裁決要旨 13譲渡所得
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令070015
- 裁決年月日
- 令和7年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の事業(本件事業)の譲渡契約(本件契約)による譲渡対価(本件金員)は、本件契約により、承継人に対し、有形又は無形の財産を譲渡したことによる対価であり、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する「資産」に該当する事業を譲渡したことによる所得であることから、譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件契約及び本件契約に基づき締結された事業用建物等に係る賃貸借契約(本件賃貸借契約)は、当該各契約に係る作成の経緯や一見した内容からすれば営業権の譲渡を意図したことがうかがわれるものの、当該各契約の具体的な条項等に基づき検討すると、当該各契約の内容は、請求人の作為又は不作為を中心とするところに本件金員を対価として支払うというものであって、本件事業の性質や当該各契約によって本件事業の用に供されている高額な評価がなされた物的資産の移転がないことからすれば、有機的一体として機能する財産の全部又は重要な一部を譲渡の目的物にしたというには相当の疑問が残ることから、当該各契約によって、請求人が承継人に対して本件事業を譲渡したと認定することはできず、本件金員は、譲渡所得の基因となる「資産」の譲渡の対価に該当するとは認められないので、譲渡所得には該当しない。(令7.12.11 名裁(所)令7-15)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令070012
- 裁決年月日
- 令和7年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302019
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の亡母(被相続人)が亡父から相続により取得した各土地(本件各土地)の第三者への売渡しは、被相続人の長男(本件長男)が不実の登記をして行ったものであり、被相続人はその不法行為による損害賠償請求権を取得したにすぎないため、被相続人に本件各土地の譲渡による所得は生じていない旨主張する。しかしながら、①被相続人は本件長男に対して本件各土地の売買代金相当額の支払を要求していること、②本件長男は被相続人の死亡後に被相続人に本件各土地の譲渡所得が生じたとして被相続人に係る準確定申告書を提出していることなどからすると、被相続人が本件各土地売り渡したと認められる。したがって、本件各土地の譲渡による所得は被相続人に生じたものといえる。(令7.12. 1 名裁(所)令7-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令070013
- 裁決年月日
- 令和7年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302019
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の亡母(被相続人)が亡父から相続により取得した各土地(本件各土地)の譲渡は、登記手続や譲渡に伴う諸経費の支払など全て被相続人の長男(本件長男)名義で行われており譲渡代金も本件長男が取得していることから、被相続人に譲渡所得は生じていない旨主張する。しかしながら、①被相続人は本件長男に対して本件各土地の売買代金相当額の支払を要求していること、②本件長男は被相続人の死亡後に被相続人に本件各土地の譲渡所得が生じたとして被相続人に係る準確定申告書を提出していることなどからすると、被相続人が本件各土地をを売り渡したと認められる。したがって、本件各土地の譲渡による所得は被相続人に生じたものといえる。(令7.12. 1 名裁(所)令7-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令070006
- 裁決年月日
- 令和7年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303035
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/5低額譲渡の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が譲渡した建物等(本件建物)に係る信託受益権(本件受益権)の譲渡の時における価額について、①原処分庁の依頼により作成された不動産鑑定評価書(本件鑑定評価書)では、対象不動産の類型を「借地権付建物」とした上で、本件建物の価額を算出しているところ、原価法における借地権(本件借地権)の価額の算定根拠等が不合理であるから、本件鑑定評価書に係る鑑定評価額(本件鑑定評価額)は時価とはいえないこと、②請求人が算定した売買事例による評価額及び請求人の依頼による不動産鑑定評価書等による評価額が、本件鑑定評価額を著しく下回ることから、財産評価基本通達に基づき評価した相続税評価額によるべきである旨主張する。しかしながら、①本件鑑定評価書は不動産鑑定評価基準により本件建物及び本件借地権の価額を評価したものであり、その算定過程における資料の収集、評価の方法その他において不動産鑑定評価の手法を逸脱するような不合理な点はうかがわれず、本件借地権を権原とする本件建物が存する場合における借地権付建物としての類型により、借地権割合の算定過程も不動産鑑定評価基準等の考え方に即した合理的なものであること、②請求人が主張する算定方法はいずれも本件建物に係る本件受益権の譲渡の時における価額を算定するには適してないことに加え、相続税及び贈与税に対する課税と譲渡所得に対する課税では対象及び目的を異にするものであり、本件建物に係る相続税評価額は採用できない。したがって、本件鑑定評価額をもって本件受益権の譲渡の時における価額としたことについて合理性が認められる。(令7. 9. 3 名裁(所)令7-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060280
- 裁決年月日
- 令和7年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.139
要旨
○ 請求人は、①売却した車両(本件車両)は、請求人が専ら観賞用に取得し、メンテナンスをせずに製造当時の状態のまま保管していたことなどから、自動車の本来の効用を果たさなかったことが客観的に明らかであること、②本件車両は、希少価値を有し、かつ、代替性のないものであること及び③本件車両のようなスーパーカーはその希少性に基づく価格がその価値として定着し、著しく高い価格で取引されることが社会通念化していることから、本件車両は、所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》第2項に規定する「使用又は期間の経過により減価する資産」に該当しない旨主張する。しかしながら、①車両の機能は、経年や使用によって一般的・類型的に逓減すること、②本件車両の価格は、その希少性だけでなく自動車本来の機能にも価値が置かれて形成されていることは明らかであること及び③本件車両は製造から28年程度しか経過しておらず、本件車両と同種の車両の価格推移は未だ不確定な面があることからすると、鑑賞以外の実用的な目的又は機能が想定される本件車両が、「骨とう」に類するといえる程度の長期間を経てもなお確立した高い価値を維持しているような場合に当たると解することはできず、その価値が、当該類型の資産に求められる本来的な目的・効用とは異なる面に置かれていることが社会通念上確立しているといえるような例外的な場合には該当しないから、本件車両は「使用又は期間の経過により減価する資産」に該当する。(令7. 6.24 東裁(所)令6-280)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060125
- 裁決年月日
- 令和7年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一般口座において保有していた株式(既存株式)と同一銘柄の株式を別の一般口座において取得した後、当該取得株式の数と同数の株式を譲渡した場合の譲渡所得の金額の計算上控除する取得費の計算について、当該取得及び譲渡に係る取引は既存株式とは完全に区分されているなどとして、総平均法に準ずる方法により計算すべきでない旨主張する。しかしながら、法令は、当該取得及び譲渡した株式が個別に区分、管理されていたか否かにかかわらず、2回以上にわたって取得した同一銘柄の有価証券の取得費につき総平均法に準ずる方法によって計算する旨規定しており、個別事情の有無等を考慮してその適用を認めるものではないところ、請求人は、一般口座において2回以上にわたって取得された同一銘柄の有価証券の一部を譲渡していることから、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、総平均法に準ずる方法によって計算すべきである。(令7. 2.21 東裁(所)令6-125)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令060017
- 裁決年月日
- 令和6年11月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306100
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/10和解金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺留分減殺請求に基づく価額弁償金(本件和解金)の支払により、相続により取得した土地及び建物(本件不動産)の処分禁止仮処分命令(本件仮処分命令)の申立てに係る仮処分命令申立事件が取り下げられ、本件仮処分命令が残存したままでは実現できなかった本件不動産の売買が実現したのであるから、本件和解金は、客観的に見て本件不動産の譲渡(本件譲渡)を実現するため必要な費用である旨主張する。しかしながら、本件和解金は、本件不動産の所有権の一部に係る返還義務の履行に代わる価額弁償金であるから、飽くまで請求人の譲受人(本件譲受人)に対する当該価額弁償金の支払債務を消滅させるために必要な支払であったにとどまり、仮に請求人が本件不動産を売却せず継続して所有することを選択したとしても、請求人が相応の価額弁償金を本件譲受人に支払うことは免れなかったのであるから、価額弁償金である本件和解金の支払が本件譲渡の前提であったともいえない。したがって、本件和解金は、本件譲渡を実現するために客観的に見て必要な費用であったとはいえず、本件譲渡に係る譲渡所得に金額の計算上控除される譲渡費用には該当しない。(令6.11.12 関裁(所)令6-17)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050050
- 裁決年月日
- 令和6年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父(本件被相続人)が株式譲渡をした外観が存在するとしても、本件被相続人は当該株式譲渡の各契約(本件各契約)に関与しておらず、本件各契約は不存在であるか、又は、本件被相続人は、本件各契約の当時、意思無能力であったから、本件各契約は無効であるなどと主張する。しかしながら、本件各契約は、請求人の兄が本件被相続人に代わって本件被相続人の記名押印をする方式によって顕名をした上で、本件各契約を締結したものとみるのが相当であり、請求人の兄を意思表示の主体とする本件各契約が存在する以上は、本件各契約が不存在であるとはいえず、また、本件被相続人が本件各契約の当時、意思無能力であったとは認められないから、本件各契約が本件被相続人の意思無能力により無効であるとはいえない。もっとも、本件被相続人による請求人の兄への代理権の授与の事実は認められないから、本件各契約は、請求人の兄による無権代理行為によるものと認められ、本件被相続人に対してその効力を生じない。(令6. 5.28 大裁(所)令5-50)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050050
- 裁決年月日
- 令和6年5月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302990
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父(本件被相続人)を譲渡人とする株式の譲渡(本件各譲渡)に係る契約(本件各契約)が本件被相続人の意思無能力により無効である場合、本件各契約における譲受人たる法人からの譲渡代金(本件各譲渡代金)の振込みは、民法第705条《債務の不存在を知ってした弁済》の非債弁済に当たり、本件被相続人は当該譲受法人に本件各譲渡代金を返還しなくてもよいのであるから、経済的成果が消失していないことを理由に課税するのは著しく不当である旨、また、たとえ本件各譲渡に係る課税処分が維持されるとしても、それは経済的成果の範囲内である本件各譲渡代金の額の限度においてである旨主張する。しかしながら、本件各契約の当時、本件被相続人が意思無能力であったことは認められないことに加え、所得税は、取得した経済的成果に担税力を認めて課税するものであり、本件被相続人にとって取得した経済的成果である本件各譲渡代金が、本件被相続人又はその相続人らによって返還されておらず、本件各譲渡代金による経済的成果が現実に失われていない以上、本件被相続人は、本件各譲渡代金の返還義務の有無にかかわらず課税されることとなる。また、所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項第2号は、譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合に当該資産についてその時点において生じている増加益の全部又は一部に対して課税できなくなる事態を防止する趣旨のものであるから、本件各譲渡においては、本件各譲渡の対象となった株式の「その時における価額」に相当する金額により資産の譲渡があったものとみなして課税されることとなる。(令6. 5.28 大裁(所)令5-50)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050027
- 裁決年月日
- 令和6年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式売買契約書の内容を確認せずに署名押印したが、当該契約に係る株式を保有していたという認識はなく、当該契約書に係る契約は実体がなく不存在である旨主張する。しかしながら、当該契約書に係る株式は、請求人が従前代表取締役を務めていた会社に係る保有株式が、法人の合併や分割の経過に基づき、保有していたことが認められる。そして、当該契約書は、その成立の真正を疑わせる事情はなく、真正に成立したと認められるから、その記載内容を別異に解すべき特段の事情がない限り、その記載どおりの合意がなされたと認めるべきところ、「株式売買契約書」と題され、株式の銘柄、数量及び約定金額等が記載されているのであるから、これが株式を売買するための契約に係る書面であることは一見して明らかであり、また、当該記載と同じページの下部に請求人が譲渡人として自ら署名押印しているのであるから、その記載を確認することもなく署名押印したなどとは不自然というほかない。以上で述べたほか、当該契約書に係る契約は、その記載内容を別異に解すべき特段の事情があるとは認められないから、その記載内容どおりの合意が成立したものと認めるのが相当であり、実体のない不存在のものであったとは認められない。(令6. 5. 8 名裁(所)令5-27)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050038
- 裁決年月日
- 令和6年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.135
要旨
○ 請求人は、①源泉徴収選択口座に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡所得の金額を申告するに当たり、租税特別措置法第37条の11の3《特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例》第1項が特定口座内保管上場株式等の譲渡による譲渡所得の金額とそれ以外の株式等の譲渡による譲渡所得の金額とを区分して、これらの金額を計算する旨規定したのは、特定口座創設の趣旨等からすれば、投資家の所得計算の負担を軽減するために金融商品取引業者等が計算を代行したにすぎないから、納税者が確定申告において取得費等を含めて譲渡所得の金額を再計算することができる旨、②租税特別措置法関係通達(措置法通達)37の11の3-14《株式等に係る譲渡所得等の課税の特例に関する取扱い等の準用》は計算代行者である金融商品取引業者等の計算等に関する定めであって、納税者が概算取得費を譲渡所得に係る取得費として譲渡所得の金額を計算することは妨げられない旨それぞれ主張する。しかしながら、①特定口座内保管上場株式等の譲渡による譲渡所得の金額の計算上取得費に算入する金額は、当該上場株式等の特定口座への受入れに係る記録を基礎として金融商品取引業者等が固有の計算方法により一元的に計算することが予定されており、②措置法通達37の11の3-14が、概算取得費による取得費を認める旨を定めた措置法通達37の10・37の11共-13《株式等の取得価額》を準用していないのは、特定口座内保管上場株式等の譲渡による譲渡所得の金額の計算に当たり、概算取得費を取得費とすることを認めない趣旨であると解すべきであるから、納税者が源泉徴収選択口座に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡による譲渡所得の金額を申告するに当たり、概算取得費を取得費とすることはできない。(令6. 4.22 関裁(所)令5-38)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令050020
- 裁決年月日
- 令和6年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売買契約に伴って買主から受け取る引渡日以降の期間に対応する固定資産税等の清算金の額(未経過固定資産税等相当額)は、固定資産税等の税負担の不公平を当事者間で合理的に解決するための負担金であって、資産の譲渡の対価ではないため、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、固定資産税等は、その賦課期日である毎年1月1日現在における固定資産の所有者に対して課されるものであり、その年の途中で新たに所有者となった者が当該賦課期日を基準として課される固定資産税等の納税義務を負担することはないのであるから、売買契約を締結するに際してのこれを負担する旨は、実質的には当該固定資産の売買条件の一つにほかならず、その合意に基づいて授受された未経過固定資産税等相当額は、当該固定資産の譲渡に基因し、それと因果関係のある給付といえ、当該固定資産の購入の対価の一部を成すものと認められるから、請求人の譲渡所得に係る総収入金額に算入することが相当である。(令6. 3. 5 名裁(所)令5-20)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050025
- 裁決年月日
- 令和6年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303010
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/1譲渡所得の収入金額の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.134
要旨
○ 請求人は、請求人が譲渡した土地建物(本件土地建物)に課された固定資産税及び都市計画税(固定資産税等)のうち本件土地建物の引渡日からその年の12月31日までの期間に対応する固定資産税等に相当する額(本件未経過固定資産税等相当額)は、売主である請求人に納税義務はなく、本来買主が負担すべきものを請求人が立て替えているにすぎないものであることなどから、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額には算入されない旨主張する。しかしながら、譲渡所得に対する課税の趣旨からすると、資産の譲渡の対価として収入すべき金額については、その名目いかんにかかわらず、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入されるべきであると解するのが相当である。また、固定資産税等は、その賦課期日である毎年1月1日現在における固定資産の所有者に対して課されるものであって、賦課期日後に当該固定資産の所有者に異動が生じたとしても、新たな所有者が当該固定資産のその年の固定資産税等の納税義務を負担するものではないから、本件土地建物の売買契約における固定資産税等の負担及び清算に関する定めは、新たな債権債務関係を発生させる合意内容の一つというべきである。したがって、当該合意に基づいて買主から請求人に支払われた本件未経過固定資産税等相当額は、本件土地建物の譲渡の対価の一部であると認められることから、請求人の譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入されることとなる。 (令6. 2.13 関裁(所・諸)令5-25)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050007
- 裁決年月日
- 令和5年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡父母の居宅であった乙建物及び賃貸用住宅であった丁建物の譲渡(本件譲渡)に当たり、本件譲渡に係る売買契約(本件売買契約)において、これらの建物内の動産を請求人が撤去して引き渡すとされていたから、乙建物内の遺品の片付けに要した費用(本件遺品片付け費用)及び丁建物内に設置されていたエアコンの撤去に要した費用(本件エアコン撤去費用)は、本件譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、控除される譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、資産の譲渡に当たって支出された費用が譲渡費用に当たるかどうかは、現実に行われた資産の譲渡を前提として、客観的にみて、その譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかによって判断すべきものと解されるところ、本件売買契約の特約条項によれば、仮に遺品の片付けやエアコンの撤去がされていなかったとしても、本件譲渡が実現しなかったとは認め難いこと、また、本件遺品片付け費用及び本件エアコン撤去費用の性質から検討しても、客観的にみて本件譲渡を実現するために必要であったとは認められない。したがって、請求人の主張を採用することはできない。(令5. 9.11 大裁(所)令5-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050004
- 裁決年月日
- 令和5年7月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、積立購入していた金地金等(本件各地金)を譲渡したことについて、取得費が原処分庁の認定額より多かったはずであるなどとして、所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する譲渡所得は生じなかった旨主張する。しかしながら、本件各地金の譲渡は、譲渡代金や積立購入の金額などから譲渡益が生じており、その譲渡所得が生じていたことが認められる。(令5. 7. 4 東裁(所)令5-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040094
- 裁決年月日
- 令和5年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が譲渡したD社の株式(本件株式)のうち、①その一部(本件特定株式)は、質権設定により質権を管理する口座へ移管するために請求人の特定口座(E証券請求人特定口座)から払い出されたもので、売却直前に質権が解除されることになっていたものであり、単なる暫定的な措置であるから、特定口座内で譲渡する場合と同視すべきであること、②本件特定株式の質権設定解除による返還は、同種・同等の株式が請求人の口座に戻ってくる点において、租税特別措置法施行令第25条の10の2《特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例》第14項第16号に規定する貸株取引の返還と何ら異なることはないことから、本件株式の譲渡所得の金額の計算上、本件株式のうち本件特定株式の取得費は、F証券の請求人の特定口座に保管されていた本件特定株式をE証券請求人特定口座へ移管した際の取得価額(本件取得価額)とするべきである旨主張する。しかしながら、上記①については、本件株式の譲渡の直前における本件株式を含む請求人の保有するD社の株式は、いずれも特定口座で保管されている株式ではないことから、特定口座における取引とは認められない本件株式の譲渡について、本件株式の譲渡のうち本件特定株式の譲渡を区分して譲渡所得の金額の計算上取得費に算入すべき金額を計算すべき理由はない。また、上記②については、特定口座に保管の委託がされている上場株式等の譲渡をした場合でなければ租税特別措置法第37条の11の3《特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例》第1項の規定の適用はないので、同号の規定を検討しても、本件株式の譲渡に同項の適用はないというべきであるから、請求人の主張には理由がなく、本件株式の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上取得費に算入すべき金額は、本件取得価額を含むD社株式の各取得価額を基に総平均法に準ずる方法により計算した価額(1株当たりの金額)に、本件株式の株数を乗じて計算した金額となる。(令5. 3.14 東裁(所)令4-94)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令040069
- 裁決年月日
- 令和5年1月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303039
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、個別通達「消費税法等の施行に伴う所得税の取扱いについて」の5の免税事業者である個人事業者が税込経理方式による旨の取扱いは、小売業や不動産業のように継続的な取引をする事業者(継続事業者)にのみ適用され、非継続的な取引を行った事業者(非継続事業者)には適用されないものと解すべきことから、非継続事業者である請求人が取得した消費税等相当額の金銭等は所得には当たらないとして、請求人が行った資産の譲渡(本件譲渡)に係る譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべき金額は、消費税等相当額を含まないものとなる旨主張する。しかしながら、免税事業者が取得した消費税等相当額の金銭等は、国に対して消費税等の納付義務を負わず、当該免税事業者の所得に当たることから、請求人が主張するように継続事業者である場合と非継続事業者である場合を区別すべき理由はなく、請求人は免税事業者である個人事業者であるから、本件譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべき金額は、消費税等相当額を含むものとなる。(令5. 1.12 東裁(所)令4-69)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040018
- 裁決年月日
- 令和4年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一般社団法人(本件社団法人)に対する取引相場のない各株式(本件各株式)の各譲渡(本件各譲渡)に係る譲渡所得の計算において、所得税基本通達59-6《株式等を贈与等した場合の「その時における価額」》の定めは、原則的な取扱いであり、純然たる第三者間において種々の経済性を考慮して決定された価額により取引されたと認められる場合には、当該取引の価額を譲渡の時の時価とするのが相当であるから、本件各譲渡における各譲渡価額(本件各譲渡価額)は、本件各譲渡の時における本件各株式の時価である旨主張する。しかしながら、本件各譲渡価額は、請求人と本件社団法人との間の価額交渉により決定されたものではないことや、本件社団法人の設立に請求人が関与していることなどから、本件各譲渡の時における本件各株式の時価とは認められない。 (令4.11.21 関裁(所)令4-18)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040019
- 裁決年月日
- 令和4年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一般社団法人(本件社団法人)に対する取引相場のない株式(本件株式)の譲渡(本件譲渡)に係る譲渡所得の計算において、所得税基本通達59-6《株式等を贈与等した場合の「その時における価額」》の定めは、原則的な取扱いであり、純然たる第三者間において種々の経済性を考慮して決定された価額により取引されたと認められる場合には、当該取引の価額を譲渡の時の時価とするのが相当であるから、本件譲渡における譲渡価額(本件譲渡価額)は、本件譲渡の時における本件株式の時価である旨主張する。しかしながら、本件譲渡価額は、請求人と本件社団法人との間の価額交渉により決定されたものではないことや、本件社団法人の設立に請求人が関与していることなどから、本件譲渡の時における本件株式の時価とは認められない。(令4.11.21 関裁(所)令4-19)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令040020
- 裁決年月日
- 令和4年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一般社団法人(本件社団法人)に対する取引相場のない株式(本件株式)の譲渡(本件譲渡)に係る譲渡所得の計算において、所得税基本通達59-6《株式等を贈与等した場合の「その時における価額」》の定めは、原則的な取扱いであり、純然たる第三者間において種々の経済性を考慮して決定された価額により取引されたと認められる場合には、当該取引の価額を譲渡の時の時価とするのが相当であるから、本件譲渡における譲渡価額(本件譲渡価額)は、本件譲渡の時における本件株式の時価である旨主張する。しかしながら、本件譲渡価額は、請求人と本件社団法人との間の価額交渉により決定されたものではないことや、本件社団法人の設立に請求人の両親が関与していることなどから、本件譲渡の時における本件株式の時価とは認められない。(令4.11.21 関裁(所)令4-20)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040002ほか 1件
- 裁決年月日
- 令和4年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306200
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/20コンサルタント料、譲渡交渉費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地(本件土地)の譲渡と出資持分(本件出資持分)の譲渡に際して併せて支払った手数料のうち、当該各譲渡に係る収入金額によってあん分した金額が、本件土地の譲渡費用に当たる旨を主張する。しかしながら、当該手数料の金額は、収入金額によらず、別途評価された本件土地の価額と本件出資持分に係る法人の総資産の価額の合計額を基礎として算定されていることから、本件土地の譲渡に係る譲渡費用となる金額は、当該合計額に本件土地の価額が占める割合によって算定するのが合理的であるため、収入金額によってあん分した金額によるべきとする請求人の主張には理由がない。(令4.11. 1 仙裁(所)令4-2)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令030010
- 裁決年月日
- 令和4年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304026
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/6相続、贈与の場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡した土地(本件土地)の共有持分の贈与を受けた際に支払った贈与税(本件贈与税)について、不動産取得税が取得費として控除されるのであれば、本件贈与税も取得に要した金額であるから、不動産取得税と同様に本件土地の譲渡所得の金額の計算上、取得費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、受贈者が贈与者から資産を取得するために通常必要と認められる費用を支出しているときは、「資産を取得するための付随費用」として受贈者の資産の保有期間に係る増加益の計算において、所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》第1項に規定する「資産の取得に要した金額」として収入金額から控除されるところ、贈与税は、一定の経済的価値の流入に対してのみ課税される租税であるから、贈与の際に支出される資産を取得するために通常必要と認められる費用ということはできない。また、不動産取得税は、不動産の所有権の取得の事実に着目して課される租税であり、地方税法に定めのない限り、有償であるか無償であるか、形式的な所有権の取得であるか実質的な所有権の取得であるかを問わず、私法上の不動産の所有権の取得が全て課税原因となるものであり、不動産の贈与を受けた際に支出される当該不動産を取得するために通常必要と認められる費用ということができるから、当該不動産を取得するための付随費用と認められ、贈与税とはその性質を異にする。したがって、本件贈与税は、本件土地を取得するために通常必要と認められる費用ということはできないから、本件土地の取得費に算入することはできない。(令4. 6.28 熊裁(所)令3-10)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令030005ほか 2件
- 裁決年月日
- 令和4年6月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件における取引相場のない株式(本件株式)の譲渡における価額(本件譲渡価額)について、所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項第2号に規定する「著しく低い価額」に当たるとして原処分をしたことに対して、本件株式の譲渡に係る諸事情を参酌すれば、本件譲渡価額は、同項に規定する「その時における価額」に該当するものであるから、本件株式の譲渡の時における価額を財産評価基本通達(評価通達)の例により算定すべきではない旨主張する。しかしながら、請求人が主張する諸事情は、いずれも不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額の検討において参酌することが相当なものとはいえず、本件譲渡価額が本件株式の譲渡の時における「その時における価額」であるとは認められない。一方、所得税基本通達(所基通)59-6《株式等を贈与等した場合の「その時における価額」》の定めに基づく評価通達の例による算定方式は一定の合理性を有するものと認められるところ、本件においては、評価通達の例による算定方式によっては、本件株式の譲渡の時点において請求人の下に生じている増加益を適切に算定することができないような特別の事情があることはうかがわれず、そのほかに、本件株式の譲渡の時における価額を評価通達の例により算定することを不相当とするような事情は認められない。よって、譲渡所得課税の趣旨に沿った本件株式の評価方法という観点からみて、本件譲渡価額が所得税法第59条第1項第2号に規定する「著しく低い価額の対価」であるか否かを判断するに当たり、本件株式の譲渡の時における「その時における価額」について、所基通59-6の定めに基づき評価通達の例により算定することには合理性が認められる。(令4. 6.23 沖裁(所)令3-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令030005
- 裁決年月日
- 令和4年6月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が譲渡(本件譲渡)した取引相場のない株式(本件株式)の本件譲渡の時における価額を財産評価基本通達(評価通達)の例によって類似業種比準価額及び純資産価額を併用して算定するに当たり、それぞれの1株当たりの価額に乗じる割合がいずれも0.50と定められているところ、本件株式の発行会社(本件法人)が関連会社を吸収合併したことにより、本件法人の会社実態が変化し、比準3要素のうち1株当たりの①配当金額及び②年利益金額の2要素について適切な数値と認められないことから、評価通達189《特定の評価会社の株式》(1)に定める比準要素数1の会社に準じて、当該割合を0.25及び0.75として評価すべき旨主張する。しかしながら、吸収合併により本件法人の会社実態に顕著な変化があったとは認められず、また、比準3要素のうち2要素について適切な数値と認められないというべき事実もないことから、比準要素数1の会社に準ずる理由がないため、類似業種比準価額及び純資産価額を併用して算定するに当たり、それぞれの1株当たりの価額に乗じる割合は、いずれも0.50として評価することが相当である。(令4. 6.23 沖裁(所)令3-5)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 令030007ほか 1件
- 裁決年月日
- 令和4年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が譲渡(本件譲渡)した取引相場のない株式(本件株式)の類似業種比準価額の計算における1株当たりの利益金額について、本件株式の発行会社(本件法人)が本件譲渡の前々事業年度に関連会社を吸収合併したことによる影響があるため、当該事業年度の利益金額は計算の基礎とすべきではなく、本件譲渡の前事業年度の利益金額のみをもって計算すべき旨主張する。しかしながら、本件法人は、上記関連会社との会社規模の差等から会社実態に顕著な変化があったとは認められず、また、売上総利益率が低下したとしても、これが当該関連会社を吸収合併したことのみに起因するものであると断定することはできない。したがって、類似業種比準価額の計算における1株当たりの利益金額について、本件譲渡の前事業年度の利益金額のみをもって計算すべき理由はない。(令4. 6.23 沖裁(所)令3-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令030048
- 裁決年月日
- 令和4年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303039
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その譲渡した各土地(本件各土地)について、①本件各土地は、請求人が代表取締役を務める同族会社(本件法人。請求人と併せて、請求人らという。)による借地権(本件借地権)の負担のある土地であること、②無償返還届出書が提出されている場合であっても、本件各土地及び本件借地権は請求人らによる共同売却(本件共同売却)により第三者に譲渡され、本件借地権は譲受人において混同により消滅したものであり、譲渡に先立ち請求人に無償返還されたものではないこと、③譲渡所得の金額の計算においても、無償返還届出書に係る貸宅地の評価は、法令解釈通達「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(相当地代通達)8を参考に自用地としての評価額の80%相当額となることは裁判例でも明らかであることなどを理由として、本件共同売却に先立ち請求人らの間で交わされた合意のとおり、請求人には譲渡価額の80%相当額が帰属し、譲渡価額の20%相当額は、本件借地権の譲渡対価として本件法人に帰属する旨主張する。しかしながら、譲渡所得の総収入金額は、資産の増加益の具体化された対価たる性格を有する金額と解するのが相当であるところ、借地権の価額は、主として借地権の目的たる土地の効用価値に相当する価額と実際に負担する地代等の額の差額に相当する経済的利益に基づいて決定されるものと解され、借地権の増加益も当該経済的利益に基づくものと解される。無償返還届出に係る一連の定め(法人税基本通達13-1-3、同通達13-1-7、同通達13-1-14、相当地代通達3、同通達5及び所得税基本通達59-5)を考慮すれば、無償返還届出書の提出に係る借地権は、明白な事情のない限り、これが譲渡されることによって、当該借地権に係る増加益が借地人の下で具体化されることを予定しておらず、本件において明白な事情の存在は認められないから、請求人らによって無償返還届出書の提出された本件借地権に係る増加益は、借地人である本件法人には帰属せず、本件各土地の所有者である請求人に帰属すると解するのが相当であり、本件各土地の譲渡価額の全額をもって、請求人の譲渡所得における総収入金額とすべきである。(令4. 6.23 大裁(所)令3-48)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030107
- 裁決年月日
- 令和4年4月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201306200
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/20コンサルタント料、譲渡交渉費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、上場株式(本件株式)の譲渡(本件譲渡)に関し提供された業務に対する報酬(本件報酬)は、本件譲渡に係る対価の決定にどの程度影響を及ぼしたのかは明らかではないことなどから、客観的に見て本件譲渡を実現するために必要であったとは認めることはできず、本件報酬は本件譲渡に係る譲渡費用に該当しない旨主張する。しかしながら、本件報酬は、本件株式の売却先の探索という役務に対する報酬であり、客観的に見て本件譲渡を実現するために必要であったものといえる。したがって、本件報酬は本件譲渡に係る譲渡費用に該当する。(令4. 4.19 東裁(所)令3-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030107
- 裁決年月日
- 令和4年4月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が上場株式(本件株式)の譲渡をした際に法人(本件法人)に支払った本件株式の一部(本件対象株式)の転売益相当額(本件差額金)は、本件株式の譲渡に係る譲渡費用には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件法人から本件対象株式の対価の支払を受けることと引換えに本件対象株式を本件法人に譲渡する義務を負っていたところ、本件差額金を本件法人に支払うことによって、同義務を免れ、本件対象株式を含む本件株式の譲渡を行うことができたものということができるから、本件差額金は、客観的に見て本件株式の譲渡を実現するために必要であったといえる。したがって、請求人が支払った本件差額金は、本件株式の譲渡に係る譲渡費用に該当する。 (令4. 4.19 東裁(所)令3-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030107
- 裁決年月日
- 令和4年4月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡をした上場株式(本件株式)の当該譲渡の時点における真実の所有者は法人(本件法人)であって、本件株式の譲渡益相当額も本件法人に支払われ、本件法人の法人税の課税対象とされていることから、本件株式の譲渡(本件譲渡)に係る収益は、請求人に帰属しない旨主張する。しかしながら、本件法人は請求人に対して本件株式の取得に係る対価の支払をしておらず、本件株式について請求人名義の証券口座から本件法人名義の証券口座に振り替えられた事実も認められないことなどからすれば、本件譲渡の時点における本件株式の権利者は請求人であったものと認められる。そして、請求人が本件譲渡の契約をし、本件譲渡の対価(本件譲渡価額)が請求人名義の預金口座に振り込まれ、本件株式が請求人名義の証券口座から本件譲渡の譲受人名義の証券口座に振り替えられているから、請求人は、請求人が有する本件株式を本件譲渡価額で譲渡したものといえ、本件譲渡に係る収益は、請求人に帰属する。 (令4. 4.19 東裁(所)令3-107)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030024
- 裁決年月日
- 令和4年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①仮に本件各建物の耐用年数が4年であるとすると、平成28年分及び平成29年分の不動産所得の金額の計算上生じる損失は、租税特別措置法第41条の4の2《特定組合員等の不動産所得に係る損益通算等の特例》が適用され、生じなかったものとみなされるにもかかわらず、当該損失の金額が譲渡所得の金額の計算上控除する取得費から控除されると、結果的に二重課税となること、及び②令和2年度の税制改正において租税特別措置法第41条の4の3《国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例》の規定が新設されたことからすれば、不動産所得の金額の計算上生じないこととされた損失の額は、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費の額から控除しないこととすべきである旨主張する。しかしながら、①令和2年以前は、不動産所得の金額の計算上生じなかったものとみなされた損失の額を譲渡所得の金額の計算上控除する取得費から控除しない旨の規定はなく、②租税特別措置法第41条の4の3は、令和3年以後に国外中古建物を譲渡した場合に適用されるものであることから、請求人の主張に理由はない。(令4. 2. 1 名裁(所)令3-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030020
- 裁決年月日
- 令和4年1月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、国外不動産の譲渡に係る譲渡所得の金額について、外貨建てで計算した場合は所得が生じていないこと及び請求人は当該不動産を譲渡して得た外貨をいまだ日本円に交換していないことを理由に、当該不動産に係る取得や譲渡などの各取引(本件各取引)を円換算して譲渡所得の金額の計算をすべきではない旨主張する。しかしながら、本件各取引はいずれも所得税法第57条の3《外貨建取引の換算》第1項に規定する「外貨建取引」に該当し、外貨建取引はその取引を行った時の為替相場により譲渡所得の金額を計算することとされており、譲渡所得の趣旨が、資産が譲渡によって所有者の支配を離れることを機会に資産の取得時と譲渡時の客観的価値の増差分を清算して課税することであることからしても、外貨のまま計算した場合に所得が生ずるか否か、外貨から日本円に交換済みであるか否かにかかわらず、譲渡所得の金額は、同項の規定により、本件各取引を行った時の為替相場により円換算して計算すべきである。(令4. 1.12 名裁(所)令3-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030044
- 裁決年月日
- 令和3年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302013
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/3代物弁済による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、医師による医学意見書の見解からすると、請求人の父(本件被相続人)が、本件被相続人を担保提供者とする代物弁済予約契約(本件契約)の締結時に意思能力を欠いていたことが認められ、本件契約の内容は本件被相続人の意思に沿うものではないことから、本件契約は無効である旨主張する。しかしながら、意思能力の有無については、医学的要素と法的要素の組合せにより判断されることになるところ、医学的要素については、本件契約の締結時に本件被相続人の認知機能が低下していたことが意思能力を欠くと評価されるほど重度のものかどうかについて、医療の専門家の間でも見解が分かれている状況にあるものの、改訂長谷川式簡易知能評価スケールやミニメンタルステート検査の点数などから、本件被相続人は成年後見を付する必要がある程度ではなかったものと認められる。また、法的要素については、本件契約の内容は、法律的な思考や判断等を必要とするもので、平易なものとはいえず、根抵当権の極度額が高額で負担の程度が小さいものとはいえないものの、本件契約の締結に至る経緯や、本件被相続人が本件契約を締結した理由を踏まえると、本件契約の締結は、本件被相続人の意思に沿うものであったと認められ、加えて、本件契約は、弁護士が本件被相続人に本件契約の内容を確認させながら手続が行われていたことも踏まえると、本件被相続人は、本件契約の意味内容を理解した上で締結したものと認められる。したがって、本件被相続人は、本件契約の締結時において、本件契約により自己が負担すべき義務の意味内容を理解する能力があったといえるから、意思能力を欠いていたとは認められず、本件契約は有効に成立していたものと認められる。(令3.12.16 東裁(所)令3-44)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030044
- 裁決年月日
- 令和3年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302049
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父(本件被相続人)が代物弁済予約契約(本件契約)により担保提供をした不動産(本件不動産)の所有権移転登記は完了していないので、代物弁済契約は成立していないか、又は少なくとも効力は発生していないとして、本件不動産の所有権は移転しておらず、譲渡があったと認めることはできない旨主張する。しかしながら、代物弁済契約に基づく資産の譲渡に係る収入すべき権利の確定時期は目的物件の所有権が移転したときであるところ、本件契約に係る契約書には、本件被相続人が死亡したときは、その死亡を停止条件として、本件不動産の所有権は、債権者に対し、代物弁済として移転するものとする旨定められており、これは、本件被相続人の死亡の時点を不確定期限として定めた契約といえ、そうすると、本件契約は、本件被相続人が死亡した日(本件相続開始日)に条件が成就してその期限が到来し、本件不動産の所有権が債権者に移転したものと認められるから、本件相続開始日に、本件不動産の譲渡に係る収入すべき権利が確定したと認めるのが相当である。したがって、本件相続開始日において、所得税法第33条《譲渡所得》に規定するところの資産の譲渡があったと判断するのが相当である。(令3.12.16 東裁(所)令3-44)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020028
- 裁決年月日
- 令和3年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡した各土地(本件譲渡土地)の譲渡所得の金額の計算上控除する取得費について作成された取得価額引継整理票(本件各整理票)は、①原処分庁内部において内容を修正等することも、改めて作成することも可能であったこと、②適切な確認調査がされずに作成された可能性もあること、③請求人の父(亡父)の所得税の確定申告書が証拠として提出されておらず、その内容が真偽不明であることなどから、本件譲渡土地は、亡父が租税特別措置法(昭和60年法律第7号による改正前のもの)第33条《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》(本件代替特例)の適用を受けて取得された代替資産ではない旨主張する。しかしながら、本件各整理票は、当時の資産税事務の取扱いを定めた資産税事務提要に定める様式を用いて、当該事務提要に定める記載要領等に従って作成されたものであり、その裏面に貼付された売買契約書の別紙とみられる書面は、原処分庁職員が、本件父が本件代替特例を適用したことを受けて実施した確認調査の結果に基づいて職務上作成したものと認めるのが相当であり、本件各整理票の記載内容、当時の法令の規定及び課税上の取扱いなどを踏まえれば、本件譲渡土地は、亡父が本件代替特例を適用したことを受けて取得された代替資産であると認られる。(令3. 5.21 関裁(所)令2-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020075
- 裁決年月日
- 令和3年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302014
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/4財産分与による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、離婚による財産分与は既に夫婦が実質的に共有していた全財産の分割に伴う名義の変更にすぎないから「資産の譲渡」に該当せず、また、請求人は請求人のした財産分与(本件財産分与)により相手方から金銭を取得しておらず、本件財産分与によって請求人に経済的利益が生ずることもないから、請求人に譲渡所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額はなく、本件財産分与により請求人に譲渡所得が生じたとはいえない旨主張する。しかしながら、所得税法第33条《譲渡所得》第1項にいう「資産の譲渡」とは、有償無償を問わず資産を移転させる一切の行為をいい、夫婦の一方の特有財産が離婚に伴う財産分与として他方に分与され、当該他方がそれを取得する場合には、当該一方の特有財産が当該他方の有する財産となるため、そこに資産の移転、すなわち資産の譲渡が存することは明らかであるから、離婚に伴う財産の分与は、同項に規定する「資産の譲渡」に該当し、また、金銭の授受がなくても、経済的利益を享受する場合には、その経済的利益の価額は所得税法第36条《収入金額》第1項に規定する「収入すべき金額」となり、財産分与の義務の消滅は、それ自体一つの経済的利益ということができるから、離婚に伴う財産分与をした者は、これによって分与義務の消滅という経済的利益を享受し、当該経済的利益の価額は、分与者の「収入すべき金額」となる。したがって、離婚に伴う財産分与をした者には、所得税法第33条第1項に規定する譲渡所得が生じるから、本件財産分与により請求人の特有財産を相手方に分与した請求人には、同項に規定する譲渡所得が生じたといえる。(令3. 4.22 東裁(所)令2-75)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令020019
- 裁決年月日
- 令和3年4月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有していたマンション(本件マンション)を譲渡し、分離短期譲渡所得として申告したところ、確定申告の指導担当職員から、取得の日の選択について適切に説明等を受けていれば、売買契約日を選択したのであるから、本件マンションの譲渡に係る所得区分は分離長期譲渡所得である旨主張する。しかしながら、請求人は、譲渡所得の内訳書に本件マンションの購入年月日を引渡しがあった日と記載し、これを所得税等の確定申告書に添付していることから、資産の引渡しがあった日を本件マンションの取得の日として申告したものと認められる。そうすると、本件マンションの譲渡は、所有期間が5年を超えるものの譲渡に当たらないから、当該譲渡に係る所得区分は分離長期譲渡所得に該当しない。なお、申告納税制度の下では、仮に、指導担当職員から取得の日の選択についての説明等がない場合であっても、請求人の適正な申告義務が免れるものではない。(令3. 4. 2 仙裁(所)令2-19)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令020016
- 裁決年月日
- 令和3年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306150
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/15建物の収去費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成30年に行った土地(本件土地)の譲渡(本件譲渡)に関し、更地にすれば本件土地の売買条件が有利になるなどと考えて本件土地の上にあった2棟の建物の取壊し(本件取壊し)を行ったことなどから、本件譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、本件取壊しに係る費用(本件費用)は譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、本件取壊しは建物の老朽化等に起因して行われたものと判断するのが合理的であるし、本件取壊しは、平成25年に行われたものであって、現実に行われた本件土地の売買契約及び媒介契約の前提又は内容になっておらず、客観的に見て本件譲渡を実現するために本件費用が必要であったなどとは認められないから、本件費用は、譲渡費用に該当しない。(令3. 2.25 関裁(所)令2-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020036
- 裁決年月日
- 令和3年2月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302016
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/6競売による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、平成28年中に死亡した被相続人の相続人であり、被相続人が所有していた土地(本件土地)が強制競売(本件強制競売)により売却された後、同人が死亡したのであるが、請求人らは、本件土地は、誤った判決(本件判決)に基づいて本件強制競売に付され、盗られたというべきものであり、また、被相続人の弟(弟)が強制競売の申立てをし、弟及び配当要求をした弟の妻(弟ら)が配当を受けたものであって、被相続人が売却して所得を得たものではないから、被相続人には譲渡所得は発生していない旨主張する。しかしながら、請求人らは本件判決の内容の誤りを主張するにすぎず、本件強制競売の手続は、有効に成立した本件判決を債務名義として適法に行われたと認められるのであり、本件強制競売の手続が無効であることをうかがわせる事情は認められず、本件土地の所有権移転の効果を妨げる事情は認められない。また、本件強制競売による本件土地の売却代金は、本件判決に表示された金銭債権の債務者である弟らに配当されているところ、当該配当手続によって、本件判決に表示された被相続人の債務はその限度で消滅し、被相続人は当該債務の消滅という利益を享受するのであるから、被相続人が本件土地の譲渡による所得を得ていないとはいえない。(令3. 2. 9 大裁(所)令2-36)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 令020003
- 裁決年月日
- 令和3年2月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、事業用資産である土地及び建物(本件譲渡資産)の譲渡に係る譲渡所得の計算において、本件譲渡資産を不動産所得を生ずべき事業の用に供していた年分の必要経費に計上していなかった金額(本件支出金額)を取得費として控除すべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張する本件支出金額は、①不動産所得の必要経費として更正の請求の期限までに是正を求めなかったもの、②所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》第2項の規定により、取得費から控除するとされている減価償却費の累積額、③継続的な役務提供の対価としての性質を持ち不動産所得の必要経費とされるべきもの、④租税特別措置法(平成26年法律第10号による改正前のもの)第41条の4《不動産所得に係る損益通算の特例》第1項の規定により、総所得金額の計算において所得税法第69条《損益通算》の規定の適用はないものとされる損失額等であることが認められる。したがって、譲渡所得の金額の計算上、本件支出金額を取得費として控除することはできない。(令3. 2. 1 福裁(所)令2-3)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令020003
- 裁決年月日
- 令和2年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305020
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/2登記費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、土地建物等の譲渡に要した根抵当権抹消登記費用(本件費用)は、その支払根拠が契約書類等で明らかであり、支払の事実が存在すれば、譲渡所得の金額の計算上控除する譲渡に要した費用として認めるべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する資産の譲渡のために要した費用とは、資産の譲渡のために通常必要となる直接の費用及び当該資産の譲渡の価額を増加させるために当該譲渡に際して支出した費用を指すものと解されるところ、一般に、根抵当権の抹消登記手続は、根抵当権設定契約の解除などに付随して根抵当権が消滅したことを明らかにするために行われるものであり、それ自体で不動産の譲渡価格を増加させるために支出されたものとは評価できず、その費用は譲渡物件の譲渡のために直接かつ通常必要な費用には当たらないというべきであるから、本件費用は、譲渡所得の金額の計算上控除すべき譲渡に要した費用に該当しない。 (令2.12.15熊裁(所)令2-3)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令020003
- 裁決年月日
- 令和2年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304026
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/6相続、贈与の場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人が譲渡した土地(本件土地)について、祖父が本件土地を取得した時点では請求人は誕生しておらず、所得税法第60条《贈与等により取得した資産の取得費》第1項の規定により本件土地を引き続き所有していたとみなすことは不可能であるから、その取得日は請求人が祖母から本件土地を相続した日である旨主張する。しかしながら、本件土地は、祖父が取得し、その後、順次祖母及び請求人が単純承認による相続を原因として取得していることが認められる。そうすると、祖父及び祖母の各相続の時点では、資産の増加益が具体的に顕在化しないため、各相続の時点における増加益に対する課税が繰り延べられていることとなるから、所得税法第60条第1項の規定により、請求人が本件土地を譲渡し、譲渡所得の金額の計算をする際には、祖父及び祖母が本件土地を取得するために要した各費用が請求人に引き継がれ、課税を繰り延べられた祖父及び祖母の資産の保有期間に係る増加益も含めて請求人に課税されるとともに、資産の取得時期も引き継がれる結果、資産の保有期間についても祖父及び祖母の保有期間が通算されることとなる。 (令2.12.15熊裁(所)令2-3)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令020004
- 裁決年月日
- 令和2年8月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、請求人の父から相続により取得した土地(本件土地)を売却したことによる長期譲渡所得の金額の計算上、請求人が本件土地の所有期間中に支払った固定資産税の額(本件固定資産税)を資産の取得費又は譲渡に要した費用(以下「譲渡費用」という。)以外の経費として総収入金額から差し引くべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第33条《譲渡所得》第3項では、譲渡所得の金額の計算上控除できるのは、資産の取得費及び譲渡費用の額の合計額に限られているところ、本件固定資産税は、請求人が本件土地を維持管理するために毎年支出していた費用というべきであるから、資産の取得費には該当せず、また、譲渡を実現させるために直接必要な支出である譲渡費用にも該当しないことは明らかである。そして、譲渡所得の金額の計算上、固定資産税を控除する旨の法令の規定も存在しないから、本件固定資産税を本件土地に係る長期譲渡所得の金額の計算上、経費として控除することはできない。(令2.8.19大裁(所)令2-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010100
- 裁決年月日
- 令和2年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、平成14年6月24日付課資3−1ほか3課共同「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて(法令解釈通達)」37の10・37の11共−13《株式等の取得価額》(本件通達)は、取得に要した価額が有償か無償かの要件は付していないから、請求人が付与されたライツ(本件ライツ)の譲渡による譲渡所得の金額の計算上取得費として控除する金額は、本件通達の適用により、当該譲渡による収入金額の100分の5とするのが相当である旨主張する。しかしながら、請求人は、発行法人から新株予約権無償割当てにより、株主として本件ライツを付与されたものであるところ、本件ライツは、所得税法施行令第109条《有価証券の取得価額》第1項第4号に規定する株主等として与えられた場合の新株予約権に該当するから、本件ライツの取得価額は同号の規定により零円となり、また、本件通達は、本件ライツのように、そもそも取得費が生じていない場合に適用される取扱いではないから、本件ライツの譲渡による譲渡所得の金額の計算上取得費として控除すべき金額は零円となる。(令2.6.4東裁(所)令元-100)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010094
- 裁決年月日
- 令和2年4月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、海外特別目的会社(本件法人)が発行した外国証券(本件外国証券)は、社債又は社債的受益権に性質が類似しているから、その譲渡による所得は、租税特別措置法(平成25年法律第5号による改正前のもの)第37条の15《公社債等の譲渡による所得の課税の特例》第1項第1号の規定を適用して非課税と取り扱うべきである旨主張する。しかしながら、本件外国証券は、①その発行体である本件法人が外国会社であるから、公債には該当せず、②本件外国証券への拠出は信託契約に基づくものではないから、公社債投資信託、公社債等運用投資信託及び貸付投資信託の受益権並びに社債的受益権に該当しない。また、③本件外国証券は出資証券であって、本件法人を債務者とする金銭債権であるとは認められないから社債にも該当しない。したがって、本件外国証券は措置法第37条の15第1項第1号に規定する公社債等には該当しない。そして、本件外国証券の保有者は、その保有数に応じた配当を受けるとともに、残余財産請求権を有することとされ、また、本件外国証券の拠出金は本件法人の資本金とされていることからすると、本件外国証券は株式等に該当し、その譲渡は譲渡所得等として課税される。(令2.4.27東裁(所)令元-94)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010025
