裁決要旨 21同族会社の行為又は計算の否認
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060039
- 裁決年月日
- 令和7年3月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202105000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/5無利息貸付け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.138
要旨
○ 請求人は、同族会社(本件同族会社)に無利息で貸付け(本件貸付け)を行ったのは、役員の同族会社に対する貸付けは無利息で行われるのが一般的であったこと、請求人の自己資金を用いて実行したものであること、本件同族会社は債務超過であったこと、多額の収入が見込める状況になかったこと等を考慮したものであることから、本件貸付けを無利息としたことは、所得税法第157条《同族会社の行為又は計算の否認等》第1項に規定する所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものに該当しない旨主張する。しかしながら、本件同族会社の財務状況等を踏まえると、本件貸付けには、請求人が本件同族会社に対して無利息で貸付けをすることに合理的な理由を見出すことはできないから、本件貸付けを無利息としたことは、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものであって、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となるものであると認められる。(令7. 3. 7 名裁(所)令6-39)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060039
- 裁決年月日
- 令和7年3月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202105000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/5無利息貸付け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.138
要旨
○ 請求人は、同族会社(本件同族会社)への無利息貸付け(本件貸付け)に対する所得税法第157条《同族会社の行為又は計算の否認等》第1項の規定の適用における本件貸付けの利息相当額の計算に当たっては、本件貸付けの原資となった定期預金の利率又は本件貸付けの貸付金をもって弁済された既存融資契約の利率を基礎とすべきであり、原処分庁が本件貸付けの利息相当額の計算の基礎とした利率である本件貸付けから約5年後に締結された融資契約(本件融資契約)の利率は、独立当事者間で通常行われるべき金銭消費貸借の利率よりも不相当に高く、適正でない旨主張する。しかしながら、本件貸付けの利息相当額の計算に当たって、本件同族会社が金融機関から本件貸付けに係る元本を借り入れる際に必要な利率と同様の利率を基礎として計算することには合理性が認められるところ、本件貸付けの融資条件を考慮すると、本件融資契約の利率を参照することに合理性があるものと認められ、原処分庁が本件貸付けの利息相当額の計算の基礎とした利率は適正である。(令7. 3. 7 名裁(所)令6-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050120
- 裁決年月日
- 令和6年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202105000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/5無利息貸付け
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法(令和3年法律第11号による改正前のもの)第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》第1項の規定は、貸付けが無利息でされることで課税上の弊害があり、経済活動として不合理、不自然な貸付取引である場合に適用されるものであることから、請求人の同族会社(本件法人)に対する無利息貸付け(本件無利息貸付け)は同項に規定する所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものに該当しない旨主張する。しかしながら、同項に規定する所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものとは、同族会社等の行為又は計算のうち、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものであって、所得税の負担を減少させる結果となるものをいうと解するのが相当であり、株主等から同族会社等に対する金銭の無利息貸付けが経済的合理性を欠くものであるかどうかについては、当該貸付けの目的、金額、期間等の融資条件、無利息としたことの理由等の諸事情を総合的に考慮して判断すべきであるところ、本件無利息貸付けは、本件法人に需要が生じた資金を融資するなどの目的で行われたものであり、総額で多額に及ぶ金銭を無利息、無期限、無担保で貸し付けるものであることから、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものであって、所得税の負担を減少させる結果となるものとして、同項に規定する所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものに該当する。(令6. 6.10 東裁(所)令5-120)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050047
- 裁決年月日
- 令和6年5月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202199000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 承継前請求人らは、同族会社に対して行っていた低利息貸付け(本件貸付け)について、貸付金の原資は自己資金であり、定期預金利息相当の利息を得ていることから、本件貸付けは経済的合理性を有する取引であり、所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》第1項柱書(本件規定)は適用されない旨主張する。しかしながら、本件貸付けは、承継前請求人らの自己資金を貸し付けたものではあるものの、承継前請求人らと同族会社との間の特殊な関係に基づき、多額の金員を弁済期限を定めず、物的担保及び人的担保も付さずに著しく低利率で貸し付けたものであり、経済的合理性を有する取引であるとは認められない。また、本件貸付けにより承継前請求人らが通常得られるであろう利息相当額も抑制されていることからすると、承継前請求人らの所得税負担も不当に減少させる結果となっていることは明らかである。したがって、本件規定に基づき、本件貸付けについて、日本銀行が公表する新規かつ長期貸出しの約定平均金利を用いて承継前請求人らが得られたであろう利息相当額を再計算した原処分は適法である。 (令6. 5.15 大裁(所)令5-47)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030029
- 裁決年月日
- 令和4年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人と同族会社との間の不動産賃貸借契約(本件各サブリース契約)は、賃借人である同族会社が不動産を一括して賃借し、これを第三者に転貸する方式(転貸方式)によることから、本件各サブリース契約における適正賃貸料の額は、不動産管理会社に所有不動産の管理のみを委託して管理委託料を支払う方式(管理委託方式)における管理料率を用いて算定すべきではなく、転貸方式を採用する事業者の賃貸料額に基づき算定すべきであるなどと主張する。しかしながら、転貸方式の場合においても、適正賃貸料の額の計算方法として、管理委託方式を採用する同業者から算定した管理料率を用いる算定方法が合理的なものである以上、本件各サブリース契約が転貸方式であることをもって、原処分庁が算出した賃貸料額が適正賃貸料額であるということは否定されない。そして、原処分庁が計算した本件各サブリース契約における適正賃貸料額は、当審判所の調査及び審理の結果においても正当と認められるところ、当該適正賃貸料額と本件各サブリース契約による賃貸料額とは乖離があって、その乖離は通常の経済人である独立かつ対等で相互に特殊な関係のない当事者間で行われる行為として不自然、不合理といえる程度のものである。したがって、本件各サブリース契約における賃貸料を容認した場合には、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるから、原処分庁が所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》第1項を適用したことは適法である。(令4. 1.27 大裁(所・諸)令3-29)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令010008
- 裁決年月日
- 令和2年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202106000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/6過大仕入れ
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人と同族会社(本件同族会社)の間に請求人の元従業員(本件元従業員)を介在させて医療用品(本件医療用品)を仕入れたことについて、原処分庁が、本件同族会社が行った本件医療用品の販売行為には経済的合理性がないとし、所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》第1項の規定を適用して、請求人の本件医療用品の仕入金額を本件同族会社が各販売業者(本件各販売業者)から仕入れた金額に引き直して請求人の事業所得の金額を算出したことは、違法である旨主張する。しかしながら、請求人の本件医療用品の毎月の仕入金額は、本件同族会社が本件元従業員に本件医療用品を販売した価額(個々の単価は、本件各販売業者からの仕入れた単価の約3倍ないし約18倍)に一定額を加算した金額に設定されており、請求人は、本件同族会社の行為又は計算により自己の本件医療用品の仕入金額を左右される関係にあったということができ、本件同族会社は、その行為又は計算により、利益を得ることになり、請求人は必要経費が増加することになるが、これは通常の経済活動としては不合理・不自然であり、請求人の所得税の負担を不当に減少させるものである。また、請求人は、本件同族会社が仕入れるのと同額で本件医療用品を仕入れることができることからすれば、本件各販売業者から請求人に至る本件医療用品の取引の通常あるべき行為又は計算は、請求人が本件医療用品を本件各販売業者から直接仕入れる取引であると認められるから、原処分庁が所得税法第157条第1項の規定により、請求人の本件医療用品の仕入金額を本件同族会社が本件各販売業者から仕入れた金額と同額にひき直したことは適法である。(令2. 1. 6 広裁(所・諸)令元-8)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平270012
- 裁決年月日
- 平成28年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№103
