裁決要旨 2不動産所得と認めなかった事例
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020062
- 裁決年月日
- 令和3年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、フィリピン共和国に所有する不動産(本件各不動産)に客を有料で宿泊させる業務(本件業務)を行っているところ、本件各不動産を貸付けの用に供しており、その利用者に食事等を提供していないことを理由に、本件業務から生じる所得は不動産所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は、本件各不動産について、①電気器具、家具を利用させ、②客は、電気、水道、消耗品を利用することができ、③本件各不動産の管理法人が客の対応をすることにより、利用料を得ている。そうすると、当該利用料は、その全部が本件各不動産の利用と役務の提供が一体となった給付の対価と認められることから、ほとんど又は専ら本件各不動産を利用に供することにより生ずるものとはいえない。したがって、本件業務から生じる所得は、事業所得又は雑所得のいずれかに該当し、不動産所得には該当しない。そして、請求人は、①自ら業務に係る収入を増やすための営業活動等を行った事実は認められないこと、②安定した給与収入を得て生活費を賄いつつ、その傍らで、利益が生じない本件業務を行っていたこと、及び③本件各不動産の年間の利用日数が30日未満であること等から、営利性及び反復継続性について、事業と認めるに足りる程度のものとは認められず、社会通念に照らして判断すると、本件業務は、「事業」に当たらず、雑所得に該当する。(令3. 3. 2 東裁(所)令2-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280096
- 裁決年月日
- 平成29年3月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子が代表取締役を務める会社(本件会社)に対し、有効な不動産賃貸借契約に基づき不動産(本件物件)を継続的に賃貸していたのであるから、請求人の不動産所得の金額の計算上、請求人が本件会社から賃料名目で受領していた金員(本件金員)は総収入金額に算入され、本件物件に係る固定資産税及び都市計画税並びに減価償却費(本件固定資産税等)は必要経費に算入されると主張する。しかしながら、不動産等の貸付けによる所得とは、当事者の一方が相手方に不動産等を使用収益させて、その対価を得ることを目的とする行為から生ずる所得をいうものと解されるから、不動産等の賃貸借から生ずる賃料はこれに該当するが、対価を伴わない使用貸借については、借主から貸主に対して金員の交付等があっても、それは不動産等の貸付けによる所得には該当しないと解すべきところ、本件金員の額は、本件物件に係る固定資産税及び都市計画税の額にも満たず、第三者から得られる賃貸料を大幅に下回るものでもあることなどからすれば、請求人による本件物件の貸付けは、請求人と特別な関係にあり、債務超過であった本件会社への支援という位置付けでされたものであって、本件金員は、本件物件の使用収益の対価というよりは、請求人による本件物件の使用許諾に対して、本件物件に関する経費の一部を負担するものであったというものであり、本件会社による本件物件の使用は、賃貸借契約に基づくものとはいえず、対価を得ることを目的としていない使用貸借契約に基づくものであったというのが相当である。したがって、本件金員は、不動産の貸付けによる所得ということはできず、不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入されるべきものではなく、また、使用貸借契約に基づき貸し付けている不動産に係る費用は、不動産所得を生ずべき業務について生じたものではないから、本件固定資産税等は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきものではない。(平29. 3. 3 東裁(所)平28-96)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270005
- 裁決年月日
- 平成27年7月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続に関し他の相続人に対して提起した遺留分減殺請求訴訟及び果実返還請求訴訟の和解に基づき、当該他の相続人から金員(本件金員)を受領したところ、原処分庁が、本件金員は相続財産である賃貸マンション(本件マンション)の賃料収入の一部であるから、不動産所得に該当するとして更正処分等を行ったことに対し、本件金員は遺留分減殺請求に基づき取得したものであるから、不動産所得には該当せず、相続税の課税対象となる旨主張する。しかしながら、本件金員の法的性質は、請求人と当該他の相続人との間に存する相続に関する一切の紛争を解決するための和解金ないし解決金であって、遺留分減殺請求に対する価額弁償金や民法第1036条《受増者による果実の返還》に基づく果実返還金として支払われたものはないから、本件金員を相続財産とみることはできない一方、請求人は民法第1036条所定の果実として本件マンションの賃料債権を取得することはなかったことに照らすと、本件金員を不動産所得と見ることもできない。以上によれば、本件金員はこれを受領した年分の一時所得と認めるのが相当である。(平27. 7.17 大裁(所・諸)平27-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平240015
- 裁決年月日
- 平成25年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№90
要旨
○ 請求人は、船舶の一部の貸付けによる所得も不動産所得に含まれること、○○国船籍の客船(本件船舶)の一船室の貸付け(本件業務)は、本件船舶に係る居住権の貸付けでありこれは船舶の上に存する権利の貸付けであること、本件業務に係る所得は資産性所得であること、そして、役務の提供は僅かであることなどの理由から本件業務に係る所得は不動産所得であると主張する。しかしながら、請求人はレンタル利用者に対し単に一船室を利用させているだけではなく相当程度のサービスと一体となったクルーズを提供しているというべきであり、本件業務に係る所得がほとんど又は専ら船舶を利用に供することにより生じたものとはいえないことから、本件業務に係る所得は不動産所得には該当せず、また、本件業務は営利性・有償性及び継続性・反復性を具備しているものの、本件業務の目的は毎年の維持管理費用を少しでも回収すること、請求人は年に4回程度外国送金依頼書に署名するのみであること、本件業務に係る従業員を雇用せず事務的設備を整えていないこと、医療法人の理事長として給与等を得ており生活の資の大部分をこれらの法人から得ていたこと、そして、自己資金の範囲内で本件業務を行っていることなどから、一般社会通念に照らし、本件業務は事業とは認められず、本件業務に係る所得は雑所得に該当する。(平25. 3.27 福裁(所)平24-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240002
- 裁決年月日
- 平成24年7月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、リミテッド・パートナーシップ契約(LPS契約といい、当該契約によって組成される仕組みをLPSという。)を締結し、当該LPSからの収益金(本件LPS収益金)は、当該LPSに帰属せず、民法上の組合と同様、損益分配割合に応じて配分され、請求人に直接帰属するから不動産所得に該当する旨主張する。しかしながら、①各LPSは、自らの事業活動を遂行するために必要なあらゆることを行う権限を持ち、パートナーとは異なる権利義務の帰属主体であり、②いずれのゼネラル・パートナー(GP)も、各LPSの業務を維持・運営するために必要・適切とされる全てのことを行い、決定する独占的権限を有し、各LPSの代理人となるものとされ、③いずれのリミテッド・パートナー(LP)も、各LPS契約に定められた一定の範囲内で各LPSの経営に参加するものの、その範囲は、GPが本件物件等を処分するなどの一部の重要な業務執行を行う場合に限られる上、その方法は、LPの一部若しくは全員、又は持分割合に応じた多数による同意又は承認等を与えるにとどまり、各LPSを代理又は代表する権限を有するものではない。また、④LPが有する各LPSにおける「持分権(Interest)」は、本件各法令等に基づいて付与され又は負担するLPとしての権利義務であり、その主要なものの1つが、毎年所定の額のLPS収益金の分配を受ける権利であり、⑤いずれのLPも、各LPSとの間に法律関係の成立している第三者に対して個人的な賠償責任を負わない立場にある。これらの事実から、本件各物件を賃借人に対して賃貸しているのは各LPSであるというべきであって、請求人が、自ら、又は各LPSを自らの代理人として、主体的に本件各物件を賃借人に対して賃貸し、それによる収益の稼得や費用の負担を行っているということはできない。したがって、本件LPS収益金は、請求人が、不動産所得を生ずべき業務の遂行により、あるいはそれに伴い得た所得でないから不動産所得に該当しない。(平24. 7. 2 東裁(所)平24-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210152
