裁決要旨 2所得の発生
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060048
- 裁決年月日
- 令和7年5月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、太陽光発電設備において発電した電力の売却に係る収入金額(本件売電収入)について、継続した方法で漏れることなく申告していること、その裏付けとなる資料を保管等をしていること、原処分庁所属の調査担当職員にも提示していることから、僅かな金額のずれを是正する原処分には誤りがある旨主張する。しかしながら、本件売電収入となる電力会社からの料金の支払は、検針日における検針結果に基づいて算定されて、検針日の翌日以降に当該料金を支払うものであることから、本件売電収入の原因たる権利が確定的に発生する時期は検針日であると認められるため、原処分には誤りはない。(令7. 5.13 名裁(所・諸)令6-48)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040025
- 裁決年月日
- 令和5年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有する土地に係る平成28年4月1日から平成30年3月31日までの期間に係る賃貸料(本件賃貸料)を請求人の平成28年分及び平成29年分(本件各年分)の不動産所得の総収入金額に算入されるべきであるとした更正処分等につき、賃貸借契約(本件賃貸借契約)の契約期間は平成28年3月31日までであり、契約期間を延長した変更契約(本件変更契約)の存在を認識しておらず、また、請求人は本件賃貸料を受領していないから、本件賃貸料は請求人に帰属する賃料収入であるとはいえない旨主張する。しかしながら、本件賃貸借契約による賃貸借期間は、賃借人との交渉等について代行権を付与された法人(本件法人)が、当該代行権に基づき賃借人との間で締結した本件変更契約により平成30年3月31日までに延長されており、本件賃貸料は、請求人と本件法人との間で締結された業務委託契約に基づき、本件法人が受領預かりをしていたものと認められる。また、請求人は、賃貸借期間の延長を内容又は前提とする各種の書面を本件法人から受領していながら、これについて異議を唱えたという事実も認められないから、請求人は契約期間の延長を黙示に承諾していたというべきであり、本件変更契約の存在を否定する請求人の主張には理由がない。(令5. 1.20 大裁(所)令4-25)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010048
- 裁決年月日
- 令和2年4月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.119
要旨
○請求人は、請求人所有の土地に係る訴訟の判決(本件判決)に基づき支払われた賃料相当損害金(本件損害金)及び遅延損害金(本件遅延金)について、10年以上前に起こった事件に関するもので課税することはできない上、判決に基づく金銭の授受は非課税である旨主張する。しかしながら、収入の原因となる権利が確定する時期はそれぞれの権利の特質を考慮して決定されるべきものであるところ、本件損害金は、当該権利の性質及び内容並びに本件判決に係る訴訟における審理の内容等からすると、本件判決が確定するまでは、その権利の有無を正確に判断することは困難であることから、本件判決の確定をもって収入の原因となる権利が確定したと解するのが相当である。また、本件遅延金は、その元本が弁済されるまで日々発生し、発生と同時に弁済期日が到来するところ、本件遅延金のうち、本件判決確定の日までの遅延損害金については、本件損害金と同様に、本件判決の確定をもって収入の原因となる権利が確定したというべきであるから、同日をもって収入すべき時期とし、本件判決確定の日の翌日以降の遅延損害金については、日々発生すると同時に確定するというべきであるから、当該遅延損害金の発生の日をもって収入すべき時期とするのが相当である。 (令2.4.21大裁(所・諸)令元-48)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010003
- 裁決年月日
- 令和元年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成28年分の所得税等の更正処分における雑所得の金額には、平成27年課税期間の消費税等の更正処分により納付すべきこととなった還付金相当額(本件還付金相当額)が含まれているのであるから、平成28年分の所得税等の更正処分において、雑所得の収入金額から本件還付金相当額を減算すべきである旨主張する。しかしながら、所得税の課税所得金額の計算に当たり、税込経理方式を適用している個人事業者が納付すべき消費税等について、更正又は決定に係る税額については当該更正又は決定のあった日の属する年の事業所得等の金額の計算上、必要経費に算入するべきであるから、本件還付金相当額は、所得税等の更正処分のあった日の属する年である平成30年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきであって、平成28年分の所得税等の更正処分における雑所得の収入金額から減算すべきではない。(令元. 8. 2 名裁(所・諸)令元-3)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平300005
- 裁決年月日
- 平成31年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有する土地(本件土地)に係る収用裁決(本件収用裁決)によって、起業者が権利取得の時期から4年にわたり本件土地を使用することに対して一括して全額収受した損失補償(本件損失補償)の金額について、その収受した年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額は、本件損失補償の金額の4分の1の金額のみである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件収用裁決において定められた権利取得の日において、本件損失補償の支払を受けるべき原因となる法律関係が成立し、本件損失補償の金額の全額について、返還の必要に迫られることなくこれを自由に支配管理し得る事実が生じていたと認められるから、遅くとも、同日において本件損失補償に係る所得の実現があったものと認められ、本件損失補償の金額は、その全額をその収受した年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきである。(平31. 1.10 福裁(所)平30-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平290013
