裁決要旨 5債権放棄等
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令060008
- 裁決年月日
- 令和7年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が有する債権(本件債権)について、債務者(本件債務者)からの回収が困難であるところ、訴訟による紛争処理は多大な費用と時間を要すること、また、請求人において、請求人の債権者に対する期日どおりの債務の返済は請求人が破綻を免れるために絶対条件であったことなどから、より大きな損失を被ることを避けるために本件債権の一部を放棄(本件債権放棄)したのであり、そうすると、本件債権放棄による放棄額(本件債権放棄額)は、必要な費用と認められるから寄附金の額には当たらない旨主張する。しかしながら、本件債権放棄は本件債務者に対する経済的利益の無償の供与に該当すると認められるところ、請求人の主張は、抽象的かつ主観的な懸念等であり、また、請求人は請求人の債務の返済を期日までに行い、毎月の現預金の残高が一定額を超えていたことから、経営が破綻するという蓋然性は認められない。そうすると、本件債権放棄額が客観的にみて請求人の収益を生み出すのに必要な費用又は請求人がより大きな損失を被ることを避けるために必要な費用であるとは認められないから、本件債権放棄額は寄附金の額に該当する。(令7. 3.13 仙裁(法)令6-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050039
- 裁決年月日
- 令和6年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が関係会社(本件被支援会社)に対して行った債権の放棄(本件債権放棄)は、請求人の代表者が、経営危機に陥っていた本件被支援会社の株式の全部を第三者に譲渡したこと(本件株式譲渡)による経営権の譲渡に伴い行ったものであり、法人税基本通達9-4-1《子会社等を整理する場合の損失負担等》に定める相当な理由があるから、本件債権放棄の額は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当しない旨等主張する。しかしながら、本件債権放棄は、本件株式譲渡から約1年10か月後に行われているところ、請求人の主観的な動機や目的以外の証拠に基づいて認められる客観的な事実に即して判断すると、本件株式譲渡に際し本件債権放棄が前提とされていたとは認められず、他に請求人が本件債権放棄をすべき義務が成立していたとも認められないから、本件債権放棄は本件株式譲渡時に成立していた義務の履行とみることはできない。そのため、本件株式譲渡時ではなく本件債権放棄時の状況に基づいて判断すると、本件債権放棄の時点においては本件被支援会社は経営危機に陥ってはおらず、請求人の破産の危険を回避するために本件債権放棄が不可欠であったと認めることはできない。したがって、請求人が本件債権放棄をすることについて相当な理由はなく、経済的合理性の観点から特段の必要性があったとはいえないから、本件債権放棄の額は寄附金の額に該当する。(令6. 4.22 関裁(法)令5-39)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040008
- 裁決年月日
- 令和4年9月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自ら損失負担等をして子会社を清算することで、より大きな損失を回避することができると判断して子会社に対する債権(本件債権)を放棄したのであるし、その金額も合理的であるから、法人税基本通達9-4-1《子会社等を整理する場合の損失負担等》に定める相当な理由があり、請求人が放棄した本件債権の額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人は、子会社を清算する目的で子会社の事業譲渡に主体的に関与したところ、請求人を含む債権者が子会社に対して債務の早期返済を要求していた事実や、放棄する債権の額の合理性について請求人及び子会社が具体的に検討した事実なども認められないから、事業譲渡の前に、請求人が本件債権を放棄しなければ子会社が直ちに倒産するような危機にあったとまではいえず、客観的な事実に即して本件債権の放棄がされたともいえない。したがって、請求人がした本件債権の放棄には法人税基本通達9-4-1に定める相当な理由があるとは認められず、放棄した本件債権の額は法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。(令4. 9.14 関裁(法)令4-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040010
- 裁決年月日
- 令和4年8月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の各子会社等(本件各子会社等)に対する各債権放棄(本件各債権放棄)について、資金繰りが逼迫した本件各子会社等に対しては債権放棄をする必要性があり、また、合理的な再建計画に基づく相当性があるものであって、経済合理性があるから、本件各債権放棄の額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、債権放棄の額が寄附金の額に該当しないといえるためには、本件各債権放棄について、業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われたものであるという必要性と、合理的な再建計画に基づくものであるという相当性について、総合的に判断して経済合理性があるといえるのか否かにより判断するところ、本件各債権放棄は、請求人があえて債権放棄という手段をとらなければ本件各子会社等が倒産したという状況にあったとは認められないから、必要性があったとは認められず、また、本件各債権放棄に係る再建計画が、本件各子会社等が再建するために必要最低限の要支援額の総額を見積もったものということができないなど、合理的なものとは認められないから、相当性も認められない。したがって、本件各債権放棄の額は、寄附金の額に該当する。 (令4. 8. 3 東裁(法)令4-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040011
- 裁決年月日
- 令和4年8月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社等(本件子会社等)に対する債権放棄(本件債権放棄)について、資金繰りが逼迫した本件子会社等に対しては債権放棄をする必要性があり、また、合理的な再建計画に基づく相当性があるものであって、経済合理性があるから、本件債権放棄の額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、債権放棄の額が寄附金の額に該当しないといえるためには、本件債権放棄について、業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われたものであるという必要性と、合理的な再建計画に基づくものであるという相当性について、総合的に判断して経済合理性があるといえるのか否かにより判断するところ、本件債権放棄は、請求人があえて債権放棄という手段をとらなければ本件子会社等が倒産したという状況にあったとは認められないから、必要性があったとは認められず、また、本件債権放棄に係る再建計画が、本件子会社等が再建するために必要最低限の要支援額の総額を見積もったものということができないなど、合理的なものとは認められないから、相当性も認められない。したがって、本件債権放棄の額は、寄附金の額に該当する。 (令4. 8. 3 東裁(法)令4-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020019
