裁決要旨 3回収不能の判定
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令060008
- 裁決年月日
- 令和7年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が有する債権(本件債権)について、債務者(本件債務者)との間で一定期間内に本件債権の一部を返済すれば、残りの債権は放棄する旨の合意(本件合意)をしたのは、本件債務者の財務諸表に粉飾決算が疑われ、所有財産は競売されていることなどから、本件債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、本件債権の弁済を受けることができない状態が続くと考えたためであり、そうすると、本件債務者が本件合意のとおりに返済したことによる本件債権の放棄額(本件債権放棄額)は、貸倒損失として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件債務者については、本件合意の5事業年度前から毎期資産超過となっていること、また、売上高及び売上総利益は本件合意の3事業年度前と比べると大幅に増加していることに加え、請求人が主張するような、本件債務者が財務諸表を粉飾決算する特段の事情も認められず、競売等の事情も本件合意時までに解消していることなどから、本件債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、本件債権の弁済を受けることができないとは認められず、本件債権放棄額を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(令7. 3.13 仙裁(法)令6-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040002
- 裁決年月日
- 令和4年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その有する貸付金(本件貸付金)について、①貸付先の決算書によれば、貸付先は多額の債務超過であるところ、貸付先の決算書には本件貸付金に係る債務が計上されておらず、本件貸付金に係る債務の額を加えると更に悪い状態に陥るから、当該貸付先は実質的に破綻しており、今後の回収の見通しが立たないこと、②本件貸付金の返済期間は常識的には考えられないほど長期であり、全額の回収は不可能であることを理由に、貸倒損失として損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件貸付金の返済が続いていることに加え、本件貸付金を被担保債権とする抵当権が土地等に設定されていることからすると、請求人が貸倒損失を計上した事業年度において本件貸付金の全額が回収できないことが客観的に明らかになったとは認められない。したがって、本件貸付金について貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(令4. 8.24 関裁(法)令4-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020019
- 裁決年月日
- 令和3年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人(本件関連法人)に対する貸付金等(本件金銭債権)の全額を免除したことについて、本件関連法人は債務超過の状態が相当期間継続し、解散後に収益能力を喪失していたため本件金銭債権全額の弁済を受けることができないと認められるから、その債務免除額は貸倒損失として損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、本件関連法人の代表者は架空取引により多額の金員を不法に領得していたところ、請求人が本件金銭債権を回収するために本件関連法人の代表者の支払能力等の把握に努めたということはできないし、同人の支払能力等が全くなかったことなどをある程度合理的に推認させるに足りる立証もされていないため、請求人自ら又は本件関連法人をして当該代表者に対する損害賠償請求を行うなどしていれば本件金銭債権の一部を回収できる可能性があったことは否定できないから、本件金銭債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとは認められず、その債務免除額は貸倒損失として損金の額に算入されない。(令3. 3.17 関裁(法)令2-19)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令020003
- 裁決年月日
- 令和2年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人が有する貸付金債権(本件債権)について、その債務者(本件債務者)に所得がなく、多額の債務超過の状態となっており、また、本件債務者の事情から融資により弁済資金を調達することも不可能であるなど、その回収ができなくなったことは明らかであるから、本件事業年度において本件債権を貸倒損失として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、金銭債権が貸倒損失として本件事業年度の損金の額に算入されるには、その債務者の資産状況及び支払能力等からみて金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかになったことを要するところ、本件債務者は、本件事業年度において、請求人の代表者への貸付けを継続して行い、利息収入を得ていたと認められるほか、その他多数の相手先との間においても金銭のやり取りを行っていたことから、相当程度の資力があったと推認される。そうすると、このことは、当該事業年度において、その全額が回収できないことが客観的に明らかになった場合には該当せず、請求人は、本件債権を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(令2.11.30広裁(法)令2-3)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平300010
- 裁決年月日
