裁決要旨 3有価証券等の譲渡等の事実の認定
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050050
- 裁決年月日
- 令和6年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父(本件被相続人)が株式譲渡をした外観が存在するとしても、本件被相続人は当該株式譲渡の各契約(本件各契約)に関与しておらず、本件各契約は不存在であるか、又は、本件被相続人は、本件各契約の当時、意思無能力であったから、本件各契約は無効であるなどと主張する。しかしながら、本件各契約は、請求人の兄が本件被相続人に代わって本件被相続人の記名押印をする方式によって顕名をした上で、本件各契約を締結したものとみるのが相当であり、請求人の兄を意思表示の主体とする本件各契約が存在する以上は、本件各契約が不存在であるとはいえず、また、本件被相続人が本件各契約の当時、意思無能力であったとは認められないから、本件各契約が本件被相続人の意思無能力により無効であるとはいえない。もっとも、本件被相続人による請求人の兄への代理権の授与の事実は認められないから、本件各契約は、請求人の兄による無権代理行為によるものと認められ、本件被相続人に対してその効力を生じない。(令6. 5.28 大裁(所)令5-50)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050027
- 裁決年月日
- 令和6年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式売買契約書の内容を確認せずに署名押印したが、当該契約に係る株式を保有していたという認識はなく、当該契約書に係る契約は実体がなく不存在である旨主張する。しかしながら、当該契約書に係る株式は、請求人が従前代表取締役を務めていた会社に係る保有株式が、法人の合併や分割の経過に基づき、保有していたことが認められる。そして、当該契約書は、その成立の真正を疑わせる事情はなく、真正に成立したと認められるから、その記載内容を別異に解すべき特段の事情がない限り、その記載どおりの合意がなされたと認めるべきところ、「株式売買契約書」と題され、株式の銘柄、数量及び約定金額等が記載されているのであるから、これが株式を売買するための契約に係る書面であることは一見して明らかであり、また、当該記載と同じページの下部に請求人が譲渡人として自ら署名押印しているのであるから、その記載を確認することもなく署名押印したなどとは不自然というほかない。以上で述べたほか、当該契約書に係る契約は、その記載内容を別異に解すべき特段の事情があるとは認められないから、その記載内容どおりの合意が成立したものと認めるのが相当であり、実体のない不存在のものであったとは認められない。(令6. 5. 8 名裁(所)令5-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010090
- 裁決年月日
- 令和2年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、株式(本件株式)を法人に遺贈する旨の亡母名義の遺言書(本件遺言書)は、自筆証書遺言の方式を充足しておらず、亡母には遺言能力もなかったから、本件遺言書に係る遺言(本件遺言)は無効であり、本件株式に所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項の規定の適用はない旨主張する。しかしながら、①請求人の援用する本件遺言書が亡母によって書かれたものではないとする筆跡鑑定の結果はその所見について根拠がないこと、②亡母には本件遺言書を書く動機があったこと、③請求人自身、本件遺言書が亡母によって書かれたものであることを前提とした行動を取っていたこと、④亡母の後見開始の審判の時期は本件遺言書の作成日よりも相当後であり、亡母に遺言能力がなかったとは認められないことから、本件遺言書は、亡母が、その全文、日付及び氏名を自書し、押印して作成したものと認められ、民法(平成30年法律第72号による改正前のもの。)第968条《自筆証書遺言》に規定する自筆証書遺言の方式を充足し、亡母は遺言能力を有していたことから、本件遺言は有効であると認められる。したがって、本件株式には、所得税法第59条第1項の規定の適用がある。(令2.4.1東裁(所)令元-90)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010089
- 裁決年月日
- 令和2年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、訴訟上の和解に基づき行った取引相場のない株式(本件株式)の譲渡(本件譲渡)について、①本件株式の譲受者は、和解条項に示された利害関係人の財団法人(本件財団法人)ではなく、実質的には当該訴訟の相手である請求人の弟個人であること、②本件株式の譲渡価額は、裁判所の介在の下、利害の対立する第三者間と変わらない関係で決定した時価であることを理由に、所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項第2号の規定の適用はない旨主張する。しかしながら、①請求人は、譲渡制限株式である本件株式について、本件財団法人に対する譲渡を履行するため、本件株式の発行会社に対する譲渡承認及び名義書換の各請求書に署名押印(実印)をしていること、②本件財団法人は、請求人に本件株式の譲渡代金を支払い、本件株式を取得して基本財産としていることからすると、本件株式の譲受者は本件財団法人と認められる。また、本件譲渡は、遺産の帰属を争う訴訟をしていた請求人とその弟の間での紛争解決の一環として行われたものであるところ、本件株式の譲渡価額は、訴訟相手の弟からの一方的な提示価額をその検証をすることもなく了承したものであって、裁判所が算定又は提示して決定した価額でもないことから、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立する価額であるとは認められない。そこで、本件株式の所得税法第59条第1項に規定する「その時における価額」を算定すると、本件譲渡には所得税法第59条第1項第2号の規定が適用される。(令2. 3.24 東裁(所)令元-89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290121
