裁決要旨 7繰延資産の償却
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060069
- 裁決年月日
- 令和6年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者(本件代表者)との間で交わした契約に基づき、本件代表者から提供を受けた各種情報等(本件各情報)に係る対価は、法人税法上、研究開発費(本件研究開発費)として繰延資産に該当し、その償却費は損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によっても本件各情報の内容を客観的に確認できず、請求人が本件代表者から本件各情報の提供を受けたとは認められないことから、本件研究開発費は、法人税法上繰延資産に該当せず、その償却費を損金の額に算入することはできない。(令6.11.18 東裁(法・諸)令6-69)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令050020
- 裁決年月日
- 令和6年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/3自己が便益を受ける公共的施設の費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、新工場建設に係る開発行為に伴い新設する道路(本件新設道路)のために支出した整備費用(本件道路工事代金)は、請求人が本件新設道路を専属的に利用しておらず、その他特別の利益も及んでいないことからすると、法人税法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第37条《寄附金の損金不算入》第3項第1号に規定する寄附金に該当し、同法第2条《定義》第24号に規定する繰延資産には該当しない旨主張する。しかしながら、本件道路工事代金は、①地方公共団体が管理する里道に対する改良費用及び②自己が所有する土地に対する整備費用から構成され、請求人が新工場建設に係る開発許可を受けるためには、道路工事の実施が不可欠であり、新工場が1年以上の稼働を見込んで建設されたものと認められることを踏まえると、本件道路工事代金の支出は、請求人に便益をもたらすもので対価性があるから寄附金には該当せず、自己が便益を受ける公共的施設の設置又は改良のために支出する費用に該当し、その支出の効果は、その支出の日以後1年以上に及ぶものと認められるから、繰延資産に該当する。(令6. 6.19 熊裁(法)令5-20)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令040009
- 裁決年月日
- 令和5年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、機械装置の特許を第三者から取得したとする法人(本件法人)との間で作成した、当該特許に関連する技術的ノウハウ(ノウハウ)の使用許諾等に関する契約書(本件契約書)に基づく対価(本件対価)について、法人税法上の繰延資産に該当し、その償却費を損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件契約書に記載されたノウハウに関連するとしている特許又はその実施権を本件法人が取得した事実は認められず、請求人がノウハウの使用許諾等を受けたことの根拠として主張する事実はいずれもその存在が認められないことから、請求人は、本件法人からノウハウの使用許諾等を受けていなかったものと認められる。したがって、本件対価は、繰延資産に該当せず、その償却費を損金の額に算入することはできない。(令5. 5.23 札裁(法・諸)令4-9)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令020008
- 裁決年月日
- 令和3年4月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、LBOを目的とする資金の借入れを行うためのアレンジメント業務を依頼した金融機関に対し支出したアレンジメント・フィー(本件アレンジメント・フィー)について、当該支出により調達した資金によりLBOが実行され、成長投資が実行されることで、請求人の収益が増加することが計画されていたのであるから、本件アレンジメント・フィーは、支出の日以後1年以上に及ぶ継続的な収益を発生させる性質を有しており、法人税法第2条《定義》第24号(繰延資産)に規定する「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」に該当する旨主張する。しかしながら、ここでいう「支出の効果」とは、費用収益対応の原則における「収益の発生」を意味すると解されているところ、本件アレンジメント・フィーの支出の根拠となるものは覚書(本件覚書)以外には存在せず、その内容の解釈に当たっては、処分証書である本件覚書に即して客観的に判断されるべきものであり、本件覚書によると、本件アレンジメント業務は、金融機関との金銭消費貸借契約が締結された日をもって完了したと認められる。そうすると、本件アレンジメント・フィーの支出は、当該金銭消費貸借契約等の調印・交付という成果はもたらしたものの、「収益の発生」をもたらしたとまでは認めることができないから、本件アレンジメント・フィーは、「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」には該当しない。(令3. 4.27 福裁(法)令2-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010009
- 裁決年月日
- 令和元年8月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/3自己が便益を受ける公共的施設の費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、市に譲渡する土地を公衆用道路とするために負担した整備費用は、法人税法施行令第14条《繰延資産の範囲》第1項第6号イに規定する「自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用」であり、繰延資産に該当する旨主張する。しかしながら、同項柱書の括弧書は、「資産の取得に要した金額とされるべき費用」を繰延資産の範囲から除く旨を規定しているところ、上記道路整備費用は、請求人が市に譲渡した道路附属設備等の設置に要した費用であり、同施行令第54条《減価償却資産の取得価額》第1項第2号イの「当該資産の建設等のために要した原材料費、労務費及び経費の額」に該当し、当該道路附属設備等の取得価額に当たるから、繰延資産には該当しない。(令元. 8. 8 大裁(法・諸)令元-9)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令010002