要旨
○ 請求人は、原処分庁が所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》第1項の規定の適用に当たって算定した診療所(土地を含む。)の適正賃料については、その算定方法に合理性がないことから、請求人が同族会社に支払った賃料(本件賃料)を必要経費に算入したことは請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となるとは認められない旨主張する。しかしながら、同項に規定する「所得税の負担を不当に減少させる結果となる」と認められるか否かは、同族会社の具体的行為又は計算が通常の経済人の行為等として経済的合理性を有しているか否かを基準として判断すべきであり、不動産の賃料は、地理的条件、用途、規模、構造などの状況が類似すれば、特別な事情がない限り、その金額は同程度になることから、請求人が本件賃料を支払ったことについて通常の経済人の行為として経済的合理性を有しているか否かを判断する際に、地理的条件等の類似性が確保された不動産の平均賃料と本件賃料を比較することには合理性があると認められる。そして、原処分における診療所の類似物件の抽出基準は地理的条件等の類似性が確保されており、本件賃料は当該基準に従って抽出した不動産の平均賃料(診療所の適正賃料)よりも高額であることから、請求人が本件賃料を支払ったことは通常の経済人の行為として経済的合理性を有していない。したがって、請求人が本件賃料を必要経費に算入したことを容認した場合には請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められる。(平28. 5.30 福裁(所)平27-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平270013
- 裁決年月日
- 平成28年2月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が事業所得の金額の計算上必要経費に算入した同族会社(本件法人)への業務委託料(本件委託料)について、その算定根拠が明確でなく、純然たる第三者との間における通常の経済活動と比較した場合に不合理又は不自然であると認められるので、本件法人が受託した業務(本件業務)の要素を基に類似性のある業務を個別に受託している同業者として人材派遣業者を抽出するなどして委託料を算定したところ、当該委託料と本件委託料との間に著しい乖離が認められたことから、本件委託料の支払が請求人の所得税の負担を不当に減少させるものであるとして、所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》が適用される旨主張する。しかしながら、同条の適用に当たっては、請求人の所得税の負担の減少が不当と評価される程度のものであるか否かを、非同族会社との間における通常の経済活動としては不合理又は不自然であるか否かを基準として判断することになるところ、結局、本件においては本件委託料の多寡が問題となり、非同族会社における通常の委託料(適正委託料)の金額と本件委託料の金額を比較し判断することになる。本件法人においては、人材派遣業者が通常負担する人的経費以外の経費も負担しているなど、本件業務に係る契約は請負契約に類似していることから、原処分庁が、本件法人に類似する同業者として選定した人材派遣業者と本件法人には、個別条件の相違を超えた違いがあり、相当な類似性を備えているとは認められない。そうすると、原処分庁は、本件業務に係る適正委託料の算定根拠を示しているとはいえず、本件委託料の支払が請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となるとする原処分庁の主張を採用することはできない。(平28. 2.15 仙裁(所)平27-13)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平250003
- 裁決年月日
- 平成25年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》第1項の規定を適用するに当たって算出した適正賃料額は、その類似物件の選定基準において、用途の同一性・類似性や諸経費や負担金の類似性を考慮した形跡がなく、具体的な物件も明らかにしないため、当該適正賃料額の計算方法は適正だとは考えられず、そのような誤った計算に基づく所得税法第157条第1項の適用は許されない旨主張する。しかし、所得税法第157条第1項の趣旨に鑑みれば、株主等の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるか否かは、専ら経済的、実質的見地において、当該行為又は計算が純粋経済人の行為又は計算として経済的合理性を有しているか否かを基準として判定すべきであり、原処分における選定基準も踏まえて、審判所において選定基準を検討し、その結果に基づいて類似物件を抽出して適正賃料額を算出の上検討したところ、請求人が同族会社との本件賃貸借契約に基づく本件賃料の額を支払ったことは、経済的、実質的見地において、純粋経済人の行為として経済的合理性を有していないものといわざるを得ず、これによって請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となったものと認められるため、原処分庁が所得税法第157条第1項の規定を適用したことは適法である。(平25.11.18 福裁(所)平25-3)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平230003
- 裁決年月日
- 平成23年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件各年において、医院使用部分に係る建物賃貸借契約上の賃貸借面積を、同族会社C社所有の5階建建物(本件建物)のうち1階部分のみとし、これを前提として、上記賃貸借契約に基づきC社に対して支払った年間賃料(本件賃料)と請求人がC社に本来支払うべき適正賃料と比較すると、本件各年において、いずれも著しいかい離が認められ、本件賃料を容認した場合には、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められる旨主張する。しかしながら、本件において所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の認否等》第1項の規定を適用する前提である同族会社の行為又は計算は、医院使用部分に係る建物賃貸借契約の賃貸借面積を本件建物の住宅使用部分以外の床面積として、請求人から本件賃料の支払を受けたというものであるのに、原処分庁は、当該床面積の2分の1以上2倍以内である建物を抽出していないから、本件賃料が経済的合理性を欠き、これを容認した場合には、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認めることができない。(平23. 9. 1 広裁(所)平23-3)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230001
- 裁決年月日
- 平成23年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人と同族会社との間の建物賃貸借契約は建物一括借上契約であり、原処分庁が選定した比準同業者とは契約内容が相違しているなどと主張する。しかしながら、請求人が主張する相違は、比準同業者の平均値を用いることによりその平均値に吸収され捨象されるものというべきであり、所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》第1項に規定する「所得税の負担を不当に減少させる結果となる」と認められるか否かは、同族会社の行為又は計算に基づいて算出された所得税額と通常あるべき行為又は計算に引き直して算定された所得税額とのかい離によって判断すべきものと解するのが相当であるところ、原処分庁が、比準同業者の平均管理料割合を用いるなどして算定した賃貸料の額を、通常支払われるであろう標準的かつ適正な賃貸料の額であるとして、請求人が収受した賃貸料の額を基に算出した請求人の所得税額と適正な賃貸料の額を基に算出した請求人の所得税額との差額を求める方法により検討したことは、合理的な方法であるとともに、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果と認められるのであるから、原処分庁が所得税法第157条を適用したことは適法である。(平23. 7.25 仙裁(所)平23-1)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平230002
- 裁決年月日
- 平成23年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》第1項は同族会社を用いた租税回避行為を否認するための規定であり、所得税法の規定の例外規定であるから、所得税法第157条第1項と同法第36条《収入金額》第1項の両方の適用が考えられるときは、原則的規定である同法第36条第1項が同法第157条第1項に優先して適用されるべきであり、請求人は同法第36条第1項の規定に基づいて課税を受ける権利を有するのであるから、原処分庁が同法第157条第1項を適用して本件各更正処分を行ったことは違法である旨主張する。しかしながら、所得税法第157条第1項は、同族会社が少数の株主ないし社員によって支配されているため、その株主ないし社員又はその関係者の税負担を不当に減少させるような行為や計算が行われやすく、そのような行為又は計算を放置した場合には、租税の公平な負担を害することになるから、そのような行為又は計算を正常な行為又は計算に引き直して当該株主等に係る所得税の更正又は決定を行う権限を税務署長に認めるものであり、収入金額又は総収入金額に関する通則的な規定である同法第36条第1項とは別に、特別規定を設けた所得税法の構造からすれば、同法第157条第1項の要件を満たす限り、税務署長は、同項を適用して更正又は決定を行うことができるというべきであるから、同法第36条第1項ではなく同法第157条第1項を適用して行った原処分が直ちに違法となることはないというべきである。(平23. 7. 8 広裁(所)平23-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平230002
- 裁決年月日
- 平成23年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、同族会社が請求人との間で合意した土地の賃貸借契約に係る賃料として収受した本件賃料額を容認しても、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果にはならない旨主張する。しかしながら、所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》第1項の「所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められる」かどうかは、当該行為又は計算が経済的合理性を欠くか否かにより判断すべきであり、「所得税の負担を不当に減少させる結果となる」とは、経済的合理性を欠いた行為又は計算の結果として所得税の負担が減少することをいうものと解すべきであって、土地の賃貸借契約に関していえば、立地条件、用途、規模などの貸付地の状況が類似する土地(比準貸付地)であれば、特別の事情がない限り、賃料の額は同程度となるといえるから、同族会社とその株主等との間で貸し付けられた土地と立地条件、用途、規模などが類似する比準貸付地を抽出し、その比準貸付地の平均賃料を用いて算定した適正賃料額と実際に株主等が同族会社から収受した賃料の額とを比較して、同族会社がその株主等と合意した賃料の額が経済的合理性を欠くか否かを判断することも許されるというべきである。本件賃料額は、本件各年分においていずれも適正賃料額を大きく下回り、これにより請求人の所得税の額も減少するのであるから、同族会社が請求人との間で合意した本件賃料額を容認した場合には請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果になると認められる。(平23. 7. 8 広裁(所)平23-2)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平220012
