裁決要旨 6資力喪失に伴う資産の譲渡
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050043
- 裁決年月日
- 令和6年4月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有していた土地建物(本件物件)の譲渡(本件譲渡)の時における請求人の資産及び負債を算定すると、本件譲渡により収受した①消費税等相当額や②固定資産税等清算金は、本件譲渡の対価に含まれず、いずれも資産に計上すべきものではないこと、他方、③本件物件の取得時の借入金に係る遅延損害金及び④請求人が負っている請求人が代表取締役を務める会社の債務や遅延損害金に係る連帯債務は、いずれも債務に計上すべきものであることなどからすると、債務超過の状態にあり、「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」な状況にあったため、本件譲渡による所得は所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号(本件非課税規定)に規定する非課税所得に当たる旨主張する。しかしながら、上記①及び②については、本件譲渡の対価の一部であって請求人の資産に計上されるものである一方、上記③及び④については、確かにいずれも債務に計上すべきものであり、これらのことなどからすると、請求人は、本件譲渡時においては、債務超過の状態にあったものと認めるのが相当であるが、上記③及び④の遅延損害金については、本件譲渡時において、本件物件の譲渡代金により求償債務等の元金を弁済することに伴い免除を受けることが予定されており、資力回復することが見込まれる状態であったから、「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」であったとまで評価することはできない。また、本件においては、本件譲渡に係る対価の全部が債務の弁済に充てられたともいえないことから、本件譲渡による所得は、本件非課税規定に規定する非課税所得に該当しない。(令6. 4.16 大裁(所)令5-43)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040083
- 裁決年月日
- 令和5年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306990
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№130
要旨
○ 請求人は、破産手続において破産管財人が破産財団に属する財産の換価や処分をするための手段は、狭義の売買だけではなく、管理処分権に基づく破産法第78条列挙の処分などがあり、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号の規定(本件非課税規定)は、これらの手段を包括的に表現するために、処分や換価の代表的行為である「譲渡」に着目して「資産の譲渡」との名称を用いているのであるから、破産管財人が、破産財団に属する株式を売買する場合のみならず、剰余金の配当請求権を行使して支払を受ける場合も本件非課税規定の「資産の譲渡」に該当する旨主張する。しかしながら、本件非課税規定の趣旨及び文理に照らすと、「資産の譲渡」とは、資産の帰属主体たる地位や所有権を移転させる行為を指すと解されるところ、請求人が配当請求権を行使して剰余金の配当を受けることにより資産の帰属主体たる地位や所有権が請求人から移転したとは認められないから、当該配当は本件非課税規定の「資産の譲渡」には該当しない。(令5. 2.16 東裁(所)令4-83)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290008
- 裁決年月日
- 平成29年7月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306010
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/1債務弁済困難状態の判定時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、資産の譲渡(本件譲渡)が、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号の規定(本件非課税規定)にある「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合」に当たるか否かは、譲渡時に債務超過であるか否かに必要以上にこだわることなく、課税された場合の請求人らの生活及び事業の継続に与える影響、担税力及び資産の換価困難性等を踏まえて判断すべきである旨主張する。しかしながら、本件非課税規定は、強制換価手続による資産譲渡が、当該資産所有者の経済状態が悪化し、その保有資産の全部をもってしても債務全部の弁済が困難な状態に陥ってからなされることが多く、このような場合に課税してもその者には担税力がなく、結果的に徴収不能となることが明らかなことなどから、当該譲渡所得その他これに類する一定の所得を非課税とする趣旨で定められたものである。このような趣旨に鑑みると、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合とは、当該資産の譲渡時に債務者の全財産の総額に照らし債務超過の状態が著しく、その者の信用、才能等を活用しても、現にその債務の全部を弁済するための資金を調達することができないだけでなく、近い将来においても調達することができないと認められる場合をいうと解するのが相当である。これを本件についてみると、本件譲渡の時点の資産及び負債の状況によれば債務超過の状態が著しい状況にあったとは認められないので、本件非課税規定にいう「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合」とはいえないから、本件非課税規定は適用されない。(平29. 