- 裁決年月日
- 平成30年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産貸付業を営む請求人は、一部の貸付不動産の固定資産税及び都市計画税(固定資産税等)に係る評価額の計算誤りを原因として、地方税法の規定に基づき受領した還付金について、受領した年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきではなく、既往年分における不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した固定資産税等の額を減算すべきである旨主張する。しかしながら、当該貸付不動産に係る固定資産税等の額は、各年の12月31日までに租税債務として具体的に確定していたところ、その後、地方団体の長が固定資産税等の過納金の還付を通知したことにより、当該固定資産税等の額に誤りがあったことが確定するとともに、還付金の支払請求権も確定したのであるから、請求人が受領した還付金は、当該確定した年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきである。(平30. 2.13 名裁(所)平29-13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290026
- 裁決年月日
- 平成29年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その不動産所得の金額の計算上、賃貸借契約(本件契約)の合意解除に伴って賃借人から一括交付を受けた金員(本件精算金)は、賃料の前払金として本件契約の解除後の期間に対応する金額が各年分の総収入金額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件精算金は、本件契約を合意解除することに伴う精算金として支払われたものであり、本件契約の解除がなければ請求人が得られたはずの収益を一括して補償した金員であるから、その実質が賃料の前払金であるとする請求人の主張は認め難い。そして、所得税法第36条《収入金額》第1項は、各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、その年において収入すべき金額とする旨規定しており、ここにいう「その年において収入すべき金額」とは、その年において収入すべきことが確定した金額によるべきものと解されるところ、本件精算金については、本件契約の合意解除に係る覚書にその支払日が定められていることから、その支払日の属する年分の不動産所得の総収入金額として算入されるべきである。(平29.10.31 大裁(所)平29-26)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290027
- 裁決年月日
- 平成29年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その不動産所得の金額の計算上、賃貸借契約(本件契約)の合意解除に伴って賃借人から一括交付を受けた金員(本件精算金)は、賃料の前払金として本件契約の解除後の期間に対応する金額が各年分の総収入金額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件精算金は、本件契約を合意解除することに伴う精算金として支払われたものであり、本件契約の解除がなければ請求人が得られたはずの収益を一括して補償した金員であるから、その実質が賃料の前払金であるとする請求人の主張は認め難い。そして、所得税法第36条《収入金額》第1項は、各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、その年において収入すべき金額とする旨規定しており、ここでいう「その年において収入すべき金額」とは、その年において収入すべきことが確定した金額によるべきものと解されるところ、本件精算金については、本件契約の合意解除に係る覚書にその支払日が定められていることから、その支払日の属する年分の不動産所得の総収入金額として算入されるべきである。(平29.10.31 大裁(所)平29-27)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270007ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成27年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債権回収業者との間で締結した「債務承認及び弁済契約」(本件弁済契約)を、当該債権回収業者とは別の法人(第2会社)への債権譲渡方式で行われると思い込んで締結したものであって、そのことは、本件弁済契約締結後に、第2会社が、債権回収業者の請求人に対する債権について第2会社の債権として経理し、それに対する利息を請求人が第2会社に対して支払っていることからすれば、請求人に錯誤があったことは明白であり、実質的に債務免除益は生じていない旨主張する。しかしながら、請求人は、①「債務承認及び弁済契約書」と明記された一見して債権譲渡契約書ではないと分かる本件弁済契約書に自ら署名・押印し、当該契約書の約定どおりに弁済金を債権回収業者の指定口座に振り込んでいること、②債権回収業者に対して再三債権カットを申し出ていたこと、③本件弁済契約書について債務を免除する記載がある旨の説明を受けていたこと、④本件弁済契約締結の直前に「債務承認及び弁済契約書」が債権回収業者からファックス送信されたこと及び⑤弁済金支払の後、債権回収業者から抵当権抹消書類及び借用証の返還を受けていたことからすると、本件弁済契約が債権譲渡方式で行われると思い込んでいた旨の請求人の主張は、にわかに採用できるものではないが、請求人に錯誤があったとしても、請求人の内心的意思からすると契約当事者になりえない契約につき、事業者として契約書の重要性は十分承知しているにもかかわらず「債務承認及び弁済契約書」と明記された契約書の内容を十分に確認することなく自ら署名・押印し、借用書等の返還まで受けた請求人には重大な過失があったといえる。したがって、請求人主張の第2会社に対する債務の存在を前提としても、請求人は錯誤による無効を主張することはできない。(平27.10.27 熊裁(所)平27-7)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平270005