- 裁決年月日
- 平成23年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人所有の甲土地及び乙土地を併せた本件各土地上それぞれに、請求人が役員を務めるA社が所有していた甲建物及び乙建物を併せた本件各建物は、請求人の都合により取り壊したものであり、A社が負担した本件各建物の取壊しに伴う本件取壊費用等は請求人が負担すべきものであることから、本件取壊費用等を含めた管理料をA社に支払ったことは経済的合理性があり、請求人の所得税の負担を減少させる結果となっていない旨主張する。しかしながら、請求人が、本件各建物の取壊しに関してA社との間で何らかの約束をした事実を確認することはできないこと、また、A社は、本件各土地を優良な転貸先に賃貸することを承認可決したこと及び本件各建物に係る取壊費用等はA社の事務所の取得価額又は損金の額に算入したことからすれば、本件各建物の取壊しは、請求人の都合によるものではなく、A社が、本件各土地をより有利な条件で第三者に賃貸するため、自らの判断により行い、本件取壊費用等を負担したとみるのが相当であることから、請求人が本件取壊費用等を負担すべき理由は認められない。(平23. 6.28 高裁(所)平22-12)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平200023
- 裁決年月日
- 平成21年5月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件賃貸料は、経済的合理性のある賃貸料であり、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となっていないから、所得税法第157条の規定は適用できない旨主張する。しかしながら、本件賃貸料は比準同業者を基に算定した適正賃貸料に比べてかなり低額であり、適正賃貸料を基に算定した請求人の納付すべき所得税額と請求人が確定申告書に記載した納付すべき所得税額を比較したところ、かい離が認められ、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となっているから、本件各更正処分において当該規定を適用したことは相当であると認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21. 5.19 広裁(所)平20-23)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200031
- 裁決年月日
- 平成20年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202103000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/3過大不動産管理料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産貸付業を営む請求人は、請求人と同族関係にある会社に支払った本件各管理料が経済的に合理性があるので、所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認等》第1項の規定は適用されない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、原処分庁が採用した同業者の選定は、選定基準のすべてを満たしている者をもれなく抽出しており、その抽出方法はし意なく機械的に行われたものであると認められることから、原処分庁の抽出方法には合理性があるので、これにより適正管理料の額を算定すると、請求人が不動産所得の金額の算定上必要経費の額に算入した管理料の額に比べ著しく高額であり、請求人の所得税の負担が減少しているから、所得税法第157条第1項の規定が適用されることになる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20.11.18 名裁(所)平20-31)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190017
- 裁決年月日
- 平成20年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社から受ける不動産賃貸料が経済的合理性を持った適法・適正なものであり、所得税法第157条を適用することは違法である旨主張するとともに、①請求人と同族会社は賃貸借契約であり管理料を使った比準率を用いて適正管理料を算定することは不合理であること、②原処分庁が採用した比準同業者の事業規模や業種等をつかむ資料がなく、その合理性、妥当性が判断できないこと、③過去の同族法人に対する税務調査は申告是認され、所得税法第157条の規定の適用についての指摘や指導がなかったこと、④仮に原処分に違法がないとすれば、原処分庁は同族会社の法人税について減額更正すべきである旨主張する。 しかしながら、本件賃貸料は比準同業者を基に算定した適正賃貸料に比べ著しく低額であり、適正賃貸料を基に算定した請求人の納付すべき所得税額と請求人が確定申告書に記載した納付すべき所得税額を比較したところ、かい離が認められ、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となっているといわざるを得ないから、本件各更正処分において当該規定を適用したことは相当と認められ、また、①原処分庁が採用した管理料割合を用いる方法は、各不動産の個性が捨象され、管理料割合自体を合理的かつ正確に算定しやすくなるから合理性があること、②原処分庁が採用した比準同業者は恣意なく合理的に抽出されており、比準同業者の内容を開示できないのは、原処分庁には守秘義務が課せられていることによるものであること、③請求人と同族会社は別個独立した課税主体である上、過去の税務調査において課税庁が当該規定による指摘や指導をしなかったとしても、将来にわたり課税庁に更正処分等を行わせないことを約束するものではないこと、④個人についての所得税の計算を行う場合に、これに前後して当該同族会社の法人税について減額更正等の処分をして、相互の課税額の調整を行わなければならない理由はないことから、請求人の主張にはそれぞれ理由がない。(平20. 1.21 広裁(所)平19-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190012
- 裁決年月日
- 平成19年7月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件委託手数料は、会計業務委託契約に基づき、経理事務代行業務等を行う目的で設立された同族法人(以下「本件法人」という。)に支払ったものであるから事業所得の計算上必要経費に算入すべきであり、また、仮に必要経費算入が認められないとしても、原処分庁は所得税法第157条を適用して、本来あるべき正当な取引に引き直して所得計算を行い、過少申告となる所得金額のみを更正すべきである旨主張する。 しかしながら、請求人が本件法人に委託したとする記帳代行事務等については、請求人は本件法人に出向した請求人の従業員が当該事務を行ったと主張するが、出向の事実が認められないほか、コンサルテンティング業務等についても本件法人に委託していたと認めることはできない。 次に、所得税法第157条は、同族会社と納税者の間で選択した契約等が実在し、それが私法上有効であっても、その契約等が私法上許された形式を濫用したものであって、異常な取引形式を選択した場合において、それが株主等の所得税の負担を不当に減少させる結果になると認められる場合に、税務署長が実質課税の原則及び租税負担公平の原則の見地から、これを通常あるべき行為又は計算に引き直して、納税者の納付すべき所得税の額を算定しようとするものである。 そして、本件は、請求人から本件法人に対して本件委託手数料として支出された金額のうち、当該支出に対応する業務が本件法人から請求人に対して提供されていなかった部分について、所得税法第37条の規定する必要経費性を具備していないものとして否認したものであり、このような場合に同法第157条の規定を適用する余地はない。 したがって、これらの点に関する請求人の主張には理由がない。(平19. 7.19 東裁(所)平19-12)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180043
- 裁決年月日
- 平成19年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人等の個別事情、実態等を無視していること、②本件賃貸料は請求人が提出した資料等からすれば適正額の範囲内であること、③当該同族会社が本件賃貸料以上の賃借料を支払うと同社の運営が不可能となり請求人自身が破綻することから、所得税法第157条の規定を適用した本件各更正処分は違法・不当である旨主張する。 しかしながら、本件賃貸料は、原処分庁が比準同業者を基に算定した適正賃貸料に比べ著しく低額であり、当該適正賃貸料を基に算定した請求人の納付すべき所得税額と請求人が確定申告に記載した納付すべき所得税額を比較したところ、著しいかい離が認められ、このことは、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となっているといわざるを得ないから、本件各更正処分において、所得税法第157条の規定を適用したことは相当と認められる。 また、①請求人の主張する個別事情等は比準同業者を用いて算定することを全く不合理とする程度に顕著な個別具体的な事情であるということはできないこと、②請求人が提出した資料等をもって、本件賃貸料が適正額あるということはできないこと、③所得税法第157条の規定を適用して適正賃貸料に引き直して計算するのは、単に所得税の計算上のことであって、請求人と同族会社との間の現実になされた行為の効果に影響を及ぼすものではないことから、これら請求人の主張には理由がない。(平19. 6.28 広裁(所)平18-43)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180070
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・278ページ
要旨
