裁決要旨 24貸倒損失
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令070041
- 裁決年月日
- 令和7年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904249
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、健康保険法等に規定する一部負担金(一部負担金)と患者に実際に請求した金額との差額(本件差額)は、患者に対して請求しておらず、患者自身に債務の認識がないことから、実質的な値引きであり、所得税法施行令第141条《必要経費に算入される損失の生ずる事由》第1号に規定する値引きにより生じた損失に該当する旨主張する。しかしながら、請求人と患者との間では、患者が請求人に対し一部負担金の金額を支払うことを内容とする診療契約が成立しているのであるから、診療行為の対価について本件差額に相当する値引きの事実があったというためには、少なくとも、診療契約に基づく役務提供の対価の額を事後的に変更(減額)する旨の当事者間の合意が必要であるところ、請求人が、患者との間で、診療契約に対する対価の額を減額することを合意したことを推認させる事情は見当たらず、かえって、請求人は、患者に対し、本件差額をいつでも請求できる状態にあったことがうかがわれ、診療契約に対する対価の額を減額する合意はなかったことを推認させる事情があるといえることからすれば、請求人と患者との間で診療契約に対する対価の額を事後的に変更(減額)する旨の合意があったとはいえず、値引きの事実を認めることはできない。したがって、本件差額は、同号に規定する損失には該当しない。(令7.10.15 東裁(所)令7-41)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040005
- 裁決年月日
- 令和4年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904249
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 貸金業を営む請求人は、原処分庁が貸倒れと認めたもの以外にも、破産・行方不明・倒産など、請求人において回収を諦めた顧客は多数あり、これらも所得税法第51条《資産損失の必要経費算入》第2項に規定する貸倒れと認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、具体的な顧客名、貸倒れの発生日、金額等を主張せず、これらを明らかにする証拠も提出しないことから、貸倒れの不存在が事実上推定されるところ、顧客に破産手続廃止決定がされたこと、又は請求人が貸金返還請求訴訟を提起し、その後請求人と顧客との間で和解がされたことが明らかになった貸付け以外には、審判所の調査によってもこの推定を覆す事情は認められないから、これらの貸付け以外に貸倒れがあったとは認められない。なお、請求人は利息制限法の制限利率を超える約定利息及び遅延損害金(貸付時に約定元本の金額から天引きした金額を含む。)を受領しており、現実に受領したこれらの金員(制限超過利息等)は民法上元本に充当されるため、元本債権並びに約定利息及び遅延損害金に係る債権の残高は、制限超過利息等の元本への充当計算後の金額となり、当該金額が所得税法第51条第2項に規定する貸倒れにより生じた損失となる。また、上記制限超過利息等の元本への充当は、利息制限法第1条《利息の制限》に違反する無効な利息契約に基づき請求人が現実に受領して事業所得とされた経済的成果である制限超過利息等が、同契約の制限超過部分の無効であることに基因して失われたことを意味するから、当該制限超過利息等を元本に充当することにより、事業所得の金額の計算の基礎となった事実のうちに含まれていた無効な行為により生じた経済的成果である制限超過利息等がその行為の無効であることに基因して失われることとなり、当該充当された金額は、所得税法第51条第2項及び所得税法施行令第141条第3号の規定による損失の金額となる。(令4.12.15 仙裁(所)令4-5)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 令020012
- 裁決年月日
- 令和3年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904242
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/2貸倒損の計上時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 貸金業を営む請求人は、各債務者の事情を最も知っており、その請求人が回収に係る経費負担や労力などの様々な事情を考慮し各債務者の財産内容や返済能力を把握した上で、それぞれの年分(本件各年分)において各貸付債権が事実上回収できない状態が生じたと判断して貸倒れとしたものであるから、本件各年分において貸倒損失とした金額(本件各損失額)は、必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は、本件各年分において、各債務者に対して債務免除額を書面により通知していないこと及び各貸付債権がその他法令の規定等により切り捨てられた事実等も認めらないことから、本件各年分において各貸付債権が法律上消滅した状態であったとはいえない。また、請求人は、各債務者への接触状況等や請求人が貸倒れと判断した経緯を示しているが、これらの事実のみからは、各債務者の資産状況や支払能力を具体的に把握した上で回収不能と判断したとまではいえず、さらに、これらの経緯によれば、請求人が各貸付債権の貸倒れを判断した時期は、本件各年分以前の年分であり、請求人が本件各年分において継続して各貸付債権の回収活動を行っていたことをうかがわせる事情も認められないため、本件各年分に各貸付債権の全額について回収不能になったことが客観的に明らかになったとはいえない。よって、本件各年分において本件各損失額を必要経費に算入することはできない。(令3. 6. 1 札裁(所)令2-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290077
- 裁決年月日
- 平成30年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904249
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が行った金銭の貸付け(本件貸付け)は所得税法上の事業に該当するから、これに係る貸倒金(本件貸倒金)は、請求人の事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件貸付けは、営利性、継続性及び独立性を有しているとは認められず、所得税法上の事業に該当しない。さらに、請求人は、貸付先からリース料やコンサルティング料を受け取ったことはなく、また、その貸付先が営む事業からも請求人の業務との関連性を直ちに認めることはできないことからすると、本件貸付けは、請求人の行っていた医療機器のリース及びコンサルティング業と直接の関連を有するものではなく、業務の遂行上通常必要な貸付けであるともいえないから、本件貸倒金は、請求人の事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平30. 5.23 大裁(所)平29-77)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290013
- 裁決年月日
- 平成29年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が代表取締役を務める法人(本件法人)がなくなると事業の遂行が不可能となるため、本件法人に資金を貸し付けた(本件貸付け)のであり、本件貸付けは、請求人の業務と直接関係し、かつ、業務遂行上必要であったことから、請求人の本件法人に対する貸付金(本件貸付金)に係る貸倒損失は、事業所得の金額の計算上必要経費に算入される旨主張する。しかしながら、請求人と本件法人は、取引先ないし同業者の関係にあったものといえるところ、請求人が本件貸付けに際して金銭消費貸借契約書を作成せず、弁済期日や利息を定めず、担保を設定せず、確実な回収方法を定めなかったこと、加えて、多額の債務免除を行った上に、新たな貸付けを続けたことなどからすれば、本件貸付けは、合理的な計画性を有せず、取引先ないし同業者の関係にある者に対する事業遂行上の貸付けとして著しく経済合理性を欠くものといわざるを得ない。したがって、本件貸付けは、請求人の事業の遂行上、客観的一般的に通常必要とされるものとは認められないことから、本件貸付金に係る貸倒損失を事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平29. 8. 2 東裁(所)平29-13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270048
- 裁決年月日
- 平成28年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904249