- 裁決年月日
- 平成27年8月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件における賃貸借契約は平成24年5月14日まで有効であるから、同年4月1日から同年5月14日までの賃貸料は、平成24年分の不動産所得に係る総収入金額に算入される旨主張する。しかしながら、不動産所得の収入すべき時期は、契約により請求があったときに支払うべきものとされているものについては、その請求の日と解するのが相当であるところ、当該賃貸借契約によれば、賃借人は賃貸人である請求人から支払請求があった後、30日以内に賃貸料を支払うこととされており、請求人は、上記期間の賃貸料に係る請求を平成24年中に行っていないことから、当該賃貸料は平成24年分の不動産所得に係る総収入金額に算入されない。(平27. 8.10 福裁(所)平27-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230006ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成23年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802990
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建物信託の受益者であるが、当該建物信託に係る賃貸借契約の解約に伴って、受託者が負担すべき敷金の返還債務と相殺された賃借人が負担すべき原状回復義務の免除に係る代償金(本件代償金)について、①信託受益権及び土地を受託者に譲渡(本件譲渡)しており、受託者が、本件代償金を敷金返還債務と相殺することによって、売買代金の支払資金に充当したから、本件代償金は譲渡所得に係る総収入金額に算入されているので、不動産所得に係る総収入金額に算入すべきでない旨、②受託者は、建物の原状回復を行わなかったのであるから、本件代償金は土地の買主である受託者に課税されるべきである旨、③本件譲渡をすると同時に不動産貸付業を全面的に廃止しているから、本件代償金が建物の賃貸借に関連した収入ではない旨主張する。しかしながら、請求人は、信託契約の成立の際に受託者が負担すべき敷金返還債務を引き受けており、受託者と連帯して履行の責めに任ぜられ、受託者と賃借人の賃貸借契約の解約合意によれば、本件代償金は、賃貸借契約を解約し、建物の明渡しに当たって賃借人が負担すべき原状回復義務一切を免れる代償金として、受託者及び請求人が負担すべき敷金返還債務と相殺されたものであるから、賃貸借契約と密接に関連し、終了時の法律関係を整理するものと認められる。すなわち、建物の賃貸借に付随する収入というべきであり、請求人が建物信託の受益者であるから、所得税法第13条《信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属》第1項第1号の規定に基づき、本件代償金は、請求人の不動産所得の総収入金額に該当する。なお、請求人が主張する①の点については、請求人が実際に受け取った売買代金は、譲渡価額から、本件代償金を控除後の敷金返還債務を差し引いた金額であるから、売買代金の総額を譲渡所得の総収入金額に計上しても、本件代償金を譲渡所得の総収入金額に計上したことにはならず、②の点については、所得税法第13条第1項第1号の規定に反するものであり、③の点については、上記のとおり、賃貸借の解約に伴う不動産所得に付随する収入であり、廃止に至る過程で生じた収入であるから、廃止後に生じたものであるとする点においてその前提を欠く。(平23. 7. 7 名裁(所・諸)平23-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220230
- 裁決年月日
- 平成23年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件和解調書に請求人の債務の一部の支払義務を「免除」すると記載されているのは債権者の都合によるもので、法的な意味はなく、債権者からは、債権者の不適切な行為に基因する債務の「減額」をされたにすぎないから、債務免除をされたのではないという趣旨の主張をする。しかしながら、和解調書の記載は、確定判決と同一の効力を有するものであり(民事訴訟法第267条《和解調書等の効力》参照)、特段の事情のない限り、和解の期日において、和解調書の記載と異なる合意がなされることはないと考えられるところ、請求人の上記主張は、本件和解調書の「支払義務を免除する」との記載と明確に反する上、他の和解条項においても、債務を減額する旨の記載は存在せず、また、当審判所の調査の結果によっても、本件和解の期日において、本件和解調書の記載と異なる合意がなされたことをうかがわせる客観的証拠は見当たらず、上記特段の事情があるとは認められない。したがって、請求人の主張には、理由がない。(平23. 6.22 東裁(所・諸)平22-230)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220060
- 裁決年月日