- 裁決年月日
- 令和2年4月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、租税特別措置法第37条の11の3《特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例》第1項は、居住者が特定口座内保管上場株式等の「譲渡をした場合には」と規定しているのであるから、特定口座内保管上場株式等と同一銘柄の上場株式が一般口座のみで譲渡された場合には同項が適用されず、一般口座で譲渡された当該上場株式等の取得費は、特定口座で取得した同一銘柄の上場株式等の取得に要した金額を含めて所得税法施行令第118条《譲渡所得の基因となる有価証券の取得費等》第1項に規定する総平均法に準ずる方法によって算出した一単位当たりの金額により計算することとなる旨主張する。しかしながら、特定口座制度では、特定口座内保管上場株式等の譲渡による譲渡所得とそれ以外の株式等の譲渡による譲渡所得を常に区分して計算することが前提とされており、租税特別措置法第37条の11の3第1項は、区分計算の趣旨を確認的に規定したもので、特定口座内保管上場株式等の譲渡をした場合に限定して区分計算することを規定したものではないと解される。そうすると、一般口座において保管する上場株式等のみを譲渡した場合の譲渡所得の計算においては、特定口座で保管する同一銘柄の上場株式等の取得価額を計算の基礎に含めることはできない。(令2.4.17名裁(所)令元-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010090
- 裁決年月日
- 令和2年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、株式(本件株式)を法人に遺贈する旨の亡母名義の遺言書(本件遺言書)は、自筆証書遺言の方式を充足しておらず、亡母には遺言能力もなかったから、本件遺言書に係る遺言(本件遺言)は無効であり、本件株式に所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項の規定の適用はない旨主張する。しかしながら、①請求人の援用する本件遺言書が亡母によって書かれたものではないとする筆跡鑑定の結果はその所見について根拠がないこと、②亡母には本件遺言書を書く動機があったこと、③請求人自身、本件遺言書が亡母によって書かれたものであることを前提とした行動を取っていたこと、④亡母の後見開始の審判の時期は本件遺言書の作成日よりも相当後であり、亡母に遺言能力がなかったとは認められないことから、本件遺言書は、亡母が、その全文、日付及び氏名を自書し、押印して作成したものと認められ、民法(平成30年法律第72号による改正前のもの。)第968条《自筆証書遺言》に規定する自筆証書遺言の方式を充足し、亡母は遺言能力を有していたことから、本件遺言は有効であると認められる。したがって、本件株式には、所得税法第59条第1項の規定の適用がある。(令2.4.1東裁(所)令元-90)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010089
- 裁決年月日
- 令和2年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引相場のない株式(本件株式)の譲渡に係る所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項第2号の規定の適用において、本件株式の「その時における価額」を財産評価基本通達185《純資産価額方式》に定める方法を準用して算定するに当たり、本件株式の発行法人の所有する取引相場のない外国法人の株式の価額について、その純資産価額を帳簿価額により算出しているのは、通達の定めに適合しない評価である旨主張する。しかしながら、外国法人の株式は、外国に所在する資産及び負債について、課税時期の時価を算定することが事実上困難であることを考慮すると、その帳簿価額を基に純資産価額の計算をすることが不合理であるとはいえない。(令2. 3.24 東裁(所)令元-89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010089
- 裁決年月日
- 令和2年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、訴訟上の和解に基づき行った取引相場のない株式(本件株式)の譲渡(本件譲渡)について、①本件株式の譲受者は、和解条項に示された利害関係人の財団法人(本件財団法人)ではなく、実質的には当該訴訟の相手である請求人の弟個人であること、②本件株式の譲渡価額は、裁判所の介在の下、利害の対立する第三者間と変わらない関係で決定した時価であることを理由に、所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項第2号の規定の適用はない旨主張する。しかしながら、①請求人は、譲渡制限株式である本件株式について、本件財団法人に対する譲渡を履行するため、本件株式の発行会社に対する譲渡承認及び名義書換の各請求書に署名押印(実印)をしていること、②本件財団法人は、請求人に本件株式の譲渡代金を支払い、本件株式を取得して基本財産としていることからすると、本件株式の譲受者は本件財団法人と認められる。また、本件譲渡は、遺産の帰属を争う訴訟をしていた請求人とその弟の間での紛争解決の一環として行われたものであるところ、本件株式の譲渡価額は、訴訟相手の弟からの一方的な提示価額をその検証をすることもなく了承したものであって、裁判所が算定又は提示して決定した価額でもないことから、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立する価額であるとは認められない。そこで、本件株式の所得税法第59条第1項に規定する「その時における価額」を算定すると、本件譲渡には所得税法第59条第1項第2号の規定が適用される。(令2. 3.24 東裁(所)令元-89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010084
- 裁決年月日
- 令和2年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売却した各車両(本件各車両)は、希少価値を有し、かつ、代替性のないものであり、中古車市場において新車販売価格を超える価格で取引されているから、所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》第2項柱書に規定する「使用又は期間の経過により減価する資産」に該当しない旨主張する。しかしながら、上記の「使用又は期間の経過により減価する資産」については、減価償却資産の定義を定めた同法第2条《定義》第1項第19号に規定する「償却をすべきものとして政令で定めるもの」と同意義であるものと解され、上記の「政令で定める」資産について、所得税法施行令第6条《減価償却資産の範囲》柱書が、「棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるもの(時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)とする」旨規定し、同条第6号において「車両及び運搬具」を掲げているところ、本件各車両が「車両及び運搬具」に該当することは明らかである。そして、本件各車両は、それぞれ数百台から数千台以上生産されており、また、生産開始後間もなく購入されたものであり、売却時点においてもいまだ生産されてから20年程度経過したにすぎないものであるから、歴史的価値又は希少価値を有して代替性のないものであるとはいえない。他方で、本件各車両が道路運送車両法上の登録をされ、自動車登録番号標の交付を受け、公道を走行していたのであって、車両として使用する目的で購入されたことが認められることからすれば、かえって本件各車両が「時の経過によりその価値の減少しないもの」に該当するとはいえない事情が存在することになるから、本件各車両は、「時の経過によりその価値の減少しないもの」として減価償却資産から除外される資産に該当するとは認められず、「使用又は期間の経過により減価する資産」に該当することとなる。(令2. 3.10 東裁(所)令元-84)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010008
- 裁決年月日
- 令和元年11月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№117
要旨
○ 原処分庁は、請求人が相続により取得した上場株式(本件株式)の取得費について、できる限りの調査を尽くしたものの、有償で取得した上場株式等はごく一部であり、大部分の上場株式等の実際の取得価額は判明しなかった旨主張する。しかしながら、名義書換日が判明している株式については、当該名義書換日を取得時期とし、その時期の相場(終値)で取得価額を算定することも、明確かつ簡便な推定方法として合理的であると解されるから、本件株式の取得費は概算取得費によらず、総平均法に準ずる方法により算定すべきである。(令元.11.28 名裁(所)令元-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010038
- 裁決年月日
- 令和元年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306130
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/13管理費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己が所有し自己が主宰する同族法人に対して貸付けの用に供していた建物及びその敷地(本件不動産)の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、当該同族法人へ支払った業務委託料名目の金員(本件委託料)が、所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する「資産の譲渡に要した費用」に該当する旨主張する。しかしながら、同項に規定する「資産の譲渡に要した費用」に当たるかどうかは、現実に行われた資産の譲渡を前提として客観的にみてその譲渡を実現するために必要な費用といえるかどうかで判断すべきであるところ、本件委託料は、本件不動産の維持管理等に係る対価と認められるにとどまり、本件不動産の譲渡のために直接要した費用にも、本件不動産の譲渡価額を増加させるため本件不動産の譲渡に際して支出した費用にも当たらない。したがって、本件委託料は、同項に規定する「資産の譲渡に要した費用」に該当しない。(令元.11.21 東裁(所)令元-38)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300080
- 裁決年月日
- 令和元年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有していた複数台の車両(本件各車両)の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費の額について、本件各車両のうち限定生産された希少な輸入車(本件各希少車)の購入権利を得るために過去に所有していた車両を売却したことから、その譲渡損失(先行譲渡損失)は本件各希少車を取得するために要した費用になる旨主張するとともに、新車購入時に支払ったオプション費用(本件オプション費用)も取得価額として認めるべきである旨、また、原処分において「使用又は期間の経過により減価する資産」とされた車両(本件減価償却車両)についても、取得費の計算上購入費用等の合計額から当該減価した額を控除することは不合理である旨主張する。しかしながら、原処分庁が調査により認定した取得費の金額は、審判所の調査の結果と一致するもので合理性を有するものと認められ、その一方で請求人は原処分庁が認定した取得費を超える取得費の存在について具体的に主張立証しないことから当該認定額を超える取得費は存在しないものと事実上推認される。なお、先行譲渡損失は損失であり、費用に該当するものでなく、本件オプション費用について、請求人は証拠書類を提出せず、その内容及び金額を具体的に主張立証せず、その他原処分庁が認定した額を覆すに足りる証拠もない。そして、本件減価償却車両は、現にその取得価格を下回る価格で取引されていることからしても、その価値が減少していることは明らかであり、「使用又は期間の経過により減価する資産」に該当する。(令元. 6.18 大裁(所)平30-80)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300080
- 裁決年月日
- 令和元年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301039
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有していた各車両(本件各車両)の譲渡はいずれも所得税法第9条《非課税所得》第1項第9号に規定する「生活に通常必要な動産」の譲渡に該当する旨主張する。しかしながら、その資産の譲渡について非課税とされる「生活に通常必要な動産」とは、「家具、じゅう器、衣類」等及びこれらに類似する生活用動産であって、通常の社会生活を営むのに必要とされる動産のことであると解されるところ、請求人は、毎年のように車両を新車で購入し、同時に複数台の車両を所有しつつ、購入後は短期間に次々と譲渡するといった行動をとっており、加えて、本件各車両のうち車両台数を限定して生産、販売された輸入車(本件各限定車)については、購入者が限られる上、購入時の車両本体価格がいずれも数千万円を超えること等を考慮すると、本件各限定車が通常の社会生活に必要であるとは認められないから、「生活に通常必要な動産」に該当しない。(令元. 6.18 大裁(所)平30-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300118
- 裁決年月日
- 平成31年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の亡父が租税特別措置法(昭和62年法律第96号による改正前のもの。)第37条《特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の特例》第1項の規定(本件特例)を適用する旨の確定申告をしたものの本件特例の適用要件を充足していなかった場合には、同法第37条の3《買換え等に係る特定の事業用資産の譲渡の場合の取得価額の計算等》第1項に規定する同法「第37条第1項の規定の適用を受けた者」には当たらず、したがって買換資産とした資産も同法「第37条第1項の規定の適用を受けた者の買換資産」には該当しないから、買換資産の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入する減価償却費又は同資産の譲渡所得の金額の計算上控除する取得費の金額は実際の取得価額を基に計算すべきである旨主張する。しかしながら、同法第37条の3第1項は、本件特例により課税が繰り延べられた譲渡資産の値上がり益を買換資産の取得価額から減算することにより、繰り延べられた課税を実現することを目的とした規定であること等を踏まえれば、請求人の亡父が本件特例の適用を受けようとして確定申告した場合には、たとえ適用要件を充足していなかったとしても修正申告又は更正処分により本件特例の適用が認められないことにならない限り、請求人の亡父は、同法第37条の3第1項に規定する「第37条第1項の規定の適用を受けた者」に該当し、買換資産は、同法第37条の3第1項に規定する「第37条第1項の規定の適用を受けた者の買換資産」に該当すると解するのが相当である。(平31. 4. 1 東裁(所)平30-118)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300118
- 裁決年月日
- 平成31年4月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303039
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の亡父が譲渡した土地及び建物に係る分離長期譲渡所得の金額の計算において、譲渡代金の総額のうち土地の譲渡価額が不明である場合には、譲渡代金の総額から建物の固定資産税評価額を控除した残額をもって土地の譲渡価額とし、租税特別措置法第31条の4《長期譲渡所得の概算取得費控除》第1項の規定による取得費を算出するのが簡易かつ合理的な方法である旨主張する。しかしながら、請求人の主張する方法は、譲渡代金の総額を固定資産税評価額と実際の売買価額という異なる二つの基準を用いて区分するものであり、合理性があるとは認められず、土地及び建物を財産評価基本通達の定めにより評価した各価額の比によって譲渡代金の総額をあん分して本件土地の譲渡価額を算出し、上記の取得費を算定するのが相当である。(平31. 4. 1 東裁(所)平30-118)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300029
- 裁決年月日
- 平成31年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306150
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/15建物の収去費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人所有の土地上に存在していた法人(本件法人)所有の建物(本件建物)の解体工事に要した費用(本件解体工事費)について、本件法人に本件解体工事費の負担能力がなかったことから当該土地の譲渡を実現させるためやむを得ず請求人が負担したものであり、本件解体工事費は所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する資産の譲渡に要した費用に該当する旨主張する。しかしながら、本件法人は解体工事に係る請負契約の締結時に本件建物を所有し、その処分権原を有していたこと、当該請負契約に係る契約書に発注者として本件法人名及びその代表者の記名押印があることなどからすると、当該解体工事の発注者は、本件法人であると認めるのが相当であり、その支払義務を負っていたのは本件法人であると認められる。そして、本件法人は本件建物を収去して当該土地を請求人に明け渡さなければならない状況にあったことからすれば、本件解体工事費は、実質的にも本件法人が負担すべき費用であって、客観的に見て譲渡を実現するために必要であったとは認められない。(平31. 2.19 関裁(所)平30-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300099
- 裁決年月日
- 平成31年2月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303039
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が区分所有する建物の各専有部分(本件各専有部分)及び請求人が共有持分を有するその敷地(本件各土地)の譲渡(本件譲渡)について、本件各専有部分は、請求人が居住の用に供し、又は事業の用に供していたかのいずれかであり、本件各土地に係る請求人の共有持分全体が本件各専有部分の「敷地の用に供される」ものに該当するのであるから、本件各土地の全てが、租税特別措置法第36条の2《特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例》又は租税特別措置法第37条《特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例》に規定する各特例(本件各特例)のいずれかの対象となる譲渡資産として認められる旨主張する。しかしながら、本件譲渡に係る本件各特例の適用対象となる土地の地積の範囲の計算については、区分所有建物における各利用区分のそれぞれの床面積が区分所有建物の床面積合計に占める割合を区分所有建物の敷地の地積の合計に乗じることによって、本件各特例に係る居住の用に供している敷地の地積、事業の用に供している敷地の地積等を算出する計算方法が合理的であると認められ、当該計算によると、本件各土地の一部については、請求人以外の者が区分所有する建物の敷地の用に供されており、請求人の居住の用にも事業の用にも供されていないと認められることから、当該部分の譲渡については、本件各特例のいずれも適用できない。(平31. 2.12 東裁(所)平30-99)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300017
- 裁決年月日
- 平成31年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産(本件不動産)を売却した後、本件不動産の譲受人(本件譲受人)から契約解除等を求める訴訟が提起され、いまだ係属中であることから、本件不動産の引渡しは、当該訴訟が終結し、損害賠償金の精算等が終わった時と解すべきであり、本件不動産の売買代金等(本件売買代金等)は平成27年分の譲渡所得の総収入金額に算入すべきものではない旨主張する。しかしながら、請求人は、平成27年8月27日に、本件譲受人に対し、所有権移転登記に必要な書類を交付しており、本件不動産の引渡しを行ったことが認められるから、本件売買代金等は平成27年分の譲渡所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきである。(平31. 1.22 名裁(所)平30-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300079
- 裁決年月日
- 平成31年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301032
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人(売主)には、その所有する各不動産(本件各不動産)を譲渡する意思はなく、相手方(買主)もそのことを知っていたから、当該譲渡に係る売買契約は民法第93条《心裡留保》ただし書の規定により無効であり、本件各不動産について、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する資産の譲渡はなかった旨主張する。しかしながら、売主と買主の間で売買代金の決済が行われた事実は認められないものの、両者の間には、本件各不動産の売買の合意が存在し、本件各不動産の所有権移転登記及び引渡しもあったことに加え、請求人は、自宅の根抵当権が抹消されたという経済的利益を受けていることからすると、本件各不動産について、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡があったといえる。(平31. 1. 7 東裁(所)平30-79)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300065
- 裁決年月日
- 平成30年11月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①各売買契約書、買付依頼書及び売渡契約書を作成していること、②売買代金の授受は請求人と請求人の長男(請求人長男)との間で行われていること、③各売買契約書に記載されている土地(本件各土地)に係る固定資産税は、所有者である請求人長男から受領して請求人が支払っていることから、請求人から請求人長男に対する本件各土地の譲渡の事実があると主張する。しかしながら、請求人長男は、本件各土地の売買の内容を理解せず請求人に言われるがまま契約書に署名した旨の申述をしており、さらに、請求人長男から請求人への譲渡代金の支払があったことも確認できないことや請求人長男に対して本件各土地の所有権移転登記も行われていないことなどを併せ考えれば、請求人と請求人長男との間で本件各土地の譲渡はなかったと認められる。(平30.11.19 東裁(所)平30-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300065
- 裁決年月日
- 平成30年11月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201305020
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/2登記費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が不動産会社の取締役Dに対して支払ったとする譲渡所得の金額の計算上取得費に算入した土地甲、乙、丙及び丁に係る登記申請費用(本件登記申請費用)は、Dが請求人に代わって行った登記申請(本件申請)に対する対価の支払であるから、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に該当する旨主張し、原処分庁は、Dが請求人から本件登記申請に対する対価を受領した事実は認められないとして、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に該当しない旨主張する。しかしながら、Dは、①本件申請を実際に行ったこと、②本件申請に係る対価を請求人から受領し、領収証を請求人に手交したことを具体的に答述しており、Dの答述は信用できることから、本件登記申請費用は譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に該当すると認められる。なお、本件登記申請費用のうち、土地丁に係るものの一部については、土地丁の取得時期と領収証の日付とが一致しないことから、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に該当しない。(平30.11.19 東裁(所)平30-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300065
- 裁決年月日
- 平成30年11月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が譲渡所得の金額の計算上取得費に算入した造成費等は、実在するA及びBに支払った土地の造成費等であるから、譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費である旨主張する。しかしながら、請求人が、①A及びBに土地の造成等を依頼した事実、②A及びBが当該土地の造成等を行った事実、③請求人がA及びBに当該土地の造成等の代金を支払った事実はなかったと認められることから、当該造成費等は譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費ではないと認められる。(平30.11.19 東裁(所)平30-65)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300032
- 裁決年月日
- 平成30年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地(本件各土地)及び建物(本件建物)の取得に際して借り入れた資金(本件各借入金)に係る利息及び遅延損害金(請求人主張支払利息等)は、本件各土地及び本件建物(本件各不動産)の売却による譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費に該当する旨主張する。しかしながら、不動産取得代金の借入れに係る利息のうち、当該不動産の使用開始の日以前の期間に対応するものは、「資産の取得に要した金額」に含まれ、当該資産の使用開始の日の後のものは、これに含まれず、資産の取得費に該当しないものと解するのが相当であるところ、本件建物は、請求人が売却代金全額を支払ってその所有権を取得した時点において、既に賃借人に引き渡されていたから、請求人は、当該時点において本件建物の賃貸人の地位を承継し、本件建物の使用を開始したものと認められる。そして、本件各土地は、本件建物の敷地であり、本件建物の賃借人がその利用権を有していたと解されるから、請求人は本件建物の使用を開始したことにより、本件各不動産全体の使用を開始したものと認めるのが相当である。そうすると、請求人主張支払利息等は、その支払がされていたとしても、本件各不動産全体の使用を開始した日後に発生したものであるから、本件各不動産の譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費に該当しない。(平30.11.13 大裁(所)平30-32)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平300001
- 裁決年月日
- 平成30年7月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡父から相続により取得した土地(本件土地)の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費について、本件土地の取得に要した金額が不明であり実額により算出することはできないから、推計する方法によって算出せざるを得ないところ、六大都市を除く市街地価格指数を基に算出した金額(請求人主張額)は、亡父が本件土地を取得した当時の本件土地の市場価格を反映した合理的な額であるから、本件土地の取得に要した金額として取得費に算入することができる旨主張する。しかしながら、市街地価格指数は、個別の宅地価格の変動状況を直接的に示すものということはできず、また、六大都市を除く市街地価格指数については、三大都市圏を除く政令指定都市及び県庁所在都市(県庁所在都市等)以外の調査対象都市は公表されていないところ、本件土地は県庁所在都市等に該当しない都市に所在しており、さらに、本件土地の所在する都市が調査対象都市かどうかを確認し得ないことからすれば、請求人が請求人主張額の算定に用いた六大都市を除く市街地価格指数が、本件土地の市場価格の推移を反映したものであるということはできない。以上のことからすると、請求人主張額は、亡父が本件各土地を取得した当時の本件土地の市場価格を適切に反映したものとはいえず、本件土地の取得に要した金額として取得費に算入することはできない。(平30. 7.31 仙裁(所)平30-1)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300001
- 裁決年月日
- 平成30年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各交換契約書(本件各交換契約書)に基づいて譲渡した土地の対価として取得した土地が平成26年中に請求人に所有権移転登記されていることなどから、当該譲渡所得の収入すべき時期が平成26年中である旨主張する。しかしながら、本件各交換契約書は、その作成経緯等を総合考慮すると、契約当事者の真の意思に基づかずに作成されたものであり、その効力は生じておらず、請求人が行った土地取引は、別途作成された請求人の真の意思を表す合意書(本件合意書)に基づくものであると判断される。そして、本件合意書には、合意事項が履行できない事態になれば、合意を破棄する旨の約定があることからすれば、請求人が取得した土地は、請求人が譲渡する土地の引渡しを完了条件とする停止条件付の譲渡契約に係る代金の決済であったと解され、また、請求人が譲渡する土地の所有権移転登記が平成27年中にされていることなどからすれば、譲渡所得の収入すべき時期は、平成27年中であると判断するのが相当である。(平30. 7.26 広裁(所)平30-1)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300001
- 裁決年月日
- 平成30年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302022
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/2交換
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の行った土地の譲渡が、各交換契約書(本件各交換契約書)に基づいた等価交換であり、当該譲渡に係る譲渡所得には所得税法第58条《固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例》第1項の規定が適用される旨主張する。しかしながら、本件各交換契約書は、その作成経緯等を総合考慮すると、契約当事者の真の意思に基づかずに作成されたものであり、その効力は生じておらず、請求人が行った土地取引は、別途作成された合意書(本件合意書)に基づくものであると判断される。そうすると、請求人が取得した土地は、本件合意書の相手方が「交換のために取得したものと認められるもの」に該当するから、所得税法第58条第1項の規定は適用されない。(平30. 7.26 広裁(所)平30-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300014
- 裁決年月日
- 平成30年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡夫が主宰する法人(本件法人)に対し取引相場のない同法人の株式(本件株式)及び同法人に対する貸付金(本件貸付金)を遺贈(本件遺贈)したことについて、本件株式の遺贈は所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項に規定するみなし譲渡に該当するとし、その収入金額の算定上、本件株式の価額を財産評価基本通達185《純資産価額方式》に定める方法を準用して算定するに当たり、①みなし譲渡課税の規定の趣旨は、譲渡資産の保有期間中における値上り益に対する課税であること、②保有期間中における値上り益とは、譲渡直前までの値上り益であることなどを理由として、本件貸付金に対応する本件法人の借入金(本件借入金)は同法人の負債に計上すべきである旨主張する。しかしながら、本件において、所得税法第59条第1項に規定する「その事由が生じた時」は、遺言者である請求人の亡夫の死亡の時であり、この時には、本件遺贈の効力が生じて(民法第985条《遺言の効力の発生時期》第1項)本件貸付金は混同(民法第520条)により消滅している。本件貸付金が混同により消滅した後に本件株式の移転があったと捉えるのが条文の文理上相当であることなどから、本件株式の価額を純資産価額方式で算定するに当たり、本件借入金を本件法人の負債に計上することはできない。(平30. 7. 9 東裁(所)平30-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290121
- 裁決年月日
- 平成30年5月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ会員権(本件会員権)を譲渡する意思があり、ゴルフ会員権取扱業者(譲受人)においても、本件会員権を取得して代金を支払う意思があったから、請求人は譲受人に対して本件会員権を譲渡している旨主張する。しかしながら、請求人が譲渡したと主張する時点においては、本件会員権の名義書換は停止され、その再開が見込まれる時期についても請求人に通知されていない状況であったところ、請求人は、譲受人との間で売買契約書の作成や将来の名義書換の保証及び年会費の負担等の別途約定をしておらず、名義書換申請書、退会届等の書類も作成していない。また、ゴルフ場の運営会社に対しては、譲渡の通知や手続等に関する連絡を行っておらず、譲受人に対しては、旧運営会社の特別清算手続に伴って本件会員権の名義書換手続に使用できないこととなった預託金証券を引き渡していたのであるから、本件会員権の譲渡が行われるとした場合の手続が執られていない。そして、譲受人において、請求人から購入したとする取引台帳及び請求人に対して売却したとする取引台帳が、いずれも譲受人が購入した時に作成されていることからすると、請求人から購入したとする取引台帳の作成の時点で、後日、請求人に対して売却したとする取引台帳に沿って、請求人が、購入代金を支払うことが予定されていたものと認められる。さらに、請求人が本件会員権の年会費を譲渡したとする後に支払っていることも併せると、本件会員権に係る売買契約はなかったものと認められるのであるから、請求人は、本件会員権を譲渡したとは認められない。(平30. 5.14 東裁(所)平29-121)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290119
- 裁決年月日
- 平成30年5月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父から相続により取得した土地(本件土地)を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上控除する取得費の額は、収入金額の100分の5(概算取得費)によらず、請求人の父が本件土地を取得した当時の通常の取引価額を合理的に推定して算出すべきであり、公表されている全国市街地価格指数及び路線価を基に推定した地価の変動率から算出した価額によるべきである旨主張する。しかしながら、市街地価格指数は市街地の宅地価格の推移を表す指標として使用されるものであり、また、路線価は相続税における財産評価の際に宅地の評価に用いるものであることや、本件土地は、請求人の父が取得した当時、宅地としての利用状況になかったことからすれば、請求人が主張する算定方法は合理的なものとは認められず、請求人の主張額を本件土地の取得費と認めることはできない。そのほか、概算取得費を用いることにつき納税者の利益に反するといった具体的な事情は認められないから、本件土地の譲渡所得の計算上、控除すべき取得費の額は、概算取得費とするのが相当である。(平30. 5. 7 東裁(所)平29-119)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平290022
- 裁決年月日
- 平成30年4月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306200
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/20コンサルタント料、譲渡交渉費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、企業買収のために仲介業者へ支払った成約報酬(本件報酬)は請求人が代表取締役である法人(本件会社)の未公開株式(本件株式)の譲渡が成立して初めて発生するものであるから、本件株式の譲渡に直接関係するものであるところ、本件株式の譲渡先(本件譲渡先)との交渉の結果、本件会社の株主価値の総額XX億X,XXX万円とすることで合意したのであるし、請求人はそれに対する報酬を支払ったのであるから、本件報酬の全額が本件株式の譲渡費用である旨主張する。しかしながら、合意された本件会社の株主価値の総額はXX億X,XXX万円と認められるところ、本件譲渡先と本件株式に係る譲渡の契約(本件譲渡契約)において、本件株式の譲渡価額はXX億円とされ、請求人は、本件株式の譲渡に係る収入金額をXX億円として所得税等の確定申告をしている。そして請求人は、本件譲渡契約における本件会社及びその子会社(本件グループ会社)に係る役員退職金(本件役員退職金)の支給に関する条項(本件条項)どおりの役員退職慰労金を本件グループ会社からそれぞれ受給し、併せて「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」の交付を受けていることからすれば、飽くまで本件株式の譲渡の対価として合意された金額はXX億円であり、その差額X億X,XXX万円は本件役員退職金の支給に備える金額といえる。また、本件条項は、①本件譲渡先から求められたものではなく、請求人が本件グループ会社の役員のために本件譲渡先から取り付けた誓約と認められること、②本件株式の譲渡を成立させるための条件ともされていない上、本件条項を加えることによって、本件株式の価値を高め、本件株式の譲渡価額の増額をもたらしたとも認められないことから、本件条項が本件株式の譲渡において、客観的にみて、その譲渡を実現するために必要であったとはいえない。したがって、本件報酬のうち、本件役員退職金に関する部分に対応する報酬は、本件株式の譲渡費用に当たらない。(平30. 4.12 名裁(所)平29-22)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290107
- 裁決年月日
- 平成30年4月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305990
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の譲渡(本件譲渡)に当たって行った当該土地に存していた排水処理層・廃液タンク(本件ピット)の解体工事(本件ピット解体工事)のうち、地下1階部分は甲業者が行い、地下2階部分は乙業者が行っており、乙業者に当該部分の解体工事の費用(本件ピット解体工事費)を現金で支払っていることから、本件ピット解体工事費は、所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する譲渡に要した費用として、本件譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除をすることができる旨主張する。しかしながら、①甲業者が解体工事をしたのは、本件ピット全体であり、同業者が解体したピットとは別に地下2階部分にもピットがあったということはないものと認められること、②本件ピット解体工事に関する請求人及び関係者の答述等をもって乙業者が本件ピットの解体工事を行っていたと認めることはできないこと、③乙業者には、本件ピット解体工事を施工する能力はなく、施工し得る状況にもなかったと認められること、④乙業者の見積書及び注文請書は、乙業者が作成したものではなく、いずれも請求人又は関係者などが作成するなどしたものと認められること、また、⑤各領収証についても、乙業者が作成したものとは認められず、各領収証があることをもって本件ピット解体工事費の支払があったと認めることはできないことからすると、本件ピット解体工事は、建物などの解体工事とともに、本件ピットの全体につき、甲業者が行ったものであり、乙業者が行っていないと認められ、請求人は乙業者に対して本件ピット解体工事費を支払っていないと認められるから、本件ピット解体工事費は、譲渡に要した費用として、本件譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除することはできない。(平30. 4. 6 東裁(所)平29-107)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290057
- 裁決年月日
- 平成30年3月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、農地(本件農地)の貸借関係が、借主(本件借主)が賃料の代わりに固定資産税等(本件固定資産税等)を負担する賃貸借であることを前提に、本件農地の売却に当たり、当該借主に支払った金員が離農補償金であり、譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用に該当すると主張する。しかしながら、本件固定資産税等の負担が、使用収益に対する対価の意味を持つものと認めるに足りる特別の事情は認められず、本件借主は本件農地を無償で使用していたものであり、本件農地の貸借関係は、賃貸借ではなく使用貸借であると認められる。したがって、請求人の主張は、その前提となる事実を欠くものであり、採用することはできない。(平30. 3. 7 大裁(所)平29-57)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290096
- 裁決年月日
- 平成30年3月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302049
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期について、確定申告で所得税基本通達36−12《山林所得又は譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期》ただし書の定めにより資産の譲渡に関する契約の効力発生の日を選択(本件選択)したことにつき錯誤があったことにより、その収入すべき時期は同通達本文の定めにより各不動産の引渡しがあった日の属する年(契約の翌年)となるから、本件の更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件選択に錯誤があったことを理由として収入すべき時期の変更を認めた場合には、納税義務の確定が納税者の意思によって左右されることになり妥当ではなく、また、本件においてそのような変更が許されるとする特段の事情を見いだすこともできない。(平30. 3. 7 東裁(所)平29-96)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290053
- 裁決年月日
- 平成30年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した建物及び当該建物の敷地に係る借地権(本件建物等)を売却したことによる譲渡所得の金額の計算上、相続から売却までの間に支払った当該借地権に係る賃料、火災保険料及び固定資産税(本件賃料等)を取得費又は譲渡に要した費用として総収入金額から差し引くべきである旨主張する。しかしながら、本件賃料等は、請求人が本件建物等を相続により取得してから譲渡するまでの間に、本件建物等の維持管理のために継続的に支出した費用であるから、本件建物等の取得費及び譲渡に要した費用のいずれにも当たらない。(平30. 2. 8 大裁(所)平29-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290064
- 裁決年月日
- 平成29年12月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№109
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)の譲渡に係る分離長期譲渡所得の金額の計算上、本件土地の取得費は地価公示価格から推計した金額によるべきである旨主張し、原処分庁は、①本件土地の譲渡に係る収入金額の100分の5に相当する金額(概算取得費)を本件土地の取得費とすべきである旨主張する。しかしながら、当審判所の調査により把握された、本件土地の売主が作成した土地台帳(本件土地台帳)の記載内容の信用性は高く、記載内容どおりの事実を認定することができるから、本件土地台帳に記載された金額を本件土地の取得費と認めるのが相当である。なお、請求人の主張する本件土地の取得費の金額は推計したものに過ぎないことから採用することはできない。(平29.12.13 東裁(所)平29-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290021
- 裁決年月日
- 平成29年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引の実態面から見れば租税特別措置法(平成27年法律第9号による改正前のもの。)第37条《特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例》第3項の規定(本件特例)の適用要件を満たしているとして、同項に規定する届出書(本件届出書)がその期限までに提出されていない場合でも、なお本件特例の適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、租税法規はみだりに規定の文言を離れて解釈すべきものではなく、これを実質的な妥当性や個別事情を考慮して、安易に拡張、類推して解釈することは許されず、本件届出書がその期限まで提出されていない以上、本件特例の適用は認められない。(平29. 8. 4 東裁(所)平29-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平290021
- 裁決年月日
- 平成29年8月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、租税特別措置法(措置法)第37条の9の5《平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例》第1項(本件特例)を適用して申告しなかったことについて、申告に先立ち他の特例(別件特例)の適用を企図して提出した届出書が提出期限後であったのに、当該届出について原処分庁が何らの通知等をしなかったことから、別件特例を適用して申告したものであり、本件特例の適用を受けようとする旨の記載がなく、一定の明細書の添付がない確定申告書を提出したことは、措置法第39条の9の5第3項に規定する「やむを得ない事情」に当たり、別件特例の適用が認められないのであれば本件特例の適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、これは請求人の主観的な事情にほかならないから、同項に規定する「やむを得ない事情」に当たらない。(平29. 8. 4 東裁(所)平29-21)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280052
- 裁決年月日
- 平成29年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303035
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/5低額譲渡の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、その譲渡した各土地について平成23年に締結した賃貸借契約(平成23年契約)が、平成6年に締結した賃貸借契約(平成6年契約)の内容を変更又は追加するものと解することができず、借地上の建物(本件旧建物)を取り壊した時点で当該借地に係る借地権も消滅することを併せ考えると、平成6年契約についてされた「土地の無償返還に関する届出書」(無償返還届出書)の提出(本件無償返還届出)の効力は失われているから、当該各土地の時価の算定に当たっては、平成23年契約に基づく借地権をしんしゃくすべき旨主張する。しかしながら、無償返還届出書が提出された土地上の借地権等には経済的価値がなく、そのような土地を地主が借地人に譲渡した場合には、その価額は更地価額によるべきことになるから、無償返還の届出の対象となっている土地の時価の算定に当たっては、借地権等の価額を控除すべきではない。そして、①譲渡契約時において平成6年契約の賃貸借期間は満了しておらず、②平成6年契約及び平成23年契約は、賃貸人及び賃借人を同じくするものであり、その対象となる土地の大半が重複しており、③本件旧建物が取り壊される以前に、借地人が転借人に転貸借に向けた取決めをし、④借地人は被相続人に当該各土地に係る転貸の承諾を得ていることなどからすると、平成6年契約は、当該譲渡時においても有効であったと認められ、平成23年契約は平成6年契約の内容に必要な範囲で一部追加、変更を加えたものとみるべきである。さらに、当該譲渡までの間に本件無償返還届出と異なる合意がされたとの事情もないから、本件無償返還届出は、当該譲渡時においても有効と認められ、借地借家法第7条《建物の再築による借地権の期間の延長》第1項の規定からも借地上の建物が滅失しても直ちに借地権が消滅するとは認められない。したがって、本件無償返還届出の対象となっている当該各土地の時価の算定に当たり、借地権等の価額を控除する必要はない。(平29. 6.27 関裁(所)平28-52)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平280052
- 裁決年月日
- 平成29年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303035
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/5低額譲渡の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が譲渡した各不動産(本件各不動産)に係る所得税法施行令第169条《時価による譲渡とみなす低額譲渡の範囲》に規定する「譲渡の時における価額」について、①財産評価基本通達(評価通達)に基づき評価し、土地については当該価額を0.8で割戻し、建物については各評価額をそのまま用いる方法により算定した価額(評価通達を準用した価額)によるべきであり、これが受け入れられない場合には、請求人らが依頼した不動産鑑定業者作成の各鑑定評価書(請求人ら各鑑定評価書)の価額によるべきと主張する。また、原処分庁は、原処分庁が依頼した不動産鑑定業者作成の各鑑定評価書(原処分庁各鑑定評価書)の価額によるべきであると主張する。しかしながら、請求人らが主張する評価通達を準用した価額の算定には誤りがあり、また、原処分庁各鑑定評価書及び請求人ら各鑑定評価書には、合理性に疑いがあることから、本件各不動産の時価として採用することはできない。そこで、当審判所が不動産鑑定業者に対して本件各不動産の鑑定評価を依頼したところ、当該業者が作成した各鑑定評価書(審判所各鑑定評価書)の鑑定評価は、不動産鑑定評価基準に基づく手法により鑑定評価を行っていることが認められ、その他不合理である点が認められないことから、審判所各鑑定評価書は合理的であると認められる。したがって、「譲渡の時における価額」は、審判所各鑑定評価書の各価額(審判所各鑑定評価額)であると認められ、本件各不動産の実際の譲渡価額は、本件各不動産のその売買契約時における価額の2分の1を下回ることから、本件各不動産の譲渡は、所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項第2号の規定に該当し、審判所各鑑定評価額により本件各不動産の譲渡があったとみなされる。(平29. 6.27 関裁(所)平28-52)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平280020
- 裁決年月日
- 平成29年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人らが譲渡した法人の全ての発行済株式(本件株式)について、買主との間で売買価額について紛争が生じ、その仲裁として権限ある仲裁裁判所が下した仲裁裁定により、損害賠償金(本件損害賠償金)、損害賠償に伴う遅延損害金(本件支払遅延損害金)を請求人らが買主に支払ったが、本件損害賠償金を譲渡所得の収入金額から減算すべきと考えるのであれば、本件支払遅延損害金は、本件損害賠償金の未払によって付随的に発生するのであるから、本件損害賠償金と同様に、本件株式の譲渡所得に係る収入金額から減算すべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得の本質は、所有資産の価値の増加益であって、譲渡所得に対する課税は、資産が譲渡によって所有者の手を離れるのを機会に、その所有期間中の増加益を清算して課税しようとするものであり、譲渡所得に係る総収入金額とは、譲渡の対価の金額の合計額であるところ、本件支払遅延損害金は、請求人らの虚偽の表明及び保証による損害賠償に伴う、損害の発生から本件損害賠償金を全額支払うまでの遅延利息であり、当該利息は所有資産の価値の増減及び譲渡の対価の金額と関係がない。したがって、本件支払遅延損害金は、本件株式の譲渡所得に係る収入金額から減算することはできない。(平29. 5.30 広裁(所)平28-20)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平280020
- 裁決年月日
- 平成29年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306060
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/6遅延損害金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人らが譲渡した法人の全ての発行済株式(本件株式)について、買主との間で売買価額について紛争が生じ、その仲裁として権限ある仲裁裁判所が下した仲裁裁定により、損害賠償金(本件損害賠償金)、損害賠償に伴う遅延損害金(本件支払遅延損害金)を請求人らが買主に支払ったのであるから、本件支払遅延損害金は、本件株式の売買価額が決まるまでの費用であり、譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、本件支払遅延損害金は、請求人らの虚偽の表明及び保証による損害賠償に伴う、損害の発生から本件損害賠償金を全額支払うまでの遅延利息であることからすれば、本件支払遅延損害金は、本件株式の譲渡に当たって、客観的にみてその譲渡を実現するために必要であったとは認められない。したがって、本件支払遅延損害金は譲渡費用に該当しない。(平29. 5.30 広裁(所)平28-20)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280052
- 裁決年月日
- 平成29年5月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、勤務している大学(A大学)とB大学との共同研究において請求人らが開発した発明に係る特許権について、A大学に付与された当該特許権の持分をB大学が譲り受け、その後のB大学と第三者との当該特許権侵害訴訟の和解に基づく和解金の分配金としてB大学から請求人に支払われた金員(本件金員)について、請求人とA大学は、特許が付与された時点において純利益が生じた場合にその分配を行うことを合意していたものであり、本件金員は譲渡の対価として、譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、仮に請求人が主張する譲渡があったとしても、譲渡所得に該当するためには、その所得が譲渡に基因して譲渡の機会に生じたものであることを要し、譲渡の機会に客観的に実現が可能になったということのできない権利は、譲渡所得に当たらないと解され、本件においては、譲渡の機会とされる発明開示時点において、本件金員の支払の金額が確定しておらず、客観的に見て本件金員の支払請求権の実現が可能になった状態とは認められないから、譲渡所得に該当しない。(平29. 5.10 大裁(所)平28-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280123
- 裁決年月日
- 平成29年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№107
要旨
○ 請求人は、源泉徴収の選択をした特定口座(源泉徴収選択口座)を通じて行われた上場株式の譲渡(本件譲渡)について、本件譲渡に関する契約の効力発生の日(約定日)を本件譲渡に係る譲渡所得の収入すべき時期として申告を行うことは可能であると主張する。しかしながら、源泉徴収選択口座の制度を利用することを選択した者は、譲渡をした日を基準に金融商品取引業者等が収入金額及び必要経費等の計算を行うことを前提に同制度を選択したものと解されるため、同制度において前提とされる計算と異なる日を選択して申告を行うことは予定されていないと解すべきであり、本件においては、特定口座内において処理される収入金額等の額が受渡日を基準に計算され、その状況により特定口座年間取引報告書も作成され請求人に報告されていること、また、特定口座源泉徴収選択届出書の提出期限が、特定口座内保管上場株式等の譲渡に係る決済日であること、さらに、本件譲渡に係る所得税等の源泉徴収は、受渡日に行われていることから、金融商品取引業者等は、受渡日を基準として所得計算等を行っていたといえ、金融商品取引業者等の行う所得計算等に基づき申告を行うことを選択した後において、約定日を本件譲渡に係る譲渡所得の収入すべき時期として申告することはできない。(平29. 5. 8 東裁(所)平28-123)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平280008
- 裁決年月日
- 平成29年3月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した土地(本件土地)を譲渡するために建築設計業務として自ら費やした労力について、これを金銭換算した金額(本件企画設計料)は、譲渡所得の金額の計算上、本件土地の譲渡価額を増加させるための費用として控除する金額である旨主張する。しかしながら、所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する譲渡所得の金額の計算上控除する譲渡に要した費用(譲渡費用)とは、資産の譲渡に際して支出した仲介手数料又は登記費用等のように当該資産の譲渡のために通常必要となる直接の費用及び当該資産の譲渡価額を増加させるため当該譲渡に際して支出した費用をいい、ここでいう費用とは、収入を獲得する過程で費消した資産価値の減少分であると解されるところ、本件企画設計料は、請求人自身が本件土地の譲渡に際し費やした労力を見積もって換算した金額にすぎず、請求人が当該金額を実際に支出したわけではないから、同項に規定する譲渡費用に当たらない。(平29. 3.30 沖裁(所)平28-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平280019
- 裁決年月日
- 平成29年3月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302022
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/2交換
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、開発業者との契約に基づき行った交換(本件交換)について、所得税基本通達33−6の6《法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合》(本件通達)の要件を満たし、譲渡がなかったものとして取り扱われる旨主張する。しかしながら、本件通達は、土地区画整理法等の法律の規定に基づかない私的な区画整理を行うための交換分合が土地区画形質の変更に必要最小限の範囲内で行われるものであることといった所定の要件を満たす場合に限り、当該交換分合による土地の譲渡はなかったものとする例外的な取扱いをすべきことを定めたものであるところ、本件交換前の請求人の所有地も、本件交換後の請求人の所有地も、いずれも全体として既存の北側道路に接面する不整形地であり、本件交換の前後を通じて不整形地という状況に何ら変わりがないことなどからすると、本件交換は、請求人にとって不整形地の整理などのためのものではなく、請求人の土地の利用の増進を図るものとはいえない。そして、本件交換により引き渡した土地と引渡しを受けた土地の位置関係及びその形状などからして、本件交換は、土地所有者相互間における相隣関係の問題として単に土地の境界線を整理しただけというようなものではなく、四囲の状況からみて必要最小限の範囲内で行われたと評価できるようなものではない。したがって、本件交換は、本件通達の要件を満たさず譲渡がなかったものとして取り扱うことはできない。(平29. 3. 6 名裁(所)平28-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280042
- 裁決年月日
- 平成29年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡した土地の一部(本件土地)を取得するために親族(本件親族)に支払った金員(本件金員)について、本件土地は売買により取得したものであり、取得費に該当する旨主張する。しかしながら、本件土地は、未分割の相続財産として遺産共有状態にあったものであり、本件金員は、本件親族が本件土地に有していた相続する権利について、その権利を放棄することに対する代償金として支払われたものと認められる。したがって、本件金員は、本件土地の取得費には当たらない。(平29. 2.15 大裁(所)平28-42)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280042
- 裁決年月日
- 平成29年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306200
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/20コンサルタント料、譲渡交渉費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡に先行して行われた遺産分割協議に関連する手続費用、譲渡した土地の周辺土地を測量・登記した費用、諸問題を解決するために支出したコンサルティング費用などは、不動産を一括譲渡するために必要な費用であり、譲渡所得の計算上、譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、いずれの支出も客観的に見てその譲渡を実現するために必要であった費用とは認められず、譲渡費用に当たらない。(平29. 2.15 大裁(所)平28-42)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280038ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成29年2月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成25年中に経営する会社(本件会社)の株式(本件株式)を譲渡したが、当該 譲渡契約(本件譲渡契約)に、代金の一部について、本件会社の将来における業績に応じて算出される金額をもって分割して支払う旨の条項(本件調整条項)が置かれていることから、本件調整条項に基づき支払われる代金の一部(本件調整金額)は、将来の業績の計画値の達成度合いという指標により毎年変動し得る不確実なものであり、かつ、その計画値は、譲渡契約の実行日の直近3事業年度の業績を大幅に超える値に設定され、その達成は容易ではなかったことから、本件調整金額相当額については、停止条件が付されていたものといえ、計画値の達成という停止条件が成就するまでは、当該金額を収入すべき権利が確定していたとはいえない旨主張する。しかしながら、資産の譲渡に係る譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、原則として、その所得の基因となる資産の引渡しがあった日によるものと解されるところ(所得税基本通達36−12《山林所得又は譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期》)、本件譲渡契約の実行日に、本件譲渡契約に基づき、株主名簿に買主が請求人から本件株式を譲り受けてこれを取得した旨が記載されていたことに照らせば、本件株式の引渡しがあった日は、その実行日であると認められる。また、①本件調整条項は、本件会社が成長著しいものの新興企業であることを考慮した買主の要望により、引き続き役員として経営に当たる請求人に経営リスクを分担させる趣旨で設けられ、本件会社は、設立以来、急成長を遂げていることから、本件調整金額の算定指標である計画値は、そうした良好な経営状態も踏まえて設定されたものと認められ、②ある事業年度において計画値を達成できず、本件調整金額が満額支払われなかったとしても、その後の事業年度において計画値以上の業績を上げた場合には、過去の未達分が埋め合わせられるものとされている。さらに、③請求人と同時に本件株式を譲渡した者に係る1株当たりの単価が本件譲渡契約の代金と同額であるが、株式譲渡契約に本件調整条項のような条項が設けられていなかったこと等との均衡も考慮すれば、本件調整条項は、基本的には、計画値がいずれも達成され、本件調整金額が満額支払われることを想定して設けられたものとみるのが相当である。したがって、本件株式の譲渡に係る平成25年において収入すべき金額は、本件譲渡契約に定められた代金全額とするのが相当である。(平29. 2. 2 大裁(所)平28-38)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280031