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 貸金業を営む請求人は、各債務者に対する貸付金債権を放棄したから、貸倒損失として認められるべきである旨主張する。しかしながら、①債務者の弁済状況等からすれば、請求人が貸倒損失として主張する年分よりも以前の年分において、当該債務者には回収不能の状態が生じたものと認められ、請求人が主張する年分において初めて回収不能の状態が生じたものではないことや、②請求人が主張する年分において、債務者に対する貸付金の全額が回収不能であることが客観的に明らかであったとまではいうことができないこと等からすると、これら各債務者に対する貸付金については、いずれも貸倒損失とは認められない。(平28. 3. 4 大裁(所)平27-48)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270018
- 裁決年月日
- 平成28年1月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、医師である請求人が取引先に貸し付けるなどした金銭(本件貸付金等)は、請求人の事業を拡張・発展させるためのものであり、所得税法第51条《資産損失の必要経費算入》第2項に規定する「事業の遂行上生じた」貸付金等に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人が営む事業において、本件貸付金等はいずれも医師本来の業務の範囲に属する貸付金等とはいえないこと、②本件貸付金等に係る実質的な債務者との取引状況からみて、請求人の事業における当該債務者の重要性は低かったこと、③本件貸付金等に関する契約をするに至った経緯等からみて、当該契約に相応の合理性があるとはいえず、請求人は、合理性を度外視して取引先に対して特別の便宜を図ったものとみることもできること、を総合的に考慮すると、本件貸付金等は、請求人の事業の遂行上通常一般的に必要であったと客観的に認めることはできないから「事業の遂行上生じた」ものとはいえない。(平28. 1. 8 名裁(所)平27-18)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240061
- 裁決年月日
- 平成25年3月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№90
要旨
○ 原処分庁は、本件契約に基因する未収リース料相当額の債権は、被相続人(請求人らの父)の事業の遂行上及び事業の遂行に付随して生じたものと認められず、同債権に係る貸倒損失の額は、事業所得の金額の計算上必要経費に算入できず、雑所得の金額の計算上必要経費に算入される金額であり、雑所得の金額を限度として必要経費に算入すべきであると主張する。しかしながら、本件契約に係るリースは、取引先の事業に対する支援の一環として行われたものであると認められるとともに、当該リースを含む被相続人の設備・装置等の販売・設置やリース等に係る業務は、営利性、有償性を有することはもとより、反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められ、未収リース料相当額の債権に係る所得は、事業から生じる所得として、同人の事業所得に該当するものというべきであり、そして、未収リース相当額の債権は貸倒れになったと認められるから、同人の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入される。(平25. 3.19 大裁(所)平24-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240066
- 裁決年月日
- 平成24年10月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200904248
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/8貸倒の判定(回収不能と認めなかった事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の有する売掛金債権について、当該債権に係る債務者である取引先の資産状況、支払能力等からみて当該債権の全額を回収できない状態にあることが明白であるから、請求人の事業の遂行上生じた損失の金額がある旨主張する。しかしながら、請求人の有する当該債権が、法律上消滅したとはいえず、また、当該債権の全額の回収の見込みがないことが確実になった場合に当たるということもできないから、請求人の当該債権につき、貸倒れが生じたとはいえない。したがって、請求人には、所得税法第51条《資産損失の必要経費算入》第2項に規定する、請求人の事業の遂行上生じた売掛金の貸倒れにより生じた損失の金額はない。(平24.10. 4 東裁(所・諸)平24-66)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230024
- 裁決年月日
- 平成23年12月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200904249
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人は、その債務者に対して債権放棄をしたとして、貸倒損失の計上が認められるべきである旨を主張し、原処分庁は、債権放棄に係る債権自体が存在しないから貸倒損失の計上は認められない旨を主張する。しかしながら、請求人と当該債務者との間に作成された書面上、債権放棄に係る債権自体が存在しないとは認められない。一方で、当該債務者の弁済状況等からすれば、請求人が貸倒損失の計上を主張する年分よりも以前の年分において、当該債務者には回収不能の状態が生じたものと認められ、請求人が貸倒損失の計上を主張する年分において初めて回収不能の状態が生じたものではないから、これらの年分において債権放棄をしても、貸倒損失とすることは認められない。(平23.12. 1 大裁(所・諸)平23-24)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220001
- 裁決年月日
- 平成22年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904242
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/2貸倒損の計上時期
- 事例集登載頁
- №80
要旨
○ 請求人は、平成16年に取引先であるG社の破産管財人から受けたファックスにより、G社の破産終結を知り得たのであるから、所得税基本通達51−12≪回収不能の貸金等の貸倒れ≫の定めにより、請求人がG社に対して有する債権の本件貸倒損失の計上時期は平成16年分となる旨主張する。しかしながら、請求人が当該ファックスの受信時にG社の破産終結を知り得た事実は認められるものの、裁判所が破産法人に配当可能な財産がないことを認めた場合には、廃止決定又は終結決定をして、当該法人の登記が閉鎖されることとされており、これらの決定がなされた時点で当該破産法人は消滅することからすると、この時点において、当然、破産法人に配当可能な財産はないのであって、当該決定等により請求人がG社に対して有する債権もその全額が客観的に回収不能となったと認めるのが相当である。よって、請求人の本件貸倒損失の計上時期は、G社の破産手続終結の決定がなされた平成14年分となる。(平22. 7. 1 大裁(所・諸)平22-1)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平210009
- 裁決年月日
- 平成22年6月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904248
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/8貸倒の判定(回収不能と認めなかった事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①平成19年に提起した貸金返還請求訴訟においても債務者の所在が不明である貸付金、②債務者は破産し廃止決定されており、平成19年に連帯保証人との間で債権放棄約定書により債権を放棄した貸付金、及び③債務者が破産し、平成19年に免責決定されている貸付金の額は、いずれも貸倒損失として平成19年分の必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、①については、当該訴訟により債権は法律上消滅しておらず、訴訟を提起していることから請求人には平成19年において回収の意図が認められ、また、債務者の資産状況等を考慮して回収の見込みがないことが客観的に確実になったと認めるに足る証拠はない。②については、連帯保証人は債権放棄約定書に署名はしておらず当該債務は完済した旨答述し、当該答述に沿う振込みの事実も認められることなどから、当該書面は真正に作成されたとはいい難く、さらに請求人から貸付台帳の提示がなく残債権も確認できないことからすれば、当該貸付金の残債権は存在しないものとみるのが相当である。また、③については、請求人は、連帯保証人に対して債務免除通知を行っておらず、連帯保証人から平成21年に貸付金の回収を図っていることから、少なくとも平成19年において債権の回収見込みがないことが客観的に確実であったとは認められない。したがって、これら貸付金の額はいずれも貸倒損失として必要経費に算入することは認められない。(平22. 6. 2 金裁(所)平21-9)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平210012