○ 本件においては、G社は、請求人から賃借している本件各土地をH社に転貸するなどし、それに伴う業務及び経済的負担を負うとともに、本件各土地転貸料を得ているのであるから、実質的にみれば、本件各土地転貸料と本件各土地賃料との差額が、G社が請求人から取得する本件各土地の管理の対価、すなわち管理料相当額とみることができる。 そこで、本件各土地賃料の額が不当に低額であるか否かは、本件管理料相当額が適正か否かを基準に判断すべきであると解されるところ、実質的にみれば、本件各土地転貸料と本件各土地賃料(G社から請求人が得ている賃貸料)との差額が、G社が請求人から取得する本件各土地の管理の対価、すなわち管理料相当額(以下「本件管理料相当額」という。)とみることができる。したがって、本件各土地賃料の額が不当に低額であるか否かは、本件管理料相当額が適正か否かを基準に判断すべきであると解される。 そこで、比準同業者の賃貸料収入の額に占める管理料の割合の平均値をもって適正管理料割合とし、当該適正管理料割合を本件各土地転貸料に乗じることにより本件各土地に係る適正管理料(以下「本件適正管理料」という。)を算定する。 次に、本件各土地賃貸契約に基づき、本件各土地賃貸保証金(2億円)がG社から請求人に対して支払われているところ、適正管理料置換方式は、本件各土地賃貸契約を管理委託契約という契約形式に置き換えるものであるから、本件各土地に係る適正賃料の算定に当たっては、管理委託契約では生じない本件各土地賃貸保証金の差し入れを加味するのが相当であり、当該本件各土地賃貸保証金の運用益相当額を、本件各土地転貸料の額から本件適正管理料の額を控除した後の金額から控除するのが相当である。 したがって、本件各土地に係る適正賃料は、本件各土地転貸料の額から本件適正管理料の額及び本件運用益相当額を控除した後の金額であり、本件各年分に係る審判所認定適正賃料の額を本件各土地賃料の額と比較すると、本件各土地賃料は著しく低額であることが明らかである。 なお、原処分庁は、土地を貸し付けていると認められる者を比準同業者として、本件各土地の適正賃料を算定しているので、原処分庁主張適正賃料に合理性を認めることはできないことから、原処分庁主張適正賃料に基づき算定された所得税額は、通常あるべき行為又は計算に引き直したものと認めることはできない。(平19. 6.19 名裁(所)平18-70)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180070
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・278ページ
要旨
○ 請求人は、本件各土地について転貸方式を採ったのは、伝統ある「g」という名前を残したいことが直接的動機であり、承継者としてだけではなく、通常の経営者、経済人として極めて自然かつ合理的なものである旨主張する。 しかしながら、所得税法第157条第1項は、あくまでも税負担の公平を図ろうとする趣旨の規定であり、租税回避の意図や所得税の負担を減少させる意図が存在することまで要しないと解されているから、請求人にそのような意図がなかったとしても、本件各土地賃料は審判所認定適正賃料と比較して著しく低額であることが明らかである以上、本件各土地賃料を設定した本件各土地賃貸契約は、請求人が当該同族会社の株主等という関係でなければ結ばれ得ないものであり、客観的にみて経済的に合理性を欠く、不自然、不合理なものといわざるを得ない。また、請求人が指摘する、亡養父の努力で守り育てられてきた「g」に対する請求人の愛着や「g」という屋号を将来に残したいことからG社を設立したとの請求人の心情、認識についても、東京地裁判決の指摘する「株主等の経済的利益の不発生又は減少により同族会社の経済的利益を増加させることが社会通念上相当と解される場合」には該当するとは認められない。 したがって、この点に関する請求人の主張は理由がない。(平19. 6.19 名裁(所)平18-70)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180070
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・278ページ
要旨
○ 所得税法の課税標準に係る規定振りからみて、原処分庁が所得税法157条第1項を適用して請求人の不動産収入(金額)を認定することは誤りである旨主張する。 しかしながら、所得税法第157条第1項は、同族会社の選択した行為又は計算が、通常の経済人の行為として不合理、不自然であり、それを容認した場合には、その株主等個人の「所得税の負担を不当に減少させる結果となる」と認められるときには、いわゆる実質課税の原則及び租税負担公平の原則の見地から、これを通常あるべき行為又は計算に引き直して、納付すべき税額を算定し、所得税の更正又は決定の処分を行う権限を税務署長に認めているものであるから、同規定が所得税法の課税標準及び各種所得金額の計算に係る規定と別途規定されていることは何ら問題なく、法律上(契約上)収入すべき権利(又は収入すべき事実)や担税力の基礎となるべき資産の増加の事実を課税要件とするものではないから、同規定の課税要件を満たすものである限り、税務署長は同規定に基づき所得税の更正又は決定の処分を行うことができるのは明らかである。 したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平19. 6.19 名裁(所)平18-70)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180070
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・278ページ
要旨
○ 請求人は、予備的主張として、所得税法第157条第1項は同族会社の減額更正を義務付けていないとしても減額更正の調整を禁止したものではなく、このことは平成18年法律第10号による改正後の法人税法第132条(以下「改正後の法人税法第132条」という。)の規定によっても明らかであるから、本件各更正処分が適法であるとしても、本件各更正処分と併せてG社に対して法人税を減額する更正処分を行うべき旨主張する。 しかしながら、所得税法第157条第1項が不当に減少させるかどうかを問題としているのは、同族会社の行為又は計算と直接関係のある株主等個人の所得税だけであると解され、同条の文理解釈上、同条の適用に当たっては、所得税の課税主体(個人)を単位として税負担の減少の結果を考えれば足りるから、同条を適用して更正処分をしたからといって、G社の法人税を減額する更正処分をしなければならないものではない。 なお、改正後の法人税法第132条は、所得税法第157条第1項を適用して株主等の所得税の増額計算を行った場合における反射的に生ずる同族会社の法人税の減額計算を行う権限が税務署長にある旨の確認規定であるから、当審判所は、改正後の法人税法第132条に基づきG社に対して法人税を減額する更正処分を行うべきか否かを判断する立場にはない。(平19. 6.19 名裁(所)平18-70)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180070
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・278ページ
要旨
○ 請求人の本件各年分の所得税について、当審判所が審判所認定適正賃料を基に算定した所得税額と請求人が修正申告書に記載した所得税額を比較すると、著しいかい離があると認められることから、請求人が修正申告書に記載した所得税額は、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるといわざるを得ない。 なお、請求人は、申告割合(本件更正処分に係る納付すべき税額のうち、当該更正処分前の納付すべき税額が占める割合)なる点に着目すべきと主張するが、所得税法第157条第1項の「所得税の負担を不当に減少させる結果となる」と認められるか否かは、同族会社の行為又は計算に基づいて算出された所得税額と、通常あるべき行為又は計算に引き直して算定された所得税額とのかい離によって判断すべきであり、請求人の主張は独自の見解に基づくものであって、採用の限りでない。よって、請求人の本件各年分の所得税について、所得税法第157条第1項の規定を適用するのは相当である。(平19. 6.19 名裁(所)平18-70)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180070
- 裁決年月日
- 平成19年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・278ページ
要旨
○ 請求人は、原処分庁が所得税法第157条の適用に当たって、予測可能性の観点からも、課税要件である不当性についての客観的・具体的判断基準を示さないまま同規定を適用することは誤りであり、租税法律主義にも反するものである。 しかしながら、同族会社の行為又は計算が株主等個人の「所得税の負担を不当に減少させる結果となる」か否かは、同族会社の行為又は計算に基づいて算出された所得税額と、通常あるべき行為又は計算に引き直して算定された所得税額とのかい離によって判断すべきものであり、課税要件である「不当性」についての客観的・具体的判断基準が示されていないことをもって、租税法律主義に反するとはいえず、また、本件各更正処分が違法となるものではない。 したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平19. 6.19 名裁(所)平18-70)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160090
- 裁決年月日
- 平成17年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族法人Aからの本件賃貸料の額は不当に低額ではない旨主張する。しかしながら、Aの本件転貸料及び本件車庫証明手数料の合計額と本件賃貸料との差額は請求人からAへの本件駐車場管理の対価すなわち管理料相当額とみることができるところ、同族関係にない不動産管理業者に請求人と同規模程度の駐車場の管理を委託している同業者において、通常であれば支払われるであろう標準的な管理料の金額と請求人の支払った管理料相当額とを比較・検討したところ、管理料相当額は著しく高額となっていることは明らかである。そうすると、本件賃貸料の額は不当に低額であり、客観的にみて合理性を有しているものとは認められず、Aが請求人の同族会社だからこそなし得る行為又は計算であるというほかないから、請求人の主張は採用できない。(平17.5.30大裁(所)平16-90)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160090
- 裁決年月日
- 平成17年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法第157条第1項を適用するに当たり、同族会社及び株主その他の同族会社と所定の関係にある個人の各所得金額及び各税額を斟酌する必要がある旨主張する。しかしながら、現行法上、所得税法第157条第1項と法人税法第132条第1項とが各々独立の要件・効果を持つ条文として置かれ、文言上も「所得税の負担」、「法人税の負担」と書き分けられていること等から、同項の適用に当たっては、株主その他の同族会社と所定の関係にある個人の所得税の負担に加えて、同族会社の法人税の負担を総合し、ないしはこれを斟酌して所得税の負担が「不当に減少させる結果」となることまでをも必要としていないことは明らかである。また、本件で問題とされているのは請求人の不動産所得に係る所得税の負担であり、不動産所得とは所得の発生の根拠を異にする請求人の他の所得を斟酌すべきものでもないから、請求人の主張は採用できない。(平17.5.30大裁(所)平16-90)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160194
- 裁決年月日
