裁決要旨 1判断基準
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平270013
- 裁決年月日
- 平成28年2月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が事業所得の金額の計算上必要経費に算入した同族会社(本件法人)への業務委託料(本件委託料)について、その算定根拠が明確でなく、純然たる第三者との間における通常の経済活動と比較した場合に不合理又は不自然であると認められるので、本件法人が受託した業務(本件業務)の要素を基に類似性のある業務を個別に受託している同業者として人材派遣業者を抽出するなどして委託料を算定したところ、当該委託料と本件委託料との間に著しい乖離が認められたことから、本件委託料の支払が請求人の所得税の負担を不当に減少させるものであるとして、所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》が適用される旨主張する。しかしながら、同条の適用に当たっては、請求人の所得税の負担の減少が不当と評価される程度のものであるか否かを、非同族会社との間における通常の経済活動としては不合理又は不自然であるか否かを基準として判断することになるところ、結局、本件においては本件委託料の多寡が問題となり、非同族会社における通常の委託料(適正委託料)の金額と本件委託料の金額を比較し判断することになる。本件法人においては、人材派遣業者が通常負担する人的経費以外の経費も負担しているなど、本件業務に係る契約は請負契約に類似していることから、原処分庁が、本件法人に類似する同業者として選定した人材派遣業者と本件法人には、個別条件の相違を超えた違いがあり、相当な類似性を備えているとは認められない。そうすると、原処分庁は、本件業務に係る適正委託料の算定根拠を示しているとはいえず、本件委託料の支払が請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となるとする原処分庁の主張を採用することはできない。(平28. 2.15 仙裁(所)平27-13)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平230003
- 裁決年月日
- 平成23年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件各年において、医院使用部分に係る建物賃貸借契約上の賃貸借面積を、同族会社C社所有の5階建建物(本件建物)のうち1階部分のみとし、これを前提として、上記賃貸借契約に基づきC社に対して支払った年間賃料(本件賃料)と請求人がC社に本来支払うべき適正賃料と比較すると、本件各年において、いずれも著しいかい離が認められ、本件賃料を容認した場合には、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められる旨主張する。しかしながら、本件において所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の認否等》第1項の規定を適用する前提である同族会社の行為又は計算は、医院使用部分に係る建物賃貸借契約の賃貸借面積を本件建物の住宅使用部分以外の床面積として、請求人から本件賃料の支払を受けたというものであるのに、原処分庁は、当該床面積の2分の1以上2倍以内である建物を抽出していないから、本件賃料が経済的合理性を欠き、これを容認した場合には、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認めることができない。(平23. 9. 1 広裁(所)平23-3)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平230002
- 裁決年月日
- 平成23年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》第1項は同族会社を用いた租税回避行為を否認するための規定であり、所得税法の規定の例外規定であるから、所得税法第157条第1項と同法第36条《収入金額》第1項の両方の適用が考えられるときは、原則的規定である同法第36条第1項が同法第157条第1項に優先して適用されるべきであり、請求人は同法第36条第1項の規定に基づいて課税を受ける権利を有するのであるから、原処分庁が同法第157条第1項を適用して本件各更正処分を行ったことは違法である旨主張する。しかしながら、所得税法第157条第1項は、同族会社が少数の株主ないし社員によって支配されているため、その株主ないし社員又はその関係者の税負担を不当に減少させるような行為や計算が行われやすく、そのような行為又は計算を放置した場合には、租税の公平な負担を害することになるから、そのような行為又は計算を正常な行為又は計算に引き直して当該株主等に係る所得税の更正又は決定を行う権限を税務署長に認めるものであり、収入金額又は総収入金額に関する通則的な規定である同法第36条第1項とは別に、特別規定を設けた所得税法の構造からすれば、同法第157条第1項の要件を満たす限り、税務署長は、同項を適用して更正又は決定を行うことができるというべきであるから、同法第36条第1項ではなく同法第157条第1項を適用して行った原処分が直ちに違法となることはないというべきである。(平23. 7. 8 広裁(所)平23-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190012
- 裁決年月日