- 裁決年月日
- 令和3年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、架空取引が発覚した後解散した関連法人(本件関連法人)に対する貸付金等の全額を免除(本件債務免除)したことに対して原処分庁がその免除額の一部(本件金額)を法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額としたことついて、本件債務免除は金融機関等の信用を失うという大きな損失を回避するために必要であった上、社会的に存在意義を失った本件関連法人を解散するのは当然であり、やむを得ず請求人のみが損失を負担したのであるから、本件債務免除には相当な理由があったといえ、本件金額は寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、本件関連法人は、解散後事業活動を行っておらずその債権者は請求人のみであったため、本件債務免除の時点で更なる損失が生じる見込みはなく、本件債務免除を行わなければ今後より大きな損失が生ずる状況にはなかったといえ、経済的合理性の観点から特段の必要性があったとは認められず、また、請求人は、架空取引の発覚後できる限り早期に本件関連法人を清算結了させる目的で、本件債務免除という経済的利益を一方的に供与したと認めるのが相当であるから、本件金額は寄附金の額に該当する。 (令3. 3.17 関裁(法)令2-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300018ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成30年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の関連法人に対する債権の清算として計上した寄附金について、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第2項のいわゆるグループ法人税制の規定(本件規定)を適用して申告したが、債権は清算しておらず債権放棄(本件債権放棄)は行われていない旨主張する。しかしながら、請求人及び関連法人の役員は、代表者及び代表者の弟の2名のみであり、当該役員で本件債権放棄を行うことを決め、これに沿った会計処理及び確定申告をしたことからすると、請求人が関連法人に対して本件債権放棄を行ったものと認められ、請求人と関連法人はいずれも個人である代表者一族が発行済株式の全部を保有しており両法人の間には「法人による完全支配関係」がないことから、本件規定が適用されず、本件債権放棄の額は、同条第1項に規定する寄附金となり、寄附金の損金算入限度額までの金額について損金の額に算入することとなる。(平30. 9.27 大裁(法)平30-18)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平290009
- 裁決年月日
- 平成30年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者(本件債務者)に対する債権放棄(本件債権放棄)について、本件債務者は大きな社会的要請から設立された法人であり、その経営に破綻を来すようになっては、地域や業界に計り知れない損失と大きな痛手をもたらすから、請求人がやむにやまれず行ったものであり、本件債権放棄の額は寄附金の額には該当しない旨主張する。しかしながら、本件債務者は、本件債権放棄の時点において資金繰りがひっ迫し直ちに経営危機に陥るような状況ではなかったこと、また、請求人から本件債権放棄を受けなければ直ちに事業の継続を困難にする事情もなかったこと、さらには、本件債権放棄を受けるに当たり、再建計画の作成等を行っていなかったことから、本件債権放棄は、業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われるもので合理的な再建計画に基づくものである等その債権放棄等をしたことについて相当な理由があったとは認められない。したがって、本件債権放棄の額は寄附金の額に該当する。(平30. 6.22 仙裁(法)平29-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260029
- 裁決年月日
- 平成26年9月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社(本件子会社)に対する債権の放棄(本件債権放棄)について、資金繰りが逼迫していた本件子会社に対して、支払猶予の継続という方針は採用できず、本件債権放棄以外に方策はなかったのであるから、本件債権放棄には法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》に定める相当の理由があるので、本件債権放棄の額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入額》に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、債権放棄の額が寄附金の額に該当しないといえるためには、当該債権放棄がやむを得ず行われるものであること(必要性)と、当該債権放棄について相当な理由があること(相当性)が必要であるところ、本件子会社は、資金繰りに窮していた様子はあるものの、本件子会社が保有する土地の共有持分(本件共有持分)には含み益があり、実質的な債務超過の状態になく、また、請求人に対して、本件共有持分をもって債務の弁済を行うこともできたと考えられるから、本件債権放棄がやむを得ず行われたというまでの必要性があったとは認められず、また、債権放棄の相当性については、被支援者の財務内容、営業状況の見通し等を加味した的確な支援額であることなど、合理的な再建計画に基づくことが必要とされるところ、本件子会社の収支改善計画書によれば、本件子会社のリストラ策が記載されているのみで、その後の実績が更新されていることはうかがわれず、更に、本件債権放棄の額が必要最小限の額でないばかりか、むしろ過大であったと認められることからすれば、本件債権放棄の相当性は認められず、本件債権放棄の額が寄附金の額に該当しないといえるための要件である必要性及び相当性のいずれの要件も満たしていないから、本件債権放棄の額は、寄附金の額に該当するというべきである。(平26. 9.18 東裁(法)平26-29)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平240018
- 裁決年月日