- 裁決年月日
- 平成22年5月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が信託契約を介して参加した米国における不動産の取得及び賃貸に係る投資事業(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益について、請求人は、①本件不動産投資事業を行うために、当該信託契約に係る信託(以下「本件信託」という。)の受託者が米国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(以下「本件LPS」という。)を外国法人と取り扱うことはできないこと、②本件LPSは有責組合と類似した性格を有する事業体であり、本件LPSにについても構成員課税がなされるものと予測して参加したのであり、これを覆して事業体課税をすることは納税者の予測可能性を害することなどから、不動産所得に該当する旨主張し、他方、原処分庁は、①本件信託は外国投資信託(委託者非指図型投資信託に類するもの)であること、②本件LPSは外国法人に該当するから、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、本件不動産投資事業に係る損益は配当所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件不動産投資事業に係る不動産を賃借人に対して賃貸していたのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人としてこれを賃貸していたと認めることはできないから、請求人に配分される本件LPSの損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得であるとはいえず、不動産所得に当たらない。一方で、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、本件LPSによる請求人に対する損益の配分は、利益の処分として行われたものではないから、当該損益は、配当所得にも当たらない。また、請求人の本件信託を通じての本件LPSに係る契約とこれに対する出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。(平22. 5.10 東裁(所)平21-152)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200172
- 裁決年月日
- 平成21年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有するマンションを同族会社へ貸し付けているところ、電力の使用状況及び関係人の申述から当該マンションの占有部分すべてが使用収益されていたと認められ、その月額料金は管理組合に支払う管理費と同額であり、当該マンションを別の借主へ賃貸していた当時の月額賃料と比較して著しく低廉であることなどから、当該月額料金は、借主である同族会社が管理費を実費負担したものであり、当該マンションの使用収益の対価であるとは認められない。そうすると、当該同族会社に対する当該マンションの貸付けは、使用収益の対価を得ることを目的としていない使用貸借であると認められるから、所得税法第26条第1項に規定する不動産の貸付けには該当しない。したがって、請求人は、当該マンションに係る固定資産税等を、各年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入できない。請求人は、当該マンションのうち、洋室部分は合理的な賃料により賃貸借されており、また、当該洋室以外の部分は賃貸借の用に供されていなかったが、継続的に賃借人の募集広告を行っており、賃借人の応募があれば、同族会社に対して速やかに退去を求める予定であったのであり、当該マンションは、各年分において客観的に将来確実に貸付けの用に供されるべき状態であったことから、当該マンションに係る固定資産税等は、各年分における不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件物件のほぼ全体を使用収益の対価を得ることを目的としない使用貸借としてA社等へ貸し付けていると認められ、少なくとも原処分に係る調査の担当職員による調査が行われるまでは、同様の利用状況が継続されていたと認められる。したがって、本件物件のうち、本件洋室部分について、各年分を通じ、本件料金を合理的な賃料であるとして貸付けの用に供していたとは認められず、また、本件洋室以外の部分についても、各年分を通じ、その形状、種類、使用状況等に照らして、客観的に将来確実に貸付けの用に供されるべき状態であったとは認められないから、この点に関する請求人の主張にはいずれも理由がない。(平21. 5. 8 東裁(所)平20-172)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200016
- 裁決年月日
- 平成21年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有する建物(以下「本件物件」という。)をいとこのAに貸し付けたことについて、賃貸借契約を結んでいること及び賃貸料を受領していることからしても賃貸借であり、請求人が受領した金員は不動産の貸付けによる所得に該当する旨、また、本件物件に係る減価償却費及び固定資産税については、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、当該賃貸料は、請求人が負担している固定資産税額にも満たない金額であり、通常であれば到底そのような賃料での契約はあり得ないものであり、これは、Aの債務超過状態及び請求人のいとこという親族関係であるということからすれば、生活扶助的な要因があったものと推認され、本件物件の貸付けは、たとえ賃貸料の受領があっても、それは、請求人が負担すべき本件物件に係る費用の一部にすぎず、本件物件を無償で使用させていたと同様とみることができるから、請求人が対価を得ることを目的としていない使用貸借に基づくものであるというほかなく、所得税法第26条第1項が予定する不動産等の貸付けによる所得とは認められず、本件物件に係る減価償却費及び固定資産税については、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平21. 4.21 高裁(所・諸)平20-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200008
- 裁決年月日
- 平成20年8月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・110ページ
要旨
○ 請求人は、営業者と請求人との間の匿名組合契約(以下、「本件匿名組合契約」といい、契約に基づく匿名組合を「本件匿名組合」という。)の営業者の事業が航空機リース事業(以下「本件航空機リース事業」という。)であり、所得税法第26条《不動産所得》の不動産所得(損失)に該当するから、所得税通達36・37共−21(平成17年12月改正前のもの)の定めにより、請求人の所得も営業者と同じ不動産所得(損失)である旨主張する。しかしながら、本件匿名組合契約により営業者から請求人に配分される損益の内容を吟味すると、請求人は、営業者の事業遂行のために営業者に出資をし、営業者が、H航空会社から本件航空機を購入して同航空会社に賃貸することによって生じる営業者の損益を、本件匿名組合の匿名組合員として配分を受けるものである。また、本件航空機は、本件匿名組合契約によれば、出資金、本件航空機リース事業に関し営業者が取得した資産及び権利がすべて営業者に帰属するものとし、本件匿名組合契約に定める場合を除き請求人はこれらに対し何の権利も有しないとされていることから、営業者に所有権があり、請求人には帰属しない。その上、本件匿名組合契約の内部関係は、営業者が業務を執行する権限を有しており、請求人は本件航空機リース事業の業務を執行する権限を有していない。一方、本件匿名組合契約の外部関係は、第三者に対する権利・義務は営業者に帰属し、請求人と第三者との間に法律関係はなく、請求人は第三者に対して個人的な賠償責任を負わない。 これらのことからすれば、請求人が、自ら又は営業者と共同して、主体的に本件航空機をH航空会社に賃貸していたとか、それによる収益の稼得や費用の負担を行っていたということはできないというべきである。したがって、本件匿名組合契約に基づいて営まれる本件航空機リース事業に係る収入及び費用は、請求人には直接帰属せず営業者に帰属することとなり、請求人は、本件航空機リース事業に対する単なる出資者という立場で、本件匿名組合契約に基づいて営業者から損益の配分を受けるものである。