- 裁決年月日
- 平成30年5月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ会員権(本件会員権)を譲渡する意思があり、ゴルフ会員権取扱業者(譲受人)においても、本件会員権を取得して代金を支払う意思があったから、請求人は譲受人に対して本件会員権を譲渡している旨主張する。しかしながら、請求人が譲渡したと主張する時点においては、本件会員権の名義書換は停止され、その再開が見込まれる時期についても請求人に通知されていない状況であったところ、請求人は、譲受人との間で売買契約書の作成や将来の名義書換の保証及び年会費の負担等の別途約定をしておらず、名義書換申請書、退会届等の書類も作成していない。また、ゴルフ場の運営会社に対しては、譲渡の通知や手続等に関する連絡を行っておらず、譲受人に対しては、旧運営会社の特別清算手続に伴って本件会員権の名義書換手続に使用できないこととなった預託金証券を引き渡していたのであるから、本件会員権の譲渡が行われるとした場合の手続が執られていない。そして、譲受人において、請求人から購入したとする取引台帳及び請求人に対して売却したとする取引台帳が、いずれも譲受人が購入した時に作成されていることからすると、請求人から購入したとする取引台帳の作成の時点で、後日、請求人に対して売却したとする取引台帳に沿って、請求人が、購入代金を支払うことが予定されていたものと認められる。さらに、請求人が本件会員権の年会費を譲渡したとする後に支払っていることも併せると、本件会員権に係る売買契約はなかったものと認められるのであるから、請求人は、本件会員権を譲渡したとは認められない。(平30. 5.14 東裁(所)平29-121)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平280001
- 裁決年月日
- 平成28年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己の保有する転換社債型新株予約権付社債(本件新株予約権付社債)が、会社更生法による更生計画に基づき民法上の「指名債権」に権利変更され、その一部が免除されたことについて、当該免除された金額(本件損失)は、株式等の譲渡をしたことによる損失であり、租税特別措置法第37条の12の2《上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除》第1項及び第6項(本件特例)に規定する上場株式等に係る譲渡損失に該当する旨主張する。しかしながら、本件損失が株式等の譲渡をしたことにより生じた損失であるというためには、本件新株予約権付社債が請求人から他に移転していることが前提となるところ、請求人は、権利者として更生会社に対して必要な手続を行い、その結果、更生会社から弁済額及び免除額の通知を受けているのであるから、請求人が本件新株予約権付社債を他に移転させたとは認められない。したがって、本件損失は、株式等の譲渡をしたことにより生じた損失ということはできず、本件特例は適用できない。(平28.12. 8 金裁(所)平28-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240017
- 裁決年月日
- 平成24年8月2日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 原処分庁は、請求人の有していた旧運営会社に対する①旧ゴルフ場の優先的施設利用権(プレー権)及び②預託金返還請求権などから成る契約上の地位(旧会員権)については、旧運営会社から新運営会社への事業譲渡(本件事業譲渡)により、上記①のプレー権が消滅したものと認められ、また、旧会員権を有する会員(旧会員)に対しては、上記①のプレー権とは別の権利である暫定的プレー権が付与されたものと認められるから、本件事業譲渡後における旧ゴルフ場の会員権は、上記②のみを内容とするものであり、当該会員権の譲渡は、譲渡所得の基因となる資産の譲渡に該当しない旨主張する。しかしながら、本件事業譲渡に際しては、旧運営会社と旧会員との間の旧会員権に係る権利義務関係の処理について、(イ)旧会員のうち本件事業譲渡後も引き続き、新運営会社に対する新ゴルフ場のプレー権及び預託金返還請求権などから成る契約上の地位(新会員権)の保有を希望する者に対しては、旧会員権そのものを会員権管理会社に取得させるのと引き換えに、新会員権を付与させ、また、(ロ)新会員権の取得を希望しない旧会員についても、上記(イ)の旧会員権の取得及び新会員権の付与に係る手続が完了するまでの間、旧会員が新ゴルフ場を利用することができるよう、新運営会社の親会社であるスポンサー会社が旧会員の優先的施設利用を承認することを取り決めたものと認めるのが相当であるから、本件事業譲渡において、新会員権の取得を希望する旧会員から会員権管理会社に対する譲渡の対象とされたのは、上記①のプレー権及び上記②の預託金返還請求権から成る契約上の地位としての旧会員権そのものであって、旧会員権の譲渡時においてプレー権の存在が前提とされていたものといわざるを得ない。したがって、新会員権の取得を希望する請求人は、旧運営会社に対するプレー権を含む契約上の地位としての旧会員権を会員権管理会社に譲渡したものと認められるから、譲渡所得の基因となる資産を譲渡したものと認められる。(平24. 8. 2 大裁(所)平24-17)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230087
- 裁決年月日