- 平成25年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社との間で取り交わした契約(本件契約)に基づき、請求人がA社に対して有する貸付金(本件貸付金)等に相当する金額を繰延資産とした開発費(本件開発費)について、社会福祉法人B会の理事等の地位に請求人の推薦者を就任させるための対価であり、当該理事等の地位を得ることにはそれなりの価値があることから、本件開発費は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、本件契約によって請求人にもたらされる経済的な価値があるとは認められず、むしろ、請求人は、本件貸付金等を平成20年6月期の決算書から無くしておきたいと考え、本件契約には経済的な価値があるとは認められないにも関わらず、本件契約を締結し、本件契約に係る対価の額と本件貸付金等とを相殺する形を整えることによって、当該決算書から本件貸付金等を無くすとともに、本件貸付金等と同額の本件開発費を繰延資産に計上することにより、本件開発費に係る償却費を損金の額に算入したものと認められる。そうすると、請求人が、本件契約に係る対価の額と本件貸付金等を相殺したことは、実質的に債務免除という経済的な利益を無償でA社に供与したものであるから、本件貸付金等と同額である本件開発費は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当すると認められる。(平25. 6.26 札裁(法・諸)平24-18)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240014
- 裁決年月日
- 平成25年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する債権放棄(本件債権放棄)は、特別清算の終結決定に基づいており、法人税基本通達9−6−1《金銭債権の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ》の(4)の要件を満たし、貸倒損失に該当することから、損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、本件債権放棄は、請求人グループの財務改善計画実施の過程でなされた子会社等の事業譲渡に起因して行われたものであり、当該事業譲渡後に子会社の特別清算を予定していたことからすると、子会社に対する債権については弁済を受けられない状況になることが明らかであったと認められる。そうすると、本件債権放棄の額の損金算入についての適否を判断するに当たっては、同通達の要件を満たすかどうかで判断するのは相当でなく、当該財務改善計画に盛り込まれた子会社の整理等が合理的な計画の下で実施されたか否かで判断すべきである。本件債権放棄の必要性及び合理性など債権放棄をしたことに相当な理由があると認められるか否かについては、当該債権放棄を受けた子会社が経営の危機に陥っていたとまでは認められず、また、当該債権放棄の額についても合理性があったとはいえないことから、相当な理由があったと認めることはできない。したがって、本件債権放棄の額は、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に該当する。(平25. 3.25 仙裁(法)平24-14)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230061
- 裁決年月日
- 平成24年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する売掛債権の放棄(本件各債権放棄)について、子会社は実質的債務超過の状態で経営危機に陥っており、合理的な再建計画によって本件各債権放棄を行ったものであるから、本件各債権放棄の額は寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、子会社は実質的債務超過の状態ではあったものの経営危機に陥っていたとまではいえないこと、本件各債権放棄を行わなければ請求人の利益が損なわれるといったような具体的な事情を認めるに足りる証拠もないことから、損失負担の必要性を認めることはできない。また、支援額や支援の方法等に関しては、子会社の財務内容、営業状況の見通し等から的確に算定される等の事実は認められず、子会社の再建計画等の進行度合いに伴って変更がなされているなどの事実もないことから、再建計画等の合理性を認めることはできない。以上のことから、本件各債権放棄は経済的利益を無償で供与したこととなるから、寄附金に該当する。(平24. 6.19 大裁(法・諸)平23-61)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230083
- 裁決年月日
- 平成24年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対するロイヤルティを収受しないこととしたのは、請求人が提供した技術情報に瑕疵があったこと起因する不良品の発生及び請求人が子会社に引き受けさせた不採算製品の製造引受けに係る損害の補償として行われたものであり、経済合理性を有するから、当該ロイヤルティ相当額は寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、当該ロイヤルティの免除は、請求人が主張するような設計不良や採算割れ製品の受注により生じた損害の補償として行われたものではなく、請求人が税務調査の当初から説明していたとおり、倒産の危機にまでは陥っていない子会社について、請求人の親会社の経営理念又は指示に従い、飽くまで子会社の経営状況の改善を図るために任意に行われたものと認められる。そうすると、当該ロイヤルティの免除は、これを行わなければ逆に大きな損失を被ることが客観的に明らかであるためにやむを得ず行われたといえるような経済合理性を有する相当な理由がある場合に当たるとはいえず、当該ロイヤルティ相当額は、経済的利益の無償の供与と認められ、法人税法第37条《寄附金の損金不算入》第7項に規定する寄附金の額に当たると解するのが相当である。(平24. 5.29 関裁(法)平23-83)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230224
- 裁決年月日
- 平成24年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子会社に対する債権の放棄が、当該子会社に倒産の危機が迫っていたために、合理的な再建計画に基づき行ったものであり、当該債権放棄には法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》に定める相当の理由があるので、当該債権放棄の額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入額》に規定する寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、債権放棄等の額が寄附金の額に該当しないといえるためには、当該債権放棄等がやむを得ず行われるものであること(必要性)と、当該債権放棄等について相当な理由があること(相当性)が必要であるところ、当該子会社は、資金繰りに窮していた様子はあるものの、当該子会社の保有する土地の共有持分に含み益があり、実質的な債務超過の状態になく、本件においては、請求人による支払猶予などの方法によって当該子会社の資金繰りへの対応が可能であったと考えられるから、当該債権放棄がやむを得ず行われるものであることの必要性があったとは認められず、また、債権放棄等の相当性については、被支援者の財務内容、営業状況の見通し、被支援者の自己努力などを加味した的確な支援額であることなど合理的な再建計画に基づくことが必要とされるところ、本件においては、当該債権放棄前にリストラ策などの当該子会社の自己努力がうかがわれず、更に、当該債権放棄の額が必要最小限の額ではないばかりか、むしろ過大であったと認められることからすれば、債権放棄等の相当性は認められず、当該債権放棄等の額が寄附金の額に該当しないといえるための要件である必要性及び相当性のいずれの要件も満たしていないから、本件債権放棄の額は、寄附金の額に該当するというべきである。(平24. 5.17 東裁(法)平23-224)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230043