そうすると、営業者から請求人に配分される損益は、営業者への出資に対するものであって、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じる所得であるとはいえないから、不動産所得には該当しないというべきである。また、請求人の本件匿名組合契約に基づく出資行為は、継続かつ反復した行為とはいえず役務の提供を内容とするものではないから、事業所得とも認められない。したがって、営業者から請求人に配分される損益は、営業者への出資に対するもので、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから、雑所得に該当する。また、請求人が本件各年分の確定申告において本件航空機リース事業に係る不動産所得の損失としている金額は、G社から送付された本件各期間の会計報告書の記載に基づくものであって、本件航空機リース事業に係る損失について、本件匿名組合契約に基づき、請求人が分担するものとして本件請求人出資割合に応じて配分されたものであるところ、ここでいう損失とは、本件各期間における本件匿名組合契約の各年分における財産の減少額のことであり、損失の分担があることによって、請求人のG社に対する出資額が計算上その分担する損失の額だけ減少することを意味しているにすぎず、現実の支払によってこれを補てんするものではなく、請求人に配分された損失は、現実の負担ではなく計算上のものであり、課税上は、本件各年分においていまだ確定しているとはいえないから、請求人の本件各年分の雑所得とすべき金額はない。(平20. 8.21 名裁(所)平20-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190095
- 裁決年月日
- 平成20年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介して投資したA国不動産の貸付けに関する損益(以下、当該A国不動産を対象とした信託契約を介しての投資を「本件不動産投資事業」という。)であるとする金額について、不動産所得として平成17年分の所得税の更正の請求(以下「本件更正の請求」という。)をしたところ、原処分庁は、当該信託契約は外国投資信託(委託者非指図型投資信託に類するもの)であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者がA国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益は当該LPSに帰属することを理由に、国内所有不動産の貸付けに係る損益との合算は認められないとして、更正をすべき理由はない旨の通知処分を行ったのに対し、請求人は、当該信託契約は外国投資信託ではなく、また、当該LPSは外国法人ではなく、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。しかしながら、投資信託法が定める投資信託においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、委託者指図型投資信託及び委託者非指図型投資信託のいずれも、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、所得税法第13条第1項ただし書に掲げるいずれにも該当しないことから、本件不動産投資事業に係る損益として本件信託を通じて配分を受ける損益は外国投資信託に該当し配当所得に該当するとの原処分庁の主張には理由がない。そこで、本件不動産投資事業に係る損益の所得区分についてみると、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産投資事業におけるA国不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得とは言えず、不動産所得には該当しないため、不動産所得に該当するとの請求人の主張には理由がない。そうすると、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、請求人が本件信託を通じて本件LPSから配分を受ける損益は、所得税法第35条第1項に規定された利子所得ないし一時所得のいずれにも該当しない所得として雑所得に該当することになる。また、請求人が、本件更正の請求において平成17年分の不動産所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入した本件不動産投資事業に係る収入金額及び必要経費は、単に計算上の金額であって、請求人の平成17年分の損益として発生したものではなく、平成17年分の雑所得とすべき金額はないことから、更正をすべき理由がないとした原処分は適法である。(平20. 5.29 名裁(所)平19-95)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180335ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介して投資した外国不動産の貸付けに関する損益であるとする金額(損失)を不動産所得として申告することを失念したとして更正の請求をしたところ、原処分庁が、当該信託契約は外国投資信託(委託者非指図型投資信託に類するもの)であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、その損失は他の所得と通算できないとして、更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人ではないから、構成員課税が認められるべきであると主張する。 投資信託法においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、委託者指図型投資信託及び委託者非指図型投資信託のいずれも、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張には理由がない。 本件不動産投資事業に係る所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は不動産所得に当たらない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 したがって、本件不動産投資事業に係る不動産所得はないとした原処分は相当である。(平19. 6.22 東裁(所)平18-335)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180243
- 裁決年月日
- 平成19年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介した外国の不動産を対象とした投資(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益が、不動産所得の損失であるとして申告することを失念したとして更正の請求をしたのに対して、原処分庁が、当該信託契約は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、その損失は他の所得と通算できないとして、原処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人ではないから、構成員課税が認められるべきであると主張する。 投資信託法においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張には理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は不動産所得に当たらない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 したがって、本件不動産投資事業に係る不動産所得はないとした原処分は相当である。(平19. 5.11 東裁(所)平18-243)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180214ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成19年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介して外国の不動産に対する投資(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益は不動産所得の損失として申告することを失念したとして更正の請求をしたのに対して、原処分庁が、当該信託契約は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、その損失は他の所得と通算できないとして、当該損失以外の金額について所得を減額する更正処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人ではないから、構成員課税が認められるべきであると主張する。 投資信託法においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定する投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張には理由がない。 本件不動産投資事業に係る所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は不動産所得に当たらない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 したがって、本件不動産投資事業に係る不動産所得はないとした原処分は相当である。(平19. 3.29 東裁(所)平18-214)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180050