- 裁決年月日
- 令和元年7月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、住宅建築に係るフランチャイズ契約に関連して当該契約の期間中に支出した費用等について、開発費に該当する旨主張する。しかしながら、法人が支出する費用が開発費に該当するためには、①その支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶこと、②資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用ではないこと、③新たな技術若しくは新たな経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓又は新たな事業の開始(ただし、法人税法施行令第14条《繰延資産の範囲》第1項第5号(平成18年政令第125号による改正前のもの。)に規定されたもの。)のために特別に支出する費用であること、の各要件を満たすことが必要となるところ、いずれの支出についても、上記③の特定の目的のために特別に支出した費用に当たる事実を認めることはできないから、その他の開発費該当要件の充足性を判断するまでもなく、これらの費用等は開発費に該当しない。(令元. 7.29 広裁(法)令元-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令010002
- 裁決年月日
- 令和元年7月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/2償却期間
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、住宅建築に係るフランチャイズ契約に関連して当該契約の期間中に支出した費用等について、開発費に該当するから、その償却費を当該費用等を支出した日の属する事業年度以降の任意の事業年度の損金の額に算入することができる旨主張する。しかしながら、法人税法第32条《繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法》第1項及び法人税法施行令第64条《繰延資産の償却限度額》第1項第1号の各規定のとおり、その事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する金額は、その事業年度においてその償却費として損金経理した金額のうち、開発費の額に達するまでの金額となるところ、当該費用は開発費に該当しないから、上記各規定の適用はない。したがって、当該費用等は、当該事業年度の損金の額に算入することはできない。(令元. 7.29 広裁(法)令元-2)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平300002
- 裁決年月日
- 平成30年10月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707019
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№113
要旨
○ 請求人は、製品の共同開発契約(本件契約)に基づき一方の契約当事者(本件当事者)に支払った負担金(本件負担金)について、本件契約の製品に係る大臣の承認(本承認)を得るために本件当事者から開示された資料等は、共同開発の成果であって請求人が自己開発したものと同様であること、また、本件負担金の支出には、本承認が得られないリスクがありその支出の効果がその後に及ぶものといえないことなどから、本件負担金は繰延資産に該当しない旨主張する。しかしながら、本件負担金の対象となる各業務は、本件当事者が担当する業務であり、ほとんどが本件契約の締結日までに完了していたことに加え、請求人は本承認の申請に必要なデータを本件当事者から取得し、本件契約の締結日から短期間で本承認の申請をしていたことなどから、請求人が当該共同開発の主体であったとみることはできず、本件負担金は、本件当事者が開発の過程で得た成果の提供という役務の提供を受けるために支出する費用であると認められる。そして、当該製品は現に製造販売されていることに加え、本承認の取得後5年ごとに大臣の調査を受けなければならないことなどからすると、本承認を取得した効果は少なくとも5年は継続するということができる。したがって、本件負担金は、役務の提供を受けるために支出する費用で、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものと認められるから、繰延資産に該当する。なお、平成27年3月期に繰延資産の償却超過額の損金不算入額が増加したことに伴い、平成28年3月期に繰延資産の償却超過額の前期からの繰越額のうち当期損金算入額が増加したことから、平成28年3月期に一部取消しが発生したものである。(平30.10.10 金裁(法)平30-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290063
- 裁決年月日
- 平成30年6月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707020
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/2償却期間
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№111
要旨