- 裁決年月日
- 平成24年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する各債権放棄については、子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われたものであり、合理的な再建計画に基づくことから寄附金に当たらない旨主張する。しかしながら、請求人は親会社としての責任から本件各債権放棄を行ったことは認められるが、あえて債権放棄という手段をとらなければ子会社が倒産したという状況にあったとは認められず、倒産を防止するためにやむを得ず行ったものであるということはできない。また、具体的な債権計画が明らかにされていないことも併せると本件各債権放棄には、損失負担の必要性及び再建計画の合理性はなく、本件各債権放棄に相当な理由があると認めることはできず、本件各債権放棄の額はいずれも寄附金の額に当たる。(平24. 1.24 関裁(法・諸)平23-43)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220020
- 裁決年月日
- 平成22年9月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連会社A社の策定した再建計画(以下「本件再建計画」という。)に基づき債権放棄(以下「本件債権放棄」という。)を実行したことは法人税基本通達9−4−2《子会社等を再建する場合の無利息貸付け等》で定める債権放棄をすることに相当な理由がある場合に該当するので、本件債権放棄の額(以下「本件債権放棄額」という。)は寄附金の額に該当しない旨主張する。しかしながら、A社には金融機関からの借入金はなく、債務のほとんどを請求人が有することから直ちにA社が倒産に至るとは考えられず、経営の危機に陥っていたとまで認めることができないこと、本件債権放棄の前後を通じて営業利益がマイナスの状態で推移しており、請求人のA社に対する債権の弁済可能性が高まったとはいえないこと及び請求人の金融機関からの格付にA社の債務超過が格付区分の変更にまで影響したとまでは認められないことから、請求人のA社に対する損失負担の必要性を認めることができない。また、本件再建計画の要支援額がA社の法人税法上の青色申告書を提出した年度の欠損金の繰越額を基に算定されたもので、A社の財務状況及び営業状況の見通し等から的確に算定されたものではないこと、A社の債務超過の原因である請求人に対する賃借料の支払いについて見直し等を求めておらず、自己努力が認められないこと及び本件債権放棄をすることにより、A社の経費負担の軽減される効果も認められないことから本件再建計画に合理性があるとは認められない。以上のことから請求人の主張は採用することはできない。したがって、本件再建放棄額は法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。(平22. 9.17 大裁(法)平22-20)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200007
- 裁決年月日
- 平成20年7月29日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、経営破たんした子会社の経営権を譲渡した先が、甲法人ではなく、当該子会社の発行済株式の過半数を譲り受けた当該子会社の代表者であるから、甲法人との約定に従って当該子会社に対する債権の全額を放棄したことは、連結納税基本通達8−4−1に定める要件を満たさないため、この債権放棄により請求人が負担した損失の額は寄附金の額に該当する旨主張する。しかしながら、当該子会社の経営状況からすれば、当該代表者が株主権等を行使して当該子会社の経営を再建できる状況にあるとは認められず、また、甲法人は、請求人からの要請を受けて、それまで全く関係のなかった当該子会社に対し、その従業員を役員として派遣する一方、当該子会社は甲法人の指示に従って、その決算期及び関与税理士を甲法人と同じ決算期及び税理士に変更し、さらに、毎月の経理状況等を甲法人に報告していることから、当該子会社の経営権は甲法人に移譲されたと認められる。そして、①請求人と当該子会社との間に事業関連性があること、②当該子会社が経営危機に陥っていること、③この債権放棄は、請求人の将来のより大きな損失を回避するために行われたものであると認められること、④必要最低限の負担となっていると認められること、⑤請求人以外に損失を負担すべき者がいるとは認められないことからすれば、この債権放棄は、上記通達に定める要件を満たしていると認められることから、この債権放棄により請求人が負担した損失の額は、寄附金の額に当たらないというべきである。(平20. 7.29 関裁(法)平20-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200003
- 裁決年月日
- 平成20年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、特定の賃借人について、賃貸施設の使用に伴う諸費用の実費相当額として賃借料とは別に徴収していた金額(以下「別途徴収金」という。)の一部を減額したことは、経済合理性に基づく商取引の一環として行われた行為であり、寄附、贈与等ではないと主張する。しかしながら、本件別途徴収金は賃借人が当然に負担すべき費用の立替金的性格のものと認められ、本来請求人が有する別途徴収金に係る債権を免除すべき理由はないものと認められ、請求人が主張する別途徴収金の一部を減額した理由は、請求人が本件別途徴収金の減額を行った動機において、将来的に見れば何らかの反対給付が受けられるであろうというような漠然とした間接的利益を期待したという意味を有するものにすぎないと認められる。したがって、請求人が本件別途徴収金の減額をすることの経済合理性のある相当の理由はなく、また、本件別途徴収金の減額をすることに対する反対給付と評価すべきものはないといわざるを得ないから、本件別途徴収金の減額について、経済的利益の無償の供与をしたものであり、寄附金に該当するとした本件法人税各更正処分は適法である。 (平20. 7. 1 東裁(法・諸)平20-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190175
- 裁決年月日
- 平成20年5月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係会社甲社との合意に基づき、甲社が①業務代行行為、②訪問介護契約独占行為、③医薬品販売独占行為の3つの行為を行った対価として委託料を支払ったものであり、その対価を請求人の訪問介護事業から生じた利益を算定基準としても何ら不合理ではなく、妥当な水準の金額であるから、寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、当該業務代行行為は、甲社自身が業務の一環として行っていたというのが実態であり、請求人の訪問介護事業に係る主要業務を甲社が実施している事実は認められない。また、訪問介護契約独占行為及び医薬品販売独占行為に係る権利付与の対価である旨主張するが、これらの権利は甲社に帰属する権利ではなく、また、請求人がこれらの権利の対価として支払わなければならない合理的な理由がないことから、対価性は認められない。さらに、委託料の対価の額は、請求人の訪問介護事業に係る利益の全額であり、そもそもこれを本件業務代行行為の対価であるとみることはできない。そして、請求人は、本件委託料額について委託料として費用処理しており、その決済は甲社に対する貸付金の額を減額し、一方、甲社もこの対価を売上計上することにより請求人からの借入金の額を減額している。そうすると、請求人が費用計上した当該委託料は対価性はなく、本件委託料額に係る支払決済により、甲社に対する貸付金債権が消滅していることから、請求人は甲社に対して債務消滅という経済的利益を供与したことになり、本件委託料額は甲社に対する寄附金の額と認めるのが相当である。(平20. 5. 1 東裁(法)平19-175)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190014
