裁決要旨 1所得税額の控除
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令060001
- 裁決年月日
- 令和6年10月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一般財団法人のうちの非営利型法人であり、一般財団法人へ移行後も継続して公益事業を行っていることから、公益財団法人と同様に、収益事業以外の事業又はこれに属する資産から生ずる利子及び配当等(本件利子及び配当等)に所得税を課すべきではなく、本件利子及び配当等に課された所得税の額(本件所得税額)は、原処分庁がその裁量により法人税法第68条《所得税額の控除》第1項を適用し、法人税の額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、一般社団法人のうちの非営利型法人である請求人は、所得税法第11条第1項において、利子及び配当等に所得税を課さない内国法人として規定する公共法人等には該当しないことから、本件利子及び配当等には所得税が課されることとなる。さらに、法人税法第68条第1項は、内国法人が支払を受ける利子及び配当等に法人税が課された場合に、当該利子及び配当等について源泉徴収された所得税との二重課税を排除する趣旨で規定されているところ、本件利子及び配当等は、収益事業以外の事業又はこれに属する資産から生じた所得であって法人税が課されないものであるから、法人税法第68条第2項の規定が適用され、本件所得税額を法人税の額から控除することはできない。また、原処分庁は、関係法令の規定に従って所得税及び法人税を課税・徴収する義務を負っているものであって、一般財団法人のうちの非営利型法人につき、その公益性の高さに鑑みて、本件所得税額を法人税の額から控除又は還付するか否かについて裁量権を有するものではなく、ほかにその判断を原処分庁に委ねるとする法令の規定もない。(令6.10.17 熊裁(法)令6-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令030009
- 裁決年月日
- 令和4年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一般財団法人のうち非営利型法人であり、その実態が組織運営や事業活動の公益性の点で公益財団法人と同等であることからすると、公益財団法人と同様に、収益事業以外の事業又はこれに属する資産から生ずる利子及び配当等(本件利子及び配当等)に所得税を課さないことが妥当であるから、原処分庁は、裁量により法人税法第68条《所得税額の控除》第1項を適用し、本件利子及び配当等に課された所得税の額(本件所得税額)を法人税の額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件利子及び配当等は、収益事業から生じた所得以外の所得であって法人税が課されないものであるから、法人税法第68条第2項が適用され、本件所得税額を法人税の額から控除することはできない。また、原処分庁は、本件所得税額を法人税の額から控除又は還付するか否かについて裁量権を有するものではなく、ほかにその判断を原処分庁に委ねるとする法令の規定もない。 (令4. 6.23 熊裁(法)令3-9)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令010003
- 裁決年月日
- 令和2年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一般財団法人のうちの非営利型法人(公益法人等)であり、公益法人等については、法人税法第4条《納税義務者》第1項の規定により、収益事業から生ずる所得以外の所得には、法人税が課されないことから、請求人の収益事業以外の事業又はこれに属する資産から生ずる利子及び配当等(本件利子等)に課された所得税の額は、法人税の前払として原処分庁の裁量により同法第68条《所得税額の控除》第1項を適用し、法人税の額から控除されるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法第68条第1項は、内国法人が支払を受ける利子及び配当等に法人税が課された場合、当該利子及び配当等について源泉徴収される所得税との間に生ずる二重課税を排除する趣旨で規定されており、法人税が課されない利子及び配当等について所得税が源泉徴収された場合には、当該所得税の額は法人税の額から控除できない。また、原処分庁に判断を委ねたと解する規定もないことから、本件利子等について課された所得税の額は、法人税の額から控除することはできない。(令2. 3.12 熊裁(法)令元-3)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平290004
- 裁決年月日
- 平成30年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、非営利型法人に該当する一般財団法人(公益法人等)であり、公益法人等については、法人税法第4条第1項の規定を根拠に、収益事業を行う場合でなければ法人税を納める義務がないのであるから、法人税の前払の考えに基づき、請求人の収益事業以外の事業又はこれに属する資産から生ずる利子及び配当等(本件利子等)について源泉徴収された所得税の額は、法人税の額から控除されるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法第68条《所得税額の控除》第1項及び第2項等の規定に照らすと、公益法人等の各事業年度の所得に対する法人税の額から控除する所得税の額は、法人税が課される所得について源泉徴収されたものに限られると解されるため、法人税が課されない収益事業から生じた所得以外の所得について所得税が源泉徴収された場合には、当該所得税の額は法人税の額から控除することはできず、その源泉徴収により課税関係が終了すると解される。したがって、本件利子等は、収益事業から生じた所得以外の所得であって、法人税が課されないものであるから、本件利子等について源泉徴収された所得税の額は、法人税の額から控除することはできない。(平30. 3.22 熊裁(法)平29-4)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280026