- 令和元年5月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 請求人は、請求人の従業員であった者(本件元従業員)が請求人の仕入れた商品を窃取してインターネットオークションで販売(本件オークション販売)したことによる本件元従業員に対する損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)について、原処分に係る事業年度(本件事業年度)の当時、本件元従業員の支払能力が皆無であったから、貸倒損失として本件事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件事業年度の当時、本件元従業員は請求人から給与収入を得ており、その支払能力が皆無であったとはいえず、請求人は、本件オークション販売の発覚後、遅滞なく本件元従業員に対して損害賠償請求訴訟を提起しており、請求人側において、損害賠償請求をすることのできない事情があったとも認められないから、本件損害賠償請求権について、本件事業年度の損金の額に算入すべき貸倒損失があるとは認められない。(令元.5.16 札裁(法・諸)平30-10)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平290009
- 裁決年月日
- 平成30年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者(本件債務者)に対する貸付金(本件債権)の放棄(本件債権放棄)について、本件債務者は実態ないし時価による貸借対照表では債務超過の状態であり、その収支状況からも本件債権の回収が不可能な状態であったことから、本件債権放棄の額は貸倒損失として損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件債権放棄の額を貸倒損失として損金の額に算入するためには、本件債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかでなければならないところ、本件債権放棄の時点において、本件債務者は、請求人等からの借入金の返済の猶予が継続する限り、資金繰りがひっ迫し直ちに経営危機に陥るような状況にはなかったと認められ、請求人等が本件債務者に対して本件債権放棄をすることなく、引き続き返済を猶予するなどしながら本件債権の回収を図ったならば、将来的に本件債権の全部ないし一部を回収できる可能性がなかったとはいえず、本件債権放棄の時点において、本件債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであったとは認められないことからすると、本件債権放棄の額は貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平30. 6.22 仙裁(法)平29-9)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270016
- 裁決年月日
- 平成27年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社に振込みした金額(本件金員)の真の債務者はB社であり、B社は破綻して本件金員の回収は不能であるから、A社に対する債権(本件債権)はB社に対する貸倒損失として損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は、A社に対する振込みに当たって借用書等を作成しておらず、それが返還約束のある貸付金であったこと自体が疑わしい。また、本件債権が返還約束のある貸付金であったとしても、本件金員は請求人がA社名義の口座に振り込んだこと、A社の代表者の申述によれば本件金員はA社の事業資金として請求人に用立ててもらったものであることなどを総合すれば、本件債権の債務者はA社であるというべきである。そして、A社は事業を継続しており、法的整理手続がされた事実もないことから、本件金員の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとはいえず、本件債権を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平27.12. 9 名裁(法)平27-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270054
- 裁決年月日
- 平成27年11月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、連結親法人であり後に破産した債務者であるA社に対し書面により放棄した債権(本件債権)の全額が回収不能であることが客観的に明らかであったか否かについて、A社の子会社であり後に破産したB社の外部金融機関に対する債務をA社が債務保証していたことから、A社も当該債務を同様に負担していたとみるべきであり、本件債権は当該外部金融機関の債権に対して劣後的扱いを受けざるを得ない状況にあったこと、また、請求人の回収可能額は僅かであったことなどを総合的に考慮すると、本件債権は、本件債権の放棄(本件債権放棄)の時点において、その全額が回収不能であることが客観的に明らかであった旨主張する。しかしながら、本件債権放棄による損失の額を損金の額に算入するためには、本件債権について、回収不能の要件と債務超過状態継続の要件のいずれも満たす必要があるところ、本件債権放棄の時までにA社が当該保証債務について履行をする責任を負った事実や当該外部金融機関が本件債権放棄を要請した事実はなく、A社の本件債権放棄の前々日における資産の状況は、同社が本件債権放棄の前日に放棄をした債権の額を除いたとしてもなお1億円超の資産を有していたものと認められ、これらの資産が本件債権放棄の時までに消滅等した事実は認められず、また、本件債権放棄の時において、A社の資産の具体的な処分方針等が決まっていた事実は認められないことからその時点において、本件債権の全額が回収不能であったとは認められない。したがって、債務超過の状態の継続の有無について判断するまでもなく、本件債権放棄は回収不能とはいえない債権を放棄したものであり、本件債権放棄による損失の額は貸倒損失の額に該当せず、対価なくして経済的価値を有する債権を債権者が任意に処分したものであり、その行為について通常の経済取引として是認できる合理的な理由が存在しない限り、寄附金の額に該当し、損金の額に算入されない。(平27.11. 4 東裁(法)平27-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260128