- 平成24年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件端株の売却を取引証券会社へ申し出たところ、同証券会社の担当者の強引な営業活動により、本件端株と同一銘柄である本件株式までもが売却されたのであって、本件株式の譲渡(本件株式譲渡)は、請求人の意思によらず行われたものであるから、なかったものとされるべきである旨主張する。しかしながら、本件株式譲渡は、同証券会社の担当者から持ちかけられた話に応じて、請求人が返事をしたため行われたと認められるものの、請求人の意思によらずに行われたとまでは認められず、また、請求人は、本件株式を売った記憶がなかったため、本件株式譲渡の取消しが可能であれば取り消したいとの意思を有していたが、取消しができないのでやむを得ず本件株式と同銘柄、同株数の買付け(本件買付け)を行ったことが認められるものの、請求人が本件買付けを行ったことをもって、請求人には本件株式譲渡の意思がなかったとまでは認められない。他に、請求人の意思によらず本件株式譲渡が行われたことをうかがわせる事実も認めることはできない。加えて、同証券会社が、本件株式譲渡を取り消したことをうかがわせる事実は認められず、本件株式譲渡について、請求人が無効の訴えを提起した事実やその他に、判決等によって無効が確認され又は取り消された事実も認められない。以上によれば、本件株式譲渡が、請求人の意思によらずに行われたと認めることはできない。(平24. 3.22 名裁(所)平23-87)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230004
- 裁決年月日
- 平成23年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の譲渡は、請求人の父Sと弟Tが、請求人の知らないところで全く勝手に行っていたものであるから、無効である旨主張する。確かに、本件株式の売却を発案したのはSであったこと、Sが請求人の本件株式の売却を計画したのは、グループ会社に対する請求人の影響力を取り除こうという目的であったこと、譲受会社の取締役会において出席役員の間で請求人の了解は得ないでおこうという話がなされたことからすれば、本件株式の譲渡は、Sが、請求人に無断で、請求人の委託を受けたとして行った無権代理による売買契約によるものであると認められ、これを覆すに足る証拠はない。しかしながら、請求人は、Tから、譲受法人からの金員が入金された通帳を受け取り、その入金を知った段階で、当該金員が本件株式の譲渡代金であることを認識したものと認めるのが相当であり、請求人は、当該金員を原資として自己の生活費用等や、Sの相続に係る相続税の納付、ローンの繰上返済や賃貸用マンションの購入費用等に費消している事実が認められるから、Sによる本件株式の売買契約を追認したものと認めるのが相当である。以上によれば、請求人によるSの無権代理行為の追認により、本件株式の譲渡があったと認められる。(平23. 7. 5 東裁(所)平23-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210037
- 裁決年月日
- 平成22年2月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がその損失金額を損益通算したゴルフ会員権の譲渡について、当該ゴルフ会員権には預託金返還請求権及び優先的施設利用権があるから、譲渡所得の基因となる資産に該当し、その譲渡による損失金額は他の所得と損益通算できる旨主張する。しかしながら、ゴルフ会員権が譲渡所得の基因となる資産に該当するためには、ゴルフ会員権の取得時点における①優先的施設利用権、②預託金返還請求権及び③年会費納入等の義務からなる契約上の地位が、譲渡時点においても維持されている必要があるところ、本件譲渡に先立ち、当該ゴルフ会員権に係るゴルフ倶楽部の経営会社が当該ゴルフ倶楽部の営業譲渡をしたことにより請求人の優先的施設利用権は、当該経営会社に対する損害賠償請求権という金銭債権に転化していることから、当該ゴルフ会員権は、その譲渡時点において、同会員権取得時における上記内容が維持されているとはいえないから、譲渡所得の基因となる資産に該当しない。したがって、その譲渡による損失金額を他の所得と損益通算することはできない。(平22. 2.18 大裁(所)平21-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200108
- 裁決年月日
- 平成20年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営会社との訴訟上の和解により受領した本件解決金は、同社に対するゴルフ会員権の譲渡代金であったと解すべき旨主張する。しかしながら、請求人は、訴訟において、ゴルフ会員権の譲渡を主張しておらず、ゴルフクラブを退会の上、本件保証金の返還を請求していたところ、①ゴルフ場経営会社の資力では本件保証金の全額を回収することは困難であると見込まれたこと、②他の会員からの経営会社に対する保証金返還請求が、保証金額の10%程度の返還で解決していたことなどから、裁判官の和解勧告を受け、本件保証金の10%の金額である本件解決金の受領による和解に応じたものである。そうすると、本件解決金は、本件保証金の一部の返還を受けると共に、残余の請求権を放棄した結果、受領した金員というべきであるから、本件保証金の返還請求権の弁済として受領したにすぎず、ゴルフ会員権という契約上の地位を不可分一体として移転したことによる対価ではない。したがって、本件解決金は、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡による譲渡代金には該当しない。(平20.12.18 東裁(所)平20-108)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190098
- 裁決年月日
- 平成20年6月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、発行法人の破産宣告による所有する株式(以下「本件株式」という。)の価値の喪失は、株式の譲渡による損失であり、請求人の各年分の株式等に係る譲渡所得の金額の算定上、他の上場株式等譲渡所得金額から本件株式の価値の喪失額を差し引くことができる旨主張する。しかしながら、譲渡所得とは、資産が所有者の支配から離れるのを機会に所有期間中の増加益を清算して課税しようとするものであり、株式等に係る譲渡所得の金額は、各年中の株式等の譲渡による総収入金額からその株式等の取得費及び譲渡に要した費用等の額を控除して算定するものであるところ、発行法人の破産宣告により本件株式の価値が喪失したとしても、本件株式の所有権は、請求人から離れておらず、本件株式についての譲渡の事実は発生していない。そうすると、請求人の主張する損失額は、譲渡した株式等の取得費及び譲渡に要した費用等の額に該当せず、請求人の各年分の株式等に係る譲渡所得の金額の算定上、請求人が譲渡した上場株式等に係る総収入金額から請求人の主張する損失額を控除することはできない。(平20. 6. 6 名裁(所)平19-98)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180015
