裁決要旨 8不動産所得
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令060062
- 裁決年月日
- 令和7年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税等に係る決定処分(原処分)で認容された必要経費のほかに認められるべき必要経費がある旨主張する。しかしながら、原処分庁が総収入金額から経験則上通常考えられる必要経費を控除して算出した所得金額を立証すれば、納税者において特別の必要経費の存在又は原処分庁が控除した金額以上に通常の経費を要したことを証明しない限り、当該所得金額の証明があったものと解するのが相当であるところ、請求人は、原処分により認容された必要経費のほかに認められるべき必要経費について、何ら具体的な主張をしない上、その主張を裏付ける証拠も提出しないから、原処分庁が控除した金額以上の必要経費があると認めることはできない。(令7. 6.19 大裁(所・諸)令6-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060209
- 裁決年月日
- 令和7年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.139
要旨
○ 請求人は、自己の所有する土地に係る借地権(本件借地権)及び本件借地権上の建物(本件建物)を訴訟上の和解により取得しており、当該和解に伴う弁護士費用(本件弁護士費用)、本件建物の賃借人に対する移転補償料(本件移転補償料)、本件建物の取壊し費用(本件取壊し費用)及び本件建物の取壊しによる未償却残高は、いずれも不動産事業に係るものであるから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入される旨主張する。しかしながら、請求人は、当初から本件建物を取り壊して本件借地権を利用する目的で、本件建物及び本件借地権を訴訟上の和解により取得したことが明らかであると認められ、本件弁護士費用、本件移転補償料、本件取壊し費用及び本件建物の取壊しによる未償却残高は、いずれも本件借地権の取得に関連して発生した費用であるから、所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》第1項の資産の取得に要した費用として本件借地権の取得費に算入されるものであり、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(令7. 5.20 東裁(所)令6-209)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令060048
- 裁決年月日
- 令和7年5月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、太陽光発電設備において発電した電力の売却に係る収入金額(本件売電収入)について、継続した方法で漏れることなく申告していること、その裏付けとなる資料を保管等をしていること、原処分庁所属の調査担当職員にも提示していることから、僅かな金額のずれを是正する原処分には誤りがある旨主張する。しかしながら、本件売電収入となる電力会社からの料金の支払は、検針日における検針結果に基づいて算定されて、検針日の翌日以降に当該料金を支払うものであることから、本件売電収入の原因たる権利が確定的に発生する時期は検針日であると認められるため、原処分には誤りはない。(令7. 5.13 名裁(所・諸)令6-48)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令060009
- 裁決年月日
- 令和7年4月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有する各土地(本件各土地)の賃借人から賃貸借期間開始の際に預託された保証金(本件保証金)の月々の均等償還額(本件償還金)は、毎月、賃貸料収入(本件賃料)から差し引かれていることから、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件償還金は、本件保証金の返還たる性質を有しており、本件賃料から差し引かれることによって、請求人が将来にわたって返還しなければならない本件保証金の残額を減少させるものであるから、本件償還金の返還は、本件各土地の賃貸に係る収益を生み出すための費用と評価することはできない。したがって、本件償還金の返還は、所得税法第37条《必要経費》第1項に規定する費用であると認めることはできないから、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。(令7. 4.18 広裁(所)令6-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060022
- 裁決年月日
- 令和7年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が保有する各高級車は、不動産貸付業で使用するために購入したものであり、当該事業においてのみ使用していたなどとして、当該各車両に係る減価償却費等(本件各車両経費)は請求人の不動産所得に係る必要経費に算入される旨主張する。しかしながら、必要経費の存否や具体的支出の必要経費該当性については、請求人において当該支出の必要経費該当性を合理的に推認させるに足りる程度の具体的な反証を行わない限り、当該支出は必要経費に該当しないとの事実上の推認が働くものというべきであるところ、本件においては、本件各車両経費について、不動産貸付業の合理的な関連性や事業遂行上の必要性を裏付ける証拠はなく、請求人は経費の必要経費該当性を合理的に推認させる程度の具体的な反証をしていないから、本件各車両経費は、請求人の不動産所得に係る必要経費に算入されない。(令7. 1.20 関裁(所・諸)令6-22)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令060032
- 裁決年月日
- 令和7年1月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遠隔地に不動産賃貸物件を所有しているところ、①家族を伴って当該賃貸物件に係る業者との打合せ等に行った際に支払った、現地で使用した交通費、宿泊費、管理会社の担当者との飲食費等の金額、②不動産投資を行う上で必要な情報収集や勉強のため、不動産貸付業を行っている者が集う会の勉強会や会合に関する費用等の金額、③新たな賃貸物件の見学のための交通費等の金額及び④請求人の自宅家賃や水道光熱費等の事業用部分の使用割合であん分した金額を請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、①及び④の各金額は、家事関連費に該当するところ、いずれも業務の遂行上直接必要な金額が明らかにされておらず、②及び③の各金額については、いずれも客観的にみて請求人の業務と直接関連を持ち、かつ、業務の遂行上必要とは認められない。したがって、請求人が必要経費に算入すべきであると主張する金額は、いずれも不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(令7. 1.17 大裁(所)令6-32)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令060004
- 裁決年月日
- 令和6年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一括して購入した土地及び建物を基に、複数の物件(本件各物件)を貸付けの用に供しているところ、本件各物件を購入する際の各売買契約書(各契約書)に記載された土地及び建物の価額(各価額)は合理的なものであり、客観的な価値と著しくかけ離れているとはいえないから、本件各物件の各建物に係る所得税法施行令第126条《減価償却資産の取得価額》第1項に規定する「当該資産の購入の代価」は、各契約書に記載された価額に基づいて算定すべきであり、固定資産税評価額比に基づく是正は不合理である旨主張する。しかしながら、各契約書に記載された各価額の配分比率は、一般的に適正な時価を反映している固定資産税評価額の各価額の配分比率と大きく乖離しており、各契約書に記載された建物の価額は客観的な価値と比較して著しく不合理なものである。そのため、建物の購入の代価については、合理的な基準により算定するところ、固定資産税評価額は一定の基準時における適正な時価を反映していることから、売買代金総額を土地及び建物の固定資産税評価額比によりあん分して算定することは一般的に合理的な基準による算定であるから、請求人の主張には理由がない。なお、本件各物件の一部については、物件の個別の事情を考慮した適正な鑑定評価が行われているところ、当該物件の建物の購入の代価には、売買代金総額を当該鑑定評価に基づく土地及び建物の価額比によりあん分して算定するのが相当であると認められるから、原処分の一部を取り消すべきである。(令6.11.14 高裁(所・諸)令6-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050089
- 裁決年月日
- 令和6年4月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産賃貸業をする条件として、不動産会社と入居者募集に関する契約をする必要はないのであるから、当該契約をしていないとの理由で、所有する不動産(本件不動産)に係る費用(本件費用)を不動産所得の金額の計算上必要経費として認めないのは職業選択の自由の侵害であり、違憲である旨主張する。しかしながら、請求人は、本件不動産を賃貸するために具体的な計画をし、準備を行っているとはいえず、このような状況に照らすと、本件不動産は近い将来において確実に貸付けの用に供されるものと考えられるような客観的な状況にあったとは認められないから、本件費用は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。なお、当審判所は、憲法に違反しているかどうかについて判断することはその権限に属さないため、請求人の職業選択の自由の侵害に関する主張については当審判所の審理の限りではない。(令6. 4. 2 東裁(所)令5-89)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050024
- 裁決年月日
- 令和6年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804120
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/12資産の廃棄損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の営む不動産貸付け(本件各貸付け)について、事業該当性の判断の中心的要素である営利性・有償性、継続性・反復性及び自己の危険と計算における企画遂行性のいずれも肯定できることから、本件各貸付けは事業に該当する旨主張する。しかしながら、本件各貸付けは、獣医師としての社会的地位が確立し、獣医師として相当程度の収入を得ていた請求人が、それまで個人事業として行っていた動物病院事業をそのまま法人に引き継がせて従前の顧客を維持するために開始したもので、賃借人は当該法人に限定かつ固定され、本件各貸付けのための設備や費やした労力の程度に照らしても本件各貸付けが事業に該当するといえる程度に至っていたとはいえないことも踏まえれば、たとえ営利性・有償性、継続性・反復性が認められるとしても、本件各貸付けが社会通念上事業であると認めることはできない。したがって、本件各貸付けは、所得税法第51条《資産損失の必要経費算入》第1項に規定する不動産を生ずべき事業に該当しない。 (令6. 2. 8 関裁(所)令5-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050061
- 裁決年月日
- 令和6年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法施行令第126条《減価償却資産の取得価額》第1項第1号イの購入の代価とは、減価償却資産の時価相当額をいうものと解すべきであり、請求人が購入した複数の土地及び建物(本件各物件)の売買契約書に定めた金額は時価とかい離した実態のないものであるから、請求人が算定した時価を基に土地及び建物等の取得価額を算定しても誤りではない旨主張する。しかしながら、同号イの購入の代価とは、売買契約により定められた代金の額が資産の適正な価額と比較して不合理なものであるとする特段の事情がない限り、当該売買契約により定められた代金の額をいうものと解されるところ、本件各物件に係る売買契約において定められた土地及び建物等それぞれの売買代金の額が本件各物件の適正な価額と比較して不合理なものであるとする特段の事情は認められない。また、非減価償却資産と減価償却資産が一括して売買された場合において、それぞれの代金の額が適正な価額と比較して不合理なものであるとする特段の事情があるときには、当該購入の代価は、合理的な基準により算定される価額とするのが相当であるところ、本件各物件に係る売買契約において定められた土地及び建物等それぞれの売買代金の額が本件各物件の適正な価額と比較して不合理なものであるとする特段の事情が認められないことから、本件各物件の購入の代価は、売買契約により定められた代金額をいうものと解される。(令6. 1.23 東裁(所)令5-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050061
- 裁決年月日
- 令和6年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産購入に係る媒介業者への支払報酬(本件支払額)について、事業として賃貸用不動産を購入するために必要となる仲介手数料の全額がその支出した年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されないことは不当であるし、当該業者は仲介業務を超えたコンサルティング業務を行ったことから、本件支払額のうち少なくとも50%は必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該業者が仲介業務を超えた役務の提供をした事実は認められないこと、また、賃貸用不動産の購入に係る仲介手数料の額は、所得税法施行令第126条《減価償却資産の取得価額》第1項第1号イの購入の代価に該当するものとして当該建物の取得価額に加算され、土地に係るものは所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》第1項の資産の取得に要した費用として当該土地の取得費に算入されることから、本件支払額は、減価償却費となる部分を除き、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(令6. 1.23 東裁(所)令5-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050061
- 裁決年月日
- 令和6年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有する賃貸用不動産(本件物件)に係る修繕費等として計上した知人等への送金額(本件送金額)について、修繕工事等は実際に行った旨主張するとともに、請求人が実質的経営者である事業(本件事業)に係る支出である旨、また、仮に本件送金額が請求人の知人が行う本件事業に対する貸付金又は出資金等であるとしても、当該貸付金又は出資金等に対する返済や分配等はないのだから、本件送金額は、事業所得又は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が本件物件に係る修繕工事等を発注した事実及び請求人が本件事業の実質的経営者である事実は認められず、本件送金額は知人に対する貸付金等であると認められ、請求人の不動産所得又は事業所得を生ずべき事業の遂行上生じたものではないことから、本件送金額は、建物附属設備又は構築物の取得価額に算入することができず、請求人の不動産所得又は事業所得の金額の計算上必要経費に算入することもできない。(令6. 1.23 東裁(所)令5-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050061
- 裁決年月日
- 令和6年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産購入に係る媒介業者への支払報酬(本件送金額)は、当該媒介業者が仲介業務を超えたコンサルティング業務を行ったものであることから、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件送金額は、請求人が、法人の代表取締役として締結した不動産の売買に係る媒介契約に基づいて支払った報酬であることから、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(令6. 1.23 東裁(所)令5-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050036
- 裁決年月日
- 令和5年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が貸付けの用に供するために取得した新築マンション(本件マンション)についてその取得時に一括で支払った修繕積立基金(本件修繕積立基金)は、国税庁ホームページにおいて公表されている質疑応答事例「賃貸の用に供するマンションの修繕積立金の取扱い」(本件質疑応答事例)に定められた要件を満たしており、その支払時にその全額を必要経費に算入すべき旨主張するとともに、予備的に、本件修繕積立基金の金額は本件マンションの修繕積立金の約6年分に相当する金額であることから、直近6年分の前払と捉え、経過した月数分を必要経費に算入すべき旨主張する。しかしながら、本件質疑応答事例において一定の事実関係の下で支払われた修繕積立金をその支払期日の属する年分の必要経費に算入しても差し支えないと取り扱われているのは、将来予想される修繕工事に関する費用を長期間にわたり計画的に積み立てていくための支出であることを前提とするものであり、その支出を一括して行う本件修繕積立基金についても同様の取扱いをすべきことを示したものとは解されない。そして、本件修繕積立基金について必要経費に算入すべき金額があるか否かの判定は、所得税基本通達37-2《必要経費に算入すべき費用の債務確定の判定》の定めによるところ、本件修繕積立基金が繰り入れられた修繕積立金を取り崩して修繕工事等が行われたことは認められず、同通達の(2)に定める「債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること」の要件を満たさないから、本件修繕積立基金について、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額はない。(令5.10.27 東裁(所)令5-36)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050007
- 裁決年月日
- 令和5年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人はエアコン撤去費用(本件エアコン撤去費用)は建物(本件建物)の貸付けに係る業務と関連性を有しており、また、本件エアコン撤去費用は、本件建物の賃貸が終了したことにより生じたもので、本件建物の貸付けに係る業務の遂行上必要なものであることから、本件エアコン撤去費用は、不動産所得の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件エアコン撤去費用は、本件建物に係る貸付業務と直接関係することは認められるものの、請求人が、仮にエアコンを撤去しなかったとしても本件建物の譲渡に支障はなかったのであるから、エアコンの撤去が本件建物に係る貸付業務の残務処理的な行為として、社会通念に従って客観的にみて必要なものであるとは認められない。したがって、当該貸付業務の遂行上必要なものであるとは認められないから、不動産所得の計算上必要経費に算入することはできない。(令5. 9.11 大裁(所)令5-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040018
- 裁決年月日
- 令和5年3月16日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した賃貸用建物に係る減価償却費を定率法により計算し、不動産所得の必要経費に算入していたところ、原処分庁が、相続により平成19年4月以降に取得した建物に係る償却方法は定額法によるべきとした上で、その耐用年数は請求人が適用した30年であるとして所得税等の更正処分等をした。しかしながら、当該建物は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令)第1条《一般の減価償却資産の耐用年数》第1項第1号に規定する別表第1の建物のうち「金属造のもの(骨格材の肉厚が4ミリメートルを超えるものに限る。)」の「事務所用のもの」に該当することから、その耐用年数は38年であり、所得税等の更正処分等には誤りがある。(令5. 3.16 名裁(所)令4-18)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令040025
- 裁決年月日
- 令和5年1月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有する土地に係る平成28年4月1日から平成30年3月31日までの期間に係る賃貸料(本件賃貸料)を請求人の平成28年分及び平成29年分(本件各年分)の不動産所得の総収入金額に算入されるべきであるとした更正処分等につき、賃貸借契約(本件賃貸借契約)の契約期間は平成28年3月31日までであり、契約期間を延長した変更契約(本件変更契約)の存在を認識しておらず、また、請求人は本件賃貸料を受領していないから、本件賃貸料は請求人に帰属する賃料収入であるとはいえない旨主張する。しかしながら、本件賃貸借契約による賃貸借期間は、賃借人との交渉等について代行権を付与された法人(本件法人)が、当該代行権に基づき賃借人との間で締結した本件変更契約により平成30年3月31日までに延長されており、本件賃貸料は、請求人と本件法人との間で締結された業務委託契約に基づき、本件法人が受領預かりをしていたものと認められる。また、請求人は、賃貸借期間の延長を内容又は前提とする各種の書面を本件法人から受領していながら、これについて異議を唱えたという事実も認められないから、請求人は契約期間の延長を黙示に承諾していたというべきであり、本件変更契約の存在を否定する請求人の主張には理由がない。(令5. 1.20 大裁(所)令4-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040042
- 裁決年月日
- 令和4年11月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国外において一括取得した賃貸用の土地及び建物(本件各物件)の売買契約書に売買代金総額しか記載がなかった場合、現地における固定資産評価の基準自体の相当性や当該基準の適用の適正性に疑義があることから、本件各物件の建物の購入の対価は、本件各物件に係る土地及び建物の現地の固定資産税評価額の割合で区分する方法により算定すべきではない旨主張する。しかしながら、本件各物件については、建物の減価償却費の額を算出に当たり、合理的な方法によって本件各物件に係る土地及び建物の購入の代価を区分する必要があるところ、現地の固定資産税評価額は、同一の公的機関が同一時期に合理的な評価基準によって請求人が当該土地及び建物の所有権を取得した時点の市場価格を評価したものと推認され、当該推認を妨げる特段の事情に当たる具体的な事情があるとは認められない。したがって、本件各物件の建物の購入の対価を算定するに当たっては、現地の固定資産税評価額の割合により区分して算定すべきである。(令4.11.16 東裁(所)令4-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040040
- 裁決年月日
- 令和4年11月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№129
要旨
○ 請求人は、国外において一括取得した賃貸用の土地及び建物(本件各物件)に係る売買契約書に売買代金総額しか記載がなかった場合、本件各物件における各土地及び各建物の購入の代価は、請求人が取得した不動産鑑定評価書における各鑑定評価額の割合で区分すべきであり、個別的な事情が捨象され、現地の法令等に反する方法で評価された現地の固定資産税評価額の割合で区分すべきではない旨主張する。しかしながら、本件各物件については、建物の減価償却費の額の算出に当たり、合理的な方法によって本件各物件の土地及び建物の購入の代価を区分する必要があるところ、現地の固定資産税評価額は、同一の公的機関が同一時期に合理的な評価基準によって請求人が本件各物件の所有権を取得した時点の市場価値を評価したものであると推認され、かかる推認を妨げる特段の事情に当たると評価すべき事実があるとは認められない。したがって、本件各物件に係る建物の購入の対価を算定するに当たっては、現地の固定資産税評価額の割合によって区分して算定すべきである。また、原処分庁は、本件各物件のうち平成30年に取得した物件の変更後の固定資産税評価額については、請求人が弁護士を通じて自身に有利になるよう査定官に働きかけ、故意に作出させた可能性が排除できないため、変更前の固定資産税評価額を用いるべき旨主張する。しかしながら、現地では、固定資産の所有者がその固定資産税評価額に同意できない場合、その評価額の見直しを求める不服申立制度があり、一度評価された固定資産税評価額が事後に変更され得ることは予定されているため、査定官の職権により事後に変更されたことをもって故意に作出させたなどということができない。したがって、平成30年に取得した物件については、変更後の固定資産税評価額を用いるべきである。(令4.11. 8 東裁(所)令4-40)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040024
- 裁決年月日
- 令和4年9月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№128
要旨
○ 請求人は、土地及び建物を一括で3物件(本件3物件)買い受けて貸付けの用に供したところ、各売買契約書に記載された土地及び建物の各価額(本件各内訳価額)は第三者間での相対の商取引において合意された価額であって合理的な価額といえるから、当該各建物に係る所得税法施行令第126条《減価償却資産の取得価額》第1項に規定する「当該資産の購入の代価」は、本件各内訳価額に基づいて算定すべきである旨主張する。しかしながら、固定資産税評価額は一般的に適切な時価を反映しているといえるところ、本件3物件の各売買代金総額は各固定資産税評価額総額を上回るのに対し、各建物価額はその固定資産税評価額を大きく上回る一方、各土地価額はその固定資産税評価額と同様か又は下回っている。本件においてそのような評価とすべき事情は見当たらず、本件各内訳価額に係る各建物価額は、各売買代金総額から過剰に価額が配分されたものというべきであり、客観的な価値と比較して著しく不合理なものである。そして、売主が土地及び建物を一括して譲渡する場合、建物の購入の代価について、売買代金総額を土地及び建物の各固定資産税評価額の価額比によりそれぞれあん分して算定することは、一般的には合理的な基準による算定であるといえるところ、本件各内訳価額に係る各建物価額についてはいずれも上記の不合理な場合に該当し、また、本件3物件の各固定資産税評価額が適正な時価を反映しているとはいえないような事情もないから、本件3物件に係る各建物の購入の代価は、本件3物件の各売買代金総額を土地及び建物の各固定資産税評価額比によりそれぞれあん分して算定すべきである。なお、本件3物件のうち2物件の各建物に係る取得価額に加算すべき仲介手数料の金額等及び本件3物件の各仲介手数料に係る繰延消費税額等について、いずれも計算誤りがあると認められるため、原処分はその一部を取り消すべきである。(令4. 9. 9 東裁(所)令4-24)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030046
- 裁決年月日
- 令和4年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入できないとして更正された接待交際費、消耗品費、旅費交通費などの各支出(本件各費用等)について、賃貸物件のリフォーム工事等に請求人が積極的に関与していた特殊事情や本件各費用等に係る個別の事情を考慮すれば、請求人の業務との関連性及び業務遂行上の必要性があることが分かるから、必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人において、本件各費用等が、請求人の事業に係る業務と直接関連し、かつ、業務の遂行上必要であったことを認めるに足りる的確な主張立証はない。さらに、本件各費用等には、家事費と認められるものが複数認められるところ、請求人において、これらの支出が家事費でないことをうかがわせる立証はされていないから、これらはいずれも家事費に該当するというべきであり、仮に、本件各費用等のうちに家事関連費に該当する支出があるとしても、請求人が作成した取引の記録である総勘定元帳からは、業務の遂行上直接必要な部分は明らかにされていないし、ほかに業務の遂行上直接必要な部分を明らかに区分できると認めるに足りる証拠もない。したがって、本件各費用等は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができない。(令4. 6. 8 大裁(所)令3-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030108
- 裁決年月日
- 令和4年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建物の賃貸借契約の中途解約に伴い返還を要しなくなった保証金の残高(債務免除益)は、賃借人の一方的な事情により当該賃貸借契約を中途解約されたために生じたもので、損害賠償に伴う債務免除というべきものであり、当該建物の賃料を補償するものではなく、ペナルティ的性格を有する一時的、偶発的なものであるから、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、当該保証金は、賃貸人である請求人が当該建物を建築するため、賃借人から預託されたものであること、その返済債務は、20年の賃貸借期間にわたり、請求人の賃料債権と対当額で相殺することとなっていることから、債務免除益は、当該保証金の返還に充てるべき賃料収入を補償する性質を有する経済的利益というべきであり、所得税法施行令第94条《事業所得の収入金額とされる保険金等》第1項第2号の規定による不動産を生ずべき業務に関し、当該業務の全部又は一部の休止、転換又は廃止その他の事由により当該業務の収益の補償として取得する補償金その他これに類するものであり、その業務の遂行により生ずべき所得に係る収入金額に代わる性質を有するものであるから、不動産所得に該当する。(令4. 4.20 東裁(所)令3-108)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030021
- 裁決年月日
- 令和4年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が持分を有する不動産の管理運営を委託した法人(本件法人)に預けた金員(本件金員)について、本件法人が清算されたことに伴い、回収不能となったことから、請求人の不動産所得の金額の計算上、貸倒損失として必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、①請求人が提出した各契約書等の記載から、請求人は、本件金員を預かり保管する業務を本件法人に委託していたことが明らかであるとは認められないこと、②本件における証拠資料等を精査しても、請求人と本件法人との間において、本件金員を本件法人が預かり保管する旨合意した事実や、その保管が法人の清算結了まで係属していた事実があると認めるに足りる的確な証拠はないことなどからすれば、請求人において、貸倒損失の前提となる本件金員の存在を合理的に推認させるに足りる立証を行ったとはいえないから、貸倒損失に係るその他の要件を検討するまでもなく、不動産所得の金額の計算上、本件金員を貸倒損失として必要経費に算入することはできない。(令4. 3.16 関裁(所)令3-21)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030024
- 裁決年月日
- 令和4年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各建物の耐用年数が27.5年であるとの自らの主張を前提として、所得税基本通達49-54《年の中途で譲渡した減価償却資産の償却費の計算》(本件通達)を適用し、本件各建物の減価償却費を平成30年分の不動産所得の必要経費とすべきである旨主張する。しかしながら、本件各建物の耐用年数は簡便法に基づく4年であると認められるところ、本件通達が、年の中途で資産を譲渡した場合において、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入するか、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に含めるかの選択適用を認めている中、請求人は、いずれの計算方法も選択していなかったのであるから、その場合、原処分庁が、請求人の所得税等の負担を考慮して、本件各建物に係る平成30年分の減価償却費の額につき、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入せず、譲渡所得の取得費として原処分を行ったとしても、違法性は認められない。したがって、本件各建物に係る平成30年分の減価償却費の額を、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に含めず、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきであるとはいえない。(令4. 2. 1 名裁(所)令3-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030024
- 裁決年月日
- 令和4年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自身が出資した事業組合(本件組合)が所有する外国に存する複数の賃貸用建物(本件各建物)の耐用年数について、同国の税法では居住用不動産の耐用年数を27.5年と定めていることから、いずれも見積法により27.5年とすべきである旨主張する。しかしながら、本件組合は、本件各建物を事業の用に供した第1期(平成28年6月1日ないし同年12月31日)の経理処理において、本件各建物の耐用年数を、見積法により算出した27.5年ではなく簡便法により算出した4年を用いていると認められるところ、請求人は、当該経理処理を踏まえた本件組合の決算報告書の内容に基づいて、我が国の平成28年分所得税等の確定申告を行っていたのであるから、平成30年分の所得税等においても、耐用年数の適用等に関する取扱通達1-5-1《中古資産の耐用年数の見積法及び簡便法》に基づき、本件各建物の耐用年数を4年とすべきである。(令4. 2. 1 名裁(所)令3-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030008
- 裁決年月日
- 令和3年10月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№125
要旨
○ 請求人は、賃貸していた不動産の賃借人が送金した金員(本件解約金相当額)は、当該不動産を含む不動産(本件不動産)の売買契約(本件売買契約)に基づく売買代金に含まれており、本件不動産の対価として請求人が譲受人から受領したものであるから譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件売買契約は、その特約条項によれば、本件不動産の所有権のみならず、本件不動産の賃貸借契約(本件賃貸借契約)に基づく賃貸人たる地位や、本件賃貸借契約の解約申入れに基づき賃借人から支払われる本件解約金相当額を受領する地位も移転させる趣旨のものと認められるところ、①本件解約金相当額の性質は、本件賃貸借契約に基づく中途解約金であること、②本件賃貸借契約が合意解約され、本件解約金相当額が支払われることが本件売買契約の締結より前に確定していたこと、③本件売買契約に付された不動産の価格が解約金とは別に形成されていたこと、及び④本件売買契約における売買代金から本件解約金相当額を除いた金額に相当する価格が、本件不動産の転売価格と均衡することが認められた。これらの諸事情からすると、本件売買契約は、本件解約金相当額を含む売買代金総額の全てを本件不動産の譲渡対価とする趣旨のものであったとは解し難い。また、本件売買契約の前に本件賃貸借契約が合意解約され中途解約金が支払われることが確定していた本件では、「賃貸人の地位」の交換価値が、本件不動産そのものの交換価値から独立した「本件解約金相当額を受領する地位」の価値として客観的に把握することができた。これらのことからすれば、請求人と譲受人は、売買された不動産と「賃貸人の地位」について、それぞれ別個の価格を認識し、それら2つの財産を本件売買契約の目的としたとみるのが相当であり、本件解約金相当額は、請求人が「賃貸人の地位」の対価として受領した金額であると認められる。そして、本件解約金相当額が、本件賃貸借契約が合意解約されることを前提として「残賃貸借期間の賃料の補償」として支払われることが確定したものであり、本件賃貸借契約に基づく賃貸人の地位に包含されるものであることからすると、請求人が受領した本件解約金相当額は、不動産の貸付けに起因して発生した所得であるといえ、不動産所得に該当する。(令3.10. 8 名裁(所)令3-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030002
- 裁決年月日
- 令和3年9月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得の総収入金額について、①請求人が賃借人から受領したケーブルテレビ利用料等は必要経費から減算しているため、総収入金額に算入すべきではないこと、②賃料は前月末日までに当月分を支払う契約となっている上、遅くとも当月7日くらいまでには入金されるから、毎月10日までに支払われた賃料を当月分の収入とすべきであること、③請求人と請求人の子が共有している建物に係る賃料については、請求人が申告したとおり居室ごとの賃料で分けるべきであり、建物の持分割合に応じてあん分すべきではないことから、原処分庁の認定額に誤りがある旨主張する。しかしながら、①ケーブルテレビ利用料等は、賃貸借契約において請求人が賃借人から収入すべきことが確定しており、賃借人からの受領分が預り金であるとも認められないため、請求人が収入すべきことが確定した金額を総収入金額に算入すべきであること、②賃料は所得税基本通達36−5《不動産所得の総収入金額の収入すべき時期》の定めにより賃貸借契約に定められた支払日に収入計上すべきであること、③建物の賃貸により生じる賃料は資産から生じる収益であるから、資産の権利者に帰属すると考えるのが相当であり、資産の共有持分に基づくあん分によってそれぞれの収入金額を算出する方法が合理的であるといえることから、これらを前提に、当審判所において不動産所得の総収入金額を算定すると、原処分庁が認定した金額を上回る。(令3. 9. 9 名裁(所・諸)令3-2)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030002
- 裁決年月日
- 令和3年9月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得の必要経費の金額について、①請求人は、賃借人から受領したケーブルテレビ利用料等は必要経費から減算して経理していたから、原処分庁が当該受領分を収入に計上するのであれば、減算されたままの必要経費の金額は誤っていること、②請求人が請求人の子(本件子)に贈与した建物に係る減価償却費は、当該建物に係る借入金を返済している請求人の必要経費とすべきであること、③請求人と本件子は生計を一にする親族に該当しないから、本件子に対して支払った地代は所得税法第56条《事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例》は適用されず、必要経費に算入すべきであることから、原処分庁の認定額は誤りである旨主張する。しかしながら、①ケーブルテレビ利用料等は請求人と業者等との間で一定の支払につき合意されていることから、当該支出はすべて必要経費に算入するのが相当であるが、請求人は、当審判所に対して、帳簿書類等を自ら証拠書類として提出することはなく、当審判所の求めに応じず帳簿書類等を提示しなかったことから、ケーブルテレビ利用料等が過少に計上されていることを確認することができないこと、②所得税法第49条《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》第1項の規定により、請求人が有しない建物に係る減価償却費を必要経費に算入することはできないこと、③請求人と本件子は同一の家屋に起居しており、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる特段の事情は認められないから、生計を一する親族に当たるといえるので、所得税法第56条の規定により、請求人が本件子に支払った地代を必要経費に算入することはできないことから、原処分庁が認定した必要経費の金額に誤りはない。(令3. 9. 9 名裁(所・諸)令3-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020032
- 裁決年月日
- 令和3年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、業務委託契約先に対する貸付金(本件貸付金)について、不動産貸付業の資金繰りの円滑化を図る目的で貸し付けたものであるから、回収不能となった本件貸付金に係る未収利息(本件未収利息)は、不動産貸付業の遂行上生じた債権であり、不動産所得の金額の計算上貸倒損失として必要経費に算入される旨主張する。しかしながら、本件貸付金と本件の業務委託契約の関連性は見当たらないほか、個人で不動産貸付業を営む者が、業務委託契約先に多額の貸付けをすることが、社会通念上、客観的にみて不動産貸付業の収入を得るために直接の関連を有しているとは認められないし、その貸付目的も請求人の祖父の主観的な事情にすぎないから、本件貸付金は請求人の「事業の遂行上生じた」とは認められない。したがって、本件未収利息についても請求人の「事業の遂行上生じた」ものとは認められず、不動産所得の金額の計算上貸倒損失として必要経費に算入することはできない。(令3. 6.28 関裁(所)令2-32)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020062
- 裁決年月日
- 令和3年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、フィリピン共和国に所有する不動産(本件各不動産)に客を有料で宿泊させる業務(本件業務)を行っているところ、本件各不動産を貸付けの用に供しており、その利用者に食事等を提供していないことを理由に、本件業務から生じる所得は不動産所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は、本件各不動産について、①電気器具、家具を利用させ、②客は、電気、水道、消耗品を利用することができ、③本件各不動産の管理法人が客の対応をすることにより、利用料を得ている。そうすると、当該利用料は、その全部が本件各不動産の利用と役務の提供が一体となった給付の対価と認められることから、ほとんど又は専ら本件各不動産を利用に供することにより生ずるものとはいえない。したがって、本件業務から生じる所得は、事業所得又は雑所得のいずれかに該当し、不動産所得には該当しない。そして、請求人は、①自ら業務に係る収入を増やすための営業活動等を行った事実は認められないこと、②安定した給与収入を得て生活費を賄いつつ、その傍らで、利益が生じない本件業務を行っていたこと、及び③本件各不動産の年間の利用日数が30日未満であること等から、営利性及び反復継続性について、事業と認めるに足りる程度のものとは認められず、社会通念に照らして判断すると、本件業務は、「事業」に当たらず、雑所得に該当する。(令3. 3. 2 東裁(所)令2-62)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020005
- 裁決年月日
- 令和2年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人が取得した建物(本件建物)及びその敷地(本件土地)の売買契約書(本件契約書)には、本件建物及び本件土地のそれぞれの価額は記載されていないから、減価償却費の計算における本件建物の取得価額は、固定資産税評価額を基に計算すべきである旨主張する。しかしながら、不動産の売買契約の当事者が売買契約書において合意した売買金額を明示した場合には、それとは異なる金額が実際には合意された金額であったことが主張・立証されたなど特段の事情がない限り、そこに記載された売買金額又は消費税の額を基に計算した額をもって購入の代価とするのが合理的であるところ、請求人は、本件契約書に記載された金額に特段の事情があったことについて具体的に主張・立証していない。したがって、本件建物の取得価額は、本件契約書に記載されている消費税額を基に計算した額というべきである。(令2.9.3仙裁(所)令2-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020007
- 裁決年月日
- 令和2年8月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇 原処分庁は、事業所得について推計課税する一方で、請求人がその全額を事業所得の必要経費に算入していた事業税及び消費税について、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入しないことが相当である旨主張する。しかしながら、請求人の事業税の課税標準となる所得は、その全額が不動産所得に係る金額であると認められるから、当該事業税は、その全額が不動産所得に係る必要経費に算入するのが相当であり、また、消費税の金額のうち、同金額に請求人の課税売上高のうち不動産所得に係る課税売上高の占める割合を乗じた金額は、不動産所得に係る必要経費に算入するのが相当である。(令2.8.19大裁(所・諸)令2-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020007
- 裁決年月日
- 令和2年8月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、「不動産等の賃貸料にかかる不動産所得の収入金額の計上時期について」(昭和48年11月6日付直所2−78)の1《不動産等の貸付けが事業として行なわれている場合》(本件個別通達規定)の適用により、不動産所得に係る総収入金額は確定申告どおりの金額である旨主張する。しかしながら、請求人は、不動産所得に係る収入金額について、賃借人名、月額賃料、その年分中の入居期間、年額賃料等を記載した表を作成するのみで、本件個別通達規定の適用要件である継続的に記帳した帳簿書類は作成しておらず、また、前受収益及び未収収益の経理が行われていることを証する書類として、原処分後の年分の前受金勘定及び未収入金勘定が記録された帳簿書類を提出するものの、同書類は原処分が行われた後に作成された書類であり、請求人は、原処分に係る調査において、これらの帳簿書類を提出していないこと等からしても、請求人が、前受収益及び未収収益の経理を行っていたと認めることはできない。したがって、請求人は、本件個別通達規定を適用して賃料収入等を計上することはできない。(令2.8.19大裁(所・諸)令2-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020007
- 裁決年月日
- 令和2年8月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、必要経費に係る領収書等の証拠資料は、領収書綴りに整然と整理されて保管されており、一部の項目につき領収書が現存しないものがあるとしても、他の項目が全て領収書等で裏付けられていることからすれば、領収書が現存していない支出についても、帳簿書類に計上されているものは必要経費として認められるべきである旨主張する。しかしながら、確かに、毎月定額で発生する清掃費等の費用は、領収書等の保存が一部欠落していたとしても、当該費用の性質や従前の支払状況等から、当該費用の支出及びその金額、役務の具体的内容並びに事業との関連性を推認することができるとして、欠落部分についても必要経費として認める余地がある場合があることは否定しないものの、請求人作成に係る帳簿書類に記載があることをもって、直ちに、当該費用の支出及びその金額、役務の具体的内容並びに事業との関連性について認めることは困難であって、また、請求人の主張する必要経費の存在を合理的に推認させる事実を認めるに足りる的確な証拠もないから、請求人の主張は採用することができない。(令2.8.19大裁(所・諸)令2-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010100
- 裁決年月日
- 令和2年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、請求人が購入した国外に所在する各中古不動産(本件各物件)に係る売買契約書に土地及び建物の合計額しか記載がなかったとしても、売買契約の当事者間で土地比率20%、建物比率80%の物件を購入することで合意したことは明らかであるから、本件各物件の建物及び土地の取得価額は、土地20%、建物80%であん分し算定すべきである旨主張する。しかしながら、本件各物件については、合理的な方法によって本件各物件の土地及び建物の取得価額を区分する必要があるところ、本件においては、本件各物件の所有権が請求人に移転した当時の市場価額を反映したと認められる公的機関の査定原簿や固定資産税通知書に記載された本件各物件の評価額に基づき、本件各物件の土地及び建物の取得価額をあん分することにより、これらを算定するのが合理的な方法であると認められる。(令2.6.4東裁(所)令元-100)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010048
- 裁決年月日
- 令和2年4月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.119
要旨
○請求人は、請求人所有の土地に係る訴訟の判決(本件判決)に基づき支払われた賃料相当損害金(本件損害金)及び遅延損害金(本件遅延金)について、10年以上前に起こった事件に関するもので課税することはできない上、判決に基づく金銭の授受は非課税である旨主張する。しかしながら、収入の原因となる権利が確定する時期はそれぞれの権利の特質を考慮して決定されるべきものであるところ、本件損害金は、当該権利の性質及び内容並びに本件判決に係る訴訟における審理の内容等からすると、本件判決が確定するまでは、その権利の有無を正確に判断することは困難であることから、本件判決の確定をもって収入の原因となる権利が確定したと解するのが相当である。また、本件遅延金は、その元本が弁済されるまで日々発生し、発生と同時に弁済期日が到来するところ、本件遅延金のうち、本件判決確定の日までの遅延損害金については、本件損害金と同様に、本件判決の確定をもって収入の原因となる権利が確定したというべきであるから、同日をもって収入すべき時期とし、本件判決確定の日の翌日以降の遅延損害金については、日々発生すると同時に確定するというべきであるから、当該遅延損害金の発生の日をもって収入すべき時期とするのが相当である。 (令2.4.21大裁(所・諸)令元-48)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010048
- 裁決年月日
- 令和2年4月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200803040
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/4地代等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.119
要旨
〇原処分庁は、請求人が同人が代表取締役である法人(本件法人)と過去に請求人所有の土地(本件土地)に係る賃貸借契約(本件契約)を締結し、本件契約に係る契約書に記載された契約期間(本件契約期間)後、本件法人が、本件土地を別法人に転貸する旨の契約を締結して賃料収入を得ていたことからすると、請求人と本件法人は本件契約を更新していたと推認することができるとして、請求人は本件契約に定める賃料の金額を本件法人から賃料収入として得ていた旨主張する。しかしながら、本件契約期間後の期間における契約書等の客観的証拠はなく、本件契約期間後の期間における契約が、賃料も含めて本件契約の条件と同一内容で更新されたものであったと認めることはできない一方、請求人は本件法人から得た本件土地の賃料収入について、その具体的金額等を当審判所に対し証拠として提出していることからすると、少なくとも同金額の賃料収入があったと認めるのが相当であり、他方で、これを上回る賃料収入があったことを認めるに足る証拠はない。(令2.4.21大裁(所・諸)令元-48)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010038
- 裁決年月日
- 令和2年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803990
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、確定申告後に消費税等の経理方式を是正することを禁ずる法令の規定などが存在しない以上、税込経理方式から税抜経理方式に変更してされた所得税等の修正申告は適法なものであるから、税込経理方式を前提とした消費税等の還付金額等(本件還付金額等)は不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきでない旨主張する。しかしながら、請求人は、平成28年分及び平成29年分において、不動産貸付業で行う取引に係る消費税等の経理処理について、いずれも税込経理方式を適用して総勘定元帳を作成し、それを基に法定申告期限内に所得税等の確定申告をしていたのであるから、それぞれの歴年の終了の時(12月31日)までに税込経理方式を適用して消費税等の経理処理を行っていたことは明らかであり、そのことが不動産所得の算定の基礎となる事実になると認められ、税込経理方式を適用して消費税等の経理処理を行っていたことを不動産所得の算定の基礎となる事実とすると、平成29年分の不動産所得の金額の計算上、本件還付金額等は同項に規定する「その年において収入すべき金額」となると認められるから、本件還付金額等は平成29年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきである。(令2. 2.27 関裁(所)令元-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010054
- 裁決年月日
- 令和元年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、経理処理方式(税抜経理方式又は税込経理方式)によって課税所得金額に差異が生じることを消費税法は許容するものではないから、請求人が貸付けの用に供していた各建物(本件各建物)の譲渡に係る消費税等の額を、税抜経理方式を適用する不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できないとしてされた更正処分は、同法の趣旨に反する通達を適用した違法な処分である旨主張する。しかしながら、税抜経理方式又は税込経理方式はいずれも所得税法上認められており、その選択により課税所得金額に差異が生じることも制度上当然許容されているというべきである。そして、上記通達の定めは相当であるから、本件各建物の譲渡対価に係る消費税等の経理処理も税抜経理方式を適用して仮受消費税等の金額と仮払消費税等の金額を清算すると、当該消費税等の額について不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は生じない。(令元.12.17 東裁(所)令元-54)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010018
- 裁決年月日
- 令和元年9月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№116
要旨
○ 原処分庁は、請求人らが賃貸していた土地(本件土地)は、賃貸借契約により請求人らの事業の用に供されていない資産であるから、本件土地の上に存する本件土地賃借人所有の各建物(本件各建物)を収去するため請求人らが支出した費用(本件各建物収去費)は、所得税法第45条《家事関連費等の必要経費不算入等》第1項の家事上の経費に該当し、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない旨主張する。しかしながら、請求人らは、一連の法的手続を執ることにより賃料を支払わない賃借人から本件土地の明渡しを受け、それと並行して新たな賃借人への貸付けに取り掛かり、また、この間、本件土地を賃貸業務以外の用途に転用したことをうかがわせる事情も認められないことからすれば、本件土地の貸付けに係る業務は、賃貸借契約終了後、本件各建物の収去に至るまで継続していたものと認められる。加えて、請求人らは、本件土地から収益を得る業務を遂行するには、本件各建物を収去する必要があり、その費用について自らが負担することを想定して上記法的手続を遂行し、本件各建物収去費を支出したところ、実際にも、賃借人は無資力であり、当該支出の時点において、請求又は事後的に求償しても、およそ回収が見込めない状況にあったのであり、客観的にみても、本件各建物収去費は、請求人らにおいて、自ら負担するほかなかったものと認められる。そうすると、本件各建物収去費の支出は、客観的にみて、請求人らの不動産所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、業務の遂行上必要なものであったといえるから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる。(令元. 9.20 大裁(所)令元-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010025
- 裁決年月日
- 令和元年9月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804100
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/10支払立退料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建物及び借地権の取得に当たって、建物の賃借人に支払った立退料等並びに建物の解体費用及び未償却残高相当額について、当初から建物を取り壊して借地権を利用する目的で建物を取得したものではないため、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、請求人及び請求人の親族が所有する土地の有効利用のため、土地全体を賃貸用建物の敷地として使用するための具体的な計画の下で建物及び借地権を取得することを目指していたと認められる。これに加えて、請求人は、建物所有者との間で建物及び借地権の取得を進めつつ、建物の賃借人との間の立退き交渉の中で、建物を取り壊すために立退きを求める旨を通知していたことからすれば、請求人が建物の取得の時点において、建物の賃借人を立ち退かせた上、建物を取り壊して当該土地に新たな賃貸用建物を建築するために借地権を利用する目的を有していたと認められる。以上から、建物の取得は、建物を取り壊して借地権を利用する目的でされたものであることが明らかであると認められ、当該立退料等並びに建物の解体費用及び未償却残高相当額は、請求人が借地権を利用するために要したものといえるから、いずれも借地権の取得費に算入され、不動産所得の金額の計算上必要経費には算入されない。(令元. 9.18 東裁(所)令元-25)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令010007
- 裁決年月日
- 令和元年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが賃貸した土地上に存していた借地人所有の建物(本件建物)の取壊費用(本件取壊費用)は不動産所得の必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、本件建物の収去義務は当該借地人にあった上、請求人は当該借地人の資産状況等を確認せずに当該収去義務が履行される保証がない旨判断して本件取壊費用を負担しており、請求人が本件取壊費用を負担せざるを得ない事情があったとは認められないから、本件取壊費用は、不動産所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、当該業務の遂行上必要なものとはいえず、不動産所得の必要経費に算入できない。(令元. 9. 3 関裁(所)令元-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010020
- 裁決年月日
- 令和元年8月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、特定の年分における不動産所得に係る広告宣伝費の金額を基に、その他の年分の広告宣伝費の金額を推計して算定すべきである旨主張する。しかしながら、請求人の不動産所得に係る広告宣伝費の金額は実額により算定でき、請求人が主張する金額は、ある月の広告宣伝費を基に算定した金額に、単に12を乗じて得られた金額にすぎないものであり、当審判所の調査等によっても、原処分における広告宣伝費の金額を超える広告宣伝費の支出があったとは認められず、推計により算定すべきとはいえない。(令元. 8. 6 東裁(所・諸)令元-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010003
- 裁決年月日
- 令和元年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成28年分の所得税等の更正処分における雑所得の金額には、平成27年課税期間の消費税等の更正処分により納付すべきこととなった還付金相当額(本件還付金相当額)が含まれているのであるから、平成28年分の所得税等の更正処分において、雑所得の収入金額から本件還付金相当額を減算すべきである旨主張する。しかしながら、所得税の課税所得金額の計算に当たり、税込経理方式を適用している個人事業者が納付すべき消費税等について、更正又は決定に係る税額については当該更正又は決定のあった日の属する年の事業所得等の金額の計算上、必要経費に算入するべきであるから、本件還付金相当額は、所得税等の更正処分のあった日の属する年である平成30年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきであって、平成28年分の所得税等の更正処分における雑所得の収入金額から減算すべきではない。(令元. 8. 2 名裁(所・諸)令元-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010008
- 裁決年月日
- 令和元年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①請求人の住居(本件住居)に係る経費、②請求人が所有する自動車(本件車両)に係る経費、③旅費交通費及び④接待交際費のそれぞれ一部(本件各経費)は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額に該当する旨主張する。しかしながら、本件各経費のうち上記①及び②については、家事関連費に該当するとしても、請求人が当審判所に提出した資料をもって、本件住居及び本件車両の主たる部分が請求人の業務(本件業務)の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分し、また、取引の記録等に基づいて、本件住居及び本件車両の具体的な使用方法や使用頻度などを裏付け、本件業務の遂行上必要であった部分を明らかにしたとは言い難い上、請求人が必要経費に該当するとする本件住居及び本件車両の使用割合の根拠も明らかでなく、上記③及び④については、請求人が当審判所に提出した書面をもって、請求人において、特別の経費の存在又は原処分庁が控除した金額以上に通常の経費を要したことを証明したとはいえないから、本件各経費は、いずれも請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額に該当しない。(令元. 7. 2 東裁(所)令元-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300084
- 裁決年月日
- 令和元年6月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、伯父から土地(本件土地)の贈与を受け、本件土地を賃貸して不動産所得を得ていたところ、当該贈与に係る贈与税(本件贈与税)は、その支出が不可避であったもので、本件土地から収益を得るための直接に要した費用ということができ、所得税法第37条《必要経費》第1項に規定する個別対応の費用に該当し、仮に必要不可欠な費用といえないとしても、不動産所得を得るために必要な支出であるから、一般対応の費用に該当する旨主張する。しかしながら、贈与税は、贈与に伴う純資産の増加を課税原因とするもので、贈与以外の手段で当該不動産を取得すれば支払う必要はないから、他人の不動産の譲渡を受けて賃貸人たる地位を取得する場合に避けられない費用とはいえない。また、贈与に伴う純資産の増加(贈与所得)と不動産賃貸収入を得ることによる純資産の増加(不動産所得)とは、別個の税目の租税が賦課される所得であるから、法的な観点からみても、それぞれ別個独立に所得金額を計算する必要があり、前者に関する支出が後者の必要経費となると解することは困難である。したがって、本件贈与税は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき金額に該当しない。(令元. 6.19 大裁(所)平30-84)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300077
- 裁決年月日
- 令和元年6月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産賃貸業を営む請求人は、自らが代表取締役を務める同族法人に対して不動産管理業務を委託し、当該法人は管理業務を行っているから、当該法人に対して支払った不動産管理料は、不動産所得の必要経費となる旨主張する。しかしながら、当該法人が不動産管理業務を行ったことを示す証拠は全くない一方で、必要な管理業務は、請求人本人を含む当該法人以外の者が行っており、当該法人は管理業務を行っていなかったと認められる。したがって、当該不動産管理料は、請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。(令元. 6. 6 大裁(所)平30-77)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300098
- 裁決年月日
- 平成31年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804120
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/12資産の廃棄損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事業用の定期借地権設定契約期間の満了間近の土地上に存する賃貸用建物(本件建物)を地主に譲渡(本件譲渡)したことについて、①契約期間満了後に本件建物を当然に使用することはできないこと、②借地の返還に際して本件建物の取壊し(原状回復)が義務付けられており、また、本件建物の買取請求権もないことから、本来の用途に供することはできず、本件建物は建物としての効用を失っていて、建物本来の価値での譲渡はできないこと、及び③実際の本件建物の売買価格は100万円であり、スクラップ価格にも満たない金額であることを理由に、本件建物は所得税基本通達51−4《スクラップ化していた資産の譲渡損失》に定める「その譲渡前にスクラップ化していたもの」に該当するから、所得税法第51条《資産損失の必要経費算入》第1項の規定により、その未償却残高(本件除却損)の金額を不動産所得の必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、①本件建物の残存耐用年数は19年で、本件譲渡の前後で大規模な修繕がないことから、そのまま使用収益することが客観的に十分可能な状態であったこと、②本件建物の売買価格は100万円であるものの、本来負担すべきであった解体費用(400万円程度)の支払を免れたことから請求人には500万円程度の得をしたとの認識があり、請求人及び地主に本件建物が相応の経済的価値を有するとの認識があったと認められること、③本件建物を取得した地主は、本件譲渡前に請求人が賃貸していたのと同額の賃料で第三者へ賃貸できていること及び④売買価格100万円はスクラップ価格ではなく、本件建物のスクラップ(金属屑)としての価格はいくらにもならないことからすると、本件建物が譲渡前にスクラップ化していた、すなわち、その経済的実質において素材としての価値しか有しないものとなっていたとは認められないから、本件除却損の金額を不動産所得の必要経費に算入することはできない。(平31. 2.12 東裁(所)平30-98)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平300004
- 裁決年月日
- 平成31年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 土地(本件土地)と建物(本件建物)をともに取得した請求人は、その取得につき、所得税基本通達38-1《土地等と共に取得した建物等の取壊し費用等》に定める「その取得が当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるとき」に該当しないから、本件建物の取得に要した金額及びその取得後の取壊しに要した費用は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件において、請求人は、本件土地及び本件建物の取得時点において、本件建物を取り壊した上で本件土地を賃貸するという目的を有していたことは明らかであるから、本件建物の取得に要した金額及びその取壊しに要した費用の額は、本件土地の取得費に算入され、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平31. 2. 6 仙裁(所)平30-4)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平300005
- 裁決年月日
- 平成31年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有する土地(本件土地)に係る収用裁決(本件収用裁決)によって、起業者が権利取得の時期から4年にわたり本件土地を使用することに対して一括して全額収受した損失補償(本件損失補償)の金額について、その収受した年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額は、本件損失補償の金額の4分の1の金額のみである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件収用裁決において定められた権利取得の日において、本件損失補償の支払を受けるべき原因となる法律関係が成立し、本件損失補償の金額の全額について、返還の必要に迫られることなくこれを自由に支配管理し得る事実が生じていたと認められるから、遅くとも、同日において本件損失補償に係る所得の実現があったものと認められ、本件損失補償の金額は、その全額をその収受した年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきである。(平31. 1.10 福裁(所)平30-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平300005
- 裁決年月日
- 平成31年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その年中にいまだ貸付けの用に供されていなかった請求人所有の土地(本件土地)に係る固定資産税等について、その年の2年後に貸付けの用に供したことなどを理由に平成27年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、ある年分においていまだ貸付けの用に供されていなかった土地に係る固定資産税等が、その年分における不動産所得を生ずべき業務について生じた費用と認められるためには、その者が主観において当該土地を貸付の用に供する意図を有しているだけでは足りず、当該土地がその形状、種類、性質その他の状況に照らして、近い将来において確実に貸付けの用に供されるものと考えられるような客観的な状態にあることが必要であるところ、請求人は、本件土地に関し平成27年中に賃借人を募集しておらず、本件土地に係る第三者の立ち退き訴訟が継続中であることからすれば、本件土地に係る固定資産税等については、同年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されない。(平31. 1.10 福裁(所)平30-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平300005
- 裁決年月日
- 平成31年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人が所有する土地(本件土地)を使用させることに対して一括して収受した損失補償(本件損失補償)を不動産所得の収入金額に算入する一方、当該収受した年分の本件土地に係る固定資産税に加えて当該固定資産税額の3倍に相当する金額を必要経費に算入したことに対し、その収受した年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき固定資産税の金額は、固定資産税の金額が数年ごとに増加しているので確定した年度の固定資産税の金額とすべきである旨主張する。しかしながら、資産の貸付けの対価として翌年以後の期間の賃貸料を一括して収受した場合の必要経費については、賃貸料を収受した年において生じた費用の金額とその年の翌年以後当該賃貸料に係る貸付期間が終了する日までの各年において通常生ずると見込まれる費用の見積額との合計額を、賃貸料を収受した年分の必要経費に算入することができるところ、本件損失補償に係る本件土地の使用期間中には、本件損失補償を収受した年の翌年以降、合計3回の本件土地に係る固定資産税の納税義務が確定することから、本件損失補償の金額を一括して全額収受した年度に係る固定資産税の金額と当該年度の固定資産税の金額を基に本件損失補償に係る本件土地の使用期間中に確定するとともに、4年間における本件土地に係る固定資産税の額の上昇率に鑑みれば、当該固定資産税の額を基に3年度分の固定資産税相当額を見積もることは一応の合理性があると認められる。(平31. 1.10 福裁(所)平30-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平300005
- 裁決年月日
- 平成31年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有する土地(本件土地)に係る収用裁決によって、起業者が本件土地を使用することに対する損失補償(本件損失補償)に係る金員を収受し不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入しているところ、①給料賃金、②本件土地の維持管理等に係る関係費用(本件維持管理等費用)、③本件土地の原状復元費等積立金(本件積立金)については、いずれも不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人が収受した本件損失補償の金額は、土地収用法の規定に基づく鑑定人による鑑定評価額を基礎として算定されており、土地収用法等の法令で規定する以外の何らかの資料の提供や現況確認等を請求人が求められたとは認められないこと、本件損失補償の対象である土地は建物の場合と異なり損耗等による資産価値の減少等は通常考えられないことなどからすると、①給料賃金及び②本件維持管理等費用については、客観的にみて不動産所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、業務の遂行上必要な支出とは認められず、また、③本件積立金については、それを計上した年分の収益に対応しない上、本件積立金の支出原因の発生の不確実性・金額の予測困難性から、当該年分の必要経費に算入すべきではなく、これらはいずれも不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない。(平31. 1.10 福裁(所)平30-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300016
- 裁決年月日
- 平成31年1月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804070
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/7支払地代
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、生計を一にする妻(本件妻)に対する土地の貸付けは経済的合理性を欠くものではなく、また、請求人と本件妻がそれぞれ独立した立場で異なる事業を営んでいることからすれば、請求人が当該土地の貸主に支払った賃借料(本件賃借料)には、所得税法第56条《事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例》の規定は適用されず、本件賃借料は請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、請求人が本件妻と別に事業を営む場合であっても所得税法第56条の規定の要件を満たす限り、同条の規定の適用があるのであり、本件において、請求人は、生計を一にする本件妻が営む事業の駐車場として使用されている土地の転貸料として本件妻から本件転貸料の支払を受けているのであるから、本件賃貸料は、所得税法第56条の規定により、請求人の不動産所得の金額の計算上ないものとみなさる。(平31. 1.10 名裁(所)平30-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300065
- 裁決年月日