- 裁決年月日
- 平成20年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人A社との間において取り交わした業務委託契約書に基づき、A社に対する短期貸付金と相殺した外注委託費は、有効な業務委託契約に基づいて実施した経済実態のある取引に対する対価であるから、法人税法(平成18年法律第10号による改正前のもの。以下同じ。)第37条第7項に規定する寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が行っている業務は、運送業務、不動産貸付け及び輸入品の通関手続の代行業務であり、また、請求人の売上高には傭車収入、運送収入、家賃収入及び通関手数料収入が計上されているだけである。そして、上記業務委託契約書に記載されている委託する業務は、①検品業務、②値札加工業務、③①及び②の業務に付帯する一切の業務とされているが、これらの業務は、関連法人であるB社がA社との間において取り交わした基本契約書に基づいてB社からA社に委託されており、請求人がB社から当該業務を委託されていると認めるに足りる証拠もないから、請求人がB社から当該業務を引き受けているとは認められず、請求人は当該業務を委託する立場にない。また、請求人は、請求人が作成すべき「送り状」の作成をA社が行った旨及び平成16年12月16日の役員会議において、契約を行うことを決定したから上記業務委託契約書を平成17年1月1日付で平成17年12月下旬に作成した旨主張するが、「送り状」に記載(印字)される内容から、「送り状」の作成業務は請求人の業務とは関連しないものである。また、上記業務委託契約書を作成したのは決算期末に近い平成17年12月下旬であり、契約書作成までの経緯をみても、契約期間の始期である平成17年1月1日時点において、請求人の主張するような業務委託に関する契約の成立があったとは認められない。さらに、請求人が計上した外注委託費は、A社の従業員の人件費にA社が請求人から賃借していた物流倉庫の年間家賃の3分の1の金額を加算して算定しているが、物流倉庫の家賃については請求人とA社との間において賃貸借契約書が取り交わされ、その賃借料は毎月精算されており、仮に請求人がA社の賃借スペースの一部を一時的に使用していたとしてもその事実を証する証拠はなく、また、上記業務委託契約書には賃借料に関して何ら記載されていない。以上のことから、上記業務委託契約書に記載された業務は、B社がA社に委託した業務であり、請求人が計上した外注委託費は、業務委託の対価とは認められない。なお、外注委託費の支払原因についてみると、A社は多額の累積欠損金を抱えており、A社とB社との間においても上記業務委託契約書と同様の内容の契約書を作成し、A社は同時期にB社からも短期借入金の債務免除を受けている。そして、請求人とB社がA社の債務を免除した金額の合計額は、A社の累積欠損金とほぼ同額である。そうすると、請求人の外注委託費名目の支出は、A社の欠損を補てんするために行った債権放棄による経済的利益の無償の供与であると認められ、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 2.27 福裁(法・諸)平19-14)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190015
- 裁決年月日
- 平成20年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人A社との間において取り交わした業務委託契約書に基づき、A社に対する短期貸付金と相殺した外注委託費は、有効な業務委託契約に基づいて実施した経済実態のある取引に対する対価であるから、法人税法(平成18年法律第10号による改正前のもの。以下同じ。)第37条第7項に規定する寄附金には該当しない旨主張する。しかしながら、上記業務委託契約書に記載されている業務は、①検品業務、②値札付加工業務、③①及び②の業務に付帯する一切の業務とされているところ、これらの業務は、請求人とA社との間で取り交わした平成8年8月1日付の基本契約書に記載されている内容と同一の内容である。A社は当該基本契約書に基づき、検品、値札付け、箱詰め等の一連の作業を従前から行っており、当該一連の作業の中で「送り状」も作成されている。そして当該一連の業務に対する対価は、毎月A社から請求人のメーカー等に対する売上の○%相当額が請求され、請求人は毎月請求額を支払っている。このことは、本件事業年度においても変わった点はなく、上記業務委託契約書により新たな業務の発生や業務量の増加も認められない。また、請求人は、上記「送り状」の作成業務はA社の請求人に対する無償役務の提供であり、その是正のために上記業務委託契約書を作成した旨及び平成16年12月16日の役員会議において、契約を行うことを決定したから、業務委託契約書を平成17年1月1日付で平成17年12月下旬に作成した旨主張する。しかしながら、「送り状」は、検品業務、値札付加工業務の一環として作成されていると認められるから、仮に、基本契約書に定める業務委託料を変更するのであれば、請求人のメーカー等に対する売上の○%相当額がその業務の内容に照らして低額かどうかの検討が行われてしかるべきであり、その結果は何らかの形で文書で記録しておくのが通常であるところ、本件においては、そのような業務委託契約書の作成に当たっての具体的な検討資料の提出もなく、契約金額の算定に当たっては、「送り状」の作成業務に携わる従業員の給与支払実績から算定されているから、基本契約書に記載された契約金額の計算方法とは全く関係がない算定方法を用いた点からも不自然かつ不合理といわざるを得ない。さらに、上記業務委託契約書の契約締結日は平成17年1月1日とされているが、契約書を作成したのは決算期末に近い平成17年12月下旬であり、契約書作成までの経緯をみても、契約期間の始期である平成17年1月1日時点においては、委託する業務でさえも決まっていなかったと認められることから、請求人が主張するような業務委託に関する契約の成立があったとは認められない。以上のことから、請求人が計上した外注委託費は、業務委託の対価とは認められない。なお、A社は、多額の累積欠損金を抱えており、関連法人B社との間において上記業務委託契約書と同様の内容の契約書を作成して同時期にB社からも短期借入金の債務免除を受けている。そして、請求人とB社がA社の債務を免除した金額の合計額は、A社の累積欠損金とほぼ同額である。そうすると、請求人の外注委託費名目の支出は、業務委託の対価ではなく、A社の欠損を補てんするために行った債権放棄による経済的利益の無償の供与であると認められ、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 2.27 福裁(法・諸)平19-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190022
- 裁決年月日