- 裁決年月日
- 平成19年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介した外国の不動産を対象とした投資(以下、「本件不動産投資事業」という。)に係る損益が不動産所得の損失であるとして、平成16年分の所得税の更正の請求(以下「本件更正請求」という。)をした金額について、原処分庁は、当該信託契約は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益は当該LPSに帰属することを理由に、国内所有不動産の貸付けに係る損益との合算は認められない旨主張し、請求人は、当該信託契約は外国投資信託ではなく、また、当該LPSは外国法人ではなく、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、投資信託法が定める投資信託においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定する投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、所得税法第13条第1項ただし書に掲げるいずれにも該当しないことから、原処分庁の主張は理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る損益の所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産投資事業における外国の不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得とは言えず、不動産所得には該当しない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為とはいえず、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 なお、請求人が、本件更正請求において平成16年分の不動産所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入した本件不動産投資事業に係る収入金額及び必要経費は、単に計算上の金額であって、請求人の平成16年分の損益として発生したものではないから、平成16年分の雑所得とすべき金額はない。(平19. 3.15 名裁(所)平18-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180181
- 裁決年月日
- 平成19年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介して投資した外国の不動産の貸付けに関する損益であるとして不動産所得として平成16年分の更正の請求をしたのに対して、原処分庁が、本件信託は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、その損失は他の所得と通算できないとして、更正処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、当該LPSは外国法人ではないから、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、投資信託法においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張には理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は不動産所得に当たらない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 したがって、本件不動産投資事業に係る不動産所得はないとした原処分は相当である。(平19. 2.20 東裁(所)平18-181)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180044
- 裁決年月日
- 平成19年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、外国の不動産を対象とした信託契約(以下「本件信託」という。)を介した投資(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益を、不動産所得として平成16年分の所得税の更正の請求をしたところ、原処分庁は、本件信託は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益は当該LPSに帰属することを理由に、国内所有不動産の貸付けに係る損益との合算は認められない旨主張し、請求人は、当該信託契約は外国投資信託ではなく、また、当該LPSは外国法人に該当しないから、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、投資信託法が定める投資信託においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、所得税法第13条第1項ただし書に掲げるいずれにも該当しないことから、原処分庁の主張は理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る損益の所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産投資事業における米国不動産を賃借人に賃貸しているのは当該LPSであって、請求人が自ら又は当該LPSを代理人として賃貸しているものではないから、当該LPSから請求人に配分される損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得とは言えず、不動産所得には該当しない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為とはいえず、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 なお、請求人が、本件更正請求において平成16年分の不動産所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入した本件不動産投資事業に係る収入金額及び必要経費は、単に計算上の金額であって、請求人の平成16年分の損益として発生したものではないから、平成16年分の雑所得とすべき金額はない。(平19. 2.19 名裁(所)平18-44)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180044
- 裁決年月日
- 平成19年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同で所有する船舶(以下「本件船舶」という。)を用船(賃貸)し、賃貸期間終了後は売却する船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件商品」という。)の販売者から本件船舶の共有持分権を購入し、その共有持分権を現物出資して本件船舶の裸用船事業を行う民法上の任意組合(以下「本件組合」という。)に参加した。本件組合は、本件船舶を国外のリミテッド・パートナーシップ(以下「LP」という。)へ現物出資し、LPは裸用船の形態で本件船舶の賃貸事業(以下「本件船舶賃貸事業」という。)を行っているのであるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得に該当する旨主張し、原処分庁は、本件船舶賃貸事業は、①請求人が事業の経営に参画していないこと、②実質的に本線船舶の所有権を有していないこと、③事業のリスクについては出資持分を限度としていること、④本件船舶への投資による最大のメリットは、船舶の貸付けによる賃貸料収入ではなく、他の所得との損益通算による税の軽減であることが認められることから、本件商品の収入及び必要経費は、所得税法に規定する不動産所得の計算上、総収入金額および必要経費には当たらない旨それぞれ主張する。 