- 裁決年月日
- 平成29年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№106
要旨
○ 請求人は、譲渡したゴルフ会員権(本件ゴルフ会員権)は、当初取得した旧運営会社のゴルフ会員権(旧ゴルフ会員権)が民事再生手続における再生計画(本件再生計画)に基づき、営業譲渡に際して新運営会社に預託金が減額されて引き継がれたものであり、本件ゴルフ会員権の譲渡所得の計算上、当初取得時に支払った登録料及び入会保証金(預託金等)は、取得費として控除することができる旨主張する。しかしながら、譲渡所得の金額の計算上控除されるべき取得費は、譲渡資産と同一性が認められる資産の取得に要した金額をいうものと解されるところ、本件再生計画及び営業譲渡契約において、①新運営会社は旧運営会社の債務及び旧会員契約を承継しないこと、②ゴルフ場施設の利用を希望する会員は、新たに会員契約を締結する必要があることが定められていることからすると、旧ゴルフ会員権の預託金債権と施設利用権はいずれも消滅していると認められ、旧ゴルフ会員権と本件ゴルフ会員権には資産としての同一性があるものとは認められない。したがって、請求人が入会時に支払った預託金等は、所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する譲渡所得の計算上、取得費として控除することができない。(平29. 1. 6 大裁(所)平28-31)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280032
- 裁決年月日
- 平成29年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡したゴルフ会員権(本件ゴルフ会員権)は、当初取得した旧運営会社のゴルフ会員権(旧ゴルフ会員権)が民事再生手続における再生計画(本件再生計画)に基づき、営業譲渡に際して新運営会社に預託金が減額されて引き継がれたものであり、本件ゴルフ会員権の譲渡所得の計算上、当初取得時に支払った登録料及び入会保証金(預託金等)は、取得費として控除することができる旨主張する。しかしながら、譲渡所得の金額の計算上控除されるべき取得費は、譲渡資産と同一性が認められる資産の取得に要した金額をいうものと解されるところ、本件再生計画及び営業譲渡契約において、①新運営会社は旧運営会社の債務及び旧会員契約を承継しないこと、②ゴルフ場施設の利用を希望する会員は、新たに会員契約を締結する必要があることが定められていることからすると、旧ゴルフ会員権の優先的施設利用権と預託金債権はいずれも消滅していると認められ、旧ゴルフ会員権と本件ゴルフ会員権には資産としての同一性があるものとは認められない。したがって、請求人が入会時に支払った預託金等は、所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する譲渡所得の計算上、取得費として控除することができない。(平29. 1. 6 大裁(所)平28-32)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平280002
- 裁決年月日
- 平成28年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302049
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、保証債務を履行するために行った資産の譲渡による所得(本件譲渡所得)は、その売却代金の全てが保証債務の履行に充てられているのであるから、保証債務の履行に伴う求償権の行使に係る裁判が係属中の間は、請求人の所得として確定していない旨主張する。しかしながら、所得税法第36条《収入金額》第1項は、その年分の所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めのあるものを除きその年に収入すべき金額と規定し、譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期については、所得税基本通達36−12《山林所得又は譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期》において、譲渡所得の基因となる資産の引渡しがあった日と定めているところ、保証債務の履行に伴う求償権の行使に係る裁判が係属中の譲渡所得の計算について別段の定めはなく、本件譲渡所得は請求人の所得として確定している。(平28.12.12 沖裁(所)平28-2)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平280001
- 裁決年月日
- 平成28年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己の保有する転換社債型新株予約権付社債(本件新株予約権付社債)が、会社更生法による更生計画に基づき民法上の「指名債権」に権利変更され、その一部が免除されたことについて、当該免除された金額(本件損失)は、株式等の譲渡をしたことによる損失であり、租税特別措置法第37条の12の2《上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除》第1項及び第6項(本件特例)に規定する上場株式等に係る譲渡損失に該当する旨主張する。しかしながら、本件損失が株式等の譲渡をしたことにより生じた損失であるというためには、本件新株予約権付社債が請求人から他に移転していることが前提となるところ、請求人は、権利者として更生会社に対して必要な手続を行い、その結果、更生会社から弁済額及び免除額の通知を受けているのであるから、請求人が本件新株予約権付社債を他に移転させたとは認められない。したがって、本件損失は、株式等の譲渡をしたことにより生じた損失ということはできず、本件特例は適用できない。(平28.12. 8 金裁(所)平28-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280016
- 裁決年月日
- 平成28年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、隣接する一団の土地を譲渡した場合における譲渡所得に係る取得費の計算は、両土地の取得費の額を合計して各土地の面積であん分して算出するのが合理的である旨主張する。しかしながら、譲渡所得に対する課税は、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、これを清算して課税する趣旨のものであるところ、所得税法第33条《譲渡所得》第3項は、譲渡所得の金額の計算において控除する取得費について、「当該所得の基因となった資産の取得費・・・の合計額」とする旨規定しており、取得費は、譲渡所得の基因となった資産ごとに算定すべきであり、両土地はもとより別筆の土地であって、売却に至るまでの各土地の来歴も異なることから、これらは別個の資産であることが明らかである。したがって、両土地が隣接していることなどを考慮しても、これらを一つの資産とみることはできず、本件譲渡所得に係る取得費は、両土地それぞれについて別個に算定すべきである。そして、両土地の譲渡のうち、租税特別措置法(平成26年法律第10号による改正前のもの)第39条《相続財産に係る譲渡所得の課税の特例》第1項(本件特例)に規定する特例の対象となる土地譲渡に係る譲渡所得の収入金額は、同項の規定の適用がないものとした場合の取得費及び譲渡費用の額の合計額に満たないため、本件特例の適用により取得費に加算される金額はない。(平28.10. 7 大裁(所)平28-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280010
- 裁決年月日
- 平成28年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306090
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/9損害賠償金、違約金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の債務不履行により解除された売買契約(先行契約)の買主に対して支払った違約金等(本件支出)について、所得税基本通達33−7《譲渡費用の範囲》に定める「既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で他に譲渡するため当該契約を解除したことに伴い支出する違約金」として譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、本件支出は、請求人が先行契約において定められた特約に係る債務を履行しなかったことに基因する手付金の返還及び違約金の支払として、その後の売買契約(本件売却)とは無関係に、先行契約の買主に対して支払うこととなったものであり、本件売却を実現するためにその支出が必要であったという関係にないから、本件売却における譲渡費用には該当しない。(平28. 9.21 大裁(所・諸)平28-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270035ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成28年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302022
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/2交換
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、開発業者との契約に基づき行った交換(本件交換)について、所得税基本通達33−6の6《法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合》(交換分合通達)又は所得税基本通達33−6の7《宅地造成契約に基づく土地の交換等》(宅地造成通達)の適用があるから、資産の譲渡がなかったものとして取り扱われる旨主張する。しかしながら、本件交換により取得した土地(本件取得土地)は本件交換により譲渡した土地(本件譲渡土地)と相当離れた場所に所在しており、本件譲渡土地と本件取得土地の位置が照応しているとはいえず、その位置の相違は四囲の状況からみて必要最小限の範囲内のものであるとは認められない。したがって、交換分合通達又は宅地造成通達を適用することはできない。(平28. 6.16 名裁(所)平27-35)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270064
- 裁決年月日
- 平成28年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した建物及び当該建物の敷地(本件建物等)に係る借地権を売却したことによる譲渡所得の金額の計算上、当該相続に係る訴訟のために支出した弁護士費用等(本件弁護士費用)並びに相続から売却までの間に支払った土地賃借料、固定資産税及び火災保険料等(本件賃借料等)を取得費又は譲渡に要した費用として総収入金額から差し引くべきである旨主張する。しかしながら、本件弁護士費用は、遺言の効力などを巡って請求人ら親族間に生じた一連の紛争を解決するための費用であり、請求人が遺言で指定された相続分を超えて本件建物等の持分を取得したものでもないことも考慮すれば、本件弁護士費用は本件建物等の取得費又は譲渡に要した費用のいずれにも当たらない。さらに、本件賃借料等は、請求人が本件建物等を相続により取得してから譲渡するまでの間に、本件建物等の維持管理のために継続的に支出した費用であり、本件建物等の取得又は譲渡に要した費用のいずれにもに当たらない。(平28. 6.16 大裁(所)平27-64)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270033
- 裁決年月日
- 平成28年6月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が譲渡した金地金(本件金地金)に係る取得費について、その販売業者(本件会社)における販売先は請求人ではないこと、審査請求において初めて請求人が提示した本件金地金の取引状況等(偽名による購入等)が記載されているとする手帳(本件手帳)はその記載の根拠となる証拠書類を示しておらず信用できないことなどから、その取得原因及び取得費は不明であり収入金額の100分の5に相当する金額とすべきである旨主張する。しかしながら、本件会社に保存されていた本件金地金に係る購入申込書及び本件手帳の記載内容並びに購入資金の負担の状況等を総合的に判断すると、請求人が、自ら購入資金を負担し、偽名を使用して本件会社から本件金地金を購入したものと認められる。(平28. 6. 8 名裁(所)平27-33)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平270029
- 裁決年月日
- 平成28年4月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302019
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貴金属製造販売業者(本件会社)との間で締結した金地金に係る契約(本件契約)については、自己所有の他社製金地金(本件金地金)の保管取引であり、その実態は寄託であるから、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する「資産の譲渡」に該当する取引はなかった旨主張する。しかしながら、本件会社の窓口担当者等は、本件金地金を預かるためには、本件金地金を本件会社に売却し、本件会社から同量の本件会社製の金地金を購入することが必要になる旨説明し、請求人は、本件会社との間で、本件契約の手続をした。そうすると、請求人は、本件会社との間で、本件金地金を本件会社に売却し、本件会社から同量の本件会社製の金地金を購入した上で、これを本件会社に預かってもらうことを内容とする契約、すなわち売却、購入と寄託という要素が複合した契約である本件契約を締結をした。したがって、請求人は本件金地金を本件会社に売却したものであり、所得税法第33条第1項に規定する「資産の譲渡」に該当する取引があったと認められる。(平28. 4. 8 名裁(所)平27-29)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平270002
- 裁決年月日
- 平成28年3月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305070
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/7訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、亡父の相続財産であった土地(本件土地1)又は亡母の相続財産であった土地(本件土地2)の譲渡に係る分離長期譲渡所得の金額の計算において、①遺産分割に関する調停を行ったことに要した費用、②本件土地2の譲渡に際して次兄に支払った金員及び③請求人自らが行った本件土地2等の造成等に関する企画設計等を金銭的に見積って算定した費用のいずれも、取得費又は譲渡費用として控除されるべきである旨主張する。しかしながら、まず、①については、遺産分割の際に支出した訴訟費用、弁護士費用等は、一般には相続人間の紛争を解決するための費用であることから、相続人が相続財産を取得するために通常必要と認められる費用とはいえないので、本件土地1及び本件土地2のいずれについても分離長期譲渡所得の金額の計算上控除する取得費とは認められない。次に、②については、亡母の相続に係る遺産分割の状況や本件土地2の譲渡に至る経緯等からすると、請求人と次兄との間における当該相続に係る代償分割の合意に基づく代償金又はこれに類するものであると認められ、相続税の課税価格の計算上控除されるべきもの又は資産を取得するために通常必要と認められる付随費用とはいえないものであるから、本件土地2の分離長期譲渡所得の金額の計算上控除する取得費とは認められない。さらに、③については、所得税法上、資産の譲渡に当たって、自己が費やした労力を金銭的に算定し、その金額を譲渡費用とみなす規定はないから、本件土地2の分離長期譲渡所得の金額の計算上控除する譲渡費用とは認められない。(平28. 3.24 沖裁(所)平27-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270103
- 裁決年月日
- 平成28年3月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、請求人の父から建物(本件建物)の100分の4の持分の贈与を受け、本件建物の所有者となった後、共有者である父の合意の下、本件建物の改良費の全額を支出しているのであるから、本件建物の改良費(所得税法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》第2項第2号に規定する減価の額を控除した後の金額)の全額を基に譲渡所得の金額の計算上控除する取得費の額を計算すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、共有者の合意を得て改修工事を行い、本件建物の改良費の全額を支出しているものの、改修工事が行われた当時、請求人が有していた本件建物の共有持分(100分の4)以外の共有持分を請求人が新たに取得したという事実はなく、その後、請求人は、父からの相続により本件建物の共有持分(100分の48)を取得し、請求人の本件建物に対する共有持分は100分の52になったものと認められる。そして、請求人は、本件建物の当該持分を譲渡資産として譲渡しているものであるから、本件建物の改良費の全額を基に譲渡所得の金額の計算上控除する取得費の額を計算することはできず、本件建物の当該持分を限度として当該取得費の額を計算すべきである。(平28. 3. 3 東裁(所)平27-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270103
- 裁決年月日
- 平成28年3月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№102
要旨
○ 請求人は、請求人の母などから相続等により取得した建物(本件建物)の持分の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、母が租税特別措置法(昭和63年法律第4号による改正前のもの)第36条の2《居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例》第1項に規定する特例(本件特例)の適用を受けたかどうかは、母の適用年分の確定申告書によってのみ確認することができることになるところ、母の昭和62年分の確定申告書が存在しないから、本件特例の適用を受けたかどうか確認することは不可能であり、また、原処分庁に保存されている取得価額引継整理票(本件整理票)は、飽くまでも内部管理資料であるから、これを根拠に課税関係を律することはできないし、本件整理票そのものの信ぴょう性が欠如しているなどと主張する。しかしながら、①本件整理票は、取得価額引継整理票の作成の目的及びその事務処理手続に従って原処分庁所属の担当職員が作成したものと認められること、②本件整理票の譲渡資産の所在地番及び数量、買換資産の所在地番及び数量に係る記載は、登記事項証明書等の内容と一致又はほぼ一致していることからすれば、母から提出された本件特例に係る法令に規定する提出書類等に基づいて原処分庁所属の担当職員が作成したものと認められること、③母の昭和62年分の所得税の確定申告書の控えの写し等の記載内容を併せれば、本件整理票は、母が本件建物を買換資産として本件特例の適用を受ける旨の確定申告をするとともに、当該適用を受けるために必要とされる書類が提出されたことを受けて、原処分庁所属の担当職員が定められた事務処理手続に従って適正に作成したものと認められる。したがって、請求人の母は、昭和62年分の所得税に係る譲渡所得につき、本件建物を買換資産として、本件特例の適用を受けたものと認められるから、請求人の主張には理由がない。(平28. 3. 3 東裁(所)平27-103)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270071
- 裁決年月日
- 平成28年1月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が亡父から相続した土地(本件土地)の取得価額について、原処分庁所属の職員が作成した取得価額引継整理票(本件整理票)は、その記載内容を検証できる根拠資料などが存在せず、また、法令上根拠のない意味不明の記載があるなど、信ぴょう性がないことから、本件土地は、亡父が租税特別措置法(昭和61年法律第93号による改正前のもの)第33条《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》第1項の特例(本件特例)の適用を受けて取得した代替資産であると認めることはできず、また、仮に代替資産であるとしても、本件整理票により引き継いだ取得価額を適正に計算することができないから、本件整理票に基づいてされた更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件整理票は、定められた事務処理手続に従って、請求人の亡父の譲渡所得に関し、実施調査の結果に基づき、原処分庁所属の職員によって作成されたものと認められ、また、その記載内容も登記簿の謄本や各契約書等で確認できる内容が正確に記載されていると認められることから、本件土地は、請求人の亡父が本件特例の適用を受けて取得した代替資産である。さらに、本件土地に引き継がれた取得価額は、請求人の亡父が譲渡した借地権等の譲渡価額により計算されるなど、適法に計算されたものと認められる。以上のことから、本件整理票に基づいてされた更正処分は適法である。(平28. 1. 5 東裁(所)平27-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270072
- 裁決年月日
- 平成28年1月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が亡父から相続した土地(本件土地)の取得価額について、原処分庁所属の職員が作成した取得価額引継整理票(本件整理票)は、その記載内容を検証できる根拠資料などが存在せず、また、法令上根拠のない意味不明の記載があるなど、信ぴょう性がないことから、本件土地は、亡父が租税特別措置法(昭和61年法律第93号による改正前のもの)第33条《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》第1項の特例(本件特例)の適用を受けて取得した代替資産であると認めることはできず、また、仮に代替資産であるとしても、本件整理票により引き継いだ取得価額を適正に計算することができないから、本件整理票に基づいてされた更正をすべき理由がない旨の通知処分及び更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件整理票は、定められた事務処理手続に従って、請求人の亡父の譲渡所得に関し、実施調査の結果に基づき、原処分庁所属の職員によって作成されたものと認められ、また、その記載内容も登記簿の謄本や各契約書等で確認できる内容が正確に記載されていると認められることから、本件土地は、請求人の亡父が本件特例の適用を受けて取得した代替資産である。さらに、本件土地に引き継がれた取得価額は、請求人の亡父が譲渡した借地権等の譲渡価額により計算されるなど、適法に計算されたものと認められる。以上のことから、本件整理票に基づいてされた更正をすべき理由がない旨の通知処分及び更正処分は適法である。(平28. 1. 5 東裁(所)平27-72)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270029
- 裁決年月日
- 平成27年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各ゴルフクラブ(本件各ゴルフクラブ)の会員権を本件各ゴルフクラブの運営会社に譲渡する際、各運営会社に対して、退会の話や優先的施設利用権を放棄する話は一切しておらず、各運営会社の内部処理上、退会とされただけであるから、請求人が退会申請書を提出し金銭の支払を受ける各行為(本件各行為)は、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する資産の譲渡に該当する旨主張する。しかしながら、請求人が各運営会社に提出した各退会申請書には、本件各ゴルフクラブからの退会を申請する旨及び会員資格保証金の返還を求める旨がそれぞれ記載されており、各運営会社が請求人に送付した各退会手続完了のお知らせには、各退会申請書が提出された日を退会日として退会手続が完了した旨及び会員資格保証金を請求人に返金する旨がそれぞれ記載されているのであるから、請求人は、各退会申請書の提出により、各運営会社に対し、本件各ゴルフクラブからの退会の意思表示を行ったことは明らかである。そうすると、本件各行為は、本件各ゴルフクラブを退会したことにより、優先的施設利用権及び会費納入義務が消滅し、金銭債権としての保証金の返還を受ける行為であると認められるから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当しない。(平27.12. 2 大裁(所)平27-29)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平270003
- 裁決年月日
- 平成27年9月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№100
要旨
○ 請求人は、賃貸の用に供していた共同住宅(本件建物)及びその敷地の売却(本件譲渡)に伴い、本件建物の事務室(本件事務室)を賃借していた本件建物の管理会社(本件賃借人)に対し立退料名目で支払った金員(本件金員)は、本件譲渡に要した費用に該当する旨主張する。しかしながら、資産の譲渡に当たって支出された費用が所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する譲渡費用に当たるどうかは、現実に行われた資産の譲渡を前提として、客観的に見てその譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかによって判断すべきものである。これを本件についてみると、請求人と本件賃借人との間の賃貸借契約は、遅くとも本件譲渡の日までに合意解約されたものと認められるところ、当該合意解約がされるまでの間に、本件建物及びその敷地の買主が本件事務室からの本件賃借人の退去を求めた事実を認めることはできない。そして、請求人と本件賃借人との間で本件賃借人の本件事務室からの退去に伴う本件金員の支払についての合意が成立したとする請求人の主張は主観に基づくものであり、また、当該合意が成立したことを明らかにする書面が作成された事実もうかがわれないから、当該合意の成立を認めることも困難である。そうすると、本件賃借人の本件事務室からの退去は、客観的に見て本件譲渡の実現に必要であったとは認められないから、本件金員の支払が客観的に見て本件譲渡を実現するために必要な費用の支払であったと認めることはできない。したがって、本件金員は、譲渡費用に該当しない。(平27. 9.30 高裁(所)平27-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270009
- 裁決年月日
- 平成27年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、父から相続により取得した土地建物(本件土地建物)について記載された取得価額引継整理票(本件整理票)は、実際の取得価額と異なる金額が記載されているなど信ぴょう性がないから、本件整理票によって、本件土地建物は、父が租税特別措置法(昭和62年法律第96号による改正前のもの)第36条の2《居住用財産の買換えの場合等の長期譲渡所得の課税の特例》第1項に規定する特例(本件特例)の適用を受けて取得した同項に規定する買換資産とは認められない旨主張する。しかしながら、①本件整理票は、取得価額引継整理票の作成の目的及びその事務処理手続に従って税務署の職員が作成したものと認められること、②父は従前に所有していた物件(本件旧物件)の譲渡及び本件土地建物の取得について、本件特例の適用要件を満たしていたことが認められること、③本件整理票における譲渡資産の数量、買換資産の所在地番、数量、取得時期などに係る記載は、それぞれ本件旧物件、本件土地建物の登記簿の謄本等の記載内容と一致しており、これらの記載は、本件特例に係る法令に規定の提出書類たる登記簿の謄本等を確認しなければ記載できない事項であると認められることからすれば、本件整理票は、税務署の担当職員が、父が本件土地建物を買換資産として本件特例の適用を受ける旨の確定申告をしたことを受けて、確認調査を実施し、その結果に基づいて作成したものと認められる。したがって、父は、本件旧物件の譲渡に係る譲渡所得につき、本件土地建物を買換資産として、本件特例の適用を受けたものと認めるのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。(平27. 7. 7 東裁(所)平27-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260125
- 裁決年月日
- 平成27年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№99
要旨
○ 請求人は、平成8年分の所得税の申告において、請求人の借地権(本件借地権)と相手方所有の土地(本件土地)の交換(本件交換)による本件借地権の譲渡に係る譲渡所得について、本件交換時の交換対象資産の各価額の差額を計算すると当該差額が多い方の価額の20%を超えることなどから、所得税法第58条《固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例》第1項に規定する特例(本件特例)の適用を受けていたとは認められないので、請求人は同条第5項に規定する「第1項の規定の適用を受けた居住者」に該当せず、したがって、原処分庁が、平成23年の本件土地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除すべき取得費の額について、所得税法施行令第168条《交換による取得資産の取得価額等の計算》第3号の規定を適用して計算したことは誤りである旨主張する。しかしながら、所得税法が採用する申告納税方式の下では、居住者が固定資産を交換した日の属する年分の所得税につき確定申告書に本件特例の適用を受けようとする旨を記載するなどして申告をした場合には、その申告により本件特例の適用を前提として計算された税額は確定し、修正申告又は更正により本件特例の適用が否定されない限り、そのような居住者は所得税法第58条第5項に規定する「第1項の規定の適用を受けた居住者」に該当すると解される。本件においては、請求人は、本件交換による本件借地権の譲渡に係る譲渡所得について本件土地を交換取得資産として本件特例の適用を受けようとする旨の平成8年分の所得税の申告をしたものと認められ、その後は、請求人が修正申告をした事実、あるいは原処分庁が更正処分をした事実はいずれも認められない。したがって、請求人は、所得税法第58条第5項に規定する「第1項の規定の適用を受けた居住者」に該当することとなるから、本件土地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除すべき取得費の額は、所得税法第58条第5項及び所得税法施行令第168条第3号の規定を適用して計算した金額によるべきである。(平27. 6.15 東裁(所)平26-125)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260039
- 裁決年月日
- 平成27年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、借入金を原資として取得した金地金(本件金地金)は投資目的で取得したもので原価性があるから、所得税基本通達(基本通達)38−8《取得費等に算入する借入金の利子等》は適用されず、その譲渡までに支払った当該借入金に係る利子等(本件借入金利子等)は、所得税法第38条《譲渡所得の計算上控除する取得費》第1項の「資産の取得に要した金額」に算入される旨主張するとともに、仮に同通達が適用されるとしても、金地金の資産としての性質は、基本通達38−8の2《使用開始の日の判定》の(3)に例示される資産の性質とは異なるものであるから、同通達は適用されず、借入れの日から売却した日までの本件借入金利子等は、所得税法第38条第1項の「資産の取得に要した金額」に算入される旨主張する。しかしながら、金地金は、所得税法施行令第5条《固定資産の範囲》第4号に規定する「前3号に掲げる資産に準ずるもの」に該当し、固定資産に当たるから、本件金地金の取得は、「固定資産の取得」に該当し、基本通達38−8及び38−8の2が適用される。そして、金地金は、その財産としての性質から、取得した時にその財産的価値の全てを享受することができるといえるから、その意味において、金地金は、基本通達38−8の2の(3)にいう「資産の性質上取得の時が使用開始の時であると認められる資産」に当たると解することが相当であるところ、本件金地金は、借入日と同日に取得していることが認められる。したがって、本件金地金については、基本通達38−8の「借入れの日から当該固定資産の使用開始の日までの期間」はないこととなり、本件借入金利子等は、その全額が所得税法第38条第1項の「資産の譲渡に要した金額」には算入されない。(平27. 6. 1 名裁(所)平26-39)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260039
- 裁決年月日
- 平成27年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、借入金を原資として取得した金地金(本件金地金)につき、投資目的で購入及び売却を行ったのであるから、売却に係る所得は、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する譲渡所得ではなく、同法第35条《雑所得》第1項に規定する雑所得に該当する旨主張する。しかしながら、雑所得とは、他の所得分類のいずれにも該当しない所得を課税するための所得類型であるところ、所得税法第33条第1項は、資産の譲渡による所得を譲渡所得という旨規定し、同条第2項は、その第1号及び第2号において、たな卸資産の譲渡その他営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡は譲渡所得に含まれない旨、山林の伐採又は譲渡による各所得は譲渡所得に含まれない旨それぞれ規定している。そして、本件金地金の売却は、金地金という「資産」を、売却という方法で「譲渡」したものであり、請求人による本件金地金の取引が継続的に行われた事実も認められないことなどから、本件金地金の売却に係る所得は、譲渡所得に該当し雑所得には該当しない。(平27. 6. 1 名裁(所)平26-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260111
- 裁決年月日
- 平成27年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№99
要旨
○ 請求人は、匿名組合契約の出資者である外国法人(本件外国法人)との間で締結した参加利益契約(本件参加利益契約)に基づき拠出金(本件拠出金)を支払い、その後、請求人と本件外国法人との間の本件買戻合意(本件参加利益契約に基づき匿名組合契約に係る利益の分配を受ける権利を本件外国法人が買い戻すことなどの合意)に基づき買戻代金を受領し、当該買戻代金と本件拠出金との差額の損失額(本件損失額)は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に該当する旨主張する。しかしながら、本件参加利益契約は、請求人が、本件拠出金を拠出した見返りとして、本件外国法人が内国法人との間の匿名組合契約に基づき享受する利益の一部の分配を受けるという契約であると認められ、また、当該分配は、内国法人から本件外国法人への分配金を上限として、本件拠出金に対して一定率の配当が請求人に支払われるものであり、雑所得に該当すると認められることから、本件拠出金は、雑所得の基因となる資産に該当する。そして、本件買戻合意は、本件参加利益契約の解約であると認められ、本件外国法人には本件拠出金相当額の返還義務が生じるところ、当該合意による買戻代金は、請求人と本件外国法人との間で合意した返還額であり、その結果、本件損失額が発生したものと認められる。そうすると、本件損失額は、雑所得の基因となる資産である本件拠出金に係る損失の金額と認められるから、本件損失額は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額とは認められない。(平27. 6. 1 東裁(所)平26-111)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平260021
- 裁決年月日
- 平成27年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 株式A及び株式Bの株式等に係る譲渡所得の金額の計算上控除する株式の取得費について、原処分庁は、請求人が調査に応じなかったため、株式の取引履歴等を基に、株式Aは229,800円、株式Bは182,500円と算定した旨主張し、請求人は、①原処分庁は原処分及び異議決定を通じて算定根拠を明らかにしていない、②株式Aの取得費は250,042円である旨主張する。しかしながら、当審判所が、株式A及び株式Bのそれぞれの取引等の履歴に基づき、所得税法第48条《有価証券の譲渡原価等の計算及びその評価の方法》第3項、所得税法施行令第105条《有価証券の評価方法》第1項第1号及び同令第118条《譲渡所得の基因となる有価証券の取得費等》第1項の規定により、株式A及び株式Bに係る譲渡所得の金額の計算上控除する株式の取得費をそれぞれ計算したところ、株式Aの取得費は250,100円、株式Bの取得費は177,000円となる。(平27. 5.21 福裁(所)平26-21)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260036
- 裁決年月日
- 平成27年5月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302990
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の所有する土地を収用する旨の権利取得裁決(本件裁決)によって定められた土地に対する損失の補償金(本件権利取得補償金)について、本件裁決は裁判所で係争中であること、本件権利取得補償金は供託され、請求人は未だ受領していないのであるから課税客体は存しないことなどから、本件権利取得補償金に係る更正処分等は違法である旨主張する。しかしながら、土地収用法第95条《権利取得裁決に係る補償の払渡又は供託等》及び第101条《権利の取得、消滅及び制限》の各規定によれば、権利取得裁決があったときは、起業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに土地又は土地に関する所有権以外の権利に対する補償金を払い渡す義務を負う反面、当該権利取得の時期において起業者が当該土地の所有権を取得し、当該土地に関するその他の権利等が消滅することとなる。そうすると、被収用者は、法律上、権利取得裁決において定められた権利取得の時期に、土地又は土地に関する所有権以外の権利に対する補償金に係る権利を行使をすることができることになり、その時点において、所得税法第36条《収入金額》第1項に規定する「収入すべき金額」が確定したものということができる。なお、この場合において、被収用者が権利取得裁決を争い、これに対して取消訴訟を提起しているとしても、当該裁決の効果は、権限ある国家機関によって取り消されるまでは公定力を有し適法である。以上のことから、本件権利取得補償金は、本件裁決において定められた権利取得の時期が属する年分の平成23年分の譲渡所得の総収入金額に計上すべきであると認められ、また、同年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のいずれにも誤りはないから、当該更正処分及び当該賦課決定処分のいずれも適法である。(平27. 5.13 名裁(所)平26-36)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260071
- 裁決年月日
- 平成27年2月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302029
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人からA法人に対する贈与を原因とする所有権移転登記がされた土地(本件土地)につき、本件土地の真実の所有者であるA法人に名義を戻したにすぎないから、所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項に規定する譲渡所得の基因となる資産の移転はなかった旨主張する。ところで、本件の争点は、本件土地の所有権移転の事実の有無であるが、その前提として、名義変更前の本件土地の所有者が請求人か、A法人かが争われているところ、登記はその記載事項につき事実上の推定力を有するから、登記事項は反証のない限り真実であると解される。これを本件についてみると、請求人に対する所有権移転登記がされた以降、請求人が役員を退任するまで地代の支払がされていなかった事実は、A法人が同族会社であることからすると、名義変更前の所有者が請求人であるという事実と十分に両立し得るものである。また、A法人による本件土地に係る固定資産税の支払の計上は、請求人個人が確定申告において、同額を必要経費に算入しており、いわゆる二重計上であることからすると、A法人は当該固定資産税に係る金員を出捐したと直ちに認めることはできない。したがって、これら事実は、上記推定を覆すに足りる事情には該当せず、名義変更前の本件土地の所有者は請求人であると認められる。そして、請求人とA法人は、本件土地につき贈与契約書を作成していたところ、本件においては、請求人やA法人が敢えて真意とは異なる贈与契約書を作成しなければならないような特段の事情は認められないから、請求人からA法人に対する贈与により本件土地の所有権の移転があったと認められる。したがって、所得税法第59条第1項に規定する譲渡所得の基因となる資産である本件土地の所有権の移転があったと認められる。(平27. 2.20 東裁(所)平26-71)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平250034
- 裁決年月日
- 平成26年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306200
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/20コンサルタント料、譲渡交渉費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№95
要旨
○ 請求人らは、共同住宅(本件建物)の敷地の用に供していた土地(本件土地)を譲渡した際に、親族が主宰する不動産仲介業等を営む法人(本件法人)にコンサルタント料として支払った金員(本件金員)は、当該法人が、①本件土地の取得に反対していた請求人らの親族の説得、②本件土地を譲渡するために取り壊した本件建物の長期にわたる改良行為、③トラブルが予想される賃借人への対応等、④請求人らの本件土地の譲渡先選定に関する助言等の諸行為に係る対価であるため、本件土地の譲渡に係る譲渡所得の取得費又は譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、①本件土地の取得のための親族の説得行為は、その取得自体に必要なものであったということはできず、取得のための付随費用ともいえないから本件土地の取得費には該当しない。また、②請求人主張の本件法人が行ったとする本件建物の各種改良行為は一般の修繕又は維持管理行為と認められること、③本件建物の賃借人への各種対応は、本件土地を譲渡した6年以上前のことであること、④譲渡先選定に関する本件法人の助言によって、本件土地の譲渡先が決定されたものではないことなどからすると、このような各行為に係る対価は、本件土地の譲渡を実現するために必要な費用とは認められない。よって、本件金員は本件土地の譲渡費用に該当しない。(平26. 6. 4 名裁(所)平25-34)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250013
- 裁決年月日
- 平成26年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式譲渡契約書(本件株式譲渡契約書)には請求人が株式(本件株式)を3億円で譲渡する旨の記載があり、請求人の署名押印があるものの、この署名押印は同契約書の文書の意味について十分な理解なくしたものであり、また、当該3億円に係る各小切手(本件各小切手)は請求人以外の者が受領したものであって、請求人は本件各小切手を受領していないことから、請求人が本件株式を3億円で譲渡した事実はない旨主張する。しかしながら、本件株式譲渡契約書は、A4判の用紙一枚で、本件株式の譲渡について簡潔かつ明瞭に記載されたものであり、また、請求人の経歴からして、請求人が本件株式譲渡契約書の内容を十分に理解できなかったとは考え難い。そして、本件各小切手がコピーされた「領収書」で始まる書面に請求人の署名押印があり、これは請求人がしたものと認められるところ、白紙を提示されて署名押印を求められたなどの請求人の答述は、信用できない。さらに、当審判所の調査によっても、本件株式譲渡契約書及び本件各小切手がコピーされた「領収書」で始まる書面の信用性等について疑義を生じさせる事情は認められない。以上のことから、本件譲渡株式契約書の記載内容どおり、請求人は本件株式を3億円で譲渡したことが認められる。(平26. 3.25 熊裁(所)平25-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250091
- 裁決年月日
- 平成26年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、亡父から相続により取得した各土地(本件各土地)の各譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費については、市街地価格指数に基づき算定した金額とすべきであるから、各確定申告書(本件各申告書)記載の当該譲渡所得の金額(譲渡収入金額の5%を控除したもの)は、その計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったものであるので、本件各申告書に記載した譲渡所得の金額若しくは税額等の計算が、国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより、本件各申告書の提出により納付すべき税額が過大である場合として、国税通則法第23条《更正の請求》第1項第1号に該当する旨主張する。しかしながら、更正の請求においては、その請求をする者に自ら記載した申告内容が真実に反し、請求に理由があることの主張立証責任が課されていると解され、本審査請求においても、請求人らが、本件各申告書に記載した納付すべき税額が過大であることについて主張立証すべきものと解されるところ、市街地価格指数は、個別の宅地価格の変動状況を直接的に示すものではないから、これに基づき算定した金額は、亡父が本件各土地を取得した時の市場価格を適切に反映するものとはいえず、また、請求人が採用した同指数は、六大都市市街地価格指数であるが、本件各土地は六大都市以外の地域に所在するものであるから、本件各土地の地価の推移を適切に反映したものとはいえない。そうすると、請求人らが取得費として主張する金額は、亡父が本件各土地を取得した時の時価であるとは認められない以上、同金額が本件各土地の取得費であるとすることもできない。加えて、本件各土地の取得費が、本件各土地の譲渡収入金額の5%に相当する金額を超えると認めるべき証拠もない。以上のことから、本件各申告書に記載された納付すべき税額が過大であるとは認められないから、国税通則法第23条第1項第1号には該当しない。(平26. 3. 4 東裁(所)平25-91)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平250013
- 裁決年月日
- 平成26年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡者には未経過期間に対応する固定資産税の納税義務はなく、固定資産の売買契約において未経過固定資産税相当額は当然に返還される契約条項として定着しており、未経過固定資産税相当額の受領は、いわば、過払分の返還にすぎず、譲渡所得の金額の計算に影響することはあり得ない旨主張する。しかしながら、譲渡所得に対する課税の趣旨からすると、資産の譲渡の対価として収入すべき金額については、その名目いかんにかかわらず、譲渡所得に係る総収入金額に算入されるべきであると解するのが相当であるところ、固定資産税は、その賦課期日である毎年1月1日現在における固定資産の所有者に対して課されるものであって、固定資産を所有している期間に対応して課されるものではないから、不動産の売買の売主と買主がその所有期間に応じて負担すべきものであるとは解されず、売買契約における公租公課の負担に関する合意に基づいて授受された未経過固定資産税相当額は、不動産の譲渡の対価の一部であると認められるから、譲渡所得の金額の計算上総収入金額に算入することが相当である。(平26. 2.27 仙裁(所)平25-13)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250045
- 裁決年月日
- 平成26年2月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡した各絵画(本件各作品)の取得費について、本件各作品のうちA作品の購入価額は700万円であり、同作品のうち請求人の父が購入したものと思われるB作品及びC作品の購入価額は売却価格より高額である旨主張し、また、本件各作品の譲渡に要した費用について、D社に支払った税務対策費が譲渡費用になる旨主張する。しかしながら、請求人の主張する取得費については、これを裏付ける証拠は存在せず、不明といわざるを得ないが、請求人の答述内容等から、本件各作品は、請求人又はその父が購入したものと認められるので、本件各作品の取得費は、所得税基本通達38−16《土地建物以外の資産の取得費》の定めにより本件各作品の譲渡収入金額の5%に相当する金額とすることが相当である。次に、請求人の主張する税務対策費については、本件各作品の譲渡に係る譲渡所得について計算した国税及び地方税より高額であり、支払うことに合理性はないので、そのような経費を負担したという請求人の主張は容易に認められず、また、仮に請求人が、本件各作品の出自を隠すなど税務対策以外の目的を有しており、その主張どおりの経費を負担したのだとしても、そのような目的のための支出であって、本件各作品の譲渡の際に必要な費用であったとはいえない。したがって、本件各作品の譲渡に要した費用の額は、D社が受領した販売手数料、カタログ掲載料及び保管料の合計額とするのが相当である。(平26. 2.18 大裁(所)平25-45)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250089
- 裁決年月日
- 平成26年2月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306150
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/15建物の収去費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№94
要旨
○ 請求人は、居住の用に供している家屋の一部を取り壊し、その取り壊した部分の敷地の用に供されていた土地を譲渡した場合、当該家屋の新築費用に係る資産損失の金額は譲渡費用として控除できることを前提に、国税庁のホームページに掲載されている「建物の標準的な建築価額表」を基に計算した金額を当該家屋の取得価額として、所得税法施行令第142条《必要経費に算入される資産損失の金額》第1号の規定を適用した金額が、譲渡所得の金額の計算上控除できる資産損失の額である旨主張する。しかしながら、「建物の標準的な建築価額表」は、建物と土地を一括で購入した時に売買代金の総額は判明しているものの建物と土地の価額が区分されていない場合において、建物の償却費相当額の基となる建物の取得価額を計算する必要があるときに、「建物の標準的な建築価額表」によって建物の取得価額を計算することとしても差し支えないとされているものであり、建物の取得価額が不明の場合にその額を推算する根拠として用いるものではないことから、当該家屋の新築費用に係る資産損失の金額は、譲渡費用として控除することはできない。(平26. 2.17 東裁(所)平25-89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250084
- 裁決年月日
- 平成26年2月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306120
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/12訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№94
要旨
○ 請求人は、委任した税理士(本件税理士)から、①請求人が任意譲渡をして請求人及び請求人の知人が主宰するB法人のそれぞれの租税債務を支払うのか、A国税局による滞納処分(公売)に委ねるかの判断をするための調査・確認、及び②不動産を高く譲渡するための不動産業者の選定・交渉に関して、役務の提供を受けているところ、本件税理士がA国税局の担当者からB法人に係る租税債務の発生時期及び税額の調査・確認をしない限り、建物及び各土地(本件各売買物件)の任意譲渡は実現しなかったのであり、本件各売買物件の譲渡に関する相談料(本件相談料)の大半はB法人の租税債務の確認の対価であるから、本件相談料は、客観的に見て当該譲渡を実現するために必要な費用である旨主張する。しかしながら、本件各売買物件の各差押登記に係る被保全債権及び各抵当権設定登記に係る被担保債権は、請求人の滞納税額又はB法人の滞納税額であって、請求人とC社の同物件に係る売買契約(本件売買契約)に係る決済の時点でいずれも支払義務が発生していたものであり、請求人自身が支払うべきもの、又は、請求人の負担は免れ得ないものであったということができる。そうすると、債権者の承諾を得るために行われた請求人の租税債務の弁済は、本件売買契約の成否にかかわらず、必要なものであり、また、B法人の租税債務の弁済についても、本件売買契約の成否にかかわらず、差押登記がされた各土地の交換価値の限度において必要なものであるから、上記各租税債務の弁済に係る金員は、客観的にみて、本件各売買物件の譲渡を実現するために必要な費用に当たらないというべきである。そして、これらの各租税債務の弁済に係る金員が本件売買契約の譲渡費用に該当しない以上、本件税理士に支払われた本件相談料も、本件各売買物件の譲渡費用には当たらないというべきである。(平26. 2. 4 東裁(所)平25-84)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平250004
- 裁決年月日
- 平成25年11月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が行った未公開株式(本件株式)の取引(本件取引)は、株式を使った仲介的な取引であり、また、本件株式取得のために支払った金額は詐欺等によりだまし取られたものであるから、請求人の手元に残った金額が所得金額である旨主張する。しかしながら、請求人は、①本件株式を取得して代金を支払っていること、②その取得した本件株式のうち一部を譲渡し、その譲渡代金を自己の預金口座に振り込ませていること、③一部譲渡後の残りの本件株式を保有していることからすれば、本件取引は、請求人が行った取引であると認められ、本件取引に係る総収入金額は、当該預金口座に入金された金額と同額となる。また、仮に請求人が本件株式取得のために支払った金額が詐欺等によってだまし取られたものであったとしても、株式の譲渡所得の金額の計算において、詐欺等によってだまし取られた金額は、総収入金額に含めないとの規定はなく、当該所得の基因となった資産の取得及び譲渡に要した費用にも該当しないから、請求人の手元に残った金額を所得金額とすることはできない。(平25.11.21 福裁(所)平25-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250030
- 裁決年月日
- 平成25年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営会社に対して、本件ゴルフクラブ(預託金会員制のゴルフクラブ)から退会する旨の意思表示をした上で、預託金返還請求訴訟を提起し、当該訴訟において訴訟上の和解(本件訴訟上の和解)をしたが、ゴルフ場経営会社から本件訴訟上の和解に従った預託金全額の返還が行われなかったため、本件ゴルフクラブの優先的施設利用権はそのまま保有しており、その後、ゴルフ場経営会社及びゴルフ会員権の買取業者(本件譲受会社)との間で締結した和解契約(本件和解契約)に基づいて本件譲受会社に譲渡した資産は、優先的施設利用権を含むゴルフ会員権であるから、当該ゴルフ会員権は、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する「資産」に該当する旨主張する。しかしながら、譲渡所得の基因となる資産を譲渡したというためには、当該資産の取得の時点と譲渡の時点とで資産の同質性が維持されている必要があると解されるところ、請求人が、預託金返還請求訴訟を提起する際に、本件経営会社に対して本件ゴルフクラブの退会及び預託金返還請求の意思表示をした結果、請求人と本件経営会社との間の会員契約は終了し、本件ゴルフクラブに係る優先的施設利用権及び年会費支払義務は消滅し、預託金返還請求権のみが存在することとなったものと認められる。そうすると、請求人が本件和解契約に基づいて本件譲受会社に対して譲渡したのは、金銭債権たる預託金返還請求権であると認められることから、請求人が取得した、優先的施設利用権、預託金返還請求権及び年会費支払義務が一体不可分のものとなった本件ゴルフクラブのゴルフ会員権との間で資産としての同質性が維持されているということはできない。したがって、当該預託金返還請求権は、所得税法第33条第1項に規定する「資産」に該当しない。(平25. 9.10 東裁(所)平25-30)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250005
- 裁決年月日
- 平成25年7月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人及び請求人の妹がそれぞれ2分の1の持分を所有し、請求人の居住の用に供していた建物(本件建物)の譲渡に係る取得費の計算については、①請求人の妹が本件建物から転居した後、長期間にわたり請求人が本件建物に居住したものである上、②請求人の妹は請求人が本件建物の取得費の全額を控除することに同意しているのであるから、請求人は本件建物の取得費の全額を控除することができる旨主張する。しかしながら、譲渡所得の計算上控除すべき取得費は当該所得の基因となった資産の取得費であるところ、請求人が譲渡したのは本件建物の2分の1の持分のみであり、請求人の主張する事情はかかる権利関係に何ら変更を来たす事情と認めることはできないから、本件建物に係る請求人の譲渡所得の計算上控除すべき取得費は本件建物の取得費の2分の1相当額であり、その全額を控除することはできない。(平25. 7.17 大裁(所)平25-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平250004
- 裁決年月日
- 平成25年7月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①原処分庁におけるA国に所在する不動産(本件不動産)の譲渡に係る所得の計算上、取得費及び譲渡費用の一部が脱漏している旨、また、②本件不動産の取得資金は外国通貨による借入金で購入し、譲渡資金により当該借入金を返済したのであるから、当該借入金に係る為替差損相当額は譲渡費用して控除すべきである旨主張する。しかしながら、①取得費及び譲渡費用は請求人に有利な事実であり、証拠資料を整えておくことが容易であるから、原処分庁が具体的な証拠に基づき一定額の経費の存在を明らかにし、これが収入との間に合理的対応関係を有すると認められる場合には、これを超える額の取得費及び譲渡費用は存在しないものと事実上推定され、請求人は、経費の具体的内容を明らかにし、ある程度これを合理的に裏付ける程度の立証をしなければ、上記推定を覆すことができないと解されるところ、原処分庁が原処分で控除している譲渡費用は、譲渡収入との間で合理的な対応関係を有するといえる一定の経費であると認められ、これに対し、請求人が提出した取得費及び譲渡費用についての証拠は、客観的に請求人の主張を裏付けるものとまではいえず、また、審判所においても、これらが支払われたことを裏付ける証拠は認められない。次に、②については、請求人が本件不動産の取得代金を本件会社(B国所在の会社)から借り入れたことを客観的に裏付ける証拠は認められず、また、本件会社の会計処理からすると、請求人が本件不動産の譲渡代金を本件会社からの借入れの返済に充てたとも認められないことから、借入金の発生及び返済に係る為替差損益に関して考慮する余地はない。(平25. 7.12 大裁(所)平25-4)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平250001
- 裁決年月日
- 平成25年7月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№92
要旨
○ 請求人は、土地を譲渡したことによる分離長期譲渡所得の金額の計算上、当該土地(本件各土地)の上に存する建物(本件各建物)を事業の用等に供したことはないから、所得税基本通達38−8の2《使用開始の日の判定》の(1)のロの定めにより、本件各土地の取得のための借入金(本件借入金)の利子(本件借入金利子)の全額が本件各土地の取得費に該当する旨主張し、他方、原処分庁は、本件各土地には本件各建物が存するものの、本件各土地に占める本件各建物の床面積の割合は僅かであり、所得税基本通達38−8の2の(1)のロ及びハの定めにより判定することに合理性は認められないので、本件各土地の使用開始の日がいつであるかは、資産の種類、性質、形状その他外形的に判断できる利用の結果等客観的な事実に基づき総合的に判断すべきであるところ、本件借入金の借入れの日には既に本件各土地は使用されていたのであるから、本件借入金利子は本件各土地の取得費に該当しない旨主張する。しかしながら、本件各土地は、放牧、牧草栽培を用途にしている土地であり、本件各建物の使用が主な用途であるとは認められないこと及び本件各土地の地積のうち本件各建物が建築されている部分は極めて僅かであることからすると、本件各土地は、所得税法基本通達38−8の2の(1)のハに定める建物等の施設を要しないものに該当すると認められることから、同ハの定めにより使用開始の日を判定するのが相当である。(平25. 7.10 沖裁(所)平25-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250009
- 裁決年月日
- 平成25年7月8日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件覚書(著作権の譲渡等に関して、請求人、甲社及び乙社を当事者とする覚書)に表示された日(本件覚書表示日)では、譲渡代金の一部の支払が済んでいなかったため、当該著作権の2分の1(本件譲渡持分)は請求人から乙社に移転していない旨主張する。しかしながら、所得税法第36条《収入金額》第1項は、現実の収入がなくても、その収入の原因たる権利が確定的に発生した場合には、その時点で所得の実現があったものとして、当該権利発生の時期の属する年度の課税所得を計算するという建前(いわゆる権利確定主義)を採用しているものと解されるところ、本件覚書は、①真正に成立したと認められる処分証書であること、②作成経緯からすると本件覚書表示日に作成されたものと認められることから、本件覚書に係る合意の成立時期は、本件覚書表示日頃であるものと認められる。また、本件覚書には、本件譲渡持分の移転時期に関する特約も存在しない。したがって、本件譲渡持分は、当該合意の成立と同時に、請求人から乙社へ移転したものと認められる。(平25. 7. 8 東裁(所)平25-9)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240045
- 裁決年月日
- 平成25年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己が譲渡した不動産(本件不動産)に係る譲渡価額は、請求人が所持している不動産売買契約書に記載されているとおりであり、買主から受領した同契約書記載の金額を超える部分の金銭については、買主からの借入金である旨主張する。しかしながら、買主が所持している不動産売買契約書(乙契約書)の写しには、請求人が主張する譲渡価額とは金額を異にする売買価額が記載されているところ、①真正に成立したものと認められる領収書によれば、請求人は買主から本件不動産の売却代金として乙契約書の写し記載の金額を受領したこと、②本件不動産の所有権移転登記に際しては、請求人及び買主の双方が、乙契約書の写しの内容を基に手続を行っていること、③買主に本件不動産の購入代金を融資した金融機関は、乙契約書の写し又はその原本の提出を受け当該融資を行っていることが認められることから、乙契約書は、真正に成立したものと認められ、請求人の本件不動産の譲渡価額は、乙契約書記載の金額である。(平25. 6.13 名裁(所)平24-45)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240215
- 裁決年月日
- 平成25年5月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成21年中に行った、請求人所有の建物(本件建物)及び請求人が賃借していた本件建物の敷地(本件土地)上の借地権(本件建物と併せて本件譲渡資産)の譲渡(本件譲渡)に係る譲渡所得の金額の計算上、①本件土地の所有者に対して支払った未納分の地代(本件地代未納分)、②本件建物の賃借人に対して支払った立退料(本件立退料)及び③不動産業者に対して支払った調査委託金(本件調査委託金)などについて、いずれも所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する「資産の譲渡に要した費用」に該当する旨主張する。しかしながら、所得税法第33条第3項に規定する「資産の譲渡に要した費用」に該当するか否かについては、現実に行われた譲渡を前提として、客観的に見て当該譲渡を実現するために必要であったかどうかによって判断すべきものであるところ、①本件地代未納分は、本件譲渡の有無にかかわらず、請求人が本件土地の賃借人としての地位に基づき支払義務を負うものであり、本件譲渡資産の保有期間中の維持又は管理に要した費用であると認められること、②本件立退料は、本件譲渡資産の前所有者が平成3年に当時の賃借人に対して支払ったものであること、③本件調査委託金は、請求人が当該不動産会社に委託した調査内容は明らかでなく、いかなる支払によるものなのかは明らかでないことなどから、いずれも平成21年に行われた本件譲渡を前提として、客観的に見て本件譲渡を実現するために必要であったものとはいえない。したがって、請求人の主張する各費用は、いずれも所得税法第33条第3項に規定する「資産の譲渡に要した費用」に該当しないものである。(平25. 5.27 東裁(所)平24-215)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240024