- 平成17年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202103000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/3過大不動産管理料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各契約は、一括借上方式であるにもかかわらず、管理業務であるとして不動産管理業務の同業者比率を用いて適正管理料相当額を算定して行った本件各更正処分及び本件各賦課決定処分には合理性がなく、原処分を取消し、同種同規模の一括借上方式による転貸料の割合で更正すべきである旨主張する。しかしながら、最高裁判所平成11年1月29日第三小法廷判決(平成10年(行ツ)第265号所得税の更正処分取消請求上告事件)は、同族法人に対して不動産を一括転貸した場合に受け取る賃貸料が不当に低額である場合において、所得税法第157条の規定に基づき、同族法人が同不動産を転貸した転貸料収入から、同不動産を同族法人でない不動産管理会社に委託した場合に通常支払う管理料(適正管理料)及び実際に同族法人が支出するなどした修繕費などの額を差引いて適正賃貸料に置き換え、納税者の不動産所得の金額を計算したことは適法であるとの判断を示しており、この判断は当審判所においても相当であると認められることから、本件において適正賃貸料を算定するに当たって原処分庁の採用した方式は正当であると認められ、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平17.2.16東裁(所)平16-194)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平150019
- 裁決年月日
- 平成16年5月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社との本件建物の賃貸借に係る賃貸料は合理的に決定していることから、所得税法第157条第1項の規定を適用して行われた原処分は違法である旨主張する。しかしながら、同族会社が転貸により収受した賃貸料と請求人が同族会社から収受した賃貸料との差額が、同族会社が転貸により収受した賃貸料に占める割合は、通常の取引において支払われる適正な管理料が当該賃貸料に占める割合を超える異常に高い割合となっており、このことは、請求人と同族会社との本件建物の賃貸借に係る行為が、同族会社との間の取引であるがゆえに成し得たもので経済的合理性を欠く行為であり、その結果、請求人の所得税の負担を不当に減少させていると認められるから、請求人の主張には理由がない。(平16.5.24福裁(所)平15-19)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150039
- 裁決年月日
- 平成16年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸していた本件建物を請求人の同族会社に売却し、売却後は同族会社が本件建物の所有者となって賃借人と覚書を締結して賃貸料を受け取っており、当該賃貸料は同族会社の利益を構成するものであるから、原処分庁が所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認》第1項の規定を適用したのは違法である旨主張する。しかしながら、請求人が本件建物を同族会社に売却した事実は認められず、本件建物の所有者は請求人であると認められ、一方、同族会社は、本件建物の所有者ではないにもかかわらず、賃借人との間で賃貸人の名義を請求人から同族会社に変更する旨の覚書を締結していることからすると、本件建物は、請求人が同族会社に賃貸し、さらに、同族会社が賃借人へ転貸しているものと認められる。そうすると、同族会社は、本件建物の所有者でもなく、また、本件建物について特段の管理行為も行っていないにもかかわらず、賃貸料収入の大部分を得ていることとなる。このような行為又は計算は、請求人と同族会社が同族会社とその株主かつ代表取締役という関係にあるがゆえに可能な行為又は計算であり、異常な取引であるといわざるを得ない。そして、請求人の通常あるべき行為又は計算に引き直して求めた請求人の納付すべき所得税額と請求人の確定申告書に記載した所得税額を比較すると、双方の所得税額には著しいかい離があり、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となっている。したがって、原処分庁が所得税法第157条第1項を適用して不動産所得の金額を計算したことは相当である。(平16.1.27名裁(所)平15-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150059
- 裁決年月日
- 平成15年9月11日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 所得税法第157条の規定は、①同族会社の行為計算であること、②容認した場合、その株主等の所得税の負担を減少させる結果となること、③所得税の減少は不当と評価されるものであることという3要件を充足するときは、通常あるべき行為又は計算に引き直し納税者の所得税額を算定しようとするものであると解され、請求人が所有する商標権の無償使用に関する行為又は計算は同族会社が債務超過の状態にあり、直ちに倒産するおそれがあったと判断され、同社の大幅な債務超過解消の改善策の一環として、同社の危急を救うための不可避の行為であり、しかも第三者である債権者等から強く希求されたものであって、同社の経営責任を負う請求人としての当然の責務として行ったものであるから、経済活動として不合理、不自然ということはなく経済的合理性があると判断するのが相当であり、所得税の負担を不当に減少させたとは認められない。したがって、本件更正処分は取り消されるべきである。(平15.9.11東裁(所)平15-59)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平150002
- 裁決年月日
- 平成15年8月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は医療用機器の適正な賃借料を再リース料により算定すべきではなく、また、駐車場も診療所の近くにあることが必要なのだから高額であってもそのすべてを必要経費とすべきであるから所得税法第157条を適用すべきではない旨主張する。しかしながら、所得税法第157条の適用に当たり所得税の負担を不当に減少させることとなるかどうかは、その行為又は計算に基づいて算出された税額と通常あるべきものに引き直して算定された税額とのかい離によって判断すべきものと解されるところ、医療機器についてはリース期間経過後は再リースとして賃料が算定されるのが通常であるから比準業者の再リース料をもって、また、駐車場については周辺駐車場の賃料をもってあるべき適正額を算定したことには合理的であると認められ、これに基づき算定した税額が相当かい離している。したがって、請求人の主張は採用できない。(平15.8.21札裁(所)平15-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140107
- 裁決年月日
- 平成15年5月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件当初外注費には委託会計業務の事務委託料のほか税理士業務に係る費用も含まれており、性質を異にする取引が複数ある場合には、その性質が異なる取引ごとに判断すべきであるにもかかわらず、これらを一括して所得税法第157条を適用したことは、同法第156条を拡大解釈したもので違法である旨、また、②特定の取引による業務上の支出額が経済的合理性を欠く場合には、同法第37条第1項の規定を根拠とし否認されるのであって、同法第157条を根拠とすべきではない旨主張する。しかしながら、①所得税法第157条は、事実として存在する同族法人の行為又は計算を否認して同族法人と一定の関係にある者の所得税を更正することを許す規定であるところ、同業者比準方式によって適正外注費等を算定することは、事実として存在する本件外注費等を通常あるべき外注費等の額に引き直すものに過ぎず、現実になされた行為の法律上の効果に何ら影響を及ぼすものではないから、同法第156条に規定するいわゆる推計課税とは性質が異なると解すべきであり、また、②同法第157条は、同族会社と関係者との間においてなされた取引等の行為又は計算が、関係者の所得税の負担を不当に減少させるものと認められる場合、当該取引等の行為又は計算を正常なそれに置き換えて所得税額を算定し、租税負担の公平を図る規定であって、単なる必要経費計算の通則規定に過ぎない同法第37条第1項とは、その趣旨や適用要件を異にするものであるから、必要経費が過大であるとして否認する場合においても、それが同法第157条所定の要件を充足する場合には、その適用を否定すべき理由は何ら存在しないと解される。(平15.05.28.関裁(所)平14-107)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平140027
- 裁決年月日
- 平成15年4月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法第157条が同族会社の行為又は計算のみを否認の対象としているにもかかわらず、これを同族会社の株主等の個人の行為又は計算にまで拡大解釈し、当該個人の行為又は計算についても経済合理性を求めることは租税法律主義に反するものである旨、更には、請求人が本件賃貸物件を同族会社に無償又は低額で貸し付けた行為については、①転貸に該当せず、租税回避の意図とその事実がないこと、②小規模企業創業期における株主等の援助の必要性として当該貸付けが不可欠であること、③純粋な経済人である非同族会社においては、より低額の賃料で賃借しようとすることが当然であることから、当該貸付けには経済合理性があり、所得税の負担を不当に減少させる行為には当たらない旨主張する。しかしながら、所得税法第157条の規定は、同族会社の選択した行為又は計算が実在し、それが私法上有効であっても、その行為又は計算が特殊な関係のない当事者間で行われる通常の取引を基準とした場合に経済的合理性を欠いており、それが所得税の負担を不当に減少させていると認められる場合に、税務署長は、これを通常あるべき行為又は計算に引き直すことができるとすることにより、租税負担の公平を図ろうとする趣旨の規定であると解されている。そして、所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるか否かは、同族会社の行為又は計算に基づいて計算された所得税額と通常あるべき行為又は計算に引き直して計算された所得税額とのかい離によって判断すべきものであり、経済的合理性を欠いた行為又は計算の結果として所得税の負担が減少していれば十分であって、租税回避の意図若しくは所得税の負担を減少させる意図が存在することまでは必要でないと解するのが相当であり、請求人が同族会社から受領する賃貸料を無償又は著しく低額にすることにより、各年分の所得税の負担を不当に減少させていたと認められるから、所得税法第157条の規定を適用するのは相当である。(平15.04.17.福裁(所)平14-27)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平140011
- 裁決年月日
- 平成15年2月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202103000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/3過大不動産管理料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社に支払った不動産管理料は過大でない旨主張する。しかしながら、請求人の管理料の算定根拠には合理性はなく、同族会社でない不動産管理会社に支払う一般的な管理料に比して高額であり、純経済人として不合理、不自然なものといわざるを得ない。また、確定申告書に記載された所得税額と適正管理料の額に基づき算定した負担すべき所得税額に相当のかい離が認められ、請求人の所得税額を不当に減少させる結果となっているといわざるを得ないことから、請求人の主張を採用することはできない。なお、原処分庁は、平成10年分の適正管理料の算定に当たり、一部認定誤りがあり、再計算したところ、平成10年分の不動産所得の金額は更正処分の額を下回るので、本件更正処分はその一部を取り消すのが相当である。(平15.02.28.札裁(所)平14-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140024