- 平成19年9月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人の国外関連者である外国法人がスポーツ事業への参入資金の融資を国外金融機関から受けるに際し、請求人がA社株式を担保として提供(物上保証)したところ、当該スポーツ事業の失敗のため当該外国法人が資力を喪失し、上記A社株式に対し担保権が実行されるおそれが生じたため、請求人が、当該外国法人の債務の肩代わりとして当該外国法人に貸付金を支出し、その後当該貸付金について債権放棄し、子会社整理損として損金の額に算入したことについて、請求人は、当該貸付金の支出は経済合理性のある当該担保提供に基づくものであるなどやむを得ないものであるから、当該債権放棄した金額は損金の額に算入されるべきである旨主張する。 しかしながら、当該担保提供時において当該外国法人は債務超過であり、当該スポーツ事業の成功の見込みもなく、当該スポーツ事業及びそれ以外の事業からの収益をもって当該外国法人が国外金融機関から借り入れた資金を返済することは困難で、資金を貸し付けた場合には回収不能となることが予測され、かつ、そのような認識を請求人も持ちながら、請求人は、あえて、当該スポーツ事業のリスクに見合う反対給付を求めることなく無償で物上保証を行い、当該担保提供に基づき、債務の肩代わりとして貸付金を支出した結果、回収不能となった額が生じたものと認められる。 そうすると、当該担保提供から当該債権放棄に至る一連の行為は、当該外国法人に対する経済的な利益の無償の供与に当たり、支出された当該貸付金は法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。そして、当該外国法人は租税特別措置法第66条の4第1項に規定する国外関連者に該当するから、同条第3項の規定により当該寄附金の全額が損金不算入となる。(平19. 9. 4 東裁(法)平19-22)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180022
- 裁決年月日
- 平成19年6月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する貸付金を実質的に放棄した一連の行為は、法人税基本通達9−4−1に定める子会社等を整理する場合の債権放棄等又は法人税基本通達9−4−2に定める子会社等を再建する場合の債権放棄等に該当するから、寄附金に該当しない旨主張する。 しかしながら、請求人は貸付金を放棄した後も子会社に対して人的関係、資金関係等において支援を継続していることからみて、本件債権放棄は、今後の請求人との関係を断ち切るためのものとはいえず、子会社支援のために行われたと認めるのが相当であり、法人税基本通達9−4−1に定める子会社の経営権の譲渡等のために行われたものとは認められない。 また、本件貸付金は利息の支払がないことから、請求人が本件貸付金の返済を猶予した場合と本件貸付金を放棄をした場合とで何ら異なるところはなく、請求人が子会社に対する支援を継続している状況下において、請求人の子会社に対する支援として債権放棄という手段が必要不可欠であったとする事情は見当たらないから、子会社の倒産を防止するためにやむを得ず行われたもの等であるとする債権放棄の必要性・不可欠性を認めることはできず、さらに、当該債権放棄が必要不可欠であるとする合理的な再建計画等が存在したとは認められず、債権放棄を行うに際しての相当性に関する主要な検討を欠いた実施であるのであるから、請求人が本件貸付金を放棄したことについて法人税基本通達9−4−2に定める相当な理由があるとは認められない。 したがって、請求人が子会社に対する貸付金を放棄したことは、法人税法第37条第7項に規定する「金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与」に該当し、寄附金とするのが相当である。(平19. 6.27 福裁(法)平18-22)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平180021
- 裁決年月日
- 平成19年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国外関連者であるA社に対する売掛金債権の一部を放棄したことについて、合理的な再建計画に基づくものであるから当該放棄をした売掛金債権の額は、寄附金の額には該当しない旨主張する。 しかしながら、A社は、当該放棄があった平成17年12月期においては、返済計画の金額を超える金額を弁済し、また、平成18年12月期においては、返済計画の金額の弁済はないものの、請求人の売掛金債権については新規発生額のほぼ全額を支払っていることから、A社が経営危機に陥ったとは認められず、さらに、A社は請求人以外の債権者に対する債務の支払いを行っていることからも、請求人がA社に対して売掛金債権の一部を放棄する必要性は認められない。 また、①再建のための損失負担額(支援額)をA社の自己(自助)努力額を加味しないで算定していること、②請求人が放棄した売掛金債権の額は請求人の17年3月期の所得を赤字にしない程度の金額であることから、A社の再建支援として必要最低限の負担金で算定されたものとは認められないこと、さらに、③売掛金債権放棄後の再建計画を見直した事実がないことからも、請求人がA社に対して売掛金債権の一部を放棄する合理性は認められない。 したがって、請求人が放棄したA社に対する売掛金債権の額は、法人税法第37条第7項の規定から、A社に対する経済的利益の供与として寄附金の額に該当し、A社は請求人の国外関連者に該当することから、租税特別措置法第66条の4項第3項により、請求人の損金の額に算入されないことになる。(平19. 6.26 仙裁(法)平18-21)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180032
- 裁決年月日
- 平成18年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・410ページ
要旨
○ 請求人は、同人が放棄した債権(以下「本件債権」といい、本件債権の放棄を「本件債権放棄」という。)は、本件債権放棄の当時、回収不能であったといえるから、本件債権放棄に係る債権額は貸倒損失の額に該当する旨主張する。しかしながら、本件債権の債務者が施主である本件建物は、約70%程度完成していて既に建物として成立し、何らの担保も設定されておらず、本件債権放棄の前後を通じ、その処分についての協議が請求人を交えて継続されていたことからすると、本件債権放棄の当時において、本件建物自体に資産価値がないことが最終的に明らかとはなっていなかったものということができ、そうすると、本件債権放棄の当時、本件債権の回収不能の事態が客観的に明らかであったということはできないから、同放棄に係る債権額は「寄附金の額」に当たる。(平18.11.27 関裁(法・諸)平18-32)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平180010
- 裁決年月日
