり請求人の現金が盗難に遭ったので、雑損失として損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、盗難等被害届出証明書の所有者欄には代表者の妻の氏名が記載されており、また、盗難等被害届出証明申請書の氏名又は法人名欄にも代表者の妻の氏名、使途欄に雑損控除、提出先欄にA税務署と記載されており、さらに、請求人の総勘定元帳の現金勘定には、現金が盗難に遭ったこと又は現金の不足が生じたことに関する記載はない。したがって、盗難に遭った現金の所有者は、代表者の妻であり、盗難等被害届出証明書は、代表者の妻が所得税の雑損控除の適用を受けるためのものであると認められ、また、当審判所の調査によっても請求人が盗難に遭った現金の所有者であったとする証拠もないことから、盗難による損失を代表者の家計費から補填した旨の申述については、信用することができず、請求人が現金の盗難に遭ったとは認められない。(平17.2.22関裁(法)平16-49)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160193
- 裁決年月日
- 平成17年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706090
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/9損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各リース料は車輌の取得に係る本件クレジット契約をリース契約と誤認して割賦金相当額をリース料の科目で損金経理したものであり、この経理処理は、本件各車輌の取得価額を割賦金の支払期間にわたって費用配分する意思表示をしたものであるから、法人税法第31条第1項に規定する「償却費として損金経理をした金額」として認められるべきである旨主張する。しかしながら、確定した決算において、減価償却資産につき償却費として費用計上する意思表示をしたというためには、その前提として、企業会計上、減価償却資産について自己の資産として取得する認識を示した上で、その取得価額の一部又は全部を償却費として損金経理することが必要であり、請求人は、本件各事業年度において、本件各車両を減価償却資産として認識する経理処理を行っていないから、減価償却資産の費用化として償却費を計上する前提を欠いていると解される。また、請求人が費用処理したリース料計上額は、クレジット契約をリース契約と誤認し、誤った経理方法により計上されたものであるから、償却費の科目により費用計上されたものとの同一性は認められず、また、償却費の科目による経理に代わる損金経理の方法として企業会計上合理性があるとも認められない。したがって、本件各リース料は、「償却費として損金経理をした金額」には該当しない。(平17.2.15東裁(法)平16-193)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160061
- 裁決年月日
- 平成17年2月14日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、かつて全額出資していた外国法人に対して保有していた長期貸付債権等(以下「本件債権」という。)を資産運用会社へ売却し、それによって生じた債権売却損を損金の額に算入したところ、原処分庁は、本件債権は、非上場会社に対するものであり、市場流動性がなく、売買して流動化するという経済取引の客体になじまないものであること、及び譲渡価額の決定にも、し意性が認められるから、本件債権の譲渡の実体は、当該外国法人に対する債権放棄であり、資産運用会社を当事者として不正に介在させた仮装取引であると認定し、債権売却損は、当該外国法人に対する寄附金に当たるとした法人税の更正処分を行った。しかしながら、本件債権の譲渡については、債権の性質上譲渡が許されない場合や債権の契約当事者が譲渡を禁止した場合には該当せず、本件債権は、非上場会社に対する債権であり、市場流通性は低いと認められるものの、甲への譲渡を予定したものであり、本件債権が市場流通性がない債権であるとしても、そのことをもって本件債権の譲渡性が失われるものとは認められないから譲渡性を有しているものと認められる。さらに、資産運用会社の介在についても、請求人との覚書に沿って譲渡代金の受渡しや預金管理等を行ったものと認められ、不正に介在した事実は認められない。したがって、本件債権の譲渡は、金融機関から不良債権処理を求められた請求人が、本件債権の貸借対照表からの消去を目的として、資産運用会社に債権譲渡したもので、正当な取引と認められ、請求人が、本件債権の譲渡によって、当該外国法人に対して債権放棄をしたとは認められず、本件債権の譲渡によって生じた債権売却損は、請求人の寄附金には該当しない。(平17.2.14名裁(法)平16-61)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160039
- 裁決年月日
- 平成17年1月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税基本通達7−3−6の「当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であること」の「当初」とは、売買契約締結日を起算とすべきである旨主張するが、同通達は土地の取得価額についての定めであるから、建物を取り壊して土地を利用する目的であったか否かについては土地及び建物の取得時の事情をもとに判断されるべきであって、同通達の「当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であること」とは、土地及び建物の取得当初からそのような目的である場合を意味するものと考えられ、土地及び建物の売買契約を締結した日は取得時期を判断する一つの要素にすぎない。請求人は本件建物を取得する日までには本件建物の取り壊しに着手しているのであるから、取得当初から本件建物を取り壊して土地を利用する目的であったと認められる。そうすると、建物の帳簿価額及び取壊費用の合計額を土地の取得価額に算入した原処分は適法である。(平17.1.18関裁(法)平16-39)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160031
- 裁決年月日
- 平成16年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員となっている代表者の親族(前妻、母、妹、妻)に対する役員報酬は職務の正当な対価である旨主張する。しかしながら、①当該役員は、役員としての職務を行っておらず、名目のみの役員であったこと、②当該役員報酬は、各役員の生活費用の預金とその他の預金とに分けて振り込まれていること、及び③代表者が役員全員の印鑑を管理していたことからすれば、当該その他の預金は代表者に帰属する預金であると認められ、そして、生活費預金に振り込まれた金員は、代表者が負担すべきいわゆる生活費又は親族への資金提供と認められる。そうすると、生活費等を役員報酬の一部に仮装して各役員の生活費預金に振り込み、その余の役員報酬は代表者が当該その他の預金で取得していたのであるから、当該役員報酬は、代表者への賞与とすることが相当であり、損金の額には算入されない。(平16.12.17関裁(法)平16-31)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160032
- 裁決年月日
- 平成16年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員となっている実質経営者の前妻に対する役員報酬は職務の正当な対価である旨主張する。しかしながら、①当該役員は、役員としての職務を行っておらず、名目のみの役員であったこと、②当該役員報酬は、当該役員の知らない預金口座に振り込まれていること、及び③実質経営者が当該預金口座の印鑑を管理していたことからすれば、当該預金口座は実質経営者に帰属する預金であると認めるのが相当である。したがって、当該役員報酬は、実質経営者への賞与とすることが相当であり、損金の額には算入されない。(平16.12.17関裁(法)平16-32)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160039
- 裁決年月日
- 平成16年12月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/3高価買入れ
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が本件事業年度において譲渡した株式について、その購入に要した金額(以下「本件購入金額」という。)に寄附金に相当する金額が含まれていることを主たる理由として法人税の更正処分等を行ったところ、本件購入金額のうちに寄附金に相当する金額があるというためには、①本件購入金額に代わる本件株式の請求人が購入する時における価額として適正かつ合理的な金額、②当該①の金額に比して、本件購入金額は高いものであること(高価買入れとなっていること)、③その差額はいくらであるかの各点について、具体的に主張し、証拠を示した上で、さらに④その差額のうちに実質的に贈与をしたと認められる金額があることについて、主張し、証拠を示すべきである。(平16.12.17大裁(法)平16-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160153ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716068
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/8その他の手数料等(簿外経費)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、親会社から人事管理、営業面の指導等の業務の役務の提供を受けてきたことからその対価を支払う義務があるのであるから、売上金額の5%相当額は本社経費として損金の額に算入すべきである旨主張するが、請求人は親会社から本件本社経費について請求を受けた事実もなく、親会社に支払った事実もない。また、請求人と親会社との間において本件本社経費を授受し合うとする旨の合意があったとする事実は認められず、本件本社経費の額の具体的な算定根拠となる資料の提出もない。以上のことから、本件本社経費を請求人が親会社に支払うとする債務が本件各事業年度の終了の日までに成立していたとは認められず、また、その金額を合理的に算定することができるものとはいえないので、本件本社経費は、債務が確定している費用の額には当たらないことは明らかである。(平16.12.17東裁(法)平16-153)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160154ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件保守委託費の額は、過去に支払先との間で作成した本件保守委託契約書に記載されている正当な委託業務の対価であり、また、請求人のグループ企業間で負担すべき「開発費」及び請求人の業務において、重大なシステム障害等が生じたときのための「保険料」に類する支払であるから、本件各事業年度の損金の額に算入されるべき旨主張する。しかしながら、①本件各事業年度前の事業年度において、本件保守委託契約書に基づいて支払われた保守委託費の額は、請求人が当事者である裁判に係る判決によれば、架空の契約書に基づいて計上された架空の外注費であると判示されていること、②本件各事業年度においても、当該判決の基となった事実関係に変わりはなく、支払先からは役務提供の事実が認められないこと、③支払先には、グループ企業システム等を開発した事実はなく、重大なシステム障害等に対応できるだけの態勢が整えられていた事実もないことから、本件保守委託費の額を、本件各事業年度の損金の額に算入することは認められず、請求人の主張には理由がない。(平16.12.17東裁(法・諸)平16-154)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160011
- 裁決年月日
- 平成16年12月14日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が取得した補助電源及びコンピュータシステム等の減価償却資産(以下「本件減価償却資産」という。)は、機能的に一体となった一つの建物附属設備である旨主張する。しかしながら、本件減価償却資産の形状、機能、設置及び使用状況等の客観的事実により本件減価償却資産の属性について総合的に判断すれば、本件減価償却資産は建物と一体となって建物本来の効用価値を高めるものとは認めることはできず、また、単体の各資産に区分されるものとみるのが相当であるから、それぞれの資産区分において、減価償却資産の耐用年数を適用すべきである。したがって、原処分庁の主張は採用できない。(平16.12.14熊裁(法)平16-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160038
- 裁決年月日
- 平成16年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社との取引が終了することとなったため、解散する予定で従業員全員を解雇し、代表取締役Bに退職金(以下「本件金員」という。)を支払ったが、引き続きA社からの仕事が発生したため、Bの月額の報酬を大幅に減額した。このことは、法人税基本通達9−2−23に例示されている退職と同様の事情といえ、したがって、本件金員は、請求人の所得金額の計算上、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、法人の解散登記もしておらず、A社からの仕事を引き続き行っており、代表取締役の変更登記もされていない。さらに、Bは、調査担当職員に現在も代表取締役として代表権を持ち、請求人の経営及び加工作業に従事している旨申述していることから、Bは引き続き代表取締役として勤務しており、役員を退任したとは認められない。また、法人税基本通達9−2−23は、退職したと同様の事情にある場合について定めているところ、Bの代表取締役としての分掌の変更はないから、Bが請求人を実質的に退職したと同様の事情があるとも認められない。以上のことから、Bが請求人の役員を退職した事実はなく、法人税基本通達9−2−23に定める実質的に退職したと同様の事実があるとも認められないから、本件金員は、役員退職給与に該当しない。そうすると、本件金員は、法人税法第35条第4項に規定する役員に対する臨時の給与、すなわち、役員賞与に該当するから、同条第1項の規定により、本件退職金を本件事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入しないものとして行われた本件更正処分は適法である。(平16.12.1名裁(法・諸)平16-38)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160031
- 裁決年月日
- 平成16年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、支払手数料として処理された本件金員につき、実態は財産犯罪行為による被害金員であり、法人税法第22条第3項第3号に規定する損失の額に該当すると主張する。しかしながら、財産犯罪行為による被害金員など特別の経費については、原処分庁が損失の存否に関する事実に直接関与していないのに対し、請求人はより証拠に近く、その存在について具体的に明らかにできる立場にあること、また、申告の基礎となった帳簿種類の記載と異なる支出の内容を主張するものであることにかんがみると、請求人において当該財産犯罪行為の存在を推認させるに足りる具体的な主張立証を行わない限り、本件金員の額の請求人の本件事業年度の損金の額への算入は否定されるというべきである。これを本件についてみると、請求人の提出した会計担当者の申述書は、矛盾点が多く一貫性のない内容であり、これをもっては、本件金員が財産犯罪行為による被害金であることを認めるに足りる証拠とすることはできない。また、本件金員が財産犯罪行為による被害金員であるとして、請求人が本件金員の返還を求めるため民事上の不当利得返還請求等の手続を行った事実及び刑事上の告訴の手続を行った事実などは認められず、ほかに本件金員が請求人が主張する財産犯罪行為による被害金であることを認めるに足りる証拠も認められない。このほか、原処分関係資料及び当審判所の調査によっても、本件金員が、請求人の事業遂行上必要な支出であるなど、法人税法第22条第3項各号に規定する原価の額、費用の額、損失の額のいずれかに該当し、損金の額に算入すべき金額であるとする証拠は認められないから、本件金員は、請求人の本件事業年度の損金の額に算入されない。(平16.11.30大裁(法)平16-31)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平160005
- 裁決年月日
- 平成16年11月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702043
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入すべき金額がある旨主張する。そこで、請求人が損金の額に算入すべきとする金額の支払先に対し、当審判所が調査したところ、一部の支払金額については、請求人が主張するとおり損金の額に算入すべき金額であることが認められる。しかしながら、A社に対する支払いについては請求人が支払った事実は認められるものの、請求人は、当該金額が損金に該当することを明らかにする資料を提出せず、また、相手先も当該金額の支払われた時期の帳簿書類を一切保管しておらず、当該金額が損金に該当するか否かを確認することができないことから、損金の額に算入すべき金額であるとは認められない。(平16.11.24福裁(法・諸)平16-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160026
- 裁決年月日
- 平成16年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/1たな卸資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、棚卸資産として所有する土地の時価が、バブル経済の崩壊に伴い著しく下落したことにより、帳簿価額を下回ることとなったことが法人税法施行令第68条第1号ニの「準ずる特別の事実」に該当するから、法人税法第33条第2項に基づき、本件評価損を損金に算入すべきであると主張する。しかしながら、本件土地の価額の下落は、単に物価変動等の事情によって低下したものであり、一般的な土地相場の下落によるものであると認められるので、法人税法施行令第68条第1号ニの「準ずる特別の事実」に該当しない。したがって、本件評価損については、法人税法第33条第2項の規定を適用することができない。(平16.11.11大裁(法)平16-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160017
- 裁決年月日
- 平成16年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する売掛金の放棄は、放棄をした時点で回収可能性のない債権について行ったものであるから、貸倒損失に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人の当該子会社対する売掛金は、特に滞ることなく、順次、請求人に支払われていたこと、②当該子会社は解散するまで事業の閉鎖や廃止をすることなく事業活動を継続していたこと、③当該子会社に対して債権放棄を行ったのは請求人のみであることから、当該子会社が解散するまでは、請求人の当該子会社に対する売掛債権は順次回収されていたことが認められ、当該子会社が解散する時点において、当該子会社に対する請求人の売掛金等が、特段、回収不能の状態にあったとは認められない。そうすると、債権放棄の時点で売掛金が回収不能であったとしても、債権放棄が債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、再起の見通しが立たず、事業を閉鎖あるいは廃止して休業するに至った場合等のように、債権が回収不能の状況にあることが客観的事実により明らかな場合において行われたということはできない。したがって、子会社に対する債権放棄は回収不能な金銭債権の貸倒れに該当するとは認められず、当該債権放棄相当額の経済的な利益を供与したこととなり、請求人の主張には理由がない。(平16.10.29関裁(法・諸)平16-17)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平160004
- 裁決年月日
- 平成16年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件役員に対して本件役員報酬を支給したことは真実であり、所得金額の計算上、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、①本件役員は、本件役員報酬について所得税の確定申告をしていないこと、②本件役員の住民税の課税対象には、本件役員報酬は含まれていないこと、③請求人は、請求人の取締役が本件役員報酬が振り込まれている本件役員名義の預金通帳及び印鑑を管理している理由について、本件役員に対する貸付金の返済を受けるためである旨主張するが、本件役員が当該取締役から借入れをしている事実を確認することができないこと、④本件役員名義の預金口座への入金は本件役員報酬のみである一方、その出金状況は当該取締役の普通預金への振込み又は定期預金への振替であること等からみて、本件役員名義の預金口座は当該取締役に帰属し、本件役員報酬は、当該取締役に支給されたものと認めるのが相当であり、本件役員に支給したものと認めることはできないことから、請求人の主張は採用することができない。また、本件役員報酬については、本件役員に対してあたかも支給したように仮装して、請求人の取締役に支給されたものであり、請求人があらかじめ定められた支給基準に基づいて支給したとは認められず、その支給自体が臨時的なものと認めるのが相当であることから、法人税法第35条第4項に規定する役員賞与と認められ、原処分庁が本件各事業年度の所得の計算上、損金の額に算入することはできないとしたことに違法はない。(平16.10.25福裁(法・諸)平16-4)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平160004
- 裁決年月日
- 平成16年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716120
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/12福利厚生費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件簿外預金から忘年会費用など福利厚生費として支出している金額は、所得の金額の計算上、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、福利厚生費に使用したとの元代表者の答述はあるものの、具体的な使途及び支払金額が確認できないこと、また、福利厚生費の支出として提出があった領収書は本件各事業年度のものではないことから、当審判所において、新たに請求人の損金の額に算入すべき金額を認定することができない。すなわち、請求人において、本件簿外預金から支出された金額と業務との関連性を合理的に推認させるに足りる具体的な立証がされていないというべきであるから、請求人の主張は採用することができない。(平16.10.25福裁(法・諸)平16-4)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平160004
- 裁決年月日
- 平成16年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/5修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件簿外預金に入金された車両事故損害賠償金は、事故車両の修繕費として支出しているから、所得の金額の計算上、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件簿外預金への車両事故損害賠償金の入金に対応して発生が見込まれる修繕費について審理したところ、修繕の事実が認められないものや、修繕の事実はあってもその金額については、既に修繕費等として請求人の損金の額に算入されていることが認められ、当審判所においては、事故車両の修繕費として新たに請求人の損金の額に算入すべき金額を認定することができない。このような事実から判断すると、請求人において、本件簿外預金から支出した金額と業務との関連性を合理的に推認させるに足りる具体的な立証がされていないというべきであるから、原処分庁が事故車両の修繕費を損金の額に算入しなかったことは相当である。(平16.10.25福裁(法・諸)平16-4)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平160004
- 裁決年月日
- 平成16年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ペナルティ通帳から運転手に対し無事故褒賞金として支出している金額は、所得の金額の計算上、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張する無事故褒賞金の金額については、本件ペナルティ通帳から無事故褒賞金支払の周知文書の日付で出金されているそれぞれの金額と一致するものの、無事故褒賞金支払の周知文書の従業員代表の印は、支払明細書に記載された支給金額の受領印とは認められず、請求人が無事故褒賞金であると主張する金額が請求人の給料規定等によって算定されているとも認められない。また、各従業員の答述によると、無事故褒賞金として一定の金員が支給されたとうかがえるものの、受領金額が不明又は支払明細書の各人別の金額と異なることからすると、請求人が主張する支払明細書の金額が各従業員に無事故褒賞金として支払われた事実を認めることはできない。請求人は、無事故褒賞金支払の周知文書及び支払明細書以外の証拠資料等を提出しないので、当審判所においては、本件ペナルティ通帳から出金された金額の業務関連性についても確認することができない。このような事実から判断すると、請求人において、本件ペナルティ通帳から支出された金額と業務との関連性を合理的に推認させるに足りる具体的な立証がされていないというべきであるから、原処分庁が無事故褒賞金を損金の額に算入しなかったことは相当である。(平16.10.25福裁(法・諸)平16-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160073ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員の分掌変更に伴い支給する本件退職金の額は株主総会の決議により具体的に債務が確定した日の属する本件事業年度の損金の額に算入すべきであり、また、法人税法基本通達9−2−24及び9−2−25には未払の場合は適用がない旨の注意書きが付されるところ、法人税法基本通達9−2−23(以下「本件通達」という。)には当該注意書きがないのであるから、本件通達は未払の場合にも適用される旨主張する。しかしながら、本件通達は引き続き在職する者に対する退職金について特例として損金性を認める取扱いであることから、実際に支出があった場合を前提としているものと認められ、未払の場合は原則として適用されないとするのが相当である。そうすると、本件退職金は本件事業年度において未払金計上され、その後においても未払の状態であることから本件通達の適用はなく、本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平16.10.25東裁(法)平16-73)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160071
- 裁決年月日
- 平成16年10月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706072
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/2耐用年数の短縮
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №68・125ページ
要旨
○ 請求人は、自転車駐車場設備に係る鉄骨屋根の耐用年数の短縮事由として、①駐車場設備を供する事業は公共性が高いこと、②事業契約期間の満了時には当該駐車場設備を無償譲渡又は解体撤去をすることが将来確実であり、当該契約期間は法定耐用年数に比して短くなっていることを上げている。しかし、耐用年数の短縮を規定する法人税法施行令第57条第1項は、減価償却資産の材質や製作方法が著しく異なったり、地盤の隆起沈下や陳腐化する等使用可能期間がその法定耐用年数に比して短いこととなった事由が現に発生している場合を限定列挙しているところ、当該鉄骨屋根については、その設置状況及びそれ自体に使用可能期間が法定耐用年数よりも物理的ないし客観的に短いこととなった事由が現に発生しているとは認められず、また、請求人の短縮申請事由は規定された短縮事由のいずれにも該当せず、これを却下した原処分は適法である。(平16.10.22東裁(法)平16-71)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160011
- 裁決年月日
- 平成16年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702029
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、産業廃棄物処分場の建設については、①処分場用地を売却したこと②処分場建設反対派の工事差止請求等の訴訟等があり、建設を断念してはいないものの、建設工事は休止されており、工事再開のめどが立っていないこと、③請求人には処分場の完成までに必要な資金の調達力がなく工事を再開する予定がないことにより産業廃棄物処分場に係る建設仮勘定も資産計上をする価値がなくなったとして、建設仮勘定の残高を損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、①産業廃棄物処分場用地は売却後も賃借して使用することができること、②産業廃棄物処分場の設置許可は有効であること及び③請求人は産業廃棄物処分場の建設を断念していないことからすれば、産業廃棄物処分場が資産計上をする価値がないとは認められない。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平16.10.15関裁(法)平16-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160011
- 裁決年月日
- 平成16年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/2売上原価等処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人の所得金額の計算上、損金の額に算入することができる支出は、当該法人の業務の遂行上必要と認められるものでなければならないというべきであり、支出のうち、使途が確認できず、業務との関連性の有無が明らかでないものについては、これを損金の額に算入しないのが相当である。更正処分における損金の額については、原処分庁がその立証責任を負うべきであるが、損金の存否に関連する事実に直接関与していないのであるから、更正処分時に存在し又は提出された資料等を基に判断して当該支出が損金の額に算入することができないことを事実上推認できる場合には、納税者において、当該推認を破る程度の具体的な反証を行わない限り、当該支出の損金への算入は否定されると解するのが相当である。請求人は、所有する土地のすべてを売却したのであるから土地勘定残高の全額を損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該土地勘定の中には使途が明らかではない支出が含まれているところ、請求人はそれらについて使途が明らかになるような証拠資料を提出せず、具体的な反証を行わないのであり、当該支出が土地の取得に要した費用であるか否かが明らかではない以上、これを土地の売却に係る原価として損金の額に算入することはできない。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平16.10.15関裁(法)平16-11)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平160003
- 裁決年月日
- 平成16年9月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712092
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/2工事の代金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件備品工事を行うに当たって、一般の取引先と同じように、施主から推薦された本件外注先から見積金額を徴し、請求人が当初予定していた下請業者5社の見積折衝額と比較検討したところ大差がないことから、本件外注先に発注したもので、正常な取引である旨主張する。しかしながら、請求人は本件外注先に下請させるため、当初予定していた下請業者5社との間で煮詰まっていた見積折衝額より高い見積折衝額と比較し、本件外注先に発注したものであり、また、本件外注先は、本件備品工事を請求人が当初予定していた同5社に下請させ、請求人と同5社との間で煮詰まっていた見積折衝額とほぼ同額で発注している。さらに、本件外注先への発注額と下請業者5社との間で煮詰まっていた見積折衝額との差額は、①請求人が作成した部内稟議前の関係書類に残されたメモとこん跡、②折衝経緯についての当初予定していた下請業者の関係者の答述及び申述、③本件外注先の請求人への役務提供の状況、④本件外注先は請求人の得意先等取引関係者でないことなどから、請求人は自己の判断において、本件外注先に対する金員の贈与を目的に、本件備品工事に係る発注関係書類を仮装し、発注金額に上乗せしたものであり、当該上乗した金員は、請求人から本件外注先に金銭の贈与をしたものと認められ、正常な取引とする請求人の主張は採用できない。したがって、当該上乗した金員は、法人税法第37条第6項に規定する金銭の贈与に該当し寄附金の額となる。(平16.9.30金裁(法・諸)平16-3)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160004
- 裁決年月日
- 平成16年9月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710045
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/5その他の経費との区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №68・255ページ
要旨
○ 請求人は、漁師等からの魚介類の直接仕入れ(以下「浜買い」という。)に係る手数料(以下「本件鮮魚手数料」という。)は、代表者の個人事業である浜買いに対する対価として請求人が代表者に支払っているものであるから、役員賞与以外の費用としてその全額が損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、浜買いにより買い付けられた魚介類はすべて請求人に帰属していること、浜買いの買付資金は請求人から支出されていること及び請求人と代表者との間において魚介類の売買が行われていると認めるに足る証拠はないことから、浜買いの事業主体は、代表者ではなく請求人であると認められ、浜買いの業務は、代表者が請求人の業務を遂行しているものと認めることが相当であり、本件鮮魚手数料は、請求人が役員である代表者の職務に対する対価として支給しているものであるから、所得税法第28条第1項に規定する給与等に該当する。また、本件鮮魚手数料は、各月の浜買いの仕入金額に一定割合を乗じて計算され、浜買いの仕入金額に応じて変動していることから、法人税法第35条第4項に規定する臨時的な給与に該当する。したがって、請求人の主張は採用できない。(平16.9.9熊裁(法・諸)平16-4)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160003
- 裁決年月日
- 平成16年8月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、コンクリート下地工事に要した額は検査ラインのテスター機器の入替工事に付随する工事に係るものであるから、減価償却資産の取得価額に算入すべきでる旨主張する。しかしながら、当該下地工事は、テスター機器の入替工事と同時期に行われたものであるが、工事場所は、テスター機器を入替工事した場所ではなく、検査ラインへ車両を搬入する走行路の2か所であり、また、工事内容は、検査車両の搬入路である既存の舗装路面の除去・廃棄に伴う工事であることが認められる。そうすると、当該下地工事に要した額は、法人税法施行令第54条第1項又は同第132条のいずれにも該当しない。したがって、コンクリート下地工事に要した額は、旧減価償却資産(舗装路面)を除去・廃棄するために要した費用であるので、損金の額に算入するのが相当であるから、原処分庁の主張は採用できない。(平16.8.12熊裁(法)平16-3)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平160006
- 裁決年月日
- 平成16年8月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者が夜逃げ同然に転居し連絡先も不明のため、当該債権は当然に回収不能と認められるから、債権放棄による損失は、貸倒損失に該当する旨主張するが、当該債権放棄の当時の状況についてみると、請求人から当該債権を回収できないことを示す証拠資料の提出がなく、また、債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その債権が回収不能であったとも認められない。なお、債務者は自己都合により通常の転居をしていると認められるから、夜逃げ同然に転居した旨の請求人の主張には理由がない。そうすると、当該債権の放棄は、債務者に対して経済的利益の無償の供与をしたというべきであるから、債権放棄による損失の額は、寄附金の額に該当する。(平16.8.9広裁(法)平16-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160027
- 裁決年月日
- 平成16年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が賃借建物に施設した店舗の内装(以下「本件各内装」という。)は建物附属設備に該当し、本件各内装に係る減価償却費の償却限度額は定率法により算出すべき旨主張する。ところで、建物には、物理的及び機能的に建物と一体不可分の内部造作が含まれており、これは、内部造作が賃借建物に施設されたものであっても同様と解される。また、建物附属設備とは、建物と一体不可分の内部造作以外のもので、建物の効用増加等において特定の機能を有するものをいうと解される。これを、本件各内装について見ると、本件各内装に係る工事は店舗内の仕切り工事及び床、壁、天井、出入り口等の内装工事であり、本件各内装は、建物と物理的及び機能的に一体不可分のものと認められるから建物に該当する。したがって、本件各内装に係る償却限度額は法人税法施行令第48条第1項第1号の規定により定額法により算出すべきであるから、請求人が減価償却費として損金に算入した額のうち当該償却限度額を超える金額を損金の額から減算した原処分は適法である。(平16.8.2東裁(法)平16-27)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160001
- 裁決年月日
- 平成16年7月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分は理事長の次男の実質的な職務内容を考慮せず、非常勤理事と決め付けてなされたものであり、また、適正報酬額の算定に当たっての類似役員の抽出にも合理性がないことから、原処分が法人税法第34条第1項及び同施行令第69条に抵触していることは明らかである旨主張する。しかしながら、理事長の次男は他の医療機関で常勤の医師として勤務しており、請求人においては非常勤の理事と認められるところ、請求人の主張する理事長の次男の職務内容は具体性に乏しく、主張を裏付ける証拠は認められない。仮に、理事長の次男が、請求人の主張する事業経営に携わっていたとしても、それは、他の医療機関での常勤の医師としての勤務の合間になされたとみるのが自然である。さらに、原処分庁は、理事長の次男の適正報酬額を算定するに当たって、診療収入が請求人のそれの半分から倍額までの同業種・同規模法人及び同一条件を充たす類似役員を抽出していることが認められ、法人税法施行令第69条に照らして、その選定を不相当とする理由はなく、請求人の主張は採用できない。(平16.7.23熊裁(法)平16-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160019
- 裁決年月日
- 平成16年7月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/3資本的支出と修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各プログラムが仮に市場販売目的で開発されたものであるとしても、同各プログラムの開発に要した支出金額につき、法人税基本通達7−8−3を適用して修繕費への計上が認められるべき旨主張するが、本件各プログラムの開発に要した支出金額は、新規ソフトウェアの開発に要した支出金額そのものであり、現存するソフトウェアのバグ取りや修繕・維持・保全など、ソフトウェアの機能維持に要した支出に該当するとは認められないため、同通達を適用して各支出金額を修繕費と見る余地はないものというべきである。(平16.7.16東裁(法)平16-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160019
- 裁決年月日
- 平成16年7月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/3資本的支出と修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各プログラムは他社電話交換機との汎用性がなく、かつ、電話交換機と分離して販売することができないから市場販売目的で開発されたものとはいえず、同各プログラムはソフトウェアに該当しない旨主張する。しかしながら、本件各プログラムを搭載する電話交換機は、同各プログラムにより作動するコンピュータそのものと認められることから、本件各プログラムは法人税法施行令第13条に規定するソフトウェアに該当し、また、本件各プログラムは、複写された製品がそれぞれ電話交換機に搭載されて販売されているので、耐用年数省令別表3のソフトウェアのうちの「複写して販売するための原本」に該当するものと認められる。したがって、請求人の主張を採用することはできない。(平16.7.16東裁(法)平16-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160021ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年7月16日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人を含む4財団を解散し、設立される予定の新財団の設立事務を行う事務局に対して支出した負担金は、同事務局に対する金銭の贈与であり、寄附金に該当する旨主張する。しかし、この負担金は、請求人が公益法人としての本来の事業目的を達成するために必要な負担として、請求人の事業を継承する新財団の設立費用を支出したものであり、金銭の贈与には該当しない。ところが、この負担金は、請求人の収益事業に係る収入の獲得のために必要な費用ではなく、収益事業以外の事業に係る費用と認められるところ、収益事業に属する資産から支出されているため、法人税法第37条第5項の規定により、収益事業に係る寄附金の額とみなされるものであると認められる。したがって、この負担金に係る寄附金の損金不算入額を所得金額に加算した原処分は適法である。(平16.7.16東裁(法・諸)平16-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160023
- 裁決年月日
- 平成16年7月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人を含む4財団を解散して設立される予定の新財団の設立事務を行う事務局は、請求人に帰属しない組織であり、この事務局の収支を管理する特別会計の当期損失は請求人には帰属せず、この事務局に対して請求人の一般会計から支出した負担金は、同事務局に対する金銭の贈与であり、寄附金に該当する旨主張する。しかし、この事務局は請求人に帰属する組織であると認められ、請求人の一般会計から特別会計に対して負担金を支出したことは、内部取引にすぎないから、金銭の贈与には該当しない。ところが、この事務局が行う新財団の設立事務は収益事業以外の事業であり、特別会計の損益は収益事業に係るものではないと認められ、この負担金は、収益事業に属する資産から支出されていることから、法人税法第37条第5項の規定により、収益事業に係る寄附金の額とみなされるものであると認められる。したがって、特別会計の当期損失を所得金額に加算し、この負担金に係る寄附金の損金不算入額を所得金額に加算した原処分は適法である。(平16.7.16東裁(法)平16-23)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160008
- 裁決年月日
- 平成16年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件退職金は、請求人の代表者A氏が請求人を退職したと同様の事情に至ったことを基因として支払ったものであるから、損金の額に算入されるべき旨主張する。しかしながら、A氏は、代表取締役から監査役に分掌変更された後も、①請求人の経営上主要な地位を占める者であり、②請求人のオーナー株主であること、及び③A氏の報酬は激減したかのように経理されているが、減額分に相当する金額が仮払金名目で支払われていることからすると、報酬は減少したとする事実はないことが認められる。そうすると、A氏は実質的に退職したと同様の事情にあるとはいえず、請求人が、本件退職金として経理した金額は、役員退職金の額とは認められない。そして、本件退職金のうち、上記仮払金名目で支出した金員と相殺して計上した金額は、事実を仮装することにより支出した役員報酬の額に、その他の金額は役員賞与の額に該当するから、いずれも損金の額に算入できない。(平16.7.9東裁(法)平16-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160008
- 裁決年月日
- 平成16年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716066
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/6その他の手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、親会社の代表者A氏が、請求人の経営指導、経営計画、業務チェックなどを行っているのだから、親会社に対する本件経営指導料は実体のあるものであり、各事業年度の損金の額に算入されるべき旨を主張する。しかしながら、①A氏は各事業年度において、親会社の代表者であるとともに、請求人の代表者又は実質的な経営者でもあるのだから、A氏の有する経営上のノウハウは、請求人が保有していると認められること、また、②親会社は、その経営状況からすれば、A氏のほかに経営上のノウハウを有している者がいるとは認められないことからすると、請求人が親会社から、経営指導を受けていたとみることはできない。そのほかに、請求人が親会社から役務の提供を受けていたという事実は認められないことから、各事業年度において未払計上された本件経営指導料は、損金の額に算入できない。(平16.7.9東裁(法)平16-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160011
- 裁決年月日
- 平成16年7月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 1 端末機のソフトウエアに係る研究開発費 原処分庁は、特定された顧客に対して情報処理サービスを提供するソフトウエアに係るもので、かつ、毎月定額の使用料収入を得ていることから、自社利用ソフトウエアに分類され、当該費用はソフトウエアの取得価額に該当する旨主張するが、当該ソフトウエアは顧客が有する端末機にインストールされ当該端末機の利用に際して稼動するソフトウエアであり、専ら顧客が利用しているものであって、自社利用ソフトウエアとは認められないから、原処分庁の主張には理由がない。2 ソフトウエアに係る修繕費 原処分庁は、請求人の会議資料の工事件名の「機能増強・追加」の記載事項等に基づき、ソフトウエアの新規取得又は資本的支出に要した費用である旨主張するが、何ら個別具体的な証拠の提出がなく、当審判所の調査によれば、一部を除いては、いずれも、取扱区間の変更及び料金改正に伴うプログラムの現状の効用の維持並びに機能上の障害の除去と認められるから、原処分庁の主張には理由がない。(平16.7.9東裁(法)平16-11)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平160002
- 裁決年月日
- 平成16年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件賃借料は、取引先から同社の会社印を押した正式な請求書により実際の賃借料が請求され、その請求金額を取引先が指定した銀行口座に振り込んでいるので、正常な取引の対価として支払ったものである旨主張する。しかしながら、取引先の代表取締役及び同従業員の申述によると、取引先からの請求書は、ブローカーからの連絡に基づき作成されたものであり、取引先は記載されている内容の真否について把握していないものと認めるのが相当であるから、その請求書の存在のみをもって、実際の賃借料であるとは直ちに認めることはできないものであるところ、請求人は、調査が進むにつれ、賃貸借が実際に行われていたとする具体的な説明やその内容を明確にしようとするのではなく、事実関係をよりあいまいになるような申述に変更していること、当審判所に対しても、賃借したとする物件の具体的な内容について何ら主張しないこと、また、請求人が申述した工事現場の元請先を調査し、その結果においても、本件賃借料に係る賃貸借物件の存在を確認することができなかったこと、さらに、その取引の仲介人の所在が不明であることからすれば、本件賃借料は、架空の取引によるものと認めるのが相当である。(平16.7.6札裁(法)平16-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160003
- 裁決年月日
- 平成16年7月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、調査によって更正された事業年度に経費記帳洩れがあったとして、請求書が存在し、支払いについては記帳されているが、損金経理されていないものを経費として減額更正すべきである旨主張する。これに対し、原処分庁は、関連法人の請求書等が異議調査時に提出されず、かつ、関連法人の経費の明細が明らかでないことから、関連法人の経費関係請求書が、請求人の経費関係請求書綴りに混入していると推定するのは当然であるから、減額すべき経費ではないと主張する。しかし、本件一覧表記載の取引が請求人に帰属する経費であるか否かは、証拠資料の内容によって個々に判断すべきものである。(平16.7.6大裁(法・諸)平16-3)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平150036
- 裁決年月日
- 平成16年6月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、損金計上した製造賃借料は、外注先が請求人に対し、賃貸借契約書に係る賃借料の負担を求めたため、物件費用支払契約書を作成し製造賃借料として支払っていたものであり借入れの返済額を製造賃借料として仮装又は隠ぺいしたものではないから、更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人が、物件費用支払契約書に基づき支払った金員は、資金調達を外注先に依頼して簿外取得したプレハブの設備に係る資金を分割して支払ったものである。そうすると、請求人は、金銭債務の返済を製造賃借料として損金計上したものであるから、更正処分は適法である。(平16.6.28仙裁(法・諸)平15-36)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150100
- 裁決年月日
- 平成16年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件退職金は、役員の分掌変更等の後における報酬が激減した者に対するものであり、実質的に退職したと同様の事情にある者に対するものであるから損金の額に算入されると主張するが、法人税基本通達9−2−23は、その例示に該当するような事実があったことなどによりその役員としての地位又は職務の内容が激変した場合には、実質的に退職したと同様の事情にあるものとしてもよいとしたに過ぎず、当該例示のいずれかに形式的に該当するか否かにより実質的に退職したと同様の事情にあるかどうかを判定する趣旨ではない。したがって、形式的には本件通達の例示に該当しても、そもそも実質的に退職したと同様の事情にあるとは認められないその他の事情がある場合には、本件通達の適用がないものというべきである。つまり、法人税基本通達9−2−23の例示(3)にある報酬の激減についても、役員報酬はその職務内容に応じた適正な額でなければならず、通常、報酬等が激減した場合には、その職務内容が激変する場合が多いことから例示されているのであり、例えば、当該法人の業績不振を理由として役員報酬が全体として半減された場合においては、ある役員の分掌変更等が行われ、当該役員の報酬が半減されたとしても、必ずしも当該役員の地位又は職務内容が激変したとはいえない。したがって、単に役員の分掌変更等があり、当該役員の報酬が半減されたことをもって、一律に実質的に退職したと同様の事情にあるものとすることはできない。そうすると、本件においては、役員の分掌変更後の当該取締役に対する役員報酬の額は本件通達が例示するとおり激変しているものの、当該取締役が、代表取締役辞任後も、取締役として請求人の経営においてなお主要な地位を占めているものと認められ、他に役員としての影響力を否定するような特段の事情も認められないから、当該取締役が、役員の分掌変更等により実質的に退職したと同様の事情があるとは認められない。よって、請求人の主張には理由がない。(平16.6.25大裁(法・諸)平15-100)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150028
- 裁決年月日
- 平成16年6月24日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716160
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/16損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の仲介により本件土地を購入した同業者が、本件土地の売却により多額の売却損を被ったことを理由に、請求人が同業者に対し迷惑料として支払った金員は、支払の必要性がないこと及び請求人の代表者と当該同業者の代表者が姻戚関係にあることなどから、寄附金に当たるとして更正処分を行った。しかしながら、請求人が行った本件土地購入の仲介は、単なる土地購入の仲介ではなく、請求人は、本件土地購入の仲介から、本件土地及び本件土地にマンションを建設する売却先までも見つけるという一連の行為を行うことを当該同業者に約し、それを請求人が主体となって企画、実行し、当該同業者が資金調達(借入れ)を行うことによるリスクを負う見返りに、請求人の責任において本件土地の転売による一定の利益を当該同業者に与えるという契約が請求人と当該同業者との間で交わされていたと認められる。そして、請求人は、取引継続の危険性を危惧し、購入契約の解除をしようとした当該同業者に対して、本件土地に係る一連の計画を実行するために、強引に本件土地の最終決済を行わせ、本件土地を購入させた。そして、その結果として、当該同業者に多額の損害を与えることとなり、当該同業者からの請求に応じて本件迷惑料を支払ったものであることに鑑みると、本件迷惑料は、任意に支出した寄附金ではなく、損害賠償金と認められるため、全額を損金の額に算入するのが相当である。(平16.6.24高裁(法)平15-28)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150027
- 裁決年月日
- 平成16年6月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族関係法人に従業員を派遣したのは、業務管理契約に基づくものであり、応援ではなく、研修であるので、従業員の給与手当の一部を寄付金とした原処分は違法である旨主張する。しかしながら、①請求人は研修計画や実績についての記録及びこれらを証する資料の保存がないこと、②同族関係法人においても、指導計画や実績についての記録及びこれらを証する資料の保存がないこと、③請求人の従事業務と同族関係法人で従事している業務との関連性がないこと、④請求人の元従業員の答述からも、派遣先における従事業務は、請求人の業務と関連性がなく、研修ではなく応援であると認識していたことなどを考え合わせると、同族関係法人に対する従業員の派遣は、研修ではなく、応援であると認めるのが相当である。したがって、これに関する請求人の主張は採用できない。(平16.6.23熊裁(法)平15-27)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150027
- 裁決年月日
- 平成16年6月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712094
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/4賃借料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が同族関係法人に支払った地代家賃、水道光熱費及び通信費は高額であり、適正な金額を超える額は、当該法人に対する経済的利益の供与であるとして行った原処分は、適法である旨主張する。しかしながら、請求人が賃借(使用)している部分は、間仕切りがあり専有部分が明確であるところ、適正な金額の算定に当たって、原処分庁が採用した人員割合には誤りがあり、合理性がない。また、請求人が採用した使用面積割合や電話加入権所有割合、使用人員割合等を加重平均したものは、合理的なものであると認められ、これに基づき適正な金額を算定すると、経済的利益を供与したとはいえない。したがって、この点に関する原処分庁の主張は採用できない。(平16.6.23熊裁(法)平15-27)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150090
- 裁決年月日
- 平成16年6月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、理事長、理事長の妻及び長女が出資総額のすべてを出資し、理事長の妻が代表取締役を務める、理事長の関係会社であるA社との間で業務委託契約を締結し、業務委託料を支払っているが、原処分庁は、A社が請求人に提供している役務は、当該業務委託契約の一部にすぎず、業務委託料も算出根拠が不明瞭で、恣意的に決められたものであるから、当該業務委託契約の対価の額と認められるのは、委託業務に携わっていたA社の従業員の給与相当額のみであり、当該業務委託料のうちこれを上回る部分は、A社に対する寄附金に該当する旨主張する。確かに、請求人が支払っている業務委託料は、A社が関係会社であるため、独立した企業間で行われているように提供役務の原価等から見積もられたものではないと認められるが、A社は業務受託を主たる事業目的としている法人であり、当該業務委託契約に基づき請求人に役務を提供していることは事実であるから、その対価は、受託業務を遂行するための直接経費だけでなく、間接経費及び利益ないし報酬部分を含めた金額としてしかるべきであるところ、当該業務委託料が独立企業間において行われる同業他社の同種の契約で設定される対価の水準と著しく乖離しているかどうかの検証も行わずに、当該業務委託契約の適正な対価の額は、委託業務に従事したA社の従業員の給与等の直接経費相当額のみであるとする原処分庁の主張を認めることはできない。(平16.6.17名裁(法・諸)平15-90)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150330
- 裁決年月日
- 平成16年6月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、上場企業においては、コーポレートガバナンスの仕組みが充分に機能し、過大な役員給与に対して、第三者たる株主による厳然とした審査が存在するため、濫用的目的によって退職給与を過大に支給することは困難であり、法人税法第36条及び同法施行令第72条(以下「本件規定」という。)が当てはまる場合は極めて例外的であるから、本件退職給与に関する請求人の決定は適正であるとの推定が働くというべきである旨主張する。しかしながら、本件規定の趣旨は、上場企業についても妥当し、そして、上場企業について、本件規定の適用を除外する旨の特段の定めはないから、請求人の主張には理由がない。なお、原処分庁が平均功績倍率を採用するために抽出した同業類似法人において、請求人と、業種,事業規模等が類似している法人として客観的に合理的な基準に基づいていることは認められるものの、個別事情によりその類似性が極端に失われると判断されるような場合には、その抽出から除外するものと解されところ、原処分庁が抽出した5社のうち2社については類似性が極端に失われることから、再計算した結果、本件退職給与の適正退職給与の額は、原処分の適正退職給与の額を上回るため本件更正処分はその一部を取り消すことが相当である。(平16.6.15東裁(法)平15-330)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150071
- 裁決年月日
- 平成16年6月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人と請求人の役員との間で行われた本件土地の売買は、形式を整えただけで売買の実態はないとして、請求人が計上した本件土地の売却損は損金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、本件土地の売買契約書に両者が署名押印していること、売買代金の決済が行われていること、売買代金が決済されたときに本件土地の引渡しがされたとの認識を両者が有していること等からすれば、本件土地の売買は行なわれたと判断することが相当である。したがって、原処分庁の主張は採用できない。(平16.6.10関裁(法)平15-71)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150071
- 裁決年月日
- 平成16年6月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300709030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/3固定資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、鉄道により分断された土地のうち、一方の土地を譲渡したことにより他方の土地が利用不可能状態になったものであり、このことは「当該資産の所在する場所の状況が著しく変化したこと」に該当するとして他方の土地に係る評価損の損金算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、他方の土地は、分断された後においても市道に接面している土地であることからすれば、独立した土地として使用可能であったと認められる。また、一方の土地が譲渡された前後の事業年度中において、他方の土地自体の状況、例えば面積、地形、周辺環境等に著しい変化が起きたとは認められない。したがって、法人税法第33条第2項及び同法施行令第68条第3号に規定する事実が生じたとは認められないことから、評価損を損金の額に算入することはできない。(平16.6.10関裁(法)平15-71)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150025
- 裁決年月日
- 平成16年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失の処理をした本件債権は、代表者に対する仮払金ではなく、取引先法人に対する真正な貸付金である旨主張する。しかしながら、本件債権は、90数回にも及ぶ一時的な小口の貸付であるにもかかわらず、一度も返済されていないこと、金銭消費貸借契約書等を作成しておらず、債権保全の措置をとっていないこと、債権放棄通知書を作成していないことなど、本件債権に対する取扱いが不合理である。また、代表者仮払金のうち本件債権の額を代表者に対する短期貸付金や代表者勘定の科目間で相互に移動(振替処理)したり、本件債権を代表者に対する認定利息の計算の基礎としていることからすると、請求人は、本件債権は代表者に対する貸付金と認識していたとするのが相当である。(平16.6.7熊裁(法)平15-25)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150067
- 裁決年月日
- 平成16年6月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、A役員に対する本件役員退職金について、本件役員退職金の一部が代表者の普通預金口座に入金されていること、請求人は、当該入金は代表者がA役員に有していた資付金の返済である旨主張するが、当該主張に沿う証拠の提出もないことから、架空の退職金と認定した。しかしながら、A役員は退職していること、請求人の取締役会において退職金を支給することが決議されていること、請求人は、当審判所に対して、代表者が、A役員の借財を立替返済した証拠を提出したことから、本件役員退職金の一部が代表者の普通預金口座に入金されたことのみをもって、架空の退職金であるとは認められない。(平16.6.4広裁(法)平15-67)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150067
- 裁決年月日
- 平成16年6月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件役員退職金について、当該A役員が請求人のために働いてくれた結果、発病し、やむなく退職したものであり、功労金(慰謝料)を支給したもので適正な支払である旨主張するが、A役員の職務と発病との因果関係が不明であること、請求人から本件役員退職金の計算根拠の提出もないことから、本件役員退職金が慰謝料相当であると認めることはできない。また、原処分庁が採用した適正な退職金の算定方法は、当審判所においても相当と認められ、役員就任期間は約1年1か月と短期間であること、A役員が一時消息不明となったことによる退職であることから、役員就任期間には功労があったとは認められず、原処分庁が認定した功績倍率は相当である。そうすると、本件役員退職金のうち、A役員の退職前の最終報酬月額に、勤続年数を乗じ、功績倍率を乗じて算出した金額を超える金額は、過大な役員退職給与の額として損金の額に算入できない。(平16.6.4広裁(法)平15-67)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150067
- 裁決年月日
- 平成16年6月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300711012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/2勤務事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件給与について、使用人Aは、請求人に出社がなく、請求人が、調査時において、Aの業務内容について説明をしなかったことから、使用人として労務の提供がないと認定し、出社の表示のある出勤簿が存することから、架空の経費と認定し、損金の額に算入できない旨主張する。しかしながら、Aは出社していないと認められるものの、請求人は、請求人と工事契約等を締結した複数の者が、Aの勧めがあったからこそ契約した旨の回答書を当審判所に提出していること、支給された本件給与はAが受領していること、Aは、請求人の役員としての実績が10年程度あり事業経営に通じていると認められること、Aが、自宅において、労務の提供をしていないとする判断材料もないことなどを併せ考慮すると労務の提供がないとまでの認定はできず、架空な給与と認定することはできない。(平16.6.4広裁(法)平15-67)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150067
- 裁決年月日
- 平成16年6月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300711030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/3従業員退職給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、使用人から役員に昇格したAに対する使用人部分に係る退職金であるとして支給した本件退職金について、請求人は、退職給与規定に基づく金額に、使用人当時の功労部分も加算した適正な退職金である旨主張する。しかしながら、請求人は、当審判所に対して本件退職金の計算根拠を提示しないこと、請求人は、当該A役員と同時期に役員に昇格した他の役員に対しては、請求人の退職給与規定に基づき算出した退職金のみを支給していることから、本件退職金は、使用人部分に係る適正な退職金と認めることはできず、退職給与規定に基づき算出された金額が、使用人部分の適正な退職給与と認められる。したがって、本件退職金のうち上記適正な金額を上回る部分は、A役員に対する賞与として損金の額に算入できない。(平16.6.4広裁(法)平15-67)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150067
- 裁決年月日
- 平成16年6月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件役員報酬について、当該役員Aには、委任事務の遂行等があり適正な支払である旨主張するが、A自身が、調査担当者に対し、請求人を退職した以降、請求人の仕事には全く携わっておらず、本件役員報酬の支給についても知らない旨申述している。上記申述は、Aがことさら虚偽の申述をする理由も認められないこと、同人の消息が一時不明となり、その後、請求人以外の勤務先に勤務している事実などから裏付けられ信ぴょう性が認められる。そうすると、請求人は、Aには退職以降、委任事務の遂行等がないにもかかわらず、Aに無断で一方的に本件役員報酬を計上したものと認められる。したがって、このようなAに対する本件役員報酬が、法人税法第22条第4項の規定から役員報酬として損金の額に算入できないことは明らかであり、本件役員報酬は、損金の額に算入できない。(平16.6.4広裁(法)平15-67)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150068
- 裁決年月日
- 平成16年6月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失について連帯保証人の退職時の事情などから法的手段を講じて貸付金の回収をすることができない旨主張するが、請求人は、連帯保証人に対して貸付金の返済を求めていたことが認められ、また、当審判所に対して、連帯保証人から回収不能であることを明らかにする資料を提出せず、同人に請求できない事情等も具体的に説明しないから、請求人の主張には理由がない。(平16.6.4広裁(法・諸)平15-68)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平150025
- 裁決年月日
- 平成16年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度の損金の額に算入した立木代は、本件事業年度前の各事業年度において、立木育成費用をたな卸資産として計上していなかったことから、その額を積算して一括計上したものである旨主張するが、それが損金の額であるというためには、その支出の事実及び内容が明らかとなることが必要であるところ、請求人は帳簿書類を作成しておらず、請求人が提出した証拠書類のみでは、請求人主張の立木代が、売上原価等として計上されていなかった事実及び収益に対応する育成費用であるとする事実が認められないことから、本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平16.5.17札裁(法)平15-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150274ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成16年4月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人税法施行令第133条は減価償却資産に係る費用配分の特例であるから、その取得価額は、当該減価償却資産が、企業の事業活動との関連において、その用役を提供し得る状態にあると評価し得るもの(事業供用)を単位としたその取得価額をいうものと解される。そして法人税基本通達7−1−11は、上記施行令と同様、企業の事業活動との関連において、その用役を提供し得る状態にあると評価できる一定の単位、換言すれば、減価償却資産としての機能を発揮できると認められる単位をもって、取得価額を判定することとしたものである。本件利用権は請求人の営む本件事業に供されるものであるから、その取得価額については、当該事業との関連において、減価償却資産としての機能を発揮できる単位をもって取得価額を判定することとなるところ、本件事業の実態等を総合勘案すると、通常の利用の実効性を維持するためには本件利用権が単独のものとして事業の用に供されているのでなく、2利用権がその減価償却資産としての用役の提供単位であることは見やすいことであるから、その取得価額は1利用権の価額に2を乗じた金額であるため、本件利用権は少額減価償却資産に該当しない。(平16.4.26東裁(法)平15-274)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150065
- 裁決年月日
- 平成16年4月23日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の取締役が、一旦辞任した翌日に再度取締役に就任しており、当該取締役の勤務関係は継続していることから、たとえ辞任したとしても退職したとは認められず、同人に対する役員退職慰労金名目の金員は、役員賞与に該当する旨主張する。ところで、役員退職給与とは、役員の退職により支払われる臨時的な給与であり、法人があらかじめ定めた退職給与規程に基づくものかどうかを問わず、また、その支出の名義いかんにかかわらず、役員の退職に基因して支払われる一切の給与をいうものと解されている。そして、取締役の退職とは、役員と法人との委任関係が形式的にだけではなく、実質的にみても解消されたとみることができるような事情が存する場合をいうものと解される。本件においては、取締役が、株主の変更に伴い自らの意思で辞任を申し出、株主総会で辞任の承諾がなされた後に、新株主からの突然の取締役就任要請によって、再度取締役に就任していることからすれば、請求人と取締役との委任関係は、一度は完全な解消があったというべきであるから、その委任関係の解消は、決して形式だけのものではなく、実質的にもなされたものとみることができる。したがって、当該取締役は、辞任により一旦請求人を退職したものと認めるのが相当であり、本件金員は、役員退職給与であると認められるから、原処分を取り消すのが相当である。(平16.4.23関裁(法)平15-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150264
- 裁決年月日
- 平成16年4月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が設計会社に対して支出した本件業務に係る費用が、建物改修工事のために行った調査費と認められるので、本件建物の取得価額に算入すべきである旨、仮に調査費と認められないとしても本件建物を本社ビルとして事業の用に供するために直接要した費用であるから、本件建物の取得価額に算入すべき旨主張する。しかしながら、本件業務は、設計会社が請求人に対し、本件建物をより効率的かつ安全に活用していくために、各種の資料の提供と助言を行うことをその主な内容としていることから、本件業務に係る費用は建物改修工事のための調査費及び建物を事業の用に供するために直接要した費用に該当せず、本件業務の完了した事業年度の損金の額に算入するのが相当と認められる。(平16.4.15東裁(法)平15-264)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150020
- 裁決年月日
- 平成16年4月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、海外新子会社(以下「新子会社」という。)の事業内容、請求人との取引状況、住所、電話番号、ファックス番号、代表者及び従業員が旧海外子会社(以下「旧子会社」という。)と同一であることから、旧子会社は、新子会社として実質的に存続しており、加えて、新子会社を設立しても欠損金を生ずることが分かっていたのであれば、債権を放棄しても状況は変わらず、請求人が受ける利益はないから、法人税基本通達9−4−1の「今後より大きな損失が生じることを回避するためにやむを得ずその債権放棄をするに至った等相当の理由がある。」とは認められないから、同通達は適用できず、経済的利益の供与に当たるとして寄附金と認定し、その全額を損金不算入とした原処分は適法である旨主張する。しかしながら、事業内容、請求人との取引状況及び電話番号等が同一であることをもって実質的に存続しているとは言えるものではない。また、旧子会社の解散及び新子会社に出資したことにも合理的な理由(やむを得ない理由)が認められることから法人税基本通達9−4−1に該当する。したがって、原処分庁の主張は採用することができない。(平16.4.13熊裁(法)平15-20)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平150027
- 裁決年月日
- 平成16年4月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件不動産の売買契約の時点において、本件土地にガソリンスタンドを移設し、本件建物を事務所として使用する予定であったことから、原処分庁が「当初から土地利用が目的」と認定した原処分は不当である旨主張する。しかしながら、①請求人の主張する本件建物を利用するとの明確な証拠がないこと、②ガソリンスタンドの本件土地への移転計画が中止となったこと、③本件建物は事業の用に供されることなく売買契約からおよそ5か月後には取り壊されていること、④銀行の融資りん議書に、建物は近々取壊しの予定であり評価を零とした旨記載されていることからすると、請求人は、当初から本件建物を取り壊して本件土地を使用する目的で取得したと言わざるを得ず、本件建物の取得価額は、本件土地の取得価額に算入するのが相当である。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平16.4.8仙裁(法)平15-27)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平150018
- 裁決年月日
- 平成16年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が役員報酬勘定に計上している代表者の妻に対する本件役員報酬について、①妻が、本件役員報酬は受け取っていない、また、請求人の経営に従事していない旨の申述をしていること、②本件役員報酬の現金支給額と代表者自身の役員報酬の現金支給額の合計額が、代表者個人の預金口座に入金していると推認される月があることから、本件役員報酬は架空であり損金の額に算入できない旨主張する。しかしながら、①従業員の営業成績を記した請求人のノートには、妻の営業成績が記載されており、かつ、一定期間において妻が従業員として勤務していたことを代表者及び妻が認めていること、②妻には役員登記の事実がなく、請求人の経営に参画していないこと、③請求人から妻への労務の対価の支払は本件役員報酬の他にはないことから、本件役員報酬は、役員報酬の名目で支給された実質は給与であると認められ、また、④妻に対する本件役員報酬が確定申告され、その国税還付金を妻が費消していることから、上記の原処分庁に対する妻の申述には信ぴょう性がないこと、また、⑤本件役員報酬及び代表者の役員報酬の支給状況及び代表者個人の預金口座の入金状況から、本件役員報酬が同預金口座に入金されたと推認し難い。以上のことから、妻が請求人に勤務していた期間に係る本件役員報酬については、妻の請求人に対する労務の提供及び給与としての支払の事実が認められるから、損金の額に算入されることとなる。(平16.3.31福裁(法・諸)平15-18)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平150018
- 裁決年月日
- 平成16年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が雑費勘定に計上している代表者の兄に対する本件顧問料について、①代表者の兄と締結した業務委託に係る契約は存在せず、同契約に係る業務を代表者の兄が履行したとは認められないこと、②本件顧問料が振り込まれている代表者の兄名義の預金口座は請求人に帰属し、本件顧問料は代表者の兄に支払われていないことから、本件顧問料は全額架空であり損金の額に算入できない旨主張する。しかしながら、①本件契約に基づき履行した役務の内容について、代表者の兄及び代表者の答述に具体性があり、信ぴょう性が認められること、②本件顧問料が振り込まれている代表者の兄名義の預金口座は、請求人の簿外口座であると、代表者も認めているものの、③当該口座から毎月出金された一定金額は、代表者の兄に対する顧問料の支払と認められることから、代表者の兄が本件契約に基づき請求人に役務の提供を行い、その対価として、請求人に帰属する預金口座から毎月一定金額の顧問料が支払われたと認められる。以上のことから、本件顧問料のうち代表者の兄に支払われたと認められる金額は、損金の額に算入するのが相当である。(平16.3.31福裁(法・諸)平15-18)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150069