- 平成23年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸アパートの貸付けに際して、賃借人から受け取った家賃の3か月分に当たる敷金のうち同2.5か月分に当たる償却分は、入居者が退去する際に返還を求められた場合には返還すべきものであり、賃貸借契約書に償却の記載があった場合でも、賃借人が退去する時点までは返還するか否か分からない賃借人からの預り金であって、預かった年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきでなく、また、次の賃借人に貸すには、別途、クリーニングをする必要があるから、クリーニングが終了し、クリーニング代の精算をした時点で収入に計上すべきものである旨主張する。しかしながら、当該償却分は請求人が賃貸管理業務を委託した管理会社に預託する敷金からは除くものとされ、賃貸契約の仲介人らの申述によれば、敷金の償却分は借主に返還しないものとされていたのであるから、当該敷金は、賃貸借契約によって当該アパートの貸付けが開始された日に、これを取得する権利が請求人に生じ、そのうち償却分は、直接請求人の管理下に置かれる金員とされたものと認められ、また、当該償却分が請求人の主張するように、クリーニング等の費用に充てられたとしても、それは、償却分を取得した後の使途の問題にすぎず、その取得の時期を左右することになるものではない。したがって、上記の敷金のうち返還を要しない償却分は、敷金を受領した年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきであるから、請求人の上記主張にはいずれも理由がない。(平23. 6.16 名裁(所・諸)平22-60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220117
- 裁決年月日
- 平成22年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した不動産の貸付けから生ずる不動産所得の金額は、民法第909条《遺産の分割の効力》の規定により、相続開始の時から遺産分割調停成立までの間に相続物件の貸付けから生じた賃料債権のうち、遺産分割調停により請求人が取得した不動産の貸付けから生じたもののみを、相続開始の時にさかのぼって取得する旨主張する。しかしながら、遺産は、相続人が数人あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるから、この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解するのが相当であり、上記賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けないものというべきであることから、未分割財産である賃貸不動産から生ずる賃貸料収入は、相続分に応じて各共同相続人帰属することとなる。(平22.12. 6 東裁(所)平22-117)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210129
- 裁決年月日
- 平成22年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が代表取締役を務める同族会社に請求人所有の不動産を使用させ、金員を受領していたが、平成18年8月1日から平成19年7月31日までの期間は、当該期間前に零円とする合意があり、当該不動産の貸借関係は使用貸借に変更されたことから、当該不動産に係る減価償却費等は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができない旨主張するが、請求人と当該法人との間には、当該不動産に関し、平成18年7月31日までの期間及び平成19年8月1日以降の期間において、賃貸借の合意が存在するのであり、この賃貸借には賃貸借期間の定めの存在を認めるに足りる証拠はなく、平成18年8月1日から平成19年7月31日までの期間においても、賃貸借が使用貸借に変更されたと認めるべき特段の事情がない限り、賃貸借が存続しているというべきであるから、当該期間における当該不動産に係る収入すべき賃貸料の額を全額総収入金額に算入するとともに、当該不動産に係る減価償却費等は不動産所得の金額の計算上、全額必要経費に算入することとなる。(平22. 6.24 関裁(所)平21-129)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210014
- 裁決年月日
- 平成21年9月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃借人らから入居時に受取った敷金は退去時に返還するものであるから、いずれも収入金額に算入すべき金額ではない旨主張する。しかしながら、請求人が賃借人らから受け取った敷金は、退去時に原状回復費用として返還されなかった敷金又は不動産賃貸借契約書において敷金を返還しない旨を定めている敷金と認められるから、請求人の主張はいずれもその前提を欠き採用することができない。(平21. 9.14大裁(所)平21-14)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200016
- 裁決年月日
- 平成21年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・495ページ
要旨
○ 請求人は、いまだ原状回復工事が完了していないことをもって、原状回復費用として充当されることとなる敷金と追加金の合計額(以下「本件合意金」という。)が賃借人から預り金である旨主張する。しかしながら、建物の賃貸借契約に関する合意(以下「本件合意」という。)は、建物の賃貸借契約の終了に伴い、賃借人の原状回復義務を消滅させる一方で、請求人の敷金返還義務を消滅させ、その外に追加金をを支払うとした合意であり、賃貸借契約に密接に関連し、その終了時の法律関係を整理するものであり、また、本件合意金は、建物の賃貸借に供するためにその原状回復に費消されるべきもので、建物の賃貸借に関連して収入されるものであることからすると、不動産の貸付けに関連して得た不動産所得に該当する。そして、請求人は、本件合意により敷金の将来の明渡し時点において敷金返還請求権を発生させないことを確定させ、また、追加金の収入すべき時点が到来することを確実にさせていることからすると、本件合意金の収入すべき時期は、合意書を取り交わした日とするのが相当である。