- 裁決年月日
- 平成29年1月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№106
要旨
○ 請求人が所有する関連会社の株式(本件株式)に対する配当(本件配当)について、本件配当の計算の基礎となった期間(配当計算期間)の月数のうちに請求人がその元本を所有していた期間(元本所有期間)の月数の占める割合(所有期間割合)の算定に当たり、原処分庁は、配当計算期間の月数は、平成25年6月1日から平成26年5月31日までの12か月であり、請求人の元本所有期間の月数は、本件株式を取得した日である同年3月18日から同年5月31日までの3か月であるから、法人税法施行令(平成25年政令第166号による改正前のもの)第140条の2《法人税額から控除する所得税額の計算》第2項の規定により所有期間割合(3か月/12か月)は0.250となる旨主張する一方、請求人は、配当計算期間の月数は、平成26年6月1日から当該関連会社の臨時株主総会における配当決議の日である同年9月18日までの4か月であり、請求人の元本所有期間の月数は、同年6月1日から同年9月18日までの4か月であるから、同項の規定により所有期間割合(4か月/4か月)は1.000となる旨主張する。しかしながら、本件配当は、同項に規定する判定対象配当等がその1年前の日以前に設立された法人からその設立の日以後最初に支払われる剰余金配当等である場合に該当すると認められるから、配当計算期間の初日は、本件配当の支払に係る基準日である平成26年9月18日の1年前の日の翌日である平成25年9月19日となり、配当計算期間の月数は、同日から本件配当の基準日である平成26年9月18日までの12か月となる。そして、請求人の元本所有期間の月数は、本件株式を取得した日である同年3月18日から同年9月18日までの7か月と認められるから、同項の規定により所有期間割合(7か月/12か月)は0.584となる。したがって、これを前提に法人税額から控除される所得税等の額を計算すると、原処分の一部を取り消すべきである。(平29. 1.26 関裁(法)平28-26)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平240010
- 裁決年月日
- 平成25年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法(平成23年法律第82号による改正前のもの)第68条《所得税額の控除》第1項の規定により法人税の額から控除される配当に係る所得税の額(本件所得税額)について還付を求める更正の請求は認められるべきである旨主張する。しかしながら、法人税法第68条第1項の規定の適用は、同条第3項の規定により、確定申告書に控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載がある場合に限り認められるところ、本件所得税額については、確定申告書(本件確定申告書)の別表一(一)、別表四及び別表六(一)のいずれにも記載されていないことから、同条第1項の規定を適用するための要件を満たしているとは認められない。また、請求人が本件確定申告書に控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細を記載しなかったのは、請求人の税法の不知によるものであり、法人税法第68条第4項に規定する「やむを得ない事情」がある場合にも該当しないから、本件所得税額について同条第1項に規定する所得税額の控除の適用を受けることはできない。(平25. 3.12 札裁(法)平24-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240034
- 裁決年月日
- 平成24年8月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、法人税法第68条《所得税額の控除》第1項の適用については、確定申告書の提出時点において、正当に徴収されるべき所得税の額の基礎となるみなし配当額を算出するために必要な減少剰余金等割合を把握すべき立場になく、請求人が知り得るべき情報のみをもってしては、正当に徴収されるべき所得税の額を算定することは困難であるから、これらの事情を考慮すれば同項に規定する「課される所得税額」は請求人が受けた支払調書に記載された額とすべきである旨主張する。しかしながら、当該子会社の利益剰余金及び資本剰余金のそれぞれを原資とする剰余金の配当は、その全額が法人税法第24条《配当等の額とみなす金額》第1項第3号に規定する資本の払戻しによるものに該当することから、請求人が当該子会社から支払を受けた配当金の全額を基に算出されたみなし配当の額に課される源泉徴収に係る所得税の額が正当に課される所得税の額となり、この計算に何ら違法な点はない。(平24. 8.15 東裁(法)平24-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220162ほか 4件
- 裁決年月日