7.19 東裁(所)平29-8)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270007ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成27年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務免除された時点において、債務超過の状態に陥っていたことなどから、「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合」に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は、①賃貸用不動産を多数所有して多額の賃貸料収入を得ていたこと、②不動産賃貸料収入から必要経費等を差し引いた金額は標準的な消費支出金額を大きく上回ること、③不動産を売却、更には購入する余力もあったことからすると、債務の返済資金に充てる資力が十分あったといえ、事実、債務の返済を継続できていた。また、債務免除された後においても、請求人は、多額の賃貸料収入を得、不動産を売却するなどして資金を調達し債務の弁済を継続できていた上、新たに土地を購入していたことも認められる。以上によれば、請求人は、その業務及び資産をもって債務の全部を弁済するための資金を調達することは可能で、担税力はあったものと認められるから、「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合」には該当しない。(平27.10.27 熊裁(所)平27-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270002
- 裁決年月日
- 平成27年7月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306010
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/1債務弁済困難状態の判定時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№100
要旨
○ 請求人は、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号に規定する資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合の資産の譲渡による所得に当たるか否かは、原処分時において判定すべきであるところ、当該原処分時において、多額の損害賠償債務を負って担税力がないことは明らかである旨主張する。しかしながら、上記規定は、強制換価手続によって資産譲渡が行われる場合、当該資産所有者の経済状態が悪化していて、その保有資産の全部をもってしても債務全部の弁済が困難な状態になっていることが多く、このような場合に課税しても結果的に徴収不能となることが明らかなことから、かかる譲渡所得その他これに類する一定の所得を非課税とする趣旨で定められたものであり、所得税基本通達9−12の2《「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」である場合の意義》は、上記趣旨に照らし、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合とは、債務者の債務超過の状態が著しく、その者の信用、才能等を活用しても、現にその債務の全部を弁済するための資金を調達することができないだけでなく、近い将来においても調達することができないと認められる場合をいい、これに該当するか否かは、当該資産を譲渡した時の現況により判定すると定めているところ、上記規定の該当性に係る判断を当該資産の譲渡時において行うことを明らかにしたものであり、その内容は相当と認められる。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平27. 7.28 関裁(所)平27-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270002
- 裁決年月日
- 平成27年7月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№100
要旨
○ 請求人は、資産を譲渡した時(本件譲渡時)において、資産を譲渡することとなった原因と密接に関連した請求人を被告とする損害賠償請求訴訟(本件訴訟)が係属中であり、敗訴の可能性が高かったことからすれば、本件譲渡時の現況において、当該資産の譲渡による所得は、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号に規定する資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合の資産の譲渡による所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件訴訟は、本件譲渡時において係属中であり、請求人の本件訴訟に係る債務については、その存否も額も明らかではなく、債務として確定していないから、かかる未確定の債務をもって債務超過の状態が著しいと認めることはできないし、また、課税しても結果的に徴収不能となることが明らかな場合に譲渡所得等を非課税とする上記規定の趣旨に照らしても、これを考慮することはできないというべきであるから、請求人の主張には理由がない。(平27. 7.28 関裁(所)平27-2)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平230006
- 裁決年月日