- 裁決年月日
- 平成18年8月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人のゴルフ会員権の売買は、極めて不自然かつ不合理であり、当該会員権は、請求人がゴルフクラブに対し退会届を提出するまでは、請求人に帰属していたと認められる旨主張する。 しかしながら、①平成13年11月19日付のゴルフ会員権売買契約書と題する書面(以下「本件売買契約書」という。)及び同月26日付のゴルフ会員権取引計算書と題する書面(以下「本件取引計算書1」という。)が存在し、本件売買契約書には、平成13年11月26日を取引期日として、売主請求人と買主甲との間で、本件会員権を売買代金○○○○円で売買する旨の記載があり、本件取引計算書1には、平成13年11月26日付で、甲が請求人から売買代金○○○○円で本件会員権を譲り受けた旨の記載があること、②平成13年11月28日付のゴルフ会員権取引計算書(以下「本件取引計算書2」という。)及び甲発行に係る領収証(以下「本件領収証」という。)が存在し、本件取引計算書2には、平成13年11月28日付で、乙が甲から、本件会員権を代金△△△△円及び取引手数料126,000円で譲り受けた旨の記載があり、本件領収証には、平成13年11月28日、甲が乙から本件会員権の代金及び取引手数料として××××円(△△△△円+126,000円)を受領した旨の記載があることなどの事実から、請求人は、平成13年11月26日、甲に対し、ゴルフ会員権を売買代金○○○○円で譲渡したものと認めることができる。 以上のとおり、本件譲渡損失の基因となる本件会員権の譲渡(本件売買)があり、その結果、本件譲渡損失が生じたものと認められるから、これに反する原処分庁の主張には理由がない。(平18. 8.22 名裁(所)平18-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170091
- 裁決年月日
- 平成18年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成13年分の所得税について、ゴルフ会員権の譲渡(以下「本件取引」という。)による譲渡損失が生じたとして、本件取引に係る平成13年11月16日付ゴルフ会員権取引計算書の写しを確定申告書に添付し、その損失と給与所得を損益通算した確定申告を行い、それに沿う主張をしている。しかしながら、①本件取引については、預託金証券等の引渡しがなく、約定等を書面により取り交わしていないこと、②請求人は、本件取引後も年会費を支払い、正会員としてゴルフプレーを行っていることなどからすると、本件取引は、ゴルフ会員権の売買という形式を作出するための行動と認めるのが相当であり、ゴルフ会員権の譲渡があったとはいえない。また、請求人は、ゴルフ会員権の譲渡損失を計上するために、本件取引により、ゴルフ会員権の売買という形式を作出した上で、本件計算書の日付を実際の作成日(平成14年1月)ではなく、平成13年11月16日付で作成することによって、平成13年中にゴルフ会員権の譲渡があったかのように仮装したものと認められるから、重加算税の賦課決定処分は適法である。(平18.1.6東裁(所)平17-91)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170021
- 裁決年月日
- 平成17年10月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、預託金返還請求権の譲渡に先立ってゴルフクラブを退会することによりプレー権の根拠となる会員資格を譲渡したものであり、入会登録料相当額の本件損失金額は、会員資格の取得に要した費用であるから、所得税法第69条第1項を適用して他の各種所得と損益通算すべき旨主張する。ところで、預託金会員制ゴルフ会員権の譲渡が、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡として取り扱われているのは、売買等により金銭債権である預託金返還請求権及び年会費納入等の義務と併せてプレー権が一体不可分となって他の者に移転されることによるものであるからと解されるところ、当該ゴルフクラブの会則によれば、請求人が当該ゴルフクラブを退会したことは、請求人が有する会員の地位を喪失し、それに伴い、プレー権及び年会費納入等の義務が消滅するにすぎず、会員の地位は、第三者に移転しないことが認められる。そうすると、本件債権譲渡契約に基づき退会手続と同時に預託金返還請求権をゴルフ場運営会社以外のA社に譲渡した行為は、プレー権及び年会費納入等の義務までA社に譲渡するものではないから所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡に当たらない。また、当該ゴルフクラブの会則によれば、会員の地位は、預託金に関する権利と共にでなければ譲渡できないから、その権利とは別個に会員の地位を譲渡した旨の請求人の主張は理由がない。したがって、所得税法第69条第1項を適用して他の各種所得と損益通算することはできない。(平17.10.20大裁(所)平17-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170031
- 裁決年月日