- 平成23年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件配当金について、本件事業年度終了の日までに支払を受けていないとしても、本件事業年度の確定した決算において収益に計上しているのであるから、旧法人税基本通達16-2-2《未収利子又は未収配当等に対する所得税の控除》(本件通達)を適用して、本件配当金につき課されるべき所得税の額を本件事業年度の法人税の額から控除することが認められる旨主張する。しかしながら、法人税の額からの所得税額控除について、本件通達が適用される配当等は、①利子については、未収利子のうち通常であれば事業年度内に支払を受けるべき利子に限定していると解されること、また、②所得税額控除が国に納付されることが確実な所得税の額を法人税の額から控除又は還付することにより二重課税の排除が行われる制度であると解されることからすれば、配当等についても、無制限にこの取扱いを認めるものではなく、配当の支払が決議されて以降その支払のために通常要する期間内に支払を受けることが見込まれるもので、その収益計上時期と支払見込時期との間に収益計上時期の属する事業年度の末日が到来するために、同一の事業年度において二重課税が排除されないこととなるようなものに限定されると解するのが相当であるところ、認定事実によれば、本件配当金は本件配当決議の時からその支払のために通常要する期間内に支払を受けることが見込まれたものとは認められないのであるから、本件配当金につき課されるべき所得税の額は、請求人が本件事業年度において本件配当金を益金算入したとしても、本件通達に基づき、法人税の額から控除又は還付することはできない。(平23. 3. 2 東裁(法)平22-162)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220163
- 裁決年月日
- 平成23年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が株式を所有する法人が行った無配とする決議は、零円の配当金を支払う旨の決議であるから、当該無配決議に係る基準日は、法人税法施行令第140条の2《法人税額から控除する所得税額の計算》第2項に規定する「本件配当金の直前に本件配当金を支払う法人から受けた配当の支払に係る基準日」に当たる旨主張する。しかしながら、同法に規定する基準日は、文理上、実際に支払を受けた配当決議に係る基準日をいうものと解されるから、当該無配決議に係る基準日は、直前の配当の支払に係る基準日には当たらないと解すのが相当である。したがって、法人税の額から控除する所得税の額の計算における本件配当金の計算の基礎となった期間は、本件配当決議に係る配当の基準日の1年前の翌日である平成18年4月1日から平成19年3月31日までの12月となる。(平23. 3. 2 東裁(法)平22-163)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220050
- 裁決年月日
- 平成23年1月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税の確定申告の際に、子会社からの剰余金の配当に係る源泉所得税について法人税法第68条《所得税額の控除》に規定する所得税額控除の適用を受けることを選択する意思を有しており、確定申告書に添付した決算報告書等によってその意思を表示したものであり、また、仮に確定申告書にその意思の表示があると認められないとしても、確定申告書にその記載がないことについては、税理士による代理送信が可能となった新たな制度下における電子申告手続によるものであり、同条第4項に規定する「やむを得ない事情」がある旨主張する。しかしながら、法人税法第68条第3項は、同条第1項の適用要件として、確定申告書に控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細を記載するという手続要件を定めており、法人税法施行規則第34条《確定申告書の記載事項》第2項に規定する確定申告書の書式の別表一(一)、同別表四及び同別表六(一)所定の記載欄に記載するという方法によるべきものであるところ、請求人の提出した確定申告書の上記各記載欄に本件源泉所得税について所得税額控除の適用を受けるために必要な記載は全くないから、所得税額控除の適用を受けることを選択する意思の表示はなく、決算報告書等の記載及び提出をもって確定申告書において所得税額控除の適用を受けることの意思の表示をしたと認めることはできない。さらに、法人税法第68条第4項に定めるやむを得ない事情とは、納税者の責めに帰すことのできない客観的事情をいうと解されるところ、確定申告書にその記載がされなかった理由は、請求人及び請求人の依頼した税理士の思い違いないし意思疎通の不十分さによるものであって、電子申告制度とは無関係であることから、納税者の責めに帰すことのできない客観的事情があるとはいえず、やむを得ない事情も認められない。(平23. 1.14 大裁(法)平22-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210047
- 裁決年月日
- 平成21年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人(法人税法第141条第4号に掲げる外国法人)は、親会社(内国法人)から受領した人的役務の提供の対価に係る過年度分の源泉所得税については、親会社に対して納税告知処分がされた日を含む本件事業年度において所得税額控除(法人税法第68条第1項)を認めるべきである旨主張する。しかしながら、①法人税法第68条第1項の規定により所得税の額を控除することのできる事業年度は、当該役務提供に係る対価の支払を受けた各事業年度であり、また、②本件は、親会社において本件業務の対価に係る源泉徴収税額が徴収されていなかった場合であるが、請求人において、本件業務の対価の支払を受ける金額から控除され又は親会社の請求に基づいて支払った等の事実はなく、所得税の控除時期に係る法人税基本通達16−2−3の適用要件を満たさないから、過年度分の源泉所得税を本件事業年度において所得税額控除の対象とすることはできない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平21.10.27 東裁(法)平21-47)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200168