- 平成19年7月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件委託手数料は、会計業務委託契約に基づき、経理事務代行業務等を行う目的で設立された同族法人(以下「本件法人」という。)に支払ったものであるから事業所得の計算上必要経費に算入すべきであり、また、仮に必要経費算入が認められないとしても、原処分庁は所得税法第157条を適用して、本来あるべき正当な取引に引き直して所得計算を行い、過少申告となる所得金額のみを更正すべきである旨主張する。 しかしながら、請求人が本件法人に委託したとする記帳代行事務等については、請求人は本件法人に出向した請求人の従業員が当該事務を行ったと主張するが、出向の事実が認められないほか、コンサルテンティング業務等についても本件法人に委託していたと認めることはできない。 次に、所得税法第157条は、同族会社と納税者の間で選択した契約等が実在し、それが私法上有効であっても、その契約等が私法上許された形式を濫用したものであって、異常な取引形式を選択した場合において、それが株主等の所得税の負担を不当に減少させる結果になると認められる場合に、税務署長が実質課税の原則及び租税負担公平の原則の見地から、これを通常あるべき行為又は計算に引き直して、納税者の納付すべき所得税の額を算定しようとするものである。 そして、本件は、請求人から本件法人に対して本件委託手数料として支出された金額のうち、当該支出に対応する業務が本件法人から請求人に対して提供されていなかった部分について、所得税法第37条の規定する必要経費性を具備していないものとして否認したものであり、このような場合に同法第157条の規定を適用する余地はない。 したがって、これらの点に関する請求人の主張には理由がない。(平19. 7.19 東裁(所)平19-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180070
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・278ページ
要旨
○ 請求人は、本件各土地について転貸方式を採ったのは、伝統ある「g」という名前を残したいことが直接的動機であり、承継者としてだけではなく、通常の経営者、経済人として極めて自然かつ合理的なものである旨主張する。 しかしながら、所得税法第157条第1項は、あくまでも税負担の公平を図ろうとする趣旨の規定であり、租税回避の意図や所得税の負担を減少させる意図が存在することまで要しないと解されているから、請求人にそのような意図がなかったとしても、本件各土地賃料は審判所認定適正賃料と比較して著しく低額であることが明らかである以上、本件各土地賃料を設定した本件各土地賃貸契約は、請求人が当該同族会社の株主等という関係でなければ結ばれ得ないものであり、客観的にみて経済的に合理性を欠く、不自然、不合理なものといわざるを得ない。また、請求人が指摘する、亡養父の努力で守り育てられてきた「g」に対する請求人の愛着や「g」という屋号を将来に残したいことからG社を設立したとの請求人の心情、認識についても、東京地裁判決の指摘する「株主等の経済的利益の不発生又は減少により同族会社の経済的利益を増加させることが社会通念上相当と解される場合」には該当するとは認められない。 したがって、この点に関する請求人の主張は理由がない。(平19. 6.19 名裁(所)平18-70)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180070
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・278ページ
要旨
○ 所得税法の課税標準に係る規定振りからみて、原処分庁が所得税法157条第1項を適用して請求人の不動産収入(金額)を認定することは誤りである旨主張する。 しかしながら、所得税法第157条第1項は、同族会社の選択した行為又は計算が、通常の経済人の行為として不合理、不自然であり、それを容認した場合には、その株主等個人の「所得税の負担を不当に減少させる結果となる」と認められるときには、いわゆる実質課税の原則及び租税負担公平の原則の見地から、これを通常あるべき行為又は計算に引き直して、納付すべき税額を算定し、所得税の更正又は決定の処分を行う権限を税務署長に認めているものであるから、同規定が所得税法の課税標準及び各種所得金額の計算に係る規定と別途規定されていることは何ら問題なく、法律上(契約上)収入すべき権利(又は収入すべき事実)や担税力の基礎となるべき資産の増加の事実を課税要件とするものではないから、同規定の課税要件を満たすものである限り、税務署長は同規定に基づき所得税の更正又は決定の処分を行うことができるのは明らかである。 したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平19. 6.19 名裁(所)平18-70)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180070
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・278ページ
要旨
○ 請求人は、予備的主張として、所得税法第157条第1項は同族会社の減額更正を義務付けていないとしても減額更正の調整を禁止したものではなく、このことは平成18年法律第10号による改正後の法人税法第132条(以下「改正後の法人税法第132条」という。)の規定によっても明らかであるから、本件各更正処分が適法であるとしても、本件各更正処分と併せてG社に対して法人税を減額する更正処分を行うべき旨主張する。 しかしながら、所得税法第157条第1項が不当に減少させるかどうかを問題としているのは、同族会社の行為又は計算と直接関係のある株主等個人の所得税だけであると解され、同条の文理解釈上、同条の適用に当たっては、所得税の課税主体(個人)を単位として税負担の減少の結果を考えれば足りるから、同条を適用して更正処分をしたからといって、G社の法人税を減額する更正処分をしなければならないものではない。 なお、改正後の法人税法第132条は、所得税法第157条第1項を適用して株主等の所得税の増額計算を行った場合における反射的に生ずる同族会社の法人税の減額計算を行う権限が税務署長にある旨の確認規定であるから、当審判所は、改正後の法人税法第132条に基づきG社に対して法人税を減額する更正処分を行うべきか否かを判断する立場にはない。(平19. 6.19 名裁(所)平18-70)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180070