- 裁決年月日
- 平成14年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・207ページ
要旨
○ 請求人は、請求人が取締役を務める同族会社との間で行った医療機器等の賃貸借契約はレンタル方式であるにもかかわらず、原処分庁は賃貸借契約に係る回収期間を経過した後の賃貸料の金額を所得税法第157条の規定を適用し、リース方式であると決めつけて当該賃貸料の金額を算出したことは、違法である旨主張する。しかしながら、一般の賃貸業者においては、医療機器等を賃貸するとした場合、賃貸借期間経過後の賃借料の金額を当初の契約に定められた金額の10分の1の金額としていることが認められるにもかかわらず、請求人が医療機器等の耐用年数を超えても、賃借料を減額することなく継続して当初の契約に定められた賃借料を支払っていることは、同族会社とその関係人であるがゆえになしえた経済的合理性を欠く行為又は計算であり、その結果、請求人の所得税の負担を不当に減少させていると認められるので、医療機器等の賃貸借契約がレンタル方式であるかリース方式であるかにかかわらず、所得税法第157条の規定を適用し、医療機器等ごとに、一般の賃貸業者が同種の医療機器等を賃貸する場合に賃貸借期間中に支払いを受ける賃貸料総額を月額賃貸料で除して賃貸料総額を回収する期間を算出し、当該回収期間経過後の賃貸料を当初の契約に定められた金額の10分の1に減額して請求人が支払うべき適正な賃借料を算出するのが相当と認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平14.12.20.名裁(所)平14-24)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140010
- 裁決年月日
- 平成14年7月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202103000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/3過大不動産管理料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が主張する本件平均管理料割合はし意的に算出されたもので合理性がなく、また、S社は収入が減少するというリスクを負っており、地上権の設定の有無によって賃貸料の額が大きく変化することなどの事情を考慮すべき旨主張する。しかしながら、本件同業者の貸付土地の管理を行っている不動産管理会社の管理内容は、主として賃貸契約の締結、更新、賃借人の募集及び賃貸料の集金等であると認められ、S社が実際に行っている管理内容と特に異なったものとは認められないから、原処分庁が設けた本件同業者の抽出条件には合理性が認められる。また、S社が転貸できないときのリスクについては、本件適正管理料の額の計算が、転貸できなかった期間(減収期間)を含めたところの本件転貸料の額を基礎にしているから、転貸できないときのリスクを本件同業者の抽出条件に加える必要はない。さらに、仮に地上権の設定があったとしも、そのことによって適正賃貸料の額が必然的に低下するとはいえず、またその設定の有無という事情が本件適正管理料の額を左右する直接的な要因とは考え難いところであるから、このような事情を本件同業者を抽出するために考慮しなかったことをもって、合理性がないとはいえない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14.07.24.大裁(所)平14-10)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130051
- 裁決年月日
- 平成14年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法第157条の規定を適用して適正とする本件委託手数料を超える金額を否認するとすれば、(1)請求人からの業務委託しか収入源がない本件同族会社の法人所得を減額更正し、(2)請求人が本件同族会社から受け取った役員報酬を請求人の所得から除かなければ、二重課税となる旨主張する。しかしながら、同条第1項の規定は、当該法人の行為又は計算を容認すれば、株主その他同族関係にある者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認める場合に適用されるべきところ、その効果は、税務署長は所得税の計算に当たり、その適正と認めるところにより正常な行為又は計算に引き直して課税を行うことができるというものであって、現実に行われた行為又は計算そのものに実体的な変動を生じさせるものではない。したがって、すでに法人税が課されている同族会社の行為又は計算が否認された結果として請求人の所得税の負担が増加したとしても、当該法人税に何ら影響を及ぼすものではない。また、本件役員報酬は、請求人の当該同族法人の取締役としての労務の対価であり、その原資のいかんに直接左右されるものではなく独立して存在する、所得税法第28条第1項に規定する給与所得に該当し、また、本件委託手数料とは、所得の発生根拠を異にする別個のものであるから、事業所得と給与所得の二重課税となっている事実は認められない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平14. 6.18広裁(所)平13-51)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130051
- 裁決年月日
- 平成14年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が同族会社との間で設定した本件委託手数料の額は妥当であり、原処分庁が所得税法第157条の規定を適用したのは違法である旨主張する。しかしながら、請求人の申告した各年分の所得税額と同業者の平均人件費倍率を適用して算出された適正委託手数料の額に基づいて計算した所得税額とを比較検討したところ、両者の所得税額には、著しいかい離があると言わざるを得ないからから、このような行為又は計算を放置すれば、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となるものと認められることから、原処分庁が、同条を適用したことは相当である。(平14. 6.18広裁(所)平13-51)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130051
- 裁決年月日
- 平成14年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 1.請求人は、同族会社に支払った委託手数料が過大であるならば、当該委託手数料が所得税法第37条第1項の「通常かつ必要な費用」の範囲内かどうかを判断すべきであり、それをせずに同法第157条を適用した本件更正処分は、法の解釈適用を誤ったものであり、違法である旨主張する。しかしながら、同法第157条は、同族会社の選択した行為又は計算が実在し、それが私法上有効であっても、その私法上許された形式を濫用し、異常な取引形式を選択した場合において、それが所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合には、税務署長は、租税負担公平の原則の見地から、これを通常あるべき行為又は計算に引き直し、納付すべき税額を算定しようとするものであるのに対し、同法第37条は必要経費の通則的な規定にすぎず、適用場面、要件を異にするものである上、その効果についても差異はないから、どちらが優先するというものではなく、その適用に当たっては当該条文の要件を満たしているかどうかを検討すれば足りるものと解するのが相当であるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。2.請求人は、株主の所得税負担が「不当に減少する結果となる」か否かの判断に当たっては、当該株主が同族会社の役員である場合には、その役員報酬に係る所得税負担も考慮すべきであり、また、請求人と同族会社をひとつの経済体と捉えて判断すべきである旨主張する。しかしながら、個人と法人とは適用される税法を異にし、それぞれ全く別個の課税主体として規定されている上、所得税法第157条の文理上、「不当に減少させる結果」となるかどうかを問題としているのは、その行為計算と直接関係あるその同族関係者の所得税だけであると考えるのが自然であることから、同条の適用に当たっては個人と法人を通じた総合的税負担の減少を考える必要はなく、所得税の課税主体(個人)を単位に考えれば足りるものと解され、また、そうである以上、個人の給与所得についても考慮する必要はないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 6.18広裁(所)平13-51)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130040
- 裁決年月日
- 平成14年4月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・171ページ
要旨
○ 1請求人らは、請求人らと同族会社との間の土地建物管理運営契約書に基づく行為又は計算は、所得税法第157条第1項が適用される著しく異常な取引といえない旨主張するが、同族会社が第三者に本件賃貸物件を転貸して得る賃貸料収入と請求人らが同族会社から受け取る地代家賃との差額は適正管理料相当額をはるかに超える異常なものと認められこと及び同族会社が請求人らに支払う地代家賃は年一回の清算で同族会社の当期利益が黒字になるように決められていることからすると、請求人らと同族会社との間の土地建物管理運営契約書に基づく行為又は計算は、請求人らが出資者かつ代表取締役あるいは取締役という関係にあるがゆえに可能な行為又は計算であり、純経済人として、不自然、不合理なものといわざるを得ない。2請求人らは、所得税法第157条第1項の適用に当たっては、同族会社から請求人らに支払われた役員報酬を考慮すべきである旨主張するが、請求人らの役員報酬は、代表取締役及び取締役としての役務の提供の対価として支給されるものであって、所得税法第157条第1項を適用した請求人らの不動産所得とは所得の発生根拠を異にする別個のものであり、同条同項の適用に当たり、請求人らの役員報酬を考慮する必要はない。3請求人らは、請求人らが法人を設立せず、個人の不動産所得として申告した場合と比較すると、本件更正処分は本生生じようもない所得に課税している旨主張するが、現行の租税法の下においては、事業者が選択した企業形態に応じてそれぞれ税法が適用され、租税額が決定されるのであって、その選択のいかんによって事業者が納付すべき租税額が異なってくることは法が当然に予定していることである。また、「所得税の負担を不当に減少させている」との要件の判断に当たっては請求人らが選択していない企業形態によった租税額と対比、考慮する必要はない。4請求人らは、原処分庁は、一部の業務のみを行っている他の不動産管理会社の管理料の割合を適用している旨主張するが、原処分庁は比準同業者の平均管理料割合を適用して算定した平均管理料相当額に比準同業者の管理料に含まれていない火災保険等の額を加算したところで適正管理料相当額を、算定しており、当該方法は合理的と認められる。なお、原処分庁認定額のほかにも比準同業者の管理料に含まれていない費用の支出が認められるので当該金額に係る部分は取り消す。5請求人らは、適正管理料相当額は、不動産管理会社の委託管理の個別事情を配慮して判断されるべきであり、一律に賃貸料収入の何パーセントという判断基準を用いるべきでない旨主張するが、原処分庁は適正管理料相当額を算定するに当たり、比準同業者の管理料に含まれていない費用を加算していることが認められるから、個別事情を考慮しているとものと認められる。(平14. 4.24高裁(所)平13-40)裁決事例集NO63・171ページ