- 裁決年月日
- 平成27年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その有する金銭債権(本件金銭債権)について、債務者である法人は既に実体がなく、連帯保証人についても所有資産を競売され、その後行方不明となっており、請求人が把握した当該事業年度における連帯保証人の収入状況や年齢をも考慮すると、本件金銭債権については、当該事業年度において、その全額が回収できないことが明らかになった旨主張する。しかしながら、事実上回収不能であることを理由として貸倒処理することは、債務者(連帯保証人を含む。)の資産状況、支払能力等からみて金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかとなり、かつその明らかとなった事業年度に損金経理した場合に限られるところ、請求人は当該事業年度に連帯保証人に対してその資産状況等の確認をとっている状態を継続させていると認められ、本件金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかになったといえる何らかの事実が当該事業年度に両者の間に生じたとは認められないこと、連帯保証人が行方不明である事実が明らかとなったということもできないこと、請求人が把握した連帯保証人の収入状況からは本件金銭債権が全く回収できないことが客観的に明らかとなるものとは認められないことなどからすれば、本件金銭債権については、当該事業年度において、その全額が回収不能であることが客観的に明らかになったとは認められない。(平27. 6.24 東裁(法・諸)平26-128)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240050
- 裁決年月日
- 平成24年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者は、不動産、預金及び有価証券は有しておらず、現金は生活費程度のみを有していたにすぎないものであり、また、前代表者の収入は、公的年金収入のみであり、年金債権が差押禁止債権であることからすれば、請求人の前代表者に対する金銭債権はその全額が回収できないことが明らかである旨主張する。しかしながら、①請求人は、前代表者が保有していた株式を現代表者等に贈与したことを容認し、金銭債権の回収の努力をしていたとは認められないこと、②請求人は、短期間での回収が見込めないことを十分に予測できたにも関わらず、前代表者に追加の貸付けを行った結果、前代表者に対する金銭債権の額が累積したものと認められる上、請求人が貸倒損失を計上した本件事業年度末は、当該追加の貸付けが行われてから僅か1年余りしか経過していないこと、③前代表者が請求人を退職した後の収入は公的年金のみであるものの、前代表者は妻と同居し、生計を一にしていると認められ、妻には請求人の関係会社からの給与収入があり、両者のこれらの合計収入は夫婦として生活する上では十分な収入があるということができることに加え、同族会社である請求人においては、家族間において協議し、前代表者に公的年金収入を原資として返済させるなどの合理的な返済計画を立てさせ、分割弁済をさせれば、長期間を要しても、当該金銭債権の一部でも回収を期待できる状態にあったものと認められることを総合勘案すれば、本件事業年度末において、前代表者に対する金銭債権の回収不能の事態が客観的に明らかであったとは認められず、当該金銭債権の全額が回収不能であったということはできない。(平24. 9.12 東裁(法)平24-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230105
- 裁決年月日
- 平成24年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証をしているから、貸倒損失の損金算入が認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、貸倒損失を損金算入した事業年度末までに、債務者である法人の資産状態、支払能力等を客観的に把握していたとはいえない上、貸倒損失の対象とした未収入金額についても回収可能と期待していたことがうかがえるのであるから、当該未収入金額は、請求人にとって、当該事業年度末までにその全額の回収不能が客観的に明らかになっていたと認めることはできず、請求人が当該未収入金額を貸倒損失として当該事業年度の損金の額に算入することはできないというべきである。(平24. 1. 6 東裁(法)平23-105)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平220011
- 裁決年月日
- 平成23年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者が構成員である民法上の組合(本件家主会)に差し入れた保証金及び請求人の代表者が理事の職にある中小企業等協同組合法に基づく協同組合に対する仮払金の本件事業年度末の残高(本件仮払金残高)は、いずれも全額が回収不能であり貸倒れとして損金に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件保証金については、本件家主会の構成員たる請求人の代表者が、請求人から役員報酬を得ていることからすれば、請求人は少なくとも本件保証金の一部分について当該代表者から返還を受けることが可能であると認められる。また、本件仮払金残高は、請求人が当該協同組合に対して平成18年7月から本件事業年度以降も引き続き協同組合に対してほぼ毎月一定額を継続して支出していることは、本件仮払金残高を回収不能と判断した営利法人たる請求人の行為としては極めて不自然かつ不合理であり、請求人は本件仮払金を回収することができると見込んでいたものと認めるのが相当である。したがって、本件保証金及び本件仮払金残高の全額が回収不能であるとはいえない。(平23. 1.24 札裁(法)平22-11)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平220003