- 平成17年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場の入会保証金預託証書に裏書して(この裏書を、以下「本件裏書」という。)、ゴルフ場経営法人から同預託証書に記載された金員を受領した行為は資産の譲渡であるから、ゴルフ場経営法人から受領した金員と本件ゴルフ会員権を取得するために要した金額との差額(以下「本件差額」という。)を譲渡所得の金額の計算上生じた損失として他の各種所得の金額と損益通算すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、ゴルフ場経営法人に退会届を提出し、同法人から預託金の返還を受けたのであって、それは、本件ゴルフ会員権を不可分一体のものとしてその経済的価値に基づいて取引の対象としたのではなく、本件経営法人と請求人との間の契約関係を解消するに当たって、金銭に関する債権債務関係を清算した(金銭債権を回収した)ものと認めるのが相当であるから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡があったとは認められない。なお、本件裏書は、請求人がゴルフ場経営法人に対する預託金返還請求権の行使に伴う一連の返還手続きとして行われたものであることが認められ、本件ゴルフ会員権の譲渡について請求人及びゴルフ場経営法人双方の意思が合致した証としてなされたものとは認められないから、本件裏書があることをもって、請求人とゴルフ場経営法人との間で本件ゴルフ会員権の譲渡があったと認めることはできない。したがって、請求人の主張には理由がなく、本件差額は譲渡所得の金額の計算上生じた損失とは認められないことから、本件差額を他の各種所得の金額と損益通算はすることはできないとした原処分は適法である。(平17.8.29東裁(所)平17-31)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170019
- 裁決年月日
- 平成17年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、価額が下落した本件ゴルフ会員権を市場で売却すれば、多額の損失が生じ確定申告により相当の税金が還付されるところ、預託金返還請求訴訟の和解により支払われることとなった金員(以下「本件和解金」という。)の額が本件ゴルフ会員権の取得に要した金額を下回る場合には、結果として国は税金の還付金額を減少させることができるのであるから、本件和解金の額を譲渡代金と認め、譲渡所得の計算上生じた損失の金額を、他の各種所得の金額と損益通算すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、預託金返還請求訴訟の裁判上の和解において、ゴルフ倶楽部の会員契約を合意解除し、ゴルフ場経営法人から本件和解金の支払を受けることとなったのであって、それは本件ゴルフ会員権を不可分一体のものとしてその経済的価値に基づいて取引の対象としたのではなく、ゴルフ場経営法人と請求人との間の会員契約関係を解消するに当たって、金銭に関する債権債務関係を清算した(金銭債権を回収した)ものと認めるのが相当である。そうすると、本件和解金を受領する行為は、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当しないと解するのが相当である。したがって、請求人の主張には理由がなく、請求人の主張する損失は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失とは認められないことから、その金額を他の各種所得の金額と損益通算することはできないとした原処分は適法である。(平17.7.25東裁(所)平17-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170011
- 裁決年月日
- 平成17年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ会員権の預託金返還訴訟の勝訴判決を得た上で、その債権についてゴルフ場経営会社から民事再生法上の再生計画に基づいて一部債務免除された後の本件金員を受領した行為は、資産の譲渡に当たり、請求人は再生計画に同意しておらず預託金証書を返還していないことから預託金の返還には該当しないので、ゴルフ会員権の取得費と本件金員との差額を譲渡所得の金額の計算上生じた損失として、他の各種所得の金額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、①請求人は、預託金の返還を求めて提訴し、その判決は、請求人の預託金返還請求を認容したこと、②ゴルフ場経営会社が、再生計画において、請求人を会員債権者と認識し退会するか否かの意思確認を行ったところ、請求人は退会書を提出したこと、③ゴルフ場経営会社は、請求人の預託金返還請求権を再生計画に基づいて一部債務免除した後の本件金員を請求人に支払い、請求人はこれを受領していることからすれば、請求人は、預託金返還請求権に基づいて本件金員を受領したものと認められ、その行為は金銭債権の回収(清算)にすぎず資産の譲渡には当たらない。また、再生計画の効力は請求人が同計画に同意したか否かにかかわらず請求人にも及び、預託金証書は債権証書にすぎず商法上の有価証券ではないことから、請求人の各主張は、本件金員の受領行為が預託金の返還であることを否認する理由とはならない。したがって、請求人の主張する損失の金額を他の各種所得の金額から控除することはできないとした原処分は適法である。(平17.7.8東裁(所)平17-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160300
- 裁決年月日
- 平成17年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、破産宣告を受けた株式会社(破産会社)の株式(本件株式)も譲渡所得の基因となる資産である旨主張する。しかしながら、破産会社は原則として営業活動は廃止され、会社の消滅を目的として現有財産をもって債務を清算する手続きが進められるのであるから、株主が会社の経営に参与することを目的とする共益権及び営業活動の結果としての利益の配当や通常の清算手続において債権者への弁済後に残った株主に帰属すべき財産(残余財産)についての分配などの経済的利益を受けることを目的とする自益権を行使する余地は原則としてなくなることからすると、その後当該会社が再建する蓋然性が認められるなどの特段の事情のない限り(本件株式の発行会社に、当該事情があったと認めることはできない。)、破産会社の株式は、株主権を基礎として一般に認められる株式としての経済的価値を喪失する。そして、株式としての経済的価値を喪失した株式については、社会通念上、これが通常の株式取引の対象となるとは観念されず、もはや発行会社の業績や将来性、社会経済情勢など多様な要因に基づいてその経済的価値が変動する中でキャピタル・ゲイン又はキャピタル・ロスを生ずる資産としての性質を認めることはできない。このことは、法律上、破産会社の株主に株主権が存続しているか否かによって左右されるものではない。したがって、破産会社の株式は、譲渡所得の基因となる資産には該当しないと認められるから、請求人の主張には理由がない。(平17.6.29東裁(所)平16-300)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160096