- 裁決年月日
- 平成21年4月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が計上した研究開発費は、関連法人A社から支払いを受ける金額であることから法人税の特別控除の対象となる試験研究費ではない旨主張する。しかしながら、請求人の研究開発の内容は、いずれも、顧客の要求に対応するための試作品の開発若しくは既存製品の若干の仕様変更、試薬分析等の技術支援等に係るものであり、請求人自身の研究開発と認められるから、請求人の研究開発費は、その全額が、試験研究費がある場合の法人税額の特別控除の対象となる試験研究費に該当する。(平21. 4.22 東裁(法)平20-168)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170050
- 裁決年月日
- 平成18年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202012
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/2ゆうじょ規定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・448ページ
要旨
○ 審査請求人(「請求人」という。)は、法人税法第68条第1項の規定により法人税の額から控除を受けるべき所得税の額を確定申告書に記載しなかったことについて、確定申告書に添付する別表六(一)の様式の表記に惑わされ、控除を受けるべき所得税額を記載する箇所を見出せなかったためであり、このことは「やむを得ない事情」に当たる旨主張する。 しかしながら、「やむを得ない事情」とは、当該申告がされなかったことが、客観的にみて当該法人の責めに帰すべき事情に基づくものではなく、税額控除を認めないとすれば法人にとって酷又は不当と認められる場合をいうと解するのが相当である。 本件についてみるに、別表六(一)の記載要領は、法人税法施行規則(別表六(一))の記載要領に明示されているのであるから、請求人が、法人税の額から控除を受けるべき所得税について、同別表に記載する箇所を見出せなかったため、確定申告書及びそれに添付した別表六(一)に記載をしなかったとしても、それは、請求人の法の不知又は誤解に基づくものであって、請求人の責めに帰すべき事情に基づくものではないとはいえず、「やむを得ない事情」には当たらない。(平18. 4. 6 関裁(法)平17-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150289
- 裁決年月日
- 平成16年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が代表者個人名でA社等との間の講師派遣契約を締結したのは、A社等の都合によるものであり、請求人は、当該契約が請求人とA社等との間の契約であると認識し、当該契約に基づいて収受した講師料をすべて請求人の収益の額にして計上しているのであるから、当該講師料の支払に際し徴収された源泉所得税は、法人税法第68条第1項の規定に従い、請求人の本件各事業年度の所得に対する法人税の額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件の所得税は、所得税法第183条又は所得税法第202条の規定に基づき徴収されたものであり、法人税法第68条第1項において法人税の額から控除する所得税の額として規定している所得税法第174条各号の所得について課された所得税の額には該当しないことから、請求人の主張は採用できない。(平16.5.13東裁(法)平15-289)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150005
- 裁決年月日
- 平成15年11月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法第68条第3項に規定する「控除をされる金額」とは、税額計算誤り等を是正した後の正当に算出された金額を限度額というものと解すべきである旨及び同条第4項は、ゆうじょ規定であるところ、同条第3項の解釈において、一旦確定申告書に記載した以上、絶対に動かせないものであると厳格に解釈した場合、同条第4項は、不用若しくは無意味なものになり、記載を失念していた者との間に不公平が生じる旨主張する。しかしながら、法人税法第68条第3項は、同条第1項の規定を適用するための必要条件であり、ここにいう「控除をされる金額」とは、確定申告書に記載された金額をいうものであるから「記載された金額を限度とする。」とは、所得税の控除額が申告後に増加することが明らかになったとしても、その申告書記載額を超えて控除することができない旨規定したものである。また、法人税法第68条第4項の趣旨は、税務署長が納税者の責めに帰し得ないという真にやむを得ない事情があると判断した場合に限って適用することができ、少なくとも法人に所得税額の控除を受ける意思があり、それが確定申告書又はそれに添付された明細書等において明らかである場合に限られると解するのが相当であるから、不用若しくは無意味なものではなく、記載を失念していた者との間に不公平が生じることにはならない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.11.20熊裁(法)平15-5)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150005
- 裁決年月日