- 裁決年月日
- 平成22年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①債務者は本件土地の売却により資産はすべてなくなったこと、②本件土地の担保の解除に応じた理由は、本件土地の鑑定評価額を上回る額を回収できるなら妥当であり、適正な会計処理ができると判断したこと、③金銭債権を長期にわたり回収努力を行ったこと、などから本件事業年度において、本件金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかであるから貸倒れが認められるべきと主張する。しかしながら、債務者は債務超過の状況にあるものの、債務者の本件事業年度において、第三者に対する貸付金が存在する事実が認められ、一般に債権者であれば、債務者の決算書等の作成・提出を求め、資産状況等を確認しながら債権の回収を行うことが常識的な行動であるところ、請求人は、債務者の決算書等を入手していないことから、本件事業年度末において、当該貸付金の存在を把握していなかったと認められ、債務者に当該貸付金が資産として存在する上、請求人においては本件金銭債権を当該貸付金から回収する努力が尽くされておらず、その債務者の資産の状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかであるとは認められず、本件金銭債権を貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平22.12.16 沖裁(法)平22-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210034
- 裁決年月日
- 平成21年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 法人税基本通達9−6−2は、法律上債権が存在するにもかかわらず、事実上回収不能であることを理由として帳簿上これを貸倒処理することができる場合を規定したものであるが、これによれば、貸倒損失として計上できるのは、金銭債権が全額回収不能な場合で、かつ、その債権の全額を貸倒損失として計上した場合に限ると解され、これを本件にあてはめると、請求人が貸倒損失と計上した金額は、本件貸付金の一部であり、その全額を貸倒損失として計上していない。したがって、請求人の計上した本件貸倒損失の額を損金の額に算入することは認められない。(平21.10. 7 東裁(法)平21-34)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200027
- 裁決年月日
- 平成20年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、当該売掛金はK社が経営不振で回収が見込めないのであるから貸倒損失として損金の額に算入すべきである旨主張するが、請求人の主張は、K社が支払を滞りだしたことによるものであり、そのことのみでは、回収不能の事態が客観的に明らかであるとはいえない。また、請求人は当該売掛金の放棄や免除をするなどしておらず、その取立てを断念していないこと、K社に対し、個別執行手続などの法的手続がなされていないこと、K社の資産状況が悪化していたとは認められないことから、本件各事業年度において、当該売掛金が回収不能の事態であったとは認められない。したがって、当該売掛金は、本件各事業年度の貸倒損失として損金の額に算入することはできず、請求人の主張は採用できない。(平20.11.18 大裁(法・諸)平20-27)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平190006
- 裁決年月日
- 平成19年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件売掛債権につき、債務者が事業閉鎖していたことから、貸倒損失として計上したものであり、この処理は正当である旨主張する。しかしながら、①請求人は、本件売掛債権につき、貸倒損失計上後も引き続き請求していること、及び②当該債務者は、その後、商号変更したものの原処分調査時においても事業活動を行っていることが認められることから、本件売掛債権につき、本件貸倒損失計上時に全額回収不能であることが客観的に明らかであったと認めることはできず、請求人の主張は採用できない。(平19.11.19 仙裁(法・諸)平19-6)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180018
- 裁決年月日
- 平成19年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、多額の負債を抱えて閉店廃業した債務者に対する求償債権(保証債務の履行に係る求償債権で一部回収後のもの。以下「本件求償残債権」という。)の全額が回収できないこととなったから、本件求償残債権の全額を貸倒損失として損金の額に算入したことは認められるべきである旨主張する。しかしながら、法人税基本通達9−6−2においては、法律上債権が存在するにもかかわらず、債務者の資産状況等経済的観点から事実上回収不能であることを理由として貸倒処理ができるのは、金銭債権の全額が回収できないことが客観的に明らかであり、かつ、金銭債権の全額の回収ができないことが明らかとなった事業年度において損金経理した場合に限られるとしており、当審判所においても、この取扱いは相当と認められる。 これを本件についてみると、本件事業年度末の債務者の資産のうちAに対する出資金は本件事業年度終了後に債務者に全額払い戻されていること、同じくAに対する貸付金は現在も貸し付けられ、債務者がその利息を徴していること、そして、Bに対する出資金については、譲渡制限があるものの譲渡は可能であることが認められることから、債務者は、債務者の資産保有状況に照らして、本件求償残債権の一部について支払能力を有しており、返済資力を喪失しているとはいえない。 また、債務者は、解散登記をしたものの、解散事業年度の確定申告及びその後の清算確定申告がないことなどから、本件事業年度末においては、債権の取立てや債務の弁済等の清算事務の執行途中にあって、債権債務関係の整理がついていない状況にあったものと認められる。 これらのことを総合的に判断すると、本件求償残債権は、本件事業年度末現在においては貸倒れ状態にあったとは認められないから、本件求償残債権の全額を貸倒損失として本件事業年度の損金の額に算入することはできない。(平19. 6. 7 仙裁(法)平18-18)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平170016