○ 請求人は、太陽光発電設備を電力会社の電力系統に接続する系統連系のための工事負担金(本件負担金)について、当該発電設備の施工会社に支払うことに合意し、その全額を支払い、後に精算された事実もないのであるから、本件負担金はその支出した事業年度(本件事業年度)において繰延資産に該当する旨主張する。しかしながら、本件負担金が本件事業年度における繰延資産に該当するためには、本件事業年度に計上すべき費用に該当する必要があるが、本件負担金は、電力会社が当該発電設備について行う系統連系のための工事の対価としての性質を有するものであると認められるところ、当該発電設備に係る系統連系のための工事が完了したのは本件事業年度の末日よりも後であるから、請求人は、本件事業年度内に本件負担金に対応する役務の提供を受けておらず、本件負担金は本件事業年度に計上すべき費用に該当しない。したがって、本件負担金は本件事業年度における繰延資産に該当しない。(平30. 6.19 関裁(法)平29-63)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220076
- 裁決年月日
- 平成23年5月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人の海外販売会社に対する当該損失負担金は、請求人ブランドの商流維持のための支払であるところ、請求人にとっては自己が便益を受けるための支出であり、その支出の効果が将来に及ぶものであることから繰延資産に該当する旨主張する。しかしながら、当該損失負担金は、請求人側の要因により海外販売会社に生じた債務超過を解消するための費用で、あらかじめ結ばれていた約定等に基づくものと認められるから、支出の効果が1年以上に及ぶとは認められず、繰延資産には当たらない。(平23. 5.10 大裁(法)平22-76)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210012
- 裁決年月日
- 平成22年2月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/3自己が便益を受ける公共的施設の費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、側溝工事は、A店の開店に伴い、当該店舗東面の既存の側溝を改良し、耐加重25トン以上の横断側溝にするために実施した工事で、その耐久性が増加し価値が増加していると認められるので、側溝工事費は、資本的支出に該当する旨主張し、請求人は、A店東面の側溝は、国の所有物であり請求人の資産ではないが、側溝工事の内容は、側溝破損による事故の防止のための保守的工事であり、修繕費に見合う工事であること、また、側溝工事に含まれる工作物設置工事は、請求人所有の駐車場内の工作物の設置工事であるが、事故防止のための保守的工事であることから、資本的支出に当たらず、本件事業年度の損金の額に算入される旨主張する。しかしながら、側溝工事のうち側溝改修工事は、A店の駐車場へ顧客が車両を乗り入れる際に側溝を横断しなければならないため実施した工事であり、請求人の必要に基づいて工作物を改良した工事であること、また、側溝改修工事により、A店が存続する間は、顧客が側溝を横断し来店できることになることが認められ、そうすると、側溝改修工事費は、自己が便益を受ける公共的施設の改良のために支出する費用ということになり、その費用の支出の効果は、1年以上に及ぶものと認められるから、繰延資産に該当することになり、原処分庁及び請求人の主張には理由がないことになる。また、側溝工事のうち工作物設置工事費は、独立した3種類の減価償却資産を取得した金額であり、また、それぞれの減価償却資産の取得価額が10万円未満であることからすると、少額の減価償却資産に該当し、その全額が本件事業年度の損金の額に算入されることになる。(平22. 2. 8 福裁(法)平21-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210091
- 裁決年月日
- 平成22年1月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が自社ビル(以下「本件建物」という。)の建築に際して請求人がP市に支出した開発協力金(以下「本件開発協力金」という。)は繰延資産に該当するとして行った課税処分等について、本件開発協力金は請求人との便益関係が迂遠であり繰延資産には該当せず、地方公共団体に対する寄附金に該当するから全額損金に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件開発協力金は、本件建物の建築行為に起因して付置住宅又は隔地住宅の建設に代えて納付されたことが認められるところ、①請求人は、本件開発協力金の納付によって本件建物の建築の許可を得るという特別の利益を受けたと認められることに加えて、②住宅付置要綱によれば、P市長は、同要綱に違反した者を公表することができること、③協力金要綱によれば、開発協力金の算定方法は一律に定められていること、④請求人は、P市から納入通知書の送付を受け本件開発協力金を納付していること、⑤協力金要綱の施行について定めたP市開発協力金制度実施要領によれば、開発協力金を分割で拠出する場合には一定の利子を付すことができることなどを併せ考えると、本件開発協力金は、本件建物の建築許可を受けるための条件としてあらかじめ定められた規定に基づき計算、請求された金額を支払わざるを得なかったものであるから、寄附金には該当しないとみるのが相当である。そして、本件開発協力金のように、P市民及びP市内在勤者向けの住宅の建設等のために要する費用等に充てられ、将来にわたってP市民及び請求人を含むP市内の企業の便益に寄与するものとして支出される費用については、繰延資産に当たると認められるから、同様の支出を定めている法人税基本通達7−3−11の2(3)の負担金等として更正した原処分は相当である。(平22. 1. 8 東裁(法)平21-91)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190021
- 裁決年月日