- 裁決年月日
- 平成21年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・125ページ
要旨
○ 請求人は、S社に対する貸倒損失の金額を事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、請求人が提出した債権確認書、債権放棄通知書及び領収証はいずれも信用性に疑いが残るといわざるを得ず、また、請求人が提出した小切手や手形について、請求人は、これによりいかなる事実を証明しようとするのか明らかにしないから、請求人は、貸倒損失となる債権の発生原因、内容及び帰属並びに回収不能の事実及び時期等について、具体的に特定して主張し、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行っているとはいえず、請求人が主張するS社に対する貸倒損失は、事実上その不存在が推定されるから、当該貸倒損失の金額を事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21.12.16 広裁(所)平21-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210049
- 裁決年月日
- 平成21年11月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件業務に当たり資金の調達という重要な役割を担い、本件業務に費やした肉体的精神的労力は多大なものであったから、本件金員のきょ出は、事業所得を生ずべき事業の遂行上生じたものである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件業務を遂行することについて発生する可能性のある損失を負担する危険を負っていないことから、本件業務に関し自己の危険において事業を営む者であるとは認められず、また、請求人は、本件金員のきょ出以外に本件業務を実現させるために特段の行動を取っていないこと等にかんがみれば、請求人が本件業務に主体的に関与していたとは認められず、請求人にとって本件業務は、事業としての社会的地位が客観的に認められる業務であるということもできない。したがって、本件金員の額を、請求人の事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平21.11. 4 東裁(所)平21-49)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200025
- 裁決年月日
- 平成21年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904248
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/8貸倒の判定(回収不能と認めなかった事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件雑損失及び更正の請求に係る雑損失の額は、平成18年12月31日現在で存在していた貸付金の元本で、申告書提出時点で未回収のもののうち、金銭消費貸借契約書により事実確認をして求償権を失ったと請求人が判断した金額(以下「本件貸付金元本額」という。)であるところ、この金額が事業所得の金額の計算上必要経費の額に算入されるためには、所得税法第51条第2項に規定する事由に該当しなければならないところ、前記のとおり、請求人は、課税の原因となった行為である請求人と借主との間の金銭消費貸借契約については、有効なものとして取り扱っていると認められるところ、請求人の提出資料及び当審判所の調査において、本件貸付金元本額については、平成18年中において、法律的にその債権が消滅したわけではなく、また、それぞれの顧客の資産状況や支払能力等を調査の上で債権の回収ができなくなったことが明らかになったものとも認められないことからすれば、本件貸付金元本額について貸倒れが生じたということはできない。そうすると、本件貸付金元本額については、平成18年12月31日の時点では、いまだ請求人の債権として存在していたものと認めざるを得ない。以上のことから、本件雑損失及び更正の請求に係る雑損失については、事業所得の金額の計算上必要経費に算入できないこととなる。(平21. 6.30 福裁(所)平20-25)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200009
- 裁決年月日
- 平成20年9月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904249
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、過去の年分に対する以前の調査で平成13年分ないし平成15年分の事業所得に係る総収入金額に加算された売上げは実際には発生しておらず、仮に発生していたとしても未回収であり、事業廃止によってあるいは取引停止後1年を経過していること等から、同様の事情がある平成16年及び平成17年の売上げに係る未収入金とともに事業を廃止した平成17年分の事業所得に係る必要経費に算入することとした更正の請求は認められるべきである旨主張する。しかしながら、平成13年分ないし平成15年分の事業所得に係る総収入金額に加算された売上げは実際に発生しており、貸倒れがあったとする事実は認められず、また、請求人が貸倒れがあったとして主張する平成16年及び平成17年の売上げに係る未収入金については、請求人は未収入金の存在を立証せず、当審判所に帳簿書類の提出はなく、また、当審判所の調査においてもその存在あるいは貸倒れとすべき事実は認められないから、請求人の主張は採用できない。(平20. 9.26 大裁(所・諸)平20-9)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200003
- 裁決年月日
- 平成20年8月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人が代表者である同族会社が車両を割賦購入した際に取り組んだ各ローン契約について、当該法人は、請求人からの借入金により分割金の支払を続けたが、納車がないまま販売会社が倒産したために、請求人が支払った約1,300万円が実質的に個人の損失として確定したので所得金額から差し引くべきである旨、また、②友人に対して「事業」として貸し付けた貸金3件が回収不能となったことによる貸倒損失1,110万円を所得金額から差し引くべきである旨主張する。しかしながら、①について、当該車両を購入したのは当該法人であり、当該法人の未払残高に係る請求人の連帯保証に係る保証債務は訴訟における和解により履行が免除されており、請求人に帰属する損失は存在しないものと認められる。次に、②について、請求人は貸金業の登録をしておらず、当該3件の貸金に対する利息を徴してなく、当該貸金の内1件は無尽講に係る貸倒れであり、さらに、請求人は、当該3件以外に貸し付けたものはないことからして、当該貸金に「事業」として認定しえる要素はなく、当該貸倒損失が事業の遂行上生じた損失とは認められず、事業所得の必要経費に算入することはできない。また、当該損失は、災害、盗難又は横領により生じた損失とは認められないので雑損控除の適用もなく、当該損失を斟酌すべき所得税法上の規定はない。したがって、請求人の主張は理由がない。(平20. 8.26 高裁(所)平20-3)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平190029
- 裁決年月日
- 平成20年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債権放棄した同族会社への貸付金について不動産所得の必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、当該貸付金は、当該同族会社の設立時に請求人の○○販売部門を営業譲渡した際に当該同族会社が請求人から譲り受けた事業資産の対価を請求人からの借入金として処理したことにより生じたものであり、不動産貸付に係る総収入金額を得るために直接要した費用の額にも不動産所得を生ずべき業務について生じた費用の額にも該当しない。さらに、所得税法第51条第4項に規定する不動産所得を生ずべき業務の用に供され又は不動産所得の基因となる資産には該当しないと認められることから、当該貸付金を債務放棄しても、その放棄した金額は同項に規定する損失には該当しない。そうすると、当該債権放棄した同族会社への貸付金は不動産所得の必要経費としては認められない。(平20. 6.27 高裁(所)平19-29)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平190010