- 裁決年月日
- 平成25年5月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡不動産に係る開発申請手数料及び水道本管工事費を取得費として、ブロック工事費、不動産分筆登記費用、売買契約書の収入印紙代及び登記事項証明書に係る交付手数料を譲渡費用として、それぞれ、譲渡不動産の譲渡所得の金額の計算上控除すべきである旨主張する。しかしながら、取得費について、請求人が開発申請手数料を支払った事実は存在せず、水道本管工事費に係る工事は譲渡の数年前に行われ、その金額は請求人が申告に際して適用した長期譲渡所得の概算取得費控除額に満たないことが認められるから、これらはいずれも取得費として控除することはできず、また、譲渡費用について、ブロック工事費は譲渡不動産と関係ない請求人の子の自宅の工事費と認められ、不動産分筆登記費用は譲渡不動産の買主が負担したものと認められ、売買契約書に係る収入印紙代の一部は、売買代金を仮装するために作成された売買契約書に貼付された収入印紙に係るものと認められ、仮装のための費用を譲渡費用と認めることはできないから、これらはいずれも譲渡費用として控除することはできないが、売買契約書に係る上記以外の収入印紙代及び競売手続で不動産を取得する際に裁判所に提出するための登記事項証明書に係る交付手数料は、それぞれ譲渡費用、取得費として控除することができる。(平25. 5. 9 広裁(所)平24-24)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平240024
- 裁決年月日
- 平成25年5月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303990
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡不動産に係る売買代金は、売買契約書及び領収証のとおり4,350,000円である旨主張し、当審判所に対し、当該譲渡不動産の代金決済日に請求人の預金口座に入金された7,900,000円は売買代金と手持現金を合わせて入金したものである旨答述する。しかしながら、上記不動産の譲受人は、当審判所に対し、不動産の売買代金は8,000,000円である旨答述しているところ、当該答述は、譲受人が不動産を取得するに至った経緯及び譲受人の売買代金に係る資金調達の状況が各金融機関の口座の取引状況と合致していることに照らして信用することができ、また、請求人の関係預金口座の入出金状況から、売買代金の決済日時点で、請求人が答述する手持現金があったとは認めらないことを併せ考えると、譲渡不動産に係る売買代金は8,000,000円であったと認められる。(平25. 5. 9 広裁(所)平24-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240201
- 裁決年月日
- 平成25年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、預金保険法に基づく破綻手続を開始した非上場銀行(本件銀行)の株式の譲渡(本件株式譲渡)について、①本件株式譲渡時には株主権(自益権及び共益権)を法的に喪失していない、②租税特別措置法第37条の10の2《特定管理株式等が価値を失った場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例》は、株式が価値を喪失したか否かの判断基準を規定したものであるところ、その判断基準によれば、民事再生法上の再生手続開始の申立てがされたにすぎない状態にある本件銀行の株式(本件株式)は、経済的価値を喪失しておらず、譲渡所得の基因となる資産に該当するなどと主張する。しかしながら、株式は、自益権や共益権を基礎として一般にその経済的価値が認められて取引の対象とされ、キャピタルゲイン又はキャピタル・ロスを生ずるような性質のものとして、譲渡所得の起因となる資産に当たるものと解されるところ、①本件株式は、本件株式譲渡の時点において、自益権及び共益権を行使することは事実上極めて困難であるか、または行使による実益も皆無であって、経済的価値を喪失していたと認められること、また、②租税特別措置法第37条の10の2の規定は、発行会社の清算結了等の一定の事実の発生があった特定管理株式等のみを対象として、当該事実が生じたことを株式としての価値を失ったことによる損失が生じたものとするものであるから、当該一定の事実を掲げる同規定をもって、およそ個人の所有する株式が無価値化する場合を網羅したものであると解することや、税法上、株式としての価値を失った場合を同規定に掲げる場合に限るという趣旨を表明したものであると解することはできない。(平25. 4.26 東裁(所)平24-201)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240196
- 裁決年月日
- 平成25年4月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成22年に譲渡したマンションの敷地所有権(本件土地)の共有持分(1,036,464/156,000,000)は、平成3年頃、マンション建替等の再開発事業(本件再開発事業)を行う不動産会社(本件会社)に対して、請求人が昭和54年に取得した本件土地の共有持分(1/156)と建替後のマンションの専有部分の面積に応じて買い増した本件土地の共有持分(36,464/156,000,000)とを合わせた共有持分(1,036,464/156,000,000)を売却し、マンション建替後の平成5年に、同共有持分と同じ持分を一括して取得する契約により取得したものであるから、本件土地の共有持分に係る取得費は、平成5年に取得した本件土地の共有持分の「全部」に相当する価額(時価)である旨主張する。しかしながら、本件再開発事業は、本件会社が等価交換方式により旧建物を取り壊し、新建物の各居宅を旧建物の各区分所有者に対して売却する事業であるところ、請求人の場合、請求人が昭和54年に取得した本件土地の共有持分を有したまま、本件再開発事業により、本件土地の共有持分の一部を追加取得したと認められるから、本件土地の共有持分に係る譲渡所得の金額の計算上、昭和54年に本件土地の共有持分の一部を取得し、その後、平成5年に本件土地の共有持分の一部を追加取得したことを前提に、それぞれの本件土地の共有持分の取得費を算出するのが相当である。(平25. 4.23 東裁(所)平24-196)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240044
- 裁決年月日
- 平成25年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302019
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人に対する株式の寄附(本件寄附)は、租税特別措置法(平成20年法律第23号による改正前のものをいう。)第40条《国等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税》第1項の要件を満たしており同規定を適用すべきものであるから、所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》第1項第1号に規定する贈与に該当しない旨主張する。しかしながら、本件寄附に係る租税特別措置法第40条第1項に規定する譲渡所得等の非課税の承認申請は国税庁長官によって不承認処分がされているから、本件寄附は所得税法第59条第1項第1号に規定する贈与に該当する。(平25. 3.26 関裁(所)平24-44)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240044
- 裁決年月日
- 平成25年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人に対する株式(本件株式)の寄附(本件寄附)の時における本件株式の価額の算定に当たり、本件株式の発行会社が地方公共団体と締結した建物等の移転補償等契約(本件契約)に係る一連の取引が、本件寄附の時点で完了していなかったから、本件契約に基づき受領していた金員(本件受領補償金等)の額は、負債として控除すべきであるなどと主張する。しかしながら、本件契約は、本件寄附の時において履行が確実であったと認められるから、本件株式の価額の算定において対象とすべき財産は、本件契約に係る残代金請求権であると解するのが相当である。そうすると、当該残代金請求権は、本件契約に係る対価の総額から本件受領補償金等を控除した残額をもってその評価額とするものであるから、本件株式の価額の算定上、本件受領補償金等を負債として計上することは認められないず、一方、受領未済の金額は資産に計上すべきこととなる。(平25. 3.26 関裁(所)平24-44)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240044
- 裁決年月日
- 平成25年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人に対する株式(本件株式)の寄附(本件寄附)の時における本件株式の1株当たりの価額は、本件寄附の1か月前に本件株式を他に譲渡(本件前譲渡)した時の1株当たりの売買価額が所得税基本通達23〜35共−9《株式等を取得する権利の価額》の(4)のイに定める「最近において売買が行われたもののうち適正と認められる価額」に該当するから、当該売買価額になる旨主張する。しかしながら、本件前譲渡の1株当たりの売買価額は、①買主が同族会社や親族であること、②その算定根拠が明らかでないこと及び③当審判所が算定した本件前譲渡時における価額からも乖離していることからすれば、時価より大幅に低額であると認められる。したがって、本件前譲渡の売買価額が「最近において売買が行われたもののうち適正と認められる価額」に該当するとは認められないから、これを本件寄附時における本件株式の価額とすることはできない。(平25. 3.26 関裁(所)平24-44)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平240012
- 裁決年月日
- 平成25年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産の売買がされた場合、その不動産に対するその年の固定資産税等は、売主と買主との私人相互の関係においては、売主と買主がその所有期間に応じて負担すべきものであるから、売買契約に伴って売主が買主から受け取る未経過固定資産税等相当額の金員は、一種の預り金にすぎず、売買代金の一部ではない旨主張する。しかしながら、譲渡所得に対する課税の趣旨からすると、資産の譲渡の対価として収入すべき金額については、その名目いかんにかかわらず、譲渡所得に係る総収入金額に算入されるべきであると解するのが相当であるところ、固定資産税等は、その賦課期日である毎年1月1日現在における固定資産の所有者に対して課されるものであって、固定資産を所有している期間に対応して課されるものではないから、不動産の売買の売主と買主の私人相互の関係においても、当然に売主と買主がその所有期間に応じて負担すべきものであるとは解されず、売買契約における公租公課の負担に関する合意に基づいて授受された未経過固定資産税等相当額は、不動産の譲渡の対価の一部であると認められる。(平25. 3.22 高裁(所)平24-12)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平240009
- 裁決年月日
- 平成25年3月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の譲渡に際して買主から受領した当該土地の引渡日以降の期間に対応する固定資産税及び都市計画税の日割清算金の額(本件未経過固定資産税等相当額)は、立替分の返金を受けたものすぎないから、これを譲渡所得に係る総収入金額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、固定資産税及び都市計画税は、その賦課期日である毎年1月1日現在における固定資産の所有者に対して課されるものであって、固定資産を所有している期間に対応して課されるものではないから、当該土地の売買契約における公租公課の負担に関する合意は、新たな債権債務関係を発生させる当該土地の売買条件の一つにほかならず、当該合意に基づいて授受された本件未経過固定資産税等相当額は、当該土地の譲渡の対価の一部であると認められる。(平25. 3.14 高裁(所)平24-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240143
- 裁決年月日
- 平成25年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303039
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡所得の収入金額の計算について、地価インフレ(物価上昇)に係る価格によることは不公平で不公正であるから、本件譲渡に係る譲渡所得の収入金額は、売買金額ではなく物価上昇に係る調整後の金額とすべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第36条《収入金額》第1項は、別段の定めがある場合を除き、各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべき金額はその年において収入すべき金額とする旨規定しており、総収入金額を算定する際に、請求人が主張するような物価上昇に係る調整を行う旨の規定は存在しないから、請求人の主張には理由がない。(平25. 1.21 東裁(所)平24-143)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240143
- 裁決年月日
- 平成25年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306150
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/15建物の収去費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成22年中に行われた本件土地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、本件土地上に存していた本件建物の取壊しによる除却損等(①本件建物及び附帯設備の取得費、②本件建物の改修費、資本的支出の未償却残高の合計額、③本件建物及び本件土地の固定資産税、④本件建物の取壊し費用)を、譲渡費用として控除すべきである旨主張する。しかしながら、①請求人は平成14年4月から平成15年5月までの間、本件建物をA社に賃貸していたものであり、本件建物を不動産所得を生ずべき事業又は業務の用に供してきたものと認められること、②本件建物は請求人とA社との間の賃貸借契約が終了した約3か月半後の平成15年10月に取り壊されていること、③請求人は平成20年10月付でB社との間で本件土地の売買に係る専任媒介契約を締結しているところ、当審判所の調査の結果によっても、当該契約より前に請求人が他の不動産業者との間で本件土地の売買に係る専任媒介契約を締結した事実は認められないことからすると、本件建物及び附属設備の取得費並びに建物改修費等の資本的支出の未償却残高は、取得費とされる金額に相当する金額として、本件建物に係る平成15年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に計上すべきものである。また、本件建物は平成15年10月に取り壊されているから、建物の取壊し費用が平成22年に行われた本件土地の譲渡に要した費用であるとは認められない。さらに、譲渡資産の修繕費、固定資産税その他その資産の維持又は管理に要した費用は、資産の譲渡に要した費用には該当するものではないから、譲渡資産の所有期間中に支出した固定資産税は譲渡費用に含まれない。以上から、請求人が、本件建物の取壊しによる除却損等として、本件土地の譲渡所得の金額の計算上譲渡費用に算入すべきであるとする各種費用は、いずれも譲渡費用には当たらない。(平25. 1.21 東裁(所)平24-143)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240143
- 裁決年月日
- 平成25年1月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306190
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/19租税公課
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、固定資産税は公示価格にスライドした固定資産税評価額に対するキャピタルゲイン税であるから、譲渡所得に対する課税との二重課税を避けるために固定資産税の累積額を譲渡所得に係る所得税の額から税額控除すべきである旨主張する。しかしながら、譲渡資産の修繕費、固定資産税その他その資産の維持又は管理に要した費用は、資産の譲渡に要した費用には該当するものではなく、請求人が主張するように譲渡資産の所有期間中に支出した固定資産税を譲渡所得に係る所得税の額から税額控除する旨の法令の規定は存在しないから、請求人の主張には理由がない。(平25. 1.21 東裁(所)平24-143)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240006
- 裁決年月日
- 平成24年9月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 原処分庁は、請求人の所有していた民事再生法の規定による再生計画に基づき平成21年中に無償で消滅した株式(本件株式)の取得金額は、譲渡所得の金額の計算上、取得費として控除できない旨主張する。しかしながら、所得税法においては、株式が株式としての価値を失ったことにより損失が生じた場合、①その株式が事業所得の基因となるものであるときは、所得税法第37条《必要経費》第1項の規定に基づき、売上原価の計算を通じて自動的にその株式の取得価額相当額がその損失の発生した年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入され、また、②その株式が雑所得の基因となるものであるときは、所得税法第51条《資産損失の必要経費算入》第4項の規定に基づき雑所得の金額を限度として、その株式の取得価額相当額が資産損失としてその損失が発生した年分の雑所得の金額の計算上必要経費に算入され、③その株式が譲渡所得の基因となるものであるときは、その損失は所得金額の計算上考慮されないところ、請求人の上場株式等の譲渡による所得は、事業所得又は雑所得と認められることから、本件株式が株式としての価値を失ったことによる損失の金額は、平成21年分の株式等の譲渡による事業所得又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入できることになる。(平24. 9.25 関裁(所)平24-6)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平240001
- 裁決年月日
- 平成24年8月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸アパートの売買契約に基づいて受領した清算金(本件清算金)は、不動産所得の必要経費である固定資産税等を清算したものであるから、譲渡所得の総収入金額に算入すべきものではなく、不動産所得に係るものである旨主張する。しかしながら、固定資産税等は、その賦課期日である毎年1月1日現在において固定資産課税台帳に所有者として登録されている者に対して課されるものであり、賦課期日後に所有者の異同が生じたからといって、課税関係に変動が生じるものではない。そうすると、本件清算金は、固定資産税等の清算金名目での金員の授受ではあるものの、実質は、固定資産税等の納税義務額を清算するものではなく、当該売買契約に基づいてなされる売買条件の一つに他ならず、その譲渡の対価の一部を構成するものというべきであることから、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべきものである。(平24. 8.10 金裁(所)平24-1)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平240001
- 裁決年月日
- 平成24年8月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306090
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/9損害賠償金、違約金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、抵当権が設定されていた賃貸アパートの譲渡に際し、抵当権者である銀行からの借入金を繰上返済したことに伴って支払った違約金(本件違約金)は、銀行との特約により繰上返済をする場合に発生する費用であり、また、当該抵当権を消滅させないと当該譲渡に係る売買契約が成立しないから、譲渡費用に当たる旨主張する。しかしながら、本件違約金の支払は、当該売買契約の内容となっているものではなく、借入金残金を繰上返済するに当たり支払うこととされているものにすぎず、担保物権を譲渡する場合に必ず繰上返済をしなければならないものではないことからすれば、本件違約金が、客観的に見て当該譲渡を実現するために必要な費用であったとは認められない。また、当該売買契約には、当該抵当権を消滅させないときには契約を解除することができる旨の条項が定められているものの、当該条項は、解除条件でも、ましてや停止条件でもないから、仮に請求人が当該賃貸アパートに設定されている抵当権を消滅させない場合であっても、それを理由に当該売買契約が成立しないということはなく、請求人の「抵当権を消滅させないと当該譲渡に係る売買契約が成立しない」との主張は、その前提を欠くものである。(平24. 8.10 金裁(所)平24-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240017
- 裁決年月日
- 平成24年8月2日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 原処分庁は、請求人の有していた旧運営会社に対する①旧ゴルフ場の優先的施設利用権(プレー権)及び②預託金返還請求権などから成る契約上の地位(旧会員権)については、旧運営会社から新運営会社への事業譲渡(本件事業譲渡)により、上記①のプレー権が消滅したものと認められ、また、旧会員権を有する会員(旧会員)に対しては、上記①のプレー権とは別の権利である暫定的プレー権が付与されたものと認められるから、本件事業譲渡後における旧ゴルフ場の会員権は、上記②のみを内容とするものであり、当該会員権の譲渡は、譲渡所得の基因となる資産の譲渡に該当しない旨主張する。しかしながら、本件事業譲渡に際しては、旧運営会社と旧会員との間の旧会員権に係る権利義務関係の処理について、(イ)旧会員のうち本件事業譲渡後も引き続き、新運営会社に対する新ゴルフ場のプレー権及び預託金返還請求権などから成る契約上の地位(新会員権)の保有を希望する者に対しては、旧会員権そのものを会員権管理会社に取得させるのと引き換えに、新会員権を付与させ、また、(ロ)新会員権の取得を希望しない旧会員についても、上記(イ)の旧会員権の取得及び新会員権の付与に係る手続が完了するまでの間、旧会員が新ゴルフ場を利用することができるよう、新運営会社の親会社であるスポンサー会社が旧会員の優先的施設利用を承認することを取り決めたものと認めるのが相当であるから、本件事業譲渡において、新会員権の取得を希望する旧会員から会員権管理会社に対する譲渡の対象とされたのは、上記①のプレー権及び上記②の預託金返還請求権から成る契約上の地位としての旧会員権そのものであって、旧会員権の譲渡時においてプレー権の存在が前提とされていたものといわざるを得ない。したがって、新会員権の取得を希望する請求人は、旧運営会社に対するプレー権を含む契約上の地位としての旧会員権を会員権管理会社に譲渡したものと認められるから、譲渡所得の基因となる資産を譲渡したものと認められる。(平24. 8. 2 大裁(所)平24-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240030
- 裁決年月日
- 平成24年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が保有していた、外国法に基づく契約により組成されたリミテッド・パートナーシップ(LPS)持分の譲渡(売却)によって発生した譲渡所得の金額の計算上、請求人が支払ったアドバイザリー手数料及び信託費の金額は取得費として控除すべきものである旨主張する。しかしながら、当該アドバイザリー手数料は、請求人の海外不動産投資に係る相談に応じて助言するなどの役務提供を行うことの対価であり、また、当該信託費は、信託の受託者が信託の業務を行うことの対価であると認められるから、当該LPS持分の取得の対価及びその取得自体に要する費用と別の費用であり、当該LPS持分の客観的価格を構成すべき取得代金の額でもなければ、当該LPS持分の取得に通常、必要不可欠な費用でもない。したがって、当該アドバイザリー手数料及び当該信託費は、いずれも、当該LPS持分の譲渡による譲渡所得の金額の計算上、控除すべき「取得費」に含まれない。(平24. 8. 1 東裁(所)平24-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230218
- 裁決年月日
- 平成24年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外貨建てで取得し、譲渡した株式に係る譲渡所得の金額は、外貨建てで計算した譲渡益の額を、譲渡時におけるTTMレートにより円換算をして算出する方法で算定すべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得に対する課税の趣旨は、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、これを清算して課税することにあるということからすれば、株式等に係る譲渡所得の金額について、当該株式の取得時又は譲渡時の客観的価額に相当する、当該譲渡所得に係る総収入金額又は取得費等の額の中に外貨建取引によるものが含まれている場合には、所得税法第57条の3《外貨建取引の換算》第1項の規定により、一律に、当該外貨建取引を行った時における為替相場、すなわち、譲渡価額については譲渡した日、取得費については取得した日など、それぞれの取引をした日における為替相場により円換算して各価額を算出し、当該譲渡所得の金額を算定すべきものと解するのが相当である。したがって、請求人が、外貨建てで取得し、譲渡した株式に係る譲渡所得の金額は、当該株式の譲渡に係る総収入金額及び取得費の額を、当該株式を譲渡した日及び取得した日におけるそれぞれの為替相場により円換算し、これを基に算定すべきこととなる。(平24. 5. 8 東裁(所)平23-218)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230087
- 裁決年月日
- 平成24年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件端株の売却を取引証券会社へ申し出たところ、同証券会社の担当者の強引な営業活動により、本件端株と同一銘柄である本件株式までもが売却されたのであって、本件株式の譲渡(本件株式譲渡)は、請求人の意思によらず行われたものであるから、なかったものとされるべきである旨主張する。しかしながら、本件株式譲渡は、同証券会社の担当者から持ちかけられた話に応じて、請求人が返事をしたため行われたと認められるものの、請求人の意思によらずに行われたとまでは認められず、また、請求人は、本件株式を売った記憶がなかったため、本件株式譲渡の取消しが可能であれば取り消したいとの意思を有していたが、取消しができないのでやむを得ず本件株式と同銘柄、同株数の買付け(本件買付け)を行ったことが認められるものの、請求人が本件買付けを行ったことをもって、請求人には本件株式譲渡の意思がなかったとまでは認められない。他に、請求人の意思によらず本件株式譲渡が行われたことをうかがわせる事実も認めることはできない。加えて、同証券会社が、本件株式譲渡を取り消したことをうかがわせる事実は認められず、本件株式譲渡について、請求人が無効の訴えを提起した事実やその他に、判決等によって無効が確認され又は取り消された事実も認められない。以上によれば、本件株式譲渡が、請求人の意思によらずに行われたと認めることはできない。(平24. 3.22 名裁(所)平23-87)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230088
- 裁決年月日
- 平成24年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 税理士法人の社員税理士である請求人は、個人で営んでいた税理士業に係る業務を当該税理士法人(承継税理士法人)に譲渡した対価(本件業務譲渡対価)は譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件業務譲渡対価は、請求人の直前1年間の売上金額を基準として、承継税理士法人に引き継がれると予測される顧問先に係る売上債権の額のみに基づいて算定された金額であり、しかも、直前の3年間の事業所得の金額及び職員の給与等を勘案し、承継後に承継税理士法人が経営上の赤字とならないように請求人の報酬額を算定したことを加味すると、承継税理士法人の利益の額を見越して算定されたものであることは明らかであるので、キャピタルゲインに相当する金額を含んだ金額とはいえない。したがって、本件業務譲渡対価は譲渡所得に該当するとはいえない。そして、本件業務譲渡対価は、請求人が個人で営んでいた税理士業に係る顧問先のうち、承継税理士法人が実際に承継することができた顧問先に係る対価としての性質を有するものというべきであり、請求人が個人で営んでいた税理士業を廃業することによって失われる収益そのものを算定したものとは認められないので、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び一時所得のいずれにも該当せず、雑所得に該当する。(平24. 3.22 名裁(所)平23-88)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230180
- 裁決年月日
- 平成24年3月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305020
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/2登記費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件物件の売買契約締結後に手続を行った登記に係る相続登記費用は、当該売買契約に基づき譲渡物件を買主に引き渡し、当該売買の残代金を入手するために行ったものであるから、譲渡のために直接要した費用であり、譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、相続登記は、被相続人の死亡を原因として請求人が相続によって取得したことを登記するものであって、本件物件を相続により取得するための付随費用であり、本件物件の譲渡を実現するために直接生じたものではないから、譲渡費用には当たらない。(平24. 3. 9 東裁(所)平23-180)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230173
- 裁決年月日
- 平成24年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304026
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/6相続、贈与の場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した資産の譲渡価額には、被相続人が当該資産を取得してから相続時までの値上がり益が含まれており、相続により取得した資産の譲渡時に所得税を課税することは、当該値上がり益について相続税との二重課税になるから、当該値上がり益部分は所得税法第9条《非課税所得》第1項第15号により非課税であり、当該資産の相続時の時価が譲渡所得の金額の計算上控除すべき取得費に該当する旨主張する。しかしながら、所得税法は、相続により取得した資産の譲渡に関し、相続時までの値上がり益について、相続税及び所得税の双方の課税ベースに含まれることを前提に、その課税方法につき所得税法第60条《贈与等により取得した資産の取得費等》第1項に規定するいわゆる取得価額引継方式を採用することにより納税者に一定の配慮をしたものというべきであり、所得税法は、当該資産の譲渡による収入金額から被相続人の取得費を控除した値上がり益について、所得税を課すことを容認していると解するのが相当である。したがって、譲渡した資産の相続時の時価を取得費の額とすることはできない。(平24. 3. 2 東裁(所)平23-173)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230175
- 裁決年月日
- 平成24年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304026
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/6相続、贈与の場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法第60条《贈与等により取得した資産の取得費等》が課税対象として予定している被相続人の保有期間中の値上がり益は、相続税の課税対象とされ、既に所得税の清算が済んでいるのだから、同一の経済的価値に対する相続税と所得税の二重課税を排除する必要があり、所得税法第9条《非課税所得》第1項第15号により、被相続人の保有期間中の値上がり益は非課税となると解すべきである旨主張する。しかしながら、所得税法は、相続により取得した資産の譲渡に関し、相続時までの値上がり益について、相続税及び所得税の双方の課税ベースに含まれることを前提に、その課税方法につき所得税法第60条第1項に規定するいわゆる取得価額引継方式を採用することにより納税者に一定の配慮をしたものというべきであり、所得税法は、当該資産の譲渡による収入金額から被相続人の取得費を控除した値上がり益について、所得税を課すことを容認していると解するのが相当である。(平24. 3. 2 東裁(所)平23-175)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平230006
- 裁決年月日
- 平成24年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306050
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/5借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡代金から本件借入金を弁済し、本件土地の抵当権の抹消登記を行うこと及び未納固定資産税を納付し、差押えを解除することは、本件土地を譲渡(本件譲渡)する上での前提条件であるから、これらの支払は所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する「資産の譲渡に要した費用」に該当する旨主張する。しかしながら、本件借入金の弁済や本件土地の抵当権の抹消登記手続である登記費用の支払は、請求人と金融機関との間の債権債務関係の整理を目的として、本件譲渡に際して行われたにすぎないから、本件譲渡を実現するために直接かつ通常必要な費用であるといえず、譲渡価額を増加させるためのものであるとも認められない。また、固定資産税は、その固定資産を所有していることによって生ずる税であり、上記未納固定資産税は、譲渡以前に発生し、未納となっていたもので、本件譲渡に際して負担すべきものでないことは明らかであるから、資産の値上がりによる価値の増加益である譲渡所得に対応した費用とはいえず、本件譲渡を実現するために直接かつ通常必要な費用にも当たらない。以上のことから、上記支払は、いずれも「資産の譲渡に要した費用」とは認められない。(平24. 1.23 沖裁(所)平23-6)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平230005
- 裁決年月日
- 平成23年11月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成21年12月に本件甲土地を、平成22年1月に本件乙土地をそれぞれ買主に引き渡したのであるから、平成21年分の譲渡所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額は、本件甲土地の売買代金等だけであり、本件乙土地の売買代金等を譲渡所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき年分は平成22年分となる旨主張する。しかしながら、資産の譲渡に係る対価の受領が完了した場合には、その時点で現実の収入により所得が実現したということができるから、資産の譲渡に係る対価の額は、その現実の受領の完了時より遅れて総収入金額に算入されることはないというべきであるところ、請求人は、買主から平成21年12月に本件甲土地及び本件乙土地の売買代金等の全額の支払を受け、当該各土地の譲渡に係る対価の受領が完了したのであるから、本件乙土地の売買代金等を譲渡所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき年分は、本件乙土地の売買代金等の受領が完了した日の属する平成21年分と認めるのが相当である。(平23.11. 7 広裁(所)平23-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230053
- 裁決年月日
- 平成23年10月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡した不動産(本件不動産)の取得費について、①本件不動産は、A社から譲渡担保により取得したものであり、請求人のA社に対する貸付金の回収不能額等も取得費として控除されるべきである旨、また、②本件不動産の取得に係るB社との売買価額は、第2契約書の金額ではなく、第1契約書の金額が真実の金額である旨、それぞれ主張する。しかしながら、①請求人は、A社から本件不動産を取得したことを裏付ける書類として、A社から交付を受けたとする各書類を提出するが、当該各書類は、その記載内容からすると、譲渡担保設定契約が成立した後、所有権移転を経由するために譲受人に対して交付する書類であるとは認められないこと、請求人は、確定申告において、A社に対する代金回収不能額を本件不動産の取得費として計上しておらず、これを取得費としなかった理由について合理的な説明をしていないこと、請求人は本件不動産につき、譲渡担保を原因とする所有権移転登記を経由しておらず、これについて、合理的な説明がなされていないこと、及び、請求人は、同人の主張するA社との金銭消費貸借の事実に係る契約書などの書類を一切提出していないことからすれば、請求人が本件不動産を譲渡担保により取得したとは認められない。また、②本件不動産の取得に係るB社から発行された売買代金の受領書は、第2契約書の金額と符合するものであること、請求人は、第2契約書の金額によって確定申告をしており、第1契約書の存在は、本件更正の請求まで一切主張していなかったこと、請求人の対応は、二重契約を行っていた者の行動としてはいかにも不自然であること、及び他の証拠と明らかに矛盾する内容の書類を提出する請求人の行為は、第1契約書に係る契約成立の真正について、強い疑念を抱かせるものであることの諸事情からすると、第1契約書の存在をもって直ちに同契約書の売買金額による売買契約が成立したと認めることはできない。さらに、請求人は第1契約書の売買金額に係る原資及び支払状況を明らかにする預金通帳等の証拠を一切提出しておらず、第1契約書と第2契約書の差額を請求人が支払った事実を裏付ける客観的な証拠も存在しないこと等を総合勘案すれば、本件不動産の購入価額が第1契約書の売買金額のとおりであると認定するに足る十分な証拠は認められない。以上から本件不動産の取得費として、第1契約書の売買金額を控除することはできない。(平23.10.12 東裁(所)平23-53)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230020
- 裁決年月日
- 平成23年10月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 原処分庁は、請求人が譲渡した土地(本件土地)及び各建物(本件各建物)の各持分の取得費の額は譲渡代金の100分の5に相当する金額(本件概算取得費額)とするのが相当であって、請求人が本件審査請求に至り明らかにした各証拠をもって直ちに取得費の額と判断することはできない旨主張する。しかしながら、本件土地については、当該各証拠により明らかとなる金額が譲渡代金の100分の5に相当する金額を下回るから、確かに、本件概算取得費額が取得費の額となるものの、本件各建物については、当該各証拠のうち、領収書等の一部は、その宛名や作成時期が他の客観的証拠と符合することからすると、当該一部の領収書等に記載された各金額は、本件各建物の建築のために支払われたものと認められること及び当該各金額の合計額は本件概算取得費額を上回ることからすると、当該各金額の合計額をもって、本件各建物の取得費とするのが相当である。(平23.10. 6 名裁(所)平23-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230020
- 裁決年月日
- 平成23年10月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№85
要旨
○ 請求人は、請求人と請求人の母との間で請求人が所有する土地等の持分(本件請求人持分)を売買する旨の契約(本件売買契約)を締結したのは、銀行からの融資を受けるため融資担当者(本件融資担当者)から強制されたことによるものであるから、本件売買契約は、民法第94条《虚偽表示》第1項に規定する虚偽表示に該当する無効なものであり、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する「資産の譲渡」に該当しない旨主張する。しかしながら、本件売買契約は、請求人及び請求人の母において、請求人の借財を増やさないために本件請求人持分を買い取ることを意図して売買という法形式を自ら選択したものとみるべきであって、虚偽表示に該当するとは認められない。また、所得税法第33条第1項に規定する「資産の譲渡」があったか否かについては、売買の場合、売買契約の締結、売買代金の決済、物件の引渡し及び所有権の移転登記等実質的にその資産の移転をうかがわせる諸般の事情に照らして判断するのが相当であるところ、本件売買契約に係る契約書(本件売買契約書)が請求人及び請求人の母により作成されたことに争いはなく、実際に、本件売買契約書に記載の金額と同額の金員の移動があり、本件請求人持分の移転登記もされていることなどのことからすると、これら一連の事実は、上記の「資産の譲渡」に該当するものと認められる。(平23.10. 6 名裁(所)平23-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230052
- 裁決年月日
- 平成23年10月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成20年中に、居住用財産である建物及び借地権(本件居住用財産)並びに同借地権の対象地(本件底地)の譲渡契約(本件譲渡契約)を行い、同契約日に手付金を受領するとともに、同建物の鍵の引渡しを了していることなどから、本件居住用財産の引渡しは平成20年中になされた旨主張する。しかしながら、譲渡所得の収入すべき時期は、その資産の引渡しがあった日によることとされており、これは、譲渡者が資産を引渡した時には、相手方に対してその譲渡代金を請求することが確定的となり、譲渡代金相当額を収入すべき金額として認識し得る状態となったとみることができるからであるところ、資産の引渡しがあった日とは、所有権移転時期に関する契約上の記載はもとより、代金支払の約定、実際の代金の支払状況、登記関係書類の引渡し状況等にかんがみ、実質的に当該資産に対する支配管理の変動があった時期はいつかという観点から判断するのが相当である。本件の場合、①本件譲渡契約の特約において、本件居住用財産と本件底地の譲渡は一体として行われることとされ、実際にそのとおり履行されたこと、②本件底地の取得契約と本件譲渡契約とのいずれにおいても、引渡日が売買代金の全額受領日であると定められ、同日は平成21年中であったこと、③当該売買代金の全額受領日に所有権移転登記の必要書類のやりとりが行われ、同日、所有権移転登記が行われたことを総合すると、同日をもって、本件居住用財産及び本件底地が請求人の支配を離れて買主へ移転し、請求人が買主に対してその譲渡代金を請求することが確定的になったものと認められるから、本件居住用財産の引渡日は、平成21年中であったと判断するのが相当である。また、請求人が平成20年中に居住用財産である建物の鍵を買主に引渡したとの主張は、請求人の事情が許す範囲で買主に対する便宜を図ったことを示すにすぎないものである。(平23.10. 5 東裁(所)平23-52)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230045
- 裁決年月日
- 平成23年9月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303035
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/5低額譲渡の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、取引相場のない株式の譲渡時の時価は所得税基本通達59−6《株式等を贈与等した場合の「その時における価額」》(本通達)の定めにより算定することになるところ、本通達は、財産評価基本通達188《同族株主以外の株主等が取得した株式》(1)に定める「同族株主」に該当するかどうかの時に限って、当該譲渡直前の議決権数により判定する旨定めているものであるから、同通達の(2)から(4)までに定める株主に該当するかの判定については、譲渡後の議決権の数によると解すべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得課税は、年々蓄積された当該資産の増加益が所有者の支配を離れる機会に一挙に実現したものとみて、その機会にこれを清算して課税する趣旨のものであるから、譲渡所得の基準とされるべきは、譲渡人の下における資産の価値増加分であること及び本通達は、取引相場のない株式の客観的交換価値を把握することは非常に困難であることから、その時価の判定に際しては、財産評価基本通達に定める方法に準じるのが最も妥当であるとの立場から定められたものであることからすれば、本通達において、財産評価基本通達188を準用する場合にあっては、同通達の(1)の判定だけでなく、同通達の(2)から(4)までに定める株主に該当するかの判定についても、同様に譲渡直前の議決権の数により判定すると解すべきである。(平23. 9.28 東裁(所)平23-45)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230046
- 裁決年月日
- 平成23年9月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303035
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/5低額譲渡の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引相場のない株式の譲渡時の時価は所得税基本通達59−6《株式等を贈与等した場合の「その時における価額」》(本通達)の定めにより算定することになるところ、本通達は、財産評価基本通達188《同族株主以外の株主等が取得した株式》(1)に定める「同族株主」に該当するかどうかの時に限って、当該譲渡直前の議決権数により判定する旨定めているものであるから、同通達の(2)から(4)までに定める株主に該当するかの判定については、譲渡後の議決権の数によると解すべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得課税は、年々蓄積された当該資産の増加益が所有者の支配を離れる機会に一挙に実現したものとみて、その機会にこれを清算して課税する趣旨のものであるから、譲渡所得の基準とされるべきは、譲渡人の下における資産の価値増加分であること及び本通達は、取引相場のない株式の客観的交換価値を把握することは非常に困難であることから、その時価の判定に際しては、財産評価基本通達に定める方法に準じるのが最も妥当であるとの立場から定められたものであることからすれば、本通達において、財産評価基本通達188を準用する場合にあっては、同通達の(1)の判定だけでなく、同通達の(2)から(4)までに定める株主に該当するかの判定についても、同様に譲渡直前の議決権の数により判定すると解すべきである。(平23. 9.28 東裁(所)平23-46)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230010
- 裁決年月日
- 平成23年9月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、国内特許と外国特許とに係る相当の対価の支払を請求する権利は、それぞれ別個の請求権であって、F社から外国特許に係る承継の対価は一切受け取っておらず、F社に対し、在職中の職務発明について特許を受ける権利をF社に承継させたことにつき、特許法第35条《職務発明》第3項の規定に基づき、相当の対価の支払を求めて提起した訴訟において成立した訴訟上の本件和解によって得た本件和解金によって当該外国特許に係る承継の対価を初めて受け取ったのであるから、少なくともその部分に関しては譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、我が国又は外国の特許を受ける権利の基となる職務発明は、共通する一つの技術的創作活動の成果であり、当該職務発明については、その基となる雇用関係等も同一であって、これに係る国内外の特許を受ける権利は、社会的事実としては、実質的に1個と評価される同一の職務発明から生じたものということができ、そして、F社の発明考案取扱規定(本件規定)は、F社が日本国及び外国での職務発明に係る特許等を受ける権利等を承継する旨定めており、その趣旨は、国内外の特許を受ける権利の上記のような性格等に鑑み、当該権利の基となる職務発明をした従業者等とF社との間の当該発明に関する法律関係を一元的に処理しようとしたものであるということができる。このことに加えて、本件規定において、出願数は国内出願の件数により認定し、複数の出願に基づく国内優先権出願及び外国出願は全てこれを一つの出願とみなす旨規定していることを併せ考えると、本件規定が定める出願補償金、登録補償金及び実績報償金は、いずれも、国内における特許を受ける権利と外国における特許を受ける権利のいかんを問わず、本件規定の定める一つの出願に対するものとして規定されているものと解するのが相当である。そうすると、F社から請求人に対して支払われた出願補償金及び登録補償金は、職務発明に係る国外の特許を受ける権利の承継の対価を含むものというべきであるから、本件和解金に係る所得は譲渡所得には当たらない。 (平23. 9.22 大裁(所)平23-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230010
- 裁決年月日
- 平成23年8月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305080
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/8紛争解決の費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地等の譲渡に係る分離長期譲渡所得の金額の計算上、当該譲渡の日の約3年前に支払った、①本件宅地等の競売手続を止めるために不動産業者に支払った手数料、②前記①と同様の理由から作成した売買契約書に貼付した収入印紙代及び③本件宅地等に設定された抵当権の抹消費用は、いずれも譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、譲渡費用とは、資産の譲渡のために通常必要となる直接の費用及び当該資産の譲渡の価額を増加させるために当該譲渡に際して支出した費用を指すものと解されるところ、上記①ないし③の各費用は、いずれも譲渡費用に該当するものとは認められない。(平23. 8.22 名裁(所)平23-10)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230024
- 裁決年月日
- 平成23年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306210
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/21借地権の買取費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地については、過去に第三者に賃貸しており、当該第三者が借地権を有してたところ、請求人は、当該第三者から当該借地権を買い取った経緯があることからすれば、本件土地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、当該買取費用を控除することができる旨主張する。しかしながら、当該第三者が本件土地を使用していた事実は認められず、本件土地上に存していた既存建物には請求人の元従業員が請求人の指示のもとに住んでおり、当該第三者と当該元従業員との間で当該既存建物の賃貸借契約を締結した事実はないこと、当該元従業員は当該第三者のことを知らなかったこと、更に、請求人・当該第三者ともに、借地権の譲渡について申告していなかったことを総合勘案すると、当該第三者が本件土地を請求人から賃借していたと認めることはできない。したがって、本件土地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、請求人の主張する買取費用を控除することはできない。(平23. 7.25 東裁(所)平23-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平230004
- 裁決年月日
- 平成23年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の譲渡は、請求人の父Sと弟Tが、請求人の知らないところで全く勝手に行っていたものであるから、無効である旨主張する。確かに、本件株式の売却を発案したのはSであったこと、Sが請求人の本件株式の売却を計画したのは、グループ会社に対する請求人の影響力を取り除こうという目的であったこと、譲受会社の取締役会において出席役員の間で請求人の了解は得ないでおこうという話がなされたことからすれば、本件株式の譲渡は、Sが、請求人に無断で、請求人の委託を受けたとして行った無権代理による売買契約によるものであると認められ、これを覆すに足る証拠はない。しかしながら、請求人は、Tから、譲受法人からの金員が入金された通帳を受け取り、その入金を知った段階で、当該金員が本件株式の譲渡代金であることを認識したものと認めるのが相当であり、請求人は、当該金員を原資として自己の生活費用等や、Sの相続に係る相続税の納付、ローンの繰上返済や賃貸用マンションの購入費用等に費消している事実が認められるから、Sによる本件株式の売買契約を追認したものと認めるのが相当である。以上によれば、請求人によるSの無権代理行為の追認により、本件株式の譲渡があったと認められる。(平23. 7. 5 東裁(所)平23-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220233
- 裁決年月日
- 平成23年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、被相続人が行った本件各株式の譲渡について、①第三者間の取引であり、売買価額は純然たる第三者間において種々の経済性を考慮して決定された価額であること、②当該株式の譲渡先はいずれも少数株主であり、譲受法人が個々に支配権を有するものではないことを理由に、その取引価額は合理的な価額であるとして、所得税法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》に規定する「みなし譲渡課税」の適用はない旨主張する。しかしながら、①本件各株式の譲渡における売買価格は、請求人側からの一方的な提示によるものであること、②譲受法人は、いずれも、当該株式の価値に着目したものではなく、営業関係の強化等の理由から請求人側の提示した金額をそのまま了承したこと及び③株式発行法人は、本件各株式の譲渡における売買価格相当額を保証金名下に譲受法人に交付していること等にかんがみれば、本件各株式の譲渡における取引価額は、当該株式の客観的交換価値(市場価格)とは認められない。そこで、本件各株式の時価を算定すると、所得税法第59条に規定する「みなし譲渡課税」が適用されることとなる。(平23. 6.23 東裁(所)平22-233)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平220005
- 裁決年月日
- 平成23年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306200
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/20コンサルタント料、譲渡交渉費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡(本件譲渡)に係る譲渡所得の金額の計算上、本件指導料は、請求人の業務全般に対する指導助言の対価であり、かつ、本件土地の譲渡は請求人の業務の一環として行ったものであるから、譲渡費用に当たる旨主張する。しかしながら、ある費用が譲渡費用というためには、当該資産の譲渡に際して直接要した費用又は当該資産の譲渡価額を増加させるために要した費用でなければならないところ、本件土地の譲渡に係る不動産売買契約において、売買を仲介した法人のみが仲介業者として介在し、請求人の求めに応じて買受人の紹介から本件土地の引渡しまでの一連の手続に関与したことが認められる。一方、本件指導料の支払先であるコンサルタント法人が、本件譲渡を実現するために直接必要な役務を提供した証拠は見当たらないことに加え、請求人は当審判所の調査に応じず、当審判所の本件譲渡の関係者に対する調査によっても、コンサルタント法人の行った具体的な業務内容を確認できなかったことからすると、仮に、請求人がコンサルタント法人に本件指導料を支払っていたとしても、本件指導料が本件譲渡に際して直接要した費用又は本件土地の譲渡価額を増加させるために要した費用に該当するとは認められないことから、本件指導料は、譲渡費用には当たらない。(平23. 6.22 沖裁(所)平22-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220146
- 裁決年月日
- 平成23年2月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304027
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/7負担付贈与、低額譲受けの場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、負担付贈与により取得した部分を含む土地及び建物を譲渡した際の譲渡所得の計算上、贈与税申告に係る課税価格が誤っているにもかかわらず、原処分庁はこれを是正せずに取得費を算定して更正処分をしているから、当該更正処分は違法である旨主張する。しかしながら、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費の計算は、贈与税の課税価格を基礎として計算するものではないから、請求人の主張は採用できない。(平23. 2. 9 東裁(所・諸)平22-146)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220138
- 裁決年月日
- 平成23年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、特定口座で譲渡した上場株式等(本件株式)の取得価額は、本件株式の平成13年10月1日における価額の100分の80に相当する金額(みなし取得価額)ではなく、実際の取得価額を用いて譲渡所得の金額の計算をすべきである旨主張する。しかしながら、特定口座を開設する証券業者に開設されている他の保管口座に平成13年9月30日以前から引き続き保管の委託がされている上場株式等で、当該他の保管口座から当該特定口座へ移管がされるものの取得価額については、みなし取得価額とする旨規定されており、本件株式は、これに該当することから、その取得価額を実際の取得価額とすることはできない。(平23. 1.25 東裁(所)平22-138)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220138
- 裁決年月日
- 平成23年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305010
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/1手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、上場株式等の売却に伴う譲渡費用を、当該上場株式等の譲渡所得の金額の計算上、控除すべきである旨主張する。しかしながら、金融商品取引業者等は、年間取引報告書に、上場株式等の譲渡に要した費用の額を記載しなければならないとされているところ、当審判所の調査の結果によっても、請求人が証券会社から受領した特定口座年間取引報告書の「取得費及び譲渡に要した費用の額等」に当該譲渡費用が含まれていないとの事実を裏付ける証拠は認められず、当該譲渡費用は、同「取得費及び譲渡に要した費用の額等」に考慮されていると認められるから、請求人の主張は前提となる事実を誤っており採用できない。(平23. 1.25 東裁(所)平22-138)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平220007ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成22年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①土地区画整理組合(本件組合)から保留地清算金として交付を受けた本件交付金は、請求人らの従前の土地を保留地減歩して生み出された保留地の売却収入を分配したものであり、②本件換地処分後の土地の権利価額の算定が不当に低く誤っているから、本件交付金の実質は土地区画整理法第94条《清算金》の清算金の不足分であり、本件交付金は譲渡所得である旨主張する。しかしながら、本件交付金は、本件組合の総会の議決に基づいて保留地の処分等により生じた剰余金を組合員へ交付したものであるところ、①本件組合が施行する土地区画整理事業の保留地は、土地区画整理法第104条《換地処分の効果》第11項の規定のとおり本件組合が取得するものであるからその処分代金も本件組合に帰属するものと認められ、また、本件交付金は、従前地の面積に応じて分配されたものであって、減歩の有無・程度に応じて分配したものでもない。そして、②本件組合の総会の議決に基づく本件換地処分が取り消された事実は認められず、同処分に重大かつ明白な違法があると認めるに足りる証拠も存しないから、本件交付金を本件組合の議決に反して土地区画整理法第94条の清算金であるとみる余地もない。したがって、本件交付金は、請求人の資産の譲渡の対価とは認められない。(平22.12.16 金裁(所)平22-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220033
- 裁決年月日
- 平成22年11月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社株式を譲渡(本件譲渡)したところ、相続によって取得したA社株式(相続株式)と将来の譲渡価額を500円とする旨発行会社と合意した上で購入したA社株式(購入株式)とは、権利内容に差異があり、本件譲渡においては相続株式のみを譲渡したことから、本件譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、相続株式の取得価額のみに基づいて取得費を算定すべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第48条《有価証券の譲渡原価等の計算及びその評価方法》第3項で規定する同一銘柄の有価証券の判断において、同一銘柄の株式であるか否かについては、主として当該株式の発行会社が同一の株式会社であるか否か、株式に表章された社員の地位について、その具体的内容である配当請求権、議決権等の権利の内容に差異があるか否かに基づき判断すべきものであると解されるところ、相続株式と購入株式は、いずれも同一法人が発行した同一の種類の株式で、配当請求権及び議決権等の権利の内容には差異は認められず、また、請求人と発行会社との間の合意がこれらの権利の内容に影響を及ぼすとは認められない。したがって、相続株式と購入株式は同一銘柄の株式とみるのが相当であるから、本件譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、取得費の算定は、所得税法施行令第118条《譲渡所得の基因となる有価証券の取得費等》第1項の規定に基づき、同令第105条《有価証券の評価の方法》第1項第1号に掲げる総平均法に準ずる方法によって算出した1単位当たりの金額により計算した金額によることとなる。(平22.11.10 大裁(所)平22-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220070
- 裁決年月日
- 平成22年10月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306200
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/20コンサルタント料、譲渡交渉費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地譲渡に関連して、本件土地の売買で間に入った人物から水路払下げに関するコンサルタント並びに地質調査及び土壌改良工事をして本件土地の瑕疵を取り除かなければならないと言われ、そのコンサルタント等を行ったことに対し、本件コンサルタント料等を支払い、本件各領収書を受領したことから、本件コンサルタント料等は本件土地の譲渡費用に当たる旨主張する。しかしながら、請求人には、本件土地について、水路敷に関するコンサルタントを受ける必要性並びに地質調査及び土壌改良工事を行う必要性があったとは認められず、加えて、請求人は、本件各領収証のみを提出し、本件コンサルタント料等が本件土地に係るものであることを明らかにする契約書や請求書等の証拠書類を紛失したとして提出せず、当審判所の調査によっても、本件コンサルタント料等の内容、支払の経緯等は明らかでなく、他に本件コンサルタント料等が本件土地に係るものであるとの事実を認めるに足りる証拠はない。したがって、請求人の主張には理由がなく、本件コンサルタント料等は本件土地の譲渡費用に当たらない。(平22.10. 1 東裁(所)平22-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220025
