裁決要旨 4貸付金利息
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050004
- 裁決年月日
- 令和5年8月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自身や親族が主宰する宗教法人等に対する非営業の貸付金(本件各貸付金)に係る利息収入(本件利息収入)は、雑所得に該当し、かつ、所得税基本通達36-8《事業所得の総収入金額の収入すべき時期》(7)(本件通達)のただし書の適用要件を充足するとして、本件利息収入は、契約等に定められた利払日が収入計上時期となる旨主張する。しかしながら、貸付金利息は、元本使用の対価であって、元本が返還されるまで日々発生するものであるから、特段の事情がない限り、期間の経過により直ちに利息債権が発生し、収入の原因となる権利が確定するため、その収入の計上すべき時期は、その年の末日とする本件通達の本文の定めが原則であり、本件通達のただし書の適用可否は、納税者の恣意を排し、課税の公平を期するという所得税法第36条第1項(所法36①)の趣旨を踏まえて判断することが相当であるところ、本件各貸付金に係る各契約等は、請求人と各貸付先との間にある特殊な関係を背景として、利払日等の条件変更が恣意的に繰り返され、かつ、請求人が長期間にわたり利息収入を得られない条件とされているなど、貸金業者が行う第三者との取引において一般に想定されない取引が行われているのであり、本件利息収入について、形式的な記帳、申告要件の充足の有無のみをもって本件通達のただし書の適用を認めることは、結果として、利息収入の計上時期が恣意的に形成され、所法36①の趣旨を没却する結果となるといえる。したがって、本件利息収入について本件通達のただし書を適用することはできず、本件通達の本文により、その年中の期間に対応する部分の利息は、その年の末日に収入を計上するべきである。(令5. 8.23 大裁(所)令5-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030001
- 裁決年月日
- 令和3年7月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法第36条《収入金額》第1項に規定する収入すべき金額とは、「収入すべき権利の確定した金額」のことであり、その権利確定の時期は、権利発生後一定の事情が加わって権利実現の可能性が増大したことを客観的に認識されるようになったときと解されるとした上、請求人が韓国法人への貸付金債権(本件貸付金債権)の存否を債務者と争っており、本件貸付金債権が真に請求人のものであるか確定していないこと、利息の回収が極めて困難であることからすれば、本件貸付金債権に基づく利息債権及び遅延損害金債権(これらを併せて本件利息債権等)は収入すべき権利が確定しているとはいえず、収入すべき時期は未だ到来していない旨、また、上記主張が認められないとしても、韓国民法の規定に基づく消滅時効が一部完成していることから、本件利息債権等の一部は収入すべき権利の確定した金額とはいえず、収入すべき時期は未だ到来していない旨主張する。しかしながら、本件貸付金債権は請求人が有していると認められるところ、本件利息債権等は、その履行期が到来して確定的に発生しており、所得が実現したものとして所得税法第36条第1項に規定する収入すべき金額に当たると解するのが相当である。また、仮に韓国民法の消滅時効が完成し、私法上、消滅時効に遡及効が認められるとしても、経済実態的な事実関係までも遡及的に覆すものではない。したがって、本件利息債権等の収入すべき時期は、各年に対応する部分の額について、各年の末日とするのが相当である。(令3. 7.12 東裁(所)令3-1)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平300007
- 裁決年月日
- 令和元年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 請求人は、医療法人から発行を受けた社債と題する書面(本件債券)の額面金額と発行価額との差益(本件差益)について、本件債券の契約によると本件債券の償還日までは本件差益の支払を請求することができないから、本件差益の収入すべき時期は、本件債券の償還日である旨主張する。しかしながら、本件債券の契約は、請求人と当該医療法人との間における当該償還日を弁済期として、請求人が払い込んだ金員(本件払込金)を貸し付けた契約(本件契約)であり、本件差益は、当該医療法人が本件契約成立時から弁済期までの間、本件払込金を使用することの対価、すなわち利息であると認められる。そして、貸付金利息は、元本利用の対価であって元本が返還されるまで日々発生するものであるから、特段の事情のない限り、現実の支払の有無を問わず、期間の経過により直ちに利息債権が発生し収入の原因となる権利が確定するものと解される。そうすると、本件差益のその年の1月1日から12月31日までの期間に対応する部分については、その年分の雑所得に係る総収入金額に算入すべきである。なお、本件利息の計算に当たって、原処分庁は、一定の年複利率を用いて算出していないため、これにより当該総収入金額に算入すべき金額を計算すべきである。(令元.5.30 熊裁(所)平30-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260034