- 裁決年月日
- 平成16年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706090
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/9損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、競走馬から種雌馬に転用する際に、馬主相互会から支払われた本件見舞金相当額を競走馬の帳簿価格から直接減額する経理処理につき、これを重要性の原則の適用による正規の簿記の原則に従った処理として扱い、損金の額に算入すべき旨主張する。しかしながら、本件見舞金は、馬主相互会の競走馬事故見舞金支給規定に基づき、事故や疾病等で競走に出走できなくなった場合に支給される金員であるから、法人税法第22条第2項の益金の額を構成するものと解すべきところ、本件見舞金を益金の額に計上することなく、本件見舞金相当額を帳簿価額から直接に減算するという経理方法は、償却費計上の意思を明示したものと認めることはできない。したがって、当該経理方法は、確定した決算において当該競走馬について償却費を損金経理したものということはできない。(平16.3.31大裁(法・諸)平15-69)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150069
- 裁決年月日
- 平成16年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/1無償譲渡に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、代表者に対し、抹消登録した競走馬を譲渡した後、同人が当該競走馬を種雄馬として登録及び使用しているが当該競走馬の譲渡時の時価につき、請求人は零円であると主張しているのに対し、原処分庁は、種雄馬としての評価が考慮されていないから、帳簿価格(未償却残高)を基礎として評価すべきであると主張する。ところで本件における競走馬について、競走馬から種雄馬として譲渡する際の価額は、種雄馬登録までの経緯、種雄馬登録後の種付けの状況及び請求人提出資料からすると、競走馬関係者が売買の対象の目安とする血統及び競走成績を備えているものとはいえず、また、本件において、種雄馬として登録、利用されている状況を考慮しても、種雄馬として売買の対象となり得る馬とは認められない。そうすると、地方競馬への転用、乗馬クラブへの譲渡等を参考に、両馬の時価を算定するのが相当であるが、当該競走馬のうち、一頭については6歳になり競走馬として続けるのは無理と判断されたこと、もう一頭については重症の屈腱炎にかかっていることからすると、地方競馬への転用も困難と認められ、乗馬クラブへの譲渡等は原則無償であることを考慮すると、譲渡時の時価を零円とする請求人の主張には理由があり、当該譲渡は時価に比して著しく低額であるとまではいえない。(平16.3.31大裁(法・諸)平15-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150252
- 裁決年月日
- 平成16年3月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706062
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/2借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事業用借地権は、契約期間が終了した時点で土地に対する権利が確実に消滅するので、旧借地法第1条に規定された借地権に比べ弱い権利であり、かつ、契約期間が終了した時に資産価値は零になる権利であるから、建物の権利金と同様に繰延資産に該当すると主張する。しかしながら、法人税法は、土地の上に存する権利は土地に含まれる旨規定しているところ、事業用借地権は、借地権の一形態にほかならないこと、法人税法に事業用借地権を土地から除外する規定がないこと、法人税法第2条第24号《繰延資産》は、一定の費用で支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶものと規定するところ、本件権利金は、土地(土地の上に存する権利を含む。)の対価であり、資産を賃借するための権利金には当たらないことから、事業用借地権は、繰延資産には該当せず、土地(土地の上に存する権利を含む。)に該当する。(平16.3.30東裁(法)平15-252)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平150022
- 裁決年月日
- 平成16年3月26日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件作物について加工品の原料としては仕入当初から価値のないものであったため、棚卸資産として計上しなかった旨主張する。しかしながら、本件作物は、高級品の原料として従来使用していた作物が平成10年度は不作であったためその代用品として仕入れたものであり、当該高級品の原料としては適していないものと認められるものの、①本件作物のうち50袋を食品加工業者に有償で売却していること、②本件作物を原料として一般加工品等の試作を行い従業員及び知り合いの会社へ試食をさせていたこと及び③本件作物を低温倉庫に保管し在庫管理を行っていたことを併せ考えると、請求人は、本件作物の価直を認識しその使い道を模索していたものと認められ、請求人の主張するような全く価値のないものとは認められない。したがって、本件作物は、取得価額により棚卸資産として計上することが相当であり、請求人の主張は採用することができない。(平16.3.26仙裁(法)平15-22)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150066
- 裁決年月日
- 平成16年3月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有する不動産が競売されたことにより生じた損失(固定資産売却損及び競売費用の額)は、請求人の法人所得の金額の計算上、損金の額に算入すべきと主張する。しかしながら、当該不動産は、所有権移転を目的とする売買の合意はされたものの、所有権移転登記はされておらず、また、契約内容のとおりに売買代金の支払が履行されているとは認められないことから、請求人は、当該不動産の競売時において、当該不動産の所有権を確定的に取得していたとは認められない。そして、当該不動産の所有権を取得していない以上、当該不動産に係る固定資産売却損及び競売費用という損失は請求人に帰属していないというべきであり、これらの損失は所得の金額の計算上、損金の額に算入できない。(平16.3.26大裁(法・諸)平15-66)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150227
- 裁決年月日
- 平成16年3月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、無利息貸付けは、業界慣行であり利息の認定は違法である旨主張する。しかしながら、法人税法第22条第2項は、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償の資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額も益金の額に算入されることとなる。そして、金銭の無利息貸付けがなされた場合、利息相当額の経済的利益を借主に与えたことになり、当該利息相当額は、寄附金となる。(平16.3.19東裁(法・諸)平15-227)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150229
- 裁決年月日
- 平成16年3月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710045
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/5その他の経費との区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aに対する本件給料手当は、Aに対する寄附金と主張する。しかしながら、請求人が勤務実態のないAに対して支払った本件給料手当は、当該役員がAの父に昔世話になったという個人的事情のみを理由として支払ったものであって、本来当該役員が個人的に負担すべきAに対する援助と考えられることから、本件給料手当は、当該取締役に対する給与となる。(平16.3.19東裁(法・諸)平15-229)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150229
- 裁決年月日
- 平成16年3月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300713990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件仮払金は、「アルバイトの弁当代及び交通費等のうち、領収証等がなく精算できない部分の金額」であり使途秘匿金に該当しない旨主張する。しかしながら、当該金額が、端数のない金額で代表者に対する仮払金として支出され、かつ、精算されていないこと、当審判所の調査においても、弁当代等であることを裏付ける客観的資料が認められないことから、請求人の主張は採用できない。(平16.3.19東裁(法・諸)平15-229)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150230
- 裁決年月日
- 平成16年3月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ会員権の売却先は会員権業者である旨主張する。しかしながら、①請求人の売価額とグループ法人の買価額が同額であること、②売買の取引日は、売り買いとも同日であること、③請求人は、含み損の処理を目的とした関係会社間取引であると自認していることから勘案すれば、形式的には会員権業者を介在させているが、実質的には関係会社間における相対売買と認められる。当審判所において売買日前1か月の売買価格を調査したところ、原処分庁が時価として採用した金額での取引実例が認められたことから、原処分庁が時価として使用した金額は相当である。したがって、時価相当額と売買価格との差額は、請求人がグループ法人に経済的な利益を与えたことになるから、同差額は寄附金と認められる。(平16.3.19東裁(法・諸)平15-230)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150230
- 裁決年月日
- 平成16年3月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取締役の父親が名前を貸すことは一種の名板貸(名義貸)契約であり、一つの役務提供である旨主張する。しかしながら、当該父親は、本件調査担当者に対して「仕事は行なっていない。私の経営する商店の売上げが不振で生活が苦しくなってきていることから、私がお金を援助するように依頼したものである」旨申述しており、同人の確定申告の状況からこの申述は事実であると認められる。そうすると、父親への支出金は、同人の生活費の援助として金銭を支出したとみるのが相当であって、本来であれば同人を扶養すべき立場にある請求人の取締役が個人的に負担すべき父親への生活費を請求人が代わって支出したと認められるから、当該支出金は取締役に対する役員報酬とするのが相当である。(平16.3.19東裁(法・諸)平15-230)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150062
- 裁決年月日
- 平成16年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aが代表取締役を辞任しており、実質的にも退職したと同様の事情にあると認められるから、法人税基本通達9−2−23に該当する旨主張する。しかしながら、Aの代表取締役の辞任及び同人への役員退職金の支払が当期中に決定されたものとは認められず、議事録等も翌期に作成されたものと推認される。したがって、Aが当期末日付で代表取締役を辞任したとは認められず、本件役員退職金は当期において損金の額に算入できないから、法人税の更正処分は適法である。(平16.3.18大裁(法)平15-62)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150018
- 裁決年月日
- 平成16年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/5損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が融資会社に支払った金額は、請求人と融資会社との信用保証契約に基づくものであり、また、請求人からの保証金支払請求書に基づいて債務者の破産、行方不明及び債務超過等の事実を確認したものであるから貸倒れの事実はある旨、そして、請求人の経理処理は、保証預り金を減額したといっても、請求人の預金から支払っており、簿外処理でもないことから損金経理をしたものとして、当該事業年度の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、債務者に対する債権について損金経理をしていないこと及び債務者の全額の貸倒損失を処理したものではなく、一部の金額についての貸倒損失を処理したことになるから、法人税基本通達9−6−2の要件を充たさないことは明らかである。加えて、請求人が貸倒損失に該当すると主張する金額に、交渉中や回収中のものまで含まれている事実を踏まえると、請求人において、貸倒損失に該当するか否かについて適正な判断をしたとは認められない。したがって、請求人の主張は、採用することができない。(平16.3.17熊裁(法)平15-18)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150018
- 裁決年月日
- 平成16年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716068
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/8その他の手数料等(簿外経費)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、融資会社からの請求に基づいて支払った金額(以下「代位弁済額」という。)は、請求人と融資会社との信用保証契約に基づくものであり、また、請求人の保証預り金の減額として経理処理したといっても、請求人の預金から支払っていることから、法人税法第22条第3項の「その他の費用の額」に該当し、当該事業年度の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、代位弁済額は、請求人と融資会社との信用保証契約に基づくものであること、当該事業年度中に融資会社に支払われていること及び資本等取引にも該当しないことから、請求人が主張するとおり、法人税法第22条第3項の「その他の費用の額」に該当するものの、請求人が融資会社に支払った時点で、信用保証契約及び請求人と債務者との保証委託契約に基づく債務者に対する求償権を取得するから、代位弁済額を損金の額に算入すべきであるとの請求人の主張は、採用することができない。(平16.3.17熊裁(法)平15-18)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150047
- 裁決年月日
- 平成16年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が損金の額に算入しなかった外注費(以下「本件外注費」という。)については、工事の施行の事実があり、実際に外注先に支払ったものであるから損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、工事発注者の工事関係書類、請求人の工事関係書類、外注先の関係者の答述から、外注先の代表者の不正加担した旨の申述内容には信ぴょう性が認められ、請求人は外注先と通謀し、架空の本件外注費を計上し、その支払った工事代金を返金させたものと認められることから、本件外注費は損金の額に算入できない。なお、本件外注費に係る支払とその返金の差額としての金額が請求人から外注先に支払われていたとしても、当該支出は、請求人が架空外注費を計上するという行為に協力した手数料として支出されたものであって、法人税法第22条第4項に規定する公正妥当な会計処理基準に反する処理により法人税を免れるための費用であるから、同条第1項に規定する「損金」には算入されないものと解するのが相当である。(平16.3.16広裁(法)平15-47)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150047
- 裁決年月日
- 平成16年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/5労務費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が水増しであるとして損金の額に算入しなかった従業員退職金については、現実に当該退職者に支払っているから、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該退職者の答述、退職金の支払方法、退職金の振込先の預金口座からの出金手続から、請求人が計上した退職金全額が当該退職者に支払われたとは認められず、当該退職者が受領した金額を超える額は、水増し計上と認められるから損金の額に算入できない。(平16.3.16広裁(法)平15-47)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150057
- 裁決年月日
- 平成16年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人と代表取締役を同じくする関連法人が支払った当該代表取締役に対する役員報酬を、請求人が期首に遡及してその全額を負担することには合理的理由があるから、寄附金に該当せず、損金の額に算入されると主張する。しかしながら、両社の当該代表取締役に対する役員報酬は、正当なものとして既に支給されたものであり、また、兼任以降、両社における当該代表取締役の勤務実態や地位に特に変化はなく、それぞれの法人が役員報酬の額を遡及して増額、あるいは、減額することを許容し得る特段の事情等があったとは認められず、両社が当該代表取締役に対する役員報酬を遡及的に増額、又は減額することは許されないと解されるから、当該役員報酬は、請求人にとって対価の授受のない無償の財産的供与であり、寄附金に該当する。(平16.3.16大裁(法)平15-57)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平150015
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716120
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/12福利厚生費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件慰労金が経営破たんにより脱退した組合員に限定した支払であることから、これらの組合員に対する見舞金であること及び②定款には出資額を限度として持分を払い戻す旨定められていることから、本件慰労金は、資本等取引には該当せず、福利厚生費として損金の額に算入すべき金額である旨主張する。しかしながら、①本件慰労金の支払に関する別段の規定は存在しないこと、②本件慰労金の算定要素は請求人の純資産等としていることなどから、本件慰労金は社会通念上の見舞金とは認められず、本件慰労金は、出資額を限度として持分を払い戻す旨の定款の定めにかかわらず、現実に出資額を超えて支払われており、本件慰労金の支払が取り消された事実は認められないことから、出資者に対してその出資者たる地位に基づいて供与した経済的な利益に当たり、組合員に対して行う利益又は剰余金の分配に該当すると認めるのが相当である。したがって、本件慰労金は、法人税法第22条第5項に規定する資本等取引に該当することから、同条第3項第3号に規定する損金の額に算入すべき金額に該当せず、請求人の主張は採用できない。(平16.2.27福裁(法・諸)平15-15)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150016
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/2従業員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員に対する期末賞与については、その支給を3月から7月に延期することにし、各従業員名義の定期預金を設定したので、各従業員に期末賞与を支給することを通知していなかったが、上記定期預金の設定時に債務が確定し、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、従業員に対する期末賞与については、支給についての賞与規定はなく、支給について各従業員に周知していないこと、各期末までに現実に支給されていないこと、各従業員名義の定期預金は請求人の簿外預金として管理されており、請求人に帰属すると認められることから、債務の確定があったとは認められず、損金の額に算入することはできない。(平16.2.27熊裁(法)平15-16)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150015
- 裁決年月日
- 平成16年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、受注先から過年度の取引に過払いがあったとしてその返還請求を受けた金額の支払債務は本件事業年度末において確定しているから、本件事業年度における請求人の所得金額の計算上、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、当該返還請求は、請求人に対する過年度の発注工事等に係る過払い金の返還を求められているものであるから、法人税法第22条第3項第1号に規定する原価及び同項第2号に規定する期間損益に属する費用でないことは明らかであり、同項第3号に規定する損失に該当するものと認められるところ、請求人において、当該返還請求を受けた金額に係る支払債務が、本件事業年度において確定しているとは認められないことから、当該返還請求を受けた金額を本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平16.2.26高裁(法・諸)平15-15)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150038
- 裁決年月日
- 平成16年2月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が未払金として計上したA社に対する建設機械の平成9年3月分以降の賃借料(以下「本件賃借料」という。)は、支払の必要がなく、A社に対する貸付金等の消滅を目的として便宜的に算出されたもので、架空である旨主張する。しかしながら、当該建設機械の賃貸借契約は平成9年2月20日に一旦終了したものの、更新により継続しており、A社が所有する当該建設機械を、請求人が平成9年2月21日以降も実際に使用している以上、請求人は当該建設機械について適正な賃借料を支払う義務があると認められるから、本件賃借料は、賃借りの実態があると認めるのが相当である。(平16.2.9広裁(法・諸)平15-38)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150014
- 裁決年月日
- 平成16年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件業務委託費は、海外関連会社3社が、業務委託契約に基づき、請求人に対して役務の提供をしたことに対する対価である旨主張する。しかしながら、海外関連会社3社から役務の提供があったことを証するものとして請求人が提出した資料は、いずれも当該関連会社3社の通常の業務の範囲内のものであって、当該関連会社3社が、通常の業務活動とは別に業務委託契約に基づき、特別に請求人のために役務を提供していた事実を認めることはできない。また、請求人は、海外関連会社3社の業務活動は、当該関連会社3社の通常の業務活動と本件業務委託契約に基づく業務の二面性を持つものであるから、両者の区分ができないのであれば、その全額が損金に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件業務委託契約は、海外関連会社3社の通常の業務活動を前提として、請求人が金員を支払うことを約したものであり、請求人と当該関連会社3社が独立した第三者であったならば、当然に採ったであろう取引形態を前提とした場合、不自然、不合理なものであり、経済的合理性を欠くものであるといわざるを得ず、請求人の主張は採用できない。(平16.1.22熊裁(法)平15-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150148
- 裁決年月日
- 平成16年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者は平成14年5月7日をもって請求人の役員を退任しており、本件甲株主総会で退職金の支給が確定している旨主張する。しかしながら、①本件甲株主総会後に開催された本件甲取締役会及び本件乙株主総会に前代表者が取締役として出席している旨議事録に記載があること②本件丙株主総会と本件乙取締役会は同日同時刻に開催されていること③株主総会及び取締役会に出席取締役として押印している者の出席が認められないことからすれば、これらの議事録は内容が不自然であり、平成14年5月7日から同月10日までの間において関係金融機関から前代表者が取締役として復職を要求されたことを裏付ける証拠がないことからすれば、平成14年5月7日をもって前代表者が請求人の役員を退職したと認めることはできない。(平16.1.21東裁(法)平15-148)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150148
- 裁決年月日
- 平成16年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者への退職金は未払ではあるが、代表取締役から取締役への分掌変更であって報酬が激減しているから法人税基本通達9−2−23(本件通達)の要件を満たしている旨主張する。しかしながら、前代表者への退職金は、翌事業年度末においても未払であり、支払について具体的な計画がないことからしても本件通達の適用はない。更に請求人は同通達9−2−24及び9−2−25には未払の場合は適用がない旨の注意書きが付され本件通達には当該注意書きがないから未払であっても本件通達の適用がある旨主張するが、本件通達は引き続き在職する者に対する退職金について特例として損金性を認める取扱いであることから、金銭の支出があった場合を前提とする取扱いであると認められ本件通達の「支給した」という表現は厳格に解釈すべきであり、未払の場合においては原則として適用はないものとするのが相当である。(平16.1.21東裁(法)平15-148)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平150016
- 裁決年月日
- 平成16年1月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、パチンコ器等は、通常3か月ないし6か月サイクルで取り替えられており、使用に供した日から1年未満でその経済的使用可能期間が尽きる属性を有し、また、島設備及び補給装置と一体不可分の関係にあり、機能的に全体の一部を構成する機器に過ぎず、請求人が本件事業年度において、新たに取得したパチンコ器等に代わりに装着した行為は、新規の取得でなく、全体のうちの一部の単純な取替えに過ぎないから、少額減価償却資産の取得に該当し、かつ、取替費用の支出にも該当するから、本件遊技機取替費は、取替時の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、パチンコ器等は、1台を単位として取引され、その取得価額は10万円以上60万円以下であること、使用可能期間の判定は、法人単位ではなく、業種単位の使用状況から判定すべきと解されるところ、請求人が頻繁にパチンコ器等を取り替えていることが認められるがそれは品質の劣化等に起因するものではなく、機種の変更により顧客の興味を誘うなど、もっぱら集客効果を目的としたものであり、風営法等において認定後3年間使用することが認められる等使用可能期間が業種を通じて1年未満であると認めることはできないのであるから、当該パチンコ器等は、取得価額及び使用可能期間のいずれからみても少額減価償却資産に該当するものとは認められない。(平16.1.15仙裁(法・諸)平15-16)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平150016
- 裁決年月日
- 平成16年1月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716186
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/6支出額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件業務委託費は、法人税基本通達2−2−14に定める「前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るもの」に該当するから、本件事業年度の損金の額の算入されるべきである旨主張する。しかしながら、当該通達が、「前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るもの」について、支払った事業年度の損金の額に算入することを認めたのは、重要性の原則に基づく会計処理を認めたものと解され、そして重要性の原則から逸脱するか否かは、支出金額だけでなく財務内容に占める割合や影響等も含めて総合的に判断する必要があると解されるところ、本件業務委託費の財務内容に占める割合や影響が大きいことが認められ、本件事業年度の損金の額に算入することは、重要性の原則により認められる範囲を逸脱するものと認められる。加えて、本件契約は、請求人にとって不利な条件で締結されていることが認められ、また、その支払も不自然かつ不合理なものになっていることが認められることからすれば、本件業務委託費の支払について法人税基本通達2−2−14を適用することは相当でない。(平16.1.15仙裁(法・諸)平15-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150142
- 裁決年月日
- 平成16年1月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/3固定資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・464ページ
要旨
○ 請求人は、仮に、本件各会員権が法人税法上有価証券とならないのであれば、固定資産となるが、本件各会員権は実質的に優先的プレー権がなく、預託金の返還も期待できず、著しく価格が下落したものであることが、法人税法施行令第68条第3号ヘに規定する「特別の事実」に当たるので、本件評価損は損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、固定資産の評価損が損金の額に算入されるのは、法人税法施行令第68条第3号に掲げる事実に限られるところ、①本件事業年度の末日までにおいて、請求人が、本件各ゴルフ場を優先的に利用する権利を失ったという事実は認められないこと、②固定資産の単なる取引価格の下落は、同号イからヘまでに掲げる固定資産の評価損の要件とはされていないこと、③その他これらの規定に該当する事実は認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平16.1.15東裁(法)平15-142)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150142
- 裁決年月日
- 平成16年1月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・464ページ
要旨
○ 請求人は、預託金制ゴルフクラブの会員権は、①施設利用権の要素よりも取引相場における価値に大きなウエイトがあること②非会員を含む誰もがプレーすることができ、預託金の返還も期待できないものであることから、法人税法上のその他の有価証券となり、法人税法施行令第68条第2号の規定により、本件評価損を損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、法人税法上の有価証券は、法人税法第2条第21号及び同法施行令第11条に規定されているものに限られるところ、本件会員権は、これらの規定のいずれにも該当しないことから、法人税法上の有価証券とはならず、本件評価損を法人税法施行令第68条第2号の規定に該当するとして損金の額に算入することはできない。(平16.1.15東裁(法)平15-142)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150142
- 裁決年月日
- 平成16年1月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・464ページ
要旨
○ 請求人は、預託金制ゴルフクラブの会員権は、全く価値のないものであるから、金融商品会計に関する実務指針等の一般に公正妥当と認められる会計基準により経理処理された本件評価損は認められるべきである旨主張する。しかしながら、固定資産の評価損は、法人税法施行令第68条第3項の規定により、その要件を満たした場合に限り認められるものであって、請求人が、金融商品会計に関する実務指針等により、ゴルフ会員権について評価損を計上することとなったとしても、そのことをもって税務上も評価損が認められることにはならないのであるから、請求人の主張には理由がない。(平16.1.15東裁(法)平15-142)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150011
- 裁決年月日
- 平成15年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/3広告宣伝費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件広告宣伝費は関連会社の支店設置に伴う宣伝効果に対する対価であり、関連会社は請求人に対して役務を提供している旨主張する。しかしながら、関連会社からの役務提供を証するものであるとして、請求人が提出した資料からは、①請求人の名称をパンフレットに掲載している事実、②電話勧誘の際、請求人の名称を紹介している事実は確認できるものの、いずれも関連会社の通常の業務の範囲内のものであって、関連会社が特段に請求人のために行ったものであると認めることはできない。なお、請求人は、本件広告宣伝費以外に、関連会社に対して、別途手数料を支払っており、上記のような関連会社の活動により受ける請求人の利益は、当該手数料で清算されていると認めることが相当である。したがって、本件広告宣伝費に係る役務提供の実体が認められないとして、損金の額に算入できないとした原処分は適法である。(平15.12.18熊裁(法)平15-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150033
- 裁決年月日
- 平成15年12月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716081
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/8支払利息/1借入れ、利息支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が主張するような借入金に対する利息の支払はない旨主張する。しかしながら、①請求人の総勘定元帳及び確定申告書において当該借入金が記載されており、また、②当該借入金先の確定申告書には、請求人の主張する金額と同額が請求人からの受取利息の貸付として計上されていることから、当該利息の支払いがあったものと認められ、原処分はその部分について取り消すのが相当である。(平15.12.17関裁(法)平15-33)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150033
- 裁決年月日
- 平成15年12月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702026
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/6部分譲渡等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一括して取得した二つの土地について、当期中に売却した土地と在庫となった土地との取得価額の区分計算を、請求人提出の不動産鑑定評価書の評価額に基づいて行うべきであり、両土地の個性に着目しないで単なる面積按分によった原処分は不合理である旨主張する。しかしながら、両土地は、地続きではないが同一町内に所在し、地勢や地盤、日照、通風、乾燥等の自然的要因、公法上の規制、地域的要因等の多くの点においてほぼ類似しており、客観的な格差はほとんどなく、他に特別な考慮すべき事情も認められないことから、面積按分によった原処分は合理的であると認められる。また、請求人提出の不動産鑑定評価書においては、①間口の差に基づき一方の土地を減価したことの合理性はなく、また、②同土地について認めている第三者の使用権による所有権の制約に基づく減価割合は合理性が認められず、しかも、③他方の土地の上に共同住宅があること(一種の使用権)については全く触れていなことから、当該不動産鑑定書は信頼性に欠け、これに基づく区分方法は合理性を欠くといわざるを得ず、原処分は相当である。(平15.12.17関裁(法)平15-33)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150032
- 裁決年月日
- 平成15年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前払金を架空の農地転用許可手続費用に計上したことは事実であるが、当該金員はだまし取られたものであり、損失として確定しているのであるから損金の額に算入することが認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が損失として確定していたと主張する時期には、相手先は法人としての業務を行っていたことが認められることから、損失が確定していたとは認められず、請求人の主張には理由がない。(平15.12.16関裁(法)平15-32)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150032
- 裁決年月日
- 平成15年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付金を架空の仲介手数料に計上したことは事実であるが、当該金員はだまし取られたものであり、損失として確定しているのであるから損金の額に算入することが認められるべきである旨主張する。しかしながら、貸付先の法人に対して法的な整理が開始された事実はない。また、請求人は貸付先の法人に対して損害賠償請求権を有していると認められるところ、それに加えて、貸付先の法人が有する土地に所有権移転仮登記を経た後請求人に所有権を移転すべき附記登記をするなど、いわば担保の保全を行っていることが認められる。以上のことからすれば、損失が確定していたとは認められず、請求人の主張には理由がない。(平15.12.16関裁(法)平15-32)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150032
- 裁決年月日
- 平成15年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同で産業廃棄物処理事業を行うことを計画し資金を支出したが、許可が取れず失敗した。よって、支出した資金を同事業から回収することは不可能になったのであり損失として確定していることから損金の額に算入することが認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、共同事業の構成員との間で支出した金額の損失分担について協議を継続中であることから、協議が終了しそれぞれの分担額が確定するまでは請求人の損失として確定したとは認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.12.16関裁(法)平15-32)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150032
- 裁決年月日
- 平成15年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702021
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/1造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、雨水排水路改修等工事は、宅地の造成に伴う公共施設の整備負担として、請求人が負うべき義務として確定しているのであるから、同工事の見積額は売上原価として認められるべきである旨主張する。未確定の費用が売上原価となるか否かは、その費用が当該物件に係る債務として確定しており、その義務内容が客観的、一義的に明白で、金額を見積もることができる程度に特定されているかどうかによることとなる。これを本件についてみると、当該雨水排水路改修等工事の計画があり、請求人は各種の準備をしたことが認められる。しかしながら、当該雨水排水路改修等工事はいまだ流動的であり、請求人が工事を実施しなければならないほどに具体的に確定したものであったとは認められない。したがって、当該雨水排水路改修等工事は売上原価として計上できるほどに請求人の義務として確定していたとは認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.12.16関裁(法)平15-32)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150032
- 裁決年月日
- 平成15年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716120
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/12福利厚生費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、架空の造成費として計上した金額のうち一部は請求人の創立記念日の記念品として従業員に配付した物品の購入費用であるから、福利厚生費として損金の額に算入することが認められるべきである旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、福利厚生費として損金の額に算入すべき金額については既に原処分において損金の額に算入されており、それを超えて創立記念日の記念品代を支出した事実は認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.12.16関裁(法)平15-32)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平150010
- 裁決年月日
- 平成15年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表取締役及び前専務取締役を非常勤取締役に分掌変更したことに伴い、平成11年9月期に両名に支給した退職給与は、法人税基本通達9−2−23の要件を満たすので、役員退職給与として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、両名の非常勤取締役への分掌変更は平成11年11月に行われ、平成11年9月期には未だ分掌変更の効果が発生していないので、法人税法第36条及び法人税基本通達9−2−18に照らして、当該金員を平成11年9月期の損金の額に算入することはできない。(平15.12.15沖裁(法)平15-10)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平150010
- 裁決年月日
- 平成15年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の前代表取締役及び前専務取締役が非常勤取締役に分掌変更されたことに伴い、両名に平成12年9月期及び平成13年9月期に分割支給された退職給与の取り扱いについて、①両名の分掌変更後の役員報酬が常勤役員並に高額であり、かつ、他の非常勤取締役よりも高額であること、及び②両名は請求人の関連法人2社の常勤役員を依然として兼務しており、かつ、これら2社は請求人を実質的に支配しているので、両名はこれら2社の常勤役員の地位を活用して依然として請求人の経営に参画していると認められることから法人税基本通達9−2−23を満たさないので、当該金員を役員退職給与として損金の額に算入することはできない旨主張する。しかしながら、次の理由から原処分庁の主張は採用できず、本件は法人税基本通達9−2−23を満たし、役員退職給与として損金の額に算入することができるので、原処分を取り消すのが相当である。① 両名の分掌変更後の役員報酬が高額であるからといって、直ちに両名の職務の内容も常勤役員と同様であるということはできない。② 請求人の関連法人2社が請求人を実質的に支配しているということは、証拠上肯定することができない。③ 両名は分掌変更後、取締役会に出席すること以外に、請求人の経営活動に対して具体的にどのような支配力や影響力を及ぼしているかについて、原処分庁から具体的な主張・立証がなされておらず、かつ、両名の分掌変更後の職務は取締役会に出席する程度である旨の請求人主張を、証拠上否定することができない。(平15.12.15沖裁(法)平15-10)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150009
- 裁決年月日
- 平成15年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716184
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/4弔慰金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の理事兼医師Aの死亡は、労働省労働局長が発遣した本件判断指針の判断要件等にあてはまるので業務上の死亡に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人も自認するようにAは医師の診察及び治療を受けていないこと、②発病していたことを客観的に証明できる証拠等を提出していないこと、③死亡の日以前においても特に変わったことがないこと、④死亡当日も通常どおり勤務していたこと、⑤理事長及び妻等も発症していたとは認識していないことなど、Aの職責の重大性と困難性は推認できるものの、診療業務や日々の言動において、特に異常な点は見受けられず、業務遂行とその死亡の間には、社会通念上何らの必然性があるとは認められないから、業務に起因する死亡とは認められない。(平15.12.9熊裁(法)平15-9)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150028
- 裁決年月日
- 平成15年11月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/1交際費処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が総勘定元帳の接待交際費勘定において計上した相手方の氏名等の記載のない支出(以下「本件支出金」という。)は、取引の対価としての支払であるから租税特別措置法第62条第2項に規定する使途秘匿金には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人の主張する支払の根拠は、上乗せ請求額又は処分在庫の得意先負担額の半額を得意先の担当者にバックするという口約束にすぎず、また、本件支出金が、当該約束に基づいて支払われたものであることの確認もできないので、本件支出金を取引の対価の支払としてされたものと認めることはできない。また、請求人は、原処分庁は、本件支出金の支払年月日、支払金額を特定せず使途秘匿金課税を行っており不当である旨主張するが、請求人の総勘定元帳の交際費勘定には、その支払年月日及び支払金額が記載されており、請求人からは、当該記載が事実に反するとする証拠書類も一切提示されないことからすると、本件支出金は、その記載された年月日に当該金額が、それぞれ支出されたものと推認せざるを得ない。したがって、本件支出金に使途秘匿金課税を課した原処分は適法である。(平15.11.25名裁(法)平15-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150114
- 裁決年月日
- 平成15年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件賃借料に係る当事者間の合意事項は、「回収可能額の全額回収」、すなわち親会社への出来得る限りの資金移動を行えるよう賃借料を設定することであり、請求人の決算が遅れていたために親会社では仮価格の月額500万円で賃料収入を計上し、その後請求人の各事業年度の決算が確定したので、本件各事業年度の本件賃借料を当該当初合意に沿って月額700万円と経理処理したにすぎず、本件賃借料が月額500万円で合意されていたとする原処分庁の主張は事実誤認である旨主張する。しかしながら、請求人の決算が確定し、本件各事業年度の本件賃借料を月額700万円とする当事者の合意が成立したのが平成14年4月であることからすると、当該合意は少なくとも本件各事業年度終了後に成立したものと認められる。そうすると、本件各事業年度終了の日においては、本件賃借料を月額700万円とする事実は生じておらず、本件賃借料は請求人と親会社の間で取り決められていた月額500万円であると認められ、本件賃借料を月額700万円であるとする請求人の主張には理由がない。(平15.11.21東裁(法・諸)平15-114)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150007
- 裁決年月日
- 平成15年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①死亡退職した前代表取締役の功績を総合的に判断すれば、役員退職給与の算定に用いた功績倍率5.0は妥当であること及び②受取保険金の範囲内での支給であることから、本件役員退職給与には不相当に高額な部分の金額はない旨主張する。しかしながら、過大な役員退職給与の額の判定にあたっては、類似比較法人の平均功績倍率をもって判定することが相当であると認められ、①その平均功績倍率は類似比較法人として適切な8社の平均で2.3となること及び②益金としての保険金の受取りと損金としての役員退職給与の支給とは、それぞれ別個に考えるべきものであることから、請求人の主張には理由がない。(平15.11.17高裁(法)平15-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150102ほか 5件
- 裁決年月日
- 平成15年11月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人税法施行令第133条は減価償却資産に係る費用配分の特例であるから、その取得価額の判定は、当該減価償却資産が、企業の事業活動との関連において、その用役を提供し得る状態にあると評価し得る単位をもって行うものと解される。そして法人税基本通達7−1−11は、上記施行令と同様、企業の事業活動との関連において、その用役を提供し得る状態にあると評価できる一定の単位、換言すれば、減価償却資産としての機能を発揮できると認められる単位をもって、取得価額を判定することとしたものである。本件利用権は請求人の営む本件事業に供されるものであるから、その取得価額については、当該事業との関連において、減価償却資産としての機能を発揮できる単位をもって取得価額を判定することとなるところ、本件事業の実態等を総合勘案すると、通常の利用の実効性を維持するためには本件利用権が単独のものとして事業の用に供されているのでなく、2利用権がその減価償却資産としての用役の提供単位である。そうすると、その取得価額は10万円以上となるから、少額減価償却資産には該当しない。(平15.11.17東裁(法)平15-102)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150025
- 裁決年月日
- 平成15年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/3取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、医業収入の大半が社会保険収入である医療法人においては、社会保険収入について消費税が非課税収入となり、必然的に免税事業者を強制され、その結果、消費税法第30条の適用が受けられないことになる。したがって、請求人のような医療法人に係る棚卸資産のすべては非課税収入に対応する資産に該当することとなるので、棚卸資産の取得価額に消費税等相当額を含めるべきではない旨主張するが、法人税法第32条第1項第1号は、購入した棚卸資産の取得価額は、購入の代価に購入のために要した費用を加算した金額とする旨規定しており、免税事業者が棚卸資産を購入した際に支払う消費税等は、棚卸資産を購入するために要した費用と認められるから、購入した棚卸資産の取得価額は、支払った消費税等を含めた金額になると考えるのが相当である。(平15.11.11関裁(法)平15-25)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平150009
- 裁決年月日
- 平成15年10月23日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716187
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/7他支出との区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が損金に算入した業務委託費用は、業務に関する報告書等がなく業務を実施したことが確認できないことから、業務委託契約書は架空のものであり、当該業務委託費用を損金の額に算入しないとした原処分は適法であると主張する。しかしながら、当審判所に提出された業務委託先の従業員の手帳等の証拠から、委託した業務は実施されていると認められるため、委託した業務は実施されていないとする原処分庁の主張には理由がなく、原処分の全部を取り消すのが相当である。(平15.10.23札裁(法・諸)平15-9)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150005
- 裁決年月日
- 平成15年10月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、退職役員の退職事由は業務上死亡によるものであり、本件役員退職金には弔慰金及び慰謝料を含んでおり、不相当に高額な部分の金額はない旨主張する。しかしながら、①退職役員の死亡が業務上であることは、請求人が提出した資料によっても、当審判所の調査によっても認められないことから、請求人が慰謝料といった性格の金員を支給しなければならない理由は見当たらないこと、②本件役員退職金の会計処理は帳簿上及び損益計算書上とも弔慰金及び慰謝料に区分して経理されておらず、ほかに請求人の主張を確認できる証拠書類の提出もないこと及び③退職役員の相続人である請求人の現代表者は本件役員退職金を相続により取得した財産の中に含めて相続税の申告をしていることからすると、本件役員退職金に弔慰金及び慰謝料が含まれているとは認められず、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.10.9金裁(法)平15-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150014
- 裁決年月日
- 平成15年10月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、産業廃棄物最終処分場用地として取得した土地は、特殊な事情を有した鉱業用土地に類似している土地であるから、法人税基本通達7−6−2の定めを準用できるとともに、廃棄物の埋立処理に係る売上に直接対応する費用及び最終処分場廃止後における汚染土壌の除去費用の計算手段として、土地の取得価額の一部を減価償却資産である構築物とみなして減価償却の計算により、その金額を算定したが、当該処理は、費用収益対応の原則並びに法人税法第22条第3項及び法人税基本通達2−2−1によっても認めるべきである旨主張する。しかしながら、法人税基本通達7−6−2は鉱業経営上直接必要な土地で鉱業の廃止により著しくその価値が減少するものについて、当該土地に係る鉱業権について選定している償却方法に準じて損金の額に算入することを特別に認めたものであって、請求人が所有する産業廃棄物処分場として事業の用に供されている土地について、減価償却の方法による損金算入を認めるものではないことは明らかであり、さらに、請求人が売上に直接対応する費用とするため、最終処分場用の土地を構築物とみなして減価償却の方法により計算した金額を損金として処理する会計慣行が確立しているとは認められない。また、汚染土壌を除去するための費用が発生することが認められるとしても、単なる事後的費用の性格を有するものであることから、法人税法第22条第3項及び法人税基本通達2−2−1の適用は認められない。以上のとおり、産業廃棄物最終処分場用地として取得した土地に係る減価償却費を損金の額に算入することはできないとして行った原処分は適法である。(平15.10.8名裁(法)平15-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150073
- 裁決年月日
- 平成15年10月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706062
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/2借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件契約は、当初、借地権を設定する取引の慣行のなかった時期に締結された土地賃貸借契約の更新契約としてなされた本件旧契約の賃貸期間を更に延長したものであり、また、借地上の自己所有の建物は全く売却できないという状況下にあることから、借地権を有しておらず、本件契約における更新料の支払は、法人税法施行令第139条に定める借地権の更新料の支払には当たらない旨主張する。しかしながら、本件規定の適用については、当初の賃貸借契約締結時に借地権利金を授受する取引慣行がなかったとしても、その後に当該慣行が発生し、本件契約締結時において、借地権を有していれば足りると解することが相当であり、本件土地については、既に本件旧契約及び本件契約において借地権の対価の授受が行なわれていること、及び請求人と賃貸人ともに請求人に借地権があると認めていることから、請求人の主張には理由がない。(平15.10.6東裁(法)平15-73)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150068
- 裁決年月日
- 平成15年9月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、リース取引により取得した資産が、建物付属設備等であったにもかかわらず、器具及び備品等に書き換えられた見積書によってリース契約を締結し、支払ったリース料を損金としていたことについて、財務担当者の過失・過誤から生じたもので意図してなされたものではなく、仮装取引ではないから法人税法施行令第136条の3及び法人税基本通達12の3−2−16により、本件リース契約によって支払った本件建物付属設備等に係るリース料のうち減価償却費相当額については、損金算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法第31条第1項は、その内国法人が現に有する減価償却資産につき償却費として損金経理することを損金算入の要件としていることから、法人税基本通達12の3−2−16の取扱いも、現に有しているリース資産について、リース料として損金経理しているときに適用されるものであって、本件のように現存していない器具及び備品等のリース料として損金経理しているときには、同通達の取扱いができないものと解される。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.9.30東裁(法)平15-68)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150003
- 裁決年月日
- 平成15年9月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/1販売費、売上割戻し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が建築業者に支払った本件金員は、請求人と建築業者との間で取り決めた建築業者渡し価額と施主渡し価額との差額であり、建築業者が受取るべき利益相当額であって、謝礼金でもなく、得意先に対する贈答に要した費用でもないので、交際費に該当しない旨主張する。しかしながら、本件金員に係る取引の実態は、①請求人と施主との間において取引の打合せが行われ、②請求人が、施主に対して納品書、請求書等を発行し、③請求人が、その請求した金額を施主から受け取り、④請求人が施主に対して領収証を発行し、⑤請求人は自己の判断した本件金員を建築業者に支払っていることが認められる。そうすると、本件金員の元になった取引は、建築業者に対するものではなく、施主に対するものであり、本件金員の支払いは、建築業者が請求人に施主を紹介した謝礼金と認められ、租税特別措置法61条の4第3項に規程する交際費に該当する。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.9.26熊裁(法)平15-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150008
- 裁決年月日
- 平成15年9月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者に金員を支給した事実はないから、認定賞与課税は取消すべきである旨主張するが、請求人は、売上げを除外し、仕入れ及び支払手数料を架空に計上しており、これらに関する現金の授受は、全て請求人の代表者が行っていることから売上計上されなかった金額及び架空に計上された仕入れ及び支払手数料は請求人の代表者に渡ったと言わざるを得ず、また、請求人の代表者から合理的な説明がされない以上、請求人が行った売上除外、架空仕入及び架空支払手数料により得た金員は、代表者借入金等として経理処理されたものを除き、代表者に対する賞与として支給したと見るのが相当である。(平15.9.11名裁(法・諸)平15-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150009
- 裁決年月日
- 平成15年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/2無償譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関連会社がした、請求人が所有する土地を販売すると同時に当該土地購入者と当該土地の造成工事の請負契約を締結し、関連会社の工事収入とする取引について、請求人の行った土地売買契約、関連会社が行った本件請負契約ともに、正当な取引であると主張する。しかしながら、請求人が販売した土地は、前所有者が所有している時期に粗造成工事が終了していること及び土地購入者は、整地と排水路の設置を条件に請求人から土地の販売価額と本件請負契約金額の合計額で土地を購入したと認識しており、契約書が二分されたのは請求人の都合であると申述していることから、請求人は、請求人の収入である土地売上げの一部を、工事代金に仮装して関連会社に入金させたものと認められ、これを、関連会社に対する寄附金であると認定した原処分は相当である。(平15.9.11名裁(法)平15-9)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150010
- 裁決年月日
- 平成15年9月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/1不動産取引に係る手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の売買契約に際し、買主と契約締結のために面接した際、請求人が支払手数料を支払ったA社の代表者がその場にいたことは、契約に同席していたB社の社員であるCが承知しており、また、支払手数料を支払うことを定めた誓約書を見てもわかるように請求人がA社から本件売買契約に関し役務提供を受けたのは明らかであり、仲介コンサルタント料を支払ったのは事実である旨主張する。しかしながら、買主は、土地は自分が探したもので仲介業者は存在せず、A社の代表者とは面識もない旨申述しており、また、面接時に同席したとされるCもA社の代表者を知らない旨申述している。また、誓約書には、A社が土地の購入者を請求人に紹介することにより、請求人が売買仲介コンサルタント料を支払う旨が記載されているが、誓約書の作成日は、土地売買契約代金の一部が買主から請求人に支払われた日と同一日であり、この時期には、正式な売買契約書の作成は行われていないものの、既に買主との間において土地売買の約束がされ、手付金が支払われたものと認められることから、A社が本件土地の購入者を紹介するとする内容の誓約書は、請求人の都合にあわせて作成されたものであるといわざるを得ない。しかも、請求人の代表者は、結果として役務提供を受けなかったにもかかわらず支払手数料を計上していることが認められる。以上の事実を総合的に判断すると、請求人は、土地売買契約に関しA社が仲介を行っていないにもかかわらず、A社との間で役務の提供がされたがごとく誓約書を作成し、支払手数料を架空に計上していたものと認められる。(平15.9.11名裁(法)平15-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150012
- 裁決年月日
- 平成15年9月11日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が仕入れに計上した金額について、本件覚書に記載された内容を基礎として算定したとする金額をもって損金算入が認められない旨主張する。しかしながら、請求人が計上した土地の使用料、施設の使用料及び原石代相当額の合計額並びに営業指導料等の使用料相当額は、実際に相手から便益を享受したことに対する対価であると認められ、いずれの金額も経済的合理性を欠くとはいえず、原処分はその根拠を欠くことから、その全部を取り消すべきである。(平15.9.11大裁(法)平15-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150052
- 裁決年月日
- 平成15年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件施設は、製品の検査及び開発試験にのみ使用し、製品の生産工程の一部としての機能を有しているので、耐用年数通達1−3−2の趣旨に照らして、機械及び装置に該当し耐用年数が10年である旨主張する。しかしながら、耐用年数通達1−3−2は生産工程の一部として機能している構築物について機械及び装置として取り扱う旨を定めたものであり、建物の内部造作を機械及び装置として取り扱う旨を定めたものではない。そして、本件施設のシールドルームの壁、天井及び床は、本件建物の柱及び梁等に多数のボルト等で固定され、本件施設は本件建物内の部屋として機能するように設計され本件建物と区分して認識できる構造となっていないことから、本件施設は、本件建物に付設されて構造上一体となっているものと認められる。さらに、建物に付設された設備が当該建物から独立した機械及び装置であるというためには、当該設備が建物のそれぞれの用途における使用において客観的な便益を与えるものとしてではなく、建物本来の機能から独立した製品の製造等のための固有の機能を有する設備であることを要するものと解するのが相当であるところ、本件施設は本件建物と構造上一体であり、製造設備として独立の機能を有しているというよりも、本件建物の室内空間の利用価値を高め、本件建物を工場内の検査室として使用することにおいて客観的な便益を与えていると認められるので、本件建物から独立した機械及び装置には該当せず、本件建物の内部造作に該当するものと認められる。また、耐用年数通達1−2−3が定めるように、工場建物について、防音、しゃ光等のために特に内部造作物を施設した場合には、当該内部造作物が機械装置とその効用を一にするとみられるときであっても、当該内部造作物は建物に含めるべきであると解することが相当であると認められ、本件施設も同通達に例示されたものと同様に特に施設された内部造作物と認められるから、本件施設が製品検査のための装置や他の製造設備とその効用を一にするとみられるとしても、本件施設は建物附属設備等に該当するものを除き本件建物に含めて耐用年数31年で減価償却をすべきものと認められる。(平15.9.5東裁(法)平15-52)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150003
- 裁決年月日
- 平成15年8月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、新築賃貸マンションの各戸に取り付けられた踏込み収納家具、浴室乾燥機設備、照明器具、インターホン設備及び洗濯機パンは、それぞれの取得価額が10万円未満であるから、当該設備及び備品は少額の減価償却資産に該当する旨主張する。しかしながら、当該設備及び備品は、建物に固定された内部工作物であり、また、建物と一体となり、建物の使用効果を高める特定の機能を有するものであることから、当該設備及び備品は、いずれも建物及び建物附属設備の一部と認めるのが相当である。(平15.8.25高裁(法)平15-3)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150012
- 裁決年月日
- 平成15年8月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仮設トイレの購入先に支払った運賃(以下「本件運賃」という。)は、請求人らの営業所への発送費用であるから、取得価額に含める必要はなく、本件仮設トイレは少額資産に該当すると主張する。しかしながら、本件運賃は、本件仮設トイレをその仕入先から請求人らの営業所へ配送させるために支払われた費用で、本件仮設トイレという資産の取得のために現実に要した費用であるから、法人税法施行令第54条第12項第1号にいう引取運賃に当たる。したがって、本件運賃の額は本件仮設トイレの購入の代価に加算されるべきである。そうすると、本件仮設トイレの取得価額は100,000円となるから、法人税法施行令第133条に規定する少額の減価償却資産に該当しないとした原処分は適法である。(平15.8.20関裁(法)平15-12)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年8月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人の経営権の譲受けに当たり、経営譲渡契約書に基づき譲り受けた「資材納入権」及び「事業用動産」は、いずれも営業権に該当する旨主張する。しかしながら、「資材納入権」については、関係者の答述から資材を専属的に販売していることを単に「権利」と表現しているに過ぎず、独占的に納品している事実があったとしても、そのことをもって直ちに、別個独立した財産的価値を有する「権利」であると解することはできず、また、「事業用動産」については、関係者の答述等から事業用動産の譲渡があったとは認められないことから、これらは、法人税法施行令第13条第1項第8号リに規定する「営業権」であるとは認められず、本件譲渡契約の実質は、請求人が当該法人を支配下に置くために同社の全株式を本件対価の額で取得したと認めるのが相当である。(平15.8.15熊裁(法)平15-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150029
- 裁決年月日
- 平成15年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 前代表取締役甲の代表取締役から取締役(会長)への分掌変更に伴う役員退職給与の支給について、請求人は、甲が当該分掌変更により実質的に経営に参画せず法人税基本通達9−2−23に定める退職したと同様の事情にあり、また、株主総会及び取締役会の決議を経て支給も適正であるなど形式的な一連の手続を経ている旨主張する。しかしながら、甲は、①請求人の発行済株式の全部を所有し、分掌変更後も株主総会及び取締役会に出席するなど請求人の経営にいつでも参画できること、②分掌変更後も請求人に常勤し営業や営業所の業務に関与していること、③業務担当の各責任者は請求人の経営に関する権限はないこと及び④新たに代表取締役になったのは甲と生計を一にする妻であり、その生計を一にする甲と妻の月額報酬合計額は分掌変更前の甲の月額報酬と同額であり実質的に変化がないことから当該通達に定める退職したと同様の事情にあるとは認められず、また、形式的な要件を備えたことをもって役員を退職したことにはならないから、当該役員退職給与の損金算入は認められず、役員賞与と認定した原処分は相当である。(平15.8.4東裁(法)平15-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150006
- 裁決年月日
- 平成15年7月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300711020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/2従業員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当該決算賞与について、当事業年度末までにすべての従業員の各人ごとに当該賞与支給額を記載した文書に押印させて通知(確認)をしていることから、法人税法施行令第134条の2第2号に規定する要件を満たしている旨主張する。しかしながら当該文書の作成過程並びに請求人の従業員及び元従業員の申述等から、すべての従業員について当該文書の押印・確認を当該事業年度末までに行ったとは認められないことから、当該事業年度において同号の規定の要件を満たしておらず、当該決算賞与を未払金として損金算入することを認めなかった原処分は相当である。(平15.7.31関裁(法)平15-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150009
- 裁決年月日
- 平成15年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者が作成したメモは、請求人の取引先に対する債権の回収に係るメモではなく、代表者が個人的に行っていた融資に係るメモであるから、請求人が当該債権の回収を行った事実はなく、当該債権を貸倒処理したことは正当である旨主張する。しかしながら、①当該メモが請求人の事務所内で発見されたこと、②当該メモの「請求総額」の金額が当該取引先に対する債権額に見合うこと、③当該メモには請求人の取引先が振り出した手形及び小切手に係る金額が記載されていること、④当該メモの現金入金額の記載も、当該金額と手形及び小切手の金額とを単純に合計した累積額が記載されていることからみて当該取引先に対する債権の回収に係るものと認められる。したがって、請求人は、当該取引先に対する債権を簿外で回収したものと認められ、原処分は相当である。(平15.7.8東裁(法・諸)平15-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150005
- 裁決年月日
- 平成15年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、船舶が取得した平成11年3月期において所在不明となり除却処分したことから、船舶に係る固定資産除却損は損金の額に計上すべきである旨主張する。しかしながら、①請求人が原処分庁に提出した船舶譲渡証は船舶の取得を証明するものではないこと、②売主とされる者へ譲受代金を支払ったとする具体的、客観的事実が認められないこと、③船舶を係留し維持管理をした事実がないこと④船舶の船舶検査証書等を請求人が所持していないこと及び⑤請求人から船舶を購入したに足りる具体的な証拠の提出がないことなどから、請求人が船舶を取得した事実はないと判断され、固定資産処分損の損金計上は認められない。(平15.7.4東裁(法)平15-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150005
- 裁決年月日
- 平成15年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/2売上原価等処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件支出金は債券の借入れに係る対価として支払った利息相当額であること、また、原処分庁が帳簿書類等に相手方の氏名等の記載がないことのみにより使途秘匿金課税したことは租税特別措置法第62条の立法趣旨に反すること等から、使途秘匿金の支出に係る更正処分は違法又は不当である旨主張する。しかしながら、本件支出金は、請求人が支出した金員であることは認められるが、その支払の相手方の氏名等を帳簿書類に記載していないことについて相当な理由があると認めることはできず、かつ、資産の譲受けその他の取引の対価として相当であることを裏付ける証拠資料等の提出がないこと等から、本件支出金を使途秘匿金の支出と認定した原処分庁の判断は相当である。(平15.7.4東裁(法)平15-5)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150002
- 裁決年月日
- 平成15年7月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失として計上した貸付金は得意先の紹介等で世話になっていたA社からの依頼により貸し付けたものであり、当該貸付金は請求人に帰属する貸付債権である旨主張する。しかしながら、請求人とA社との間で金銭消費貸借契約を取り交わしたと認めるに足る証拠資料はないこと、A社の破産申立書に添付されている債権者一覧表には、本件貸付金の記載がないこと、請求人は債権者として債権届出ができるにもかかわらず、裁判所に対して債権届出書を提出していないことからすると、この貸付債権が存在していたと認めることはできず、これを貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平15.7.3高裁(法)平15-2)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150002
- 裁決年月日
- 平成15年7月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/5労務費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各事業年度の損金に計上した人件費のうち、Aら4名に支払った金員は、業務に応じた役務の対価として支払ったものであり、架空の人件費ではないから本件各事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張する金員をAら4名に支払った事実は、原処分庁も認めるところではあるが、Aら4名が請求人の業務に従事したことを証する資料もなく、また、役務の提供をした事実を証する資料もないことから当該金員は役務の提供による対価と認めることができず、むしろ寄附金に該当すると認めるのが相当である。(平15.7.3高裁(法)平15-2)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150002
- 裁決年月日
- 平成15年7月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各事業年度の損金に計上した外注費のうち、A社及びB社に支払った金員は、業務に応じた役務の対価として支払ったものであり、架空の外注費ではないことから本件各事業年度の損金に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張する金員をA社及びB社に支払った事実は、原処分庁も認めるところではあるが、A社及びB社が請求人の業務に従事したことを証する資料もなく、また、役務の提供をした事実を証する資料もないことから当該金員は役務の対価として支払われたものと認めることができず、むしろ寄附金に該当すると認めるのが相当である。(平15.7.3高裁(法)平15-2)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140081
- 裁決年月日
- 平成15年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各設備は、いずれも大気汚染防止法(以下「大防法」という。)第2条《定義》第1項に規定する「ばい煙」に該当するダイオキシン類の発生を抑制するための機械装置であるから、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第6に掲げる「ばい煙処理用減価償却資産」に該当する旨主張する。しかしながら、①ダイオキシン類は、大防法第2条第1項の「ばい煙」には含まれていないこと、②ばい煙処理用減価償却資産に該当するためには、ばい煙を直接処理し、又はそれに附属する機械装置であることが要求されることから、本件各設備のうち、有害ガス除去装置、ガス冷却室及び廃熱ボイラ等は、ばい煙処理の用に供されている機械装置と認められ、同省令別表6のばい煙処理用減価償却資産に該当するが、その余の機械装置は、ばい煙処理の用に供されている機械装置とは認められないことから、ばい煙処理用減価償却資産に該当しない。(平15.06.30.名裁(法)平14-81)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140130