- 裁決年月日
- 平成22年8月2日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、弁護士から強く迫られて、本件各不動産に係る売買契約書に署名・押印したが、当該売買契約書には売買物件等も記載されていなかったから、当該売買契約書に係る売買契約は成立しておらず、本件各不動産の譲渡の事実はない旨主張する。しかしながら、本件各不動産について所有権移転登記又は所有権移転仮登記がされていること、請求人が、当該売買契約に係る念書に記載された売買代金の一部を受領していること並びに当該売買契約書に記載の買主に請求人の滞納税金及び銀行借入金の支払を委任し、実際にこれらの納付等がされていることからすれば、請求人に対し、当該売買契約に係る売買代金の支払があったというべきであり、譲渡の事実がない旨の請求人の主張は採用できない。(平22. 8. 2 東裁(所)平22-25)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210037
- 裁決年月日
- 平成22年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、税理士事務所においては、税理士、従業員税理士、従業員及び顧問先と税理士事務所独自のノウハウ等が一体となって運営されていることに着目して営業権あるいは企業権というものを認識することができ、この営業権という資産を譲渡したものであるから、その対価として受領した金員に係る所得は所得税法第33条に規定する譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、?税理士と顧問先との関係において、税理士のノウハウや顧問先との信頼関係は、当該税理士個人に帰属し、一身専属性の高いものであり、税理士とその顧問先が両者の委任契約の上に成り立っていることからすれば、当該税理士を離れて営業組織に客観的に結実することにはなじまないこと、?補助税理士及び従業員と顧問先との関係において、請求人は、事業承継時において承継する税理士に引継ぐべき従業員を有していなかったのであるから、補助税理士及び従業員と顧問先との関係は生じないこと、?税理士事務所独自のノウハウ、また、これと税理士や従業員等が一体となって行われる運営、その他、超過収益を稼得できる無形の財産的価値を有していた旨の請求人の主張については、請求人から具体的な主張や証拠の提出はなく、また、請求人が経営していた税理士事務所に超過収益を稼得できる無形の財産的価値があったと客観的に認めることができないことから、請求人が経営する税理士事務所において、譲渡所得の基因となる資産としての営業権若しくはこれに類する権利が存在していたことを認識することはできない。(平22. 6.30 福裁(所)平21-37)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210058
- 裁決年月日
- 平成22年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人が外国に所在する土地等を譲渡したことに係る譲渡所得の金額について、請求人は、?当該土地等の取得及び譲渡の各取引は外貨によって行っており、当該土地等の取得から譲渡までの間、円と外貨との交換が行われていないことから、本件において所得税法第57条の3の規定は適用されないこと、並びに?当該土地等の取得時及び譲渡時の各為替相場をもって取得価額及び譲渡価額をそれぞれ円換算するという原処分庁の採用した方法によれば、実現していない為替差益に課税することとなって許されないことなどを理由に、当該譲渡所得の金額は、外貨建てで算出した譲渡所得の金額を当該譲渡時の為替相場によって円換算して算出すべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得に対する課税は、資産が譲渡によって保有者の支配を離れるのを機会に、その保有期間中の増加益、すなわち、当該資産の取得時と譲渡時の客観的価額との増差分を清算して課税しようとするものであり、これらの価額の算出に当たり、国内法である所得税法はその計算を円により行うことを前提としていることから、総収入金額又は取得費等の中に外貨で支払が行われる外貨建取引が含まれている場合には、当該取得時から当該譲渡時までの間に円と外貨との交換が行われていたか否かにかかわらず、当該外貨建取引の額について、当該取引を行った時における為替相場で円換算した上で計算するのが相当であり、所得税法第57条の3の規定はこの円換算方法について法令上明確化したものと解される。また、このような円換算によって算出した当該譲渡所得の金額には必然的に為替差益が含まれるところ、当該為替差益は、当該土地等の譲渡によって所得として実現したと解するのが相当である。(平22. 6.28 名裁(所)平21-58)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210059
- 裁決年月日
- 平成22年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が外国に所在する土地等を譲渡したことに係る譲渡所得の金額について、請求人は、①当該土地等の取得及び譲渡の各取引は外貨によって行っており、当該土地等の取得から譲渡までの間、円と外貨との交換が行われていないことから、本件において所得税法第57条の3の規定は適用されないこと、並びに②当該土地等の取得時及び譲渡時の各為替相場をもって取得価額及び譲渡価額をそれぞれ円換算するという原処分庁の採用した方法によれば、実現していない為替差益に課税することとなって許されないことなどを理由に、当該譲渡所得の金額は、外貨建てで算出した譲渡所得の金額を当該譲渡時の為替相場によって円換算して算出すべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得に対する課税は、資産が譲渡によって保有者の支配を離れるのを機会に、その保有期間中の増加益、すなわち、当該資産の取得時と譲渡時の客観的価額との増差分を清算して課税しようとするものであり、これらの価額の算出に当たり、国内法である所得税法はその計算を円により行うことを前提としていることから、総収入金額又は取得費等の中に外貨で支払が行われる外貨建取引が含まれている場合には、当該取得時から当該譲渡時までの間に円と外貨との交換が行われていたか否かにかかわらず、当該外貨建取引の額について、当該取引を行った時における為替相場で円換算した上で計算するのが相当であり、所得税法第57条の3の規定はこの円換算方法について法令上明確化したものと解される。また、このような円換算によって算出した当該譲渡所得の金額には必然的に為替差益が含まれるところ、当該為替差益は、当該土地等の譲渡によって所得として実現したと解するのが相当である。(平22. 6.28 名裁(所)平21-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210187
- 裁決年月日
- 平成22年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306100
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/10和解金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件和解金は、請求人が本件土地の本件譲渡を決め、その実現のために支払ったものであること及び請求人が、仮に本件和解金を支払わなかった場合、本件土地上の建物の明渡しを求められることになるが、その場合には、請求人は、本件譲渡代金額に遠く及ばないわずかな立退料を受領できるにすぎないことから、本件譲渡の価額を増加する意図の下に支払った直接的な費用であり、譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、譲渡所得の金額の計算上、控除すべき譲渡費用とは、①譲渡のために直接要した費用又は②譲渡の価額を増加させるために当該譲渡に際して支出した費用をいうと解されるところ、これを本件についてみると、請求人が本件譲渡の交渉を始めたのは、本件和解金を支払った約3か月後であり、実際に本件譲渡が行われたのは、本件和解金の支払から9か月以上経過した後であることからすれば、本件和解金を支払った時点で、本件譲渡の話は何ら具体化していなかったといえる。そうすると、たとえ請求人が、将来本件土地を譲渡するために本件土地の登記名義を回復する必要があると考えて本件和解金を支払ったという事情があるとしても、本件和解金は、上記の①及び②のいずれの費用にも当たらないものといわざるを得ない。したがって、本件和解金は、本件譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、控除すべき譲渡費用には該当しない。(平22. 6.22 東裁(所)平21-187)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平210053
- 裁決年月日
- 平成22年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡に係る譲渡所得計算上控除される取得費については、租税特別措置法第31条の4《長期譲渡所得の概算取得費》第1項に準じて算定した概算取得費ではなく、請求人が亡父から聞いていた亡父が本件土地を取得した際の取得価額によるべきである旨主張する。しかしながら、請求人が主張する取得価額については、その価額を証する書類はなく、算定根拠は伝聞に基づく平均値であり、実際の取引額を示すものではないことは明らかであるから、これを採用することはできない。(平22. 6.16 名裁(所)平21-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210166ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成22年5月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡した不動産に係る譲渡所得について、当該不動産の引渡しの日は、当該不動産を明け渡した平成20年7月28日である旨主張する。しかしながら、請求人は、売買契約締結日である平成19年11月29日に、売買代金の9割に相当する金額を受領し、所有権移転登記手続に必要な書類を交付しているところ、その後平成20年7月28日までの請求人の占有は、使用貸借又は明渡猶予によるものにすぎないというべきであるから、平成19年11月29日の時点で民法第183条《占有改定》による引渡しがあったと解するのが相当であり、契約の効力発生の日も、引渡しの日も平成19年11月29日であったと認められる。(平22. 5. 26 東裁(所)平21-166)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210062
- 裁決年月日
- 平成22年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303033
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/3財産分与の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件審査請求は、請求人が行った財産分与に係る譲渡所得について所得税が課されたことに基因するものであるところ、当該財産分与の日における本件各土地の時価の算定に当たり、原処分庁及び請求人は、ともに相続税の財産評価基準を基礎とすべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得に対する課税が、キャピタルゲインについて課税するものであるのに対し、相続税は、相続という財産関係の主体たる地位の包括的承継と相続財産の社会的再配分との適正な均衡という配慮の下に、相続等による財産の取得に担税力を認めて課税するものであって、譲渡所得に対する課税とは対象及び目的を著しく異にするものであることからすると、譲渡所得の課税上時価を算定するに当たって、相続税の財産評価基準を用いるのは適当ではないから、原処分庁及び請求人の主張は、いずれも採用することはできない。譲渡所得の課税上時価を算定するに当たっては、市場性の反映される価格が算定される取引比較事例法によるのが相当であることから、当審判所において、これに準拠して本件各土地の時価を算定すると、原処分時の認定価額を上回ることとなり、当該時価を基礎として譲渡所得の金額及び納付すべき税額を計算すると、いずれも原処分額を上回るから、これらの金額の範囲内でなされた原処分に違法はない。(平22. 5.17 大裁(所)平21-62)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210062
- 裁決年月日
- 平成22年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地を不特定多数の自由な取引で売却しようとすれば、本件土地上に存する本件建物の借家人に対する立退料及び営業補償の支出が必要であることから、これらの額を譲渡所得の金額の算定上、費用として控除すべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得の金額の計算上、収入金額から控除できるのは、譲渡そのものに関連して直接必要な支出であると解されるところ、当該借家人は、本件財産分与以降も本件建物を賃借し、継続して稼動していると認められ、また、本件財産分与に際し、実際に、当該借家人が立ち退いた事実及び立退料が支払われた事実も認められず、立退料の支払いが必要な事情も認められないことからすると、請求人の主張する立退料及び営業補償は、本件財産分与そのものに関連して直接必要な支出であるとは認められない。(平22. 5.17 大裁(所)平21-62)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210093
- 裁決年月日
- 平成22年3月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、総収入金額については、意思確認書によれば、リミテッド・パートナーシップ(LP)における請求人の持分権の譲渡に係る買取価格は取得した不動産の評価額からクロージング費用を控除して算出される旨記載されていることから、この買取価格を、当該譲渡に係る総収入金額とすべきであるとし、また、譲渡費用については、クロージング費用を控除することが買取の条件とされていることからすれば、クロージング費用として控除された各費用は、すべて当該譲渡を実現するために必要不可欠であり、当該譲渡に直接必要な費用であるから、譲渡費用として控除すべきである旨主張する。しかしながら、総収入金額については、当該意思確認書からすれば、買取価格は、売買価額から通例控除される費用を控除して算出された、いわば手取り金額ともいうべき金額であることから、当該譲渡の総収入金額とすべき価額は、買取価格に当該意思確認書により控除されているクロージング費用の額を加えた金額であると認められ、また、譲渡費用については、当該意思確認書におけるクロージング費用の各項目を検討すると、「借入金元本」及び「期限前弁済違約金」の金額は、当該LPの取得ローンに係る債務に対する請求人の当該持分権相当の弁済額及びその付随費用と認められるところ、それ以外の各項目の金額は、当該不動産を譲渡したとするならば通常必要であろう費用の見積額として、買取先が一方的に計算し請求人に対する支払額から控除した金額と認められるものの、請求人も当該費用の負担があることを前提として、当該譲渡に至る意思決定をしていることからすれば、「借入金元本」及び「期限前弁済違約金」の金額は、譲渡費用と認められないものの、これ以外のクロージング費用は、名目のいかんを問わず、その負担なくしては、譲渡は実現しなかったと認められることから、本件譲渡のために直接必要な費用であり、いずれも譲渡費用とするのが相当である。(平22. 3.23 関裁(所)平21-93)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210093
- 裁決年月日
- 平成22年3月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、譲渡所得を計算するに当たって採用した為替相場は、原処分庁所属の調査担当職員が調査によって確認した金額であるから、正当である旨主張するが、請求人が、リミテッド・パートナーシップ(LP)における請求人の持分権の譲渡があった日に採用した為替相場は、①一般に公開されているインターネット上に掲載されたものであること、②及び請求人の取引金融機関であるA銀行の対顧客レートとしてインターネットバンキング又はテレホンサービスにより確認したものを掲載している旨の記述があり、同日の為替相場として不合理な点は認められない。(平22. 3.23 関裁(所)平21-93)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210037
- 裁決年月日
- 平成22年2月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がその損失金額を損益通算したゴルフ会員権の譲渡について、当該ゴルフ会員権には預託金返還請求権及び優先的施設利用権があるから、譲渡所得の基因となる資産に該当し、その譲渡による損失金額は他の所得と損益通算できる旨主張する。しかしながら、ゴルフ会員権が譲渡所得の基因となる資産に該当するためには、ゴルフ会員権の取得時点における①優先的施設利用権、②預託金返還請求権及び③年会費納入等の義務からなる契約上の地位が、譲渡時点においても維持されている必要があるところ、本件譲渡に先立ち、当該ゴルフ会員権に係るゴルフ倶楽部の経営会社が当該ゴルフ倶楽部の営業譲渡をしたことにより請求人の優先的施設利用権は、当該経営会社に対する損害賠償請求権という金銭債権に転化していることから、当該ゴルフ会員権は、その譲渡時点において、同会員権取得時における上記内容が維持されているとはいえないから、譲渡所得の基因となる資産に該当しない。したがって、その譲渡による損失金額を他の所得と損益通算することはできない。(平22. 2.18 大裁(所)平21-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210101
- 裁決年月日
- 平成22年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続により取得した上場株式の譲渡による譲渡所得の金額の計算上、国税庁ホームページに「相続人の名義書換日をもって取得価額を算定して差し支えありません。」と掲載があるから、これに従って取得価額を算定するべきである旨主張する。しかしながら、その記載の後に、この取扱いが認められるのは被相続人が名義変更をしていない場合である旨記載されており、本件では名義書換は行われているので請求人の主張は採用できない。なお、本件では、被相続人が本件各株式を平成13年9月30日以前から所有していたことは明らかであるが、本件被相続人の実際の取得時期及び取得価額を確認することは困難であるから、租税特別措置法第37条の11の2第1項の規定を適用して本件各株式の取得価額を算定するのが相当である。また、請求人は、被相続人が名義書換を行ったか否かにより株式の取得価額が変わるのは不合理であり、租税公平の原則に反するから、被相続人が名義書換をしている場合にも、上記ホームページ記載の取扱いを認めるべきであると主張する。しかしながら、上記ホームページ記載の取扱いは、被相続人が名義変更をしていない場合には、被相続人が当該株式を取得した時期を把握することが困難であるほか、そもそも相続人が当該株式を相続により取得したこと自体を証明することが困難であることから、例外的に、相続人が名義書換をした日を取得時期とすることを認めたものであると解される。(平22. 1.19 東裁(所)平21-101)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210010
- 裁決年月日
- 平成22年1月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306120
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/12訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件報酬は、本件土地について譲渡の意思表示をするために不可欠な譲渡に係る税金についての助言に対する報酬であり、いわゆる本件土地の売却のコンサルタント料であって、譲渡のために直接要した費用であることから、「資産の譲渡に要した費用」に該当する旨主張する。しかしながら、資産の譲渡に当たって支出された費用が所得税法第33条第3項にいう譲渡費用に当たるかどうかは、一般的、抽象的に当該資産を譲渡するために当該費用が必要であるかどうかによって判断するのではなく、現実に行われた資産の譲渡を前提として、客観的に見て本件土地の譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかによって判断すべきものと解される。当審判所の調査によれば、本件報酬は、本件土地の譲渡に係る税金についての助言に対する報酬であると認められるところ、この助言がなかった場合に本件土地の譲渡が実現しなかったとする理由は認められない。そうすると、客観的に見て本件土地の譲渡を実現するために本件報酬が必要であったと認めることはできないから、本件報酬は「資産の譲渡に要した費用」に該当しない。(平22. 1.14 福裁(所)平21-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210058
- 裁決年月日
- 平成22年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 所得税法第48条第3項及び同項が委任する所得税法施行令第118条第1項(以下、これらの規定を「本件規定」という。)は、居住者が2回以上にわたって取得した同一銘柄の有価証券について、その譲渡所得の計算上取得費に算入する金額は、総平均法に準ずる方法によって算出した一単位当たりの金額により計算する旨規定しており、また、租税特別措置法第37条の11の3第1項(以下、同項が委任する租税特別措置法施行令第25条の10の2第1項と併せ「本件特例」という。)は、特定口座内保管上場株式等の譲渡をした場合において、当該特定口座内保管上場株式等の譲渡による譲渡所得の金額を当該特定口座内保管上場株式等の譲渡以外の株式等の譲渡による譲渡所得の金額と区分して計算する旨規定しているところ、請求人らは、被相続人が行った株式の売却は極めて個別性の強い特別な事情のある取引であり、本件購入株式と既存株式とは完全に区別されていること、また、本件規定の趣旨及び本件特例が設けられている法の構成からみても、本件売却株式の取得費に算入すべき金額は、形式的に総平均法に準ずる方法により計算すべきではない旨主張する。しかしながら、本件規定は、当該株式等の取得から譲渡に至る個別事情の有無や当該株式等が個別に区分、管理されていたか否かにかかわらず、2回以上にわたって取得した同一銘柄の有価証券の取得費につき総平均法に準ずる方法によって計算する旨規定しており、また、本件特例は、株式等の譲渡所得の計算の負担を軽減する観点から、特定口座において行われた上場株式等の譲渡について、その特定口座における譲渡に係るもののみを基礎として譲渡所得の金額を計算することとしたものであって、利益操作の介入の余地や譲渡所得の金額を区分計算することの実質的妥当性、個別事情の有無等を考慮してその適用を認めるものではないから、請求人らの主張には理由がない。(平22. 1. 7 関裁(所)平21-58)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210016
- 裁決年月日
- 平成21年9月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式を取得するために要した負債の利子について、本件株式は過去に配当が無かった株式で、その間の負債の利子は、配当所得の必要経費として控除されておらず、本件株式の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除されなければ控除される場面がないこととなるから、本件株式の全所有期間に対応する負債の利子の額を、譲渡所得の金額の計算上控除すべき旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第37条の10第6項第3号による読み替え後の所得税法第33条第3項の規定によれば、株式等に係る譲渡所得の金額の計算上、総収入金額から、株式を取得するために要した負債の利子のうち、その年中に支払うべきものを控除することとされている。また、租税特別措置法第37条の10第6項第2号による読み替え後の所得税法第24条第2項は、配当所得の金額の計算上、収入金額から、株式を取得するために要した負債の利子(事業所得、譲渡所得又は雑所得の基因となった有価証券を取得するために要した負債の利子を除く。)でその年中に支払う額のうち、その年においてその元本を有していた期間に対応する部分の金額を控除することとされている。そうすると、株式等を取得するために要した負債の利子のうち、株式等を譲渡した年のその株式等の所有期間に対応して計算された負債の利子は、株式等に係る譲渡所得の総収入金額から控除することとなるが、譲渡の前年以前の所有期間に対応して計算された負債の利子は、同期間中に配当所得に係る収入金額がある場合に、その収入金額から控除するにとどまり、譲渡した年における譲渡所得の総収入金額から控除することはできない。(平21. 9. 2 東裁(所)平21-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210007
- 裁決年月日
- 平成21年7月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A国に所有する不動産の譲渡についてされた所得税の更正処分は、譲渡所得の計算上控除する資産の取得費に算入すべき建物の改装費用が含まれていないとして、当該支払事実を示す契約書、精算書及び領収書等を証拠資料として提出した上で、違法である旨主張する。ところで、課税所得額から控除されるべき必要経費の存否及び額についての立証責任は、原則として課税庁側にあるものと解すべきであるが、必要経費の支出は、納税者の直接支配する領域内にあり、それゆえ、納税者は当該具体的事実を熟知していることが通常であることからすると、納税者が、課税所得額の計算上、原処分で認められなかった必要経費の存在を主張する場合は、少なくとも必要経費として支出した金額、支払年月日、支払先及び支払内容等の事実について、具体的に特定した主張をなすべきであって、納税者の側でこれらの主張をなし得ない場合には、当該必要経費は事実上存在しないものと推定されることもやむを得ないものと解される。これについて、請求人が提出した資料は、そのいずれもが、譲渡所得の計算上取得費に算入されると認めるに足る具体的な事実を示したものとは認められず、また、仮にその支払事実があり、その内容が、請求人が主張するようなインテリア、厨房及び家具の購入並びに改装等の工事に要した支払であったとしても、そもそも、インテリアや家具の代金は、譲渡所得の計算上取得費に算入されるものではなく、さらに、上記資料が、請求人が提出する証拠のすべてであるから、これらの事実のみをもって、当該支払いがいわゆる資本的支出として取得費に算入し得る設備費及び改良費に当たるとまで判断することはできない。(平21. 7. 24 大裁(所)平21-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210002
- 裁決年月日
- 平成21年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ X国法人であるY社の発行済株式の総数を保有する請求人は、Z国に所在する不動産の譲渡収益が法律上帰属すると見られるY社は単なる名義人にすぎず、請求人が当該譲渡収益を直接享受していることから、実質所得者課税の原則により、当該譲渡収益は請求人に帰属し、当該譲渡収益を原資として請求人の口座に振り込まれた本件金員の所得区分は譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、実質所得者課税の原則は、課税物件の法律上の帰属につき、その形式と実質とがかい離している場合に、実質に即して帰属を判定すべきことを定めたものであると解するのが相当であるところ、Y社は、X国において法人格を承認された法人であり、Z国において当該不動産の所有者として登記され、売買予約や売買契約の当事者となっていることに加え、Z国において当該譲渡収益に係る納税義務をも負担していることからすれば、形式的にも実質的にも、当該譲渡収益の法律上の帰属主体はY社であると認められ、形式と実質との間に何らかい離は存在しないから、請求人の主張はその前提を欠くものといわざるを得ず、税法上、不動産の譲渡収益を原資とする法人から個人への支払を譲渡所得として取り扱う旨の規定もないから、請求人の主張は採用できない。(平21. 7. 8 東裁(所)平21-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210001
- 裁決年月日
- 平成21年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成12年分の油圧ショベル下取りに係る譲渡所得の金額の計算上、控除する取得費の額は、請求人が同族法人に対して有する債権の代物弁済として当該同族法人から取得し、併せて同社に対する債権を消滅させたものであるから、少なくとも下取価格と同額の金額を取得費として平成12年分の譲渡所得金額の計算をするべきである旨主張する。しかしながら、当該同族法人は、請求人からの当該債権を総勘定元帳に記載しておらず、また、請求人は、原処分調査及び異議調査のいずれの段階においても当該油圧ショベルを代物弁済によって取得した旨の主張を一切しておらず、審査請求に至って初めて、上記主張をしたというのも不自然であり、その他請求人の主張を裏付けるに足る証拠は認められないから、請求人の主張は採用できない。したがって、当該油圧ショベルの取得費については不明であるといわざるを得ず、原処分庁が、譲渡収入金額の100分の5の金額を取得費としたことは相当である。(平21. 7. 7 東裁(所・諸)平21-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210002
- 裁決年月日
- 平成21年7月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302023
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/3代物弁済
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、債務の存否を裁判で争っていたが、本件債務の弁済に代えて本件物件を譲り渡すという和解条項等を内容とする本件和解を成立させていることからすれば、請求人が本件債務の存在を認めた上で、本件債務の弁済に代えて本件物件を譲渡したと認められる。そして、請求人が、本件和解による代物弁済により本件物件を譲り渡した行為は、資産を移転させる行為であるから、所得税法第33条第1項にいう「資産の譲渡」に当たる。この点について、請求人は、本件和解においては、本件債務の金額が明らかにされていない旨主張するが、債務の金額が和解調書に記載されていないからといっても、本件債務が存在し、かつ、本件債務が確定していたのは明らかであり、確定した債務を消滅させるために本件代物弁済が行われていると認められる。また、請求人は、本件和解により何ら利益を得ていない旨主張するが、資産の所有者が当該資産を債務の代物弁済に供すれば、当該債務の消滅又は減少という経済的利益を得るのであるから、請求人が本件和解による代物弁済により利益を得ていないとはいえない。(平21. 7. 3 関裁(所)平21-2)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平210002
- 裁決年月日
- 平成21年7月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303032
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/2代物弁済等の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 譲渡所得の対価の額とすべき金額は、本件の場合は、債務の消滅という経済的利益の価額となるが、本件和解調書には、消滅した債務の額の明示がない。しかし、訴訟の当事者間で、本件和解の成立に向けて、債務の額はおおよそ○○○○円であると認識し、請求人の負っている全債務の金額から、本件代物弁済に充てる土地の鑑定評価額を差し引いた残額を現金で返済することとなった。その際、本件各土地の上に所在する本件鶏舎については、当事者間で価値がないものと認識し、相手側は本件鶏舎を取り壊して更地にすることを要求していたが、請求人が取壊し費用を負担できないため、本件鶏舎を取り壊さずに引き渡すことになった。そして、最終的に、請求人の資力等を加味して本件和解が成立したという経緯が認められる。このような和解の経緯からすれば、請求人らは、本件鑑定評価額を本件各土地の価額とし、本件鶏舎の価額を零円と算定した上で、請求人が本件物件を代物弁済することにより本件鑑定評価額相当の本件債務を消滅させる合意が成立したと認められる。したがって、本件物件の譲渡の対価の額は、本件鑑定評価額と同額となる。(平21. 7. 3 関裁(所)平21-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200201
- 裁決年月日
- 平成21年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件新築費用が本件被相続人の遺産として共同相続人に対して支払われたものであるならば、共同相続人よりも少なく遺産を取得したこととなり、遺産の額が減少した部分に税金が課せられるはずが無いのに、本件新築費用を負担した部分の額を譲渡所得の金額から控除しないのは、遺産の額が減少した部分に課税していることとなり不当である旨、また、②本件新築費用は、一般に立退料を支払って得られる効用と変わりはないこと及び調停が成立すれば、調停事項を遵守する義務が生じるため、それに伴う出費は当然に必要経費となる旨主張する。しかしながら、本件新築費用は、相続財産のうち、本件乙土地の持分の取得の代償として請求人が負担した支出であるから、各相続人の相続税額の算出において考慮されるべきものではあっても、本件甲土地の譲渡において考慮されるべきものではない。そして、所得税基本通達33−7に定める借家人等を立ち退かせるための立退料とは、借地借家法上、賃借建物の利用権を第三者である買主に対抗できる賃借人に対して立退料を支払うことが、建物の客観的価値を増加させることから、譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用に算入することが認められていると解されるところ、共同相続人らは、本件旧建物及びその敷地である本件各土地に所有権(共有持分)を有して居住しており、本件新築費用は遺産分割の代償であるから、本件新築費用を同通達に定める立退料と同様に取り扱うことはできない。(平21. 6.17 東裁(所)平20-201)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200184
- 裁決年月日
- 平成21年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、所有していた預託金会員制ゴルフ会員権(以下「旧会員権」という。)について、ゴルフ場運営会社が会社更生法の適用を受けたことにより、優先的施設利用権のみを有するゴルフ会員権(以下「新会員権」という。)に権利変更されたことから、その後、新会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上、旧会員権の取得価額から一部返還を受けた預託金の額を控除した金額を取得費とすべき旨主張する。ところで、所得税法第33条第1項に規定する譲渡所得課税の趣旨に照らせば、譲渡所得の計算に当たって、総収入金額から控除することとされる資産の取得費とは、譲渡資産と性質の同一性が維持された資産の取得に要した金額をいうものと解されるところ、旧会員権は、ゴルフ場施設の優先的施設利用権、預託金返還請求権及び年会費納入義務からなる預託金会員制ゴルフ会員権であるのに対し、新会員権は、会社更生法の更生計画に基づいて取得したものであり、預託金返還請求権がなく、ゴルフ場施設の優先的施設利用権及び年会費納入義務からなるゴルフ会員権であって、もはや預託金会員制ゴルフ会員権とはいえない。そうすると、本件においては、単に預託金返還請求権の一部が切り捨てられた場合と異なり、旧会員権に係る会員としての契約上の地位の構成要素である預託金返還請求権が消滅したことにより、旧会員権が消滅した、すなわち、契約上の地位(資産)としての性質に変容があったと解するのが相当であり、旧会員権の取得価額が新会員権に引き継がれる旨の所得税法上の規定もないことから、新会員権の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、旧会員権の取得価額を基礎として取得費を計算することはできない。(平21. 6. 1 東裁(所)平20-184)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200064
- 裁決年月日
- 平成21年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が平成18年分の株式等に係る譲渡所得等があるにもかかわらず確定申告しなかったとして所得税の決定処分等をしたことに対し、請求人が上場株式等に係る譲渡損失の金額の繰越控除(以下「本件繰越控除」という。)の適用を受けるための手続を欠いたのは、税務当局による当該手続の周知不足が原因であり、制度の趣旨からすれば手続を欠いても本件繰越控除の適用は認められるべきであり、そうすると、請求人の平成18年分の株式等に係る譲渡所得等の金額はないこととなるので、所得税の決定処分等は違法である旨主張する。しかしながら、申告納税制度の下では、納税者は自らの判断と責任において適正に申告し納税する義務を負うものであり、これは税務当局による手続の周知の程度により左右されるものではないし、租税法律主義の下で合法性則が強く要請される租税法律関係においては、法令の規定に基づかないことを認めることはできないので、請求人の主張にはいずれも理由がない。(平21. 4.22 名裁(所)平20-64)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200016
- 裁決年月日
- 平成21年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、引渡日が平成16年1月6日であるA株式会社、株式会社B及び株式会社Cの株式(以下「本件各株式」という。)の譲渡について、約定日が平成15年12月29日であるので、平成16年分の上場株式に係る総収入金額に算入されない旨主張する。ところで、租税特別措置法通達37の10−1は、株式等に係る譲渡所得等の総収入金額の収入すべき時期は、資産の引渡日によるとし、ただし書において、納税者の選択で約定日により総収入金額に算入して申告があったときはこれを認めると定めており、当該ただし書は、原則として、引渡日により総収入金額に算入するのであるが、納税者が約定日に基づき総収入金額に算入して申告を行った場合には、これを認めるとするものであるから、納税者の申告行為をもって、約定日を総収入金額の収入すべき時期として選択することができると解するのが相当である。そうすると、請求人は、平成15年分の所得税の確定申告並びに平成17年6月2日及び平成19年6月29日にされた同年分の修正申告において、本件各株式を含め株式に係る譲渡所得の申告をしていないのであるから、本件各株式に係る譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期として約定日を選択したとは認められない。したがって、本件各株式の譲渡所得等の総収入金額の収入すべき時期は、引渡日である平成16年1月6日となるから平成16年分の総収入金額に算入されることとなり、この点に関する請求人の主張は採用できない。また、請求人は、上場株式の取得費は実額で計算しているが、その一部については、原処分庁が計算した取得費の金額と異なる旨主張する。ところで、上場株式の譲渡による譲渡所得の金額の計算上収入金額から控除する取得費は、取得に要した金額の合計額とし、二回以上にわたって取得した同一銘柄の有価証券については、総平均法に準ずる方法によって算出した一単位当たりの金額により計算するとしている。また、平成13年9月30日以前に取得した株式については、上場株式等の取得費の特例を適用することができ、譲渡した同一銘柄の上場株式のうちに、上場株式等の取得費の特例の適用がある上場株式とその適用がない上場株式とが含まれる場合には、当該適用がある上場株式については同特例を適用し、当該適用がない上場株式については総平均法に準ずる方法によって取得費を計算するとしている。ここにおいて、請求人は取得費を明らかにする資料を提出しないことから、当審判所において、前述した法令等の規定に基づき取得費を計算したところ、これらは、原処分庁の算定額と同額となるから、原処分庁の取得費の計算は適正であると認められ、請求人が主張する取得費の金額は採用することはできない。(平21. 4.21 高裁(所・諸)平20-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200161
- 裁決年月日
- 平成21年4月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302016
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/6競売による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、遺産分割の審判において、本件土地が未分割のまま、競売となったが、これは本件最高裁判決における「特別な事情」に該当し、本件土地の譲渡所得の課税は、実際に分配された換価金銭に基づいて行うべきであり、また、原処分は本件売却代金の分配額及び担税力が零円であるにもかかわらず行われた違法なものである旨主張する。しかしながら、本件最高裁判決は、遺産に属する土地を譲渡した場合の譲渡所得の帰属などについて判示したものではないから、換価代金などの代償財産を遺産分割で遺産を取得した相続人に譲渡所得が帰属する根拠となるものではない。そして、資産が所有者の支配を離れて他に移転する機会に、その増加益を清算して課税するという譲渡所得の趣旨からすれば、不動産の競売に係る譲渡所得は、当該不動産が所有者の支配を離れて買受人に移転する代金納付の時点をもって収入すべき時期とするのが相当であり、実際に換価代金が分割された時点まで収入すべき時期が到来しないと解することはできない。また、遺産分割は相続開始の時点にさかのぼって効力を生ずる(民法第909条参照)とされているところ、相続開始の時点にさかのぼって効力が生ずるとされているのは、被相続人から遺産分割で遺産を取得した相続人に直接権利が承継されるようにするためであるから、不動産の所有権が第三者に移転して遺産ではなくなり、遺産とは別個の資産である代償財産を分割する場合には、もはや相続開始の時点から特定の相続人に直接承継されるべき遺産は存在しないから、相続開始時にさかのぼって遺産の共有状態が変更されることはないと解される。したがって、換価のための競売に係る譲渡所得は、各共同相続人に法定相続分に応じた共有持分の割合で帰属することとなり、請求人の主張には理由がない。(平21. 4.10 東裁(所)平20-161)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200144ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成21年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件合意書における本件株式の譲渡代金の額のうち、請求人が取締役となっている法人に支払われ、請求人が現実に受領することがない部分の金額を控除した後の金額をもって当該株式の譲渡所得の総収入金額に算入すべき金額とすべきである旨主張する。しかしながら、当該法人に対して支払われた金額については、請求人が本件合意書に定められた条項に違反したことによる債務不履行に基づく損害賠償請求権等と相殺処理することを、本件譲渡契約において契約当事者間で合意したものと解され、本件合意書における譲渡代金そのものを変更したものではないと認められる。したがって、本件合意書における譲渡代金の額は、本件譲渡契約書により異動したとは認められないのであるから、請求人の主張は採用することはできない。(平21. 3.18 東裁(所)平20-144)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200144ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成21年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成17年に取り交わした本件合意は、譲受法人が登録等されていないことや譲渡に当たり譲受法人側の虚偽の説明があったこと等から無効な契約であり、本件株式の譲渡は平成19年に取り交わした本件譲渡契約書に基づき行ったものであるから、請求人の本件株式に係る譲渡所得の収入すべき時期は平成19年である旨主張する。しかしながら、本件合意が締結された当時、いったん法人格を失っていた譲受法人がその後に復活していることや譲受法人から譲渡人である請求人に対して、本件株式の譲渡代金の一部が小切手で支払われ、請求人はこれを受領し、換金をしていること等からすれば本件合意は有効に成立していると認められる。そして、①本件合意書では、サインされた日付から本件株式の所有権は、譲受法人に引き継がれ、同時に、請求人は、株主責任について免責となることとされていること、②請求人保有の本件株式が譲渡されたとして株主名簿が書き換えられ、譲受法人に対する利益配当に係る利益処分案が承認可決されていること、及び③請求人は、譲受法人から本件株式の譲渡代金を受領していることからすれば、平成17年中に、請求人が現実に所持していた株券については占有改定による引渡しが、また、株券が存在しない株式については意思表示により移転がなされたと認められる。したがって、請求人の本件株式の譲渡に係る譲渡所得の収入すべき時期は平成17年であると認められる。(平21. 3.18 東裁(所)平20-144)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200041
- 裁決年月日
- 平成21年3月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件株式の取得費の額の計算の基礎となる本件株式の取得価額については、租税特別措置法施行令の一部を改正する政令(平成14年政令第105号)附則第14条の3第3項の規定により、証券会社が確認した金額となるから、本件株式の取得価額は本件特定口座年間取引報告書に記載された金額によるべきである旨主張するが、特定口座年間取引報告書に記載された株式の取得費の額等が、同項の規定に照らして誤っているような場合には、請求人が、一定の確認書類に基づいて作成した計算明細書を確定申告書に添付することによって、本件株式の取得価額を正しい金額に是正することができることとなる。 (平21. 3.13 関裁(所)平20-41)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200041
- 裁決年月日
- 平成21年3月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、特定口座内で売買した本件上場株式等の譲渡所得の金額の計算上控除すべき上場株式等の取得費の額について、請求人の計算した額によるべきである旨主張し、請求人が個別の銘柄ごとの売買の記録を記載した銘柄別個別計算書及び株式譲渡損益計算表と題する書類を提出したが、その計算方法について、何ら主張も説明もせず、また、これらの書類の記載内容を裏付ける証拠書類等も何ら提出等せず、当審判所の調査その他による本件全資料によっても、請求人の主張を裏付けるに足る証拠は認められないから、請求人の主張を採用することはできない。(平21. 3.13 関裁(所)平20-41)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200137
- 裁決年月日
- 平成21年3月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ会員権とは独立した一個の権利であり、それに混然と内包されている預託金返還請求権がたまたまゼロになったとしてもゴルフ会員権という一個の独立した権利であることに変わりはないし、ゴルフ会員権の本質は優先的施設利用権であって、預託金返還請求権は付随的に加わった権利にすぎないから、預託金返還請求権が消滅したとしても資産の性質に大きな変化はないので、預託金会員制ゴルフ会員権を取得する際に預託した預託金相当額を譲渡所得の金額の計算上、取得費として控除すべきである旨主張する。しかしながら、①優先的施設利用権、②預託金返還請求権及び③年会費納入義務からなる契約上の地位を総称する預託金会員制ゴルフ会員権の取得に要した金額が、その後の当該ゴルフ会員権の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上取得費として控除されるためには、取得時点における預託金会員制ゴルフ会員権としての契約上の地位の性質が譲渡時点において維持されている必要があると解するのが相当である。請求人が譲渡したゴルフ会員権は、会社更生法の更生手続により預託金返還請求権が消滅した、①優先的施設利用権及び②年会費納入義務からなるゴルフ会員権であり、預託金会員制ゴルフ会員権の取得時点における契約上の地位の性質は、請求人のゴルフ会員権の譲渡時点において維持されていないから、当該ゴルフ会員権に係る譲渡所得の金額の計算上、預託金会員制ゴルフ会員権の取得の際に預託した預託金相当額を取得費とすることはできない。(平21. 3. 4 東裁(所)平20-137)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200123
- 裁決年月日
- 平成21年2月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305070
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/7訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・59ページ
要旨
○ 請求人は、遺産分割の際に支出した弁護士費用は相続財産を取得するために実質的に欠かせない費用であり、資産の取得に要した金額に当たるから譲渡所得の金額の計算上、取得費として譲渡収入金額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第38条第1項に規定する資産の取得に要した金額には、資産の客観的価格を構成すべき取得代金のほか、登録免許税、仲介手数料等の当該資産を取得するために通常必要と認められる付随費用の額も含まれると解するのが相当であり、他方、当該資産の維持管理に要する費用その他日常的な生活費ないし家事費に属するものはこれに含まれないと解するのが相当である。そして、相続により取得した資産を譲渡したことにより、所得税法第60条第1項を適用して譲渡所得の金額を計算する場合において、相続人が当該財産を取得するために通常必要と認められる費用も、同法第38条第1項に規定する「資産の取得に要した金額」に該当するものと解される。もっとも、遺産分割の際に支出した訴訟費用、弁護士費用等は、一般には相続人間の紛争を解決するための費用であることから、相続人が相続財産を取得するために通常必要と認められる費用とはいえない。したがって、遺産分割の際に支出した本件弁護士費用を譲渡所得の計算上、取得費に算入することはできない。(平21. 2.13 東裁(所)平20-123)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200040
- 裁決年月日
- 平成21年1月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、買主の了解を得た上で本件契約書を作成し、本件不動産を売り渡した旨主張する。しかしながら、買主は本件不動産を購入した事実を否定する旨の申述をしており、その信用性は高いということができる。また、買主には本件不動産を購入する必要もなく、契約の履行も約定どおりされていないことなどからすると、請求人が本件不動産を譲渡した事実はないと認めるのが相当であって、請求人の平成15年分の所得について、本件損失額を他の譲渡益や所得の金額から控除することはできない。(平21. 1.26 大裁(所)平20-40)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200029
- 裁決年月日
- 平成20年12月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件オルゴールの取得費について、原処分庁は、時の経過により減価する資産であり、償却可能期間を経過していることから、取得価額の5%相当額が取得費である旨主張し、一方、請求人は、趣味のための収集品であって、所得税基本通達2−14の定める「時の経過によりその価値の減少しないもの」である旨、及び、本件オルゴールの取得費は、譲渡価額と同額である旨それぞれ主張する。しかしながら、原処分庁は、本件オルゴールが時の経過により減価する資産であることを裏付ける証拠書類を提出せず、また、当審判所の調査その他による本件全資料によっても、本件オルゴールが時の経過により減価する資産であると認めるに足りる証拠はないから、原処分庁の主張を採用することはできない。また、請求人は、参考資料として、インボイス等を提出しただけで、真実の取得費を証明する直接又は間接の証拠を提出せず、当審判所が調査・審理を尽くしても、真実の取得費を確認することができず、原処分庁が本件オルゴールに係る総合長期譲渡所得の金額の計算上控除した取得費の額を超えると認めるに足りる証拠もなかったので、原処分庁が本件オルゴールに係る総合長期譲渡所得の金額の計算上控除した取得費の額を超える取得費の額を認めることはできない。(平20.12.25 関裁(所)平20-29)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200108
- 裁決年月日
- 平成20年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営会社との訴訟上の和解により受領した本件解決金は、同社に対するゴルフ会員権の譲渡代金であったと解すべき旨主張する。しかしながら、請求人は、訴訟において、ゴルフ会員権の譲渡を主張しておらず、ゴルフクラブを退会の上、本件保証金の返還を請求していたところ、①ゴルフ場経営会社の資力では本件保証金の全額を回収することは困難であると見込まれたこと、②他の会員からの経営会社に対する保証金返還請求が、保証金額の10%程度の返還で解決していたことなどから、裁判官の和解勧告を受け、本件保証金の10%の金額である本件解決金の受領による和解に応じたものである。そうすると、本件解決金は、本件保証金の一部の返還を受けると共に、残余の請求権を放棄した結果、受領した金員というべきであるから、本件保証金の返還請求権の弁済として受領したにすぎず、ゴルフ会員権という契約上の地位を不可分一体として移転したことによる対価ではない。したがって、本件解決金は、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡による譲渡代金には該当しない。(平20.12.18 東裁(所)平20-108)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200091
- 裁決年月日
- 平成20年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成15年法律第8号による改正前の租税特別措置法第37条の10第6項に規定する本件特別控除は、本件改正法により廃止され、改正後の規定は平成15年分以後の所得税について適用するとされているが、投資は資金投下(購入)と資金回収(譲渡)がセットとなった行為であるから、改正後の規定は平成15年1月1日以降に購入した上場株式を譲渡した場合に適用されると解すべきであり、平成14年12月31日以前に購入した上場株式を平成16年に譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算には本件特別控除の適用がある旨主張する。しかしながら、改正後の租税特別措置法第37条の10を含む同法第二章の規定は、平成15年分以後の所得税について適用する旨規定しているところ、所得税は一暦年を課税標準の計算の基礎となる期間としているから、具体的には、平成15年1月1日から同年12月31日までの年分以後の所得税には、本件改正法による改正後の規定が適用されることになる。本件譲渡は平成16年中に行われているのであるから、本件譲渡に係る譲渡所得の金額の計算は、本件改正法による改正後の租税特別措置法第37条の10の規定が適用されることになる。そうすると、本件改正法による改正後の租税特別措置法第37条の10には本件特別控除の規定は存在しないから、譲渡所得の金額の計算において、本件特別控除を適用することはできない。(平20.12. 9 東裁(所)平20-91)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200006
- 裁決年月日
- 平成20年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A及びBと共同で株式取引により利益を得ることを目的として基金(以下「本件基金」という。)を設立し、これに対して資金を出資(以下「本件出資金」という。)したが、清算に当たり本件基金を運用していたAが清算金の大半を支払わないため、この支払われていない金員(以下「本件損失額」という。)のうち、株式取引に係る損失は請求人の平成17年分の株式等譲渡所得の金額から控除でき、それ以外のものはAの横領による損失として雑損控除ができる旨主張する。しかしながら、本件出資金は、請求人が株式取引に係る資金を拠出したものにすぎず、請求人が自己の判断に基づいて株式取引を行っていないことからも請求人の株式取引ではなく、本件損失額は請求人の株式等譲渡所得に係る損失とは認められない。本件出資金は雑所得の基因となる資産と認められ、これについて生じた本件損失額は、雑所得を生ずべき資産の損失になることから、その損失の生じた日の属する年分の雑所得の金額を限度として、当該年分の雑所得の金額の計算上必要経費に算入することができるところ、請求人は、Aに対して本件損失額を求償していることからすれば、本件損失額はいまだ確定しておらず、請求人の平成17年分の雑所得に係る損失額として必要経費に算入することはできない。また、雑損控除が適用される損失については、その損失に関連する具体的事実及び損失額を請求人において主張、立証しなければならないところ、請求人が主張している横領があったとする具体的事実及び損失額についての主張、立証がなされていないことから、横領による損失が生じている事実が確認できないため、雑損控除の適用も認められない。以上のとおり、原処分庁が行なった処分は適法であり、請求人の主張には理由がない。(平20.12. 1 高裁(所)平20-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200076
- 裁決年月日
- 平成20年11月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 更生計画によりプレー権が存続された本件ゴルフ会員権が譲渡時における資産の性質と同一性のある資産となった時点は、本件更生前株式が消却された日であると認められ、この時点を本件ゴルフ会員権の取得の時期とし、その時価相当額をもって取得費とするのが相当であるところ、原処分庁は、本件ゴルフ会員権の取得費を1,300,000円と認定しているが、その根拠を明らかにしておらず、その金額を当時の時価と認めることはできない。一方、請求人は、当時は名義書換停止中であり正常な価格が存在しないこと等から、時価は認定できないと主張する。当審判所の調査によれば、本件ゴルフ会員権の取得時期として認定した日においては会員の名義書換停止中であり、取引事例は見当たらず、その後、名義書換停止が解除され、本件ゴルフ会員権の取引が可能になったと認められる日以降、最初に確認し得るK組合が公表する価格は800,000円である。K組合が公表する価格は、一般に広く公表されている取引価格であり、また、客観性を持つ価格であるということができるから、取得時の時価を算定する根拠となる資料がない本件では、取得時に最も近接する相場での価格を基に、取得時の時価相当額を800,000円と認定するのが相当である。(平20.11.14 東裁(所)平20-76)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200076
- 裁決年月日
- 平成20年11月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、会社更生法の更生計画によりゴルフ場経営法人から新たに発行された無額面株式(更生後株式)と、更生手続によりプレー権が存続されたゴルフ会員権(更生後会員権)は、同法人が会社更生法の適用を受ける前に請求人が取得していたゴルフ会員権(更生前会員権)と同質の株主会員制ゴルフ会員権であるから、更生後会員権と更生後株式の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、更生前会員権の取得費を控除すべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得の金額の計算上、控除する取得費は、譲渡資産と資産の性質の同一性が維持された資産の取得に要した金額をいうものと解されるところ、更生後会員権は、更生前会員権の不可欠の構成要素であった株式が消滅した後のプレー権のみの会員権であり、プレー権の存続に当たっては株式を所有することを要件としていないから、株主会員制ゴルフ会員権の性質を喪失しており、更生前会員権と更生後会員権は資産の性質に同一性がない。また、更生後株式は新株引受権を行使して新たに取得した株式であり、更生前会員権とは別個の資産である。したがって、更生後会員権と更生後株式の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、更生前会員権の取得費を控除することはできない。(平20.11.14 東裁(所)平20-76)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200019
- 裁決年月日
- 平成20年10月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物の建築費用は44,000,000円であり、1階診療所部分及び2階住居部分は同面積であるから、診療所部分及び住居部分の取得に要した金額はそれぞれ22,000,000円となるので、これを基礎として所得税基本通達33−8の定めに従って譲渡費用を計算すると、計上漏れがある旨主張し、それに沿う答述をする。しかしながら、そもそも、請求人は、本件建物の建築時に作成されたはずの請負契約書等の書類については、残っていないとして提出しないなど、本件建物の取得に要した金額が44,000,000円であることを裏付ける証拠を一切提出せず、当審判所の調査によっても、当該事実を裏付けるに足る証拠は見当たらず、また、診療所部分と住居部分の各面積は異なっているのであり、請求人の答述はこれに反するものである。さらに、関与税理士は、原処分庁の調査担当者から、本件土地の譲渡所得の申告に当たり、本件建物が、居住用割合50%の居宅兼事業所であるとして申告したことと、過去に提出された所得税青色申告決算書の記載内容(事業専用割合100%。取得に要した金額22,000,000円)とが整合性を有しないことについて説明を求められたため、整合性を取るべく、建物の構造と無関係に居住用割合が50%であるとして更正の請求をした旨申述している。これらの事情等に照らすと、請求人の答述は信用できないというべきであり、かえって、過去に提出された上記決算書は、請求人自身もこれに押印していることに照らすと、上記決算書の記載は信用できるというべきであり、それによれば、本件建物の取得に要した費用は22,000,000円であったと認めるのが相当であるから、本件建物に係る上記通達の定めに従って譲渡費用を計算するに当たって基礎とすべき同建物の取得に要した金額は、22,000,000円とすべきである。したがって、請求人の主張は前提を欠くものであって、採用できない。(平20.10.24 大裁(所)平20-19)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200013
- 裁決年月日
- 平成20年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、みなし取得価額を適用するのは、取得価額が不明な場合など課税上便宜的な扱いであって、実際の取得価額が明らかな場合には、実際の取得価額を基に課税されるべきである旨主張する。しかしながら、租税特別措置法等の一部を改正する法律(平成14年法律第15号)附則第13条第8項及び租税特別措置法施行令の一部を改正する政令(平成14年政令第105号)附則第14条第7項第3号において、他の保管口座から受け入れた受入非特定上場株式等を受入後に譲渡した場合におけるその譲渡による所得金額の計算上総収入金額から控除すべき取得価額は、みなし取得価額とする旨規定されている。本規定によれば、受入非特定上場株式等の当該準備口座への受入れが適正に行なわれた以上、一律に特定口座での取得価額はみなし取得価額とされる。本件株式は、請求人が、B証券以外で買い付け、B証券に保管委託していたものを、準備口座の開設とともに同口座が受け入れたものである以上、受入非特定上場株式等に該当するから、本件株式の譲渡所得の金額の計算上控除される取得価額は、みなし取得価額によることとなる。したがって、請求人が特定口座制度を選択している以上、本件株式の譲渡所得の金額の計算上控除される取得価額はみなし取得価額となり、確定申告において実際の価額による再計算はできない。(平20. 9.11 関裁(所)平20-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200005ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成20年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303010