- 平成30年11月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した修繕費等は、実在するAに支払ったものであるから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張し、原処分庁は、当該修繕費等は実在しないAに支払ったとされるものであるから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない旨主張している。しかしながら、請求人がAに支払ったとされるもののうち、請求人が所有する賃貸用物件のポンプ交換に係る修繕費については、請求人がAを介さず水道工事業者Cに直接支払ったものであると認められることから、不動産所得の金額の計算上控除する必要経費に算入することは認められる。なお、請求人が、当該ポンプ交換に係る修繕費を除く、Aに支払ったとされる修繕費等については、①請求人がAに修繕等を依頼した事実、②Aが修繕等を行った事実、③請求人がAに当該修繕等の代金を支払った事実がそれぞれなかったと認められることから、当該修繕費等は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額ではないと認められる。(平30.11.19 東裁(所)平30-65)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300031
- 裁決年月日
- 平成30年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、原処分庁の必要経費の認定に誤りがあり、不動産所得を生ずべき業務の用に供している建物の修繕費や共用部分の電気料金などを必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人らがその根拠として提示する領収書等は原処分調査及び再調査の請求時に提示されておらず、また、当該領収書等の作成名義人が請求人が役員である同族法人であることからすると、当該同族会社が請求人らのために作成した架空の領収書等である可能性が否定できず、直ちに信用することができないことからすると、請求人が主張する各費用の支払の事実は認められない。したがって、請求人らが主張する費用は必要経費に算入することはできない。(平30.11.13 大裁(所・諸)平30-31)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300045
- 裁決年月日
- 平成30年10月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803990
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有し法人に賃貸していた不動産(本件各物件)について、請求人と請求人が代表を務める同族会社(本件同族会社)との間で、これらを請求人が本件同族会社に賃貸することで合意し、また、賃貸借契約の貸主名義を請求人から本件同族会社の名義に変更することについて、借主の法人にその旨を通知し、その承諾を受けていたから、本件各物件は、本件同族会社が当該法人に貸付けていたのであり、請求人は当該貸付けを行っていない旨主張する。しかしながら、本件同族会社が借主である当該法人との間で本件各物件の賃貸借契約等を締結していたとは認められず、また、契約の貸主名義を請求人から本件同族会社に変更していたとも認められないから、本件各物件の貸付け等をしていたのは請求人であると認められる。(平30.10.10 東裁(所・諸)平30-45)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平300001
- 裁決年月日
- 平成30年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、図書研修費、接待交際費、福利厚生費(本件各費用)及び自宅建物に係る減価償却費の一部について、いずれも請求人の不動産貸付けに係る業務(本件業務)の遂行上必要な費用であるから、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件各費用のうち、①特定の各費用は請求人及びその親族の衣食住費等に関する費用であって本件業務との関連性は認められず、また、②その他の各費用については、本件業務と関係性があるとしても、当該費用は家事関連費になるにすぎず、取引の記録等に基づき本件業務の遂行上直接必要な部分を明らかに区分していたとは認められないことからすると、本件各費用は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平30. 9.12 熊裁(所)平30-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300019
- 裁決年月日
- 平成30年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した賃貸用不動産(本件建物)について、被相続人による本件建物の持分の譲渡は不動産賃貸事業の再構築であったとし、本件建物の取得に要した借入金の利子(本件各借入金利子)はその全額が請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、被相続人が本件建物を譲渡した部分については、被相続人の不動産所得を生ずべき業務の用に供する資産に該当しないこととなるところ、この部分に対応する借入金の利子は被相続人の不動産所得を生ずべき業務に元入れされたものとはいえず、また、請求人の不動産所得を生ずべき業務との直接的な関係もないから、本件各借入金利子のうち請求人の不動産所得を生ずべき業務と直接の関係を持つ部分以外の部分については、家事関連費として必要経費に算入することはできない。(平30. 7. 9 東裁(所)平30-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290129
- 裁決年月日
- 平成30年5月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産貸付業を営む請求人は、請求人の子(本件子)が居住する住戸(本件住戸)について、その取得から本件子の居住開始日までは請求人の不動産貸付業の用に供していたのであるから、本件住戸の取得以後、本件子が居住の用に供するまでの間の減価償却費の額は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件住戸について、その取得前に、請求人自らが居住することを予定していたかあるいは本件子との間で本件子が無償で居住することを合意していたことが認められ、その後、本件子が居住を開始したのであるから、本件住戸は、その取得日以後において、請求人の不動産所得の基因となり、又は不動産所得を生ずべき業務の用に供されていたとは認められず、本件住戸に係る減価償却費の額は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平30. 5.23 東裁(所・諸)平29-129)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平290013
- 裁決年月日
- 平成30年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産貸付業を営む請求人は、一部の貸付不動産の固定資産税及び都市計画税(固定資産税等)に係る評価額の計算誤りを原因として、地方税法の規定に基づき受領した還付金について、受領した年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきではなく、既往年分における不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した固定資産税等の額を減算すべきである旨主張する。しかしながら、当該貸付不動産に係る固定資産税等の額は、各年の12月31日までに租税債務として具体的に確定していたところ、その後、地方団体の長が固定資産税等の過納金の還付を通知したことにより、当該固定資産税等の額に誤りがあったことが確定するとともに、還付金の支払請求権も確定したのであるから、請求人が受領した還付金は、当該確定した年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきである。(平30. 2.13 名裁(所)平29-13)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290032
- 裁決年月日
- 平成30年1月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、新たに建設した賃貸用建物の敷地に所在し、当該建設に当たり取り壊した既存の建物(本件建物)について、賃貸するための事業化に向けた取組を推進していた事実があり、また、本件建物の一部を請求人の不動産貸付業に係る帳簿書類等を保管する倉庫代わりに利用していたものであり、本件建物は請求人の不動産所得に係る業務用資産であるから、その取壊し費用は請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入される旨主張する。しかしながら、本件建物は、取り壊されるまでの間貸付けの用に供されておらず、老朽化のため借り手がいない状態が定常化していた上補修工事等もされていないこと、倉庫としての利用部分もわずかなことからすれば、本件建物の取壊し費用は、請求人の不動産貸付けに係る業務と直接関連し、かつ、業務の遂行上必要なものとは認められず、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平30. 1.30 関裁(所)平29-32)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290026
- 裁決年月日
- 平成29年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その不動産所得の金額の計算上、賃貸借契約(本件契約)の合意解除に伴って賃借人から一括交付を受けた金員(本件精算金)は、賃料の前払金として本件契約の解除後の期間に対応する金額が各年分の総収入金額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件精算金は、本件契約を合意解除することに伴う精算金として支払われたものであり、本件契約の解除がなければ請求人が得られたはずの収益を一括して補償した金員であるから、その実質が賃料の前払金であるとする請求人の主張は認め難い。そして、所得税法第36条《収入金額》第1項は、各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、その年において収入すべき金額とする旨規定しており、ここにいう「その年において収入すべき金額」とは、その年において収入すべきことが確定した金額によるべきものと解されるところ、本件精算金については、本件契約の合意解除に係る覚書にその支払日が定められていることから、その支払日の属する年分の不動産所得の総収入金額として算入されるべきである。(平29.10.31 大裁(所)平29-26)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290027
- 裁決年月日
- 平成29年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その不動産所得の金額の計算上、賃貸借契約(本件契約)の合意解除に伴って賃借人から一括交付を受けた金員(本件精算金)は、賃料の前払金として本件契約の解除後の期間に対応する金額が各年分の総収入金額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件精算金は、本件契約を合意解除することに伴う精算金として支払われたものであり、本件契約の解除がなければ請求人が得られたはずの収益を一括して補償した金員であるから、その実質が賃料の前払金であるとする請求人の主張は認め難い。そして、所得税法第36条《収入金額》第1項は、各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、その年において収入すべき金額とする旨規定しており、ここでいう「その年において収入すべき金額」とは、その年において収入すべきことが確定した金額によるべきものと解されるところ、本件精算金については、本件契約の合意解除に係る覚書にその支払日が定められていることから、その支払日の属する年分の不動産所得の総収入金額として算入されるべきである。(平29.10.31 大裁(所)平29-27)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290027
- 裁決年月日
- 平成29年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その不動産所得の金額の計算上必要経費として算入した接待交際費(本件各交際費)については、近隣業者、入居者の紹介者等に対する接待や贈答等のための支出として不動産貸付事業を維持拡大するために必要不可欠なものであり、また、不動産所得に係る経費専用のクレジットカードを利用して支出していることからすれば、本件各交際費が不動産所得を生ずべき業務について生じた費用であることは明らかである旨主張する。しかしながら、所得税法第37条《必要経費》第1項に規定する「販売費、一般管理費及びその他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」とは、客観的にみて、その支出が業務と直接の関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものに限られると解されるところ、請求人は、本件各交際費の個々の支出に係る支出理由、目的、相手方等を明らかにせず、かえって、経費専用とされるクレジットカードは、医薬品・健康食品・化粧品、海外旅行先の商品及びケーブルテレビ料金といった請求人が個人的に購入したと思われる商品やサービス等の支払に多数回利用されていたことが認められ、本件各交際費が請求人の不動産貸付に係る事業に関連する支出であること自体疑わしい。これらのことからすると、本件各交際費は、客観的にみて、請求人の不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要なものとして支出されたとは認められないから、これを請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平29.10.31 大裁(所)平29-27)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平290011
- 裁決年月日
- 平成29年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その所有する土地(本件各土地)の管理委託料として同族法人(本件法人)に支払った金員(本件金員)は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入される旨主張する。しかしながら、本件各土地の賃借人である法人は、本件各土地を店舗及び駐車場用地として使用し、近隣住民からの苦情等の対応も行っていたことからすれば、本件法人による保守点検作業の必要性は乏しく、また、本件法人は設備・備品等を専有せず、請求人からの委託業務(本件委託業務)の実施状況に係る記録も本件委託業務に係る費用の計上もしていないことなどからすれば、本件委託業務には実体がなく、本件法人が本件委託業務を行っていたとは認められない。そうすると、本件金員は、請求人の営む不動産貸付業務と直接関係を持ち、かつ、当該業務の遂行上必要なものと認めることはできないから、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されない。(平29.10. 4 関裁(所)平29-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290028
- 裁決年月日
- 平成29年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、裁判上の和解(本件和解)に伴い元夫に対して支払った和解金及び請求人が引き受けることとなった債務(本件和解金等)について、不動産賃貸業等を継続するために支払ったものであるとして、請求人の不動産所得の計算上、所得税法第49条《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》及び所得税法施行令第126条《減価償却資産の取得価額》の規定により「取得価額」となるべきものと解され、所得税法第45条《家事関連費等の必要経費不算入》第1項第1号に規定する家事費には該当しない旨主張する。しかしながら、本件和解の内容は、実質的に請求人と元夫の離婚に伴う財産分与を内容とするものであり、本件和解金等は、いずれも離婚に伴う財産分与という個人的な事情に基づくものであることから、所得税法第45条第1項第1号に規定する家事費に該当する。(平29. 9. 1 東裁(所・諸)平29-28)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平280019
- 裁決年月日
- 平成29年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取得した中古建物(本件建物)の耐用年数について、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令)第3条《中古資産の耐用年数等》第1項第1号の規定(見積法)を適用し、本件建物の使用可能期間の年数を2年と見積もった旨主張する。しかしながら、本件建物の使用可能期間の年数を見積もるための必要な資料がなく、本件建物の取得時までの損耗の度合いなどについて、具体的な資料又は技術者等の調査により見積もられた事実もないことからすれば、本件建物は、耐用年数省令第3条第1項第2号に規定する「前号の年数を見積もることが困難なもの」に該当し、本件建物の耐用年数は、見積法により算出するのではなく、同号の規定により算定することとなる。(平29. 5.17 広裁(所)平28-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280096
- 裁決年月日
- 平成29年3月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の子が代表取締役を務める会社(本件会社)に対し、有効な不動産賃貸借契約に基づき不動産(本件物件)を継続的に賃貸していたのであるから、請求人の不動産所得の金額の計算上、請求人が本件会社から賃料名目で受領していた金員(本件金員)は総収入金額に算入され、本件物件に係る固定資産税及び都市計画税並びに減価償却費(本件固定資産税等)は必要経費に算入されると主張する。しかしながら、不動産等の貸付けによる所得とは、当事者の一方が相手方に不動産等を使用収益させて、その対価を得ることを目的とする行為から生ずる所得をいうものと解されるから、不動産等の賃貸借から生ずる賃料はこれに該当するが、対価を伴わない使用貸借については、借主から貸主に対して金員の交付等があっても、それは不動産等の貸付けによる所得には該当しないと解すべきところ、本件金員の額は、本件物件に係る固定資産税及び都市計画税の額にも満たず、第三者から得られる賃貸料を大幅に下回るものでもあることなどからすれば、請求人による本件物件の貸付けは、請求人と特別な関係にあり、債務超過であった本件会社への支援という位置付けでされたものであって、本件金員は、本件物件の使用収益の対価というよりは、請求人による本件物件の使用許諾に対して、本件物件に関する経費の一部を負担するものであったというものであり、本件会社による本件物件の使用は、賃貸借契約に基づくものとはいえず、対価を得ることを目的としていない使用貸借契約に基づくものであったというのが相当である。したがって、本件金員は、不動産の貸付けによる所得ということはできず、不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入されるべきものではなく、また、使用貸借契約に基づき貸し付けている不動産に係る費用は、不動産所得を生ずべき業務について生じたものではないから、本件固定資産税等は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきものではない。(平29. 3. 3 東裁(所)平28-96)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平280001
- 裁決年月日
- 平成28年11月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 弟妹による遺留分減殺請求の結果として弟妹が取得することとなった賃貸不動産の所有権は、相続開始日から協議日までの期間は遺留分相当割合に従って弟妹に帰属するのであるから、請求人が弟妹から当該賃貸不動産の賃貸利益相当額の不当利得返還請求を受けたことにより返還した金員は、所得税法第51条《資産損失の必要経費算入》第2項及び所得税法施行令第141条《必要経費に算入される損失の生ずる事由》第3号に規定する損失に該当し、請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入できると請求人は主張する。しかしながら、所得税法施行令第141条第3号に規定する「経済的成果」とは、所得税の課税対象とされ、一旦納税義務が発生した所得を意味する。そして、遺留分減殺請求を受けた受遺者が返還すべき果実は遺留分減殺請求があった日以後のものと解されるから、同日前の期間における賃料債権の帰属に影響を与えることはないし、同日以後の期間における賃料債権についても、各人の遺留分を考慮してその帰属を判断すれば足りることからすれば、請求人に帰属する賃料債権の額が相続人の合意(協議)ないし遺留分減殺請求によって遡って異動するものではない。したがって、請求人に、所得税法施行令第141条第3号に規定する無効な行為による経済的成果が生じていたとは認められず、上記金員の支払は当該経済的成果が失われたことに該当しない。(平28.11.22 仙裁(所)平28-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280051
- 裁決年月日
- 平成28年11月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№105
要旨
○ 請求人は、修繕費等及び旅費・交通費等の各支出は、それぞれ不動産所得の金額及び雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、不動産所得について、主張を裏付ける証拠書類等の提示及び説明を原処分調査時及び異議調査時にもしておらず、また、当審判所の再三の求めにも応じず、主張を裏付ける証拠資料等をほとんど提出しなかった。このような状況の下、当審判所としては、修繕費等及び旅費・交通費等について各支出の事実の有無、当該各支出が請求人の不動産所得を生ずべき業務と直接の関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものであるか否か、その他必要経費に算入すべき支出の有無について主に原処分関係資料に基づいてその適否を判断するほかないところ、これらの資料等を調査した結果、請求人の主張する各支出は、原処分額算定において誤りがあった一部を除き、必要経費に算入できない。また、雑所得の必要経費についても原処分庁認定額を不相当とする理由はない。(平28.11. 1 東裁(所)平28-51)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280052
- 裁決年月日
- 平成28年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 地位承継人である請求人ら(請求人ら)は、原処分において必要経費として認められなかった各支出は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、被承継人及び請求人らは、主張を裏付ける証拠書類等の提示及び説明を原処分調査時及び異議調査時にもしておらず、また、当審判所の再三の求めにも応じず、主張を裏付ける証拠書類等を提出しなかった。このような状況の下、当審判所としては、当該各支出の事実の有無、当該各支出が被承継人の不動産所得を生ずべき業務と直接の関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものであるか否かについて原処分関係資料に基づいてその適否を判断するほかないところ、これらの資料を調査した結果、原処分庁の判断を不相当とすべき理由は認められないから当該各支出は必要経費に算入することはできない。(平28.11. 1 東裁(所)平28-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280010
- 裁決年月日
- 平成28年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分における不動産所得の金額の算定について、必要経費の漏れが多く、多額な課税となっており、毎年計上されるべき火災保険料等は必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、火災保険料等の具体的内容ないし金額を明らかにしない上、当該支出に係る資料を提出せず、当審判所の調査の結果によるも、請求人が当該支出をしたことを認めるに足りる証拠を確認することができないから、請求人の主張は採用することができない。(平28. 9.21 大裁(所・諸)平28-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270059
- 裁決年月日
- 平成28年5月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の母が代表者を務める同族会社(本件同族会社)との間で賃貸不動産(本件各物件)の管理業務の委託契約(本件委託契約)を締結しており、当該管理業務に対して支払った金員(本件各金員)は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入される旨主張する。しかしながら、①本件同族会社に委託した管理業務は多岐にわたるにもかかわらず、同社の役員は高齢の母のみであり、従業員はいなかったこと、②母は本件各物件の巡回や、電話によるクレーム対応はできない状態であったこと、③本件同族会社は、母に対する役員報酬以外に人件費や外注費を支払っていなかったこと、④一部の物件について、請求人は、本件同族会社とは別の管理会社に業務を網羅的に委託していたことが認められ、少なくとも当該一部の物件については、本件同族会社に管理業務を委託する必要性は極めて乏しいこと、加えて、本件同族会社は、そもそも本件委託契約に基づく業務を履行する能力に疑義があるといわざるを得ないのに、管理業務を外部に再委託するなどしていなかったことからすると、本件同族会社が管理業務を行っていたと認めることはできない。そうすると、本件各金員は、本件各物件の管理業務に対する対価として支払われたものとはいえず、所得税法第37条《必要経費》第1項に規定する所得を生ずべき業務について生じた費用に該当しないため、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されない。(平28. 5.24 関裁(所)平27-59)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平270011
- 裁決年月日
- 平成28年3月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、妻がその所有する不動産(本件不動産)を取得するために借り入れた借入金に係る返済金(本件返済金)につき、本件不動産の賃料だけでは賄いきれないため、請求人が本件返済金の不足分を請求人の給与収入から支払っていることを理由に、本件返済金に係る支払利息の金額(本件利息)は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件利息は、妻が本件不動産を取得するための借入金に係る支払利息であり、請求人の不動産所得と対応ないし関連しない費用であるから、請求人の不動産所得の総収入金額を得るため直接に要した費用又は不動産所得を生ずべき業務について生じた費用とは認められない。したがって、本件利息は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平28. 3.22 福裁(所)平27-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270110
- 裁決年月日
- 平成28年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の不動産の貸付けが事業に該当し、かつ、平成26年3月に未収家賃等の貸倒れによる損失が生じたことを前提に、当該貸倒れによる損失の金額は、所得税法第51条《資産損失の必要経費算入》第2項の規定に基づき、平成23年分及び平成24年分(本件各年分)の不動産所得の金額の計算上それぞれ必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、同項は、貸倒れによる損失の金額を、その損失が生じた日の属する年分の必要経費に算入する規定であるから、請求人の主張する貸倒れによる損失の金額を本件各年分の必要経費に算入することはできない。(平28. 3.11 東裁(所)平27-110)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270103
- 裁決年月日
- 平成28年3月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、借地権設定契約において、土地の上に存する建物を解体した上で当該土地を賃借人に引き渡すこととされており、当該解体工事を行わなければ当該土地を相手方に引き渡して不動産収入を得ることはできないのであるから、当該解体工事に係る費用は、不動産所得の総収入金額を得るため直接に要した費用(所得税法第37条《必要経費》第1項)に該当し、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該建物は使用貸借されており、賃貸の用に供されていない。そうすると、その取壊し(解体)は不動産所得を生ずべき業務の用に供されていない資産を任意に処分する行為にすぎないことになるから、当該解体工事に係る費用は、その後の敷地の利用目的にかかわらず、非業務用資産の処分に要する費用すなわち家事上の経費であって、これを不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平28. 3. 3 東裁(所)平27-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270103
- 裁決年月日
- 平成28年3月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、借地権設定契約において、土地の造成等をした上で当該土地を賃借人に引き渡すこととされており、当該造成等工事を行わなければ当該土地を相手方に引き渡して不動産収入を得ることはできないのであるから、当該造成等工事に係る費用は、不動産所得の総収入金額を得るため直接に要した費用(所得税法第37条《必要経費》第1項)に該当し、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該造成等工事は、掘削等により土地の形質を変更し改良する工事であることから、当該工事に係る費用は、改良費(資本的支出)として土地の取得費に算入すべきであり、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平28. 3. 3 東裁(所)平27-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270103
- 裁決年月日
- 平成28年3月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 原処分庁は、請求人が土地の貸付けに当たり当該土地の造成工事と併せて行ったコンクリートブロックの土留めの一部の積直しに係る費用について、土地の造成又は改良のために要した費用又はこれに付随して生じた費用であると認められるから、土地の取得費に算入すべき費用(所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》第1項)であり、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない旨主張する。しかしながら、当該土留めに係る工事は、新たな土留めの設置や耐久性の高い資材に変更するなど土地の価額を増加させたものではないから、当該工事に係る費用は、土地の取得費に算入すべき費用には該当せず、不動産所得を生ずべき業務について生じた通常の管理又は修理に係る費用として、必要経費に算入すべきである。(平28. 3. 3 東裁(所)平27-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270103
- 裁決年月日
- 平成28年3月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 原処分庁は、請求人が土地の貸付けに当たり当該土地の造成工事と併せて行った隣地との境界整備及び土壌汚染調査に係る費用について、土地の造成又は改良のために要した費用又はこれに付随して生じた費用であると認められるから、土地の取得費に算入すべき費用(所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》第1項)であり、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない旨主張する。しかしながら、これらの整備等は、いずれも土地を改良したりその価額を増加させるものではなく、当該土地を賃貸するために行ったものであると認められ、これらの費用は、当該業務と直接関係し、当該業務の遂行上必要なものと認められるから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである。(平28. 3. 3 東裁(所)平27-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270103
- 裁決年月日
- 平成28年3月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、借地権設定契約において、請求人所有の土地に接する県道の歩道部分の切下げ工事等をした上で当該土地を賃借人に引き渡すこととされており、当該切下げ工事等を行わなければ当該土地を相手方に引き渡して不動産収入を得ることはできないのであるから、当該切下げ工事等に係る費用は、不動産所得の総収入金額を得るため直接に要した費用(所得税法第37条《必要経費》第1項)に該当し、必要経費に算入すべきである旨主張し、原処分庁は、当該費用は、土地の造成又は改良のために要した費用又はこれに付随して生じた費用であると認められるから、土地の取得費に算入すべき費用(所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》第1項)に該当し、必要経費に算入することはできない旨主張する。しかしながら、当該切下げ工事等は、請求人が所有する土地に係る工事ではなく県道の歩道部分に係る工事であるから、請求人の土地の取得費に算入すべき費用には該当しない。また、請求人は、当該工事を行うことにより上記借地権設定契約に基づく賃料を取得するという便益を受け、その効果が支出の日以後1年以上に及ぶから、当該工事に係る費用は、所得税法施行令第7条《繰延資産の範囲》第1項第3号イに規定する自己が便益を受ける公共的施設の設置又は改良のために支出する費用として繰延資産に該当し、その償却費を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである。(平28. 3. 3 東裁(所)平27-103)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平270005
- 裁決年月日
- 平成28年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が営む不動産賃貸業(本件不動産賃貸業)につき、請求人が代表取締役を務める不動産管理会社(本件会社)と賃貸借管理委託契約(本件契約)を締結し、本件会社が本件契約の条項(本件条項)に定める業務を行っていたことなどから、請求人が本件会社に不動産管理料として支払った金員(本件各金員)は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、本件会社は、本件条項に定める業務について何ら実施したことがなかったことからすれば、本件各金員は、客観的にみて本件不動産賃貸業と直接関係し、かつ、当該業務の遂行上必要なものと認めることはできない。したがって、本件各金員を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平28. 1.21 高裁(所)平27-5)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平270005
- 裁決年月日
- 平成28年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の配偶者(本件配偶者)が他の職業に従事することなく請求人の営む不動産賃貸業(本件不動産賃貸業)に係る各種業務に従事していたことから、本件配偶者は、本件不動産賃貸業に専ら従事していたと認められ、青色事業専従者に該当する旨主張する。しかしながら、本件不動産賃貸業に係る主要な管理業務は請求人から委託を受けた不動産管理会社が実施していた上、本件配偶者が実際に従事していた内容は、現金預金の管理、経費の支払、領収書の整理、現金出納帳の記帳等であり、いずれも簡易な事務又は判断にすぎず、1回当たりに要した時間も短時間であり、これらを併せたとしても月に数回しかも数時間のみ従事していたものと認められることからすると、本件配偶者は、本件不動産賃貸業に臨時的、一時的に従事していたにすぎず、本件配偶者が従事した全ての業務を併せたとしても、本件配偶者は本件不動産賃貸業に専ら従事したとはいえないから、青色事業専従者に該当しない。(平28. 1.21 高裁(所)平27-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270010
- 裁決年月日
- 平成27年11月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№101
要旨
○ 請求人は、原処分庁が認定した減価償却費の計算における建物と建物附属設備に区分する方法及び各取得価額の算定方法については、①請求人が依頼した不動産鑑定士による評価額によるべきである、②固定資産評価基準の部分別再建築費評点数における建物等の区分のうち「仮設工事」及び「その他の工事」は建物附属設備に区分されるべきである、③建物と建物附属設備を区分せずに行った前所有者の違法な納税申告に基づくものであること及び④建物附属設備を建物に含めたまま一体として算定することは違法である旨主張する。しかしながら、①請求人が依頼した不動産鑑定士による評価額によることが合理的であるというべき根拠は何ら見出せないこと、②「仮設工事」とは、建物の建築に当たり必要な準備工事を、「その他の工事」とは、建物の建築に当たり必要な木工事や金属工事等を指すものであり、いずれも建物の建築工事原価に含まれるものであるから、取得価額の算定に当たっては建物付属設備ではなく建物というべきであること、③前所有者は、建物と建物附属設備に区分して納税申告をしていたことが認められるから、請求人の主張の前提に誤りがあること、④請求人が物件を取得した時までの間に同物件の建物附属設備に係る耐用年数は既に経過し、その減価償却費を必要経費に算入することはできないことを踏まえると、建物と建物附属設備とを区分せず、建物に含めたまま一体として減価償却費を算定しても、原処分庁の認定以上に請求人が有利な取扱いを受けることができる状況は考えられないことからすると、原処分庁による算定方法はいずれも適切である。(平27.11. 4 名裁(所)平27-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270010
- 裁決年月日
- 平成27年11月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803030
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/3保証金、敷金等に係る認定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№101
要旨
○ 原処分庁は、請求人が賃貸物件の賃借人から受け取った敷金(本件敷金)を返還した事実は認められないこと等から、本件敷金相当額は請求人の不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべきものである旨主張する。しかしながら、本件敷金について、賃借人は、賃貸物件の賃料を滞納して請求人からその明渡し等を求められ、①賃貸借契約を合意解除すること、②所定の期限までに物件を明け渡すこと、③明渡し後の残置動産の処分には異議を申し立てないこと等を主な内容とし、他に何らの債権債務がないことを相互に確認する旨のいわゆる清算条項が付された和解に応じ、これにより請求人の賃借人に対する敷金返還債務は存在しないことが確認されているところ、当該和解の内容を考慮すると、本件敷金は、実質的には全て賃借人が負担すべき賃料、賃料相当損害金その他賃借人が負担すべき費用に充てられたものと認めることができ、本件敷金について、請求人に経済的利益はないから、総収入金額に算入すべきとはいえない。(平27.11. 4 名裁(所)平27-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270010
- 裁決年月日
- 平成27年11月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№101
要旨
○ 請求人は、①不動産管理業務を委託した法人(本件会社)が、請求人から本件会社に支払われた委託料のうちの一部である修繕費及び貸室リフォーム代金(本件修繕費等)の受領の対価として、実際に請求人所有の不動産賃貸に係る各物件(本件各物件)の修繕及びリフォーム工事(本件修繕等)を行っており、②本件会社に対し修繕積立金として支払った各金員(本件修繕積立金)については、本件修繕積立金を支払った時点で本件会社が本件各物件の修繕を行うべき債務を負いそれが確定すること等を理由に本件修繕費等及び本件修繕積立金は、請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、①請求人が提出した、本件修繕等の裏付けとする証拠によっては、本件会社による本件各物件の修繕の有無及びその額を認定することはできないから、請求人が本件修繕費等を本件会社に支払うことの必要性を認めることはできず、②本件修繕積立金は、本件会社との契約において、請求人からの預り金として本件会社の会計処理とは切り離して積み立てられるものとし、その取崩しについては請求人の了解が必要であること等が認められることからすれば、請求人が本件会社に本件修繕積立金を支払った時点では、請求人の資産としての性質を有するというべきであるから、具体的な給付をすべき原因が発生しておらず、債務が確定したとはいえない。したがって、本件修繕費等及び本件修繕積立金は、請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されない。(平27.11. 4 名裁(所)平27-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270010
- 裁決年月日
- 平成27年11月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№101
要旨
○ 請求人は、請求人が不動産管理業務を委託した法人と締結している不動産運用コンサルティング業務委託契約(本件コンサルティング委託契約)及び不動産会計税務事務委託契約(本件会計税務委託契約)に係る業務(本件各業務)は、一切家事上の内容が含まれていないことを確認しているから、本件コンサルティング委託契約及び本件会計税務委託契約に基づいて支払った委託料(本件各委託費)は、請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入される旨主張する。しかしながら、本件各委託費の中には、所得税法第45条《家事関連費等の必要経費不算入等》第1項第2号の規定により必要経費に算入されない費用が含まれているところ、これらの費用は家事上の経費に関連する経費に当たる。また、本件コンサルティング委託契約及び本件会計税務委託契約の業務ごとの内訳はなく一括で定められていることから、所得税法施行令第96条《家事関連費》第1項後段の要件を充足しないし、同条第2項に該当すると認めるに足りる証拠もない。したがって、本件各委託費は、請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されない。(平27.11. 4 名裁(所)平27-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270010
- 裁決年月日
- 平成27年11月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№101
要旨
○ 請求人は、土地と建物及び建物附属設備(建物等)を一括取得した場合における各賃貸物件の建物等の取得価額の算定に当たっては、原処分庁が認定した①売買契約書に記載された建物等の価額、②売買契約書に記載された消費税及び地方消費税(消費税等)の額を用いて算出した建物等の価額及び③固定資産税評価額に基づく土地及び建物の価額比で取得価額をあん分して算出した建物等の価額に対して、請求人が依頼した不動産鑑定士による評価額の方が合理的である旨主張する。しかしながら、売買契約書において、土地及び建物等の売買代金並びに建物等に係る消費税等の額に相当する金額が区分されており、これらの代金等の記載があえて実態と異なる虚偽の内容を表示したものであること等をうかがわせる事情は認められず、また、固定資産税評価額は固定資産評価基準によってされた不動産の評価に基づき一定の基準時におけるその適正な時価(客観的な交換価値)として決定された価額を登録するものであることに照らし、一般的に土地及び建物等につき共に当該基準時の前後における適正な時価を反映しているものと解されるから、原処分庁が認定した方法はいずれも合理的である。(平27.11. 4 名裁(所)平27-10)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270007ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成27年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、不動産賃貸業を営む請求人が債権回収業者との間で締結した「債務承認及び弁済契約」により生じた債務免除益(本件債務免除益)の所得区分について、不動産を使用又は収益させる対価としての性質を有しておらず、不動産の賃料収入に代わる性質を有するものでもないから不動産所得には該当しない旨、本件債務免除益の元となった借入金は賃貸用不動産の取得に充てられ、当該不動産は継続して賃貸の用に供されていることから、雑所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件債務免除益の元となった借入金の使途が賃貸住宅ローンであったことからすると、当該借入金に係る金銭消費貸借契約(本件原契約)は、請求人の不動産賃貸業による利益の獲得を目的に、貸付けの用に供する不動産の取得資金を賄うために不動産賃貸業の一環として締結されたものであると認められ、本件債務免除益は、本件原契約の債務を弁済したことによって生じた経済的な利益であり、本件債務免除益を生み出す元となる本件原契約における債務と不動産の貸付業務との関連性は強いものと認められる。したがって、本件債務免除益は、不動産所得を生ずべき業務の遂行に伴い付随して生じた収入であるといえ、不動産所得に該当する。(平27.10.27 熊裁(所)平27-7)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平270007ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成27年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債権回収業者との間で締結した「債務承認及び弁済契約」(本件弁済契約)を、当該債権回収業者とは別の法人(第2会社)への債権譲渡方式で行われると思い込んで締結したものであって、そのことは、本件弁済契約締結後に、第2会社が、債権回収業者の請求人に対する債権について第2会社の債権として経理し、それに対する利息を請求人が第2会社に対して支払っていることからすれば、請求人に錯誤があったことは明白であり、実質的に債務免除益は生じていない旨主張する。しかしながら、請求人は、①「債務承認及び弁済契約書」と明記された一見して債権譲渡契約書ではないと分かる本件弁済契約書に自ら署名・押印し、当該契約書の約定どおりに弁済金を債権回収業者の指定口座に振り込んでいること、②債権回収業者に対して再三債権カットを申し出ていたこと、③本件弁済契約書について債務を免除する記載がある旨の説明を受けていたこと、④本件弁済契約締結の直前に「債務承認及び弁済契約書」が債権回収業者からファックス送信されたこと及び⑤弁済金支払の後、債権回収業者から抵当権抹消書類及び借用証の返還を受けていたことからすると、本件弁済契約が債権譲渡方式で行われると思い込んでいた旨の請求人の主張は、にわかに採用できるものではないが、請求人に錯誤があったとしても、請求人の内心的意思からすると契約当事者になりえない契約につき、事業者として契約書の重要性は十分承知しているにもかかわらず「債務承認及び弁済契約書」と明記された契約書の内容を十分に確認することなく自ら署名・押印し、借用書等の返還まで受けた請求人には重大な過失があったといえる。したがって、請求人主張の第2会社に対する債務の存在を前提としても、請求人は錯誤による無効を主張することはできない。(平27.10.27 熊裁(所)平27-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270048
- 裁決年月日
- 平成27年10月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、公社に対して、一括借上契約に基づいて本件マンションを一括貸付けしていたものであり、請求人が当該契約の終了に伴って公社から受領した金員(本件金員)は、公社が本件マンションの住環境維持費として入居者から受け取った共益費の余剰金であり、入居者からの預り金を公社から引き継いだものであるから、請求人の不動産所得の総収入金額には算入すべきでない旨主張する。しかしながら、本件金員は、一括借上契約の存続期間中に繰り越されてきた公社に帰属する共益費の余剰金相当額が請求人に支払われたものであり、入居者に対して返還を要するものとは認められないから、請求人に帰属する所得であると認められる。また、本件金員は、一括借上契約の終了に伴って、公社と入居者との間の転貸借契約に基づく賃貸人の地位が公社から請求人に承継され、本件マンションの共用部分等に係る将来の維持運営費に充てるものとして公社から請求人に支払われていることからすると、請求人の不動産所得を生ずべき業務の遂行に伴って付随して生じた収入であり、その性質上、不動産所得以外の所得に分類されるものではないから、請求人の不動産所得に係る総収入金額に算入すべきものである。(平27.10. 8 東裁(所)平27-48)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270016
- 裁決年月日
- 平成27年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父親から贈与を受けた家屋及びその敷地(本件家屋等)に係る贈与税(本件贈与税)は本件家屋等に係る不動産所得を得るために必要な支出であるから、本件贈与税を本件家屋等の賃貸に係る不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、贈与税は、贈与による財産の無償取得という事象に担税力を見いだし、贈与により財産を取得した個人に対して、贈与財産の価額を課税標準として課された租税である。そうすると、本件贈与税は、これを請求人が本件家屋等を取得したこと自体に対して課せられた租税負担と見るのは適切ではなく、請求人が本件贈与を受けたことに着目して課せられた租税負担と見るべきであるから、本件家屋等の取得に要した費用ということはできず、本件家屋等の賃貸と直接の関連を有するものであるとも、その遂行上必要なものであるということはできない。したがって、本件贈与税を、請求人の本件家屋等の賃貸に係る不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平27. 9.11 大裁(所)平27-16)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平270005
- 裁決年月日
- 平成27年8月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件における賃貸借契約は平成24年5月14日まで有効であるから、同年4月1日から同年5月14日までの賃貸料は、平成24年分の不動産所得に係る総収入金額に算入される旨主張する。しかしながら、不動産所得の収入すべき時期は、契約により請求があったときに支払うべきものとされているものについては、その請求の日と解するのが相当であるところ、当該賃貸借契約によれば、賃借人は賃貸人である請求人から支払請求があった後、30日以内に賃貸料を支払うこととされており、請求人は、上記期間の賃貸料に係る請求を平成24年中に行っていないことから、当該賃貸料は平成24年分の不動産所得に係る総収入金額に算入されない。(平27. 8.10 福裁(所)平27-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平270005
- 裁決年月日
- 平成27年8月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①給与賃金は賃貸借契約締結のための情報を得る費用又は賃貸する土地の所有権益等の保全等を図りつつ適切な対応を行うための費用であり、②墓地復元費積立金は保障されていない復元費を補うための費用であり、③雑費は収用委員会等に係る関係費用などであるから、不動産所得を得るために必要な経費である旨主張する。しかしながら、①給与賃金については、本件における賃貸借契約締結の状況及び目的物が土地であることからすると、客観的にみて不動産所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、業務の遂行上必要な支出とは認められず、②墓地復元費積立金については、準備金的な性質を有するものであると認められるものの、準備金はそれを計上した年分の収益に対応しない上、それらの支出又は損失が将来において発生するかどうか不確実であり、その金額の予測も困難であるから、当該年分の必要経費に算入できないものであり、また、租税特別措置法に限定列挙されている準備金にも該当しないから、これらを不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。また、③雑費については、土地調書及び物件調書の確認のための立会い及び収用委員会の公開審理に出席するために要した交通費及び宿泊代等以外の費用は、客観的にみて、不動産所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、業務の遂行上必要な支出であるとは認められないから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されない。(平27. 8.10 福裁(所)平27-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270005
- 裁決年月日
- 平成27年7月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続に関し他の相続人に対して提起した遺留分減殺請求訴訟及び果実返還請求訴訟の和解に基づき、当該他の相続人から金員(本件金員)を受領したところ、原処分庁が、本件金員は相続財産である賃貸マンション(本件マンション)の賃料収入の一部であるから、不動産所得に該当するとして更正処分等を行ったことに対し、本件金員は遺留分減殺請求に基づき取得したものであるから、不動産所得には該当せず、相続税の課税対象となる旨主張する。しかしながら、本件金員の法的性質は、請求人と当該他の相続人との間に存する相続に関する一切の紛争を解決するための和解金ないし解決金であって、遺留分減殺請求に対する価額弁償金や民法第1036条《受増者による果実の返還》に基づく果実返還金として支払われたものはないから、本件金員を相続財産とみることはできない一方、請求人は民法第1036条所定の果実として本件マンションの賃料債権を取得することはなかったことに照らすと、本件金員を不動産所得と見ることもできない。以上によれば、本件金員はこれを受領した年分の一時所得と認めるのが相当である。(平27. 7.17 大裁(所・諸)平27-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270015
- 裁決年月日
- 平成27年7月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付物件の取得に要した借入金について、当該物件のうち既に売却した部分の取得に要した借入金については、当該部分に係る借入金から先に返済されたものと考え、請求人が支払った借入金利子はその全額が不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、所得税法第37条《必要経費》第1項に規定する「販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」とは、当該支出が所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、業務の遂行上必要なものに限られると解するのが相当であるところ、支払った借入金利子が必要経費に算入されるためには、借入金により取得した物件の使用状況等を考慮し、当該借入金が現に業務の用に供されている不動産の取得に係るものであることが必要である。本件の場合、売却済部分の取得に係る部分は、請求人の不動産所得を生ずべき業務と直接の関係があるとは認められないから、当該部分を除いた上で、業務と直接の関係を持つ賃貸物件の床面積を基礎として算定した借入金利子の金額を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入するのが相当である。(平27. 7.15 東裁(所)平27-15)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260040
- 裁決年月日
- 平成27年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが代表取締役を務める会社(本件会社)は、請求人が所有し貸付けの用に供している不動産に係る管理業務等を行っているから、本件会社に対する管理委託料として計上した金額(本件各金員)は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は本件会社との間で、当該管理業務に関する契約書等の書面を作成していないこと、本件会社は当該管理業務のための費用も特に支出していないこと、管理物件の敷地内に設置されている看板等に本件会社に関する表示はなかったことなどを総合すれば、請求人がしたという業務が、請求人個人としてではなく本件会社の代表者としての行為であると客観的に認めることはできない。加えて、当該管理業務は、請求人から有償で委託を受けた別会社が行っていたのであるから、特段の事情もないのに、請求人が本件会社の代表者として、重ねて同内容の業務をしたと認めることはできない。したがって、本件各金員は、請求人の不動産所得に関する業務と直接関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものに該当するとは認められず、不動産所得を生ずべき業務について生じた費用には当たらないから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平27. 6. 1 名裁(所)平26-40)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260058
- 裁決年月日
- 平成27年5月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有するマンションの一室(本件一室)について、空室状態ではあるものの、請求人が現実に賃借人を獲得するための行動を行っているなどの実態を総合して判断すれば、本件一室は不動産賃貸業に係る事業用資産であると認められるから、本件一室に係る固定資産税等(本件固定資産税等)は、請求人の不動産所得を生ずべき業務について生じた費用として必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、現に貸付けの用に供されていない不動産に係る費用を、不動産所得を生ずべき業務について生じた費用と認めるためには、当該不動産が近い将来において確実に貸付けの用に供されるものであることが外部から客観的に識別できる状態にあったことを要するところ、請求人が現実に賃借人を獲得するための行動を行っていたことなどを裏付ける証拠はなく、また、本件一室は請求人が取得した後から原処分時まで一度も他の者へ賃貸されたことがないということからすれば、本件一室が近い将来において確実に貸付けの用に供されるものであることが外部から客観的に識別できる状態にあったということはできない。したがって、本件固定資産税等は、請求人の不動産所得を生ずべき業務について生じた費用には当たらず、必要経費に算入することはできない。(平27. 5.12 大裁(所)平26-58)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平260054
- 裁決年月日
- 平成27年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令)第3条《中古資産の耐用年数等》第1項は、中古資産を取得した場合における耐用年数について規定しており、当該取得には、相続による取得も含まれるから、請求人が被相続人から相続により取得した減価償却資産(本件減価償却資産)に係る償却費の額の計算に当たり、同項第2号に規定する簡便法による耐用年数の適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、減価償却資産を相続により取得した場合、所得税法第60条《贈与等により取得した資産の取得費等》第1項の規定を受けて、所得税法施行令第126条《減価償却資産の取得価額》第2項(本件規定)は、譲渡所得課税に係るいわゆる課税時期の繰延べを行う趣旨から、相続人は、当該減価償却資産を被相続人の前所有者からの取得価額により取得したものとし、相続人と被相続人との間でいわゆる取得価額の引継ぎを行うものとして、償却費の額を計算する旨規定しており、当該趣旨からすれば、本件規定は、単に当該減価償却資産の取得価額を引き継いで償却費の額の計算を行うに留まらず、被相続人の前所有者からの取得の時期、当該取得時から相続までの経過年数及び相続時における未償却残高も併せ引き継ぐことを当然の前提としているものと解される。そうすると、本件規定は、被相続人が用いていた当該減価償却資産に係る耐用年数をも引き継ぐことを前提としているものと解するのが相当であるから、耐用年数省令第3条第1項の「取得」に相続等による取得が含まれるか否かを問題とするまでもなく同項の規定自体が適用されないと解すべきである。したがって、本件減価償却資産に係る償却費の額の計算に当たり、耐用年数省令第3条第1項第2号に規定する簡便法による耐用年数の適用は認められない。(平27. 3.26 大裁(所)平26-54)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260010
- 裁決年月日
- 平成26年12月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の所有する建物及び土地(本件土地)の賃貸借契約(本件賃貸借契約)終了から新たな賃貸借契約締結に至るまでの間、賃借人を探すための様々な努力を続けていたため、本件土地は、近い将来において確実に貸付けの用に供されるものと考えられるような客観的な状態にあったと認められるから、本件土地に係る固定資産税及び都市計画税(本件固定資産税等)は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、いまだ貸付けの用に供されていない土地については、それが、貸付けの用に供されるものであることが外部から識別できるような状態である場合に、初めて、当該土地に係る固定資産税等を不動産所得を生ずべき業務について生じた費用として必要経費に算入できるのであり、また、所得税法第37条《必要経費》第1項は、不動産所得等の金額の計算上必要経費に算入すべき費用の算入の時期について、その債務の確定の日としており、固定資産税等については、当該納税通知書を納税義務者に交付することにより納税義務が確定し、その債務が確定するものと解するのが相当である。そうすると、本件土地は、本件賃貸借契約終了後、新たな賃貸借契約に至るまでの間、貸付けの用に供されておらず、請求人が本件土地の賃借人の募集に関して具体的な行動を起こしていなかったことなどを総合考慮すると、本件土地は、本件固定資産税等の納税通知書の交付を受けた日付において、いまだ貸付けの用に供されておらず、また、近い将来において確実に貸付けの用に供されるものと考えられるような客観的な状態にあったとは認められないから、本件固定資産税等は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平26.12. 9 名裁(所)平26-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260010
- 裁決年月日
- 平成26年12月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が所有する土地(本件土地)は、平成23年1月に賃貸借契約が終了してから、平成25年5月に本件土地を賃貸借する旨の看板が設置されるまでの間、本件土地が近い将来において確実に貸付けの用に供されるものと考えられるような客観的な状態にあったとは認められないから、本件土地上に所在した賃貸用建物(本件建物)を平成23年3月に取り壊した費用(本件取壊し費用)は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない旨主張する。しかしながら、ある支出が不動産所得の金額の計算上必要経費として控除されるためには、当該支出が不動産所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、当該業務の遂行上必要なものに限られると解するのが相当であり、その判断は、単に当該業務を行う者の主観的判断によるのではなく、当該業務の内容等個別具体的な諸事情に即して社会通念に従って客観的に行われるべきであるところ、請求人は、賃貸借契約終了後速やかに本件建物の取壊しを実行したことが認められ、他方、賃貸借契約終了後に本件建物が家事用に転用された事実や、本件土地を譲渡する計画があったなどの事実は認められない。そして、建物賃貸業においては、建物の取壊しは、いわば当該建物に係る貸付業務の残務処理的な行為であるため、建物の貸付業務と直接関係し、かつ、当該業務の遂行上必要な行為であるといえることから、本件取壊し費用は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる。(平26.12. 9 名裁(所)平26-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260016
- 裁決年月日
- 平成26年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仮に、賃借人が建物賃貸借契約の無効等の確認を求めた事件の調停(本件調停)の成立により受領した金員(本件賠償金)が非課税所得ではないとしても、本件賠償金は、不動産の貸付けによる収入ではなく、長年続いた「建設工事に係る紛争」の早期解決を目的とした和解金といえるものであるから、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件賠償金は、本件調停において有効であることが確認された、建物賃貸借契約の一内容である契約更新請求権の放棄及び原状回復義務の免除の見返りとして、賃借人から請求人に対して支払われた対価であり、全体として、不動産等を使用させる又は収益させる対価としての性質を有するものに代わる性質を有するものというべきであるから、不動産所得の貸付けによる所得として不動産所得に該当する。(平26. 8. 1 東裁(所)平26-16)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平260001
- 裁決年月日
- 平成26年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、住宅に係る各費用及び自動車に係る各費用について、請求人の不動産所得を生ずべき業務(本件業務)の用に供されており、事業部分と家事部分が明確には区分できないが、納税者の判断で事業での使用部分を2分の1として申告しているものであり、必要経費として認められるべきである旨主張する。しかしながら、家事関連費について不動産所得の金額の計算上必要経費と認められるためには、その費用が業務と何らかの関連があるというだけでは足りず、その主たる部分が不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要なものであり、かつ、その必要な部分の金額が客観的に明らかでなければならないというべきであるところ、請求人が主張する上記の各費用については、本件業務の遂行のために必要な部分の金額であることを客観的に明らかにする証拠はなく、請求人の本件業務の遂行上必要である部分を明らかに区分することができないものであるから、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平26. 7. 1 高裁(所)平26-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250062
- 裁決年月日
- 平成26年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得の必要経費に係る領収証等支払の事実を証する書類が、火災により焼失したり、引っ越し業者の手違いで紛失したりしたのは、不可抗力によるものであるから、領収証等支払の事実を証する書類の保存がないことをもって、必要経費を否認することは納得できないなどと主張する。しかしながら、請求人が不動産所得に係る必要経費として主張する各金額は、不動産所得に係る総収入金額を得るために直接要した費用の額とは認められず、また、請求人が、その支出の事実及び業務遂行上の必要性について明らかにしているとは言えないのであるから、不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要な支出であったとは認められず、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平26. 6.24 大裁(所)平25-62)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250014
- 裁決年月日
- 平成26年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の夫、長女、次女及び三女(請求人の夫ら)は、駐車場除雪業務等(本件各業務)に専ら従事していたから、請求人の不動産所得に係る青色事業専従者に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は、請求人の夫らの本件各業務の従事状況を記録しておらず、また、請求人の夫らも、本件各業務の従事状況を記録した日報等を作成していなかった。さらに、関係者の申述からも、請求人の夫らが本件各業務に従事していたと認めることはできず、当審判所の調査の結果によっても、ほかに請求人の夫らが本件各業務に専ら従事していたことを認めるに足る証拠はないから、請求人の夫らは、請求人の不動産貸付業に専ら従事していた者であると認めることはできず、いずれも青色事業専従者に該当しない。(平26. 4.22 関裁(所)平25-39)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250014
- 裁決年月日
- 平成26年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、カーポートの工事代金(本件修繕費の額)の半額が、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件修繕費の額を家事関連費として必要経費に算入するには、不動産貸付業の遂行上直接必要なものであったことが明らかにされなければならないところ、請求人は、本件修繕費が、業務の遂行上直接必要なものであったことを明らかにしていないから、本件修繕費の額を必要経費に算入することはできない。(平26. 4.22 関裁(所)平25-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250106
- 裁決年月日
- 平成26年4月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№95
要旨
○ 請求人は、築17年を経過した賃貸用マンション(本件建物)の一部の住宅内の台所及び浴室の各設備等を取り壊し、新たなシステムキッチン及びユニットバスに取り替えた工事(本件各工事)について、居住用機能を回復させるために必要な工事であり、本件建物の規模からすれば、同建物の基礎及び柱等の躯体に影響を与えるものでなく、その価値を高めるものでもなく、その目的は現状維持することであるから、本件各工事に係る費用のうち新たなシステムキッチン及びユニットバスの取替えに要した費用(本件各取替費用)については、所得税法施行令第181条《資本的支出》に規定する金額及び所得税基本通達37−10《資本的支出の例示》の定めに例示された金額のいずれにも該当せず、修繕費に該当する旨主張する。しかしながら、ある支出が修繕費又は資本的支出のいずれに当たるかは、その支出した金額の内容及び支出効果の実質によって判断するのが相当であるから、本件各工事によって本件建物の住宅の居住用機能を回復させる目的があったとしても、本件建物の規模との比較のみによって判断するものではない。そして、本件各工事は、単に既存の台所設備及び浴室設備の一部を補修・交換したものではなく、本件建物の各住宅内で物理的・機能的に一体不可分の関係にある台所及び浴室について既存の各設備等を全面的に取り壊し、新たにシステムキッチン及びユニットバスを設置し、台所及び浴室を新設したものであり、このことは、本件建物の各住宅を形成していた一部分の取壊し・廃棄と新設が同時に行われたとみるべきものである。そうすると、本件各取替費用は、修繕費とは認められず、台所及び浴室を新設したことによって本件建物の価値を高め、又はその耐久性を増すことになるものと認められるから、本件建物に対する資本的支出に該当する。(平26. 4.21 東裁(所)平25-106)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250036
- 裁決年月日
- 平成26年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 土地建物を一括して購入した場合の建物の取得価額(本件建物取得価額)の算定方法について、請求人は、固定資産税評価額の比であん分する方法は合理的ではなく、不動産取得税の概算税額比であん分する方法によって算定すべきである旨主張する。しかしながら、不動産取得税額は課税標準額及び税率のいずれも、宅地と住宅以外の家屋とで異なる算定をするものであり、このような異なる算定をする不動産取得税の概算税額比であん分する方法は合理的とはいえず、固定資産税評価額の比であん分する方法は、特に中古物件の場合には、簡易、迅速に土地及び建物の価額を把握してあん分することができること、固定資産税評価額は、土地の場合は路線価と同様に地価公示価額や売買実例を基に評価し、建物の場合は再建築価額に基づいて評価されているから、土地及び建物ともに時価を反映していると考えられること、土地と建物の算出機関及び算出時期が同一であることから、土地及び建物の固定資産税評価額は、いずれも同一時期の時価を反映しているものと考えられることに照らし、租税負担の公平及び実質主義の観点からも合理的な算定方法といえるので、本件建物取得価額は固定資産税評価額の比であん分する方法によって算定すべきである。(平26. 3.28 関裁(所・諸)平25-36)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250036
- 裁決年月日
- 平成26年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 土地建物を一括して購入した場合の建物の取得価額の算定方法について、請求人は、不動産取得税の概算税額比であん分する方法によって算定すべきである旨主張する。しかしながら、不動産取得税額は、課税標準額に税率を乗じて算定するところ、宅地を取得した場合には、固定資産税の評価額の2分の1の額を課税標準額として3%の税率を乗じ、住宅以外の家屋を取得した場合には、固定資産税評価額を課税標準額として4%の税率を乗じて算定することとされ、課税標準額及び税率のいずれも、宅地と住宅以外の家屋とで異なる算定をするものであり、このような異なる算定をする不動産取得税の概算税額比であん分する方法は合理的とはいえない。(平26. 3.28 関裁(所・諸)平25-36)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年11月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804060