- 裁決年月日
- 平成15年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件リース契約に係るリース資産がショーケース等の器具備品ではなく、税務計算上売買として扱われる建物附属設備等であったことについては争わず、当該リース契約に係るリース料について、法人税基本通達12の3−2−16の定めにより、これを当該建物附属設備等に係る減価償却費として損金経理した金額と取り扱うべきである旨主張するが、リース物件を他の資産に仮装していることから、その仮装した資産のリース料を損金経理をしていたとしても、現にリースを受けた資産に係るリース料を賃借料等として損金経理をしたものではないので、そのリース料を償却費として損金経理したものと認めることはできない。(平15.06.30.関裁(法)平14-130)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140090
- 裁決年月日
- 平成15年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社からの請求書の品名欄の記載は、単なる便宜上のものであり、外注費に係る金員の支払は、実際は、B社の経営管理等の役務の対価として支払ったものである旨主張する。しかしながら、B社の経営管理等の役務の対価を、なぜA社に対する外注費としたか不明であることに加え、経営管理等の役務の対価の支払いであったという事実も認められず、また、請求人、B社及びA社間における経営管理等の役務の対価や開発費の存在を裏付ける請求書等の資料の提出もなく、算定根拠すらも明らかにしていないことから、請求人の行った経理は極めて不自然なものであり、実体のない架空の外注費であると認められ、本件事業年度の損金の額に算入できない。(平15.06.25.大裁(法・諸)平14-90)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140122
- 裁決年月日
- 平成15年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、非常勤取締役に支給した一時払い給与は役員報酬であり、支払保険料のうち役員報酬と経理した給与相当額は株主総会決議の役員報酬総額の範囲内にある旨主張する。しかしながら、一時払い給与は法人税法35条4項の要件を満たさない役員賞与であり、役員報酬と経理した給与相当額は取締役会決議の報酬支給限度額を超える過大役員報酬であるから、原処分に違法はない。(平15.06.25.関裁(法)平14-122)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140123
- 裁決年月日
- 平成15年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、B社が請求人の依頼によりA社とガスの仕入単価等の交渉を行ったことにより、本件手数料を受領したものであり、本件手数料は、請求人が受領すべきものであるからB社に対する寄附金であるとした原処分は違法であると主張する。しかしながら、A社の請求人に対する供給契約にB社による仲介の事実はなく、本件手数料金額が納入数量に一定の単価を乗じて算定されていることからすると、本件手数料は、請求人が収入すべき仕入割戻しと認められるところ、請求人は、A社に要請してB社との間で本件手数料契約を取り交わさせ、仕入割戻し相当額をB社に振り込ませていたものと認められるから、請求人は、当該仕入割戻し相当額をB社に贈与したものと認めるのが相当であり、本件手数料をB社に対する寄附金に当たるとした原処分は相当である。(平15.06.25.関裁(法)平14-123)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140123
- 裁決年月日
- 平成15年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件給付金は、C男らとの雇用契約に基づいて支払ったものであるから、本件給付金をD社に対する寄付金とした原処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件給付金は、労働の対価とは名目にすぎず、その実質は、本件土地等の立退料の一部(分割払金額)と認めるのが相当であり、本件給付金は、本件土地等の取得者であるD社において本件土地等の取得価額に算入されるべきであるところ、請求人は、本件雇用契約を取り交わして、請求人における非常勤職員の給与という名目の下に本件給付金を支払うことにより、D社が支払うべき立退料の一部を負担し、当該金額を請求人の損金の額に算入したものと認められるから、本件給付金は、D社に対する贈与と認めるのが相当であり、本件給付金相当額をD社に対する寄附金とした原処分は相当である。(平15.06.25.関裁(法)平14-123)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140273
- 裁決年月日
- 平成15年6月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300713010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/1交際費処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・436ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人が贈答したとするビール券については、請求人の帳簿書類にその相手方の氏名等が記載されておらず、その使途を明らかにする帳簿、証ひょう等の提示もないことから、租税特別措置法第62条第2項の使途秘匿金の支出に当たる旨主張する。しかしながら、①当該ビール券は、通常の中元・歳暮の時期に購入先を通じて配送されたことが認められること、②請求人は、調査対象事業年度における当該ビール券の配送申込票は保管していないものの、保管している直近の申込票等からみて、配送先は請求人の取引先であると推認されること及び③各配送先への配送枚数からみて、金額的に中元・歳暮用品として相当であると認められることから、当該ビール券の引渡しの相手方の氏名等を帳簿書類に記載しないのが通例であると認められる。したがって、租税特別措置法第62条第2項の「相当な理由」があるから、当該ビール券の引渡しは使途秘匿金の支出には当たらない。(平15.06.19.東裁(法)平14-273)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140116
- 裁決年月日
- 平成15年6月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、合併に際しては、被合併法人の資産・負債を再評価して受け入れるべきであり、旧法人税基本通達4−2−14《被合併法人の償却超過額等の否認金》に定めるとおり、被合併法人が有する一括償却資産の損金算入限度超過額を合併法人が引き継ぐことはできないから、当該限度超過額について、その償却費を損金の額に算入することはできない旨主張するが、一括償却資産の損金算入に関する制度は、少額な減価償却資産について個別管理することの事務負担に配慮して設けられた制度であり、その趣旨から、法人税基本通達7−1−13《一括償却資産につき滅失等があった場合の取扱い》においては、一旦一括償却資産として償却することを選択した上は、その後滅失、除却等の事実が生じたとしても、3年間にわたって償却すべき旨が定められているのであるから、合併に際し、一括償却資産について改めて通常の資産と同様の個別評価を求めることは、かかる趣旨・取扱いに照らし判断しても、不合理といわざるを得ない。したがって、一括償却資産の償却超過額は、旧法人税基本通達4−2−14に定める減価償却超過額ではなく、同4−2−4(3)に定める「被合併法人が損金として計上した費用又は損失で損金の額に算入されなかったもの」に該当するものと解するべきであり、その否認額に相当する資産が合併法人に受け入れられたものとして取り扱うのが相当である。(平15.06.18.関裁(法)平14-116)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平140033
- 裁決年月日
- 平成15年6月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、新工場建設に係る開発行為の許可を受けるために支出した用水路整備費用について、法人税法施行令第14条第1項第9号ホに規定する自己が便益を受けるための支出には該当せず、地方公共団体に対する寄附金に該当する旨主張する。しかしながら、用水路整備費用の支出に対価性があるか否かについてみると、請求人は、新工場用地を埋め立てるに際し、農業環境及び災害防止の観点から関係者と十分に協議することを地方公共団体と事前確認していること並びに請求人は、中央用水路により分断されている新工場用地を有効利用するための通路を確保する必要性から請求人の要望により中央用水路を原則として許可されない暗渠構造とし、中央用水路上に確保した通路の占用許可を受けて利用していることが認められ、これらの事実を併せて考えると、用水路整備費用は、開発行為を実施することによる災害防止の観点等からの用水路の拡幅及び請求人が新工場用地を有効利用するという自己が便益を受けるための公共施設の工事費用の支出であると認められ、当該支出には対価性があることから、法人税法第37条第3項第1号により損金の額に算入される寄附金には該当しないこととなる。また、用水路整備費用により設置された用水路は、地方公共団体の所有であることから、当該費用は、法人税法施行令第14条第1項第9号イに規定する自己が便益を受ける公共的施設の設置又は改良のために支出する費用に該当することとなる。(平15.06.12.福裁(法)平14-33)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140064
- 裁決年月日
- 平成15年6月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716160
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/16損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、クレーム商品に関して支払ったとする損害賠償金について、①クレームの相手先が当該損害賠償金を受領していない旨申述している、②決済金が代表者家族名義の預金へ入金されていることを理由に架空の損害賠償金として更正処分した。しかしながら、①請求人はクレームの相手先からの領収証を保存していること、②クレームの相手先は、当該損害賠償金を受領していない旨答述するものの、帳簿、使用中の領収証、会社印を当審判所に提示せず、信用できないこと、③決済金は、一旦代表者家族名義の預金へ入金されているが、同日現金で出金されていること、④クレーム商品の製造業者が請求人へ損害賠償金を支払っていることからすると、請求人はクレームの相手先へ損害賠償金を支払ったことが認められる。(平15.06.11.広裁(法諸)平14-64)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140064
- 裁決年月日
- 平成15年6月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、帳簿に記載していなかった支出があり、当該支出が、事業用の経費として支出され、損金の額として認められべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、益金の額に計上しなかった売上金額に対する当該経費の支出割合を主張するのみで、その支払の事実、支払先、時期及び金額等を特定せず、かつ、当審判所に対して、当該経費を支払ったことを証する書類等を提示しないから、請求人の主張は認められない。(平15.06.11.広裁(法諸)平14-64)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140013
- 裁決年月日
- 平成15年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税基本通達9−6−3を根拠に本件貸付金等を貸倒れ処理することができる旨主張する。しかしながら、同通達は、商品の販売、役務の提供等の営業活動によって発生した売掛債権のうち継続的な取引を行っている債務者に対するものについては、履行遅滞があったからといって直ちに債権確保のための手続をとることが事実上困難であり、債務者の資産状況、支払能力等の悪化を見極めた上で、取引を停止する場合があることから、そのような場合に企業が行う貸倒れ処理に関する取扱いを明らかにしたものであると解されるところ、保証債務の履行金額等である本件貸付金等は、請求人の営業活動によって発生した債権ではないから、同通達の対象外であると解するのが相当であり、請求人の主張は採用できない。(平15.06.10.沖裁(法)平14-13)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140013
- 裁決年月日
- 平成15年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716066
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/6その他の手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、現金で支払った本件手数料は本件事業年度の所得の計算上損金の額に算入されるべきであると主張する。しかしながら、当審判所において請求人の会計帳簿等を調査したところ、本件手数料の経理処理は他の経費の支払と比較して著しく異例かつ不自然であり、現金で支払ったとする請求人の主張は信用することができない。さらに、平成9年6月30日に本件手数料を甲に対して仮払いした金額の中から支払ったとする会計処理は、帳簿上仮払金として受け入れることとなった簿外支出金額の経費化を目的とした架空のものと認められるので、損金の額に算入することはできない。(平15.06.10.沖裁(法)平14-13)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140013
- 裁決年月日
- 平成15年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金等について、法人税基本通達9−6−2でいうところの「全額が回収できないことが明らかになった場合」とは破産手続完了のときに限らず、請求人の独自調査によって本件貸付金等のほぼ全額が回収できないことが判明した場合も含まれるべきであると主張する。しかしながら、金銭債権については、法人税法第33条第2項の規定により評価損の計上が禁止されていることにかえりみ、法律上債権が存在するにもかかわらず、事実上回収不能であることを理由として帳簿上これを貸倒れとして処理することができるのは、金銭債権の全額が回収不能である場合でなければならず、また、企業の主観的判断によって債権の回収可能性が左右され貸倒れ処理が利益操作に用いられることのないよう、当該債権の全額が回収不能となった事実が客観的に認知し得た場合に当該回収不能額を貸倒れ処理することが、一般に公正妥当な会計処理の基準に適合するというべきであり、法人税基本通達9−6−2はこのことを定めたものと解される。そうすると、法人税基本通達9−6−2でいうところの「全額が回収できないことが明らかになった場合」とは、当該債権の全額が回収不能となった事実が客観的に認知し得た場合を指すのであるから、本件貸付金等は破産手続完了のときをもって損金の額に算入すると判断した原処分は相当である。(平15.06.10.沖裁(法)平14-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140263
- 裁決年月日
- 平成15年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が、領収証等のない現金仕入について、架空仕入であるとして更正処分を行ったところ請求人は、外部の監査法人に実地棚卸を依頼し、各更正処分の対象事業年度の各期末棚卸高を合理的に算出したところ、架空とされた現金仕入高の一部が架空でないと認められるので、本件更正処分の一部を取り消すべきであると主張する。しかしながら、請求人の主張する算出方法においては、算出した実数値は、あくまでも平成12年7月末現在の商品棚卸高と平成12年中の商品紛失額及び廃棄処分額、毎年の買掛仕入高のみであり、実数値以外は、推計値にすぎず、推定の前提となった事実も確かなものとは認められないことから、請求人の主張する方法は、信用性に乏しく採用することはできない。(平15.06.10.東裁(法・諸)平14-263)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140030ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年6月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各貸付金の取引は本件簿価譲渡計画に基づく真実のものであり、請求人が取得し、取立不能が明らかとなったことから、請求人が貸倒処理をしたものである旨主張する。しかしながら、①本件簿価譲渡計画の全貌は請求人グループの代表者のみしか知りえず、また、当該計画が存在したことを証する証拠書類等はないことから、当該計画が存在したとは認められず、②多額の貸倒損失が見込まれる本件各貸付金を簿価で取得しなければならない経済的合理性もないこと及び③本件各貸付金が多額の債権であるにもかかわらず、何らの保全措置を行った事実も認められず、また、本件各貸付金の存在自体が疑わしいことなど、請求人が本件各貸付金を取得した事実があったと認めることはできないから、請求人の主張には理由がない。(平15.06.06.高裁(法)平14-30)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140029
- 裁決年月日
- 平成15年6月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、営業権の取引が請求人に帰属しないことから、当該取引に係る決済金額の一部を代表者に対する賞与としたのは、原処分庁の事実誤認である旨主張する。しかしながら、営業権の譲渡に係る取引は請求人に帰属すると認められる。そして、譲渡代金の一部を代表者名義の預金口座で取り立てていること及び譲渡先から決済代金が振り込まれる預金口座から請求人の代表者又は同人の代理人が引き出していることが認められ、また、調査担当職員のこれらの金員の使途の説明の求めに対し納得するに足る説明をしなかったことからすると、当該金員は同人に支出されたものと推認される。そうすると、その支出の状況は、代表者に対して定期的に支給されたものではないから、当該支出された金員は賞与に該当する。(平15.06.03.高裁(法・諸)平14-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140109
- 裁決年月日
- 平成15年6月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社W社に対する本件土地の売買について、売買代金62,000,000円が土地の適正な売却価額である旨主張し、土地の帳簿価額から売買代金を控除した144,081,751円を固定資産売却損として損金の額に算入している。しかしながら、本件土地の鑑定評価額等からすると、本件土地の売買代金は底地相当の価額と認めるのが相当であり、また、請求人は、本件売買契約と同時に締結された本件賃貸借契約によって借地権を取得したと認められるところ、請求人がW社に対して借地権設定の対価を支払っていないことも認められる。そうすると、請求人は、本件土地をW社に売却すると同時に、本件土地に係る借地権をW社から取得し、本件土地の対価の一部と借地権設定の対価を相殺した上で、本件土地の売買代金が決定されたものと認められる。したがって、本件土地の固定資産売却損の額は、本件土地の帳簿価額から本件土地の売買代金と借地権設定の対価の額の合計額を控除して算出する必要があり、当審判所において算定したところ102,748,418円となる。(平15.06.03.関裁(法)平14-109)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140023
- 裁決年月日
- 平成15年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、調達した資金をその借入利率よりも低い利率で関係子会社に貸付けていたことは、①当該貸付利率は公定歩合を上回っていること、②当該子会社及び関係会社全体の経営健全化、効率化につながるものであることから、合理的な理由があり、また、法人税基本通達9−4−2の「相当な理由」に該当し、調達資金に係る支払利息と貸付金に係る受取利息との差額は寄付金には該当しない旨主張する。しかしながら、当該貸付利率は公定歩合を上回っているものの、平均借入利率を下回っており、低利貸付けによる経済的利益の供与は、特殊な関係によることからなされたものであると認められ、不自然、不合理であり経済的合理性を有するとは認められない。また、当該子会社は、①債務超過の状態にあるものの直ちに倒産に至る状態ではない、②業務の拡大を図り、売上高及び営業利益とも著しく増加・好転している、③請求人から資金の借入れをしていながら、他方では、請求人の他の関係会社に資金の貸付けを行っている、④具体的な再建計画まで立てた事実もないことが認められる。そうすると、請求人から当該子会社に対する貸付けは、業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行なわれたものとは認められず、法人税基本通達にいう「相当な理由」には該当しない。したがって当該子会社に対する貸付金の借入利率と貸付利率の金利差に係る利息相当額は、請求人の収益になると認められ、請求人は当該利息相当額をいったん収受した後、これを当該子会社に贈与したもの、すなわち経済的利益を無償で供与したことに当たり、これは法人税法第37条第6項に規定する寄付金の額に該当する。(平15.05.30.熊裁(法・諸)平14-23)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140028
- 裁決年月日
- 平成15年5月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 1請求人は、岸壁使用料には全額対価性があり、その他の寄附金に該当するとは認識していない旨主張する。2ところで、一部漁協に対する岸壁使用料が、請求人が工事をする際のブロックの仮置き及び養殖場の汚れに対する補償であれば対価性が認められるものの①その明細は不明であり、②養殖場の汚れに対する補償部分についても、当該養殖場を使用している組合員に配分していないこと及び③年間の支払金額が一定であることからすると、これは請求人の船舶等が漁港へ出入りすることに対する迷惑料であって、それに対価性があると認めることはできない。また、他の漁協に対する岸壁使用料は、その名目は岸壁使用料ではあるが、岸壁を使用するということでなく、実質は漁港工事に伴う地元負担金の肩代わりであると認められる。そうすると、請求人が岸壁使用料の名目で支出した金員には対価性がなく金銭の贈与と認めるのが相当であるから、その全額が法人税法第37条第6項に規定する寄附金に該当する。そして、当該寄附金は、法人税法第37条第3項ないし第5項に規定するいずれの寄附金にも該当しないことから、同条第2項の規定でいう寄附金(その他の寄附金)に該当する。(平15.05.29.高裁(法)平14-28)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140066
- 裁決年月日
- 平成15年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/2勤務事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の妻は検査業務等に従事しているから、代表者の妻に対する給与の支払は正当である旨主張するが、請求人の従業員はタイムカードにより勤務時間の管理が行われ、給与は日給月給制であり、その日給も請求人の代表者が決定しているところ、従業員であるAに対する賃金については、①タイムカードにより勤務時間及び勤務実績が全く管理されていないこと、②給与は月給制であること、③しかも、その勤務実績等を把握することなく毎月定額が支払われていること、④請求人の営業日に出勤すらしていないことから、代表者妻に対する給与は、雇用契約に基づきAが提供した労務の対価として支払ったものとは認められない。(平15.05.29.名裁(法)平14-66)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140108
- 裁決年月日
- 平成15年5月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710045
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/5その他の経費との区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、架空外注費について、本件借名預金口座へ送金後、代表者の妻A(取締役で経理責任者)の多額の衣料品購入に費消されたとして同人への役員賞与と認定した原処分に対し、衣料品購入の事実はなく、また、請求人と衣料店主Bとの間に営業上の取引がないことから請求人からBへの寄付金とすべきである旨主張する。しかしながら、架空の外注費の計上及び資金の送金の実行又は指示は、Aであるところ、請求人も自認するとおり請求人とBとの間に営業上の取引はなく、また、Aは、従前Bの上得意として衣料品を購入していた事実があることからすれば、Aの衣料品購入取引が本件各事業年度においても継続していたかどうかはともかくとして、本件借名口座からBへの資金の流れは、A個人の取引に関係するものと認めるのが相当であり、請求人による資金の支払と認めることはできない。したがって、架空外注費のうち本件借名預金口座への振込分については、請求人の当座預金から架空外注加工費相当額が出金された時点において、Aへの役員賞与として支給されたもの、すなわち同人に帰属したものと認めるのが相当であり、当該金額を請求人からBに対する寄附金であると認めることはできない(平15.05.28.関裁(法・諸)平14-108)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140108
- 裁決年月日
- 平成15年5月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件マンション家賃について、代表者が時折宿泊し、商談の場所とするなど請求人の事業に使用していたから、請求人の支払家賃として損金算入すべきである旨主張するが、本件マンションには代表者の子女が居住しているところ、請求人において、本件マンションを事業所として使用していたとの認識があったのであれば、その家賃のうち事業使用部分相当額を請求人の支払家賃勘定に計上するはずであり、請求人が本件マンション家賃を外注費に仮装していたことからすれば、請求人は本件マンションを元々事業所として認識していなかったものと認めざる得ない。また、仮に、父親である代表者が子女の住居である本件マンションに宿泊することがあったとしても、そのことをもって請求人の事業所として使用されていたことの証明にはなり得ず、他に本件マンションを請求人の事業用と認めるに足る証拠はないから、マンション家賃を請求人の支払家賃として損金の額に算入することはできない。(平15.05.28.関裁(法・諸)平14-108)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140065
- 裁決年月日
- 平成15年5月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、社有地を譲渡するとともに、当該社有地を含む土地についての造成工事(以下「本件造成工事」という。)を請け負い、社有地の譲渡に係る仲介料及び本件造成工事に係る外注工賃を特定の者に支払った。そして、当該仲介料及び外注工賃(以下「本件支払」という。)は、請求人の設立から本件造成工事完了までの間における「コンサルタント料」、「庭木キャンセル料」、「地元の開発同意対策費」及び「本件造成工事総監督料」としての支払であって、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、上記主張に関して、請求人からは、これらに関する具体的な証拠資料の提示がなく、本件支払の起因となった取引に係る関係人の申述及び答述並びに証拠資料からは、当該特定の者が役務の提供を行った事実はないものと認められ、他に請求人の主張を認めるに足りる証拠もないことから、本件支払は、直接的な対価性を伴わないでした支出であり、寄附金と認められる。(平15.05.26.名裁(法)平14-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140248
- 裁決年月日
- 平成15年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人税法施行令第133条は減価償却資産に係る費用配分の特例であるから、その取得価額は、当該減価償却資産が、企業の事業活動との関連において、その用役を提供し得る状態にあると評価し得るもの(事業供用)を単位としたその取得価額をいうものと解される。そして法人税基本通達7−1−11は、上記施行令と同様、企業の事業活動との関連において、その用役を提供し得る状態にあると評価できる一定の単位、換言すれば、減価償却資産としての機能を発揮できると認められる単位をもって、取得価額を判定することとしたものである。本件利用権は請求人の営む本件事業に供されるものであるから、その取得価額については、当該事業との関連において、減価償却資産としての機能を発揮できる単位をもって取得価額を判定することとなるところ、本件事業の実態等を総合勘案すると、通常の利用の実効性を維持するためには本件利用権が単独のものとして事業の用に供されているのでなく、2利用権がその減価償却資産としての用役の提供単位であることは見やすいことであるから、その取得価額は1利用権の価額に2を乗じた145,600円であるため、本件利用権は少額減価償却資産に該当しない。(平15.05.16.東裁(法)平14-248)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140099
- 裁決年月日
- 平成15年5月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注先5社に対し支払った本件支出金は、外注工事に係る実際の支払額を未成工事支出金に計上したものであるから、本件工事が完成した事業年度の完成工事原価として損金の額に算入されるべきであると主張するが、これら5社に対する外注工事の発注金額は、通常対価の額に、これら5社が特別養護老人ホームに対し支出した本件寄附金相当額を水増ししたものであり、本件支出金は、これら5社に対する本件寄附金の資金を贈与したものと認められるから、未成工事支出金には該当しないと解すべきであり、本件工事が完成した事業年度の完成工事原価の額に計上していたとしても、これを当該事業年度の損金の額に算入することはできない。(平15.05.15.関裁(法・諸)平14-99)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140057
- 裁決年月日
- 平成15年5月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度役員報酬は、有価証券の売却益に見合うように決めたものではなく、事業年度の開始の時に決定し、月別総括集計表に記載のとおり、毎月支給していたのであるから、損金の額に算入されるべきであると主張する。しかしながら、①本件事業年度役員報酬は、本件各事業年度において株主総会及び取締役会等の決議を経ることもなく繰り返し変更されていること、②有価証券の売買益に見合うように役員報酬の金額を決定し、源泉徴収に係る所得税の納期限である1月と7月に直前6か月分を支給したとして月別総括集計表に記載していたと認められること、③請求人は総勘定元帳等の帳簿書類を作成しておらず、実際に各月いくらの役員報酬を支給しているか明らかにされないことを併せ考えると、あらかじめ定められた支給基準に基づいて、月以下の期間を単位として、規則的に反復継続して支給されたものとは認められず、法人税法第35条《役員賞与等の損金不算入》第4項の規定により、役員賞与に該当するから、損金の額に算入することはできない。(平15.05.09.名裁(法)平14-57)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140028
- 裁決年月日
- 平成15年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/5修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遊戯島工事については、地震により遊戯島全体に多大な損害が生じたため、一部修繕不要部分を残して現状回復のため復旧修繕工事を行ったものであり、修繕費として本件事業年度の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、遊戯島については、既存の島設備を一度すべて撤去し、店内の床面がすべて見えるように平らな状態にしたこと、ランプ及びサンド等は、既存のものを少し使用しているが、それ以外はすべて新しいものを使用していること及び地震発生後5年9か月もの間営業していることを総合的に判断すると、当該地震が遊戯島設備工事の直接の原因とした復旧修繕工事とは考えられず、遊戯島のすべてを徹去し、新しく島を設置する工事をしたとみるのが相当である。(平15.04.25.仙裁(法)平14-28)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140028
- 裁決年月日
- 平成15年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/3資本的支出と修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、データ配線端子盤の取得は、既存の端子盤及び配線の老朽化によりそれらを単純に交換したものであることから、備品消耗品費として全額本件事業年度の損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、工事を実施した業者の申述によれば、アダプターの再生が一部あるものの、総合的には各パチンコ台又はスロット台からホールコンピュータに接続されるまでの間のものを一体として機能させるため、新たな配線工事が行なわれたものであり、新たな、資産を取得したと認められる。(平15.04.25.仙裁(法)平14-28)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140095
- 裁決年月日
- 平成15年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/1たな卸資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・387ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地が地すべり防止区域の指定を受けたことにより、本件地すべり等防止法の許可を受けたものの、その際に付された許可条件を満たすための工事が工法上困難なものであるため、分譲マンションを建設することができない土地となっており、そのことが法人税法施行令第68条第1号ニの「準ずる特別の事実」に該当するから、本件評価損の損金算入が認められるべきである旨主張するが、請求人は分譲マンション建設のため本件都市計画法の許可及び本件地すべり等防止法の許可を受けており、本件土地に分譲マンションを建設し、それを販売することは可能であり、地すべり防止区域の指定を受けたことによって、通常の方法によって販売することができなくなったものとは認められないから、本件土地が地すべり防止区域の指定を受けたことは、「準ずる特別の事実」には該当しない。(平15.04.24.関裁(法)平14-95)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140095
- 裁決年月日
- 平成15年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/1たな卸資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・387ページ
要旨
○ 請求人は、近隣地区の土砂崩れによって、同様の状況にある本件土地も極めて危険な土地であると判断されたため、本件土地の価値が著しく低下しており、そのことが法人税法施行令第68条第1号ニの「準ずる特別の事実」に該当する旨主張するが、当該土砂崩れは、本件土地から約300m離れた場所で発生したものであり、それによって本件土地に物質的な欠陥が生じたものでもなければ、そのことから本件土地の性状等が変化したと認めることもできないのであって、したがって、本件土地が当該土砂崩れにより、通常の方法によって販売できなくなったとは認められず、上記「準ずる特別の事実」には該当しない。(平15.04.24.関裁(法)平14-95)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140096
- 裁決年月日
- 平成15年4月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができる費用は、当該法人の業務の遂行上必要と認められる費用であることを要するものと解されるところ、その支出が法人の費用かどうかは、その支出目的を合理的に解釈して判断すべきものである。例えば、衣服、靴、眼鏡、寝具、化粧品、卓上用品等の身の回り品や家庭用品等の購入費用については、それらの購入物品が請求人の業務専用として特別な仕様等を有するものではなく、その性状等からみて通常の生活に使用すると認められるものである場合には、その購入が業務の遂行上真に必要なものであることが証拠上明らかな場合は格別、そうでない場合には、その購入は、業務の遂行上の必要性ではなく、役員の個人的な必要性に基づくものと認めるのが相当であり、法人がこのような役員の個人的な必要性に基づく費用を負担している場合には、その役員に対して臨時的な給与、すなわち賞与を支給したものと解すべきである。(平15.04.24.関裁(法・諸)平14-96)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140051
- 裁決年月日
- 平成15年4月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件売上げの使途は代表者の個人的な借入金の返済であるから、代表者に対する役員賞与の支給に当たる旨主張し、請求人は、本件売上げの使途は本件借入れの返済であり代表者が個人的に使用したものではないから、役員賞与に当たらない旨主張するが、本件において、①請求人は、代表者の個人事業を法人組織化した同族会社であること、②本件売上げは、代表取締役が管理する本件預金口座において管理されていたこと、③代表者には個人的な借入れがあるところ、代表者は調査担当職員に対して本件売上げを個人的な借入れの返済に充てた旨申述しており、当審判所の調査によっても、本件借入れのうち別表記載の借入れ以外の借入れについては、請求人の運転資金に使用されたと認めることはできないから、本件売上げは代表者の個人的な借入れの返済に充てられたといわざるを得ないこと、④請求人は本件借入れを運転資金として使用したこと及びその返済を本件売上げにより行ったことを裏付ける具体的な証拠資料等を提出しないことから、代表者の個人的な借入金は、代表者のために使用され、その返済を本件売上げより行っている以上、請求人は、代表者個人にその個人的な借入れの返済を通じて利益供与をしたと認めることができる。もっとも、次のとおり、本件売上げのうちには代表者に対して役員賞与の支給があったと認められない部分があるから、その限度においては原処分庁の主張には理由がない。①本件棚卸資産は請求人に引継がれ、請求人は請求人の代表者に対して当該資産に係る未払金の支払義務が生ずることとなり、本件売上げのうち本件棚卸資産の金額相当額は請求人の代表者に対する当該未払金の支払と認めるのが相当であるから、本件棚卸資産相当額については、役員賞与の支給があったとは認められない。②本件借入れのうち別表記載の借入れについては、社長借入金の資金出所と認められ、かつ、当該借入金は請求人の運転資金に使用されたものと認められるから、本件売上げから別表記載の借入れの返済に充てられた金額及び当該借入れに係る利子割引料は、役員賞与の支給があったとは認められない。(平15.04.21.名裁(法)平14-51)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140051
- 裁決年月日
- 平成15年4月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716082
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/8支払利息/2支払利息の額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人と代表者の間では借入れに係る利息の約定がないこと及び本件各事業年度において代表者に対する支払利息の計上がないことから、本件借入れに係る利子割引料を請求人の損金の額に算入できない旨主張するが、借入名義が異なっていたとしても社長借入金の資金出所が本件借入れであることが証明され、請求人の事業資金に充てられていれば、当該借入れに係る利子割引料については請求人の損金の額に算入すべきことが相当と認められるところ、請求人設立後の本件借入れのうち、借入年月日及び借入金額が社長借入金の発生年月日等と一致するA社の借入れは社長借入金の資金出所と認められ、また、当該借入れは原材料等の仕入代金の支払いに充てられており、請求人の運転資金に使用されたと認めることができることから、当該借入れに係る利子割引料は損金の額に算入されるべきである。(平15.04.21.名裁(法)平14-51)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140051
- 裁決年月日
- 平成15年4月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、①請求人には設立時貸借対照表に棚卸資産の記載がないこと、②法人設立届出書の関与税理士欄は空欄であるにもかかわらず本件棚卸資産に係る明細書はA税理士事務所の用紙に記載されていること、③当該明細書には作成日及び作成者の表示がないこと並びに④平成9年3月期及び平成10年3月期はいずれも期末棚卸資産の計上がないことから、設立時に本件棚卸資産があったとは認められない旨主張するが、請求人の営む機械部品の焼付塗装業は個人事業時代から継続的に営まれており、かつ、その業態においても大きな変化はなく、特段の事情がない限り、どの時点においても一定の棚卸資産が存在することは当審判所においても推認できることから、設立時貸借対照表に棚卸資産の記載がないこと等をもって、本件棚卸資産がないとする原処分庁の主張は理由がない。また、原処分庁は、本来、更正処分に当たりその棚卸資産の有無を含めて検討すべきであるにもかかわらず、この点の検討を行っていないところ、請求人は得意先への納品のため、常時半月程度の仕掛品等があった旨主張している。しかしながら、原処分庁からこれを覆す証拠の提出もないため、当審判所は、請求人事業所において、実地確認をして把握した原材料の数量、金額に基づく受け払い計算の実施及び仕掛品等の金額は売上高に比例することを基礎として、請求人の請求人設立時の棚卸資産の金額を算定した。(平15.04.21.名裁(法)平14-51)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140050
- 裁決年月日
- 平成15年4月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702026
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/6部分譲渡等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、昭和63年の別荘地の取得に当たり、譲渡人との間で取り決めた譲渡価格が国土法上の制限価格を上回るため、他の2つの土地を抱き合わせて売買契約を締結することにより、国土法の制限価格を上回る価格を他の2つの土地の価額に付け替えた。この契約に当たり、当事者間で①別荘地の売買契約書②他の2つの土地の売買契約書③別荘地及び他の2つの土地の売買契約書の3通の契約書が作成された。しかしながら、請求人の社内においては各土地の取得価額を契約書に記載された金額とすることは不合理であるため、各土地の価格調査を行い各土地の取得価額を算定したが、平成10年から11年にかけて他の2つの土地を売却したのに伴い、他の2つの土地の売買契約書に記載された金額を取得価額として譲渡原価を計算し、売却損を計上した。請求人は、契約書に記載された価額を正当であると主張するが、各3通の契約書、各土地の登記の状況、請求人の稟議書及び契約に関係した役員等の申述から、契約書は国土法をクリアするために作成されたものと認められる。また、請求人が各土地を購入した事業年度に算出した各土地の取得価額を有価証券報告書や保有税申告書等に記載しており、算定方法にも一応の合理性が認められることから、この金額をもって譲渡原価とすべきであり、請求人の主張には理由がない。(平15.04.18.名裁(法)平14-50)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140050
- 裁決年月日
- 平成15年4月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員の退職金支給に備えて毎期引当金を計上し自己否認していたが、現に役員が退職するに当たり支給した退職金について、引当金を取り崩す仕訳を行い、法人税申告書上で引当金を減算する処理だけを行っているが、①役員退職金の支給した事業年度においても取り崩す会計処理をした金額を超える金額の退職引当金繰入を行っているので損金経理として認めるべきであり、また、②法人税基本通達9−1−2の考え方により損金処理を認めるべきである旨主張するが、法人税法第36条は、役員賞与との関係において明確に損金経理をした役員退職金のみを損金と認める旨を規定しているのであるから、請求人の主張を認めることはできない。また、法人税基本通達9−1−2は評価損否認額又は減価償却超過額がある資産について評価損を計上する場合には、その評価損否認金等は申告調整により損金の額に算入できるとしたものであるから、役員退職引当金繰入額にこれを適用することはできない。(平15.04.18.名裁(法)平14-50)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140044
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が日雇労務者に対する労務費の一部は架空労務費であり、これから生じた資金を請求人の取締役である請求人の代表者の妻(以下「代表者の妻」という。)が個人的に費消したと認定しているが、日雇労務者への労務費は全て実際に支払ったものであるから原処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人の計上している日雇労務者に対する労務費には、①工事現場等日雇労務者の就労事績が不明であること②千円未満の端数がないこと③この労務費の計上を行っているのは、請求人の資金管理及び経理事務を専属的に行っている代表者の妻であること④代表者の妻には、個人収入を大きく上回るデパート等への支払いが毎月あること⑤日雇労務者への支払の事実を立証する証拠資料の提示を再三にわたり求めたが提示のないことなどの事実から、架空労務費であると認められる。また、請求人は、代表者の妻がデパート等から購入した商品の支払いは、すべて個人で支払っているのであるから認定賞与とした原処分は違法である旨主張するが、認定賞与課税は、法人に簿外所得が存在し、その簿外所得に見合う財産が発見されない場合で、代表者等が個人的に費消したことが明らかでないときでも個人的に費消したとうかがわせる状況があり代表者等が簿外所得の処分について納得するに足りる合理的な説明をしないなど代表者等の協力が得られない場合には、これらの事実を総合判断した上で、認定賞与課税ができると解されている。本件の場合、請求人及び代表者の妻から合理的な説明及び証拠資料の提示はなく、また、代表者の妻の個人収入のみならず代表者の個人収入を加えても到底賄いきれないほど多額の商品の購入があることなどの事実を総合的に判断すると、日雇労務者に対する労務費を架空に計上して捻出した資金は代表者の妻に対する認定賞与とすることが相当である。(平15.03.25.名裁(法・諸)平14-44)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140088
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同業者と共同出資しているリース業を営むA法人の経営再建のために同社所有のリース物件を買い取ったとしてリース物件の取得価額を一括償却しているが、リース物件に係る売買契約及び賃貸借契約は、その実体を認めることができず、A法人への資金援助のために採られた形式にすぎないもので、本件支払額をリース物件の購入代金と仮装するために作成されたものと認めざるを得ず、また、これを貸付金等と認めるべき事実もないことから、本件支払額は、A法人に対してなされた金銭の贈与にほかならないと認められる。(平15.03.25.関裁(法・諸)平14-88)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140082
- 裁決年月日
- 平成15年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が平均功績倍率法による適正役員退職給与の算定上、選定した類似法人の中には、業種が請求人と類似しないものが含まれているという不合理があると主張し、売上金額だけでなく、所得金額及び総資産価額も考慮すべきである旨主張するが、原処分庁の選定した類似法人は、当審判所においても特段不合理とする理由は存在しない。また、請求人は、請求人の特殊性や退職した役員の請求人への貢献度も考慮すべきである旨主張するが、これらは退職役員の最終月額報酬に反映されているものと認められる。そうすると、平均功績倍率法により算出した適正額を超える部分の金額は過大な役員退職給与額であると認められる。(平15.03.19.関裁(法)平14-82)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140193ほか 7件
- 裁決年月日
- 平成15年3月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人税法施行令第133条は減価償却資産に係る費用配分の特例であるから、その取得価額は、当該減価償却資産が、企業の事業活動との関連において、その用役を提供し得る状態にあると評価し得るもの(事業供用)を単位としたその取得価額をいうものと解される。そして法人税基本通達7−1−11は、上記施行令と同様、企業の事業活動との関連において、その用役を提供し得る状態にあると評価できる一定の単位、換言すれば、減価償却資産としての機能を発揮できると認められる単位をもって、取得価額を判定することとしたものである。本件利用権は請求人の営む本件事業に供されるものであるから、その取得価額については、当該事業との関連において、減価償却資産としての機能を発揮できる単位をもって取得価額を判定することとなるところ、本件事業の実態等を総合勘案すると、通常の利用の実効性を維持するためには本件利用権が単独のものとして事業の用に供されているのでなく、2利用権がその減価償却資産としての用役の提供単位であることは見やすいことであるから、その取得価額は1利用権の価額に2を乗じた145,600円であるため、本件利用権は少額減価償却資産に該当しない。(平15.03.18.東裁(法)平14-193)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140059
- 裁決年月日
- 平成15年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/1たな卸資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・376ページ
要旨
○ 請求人は、帳簿から除外した期末たな卸商品につき、評価損を計上すべき事実があるから、販売可能な価格により算定した金額で評価されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件各事業年度の終了時に計上すべき期末たな卸商品の大部分を帳簿から除外し、この除外したたな卸商品について法人税法第33条に規定する評価換えに伴う帳簿価額の減額をしておらず、当該たな卸商品に係る評価損を損金の額に算入するための要件を満たしているとはいえないため、販売可能な価格での評価はできない。(平15.03.11.大裁(法)平14-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140183
- 裁決年月日
- 平成15年3月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702043
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、簿外で受領した金員は、その全額を本件工事代金として下請業者に簿外で支払っていることから損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、①支払いの証拠として提出された領収証は、下請業者以外の法人が発行しており、かつ、当該法人は数年前に倒産していることから信憑性に欠けること、②請求人の取引関係者は、開発許可前に本件工事は行っていない旨答述していること、③開発行為の許認可を担当した地方自治体が保存している各種申請書類に添付された、図面、写真によると本件工事が実施された痕跡が認められないことから、請求人が工事を下請業者に出した事実は確認することはでない。したがって、下請業者に支払ったとする金員を損金の額に算入することはできない。(平15.03.06.東裁(法・諸)平14-183)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140077
- 裁決年月日
- 平成15年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件車両はCが使用していたこと、同人には3か月間を除き請求人での勤務実態がないことからすれば、本件車両は、請求人の事業に供するために購入された車両でなく、請求人がCに使用させるために購入したものであり、それが事業の用に供されていたと認められない以上、原処分庁が、本件車両の減価償却費を損金の額に算入しなかったことは相当である。(平15.02.27.関裁(法・諸)平14-77)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140077
- 裁決年月日
- 平成15年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/2勤務事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Cが平成10年12月から同11年2月ころまでの3か月間以外でもホステスの勧誘、採用及び接客サービスの指導を行っていた旨主張するが、Cは、上記3か月間、店長として請求人に勤務し、請求人はその間の給与を現金で支給したものと認められるものの、その他の期間については勤務した事実が認められないこと、接客サービスはDが担当していたこと、CはE市内の兄弟会社の代表取締役であったこと、そして、請求人の代表取締役であり実質上も請求人の店舗の責任者であったF自身がCの勤務が上記3か月間のみであった旨答述していることからすれば、Cが上記3か月間以外の期間において請求人の業務に従事していたものとは認められないから、請求人の主張は採用できず、原処分庁が上記3か月間を除くCに係る給与及び賞与について、勤務の実態がない架空人件費と認定したことは相当である。(平15.02.27.関裁(法・諸)平14-77)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成15年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・450ページ
要旨
○ 請求人は、本件乙債権につき、債務者の死亡及びその相続人等の不存在が平成9年3月期に確認されたから、当該債権が法人税基本通達9−6−1の定める法律的に消滅した債権に該当し、貸倒金として同期の損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、①本件乙債権の債務者には相続人の兄弟姉妹が存在すること及び②債務者の死亡等は民法上の債権の消滅原因に該当せず、それにより当該債権が法律上消滅したことにならないことから、法人税基本通達9−6−1の定めに該当しない。また、同期において、請求人は本件乙債務の債務者が所有する宅地に根抵当権を設定したままであり、さらに、当該債権の連帯保証人は当該債権に係る履行を求められたことが全くない旨答述しているところであり、法人税基本通達9−6−2に定める貸倒れの事実が同期には発生していないと認められる。したがって、本件乙債権を平成9年3月期の貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平15.02.19.仙裁(法)平14-20)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成15年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・450ページ
要旨
○ 請求人は、本件甲債権につき、法律上の債権としては存在するものの、平成9年3月期において、法人税基本通達9−6−2に定める事実上回収不能にある債権に該当することが確認されたから、同期の貸倒金として損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、本件甲債権については、同期において、①請求人が当該債権の債務者所有の山林2筆に根抵当権を設定したままであること及び②当該債権に係る連帯債務者及び連帯保証人は、それぞれ田等を所有していることが認められ、これらの事実によれば、法人税基本通達9−6−2に定める貸倒れの事実が同期には発生していないと認められるため、本件甲債権を平成9年3月期の貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平15.02.19.仙裁(法)平14-20)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成15年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/1回収不能とした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・450ページ
要旨
○ 請求人は、本件丙債権につき、債務者が死亡し、処分できる資産がなく、相続人及び債務の承継者も存在しないことが平成10年3月期に確認されたから、本件丙債権は法人税基本通達9−6−1に定める法律的に消滅した債権に該当し、貸倒金として同期の損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、①債務者の死亡及び相続人不存在は民法上の債権の消滅原因に該当せず、それらにより当該債権が法律上消滅したことにならないこと及び②本件丙債権につき、法令の規定による決定等により、その全部又は一部が切り捨てられた事実並びに請求人が書面により債権放棄及び債務免除の事実はない。また、①請求人は、昭和62年損害賠償請求事件において、原告である請求人の主張として、本件丙債権の債務者は支払不能の状態にあり、回収の見込みがない旨述べていたこと及び②当該債権の債務者は、昭和61年5月に自己破産を裁判所に申立て、同63年11月に完結しているから、本件丙債権については遅くとも平成元年3月期に法人税基本通達9−6−2に定める貸倒れの事実が生じていたと認められるため、本件丙債権を平成10年3月期の貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平15.02.19.仙裁(法)平14-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140168
- 裁決年月日
- 平成15年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707014
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/4資産を賃借するための権利金、立退料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件各更新料は、合意更新された賃借期間内においては従前と同様の賃貸借契約を存続させることができるという支出の効果があり、店舗を賃借するために支出した費用であるといえる。また、契約更新後の賃借期間が1年以上であることから、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶこととなる。したがって、本件各更新料の金額は、法人税法施行令第14条第1項第9号ロに規定する繰延資産に該当すると認めるのが相当である。(平15.02.14.東裁(法)平14-168)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140167
- 裁決年月日
- 平成15年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・414ページ
要旨
○ 請求人は、代表者の海外出張に長男を同伴したのは、出張の本質的な目的の一つが、海外の取引先と請求人の家族との直接交流にあるので、法人が負担した長男の海外渡航費は明らかに業務上必要な費用であり、また、法人税基本通達9−7−8の国際会議への専業主婦の出席の例示と比較して、長男の同伴の方が明らかに業務に関係しているので、長男の海外渡航費を代表者の役員賞与とした原処分は違法である旨主張する。しかしながら、代表者が出張後に作成した出張精算書には、出張目的として新製品の打合せ等の記載がなされており、出張目的は、法人の業務であると認められるが、出張当時、長男は、代表者の扶養親族である小学生であり、請求人の役員でも使用人でもない状況から判断すれば、長男の同伴は請求人の業務遂行に必要なものとは認められないので、請求人の主張には理由がない。(平15.02.13.東裁(法・諸)平14-167)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140007
- 裁決年月日
- 平成15年2月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/2従業員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員に対して特別賞与58,500,000円を実際に支給したから、それを、本件事業年度の損金の額に算入すべきであると主張する。しかしながら、当審判所の調査によると、本件決算期末日に銀行から現金で引き出されたのは1,000,000円であり、同日で従業員に交付された給与支払明細書及び各市町村に提出された給与支払報告書には特別賞与が加味されていない等の事実を総合勘案すると、特別賞与として従業員に支給された金額は770,000円であると認められる。そうすると、請求人が計上した特別賞与58,500,000円と770,000円との差額57,730,000円については、支給の事実がないため、本件事業年度の損金の額に算入することができない。(平15.02.07.沖裁(法)平14-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140065
- 裁決年月日
- 平成15年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/3高価買入れ
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 資産の譲受けに当たりその資産の時価を超えて支払うべき合理的理由が存在しないにもかかわらず、これを超える金額を譲受代金として支払った場合には、その支払金額のうち時価を超える部分の金額には、対価性を認めることはできず、売主に対する金銭の贈与に該当するものというべきであり、金銭の贈与に該当する場合には、それが、法人税法37条6項のかっこ書の広告宣伝費その他の費用に該当しない限り、寄附金に該当することになる。原処分庁が認定した本件ゴルフ会員権の時価5,000,000円は、売買実例における最高額4,500,000円を上回ることから購入時の時価として低きに過ぎるものとは認められず、また、その認定の根拠となった本件売却価格自体、本件購入からわずか5日後に請求人とゴルフ会員権取引業者との間で成立したもので客観的な取引価額といえる。したがって、本件購入代金14,000,000円のうち時価5,000,000円を超える金額9,000,000円は、譲渡代金としての対価性を認めることができず、請求人から売主である関係会社への金銭の贈与として法人税法第37条第6項に規定する寄附金に該当する。(平15.02.06.関裁(法)平14-65)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140054
- 裁決年月日
- 平成15年1月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710021
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/1報酬であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ Aは、本件各事業年度当時において請求人の登記上の役員ではなく、また、使用人として職制上の地位も有していないが、請求人の出資の過半を有するとともに、事実上の経営者として請求人の経営全般を取り仕切っていたことが明らかであるから、Aは、法人税法施行令第7条第1号にいう「法人の使用人以外の者で、その法人の経営に従事しているもの」に該当し、法人税法第2条第15号に規定する「役員」に該当していたことが明らかである。原処分庁は、本件給与手当の全額をAに対する賞与と認定したが、法人税法上、役員に対する給与が報酬となるか賞与となるかは、その給与が定期の給与であるか臨時的な給与のうち退職給与以外の給与であるかによって判定することとなり、本件給与手当は、毎月定額で支給されていることから、Aに対する定期の給与、すなわち、役員報酬と認めるのが相当である。(平15.01.30.関裁(法・諸)平14-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140156
- 裁決年月日
- 平成15年1月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/2仲介手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の監査役に対して支払った金員につき、請求人の建物及び借地権の譲渡契約成立に係る成功報酬であるから、請求人の損金として認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が同監査役に対して建物等の譲渡に係る報酬を支払う旨の取決めはなく、また、同人の発行した領収証の記載から、同人に支払った金員は、請求人の取締役の父が個人で所有する土地の名義変更に係る諸費用として支払われたもので、個人間で授受すべき金員と認められるから、法人の損金とは認められない。(平15.01.30.東裁(法)平14-156)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140152
- 裁決年月日
- 平成15年1月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/3固定資産
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・401ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地に係る評価損の損金算入につき、同土地が法人税法施行令第68条第3号ロに規定する「1年以上にわたり遊休状態であること」に該当し、その価額も帳簿価額を下ることとなっているから、同法第33条第2項の規定により、本件評価損の額は本件事業年度の損金の額に算入すべきであると主張する。しかし、本件土地が1年以上にわたり遊休状態であることは認められるにしても、そのことにより本件土地の価額が帳簿価額を下ることとなったとは認められないため、本件評価損については、法人税法第33条第2項の規定を適用できず、同条第1項の規定により損金の額に算入することができないとした原処分は相当である。(平15.01.28.東裁(法)平14-152)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140010ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年12月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300701000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/1通則
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、役務の提供の事実がないとして、損金の額への算入を否認した本件費用につき、請求人はグループ法人に生じる共通の経費のうち請求人が負担すべき相応の金額として本件費用を計上しているものであり、仮装したものではないから、原処分は誤りである旨主張する。しかしながら、請求人がグループ法人と事業目的を同じくする事業を行っていることから、共通した経費は多く、また、請求人はグループ法人である基幹法人の2階に事務所を設け、同社に金銭の収受管理を委託していることは認められるものの、請求人は、本件費用について、損金の額に算入されるべきとする業務関連性や具体的な内容等を明らかにせず、また、それらを証する証拠資料等の提示及び提出もしないことから、本件費用を支払った事実を確認できない。したがって、本件費用は架空に計上されたものと認められ、それを本件各事業年度の損金の額に算入できないとした原処分は相当である。(平14.12.24.熊裁(法)平14-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140048
- 裁決年月日
- 平成14年12月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は本件簿外外注費を売上原価として損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が本件簿外外注費に係る資料を当審判所に新たに提出したことからすれば、請求人において本件簿外外注費の損金該当性を合理的に推認させるに足りる程度の立証を行うことが必要と考えられるところ、請求人は、当審判所に対し、本件簿外外注費に係る領収証の宛て名が請求人と相違するにもかかわらず、請求人の外注費であるとする理由について合理的な説明をしていない。また、上記の領収証からは、本件簿外外注費が請求人主張の売上げに係る原価であることを確認することはできず、他にこれを推認するに足る証拠の提出はない。さらに、請求人が本件簿外外注費の資金源泉と主張する公表外の貯金口座から引き出した金額が、本件簿外外注費の支払に当てられたと認めるに足る証拠はない。以上のとおり、本件簿外外注費は、請求人の外注費と認めることはできず、請求人の売上原価と認定できない。(平14.12.17.関裁(法・諸)平14-48)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140044
- 裁決年月日
- 平成14年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 貸倒損失は法人税法第22条第3項に規定する「損失」に該当し、所得金額の算定上損金の額に算入すべきものであり、所得の発生要件事実を構成するものであるから、貸倒損失の有無が争われる場合には、所得の一定額の存在を主張する課税庁側において当該貸倒損失の不存在を立証すべきとも考えられるが、貸倒損失は、通常の事業活動によって必然的に発生する必要経費とは異なり、債務者等、相手方の倒産等の特別の事情がない限り生じることのない、いわば特別の経費というべき性質のものである上、貸倒損失の不存在という消極的事実の立証には相当の困難を伴うものである反面、被課税者においては貸倒損失の内容を熟知し、これに関する証拠も被課税者が保持しているのが一般的であるから、貸倒損失の存在を主張する被課税者において貸倒損失となる債権の発生原因、内容、帰属及び回収不能の事実について具体的に特定して主張し、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行わない限り、事実上その不存在が推定されるものと解するのが相当である。(平14.12.12.関裁(法)平14-44)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140044
- 裁決年月日
- 平成14年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に対する貸付が融通手形によるものであったため、やむなく簿外で処理した旨主張するが、その主張自体合理性を有するものとはいえないばかりか、請求人は青色申告の承認を受けた法人であるから、その資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引につき、複式簿記の原則に従い、整然と、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づいて決算を行わなければならないにもかかわらず、上記融通手形に係る取引の一切を帳簿に記載せず、また、契約書及び借用証書その他融資に関する書類等、貸付金の存在を立証する具体的な証拠を何ら提出していないことを考え併せると、A社に対する貸付金が存在しないものと認定されてもやむを得ないものというほかはない。(平14.12.12.関裁(法)平14-44)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140012
- 裁決年月日
- 平成14年12月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、適正役員退職給与の算定に当たり原処分庁が採用した1年当たり平均額法は、報酬の後払い的性格の役員退職給与の額に最も関係の深い要素である退職役員の退任時の適正役員報酬月額が直接考慮されないという欠点を有しており、その意味で功績倍率法に比較して間接的な認定方法であり、単に退職時の役員報酬が無報酬であるという一点のみを捉えて、より合理的である功績倍率法を捨象し、1年当たり平均額法を採用した原処分は失当である旨主張する。しかしながら、役員退職給与の額は、通常、その役員の会社に対する功績が最も反映される勤続年数及び最終役員月額報酬を基礎として算出されていると認められるところ、功績倍率法は、一般的には役員退職給与の相当額の算定方法としては妥当なものであると解されるものの、最終月額役員報酬が役員の在職期間を通じて会社に対する功績を適正に反映したものでない場合には、功績倍率は最終役員報酬月額に大きく左右される結果著しく高率となることから、比較そのものが不合理なものとならざるを得ない。したがって、本件のように請求人の退職役員が非常勤役員で、かつ、退職時無報酬の場合には役員退職給与の算定に当たって、功績倍率法の算定基準である具体的に認識可能な退職時の最終役員報酬月額がない場合は、功績倍率法を適用することは適切でなく、1年当たり平均額法を用いて算定するのがより合理的な方法と認められ、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14.12.10.仙裁(法)平14-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140012
- 裁決年月日
- 平成14年12月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が適正役員退職給与の算定に当たって抽出した比較法人には合理性がない旨主張するが、役員退職給与の額を算定するための比較法人の選定に当たっては、請求人とその業種、事業規模、退職役員の地位、退職事情及び役員退職給与の支給時期等において類似性を有した法人を選定することが必要であり、とりわけ事業規模については、一般に企業活動は、利益の追求を目的とするのであるから、その企業の規模を把握するために最も適切、簡明な指標は、当該企業活動によって形成された結果である売上金額、所得金額、総資産価額及び純資産価額に求めるのが相当であると解されているところ、原処分庁が類似法人の抽出に当たって設定した基準及び抽出過程にはいずれも恣意性は認められず、合理性があるものの、上記の指標に基づき、本件事業年度を含めた過去3事業年度における請求人のそれとの平均値及びその指数により類似性を判断することがより合理的であると認められ、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14.12.10.仙裁(法)平14-12)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140043
- 裁決年月日
- 平成14年12月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件公表外預金に入金された売上代金が申告漏れとなっていることについては争わず、当該預金からの出金額に相当する申告漏れの仕入金額があるとして、これを損金の額に算入すべき旨主張するところ、この出金額が仕入れの対価であったと認めるに足る証拠は存せず、そのような記帳もなされていない以上、請求人の主張を採用することはできないが、請求人が当審判所に対し提出した納品書等は、いずれも請求人の仕入れに係るものと認められ、かつ、これらの合計額は、請求人の申告に係る仕入金額を超えているから、その超える部分の仕入金額は、売上原価として損金の額に算入するのが相当である。(平14.12.09.関裁(法)平14-43)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140029
- 裁決年月日
- 平成14年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716068
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/8その他の手数料等(簿外経費)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、帳簿に計上していない工事原価を損金の額に算入すべきである旨主張し、当審判所に領収証等を提出したが、当審判所の調査によれば、領収証に記載された受取人の氏名が間違っていたり、具体的な内容が不明であることから、提出された領収証には信ぴょう性がなく、他に当該原価が存在したと認めるに足る証拠もないので、請求人の主張には理由がない。(平14.11.29.広裁(法)平14-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140041
- 裁決年月日
- 平成14年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ゴルフ費用に係るゴルフは、請求人の事業の特殊性から営業にも役立つこと及び福利厚生行事の一環として行ったものであることから、また、ゴルフは一般大衆化しており、高額かつ贅沢なものではないことから福利厚生費に該当する旨主張するが、本件ゴルフ費用に係るゴルフは、実施回数の多さと特定の者に偏った実施状況になっていることからみて、社会通念上一般的に行われている福利厚生行事と同程度のものと認められず、ゴルフに参加した役員及び従業員に対して所得税法第28条第1項に規定する給与等を支給したと認めるのが相当であるので、本件ゴルフ費用のうち役員分は、法人税法第35条第1項の規定により、損金の額に算入されない。(平14.11.29.関裁(法・諸)平14-41)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成14年11月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716081
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/8支払利息/1借入れ、利息支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の主張する手形の割引料等のうち簿外処理されている本件簿外利息等について、その使途及び支払利息等の存在が明らかでないから、手形借入等により借り受けた金員の全部又は大部分が請求人の銀行預金口座等に預け入れされて請求人の事業資金として運用されているもの以外に係る部分は損金の額に算入することができない旨主張する。しかしながら、一般的に、簿外利息等であっても、①簿外借入金が請求人の固有の債務であること、②当該簿外利息等が請求人の事業に関連して支出したものであること及び③その利息等が簿外で支払われたことを裏付けるに足る証拠があれば損金に算入されるところ、本件簿外利息等について検証すると、その一部については、①請求人の売上代金の回収に係る受取手形を割引していること、②当該割引手形は、請求人の確定した決算において割引手形勘定として処理されていること、③さらに当該割引手形の割引先である金融業者の計算書等の書類により支払利息等の額が確認できることから、その支払利息等については損金の額に算入することが相当である。(平14.11.28.名裁(法・諸)平14-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140095
- 裁決年月日