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/1譲渡所得の収入金額の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、定款に残余財産の分配請求権について払込金額を限度とする特別の定めがあるP国に設立されたM社発行の株式を同国に設立された甲財団に信託することにより、本件預託証書を受領し、請求人は、本件預託証書を同国に設立された乙財団へ寄付したが、請求人は本件預託証書の寄付に伴う所得税法第59条第1項の適用に当たり、本件預託証書の実態は甲財団に信託したM社発行の株式であり、当該株式の価額は払込金額によるべきであり、払込金額は取得価額と同額であるから、譲渡所得は生じない旨主張する。しかしながら、所得税法第59条第1項にいう「その贈与した時における価額」とは、当該贈与の時における主観的な要素を排除した客観的交換価値をいうものと解されるところ、取引相場のない株式は、そもそも自由な取引市場に投入されていないために、自由な取引を前提とする客観的な交換価値の把握は非常に困難であるから、できる限り合理的な方法によってこれを評価すべきである。その点、所得税基本通達59−6が財産評価基本通達178から189−7までの例によって取引相場のない株式の評価を行うことを認めているところ、この定めは、株式発行会社が普通株式のみを発行している場合、つまり、発行した株式の権利内容において差異がない場合の評価方法として合理性を認めることができるとしても、本件のように、その権利内容の差異に応じて株価が異なることとなると考えられるのであるから、株式の権利内容の差異に応じて、その価額が検討されるべきである。本件の場合、定款に特別の定めのある株式について残余財産の分配が額面額等を限度とする旨が定款で定められているとしても、関係法人の議決権を維持するためには当該株式は普通株式以上に重要な意味を持つこと、定款の変更が可能なこと、当該定款に特別の定めのある株式については配当が行われているが普通株式については配当が行われていないこと等から、当該定款に特別の定めがある株式の価額は、普通株式の価額を上回るか、あるいは少なくとも同等と認められるため、所得税法第59条第1項の適用上、本件預託証書の価額を算定する際に当該株式の価額を普通株式と同等として算出(M社の純資産価額を発行済み株式総数で除した価額)して行った原処分は適法である。(平20. 7. 2 東裁(所)平20-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190201
- 裁決年月日
- 平成20年6月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306100
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/10和解金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、当該土地を請求人名義とするための訴訟に係る和解により請求人が支払った解決金等及びこの際の登記費用について、これらの支払がなければ、当該土地の譲渡がなし得なかったのであるから、これらは譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、譲渡費用は、その資産の譲渡を実現するために直接要した費用及びその資産の譲渡価額を増加させるため当該譲渡に際して支出した費用に限定されると解するのが相当であるところ、請求人が支払った解決金等は、飽くまでも請求人が当該土地の真の所有者であることを前提に、登記名義という第三者対抗要件を具備するために支出したものであり、この支出は、たとえ本件土地の譲渡を契機として支払うこととなったとしても、本質的には、当該土地を譲渡するか否かにかかわらず、和解に基づき請求人が登記名義を回復するために必要であった支出と認められるから、当該土地の譲渡のために必要であった支出とも、当該土地の譲渡価額を増加させるために譲渡に際して支出した費用ともいえないから、譲渡費用には該当しない。また、当該登記費用は、資産の取得費とはなり得たとしても、譲渡費用には該当しない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 6.11 東裁(所)平19-201)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190099
- 裁決年月日
- 平成20年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の父甲(以下「被相続人」という。)の介護に要した費用相当額(以下「本件介護費用相当額」という。)は、被相続人から相続し譲渡した各土地(以下「本件各土地」という。)の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、総収入金額から控除されるべきであるから、更正の請求は認められるべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得の計算上経費として控除されるものは、所得税法第33条第3項に「資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額」と定められており、その資産の取得費とは、同法第38条第1項に定めるとおり、その資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額、すなわち、当該資産の取得の直接の対価及びその取得のための付随費用並びにその資産の保有中において資産価値の増大をもたらした費用をいい、同法第33条第3項にいう譲渡費用とは、譲渡のための仲介手数料、登記費用等のように当該資産の譲渡のために通常必要となる直接の費用を指すものと解されるところ、本件介護費用相当額は、請求人が甲の介護に要した費用相当額として独自の見解に基づいて見積もったものであり、本件各土地の取得の直接の対価及びその取得のための付随費用並びにその資産の保有中において資産価値の増大をもたらした費用又は譲渡のために通常必要となる直接の費用とは認められないことから、本件各土地の取得費又は譲渡に要した費用には該当しない。(平20. 6.10 名裁(所)平19-99)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190098
- 裁決年月日
- 平成20年6月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、発行法人の破産宣告による所有する株式(以下「本件株式」という。)の価値の喪失は、株式の譲渡による損失であり、請求人の各年分の株式等に係る譲渡所得の金額の算定上、他の上場株式等譲渡所得金額から本件株式の価値の喪失額を差し引くことができる旨主張する。しかしながら、譲渡所得とは、資産が所有者の支配から離れるのを機会に所有期間中の増加益を清算して課税しようとするものであり、株式等に係る譲渡所得の金額は、各年中の株式等の譲渡による総収入金額からその株式等の取得費及び譲渡に要した費用等の額を控除して算定するものであるところ、発行法人の破産宣告により本件株式の価値が喪失したとしても、本件株式の所有権は、請求人から離れておらず、本件株式についての譲渡の事実は発生していない。そうすると、請求人の主張する損失額は、譲渡した株式等の取得費及び譲渡に要した費用等の額に該当せず、請求人の各年分の株式等に係る譲渡所得の金額の算定上、請求人が譲渡した上場株式等に係る総収入金額から請求人の主張する損失額を控除することはできない。(平20. 6. 6 名裁(所)平19-98)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190051
- 裁決年月日
- 平成20年5月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・215ページ
要旨
○ 請求人は、本件株式は租税特別措置法施行令の一部を改正する政令(平成14年政令第105号)附則(以下「本件附則」という。)第14条の3第3項第3号の適用を受けて平成13年10月1日における価額の100分の80に相当する金額(いわゆるみなし取得価額)で取得したものとして特定口座に受け入れられたが、実際の取得価額を証明する取得に係る取引報告書を所持しているから、当該実際の取得価額を基礎として取得費を計算すべき旨主張する。しかしながら、特定口座に受け入れられる特例上場株式等の取得費の計算については、本件附則第14条の3第3項各号に規定されており、取得に係る取引報告書に基づき実際の取得価額によって取得価額を計算することは、同報告書を証券会社に提出して同条同項第1号に規定する確認を受けることによって可能であるところ、請求人は証券会社に同報告書を提出していない。そうすると、請求人は取得に係る取引報告書を所持しているものの、同報告書に基づいて実際の取得価額で特定口座に受け入れをするための手続を履行しなかったのであるから、実際の取得価額に基づいて請求人の特定口座内の本件株式に係る譲渡所得の金額の計算上控除すべき取得費を計算することはできないというべきである。したがって、請求人の主張は採用できない。(平20. 5.19 大裁(所)平19-51)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190086
- 裁決年月日
- 平成20年5月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302042
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/2農地の譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の農地転用の許可ないし所有権移転登記等は平成18年に行われており、平成17年12月27日に本件土地の譲受人甲から受領した金員は仮受金であり、本件土地等に係る「優良住宅地等のための土地等の買取り等証明書」に記載された買取り年月日は平成18年3月29日であることから、本件土地に係る譲渡所得の総収入金額の収入すべき年分は、平成18年分であると主張する。しかしながら、請求人は、平成17年12月27日までに、甲から本件土地の売買代金の全額を受領しており、この時点で、本件土地の譲渡代金の全額を自己の所得として自由に処分することができる状態にあり、本件土地の譲渡による所得の実現があったと認められることから、当該所得の総収入金額の収入すべき時期は平成17年12月27日であり、請求人の譲渡所得の計算に当たり、売買代金の全額を平成17年分の収入金額とすることが相当である。(平20. 5. 9 名裁(所)平19-86)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190176
- 裁決年月日
- 平成20年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、会社更生法の更生計画により預託金会員制ゴルフ会員権(旧会員権)に替えて取得した優先的施設利用権のみを内容とするゴルフ会員権(新会員権)の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算において、ゴルフ会員権は優先的施設利用権こそがその基本をなすものであり、預託金債権が消滅したとしても新会員権と旧会員権とはゴルフ会員権としての契約上の地位たる性質は維持されており、資産としての同質性も維持されているから、旧会員権の取得費は控除されるべきである旨主張する。しかしながら、ゴルフ会員権の取得に要した金額が、その後のゴルフ会員権の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上取得費として控除されるには、取得時点におけるゴルフ会員権としての契約上の地位が譲渡時点においても維持されている必要があると解するのが相当であるところ、旧会員権は、優先的施設利用権、預託金の返還請求権及び年会費納入義務からなるものであり、一方、新会員権は、更生計画に従い新たに取得したものであり、預託金の返還請求権はなく、優先的施設利用権及び年会費納入義務からなるものであることが認められるから、それぞれのゴルフ会員権は、契約上の地位を同じくするものでないことは明らかであり、新会員権は旧会員権と同質性が維持された資産に該当するとは認められない。したがって、優先的施設利用権だけを中心に考えれば、従前と何ら変わることなく、同じゴルフ場施設を優先的に利用できるということであったとしても、旧会員権と新会員権とでは、契約上の地位(資産)の同質性が維持されているということにはならず、これらは別個の資産というべきであるから、新会員権の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、旧会員権の取得費を控除することはできない。(平20. 5. 8 東裁(所)平19-176)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190177
- 裁決年月日
- 平成20年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、会社更生法の更生計画により預託金会員制ゴルフ会員権(旧会員権)に替えて取得した優先的施設利用権のみを内容とするゴルフ会員権(新会員権)の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算において、旧会員権と新会員権は何ら変わりがないとして、旧会員権の取得価額から預託金の一部返還額を控除した金額を取得費として計算すべき旨主張する。しかしながら、ゴルフ会員権の取得に要した金額が、その後のゴルフ会員権の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上取得費として控除されるためには、取得時点におけるゴルフ会員権としての契約上の地位が譲渡時点においても維持され同質である必要があると解するのが相当であるところ、旧会員権は、優先的施設利用権、預託金の返還請求権及び年会費納入義務からなるものであり、一方、新会員権は更生計画に従い取得したものであり、預託金返還請求権はなく、優先的施設利用権及び年会費納入義務からなるものであることが認められるから、それぞれの会員権は、契約上の地位を同じくするものでないことは明らかである。したがって、旧会員権と新会員権とでは、契約上の地位(資産)が同質であるということにはならず、新会員権は旧会員権の消滅に伴って新たに取得したものであり、これらは別個の資産であるというべきであるから、新会員権の譲渡所得の金額の計算上、旧会員権の取得費を控除することはできない。(平20. 5. 8 東裁(所)平19-177)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190031
- 裁決年月日
- 平成20年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306010
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/1仲介手数料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡に関して支払ったA社に対する売買代理手数料とは別に、A社への貸付金と相殺した追加手数料及びB社に対して支払った手数料がある旨主張する。しかしながら、本件貸付金については、①通常作成されるべき貸借を証する書面の作成がないこと、②返済方法や利息の取り決めもないこと、③本件物件の購入時の手数料とも相殺されていないこと、④A社の申告において借入金に計上していないこと、追加手数料については、①その取り決めに関する書面や算定根拠もないこと、②A社の申告において追加手数料を収入に計上せず、領収証の交付もないことの各事実が認められる状況下において、請求人は、追加手数料の存在及びその支出となる相殺事実について合理的に裏付けるに足りる程度の具体的な立証を行っておらず、追加手数料の不存在及びその支出の不存在が推定される。また、B社に対する支払金については、①請求人はB社の名称を契約時まで知らず、同社に仲介等の依頼をしていないこと、②B社の住所がA社と同じ住所として契約されていること、③B社が法人税の申告をしていないことから、本件支払金が支払われたとは認められない。これに対し請求人は、これらの費用は、本件譲渡に係る譲渡代金と当初申告額との差額に対する手数料及び譲渡価額の上乗せに対する成功報酬であり、譲渡に必要不可欠の費用である旨主張する。しかしながら、上記のとおり、これらの支出を認めることはできないところ、仮にこれらの支出があったとしても、追加手数料の本件差額に対する割合は極めて高く、B社には支払う必要もない金員であることなどから、客観的に譲渡を実現するための費用とはいえず、請求人が「裏金としてもらった分ですから、そういう場合は領収証は普通無いものではないですか」などと申述していることなどからすると、むしろ、本件譲渡に関する仮装の売買契約に加担した報酬とみるべきであり、譲渡に要した費用には該当せず、請求人の主張には理由がない。(平20. 4.22 広裁(所)平19-31)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190149ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成20年4月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・198ページ
要旨
○ 請求人は、いわゆる余剰容積移転のための対価として受領した金員について、所得税法第33条第1項の資産の譲渡に該当することから、譲渡所得として課税されるべきである旨主張する。しかしながら、余剰容積移転の対価は、土地所有権の一部譲渡を意味するものではなく、移転側が、移転を受ける側に対して自己の土地を建築上利用させるために、その土地における建築上の利用制限を受けることに対する対価であると解するのが相当であることから、「土地を使用させる行為」に当たり、原則不動産所得に該当し、所得税法第33条かっこ書及び所得税法施行令第79条第1項に該当する場合に限り、譲渡所得として課税されることになる。そうすると、本件余剰容積利用権は、建築基準法第86条第2項に規定する連担建築物設計制度の適用により容積率が事実上緩和されたことに基づいて発生したものであり、私法上の契約形態としては不作為地役権を設定する方式によっていることから、所得税法第33条かっこ書及び所得税法施行令第79条第1項のいずれにも該当せず、不動産所得と解するのが相当である。(平20. 4. 3 東裁(所)平19-149)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190152
- 裁決年月日
- 平成20年4月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、いわゆる余剰容積率移転のための対価として受領した金員について、所得税法第33条第1項の資産の譲渡に該当することから、譲渡所得として課税されるべきである旨主張する。しかしながら、余剰容積率移転の対価は、土地所有権の一部譲渡を意味するものではなく、移転側が、移転を受ける側に対して自己の土地を建築上利用させるために、その土地における建築上の利用制限を受けることに対する対価であると解するのが相当であることから、「土地を使用させる行為」に当たり、原則不動産所得に該当し、所得税法第33条かっこ書及び同法施行令第79条第1項に該当する場合に限り、譲渡所得として課税されることになる。そうすると、本件余剰容積率利用権は、建築基準法第86条第2項に規定する連担建築物設計制度の適用により容積率が事実上緩和されたことに基づいて発生したものであり、私法上の契約形態としては不作為地役権を設定する方式によっていることから、所得税法第33条括弧書及び同法施行令第79条第1項のいずれにも該当せず、不動産所得と解するのが相当であり、原処分は相当である。(平20. 4. 3 東裁(所)平19-152)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190136
- 裁決年月日
- 平成20年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有していた土地が所有権移転登記されたのは、詐欺によるものであり、譲渡所得は生じていないので、売買により譲渡所得が生じているとした原処分は違法である旨主張する。 しかしながら、所得税法第33条第1項は、譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいう旨規定しているところ、同項にいう「資産の譲渡」とは、有償、無償を問わず譲渡性のある所有権その他の権利等保有資産を移転させる一切の行為をいうべきものであると解され、所有権を移転させる行為とは、売買の場合、売買契約の締結に始まり、売買代金の決済、物件の引渡し及び所有権移転登記等、実質的にその資産の移転をうかがわせる諸般の事情に照らして判断するものと解するのが相当であるところ、本件売買契約書においては、請求人の署名と実印の押印があり、また、土地の売買に関する全権限(契約・引渡し・金銭代理受領等)を第三者に委任する旨の委任状や登記申請に関する委任状にも請求人の実印が押印され、当該売買契約は有効に成立していると認められ、本件土地については法律的にも社会通念上からも、所有権を移転させる行為、すなわち資産の譲渡があったと認められるのであるから、原処分は適法である。(平20. 3.17 東裁(所)平19-136)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190127
- 裁決年月日
- 平成20年3月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303010
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/1譲渡所得の収入金額の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、譲渡をした土地は多数であり、そのほとんどが貸付地であるため、借地権者以外の第三者には売却困難な土地を不動産会社が一括して買い取ったものであるから、本件譲渡に係る契約により成立した価額が実勢価格であり、すなわち所得税法第59条第1項に規定する時価である旨主張する。 しかしながら、所得税法第59条第1項にいう「その譲渡の時における価額」とは、当該譲渡の時における客観的交換価値、言い換えれば、自由市場において、市場の事情に十分通じ、かつ、特別の動機を持たない多数の売手と買手が存在する場合に通常成立すると認められる価額と解され、清算される値上がり益の計算の基礎となるべき時価は、その移転事由が法人への贈与の場合であろうと、有償の譲渡の場合であろうと、さらには、多数の資産を一括で譲渡した場合であろうと、個別に譲渡した場合であろうと、いずれの場合も同一の資産については一定であると解することが課税の公平の観点からみて相当であるところ、本件譲渡価額は、本件譲渡人に係る相続税対策のため売り急いでいた等の主観的事情により成立した価額であって、上記の客観的交換価値とみることはできないから、請求人の主張には理由がなく、本件譲渡に係る譲渡価額は、所得税法第59条第1項に規定する時価の2分の1に満たないので、同項の規定を適用し、個々の土地の時価の総和を収入金額とみなして譲渡所得の計算をした原処分は適法である。(平20. 3.11 東裁(所)平19-127)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190105
- 裁決年月日
- 平成20年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件贈与登記を経由して取得した不動産の譲渡に係る所得について、本件贈与登記は贈与者が請求人に無断で勝手に行った内容虚偽のものであって贈与の事実は存在しないから、譲渡不動産の取得を前提とする不動産の譲渡による所得はない旨主張する。しかしながら、外観上自己に対する贈与を登記原因とした所有権移転登記がなされている場合には、贈与による所有権移転が存在することが推定されるから、これを否定するには、真実は贈与がなかったことを基礎付ける事実の主張及び立証をする必要があるところ、請求人は、当審判所に対し、自己が贈与を受けていない旨主張するものの、これを根拠付ける証拠資料の提出をせず、当審判所の調査によっても、請求人が贈与を受けていなかったことを示す証拠資料は見当たらない。加えて、本件贈与登記に係る登記申請書に添付された司法書士への委任状の記載内容及び請求人自身によるものと推認される権利者としての請求人の氏名の手書きの署名等からは、請求人が本件贈与登記の存在を認識していたことが認められ、本件贈与登記に係る贈与契約は、請求人が上記委任状を作成し、請求人が上記署名をしたときに成立していたと推認されるのであるから、譲渡不動産を贈与により取得した事実はない旨の請求人の主張には理由がない。(平20. 2. 4 東裁(所)平19-105)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190064
- 裁決年月日
- 平成20年1月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有していた家屋(以下「本件家屋」という。)の譲渡に係る平成16年分の譲渡所得の計算において、原処分庁が売買金額に当該売買金額に係る消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)相当額を加えた金額を譲渡価額として更正処分をしたのに対し、消費税等相当額は受領していないから譲渡価額に含めるべきではないと主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、本件家屋の譲渡に係る不動産売買契約(以下「本件売買契約」という。)に基づき作成された契約書には、売買金額とともに「消費税別途」という記載があり、その趣旨は、買主が請求人に対して売買金額に係る消費税等相当額を支払うことを約したものと認められ、平成16年中に所有権移転登記及び残代金の授受が行われていることから、本件売買契約に基づいて請求人に支払われるべき金員は、平成16年分において収入する権利が確定したものと認められる。したがって、本件家屋の譲渡価額は、売買金額に消費税等相当額を加えた金額となる。請求人は消費税等相当額は受領していないと主張するが、上述のとおり、消費税等相当額は請求人の収入する権利として確定しており、本件売買契約が変更されたと認めるべき事情及び証拠はないから、請求人の主張には理由がない。 (平20. 1.30 名裁(所)平19-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190095
- 裁決年月日
- 平成20年1月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人の妻が代表取締役に就任している法人との間で締結した不動産売買契約に基づき、売買対象物件を譲渡してその結果生じた譲渡損失額を他の所得の金額から控除して申告したが、譲渡の実態が認められず、当該物件の支配ないし管理の移転も認められないから、請求人と当該法人との間で当該物件の譲渡はなかったとし、譲渡損失の金額を他の所得の金額から控除することはできないとした原処分は適法と認められる。(平20. 1.17 東裁(所)平19-95)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平190011
- 裁決年月日
- 平成19年11月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №74・78ページ
要旨
○ 請求人は、平成17年に売買契約を締結した2件の土地のうち一方(以下「別件土地」という。)は平成17年分の譲渡として申告したが、他方(以下「本件土地」という。)については、①平成17年には仮登記の状態で、所有権移転登記に必要な書類の交付は行われていないこと、②契約書上、売買代金の全額支払いと同時に、所有権移転登記及び引渡しを行うこととなっているところ、平成17年中に売買代金の全額の支払いはなく、また、違約条項もあることから、理論上は契約解除が可能であること、③請求人は本件土地に関する開発行為施行同意書を発行しているが、これは本件土地が請求人の所有であることを証明するものであること、④買受会社から交付された優良住宅地等のための土地等の買取証明書に本件土地についての記載がないことなどを理由に、その譲渡の時期は平成17年ではない旨主張する。 しかしながら、譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、原則として、その所得の基因となる資産の引渡しがあった日によるものと解するのが相当であり、引渡しがあった日の判定に当たっては、売買契約書上の文言にとらわれることなく、取引の諸事情、契約内容及び買主がその資産の使用を開始した時期などを総合的に見て、実質的にその資産に対する支配管理の変動があった時期がいつかという観点から判断すべきである。そして、買受会社は、本件土地及び別件土地を一括して買い受け、本件開発区域内の一団の土地の一部として宅地造成をすることを予定していたと認められ、請求人は、買受会社の開発行為に全面的に協力する旨を約した上で契約し、その直後に同社に開発行為施行同意書を提出していること、仮登記以後の本件土地の危険負担等は同社が負うこととなっていることからすると、請求人と買受会社の間では、本件契約時に本件土地の支配管理が請求人から買受会社に移転する旨の合意があり、その時に買受会社は本件土地の使用収益をすることが可能となったものと認められる。 そして、本件開発区域の造成工事は、平成17年10月に着工された上、請求人ら地権者の立ち入りもできなかったことから、この時に買受会社が現実に使用収益を開始し、実質的に支配管理の移転があったと認められるから、本件土地の譲渡の時期は平成17年であるとするのが相当である。(平19.11.14 広裁(所)平19-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190021
- 裁決年月日
- 平成19年10月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302049
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が租税特別措置法第33条第2項に規定する代替資産の取得期限までに代替資産を取得せず、義務的修正申告書の提出期限までに修正申告書を提出しなかったことから、原処分庁が租税特別措置法第33条の5第2項に基づき行った更正処分につき、①請求人は本件収用事業に反対であり、当該事業を承諾していないこと、②請求人は本件補償金(本件土地補償金及び本件立木補償金)の受取りを拒否しており現実の収入はないこと、及び③請求人が代執行令書による通知に対して行った審査請求に対して国土交通大臣が未だ裁決をしていないことから本件補償金には課税されるべきでなく、本件更正処分は取り消されるべきであると主張する。 しかしながら、土地収用法によれば、土地に対する補償金については権利取得裁決に定められた権利取得の時期に、その他の補償金については明渡裁決に定められた明渡しの期限に法律上その権利を行使することができることとなり、その時点において収入すべき権利が確定したと解されるところ、本件権利取得裁決及び本件明渡裁決は、本件各土地の権利取得の時期及び明渡しの期限をそれぞれ平成15年5月14日と定めており、同日に請求人の各補償金に係る収入すべき権利が確定したことから、本件土地補償金は平成15年分の分離長期譲渡所得の総収入金額に、本件立木補償金は同年分の山林所得の総収入金額にそれぞれ算入されるべきである。 なお、①課税は税法の規定に基づいて行われなければならず、請求人の本件収用事業の諾否に影響されるものではないこと、②その年分の各種所得の金額の計算上総収入金額に計上すべき金額は、その年分において収入すべき金額であり、その計上時期は収入すべき権利の確定した日となるので、実際に補償金を受領しているか否かは収入金額の計上時期の判断に当たって影響を与えるものではないこと、及び③請求人が国土交通大臣に対して行った審査請求は代執行令書による通知を取り消すことを求めたものであり、本件収用裁決の取消しを求めたものではなく、本件収用裁決は、権限ある国家機関によって取り消されない限り公定力を有していることから、請求人の主張にはいずれも理由がない。 したがって、本件補償金に係る所得は平成15年分の所得であるとして行った本件更正処分は適法である。(平19.10.12 名裁(所)平19-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190034
- 裁決年月日
- 平成19年9月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306120
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/12訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡した不動産に関して譲受人以外の第三者との間で行われた2件の訴訟(請求人が当該不動産の不法占拠者に対して提訴した土地明渡請求訴訟及び請求人の代理人と称する無権代理人から当該不動産を購入した者が請求人に対して提訴した違約金請求訴訟。ただし、違約金請求訴訟には譲受人が原告に補助参加した。)の勝訴がなければ、当該不動産を譲渡することはできなかったから、各訴訟に要した費用は当該不動産の譲渡費用に該当する旨主張する。 しかしながら、所得税法第33条第3項にいう譲渡費用とは、現実に行われた資産の譲渡を前提として、客観的にみてその譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかによって判断されるべきものであるところ、上記訴訟は、いずれも本件売買とは別の法律関係を確定するための訴訟であり、客観的にみて、当該不動産の譲渡の実現に必要なものであったとはいえないから、請求人の主張には理由がない。(平19. 9.19 東裁(所)平19-34)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190011
- 裁決年月日
- 平成19年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302023
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/3代物弁済
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が相続した相続財産から債務及び相続税額を控除した残りの財産(以下「本件相続財産」という。)及び自己が保有する株式をK社らに引き渡し、それに伴い1,000万円を受領した取引(以下「本件取引」という。)は、1億8,000万円相当の本件相続財産を相続する権利(相続分)を1,000万円で他の相続人らに譲渡したものであり、譲渡所得は発生しない旨主張する。 しかしながら、当審判所が認定した各事実によれば、請求人は、K社らの代理人である弁護士との間で、請求人が保有していたS社株式16,000株を1,000万円でK社に譲渡するとともに、本件相続財産等をK社らに対する債務の代物弁済として譲渡する内容の代物弁済等合意書と題する文書(以下「本件代物弁済合意書」という。)に署名・押印しており、本件代物弁済合意書は、法律事務の専門家である弁護士との間で交わされたものであること、さらに、その後、K社はS社株式16,000株を譲り受け、その譲渡代金1,000万円を支払っていること及び本件相続財産はK社らに代物弁済として譲り渡していることなど、本件代物弁済合意書の内容どおりに現実の履行がなされていることなどからすれば、本件取引は、本件代物弁済等合意書の記載内容どおりの合意に基づき、その履行としてK社に対する株式の譲渡及びK社らに対する債務を弁済するための代物弁済を行ったものであると認めるのが相当である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平19. 9.11 大裁(所)平19-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平190011
- 裁決年月日
- 平成19年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303032
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/2代物弁済等の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人とK社らの間において交わされた代物弁済等合意書の中で、同じ銘柄のS社の株式が同じ相手方に対して株式譲渡と代物弁済が行われたことを理由に、株式譲渡に係る1株当たりの価額を、代物弁済においても適用すべき旨主張する。 しかしながら、本件における代物弁済は、請求人とK社らの間において、代物弁済等合意書を交したことにより、請求人に係る債務につき、請求人が保有していたS社の134,000株及び請求人の相続財産から請求人が承継すべき被相続人の債務、請求人が負担すべき葬儀費用及び相続税額を控除した残りの財産の譲渡時点における各時価相当額の債務を消滅させ、残債務額をK社らが免除する旨の合意が成立したものと認められるのであるから、S社の株式譲渡に係る1株当たりの価額は、当事者間の合意による価額により、また、請求人が代物弁済に充てた株式は、代物弁済時の時価相当額によるべきであるから、請求人の主張は採用できないというべきである。(平19. 9.11 大裁(所)平19-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190006
- 裁決年月日
- 平成19年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306050
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/5借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡した土地は地方公共団体に収用されたことにより任意で売却するより高額になったのであるから、収用されるまで債務の返済を引き延ばしていた期間に対応する遅延損害金及び利息等は譲渡した土地の資産価値を高めるために支出したことになり、譲渡費用に該当する旨主張する。 しかしながら、譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用に該当するのは、その資産の譲渡を実現するために直接要した費用及びその資産の譲渡価額を増加させるため当該譲渡に際して支出した費用とされるところ、当該利息等は債務の弁済が遅延したことに基づいて支出したものと認められ、たとえ当該利息等の発生した原因が、譲渡代金を債務の弁済に充てることにあったとしても、当該利息等の支出と本件譲渡との間に何ら関連性は認められず、譲渡価額の決定にも何ら影響及ぼすものでもないことから、当該利息等は譲渡費用に該当しない。(平19. 7. 6 東裁(所)平19-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180076
- 裁決年月日
- 平成19年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己の所有する土地(以下「本件土地」という。)の売買に際して、売買契約の特約として、本件土地の進入路の拡幅用地(以下「本件進入路拡幅用地」という。)を買い入れて、市に寄附することが条件とされていたことから、本件進入路拡幅用地の購入費用は、本件土地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用に該当する旨主張する。 しかしながら、本件進入路拡幅用地の購入費用はそもそも本件進入路拡幅用地の取得費(取得に要した金額)を構成すべきところ、本件売買契約の特約に基づく同用地の市への寄附が譲渡所得の課税対象とはならないことから、結果として同用地に係る譲渡所得の金額の計算上控除することはできないこととなる一方、同用地の取得は、本件土地の売買契約の条件となっており、同用地を市へ寄附することにより、本件土地の進入路が拡幅され、本件土地の開発行為が可能になることから、これらの点を併せ考えると、同費用は、本件土地自体の質を改善し、価値を高めるために要した費用として改良費に該当するものであり、所得税法第38条の規定により取得費となると認められる。(平19. 6.27 名裁(所)平18-76)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180326
- 裁決年月日
- 平成19年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302011
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/1譲渡の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件分割は共有物の分割であるが、共有物の分割には、不動産の共有持分の譲渡、取得という概念を入れる余地はなく、本件分割に伴い受領した本件清算金に課税することは違法である旨主張する。 しかしながら、本件調停調書によれば、本件分割は共有物の分割であって、本件調停委員は、請求人の受ける経済的損失を金銭的に調整補償することを目的として、諸般の事情を総合的に考慮した上で、持分の価格以上の現物を取得する他の共有者に当該超過分の対価を本件清算金として請求人に対して支払わせ、過不足の調整をしたものと認められ、本件清算金は、共有物の分割の性質及び譲渡所得の課税の趣旨からすれば、本件分割により、請求人の所有に帰属する部分は他の共有者から譲り受け、また、他の共有者に帰属する部分は請求人の持分を譲り渡した結果、請求人が取得した持分の価格よりも請求人が譲り渡した持分の価格が不均衡となったための価格調整金であるから、請求人が譲り渡した持分の一部についての譲渡の対価であると認めるのが相当である。 したがって、本件清算金は、譲渡所得の課税の対象となるから、請求人の主張には理由がない。(平19. 6.21 東裁(所)平18-326)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180267
- 裁決年月日
- 平成19年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営会社の民事再生手続における再生計画に基づいてゴルフクラブから退会し、弁済額の支払を受けたことは、実質的にゴルフ会員権を譲渡したに等しいものであるから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡に該当し、これにより生じた損失の金額を同法第69条第1項の規定に基づき他の所得と損益通算した申告は適法である旨主張する。 しかしながら、再生計画によって、当該ゴルフクラブの会員が有する預託金債権の大部分は免除を受け、残余について会員に対して定められた弁済額を均等分割で支払うこととされ、会員は、会員契約を解除するか継続するかを選択の上、再生会社に対して所要の手続を行うこととされたため、請求人が退会申出書を再生会社に送付し、再生会社が、退会申出書を受理し、請求人との会員契約を解除したことについては、請求人及び原処分庁の双方に争いがなく、そうすると、請求人は、再生計画に基づき、当該ゴルフクラブとの会員契約を解除することを選択して所要の手続を行い、併せて弁済額の請求権を再生会社に対して行使したのであって、ゴルフ会員権を再生会社に譲渡したものと認めることはできないから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当せず、譲渡損失を前提とした損益通算の規定の適用もない。(平19. 6.13 東裁(所)平18-267)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180065
- 裁決年月日
- 平成19年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが所有する本件各土地の譲渡(以下「本件譲渡」という。)に係る本件売買契約は、譲受人とその関係者の恐喝、詐欺、横領により行われたものであり、請求人らの意思に基づいて行われたものではないから無効であり、本件譲渡自体が存在しない旨主張する。 しかしながら、本件譲渡に関しては、①請求人らの実印が押印された本件売買契約書が作成されていること、②本件売買契約に基づき本件各土地に関する所有権移転登記の手続きが行われていること、③請求人Ⅹ1は本件借入金の返済のために本件譲渡が行われた旨申述していること、④本件譲渡代金を請求人らが受領し、そのほとんどを請求人らが使っていること、⑤請求人らは、本件売買代金を譲渡所得として本件各期限後申告を行い、更正の請求をしていないことから、請求人らは本件譲渡所得が存在したことを認識していたと認められる。 また、本件譲渡に関して請求人らが譲受人に対して所有権移転登記等の抹消登記手続きを求めた訴訟においても、本件売買契約は有効に成立していると判断されており、他に本件売買契約が無効であると認めるに足る証拠資料もなく、当審判所の調査の結果によっても本件譲渡が無効であるとは認められない。 以上によれば、本件売買契約は有効に成立しており、請求人らが本件各土地の譲渡の対価として譲受人から本件譲渡代金を受領していると認められることから、請求人らには譲渡所得が発生しているというべきである。 したがって、請求人の主張には理由がない。(平19. 6. 8 名裁(所)平18-65)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180085
- 裁決年月日
- 平成19年5月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・197ページ
要旨
○ 本件ゴルフ会員権の優先的施設利用権が存続していたというためには、本件ゴルフ会員権の譲渡の時点で、Fカントリーによる本件ゴルフクラブの運営、管理の法的根拠であるゴルフ場施設の所有者との間の本件経営管理委任契約が終了していないことが必要と解される。そして、Fカントリーが、現に営業を継続しており、社会通念上ゴルフ場施設の利用という会員権の目的を達成できる程度にまでゴルフ場施設をその利用に供することができていた場合には、本件経営管理委任契約は終了していないとみることができる。 まず、本件ゴルフクラブの営業状況についてみると、本件不動産は競売に付され、新所有者であるK社は、一貫して本件不動産からの退去を求めていることが認められ、Fカントリーに対して本件不動産を使用させないことを客観的に明らかにしていたと認められる。一方、敷地の一部を取得したV社は、その使用を差し止める等の措置を採っておらず、V社がFカントリーに対して同不動産を使用貸借させることについて黙示的な合意が成立していたとみることができ、Fカントリーは、これに基づいて同不動産を使用できたものと認められる。そうすると、Fカントリーとしては、競売に付された本件不動産の使用ができなくなり、また、一部の敷地の所有権がV社に移転したとしても、他の敷地部分については、Fカントリーが地権者から賃借するなどしてその使用権原を有していたものであり、本件ゴルフ会員権の譲渡の時点で、本件ゴルフクラブを構成する2コースの利用を会員に提供できたものと認められ、かつ、本件ゴルフクラブの営業が、本件ゴルフ会員権の譲渡後も続けられていたことにも照らすと、社会通念上ゴルフ会員権の目的を達成できる程度にまで、ゴルフ場施設の利用を提供することができていたと認められる。 したがって、本件ゴルフクラブに係る施設のすべてを会員に提供できないから、本件ゴルフ会員権に内包された優先的施設利用権は消滅しているとの原処分庁の主張は採用できず、取り消すのが相当である。(平19. 5.31 大裁(所)平18-85)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180077
- 裁決年月日
- 平成19年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の祖父の昭和61年分の所得税の確定申告書は存在せず、同人が租税特別措置法(昭和62年法律第96号による改正前のもの)第36条の4《買替えに係る居住用財産の譲渡の場合の取得価額の計算等》に規定する買換えの特例の適用を受けていたとは認められないから、本件譲渡資産の取得価額は本件前所有物件の取得価額を引き継いだものとはならない旨主張する。 しかしながら、請求人の祖父の所得税の確定申告書は存在しないものの、所轄税務署において取得価額引継整理票(特例の適用により取得価額の引継ぎが行われる買換資産等について、その取得価額の引継ぎ事績を明らかにし、じ後における所得計算の資料とするために所轄税務署において作成するもの)が保存されており、同整理票によれば、請求人の祖父は本件買換えの特例の適用を受けていたと認められるので、租税特別措置法第36条の4の規定に基づき、本件譲渡物件の取得価額は、本件前所有物件の取得価額等を引き継ぐこととなるから、原処分は相当である。(平19. 5.11 大裁(所)平18-77)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180232
- 裁決年月日
- 平成19年4月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会社分割前会員権(ゴルフ場経営会社が会社分割される前のゴルフ会員権)のゴルフ場経営会社の会社更生法に基づく更生計画が認可されたことに伴い、そのゴルフ場施設の預託金債権の一部の弁済を受け、残額を免除し、その後、本件会社分割後会員権(ゴルフ場経営会社が会社分割された後のゴルフ会員権)を譲渡した場合の譲渡所得の金額の計算における「取得費」は、ゴルフ場の優先的施設利用権は存続しているから、本件会社分割前会員権を取得するために要した金額から消滅した預託金債権の金額を控除した額が、その「取得費」に該当する旨主張する。 しかしながら、本件会社分割後会員権は優先的施設利用権のみを有する預託金債権のないゴルフ会員権で、本件会社分割前会員権における預託金返還請求権を失っており、これを要素とする契約上の地位(資産)としての同一性を失っているから、本件会社分割前会員権と本件会社分割後会員権は別個の資産と認めるのが相当である。 そうすると、譲渡所得の計算上、控除されるべき取得費とは、取得時点での性質が譲渡時点まで維持された資産に係る、その取得に要した金額をいうところ、本件譲渡時点における本件会社分割前会員権と本件会社分割後会員権には同一性がないから、本件会社分割後会員権の譲渡所得の計算上、本件会社分割前会員権の取得費を引き継いで計算することはできない。 したがって、請求人の主張を採用することはできない。(平19. 4.17 東裁(所)平18-232)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180208
- 裁決年月日
- 平成19年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会社分割前会員権(ゴルフ場経営会社が会社分割される前のゴルフ会員権)のゴルフ場経営会社の会社更生法に基づく更生計画が認可されたことに伴い、そのゴルフ場施設の預託金債権の一部の弁済を受け、残額を免除し、その後、本件会社分割後会員権(ゴルフ場経営会社が会社分割された後のゴルフ会員権)を譲渡した場合の譲渡所得の金額の計算における「取得費」は、ゴルフ場の優先的施設利用権は存続しているから、本件会社分割前会員権を取得するために要した金額の全額がその「取得費」に該当する旨主張する。 しかしながら、本件会社分割後会員権は優先的施設利用権のみを有する預託金債権のないゴルフ会員権で、本件会社分割前会員権における預託金返還請求権を失っており、これを要素とする契約上の地位(資産)としての同一性を失っているから、本件会社分割前会員権と本件会社分割後会員権は別個の資産と認めるのが相当である。 そうすると、譲渡所得の計算上、控除されるべき取得費とは、取得時点での性質が譲渡時点まで維持された資産に係る、その取得に要した金額をいうところ、本件譲渡時点における本件会社分割前会員権と本件会社分割後会員権には同一性がないから、本件会社分割後会員権の譲渡所得の計算上、本件会社分割前会員権の取得費を引き継いで計算することはできない。 したがって、請求人の主張を採用することはできない。(平19. 3.23 東裁(所)平18-208)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180053
- 裁決年月日
- 平成19年3月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人の弟に支払った金員は、本件譲渡を実現させるために支払った立退料であるから、「資産の譲渡に要した費用」に当たる旨主張するが、同金員は、立退料等の費目を積算して算定されたものではなく、また、同弟にとっては、立退料としての性質を有していなかったといえるから、同金員に立退料としての趣旨は含まれていなかったというべきである。したがって、同金員は「譲渡に要した費用」には当たらないとした原処分は相当である。(平19. 3. 5 関裁(所)平18-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180169
- 裁決年月日
- 平成19年2月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303036
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/6土地、建物等を一括譲渡した場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・326ページ
要旨
○ 請求人は、隣接するX土地(居住用財産)及びY土地(非居住用財産)を一括譲渡したが、これらの土地は税法上の取扱いが異なること、また、取得時期や立地条件も異なるので、各土地の譲渡価額を算定するに当たっては、面積比によるのではなく、所得税基本通達33−11を準用し、時価の比によりあん分すべきであると主張する。 しかしながら、請求人は、上記各土地を一体として売却するため不動産業者と専属専任媒介契約を締結していること、売買契約書においても各土地を区分することなく一律に1㎡当たりの単価に譲渡土地の面積を乗じて売買価額を算定していることから、各土地の譲渡価額の算定は、売買代金の額を各土地の面積の比によりあん分して行うのが相当である。(平19. 2. 7 東裁(所)平18-169)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180093
- 裁決年月日
- 平成18年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・169ページ
要旨
○ 請求人は、所有していた預託金会員制ゴルフ会員権(以下「本件旧会員権」という。)に係るゴルフ場の経営法人の民事再生法に基づく再生計画に従い、本件旧会員権に係る預託金債権の全額が切り捨てられるとともに、預託金債権のないゴルフ場施設の優先的施設利用権のみのゴルフ会員権(以下「本件新会員権」という。)が交付された。その後本件新会員権を譲渡したが、その譲渡所得の金額の計算に当たって、本件旧会員権の取得に要した金額から再生計画により切り捨てられた預託金相当額を差し引いた価額を本件新会員権の取得に要した費用とすべき旨主張する。 しかしながら、所得税法第33条第1項の規定の内容及び譲渡所得課税の趣旨からすれば、資産の譲渡による譲渡所得の計算に当たっては、その譲渡時点と取得時点で資産の同質性が維持されている必要があり、譲渡所得の金額の計算上控除されるべき取得費とは、特段の定めがない限り、譲渡資産と同質性が維持された資産の取得に要した金額をいうものと解されるところ、預託金会員制ゴルフ会員権は、優先的施設利用権、預託金返還請求権及び年会費納入等の義務からなる契約上の地位を総称するものと解されることから、預託金会員制ゴルフ会員権の取得に要した金額が、その後のゴルフ会員権の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上取得費として控除されるには、取得時点における預託金会員制ゴルフ会員権としての上記の契約上の地位が、譲渡時点において維持されている必要があると解される。 そうすると、本件旧会員権は、優先的施設利用権及び預託金返還請求権を有する預託金会員制ゴルフ会員権であり、一方、本件新会員権は、優先的施設利用権のみで預託金返還請求権のないゴルフ会員権であることから、本件新会員権における契約上の地位(資産)は、本件旧会員権における預託金返還請求権を失ったことによりこれを要素とする契約上の地位(資産)としての同一性を失っているので、契約上の地位としての性質に変容があったものであり、本件旧会員権と本件新会員権は、別個の資産というべきである。そして、本件旧会員権の取得価額を本件新会員権の取得価額に引き継ぐ旨の所得税法上の規定もないことから、本件新会員権の譲渡所得の計算に当たって、本件旧会員権の取得価額を引き継いで計算することはできない。 したがって、本件新会員権の取得価額は、その取得時の時価相当額とするのが相当である。(平18.11.29 東裁(所)平18-93)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180090
- 裁決年月日
- 平成18年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件旧会員権(所有する預託金会員制ゴルフ会員権)に係るそのゴルフ場の経営会社の民事再生法に基づく再生計画に従って、優先的施設利用権及び預託金返還請求権を放棄するとともに、ゴルフ事業を営業譲渡により譲り受けた新経営会社から預託金返還請求権のないゴルフ会員権(以下「本件新会員権」という。)を交付され、その後、本件新会員権を譲渡(以下「本件譲渡」という。)したことによる譲渡所得の金額の計算において、本件旧会員権と本件新会員権は同一の資産であるから、本件旧会員権の取得に要した金額は総収入金額から控除される「取得費」に該当する旨主張する。 しかしながら、本件新会員権は優先的施設利用権のみで、預託金返還請求権のないゴルフ会員権であって、本件旧会員権における預託金返還請求権は放棄されており、これを要素とする契約上の地位(資産)としての同一性を失っているので、本件旧会員権と本件新会員権は別個の資産と認めるのが相当である。また、ゴルフ事業の営業譲渡契約書及び民事再生計画の内容を総合的にみても、本件旧会員権に係る預託金債権の全額が切り捨てられること及び本件新会員権の交付を受ける者と新経営会社との間で新たに会員契約が締結されることとなっていることが認められるので、本件旧会員権と本件新会員権とは別の資産であると認められる。 そうすると、譲渡所得の計算上控除されるべき取得費は、取得時点での性質が譲渡時点まで維持された資産に係る資産の取得に要した金額をいうところ、本件譲渡における本件新会員権と本件旧会員権は同一性がないから、本件新会員権の譲渡所得の金額の計算に当たっては,本件旧会員権の取得費を引き継いで計算することはできない。 したがって、請求人の主張には理由がない。(平18.11.27 東裁(所)平18-90)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180011
- 裁決年月日
- 平成18年10月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305050
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/5立退料、離作料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地上に借地権はないから借地人である同族会社に支払った立退料は、譲渡所得の算定につき借地権の取得費でなく譲渡費用である旨主張する。 しかしながら、本件土地の賃貸借契約時に、借地人が建物を建設し使用しており、請求人は建物所有を目的として賃借することを了承していたこと及びその後転借人である同族会社が、本件土地上に建物を建設し賃貸することについて請求人及び借地人が了承していたことから、請求人と借地人の土地賃貸借契約の主たる目的は建物所有目的と認められ、また、請求人が借地人に更地価額の概ね50パーセントもの立退料を支払ったこと、請求人と借地人の合意書に「本件土地の売却に伴い借地権相当額を借地人に支払うこと」が明記されていること、受け取った借地人及び転借人の会計処理は借地権売却とされていることからして、請求人が借地権を消滅させるために立退料を支払ったことは明らかであるから、譲渡所得の算定につき、本件立退料は、借地権の取得費となる。(平18.10.18 広裁(所)平18-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180064
- 裁決年月日
- 平成18年10月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、多額の債務のために自己破産に至ったのであり、本件不動産の譲渡もその債務弁済のために破算手続中に行っており、本件譲渡と破産手続は一連の行為であるから、請求人が支出した自己破産申立に要した手続費用及び管財人に対する報酬等は譲渡費用として譲渡所得の計算上控除されるべきである旨主張するが、これらはいずれも請求人の債務整理を目的として支出した費用であって、本件不動産の譲渡に際し直接かつ通常必要な費用とも、本件不動産の譲渡価額を増加させるために支出した費用とも認められず、譲渡費用として認めることはできないから、請求人の主張は採用することができない。(平18.10.11 東裁(所)平18-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180064
- 裁決年月日
- 平成18年10月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301053
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/5債務弁済困難状態における譲渡/3債務弁済困難状態における譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己破産して免責決定を受けるなど、資力を喪失しており、また、借入金返済のためにやむを得ず本件不動産の譲渡をしたのであるから、本件譲渡に係る譲渡所得については非課税とされるべきである旨主張するが、本件譲渡時における請求人の債務の弁済は、本件譲渡代金によって十分可能であったと認められるから、請求人が本件譲渡時において資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な状態であったと認めることはできない。 また、本件譲渡代金の一部は請求人の妻の債務の返済や生活費等に充てられていることからすれば、本件譲渡代金のすべてが請求人の債務の弁済に充てられていないことも明らかである。 したがって、所得税法第9条第1項第10号の要件を満たしていないと認められるから、請求人の主張は採用することができない。(平18.10.11 東裁(所)平18-64)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180024
- 裁決年月日
- 平成18年9月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、預託金制リゾート会員権は、優先的施設利用権と預託金が表裏一体の関係にあり、優先的施設利用権が存在している以上、本件預託金が切り捨てられ、全額返還されていても、旧経営会社から会員権(以下「旧会員権」という。)を購入した際に預けた預託金の権利が存続しており、新営業会社から交付を受けた会員権(以下「新会員権」という。)は、当該預託金の権利と優先的施設利用権が一体となった旧会員権と同じ権利を引き続き有しているから、原処分庁が新会員権の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算に当たり、旧会員権の取得価額を新会員権の取得費に含めなかったことは違法である旨主張する。 しかしながら、①旧経営会社は、会社更生法による更生手続開始決定を受けた後、ゴルフクラブを含むリゾート施設を営業譲渡していること、②当該リゾート施設の新経営会社は、当該クラブの旧会員との間の会員契約に基づく債務、預託金返還債務その他の一切の債務を引き継いでいないことからすると、旧会員権の優先的施設利用権は、上記営業譲渡の時点で消滅したと認められ、また、預託金は、会社更生手続によりその99%が切り捨てられ、残りの1%が請求人に返還され、新会員権の交付に当たり請求人は別途入会手続を行うことにより新会員権を取得したのであるから、新会員権は、旧会員権が消滅した後に、請求人が新たな入会手続を行うことにより新経営会社から取得したもので、旧会員権とは異なるものとなるから、新会員権の譲渡所得の計算上、旧会員権の取得価額を控除することはできない。(平18. 9.29 大裁(所)平18-24)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180056
- 裁決年月日
- 平成18年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件新会員権(所有していた預託金会員制ゴルフ会員権(以下「本件旧会員権」という。)のゴルフ場の経営会社の民事再生法に基づく再生計画に従い、そのゴルフ場施設の優先的施設利用権及び預託金債権の全額を放棄するとともに、当該経営会社からゴルフ事業を譲り受けた新経営会社から交付された預託金債権のないゴルフ会員権をいう。)を譲渡した場合の譲渡所得の金額の計算における「取得費」は、ゴルフ場の優先的施設利用権は存続しているから、本件旧会員権を取得するために要した金額の全額が「取得費」に該当する旨主張する。しかしながら、本件新会員権は優先的施設利用権のみで、預託金債権のないゴルフ会員権であって、本件旧会員権における預託金返還請求権を失っており、これを要素とする契約上の地位(資産)としての同一性を失っているので、本件新会員権と本件旧会員権は別個の資産と認めるのが相当である。また、ゴルフ事業の営業譲渡契約書及び民事再生計画の内容を総合的にみても、本件旧会員権に係る預託金債権の全額が切り捨てられること及び本件旧会員権の交付を受ける者と新経営会社との間で新たに会員契約が締結されることとなっていることが認められるので、本件新会員権と本件旧会員権とは別のものであると認められる。 そうすると、譲渡所得の計算上控除されるべき取得費は、取得時点での性質が譲渡時点まで維持された資産に係る資産の取得に要した金額をいうところ、本件譲渡における本件新会員権と本件旧会員権は同一性がないから、本件新会員権の譲渡所得の計算上、本件旧会員権の取得費を引き継いで計算することはできない。 したがって、請求人の主張は採用することができない。(平18. 9.21 東裁(所)平18-56)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平180008
- 裁決年月日
- 平成18年9月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売却した本件土地の売買契約について、外国での投資話に出資するよう暴力団関係者と目される人物に強迫されて無理やり借入れをさせられ、その返済のために締結を強いられたものであり、自己の意に反した無効な契約であるとして、譲渡所得は生じない旨主張する。しかしながら、①売渡証明書及び売買契約書並びに保証金(手付金)に係る領収証に請求人自ら署名押印し、これらを作成していること、②売買代金を請求人が受領していることから、請求人は本件土地を譲渡により引き渡したものと認められ、本件土地の売買による所得については、その引渡しがあった平成15年分の譲渡所得として課税されることになる。なお、請求人は本件土地の売買代金を借入れの返済に充てた後においても残余金を投資に追加した旨主張しており、また、本件土地の売買に関し、強迫による売買契約無効確認請求訴訟や不法行為による損害賠償請求訴訟などが提起された事実は認められず、さらに、本件全資料によっても、借入れ及び売買契約が強迫によりなされたことを推認させる証拠資料も認められないことから、本件土地の売買契約が無効であるとする請求人の主張を直ちに採用することはできない。 (平18. 9. 6 金裁(所)平18-8)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180020
- 裁決年月日
- 平成18年9月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・184ページ
要旨
