裁決要旨 1国庫補助金等
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060063
- 裁決年月日
- 令和7年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300801000
- 争点
- 8圧縮記帳/1国庫補助金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国庫補助金(本件国庫補助金)の額を一旦は雑収入に計上し、その決算期末において損金経理と同様の経理処理であるという意思をもって、雑収入及び本件国庫補助金により取得した固定資産(本件固定資産)の期末帳簿価額から本件国庫補助金相当額を減算する経理処理(本件経理処理)をしていることからすれば、本件経理処理は、実質的に法人税法第42条《国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入》第1項に規定する「損金経理」に相当し、同項の規定の適用を受けるとした請求人の意思は、「国庫補助金等、工事負担金及び賦課金で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書」の記載及び添付から明白であることからも、本件経理処理により、同項の規定は適用されると解釈すべきである旨主張する。しかしながら、法人税法第42条第1項に規定する「その帳簿価額を損金経理により減額し」とは、確定した決算において圧縮限度額以下の金額を費用又は損失として経理するとともに、固定資産の帳簿価額を同額だけ減額することをいうものと解されるところ、請求人は、確定した決算において費用又は損失を計上していないのであるから、本件経理処理は、損金経理の方法により本件固定資産の帳簿価額を減額したものとはいえない。そして、請求人は、法人税法第42条第1項が規定する他の方法による経理もしていないから、本件経理処理により、同項の規定は適用されない。(令7. 5.21 関裁(法)令6-63)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300043
- 裁決年月日
- 令和元年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300801000
- 争点
- 8圧縮記帳/1国庫補助金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法等において固定資産の「取得」に係る定義はされていないことに加えて、固定資産の取得日を、その固定資産の所有権移転の時期ではなく、その固定資産を事業の用に供した日とする会計処理を継続適用しており、当該会計処理は、同法第22条《各事業年度の所得の計算》第4項に規定される「一般に公正妥当な会計処理の基準」に準拠するものであり、事業年度末において国庫補助金の対象となった固定資産を事業の用に供していないから、当該事業年度において当該固定資産を取得したものとは認められず、受領した国庫補助金を当該事業年度において、益金の額に算入する必要はない旨主張し、また、税法に明確な定義規定がない文言に対し、仮に私法上の概念を借用することが一般的であるとしても、全ての事例に借用概念を当てはめることは税法を硬直的に解釈することとなり、本来の法令の目的と適合しなくなるおそれがあるから、法人税法第42条《国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入》に規定する「取得」の概念については、具体的事実関係を踏まえた上で、法の趣旨に照らして総合的に判断すべきとも主張する。しかしながら、租税法の規定はみだりに拡張解釈すべきものではなく、別意に解すべき合理的な理由がない限り、租税法律主義や法的安定性の確保の観点から、私法上における意義と同じ意味に解すべきであり、法人税法における固定資産の「取得」の時期は、所有権移転の原因となる私法上の法律行為による所有権移転の時期と認められ、「事業供用」という、私法上所有権移転の原因とはいえない概念をもって「取得」の時期とすることは認められず、このように解することが同条に規定する圧縮記帳の制度趣旨を損なうものとも認められない。(令元. 6.26 名裁(法)平30-43)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300024
- 裁決年月日
- 平成31年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300801000
- 争点
- 8圧縮記帳/1国庫補助金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国庫補助金等で取得した機械装置(本件機械装置)に対して、その帳簿価額を損金経理により減額するなどの方法によらずに圧縮記帳を適用したことについて、請求人が行った経理処理等(本件経理処理等)は、書籍などで紹介されいている圧縮記帳の方法(いわゆる取得価額控除方式)の仕訳と実質的には同じであり、それが一般に公正妥当な会計処理に該当するものであるから、本件経理処理等は、法人税法第42条《国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入》第1項に規定する「損金経理」に該当し、圧縮記帳の適用が認められる旨主張する。しかしながら、同法第42条第1項は、法人が国庫補助金等で固定資産を取得した場合において、圧縮限度額の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額する等の一定の経理処理をしたときは、その経理処理した金額に相当する金額をその事業年度の損金の額に算入する旨規定しており、また、損金経理については、同法第2条《定義》第25号で、法人がその確定した決算において費用又は損失として経理することをいう旨規定していることから、これらの規定を前提とすれば、同法第42条第1項に規定する「その帳簿価額を損金経理により減額」するとは、確定した決算において圧縮限度額以内の金額を費用又は損失として経理するとともに、固定資産の帳簿価額を同額だけ減額することをいうものと解され、そうすると請求人が行った本件経理処理等は、資産に係る勘定科目である未収入金と機械装置を相殺して圧縮限度額で本件機械装置の帳簿価額を減額したものにすぎないから、損金経理の方法により本件機械装置の帳簿価額を減額したものとは認められず、圧縮記帳を適用したとはいえない。(平31. 3.12 名裁(法)平30-24)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270052
- 裁決年月日
- 平成28年4月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300801000
- 争点
- 8圧縮記帳/1国庫補助金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A市が施行する土地区画整理事業に伴い請求人の建物等を移転又は除却し、A市から建物等の移転等に係る補償金(本件補償金)を受領したところ、本件補償金は、これらの建物等を移転して再度使用するのは事実上困難であることから新たな建物等の固定資産を取得するための対価補償金としてA市から交付を受けたものであり、事実上、国又は地方公共団体から支払われた固定資産の取得に充てるための補助金に該当するから、法人税法第42条《国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入》第1項に規定する固定資産の取得又は改良に充てるための国又は地方公共団体の補助金又は給付金その他政令で定めるこれらに準ずるもの(国庫補助金等)に該当する旨主張する。しかしながら、国庫補助金等の範囲については、同項及び法人税法施行令第79条《国庫補助金等の範囲》に規定されているところ、本件補償金は、請求人が建物等を移転又は除去したことにより通常生ずべき損失を補償するものとして交付を受けたものであるから、固定資産の取得又は改良に充てるために交付された国庫補助金等に当たらないことは明らかというほかなく、法人税法第42条第1項に規定する国庫補助金等には該当しない。(平28. 4.19 関裁(法)平27-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270062