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・278ページ
要旨
○ 請求人の本件各年分の所得税について、当審判所が審判所認定適正賃料を基に算定した所得税額と請求人が修正申告書に記載した所得税額を比較すると、著しいかい離があると認められることから、請求人が修正申告書に記載した所得税額は、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるといわざるを得ない。 なお、請求人は、申告割合(本件更正処分に係る納付すべき税額のうち、当該更正処分前の納付すべき税額が占める割合)なる点に着目すべきと主張するが、所得税法第157条第1項の「所得税の負担を不当に減少させる結果となる」と認められるか否かは、同族会社の行為又は計算に基づいて算出された所得税額と、通常あるべき行為又は計算に引き直して算定された所得税額とのかい離によって判断すべきであり、請求人の主張は独自の見解に基づくものであって、採用の限りでない。よって、請求人の本件各年分の所得税について、所得税法第157条第1項の規定を適用するのは相当である。(平19. 6.19 名裁(所)平18-70)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180070
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・278ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が所得税法第157条の適用に当たって、予測可能性の観点からも、課税要件である不当性についての客観的・具体的判断基準を示さないまま同規定を適用することは誤りであり、租税法律主義にも反するものである。 しかしながら、同族会社の行為又は計算が株主等個人の「所得税の負担を不当に減少させる結果となる」か否かは、同族会社の行為又は計算に基づいて算出された所得税額と、通常あるべき行為又は計算に引き直して算定された所得税額とのかい離によって判断すべきものであり、課税要件である「不当性」についての客観的・具体的判断基準が示されていないことをもって、租税法律主義に反するとはいえず、また、本件各更正処分が違法となるものではない。 したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平19. 6.19 名裁(所)平18-70)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160090
- 裁決年月日
- 平成17年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法第157条第1項を適用するに当たり、同族会社及び株主その他の同族会社と所定の関係にある個人の各所得金額及び各税額を斟酌する必要がある旨主張する。しかしながら、現行法上、所得税法第157条第1項と法人税法第132条第1項とが各々独立の要件・効果を持つ条文として置かれ、文言上も「所得税の負担」、「法人税の負担」と書き分けられていること等から、同項の適用に当たっては、株主その他の同族会社と所定の関係にある個人の所得税の負担に加えて、同族会社の法人税の負担を総合し、ないしはこれを斟酌して所得税の負担が「不当に減少させる結果」となることまでをも必要としていないことは明らかである。また、本件で問題とされているのは請求人の不動産所得に係る所得税の負担であり、不動産所得とは所得の発生の根拠を異にする請求人の他の所得を斟酌すべきものでもないから、請求人の主張は採用できない。(平17.5.30大裁(所)平16-90)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150059
- 裁決年月日
- 平成15年9月11日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 所得税法第157条の規定は、①同族会社の行為計算であること、②容認した場合、その株主等の所得税の負担を減少させる結果となること、③所得税の減少は不当と評価されるものであることという3要件を充足するときは、通常あるべき行為又は計算に引き直し納税者の所得税額を算定しようとするものであると解され、請求人が所有する商標権の無償使用に関する行為又は計算は同族会社が債務超過の状態にあり、直ちに倒産するおそれがあったと判断され、同社の大幅な債務超過解消の改善策の一環として、同社の危急を救うための不可避の行為であり、しかも第三者である債権者等から強く希求されたものであって、同社の経営責任を負う請求人としての当然の責務として行ったものであるから、経済活動として不合理、不自然ということはなく経済的合理性があると判断するのが相当であり、所得税の負担を不当に減少させたとは認められない。したがって、本件更正処分は取り消されるべきである。(平15.9.11東裁(所)平15-59)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140107
- 裁決年月日