しかしながら、①本件商品は、本件船舶の賃貸と売却を一体とした投資システムとして請求人らに示されていたものであり、②その出資持分の購入、本件船舶の用船等、種々の行為において、本件船舶の売却収入を切り離した場合には、本件船舶の賃貸事業は収益収益面で成り立ち得ない一方で、③本件組合の出資者には、実質的に本件組合への事業参加は予定されておらず、④しかも、不動産投資に伴う通常のリスク負担も予定されていないことから、本件商品は、本件船舶の賃貸とその売却とが一体不可分にセットされ、それらに係る収入金額から投資資金が回収され、収益の分配を受けるという経済的成果をもたらすものであることが明らかであること、⑥また、上記販売者の意図は、用船先に対する融資資金の調達にあり、他方、請求人の意図は、投資商品の購入という投資に係る経済的成果の亨受にしかないことが明らかであることから、上記各一連の行為は、全体で一体としてしか機能せず、個々の法律関係ないし取引行為が単独のものとしての経済的成果を生ずべきものではないことは明らかである。 したがって、本件船舶賃貸事業は、船舶の賃貸借という法形式に伴う実質的な経済的成果が発生していないと認めるべき特段の事情があると認定することができるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得とすることはできない。そして、本件商品は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期とするものであるが、当該契約終了事由も発生しておらず、本件商品に係る課税関係も生じていないものと認められるから、原処分は適法である。(平19. 2.19 名裁(所)平18-44)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180042
- 裁決年月日
- 平成19年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同で所有する船舶(以下「本件船舶」という。)を用船(賃貸)し、賃貸期間終了後は売却する船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件商品」という。)の販売者から本件船舶の共有持分権を購入し、その共有持分権を現物出資して本件船舶の裸用船事業を行う民法上の任意組合(以下「本件組合」という。)に参加した。本件組合は、本件船舶を国外のリミテッド・パートナーシップ(以下「LP」という。)へ現物出資し、LPは裸用船の形態で本件船舶の賃貸事業(以下「本件船舶賃貸事業」という。)を行っているのであるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得に該当する旨主張し、原処分庁は、本件船舶の賃貸事業は、①請求人が事業の経営に参画していないこと、②実質的に本件船舶の所有権を有していないこと、③事業のリスクについては出資持分を限度としていること、④本件船舶への投資による最大のメリットは、船舶の貸付けによる賃貸料収入ではなく、他の所得との損益通算による税の軽減であることが認められることから、本件商品の収入及び必要経費は、所得税法に規定する不動産所得の計算上、総収入金額及び必要経費には当たらない旨それぞれ主張する。 しかしながら、①本件商品は、本件船舶の賃貸と売却を一体とした投資システムとして請求人らに示されていたものであり、②その出資持分の購入、本件船舶の用船等、種々の行為において、本件船舶の売却収入を切り離した場合には、本件船舶の賃貸事業は収益面で成り立ち得ない一方で、③本件組合の出資者には、実質的に本件組合への事業参加は予定されておらず、④しかも、不動産投資に伴う通常のリスク負担も予定されていないことから、本件商品は、本件船舶の賃貸とその売却とが一体不可分にセットされ、それらに係る収入金額から投資資金が回収され、収益の分配を受けるという経済的成果をもたらすものであることが明らかであることが明らかである。 したがって、本件船舶賃貸事業は、船舶の賃貸借という法形式に伴う実質的な経済的成果が発生していないと認められることから、本件船舶の賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得とすることはできない。そして、本件商品は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期とするものであるが、当該契約終了事由も発生しておらず、本件商品に係る課税関係も生じていないものと認められるから、原処分は適法である。(平19. 1.31 名裁(所)平18-42)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180042
- 裁決年月日
- 平成19年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、外国不動産を対象とした信託契約(以下「本件信託」という。)を介しての投資(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益を、不動産所得として申告したところ、原処分庁は、本件信託は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が当該外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(以下「本件LPS」という。)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、国内不動産の貸付けに係る損益との通算を認めず、不動産所得の金額を増額する原処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人に該当しないから、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、投資信託法において、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張は理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る損益の所得区分について、個人が得た所得が不動産所得に該当するには、その個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産投資事業における当該外国の不動産を賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分された損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得とは言えず、不動産所得には該当しない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為とはいえず、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 なお、請求人が、本件不動産投資事業に係る収入金額及び必要経費とした金額は、単に計算上の金額であって、請求人の損益として発生したものではないから、雑所得とすべき金額はない。(平19. 1.31 名裁(所)平18-42)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180036ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成19年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、外国不動産を対象とした信託契約(以下「本件信託」という。)を介しての投資(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益を、不動産所得として申告したところ、原処分庁は、本件信託は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が当該外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(以下「本件LPS」という。)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、国内不動産の貸付けに係る損益との通算を認めず、不動産所得の金額を増額する原処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人に該当しないから、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、投資信託法において、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張は理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る損益の所得区分について、個人が得た所得が不動産所得に該当するには、その個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産投資事業における当該外国の不動産を賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分された損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得とは言えず、不動産所得には該当しない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為とはいえず、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 なお、請求人が、本件不動産投資事業に係る収入金額及び必要経費とした金額は、単に計算上の金額であって、請求人の損益として発生したものではないから、雑所得とすべき金額はない。