- 裁決年月日
- 平成18年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度において貸倒損失として損金の額に算入したA社及びB社の各売掛金(以下「本件金銭債権」という。)について、貸倒れが生じたと認められるから、貸倒損失として本件事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、A社及びB社は、本件調査の時点において存続し、事業活動を継続している法人であり、かつ、破産、強制執行、整理、長期の債務超過等のいずれの状況にもないことが認められる。そうすると、本件事業年度の属する日において、A社及びB社の資産状況、支払能力等の債務者側の事情からみて、本件金銭債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとは認められない。また、債権者側の事情からみて、本件事業年度において、本件金銭債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるとは認められず、この点に関する請求人の主張は採用することができない。したがって、本件金銭債権については、本件事業年度において貸倒れが生じたとは認められないから、本件事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することを認めなかった本件法人税更正処分等は適法である。(平18.3.31福裁(法・諸)平17-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170107
- 裁決年月日
- 平成18年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者側であるA社には、①所有する土地につき路線価等自体を時価として純資産額を算定すると連年債務超過であること、②事業不振で事業収入もほとんどないこと、③事業が好転する見込みがなく、保有する土地を売却した場合、A社の倒産は確実であるとの事情があり、他方、請求人側には、④株式上場のためには不良債権である本件立替金の貸倒処理が必須の条件であることとの事情があり、これらを総合判断し、本件立替金は回収不能と判断し貸倒損失処理したものであり、それは妥当である旨主張する。しかしながら、①請求人が主張する路線価等自体による評価は、時価を示している地価公示価格水準と乖離しており、路線価方式等により算定した評価額を基礎に地価公示価格水準に基づき試算し純資産額を算定すると、A社は債務超過の状態にないこと、②請求人は、債権放棄後もA社に対して倉庫の賃借料を支払っていること、③A社は債権放棄直後の事業年度において法人税を納税していること、④A社には事業の閉鎖や廃止という事情が生じていないこと、⑤A社は負債総額におおむね見合う土地を有していることから、本件事業年度において、A社は債務超過の状態にはなく、本件立替金が回収不能であったとは認められないため、本件立替金を貸倒れとして損金の額に算入することはできないから、原処分は相当である。(平18.2.8東裁(法)平17-107)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170028
- 裁決年月日
- 平成17年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失に計上した政治団体に対する貸付金は、貸付後、相当期間経過し督促するも、返済のめどが立たないこと及び各団体とも長期間にわたり活動していないので、貸倒損失として処理したことに正当性がある旨主張する。しかしながら、①政治団体が活動していること、②政治資金収支報告書に記載されている貸付金は、当該団体においてT個人の選挙活動のために費消されていることなど、同人から返済を受ける可能性がある。したがって、本件貸付金は法人税基本通達9−6−2の金銭債権の回収不能である場合には該当しない。(平17.12.7大裁(法)平17-28)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160017
- 裁決年月日
- 平成16年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する売掛金の放棄は、放棄をした時点で回収可能性のない債権について行ったものであるから、貸倒損失に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人の当該子会社対する売掛金は、特に滞ることなく、順次、請求人に支払われていたこと、②当該子会社は解散するまで事業の閉鎖や廃止をすることなく事業活動を継続していたこと、③当該子会社に対して債権放棄を行ったのは請求人のみであることから、当該子会社が解散するまでは、請求人の当該子会社に対する売掛債権は順次回収されていたことが認められ、当該子会社が解散する時点において、当該子会社に対する請求人の売掛金等が、特段、回収不能の状態にあったとは認められない。そうすると、債権放棄の時点で売掛金が回収不能であったとしても、債権放棄が債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、再起の見通しが立たず、事業を閉鎖あるいは廃止して休業するに至った場合等のように、債権が回収不能の状況にあることが客観的事実により明らかな場合において行われたということはできない。したがって、子会社に対する債権放棄は回収不能な金銭債権の貸倒れに該当するとは認められず、当該債権放棄相当額の経済的な利益を供与したこととなり、請求人の主張には理由がない。(平16.10.29関裁(法・諸)平16-17)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平160006