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/6使用人給料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 原処分庁は、請求人が請求人の父が代表取締役を務める同族会社に対して支払ったとする委託費(本件委託費)について、①当該同族法人は、業務委託に係る契約金額を請求人又は請求人の妻が意のままに決定することを企図して設立された会社であること、②契約金額について客観的又は合理的な算定根拠が明らかでないこと、③請求人の業務を遂行する上で業務委託を行う必要がなかったことからすれば、委託契約の金額が請求人の主観的な判断あるいは恣意的に決定されているから、本件委託費が支払われていることをもって、直ちに事業所得の金額の計算上必要経費に算入することは認められない旨主張する。しかしながら、請求人は、業務の一環として委託契約を締結し、本件委託費を支払っていることが認められ、本件委託費は、資料に基づき、契約当事者間の話合いの結果により決定されたものであって、提供される役務の価値を超えて代金が支払われたものとまでの評価ができるものではないというべきであることから、本件委託費は、その全額が事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができる。(平25.11.27 熊裁(所)平25-5)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年11月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 請求人は、請求人の父に対して支払ったとする貸付金利息(本件利息)について、①請求人の父自身が利息を銀行振込みにより受け取り、その口座も自身で処分したと弁明していること、②請求人が出張した日に、請求人の父と銀行に同行したことはあるが、請求人が本件利息を受け取った事実はなく、本件利息の振込口座を請求人が支配管理した事実はないこと、③金銭消費貸借契約書については、仮に書類に不備があったとしても、口頭契約により民法上の契約要件を満たしていることから、本件利息は事業所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、①請求人の父の弁明の内容については、当初の原処分庁への申述と異なっており、信用することはできないこと、②本件利息の振込口座には、請求人の父が受け取っていないと申述していた委託法人からの役員報酬が振り込まれており、同口座からの出金は、請求人の住所地や出張先のみであることから、請求人が本件利息の振込口座を支配管理していると認めるのが相当であること、③当該金銭消費貸借契約書には、貸主及び借主の氏名を含めた全ての文言が印字されてはいるが、契約当事者の署名及び押印はないことから、当該金銭消費貸借契約書が存することのみをもって、直ちに請求人から請求人の父に対する利息の支払が約されていたものとは認められないことから、本件利息は、事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平25.11.27 熊裁(所)平25-5)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年11月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 原処分庁は、請求人が支払ったとする住居手当及び通勤手当(本件各手当)について、①住居手当については、覚書の第十条のただし書から請求人の支払義務が確定していたとは認められないこと、②通勤手当については、覚書に何ら記載がないことからその支払義務があるとは認められないこと、③本件各手当に係る領収証、受取証等が存在せず、元勤務医が受領したとする唯一の証拠は、現金書留郵便の引受証1枚のみであり、本件各手当を受け取っていない旨の元勤務医の申述があること、④請求人及び元勤務医の出張日からみて、本件各手当の出金日に請求人が元勤務医へ手渡すことはできなかったことなどから、本件各手当は、事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない旨主張する。しかしながら、①覚書の第十条のただし書は、飽くまでも「ただし書」であり、同条本文において、住居手当について請求人の支払義務が確定していたと解するのが自然であること、②元勤務医が勤務していた事実を原処分庁は認めており、覚書に何ら記載がなくても、口頭契約等のその他の手段によって、請求人及び元勤務医が通勤手当の支払について、何らかの合意を得ていたことは十分推認できること、③現金書留郵便の引受証が存在することから、請求人が本件各手当相当額を元勤務医に対して支払ったことが推認され、元勤務医の申述は信用できないこと、④請求人は本件各手当に充てるため預金口座から出金した現金を出張するまで手元に置き、出張した際に元勤務医に手渡した旨及び数回は現金書留により郵送した旨答述しており、原処分庁の主張する事実をもって、本件各手当が支払われていないと認めることはできないことから、本件各手当は事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができる。(平25.11.27 熊裁(所)平25-5)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年11月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№93
要旨
○ 請求人は、未収金(本件未収金)の相手先に対して電話で督促したものの、同人から時効により拒否されたのであるから、時効により必要経費に算入される旨主張するが、請求人から、その事実を認定できる証拠の提出がないことから、請求人は、貸倒損失の存在をある程度合理的に推認させるに足りる立証を行ったと認めることができず、また、当審判所の調査によっても、本件未収金が時効により消滅したことを認めるに足りる証拠は認められないことから、必要経費に算入することはできない。(平25.11.27 熊裁(所)平25-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250017
- 裁決年月日
- 平成25年7月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分において、不動産所得の必要経費に算入されないとされた、①接待交際費及び交際費、②車両に関連する各費用(租税公課、損害保険料及びガソリン代など)、③自宅建物に関連する各費用(租税公課、水道光熱費、修繕費など)、④自宅建物に備え付けのテレビ及び太陽光発電システムに係る減価償却費、⑤消耗品費、⑥旅費交通費、⑦通信費、⑧福利厚生費並びに⑨雑費について、いずれも請求人が営む不動産貸付業(本件貸付業務)に関連して支払った費用であり、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入される旨主張する。しかしながら、上記各費用のうち、①については、支払の事実が認められない費用や、請求人の帳簿書類等からみて、本件貸付業務と直接関係を持ち、かつ、当該業務の遂行上必要なものとして客観的に認識できないものがあるほか、家事関連費に当たる費用については、請求人は、業務の遂行上直接必要であった部分が明らかとなるような記録等をしていない、②の車両及び③の自宅建物については、本件貸付業務の用のみに供されていたとは認められないところ、②及び③の各費用並びに④の減価償却費は、いずれも家事関連費に当たり、請求人は当該各費用のうち本件貸付業務の遂行上直接必要であった部分が明らかとなるように記録等をしていない、⑤ないし⑨の各費用については、請求人の帳簿書類等からみて、本件貸付業務と直接関係を持ち、かつ、当該業務の遂行上必要なものとして客観的に認識できるものであるとは認められないものがあるほか、当該各費用の内容から、家事費又は家事関連費に当たる費用があり、家事関連費に当たる費用については、請求人は、業務の遂行上直接必要であった部分が明らかとなるような記録等をしていない。これらのことからすれば、上記①ないし⑨の各費用について、必要経費に算入することはできない。(平25. 7.22 東裁(所・諸)平25-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250017
- 裁決年月日
- 平成25年7月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付業務の用に供するために売買により土地・建物を一括取得した6物件の各建物取得価額について、①売買契約において土地と建物の各価額が明示された各物件の建物の各価額によらず、「建築統計年報(国土交通省)」を基に算定された建築価額表を用いて算出した価額とするのが合理的である、また、②売買契約において土地と建物の各価額が明示されていない物件についても、当該建築価額表を用いて算出した価額とするのが合理的である、③借地権付建物の建物取得価額について、売主が算出した建物価額は、売主が消費税額を確定するため便宜上算出したもので適正な資産価値ではなく、売買総額から借地権価額(更新料相当額)を控除した額を建物取得価額とするのが合理的である旨主張する。しかしながら、①当該各価額が明示され、説明された上で請求人が当該各価額に合意し、当該契約が締結されており、請求人と売主との間で、故意に実体と異なる内容を売買契約書に表示したなどの特段の事情は認められず、また、当該各価額が著しく不合理であると疑わせるに足る事情もないから、売買契約書に明記された建物の価額をもって、建物の取得価額とするのが相当である。②各価額が明示されていない物件については、合理的な方法により、適宜これを算出する必要があるところ、売買契約書の売買総額を、土地及び建物の固定資産税評価額の価額比であん分することにより建物の取得価額を算定する方法は、一時点における土地及び建物の時価を反映した固定資産税評価額という請求人にとって容易に入手できる資料を用いて行う方法であり、本件においては合理的であると認められる。③借地権付建物については、売主が借地権及び建物の価額を区分経理しており、当該売主が算出した建物の販売価額を特段不相当とする理由はなく、当該販売価額をもって、建物の取得価額とするのが相当である。(平25. 7.22 東裁(所・諸)平25-17)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240043
- 裁決年月日
- 平成25年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関係法人が専門学校として使用している同法人との共有建物(本件建物)のうち、請求人持分部分を大学等に貸し付ける賃貸事業を行っており、当該賃貸事業に係る不動産所得の計算上、本件建物の請求人持分に係る減価償却費及び同建物が所在する土地の請求人持分に係る租税公課(本件各経費)を必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該関係法人が本件建物を専門学校として使用している割合は、当該関係法人の建物持分を超えて無償使用していること、また、当該関係法人が当該土地も無償で使用していることからすると、請求人が本件建物の請求人持分全てを不動産の貸付けに係る業務に供しているとは認められず、本件各経費のうち、大学等に対し賃貸している教室で、かつ、その賃貸期間に係る費用に限り必要経費に該当する。(平25. 6.11 名裁(所)平24-43)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240219
- 裁決年月日
- 平成25年6月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、その共有に係る自宅用兼貸付用の建物についての建築資金として借り入れた債務について、それぞれ、借換えをした後に一部弁済の上で債務免除を受けているところ、債務免除を受けた額(本件各債務免除額)のうち各貸付用部分に係る債務免除額(本件各貸付用債務免除額)については、飽くまで債務免除によって生じたものであり、不動産の取得という行為には関連するものの、不動産の貸付けという業務には関連しないものであるから、不動産所得には該当せず一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、各貸付用部分に係る借入金債務については、いずれも請求人らが、不動産の貸付業務の遂行という目的に必要不可欠な当該建物を取得するために借り入れ、借り換えるなどしたものであること、各借入金債務のうち貸付用部分に係る支払利子は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されているところ、当該借入金(元金)そのものは、不動産所得の必要経費にならないものの、当該必要経費に算入される支払利子の基因となるものであり、互いに密接に結びついた不可分の関係にあることからすると、本件各貸付用債務免除額についても、不動産の貸付けによる所得のような本来企図した収入ではないものの、不動産の貸付けによる利益の稼得を目的とした経済活動から派生した経済的な利益であるということができ、請求人らの不動産所得を生ずべき業務の遂行に伴い付随して生じた収入であると認められ、所得税法上、当該債務免除額に係る所得は、不動産所得に該当する。(平25. 6. 3 東裁(所)平24-219)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240024
- 裁決年月日
- 平成25年5月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803990
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得の総収入金額について、①特定の賃借人からの入金は、貸付金の返済金であること、②退去者から受領した敷金は、退去時に必要な修繕等があれば当該敷金からその費用を支払い、残額があれば現金で各賃借人に返金していること、③原処分庁が主張する請求人の預金口座に振込まれていない礼金及び賃料の中には実際に受領していないものがあることから、これらはいずれも請求人の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきでない旨主張する。しかしながら、上記①については、請求人が主張する貸付金に係る金銭消費貸借があったとは認められず、上記②については、請求人は賃借人に敷金を返還しなかったことが認められ、上記③については、預金口座に振込みのない礼金及び賃料についても、請求人は受領していると認められることから、これらについてはいずれも不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきものである。(平25. 5. 9 広裁(所)平24-24)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240024
- 裁決年月日
- 平成25年5月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得の必要経費について、①賃貸不動産に係る減価償却費について、一部、中古資産の耐用年数を適用すべきものがあること、②賃貸不動産に係る減価償却費、借入金利子等について、原処分庁は不動産の貸付割合の認定を誤っていること、③そのほかにも、修繕費、雑費等に該当する費用がある旨主張する。しかしながら、上記①については、請求人は、その主張する中古資産について、耐用年数省令第3条《中古資産の耐用年数等》の規定に基づき、償却が開始される最初の年分に中古資産の特則を選択して確定申告を行う意思表示をしていないことから、減価償却費の計算に当たり、中古資産の特則による耐用年数とすることはできず、また、上記②については、当審判所の調査の結果、不動産所得を生ずべき業務の用に供されていないと認められる部分に係る減価償却費、借入金利子等は必要経費に算入することはできず、更に、上記③については、支払の事実が認められないものや、請求人の親族及び関連会社が所有する不動産に係る費用と認められるもののほか、不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要である部分を明らかに区分することができないことなどが認められることから、これらについてはいずれも不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平25. 5. 9 広裁(所)平24-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240206
- 裁決年月日
- 平成25年5月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、県民住宅経営安定化促進助成制度(本件助成制度)に基づいて一括交付を受けた金員(本件金員)は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものであるから、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は、県民住宅の建設に係る融資金の返済の負担を軽減することにより、県民住宅の経営(すなわち県民住宅の所有者による不動産の貸付業務)の安定化を図ることなどを目的とする本件助成制度に基づき、県優良民間賃貸住宅等利子補給助成制度に基づく利子補給金(本件利子補給金)の交付決定を受け、かつ、当該利子補給に係る利子補給期間が満了していない者であることを要件とする一括交付(本件一括交付)の決定を受けた者であるところ、本件一括交付に係る本件金員は、本件利子補給金を受けた者を対象として、本件利子補給金を受け続けた場合と同じくその利子補給期間の満了日まで一定の賃貸条件等を遵守して所有不動産(住宅用建物)を県民住宅として賃貸の用に供することを前提に、本件利子補給金に係る交付予定額のうち、既に交付を受けた分を除いた額を一括して前渡しするというものであることからすれば、本件金員は、本件利子補給金と同じく、請求人の所有不動産(住宅用建物)を県民住宅として賃貸の用に供することに伴って交付される金員である。そうすると、本件金員は、請求人による不動産の貸付業務に伴って付随して生じた収入であり、所得税法上、他の所得に分類されるものでないから、本件一括交付を受けることが確定した日の属する年分の不動産所得に係る総収入金額に算入すべきものである。(平25. 5. 9 東裁(所)平24-206)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240199
- 裁決年月日
- 平成25年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№91
要旨
○ 請求人は、県民住宅経営安定化促進助成制度(本件助成制度)に基づいて一括交付を受けた金員(本件金員)は、賃貸借契約の当事者でない県から受けたものであり、また、請求人の所有不動産(本件住宅)を使用又は収益させる対価でもないから、本件金員に係る所得は、不動産の貸付けによる所得(不動産所得)には該当せず、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は、県民住宅の建設に係る融資金の返済の負担を軽減することにより、県民住宅の経営(すなわち県民住宅の所有者による不動産の貸付業務)の安定化を図ることなどを目的とする本件助成制度に基づき、県優良民間賃貸住宅等利子補給助成制度(本件利子補給制度)に基づく利子補給の交付決定を受け、かつ、当該利子補給に係る利子補給期間が満了していない者であることを要件とする一括交付(本件一括交付)の決定を受けた者であるところ、本件一括交付に係る本件金員は、本件利子補給を受けた者を対象として、本件利子補給を受け続けた場合と同じくその利子補給期間の満了日まで一定の賃貸条件等を遵守して本件住宅を県民住宅として賃貸の用に供することを前提に、本件利子補給に係る交付予定額のうち、既に交付を受けた分を除いた額を一括して前渡しするというものであることからすれば、本件金員は、本件利子補給金と同じく、本件住宅を県民住宅として賃貸の用に供することに伴って交付される金員である。そうすると、本件金員は、請求人による不動産の貸付業務の遂行に伴って付随して生じた収入であり、所得税法上、他の所得に分類されるものではないから、本件一括交付を受けることが確定した日の属する年分の請求人の不動産所得に係る総収入金額に算入すべきものである。(平25. 4.25 東裁(所)平24-199)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平240015
- 裁決年月日
- 平成25年3月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№90
要旨
○ 請求人は、船舶の一部の貸付けによる所得も不動産所得に含まれること、○○国船籍の客船(本件船舶)の一船室の貸付け(本件業務)は、本件船舶に係る居住権の貸付けでありこれは船舶の上に存する権利の貸付けであること、本件業務に係る所得は資産性所得であること、そして、役務の提供は僅かであることなどの理由から本件業務に係る所得は不動産所得であると主張する。しかしながら、請求人はレンタル利用者に対し単に一船室を利用させているだけではなく相当程度のサービスと一体となったクルーズを提供しているというべきであり、本件業務に係る所得がほとんど又は専ら船舶を利用に供することにより生じたものとはいえないことから、本件業務に係る所得は不動産所得には該当せず、また、本件業務は営利性・有償性及び継続性・反復性を具備しているものの、本件業務の目的は毎年の維持管理費用を少しでも回収すること、請求人は年に4回程度外国送金依頼書に署名するのみであること、本件業務に係る従業員を雇用せず事務的設備を整えていないこと、医療法人の理事長として給与等を得ており生活の資の大部分をこれらの法人から得ていたこと、そして、自己資金の範囲内で本件業務を行っていることなどから、一般社会通念に照らし、本件業務は事業とは認められず、本件業務に係る所得は雑所得に該当する。(平25. 3.27 福裁(所)平24-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240174
- 裁決年月日
- 平成25年3月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が理事長を務める法人からの借入金が、請求人の事業所得、不動産所得、株式等の譲渡所得及び配当所得(本件各所得)を稼得するために投入されていることは、請求人の過去の申告から理解できるはずであり、過去の申告において当該借入金に係る利息相当額を必要経費として計上していない年分があったとしても、本来、必要経費となるべき支出を考慮して課税すべきであるから、当該利息相当額を本件各所得の必要経費等として認めるべきである旨主張する。しかしながら、当該利息相当額が本件各所得の計算上必要経費等として控除されるためには、当該借入金が本件各所得を生ずべき業務の用に供する、又は所得の基因となる資産の購入、あるいは業務について生じた費用の支払等に充てるために借り入れたものであることが必要となり、その判定は、当該借入金の借入時期及び借入金額、当該資産の取得時期及び取得価額、並びに当該費用の支払時期及び支払金額等を通じて、当該借入金と当該資産又は当該費用との間の関連性を検討すべきであるところ、当該借入金と請求人が主張する各資産等との間の関連性を認めることはできず、当該借入金が本件各所得を生ずべき業務の用に供する、又は所得の基因となる資産の購入、あるいは業務につき生じた費用の支払等に充てられたものとは認められないから、当該利息相当額をこれらの所得の必要経費等と認めることはできない。(平25. 3.13 東裁(所)平24-174)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240167
- 裁決年月日
- 平成25年3月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№90
要旨
○ 原処分庁は、請求人の賃貸している建物等(本件各物件)の管理業務を、請求人が代表取締役を務める法人(本件同族会社)に委任する旨の契約(本件契約)を締結しているが、他に同管理業務を網羅的に委託している法人があるから、同じ業務を本件同族会社に重複して委託する必要性がないこと、また、原処分に係る調査段階では、請求人から、本件同族会社が本件各物件の管理業務を行ったことを示す資料が一切提示されなかったことなどからすれば、本件同族会社による本件各物件の管理業務が日常的に行われていたとはいえないから、請求人が本件各物件の管理委託料として本件同族会社に支払った金額(本件金員)は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、証拠によれば、本件同族会社は、請求人から本件各物件の管理業務の委託を受けて、当該各物件に係る消防・防災設備の点検業務並びに給湯設備の修理及び取替工事の発注を行うなどした事実、また、本件同族会社は、当該工事等を委託又は依頼した各業者と連絡を取り合い、工事等の実施内容や状況等の報告を受けていた事実が認められる。さらに、本件同族会社の取締役であった請求人の亡妻が、同社の業務に係る出来事をノートに記載しており、そのノートによれば、同社は随時、上記の各業者等からの連絡等を受け付け、必要な対応等を行っていたものと認められる。以上を総合すれば、本件同族会社は、本件契約に基づき、請求人から委託を受けた本件各物件の管理業務を行っていたと認めるのが相当である。したがって、本件金員は、本件同族会社が行った本件各物件の管理業務の対価であると認められるから、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである。(平25. 3. 4 東裁(所)平24-167)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240150
- 裁決年月日
- 平成25年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、「不動産等の貸付けによる所得」とは、賃貸借契約から生ずる所得のほか、所得税法施行令第94条《事業所得の収入金額とされる保険金等》第1項が規定する収益補償金等のみを指すのであり、事業所得の場合とは異なり、その他の付随収入は不動産所得に係る収入金額に含まれないものと解すべきであるから、県民住宅経営安定化促進助成制度(本件助成制度)に基づいて一括交付を受けた金員(本件金員)に係る所得は一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は、県民住宅の建設に係る融資金の返済の負担を軽減することにより、県民住宅の経営(すなわち県民住宅の所有者による不動産の貸付業務)の安定化を図ることなどを目的とする本件助成制度に基づき、以前に県優良民間賃貸住宅等利子補給助成制度(本件利子補給制度)に基づく利子補給の交付決定を受け、かつ、当該利子補給に係る利子補給期間が満了していない者であることを要件とする一括交付(本件一括交付)の決定を受けた者であるところ、本件一括交付に係る本件金員は、本件利子補給を受けた者(その承継人を含む。)を対象として、本件利子補給を受け続けた場合と同じくその利子補給期間の満了日まで一定の賃貸条件等を遵守して所有不動産を県民住宅として賃貸の用に供することを前提に、本件利子補給に係る交付予定額のうち、既に交付を受けた分を除いた額を一括して前渡しするというものであることからすれば、本件金員は、本件利子補給金と同じく、請求人の所有不動産を県民住宅として賃貸の用に供することに伴って交付される金員である。そうすると、本件金員は、請求人による不動産の貸付業務の遂行に伴って付随して生じた収入であり、本件一括交付を受けることが確定した日の属する年分の請求人の不動産所得に係る総収入金額に算入すべきものである。(平25. 2. 1 東裁(所)平24-150)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240050
- 裁決年月日
- 平成25年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、概算計算によって算定した旅費交通費の額を不動産所得に係る必要経費に算入すべき旨主張する。しかしながら、当該旅費交通費の額は、年間を通じて継続して一定の金額が画一的に支出されていることを前提としたうえで、請求人の主観的な支出の必要性の根拠とおおよその計数を基礎とした概算計算に基づくものであり、その支払年月日や内容等について領収書等の資料等により具体的に明らかにされていないのであるから、当該概算計算に基づく必要経費は存在しないものと事実上推定されるので、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平25. 1.31 大裁(所)平24-50)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平240005
- 裁決年月日
- 平成24年10月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804040
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/4訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが所有する賃貸用不動産(本件不動産)になされた根抵当権の設定登記を抹消するために提起した訴訟(本件訴訟)は、競売により本件不動産の所有権を失い業務の遂行が不可能になることを阻止するためのものであるから、本件訴訟に係る弁護士報酬(本件弁護士報酬)は業務遂行上必要な費用であって、所得税法第37条《必要経費》第1項に規定する必要経費に該当する旨、また、当該必要経費の範囲を例示的に明らかにした所得税基本通達37-25《民事事件に関する費用》(本件通達)は、文理上、紛争の原因となった事実に業務関連性を要求していない旨主張する。しかしながら、ある費用が必要経費に算入されるためには、業務との関連性及び業務遂行上の必要性が客観的に認識できるものでなければならず、これを客観的に認識するためには、当該費用の支出原因がいかなるものであるかの検討が不可欠であるところ、本件訴訟は、請求人が相続税対策のため内容虚偽の借用証書(本件借用証書)により架空の債務を作出し、架空の債権を担保するために本件不動産に根抵当権を設定したことに基因するものであり、かかる行為は、請求人の営む不動産賃貸業に係る業務と何ら関連するものではないから、これを原因として支出された本件弁護士報酬が、客観的にみて、請求人の業務と直接関連する費用で、業務遂行上必要なものであるとは認められない。また、本件通達が飽くまで所得税法第37条第1項に規定する必要経費についての例示的定めである以上、その例示は、当該費用の支出原因がいかなるものであるかを検討し、客観的にみて、業務関連性及び業務遂行上の必要性が認識できることを前提とした上での例示であることに加え、本件通達が必要経費に算入される費用としているのは、業務の用に供されている資産そのものにつき生じた紛争を解決するために支出した弁護士報酬であるところ、本件弁護士報酬は、本件不動産そのものについて生じた紛争ではなく、本件不動産に設定登記された根抵当権の被担保債権である本件借用証書に記載された債務の存否についての紛争を解決するための弁護士報酬であるから、そもそも本件通達に定める費用には該当しない。(平24.10.19 札裁(所)平24-5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平240006
- 裁決年月日
- 平成24年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己が営む医院及び不動産の賃貸物件の一部についての修繕費は、①これらに対応する見積書、請求書及び領収証が存在すること、②また、工事施工業者(B社)が当該修繕費に係る工事を行ったことをB社が確認していること等を根拠に、架空ではなく真実支出したものである旨主張する。しかしながら、①請求人及びその他関係者の申述及び答述、②関連する金銭の動き、③工事関係書類の作成・保管状況、④B社の実質経営者の手帳の記載内容等を総合勘案すると、当該修繕費に係る工事は架空であったと認められる。(平24. 8.24 福裁(所)平24-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240003
- 裁決年月日
- 平成24年8月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、修繕積立金は、請求人からの預り金として、同族法人の会計処理とは切り離し、資金を積み立てるものとし、区分経理してその保全に万全を期すことで合意しており、請求人の同族法人に対する給付原因は明確で、これを損なう原因も排除されており、所得税法第37条《必要経費》に規定する不動産所得を生ずべき業務について生じた費用であり、所得税法基本通達37−2《必要経費に算入すべき費用の債務確定の判定》の全ての要件に適合する旨主張する。しかしながら、所得税法第37条第1項括弧書が、償却費以外の費用で、その年において債務が確定していないものの額は、必要経費に算入できない旨規定しているのは、一般に所得税法等が特に定めている場合を除いては、費用の見越しや引当金への繰入れを認めない趣旨であると解され、上記趣旨からすると、同項括弧書に規定する債務の確定には、①債務の成立、②当該債務の給付の原因となる事実の発生、③当該債務の金額の計算が明確であることが基本的な要件と解されるところ、調査担当職員は、修繕積立金について、修繕の事実及び金額の分かる書類の提示を求めたが、請求人は、渡切りで清算を伴わない費用であると説明するだけで、書類の提出を行わなかったことが認められ、また、当審判所も、請求人に対して、修繕積立金からの修繕等の事実の説明及び資料の提出を求めたが請求人は応じない上、請求人が同族法人に支払った修繕積立金は、同族法人の法人税の確定申告書において、前受金として計上され、取崩しの事実は認められないのであるから、各物件につき、同族法人が修繕積立金を取り崩して、修繕費用に充てた事実はなかったと認められ、また、同族法人は未払費用はなかったことが認められることからすれば、修繕積立金を取り崩すべき原因が生じているものとも認められないから、修繕積立金を各年分の不動産所得の計算上必要経費に算入することはできない。(平24. 8.14 名裁(所)平24-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240003
- 裁決年月日
- 平成24年8月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同族法人と取り交わした委託契約書記載の業務は、家事上の経費や家事関連費に関わる契約でなく、不動産所得に限定したものであり、申告書提出作業等も不動産所得に係る経理事務の一部であることから、不動産貸付業に係る必要経費であり、また、同契約書記載の業務は、実際に同族法人に費用が支払われており、金額の内訳がなくても、委託する業務の範囲内容が明確であり、業務全体の金額が明示されている限り、委託契約は有効であり、これらの業務の内容は、いずれも家事上の経費及び家事関連費ではないので、業務の遂行上直接必要な部分を明らかに区分する必要はない旨主張する。しかしながら、請求人の不動産青色申告のための各種資料の作成、税務署への申告書提出のための作業、租税公課の支払等の作業及び税務調査対応作業といってもさまざまな業務が考えられ、いずれも具体的な業務を特定することはできないことから、これら業務に対する委託料の主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができない。そして、各経理業務の業務ごとに金額が定められておらず、総勘定元帳によれば必要経費に該当する業務と該当しない業務の委託料が一括して支払われていることになり、必要経費に該当する業務に係る委託料と必要経費に該当しない業務に係る委託料を明らかに区分することができない。以上によれば、委託契約に基づく各支払は、いずれも各年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平24. 8.14 名裁(所)平24-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240003
- 裁決年月日
- 平成24年8月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物等の取得価額のあん分を売買契約書等を基に行う旨規定している法律上の根拠はなく、売買契約書の土地と建物等の金額で区分する場合は、それが合理的な場合に限り認められるところ、原処分庁は具体的証拠等に基づいて合理的であると主張するものでなく、また、売買契約書の建物等の金額は、固定資産税評価額による土地と建物等のあん分方法に基づいて算出した建物等の金額より過少に評価されるので合理的ではない旨主張する。しかしながら、各物件については、いずれも請求人が契約の当事者として売買契約書に記載された内容で合意し、契約の締結に至ったものと認められ、請求人と相手方の間に、同族会社とその代表者であるなど特殊な利害関係はなく、租税回避の意思や脱税目的等の下に故意に実体と異なる内容を契約書に表示したなどの特段の事情は認められず、各物件の売買契約書には、それぞれ建物等の価額が記載されており、請求人が独立の第三者である売主らとの間で、各物件の売買契約書の売買価額を決定したことからすれば、建物等の価額が不合理であるとはいえない。したがって、各物件の減価償却費の算定における建物等の取得価額は、当該契約書記載の建物等の価額によることが相当である。(平24. 8.14 名裁(所)平24-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240009
- 裁決年月日
- 平成24年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、専門家から賃貸物件の資産管理に必要なアドバイスやノウハウの提供を受け、資産価値の向上等に寄与していること、入居率が高いのは不動産仲介業者等を飲食店で接待しているためであること、また、建物の建築を分離発注したことによる大幅なコスト削減及び有利な条件での資金の調達ができたのも関係業者を飲食店等で接待したことによるものであることから、請求人が支出した交際費は事業関連性要件及び事業遂行上の必要性要件を満たしている旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、青色申告者である請求人が必要経費であると主張する50件に及ぶ支出のすべてについて、客観的事実と異なっており、その中には請求人が領収書を改ざんして、その支出金額を偽っていたと認められるものや、請求人が領収書の日付を改ざんしたり、書き加えたりして、その支払日を偽っていたと認められるものが多数存在していることも併せ考えると、これら全ての支出の内容が客観的事実と異なっているのは、単に請求人の記憶違いや誤記等を原因とするものではなく、請求人が、自らの所得税額の負担を軽減するために、本来は必要経費に当たらない支出であること、あるいは、請求人自身が接待の事実すらないことを知った上で、必要経費に当たるかのように装ったことが原因であると推認するのが相当である。そうすると、それ以外の支出についても、請求人の所得税額の負担を軽減するために、その支出金額や必要経費に該当する理由が偽られているものが多数含まれている可能性が極めて高いといえることから、本件における事実関係の下では、支出した交際費については必要経費に当たると認めるに足りる特段の事情がない限り、当該支出はいずれも請求人の不動産所得を生ずべき業務とは関係のない支出であるとの事実上の推定が働くものというべきである。したがって、本件においては、少なくとも原処分時に原処分庁が交際費として認容した額を超える交際費が存在するとは認められないから、その必要性を判断するまでもない。(平24. 7.25 大裁(所・諸)平24-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240022
- 裁決年月日
- 平成24年7月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200899000
- 争点
- 8不動産所得/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税の更正処分における不動産所得の金額について、①不動産所得の収入金額の計算根拠が不明である、②減価償却資産の取得価額に誤りがある、③減価償却資産の一部について内装工事費用の支出があり、減価償却資産の資本的支出又は修繕費として認容すべきである、④事業専用割合に誤りがある、⑤未収家賃について貸倒れを認容すべきである、⑥支払利息の必要経費に算入すべき金額が過少である旨主張する。しかしながら、請求人は、当該主張を裏付ける証拠の提出をしておらず、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によっても、請求人が主張する事実関係又は計算誤りを認めることはできない。(平24. 7.23 東裁(所・諸)平24-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240002
- 裁決年月日
- 平成24年7月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 請求人は、リミテッド・パートナーシップ契約(LPS契約といい、当該契約によって組成される仕組みをLPSという。)を締結し、当該LPSからの収益金(本件LPS収益金)は、当該LPSに帰属せず、民法上の組合と同様、損益分配割合に応じて配分され、請求人に直接帰属するから不動産所得に該当する旨主張する。しかしながら、①各LPSは、自らの事業活動を遂行するために必要なあらゆることを行う権限を持ち、パートナーとは異なる権利義務の帰属主体であり、②いずれのゼネラル・パートナー(GP)も、各LPSの業務を維持・運営するために必要・適切とされる全てのことを行い、決定する独占的権限を有し、各LPSの代理人となるものとされ、③いずれのリミテッド・パートナー(LP)も、各LPS契約に定められた一定の範囲内で各LPSの経営に参加するものの、その範囲は、GPが本件物件等を処分するなどの一部の重要な業務執行を行う場合に限られる上、その方法は、LPの一部若しくは全員、又は持分割合に応じた多数による同意又は承認等を与えるにとどまり、各LPSを代理又は代表する権限を有するものではない。また、④LPが有する各LPSにおける「持分権(Interest)」は、本件各法令等に基づいて付与され又は負担するLPとしての権利義務であり、その主要なものの1つが、毎年所定の額のLPS収益金の分配を受ける権利であり、⑤いずれのLPも、各LPSとの間に法律関係の成立している第三者に対して個人的な賠償責任を負わない立場にある。これらの事実から、本件各物件を賃借人に対して賃貸しているのは各LPSであるというべきであって、請求人が、自ら、又は各LPSを自らの代理人として、主体的に本件各物件を賃借人に対して賃貸し、それによる収益の稼得や費用の負担を行っているということはできない。したがって、本件LPS収益金は、請求人が、不動産所得を生ずべき業務の遂行により、あるいはそれに伴い得た所得でないから不動産所得に該当しない。(平24. 7. 2 東裁(所)平24-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230080
- 裁決年月日
- 平成24年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産賃貸借契約の解約に伴い、返還を要しないこととなった保証金(本件解約金)について、契約期間の中途で解約するという債務不履行に対する違約金であるから、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、不動産賃貸借契約の各規定によれば、本件解約金は、賃借人の都合により10年未満という比較的短期間に中途解約がされた場合に、保証金の償還に充てるべき賃料収入を失うことによって請求人に生じる損失を最低限補償する趣旨であると解するのが相当であり、不動産を利用させることの対価に代わる収益の補償たる経済的利益といえることから、不動産所得に該当するというべきである。(平24. 5.29 関裁(所)平23-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230193
- 裁決年月日
- 平成24年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、業務用不動産の購入に際して支払った固定資産税及び都市計画税の未経過分精算金の実質は、前所有者が立替払をした固定資産税等の精算金であるから、当該未経過分精算金の額は、請求人の必要経費に算入されるべきであり、当該業務用不動産の取得価額に算入されるべきではない旨主張する。しかしながら、当該未経過分精算金は、業務用不動産の売主と請求人との間において、両者の固定資産税等の負担を調整することを目的としてその売買契約締結時に合意した契約条項の一つ(売買契約書における公租公課の分担条項)に基づいて授受されるものであり、また、それを支払わなければ当該売買契約の解除原因となり、上記業務用不動産を購入することができない事態になり得るものであることが認められる。したがって、上記未経過分精算金の額は、所得税法施行令第126条《減価償却資産の取得価額》第1項第1号に規定する購入の代価として、上記業務用不動産の取得価額に含まれるべきものである。(平24. 3.28 東裁(所)平23-193)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230193
- 裁決年月日
- 平成24年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産の価額が値下がりして、その譲渡益が生じない昨今の状況に鑑みれば、購入に際して支払う仲介手数料の額を不動産の取得価額に含めることとし、減価償却の方法による必要経費への算入を納税者に強いる所得税法施行令第126条《減価償却資産の取得価額》第1項第1号の規定は、社会情勢の変化に適合せず、不合理である旨主張する。しかしながら当審判所は、原処分庁が行った処分が違法又は不当なものであるか否かを判断する機関であって、その処分の基となった法令自体の適否又は合理性については判断の限りでないから、請求人の上記主張には理由がない。(平24. 3.28 東裁(所)平23-193)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230089
- 裁決年月日
- 平成24年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、組合員であった航空機リース業等を目的とする民法上の組合(本件組合)の清算に当たり、本件組合の業務執行者から当該業務執行者に対する手数料(本件手数料)に係る未払債務につき支払の免除を受けた額(本件手数料免除益)について、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件手数料は、本件組合の業務である航空機の賃貸(リース)等を業務執行者に委任したことに対する報酬として、毎月のリース料収入の一定割合に相当する額を組合員が支払うこととされたものであり、組合員は、本件手数料に係る未払債務のうち持分相当額をその支払日の属する年分の不動産所得の必要経費に算入していたところ、本件手数料免除益は、本件手数料に係る未払債務の持分相当額の全額について支払免除を受けたものであることから、その免除を受けた日の属する年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきものである。(平24. 3.22 名裁(所)平23-89)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平230018
- 裁決年月日
- 平成24年3月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、組合員であった航空機リース業等を目的とする民法上の組合(本件組合)の清算に当たり、本件組合の業務執行者から当該業務執行者に対する手数料(本件手数料)に係る未払債務につき支払の免除を受けた額(本件手数料免除益)について、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件手数料は、本件組合の業務である航空機の賃貸(リース)等を業務執行者に委任したことに対する報酬として、毎月のリース料収入の一定割合に相当する額を組合員が支払うこととされたものであり、組合員は、本件手数料に係る未払債務のうち持分相当額をその支払日の属する年分の不動産所得の必要経費に算入していたところ、本件手数料免除益は、本件手数料に係る未払債務の持分相当額の全額について支払免除を受けたものであることから、その免除を受けた日の属する年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきものである。(平24. 3.21 福裁(所)平23-18)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230043ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成24年3月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、組合員であった航空機リース業等を目的とする民法上の組合(本件組合)の清算に当たり、本件組合の業務執行者から当該業務執行者に対する手数料(本件手数料)に係る未払債務につき支払の免除を受けた額(本件手数料免除益)について、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件手数料は、本件組合の業務である航空機の賃貸(リース)等を業務執行者に委任したことに対する報酬として、毎月のリース料収入の一定割合に相当する額を組合員が支払うこととされたものであり、組合員は、本件手数料に係る未払債務のうち持分相当額をその支払日の属する年分の不動産所得の必要経費に算入していたところ、本件手数料免除益は、本件手数料に係る未払債務の持分相当額の全額について支払免除を受けたものであることから、その免除を受けた日の属する年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきものである。(平24. 3.21 大裁(所)平23-43)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230066
- 裁決年月日
- 平成24年3月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、組合員であった航空機リース業等を目的とする民法上の組合(本件組合)の清算に当たり、本件組合の業務執行者から当該業務執行者に対する手数料(本件手数料)に係る未払債務につき支払の免除を受けた額(本件手数料免除益)について、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件手数料は、本件組合の業務である航空機の賃貸(リース)等を業務執行者に委任したことに対する報酬として、毎月のリース料収入の一定割合に相当する額を組合員が支払うこととされたものであり、組合員は、本件手数料に係る未払債務のうち持分相当額をその支払日の属する年分の不動産所得の必要経費に算入していたところ、本件手数料免除益は、本件手数料に係る未払債務の持分相当額の全額について支払免除を受けたものであることから、その免除を受けた日の属する年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきものである。(平24. 3.21 関裁(所)平23-66)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230185ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成24年3月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、組合員であった航空機リース業等を目的とする民法上の組合(本件組合)の清算に当たり、本件組合の業務執行者から当該業務執行者に対する手数料(本件手数料)に係る未払債務につき支払の免除を受けた額(本件手数料免除益)について、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件手数料は、本件組合の業務である航空機の賃貸(リース)等を業務執行者に委任したことに対する報酬として、毎月のリース料収入の一定割合に相当する額を組合員が支払うこととされたものであり、組合員は、本件手数料に係る未払債務のうち持分相当額をその支払日の属する年分の不動産所得の必要経費に算入していたところ、本件手数料免除益は、本件手数料に係る未払債務の持分相当額の全額について支払免除を受けたものであることから、その免除を受けた日の属する年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきものである。(平24.3.21 東裁(所)平23-185)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平230063
- 裁決年月日
- 平成24年3月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200899000
- 争点
- 8不動産所得/5その他
- 業種
- サービス業(人材派遣)
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得に係る収入金額及び各必要経費の金額は収支内訳書記載のとおりである旨主張する。しかしながら、請求人主張の収入金額の計上時期等には誤りが認められ、また、請求人主張の各必要経費には、他の年分の必要経費や事業所得の必要経費とすべきものが含まれている等の誤りがあることから、これを是正すると、請求人の不動産所得に係る収入金額及び各必要経費の金額は審判所認定額のとおりとなる。(平24. 3. 6 関裁(所)平23-63)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230037
- 裁決年月日
- 平成24年3月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№86
要旨
○ 請求人は、所得税法第60条《贈与等により取得した資産の取得費等》等の取得には相続による取得が含まれることを当然の前提としている一方で、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令)第3条《中古資産の耐用年数等》に規定する取得には相続を除く旨の明文の規定はないので、文言解釈の統一性の要請から、同条における取得にも相続による取得が含まれる旨主張する。しかしながら、耐用年数省令第3条第1項は、所得税法施行令第126条《減価償却資産の取得価額》第1項の規定する取得時における当該減価償却資産の当該取得価額(購入対価等の額ないし時価相当額等)をその取得後における効用持続期間において費用化することを前提とする規定であるところ、減価償却資産を相続等により取得した場合については、所得税法第60条の規定を受けた所得税法施行令第126条第2項において、相続人等は、当該減価償却資産を被相続人等の前所有者からの取得価額により取得したものとし、相続人等と被相続人等との間でいわゆる取得価額の引継ぎを行うものとして償却費の額の計算をすることとされているのであるから、取得時における当該減価償却資産の当該取得価額をその取得後における効用持続期間において費用化することを前提とする耐用年数省令第3条第1項の規定を適用して相続等による取得後の当該減価償却資産に係る償却費の額の計算を行うことはできないというべきである。(平24. 3. 1 大裁(所)平23-37)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平230011
- 裁決年月日
- 平成24年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、納税者自身に対する給料賃金を必要経費に算入できないとする規定はどこにもないのだから、請求人自信に対する給料賃金を不動産所得の金額の計算上必要経費として認めるべきである旨主張する。しかしながら、当該給料賃金は、請求人自身に対する給与として計上したものにすぎず、個人が支出する金員で不動産所得に係る業務の遂行上、直接かつ通常必要なものとして客観的に必要経費として認識できるものでないことから、必要経費に算入することは認められない。(平24. 2. 1 仙裁(所)平23-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230109ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成24年1月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、航空機リース業等を目的とする民法上の組合(本件組合)の清算に当たり、本件組合の業務執行者から、当該業務執行者に対する手数料(本件手数料)に係る未払債務につき支払いの免除を受けた額(本件手数料免除益)について、やむを得ない事情に基づき1回限りで行われたものであり、繰り返し生じることが予定されていないため、一時所得に該当すると主張する。しかしながら、本件手数料は、本件組合の業務である航空機の賃貸(リース)等を、業務執行者に委任したことに対する報酬として、組合員が支払うこととされたものであり、組合員は、未払の本件手数料に係る債務のうち持分相当額を、その支払日の属する年分の不動産所得の必要経費に算入していたところ、本件手数料に係る未払債務の全額について支払免除を受けたのであるから、本件手数料免除益は、その免除を受けた日の属する年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきものである。(平24. 1.16 東裁(所)平23-109)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平230010
- 裁決年月日
- 平成23年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、金融機関及び請求人が当時理事長をしていた人格なき社団からの借入債務について、不動産所得を生ずべき業務のために借り入れたものであるから、それらの利息債務及び遅延損害金債務の額は不動産所得の必要経費と認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張する借入債務については、そのほとんどが賃貸不動産の取得費又は不動産所得を生ずべき業務について生じた費用を支払うために借り入れられたものであることをうかがわせる証拠はなく、それらの債務について生じた利息の中に、不動産所得を生ずべき不動産の取得費又は不動産所得を生ずべき業務について生じた費用を支払うために借り入れた債務の利息は存在しないものと推定されることなどからすると、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入できる利息債務及び遅延損害金債務の額は零円となる。(平23.12.22 広裁(所)平23-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230068
- 裁決年月日
- 平成23年12月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の妻は賃貸物件の見回りや清掃を行うほか不動産所得に係るノートの作成をはじめとして不動産賃貸業に関わる一切の業務に従事しており、請求人の三男は、入居者の退去時の清掃、駐車場の維持管理、賃貸収入の入金確認、必要経費の支払及びインターネットを利用した情報収集と、請求人の不動産賃貸に係る事業に専ら従事している旨主張する。しかしながら、各物件の賃貸料は、請求人又は請求人の妻の預金口座に振込入金されており、請求人が持分の全てを有するC物件及びD物件に係る業務といっても、いずれも共用部分の清掃業務は管理組合を通じて専門の業者に委託されていたのであるから、不動産所得に係るノートの記載を除けばそれほど多くはなく、その他の物件についても、その貸付けの形態からすると請求人の不動産所得に関連する業務が日常的に頻繁に発生しているものとは到底考えられない。なお、請求人の妻が行う請求人の不動産賃貸業に関する業務は、社会通念上、夫婦の相互扶助の範囲内の行為あるいは日常生活の一環として行われている行為にすぎないというべきであり、また、請求人の三男の請求人の不動産賃貸に係る事業への従事状況を明らかにする資料は、原処分関係資料の中にはなく、当審判所に対しても提出されておらず、他に、請求人の三男が請求人の不動産賃貸に係る事業に専ら従事していたことをうかがわせる証拠は認められない。したがって、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平23.12.22 名裁(所・諸)平23-68)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230068
- 裁決年月日
- 平成23年12月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、消耗品費及びその他の経費として不動産所得に係るノートに記載された各金額が、必要経費に算入されるなどと主張する。しかしながら、不動産所得に係るノートに消耗品費等として記載した金額については、確かに当該ノートには、日付、品名等及び金額が記載されているものの、そのうち領収書等があるものは、原処分庁が主張するものだけであり、領収証等のないものに係る金額が支出された事実を明らかにすることができない。したがって、請求人の上記主張には理由がない。(平23.12.22 名裁(所・諸)平23-68)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230068
- 裁決年月日
- 平成23年12月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A物件(駐車場)の請求人の妻の持分が仮登記のため持分はないとしてA物件に係る固定資産税等の全額が、自宅1階部分を事務所として使用しており自宅に係る固定資産税等の2分の1が必要経費に算入されるなどと主張する。しかしながら、請求人の妻の持分が仮登記であるとする点については、A物件の登記事項全部証明書によれば、A物件は所有者を請求人として登記された後、権利者を持分4分の1請求人の妻として、仮登記されており、その後、登記内容が変更された事実はないことからすれば、A物件の共有持分割合は請求人4分の3、請求人の妻4分の1と認めるのが相当である。また、自宅1階部分を事務所として使用している点については、主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、その部分は必要経費となるところ、自宅を事務所として使用している状況又はその使用割合を明らかにする資料は、原処分関係資料にはなく、当審判所に対しても提出されておらず、当審判所の調査によっても、自宅が事務所として使用されている割合を明らかにすることはできないので、請求人が自宅を事務所として使用している場合の固定資産税等について、その主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合に該当しないといわざるを得ない。したがって、請求人の上記主張には理由がない。(平23.12.22 名裁(所・諸)平23-68)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230098
- 裁決年月日
- 平成23年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人の実弟夫婦から売買により取得した建物(本件建物)の売買代金額は、売買契約書に記載された金額ではなく、実弟夫婦が本件建物の建設に関連して借り入れ、請求人らが実弟夫婦に代わって支払った借入金債務の残高合計額である旨主張する。しかしながら、請求人ら及び実弟夫婦はそれぞれ、当該売買契約書に、その記載内容を認識しながら、自らの意思で署名押印したことが明らかであるから、他に特段の事情が認められない限り、請求人らと実弟夫婦との間で、当該売買契約書に記載されたとおりの合意がなされたものと認められるところ、請求人らと実弟夫婦との間で、当該売買契約書に記載された内容とは異なる別の合意がなされたと認めることはできず、特段の事情は存在しない。したがって、本件建物の取得価額に当たる売買代金額は、売買契約書に記載された金額である。(平23.12.19 東裁(所)平23-98)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230091
- 裁決年月日
- 平成23年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸用物件に係る各リフォーム工事は依頼した建築業者が実際に工事を行い、請求人が工事代金を支払い、その領収証の保存もあるから、当該各リフォーム工事に係る減価償却費等を不動産所得の必要経費に算入したことに誤りはない旨主張する。しかしながら、請求人は、上記各リフォーム工事に関する契約書を作成していない旨答述し、また、見積書や明細書等の証拠資料を破棄したとして提出せず、さらに、請求人が、当該各リフォーム工事の代金の送金等の状況を示したものとして当審判所に提出した資料によっても、当該各リフォーム工事との関連性は明らかではなく、工事を請け負ったとする建築業者の答述も曖昧であることからすれば、当該各リフォーム工事が実際に行われたと認めることができない。したがって、当該各リフォーム工事に係る減価償却費等を不動産所得の必要経費に算入することはできない。(平23.12. 8 東裁(所)平23-91)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230091
- 裁決年月日
- 平成23年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の住居を不動産貸付業務の事務所として常時使用し、その事務所スペースは概算で80%であるから、当該住宅関連費用(地代家賃及び水道光熱費等)の一部を不動産所得の必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、当審判所が、当該住宅の現況を実地に確認したところ、同住宅内に、請求人が事務所として使用していると主張するリビングその他の部分を含めて、事務所としての体裁を備えている場所は見当たらず、また、請求人は各賃貸物件に係る管理業務全般を管理業者に委託していたのであるから、請求人が当該住宅で行っていた業務は限定的なものにとどまり、それほど広いスペースを常時必要としたとは考えられない。他方、当該住宅内に、当該業務を行うための事務所として、明らかに区分して使用されている場所はない。そうすると、請求人において、当該住宅関連費用の一部が、当該不動産貸付業務の遂行上必要であり、かつ、その必要な部分を明らかに区分しているとはいえない。また、請求人は、青色申告者であるが、取引の記録等に基づいて業務の遂行上直接必要であった部分を明らかにしたともいえないから、当該住宅関連費用の一部を不動産所得の必要経費に算入することはできない。(平23.12. 8 東裁(所)平23-91)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230080
- 裁決年月日
- 平成23年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己が営む不動産貸付業務及び植木の剪定や留守宅の管理等の業務は、いずれも事業に該当するから、請求人の妻に対する青色事業専従者給与を必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、不動産貸付業務は、貸付先が業務開始当初から1件のみであり、日常的に賃借人の募集を行う必要がない上、賃料の入金は銀行預金口座に振込みのため集金業務を行う必要がなく、賃貸物件の清掃等日常の管理はマンションの管理組合が委託した業者等が行っていたことなどからすると、請求人が当該貸付業務に費やした精神的・肉体的労力は少なく、自己の危険と計算における事業遂行性に乏しいものであったといえる。また、植木剪定等業務は、収入を得られたのは3年間のうち1年のみ55千円であったことからすると、営利性、継続性を肯定できない上、そもそも請求人の生活は給与所得及び不動産貸付業務に係る不動産所得に支えられていたことが明らかである。以上のことから、請求人が行っていた不動産貸付業務及び植木剪定等業務は、社会通念上事業というに値する規模・態様でなされたとは認められず、不動産所得を生ずべき事業及び事業所得を生ずべき事業に該当しないから、妻に対する青色事業専従者給与を必要経費に算入することはできない。(平23.11.21 東裁(所)平23-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230080
- 裁決年月日
- 平成23年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自宅建物の床面積のうち40%に相当する各部屋を不動産貸付業務等の事務所として使用し、また、自家用車を当該業務に使用し、その使用割合は50%であるから、これらの資産に係る各減価償却費の一部を必要経費に算入すべき旨主張する。しかしながら、請求人は、これらの資産の使用状況が当該業務の遂行上必要であることを裏付ける証拠を提出していない。加えて、自宅建物については、事務所として明確に他の部分と区別して使用されている部分があったことを裏付ける証拠が存在しないから、使用状況が上記面積割合のとおりであったとまでは認めることができないし、自家用車については、主張する使用割合は請求人の主観的な判断によるものであるから、それ自体合理的なものとはいえない。そうすると、請求人が主張するように、これらの資産の各減価償却費の一部が、当該業務の遂行上必要であり、その必要である部分を明らかに区分できる場合には当たらず、また、青色申告者である請求人が、取引の記録等に基づいて業務の遂行上直接必要であった部分を明らかにしたともいえないから、自宅建物及び自家用車に係る各減価償却費の一部を必要経費に算入することはできない。(平23.11.21 東裁(所)平23-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230080
- 裁決年月日
- 平成23年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地とともに一括した価額で取得した賃貸用建物の取得価額は、その取得の際に売買の相手方の関係者に消費税の額として支払った金額を基に、当時の消費税の税率3%で除して算出すべきである旨主張する。しかしながら、仮に請求人が、当該金額を消費税名目で支払った事実があるとしても、当該金額は、建物の価額を明確にした上でその価額を基に計算されたものでないことが明らかであるから、当該建物の取得に係る消費税額とは認められず、請求人の主張する算出方法では合理的な計算はできない。そして、建物の取得価額が不明な場合の算定方法としては、直接法、差引法、按分法などの方法があるが、本件においては、直接法及び按分法を採用するための適切な資料がないことから、相続税評価額などから土地の価額を算定して、売買価額の総額から当該土地の価額を差し引く差引法が、採り得る合理的な方法であると認められる。原処分庁は、取得当時の路線価から算定した土地の価額を土地建物の売買価額の総額から差し引いて当該建物の取得価額を算定しているから、当該算定方法は合理的なものである。(平23.11.21 東裁(所)平23-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230080
- 裁決年月日
- 平成23年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、中古資産の耐用年数について、錯誤により簡便法を適用できなかったのであるから、業務の用に供した年分に遡及して簡便法を適用すべきである旨主張する。しかしながら、簡便法は、中古資産を業務の用に供した最初の年分に選択した場合に限り適用できるものであるところ、請求人は、簡便法が適用できることを知らなかったため簡便法を適用しなかったものであるから、当該中古資産の耐用年数は法定耐用年数によるほかない。そして、請求人の主張は、法令等の不知を主張するに過ぎず、請求人の申告自体を無効にするような客観的に明白かつ重大な錯誤があったとは認められない。(平23.11.21 東裁(所)平23-80)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230020
- 裁決年月日
- 平成23年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804040
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/4訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が不動産管理業務を委託していた関係法人が請求人が貸付けの用に供していたマンションの敷地上に正当な権限なく設置したトランクルームの撤去及び占有部分の明渡しを求めた訴訟並びに当該マンションの持分を含む遺産分割協議につき無効確認を求めてされた訴訟に対する各弁護士費用が、前者は請求人の不動産賃貸業務に関連するものであり、後者は収益物件に係る請求人の権利を守るためのものであるから、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきものである旨主張する。しかしながら、当該各弁護士費用の発生原因となった争いは、それぞれ請求人の不動産所得を生ずべき不動産の賃貸業務の遂行上必要とされるものとまでは認め難く、また、当該不動産の賃貸業務と関連性を持つものとは認め難いから、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平23.11.11 大裁(所)平23-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230038
- 裁決年月日
- 平成23年9月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 原処分庁は、請求人が賃貸及び事業の用に供している建物等について、請求人らが役員を務める本件同族会社が管理業務を行っていたとする証拠がなく、仮に行っていたとしても請求人が主張する行為は管理業務とは評価できないから、請求人の不動産所得及び事業所得の必要経費に算入すべき管理費の額は、本件同族会社が再委託先に支払った再委託料の額の一部に限られる旨主張する。しかしながら、本件同族会社は、自ら当該建物等の管理業務を行っていたと認められることから、請求人が本件同族会社に支払った管理費の額うち、必要経費に算入すべきと主張する額(請求人主張管理費額)は、その全額が、請求人の不動産所得及び事業所得に係る業務と直接の関係を持つ費用であり、かつ、本件同族会社の行った管理業務の内容からみて、各業務の遂行上必要な費用であると認められる。したがって、請求人主張管理費額は、請求人の不動産所得の金額及び事業所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである。(平23. 9. 2 東裁(所・諸)平23-38)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230024
- 裁決年月日
- 平成23年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人に帰属するとした建物の賃貸収入について、月額10,000円で賃借人に賃貸し、当該賃借人が第三者に当該建物を転貸して得た収入は当該賃借人の収入であり、また、請求人は当該転貸家賃を受け取っていたが、それは当該賃借人が請求人に対して負っている債務保証に充当したものであるから、請求人の家賃収入は月額10,000円であり、必要経費を差し引くと不動産所得は発生しない旨主張する。しかしながら、当該賃借人は請求人の節税のために賃貸借契約の名義を貸したものであり、また、当該賃借人が請求人に対して債務保証を行ったとも認められず、当該建物の第三者への家賃収入は請求人に帰属すべきものである。(平23. 7.25 東裁(所)平23-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230006ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成23年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802990
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建物信託の受益者であるが、当該建物信託に係る賃貸借契約の解約に伴って、受託者が負担すべき敷金の返還債務と相殺された賃借人が負担すべき原状回復義務の免除に係る代償金(本件代償金)について、①信託受益権及び土地を受託者に譲渡(本件譲渡)しており、受託者が、本件代償金を敷金返還債務と相殺することによって、売買代金の支払資金に充当したから、本件代償金は譲渡所得に係る総収入金額に算入されているので、不動産所得に係る総収入金額に算入すべきでない旨、②受託者は、建物の原状回復を行わなかったのであるから、本件代償金は土地の買主である受託者に課税されるべきである旨、③本件譲渡をすると同時に不動産貸付業を全面的に廃止しているから、本件代償金が建物の賃貸借に関連した収入ではない旨主張する。しかしながら、請求人は、信託契約の成立の際に受託者が負担すべき敷金返還債務を引き受けており、受託者と連帯して履行の責めに任ぜられ、受託者と賃借人の賃貸借契約の解約合意によれば、本件代償金は、賃貸借契約を解約し、建物の明渡しに当たって賃借人が負担すべき原状回復義務一切を免れる代償金として、受託者及び請求人が負担すべき敷金返還債務と相殺されたものであるから、賃貸借契約と密接に関連し、終了時の法律関係を整理するものと認められる。すなわち、建物の賃貸借に付随する収入というべきであり、請求人が建物信託の受益者であるから、所得税法第13条《信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属》第1項第1号の規定に基づき、本件代償金は、請求人の不動産所得の総収入金額に該当する。なお、請求人が主張する①の点については、請求人が実際に受け取った売買代金は、譲渡価額から、本件代償金を控除後の敷金返還債務を差し引いた金額であるから、売買代金の総額を譲渡所得の総収入金額に計上しても、本件代償金を譲渡所得の総収入金額に計上したことにはならず、②の点については、所得税法第13条第1項第1号の規定に反するものであり、③の点については、上記のとおり、賃貸借の解約に伴う不動産所得に付随する収入であり、廃止に至る過程で生じた収入であるから、廃止後に生じたものであるとする点においてその前提を欠く。(平23. 7. 7 名裁(所・諸)平23-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230002
- 裁決年月日
- 平成23年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが代表取締役を務める同族会社(本件同族会社)は、請求人の所有不動産(本件不動産)に係る管理業務を行っているから、請求人が本件同族会社に対して管理料の名目で支払った金員(本件金員)は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、①本件同族会社が本件不動産の管理業務を行ったことをうかがわせる費用の計上は認められず、②本件同族会社が管理業務を履行したことを証する報告書類等は作成されていない、③本件同族会社以外の業者に管理業務を委託し、その費用は請求人の不動産所得の必要経費に算入している、④本件同族会社以外の業者に委託している管理業務以外の業務は、請求人及びその家族が本件不動産の所有者として行った業務であると認められる。以上によれば、本件同族会社が本件不動産の管理業務を行っていたと認めることはできないのであるから、本件金員は、不動産所得を生ずべき業務について生じた費用には該当せず、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平23. 7. 4 東裁(所)平23-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220230
- 裁決年月日
- 平成23年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件和解調書に請求人の債務の一部の支払義務を「免除」すると記載されているのは債権者の都合によるもので、法的な意味はなく、債権者からは、債権者の不適切な行為に基因する債務の「減額」をされたにすぎないから、債務免除をされたのではないという趣旨の主張をする。しかしながら、和解調書の記載は、確定判決と同一の効力を有するものであり(民事訴訟法第267条《和解調書等の効力》参照)、特段の事情のない限り、和解の期日において、和解調書の記載と異なる合意がなされることはないと考えられるところ、請求人の上記主張は、本件和解調書の「支払義務を免除する」との記載と明確に反する上、他の和解条項においても、債務を減額する旨の記載は存在せず、また、当審判所の調査の結果によっても、本件和解の期日において、本件和解調書の記載と異なる合意がなされたことをうかがわせる客観的証拠は見当たらず、上記特段の事情があるとは認められない。したがって、請求人の主張には、理由がない。(平23. 6.22 東裁(所・諸)平22-230)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220060