(平21. 4.21 福裁(所・諸)平20-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190190ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成20年5月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、未払賃料等の支払を求め提起した訴訟の和解が平成18年1月○日にあり、当該和解で、①平成11年10月15日に賃貸借契約が解除されたこと②賃貸借契約解除日までの未払賃料及び和解までの賃料相当損害金の合計額が○○○○円であることが確認されたのであるから、契約解除後に発生する賃料相当損害金は、所得税基本通達36-5の(2)に定める賃料相当損害金に該当し和解があった日の属する年分の収入金額となる旨主張する。しかしながら、平成11年10月15日に賃貸借契約解除の意思表示があったと認めるに足る証拠はなく、同日以降も賃借人に対して契約の継続を前提とした賃料の支払請求をしていることから、同日に契約の解除があったとは認められない。また、和解が客観的事実として当事者でない原処分庁の事実認定に影響を与えるものでもない。ただし、平成16年5月に建物の明渡しと賃料相当損害金の支払を求めた文書(催告書)を賃借人に送付していることから、催告書が賃借人に到達した日以降は、契約解除の意思表示があったと評価するのが相当であり、同日以後は、賃料に代わり賃料相当損害金が発生することになる。所得税基本通達36-5の(2)は、賃貸借契約の存否が争われていて、賃貸人が契約の消滅を主張し賃料の受領を拒否するなど収入があるとして申告することに無理がある場合等の取扱いを定めたものであるが、請求人は、催告書等で賃貸借契約の月額賃料又は同額の賃料相当損害金を請求していることから、賃借人から賃料相当損害金等の提供があった場合、その受領を拒む意思があったとは認められない。また、係争等を有利に進めるために賃料相当損害金等の受領を拒む必要があったともいえず、賃料相当損害金等の受領を拒むのが通常と認められる場合でもなかったというべきである。したがって、本件に所得税基本通達36-5の(2)の適用はなく、当該賃料相当損害金についても催告書が賃借人に到達した日以降の各年分の不動産所得の総収入金額に計上されることになる。そして、原処分庁は、相続開始から遺産分割成立までの期間について、遺産分割成立後と同様に不動産所得の計算をしているが、賃料債権は、遺産分割の対象となる遺産とは別個の財産であって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解されていることから、当該期間の賃料及び賃料相当損害金は、法定相続分に応じて、不動産所得の総収入金額に算入されるべきであり、また、必要経費もこれに対応して算入するべきである。これを基に不動産所得の金額を計算すると、原処分に係る金額を下回るから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平20. 5.29 東裁(所)平19-190)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190020
- 裁決年月日
- 平成20年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割調停の結果、本件土地を含む本件相続財産を取得したものの、相続登記も行われておらず、本件賃料も他の共同相続人名義の預金口座に振り込まれているから、本件賃料は、請求人に帰属しない旨主張するが、請求人が遺産分割調停によって本件相続財産を取得している以上、相続登記が行われていないことは、本件賃料が請求人に帰属するかどうの判断に、何ら影響を及ぼすものではなく、また、本件土地の賃貸人としての権利義務を承継した請求人が、本件賃料を取得し、かつ、本件賃料の支払方法を本件口座に振り込む方法に変更することによって、本件代償金の支払義務を履行していたものと認められるから、本件賃料は、本件土地の所有者である請求人に帰属することになる。(平20. 1.23 関裁(所)平19-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190039
- 裁決年月日
- 平成19年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の妻(以下、請求人と併せて「請求人ら2名」という。)及び妻の妹Aと共に、妻の妹Bを被告として、平成7年3月に死亡した被相続人の遺言(相続財産の大半をB及びBの夫(以下「Bら2名」という。)へ相続又は遺贈する旨が記載されている。)の有効性について争うとともに平成8年3月に遺留分減殺請求を行っていたところ、平成17年3月に訴訟上の和解(以下「本件和解」という。)が成立し、本件和解により、被相続人が賃貸に供していた土地(以下「本件貸宅地」という。)に係る相続開始以降の賃料として供託されていた金員(以下「本件供託金」という。)を請求人ら2名が取得した。 請求人は、相続財産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得することになるため、①請求人が取得する本件供託金のうち遺留分減殺請求以後の期間に対応する金額(以下「本件減殺請求後供託金」という。)のうち、請求人の持分に相当する金額は、各年分の不動産所得の収入金額に算入すべきであるが、②請求人が取得する本件供託金のうち、請求人の持分に係る部分以外の部分については、本件減殺請求後供託金のA及びBら2名の持分に係る部分と遺留分減殺請求がされるまでのBら2名の持分に係る部分であり(遺留分減殺請求前は、本件貸宅地は遺贈によりBら2名の共有財産であったことから。)、当該部分は、請求人が本件和解により取得する財産以外の財産に対する持分を放棄する代償等として取得した財産であるから相続財産に該当する旨主張する。 