- 裁決年月日
- 平成16年8月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者が夜逃げ同然に転居し連絡先も不明のため、当該債権は当然に回収不能と認められるから、債権放棄による損失は、貸倒損失に該当する旨主張するが、当該債権放棄の当時の状況についてみると、請求人から当該債権を回収できないことを示す証拠資料の提出がなく、また、債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その債権が回収不能であったとも認められない。なお、債務者は自己都合により通常の転居をしていると認められるから、夜逃げ同然に転居した旨の請求人の主張には理由がない。そうすると、当該債権の放棄は、債務者に対して経済的利益の無償の供与をしたというべきであるから、債権放棄による損失の額は、寄附金の額に該当する。(平16.8.9広裁(法)平16-6)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150068
- 裁決年月日
- 平成16年6月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸倒損失について連帯保証人の退職時の事情などから法的手段を講じて貸付金の回収をすることができない旨主張するが、請求人は、連帯保証人に対して貸付金の返済を求めていたことが認められ、また、当審判所に対して、連帯保証人から回収不能であることを明らかにする資料を提出せず、同人に請求できない事情等も具体的に説明しないから、請求人の主張には理由がない。(平16.6.4広裁(法・諸)平15-68)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140013
- 裁決年月日
- 平成15年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金等について、法人税基本通達9−6−2でいうところの「全額が回収できないことが明らかになった場合」とは破産手続完了のときに限らず、請求人の独自調査によって本件貸付金等のほぼ全額が回収できないことが判明した場合も含まれるべきであると主張する。しかしながら、金銭債権については、法人税法第33条第2項の規定により評価損の計上が禁止されていることにかえりみ、法律上債権が存在するにもかかわらず、事実上回収不能であることを理由として帳簿上これを貸倒れとして処理することができるのは、金銭債権の全額が回収不能である場合でなければならず、また、企業の主観的判断によって債権の回収可能性が左右され貸倒れ処理が利益操作に用いられることのないよう、当該債権の全額が回収不能となった事実が客観的に認知し得た場合に当該回収不能額を貸倒れ処理することが、一般に公正妥当な会計処理の基準に適合するというべきであり、法人税基本通達9−6−2はこのことを定めたものと解される。そうすると、法人税基本通達9−6−2でいうところの「全額が回収できないことが明らかになった場合」とは、当該債権の全額が回収不能となった事実が客観的に認知し得た場合を指すのであるから、本件貸付金等は破産手続完了のときをもって損金の額に算入すると判断した原処分は相当である。(平15.06.10.沖裁(法)平14-13)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成15年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・450ページ
要旨
○ 請求人は、本件乙債権につき、債務者の死亡及びその相続人等の不存在が平成9年3月期に確認されたから、当該債権が法人税基本通達9−6−1の定める法律的に消滅した債権に該当し、貸倒金として同期の損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、①本件乙債権の債務者には相続人の兄弟姉妹が存在すること及び②債務者の死亡等は民法上の債権の消滅原因に該当せず、それにより当該債権が法律上消滅したことにならないことから、法人税基本通達9−6−1の定めに該当しない。また、同期において、請求人は本件乙債務の債務者が所有する宅地に根抵当権を設定したままであり、さらに、当該債権の連帯保証人は当該債権に係る履行を求められたことが全くない旨答述しているところであり、法人税基本通達9−6−2に定める貸倒れの事実が同期には発生していないと認められる。したがって、本件乙債権を平成9年3月期の貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平15.02.19.仙裁(法)平14-20)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成15年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・450ページ
要旨
○ 請求人は、本件甲債権につき、法律上の債権としては存在するものの、平成9年3月期において、法人税基本通達9−6−2に定める事実上回収不能にある債権に該当することが確認されたから、同期の貸倒金として損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、本件甲債権については、同期において、①請求人が当該債権の債務者所有の山林2筆に根抵当権を設定したままであること及び②当該債権に係る連帯債務者及び連帯保証人は、それぞれ田等を所有していることが認められ、これらの事実によれば、法人税基本通達9−6−2に定める貸倒れの事実が同期には発生していないと認められるため、本件甲債権を平成9年3月期の貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平15.02.19.仙裁(法)平14-20)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成15年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714031
