裁決要旨 1事業、業務の判定
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220101
- 裁決年月日
- 平成22年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803010
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/1事業、業務の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が営む不動産貸付け(本件貸付け)は、社会通念上不動産所得を生ずべき事業に該当する旨主張する。しかしながら、本件貸付けは賃借人が、賃貸物件である本件建物の建築資金を建設協力金として拠出し、昇降機設備以外の建物附属設備、内部造作及び駐車場設備等の工事費用も負担しており、本件建物の敷地購入のための借入金も賃料収入によって安定的に返済できる上、本件貸付けが中途解約された場合には、請求人は、当該建設協力金を全額没収できるなど、請求人の危険と計算における事業遂行性は高いとはいえない。また、請求人は、本件貸付け以外には不動産の貸付けを行っていないところ、本件貸付けは、1棟の建物を一の賃借人に賃貸するもので、賃借人の募集を行う必要はなく、賃料の入金はすべて振込みのため集金業務を行う必要もない。さらに、本件建物に係る維持管理はすべて賃借人が行う契約となっていて、本件建物には管理人室等、請求人が本件建物を管理するための設備は無く、賃借人以外の第三者に管理を委託している事実もないなど、本件貸付けのための人的・物的設備は存在せず、取引に費やした精神的・肉体的労力の程度は著しく低い。そうすると、本件貸付けは、不動産所得を生ずべき「事業」に該当するとまではいえないと解するのが相当である。(平22.11. 8 東裁(所)平22-101)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200074
- 裁決年月日
- 平成20年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803010
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/1事業、業務の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付けは大規模な店舗用建物2棟の貸付けであり、年間収入は約○○○○万円と多額であること、相当期間継続して行っており、将来にわたっても安定した収入を得られる可能性があることなどを理由に、本件貸付けが事業に当たる旨主張する。しかしながら、本件貸付けにおいては、営利性・有償性、継続性・反復性、取引の目的、生活状況など個別的にみた場合には事業性を肯定する方向に働く要素も認められるものの、本件貸付物件は各賃借人が利用することを前提として各借主の仕様等で新築された店舗用建物であり、本件貸付物件の取得に係る借入れ及び返済並びに請求人の収入等の状況、建築工事に係る費用負担の状況、賃貸料改定の状況などからすると、請求人における本件貸付けの企画遂行性は乏しく、危険負担も少ないと認められるから、請求人の自己の危険と計算における事業遂行性は希薄であるといわざるを得ない。また、本件貸付物件の設備の定期検査・清掃等は、各賃借人が行っていること、賃貸料は、請求人の指定する口座に振り込まれること、使用上の諸費用及び維持管理、修繕等費用の負担状況等からすると、請求人及びその妻の本件貸付けに係る役務の提供の程度は相当低いものと認められ、請求人は、本件貸付物件の維持管理を他の者に依頼しておらず、管理のための設備もないことも併せ考えると、本件貸付けに費やされる精神的・肉体的労力の程度は低いものというべきである。さらに、従業員の雇用や管理施設の設置等の特段の人的、物的設備等はなく、請求人は、本件貸付け開始以前から現在まで引き続きX市役所に常時勤務し、いずれも本件各年分の不動産所得に係る収入金額の3分の1以下であるが、給与等の収入金額を得ていること等の諸点を総合勘案すると、本件貸付けは、社会通念上事業と称するに至る程度のものとは認められず、不動産所得を生ずべき事業には当たらないと判断するのが相当である。(平20.11.11 東裁(所)平20-74)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平190004
- 裁決年月日
- 平成19年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803010
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/1事業、業務の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・37ページ
要旨
○ 請求人は、本件不動産貸付けは3階建ビル1棟(延面積約380㎡、1階部分は22台駐車場可能)及び当該ビル以外の土地(駐車2台分)の貸付けで、年間収入は約900万円、借入金は当該建物建設資金等で1億円超と多額であることなどを理由に本件貸付けが事業に当たる旨主張する。 しかしながら、本件貸付けは、請求人が主宰する請求人の個人事業から派生的に設立された同族会社2社及び親族に対する限定的かつ専属的なものであること、本件借入金は、請求人の個人事業の事務所等として使用することを目的とした建設資金等であったこと、本件借入金の返済は本件不動産貸付け収入以外の給与所得等の収入も原資となっていること、本件不動産貸付けの賃貸料は、賃借人の収入及び人員割合が計算の根拠となっていることから、請求人の自己の危険と計算における事業遂行性が希薄であると認められる。 さらに、本件貸付けは、請求人の主宰する同族会社及び親族に継続して貸し付けていることから、賃貸料改定交渉等の業務の煩雑さもなく、ビル管理業務等の負担は軽微であることから本件貸付けに費やす精神的・肉体的労力の程度については、実質的には相当低いと認められるなどの諸点を総合勘案すると、本件貸付は、社会通念上事業と称するに至る程度のものとは認められないことから、原処分は相当である。(平19.12. 4 熊裁(所)平19-4)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110018
- 裁決年月日
- 平成11年10月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200803010
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/1事業、業務の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件建物の貸付けは収入的な規模は認められるが、貸付規模は4階建ビル1棟貸しであること、日常的に精神的、肉体的労力を費やす必要がなく役務の提供の程度は低いことから、社会通念上「事業」には当たらない旨主張する。しかしながら、「事業」に当たるか否かは、①営利性、有償性の有無、②継続性・反復性の有無、③自己の危険と計算における企業遂行性の有無、④その取引に費やした精神的あるいは肉体的労力の程度、⑤人的・物的設備の有無、⑥その取引の目的、⑦その者の職歴・社会的地位・生活状況などの諸点を総合して、社会通念上「事業」といい得るか否かによって判断するのが相当であり、こうした点を勘案すると本件貸付けは社会通念上「事業」と認められる。(平11.10.15名裁(所)平11-18)
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