(平19. 1.22 名裁(所)平18-36)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180033ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年11月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、信託契約を介して投資した外国のリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(以下「本件LPS」という。)が行う外国不動産(以下「本件不動産」という。)の貸付けに係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、信託契約を介して本件LPS持分を有していることにより得られる所得が不動産所得に当たるか否かは、本件LPS契約の内容から導かれる本件LPSの機能及び権限、当事者及び関係者の地位、権限及び役割等から総合的に判断する必要があるところ、本件LPSの契約内容からすれば、本件LPSは、本件建物の購入、取得、管理及び処分等を行う権限及び訴訟等に関する権限等を有し、本件LPSにおけるゼネラル・パートナー(以下「本件GP」という。)は、本件LPSを代表し、本件LPSの名においてそのすべての目的を遂行する権限を有しており、他方、本件LPSにおけるリミテッド・パートナー(以下「本件LP」という。)は、本件LPSの事業目的のために金銭をもって出資し、本件LPSの損益の配分を受ける地位にあるが、原則としてその管理運営には参加せず、いかなる事項に関しても、本件LPSを代表し又はその名において行為する権限又は権利を有しておらず、また、本件LPS契約により追加出資の義務がないから、本件不動産への投資事業について出資額以上の損失を被ることはない。これらのことからすれば、本件不動産を賃借人に対して賃貸しているのは本件LPSであり、その実質的経営権は、本件GPにあるのに対し、信託契約を介して本件LPSの本件LPの地位にある請求人は、本件不動産について実質的な使用収益権限及び処分権限を有していないから、自ら又は本件LPSを代理人として、主体的に本件不動産を賃借人に賃貸していたとはいえない。 したがって、請求人に配分される本件LPSの損益は、請求人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であるとはいえないから、信託契約を介して投資した本件LPSが行う本件不動産の貸付けに係る損益は、不動産所得に該当しない。(平18.11.20 大裁(所)平18-33)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180023
- 裁決年月日
- 平成18年10月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国所在の不動産(以下「本件物件」という。)の共有持分権者として、当該外国不動産投資を目的とする任意組合(以下「本件組合」という。)の共同事業に参加しているから、本件組合からの分配金は不動産所得である旨主張する。 しかしながら、請求人が、本件物件の持分権を取得したとしても、本件物件に関する権利のほとんどは、本件組合が所属する当該外国のゼネラルパートナーシップないしその実質的支配権限を有する当該外国の法人に移転しており、本件組合及び請求人ら組合員は、実質的には本件物件に係る使用収益権限及び処分権限を失っており、本件物件の賃貸事業を行っていたとはいえない。 そうすると、請求人に配分された損益ないし分配された分配金は、いずれも請求人がほとんど又は専ら不動産を利用に供したことにより生じた所得であるといえないから、不動産所得に該当しない。仮に本件組合が任意組合であったとしても本件組合が本件物件の賃貸事業を行っていたということはできないことから、任意組合であることをもって直ちに本件物件に由来する損益及び分配金が不動産所得であるということはできない。 したがって、本件物件に由来する損益は、請求人には帰属しなかったというべきであり、また、分配金は、その原資及び計算方法などからすると、請求人の出資金の果実というべきであって、他のいずれの所得にも該当しないから、雑所得に該当するものとみるのが相当である。(平18.10.11 関裁(所)平18-23)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180010ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国所在の不動産の共有持分権者として、同人が所属する任意組合の共同事業に参加しているから、同事業に係る分配金は不動産所得である旨主張する。 しかしながら、請求人がその所属する団体への加入の際に締結した合意の具体的内容にかんがみれば、仮に、請求人が、当該外国所在の不動産の持分権を取得し、それを現物出資した相手方の同団体が任意組合であったとしても、同不動産に関する権利のほとんどは、同団体が所属する当該外国のゼネラルパートナーシップないしその実質的支配権限を有する当該外国の法人に移転しているというべきである。そうすると、同団体ないし請求人ら同団体の加入者は、実質的には、同不動産についての使用収益権限及び処分権限を有しておらず、同不動産に関する賃貸事業を行っていたとはいえないのであって、同団体が任意組合であることから直ちに同事業に係る損益及び分配金が不動産所得であるということはできない。そして、同分配金は、その原資及び計算方法などからすると、請求人の同団体に対する出資金の果実というべきであり、他のいずれの所得にも該当しないから、雑所得に該当するものとみるのが相当である。(平18. 8.24 関裁(所)平18-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180023ほか 14件
- 裁決年月日
- 平成18年8月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介して投資した外国不動産の貸付けに関する損益であるとして、不動産所得として申告した金額について、原処分庁が、当該信託契約は外国投資信託(委託者非指図型投資信託に類するもの)であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、不動産所得の金額を零円とする原処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人ではないから、構成員課税が認められるべきであると主張する。 投資信託法においては投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、委託者指図型投資信託及び委託者非指図型投資信託のいずれも、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張は理由がない。 本件不動産投資事業に係る所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は不動産所得に当たらない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為とはいえず、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 したがって、本件不動産投資事業に係る不動産所得はないとした原処分は相当である。(平18. 8.14 東裁(所)平18-23)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180011ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年7月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、我が国の民法上の組合(任意組合)が外国において所有する不動産の貸付けによる所得であるとして、当該組合の事業の損益計算上の利益又は損失の金額をその組合員である請求人に係る所得税法第26条の不動産所得であると主張する。 しかしながら、個人が得た所得が不動産所得に該当するには、個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であることが必要であると解されるところ、当該組合又は請求人ら組合員が本件不動産を賃貸事業に供しているとはいえず、当該組合契約等に基づいて請求人に配分された損益及び分配金は、請求人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であるとはいえないから、不動産所得に該当するとはいえない。 