○ 請求人は、租税特別措置法第37条の11の3《特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例》第1項(平成17年法律第21号による改正前のもの。)に規定する特例を選択して上場株式を譲渡した場合であっても、受入非特定上場株式の取得価額を平成13年10月1日における価額の100分の80に相当する金額(以下「みなし取得価額」という。)でなく、実際の取得価額で譲渡所得の金額の計算をするべきであり、それを認めないとすれば、請求人は当該譲渡により、損をしているのに税金を払わなければならず酷である旨主張する。 しかしながら、当審判所の調査によると、本件株式は、平成13年9月30日までに他の証券会社から特定口座が開設されている証券会社に現物が持ち込まれてそれらが保管委託され、本件特定口座の開設とともに同口座に移管されたものであるから受入非特定上場株式等に該当することが認められ、受入非特定上場株式等を特定口座に移管する場合の取得価額は、平成14年改正措置法施行令附則第14条第7項第3号の規定により、みなし取得価額とする旨規定されているから、本件株式の取得価額は、みなし取得価額とするのが相当である。 そして、受入非特定上場株式等を特定口座に移管する場合の取得価額が、みなし取得価額となることについては、証券会社が請求人に対し説明しており、請求人は、本件株式の譲渡に関してみなし取得価額の適用を受けることを十分に知り得る状況にあったと認められるほか、請求人は、証券会社がいわゆるタンス株組入れ制度により特定口座においてみなし取得価額が適用されている株式等について、実際の取得価額への見直しが可能であるとして再点検を依頼する通知をしたにもかかわらず、これに対する申出を行っていないのであるから、本件株式の譲渡所得の計算上、実際の取得価額が認められないからといって酷であるとは認められず、原処分は違法でも不当でもない。(平18. 9. 5 大裁(所)平18-20)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180006
- 裁決年月日
- 平成18年8月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・155ページ
要旨
○ 請求人らは、被相続人である弁護士が弁護士業を廃業するに際して、共同経営者である弁護士から受け取った金員(以下「本件金員」という。)は営業権の譲渡の対価であるから譲渡所得に該当する旨主張する。 しかしながら、弁護士の業務は、個々の弁護士の経験、知識、法律的技能、及び依頼者との間の個々の信頼関係を基礎として成り立っているものであり、一身専属性の高いものであるところ、このことは、同一の法律事務所の内部においても変わることはなく、同一事務所の弁護士らが同様のノウハウや顧問先からの信頼関係を有しているのは、同僚の弁護士のノウハウを学んで自己のノウハウにし、同僚の弁護士とともに業務を遂行することにより顧問先等から自らについても信頼を得た結果にすぎないと解され、このように、一身専属性の高い弁護士業において、弁護士のノウハウ、依頼者との信頼関係等は、当該弁護士個人に帰属するものであり、当該弁護士を離れて営業組織に客観的に結実することにはなじまないものである。したがって、被相続人である弁護士の弁護士としての社会的信用やノウハウ等は、当該弁護士個人に帰属するものであり、法律事務所という組織として客観的に結実したものとは認められないから、営業権は存在せず、本件金員に係る所得は事業所得に該当する。(平18. 8.30 広裁(所)平18-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180015
- 裁決年月日
- 平成18年8月22日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人のゴルフ会員権の売買は、極めて不自然かつ不合理であり、当該会員権は、請求人がゴルフクラブに対し退会届を提出するまでは、請求人に帰属していたと認められる旨主張する。 しかしながら、①平成13年11月19日付のゴルフ会員権売買契約書と題する書面(以下「本件売買契約書」という。)及び同月26日付のゴルフ会員権取引計算書と題する書面(以下「本件取引計算書1」という。)が存在し、本件売買契約書には、平成13年11月26日を取引期日として、売主請求人と買主甲との間で、本件会員権を売買代金○○○○円で売買する旨の記載があり、本件取引計算書1には、平成13年11月26日付で、甲が請求人から売買代金○○○○円で本件会員権を譲り受けた旨の記載があること、②平成13年11月28日付のゴルフ会員権取引計算書(以下「本件取引計算書2」という。)及び甲発行に係る領収証(以下「本件領収証」という。)が存在し、本件取引計算書2には、平成13年11月28日付で、乙が甲から、本件会員権を代金△△△△円及び取引手数料126,000円で譲り受けた旨の記載があり、本件領収証には、平成13年11月28日、甲が乙から本件会員権の代金及び取引手数料として××××円(△△△△円+126,000円)を受領した旨の記載があることなどの事実から、請求人は、平成13年11月26日、甲に対し、ゴルフ会員権を売買代金○○○○円で譲渡したものと認めることができる。 以上のとおり、本件譲渡損失の基因となる本件会員権の譲渡(本件売買)があり、その結果、本件譲渡損失が生じたものと認められるから、これに反する原処分庁の主張には理由がない。(平18. 8.22 名裁(所)平18-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170066
- 裁決年月日
- 平成18年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302011
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/1譲渡の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・246ページ
要旨
○ 請求人は、不動産売買契約及び施設相互利用契約から生じる権利を買取制度に基づき譲渡したことについて、本件不動産の共有持分権と本件施設利用権と預託金返還請求権の3つの権利が渾然一体となった施設利用権を譲渡したものであることから、そのすべてが資産の譲渡に該当する旨主張する。 所得税法第33条第1項にいう資産は、原則として、それぞれの権利ごとに1つの資産としてみるが、法律上あるいは事実上不可分一体あるいは分離不可能な権利である場合には、複数の権利等を例外的に1つの資産と判断することになると解される。そして、不動産売買契約及び施設相互利用契約から生じる権利は、上記3つの権利から構成されているものと認められ、不動産共有持分権は、独立した権利として法律上認められた権利であること、一般的には、売買契約に基づき取得する不動産の共有持分権は、独立した権利として市場流通性を有し取引の対象となり、本件施設利用権を有しているか否かにかかわらず、固定資産税などの負担が生じることが認められる。これらを踏まえれば、上記3つの権利は、法律上も事実上も不可分一体あるいは分離不可能なものとはいえないから、これらの権利が譲渡される場合において、これらを1つの資産として譲渡所得の対象となる資産と取り扱うことは相当ではない。 そして、請求人が解約合意により、本件不動産共有持分権を会社に譲渡し、譲渡代金を受け取ったことは、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡に該当するが、請求人は、自己の意思により、本件施設利用契約を解約して本件施設利用権を消滅させ、これに伴い本件保証金返還請求権に基づき保証金の返還を受けたと認められ、このことは、本件保証金返還請求権を譲渡したものでも、本件施設利用権の消滅の対価として本件保証金を受け取ったものでもなく、単に金銭債権を行使したことによるものであると認めるのが相当である。したがって、本件解約合意に基づく本件施設利用権の消滅及び本件保証金返還請求権に基づく保証金の返還は、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当しない。(平18. 6.16 大裁(所)平17-66)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170160
- 裁決年月日
- 平成18年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件借入金は、本件建物を取得するための借入れ資金で、その使途は本件建物の取得に限定されていたもので、その返済も給与からの天引きによる方法で行われたものであるから、譲渡所得の金額の計算上、本件借入金利子の全額を取得費に算入すべきである旨主張する。 しかしながら、個人が居住の用に供する不動産を取得するための借入金の利子は、当該個人の日常的な生活費ないし家事費にすぎないから、原則として、所得税法第38条第1項にいう「資産の取得に要した金額」に該当しないが、当該借入れ後、個人が当該不動産をその居住の用に供するまでにある程度の期間を要するのが通常であり、右期間中当該不動産を使用することなく利子の支払を余儀なくされることを勘案すれば、当該借入金の利子のうち、当該不動産の使用開始までの期間に対応するものは、当該不動産をその取得に係る用途に供する上で必要な準備費用ということができるから、「資産の取得に要した金額」に含まれることとなる。 したがって、譲渡所得の金額の計算上、取得費に算入できる借入金利子は、本件借入金の借入れの日から本件建物に居住を開始した日までの期間に相当する利子に限られることとなる。(平18. 4.24 東裁(所)平17-160)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170153
- 裁決年月日
- 平成18年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №71・273ページ
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、住宅・都市整備公団から割賦払いによって購入した自宅用マンション(以下「本件マンション」という。)の一部を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上、本件マンションの取得に係る契約書(以下「本件契約書」という。)に記載された譲渡代金の額のうち請求人が現に支払った金額並びに住宅・都市整備公団の割賦金を繰上返済するために他の金融機関から借り入れた金額及びその借入れに付随して支払ったすべての金額を取得費として控除すべきである旨主張する。 しかしながら、本件契約書に記載された「譲渡代金の額」は、当該契約書に関する資料から、購入代価及び利息等相当部分(割賦利息と回収費用等の合計)が具体的な金額として区分されていることが認められ、所得税基本通達38−8に定める「賦払の契約により明らかに区分されている場合」に該当する。そして、「譲渡代金の額」のうち購入対価の額及び本件マンションの使用開始の日までの期間に係る利息等相当部分は所得税法第38条第1項に規定する「資産の取得に要した金額」に当たるが、使用開始の日後の期間に係る利息等相当部分は「資産の取得に要した金額」とは認められない。 また、住宅・都市整備公団の割賦金を繰上返済するために他の金融機関から借り入れた金額及びその借入れに付随して支払った費用については、当該借入れが本件マンションの使用開始後の借入れであり、本件マンションの取得に直接要した費用とは認められないことから、本件マンションの譲渡所得の金額の計算上、取得費として控除することはできない。(平18. 4. 7 東裁(所)平17-153)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平170007
- 裁決年月日
- 平成18年3月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302013
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/3代物弁済による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一次調停、本件合意書及び二次調停は一連の遺産分割であり、本件合意書及び二次調停の成立で初めて本件遺産分割が完了したものであるから、本件合意書及び二次調停に基づき行われた本件不動産(物件A及び物件B)の所有権移転は、「相続」による移転であり、所得税法第33条第1項の「資産の譲渡」には当たらない旨主張し、原処分庁は、本件遺産分割は一次調停において完了しているから、本件不動産(物件A及び物件B)の所有権移転は、一次調停における代償分割債務の履行のための代物弁済と認められ、「資産の譲渡」に当たる旨主張する。一次調停では、請求人は、一部の相続人らに対し、遺留分に対する価額弁償として、各○○○○円を支払うこととし、その債務の支払方法として、①未分割物件(物件A)を売却して分配するという換価分割の方法を採り、②その換価代金がその債務額に満たない部分については、請求人が金銭で負担するという方法を採ったものと認められる。しかしながら、期限までに物件Aの売却ができなかったことから、本件合意書では、物件Aについて換価分割から現物分割に変更し、上記②の金銭支払部分については、金銭ではなく、請求人所有の不動産(物件B)を引き渡すことで合意したものと認められる。したがって、物件Aの所有権移転は、未分割財産の移転であることから代物弁済による移転ではなく「相続」による移転と認められる一方、物件Bの所有権移転については、代償分割債務消滅のために請求人所有不動産を代物弁済したと認めるのが相当である。よって、原処分はその一部を取り消すのが相当である。(平18.3.1熊裁(所)平17-7)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170123
- 裁決年月日
- 平成18年3月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301051
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/5債務弁済困難状態における譲渡/1債務弁済困難状態の判定時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が平成15年中に不動産を譲渡したことによる所得(以下、この譲渡を「本件譲渡」といい、その所得を「本件所得」という。)について、その後、同人が所有する資産をすべて処分しても負債を完済ができなかったことから、本件所得は、所得税法第9条第1項第10号に規定する非課税所得に該当する旨主張する。しかしながら、同規定の「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合」に該当するか否かの判定は、本件譲渡の時における請求人の現況により判定すべきであるところ、請求人の場合、本件譲渡の時における資産・負債の状況から、債務超過の状態にあったとは認められず、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であったとは認められないので、本件所得は、非課税所得に該当しないとしてされた原処分は適法である。(平18.3.1東裁(所)平17-123)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平170027
- 裁決年月日
- 平成18年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の売買について、本件土地の売買契約は無権限者により締結されたもので無効であるから、譲渡所得の課税は違法である旨主張する。しかしながら、請求人には、①所有権移転登記に必要な書類に実印を押印し、権利証及び印鑑証明書を送付していること、②売買契約書に請求人の氏名等を記載することを了承していること、③本件土地の仮差押抹消するために送金していること、④本件土地の譲渡に伴い通常の数十倍にもなった地方税を何ら異議をとどめず納付していることなどの事実が認められることから、本件土地の売買契約は有効に成立しており、原処分は相当である。(平18.2.28広裁(所・諸)平17-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170091
- 裁決年月日
- 平成18年1月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成13年分の所得税について、ゴルフ会員権の譲渡(以下「本件取引」という。)による譲渡損失が生じたとして、本件取引に係る平成13年11月16日付ゴルフ会員権取引計算書の写しを確定申告書に添付し、その損失と給与所得を損益通算した確定申告を行い、それに沿う主張をしている。しかしながら、①本件取引については、預託金証券等の引渡しがなく、約定等を書面により取り交わしていないこと、②請求人は、本件取引後も年会費を支払い、正会員としてゴルフプレーを行っていることなどからすると、本件取引は、ゴルフ会員権の売買という形式を作出するための行動と認めるのが相当であり、ゴルフ会員権の譲渡があったとはいえない。また、請求人は、ゴルフ会員権の譲渡損失を計上するために、本件取引により、ゴルフ会員権の売買という形式を作出した上で、本件計算書の日付を実際の作成日(平成14年1月)ではなく、平成13年11月16日付で作成することによって、平成13年中にゴルフ会員権の譲渡があったかのように仮装したものと認められるから、重加算税の賦課決定処分は適法である。(平18.1.6東裁(所)平17-91)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平170006
- 裁決年月日
- 平成17年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301032
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件売買契約は、形式的には買主が請求人らから本件土地等を購入したことになっているものの、当事者には売買の意思がなく、実態は請求人らが銀行から融資を受けることを目的として締結したものであるから、資産の譲渡に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人らは、本件売買契約を締結し、買主から売買代金を全額受領していること及び本件土地等は登記原因を売買として買主へ所有権の移転登記がなされていること、また、本件売買契約書において、所有権の移転時期についても売買代金全額の受領が完了すると同時に売主から買主へ移転する旨定めていることから、本件売買契約は有効に成立し、しかも、契約内容のとおり履行されていると認められる。したがって、本件土地等の所有権は請求人らから買主に移転しているというべきであるから、本件売買契約の締結及び所有権の移転登記等の事実をもって資産の譲渡に該当すると認めるのが相当である。(平17.12.1高裁(所)平17-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170057
- 裁決年月日
- 平成17年11月4日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302020
- 争点
- —
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が他の相続人とともに相続した土地持分について、①社会福祉法人に対して土地持分を無償にて寄附する旨が記載された寄附申込書に、請求人が署名、押印している、②社会福祉法人の理事会の議事録に、請求人の寄附申込みを受納することを承認した旨が記載されている、③請求人の寄附申込みを受納することを承認した旨が記載された寄附受領書が請求人に交付されていることから、請求人から社会福祉法人への贈与による土地持分の移転があったと認められるので、所得税法第59条第1項の規定により、寄附の時の時価で土地の持分の譲渡があったものとみなすべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、社会福祉法人と何ら関係がなく、土地持分の寄附による利益が何らないので、寄附には条件を付していたものであり、また、社会福祉法人もこれを了知していたものと認められるところ、その条件が成就した事実は認められず、請求人から社会福祉法人への贈与による土地持分の移転があったとは認められないから、原処分庁の主張には理由がない。(平17.11.4東裁(所)平17-57)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170007ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303032
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/2代物弁済等の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 所得税法第36条第1項の規定によれば、譲渡所得の収入すべき金額は、資産の譲渡によりその反対給付として収入する金銭、物その他経済的な利益とされ、土地を代物弁済した場合は債務の消滅という反対給付を享受したことになるから、その消滅した債務の金額が、譲渡所得の収入金額となる。ここで、連帯債務者間の負担割合は、まず連帯債務者間の特約により定まるのであるが、特約がない場合は連帯債務により受けた利益の割合によって定まり、なおこれによっても定まらないときには各自が平等の割合によって負担するものと解されており、また、一般に代物弁済した債務額について当事者間における合意が認められない場合には、その譲渡時における資産の価額に相当する額の弁済があったと解するのが相当である。これを本件についてみると、請求人ほか2名の間で負担割合に関する明示的な特約はないものの、請求人ほか2名がそれぞれの土地の価額で債務を負担することが、請求人ほか2名の間の負担割合についての特約であると認定することが合理的である。よって、請求人の譲渡収入金額は、消滅した債務の額を各土地の時価相当額によりあん分した金額とすることが相当である。(平17.10.25沖裁(所)平17-7)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170007ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成17年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302012
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/2交換による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、抵当権設定金銭消費貸借契約証書(本件証書)は請求人の意思の欠落した契約書であり、法的に無効であるため、請求人は連帯債務者ではないことから、代物弁済を基因とする譲渡所得課税は要件事実の適用解釈に瑕疵があり、本件決定処分は違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、本件証書に押印し、さらに借用事実を確認する念書に連帯債務者兼物上保証人として署名、押印しているこれらの行為は、本件借入金が請求人自身の連帯債務であることを追認したものであると解するのが相当である。また、本件証書に基づきAに代位弁済させていることは、請求人も本件証書は無効な契約書ではないと自ら認めていることとなり、請求人の連帯債務者ではないとする主張は採用できない。これを本件についてみると、請求人は、Aに代位弁済してもらい、代位弁済により生じたAに対する債務を乙土地で弁済した事実が認められることから、連帯債務者である請求人は乙土地を代物弁済したもの、すなわち資産の譲渡があったものと認められる。よって、請求人の主張には理由がない。(平17.10.25沖裁(所)平17-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170021
- 裁決年月日
- 平成17年10月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、預託金返還請求権の譲渡に先立ってゴルフクラブを退会することによりプレー権の根拠となる会員資格を譲渡したものであり、入会登録料相当額の本件損失金額は、会員資格の取得に要した費用であるから、所得税法第69条第1項を適用して他の各種所得と損益通算すべき旨主張する。ところで、預託金会員制ゴルフ会員権の譲渡が、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡として取り扱われているのは、売買等により金銭債権である預託金返還請求権及び年会費納入等の義務と併せてプレー権が一体不可分となって他の者に移転されることによるものであるからと解されるところ、当該ゴルフクラブの会則によれば、請求人が当該ゴルフクラブを退会したことは、請求人が有する会員の地位を喪失し、それに伴い、プレー権及び年会費納入等の義務が消滅するにすぎず、会員の地位は、第三者に移転しないことが認められる。そうすると、本件債権譲渡契約に基づき退会手続と同時に預託金返還請求権をゴルフ場運営会社以外のA社に譲渡した行為は、プレー権及び年会費納入等の義務までA社に譲渡するものではないから所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡に当たらない。また、当該ゴルフクラブの会則によれば、会員の地位は、預託金に関する権利と共にでなければ譲渡できないから、その権利とは別個に会員の地位を譲渡した旨の請求人の主張は理由がない。したがって、所得税法第69条第1項を適用して他の各種所得と損益通算することはできない。(平17.10.20大裁(所)平17-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170045
- 裁決年月日
- 平成17年10月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式(特定口座内保管上場株式等)を実額(平成2年に実際に支出した金額)により取得したもので、取得価額を本件みなし取得価額(平成13年10月1日における価額の100分の80に相当する金額)とすることに誤りがあるから、本件株式の取得価額を実額とする本件更正の請求は認められるべき旨主張する。しかしながら、本件株式は、受入非特定上場株式等に該当するところ、受入非特定上場株式等を特定口座に移管する場合の取得価額は、租税特別措置法施行令附則第14条第7項第3号の規定により、当該株式等の平成13年10月1日における価額の100分の80に相当する金額と規定されており、本件証券会社も、同社の特定口座約款に従い、本件株式の取得価額を本件みなし取得価額としたものと認められる。そうすると、本件譲渡に係る譲渡所得の計算に当たり、本件株式の取得価額を本件みなし取得価額により計算した本件譲渡に係る譲渡所得の金額に誤りはないから、本件株式の取得価額を実額により譲渡所得の金額を再計算することはできないので、本件更正の請求は、国税通則法第23条第1項第1号の規定に該当しない不適法な更正の請求である。(平17.10.3東裁(所)平17-45)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170031
- 裁決年月日
- 平成17年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場の入会保証金預託証書に裏書して(この裏書を、以下「本件裏書」という。)、ゴルフ場経営法人から同預託証書に記載された金員を受領した行為は資産の譲渡であるから、ゴルフ場経営法人から受領した金員と本件ゴルフ会員権を取得するために要した金額との差額(以下「本件差額」という。)を譲渡所得の金額の計算上生じた損失として他の各種所得の金額と損益通算すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、ゴルフ場経営法人に退会届を提出し、同法人から預託金の返還を受けたのであって、それは、本件ゴルフ会員権を不可分一体のものとしてその経済的価値に基づいて取引の対象としたのではなく、本件経営法人と請求人との間の契約関係を解消するに当たって、金銭に関する債権債務関係を清算した(金銭債権を回収した)ものと認めるのが相当であるから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡があったとは認められない。なお、本件裏書は、請求人がゴルフ場経営法人に対する預託金返還請求権の行使に伴う一連の返還手続きとして行われたものであることが認められ、本件ゴルフ会員権の譲渡について請求人及びゴルフ場経営法人双方の意思が合致した証としてなされたものとは認められないから、本件裏書があることをもって、請求人とゴルフ場経営法人との間で本件ゴルフ会員権の譲渡があったと認めることはできない。したがって、請求人の主張には理由がなく、本件差額は譲渡所得の金額の計算上生じた損失とは認められないことから、本件差額を他の各種所得の金額と損益通算はすることはできないとした原処分は適法である。(平17.8.29東裁(所)平17-31)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170019
- 裁決年月日
- 平成17年7月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、価額が下落した本件ゴルフ会員権を市場で売却すれば、多額の損失が生じ確定申告により相当の税金が還付されるところ、預託金返還請求訴訟の和解により支払われることとなった金員(以下「本件和解金」という。)の額が本件ゴルフ会員権の取得に要した金額を下回る場合には、結果として国は税金の還付金額を減少させることができるのであるから、本件和解金の額を譲渡代金と認め、譲渡所得の計算上生じた損失の金額を、他の各種所得の金額と損益通算すべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、預託金返還請求訴訟の裁判上の和解において、ゴルフ倶楽部の会員契約を合意解除し、ゴルフ場経営法人から本件和解金の支払を受けることとなったのであって、それは本件ゴルフ会員権を不可分一体のものとしてその経済的価値に基づいて取引の対象としたのではなく、ゴルフ場経営法人と請求人との間の会員契約関係を解消するに当たって、金銭に関する債権債務関係を清算した(金銭債権を回収した)ものと認めるのが相当である。そうすると、本件和解金を受領する行為は、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当しないと解するのが相当である。したがって、請求人の主張には理由がなく、請求人の主張する損失は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失とは認められないことから、その金額を他の各種所得の金額と損益通算することはできないとした原処分は適法である。(平17.7.25東裁(所)平17-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成17年7月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人らの母である被相続人から同人の家事使用人に対する登記原因を贈与とする本件不動産の所有権移転(以下「本件所有権移転」という。)について、家事使用人の勤務実態、退職の事実及び退職の時期と本件所有権移転の時期が一致していることなどから、退職金の支給に代えた不動産の譲渡である旨主張する。しかしながら、①被相続人と家事使用人とは、雇用関係に関する契約書も退職金の支払に関する契約書も作成していないこと、②本件所有権移転の権利者は、家事使用人だけでなく、その子を含めた3名であること、③被相続人が残した本件遺言書には、本件不動産は、被相続人の姪らに遺贈する旨記載されており、家事使用人には預貯金を遺贈する旨の記載があるのみで退職金に関する記載はないことからすれば、被相続人は家事使用人に対し退職金を支払う意思を有していなかったと認められること、④被相続人は、老人ホームの入所費用を調達するために本件不動産を含めた所有不動産全体を売却したいと考えたが、本件不動産が家事使用人の居住の用に供されていたものであることから、本件不動産部分を分筆し、売却を保留しており、被相続人が家事使用人に対し退職金を支払うべき債務が存在していたのであれば、本件不動産部分を分筆せずに本件資産を含めて売却し、その売却代金の中から退職金相当額を支払えば足りたのであるから、本件不動産部分を分筆して、本件所有権移転をしたのは退職金の支払に代えたというよりも、家事使用人の事情(居住場所の確保等)に基づくものであること、⑤家事使用人は、本件所有権移転に関して、所轄税務署で相談したところ、高額の贈与税が課される旨の説明を受け、本件不動産を譲渡することとした旨申述していることからすれば、家事使用人は、本件所有権移転を退職金の受給ではなく贈与と認識した上で相談したことが認められることなどから、本件所有権移転は、退職金の支給に代えた譲渡とは認められず、被相続人から家事使用人及びその子に対する贈与であると認めるのが相当である。したがって、本件所有権移転は退職金の支給に代えた譲渡であるとしてなされた本件更正処分はその全部を取り消すべきである。(平17.7.19東裁(所)平17-17)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170015
- 裁決年月日
- 平成17年7月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が所有する甲社株式の売却を同社の代表取締役Aに依頼し、平成12年3月に請求人の預金口座に振り込まれた○○○○円のみを受領したのであるから、平成12年中に同株式200株を同金額で譲渡したものである旨主張する。しかしながら、請求人は甲社株式の売却をAに依頼し、その代理権を与えたのであるから、Aと譲受者乙社との間の請求人が所有する甲社株式150株を△△△△円で売却する旨の平成12年(月日は空欄)の売買契約は、請求人に帰属することが認められる。また、その代金について、Aは「間違いなく請求人に現金で渡し領収証に署名した」旨答述するところ、①当該領収証の筆跡と請求人が記載した他の書類の筆跡が酷似すること、②乙社は代金を甲社の預金口座に振込入金し、同日、同口座から現金△△△△円が出金され、その2日後に請求人預金口座へ当該出金の額の2/3相当額が入金されており、この入金について、請求人が説明するところを裏付ける具体的な証拠もないことから、当該答述は信用すべきものと認められ、請求人は、当該代金を現金で受領したと認めるのが相当である。したがって、請求人は、平成12年中に、甲社株式150株を乙社に△△△△円で譲渡し、争いのない同社株式50株○○○○円の譲渡と合わせて、甲社株式200株を合計××××円(△△△△円+○○○○円)で譲渡したものと認められるから、請求人の主張には理由がない。(平17.7.15東裁(所)平17-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170011
- 裁決年月日
- 平成17年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ会員権の預託金返還訴訟の勝訴判決を得た上で、その債権についてゴルフ場経営会社から民事再生法上の再生計画に基づいて一部債務免除された後の本件金員を受領した行為は、資産の譲渡に当たり、請求人は再生計画に同意しておらず預託金証書を返還していないことから預託金の返還には該当しないので、ゴルフ会員権の取得費と本件金員との差額を譲渡所得の金額の計算上生じた損失として、他の各種所得の金額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、①請求人は、預託金の返還を求めて提訴し、その判決は、請求人の預託金返還請求を認容したこと、②ゴルフ場経営会社が、再生計画において、請求人を会員債権者と認識し退会するか否かの意思確認を行ったところ、請求人は退会書を提出したこと、③ゴルフ場経営会社は、請求人の預託金返還請求権を再生計画に基づいて一部債務免除した後の本件金員を請求人に支払い、請求人はこれを受領していることからすれば、請求人は、預託金返還請求権に基づいて本件金員を受領したものと認められ、その行為は金銭債権の回収(清算)にすぎず資産の譲渡には当たらない。また、再生計画の効力は請求人が同計画に同意したか否かにかかわらず請求人にも及び、預託金証書は債権証書にすぎず商法上の有価証券ではないことから、請求人の各主張は、本件金員の受領行為が預託金の返還であることを否認する理由とはならない。したがって、請求人の主張する損失の金額を他の各種所得の金額から控除することはできないとした原処分は適法である。(平17.7.8東裁(所)平17-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170004
- 裁決年月日
- 平成17年7月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、造成工事は、平成14年に譲渡した土地(以下「別件土地」という。)と平成15年に譲渡した土地(以下「本件土地」という。)を合わせて行ったもので、造成工事代金を本件土地分と別件土地分に特定できないため、当該金額を本件土地と別件土地の面積の比によりあん分して計算した額が、本件土地の取得費の額である旨主張する。しかしながら、これらの土地に係る造成工事について、現地調査、見積書の内容及び造成工事を行った業者の答述を総合すると、一部の工事については別件土地と本件土地に係る部分が特定できることから、この本件土地に係る部分の造成費を基に本件土地の取得費の額を計算すると、原処分の取得費の額を上回るから、原処分は、その一部を取り消すべきである。(平17.7.5名裁(所)平17-4)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170004
- 裁決年月日
- 平成17年7月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306150
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/15建物の収去費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成14年及び平成15年に譲渡した土地(以下「本件各土地」という。)上の建物解体工事費用のうち、植木の伐採費用については、平成15年に譲渡した土地(以下「本件土地」という。)に係る費用であるから、平成15年分の譲渡所得の計算上、譲渡費用として認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地上の建物解体工事を行った業者の答述及び当該業者が撮影した建物解体工事前の写真によれば、本件各土地上には庭木、樹木が植わっていたこと、伐採費用はこれらの立木に係る伐採費用と認められることから、当該費用のすべてが本件土地に係る費用とはいえず、また、本件各土地それぞれに係る伐採費用を特定できないことから、請求人の主張は採用できず、伐採費用を、本件各土地の面積の比により計算した原処分は相当である。(平17.7.5名裁(所)平17-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170001
- 裁決年月日
- 平成17年7月4日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・122ページ
要旨
○ 請求人は、譲渡した本件土地の取得目的について、両親の居住する建物の建築用地とする以外に、土地の値上がり益を期待したこと及び父親からの相続財産の総額の減額などであり、取得目的に応じた使用はしていないから、本件借入金の利子の全額を取得費に算入すべきである旨主張し、原処分庁は、両親の居住する建物の建築用地として貸し付けることにあることから、取得時点で使用の開始があり、取得費に算入できる本件借入金の利子はない旨主張する。ところで、譲渡した土地の取得費に算入される借入金の利子は、取得目的に応じた使用又は処分がされた日までの期間に対応する借入金の利子とされているが、土地の取得目的は主観的には一応定まっていても、潜在的な他の目的を排除し難い場合が多く、かつ、当初の取得目的がその後変更されることも少なくないことを考慮すると、土地の地目、形状等に照らし、客観的にみて使用の事実があったと判断されるときに、取得目的に応じた使用があったと認めるのが相当である。請求人は、親子という生活共同体の構成員として両親が居住するための建物の建築用地として本件土地を取得したものであり、本件土地は本件家屋の敷地の用に供されていることから、本件においては、請求人の両親が本件家屋を居住の用に供した日をもって本件土地を使用開始したとするのが相当である。(平17.7.4大裁(所)平17-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170001
- 裁決年月日
- 平成17年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306110
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/11旅費、交通費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が所有する土地建物及びその土地に隣接する同人と同人の兄弟姉妹が共有で所有する土地建物を一の契約により譲渡(以下「本件譲渡」という。)したことから、①所得税法第33条《譲渡所得》第3項に規定する資産の譲渡に要した費用(以下「譲渡費用」という。)の額は、それぞれの土地建物の譲渡価額の比によりあん分計算すべきである旨、また、②申告した譲渡費用のほかに本件譲渡に関して支出した交通費を譲渡費用として認められるべきである旨主張する。しかしながら、①譲渡費用で個々の譲渡資産との対応関係の明らかでないものがあるときは、当該譲渡費用の額をそれぞれの資産に係る収入金額の比であん分するなど合理的な方法によりそれぞれの資産に係る譲渡費用の額を計算するものと解されることから、本件譲渡費用のうち、個々の譲渡資産との対応関係が明らかなものをそれぞれの資産に係る譲渡費用の額と計算した原処分は相当である。しかし、②交通費は、通常、その支払の事実を証する領収書等により確認することが困難であり、本件譲渡に関しても領収書等が存在しないが、本件譲渡に関して作成された書類からすれば、本件交通費は本件譲渡に関連して支出したものと認められ、その金額も不相当ということはできず、実際に支払われたものと認めるのが相当である。そして、本件譲渡が完了した後の交通費を除いた本件交通費は、譲渡のために直接必要な費用に伴うものであるから、譲渡費用に該当する。(平17.7.1名裁(所)平17-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160300
- 裁決年月日
- 平成17年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、破産宣告を受けた株式会社(破産会社)の株式(本件株式)も譲渡所得の基因となる資産である旨主張する。しかしながら、破産会社は原則として営業活動は廃止され、会社の消滅を目的として現有財産をもって債務を清算する手続きが進められるのであるから、株主が会社の経営に参与することを目的とする共益権及び営業活動の結果としての利益の配当や通常の清算手続において債権者への弁済後に残った株主に帰属すべき財産(残余財産)についての分配などの経済的利益を受けることを目的とする自益権を行使する余地は原則としてなくなることからすると、その後当該会社が再建する蓋然性が認められるなどの特段の事情のない限り(本件株式の発行会社に、当該事情があったと認めることはできない。)、破産会社の株式は、株主権を基礎として一般に認められる株式としての経済的価値を喪失する。そして、株式としての経済的価値を喪失した株式については、社会通念上、これが通常の株式取引の対象となるとは観念されず、もはや発行会社の業績や将来性、社会経済情勢など多様な要因に基づいてその経済的価値が変動する中でキャピタル・ゲイン又はキャピタル・ロスを生ずる資産としての性質を認めることはできない。このことは、法律上、破産会社の株主に株主権が存続しているか否かによって左右されるものではない。したがって、破産会社の株式は、譲渡所得の基因となる資産には該当しないと認められるから、請求人の主張には理由がない。(平17.6.29東裁(所)平16-300)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160101ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成17年6月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303039
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分における譲渡所得の総収入金額の中には、譲渡資産取得のために借り入れた外貨建借入金を譲渡代金である外貨で返済したことに伴う未実現の為替差益が含まれているが、これは譲渡所得の計算の中で名目上発生する利益であることから、総収入金額から差し引くべきである旨主張する。しかしながら、譲渡価額が外貨で表示されている不動産を譲渡した場合における譲渡所得の総収入金額は、収入金額とすべき金額につき、その権利が確定した日の対顧客直物電信買相場(以下「TTB」という。)により邦貨で換算するものと解されているところ、本件譲渡所得に係る総収入金額とすべき金額及び収入すべき権利が確定した日は原処分庁及び請求人ともに争いがないことから、本件譲渡所得に係る総収入金額は、収入金額とすべき金額につき、その収入すべき権利が確定した日のTTBにより邦貨で換算するのが相当である。また、請求人は譲渡所得の中に実現していない為替差益が含まれていると主張するが、本件譲渡所得に係る総収入金額とすべき金額及び取得費等の金額に係る権利等が契約の効力発生日等において確定していることが認められることから、邦貨に転換するか否かにかかわらず、本件譲渡所得に係るすべての所得が実現していると解すべきであり、収入金額の一部で外貨建借入金を返済した場合に、収入金額のうち本件外貨建借入金の返済に充てられた部分に係る為替差益のみ所得が実現していないとは解されないことなどから、本件譲渡所得に係る為替差益は、本件譲渡代金との相殺により本件外貨建借入金の返済に充てられた部分の為替差益も含めて、本件不動産の譲渡時点において所得として実現していると解するのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。(平17.6.21大裁(所)平16-101)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160096
- 裁決年月日
- 平成17年6月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ ゴルフ場の営業譲渡により、旧ゴルフ会員権は優先プレー権が消滅した預託金返還請求権のみの会員権となり、新ゴルフ会員権は預託金のない優先プレー権のみの会員権となる。請求人はゴルフ場が営業譲渡される以前に旧ゴルフ会員権をA法人に譲渡しており、これは、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡となるから、生じた譲渡損失は他の所得と損益通算できる旨主張する。しかしながら、旧ゴルフ会員権について、ゴルフ場が営業譲渡されるまでの間に請求人からA法人への譲渡はなかったと解するのが相当であり、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡はなく、損益通算も認められない。(平17.6.14大裁(所)平16-96)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160257
- 裁決年月日
- 平成17年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・93ページ
要旨
○ 請求人は、相続した本件土地を各共同相続人均等の相続登記をした上で譲渡したことについて、共同相続人間における遺産分割協議の内容は代償分割であり、当該譲渡により請求人が取得した代金には他の共同相続人から受け取るべき代償金が含まれているから、請求人の譲渡所得に係る総収入金額は、本件土地の譲渡代金に請求人の当該相続登記による持分を乗じて算定すべきであると主張するが、①共同相続人間において、被相続人の遺産は各共同相続人が全体として均等に分割することとし、本件土地は売却換価して、その代金を分割することに合意していること、②各共同相続人は、その合意事項に基づき本件土地の売買契約を締結し譲渡代金を確定させたこと、③譲渡代金の確定後、遺産分割協議により各相続人が具体的に受領する代金の額を定めており、当該遺産分割協議の内容は調停条項に反映されていること、④合意事項、遺産分割協議及び調停条項において、財産(現物)を取得した相続人が他の相続人に対して代償債務を負担するという合意はなされていないこと、及び⑤請求人以外の共同相続人は換価分割として譲渡価額を算定していることを総合すると、本件土地はいわゆる換価分割の方法により分割されたものと認められるから、請求人の譲渡所得に係る総収入金額は、同人が換価分割により取得した換価代金とすべきである。(平17.5.18東裁(所)平16-257)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160085
- 裁決年月日
- 平成17年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302031
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/1株式
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件株式の譲渡は認識せざるを得ないが、金額等が分かるものがないので、本件株式の譲渡価額や決済等を明らかにしてほしい旨主張する。しかしながら、本件株式については、①本件合意書及び本件確認書に基づき、同族法人M、K及びFの経営の分離に伴って株式等の譲渡や役員変更が行われていること、②本件株式をSへ譲渡することについては取締役会で議決されていること、③一方、Sにおいても、平成14年4月8日に本件株式を取得したとしていることの事実が認められる。④また、本件株式の譲渡代金は、当事者の合意により最終的にはKに対する債権(貸付金)になっていると推認できるが、そのことを請求人らは、平成14年4月以降、Kの役員としてその経営に当たっていて十分に認識できる立場にあったと認められる。そうすると、請求人らは、本件株式を平成14年4月8日にSへ譲渡し、その代金債権は、当事者で合意するところにより、金銭の授受ではなく、関係者間での債権債務の精算を経て、最終的にはKに対する債権(貸付金)となっていると判断できるから、請求人らの主張には理由がない。(平17.5.17大裁(所)平16-85)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160085
- 裁決年月日
- 平成17年5月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件各不動産の譲渡代金を受領していない旨主張するが、本件各不動産については、①本件合意書及び本件確認書に基づき、平成14年4月8日に売買契約が締結され、同日に登記手続に必要な書類の交付が行われていること、②譲渡代金は、譲受者からの未収金(債権)となった後、最終的にはKに対する債権(貸付金)になっていると推認できること、③また、譲受者への登記は、中間登記省略され、最終譲受者のSへ所有権が移転されていることなどの事実が認められるから、この点の主張は採用できない。(平17.5.17大裁(所)平16-85)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160076
- 裁決年月日
- 平成17年4月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有権の移転登記、権利証の引渡し、代金決済及び固定資産税の清算状況から、本件譲渡は、分譲住宅の購入者への直接・分割譲渡であり、収入すべき時期は平成13年分と平成14年分である旨主張する。しかしながら、土地開発業者の土地の取得目的及び利用状況、請求人の対応並びに取引の状況から総合的に判断すると、分譲住宅の購入者へは土地開発業者が直接売買契約を締結し譲渡したものであり、本件土地は一つの売買契約により請求人から土地開発業者への一括譲渡で、土地開発業者は、遅くとも開発行為に係る工事等を了した平成13年6月末には実質的に本件土地を支配管理していると認められる。そうすると、権利証の受渡しが登記日に行われたとしても、収入すべき時期は本件土地の引渡しがあったと認められる平成13年分とするのが相当であるので、請求人の主張には理由がない。(平17.4.14大裁(所)平16-76)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160211
- 裁決年月日
- 平成17年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人ら及び原処分庁双方は、本件土地の取得価額が不明であることから、譲渡価額を基に公示価格の対比又は変動率により取得価額を算出する方法を採用しているが、不動産の売買価額は、買い進み、売り急ぎ等の取引当事者の意思、社会情勢等、また、土地の地勢、立地条件等の要因に大きく左右され、これらの様々な個別事情を反映して決まるものであるから、取得価額を公示価格の対比又は変動率でもって算出することは相当でない。そして、当審判所の調査においても売買価額を示す証拠は認められないことから、本件土地の実際の取得価額は不明であると判断せざるを得ないところ、租税特別措置法第31条の4第1項に準じて計算ができる旨の取扱いを定めた租税特別措置法通達31の4−1に従い、収入金額の100分の5に相当する金額により取得価額を算出するのが相当である。(平17.3.15東裁(所)平16-211)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160211
- 裁決年月日
- 平成17年3月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件土地の譲渡に先立ち本件土地内の青道を国から取得しているところ、青道の取得価額は適正な価額であり所有期間は短期間であることから、当該青道の譲渡価額はその取得価額と同額とすべき旨主張する。しかしながら、青道の取得価額は、青道だけでは単独では利用できない土地であること、請求人らがこれらの青道を占有使用していたことによる時効取得完成の可能性を加味する必要があったことにより、時価よりも低額に決定された価格であるところ、請求人らが青道を取得したことにより、一団の土地全体の価値として売買価額が成立したものであるから、青道の譲渡価額は、売買価額に対する青道の地積の割合により算出するのが相当である。(平17.3.15東裁(所)平16-211)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160047
- 裁決年月日
- 平成17年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・113ページ
要旨
○ 請求人は、請求人が所有していた預託金会員制のゴルフ会員権は、ゴルフ場経営会社の民事再生手続により、その営業権が別法人に移り、預託金債権が5%に減額され95%の損失が生じているのであるから、その損失を他の所得から控除すべきであると主張するが、民事再生手続中のゴルフ場経営会社がゴルフ場施設と預託金債務を新経営会社に譲渡した場合は、各会員は新経営会社との間で減額された預託金により契約が継続し、ゴルフ会員権としての性質は、契約の相手方を除き、営業譲渡の前後を通じて維持されることから、各会員には譲渡行為がなく、したがって、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には当たらず、また、切り捨てられた預託金債権については各種所得の金額の計算上、必要経費に該当しない。(平17.2.15大裁(所)平16-47)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平160016ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成16年12月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地の売買代金を定めるのはあくまでも売主と買主であるから、本件譲渡価額は、土地代金等一覧表に記載された「土地代金」欄の金額ではなく、本件契約書に記載された金額である旨主張する。しかしながら、①本件各土地及び本件残地の宅地造成工事は一体として行われ、②請求人は本件残地に係る宅地造成費等を支払っておらず、③調査事実及び関係者の答述によると、土地代金等一覧表に記載されている「減歩負担率」及びその計算額は、本件残地に係る宅地造成費等相当額として請求人らと宅地造成事業者との間で取り決めた価額であり、本件契約の締結に当たり、当初売買予定価額からこの宅地造成費等相当額を差し引いた価額を本件各土地の譲渡価額としたものと認められる。したがって、本件各土地の譲渡収入金額は、本件契約に基づく金額に宅地造成費相当額として差し引いた金額を加算した額とするのが相当である。(平16.12.24仙裁(所)平16-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160034ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成16年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己の所有する本件株式を譲渡したが、譲渡契約上、買主は本件株式の発行会社の貸借対照表を監査して譲渡価額を調整するとあり、また、契約締結後3年を経過しないと買主が留保する譲渡代金の一部を受領できず、さらに、譲渡契約に定められた売主の補償責任及び請求人の発行会社に対する業務遂行義務により、3年を経過しないと譲渡価額が確定しないとして、未確定で受領もしていない譲渡代金の残金を、平成13年分の譲渡所得の収入金額とした原処分は違法である旨主張する。しかしながら、譲渡所得の収入すべき金額は譲渡資産の引渡しによって収入すべき権利の確定した金額をいうものと解されるところ、請求人は本件株式を平成13年9月6日に引渡し、その翌日には譲渡契約に定められた譲渡代金の90%を受領しており、譲渡契約上は買主による譲渡価額の調整に関する条項が認められるものの、請求人がそれに関する証拠を提出しないため当審判所においてその内容を審理することができないことからすれば、譲渡契約書に定められた譲渡価額をもって、請求人の収入すべき権利の確定した金額といわざるを得ない。なお、請求人が原処分庁及び異議審理庁に提出した証拠資料によれば、売主の補償義務及び業務遂行義務に関する契約は、本件株式の譲渡価額の確定には何ら関係がないと認められる。したがって、原処分は相当である。(平16.12.20関裁(所)平16-34)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160028
- 裁決年月日
- 平成16年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №68・92ページ
要旨
○ 請求人は、本件代償分割に基づく本件土地の譲渡は、本件代償分割により負担した12,000,000円の金銭債務に代えて本件土地を代物弁済したものであるから、本件土地の譲渡に係る譲渡所得の収入金額は、当該金銭債務の額である旨主張する。しかしながら、遺産分割協議書には本件土地を無償で交付するとのみ記載されており、また、請求人は、代償分割の相手方が現金ではなく本件土地でよいというので本件土地を交付することに合意し、本件土地の価額は遺産分割協議書の作成後に関与税理士から聞いた旨答述していることからすれば、本件代償分割は、具体的な代償債務の金額の定めのない代償分割であると認められる。したがって、本件譲渡は、請求人が具体的な金額の定めのない代償分割債務を履行したものというべきであるから、本件土地の譲渡に係る譲渡所得の収入金額は、本件土地の譲渡の時における本件土地の価額、すなわち客観的な交換価値である本件土地の時価によるべきである。したがって、請求人の主張には理由がない。(平16.12.8関裁(所)平16-28)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160028
- 裁決年月日
- 平成16年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №68・92ページ
要旨
○ 請求人は、代償分割により譲渡した本件土地の譲渡価額は、路線価を基準とした価額により算定すべきである旨主張しながら、路線価の額とは異なる価額を基とし本件土地の管理状況等を考慮して算定するというのであるから、本件土地の客観的な時価を求めるにおいて合理的な根拠を欠くものであるといわざるを得ない。一方、原処分庁は、本件土地の近隣に所在する公示地の公示価格及び基準値の基準地価格を基として求めた適正倍率により本件土地の譲渡価額を算定すべきである旨主張するが、原処分庁が採用した公示地は本件土地とは都市計画法上の用途地域、建ぺい率及び容積率が異なるから、本件土地の価額を求めるための公示地としては合理性を欠くものといわざるを得ない。そこで、当審判所において近隣の土地取引事例を基に、不動産鑑定評価における取引事例比較法と同様の方法により本件土地の譲渡価額を算定したところ、当該金額は本件更正処分の額を上回るから、請求人の主張には理由がない。(平16.12.8関裁(所)平16-28)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160039
- 裁決年月日
- 平成16年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡に際して請求人が代表社員を務める有限会社から営業権を取得したにもかかわらず、その取得費用を所得税法第33条第2項及び同法第38条第1項に規定する譲渡所得の金額の計算上控除する金額として認めなかったのは違法である旨主張する。しかしながら、営業権とは一般的に超過収益力を有する無形の財産的価値を有した事実関係であると解され、そのような営業権の本質からすれば、請求人は自ら評価した営業権の対価を支出したこととなり、本件譲渡物件の譲渡価額を増加させるための支出とは認められないので、この点における請求人の主張は認められない。また、請求人は、法人の営業権を取得するための支出は、権利関係のない状態にするための支出であり、立退料その他本件譲渡物件の譲渡価額を増加させるために本件譲渡に際して支出した費用に当たるから、譲渡所得の金額の計算上控除する金額に該当するとも主張するが、法人の営業権を取得する趣旨は、法人の借入金返済の原資とするための金員の交付であると請求人自身が認めており、また、法人との賃貸借の関係をみると、一定期間賃貸料の支払も滞っていた事実が認められ、一定期間賃貸料の支払が滞っている法人に対し、請求人から立退料等を支払わなければならないとする理由は、社会通念上見出しがたいというべきであるから、譲渡価額を増加させるため本件譲渡に際して支出した費用の金額としての実質を伴うものとはいえず、請求人の主張は認められない。(平16.12.1名裁(所)平16-39)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160035
- 裁決年月日
- 平成16年11月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303031
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/1金銭以外の物による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が提供した山林を、開発業者が宅地造成を行った後、その一部の土地(以下「本件土地」という。)を返還するという取引(以下「本件取引」という。)において、請求人は、本件取引の実態は、提供した山林のうち、本件土地以外の土地が譲渡されたとみるべきであり、本件土地以外の土地は、道路等に接していない無接道地であったことから、覚書に記載された金額に基づいて、本件取引の分離長期譲渡所得の総収入金額を計算すべきである旨主張する。しかしながら、覚書に記載された金額は、本件取引当事者双方にとって、合理的かつ客観的なものではなく、一応の見積りといった程度のものであるので、請求人の主張は、この点において採用できない。一方、所得税法第36条の規定によれば、金銭以外のものをもって収入する場合には、そのものを享受する時における価額による旨規定されているところ、本件取引の実態は、請求人が提供した山林のうち、本件土地以外の土地を、本件土地の造成費用に相当する価額で譲渡したものと判断することが相当であり、造成費用の総額を造成した有効宅地の面積で除した金額に基づき、本件土地の造成費用を算定し、当該金額を本件取引の分離長期譲渡所得の総収入金額とした原処分庁の計算内容は適法である。(平16.11.17名裁(所)平16-35)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160020
- 裁決年月日
- 平成16年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件和解契約の特約によれば、債権者が平成19年1月末日までに本件土地を第三者に売却するまで本件代物弁済による代物弁済額は確定しないから、本件代物弁済による譲渡所得の収入金額の収入すべき時期は、平成14年中には到来していない旨主張する。しかしながら、本件和解契約においては、本件代物弁済は本件損害賠償債務のうち55,361,501円の支払に代えて行われる旨が定められており、そして、平成14年9月3日には代物弁済を原因とする所有権移転登記が行われ、同年11月中には引渡しも完了していたと認められる。また、本件和解契約においては、債権者が第三者に売却する価額をもって代物弁済額とする旨の定めは認められず、本件和解契約の特約は、債権者が本件土地を売却し損失が生じた場合に、請求人らがこれを補填する趣旨のものであるというべきであり、本件代物弁済による代物弁済額が55,361,501円であることに影響を及ぼすものではないと認められる。したがって、本件代物弁済による譲渡所得の収入金額の収入すべき時期は、平成14年中に到来していると認められるから、請求人の主張には理由がない。(平16.11.5関裁(所)平16-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160027
- 裁決年月日
- 平成16年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが保有する外国法人の株式の売却は、当該外国法人の所有する不動産の譲渡にほかならず、租税特別措置法第31条第1項に規定する長期譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人が当該不動産に関して締結した契約は、当該外国法人の全発行済株式(以下「本件株式」という。)の売買に関する契約であり、当該不動産を取得したのではなく、請求人は、誰一の株主となり、本件株式の取得に伴い、当該不動産に関する賃貸契約を引き継ぎ、また、本件株式の売却に伴い、当該不動産に関する賃貸契約を買い主に引き継いだこととなるから、当該不動産の取得及び譲渡に伴う取引は株式の売買に他ならない。したがって、本件株式の譲渡に伴う取引は、租税特別措置法第37条の10第1項に規定する株式等に係る譲渡所得等となり、計算上生じた損失の金額があったとしても、当該の損失の金額を請求人の他の所得金額と損益通算することはできないとしてされた本件更正処分は適法である。(平16.11.1名裁(所)平16-27)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160025
- 裁決年月日
