裁決要旨 4退職所得の源泉徴収
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令070002
- 裁決年月日
- 令和7年7月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 202304020
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/2認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.140
要旨
○ 原処分庁は、請求人が運営する病院等で勤務する医師ら(本件医師ら)に対し退職金の名目で支払った金員(本件一時金)について、請求人と本件医師らの間には、退職及び再雇用という実質がなく、従来の勤務関係がそのまま継続していたことが推測され、本件医師らは、再雇用とされた前後で賃金が同水準であり、その役職も変動がなかったと推認されること等から、勤務関係が終了したとも、勤務関係の性質、内容及び労働条件等において重大な変動があって、形式的には継続している勤務関係が実質的には単なる従前の勤務関係の延長とはみられないなどの特別の事実関係があったとも認められず、また、本件一時金が合理的な理由による退職金支給制度の実質的改変により精算の必要があって支給されたものとも認められないから、本件一時金は所得税法第30条《退職所得》第1項に規定する退職手当等に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人の理事を兼務する医師(本件兼務医師)を除く本件医師らについては、新たな雇用契約(本件各雇用契約)に至る経緯及び内容を踏まえると、雇用形態の法的性質は大きく異なっており、請求人を取り巻く状況などを踏まえると、本件各雇用契約の前後で業務内容及び賃金等の変動がないことをもって従来の勤務関係が終了していないとみるのは相当でなく、請求人の本件各雇用契約締結の目的も合理的な理由を有するから、従来の勤務関係の終了があったと認められる。また、本件兼務医師については、理事の身分に変更がないから請求人における勤務関係が終了したとはいえないが、使用人としては他の医師らと同様に従来の勤務関係が終了したと認められ、本件兼務医師に係る本件一時金は、理事としての職務に対するものではないこと等から、使用人としての関係においては、実質的にみて所得税法第30条第1項に規定する「退職により一時に受ける給与」というための各要件の要求するところに適合し、課税上、これと同一に取り扱うことが相当であり、同項に規定する「これらの性質を有する給与」に該当すると認められる。したがって、本件一時金は、所得税法第30条第1項に規定する退職手当等に該当する。(令7. 7.25 広裁(諸)令7-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020015
- 裁決年月日
- 令和2年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202304990
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、退職した代表取締役(本件各代表取締役)が請求人の採用する執行役員制度の下で兼務していた執行役員としての地位は、法人税法第2条《定義》第15号に規定する役員に該当しないから、本件各代表取締役に対し、執行役員としての地位に対して支払われた退職手当は、所得税法第30条《退職所得》第4項に規定する特定役員退職手当等に当たらない旨主張する。しかしながら、代表取締役は、使用人を指揮監督する立場にある者として、会社の使用人と両立し得ない地位にあるといえるから、仮に、代表取締役が使用人としての業務に属する仕事に従事したとしても、それは代表取締役としての地位で業務を執行したものと評価すべきである。また、執行役員は、法的には使用人に該当すると解されるが、本件各代表取締役が執行役員を兼務したとしても、その業務は、使用人たる執行役員としてではなく、代表取締役としての地位で行われたとみるのが相当であるから、請求人が本件各代表取締役に対して支給した退職手当は、その全額が特定役員退職手当等に該当する。(令2.9.3東裁(諸)令2-15)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平270002
- 裁決年月日
- 平成27年8月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202304020
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/2認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 宗教法人である請求人は、請求人が運営する寺院(本件寺院)の住職兼請求人の代表役員であった者(本件住職)に対し退職金として支払われた金員(本件金員)について、①平成24年12月末(本件退任日)をもって本件住職が退任することを責任役員会において承認されており、本件退任日に請求人との勤務関係は終了していること、②本件住職が本件退任日以降も葬儀等に従事していたのは寺院の慣行によるもので後任の住職(新住職)の代理として行ったものであること、③法要等の従事量も減少し、給与も約50%減額されているなど、本件住職の勤務条件等に重大な変動があることから退職手当等に当たるとして、本件金員に係る所得は所得税法第30条《退職所得》第1項に規定する退職所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人の宗派の規則によれば住職が代表役員を兼ねるところ、新住職が請求人の包括団体から本件寺院の住職に任命された時期は本件退任日以後の平成26年4月1日であり、本件住職は新住職任命までは本件寺院の住職兼請求人の代表役員であったと認められ、本件住職と請求人との勤務関係が本件退任日に終了したとは認められないことから、本件金員は所得税法第30条第1項前段に規定する「退職手当、一時恩給その他の退職により一次に受ける給与」には該当しない。また、本件住職は、本件退任日以後も代表役員並びに住職の職務に従事しており、それらの職務内容に変更があったとは認められず、本件退任日の前後において形式的には継続している勤務関係が実質的には単なる従前の勤務関係の延長とはみられない特別な事実関係があったとは認められないことから、本件金員は所得税法第30条第1項後段に規定する「これらの性質を有する給与」にも該当せず、同法第28条《給与所得》第1項に規定する賞与に該当する。(平27. 8. 3 仙裁(諸)平27-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260046
- 裁決年月日
- 平成26年12月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 202304020