- 平成14年11月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の所有するテントハウスが壁面のうち2面が開放されているので周壁を有しているとはいえず、移設及び分解可能な構造であるから土地に定着していないので、建物に該当せず、器具及び備品に該当する旨主張する。しかしながら、テントハウスは、その規模が1,900㎡を超える大規模なものであり、屋根及び壁面2面を有しその支柱がテントハウスを建設するために設置されたコンクリート基礎にボルト締めで固定されていることから、継続的に一定の土地に付着して使用することを予定され、木材の蔵置場所として使用している建造物であると認められ、建築確認申請を行い、その許可を受けていることからも建物と認められる。(平14.11.26.東裁(法)平14-95)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140004
- 裁決年月日
- 平成14年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注費等につき、実在する下請業者に業務を発注し、代金を支払ったことは事実であるから、損金算入が認められるべきである旨主張する。しかしながら、次のとおり、その下請業者が実在し、請求人が業務を発注していたとは認められず、請求人は、架空の下請業者を設定し、あたかも本件外注費等に係る業務を発注し代金を支払ったかのように仮装して、本件外注費等を損金に算入したものと認められる。1外注工事等を証明するに必要な工事台帳、注文請書、見積書、作業日報等の工事等の証拠書類等の提出がない。2本件外注費等の代金の振込先口座名は下請業者名と相違し、また、実在すると主張すると下請業者の住所地は別人の住所地である。3請求人の代表者、請求人の元現場代理人、下請業者を紹介した者等の答述には、齟齬や矛盾がみられ信用できない。4あらゆる調査の結果、下請業者の所在は確認できず、事業活動を行った証拠・痕跡が全く把握されない。したがって、本件外注費等の金額を「損金の額」と認めなかった法人税の更正処分は適法であり、請求人の主張には理由がない。(平14.11.15.熊裁(法)平14-4)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140001
- 裁決年月日
- 平成14年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/10信用保証料、担保提供料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各信用保証は金融機関からの融資の実行によってその役務の提供を完全に終了しているから、本件各信用保証料の金額につき、それを支払った事業年度の一時の損金に算入すべきであると主張する。しかしながら、①本件各信用保証は、信用保証書に定められている保証期間が満了するまでの間、有効に成立していること、②本件各信用保証料は、保証制度の種別等により、それぞれの保証金額、保証期間及び保証料率等を基に算定されたものであり、このことは、保証期間を通じて信用保証することを約した信用保証書の内容とも合致していることから、本件各信用保証料は、保証期間の始期から満了時までの費用であると認められる。そうすると、本件各信用保証料のうち、未経過期間に対応する額は前払費用として経理処理することが相当であるから、請求人の主張は採用できない。(平14.10.28.金裁(法)平14-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140003
- 裁決年月日
- 平成14年10月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件施設の建物及び建物附属設備の工事代金を水増ししていないから、減価償却費の計算における当該資産の取得価額は申告額が正しい旨主張するが、請求人は本件施設の工事に際して二重に契約書を作成し、真正な契約金額より多い契約金額を支払ったように装い、当該金額を基に減価償却資産の取得価額を算出していることが認められることから、請求人の主張には理由がない。(平14.10.21.熊裁(法・諸)平14-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140007
- 裁決年月日
- 平成14年9月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706062
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/2借地権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・311ページ
要旨
○ 請求人は、借地借家法第24条規定の事業用借地権は、法人税法上の借地権ではないから、事業用借地権の設定のために支払った一時金は、創立開業費償却費として損金算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法第2条及び同法施行令第12条において、固定資産とは、土地(土地の上に存する権利を含む。)等の資産である旨定めており、法人税法基本通達7−3−8《借地権の取得価格》は、借地権の取得価格が土地の賃貸借に当たり、借地権の対価として土地所有者等に支払った金額であると定め、事業用借地権を除外する旨の規定は存在しない。そして事業用借地権は、普通借地権と異なるところはあるが、借地権である以上、土地の上に存する権利といわざるを得ず、一時金は、借地権の取得価格に該当するので資産計上すべきであると認められる。(平14.09.17.名裁(法)平14-7)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140004
- 裁決年月日
- 平成14年8月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/2無償譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件頒布品に係る取引につき、請求人を資金提供者としたA法人と本件頒布品の納入業者との取引であると認定し、請求人がB法人に支払った本件購入費用はA法人が負担すべき債務をA法人に代わって支払ったものであるから請求人の広告宣伝費と認められず、請求人が本件購入費用を支払った時に請求人からA法人に対して金銭の贈与があったものとして、当該贈与された金銭の額をその支払の日の属する事業年度の寄附金の額とし、本件事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、本件頒布品に係る支払債務を負っているのは請求人であることに疑いがなく、B法人への本件購入費用の支払については、請求人自らの債務の支払であって、A法人の負担すべき債務を請求人が肩代わりするという関係になく、これを同法人に対する金銭の贈与であると解すべき法律上の根拠は存しない。そうすると、請求人が本件頒布品を購入し、それをA法人に引き渡したものと認めるのが相当であるから、それは、金銭の贈与と認められず、物品の贈与であると認めるのが相当である。(平14.08.08.仙裁(法・諸)平14-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140001
- 裁決年月日
- 平成14年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・324ページ
要旨
○ 本件は、A社の店舗の建物付属設備をオフバランス化するために当該資産を請求人(SPC)に譲渡し、A社がこれを借り受けるという取引が賃貸借取引か金融取引かを主な争点とする事案である。原処分庁は、本件取引が53年リース通達の中古資産のリースバック取引に該当し金融取引である旨主張し、請求人は本件賃貸借契約が契約期間20年で6年目以降の賃貸借の条件が未定であることからリース取引の前提であるフルペイアウトに該当しない旨主張する。審判所は、本件賃貸借契約は6年目以降の賃貸借条件が未定ではあるが、A社の保有資産のオフバランス化という目的に照らせば、契約時に関係者の間で当該賃貸借は20年間継続することが前提とされ、20年間分の予定賃料の総額が請求人の取得価額等のおおむね全部を支弁すると認められることからするとフルペイアウトに該当し、本件取引は、中古資産のリースバック取引であって当事者の意図等から実質的に金融取引であると認められると判断した。(平14.07.09.東裁(法・諸)平14-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140006
- 裁決年月日
- 平成14年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、決算において、所有する非上場の子会社株式について、①当該子会社の資産状態が、営業不振等により著しく悪化し、そのために、②同社の純資産価額を参酌して算出した株式の価額が著しく低下し、近い将来その価額の回復も見込まれないと判断して、法人税法第33条第2項により評価損(以下「本件評価損」という。)を計上した。その際、請求人は、当該純資産価額の算定上、帳簿価額が時価として最大の金額を表すとの認識から、資産・負債の評価を帳簿価額に基づいて行ったもので、その全額を損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、純資産価額は時価で算出すべきところ、請求人が主張する資産等の帳簿価額のすべてが時価として相当な価額であるとする客観的な事実を認めることはできない。これに対して、資産等を財産評価基本通達の評価方法に準じて評価し、その評価額を基礎として1株当たりの純資産価額を算出した原処分の方法は、合理的な方法ということができ、これによって算出された期末の1株当たりの純資産価額は、取得時の1株当たりの純資産価額に比して50%以上下回っておらず、資産状態が著しく悪化したと認めることはできない。したがって、子会社株式の価額の著しい低下があったか否かを判断するまでもなく、本件評価損を損金の額に算入することは認められず、原処分は適法である。(平14.07.09.大裁(法)平14-6)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140003
- 裁決年月日
- 平成14年7月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の従業員である代表者の義母に対し、従業員給与を支給しているから、当該給与は損金に算入されるべきであり、また、当該給与を振り込んでいた義母名義預金は、義母個人に帰属するものであるから、請求人に帰属すると認定した原処分は誤りである旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、義母名義預金は、①義母は利用したことがない旨申述していること、②主な出金は、一部は取締役名義預金へ振り替えられ、また、その残高の一部は請求人名義預金へ反復継続して振り替えられていること、③取引銀行においても、当初から代表者が管理している預金であるとの認識を持っていること、④預金取引の伝票の筆跡は、請求人名義預金と同一であり、預金取引に係る取扱番号、時間帯がほぼ同一であること等の各事実が認められるから、請求人に帰属するものと認定した原処分は相当である。また、当該給与の額は、①義母は勤務事実がなく、請求人との間に雇用関係がなかったと認められること、②義母は、請求人等から直接給料をもらったことがない旨答述していること等を併せ考えると、義母に対する支給の事実はないと認めるのが相当であるから、その全額を架空計上であると認定した原処分は相当である。(平14.07.08.仙裁(法・諸)平14-3)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140003
- 裁決年月日
- 平成14年7月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者の父である監査役に対し、役員報酬の月額500,000円を実際に支給しているから、当該報酬の全額は損金に算入されるべきである旨、また、当該報酬が振り込まれた父名義預金は、父に帰属するものであり、請求人に帰属すると認定した原処分は誤りである旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、父名義預金は、①請求人名義預金がある銀行で開設され、その後、父名義預金へ月額140,000円の自動送金契約がされていること、②主な出金は、自動送金を除き、その残高が請求人名義預金へ反復継続して振り替えられていること、③預金取引の伝票の筆跡は、請求人名義預金と同一であり、それぞれの預金取引に係る取扱番号、時間がほぼ同一であること等の各事実が認められるから、請求人に帰属するものと認定した原処分は相当である。また、当該報酬の額は、①請求人が審判所に提出した社員総会等議事録は、信ぴょう性が認められず証拠として採用できないこと、②父名義預金に平成3年3月以降、同人が死亡するまで月額140,000円が振り込まれていること等から、当該報酬のうち同人の報酬を月額140,000円とし、これを超える部分は架空計上であるとした原処分は相当である。(平14.07.08.仙裁(法・諸)平14-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130285
- 裁決年月日
- 平成14年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712072
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/2寄附金と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・341ページ
要旨
○ 請求人は、子会社に対する貸付金債権を放棄し、子会社支援損として損金の額に算入したことにつき、子会社が倒産の危機にあり、請求人が債権放棄しなければ今後より大きな損失を蒙ることが明らかであるため、やむを得ず行なったものであり、経済取引として十分な合理的理由がある旨主張する。しかしながら、子会社にとっての資金効果は、請求人が子会社に対する貸付金の元本返済の猶予及び利息の棚上げを行った場合と本件債権放棄を行った場合とで何ら異なるところがなく、あえて債権放棄という手段をとらなければ子会社が倒産したという状況にあったとはおよそ認められないから、本件債権放棄が倒産を防止するためにやむを得ず行なわれたものであるとは認められず、請求人の主張には理由がない。(平14. 6.28東裁(法)平13-285)裁決事例集NO63・341ページ
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130043
- 裁決年月日
- 平成14年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、簿外仕入がある旨主張するが、(1)I名義普通預金口座への振込入金額は、当該入金額が仕入代金であると認めるに足る証拠資料の提出がなく、Iの答述等によっても仕入代金であるとは確認できない、(2)韓国業者からの仕入れについては、領収書の提出はあるものの、当該領収書にはいずれも日本語で「助子代」と記載され、かつ、円表示されており、また、支払いのために出金されたとする簿外預金においても、当該領収年月日前後において当該支払金額を支払うに足る出金がされておらず、また、韓国税務当局の調査によっても韓国業者と請求人とに取引がないことが確認されている、(3)Tからの仕入れのために簿外預金から出金されたとする金額については、Tの答述によっても当該出金額が仕入れのために出金されたものとは認められず、当該出金額が仕入代金であると認めるに足る証拠資料の提出がない、(4)その他の仕入にについては、請求人はその仕入先を明らかにせず、納品書及び領収書等の証拠資料も提出しないことから、これらの金額は仕入金額として認めることはできない。(平14. 6.27福裁(法・諸)平13-43)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130043
- 裁決年月日
- 平成14年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/5労務費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、パート従業員に対して簿外賞与を支給していた旨及び請求人主張額について、賞与メモを保存している事業年度は、当該賞与メモに基づいて、賞与メモの保存がない事業年度は、それに準じて算出した旨主張する。確かに、請求人の代表者、賞与メモの作成者である同代表者の妻及びパート従業員の答述等によれば、請求人は全パート従業員に対して簿外で賞与を支払っていることが認められ、また、当該賞与メモに記載された金額はパート従業員の支給額に対する答述及びパート従業員が保存する賞与支払明細書の金額と一致することから、当該賞与メモには信ぴょう性があると認められるから、当該賞与メモの保存がある事業年度については、請求人の主張額は、簿外賞与の支給額として相当と認められる。しかしながら、賞与メモの保存がない事業年度については、請求人の主張額は、その算定根拠も明らかでないことから、採用できないが、当該事業年度においてもパート従業員に簿外賞与が支給されていたと認められることから、当該事業年度の直近事業年度の支給実績の一人当たり平均額に支給時のパート従業員数を乗じて算定した金額を簿外賞与の支給額とすることが相当と認められる。(平14. 6.27福裁(法・諸)平13-43)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130043
- 裁決年月日
- 平成14年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/5労務費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、パート従業員に対して正当支給額を減額して公表支給額とし、その差額(以下「給与調整額」という。)を補てんするためにアルバイト賃金と仮装して計上(以下「仮装給与計上額」という。)し、なお足りない金額を簿外で支給していた旨主張し、簿外給与額について、給与支払明細書を保存するパート従業員の1年間の給与調整額の一人当たり平均額に、年換算パート従業員数を乗じて計算した金額から仮装給与計上額を控除する方法で推計している。確かに、請求人が雇用確保の観点から、パート従業員のうち年収が103万円を超える見込の者について、正当支給額を減額して公表計上額としていたこと及び給与調整額を補うために仮装給与計上額を計上していたことは認められる。しかしながら、上記請求人の推計方法は、パート従業員全員の公表計上額が正当支給額より少ない額であるとの前提で推計されているが、正当支給額が年103万円に満たない者については、給与の調整を行う行為はなされていないことから、その前提において簿外給与の実態と異なっており、請求人の推計額には合理性がなく、また、当審判所が給与調整額として確認できる金額は、給与支払明細書を保存する者の金額であり、当該金額は仮装給与計上額には及ばず、また、その他のパート従業員の中にも給与調整額を支給されている者が含まれていることは認められるものの、その他のパート従業員に対する給与調整額を算定できない以上、請求人が仮装給与計上額を上回って給与調整額を支給していたとは認められない。(平14. 6.27福裁(法・諸)平13-43)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130058ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注先が認めているように架空の外注費ではないと主張するが、当審判所の調査によると、外注先は、請求人の元代表取締役の指示に基づき架空の領収証等を発行し、領収証等に記載された金額の一部しか請求人から金銭を受け取っていなかったことが認められることから、請求人が外注費を水増し計上していたものと認めるのが相当である。(平14. 6.27広裁(法・諸)平13-58)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130058
- 裁決年月日
- 平成14年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Mからの鉄筋の仕入れは架空でない旨主張するが、当審判所の調査によれば、Mが金銭の収受を否定していること、鉄筋を仕入れるのであれば、同商品を扱っているW商事から仕入れるのが当然であるにもかかわらず、同社に勤務しているMから仕入れることには合理的な必要性を見いだすことができないことなどから、請求人が、名義の虚偽の請求書等に基づき架空の材料費を計上していたものと認めるのが相当である。(平14. 6.27広裁(法・諸)平13-58)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130092ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に対する手形貸付は、本件手形が不渡りとなり、A社の所在も不明となっているから、A社に対して債権放棄の法的手続きを行って、本件手形債権について貸倒損失としたのであるため、本件貸倒損失の損金算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が手形貸付をしたとするA社は、法人としての実体がなく、その代表者とされる人物もA社の存在を知らないこと及び請求人はA社に多額な融資を行っているにもかかわらず、A社に対して金銭消費貸借に係る契約書、領収証及び担保物を徴しておらず、信用調査も行っていないことが認められる。さらに、請求人は本件手形債権が回収不能となったとする事業年度に貸倒処理をせず、請求人の保有する土地を売却し、多額な土地売却益が生じた事業年度に本件手形債権に対する債権放棄の法的手続きを行って、本件貸倒損失を計上していることが認められる。そうすると、本件貸倒損失は、実体のない法人に手形貸付を架空計上することによって、本件土地売却益の減殺を目的とした意図的かつ計画的に行われたものと認められるから、本件貸倒損失を認めなかった原処分は適法である。(平14. 6.24名裁(法)平13-92)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130277
- 裁決年月日
- 平成14年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が資金を拠出して参加した映画投資事業組合が、当該拠出資金と外国銀行からの借入金を原資として本件映画フィルムの所有権等を購入し、配給会社に賃貸した一連の取引は、本件配給契約の複雑な規程及び代理権授与の措置等により配給会社に本件映画フィルムの所有権等が移転したのと変わらない状態を作り出していると認められることから、映画投資事業組合は本件配給契約等の締結時において、本件映画フィルムの所有権等を出捐することにより、貸付金債権と出資類似の債権が複合した無名債権を取得したとみるべきであり、借入金利子については、借入金と同額の貸付金債権が存在することから同額の貸付金利子を益金に計上すべきであり、また、配給収入は当該出資類似の債権の償還と認められ益金に計上されないと認められるので、原処分は適法である。(平14. 6.24東裁(法)平13-277)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130271
- 裁決年月日
- 平成14年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/1交際費処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分のうち、使途秘匿金と認定したことに対する理由附記が不備であり、また、使途秘匿金と認定した額は、事実の認定を誤ったものであるから違法である旨主張する。しかしながら、理由附記については、理由附記制度の趣旨、目的に照らし欠けるところはない。又、使途秘匿金課税については、元総務課長が他から購入するなどして集めた飲食店の領収証等に基づいて交際費に計上し捻出した金員について、請求人は、その支出の相手方の氏名等を帳簿書類に記載しておらず、また、その相手方の氏名等、支出目的などを明らかにしないことについて、相当な理由があるとは認められないから、事実が認められることから請求人の主張には理由がない。(平14. 6.19東裁(法)平13-271)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130027
- 裁決年月日
- 平成14年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、他の酒類製造業者から販売に関する部分の営業権を譲り受けたものであり、営業権償却費を損金の額に算入したのは適法であると主張する。しかしながら、当該酒類製造業者は営業権譲渡契約締結後も自社名で得意先等に酒類の販売を続け、製造利益と販売利益とを区分計上しておらず、また、販売利益を請求人に移転した事実も認められないことから、請求人が営業権を譲り受けたとは認められない。したがって、本件営業権の減価償却費を損金の額に算入できないとした原処分は相当である。(平14. 6.14熊裁(法)平13-27)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130026
- 裁決年月日
- 平成14年6月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710045
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/5その他の経費との区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・309ページ
要旨
○ 請求人は、請求人の取締役会長に支払った見舞金は合理的な会社規定に基づき支払われたもので、その額は不相当に高額なものではない旨主張する。しかしながら、見舞金等の福利厚生費の規定が存する法人についてその役員に対する見舞金等の支給状況を検討したところ、法人の役員に対して支払われる福利厚生費としての見舞金の額は、入院一回当たり50.000円が社会通念上相当である金額の上限と認められることから、当該金額を超えて請求人の取締役会長に支払われた見舞金は、同人に対する賞与に該当する。(平14. 6.13熊裁(法・諸)平13-26)裁決事例集NO63・309ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130026
- 裁決年月日
- 平成14年6月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・309ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人の取締役会長は長期入院が継続し通常の勤務ができなかったことから非常勤の取締役に該当すると認められるところ、類似法人の非常勤取締役に支払われた役員報酬の状況をそれぞれ比較検討した結果、同人の役員報酬の適正額は月額500.000円であると認められることから、当該金額を超える部分の報酬額は法人税法第35条に規定する役員賞与に該当し、損金の額に算入できない旨主張する。しかしながら、請求人の取締役会長は入退院は繰り返しているものの、相当程度にわたりかなりの頻度で請求人の職務に従事していたと認められ、また、同人が正規の手続により非常勤の取締役となった事実も認められない。そうすると、請求人の取締役会長は常勤の取締役と認めるのが相当であり、また、類似法人の常勤取締役会長に支払われた役員報酬の状況等の検討によっても同人に対して支払われた報酬額が不相当に高額であるとは認められない。(平14. 6.13熊裁(法・諸)平13-26)裁決事例集NO63・309ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130026
- 裁決年月日
- 平成14年6月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・309ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人の取締役会長に対して支払われた退職給与の額は同人に対する最終月額報酬を基礎とする方法により算出されているところ、当該最終月額報酬の額は不相当に高額と認められることから、当該退職給与のうち、同人の適正最終月額報酬の額と認められる金額を基に計算した金額を超える部分の金額は法人税法第36条に規定する不相当に高額な部分に当たり、損金の額に算入できない旨主張する。しかしながら、請求人の主張する請求人の取締役会長に対する最終月額報酬の額が不相当に高額とは認められないことから、当該金額を基に算出された退職給与の額も不相当に高額とは認められない。(平14. 6.13熊裁(法・諸)平13-26)裁決事例集NO63・309ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130086
- 裁決年月日
- 平成14年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成9年6月30日付で帳簿に受け入れ同日付で貸倒損失に経理した本件貸付金につき、請求人と得意先との取引の関係から生じたものであり、請求人の代表者の個人的な融資ではないから、当該損失は請求人の債権に係るものとして損金の額に算入されるべきである旨主張するが、本件貸付金の原資は代表者らが個人的に手当てした資金であり、融資先から担保として差し入れられた手形は、代表者の妻が記載する手形受払帳で期日管理等がされた上、代表者らの個人預金で取り立てられていることが認められるところ、代表者の平成8年分所得税確定申告書に添付された財産債務明細書には本件貸付金が代表者の債権として記載されており、また、請求人は、上記受入れ処理をするまで、本件貸付金に関する取引を一切その帳簿に記載していないから、本件貸付金は請求人の有する債権には当たらないと解するのが相当であり、したがって、本件貸付金に係る貸倒損失を請求人の所得金額の計算上損金の額に算入することはできない。(平14. 6.13関裁(法)平13-86)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130024
- 裁決年月日
- 平成14年6月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716120
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/12福利厚生費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件各生命保険契約に係る保険料の損金算入につきは、本件各契約が福利厚生目的で締結されたものでもなく、その必要性及び経済的合理性も認められず、不当に税負担を軽減し適正・公平な課税を困難ならしめるものであるから、法人税法第22条第4項に規定する一般に公正妥当と認められる会計基準とはいえず、形式的には、損金の額に算入することを認める本件各生命保険通達の要件を充たしていても当該通達の適用はできないから、その全額を保険積立金に資産計上すべきである旨主張する。しかしながら、本件各生命保険契約を締結しなかった場合と比較した法人税の減少をもって不当な税負担の軽減ということはできず、また、請求人が実質の税負担や解約返戻金を検討した上で本件各契約を締結したことも、経営者としての経営判断であると認められ、さらに、本件各生命保険通達を適用した会計処理は法人税法第22条第4項に規定する一般に公正妥当と認められる会計基準に従ったものであるということができるから、原処分はその全額を取り消すのが相当である。(平14. 6.10熊裁(法)平13-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130084
- 裁決年月日
- 平成14年6月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/1不動産取引に係る手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各社に対し、本件ホテルの売却の仲介を依頼したが、最終的には本件各社以外の業者の仲介により売却されたため、請求人が本件各社に対して支払った本件金員は、本件各社に対する報酬請求権の対価であるから、損金として認められるべきである旨主張する。しかしながら、当審判所の調査よっても、(1)本件各社は、自ら発行した領収書に記載された所在地には、いずれも事業所が存在しないこと、(2)本件各社の代表者の住所地も定かでないこと、(3)請求人から証拠として提出された関係者の陳述には、あいまいな点が多く、信ぴょう性が認められないこと及び(4)請求人と本件各社の間には本件ホテルの売却に係る仲介の委任契約もなく、報酬請求権の存在も認められず、本件各社に対して支払われたとする本件金員を事実に基づかない架空のものであるとした原処分は相当である。(平14. 6. 5.名裁(法)平13-84)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130253
- 裁決年月日
- 平成14年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 商品取引業を営む請求人は、委託者である関連会社やオーナーの親族と自己との取引において、故意に、自己の売買損、相手方の売買益を発生させた事実はない旨主張するが、当審判所の調査によれば、請求人の監査役が、請求人と関連会社等の双方の意思を代理する一種の双方代理の立場にあることを利用して、請求人に売買損、相手方に売買益を自由に発生させることができると認められること、また、商品取引所の売買訂正ルールを悪用していることが認められるのであり、請求人から関連会社等への利益供与として寄附金に該当するとした原処分は適法である。(平14. 5.29東裁(法)平13-253)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130080
- 裁決年月日
- 平成14年5月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金は請求人のA法人に対する貸付金であり、A法人が解散したことにより回収困難となったため貸倒損失に計上した旨主張する。しかしながら、本件貸付金は、請求人の帳簿書類及び資金の流れ等から判断すると、実際には請求人から請求人の代表者に貸し付け、それをA法人の代表者に貸し付け、さらに、A法人に貸し付けたものと認められること及び本件貸付金は、請求人の代表者から全額返済を受けているのであるから、請求人のA法人に対する貸付金であるとは認められず、貸倒損失を認めなかった本件更正処分は適法である。(平14. 5.21関裁(法)平13-80)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130034ほか 10件
- 裁決年月日
- 平成14年4月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人を含む漁業協同組合によって設立された振興協会に対して拠出した本件出捐金が繰延資産に該当する旨主張する。しかしながら、振興協会は民法第34条の規定に基づいて設立された公益法人であり、振興協会寄付行為に定められた事業はいずれも公益に関するものであること、本件出捐金は請求人の総会の決議を経て任意にきょ出されたものであること及び振興協会の基本財産は原則として処分し、又は担保に供することができず、また、解散時においても返還されないことなどからすると、本件出捐金は、法人税法第37条第6項にいう寄付金となり、繰延資産には該当しない。また、請求人は、本件出捐金は法人税基本通達8−1−11でいう同業者団体等の加入金と同様であるから繰延資産として取り扱うべきである旨主張するが、ここでいう同業者団体等とは、その構成員に対して専属的に利益を供与する団体で、加入金を支出することによりはじめて当該団体に加入することができ、以後引き続いて当該団体から会員としてのサービスの提供を受けることができるものであるところ、振興協会は、公益法人であることから公益事業として不特定多数の者に便益を供与するもので、かつ、出捐金のきょ出も任意であることからすると、仮に請求人が何らかの便宜の供与を受けているとしても、本件出捐金を同業者団体等の加入金として取り扱うことは相当ではない。(平14. 4. 8.高裁(法)平13-34)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130020
- 裁決年月日
- 平成14年4月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aらが開発業者Bに支払った参画契約金に対して保証の確約をしていた責任をとったものであり、本件損害金は、請求人の業務に関連して発生したものであるから、全額を損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人の主張する保証の確約は、企業会計上偶発債務と認められるところ、請求人は偶発債務を有しているとの証拠を何ら提出していない等の理由から、請求人が、本件損害金について保証に起因する債務を有していると認めることはできない。したがって、(1)A及びBに支払われた損害金相当額は、両人に対する役員賞与に、また、(2)Cに支払われた損害金相当額は、同人に対する債務の弁済ではなく、金銭の贈与と認められることから同人に対する寄附金に該当し、さらに、(3)本件損害金のうち未払相当額は、その債務を有しているとは認められないことから、請求人の所得金額の計算上、(1)及び(3)についてはその全額を、(2)については、寄附金限度超過額を損金の額に算入することはできない。(平14. 4. 3.熊裁(法・諸)平13-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130194
- 裁決年月日
- 平成14年3月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707016
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/6ソフトウェアの開発費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ソフトウェアの制作委託費用は、法人税法施行令第14条第1項第4号又は5号に規定する試験研究費あるいは開発費に該当し、一括償却が認められる旨主張するが、本件ソフトウェアの制作委託費用は、他の者に委託してソフトウェアを制作した場合におけるその委託するために要した費用であるから、法人税法第2条第25号及び法人税法施行令第14条第1項第9号ハに規定する繰延資産に該当し、一括償却が認められない。(平14. 3.18東裁(法)平13-194)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平130015
- 裁決年月日
- 平成14年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716069
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、特定の団体に支払った顧問料は請求人の業務遂行上必要な支出として損金の額に算入されるべきであると主張するが、(1)当該顧問料の支払日ごとの請求書・領収証等がなく、また、査察調査で把握された請求人等が保管していた資料には特定の団体に係る記述が一切なく、それらのことは請求人が主張する顧問契約の内容からみて不自然であること、(2)請求人は各事業年度の法人税に係る各修正申告において当該顧問料を損金の額に算入しているにもかかわらず、その後に行われた裁判において、その所得金額等の確定に影響する当該顧問料の損金算入に関して何ら主張していないということは不自然、不合理であること、(3)顧問契約の締結は正式に取締役会等で諮った事実はないこと、(4)その他代表者の供述等を総合勘案すると、仮に当該顧問料の支払いがあったとしてもその支払いは請求人の支出とは認められないから、当該顧問料は損金の額に算入できない。(平14. 3.15金裁(法・諸)平13-15)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130050
- 裁決年月日
- 平成14年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が公表給与明細表のほかに実際給与明細表を作成して役員報酬を架空・水増し計上したとする原処分庁の認定につき、各人の意志に基づき役員報酬を預っていたのであり公表外帳簿は請求人の帳簿でなく、一族の財産として管理していたものである旨主張する。しかしながら、請求人は、公表帳簿に計上した役員報酬を各人に渡さず、公表外の現金出納帳に入金させた後、実際に支給する役員報酬の計算をやり直し、公表計上額の一部を当該現金出納帳から出金して支給していたものであり、また、公表外の現金出納帳には、請求人の売上除外金額及び架空経費が入金され、請求人はこれらの方法で得た資金で割引債券を購入しているから、公表外の現金出納帳は、請求人が公表に出せない隠し財産を管理する裏帳簿であると認められる。したがって、この架空・水増し計上した役員報酬を損金に計上することは認められない。(平14. 3.14名裁(法)平13-50)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130051
- 裁決年月日
- 平成14年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、毎月の役員報酬の90%を現実に支給し、毎年12月、その残額を報酬とは別に支給していたものであるから、原処分庁が当該支給額(本件給与)を役員賞与とみなすのは誤りである旨主張する。しかしながら、法人税法は、役員報酬と役員賞与とを臨時的な給与か否かという定型的・外形的な基準によって区別することとしたものでと解すべきところ、(1)本件給与は、毎月定額の役員報酬とは別に、毎年12月に支給されていること、(2)本件給与に係る給与支払明細表では「賞与」と題されており、源泉所得税額も賞与として計算された金額が記載されていること、(3)本件給与は、公表外で作成された給与支払明細表に基づいて支給されていること、(4)本件給与の金額は請求人が主張する金額(10%)と一致していないこと、の各事実が認められる。以上の事実からすると、本件給与は「臨時的給与」であり、上記請求人の主張には理由がない。(平14. 3.14名裁(法・諸)平13-51)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130029
- 裁決年月日
- 平成14年3月7日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716150
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/15横領損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・362ページ
要旨
○ 請求人は、Aに対する本件紹介手数料は、元専務取締役に詐取されたものであり、結局、元専務取締役の詐欺横領に係る金銭については、同額が損金となり、差引所得がないことに帰する旨主張する。しかしながら、請求人は元専務取締役に対する債権を取得したとしても、当該債権は、債務者の無資力その他の事由によって実現不能であることが明白になったときに初めて損金として処理すべきであるところ、請求人は本件紹介手数料について、元専務取締役に対して詐欺又は横領等による損害の賠償を求める民事訴訟を提起しているのであるから、元専務取締役に対する債権は、取得当初から明白に実現不能の状態にあったものとは認められず、Aに対する本件紹介手数料を損金として算入することはできない。(平14. 3. 7.広裁(法・諸)平13-29)裁決事例集NO63・362ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130016
- 裁決年月日
- 平成14年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、営業譲受けに伴い引き受けた資産の総額と負債の総額との差額786.434.793円は、営業権に該当する旨主張する。しかしながら、(1)請求人が営業譲受けに伴い引き受けたホテルは、許認可を受けて事業を行っていたものではないこと(2)A地区の温泉権には独占権はないこと(3)引き継いだ資産の中には、将来、収益を生み出すような特許権等の資産はないこと(4)ホテルのオープンから営業譲渡までの貸借対照表によれば、債務超過の状態にあり、その額は増加していることが認められることからすれば、請求人が営業譲受けに伴い引き受けたホテルには、他の企業を上回る企業収益を稼得することができる無形の財産的価値を有する超過収益力があるとは認められないことから、営業権は認められず、請求人の主張を採用することはできない。(平14. 3. 5.熊裁(法・諸)平13-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130041
- 裁決年月日
- 平成14年2月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、本件土地の明渡しに関わる裁判上の和解(本件和解)において、自己の有する相手方に対する金銭債権(本件金銭債権)とその明渡しに伴う立退料(本件立退料)を相殺したとされていることにつき、本件債権が本件立退料に転嫁したものであり、それは本件土地の取得価額を構成すると主張する。しかしながら、本件債権については、(1)債務者が破産し、長期間にわたり多額の債務超過にあること、(2)債務者が休業状態で稼働していないこと、(3)本件立退料の対象となる建築物が本件土地上にはなく、本件条項は請求人側の一方的事情に基づく虚構のものと認められること、及び(4)債務者には債務返済のための財産もなく、本件債権に対する担保物もないことが認められる。したがって、請求人が、これらの事実に基づき、法人税基本通達9−6−2を適用して本件債権を貸倒処理したことは妥当と認められるから、原処分は取り消すのが相当である。(平14. 2. 5.名裁(法)平13-41)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130048
- 裁決年月日
- 平成14年1月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710047
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/7使用人兼務役員に対する賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、その名刺に常務取締役営業本部長と冠記している請求人の取締役は、使用人兼務役員とされない役員に該当するから、同人に支給した本件賞与の額を損金の額に算入することはできない旨主張するが、使用人兼務役員とは、使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事する者で、代表取締役、常務取締役等以外の者をいうとされているところ、単なる通称又は自称の常務取締役を内部組織上明確にその地位が付与されている常務取締役等と同列に扱わなければならないほどの理由は認められないから、法人税法施行令第71条第1項第1号に規定する常務取締役とは、定款等の規定又は総会等の決議により職制上の地位が付与された役員をいうと解するのが相当である。そうすると、当該取締役について定款の現定又は総会等の決議により職制上常務取締役の地位が付与されていた事実はなく、「営業本部長」という使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事していたことが認められるから、当該取締役は使用人兼務役員に該当すると解するのが相当であり、また、本件賞与の額は、損金経理により他の従業員に対する賞与の支給時期に支給され、かつ、使用人としての職務に対する賞与として不相当であるとは認められないから、これを損金の額に算入するのが相当である。(平14. 1.31関裁(法・諸)平13-48)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130048
- 裁決年月日
- 平成14年1月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件棚卸計上漏れ額は、既に除斥期間を経過し更正できない事業年度のものを含んでいるから、本件更正処分に係る所得金額は過大である旨主張するが、期末棚卸資産の価額は、各事業年度終了の時において有する棚卸資産のすべてを評価して計算することを要するから、当該棚卸資産の取得時期によって、期末棚卸資産に含めたり含めなかったりすることはできず、また、請求人の主張を「本件棚卸計上漏れ額を平成11年1月期の期末棚卸資産の価額に含める以上は、前期棚卸計上漏れ額を平成11年1月期の期首棚卸資産の価額に加えるべきである」との主張であると解したとしても、請求人は、前事業年度以前の棚卸原票その他棚卸資産の明細を証する書類を保存しておらず、その主張を裏付けるに足る証拠も提出しないのであるから、既に除斥期間を経過した事業年度の期末棚卸資産に計上すべき棚卸商品等が、その後前期末現在に至るまで継続して各事業年度の期末棚卸資産に計上されていなかったかどうかは明らかでないというほかなく、このような事情の下、原処分庁が、請求人の申告に係る前事業年度の期末棚卸金額を本件事業年度の期首棚卸資産の価額として採用していたとしても、そのことをもって本件更正処分を違法ということはできない。(平14. 1.31関裁(法・諸)平13-48)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130017
- 裁決年月日
- 平成14年1月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・276ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人が本件家具はブローカーを通じて仕入れたものであり正当であると主張しているのに対して、保存する仕入れの証憑の仕入先はK社であり、帳簿に記載した仕入先はM社であることから請求人の計上した仕入れは架空であると認定し、正しい本件家具の仕入金額は、輸入代行業者が税関に提出した輸入申告書に添付したインボイスの金額に諸費用を加算した金額であると主張する。しかしながら、同インボイスの金額が請求人の正しい商品純仕入高であるというためには、少なくとも請求人が同輸入代行業者に輸入代行を委託していることが前提であるが、この点を証明し得る証拠はない。一方、同輸入代行業者は、ブローカーと推認される業者から輸入代行手数料を収入していることが認められ、さらに、請求人が計上した家具の仕入金額は、同業他社の家具の仕入価格の水準と同程度であるところ、請求人の主張には、一定の信憑性があるので、原処分は相当でないといわざるを得ない。(平14. 1.24高裁(法・諸)平13-17)裁決事例集NO63・276ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130036
- 裁決年月日
- 平成13年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/1少額資産等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が営業店舗内に防犯を目的として設置した本件ビデオカメラ等について、一体として機能する一つの設備に当たらず、本件ビデオカメラ等のそれぞれの取得価額が20万円未満であるから、少額の減価償却資産として本件各事業年度においてその取得価額の全額が損金の額に算入されるべきである旨主張するが、本件ビデオカメラ等が防犯目的で設置されるものである以上、請求人が本件ビデオカメラ等をそれぞれ個々に選択の上、一括購入していたとしても、本件ビデオカメラ等はそれぞれの物品が個々に取引されたものでなく、防犯用設備として、本件ビデオカメラ等全体が1組として取引されたと判断するのが相当であり、そうすると、本件ビデオカメラ等の営業店舗ごとの取得価格の合計額は20万円を超えるから、少額減価償却資産に該当しないというべきである。(平13.11.30関裁(法)平13-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130096
- 裁決年月日
- 平成13年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人の取締役会長(前代表取締役)が、監査役報酬を、自分が管理する口座に振り込ませ個人的に費消していた。これについて、請求人は、その事実を承知しておらず、請求人の関知しない、取締役会長の個人的な行為であり、請求人としては、監査役に対し、適正な報酬額を支払っていたにすぎないのであるから、その監査役報酬について、取締役会長に対する役員報酬を仮装したものとして、重加算税を賦課するのは違法であると主張する。しかしながら、取締役会長が監査役報酬を個人的に費消していたことから、当監査役報酬は取締役会長に対する役員報酬と認められ、また、取締役会長は、設立当時からの代表取締役であり、辞任後も経営に参画していると認められる者であることから、たとえ請求人が知らなかったとしても、請求人の行為と同視されるべきであり、本件更正処分は適法である。(平13.11.30東裁(法)平13-96)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130027
- 裁決年月日
- 平成13年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710059
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・258ページ
要旨
○ 請求人は、本件事業年度において損金経理により未払金に計上した本件役員退職慰労金等の額は、平成8年5月31日に開かれた理事会の決議に基づいて制定された「役員規定」に依拠しているから、役員が退任した事実をもってその支給金額が具体的に確定する旨主張するが、法人税法第22条第3項第2号には、原則として債務の確定した費用のみを損金の額に算入する旨が規定されているところ、本件役員規定第42条には、役員の退職慰労金等は社員総会の承認を得て支給する旨が、また、同規定第45条には、退職慰労金等の額は社員総会において承認された額とする旨がそれぞれ定められており、これらの条項によれば、退任役員に退職慰労金等を支給するか否か及び支給金額を幾らとするかについては、いずれも社員総会の承認の有無に依拠することは明らかであるから、役員の退任を原因として、当該役員に支給する退職慰労金等の額が自動的に決せられ、何らの手続を要することなく請求人がその支払義務を負うと解することはできず、したがって、請求人が、本件事業年度中において、本件退職慰労金等の支給に関し、社員総会で何らの決議もしていない以上、本件退職慰労金等に係る債務は確定していないと解するのが相当である。(平13.11.13関裁(法)平13-27)裁決事例集NO62・258ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130081
- 裁決年月日
- 平成13年10月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/1販売費、売上割戻し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件リース解約金は既に本件調査担当職員が取引先調査により把握した仕入金額に含まれている旨主張する。しかしながら、請求人が費用として認容すべきであると主張するリース解約金は、原処分においてその一部分しか費用として認容されておらず、その内容から請求人の費用として認容すべきものと認められるので、これを所得金額の算定上認容すると、法人税の更正処分の一部は取り消されることとなり、また、重加算税の賦課決定処分は全て取り消されることとなる。(平13.10.31東裁(法・諸)平13-81)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130014
- 裁決年月日
- 平成13年10月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716120
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/12福利厚生費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・267ページ
要旨
○ 請求人は、代表者の妻その他1名で行った本件旅行は、幹部職員に対する厚生活動であるから、福利厚生費として損金の額に算入されるべきである旨主張するが、本件旅行費用に係る領収証のあて名は代表者の妻個人であり、また、同行した者は請求人の従業員ではないと認められ、さらに、請求人がその従業員を対象として計画的に厚生活動を行っていた事実も認められないから、本件旅行が請求人の厚生活動として行われたとの請求人の主張は採用しがたく、本件旅行費用は、代表者の妻個人の費用を請求人が負担したものと解するのが相当であり、代表者の妻が請求人の役員であるという身分関係に照らせば、請求人が同人の費用を負担したことは、役員に対し賞与を支給したものと解すべきであるから、所得金額の計算上損金の額に算入することはできないとするのが相当である。(平13.10.10関裁(法・諸)平13-14)裁決事例集NO62・267ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130014
- 裁決年月日
- 平成13年10月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/5修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・267ページ
要旨
○ 請求人は、代表者に対する賞与と認定された本件工事費用には、店舗駐車場の車止め補修工事費用(以下「店舗関連費用」という。)が含まれており、店舗関連費用部分は請求人の修繕費に該当するから損金の額に算入されるべきである旨主張するが、工事業者の発行した領収証及び請求書には、墓石工事に関する工事内容のみ記載され、請求人が経営する店舗に関係する工事についての記載はなく、請求人は、店舗関連費用に係る工事箇所、工事内容及び金額その他を具体的に明らかにせず、当審判所の調査によっても、当該費用が支出された事実又はそれを推認し得る事実は認められないから、本件工事費用には店舗関連費用は含まれていないといわざるを得ず、したがって、損金の額に算入される部分はないとするのが相当である。(平13.10.10関裁(法・諸)平13-14)裁決事例集NO62・267ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130014
- 裁決年月日
- 平成13年10月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・267ページ
要旨
○ 請求人は、事業の継続を確保する必要上本件費用の支払先を明らかにできないのであるから、本件費用は損金の額に算入されるべきである旨主張するが、法人税法第22条第3項の規定により損金の額に算入すべき費用は、当該内国法人の費用でなければならないことは当然であり、当該費用が当該内国法人の費用であるというためには、その支払先及び使途が明らかで、かつ、当該内国法人の業務に関するものであることを要するというべきであるところ、請求人は、当審判所に対し、本件費用の支払日及び支払先等について具体的に明らかにせず、当審判所が本件費用に係る帳簿書類等の提出を求めたにもかかわらず、これを提出しないから、当審判所の調査によってもその支払先及び使途を確認することができない。したがって、本件費用の支払先及び使途が確認できない以上、本件費用が請求人の費用に当たるということはできないから、本件費用の額を損金の額に算入することはできないとするのが相当である。(平13.10.10関裁(法・諸)平13-14)裁決事例集NO62・267ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130005
- 裁決年月日
- 平成13年10月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/1たな卸資産の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、パチンコ店を営む請求人が有するパチンコの景品のうち、遊技客が現金と交換することができる特定の景品は、外形上は客、換金業者、請求人と所有権が移転する形態をとっているが、その実態は、請求人内にとどまって繰り返し使用され、時の経過とともに価値が減少する減価償却資産であり、たな卸資産ではない旨主張するが、当該景品の所有権は、実際に客、換金業者、請求人の間を移転しており、その間の危険負担もその時に所有権を有している者が負っていること及び請求人も当該景品を遊技客に景品として払い出す目的で換金業者から仕入れていることから、その性質はタバコや菓子類の一般景品と変わるところがなく、請求人の通常の営業活動において短期的に消費される財貨ということができ、当該景品をたな卸資産に該当するとして行った更正処分は適法である。(平13.10. 9.熊裁(法)平13-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130014
- 裁決年月日
- 平成13年10月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300704030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/3取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、過去に販売したリゾート会員権の買取りは合意解約であるから、当初の売買契約がなかったものとして当該会員権の棚卸資産としての評価額を当初の販売時の原価(以下「当初販売原価」という。)で計上したことは正当である旨主張する。しかしながら、(1)請求人が会員と締結した合意解約は、会員が解約時まで施設を利用していた対価等の清算も、現状回復等に要する費用の清算も一切なされていないことから、いわゆる解除の遡及効を有しないものであり、また、(2)買取りに当たり、土地及び建物の金額が記載された買取金額計算書を会員に交付し、その対価を支払っているのであるから、本件取引は新たな売買と認められる。そうすると当該会員権の棚卸資産としての評価については、取得価額である買取金額計算書に明示された価額をもって、計算すべきであるから、当初販売原価での計上は認められない。(平13.10. 1.名裁(法・諸)平13-14)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130014
- 裁決年月日
- 平成13年10月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/3自己が便益を受ける公共的施設の費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、保育所の建設費用(以下「本件保育所建設負担金」という。)の負担は、開発協定の締結段階で付された条件ではなく、駐車場の用地を賃借するために支出した費用であるから借地権に該当すると主張する。しかしながら、開発協定書には、開発事業の施工中及び完成後において新たに必要となる公共施設の設置については、事業者がこれを設置し、整備する旨の規定があることから、保育所の建設費用の負担は、当該開発協定書に基づくものと認められること等から、本件保育所建設負担金は、宅地開発等の許可を受けるために地方公共団体に対してその宅地開発等に関連して行われる公共的施設等の設置又は改良の費用に充てるものとして支出する負担金等に該当し、繰延資産となるから、原処分の主張には理由がない。(平13.10. 1.名裁(法・諸)平13-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130013
- 裁決年月日
- 平成13年9月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300711030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/3従業員退職給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成10年3月期の未払金に計上した本件従業員10名に係る退職金は、いずれも確定債務であるから損金の額に算入すべき旨主張するが、本件従業員退職金は、使用人の退職により支給される給与であり、使用人が現実に退職するまでは具体的な給付をすべき原因となる事実が発生しないと解されるところ、本件従業員と請求人との雇用関係は同期末以後においても継続しており、また、本件従業員のうち平成10年3月末現在において、すでに本件就業規則に定める定年に達していた者4名(以下「本件定年従業員」という。)については、定年に伴って何らかの退職金が支払われた事実はなく、請求人が未払金計上した本件定年従業員に係る退職金の額は、いずれも本件退職金規程により計算される退職金の額と相違し、かつ、その後の退職時の支給額とも相違しているのであるから、本件従業員退職金は、将来、本件従業員が実際に請求人を退職する際に発生する退職金費用を見積もり計上したにすぎないと解するのが相当であり、平成10年3月末現在において、その債務は本件従業員いずれの者についても確定していないと解すべきである。(平13. 9.27関裁(法)平13-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130013
- 裁決年月日
- 平成13年9月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710052
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/2損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その出資者は代表者ひとりであり、代表者は社員総会を開催し本件死亡退職金について議決しているから、社員総会等の議事録にその記載がなかったとしても、決議は有効に行われている旨主張するが、社員総会等の議事録に本件死亡退職金に関する記載がない以上、これに関する決議がなされたか否かは明らかでないというほかなく、当該決議の有無又は適否については、四囲の状況を斟酌して判断せざるを得ないところ、仮に、平成10年3月末までに本件死亡退職金が債務として確定していたとすれば、当該退職金は、相当期間内に相続人に対し支払われるか、少なくとも、相続人に対し、具体的な支給時期及び支給金額等が明示されるのが当然と解されるから、本件のように、請求人が相続人に対し本件死亡退職金の支払をなした事実並びに支給時期及び支給金額等を通知した事実がなく、当審判所の調査によっても、他に請求人の主張を裏付けるに足る証拠もない以上、本件死亡退職金が社員総会等の議決を経て有効に確定していたとの請求人の主張は採用しがたく、むしろその債務は平成10年3月末現在において確定していなかったと認めるのが相当である。(平13. 9.27関裁(法)平13-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130058
- 裁決年月日
- 平成13年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/2評価方法
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、第三者割当増資時点における子会社の株式の評価に当たり、同社が保有しているA株式、B株式を純資産価額方式で評価するのは不合理であり、配当還元方式等を用いて算出すべき旨主張する。しかしながら、上記子会社の保有する株式のうち、Aの株式価額については、請求人が依頼したコンサルティング会社の評価書(時価純資産価額方式)を基礎とする売買実例があり、原処分庁はこの評価書の評価額に適正な修正計算を加えて時価を算定しているところ、その価額は上記売買実例価額に照らして時価として適当である。また、Bの株式価額については、売買実例はないものの、請求人が同株式の価額として原処分庁の調査時に提出した「1株当たりの純資産額の計算明細書(時価純資産価額方式)」があることから、原処分庁は、この評価額に適正な修正計算を加えて時価を算出しており、その評価額は相当と認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。東裁(法)平13-58)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130001
- 裁決年月日
- 平成13年9月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/3資本的支出と修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、A、B及びCの各建物の屋根の雨漏り防止工事は、建物の通常の維持管理のため、又はき損した固定資産につきその現状を回復するために支出した費用とは認められず、修繕費には該当しない旨主張する。そして、A建物は、屋根の20箇所以上の亀裂から雨漏りが発生したもので、その亀裂に対して個別に修理ができたにもかかわらず、その屋根の上に屋根全体を覆い被せた屋根カバー工法により工事を行ったものであり、耐用年数の到来が近い屋根を新たに覆う本件工事は屋根の耐用年数を延長し、その価額を増加させると認められることから、本件工事費用を資本的支出とした原処分は相当である。しかしながら、B建物及びC建物に係る本件工事は、各建物の屋根がそれぞれ陸屋根造りであるため、雨漏りの箇所が特定できないことから、陸屋根の上に鉄骨を組み屋根で覆った折板屋根工事による防水工事を応急的に行ったものである。また、本件工事は、過去何度となく補修工事を行っていたにもかかわらず雨漏りが続いていたこと等を考慮すると、本件工事を行わない場合においては結果的に当初予定の建物使用可能期間を短縮させることになると予測されるとともに、本件工事によって新たに生じた屋根裏の空間にも利用価値が認められないことから、建物の維持管理のための措置であったと認められ、B建物及びC建物に係る本件工事費用は修繕費とするのが相当である。(平13. 9.20福裁(法)平13-1)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130001
- 裁決年月日
- 平成13年9月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が海外子会社で働く従業員に支給した金員は、出向者に対する給与であり、租税特別措置法66条の4第3項の国外関連者に対する寄付金に該当するとして、損金に算入できない旨主張する。しかしながら、(1)当該従業員と海外子会社との間に、雇用関係があった事実は確認できない、(2)他の海外子会社で働く従業員と異なり、当該従業員は海外子会社から給与の支給はない、(3)当該従業員は、海外居住期間中も請求人の従業員として雇用保険に加入していることなどから、当該従業員は、海外子会社の社員の身分を有する出向者ではなく、請求人が海外子会社に派遣したものと認められる。したがって、請求人が支給した金員は、請求人が自ら雇用する従業員に対して支給した給与であることから、請求人の損金とするのが相当である。(平13. 9.20福裁(法)平13-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130009
- 裁決年月日
- 平成13年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・249ページ
要旨
○ 請求人は、土地の取得に際し売主に支払った固定資産税等は租税公課であるから損金の額に算入すべきであると主張するが、土地等の非減価償却資産についても、法人税法第22条第4項の規定により、また、法人税法施行令第54条第1項を適用し、資産の取得のために実質的に欠かせない費用とみられるものがあれば、これを「資産の購入のために要した費用」とするのが相当であり、本件において、買主である請求人は地方税法上の納税義務者でないから、当該支払金員は、固定資産税等として市町村に納付するのでなく、固定資産税等の負担なしに土地を所有することができる対価として売主に支払う、固定資産税等に相当するものといえるため、それは、土地の取得のために実質的に欠かせない費用であり、「資産の購入のために要した費用」として購入の代価に加算するのが相当である。(平13. 9. 3.大裁(法)平13-9)裁決事例集NO62・249ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130001
- 裁決年月日
- 平成13年7月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、簿外売上を認めた以上、経費を必要としない売上はないのであるから領収書等のもらえない福利厚生費を新たに認めるべきであり、また、請求人の代表者は居宅で帳簿の整理等を行っているから居宅に係る賃借料等の費用の一部を請求人の費用として損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張する福利厚生費の支払いを証明する証拠書類の保存及び具体的な申立てもなく、また、居宅で要した費用の一部が請求人に帰属するか否かを明らかにする資料及びその説明がないため、請求人の主張には理由がない。(平13. 7.25熊裁(法・諸)平13-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平130001
- 裁決年月日
- 平成13年7月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/1役員の範囲/2使用人兼務役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当該取締役は使用人としての職務にしか従事しておらず、使用人兼務役員に該当するから、支給した賞与の半額は損金の額に算入されるべきである旨主張するが、当該取締役は請求人の設立時からの取締役であり、「常務取締役工事部長」と記載した名刺を使用し、同人には請求人の実務の一切を任せており、当該取締役には、実態的には常務取締役としての職制上の地位が付与されていると認められるため、請求人の主張には理由がない。(平13. 7.25熊裁(法・諸)平13-1)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平130001
- 裁決年月日
- 平成13年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地建物を同時に取得し、建物について、取得当初から貸家及び貸店舗として賃貸するために貼紙をして借主の募集を行い、事業の用に供したものである旨主張するが、仮に建物に貼紙をして借主の募集をしたとしても、取得後に入居者はいなかったこと及び建築後相当年月が経過し、取得時において既に老朽化しているにもかかわらず、改修工事がなされていないことを勘案すれば積極的に貸家及び貸店舗として賃貸しようとした形跡はなく、貸家及び貸店舗として利用できる状態になかったと認められる。したがって、取得当初から貸家及び貸店舗として事業の用に供したとは認められない。(平13. 7. 9.沖裁(法)平13-1)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平130001
- 裁決年月日
- 平成13年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と同時に取得した建物の価額(売買価額)について、取得時の相場を勘案しながら売主と買主により合意決定したもので合理的であり、その価額を修正、変更した原処分は、契約自由の原則に反するとと主張する。しかしながら、請求人は、合理的であると主張するのみで、その根拠を裏付ける証拠を何ら示しておらず、原処分庁は、請求人の締結した売買契約を無効としてその取引を否認したものでなく、再取得価額(建設省建築動態統計調査による構造別、用途別の工事費予定額等により建築単価を算定し、その建物の床面積を乗じて建物の新築価額を算出し、その新築価額を基礎にその建物の建築のときから契約時までの期間にわたった定率法による減価償却を行った場合の未償却残高を契約時の建物の再取得価額)と比較すると、売買価額の方が著しく高額となっていることから、これを放置すると建物の減価償却費が過大に計上され課税上の弊害が生ずることになり、課税の公平の見地から建物の価額を適正な取得価額に修正したものであり、契約自由の原則に反するものではない。(平13. 7. 9.沖裁(法)平13-1)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平130001
- 裁決年月日
- 平成13年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、開発前に土地建物を同時に取得し、建物を貸店舗とするため改修工事をしようとしたが、建物が相当老朽化していることが判明したため、事業の用に供することなく建物を取り壊し、その損失の額は開発費に計上され、その後の事業年度に開発費償却として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人が建物を取得したのは、当初から建物を取り壊し土地を利用することが目的であったと認められ、建物の取得費用は土地の取得価額に算入するのが相当である。(平13. 7. 9.沖裁(法)平13-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120095ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 業種
- 人材派遣
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注加工費は実在する本件下請業者に支払われたものであるから、損金算入が認められるべきである旨主張する。しかしながら、更正処分時に存在しまたは提出された資料等を基に本件下請業者が存在しないと判断し、本件外注加工費を損金の額に算入できないと推認した場合には、その支払等の実態について熟知しているはずの請求人側において、その推認を破る程度の具体的な反証を行わない限り、その損金算入は認められないと解するのが相当であるところ、請求人は、当審判所に対して帳簿書類等をもって反証せず、唯一の証拠というべき関係者らの証言も矛盾点及び相違点が多くみられ信ぴょう性を欠いていると認められるから、本件外注加工費の支払いは真実のものでなく、架空のものであるとして損金算入を認めなかった原処分は相当である。(平13.6.29名裁(法・諸)平12−95)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120119
- 裁決年月日
- 平成13年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 業種
- 浄化槽の維持管理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、損金の額に算入した仮払金が前代表者の不正により発生した税金であり、同人が負担する旨申し出たため、立て替えて支払ったものであるから同人に対する貸付債権である旨主張する。しかしながら、前代表者が負担する旨を申し出た事実は認められず、請求人が自己の租税を納付し、法人税法上、損金の額に算入できないことから仮払金として経理処理したものと認められる。したがって、本件貸倒損失の対象とした貸付債権は存在していないというべきである。(平13.6.25大裁(法)平12−119)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120089
- 裁決年月日
- 平成13年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 業種
- 水産食料品製造
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件リース物件のうち「A社製パネル組立式冷凍庫(電動扉エアーカーテン付)」等は、冷凍機等の機械装置と一体となって機能するものであり、法人税法上、賃貸借として認められるリース取引の対象資産であるから、本件リース料の全額が本件各事業年度の損金として認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件リース物件のうち冷凍庫室等の内壁等や自動扉等は建物の内部に保冷等のために施設された造作物と認められるが、当該内部造作物が冷凍機等の機械装置とその効用を一にするとみられるときであっても、当該内部造作物を建物に含めることと取り扱われていることから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平13.6.22名裁(法)平12−89)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120090
- 裁決年月日
- 平成13年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 業種
- 水産食料品製造
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の妻が常勤役員として職務に専念しているから、妻に支払った各事業年度の役員報酬は全額損金の額に算入すべき旨主張する。しかしながら、妻は取締役として登記されているものの、(1)会社へ出勤していないこと、(2)取締役会にも出席せず、請求人の業績も知らないこと、(3)自宅でシール貼りの仕事をしていると主張するが勤務記録の保存はなく、確認もできないことからすると、非常勤役員とみるのが相当である。そして、妻に対する適正役員報酬の額については、法令第69条によれば、請求人は取締役の報酬額について各人ごとの支給限度額を定めていないから、形式基準によって適正報酬の額を算定することができず、実質基準により算定することとなる。したがって、請求人が代表者の妻に支払った各事業年度の役員報酬の額はいずれも適正役員報酬の額を上回っているから、適正報酬の額を上回る金額については、請求人の各事業年度の損金の額に算入することができない。(平13.6.22名裁(法)平12−90)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120043
- 裁決年月日
- 平成13年6月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 業種
- 不動産代理仲介
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 宅地建物取引業を営む代表者一名からなる法人である請求人は、ゴルフ場の用地買収等に係る業務委託料を請求人に帰属するとした誤った法人税の更正処分に基づいて行なわれた、認定賞与に係る源泉所得税の告知処分は取り消されるべきである旨主張するところ、当該更正処分は適法に行なわれているものの、役員賞与と認定した事実の一部には誤りが認められるため納税告知処分の一部を取り消すべきである。(平13.6.21福裁(法・諸)平12−43)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120028