- 平成15年5月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件当初外注費には委託会計業務の事務委託料のほか税理士業務に係る費用も含まれており、性質を異にする取引が複数ある場合には、その性質が異なる取引ごとに判断すべきであるにもかかわらず、これらを一括して所得税法第157条を適用したことは、同法第156条を拡大解釈したもので違法である旨、また、②特定の取引による業務上の支出額が経済的合理性を欠く場合には、同法第37条第1項の規定を根拠とし否認されるのであって、同法第157条を根拠とすべきではない旨主張する。しかしながら、①所得税法第157条は、事実として存在する同族法人の行為又は計算を否認して同族法人と一定の関係にある者の所得税を更正することを許す規定であるところ、同業者比準方式によって適正外注費等を算定することは、事実として存在する本件外注費等を通常あるべき外注費等の額に引き直すものに過ぎず、現実になされた行為の法律上の効果に何ら影響を及ぼすものではないから、同法第156条に規定するいわゆる推計課税とは性質が異なると解すべきであり、また、②同法第157条は、同族会社と関係者との間においてなされた取引等の行為又は計算が、関係者の所得税の負担を不当に減少させるものと認められる場合、当該取引等の行為又は計算を正常なそれに置き換えて所得税額を算定し、租税負担の公平を図る規定であって、単なる必要経費計算の通則規定に過ぎない同法第37条第1項とは、その趣旨や適用要件を異にするものであるから、必要経費が過大であるとして否認する場合においても、それが同法第157条所定の要件を充足する場合には、その適用を否定すべき理由は何ら存在しないと解される。(平15.05.28.関裁(所)平14-107)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130051
- 裁決年月日
- 平成14年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法第157条の規定を適用して適正とする本件委託手数料を超える金額を否認するとすれば、(1)請求人からの業務委託しか収入源がない本件同族会社の法人所得を減額更正し、(2)請求人が本件同族会社から受け取った役員報酬を請求人の所得から除かなければ、二重課税となる旨主張する。しかしながら、同条第1項の規定は、当該法人の行為又は計算を容認すれば、株主その他同族関係にある者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認める場合に適用されるべきところ、その効果は、税務署長は所得税の計算に当たり、その適正と認めるところにより正常な行為又は計算に引き直して課税を行うことができるというものであって、現実に行われた行為又は計算そのものに実体的な変動を生じさせるものではない。したがって、すでに法人税が課されている同族会社の行為又は計算が否認された結果として請求人の所得税の負担が増加したとしても、当該法人税に何ら影響を及ぼすものではない。また、本件役員報酬は、請求人の当該同族法人の取締役としての労務の対価であり、その原資のいかんに直接左右されるものではなく独立して存在する、所得税法第28条第1項に規定する給与所得に該当し、また、本件委託手数料とは、所得の発生根拠を異にする別個のものであるから、事業所得と給与所得の二重課税となっている事実は認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平14. 6.18広裁(所)平13-51)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130051
- 裁決年月日
- 平成14年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が同族会社との間で設定した本件委託手数料の額は妥当であり、原処分庁が所得税法第157条の規定を適用したのは違法である旨主張する。しかしながら、請求人の申告した各年分の所得税額と同業者の平均人件費倍率を適用して算出された適正委託手数料の額に基づいて計算した所得税額とを比較検討したところ、両者の所得税額には、著しいかい離があると言わざるを得ないからから、このような行為又は計算を放置すれば、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となるものと認められることから、原処分庁が、同条を適用したことは相当である。(平14. 6.18広裁(所)平13-51)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130051
- 裁決年月日
- 平成14年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 1.請求人は、同族会社に支払った委託手数料が過大であるならば、当該委託手数料が所得税法第37条第1項の「通常かつ必要な費用」の範囲内かどうかを判断すべきであり、それをせずに同法第157条を適用した本件更正処分は、法の解釈適用を誤ったものであり、違法である旨主張する。しかしながら、同法第157条は、同族会社の選択した行為又は計算が実在し、それが私法上有効であっても、その私法上許された形式を濫用し、異常な取引形式を選択した場合において、それが所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合には、税務署長は、租税負担公平の原則の見地から、これを通常あるべき行為又は計算に引き直し、納付すべき税額を算定しようとするものであるのに対し、同法第37条は必要経費の通則的な規定にすぎず、適用場面、要件を異にするものである上、その効果についても差異はないから、どちらが優先するというものではなく、その適用に当たっては当該条文の要件を満たしているかどうかを検討すれば足りるものと解するのが相当であるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。2.請求人は、株主の所得税負担が「不当に減少する結果となる」か否かの判断に当たっては、当該株主が同族会社の役員である場合には、その役員報酬に係る所得税負担も考慮すべきであり、また、請求人と同族会社をひとつの経済体と捉えて判断すべきである旨主張する。しかしながら、個人と法人とは適用される税法を異にし、それぞれ全く別個の課税主体として規定されている上、所得税法第157条の文理上、「不当に減少させる結果」となるかどうかを問題としているのは、その行為計算と直接関係あるその同族関係者の所得税だけであると考えるのが自然であることから、同条の適用に当たっては個人と法人を通じた総合的税負担の減少を考える必要はなく、所得税の課税主体(個人)を単位に考えれば足りるものと解され、また、そうである以上、個人の給与所得についても考慮する必要はないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 6.18広裁(所)平13-51)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120066