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/2認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№97
要旨
○ 原処分庁は、学校法人である請求人が設置、運営する幼稚園(本件幼稚園)の園長兼請求人の理事長である者(本件園長)に対し退職金として支払われた金員(本件金員)について、本件園長は、引き続き他の職員と同様に出勤し請求人から給与を受領していることから、勤務関係が終了したとは認められないこと、また、本件園長が請求人の理事長としての業務を引き続き行っており、本件園長の勤務時間及び給与等の減少割合からしても、本件園長の勤務関係の性質、内容及び労働条件に重大な変動があったものと認めることはできないことから、本件金員に係る所得は給与所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件園長並びに本件幼稚園の副園長及び事務長の答述その他関係資料等によれば、本件園長の行う職務全体に占める理事長としての職務の割合は、本件幼稚園の園長としての職務に比べてごく僅かであったと認められること、また、実質的な園長としての職務のほとんどを副園長に引き継ぐことにより、その職務内容は量的にも質的にも大幅に軽減され、その実態に即するように基本給の額を減額するなど労働条件も大きく変動したものと認められ、本件園長の勤務関係は、その性質、内容及び労働条件等において重大な変動があって、形式的には継続している勤務関係が実質的には単なる従前の勤務関係の延長とみることができない特別の事実関係があるというべきであるから、本件金員は、所得税法第30条《退職所得》第1項に規定する退職所得に該当する。(平26.12. 1 東裁(諸)平26-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220064
- 裁決年月日
- 平成22年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202304990
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元会長に対する本件役員退職慰労金について、同人から支払債務の免除を受けた事実はなく、原処分庁が免除を受けたとする後の金額が、同人に対する確定した金額であるが、仮に免除があったものと解されたとしても、退職慰労金の一部の辞退は、請求人の業績が急激に悪化し、危機的状況に陥ったことに伴い、役員としての経営上の責任から受領を辞退せざるを得なかったものであり所得税基本通達181〜223共−3に該当し、源泉徴収の対象から除外されるべきであるから、原処分庁が行った納税告知処分等は違法である旨主張する。しかしながら、認定事実によれば、請求人は、会社法の規定による特別清算開始命令などはもとより、会社整理の状態に陥っている状況等でもないから、請求人に対して所得税基本通達181〜223共−3の適用はない。(平22. 9.27 東裁(諸)平22-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220064
- 裁決年月日
- 平成22年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202304020
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/2認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、元会長に対する本件役員退職慰労金について、同人から支払債務の免除を受けた事実はなく、原処分庁が免除を受けたとする後の金額が、同人に対する確定した金額であるから、同人に対する支払に関し債務免除があったとして、原処分庁が、源泉所得税の納税告知処分をしたのは違法である旨主張する。しかしながら、本件役員退職慰労金の金額については、取締役会において元社長に一任されているところ、①役員退職慰労金は役員退職金慰労金規程の廃止時までに引き当てられた引当額の範囲内で支給することとされていたところ、実際に役員退職金慰労金規程により計算した金額が同人に対する引当額として引き当てられていること、②支払総額を引当額と同額とする出金伝票について元社長が承認していること、③一時金の支給に係る源泉所得税の額が引当額と同額を基に計算されていること、④中間決算時に元会長に対する引当額の残額が元会長に対する未払金に振り替えられていること、⑤原処分庁に提出した源泉徴収票には支払金額欄に引当額と同額が、未払額を示す内書きに未払金に振り替えた金額と同額が記載されていること等からすれば、本件退職慰労金の額は、元社長と元会長ともに引当額と同額と認識していたものと認められ、当該金額で、元社長が出金伝票について承認した日において確定していたものと認められる。そして、請求人が、元会長から未払額を免除する旨を記載した書面の提出を受け、請求人の総勘定元帳及び損益計算書に、それぞれ「その他特別利益」及び特別利益(債務免除益)として計上されていることからすれば、請求人は、上記書面により、役員退職慰労金のうち債務免除益相当額についてその未払額の支払債務を免除されたものと認められるから、当該免除相当額について、同日に支払があったものとして源泉徴収をした原処分は適法である。(平22. 9.27 東裁(諸)平22-64)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210029
- 裁決年月日
- 平成22年6月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202304010
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/1源泉徴収義務の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、原処分調査において、請求人の代表取締役Aが本件土地の無償譲渡を取締役Bに対する退職金として支払ったものである旨申述したこと及び請求人に対し、当該退職金の支払に関して源泉所得税が課される旨説明したところ、代表取締役Aはこれを了承したことを総合勘案すると、平成18年12月に退職金の支払があったとした納税告知処分は適法である旨主張する。しかしながら、①原処分庁の主張を裏付ける証拠が認められなかったこと及び②関係者等の答述等からすると、取締役Bは、平成18年12月に退職したとは認められず、代表取締役Aとともに請求人の事業に従事していたとみるのが相当であることから、原処分庁が、平成18年12月に退職金の支払があったと認定したことには、事実誤認があるといわざるを得ない。そうすると、原処分庁が、平成18年12月に退職金の支払があったと認定したことは違法であることから、平成18年12月分の源泉所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分については、いずれも取り消すのが相当である。(平22. 6.24 仙裁(法・諸)平21-29)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210042