- 裁決年月日
- 平成17年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ ゴルフ場の営業譲渡により、旧ゴルフ会員権は優先プレー権が消滅した預託金返還請求権のみの会員権となり、新ゴルフ会員権は預託金のない優先プレー権のみの会員権となる。請求人はゴルフ場が営業譲渡される以前に旧ゴルフ会員権をA法人に譲渡しており、これは、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡となるから、生じた譲渡損失は他の所得と損益通算できる旨主張する。しかしながら、旧ゴルフ会員権について、ゴルフ場が営業譲渡されるまでの間に請求人からA法人への譲渡はなかったと解するのが相当であり、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡はなく、損益通算も認められない。(平17.6.14大裁(所)平16-96)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160085
- 裁決年月日
- 平成17年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件株式の譲渡は認識せざるを得ないが、金額等が分かるものがないので、本件株式の譲渡価額や決済等を明らかにしてほしい旨主張する。しかしながら、本件株式については、①本件合意書及び本件確認書に基づき、同族法人M、K及びFの経営の分離に伴って株式等の譲渡や役員変更が行われていること、②本件株式をSへ譲渡することについては取締役会で議決されていること、③一方、Sにおいても、平成14年4月8日に本件株式を取得したとしていることの事実が認められる。④また、本件株式の譲渡代金は、当事者の合意により最終的にはKに対する債権(貸付金)になっていると推認できるが、そのことを請求人らは、平成14年4月以降、Kの役員としてその経営に当たっていて十分に認識できる立場にあったと認められる。そうすると、請求人らは、本件株式を平成14年4月8日にSへ譲渡し、その代金債権は、当事者で合意するところにより、金銭の授受ではなく、関係者間での債権債務の精算を経て、最終的にはKに対する債権(貸付金)となっていると判断できるから、請求人らの主張には理由がない。(平17.5.17大裁(所)平16-85)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160026
- 裁決年月日
- 平成16年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会員権に係る預託金預り証書の交付と引換えに、本件預託金の返還を受ける行為は、ゴルフ会員権の譲渡に当たるから、本件会員権の取得に要した費用と本件預託金との差額(損失額)については、損益通算を認めるべきであると主張する。しかしながら、請求人は、本件ゴルフ倶楽部及びそれを主宰する本件法人に退会届を提出し、会則に基づき本件預託金の返還を求めたのに対し、本件法人が退会届を承認したので、請求人が預託金預り証書を交付したのと引換えに、本件預託金の交付を受けている。そうすると、請求人は、本件預託金の返還請求権をその預託先である本件法人に対して行使し、預託金預り証書と交換に本件預託金の返還を受けたものということができ、本件会員権を預託金額で本件法人へ譲渡したとみることはできないから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当しない。したがって、本件会員権の取得に要した費用と本件預託金との差額(損失額)は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失には当たらず、損益通算が認められている不動産・事業・山林所得の損失にも当たらないので、損益通算をすることはできない。(平16.10.25名裁(所)平16-26)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160026
- 裁決年月日
- 平成16年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仮に預託金額より低額で取得した預託金制ゴルフ会員権について、預託金の返還を受けた時には、その差額は所得として課税されるのに対し、本件取引のように預託金額よりも高額で取得し、預託金の返還を受けた場合に、差額(本件損失額)を所得金額から控除できないのは、同じ資産でありながら利益が生じた場合と損失が生じた場合とを別異に扱うこととなり、課税処分における法の下の平等に反することとなり、違憲である旨主張する。しかしながら、原処分庁の行った処分の基となった法令自体の適否及び法令が違憲か否かの判断をすることは、当審判所の権限に属さないことであるので、審理の限りではない。(平16.10.25名裁(所)平16-26)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150048
- 裁決年月日