- 裁決年月日
- 平成23年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸アパートの貸付けに際して、賃借人から受け取った家賃の3か月分に当たる敷金のうち同2.5か月分に当たる償却分は、入居者が退去する際に返還を求められた場合には返還すべきものであり、賃貸借契約書に償却の記載があった場合でも、賃借人が退去する時点までは返還するか否か分からない賃借人からの預り金であって、預かった年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきでなく、また、次の賃借人に貸すには、別途、クリーニングをする必要があるから、クリーニングが終了し、クリーニング代の精算をした時点で収入に計上すべきものである旨主張する。しかしながら、当該償却分は請求人が賃貸管理業務を委託した管理会社に預託する敷金からは除くものとされ、賃貸契約の仲介人らの申述によれば、敷金の償却分は借主に返還しないものとされていたのであるから、当該敷金は、賃貸借契約によって当該アパートの貸付けが開始された日に、これを取得する権利が請求人に生じ、そのうち償却分は、直接請求人の管理下に置かれる金員とされたものと認められ、また、当該償却分が請求人の主張するように、クリーニング等の費用に充てられたとしても、それは、償却分を取得した後の使途の問題にすぎず、その取得の時期を左右することになるものではない。したがって、上記の敷金のうち返還を要しない償却分は、敷金を受領した年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきであるから、請求人の上記主張にはいずれも理由がない。(平23. 6.16 名裁(所・諸)平22-60)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220083
- 裁決年月日
- 平成23年6月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№83
要旨
○ 原処分庁は、店舗用建物たる本件建物及びその敷地たる本件各土地を併せた本件各土地建物に係る管理全般についてN社が行っており、請求人の子が代表取締役を務める本件法人は、請求人ら及びN社に対する金銭の支払行為を行っているものの、本件建物に係る共有持分(本件建物持分)及び本件各土地の一部である本件土地の管理業務を行っているとはいえないため、本件法人に請求人が支払った管理費相当額(本件管理費)は請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない旨主張する。しかしながら、ある支出が不動産所得における必要経費に該当するためには、業務関連性がなければならないとともに、その必要性の判断においても、単に事業主の主観的判断のみによるものではなく、客観的に必要経費として認識できるものでなければならないと解されるところ、請求人の不動産所得の総収入金額に算入すべき金額は、賃借人をK社として本件建物を賃貸する旨の本件契約に係る賃料であることから、必要経費に算入すべき金額も本件契約に関して支出された費用に限られることとなる。そして、本件法人は、請求人らから本件建物持分及び本件土地の管理業務を受託し、本件契約の更新及び補修工事等に係る各種連絡を受けてK社及びN社と協議し、本件法人名議で本件契約に係る各種の支払を行うなどしてこれらに対処している事実が認められることから、本件建物持分及び本件土地に対する管理業務を行っているものと認められる。そうすると、請求人から本件法人に対して支払われた本件管理費は、請求人のN社に対する本件建物持分の賃貸業務の遂行上必要な支出であると認められることから、請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されるものと認められる。(平23. 6. 7 大裁(所・諸)平22-83)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220177
- 裁決年月日
- 平成23年3月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803040
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/4地代等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、妻のノート及び現金出納帳は誤りがないよう記帳していたから各駐車場に係る収入金額に誤りはないなどと主張するが、当該ノート等にはいずれも賃料収入の記帳漏れ、集計誤り及び収入計上時期のずれがあると認められ、原処分庁が主張する各駐車場に係る収入金額は、これらの誤りを是正して算定したものであり、この収入金額の算定方法に不合理な点があるとは認められない。(平23. 3.28 東裁(所・諸)平22-177)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220177
- 裁決年月日
- 平成23年3月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804070
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/7支払地代
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の姉妹から賃借した各駐車場の地代(支払賃料)を支払う際、同人らから金員を受領していたところ、この金員は寸志として受け取ったものであるから、原処分庁が支払賃料の値引きに当たるとして必要経費である支払賃料を減額したことは誤りであると主張する。しかしながら、当該金員は、地代の支払先から受領したものであり、請求人の地代の負担を実質的に減少させるものと認められるから、その名目にかかわらず地代(支払賃料)の値引きとみるのが相当である。(平23. 3.28 東裁(所・諸)平22-177)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220173
- 裁決年月日
- 平成23年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人は、妻が、貸付不動産の賃借人、修繕業者等との連絡及び不動産物件取得を目的とする調査等に従事しており、請求人の不動産所得を生ずべき事業に専ら従事しているので、同人に対する給与は、不動産所得の金額の計算上控除されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が、貸付不動産の管理のほとんどを不動産業者に委託していることからすれば、請求人の不動産所得に関連する電話や郵便物の発送及び受渡しが日常的に頻繁に発生しているものとは到底考えられず、妻が行う電話の取次ぎや郵便物の発送及び受渡しは、社会通念上、夫婦の相互扶助の範囲内の行為あるいは日常生活の一環として行われている行為にすぎないというべきである。また、請求人は、妻が、インターネットを通じて、毎日数時間かけて新しい物件情報の入手作業をしていると当審判所に対して説明するにとどまり、この点を含め妻が請求人の不動産所得を生ずべき事業に専ら従事していることを、合理的に裏付ける証拠の提出はないから、請求人の妻は、不動産所得を生ずべき事業に専ら従事する者には当たらない。(平23. 3.25 東裁(所)平22-173)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220173
- 裁決年月日
- 平成23年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 請求人は、車輌及び住居に係る経費等については、必要経費に算入すべきであると主張する。しかしながら、これらの経費については、家事費又は家事関連費に該当するものであると認められ、仮に、家事関連費であるとしても、請求人は、事業の遂行上直接必要である部分を取引の記録等に基づいて明らかにしたとはいえないから、請求人の不動産所得の金額の計算上その金額を必要経費に算入することはできない。(平23. 3.25 東裁(所)平22-173)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220173
- 裁決年月日
- 平成23年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№82
要旨
○ 必要経費についての立証責任は、原則として原処分庁にあると解すべきであるが、一般に必要経費は請求人にとって有利な事柄であり、請求人の支配領域内のこととして証拠資料を整えておくことが容易であるから、原処分庁が具体的な証拠に基づき一定額の経費の存在を明らかにし、これが収入との間に合理的対応関係を有すると認められる場合は、これを超える額の必要経費は存在しないものと事実上推定され、請求人は、経費の具体的内容を明らかにし、ある程度これを合理的に裏付ける程度の立証をしなければ、上記推定を覆すことはできないと解されるところ、請求人が、飲食代及び交通費が必要経費に当たることについて、経費の具体的内容を明らかにし、ある程度、これを合理的に裏付ける程度の立証をしたと認めることはできないから、必要経費に算入することはできない。(平23. 3.25 東裁(所)平22-173)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平220020
- 裁決年月日
- 平成23年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有する区分所有建物の減価償却費を計算するに当たり、①当該建物は一つの建物であるからその専有部分に住宅用のもののほか事務所用のもの等があっても、異なる法定耐用年数を適用すべきではなく、床面積の割合から、住宅用の法定耐用年数を適用すべきである旨、また、②仮に、用途が異なるとして、別々の法定耐用年数を適用する場合には、事務所にも店舗にも利用できるものであるから、店舗用の法定耐用年数を適用すべきである旨主張する。しかしながら、①については、法定耐用年数は、減価償却資産ごとにその種類、構造、用途に応じて合理的に定められており、区分所有建物については、同一の建物であっても、その専有部分の用途に応じて、それぞれの法定耐用年数を適用することが相当であり、②については、当該事務所部分の用途は事務所であるから、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平23. 3. 2 広裁(所)平22-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220039
- 裁決年月日
- 平成23年2月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産賃貸業を営んでいる請求人は、A国でリゾート開発事業を手掛ける本件開発会社に対して貸し付けた本件貸付金について、当該リゾート開発に関する事業に参加し、その結果として不動産の貸付けをすることを目的として貸し付けたものであり、また、当該事業は、A国における請求人のホテル及びレストランの経営と一体のものであるから、本件貸付金は不動産所得を生ずべき事業の遂行上生じた貸付金に該当し、その全額を貸倒引当金に繰り入れた貸倒引当金繰入額は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、所得税法第52条《貸倒引当金》第1項にいう事業の遂行上生じた貸付金とは、当該事業の遂行と何らかの関連を有する限りの貸付金のすべてをいうものではなく、その業種業態からみて、当該事業の遂行上通常必要であると客観的に認め得るものをいうものと解されるところ、本件貸付金については、請求人が本件開発会社の事業に参加して、A国で土地に関する権利を取得してこれを活用することで何らかの収益を上げることを目的としていたと認められるものの、請求人が取得する当該権利をどのような用途に活用し、実際にどのような事業を営む予定であったかについて具体的に明らかにする事実及び証拠はないから、本件貸付金及びこれにより取得する当該権利が不動産所得を生ずべき事業の用に供されるものであったということはできず、また、請求人が開発事業と一体のものであると主張するホテル及びレストランの経営は、請求人が本件開発会社のリゾート開発から撤退した後も同じ地域で事業活動を展開した結果、当該ホテル及びレストランの経営に至ったとしても、当該事業が本件貸付金の目的であったと認めることはできないから、本件貸付金が不動産所得を生ずべき事業の用に供されるものであったことの証左とはなり得ない。したがって、本件貸付金は、請求人の不動産所得を生ずべき事業の遂行上通常必要であると客観的に認めることはできないので、本件貸付金に係る貸倒引当金繰入額は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平23. 2.24 名裁(所)平22-39)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220054
- 裁決年月日
- 平成23年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804070
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/7支払地代
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、長男宅に請求人が寝泊まりするようになったのは請求人の体調が悪化したため緊急避難的に介護しやすい方法をとったのであり、同居したわけではないから、長男夫婦は請求人と生計を一にする親族に当たらない旨主張する。しかしながら、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる特段の事情があるときを除き、これらの親族は生計を一にするものと推認され、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められるためには、少なくとも家事上の共通経費について実費の精算が行われ、家事上の支出に関して親族間における債権債務の発生及び決済の状況が明らかにされていることが必要であると解されるところ、請求人が原処分調査及び異議申立てに係る調査において提出した書面の記載並びに請求人の電気及び水道使用量の状況から見ると、請求人は長男夫婦と同一の家屋に起居しており、家事上の共通経費について実費の精算をしていなかったことが認められ、その他請求人と長男夫婦が明らかに互いに独立した生活を営んでいると認めるに足りる証拠もないから、長男夫婦は請求人と生計を一にする親族と認めるのが相当である。(平23. 2.23 関裁(所)平22-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220117
- 裁決年月日
- 平成22年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した不動産の貸付けから生ずる不動産所得の金額は、民法第909条《遺産の分割の効力》の規定により、相続開始の時から遺産分割調停成立までの間に相続物件の貸付けから生じた賃料債権のうち、遺産分割調停により請求人が取得した不動産の貸付けから生じたもののみを、相続開始の時にさかのぼって取得する旨主張する。しかしながら、遺産は、相続人が数人あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるから、この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解するのが相当であり、上記賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けないものというべきであることから、未分割財産である賃貸不動産から生ずる賃貸料収入は、相続分に応じて各共同相続人帰属することとなる。(平22.12. 6 東裁(所)平22-117)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平220020
- 裁決年月日
- 平成22年11月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成19年12月10日に取得した居住用及び事務所用共用の中古賃貸マンション(本件物件)の平成19年12月分の居住用部分に係る日割り賃料等(本件賃料等)について、本件物件の譲渡人との間で本件賃料等の清算は行わない旨合意があり、当該合意に基づき本件賃料等を受領しなかったのであるから、本件賃料等は請求人に帰属しないなどと主張する。しかしながら、本件物件の売買契約及び上記合意を通じて当事者間で成立した合意の内容は、本件賃料等に係る清算金を金銭で清算することに代え、請求人が本件物件に係るガス設備を取得するものと認めることができるから、本件賃料等は、請求人よって単に無償で放棄されたというものではなく、本件賃料等と当該ガス設備との間に対価関係が存すると認めることができる。そうすると、所得税法第36条《収入金額》第1項は、各種所得の総収入金額には金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の額を含む旨規定しているところ、本件賃料等と対価関係に立つ請求人が取得したガス設備の価額は、不動産所得に係る総収入金額に算入すべきである。(平22.11. 9 関裁(所・諸)平22-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220101
- 裁決年月日
- 平成22年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人の事業専従者(妻)の不動産貸付けに係る従事内容である資金繰りの調整とは、主として生活費のやりくりであること、また、賃料交渉は平成21年7月ころ1回あったのみであること、賃貸物件に係る保険の交渉は年1回であること、花壇の草取り等の通常管理は、本来賃借人が行うものであることなど、不動産貸付けに係る妻の従事の程度は僅少であり、所得税法施行令第165条《親族が事業に専ら従事するかどうかの判定》第1項の規定に照らすと、専ら従事していたものとはいえないから、妻は事業専従者及び青色事業専従者に該当しない。(平22.11. 8 東裁(所)平22-101)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220101
- 裁決年月日
- 平成22年11月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803010
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/1事業、業務の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が営む不動産貸付け(本件貸付け)は、社会通念上不動産所得を生ずべき事業に該当する旨主張する。しかしながら、本件貸付けは賃借人が、賃貸物件である本件建物の建築資金を建設協力金として拠出し、昇降機設備以外の建物附属設備、内部造作及び駐車場設備等の工事費用も負担しており、本件建物の敷地購入のための借入金も賃料収入によって安定的に返済できる上、本件貸付けが中途解約された場合には、請求人は、当該建設協力金を全額没収できるなど、請求人の危険と計算における事業遂行性は高いとはいえない。また、請求人は、本件貸付け以外には不動産の貸付けを行っていないところ、本件貸付けは、1棟の建物を一の賃借人に賃貸するもので、賃借人の募集を行う必要はなく、賃料の入金はすべて振込みのため集金業務を行う必要もない。さらに、本件建物に係る維持管理はすべて賃借人が行う契約となっていて、本件建物には管理人室等、請求人が本件建物を管理するための設備は無く、賃借人以外の第三者に管理を委託している事実もないなど、本件貸付けのための人的・物的設備は存在せず、取引に費やした精神的・肉体的労力の程度は著しく低い。そうすると、本件貸付けは、不動産所得を生ずべき「事業」に該当するとまではいえないと解するのが相当である。(平22.11. 8 東裁(所)平22-101)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220029
- 裁決年月日
- 平成22年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804040
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/4訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、未分割の相続財産である不動産の一部を第三者に賃貸し、これにより生じた本件賃料を収受してきたが、請求人を含む親族間の本件賃料に対する不当利得返還請求訴訟に係る本件弁護士費用及び当該訴訟に係る和解条項に基因して支払うこととなった本件金員について、本件賃料の全額を収入金額として計上してきたことからすると、本件弁護士費用及び本件金員を不動産所得を生ずべき業務について生じた費用として不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入できるのである旨主張する。しかしながら、当該訴訟及び訴訟手続において成立した和解は、飽くまでも親族間における不当利得返還請求権の存否を争うものであって、本件賃料に関して第三者との間で締結されている賃貸借契約に係る権利関係等には変動をもたらし得ないものと認められる。そうすると、本件弁護士費用及び本件金員は、どちらも、請求人の不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要な支出であると認められないことから、不動産所得の金額の計算上、必要経費の額に算入することはできない。(平22.11. 1 大裁(所)平22-29)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220030
- 裁決年月日
- 平成22年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804040
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/4訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、未分割の相続財産である不動産の一部を第三者に賃貸し、これにより生じた本件賃料を収受してきたが、請求人を含む親族間の本件賃料に対する不当利得返還請求訴訟に係る本件弁護士費用及び当該訴訟に係る和解条項に基因して支払うこととなった本件金員について、本件賃料の全額を収入金額として計上してきたことからすると、本件弁護士費用及び本件金員を不動産所得を生ずべき業務について生じた費用として不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、当該訴訟及び訴訟手続において成立した和解は、飽くまでも親族間における不当利得返還請求権の存否を争うものであって、本件賃料に関して第三者との間で締結されている賃貸借契約に係る権利関係等には変動をもたらし得ないものと認められる。そうすると、本件弁護士費用及び本件金員は、どちらも、請求人の不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要な支出であると認められないことから、不動産所得の金額の計算上、必要経費の額に算入することはできない。(平22.11. 1 大裁(所)平22-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220075
- 裁決年月日
- 平成22年10月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産仲介業者の社長及び担当者に対し、商品券を購入して渡したことから、その購入代金を不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該主張を裏付ける客観的な証拠はなく、また、仮に請求人が主張するとおり、商品券を購入して本件各仲介業者の社長及び担当者に渡したとしても、当該商品券代は、家賃の滞納等の経営上の問題を解決してもらうための費用とはいえず、業務について生じた費用とは認められないから、必要経費に算入することはできない。(平22.10. 5 東裁(所)平22-75)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220075
- 裁決年月日
- 平成22年10月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃借人の滞納家賃の額は、平成19年分の不動産所得の金額の計算上、貸倒損失として必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、滞納家賃の債権が、債務免除等により法律上消滅したことを窺わせる証拠はなく、各滞納家賃の債務者は、いずれも引き続き請求人から部屋を賃借し、平成20年中もその賃料を支払っていたことが認められるから、滞納家賃の回収が事実上不可能であるとも認められない。したがって、不動産所得の金額の計算上、当該滞納家賃の金額を貸倒損失として必要経費に算入することはできない。(平22.10. 5 東裁(所)平22-75)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220057
- 裁決年月日
- 平成22年9月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税青色決算書(一般用)の専従者給与欄に、妻に対する専従者給与の金額を記載をしたのは記載ミスであり、妻は、不動産所得に係る事業専従者である旨主張する。青色事業専従者に対する給与を経費とするためには、青色事業専従者給与に関する届出書に、青色事業専従者の職務の内容及び給与の金額を記載して届け出るとともに、従事していた事業の必要経費として算入する事が求められているところ、同制度の趣旨は、納税者が家族専従者に対して支払った給与を、一定額を限度として必要経費に算入することを認めるものであり、納税者に対する減税の効果をもたらすものであること等に照らすと、その適用は厳格にすべきであり、記載ミスであるとの理由により瑕疵が治癒されるものではない。請求人は、異議調査担当者に対して「給与受取台帳」と題する書面を提示したのみで、青色申告に係る帳簿書類を提示せず、妻が不動産所得を生ずべき事業に従事した労務の性質及びその提供の程度等について具体的な説明もしていないばかりか、当審判所に対しても、妻の業務内容について事実確認を行うための資料を提出しておらず、このような証拠関係の下では、請求人の不動産所得を生ずべき事業に専ら従事していたとは認められない。(平22. 9. 6 東裁(所)平22-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220043ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成22年8月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社は、請求人の不動産所得に係る本件各賃貸物件の管理業務を行っているから、請求人がA社に対して管理料の名目で支払った本件管理料は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第37条第1項に規定する「販売費、一般管理費及びその他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」とは、当該業務の遂行上生じた費用、すなわち業務と関連のある費用をいうが、単に業務と関連があるというだけでなく、客観的にみてその費用が業務と直接の関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものに限られるところ、本件各賃貸物件には、請求人がA社以外に管理業務を委託している業者があり、これらの業者が必要な管理業務を行っていることから、本件各賃貸物件の管理を更に委託する必要性や合理的な理由は認められないこと、A社の総勘定元帳によれば、管理業務を行っていることをうかがわせる費用は計上されておらず、同社が管理業務を行っていたとは認められないこと、請求人とA社間の管理委託業務に係る契約書は作成されておらず、本件管理料の算定も不動産収入の20%以内なら問題ないとの認識で算定されるなど、A社が管理業務を行うことを予定されていなかったことが推認されることから、A社が本件各賃貸物件の管理業務を行っていたことを客観的に認識することはできない。そうすると、本件管理料は、請求人の営む不動産貸付業務と関連を有する支出とは認められないから、不動産所得の計算上必要経費に算入することはできない。(平22. 8.26 東裁(所)平22-43)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210031
- 裁決年月日
- 平成22年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、借家人が20年間にわたって賃借料を支払えば貸家及びその敷地の所有権を移転するとの特約事項に基づき、平成20年に所有権を移転したものであるから、所有権移転のあった日に、それまでの賃借料の一部を譲渡代金とみなし、その日の属する年分の譲渡所得として処理するのが合理的であり、平成19年分の不動産所得の総収入金額から譲渡の対価に相当する部分の金額を控除する内容の更正の請求には理由がある旨主張する。しかしながら、請求人は、①建物の賃貸料としての金員を20年間にわたり受領していること、②賃貸料は当時の家賃相場として相当な金額であること、③建物賃貸借契約が途中で解約された場合でも賃貸料の一部が返還されることはないこと、④賃貸料の一部を譲渡代金とする旨の取決めがあったとは認められないことからすると、賃貸料はその全額が不動産所得の総収入金額に該当する。また、当該特約事項については、「停止条件付の贈与契約」と認められるから、既に受領した賃貸料の一部が譲渡の対価に相当する旨の請求人の主張には理由がない。(平22. 6.28 仙裁(所)平21-31)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210129
- 裁決年月日
- 平成22年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が代表取締役を務める同族会社に請求人所有の不動産を使用させ、金員を受領していたが、平成18年8月1日から平成19年7月31日までの期間は、当該期間前に零円とする合意があり、当該不動産の貸借関係は使用貸借に変更されたことから、当該不動産に係る減価償却費等は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができない旨主張するが、請求人と当該法人との間には、当該不動産に関し、平成18年7月31日までの期間及び平成19年8月1日以降の期間において、賃貸借の合意が存在するのであり、この賃貸借には賃貸借期間の定めの存在を認めるに足りる証拠はなく、平成18年8月1日から平成19年7月31日までの期間においても、賃貸借が使用貸借に変更されたと認めるべき特段の事情がない限り、賃貸借が存続しているというべきであるから、当該期間における当該不動産に係る収入すべき賃貸料の額を全額総収入金額に算入するとともに、当該不動産に係る減価償却費等は不動産所得の金額の計算上、全額必要経費に算入することとなる。(平22. 6.24 関裁(所)平21-129)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210181
- 裁決年月日
- 平成22年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有している本件土地を貸し付ける予定であり、また、かつて貸付けの用に供していた不動産の所有権を失っても、これらの不動産の取得資金に充てた借入金の利息等は毎年発生しており、不動産貸付けの業務は継続しているから、当該借入金利息等は、不動産所得の必要経費として認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、各年分において他に貸付けの用に供する不動産を所有していなかったため、不動産貸付けによる収入を得ておらず、また、本件土地は近い将来において確実に貸付けの用に供されるものと考えられるような客観的な状態になかったのであるから、請求人は、各年分において、不動産所得を生ずべき業務を行っていたとは認められず、したがって、仮に、各年分において、借入金利息等の費用が発生していたとしても、これらの費用は不動産所得の必要経費に該当しない。(平22. 6.17 東裁(所)平21-181)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210027
- 裁決年月日
- 平成22年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得の金額の計算上、請求人本人に対する給料を必要経費として控除していたことについて、所得税法には、事業主本人に対する給料を不動産所得の金額の計算上必要経費として控除できないとの規定はなく、また、不動産所得の金額の計算においても贈与税や公的年金等と同様の控除額が認められるべきであり、当該給料は必要経費として認められるべきである旨主張する。しかしながら、当該給料は、請求人が賃借人から受領した毎月の賃貸料収入のうち、任意に決めた金額を自己の労働の対価であると評価したものにすぎず、不動産所得を生ずべき業務について生じた費用として支出されたものではないから、所得税法第37条第1項の規定の適用はない。また、不動産所得の金額の計算においても贈与税や公的年金等と同様の控除額が認められるべきであるとする主張は、法の制定に関する主張であり、当該主張に対する判断については当審判所の権限外のことであるから、審理の限りではない。(平22. 6.10 仙裁(所)平21-27)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平210009
- 裁決年月日
- 平成22年6月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分において不動産所得の必要経費に算入されていない修繕費等がある旨主張し、当審判所に対し、当該取引に係る領収証等を提示する。しかしながら、請求人は継続的に記帳した帳簿書類を備え付けていない上、当審判所の調査によれば、請求人が各取引先に依頼して発行させた領収証等は、①実際には工事が行われておらず架空のもの、②業務に関連のない請求人の自宅の工事に係るもの、及び③原処分において既に必要経費に算入されているものがほとんどであり、また、請求人がレシート等を証拠資料とする取引については、それが請求人の支出によるものかどうか及び業務に関連したものかどうかも明らかでなく、請求人からはこれ以上の証拠資料の提示もないことから、不動産所得の必要経費として認めることはできない。(平22. 6. 2 金裁(所)平21-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210152
- 裁決年月日
- 平成22年5月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が信託契約を介して参加した米国における不動産の取得及び賃貸に係る投資事業(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益について、請求人は、①本件不動産投資事業を行うために、当該信託契約に係る信託(以下「本件信託」という。)の受託者が米国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(以下「本件LPS」という。)を外国法人と取り扱うことはできないこと、②本件LPSは有責組合と類似した性格を有する事業体であり、本件LPSにについても構成員課税がなされるものと予測して参加したのであり、これを覆して事業体課税をすることは納税者の予測可能性を害することなどから、不動産所得に該当する旨主張し、他方、原処分庁は、①本件信託は外国投資信託(委託者非指図型投資信託に類するもの)であること、②本件LPSは外国法人に該当するから、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、本件不動産投資事業に係る損益は配当所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件不動産投資事業に係る不動産を賃借人に対して賃貸していたのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人としてこれを賃貸していたと認めることはできないから、請求人に配分される本件LPSの損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得であるとはいえず、不動産所得に当たらない。一方で、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、本件LPSによる請求人に対する損益の配分は、利益の処分として行われたものではないから、当該損益は、配当所得にも当たらない。また、請求人の本件信託を通じての本件LPSに係る契約とこれに対する出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。(平22. 5.10 東裁(所)平21-152)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210149
- 裁決年月日
- 平成22年4月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、請求人が不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した本件ゴルフ代の支出に関し、賃貸物件の補修の必要性や家主である請求人に対するクレーム等を把握し、これらに対応することで、賃貸物件を優良なテナントに長く貸し付けることができるよう、テナントの代表者等に対するゴルフ接待を行うとともに、種々の情報を得て不動産の購入を容易にし、また、購入資金の融資の点でも有利になるよう、かつての勤務先である銀行の後輩等に対するゴルフ接待を行っていた旨主張する。しかしながら、本件ゴルフ代についてみると、請求人が接待の相手方であると主張する者のうち、?請求人の主宰法人が所有する不動産のテナントについては、請求人の不動産所得に係る業務の遂行とは直接関係がなく、?請求人が所有する不動産のテナントの関係者についても、請求人が賃貸物件の補修の必要性や家主である請求人に対するクレーム等を把握するために、これらの者とゴルフをする必要があったとは認め難く、?かつての勤務先である銀行の後輩については、間接的に、請求人の不動産貸付業に有益な情報が得られる場合があるとしても、これらの者とゴルフをすることが、業務の遂行上直接必要であったとまではいい難く、さらに、?請求人はゴルフクラブの会員として、本件各年分を通じて、毎年相当の回数のプレーをしており、その大半を女子プロゴルファーと2人でプレーしている上、請求人が接待交際費に該当すると主張する上記各相手先とのゴルフについても、いずれも上記女子プロゴルファーを同伴させていることからすれば、本件ゴルフ代は、結局のところ、請求人の趣味・し好としてのゴルフプレーのために支出された家事上の経費であると評価せざるを得ず、家事費に該当するから、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないというべきである。(平22. 4.22 東裁(所・諸)平21-149)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210047
- 裁決年月日
- 平成22年4月2日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の長男が営むコンビニエンスストアに係る地代並びに店舗の建築資金の借入金に係る元本及び利息の返済相当額を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、これらの支出は、請求人が賃貸の用に供する物件に関し支出されたものとはいえず、請求人の不動産所得とは無関係であるから、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。(平22. 4. 2 大裁(所)平21-47)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210047
- 裁決年月日
- 平成22年4月2日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃借人が行方不明となり、未収賃料を回収することができなかったのであるから、当該未収賃料は、行方不明となった事実が判明した年分の貸倒損失として不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、当該賃借人は、行方不明ではなく、請求人が貸倒損失と主張する年分においても請求人の賃貸物件で事業を行っており、当該未収賃料が貸倒れになったとは認められないことから、当該未収賃料を貸倒損失として不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。(平22. 4. 2 大裁(所)平21-47)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210043
- 裁決年月日
- 平成22年3月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、競売により取得した各物件の管理組合に支払うべき管理費等のうち、各物件の取得価額に算入される金額は、裁判所が作成した本件現況調査報告書又は裁判所に提出された不動産鑑定士作成の本件評価書に記載された前所有者の滞納額である旨主張し、また、各物件のうち、本件マンションの占有者に対する明渡費用の一時金の支払は、立退きの効果が生じなかった支出であり、裁判所による強制執行に伴い支払った占有者が残した道具類等残置物の処分費用は、事後的で偶発損失による支出で、当初から予定されていたものではないことから、必要経費に当たり、取得価額に算入されるものではない旨主張する。しかしながら、各物件の取得価額に算入されるべき金額は、建物の区分所有等に関する法律第8条の規定からすると、請求人が競売により各物件を取得するまでに発生した未払いの管理費等の金額であるというべきであるから、競売手続において現況調査等により把握され、本件現況調査報告書及び本件評価書に記載された前所有者の滞納額に限らず、その後各物件の取得時までに発生した管理費等も含むものと解するのが相当である。また、請求人は、本件マンションの引渡しのために占有者に一時金を支払い、本件マンションの完全な占有を得るために処分費用を支払っており、当該一時金及び処分費用は、本件マンションの取得価額に含めるのが相当であるから、請求人の主張を採用することはできない。(平22. 3.19 大裁(所)平21-43)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平210017
- 裁決年月日
- 平成22年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺贈により取得した賃貸の用に供されていた不動産について、遺贈後も引き続き賃貸の用に供されていること、最高裁判所平成17年2月1日第三小法廷判決により、所得税法第37条第1項についても、遺贈等により取得した資産を取得するために要した費用は必要経費に算入されると解釈することができることから、当該不動産に係る本件不動産取得税は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる旨主張する。しかしながら、遺贈が遺言によって、無償で財産的利益を他人に与える行為であることからすると、請求人が遺贈によって不動産の持分を取得した行為そのものは、所得を得るための収益活動とはいえないから、本件不動産取得税は、人が社会的生活を営む上で必要とされる個人の消費生活上の支出であり、所得を得るために必要な支出とはみられない。また、上記最高裁判決は、所得税法第37条の規定の解釈に直接影響を与えるものではない。したがって、本件不動産取得税は、所得税法第45条第1項第1号に規定する家事上の経費に該当し、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないから請求人の主張には理由がない。(平22. 2.23 広裁(所)平21-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210116
- 裁決年月日
- 平成22年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件設備(駐輪場設備)の本体を281,740円で取得し、その取付工事費用として98,784円を支払ったものであるから、本体については本件特例(中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例)を適用し、また、取付工事費用については不動産所得を生ずべき業務について生じた費用として所得税法第37条の規定により、いずれも不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件設備の本体は、その性質上、取付けをすることによって初めて、その本来の機能を発揮することができるものであるから、当該取付けに係る費用は、本件設備の本体を業務の用に供するために直接要した費用というべく、その性質上、当該取付費用は購入の代価と併せて本件設備の取得価額を構成すると解するのが相当である。そうすると、本件設備の取得価額は、本体の購入の代価の額281,740円とその取付工事費の額98,784円の合計額380,524円と認められ、この取得価額は30万円以上であるから、本件特例の適用はなく、請求人の主張には理由がない。(平22. 2.15 東裁(所)平21-116)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210092
- 裁決年月日
- 平成22年1月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事業用不動産を取得してから平成19年分の不動産所得の申告まで、減価償却資産である建物について、建物附属設備を区分せず一体として減価償却費を計算し、不動産所得の必要経費に計上して申告を行っていたため、毎年の申告額が多くなり不利益を被ってきた。原処分庁には、納税者に不利益を与えることなく、過去にさかのぼって納税者の利益を補てん、補償する義務があり、平成18年分までの申告における減価償却費の累計と、建物附属設備を区分して計算した場合の減価償却費の累計との差額である本件未償却額は、平成19年分の不動産所得の必要経費として認められるべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第49条第1項及び所得税法施行令第120条第1項は、建物等の減価償却資産の償却費の計算方法及びその償却の方法について、その年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、償却しようとする減価償却資産について納税者が選定した償却の方法(旧定額法又は旧定率法)に基づいて計算した金額、つまりその年において、当該資産を業務の用に供した期間(1月ないし1年)に応じた金額とする旨規定している。そうすると、過去の計算誤りに基づく本件未償却額を、請求人の平成19年分の不動産所得の計算上必要経費に算入することはできない。(平22. 1.12 東裁(所)平21-92)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210092
- 裁決年月日
- 平成22年1月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、建物本体と建物附属設備の区分を合理的に算定できる資料はなく、また、請求人が経験則上として主張する7対3の割合についてもその根拠が明らかでない以上、これを認めることはできず、建物本体と建物附属設備をそれぞれ合理的に区分して計算することはできないといわざるを得ないから、建物本体と建物付属設備を区分して減価償却することはできないなどと主張する。しかしながら、耐用年数省令は、別表第一において、建物本体と建物附属設備とを別の種類の資産とし、別個の耐用年数を定めているから、それぞれの耐用年数に従って、償却費の額を計算すべきである。もっとも、木造の建物にあっては、建物本体と建物附属設備の耐用年数の差が著しくなく、かつ、建物本体の価額に包括されていて区分が困難な場合もあるので、一括して建物本体の耐用年数を適用することは相当であると認められる。そうすると、建物本体と建物附属設備の購入代価等が区分して明らかであればそれにより、明らかでなければ、建物の取得価額を合理的な方法により建物本体と建物附属設備とに区分計算する必要があるところ、市町村長が新築時に評価した固定資産税評価額の基礎資料である再建築費評点数における建物本体と建物附属設備の割合は、当該評価対象家屋における建物本体と建物附属設備の割合をほぼ正確に表していると考えられることから、当該再建築費評点数により建物本体と建物附属設備とを区分する方法は、合理的な方法と認めることができる。一方、当該建物の再建築費評点数が明らかでない場合には、公刊物等により認定することができる類似建物の本体と附属設備の区分割合を用いて、当該建物の区分割合を推認するのが合理的である。これらのことからすると、原処分庁の主張は採用することができない。(平22. 1.12 東裁(所)平21-92)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210033
- 裁決年月日
- 平成21年12月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、借主であるY社からの平成18年分の水道料金は不動産所得の総収入金額にはならず、賃料の支払回数も9回であった旨主張する。しかしながら、所得税基本通達36−5において、不動産所得の総収入金額は、別段の定めのある場合を除き、契約等により支払日が定められているものについては、その支払日に収入すべきものとされているところ、本件賃貸契約においては、月額の賃料を80,000円及び水道料金を2,000円とし、翌月分の賃料及び水道料金を当月末日までに請求人名義の預金口座へ振り込む方法により支払う旨の内容となっている。そして、請求人に支払われる水道料金は、使用量にかかわらず毎月2,000円であり、当該水道料金を後日使用量に応じて精算することは定められていないし、請求人がY社の使用した水道使用量を基に受領した毎月の水道料金を事後的に精算していることを認めるに足りる証拠はない。そうすると、当該水道料金は、不動産所得の総収入金額に含まれるものと認められ、また、平成18年中のY社に係る賃料及び水道料金の支払日は、平成18年4月分から平成19年1月分の10回到来することとなるから、請求人の主張は採用することができない。(平21.12.24 大裁(所)平21-33)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210033
- 裁決年月日
- 平成21年12月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件仲介手数料及び改装工事費が請求人の平成18年分の不動産所得の必要経費として認められるべきであると主張する。しかしながら、所得税法第37条第1項は、その年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、不動産所得の総収入金額を得るため直接要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他不動産所得を生ずべき業務について生じた費用の額とする旨規定しており、ある支出が不動産所得における必要経費に該当するためには、業務関連性がなければならないとともに、その必要性の判断においても、客観的に必要経費として認識できるものでなければならないと解するのが相当であり、納税者が更正等の原処分時には存在しない、あるいは提出されなかった資料等に基づき、当該支出が必要経費に該当すると主張するときは、納税者において経費該当性を合理的に推認させるに足りる程度の具体的な立証を行わない限り、当該支出が必要経費に該当しないとの事実上の推定が働くものと解するのが相当である。そして、請求人は、請求人、借主であるY社及び仲介業者であるW社の間で、Y社から請求人に対し支払われるべき本件賃貸契約締結に係る礼金を本件仲介手数料等の支払に充てる旨の合意をし、合意どおりに支払われた旨を答述し、それと整合的な領収書等を提出するとともに、当該礼金によって改装工事費が賄われた旨を答述し、それと整合的な領収書等を提出するが、請求人の答述は、不自然な内容を含むうえ、請求人の答述に沿った本件各領収書等の記載内容の信用性はいずれも認められず、請求人の答述どおりの合意ないしそれに基づく支払並びに当該改装工事の存在及び改装工事費の支払の事実を認めるに足りる証拠は確認することができない。よって、本件仲介手数料及び改装工事費が請求人から支出されたこと自体を認めることができないから、請求人の主張は採用することができない。(平21.12.24 大裁(所)平21-33)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平210012
- 裁決年月日
- 平成21年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803990
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・125ページ
要旨
○ 請求人は、請求人がTから買い受けた不動産の売買代金の一部の支払に代えて、TがR社に負っている債務の履行を引き受け、その後、当該債務の元金を完済しているところ、遅延損害金については、年率が当初の14%から変更され、最終的には1,000,000円になっており、請求人はこれを支払っているのであるから、R社が遅延損害金に係る債務を免除したことにより、請求人は経済的利益を受けておらず、当該経済的利益が不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入されることもない旨主張する。しかしながら、請求人が元金を完済した日までの期間において、遅延損害金の利率が変更された事実はないのであるから、R社がTに対して債務を免除したことにより消滅したTの債務の額は、年率14%で計算した遅延損害金から1,000,000円を減じた額になる。そして、Tの債務が消滅したことにより、請求人がTに対して負っていたTの債務を履行するという債務も消滅し、このTの債務を履行するという請求人の債務は、請求人の金銭的負担を必要とするものであるから、この債務の消滅は請求人において経済的利益を受けたものと認められ、当該経済的利益の額はTが免除された遅延損害金の額と同額となる。そして、請求人は賃貸用不動産の売買代金の一部の支払に代えて、Tの債務の履行を引き受けたものであるから、請求人が受けた経済的利益の額は、不動産所得の付随収入として、不動産所得の金額の計算上総収入金額に計上されることになる。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平21.12.16 広裁(所)平21-12)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平210004
- 裁決年月日
- 平成21年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804040
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/4訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産賃貸業務に供している不動産を失うという顕在する危険を排除し、当該不動産を保全するために支払った本件弁護士費用は、所得税基本通達37−25で定める不動産賃貸業務の遂行上生じた紛争等を解決するためのものであり、所得税法第37条第1項に規定する不動産所得を生ずべき業務について生じた費用に該当する旨主張する。しかしながら、本件弁護士費用は、請求人が代表取締役を務めていた法人が取引先の連帯保証を行ったことに基因して、請求人の当該法人における代表取締役としての忠実義務違反があったか否かが争われた訴訟に係るものであり、請求人の営む不動産賃貸業務と本件連帯保証との間には何ら関連性がなく、また、本件連帯保証が請求人の営む不動産賃貸業の通常業務でないことも明らかであることから、本件弁護士費用が請求人の営む不動産賃貸業務と直接の関連性及び必要性があったと客観的に認めることはできない。したがって、本件弁護士費用を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないとして行われた原処分は適法である。(平21.11.27 仙裁(所)平21-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210046
- 裁決年月日
- 平成21年10月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.78・111ページ
要旨
○ 請求人は、賃借人との間でなした建物賃貸借の合意解約と、別の会社との間で行った建物及び借地権の売買契約は、実体は一連の取引であり、これを一個の契約として捉えるべきであるから、建物の賃貸借契約の合意解約に伴って残存期間賃料として取得した金員は、実体は本件建物等の譲渡の対価であり、譲渡所得とみるべきであると主張するが、賃貸借契約の合意解約と建物等の売買契約は別個独立の契約であり、これを一個の契約と見ることはできず、したがって、譲渡所得と解することはできない。そして、当該金員は、賃貸借契約の合意解約に伴う賃料減収に相当する損失に対する補償であり、所得税法施行令第94条第1項第2号に該当し不動産の貸付に伴う経済的利益と認められるから、不動産所得に該当する。(平21.10.23 東裁(所)平21-46)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210014
- 裁決年月日
- 平成21年9月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、審査請求において請求人の所有する賃貸不動産を修繕した工事費があるとして当該工事費に係る領収証等を提出し、当該工事費は請求人の不動産所得の必要経費に該当する旨主張する。しかしながら、当該領収証等の記載内容、当該工事費を受領したとする者の存在及び賃借人らの当該工事等に係る答述を総合して判断したところ、当該工事費に係る領収証等の信用性は低く、当該工事の実施を確認することができないから、請求人の主張は採用することができない。(平21. 9.14大裁(所)平21-14)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210014
- 裁決年月日
- 平成21年9月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃借人らから入居時に受取った敷金は退去時に返還するものであるから、いずれも収入金額に算入すべき金額ではない旨主張する。しかしながら、請求人が賃借人らから受け取った敷金は、退去時に原状回復費用として返還されなかった敷金又は不動産賃貸借契約書において敷金を返還しない旨を定めている敷金と認められるから、請求人の主張はいずれもその前提を欠き採用することができない。(平21. 9.14大裁(所)平21-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210007
- 裁決年月日
- 平成21年8月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物等を一括取得した本件における各貸付物件の建物等の取得価額の算定に当たり、①土地、建物等の取得価額のあん分を売買契約書を基準に行う旨規定している法律上の根拠はなく、本件における売買契約書は、消費税等の額を削減するために建物等の価格を下げたいとの売主からの要請に応じたものであり、売買契約書に記載された土地及び建物等の価額は合理的に算定されたものではないこと、②固定資産税評価額に基づく土地及び建物等の価格比で取得価額をあん分する方法については、固定資産税評価額は3年に一度しか更新されず、また、建物について新築時の評価額の算定方法は評価できるが、その後の減耗等の評価替えに関して、建物一律で行われ建物の部位ごとの経年劣化に係る減耗が考慮されておらず、定率的に急激に減耗する方式のため、合理的な価格ではないこと、③建物等の取得価額を建物及び建物附属設備に区分する方法に関し、原処分庁は「建物」の中に鉄骨鉄筋コンクリート設備に該当しないような外部仕上げ、内部仕上げ及び建具等を含めていること、等の理由により原処分庁が行った方法は合理的ではないから、本件において土地と建物等に取得価額を区分する方法及び建物等の取得価額から建物と建物付属設備に区分する方法としては、いずれも、請求人が不動産鑑定士に依頼して報告を受けた鑑定評価書の評価額による土地、建物等のあん分比率に基づいて算定すべきである旨主張する。しかしながら、①所得税法施行令第126条第1項第1号の規定の趣旨に照らせば、土地及び建物を一括取得した場合、建物の取得価額の認定は購入価額によるべきであり、売買契約書において建物の購入代価等が明らかにされている場合には、それらが著しく不合理でない限り、これをもって建物の取得価額と認めるのが相当であり、②地方税法第388条により定められた固定資産評価基準は、家屋の評価につき、評価の対象となった家屋と全く同じものを建築時にその場所に建築するものとした場合に必要とされる再建築費を求めた上、当該家屋の時の経過によって生ずる損耗の状況による減価等をして評価時点の現状に適合するよう調整するものであり、特別の事情がない限り、当該基準に従って計算した価格は適正な時価であると推認するのが相当であり、③建物附属設備とは建物に固着されたもので、その建物の効用を増加させるもの又はその建物の維持管理上必要なものであるところ、外部仕上げ、内部仕上げ及び建具等はいずれもそのような性質のものではなく、建物本体と一体となって建物としての用途をなすものであるから、減価償却資産の種類としては「建物」として区分されるべきものである。(平21. 8. 6 東裁(所)平21-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210007
- 裁決年月日
- 平成21年8月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産収入を得るために、賃貸借契約等の賃貸管理業務、建物管理保全業務、経理業務等をすべて一人で行っており、また、かつて、事業主報酬を認めるとされた条項は削除されたものの、これを認めないとする規定もないから、賃貸借契約書における管理費の額を基にした本件管理費の額は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第37条第1項は、その年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、総収入金額を得るために直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用とする旨規定しているところ、本件管理費は、請求人が、賃借人から賃借料とともに「管理費」の名目により受領した金員を、請求人自身の自己の労務の対価であると評価したものにすぎず、請求人の不動産貸付業の遂行上、費用として支出されたものではないから、同項の規定の適用はない。(平21. 8. 6 東裁(所)平21-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210007
- 裁決年月日
- 平成21年8月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件自宅の2階洋室(以下「本件執務場所」という。)は、居室部分とは区分されており、事務用品、事務機器及び什器備品を備え、日常的に請求人の不動産貸付業に係る執務を行っていることから、本件執務場所に係る租税公課及び減価償却費相当額は、いずれも不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、①本件執務場所は請求人の居室の一部であり、構造上、居宅部分と別個独立であるとは認められないこと、②請求人は監査法人に勤める給与所得者であり、貸付物件のうち、部屋数の多い物件については管理会社に賃貸借運営業務を依頼していたことから、請求人の不動産貸付業に係る業務に費やす時間的労力はそれほど高いものであったとは認められないこと、③本件執務場所に設置された本棚、パソコンについて、請求人は不動産貸付業以外の用途にも使用していたことを認めており、本件執務場所における、請求人の不動産貸付業関係の使用頻度が明らかではないこと、からすると、本件執務場所に係る経費の主たる部分が請求人の不動産貸付業の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができるとはいえないというべきである。したがって、本件執務場所に係る租税公課及び減価償却費相当額は、いずれも各年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費には算入できない。(平21. 8. 6 東裁(所)平21-7)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平200019
- 裁決年月日
- 平成21年6月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が請求人に帰属すると認定した賃貸用建物に係る収入について、内縁の夫が建物の所有権を有し経営管理していたので当該収入は請求人に帰属しない旨主張するが、請求人は、当該建物の建築注文者、建築確認申請者であり、固定資産税及びその他の経費を支払い、当該建物に係る賃貸借契約の賃貸人であることから、建物の真実の権利者であり、当該建物から生じる収入は請求人に帰属すると認められるから、請求人の主張には理由がない。(平21. 6.12 札裁(所・諸)平20-19)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平200016
- 裁決年月日
- 平成21年5月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が行った工事は、全体が一つの増築工事であって、修繕費に該当する部分は存在しない旨主張するが、当該工事には、増築工事のほかに修繕費及び建物に対する資本的支出等と認められる工事が含まれていることから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平21. 5.21 札裁(所)平20-16)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平200023
- 裁決年月日
- 平成21年5月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地建物を一括購入した本件売買契約書の本件各建物の売買価額は、売主が消費税負担を少なくするためのものであるから、本件各建物の取得価額は、本件売買契約書によらず、本件各建物を取得した当時の実務では一般的であった路線価を8割で割り戻す方法により土地の実勢価額を算出し、上記売買価額から当該実勢価額を差し引いた後の残額を建物に配分する方法で算出した価額となる旨主張する。しかしながら、本件売買契約書には、代理人が請求人名義の署名及び押印をしていることからすれば、本件売買契約書は真正に成立したものと推定されるのであるから、本件各建物の取得価額は、特段の事情が認められない限り、売買契約書に記載された代金によるべきであるところ、請求人の主張する事実を認めるに足る証拠はなく、他に特段の事情も認められないのであるから、請求人の主張には理由がない。(平21. 5.19 広裁(所)平20-23)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200172
- 裁決年月日
- 平成21年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有するマンションを同族会社へ貸し付けているところ、電力の使用状況及び関係人の申述から当該マンションの占有部分すべてが使用収益されていたと認められ、その月額料金は管理組合に支払う管理費と同額であり、当該マンションを別の借主へ賃貸していた当時の月額賃料と比較して著しく低廉であることなどから、当該月額料金は、借主である同族会社が管理費を実費負担したものであり、当該マンションの使用収益の対価であるとは認められない。そうすると、当該同族会社に対する当該マンションの貸付けは、使用収益の対価を得ることを目的としていない使用貸借であると認められるから、所得税法第26条第1項に規定する不動産の貸付けには該当しない。したがって、請求人は、当該マンションに係る固定資産税等を、各年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入できない。請求人は、当該マンションのうち、洋室部分は合理的な賃料により賃貸借されており、また、当該洋室以外の部分は賃貸借の用に供されていなかったが、継続的に賃借人の募集広告を行っており、賃借人の応募があれば、同族会社に対して速やかに退去を求める予定であったのであり、当該マンションは、各年分において客観的に将来確実に貸付けの用に供されるべき状態であったことから、当該マンションに係る固定資産税等は、各年分における不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件物件のほぼ全体を使用収益の対価を得ることを目的としない使用貸借としてA社等へ貸し付けていると認められ、少なくとも原処分に係る調査の担当職員による調査が行われるまでは、同様の利用状況が継続されていたと認められる。したがって、本件物件のうち、本件洋室部分について、各年分を通じ、本件料金を合理的な賃料であるとして貸付けの用に供していたとは認められず、また、本件洋室以外の部分についても、各年分を通じ、その形状、種類、使用状況等に照らして、客観的に将来確実に貸付けの用に供されるべき状態であったとは認められないから、この点に関する請求人の主張にはいずれも理由がない。(平21. 5. 8 東裁(所)平20-172)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200170
- 裁決年月日
- 平成21年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件家屋において競売物件入札関係業務、事業資金の手当て、落札物件に対する対応等を行っており、本件家屋は不動産所得を生ずべき業務の用に供されていたから、本件家屋の家賃等は必要経費に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は、必要経費該当性を合理的に推認させるに足りる程度の具体的な立証を容易に行うことが可能であるにもかかわらず、主張を裏付けるに足る証拠を提出しておらず、当審判所の調査によっても、不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要であったことを客観的に裏付けるに足りる証拠は存在しない。加えて、①請求人の所有する賃貸物件は、P社に業務委託されており、本件家屋を事務所として使用する必要性は乏しいこと、②請求人はa市内に勤務しており、昼間は会社に居なくともよく自由であったのであり、本件家屋を拠点として資料収集等を行う必要がないこと、③競売物件資料の検討は、自宅や協力会社のP社において可能であること、④請求人の行う入札保証金の振込みは自宅近隣の銀行で行っていることにかんがみれば、請求人が主張する程度の事業との関連性をもって、これを必要経費に該当すると解することはできない。仮に、業務の遂行上必要なものと認められるとしても、家事関連費については、業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分の金額に相当する経費に限り必要経費に算入できるところ、本件家屋は間取りが明確に区分されていない上、請求人と請求人が代表者を務めるH社とで共同使用されているものの、両者の使用区分が客観的に判然としないこと、また、両者の賃料及び水道光熱費等の支払状況からも、請求人とH社との間で明確な基準に基づく区分があったとはいえない。(平21. 4.24 東裁(所・諸)平20-170)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200170
- 裁決年月日
- 平成21年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 競売により土地建物を一括取得した本件物件の減価償却費の計算に当たり、原処分庁は、本件物件の価額に、本件土地及び本件建物の各固定資産税評価額の合計に占める本件建物の割合を乗ずるあん分法により本件建物の取得価額を算定しているところ、固定資産税評価額は、土地と建物の価額の算出機関及び算出時期が同一であるから、土地及び建物の同一時期の時価を反映しているものと考えられ、本件建物の価額を求めるに当たり、本件物件の取得価額を当該価額比であん分した原処分庁の算出方法は合理的といえる。これに対し請求人は、取得価格は時価を基に算定すべきであるところ、原処分庁の用いた計算方法では、建物のメンテナンス状況、地役権の設定、地域的要因などの個別的要因が考慮されていないから合理的ではないとした上で、本件物件の時価を収益還元法により算定し、算定された本件物件の時価から、本件土地の路線価を基に算定した本件土地の時価を差し引いた金額を本件建物の時価とし、当該本件物件時価に占める本件建物の時価割合を本件物件の取得価額に乗じてあん分する方法が合理的である旨主張する。しかしながら、請求人の行った算出方法は、維持管理費等の費用を控除していないなど純収益が適正に把握されておらず、また、還元利回りについても根拠が明確でなく、さらに、あん分法の価額比の基礎となる土地と建物の価額を求める評価方法等が統一されていないなど、合理性は認められない。(平21. 4.24 東裁(所・諸)平20-170)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200170
- 裁決年月日
- 平成21年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件借入金は競売物件購入のために借り入れたものであること、準備資金として必要であったこと、また、落札後の修繕費等の費用を賄うためにも必要なものであるから、本件借入金に係る租税公課の額、借入金の利子の額及び支払手数料の額は必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、ある支出が必要経費として収入金額から控除され得るためには、客観的にみてその支出が当該事業の業務と直接関係をもち、かつ業務の遂行上必要な支出であることを要し、事業遂行のために必要か否かの判断は、単に事業主の主観的判断のみではなく、客観的に必要経費として認識できるものでなければならないと解されるところ、本件借入金が不動産取得資金に充てられた事実も、平成18年中の競売の入札保証金に充てられた事実もないから、本件借入金が不動産所得に係る業務の遂行に直接関係があると認めることはできず、本件借入金に係る租税公課の額、借入金の利子の額及び支払手数料の額はいずれも必要経費に算入することはできない。なお、落札後の代金納付期限は、金策のために相当の日時を要することを考慮して1か月の期間が定められていること、請求人は、関連会社から1億円の追加融資を受けることができたことなどからすれば、本件借入金が準備資金等として業務の遂行に必要であったとする主張は請求人の主観にすぎず、理由がない。(平21. 4.24 東裁(所・諸)平20-170)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200016
- 裁決年月日
- 平成21年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・495ページ
要旨
○ 請求人は、いまだ原状回復工事が完了していないことをもって、原状回復費用として充当されることとなる敷金と追加金の合計額(以下「本件合意金」という。)が賃借人から預り金である旨主張する。しかしながら、建物の賃貸借契約に関する合意(以下「本件合意」という。)は、建物の賃貸借契約の終了に伴い、賃借人の原状回復義務を消滅させる一方で、請求人の敷金返還義務を消滅させ、その外に追加金をを支払うとした合意であり、賃貸借契約に密接に関連し、その終了時の法律関係を整理するものであり、また、本件合意金は、建物の賃貸借に供するためにその原状回復に費消されるべきもので、建物の賃貸借に関連して収入されるものであることからすると、不動産の貸付けに関連して得た不動産所得に該当する。そして、請求人は、本件合意により敷金の将来の明渡し時点において敷金返還請求権を発生させないことを確定させ、また、追加金の収入すべき時点が到来することを確実にさせていることからすると、本件合意金の収入すべき時期は、合意書を取り交わした日とするのが相当である。(平21. 4.21 福裁(所・諸)平20-16)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200016
- 裁決年月日
- 平成21年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の自宅及び自宅の倉庫は、事務所と兼用なので来客との対応や書類の作成及び保存に使用しており、また、請求人の所有する自動車及び軽自動車(二輪車)は、クレーム処理等の業務に関連して使用しており、さらに、平成17年及び平成18年の海外旅行に係る旅費は、マンションのオーナーとして内装等の参考にするために必要であることから、これらに係る費用等の一部は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、不動産所得の総収入金額を得るために直接要した費用の額及び不動産所得を生ずべき業務について生じた費用の額とされ、また、居住者が支出する家事上の経費に関連する経費の主たる部分が不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には必要経費に算入できるとされており、また、家事上の経費に関連する経費で、その主たる部分が不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分できる場合におけるその部分に相当する経費以外の経費の額については、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入しないとされているところ、請求人からは、これらの費用等について、その主たる部分が不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要である旨の具体的説明及び請求人の不動産所得を生ずべき業務に要した部分を明らかに区分したとする証拠資料の提出もなく、不動産所得の総収入金額を得るために直接要した費用及びその年中における販売費、一般管理費その他不動産所得を生ずべき業務について生じた費用であるとはいえず、その一部は家事上の経費及びこれに関連する経費であると認められることから、これらの費用等を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。さらに、請求人は、賃貸物件の取壊し等に備えて積み立てている積立金は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額については、前述のとおりであり、青色申告以外の申告において賃貸物件の取壊し等に備え積み立てた場合の当該積み立てた金額を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入する旨の法令上の規定はなく、また、仮に当該積立金が存在したとしても、これは、請求人の不動産所得を得るために直接要した費用及び不動産所得を生ずべき業務について生じた費用とはいえないことから、請求人が必要経費として計上した修繕取壊積立金は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。次に、請求人は、雑費として計上したガソリン代、水道光熱費、交際費、新聞代等の諸経費は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、請求人は、当該雑費について各年分の収支内訳書(不動産所得用)の雑費欄に、平成16年分は500,000円、平成17年分は750,000円、平成18年分は500,000円と万円単位で計上し、これらの内容についてガソリン代、水道光熱費、交際費、新聞代などである旨主張するのみで、その支出が不動産所得を生ずべき業務について生じた費用である旨の具体的説明や、その支出を証明する領収書等、さらには、その支出を日々記帳した帳簿等の提出がなく、当審判所において当該支出が請求人の不動産所得を生ずべき業務について生じた費用か否か、また、その支出の事実すら確認することができない。また、請求人は、マンションのオーナーとして、地域社会とかかわりを持ち、賃貸相場や入居希望者の信用状況等の情報交換のためにも寄付は必要であるから、本件寄付金は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額については、前述のとおりであり、本件寄付金は、その趣旨及び目的が、請求人個人の社会貢献的意味合いを持つ個人の消費生活上の費用であり、家事上の経費と認められ、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平21. 4.21 高裁(所・諸)平20-16)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200016