- 裁決年月日
- 平成13年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 業種
- 駐車場業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社にビルの管理を委託したことに伴い支払う管理分担金の額については請求人と同族法人の管理会社との話し合いにより、両者とも適正利潤を得るために原価計算をした上で、社会常識を逸脱しない範囲内で、合理的に決定したものであるから管理分担金の算定根拠が明らかでないという理由のみで原処分庁が否認したことは違法・不当である旨主張する。しかしながら、通常、駐車場管理会社から駐車場の管理のために派遣される従業員の給与の額と業務委託料の額は相関関係にあることが認められるところ、本件同族会社との契約は社会常識を逸脱しない範囲で合理的に決定されているとは認められず、むしろ特殊な関係の下で両者が相当な利益を確保できる額を前提とした経済的合理性を欠いた同族会社であるからこそなしえた行為又は計算であるといわざるを得ず、所法157条の規定の適用の適否については、所得税の負担を不当に減少させる結果となるか否かにより判断すべきものである。(平13.6.29広裁(所)平12−66)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120025
- 裁決年月日
- 平成13年3月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人と請求人の親族が株主で代表者である同族会社との間の請負契約は、単純労働者の人材派遣契約であり、請求人が支払った外注費の額は、同族関係にない通常一般の人材派遣業に係る人材派遣倍率から算出した適正な外注費の額に比べて著しく高額であるから、請求人の所得税の負担を不当に減少させている旨主張するが、同族法人は契約内容に従って人件費以外にも多額の費用を負担しており、当該請負契約は業務全般の委託契約であると認められ、原処分庁が採用した比準同業者には、(1)事業内容に個別条件を超えた相違がある、(2)事業規模等にかなりの差異があるなどその類似性に欠けており、同業者としての類似性に欠けるものから算定した人材派遣倍率には合理性が認められないから、これをもって請求人の所得税の負担を不当に減少させるとした本件更正処分は、法令の適用を誤ったものと認められる。(平13.3.13福裁(所)平12−25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100028
- 裁決年月日
- 平成10年9月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が同族会社との間で設定した本件賃貸料の額は妥当であり、原処分庁が所法157条の規定を適用したのは違法である旨主張する。しかしながら、請求人の各年分の所得税について、請求人の確定申告による総所得金額に基づいて算定した所得税額と、同業者の平均管理料割合を適用して算出された適正管理料相当額に基づいて算定した所得税額とを比較検討したところ、両者の所得税額には、著しいかい離が認められ、このような行為又は計算を放置した場合、請求人の所得税を不当に減少させる結果となることが認められることから、原処分庁が所法第157条の規定を適用したことは相当である。(平10. 9.29東裁(所)平10-28)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平090031
- 裁決年月日
- 平成10年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・175ページ
要旨
○ 請求人は、請求人が株主で代表取締役であるA社との間で、請求人が所有する土地に同社を権利者とする地上権を無償で設定する本件契約を締結したのは、同社が赤字法人であることを奇貨として、本件契約締結後にした当該土地の譲渡に係る代金の分散を図る目的でしたものではなく、また、本件契約を締結した行為は、同族会社の株主等も含まれる通常の経済人の行為として不合理、不自然でもなく、請求人の所得税を不当に減少させるものでもないから、所法第157条の規定を適用すべきではない旨主張する。しかしながら、本件の場合、(1)本件契約を締結したという同族会社の行為が実在し、(2)地上権及び底地を譲渡するに至った一連の行為の事情からして、本件契約の締結を正当化するに足る合理的な理由を見いだすことはできず、また、地上権を無償で設定する本件契約を締結した行為は、A社が請求人を同族関係者とする同族会社であるがゆえになし得た経済的合理性を欠く行為であり、(3)当該土地の譲渡に係る代金のすべてが請求人に帰属するものとして算定した税額と請求人の申告税額との間にかい離があり、その行為又は計算の結果、請求人の所得税の負担を不当に減少させていると認められるから、原処分庁が所法第157条の規定を適用して本件更正処分を行ったことは適法である。(平10. 6.23福裁(所)平 9-31) 裁決事例集No55・175ページ
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。