当該外国に所在する不動産の賃貸事業を行っているのは当該組合から出資金を得た当該外国のゼネラルパートナーシップ等であり、その営業収益から使用可能な資金を当該組合に分配し、請求人はこれを当該組合から出資口数に応じて算出された分配金として受領したものである。 したがって、当該分配金は、請求人の当該組合に対する出資金の果実というべきであり、それは利子所得、事業所得等に当たらず、雑所得に該当するものというべきである。(平18. 7.19 東裁(所)平18-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180007ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸不動産を譲渡し収入金額がなくても、不動産所得を生ずべき業務を廃業していないから、残債務に係る支払利息や新規の賃貸物件取得についての情報収集の費用等は、不動産所得の必要経費となる旨主張する。 しかしながら、所得税法第26条《不動産所得》の規定からすると、不動産所得を生ずべき業務とは貸付けにより収益が生じる状態にある土地や建物などの不動産を保有し、これを貸付けの用に供し相当な対価を得て行われるものであると解されるところ、請求人は、唯一の貸付不動産を平成8年に譲渡した後は不動産等の貸付けを行っておらず、不動産等の貸付けによる収入自体が発生していないから、もはや不動産所得を生ずべき業務を行っていないというべきであり、請求人が貸付不動産の譲渡後に残債務に係る支払利息等を支払ったとしても、それは、不動産所得の総収入金額を得るために直接要した費用、不動産所得を生じた費用のいずれにも当たらない。(平18. 7. 4 大裁(所)平18-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170205
- 裁決年月日
- 平成18年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、我が国の民法上の組合(任意組合)が外国において所有する不動産の貸付けによる所得であるとして、当該組合の事業の損益計算上の利益又は損失の金額は、その組合員である請求人に係る所得税法第26条の不動産所得であると主張する。 しかしながら、個人が得た所得が不動産所得に該当するには、個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であることが必要であると解されるところ、本件不動産を賃貸事業に供するのは当該組合又は請求人ら組合員であるとはいえず、当該組合契約等に基づいて請求人に配分された損益及び分配金は、請求人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であるとはいえないから、不動産所得に該当するとはいえない。 請求人が受領した分配金は、当該組合から出資金を得た外国のゼネラルパートナーシップ等が不動産の賃貸事業を行い、その営業収益から使用可能な資金を当該組合に分配し、請求人はこれを当該組合から出資口数に応じて算出された分配金である。 したがって、当該分配金は、請求人の当該組合に対する出資金の果実というべきであり、それは利子所得、事業所得等に当たらず、雑所得に該当するものというべきである。(平18. 6.26 東裁(所)平17-205)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170158
- 裁決年月日
- 平成18年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、我が国の民法上の組合(任意組合)が外国において所有する不動産の貸付による所得であるとして配分された、当該組合の不動産の賃貸事業に係る損益は、その組合員である請求人に係る所得税法第26条の不動産所得であると主張する。 しかしながら、個人が得た所得が不動産所得に該当するには、個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であることが必要であると解されるところ、本件不動産を賃貸事業に供するのは当該組合から出資金を得た外国のGPS等であり、当該組合契約等に基づいて請求人に配分された損益及び分配金は、請求人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であるとはいえないから、不動産所得に該当するとはいえない。 請求人は、当該組合から出資金を得た外国のGPS等が外国不動産の賃貸事業を行い、その営業収益から使用可能な資金を当該組合に分配し、請求人はこれを当該組合から出資口数に応じて算出された分配金として受領したものであって、当該分配金は、請求人の当該組合に対する出資金の果実というべきであり、それは利子所得、事業所得等に当たらず、雑所得に該当するものというべきである。(平18. 4.21 東裁(所)平17-158)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170104
- 裁決年月日
- 平成18年2月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・118ページ
要旨
○ 審査請求人は、a国のリミテッド・パートナーシップ(以下「本件LPS」という。)を介して得た損益について、本件LPSは民法上の組合に類似するものであってそれが行う不動産賃貸事業に係る損益が請求人自身に帰属するから不動産所得に該当する旨主張し、原処分庁は本件LPSが法人に該当するから本件LPSからの利益の分配は配当所得となる旨主張する。しかしながら、本件LPSは法律上の権利義務の帰属主体になり得るものの、本件LPSの活動から生じる損益は、本件LPS契約に基づいてパートナーである請求人に配分されているものであり、それは、本件LPSが利益の処分として行ったものではないから、請求人の得た所得は所得税法第24条が規定する配当所得には当たらない。本件LPSは不動産賃貸を目的とする民法上の組合ということができず、請求人が主体的に本件不動産を賃貸に供していたと認められないので、請求人の得た損益は不動産所得に該当せず、本件LPSから得た分配金は出資金に対する果実であるから、雑所得と認められる。したがって、請求人の主張は採用できない。(平18.2.2東裁(所)平17-104)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160027
- 裁決年月日
- 平成16年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが全発行済株式を保有する外国法人の所有する建物(以下「本件不動産」という。)の賃貸に係る収益の分配は、所得税法第26条第1項に規定する不動産所得である旨主張する。しかしながら、当該外国法人は、その設立準拠法である外国の会社法の下で法人格を付与された事業体であり、自らの名において不動産管理契約及び保険契約を行うほか、建物賃貸にかかる税の納税者となるなど、権利・義務の主体として、事業活動の実態を有しているものと認められるので、当該外国法人が行う事業から生じる収益は、当該外国法人自体に帰属すると認めるのが相当であるから、当該外国法人が営む不動産賃貸に伴い、請求人が得た本件不動産の賃貸の収益は、当該外国法人からの利益の分配であり、所得税法第24条第1項に規定する配当所得に当たるとしてされた本件更正処分は適法である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平16.11.1名裁(所)平16-27)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160003ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成16年7月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件各商品」という。)の販売者から、3隻の船舶の共有持分権を購入し、これを民法上の各任意組合(以下「本件各組合」という。)に現物出資し、さらに本件各組合は当該船舶を国外の各リミテッド・パートナーシップに現物出資した上、当該各船舶を裸用船の形態で賃貸する事業(以下「本件各船舶賃貸事業」という。)