- 平成24年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡に係る所得は、所得税法施行令第26条《非課税とされる資力喪失による譲渡所得》の要件を満たすものであるから、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号に規定する非課税所得に該当する旨主張する。しかしながら、所得税法施行令第26条は、強制換価手続に類する譲渡による所得が非課税所得に該当するための重畳的要件を規定しており、同条に規定する「債務を弁済することが著しく困難」である場合とは、譲渡所得の発生の際に、債務者の債務超過の状態が著しく、その者の信用、才能等を活用しても、現にその債務の全部を返済するための資金を調達することができないのみならず、近い将来においても調達することができない場合をいうと解されているところ、請求人は、本件譲渡の時において多数の資産を所有し、その資産の評価額等は、負債額を大きく上回っていることから、本件譲渡の時において、債務超過の状態ではなかったことが明らかであるので「債務を弁済することが著しく困難」であると認めることはできない。したがって、請求人の本件譲渡に係る所得は、所得税法施行令第26条に規定する要件を満たしておらず、よって、所得税法第9条第1項第10号に規定する非課税所得に該当しない。(平24. 1.23 沖裁(所)平23-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220230
- 裁決年月日
- 平成23年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件不動産の譲渡は約5億円の負債があり明らかな債務超過の状態において行ったものであるから、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号の規定により、その譲渡による所得は非課税である旨主張する。しかしながら、本件不動産の譲渡の時において、請求人は、債務超過の状態にはなかったと認められ、同号に規定する「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合」の要件を満たさないから、請求人の主張には理由がない。(平23. 6.22 東裁(所・諸)平22-230)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210053
- 裁決年月日
- 平成22年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡に係る売買代金は滞納国税等の支払に充てられ、債務超過の状態ではないが、破産法第15条《破産手続開始の原因》の破産手続開始の原因と同様の支払不能の状態にあるから、本件譲渡に係る所得は、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号に規定する資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合における資産の譲渡による所得に該当し、非課税所得となる旨主張する。しかしながら、「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」である場合に該当するか否かについては、所得税基本通達9−12の2《「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」である場合の意義》の取扱いによるのが相当であり、同通達が定めるとおり「債務超過の状態が著しいこと」、「現に資金を調達することができないこと」及び「近い将来においても調達することができないこと」の3つの要件をすべて満たすかどうかにより判断すれば足りるのであって、請求人が主張する破産法第15条の破産手続開始の原因である支払不能の状態にあったかどうかにより判断するものではない。これを本件についてみると、本件譲渡の日における請求人の資産及び負債の状況によれば、請求人は債務超過の状態にあったとはいえないから、本件譲渡に係る所得は非課税所得に該当しない。(平22. 6.16 名裁(所)平21-53)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210007
- 裁決年月日
- 平成21年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306990
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法施行令第26条に規定する非課税所得となる要件(①資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であり、かつ、②強制換価手続の執行が避けられないと認められる場合における資産の譲渡による所得で、③その譲渡の対価が当該債務の弁済に充てられたもの)は、担税力を考慮し、債務の弁済に充てた金額を非課税とする趣旨の規定であり、同条において譲渡代金のすべてを債務弁済に充てなければ非課税とならないとも規定されていないことから、本件譲渡の対価のうち債務の弁済に充てた金額については非課税とするのが相当である旨主張する。しかしながら、同条の規定によって資産の任意換価による所得が非課税とされている趣旨は、資産の任意換価であっても強制換価手続が行われるのと同様の事情の下で行われることが有り得ることから、それに配意したものである。よって、本件のように、資産の譲渡対価の一部が債務の弁済以外に費消されている場合は、強制換価手続と同様の事情にあるとはいえず、このような場合にまで非課税とすべき合理的な理由は認められないことから、請求人の主張には理由がない。以上のことから、本件譲渡による所得の全額について非課税所得に該当しないとして行われた原処分は適法である。(平21.12.14 仙裁(所)平21-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200085
- 裁決年月日