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/1回収不能とした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・450ページ
要旨
○ 請求人は、本件丙債権につき、債務者が死亡し、処分できる資産がなく、相続人及び債務の承継者も存在しないことが平成10年3月期に確認されたから、本件丙債権は法人税基本通達9−6−1に定める法律的に消滅した債権に該当し、貸倒金として同期の損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、①債務者の死亡及び相続人不存在は民法上の債権の消滅原因に該当せず、それらにより当該債権が法律上消滅したことにならないこと及び②本件丙債権につき、法令の規定による決定等により、その全部又は一部が切り捨てられた事実並びに請求人が書面により債権放棄及び債務免除の事実はない。また、①請求人は、昭和62年損害賠償請求事件において、原告である請求人の主張として、本件丙債権の債務者は支払不能の状態にあり、回収の見込みがない旨述べていたこと及び②当該債権の債務者は、昭和61年5月に自己破産を裁判所に申立て、同63年11月に完結しているから、本件丙債権については遅くとも平成元年3月期に法人税基本通達9−6−2に定める貸倒れの事実が生じていたと認められるため、本件丙債権を平成10年3月期の貸倒損失として損金の額に算入することはできない。(平15.02.19.仙裁(法)平14-20)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120085
- 裁決年月日
- 平成13年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社等に対して行った債権放棄について、債務者の弁済能力がないから、貸倒損失として認められるべき旨主張するが、(1)債務者は事業を継続していること、(2)債務者は本件債権放棄時に他の債権者に借入金を返済していること、(3)債権放棄をしたのは請求人のみであり、他の債権者は放棄していないことからみて、請求人が弁済を受けることができなかった状態であったとは認められない。したがって、本件債権放棄は、法人税の所得の金額の計算上損金の額に算入することができないから、請求人の主張には理由がない。(平13.3.22大裁(法)平12−85)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120032
- 裁決年月日
- 平成13年2月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 業種
- 貸金業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 貸金業を営む請求人は、貸倒損失に係る債権は回収できないとして、当該事業年度の損金の額に算入するべきである旨主張する。しかしながら、請求人が損金の額に算入した貸倒損失に係る債権のうち、(1)その基礎となる債権の存在が認められないものがあること、(2)不渡手形についても、不渡りとなった事実のみをもって直ちに損金の額に算入できるものでないこと、(3)請求人は、貸倒損失に係る債権が回収不能であることについて何も立証しようとしないことから、請求人の主張する貸倒損失を当該事業年度の損金の額に算入することは認められない。(平13.2.19広裁(法・諸)平12−32)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平110047
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付金が事業年度末において、回収不能の状態が客観的に発生していれば貸倒損失となると解すべきであり、法人への本件貸付金については根抵当権を設定しているものの順位が後位であって担保価値がないのは明らかであり、また、個人への本件貸付金については貸付金額が10億円という巨額なものであり、個人にとっては返済不能の借入であるから、いずれも貸倒損失となる旨主張する。しかしながら、法法第33条第2項の規定により金銭債権についての評価損の計上が認められていないところから、法律上債権が存在するにもかかわらず事実上回収不能であることを理由として、貸倒損失として帳簿に計上することができるのは、債権の全額が回収不能である場合に限られると解するのが相当である。法人への本件貸付金については、A市内の土地及び建物に根抵当権を設定しており、平成4年9月期において当該担保物の処分がされていない、また、個人への本件貸付金については、当該個人が平成4年9月期において事業活動をしており、貸付金の全額が回収不能ということはできない。したがって、本件貸付金は、貸倒れとして損金経理をすることはできず、請求人の主張は採用できない。(平12. 6.29福裁(法・諸)平11-47)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110089
- 裁決年月日
- 平成12年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者であるT社の状況及び将来性などを勘案して本件債権を放棄した上で貸倒損失として処理したものである旨主張するが、T社は債務超過の状態が相当期間継続しているものの、その金額は同社の資産総額に比較して多額なものとは認められないこと、他の債権者は債権放棄をしていないこと、資産総額の約50%を占めるJ社に対する本件前渡金について、本件訴訟に係る判決前において回収不能と判断すべき理由も認められないこと、T社は本件各事業年度において借入金に係る利息を支払っていることから、請求人が本件債権を放棄した時点において、請求人がT社から本件債権の弁済を受けられないことが客観的に確認できる状態であったと認められることはできない。また、請求人は、本件債権の放棄は、請求人の財務体質の健全化及び信用の回復並びにT社に対する更なる負担の回避を目的として決断したものである旨主張するが、T社には現時点においても解散等の事実はないこと、請求人以外の他の債権者は債権放棄をしていないこと、T社の資産、負債の状態が直ちに請求人の経営危機に結び付く危険性があるとは客観的に認められないこと、その他請求人が本件債権を放棄しなければ、より大きな損失を被り、あるいは異常な状態に立ち至ることとなるような事情があったと認めるに足る証拠はないこと、おって、本件債権の放棄に当たって、T社の再建計画等は存在しないことが明らかであることから、請求人の本件債権の放棄は、T社に対する経済的な利益の供与とみるのが相当であり、寄付金に該当すると認められる。