- 平成16年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営会社の営業譲渡に伴う移籍(以下「本件移籍」という。)によって生じたゴルフ会員権(以下「本件会員権」という。)の預託金の減少額が、譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に当たり、他の各種所得の金額から控除されるべきである旨主張する。しかしながら、上記ゴルフ場の営業譲渡(以下「本件営業譲渡」という。)に係る営業譲渡契約書及び本件移籍に係る会員への連絡文書等から検討した結果、本件会員権の優先的施設利用権(以下「プレー権」という。)は、本件営業譲渡の前後を通じて新旧ゴルフ場経営会社によって保護され、請求人の会員としての地位は承継されたものと認められる。また、本件移籍が預託金を半額とし、据置期間を延長する旨の会員権変更申込みによって行われていることからも明らかなとおり、預託金返還請求権については本件会員権の預託金額を前提に返還されるべき金額の変更を行ったにとどまり、依然として請求人自身が預託金返還請求権を有することに何ら変更もない上、本件移籍により経営主体の変更にもかかわらず一貫して請求人のプレー権が存続していることからすれば、請求人が本件会員権を新ゴルフ場経営会社に譲渡したものと認めることはできない。そうすると、本件移籍に伴い、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡があったものと認めることはできず、本件会員権の契約の変更は、旧ゴルフ場経営会社との契約の解除、新ゴルフ場経営会社との契約の締結及び切り捨てられた預託金債権の金額を認識することなく、取得価額も減額しないと解するのが相当である。したがって、本件会員権の預託金の減少額が、譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に当たり、他の各種所得の金額から控除されるべきである旨の請求人の主張を認めることはできない。(平16.2.19名裁(所)平15-48)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140233
- 裁決年月日
- 平成15年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 預託金会員制のゴルフ会員権は、本来、ゴルフ場施設の優先利用権と預託金返還請求権とが内在しているものであるところ、経営会社の倒産などにより閉鎖されたゴルフ場の場合には、施設利用権は消滅し、当該ゴルフ会員権の実質は、ゴルフ場経営会社に対する預託金返還請求権のみであると解されるから、その場合の当該ゴルフ会員権は、金銭債権にすぎず、譲渡所得の基因となる資産には該当しないと解するのが相当である。(平15.04.24.東裁(所)平14-233)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140053
- 裁決年月日
- 平成14年9月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件預託金の返還は、実質的にゴルフ会員権の譲渡と同じであるから、本件取引に係る損失額については損益通算を認めるべきであると主張する。しかしながら、本件ゴルフ場の会則では、明確に本件ゴルフ会員権の譲渡手続と退会手続とを区別して規定しているところ、請求人は、退会届を提出し、本件預託金を受領しているのであるから、本件預託金の返還を受けたことが明らかである。そうすると、請求人は、本件預託金の返還請求権をその預託先である本件ゴルフ場に対して行使したにすぎず、本件会員権を譲渡したとはいえないから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当しない。よって、本件取引により生じた損失は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失には当たらないから、他の所得の金額と損益通算することはできない。(平14.09.26.東裁(所)平14-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120171
- 裁決年月日
- 平成13年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・175ページ
要旨
○ 請求人は、本件ゴルフ会員権の売買及び再売買は、必要書類及び売買代金の授受が問題なく行われた通常の取引であり、本件会員権の譲渡により譲渡損失が生じている旨主張する。しかしながら、(1)本件ゴルフ場は、請求人等から売買した連絡及び名義書換の申請を受けていないこと、(2)請求人は、会員権売買に係る本件細則に定める手続をしていないこと、(3)請求人は、本件会員権を譲渡した後となる時期に、メンバー資格でプレーしていること、(4)売買及び再売買の価格が同額であること、(5)請求人の主張する売買は、値下がりによる含み損を顕在化させ、損失金額の損益通算ができることが認められる。以上によれば、本件会員権の売買から再売買に至る一連の行為は、所得税の軽減を目的として売買取引の外形を仮装したものにすぎず、売買の実態がないのであるから、本件会員権の譲渡による損失が発生したものと認めることはできない。(平13.5.30東裁(所)平12−171)裁決事例集NO61・175ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110032
- 裁決年月日
- 平成11年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ゴルフ会員権のような預託金会員制のゴルフ会員権の譲渡は、ゴルフ場経営者に対する預託金返還請求権という金銭債権の譲渡であるから、譲渡所得の基因となる資産の譲渡に該当しないと旨主張するが、一般に、預託金会員制のゴルフ会員権とは、入会保証金を預託して会員になった者とゴルフ場経営者との間のゴルフ場施設の継続的利用契約に基づく会員の契約上の地位を総称したものであり、具体的には、①ゴルフ場施設を会則等の規則に従い継続的かつ優先的に利用する権利、②預託した入会保証金を据置期間経過後退会することにより返還請求することのできる権利、③年会費の納入などの諸種の義務等を内容とする債権債務の総体であって、預託金返還請求権はその一部にすぎないと解されるところ、預託金会員制のゴルフ会員権の譲渡は、このような債権債務が不可分一体となった契約上の地位を一つの経済的価値のあるものとして譲渡の客体とするものであるから、所法第33条第1項に定める譲渡所得の基因となる資産に該当すると解するのが相当であり、これを単なる金銭債権の譲渡と同視することはできない。(平11.11.19名裁(所)平11-32)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100185