- 平成21年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡は、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号(以下「本件非課税規定」という。)及び所得税法施行令第26条《非課税とされる資力喪失による譲渡所得》に規定する「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」であり、かつ「強制換価手続の執行が避けられない」と認められる場合における資産の譲渡に該当するから、当該譲渡による所得は、本件非課税規定が適用される旨主張する。ところで、本件非課税規定は、本人の意思に基づかない強制的な譲渡である強制換価手続による資産の譲渡の場合を規定しているところ、上記施行令の規定も、本件非課税規定の趣旨を敷延して、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な状態のもとで、債権者から請求されている当該債務を弁済することができなければ強制換価手続によりその資産の譲渡をせざるを得ないような状況に追い込まれている場合における当該資産の譲渡につき、本件非課税規定の適用を認める趣旨であると解される。そうすると、上記施行令の「その債務の全部を弁済するための資金を調達することができないと認められる場合」の「その債務」とは、弁済することができなければ譲渡の対象である資産についての強制換価手続の執行が避けられないと認められる状態にある債務をいうものと解するのが相当であり、同状態の存否は、単に当該債務が債務不履行状態にあるか否かのみではなく、債務名義に係る債務か否か、(根)抵当権の被担保債務か否か、催告者の催告の有無などの債権者の対応状況、債権者と債務者の関係等を総合して判断すべきである。当審判所の調査によれば、請求人は、本件土地の譲渡時において、本件土地に対する強制換価手続が避けられないこととなるその債務の額を上回る額の資金調達が可能な資産を有していることが認められるから、本件土地の譲渡による所得に本件非課税規定の適用はない。(平21. 6.23 大裁(所)平20-85)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200086
- 裁決年月日
- 平成21年6月23日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡は、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号(以下「本件非課税規定」という。)及び所得税法施行令第26条《非課税とされる資力喪失による譲渡所得》に規定する「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」であり、かつ「強制換価手続の執行が避けられない」と認められる場合における資産の譲渡に該当するから、当該譲渡による所得は、本件非課税規定が適用される旨主張する。ところで、本件非課税規定は、本人の意思に基づかない強制的な譲渡である強制換価手続による資産の譲渡の場合を規定しているところ、上記施行令の規定も、本件非課税規定の趣旨を敷延して、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な状態のもとで、債権者から請求されている当該債務を弁済することができなければ強制換価手続によりその資産の譲渡をせざるを得ないような状況に追い込まれている場合における当該資産の譲渡につき、本件非課税規定の適用を認める趣旨であると解される。そうすると、上記施行令の「その債務の全部を弁済するための資金を調達することができないと認められる場合」の「その債務」とは、弁済することができなければ譲渡の対象である資産についての強制換価手続の執行が避けられないと認められる状態にある債務をいうものと解するのが相当であり、同状態の存否は、単に当該債務が債務不履行状態にあるか否かのみではなく、債務名義に係る債務か否か、(根)抵当権の被担保債務か否か、催告者の催告の有無などの債権者の対応状況、債権者と債務者の関係等を総合して判断すべきである。当審判所の調査によれば、請求人は、本件土地の各譲渡時及び近い将来において、請求人の信用、才能等を活用しても、本件土地に対する強制換価手続が避けられないこととなる「その債務」を弁済するための資金を調達することができないと認められる。(平21. 6.23 大裁(所)平20-86)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200086
- 裁決年月日
- 平成21年6月23日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200306990
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 所得税法第9条《非課税所得》第10号(以下「本件非課税規定」という。)の適用に当たって、所得税法施行令第26条に規定する「その譲渡に係る対価が当該債務の弁済に充てられた」かどうかは、同条に規定する資産の譲渡の対価(当該資産の譲渡に用意した費用がある場合には、当該費用に相当する部分を除く。)の全部が当該譲渡の時において有する債務の弁済に充てられたかどうかにより判定するすることとされている(所得税基本通達9−12の4)。ところで、請求人は、3年にわたる土地の譲渡のうち、1年目の土地の譲渡において、譲渡土地の固定資産税及び都市計画税に係る精算金相当額を債務の弁済に充てておらず、また、抵当権抹消費用は譲渡に要した費用に該当しないから、これらについて「譲渡に係る対価が当該債務の弁済に充てられた」(譲渡の対価の全部が当該譲渡の時において有する債務の弁済に充てられた)といえないのではないかとも考えられ、原処分庁はこれに沿った主張をする。しかし、上記精算金については譲渡収入金額とされるものではあるものの、租税として既に支払われたものに相当するか又はその後支払われなければならないものの前払であり、抵当権抹消費用も実際に支払われた費用である。そうすると、いずれも支出を伴っているということができ、本件非課税規定の趣旨を考慮すると、このような金額までも債務の弁済に充てるべきであったということは必ずしも相当でなく、また、その金額も譲渡収入金額に比較すると僅少であることを考慮すると、これらを債務の弁済に充てなかったことをもって、譲渡対価の全部を債務の弁済に充てたと認めることができなくなるものではないというべきであり、本件において、原処分庁の主張は採用できない。(平21. 6.23 大裁(所)平20-86)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平200005
