裁決要旨 1災害等の範囲

裁決要旨 1災害等の範囲

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支部名
東京
裁決番号
平220208
裁決年月日
平成23年5月23日
裁決結果
棄却
争点番号
201802010
争点
18所得控除/2雑損控除/1災害等の範囲
事例集登載頁
裁決事例集№83

要旨

○ 請求人は、いわゆる振り込め詐欺の被害に遭い、だまし取られた金額分の損失(本件損失)が、雑損控除制度の趣旨・目的に照らせば所得税法第72条《雑損控除》第1項に規定する「災害又は盗難若しくは横領」による損失、又は「災害」による損失、「盗難」による損失若しくは「横領」による損失のいずれかの損失に当たる旨主張する。しかしながら、「災害」、「盗難」及び「横領」はいずれも別個の概念であること、また、①上記詐欺の犯人が指定した口座に3回にわたり振込送金した請求人の行為(本件各振込み)自体が、請求人の意思に基づいてなされているから、本件損失は「災害」による損失に当たらないこと、②「盗難」の意義は「財物の占有者の意に反する第三者による当該財物の占有の移転」と解されるところ、本件各振込みが請求人の意思に基づいてなされているから、本件損失は「盗難」による損失に当たらないこと、③「横領」の意義は「他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をすること」と解されるところ、請求人が振り込んだ金銭に対する所有権は本件各振込みを終えた時点で、当該金銭に対する占有とともに上記詐欺の犯人側へ移転したと認められ、当該犯人はそもそも請求人の物の占有者ではないから、本件損失は「横領」による損失に当たらないことから、本件損失は、所得税法第72条第1項に規定する「災害又は盗難若しくは横領による損失」には当たらない。(平23. 5.23 東裁(所)平22-208)

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支部名
大阪
裁決番号
平210032
裁決年月日
平成21年12月21日
裁決結果
棄却
争点番号
201802010
争点
18所得控除/2雑損控除/1災害等の範囲
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、ビルの地下4階にある倉庫に保管していた生活用雑貨が、湧き水による災害を受けたとして雑損控除の適用を主張するが、本件湧き水は、所得税法第72条に規定する災害に該当しないため請求人の主張を認めることはできない。(平21.12.21 大裁(所)平21-32)

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支部名
大阪
裁決番号
平200046
裁決年月日
平成21年2月16日
裁決結果
棄却
争点番号
201802010
争点
18所得控除/2雑損控除/1災害等の範囲
事例集登載頁
裁決事例集No.77・125ページ

