裁決要旨 3修繕費

裁決要旨 3修繕費

支部名
東京
裁決番号
令050036
裁決年月日
令和5年10月27日
裁決結果
棄却
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が貸付けの用に供するために取得した新築マンション(本件マンション)についてその取得時に一括で支払った修繕積立基金(本件修繕積立基金)は、国税庁ホームページにおいて公表されている質疑応答事例「賃貸の用に供するマンションの修繕積立金の取扱い」(本件質疑応答事例)に定められた要件を満たしており、その支払時にその全額を必要経費に算入すべき旨主張するとともに、予備的に、本件修繕積立基金の金額は本件マンションの修繕積立金の約6年分に相当する金額であることから、直近6年分の前払と捉え、経過した月数分を必要経費に算入すべき旨主張する。しかしながら、本件質疑応答事例において一定の事実関係の下で支払われた修繕積立金をその支払期日の属する年分の必要経費に算入しても差し支えないと取り扱われているのは、将来予想される修繕工事に関する費用を長期間にわたり計画的に積み立てていくための支出であることを前提とするものであり、その支出を一括して行う本件修繕積立基金についても同様の取扱いをすべきことを示したものとは解されない。そして、本件修繕積立基金について必要経費に算入すべき金額があるか否かの判定は、所得税基本通達37-2《必要経費に算入すべき費用の債務確定の判定》の定めによるところ、本件修繕積立基金が繰り入れられた修繕積立金を取り崩して修繕工事等が行われたことは認められず、同通達の(2)に定める「債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること」の要件を満たさないから、本件修繕積立基金について、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額はない。(令5.10.27 東裁(所)令5-36)

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支部名
東京
裁決番号
平300065
裁決年月日
平成30年11月19日
裁決結果
一部取消し
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した修繕費等は、実在するAに支払ったものであるから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張し、原処分庁は、当該修繕費等は実在しないAに支払ったとされるものであるから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない旨主張している。しかしながら、請求人がAに支払ったとされるもののうち、請求人が所有する賃貸用物件のポンプ交換に係る修繕費については、請求人がAを介さず水道工事業者Cに直接支払ったものであると認められることから、不動産所得の金額の計算上控除する必要経費に算入することは認められる。なお、請求人が、当該ポンプ交換に係る修繕費を除く、Aに支払ったとされる修繕費等については、①請求人がAに修繕等を依頼した事実、②Aが修繕等を行った事実、③請求人がAに当該修繕等の代金を支払った事実がそれぞれなかったと認められることから、当該修繕費等は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額ではないと認められる。(平30.11.19 東裁(所)平30-65)

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支部名
名古屋
裁決番号
平270010
裁決年月日
平成27年11月4日
裁決結果
一部取消し
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集№101

要旨

○ 請求人は、①不動産管理業務を委託した法人(本件会社)が、請求人から本件会社に支払われた委託料のうちの一部である修繕費及び貸室リフォーム代金(本件修繕費等)の受領の対価として、実際に請求人所有の不動産賃貸に係る各物件(本件各物件)の修繕及びリフォーム工事(本件修繕等)を行っており、②本件会社に対し修繕積立金として支払った各金員(本件修繕積立金)については、本件修繕積立金を支払った時点で本件会社が本件各物件の修繕を行うべき債務を負いそれが確定すること等を理由に本件修繕費等及び本件修繕積立金は、請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、①請求人が提出した、本件修繕等の裏付けとする証拠によっては、本件会社による本件各物件の修繕の有無及びその額を認定することはできないから、請求人が本件修繕費等を本件会社に支払うことの必要性を認めることはできず、②本件修繕積立金は、本件会社との契約において、請求人からの預り金として本件会社の会計処理とは切り離して積み立てられるものとし、その取崩しについては請求人の了解が必要であること等が認められることからすれば、請求人が本件会社に本件修繕積立金を支払った時点では、請求人の資産としての性質を有するというべきであるから、具体的な給付をすべき原因が発生しておらず、債務が確定したとはいえない。したがって、本件修繕費等及び本件修繕積立金は、請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されない。(平27.11. 4 名裁(所)平27-10)

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支部名
東京
裁決番号
平250106
裁決年月日
平成26年4月21日
裁決結果
一部取消し
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集№95