- 裁決年月日
- 平成22年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202304020
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/2認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件金員は、Aが昭和49年4月1日から代表取締役に就任するまでの期間において従業員として勤務したことに対する退職給与であり、所得税法第30条第1項に規定する退職手当等に該当することから退職所得として源泉所得税を納付したことは適法であり、給与所得として行われた本件告知処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件金員は役員に対する臨時的な給与であり、役員賞与に該当することが明らかであることから、所得税法第28条第1項に規定する給与等に該当し、給与所得として行われた本件告知処分は違法である旨の請求人の主張は理由がない。(平22. 3.12 大裁(法・諸)平21-42)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平210003
- 裁決年月日
- 平成21年11月11日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 202304010
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/1源泉徴収義務の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前代表者に対する退職給与については、未払の時点で前代表取締役が自ら所得税の確定申告を行い納税を完了していることから、当該退職給与に係る源泉徴収義務は、本件退職給与に係る所得税の精算を了した以降に発生したこととなり、源泉徴収は不要である旨主張する。しかしながら、源泉所得税の納税に関し、国と法律関係を有するのは源泉徴収義務者のみで、その所得の受給者との間には直接の法律関係を生じるものではなく、また、その所得の受給者が徴収されるべき源泉所得税を確定申告により納税することはできないのであるから、受給者の確定申告によって源泉徴収が不要になることはない。よって、請求人の主張には理由がない。(平21.11.11 高裁(法・諸)平21-3)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180019
- 裁決年月日
- 平成19年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202304020
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/2認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の非常勤取締役を辞任し同時に非常勤監査役に就任した役員に対し支給した本件退職金は、当該役員が退職したと同様の事情にあるから法人税基本通達9-2-23により退職給与に該当する旨主張する。 しかしながら、本件退職金は、当該役員は退職したと同様の事情にあるとは認めることはできないから、退職給与に該当せず、法人税法第35条の規定により、臨時的な給与で役員賞与に該当するから、所得金額の計算上損金の額に算入することはできず、請求人は本件退職金を支払う際賞与としての所得税の源泉徴収義務を負うこととなる。(平19. 5.30 福裁(法・諸)平18-19)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180057
- 裁決年月日
- 平成19年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202304020
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/2認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表取締役を辞任し代表権のない取締役となった者(以下「A氏」といい、当該辞任を「本件役員変更」という。)に対して支給した金員(以下「本件役員退職金」という。)は、本件役員変更後において、①A氏は請求人においては非常勤の取締役の状況にあること及び②A氏の役報報酬は、80%以上も減額されていること等から、実質的に退職したと同様の事情にある者に対して支給したものであり、退職所得(所得税法第30条)に該当する旨主張する。 しかしながら、A氏は、本件役員変更後も、請求人の経営上重要な地位を占めており、本件役員変更をもって、実質的に退職したと同様の事情にあるとは認められない。したがって、本件役員退職金は、退職所得とは認められず、引き続き勤務するものに対する支給であり、A氏に対する役員賞与と認められることから、給与所得(所得税法第28条)に該当する。(平19. 4.24 名裁(法・諸)平18-57)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170010
- 裁決年月日
- 平成17年9月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202304010
- 争点
- 23源泉徴収/4退職所得の源泉徴収/1源泉徴収義務の存否
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、退職金が破産手続における配当によって支払われた場合は、退職所得の性質を失う旨主張する。しかしながら、退職所得は退職後の生活の糧であることなどの点にかんがみ、累進課税の適用を緩和する必要性から退職所得控除や分離課税の対象とすることなどにより他の所得等に比して税負担を軽減しているところ、債務者の破産手続の開始という、受給者の関与し得ない偶然の事情によって所得の性質が変容し、その結果、このような税法上の優遇措置が受けられなくなるというような事態が生じることは、所得税法の予定するところではないこと等を勘案すれば、請求人の主張は採用できない。また、請求人は、破産会社は源泉徴収義務を負わない旨主張する。しかしながら、本件退職金は、労働者との間で雇用契約を締結していた破産者が支払うべきものであるから、退職金の支払者は破産者であり、したがって、所得税法第199条に基づく源泉徴収義務者は破産会社となるが、その財産管理処分権の関係上、源泉徴収義務及び納付義務に関する手続は、破産管財人たる請求人が遂行すべきものであると解すべきである。(平17.9.8大裁(諸)平17-10)
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