- 裁決年月日
- 平成21年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有する建物(以下「本件物件」という。)をいとこのAに貸し付けたことについて、賃貸借契約を結んでいること及び賃貸料を受領していることからしても賃貸借であり、請求人が受領した金員は不動産の貸付けによる所得に該当する旨、また、本件物件に係る減価償却費及び固定資産税については、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できる旨主張する。しかしながら、当該賃貸料は、請求人が負担している固定資産税額にも満たない金額であり、通常であれば到底そのような賃料での契約はあり得ないものであり、これは、Aの債務超過状態及び請求人のいとこという親族関係であるということからすれば、生活扶助的な要因があったものと推認され、本件物件の貸付けは、たとえ賃貸料の受領があっても、それは、請求人が負担すべき本件物件に係る費用の一部にすぎず、本件物件を無償で使用させていたと同様とみることができるから、請求人が対価を得ることを目的としていない使用貸借に基づくものであるというほかなく、所得税法第26条第1項が予定する不動産等の貸付けによる所得とは認められず、本件物件に係る減価償却費及び固定資産税については、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平21. 4.21 高裁(所・諸)平20-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200062
- 裁決年月日
- 平成21年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が役員を務めている同族法人(以下「本件同族会社」という。)に対して支払った不動産管理報酬(以下「本件管理費」という。)は、本件同族会社が、請求人と本件同族法人の間で締結した管理委託契約(以下「本件管理委託契約」という。)に基づき、賃借人から賃料が振り込まれる請求人名義の預金口座(以下「本件預金口座」という。)の通帳の管理及びこれに伴う資金管理(以下「本件通帳管理業務」という。)や本件管理委託契約に基づく業務以外に賃借人に対する相談業務等を行っていることから、不動産所得の必要経費に該当する旨主張する。しかしながら、本件同族会社は、本件通帳管理業務を除き本件管理委託契約に基づく業務を行っておらず、また、本件通帳管理業務として、本件同族会社は、本件預金口座の通帳を管理するものの、本件預金口座の入出金を請求人からの借入金の増減として記載していることからすると、本件同族会社自身が請求人からの借入金の残高を管理するために行っているものと認められ、加えて、請求人自身が賃料を総勘定元帳の「不動産収入」勘定に記載して管理しているので、これらを併せてみると、本件通帳管理業務が、客観的にみて、請求人の不動産所得を生ずべき業務に係る活動と直接関連があるものとは認められない。さらに、本件同族会社が賃借人に対する相談業務等を行っているとしても、それらの業務は、そもそも本件管理費を対価とする役務の提供ではないことから、当該業務を行っていることをもって、本件管理費が不動産所得の必要経費に該当することの証左とはならない。以上のことから、本件管理費は、不動産所得の必要経費に該当するということはできない。(平21. 4.20 名裁(所・諸)平20-62)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200061
- 裁決年月日
- 平成21年4月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人がAに賃貸していた事務所等(以下「本件賃貸物件」という。)の賃貸借契約書(以下「本件賃貸契約書」という。)には、賃貸料のほかに、請求人が支払った本件賃貸物件の改装費(以下「本件改装費」という。)を、Aが1か月100,000円の分割で支払う旨記載されているが、本件改装費の分割支払は、金銭消費貸借契約ではなく、本件賃貸物件に係る契約において約定され、その名目のいかんにかかわらず、請求人がAから本件賃貸物件の貸付けによる対価として受け取っているものと認められるから、請求人がAから受領していた月額225,000円は、全額、不動産所得に係る総収入金額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件賃貸契約書の記載並びに請求人及びAの答述によれば、請求人とAは本件賃貸物件に係る月額賃貸料のほかに、本件改装費について毎月100,000円を分割払する旨の合意をしたことが認められること、また、本件賃貸契約書の記載並びに建築工事請負会社の元社長、請求人及びAの答述によれば、Aの希望で改装工事が行われたこと及び請求人が本件改装費を立て替えたことが認められることから、本件改装費の分割返済が終了するまでの期間については、月額225,000円から100,000円を差し引いた残額125,000円が、不動産所得の総収入金額に算入すべき金額となる。したがって、原処分庁の主張には理由がない。(平21. 4.13 名裁(所)平20-61)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平200014
- 裁決年月日
- 平成21年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804040
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/4訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件手数料は、賃貸用建物の建築に当たって支払った近隣対策費であり、支払先については、住所・氏名等を明らかにすると請求人の身体・生命に危険が及ぶのでこれを明らかにできないが、建築費用との関係でも違法・不相当な出費とはいえないから、必要経費として認められるべきである旨主張するが、請求人は、支出した支払先を具体的に特定して主張、立証しないから、本件手数料は、事実上存在しないと推定されるので、必要経費に算入することはできない。(平21. 3. 5 広裁(所)平20-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200135
- 裁決年月日
- 平成21年2月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各年分の確定申告において、請求人の妹に対して支払った給与を、不動産所得の金額の計算上、青色事業専従者給与であるとして必要経費に算入していたが、原処分庁が、妹は青色事業専従者に該当しないとして当該給与は必要経費に算入できないとして更正処分を行ったところ、請求人は、本件審査請求において、請求人と妹は生計が別であり、妹は請求人の指揮監督の下、使用人として請求人の不動産貸付業に従事していたのであるから、当該給与は、所得税法第37条に規定する販売費、一般管理費その他不動産所得を生ずべき業務について生じた費用の額に該当するとして、必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、審判所の調査の結果によれば、請求人は妹と別居していることは明らかであるが、妹は請求人の不動産貸付業に従事していたとは認められないことから、当該給与は、労務の対価として支払われたものではなく、親族関係に基づく生活費として支払われたものと認めるのが相当である。また、妹には請求人から支払われた給与以外に所得がないことからすると、請求人は妹の生活費の全部を賄っていることになるから、請求人と妹は生計を一にしていると認められる。したがって、請求人は自己と生計を一にする妹に対して支払った金員を、使用人に対する給与であるとして、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないし、また、妹は、所得税法第57条第1項に規定する、居住者の営む事業に専ら従事する者に該当しないことは明らかであるから、請求人は、当該金員を青色事業専従者給与として必要経費に算入することもできない。(平21. 2.26 東裁(所)平20-135)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200119
- 裁決年月日
- 平成21年2月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が不動産貸付業に供していた資産及び負債の一部を相続しているが、本件における各借入金を承継しなければ、請求人の不動産貸付業自体が成り立たなくなる可能性があることから、請求人が相続により承継した借入金はその全部が、「不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要なもの」に該当し、当該借入金に係る借入金利子の全額が必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の不動産所得に係る必要経費となるか否かは、請求人の業務との客観的関連性等を有しているか否かにより判断すべきであるところ、本件においては、請求人は、被相続人が生前不動産貸付業に供していた不動産を取得し、また、この不動産貸付業に係る銀行借入金を承継してはいるが、これらの銀行借入金には、①請求人の弟が相続により取得した共同住宅等の取得等に係る借入金、②被相続人が代表者を務めていた法人の借入金を借り換えた借入金及び③被相続人が不動産貸付業に供していた物件のいずれにも充てられていない借入金などが含まれていることが認められ、これらの部分の借入金については、請求人の業務との客観的関連性等はないため、請求人の「不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要なもの」ということはできず、当該借入金に係る借入金利子は請求人の不動産所得の必要経費に算入できない。(平21. 2. 2 東裁(所)平20-119)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200042
- 裁決年月日
- 平成21年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である賃貸用アパートに関し過去に支出された修繕費の費用について、当該年分の経費として申告されていないものがあり、その支出額を基礎に計算した減価償却費を必要経費に計上すべきである旨主張する。しかしながら、仮に、請求人の主張するとおり、当該年分の修繕費として必要経費に計上されていなかったとしても、これを当該年分に取得した減価償却資産とし、その後の年分においてこれを基に計算した減価償却費を必要経費に算入すべきことを認める法令の規定はないから、請求人の主張は採用できない。(平21. 1.29 大裁(所)平20-42)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200042
- 裁決年月日
- 平成21年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の兄が現金で集金した賃料等については、請求人の兄に単独で帰属するものであるから、当該賃料のうち原処分庁が請求人の法定相続分として相続開始以後の同人の不動産所得に係る総収入金額に算入した額は貸倒損失として不動産所得の必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、仮に、請求人が賃料に含まれる自らの取り分を取得するにつき事実上の障害があるとしても、依然として請求人は請求人の兄に対し、自らの取り分と同額の債権を有しているのであり、これが回収不能になったとは認められないのであるから、貸倒損失が生じていると認めることはできないから、請求人の主張は採用できない。(平21. 1.29 大裁(所)平20-42)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200042
- 裁決年月日
- 平成21年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国土交通省が公表している「賃貸住宅標準契約書」では、1月未満の期間の賃料は日割計算する旨定められているのであるから、相続財産である賃貸用アパートを月の途中で退去した賃借人に係る賃料について、退去後の日数分が過大計上されている旨主張する。しかしながら、当該賃借人と締結していた賃貸契約書には解約時は日割計算を行わないものとする旨定められており、解約に当たって日割計算がされていないのであるから、退去月の賃貸料全額が賃貸料収入に計上されていることは相当であり、請求人の主張は採用できない。(平21. 1.29 大裁(所)平20-42)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200042
- 裁決年月日
- 平成21年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産である賃貸用駐車場は遠隔地にあり、未収金もあることから、反復継続して集金や催促に行っているはずであり、原処分庁が認めた以上に交通費がかかっているはずである旨を主張するが、請求人はその具体的な金額を主張せず、これを裏付ける証拠を提出しないところ、審判所の調査によっても原処分庁の認定額以上に交通費の支出があったと認めるに足りる証拠はないから、請求人の主張は採用できない。(平21. 1.29 大裁(所)平20-42)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平200008
- 裁決年月日
- 平成21年1月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①借入金を株式売買等に係るものと不動産賃貸に係るものとに区分して計算しており、株式売買等に係る借入金については、利子の支払を免除され借入金利息が発生していないのであるから、借入金利息の全額が不動産所得の必要経費に算入できる旨、②借入金利息をどのように各種所得の必要経費に割り振るかについて、長年にわたりA税務署と協議を重ね、その上で税務署の指導どおりに計算し申告したものであるから、原処分は信義誠実の原則に反する旨主張する。しかしながら、①本件借入金利息の基となる借入金は、使途が不明のものを除き、複数の証券会社への支払や借入金の返済などに充てられている上、請求人は、当該借入金が賃貸用不動産の取得のために借り入れたものであることについて何ら具体的な主張も証拠の提出もしておらず、本件借入金利息は、不動産所得の必要経費に該当しないと推定されるから必要経費に算入されず、また、②請求人が信義則違反として主張する事実については、これを認めるに足りる証拠はないから、請求人の主張には理由がない。(平21. 1.28 広裁(所)平20-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200074
- 裁決年月日
- 平成20年11月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803010
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/1事業、業務の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付けは大規模な店舗用建物2棟の貸付けであり、年間収入は約○○○○万円と多額であること、相当期間継続して行っており、将来にわたっても安定した収入を得られる可能性があることなどを理由に、本件貸付けが事業に当たる旨主張する。しかしながら、本件貸付けにおいては、営利性・有償性、継続性・反復性、取引の目的、生活状況など個別的にみた場合には事業性を肯定する方向に働く要素も認められるものの、本件貸付物件は各賃借人が利用することを前提として各借主の仕様等で新築された店舗用建物であり、本件貸付物件の取得に係る借入れ及び返済並びに請求人の収入等の状況、建築工事に係る費用負担の状況、賃貸料改定の状況などからすると、請求人における本件貸付けの企画遂行性は乏しく、危険負担も少ないと認められるから、請求人の自己の危険と計算における事業遂行性は希薄であるといわざるを得ない。また、本件貸付物件の設備の定期検査・清掃等は、各賃借人が行っていること、賃貸料は、請求人の指定する口座に振り込まれること、使用上の諸費用及び維持管理、修繕等費用の負担状況等からすると、請求人及びその妻の本件貸付けに係る役務の提供の程度は相当低いものと認められ、請求人は、本件貸付物件の維持管理を他の者に依頼しておらず、管理のための設備もないことも併せ考えると、本件貸付けに費やされる精神的・肉体的労力の程度は低いものというべきである。さらに、従業員の雇用や管理施設の設置等の特段の人的、物的設備等はなく、請求人は、本件貸付け開始以前から現在まで引き続きX市役所に常時勤務し、いずれも本件各年分の不動産所得に係る収入金額の3分の1以下であるが、給与等の収入金額を得ていること等の諸点を総合勘案すると、本件貸付けは、社会通念上事業と称するに至る程度のものとは認められず、不動産所得を生ずべき事業には当たらないと判断するのが相当である。(平20.11.11 東裁(所)平20-74)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200008
- 裁決年月日
- 平成20年8月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・110ページ
要旨
○ 請求人は、営業者と請求人との間の匿名組合契約(以下、「本件匿名組合契約」といい、契約に基づく匿名組合を「本件匿名組合」という。)の営業者の事業が航空機リース事業(以下「本件航空機リース事業」という。)であり、所得税法第26条《不動産所得》の不動産所得(損失)に該当するから、所得税通達36・37共−21(平成17年12月改正前のもの)の定めにより、請求人の所得も営業者と同じ不動産所得(損失)である旨主張する。しかしながら、本件匿名組合契約により営業者から請求人に配分される損益の内容を吟味すると、請求人は、営業者の事業遂行のために営業者に出資をし、営業者が、H航空会社から本件航空機を購入して同航空会社に賃貸することによって生じる営業者の損益を、本件匿名組合の匿名組合員として配分を受けるものである。また、本件航空機は、本件匿名組合契約によれば、出資金、本件航空機リース事業に関し営業者が取得した資産及び権利がすべて営業者に帰属するものとし、本件匿名組合契約に定める場合を除き請求人はこれらに対し何の権利も有しないとされていることから、営業者に所有権があり、請求人には帰属しない。その上、本件匿名組合契約の内部関係は、営業者が業務を執行する権限を有しており、請求人は本件航空機リース事業の業務を執行する権限を有していない。一方、本件匿名組合契約の外部関係は、第三者に対する権利・義務は営業者に帰属し、請求人と第三者との間に法律関係はなく、請求人は第三者に対して個人的な賠償責任を負わない。 これらのことからすれば、請求人が、自ら又は営業者と共同して、主体的に本件航空機をH航空会社に賃貸していたとか、それによる収益の稼得や費用の負担を行っていたということはできないというべきである。したがって、本件匿名組合契約に基づいて営まれる本件航空機リース事業に係る収入及び費用は、請求人には直接帰属せず営業者に帰属することとなり、請求人は、本件航空機リース事業に対する単なる出資者という立場で、本件匿名組合契約に基づいて営業者から損益の配分を受けるものである。そうすると、営業者から請求人に配分される損益は、営業者への出資に対するものであって、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じる所得であるとはいえないから、不動産所得には該当しないというべきである。また、請求人の本件匿名組合契約に基づく出資行為は、継続かつ反復した行為とはいえず役務の提供を内容とするものではないから、事業所得とも認められない。したがって、営業者から請求人に配分される損益は、営業者への出資に対するもので、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから、雑所得に該当する。また、請求人が本件各年分の確定申告において本件航空機リース事業に係る不動産所得の損失としている金額は、G社から送付された本件各期間の会計報告書の記載に基づくものであって、本件航空機リース事業に係る損失について、本件匿名組合契約に基づき、請求人が分担するものとして本件請求人出資割合に応じて配分されたものであるところ、ここでいう損失とは、本件各期間における本件匿名組合契約の各年分における財産の減少額のことであり、損失の分担があることによって、請求人のG社に対する出資額が計算上その分担する損失の額だけ減少することを意味しているにすぎず、現実の支払によってこれを補てんするものではなく、請求人に配分された損失は、現実の負担ではなく計算上のものであり、課税上は、本件各年分においていまだ確定しているとはいえないから、請求人の本件各年分の雑所得とすべき金額はない。(平20. 8.21 名裁(所)平20-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200030
- 裁決年月日
- 平成20年8月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、病弱かつ障害者で不動産賃貸業の管理業務に直接携わることのできない請求人に代わり、妻が、賃貸不動産の管理業務に従事し、不動産賃貸業上の重要事項の指示、決定も行ってきた。また、管理会社に賃貸不動産の管理業務を委託しているが、管理会社の業務範囲は限られており、妻は不足する管理業務を補っているのである。つまり、妻の行う管理業務の量及び質から事業専従の度合いは著しく高く、妻へ支払った青色事業専従者給与の額は、必要経費に算入されるべきであると主張する。しかしながら、管理会社に委託契約した管理業務は広範囲に定められているところ、請求人が主張する妻の行った業務の多くは管理会社の行う業務であり、妻が業務に従事したことを認めるに足りる具体的な証拠もなく、管理会社の行った業務に対する承認や修繕箇所の確認などの業務に従事したことは伺えるが、それらのために要した延べ従事日数は僅かなものであったと認めるのが相当であるから、妻が請求人の不動産賃貸業に専ら従事したとは認められず、青色事業専従者に該当しないことは明らかである。よって、請求人から妻に支払われた青色事業専従者給与を必要経費として認めることはできない。(平20. 8. 7 東裁(所)平20-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200030
- 裁決年月日
- 平成20年8月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、Xマンションの管理業務委託契約をA社及びB社の2社と契約したが、その目的は異にしており、業務内容も重複するものではないから、2社との契約に沿って支払った管理費は全額必要経費に算入されるべきであると主張する。しかしながら、他の請求人の物件については、請求人がA社と管理業務委託契約を締結し、A社が更にB社へ再委託契約を締結しているのに対して、Xマンションに関しては、A、B間の再委託契約は締結されていないことから、A社へ支払った管理費を必要経費に算入するためには、請求人はA社から独自の管理業務の役務の提供をうけることが必要となるが、B社が行うXマンションの管理業務のほかに、A社が請求人に対して管理業務を提供した事実は認められないから、A社は請求人との管理業務委託契約を実際には履行していないというべきであり、請求人がA社へ支払った管理費は、その全部がA社から役務の提供を受けていないのに支ったものと認められる。したがって、請求人がA社へ支払った管理費は、事業の遂行上必要なものとは認められず、必要経費には該当しない。(平20. 8. 7 東裁(所)平20-30)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200003
- 裁決年月日
- 平成20年7月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 所得税基本通達37−27は、業務を営んでいる者が当該業務の用に供する資産の取得のために借り入れた資金の利子は、当該業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入する旨定めているところ、当該取扱いは、当審判所においても相当と認められ、不動産賃貸の業務を営んでいる者が、その業務の用に供する資産の取得のために借り入れた借入金利子は、その者の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することになる。また、借入金が約定に従った返済がなされない場合の遅延損害金は、その元本の弁済がされるまで日々発生し、発生と同時に弁済期が到来し、必要経費に算入すべき金額が確定するものと解するのが相当であり、その遅延損害金の発生の基となった借入金が不動産所得を生ずべき業務の用に供すべき資産を取得するものであれば、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することになる。本件借入金のうち本件各賃貸不動産の取得に充てた額は、請求人の父が不動産賃貸業を営むために借り入れた資金で、業務を営んでいる者が当該業務の用に供する資産の取得のために借り入れた資金と認められる。そして、請求人は、本件各賃貸不動産の取得に充てるために借り入れた本件借入金のうち本件各賃貸不動産の取得等に充てた借入金及び本件各賃貸不動産を承継したことが認められる。そうすると、本件借入金については、各年分において借入金利子の発生は認められないが、請求人が約定どおりに借入金を返済しなかったことから、各年分において遅延損害金が発生しており、その金額は、請求人が確定申告において必要経費としていた「借入金利子」を上回るから、同「借入金利子」を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる。したがって、「借入金利子」が、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できないとした原処分を取り消すべきである。(平20. 7. 8 関裁(所)平20-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190095
- 裁決年月日
- 平成20年5月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介して投資したA国不動産の貸付けに関する損益(以下、当該A国不動産を対象とした信託契約を介しての投資を「本件不動産投資事業」という。)であるとする金額について、不動産所得として平成17年分の所得税の更正の請求(以下「本件更正の請求」という。)をしたところ、原処分庁は、当該信託契約は外国投資信託(委託者非指図型投資信託に類するもの)であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者がA国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益は当該LPSに帰属することを理由に、国内所有不動産の貸付けに係る損益との合算は認められないとして、更正をすべき理由はない旨の通知処分を行ったのに対し、請求人は、当該信託契約は外国投資信託ではなく、また、当該LPSは外国法人ではなく、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。しかしながら、投資信託法が定める投資信託においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、委託者指図型投資信託及び委託者非指図型投資信託のいずれも、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、所得税法第13条第1項ただし書に掲げるいずれにも該当しないことから、本件不動産投資事業に係る損益として本件信託を通じて配分を受ける損益は外国投資信託に該当し配当所得に該当するとの原処分庁の主張には理由がない。そこで、本件不動産投資事業に係る損益の所得区分についてみると、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産投資事業におけるA国不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得とは言えず、不動産所得には該当しないため、不動産所得に該当するとの請求人の主張には理由がない。そうすると、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、請求人が本件信託を通じて本件LPSから配分を受ける損益は、所得税法第35条第1項に規定された利子所得ないし一時所得のいずれにも該当しない所得として雑所得に該当することになる。また、請求人が、本件更正の請求において平成17年分の不動産所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入した本件不動産投資事業に係る収入金額及び必要経費は、単に計算上の金額であって、請求人の平成17年分の損益として発生したものではなく、平成17年分の雑所得とすべき金額はないことから、更正をすべき理由がないとした原処分は適法である。(平20. 5.29 名裁(所)平19-95)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190190ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成20年5月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、未払賃料等の支払を求め提起した訴訟の和解が平成18年1月○日にあり、当該和解で、①平成11年10月15日に賃貸借契約が解除されたこと②賃貸借契約解除日までの未払賃料及び和解までの賃料相当損害金の合計額が○○○○円であることが確認されたのであるから、契約解除後に発生する賃料相当損害金は、所得税基本通達36-5の(2)に定める賃料相当損害金に該当し和解があった日の属する年分の収入金額となる旨主張する。しかしながら、平成11年10月15日に賃貸借契約解除の意思表示があったと認めるに足る証拠はなく、同日以降も賃借人に対して契約の継続を前提とした賃料の支払請求をしていることから、同日に契約の解除があったとは認められない。また、和解が客観的事実として当事者でない原処分庁の事実認定に影響を与えるものでもない。ただし、平成16年5月に建物の明渡しと賃料相当損害金の支払を求めた文書(催告書)を賃借人に送付していることから、催告書が賃借人に到達した日以降は、契約解除の意思表示があったと評価するのが相当であり、同日以後は、賃料に代わり賃料相当損害金が発生することになる。所得税基本通達36-5の(2)は、賃貸借契約の存否が争われていて、賃貸人が契約の消滅を主張し賃料の受領を拒否するなど収入があるとして申告することに無理がある場合等の取扱いを定めたものであるが、請求人は、催告書等で賃貸借契約の月額賃料又は同額の賃料相当損害金を請求していることから、賃借人から賃料相当損害金等の提供があった場合、その受領を拒む意思があったとは認められない。また、係争等を有利に進めるために賃料相当損害金等の受領を拒む必要があったともいえず、賃料相当損害金等の受領を拒むのが通常と認められる場合でもなかったというべきである。したがって、本件に所得税基本通達36-5の(2)の適用はなく、当該賃料相当損害金についても催告書が賃借人に到達した日以降の各年分の不動産所得の総収入金額に計上されることになる。そして、原処分庁は、相続開始から遺産分割成立までの期間について、遺産分割成立後と同様に不動産所得の計算をしているが、賃料債権は、遺産分割の対象となる遺産とは別個の財産であって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解されていることから、当該期間の賃料及び賃料相当損害金は、法定相続分に応じて、不動産所得の総収入金額に算入されるべきであり、また、必要経費もこれに対応して算入するべきである。これを基に不動産所得の金額を計算すると、原処分に係る金額を下回るから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平20. 5.29 東裁(所)平19-190)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190023
- 裁決年月日
- 平成20年4月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件損害金等は本件借入金の担保物として競売にかけられていたB物件を落札した後の本件債務残高に対するものであり、このB物件を落札することとなった背景には、請求人が本件保証債務を履行するために、請求人の強い動機と意思及び銀行の協力により不動産賃貸業を行うということを条件に実現したものであることから、連帯保証人と不動産賃貸業は密接不可分のもので相当因果関係がある旨主張する。また、請求人は、本件損害金等について、本件債務残高に対し、4.85%を乗じて未払利息を○○○○円と算出し、14.5%を乗じて未払損害金を○○○○円と算出しているところ、これは前回裁決における保証債務に係る未払利息及び未払損害金とその算出の基となる保証債務、残高の金額、算出方法及び算出金額が同一である。そうすると、本件損害金等については、前回裁決において、不動産貸付業務の遂行上、通常かつ一般的に必要である費用と客観的には認められないとして、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない旨の判断を既に示していることから、不動産所得に係る必要経費に該当しない。(平20. 4.22 福裁(所)平19-23)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190023
- 裁決年月日
- 平成20年4月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸工場に係る減価償却費の計算において、請求人の計算に誤りはなく、建物附属設備の除却損については、平成10年分の必要経費となるから、各年分の減価償却費は追認すべきではない旨、原処分庁は、耐用年数を平成6年から平成9年までは41年を26年、平成10年以降は41年を24年に変更して計算すべきであり、また、本件附属設備に係る各年分の減価償却費は不動産所得の必要経費に計上すべきである旨主張する。しかしながら、 請求人が算定したB物件の取得価額は、本件貸店舗の価額は考慮されていない。また、B物件土地、本件貸工場、本件附属設備及び構築物に区分されているが、請求人がCから聞いたとする土地の価額については、その金額が合理的であると証する証拠がない。更に、請求人がD社の平成3年1月31日現在の貸借対照表であるとする資料は、貸借対照表であることは認められるが、これがD社のものであるかは明らかでなく、仮にこの貸借対照表がD社のものであったとしても、この貸借対照表に「建物」、「建物附属設備」、「構築物」の記載はあるものの、それがB物件建物であるとする証拠がなく、構造、用途も不明で、しかも、その金額は平成3年1月31日現在のものである。これらのことからすれば、この貸借対照表及びCから聞いたとする土地の価額を基に、B物件をB物件土地、本件貸工場、本件附属設備及び構築物に区分して取得価額を算出することは、合理性があるとは認められない。ところで、固定資産税評価額は、土地及び建物ともに時価を反映しているから、その価額の算定方法は合理的であると認められるところ、土地と建物が一括して売買され、かつ、それぞれの価額が明らかでない場合における取得価額の算定に当たっては、この固定資産税評価額の割合によって土地及び建物の取得価額をあん分し算定する方法には合理性があると認められるから、本件においても、本件土地、本件貸工場及び本件貸店舗の平成6年度の固定資産税評価額の割合によって取得価額を算定することに合理性があるといえる。そうすると、B物件建物については、B物件土地、本件貸工場及び本件貸店舗について、その固定資産税評価額を基に取得価額を算出し、その算出された取得価額により、本件貸工場及び本件貸店舗について減価償却費の計算を行うことが相当であると認められる。なお、本件貸工場の耐用年数について、請求人は、耐用年数を平成6年から平成10年までは41年、平成11年以降は24年としているが、本件貸工場の構造又は用途は、金属造のもの(骨格材の肉厚が4ミリメートルを超えるものに限る。)と認められ、細目は、「工場(作業場を含む。)用又は倉庫用のもの」の「その他のもののその他のもの」に該当し、新築から4年経過していることから、中古資産の耐用年数の簡便法を適用して耐用年数を算定すると、本件貸工場の耐用年数は、平成9年までは31年、平成10年以降は27年となる。本件貸店舗は、登記事項証明書及び当審判所の調査によれば、昭和52年4月に新築され、構造又は用途は、主として鉄筋コンクリート造で、事務所及び店舗として使用され、間仕切り等の内部造作については賃借人が施設していると認められることから、本件貸店舗は「鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造のもの」の「事務所用又は美術館用のもの及び左記以外のもの」の左記以外のものに該当すると認められ、新築から17年経過していることから、中古資産の耐用年数の簡便法を適用して耐用年数を算定すると、本件貸店舗の耐用年数は、平成9年までは51年、平成10年以降は36年となる。また、本件貸工場については、請求人が区分したように「建物」、「建物附属設備」、「構築物」とするのではなく、全体を本件貸工場として減価償却費の計算を行うことが合理的であると認められることから、本件附属設備を本件貸工場と別のものとして、減価償却費を必要経費に算入することは相当ではない。以上のことから、本件貸工場、及び本件貸店舗及び本件附属設備の減価償却費は、審判所が認定した減価償却費の額の欄のとおりとなる。(平20. 4.22 福裁(所)平19-23)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190023
- 裁決年月日
- 平成20年4月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件支払利息は平成10年12月22日に売却した本件土地を取得するために要した負債の利子で、租税特別措置法第41条の4の規定する不動産所得に損失の金額がある場合の損益通算の対象とされないものに該当するため、資産(損金不算入利息)として計上していたものであり、当該損金不算入利息は、本件土地の譲渡時に原価として算入すべき性格のものであったが、本件土地は平成10年に譲渡しており、その物件がない以上、原価に算入することができない資産となるため、平成17年分の不動産所得の必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件損金不算入利息は、請求人が平成6年に計上していた金額に、平成11年までのB物件土地を取得するために要した負債に係る借入金利息に相当する金額を加算した金額であり、請求人の平成15年分及び平成16年分の貸借対照表にも同金額が計上されていることから、平成11年から平成16年までの間、請求人の貸借対照表の資産の部に計上されていたものであると認められる。本件支払利息は、本件損金不算入利息を基に、B物件に投資したとする額のうちB物件土地に関する部分であるとする額の割合により算出した金額であると認められる。平成17年分の貸借対照表の損金不算入利息の金額は、○○○○円であり、平成16年分の貸借対照表の損金不算入利息の金額との差額が○○○○円であることから、本件支払利息は、本件損金不算入利息から振り替えられて、平成17年分の支払利息として経理処理されたものと認められる。そうすると、本件支払利息は、請求人の平成11年分以前の不動産所得に係る借入金利息に相当するものであるから、平成17年分の不動産所得の総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他不動産所得を生ずべき業務について生じた費用の額には該当しない。したがって、本件支払利息は、平成17年分の不動産所得に係る必要経費に該当しない。請求人は、租税特別措置法第41条の4には、土地を取得するために要した負債の利子に相当する金額を損益通算の対象としない旨規定し、切捨てとは規定していないことから、本件損金不算入利息を資産に計上することは妥当な処理であり、本件損金不算入利息は、B物件土地の譲渡時に原価として算入すべき性格のものであったが、B物件土地は平成10年に譲渡しており、その物件がない以上、原価に算入することができない資産となることから、本件支払利息は、平成17年のB物件土地の所有権移転登記時に必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第41条の4の規定は、不動産所得の損失の金額と不動産所得以外の各種所得の金額との損益通算の適用に係る特例であって、土地を取得するために要した負債に係る借入金利息で、損失が生じなかったとみなす部分の金額に相当する負債の利子を資産に計上し、これを適宜の時期に必要経費に振り替えることを認める規定ではない。また、本件支払利息は、上記のとおり、請求人の平成11年分以前の不動産所得に係る借入金利息に相当するものであるから、B物件土地の譲渡時の原価に算入すべきものでもない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 4.22 福裁(所)平19-23)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平190023
- 裁決年月日
- 平成20年4月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が不動産所得の計算において、事務所・倉庫の改造費等として支出した金額(以下「本件支出額」という。)は、本件貸店舗の取得価額に該当するから、その減価償却費は必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件提出資料については、当該取引が実際に行われたことを証する設計書や仕様書等の提出もなく、いずれも取引内容が不明であり、また、当該取引の支払の事実を証するに足る証拠資料等の提出もないから、当該資料のみでは、その取引の事実及びその支払の事実を確認することはできない、あるいは、支払理由が不明であり、当該資料のみでは、その支払の事実を確認することはできない。また、本件支出額は、多額であるにもかかわらず、請求人は、請求人の各年分の貸借対照表(資産負債調)及び資産別固定資産減価償却内訳表に計上しておらず、請求人の会計帳簿に何らの記載もしていないと認められ、これらの経理処理の理由が単に計上漏れであったということは容易に信用することはできない。なお、仮に、本件提出資料に記載された取引が実際に存したとしても、当該資料に記載された費用には、賃借人が事務所等の開設に当たり支出した費用で、明らかに賃借人が負担すべき費用も含まれていることからすれば、そのうちの一部のみを取り出して請求人の負担すべき費用とすることは不自然といわざるを得ない。以上のとおり、本件提出資料をその算定根拠とした本件支出額は、本件貸店舗の取得価額に該当するとは認められないから、本件支出額を取得価額として計算した減価償却費は、各年分の不動産所得に係る必要経費に該当しない。(平20. 4.22 福裁(所)平19-23)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190030
- 裁決年月日
- 平成20年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①賃貸用の各不動産(本件各不動産)には金融機関による担保権が設定されていることからみても、自己資本ではなく借入金で不動産を取得したことが認められ、本件各不動産に係る借入金利息額を請求人主張どおり不動産所得の必要経費に算入すべきである旨主張するとともに、②借入金利息額を推計の方法により算定して必要経費として認めるべきである、③借入金利息額の各種所得への割り振りについては、税務署の指導どおりに計算し申告したものであるから、信義誠実の原則に反する旨主張する。しかしながら、本件各不動産の取得のための借入金と認められるもの以外の借入金については、その大半が有価証券取引等に使用され、その余は使途が判明せず、その使途を裏付けるに足りる証拠もないから、いずれも本件各不動産の取得に係る借入金と認められず、これに係る借入金利息額を不動産所得の必要経費に算入することはできない上、①本件各不動産に金融機関による担保権が設定されていることが直ちにその借入金が本件各不動産の取得資金に充てたことを裏付けるものではないこと、②上記以外の借入金が本件各不動産の取得のため借り入れたものと認めることはできないから、借入金利息額を推計の方法により算定する必要はないこと、③本件においては、請求人が原処分庁からどのような指導をなされたかについて具体的な主張をしない上、それを裏付けるに足りる証拠の提出もなく、原処分庁が請求人に対して信頼の対象となる公的見解を表示したとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平20. 4.15 広裁(所)平19-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190163
- 裁決年月日
- 平成20年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃借人が賃貸人である請求人に対して、不動産賃貸借契約の合意解約に際してした本件債務免除は、賃貸借契約とは無関係に一方的にした贈与に過ぎないから、不動産所得ではなく、一時所得である旨主張する。しかし、賃借人は、賃貸人である請求人に合意解約に応じてもらうために、解約により請求人が将来賃料収入を得られなくなる不利益の代償として、本件債務免除を提案し、本件債務免除の合意をしたものということができ、本件利益は、本件賃貸借契約終了後の賃料の減収に相当する損失等に対する補償であると認められるから、所得税法施行令第94条第1項第2号に規定する不動産所得を生ずべき業務を行う居住者が、当該業務の収益の補償として取得する補償金その他これに類するもので、その業務の遂行により生ずべき不動産所得に係る収入金額に代わる性質を有するものに当たり、不動産所得に係る収入金額に該当する。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 4.15 東裁(所)平19-163)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190136
- 裁決年月日
- 平成20年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が支出した業務委託費は、繰延資産である開発費に該当することから、建物等の取得価額として減価償却費の額を必要経費とすべきであるとした原処分は違法である旨主張する。しかしながら、所得税法施行令第126条第1項第2号において、減価償却資産の取得価額は、当該資産の建設等に要した原材料費、労務費及び経費の額及び当該資産を業務の用に供するために直接要した費用の額の合計額とする旨規定しているところ、減価償却資産の取得価額は、その取得した資産について、その資産を事業の用に供するまでに要した一切の費用をいうものと解され、請求人が支出した業務委託費は、当該業務委託契約によれば、マンションの企画・設計業務を主な内容とするものであり、資産の建設等に要した経費の額と認められるから、原処分は適法である。(平20. 3.17 東裁(所)平19-136)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平190010
- 裁決年月日
- 平成20年3月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803990
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、振り込まれた本件金員は建築業者に横領されたものであり不動産所得の収入として加算するのは違法である旨主張する。しかしながら、本件金員は賃貸用建物の設備に係る費用の一部を補てんする金員であり、不動産の貸付けに係る収入とは認められないことから、本件金員を不動産収入として加算することはできないが、非課税所得としての規定もないことから、本件金員は雑所得に該当し、交付を受けた年分の雑所得に係る総収入金額に算入するのが相当である。(平20. 3. 6 仙裁(所・諸)平19-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190035
- 裁決年月日
- 平成20年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産を管理している共同相続人である請求人の兄から、アパートの貸付けにおいて、滞納や夜逃げをした者がいると聞いたので、これらに係る家賃収入は貸倒金として必要経費に計上すべきである旨主張する。しかしながら、具体的な貸倒れの事実は確認できず、また、当該請求人の兄も貸倒れはない旨の答述をしていることから、請求人の主張は採用できない。(平20. 1.24 大裁(所)平19-35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190035
- 裁決年月日
- 平成20年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産であるアパートの貸付けに係る家賃収入について、賃借人の1人が死亡した後の当該賃借人の配偶者からの収入としている部分は、家賃収入には含まれない可能性があること、また原処分は10戸からの家賃収入があるとしているが、住宅地図や表札等からみると7戸しか居住者がいないと考えられることから、原処分は不動産所得の総収入金額を過大に算出しており違法である旨を主張する。しかしながら、原処分庁が算出した当該アパートに係る家賃収入については、10件の貸借契約が存在し、入金の事実もあること、また、当該賃借人の死亡後も配偶者が当該アパートに引き続き居住していることから、請求人の主張は採用できない。(平20. 1.24 大裁(所)平19-35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190035
- 裁決年月日
- 平成20年1月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産の賃貸用アパートに係る資料に基づくと、過去に支出されたアパートに係る費用の中には、減価償却すべき支出があり、その支出額を基礎に計算した減価償却費を必要経費に計上すべきである旨主張する。しかしながら、当該費用の支出の事実は確認することはできるものの、資産の使用期間を延長させる又は資産の価額を増加させるような部分があるとはいえず、支出した年分の必要経費とするのが相当であることから、請求人の主張は採用できない。(平20. 1.24 大裁(所)平19-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190020
- 裁決年月日
- 平成20年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割調停の結果、本件土地を含む本件相続財産を取得したものの、相続登記も行われておらず、本件賃料も他の共同相続人名義の預金口座に振り込まれているから、本件賃料は、請求人に帰属しない旨主張するが、請求人が遺産分割調停によって本件相続財産を取得している以上、相続登記が行われていないことは、本件賃料が請求人に帰属するかどうの判断に、何ら影響を及ぼすものではなく、また、本件土地の賃貸人としての権利義務を承継した請求人が、本件賃料を取得し、かつ、本件賃料の支払方法を本件口座に振り込む方法に変更することによって、本件代償金の支払義務を履行していたものと認められるから、本件賃料は、本件土地の所有者である請求人に帰属することになる。(平20. 1.23 関裁(所)平19-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190039
- 裁決年月日
- 平成19年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の妻(以下、請求人と併せて「請求人ら2名」という。)及び妻の妹Aと共に、妻の妹Bを被告として、平成7年3月に死亡した被相続人の遺言(相続財産の大半をB及びBの夫(以下「Bら2名」という。)へ相続又は遺贈する旨が記載されている。)の有効性について争うとともに平成8年3月に遺留分減殺請求を行っていたところ、平成17年3月に訴訟上の和解(以下「本件和解」という。)が成立し、本件和解により、被相続人が賃貸に供していた土地(以下「本件貸宅地」という。)に係る相続開始以降の賃料として供託されていた金員(以下「本件供託金」という。)を請求人ら2名が取得した。 請求人は、相続財産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得することになるため、①請求人が取得する本件供託金のうち遺留分減殺請求以後の期間に対応する金額(以下「本件減殺請求後供託金」という。)のうち、請求人の持分に相当する金額は、各年分の不動産所得の収入金額に算入すべきであるが、②請求人が取得する本件供託金のうち、請求人の持分に係る部分以外の部分については、本件減殺請求後供託金のA及びBら2名の持分に係る部分と遺留分減殺請求がされるまでのBら2名の持分に係る部分であり(遺留分減殺請求前は、本件貸宅地は遺贈によりBら2名の共有財産であったことから。)、当該部分は、請求人が本件和解により取得する財産以外の財産に対する持分を放棄する代償等として取得した財産であるから相続財産に該当する旨主張する。 しかしながら、本件では、遺留分減殺請求が行われた時点では、価額弁償が行われることも考えられ、本件和解が行われ返還される財産が具体的に確定するまでは、その権利は具体的に確定しないと認められ、請求人の本件供託金に係る収入すべき金額も確定していないことになり、本件和解によって、請求人ら2名が本件貸宅地の持分をBら2名から返還を受けることが確定したことによって、民法第1036条の規定に基づき、遺留分減殺請求のあった日以後の本件供託金に係る果実に相当する部分の本件供託金が、請求人ら2名へ返還されることが確定することになる。 したがって、①請求人が取得する本件減殺請求後供託金は、本件和解によって請求人が取得することが確定し、収入すべき金額も確定したのであるから、本件和解の日が収入金額計上時期となり、本件減殺請求後供託金は、本件貸宅地に係る果実として請求人らに返還されることが確定するものであるから、本件貸宅地に係る賃料として不動産所得に該当する。また、②相続開始以後遺留分減殺請求までの期間に対応する金額は、Bら2名から請求人ら2名へ贈与する旨の契約も認められないことや、本件和解に至る請求人ら当事者の答述内容からすれば、本件和解を行うために支払われた解決金としての意味合いもあると考えられることから、対価性のない一時の所得であり、本件和解によって請求人ら2名が取得することが確定していることからすれば、一時所得に該当することになる。(平19.12.19 名裁(所)平19-39)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190040
- 裁決年月日
- 平成19年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の夫(以下、請求人と併せて「請求人ら2名」という。)及び請求人の妹Aと共に、請求人の妹Bを被告として、平成7年3月に死亡した被相続人の遺言(相続財産の大半をB及びBの夫(以下「Bら2名」という。)へ相続又は遺贈する旨が記載されている。)の有効性について争うとともに平成8年3月に遺留分減殺請求を行っていたところ、平成17年3月に訴訟上の和解(以下「本件和解」という。)が成立し、本件和解により、被相続人が賃貸に供していた土地(以下「本件貸宅地」という。)に係る相続開始以降の賃料として供託されていた金員(以下「本件供託金」という。)を請求人ら2名が取得した。 請求人は、相続財産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得することになるため、①請求人が取得する本件供託金のうち遺留分減殺請求以後の期間に対応する金額(以下「本件減殺請求後供託金」という。)のうち、請求人の持分に相当する金額は、各年分の不動産所得の収入金額に算入すべきであるが、②請求人が取得する本件供託金のうち、請求人の持分に係る部分以外の部分については、本件減殺請求後供託金のA及びBら2名の持分に係る部分と遺留分減殺請求がされるまでのBら2名の持分に係る部分であり(遺留分減殺請求前は、本件貸宅地は遺贈によりBら2名の共有財産であったことから。)、当該部分は、請求人が本件和解により取得する財産以外の財産に対する持分を放棄する代償等として取得した財産であるから相続財産に該当する旨主張する。 しかしながら、本件では、遺留分減殺請求が行われた時点では、価額弁償が行われることも考えられ、本件和解が行われ返還される財産が具体的に確定するまでは、その権利は具体的に確定しないと認められ、請求人の本件供託金に係る収入すべき金額も確定していないことになり、本件和解によって、請求人ら2名が本件貸宅地の持分をBら2名から返還を受けることが確定したことによって、民法第1036条の規定に基づき、遺留分減殺請求のあった日以後の本件供託金に係る果実に相当する部分の本件供託金が、請求人ら2名へ返還されることが確定することになる。 したがって、①請求人が取得する本件減殺請求後供託金は、本件和解によって請求人が取得することが確定し、収入すべき金額も確定したのであるから、本件和解の日が収入金額計上時期となり、本件減殺請求後供託金は、本件貸宅地に係る果実として請求人らに返還されることが確定するものであるから、本件貸宅地に係る賃料として不動産所得に該当する。また、②相続開始以後遺留分減殺請求までの期間に対応する金額は、Bら2名から請求人ら2名へ贈与する旨の契約も認められないことや、本件和解に至る請求人ら当事者の答述内容からすれば、本件和解を行うために支払われた解決金としての意味合いもあると考えられることから、対価性のない一時の所得であり、本件和解によって請求人ら2名が取得することが確定していることからすれば、一時所得に該当することになる。(平19.12.19 名裁(所)平19-40)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190016
- 裁決年月日
- 平成19年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が営む不動産貸付けは、山林を宅地に開発して賃貸用店舗を建設し、生活費の源泉を確保するものであるから、不動産所得を生ずべき事業に該当する旨主張する。 しかしながら、①本件貸付物件の賃貸料収入は全て振込みのため集金業務はないこと、②賃貸物件の維持管理費用は賃借人が負担することとなっていること、③請求人及び夫の不動産貸付に係る役務の提供の程度は相当低いこと、④本件貸付物件の維持管理を他の者に依頼していないことなどから、本件不動産貸付けに係る請求人の精神的・肉体的労力は僅少であるといえる、また、貸店舗は、賃借人が利用することを前提として賃借人の要望する設計に沿って建築されたものであり、貸店舗以外の貸付物件は単なる土地の貸付けであることからすれば、本件不動産貸付けに係る請求人の企画性は薄く、自己の計算における事業遂行性に乏しいと認められることから、請求人が営む不動産貸付けは、社会通念上事業と称するに至る程度のものとは認められない。 また、請求人は、個人事業税の納税義務者であり、かつ消費税の課税事業者でもあるから、法的安定性の要請からすれば、税法上の概念の統一的理解が図られるべきであり、本件貸付は所得税法上の事業にも該当する旨主張する。 しかしながら、各税法の趣旨、目的は異なるものであり、事業の解釈についても、それぞれの法令の趣旨、目的に沿ってその意義を解釈すべきであるから、請求人の主張には理由がない。(平19.12.12 広裁(所)平19-16)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平190004
- 裁決年月日
- 平成19年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803010
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/1事業、業務の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・37ページ
要旨
○ 請求人は、本件不動産貸付けは3階建ビル1棟(延面積約380㎡、1階部分は22台駐車場可能)及び当該ビル以外の土地(駐車2台分)の貸付けで、年間収入は約900万円、借入金は当該建物建設資金等で1億円超と多額であることなどを理由に本件貸付けが事業に当たる旨主張する。 しかしながら、本件貸付けは、請求人が主宰する請求人の個人事業から派生的に設立された同族会社2社及び親族に対する限定的かつ専属的なものであること、本件借入金は、請求人の個人事業の事務所等として使用することを目的とした建設資金等であったこと、本件借入金の返済は本件不動産貸付け収入以外の給与所得等の収入も原資となっていること、本件不動産貸付けの賃貸料は、賃借人の収入及び人員割合が計算の根拠となっていることから、請求人の自己の危険と計算における事業遂行性が希薄であると認められる。 さらに、本件貸付けは、請求人の主宰する同族会社及び親族に継続して貸し付けていることから、賃貸料改定交渉等の業務の煩雑さもなく、ビル管理業務等の負担は軽微であることから本件貸付けに費やす精神的・肉体的労力の程度については、実質的には相当低いと認められるなどの諸点を総合勘案すると、本件貸付は、社会通念上事業と称するに至る程度のものとは認められないことから、原処分は相当である。(平19.12. 4 熊裁(所)平19-4)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190010
- 裁決年月日
- 平成19年11月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・66ページ
要旨
○ 請求人は、本件土地上の本件建物は平成16年3月に取り壊しており、平成15年12月31日の時点では不動産所得を生ずべき業務の用に供しているから、所得税法第49条の規定からすると、本件減価償却費は平成15年分の必要経費に算入しなければならない旨主張する。 しかしながら、請求人は、本件土地について、売買契約の効力の発生した平成14年分の譲渡所得として申告をし、本件建物等移転料についても、租税特別措置法通達33−14により対価補償金として同年分の修正申告を行い、本件建物の未償却残高を取得費として控除していることが認められる。そうすると、本件減価償却資産の取得に要した金額のすべては、平成14年分までの不動産所得及び譲渡所得の計算上控除されているのであるから、本件減価償却費を必要経費とすることは、本件減価償却資産の取得に要した金額を越える金額を、所得の計算上控除することとなり、認められない。 また、請求人は、建物移転補償金は、実際に建物を取り壊した時に対価補償金に当たるものとして取り扱うことができることからすると、本件建物等移転料については、建物を取り壊した平成16年分として申告すべきであり、本件各土地及び本件建物等移転料のいずれの譲渡所得も平成16年分となるべきである旨主張する。 しかしながら、本件建物等移転料の支払いに係る契約は、本件各土地の譲渡と一体不可分の契約であると認められ、建物移転補償金を対価補償金として譲渡所得の総収入金額に算入することを選択した場合には、本件土地の対価補償金と本件建物等移転料の収入すべき時期については同一の基準で判断すべきであり、請求人は、適法に平成14年分の確定申告及び修正申告をしているのであるから、請求人の主張には理由がない。(平19.11. 6 広裁(所)平19-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190013
- 裁決年月日
- 平成19年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人と同族関係にあるA社に委託した本件管理委託業務は、請求人がB社に対して有する建物信託に係る信託受益権の管理・運営を意味するものであって、受託者であるB社の行っている業務とは別個の業務であるから、必要経費性がある旨主張するが、本件管理委託業務は、本件助言等業務、本件会計処理業務及び本件コンサルティング業務からなるものであるところ、①本件助言等業務及び本件コンサルティング業務についてみると、A社がこれらの業務を行っていたことを客観的に認めるに足る証拠は認められず、また、②本件会計処理業務については、A社が本件損益計算書等を作成しているものの、A社が業務日報等の記録を作成していなかったことに加え、請求人が本件申告書等の作成をC税理士に委任し、その報酬を別途支払っていることから、本件管理委託業務は、請求人の不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要なものであると客観的に認められない。(平19.11. 5 関裁(所・諸)平19-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190002
- 裁決年月日
- 平成19年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、抵当権設定登記抹消登記手続請求の訴え(以下「本件訴訟」という。)につき、平成15年4月に和解が成立し(以下「本件和解」という。)、本件和解における和解条項に基づき支払った和解金(以下「本件和解金」という。)は、賃貸に供している不動産の抵当権を抹消するための費用であるから、所得税法第37条《必要経費》に規定する「総収入金額を得るために直接に要した費用」として、平成15年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に該当する旨主張する。 所得税法第37条第1項は、その年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、不動産所得の総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他不動産所得を生ずべき業務について生じた費用の額とする旨規定し、不動産の取得資金に充てられた借入金に係る費用(借入金利子、遅延損害金等)については、取得された不動産が不動産所得の基因となる貸付けの用に供されて不動産所得の総収入金額を得る場合には必要経費に該当するが、当該不動産が貸付けの用に供されなくなった場合には、当該不動産に係る不動産収入が発生していないのであるから、費用収益対応の原則により、当該不動産の取得資金に充てられた借入金に係る費用(借入金利子、遅延損害金等)を必要経費に算入することはできないと解するのが相当である。 これを本件についてみると、本件和解は、請求人が平成4年にAから借り入れた不動産取得資金(以下「本件借入金」という。)の返済が滞ったことから、当該借入金債務を保証していたBが代位弁済したことに伴い、Bが請求人に対する求償金(以下「本件求償金」という。)の支払を求めて、担保提供されている請求人の父所有土地についての抵当権の実行を申し立て、請求人らがこれを争った本件訴訟を基因とし、本件和解金は、当該借入金の残額、当該借入金に係る利息及び遅延損害金(以下、これらを併せて「本件和解債務」という。)の一部であり、請求人らが、本件和解債務の支払義務を認めた上で、Bが当該抵当権の抹消をする代わりに、請求人らは本件和解金を支払い、当該支払が行われた場合には、Bの請求人らに対するその他の本件和解債務を免除するとともに、請求人らに対するその他の事件を取り下げ等をし、請求人らのその他の請求を放棄するものであるから、本件和解金は、紛争の解決という機能を有するとともに、本件求償金に代替するものといえる。 すると、本件和解金のうち賃貸の用に供する不動産の取得資金に充てられた本件借入金に係る経過利息及び遅延損害金に相当する部分が、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されることになるが、①本件借入金は、平成4年に賃貸の用に供する不動産の取得資金に充てられたものの、当該不動産は平成5年12月には、他の不動産との交換が行われ、その交換により取得した不動産も平成6年2月までに譲渡されており、当該譲渡代金についても、その後の請求人の不動産所得の基因となる不動産の取得資金等にも充てられていないことが認められ、②本件和解債務に含まれる借入利息等についても、本件借入金により取得された不動産を賃貸の用に供していた期間に対応するものはないことから、本件和解債務に含まれる借入利息等は、請求人が本件借入金により取得した不動産を貸し付けの用に供せず、当該不動産に係る不動産収入が生じていない期間に対応するものであるから、本件和解金は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。 また、請求人は、所有する不動産の管理を依頼していた不動産業者に本件借入金により取得した不動産の賃貸料及び当該不動産(交換後の不動産)の譲渡代金が横領され損失が生じたこと並びに現在賃貸に供している不動産等にまで損失が発生しかけたために、本件和解金を支払うこととなったものであるから、「総収入金額を得るために直接に要した費用」ではないとしても不動産所得の必要経費と判断すべきである旨主張する。 しかしながら、請求人主張の不動産賃貸料は、すべて本件借入金の返済に充てられて損失は生じていないこと、及び請求人が主張する譲渡代金の横領についてもその事実を認めることは困難である。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平19. 7. 4 名裁(所)平19-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190002
- 裁決年月日
- 平成19年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、収用により一部取り壊された本件建物の残存部分の切取面に外壁等を構築した本件工事は、事業用固定資産である本件建物の一部取壊しにより生じた壁面の原状回復のための工事であり、当該工事のために支出した本件工事費は、本件建物の使用可能期間を延長させる部分又はその価額を増加させる部分に対応する金額はないから、修繕費に該当する旨主張する。 しかしながら、請求人提出資料及び原処分関係資料によれば、本件工事は、鉄筋組による基礎コンクリート工事及び外壁コンクリート工事並びに防水工事及び電気設備に係る幹線引込工事を含むものであると認められる。このように、本件工事は、収用に伴い、本件建物の一部であった部分が取り壊されて建物本来の利用ができなくなった残存建物について、残存建物の切取面に建物の主要構造部である外壁を構築したものであって、いわば改造ともいえるものであり、通常の維持管理のためのものとは認められず、また、上記工事の内容からすれば、当該工事に係る支出金額は、その支出時における本件建物の価値を高め、その耐久性を増すこととなるものと認められ、資本的支出に該当し、単にき損した資産につき原状を回復するための維持費用とは認められない。(平19. 7. 4 東裁(所・諸)平19-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180073
- 裁決年月日
- 平成19年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産貸付業を営む請求人は、請求人が代表者を務める同族会社と請求人が所有する不動産の管理委託契約を締結し、当該同族会社に管理委託料を支払い、その費用を請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した。 しかしながら、本件管理委託料が必要経費に認められるためには、不動産所得を生ずべき業務について生じた費用、すなわち業務との関連があるというだけでなく、客観的にみてその費用が業務と直接関連性を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものに限られるところ、本件管理業務については、業務の遂行上必要なものとして客観的に認識できず、したがって、請求人の不動産所得を生ずべき業務と直接関連性はなくその遂行上必要なものと認めることはできないことから、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない。(平19. 6.28 関裁(所・諸)平18-73)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180335ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成19年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介して投資した外国不動産の貸付けに関する損益であるとする金額(損失)を不動産所得として申告することを失念したとして更正の請求をしたところ、原処分庁が、当該信託契約は外国投資信託(委託者非指図型投資信託に類するもの)であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、その損失は他の所得と通算できないとして、更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人ではないから、構成員課税が認められるべきであると主張する。 投資信託法においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、委託者指図型投資信託及び委託者非指図型投資信託のいずれも、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張には理由がない。 本件不動産投資事業に係る所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は不動産所得に当たらない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 したがって、本件不動産投資事業に係る不動産所得はないとした原処分は相当である。(平19. 6.22 東裁(所)平18-335)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180249
- 裁決年月日
- 平成19年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付けの用に供していた不動産が競売された後においても、当該不動産は、将来的に買い戻し再び賃貸に供する予定であり賃貸業務は継続しているから、当該不動産の取得資金に係る借入金の利息は、不動産所得に係る必要経費に算入すべきである旨主張する。 しかしながら、請求人は各年分において不動産の貸付業務を行っていないから、不動産所得は生じておらず、借入金利息は家事上の経費に該当するから、請求人の主張には理由がない。(平19. 5.21 東裁(所)平18-249)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180243
- 裁決年月日
- 平成19年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介した外国の不動産を対象とした投資(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益が、不動産所得の損失であるとして申告することを失念したとして更正の請求をしたのに対して、原処分庁が、当該信託契約は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、その損失は他の所得と通算できないとして、原処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人ではないから、構成員課税が認められるべきであると主張する。 投資信託法においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張には理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は不動産所得に当たらない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 したがって、本件不動産投資事業に係る不動産所得はないとした原処分は相当である。(平19. 5.11 東裁(所)平18-243)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180058
- 裁決年月日
- 平成19年5月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産賃貸業を営む請求人らは、不動産貸付けの事業の用に供するため、土地(以下「本件土地」という。)とともに一括取得した建物等(以下「本件建物等」という。)について、売買契約書 (以下「本件契約書」という。)に記載された本件建物等の価額は不合理であるから、不動産所得の金額の計算上、本件土地及び本件建物等の各固定資産税評価額の価額比を基に算定した価額を本件建物等の取得価額として減価償却費を計算すべきである旨主張する。 しかしながら、①本件契約書に記載された本件建物等の価額は、本件建物等の売主が、本件建物等の収益性が悪化している事情を加味した上で、他の物件の売却実例等を踏まえて算定されたものであること、②本件契約書に記載された本件建物等の価額には、故意に実体と異なる内容を本件契約書に表示したなどの特段の事情は認められないこと、③本件契約はその手続きに何ら瑕疵はないと認められることに照らせば、本件契約書に記載された本件建物等の価額は合理性を欠くものであるとは認められず、また、請求人らは、本件契約の内容を十分に理解した上で本件契約に至ったと認められるから、本件建物等の取得価額は、本件契約書に記載された価額を基に算定した価額によるのが相当である。(平19. 5.10 名裁(所)平18-58)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180016