- 裁決年月日
- 平成21年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306990
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①事業が赤字経営で債務超過状態が続く中、負債も膨大になり資力の回復が見込めなかったこと、②A銀行における稟議書には、競売を前提とした債権回収策等が記載されているはずであり、また、③本件譲渡前においてA銀行及びB銀行の担当者から、貸付限度額の減額と当該貸付限度額の減額に伴う借り越し額の全額弁済を通告されたことからすれば、強制換価手続の執行が避けられない状況にあったことなどを理由として、本件譲渡には本件非課税規定が適用されるべきである旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、A銀行及びB銀行の請求人に対する貸付金に係る関係書類には、請求人の返済遅延に関して強制換価手続への移行の前提となる接触や催告を行った記録はなく、また、貸付金の返済遅延が発生したとしても金融機関がすぐに強制換価手続による貸付金額の回収を行うわけではなく、一般に、度重なる催告を行っても債務が履行されないといった事実が発生して初めて法的な手続への移行が検討されるということが認められ、更には、A銀行に対しては、本件譲渡後も従前と全く同じ条件で返済が行われていることが認められる。また、金融機関以外の借入金についても、本件個人債権者らからの支払催告がなされた事実も認められず、更には、本件譲渡物件に係る不動産登記簿の全部事項証明書には、強制換価手続に基づく差押登記も認められず、しかも、請求人から強制換価手続の執行が避けられない状況であったことを示す資料等の提出もないことから、強制換価手続の執行が避けられない状況であったとは認められないため、本件譲渡に本件非課税規定の適用はなく、原処分庁が行った更正処分は適法である。(平21. 3.26 沖裁(所)平20-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200036
- 裁決年月日
- 平成21年2月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・31ページ
要旨
○ 資力を喪失して債務の弁済が著しく困難な場合に当たるか否かを判定する場合、譲渡物件については、譲渡時において、譲渡の対価、すなわち譲渡価額として弁済可能な金額が客観的、かつ、具体的な金額として把握できるのであり、譲渡物件は譲渡以前においても同価額と同額の価額を有していたと認めるのが相当であることから、譲渡価額に相当する価額で評価すべきである。これに対し、請求人らは、譲渡物件については、競売に際し算定される最低買受希望価額により評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人らが最低買受希望価額と主張する価額は、地方裁判所の評価人を経験している不動産鑑定士から、最低買受希望価額は、公示価格の60%の更に80%、すなわち公示価格に48%を乗じて算定される旨聞いたことを算定根拠とするものであるところ、そもそも同鑑定士も、最低買受希望価額を常に48%を乗じて算定していると答えたものではない上、執行裁判所は、同裁判所が選任した評価人の評価に基づいて最低売却価額を決定するのであって請求人らの主張する算定根拠に基づいて算定されるわけではないから、請求人らの主張は採用することはできない。(平21. 2.17 関裁(所)平20-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200028
- 裁決年月日
- 平成20年8月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成16年中の各譲渡は、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合の譲渡に該当するから、譲渡代金のうち債務の弁済に充てた部分は、所得税法第9条第1項第10号及び所得税法施行令第26条に該当し非課税である旨主張する。しかしながら、請求人は、上記各譲渡に係る譲渡対価から譲渡費用を除いた金額を、借入金の返済、滞納税金の納付、敷金の精算及び工事代金の精算等に充てて、これらの債務を完済するとともに、本件各譲渡に係る所得税及び消費税を納付した後において、新たな不動産を購入した上で、更に残金が生じており、また、それ以外にも年間300万円を超える年金収入があることが認められる。そうすると、請求人の場合、上記各譲渡時において、債務超過の状態が著しく、その者の信用、才能等を活用しても、現にその債務の全部を弁済するための資金を調達することができないのみならず、近い将来においても調達できないと認められる場合に当たるとは到底認められないから、所得税法第9条第1項第10号に規定する「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合」に当たらず、上記各譲渡に係る譲渡所得のうちの債務の弁済に充てた部分の金額は、非課税所得には該当しないことになる。(平20. 8. 4 東裁(所)平20-28)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190006
- 裁決年月日
- 平成19年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号に規定する「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合」とは、債務者の債務超過の状態が著しく、近い将来においてもその資力を回復することができないと認められるような状態をいい、これに該当するかどうかは、その資産の譲渡時点における現況により判定するのが相当と解されるところ、本件株式の譲渡時、請求人が有していた財産の額は債務の額を上回っており、その譲渡時において、請求人は資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であったと認められないので、本件株式の譲渡による所得は、所得税法第9条第1項第10号に規定する非課税所得には該当しない。(平19. 8.30 関裁(所)平19-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190018