- 平成20年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①ある支出が繰延資産に該当するかどうかは、「新たな便益」又は「より大きな便益」を生じさせるかどうかを基準にしており、法人税法施行令第14条第1項第9号ホにいう「便益」は「新たな便益」に限定的に解釈すべきであるところ、②本件しゅんせつ工事は、港湾として機能していた本件水域が「き損」したのを修復したもので、固定資産の「取得」又は「改良」に当たらず、本件しゅんせつ工事により可能となった安全な航行等の便益は、従来から継続して受けていたもので「新たな便益」ではないこと、及び③本件しゅんせつ工事費用は、その揚出物の大半がヘドロで大規模などぶさらいであり、使用開始当初以上に水深を深くするものではなく原状に復するための費用であって、港湾としての機能を果たしえなくなる障害を除去するもので「通常の修理」に当たること等からみて、修繕費的支出に該当する旨主張する。しかしながら、①法人税法施行令第14条第1項第9号ホに規定する繰延資産に該当するか否かの判断は、請求人の主張する「新たな便益」又は「より大きな便益」を生じさせるかどうかではなく、「自己が便益を受けるために支出する費用」で、かつ、「その支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」かどうかを基準とすべきものであり、②その支出の対象となった固定資産が「き損」した状態であるか、しゅんせつした揚出物がヘドロであるか、原状に復する費用か、通常の修理に当たるかなどは、自己の有する固定資産について支出する金額が資本的支出に該当するか否かなどの判断に際しての基準であり、繰延資産に該当するかどうかの判断には影響しないというべきである。したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。(平20. 3.24 福裁(法)平19-21)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平190001
- 裁決年月日
- 平成19年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707030
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/3損金経理
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先に対する貸付金と鋳造法の使用に対して将来にわたり支払うべきイニシャルペイメント等は相殺されることから、当該貸付金を試験研究費勘定に振り替える会計処理を行い、本件各事業年度において繰延資産償却費として損金の額に算入したのは適法である旨主張する。 しかしながら、請求人は、取引先の破産事件において、裁判所に対し貸付金を有しているとして貸付金を含めた金額で破産債権届出書を提出し、その届出後は、破産事件における貸付金の有無に関して何ら異議を申し述べていないことが認められる。また、当該破産事件は請求人に配当金を交付し、平成2年5月に終結していることが認められる。そうすると、請求人の会計処理は勘定科目を振り替えたものにすぎず、貸付金は、イニシャルペイメント等の支払債務と相殺されていないと認められるから、債権として存在しているものと認めるのが相当である。 したがって、請求人の主張には理由がなく、請求人が繰延資産であるとして、その償却費を損金の額に算入することは認められない。また、請求人が本件各事業年度において行った繰延資産償却費としての損金経理が貸付金の貸倒れを損金経理したものであるとしても、平成2年5月に破産事件が終結していることなどからすると、本件各事業年度において当該貸付金が回収できないことが明らかになったとは認められないから、本件各事業年度において損金の額に算入することはできない。(平19. 7. 4 仙裁(法)平19-1)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平140033
- 裁決年月日
- 平成15年6月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、新工場建設に係る開発行為の許可を受けるために支出した用水路整備費用について、法人税法施行令第14条第1項第9号ホに規定する自己が便益を受けるための支出には該当せず、地方公共団体に対する寄附金に該当する旨主張する。しかしながら、用水路整備費用の支出に対価性があるか否かについてみると、請求人は、新工場用地を埋め立てるに際し、農業環境及び災害防止の観点から関係者と十分に協議することを地方公共団体と事前確認していること並びに請求人は、中央用水路により分断されている新工場用地を有効利用するための通路を確保する必要性から請求人の要望により中央用水路を原則として許可されない暗渠構造とし、中央用水路上に確保した通路の占用許可を受けて利用していることが認められ、これらの事実を併せて考えると、用水路整備費用は、開発行為を実施することによる災害防止の観点等からの用水路の拡幅及び請求人が新工場用地を有効利用するという自己が便益を受けるための公共施設の工事費用の支出であると認められ、当該支出には対価性があることから、法人税法第37条第3項第1号により損金の額に算入される寄附金には該当しないこととなる。また、用水路整備費用により設置された用水路は、地方公共団体の所有であることから、当該費用は、法人税法施行令第14条第1項第9号イに規定する自己が便益を受ける公共的施設の設置又は改良のために支出する費用に該当することとなる。(平15.06.12.福裁(法)平14-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140168
- 裁決年月日
- 平成15年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707014
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/4資産を賃借するための権利金、立退料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件各更新料は、合意更新された賃借期間内においては従前と同様の賃貸借契約を存続させることができるという支出の効果があり、店舗を賃借するために支出した費用であるといえる。また、契約更新後の賃借期間が1年以上であることから、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶこととなる。したがって、本件各更新料の金額は、法人税法施行令第14条第1項第9号ロに規定する繰延資産に該当すると認めるのが相当である。(平15.02.14.東裁(法)平14-168)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130034ほか 10件
- 裁決年月日
- 平成14年4月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707018