- 平成15年11月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法第68条の規定の適用に当たり、税法の解釈誤りや集計誤りによる所得税額の控除誤りは、国税通則法第23条第1項第一号の更正の請求の理由に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は、確定申告書に所得税額控除を受けるべき金額を記載し、当該金額を所得金額に加算しており、また、これ以外の所得税額の金額については、租税公課として損金の額に算入していることが認められ、所得税額控除に関する法律の規定に基づき適正に行っている。また、確定申告書に記載することを適用条件とされているものについて、法人税額から控除される所得税額の一部を記載しなかったものであるから、請求人は、その一部について損金に算入するが税額控除の適用を受けない方法を選択したと解するほかなく、結果的に請求人の意にそわないものであったとしても、国税通則法第23条第1項第1号の「当該申告書の提出により納付すべき税額が過大であるとき」には該当しない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.11.20熊裁(法)平15-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140258
- 裁決年月日
- 平成15年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202012
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/2ゆうじょ規定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法第68条第1項の規定により控除することができる所得税の額を、貸借対照表に預け源泉税として資産に計上しており、控除を受ける意思をもっていながら、確定申告書においてその計算を忘れたのであるから、このような場合には、当該所得税の額の控除を求める更正の請求をすることができる旨主張する。しかしながら、請求人の提出した確定申告書には、法人税法第68条第3項に規定する「控除を受けるべき所得税の額及びその計算に関する明細の記載」がなく、同条第4項に規定する「やむを得ない事情」も認められないのであるから同条第1項の規定を適用することはできない。したがって、当該所得税の額を法人税の額から控除しなかったことは、国税通則法第23条第1項の「国税に関する法律の規定に従っていなかったこと」及び「当該計算に誤りがあったこと」のいずれに基づくものでもないから、当該所得税の額の控除を求める更正の請求をすることはできない。(平15.06.04.東裁(法)平14-258)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110116
- 裁決年月日
- 平成12年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202012
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/2ゆうじょ規定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法法第68条第1項の規定により、確定申告書に記載することを要件として法人税の額から控除できる源泉所得税について、その一部(本件所得税額)を確定申告書に記載しなかったが、そのことは本件所得税額の処理に誤認、錯誤があったためであり、また、源泉所得税は法人税の前払としての性格を有するものであるから、これらを総合的に判断すれば、同条第4項に規定するやむを得ない事情に該当することになり、本件所得税額の控除を認めるべきである旨主張する。しかしながら、同条第4項に規定するやむを得ない事情とは、税務署長が記載がなかったことについて、法律に規定されている要件を充足する事実があるかどうかを法律の予定するところに従って判断するものであるから、同条第3項において確定申告書への記載を要件としていることからすると、少なくとも法人に同条第1項の規定を選択する意思があり、それが確定申告書上明らかである場合に限られると解するのが相当である。したがって、認定事実からすると、請求人は、本件所得税額を確定申告書に記載しなかったことについて、同条第4項のやむを得ない事情は認められず、本件所得税額について、同条第1項の所得税額の控除を適用しないで、租税公課として損金の額に算入することを選択したものと解されるから、請求人の主張には理由がない。(平12. 3.27東裁(法)平11-116)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090062
- 裁決年月日
- 平成9年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 301202011
- 争点
- 12税額の計算/2税額控除/1所得税額の控除/1所得税額の控除
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、保険の募集業務を個人であるA名義で登録し、実質的には請求人が募集を行って手数料収入を益金として計上していることから、本件手数料について源泉徴収された所得税は、実質として請求人に課税されたものであり、法法第68条第1項を適用して税額控除をすべきである旨主張する。しかしながら、本件募集委託契約をA名義で締結しているのは、請求人が他の生命保険会社の募集をしていることから請求人名義で締結できなかったからであり、実質的には請求人が本件募集を行っていると認められるものの、本件手数料は所法第174条各号に規定する利子及び配当等に該当しないから、法法第68条第1項の規定を適用することはできない。(平 9.12.16広裁(法)平 9-62)
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