- 裁決年月日
- 平成13年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 業種
- 内科病院
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が再リース物件に係る再リース料の認容計算に当たり、再リース料相当額を12分割した金額をもって各事業年度の賃借料の損金不算入額を計算しているが、再リース料は、通常、再リースの開始の月に1年分を一括して支払うこととされ、また、1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払っていることから、法人税基本通達2−2−14により適正賃借料の計算を行うべきである旨主張する。しかしながら、リース期間満了後の再リース期間においても、請求人において、当初契約に係る月額リース料相当額を毎月振込みにより継続して支払っていたものであり、その支払額の一部を前払の費用の額とみなして支払時の損金の額に算入することまで法人税基本通達2−2−14は予定しておらず、上記通達を適用せずに再リース料の計算を行った原処分は適法である。(平13.6.20熊裁(法)平12−28)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120028
- 裁決年月日
- 平成13年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/5修繕費
- 業種
- 内科病院
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が営繕費の過大計上として更正した金額は病院玄関改修工事代として営繕費に計上した金額の中に含まれていたものであり、法法第31条の規定及び法人税基本通達7−5−1により、この金額も償却費として損金経理された金額に含まれるから、償却限度額を超える金額を減価償却超過額として損金不算入額の計算を行うべきである旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、営繕費として支出された金額は、賃借物件の中に含まれていた下足箱を請求人の事情により取壊し、新たに請求人の資産として取得したものであり、原処分庁が資本的支出として当期の損金の額に算入しなかったものではない。そうすると、確定した決算において営繕費として費用処理した金額ではあるが、減価償却費として損金経理した金額とみなすことはできず、原処分は適法である。(平13.6.20熊裁(法)平12−28)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120028
- 裁決年月日
- 平成13年6月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 業種
- 内科病院
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、医療法人を営む審査請求人の常務理事は非常勤の理事であり、適正報酬額を法人税法施行令第69条の規定による実質基準により判断すると年間6.000.000円であるとして、その金額を超える部分の金額を過大な役員報酬の損金不算入額として所得金額に加算した。これに対して請求人は常務理事は常勤の役員であり、請求人の経営する病院の運営及び管理業務を行っているとるる主張し、更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、常務理事は他の医療機関において常勤の医師として各事業年度とも勤務しており、その勤務状況及び請求人から提示された証拠からは、常勤の理事として勤務していたと認められず、各事業年度とも非常勤の理事として勤務していたこと及び一部の期間は非常勤の医師として勤務したと認めることが相当である。よって、実質基準によって判断すると、平成9年3月期及び平成10年3月期の適正報酬額は原処分庁の金額を上回るため、更正処分はその一部を取り消すべきである。(平13.6.20熊裁(法)平12−28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120189
- 裁決年月日
- 平成13年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 業種
- 商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 商品取引業を営む請求人は、同社が本件投資顧問会社から提供を受ける情報等の対価として支払った本件情報提供料は妥当な金額であるから、本件情報提供料のうち本件投資顧問会社の一般個人顧客に対する対価の月額4.800円を超える金額を寄附金と認定した原処分は違法である旨主張する。しかしながら、(1)本件情報提供料は、一般の独立した第三者間の取引により決定されたものでないこと、(2)請求人は本件投資顧問会社の情報提供内容について他の情報提供会社と比較検討したとする資料を提出しないこと、及び(3)請求人は本件情報提供料を月額2.000.000円又は1.700.000円とする積み上げ計算を示していないことから、本件情報提供料を妥当な金額とする請求人の主張には理由がなく、また、請求人が本件投資顧問会社から提供を受けた情報等は同社が一般個人顧客に対して提供したものと全く同一であると認められる。そうすると、請求人が本件投資顧問会社から提供を受ける情報等の適正な価額は一般個人顧客に対する月額4.800円とするのが正当であるから、本件情報提供料と4.800円との差額は寄附金と認められる。(平13.6.20東裁(法・諸)平12−189)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120184
- 裁決年月日
- 平成13年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 業種
- 不動産管理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の長男名義預金に入金された金額は、長男に対する給与の一部の金額であって、給与の全部の額が入金されたものでなく、また、長男に支払わなかった給与の金額を代表者に支給したものでも、代表者名義の預金に入金したものでもない旨主張する。しかしながら、代表者は長男に対して給与の支給額を告げずに長男名義預金に支給額の一部しか入金せず、長男は長男名義預金に入金された金額を給与の全てと認識しており、また、長男名義預金に入金された金額以外に支払われたことを認めるに足りる証拠資料の提出もないことから、長男名義預金に入金された金額を長男に支給した給与の全額と認めるのが相当である。また、代表者が長男に支払わなかった給与の金額を代表者名義預金に入金している旨申述し、代表者名義預金が代表者の可処分所得以上に増加していることからすれば、請求人は長男に支払わなかった給与の金額を代表者に支給し、代表者が代表者名義預金に入金して管理運用しているものと認めるのが相当である。(平13.6.15東裁(法)平12−184)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120172
- 裁決年月日
- 平成13年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 業種
- 不動産売買・仲介・管理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、請求人の代表者が役員となっている同族法人に対して支払手数料名目で支出した本件金員について、請求人の代表者が同族法人の取締役との両者の立場で、いわば一人二役という意識の下に仲介業務を行っていたものであって、当該同族法人の取締役としての立場でされた役務の提供に対する対価の支払であるから、法人税法上の寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査によっても、当該同族法人の取締役としての立場でされた役務の提供であることを証するに足りる客観的な資料等は認められず、当該仲介業務は請求人の代表者としての立場で行ったとみるのが相当であるから、当該同族法人に支払った本件金員は、単なる金銭の贈与であって、法人税法上の寄附金に該当すると認められる。(平13.5.31東裁(法)平12−172)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120052
- 裁決年月日
- 平成13年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 業種
- 食肉販売
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・413ページ
要旨
○ 請求人は、自己の所有する土地建物等を平成9年9月30日に同族法人グループであるA社に譲渡し、譲渡損失を計上したが、本件取引は不動産売買契約書に基づいて適正な価額で行われており適法である旨主張する。しかしながら、本件物件の譲渡に当たっては、(1)契約書に記載された契約内容に従って抵当権の抹消及び所有権の移転登記をしていないこと、(2)本件物件を請求人が譲渡したと主張する平成9年9月30日以降においても、賃貸借契約書が変更されず、賃貸料も請求人が受け取っていたこと、(3)(2)の賃貸借契約が解除された以降においても、請求人は、新たな賃借人と請求人名義で賃貸借契約を締結し、賃貸料を収受していたこと、及び(4)本件物件を請求人が譲渡したと主張する平成9年9月30日以降において、原処分庁が請求人の滞納国税の徴収のため差押処分を行っているが、A社からはなんら異議等がでていないこと等から、本件物件は平成9年9月30日以降においても請求人に帰属すると認められるので、譲渡はなかったものと言わざるを得ないから、譲渡損失を損金の額に算入することはできない。(平13.5.29高裁(法・諸)平12−52)裁決事例集NO61・413ページ
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120052
- 裁決年月日
- 平成13年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 業種
- 食肉販売
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・413ページ
要旨
○ 請求人は、自己の所有する土地建物等を平成9年9月30日に同族法人グループであるA社に譲渡し、譲渡損失を計上したが、本件取引は不動産売買契約書に基づいて適正な価額で行われており適法である旨主張する。しかしながら、本件物件の譲渡に当たっては、(1)契約書に記載された契約内容に従って抵当権の抹消及び所有権の移転登記をしていないこと、(2)本件物件を請求人が譲渡したと主張する平成9年9月30日以降においても、賃貸借契約書が変更されず、賃貸料も請求人が受け取っていたこと、(3)(2)の賃貸借契約が解除された以降においても、請求人は、新たな賃借人と請求人名義で賃貸借契約を締結し、賃貸料を収受していたこと、及び(4)本件物件を請求人が譲渡したと主張する平成9年9月30日以降において、原処分庁が請求人の滞納国税の徴収のため差押処分を行っているが、A社からはなんら異議等がでていないこと等から、本件物件は平成9年9月30日以降においても請求人に帰属すると認められるため、本件物件の支払家賃を損金の額に算入することはできない。(平13.5.29高裁(法・諸)平12−52)裁決事例集NO61・413ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120054
- 裁決年月日
- 平成13年5月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、決算期において計上した貸倒損失に係る貸付金について、本来、審査請求人の一事業部門の事業遂行のために取得した資産に係る資金を誤って、当該事業部門に対する貸付けとして会計処理していたものであり、当該取得資産を除却した際、その除却損を貸付金の貸倒れとして損金の額に算入した旨主張する。しかしながら、当該貸付金は審査請求人の一事業部門に係るもの、すなわち、内部取引であり、本来、貸付金として資産勘定に計上されるべきものでない上、審査請求人から、資産を取得し、当該資産の除却損についての主張を裏付ける証拠の提出もないから、当該貸倒損失は損金の額に算入できないとした。(平13.5.25広裁(法・諸)平12−54)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120054
- 裁決年月日
- 平成13年5月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706090
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/9損金経理
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ マリーナ事業を営む請求人は、船の係留に必要な桟橋の設置工事に係る費用を修繕費として損金の額に算入したことにつき、原処分庁が当該費用を損金の額に算入できないとした主張については争わないとしつつ、当該資産(構築物)の取得に係る減価償却費相当額を損金の額に算入することが認められるべきである旨主張する。しかしながら、当該工事費用は、確定した決算において、法人税法第22条第3項に規定する償却費として費用に計上されたものと認められないから、当該資産(構築物)の取得に係る減価償却費相当額を損金の額に算入することはできない。(平13.5.25広裁(法・諸)平12−54)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120054
- 裁決年月日
- 平成13年5月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、購入した刀剣について、葬儀業を営む関係会社に貸与し、同社が使用するものとして請求人が取得したものであり、個人的に購入したものではない旨主張する。しかしながら、代表者個人が刀剣を好むとの情報から、購入を勧められたものであること、また、刀剣を購入した際、請求人が会計帳簿に記載した内容は「@10.000×100ケ」とというもので、実際の取引と明白に相違していること、さらに、高級美術品で、真剣であることからすると、当該刀剣は代表者の個人的用途のために購入されたものとみるのが相当である。そうすると、審査請求人の刀剣を購入した支出は、審査請求人の業務の遂行上必要な支出とは認められず、代表者の個人的な物品の購入にあてられたものであるから、当該支出は法人税法第34条第4項に規定する役員に対する臨時的な給与の支給といわざるを得ない。(平13.5.25広裁(法・諸)平12−54)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120054
- 裁決年月日
- 平成13年5月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 業種
- 不動産賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、船の揚げ降ろし等のマリーナ業に関する業務を社外に委ね、その対価として外注費(労務外注費)を計上した旨主張するが、請求人は、請求人が関係会社を利用して支払うべき債務のない費用を計上したものと認められるため、当該外注費を当該各事業年度の費用して損金の額に算入することはできない。また、請求人は、関係会社から派遣を受けた対価として給与負担金を支出し、外注費(給与負担)として、支払うべき債務が確定している旨主張するが、派遣を受けたとする者は請求人の取締役で、経理担当者として従事している者であるから、関係会社から派遣を受けているものとはいえないため、当該外注費(給与負担)を役務の提供を受けたことに対する対価として損金に計上することできない。(平13.5.25広裁(法・諸)平12−54)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120054
- 裁決年月日
- 平成13年5月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人等が定期預金の一部を解約して関係会社などの借入金の返済に充てていること、代表者が関係会社間の貸借関係についてよく分からない旨の申述をしていることについて、このような請求人の行為は請求人等が関係会社などに贈与したものであるから、法人税法第37条第6項に規定する寄付金に該当する旨主張する。しかしながら、(1)上記の代表者の申述は、個々の貸借関係について把握していないという趣旨に解する余地があること、(2)請求人は、適正な処理とはいえないものの、定期預金を貸付金に振り替える会計処理を行っていること、(3)請求人の解約した定期預金の額が関係会社のいずれの者にいくらの金員が移転し、いくらの経済的利益の供与がなされたかについて、原処分庁は特定せず、また、当審判所の調査によっても、これらを特定することができないから、審査請求人の関係会社などに対する贈与の事実があったと認めることはできない。(平13.5.25広裁(法・諸)平12−54)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120026
- 裁決年月日
- 平成13年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 業種
- その他の設備工事
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、審査請求人が被合併法人の所有していた土地を合併時の帳簿価額の総額で受け入れた処理について、時価を超える部分の金額の受入れを否認し、土地の受入価額の総額を減額するとともに当該減額した金額の利益積立金の引継ぎがなかったものとし、それに伴い、営業譲渡による固定資産売却損として計上した金額のうち、譲渡原価が過大になった金額を所得金額に加算した。これに対して請求人は、合併法人が被合併法人から包括承継した資産のうち土地について法法上直接定めた規定がなく、法法第22条第4項の規定により、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に従うことになるから、明文の規定のないものを拡大解釈して時価以下主義を適用して強制することは違法である旨主張する。しかしながら、本件のように、時価が帳簿価額を下回っている場合において、帳簿価額での計上を認めると、合併法人において最初に作成される貸借対照表に架空の評価益を含む土地が計上されることになり、このことは同条同項の予定するところでない。(平13.5.18熊裁(法)平12−26)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120098
- 裁決年月日
- 平成13年4月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/2債権放棄等の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金は合併の際に債権放棄したものであるから貸倒損失を認めるよう主張するが、法法第22条第3項3号、法基通9−6−1及び9−6−2によれば、貸倒れとして損金の額に算入できるのは、債務者の資産状況、支払能力等からみて個々の貸付金の全額を回収できないことが明らかになった場合であり、さらに請求人が明らかに回収できないことについて自らが立証すべきところ、合併の際に債権放棄した旨主張するのみで、当該債権の回収のために、債務者の資産状況、支払能力等について検討したとする事実は見受けられるず、また、その全額が回収できないことが明らかであるとする証拠資料も提出されないことから、本件貸付金の貸倒損失は損金の額に算入することができない。(平13.4.27大裁(法)平12−98)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120098
- 裁決年月日
- 平成13年4月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件仮払金の実質は貸付金であり、組合員からの回収が不可能であるから雑損失を認めるよう主張するが、本件仮払金は、各組合員の出資額に応じて支払い、その後組合員から返済されたという事実も認められず、このことは、出資者に対してその出資者である地位に基づいて経済的な利益を供与したことになるから、本件仮払金は、法法第61条第1項第1号に規定する事業分量配当金にも該当せず、法人が行う利益または剰余金の分配(出資配当)であり、資本等取引に該当する。したがって、法法第22条第3項第3号の規定により、損金の額に算入することはできない。(平13.4.27大裁(法)平12−98)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平120004
- 裁決年月日
- 平成13年4月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、医師・看護婦等の育成・確保を目的に大学医学部、歯学部及び看護学校に在学中の者等に支出した金員について、支出した事業年度の損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件金員は、いまだその具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していないことから、支出した事業年度において債務が確定しているとは認められない。また、本件金員については、請求人の奨学規定に基づいて支給されることが請求人と本件学生等との間の合意内容と認められ、奨学規定には本件金員の返済義務及びその免除規定が定められていることから、一定の条件が成就した時にその返済義務が消滅する条件付の貸付金に該当する。したがって、本件金員を支出した事業年度の損金の額に算入することはできない。(平13.4.17沖裁(法)平12−4)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120046
- 裁決年月日
- 平成13年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712094
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/4賃借料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、審査請求人が関連会社に対して支払った地代家賃の額10.000.000円について、適正な地代家賃の額を1.000.000円として認定し、その差額の9.000.000円は、地代家賃とはいえず、また、何らかの対価として支払われたものではないから、寄付金に該当すると主張する。しかしながら、原処分庁が、適正な地代家賃の額を1.000.000円として認定したことは相当であると認められるものの、当該差額については、審査請求人が主張する当該地代家賃に係る未払金の支払であることを排斥するに足りる証拠はないから、当該差額を寄付金と認定した主張を採用することはできないとした。(平13.3.30広裁(法・諸)平12−46)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120046
- 裁決年月日
- 平成13年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社との間における不動産賃貸借契約書に基づく地代家賃の額は月額1.500.000円であり、当該契約に基づく地代家賃の額は全額が、損金の額に算入されるべきである旨主張するが、請求人が関係会社に対する地代家賃として費用に計上した額については、実質的な支払金額からみて、本件建物賃貸借契約書が有効なまま存続していたとは認め難く、地代家賃の額は月額1.000.000円に改定されていたとみるのが自然であるから、適正な地代家賃の月額1.000.000円を超える部分の金額は損金の額に算入できない。(平13.3.30広裁(法・諸)平12−46)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120046
- 裁決年月日
- 平成13年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注費及び修繕費に係る取引内容が船の揚げ降ろし等のマリーナ業に関連するものであり、これらの業務を従業員及びアルバイトでこなすことが困難であることから、人夫提供等を社外に委託したものである旨主張するが、請求人は、当該外注費及び修繕費について、請求人の関係会社を利用して支払うべき債務のない費用を計上したものであり、当該外注費及び修繕費を当該事業年度の費用として損金の額に算入することはできない。(平13.3.30広裁(法・諸)平12−46)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120046
- 裁決年月日
- 平成13年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当該事業年度の損金の額に算入した雑費について、工具器具備品として計上していた屋上広告塔が突風で破損したため、危険であるから取り外しに係る除却損を雑費として会計処理したものであり、架空の費用の計上ではない旨主張する。しかしながら、審査請求人の会計処理が極めて不自然であることなどにかんがみると、当該雑費は除却損が発生したことに基づいて計上されたものでなく、架空の雑費を計上したものと認めるのが相当である。(平13.3.30広裁(法・諸)平12−46)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120037ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、架空外注費の計上により得た資金を普通預金に入金し、その預金を原資として支払った経費及び社長借入金により支払った経費(以下「簿外経費」という。)は損金に算入すべきである旨主張し、当該経費の支払を証する書類として領収書等を提出した。しかしながら、これらの書類には後日作成されたと推認されるものが認められる等、信ぴょう性が認められず、簿外経費が支払われたとは認められない。(平13.3.28高裁(法・諸)平12−37)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120037
- 裁決年月日
- 平成13年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、架空外注費であるとして否認された外注費の中に実際に支払った外注費があり、それは仕入れと売上げが連動しているので容易に確認できると主張して、売上対比表を提出した。しかしながら、当該売上対比表には、(1)外注先からの納入日より以前に得意先において検収されている取引が24件、(2)納入品と売上品の品番が相違する取引が6件、(3)納入数量と売上数量が相違する取引が10件、及び(4)納入単価が売上単価より高い取引が7件みられるなど、通常の取引ではあり得ない取引が含まれていることから、信ぴょう性が認められない。また、当該外注先は、不渡事故を起こした倒産会社であり、外注先の社長も実際に精密部品を加工した者の氏名等を知らないと申述していることから、実際に支払った外注費があったとは認められない。(平13.3.28高裁(法・諸)平12−37)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120038
- 裁決年月日
- 平成13年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、架空外注費であるとして否認された外注費の中に実際に支払った外注費があり、それは仕入れと売上げが連動しているので容易に確認できると主張して、売上対比表を提出した。しかしながら、当該売上対比表には、(1)外注先からの納入日より以前に得意先において検収されている取引が1件、(2)外注先からの納入日より以前に請求人が納品書を発行している取引が1件、及び(3)納入品名と売上品名が相違する取引が1件あるなど、通常の取引ではあり得ない取引が含まれていることから、信ぴょう性が認められない。また、請求人は、当該外注費等を証明する資料として、外注先の仕入先から当該外注先あてに発行された請求書を提出したが、当該請求書の発行先は当該外注先とは取引がない旨答述しており、当該請求書にも信ぴょう性が認められないことから、実際に支払った外注費等があったとは認められない。(平13.3.28高裁(法)平12−38)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120089
- 裁決年月日
- 平成13年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 業種
- 不動産賃貸
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件寄付金が指定寄付金に該当し、当初の申告が誤りであったとする更正の請求を認めるべきである旨主張するが、請求人が提出した確定申告書別表14には、指定寄付金の金額の記載がなく明細書の添付もないこと、更に、請求人が提出した本件寄付金明細書は、指定寄付金に該当する旨を記載したA神社発行の寄付受領書の内容とは著しく異なったものであり、また、この明細書には初穂、玉串料等と記載されており指定寄付金に該当しないことは明らかであることなど、法法第37条第8項に規定する指定寄付金としての適用要件を満たしていないものであるから、請求人の主張には理由がない。(平13.3.26大裁(法)平12−89)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120089
- 裁決年月日
- 平成13年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/5修繕費
- 業種
- 不動産賃貸
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金等から支出した旧本社ビルの建て起こし等の災害復旧費用が損金の額に算入されていなかったとして、原処分庁に対する更正の請求を認めるべきである旨主張するが、当該災害復旧費用に係る工事が施工されたということ自体が信用し難く、また、請求人が提出した資料等によっても、本件事業年度中にその債務が確定していたとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平13.3.26大裁(法)平12−89)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120085
- 裁決年月日
- 平成13年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社等に対して行った債権放棄について、債務者の弁済能力がないから、貸倒損失として認められるべき旨主張するが、(1)債務者は事業を継続していること、(2)債務者は本件債権放棄時に他の債権者に借入金を返済していること、(3)債権放棄をしたのは請求人のみであり、他の債権者は放棄していないことからみて、請求人が弁済を受けることができなかった状態であったとは認められない。したがって、本件債権放棄は、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入することができないから、請求人の主張には理由がない。(平13.3.22大裁(法)平12−85)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120085
- 裁決年月日
- 平成13年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社等に対して行った債権放棄について、子会社等の経営破綻による連鎖倒産及び社会的信用の失墜というより大きな損失を回避するという、請求人にとって経済的利益及び合理性を伴うものであるから、経済的な利益の無償の供与に該当しない旨主張する。しかしながら、子会社等の融資先である取引銀行は、貸付債権の一部または全部を放棄したり、金利の減免などしておらず、本件債権放棄に関与していなかったことから、当該債権放棄は請求人が単独で恣意的に決したものというほかなく、その実施に合理性を有する再建計画があったとは認められない。したがって、本件債権放棄は子会社等への寄附金に該当するから、請求人の主張には理由がない。(平13.3.22大裁(法)平12−85)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120035
- 裁決年月日
- 平成13年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、地方公共団体に支出した事業負担金について、漁港が県営で極めて公共性の高いものであり、請求人が当該負担金を支出する法的根拠はないから、長官通達(昭48年12月4日付直審4−110)を適用して、法法第37条《寄附金の損金不算入》第3項第1号に規定する国等に対する寄附金に該当する旨主張する。しかしながら、長官通達の対象となった負担金には、漁業協同組合がその原資を当該漁業協同組合所有の土地を売却して調達したという特別な事情が認められるところ、請求人の場合には、その原資に施工業者であるA社から受領した工事迷惑料等を充てているから、長官通達を類推して適用しなければならない事情があるとは認められず、本件負担金は繰延資産に該当する。(平13.2.27高裁(法)平12−35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120061
- 裁決年月日
- 平成13年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、契約に基づきA法人に支払った手数料には対価性が認められ、寄附金に該当しない旨主張するが、この手数料は、請求人からA法人への事業の移転に伴い、営業用資金も移転させるため、税理士の指導に基づいて支払う形式を採用したものにすぎず、その実質は請求人のA法人に対する運転資金の無償の援助と解するのが相当である。したがって、支払手数料を寄附金として各事業年度の所得金額を算定した原処分は適法である。(平13.2.26大裁(法・諸)平12−61)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120023
- 裁決年月日
- 平成13年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/5修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件補強工事の発注先について、A社だけでなく、B社にも区分発注した旨主張するが、(1)工事代金請求書に表示のB社名の振込口座は、当該請求書の日付よりも後に開設されたものであるから、当該請求書は、後日作成されたものとして信ぴょう性に乏しいこと、(2)B社の代表者は、工事を受注し、工事代金を受領した者であれば知っているはずの、工事請負金額、外注先名及び当該振込口座に係る開設銀行名を説明することができないから、工事を受注した可能性は低いこと、(3)区分発注事実の証言者の原処分庁に対する申述は、あいまいなものであるから、当該証言は信ぴょう性に乏しいこと、及び(4)A社保存の設計図は、当該設計図に表示の工事名称から本件補強工事全体のものと認められるところ、当該設計図に表示の使用材料には、B社の見積書に記載の材料は含まれていないこと等からすれば、B社に区分発注したとは認められない。(平13.2.20福裁(諸)平12−23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120085
- 裁決年月日
- 平成13年2月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 業種
- 建設業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、後日、本件外注先は実在しない者であると判明したが、本件外注費に係る工事を実際に発注した先はAであり、本件証拠書類の作成及び本件外注費に係る小切手の取立てはいずれもAが行っていたため、本件外注先が実在しない者であるかどうかに関知していなかった旨主張するが、法務省入国管理局の日本人出帰国記録調査書によれば、Aは平成8年1月1日以降は日本にいないことが記録されており、また、本件証拠書類のうちB社の請求書には、通常同社の角印が押印されるところに請求人名の角印の印影が認められ、さらに、請求人の事業部長Cの個人名義の普通預金口座には、2回にわたり本件外注費の一部と認められる現金が入金されているから、本件外注費は架空外注費であると推認するのが相当である。ところで、原処分庁は、本件外注費の額の全額を加算して本件更正処分を行っているが、請求人が損金の額に算入して申告した額は本件外注費の額から当該消費税相当額を控除した金額であるから、本件更正処分は当該消費税相当額を過大に加算しているので、その一部を取り消すのが相当である。(平13.2.20関裁(法・諸)平12−85)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120032
- 裁決年月日
- 平成13年2月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 業種
- 貸金業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 貸金業を営む請求人は、貸倒損失に係る債権は回収できないとして、当該事業年度の損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、請求人が損金の額に算入した貸倒損失に係る債権のうち、(1)その基礎となる債権の存在が認められないものがあること、(2)不渡手形についても、不渡りとなった事実のみをもって直ちに損金の額に算入できるものでないこと、(3)請求人は、貸倒損失に係る債権が回収不能であることについて何も立証しようとしないことから、請求人の主張する貸倒損失を当該事業年度の損金の額に算入することは認められない。(平13.2.19広裁(法・諸)平12−32)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120014
- 裁決年月日
- 平成13年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aから本件営業権を買い取り繰延資産と認識し、当該営業権についてB社との間で本件賃貸借契約を締結したものであり、営業権としての償却は正当であると主張する。しかしながら、B社はC社との譲渡譲受契約書に基づき同社から業務を譲り受けるとともに道路運送法の認可を受けており、本件営業権もC社から譲り受けたものであると認められ、さらに、請求人が同法に規定する免許又は認可を受けたとの事実はないことから、本件賃貸借契約書は実態のない営業権の賃貸借を内容とするものである。したがって、当該営業権の償却は認められないから、請求人の主張には理由がない。(平13.1.24熊裁(法)平12−14)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120014
- 裁決年月日
- 平成13年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716082
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/8支払利息/2支払利息の額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aから本件営業権を買い取り、当該営業権をB社に賃貸するために交わした本件賃貸借契約に基づき受け取った金額は営業権の賃貸料及び保証金であり、借入金ではないと主張する。しかしながら、B社はC社との譲渡譲受契約書に基づき同社から業務を譲り受けるとともに道路運送法の認可を受けているから、本件営業権も同社から譲り受けたものと認められ、さらに、請求人は同法に規定する免許又は認可を受けた事実がないことから、本件営業権はB社が所有していると認められるにもかかわらず、実態のない営業権の賃貸借を内容とする本件賃貸借契約書を作成し、受け取る権利のない預り保証金等を計上したものと認められる。したがって、当該保証金についてはB社からの借入金とみるのが相当であり、利息相当額の算定に当たり原処分庁が年利率を10%としたことについて特に不相当とする理由は認められず、当該利息相当額は本件各事業年度の損金となることから、請求人の主張には理由がない。(平13.1.24熊裁(法)平12−14)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平120015
- 裁決年月日
- 平成13年1月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関税を免れるために椎茸を安く仕入れたことにし、正常な価格との差額を穴埋めするために関税が非課税である家具及び石材の仕入れを仮装計上したものであるから、家具及び石材の仕入金額は実質的には椎茸代金の支払いであり、確定した決算おける仕入総額は正当である旨主張する。しかしながら、法人の各事業年度において所得金額の計算上損金の額に算入すべき金額については、法法第22条第4項において一般に公正妥当と認められる会計処理の基準にしたがって計算する旨の規定があるほかに特別の定めはないので、その支出する費用の目的、態様、内容等に照らして個別的に判断するほかはないと認められるところ、これまでの事実を総合勘案すると、仮装取引による仕入額を椎茸の仕入価格と認定することはできず、収益と個別に対応する売上原価とは認められない。(平13.1.12仙裁(法)平12−15)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120066
- 裁決年月日
- 平成12年12月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 業種
- ショーケース組立加工業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件売上値引き額について、正常な経済取引の過程で生じた売上値引であり、得意先への販売したケースが時価であることから、法法第37条第7項に規定する実質的に贈与と認められる金額はなく、よって寄附金に該当しない旨主張する。しかしながら、本件売上値引き額は、拡売費を請求人が負担すべき根拠のないことから、請求人が得意先に対する売上代金債権の一部を回収しないで、得意先に当該金銭を贈与したものと認められることから、法法第37条第6項の規定に基づき、寄附金に該当するとした原処分は相当であり、その計算に誤りは認めらないことから、法法第37条第7項の規定に基づく請求人の主張は採用できない。(平12.12.26関裁(法・諸)平12−66)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120060ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成12年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/3その他
- 業種
- 機械製造業、機械販売業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A国に本店を置く関係会社(以下「B社」という。)の株式は100%無償減資によって全株消滅したのであり、たとえ当該減資の直後に払込み増資に応じているとしても、請求人がいったん株主としての地位を失ったことに変わりはないのであるから、保有するB社株式の帳簿価額は株式消却損として損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、もともと当該100%無償減資は、債務超過の状態にあるB社の存続とその事業の継続を前提に、A国商法の規定に基づき、B社の債務超過の状態を解消し、その資本構造と財務体質の改善を図るとともに、請求人らのB社に対する支援体制を整え、欧州における積極的な販売活動を強化することによって、B社の業績の回復を図るために、払込み増資と組み合わせて同時に行われたものであって、このような100%無償減資の目的と一連の経緯等を総合考慮すると、保有するB社の株式が100%無償減資により全株消滅したということはできない。(平12.12.22東裁(法)平12−60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120060ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成12年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/3その他
- 業種
- 機械製造業、機械販売業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A国に本店を置く関係会社(以下「B社」という。)の債務超過の状態を解消するために払込み増資と組み合わせて同時に行われた100%無償減資により、いったん株主としての地位を失ったとして、100%無償減資の対象となった株式の帳簿価額を株式消却損として損金の額に算入したが、仮にそれが認められないとしても、当該事業年度末において当該株式の価額が帳簿価額に比しておおむね50%以上下回っているから、評価損として損金算入が認められるべきである旨主張する。しかしながら、B社には「資産状態が著しく悪化した」とする事実が認められないのみならず、そもそも払込み増資をした事業年度における評価損の計上というものであるから、法基通9−1−10の2の定めにも該当することになり、当該事業年度末において当該株式の価額が帳簿価額に比しておおむね50%以上下回っているとしても、当該株式の帳簿価額を評価損として損金の額に算入することは認められない。(平12.12.22東裁(法)平12−60)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120064
- 裁決年月日
- 平成12年12月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716110
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/11燃料費、消耗品費
- 業種
- 運送業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・405ページ
要旨
○ 原処分調査の過程で、請求人が帳簿書類及び証拠資料一切を廃棄したため、事実関係を確認する書類等は存しないこととなったところ、請求人は、本件燃料費及び本件タイヤ費について、いわゆるバッタ屋5者から軽油及びタイヤ類を現金購入したものであるから、架空経費ではない旨主張するが、(1)バッタ屋5者の所在、購入日、購入品目はいずれも明らかでないこと、(2)バッタ屋からの燃料の購入単価は安価といえないこと、(3)他の業者からの燃料の購入状況から、本件燃料費に相当する量の燃料が購入されたとは認めがたいこと、(3)タイヤ取引自体は違法でないにもかかわらず、延21回にわたってタイヤ類を購入したとしながら、タイヤ購入先4者の連絡先も知らないのは不自然であること、及び(4)他のタイヤ購入先との取引金額はその都度異なっているにもかかわらず、バッタ屋からのタイヤ購入額の大半が同額であるのは不自然であることから、本件費用はいずれも架空の費用であると推認するのが相当である。(平12.12.22関裁(法・諸)平12−64)裁決事例集NO60・405ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120013
- 裁決年月日
- 平成12年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・394ページ
要旨
○ 請求人は、請求人の製品をA国市場に広めるため、外国子会社B社(代表者は、請求人の代表者も兼務)を設立し、発行済株式の総数を保有してB社との間で業務委託契約を締結し、その契約に基づく役務の提供に対して毎月100万円の業務委託費を支払ったと主張している。しかしながら、請求人が、審査請求に及んで、本件業務委託の役務提供の事実を証明する資料として提出した証拠書類は、B社の従業員から同社社長に対する通常業務の一環としての連絡、伺いの域を超えない報告書等であることから、A社が請求人に対して役務の提供をしていたとはいえず、業務委託費は本件契約に基づく役務の提供の対価と認められない。したがって、業務委託費は、法法第37条第6項、措法第66条の4第1項及び第3項の規定により、寄附金と認めるのが相当である。(平12.12.14熊裁(法)平12−13)裁決事例集NO60・394ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120046
- 裁決年月日
- 平成12年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が本件各事業年度において出向者の給与等として負担した支出額は、本件出向契約が単純な出向と異なり、出向という形態を利用した派遣的なものに過ぎず、原処分庁が認定した出向とは性質が違うから、全額損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、(1)請求人と各出向先との間で、一般的な出向と異なる形態の業務等が取り決められている事実は認められないこと、(2)出向者各人の請求人への具体的な労務提供の事実も認められないこと、(3)請求人の売上げが各出向先における販売先確保を起因として増加したとしても、他の特約店や販売店との取引における売上げの増加と比較して、請求人にとって特別な経済的利益とは認められないことからすると、本件出向契約は、一般的な出向契約と特に性質を異にするとはいえず、請求人の主張には理由がない。そして、給与等の較差補てん率については、請求人が当審判所に提出した資料及び当審判所の調査からも原処分庁が認定した割合を上回る較差は認められない。さらに、請求人は、各出向先が出向者の賞与を支給することにより経営不振に陥るので、請求人において賞与を全額負担する合理的な理由があると主張するが、(1)各出向先において、従業員に対して賞与を支給することが資金繰上困難であり、出向者に支給すれば資金ショートを起こすといった切迫した状態にあったとはいえないこと、(2)請求人における各出向先の財務状況の把握状況からすれば、請求人が出向先の経営不振を認識し、その改善のために計画的に賞与を負担することにしたとは認められないことからすれば、請求人の主張には理由がない。(平12.12.12東裁(法)平12−46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120026
- 裁決年月日
- 平成12年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 業種
- 不動産仲介業等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地取引の仲介業者である請求人は、A社に本件土地取引の仲介業務等を依頼し、A社はB社に当該業務等を依頼したとして、請求人がA社に支払った外注費(以下「本件外注費」という。)を損金の額に算入すべき旨主張するが、(1)A社及びB社の各代表者はいずれも当該業務を行っていない旨答述し、(2)本件土地取引の買主及び売主並びに本件土地の抵当権者はいずれも、A社又はB社と接触しておらず、また、(3)本件外注費として請求人が支払った金員からA社及びB社に対する手数料を控除した残額が請求人の代表者に手渡されていることから、B社がA社に当該業務を提供した事実又はA社若しくはB社が請求人に当該業務を提供した事実はいずれも認められず、本件外注費は架空であると認められる。(平12.11.8東裁(法)平12−26)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120008
- 裁決年月日
- 平成12年11月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712094
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/4賃借料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、営業権はB社の株式に付随しているものであるから、B社の株式を取得したA社が営業権を所有しており、また、営業許可は陸運事務所から受けるものであり、営業する者と営業権を有する者とが違っていても当然であり、営業権を所有するA社と交わした本件賃貸借契約に基づく営業権の使用料の支払であるから、寄附金となる余地はない旨主張する。しかしながら、請求人は、譲渡譲受契約書に基づきB社から業務を譲り受けるとともに道路運送法の認可を受けており、本件営業権もB社から譲り受けたものと認められ、一方、A社が同法に規定する免許又は認可を受けた事実はなく、さらに、営業権は請求人が所有しているにもかかわらず、本件賃貸借契約書を作成し、貸付金を保証金等に仮装するとともに、支払義務のない賃借料を架空計上したものと認められる。したがって、保証金や長期前払費用と相殺した支払賃借料は、A社に対して有する貸付金を贈与したものと認められ、法法第37条第6項に規定する寄附金に該当する。また、普通預金から支払った賃借料は、法法第37条第6項及び法令第78条の規定により寄附金に該当することから、請求人の主張は採用することができない。(平12.11.7熊裁(法)平12−8)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120008
- 裁決年月日
- 平成12年11月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、営業権はB社の株式に付随しているものであるから、B社の株式を取得したA社が営業権を所有しており、また、営業許可は陸運事務所から受けるものであり、営業する者と営業権を有する者とが違っていても当然であり、営業権を所有するA社と交わした本件賃貸借契約に基づき請求人が支払賃借料として計上した金額は、正当な営業権の使用料であると主張する。しかしながら、請求人は、譲渡譲受契約書に基づきB社から業務を譲り受けるとともに道路運送法の認可を受けているから、営業権もB社から譲り受けたものと認められ、一方、A社は同法に規定する免許又は認可を受けた事実がなく、さらに、営業権は請求人が所有しているにもかかわらず、賃貸借契約書を作成し、貸付金を保証金等に仮装するとともに、支払義務のない賃借料を架空計上したものと認められることから、当該支払賃借料は法法第22条第3項の規定により損金の額に算入されない。したがって、請求人の主張は認められない。(平12.11.7熊裁(法)平12−8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120031
- 裁決年月日
- 平成12年10月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の作成した輸出承認申請書の記載内容のみをもって、請求人がA国の現地法人あてに輸出した中古の機械装置が輸出承認申請書の記載価額で譲渡されたと認められるから、その対価が増資の支払債務と相殺されているとしても、その譲渡益は111百万円であると主張するが、(1)請求人における当該機械装置の取得価額は72百万円であり、輸出直前の帳簿価額が18百万円であったこと、(2)A国政府の輸入許可が株式投資のための輸入で為替取引を伴わないものであることを前提としていること、(3)本件機械装置の輸出に関係した荷役業者等との通信文書によれば、本件機械装置は現地法人への現物出資資産として手続きが進められてきたことが容易に読み取れるから、本件は、日本における現物出資そのものでないとしても、A国政府当局から指摘された資本金不足を回避するため、本件機械装置の評価額を水増しして増資に係る払込み資産としたものと認めるのが相当である。そうすると、法令第38条の規定により、時価を超える払込み価額はなかったものとされるところ、本件機械装置の時価はその帳簿価額に相当する金額と認められるので、請求人には、この取引による譲渡損益が生じないため、原処分は取り消すのが相当である。(平12.10.31関裁(法)平12−31)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120014
- 裁決年月日
- 平成12年10月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/4その他
- 業種
- 一般土木建築工事
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が下請業者に対して工事原価の付替え及び外注費に係る請求書の改ざんを依頼し、これに基づき、請求人が施工した請求人の本社事務所及び未成工事となっていた別工事の工事原価を期中に完成したホテルの新築工事の原価に付け替えた旨主張する。しかしながら、原処分庁は、請求人が下請業者に工事原価の付替え等を依頼したとする具体的な証拠を提出せず、一方、請求人は、下請業者と取り交わした注文書及び注文請書に基づく請求書に従って工事原価を計上したことが認められることから、原処分庁の主張には理由がない。(平12.10.19名裁(法・諸)平12−14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120023
- 裁決年月日
- 平成12年10月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 業種
- 印刷機械、器具及び印刷用品の販売
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度において損金の額に算入した本件外注費について、過去において子会社に与えた損失を一部補てんしたものであるから、寄付金に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が、子会社に対して損害賠償債務を負い、その賠償金額を損金の額に算入することができるためには、両社間に実体法上の損害賠償債務を生じさせるような具体的な事実の存在が認められなければならないところ、(1)請求人が提出した本件覚書は、別会社である子会社の債務のすべてを請求人が負担するという内容であって、請求人があえて別会社を設立した意味を失わせるもので、経済的合理性を欠くこと、(2)請求人の代表者は、本件覚書を最近作成した旨答述していることからすると、本件覚書の内容をたやすく信用することはできない。また、(1)請求人から、子会社の損失の発生時期、金額及び計算根拠について何ら説明がないこと、(2)本件外注費に関する請求人の説明は一貫性を欠いていること、(3)両者間で請求人が子会社に対して損害賠償責任を負う旨を確認した文書等は提出されていないことからすると、請求人の誤った指示に起因して子会社に損害が生じたと認めることもできない。したがって、請求人が実体を欠く本件外注費の額を損金の額に算入し、子会社に対する貸付金と相殺したことは、子会社に対する経済的利益を供与したものと認められ、法法第37条の規定に基づき、寄付金に該当する。(平12.10.16関裁(法)平12−23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120017
- 裁決年月日
- 平成12年9月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・387ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件空調設備のように冷凍機に直結する電動機がない場合には、その冷凍能力を冷凍機の出力として判定すべき旨、また、その場合の冷凍能力は耐用年数省令で定める基準22キロワットを超えるから、本件空調設備は「その他の冷暖房設備」に該当し、耐用年数は15年となる旨主張するが、本件空調設備が冷凍機の出力22キロワット以下の「冷暖房設備」又は冷凍機の出力22キロワット超の「その他の冷暖房設備」のいずれに該当するかは、「冷凍機の出力」のみを基準として区分しており、そして、「冷凍機の出力」とは、冷凍機に直結する電動機の出力をいうものと解するのが相当であるから、冷凍機に直結する電動機を有しない本件空調設備は「冷暖房設備」に該当し、その耐用年数は13年とするのが相当である。(平12.9.28関裁(法)平12−17)裁決事例集NO60・387ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120013
- 裁決年月日
- 平成12年9月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 業種
- 土木工事
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注費を実際に支払っており、しかも相手方が存在するのであるから使途は明らかであり、使途秘匿金には当たらない旨主張するが、各々の事実認定によれば、その事実があったのか、その対価に対する費用なのかが不明で不自然な取引行為であり、他に当該外注費の支払を証明する証拠書類等を提出しないことなどから、本件外注費は帳簿に架空計上されたものと認めるのが相当であり、さらに、請求人が支出した金額は、相当の理由がなく、真実の相手方の氏名等を本件各事業年度の確定申告期限までに請求人の帳簿書類に記載していないものであり、かつ、明らかに取引の対価の支払としてされたものでないので、使途秘匿金課税の特例の適用は相当である。(平12.9.25大裁(法・諸)平12−13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120013
- 裁決年月日
- 平成12年9月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 業種
- 土木工事
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、労務費等を実際に支払っており、しかも相手方が存在するのであるから使途は明らかであり、使途秘匿金に当たらない旨主張するが、請求人が保存する帳簿書類には、退職した従業員の名前が記載されてあるだけで、支払の事実を確認できないこと、従事した現場や作業内容の記載がないこと、また、他に請求人の主張を証明する証拠書類等がないことなどから、本件労務費は、架空に計上されたものと認めるのが相当であり、さらに、請求人が支出した金額は相当の理由がなく、真実の相手方の氏名等を本件各事業年度の確定申告期限までに、請求人の帳簿書類に記載していないものであり、かつ、明らかに取引の対価の支払としてされたものではないので、使途秘匿金課税の特例の適用は相当である。(平12.9.25大裁(法・諸)平12−13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120013
- 裁決年月日
- 平成12年9月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 業種
- 土木工事
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、支払手数料を実際に支払っており、しかも相手方が存在するのであるから使途は明らかであり、使途秘匿金に当たらない旨主張するが、その支払を証明するような契約書等の証拠書類はなく、当該支払手数料は、相当の理由がなく、真実の相手方の氏名等を本件各事業年度の確定申告期限までに請求人の帳簿書類に記載していないものであり、かつ、明らかに取引の対価の支払としてされたものではないので、使途秘匿金課税の特例の適用は相当である。(平12.9.25大裁(法・諸)平12−13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120013
- 裁決年月日
- 平成12年9月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300711030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/3従業員退職給与
- 業種
- 土木工事
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元従業員に退職金を支給した旨主張するが、元従業員は受領した事実のない旨の答述をしていること、後日、請求人の代表者自身が、個人的な立替金と相殺する目的で当該金員を受領し、個人的に費消した旨答述していることから判断すれば、当該退職金は、不正な方法で請求人の代表者個人が本件金員を取得し、費消したとするのが相当である。なお、支出した金員は、法法第35条第4項に規定する賞与と認定するのが相当である。(平12.9.25大裁(法・諸)平12−13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120005
- 裁決年月日
- 平成12年9月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 業種
- 電子機器の設計・製造
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員等の慰安旅行費用は社会通念上一般的に行われている旅行の費用であるから、当該旅行費用のうち役員に係る費用を役員賞与として所得金額に加算すべきでない旨主張する。しかしながら、請求人が負担した慰安旅行の参加者一人当たりの金額は多額であり、社会通念上、一般的な福利厚生行事とは認められない。したがって、請求人が負担した慰安旅行費用は参加した従業員等に対する臨時的な給与と認められ、当該旅行費用のうち役員にかかる費用は役員賞与として所得金額に加算すべきである。(平12.9.22名裁(法・諸)平12−5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120010
- 裁決年月日
- 平成12年8月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300704040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/4評価方法
- 業種
- 木製工芸品製造
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度末の棚卸資産の評価について、請求人の算定に係る単価及び一定の調整率はそれぞれ合理的な根拠をもつものであるから認められべきであると主張する。しかしながら、当審判所が調査したところによると、最終仕入原価法により棚卸資産の評価をすることとして、その旨を届け出ている請求人は、最終仕入単価以外の単価を根拠として期末棚卸金額を算定し、また、原材料に含まれる一定の不良品割合等を請求人が独自に算定した調整率により加減して期末棚卸金額を算定しており、これらは、最終仕入原価法を選択している限り容認されるものでないから、請求人の主張には理由がない。(平12.8.21関裁(法)平12−10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120010
- 裁決年月日
- 平成12年8月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 業種
- 木製工芸品製造
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対し貸付けをしそれに伴う受取利息(未収入金)を計上していたことにつき、本件貸付金の実質が子会社の倒産防止のために合理的な再建計画に基づいてした無償貸付であって、受取利息の計上は便宜的なものであったから、本件事業年度に損益修正して損金に算入することは認められるべきであると主張する。しかしながら、本件貸付に係る契約書及び子会社の再建計画に係る書面は作成されておらず、その他当審判所の調査によっても、本件貸付が子会社救済のための無償貸付であると認定することはできない。また、当該子会社は、本件事業年度以降も営業を継続しており、請求人が子会社に対する債権を放棄し、未収入金を消滅させた事実は認められないから、子会社等を整理する場合の損失負担の場合に寄付金課税をしない場合の要件も具備していない。したがって、請求人の受取利息の計上は正当な処理であり、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平12.8.21関裁(法)平12−10)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120007
- 裁決年月日
- 平成12年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法法第37条第7項の規定の趣旨は、法人がその資産を低額譲渡することは資産の贈与をすることと実質的に同じであることに着目し、低額譲渡の形式で租税回避の企図することの弊害を防ぎ公平な課税を期するためのものである。この場合、「実質的に贈与をしたと認められる」ためには、当該取引に伴う経済的な効果が贈与と同視し得るものであれば足り、譲渡者が贈与意思を有していたことは必要としないと解するのが相当である。一般に、同一資産を譲渡する場合、取引条件が同一であれば同一の取引価額(時価)が形成されるというべきであり、電気の供給取引においても同様であるが、取引価額に格差が設けられているとしても、他にはない特に不利な条件が課されているため、通常成立するであろうと認められる合理的な価額の範囲内に料金が設定されている場合には、時価より低廉な価額で取引がなされたという事実は認められないというべきである。本件の場合、一部の子会社に他の子会社より低額で電気の供給が行われている実態についてみると、請求人と子会社甲との間では、特約として、需給ひっ迫時における電気供給の遮断が取引条件として合意されているが、子会社乙との間では、電気料金に影響を与えるほどの取引条件の差異は認められず、他の関係会社よりも低額で電気を供給することに合理的な理由はなく、時価との差額を寄付金の額と認定することは相当であるが、原処分庁が認定した譲渡価額は合理的な価額と認められず、審判所が認定した価額により、更正処分の一部を取り消すのが相当である。(平12.7.7広裁(法)平12−7)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120007
- 裁決年月日
- 平成12年7月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 固定資産の使用を廃止し、資産としての使用価値を失ったことが客観的に立証された場合には、たとえ現状有姿のままであっても除却処理ができるとする法基通7−7−2((有姿除却))の取扱いは合理的な取扱いであると認められるところ、林道と植林事業という関係にあっては、植林事業を遂行する上で林道は欠くことができない資産であること、林道は補修を繰り返しながら使用することが一般的で、時の経過あるいは状況の変化により陳腐化し使用価値を喪失することになる他の固定資産とは性質を異にするから、植林事業の存続あるいは廃止の決定は使用価値の有無と密接な関係にある。本件において、林道の状況は、当該事業年度において、補修しても使用し得ない程度に崩壊していた状態にあると認められず、植林事業からの撤退の時期については、植林事業に係る撤退りん議の決裁が保留となった事由、当該事由への請求人の対応の状況及び林道に係る廃棄りん議の決裁時期から、当該廃棄りん議の正式な意思決定である社長決裁を了した翌事業年度であると判断することが相当と認められる。したがって、林道は、植林事業からの完全撤退を決定した翌事業年度にその使用を廃止し、その後通常の方法により事業の用に供する可能性がなくなったというべきであり、当該事業年度においては、有姿除却の要件を満たすに至っていないから、林道の除却損失の額を損金の額に算入することはできない。(平12.7.7広裁(法)平12−7)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110069
- 裁決年月日
- 平成12年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員退職給与について、役員報酬月額が世間一般からみて異常に低額であるから、平均功績倍率法の最終月額報酬を比較法人の報酬月額に読み替えても、また、1年当たり平均額法を適用しても、請求人が支払った役員退職給与の額はその範囲内であり適正額である旨主張するが、請求人には特段の事情がないことから1年当たり平均額法を適用することはできず、また、請求人の役員報酬月額は事業規模、報酬の支給状況等からみて適正額であると認められることから、原処分庁が平均功績倍率法を適用して役員退職給与の適正額を算定したことは相当である。(平12. 6.30高裁(法)平11-69)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110192
- 裁決年月日
- 平成12年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注費が外注先から役務の提供を受けた通常の取引に基づくものである旨主張するが、本件外注費の中には、請求の期間に本件工事が行われていないことが明らかなもの、現場作業員の中に当該外注先の従業員がいないことが明らかなものがあり、また、当該外注先の代表者は、本件外注費が発生したところから休業していたが、請求人の前代表者に依頼されて請求書等を作成したもので架空の外注費である旨答述しており、この答述は、当該外注先の雇用保険申告書及び当該外注先の代表者が休業後始めたとする個人事業に係る関係者の証言からも信用できるものと認められるから、本件外注費は架空のものであると認めるのが相当である。(平12. 6.30東裁(法・諸)平11-192)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平110047
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付金が事業年度末において、回収不能の状態が客観的に発生していれば貸倒損失となると解すべきであり、法人への本件貸付金については根抵当権を設定しているものの順位が後位であって担保価値がないのは明らかであり、また、個人への本件貸付金については貸付金額が10億円という巨額なものであり、個人にとっては返済不能の借入であるから、いずれも貸倒損失となる旨主張する。しかしながら、法法第33条第2項の規定により金銭債権についての評価損の計上が認められていないところから、法律上債権が存在するにもかかわらず事実上回収不能であることを理由として、貸倒損失として帳簿に計上することができるのは、債権の全額が回収不能である場合に限られると解するのが相当である。法人への本件貸付金については、A市内の土地及び建物に根抵当権を設定しており、平成4年9月期において当該担保物の処分がされていない、また、個人への本件貸付金については、当該個人が平成4年9月期において事業活動をしており、貸付金の全額が回収不能ということはできない。したがって、本件貸付金は、貸倒れとして損金経理をすることはできず、請求人の主張は採用できない。(平12. 6.29福裁(法・諸)平11-47)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110068
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①調査権限の及ばない平成2年9月期及び平成3年9月期を調査したこと、②調査理由を全く説明せず、修正申告のしょうように応じないからと一方的にされた更正処分は、職権の濫用であり、③偽りその他不正の行為とは、悪質で高額な所得隠しをいい、期末に利益を圧縮した行為はこれに該当しない旨主張するが、④質問検査権を行使する上で、本件調査において調査担当職員の判断に合理性を欠いた点は認められず、⑤更正処分をするに当たり、納税者に調査結果の説明及び修正申告のしょうようをしなければならない旨を定めた法令上の規定はないから、仮に、調査担当職員がこれらのことをしなかったとしても違法、不当ではなく、⑥架空の経費を計上してこれを基に所得金額を過少に算定して確定申告書を提出したことは、偽計その他の工作を伴う行為を行って、正当に納付すべき税額を過少に算定してその差額を免れたというべきであり、この行為は、通則法第70条第5項の規定に該当する。(平12. 6.29高裁(法・諸)平11-68)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110145
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人がA互助会から営業権の譲渡を受け、引き継いだ負債の額から同資産の額を差し引いた金額を無形固定資産(営業権)に計上するとともに同額を償却費として損金の額に算入しているが、当該負債の額には益金の額に算入すべき月掛金中断後10年を経過した中断払込済掛金の額が含まれていることから、これらの金額を当該負債の額から減額して無形固定資産の額を算定し償却額を計算すべきである旨主張する。これに対し、請求人は、A互助会から引き継いだ払込済掛金額はあくまで預り金であり、掛金継続中及び満期分のみで中断払込済掛金が含まれることがない旨主張する。ところで、営業権とは、同種の他の事業に比して期待される将来の超過収益力の存在をもってその本質とすることが会計学上の通説であり、その超過収益力を正常利益率をもって資本還元した価値が営業権の金額であるとされている。なお、税法上の営業権については、営業の全部又は重要な一部を譲り受ける場合等に発生するのれんが営業権の主体をなしていると解されており、営業権の償却限度額は、法令(平成10年105号改正前のもの。)第48条第1項第5号に当該営業権の取得価額とする旨規定している。そうすると、請求人が取得した営業権の取得価額を一括償却したとしても、何ら違法な点はないこと、原処分庁が主張する月掛金中断後10年を経過した時点で中断払込済掛金を益金の額に算入するという処理は認めることはできないこと及び引継互助会から中断会員を引き継いだことを証する資料等も認められないから、無形固定資産の償却超過額の更正処分には理由がない。したがって、原処分庁の主張は採用できない。(平12. 6.29大裁(法・諸)平11-145)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110066
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300713990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①工事原価等及び土地造成費についてはA、B及びCに対して、実際支払っているから青色申告承認の取り消し処分の取り消し及び重加算税の賦課決定処分の取り消しを求める。②D振り出しの手形が不渡りとなったため貸倒償却として損金の額に算入したものであり、架空計上ではない。③使途秘匿金については、①のとおり支払っており、使途秘匿金の発生は違法である旨主張するが、①Aは工事原価等及び土地造成工事を行なっておらず、また、B及びCが土地造成工事を行なった事実を確認することができず、支払い方法等についての説明もないことから、架空計上と認められるから、青色取消し処分及び重加算税の賦課決定処分は適法である。②貸倒償却については、不渡りとなった手形の提出がなく、その確認もできないことから、貸付債権は存在しないから貸倒償却は認められない。③工事原価等及び土地造成費のうちの一部については請求人の別口口座で取り立てているものの、その後の使途は複雑多岐にわたっており、留保されているのか費消されたのか判然とせず法人がした金銭の支出とは言い難いことから使途秘匿金には該当しない。(平12. 6.27高裁(法・諸)平11-66)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110066
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①工事原価等及び土地造成費についてはA、B及びCに対して、実際支払っているから青色申告承認の取り消し処分の取り消し及び重加算税の賦課決定処分の取り消しを求める、②D振り出しの手形が不渡りとなったため貸倒償却として損金の額に算入したものであり、架空計上ではない、③使途秘匿金については、①のとおり支払っており、使途秘匿金は発生は違法である旨主張するが、①Aは工事原価等及び土地造成工事を行なっておらず、また、B及びCが土地造成工事を行なった事実を確認することができず、支払い方法等についての説明もないことから、架空計上と認められるから、青色取消し処分及び重加算税の賦課決定処分は適法である、②貸倒償却については、不渡りとなった手形の提出がなく、その確認もできないことから、貸付債権は存在しないから貸倒償却は認められない、③工事原価等及び土地造成費のうちの一部については請求人の別口口座で取り立てているものの、その後の使途は複雑多岐にわたっており、留保されているのか費消されたのか判然とせず法人がした金銭の支出とは言い難いことから使途秘匿金には該当しない。(平12. 6.27高裁(法・諸)平11-66)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110066
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①工事原価等及び土地造成費についてはA、B及びCに対して、実際支払っているから青色申告承認の取り消し処分の取り消し及び重加算税の賦課決定処分の取り消しを求める。②D振り出しの手形が不渡りとなったため貸倒償却として損金の額に算入したものであり、架空計上ではない。③使途秘匿金については、①のとおり支払っており、使途秘匿金の発生は違法である旨主張するが、①Aは工事原価等及び土地造成工事を行なっておらず、またB及びCが土地造成工事を行なった事実を確認することができず、支払い方法等についての説明もないことから、架空計上と認められ、青色取消し処分及び重加算税の賦課決定処分は適法である。②貸倒償却については、不渡りとなった手形の提出がなく、その確認もできないことから、貸付債権は存在しないから貸倒償却は認められない。③工事原価等及び土地造成費のうち一部については請求人の別口口座で取り立てているものの、その後の使途は複雑多岐にわたっており、留保されているのか費消されたのか判然とせず法人がした金銭の支出とは言い難いことから使途秘匿金には該当しない。(平12. 6.27高裁(法・諸)平11-66)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平110016
- 裁決年月日