- 裁決年月日
- 平成19年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金は、本件の貸付先との過去の取引実績及び将来の取引見込みなどからして請求人の事業に密接に関連した貸付金であり、所得税法第51条第2項及び同法第52条第1項に規定する事業の遂行上生じた貸付金等に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人が営む建築工事業において取引先に対する金銭の貸付けは通常業務の範囲ではないこと、②請求人と本件の貸付先との取引関係は、本件の貸付けを実行しないことが、請求人の事業の継続に致命的な支障を来すほど密接なものではなかったこと、③本件貸付金は、本件の貸付先から工事の受注を特段必要としない時期になされたものであることが認められ、これらを総合的に判断すると、本件貸付金は請求人の事業遂行上通常一般的に必要であったと客観的に認めることはできないから、事業の遂行上生じた貸付金等には該当しない。(平19.11.21 金裁(所)平19-10)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180036
- 裁決年月日
- 平成19年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904248
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/8貸倒の判定(回収不能と認めなかった事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事業所得(貸金業)の貸倒損失に係る債権も存在し、その債権を放棄したのは事実であるにもかかわらず、原処分庁が貸倒損失を認めないのは違法である旨主張するが、請求人が提示した資料では、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行っているとはいえず、事実上その不存在が推定されるから、貸倒損失を必要経費として認めなかった原処分は相当である。(平19. 5.22 広裁(所)平18-36)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170033
- 裁決年月日
- 平成18年3月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904247
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/7貸倒の判定(回収不能と認めた事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の営む保育園の保育料の未収金に貸倒れが生じているから、貸倒損失として事業所得の計算上必要経費にされるべきである旨主張するが、本件未収金については、請求人は債務免除など法律的に金銭債権が消滅した措置をしていないのであるから、その債権は法的に消滅したということはできない。しかしながら、本件未収金のうち一部の園児分については、本件各売掛台帳に回収不能に至る状況が整理、記載され、その売掛残高も消却されており、また、本件各売掛台帳の記載内容に沿う園長の答述があることからすれば、明らかに回収の見込みがないことが確実になったものとして当該年分の事業所得の金額の計算上、必要経費の額に算入できる貸倒損失として認めるのが相当である。一方、上記以外の園児分については、一部の園児の退園記録等の記載があるものの、本件各売掛台帳において、その売掛残高が消却されておらず債権として存在することが認められるから貸倒損失として認めることはできない。(平18.3.29広裁(所・諸)平17-33)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170033
- 裁決年月日
- 平成18年3月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸金業の廃業に伴い、債権譲渡契約書のとおり貸付債権を譲渡したから、当該債権譲渡による損失は、事業所得の計算上必要経費に算入すべきである旨主張するが、債権譲渡契約書は調査着手後に作成されたものであり他に本件貸付債権の譲渡を裏付けるものはなく、調査中における請求人の債権譲渡に係る申述も変遷していることなどからすれば、本件貸付債権の総額、譲渡価額は確定していたとはいえず、譲渡損が発生したともいえないから、請求人の主張は採用できない。(平18.3.29広裁(所・諸)平17-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170067
- 裁決年月日
- 平成17年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904248
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/8貸倒の判定(回収不能と認めなかった事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、無登録で貸金業を営んで得た請求人の事業所得の計算上、貸金回収口座を管理させていたAが同口座から払い出した金員の額は、Aが着服したものであり、Aが①債務の存在を否定していること、②請求人以外の者に対して多額の債務を負っていること、③平成17年以降貸付金の弁済を遅滞していること等から、回収不能であり貸倒損失として必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、上記の金額の全額について、Aに支払の意思及び能力がないとはいえず、請求人においてもいまだ回収を断念していないといえるのであり、当該金額の全額が回収不能であることが客観的に明らかであるということはできないから、これを貸倒損失として必要経費に算入することはできない。(平17.11.10東裁(所)平17-67)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170002
- 裁決年月日
- 平成17年7月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が事業拡大を目的として法人Dに対し貸付けを行ったことにより生じた貸倒損失は、請求人の事業の遂行上生じた貸付金の貸倒損失に該当するから、資産損失として、事業所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の法人Dに対する貸付けは、請求人の事業の遂行上通常必要なものであると認めることはできないことから、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできないが、請求人の当該貸付けに係る貸付債権は、雑所得の基因となる資産であると認められることから、その弁済を受けることが事実上不可能になった平成12年分において、雑所得の金額の計算上、雑所得の金額を限度として必要経費に算入するのが相当である。(平17.7.13広裁(所)平17-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170002
- 裁決年月日
- 平成17年7月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がS国所在の法人Bに対するスタンドバイクレジットを利用した保証債務の履行による損失は、請求人の事業の遂行上生じた保証債務の履行による損失と考えられるから、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、Bは、請求人が営む事業とは別個の法人格であり、その業種も全く異なることから、Bを受益者とするスタンドバイクレジット発行依頼が直ちに請求人の事業に関連して行われたものと認めることはできないことは明らかであり、請求人とB間に事業上の取引が存しないこと、請求人がBの具体的な事業実態を知らないと申述しながらBのためにスタンドバイクレジット発行依頼をしていることに加え、保証受益者がBからCに変更された平成5年以降も、請求人の定期預金を担保としたスタンドバイクレジットの発行が行われていることにかんがみれば、本件スタンドバイクレジットの発行依頼は、請求人の事業に関連して行われたものとは認められず、まして、事業遂行上必要なものであったと認めることはできないから、スタンドバイクレジット発行依頼の法的性質について検討するまでもなく、本件スタンドバイクレジットの発行依頼により負担した損失を必要経費と認めることができないことは明らかである。(平17.7.13広裁(所)平17-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170002
- 裁決年月日