- 平成18年9月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社等に対する貸付金債権を放棄し、関係会社支援損として損金の額に算入したことについて、①子会社等が倒産の危機にあり、そのまま放置すれば請求人自身が今後より大きな損失を蒙るおそれがあったため、やむを得ず行ったものであり、②合理的な再建計画に基づく再建支援と認められるため、債権放棄を行うことに相当な理由があるとして、本件債権放棄が法人税基本通達9−4−2に定める損失負担の必要性と再建計画の合理性のいずれの要件も満たしている旨主張する。しかしながら、上記要件のうち損失負担の必要性の有無についてみると、本件債権放棄の日以前から親会社である請求人の主導によって子会社等に対する支援が継続的に行われていることが認められ、また、子会社等にとっての資金効果は、請求人が子会社等に対する貸付金の元本の返済猶予及び金利の棚上げを一定期間行った場合と本件債権放棄を行った場合とで何ら異なるところはなく、一方で、請求人のみが本件債権放棄の原因債権である貸付金を貸し付け、そのわずか数ヵ月後にあえて債権放棄という手段をとらなければならない特段の事由も見当たらない。したがって、子会社等が経営危機に陥っていたとは認められず、さらに、請求人にとって損失負担等を行う相当な理由があるとは認められないことから、本件債権放棄はこれが寄附金に該当しないものとして取り扱う場合の損失負担の必要性の要件を欠くことになる。よって、請求人が主張する再建計画の合理性について判断するまでもなく、本件債権放棄の額は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当する。 (平18. 9.22 金裁(法)平18-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170107
- 裁決年月日
- 平成18年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①債権放棄通告書の送付は債権放棄そのことが目的ではなく、法人税基本通達に定められている要件を満たすために行ったものであるから、その存在のみをもって寄附金と認定した違法がある旨、②債権放棄通告書の送付は請求人の税法の解釈の錯誤によるものであり、撤回通知書により撤回したから寄附金の認定を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、債権放棄通告書の送付は、株式上場の意向をもっていた請求人が、上場を支援する会社から、不良債権である本件立替金を処理すべきであるとの指摘を受けて、本件債権債務を整理(処理)すべく、本件立替金を放棄する意思をもってなされたものと認めるのが相当であることから、債権放棄通告書の送付には錯誤がなく、請求人の主張は、その前提において理由がない。さらに、課税処分の適否は、その処分時における事実に基づいて判断すべきものと解されているから、原処分後になされた撤回通知書の送付は、そもそも原処分の取消事由とはならない。そして、本件債権放棄は①債務者であるA社が債務超過の状態になかったこと、②A社の負債のほとんどは請求人及びA社の代表者に対するものであるから、債権放棄をしなければ請求人がより大きな損害を被る関係になかったこと、③A社には事業閉鎖あるいは廃止等の事実が生じておらず、倒産の危機にあったとは認められないこと、④A社の再建計画等も存在しないことが認められるから、本件債権放棄が「相当な理由」によるものとはいえないので、寄附金の額に該当するとした原処分は相当である。(平18.2.8東裁(法)平17-107)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170029
- 裁決年月日
- 平成17年11月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社に対する貸付金等の債権を放棄したことは、当該子会社を再建するためにやむを得ず行ったものであるから、当該債権放棄には相当の理由がある旨主張する。この点につき、請求人にとって、債務超過に陥っている子会社を支援するために損失を負担する必要性は認められるにしても、当該子会社の再建計画は親会社である請求人が単独で策定したものであり、大口債権者である金融機関は何らその計画に関与していないことからすれば、債権者の総意による再建計画とは認められず、請求人のみが損失を負担することとしたものであり、債権者の総意による再建計画とはいえない。そうすると、当該債権放棄が子会社の再建のために必要であるか否かは不明といわざるを得ず、再建計画は合理的であるとはいい難い。したがって、当該債権放棄には、経済的利益の無償の供与と認められない相当な理由はないといわざるを得ない。(平17.11.10関裁(法)平17-29)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160061
- 裁決年月日
- 平成17年2月14日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、かつて全額出資していた外国法人に対して保有していた長期貸付債権等(以下「本件債権」という。)を資産運用会社へ売却し、それによって生じた債権売却損を損金の額に算入したところ、原処分庁は、本件債権は、非上場会社に対するものであり、市場流動性がなく、売買して流動化するという経済取引の客体になじまないものであること、及び譲渡価額の決定にも、し意性が認められるから、本件債権の譲渡の実体は、当該外国法人に対する債権放棄であり、資産運用会社を当事者として不正に介在させた仮装取引であると認定し、債権売却損は、当該外国法人に対する寄附金に当たるとした法人税の更正処分を行った。しかしながら、本件債権の譲渡については、債権の性質上譲渡が許されない場合や債権の契約当事者が譲渡を禁止した場合には該当せず、本件債権は、非上場会社に対する債権であり、市場流通性は低いと認められるものの、甲への譲渡を予定したものであり、本件債権が市場流通性がない債権であるとしても、そのことをもって本件債権の譲渡性が失われるものとは認められないから譲渡性を有しているものと認められる。さらに、資産運用会社の介在についても、請求人との覚書に沿って譲渡代金の受渡しや預金管理等を行ったものと認められ、不正に介在した事実は認められない。したがって、本件債権の譲渡は、金融機関から不良債権処理を求められた請求人が、本件債権の貸借対照表からの消去を目的として、資産運用会社に債権譲渡したもので、正当な取引と認められ、請求人が、本件債権の譲渡によって、当該外国法人に対して債権放棄をしたとは認められず、本件債権の譲渡によって生じた債権売却損は、請求人の寄附金には該当しない。(平17.2.14名裁(法)平16-61)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150020
- 裁決年月日
- 平成16年4月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、海外新子会社(以下「新子会社」という。)の事業内容、請求人との取引状況、住所、電話番号、ファックス番号、代表者及び従業員が旧海外子会社(以下「旧子会社」という。)と同一であることから、旧子会社は、新子会社として実質的に存続しており、加えて、新子会社を設立しても欠損金を生ずることが分かっていたのであれば、債権を放棄しても状況は変わらず、請求人が受ける利益はないから、法人税基本通達9−4−1の「今後より大きな損失が生じることを回避するためにやむを得ずその債権放棄をするに至った等相当の理由がある。」とは認められないから、同通達は適用できず、経済的利益の供与に当たるとして寄附金と認定し、その全額を損金不算入とした原処分は適法である旨主張する。しかしながら、事業内容、請求人との取引状況及び電話番号等が同一であることをもって実質的に存続しているとは言えるものではない。また、旧子会社の解散及び新子会社に出資したことにも合理的な理由(やむを得ない理由)が認められることから法人税基本通達9−4−1に該当する。したがって、原処分庁の主張は採用することができない。(平16.4.13熊裁(法)平15-20)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120085