- 平成12年6月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産賃貸業を営む法人である請求人が賃借した土地の上に存した賃貸人所有の建物の取壊費用(以下「本件費用」という。)を支払ったが、その本件費用について、請求人は繰延資産に該当する旨主張し、原処分庁は借地権の取得価額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人において、借地権の設定の対価としての権利金の支出や既存建物の取得はなく、また、本件費用の支出によって土地の賃貸人は特別な経済的な利益を享受したとは認められないことから、請求人において借地権の取得はないとみるのが相当であり、本件費用を借地権の取得価額とすべき理由はない。本件費用は、賃貸建物を建設するために既存建物を取り壊した費用及び通常一般的に行われる整地の一環としてなされた土地の改良を伴わない工事の費用であると認められること、また、繰延資産は、資産の取得に要した金額となる費用は除くとされていることから、本件費用は、賃貸建物の取得価額に算入するのが相当である。(平12. 6.23金裁(法)平11-16)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110038
- 裁決年月日
- 平成12年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員報酬は取締役会等で各役員が協議の上決定したもので、本件定期積金は本件各役員に帰属するから、本件役員報酬は適正に支給されたものである旨主張する。しかしながら、①本件定期積金は、その開設、預入及び解約等の手続が代表者によって行なわれており本件定期積金の存在を本件各役員が認識していたとは認められないこと及び②解約された資金が請求人のために使用され、その後、本件各役員名義の定期預金とされたがその名義及び金額は本件定期積金とは一致しないことが認められる。また、本件各役員は役員報酬から定期積金を行なっていた旨の答述をしているが、一方では、本件定期積金の詳細について事実と異なる答述や不自然な答述があること及び原処分庁に対する申立ての経緯等からすると、本件各役員は、代表者とは親族関係等にあることから、その答述は信ぴょう性がなく採用できない。さらに、請求人は本件各役員に係る給与支払報告書を提出していないこと及び本件役員H及びHの夫の確定申告書からすると、請求人は、本件各役員に源泉徴収票を交付せず報酬額を通知していなかったものと認められる。したがって、本件定期積金は請求人に帰属すると認められ、本件定期積金に入金された本件役員報酬は、本件各役員に支給されたものとは認められない。なお、役員報酬は各役員協議の上決定した旨の主張は、本件各役員はいずれも取締役会等に出席したことはない旨答述しており、請求人の主張は採用できない。(平12. 6.22熊裁(法・諸)平11-38)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110038
- 裁決年月日
- 平成12年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/2勤務事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従業員Aに対する給与は毎月月末に支給しており、Aは、自己の意思に基づき費消している旨主張する。しかしながら、Aの平成6年中のS商会における毎月の勤務日数、K人材センターへの平成8年1月の入会申込書兼会員票の記載事項及び請求人の元従業員の申述からするとAが請求人に勤務していたとは認められず、また、Aの当審判所に対して「請求人には勤務したことはなく、給与の支給を受けたことはない」旨の答述は真実を述べていると認められる。したがって、本件従業員給与は、架空に計上されたものと認められる。(平12. 6.22熊裁(法・諸)平11-38)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平110039
- 裁決年月日
- 平成12年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707014
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/4資産を賃借するための権利金、立退料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、駐車場用地を転貸借により借地する際に借地権者に支払った金員について、①土地所有者と借地権者との間で作成された賃貸借契約書によると、借地期間満了時には土地を無償で返還すること及び当該契約書には権利金を支払うことの文言がないことから、土地所有者と借地権者との間に借地権は存在しない、②土地所有者と借地権者は、所轄税務署に土地の無償返還届出書を提出しているので借地権者は借地権を持っていないから、請求人が借地の際に金員を支払ったとしても借地権を取得することはできない、③請求人と借地権者との間で作成された賃貸借契約書によると、借地権者の責任により土地の使用収益ができなくなったときには、使用収益ができなくなった日以降の日割り計算で当該金員の返還請求ができると定められていることからしても、当該金員は賃料の一時払いであると解される、④法基通7−3−8に定める「その借地に係る手数料その他の費用」には、賃料の一時払いは含まれていないので、当該金員は、契約期間の経過に応じて各事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、①借地権者は、当該金員を受取手数料と認めていること、②土地所有者と借地権者との間で作成された賃貸借契約書は、民法第601条の規定を具備したところの契約と認められること、③土地の無償返還届出制度は、土地の借地権の存在そのものを否定する趣旨ではないので、借地権者は価額が零の借地権を取得したと解されることから、請求人が借地する際に借地権者に支払った金員は、法基通7−3−8に定める転貸借契約に当たり借地権の対価として借地権者に支払った金額と認められ、かつ、法人税法上の借地権の取得価額と解することが相当である。(平12. 6.20福裁(法)平11-39)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110064
- 裁決年月日
- 平成12年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人はみなし役員に対して豪華社宅を無償で貸与しているが、当該豪華社宅は、社員研修、社員親睦会、来客接待等の目的で使用しており、みなし役員が居住用に使用しているのはごく一部に過ぎず、かつ常時使用しているものではないので、これに係る家賃相当額は過大役員報酬とはならない旨主張するが、ワンマン経営していると認められるみなし役員が当該豪華社宅の全部を管理占有していると認められるほか、請求人が当該豪華社宅を使用した実績も確認できないことから、その全部をみなし役員が居住の用に供していると認められ、これに係る家賃相当額のうち役員報酬の適正額を超える金額は過大役員報酬に該当する。(平12. 6.20高裁(法・諸)平11-64)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110063
- 裁決年月日
- 平成12年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ダンプをリース会社に売却し、リース会社はこれを他の会社へリースした。さらに当該他の会社はこれを請求人に同条件でリースしたが、これらのことは、実質的に請求人がリース会社からリースを受けているもので金融取引に当たる旨主張するが、リース会社は契約書どおりの取引と認識し、また、当該他の会社が請求人とリース取引をしている事実を認知しておらず、当事者間に金融取引をしようとする意図が認められないことから金融取引とは認められない。(平12. 6.19高裁(法・諸)平11-63)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110063
- 裁決年月日
- 平成12年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/1役員の範囲/1みなし役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の創業者が請求人の経営に従事しておらず、役員に該当しない旨主張するが、請求人の役員のほとんどが創業者の家族であり、請求人の資本金のほとんどすべてをその家族で所有していること、また、創業者が請求人の事業運営上の重要事項に参画しているほか、対外的にもオーナーと認識されていることから実質的経営者と認められる。(平12. 6.19高裁(法・諸)平11-63)、(平12. 6.20高裁(法・諸)平11-64)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110063
- 裁決年月日
- 平成12年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、みなし役員に対する仮払金等は工事受注活動に必要な経費をその都度交付していたもので、同人に対する真実の債権でなく、工事受注のための必要な経費である。そして、真実支払手数料として実態のないものと相殺したことは、経済的利益の供与でなく、賞与に該当しない旨主張するが、当該仮払金等が工事受注のための必要な経費であることの証拠として請求人が提出した資料がその事実を客観的に証するものでなく、当該仮払金等が工事受注のための必要な経費であるとは認められない。みなし役員が当該仮払金等を受領したことに争いはないところ、当該仮払金は上記のとおり工事受注のための必要な経費であるとは認められず、これと実態のない支払手数料とを相殺することはみなし役員に対する債権を免除したこととなり、賞与を支給したものと認められる。(平12. 6.19高裁(法・諸)平11-63)、(平12. 6.20高裁(法・諸)平11-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110165
- 裁決年月日
- 平成12年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ボーナスのうち、当該販売方式において最上位に位置する代表取締役に係るボーナスを代表取締役に販売諸費(経費科目)として支払っているが、当該ボーナスは、他の販売員に支払っているボーナスと同様に経費処理が認められるべきであり、代表取締役に対する役員賞与には当たらない旨主張するが、代表取締役に支払っている当該ボーナスについては、実在する販売員に支払っているボーナスと違い、任意に考案したシステムの仕組みから仮に設けた販売員に係るボーナスであり、これを当該販売方式において最上位に位置する代表取締役に必ず支払わなければならないことにはなっていないこと、及び代表取締役に支払う合理的な理由も認められないことからすると、請求人が任意に当該ボーナスの支払先を代表取締役にする旨決めて支払っているにすぎないから、当該ボーナスは、代表取締役に対する役員賞与に当たると判断するのが相当である。(平12. 6.19東裁(法・諸)平11-165)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110165
- 裁決年月日
- 平成12年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人はA国に本店を有する関係会社から製品を仕入れ、その代金を関係会社に支払い、関係会社はその支払を受けた金額のうち一定の金額を請求人の代表取締役等2名の役員にコミッションと称して支払っているが、仕入代金に含まれるコミッション相当額は請求人が両名に支給した臨時的な給与に当たるとする原処分に対し、請求人は、当該仕入金額は適正な価格に基づくものであり、当該コミッションはあくまで関係会社が契約に基づき両名に支払っているものであり、本件は独立企業間価格の問題である旨主張するが、売上原価に含まれている当該コミッション相当額は、関係会社に対する仕入価格とみることができず、日本国内における当該製品等の販売事業の開始当時から本件各事業年度までの間における役員の長年の努力・貢献に報いるためのものと認められ、仕入先である関係法人に正規の仕入代金に当該コミッション相当額を上乗せした請求書を発行させてその金額を売上原価に計上するとともに、その代金を関係会社に送金し、関係会社等をう回して両名に支払っているものであり、当該コミッション相当額は、役員である両名に対する臨時的な給与(役員賞与)に当たると判断するのが相当であり、独立企業間価格の問題ではない。(平12. 6.19東裁(法・諸)平11-165)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110165
- 裁決年月日
- 平成12年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件ビルを取得後、実際に使用を開始した時点をもって事業の用に供したものとしているが、これは事業の始期を不当に遅らせるものである旨主張するが、法令第59条第1項第1号に規定する「事業の用に供した日」とは、事業のために現に使用を開始した日、つまり、事業のために使用することによりその資産の価値が減少する事実が発生した日を指しているものと解している。本件についてみると、本社ビルに引っ越しを行い、現に使用を開始した日を「事業の用に供した日」と判断するのが相当である。(平12. 6.19東裁(法・諸)平11-165)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110058
- 裁決年月日
- 平成12年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/2債権放棄等の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件事業年度において完済された債権(以下「本件債権」という。)以外にも債務者に対する貸付金を有しているが、債務者の事業経営は、債務超過の状態が現在に至るまで長期間にわたって継続し債務は増加傾向にあることから、貸付金の回収は極めて困難であること、②債務者に対する貸付金に係る未収利息は、長期間にわたって支払いがないことから、回収は不可能であること、③本件債権に係る未収利息(以下「本件未収利息」という。)を債務免除することを債務者に告げていることから、損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、請求人は債務者に対して債務免除した事実を明らかにしている書面を作成していないと認められるから、本件未収利息は消滅したとは認められない。また、請求人は本件未収利息以外の債権を有しており、これら債権については、本件債権が本件事業年度において完済されていることからみても、その全額が、回収できないことが明らかになったとは認められない。したがって、本件未収利息は本件事務年度の貸倒損失に該当せず、損金の額に算入されないこととなる。(平12. 6. 7高裁(法)平11-58)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110127
- 裁決年月日
- 平成12年6月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が賛助金の領収証及び賛助金受領書を受け取ったことは名義を貸した結果であり、売買代金行為をした事実はなく、売買代理手数料900,000,000円は受け取っていないことから、同額を寄付した事実もない旨主張する。しかしながら、請求人には売買代理手数料900,000,000円の収入があったと認められ、当該手数料の領収日と同日の平成6年7月26日に現金で300,000,000円、同年7月29日にA銀行B支店の請求人名義の普通預金口座から出金された600,000,000円を支払い、これらの支払に対し領収証を受領したものと認められる。請求人の当該賛助金の支出は、法法第37条に規定する寄附金に該当するものと認められ、同法同条第2項に規定する損金算入となるものには該当しない。よって、本件法人税の更正処分は適法である。(平12. 6. 6大裁(法・諸)平11-127)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110126
- 裁決年月日
- 平成12年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空計上であると認定した外注費は、支払先の業務に見合った正当なものであり、それを立証する証拠もある旨主張する。しかしながら、①請求人の提出した支払先が発行した請求書等の証拠資料は、本件外注費の役務提供の内容が明らかではないこと、②支払先は、当該外注費に係る収入金額について修正申告しているものの、請求人の仮装経理に加担していること、③当該外注費の金員の多くは、代表者個人の借入金の返済及び株取引に充てられていることが認められる。そうすると、本件外注費は架空に計上されたものであり、その金員を代表者が個人的に費消したとみるのが相当であるから、当該外注費を請求人から代表者への役員賞与とした原処分は適法であり、請求人の主張には理由がない。(平12. 5.31大裁(法・諸)平11-126)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平110031
- 裁決年月日
- 平成12年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/5労務費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国人労働者に対して簿外で労務費を支払っているので、当該労務費相当額を本件各事業年度の損金の額に算入すべきであると主張する。しかしながら、請求人及び工事受注先の帳簿書類等の調査によっても、請求人が外国人労働者を雇用していた事実は認められず、また、請求人はその主張を証明する具体的な証拠資料を提出しないことから、請求人の主張する簿外労務費を本件各事業年度の損金の額に算入することはできない。(平12. 5.30札裁(法・諸)平11-31)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110089
- 裁決年月日
- 平成12年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者であるT社の状況及び将来性などを勘案して本件債権を放棄した上で貸倒損失として処理したものである旨主張するが、T社は債務超過の状態が相当期間継続しているものの、その金額は同社の資産総額に比較して多額なものとは認められないこと、他の債権者は債権放棄をしていないこと、資産総額の約50%を占めるJ社に対する本件前渡金について、本件訴訟に係る判決前において回収不能と判断すべき理由も認められないこと、T社は本件各事業年度において借入金に係る利息を支払っていることから、請求人が本件債権を放棄した時点において、請求人がT社から本件債権の弁済を受けられないことが客観的に確認できる状態であったと認められることはできない。また、請求人は、本件債権の放棄は、請求人の財務体質の健全化及び信用の回復並びにT社に対する更なる負担の回避を目的として決断したものである旨主張するが、T社には現時点においても解散等の事実はないこと、請求人以外の他の債権者は債権放棄をしていないこと、T社の資産、負債の状態が直ちに請求人の経営危機に結び付く危険性があるとは客観的に認められないこと、その他請求人が本件債権を放棄しなければ、より大きな損失を被り、あるいは異常な状態に立ち至ることとなるような事情があったと認めるに足る証拠はないこと、おって、本件債権の放棄に当たって、T社の再建計画等は存在しないことが明らかであることから、請求人の本件債権の放棄は、T社に対する経済的な利益の供与とみるのが相当であり、寄付金に該当すると認められる。さらに、請求人は、本件債権の放棄にはT社に対する贈与的意思は全くなく、利益を与えるために放棄したものではない旨主張するが、法法第37条第6項に規定する寄付金は、金銭等の資産の無償の供与等がされた場合にその経済的な効果が贈与と同視しうるものであれば足りるのであって、必ずしも贈与の意思を有していることを必要としないと解されるところ、上記Bで判断したとおり、本件債権の放棄は、T社に対する経済的な利益の供与として寄付金に該当すると認められる。(平12. 5.30関裁(法)平11-89)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110125
- 裁決年月日
- 平成12年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・172ページ
要旨
○ 請求人は、本件株式のゴルフ会員権売買市場における取引価額が下落したことは、A社の開発の土地及び借地権の価額等の下落が主たる要因でA社の資産状態が著しく悪化したことは明白であり、本件評価損は法令第68条第2号ロの規定に該当すると主張するが、本件株式はBゴルフクラブの会員権としての地位を表章しているものであるところ、そのゴルフ会員権売買市場における取引価額は、ゴルフ場の施設利用権としての価値の上下を含む需要と供給の関係で成立するものであるから、その取引価額が下落したことをもって直ちに、発行会社であるA社の資産状態が著しく悪化したことを意味するものではないし、また、A社の資産状態が著しく悪化したとの事実を認めることができず、法令第68条第2号ロに規定する「有価証券を発行する法人の資産状態が著しく悪化した」ことには該当しないから、請求人の主張は採用できない。(平12. 5.30大裁(法)平11-125)裁決事例集 №59・172ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110153
- 裁決年月日
- 平成12年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/3広告宣伝費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が主張する一連の仮装取引について、その行為者は請求人の役員ではなく、また、請求人とは雇用関係もない単なる部外者であって、請求人とは無関係である旨主張するが、その行為者が広告代理店との取引において専務取締役の名刺を使用することを代表者が黙認していること、その行為者の業務が請求人の手形発行業務や債権者への対応、あるいは定期的に多額に発生する広告発注業務等の請求人にとって重要な業務であること、また、その行為者に対して顧問料の名目で報酬を支払う際に会計伝票において専務と記載していること等の事実からすると、その行為者は、請求人の役員若しくはそれに準じる責任度合を有する社内関係者と認めるのが相当であり、しかも、その行為者は、自己の利益のためではなく、代表者の依頼を受けてこの一連の仮装取引を行ったものであり、その行為者がこの仮装取引により捻出した金員は、同人やその命を受けた請求人の従業員によって代表者に届けられており、その届けられた金員のうち約束手形の中には代表者自身が裏書きして割引しているものもあり、そうすると、この仮装取引は請求人の行為と認められるのであるから、更正処分及び重加算税賦課決定処分は適法である。(平12. 5.29東裁(法・諸)平11-153)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110088
- 裁決年月日
- 平成12年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716082
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/8支払利息/2支払利息の額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、新たに取得した甲土地は、自社工場に隣接する乙土地と交換する目的で購入したものであるから、旧措法62条の2に規定する新規取得土地等には該当しない旨主張し、その根拠として交換する旨の記載がある念書の存在をあげている。しかしながら、①当該念書には交換時期について3年以内に交換予定とする旨記載されていること、②甲土地と乙土地の相互の賃貸借契約が締結されていることから、念書締結日において交換があったとは認められず、当該新規取得土地は措置法(負債利子課税)の適用を受けることになる。(平12. 5.24関裁(法)平11-88)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110085
- 裁決年月日
- 平成12年5月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の申告した商品棚卸高(以下、「本件申告商品金額」という。)に本件在庫車両金額が含まれていないとして、本件在庫車両金額を棚卸商品計上漏れと認定して法人申告所得金額に加算したが、①本件申告商品金額の計算根拠が原処分庁から説明されていないことから、本件在庫車両金額を加算する根拠がないこと及び②本件各棚卸原表に記載されている商品は、その大部分に商品価値がないから、これを売却可能価額で評価すべきであるから、原処分庁が算定した棚卸商品の金額は不当であると主張する。しかしながら、①本件商品申告金額は請求人の確定した決算において計上されており、②本件各棚卸原表のうち、棚卸原表1の金額の70パーセントと棚卸原表4の金額の合計額が本件商品申告金額に1円単位まで一致すること、及び③申告納税制度の下では、請求人の確定した決算による本件商品申告金額の具体的な計算根拠を請求人自身で明らかにすべきところ、その計算根拠を明らかにする資料を当審判所に提示せず、また、他に請求人の主張にそう証拠資料もないことから、本件商品申告金額に本件在庫車両金額は含まれていないと認められる。また、法法第33条及び法令第68条第1項の規定により、請求人は平成9年4月期において、損金経理により帳簿価額の減額をしていないことから、売却可能価額では棚卸商品の評価はできず、原処分庁が本件商品申告金額に本件在庫車両金額を加算したことは不当ではない。(平12. 5.12関裁(法・諸)平11-85)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平110005
- 裁決年月日
- 平成12年4月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、裁判所の競売により取得した遊戯場用土地建物について支払った代金のうち、裁判所が定めた最低売却価額を超える金額については、超過収益力の対価であり、また、遊戯場の開業には、公安委員会の許可を要することから、所基通2−19に定める権利を取得したものであるから、最低売却価額を超える金額については営業権であると主張するが、公安委員会の許可は、それ単独で権利として流通し売買等の取引の対象とは認められず、そのような慣行の存在も認められないことから、同通達と同趣旨の法基通7−1−5に定める権利には該当せず、遊戯場用土地建物について買い進みをした結果によるものと認められることから、競売価額は遊戯場用土地建物の取得価額として原処分は正当である。(平12. 4.28沖裁(法)平11-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110096
- 裁決年月日
- 平成12年4月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族関係法人に対する貸付金について、請求人と当該同族関係法人とは賃借約定をしているので、当該貸付金に係る未収利息は、当該同族関係法人から受領すべき未収利息である旨主張するが、請求人は利息を徴しておらず、また、利息が未収である旨の経理処理をしていないことから、請求人が同族関係法人に対して利息相当分の経済的利益を供与したとして寄附金と認定した原処分は相当と認められる。(平12. 4.28名裁(法)平11-96)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110096
- 裁決年月日
- 平成12年4月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706089
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/8償却限度額/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族関係法人から取得した資産は建物ではなく、店舗造作、装飾設備器具であり、耐用年数は建物附属設備の耐用年数10年を適用すべきである旨主張するが、請求人からは取得した資産が建物附属設備であることを証明する資料の提出がないこと、売主の同族関係法人はその資産を取得した際建物勘定に計上し、建物の耐用年数40年を適用して減価償却費の計算をし、確定申告をしていること等から、建物の耐用年数40年から売主の同族関係法人の所有期間を控除した年数により減価償却費を計算し、償却超過額を損金の額に算入することは認められないとした原処分は適法である。(平12. 4.28名裁(法)平11-96)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110096
- 裁決年月日
- 平成12年4月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件金員を本件建物の取得価額に振り替えたことは合理的な理由がなく、本件各事業年度において本件建物に係る減価償却費を損金の額に算入したことは認められないとしたことは事実の誤認であり、本件金員は、昭和59年9月18日付の本件不動産売買契約書のとおり本件建物の取得価額であるので、本件建物に係る減価償却費の金額の損金の額への算入は認められるべきである旨主張するが、昭和59年に貸付金(その後仮払金に振替処理)として経理したものが実際は建物代金であったとする証拠がないことから、原処分は適法である。(平12. 4.28名裁(法)平11-96)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110096
- 裁決年月日
- 平成12年4月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712080
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/8無償貸与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族関係法人との間で本件念書又は本件建物賃貸借契約書を作成しているので、当該賃貸料相当額は、当該同族関係法人から受領すべき未収入金である旨主張する。そこで、当審判所が調査したところ、賃貸契約書の存在が確認されたので、原処分庁が寄附金と認定したうちの一部は未収賃貸料であると認められるが、当審判所が認定した賃貸料相当額と未収賃貸料の差額は寄附金と認めるのが相当である。(平12. 4.28名裁(法)平11-96)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110096
- 裁決年月日
- 平成12年4月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族関係法人から平成5年3月に取得したレストランの店舗造作設備一式について平成9年に除去したものであるので、固定資産除去損の計上は相当である旨主張するが、請求人からは除去したことを証明する資料の提出がないこと及びレストランは原処分調査時においても営業を継続しているが、店舗造作設備一式を除去して新しいものにしたという事実も認められないことから、固定資産除去損を損金の額に算入することは認められないとした原処分は適法である。(平12. 4.28名裁(法)平11-96)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110115
- 裁決年月日
- 平成12年4月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件更正処分において、損金の額に算入すべき仕入金額及び売上金額から減額すべき金額を認容すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件調査時に損金と認めるに足りる証拠の提示をせず、また、当審判所が、請求人から提示された総勘定元帳を含む本件資料を調査したところでも、損金と認めるに足りる証拠がなく、その金額を損金に当たると認めることはできない。(平12. 4.28大裁(法)平11-115)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110111
- 裁決年月日
- 平成12年4月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、電子機器本体に組み込まれたソフトウェアの取得価額は、当該電子機器を事業の用に供するために直接要した費用に該当するから、電子機器本体と一体となり取得価額を構成する旨主張する。しかしながら、電子機器本体は、一般に市販され、元来、単体で使用できるものであって、ソフトウェアは、電子機器本体が本来持っている機能を特別に追加したものであるから、両者を一体とみることはできず、ソフトウェアは、法基通8−1−7にいう繰延資産とするべきである。したがって、電子機器本体のみでは、措令第27条の6第2項の適用要件である1,600,000円以上とはならないから、措法第42条の6の法人税額の特別控除は適用できない。(平12. 4.27大裁(法)平11-111)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110136
- 裁決年月日
- 平成12年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716081
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/8支払利息/1借入れ、利息支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・154ページ
要旨
○ 請求人は、本店ビルの新築工事に際し、その共同事業者である財団法人J機構(以下「機構」という。)が負担した共同事業に係る分担金の実質は資金融資であるから、本店ビルの建築中に機構に対して支払った建中金利相当額は、支払利息である旨主張するが、機構との共同事業協定書、建物延払条件付譲渡契約書等の各契約内容及び機構の答述等を勘案すると、機構は本店ビルの建築費の一部を負担して共同事業者として事業に参加し、本店ビルの竣工後に機構の本店ビルの共有持分を請求人に譲渡したものと認められること及び共同事業協定書等には、建中金利相当額は機構の本店ビルの共有持分の譲渡代金の前払金であることが明記されていることから、共同事業に係る分担金は本店ビルの建築費であり、建中金利相当額は本店ビルの取得代金であると認めるのが相当である。(平12. 4.26東裁(法)平11-136)裁決事例集 №59・154ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110033
- 裁決年月日
- 平成12年4月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件比較法人は、その最終報酬月額に高低差があるなど合理性に欠けるものであること、②功績倍率のほかに功労金等の加算は社会的妥当性があるものであること及び③前代表者の最終報酬月額はその業務内容に照らし著しく低額であった旨主張し、原処分庁は、本件比較法人の選定は合理的である旨主張する。しかしながら、役員退職給与の不相当に高額な部分の金額は、その退職の事情及び当該法人と同種の事業を営む法人で事業規模が類似する法人の役員に対する退職給与の支給状況等に照らし判断すべきところ、原処分庁が功績倍率の算定基礎としたB社の売上金額は、請求人の売上金額の5倍を超えており又はその選定に当たり退職の原因が考慮されていないことから、本件比較法人は請求人との類似性を欠く不適切なものであり、原処分庁の主張は採用できないものである。また、功績倍率は、退職に伴い支給された給与の一切を最終報酬月額に勤続年数を乗じたもので除した倍率であることから、請求人の主張する功労金及び退職の事情による加算金等は、比較法人の功績倍率に反映しているものと解され、更に、役員と会社の関係は委任関係にありその報酬は会社の業績、当該役員の会社に対する功績を基に支給されると解されるところ、従前の勤務先での給与額や同年齢の県職員の平均報酬月額と比較して低額である旨の請求人の主張には理由がなく、請求人の業績及び前代表者の役員在任期間中の報酬の推移等からしても特に低額とは認められない。よって、当審判所が、代表者が死亡を原因として退職した法人で、退職事業年度を含む前3事業年度の売上金額及び総資産価額が請求人0.5倍及び2倍の範囲にある法人を抽出し、この認定比較法人の平均一年当たり退職給与額との比較により算定した結果、本件役員退職給与の適正退職給与の額は、原処分の適正退職役員給与の額を上回ることから更正処分はその一部を取り消す。(平12. 4.20熊裁(法)平11-33)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平110032
- 裁決年月日
- 平成12年4月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、見積原価の算定に当たって、有効期限切れポイントを控除することに代えて本件回収率により計算すべきである旨主張し、原処分庁は、有効期限切れポイントを期末残高から控除し、さらに本件回収率を乗じるべきである旨主張する。しかしながら請求人の本件回収率は、請求人の計算を継続して採用すると、回収率の分母には有効期限切れポイントが蓄積され、将来、回収率が限りなく零に近くなり、適正な見積原価の計算とは認められず、原処分庁の回収率は、有効期限切れポイントを期末残高から控除し、さらに本件回収率を適用しているが、本件回収率を適用することは、結果として、一部有効期限切れポイントを二重に控除することとなり適正ではないことから当審判所において、当期の見積原価の額を再計算すると①期末残高から有効期限切れポイントを控除しさらに、②上記①の数値には翌期に有効期限切れとなるポイントが含まれており、そのポイントは請求人の当期の販売利益とすべきものであるから、③見積原価の算定に当たって当該利益を除外するために、前期末残高に対する前期末から当期末までの有効期限切れポイントの増加割合を求め、その割合を上記①の数値に乗じて当期の販売利益を算定し、④上記③の販売利益を上記①から控除して見積原価を算定すると、請求人の見積原価の額を上回ることとなる。以上の結果、原処分の全部を取り消すのが相当と認められる。(平12. 4. 5熊裁(法)平11-32)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110019
- 裁決年月日
- 平成12年3月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/2従業員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、保険契約者を請求人、被保険者を全使用人すとる介護費用保険契約に基づき、一時払した本件介護費用保険料を期末賞与として支払した事業年度の損金の額に算入したのは、本件介護費用本件通達では、保険料の額を使用人の給与とした場合は、本件介護費用保険通達の適用を除くことを基本姿勢としており、これにのっとり賞与としたものであること、また、その保険料の額が一部(特定)の者に対する給与となる場合は、当該通達が適用にならないことから、一部の者の集合である全員に対する給与とした場合でも、当該通達の適用はない旨主張する。しかしながら、本件介護費用保険通達では、基本的に福利厚生費として損金性を認めているところ、特定の使用人のみを被保険者としている場合は、その保険料の額をその特定の使用人に経済的利益を与えたとみて給与所得の収入金額として課税が行われることとなり、その場合は、当該通達の適用がないと認められるものの、使用人の全員を介護費用保険に加入させた場合は、たとえ法人の会計処理において給与として所得税の課税対象としていたとしても、福利厚生費としての性格が変わるものではないと解するのが相当であり、請求人の主張は採用できない。また、①使用人に交付した賞与明細書には、現金支給額の記載はあるものの、本件介護費用保険料分の記載がないこと、②本件介護費用保険料については、支給基準がないこと、③保険証券は請求人が保管管理しており、使用人が自由に処分できる状態になること及び④請求人が任意で本件介護費用保険を解約できることなどの事実を併せ考えると、本件介護費用保険料を賞与として各使用人に支給したとする請求人の会計処理は、一般に公正妥当なものとは認められない。以上のことから、本件介護費用保険料について、本件介護費用保険通達が適用されるとした更正処分は適法である。(平12. 3.21仙裁(法)平11-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110080
- 裁決年月日
- 平成12年3月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/3取得価額(有形減価償却資産)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が賃貸住宅を建設するに当たり、A公社との間で締結した業務委託契約に基づいてA公社に支払った建設事務費について、請求人は、賃貸住宅の取得価額に算入すべきでない旨主張するが、当該建設事務費は、その業務委託契約書等の規定から、賃貸住宅の建設等の過程において要した費用であって、当該資産の建設等のため、あるいは当該資産を事業の用に供するため直接要した費用の額と認められるから、当該建設事務費は賃貸住宅の取得価額に算入すべきであるとした原処分は適法である。(平12. 3. 8大裁(法)平11-80)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110075
- 裁決年月日
- 平成12年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・143ページ
要旨
○ いわゆるみなし寄付金の場合、収益事業から公益事業への資産の支出とは、現に収益事業に属する資産を公益事業へ支出してこれにつき明確に区分経理をし、かつ、その資産がその公益法人等の本来の事業のための資金として使用されることをいうものと解されるから、収益事業から公益事業へ資産を支出したとしても、直ちにその支出した資産の額に相当する金額を元入金として公益事業から収益事業へ受け入れた場合には、法法第37条第4項にいう支出には当たらずまた、これにつき明確に区分したことにはならないから、当該収益事業から公益事業への支出額は、みなし寄付金には該当しない。(平12. 3. 7関裁(法)平11-75)裁決事例集 №59・143ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110078
- 裁決年月日
- 平成12年3月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710052
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/2損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、中小法人では株主総会を現実に開催しているのは皆無である等の理由により、役員Aに対する退職金の支給決議は有効であり、また、後にA又はその相続人に対し退職金として支払った金員を損金計上することができる旨主張する。しかしながら、お手盛り防止を目的とする商法269条の趣旨は、中小法人にも同様に当てはまることから、当然に株主総会の決議を要すると解するのが相当であるところ、請求人は、株主総会等の決議を行っておらず、そもそも退職給与の額が具体的に確定しているとはいえない。したがって、請求人がA又はその相続人に対し退職金として支払った金員はあったとしても、法法第23条第3項の規定により本件事業年度の損金の額に算入することはできず、請求人の主張には理由がない。(平12. 3. 6大裁(法・諸)平11-78)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110039
- 裁決年月日
- 平成12年2月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、官公庁の指定工事店となるための有資格者数を充足するため、有資格者を書類上従業員として採用し、勤務実態がないにもかかわらず毎月定額の賃金給料を計上し、当該給与の額から社会保険料の額等を控除した金額を代表取締役に支給していたが、これは、株主総会で決議した役員報酬の限度額の範囲内にある代表取締役に対して支給すべき役員報酬の額を役員報酬と賃金給料とに二分して支給したもので、また、その支給形態が定期、定額であることから、臨時的な給与に該当せず、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該支給額は、本件各事業年度において、代表取締役に対して、そのほかに定期的に定額が支給されている役員報酬と異なり、一定の期間において、請求人の職務に従事した事実のない者に対する給与と損金経理され、代表取締役に対する給与として正規に会計処理されずに支給されていることを考慮すると、その支給形態は例外的で異常なものというべきであり、当該支給額は、法法第35条第4項に規定する「臨時的な給与」に当たると解するのが相当である。したがって、当該支給額は、法法第35条第1項の規定により、損金の額に算入することができない。(平12. 2.29広裁(法)平11-39)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110070
- 裁決年月日
- 平成12年2月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件の冷房用減価償却資産が建物本体に固着し、また、各冷房設備が相互に結合して1つの設備として機能し食堂ホール内全体を冷房しているから、本件資産は建物附属設備に当たると主張する。しかしながら、本件資産の機種、形状、機能並びに設置及び使用の状況等の客観的事実により本件資産の属性について総合的に判断すれば、請求人は本件資産を簡易に取外しが可能な状態で使用していることが認められ、また、これらは単体の冷房用機器の集合体とみるのが相当であって、これらが設置された建物内全体又は食堂ホール内全体を相当広範囲にわたって冷房するものであるとは認められず、本件資産は建物と一体となって建物の効用価値を高めるものと認められないから建物附属設備には当たらず、請求人が有形固定資産台帳に記載した区分のとおり、器具及び備品として耐用年数6年を適用しその償却限度額を計算するのが相当である。(平12. 2.25名裁(法)平11-70)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110056
- 裁決年月日
- 平成12年2月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、県から道路改良工事に係る移転補償金を受領したことに伴い、その補償金算定の基になった産業廃棄物処理設備及び運搬車両等の資産(以下「本件簿外資産」という。)を簿外で所有していたとして資産に計上し、それが、本店を移転したことにより廃棄、除去した旨主張する。そして、当該補償金を請求人の実質的な経営者Aが受領したことについて、本件簿外資産の資金負担をしたAに対する返済である旨主張する。しかしながら、本件簿外資産の内、産業廃棄物の処分場以外の資産については、それらの資産が実在し、かつ、請求人が所有していた事実が認められず、また、産業廃棄物の処分場については、実在はしているものの滅失した事実が認められないことから、請求人は、本件簿外資産に係る架空の除去損等を計上したものと認められる。また、実在する産業廃棄物の処分場の資金負担はAが負担したことが推認できることから、その負担額の認定額については、Aに対する返済である旨の請求人の主張は相当と認められるが、残額については、Aに対する役員賞与とするのが相当である。(平12. 2.16関裁(法・諸)平11-56)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110038
- 裁決年月日
- 平成12年2月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度の末日をもって代表取締役が退任し、代表権のない取締役に職務が変更されているから、本件役員退職金を本件事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、①本件事業年度の末日に開催された臨時総会等で、代表取締役の辞任届の提出及び分掌変更の承認はされているものの本件事業年度後に開催される定時株主総会まで代表取締役の任に当たることが承認されていること、②分掌変更後の役員報酬の額も激減されていないこと、③後任の代表取締役が商業登記簿へ登記された日も本件事業年度後であることから、本件事業年度の末日においては、職務の変更がないと認められ本件役員退職金を本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平12. 2. 7高裁(法)平11-38)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平110004
- 裁決年月日
- 平成12年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、開業前に土地建物を同時に取得し、建物を貸店舗とするため改修工事をしようとしたが、建物が相当老朽化していることが判明したため、事業の用に供することなく建物を取り壊し、その損失の額を繰延資産として開業費に計上し、その後の事業年度に開業費償却として損金の額に算入していたが、請求人は、当初から建物を取り壊して更地として土地を利用することが目的であったと認められるので、建物の取得費用は同時に取得した土地の取得価額に算入するのが相当である。(平12. 1.24沖裁(法)平11-4)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110012
- 裁決年月日
- 平成11年12月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710045
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/5その他の経費との区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者であるTがF組から改修した修繕費に係る小切手及び約束手形について、経理担当者がTに対する受入現預金の相手勘定を貸借勘定とした誤った会計処理を行ったものであり、誤った会計処理を訂正すれば、Tに対する経済的利益は認められないから、役員賞与には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人は、平成5年9月24日に計上した修繕費については、Tに対する貸付金とするなどのTに対する貸借勘定を相手勘定とする会計処理を行った事実が認められない。また、Tは当該金額に見合う金額を、請求人に返済した事実は認められないこと、更に、請求人とTとの間で、当該修繕費に関連し、金銭消費貸借契約の締結がなされた事実は認められないことから、原処分庁が当該修繕費を請求人からTに対する臨時的な給与と判断し、平成5年9月分の役員賞与と認定したことは相当と認められる。次に、原処分庁は、平成5年10月28日に計上した修繕費に係る約束手形額面36,350,000円について、Tへの臨時的な給与に当たると認定して源泉所得税の告知処分をしているが、当該約束手形は、Tが焼却した旨の答述をしており、支払期日の平成6年4月30日に当座預金から払い出された事実も認められず、請求人からTに対し経済的利益があったと認められないことから原処分庁が平成5年10月分として源泉所得税の告知処分をしたことは誤りであり、取り消すべきである。(平11.12.24仙裁(法・諸)平11-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110012
- 裁決年月日
- 平成11年12月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/5修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、店舗の修繕工事の代金としてF組へ支払った消費税込の46,350,000円のうち、額面36,350,000円の約束手形を回収したのは、F組の目にあまる工事内容のずさんさと、同社の信用不安のうわさ等を理由に、工事半ばで契約をキャンセルしたものであり、既工事の代金及び契約キャンセル分として10,000,000円を支払っているから、原処分庁が、修繕工事の事実がないとして、損金の額に算入されないとしたことは誤りである旨主張する。しかしながら、①F組の会計帳簿書類から修繕工事が行われた事実が認められないこと、②F組の代表者は、請求人に交付した見積書、契約書及び領収証等は、請求人の役員から依頼されて作成したものであり、受領した10,000,000円は、架空の書類を作成したことに対する謝礼金である旨申述していること、一方③請求人は、修繕工事が実際行われたことを証明する資料として、上記②の書類以外はない旨答述し、工事を行ったとする主張を認めるに足りる証拠を提出しないことから、修繕費として計上した45,000,000円は架空の修繕費と認められる。また、請求人がF組に支払った10,000,000円は、請求人が当期の法人税の課税標準又は税額の基礎となる事実を仮装することに協力させるために支払われた課税免除の協力金というべきであり、法法第22条第3項の損金に該当せず、損金の額に算入することはできないと判断するのが相当である。(平11.12.24仙裁(法・諸)平11-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110012
- 裁決年月日
- 平成11年12月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件倉庫の解体による除去損失を固定資産除去損として損金の額に計上した金額は本件土地等の取得費とすべきとした原処分に対し、本件倉庫の取得は、当初から賃貸を目的としたとの請求人の経営上の判断を無視したものであり、事実誤認である旨主張する。しかしながら、請求人は、本件倉庫の賃貸に当たり、①賃貸期間を特定せずに建物賃貸借契約書を作成していること、②賃借人からは、いずれも敷金を受け取っておらず、このことは、本件倉庫の賃貸期間が当初から、短期間であったと認められ、本件倉庫の取得が賃貸を目的としたものであるとの請求人の主張と矛盾しており、更には、本件倉庫の取得はいずれも当初から遊技場用地として利用する目的で取得したとする各関係人の答述あるいは本件倉庫の解体を平成7年10月9日からとする本件倉庫の解体に係る請負工事契約等から判断すると、平成7年6月号から同年10月号の情報誌に本件倉庫の賃借人の募集広告を掲載した行為は、法基通7−3−6の定めを悪用するための行為であると認められる。したがって、本件倉庫は、当初から取り壊してその土地を遊技場として利用する目的で取得したものであると認めることが相当であり、募集広告を掲載した行為は、本件倉庫の取壊しが当初から予定されていたことを隠ぺいするための偽装工作と認められる。(平11.12.24仙裁(法・諸)平11-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110012
- 裁決年月日
- 平成11年12月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が子会社Tに支払った業務委託料の計算に含まれている養老保険料相当額について、既に請求人は、平成7年9月29日付で転籍従業員を対象としてD生命と本件養老保険契約を締結済みであり、T社に支払う理由がないとして、養老保険料相当額の一部の額は、寄付金に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人は、本件養老保険契約に係る保険料を、平成7年9月29日以降支払っていないこと、②T社は、平成8年9月26日に転籍従業員を含む全従業員を対象として、D生命との間で、新たに養老保険契約を締結している事実が認められることから、業務委託料の計算の基礎に含まれている養老保険料相当額は、本件養老保険に係る保険料でなく、T社が新たに契約した養老保険に係る養老保険料と見るのが相当であり、請求人からT社に対する経済的利益の供与があったと認めることができないから寄付金には該当しないと判断するのが相当である。(平11.12.24仙裁(法・諸)平11-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110012
- 裁決年月日
- 平成11年12月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716186
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/6支出額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社Tとの間で締結した業務委託契約に基づき、事業年度末に一括で支払った業務委託料について、原処分庁が、人件費に相当するものであり、時の経過に応じて費用化される経費ではなく、一定の時期に特定のサービスを受けるためにあらかじめ支払った対価であるから、短期の前払費用には当たらず、損金の額には算入されないとしたことは誤りである旨主張する。原処分庁は、当該業務委託料について、算定根拠に人件費相当額が含まれていることをもって、内容的に人件費に相当すると主張するが、算定根拠に合理性が認められない場合などを除き、直ちに業務委託料が人件費に相当すると判断することは相当でなく、原処分庁の主張は採用できない。本件業務委託料は、①請求人の経営成績及び財務状況を判断するに当たって、請求人の経常利益や確定申告の所得金額に比し、極めて高額であることから、重要性に乏しいものとは認められないこと、②本件業務委託契約において定められている手形の支払期限を超える約束手形で支払われており、このことは、不要不急の前払を行ったと推認できる会計処理であり、一般に公正妥当な会計処理とは認められない。そうすると、請求人の業務委託料に係る会計処理は、重要性の原則に照らして発生主義の例外とすることは相当ではなく、一般に公正妥当と認められる会計処理とは認められないことから、法基通2−2−14を適用することは相当でない。(平11.12.24仙裁(法・諸)平11-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110012
- 裁決年月日
- 平成11年12月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、H興業に約束手形で支払った店舗貸借料は、短期の前払費用であり、原処分庁が、当該約束手形は店舗賃借料の支払期日前に振り出した単なる借用証文的なものであり、支払手段としての手形の振り出しとは認められないから、短期の前払費用に該当しないとした原処分は誤りである旨主張する。しかしながら、当該店舗賃借料は、請求人の経常利益及び確定申告に係る所得金額に比して極めて高額であり、請求人の経営成績及び財務状況を判断するに当たって、重要性の乏しいものとは認められず、不要不急の前払を行ったと判断することが相当である。また、短期の前払費用は、請求人の主張するように、支払手段を要件とするものではないが、請求人の振り出した約束手形の支払期日は、店舗賃借料を月払いしていたときの支払期日と同一の日であることから、当該手形は、単なる借用証文的なものであり、支払手段としての手形の振り出しとは認められない。したがって、請求人の会計処理は、重要性の原則に照らして、発生主義の例外とすることは相当ではなく、一般に公正妥当と認められる会計処理とは認められないことから、当該店舗賃借料は、短期の前払費用に該当しないと判断するのが相当である。(平11.12.24仙裁(法・諸)平11-12)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110024
- 裁決年月日
- 平成11年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/1寄附金の範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・180ページ
要旨
○ 請求人は、A振興協会に対する出捐金(以下「本件出捐金」という。)は、①A振興協会は請求人らが便益を受けるために出損金を支出して設立した財団法人であること、②A振興協会の事業のすべてが請求人らが便益を受ける事業であり、A振興協会が存続する限り、その事業から、請求人らは便益を受けるものであることから、本件出捐金は自己が便益を受けるために支出する費用で、その支出の効果が支出の日以後1年以上に及ぶものと認められるので繰延資産に該当する旨主張する。しかしながら、本件出捐金は、請求人の臨時総会の決議を経て任意にきょ出されたものであること、一定の公益目的のために提供される財産である公益法人の基本財産とすることを指定してきょ出され、基本財産として組み入れられていることが認められる。さらに、A振興協会の基本財産は、原則として処分し、又は担保に供することができず、解散時においても請求人に返還されないこと、A振興協会の行う事業は、基本財産以外の財産である運用資産によって運営されることが認められる。また、請求人が本件出捐金のきょ出によってA振興協会から特別の利益を受けるとも認められない。したがって、本件出捐金のきょ出は、請求人からA振興協会に対してなされた金銭の贈与に当たり本件出捐金は法法第37条第6項に規定する寄付金となる。(平11.12.22高裁(法)平11-24)裁決事例集 №58・180ページ、(平11. 12.22高裁(法)平11-25〜32)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110028
- 裁決年月日
- 平成11年12月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702029
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が平成7年4月期及び平成8年4月期において、土地に係る評価損を顕在化させるために、関連会社を利用して本件各土地に係る取引の外形を作出し、本件各土地を実際に譲渡しておらず、本件各土地の譲渡に係る取得費等の額を損金の額に算入することも、本件各土地の譲渡価額を益金の額に算入できない旨主張するが、本件各土地に係る取引においては、いずれも売買契約書が作成され、かつ、代金の支払い、所有権移転登記も行われていることが認められ、客観的・外形的に有効に成立しているものと解することができ、しかも、本件各土地に係る取引が作出されたものであると認めるに足る証拠も見当たらないから、原処分庁の主張を採用することはできない。(平11.12.22広裁(法・諸)平11-28)、(平11.12.22広裁(法)平11-29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110048
- 裁決年月日
- 平成11年12月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/2架空でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件契約書による本件導入費の支払は、和牛の売買を仮装した請求人からP牧場への金銭の貸付けである旨主張するが、請求人は、P牧場との間で、本来は金銭消費貸借であるものを買戻条件付譲渡契約として本件契約を締結し、本件和牛を導入し、それを各オーナーへ譲渡するとともにその繁殖育成の預託を受け、さらに、請求人がそれをP牧場へ繁殖育成の委託をしたという形式をとっていると認められることから、本件導入費は本件和牛の仕入代金とみるのが相当であり、これを認めなかった原処分は、その全部を取り消すのが相当である。(平11.12.22関裁(法・諸)平11-48)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110023
- 裁決年月日
- 平成11年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716185
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/5その他の経費の支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事務集金費が請求人の関連会社Xに対する集金事務等の委託に基づく費用である旨主張するが、当審判所にその根拠となる帳簿書類等を提示せず、原処分関係資料によれば、それらの帳簿書類等をもって本件事務集金費を実際の取引に基づく正当なものと認めることはできない。さらに、請求人は、本件事務集金費の計上根拠として平成7年5月1日付の集金事務委託契約書を異議担当者に対して提示しているが、Xは本件事務集金費に相当する収入を総勘定元帳に計上しておらず、本件事務集金費に係る会計処理は、本件地代家賃及び本件役員報酬と同じ不自然なものであることを考え併せると、上記集金事務委託契約書の信ぴょう性は乏しいといわざるを得ない。(平11.12.21広裁(法)平11-23)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110023
- 裁決年月日
- 平成11年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件車両賃借料は、営業活動や集金業務のために請求人の関連会社Xの所有車両を賃借した取引に基づくものである旨主張するが、当審判所に対してその根拠となる帳簿書類等を提示せず、さらに、原処分関係資料によれば、総勘定元帳等は、明らかに、数字を書き直したり、書き加えたことがわかるものであり、そうした帳簿等の記載をもって、本件車両賃借料が実際の取引に基づく正当なものと認めることはできない。さらに、請求人が異議担当者に提示した本件車両賃貸契約書は、記載された作成日付には、未だ自動車登録されていない車両の登録番号が賃借車両として記載されている上、当時「株式会社X代表取締役A」は存在せず、本件車両賃貸契約書は、明らかに作成日付をさかのぼらせて作成されたものと認められ、その信ぴょう性は乏しいといわざるを得ないから、本件車両賃借料の根拠となる賃貸借契約の存在を裏付けるものということはできない。さらに、Xは本件車両賃借料に相当する収入を総勘定元帳に計上しておらず、また、本件車両賃借料に係る未払金は、長期間にわたって支払われていないことからすると、本件車両賃借料は、本件地代家賃と同様に、所得金額を減少させることを意図して本件各確定申告書の提出に際し新たに計上されたものと推認せざるを得ない。(平11.12.21広裁(法)平11-23)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110023
- 裁決年月日
- 平成11年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件営業促進費について、代表者の個人的な費用の支払ではなく、請求人の営業に係る費用である旨主張する。しかしながら、代表者は異議担当者に対し、「請求人は損害保険の代理店であるが、関連グループ法人との契約がほとんどで、一般事業所を回るなどの営業活動はしていない」旨申述していることから、請求人が業務の遂行上一般の顧客に対する贈答品を購入する必要性は極めて低いと考えられる上、百貨店の代表者名義の売掛金口座の取引は、①購入物品の中には、商品の選定に購入する者の好みが強く反映するブランド物の婦人服、宝石、貴金属及び寝具が多く含まれていること、②宝石及び貴金属は代表者の妻が外商担当者の勧めにより、展示会の商品又は外商担当者の持参した商品の中から選定して購入しており、外商担当者を経由して購入したものは刀剣を除き代表者の妻が購入していること、③その刀剣については外商担当者が代表者は刀剣を好むとの情報を得て同人に購入を勧めた結果、販売されていることからすると、百貨店の代表者名義の売掛金口座は明らかに、代表者又はその親族の個人的取引のために利用されているものと認められる。しかも、④平成7年1月20日の取引について請求人が振替伝票に記載している内容は「T百貨店 加入者粗品@10000×100ケ」であって、これは実際の購入物品である刀剣と明白に相違していること、⑤領収書のあて名は取引の実態を反映せず、し意的に指定されたことがうかがえることからすると、代表者又はその親族の個人的な物品の購入代金を請求人ら関連グループ法人が負担しているものと認めざるを得ない。(平11.12.21広裁(法)平11-23)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110023
- 裁決年月日
- 平成11年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件支払金の基礎となる関連会社であるXに対する未払金は、本件地代家賃、本件車両賃借料及び本件事務集金費のみであるところ、いずれの費用も架空計上されたものであり、未払金も架空計上されたものであるから、結局、請求人がXに対して支払うべき未払金は存在しないと認められる。また、Xは本件支払金に相当する金額の「受取家賃」を収入に計上しているものの、請求人は本件支払金の支出に相当する会計処理は行っておらず、さらに、請求人がXに対して本件支払金相当額の「家賃」に係る債務又はその他の債務を有する証拠も認められない。そうすると、本件支払金に係る請求人の債務が確認できないことからすると、本件支払金は、請求人からXに対して金銭贈与されたものと認めざるを得ず、請求人のXに対する寄付金であると認定することが相当である。(平11.12.21広裁(法)平11-23)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110023
- 裁決年月日
- 平成11年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件地代家賃を損金の額に算入できる旨主張するが、当審判所に対して本件地代家賃の根拠となる帳簿書類等を提示せず、さらに、原処分関係資料によれば、請求人の総勘定元帳等は、明らかに、数字を書き直したり、書き加えたことがわかるものであり、本件地代家賃が、本件各事業年度の末日付で一括計上されていることを考え併せれば、それらをもって本件地代家賃が実際の取引に基づく正当なものと認めることはできない。また、請求人は、本件貸室賃貸契約書に基づいて、平成7年9月5日に請求人の関連会社Xに対して本件地代家賃の一部を支払った事実がある旨主張するが、本件貸室賃貸契約書の作成日付である平成元年5月31日当時、「株式会社X代表取締役A」は存在せず、その信ぴょう性は乏しいといわざるを得ないから、本件地代家賃の根拠となる賃貸借契約の存在を裏付けるものということはできない。(平11.12.21広裁(法)平11-23)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110023
- 裁決年月日
- 平成11年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件役員報酬を損金の額に算入できる旨主張するが、本件役員報酬が実際に債務として確定したものであることを根拠づける帳簿書類等を当審判所に提示せず、さらに、原処分関係資料によれば、請求人は、本件役員報酬に係る源泉徴収事務等を行っておらず、本件役員報酬に係る未払金は、長期間にわたって支払われていない上、そもそも請求人の代表取締役は、本件役員報酬の支給を受けた事実を否定する申述をしているのであるから、請求人において、本件各事業年度に代表者に対して本件役員報酬を支払うべき債務は存在しなかったと認めるのが相当である。(平11.12.21広裁(法)平11-23)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110044
- 裁決年月日
- 平成11年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成9年9月2日の臨時株主総会及び取締役会において同月30日をもって会社を解散することを決議し、同月11日の臨時株主総会において役員退職金の額及び支給の時期の決議に基づいて同月30日までに役員退職金を支給しているから同月30日が会社解散の日であり役員の退職の日であると主張するが、①同年11月25日の定時総会で再度解散決議をしていること、②原処分庁に提出した本件事業年度の確定申告書、解散申告書及び法人等の異動(変動)届出書等の記載によれば、同年11月25日が解散の日となっており、その日まで役員は退職していないこと及び③同年11月25日の定時総会の解散決議に基づいての所定の商業登記をしていること等を総合判断すると、会社解散及び役員退職の日は同年11月25日であり、事業年度終了の日である同年9月30日までに役員の退職の事実は存しないのであるから当該役員退職金の額は当該事業年度の損金の額に算入できないとして、原処分庁が行った更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分は適法である。(平11.12.17名裁(法)平11-44)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110036
- 裁決年月日
- 平成11年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注費は、架空及び水増し計上をした事実はなく、正規の取引である旨主張するが、①請求人の取締役及び関係者等は、本件外注費に関し、架空取引及び水増し計上を行っていた旨申述等していること、②架空取引を裏付けるメモ、請求書、領収書、預金通帳が存在していることから、架空外注費及び水増し外注費と認められるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平11.11.30関裁(法・諸)平11-36)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110016
- 裁決年月日
- 平成11年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/1販売費、売上割戻し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は本件贈答費は必要経費に算入できる旨主張するが百貨店Aには他に請求人名義の売掛金口座が存在し、物品の購入に使用されているから、あえて請求人が個人名の売掛金口座を利用する必要性が認められない上、実際、個人名の売掛金口座の取引は、①購入物品の中に代表者の親族の紳士服が含まれており、また、商品の選定に購入する者の好みが強く反映するブランド物の婦人服、宝石、貴金属及び寝具が多く含まれていること、②宝石及び貴金属は代表者の妻が外商担当者の勧めにより、展示会の商品又は外商担当者が持参した商品の中から選定して購入しており、外商担当者を経由して購入したものは刀剣を除き代表者の妻が購入していること、③その刀剣については外商担当者が代表者は刀剣を好むとの情報を得て同人に購入を勧めた結果、販売されていることからすると、個人名の売掛金口座は明らかに、代表者又はその親族の個人的取引のために利用されているものと認められ、④平成5年12月30日の取引について請求人が振替伝票に記載している内容は「百貨店A加入者粗品用200@3,500」であって、これは実際の購入物品である宝石と明白に相違していること、⑤平成7年1月20日の取引について請求人が振替伝票に記載している内容は「百貨店A加入者粗品@1,000×1,000ケ」であって、実際の購入物品である刀剣と明白に相違していること、⑥平成7年4月12日の取引について請求人が振替伝票に記載している内容は「百貨店A加入者粗品100ケ」であって、実際の購入物品である寝具等と明白に相違していること、⑦領収書のあて名は取引の実態を反映せず、し意的に指定されたことがうかがえることからすると、代表者又はその親族の個人的な物品の購入代金を請求人が負担していると認められるから原処分は相当である。(平11.11.29広裁(法)平11-16)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110016
- 裁決年月日
- 平成11年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人の代表者及びその妻に対する役員報酬は、本件各事業年度中で平成2年9月期のみに計上されている上、請求人が本件役員報酬の計上に際し、いったん、平成2年9月期の当期利益を3,178,516円と算定しながら、本件役員報酬等を再び計上することによって、これを11円と算定し直した形跡がうかがわれるなど不自然、不合理な会計処理を行っていることを考え併せると、請求人は、当初から利益調整を意図し、本件役員報酬を架空計上したものというべきである。さらに、代表者は、当審判所に対し、請求人から給与を受けていない旨答述している上、①本件役員報酬は、毎月計上されず、平成2年9月期の末日に決算修正仕訳により一括して計上されていること及び②平成8年9月30日に貸付金と相殺する会計処理をした1,000,000円以外の未払金については、代表者及びその妻に対し現実に支払われていないことから、請求人が本件役員報酬を支給した事実は認められない。 なお、請求人は本件役員報酬について、社員総会及び取締役会により年額を定めて計上した旨主張するが、代表者は、当審判所に対し、社員総会及び取締役会について、「決算の承認の決議さえしていない」旨及び「議事録は形だけのものしか作成していない」旨の答述をしており、しかも、請求人が異議担当者に対し提示した社員総会議事録は、昭和63年10月20日付で総会が開催されたと記載されているにもかかわらず本文中に「平成」の元号が使用されていることから、明らかに元号が「平成」になってから後に作成されたものと認められるから、請求人の主張する議事録に記載のとおりの決議があったと認めることはできない。(平11.11.29広裁(法)平11-16)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110016
- 裁決年月日
- 平成11年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716029
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/2旅費、交通費/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は本件滞在費は同業者の会合に出席するためのものであり、損金の額に算入できる旨主張するが、滞在費のうち一部の支払は、①代表者の妻が異議担当者に対し、代表者の息子が当時、東京の学校に就学していた旨申述していること及び②当該支出が代表者の息子の居所に配達された家庭用電気器具の購入代金であることから、息子の学生生活のため購入した物品の代金であり、代表者個人が負担すべき費用であると認められ、購入物品又は支出目的が不明なものもあり、当審判所が請求人に対し、その説明を求めたが、請求人は、何も具体的な説明をせず、また、他にこれを認めるに足る証拠もないため、これらの費用が請求人の業務の遂行上必要な費用と認めることはできない。むしろ、これらの費用は、①上記の代表者個人が負担すべき費用とほぼ同時期に計上されていること及び②家庭用調理器具及び部品の購入代金があることからすると、上記と同様に代表者個人が負担すべき費用であると認めるのが相当である。(平11.11.29広裁(法)平11-16)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110016
- 裁決年月日
- 平成11年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/2勤務事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の娘2人の業務内容に応じて計上した本件給与手当は正当なものであり、損金の額に算入することができる旨主張するが2人の業務内容についての質問に対して回答をせず、他にこれを確認しうる証拠もないことから、当審判所としては両名の具体的な業務内容の確認ができない。また、仮に、なんらかの役務の提供があったとしても、本件給与手当は、①本件各事業年度のうち平成2年9月期のみにおいて計上され、②平成8年9月30日現在、未払であり、また、③他の従業員の給与手当については源泉徴収事務を行っているにもかかわらず、本件給与手当についてはこれを行っていないなど不自然な会計処理が行われている上、代表者は当審判所に対し、本件給与手当の計上理由についてあいまいな答述をし、また、経理担当者は「本件給与手当の算定根拠はよく分からない」旨の答述をしていることから、本件給与手当の計上理由及びその算定根拠が不明瞭であると認められ、さらに、④他の従業員の給与手当と比較して不相当に高額であることを考え併せると、適正な役務の提供の対価として計上されたものとは認めがたい。むしろ、請求人は、本件給与手当の計上に際し、いったん、平成2年9月期の当期利益を算定しながら、本件給与手当等を再び計上することによって、算定し直した跡がうかがわれるなど不自然、不合理な会計処理を行っていることからすると、当初から利益調整を意図し、本件役員報酬と同時期に本件給与手当を架空計上したものであると認められる。(平11.11.29広裁(法)平11-16)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110016
- 裁決年月日
- 平成11年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は本件貸金等に係る受取利息の額の相手勘定を未収金と認定しているが、代表者は関連グループ法人に対し無利息融資を容認していることから、請求人が相手勘定を未収金として経理した一部の貸付金以外の貸付金について請求人が受取利息を受領する意思を有するとは認めがたく、関連グループ法人に対するこれらの貸付金に係る受取利息の請求権を放棄することにより、当該貸付金に係る利息相当額の経済的利益を無償で供与したと認めるのが相当であり、当該経済的利益は、法法第37条第6項の規定により、当該法人に対する寄付金に該当することとなる。また、代表者に対する無利息融資は、同人に対して貸付金に係る利息相当額の経済的利益を供与したこととなり、当該経済的利益は、役員報酬に該当するが、法法第34条に規定する過大な役員報酬には該当しないと認められるため、損金の額に算入するのが相当である。(平11.11.29広裁(法)平11-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110037
- 裁決年月日