要旨

○ 請求人は、築17年を経過した賃貸用マンション(本件建物)の一部の住宅内の台所及び浴室の各設備等を取り壊し、新たなシステムキッチン及びユニットバスに取り替えた工事(本件各工事)について、居住用機能を回復させるために必要な工事であり、本件建物の規模からすれば、同建物の基礎及び柱等の躯体に影響を与えるものでなく、その価値を高めるものでもなく、その目的は現状維持することであるから、本件各工事に係る費用のうち新たなシステムキッチン及びユニットバスの取替えに要した費用(本件各取替費用)については、所得税法施行令第181条《資本的支出》に規定する金額及び所得税基本通達37−10《資本的支出の例示》の定めに例示された金額のいずれにも該当せず、修繕費に該当する旨主張する。しかしながら、ある支出が修繕費又は資本的支出のいずれに当たるかは、その支出した金額の内容及び支出効果の実質によって判断するのが相当であるから、本件各工事によって本件建物の住宅の居住用機能を回復させる目的があったとしても、本件建物の規模との比較のみによって判断するものではない。そして、本件各工事は、単に既存の台所設備及び浴室設備の一部を補修・交換したものではなく、本件建物の各住宅内で物理的・機能的に一体不可分の関係にある台所及び浴室について既存の各設備等を全面的に取り壊し、新たにシステムキッチン及びユニットバスを設置し、台所及び浴室を新設したものであり、このことは、本件建物の各住宅を形成していた一部分の取壊し・廃棄と新設が同時に行われたとみるべきものである。そうすると、本件各取替費用は、修繕費とは認められず、台所及び浴室を新設したことによって本件建物の価値を高め、又はその耐久性を増すことになるものと認められるから、本件建物に対する資本的支出に該当する。(平26. 4.21 東裁(所)平25-106)

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支部名
福岡
裁決番号
平240006
裁決年月日
平成24年8月24日
裁決結果
棄却
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、自己が営む医院及び不動産の賃貸物件の一部についての修繕費は、①これらに対応する見積書、請求書及び領収証が存在すること、②また、工事施工業者(B社)が当該修繕費に係る工事を行ったことをB社が確認していること等を根拠に、架空ではなく真実支出したものである旨主張する。しかしながら、①請求人及びその他関係者の申述及び答述、②関連する金銭の動き、③工事関係書類の作成・保管状況、④B社の実質経営者の手帳の記載内容等を総合勘案すると、当該修繕費に係る工事は架空であったと認められる。(平24. 8.24 福裁(所)平24-6)

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支部名
金沢
裁決番号
平210009
裁決年月日
平成22年6月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、原処分において不動産所得の必要経費に算入されていない修繕費等がある旨主張し、当審判所に対し、当該取引に係る領収証等を提示する。しかしながら、請求人は継続的に記帳した帳簿書類を備え付けていない上、当審判所の調査によれば、請求人が各取引先に依頼して発行させた領収証等は、①実際には工事が行われておらず架空のもの、②業務に関連のない請求人の自宅の工事に係るもの、及び③原処分において既に必要経費に算入されているものがほとんどであり、また、請求人がレシート等を証拠資料とする取引については、それが請求人の支出によるものかどうか及び業務に関連したものかどうかも明らかでなく、請求人からはこれ以上の証拠資料の提示もないことから、不動産所得の必要経費として認めることはできない。(平22. 6. 2 金裁(所)平21-9)

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支部名
大阪
裁決番号
平210014
裁決年月日
平成21年9月14日
裁決結果
一部取消し
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、審査請求において請求人の所有する賃貸不動産を修繕した工事費があるとして当該工事費に係る領収証等を提出し、当該工事費は請求人の不動産所得の必要経費に該当する旨主張する。しかしながら、当該領収証等の記載内容、当該工事費を受領したとする者の存在及び賃借人らの当該工事等に係る答述を総合して判断したところ、当該工事費に係る領収証等の信用性は低く、当該工事の実施を確認することができないから、請求人の主張は採用することができない。(平21. 9.14大裁(所)平21-14)

支部名
札幌
裁決番号
平200016
裁決年月日
平成21年5月21日
裁決結果
一部取消し
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、請求人が行った工事は、全体が一つの増築工事であって、修繕費に該当する部分は存在しない旨主張するが、当該工事には、増築工事のほかに修繕費及び建物に対する資本的支出等と認められる工事が含まれていることから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平21. 5.21 札裁(所)平20-16)

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支部名
大阪
裁決番号
平200059
裁決年月日
平成21年3月23日
裁決結果
一部取消し
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、賃貸物件である建物に係る改修工事の費用全額について修繕費である旨主張する。しかしながら、当該改修工事の内容は部屋の間取り変更やバリアフリー化など、大幅な改造であり通常の維持管理のためのものではないと認められるから資本的支出に該当し、請求人の主張は採用できない。(平21. 3.23 大裁(所・諸)平20-59)