- 裁決年月日
- 平成19年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、土地建物を一括取得した場合の建物の取得価額の算定に当たり、原処分庁が主張する固定資産税評価額によりあん分する方法と比較して、土地の価額を相続税の評価額及び固定資産税評価額の平均額により求め、当該平均額を合計額から差引く方法によるべきである旨主張する。 しかしながら、請求人らの主張する差引法は、売買された土地建物のうち、土地の価額のみに着目して一括売買された価額から差し引き残余の価額を建物の価額とするものであって、仮に土地の価額が客観的に求められたとしても残余の建物の価額が合理的な基準によって算定された価額ということはできないから、この方法は一括売買された土地建物の価額がそれぞれ客観的な交換価値によって定められ、それを基として一括売買された価額が定められている場合に限って有効な方法であるといわざるを得ないところ、本件においては、遺産分割調停に基づき支払われた金額は、建物の価額は考慮されておらず、また、土地の価額も時価を基に算定されたものとはいえないことから、土地建物の客観的な時価ということはできず、更に請求人の主張する相続税の評価額及び固定資産税評価額は客観的な時価を表している地価公示価格の8割又は7割を目途として定められており、その平均額をもって当該土地の客観的交換価値とは到底認めがたいことからすれば、請求人らの主張する差引法は合理的なものと認めることはできない。 そして、本件においては、土地建物ともに時価を反映した固定資産税評価額によってあん分する方法に合理性が認められ、当該方法を用いることに特段の不合理は認められない。 したがって、請求人の主張には理由がない。(平19. 3.29 福裁(所)平18-16)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平180016
- 裁決年月日
- 平成19年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が家庭裁判所の調停和解に基づき被相続人の兄に対し、代償金を支払うことによって取得した不動産の持分2分の1は、調停の経緯と当事者の認識からすべてが売買による取得である旨主張する。 しかしながら、被相続人及び兄の双方の弁護士の答述並びに調停記録によれば、当該調停は、兄が有する不動産の持分3分の1の売買と同持分6分の1の代償分割を併せたものと認めるのが相当である。 また、請求人らは、仮に上記6分の1の取得原因が代償分割であったとしても、代償金は所得税法第38条第1項にいう「取得に要した金額」と解することができるので不動産の取得価額を構成する旨主張する。 しかしながら、減価償却資産及び非減価償却資産の取得価額については、所得税法施行令第126条に規定され又は同条を準用すべきと解されているところ、代償分割により資産を取得した相続人は被相続人から直接資産を相続し、代償金は、共同相続人間の調整金の域を出ないものであるから、減価償却資産等の取得価額には該当せず、当該資産の取得価額は同条第2項の規定により被相続人から引き継がれることになる。 したがって、請求人のいずれの主張も理由がない。(平19. 3.29 福裁(所)平18-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180214ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成19年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介して外国の不動産に対する投資(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益は不動産所得の損失として申告することを失念したとして更正の請求をしたのに対して、原処分庁が、当該信託契約は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、その損失は他の所得と通算できないとして、当該損失以外の金額について所得を減額する更正処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人ではないから、構成員課税が認められるべきであると主張する。 投資信託法においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定する投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張には理由がない。 本件不動産投資事業に係る所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は不動産所得に当たらない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 したがって、本件不動産投資事業に係る不動産所得はないとした原処分は相当である。(平19. 3.29 東裁(所)平18-214)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180050
- 裁決年月日
- 平成19年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介した外国の不動産を対象とした投資(以下、「本件不動産投資事業」という。)に係る損益が不動産所得の損失であるとして、平成16年分の所得税の更正の請求(以下「本件更正請求」という。)をした金額について、原処分庁は、当該信託契約は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益は当該LPSに帰属することを理由に、国内所有不動産の貸付けに係る損益との合算は認められない旨主張し、請求人は、当該信託契約は外国投資信託ではなく、また、当該LPSは外国法人ではなく、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、投資信託法が定める投資信託においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定する投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、所得税法第13条第1項ただし書に掲げるいずれにも該当しないことから、原処分庁の主張は理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る損益の所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産投資事業における外国の不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得とは言えず、不動産所得には該当しない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為とはいえず、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 なお、請求人が、本件更正請求において平成16年分の不動産所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入した本件不動産投資事業に係る収入金額及び必要経費は、単に計算上の金額であって、請求人の平成16年分の損益として発生したものではないから、平成16年分の雑所得とすべき金額はない。(平19. 3.15 名裁(所)平18-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180177
- 裁決年月日
- 平成19年2月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 所得税法第45条は、家事費は必要経費に算入できない旨規定しており、ここにいう家事費は、衣食住に関する支出をはじめ趣味娯楽のための費用等のように、人が社会的、精神的、文化的生活を営む上で必要とされる個人の消費生活上の支出を意味し、いわば所得の処分という性質をもつものであって、収入(所得)を得るために必要な支出とみることはできないことを理由とするものと解される。 一方、必要経費は、所得税法第37条において不動産所得等の収入を得るため直接必要な費用及び当該所得を生ずべき業務について生じた費用とする旨規定されており、ここにいう必要経費は、収入(所得)を得るために直接間接に必要とされる費用を広く含むもので、当該業務(所得稼得行為)と何らかの関連性のある支出を意味するものと解される。 したがって、個人の支出した個々の経費について、家事費又は必要経費のいずれに該当するかの区分は、当該業務との関連性(必要経費性)の観点のみからではなく、所得の処分にすぎないと評価することができるか否か(家事費性)の観点も加え、その両面からの検討により総合的に勘案して判断する必要がある。所得税法上、所得金額の計算上「必要経費」を控除する規定があるにもかかわらず、さらに「家事費」を必要経費に算入しない旨を定めているのは、このような検討による判断を予定しているものと解される。 請求人は、グライダーの貸付けに係る支出は不動産所得の金額の計算上必要経費に当たると主張するが、本件グライダーについては、平成14年分及び15年分については、貸付けによる収入金額を生ずる飛行実績がなく、収入金額は零円であるから、本件グライダーに係る支出は家事費であって、必要経費に当たらない。平成16年分については、貸付けに供された飛行時間があるから、本件グライダーに係る支出のうちこれに相応する金額は必要経費となる。(平19. 2.20 東裁(所)平18-177)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180181
- 裁決年月日
- 平成19年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介して投資した外国の不動産の貸付けに関する損益であるとして不動産所得として平成16年分の更正の請求をしたのに対して、原処分庁が、本件信託は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、その損失は他の所得と通算できないとして、更正処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、当該LPSは外国法人ではないから、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、投資信託法においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張には理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は不動産所得に当たらない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為ではなく、役務の提供を内容とするものではないから事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 したがって、本件不動産投資事業に係る不動産所得はないとした原処分は相当である。(平19. 2.20 東裁(所)平18-181)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180044
- 裁決年月日
- 平成19年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、外国の不動産を対象とした信託契約(以下「本件信託」という。)を介した投資(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益を、不動産所得として平成16年分の所得税の更正の請求をしたところ、原処分庁は、本件信託は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益は当該LPSに帰属することを理由に、国内所有不動産の貸付けに係る損益との合算は認められない旨主張し、請求人は、当該信託契約は外国投資信託ではなく、また、当該LPSは外国法人に該当しないから、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、投資信託法が定める投資信託においては、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、所得税法第13条第1項ただし書に掲げるいずれにも該当しないことから、原処分庁の主張は理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る損益の所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産投資事業における米国不動産を賃借人に賃貸しているのは当該LPSであって、請求人が自ら又は当該LPSを代理人として賃貸しているものではないから、当該LPSから請求人に配分される損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得とは言えず、不動産所得には該当しない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為とはいえず、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 なお、請求人が、本件更正請求において平成16年分の不動産所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入した本件不動産投資事業に係る収入金額及び必要経費は、単に計算上の金額であって、請求人の平成16年分の損益として発生したものではないから、平成16年分の雑所得とすべき金額はない。(平19. 2.19 名裁(所)平18-44)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180044
- 裁決年月日
- 平成19年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同で所有する船舶(以下「本件船舶」という。)を用船(賃貸)し、賃貸期間終了後は売却する船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件商品」という。)の販売者から本件船舶の共有持分権を購入し、その共有持分権を現物出資して本件船舶の裸用船事業を行う民法上の任意組合(以下「本件組合」という。)に参加した。本件組合は、本件船舶を国外のリミテッド・パートナーシップ(以下「LP」という。)へ現物出資し、LPは裸用船の形態で本件船舶の賃貸事業(以下「本件船舶賃貸事業」という。)を行っているのであるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得に該当する旨主張し、原処分庁は、本件船舶賃貸事業は、①請求人が事業の経営に参画していないこと、②実質的に本線船舶の所有権を有していないこと、③事業のリスクについては出資持分を限度としていること、④本件船舶への投資による最大のメリットは、船舶の貸付けによる賃貸料収入ではなく、他の所得との損益通算による税の軽減であることが認められることから、本件商品の収入及び必要経費は、所得税法に規定する不動産所得の計算上、総収入金額および必要経費には当たらない旨それぞれ主張する。 しかしながら、①本件商品は、本件船舶の賃貸と売却を一体とした投資システムとして請求人らに示されていたものであり、②その出資持分の購入、本件船舶の用船等、種々の行為において、本件船舶の売却収入を切り離した場合には、本件船舶の賃貸事業は収益収益面で成り立ち得ない一方で、③本件組合の出資者には、実質的に本件組合への事業参加は予定されておらず、④しかも、不動産投資に伴う通常のリスク負担も予定されていないことから、本件商品は、本件船舶の賃貸とその売却とが一体不可分にセットされ、それらに係る収入金額から投資資金が回収され、収益の分配を受けるという経済的成果をもたらすものであることが明らかであること、⑥また、上記販売者の意図は、用船先に対する融資資金の調達にあり、他方、請求人の意図は、投資商品の購入という投資に係る経済的成果の亨受にしかないことが明らかであることから、上記各一連の行為は、全体で一体としてしか機能せず、個々の法律関係ないし取引行為が単独のものとしての経済的成果を生ずべきものではないことは明らかである。 したがって、本件船舶賃貸事業は、船舶の賃貸借という法形式に伴う実質的な経済的成果が発生していないと認めるべき特段の事情があると認定することができるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得とすることはできない。そして、本件商品は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期とするものであるが、当該契約終了事由も発生しておらず、本件商品に係る課税関係も生じていないものと認められるから、原処分は適法である。(平19. 2.19 名裁(所)平18-44)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180042
- 裁決年月日
- 平成19年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共同で所有する船舶(以下「本件船舶」という。)を用船(賃貸)し、賃貸期間終了後は売却する船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件商品」という。)の販売者から本件船舶の共有持分権を購入し、その共有持分権を現物出資して本件船舶の裸用船事業を行う民法上の任意組合(以下「本件組合」という。)に参加した。本件組合は、本件船舶を国外のリミテッド・パートナーシップ(以下「LP」という。)へ現物出資し、LPは裸用船の形態で本件船舶の賃貸事業(以下「本件船舶賃貸事業」という。)を行っているのであるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得に該当する旨主張し、原処分庁は、本件船舶の賃貸事業は、①請求人が事業の経営に参画していないこと、②実質的に本件船舶の所有権を有していないこと、③事業のリスクについては出資持分を限度としていること、④本件船舶への投資による最大のメリットは、船舶の貸付けによる賃貸料収入ではなく、他の所得との損益通算による税の軽減であることが認められることから、本件商品の収入及び必要経費は、所得税法に規定する不動産所得の計算上、総収入金額及び必要経費には当たらない旨それぞれ主張する。 しかしながら、①本件商品は、本件船舶の賃貸と売却を一体とした投資システムとして請求人らに示されていたものであり、②その出資持分の購入、本件船舶の用船等、種々の行為において、本件船舶の売却収入を切り離した場合には、本件船舶の賃貸事業は収益面で成り立ち得ない一方で、③本件組合の出資者には、実質的に本件組合への事業参加は予定されておらず、④しかも、不動産投資に伴う通常のリスク負担も予定されていないことから、本件商品は、本件船舶の賃貸とその売却とが一体不可分にセットされ、それらに係る収入金額から投資資金が回収され、収益の分配を受けるという経済的成果をもたらすものであることが明らかであることが明らかである。 したがって、本件船舶賃貸事業は、船舶の賃貸借という法形式に伴う実質的な経済的成果が発生していないと認められることから、本件船舶の賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得とすることはできない。そして、本件商品は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期とするものであるが、当該契約終了事由も発生しておらず、本件商品に係る課税関係も生じていないものと認められるから、原処分は適法である。(平19. 1.31 名裁(所)平18-42)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180042
- 裁決年月日
- 平成19年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、外国不動産を対象とした信託契約(以下「本件信託」という。)を介しての投資(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益を、不動産所得として申告したところ、原処分庁は、本件信託は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が当該外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(以下「本件LPS」という。)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、国内不動産の貸付けに係る損益との通算を認めず、不動産所得の金額を増額する原処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人に該当しないから、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、投資信託法において、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張は理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る損益の所得区分について、個人が得た所得が不動産所得に該当するには、その個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産投資事業における当該外国の不動産を賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分された損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得とは言えず、不動産所得には該当しない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為とはいえず、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 なお、請求人が、本件不動産投資事業に係る収入金額及び必要経費とした金額は、単に計算上の金額であって、請求人の損益として発生したものではないから、雑所得とすべき金額はない。(平19. 1.31 名裁(所)平18-42)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180036ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成19年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、外国不動産を対象とした信託契約(以下「本件信託」という。)を介しての投資(以下「本件不動産投資事業」という。)に係る損益を、不動産所得として申告したところ、原処分庁は、本件信託は外国投資信託であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が当該外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(以下「本件LPS」という。)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、国内不動産の貸付けに係る損益との通算を認めず、不動産所得の金額を増額する原処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人に該当しないから、本件不動産投資事業に係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、投資信託法において、投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張は理由がない。 一方、本件不動産投資事業に係る損益の所得区分について、個人が得た所得が不動産所得に該当するには、その個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産投資事業における当該外国の不動産を賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分された損益は、請求人が不動産等を利用に供したことにより生じた所得とは言えず、不動産所得には該当しない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為とはいえず、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 なお、請求人が、本件不動産投資事業に係る収入金額及び必要経費とした金額は、単に計算上の金額であって、請求人の損益として発生したものではないから、雑所得とすべき金額はない。(平19. 1.22 名裁(所)平18-36)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平180008ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸ビルの管理業務を、請求人が代表取締役である同族会社に委託しているから、同社に対する管理料は、不動産所得の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。 しかしながら、請求人は、当該賃貸ビルの管理業務を他の3社に委託しており、同族会社に管理を委託する必要性が認められず、かつ、同社が管理業務を履行した事実を認めるに足る証拠がないことから、請求人の主張には理由がない。(平18.12.22 熊裁(所)平18-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180033ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年11月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、信託契約を介して投資した外国のリミテッド・パートナーシップ契約により構成された仕組み(以下「本件LPS」という。)が行う外国不動産(以下「本件不動産」という。)の貸付けに係る損益は、不動産所得に該当する旨主張する。 しかしながら、信託契約を介して本件LPS持分を有していることにより得られる所得が不動産所得に当たるか否かは、本件LPS契約の内容から導かれる本件LPSの機能及び権限、当事者及び関係者の地位、権限及び役割等から総合的に判断する必要があるところ、本件LPSの契約内容からすれば、本件LPSは、本件建物の購入、取得、管理及び処分等を行う権限及び訴訟等に関する権限等を有し、本件LPSにおけるゼネラル・パートナー(以下「本件GP」という。)は、本件LPSを代表し、本件LPSの名においてそのすべての目的を遂行する権限を有しており、他方、本件LPSにおけるリミテッド・パートナー(以下「本件LP」という。)は、本件LPSの事業目的のために金銭をもって出資し、本件LPSの損益の配分を受ける地位にあるが、原則としてその管理運営には参加せず、いかなる事項に関しても、本件LPSを代表し又はその名において行為する権限又は権利を有しておらず、また、本件LPS契約により追加出資の義務がないから、本件不動産への投資事業について出資額以上の損失を被ることはない。これらのことからすれば、本件不動産を賃借人に対して賃貸しているのは本件LPSであり、その実質的経営権は、本件GPにあるのに対し、信託契約を介して本件LPSの本件LPの地位にある請求人は、本件不動産について実質的な使用収益権限及び処分権限を有していないから、自ら又は本件LPSを代理人として、主体的に本件不動産を賃借人に賃貸していたとはいえない。 したがって、請求人に配分される本件LPSの損益は、請求人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であるとはいえないから、信託契約を介して投資した本件LPSが行う本件不動産の貸付けに係る損益は、不動産所得に該当しない。(平18.11.20 大裁(所)平18-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180085
- 裁決年月日
- 平成18年11月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804070
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/7支払地代
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有する土地を賃貸するに際して、その土地上に育成していた植木等を移植するために借りた土地の賃借料は、事業遂行上直接必要な費用であるから不動産所得の金額の計算上必要経費に当たる旨主張する。 しかしながら、不動産所得を有する者が支出した経費について所得税法上の必要経費であるというためには、当該支出が所得を生み出す業務に関連する費用であるとともに当該業務の遂行上必要なものでなければならず、その判断は、不動産所得を有する者の主観的事情を対象として行うのではなく、客観的にみて当該業務の個別具体的な内容に即して業務遂行上必要な費用と認識できるものでなければならないものと解するのが相当である。 請求人が必要経費に当たると主張する賃借料は、客観的にみて、不動産所得を生み出す業務に関連する費用ではなく、家事上の経費、衣食住に関する支出をはじめ趣味娯楽のための費用等のように個人の消費生活上の費用ということができ、所得を得るために必要な支出ではないから家事費に該当するものというべきであり、所得税法第45条第1号に規定されているとおり、不動産所得の計算上必要経費に算入することができないとする原処分は相当である。(平18.11.16 東裁(所)平18-85)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180023
- 裁決年月日
- 平成18年10月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国所在の不動産(以下「本件物件」という。)の共有持分権者として、当該外国不動産投資を目的とする任意組合(以下「本件組合」という。)の共同事業に参加しているから、本件組合からの分配金は不動産所得である旨主張する。 しかしながら、請求人が、本件物件の持分権を取得したとしても、本件物件に関する権利のほとんどは、本件組合が所属する当該外国のゼネラルパートナーシップないしその実質的支配権限を有する当該外国の法人に移転しており、本件組合及び請求人ら組合員は、実質的には本件物件に係る使用収益権限及び処分権限を失っており、本件物件の賃貸事業を行っていたとはいえない。 そうすると、請求人に配分された損益ないし分配された分配金は、いずれも請求人がほとんど又は専ら不動産を利用に供したことにより生じた所得であるといえないから、不動産所得に該当しない。仮に本件組合が任意組合であったとしても本件組合が本件物件の賃貸事業を行っていたということはできないことから、任意組合であることをもって直ちに本件物件に由来する損益及び分配金が不動産所得であるということはできない。 したがって、本件物件に由来する損益は、請求人には帰属しなかったというべきであり、また、分配金は、その原資及び計算方法などからすると、請求人の出資金の果実というべきであって、他のいずれの所得にも該当しないから、雑所得に該当するものとみるのが相当である。(平18.10.11 関裁(所)平18-23)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180005
- 裁決年月日
- 平成18年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804060
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/6使用人給料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の長男らが、本件各不動産の企画立案、金利交渉、大修繕、その他の業務を行っている事実がある旨主張する。しかしながら、請求人の長男らが行ったとする請求人に係る業務の内容や活動に個別かつ具体的な確認ができないなど、その業務が行われたとする事実が、何ら明らかにされておらず、また、請求人自身が、自己の行う業務に関して、同人らに対し指図しているとは認められない。さらに、請求人の長男らが本件各管理会社の役員等であり、また、本件各管理会社の業務が本件各不動産の管理業務を含むものであることからすると、同人らの行為が直ちに請求人に対してなされた行為であるということはできないから、請求人の長男らが請求人の業務に従事していたとは認められない。(平18. 8.29 広裁(所)平18-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180010ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国所在の不動産の共有持分権者として、同人が所属する任意組合の共同事業に参加しているから、同事業に係る分配金は不動産所得である旨主張する。 しかしながら、請求人がその所属する団体への加入の際に締結した合意の具体的内容にかんがみれば、仮に、請求人が、当該外国所在の不動産の持分権を取得し、それを現物出資した相手方の同団体が任意組合であったとしても、同不動産に関する権利のほとんどは、同団体が所属する当該外国のゼネラルパートナーシップないしその実質的支配権限を有する当該外国の法人に移転しているというべきである。そうすると、同団体ないし請求人ら同団体の加入者は、実質的には、同不動産についての使用収益権限及び処分権限を有しておらず、同不動産に関する賃貸事業を行っていたとはいえないのであって、同団体が任意組合であることから直ちに同事業に係る損益及び分配金が不動産所得であるということはできない。そして、同分配金は、その原資及び計算方法などからすると、請求人の同団体に対する出資金の果実というべきであり、他のいずれの所得にも該当しないから、雑所得に該当するものとみるのが相当である。(平18. 8.24 関裁(所)平18-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180023ほか 14件
- 裁決年月日
- 平成18年8月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、信託契約を介して投資した外国不動産の貸付けに関する損益であるとして、不動産所得として申告した金額について、原処分庁が、当該信託契約は外国投資信託(委託者非指図型投資信託に類するもの)であり、その所得は配当所得に該当すること、また、信託の受託者が外国において締結したリミテッド・パートナーシップ契約によって構成された仕組み(LPS)は、外国法人に該当し、本件不動産投資事業の損益はLPSに帰属することを理由に、不動産所得の金額を零円とする原処分を行ったのに対し、請求人は、本件信託は外国投資信託ではなく、また、本件LPSは外国法人ではないから、構成員課税が認められるべきであると主張する。 投資信託法においては投資信託に係る信託契約に基づく受益権を表示する受益証券の発行はその本質的要素であって、委託者指図型投資信託及び委託者非指図型投資信託のいずれも、その受益権は受益証券をもって表示しなければならないと解されるところ、本件信託は、受益証券を発行することを予定せず、実際に受益証券は発行されていないから、投資信託法に規定される投資信託に当たらないと認めるのが相当であり、原処分庁の主張は理由がない。 本件不動産投資事業に係る所得区分については、個人が得た所得が不動産所得に該当するにはその個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供したことにより生じた所得であると解されるところ、本件不動産を賃借人に賃貸しているのは本件LPSであって、請求人が自ら又は本件LPSを代理人として賃貸しているものではないから、本件LPSから請求人に配分される損益は不動産所得に当たらない。また、請求人の出資行為は、継続的かつ反復した行為とはいえず、役務の提供を内容とするものではないから、事業とはいえず、その所得は雑所得に該当する。 したがって、本件不動産投資事業に係る不動産所得はないとした原処分は相当である。(平18. 8.14 東裁(所)平18-23)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180039
- 裁決年月日
- 平成18年8月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804020
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/2登記、登録費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法第60条《贈与等により取得した資産の取得費等》の適用上贈与により取得したゴルフ会員権の名義変更料が譲渡所得の取得費に当たるとした最高裁平成17年2月1日第三小法廷判決を受けて、国税庁は贈与等により取得した非業務用資産に係る登記費用等も譲渡所得の取得費として取り扱うこととしたのであるから、贈与等により取得した業務用資産に係る登記費用等についても不動産所得の必要経費として認められるべきであること、さらに、上記判決により、贈与等により取得した業務用資産に係る登記費用等については不動産所得の必要経費として認めないとした最高裁平成12年7月17日第一小法廷判決の解釈が覆され、所得税基本通達37−5の適用範囲が変更されたのは従来の適用に明らかな誤りがあったことによるものであることから、請求人が平成15年に贈与により取得した不動産賃貸事業用に供されていた土地の登記費用(以下「本件登記費用」という。)も不動産所得の金額の計算上の必要経費として認められるべきである旨主張する。しかしながら、最高裁平成17年2月1日第三小法廷判決は、所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》及び同法第60条の解釈及び適用を示したものであって、同法第37条《必要経費》及び同法第45条《家事関連費等の必要経費不算入等》規定の解釈及び適用について判示したものではなく、また、改正後の所得税基本通達37−5の定めは、相続等により取得した業務の用に供される資産に係る登記費用等は、事業活動と直接の関連をもつ事業の遂行上必要な費用ではないが、購入により取得した場合の取扱いとの「バランスに配慮」して、平成17年1月1日以後に取得した資産について必要経費に算入する取扱いにしたというものであるから、請求人の主張にはいずれも理由がなく、本件登記費用を請求人の平成15年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平18. 8.14 東裁(所)平18-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180011ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年7月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、我が国の民法上の組合(任意組合)が外国において所有する不動産の貸付けによる所得であるとして、当該組合の事業の損益計算上の利益又は損失の金額をその組合員である請求人に係る所得税法第26条の不動産所得であると主張する。 しかしながら、個人が得た所得が不動産所得に該当するには、個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であることが必要であると解されるところ、当該組合又は請求人ら組合員が本件不動産を賃貸事業に供しているとはいえず、当該組合契約等に基づいて請求人に配分された損益及び分配金は、請求人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であるとはいえないから、不動産所得に該当するとはいえない。 当該外国に所在する不動産の賃貸事業を行っているのは当該組合から出資金を得た当該外国のゼネラルパートナーシップ等であり、その営業収益から使用可能な資金を当該組合に分配し、請求人はこれを当該組合から出資口数に応じて算出された分配金として受領したものである。 したがって、当該分配金は、請求人の当該組合に対する出資金の果実というべきであり、それは利子所得、事業所得等に当たらず、雑所得に該当するものというべきである。(平18. 7.19 東裁(所)平18-11)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180002
- 裁決年月日
- 平成18年7月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸土地の購入時期、購入面積、請求人の借入状況からすれば自己資金で購入していないことは明らかであり、また登記簿謄本の抵当権欄の記載を見ても借入金による購入であることは明らかであるから、借入金利息を不動産所得の必要経費として認めるべきである旨主張する。 しかしながら、借入金は、その大半が先物取引に使用されており、その余は使途が判明せず、その使途を裏付けるに足りる証拠はなく、不動産の取得目的であったことを裏付けるに足りる証拠もないから、借入金に係る借入金利息の額を不動産所得に係る必要経費とすることはできない。(平18. 7.11 広裁(所)平18-2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180007ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成18年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸不動産を譲渡し収入金額がなくても、不動産所得を生ずべき業務を廃業していないから、残債務に係る支払利息や新規の賃貸物件取得についての情報収集の費用等は、不動産所得の必要経費となる旨主張する。 しかしながら、所得税法第26条《不動産所得》の規定からすると、不動産所得を生ずべき業務とは貸付けにより収益が生じる状態にある土地や建物などの不動産を保有し、これを貸付けの用に供し相当な対価を得て行われるものであると解されるところ、請求人は、唯一の貸付不動産を平成8年に譲渡した後は不動産等の貸付けを行っておらず、不動産等の貸付けによる収入自体が発生していないから、もはや不動産所得を生ずべき業務を行っていないというべきであり、請求人が貸付不動産の譲渡後に残債務に係る支払利息等を支払ったとしても、それは、不動産所得の総収入金額を得るために直接要した費用、不動産所得を生じた費用のいずれにも当たらない。(平18. 7. 4 大裁(所)平18-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170205
- 裁決年月日
- 平成18年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、我が国の民法上の組合(任意組合)が外国において所有する不動産の貸付けによる所得であるとして、当該組合の事業の損益計算上の利益又は損失の金額は、その組合員である請求人に係る所得税法第26条の不動産所得であると主張する。 しかしながら、個人が得た所得が不動産所得に該当するには、個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であることが必要であると解されるところ、本件不動産を賃貸事業に供するのは当該組合又は請求人ら組合員であるとはいえず、当該組合契約等に基づいて請求人に配分された損益及び分配金は、請求人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であるとはいえないから、不動産所得に該当するとはいえない。 請求人が受領した分配金は、当該組合から出資金を得た外国のゼネラルパートナーシップ等が不動産の賃貸事業を行い、その営業収益から使用可能な資金を当該組合に分配し、請求人はこれを当該組合から出資口数に応じて算出された分配金である。 したがって、当該分配金は、請求人の当該組合に対する出資金の果実というべきであり、それは利子所得、事業所得等に当たらず、雑所得に該当するものというべきである。(平18. 6.26 東裁(所)平17-205)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成18年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・205ページ
要旨
○ 請求人は、自己が所有する本件賃貸不動産について、不動産管理契約に基づき同族法人A社に管理業務を委託し、また、A社においても管理業務の実績があるから、A社に対する本件不動産管理料の支払額(賃貸収入金額の10%)は、必要経費に算入されるべきである旨主張する。 しかしながら、本件賃貸不動産については、①A社の管理業務とされる定期的な清掃業務等は、別途、不動産管理会社に委託している管理業務と同一のものであり、当該不動産管理会社において本来の業務として行われていることから、当該管理業務をA社に委託する客観的必要性は認められないこと、②本件賃貸不動産の敷地内の看板には、上記不動産管理会社名が明示されており、A社が賃借人及び第三者の窓口等となっている事実は認められないこと、③A社においては、管理業務を実施した記録がなく、A社が管理業務を実施したことを客観的に認めるに足る証拠は認められないことなどからすれば、A社が本件賃貸不動産に係る管理業務を行なったことを認めることはできない。 したがって、本件賃貸不動産に係る本件不動産管理料を不動産所得を生ずべき業務の遂行上生じた費用と認めることはできない。(平18. 6.13 熊裁(所)平17-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170192
- 裁決年月日
- 平成18年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804020
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/2登記、登録費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・178ページ
要旨
○ 請求人は、最高裁平成17年2月1日第三小法廷判決は、所得税法第60条《贈与等により取得した資産の取得費》の適用上相続等により取得した資産に係る登記費用の支出は資産の取得に要した金額に当たるとしていることから、同法第37条《必要経費》の適用上も、不動産所得の金額の計算上、相続によって取得した不動産所得の基因となる資産に係る登記費用は必要経費に算入されるべきであること、及び同最高裁判決は従来の所得税法の解釈の誤りを指摘したものであるから、改正後の所得税基本通達37−5の適用について、遡及期間を制限する定めを設けることは違法であることを主張する。 しかしながら、当該判決は、所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》及び第60条の解釈及び適用を示したものであって、同法第37条び同法第45条《家事関連費等の必要経費不算入等》規定の解釈及び適用について判示したものではなく、また、改正後の所得税基本通達37−5の定めは、相続等により取得した業務の用に供される資産に係る登記費用等は、事業活動と直接の関連をもつ事業の遂行上必要な費用ではなく、本来、必要経費には当たらないが、購入により取得した場合の取扱いとの「バランスに配慮」して、平成17年1月1日以後の相続等により取得した業務の用に供される資産に係る登記費用等を必要経費に算入する取扱いにしたというものであるから、同通達の定めを根拠にして請求人の本件登記費用が必要経費に当たるということはできず、また、同通達の取扱いの要件も満たさないから、これを必要経費に算入することはできない。したがって、請求人の平成15年分の所得税に係る不動産所得の金額の計算上、本件登記費用を必要経費に算入することはできない。 (平18. 6. 8 東裁(所)平17-192)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170158
- 裁決年月日
- 平成18年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、我が国の民法上の組合(任意組合)が外国において所有する不動産の貸付による所得であるとして配分された、当該組合の不動産の賃貸事業に係る損益は、その組合員である請求人に係る所得税法第26条の不動産所得であると主張する。 しかしながら、個人が得た所得が不動産所得に該当するには、個人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であることが必要であると解されるところ、本件不動産を賃貸事業に供するのは当該組合から出資金を得た外国のGPS等であり、当該組合契約等に基づいて請求人に配分された損益及び分配金は、請求人がほとんど又は専ら不動産等を利用に供することにより生じた所得であるとはいえないから、不動産所得に該当するとはいえない。 請求人は、当該組合から出資金を得た外国のGPS等が外国不動産の賃貸事業を行い、その営業収益から使用可能な資金を当該組合に分配し、請求人はこれを当該組合から出資口数に応じて算出された分配金として受領したものであって、当該分配金は、請求人の当該組合に対する出資金の果実というべきであり、それは利子所得、事業所得等に当たらず、雑所得に該当するものというべきである。(平18. 4.21 東裁(所)平17-158)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170145ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成18年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・192ページ
要旨
○ 請求人は、請求人が相続した本件各建物の取得日は、被相続人の取得日を引き継ぐべきであるから、本件各建物の減価償却の方法は定率法によるべきである旨主張する。しかしながら、①所得税法第120条第1項第1号イにいう「取得」に、相続による承継取得が含まれない旨の明文の規定はなく、また、これが含まれないと解すべき合理的理由もないこと、②民法上、相続は不動産の取得原因の一つとされていることから、その「取得」は、文理解釈上、相続による承継取得を含むと解すべきである。これを本件についてみると、請求人は、本件各建物を平成10年4月1日以後に相続により取得しているから、所得税法施行令第120条第1項1号ロの規定により、本件各建物の償却の方法として選定できるのは定額法のみである。したがって、請求人の主張には、理由がない。(平18.3.30東裁(所)平17-145)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170046
- 裁決年月日
- 平成18年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地の測量、登記等に要した費用(以下「本件費用」という。)は、同土地を管理する上で必要な支出であったことから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件費用は多額であるものの、請求人が受領すべき更新料をもって十分にその支払に充てることができる上、測量、登記等の前後を通じて、請求人と本件各土地の賃借人らとの間及び賃借人らの間に、地積や境界を巡る争いはなく、実際、測量地積と契約地積の較差はわずかであって、測量、登記等及び本件各土地の一部の土地(道路用地)の寄附によりされた地番及び地積の変更は各賃貸借契約に反映されておらず、賃借人ごとの貸付区分にも異動はない。また、同寄附は任意にされたものであり、しかも、請求人は、その結果支払われる補助金を得ることも目的の一つとしていたのである。これらの事情を併せ考慮すると、測量、登記等は、請求人に相当額の更新料の収入があったことに加え、道路用地の寄附の機会もあったことから、本件各土地の境界や登記をその現況に合わせるべく実施したものであって、本件各土地の貸付け又はその管理のため、直接あるいは間接にその実施を余儀なくされたものではないとみるのが相当である。そうすると、本件費用は、請求人の不動産賃貸業務の遂行上客観的に必要であったということはできないから、「必要経費」に当たらない。したがって、請求人の主張には、理由がない。(平18.3.10関裁(所)平17-46)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170104
- 裁決年月日
- 平成18年2月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・118ページ
要旨
○ 審査請求人は、a国のリミテッド・パートナーシップ(以下「本件LPS」という。)を介して得た損益について、本件LPSは民法上の組合に類似するものであってそれが行う不動産賃貸事業に係る損益が請求人自身に帰属するから不動産所得に該当する旨主張し、原処分庁は本件LPSが法人に該当するから本件LPSからの利益の分配は配当所得となる旨主張する。しかしながら、本件LPSは法律上の権利義務の帰属主体になり得るものの、本件LPSの活動から生じる損益は、本件LPS契約に基づいてパートナーである請求人に配分されているものであり、それは、本件LPSが利益の処分として行ったものではないから、請求人の得た所得は所得税法第24条が規定する配当所得には当たらない。本件LPSは不動産賃貸を目的とする民法上の組合ということができず、請求人が主体的に本件不動産を賃貸に供していたと認められないので、請求人の得た損益は不動産所得に該当せず、本件LPSから得た分配金は出資金に対する果実であるから、雑所得と認められる。したがって、請求人の主張は採用できない。(平18.2.2東裁(所)平17-104)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170036
- 裁決年月日
- 平成18年1月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、未分割の相続財産である不動産の貸付けから生じる不動産所得に係る必要経費の算定に当たり、原処分庁は、一般的に必要な築30年前後のアパートの必要経費の調査・照合・分析をしないなど適正を欠いているから、原処分の金額以上に必要経費を認めるべきであると主張する。しかしながら、当該不動産所得に係る必要経費については、当該不動産に関する管理のすべてを行っている共同相続人である請求人の兄から提示された必要経費に係る領収証等及び同人からの申立てに基づき算出されたものと認められるところ、領収証等及び申立ての支出金額は、貸付不動産との関連性を有し、客観的にみても業務の遂行上必要な支出であり、所得税法第37条第1項に規定する必要経費の金額として適正であると認められる。また、請求人は、当審判所に対して具体的な支出金額及び当該支出を合理的に推認できるだけの立証を行わないのであるから、請求人が主張する原処分の金額以上の必要経費が存在する事実を確認することはできない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平18.1.17大裁(所)平17-36)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170033
- 裁決年月日
- 平成17年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、返還を要しなくなった保証金残額(以下「本件保証金残額」という。)について、平成13年分の不動産所得に当たるとした調査担当職員の指導に従い、修正申告をした(以下「本件修正申告」という。)ものの、本件保証金残額の返還請求権には、賃借人の債権者である金融機関の質権が設定されており、平成16年に当該金融機関が質権の解除通知をしていることから、本件保証金残額の返還を要しなくなったのは、質権の解除通知がされた平成16年である旨主張する。しかしながら、本件保証金残額の返還義務がいつの時点で消滅したかは、不動産賃貸借契約の定め及び契約当事者の意思に基づいて判断するのが相当であるところ、不動産賃貸借契約によると、賃借人の一方的な事由により契約を解除した場合には、本件保証金残高は返還しない旨定められており、賃借人が不動産賃貸借契約の解除を通知したのに対し、請求人は不動産賃貸借契約の定めに基づき本件保証金残額を返還しない旨通知しており、賃借人が平成13年8月に本件保証金残額を雑損失として損金経理し、請求人は本件保証金残額を返還していないことから、遅くとも平成13年8月の時点で、契約当事者である請求人と賃借人は、本件保証金残額の返還を要しないことを確認したというべきであるから、本件保証金残額を請求人の不動産所得の総収入金額に算入すべき時期は、平成13年分である。したがって、請求人の主張には理由はない。(平17.12.16名裁(所)平17-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170072
- 裁決年月日
- 平成17年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、海外赴任から帰国した後に自宅の賃借人に対して明渡しを求めたがこれに応じてもらえなかったために自宅に居住することができず、やむなく本件借家を賃借して居住せざるを得なかったことをもって、本件支払家賃及び本件引越費用の支払と自宅の賃貸による不動産所得との間には強い因果関係があるから、本件支払家賃及び本件引越費用は必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、所得税法は、家事費は必要経費に含まれないと明記しているのであって、家事費に該当する本件支払家賃が必要経費に含まれないことは明らかであるから、請求人の主張には理由がない。(平17.11.28東裁(所)平17-72)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170072
- 裁決年月日
- 平成17年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 一般に申告相談は、納税申告をする際の参考とするために、税務署職員が具体的な調査を行うこともなく、相談者の申立てのみに基づきその申立ての範囲内で行政サービスとして助言するものであって、仮に課税にかかわる個別具体的なものであったとしても、その助言内容どおりの納税申告をすれば必ずその申告内容を是認するということまでを意味するものではなく、最終的にいかなる納税申告をすべきかは納税者の判断と責任に任されているというべきである。したがって、申告相談における助言は、それが税務署長等の権限ある者の公式の見解の表明とみられるものでない限り、信頼の対象となる公的見解とはいえないと解するのが相当である。(平17.11.28東裁(所)平17-72)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170070
- 裁決年月日
- 平成17年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人から相続により承継した借入金に係る借入金利子について、不動産の貸付けを事業的規模で行っているから、相続により賃貸用不動産と借入金債務の対応が崩れているとはいえ、承継した借入金が事業用借入金として引継がれているので、承継した借入金利子の全額を必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第37条の規定及び所得税基本通達37−27の定めているところにより、事業的規模で行われているか否かによって、承継した借入金利子についてその取扱いが異なるものではなく、相続により承継した借入金に係る借入金利子については、相続した賃貸用不動産の取得等のために行われた借入金額に対応する部分に限り、請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することができると解するのが相当である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平17.11.21東裁(所)平17-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170049
- 裁決年月日
- 平成17年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産の賃貸を営業目的とする匿名組合が外国法人に対して分配金として支払った金額は、当該外国法人の設立が請求人の依頼に基づくものであること、当該匿名組合の設立、当該不動産の購入及び賃貸借契約の締結が請求人の意向に沿って行われていること、請求人が投資信託等に出資金として支払った資金が当該外国法人を経由して当該不動産の購入に充てられていること等から、仮に当該分配金相当額が当該外国法人に留まっていたとしても、請求人と当該外国法人との合意(通謀)に基づいて、当該外国法人が請求人のために当該分配金相当額を保有しているものと認められるから、請求人に帰属するものと認められ、その所得区分は、当該分配金が、当該不動産の賃貸により生じたものであることから、不動産所得に該当する。(平17.10.21東裁(所)平17-49)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成17年10月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804120
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/12資産の廃棄損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件不動産の貸付けが個人で事業に供するために建設した建物等を後に他者に貸し付けたものであること、賃貸物件が工場1棟、貸付工場面積が650㎡であることから、本件不動産の賃貸は、事業と称するに至る程度のものである旨主張する。しかしながら、不動産の貸付けが不動産所得を生ずべき事業に当たるか否かは、営利性・有償性の有無、継続性・反復性の有無、自己の危険と計算における事業遂行性の有無、取引に費やした精神的肉体的労力の程度、人的・物的設備の有無、その取引の目的、その者の職歴・社会的地位・生活状況等の諸要素を総合して、社会通念上事業といい得るか否かによって判断するのが相当であると解されるところ、請求人の行う不動産の貸付けは、事業遂行性や人的・物的設備の状況という点において事業性をうかがわせる要素は希薄であり、不動産貸付けに費やした労力や維持管理の程度も僅少であることが認められ、これらの点を総合して勘案すると、社会通念上事業と称するに至る程度のものとは認められない。(平17.10.4大裁(所)平17-17)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平170002
- 裁決年月日
- 平成17年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件和解金は、A社が民事再生法に基づく民事再生手続開始を申し立て、更にはA社が本件賃借権の譲渡禁止の契約にもかかわらず、本件賃借権をB社へ譲渡するという契約違反を発端とした法的紛争の和解金で、請求人の予期しない事情の発生により生じた一時的なものであり、労務その他の役務の対価としての性質を有しない臨時的・偶発的なものであることから、不動産所得ではなく、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件和解金が支払われた経緯及びその性格についてみると、本件合意書が取り交わされた主な目的は、本件賃借権の譲渡についての請求人の承諾を得ることにあったと認められ、請求人は本件合意書により本件和解金を収受し、いわゆる本件賃借権の名義書換えに応じたことが認められる。そうすると、本件合意書に基づいて収受した本件和解金は、請求人が本件賃借権をA社からB社に譲渡することを承諾したことによって収受できたものであるから、本件賃借権の譲渡についての承諾料(名義書換料)と認めるのが相当である。なお、不動産所得とは、不動産等の貸付けによる所得をいう旨規定され、不動産等の貸付けによる所得とは、当事者の一方が相手方に不動産等を使用収益させて、その対価を得ることを目的とする行為から生ずる所得をいうものと解されている。これを本件についてみると、本件和解金は、上記認定のとおり、本件賃借権の譲渡についての承諾料(名義書換料)と認められるところ、本件賃借権の譲渡は、A社からB社に対して本件賃借権が承継的に移転するという法的効果をもたらすものであるが、実質的にはA社との間の賃貸借関係を終了させ、B社に本件土地を将来に向かって利用させるものであるから、請求人とB社との間に新たな賃貸借関係を設定することにほかならない。そうすると、請求人が本件賃借権の譲渡を承諾した際に収受する承諾料(名義書換料)、すなわち本件和解金は、請求人とB社との間に新たな賃貸借関係を設定するための対価としての実質を有するものであり、請求人のB社に対する新たな貸付けに起因するものというべきである。したがって、本件和解金は、請求人がB社に本件土地を使用収益させて、その対価を得ることを目的とする行為から生ずる収入であることから、所得税法第26条第1項の規定により不動産所得に該当する。(平17.9.27福裁(所)平17-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170004
- 裁決年月日
- 平成17年8月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件事前調査契約に基づいてA社から受けた役務の提供の対価として同社に金員を支払ったものであるから必要経費として認められるべきである旨主張するが、A社が請求人のために真実事前調査を行ったことを裏付ける証拠や、請求人とA社との間で、役務の提供を受けた対価として金員が支払われたことを裏付ける証拠がないことから、請求人が租税回避目的で、A社との間で真実は存在しない本件事前調査契約を締結したかのような外形を作出したものと認めるのが相当であり、請求人の主張には理由がない。(平17.8.24広裁(所)平17-4)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160116
- 裁決年月日
- 平成17年6月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、交際費として必要経費に算入した金額は、使途等を記録した資料の保存がなく説明できないが、全額が不動産所得の総収入金額を得るために支出したものであり、必要経費に算入されるべき旨主張する。しかしながら、交際費のうち飲食代に該当するものについては、それらを支出した事実は認められるものの、その使途等は明らかでないことに加え、不動産管理会社に管理等を委託しているにもかかわらず、入居者の紹介に対する謝礼として飲食代を支出する理由がなく、支出回数からみると、平均4〜6か月ごとに全室の入退去があることとなり、実際の入退去の状況と不釣合いであって、不動産貸付業を営む者に係る交際費として通常かつ一般的に必要なものとは到底認められないので、必要経費に算入することはできない。また、交際費のうち飲食代以外のものについては、それを支出した事実は認められるものの、その使途等は明らかでないので、不動産所得を生ずべき業務に直接必要な費用に当たるとにわかに認めることはできず、仮に当該業務と何らかの関連性がある支出であったとしても、請求人の取引の記録等に基づいて、業務の遂行上直接必要であった部分の金額を明らかにすることはできないので、必要経費に算入することはできない。(平17.6.28名裁(所)平16-116)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160116
- 裁決年月日
- 平成17年6月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803040
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/4地代等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、「請求人が所有する土地について、請求人が代表者を務める法人(以下「法人」という。)及び飲食業者(以下「転借人」という。)の三者間で事業用借地権設定及び転貸借契約(以下「本件契約」という。)を締結し、公正証書を作成しているが、本件契約中、請求人と法人との賃貸借契約(以下「賃貸借契約」という。)に関する条項は、転借人の代理人がその内容を請求人に説明することなく勝手に作成したものであり、請求人と法人との間に賃貸借契約は結ばれていないので、不動産所得の総収入金額に算入するものはない。また、仮に、賃貸借契約が結ばれていると認定するとしても、転借人の店舗が開店するまでの間及び平成14年8月以降転借人からの地代が減額されているにもかかわらず、原処分には反映されていない」旨主張する。しかしながら、請求人と法人の間で賃貸借契約が結ばれているのは明らかであり、本件契約条項は履行され、請求人もこれを黙認し、何ら訴訟手続を踏んでいないことから、請求人の主張は、請求人と法人の間で実際の賃料の授受がないので、不動産所得の総収入金額に算入する必要はない旨主張しているものと理解するのが相当であり、その理解に立って検討したところ、所得税法第36条第1項の規定によれば、不動産所得の総収入金額に算入されるべき金額は、その年において契約書で定められた支払期日が到来する賃料の総額と解されるので、賃貸借契約において定められた賃料は、不動産所得の総収入金額に算入するべきものである。また、請求人と法人の間の賃料について、それを減額するという契約条項はなく、また実際に減額したという事実も認められないので、請求人の不動産所得の総収入金額に算入すべき金額は、賃貸借契約に定められた賃料である。(平17.6.28名裁(所)平16-116)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160104
- 裁決年月日
- 平成17年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成16年に減額更正した平成15年分の消費税等の額を平成15年分の所得税の必要経費に計上した未払消費税等の額から減額したのは違法である旨主張する。しかしながら、所得税個別通達平成元年直所3−8(消費税法の施行に伴う所得税の取扱いについて)7(消費税等の必要経費算入の時期)は、所得税の課税所得金額の計算に当たり、税込経理方式を適用している個人事業者が納付すべき消費税等の必要経費算入の時期について、原則として、納税申告分は申告書提出日の属する年、更正等分は更正等があった日の属する年と定め、また、当該個人事業者が申告期限未到来の当該納税申告書に記載すべき消費税等の額を未払金に計上した場合は当該未払金に計上した年として差し支えないと定めており、当通達の判断は相当と認められるところ、本件の消費税等の減額更正に伴い減少した未払消費税等の額は、申告期限未到来の納税申告書に記載すべき消費税等の額に当たらないから、平成15年分の未払消費税額を減額した原処分は相当である。(平17.6.24大裁(所)平16-104)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160090
- 裁決年月日
- 平成17年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件駐車設備が花博で使用されたものであるから、本件駐車場が減価償却資産の耐用年数等に関する省令第3条第1項第1号に規定する「個人において使用され又は法人において事業の用に供された減価償却資産」(以下「中古資産」という。)に該当する旨主張する。しかしながら、本件駐車場は、花博で使用後、解体され部材となっていた自走式二段立体駐車設備の一部を使用し、その敷地の形状、規模に沿うような形で設計・加工が施され、基礎工事や電灯工事などに相当の費用を支出し新たに設置されたものであると認められる。そうすると、本件駐車場は、その部材の一部に中古のものが再利用されているというものの、これを全体として見た場合、「個人において使用され又は法人において事業の用に供された」ものとは認められないから、同号に規定する中古資産には該当しない。(平17.5.30大裁(所)平16-90)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160090
- 裁決年月日
- 平成17年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件駐車設備の損耗が激しく、仮に本件駐車場を建物とみなした場合には法定耐用年数が短くなるから、本件駐車場の耐用年数を43年としてされた原処分が不当である旨主張する。しかしながら、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(以下「耐用年数省令」という。)第1条第1項第1号によれば本件駐車場の法定耐用年数は45年となる。なお、課税庁には一般の減価償却資産に耐用年数省令を適用することについて裁量権はなく、納税者としては、耐用年数省令が規定する耐用年数の適用につき不合理があると考える場合には、所得税法施行令第130条に規定する耐用年数短縮の承認申請制度を利用することが法の予定とするところである。また、仮に本件駐車場を建物とみなすべきであるとの請求人の主張は、本件駐車場は建物に該当しないことから理由がなく、仮に耐用年数省令別表自体の不合理をいうものであるとすると、それは当審判所の審理の限りではない。(平17.5.30大裁(所)平16-90)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160065
- 裁決年月日
- 平成17年4月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物に係る賃貸料は、取立不能のおそれが生じたことから、総収入金額に算入されない旨主張するが、所得税法第36条第1項は、各種所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額は、その年において収入すべき金額である旨規定していることから、不動産所得の収入金額として計上すべき金額は、実際に支払を受けた賃貸料額等ではなく、権利として確定した収入すべき金額をいい、その確定は、契約その他慣習等により支払日が定められている賃貸料等についてはその支払日を基準とするのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。(平17.4.27関裁(所・諸)平16-65)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平160014
- 裁決年月日
- 平成17年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件保証債務の履行として本件借入金の担保物であった不動産を競売で取得せざるを得なかったことと、その取得不動産のうち本件貸工場を賃貸するに至った一連の経緯とに因果関係があるので、請求人が支払うべき債務残高に対する本件未払利息等及び本件保証債務の履行に関連して支払った本件調停手数料は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきであり、また、連帯保証人として請求された本件未払損害金等は、本件貸工場の建物の取得価額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件未払利息等は、請求人が本件貸工場を賃貸する前に発生した本件保証債務に係るものであると認められ、本件保証債務に係る債務等の返済手段として行う本件貸工場の賃貸事業とは関係がないから、請求人の不動産賃貸に係る事業収入との間に相当因果関係があると認めることはできない。また、本件調停手数料は、本件保証債務の履行に関する折衝に対する報酬と認められることから、請求人の不動産賃貸に係る事業収入との間に相当因果関係があると認めることはできない。そうすると、本件未払利息等及び本件調停手数料は、本件貸工場の貸付業務の遂行上、通常かつ一般的に必要である費用と客観的には認められないことから、所得税法第37条第1項に規定する必要経費に算入することはできない。さらに、本件未払損害金等についても、上記と同様に、請求人が本件貸工場を賃貸する前に、本件保証債務の履行に伴い発生したものであり、請求人の本件貸工場の貸付業務の遂行上、通常かつ一般的に必要である費用と客観的には認められないことから、所得税法第37条第1項に規定する必要経費に算入することはできず、また、所得税法施行令第126第1項に規定する減価償却資産の取得価額に算入することもできない。(平17.3.28福裁(所)平16-14)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平160014
- 裁決年月日
- 平成17年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804120
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/12資産の廃棄損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃借人が本件貸工場の改装を行った時に、本件貸工場の建物附属設備及び構築物は除却されているから、本件除却損は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、賃借人の答述、賃借人の固定資産減価償却内訳表等から、係争年分において、本件貸工場の建物附属設備及び構築物の除却の事実はないことは明らかであり、請求人もそのことを自認していることから、本件除却損は、所得税法第51条第1項に規定する資産損失に該当せず、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平17.3.28福裁(所)平16-14)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平160019
- 裁決年月日
- 平成17年2月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸用建物の賃料(以下「本件賃料」という。)を差押えられ回収されたことで、直接本件賃料を受取っていないことを理由として、本件賃料を貸倒損失として不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件賃料は、請求人の保証債務に充当されるために差押え回収されたものであり実質的に請求人に支払われたものと認められる。また、当該保証債務が請求人の事業遂行上生じたものでないことから、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平17.2.2仙裁(所・諸)平16-19)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平160019
- 裁決年月日
- 平成17年2月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804120
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/12資産の廃棄損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸用建物(以下「本件建物」という。)が焼失したことから、本件建物の減価償却未償却残額を除却損として不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、請求人に対して資産損失の額を上回る火災保険金の支払いがあったことから、不動産所得の金額の計算上、火災により滅失した本件建物に係る除却損を必要経費に算入することはできない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平17.2.2仙裁(所・諸)平16-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160180