- 平成17年7月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が事業拡大を目的として法人Dの債務保証の履行を行ったことによる損失は、請求人の事業遂行上生じた保証債務の履行による損失であるから、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、Fとの間で同人がDではなくEに対して負担する連帯保証債務の半額を引き受ける旨の合意をしたにすぎず、請求人の負担する債務は、所得税法第51条第2項及び所得税法施行令第141条《必要経費に算入される損失の生じる事由》に規定されている「保証債務の履行による損失」に該当しないことは明らかである。また、請求人のFに対する支払は、請求人の事業遂行上生じたものであると認めることもできないから、請求人の事業所得に関する必要経費と認めることはできない。(平17.7.13広裁(所)平17-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170002
- 裁決年月日
- 平成17年7月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がS国への事業拡大を目的として設立した法人Aに対する貸付金に係る貸倒損失は、請求人の事業の遂行上生じた貸付金の貸倒損失に該当するから、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入されるべきである旨主張するが、請求人の法人Aに対する貸付けが請求人の事業の遂行上通常必要なものであると認めることはできず、また、各年分において当該貸付けに貸倒れが生じたとも認められないことから、請求人が法人Aに対する貸付金の貸倒損失として計上した金額は、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。(平17.7.13広裁(所)平17-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160267
- 裁決年月日
- 平成17年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、主要かつ収益性のある本件顧問先に対し、資金の必要性を検討して金銭を貸し付けたものであり、この行為は請求人の本来の業務に付随するものである旨主張する。しかしながら、客観的にみて金銭の貸付けは、請求人の税理士としての事業所得を得るために通常必要な行為であるとは認められないので、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平17.5.30東裁(所)平16-267)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160097
- 裁決年月日
- 平成17年4月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関与先に対する貸付金が回収不能になったことにより生じた本件貸倒損失は、税理士業という事業の遂行上生じた損失として必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、税理士の業務の内容からみて関与先に貸付けを行うことが税理士本来の業務でないことはいうまでもないところであり、関与先への貸付けは、請求人の主観はともかく、客観的にみて、請求人の税理士としての事業所得を得るために通常かつ必要であるとは認められず、また、請求人は金銭の貸付けを事業として行っていないことから、本件貸倒損失を事業所得の計算上必要経費に算入することはできない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平17.4.15名裁(所)平16-97)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160200
- 裁決年月日
- 平成17年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・79ページ
要旨
○ 税理士である請求人は、顧問先への貸付金が税理士業務遂行上生じたものである根拠として、所得税基本通達51−10の(2)(以下「本通達」という。)の「自己の製品の販売強化、企業合理化等のため、特約店、下請先等に貸し付けている貸付金」を「自己顧問契約の強化・企業合理化等のため、特約ある永年顧問先等に貸し付けている貸付金」と読み替えるべきであると主張する。ところで、本通達は、所得税法第51条《資産損失の必要経費算入》第2項の規定の対象となる債権が、事業所得を生ずべき事業の遂行上生じた債権に限られることから、事業の遂行上生じた債権の範囲を例示したものであるが、税理士の業務範囲については税理士法第2条に規定されるとおり金銭を貸し付ける行為が含まれないことが明らかであり、請求人の主張するように本通達を解釈する余地はなく、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平17.2.23東裁(所)平16-200)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160023
- 裁決年月日
- 平成16年10月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904248
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/8貸倒の判定(回収不能と認めなかった事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務者が倒産し行方不明あるいは無資力の状態になり、債権の回収は客観的に不能となっていたのもので、当該貸倒損失の額は、請求人の主張どおりの金額で認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の主張する貸付債権は、その存否が確認できないもの、会社更正手続において更生計画の認可決定が貸し倒れを主張する年度以降にされているもの、貸し倒れと主張する年度以降においても一部貸付金等を回収しているもの、及び債権保全の措置をとっているもの等が認められることから、請求人の主張は採用できない。(平16.10.29大裁(所)平16-23)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160015
- 裁決年月日
- 平成16年8月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、請求人が本件貸付先に行った金銭の貸付け及び債務の保証(以下「本件貸付行為等」という。)について、司法書士法第3条《業務》に規定する業務の範囲外であっても、請求人の事業の一環として請求人の司法書士業務における顧客等に対して行ったものであるから、本件貸付行為により生じた損失は、所得税法第51条第2項の規定に基づき、事業の遂行上生じた貸付金等の貸倒れにより生じた損失の金額として必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件貸付行為等は、本件貸付先における土地転がしの資金又は土地の購入資金として貸付け等が行われており、本件貸付行為等が司法書士業務における顧客等に対するものであることをもって、司法書士業務と直接の結びつきを見出すことはできず、請求人の司法書士の事業の維持遂行のため客観的に必要なものとは認められないから、本件貸倒損失を請求人の事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平16.8.25名裁(所)平16-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150089
- 裁決年月日
- 平成16年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 所得税法第51条第2項にいう事業所得の金額計算上控除が認められる貸倒損失とは、当該事業所得の基因となる事業の範囲に属する事由によって生じたもの、換言すれば、当該所得を得るために通常必要とされる貸付金の貸倒れに限られると解されている。請求人が貸倒損失として計上した本件貸付金についてみると、①請求人が通信事業者に対し広告宣伝を依頼した事実がないこと、②およそ請求人のように遊興飲食業を営む者が、しかも立上りの段階において、請求人の事業規模からみても多額の貸付けをすることが、請求人の事業所得を得るために通常必要とは一般的に考えられず、それが、請求人が主張する将来的な広告宣伝効果を図る目的があったとしても、それは、請求人の事業規模、本件貸付金の金額等に照らせば、事業所得を得るための貸付金としては迂遠かつ過大といわざるを得ず、本件貸付金は、所得税法第51条第2項に規定する「事業の遂行上生じた貸付金」には該当しない。(平16.5.21大裁(所)平15-89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150288
- 裁決年月日
- 平成16年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 税理士業を営む請求人は、顧問先に対する貸付金及び債務保証が事業の遂行上生じたものである旨主張する。しかしながら、税理士業務には、顧問先に対する資金の貸付けなどは含まれないから、顧問先に対する金銭の貸付け又は債務保証が請求人の事業所得の基因となる事業の範囲に属する事由によって生じたと認めることはできないので、それらの資産の貸倒れなどにより生じた損失の金額を必要経費に算入することができないとした本件各更正処分は適法である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平16.5.13東裁(所)平15-288)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150049