支部名
東京
裁決番号
平190002
裁決年月日
平成19年7月4日
裁決結果
棄却
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、収用により一部取り壊された本件建物の残存部分の切取面に外壁等を構築した本件工事は、事業用固定資産である本件建物の一部取壊しにより生じた壁面の原状回復のための工事であり、当該工事のために支出した本件工事費は、本件建物の使用可能期間を延長させる部分又はその価額を増加させる部分に対応する金額はないから、修繕費に該当する旨主張する。 しかしながら、請求人提出資料及び原処分関係資料によれば、本件工事は、鉄筋組による基礎コンクリート工事及び外壁コンクリート工事並びに防水工事及び電気設備に係る幹線引込工事を含むものであると認められる。このように、本件工事は、収用に伴い、本件建物の一部であった部分が取り壊されて建物本来の利用ができなくなった残存建物について、残存建物の切取面に建物の主要構造部である外壁を構築したものであって、いわば改造ともいえるものであり、通常の維持管理のためのものとは認められず、また、上記工事の内容からすれば、当該工事に係る支出金額は、その支出時における本件建物の価値を高め、その耐久性を増すこととなるものと認められ、資本的支出に該当し、単にき損した資産につき原状を回復するための維持費用とは認められない。(平19. 7. 4 東裁(所・諸)平19-2)

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支部名
福岡
裁決番号
平150016
裁決年月日
平成16年3月23日
裁決結果
棄却
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が支払った本件工事費等を不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、具体的な支出が必要経費に該当するか否かが争われている場合には、所得の存在について課税庁に主張立証責任がある以上、原則として課税庁において収入のみならず経費についても、課税庁の主張額以上に経費が存在しないことを立証すべき責任があると解すべきではあるが、納税者が更正時には存在しない、あるいは提出されなかった資料等に基づき、当該支出が必要経費に該当すると主張するときは、当該証拠との距離から見ても、納税者において経費該当性を合理的に推認させるに足りる程度の具体的な立証を行わない限り、当該支出が経費に該当しないとの事実上の推定が働くものと解されるところ、本件工事費等について、①請求人は、工事等を行ったとする甲らとは面識がなく、代理人が提示した資料以外は提出しないと答述すること、②甲らに工事等を依頼したとする代理人は、本件工事費等の支払方法は現金であり、甲らが工事を行った事実を証明する資料等はなく、甲らが工事を行った事実を知っている者もいないと答述することなどから、請求人は、本件工事費等の経費該当性を合理的に推認させるに足りる程度の具体的な立証を行っているとはいえず、さらに、当審判所の調査の結果によっても、請求人が主張する工事等の事実及び支払の事実が確認できないことから、本件工事費等を必要経費に算入すべき金額と認めることはできない。(平16.3.23福裁(所)平15-16)

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支部名
名古屋
裁決番号
平110018
裁決年月日
平成11年10月15日
裁決結果
全部取消し
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、漏水の発生する前に予防的に鉄筋コンクリート造の本件建物の屋上全体に本件建物の取得価額の10%相当額を超える規模で実施した防水工事は、建物の使用可能期間を延長させるものであるから、資本的支出である旨主張する。しかしながら、本件工事は、①本件建物の屋上表面の防水モルタルが破壊され雨漏りが発生していたこと、②一般的に鉄筋コンクリート造建物は雨漏りがいったん発生すると雨漏りの箇所が分かりにくく完全に修理することが困難であること、③建築から相当年数を経過しての工事であることから、本件建物の維持管理のためやむを得ず行われたものであると認められる。また、本件工事の内容からみて、本件建物の使用可能期間を延長させるもの、又は本件建物の価額を増加させるものとも認められないので、本件工事費は修繕費に該当するとするのが相当である。(平11.10.15名裁(所)平11-18)、(平11.10.15名裁(所)平11-19)

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支部名
名古屋
裁決番号
平090073
裁決年月日
平成10年4月17日
裁決結果
一部取消し
争点番号
200804030
争点
8不動産所得/4必要経費/3修繕費
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、保養所の外装タイル貼工事は、立地条件等の特殊事情を考慮すれば使用可能期間を延長するものでも価値を増加させるものでもないから、その金額を修繕費として不動産所得の金額の計算上、必要経費の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件保養所は鉄筋コンクリート造であったのであるから、外装タイル貼工事は通常の管理又は修理とはいえず、原状回復を超えるものといわざるを得ないから、当該資産の価額を増加させるものと認められる。ただし、本件外装タイル貼工事には、外壁クラックの補修に当たる工程も含まれており、当該工事は原状回復に当たるというべきであるから、当該費用相当額を超える部分が、通常の管理又は修理をするものとした場合に予測される当該資産の価額を増加させる部分に対応する金額に当たるというべきである。したがって、請求人が修繕費として必要経費の額に算入した外装タイル貼工事代から外壁クラックの補修の費用相当額を差し引いた金額が資本的支出となり、各年分の必要経費の額に算入すべき減価償却費の額を認定したところ、原処分額を下回ることから、その一部を取り消すのが相当である。(平10. 4.17名裁(所)平 9-73)

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