- 裁決年月日
- 平成17年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、建物賃貸借契約が解除されたので、その後の未収の使用対価の額は、建物の不法占拠による賠償金である旨主張する。しかしながら、上記の建物賃貸借契約の解除の意思表示を行ったとは認められず、当該賃貸借契約は、各年分において継続していると認められるので、上記の未収金は、各年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきであるから、本件各更正処分は適法である。(平17.1.19東裁(所)平16-180)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160042
- 裁決年月日
- 平成17年1月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件保証金等は、借主からの本件賃貸借契約の一方的な解約により、一応、返還を要しないこととなったものの民法第420条等に基づき、その返還を請求されるおそれがあることから、最終的に確定しておらず、本件賃貸借契約が解約された年分の不動産所得の収入金額にはならない旨主張する。しかしながら、保証金等のうち返還を要しない金額は不動産所得の収入金額に該当し、当該収入金額の計上時期は、当該賃貸借契約の終了時ではなく、その返還を要しないことが確定した都度その確定した金額を収入金額として計上すべきものと解されるところ、本件賃貸借契約に規定する借主が引き続き請求人の認めた後継テナントを斡旋した事実等が認められないことから、本件保証金等は、本件賃貸借契約の解約日に返還を要しないことが確定したというべきであり、当該年分の総収入金額に算入されるとみるのが相当である。(平17.1.18大裁(所)平16-42)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平160009
- 裁決年月日
- 平成16年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸していた建物の賃借人の一方的な事由で賃貸借契約が解約されたことにより、賃借人の敷金・保証金に対する返還請求権が放棄されたが、当該敷金等の返還請求権には、賃貸借契約の解約前に賃借人を質権設定者として設定された質権が、解約後においても質権者が移転して、設定されたままであることから、当該敷金等は、不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入されるものではない旨主張する。しかしながら、賃貸借契約の解約により、当該敷金等の返還請求権が放棄されていることから、本件質権は消滅したものと認められ、返還請求権が放棄された当該敷金等については、所得税基本通達36−7の(3)に定める、不動産の貸付の終了により返還を要しないことが確定したものであることから、賃貸借契約の終了した日の属する年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきものである。(平16.12.21札裁(所)平16-9)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平160016
- 裁決年月日
- 平成16年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得の金額の計算上、①過去の土地区画整理事業により土地が減歩されたことは租税特別措置法第28条の4第3項の規定に該当し、当該規定は所得税法第36条第1項に規定する「別段の定め」に該当するから、国が請求人に支払うべき減歩された土地に係る利用料を総収入金額から控除すべきである旨、②アパートの入居者が負担する共益費を総収入金額に算入すべきではない旨、③アパートの入居者から預かった水道料金を総収入金額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、上記①については、租税特別措置法第28条の4の規定は土地の譲渡等に係る事業所得の課税の特例を規定したもので、所得税法第36条第1項に規定する「別段の定め」とはいえないことは明らかであるから、請求人の主張は失当である。また、上記②については、共益費は賃貸物件の賃貸料に準じるものであり、アパートの貸付けに係る付随収入として不動産所得の総収入金額に算入すべきであり、上記③については、水道料金は、請求人がアパートの賃借人から預かってこれを支払っていたものにすぎず、預り金と解するのが相当であるから、不動産所得の総収入金に算入すべきではなく、その支払に充てられた料金も必要経費の額に計上することはできないというべきである。したがって、これらの点に関する請求人の主張は採用できない。(平16.12.16広裁(所)平16-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160140
- 裁決年月日
- 平成16年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が賃貸しているマンションの敷地を同族法人から賃借した際に、当該土地に係る借地権を取得するために銀行から借り入れて同族法人に貸付けを行ったものであるから、その借入金から生じる利子は不動産所得の金額の計算上必要経費になる旨主張する。しかしながら、当審判所の調査した結果によれば、請求人の同社に対する貸付けは、①過去から継続的に多額の貸付けが行われていること、②客観的、一般的にみて、不動産貸付業を営む者が、地主に多額の資金を貸し付けることは当該業務上必要な行為であるとは認められないこと、③同社は請求人の兄が代表取締役を務める会社であり、また、請求人及び同人の親族が全株式を保有しているという、極めて特殊な関係にあること等を考慮すると、このような状況の下で請求人が同社に対して貸付けを行ったとしても、当該貸付けを請求人の不動産貸付業の遂行上客観的一般的に必要なものであると認めることはできない。(平16.12.9東裁(所)平16-140)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160140
- 裁決年月日
- 平成16年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が賃貸しているビルの敷地を同族法人から購入し、その土地代金の決済を、請求人が同法人に以前から貸付けていた債権と相殺したが、当該貸付は、請求人が銀行から借り入れて行ったのであるから、当該借入金利子は不動産所得の必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、①請求人は、以前から同社に対して継続的に金融機関から借入れるなどした上で、多額の金銭を貸付けていること、②請求人が相殺した当該貸付金は、請求人の雑所得の基因となる貸付債権であること、③継続的な金銭の貸付先が不動産の購入先となっただけであること等を考慮すると、請求人の不動産貸付業務と当該貸付金の間に直接の因果関係があるとは認められない。よって、同社へ貸付けるために銀行から借り入れた借入金から生ずる利子は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平16.12.9東裁(所)平16-140)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160027
- 裁決年月日
- 平成16年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが全発行済株式を保有する外国法人の所有する建物(以下「本件不動産」という。)の賃貸に係る収益の分配は、所得税法第26条第1項に規定する不動産所得である旨主張する。しかしながら、当該外国法人は、その設立準拠法である外国の会社法の下で法人格を付与された事業体であり、自らの名において不動産管理契約及び保険契約を行うほか、建物賃貸にかかる税の納税者となるなど、権利・義務の主体として、事業活動の実態を有しているものと認められるので、当該外国法人が行う事業から生じる収益は、当該外国法人自体に帰属すると認めるのが相当であるから、当該外国法人が営む不動産賃貸に伴い、請求人が得た本件不動産の賃貸の収益は、当該外国法人からの利益の分配であり、所得税法第24条第1項に規定する配当所得に当たるとしてされた本件更正処分は適法である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平16.11.1名裁(所)平16-27)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平160006
- 裁決年月日
- 平成16年10月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、借入金に係る遅延損害金を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、不動産の取得資金に充てられた借入金に係る費用が必要経費とされるのは、当該不動産が所得の基因となる貸付けの用に供される場合に限られ、不動産所得がありさえすれば、当該不動産が所得の基因となる貸付けの用に供されなくなった場合にまで、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できるというものではないと解するのが相当であるところ、本件の土地建物は既に譲渡され、平成13年においては、不動産所得の基因となる貸付けの用に供されておらず、また、本件各借入れが本件各土地建物以外の不動産所得の基因となる貸付けの用に供される不動産の取得資金に充てられたとみることができる事実もないから、他の不動産の貸付けから生じる不動産所得があっても、本件の土地建物の取得資金に充てられた借入金に係る遅延損害金を平成13年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することは認められない。(平16.10.20札裁(所)平16-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160059
- 裁決年月日
- 平成16年10月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地を使用している法人に対して賃貸借契約を更新しない旨通知し当該契約が終了しているから同法人から支払われた本件金員は、地代に該当せず、当該土地を明け渡すまでの間、請求人が心身に損害を受けたことに対する賠償金であり非課税である旨主張する。しかし、当審判所の調査したところによれば、同法人が本件土地の返還に応じないことにより、請求人が心身に損害を受けたと認めるに足る証拠はない。また、同法人は、請求人からの損害賠償金の額の引上げ要求に対して、本件土地に係る地代の額や周辺の地代の相場を勘案したところで、本件金員の額を決定したものと認められ、これらのことからすれば、本件金員は、損害賠償金のうち非課税となる請求人の心身に加えられた損害につき支払を受けた損害賠償金に該当するとはいえず、請求人の本件土地に係る所有権を侵害し、請求人が本件土地を使用収益することができないことに伴う損害を補償するものに該当することから、請求人の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入されることとなり、本件決定処分は適法である。(平16.10.12東裁(所)平16-59)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160013
- 裁決年月日
- 平成16年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №68・59ページ
要旨
○ 請求人は、本件不動産の貸付けによる収入が年間700万円以上あること、また、9年間事業規模として申告してきたことなどを理由に事業に当たる旨主張するが、①同族会社1社への専属的な貸付けで、事務所は利用しやすいように賃借人が改修しており、構造的にみて本件貸付物件には汎用性がないなど請求人における事業遂行上その企画性は乏しく、危険負担も少ないと認められること、②本件貸付けに係る維持管理業務の程度は、実質的には相当低いと認められることなどの諸点を総合勘案すれば、本件貸付けは、社会通念上事業と称するに至る程度のものとは認められない。また、9年間事業規模として申告し、原処分庁がこれに対して是正しなかったとしても、これをもって事業性が認められるものでもないことから、原処分は相当である。(平16.9.27大裁(所)平16-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160003ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成16年7月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件各商品」という。)の販売者から、3隻の船舶の共有持分権を購入し、これを民法上の各任意組合(以下「本件各組合」という。)に現物出資し、さらに本件各組合は当該船舶を国外の各リミテッド・パートナーシップに現物出資した上、当該各船舶を裸用船の形態で賃貸する事業(以下「本件各船舶賃貸事業」という。)を行っているのであるから、本件各船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得に当たる旨主張し、原処分庁は、投資による最も大きな効果が他の所得との損益通算による税の軽減である本件各商品の収入及び経費は、所得税法に規定する不動産所得の計算上、総収入金額及び必要経費には当たらない旨それぞれ主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果、①本件各船舶賃貸事業は、本件各商品の販売者から請求人らに示されていたものであり、②その内容を構成する各一連の行為は、本件各船舶賃貸事業を切り離した場合には事業として成り立ち得ない一方で、③本件各組合の出資者には、実質的に組合への事業参加は予定されておらず、④しかも、不動産投資に伴う通常のリスク負担も予定されておらず、⑤船舶の賃貸と売却とが一体不可分にセットされ、収益の分配を受けるという経済的成果をもたらすものであることが明らかであること、⑥また、上記販売者の意図は、用船先に対する融資資金の調達にあり、他方、請求人の意図は、投資商品の購入という投資に係る経済的成果の享受にしかないことが明らかであることから、上記各一連の行為は、全体で一体としてしか機能せず、個々の法律関係ないし取引行為が単独のものとしての経済的成果を生ずべきものでないことは明らかである。したがって、本件各船舶賃貸事業は、船舶の賃貸借という法形式に伴う実質的な経済的成果が発生していないと認めるべき特段の事情があると認定することができるから、本件各船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得とすることはできない。そして、本件各商品は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期とするものであるが、いずれの契約終了事由も発生しておらず、本件各商品に係る課税関係も生じていないものと認められるから、原処分は適法である。(平16.7.8名裁(所)平16-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160004ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年7月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父から民法上の任意組合(以下「本件組合」という。)の組合員としての地位を譲り受けたものであって、本件組合は、船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件商品」という。)の販売者から請求人の父が購入した船舶の共有持分権の現物出資を受け、更に当該船舶を国外のリミテッド・パートナーシップに現物出資した上、当該船舶を裸用船の形態で賃貸する事業(以下「本件船舶賃貸事業」という。)を行っているのであるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得に当たる旨主張し、原処分庁は、投資による最も大きな効果が他の所得との損益通算による税の軽減である本件商品の収入及び経費は、不動産所得の計算上、総収入金額及び必要経費には当たらず、請求人が本件組合から受領した分配金は、当該船舶の賃貸と売却を利用した金融商品からの分配金であるから雑所得に当たる旨それぞれ主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果、①本件船舶賃貸事業は、本件商品の販売者から請求人の父に示されていたものであり、②その内容を構成する一連の行為は、本件船舶賃貸事業を切り離した場合には事業として成り立ち得ない一方で、③本件組合の出資者には、実質的に組合への事業参加は予定されておらず、④しかも、不動産投資に伴う通常のリスク負担も予定されておらず、⑤船舶の賃貸と売却とが一体不可分にセットされ、収益の分配を受けるという経済的成果をもたらすものであることが明らかであること、⑥また、上記販売者の意図は、用船先に対する融資資金の調達にあり、他方、請求人の父の意図は、投資商品の購入という投資に係る経済的成果の享受にしかないことが明らかであり、上記一連の行為は、全体で一体としてしか機能せず、個々の法律関係ないし取引行為が単独のものとしての経済的成果を生ずべきものでないことは明らかであって、請求人はそのような同人の法的地位を承継したものである。したがって、本件船舶賃貸事業は、船舶の賃貸借という法形式に伴う実質的な経済的成果が発生していないと認めるべき特段の事情があると認定することができるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得とすることはできない。そして、本件商品は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期とするものであるが、いずれの契約終了事由も発生しておらず、本件商品に係る課税関係も生じていないものと認められるから、原処分はその一部(分配金を雑所得とする部分)を取り消すのが相当である。(平16.7.8名裁(所)平16-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150331
- 裁決年月日
- 平成16年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の管理は必要不可欠であり、請求人の母Aには勤務実態があり、給与の支給事実もあることから、本件給与は必要経費として認められるべきである旨主張する。しかしながら、①請求人の青色決算書には、Aに係る交通機関の利用実績を示す旅費交通費等の計上がないこと、②Aは遺産相続の代償として受領したもので、労務の対価として受領したとの認識がないこと、③Aは高齢で、P市からQ市へ通勤することは困難と認められること等を勘案すると、請求人の業務に従事し本件給与の支給を受けていたとは認められない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平16.6.16東裁(所)平15-331)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150075
- 裁決年月日
- 平成16年5月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、中古アパート(以下「本件建物」という。)を取得する際の融資を受けるために作成した、本件建物に係る鑑定書(以下「本件鑑定書」という。)に記載された経済的残存年数は、本件建物の使用可能期間の年数を見積った年数であるから、この年数をもとに本件建物の耐用年数は決められるべきであり、減価償却資産の耐用年数に関する省令(以下「耐用年数省令」という。)第3条第1項第2号の簡便的な方法を使って耐用年数を算定することはできない旨主張する。しかしながら、使用可能期間を見積る方法は、本件建物の使用状況、取得時までの損耗度合い、材質、構成の状況等の具体的なデータ−を基礎として、取得後の耐用年数を実際に見積る方法であるところ、本件鑑定書の経済的残存年数は、米国で一般的に用いられているガイドラインの指標に基づいた経済的耐用年数から実質経過年数を差し引いて計算しているものであり、本件建物を実際に調査して耐用年数を算定したものであるとはいえない。また、本件鑑定書は、融資資金の運用物件の鑑定評価を目的としたものであり、減価償却資産金額の各年分への費用配分を目的とする耐用年数省令に規定する耐用年数とその目的は大きく異なっているため、新築後18年を経過した本件建物の経済的残存年数が耐用年数省令の同建物の新築時の耐用年数を大きく上回る不合理な年数となっている。以上のことから、本件鑑定書の経済的残存年数を耐用年数省令第3条第1項第1号に規定する使用可能期間を見積った年数と認めることはできず、また、使用可能期間を見積るのは困難であると認められるので、請求人が、耐用年数省令第3条第1項第2号に規定する簡便的な方法によって、本件建物の耐用年数を算定したことは相当である。(平16.5.10名裁(所)平15-75)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150060ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・135ページ
要旨
○ 請求人は、返還不要とされた敷金及び建設協力金のうち不動産所得の収入金額とされる金額は、賃料の減収によって生じる損失及び解約に伴う諸費用の実費弁償等として取得する補償金に類するものに限定される旨主張する。しかしながら、賃貸借契約の内容及び中途解約の際の合意内容によると、返還不要とされた敷金及び建設協力金の額は、請求人の将来における不動産貸付業務に係る収益の減収等を考慮して決められたものであると認められるから、返還不要とされた敷金及び建設協力金は、賃料の減収によって生ずる損失等、その後の不動産貸付業務に係る収益の減収に対する補償として取得したものと認められる。そうすると、返還不要とされた敷金及び建設協力金は、所得税法施行令第94条第1項第2号に規定する「不動産所得を生ずべき業務を行なう居住者が当該業務に係る収益の補償として取得する補償金その他これに類するもの」に当たると解され、不動産賃貸業務の遂行によって、生ずべき収入金額に代わる性質を有するものであることから、不動産所得に係る収入金額であると認められる。したがって、この点に関する請求人の主張は理由がない。(平16.4.26広裁(所)平15-60)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150065
- 裁決年月日
- 平成16年3月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・165ページ
要旨
○ 請求人は、船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件商品」という。)の販売者から船舶の共有持分権を購入し、これを民法上の任意組合(以下「本件組合」という。)に現物出資し、さらに本件組合は当該船舶をケイマン諸島のリミテッド・パートナーシップに現物出資した上、当該船舶を裸用船の形態で賃貸する事業(以下「本件船舶賃貸事業」という。)を行っているのであるから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、不動産所得に当たる旨主張し、原処分庁は、請求人が本件組合から受領した分配金が当該船舶の賃貸と売却を利用した金融商品からの分配金であるから雑所得に当たる旨それぞれ主張する。しかしながら、①本件船舶賃貸事業は、本件商品の販売者から請求人らに示されていたものであり、②その内容を構成する一連の行為は、本件船舶賃貸事業を切り離した場合には事業として成り立ち得ない一方で、③本件組合の出資者には、実質的に組合への事業参加は予定されておらず、④しかも、不動産投資に伴う通常のリスク負担も予定されておらず、⑤船舶の賃貸と売却とが一体不可分にセットされ、収益の分配を受けるという経済的成果をもたらすものであることが明らかであること、⑥また、上記販売者の意図は、用船先に対する融資資金の調達にあり、他方、請求人の意図は、投資商品の購入という投資に係る経済的成果の享受にしかないことが明らかであることから、上記一連の行為は、全体で一体としてしか機能せず、個々の法律関係ないし取引行為が単独のものとしての経済的成果を生ずべきものでないことは明らかである。したがって、本件船舶賃貸事業は、船舶の賃貸借という法形式に伴う実質的な経済的成果が発生していないと認めるべき特段の事情があると認定することができることから、本件船舶賃貸事業に係る損益は、請求人の不動産所得とすることはできない。そうすると、本件商品は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期とするものであるが、本件各年分においては、上記契約終了事由は発生していないことから、本件商品に係る課税関係も生じていないものと認められ、上記分配金収入から本件組合への出資に係る借入金利息を控除した金額を雑所得とする原処分は取り消すのが相当である。(平16.3.30名裁(所)平15-65)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150061
- 裁決年月日
- 平成16年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の賃借人であるA社から建物等を無償で譲り受けたこと(以下「本件無償譲受け」という。)は、法人からの贈与であり、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人とA社は、借地一時使用契約合意解約並びに建物譲渡契約書において、①平成12年11月15日付で借地契約を解約すること、②A社が本件建物等を請求人に無償譲渡すること、③請求人及びA社との間には、この契約の履行により他に債権・債務がないことを確認したことなどを合意して契約を締結していることからすると、請求人とA社とは、本件解約に伴う賃貸借契約終了の処理方法として、本来A社が原状回復のために収去義務を負っている本件建物は、請求人の意向に従いA社が請求人に無償譲渡することにより収去義務を免れる一方で、請求人が本件建物の所有権を取得する旨合意したことが認められる。以上によれば、請求人は、本件建物等収去土地明渡請求権及び本件賠償請求権に代えて本件建物等を譲り受けたというべきであるから、本件無償譲受けにより請求人が受けた経済的利益は、請求人の不動産賃貸に係る業務に関して付随的に収受したものとみるべきであり、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しない一時所得とは明らかに異なるものである。したがって、請求人の主張は採用できない。(平16.3.24名裁(所・諸)平15-61)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平150016
- 裁決年月日
- 平成16年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が代理人に支払った本件管理料を不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、代理人は、請求人の勤務の都合上、請求人と日常の起居を共にしていないものの、代理人が本件管理料を受領したとする期間において、請求人と同一の住所に居住し、請求人の妻と同一の家屋に起居していることが認められ、また、請求人及び代理人が明らかに互いに独立して生活を営んでいると認められる証拠もないことなどから、請求人と代理人は生計を一にする親族に該当することとなり、生計を一にする代理人に支払ったとする本件管理料については、所得税法第56条の規定により、必要経費と認めることはできない。(平16.3.23福裁(所)平15-16)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平150016
- 裁決年月日
- 平成16年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が支払った本件工事費等を不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、具体的な支出が必要経費に該当するか否かが争われている場合には、所得の存在について課税庁に主張立証責任がある以上、原則として課税庁において収入のみならず経費についても、課税庁の主張額以上に経費が存在しないことを立証すべき責任があると解すべきではあるが、納税者が更正時には存在しない、あるいは提出されなかった資料等に基づき、当該支出が必要経費に該当すると主張するときは、当該証拠との距離から見ても、納税者において経費該当性を合理的に推認させるに足りる程度の具体的な立証を行わない限り、当該支出が経費に該当しないとの事実上の推定が働くものと解されるところ、本件工事費等について、①請求人は、工事等を行ったとする甲らとは面識がなく、代理人が提示した資料以外は提出しないと答述すること、②甲らに工事等を依頼したとする代理人は、本件工事費等の支払方法は現金であり、甲らが工事を行った事実を証明する資料等はなく、甲らが工事を行った事実を知っている者もいないと答述することなどから、請求人は、本件工事費等の経費該当性を合理的に推認させるに足りる程度の具体的な立証を行っているとはいえず、さらに、当審判所の調査の結果によっても、請求人が主張する工事等の事実及び支払の事実が確認できないことから、本件工事費等を必要経費に算入すべき金額と認めることはできない。(平16.3.23福裁(所)平15-16)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平150016
- 裁決年月日
- 平成16年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が支払った本件事務パート代を不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件事務パート代には、家事費に相当するものが含まれているところ、請求人は、本件事務パート代に係る領収証を提示するのみで、不動産所得を生ずべき業務に従事した事実等を証する資料を提出しないことなどから、本件事務パート代の主たる部分が不動産所得を生ずべき業務の遂行上必要であるかどうかの確認ができず、かつ、不動産所得を生ずべき業務の遂行上、必要である部分を明らかに区分することもできないため、本件事務パート代については、所得税法第45条の規定により、必要経費と認めることはできない。(平16.3.23福裁(所)平15-16)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平150019
- 裁決年月日
- 平成16年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産賃貸業を営んでいる請求人は、新規に賃貸物件の管理のための交通手段としての自動車を取得するために支払った金員が、支払先が破産し、回収不能となったことから、その前渡金を貸倒引当金として不動産所得の必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、支払先に関して破産宣告通知書及び入金確認書を提出しているものの、これらによっては、同自動車について、事業との関連性及び必要性が客観的に明らかであると認められないことから、本件前渡金を、請求人の当該事業の遂行上生じた貸金等であると認めることはできない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平16.3.18札裁(所)平15-19)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平150019
- 裁決年月日
- 平成16年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産賃貸業を営んでいる請求人は、住居地と賃貸物件地は遠隔であり、賃貸物件の管理のための交通手段として自動車の利用は当然であるとして、その減価償却費を不動産所得の必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、賃貸物件の大部分を不動産管理会社に委託しており、同自動車について、事業との関連性及び必要性が客観的に明らかではなく、更に、その必要な部分の額も明らかではないことから、その減価償却費を不動産所得の必要経費に算入することはできない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平16.3.18札裁(所)平15-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150223
- 裁決年月日
- 平成16年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804060
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/6使用人給料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の母が共同住宅の業務に従事し、その対価として本件金員を受けていたのであるから、請求人の各年分の不動産所得の金額の計算上、本件金員の額を必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、①請求人の母が従来から共同住宅に係る業務を行っていたにもかかわらず、収支内訳書上、請求人の母に対する給料賃金の額が必要経費として記載されていないこと、②請求人の母に対する本件金員の支払の事実を明らかにする証拠資料はなく、また、請求人の母における本件金員の受領を裏付ける証拠資料もないこと、③請求人と母との間に共同住宅に係る業務への母の従事及びその対価の支払に関する取決めがあったとは認められないことからすると、請求人の母は、請求人との間の取決めに基づいてではなく、母親として善意で、子供である請求人の所有する共同住宅に係る業務を、無償で行っていたと認めるのが相当である。また、請求人の母が費消した当該家賃収入の一部については、請求人が業務の対価として請求人の母に対して支払ったものというよりは、むしろ、請求人が小遣いとして請求人の母に渡していたものと認めるのが相当である。したがって、本件金員の額を必要経費に算入することはできない。(平16.3.17東裁(所)平15-223)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150210
- 裁決年月日
- 平成16年3月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・299ページ
要旨
○ 請求人は、①所得税法施行令第120条第1項第1号に規定する建物の取得には、相続による取得が含まれないこと、及び②相続により減価償却資産を取得した場合、所得税法第60条第1項において、その取得費を相続人に引き継ぐ旨規定しているので、償却方法も引き継がれるべきであることから、平成10年4月1日以後相続により取得した建物について、定率法の償却を認めるべきである旨主張する。しかしながら、民法上も相続は取得原因であり、所得税法施行令第126条第2項においても相続を取得原因として明確に規定していること、及び所得税法第60条第1項の規定は、減価償却資産の償却方法まで引き継ぐ旨規定していないことから、請求人の主張は認められない。(平16.3.8東裁(所)平15-210)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150042ほか 10件
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・154ページ
要旨
○ 請求人は、本件損失補償金が、土地使用について生じる損失の補償であるとともに、「休耕による減収補償」、「土地の返還後の地味回復にかかわる経費」及び「収益回復までの収益減収にかかわる補填費」の性格も有しているとして、単なる土地の使用の対価ではないから不動産所得に該当しない旨主張する。確かに、県が本件損失補償金を算定するに当たり、請求人が主張するような要素を考慮していることが認められるものの、農地を使用させたことの対価を算定する際には、一般に、かかる要素が考慮されるべきものである。そうすると、本件損失補償金を算定するに当たって、請求人が主張するような要素を考慮しているからといって、そのことをもって、本件損失補償金が県に土地を使用させたことによる所得であることを否定するものではない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.2.27関裁(所)平15-42)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150042ほか 10件
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・154ページ
要旨
○ 請求人は、不動産所得とは、土地や建物等の不動産を他人に貸して地代や家賃、敷金、礼金等を受け取った場合の所得をいい、営利を目的とする不動産業者等が土地や建物を長期間継続的に貸し付ける場合が典型であるところ、本件契約は営利を目的とした継続的な土地使用契約ではないから、本件損失補償金は不動産所得に該当しない旨主張する。しかしながら、所得税法第26条第1項の「貸付け」には、他人に不動産等を使用させる一切の場合を含むとされており、営利を目的とした継続的な土地使用契約に限らないから、本件契約が営利を目的とした継続的な土地使用契約でないことをもって、本件損失補償金が不動産所得でないとする請求人の主張には理由がない。(平16.2.27関裁(所)平15-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150195
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件合意金は借主が行うべき原状回復工事の費用として預ったものであるから、工事が完了するまでは、預り金に該当する旨主張する。しかしながら、本件合意書によれば、本件合意金の支払義務履行により請求人と借主との間には何らの債権債務も存せず、本件合意金の返還義務はないのであるから、本件合意金を借主からの預り金であるとするのは相当ではなく、その年中に確定したものとして、不動産所得に係る収入金額として計上すべきものと認められ、この点に関する請求人の主張を採用することはできない。(平16.2.27東裁(所)平15-195)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150007
- 裁決年月日
- 平成15年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各年分の必要経費になる支払利息の額は、不動産貸付けの事業利益と金融機関等からの借入金が事業全体に総合的に運用されて、利益を得たものの累計が元入金であるから、1から非業務割合(貸付金の各年末の残高から各年当初の元入金の額を差し引き、各年末の総資産残高で除して算出した割合)を差し引いた業務割合に相当する支払利息の額である旨主張する。しかしながら、本来、個人事業における元入金は、個人事業における年初の資産の合計額から負債の合計額を控除した純財産の額を表示するものであって、事業主からの債務を意味するものでもない。また、このような元入金は、事業の現実の資金繰りと関連するものでもないから、明らかに請求人の業務と直接の関連性がない同族会社への貸付金に充てた請求人の借入金が、元入金の範囲内であるからといって、これを個人事業用借入金とみることはできない。さらに、支払利息の額が不動産所得の金額の計算上、必要経費に該当するか否かは、支払利息がその元本たる借入金の使用の対価であることから、その借入金が業務上のものであるか否かによって判断することとなり、当該借入金の使途の実態に基づいて、その借入金が業務のために使用されたものであるかどうかによって、客観的に判断すべきものである。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.11.26熊裁(所)平15-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150087
- 裁決年月日
- 平成15年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件測量費は不動産を管理する上で必要な支出であったことから、所得税法第37条に規定する「不動産所得を生ずべき業務の遂行上生じた費用」に該当する旨主張する。しかしながら、あえて平成12年中に本件測量を実施する必要性が見出せず、かえって、被相続人が死亡した翌年には本件測量に係る土地のほとんどすべてについて譲渡又は相続税に係る物納申請を行っていることから、本件測量は譲渡等のために実施されたものと認めるのが相当であり、不動産所得を生ずべき業務について生じた費用のいずれにも該当しないことから不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない。(平15.10.15東裁(所)平15-87)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150061
- 裁決年月日
- 平成15年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人の所有するビルの管理業務を請求人の同族会社が行っており、同社に対する管理料を全額否認した原処分は違法である旨主張する。しかしながら、建物の保全管理、テナントの募集、賃貸料の回収、建物の維持管理費用の支払、テナント退去後のリフォーム、未収賃料の回収といった本件ビルの管理業務については、請求人がオーナーとして直接関与すべき業務以外は、別途管理料を支払っている第三者の法人がすべて行っており、同族会社が管理業務を行っている事実は認められない。したがって、同族会社に対して支払った管理料は、請求人の不動産所得の計算上必要経費と認められないことから、原処分は適法である。(平15.9.12東裁(所)平15-61)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150004
- 裁決年月日
- 平成15年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804100
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/10支払立退料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、分割して支払っている立退料及び営業補償金等について、新たに建築し賃貸する建物の家賃を得るための必要経費であり、その支払は当該家賃収入のうちから支払っていることからも、当該立退料等を支払った時の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき旨主張する。しかしながら、所得税法第37条第1項の規定によれば、不動産所得等の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、所得税法において別段の定めがあるものを除き、「これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入を得るために直接に要した費用の額及びその年における販売費及び一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額とする」とされている。したがって、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき立退料及び営業補償金の額は、当該立退料及び営業補償金を支払う基因となった不動産が、不動産所得を生ずべき業務の用に供されているものであることが要件となると解される。そうすると、請求人も自認するとおり、本件土地建物は長年にわたり無償で貸与されていたものである以上、本件土地建物は、不動産所得を生ずべき業務の用に供されていたものには該当しないことから、分割して支払っている本件立退料及び営業補償金は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないものと解するのが相当である。(平15.9.10高裁(所)平15-4)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平150004
- 裁決年月日
- 平成15年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地開発公社(以下「公社」という。)に本件土地を譲渡するに当たり、公社の収用価額では応じられないことから、請求人が希望する譲渡価額と公社の収用価額との差額を請求人が所有する残地を第三者に賃貸するかたちで補てんするとの申し出により、本件賃貸借契約を締結し本件金員を受領したものであるから、本件金員は、収用等の対価補償に基づく譲渡所得に該当するものである旨主張する。しかしながら、本件賃貸借契約は、収用を円滑にするため請求人の利益を図るべくされたものであるが、当該賃貸借契約は、その契約内容どおり履行されていることから、有効に成立したことは疑いのないところである。したがって、本件賃貸借契約は、公社との間でなされた本件譲渡契約とは全く別個の法的効果を有する契約であり、本件金員は収用等の対価補償に基づく譲渡所得であるとの請求人の主張は採用できず、不動産所得に該当すると認めるのが相当である。(平15.9.10高裁(所)平15-4)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平150007ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年7月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件管理契約に基づき支出している本件管理料は、不動産所得の必要経費として認めるべきである旨主張する。しかしながら、A社が行っていたと請求人が答述するアパートのメンテナンス、2週間に1回程度の見回り等の各業務は、B社との管理契約に基づく委託業務と同様の内容と認められ、当該業務をA社に委託する必要性が認められないこと及びA社がこれらの業務を履行したことを認めるに足りる証拠がないこと、また、下水路清掃、除草等の清掃の各業務は、本件管理契約書に具体的な管理業務内容の記載もない上、請求人及びA社のいずれにおいても当該業務が履行されたとする客観的な資料もなく、A社では、これらに要した費用の計上もないこと、さらに、請求人は、本件賃貸物件に係る生垣管理、受水槽タンク等の費用を各年分の不動産所得の必要経費に計上していることを総合して判断すると、A社による本件管理業務があったとする請求人の答述は信用しがたく、他にA社が本件管理業務を行っていたと認めるに足りる証拠もない。そうすると、本件管理料は、不動産賃貸業の遂行上必要な支出とは認められないから、所得税法第37条第1項に規定する必要経費には該当しない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.7.29仙裁(所)平15-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150003
- 裁決年月日
- 平成15年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地に係る地上権の減価償却費の金額を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件土地及び本件建物の所有権はいずれも請求人にあるから、本件土地上に請求人を権利者とする地上権は存在し得ない。したがって、この点に関する請求人の主張は、その前提を欠くものであり、理由がない。なお、地上権は土地の上に存する権利であるから、所得税法第2条第1項第18号の規定から、これが減価償却資産に該当しないことは明らかである。(平15.7.3東裁(所)平15-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140230
- 裁決年月日
- 平成15年4月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、地主である同族会社に対する貸付金は、不動産所得を生ずべき事業の用に供する借地権の設定を有利にするために貸し付けたものであることから、当該貸付金に係る貸倒損失の金額は、不動産所得を生ずべき事業の遂行上生じた資産損失である旨主張する。しかしながら、当該貸付けは、本件借地権と相当な因果関係があるとは認められないので、この貸倒れにより生じた資産損失の金額を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないとした原処分は相当である。(平15.04.09.東裁(所)平14-230)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平140024
- 裁決年月日
- 平成15年4月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、青色事業専従者である妻に給料として支払った金額を不動産所得の金額の計算上必要経費として認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、所得税法第57条第2項に規定する書類を提出していないので、本件給料は青色事業専従者に対する給与に該当しない。したがって、当該金額は、所得税法第56条の規定により、各年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平15.04.07.福裁(所)平14-24)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平140024
- 裁決年月日
- 平成15年4月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産貸付けの業務の用に供する不動産の取得に要した登録免許税及び登記手数料を当該不動産の取得価額に算入すべきである旨主張するが、所得税基本通達37−5は、業務の用に供される資産に係る登録免許税等は、当該業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入する旨定めているところ、これは、①登録免許税等の租税は、資産の取得後に納付するものであり、②取得価額に算入すると、当該資産が減価償却資産である場合には、償却期間において費用化され、土地である場合には、その土地を利用する限り費用化されず、③事務所や共同住宅などの不動産の所有権の保存のため又は抵当権の設定のために支出する登録免許税は、業務上の維持管理の費用に属するものであり、取得価額に算入する性質のものではないこと等を考慮したものであって、当該取扱いについては、当審判所においても相当と認められる。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.04.07.福裁(所)平14-24)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平140024
- 裁決年月日
- 平成15年4月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物を一括購入した場合の建物の取得価額の算定について、原処分庁が主張する固定資産税の評価額の割合により取得価額総額をあん分する方法よりも、固定資産税の課税標準額の割合により取得価額総額をあん分する方法の方が合理的である旨主張する。しかしながら、原処分庁が主張する方法は、固定資産税の評価額が、土地にあっては売買実例価額、家屋にあっては再建築価額を基準として評価されるものであり、また、取得年の固定資産税の評価額が基準年度の価額であることをかんがみれば、当該区分方法は合理的である。一方、請求人が主張する方法は、本件土地の固定資産税の課税標準額が住宅政策上の観点から地方税法の規定により、課税標準額の算定の基礎となる固定資産税の評価額を一定の割合で減額したものであり、本件建物の固定資産税の課税標準額は固定資産税の評価額と同額であることから、その算定の基礎となる金額が固定資産税の評価額を減額した本件土地の金額と減額していない本件建物の金額の割合によりあん分することとなり、合理性が認められない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.04.07.福裁(所)平14-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140188ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債権の貸倒れにより生じた本件資産損失は書面による債務免除で所得税基本通達の趣旨に従っている旨主張する。しかしながら、請求人は、不動産所得の収入に関する帳簿及び未収金に係る書類を作成しておらず、また、その内容を示す請求人自身の具体的な資料の提出もなく、さらに、賃借人の帳簿等によっても未収金の存在を確認することはできないから、請求人が有していたとする未収金の存在を確認することができない。したがって、未収金の存在自体が確認できないため、本件資産損失の金額は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない。(平15.03.14.東裁(所)平14-188)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140188
- 裁決年月日
- 平成15年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件店舗の賃貸は賃貸借である旨主張するが、本件店舗の貸付けに係る収入金額は、各年分とも無償又は固定資産税等の額にも満たない著しく低額で貸付けが行われており、この関係は使用貸借とみるのが相当である。そうすると、各年分における建物の貸付けは、不動産所得とされる不動産等の貸付けに該当しないこととなり、建物に係る収入金額、租税公課、借入金利子及び減価償却費については、これらをいずれも不動産所得の金額の計算から除外することとなる。(平15.03.14.東裁(所)平14-188)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平140022
- 裁決年月日
- 平成15年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は本件貸付金が、所得税法第51条第2項に規定する「事業の遂行上生じた貸付金である」から、その貸倒れによる損失は必要経費になると主張するが、一般に、所有する不動産を月額18万円の賃料で貸し付けている不動産貸付業を営む者が、賃借人に対し、当該不動産所得を確保する目的で1,500万円もの金銭を貸し付けする必要性があるものとは社会通念上考えられず、本件貸付金は単に営業資金を援助することを目的としてなされたものであって、請求人の不動産賃貸による事業収入との間に相当因果関係は認められないことから、その貸倒れによる損失は請求人の不動産所得の金額の計算上、必要経費とはならない。(平15.02.25.仙裁(所)平14-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140161
- 裁決年月日
- 平成15年2月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804130
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/13貸倒損失等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸倒損失額は、同人が主宰する同族法人の益金の額としていた不動産賃貸料の額を原処分庁の指導により請求人の不動産所得の総収入金額としたことにより生じた同社に対する売掛債権が、同社の解散により回収不能となったもので、不動産所得を生ずべき事業の遂行上生じた債権である旨主張する。しかしながら、①当該同族法人は、請求人及び各賃借人のいずれとの関係においても、当該賃貸料を第一義的に収入すべき私法上の根拠を有していないにもかかわらず、当該賃貸料の額の全額を益金の額に算入していたこと、②当該賃貸料相当額の請求人の預金口座から同社の預金口座への振替は請求人の意思に基づいて行われていたと認められること、③当該振替が行われた時点において両者間においてこれに係る債権・債務が生じたと認識していた事実は認められないことからすれば、請求人が同社に対して売掛債権等を有していたと認める余地はなく、請求人に第一義的に帰属する当該賃貸料相当額については、当該賃貸料に係る所得の処分として、請求人が同社に対して贈与することの合意が両者間にあって、その合意に基づき贈与したものと認めざるを得ない。そうすると、当該売掛債権は、請求人が贈与した金額の返還を求め、同社がこれに応じたことによるものというべきであるから、不動産所得を生ずべき事業の遂行上生じた債権とは認められないため、本件貸倒損失額を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平15.02.07.東裁(所)平14-161)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140160
- 裁決年月日
- 平成15年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の妻は、専ら請求人の営む不動産所得を生ずべき事業に従事しているから、青色事業専従者に該当する旨主張する。しかしながら、当該不動産所得を生ずべき賃貸物件については、不動産管理会社等にその管理のほとんどを委託していることから、請求人の妻が当該事業への従事に要した事務量は僅かなものであると認められ、請求人の妻が専ら当該不動産所得を生ずべき事業に従事していたとは認められず、したがって、請求人の妻は青色事業専従者には該当しない。(平15.02.06.東裁(所)平14-160)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140130
- 裁決年月日
- 平成14年12月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は不動産の共有持分を購入後直ちに任意組合に出資し、当該組合の組合員として当該不動産に係る不動産貸付業を共同で営み、当該組合に月々修繕積立金を積み立てた。その後、請求人が当該組合から脱退するに当たって、当該共有持分については、当該組合からの脱退により請求人が取得した出資持分の払戻請求権の精算のためにその譲渡が行われたところ、請求人が積み立てた修繕積立金については、脱退に伴う払戻しの対象とされず、その額は当該共有持分の購入者に継承された。当該修繕積立金の額は、請求人が当該組合を脱退したことに伴い返還されないことが確定したと認められ、当該組合からの脱退は、当該組合が行う不動産貸付業の共同事業者としての地位を喪失することを意味する。そうすると、本件修繕積立金の額は、請求人が当該事業に係る業務の遂行上当該組合に積み立て、当該事業を廃止することに伴い返還されないことが確定したと認められるから、当該業務の遂行上生じた費用の額に当たる。(平14.12.17.東裁(所)平14-130)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130284
- 裁決年月日
- 平成14年6月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成9年分の青色決算書の減価償却費の計算欄に、所得税法施行令第123条に規定する「償却方法の届出書」の記載内容と同一の事項を記載して提出していることから当該決算書を「償却方法の届出書」とみなして平成9年以降の年分について定率法を認めるべきである旨主張する。しかしながら、青色決算書は、所得税法第149条の規定に基づく書類で、その記載内容は、(1)貸借照表、(2)損益計算書及び(3)不動産所得の金額等の計算に関する明細書であり、「償却方法の届出書」とは所得税法上全く異なるものであるから、当該決算書を「償却方法の届出書」と認めることはできない(平14. 6.28東裁(所)平13-284)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130278
- 裁決年月日
- 平成14年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804140
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/14家事関連費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自宅部分のうち居間等は、事業等に係る管理室として使用しているので、当該使用に係る費用は、事業等に係る必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、当審判所の調査の結果によれば、居間等については、事業等に係る所得を生ずべき業務の用に供されていることは認められるものの、これが主として当該業務の用に供されているとまでは認められず、むしろ主として生活の用に供されていると認めるのが相当であるから、自宅部分の事業等使用に伴う費用は、いずれも必要経費に算入することができない。(平14. 6.25東裁(所)平13-278)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130257
- 裁決年月日
- 平成14年5月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得の金額の認定において、空地・空き部屋となっている期間があるにもかかわらず、各賃借人から通年で同額の賃料を取得しているものとして計算しており、不当であるから更正処分の全部を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、原処分関係資料、請求人から提出された書類及び請求人の取引先である不動産管理会社への確認調査等に基づき、当審判所において調査した結果、平成10年分の納付すべき税額は、同年分の更正処分における納付すべき税額を下回ることから、平成10年分の更正処分の一部を取り消すべきである。また、平成6年分、平成7年分、平成8年分及び平成9年分の納付すべき税額は、それぞれの年分の更正処分の納付すべき税額をいずれも上回ることから、それぞれの年分の更正処分は適法である。(平14. 5.31東裁(所)平13-257)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130258ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得の金額の認定において、空地・空き部屋となっている期間があるにもかかわらず、各賃借人から通年で同額の賃料を取得しているものとして計算しており、不当であるから更正処分の一部を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、原処分関係資料、請求人から提出された書類及び請求人の取引先である不動産管理会社への確認調査等に基づき、当審判所において調査した結果、各年分の課税総所得は、各年分の更正処分の課税総所得をいずれも上回ることから、更正処分は適法である。(平14. 5.31東裁(所)平13-258)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130232
- 裁決年月日
- 平成14年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人の不動産貸付業務に係る賃貸料債権を差し押さえられ、借入金に係る未払利子に充当されているのであるから、本件賃貸料相当額は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張するが、当該充当は、収入すべきことが確定した賃貸料が二次的に処分されたものと解するのが相当であり、また、当該利子は、不動産所得を生ずべき業務について生じたものとは認められないから、請求人の主張には理由がない。(平14. 4.26東裁(所)平13-232)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平130016
- 裁決年月日
- 平成14年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、増改築後に行った本件借入金は、増改築に係る借入金の返済のために長期運転資金等の名目で行ったものであり、増改築に係る借入金を含めた借入金総額は増改築時より増加しており、増改築に要した借入金の額は全額返済されずに残っているから、その全額を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき借入金利子の計算の基礎とすべきである旨主張する。しかしながら、借換えの事実があったと認められるのは、本件借入金の一部分だけであり、請求人の主張は採用できない。(平14. 4.25札裁(所)平13-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130071
- 裁決年月日
- 平成14年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸している建物の取得価額は、租税特別措置法第37条の3第1項の規定による特例(本件取得価額特例)の適用を受けて本件建物を取得した昭和63年分の所得税において第一次的に確定しているところ、国税通則法第70条の規定から取得価額を是正する更正の除斥期間は徒過しているから、減価償却費を是正することはできず、これに反してなされた本件更正処分は、納税義務者の法的安定性及び予測可能性を阻害する旨主張する。しかしながら、取得価額の適否という問題は、除斥期間とは別問題であるから、本件更正処分を行うに際し本件建物の取得価額を本件取得価額特例により是正できないというわけではなく、本件建物の減価償却費は、国税通則法第70条第1項に規定される除斥期間を限度として、国税に関する法律の規定に基づいて計算した本件建物の取得価額を基礎として正当に計算されていることから、請求人の主張には理由がない。(平14. 4.24名裁(所)平13-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130211
- 裁決年月日
- 平成14年3月29日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、貸付けの用に供している土地の一部にがけ地(法面)及び山林部分が存在するところ、それらの部分も含めて当該土地全体が業務用の土地であり、当該土地に係る固定資産税及び都市計画税の額は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入される旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によると、当該山林部分及び無償で貸し付けている部分は、業務の用に供しているとは認められないので、当該各部分に係る固定資産税等の額は不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入できず、また、当該がけ地(法面)部分は、アパートの敷地、駐車場等の部分と一体となって業務の用に供されていることが認められるので、当該部分に係る固定資産税等の額は必要経費に算入するのが相当である。(平14. 3.29東裁(所)平13-211)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130193
- 裁決年月日
- 平成14年3月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件支払利息の額は不動産所得を生ずべき業務の遂行上生じたものということはできないから、必要経費に算入することはできない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によると、本件建物の取得資金は、請求人が銀行から借りたものでなく、平成元年に、A法人から3億円借り入れしたものであり、これに対し利息も支払っている事実が認められるので、当該支払利息は、請求人の不動産所得の必要経費であると認められる。なお、請求人は、一部返済、追加借り入れをしているが、請求人とA法人の間には金銭消費貸借の契約がないこと等から、民法第489条《法定充当》の規定に従い、一部返済時の借入金の残額に基づき不動産所得の必要経費に算入すべき支払利息を算定する。(平14. 3.18東裁(所)平13-193)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130176
- 裁決年月日
- 平成14年2月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入した減価償却費に係る建物等の取得価額につき、固定資産税評価額を基にそれぞれの価額を見積り、当該価額によりあん分して計算する旨主張するが、請求人が主張する本件建物の売主が交付した「家屋対価証明書」に記載された価額は、(1)同建物の販売者における会計処理、(2)不動産鑑定評価額からみて相当と認められる。(平14. 2.28東裁(所)平13-176)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130125
- 裁決年月日
- 平成14年1月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802019
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/2その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・141ページ
要旨
○ 請求人は、自らが代表取締役を務める同族法人に対して本件建物を零円で貸付けていることについて、原処分庁が使用貸借と認定した上で、不動産所得の金額の計算上、本件建物に係る租税公課及び減価償却費を否認した更正処分は、従来の経理慣行に反するものであり、実際に法人が店舗を使用しているのであるから、違法である旨主張する。しかしながら、本件建物の貸付けについては、(1)賃料を零円にすることについて双方の合意があり、平成6年7月以後、請求人は賃料を受け取っていないこと、(2)請求人は、各年分の確定申告において、賃料を不動産所得の総収入金額に計上していないこと、(3)当該同族法人は、平成7年6月期以後、賃料の支払がなく、未払金の計上も行っていないことから、各年分における本件建物の貸付けが無償で行われていることは明らかであり、使用貸借の状態にあったと認めるのが相当であるので、不動産の貸付けによる所得に該当しないため、本件建物に係る租税公課及び減価償却費を否認した更正処分は適法であり、請求人の主張には理由がない。(平14. 1.17東裁(所)平13-125)裁決事例集NO63・141ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130091
- 裁決年月日
- 平成13年11月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成4年1月16日の臨時弁済の原資は、居住用不動産の売却代金であるから、居住用部分に係る借入金は完済され、賃貸用部分に係る借入金のみが残存するのだから、支払利子はすべて賃貸用部分に対応する旨主張する。しかしながら、それが賃貸用部分に係る借入金に優先して本件建物の建設に係る借入金は、居住用部分と賃貸用部分に区分されていないのであるから、たとえ返済資金の原資が居住用不動産の売却代金であったとしても、居住用部分に係る借入金に充てられたということにはならない。(平13.11.28東裁(所)平13-91)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130091
- 裁決年月日
- 平成13年11月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 当審判所の調査によれば、電気保守料がビルの変圧器の保守点検費用であることが認められるところ、保守点検費用が請求人が提示した契約書における消耗費や修繕費に当たるということは到底できず、これらの契約書上、賃借入が保守点検費用を負担すべきとする条項も見当たらない。したがって、請求人が本件建物の維持管理のため支払った電気保守料の必要経費性を否認すべき理由はない。(平13.11.28東裁(所)平13-91)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130091
- 裁決年月日
- 平成13年11月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、契約書Bはその形式に不備があるから正しい契約書とはいえず、したがって、形式的に不備のない契約書Dが正しい契約書であり、そこに記載された金額130万円が本件賃貸料の額である旨主張する。しかしながら、本件建物の賃貸借に係る契約書が請求人と同族会社との間で作成されたものであること、契約書に押印された請求人及び同族会社の印鑑は、いずれも請求人の妻が管理保管していること等を考慮すると、契約書Dが形式的に不備のないものであったとしても、そのことのみをもって、契約書Dに記載された金額が本件賃貸料の額であるということはできない。そして、請求人の本件調査における申述、請求人の妻及びXの答述、同族会社の申告の状況等から判断すると、本件賃貸料の額は180万円であると認めるのが相当である。(平13.11.28東裁(所)平13-91)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130088
- 裁決年月日
- 平成13年11月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803990
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建物の転貸に係る賃貸料の額は、営業譲渡確認書に規定する額を転借人の求めに応じて減額したところの額であって申告どおりであり、また、請求人が建物所有者に支払った電気料及び共益費の実費額相当額については、転借人からは受領していない旨主張する。しかしながら、転借人の申述内容及び転借建物がその用に供されている同人が営む事業に係る使用人の申述内容並びに同使用人が同事業に係る売上、経費等の支出等を記載した大学ノートの内容を総合勘案すれば、(1)賃貸料の額は転借人の申立額であり、また、(2)請求人は、電気料と共益費の実費相当額を転借人から受領していたものと認めるのが相当である。(平13.11.22東裁(所・諸)平13-88)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130069
- 裁決年月日
- 平成13年10月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・49ページ
要旨
○ 請求人は、税法の改正により減価償却資産の耐用年数が短縮された場合の減価償却費の処理方法については、明文の規定がなく理論により決するほかない旨主張する。しかしながら、所得税法第49条、所得税法施行令第120条、第129条、第131条、耐用年数省令第1条、第4条及び改正省令附則第2項等の規定が存在するのであって、これらの規定によれば、税法に規定する耐用年数とは、その期間内で償却を完了させるということを意味するものではなく、減価償却費の額を算定するために必要な償却率を算出するための基礎となるものにすぎないと解するのが相当であり、このことは、税法の改正により耐用年数が短縮された場合においても何ら変わるものではないから、原処分庁が、本件建物の期首帳簿価額に、本件改正後の耐用年数に対応する償却率を乗ずることによって本件減価償却費の額を算定したことは適法である。(平13.10.23東裁(所)平13-69)裁決事例集NO62・49ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130015ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年9月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、土地の管理に同族会社が関与する必然性は認められず、当該同族会社に支払った本件管理料は所得税法第37条第1項に規定する必要経費の額に算入することはできない旨主張する。しかし、請求人が不動産貸付業を営むのに、個人事業として営むか、同族会社に管理を委託するかは、事業者たる請求人の自由な選択に委ねられており、また、法人の事業所が代表者の住所地であることや、事業に従事するものが同族関係者のみであることは、事業の実態が個人企業と異なることのない小規模法人にあっては多く見かける現象であり、そのことによって会社の存在や活動が否定されるものではないから、当該同族会社が存在し賃料集金等の管理業務を行っている事実が認められる以上、原処分庁の主張は採用できない。(平13. 9.25大裁(所)平13-15)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130012
- 裁決年月日
- 平成13年9月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件固定資産税減額相当額は、当該貸家住宅等の所有者に生活費に充てるため、補助金的なものとして市から交付を受けたものであるから、不動産所得の計算上必要経費に算入するべきである旨主張する。しかしながら、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、当該総収入金額を得るために直接要した費用の額及び所得を生ずべき業務について生じた費用の額であるところ、本件固定資産税減額相当額は、補助金として市から交付を受けるものではなく、市街化区域農地を転用して基盤整備を伴って貸家住宅を新築した場合で一定の要件に該当する場合に固定資産税を減額するものである。したがって、固定資産税減額分はその債務が成立しておらず、また、具体的な給付原因となる事実も発生していないのであるから、本件固定資産税減額相当額が必要経費に該当しないのは明らかである。(平13. 9.14名裁(所)平13-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130012
- 裁決年月日
- 平成13年9月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、未収賃料は収入金額に計上されるべきではない旨主張する。しかしながら、所得税法上の収入金額とは、その年において収入すべき金額であり、収入すべき金額とは収入する権利の確定した金額をいうものと解されるところ、不動産所得の総収入金額の収入すべき時期は、契約又は慣習により支払日が定められているものについてはその支払日とするのが相当であり、請求人が作成した建物賃貸借契約書によれば、毎月の賃貸料をその月の15日に受け取ることになっているのであるから、未収賃貸料も収入金額に計上される。(平13. 9.14名裁(所)平13-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120120
- 裁決年月日
- 平成13年6月26日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200804070
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/7支払地代