- 裁決年月日
- 平成16年3月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族法人に対する貸付金は事業の遂行上生じた貸付金であり、それに係る貸倒損失は、事業所得の金額の計算上、必要経費の額に算入される旨主張する。しかしながら、当該同族法人に金銭を貸し付けた結果、現実に請求人の事業に係る収入の増加があったとしても、また、将来の事業所得の増加を期待できたとしても、それは派生的に生じた間接的結果にとどまり、かかる貸付けは、事業所得を得るために通常必要であると客観的に認めることはできないことから、当該貸倒損失を事業所得の金額の計算上必要経費の額に算入することはできない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平16.3.24広裁(所)平15-49)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150118
- 裁決年月日
- 平成15年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金は、所得税法第51条第2項に規定する事業の遂行上生じた貸金等に該当する旨主張する。しかしながら、①請求人と本件貸付先との取引関係は、本件貸付けをしないことにより請求人の事業の継続に致命的な支障を来たすことが明らかであったといえるほどの密接なものであったとは認められないこと、②本件貸付けは、通常の一般的な事業取引においてはあり得ないものといわざるを得ないことからすると、本件貸付金については、請求人の事業の遂行上通常一般的に必要であったと客観的に認めることはできず、請求人が個人として、貸し付けたものと認めるのが相当であるから、本件貸付金は、事業遂行上の貸金等には該当しない。(平15.11.28東裁(所)平15-118)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150027
- 裁決年月日
- 平成15年11月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904247
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/7貸倒の判定(回収不能と認めた事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が貸金業に係る事業所得の金額の計算上必要経費に算入した不渡手形に係る貸倒金について、貸付先は平成12年中に倒産しているが、平成12年12月31日現在で土地を所有しており、貸付金の全部を回収する見込みがないことが確定したとは認められないから貸倒金には該当せず、不渡手形の金額を必要経費に算入することはできない旨主張する。しかしながら、①当該貸付先は、平成12年中に2回目の不渡手形を出し、事実上倒産していることが認められること、②当該貸付先の代表者は事実上の倒産と同時に妻とともに失踪したこと、及び③貸付先が所有している土地は、根抵当権が設定されているほか、貸付先には当該土地の時価を上回る負債が認められることからすれば、不渡手形の金額を貸付先から回収することは事実上不可能であるものと認められる。したがって、不渡手形の金額を貸倒金として事業所得の金額の計算上必要経費に算入するのが相当である。(平15.11.17名裁(所・諸)平15-27)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140065
- 裁決年月日
- 平成15年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引先に対する一時的な貸付けにより、不動産売買契約の成立に誘導していくのも不動産取引業の手法の1つであるし、貸付先であるA社の代表取締役Bの所有不動産の仲介を請求人に専任する旨の条件の下、本件貸付金を貸し付けたのであるから、本件貸付金は所得税法第51条第2項に規定する事業の遂行上生じた貸付金等に該当し、事業所得の金額の計算上、本件貸付金の貸倒れにより生じた本件貸倒損失を必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が営む不動産取引業の業務の範囲には取引先に対する金銭の貸付けは含まれておらず、請求人が不動産取引業の取引先に対して通常に貸付けを行っていたと認めるに足る証拠もないから、本件のような多額の貸付けが、不動産取引業務の遂行上、通常一般的に必要であるとは認められない。また、本件貸付金の貸付けの時点で、請求人が主張するような条件を取り決めていたとは認め難い。そうすると、本件貸付金は、たとえBを事業の取引先として確保したいとの請求人の期待の下に貸しつけられたものであったとしても、事業の遂行上生じた貸付金等とは認められないから、不動産取引業に係る事業所得の金額の計算上、本件貸倒損失を必要経費に算入することはできない。(平15.06.17.広裁(所)平14-65)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平140033
- 裁決年月日
- 平成15年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904248
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/8貸倒の判定(回収不能と認めなかった事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 貸金業を営む請求人は、債務者が返済能力を失ったことから、債務者に対して債権放棄の通知を行い、通知をした日を含む年分の貸倒損失として必要経費に算入した旨主張する。しかしながら、債権放棄の通知をした時において、各々の債権については①第三者が債務を引き受けて弁済を継続しているものであること、②債務を引き受けた者の資産状況等から、支払能力がなかったとは認められないこと③貸倒損失であるとする請求人の主張を裏付ける証拠資料を提出がないことから、各々の債権の存在を認めることはできない。したがって、債権放棄の通知をした時の貸倒損失として事業所得の必要経費に算入することは認められない。(平15.06.10.高裁(所)平14-33)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140017
- 裁決年月日
- 平成15年4月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 事業的規模で不動産貸付業を営む請求人は、競売に係る入札保証金として不動産管理会社に預託したとする金員(以下「本件前渡金」という。)が、回収不能になったことから、不動産所得の計算上、貸倒損失として必要経費に算入できる旨主張する。なお、本件前渡金に関して不動産管理会社が発行した「預り証」は、後日、不動産管理会社の役員個人の名義の「借用証」と差し替えている。しかしながら、本件前渡金については、預り証を受領したなど答述するのみで、競売に参加したとする事実についての具体的な物件名、競売日、競売予定価額等を明らかにする証拠資料等は何ら提出されていない。さらに、当審判所の調査によっても、請求人が取得したすべての不動産の登記簿謄本(所有権、所有権以外の権利)の登記状況からは競売入札により不動産を取得した事実は認められない。また、仮に、預り証が借用証に差し替えられ債権が存在するとしても、本件前渡金の預託先は不動産管理会社であるといい、借用証に係る貸付先は役員個人というのであるから、請求人が預り証を不動産管理会社に返却した時に、本件前渡金は請求人に返還され消滅したことになり、同時に一方で、新たに役員個人に対する貸付金が生じることとなる。そうすると、請求人と不動産管理会社との間の入札保証金に係る債権債務関係は終了したものと判断されることから、入札保証金としての預託行為が事業の遂行上生じたものか否か等について審理する必要性は認められない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.04.10.熊裁(所)平14-17)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140009
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904242
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/2貸倒損の計上時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・118ページ
要旨