要旨

○ 請求人は、所得税法第72条の規定の趣旨からすれば、同条に規定する「災害」とは、納税者の意思に基づかない事象をいうのであり、本件においては、本件建物の建築当時には合法であったアスベスト部材が、その後、科学的に人体に極めて有害であることが判明し、本件建物解体時にはアスベストの含有量調査及びその除去について法令により義務付けられるまでに至ったものであり、この一連の事象が納税者の意思に基づかない事象として同条に規定する「災害」に該当する旨主張する。しかしながら、所得税法第72条に規定する「災害」の語義として、それを「納税者の意思に基づかない事象」とすることは広きに過ぎ、雑損控除の範囲を適切に画することができなくなることからすれば、「納税者の意思に基づかない事象」のみをもって同条に規定する「災害」に該当するとの考えは法解釈としては妥当ではなく、所得税法第2条第27号及び同法施行令第9条の規定からすれば、災害とは、自然界に生じた天災ないしはそれと同視すべき事象を指すものであり、また、人為によるものであっても、鉱害、火薬類の爆発など(のように)自然界に生じた天災と同視すべき劇的な過程を経て害を被る事象をいうものと解するのが相当である。また、請求人は、上記のとおり一連の事象が所得税法第72条に規定する「災害」に該当する旨主張するが、なおあいまいで特定された主張とはいい難いところ、本件においては、いかなる事象を所得税法第2条第27号を受けた同法施行令第9条に規定する「人為による異常な災害」に該当するものとして検討するかによって判断内容は異なるものとなる。すなわち、請求人の主張を「建物の解体の際にアスベストが発見されたことによりアスベストの除去作業等を法令により義務付けられるに至ったこと」が「災害」に該当するとの主張と解し、「人為による異常な災害」とみることができるかを検討すると、法令によりアスベストの除去作業等が義務付けられたのは、作業の過程において飛散するアスベストを作業員等が吸引することによる健康障害の発生を防止するためであり、従来建材等に広く使用されていたアスベストが、人の健康上危険視されてその使用が禁止され、除去作業等の費用負担を余儀なくされたこと自体は、予見及び回避不可能であり、納税者の責めに帰すべきものではなく、納税者の意思に基づかないものとしても、除去作業等の義務が課せられ、これを行ったこと自体は法令に基づく要請であり、かつ、その費用負担も受忍すべきものというべきであるから、かかる法令に基づき費用負担が生じたこと自体を上記「人為による異常な災害」とみることはできない。また、請求人の主張を「法令で除去等を義務付けられているかを問わず、本件建物建設当時においてはなんら危険視されていなかった物質が、その後一気に有害物質であるとの社会的評価を受け、劇的に危険視されることとなったこと」自体が「災害」に該当するとの主張と解し、所得税法第2条第27号を受けた同法施行令第9条に規定する「人為による異常な災害」とみることができるかを検討しても、そのように危険視されるに至った状態自体は、いまだ害を被る事象とはいえず、また、危険視されるに至ったアスベストに対していかなる対応をするかは政府等の判断であり、少なくともアスベストの除去費用等を国民が負担することが義務付けられたのは、あくまで法令に基づく要請であるから、やはり上記「人為による異常な災害」とみることはできない。さらに、請求人の主張を「住宅建材に危険視されることとなったアスベストが含有されていたこと」が「災害」に該当するとの主張と解し、そのこと自体を「人為による異常な災害」とみることができるかを検討しても、そのことにより住宅に何らかの外的要因により物理的な害が生じたといえるものではなく、また、自然界に生じた天災と同視すべき劇的な過程を経て害を被る事象でもないから、「住宅建材に危険視されることとなったアスベストが含有されていたこと」自体を上記「人為による異常な災害」とみることはできない。以上のことからすれば、いずれにせよ本件において請求人が主張する事象は、所得税法第72条に規定する「災害」に該当しないというべきである。(平21. 2.16 大裁(所)平20-46)

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支部名
名古屋
裁決番号
平180032
裁決年月日
平成18年12月13日
裁決結果
一部取消し
争点番号
201802010
争点
18所得控除/2雑損控除/1災害等の範囲
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、請求人が貸し付けている土地(以下「本件貸付地」という。)にされた産業廃棄物(以下「本件産業廃棄物」という。)の不法投棄は、所得税法施行令第9条に規定する「人為による異常な災害」として、同法第72条に規定する「災害」に該当し、その産業廃棄物を撤去するための費用(以下「本件撤去費用」という。)は、同法施行令第206条第1項第2号イに規定する「災害により生じた土砂その他の障害物を除去するための支出」に該当する災害関連支出であり、本件撤去費用を支払ったことは雑損控除の対象となる損失に該当する旨主張する。 しかしながら、所得税法第72条に規定する「災害」とは、自然現象の異変による災害、人為による異常な災害及び生物による異常な災害をいうものとされており(同法第2条第1項第27号及び同法施行令第9条)、これは単なる損害とは区分され、社会生活上その予見及び回避が不可能で、かつ、その発生が劇的な経過を経て発生したものであることを要するものと解されており、本件産業廃棄物の不法投棄については、上記「人為による異常な災害」に該当するか否かが問題となるところ、本件貸付地の賃借人の賃料の支払が滞ってから相当な時期に債務不履行を理由に賃貸借契約を解除し本件貸付地の明渡しを求める等の法的手段に訴えることにより、産業廃棄物が投棄されるのを回避することは可能であったというべきであるし、また、相当量の産業廃棄物が約2週間で投棄されているのであるから、本件産業廃棄物が劇的な経過を経て発生したとは認められない。 したがって、本件産業廃棄物の不法投棄は、所得税法施行令第9条に規定する「人為による異常な災害」には該当せず、本件撤去費用に係る損失は、雑損控除の対象になる損失には該当しないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平18.12.13 名裁(所)平18-32)

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