しかしながら、本件では、遺留分減殺請求が行われた時点では、価額弁償が行われることも考えられ、本件和解が行われ返還される財産が具体的に確定するまでは、その権利は具体的に確定しないと認められ、請求人の本件供託金に係る収入すべき金額も確定していないことになり、本件和解によって、請求人ら2名が本件貸宅地の持分をBら2名から返還を受けることが確定したことによって、民法第1036条の規定に基づき、遺留分減殺請求のあった日以後の本件供託金に係る果実に相当する部分の本件供託金が、請求人ら2名へ返還されることが確定することになる。 したがって、①請求人が取得する本件減殺請求後供託金は、本件和解によって請求人が取得することが確定し、収入すべき金額も確定したのであるから、本件和解の日が収入金額計上時期となり、本件減殺請求後供託金は、本件貸宅地に係る果実として請求人らに返還されることが確定するものであるから、本件貸宅地に係る賃料として不動産所得に該当する。また、②相続開始以後遺留分減殺請求までの期間に対応する金額は、Bら2名から請求人ら2名へ贈与する旨の契約も認められないことや、本件和解に至る請求人ら当事者の答述内容からすれば、本件和解を行うために支払われた解決金としての意味合いもあると考えられることから、対価性のない一時の所得であり、本件和解によって請求人ら2名が取得することが確定していることからすれば、一時所得に該当することになる。(平19.12.19 名裁(所)平19-39)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190040
- 裁決年月日
- 平成19年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の夫(以下、請求人と併せて「請求人ら2名」という。)及び請求人の妹Aと共に、請求人の妹Bを被告として、平成7年3月に死亡した被相続人の遺言(相続財産の大半をB及びBの夫(以下「Bら2名」という。)へ相続又は遺贈する旨が記載されている。)の有効性について争うとともに平成8年3月に遺留分減殺請求を行っていたところ、平成17年3月に訴訟上の和解(以下「本件和解」という。)が成立し、本件和解により、被相続人が賃貸に供していた土地(以下「本件貸宅地」という。)に係る相続開始以降の賃料として供託されていた金員(以下「本件供託金」という。)を請求人ら2名が取得した。 請求人は、相続財産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得することになるため、①請求人が取得する本件供託金のうち遺留分減殺請求以後の期間に対応する金額(以下「本件減殺請求後供託金」という。)のうち、請求人の持分に相当する金額は、各年分の不動産所得の収入金額に算入すべきであるが、②請求人が取得する本件供託金のうち、請求人の持分に係る部分以外の部分については、本件減殺請求後供託金のA及びBら2名の持分に係る部分と遺留分減殺請求がされるまでのBら2名の持分に係る部分であり(遺留分減殺請求前は、本件貸宅地は遺贈によりBら2名の共有財産であったことから。)、当該部分は、請求人が本件和解により取得する財産以外の財産に対する持分を放棄する代償等として取得した財産であるから相続財産に該当する旨主張する。 しかしながら、本件では、遺留分減殺請求が行われた時点では、価額弁償が行われることも考えられ、本件和解が行われ返還される財産が具体的に確定するまでは、その権利は具体的に確定しないと認められ、請求人の本件供託金に係る収入すべき金額も確定していないことになり、本件和解によって、請求人ら2名が本件貸宅地の持分をBら2名から返還を受けることが確定したことによって、民法第1036条の規定に基づき、遺留分減殺請求のあった日以後の本件供託金に係る果実に相当する部分の本件供託金が、請求人ら2名へ返還されることが確定することになる。 したがって、①請求人が取得する本件減殺請求後供託金は、本件和解によって請求人が取得することが確定し、収入すべき金額も確定したのであるから、本件和解の日が収入金額計上時期となり、本件減殺請求後供託金は、本件貸宅地に係る果実として請求人らに返還されることが確定するものであるから、本件貸宅地に係る賃料として不動産所得に該当する。また、②相続開始以後遺留分減殺請求までの期間に対応する金額は、Bら2名から請求人ら2名へ贈与する旨の契約も認められないことや、本件和解に至る請求人ら当事者の答述内容からすれば、本件和解を行うために支払われた解決金としての意味合いもあると考えられることから、対価性のない一時の所得であり、本件和解によって請求人ら2名が取得することが確定していることからすれば、一時所得に該当することになる。(平19.12.19 名裁(所)平19-40)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180016
- 裁決年月日
- 平成19年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が家庭裁判所の調停和解に基づき被相続人の兄に対し、代償金を支払うことによって取得した不動産の持分2分の1は、調停の経緯と当事者の認識からすべてが売買による取得である旨主張する。 しかしながら、被相続人及び兄の双方の弁護士の答述並びに調停記録によれば、当該調停は、兄が有する不動産の持分3分の1の売買と同持分6分の1の代償分割を併せたものと認めるのが相当である。 また、請求人らは、仮に上記6分の1の取得原因が代償分割であったとしても、代償金は所得税法第38条第1項にいう「取得に要した金額」と解することができるので不動産の取得価額を構成する旨主張する。 しかしながら、減価償却資産及び非減価償却資産の取得価額については、所得税法施行令第126条に規定され又は同条を準用すべきと解されているところ、代償分割により資産を取得した相続人は被相続人から直接資産を相続し、代償金は、共同相続人間の調整金の域を出ないものであるから、減価償却資産等の取得価額には該当せず、当該資産の取得価額は同条第2項の規定により被相続人から引き継がれることになる。 したがって、請求人のいずれの主張も理由がない。(平19. 3.29 福裁(所)平18-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170033
- 裁決年月日