を行っているのであるから、本件各船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得に当たる旨主張し、原処分庁は、投資による最も大きな効果が他の所得との損益通算による税の軽減である本件各商品の収入及び経費は、所得税法に規定する不動産所得の計算上、総収入金額及び必要経費には当たらない旨それぞれ主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果、①本件各船舶賃貸事業は、本件各商品の販売者から請求人らに示されていたものであり、②その内容を構成する各一連の行為は、本件各船舶賃貸事業を切り離した場合には事業として成り立ち得ない一方で、③本件各組合の出資者には、実質的に組合への事業参加は予定されておらず、④しかも、不動産投資に伴う通常のリスク負担も予定されておらず、⑤船舶の賃貸と売却とが一体不可分にセットされ、収益の分配を受けるという経済的成果をもたらすものであることが明らかであること、⑥また、上記販売者の意図は、用船先に対する融資資金の調達にあり、他方、請求人の意図は、投資商品の購入という投資に係る経済的成果の享受にしかないことが明らかであることから、上記各一連の行為は、全体で一体としてしか機能せず、個々の法律関係ないし取引行為が単独のものとしての経済的成果を生ずべきものでないことは明らかである。したがって、本件各船舶賃貸事業は、船舶の賃貸借という法形式に伴う実質的な経済的成果が発生していないと認めるべき特段の事情があると認定することができるから、本件各船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得とすることはできない。そして、本件各商品は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期とするものであるが、いずれの契約終了事由も発生しておらず、本件各商品に係る課税関係も生じていないものと認められるから、原処分は適法である。(平16.7.8名裁(所)平16-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160004ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年7月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父から民法上の任意組合(以下「本件組合」という。)の組合員としての地位を譲り受けたものであって、本件組合は、船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件商品」という。)の販売者から請求人の父が購入した船舶の共有持分権の現物出資を受け、更に当該船舶を国外のリミテッド・パートナーシップに現物出資した上、当該船舶を裸用船の形態で賃貸する事業(以下「本件船舶賃貸事業」という。)を行っているのであるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得に当たる旨主張し、原処分庁は、投資による最も大きな効果が他の所得との損益通算による税の軽減である本件商品の収入及び経費は、不動産所得の計算上、総収入金額及び必要経費には当たらず、請求人が本件組合から受領した分配金は、当該船舶の賃貸と売却を利用した金融商品からの分配金であるから雑所得に当たる旨それぞれ主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果、①本件船舶賃貸事業は、本件商品の販売者から請求人の父に示されていたものであり、②その内容を構成する一連の行為は、本件船舶賃貸事業を切り離した場合には事業として成り立ち得ない一方で、③本件組合の出資者には、実質的に組合への事業参加は予定されておらず、④しかも、不動産投資に伴う通常のリスク負担も予定されておらず、⑤船舶の賃貸と売却とが一体不可分にセットされ、収益の分配を受けるという経済的成果をもたらすものであることが明らかであること、⑥また、上記販売者の意図は、用船先に対する融資資金の調達にあり、他方、請求人の父の意図は、投資商品の購入という投資に係る経済的成果の享受にしかないことが明らかであり、上記一連の行為は、全体で一体としてしか機能せず、個々の法律関係ないし取引行為が単独のものとしての経済的成果を生ずべきものでないことは明らかであって、請求人はそのような同人の法的地位を承継したものである。したがって、本件船舶賃貸事業は、船舶の賃貸借という法形式に伴う実質的な経済的成果が発生していないと認めるべき特段の事情があると認定することができるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得とすることはできない。そして、本件商品は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期とするものであるが、いずれの契約終了事由も発生しておらず、本件商品に係る課税関係も生じていないものと認められるから、原処分はその一部(分配金を雑所得とする部分)を取り消すのが相当である。(平16.7.8名裁(所)平16-4)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150065
- 裁決年月日
- 平成16年3月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・165ページ
要旨
○ 請求人は、船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件商品」という。)の販売者から船舶の共有持分権を購入し、これを民法上の任意組合(以下「本件組合」という。)に現物出資し、さらに本件組合は当該船舶をケイマン諸島のリミテッド・パートナーシップに現物出資した上、当該船舶を裸用船の形態で賃貸する事業(以下「本件船舶賃貸事業」という。)を行っているのであるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、不動産所得に当たる旨主張し、原処分庁は、請求人が本件組合から受領した分配金が当該船舶の賃貸と売却を利用した金融商品からの分配金であるから雑所得に当たる旨それぞれ主張する。しかしながら、①本件船舶賃貸事業は、本件商品の販売者から請求人らに示されていたものであり、②その内容を構成する一連の行為は、本件船舶賃貸事業を切り離した場合には事業として成り立ち得ない一方で、③本件組合の出資者には、実質的に組合への事業参加は予定されておらず、④しかも、不動産投資に伴う通常のリスク負担も予定されておらず、⑤船舶の賃貸と売却とが一体不可分にセットされ、収益の分配を受けるという経済的成果をもたらすものであることが明らかであること、⑥また、上記販売者の意図は、用船先に対する融資資金の調達にあり、他方、請求人の意図は、投資商品の購入という投資に係る経済的成果の享受にしかないことが明らかであることから、上記一連の行為は、全体で一体としてしか機能せず、個々の法律関係ないし取引行為が単独のものとしての経済的成果を生ずべきものでないことは明らかである。したがって、本件船舶賃貸事業は、船舶の賃貸借という法形式に伴う実質的な経済的成果が発生していないと認めるべき特段の事情があると認定することができることから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得とすることはできない。そうすると、本件商品は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期とするものであるが、本件各年分においては、上記契約終了事由は発生していないことから、本件商品に係る課税関係も生じていないものと認められ、上記分配金収入から本件組合への出資に係る借入金利息を控除した金額を雑所得とする原処分は取り消すのが相当である。(平16.3.30名裁(所)平15-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140188
- 裁決年月日
- 平成15年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件店舗の賃貸は賃貸借である旨主張するが、本件店舗の貸付けに係る収入金額は、各年分とも無償又は固定資産税等の額にも満たない著しく低額で貸付けが行われており、この関係は使用貸借とみるのが相当である。そうすると、各年分における建物の貸付けは、不動産所得とされる不動産等の貸付けに該当しないこととなり、建物に係る収入金額、租税公課、借入金利子及び減価償却費については、これらをいずれも不動産所得の金額の計算から除外することとなる。(平15.03.14.東裁(所)平14-188)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090073
- 裁決年月日
- 平成10年4月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付けに用いるための資産として所有する船舶に係る修繕費は、不動産所得の金額の計算上、必要経費の額に算入すべきである旨主張するが、当該船舶は総トン数が20トン未満で登記等の対象とはならず(商法第686条)、不動産と同様な取扱いを受けないので、当該貸付け等による所得が不動産所得となる所法第26条第1項に規定する「船舶」には該当しないと解するのが相当である。したがって、当該船舶は不動産所得の基因となる資産に該当しないから、不動産所得の金額の計算上、必要経費の額に算入することはできない。(平10. 4.17名裁(所)平 9-73)
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