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平130040
- 裁決年月日
- 平成14年4月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・171ページ
要旨
○ 1請求人らは、請求人らと同族会社との間の土地建物管理運営契約書に基づく行為又は計算は、所得税法第157条第1項が適用される著しく異常な取引といえない旨主張するが、同族会社が第三者に本件賃貸物件を転貸して得る賃貸料収入と請求人らが同族会社から受け取る地代家賃との差額は適正管理料相当額をはるかに超える異常なものと認められこと及び同族会社が請求人らに支払う地代家賃は年一回の清算で同族会社の当期利益が黒字になるように決められていることからすると、請求人らと同族会社との間の土地建物管理運営契約書に基づく行為又は計算は、請求人らが出資者かつ代表取締役あるいは取締役という関係にあるがゆえに可能な行為又は計算であり、純経済人として、不自然、不合理なものといわざるを得ない。2請求人らは、所得税法第157条第1項の適用に当たっては、同族会社から請求人らに支払われた役員報酬を考慮すべきである旨主張するが、請求人らの役員報酬は、代表取締役及び取締役としての役務の提供の対価として支給されるものであって、所得税法第157条第1項を適用した請求人らの不動産所得とは所得の発生根拠を異にする別個のものであり、同条同項の適用に当たり、請求人らの役員報酬を考慮する必要はない。3請求人らは、請求人らが法人を設立せず、個人の不動産所得として申告した場合と比較すると、本件更正処分は本来生じようもない所得に課税している旨主張するが、現行の租税法の下においては、事業者が選択した企業形態に応じてそれぞれ税法が適用され、租税額が決定されるのであって、その選択のいかんによって事業者が納付すべき租税額が異なってくることは法が当然に予定していることである。また、「所得税の負担を不当に減少させている」との要件の判断に当たっては請求人らが選択していない企業形態によった租税額と対比、考慮する必要はない。(平14. 4.24高裁(所)平13-40)裁決事例集NO63・171ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120066
- 裁決年月日
- 平成13年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202199000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/7その他
- 業種
- 駐車場業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 駐車場業を営む請求人は、同族会社に支払った業務委託料の額は合理的に算定したものであり、原処分庁が駐車場に直接従事している同族会社の従業員の給与のみをとらえて、同業者の算出根拠不明の人件費倍率(支払人件費の額に対する業務受託料収入金額の倍率)に基づいて算定した業務委託料の額を適正であると決めつけてしまうのは、合理性がなく違法である旨主張するが、請求人は業務委託料の額の算定根拠を具体的に明らかにする資料を提出しないから、その算定根拠が不明である、原処分庁が、適正な業務委託料の額の算定に当たり、駐車場の管理業務受託会社から駐車場の管理のために派遣される従業員の給与の額と業務委託料の額には相関関係があるとして、同族会社から派遣された従業員の給与の額に、その同族会社と事業形態が類似する駐車場の管理業務受託会社4件の人件費倍率の平均値を乗じて適正な業務委託料の額を算定したことには合理性があるものの、事業形態が類似するとして採用した会社のなかには、事業規模が必ずしも類似していないと認められる会社が含まれているため、これを除外した3件の人件費倍率の平均値により、適正な業務委託料の額を算定するのが相当である。(平13.6.29広裁(所)平12−66)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120066
- 裁決年月日
- 平成13年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 業種
- 駐車場業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社にビルの管理を委託したことに伴い支払う管理分担金の額については請求人と同族法人の管理会社との話し合いにより、両者とも適正利潤を得るために原価計算をした上で、社会常識を逸脱しない範囲内で、合理的に決定したものであるから管理分担金の算定根拠が明らかでないという理由のみで原処分庁が否認したことは違法・不当である旨主張する。しかしながら、通常、駐車場管理会社から駐車場の管理のために派遣される従業員の給与の額と業務委託料の額は相関関係にあることが認められるところ、本件同族会社との契約は社会常識を逸脱しない範囲で合理的に決定されているとは認められず、むしろ特殊な関係の下で両者が相当な利益を確保できる額を前提とした経済的合理性を欠いた同族会社であるからこそなしえた行為又は計算であるといわざるを得ず、所法157条の規定の適用の適否については、所得税の負担を不当に減少させる結果となるか否かにより判断すべきものである。(平13.6.29広裁(所)平12−66)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120043
- 裁決年月日
- 平成13年4月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 業種
- 病院
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件リース料は減価償却費、資本利子、償却資産税、その他雑費のコスト及び利潤を積み上げて算定したものであるから合理性があり、高額なものではない旨主張する。しかしながら、所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるか否かは、同族会社の行為又は計算に基づいて算出された税額と通常あるべき行為又は計算に引き直して算定された税額とのかい離によって判断すべきものであると解され、通常あるべき行為又は計算の指標として、比準会社のリース料倍率及び再リース料倍率を適用して適正リース料の額を算定することには合理性があると認められる。本件の場合、請求人は適正リース料の額を上回る高額なリース料を支払ったことが認められるが、これは事業経営者の行為としては不合理不自然であり、請求人と同族関係にあり、かつ、役員が請求人の親族のみである法人であるがゆえに可能な行為又は計算であるから、本件リース料の支払いに関し所法第157条を適用して行った本件各更正処分は適法である。(平13.4.3高裁(所)平12−43)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120025
- 裁決年月日
- 平成13年3月13日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人と請求人の親族が株主で代表者である同族会社との間の請負契約は、単純労働者の人材派遣契約であり、請求人が支払った外注費の額は、同族関係にない通常一般の人材派遣業に係る人材派遣倍率から算出した適正な外注費の額に比べて著しく高額であるから、請求人の所得税の負担を不当に減少させている旨主張するが、同族法人は契約内容に従って人件費以外にも多額の費用を負担しており、当該請負契約は業務全般の委託契約であると認められ、原処分庁が採用した比準同業者には、(1)事業内容に個別条件を超えた相違がある、(2)事業規模等にかなりの差異があるなどその類似性に欠けており、同業者としての類似性に欠けるものから算定した人材派遣倍率には合理性が認められないから、これをもって請求人の所得税の負担を不当に減少させるとした本件更正処分は、法令の適用を誤ったものと認められる。(平13.3.13福裁(所)平12−25)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120030
- 裁決年月日
- 平成12年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 業種
- 同族会社関係者
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・344ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地の賃貸借に伴って貸付先である同族会社から無利息の保証金を受領しており、この保証金から生ずる経済的利益の額と本件土地の賃貸料を加算すれば、必ずしも低額ではない旨主張するが、本件土地の賃貸料は、同地域の他の比準同業者の賃貸料に比し低額であり、請求人が主張する保証金から生ずる経済的利益の額を加えたところで判断しても、低額であることが認められ、所法第157条の規定を適用して不動産所得の計算をした原処分は適法である。(平12.12.20名裁(所)平12−30)裁決事例集NO60・344ページ
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平120011
- 裁決年月日
- 平成12年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202103000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/3過大不動産管理料
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 所法第157条の規定の適用に当たり、同族会社の株主等の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるか否かは、同族会社の行為又は計算に基づいて算出された税額と、通常あるべき行為又は計算に引き直して算定された税額との乖離によって判断すべきものと解するのが相当である。本件の場合、請求人は、同族会社を介して通常の当事者間の取引ではあり得ない不自然、不合理な取引を行っており、その行為は、所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められる。また、請求人は、仮に原処分庁の認定が正しいのであれば、二重課税とならないよう同族会社の収入金額を減額する更正処分をすべきである旨主張するが、本件更正処分は、所法第157条を適用して同族会社の行為又は計算を否認したものであり、現実になされた行為計算そのものに実体的変動を生じさせるものではないことから、同族会社の法人税について原処分庁が減額更正処分を行わず、同じ課税客体に対して、所得税と法人税が課税され、結果として二重に課税されたとしても、これをもって本件更正処分が違法となるものではない。(平12.12.1仙裁(所)平12−11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110106
- 裁決年月日