- 裁決年月日
- 平成13年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、子会社等に対して行った債権放棄について、子会社等の経営破綻による連鎖倒産及び社会的信用の失墜というより大きな損失を回避するという、請求人にとって経済的利益及び合理性を伴うものであるから、経済的な利益の無償の供与に該当しない旨主張する。しかしながら、子会社等の融資先である取引銀行は、貸付債権の一部または全部を放棄したり、金利の減免などしておらず、本件債権放棄に関与していなかったことから、当該債権放棄は請求人が単独で恣意的に決したものというほかなく、その実施に合理性を有する再建計画があったとは認められない。したがって、本件債権放棄は子会社等への寄附金に該当するから、請求人の主張には理由がない。(平13.3.22大裁(法)平12−85)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120023
- 裁決年月日
- 平成12年10月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 業種
- 印刷機械、器具及び印刷用品の販売
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事業年度において損金の額に算入した本件外注費について、過去において子会社に与えた損失を一部補てんしたものであるから、寄付金に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が、子会社に対して損害賠償債務を負い、その賠償金額を損金の額に算入することができるためには、両社間に実体法上の損害賠償債務を生じさせるような具体的な事実の存在が認められなければならないところ、(1)請求人が提出した本件覚書は、別会社である子会社の債務のすべてを請求人が負担するという内容であって、請求人があえて別会社を設立した意味を失わせるもので、経済的合理性を欠くこと、(2)請求人の代表者は、本件覚書を最近作成した旨答述していることからすると、本件覚書の内容をたやすく信用することはできない。また、(1)請求人から、子会社の損失の発生時期、金額及び計算根拠について何ら説明がないこと、(2)本件外注費に関する請求人の説明は一貫性を欠いていること、(3)両者間で請求人が子会社に対して損害賠償責任を負う旨を確認した文書等は提出されていないことからすると、請求人の誤った指示に起因して子会社に損害が生じたと認めることもできない。したがって、請求人が実体を欠く本件外注費の額を損金の額に算入し、子会社に対する貸付金と相殺したことは、子会社に対する経済的利益を供与したものと認められ、法法第37条の規定に基づき、寄付金に該当する。(平12.10.16関裁(法)平12−23)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100035
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・357ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人が特約店の廃業及び代表者交代等に伴い、廃業資金、経営改善資金として支援する目的で、商品売上高及び消費税相当額を売掛金より減額した処分について、経済的利益の無償の供与にすぎないとして、寄附金に該当すると認定し更正処分を行った。請求人は売掛金の減額処理は、請求人の経営改善策の一方策として請求人の将来の損失を少なくするためのやむを得ない事情に基づき処理したもので、経済的利益の無償の供与の性格を有するものではなく、事業遂行上、真にやむを得ない費用であり、原処分庁は、法律の適用を誤っている旨主張する。そこで、売掛金の減額処理が寄附金に該当するか否かについて検討したところ、①石油業界の経営は、今後、一段と厳しくなり、特約店の統廃合が必然的な状況にあることが、マスコミ報道等からも十分うかがえること、②特約店の廃業及び代表者交代に伴う支援に当たっては、請求人の経営改善策の一方策として、役員会で決定されその議事録も存在すること、③特約店の平成9年3月期を含む事業年度の申告所得金額は欠損金額であり、今後、事業を継続したとしても、赤字の累積、請求人の売掛け債権の焦げつきが予想されること、④売掛金の減額処理は、一律に基準を設けて算定しているものではなく、特約店ごとに個々に算定されたものであること、⑤支援の方法として、売掛金を減額したものであり、実質的には債権の放棄であることといった事実が認められる。これらのことから、請求人は将来の石油業界の経済環境等を踏まえ、請求人における総合的経営戦略として、不採算特約店については、廃業等を積極的に誘導し、廃業等の条件が合意に達した特約店に対する廃業資金、経営改善資金として支援したことは事業遂行上、真にやむを得ない費用であり、客観的にみて経済的合理性を有し、社会通念上も妥当視される処理と認められる。また、請求人は、その債権を放棄するに至ったことについては、上記①〜⑤の事実のとおり、債権放棄しなければ、今後、より大きな損失を蒙ることが予想され、債権放棄したことによって、請求人にメリットがあると判断できることから、売掛金から減額した商品売上高及び消費税相当額は、寄附金には該当しない。(平11. 6.30福裁(法・所)平10-35)裁決事例集 №57・357ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平080042
- 裁決年月日
- 平成9年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 300712050
- 争点
- 7損金の額の範囲及び計算/12寄附金/5債権放棄等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・293ページ
要旨
○ 請求人は、旧子会社が税務調査を受け新たに納付することとなった納税資金を旧子会社に融資し、同社は当該借入れにより債務超過に陥ったが、旧子会社と請求人の鶏肉販売の60パーセントを占める大口取引先であるA社との間に、債務超過の継続など不健全経営の場合における取引停止等を明記した契約書が取り交わされていることから、その営業を新たに設立した新子会社へ債務を切り離して譲渡させ、請求人に旧子会社に対する債権を放棄し、旧子会社は解散させているため、この債権放棄は、法基通9−4−1に該当し、損金の額に算入できる旨主張する。しかしながら、(1)当該営業譲渡は、旧子会社に負債のみを残す内容のものであること、(2)新子会社は、当該営業譲渡を前提に設立されたものであること及び(3)当該納税資金の融資は、当該営業譲渡が行われた後になされており、その回収ができなくなることは、当該融資を行った時点で明らかであることから、これら一連の行為は経済人の行為としては極めて不自然、不合理であり、両会社がいずれも請求人の支配する子会社であるためになし得たものであって、旧子会社、新子会社は一体のものというべきで、実質的に法基通9−4−1でいう経営権の譲渡等が行われたものとは認められず、また、A社から取引を停止されるおそれがあったとは認められず、当該通達に定める子会社に対する債権を放棄しなければ今後より大きな損失を蒙ることになることが社会通念上明らかであると認められる場合に該当するとは認められないから、当該通達の適用はできないと解するのが相当である。(平 9. 6. 2熊裁(法)平 8-42) 裁決事例集No53・293ページ
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