さらに、請求人は、本件債権の放棄にはT社に対する贈与的意思は全くなく、利益を与えるために放棄したものではない旨主張するが、法法第37条第6項に規定する寄付金は、金銭等の資産の無償の供与等がされた場合にその経済的な効果が贈与と同視しうるものであれば足りるのであって、必ずしも贈与の意思を有していることを必要としないと解されるところ、上記Bで判断したとおり、本件債権の放棄は、T社に対する経済的な利益の供与として寄付金に該当すると認められる。(平12. 5.30関裁(法)平11-89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110037
- 裁決年月日
- 平成11年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が100%出資の米国子会社に対して有していた債権の放棄は、法基通9−6−1の要件を満たしているので、当該放棄による損失を貸倒損失として認めるべきである旨主張するが、米国子会社は、本件債権の大部分の返済が可能な資産を有していることが認められるが、事業の廃止等をして、その資産から弁済としたとの事実は認められず、継続して不動産賃貸業を営んでいることからすると、本件債権が回収不能であることが明らかであるとは認められない。(平11.11.29東裁(法)平11-37)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平100016
- 裁決年月日
- 平成11年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先であるA社に対する売掛金(以下「本件債権」という。)の代金として受け取っていた約束手形が不渡りとなり、A社は銀行取引停止処分を受け事実上倒産したことから、本件債権を回収することができなかったので、本件債権については本件事業年度(平成9年3月期)における貸倒損失として損金の額に算入を認めるべきである旨主張する。しかしながら、①A社は、銀行取引停止処分を受けた後は経営状況が悪化していたものの、引き続き営業を継続しており、また、請求人との取引を継続していた事実が認められること、②請求人は、平成9年6月10日に開催した取締役会において、本件債権を全額不良債権として処理する旨を可決し、請求人の代表者は、請求人が当該意思決定をした後の平成9年7月に、本件債権の回収の見込等を確認するために、A社の大口債権者が集って協議した場に出席している事実が認められたこと、③さらに、請求人は、平成9年12月1日に開催した取締役会において本件債権を放棄する旨を決定し、同日、A社に対し本件債務について債権放棄することを通知している事実が認められることから、本件債権についてその回収をすることができないことが明らかになった日は、平成9年12月1日であると認めるのが相当であり、本件債権が本件事業年度においてその全額が回収することができなくなったとは認められないから、当該債権を本件事業年度の貸倒損失として損金の額に算入することはできないと判断するのが相当である。(平11. 3.11仙裁(法)平10-16)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平090011
- 裁決年月日
- 平成10年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関連会社の増資に当たり払い込んだ過大払込金について、当該関連会社が資本欠損で請求人の多額な貸付金が回収不能の状況にあったので、その債務を免除するために行ったものであるから、本件過大払込金相当額は貸倒損失として損金算入されるべきである旨主張する。しかしながら、貸倒損失として損金に算入するためには、債務者の資産状況、支払能力等から貸付金等の回収が不可能であることがその事業年度に明らかになったことを要するところ、本件関連会社は債務超過の状態が相当期間継続していることが認められるものの、(1)同社は継続して事業活動を展開しており、(2)請求人以外の債権者が貸金等の放棄をした事実もなく、(3)同社は当該事業年度及び翌事業年度において、債務の返済や新たな融資を受けている事実が認められることからして、本件増資の時期である本件事業年度において、請求人の同社に対する貸金等が同社の資産状況、支払能力等から回収が不可能であることが明らかになった場合に該当すると認定することはできない。したがって、過大払込金相当額については、書面により明らかにされた債務免除額が存するか否かを判断するまでもなく、貸倒損失として損金算入はできない。(平10. 6.25金裁(法)平 9-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090062
- 裁決年月日
- 平成10年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300714032
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/14貸倒損失/3回収不能の判定/2回収不能でないとした事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社は事実上破産状態にあり、A社に対する貸付金の放棄時においても本件貸付金の回収は不可能であったことから、本件債権放棄額は貸倒損失とすべき旨主張する。しかしながら、貸金等が回収不能であるとして貸倒損失が認められるためには、その債務者の資産状況等からみてその全額が回収できないことが明らかになったことが必要であるところ、A社は債務超過の状態が相当期間継続している状況は認められるものの、債務超過の額は資産の額に比較して少額であり、その貸付金の弁済を受けることができないとは認められないことから、請求人の主張は採用できない。(平10. 2.19関裁(法)平 9-62)
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