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/8自己が便益を受けるための費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人を含む漁業協同組合によって設立された振興協会に対して拠出した本件出捐金が繰延資産に該当する旨主張する。しかしながら、振興協会は民法第34条の規定に基づいて設立された公益法人であり、振興協会寄付行為に定められた事業はいずれも公益に関するものであること、本件出捐金は請求人の総会の決議を経て任意にきょ出されたものであること及び振興協会の基本財産は原則として処分し、又は担保に供することができず、また、解散時においても返還されないことなどからすると、本件出捐金は、法人税法第37条第6項にいう寄付金となり、繰延資産には該当しない。また、請求人は、本件出捐金は法人税基本通達8−1−11でいう同業者団体等の加入金と同様であるから繰延資産として取り扱うべきである旨主張するが、ここでいう同業者団体等とは、その構成員に対して専属的に利益を供与する団体で、加入金を支出することによりはじめて当該団体に加入することができ、以後引き続いて当該団体から会員としてのサービスの提供を受けることができるものであるところ、振興協会は、公益法人であることから公益事業として不特定多数の者に便益を供与するもので、かつ、出捐金のきょ出も任意であることからすると、仮に請求人が何らかの便宜の供与を受けているとしても、本件出捐金を同業者団体等の加入金として取り扱うことは相当ではない。(平14. 4. 8.高裁(法)平13-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130194
- 裁決年月日
- 平成14年3月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707016
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/6ソフトウェアの開発費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ソフトウェアの制作委託費用は、法人税法施行令第14条第1項第4号又は5号に規定する試験研究費あるいは開発費に該当し、一括償却が認められる旨主張するが、本件ソフトウェアの制作委託費用は、他の者に委託してソフトウェアを制作した場合におけるその委託するために要した費用であるから、法人税法第2条第25号及び法人税法施行令第14条第1項第9号ハに規定する繰延資産に該当し、一括償却が認められない。(平14. 3.18東裁(法)平13-194)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130014
- 裁決年月日
- 平成13年10月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300707013
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/3自己が便益を受ける公共的施設の費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、保育所の建設費用(以下「本件保育所建設負担金」という。)の負担は、開発協定の締結段階で付された条件ではなく、駐車場の用地を賃借するために支出した費用であるから借地権に該当すると主張する。しかしながら、開発協定書には、開発事業の施工中及び完成後において新たに必要となる公共施設の設置については、事業者がこれを設置し、整備する旨の規定があることから、保育所の建設費用の負担は、当該開発協定書に基づくものと認められること等から、本件保育所建設負担金は、宅地開発等の許可を受けるために地方公共団体に対してその宅地開発等に関連して行われる公共的施設等の設置又は改良の費用に充てるものとして支出する負担金等に該当し、繰延資産となるから、原処分の主張には理由がない。(平13.10. 1.名裁(法・諸)平13-14)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平110039
- 裁決年月日
- 平成12年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300707014
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/7繰延資産の償却/1繰延資産の範囲/4資産を賃借するための権利金、立退料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、駐車場用地を転貸借により借地する際に借地権者に支払った金員について、①土地所有者と借地権者との間で作成された賃貸借契約書によると、借地期間満了時には土地を無償で返還すること及び当該契約書には権利金を支払うことの文言がないことから、土地所有者と借地権者との間に借地権は存在しない、②土地所有者と借地権者は、所轄税務署に土地の無償返還届出書を提出しているので借地権者は借地権を持っていないから、請求人が借地の際に金員を支払ったとしても借地権を取得することはできない、③請求人と借地権者との間で作成された賃貸借契約書によると、借地権者の責任により土地の使用収益ができなくなったときには、使用収益ができなくなった日以降の日割り計算で当該金員の返還請求ができると定められていることからしても、当該金員は賃料の一時払いであると解される、④法基通7−3−8に定める「その借地に係る手数料その他の費用」には、賃料の一時払いは含まれていないので、当該金員は、契約期間の経過に応じて各事業年度の損金の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、①借地権者は、当該金員を受取手数料と認めていること、②土地所有者と借地権者との間で作成された賃貸借契約書は、民法第601条の規定を具備したところの契約と認められること、③土地の無償返還届出制度は、土地の借地権の存在そのものを否定する趣旨ではないので、借地権者は価額が零の借地権を取得したと解されることから、請求人が借地する際に借地権者に支払った金員は、法基通7−3−8に定める転貸借契約に当たり借地権の対価として借地権者に支払った金額と認められ、かつ、法人税法上の借地権の取得価額と解することが相当である。(平12. 6.20福裁(法)平11-39)
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