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、預託金会員制のゴルフ会員権である本件会員権に係る預託金の返還は、資産の譲渡に該当し、これにより生じた本件会員権の取得価額と返還された預託金の額との差額は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に当たる旨主張するが、預託金会員制のゴルフ会員権の譲渡が所法第33条第1項に規定する「資産の譲渡」と取り扱われているのは、金銭債権たる預託金返還請求権と併せてゴルフ場施設の優先利用権とが売買等により一体不可分の他の者に移転されることになるものと解せられるところ、請求人及びゴルフ場経営法人が行った一連の行為は、ゴルフクラブからの退会に伴う預託金の返還請求と預託先からの預託金額の返還であって譲渡所得の基因たるゴルフ会員権の譲渡ではないから、この一連の行為は、同項に規定する資産の譲渡には該当しない。 なお、本件差額は、本件会員権に内在するゴルフ場施設の優先利用券という資産の消滅に基因するものであるところ、個人会員が有する当該優先利用権の性質は、当該会員のみが有するものであって、いわば当該会員のみが享受する一身専属的な権利であるから、当該優先利用権の消滅に伴う本件差額は、所法第45条第1項第1号に規定する「家事上の経費」に当たるものと解される。そうすると、本件差額は、請求人の公的年金等に係る雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきものではない。 したがって、本件差額を譲渡所得及び雑所得の金額の計算上控除しないでした本件更正処分は適法である。(平11.6.21東裁(所)平10-185)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100087
- 裁決年月日
- 平成11年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡に当たり、本件会員権の証券等の引渡し及び代金の決済を正常に行っており、本件取引の価格も通常の相場価格であることから、本件取引は正常な経済行為によるものであり、本件譲渡について、仮装、隠ぺいは行っていない旨主張する。 しかしながら、請求人は本件第一売買計算書の発行を受けるために、また、A及びBは請求人から手数料収入を得るために、本件一連の取引を行ったとみるほかなく、本件譲渡については、請求人には確定的に本件会員権をAに移転するという意思表示、また、Aには本件会員権を取得し、その代金を支払うという意思表示があったと認められることはできず、本件一連の取引は、本件会員権の売買という形式を作り出すためのものであった認めるのが相当である。 したがって、本件一連の取引は形式的な取引であって実態の伴わないものであり、真に売買があったと認めることができないので、本件譲渡は所法第33条第1項に規定する資産の譲渡があったことにはならないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平11.4.15関裁(所)平10-87)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100098
- 裁決年月日
- 平成11年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・152ページ
要旨
○ 請求人は、本件各取引は、金銭の授受を含め法律的に瑕疵なく行われたこと及び節税を目的としたもので合法的であるから、原処分庁が本件各取引を否認することは違法であり、また、有価証券市場における翌日買戻取引はクロス取引と同様のものであり、翌日買戻取引が税務上認められるのであるから、ゴルフ会員権の譲渡においてもこれが認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は本件売却計算書の発行を受けるために、一方、仲介業者は請求人から手数料収入を得るために、本件一連の取引を行ったとみるほかはなく、本件取引については請求人には確定的に本件各会員権を仲介業者に移転するという、また、仲介業者には本件各会員権を取得し、その代金を支払うという意思表示があったと認めることはできず、本件各会員権の売買という形式を作り出すための取引であったと認めるのが相当であるから、本件一連の取引は実体の伴わないものであり、真に売買があったと認めることができないので、本件取引は所法第33条に規定する資産の譲渡があったことにはならない。また、請求人の主張は本件各取引がクロス取引と同様のものであるとの前提に立ったものと解されるが、①本件各取引は証券取引所といった公開された市場を通じて行われたものではないこと、②本件各会員権は証券取引所に上場されているような有価証券ではないこと及び③本件各取引において受渡しされたとする本件各会員権のゴルフ会員権証書は同一のものであり、そのことは取引当事者間で取引当初より定められていたことの点において本件各取引はクロス取引と異なっており、請求人の主張はその前提を欠くものである。(平11. 2. 8東裁(所)平10-98)裁決事例集 №57・152ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100052
- 裁決年月日
- 平成10年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ゴルフ会員権をゴルフ場経営会社に返却し、預託金の返還を受けているが、これはゴルフ場施設の優先的利用権すなわちプレー権が請求人から同社へ移転したものであり、譲渡所得の基因となる資産の譲渡に該当することから、これにより生じた損失は損益通算できる旨主張するが、この返却は請求人が本件ゴルフクラブの会則に定める二つの会員資格消滅事由のうち、退会に伴う本件預託金の返還を選択し、同社に対する金銭債権である本件預託金の返還請求権を具体的に行使したものにすぎず、当該返還請求権、会費納入等の義務と併せてプレー権を譲渡するものではないから、譲渡所得の基因となる資産の譲渡には該当しない。(平10.12.11大裁 (所) 平10-52)
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。