- 平成11年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の米国子会社から本件債権の返済を受けるためには、米国子会社の固定資産の売却が必要であるが、当該売却を行えば米国子会社は解散又は倒産の状態となり、請求人の販路拡大の一環である米国進出の道が閉ざされ、請求人に多大な影響が及ぶことは明らかであるから、本件債権の放棄には合理的な理由がある旨主張するが、請求人の製品の米国における販売経路及び米国子会社の業種からして、米国子会社が請求人の米国における販路拡大について重要な役割を果たしているとは認められないが、仮に請求人の主張のとおりであるとしても、米国子会社の未処理損失の額に比して放棄した本件債権の額は16倍強と多額であり、また、米国子会社の資産負債の状況及び損益の状況からみても、米国子会社の存続及び再建を図るための支援策として、請求人が本件債権の返済の猶予及び利息も免除等を行うだけでは足りず、米国子会社の負債の大部分を占める本件債権を本件事業年度において放棄しなければならないというまでの合理的な理由は認められない。そうすると、本件債権の放棄は、合理的な支援計画に基づくものということはできず、その放棄をすることについて相当の理由があるとは認められないから、米国子会社に対する経済的利益の供与に当たり寄付金に該当する。(平11.11.29東裁(法)平11-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110037
- 裁決年月日
- 平成11年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が100%出資の米国子会社に対して有していた債権の放棄は、法基通9−6−1の要件を満たしているので、当該放棄による損失を貸倒損失として認めるべきである旨主張するが、米国子会社は、本件債権の大部分の返済が可能な資産を有していることが認められるが、事業の廃止等をして、その資産から弁済としたとの事実は認められず、継続して不動産賃貸業を営んでいることからすると、本件債権が回収不能であることが明らかであるとは認められない。(平11.11.29東裁(法)平11-37)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712095
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/5手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件売上手数料を関連会社Aの社員が販売した墓石の金額に基づき計算した旨主張し、経理担当者は、当審判所に対し、「本件売上手数料の計算の基礎となっている手数料率3%については、代表取締役が取締役会で決定したものであり、売上げについては、平成4年10月から平成6年9月の間の売上げのうち、大型スーパーを介した売上げを除く、関連会社Aの社員を使って販売した売上げを合計したものである」旨答述した。しかしながら、当審判所の調査によれば、上記手数料率を決定した事実を認めるに足る取締役会の議事録等の証拠資料がないばかりでなく、本件損益計算書中に記載された平成5年9月期及び平成6年9月期の売上高のうち、「大型スーパーを介した売上げを除いた売上げ」は、仮にそのすべてを関連会社Aの社員が販売したものだとしても、本件売上手数料の計算の基礎となっている売上げに満たないから、経理担当者の上記答述は信用することができない。さらに、請求人は、本件売上手数料の計算の基礎とする金額の内訳について、当審判所に対し説明せず、他に請求人の当該主張を認めるに足る証拠もないことから、本件売上手数料は、計算根拠がなく、支払原因も明らかでない支出であると認めざるを得ず、結局、本件売上手数料は、関連会社Aに対する経済的利益の供与として、寄付金に該当する。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-11)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 平成2年9月期の売上げに計上された商品のうちには、当該事業年度中に対応する商品の仕入れのないものがあり、当該売上げに対応する棚卸商品の存在がうかがわれるところ、代表者らは当審判所に対し、「大型スーパーでの展示販売用の棚卸商品があった」旨答述し、その答述内容と、①受注内訳書に「展示品処分」と記載されているものがあること、②売上代金の一部に入金先を大型スーパーとするものがあること、③請求人の従業員は当審判所に対し、「各事業年度末の棚卸商品の状況を調べ、上記棚卸商品の金額を請求人の事務員に伝えた」旨、代表者らの上記答述に沿った答述をしていることを考え併せると、少なくとも大型スーパーでの展示販売用の棚卸商品が存在していたことが認められ、総勘定元帳の中に該当勘定が存在しないことのみをもって、平成2年9月期期首棚卸高が存在した旨の請求人の主張を直ちに排斥することはできない。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-11)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716062
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/2不動産取引に係る手数料等(架空でないと認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件紹介手数料が架空のものである旨主張し、紹介者Xが異議担当者に対し、「顧客Yを営業担当者Zに紹介した事実はあるが、請求人から本件紹介手数料を受領した事実はない」旨のこれに沿った申述をしていることは認められる。しかしながら、紹介者Xは、当審判所に対し、「顧客Yを営業担当者Zに紹介したことの謝礼として100,000円を受け取った事実はあるが、請求人の関連会社Aから受領したと思い込んでいたため、異議担当者に対し、請求人からは受領していないと誤った申述をした」旨答述しているところ、請求人の関連会社Aがかつて墓石の販売業も行っており、現在広告宣伝の際にそれを表示していることを考慮すると、当該答述をあながち不合理なものということもできないから、紹介者Xの異議担当者に対する申述をもって本件紹介手数料を架空のものであるとすることはできない。そうすると、本件紹介手数料を受領した事実を証する書類で紹介者Xが作成したものは存在しないものの、営業担当者Z名義で作成されている「領収証」が存在することを併せて考えれば、本件紹介手数料は、顧客Yを紹介したことに対して紹介者Xに対して支払われたものと認めるのが相当であり、損金の額に算入することができる。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-11)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/4賃借料、使用料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は営業に必要な車輌が不足していたため借りたものであって社会通念上妥当と考えられる金額を費用に計上した旨主張するが、①請求人提出日報は、平成2年1月1日から平成4年6月2日までの期間に係るものであり、平成8年9月期の賃借料600,000円については、賃借の対象となった車両が不明である上、平成8年9月期における車両の使用事実を裏付ける証拠資料の提出もないこと、②請求人提出日報に記載された使用車両については、本件A車と特定できる車両についての記載がなく、また、②いずれも車名のみで自動車登録番号の記載がないため、「キャンター」と記載されているものは、本件B車と請求人所有の「キャンター」等他の車両との区別がつかないことからすると、請求人提出日報をもって、本件車両賃借料が関係会社の車両を使用したことに基づくものと認めることはできない。さらに、経理担当者は、当審判所に対し、本件車両賃借料の支払の根拠となる書類はない旨答述し、また、代表者も、当審判所に対し、本件車両賃借料の算定根拠や車両の賃貸借契約書を作成していない理由等については分からない旨答述しており、当審判所としては、請求人が関係会社から本件車両を賃借していた事実及び賃借料の算定根拠が確認できないから、請求人の業務の遂行上必要な費用であると認めることはできず、平成2年9月期、平成3年9月期、平成4年9月期及び平成8年9月期の損金の額に算入することはできない。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-11)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 経理担当者の答述及び請求人の提出した取締役会議事録等から代表者に対する役員報酬の支給についての定めがあったとは認められず、また、他に代表者に対する役員報酬の支給についての定めがあったと認めるに足る証拠もないので、代表者に対する役員報酬は他に定期の給与を受けていない者に対し継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づいて支給されたものには該当しない。なお、代表者は、関連グループ法人全体を統括し、関係会社から役員報酬を受給しうる立場にあるから、請求人においてその支給の定めがなかったとしても不自然とはいえない。そうすると、代表者に対する役員報酬は、役員報酬には該当せず、役員賞与に該当するから、法法第35条第1項の規定により、損金の額に算入することはできない。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-11)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、①関係者間の当該金員の貸借を証する契約書がなく、代表者が原処分担当者に「関係法人相互間の金銭の貸借の有無については分からない」旨申述をしたこと、②請求人が当該取引を適正に会計処理していないことをもって、贈与があったものと主張するが、①代表者は、当審判所に対し、「定期預金の金利が下がったので、解約して借入金を返済し、金利負担を軽減するために関係者間で当該金員を貸借した」旨の、あながち不自然ともいえない答述をしており、原処分担当者に対する上記申述については、個々の貸借取引の詳細については把握していないという趣旨に解する余地があること、②請求人において、的確な処理とはいえないものの、定期預金を貸付金に振り替える会計処理をしていることからすると、それらの事実をもって、貸借取引である旨の請求人の主張を直ちに排斥することはできないといわざるを得ない。上記事実から、当該金員が請求人から当該取引の各関係者のいずれかに移転し、あるいは移転せずに直接それら関係会社、代表者及びその親族らの借入金の返済等に充当されたことはうかがえるものの、当該取引の各関係者のいずれの者にいくらの金員が移転し、あるいはいくらの経済的利益が供与されたかについて、原処分庁は特定せず、当審判所の調査によってもこれらを特定することができないから、請求人の各関係者に対する贈与の事実があったと認めることはできないといわざるを得ない。いずれにしても、上記のとおり贈与の事実を認めることができないから、当該金員を寄付金とする原処分庁の主張は採用することができない。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-11)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/1販売費、売上割戻し
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件営業促進費について、墓石の購入者を紹介してくれた者等に贈った物品の購入代金である旨主張する。しかしながら、当該百貨店には他に請求人名義の売掛金口座が存在し、物品の購入に使用されているから、あえて請求人が代表者の個人口座を利用する必要性が認められない上、実際、代表者の個人口座の取引は、①購入物品の中に代表者の親族の紳士服が含まれており、また、商品の選定に購入する者の好みが強く反映するブランド物の婦人服、宝石、貴金属及び寝具が多く含まれていること、②宝石及び貴金属は代表者の妻が外商担当者の勧めにより、展示会の商品又は外商担当者の持参した商品の中から選定して購入しており、外商担当者を経由して購入したものは刀剣を除き代表者の妻が購入していること、③刀剣は代表者が刀剣を好むとの情報により、外商担当者の勧めにより販売されていることからすると、代表者の個人口座は明らかに、代表者又はその親族の個人的取引のために利用されているものと認められる。しかも、④平成7年1月20日の取引について請求人が振替伝票に記載している内容は「営業用粗品@1,000×1,000ケ」であって、これは実際の購入物品である刀剣と明白に相違していること、⑤領収書のあて名は取引の実態を反映せず、し意的に指定されたことがうかがえることからすると、代表者又はその親族の個人的な物品の購入代金を請求人ら関連法人各社が負担しているものと認めざるを得ない。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-11)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相手が勝手に領収書のあて名を記載するため、領収書のあて名の名称が異なっているものの、本件雑費はいずれも請求人の営業に係る費用である旨主張する。しかしながら、請求人は、当審判所が再三にわたり本件雑費の各支出の内容及び業務に必要な理由について説明を求めたにもかかわらず、これに対する回答をしない上、当審判所の調査によれば、①本件雑費を含む社長立替経費に係る会計処理は、複数の支払日の取引を一括計上するなど、請求人の通常の会計処理と比べて不自然な会計処理であること、②本件損益計算書のうち、平成5年9月期の雑費勘定の金額は、他の事業年度の同勘定科目の金額の4倍から10倍近くに及ぶ突出した金額であること、③関連グループ法人のうちの請求人以外の他の法人あての領収書が平成5年9月期で総額の半分以上、平成6年分9月期で総額の7分の1以上含まれていること、④社長立替経費は、百貨店、スーパーマーケット、菓子店、飲食店、薬品店、書店に対する支払が大半を占めており、一般客を対象として墓石を販売している請求人の業態では取引の必要性が低い支払先であって、このような相手先への多額の支払をし、雑費として計上するのは不自然であることを考慮すれば、本件雑費を含む社長立替経費が請求人の通常の業務上において発生したものとは認められず、⑤本件雑費の支払の一部は、代表者の個人的取引の支払口座と認められる甲個人口座に入金したものであり、同入金分に係る領収書が他の支払先の領収書と混在した状況で保管されていたことがうかがえること、⑥社長立替経費は「社長立替分」として一括して会計処理され、代表者に対して精算されていることを考え併せれば、本件雑費を含む社長立替経費は請求人の業務上必要な支出ではなく、代表者の個人的な消費に係る支出と認めざるを得ないから損金の額に算入できない。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-11)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は必要な車輌が不足していたため関連会社Aの車輌を借りたものであって社会通念上妥当な金額を計上した旨主張するが、本件車両について請求人が使用した事実も、請求人と関連会社Aの間の車両賃貸借契約の存在も認められないから、本件車両経費を請求人が負担すべき理由は認められず、本件車両経費は、当該車両の所有者である関連会社Aが負担すべき費用を請求人が負担したものであるから、損金の額に算入することはできない。(平11.10.28広裁(法・諸)平11-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110020
- 裁決年月日
- 平成11年10月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者名義で行った本件商品先物取引の損失のうち請求人が負担した本件損失を請求人の損金として認めるべきである旨主張するが、①本件取引は、代表者名義の約諾書及び通知書に基づきなされたもので、請求人が取引主体である旨を各商品取引員に明示した事実はないこと及び②本件損失については、代表者の判断により、本件取引のうち一部の損失のみを本件各事業年度の決算時において特別損失又は雑損失として経理し、帳尻を合わせたものであり、請求人の本件損失に係る経理処理をもって、本件損失に係る取引が真実請求人を取引主体としてなされたものであると認めることはできない。そうすると、委託契約準則の規定及び各商品取引員に提出された約諾書及び通知書のとおり、本件取引の取引主体は代表者個人であり、請求人ではないと認定するのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。しかしながら、請求人の経理には偽りその他不正の行為は認められないから、法定申告期限から3年を経過してなされた平成5年9月期の更正処分は、その全部を取り消すべきである。また、請求人の経理には隠ぺい又は仮装の事実は認められないから、重加算税の賦課決定処分は、過少申告加算税相当額を上回る部分について取り消すべきである。(平11.10.22関裁(法・諸)平11-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110008
- 裁決年月日
- 平成11年8月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/1経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者に対する仮払金は、貸付金勘定に振替処理していないから、貸付金的性格はなく、受取利息も生じない旨主張するが、法人が仮払金勘定に計上した支出が、本来どのような性格の支出であるかの判断に当たっては、法人の経理処理のいかんを問わないというべきである。請求人において、本件仮払金が請求人の業務に関して支出されたものであるとの主張やそれを証する資料の提出をしないことからすると、請求人の業務に関する支出とは認められず、代表者が請求人に返還する義務を負うものと考えられ、同人に対する貸付金的性格を有するものというべきである。一方、原処分庁は、本件仮払金を代表者に対する貸付金的性格を有するものとして、その受け取るべき利息相当額を未収入金と認定している。しかし、法人が金銭を貸し付けるに当たり、利息相当額の授受について、貸主と借主との間に明示又は黙示の合意をせずに利息相当額を収受しない場合は、当該借主に対して経済的利益の供与をしたものと認めるのが相当である。そうすると、請求人は、代表者に対して、当該利息相当額の経済的利益を供与したというべきであり、また、当該経済的利益は、本件仮払金を元本として、これに一定の割合による利率を乗じて算出されるものであり、しかも単位期間ごとに当然発生するものであって、臨時的に発生、支給されるものではなく、形式上定期の給与ということができるから、役員報酬に当たるというべきである。(平11. 8.31東裁(法)平11-8)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110005
- 裁決年月日
- 平成11年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706072
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/2耐用年数の短縮
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・161ページ
要旨
○ 請求人は、取得した事業用建物(以下「本件建物」という。)の減価償却費の計算に当たり、本件建物は、不動産登記簿上鉄筋コンクリート造となっているが、いわゆる総鉄筋と言われるものではなく、鉄筋コンクリート造となっているのは外壁及び内壁の一部だけであり、その他は木造で、その構造様式は鉄筋コンクリート造と木造の折衷様式であり、耐用年数省令の別表一に該当しないことから耐用年数の短縮の承認申請書を提出したがこれを却下した原処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件建物は、①税法上、建物の法定耐用年数の算定において、その構造体が中核となっているので構造様式の判定においてもその構造体に着目して判定するのが相当であること、②社会通念上、建物の構造様式は、主要構造部により判定することとされていることからすれば、本件建物は、屋根を含め内部構造には木造が主体となっていることが認められるものの、主構造体である耐力壁が鉄筋コンクリートで造られていることから、別表一に掲げられている鉄筋コンクリート造のものに該当し、本件耐用年数の短縮の承認申請を却下した原処分は相当である。(平11. 8.27高裁(法)平11-5)裁決事例集 №58・161ページ
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平110001
- 裁決年月日
- 平成11年8月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がB商店に支払った本件獲得報酬は、実態のある経済的合理性を備えた取引であるので、本件獲得報酬を法法第37条第6項に規定する寄付金に該当するとして、寄付金の損金算入額を超える金額を本件各事業年度の所得金額に加算したことは誤りであると主張するが、請求人とB商店との間で交わした契約書の本件獲得報酬に関する内容は、請求人にとって不利益で不自然・不合理なものとなっており、また、本件獲得報酬の額は、B商店の本件ブランド品の輸入額及び請求人への販売額からみても、経済的に均衡がとれているとはいえないなど、請求人がB商店に本件獲得報酬を支払ったことに経済的合理性はなく、当該支払は、請求人のB商店に対する無償の利益の供与にほかならないと認められ、法法第37条第6項に規定する寄付金に当たると解するのが相当である。(平11. 8. 6福裁(法・諸)平11-1)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平100029
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注費については取引先から徴した注文請書、請求書及び領収書によって取引及び金銭授受の事実の正当性が明らかとなっていること、及び取引先が請求人の代表者Aへの現金で返還したとされる資金の使途又は資産形成は明らかにされておらず、本件取引先のAへ現金を返還したとの申立ては虚偽であることから、外注費の水増し又は架空計上の事実はない旨主張する。しかしながら、本件取引先Bは、架空の請求書等を発行するなど請求人の架空取引に協力した謝礼金を請求人に対する売掛金から減額し、Aへ返還した金員に相当する売上金額を訂正する会計処理を行っている事実が認められ、これは、Bの代表者の原処分庁所属の調査担当職員に対する申述内容とも一致しており、また、Bの現場監督は、本件工事を施工していない旨申述していること等からすると本件外注費を架空外注費と認定した原処分は相当である。(平11. 6.30仙裁(法・諸)平10-29)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100035
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・357ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人が特約店の廃業及び代表者交代等に伴い、廃業資金、経営改善資金として支援する目的で、商品売上高及び消費税相当額を売掛金より減額した処分について、経済的利益の無償の供与にすぎないとして、寄附金に該当すると認定し更正処分を行った。請求人は売掛金の減額処理は、請求人の経営改善策の一方策として請求人の将来の損失を少なくするためのやむを得ない事情に基づき処理したもので、経済的利益の無償の供与の性格を有するものではなく、事業遂行上、真にやむを得ない費用であり、原処分庁は、法律の適用を誤っている旨主張する。そこで、売掛金の減額処理が寄附金に該当するか否かについて検討したところ、①石油業界の経営は、今後、一段と厳しくなり、特約店の統廃合が必然的な状況にあることが、マスコミ報道等からも十分うかがえること、②特約店の廃業及び代表者交代に伴う支援に当たっては、請求人の経営改善策の一方策として、役員会で決定されその議事録も存在すること、③特約店の平成9年3月期を含む事業年度の申告所得金額は欠損金額であり、今後、事業を継続したとしても、赤字の累積、請求人の売掛け債権の焦げつきが予想されること、④売掛金の減額処理は、一律に基準を設けて算定しているものではなく、特約店ごとに個々に算定されたものであること、⑤支援の方法として、売掛金を減額したものであり、実質的には債権の放棄であることといった事実が認められる。これらのことから、請求人は将来の石油業界の経済環境等を踏まえ、請求人における総合的経営戦略として、不採算特約店については、廃業等を積極的に誘導し、廃業等の条件が合意に達した特約店に対する廃業資金、経営改善資金として支援したことは事業遂行上、真にやむを得ない費用であり、客観的にみて経済的合理性を有し、社会通念上も妥当視される処理と認められる。また、請求人は、その債権を放棄するに至ったことについては、上記①〜⑤の事実のとおり、債権放棄しなければ、今後、より大きな損失を蒙ることが予想され、債権放棄したことによって、請求人にメリットがあると判断できることから、売掛金から減額した商品売上高及び消費税相当額は、寄附金には該当しない。(平11. 6.30福裁(法・所)平10-35)裁決事例集 №57・357ページ
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平100052
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/2従業員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各事業年度の本件決算賞与は、①各事業年度の期末に債務が確定していた、②各従業員は自己に帰属する収入であることを認識していた、③本件決算賞与を借入れすることを各従業員は承知していた、④本件借入金は従業員ごとに管理し利息を付与していたから、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件決算賞与は、①各従業員に周知されたとは認められず、請求人が一方的に損金の額に計上したもので債務が確定したものとは認められないこと、②本件決算賞与を振り込んだ従業員名義預金は、各従業員が自由に使用していたとは認められず、請求人が実質的に支配、管理する請求人に帰属する預金と認められること及び③本件決算賞与から発生した本件借入金は、請求人の一存により処分することのできる架空の債務と認められることから、本件決算賞与は、従業員名義預金及び本件借入金を利用し、当初から、従業員に対して支払う意思はなく利益を調整するために架空に計上して損金の額に算入したものであるので、請求人の主張はいずれも採用することはできない。(平11. 6.30札裁(法)平10-52)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平100053
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300706110
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/11事業用資産の取得事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が行った重機の売買取引及び賃借取引は、適正な取引であると主張するが、①請求人の重機の取得先とされているA法人の担当者は、請求人の代表者から依頼され、手数料をもらうことを条件に、請求人とA法人との書類上の取引に介在した旨申述したこと、②A法人の重機の仕入先であり、また、請求人の重機の賃借先とされているB法人は、本件重機取引が行われた時期には、事業を行っておらず、みなし解散登記がされていたこと、③B法人の関係者は、本件重機取引については一切関与していないし、B法人が発行したという領収書等の証拠書類も作成していない旨申述したこと、④上記③の領収書等の証拠書類の作成は、請求人の使用人で経理担当者であった者が「請求人の代表者の指示で行なった」旨の答述をしたこと、⑤本件重機取引において、A法人からB法人あてに振り出された等の手形及び小切手の取り立てが請求人の代表者の個人預金口座で取り立てられていたこと、⑥A社に対するB社からの領収書等は、請求人の代表者が用意したものであることから、本件重機取引は、架空取引であると判断され、原処分庁が行なった法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分は適法である。(平11. 6.30札裁(法・諸)平10-53)、(平11. 6.30札裁(法・諸)平10-54)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平100028
- 裁決年月日
- 平成11年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710045
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/5その他の経費との区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①前回売上除外金について請求人がA名義で有価証券を購入した代金として使用されていたとして、その金額で請求人が当該有価証券を帳簿受入れすることで処理されていることから、本件売上除外金についても、前回売上除外金と同様の処理をすべきであることから、本件売上除外金はAから請求人に返還されるべきものであって、同人に対する貸付金となるものであり、役員賞与には当たらない旨主張し、また、②本件駐車場舗装費は、Aの所有する土地に係る支払いであり、請求人の構築物として減価償却費を計上する合理性はないものの、請求人の構築物として処理したことは、請求人の経理担当者の認識不足による未熟な処理に原因があったことから、本件舗装費は、Aから請求人に返還されるべきものであって、同人に対する貸付金とすべきであり、役員賞与と認定したことは誤りである旨主張する。 しかしながら、①請求人は、全回売上除外金については、売上除外額に係る資産科目として有価証券を受け入れる処理を行っているが、本件売上除外金については、このような処理を行った事実は認められないこと及び本件売上除外金について、Aに対する貸付金とする処理を行っておらず、Aは当該金額に見合う金額について、請求人に返済した事実も認められないことから、本件売上除外金は、請求人からAに対する臨時的な給与と認めるのが相当であること、また、②本件舗装費についても、Aに対する貸付金とする処理を行っておらず、また、Aは当該金額に見合う金額について、請求人に返済した事実は認められないことから、本件舗装費は、請求人からAに対する臨時的な給与と認めるのが相当である。 したがって、これらの点に関する請求人の主張にはいずれも理由がない。(平11.6.29仙裁(法・諸)平10-28)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平100058
- 裁決年月日
- 平成11年6月29日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、当該給与負担金は、請求人と親会社との間で締結された出向役員の給与負担金に関する覚書の内容からみて給与の負担だけであり、請求人が負担すべき賞与の額が含まれていないため、請求人は親会社から合理的な理由もなく当該賞与相当額の債務を免除されたものと認められ、この免除額が出向役員の賞与に充てられていることから、当該債務免除額は役員賞与である旨主張する。しかしながら、出向元法人と出向先法人の双方の業務に従事する出向社員に対する給与負担金について、双方の法人が当該出向社員の給与負担金に関する覚書を締結する際には、当該出向社員の出向元法人における月額給与のみならず、賞与等も含めた年間の人件費総額を基礎として、双方の法人での従事割合も加味して決定されるのが一般的であり、賞与等について人件費総額に含めない場合には、覚書にその旨を記載しているとみるのが相当である。本件覚書には、「給与として、月額450,000円を負担することとする。」と記載され、賞与等に係る負担額についての記載がないことから、ここでいう「給与として」は、単なる月額の給与を意味するものではなく、賞与等も含まれた人件費総額であるとみるのが相当である。そうすると、本件給与負担金の額は、出向役員の人件費総額の約2分の1であり、事務従事割合は2分の1であると認められ、給与負担金に含まれる賞与負担分は、役員賞与に該当する。(平11. 6.29熊裁(法・諸)平10-58)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平100058
- 裁決年月日
- 平成11年6月29日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、主要売上先である親会社からの販売奨励金の請求に基づき、売上高を減額する方法で負担した本件負担金は、明確な算出根拠もない異常なものであり、経済的な合理性が認められず、親会社への寄付金と認められる旨主張する。しかしながら、請求人と親会社の取引は、実際の取引前に販売価格の算定基礎とする販売係数を決定し、請求人が処理した肉の98パーセントを市場価格に販売係数を乗じた価格で販売する形態を採っていることから、販売価格の計算の基礎となる市場価格が異常に高騰した場合には、販売先の親会社が損失を被ることとなり、その一部を請求人が負担し実質的に販売価格の訂正を行うことは正常な経済取引であり、円滑な取引を継続していく上で必要な負担であると認められる。また、本件負担金の算定根拠は、親会社から請求された販売奨励金について、市場価格の高騰に伴い親会社が被る損失見込額を検証し、損失見込額の半額程度を請求人が負担することで交渉し、実際の支給額も損失見込額の概ね半額となっており、妥当な金額である。以上のとおり、本件負担金は、親子会社関係でし意的に決定されたものではなく、通常の経済取引の一環として行われた経済的合理性に基づくものであると認められ、本件負担金を寄付金と認定した原処分庁の処分は違法である。(平11. 6.29熊裁(法・諸)平10-58)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平100054
- 裁決年月日
- 平成11年6月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、レンタル収入除外金から、諸々の簿外経費を支払った旨主張する。このうち、自動車税等については、支払を証明する証拠資料が存在し、かつ、自動車税相当額を顧客から売上げに含めた金額で受領し、その総額を元帳の売上げ勘定に計上していることから、当然費用となるべきところ簿外となっているものであり、当該各事業年度の損金の額に算入すべきである。 自動車税等以外の簿外経費については、支払の事実を裏付ける証拠資料を提示せず、また、当審判所の調査によっても、簿外経費の支払の事実を認めるに足る資料等はない。 なお、請求人がレンタル収入除外金から支払ったとする簿外経費は、総額1億円を超えるものとなっているがレンタル収入除外金から成るものとして仮装借入金及び簿外預金等が認定されこれらを控除すると約5千万円しか残余の金額は残らないことになるから、請求人の簿外経費の主張は正確な根拠に基づくものか疑問が残る。 したがって、上記自動車税等のような支払の事実を証明する証拠資料の存在するものを除き、請求人の簿外経費の主張は採用できない。(平11.6.22熊裁(法・諸)平10-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100181
- 裁決年月日
- 平成11年6月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716186
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/6支出額の計算
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、改定確定保険料については法基通9−3−3に定めがなく、労働保険徴収法第20条の規定に基づく改定確定保険料決定通知書による通知をもって処理されることから、保険料の還付金については、労働保険料還付請求書を提出したときに雑収入に計上すべきで、還付金に相当する額については、本件事業年度終了の日までに改定確定保険料の決定通知がなく、還付金を確定債権として認識することはできない旨主張するが、労働保険徴収法第15条第2項に基づいて工事着手時に申告納付する概算保険料は、その納付時に未成工事支出金として処理しておき、その後、請負工事が完成すると労働保険徴収法第19条第2項の申告書を工事が完成した日から45日内に提出することになるが、工事が完成した時点において改定確定保険料を合理的に算定することが可能となるから、工事が完成した日を含む事業年度に、その請負収入に対応する完成工事原価として適正に見積もった改定確定保険料に相当する額、すなわち、当該概算保険料の額から還付金に相当する額を控除した額を損金の額に算入すべきであると解するのが相当である。(平11. 6.16東裁(法)平10-181)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100097
- 裁決年月日
- 平成11年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/1不動産取引に係る手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場のコースレイアウト料として5千万円及びゴルフ場の地上げ費用として約3億円を損金として認めるべきである旨主張するが、これらについては、A地方裁判所、B高等裁判所、最高裁判所でそれぞれ争われ損金性を認められなかったものであり、当審判所においても、原処分関係資料を調査したところ、この認定を揺るがすものもなく、他にこの認定を覆すものもないので、原処分は適法である。(平11. 5.18関裁(法)平10-97)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平100069
- 裁決年月日
- 平成11年4月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡は真実の取引に基づくものである旨主張するが、①譲渡物件の引渡しが行われたとは認められないこと、②譲渡に係る経理処理は、関与税理士が請求人の代表取締役から依頼され、決算修正時に行われ、当該譲渡の代金決済は行われていないと認められること、③譲渡物件の預け先に対し、所有権移転の通知をした事実は認められないこと及び④譲渡物件に係る損害保険を譲渡後においても請求人が契約者となり、保険料も負担していることから、譲渡の事実を認めることはできず、原処分庁が譲渡を仮装取引と認定したことは相当である。(平11. 4.28広裁(法)平10-69)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平100030
- 裁決年月日
- 平成11年3月29日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、辞任直後に再任された役員に対し、従来の役員退職金規程を廃止したことに伴い、旧規程適用期間に対応する退職金相当額を打切り支給したものであり、従来から存在する規程に基づく支給であるから臨時的なものではなく、また、退職金規程が廃止されたことは法基通9−2−23の実質的に退職したと同様の事情にあるとして、退職給与に当たるから損金算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、従来から存在する規程は退職金規程であり報酬規程ではないことから役員退職金規程を廃止することと合わせて決定された臨時的なものであり、また、それまで無報酬であった役員の一部は新たに報酬を支給されるようになったことなどから退職したと同様の事情にあるとは認められず、更に、退職の事実に基づかない支給であることから退職給与とは認められず役員賞与に該当する。(平11. 3.29熊裁(法・諸)平10-30)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平100019
- 裁決年月日
- 平成11年3月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、元代表者Aの役員報酬増額分について、①請求人が未払金として計上している事実がないこと、②取締役が経理担当者に平成5年11月16日(増額決議日)に遡って支払うよう指示していること及び③関連会社がAに対する報酬を増額したのは平成6年1月支給分からであることからAに係る役員報酬の増額決議の日は平成6年1月である旨主張するが、①については、未払金計上がなかったことにより事実認定が左右されるものでないこと、②については、取締役会の決議事項に基づき増額分の支払を徹底するための指示と認められること及び③については、関連会社の増額支給日が平成6年1月であることをもって役員報酬の増額支給を決議した日を平成6年1月であると認定することは相当でないことから、Aに対する役員報酬増額分は、請求人の取締役会における報酬増額決議に基づき平成5年11月分及び同12月分の既支給額との差額を支払ったものであり過大役員報酬には該当しない。(平11. 3.26仙裁(法・諸)平10-19)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平100019
- 裁決年月日
- 平成11年3月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、H社の株式の評価に当たって、純資産価額から評価差額に対する法人税等相当額を控除すべきであり、また、明らかに価値のないN社の未収金については帳簿価額ではなく零評価すべき旨主張するが、本件株式の取得価額は、法基通9−1−15により評価するのが相当であり、H社は現実に経済活動を行っているのであるから評価会社の清算を前提とする処分価額として捕らえることは相当でないから、評価差額に対する法人税等相当額を控除することは認められず、また、未収金については回収不能等の事実は認められないから、帳簿価額により評価するのが相当である。(平11. 3.26仙裁(法・諸)平10-19)、(平11. 3.26仙裁(法・諸)平10-20)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平100019
- 裁決年月日
- 平成11年3月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710045
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/5その他の経費との区分
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取締役会において元代表者Aに対し個人的費用相当額の返還請求を決議し、Aに対し返還すべき旨通知しているので、認定賞与に相当する経済的利益が存在せず、また、Aが請求人に対し個人的費用相当額を返還する旨申し出、その上で原処分庁に赴いて貸付金としての処理を要請したのに対し、原処分庁は貸付金と処理せず、Aに対する認定賞与としているから、納税告知処分は取り消すべきである旨主張するが、請求人が納税告知処分後にAに対し返還すべき旨の請求をしたとしても、返還請求の通知は納税告知処分に何ら影響を及ぼすものではなく、また、請求人とAとの間で個人的費用相当額に関し、金銭消費貸借契約が締結された事実も認められず、Aに対する貸付金としなかったことについて違法は認められないので、納税告知処分は適法である。(平11. 3.26仙裁(法・諸)平10-19)、(平11. 3.26仙裁(法・諸)平10-20)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平100047
- 裁決年月日
- 平成11年3月26日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710021
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/1報酬であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は本件監査役報酬について、①社員総会において承認を得たものか不明であること、②その支給は各事業年度の利益の発生状況をみて決定していると申述していることから、利益処分による賞与であると認められること及び③翌事業年度に一括支給しているにもかかわらず、役員報酬を毎月定額で未払計上したかのように元帳に加筆して、定期の給与に仮装したものであることから、役員に対する賞与に該当し、損金の額に算入されない旨主張する。しかしながら、本件監査役報酬は、①実際に総会が開催され、取締役及び監査役の報酬についての決議を行っていたことが推認できること、②請求人と監査役との間では、書類の作成はないものの口頭により年1回の支払とする合意があり、この合意は、法法第35条第4項に規定されている「継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定め」に該当し、年1回所定の時期に支払われていることが認められること、③支給のない各事業年度については、監査役が受取を辞退したことによるものであり、その理由も不自然とは言えないこと及び④その支給自体は、継続して同一の方法及び時期に行われていることが認められるから、役員報酬に該当する。(平11. 3.26札裁(法)平10-47)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100082
- 裁決年月日
- 平成11年3月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A建設に対する外注費の額について、請求書等の証拠書類に基づいて支出したものであり、水増し計上した事実はない旨主張するが、①A建設は、受注した工事をすべて傭車先に作業を任せているので、A建設の外注台帳(未払外注費の補助簿)に記載された傭車先の稼働実績から検討したところ、作業実績がなく、傭車数等に水増し計上があること、②A建設は、請求人から受注した工事を丸投げでB運輸等に発注しているが、B運輸等は架空外注先であること等から、請求人は、A建設と通謀し水増し請求させ、そのねん出した資金をバックさせているものと認められる。したがって、原処分庁がA建設に対する外注費の額に水増し計上があるとして、支払額から脱税協力金を差し引いた額を水増し外注費の額と認定したことは相当である。(平11. 3.26名裁(法・諸)平10-82)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平100016
- 裁決年月日
- 平成11年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先であるA社に対する売掛金(以下「本件債権」という。)の代金として受け取っていた約束手形が不渡りとなり、A社は銀行取引停止処分を受け事実上倒産したことから、本件債権を回収することができなかったので、本件債権については本件事業年度(平成9年3月期)における貸倒損失として損金の額に算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、①A社は、銀行取引停止処分を受けた後は経営状況が悪化していたものの、引き続き営業を継続しており、また、請求人との取引を継続していた事実が認められること、②請求人は、平成9年6月10日に開催した取締役会において、本件債権を全額不良債権として処理する旨を可決し、請求人の代表者は、請求人が当該意思決定をした後の平成9年7月に、本件債権の回収の見込等を確認するために、A社の大口債権者が集って協議した場に出席している事実が認められたこと、③さらに、請求人は、平成9年12月1日に開催した取締役会において本件債権を放棄する旨を決定し、同日、A社に対し本件債務について債権放棄することを通知している事実が認められることから、本件債権についてその回収をすることができないことが明らかになった日は、平成9年12月1日であると認めるのが相当であり、本件債権が本件事業年度においてその全額が回収することができなくなったとは認められないから、当該債権を本件事業年度の貸倒損失として損金の額に算入することはできないと判断するのが相当である。(平11. 3.11仙裁(法)平10-16)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平100039
- 裁決年月日
- 平成11年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、監査役の死亡退職金の功績倍率法での算定に当たり、役員退職規程に基づき、当該役員の①最終役員報酬月額を在職中の最高報酬月額とし、②役員在職年数に個人経営時代に従事した期間を含め、③功績倍率を3倍として、遺族に死亡退職金3,000万円を支給したものであり適正である旨主張する。しかしながら、当該役員の①最終役員報酬月額は、イ当該役員の役職に変動がないにもかかわらず役員報酬月額が大幅に変動していること、 ロ在職中の最高報酬月額550,000円を支給していたのは、平成2年1月から平成3年6月までであり、それ以後は、むしろ役員報酬月額を順次引き下げていること、ハ退職直前に役員報酬月額を100,000円から300,000円に引き上げ、当該役員の功績が最大限に反映されていると認められることなどから300,000円とすることが相当であり、②勤続年数は、法令第72条では、「当該役員のその内国法人の業務に従事した期間」と規定されていることから、個人経営時代に従事した期間を加算することはできず、当該役員の勤続年数は請求人に在職した年数の13年となり、③功績倍率3倍は請求人及び原処分庁双方に争いはなく審判所においても相当であると認められる。したがって、当該役員の退職給与の適正額を11,700,000円とし、18,300,000円が不相当に高額な部分の金額であるとした、原処分は相当である。(平11. 3.10高裁(法)平10-39)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平100029
- 裁決年月日
- 平成11年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300715000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/15債権償却特別勘定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者につき、経営状態が深刻な状況になり、取引を自主的に停止し廃業しているにもかかわらず、銀行取引停止処分等がないことをもって、本件貸付金が法基通(平成10年6月23日付改正前のもの)9−6−5に定める形式基準による債権償却特別勘定への繰り入れができないという原処分庁の判断は違法である旨主張する。しかしながら、損金経理による債権償却特別勘定への繰り入れは、貸金等についての貸倒認定の厳格さを緩和し、弾力運用を期するための例外的制度あり、単に債権償却特別勘定の設定の事由が生じただけでは足りず、法基通9−6−4及び9−6−5の区分に応じ所要の手続きがなされて初めて、債権償却特別勘定への繰り入れが認められていると解するのが相当であるところ、本件貸付金については、上記通達に掲げる事実は発生していないのであるから、損金経理による債権償却特別勘定への繰り入れは認められない。(平11. 2.25沖裁(法)平10-29)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平100026
- 裁決年月日
- 平成11年2月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712096
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/6給与等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、社員を子会社に出向させるに当たり、給与負担金の算定の根拠とする給与負担率は出向先法人との間で取り交わした覚書に基づく給与負担割合によっており適正である旨主張し、一方原処分庁は、本件調査において、請求人の経理担当者が提出した本件給与負担率が適正である旨主張して、本件給与負担率を基に算出した給与負担金と請求人主張の給与負担金との差額は出向先法人への寄付金の額に該当するとして本件更正処分をした。しかしながら、本件給与負担率の算定根拠の基礎とされた内容は、①出向先法人の給与ベースの算定は事業年度別に区分されていないこと、②基本給表等の整備されていない出向先法人については、あるべき給与ベースが算定されていないことから、これらの点を勘案した上で求めた給与負担率により算定するのが相当と認められる。したがって、当該認定負担率により算定した認定給与負担金と原処分庁主張の本件給与負担率により算定した給与負担金との差額は取り消すべきである。(平11. 2.19熊裁(法・諸)平10-26)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100095
- 裁決年月日
- 平成11年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/4低額譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・342ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、法基通9−1−15を援用し、評価通達の例により計算した価額を通常取引価額とし、その価額と実際売買価額との差額を寄付金と認定し本件更正処分をしたことについて、本件株式の通常取引価額を単純に純資産価額方式により算定することは、実態認識を誤るものであり、法人税基本通達の本旨にもとり極めて不合理であるから、本件株式の通常取引価額については、将来の配当期待権の価額を資本還元した価額に重点を置き、市場流通性を考慮した純資産価額方式との併用により算定すべきであると主張する。しかしながら、請求人の主張する算定方法には合理性が認められず、また、取引相場のない株式の価額を定める評価通達は、当該株式の価額を合理的、かつ、その実態に即して評価し得るものと認められ、実務上定着しているもので一般的に妥当性と合理性を有するものであるから、本件更正処分は適法である。(平11. 2. 8東裁(法)平10-95)裁決事例集 №57・342ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100062
- 裁決年月日
- 平成11年1月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716160
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/16損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件支出金は本件産業廃棄物の焼却中に発生した煙害や悪臭等により隣接地権者に与えた不測の損害に対して支出したものであり、本件産業廃棄物の処理費用と同じ性質のものであるから、その損金性を認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件隣接地権者が本件損害を受けた事実は認められず、かつ、本件支出金の実態は、本件土地の取得に係る地権者等に対して不動産仲介業者が長年にわたり行ってきた折衝及び買収等の取りまとめに対する対価であると認められることから、本件土地の取得価額に算入されるとした本件更正処分は適法である。(平11. 1.28関裁(法)平10-62)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平100022
- 裁決年月日
- 平成11年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/1役員の範囲/2使用人兼務役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法上の同族会社とは、同族による支配を通じて利を不当に享受するものをいうものと解されることから請求人はこれに当たらず、したがって、請求人の取締役1名と監査役1名(以下「本件役員」という。)は、使用人兼務役員に該当することから、本件役員に支給した賞与は損金に算入できる旨主張する。しかしながら、法人税法が、法人における持株割合及び株主間の関係に基づき同族会社を規定し、法的地位及び持株割合に基づき役員の範囲を規定している以上、請求人は同族会社に該当し本件役員は使用人兼務役員に該当しないことから、本件役員に支給した賞与は損金に算入することはできない。(平11. 1.19熊裁(法)平10-22)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平100017
- 裁決年月日
- 平成10年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710052
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/2損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件保険金等収入の受取人を請求人の代理者A個人であるとの誤解がなければ、本件事業年度において、死亡した前代表者でありAの夫であるBに対して、役員退職給与として、本件保険金等収入と同額の役員退職給与を支給し、損金経理を行っていたものであるから、Bに対する役員退職給与を認めないでした更正処分は違法である旨主張するが、請求人は、役員退職給与を損金経理していないこと及び本件保険金等収入に関する誤解には理由がなく、その主張を採用することはできないから、Bに対する役員退職給与の損金算入を認めないでした更正処分は適法である。(平10.12.21札裁(法)平10-17)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100043
- 裁決年月日
- 平成10年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成7年10月に取得した焼却炉の耐用年数について、本件焼却炉と類似性が高い耐用年数省令の別表第五及び第六の機械及び装置の耐用年数7年を適用すべきであり、実際の使用可能期間が5年くらいである本件焼却炉に3倍以上長い17年の耐用年数を適用することは、法法第22条にいう公正妥当な課税に反する旨主張する。しかしながら、本件焼却炉は、耐用年数省令の別表第二の番号「369」、細目「主として金属製のもの」に該当するから法定耐用年数17年であり、また、請求人は、本件焼却炉の使用可能期間が5年であるなら法令第57条に基づく耐用年数の短縮承認申請を行い承認を受けるべきであるところ、本件焼却炉について耐用年数の短縮の承認を受けていないのであるから、耐用年数を短縮して減価償却を行うことは許されない。(平10.12.18名裁(法)平10-43)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100071
- 裁決年月日
- 平成10年12月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716069
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人のアフガニスタン向け輸出取引に係る売上金額と請求人が申告した売上金額との差額は、本件取引に係る仲介手数料となるから損金の額に算入すべき経費となる旨主張するが、本件差額は、売上金額を過少に計上することによって、第三国である香港に所在する法人に留保されたものであって、どの取引に対していくらの手数料を当該法人あるいは請求人のアフガニスタンにおける代理店に対して支出し、それが正当なものであるかについて具体的な主張立証がないので、仲介手数料として支出したとは認められず、所得の金額の計算上、損金の額に算入されない。(平10.12.17大裁 (法) 平10-71)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100007
- 裁決年月日
- 平成10年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、裸傭船契約に基づき船主に支払った傭船料(以下「本件傭船料」という。)について、①法基通2−2−14(以下「本件通達」という。)は、法法第22条第3項第1号の例外を認めたものであること、②本件通達には金額基準等の適用要件は明記されてなく、その不備の責めを納税者に負わすべきでないこと、③本件傭船料は、本件通達の注書きにあるものとは性格が異なること、④本件傭船料は、期末仕掛品の原価を構成しないこと、⑤傭船料は、収益と不可分に発生するものではないこと、⑥税制調査会法人課税小委員会報告からみても、短期前払費用については、継続性が担保されていれば金額の多寡に関係なく本件通達が適用できると解されること及び⑦法基通2−2−9の定めからも本件傭船料は、支払った事業年度の損金の額に算入できると解されることから、短期の前払費用として本件通達及び法基通2−2−9の適用がある旨主張するが、①本件通達は、法人税基本通達中の置かれた位置からも明らかなように、法法第22条第3項第1号の例外を認めたものではなく、同項第2号に規定する販売費、一般管理費、その他の費用についての取扱いを定めたものであると認められること、②本件通達は、重要性の原則を税務に取り入れたものであるので、企業会計上要請される規制を当然に内包していると認められ、本件傭船料は、重要性が乏しいとは認められないこと、③本件傭船料は、費用収益対応の原則を計上基準とする原価であり、本件通達の注書きにあるものと性格は異ならないと認められること、④本件傭船料は、原価である以上、期末に仕掛工事がある場合には、当該仕掛工事に配賦すべきであること、⑤本件傭船料は、操業度の増減にかかわらず、時の経過に応じて発生する固定費であり、収益と個別的に対応する原価ではなく、期間対応する原価であると認められること、⑥税制調査会報告は、短期前払費用の今後の取扱いについて提言しているものであり、継続適用の要件さえ満たせばどのような支払でも本件通達の適用があるということをいっているものではないこと、及び⑦法基通2−2−9は、技術役務の提供に係る報酬に対応する原価の計算について定めたものであり、請求人の営むしゅんせつ業とは内容を異にすることから本件傭船料について本件通達及び法基通2−2−9の適用を認めることはできない。(平10.12.11福裁(法)平10- 7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100043
- 裁決年月日
- 平成10年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300713030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/13使途不明金/3外注費処理していたもの
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注費は架空ではなく外注先に真実支払ったものであるから、使途秘匿金には該当しない旨主張するが、本件外注費は、架空外注費であり、取引の対価の支払としてされたものであることが明らかでなく、かつ、相当の理由がなく、真実の相手方の氏名等が請求人の帳簿書類に記載されていないことは、措法第62条第1項に規定する使途秘匿金の支出と認められるので、当該支出の金額に100分の40を乗じた金額を法人税の額に加算した原処分は適法である。(平10.12. 8大裁 (法・諸) 平10-43)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100043
- 裁決年月日
- 平成10年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注費は実際に施工した工事に係るものである旨主張するが、本件外注先の代表者は、請求人から架空取引を持ちかけられ、その謝礼として手数料を受け取ることを承諾し、架空売上と架空仕入を計上(差額は手数料相当)した旨答述しており、また、同社の下請先の領収書は、請求人が働きかけて、内容虚偽の領収書を発行させていたことが明らかであることからすれば、本件外注費は、架空に計上されたものと認めるのが相当である。(平10.12. 8大裁 (法・諸) 平10-43)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平100033
- 裁決年月日
- 平成10年11月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706042
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/4取得価額(無形減価償却資産)/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外注費として支払った金員は、営業権の譲受け対価である旨主張し、原処分庁は、当該支払は請求人の代表者が個人的に支払うべきもので、同人に対する賞与である旨主張するが、支払先の事業者は、①下請を業とする小規模事業者であること、②貸金業者から高利の運転資金を借り入れ、利息の支払いに追われるなど、経営内容が劣悪であったこと及び③独占的な取引先や特殊技術を有しているとは認められないことからすると、当該事業者に超過収益力を有すると認めることはできず、また、売買当事者において通常なされてしかるべき、当該事業者の財務状況の調査・検討、売買契約書の作成、営業権の資産計上、営業権対価の譲渡所得の申告がいずれもなされていない上、売買価額が当初から確定しておらず、その後どの時点で確定したかも定かでないことなどの事情を考慮すると、営業権が存在するとは認められないから、請求人の主張は採用できない。また、当該支払を請求人の代表者が取得したと認めるに足る証拠もなく、さらに、請求人の代表者が当該事業者に対し、当該支払を個人的に支払わなければならない法律関係が存在するとも認められないから、結局、当該支払は、請求人が当該事業者の元従業員を吸収することに伴うトラブルを避ける等の目的でした金銭贈与であり、請求人から当該事業者に対する寄附金と認めるのが相当である。(平10.11.30広裁(法・諸)平10-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100048
- 裁決年月日
- 平成10年11月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/5労務費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、公益法人である請求人が行う収益事業に係る人件費の額を計算する上で、まず、従業員の総人件費を①直接修理に要した部分の金額と②修理のために待機する部分の金額とに区分し、次に、その性質の違いから、①については全処理件数に占める非会員に対する処理件数の割合を、また、②については会員数及び非会員に対する処理件数を待機対象とみなし、全待機対象数に占める非会員に対する処理件数の割合をそれぞれの金額に乗じて収益事業に係る人件費を算出すべきである旨主張するが、上記②の待機時間の従事内容は、修理に要する部品等の補充、24時間体制で修理を行うための仮眠、修理関係の書類の作成等修理に係るものであるから、費用の性質・内容から従事員の総人件費を①の金額と②の金額とに区分する必要はなく、また、総人件費に乗ずる割合は、人件費全体が修理に係る費用であるから、非会員に対する処理件数の割合によるのが合理的である。(平10.11.20東裁(法・諸)平10-48)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100050
- 裁決年月日
- 平成10年11月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失として計上したA社に対する貸付金及び固定資産除却損として計上したA社の有価証券は、①請求人の事情をよく知る税理士が請求人に帰属する資産として貸借対照表に計上したこと、②本件各資産の計上の約2年前に請求人の代表者がB社と締結したA社の株式及び経営権の譲渡契約で、A社に対する貸付金の債権放棄及びA社の株式を譲渡しているが、これは当該契約を担当した弁護士の過誤により譲渡人を請求人とすべきを代表者としたものであること、しかも③当該契約は契約代金のほとんどが支払われず代表者が手形代金請求訴訟を提起したが、当事者間で和解が成立し契約は無効となっているため、本件各資産は請求人に帰属し、その損失も請求人が負担すべきである旨主張するが、①A社の貸借対照表からは、請求人に帰属していることを裏付ける証拠はなく、かえって代表者等に帰属する資産と認められること、②当該契約の譲受人の答述によれば、代表者との契約であり、訴訟で契約代金より少ない金額で和解したが、契約は有効であること、③当該契約の譲渡代金のうち決済された手形が代表者及びその母の個人預金で取立てられていること、④手形代金請求訴訟の代表者の担当弁護士の答述によれば、当該和解は、譲渡代金の争いを精算するためのもので当該契約を無効とするものではないこと及び⑤担当税理士の答述によれば、この間の事情を詳しく知っていたとは認められないこと等の事実が認められるから、本件各資産は請求人に帰属するとは認められない。(平10.11.20東裁(法・諸)平10-50)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100025
- 裁決年月日
- 平成10年11月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、過去の事業年度と比べ著しく売上高が減少している事業年度(役員が退職した事業年度)を基準として選定した類似法人の平均報酬月額を、退職した役員の適正報酬月額として、退職給与の算定基礎としたのは不当である旨主するが、請求人が退職した役員に対し過去に支給した給与の額は、適正報酬月額より低額であり、適正報酬月額を基礎として相当であると認められる退職給与の額を算定したことには合理性がある。(平10.11.11(法)平10-25)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100025
- 裁決年月日
- 平成10年11月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員に対し、期末に「期首に遡って給与の増額」を決め、差額を一括支給したものであり定期的な給与である旨主張する。 しかしながら、役員に支給された給与が報酬となるか賞与となるかは、実際に支給された給与が定期的給与か臨時的な給与かという支給形態ないし外形によって判断すべきであり、役員報酬の額を過去に遡って増額改定し一括支給した給与は、予め定められた支給基準に基づいて定期的、継続的に支給されたものでないから、役員賞与となり損金不算入となる。(平10.11.11名裁(法)平10-25)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100025
- 裁決年月日
- 平成10年11月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、適正報酬月額を算定するに当たり、法令第69条第1号の規定により、収益の状況及び役員の職務内容等が類似すると認められる類似法人の平均報酬月額を採用したことは相当であると認められるが、選定した類似法人5社のうち2社は、売上高が請求人の売上高の2倍を超えているなどにより、適当でなく、新たに選定した3社を加え、6社の平均額によるのが相当である。 また、請求人は、前期と比較し売上高が著しく減少している当期の売上高を基準として、類似法人を選定するのは不当である旨主張するが、法令第69条第1号の規定では、適正報酬月額であるかの判断を各事業年度でするとなっていることから、請求人の主張は採用できない。(平10.11.11名裁(法)平10-25)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100014
- 裁決年月日
- 平成10年10月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・251ページ
要旨
○ 請求人は、自走式立体駐車場設備については、耐用年数省令別表第一に掲げる構造又は用途の「構築物」に元来、特掲すべきであり、また前回の税務調査において、原処分庁は本件駐車場設備の耐用年数について何ら指摘をすることなく容認してきたものであるから、それを変更してなされた更正処分は違法、不当である旨主張する。しかしながら、当審判所は、原処分庁が行った処分が違法又は不当なものであるか否かを判断する機関であって、その処分の基となった法令等自体の適否又は合理性を判断することはその権限に属さないことであり、また、過去の調査の際、原処分庁より何ら指摘がなかったとしても、その後の調査等でその誤りが明らかになった時点において、その是正を求めることは税務行政上、至極当然のことであり何ら不当とはいえず、これらをもって本件各事業年度の更正処分が違法となるものではない。(平10.10. 8名裁(法・諸)平10-14)裁決事例集 №56・251ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平090042
- 裁決年月日
- 平成10年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)平成2年3月期ないし平成6年3月期の各事業年度の所得金額の計算上、損金の額に算入した決算賞与の額は、各従業員に帰属する本件従業員名義預金口座に振り込む方法で実際に各従業員に支払ったものであるから、架空に計上したとする原処分庁の認定は事実を誤認したものであり、(2)本件従業員名義預金から引き出された金員等は、各従業員に返還したことから、原処分はその全部を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、本件従業員名義預金は、名義人である各従業員は自由に引き出すことができない預金であり、請求人に帰属するいわゆる請求人の借名預金であると認めるのが相当であり、また、請求人が、本件従業員名義預金に振り込んでいない決算賞与についても、支払の事実が認められないから、架空に計上したものと認めるのが相当である。なお、本件従業員名義預金から引き出された金員等については、引き出された事業年度において、一部従業員給与等として支払っていると認められ、残額は代表者に対する認定賞与と認めるのが相当であるから、従業員給与等とした金額は、引き出された事業年度において損金の額として算入すべきであり、認定賞与とした金額は損金の額として算入することはできない。したがって、本件更正処分はいずれもその一部を取り消すべきである。(平10. 6.29熊裁(法・諸)平 9-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090252
- 裁決年月日
- 平成10年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が子会社の増資に際し、発行価額を大幅に上回る払込みを行うとともに、別の子会社に対して額面価額を大幅に下回る価額で売却した行為の目的は、専ら、利益に見合う有価証券売却損を計上して法人税の負担の軽減を図るためのものであって、全く経済的合理性を欠くものと推認され、同族グループを利用しての異常・不自然な行為というほかはない。また、請求人の行為を合理的・客観的に解釈すれば、増資の機会を専ら法人税の軽減目的のために利用したものといわざるを得ないのであって、かかる取引を資本金の払込みとみるのは適当でなく、当該取引は、法人税法上、資本等取引と認めることはできないものと解するのが相当である。そうすると、子会社の増資に伴う請求人の払込金のうち、発行価額を超える部分の金額は、実質的に増資新株の取得の対価とはいえず、いわば請求人が任意に支払ったものといわざるを得ず、当該子会社に対する寄付金に該当するものというべきである。(平10. 6.29東裁(法)平 9-252)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090252
- 裁決年月日
- 平成10年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300705010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/5有価証券の評価/1取得価額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法律の規定からも、(1)子会社の増資新株は法令第38条第1項第1号に規定する「払込みにより取得した有価証券」であり、その払い込んだ金額が当然に取得価額を構成すること及び(2)法法第22条第5項の資本等取引については、株式の発行法人の概念であり、請求人においては、株主割当増資に応じて払い込んだ金額が取得価額になるにすぎない旨主張する。しかしながら、請求人の主張する法人税法及び法人税法施行令の規定は、いずれも正常な増資取引、資本等取引について規定したものであるところ、請求人の行為については、一連の行為の全体を通して、異常・不自然な行為であるとして、法人税の負担の軽減を図ることを目的とした一連の行為であると判断したものであるから、正常な増資取引、資本等取引とはいえず、請求人の主張には、いずれも理由がない。(平10.6.29東裁(法)平 9-252)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平090011
- 裁決年月日
- 平成10年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連会社の増資に当たり払い込んだ過大払込金は、関連会社に対する多額の不良債権を貸倒処理するためであるから、寄付金に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が、債務超過の状態にある関連会社の増資において、発行価格を超える異常に高額の払込みに応じたのは、関連会社に対する不良債権の含み損を損金に算入するために一旦増資により株式に換え、その株式を売却することにより有価証券売却損として実現させて有価証券売却益の圧縮を図るという目的で行われたものであると認められる。請求人の一連の取引行為を合理的、客観的に解釈すると、かかる取引は、増資の機会を専ら法人税の軽減を図ることを目的として利用したものと認めるのが相当であり、法法第22条第5項に規定する資本等取引と認めることはできず、本件過大払込金相当額は、関連会社に対する何ら対価を伴わない金銭の無償の給付といわざるを得ないから、関連会社に対する寄付金であるというべきである。(平10. 6.25金裁(法)平 9-11)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平090011
- 裁決年月日
- 平成10年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関連会社の増資に当たり払い込んだ過大払込金について、当該関連会社が資本欠損で請求人の多額な貸付金が回収不能の状況にあったので、その債務を免除するために行ったものであるから、本件過大払込金相当額は貸倒損失として損金算入されるべきである旨主張する。しかしながら、貸倒損失として損金に算入するためには、債務者の資産状況、支払能力等から貸付金等の回収が不可能であることがその事業年度に明らかになったことを要するところ、本件関連会社は債務超過の状態が相当期間継続していることが認められるものの、(1)同社は継続して事業活動を展開しており、(2)請求人以外の債権者が貸金等の放棄をした事実もなく、(3)同社は当該事業年度及び翌事業年度において、債務の返済や新たな融資を受けている事実が認められることからして、本件増資の時期である本件事業年度において、請求人の同社に対する貸金等が同社の資産状況、支払能力等から回収が不可能であることが明らかになった場合に該当すると認定することはできない。したがって、過大払込金相当額については、書面により明らかにされた債務免除額が存するか否かを判断するまでもなく、貸倒損失として損金算入はできない。(平10. 6.25金裁(法)平 9-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090127
- 裁決年月日
- 平成10年6月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716069
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件支払手数料は、工事の受注段階で返戻相当額を受注金額に上乗せしたもの及び過去からの慣行で取引金額の10パーセント程度を得意先の発注権限のある幹部に支払ったものであるから、交際費等に該当しない旨主張するが、支払の内容や支払先が明らかでないものは、その支出が法人の事業関連費用であるか、あるいは、真に支出されたものかどうか明らかでないから、法人の損金の額に算入されず、得意先の幹部職員等に支払ったことが確認できるものは、取引の謝礼として支払ったものと認められるので、交際費等に該当する。(平10. 6.23大裁 (法・諸) 平 9-127)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090127
- 裁決年月日
- 平成10年6月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注加工費は計上漏れとなっていた外注加工費を補正するため、他の工事の費用に上乗せ計上したものであるから、架空に当たらない旨主張するが、請求人は、当該計上漏れ金額を実際に算定することなく概算で計上して支払っていること、また、請求人と本件外注加工費の支払先である同族法人の経理担当者が同一人であるところ、上乗せ額と適正額の差額が発生することを予見できる状態にありながら黙認して支払ったものであると認められることから、上乗せ額と適正額との差額は架空であることは明らかであり、また、本件差額については、支払先である同族法人に対して利益を供与したことにほかならないから、当該事業年度末までに支払済のものについて、法法第37条に規定する寄付金に該当するとし、当該事業年度末現在未払となっているものについては損金の額に算入されないとした原処分は適法である。(平10. 6.23大裁 (法・諸) 平 9-127)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平090037
- 裁決年月日
- 平成10年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、役員変更及び元代表取締役A(現代表取締役)及び取締役B(Aの妻)の役員退職金の支給は、正当な手続を経た合法的な行為である旨主張するが、本件社員総会議事録は真正に作成されたものであるとは認められず、また、後任の前代表取締役C(Aの長男)は、登記上、代表取締役であったとする期間は銀行に勤務し、請求人の業務に一切関与しておらず、Aは代表取締役退任後も請求人の業務を引き続き行い、さらに5年後に請求人の代表取締役に復帰しており、代表取締役を辞任する特段の事情も認められないことからすると、実質的な役員変更はなく、実質的な代表取締役はAであると認めるのが相当である。したがって、本件社員総会に係る実質的な役員変更がなかったにもかかわらず、請求人が損金の額に算入した本件役員退職金は事実を仮装したものであるとした原処分は相当である。(平10. 6.22札裁(法・諸)平 9-37)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平090037
- 裁決年月日