○ 請求人は、本件譲渡契約書に基づき、貸付債権を債権総額の3%で甲に譲渡したのは事実であるから、債権譲渡により生じた損失の金額は、譲渡日の属する年分の必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、甲は、本件譲渡契約書に係る貸付債権の回収額を請求人に報告し、請求人は、他の各店舗同様、甲が回収した金額について売上報告書を作成しているほか、甲が回収した金額の60%相当の額を甲に対する集金手数料として支払っていることから、本件譲渡契約書は形式的なもので、実質は債権の取立て委託とみるのが相当であるから、請求人の主張は認められない。(平15.03.25.沖裁(所)平14-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140016
- 裁決年月日
- 平成14年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Tへの貸付金は建築請負の前払金であり、当該貸付金が回収不能となったから、資産損失に当たる旨主張する。しかしながら、Tが請求人から短期に資金を借入れた事実があったとしても、請求人及びTの双方に事業上の取引として前払金又は前受金の受渡しがあったことを確認することができない。仮に、請求人がTに対して資金を貸し付けた事実があったとしても、事業上の取引関係のない者に対するものであるから、当該貸付金は、請求人の事業所得を生ずべき事業の遂行上生じた貸付金等に該当しないため、必要経費に算入できない。(平14.09.05.大裁(所・諸)平14-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130221
- 裁決年月日
- 平成14年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904249
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件資金は共同事業に係る出資金であるから、事業所得の基因となる資産に該当し、したがって、本件損失額は、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件資金は、A社に対する貸付金と認めるのが相当であり、また、請求人が金銭の貸付けを事業として行っている事実は認められないから、本件資金は、事業所得の基因となる資産には該当せず、雑所得の基因となる資産に該当する。したがって、本件損失額は、所得税法第51条第4項の規定により、雑所得の金額を限度として雑所得の金額の計算上、必要経費に算入することとなり、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。(平14. 4.15東裁(所)平13-221)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平130006
- 裁決年月日
- 平成13年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A法人の債務を代位弁済したことによる債権の貸倒損失について、請求人とA法人の間には事業の維持遂行のために必要であると認められる重要な業務関連性があり、必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人とA法人の取引関係についてみれば、請求人とA法人との間に鮮魚等の売買取引、その他の取引があったとする客観的な事実は認められず、請求人と漁業協同組合(以下「漁協」という。)の取引関係は、請求人が水揚げした鮮魚等を漁協の名をもって、請求人の計算において第三者に販売し、これに対して請求人が漁協に報酬(手数料)を支払うという、いわゆる委託販売の類型に属する取引関係であり、A法人は直接に請求人から鮮魚等を買付けしているものではなく、あくまでも漁協が開設する市場において、鮮魚等を買い付けているものであり、請求人とA法人は、漁協を介して間接的な取引関係があるということにとどまる。また、請求人はA法人の代表者であったこと及び請求人の営む事業は一般海面漁業であることからすれば、請求人がしたA法人が有する債務の代位弁済は、請求人がA法人の代表者として、その経営の責任者という地位にあったことに基づき行った行為であるとすることが相当である。したがって、請求人のしたA法人が有する債務の弁済は、請求人の営む事業所得を生ずべき事業について、その事業の維持遂行のための客観的必要性又は有益性を認めることはできないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平13.12.19札裁(所)平13-6)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130008
- 裁決年月日
- 平成13年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904242
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/2貸倒損の計上時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が平成5年分以前に係る貸倒れとした債権について、(1)回収が容易でないとしても、請求人は、回収不能とは認識していなかったこと、(2)破産・夜逃げがあったとしても、貸金業者は安易に回収権を放棄するものではないこと、(3)請求人は、平成6年末ころ貸金業を継続することが困難になったため、最終的に債権の回収ができないこととなったことから、平成6年分に係る貸倒れである旨主張する。しかしながら、(1)請求人が営む貸金業においては、貸金の返済が滞っている不良債務者を延滞者一覧表により管理していること、(2)延滞者一覧表に記載された債務者は、破産・逃亡等を原因として元利金の入金が滞っている債務者であり、その債権の回収は実質的に行われていないことが認められることから、原処分庁が、破産・夜逃げ等の事実から当該債務者に対する債権を貸倒れとし、また、当該債務者は、行方不明等所在が確認できない者が多いため、各顧客について個別に貸倒れの時期を判断することが困難なことから、延滞者一覧表に記載されている最終取引日の翌日を貸倒れの発生日としたことは相当である。(平13.12.17福裁(所)平13-8)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120040
- 裁決年月日
- 平成13年6月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件船舶は債務会社から預かっただけであり、本件債権について受取手形を所持していることから、債務会社について債権は存在するため、本件債権放棄通知に基づき貸倒損失を必要経費に計上することができる旨主張する。しかしながら、和議申立て時における請求人の和議債権額と和議認可決定における一般和議債権額との差額である別途権債権は、本件船舶等を請求人に返還したことにより弁済されており、一般和議債権額は和議認可決定の年分の確定申告において債務会社に対する貸倒損失として計上されている金額に含まれているから、和議認可決定された請求人の債権額は零円となり、さらに請求人が和議認可決定後に増加したと主張する債権額については、請求人は具体的な証拠を提出せず、債務会社の帳簿には取引の内容、手形の切替え及び決済が終了している旨が明確に記載されていること等から、本件増加債権は債務会社の記録のとおりその返済が履行されたものとするのが相当であり、従って、債権放棄通知に記載された債権額は存在しないと認められる。なお、請求人が所持していると主張する手形は、その債権が上記のとおり存在しないのであるから無効なものと判断するのが相当である。(平13.6.5福裁(所)平12−40)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120088
- 裁決年月日
- 平成13年3月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200904242
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/2貸倒損の計上時期
- 業種
- 病院
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、調停に基づき、A保険連合会に対し診療報酬を返還しているが、これは昭和52年8月分から同54年12月分の診療報酬のうちから返還したものであることは明らかであるから、それぞれの年分の売上金額から控除すべき旨主張するが、請求人が同連合会に対して返還義務を負う金額の一部は、昭和56年から同57年までの間に同連合会から支払を受けるべき診療報酬と相殺され、残額についても昭和57年11月16日に支払っており、かつ、請求人は事業を継続しているから、その損失が生じた昭和56年分又は57年分の必要経費に算入すべきである。(平13.3.23大裁(所)平12−88)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120059
- 裁決年月日