- 裁決年月日
- 平成19年8月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が行った平成15年分及び平成16年分の所得税の各更正処分等について、請求人が行った各年中の各資産の譲渡は、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合の譲渡に該当し、当該譲渡による所得は非課税所得に該当するから、当該処分の一部を取り消すべきである旨主張する。 しかしながら、①平成15年中の各資産の譲渡は、強制換価手続による譲渡ではなく、また、強制換価手続の執行が避けられないと認められる場合の譲渡にも該当しないこと、また、②平成16年中の各資産の譲渡は、強制換価手続による譲渡には該当するものの、請求人の資産及び負債の状況並びに生計費の稼得状況等から総合的に判断すると、請求人は、債務超過の状態が著しく、その信用、才能等を活用しても現にその債務を弁済するための資金を調達することができないのみならず、近い将来においても調達することができない場合に該当するとは認められないことから、請求人の主張には理由がなく、各年中の資産の譲渡による所得は非課税所得に該当しないとしてされた原処分は適法である。(平19. 8.27 東裁(所)平19-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190006
- 裁決年月日
- 平成19年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、租税特別措置法第33条第2項に規定する収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例を適用して申告したが、取得期限までに代替資産を取得せず、取得していないことについて修正申告をしなかったことから更正処分を受けたものであるが、本件譲渡は資力喪失状態で譲渡したものであるからその譲渡に係る所得は所得税法第9条第1項第10号に規定する非課税所得に該当し、そもそも課税の対象にならない旨主張する。 しかしながら、強制換価手続によらない任意の譲渡による場合に、それが所得税法第9条第1項第10号に規定する非課税所得に該当するためには、①納税者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であること、②強制換価手続の執行が避けられない状況であること、③その譲渡に係る対価の額が当該債務の弁済に充てられたこと、の要件をすべて満たしていることが必要であるところ、請求人は、譲渡資産以外に不動産を所有しており、その他の事情も併せて考慮すると、譲渡当時、十分な資力があったものと認められ、上記①の要件を満たしているとは認められないため、非課税所得には該当しない。(平19. 7. 6 東裁(所)平19-6)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170004
- 裁決年月日
- 平成17年12月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡が、所得税法施行令第26条に規定する非課税所得の要件(①資力喪失の状態で債務弁済が著しく困難、②強制換価手続の執行が避けられない状況の下での譲渡及び③本件譲渡の対価が当該債務の弁済に充てられたこと)をすべて充足する旨主張する。しかしながら、①請求人の銀行借入金及び請求人が理事として勤務するA法人の銀行借入金は、本件譲渡時において滞りなく返済されており、A法人の銀行からの借入れに係る担保提供者でもある請求人に対して、銀行からの強制換価手続の執行が避けられない状況にあったとは認められず、②A法人からの借入金について、強制換価手続の執行が避けられなかったとする具体的な証拠の提出はなく、また、本件譲渡前後において、A法人との間で多額の金銭授受が行われていることからすると、A法人が請求人に対して強制換価手続をとる状況にあったとも認められない。したがって、本件譲渡が、強制換価手続が避けられない状況の下で行われたとは認められず、その他の要件を判断するまでもなく、非課税所得には該当しない。(平17.12.5熊裁(所)平17-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170026
- 裁決年月日
- 平成17年7月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡は、請求人が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難となり、国税局の滞納処分という強制換価手続に依拠して行ったものであるから、本件譲渡に係る所得は、所得税法第9条第10号の規定により非課税所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件譲渡は、請求人と買受人との売買契約に基づくものであるから、滞納処分、強制執行、担保権の実行としての競売、企業担保権の実行手続及び破産手続のいずれの強制換価手続にも該当せず、また、本件譲渡に係る譲渡代金の一部が滞納国税に充てられたものの、代金のすべてが請求人の債務に充てられてもいないことからすると、本件譲渡が強制換価手続の執行が行われるのと同様な事情の下で行われたものとは認められないから、本件譲渡に係る譲渡所得は非課税所得には当たらない。(平17.7.29東裁(所)平17-26)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160021
- 裁決年月日