- 平成12年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202103000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/3過大不動産管理料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 被相続人は、生前、賃貸に供している土地・建物についての管理を同族会社に委託し、管理料を支出している。当該管理料について、原処分庁は通常支出される額に比し、高額であるとして同族会社の行為計算の否認の規定により、適正管理料を超える部分を被相続人の不動産所得における必要経費から減算した。これに対し、共同相続人である請求人らは、当該管理料には修繕費相当額が含まれているから高額ではない旨主張する。しかしながら、審判所の再三にわたる要請にもかかわらず、その修繕費相当額を明らかにしないこと等から、請求人らの主張を採用することはできない。(平12. 6.22関裁(所)平11-106)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110070
- 裁決年月日
- 平成12年2月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202103000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/3過大不動産管理料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸に供している建物についての管理を同族会社に委託し、管理料を支出している。当該管理料について、原処分庁は通常支出される額に比し、高額であるとして同族会社の行為計算の否認の規定により、適正管理料を超える部分を請求人の不動産所得における必要経費から減算した。これに対し請求人は、当該管理料には修繕費相当額が含まれている等主張する。しかしながら、審判所の再三にわたる要請にもかかわらず、その修繕費相当額を明らかにしないこと等から、請求人の主張を採用することはできない。(平12. 2.29関裁(所)平11-70)、(平12. 2.29関裁(所)平11-71)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110060
- 裁決年月日
- 平成12年1月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202103000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/3過大不動産管理料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・112ページ
要旨
○ 請求人がその所有する建物を同族会社に貸し付け、同族会社が第三者に同建物を又貸ししており、又貸し料と賃貸料の差額が建物の管理料相当額とみなされるところ、管理料相当額は過大であり、請求人と同族会社との間で定められた賃貸料は請求人の所得税の負担を不当に減少させるものであるとしてされた原処分に対し、請求人は、同族会社は賃借人に対して経営指導等経済的付加価値を有する役務を提供しており、又貸し料には、同役務に係るコンサルタント料が含まれており、管理料相当額は過大でない旨主張する。しかしながら、同族会社が賃借人に対して経営指導等をしている事実は認められず、請求人の主張には理由がない。なお、原処分庁は、適正管理料相当額の計算の基礎となる比準同業者の又貸し料に更新料、礼金等の臨時的一時的収入を含めているが、これらの収入は除外して計算すべきであり、再計算したところ、平成7年分及び平成8年分の不動産所得の金額は本件更正処分の額を上回るので、本件更正処分は適法であるが、平成6年分の不動産所得の金額は本件更正処分の額に満たないので、本件更正処分はその一部を取り消す。(平12. 1.31名裁(所)平11-60)裁決事例集 №59・112ページ、(平12. 1.31名裁(所)平11-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100028
- 裁決年月日
- 平成10年9月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が同族会社との間で設定した本件賃貸料の額は妥当であり、原処分庁が所法157条の規定を適用したのは違法である旨主張する。しかしながら、請求人の各年分の所得税について、請求人の確定申告による総所得金額に基づいて算定した所得税額と、同業者の平均管理料割合を適用して算出された適正管理料相当額に基づいて算定した所得税額とを比較検討したところ、両者の所得税額には、著しいかい離が認められ、このような行為又は計算を放置した場合、請求人の所得税を不当に減少させる結果となることが認められることから、原処分庁が所法第157条の規定を適用したことは相当である。(平10. 9.29東裁(所)平10-28)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平090031
- 裁決年月日
- 平成10年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202199000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・175ページ
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平090031
- 裁決年月日
- 平成10年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202101000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/1判断基準
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・175ページ
要旨
○ 請求人は、請求人が株主で代表取締役であるA社との間で、請求人が所有する土地に同社を権利者とする地上権を無償で設定する本件契約を締結したのは、同社が赤字法人であることを奇貨として、本件契約締結後にした当該土地の譲渡に係る代金の分散を図る目的でしたものではなく、また、本件契約を締結した行為は、同族会社の株主等も含まれる通常の経済人の行為として不合理、不自然でもなく、請求人の所得税を不当に減少させるものでもないから、所法第157条の規定を適用すべきではない旨主張する。しかしながら、本件の場合、(1)本件契約を締結したという同族会社の行為が実在し、(2)地上権及び底地を譲渡するに至った一連の行為の事情からして、本件契約の締結を正当化するに足る合理的な理由を見いだすことはできず、また、地上権を無償で設定する本件契約を締結した行為は、A社が請求人を同族関係者とする同族会社であるがゆえになし得た経済的合理性を欠く行為であり、(3)当該土地の譲渡に係る代金のすべてが請求人に帰属するものとして算定した税額と請求人の申告税額との間にかい離があり、その行為又は計算の結果、請求人の所得税の負担を不当に減少させていると認められるから、原処分庁が所法第157条の規定を適用して本件更正処分を行ったことは適法である。(平10. 6.23福裁(所)平 9-31) 裁決事例集No55・175ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090085
- 裁決年月日
- 平成10年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202103000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/3過大不動産管理料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族会社であるAに請求人の所有する土地の管理権限を委譲しており、当該土地の賃貸収入はAに帰属する旨主張するが、請求人の所有する土地の管理権限を委譲したことは、請求人ら関係者が経営する同族会社であるAと請求人との取引であるがゆえに可能な不自然、不合理な経済的行為であり、原処分庁が所法第157条を適用して、当該土地の賃貸収入を請求人個人に帰属させ、同業者比率により適正な管理料を算定した上、不動産所得を算出したことは相当である。(平10.5.28名裁(所)平9-85、9-86)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090158
- 裁決年月日
- 平成10年4月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・196ページ
要旨
○ 請求人は、本件月額賃料は、(1)不動産鑑定評価に基づき決定した合理的なものであり、(2)原処分庁が認定した類似建物月額賃料の1.4倍程度のもので、本件月額賃料との開差は極めて合理的な範囲にあり著しく過大なものではないから、原処分は不当である旨主張する。しかしながら、(1)本件鑑定評価書は基礎事実等が異なっていることから本件月額賃料には合理性がなく、(2)所得税の負担を不当に減少させる結果となったか否かについては、単に基準となるべき適正な賃料との比率の開差の大小のみによって一律に判断すべきものではなく、その基準となるべき適正な賃料に基づいて算出した納付すべき税額と請求人が決定した賃料に基づいて算出した納付すべき税額とを比較し、その税額のかい離がどの程度であるかを考慮した上で判断すべきものと解するのが相当であるところ、本件月額賃料の決定は、同族会社とその関係人である請求人であるがゆえになしえた行為又は計算であることが認められ、請求人のこのような行為は、純経済人の行為として不自然・不合理な行為又は計算によるものであり、その結果、本件月額賃料が不当に高額なものとなっており、請求人の所得税の負担を不当に減少させていると認められる。なお、原処分庁が採用した類似建物の賃貸事例の選定等は合理的に行われているが、その平均賃料には、契約一時金等の運用利回り益が加算されていないので、これを加算して平均賃料を算定すべきであるから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平10. 4.24東裁(所)平 9-158) 裁決事例集No55・196ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080087
- 裁決年月日
- 平成9年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 202104000
- 争点
- 21同族会社の行為又は計算の否認/4過大賃借料、過少賃貸料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が同族会社である不動産管理会社から支払を受けた所有土地の貸付けに係る賃貸料の額は、比準同業者の賃貸料平均単価を基に計算した適正賃貸料相当額をはるかに下回る異常なものと認められるところ、請求人が同族会社との間で締結した賃貸借契約は、請求人と当該不動産管理会社が同族会社とその監査役という関係にあり、しかも同社の株主がいずれも請求人の親族という関係にあるがゆえに可能な行為又は計算であり、社会通念上不合理、不自然なものといわざるを得ない。また、請求人の各年分の所得税について、適正賃貸料相当額を基として算出した所得税額と請求人が確定申告書に記載した所得税額とを比較したところ、両者の所得税額には著しいかい離があり、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となっていることが認められる。したがって、原処分庁が所法第157条第1項の規定を適用して行った更正処分は適法である。(平 9. 5.22関裁(所)平 8-87)
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