- 平成10年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Bの代表取締役就任は正当な手続を経た合法的な行為であり、また、Bの妻Cは、本件社員総会に出席し役員としての役割を十分果たしており、さらにCの弟Dに対する役員報酬の支給は、銀行振込みしているから、Bらの役員報酬及び役員退職金の損金算入は適法である旨主張するが、意図的に一定の期間、代表取締役を交代させ、この交代期間に、名目上の役員に対して支給した役員報酬及び役員退職金は、利益調整のためであり事実を仮装したものであると認定した原処分は適法である。(平10. 6.22札裁(法・諸)平 9-37)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090106
- 裁決年月日
- 平成10年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原木の輸入に関し、A国に設立した子会社に送金している金員は、木材の輸入元の指示により、当該原木の代金のうち1トン当たり25米ドルを別途支払ったものであり、損金の額に算入すべきである旨主張するが、請求人は、輸入元との間で売買契約書を作成し、原木輸入のインボイスによれば、当該売買契約書の内容に従って取引が行われていると認められるところ、当該売買契約書には、当該金員についての記載がなく、当該金員を輸入元へ支払うことが原木輸入の条件になっていたこと及び当該金員が原木代金の一部であることを認めるに足る証拠はないから、子会社にとって当該金員は、請求人からの預り金であると認めるのが相当であり、当該金員は、いまだ請求人の支配下にある金員と認められるから、損金の額に算入することはできない。(平10. 6.19広裁(法)平 9-106)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平090038
- 裁決年月日
- 平成10年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/10信用保証料、担保提供料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、借入金の連帯保証人である請求人の代表取締役Aに対し支払った保証料について、民間の信用保証会社の保証料率等を参考に決定した年利率2パーセントを乗じて計算した金額によるべきであり、信用保証協会の保証料率1パーセントが適正な保証料率であると認定した原処分は合理性がない旨主張する。しかしながら、本件保証は、(1)Aが自覚と責任を持って請求人の経営に当たるということを連帯保証という形で認識させるためのものであり、かつ、(2)A自身の経済的利益の追求・獲得の手段であるとも認められるから、本件保証は、民間の信用保証会社の行う信用保証とはその性格を異にしており、本件保証料は対価性に乏しく、民間の信用保証会社の保証料率を参考とすべきではない。したがって、原処分庁が信用保証協会の保証料率をもって本件保証料率の決定の判断をしたことには合理性があるから、本件更正処分は適法である。(平10. 6.18熊裁(法・諸)平 9-38)、(平10. 6.18熊裁(法・諸)平 9-39)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平090052
- 裁決年月日
- 平成10年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件雑損失は保証債務の履行によるものである旨主張するが、(1)本件借用証書には、債権者、債務者及び保証人の押印がないこと並びに返済期限、利率等の記載がないなど重要な事項について欠陥があり、真正なものとは認められず、(2)請求人提出資料によっても請求人が本件借入金の保証をした事実が確認できず、他に請求人主張の事実を認めるに足りる証拠はないことから、借入金の存在、請求人が債務の保証をした事実及び肩代わりをして弁済した事実はないと判断するのが相当である。(平10. 6.16高裁(法)平 9-52)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平090029
- 裁決年月日
- 平成10年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が取得し、それぞれ事業の用に供した豚舎14棟(いずれも建物の構造が金属造のもので、骨格材の肉厚が4ミリメートルを超えるもの。)に係る減価償却費の計算について、適用すべき耐用年数を耐用年数省令の別表第一の種類「建物」の細目の工場用のものとして22年を適用すべきである旨主張する。しかしながら、本件豚舎は、豚飼育のために供されている建物であることからすれば、建物の細目の工場には該当しないことは明らかであり、耐用年数省令の規定からすると個々の資産の実際の使用可能年数が、耐用年数省令の耐用年数と異なることを理由として独自の解釈により、適用する耐用年数を決定することはできないと解すべきであり、個々の具体的な資産が特殊な条件に該当して、耐用年数省令の耐用年数が実際の耐用年数と著しく異なっている場合には、法令第57条による耐用年数の短縮承認を受けることにより、承認後の耐用年数を適用することができる旨規定されているところ、請求人はこの手続を採っていない。したがって、本件豚舎は、耐用年数省令の建物の細目の事務所用又は美術館用のもの及び左記以外のものの、左記以外のものに該当することになり、本件豚舎の耐用年数は45年となるが、耐用年数の適用等に関する取扱通達2−1−8によると、飼育用の建物については、耐用年数省令の別表第一の建物に掲げると畜場用のものに含めることができる旨定められており、本件豚舎の耐用年数を35年とした原処分は適法である。(平10. 6. 1熊裁(法)平 9-29)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平090035
- 裁決年月日
- 平成10年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表取締役の功績及び退職に当たっての事情等を加味すれば、本件退職金は不相当に高額ではなく、全額を損金の額に算入すべき旨主張するが、役員の退職給与の適正額をその退職役員の最終報酬月額及び勤続年数を基礎とし、比較法人の退職役員の平均功績倍率により算定することは、その算定において退職役員の一切の功績及び事情等が包含されており、特段の事由のない限り、法法第36条の規定の趣旨に沿った合理的なものと認められる。本件の場合、原処分庁は、役員の退職給与の適正額を請求人と同業種の法人の平均功績倍率を採用して算定しており、適法である。(平10. 5.29札裁(法・諸)平 9-35)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090090
- 裁決年月日
- 平成10年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注費は請求書及び領収書も保存しており、また、本件外注業者であるA社の代表者の妻の弟Bが本件外注工事を受注し、代金も受領した旨の書面も提出しており、原処分庁がこれを架空外注費としたのは事実誤認である旨主張する。しかしながら、(1)A社の作業日報には、A社のBを含めた従業員は、本件外注費に係る工事期間中には別の工事に従事していた旨の記載があること、(2)請求人の業務日誌に記載された本件工事に係る従業員の作業内容及び本件工事に係る全ての請求書の内容並びに本件工事に参加していた他の外注業者の答述により、A社が施工したとされる工事内容は、請求人の従業員又は他の外注業者が施工したと認められることから、A社が本件外注費に係る工事を施工したとは認められず、本件外注費は架空外注費と認めるのが相当である。(平10. 4.24広裁(法)平 9-90)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090103
- 裁決年月日
- 平成10年4月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710046
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/6賞与支払の事実の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者の死亡に伴い受領した保険金のうち、現代表者及び役員に支払った金額は、現代表者らの給与及び賞与からの借入金の返済額であり、賞与には当たらない旨主張する。しかしながら、本件支払額については、請求人が提出した現代表者らの貸付金の明細には、賞与は年1回しか支給されていないにもかかわらず、年2回の賞与からも貸し付けた旨記載されていることから、当該貸付明細は信用できず、また、請求人から帳簿書類の提出がなく、請求人の貸借対照表にも当該借入金の記載がないため、請求人の借入金であることを確認できないことから、当該金額は、請求人の役員に支払われた賞与に該当する。(平10. 4.24大裁 (法・諸) 平 9-103)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090103
- 裁決年月日
- 平成10年4月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者の死亡に伴い受領した保険金のうち、請求人の現代表者及び役員に支払った金額は、請求人の借入金の返済額であり、寄付金には当たらない旨主張する。しかしながら、当該金額は、前代表者が生前に残した借入金のメモ等の内容からみると、請求人の借入金ではなく、前代表者個人の借入金であるから、前代表者個人の借入金を請求人が前代表者の相続人に代わって支払ったものであり、前代表者の相続人に対する寄付金とするのが相当である。(平10. 4.24大裁 (法・諸) 平 9-103)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090103
- 裁決年月日
- 平成10年4月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者の叔父及び友人に対する支払については、請求人の借入金の返済である旨主張する。しかしながら、請求人は、工場の増改築工事費用及び機械設備等の購入資金を貸し付けたとする叔父の陳述書並びにその裏付けとして預金通帳及び施工業者から叔父宛の工事請負代金受領証明書を提出したが、(1)預金通帳は入出金状況を示すものに過ぎず、(2)工事請負代金受領証明書は、叔父が所有し請求人が賃借していた工場の増改築工事の請負代金を叔父から受領した旨を証明するものであり、また、(3)請求人の決算書には、当該増改築による資産及び機械設備等の資産についての計上がないことから、叔父の陳述書の内容は著しく信ぴょう性に欠けるものであり、原処分庁が寄付金と認定したことは相当である。また、請求人の前代表者の友人への支払については、請求人の提出した当座勘定照合表、銀行勘定元帳及び前代表者が生前に残した借入金のメモに記載の金額とがいずれも一致することから、借入金を返済したものと認められるが、原処分庁の友人に対する書面照会の回答から、その借入金は請求人の借入金ではなく、前代表者個人の借入金とみるのが相当である。そうすると、前代表者個人の借入金を請求人が前代表者の相続人に代わって支払ったものとなるから、前代表者の相続人に対する寄付金とするのが相当である。(平10. 4.24大裁 (法・諸) 平 9-103)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090103
- 裁決年月日
- 平成10年4月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710052
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/2損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者の死亡に伴い受領した保険金のうち、前代表者の妻Aに支払った金額は、前代表者の死亡退職金として損金の額に算入すべき旨主張するが、前代表者は死亡する日まで請求人の役員であったことから、役員退職給与金を損金の額に算入するためには、役員退職給与金の支払額を当該事業年度において、損金経理をしていることが必要であるところ、請求人がAに支払った額は、役員退職給与金として、当該事業年度において損金経理をしていないことから、当該支払額を退職給与金として損金の額に算入することはできない。(平10. 4.24大裁 (法・諸) 平 9-103)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090074
- 裁決年月日
- 平成10年4月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/2期首、期末の在高
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原反の仕入をし、仕入先を通じて染色整理加工業者に染色整理加工の委託をしていたところ、仕入先が自己破産の申立てをしたため、染色整理加工業者に対して、委託品は請求人が買い取った商品であるから返還するよう請求したが、染色整理加工業者は仕入先との委託品加工契約の約定(代物弁済)を理由に返還を拒否した。請求人は、商品の返還を受けられないため決算の申告において当該商品を在庫に計上せず、売上原価として損金に計上して申告したが、原処分庁は、委託品は請求人に所有権があるとして在庫に認定し更正したものである。審判所の判断は、染色整理加工業者は、委託品を仕入先の所有と信じて取引しており、上記約定に基づき代物弁済を受けたものと認められるから、当該委託品は請求人の在庫にはならないが、仕入先に対しては委託品相当額の返還請求権が発生するから、その債権を計上すべきであり請求人の主張は認められない。(平10.4.17名裁(法)平9-74)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090083
- 裁決年月日
- 平成10年3月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300706061
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/6取得価額(非減価償却資産)/1土地等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁が甲物件(土地建物)の取得価額の一部と認定した乙物件(土地建物)に係る売買契約の解約に基づく解約損について、請求人は乙物件の売買契約は正当なものであり、契約後の諸事情からやむを得ず解約に至ったものであって、手付金等を解約損として損金経理したことは正当である旨主張するが、(1)甲物件及び乙物件の売買の相手先である業者は、甲物件の売買に関して双方の合意額で国土法に基づく届出をしたところ、大幅な切下げを指導されたことから、乙物件の売買契約書を作成しこれを解約する方法によって甲物件の売買価額を圧縮したことを申述していること、(2)請求人が解約に至ったとする事実には、明らかに売主の責任により処理すべき事実があり、買主である請求人がその履行を求めていない等の不自然な点があることから、請求人の主張を採用することはできない。(平10. 3.31広裁(法・諸)平 9-83)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090083
- 裁決年月日
- 平成10年3月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空であると認定した従業員に対する賞与は正当に支給されたものである旨主張するが、(1)元従業員らは、賞与をもらったことはないと申述した後、審査請求の段階で賞与は正当に支給されたものであると記載した申立書等を提出しているものの、これら申立書等には不自然かつ事実に反すると認められる内容が記載され、信ぴょう性に欠ける上、(2)賞与は、従業員の預金口座に入金された後同日出金されて、公表外の預金に入金されたり、代表者の個人預金に入金された事実が認められることから、請求人の主張を採用することはできない。(平10. 3.31広裁(法・諸)平 9-83)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090083
- 裁決年月日
- 平成10年3月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が架空であると認定した元役員に対する報酬の一部は正当に支給したものである旨主張するが、(1)元役員は、報酬の一部は架空であると申述した後、審査請求の段階で報酬は正当に支給されたものであると記載した申立書等を提出しているものの、この申立書等には不自然かつ事実とは認められない内容が記載され、信ぴょう性に欠けること、(2)架空計上されたとする報酬の大部分は、元役員の預金に入金後、出金され、請求人に対する貸付金とされた後、請求人の増資の際に資本金に振り替えられているが、当該預金は請求人が管理していたものと認められること、(3)その他請求人が当審判所に提出した資料には、記載された住所及び記載された元役員の氏名から後日作成されたものが認められることから、元役員の原処分庁の調査担当者に対する申述には信ぴょう性が認められ、請求人の主張を採用することはできない。(平10. 3.31広裁(法・諸)平 9-83)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090144
- 裁決年月日
- 平成10年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706100
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/10事業の用に供した事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各事業年度において、(1)A建物及びB建物は、貸付金の弁済に代えて請求人に譲渡されたものであること並びに(2)C建物及びD建物は事業の用に供していたから、これらの減価償却費の額の損金算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、(1)A建物及びB建物については、その譲渡者はいずれもこれらの建物の所有者ではなく、請求人もこれらの建物を本件各事業年度において使用していないこと並びに(2)C建物及びD建物については、いずれも賃貸物件であるところ、本件各事業年度においては入居者はなく、賃貸するために必要な維持管理も行っていなかったことから、これらの建物はいずれも事業の用に供していないので、本件減価償却費の額を本件各事業年度の損金の額に算入することはできない。(平10. 3.31東裁(法・諸)平 9-144)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090062
- 裁決年月日
- 平成10年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の死亡退職金を、退職金規則に従い、功績倍率を適用して計算した額に特別功労金の額を加算した金額としているが、特別功労金は弔慰金と同義であり、退職給与に含めて損金経理していることから、全額損金算入すべきである旨主張する。しかしながら、総会議事録、法定調書、相続税申告書、帳簿及び決算書には請求人の主張する内訳どおりに金額が区分されていなかったことから判断すれば、本件退職給与の全額を役員退職金と認めるのが相当である。また、役員退職給与適正額の計算に当たり、原処分庁が選定した類似法人3社は退職者、業種、規模及び地域の面から相当であると認められ、原処分庁はこれらの中での功績倍率の最高値を採用しており、不当な点はなく、さらに、請求人が特に高い功績倍率を適用すべき特段の事情は認められないことから、原処分は適法である。(平10. 3.24名裁(法)平 9-62)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090062
- 裁決年月日
- 平成10年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710059
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の前代表取締役Aが従前代表取締役を勤めていたB社は、請求人と実質的に同一の法人であるから、Aの役員退職給与適正額の計算に当たり業務従事期間については、両社の勤続期間を通算すべき旨主張する。しかしながら、通常当該法人の創業役員であることを功績倍率の算定に当たり考慮することはあっても、その前身となった法人における貢献度についてまで考慮の対象とすべきものでないことは、法令第72条が「・・・当該役員のその法人の業務に従事した期間・・・に照らし・・・」と規定していることからも明らかであるから、異なる人格を有する法人間の勤続年数を通算することは認められない。(平10. 3.24名裁(法)平 9-62)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090080
- 裁決年月日
- 平成10年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300799000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/17その他の損金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件固定資産売却損は、ガラス溶解用に使用する本件白金製品に損傷が生じたため、修理を目的に売却し、修理完成後に買入れを行った取引により生じたものであり、損金に算入すべきである旨主張するが、本件取引は、実態的には本件製品を修理名目若しくは軽微な修理を行う目的で預けたものを引き取ったものであり、利益調整を目的として請求人が売買取引が行われたかのように装った取引であると認められるから、固定資産売却損としての損金算入を認めなかった原処分は適法である。(平10. 3.18大裁 (法) 平 9-80)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平090020
- 裁決年月日
- 平成10年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・353ページ
要旨
○ 請求人は、A県企業振興公社とリース契約を締結し使用することとなった大型精密機械について、企業会計上ファイナンスリースは資産の取得を原則としていることから、本件大型精密機械を自己所有資産とすることにより特別償却を含めた減価償却費の損金算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件リース取引について、リース契約の内容及び取引の実態から判断すると、本件大型精密機械は請求人がA県企業振興公社から取得したものではなく通常の賃貸借取引であることが認められ、また、本件リース取引は、昭和53年7月20日付直法2−19、直所3−25国税庁長官通達「リース取引に係る法人税及び所得税の取扱いについて」に定める売買として取り扱うリース取引にも該当しないことから、法法第22条第4項に規定する「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に合致しないこととなるので、減価償却費の損金算入を認めないとした原処分は、適法である。(平10. 3.13福裁(法)平 9-20) 裁決事例集No55・353ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090054
- 裁決年月日
- 平成10年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国人Aから原材料を仕入れたとして、その仕入代金の決済を日本国内の外国人B名義の預金に振込み等により行っているが、(1)B名義の預金は請求人に帰属する仮名かつ簿外のものと認められること、(2)Aからの仕入れに係る契約書が作成されていないこと、(3)Aから仕入れた原材料の単価は、他から原材料を仕入れた単価に比べて10倍近く開きがあり不自然であることなどから、既に取得して決済を了した原材料を日本国内に移動させた際に、これを仕入れに仮装した架空仕入れであると認められる。(平10.2.27名裁(法・諸)平 9-54)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090076
- 裁決年月日
- 平成10年2月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仕入金額の計上漏れを損金の額に算入すべきである旨主張し、審査請求において、当該仕入れに係る資料を初めて提出した。そこで、当審判所が、請求人提出資料及び関係人を調査したところ、仕入金額の過少計上及び過大計上があり、これらに基づき所得金額を算出すると、平成7年12月期については申告に係る所得金額を下回ることから、原処分はその全部を取り消すのが相当である。(平10. 2.27広裁(法・諸)平 9-76)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090063
- 裁決年月日
- 平成10年2月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712990
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/10その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件経営管理料の算定の基となった役務提供の事実認定に当たり、請求人は親会社から事務管理業務及び従業員募集業務以外に対価性のある役務の提供を受けた事実は認められないことから、本件経営管理料は合理的に算定されたものとは認められず、その一部は寄付金に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は、事務管理業務及び従業員募集業務以外にも多岐にわたる役務の提供を受けている事実が認められ、また、原処分庁の事実認定において事実誤認が認められ、役務提供の対価も著しく妥当性を欠くとは認められないことから、原処分庁がした適正な経営管理料に関する争点について判断するまでもなく、本件更正処分は取り消すべきである。(平10. 2.20関裁(法・諸)平 9-63)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090062
- 裁決年月日
- 平成10年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社は事実上破産状態にあり、A社に対する貸付金の放棄時においても本件貸付金の回収は不可能であったことから、本件債権放棄額は貸倒損失とすべき旨主張する。しかしながら、貸金等が回収不能であるとして貸倒損失が認められるためには、その債務者の資産状況等からみてその全額が回収できないことが明らかになったことが必要であるところ、A社は債務超過の状態が相当期間継続している状況は認められるものの、債務超過の額は資産の額に比較して少額であり、その貸付金の弁済を受けることができないとは認められないことから、請求人の主張は採用できない。(平10. 2.19関裁(法)平 9-62)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平090002
- 裁決年月日
- 平成9年12月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸店舗として取得した土地及び同地上の建物のうち、建物の取壊しによる損失は、計画の変更によるものであり、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、建物が相当老朽化して改修工事を行わなければ貸店舗として事業の用に供することができないと知りながら、建物の改修工事を行わず、かつ、貸店舗として事業の用に供することもなく、取得してから短期間で建物を取り壊し、また、建物を取り壊す1か月前から建物の敷地を駐車場用地として関連会社に貸し付けていることから、請求人が建物を取得したのは、当初から建物を取り壊し、その敷地を駐車場用地として利用する目的であったと認められ、建物の取得費用は実質的にはその敷地の所有権取得の対価的性質を持つとみるのが相当である。したがって、本件損失は土地の取得価額に加算すべきであり、損金の額に算入することはできない。(平 9.12.25沖裁(法・諸)平 9-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090091
- 裁決年月日
- 平成9年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716063
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/3不動産取引に係る手数料等(簿外経費)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の売買に当たり、買主との間に4社の法人を介在させた仮装契約を締結の上売買金額を圧縮し、当該仮装契約に介在した法人に名義料として本件謝礼金を支払ったところ、原処分庁は、本件謝礼金は法法第22条第4項に規定する公正処理基準に反する処理により法人税を免れるための費用であるから、損金の額に算入できないとしているが、仮にそれが違法な支出であっても、損金不算入の規定がない限りは損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、法人が費用として支出した金額が各事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入されるためには、その費用の支出時期、相手方、目的、金額等のすべてが請求書、領収書、その他取引の事実を示すものによって客観的に証明されその損金性が確認できることを必要とし、たとえその支払の事実があってもその使途が明らかでないものについては、その損金性を確認することができないので、所得金額の計算上損金の額に算入することはできないものと解されるところ、本件謝礼金が本件土地取引の仮装契約に介在した法人に支払われた事実は確認することができず、また、請求人は、本件謝礼金の真実の支払先及び支出目的等を明らかにしないので、その使途が不明であるから、本件事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入することはできない。なお、請求人及び原処分庁は、本件謝礼金が公正処理基準に基づかない支出であることを前提にして、その支出の損金性を争点にしているが、本件謝礼金が本件関係法人に支払われたことが確認されたとしても、本件謝礼金は所得を秘匿するという会計処理に協力したことに対する対価として支出されたもので、公正処理基準に反する処理により法人税を免れるための費用というべきであり、このような支出を費用又は損失として所得金額の計算上損金の額に算入する会計処理もまた、公正処理基準に従ったものであるということはできないと解するのが相当であるから、本件謝礼金は所得金額の計算上損金の額に算入できない。(平 9.12.16東裁(法)平 9-91)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090025
- 裁決年月日
- 平成9年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各月の役員報酬について、コンピュータ処理の「支給明細書」と手書きの「給料支払明細書」との差額部分は、現実に支払った報酬の一部を任意で預かって社内に留保し、盆暮れに支給したものであり、また、差額部分を支給する際に賞与の支給明細書を使用したのは事務上の誤りであることから、本件差額部分についても損金の額に算入すべき旨主張する。しかしながら、請求人は各役員に対して手書きの給料支払明細書のみを手渡していることが認められ、各役員が支給明細書に記載された金額を請求人から受領し、そのうち本件差額部分を請求人に対して預けているという認識を有していたとは認められず、また、各役員に支給した盆暮支払額は、役員報酬とは別に勤務成績を考慮して支払われていることから、役員賞与に当たると認められ、本件差額部分は損金の額に算入することはできない。(平 9.12.15名裁(法・諸)平 9-25)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090019
- 裁決年月日
- 平成9年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710049
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、背広等の仕立てを業とするAに対して支払われた金員は、従業員に支給した制服代及び取引先に贈呈した背広代並びにAに対する情報提供料であり、これらは費用として損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、Aが背広等の注文、納品及び入金状況等をメモしたノート及び手帳の記載、Aの申述等並びに請求人の代表取締役が提出した申立書によれば、いずれも、Aに仕立てさせた請求人の代表取締役個人の背広等の代金に充てられたものと認められるので、原処分庁が請求人の代表取締役個人に対する役員賞与として損金の額に算入することはできないとしたことは相当である。(平 9.11.26名裁(法)平 9-19)、(平 9.11.26名裁(法)平 9-20,21)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090020
- 裁決年月日
- 平成9年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716066
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/6手数料、謝礼金等/6その他の手数料等(架空であると認定した事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人がA社に係る支出金として支払手数料勘定に計上した1,100万円のうち700万円及び前渡金勘定に計上した3,900万円のうち2,900万円は、調査担当職員がA社の事務所へ臨場した際に把握したメモの記載、A社の代表取締役の申述及び請求人の代表取締役が調査担当職員に対して提出した申立書によれば、現実に支払われていないものと認めるのが相当である。(平 9.11.26名裁(法)平 9-20)、(平 9.11.26名裁(法)平 9-21)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090021
- 裁決年月日
- 平成9年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716170
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/17雑損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元従業員に対する貸付金は、元従業員が売上金を横領したため生じた損害の返済を求めたものであり、回収不能か否かにかかわらず、雑損失として損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が元従業員に対して債務免除をした事実は認められないこと及び同人に支払能力がないとは認められないことから、原処分庁が、本件貸付金について、雑損失としての損金算入を認めなかったことは適法である。(平 9.11.26名裁(法)平 9-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090058
- 裁決年月日
- 平成9年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が資金を拠出して参加した映画投資事業組合が、当該拠出資金とA銀行からの借入金を原資として本件映画フィルム等を購入し、配給会社に賃貸した一連の取引は、本件配給契約書等の複雑な規程及び代理権授与の措置等により、配給会社に本件映画フィルム等の実質的な所有権が移転したのと変わらない状態を作り出していると認められることから、映画投資事業組合は本件配給契約等の締結時において、本件映画フィルム等を出えんすることにより、貸付金債権と出資類似の債権が複合した無名債権を取得したとみるべきであり、これらの債権はいずれも減価償却資産に該当しないことは明らかであるから、当該資産につき、減価償却をすることはできず、また、借入金利子については、借入金と同額の貸付金債権が存在することから、同額の貸付金利子を計上すべきであり、原処分は適法である。(平 9.11.10東裁(法・諸)平 9-58)、(平 9.11.10東裁(法・諸)平 9-59)、(平10. 2.27東裁(法)平 9-116)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090035
- 裁決年月日
- 平成9年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300704040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/4評価方法
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仕入価額の乱高下により棚卸資産の額が変動するから、最終仕入原価法を棚卸資産の評価の方法として採用すべきでない旨及び一時的に高騰した米価の価額を棚卸資産の最終仕入原価とすることは、公正妥当な会計処理の基準に従っていないので、一時的に高騰した価額を除外し最終仕入れに近接した価額で棚卸しの評価を行うべきである旨主張する。しかしながら、最終仕入原価法が棚卸資産の評価の方法として採用されていることには合理的な理由が認められ、また、最終仕入原価は、法人税法において「当該事業年度終了の時から最も近い時において取得したものの取得価額」と明確に規定している以上、最終仕入れに近接した価額という、非常にあいまいな価額を最終仕入原価として採用する余地はない。(平 9.10.31広裁(法・諸)平 9-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090050
- 裁決年月日
- 平成9年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702043
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の決算書において経費としての処理を行っていない本件外注費について、実際に役務提供を受けているから、法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件外注費に係る作業工程表、注文書、納品書、請求書等は存在せず、請求人の総勘定元帳にも当該取引に関する記載がなく、また、当該外注先の従業員が実際にその作業に従事した記録もなく、さらに、本件外注費に係る成果物も明らかでない以上、本件外注費に係る役務の提供があったとは認められず、本件外注費を損金の額に算入することは認められない。(平 9.10.31東裁(法・諸)平 9-50)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090018
- 裁決年月日
- 平成9年9月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/2過大報酬の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・306ページ
要旨
○ 請求人は、取締役である代表者の妻ら3名に対する役員報酬は、社員総会の決議によって定められた金額の範囲内であり、請求人が従業員に支給した給与と比較しても、不相当に高額ではないこと及び取締役の職務状況を考慮すると、本件役員賞与はその全額を損金に算入すべきである旨主張するが、(1)取締役としての具体的な職務執行の内容が不明確であること、(2)本件取締役は業務執行権を有しない非常勤の取締役であること、(3)代表者の答述によれば役員報酬額等は社員総会において支給総額を決定し、代表者及び他の役員一族で折半すること等を考慮すると、本件役員報酬額は本件取締役の職務の対価として著しく高額であると認められることから、類似法人の平均的役員報酬額を超える部分の金額は、損金の額に算入しないとしてされた原処分は適法である。(平 9. 9.29関裁(法)平 9-18) 裁決事例集No54・306ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090017
- 裁決年月日
- 平成9年9月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712071
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/7無利息貸付け等/1寄附金と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度における債務者の経済事情は将来も含めて最悪となり、回復の可能性が全くみられない状況となったので、利息はおろか、貸付金元本の回収さえ危ぶまれるに至ったから、法基通2−1−25の定めにより、本件利息相当額を益金の額に算入しないことができるものであり、本件利息相当額は寄付金の額に該当しない旨主張するが、債務者に同通達に定める各事実に該当するような事実は認められず、請求人は、本件通達の適用を受けられる状況ではなかったといわざるを得ないから、請求人の主張は採用できない。(平 9. 9.26関裁(法・諸)平 9-17)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平090003
- 裁決年月日
- 平成9年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先A及びBを通じて行った簿外仕入れについて、領収書が存在する以上、仕入れを認めるべきである旨主張する。しかしながら、取引先Aは、(1)商品の仕入先を明らかにしないこと、(2)取引条件を承知していないこと及び(3)個人的に商品を仕入れる資金力がないことが認められ、また、取引先Bは、(1)商品の仕入先を明らかにしないこと及び(2)発行した領収書に請求人から受領した手数料等の記載がないことが認められる。さらに、請求人が取引内容を記載したノートの保存及び提出がないこと及び領収書にちょう付した収入印紙が作成時に未発売であることから、原処分庁が当該仕入れを認めなかったことに違法はない。(平 9. 7. 9福裁(法・諸)平 9-3)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平090003
- 裁決年月日
- 平成9年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、魚市場の仲買人等からの仕入れについて、仕入れた日付、品目、数量、金額等を記載した仕入れメモが存在する以上、仕入れを認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、(1)仕入れメモに魚市場で確認可能な仕入先の名称、屋号等を全く記載していないこと、(2)仕入れを行った際に受領した納品書及び領収書の提出がないこと、(3)仲買人等からの仕入れのために必要な高速道路の通行料の支払事実を確認できないことから、原処分庁が仲買人等からの仕入れを架空であるとして否認したことに違法はない。(平 9. 7. 9福裁(法・諸)平 9-3)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平090003
- 裁決年月日
- 平成9年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710044
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/4経費負担に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件慰安旅行は、(1)役員・従業員の家族についても参加できるよう配慮していること及び(2)一人当たりの費用も少額であることから、請求人の代表取締役の子供に係る費用についても福利厚生費に該当する旨主張する。しかしながら、福利厚生費とは、専ら従業員等のために行う福利厚生のために通常要する費用をいうのであるから、従業員等の家族を慰安旅行に参加させなければその目的を達せられないなど特段の事情がある場合はともかく、単に家族による内助の功に報いるという趣旨のものはこれに当たらないと解するのが相当である。本件慰安旅行については、そのような特段の事情は認められないから、本件費用は役員賞与に当たるとした原処分は適法である。(平 9. 7. 2熊裁(法・諸)平 9-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080137
- 裁決年月日
- 平成9年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702011
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件仕入先からの仕入れは正当な仕入れである旨主張するが、(1)本件仕入先の請求書及び銀行振込口座の印鑑票に記載された住所、氏名及び電話番号等は該当者がないこと、(2)請求人は、仕入先の正確な所在地、連絡先を知らず、相手に会ったことがないこと、(3)正当な仕入れであることを証するものを一切提出しないことから、何ら実態のない架空の取引であると認められ、これを損金の額に算入することを認めなかった原処分は相当である。(平 9. 6.30大裁 (法・諸) 平 8-137)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080134
- 裁決年月日
- 平成9年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706079
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/7耐用年数/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物の減価償却費の計算において、本件建物の賃貸借契約の期間が10年に限定され、その満了に伴い本件建物の解体撤去が将来予定されていること等から、法定耐用年数の40年にかえて当該契約期間をもって償却の期間とすべきである旨主張するが、法人税法にあっては、各企業のし意性の介入を排除し、租税の公平負担を実現するため、耐用年数省令によって画一的基準たる法定耐用年数が定められていること及び固定資産が取り壊されたような場合には、取り壊された同資産の実際の残存価額をその取り壊した日の属する事業年度の損金の額に算入するというものであり、各事業年度において、将来の取壊しに伴う固定資産の損失をあらかじめ配分することとはされていないこと等から、耐用年数省令別表第一に基づき、本件建物の耐用年数を40年として償却限度額の計算を行った原処分は適法である。(平 9. 6.26大裁 (法・諸) 平 8-134)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080228
- 裁決年月日
- 平成9年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、休眠会社を買収して子会社とした上で、北欧事業の整理に伴い当該子会社に発生した損失金額相当額を当該子会社に送金し、海外投資特別損失として損金経理したところ、原処分庁は、請求人の役員等の間で交わされた書簡等の記載により、本来請求人の親会社の責任であるにもかかわらず請求人にあたかも親会社責任があるかのような投資貸付け等を行う仮装の状況を創出したものと認定した上、当該金額を国外関連者に対する寄附金であると認定して全額を損金不算入とする更正処分をした。これに対し、請求人は、北欧事業の再編成のために行われた当該子会社の買収等の行為はいずれも合理的な経営上の理由があり、また、当該子会社への送金は今後より大きな損失を蒙ることを回避する目的で行われたものであるので、法基通9−4−1の定めに合致する損失負担であり、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、国外関連者を買収するに当たって将来の事業計画が必要である旨の書簡の記載及び外為当局に対する懸念に関する書簡の記載から、請求人の主張する北欧事業の再編成とは、将来発生するであろうと想定される損失を法基通9−4−1の定めに合致させ、損金とするために、請求人が親会社であるという状況を仮装したものであると認められるから、請求人の主張には理由がない。(平 9. 6.26東裁(法・諸)平 8-228)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平080042
- 裁決年月日
- 平成9年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・293ページ
要旨
○ 請求人は、旧子会社が税務調査を受け新たに納付することとなった納税資金を旧子会社に融資し、同社は当該借入れにより債務超過に陥ったが、旧子会社と請求人の鶏肉販売の60パーセントを占める大口取引先であるA社との間に、債務超過の継続など不健全経営の場合における取引停止等を明記した契約書が取り交わされていることから、その営業を新たに設立した新子会社へ債務を切り離して譲渡させ、請求人に旧子会社に対する債権を放棄し、旧子会社は解散させているため、この債権放棄は、法基通9−4−1に該当し、損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、(1)当該営業譲渡は、旧子会社に負債のみを残す内容のものであること、(2)新子会社は、当該営業譲渡を前提に設立されたものであること及び(3)当該納税資金の融資は、当該営業譲渡が行われた後になされており、その回収ができなくなることは、当該融資を行った時点で明らかであることから、これら一連の行為は経済人の行為としては極めて不自然、不合理であり、両会社がいずれも請求人の支配する子会社であるためになし得たものであって、旧子会社、新子会社は一体のものというべきで、実質的に法基通9−4−1でいう経営権の譲渡等が行われたものとは認められず、また、A社から取引を停止されるおそれがあったとは認められず、当該通達に定める子会社に対する債権を放棄しなければ今後より大きな損失を蒙ることになることが社会通念上明らかであると認められる場合に該当するとは認められないから、当該通達の適用はできないと解するのが相当である。(平 9. 6. 2熊裁(法)平 8-42) 裁決事例集No53・293ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080217
- 裁決年月日
- 平成9年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300704040
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/4たな卸資産の評価/4評価方法
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が採用している「ふみ分け」と称するたな卸資産の評価方法は、請求人と同様の業種の法人では慣習的に採用されているもので意図的な評価方法ではなく機械的に算出されたものであり、たな卸資産の性格からして通期で考慮すれば売却された時点で収益が計上されることとなるので、たな卸資産の計上漏れとはならない旨主張する。しかしながら、原処分庁が主張する内容と同様のたな卸資産の申告漏れを起訴事実として、A地検が公訴を提起し、その後最高裁判所の判決がなされ、その判決においては、請求人が採用している「ふみ分け」と称するたな卸資産の評価方法について恣意的な利益調整を目的としたものと認定しており、当審判所が当該認定について原処分関係資料を調査したところによっても、当該判決が判示し認定した金額についてこの認定を揺るがすものはなく、他にこの認定を覆すに足る証拠もないから、請求人の主張を採用することはできない。(平 9. 5.30東裁(法)平 8-217)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平080039
- 裁決年月日
- 平成9年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710033
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/3報酬支払の事実
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各事業年度において、請求人の監査役であった代表者の妻Aに対して支払った役員報酬及び賞与につき、Aは請求人の定時株主総会に出席するなど、監査役としての職務を果たしており、役員報酬等は、その対価として同人に対して実際に支給されているから、各事業年度の損金の額に算入すべきものである旨主張する。しかしながら、Aに対して支給した役員報酬は、(1)Aが請求人の監査役としての職務に従事していた事実も、当該役員報酬の支給を受けていた事実も認められないこと、(2)当該役員報酬は、請求人の代表者が個人的に費消している事実が認められること等から、請求人が本来代表者に支払うべきところ、A名義で支払ったように仮装して損金の額に算入したものであり、代表者に対する役員報酬と認めるのが相当である。(平 9. 4.16熊裁(法)平 8-39)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平080028
- 裁決年月日
- 平成9年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300711013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/3支払事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、除外した工事収入の中から簿外労務費の支払がある旨主張するが、その支払の事実を認めるに足る証拠の提出がなく、当審判所の調査によってもその事実が認められないから、これを損金の額に認めなかった原処分は相当である。(平 9. 4. 7仙裁(法・諸)平 8-28)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080075
- 裁決年月日
- 平成9年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702026
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/2土地等の販売又は譲渡原価/6部分譲渡等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡した土地と残った土地とを比較した場合、利用価値に差があるから、原処分庁が採用した土地の面積を基準にした原価の額のあん分方法には合理性がない旨主張するが、双方の土地の、形状、進入口の幅の違い、擁壁の有無、地盤の強弱については、原価の額のあん分において考慮すべき程度のものとは認められないから、請求人の主張は採用できない。(平 9. 3.28広裁(法)平 8-75)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080075
- 裁決年月日
- 平成9年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716140
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/14資産の廃棄損、除却損
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、プレハブの建物2棟を、土地の譲渡の際に処分しているから、当該建物に係る除却損失を損金の額に算入すべきである旨主張するが、(1)請求人は、当該プレハブの建物2棟を建築した業者名を特定せず、また、当審判所に対し、当該プレハブの建物2棟の取得に係る領収書などの証拠書類を提出しないこと、(2)取得価額が高額であり不自然であること、(3)使用及び処分の事実が確認できないことから、請求人がプレハブの建物を建築した事実はないと認められ、したがって、除却損失を損金の額に算入する理由はない。(平 9. 3.28広裁(法)平 8-75)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平080032
- 裁決年月日
- 平成9年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710051
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/1支給事実、退職事実の有無
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 前代表取締役Aの代表取締役から取締役への分掌変更に伴う役員退職給与金の支給について、請求人は、当該事業年度中に臨時社員総会において、その支払時期、支払金額、支払方法を決議し、その決議に基づいて支払っており、法基通9−2−23に定める、退職したと同様の事情にある旨主張するが、Aは、代表取締役辞任後も引き続き取締役として勤務しており、その職務内容は従前と変わっておらず、さらには、請求人の経営に関する重要な会議等にはすべて出席していることから、同通達の(1)及び(2)には該当しない。また、1.Aの役員報酬を50%減額していた間は、同居している母親に同額の報酬を支払っており、Aは、生活費を母親から受け取っていたこと、2.Aの報酬額は、1年後に元の金額に戻していることから、Aの報酬金額を減額した理由は、退職に起因したものではなく、Aの債権者から同人の役員報酬を差し押さえられる状況を回避するためにあったとみるのが相当であり、実質的に役員報酬を減額したものとは認められず、同通達の(3)にも該当しない。したがって、当該役員退職給与金の損金算入は認められず、役員賞与と認定した原処分は相当である。(平 9. 3.19熊裁(法)平 8-32)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080047
- 裁決年月日
- 平成9年1月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300716160
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/16損害賠償金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に支払った金員は、騒音トラブルに関する損失補てん金であり、損金の額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、当該金員は、請求人が経営するゴルフ練習場の敷地に隣接する甲土地を請求人の監査役であるBが取得するに際し、A社から代替地の提供に加えてその支払を求められ、この求めに応じてB所有の乙土地の提供に加えて交換差金として支払ったものと認められ、甲土地の取得者であるBが負担すべきものであるとみるのが相当である。したがって、原処分庁が当該金員を損金の額に算入しないでした更正処分は適法である。(平 9. 1.16関裁(法・諸)平 8-47)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平080009
- 裁決年月日
- 平成8年12月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300711019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/11使用人給与/1従業員給与/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が支払うことの合理的根拠がない等として損金算入を認めなかった期末に一括計上した給与諸手当の一部(有給休暇等買上額)について、支払うべき根拠はあるから認めるべきである旨主張するとともに、当該費用に係る金額は、全社員で構成する互助会の行事の費用の支払という形で精算する旨説明するが、当該費用は、個々の従業員に対して支払うものではなく、かつ、互助会は実態のないものであるため、互助会への支払もあり得ないから、債務は成立していないので損金の額に算入することはできない。(平 8.12.16福裁(法・諸)平 8-9)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平080009
- 裁決年月日
- 平成8年12月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716029
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/2旅費、交通費/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が支払うことのない合理的な根拠がない等として損金算入を認めなかった期末に一括計上した旅費交通費の一部(旅費日当宿泊費)について、支払うべき根拠はあるから認めるべき旨主張するとともに、当該費用に係る資金は、全社員で構成する互助会の行事の費用の支払という形で精算する旨説明するが、当該費用は個々の従業員に対して支払うものではなく、かつ、互助会は実態のないものであるため、互助会への支払もあり得ないから、債務は成立していないので損金の額に算入することはできない。(平 8.12.16福裁(法・諸)平 8-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080040
- 裁決年月日
- 平成8年12月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300709020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/9資産の評価損/2有価証券
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、有価証券の評価損を計上した株式2銘柄は、請求人の代表取締役が証券会社に開設した口座を借用して、信用取引により取得したものであり、期末の時価は、取得価額の50パーセント相当額を下回るから、評価損は損金の額に算入すべき旨主張する。しかしながら、代表取締役の口座を使用して行われた株式の取引を、請求人の取引であるとする資料はなく、当審判所の調査によっても、その事実は確認されない。したがって、当該株式は、代表取締役が信用取引により取得したものを、請求人が代表取締役から時価により取得したものとみるのが相当であり、期末の時価は、請求人の取得時の時価の50パーセント相当額を下回らないから、評価損は損金の額に算入できない。(平 8.12.13関裁(法・諸)平 8-40)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080088
- 裁決年月日
- 平成8年12月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300716189
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/18その他の経費/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が申し立てた簿外の食事代について、接待の相手先及びその目的についての合理的な説明がないので、請求人の業務に関連した支出とは認められないから、損金に該当しないと認定したが、当該食事代は、請求人の従業員に対する慰労及び得意先に対する接待、供応のための支出であり、請求人の業務に関連したものと認められるので、交際費に該当すると解するのが相当である。(平 8.12.11東裁(法・諸)平 8-88)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平080015
- 裁決年月日
- 平成8年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300706012
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/6減価償却資産の償却/1減価償却資産の範囲/2営業権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No52・98ページ
要旨
○ 請求人は、パチンコ営業の許可を有するA社を、パチンコ遊技場経営の権利と併せて営業譲渡契約により譲受け、請求人が出資金の全部を保有していることから、将来の期待利益である超過収益力を得る営業権を取得したものとして、譲受価額を減価償却資産である営業権として経理し、これに係る減価償却費を損金の額に算入したことは、正当な会計処理である旨主張する。しかしながら、A社は、解散等の事実はなく、現在まで継続している法人であることから、パチンコ営業の許可は名義上も実質上もA社に帰属していることは明白であり、A社の出資金の全部を請求人が保有していることをもって、営業権を取得したことにはならず、営業譲渡契約に基づき支払った譲受けの対価は、A社の社員の持分を、パチンコ営業許可等を併せた実勢価額で評価した有価証券の取得対価であると判断するのが相当である。(平 8.12.10仙裁(法)平 8-15) 裁決事例集No52・98ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080042
- 裁決年月日
- 平成8年12月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300702060
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/6支払運賃
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件車両は代表者個人に帰属するものであるから、本件車両の使用料として計上した運賃を損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件車両は、法人成りの時点で請求人の資産として計上されながら、その後、これに係る回送収入を計上しないことを正当化するために廃棄の名目で資産勘定から除外されたものと認められるから、請求人の所有資産であり、また、当該回送収入に係る事業も請求人の事業として行われたものと認められるから、本件車両及び本件車両による回送業務が代表者個人に帰属するとの前提により支払われた運賃は、請求人の内部取引に係る対価の支払であり、これを損金の額に算入することはできない。(平 8.12.10広裁(法・諸)平 8-42)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080025
- 裁決年月日
- 平成8年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、簿外材料費等を支払っているから損金の額に算入すべきである旨主張し、簿外材料費等に係る領収証を当審判所に提出したが、これらの取引先の所在が確認できず、また、その領収証は、(1)収入印紙が領収証作成日には発行されていないものであること、(2)異議審理庁へ提出した領収証と様式が異なること、(3)出面帳にその支払内容に係る記載がないこと等から、信ぴょう性が認められず、請求人の主張は採用することができない。(平 8.11.11関裁(法・諸)平 8-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080025
- 裁決年月日
- 平成8年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/1通常のたな卸資産に係る売上原価等/3簿外原価等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、売上計上漏れの額に対応する売上原価の額を推計の方法により算定しているところ、請求人は、簿外材料費等の額を別途控除すべき旨主張する。しかしながら、これらを別途控除するとすれば、二重に控除することになるといわざるを得ないし、また、売上原価についてのみ実額を主張する場合でも、推計により請求人の所得金額を算出している以上、原処分庁が主張する売上金額がすべてであること又は簿外材料費等に対応する売上げが原処分庁が主張する売上げに含まれていること及び簿外材料費等が実際に支出され、当該事業と関連性を有することを請求人において立証すべきところ、請求人は、これらについて領収証を提出するのみで、他の証拠資料を提出せず、説明もしていないので、請求人の主張は採用することができない。(平 8.11.11関裁(法・諸)平 8-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080063
- 裁決年月日
- 平成8年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Aに対する外注費は架空外注費ではない旨主張するが、(1)請求人の代表者は所在地及び連絡先も知らないAに対し見積書も取らずに外注を依頼したという極めて不自然な取引をしていた旨申述していること、(2)本件外注費に係る請求書に記載された住所地には、Aなる人物の存在は認められないこと、(3)請求人の受注先及び仕入先の関係人の申述から、本件外注費があったとは認められないこと、(4)本件外注費が振り込まれた普通預金は、請求人の代表者らにより流用されていると認められる事実があることから、本件外注費は架空外注費であるとするのが相当である。(平 8.11. 8東裁(法)平 8-63)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080032
- 裁決年月日
- 平成8年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714010
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/1貸倒れとなる債権等の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒れとなる本件立替金は架空なものではない旨主張するが、(1)本件立替金の支払先が当該金銭を受領していない旨答述していること、(2)本件立替金に係る領収証は請求人の元従業員が作成したものであること、(3)本件立替金以外の立替金はおおむね支払先の預金口座に振り込まれていること、(4)本件立替金の支払資金の一部が請求人代表者の個人的な借入金の返済に充てられていることからすれば、本件立替金は架空の立替金と認められる。(平 8.10.31広裁(法)平 8-32)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080032
- 裁決年月日
- 平成8年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外注費は対応する売上げ等からみて架空ではない旨主張するが、(1)本件外注費の支払先が当該金銭を受領していない旨答述していること、(2)本件外注費に係る領収書は請求人の元従業員が作成したものであること、(3)本件外注費の金額を算定する合理的な計算根拠等を提出しないこと、(4)本件外注費の支払資金の一部が請求人代表者の個人的な借入金の返済に充てられていることからすれば、本件外注費は架空の外注費と認められる。(平 8.10.31広裁(法)平 8-32)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080015
- 裁決年月日
- 平成8年10月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300702041
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/2売上原価等/4外注費/1架空であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 調査担当職員が、真実の取引と認めるには至らない本件外注費について、その支払等の実態を熟知しているはずの請求人に対し、支払の事実を確認する資料の提出を求めたにもかかわらず、これを認めるに足る資料を何ら提出せず、説明もしなかったことが認められ、また、当審判所に対しても本件外注費の支払の事実を認めるに足る資料の提出がないことからすると、本件外注費は、真実の取引の記載のない領収証を利用して架空に計上されたものと認めざるを得ない。(平 8.10.18関裁(法・諸)平 8-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080013
- 裁決年月日
- 平成8年10月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712099
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/9他支出に係る認定/8その他の支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、保証協会に対し支払った金員は請求人の当期の雑損失に該当するものであるから、これを寄付金とした原処分は違法であり、取り消すべきである旨主張するが、当該金員は、請求人はもとより代表者さえ連帯保証人にもなっていない他人の債務について、主たる債務者に代わって支払ったものであり、請求人が負担すべき理由のないものであるから、当該債務の主たる債務者に対し経済的利益を供与したこととなり、法法第37条第6項に定める寄付金に該当する。(平 8.10. 1大裁 (法) 平 8-13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080013
- 裁決年月日
- 平成8年10月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710043
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/4役員賞与/3債権放棄、債務免除等に係る経済的利益の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、保証協会に対し支払った金員は請求人の当期の雑損失に該当するものであるから、これを代表者に対する役員賞与とした原処分は違法であり、取り消すべきである旨主張するが、当該金員は、請求人の代表者が個人で事業を営んでいた当時の取引先についての連帯保証債務に係るものであり、当該債務を請求人が肩代わりしたのは、代表者の債務を軽減するために行ったものと認められ、代表者に対し経済的利益を供与したこととなり、法法第35条第4項に定める役員賞与に該当する。(平 8.10. 1大裁 (法) 平 8-13)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平080002
- 裁決年月日
- 平成8年9月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710053
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/5役員退職給与/3過大退職給与の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一般的な代表取締役の役員退職給与相当額は最終報酬月額に勤務年数を乗じて、更にそれを3倍した額とされているところ、前代表者の多大な功績等からすれば、一般的な代表取締役の役員退職給与相当額の更に3倍した額までは前代表者の役員退職給与相当額であるから、本件退職金の全額が損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、(1)請求人の主張する算定方法は、前代表者の功績等を二重に加味していることになるから合理的な方法と認められないこと、(2)原処分庁が前代表者の役員退職給与相当額を前代表者の最終報酬月額、勤務年数及び類似法人における功績倍率の平均値を乗じて算定したことは、法法第36条及び法令第72条の規定に合致する合理的な方法であり、算定の基礎としている前代表者の最終報酬月額に特段の事情がなく、類似法人も合理的に選定されていることから、原処分は適法である。(平 8. 9.30札裁(法)平 8-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080013
- 裁決年月日
- 平成8年9月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300710039
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/3役員報酬/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者の長男は正式な手続に従って選任された取締役であり、その報酬は取締役会等の決議に基づき支払った正当なものである旨主張するが、(1)長男は、就任期間中、他市に居住していたこと、(2)長男が業務に従事していたと認めるべき客観的証拠がないこと、(3)長男は、請求人の経営の具体的状況等についての認識を有していなかったと認められること、(4)報酬の支給方法についても、定時に定額が支給されていたのではなく、経理担当である母がいったん保管し、生活費等の資金として送金したり、帰省時に手渡したりしていたこと、(5)報酬を支給していない時期があること、(6)(5)の理由について、経理担当は、請求人の資金繰りや、長男の他らの給与収入が多かったことによるものと申述していること、(7)代表者は、家族分を含め、請求人の株式をすべて保有し、同人の管理支配の下で、報酬の資金を自由に処分し得る状態においていたこと等の事実が認められることから、長男は、取締役として登記されていたとはいうものの、名目上の取締役にすぎず、当該役員報酬の額は、請求人から代表者に対して支払われたものと認めるのが相当であり、役員報酬の支給限度額を超える当該役員報酬の額は、損金の額に算入できない。(平 8. 9.30広裁(法)平 8-13)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080014
- 裁決年月日
- 平成8年9月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300710022
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/10役員給与/2報酬と賞与の区分/2賞与であるとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株主総会等で決議した役員報酬の年額と各月の既支給の給与の合計額との差額を決算日に役員報酬として一括計上し、当該差額を損金の額に算入しているところ、当該差額は役員賞与には該当しないので、損金の額に算入すべきである旨主張するが、法人税法上役員に支給される給与が報酬となるか賞与となるかは、その支給に係る給与が定期の給与であるか臨時的な給与であるかという支給形態ないし外形をもって判定することとされており、当該差額は、その支給形態から臨時的な給与というべきであり、あらかじめ支給額等が定められていたとしても役員賞与に該当するから、損金の額に算入することはできない。(平 8. 9.30広裁(法)平 8-14)、(平 9. 5.27仙裁(法)平 8-37)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080001
- 裁決年月日
- 平成8年7月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300716120
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/16その他の経費/12福利厚生費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、契約者を請求人、被保険者を従業員等、死亡保険金の受取人を請求人の従業員等の遺族、満期保険金の受取人を請求人とする生命保険契約に係る支払保険料は、当該保険契約の締結に当たり、(1)従業員等の事前の同意がないこと、(2)中途解約を意図したものであること、(3)福利厚生目的はなく、課税の繰延べ等を目的としたものであることから、その全額を資産に計上すべきである旨主張する。しかしながら、養老保険の保険料につい定めた法基通9−3−4の取扱いは、特段の事情がない限り相当であると認められるところ、本件においては、(1)従業員等の事前の同意がなかったと断定できないこと、(2)中途解約を意図していたと断定できないこと、(3)投資のみを目的としたものであると断定できないことから、請求人が課税の繰延べをも意図して加入したことは窺えるものの、従業員等に対する福利厚生に資するために加入したものではないと断定するには無理があり、原処分庁の主張には合理的理由が認められず、契約の効力発生に何らの問題がない以上、危険保険料部分として支払保険料の2分の1相当額を損金の額に算入することは相当である。(平 8. 7. 4広裁(法)平 8-1)、(平 8. 7. 4広裁(法)平 8-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080001
- 裁決年月日
- 平成8年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300708000
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/8リース取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が資金を拠出して参加した映画投資事業組合が、当該拠出資金と外国の銀行からの借入金を原資として映画フィルムを購入し、配給会社に賃貸した一連の取引は、配給契約等の締結によって、配給会社に映画フィルムの実質的な所有権が移っているので、組合は一種の無名債権を取得したものと認められる。当該無名債権は、貸付金債権と出資類似の債権の複合したものと認められ、組合は本件映画フィルム等の出捐により、これらの債権を取得したものとみるべきで、特に貸付金債権については、準消費貸借と取り扱われるべきであるところ、これらの債権はいずれも減価償却資産に該当しないことは明らかであるから、当該資産につき、減価償却をすることはできない。(平 8. 7. 4大裁 (法) 平 8-1)、(平 8. 7. 8東裁 (法・諸) 平 8-24)、(平 8. 8.21東裁 (法) 平 8-29)、(平 8.12.20東裁 (法) 平 8-115)、(平 9. 3. 5東裁 (法・諸) 平 8-147)、(平 9. 4.10東裁 (法) 平 8-172)
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