- 平成16年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡所得については、所得税法第9条第1項第10号のその他これに類するものとして所得税法施行令第26条に規定する①資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であり、②国税通則法第2条第10号に規定する強制換価手続の執行が避けられないと認められる場合における資産の譲渡による所得で、③その譲渡に係る対価が当該債務の弁済に充てられたものの3つの要件をいずれも充足する旨主張する。しかしながら、③については、その譲渡は強制換価手続の執行が行われるのと同様な事情の下で行われることが前提とされていると解されるから、譲渡対価の全部が債務の返済に充てられることが求められるところ、本件の譲渡対価は、その一部が債務返済先と異なる名義の預金口座へ振込まれており、譲渡対価の全部が債務の返済に充てられていないから、本件譲渡所得に所得税法第9条第1項第10号の規定を適用することはできない。(平16.10.27大裁(所)平16-21)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140127
- 裁決年月日
- 平成15年6月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、平成9年分の譲渡については、請求人が債務超過の状態が著しいとは認められず、また、平成11年分の譲渡については、譲渡代金のすべてを債務の弁済に充てていないため所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号の規定の適用はない旨主張する。しかしながら、①請求人は、債務超過の状態が著しく、かつ、譲渡代金のすべてを債務の弁済に充てていること、及び②請求人の所得の状況からすると、債務の全部を弁済することが見込めない状況にあることから、所得税法第9条第1項第10号の規定の適用があると認められるので、原処分の全部を取り消すのが相当である。(平15.06.27.関裁(所)平14-127)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140274
- 裁決年月日
- 平成15年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡した時点において債務超過の状態にあり、その解消ができない状態であるので、本件非課税規定の適用により非課税となる旨主張する。しかしながら、仮に請求人が主張するように請求人が債務超過の状態であったとしても、本件非課税規定の要件は、①納税者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であること、②強制換価手続の執行が避けられない状況であること及び③その譲渡に係る対価の額が当該債務の弁済に充てられたことのすべての要件を満たすものであるところ、請求人は、本件債権者に対し、本件土地の所有権を移転し、本件借入金のうち8,250,000円の弁済をする旨記載した本件代物弁済契約証書を作成していること及び請求人は、本件債権者に対し本件土地を自主的に代物弁済すると申し出た旨答述していることからすると、請求人は、本件債権者から半強制的に代物弁済契約の締結を迫られたものではなく、請求人が自らの意思に基づき本件土地を本件債権者に代物弁済したものであるので、本件譲渡は、当該譲渡の時点において、強制換価手続が避けられない状況の下でなされた任意売却とは認められないこと、また請求人は、本件譲渡後に請求人が勤務している法人に対して金銭を貸し付け及び立て替えを行っていることからすると、本件非課税規定の要件を満たしているとは認められないので、請求人の主張には理由がない。(平15.06.20.東裁(所)平14-274)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140236
- 裁決年月日
- 平成15年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が代表取締役として勤務する法人に対して、同人の所有する土地及び建物を代物弁済により譲渡したが、当該譲渡は所得税法第9条第1項第10号に規定する非課税所得に該当する旨主張する。しかしながら、当該譲渡が行われた時点では、請求人の銀行借入金は期限内に返済が確実に履行されており、強制換価手続が執行されるに至る程度の状態にあったとは認められないこと、また、土地及び建物を代物弁済により取得した法人の請求人に対する債権は、返済期限の定めがなく、かつ、譲渡土地及び建物が当該債権の担保として供されていた事実もないから、その余の要件を判断するまでもなく、請求人の主張には理由がない。(平15.04.24.東裁(所)平14-236)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130215
- 裁決年月日
- 平成14年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306990
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡時点で債務超過の状況にあり債務の返済に金額充当していると主張するが、本件土地の譲渡代金の一部により請求人名義の定期預金を設定したほか、使途不明となった金額があると認められ、このことは、本件土地の譲渡(任意換価)が強制換価手続の執行が行われるのと同様な事情の下で行われたということはできないから、所得税法第9条1項10号の適用はない。(平14. 3.29東裁(所)平13-215)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130073
- 裁決年月日