- 裁決年月日
- 平成27年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300801000
- 争点
- 8圧縮記帳/1国庫補助金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法第42条《国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入》第4項の趣旨について、課税の公平を担保し、納税者の個別の事情を斟酌し救済を図ることにあることからすれば、同項は、確定申告書に同条第3項に規定する損金算入に関する明細の記載がないときのみならず、同条第1項に規定する「損金経理により減額したとき」の要件を満たさないときにも適用される旨主張する。しかしながら、同条第4項は、法人が同条第1項に規定する減額し又は経理したこと(圧縮経理)を前提に、当該法人の責めに帰すことができない事由により、同条第3項に規定する損金算入に関する明細の記載がない確定申告書の提出があった場合においても、税務署長がその記載がなかったことについて、やむを得ない事情があると認めたときは、同条第1項の規定の適用を認める規定と解するのが相当であるところ、請求人は、株主総会において承認され、確定申告書の計算の基礎とされた当初の決算において、同条第4項の規定を適用する上で前提となる圧縮経理をしていなかったのであるから、請求人に同項の規定は適用されず、同条第1項の規定の適用はない。(平27.11.27 東裁(法)平27-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270062
- 裁決年月日
- 平成27年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300801000
- 争点
- 8圧縮記帳/1国庫補助金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A所有の土地(本件土地)の取得に際してB市から受領した補助金(本件補助金)について、法人税法第42条《国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入》第1項の規定(国庫補助金等の圧縮記帳)の適用がないものと誤認して、同項に規定する減額又は経理(圧縮経理)を行わずに株主総会の承認を得た当初の決算(本件当初決算)には、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準に定める誤謬があることから、本件当初決算は確定しておらず、その後本件補助金について圧縮経理を行い(本件経理処理)、株主総会の承認を得た決算(本件修正決算)が確定した決算であることから、本件修正決算において本件経理処理をしたことは、同項に規定する「損金経理により減額したとき」の要件を満たす旨主張する。しかしながら、本件当初決算は、株主総会において承認され、確定申告書の計算の基礎とされたものであることから、本件当初決算が法人税法第42条第1項に規定する損金経理をする「確定した決算」に該当する。そして、国庫補助金等の圧縮記帳の適用上、一旦確定した決算を修正又は変更することにより、その適用に係る選択に当たっての最終の意思表示を自由に変えることは許されないところ、請求人の法人税法第42条第1項に規定する損金経理をする「確定した決算」である本件当初決算において、請求人は圧縮経理をしていない。したがって、国庫補助金等の圧縮記帳の適用に係る請求人の最終の意思表示はこれを選択しておらず、また、本件修正決算において本件経理処理がされたとしても、その適用に係る選択を変えることはできないから、請求人が本件修正決算において本件経理処理をしたことは、同項に規定する「損金経理により減額したとき」の要件を満たさない。(平27.11.27 東裁(法)平27-62)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240066
- 裁決年月日
- 平成25年4月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300801000
- 争点
- 8圧縮記帳/1国庫補助金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、中小商業活性化支援補助金の交付決定の通知を受けた事業年度において、法人税法第42条《国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入》第1項に規定する「返還を要しないこと」が確定しているので、当該事業年度において固定資産圧縮損を計上したことは適正である旨主張する。しかしながら、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第15条《補助金等の額の確定等》の規定によれば、各省各庁の長が同法第14条の規定に基づく実施報告書等の審査等により交付すべき補助金の額を確定し、これを当該補助事業者等に通知しなければならない旨規定していることからすれば、補助金の申請者がその通知を受けるまでは法人税法第42条第1項に規定する「返還を要しないこと」は確定していないと解するのが相当であるから、交付決定の通知がされただけでは、交付すべき補助金の額は確定していないと認めるのが相当である。(平25. 4.19 大裁(法)平24-66)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平160001
- 裁決年月日
- 平成16年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300801000
- 争点
- 8圧縮記帳/1国庫補助金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人税法第42条に規定する圧縮記帳と租税特別措置法(以下「措置法」という。)に規定する圧縮記帳との重複適用は認められていると主張し、本件建物について両規定に基づく圧縮記帳をした。しかしながら、請求人の場合、措置法第65条の7第1項第22号の譲渡資産に該当する土地、建物の譲渡対価の額と、法人税法第42条の国庫補助金等に該当する本件活性化補助金によって、措置法第65条の7第1項第22号の買換資産に該当するとともに法人税法第42条の国庫補助金等によって取得する目的資産にも該当する本件建物を取得したものとして2つの圧縮記帳を適用しているが、本件建物については平成11年3月期の確定申告において措置法第65条の7第1項に規定する圧縮限度額まで圧縮記帳済みであり、そのことは、措置法第65条の7第1項第22号の譲渡資産に該当する土地、建物の譲渡対価によって、その取得価額の全額が賄われたことと同義である。そうすると、請求人の意図したところにかかわらず、本件建物には、平成12年3月期において交付を受けた本件活性化補助金を支出することによって取得する部分はないことになるので、法人税法第42条に規定する圧縮記帳を適用する余地はないと考えられるから、同規定と措置法第65条の7に規定された圧縮記帳の重複適用を認めるべきであるとする請求人の主張には理由がない。(平16.7.2高裁(法)平16-1)
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