- 平成12年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付金は事業の遂行上必要な貸付金であり、それに係る貸倒損失は所法第51条第2項が適用され、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入される旨主張する。ところで、所法第51条第2項にいう事業の遂行上生じた貸付金等とは、当該事業の遂行上何らかの関係を有する貸付金等のすべてをいうのではなく、その業種・業態からみて、当該事業所得を得るために通常必要であると客観的に認め得る貸付金をいうものと解されているところ、これを本件についてみると、税理士である請求人と本件貸付先との間で金銭の貸付業務に関する契約はなされておらず、請求人と本件貸付先との関係も税理士法第2条に規定する業務の範囲を出ず、この範囲に金銭の貸付けは含まれないことから、請求人の主観はともかく、客観的にみて、本件貸付金は、請求人の税理士としての事業所得を得るために、通常必要であるものと認めることはできない。(平12.12.12関裁(所)平12−59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100123
- 裁決年月日
- 平成11年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、異議調査の担当職員に提出した金銭消費貸借契約証書等及び貸倒れに係る明細表をもって、貸付け及び貸倒れがあったと主張する。しかしながら、請求人が貸付けと主張するもののうち、①金銭消費貸借契約証書等の貸付けの事実を証する書類がなく、かつ、その貸付けのために借り入れたとする資金も請求人の土地取得に充てられているもの、②金銭消費貸借契約証書等に貸主、元金、利息、日付、元金の返済期限等の定めがなく、証拠資料が不完全で貸付けの事実を認められないもの、③金銭消費貸借契約証書等から請求人の貸付けではなく、請求人の関係法人が貸付けたと認められるもの、④貸付けた当時使用されていなかった借用証書を使用したと認められ、かつ、その貸付けのために借り入れたとする資金も請求人の関係法人の土地取得に充てられていると認められるものなどがあり、結局、貸付け及び貸倒れがあったと認められるものは、請求人及び原処分庁の双方に争いがない2件である。(平11. 3.12東裁(所)平10-123)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090071
- 裁決年月日
- 平成9年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904248
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/8貸倒の判定(回収不能と認めなかった事例)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件患者の歯科治療に係る治療費のうち支払を受けていない金額を売上げに計上しなかったのは、本件患者が最後に来院した日から1年を経過して治療費を請求したにもかかわらず、本件患者からは治療費の一部しか入金がなく、また、本件患者から装着した義歯を紛失したとの連絡があったため、残金の支払については、後日相談して決定する旨話し合ったことなどの経緯から、本件患者は当該残金を支払う意思がなく、当該残金の支払は受けられないと判断したこと等によるものである旨主張する。しかしながら、当該残金の支払は当事者間で後日相談して決定する旨話し合ったものの、その後年末までに当該相談をした事実は認められないことから、当事者間においては何ら具体的な交渉は行われておらず、このような状況では、当該残金の回収の見込みがないことが客観的に確実となることが係争年中に確定したとはいえない。また、請求人が主張する理由のみでは当該残金が係争年中において回収の見込みがないことが客観的に確実であることを立証しているとはいえないから、当該残金は貸倒損失とは認められない。(平 9.12. 1東裁(所)平 9-71)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090003
- 裁決年月日
- 平成9年9月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904242
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/2貸倒損の計上時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売上先が破産の申立てを行う時点で売上先の収支が極めて悪化していることから、売上債権の全額が回収できないことが明らかになったとして、同時点の年分で全額を貸倒損失として必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件売上債権を放棄することなく、破産手続上その権利を行使し配当を受けるため破産債権として届出をしていることからすると、債権調査期日以降でなければ、破産債権が確定せず、破産者(売上先)である債務者の資産状況、支払能力等が確定し得ないのであるから、債権調査期日以降において本件売上債権の全額が回収できないかどうかが明らかになるものと認められ、本件年分において、本件売上債権の全額を貸倒損失とすることはできない。(平 9.9.19名裁(所・諸)平 9-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090008
- 裁決年月日
- 平成9年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 司法書士及び行政書士である請求人は、(1)将来収入を得る事業のパートナーともいえる法人の倒産による当該法人への貸付金の貸倒れは、将来収入を得る事業所得を生ぜしめる事業遂行上の費用であること及び(2)請求人と当該法人との関係から、少なくとも現在の事業の遂行上生じた債権に準ずるものである旨主張する。しかしながら、(1)当該法人の倒産により、将来収入を得る事業は開始されず、収入を生ぜしめる事業を開始したとは認められないこと及び(2)司法書士及び行政書士の業務については、それぞれ司法書士法及び行政書士法でその業務が規定されており、請求人は貸金を業として行っておらず、請求人と当該法人との関係等から判断すると、金銭を貸し付けることが、客観的にみて請求人の事業と直接の関連があるとは認められないことから、本件貸倒損失は、所法第51条第2項には該当しないと判断するのが相当である。(平 9. 7. 4東裁(所)平 9-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080188
- 裁決年月日
- 平成9年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904241
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/1事業上の債権の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 公認会計士及び税理士業を営む請求人は、関与先の倒産に伴い保証債務を履行したことにより生じた貸倒損失の金額について、公認会計士等の業務に係る事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張するが、請求人は貸金を業としていないこと及び公認会計士等の業務の範囲に、関与先に対し保証人となって融資の便を与える行為は含まれていないことから、当該貸付けが請求人の事業所得の基因となる事業の範囲に属する事由によって生じたものと認めることはできないので、当該損失の金額を事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。(平 9. 4.24東裁(所)平 8-188)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平080005
- 裁決年月日
- 平成8年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200904242
- 争点
- 9事業所得/4必要経費/24貸倒損失/2貸倒損の計上時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)収支内訳書に記載したAに対する50万円及びBに対する315万円の貸倒金は、平成4年分の貸金業に係る所得の金額の計算上必要経費に算入すべきであり、また、(2)平成2年分ないし平成4年分の収支内訳書に記載漏れとなっている貸倒金についても貸付金が現実に貸倒れになっているから必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張する上記(1)の貸倒金については、債務者は破産開始の手続として自己破産の申立てをC地方裁判所に平成4年にしているが、その申立てに係る免責決定の確定がその後の平成5年ないし平成6年であり、ほかに債権放棄や貸倒れの事実を裏付ける証拠も認められず、また、上記(2)の貸倒金については、請求人は、それを裏付ける具体的内容を明らかにせず、貸倒損失の額を合理的に推認し得る証拠も認められないから、請求人の主張はいずれも認められない。(平 8. 7. 5熊裁(所)平 8-5)
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