- 平成13年10月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地の譲渡は資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難で、かつ、強制換価手続が避けられない状況下での任意譲渡である旨主張する。しかしながら、請求人は、借入金の返済が厳しくなるため、本件宅地を譲渡し、その譲渡代金で一部の借入金を完済して資金繰りを健全化するために本件譲渡を行ったものであり、また、本件宅地の譲渡代金の一部を出資に支出していることが認められるから、本件宅地の譲渡は、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合の譲渡に当たらず、所得税法第9条第1項第10号の規定の適用は認められない。(平13.10.25東裁(所)平13-73)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110022
- 裁決年月日
- 平成12年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債権者から仮差押えされている本件土地を任意売却したのは、放置して強制競売に付されるよりも売却条件を良くするため、便宜的に任意売却したものに過ぎないから、強制換価手続きと同視できるものであり、本件譲渡は所法第9条第1項第10号に該当する旨主張する。しかしながら、当該譲渡の日現在における請求人の資産・負債を検討した結果、負債超過の状態とは言えず、資力を喪失したとは認められないので当該規定を適用する要件を満たしていない。(平12. 3.31仙裁(所)平11-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110121
- 裁決年月日
- 平成12年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡(本件譲渡)による譲渡所得は、所法第9条第1項第10号に規定する非課税所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件譲渡の時において、請求人が強制換価手続の執行を受ける可能性があったとはいえ、①本件譲渡の時において請求人が有していた資産のうち、非上場株式の評価額を評価基本通達に定める方法により算定することには合理性があり、②本件土地については現に第三者との間の自由な取引により譲渡代金が決定している以上、当該譲渡代金をもって評価額とするのが相当であり、また、③請求人の経営する会社に対する貸付金の回収が不能であるとも認められないから、請求人が債務超過の状態にあったとはいえず、しかも、請求人は高額の給与収入等を得ているのであって、これらの事実に照らすと、請求人が本件譲渡の時において資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合にあったとは認められず、本件譲渡に係る譲渡所得は非課税所得には該当しない。(平12. 3.29東裁(所)平11-121)、(平12. 3.29関裁(法)平11-78)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100018
- 裁決年月日
- 平成10年10月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地の譲渡による所得は、所法第9条第1項第10号に規定する非課税規定に該当する旨主張する。しかしながら、請求人の譲渡所得は、所法第9条第1項第10号の要件である①資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合、②強制換価手続による資産の譲渡、又は強制換価手続の執行が避けられないと認められる場合及び③その譲渡に係る対価の全部が当該債務の返済に充てられた場合のいずれにも該当せず非課税規定の適用はできない。(平10.10.28名裁(所)平10-18)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090115
- 裁決年月日
- 平成10年6月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200306990
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、限定承認に係る相続により取得した本件資産に係るみなし譲渡所得について、本件資産の譲渡対価は被相続人の債務の弁済に充てられることが確実であることから、所法第9条第1項第1号に該当し非課税である旨主張する。しかしながら、みなし譲渡所得は現実には譲渡代金の受渡しがなく、本件債務の弁済に充てることはできないことが明らかであるところ、本件非課税規定は強制換価手続によって資産の譲渡があった場合及び強制換価が避けられない場合に任意換価し、債務の弁済に充当した場合の非課税規定であることから、請求人の主張は採用できない。(平10. 6. 3大裁 (所) 平 9-115)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080128
- 裁決年月日
- 平成9年6月18日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200306020
- 争点
- 3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/2債務弁済困難状態の認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 所令第26条に規定する「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」な場合に該当するかどうかは、資産を譲渡した時の現況により判定すべきものと解されるところ、本件譲渡時における請求人の資力は、債務超過の状態が著しく、かつ、近い将来においてもその資力を回復することができない状態にあったと認められ、また、本件譲渡は、強制換価手続の執行が到底避けられない事情の下での任意換価であったと推認されること及びその譲渡に係る対価の全部が債務の弁済に充てられたことが認められるので、本件譲渡による所得は、所法第9条第1項第10号に規定する非課税所得に該当し、原処分はその全部を取り消すべきである。(平 9. 6.18大裁 (所) 平 8-128)
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