- 裁決年月日
- 平成27年4月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人と債務者(本件債務者)との間で締結した準消費貸借契約(本件契約)に基づいて遅延損害金(本件遅延損害金)が発生していることから、本件遅延損害金を雑所得の収入金額に算入すべきであるとして行った所得税の各更正処分等について、本件契約に基づく弁済金(本件弁済金)は、本件債務者との間で弁済金を元本(本件元本)に充当する旨の合意をしたので、全て本件元本へ充当され、請求人が、本件遅延損害金を受領していないことは明らかであるから、本件弁済金を継続してその支払を受けた日により収入金額に計上したといえなくても、所得税基本通達36−8《事業所得の総収入金額の収入すべき時期》(7)ただし書及び同通達36−5《不動産所得の総収入金額の収入すべき時期》(1)(本件各通達)の適用を認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件弁済金の額及び本件元本の残高を管理するための書類を作成しておらず、請求人が継続して本件遅延損害金を収入金額に計上していたとは認められないから、請求人に本件各通達は適用されない。(平27. 4.10 名裁(所)平26-34)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260005
- 裁決年月日
- 平成26年9月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№96
要旨
○ 原処分庁は、利息債権については、その履行期が到来すれば、権利が確定し、所得税法第36条《収入金額》第1項に規定する「収入すべき金額」に当たるものと解され、所得税基本通達36−8《事業所得の総収入金額の収入すべき時期》(7)(本件通達)における「その年に対応するもの」とは、同項の規定によりその年に権利が確定したものをいうとの解釈を前提として、請求人が母親に対して貸し付けた金銭の利息(本件利息)については、その履行期にその全額が確定したものであるから、本件通達により、同日が本件利息の全額の収入すべき時期となる旨主張する。しかしながら、貸付金利息については、元本使用の対価であって、元本が返還されるまで日々発生するものであるから、特段の事情のない限り、現実の支払の有無を問わず、期間の経過により直ちに利息債権が発生し、収入の原因となる権利が確定するものと解するのが相当であり、また、本件通達は、期間対応計算を採用したものであるから、「その年に対応するもの」との文言については、その年における利息の計算期間の経過に対応するものと解するのが相当であり、本件利息に係る収入金額のうち、各年中の期間に対応する部分の金額に係る収入すべき時期は、それぞれの年の末日であり、貸付期間の終了した平成23年の期間に対応する部分の金額に係る収入すべき時期は、貸付期間の終了した平成23年である。(平26. 9. 1 名裁(所)平26-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240039
- 裁決年月日
- 平成24年8月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、H社から平成18年2月から7月までの間に受領した金員は、同社との合意により貸付金元本として受領したものであるから同貸付金利息に係る雑所得でない旨主張し、また、仮に当該金員が利息であるとしても、H社が実質的に破綻状態にあったから、原処分庁が平成18年分の貸付金利息に係る雑所得であるとする金額のうち上記金員を超える部分の金額については、所得がなかったものとすべきである旨主張する。しかしながら、請求人とH社は、平成18年2月に金銭消費貸借契約を締結していることが認められ、上記金員は、請求人からH社に対する貸付金元本に対する各支払日までの経過日数に対する利息であると認められるほか、H社は上記貸付金元本の一部をいまだ返済していないことが認められる。そうすると、上記金銭消費貸借契約においては、元本と利息とは明確に区分されており、H社から支払われる利息が貸付金の元本に充当される旨の弁済充当の指定特約は付されていないというべきであるから、上記金員は利息に充当されたものと認める。また、請求人は、同年7月から12月末までの間に係る利息の支払を受けていないが、当該期間においても、同貸付金元本に対する利息債権が発生し確定しているから、当該期間に発生し確定した利息についても、平成18年分に収入計上すべきである。(平24. 8.21 東裁(所)平24-39)
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