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が自己の経営する同族会社に支払っている本件地代について、本件地代の1平方メートル当たりの地代は、近隣地で上記同族会社が第三者に賃貸している地代の取引事例(比準者)の1平方メートル当たりの地代と比較して高額であることから、当該取引事例に基づき本件基準地代を算定し、本件地代と本件基準地代との差額に相当する金額は、請求人の所得税の負担を不当に減少させるものとして、所法第157条を適用し原処分を行ったが、原処分庁が比準者として選定した取引事例には、次のような特殊事情が認められる。(1)同族会社と借主である第三者との賃貸借契約は戦前に締結されたものであること、(2)(1)の土地は、昭和23年に市の土地区画整理事業の施行に伴い仮換地指定を受けたため、条件の悪い場所でもよいとして賃貸場所を変更した経緯があること、(3)(2)の見返りとして、将来にわたり安価で賃貸するという口頭の約束があること。以上のとおり、本法の規定の適用に当たり特殊事情のある取引事例を用いて行為・計算の基準値としたことは、比準者の選定に妥当性を欠いており、一般的な経済人の取引としての条件を満たしておらず、所法第157条を適用した原処分はその全部を取り消すべきである。(平13.6.26大裁(所)平12−120)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120037
- 裁決年月日
- 平成13年5月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物を一括(マンション)購入した場合の土地、建物本体及び建物附属設備の取得価額の算定について、土地は路線価を基にした実勢価額、建物等は合計購入金額から土地の価額を控除したものとし、うち建物附属設備の割合を同業他社の物件を参考にした30%とするのが合理的である旨主張する。土地と建物を一括購入し、建物の購入代価等が明らかでない場合の合理的な区分方法について検討すると、(1)当該物件の過去の売買実例、(2)当該物件の類似物件の売買実例、(3)固定資産評価額等の指標を基礎とする方法等がある。マンションの場合は、土地と建物が不可分一体となっていることから、物件が通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合のその差額は、通常、土地と建物の双方の価額に反映されるべきところ、差引法は、その差額が一方のみに反映されることから、あん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く、より合理的といえ、本件新築物件については、売主等において区分経理されている建物の価格をそのまま取得価額とし、中古物件については、土地及び建物ともに同一の公的機関が算定した固定資産税評価額を基礎としてあん分法により算定するのが相当である。減価償却の耐用年数等に関する省令には、建物附属設備の耐用年数が明記されており、本件物件には、建物附属設備が備わっていることが明らかであるから、建物本体と建物附属設備は区分して減価償却の計算する必要があり、本件については、建築時の工事費の割合が把握できることから、これを基に区分することが相当である。また、減価償却方法の変更(定率法)の届出の有無については、当審判所の調査によると、請求人の減価償却方法の変更(定率法)の届出書が原処分庁に存在しないこと及び原処分庁は、受付文書の処理・保管については、訓令に基づき、その取扱については万全を期しており、届出書を紛失する可能性は極めて低いことから、当該届出書は、提出されていなかったと認めるのが相当である。(平13.5.24福裁(所)平12−37)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120038ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年5月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 建物貸付業、不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物を一括(マンション)購入した場合の土地、建物本体及び建物附属設備の取得価額の算定について、土地は路線価を基にした実勢価額、建物等は合計購入金額から土地の価額を控除したものとし、うち建物附属設備の割合を同業他社の物件を参考にした30%とするのが合理的である旨主張する。土地と建物を一括購入し、建物の購入代価等が明らかでない場合の合理的な区分方法について検討すると、(1)当該物件の過去の売買実例、(2)当該物件の類似物件の売買実例、(3)固定資産評価額等の指標を基礎とする方法等がある。マンションの場合は、土地と建物が不可分一体となっていることから、物件が通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合のその差額は、通常、土地と建物の双方の価額に反映されるべきところ、差引法は、その差額が一方のみに反映されることから、あん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く、より合理的といえ、本件新築物件については、売主等において区分経理されている建物の価格をそのまま取得価額とし、中古物件については、土地及び建物ともに同一の公的機関が算定した固定資産税評価額を基礎としてあん分法により算定するのが相当である。減価償却の耐用年数等に関する省令には、建物附属設備の耐用年数が明記されており、本件物件には、建物附属設備が備わっていることが明らかであるから、建物本体と建物附属設備は区分して減価償却の計算する必要があり、本件については、建築時の工事費の割合が把握できることから、これを基に区分することが相当である。(平13.5.24福裁(所)平12−38)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120073
- 裁決年月日
- 平成13年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804120
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/12資産の廃棄損失
- 業種
- 建物貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・118ページ
要旨
○ 請求人の不動産貸付は、(1)貸付物件は本件不動産のみで、その貸付先は請求人が主宰するA社のみであること、(2)本件不動産の賃貸料は、A社から請求人の預金口座に振込入金されており、賃貸料収入に係る役務の提供は極めてきん少であること、(3)本件建物の日常清掃はA社の従業員が行っていること、また、本件不動産に係る必要経費についても、本件建物の建替えに伴う経費及び本件建物の減価償却費以外には固定資産税があるのみで、その支払いについては、請求人の預金口座からの自動引き落としになっていることから、本件不動産に係る維持管理の程度は極めて低いことが認められること、(4)本件建物の取壊しはA社の営業方針に基づくものであると認められること、(5)請求人は、生活の資の大部分をA社からの給与から得ていることから社会通念上事業と称する程度の規模とは認められない。したがって、本件建物の取壊しによる資産の損失の金額は、所法第51条第4項の規定が適用され、本件損失を不動産所得の必要経費に算入しないで計算したところの不動産所得の金額を限度として必要経費に算入される。(平13.4.26名裁(所)平12−73)裁決事例集NO61・118ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120142
- 裁決年月日
- 平成13年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 業種
- 不動産貸付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、未分割の遺産から生ずる不動産賃貸料について、請求人の兄が賃貸料の全部を受領しており、請求人は受領していないこと及び裁判所の決定により賃貸の用に供されている不動産は、すべて請求人の兄が取得することとなったから、本件賃貸料に係る不動産所得の金額は、本件相続開始日にさかのぼって実際に受領している請求人の兄に対し課税すべきである旨主張する。しかしながら、未分割の遺産から生ずる不動産賃貸料については、遺産の分割が調うまでは、その相続人らの共有に属すると解されること及び所得税の納税義務は、その年の暦年の終了の時において成立することを考え併せると、その年の暦年の終了において、遺産の分割が調っていない場合には、その遺産から生ずる不動産賃貸料は、各共同相続人の法定相続分に応じて、各人に帰属し、納税義務を負うのが相当であることから、本件不動産賃貸料が請求人に帰属するとした原処分は相当である。(平13.4.20東裁(所)平12−142)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120034ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年4月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 建物貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物を一括(マンション)購入した場合の土地、建物本体及び建物附属設備の取得価額の算定について、土地は路線価を基にした実勢価額、建物等は合計購入金額から土地の価額を控除したものとし、うち建物附属設備の割合を同業他社の物件を参考にした30%とするのが合理的である旨主張する。土地と建物を一括購入し、建物の購入代価等が明らかでない場合の合理的な区分方法について検討すると、(1)当該物件の過去の売買実例、(2)当該物件の類似物件の売買実例、(3)固定資産評価額等の指標を基礎とする方法等がある。マンションの場合は、土地と建物が不可分一体となっていることから、物件が通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合のその差額は、通常、土地と建物の双方の価額に反映されるべきところ、差引法は、その差額が一方のみに反映されることから、あん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く、より合理的といえ、本件新築物件については、売主等において区分経理されている建物の価格をそのまま取得価額とし、中古物件については、土地及び建物ともに同一の公的機関が算定した固定資産税評価額を基礎としてあん分法により算定するのが相当である。減価償却の耐用年数等に関する省令には、建物附属設備の耐用年数が明記されており、本件物件には、建物附属設備が備わっていることが明らかであるから、建物本体と建物附属設備は区分して減価償却の計算する必要があり、本件については、建築時の工事費の割合が把握できることから、これを基に区分することが相当である。(平13.4.19福裁(所)平12−34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120137
- 裁決年月日
- 平成13年4月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人から不動産所得の基因となる本件各建物及び借入金債務を併せ相続しており、当該借入金に係る支払利子は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該借入金は、本件各建物の取得に充てられたものでないこと又は必要経費に算入することのできる費用に充てるために借り入れた資金に該当するものでもないことは明らかであるから、当該借入金利子を必要経費に算入することはできない。(平13.4.18東裁(所)平12−137)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120028
- 裁決年月日
- 平成13年3月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物を一括(マンション)購入した場合の土地、建物本体及び建物附属設備の取得価額の算定について、土地は路線価を基にした実勢価額、建物等は合計購入金額から土地の価額を控除したものとし、うち建物附属設備の割合を同業他社の物件を参考にした30%とするのが合理的である旨主張する。土地と建物を一括購入し、建物の購入代価等が明らかでない場合の合理的な区分方法について検討すると、(1)当該物件の過去の売買実例、(2)当該物件の類似物件の売買実例、(2)固定資産評価額等の指標を基礎とする方法等がある。マンションの場合は、土地と建物が不可分一体となっていることから、物件が通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合のその差額は、通常、土地と建物の双方の価額に反映されるべきところ、差引法は、その差額が一方のみに反映されることから、あん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く、より合理的といえ、本件新築物件については、売主等において区分経理されている建物の価格をそのまま取得価額とし、中古物件については、土地及び建物ともに同一の公的機関が算定した固定資産税評価額を基礎としてあん分法により算定するのが相当である。減価償却の耐用年数等に関する省令には、建物附属設備の耐用年数が明記されており、本件物件には、建物附属設備が備わっていることが明らかであるから、建物本体と建物附属設備は区分して減価償却の計算する必要があり、本件については、建築時の工事費の割合が把握できることから、これを基に区分することが相当である。また、減価償却方法の変更(定率法)の届出の有無については、当審判所の調査によると、請求人の減価償却方法の変更(定率法)の届出書が原処分庁に存在しないこと及び原処分庁は、受付文書の処理・保管については、訓令に基づき、その取扱については万全を期しており、届出書を紛失する可能性は極めて低いことから、当該届出書は、提出されていなかったと認めるのが相当である。(平13.3.21福裁(所)平12−28)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120029ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年3月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 建物貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物を一括(マンション)購入した場合の土地、建物本体及び建物附属設備の取得価額の算定について、土地は路線価を基にした実勢価額、建物等は合計購入金額から土地の価額を控除したものとし、うち建物附属設備の割合を同業他社の物件を参考にした30%とするのが合理的である旨主張する。土地と建物を一括購入し、建物の購入代価額が明らかでない場合の合理的な区分方法について検討すると、(1)当該物件の過去の売買実例、(2)当該物件の類似物件の売買実例、(3)固定資産評価額等の指標を基礎とする方法等がある。マンションの場合は、土地と建物が不可分一体となっていることから、物件が通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合のその差額は、通常、土地と建物の双方の価額に反映されるべきところ、差引法は、その差額が一方のみに反映されることから、あん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く、より合理的といえ、本件新築物件については、売主等において区分経理されている建物の価格をそのまま取得価額とし、中古物件については、土地及び建物ともに同一の公的機関が算定した固定資産税評価額を基礎としてあん分法により算定するのが相当である。減価償却の耐用年数等に関する省令には、建物附属設備の耐用年数が明記されており、本件物件には、建物附属設備が備わっていることが明らかであるから、建物本体と建物附属設備は区分して減価償却の計算する必要があり、本件については、建築時の工事費の割合が把握できることから、これを基に区分することが相当である。(平13.3.21福裁(所)平12−29)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120046
- 裁決年月日
- 平成13年2月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人はマンションの土地及び建物の取得価額は路線価を基に土地の実勢価額を算出し、取得価額の総額から、その残額を建物の取得価額とすべき旨主張する。しかしながら、一括取得したマンションの土地及び建物の取得価額の区分が明らかでない場合の区分方法については、通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合であっても、その差額が土地及び建物双方の価額に反映されるあん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く合理的であり、あん分法により取得価額を算出する場合のあん分比については、土地及び建物双方を同一の機関で定めている固定資産税評価額を基礎とする方がより合理的である。また、建物本体及び建物附属設備の減価償却費の計算は、それぞれの耐用年数により計算する必要があり、その取得価額の区分が明らかにされていない場合には、合理的な方法によりそれぞれの取得価額を区分計算する必要があり、方法としては、建築会社又は分譲会社が作成した譲渡原価証明書等から建物本体及び建物付属設備のそれぞれの工事の割合が算出できる場合には、譲渡原価証明書等により、また、譲渡原価証明書等から工事の割合が算出できない場合には、固定資産税評価額の再建築費評点数算出表における構造別の再建築費評点数の割合による方法がより合理的と認められる。(平13.2.19名裁(所)平12−46)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120020
- 裁決年月日
- 平成13年2月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 建物貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物を一括(マンション)購入した場合の、建物本体と建物附属設備の取得価額の算定について、同業他社の物件を参考に建物附属設備の割合を30%とするのが相当である旨主張するが、減価償却の耐用年数等に関する省令には、建物附属設備の耐用年数が明記されており、本件物件には、建物附属設備が備わっていることが明らかであるから、建物本体と建物附属設備は区分して減価償却費の計算をすべきであり、本件については建築時の工事費の割合が把握できることから、これを基に建物本体と本体附属設備を区分することが相当である。(平13.2.9福裁(所)平12−20)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120021ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年2月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物を一括(マンション)購入した場合の土地、建物本体及び建物附属設備の取得価額の算定について、土地は路線価を基にした実勢価額、建物等は合計購入金額から土地の価額を控除したものとし、うち建物附属設備の割合を同業他社の物件を参考にした30%とするのが合理的である旨主張する。土地と建物を一括購入し、建物の購入代価等が明らかでない場合の合理的な区分方法について検討すると、(1)当該物件の過去の売買実例、(2)当該物件の類似物件の売買実例、(3)固定資産評価額等の指標を基礎とする方法等がある。マンションの場合は、土地と建物が不可分一体となっていることから、物件が通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合のその差額は、通常、土地と建物の双方の価額に反映されるべきところ、差引法は、その差額が一方のみに反映されることから、あん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く、より合理的といえ、本件新築物件については、売主等において区分経理されている建物の価格をそのまま取得価額とし、中古物件については、土地及び建物ともに同一の公的機関が算定した固定資産税評価額を基礎としてあん分法により算定するのが相当である。減価償却の耐用年数等に関する省令には、建物附属設備の耐用年数が明記されており、本件物件には、建物附属設備が備わっていることが明らかであるから、建物本体と建物附属設備は区分して減価償却の計算する必要があり、本件については、建築時の工事費の割合が把握できることから、これを基に区分することが相当である。(平13.2.9福裁(所)平12−21)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平120006
- 裁決年月日
- 平成13年1月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産貸付
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産貸付の業務の用に供したマンションの減価償却費の計算に関しては、請求人は、土地と建物を一括で購入し売買契約書等でそれぞれの価額が明らかにされていない場合は、路線価に基づき算出した土地の価額をマンションの購入価額から控除し、残額を建物の取得価額とすべきである旨主張する。しかしながら、本件においては、(1)新築物件については、マンションの売主において、区分経理された価額を基礎としてあん分するのが相当であり、(2)中古物件については、土地、建物双方を同一機関で算定している固定資産税評価額を基礎としてあん分するのがより合理的である。また、建物と建物附属設備の取得価額の区分について、原処分庁は、契約書等で建物と建物附属設備の価額及び細目等の区分が明らかにされていないから、建物と建物附属設備を区分して減価償却費の計算をすることはできない旨主張するが、所規第32条において、償却費の計算は耐用年数省令に規定する減価償却資産の種類の区分ごとに行うこととされており、本件においては、建築主が保存する工事請負契約書等から算出したそれぞれの工事費の割合に基づき区分した価額(中古物件については、新築時から取得時までの損耗を見込んで補正した額)を取得価額として減価償却費の計算を行うべきである。(平13.1.31札裁(所)平12−6)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平120029
- 裁決年月日
- 平成13年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 業種
- 同族会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その所有する地代収入について、請求人を代表者とする同族法人が「事実上の共有持分」を有するとして計上した当該法人への「地代」及び本件土地に係る管理委託手数料を、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張するが、本件地代については、本件土地は請求人が所有しており、請求人提出資料によっては、当該法人が本件土地の造成のため多額の投資をした事実を認めることができず、他に当該法人が本件土地に何らかの持分を有するという事実を認めるに足りる証拠もない。また、管理委託手数料については、請求人において、不動産所得に係る帳簿書類は作成されておらず、当該法人の総勘定元帳において、請求人からの不動産管理収入を計上している事実が認められるものの、本件土地の管理業務を履行するための費用を区分して計上していないこと、当該法人の代表者でもある請求人は、当該法人の管理業務の実績を示す費用の抽出が難しいとして資料を提出しない上、本件土地の管理業務に係る管理日誌等の書類の作成もないことが認められること、さらには、本件業務委託に係る契約書も存在しないことからすれば、請求人と当該法人との間で本件業務委託がなされたとする事実を認めることはできない。(平13.1.31広裁(所)平12−29)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120077
- 裁決年月日
- 平成13年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件測量費等は、不動産所得の金額の計算上、全額必要経費に算入されるべき旨主張するが、本件測量費等は、公社が、本件マンションを建設するに際して要した費用と認められ、請求人は、本件共同事業によって、公社が建設した本件マンションを譲渡によって取得したのであることから、本件測量費は、請求人が本件マンションを公社から購入するために要した費用、すなわち本件マンションの購入の代価と認められ、本件マンションの取得価額に算入するのが相当である。(平13.1.25関裁(所)平12−77)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120077
- 裁決年月日
- 平成13年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所基通38−10の注書の2は、土地の測量費は、各種所得の金額の計算上必要経費に算入されたものを除き、土地の取得費に算入する旨定めており、これによれば、本件測量費等は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件測量費等は、その内容、性質からみて、それが支出された単年度の不動産貸付業の事業収入のみでなく、それ以降の各年度の不動産貸付業の事業収入の源泉ともなるべきものであるから、費用収益対応の原則からして、これを単年度の必要経費とするのは相当でなく、一定の期間にわたって償却すべきものである。そして、所基通38−10の注書の2にいう各種所得の必要経費から減価償却費を除外すべき理由は存しないというべきであるから、本件測量費等が、所令第126条第1項の規定により、本件マンションの取得価額に算入される結果、本件マンションを取得した日以降、不動産所得の金額の計算上、減価償却費として必要経費に算入されていく以上、本件測量費等を本件マンションの取得価額に算入することは、基通38−10の注書の2に違背するものではない。(平13.1.25関裁(所)平12−77)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120077
- 裁決年月日
- 平成13年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、公社へ支払った本件事務費等は、不動産所得の金額の計算上、全額必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、所法令第126条第1項第1号は、購入した減価償却資産の取得価額は、当該資産の購入の代価及び当該資産を業務の用に供するために直接要した費用の額の合計額である旨規定し、また、当該資産の購入の代価は、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税その他当該資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額である旨規定している。これを本件についてみると、(1)本件契約書によれば、本件事務費等は、本件契約書第1条に定められた業務を公社が行うことによって支払われる対価であり、当該業務の内容は本件マンションを建設するために必要な業務であると認められ、また、(2)本件事務費等は、当該業務に対する対価として公社に対して支払われていることから、本件事務費等は、本件マンションの建設費用として認められる。更に請求人は、本件共同事業によって、公社が建設した本件マンションを譲渡によって取得したものであることから、本件事務費等は、本件マンションの購入のために要した費用、すなわち本件マンションの購入の代価と認められる。したがって、本件事務費等は、本件マンションの取得価額に算入するのが相当である。(平13.1.25関裁(所)平12−77)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120035
- 裁決年月日
- 平成13年1月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人はマンションの土地及び建物の取得価額は路線価を基に土地の実勢価額を算出し、取得価額の総額から控除して、その残額を建物の取得価額とすべき旨主張する。しかしながら、一括取得したマンションの土地及び建物の取得価額の区分が明らかでない場合の区分方法については、通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合であっても、その差額が土地及び建物双方の価額に反映されるあん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く合理的であり、あん分法により取得価額を算出する場合のあん分比については、土地及び建物双方を同一の機関で定めている固定資産税評価額を基礎とする方がより合理的である。また、建物本体及び建物附属設備の減価償却費の計算は、それぞれの耐用年数により計算する必要があり、その取得価額の区分が明らかにされていない場合には、合理的な方法によりそれぞれの取得価額を区分計算する必要があり、本件物件については、売買契約書に建物本体及び建物附属設備のそれぞれの購入代価等が明らかにされておらず、本件物件の工事請負契約書等はすでに廃棄処分されており、かつ、本件物件に類似する物件の売買実例も見当たらない。そこで、建物本体及び建物附属設備の固定資産税評価額算定の基礎となる再建築費評点数算出表による区分計算について検討すると、再建築費評点数により建物本体及び建物附属設備の構造別の割合が算出でき、この比率を用いる方法には合理性があると認められる。(平13.1.24名裁(所)平12−35)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120014
- 裁決年月日
- 平成12年12月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・157ページ
要旨
○ 請求人は、土地と建物を一括(マンション)購入した場合の土地、建物本体及び建物附属設備の取得価額の算定について、土地は路線価を基にした実勢価額、建物等は合計購入金額から土地の価額を控除したものとし、うち建物附属設備の割合を同業他社の物件を参考にした30%とするのが合理的である旨主張する。土地と建物を一括購入し、建物の購入代価等が明らかでない場合の合理的な区分方法について検討すると、(1)当該物件の過去の売買実例、(2)当該物件の類似物件の売買実例、(3)固定資産評価額等の指標を基礎とする方法等がある。マンションの場合は、土地と建物が不可分一体となっていることから、物件が通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合のその差額は、通常、土地と建物の双方の価額に反映されるべきところ、差引法は、その差額が一方のみに反映されることから、あん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く、より合理的といえ、本件新築物件については、売主等において区分経理されている建物の価格をそのまま取得価額とし、中古物件については、土地及び建物ともに同一の公的機関が算定した固定資産税評価額を基礎としてあん分法により算定するのが相当である。減価償却の耐用年数等に関する省令には、建物附属設備の耐用年数が明記されており、本件物件には、建物附属設備が備わっていることが明らかであるから、建物本体と建物附属設備は区分して減価償却の計算する必要があり、本件については、建築時の工事費の割合が把握できることから、これを基に区分することが相当である。(平12.12.28福裁(所)平12−14)裁決事例集NO60・157ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120023
- 裁決年月日
- 平成12年11月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人はマンションの土地及び建物の取得価額は路線価を基に土地の実勢価額を算出し、取得価額の総額から控除して、その残額を建物の取得価額とすべき旨主張する。しかしながら、一括取得したマンションの土地及び建物の取得価額の区分が明らかでない場合の区分方法については、通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合であっても、その差額が土地及び建物双方の価額に反映されるあん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く合理的であり、あん分法により取得価額を算出する場合のあん分比については、土地及び建物双方を同一の機関で定めている固定資産税評価額を基礎とする方がより合理的である。また、建物本体及び建物附属設備の減価償却費の計算は、それぞれの耐用年数により計算する必要があり、その取得価額の区分が明らかにされていない場合には、合理的な方法によりそれぞれの取得価額を区分計算する必要があり、本件物件については、売買契約書に建物本体及び建物附属設備のそれぞれの購入代価等が明らかにされておらず、本件物件の工事請負契約書等はすでに廃棄処分されており、かつ、本件物件に類似する物件の売買実例も見当らない。そこで、建物本体及び建物付属設備の固定資産税評価額算定の基礎となる再建築費評点数算出表による区分計算について検討すると、再建築費評点数により建物本体及び建物附属設備の構造別の割合が算出でき、この比率を用いる方法には合理性があると認められる。(平12.11.27名裁(所)平12−23)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120010ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成12年11月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803020
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/2保証金、敷金等に係る経済的利益
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地について取り交わされた賃貸借契約において生じる収入金については、各年分の不動産所得として申告しており、別途敷金から生じる経済的利益を不動産所得に加算することは、二重課税である旨主張する。また、当該敷金を納税猶予を受けていた相続税の納付に充てたことは、当該業務の資金として運用され、当該資産の取得に充てられたものであるから課税されない旨主張する。しかしながら、所法第36条第1項及び第2項では、経済的な利益も収入金額とすべきことが明らかにされ、その価額は、その時の時価を基準とする旨を明らかにしている。更に所基通36−15においても同様に示されており、当審判所においてもこの取扱いについては相当と認められる。また、納税猶予を受けていた農地を宅地に転用した行為は、本来その農地から生産され、農業収入として得るべきものが、転用した宅地を貸し付けることにより不動産収入を得ることに変わっただけであり、新たな事業用資産の取得には当たらないことから、当該業務の用に供する資産の取得資金に充てられた場合には、該当しない。更に、相続税の一部納付は、原処分庁のいう家事費に関する支出であり事業に関連しないことは明白であり、業務に係る資金として運用されている場合にも当たらない。以上のことから、請求人の主張は採用できない。(平12.11.22福裁(所)平12−10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120017
- 裁決年月日
- 平成12年11月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産貸付の業務の用に供したマンションの減価償却費の計算に当たり、土地及び建物の取得価額区分が明らかでない場合の区分方法については、(1)当該物件の過去の売買価額を基礎とする方法、(2)類似する物件の売買実例を基礎とする方法及び(3)相続税評価額や固定資産税評価額等を基礎とする方法が考えられるが、その場合上記(3)の固定資産税評価額を採用する場合に、請求人が主張する路線価から割り戻して公示価額相当額を算出の上、固定資税税評価額相当額を算出することにより、固定資産税評価額の修正を行うことは合理的とはいえない。また、建物本体と建物附属設備の減価償却費の計算は、それぞれ別個の耐用年数を適用すべきであり、その区分に当たっては、請求人の主張する「建築コスト情報」を基礎として区分する方法より(1)建築会社又は分譲会社が作成した譲渡原価証明書等の価額を基礎とする方法及び(2)再建築費評点数算出表における構造別の再建築費評点数の割合により区分する方法がより合理的と認められる。(平12.11.17名裁(所)平12−17)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120018
- 裁決年月日
- 平成12年11月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人はマンションの土地及び建物の取得価額は路線価を基に土地の実勢価額を算出し、取得価額の総額から控除して、その残額を建物の取得価額とすべき旨主張する。しかしながら、一括取得したマンションの土地及び建物の取得価額の区分が明らかでない場合の区分方法については、通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合であっても、その差額が土地及び建物双方の価額に反映されるあん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く合理的であり、あん分法により取得価額を算出する場合のあん分比については、土地及び建物双方を同一の機関で定めている固定資産税評価額を基礎とする方がより合理的である。また、建物本体及び建物附属設備の減価償却費の計算は、それぞれの耐用年数により計算する必要があり、その取得価額の区分が明らかにされていない場合には、合理的な方法によりそれぞれの取得価額を区分計算する必要があり、その方法としては、同業他社の類似物件から見積もった価額や、建築会社又は分譲会社が作成した譲渡原価証明書等のその建物本体及び建物附属設備の価額の割合による方法、また、固定資産税評価額の再建築費評点数算出表における構造別の再建築費評点数の割合による方法も合理性のある方法と認められるが、工事請負契約書等から建物本体及び建物付属設備のそれぞれの工事の割合が算出できる場合には、工事請負契約書等による方がより合理的と認められる。(平12.11.17名裁(所)平12−18)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120020
- 裁決年月日
- 平成12年11月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 建物貸付業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 一括取得したマンションの土地及び建物(建物本体及び建物附属設備を合わせたものをいう。)の取得価額の区分が明らかでない場合には、何らかの合理的な方法により区分する必要がある。請求人は原処分庁の主張する固定資産税評価額によるあん分計算は実勢価額と大幅な誤差が生じることとなり、不当な旨主張するが、本件は、建築主において土地と建物が区分経理されており、これに不相当とする理由は特に認められず、かつ、建築主が売主に売却した時期も、売主が請求人に売却した時期と同時期であることから、建築主が区分経理した割合を用いて土地及び建物の取得価額を区分するのが相当と認められる。また、建物本体及び建物附属設備についても、建築主が保存する工事請負契約書に建物本体と建物附属設備の工事割合が明確にされていることから、この割合を用いて建物本体と建物附属設備の取得価額を区分するのが相当と認められる。(平12.11.17名裁(所)平12−20)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平120008
- 裁決年月日
- 平成12年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 不動産賃貸を行っていた被相続人が死亡した後に賃貸不動産に係る固定資産税等の納税通知書が交付された場合において、請求人は、固定資産税等の納税義務の確定時期は、賦課期日であるその年の1月1日であるから、固定資産税等を被相続人の不動産所得の計算上必要経費に算入した申告は認められるべきである旨主張する。しかしながら、固定資産税等は、地方税法の規定に従って納税通知書が納税義務者に交付された時に具体的に納税義務が確定し、その時点で所法第37条第1項に規定する債務の確定要件を満たすことになると解するのが相当であり、被相続人の不動産所得の計算上必要経費に算入することはできない。(平12.11.15仙裁(所)平12−8)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平120002ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成12年7月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 業種
- 不動産賃貸業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地と建物を一括(マンション)購入した場合の土地、建物本体及び建物附属設備の取得価額の算定について、土地は路線価を基にした実勢価額、建物等は合計購入金額から土地の価額を控除したものとし、うち建物附属設備の割合を同業他社の物件を参考にした30%とするのが合理的である旨主張する。土地と建物を一括購入し、建物の購入代価等が明らかでない場合の合理的な区分方法について検討すると、(1)当該物件の過去の売買実例、(2)当該物件の類似物件の売買実例、(3)固定資産評価額等の指標を基礎とする方法等がある。マンションの場合は、土地と建物が不可分一体となっていることから、物件が通常の販売価額よりも高額又は低額で販売された場合のその差額は、通常、土地と建物の双方の価額に反映されるべきところ、差引法は、その差額が一方のみに反映されることから、あん分法の方がより実態に近似するがい然性が高く、より合理的といえ、本件新築物件については、売主等において区分経理されている建物の価格をそのまま取得価額とし、中古物件については、土地及び建物ともに同一の公的機関が算定した固定資産税評価額を基礎としたあん分法により算定するのが相当である。減価償却の耐用年数等に関する省令には、建物附属設備の耐用年数が明記されており、本件物件には、建物附属設備が備わっていることが明らかであるから、建物本体と建物附属設備は区分して減価償却の計算する必要があり、本件については、建築時の工事費の割合が把握できることから、これを基に区分することが相当である。(平12.7.3福裁(所)平12−2)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110027
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が不動産所得と認定した本件補償料には、不法行為による損害賠償金(非課税とすべき部分)が含まれていることから、その所得計算に当たっては雑所得扱いにより、その40%程度を必要経費として認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件補償料は地役権設定の対価と認められ不動産所得に該当することから、その必要経費は、所法第37条第1項の規定により判断すると、本件の場合、固定資産税の額のみであり、請求人の主張は認められない。(平12. 6.29仙裁(所)平11-27)、(平12. 6.29仙裁(所)平11-28〜48)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110175
- 裁決年月日
- 平成12年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物の1階部分を本件車庫とするため、甲契約書のほかに別途乙契約書を作成したものであり、また、本件車庫を作るために住宅部分を1階分上に上げたため建築価額が高額となったのであるから、請負金額の高額な乙契約書の価額が本件車庫の取得価額である旨主張するが、本件車庫は、本件建物の一部として建築されたものであり、本件建物の総建築価額は明らかであるものの本件車庫の取得価額として明確に区分できる金額が無い以上、減価償却費の計算に当たっては、本件建物の総取得価額を基礎とせざるを得ず、原処分庁が本件建物の総建築価額に車庫として貸付けの用に供している部分の割合として本件建物の床面積を基準として算出した業務専用割合を乗じる方法によって減価償却費の額を算定したことは相当である。(平12. 6.26東裁(所)平11-175)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平110018
- 裁決年月日
- 平成12年3月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804120
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/12資産の廃棄損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平110017
- 裁決年月日
- 平成12年2月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804010
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/1租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人(歯科医)は、取得した土地及び建物に係る登録免許税等の費用について、請求人が従前から不動産貸付業を営んでおり、当該土地建物についても賃貸することを予定して取得し、かつ、取得後も賃貸のための活動を行っているから、不動産所得の金額の計算上必要経費の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該土地建物は取得後賃貸された事実はなく、また、近い将来これらの資産が確実に賃貸の用に供されることが明らかな状態にあるとも認められないから、これらの費用を必要経費の額に算入することはできない。(平12. 2.29札裁(所)平11-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110057
- 裁決年月日
- 平成11年12月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成7・8年分の不動産所得の計算上、水道利用加入金に係る減価償却費を必要経費に算入すべきであると主張し、当審判所が調査によると、本件アパートに係る水道利用加入金は、所令第6条第1項第8号カに規定する水道施設利用権に該当すると認められることから、水道加入金について減価償却資産として減価償却費を計算した金額を必要経費に算入すべきである。(平11.12.15東裁(所)平11-57)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110018
- 裁決年月日
- 平成11年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件貸付けは「事業」に該当するから青色事業専従者給与の額は必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件貸付けは社会通念上「事業」と認められるが、本件の青色事業専従者は、本件貸付けにつき請求人が行うべき業務を肩代わりしているとはいうものの、当該事業に専ら従事しているとは認められないので、その給与の額は必要経費として認められない。(平11.10.15名裁(所)平11-18)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110018
- 裁決年月日
- 平成11年10月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200803010
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/1事業、業務の判定
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件建物の貸付けは収入的な規模は認められるが、貸付規模は4階建ビル1棟貸しであること、日常的に精神的、肉体的労力を費やす必要がなく役務の提供の程度は低いことから、社会通念上「事業」には当たらない旨主張する。しかしながら、「事業」に当たるか否かは、①営利性、有償性の有無、②継続性・反復性の有無、③自己の危険と計算における企業遂行性の有無、④その取引に費やした精神的あるいは肉体的労力の程度、⑤人的・物的設備の有無、⑥その取引の目的、⑦その者の職歴・社会的地位・生活状況などの諸点を総合して、社会通念上「事業」といい得るか否かによって判断するのが相当であり、こうした点を勘案すると本件貸付けは社会通念上「事業」と認められる。(平11.10.15名裁(所)平11-18)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110018
- 裁決年月日
- 平成11年10月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、漏水の発生する前に予防的に鉄筋コンクリート造の本件建物の屋上全体に本件建物の取得価額の10%相当額を超える規模で実施した防水工事は、建物の使用可能期間を延長させるものであるから、資本的支出である旨主張する。しかしながら、本件工事は、①本件建物の屋上表面の防水モルタルが破壊され雨漏りが発生していたこと、②一般的に鉄筋コンクリート造建物は雨漏りがいったん発生すると雨漏りの箇所が分かりにくく完全に修理することが困難であること、③建築から相当年数を経過しての工事であることから、本件建物の維持管理のためやむを得ず行われたものであると認められる。また、本件工事の内容からみて、本件建物の使用可能期間を延長させるもの、又は本件建物の価額を増加させるものとも認められないので、本件工事費は修繕費に該当するとするのが相当である。(平11.10.15名裁(所)平11-18)、(平11.10.15名裁(所)平11-19)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110001
- 裁決年月日
- 平成11年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803040
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/4地代等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件合意書において本件土地に係る賃貸借契約を契約し、本件覚書によって賃料の額を定めたのであるから、不動産所得の金額にこの賃料を加えるべきである旨主張する。しかしながら、本件合意書及び本件覚書は、本件売買契約を解約し賃貸借契約に変更したように仮装するために作成されたものであるから、本件売買契約は解約されずに継続していたものと認められる。したがって、本件土地は本件売買契約に基づいて譲渡されたのであり、本件覚書に賃料として記載された金額は、本件各物件の譲渡による譲渡代金の一部とみるのが相当であるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平11. 7. 7関裁(所)平11-1)、(平11. 7. 7関裁(所)平11-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100207
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804100
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/10支払立退料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件立退料等及び本件取壊し費用は、不動産所得を生ずべき業務について生じた費用であり、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件各土地の評価額を上げて有利な条件で物納許可を受けるために本件各建物を買い取る前に借家人の立ち退き交渉を依頼して本件立退料等を支払っていること、及び本件各建物を買い取った直後に取り壊して本件各土地を更地にしたものであることから、本件立退料等の支払及び本件各建物の取壊しは、本件各土地の物納を前提とするもので、そのために支払った費用は物納のために直接必要なものと認められる。そして、物納も公法上の代物弁済として譲渡の一態様であることに照らすと、本件立退料等及び本件取壊し費用は譲渡費用に該当すると解される。(平11. 6.30東裁(所)平10-207)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100207
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804120
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/12資産の廃棄損失
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件資産損失の金額は、所法第51条第1項かっこ書きにより必要経費に算入する損失から除かれるものには該当せず、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件資産損失は、本件各建物を買い戻し後直ちに取り壊したことに伴うものであり、物納という資産の譲渡により又はこれに関連して生じたものであって、これを不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平11. 6.30東裁(所)平10-207)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100108
- 裁決年月日
- 平成11年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804990
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/16その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・111ページ
要旨
○ 請求人は、請求人の父が所得を有し生活費も毎月自分で負担しており、同人とは生計を一にしていないから、同人に支払った本件地代は、不動産所得の金額の計算上、必要経費として認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、請求人の父と同一の家屋内に起居していること及び食事を共にするなど日常の生活を共にしていることからすれば、同人が所得を有し生活費を負担していたとしても、明らかに独立した生活を営んでいるとは認められず、また、家事上の共通経費について実費の精算が行われていること並びに事実上の支出に関して親族間における債権債務の発生及び決済の状況が明らかであることを認めるに足りる証拠資料はないことから、本件地代は、所法第56条の規定により不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されないことになる。(平11. 6.14関裁(所)平10-108)裁決事例集 №57・111ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100129
- 裁決年月日
- 平成11年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・75ページ
要旨
○ 請求人は、本件契約料には所令第79条((資産の譲渡とみなされる行為))の規定の適用がある旨主張するが、本件契約料には建物の貸付の対価及び賃借人の地位の承継に係る名義書換料が含まれており、また、その他の契約料については、当該契約料に係る貸宅地の隣接地又は近隣地の譲渡価額を基に算定した当該貸宅地の更地価額の10分の5以下であるから、当該契約料が当該貸宅地に係る地代の年額の20倍に相当する金額を超えている場合であっても、同条の適用はない。したがって、本件契約料に係る所得は譲渡所得に該当せず、いずれも不動産所得に該当する。(平11. 3.23東裁(所)平10-129)裁決事例集 №57・75ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100092
- 裁決年月日
- 平成11年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804100
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/10支払立退料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・96ページ
要旨
○ 請求人は、従前から所有していた賃貸用建物の敷地を相続し、その相続税納付につき、当該敷地を物納したものであるが、当該敷地を更地にするため賃借人に支払った解約損害金及び建物取壊し費用は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、解約損害金は、公法上の代物弁済として譲渡の一態様である物納に要した譲渡費用に該当し、また、取壊しによる資産損失は、物納という資産の譲渡により生じたものであって、いずれも不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されない。なお、物納に係る譲渡所得は措法第40条の3により非課税であり、本件費用等は請求人の所得の金額の計算上考慮されない。(平11. 1.27東裁(所)平10-92)裁決事例集 №57・96ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100024
- 裁決年月日
- 平成10年9月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件借入金は本件土地の取得の際の借入金を借り換えたものであり、本件借入金に係る本件借入金利子を不動産所得に係る必要経費として認めるべきである旨主張するが、請求人が原処分庁及び当審判所に提出した資料だけでは、本件借入金が本件土地の取得の際の借入金を借り換えたものであることを確認することができないから、本件借入金利子を必要経費と認めることはできない。(平10. 9.28関裁(所)平10-24)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平100006
- 裁決年月日
- 平成10年8月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己資金と借入金をもって居住用兼賃貸用住宅及び賃貸用店舗を建築した場合の当該借入金に係る支払利子及び融資手数料について、当該借入金は賃貸住宅向けの融資制度を利用して借り入れたことを理由として、賃貸用部分の建築のみに当該借入金が使用されたのであって、支払利息及び融資手数料の全額を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、当該建物は、居住用部分と賃貸用部分が一体の工事として建築されており、工事費は、居住用部分と賃貸用部分に区分されておらず、その支払も居住用部分と賃貸用部分に区分して支払われていない状況であって、かつ、請求人により特にその賃貸用部分の取得代金が借入金によって賄われたことが具体的に立証されないから、借入金が賃貸用部分のみの建築費の支払に充てられたとすることはできず、借入金は、建物全体を取得するための資金の一部であると認めるのが相当である。したがって、当該金額については、その全額を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。(平10. 8.31広裁(所)平10- 6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090250
- 裁決年月日
- 平成10年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A電力との間で締結した本件覚書に基づき支払を受けた本件承諾料は、同社が自発的に支払ったもので、請求人の所有する本件土地において行う送電線路の張り替え等の工事に関して、承諾、協力し、異議、苦情又は補償を求めないという意味で支払われたものであるから、一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件承諾料は、約30年前から送電線路の架設保守等のためA電力に使用させ地役権が設定されている本件土地を、工事の施工においても重ねて使用させることを承諾等し、その代償として支払を受けているもの、言い換えれば、本件土地を本件工事のために円満に使用させることの対価として支払を受けているものといえる。そして、(1)地役権設定契約においては、その目的は変更されていないこと、(2)地役権の存続期間についての具体的な期間の定めはないこと、(3)A電力は、承諾料を支払っている理由として、借地権の更新料等を支払う地域慣行を考慮し、当事者間の利害を調整する観点を踏まえて、円滑な工事の実施を図るためである旨答述していること、(4)本件承諾料の算出方法は、借地権の更新料と同様の方法であること等を併せて考えれば、本件承諾料は、地役権の存続期間の更新料そのものではないが、更新料としての性格をも有しているものと認められる。以上のことから、本件承諾料は本件土地をA電力に使用させることによる所得と認められ、また、譲渡所得等には該当しないと認められるから、所法第26条第1項に規定する不動産所得に該当する。(平10. 6.29東裁(所)平 9-250)、(平10. 6.29東裁(所)平 9-251)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090073
- 裁決年月日
- 平成10年4月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804030
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/3修繕費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、保養所の外装タイル貼工事は、立地条件等の特殊事情を考慮すれば使用可能期間を延長するものでも価値を増加させるものでもないから、その金額を修繕費として不動産所得の金額の計算上、必要経費の額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、本件保養所は鉄筋コンクリート造であったのであるから、外装タイル貼工事は通常の管理又は修理とはいえず、原状回復を超えるものといわざるを得ないから、当該資産の価額を増加させるものと認められる。ただし、本件外装タイル貼工事には、外壁クラックの補修に当たる工程も含まれており、当該工事は原状回復に当たるというべきであるから、当該費用相当額を超える部分が、通常の管理又は修理をするものとした場合に予測される当該資産の価額を増加させる部分に対応する金額に当たるというべきである。したがって、請求人が修繕費として必要経費の額に算入した外装タイル貼工事代から外壁クラックの補修の費用相当額を差し引いた金額が資本的支出となり、各年分の必要経費の額に算入すべき減価償却費の額を認定したところ、原処分額を下回ることから、その一部を取り消すのが相当である。(平10. 4.17名裁(所)平 9-73)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090073
- 裁決年月日
- 平成10年4月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200801020
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/2不動産所得と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付けに用いるための資産として所有する船舶に係る修繕費は、不動産所得の金額の計算上、必要経費の額に算入すべきである旨主張するが、当該船舶は総トン数が20トン未満で登記等の対象とはならず(商法第686条)、不動産と同様な取扱いを受けないので、当該貸付け等による所得が不動産所得となる所法第26条第1項に規定する「船舶」には該当しないと解するのが相当である。したがって、当該船舶は不動産所得の基因となる資産に該当しないから、不動産所得の金額の計算上、必要経費の額に算入することはできない。(平10. 4.17名裁(所)平 9-73)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090080
- 裁決年月日
- 平成10年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200803050
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/5家賃等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)原処分庁の認定した不動産収入の算定根拠は不明であり、また、(2)原処分庁が昭和62年分の不動産収入の除外金額と認定したAに係る収入金額について、賃貸借契約書及びガス供給会社の証明書のとおり、同人は昭和62年9月の入居であるので、不動産所得の収入金額に係る原処分の全部を取り消すべきである旨主張する。しかしながら、当審判所が原処分関係資料、ガス供給会社及び電力会社を調査したところによれば、請求人の確定申告書に記載した不動産所得に係る収入金額は、すべての取引が正確に記録され、それに基づいて申告されたものとは認められず、さらに、請求人は、当審判所に対して、不動産所得の計算の基礎となる証拠書類を提出しなかったことから、請求人の不動産所得の金額を実額計算の方法により算定することはできず、推計の方法によらざるを得ない。そこで、当審判所において、不動産所得に係る収入金額の算定に当たり、入居者については、ガス供給会社及び電力会社の調査によって入居が確認できた者を基にし、また、賃貸料については、調査によって確認した金額を基礎として算定したところ、いずれの年分も原処分庁主張額を上回ることから、原処分は相当である。(平10. 3.31広裁(所)平 9-80)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090067
- 裁決年月日
- 平成10年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・43ページ
要旨
○ 請求人は、賃貸家屋の管理については、不動産管理会社に全てを委託しており、当該管理会社のほかに新たに委託した同族会社はポロシャツ等の繊維縫製業を営む法人で、定款にも不動産管理業の記載はなく、当該業務を同族会社に委託する必要性及び当該賃貸家屋の管理業務を履行したとの客観的な証拠も認められないから、同族会社に支払った不動産管理料は、所法第37条第1項に規定する必要経費に該当しない。(平10. 2.26大裁 (所) 平 9-67) 裁決事例集No55・43ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090025
- 裁決年月日
- 平成9年11月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200803040
- 争点
- 8不動産所得/3収入金額の計算/4地代等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産賃貸変更契約に基づき、平成7年1月1日にそ及して賃貸料を減額変更したことにより、不動産所得が減少したとして本件更正の請求を行ったが、本件更正の請求は、所法第64条第1項及び所令第180条第1項の規定には該当せず、本件賃貸借変更契約により、そ及して本件不動産所得の金額を減額することはできないので、本件不動産所得の金額の計算に影響を及ぼさないものであるから、請求人の主張は認められない。(平 9.11.28大裁 (所) 平 9-25)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080098
- 裁決年月日
- 平成9年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・129ページ
要旨
○ 請求人は、同族会社に対し、土地に係る管理業務を委託した旨主張するが、(1)委託に係る契約書が作成されていないこと、(2)請求人が委託契約を締結した日を覚えていないこと、(3)管理業務に係る報告書などの書類が作成されていないこと、(4)管理業務に係る同族会社の経理上の支出がないこと、(5)管理業務の内容が高額な報酬を支払ってまで管理を委託しなければならないものとは認められないことなどから、請求人と同族会社との間で管理業務の委託契約が締結及びそれに基づく管理行為がなされたと認めることはできない。(平 9. 6.30広裁(所)平 8-98) 裁決事例集No53・129ページ
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平080021
- 裁決年月日
- 平成9年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200801010
- 争点
- 8不動産所得/1所得の区分/1不動産所得と認めた事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平080007
- 裁決年月日
- 平成9年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、借入金が事業上のものかそれ以外のものかの区分は、個別的ではなく資金総量で計算すべきであり、また、調達した資金のうち事業遂行上一時的に発生した余剰資金を家事上に運用したが速やかに補てんしているとして、本件借入金はすべて事業上の借入金とみるべきものであるから、本件借入金に係る支払利息は、その全額を不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、借入金の支払利息の額が不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるか否かについては、借入金の使途の実態に基づいて、借入金が業務のために使用されたものであるか否かによって判断すべきであり、請求人の主張する家事上の支払に運用した借入金については、業務のために使用されたものでないことが明らかであり、業務上の借入金と認められないことから、その部分に係る支払利息は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。(平 9. 5.30金裁(所)平 8-7)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080074
- 裁決年月日
- 平成9年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804080
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/8支払利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、手広く不動産貸付業を営んでおり業務拡大のために新規に土地を取得し、その土地を貸し付けられるように準備している間の借入金利子並びにその土地の造成費及び産業廃棄物処理に係る許認可取得費は、不動産所得の金額の計算上必要経費として認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、転売目的で取得したものと認められ、近い将来確実に貸付けの用に供されるような状況にあったとは認められないことから、本件土地の取得に係る借入金利子等を不動産所得の金額の計算上必要経費とすることはできず、請求人の主張は認められない。(平 9. 4.15関裁(所)平 8-74)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平080013
- 裁決年月日
- 平成9年1月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802011
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/1所得の発生/1相続財産に係る不動産所得
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件遺産から生じる不動産賃貸に係る収入金額は、現在係争中の遺産分割申立事件の該当物件であり、管財人が管理しているため、請求人はその収入金額を直接受領していないから、不動産所得の金額はない旨主張する。しかしながら、民法第898条、第899条及び第900条の規定により、未分割の相続財産から生じる不動産所得の金額は、法定相続分に応じて各相続人間に帰属することとなるため、たとえ請求人が当該収入金額を受領していないとしても、請求人の各年分の不動産所得の金額は確定しているから、請求人の主張には理由がない。(平 9. 1.28福裁(所)平 8-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080079
- 裁決年月日
- 平成8年12月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200804110
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/11その他の管理費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物はA社の所有で、これをA社から賃借し、B社に賃貸しており、B社から受け取る賃貸料はA社に支払う賃借料より少額であるから不動産所得の金額は赤字である旨主張する。しかしながら、(1)本件建物について、表示登記はされているが、所有権保存登記はされておらず、その表示登記申請の際の添付書類や本件建物に係る工事請負契約の内容、当該工事の支払状況などをかんがみれば、本件建物の所有者は請求人本人であることが認められること、(2)A社の法人登記はされているものの、同社に係る確定申告書が今まで一度も提出されておらず、同社の活動状況等はもとより、帳簿書類等も確認することができないことから、法人としての実体はないものと認められること、(3)請求人とA社との間の土地賃貸借契約及び建物賃貸借契約は、社会通念上不合理な契約であり、貼付された収入印紙も契約日時点では発行されていないなど、その実体はないものと認められるので、請求人の主張には理由がない。(平 8.12. 6東裁(所)平 8-79)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080048
- 裁決年月日
- 平成8年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802029
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所基通36−5の(2)によれば、訴訟により供託されている賃貸料相当額については、その判決若しくは和解があるまでは収入として計上しないことができるから、本件賃貸料は収入に計上する必要はない旨主張するが、(1)訴訟及び反訴は土地及び建物の所有権の帰属について争われているものであって借主との間の賃貸借契約の存否等について争われているものとは認められないこと、(2)借主との間の賃貸借契約はなお有効に存続していることが認められることから、本件賃貸料は不動産所得の総収入金額に算入されるべきであり、請求人の主張は採用することができない。(平 8.10.29東裁(所)平 8-48)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080013
- 裁決年月日
- 平成8年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804050
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/5減価償却費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡したアパートの取得価額の算定に当たり、請負金額に旧建物の購入価額及び取壊費用を加算すべきである旨主張するが、所令第126条第1項の規定によりアパートの購入の代価及びこれを業務の用に供するために直接要した費用には該当せず、またこれらを取得価額とすべき別段の定めもないから、取得価額に算入することはできない。また、請求人は、請負金額と実際の支払額との差額は損害賠償金であるから値引きではない旨主張するが、請負代金の未払金をめぐる和解内容から検討すると、請求人が主張する損害賠償金であると認めるべき記述はないことから、単に値引きがあったと認めるのが相当である。したがって、アパートの取得に際し、実際に支払った金額が取得価額となる。(平 8.10.15関裁(所)平 8-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080035
- 裁決年月日
- 平成8年9月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物の賃貸に際して賃借人から受領した敷金のうち家賃の1か月相当分である本件金額について、賃貸期間満了時又は合意解約時でなければ返還を要しないことが確定しないから、平成4年分の不動産所得の収入金額とはならない旨主張するが、賃貸借契約書の記載によれば、本件金額は、賃貸期間満了又は合意解約のいずれの場合においても、返還を要しない金員であると認められ、賃貸借契約を締結して同金員を受領した時点において収入すべき権利が確定したものと解されることから、本件金額は請求人が、賃借人と契約し、敷金を受領した平成4年分の不動産所得の総収入金額に算入するのが相当である。(平 8. 9.24東裁(所)平 8-35)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080026
- 裁決年月日
- 平成8年7月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200804150
- 争点
- 8不動産所得/4必要経費/15青色事業専従者給与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No52・41ページ
要旨
○ 請求人は、本件建物に係る賃貸収入は1,500万円以上あり、本件建物の二階部分を貸し付ければ3,000万円以上の収入を得られる可能性があることなどを理由として、本件建物の貸付けは事業的規模であるから青色事業専従者給与の必要経費算入は認められるべきである旨主張するが、(1)貸付不動産は、本件建物のみで、その貸付先は1社のみであること、(2)請求人等の役務の提供は極めてきん少であると認められること、(3)本件建物の修理等は専ら賃借人が行っていること等を総合勘案して判断すると、本件建物に係る賃貸収入が1,500万円以上あったとしても、本件建物の貸付けは、社会通念上事業と称するに至る程度のものとは認められないとみるのが相当であり、青色事業専従者給与の必要経費算入は認められない。(平 8. 7.31東裁(所)平 8-26) 裁決事例集No52・41ページ
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