- 平成17年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、返還を要しなくなった保証金残額(以下「本件保証金残額」という。)について、平成13年分の不動産所得に当たるとした調査担当職員の指導に従い、修正申告をした(以下「本件修正申告」という。)ものの、本件保証金残額の返還請求権には、賃借人の債権者である金融機関の質権が設定されており、平成16年に当該金融機関が質権の解除通知をしていることから、本件保証金残額の返還を要しなくなったのは、質権の解除通知がされた平成16年である旨主張する。しかしながら、本件保証金残額の返還義務がいつの時点で消滅したかは、不動産賃貸借契約の定め及び契約当事者の意思に基づいて判断するのが相当であるところ、不動産賃貸借契約によると、賃借人の一方的な事由により契約を解除した場合には、本件保証金残高は返還しない旨定められており、賃借人が不動産賃貸借契約の解除を通知したのに対し、請求人は不動産賃貸借契約の定めに基づき本件保証金残額を返還しない旨通知しており、賃借人が平成13年8月に本件保証金残額を雑損失として損金経理し、請求人は本件保証金残額を返還していないことから、遅くとも平成13年8月の時点で、契約当事者である請求人と賃借人は、本件保証金残額の返還を要しないことを確認したというべきであるから、本件保証金残額を請求人の不動産所得の総収入金額に算入すべき時期は、平成13年分である。したがって、請求人の主張には理由はない。(平17.12.16名裁(所)平17-33)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160065
- 裁決年月日
- 平成17年4月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物に係る賃貸料は、取立不能のおそれが生じたことから、総収入金額に算入されない旨主張するが、所得税法第36条第1項は、各種所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額は、その年において収入すべき金額である旨規定していることから、不動産所得の収入金額として計上すべき金額は、実際に支払を受けた賃貸料額等ではなく、権利として確定した収入すべき金額をいい、その確定は、契約その他慣習等により支払日が定められている賃貸料等についてはその支払日を基準とするのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。(平17.4.27関裁(所・諸)平16-65)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160042
- 裁決年月日
- 平成17年1月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件保証金等は、借主からの本件賃貸借契約の一方的な解約により、一応、返還を要しないこととなったものの民法第420条等に基づき、その返還を請求されるおそれがあることから、最終的に確定しておらず、本件賃貸借契約が解約された年分の不動産所得の収入金額にはならない旨主張する。しかしながら、保証金等のうち返還を要しない金額は不動産所得の収入金額に該当し、当該収入金額の計上時期は、当該賃貸借契約の終了時ではなく、その返還を要しないことが確定した都度その確定した金額を収入金額として計上すべきものと解されるところ、本件賃貸借契約に規定する借主が引き続き請求人の認めた後継テナントを斡旋した事実等が認められないことから、本件保証金等は、本件賃貸借契約の解約日に返還を要しないことが確定したというべきであり、当該年分の総収入金額に算入されるとみるのが相当である。(平17.1.18大裁(所)平16-42)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平160009
- 裁決年月日
- 平成16年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸していた建物の賃借人の一方的な事由で賃貸借契約が解約されたことにより、賃借人の敷金・保証金に対する返還請求権が放棄されたが、当該敷金等の返還請求権には、賃貸借契約の解約前に賃借人を質権設定者として設定された質権が、解約後においても質権者が移転して、設定されたままであることから、当該敷金等は、不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入されるものではない旨主張する。しかしながら、賃貸借契約の解約により、当該敷金等の返還請求権が放棄されていることから、本件質権は消滅したものと認められ、返還請求権が放棄された当該敷金等については、所得税基本通達36−7の(3)に定める、不動産の貸付の終了により返還を要しないことが確定したものであることから、賃貸借契約の終了した日の属する年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきものである。(平16.12.21札裁(所)平16-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150195
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件合意金は借主が行うべき原状回復工事の費用として預ったものであるから、工事が完了するまでは、預り金に該当する旨主張する。しかしながら、本件合意書によれば、本件合意金の支払義務履行により請求人と借主との間には何らの債権債務も存せず、本件合意金の返還義務はないのであるから、本件合意金を借主からの預り金であるとするのは相当ではなく、その年中に確定したものとして、不動産所得に係る収入金額として計上すべきものと認められ、この点に関する請求人の主張を採用することはできない。(平16.2.27東裁(所)平15-195)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130125
- 裁決年月日
- 平成14年1月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・141ページ
要旨
○ 請求人は、自らが代表取締役を務める同族法人に対して本件建物を零円で貸付けていることについて、原処分庁が使用貸借と認定した上で、不動産所得の金額の計算上、本件建物に係る租税公課及び減価償却費を否認した更正処分は、従来の経理慣行に反するものであり、実際に法人が店舗を使用しているのであるから、違法である旨主張する。しかしながら、本件建物の貸付けについては、(1)賃料を零円にすることについて双方の合意があり、平成6年7月以後、請求人は賃料を受け取っていないこと、(2)請求人は、各年分の確定申告において、賃料を不動産所得の総収入金額に計上していないこと、(3)当該同族法人は、平成7年6月期以後、賃料の支払がなく、未払金の計上も行っていないことから、各年分における本件建物の貸付けが無償で行われていることは明らかであり、使用貸借の状態にあったと認めるのが相当であるので、不動産の貸付けによる所得に該当しないため、本件建物に係る租税公課及び減価償却費を否認した更正処分は適法であり、請求人の主張には理由がない。(平14. 1.17東裁(所)平13-125)裁決事例集NO63・141ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130012
- 裁決年月日
- 平成13年9月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、未収賃料は収入金額に計上されるべきではない旨主張する。しかしながら、所得税法上の収入金額とは、その年において収入すべき金額であり、収入すべき金額とは収入する権利の確定した金額をいうものと解されるところ、不動産所得の総収入金額の収入すべき時期は、契約又は慣習により支払日が定められているものについてはその支払日とするのが相当であり、請求人が作成した建物賃貸借契約書によれば、毎月の賃貸料をその月の15日に受け取ることになっているのであるから、未収賃貸料も収入金額に計上される。(平13. 9.14名裁(所)平13-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120142
- 裁決年月日
- 平成13年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 業種
- 不動産貸付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、未分割の遺産から生ずる不動産賃貸料について、請求人の兄が賃貸料の全部を受領しており、請求人は受領していないこと及び裁判所の決定により賃貸の用に供されている不動産は、すべて請求人の兄が取得することとなったから、本件賃貸料に係る不動産所得の金額は、本件相続開始日にさかのぼって実際に受領している請求人の兄に対し課税すべきである旨主張する。しかしながら、未分割の遺産から生ずる不動産賃貸料については、遺産の分割が調うまでは、その相続人らの共有に属すると解されること及び所得税の納税義務は、その年の暦年の終了の時において成立することを考え併せると、その年の暦年の終了において、遺産の分割が調っていない場合には、その遺産から生ずる不動産賃貸料は、各共同相続人の法定相続分に応じて、各人に帰属し、納税義務を負うのが相当であることから、本件不動産賃貸料が請求人に帰属するとした原処分は相当である。(平13.4.20東裁(所)平12−142)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平080013
- 裁決年月日
- 平成9年1月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件遺産から生じる不動産賃貸に係る収入金額は、現在係争中の遺産分割申立事件の該当物件であり、管財人が管理しているため、請求人はその収入金額を直接受領していないから、不動産所得の金額はない旨主張する。しかしながら、民法第898条、第899条及び第900条の規定により、未分割の相続財産から生じる不動産所得の金額は、法定相続分に応じて各相続人間に帰属することとなるため、たとえ請求人が当該収入金額を受領していないとしても、請求人の各年分の不動産所得の金額は確定しているから、請求人の主張には理由がない。(平 9. 1.28福裁(所)平 8-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080048
- 裁決年月日
- 平成8年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所基通36−5の(2)によれば、訴訟により供託されている賃貸料相当額については、その判決若しくは和解があるまでは収入として計上しないことができるから、本件賃貸料は収入に計上する必要はない旨主張するが、(1)訴訟及び反訴は土地及び建物の所有権の帰属について争われているものであって借主との間の賃貸借契約の存否等について争われているものとは認められないこと、(2)借主との間の賃貸借契約はなお有効に存続していることが認められることから、本件賃貸料は不動産所得の総収入金額に算入されるべきであり、請求人の主張は採用することができない。(平 8.10.29東裁(所)平 8-48)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080035
- 裁決年月日
- 平成8年9月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物の賃貸に際して賃借人から受領した敷金のうち家賃の1か月相当分である本件金額について、賃貸期間満了時又は合意解約時でなければ返還を要しないことが確定しないから、平成4年分の不動産所得の収入金額とはならない旨主張するが、賃貸借契約書の記載によれば、本件金額は、賃貸期間満了又は合意解約のいずれの場合においても、返還を要しない金員であると認められ、賃貸借契約を締結して同金員を受領した時点において収入すべき権利が確定したものと解されることから、本件金額は請求人が、賃借人と契約し、敷金を受領した平成4年分の不動産所得の総収入金額に算入するのが相当である。(平 8. 9.24東裁(所)平 8-35)
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。