- 平成16年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡土地の取得に際し盛土造成工事費を支払っており、その証拠として不動産仲介業者が発行した本件領収証が存在すると主張するが不動産仲介業者の答述及び請求人の長男が当初した申述によれば、本件領収証は、請求人が当該仲介業者に依頼して発行させた架空の内容を記載した書面にすぎないと認められ、他に、請求人が盛土造成工事費を不動産仲介業者に支払ったことを認めるに足る証拠もないから、譲渡所得の計算上、盛土造成工事費を取得費の額に算入することはできない。(平16.10.25名裁(所)平16-25)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160026
- 裁決年月日
- 平成16年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件会員権に係る預託金預り証書の交付と引換えに、本件預託金の返還を受ける行為は、ゴルフ会員権の譲渡に当たるから、本件会員権の取得に要した費用と本件預託金との差額(損失額)については、損益通算を認めるべきであると主張する。しかしながら、請求人は、本件ゴルフ倶楽部及びそれを主宰する本件法人に退会届を提出し、会則に基づき本件預託金の返還を求めたのに対し、本件法人が退会届を承認したので、請求人が預託金預り証書を交付したのと引換えに、本件預託金の交付を受けている。そうすると、請求人は、本件預託金の返還請求権をその預託先である本件法人に対して行使し、預託金預り証書と交換に本件預託金の返還を受けたものということができ、本件会員権を預託金額で本件法人へ譲渡したとみることはできないから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当しない。したがって、本件会員権の取得に要した費用と本件預託金との差額(損失額)は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失には当たらず、損益通算が認められている不動産・事業・山林所得の損失にも当たらないので、損益通算をすることはできない。(平16.10.25名裁(所)平16-26)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160026
- 裁決年月日
- 平成16年10月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仮に預託金額より低額で取得した預託金制ゴルフ会員権について、預託金の返還を受けた時には、その差額は所得として課税されるのに対し、本件取引のように預託金額よりも高額で取得し、預託金の返還を受けた場合に、差額(本件損失額)を所得金額から控除できないのは、同じ資産でありながら利益が生じた場合と損失が生じた場合とを別異に扱うこととなり、課税処分における法の下の平等に反することとなり、違憲である旨主張する。しかしながら、原処分庁の行った処分の基となった法令自体の適否及び法令が違憲か否かの判断をすることは、当審判所の権限に属さないことであるので、審理の限りではない。(平16.10.25名裁(所)平16-26)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160007
- 裁決年月日
- 平成16年10月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306150
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/15建物の収去費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の譲渡に当たり、その土地の上に存した請求人の長男が所有する建物の取壊しに要した費用は、譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、土地の借主たる長男は、本件土地を親族間の緊密な信頼関係により無償で借用し利用していたと認められ、また、請求人及び長男も文書による契約は交わしておらず使用貸借である旨自認しており、長男はこの使用貸借に基づき本件土地を使用し収益していたことが明らかである。そして、当事者間において返還時期又は使用及び収益の目的についての定めのない使用貸借は、貸主はいつでもその目的物の返還請求ができ、また、借主は借用物を現状に回復して、これに附属している物を収去することになるから、建物の取壊しに要した費用は、借主が負担すべき費用であり、譲渡人たる請求人がこの費用を支出したとしても、これを土地を譲渡するために直接かつ通常必要とされる費用とは認められないので、譲渡費用には該当しない。(平16.10.19熊裁(所)平16-7)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160020
- 裁決年月日
- 平成16年9月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306040
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/4登記費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡契約は、本件土地の完全なる所有権の移転としての譲渡であるため抵当権抹消の登記をなす必要があり、この登記を請求人が行うことを条件としているから、根抵当権抹消の登記費用は譲渡費用に当たる旨主張する。しかしながら、譲渡所得の金額の計算上控除すべき譲渡に要した費用とは、譲渡資産を譲渡するために直接要した費用及び譲渡資産の譲渡価額を増加させるため当該譲渡に際して支出した費用をいうものと解されるところ、根抵当権抹消登記費用は債務の弁済等により担保される債権が消滅したことに基因して生じる費用であり、本件土地を譲渡するために直接要した費用及び本件土地の譲渡価額を増加させるため当該譲渡に際して支出した費用に該当しないから請求人の主張には理由がない。(平16.9.16名裁(所)平16-20)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160004
- 裁決年月日
- 平成16年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡土地等の売却条件は仲介人が作成した念書記載のとおりであるところ、念書の内容が履行されていないから収入金額のすべてを受領しておらず、その見込みもないので、原処分庁が平成6年に譲渡があったとして本件更正処分を行ったのは違法である旨主張する。しかしながら、譲渡所得の収入すべき時期は、資産の引渡しがあったときと解すべきところ、①念書は請求人と仲介人とが交わしたもので、本件譲渡の条件を記したものではなく、②売買契約書が作成されていること、③土地の権利証の引渡しを行い、所有権移転登記等が完了していること、④売買代金の授受が完了し、譲渡土地等及び代替土地の引渡しを完了した旨の覚書に請求人が署名捺印していることからすれば、平成6年中に請求人が譲渡土地等の引渡しを行ったことは明らかである。また、本件譲渡を無効とする事実、売買契約が解約された事実及び収入すべき金額が回収不能となった事実も認められないことからすれば、請求人の主張には理由がない。(平16.8.2関裁(所)平16-4)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平160002
- 裁決年月日
- 平成16年7月21日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303037
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/7補償金を受領した場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件各土地の売買価額及び本件立木の補償金額には、過去に県から被った不法行為に係る損害賠償金が含まれている旨主張する。しかしながら、本件各土地の売買価額及び本件立木の補償金額は、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」に従って合理的に算定されていると認められる上、これらに係る売買契約書又は補償契約書の各記載金額とも合致する。したがって、請求人の主張する不法行為の存否について検討するまでもなく、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平16.7.21広裁(所)平16-2)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160008
- 裁決年月日
- 平成16年7月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が所有していた土地(以下「本件土地」という。)の譲渡所得の計算にあたり、本件土地に借地権を有している同族会社との譲渡収入の配分について、原処分庁は、借地権の及ぶ範囲は本件土地の面積を本件建物の同族会社の登記上の持分割合で按分した面積とすることが合理的であると主張するが、本来、借地権の及ぶ範囲は建物の登記上の持分割合等の権利関係のみで定められるものではなく、土地所有者と借地権者との賃貸借契約によって定まるものであり、本件の場合のように賃貸借契約書が存在せず、借地権の及ぶ範囲が客観的に明らかでない場合には、借地権者の土地の利用目的や利用状況等から当時者の意思を探求して判断することが必要であり、本件の場合は、同族会社の本件土地の利用状況等からすると同族法人は本件土地全体を借り受けたものと認めるのが相当である。もっとも、請求人は、本件建物に持分による所有権を有しており、借地借家法第2条第1項の規定からすると、請求人が共有持分を有している部分についてまで、同族会社の借地権が及ぶと認めることはできない。したがって、同族会社の借地権の及ぶ範囲は、本件土地の面積から、本件建物の一階床面積に対して、請求人が有する持分割合を乗じた部分を控除した部分と認めるのが相当である。(平16.7.9名裁(所)平16-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160008
- 裁決年月日
- 平成16年7月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306150
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/15建物の収去費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物の取壊しは、将来の本件土地の譲渡を前提としたものであるなどの理由から、本件取壊費用の50%相当額を譲渡費用とすべきであると主張するが、本件建物の取壊しは、本件譲渡の1年6ヶ月以上も前に行われていること、また、請求人は本件定期借地契約締結のために本件建物を取り壊したと認められることから、本件取壊費用は、本件土地の譲渡所得の金額の計算上控除すべき譲渡費用には該当しない。(平16.7.9名裁(所)平16-8)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160006
- 裁決年月日
- 平成16年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301039
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件商品」という。)について、自己資金及び本件商品の販売者の用意したセットローンをもって、船舶の共有持分権の現物出資を受けて当該船舶を国外のリミテッド・パートナーシップに現物出資した上、当該船舶を裸用船の形態で賃貸する事業(以下「本件船舶賃貸事業」という。)を行っている民法上の任意組合(以下「本件組合」という。)の出資持分を購入したが、上記船舶の共有持分権を、①本件商品購入時のセットローン残高の引受け及び②上記船舶の未償却残高に占める請求人の持分割合相当額から上記セットローン残高を控除した金額に相当する差金(以下「差額金」という。)の支払を対価として、請求人の親族に譲り渡したが、当該譲渡に係る対価の額が上記船舶の未償却残高に占める請求人の持分割合相当額と同額であるから、譲渡所得が生じない旨認識している。しかしながら、①本件商品は、船舶の賃貸とその売却が一体不可分にセットされ、それらに係る収入金額から購入代金すなわち投資資金が回収され、収益の分配を受けるという経済的効果をもたらすものであって、②その投資資金のうち当該販売者からの借入金(セットローン)を原資とする部分は、実質的には請求人の投資とはいえないものであり、③その経済的効果は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期として確定するものであるから、請求人は、当初の投資資金の回収及び収益の分配を受ける法的地位を譲渡したものであり、当該法的地位は一定の収益等を生じる権利であると認められるから、これに係る所得は譲渡所得に当たることになる。(平16.7.8名裁(所)平16-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160005
- 裁決年月日
- 平成16年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、共有土地の譲渡に要した費用について、従来から請求人が全額負担してきたものであり、共有者の分担額については回収見込みがないので、全額譲渡費用とすべき旨主張する。しかしながら、共有土地の譲渡費用については、事後においてそれぞれの負担額とする清算が行なわれている事実があり、しかも、共有者が作成した覚書によれば、譲渡費用の負担についてはそれぞれの持分による旨定めているのであるから、請求人が全額負担していたからといってその費用を全額控除できるものではない。(平16.7.7東裁(所)平16-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160005
- 裁決年月日
- 平成16年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303010
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/1譲渡所得の収入金額の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件甲土地の売却代金が本件甲和解契約書等により時効取得を主張した土地占有者と折半によって分配されているから、請求人の譲渡収入金額は分配を受けた金額によるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件甲土地を相続で取得し、本件甲和解契約書等によって請求人に完全な所有権が存する旨確認されているから、本件甲土地の譲渡による請求人の収入金額は、本件甲土地の売買契約金額によることとなる。一方、原処分庁は、本件甲和解契約書等によって分配された和解金が借地権等の消滅対価になるとして、この部分を短期譲渡所得と判断しているが、本件甲和解金は本件甲土地に係る請求人の所有権を確保するための解決金であって、借地権の消滅対価とは認められないから、原処分庁の主張は採用できない。(平16.7.7東裁(所)平16-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160005
- 裁決年月日
- 平成16年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件乙土地の小作権を主張する占有者に支払った本件乙和解金がハンコ代として譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、農業委員会の農地台帳には小作権者の記載があり、請求人と小作権者が作成した本件小作権確認書において小作権を合意解除する旨記載があるから、本件乙和解金は、小作権の消滅の対価と認められる。そうすると、本件和解金は、本件乙土地に設定されていた小作権の取得費となるから、譲渡費用には該当しない。そして、本件の場合、本件乙土地については、請求人が小作権を取得した後、直ちに譲渡しているから、本件乙土地の小作権部分については短期譲渡所得の対象とするのが相当である。(平16.7.7東裁(所)平16-5)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150322
- 裁決年月日
- 平成16年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営法人が破産宣告を受けた日から破産終結決定されるまでに、預託金会員制のゴルフ会員権を譲渡した場合については、①会員が退会しない限り、破産終結まで契約内容が継続され、優先的施設利用権は破産手続外で行使できるものと考えるべきであること、②経営母体の変更により新規にゴルフ場が運営されていくのが一般的で、優先的施設利用権も何らかの形で引き継がれるのが実態であること、③税法上、貸倒損失の計上において、債権の消滅は、破産宣告ではなく、破産終結決定によって認められるものであること、④破産法が適用されたからといって形式的に優先的施設利用権が消滅すると判断するのは経済的実態を無視したもので税法の趣旨に反することから、譲渡所得の基因となる資産に該当する旨主張する。しかしながら、ゴルフ場経営法人が破産宣告を受けた場合の預託金会員制のゴルフ会員権については、破産宣告によって、優先的施設利用権を含むすべての権利が破産債権として金銭化され、ゴルフ会員権者は、ゴルフ場経営法人に対して優先的施設利用権を行使することはできず、会員に専属していた優先的施設利用権は破産宣告を受けた段階で消滅していると解されるから、譲渡所得の基因となる資産に該当しない。(平16.6.8東裁(所)平15-322)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150318
- 裁決年月日
- 平成16年6月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306150
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/15建物の収去費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.67・291ページ
要旨
○ 請求人は、本件茶室の移築費用が本件譲渡に際して支出した費用であるから、所得税法第33条第3項に規定する譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、譲渡費用については、法令上特段の定めはないが、譲渡所得の課税が譲渡資産の値上がりによる増加益について譲渡行為によって実現したときに所得として課税するものであることから、譲渡のために直接要した費用をいうものと解され、このほか、資産の譲渡価額を増加させるため譲渡に際して支出した費用も含まれると解されるところ、本件茶室は本件譲渡の対象資産ではないから、本件茶室の移築費用は本件譲渡に直接要した費用には該当せず、また、本件移築費用は、本件茶室の保存のため、現在の住所地に設置するための一連の工事費であり、本件譲渡のための支出ではなく、このことによって本件専有部分の譲渡価額に影響するものでもないから、本件譲渡に係る資産の譲渡価額を増加させる費用にも該当しない。(平16.6.3東裁(所)平15-318)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150067
- 裁決年月日
- 平成16年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305050
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/5立退料、離作料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人ら(地位承継人)は、被相続人が行った不動産の譲渡に要した費用に、当該不動産の転借人の設備造作に係る買取代金が含まれるから、原処分庁が譲渡に要した費用に当たらないとして行った更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を取り消すよう主張する。しかしながら、転借人に対する本件資金は、その全額が貸付金であり、被相続人と転借人の間に当該設備造作の売買の合意はないことから、転借人に対する譲渡に要した費用は何ら生じていない。よって、原処分は適法である。(平16.3.29大裁(所)平15-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150232
- 裁決年月日
- 平成16年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306120
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/12訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有権移転請求権仮登記が付された土地の譲渡後に支払われた弁護士報酬等は当該譲渡の効力の保全のためには必要な費用であり譲渡費用に該当するので、国税通則法第23条第2項に規定する、いわゆる後発的な事情による更正の請求が認められるべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得の金額の計算上譲渡費用となるのは資産の譲渡価額を増加させるための費用であるところ、当該弁護士報酬等は、当該土地の所有権を維持するために必要な費用であって、当該譲渡に係る譲渡費用とは認められないので、弁護士報酬を支払ったことが、後発的な更正の請求ができる事由に該当するかどうかを判断するまでもなく、請求人の主張には理由がない。(平16.3.23東裁(所)平15-232)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150041
- 裁決年月日
- 平成16年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306030
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/3謝礼金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産ブローカーに対して支出した金員は、本件土地に係る農業振興地域の除外手続と農地転用ための費用であるから、本件譲渡に係る譲渡所得の計算上控除される譲渡費用とされるべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得の計算上控除される譲渡費用とは、資産の譲渡のために直接要した費用であると解されているところ、請求人の主張する支出と本件譲渡との関係を確認することはできず、当該支出が本件譲渡のために直接要した費用であると認めることはできないから、請求人の主張を採用することはできない。(平16.2.25関裁(所・諸)平15-41)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150048
- 裁決年月日
- 平成16年2月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営会社の営業譲渡に伴う移籍(以下「本件移籍」という。)によって生じたゴルフ会員権(以下「本件会員権」という。)の預託金の減少額が、譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に当たり、他の各種所得の金額から控除されるべきである旨主張する。しかしながら、上記ゴルフ場の営業譲渡(以下「本件営業譲渡」という。)に係る営業譲渡契約書及び本件移籍に係る会員への連絡文書等から検討した結果、本件会員権の優先的施設利用権(以下「プレー権」という。)は、本件営業譲渡の前後を通じて新旧ゴルフ場経営会社によって保護され、請求人の会員としての地位は承継されたものと認められる。また、本件移籍が預託金を半額とし、据置期間を延長する旨の会員権変更申込みによって行われていることからも明らかなとおり、預託金返還請求権については本件会員権の預託金額を前提に返還されるべき金額の変更を行ったにとどまり、依然として請求人自身が預託金返還請求権を有することに何ら変更もない上、本件移籍により経営主体の変更にもかかわらず一貫して請求人のプレー権が存続していることからすれば、請求人が本件会員権を新ゴルフ場経営会社に譲渡したものと認めることはできない。そうすると、本件移籍に伴い、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡があったものと認めることはできず、本件会員権の契約の変更は、旧ゴルフ場経営会社との契約の解除、新ゴルフ場経営会社との契約の締結及び切り捨てられた預託金債権の金額を認識することなく、取得価額も減額しないと解するのが相当である。したがって、本件会員権の預託金の減少額が、譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に当たり、他の各種所得の金額から控除されるべきである旨の請求人の主張を認めることはできない。(平16.2.19名裁(所)平15-48)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150151
- 裁決年月日
- 平成16年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営法人が、破産宣告を受け倒産した後も、ゴルフ場が閉鎖されることなくプレーでき、本件ゴルフ会員権をゴルフ会員権取引業者が購入したことから、当該会員権に優先的施設利用権が存在していたことは明らかであるから、本件ゴルフ会員権の譲渡により生じた損失の金額は、他の所得と損益通算すべきである旨主張する。しかしながら、ゴルフ場経営法人は破産宣告を受け、請求人の有する本件ゴルフ会員権、すなわち、優先的施設利用権と預託金返還請求権は、破産宣告前に原因を有する財産上の請求権として破産債権となり、破産管財人が優先的施設利用権を請求人に権利行使させることは、破産債権者の個別的権利行使の禁止規定(破産法第16条)に違反し認められないため、破産後は請求人から本件ゴルフ倶楽部に対して施設利用を請求することは権利としてはできないことになる。したがって、破産宣告と同時に、本件ゴルフ会員権は金銭債権である配当請求権に転換したこととなるから、破産宣告後、本件ゴルフ会員権を譲渡して譲渡損失が生じた場合でも、その譲渡損失は譲渡所得の基因となる資産の譲渡により生じた損失には該当しないため、他の所得との損益通算の対象とはならない。(平16.1.22東裁(所)平15-151)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150132
- 裁決年月日
- 平成15年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306120
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/12訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件弁護士費用(弁護士着手金、弁護士報酬、訴訟の印紙代)が本件不動産の強制執行を回避するための費用であるから、譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用と認めるべき旨主張するが、所得税法第33条第3項の総収入金額から控除される「資産の譲渡に要した費用」とは、譲渡のために直接かつ通常必要な費用を指すものと解されるところ、本件弁護士費用は、本件譲渡に関与していない弁護士に対する支払であるから、譲渡に要した費用には当たらない。(平15.12.17東裁(所)平15-132)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150131
- 裁決年月日
- 平成15年12月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306120
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/12訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、超過物納額により譲渡所得が生じる場合の譲渡費用は、法令上の規定がない以上、超過物納土地に係る譲渡所得の金額の計算上、物納土地及び超過物納土地の全体に共通して発生した費用を控除できると解するほかない旨主張する。しかしながら、譲渡所得の金額の計算上控除する譲渡費用は、当該譲渡所得の基因となった資産に係るものに限られ、また、物納土地に係る譲渡所得は、租税特別措置法第40条の3の規定により非課税であるところ、本件費用は、超過物納土地及びそれ以外の土地全体に係わるものであるから、超過物納土地に係る譲渡所得の金額から本件費用のすべてを控除することはできない。(平15.12.16東裁(所)平15-131)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150024
- 裁決年月日
- 平成15年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が提出した書類は、請求人の主張を裏付けるものとはならない上、支払残金の支払事実もなく、請求人の主張が真実であると認めるに足る証拠は何ら存在しないものと言わざるを得ず、更正の請求書記載の本件土地の取得価額を請求人において立証しているとは認められない。(平15.12.12広裁(所)平15-24)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平150008
- 裁決年月日
- 平成15年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302042
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/2農地の譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件農地は代物弁済契約書に基づく債務を弁済しなかったことによって、代物弁済の完結権を行使されたものであるから、譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、当該農地の引渡しがあった時であり、農地法第5条の許可があった日とする原処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件農地は、請求人の主張する代物弁済により譲渡されたものとは認められず、売買契約により譲渡されたものと認めるのが相当である。そして、本件農地の譲渡については、所得税基本通達36−12の改正日(平成3年12月18日)以前に既に引渡し又は譲渡代金の決済が完了していることから、改正前通達が適用されることとなり、譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、当該農地の転用許可があった日と引渡しがあった日とのいずれか遅い日となることから、原処分庁が農地法第5条の許可があった日とする更正処分は適法である。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.12.8熊裁(所)平15-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150125
- 裁決年月日
- 平成15年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ロックアップ契約に基づき譲渡制限が付されているA社の株式の価額は、ナスダック市場の価格の50%相当額とすべきであり、この金額を譲渡所得の収入金額とすべきである旨主張する。しかしながら、本件協定書では、株主としての権利及び義務に関する制限を付すこととはされていないこと、請求人らは、本件取引においてロックアップ契約に基づき譲渡制限が付されたA社株式を受領することを承諾したものであること、並びに受領する株数を決定するに当たってナスダック市場における市場価格の平均終値を採用していることからすると、請求人らが譲渡制限を付された本件受領株式を受領することは、B社株式の譲渡代金の支払条件と認められ、いわば譲渡制限は支払条件の一部であるので、所得税法第36条第2項に規定する「権利を取得する時における価額」を左右するものではない。以上のことからすると、本件受領株式に譲渡制限が付されているからといって、所得税法第36条に規定する収入金額に計上すべき金額の算定において考慮されるべきものではないとするのが相当である。(平15.12.8東裁(所)平15-125)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150021
- 裁決年月日
- 平成15年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302011
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/1譲渡の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件相続に係る代償債務の履行の過程で、裁判所の強制競売により、相続財産ばかりか請求人固有の財産までも失うこととなり、その財産状態が相続以前のそれより悪化していることを根拠に、請求人に帰属する利益は存在せず、課税の根拠となる利益も存在しない旨主張する。しかしながら、譲渡所得は、資産の値上がりによる増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に清算して課税するというものであるところ、資産の移転の事実と当該資産の増加益がある以上、請求人に帰属する譲渡所得を課税すべき利益(資産の増加益)がなくなるわけではないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.12.4広裁(所・諸)平15-21)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150025
- 裁決年月日
- 平成15年11月10日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が中古資産として取得したプレジャーボート(以下「本件譲渡資産」という。)の譲渡に係る譲渡所得の算定に当たっては、当該譲渡に係る総収入金額から控除する取得費の額は、耐用年数に関する財務省令第3条第1項第2号で定めるいわゆる「簡便法」を適用して求めた耐用年数により減価償却費を算定し、当該減価償却費に基づき計算される減価の額を控除した額とすべき旨主張し、請求人は、当該減価の額は、財務省令第3条第1項第1号で定める耐用年数の見積りを行い、計算すべきである旨主張する。しかしながら、所得税法施行令第85条第1項は、同法第38条第2項に規定する同項第2号に掲げる期間に係る減価の額は、当該資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額につき、当該資産と同種の減価償却資産に係る同法施行令第129条に規定する耐用年数に1.5を乗じて計算した年数により同法施行令第120条第1項第1号(1)イに規定する定額法に準じて計算した金額に、当該資産の取得の日から譲渡の日までの期間に係る年数を乗じて計算した金額とする旨規定していることから、本件譲渡資産の譲渡に係る譲渡所得の算定における取得費は、その取得に要した金額に財務省令別表第1に定める耐用年数に1.5を乗じた年数を耐用年数として定額法に準じて計算した金額に、取得の日から譲渡の日までの期間にかかる年数を乗じた金額となるものと認められる。(平15.11.10名裁(所・諸)平15-25)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150060
- 裁決年月日
- 平成15年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、河川の土地を一時的に占用して営業する飲食店に係る諸権利の売買について、それぞれ売買契約書が存在し、当事者間において現金の授受があることから、虚偽の事実を創出したものではなく、譲渡損失の損益通算を否認した原処分は事実誤認に基づくものである旨主張する。しかしながら、河川占用許可申請書の提出は平成2年からすべて買主が行っていること、当該申請に当たって河川の漁業組合から仮設店舗の同意及び同店舗のリース契約は買主が行っていること、売買代金の算定根拠が不明なうえ不自然な取引が多いこと、また、契約書及び領収証等について確定申告の直前に作成していることから、売買の事実は認められず、さらに、現金の授受についても当事者間における友好関係を奇貨とした何らかの貸付けに相当する金銭と認められることから、原処分は相当である。(平15.9.11東裁(所)平15-60)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150001
- 裁決年月日
- 平成15年7月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・97ページ
要旨
○ 請求人は、①本件譲渡に係る契約を履行するために、本件農地について農地法の許可と土地改良区の地区から除外する処理が必要であり、そのために農地転用決済金を納付したものであること及び②農地転用決済金を支払うことによって宅地への転用が可能となり、本件譲渡の売買代金も宅地としての価額となったものであるから、農地転用決済金は、本件土地の譲渡価額を増加させるために当該譲渡に際して支出した費用に該当するというべきであるから所得税法第33条第3項に規定する譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、農地転用決済金は土地改良法第42条第2項の規定に基づき土地改良区の土地の全部又は一部について組合員たる資格の喪失に際して、土地改良区の事業に関する権利義務の移転がない場合に、当該権利義務を清算するために徴収されるものであって、組合員たる資格に係る権利の目的である土地の譲渡とは直接の関係がないことが明らかである。したがって、農地転用決済金は、譲渡するために直接かつ通常必要な費用とは認められず、かつ農地転用決済金を支払したことが本件土地の譲渡価額を増加させることになるとも認められないことから、譲渡費用には該当しない。(平15.7.29金裁(所)平15-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150012
- 裁決年月日
- 平成15年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人とA法人との間の売買の契約は、無権代理による無効な契約であり、本件土地の所有権の移転の効果は発生しないのであるから、B法人に対する本件土地の所有権の移転及び譲渡自体が存在しない旨主張する。しかしながら、請求人の妻及び関係者等の供述等からすれば、請求人とA法人との売買契約及びA法人とB法人との売買契約は架空の契約であり、本件取引の実態は請求人からB法人に対し譲渡されたものと判断するのが相当と認められ、また、所有権移転登記等の手続書類や本件譲渡について、所得税確定申告を行っていることからすれば、請求人は、本件土地の取引を認識し、当該土地の譲渡から申告に係る計算並びに確定申告までを含めた全般の事務について妻に任せていたと判断するのが相当と認められる。この点、請求人は、「錯誤」を原因とした抹消登記により本件土地の所有名義を回復しているから本件更正処分は違法である旨主張するが、請求人が本件土地の所有名義を抹消登記により回復したとしても、本件更正処分は、売買契約が有効に成立し、履行がなされ、本件土地がB法人に移転したことを前提に行われたものであり、その後に本件土地の所有権が請求人に回復したからといって、譲渡があった事実がなくなるものではない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.7.9東裁(所)平15-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150013
- 裁決年月日
- 平成15年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自分が行った不動産の売買契約は、要素に錯誤のある無効の取引であり、所有権の移転の効果は発生していないのであるから、同族会社に譲渡したと認定した原処分は違法であると主張するが、請求人及び関係者の供述、申述、また、事実、本件物件が同族会社に譲渡され所有権が移転していることや請求人が本件物件を譲渡したとして所得税の確定申告書を提出していることなどから判断すると、本件物件は請求人から同族会社に譲渡したものと認められ、これにより行われたした原処分は適法である。(平15.7.9東裁(所)平15-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150020
- 裁決年月日
- 平成15年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303010
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/1譲渡所得の収入金額の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・77ページ
要旨
○ 請求人は、弟に委任状を交付して本件不動産の譲渡を委任したが、本件契約書の金額以外に本件念書に基づく本件金員が支払われていたことは知らないから、弟の行為は権限外の行為であり請求人に帰属しない旨、また、請求人は、本件金員が弟あての本件念書に基づいて支払われていることから、売買代金の一部と断定はできない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件不動産の取引について一切を委任するとし、弟の行為について特に何らかの制限を加えることのない委任状を交付し、これに基づいて弟は取引行為を行っていることから、弟の行為は請求人に帰属すると解するのが相当である。また、本件譲渡に係る取引経緯を総合勘案すると、弟と買主との当事者間には、売買代金は本件金員を含んだところの金額であるとの合意があったと推認でき、また、そもそも本件不動産の譲渡が存在しなければ、本件金員が生まれる余地はなく、また、買主と弟との間では特に業務委託契約等もなく、弟が受領する特段の理由もないことから売買代金の一部であるとするのが相当である。(平15.7.9東裁(所)平15-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150020
- 裁決年月日
- 平成15年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.66・77ページ
要旨
○ 請求人は、弟には使用借権があり、本件建物に代替する居住場所を提供しない限り、本件建物を譲渡できず、また、商慣行上使用借権について10%程度の明渡し料の支払は見受けられることであり、早期に明渡しを受けることが本件不動産の譲渡には必要であったため、本件立退料を支払わなければならなかった旨主張する。しかしながら、請求人は、弟と特段賃貸借契約書を締結しておらず、無償で本件建物に居住させていたのであるから、本件建物は使用貸借であり、その経済的価値は課税上零と認められることから、明渡し料を支払う余地はないから、請求人が支払った本件立退料は、譲渡費用とは認められない。(平15.7.9東裁(所)平15-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150021
- 裁決年月日
- 平成15年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成13年に生じた譲渡所得に係る損失の金額は、平成12年中に売却予定の不動産に対し買い手がつかなかったため、平成13年になって売却したものであるから、平成12年分の譲渡損失額とすべきである旨主張する。しかしながら、本件売買契約の効力発生日及び本件譲渡物件の引渡日はともに、平成13年であると認められることから、請求人の主張は採用できない。(平15.7.9東裁(所)平15-21)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150026ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305020
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/2登記費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、信託受益権の目的となっている本件土地に関連して支出した固定資産税及び登録免許税を当該信託受益権の譲渡所得の金額の計算上取得費として認めるべきである旨主張する。しかしながら、固定資産税は、固定資産の所有の事実に着目して課される財産税の性格を有するものであり、登録免許税は、不動産所得の必要経費となるべき支出であるから、いずれの支出も資産の取得費には該当しない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.7.9東裁(所)平15-26)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150026ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、信託受益権の目的となっている本件土地を取得するための借入金利子を当該信託受益権の譲渡所得の金額の計算上取得費として認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、請求人が、①取得日以前より本件駐車場として使用していたこと、②取得後も1年以上駐車場として使用することにより不動産収入を得て申告し、不動産収入に対応する借入金利子を不動産所得の必要経費として申告していたこと等からすれば、本件土地の使用開始の日は、本件土地の取得日であると認められるから、借入金利子を取得費とすることはできない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.7.9東裁(所)平15-26)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140079ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成15年6月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201306130
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/13管理費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、農地の譲渡に際して土地改良区に支払った土地改良法第42条第2項の規定による決済金(以下「農地転用決済金」という。)は、本件譲渡に直接関係した農地転用に伴う決済金であるから、所得税法第33条第3項に規定する譲渡費用に該当する旨主張する。ところで、所得税法第33条第3項でいう譲渡費用とは、資産の譲渡に際して支出した仲介手数料、運搬費、登記若しくは登録費用などのように、その譲渡のために直接かつ通常必要な費用や、借家人等を立ち退かせるための立退料、土地を譲渡するためその土地の上にある建物等の取壊しに要した費用、既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で他に譲渡するため当該契約を解除したことに伴い支出する違約金その他資産の譲渡価額を増加させるため譲渡に際して支出した費用をいい、譲渡資産の修繕費、固定資産税その他その資産の維持又は管理に要した費用は、譲渡費用に含まれないものと解される。農地転用決済金は、土地改良法第42条第2項の規定に基づき、土地改良区の組合員たる資格の喪失に際して、土地改良区の事業に関する権利義務の移転がない場合に、当該権利義務を清算するために徴収されたものであって、組合員たる資格に係る権利の目的たる土地の譲渡とは直接の関係がないことが明らかであり、現に、A土地改良区では、土地改良法第42条第2項の規定を受けてA土地改良区地区除外等処理規程を定め、地区内農地を農地転用した場合には、当該農地を譲渡しなくても農地転用決済金を徴収する反面、地区内農地を譲渡しても農地転用を伴わない場合には農地転用決済金を徴収していないことが認められるから、当該決済金は、本件土地を譲渡するために直接かつ通常必要な費用と認めることはできない。一方、農地転用決済金は、上記のとおり、土地改良法第42条第2項の規定により、A土地改良区の組合員であった請求人がA土地改良区に対して有していた権利義務を清算するために、あらかじめ定められたA土地改良区地区除外等処理規程の定めに基づき、A土地改良区によって徴収されたものであるから、本件土地の譲渡価額を増加させるために支出した費用とも認められない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.06.30.広裁(所)平14-79)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140287
- 裁決年月日
- 平成15年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303035
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/5低額譲渡の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件各土地の賃借人である買主に借地権が自然発生しており、土地の無償返還に関する届出書の提出については全く認識がなかったため、賃借人から請求人への借地権の返還がなされなかったから、借地権部分は本件各売買契約の対象にはなり得なかったこと、②契約当事者は底地部分に限定した売買であると認識し、契約書に「底地分」等と明示していることから、本件各譲渡が本件規定に該当するか否かは、底地部分の時価を基として判断すべきであること、③本件各覚書により本件各契約金額を更地価額の2分の1以上に変更し、本件各修正申告書を提出したから、本件各譲渡は本件規定に該当しない旨主張する。しかしながら、①請求人は合意の上で無償返還に関する届出書を提出していると認められ、このことから本件各土地の借地権の経済的価値は零円とするのが相当であること、②本件各売買契約は、賃借権の目的となっている土地の所有権を、売買により請求人から賃借人に移転することを目的とする内容であると解され、当該賃借権の価額は①のとおり零円とするのが相当であること、③本件各土地の取引は、本件各売買契約により、本件各覚書の作成以前に既に完了しており、本件各覚書によって売買金額を変更する理由が存在しないと認められること等から、本件各土地の価額は更地価額とするのが相当と認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.06.27.東裁(所)平14-287)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140278ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成15年6月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が明渡しを求めた後も甲は借家法を盾に多額の立退料を要求して無償居座りを続けたものであるから、請求人の意思のもとに本件土地等の使用を開始したものではなく、本件借入金利子は本件土地の取得費に算入すべきである旨主張する。しかしながら、借家法第1条第1項の規定から、賃貸借の対象となっている建物を譲渡した場合には、建物の賃貸人たる地位は、その所有権の移転とともに新所有者に当然に承継されるものであると解されることから、請求人が本件土地等を取得した以降、建物賃貸借契約が終了するまでの間は、請求人らとの建物賃貸借契約が有効に成立しており、甲は正当な権利に基づいて本件建物を使用していたものと認められる。したがって、本件借入金利子は、本件土地の取得費に算入することはできない。ところで、請求人が主張する本件先例裁決は、第三者が、譲渡した土地を何らの正当な権原なく占有していたものであり、本件の場合、甲は、建物賃貸借契約に基づく正当な権利によって本件建物を使用し、その対価たる賃料も支払っていたものであり、事実関係の相違する裁決の考え方を基にした請求人の主張には理由がない。(平15.06.25.東裁(所)平14-278)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140076
- 裁決年月日
- 平成15年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人の交換前所有地に係る取得費の額について、原処分庁は、取得に要した金額及び造成費の額を認定しているところ、請求人は、造成工事代金として業者に見積もらせた見積額が相当である(ただし、造成費の実額はそれ以上であると主張する。)旨主張する。しかしながら、原処分庁認定額の基となった評価は、請求人が主張する工事内容を参考にして造成費を評価したものと認められる上、その評価に当たり工事の実施時期に応じた物価指数に基づく価額調整が施されているから、その算定に特段不合理な点は認められない。また、請求人は、取得に要した金額について何ら主張していないが、原処分庁は、県の地価調査価格を基に算定した金額を認容しているところ、このことに不合理な点は認められず、当審判所においても相当であると認められる。一方、請求人が主張する見積額に係る工事の時期は、見積もりを依頼した時点のもので実際の工事の時期と異なる上、例えば、業者が見積りに当たって基にした請求人提供資料の地積と造成工事の対象となった地積が大きく相違するなど、その算出根拠が不明である。しかも、当該見積りを行った業者の答述によれば、当該見積りの対象となった地番や地積の詳しい内容すら聞くことなく工事の見積額が算出されていることが認められる。そうすると、当該見積額を本件交換前所有地の取得費として採用することは相当でないと認められる。なお、請求人は、造成費の実額は業者の見積額を上回る旨主張するしかしながら、請求人は、これを合理的に裏付ける程度の証拠書類等を提出しないのであるから、本件交換前所有地の取得に要した金額及び造成費の額としては、原処分庁が主張する金額が相当であるというべきである。さらに、請求人は、地積確定作業に対する報酬として業者に支払った費用を、譲渡した土地の取得費又は譲渡に要した費用として控除すべきである旨主張する。しかしながら、当該業者は、①境界の確定、②地図訂正、地積更正及び分筆、③土地の交換交渉及び売買交渉並びに④水路の払下げ手続等に係る作業に関与していたことが推認されるとしても、各作業に係る報酬額の算出根拠が不明であるだけでなく、当該業者の具体的な作業内容が明確でない以上、取得に要した金額又は譲渡に要した費用ということはできず、譲渡した土地の必要経費と認めることはできない。したがって、請求人の主張はいずれも認められない。(平15.06.23.名裁(所)平14-76)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140073
- 裁決年月日
- 平成15年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、譲渡物件である本件土地のうち造成工事後第三者に分譲された区画の所有権移転登記手続に必要な書類の交付及び売買代金内金の受領は、いずれも平成13年になって初めて行われていることから、譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は平成13年以降となる旨主張する。しかしながら、本件土地の買主である不動産業者が平成12年から本件土地の開発許可申請、造成工事の発注を行い、分譲区画の広告・販売及び当該各費用負担までしていること、並びに、請求人らが受領する売買代金の額は造成工事費の多寡及び分譲区画の売却代金の多寡いかんにかかわらず確定していることから、不動産業者は、自己の計算と危険において造成工事を開始したものと認められるので、造成業者が造成工事に着手した平成12年10月6日の時点で、実質的に本件土地を支配管理していると認められ、本件土地の引渡しを受けたものというべきである。また、平成12年10月6日の時点で、不動産業者が実質的に本件土地を支配管理していると認められる上、請求人らが受領する売買代金の額は、造成工事費の多寡及び分譲区画の売却代金の多寡いかんにかかわらず確定していることからすると、たとえ分譲区画に係る所有権移転登記手続に必要な書類の交付及び売買代金内金の受領が平成13年になって初めて行われたとしても、譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、平成12年とするのが相当である。(平15.06.12.名裁(所)平14-73)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平140011
- 裁決年月日
- 平成15年6月11日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302042
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/2農地の譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件土地の引渡しがあった日は、所有権移転登記以前において、本件土地の引渡しの事実が明確ではないことから、本件土地の所有権移転登記の日である平成12年9月7日と解するのが相当であり、また、本件土地の譲渡代金の決済状況が明らかでないことから、本件譲渡所得の収入すべき時期は、本件土地の引渡しがあった所有権移転登記の日となり、課税年分は平成12年分であると主張する。しかしながら、所有権移転登記に必要な書類等の交付の状況、本件土地の支配の状況及び譲渡代金の収受等の状況から判断すると、本件譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、本件土地の譲渡代金の決済が行われたと推認される昭和55年であると認めるのが相当であるから、本件譲渡所得の課税年分を平成12年分とする原処分庁の主張は認められない。(平15.06.11.金裁(所)平14-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140261ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成15年6月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302042
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/2農地の譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡に関し、売買契約を締結後、相当の期間を経過した後に本件協定書に基づき未売却物件の返還及び売買代金の改定を行っていたところ、原処分庁がした本件決定処分等に対し、本件協定書により更改された売買金額によらず、当初の契約金額に基づく所得金額の認定には重大な過誤があるから、本件決定処分等は違法である旨主張する。しかしながら、本件契約は、その成立過程においても瑕疵が認められず、本件契約の締結後、農地法第5条の転用許可、開発行為等、その後の販売行為を行い、その結果、平成9年に所有権移転登記が完了した一連の経緯からみても、本件契約は有効に成立しており、取引はその主要部分について完了していることが認められる。一方、本件協定書は、最終的に引渡しがされた日以後相当の期間を経過した後に作成されたものと認められることから、本件契約を改定したものと認めることはできない。また、収入金額については、売買代金の一部を受け取っていない場合においても、本件契約が有効に成立し、権利が確定していることから、引渡しの日をもって本件契約書の売買代金の金額が確定していると認めるのが相当である。したがって、請求人の主張には理由がない。(平15.06.10.東裁(所)平14-261)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140249
- 裁決年月日
- 平成15年5月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303010
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/1譲渡所得の収入金額の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡は、ゴルフ会員権を対価とする譲渡には該当しない旨主張する。しかしながら、譲渡先であるゴルフ倶楽部は、請求人のゴルフ場施設優先利用権を保証する目的で、本件会員権を30万円で譲渡することを条件に、金銭の授受をすることなく、新会員権を発行したものと認められることから、本件譲渡は、ゴルフ会員権を対価として譲渡されたものと判断するのが相当である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平15.05.16.東裁(所)平14-249)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140098
- 裁決年月日
- 平成15年5月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件ストック・オプションを付与されたと主張する日に、親会社の株式を取得し、原処分庁が本件ストック・オプションを行使したと主張する日にこれらの株式を売却したものであり、これらの売却に係る利益は譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、親会社は、請求人が株式を取得したと主張する日に、請求人に対して同社の株式を購入するストック・オプションを付与したものであり、同日に、請求人が同社の株式を取得したものとは認められない。また、請求人は、本件ストック・オプションの行使により取得した親会社の株式の全部を行使(取得)と同日に売却していることから、本件利益は、請求人が親会社の株式を保有していた期間中の増加益が売買等により実現したものと認めることは出来ないことから、譲渡所得とは認められない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平15.05.09.関裁(所)平14-98)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140238
- 裁決年月日
- 平成15年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306150
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/15建物の収去費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地を譲渡したことによって、工場を移転した賃借人から請求されている本件費用は、本件譲渡がなければ発生しなかったものであるから、長期譲渡所得の金額の計算上、土地の譲渡に要した費用として認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件費用の内容は、賃借人において、移転先の工場を円滑に稼動させるための費用及び製造する製品の品質保証を得るための費用であり、本件譲渡のために直接要した費用には該当しない。また、本件費用が、本件譲渡がなければ発生しなかったとしても、本件譲渡の成立にどのように影響を及ぼしたのかが客観的に明らかでない上、負担する額についても取決めがなく、さらに本件費用に相当する金員を支払ったとしても、上記のとおり譲渡費用に当たらないのであるから、請求人の主張には理由がなく、本件通知処分は適法である。(平15.04.25.東裁(所)平14-238)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140093
- 裁決年月日
- 平成15年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ストック・オプションの付与日に親会社の株式を取得し、本件ストック・オプションの行使日にこれらの株式を売却したものであり、これらの売却に係る利益は譲渡所得に該当し、給与所得に該当しない旨主張する。しかしながら、親会社は、請求人が株式を取得したと主張する日に、請求人に対して同社の株式を購入するストック・オプションを付与したものであり、同日に、請求人が同社の株式を取得したものとは認められず、請求人は、本件ストック・オプションの行使により取得した親会社の株式の全部を行使(取得)と同日に売却しているので、本件利益は、請求人が親会社の株式の全部を保有していた期間中の増加益が売買等により実現したものと認めることはできないことから、譲渡所得とは認められない。また、本件利益は、請求人が、専ら、法人に勤務することに基づいて、当該法人の親会社の株式を購入できる権利を同親会社から付与され、従業員として一定期間勤務することにより、これを行使して得られた経済的利益、すなわち、請求人の非独立的ないし従属的な人的役務の提供の対価としての性質をもった所得ということができることから、給与所得に該当すると解するのが相当である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平15.04.24.関裁(所)平14-93)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140233
- 裁決年月日
- 平成15年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 預託金会員制のゴルフ会員権は、本来、ゴルフ場施設の優先利用権と預託金返還請求権とが内在しているものであるところ、経営会社の倒産などにより閉鎖されたゴルフ場の場合には、施設利用権は消滅し、当該ゴルフ会員権の実質は、ゴルフ場経営会社に対する預託金返還請求権のみであると解されるから、その場合の当該ゴルフ会員権は、金銭債権にすぎず、譲渡所得の基因となる資産には該当しないと解するのが相当である。(平15.04.24.東裁(所)平14-233)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140237
- 裁決年月日
- 平成15年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(株)Aから金銭を借り入れるために本件土地の名義変更を行おうとしたところ、同社の代表者であるKはこれを奪取するために金銭消費貸借契約の約定を無視して売買契約書を作成し、所有権移転登記を行ってしまったものであるから、請求人は本件土地を譲渡しておらず、したがって譲渡所得は発生しない旨主張する。しかしながら、①請求人が譲渡したと自認する別件土地に係る売買契約書及び領収書に係る請求人の住所及び署名、印影と本件土地の売買に関する書類に係る請求人の住所及び署名、印影が同一であることから、本件土地の売買に関する書類は請求人自らが作成したものであると認められること、②本件土地に設定されていた大蔵省の抵当権を抹消するための請求人の一連の行為は、本件土地を売買することを目的に行われたものであると認められること、③請求人の代理人が本件土地の売買代金相当金を受領して請求人の納付すべき相続税の納付に充当していること、④請求人は、本件土地がKに奪取されたとする証拠を提出せず、さらに(株)Aに対する本件土地の返還請求等の法的手段を講じていないこと、から本件土地がKに奪取されたとする請求人の主張は採用できず、本件土地は(株)Aに譲渡したものであると認めるのが相当である。(平15.04.24.東裁(所)平14-237)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140019
- 裁決年月日
- 平成15年4月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・228ページ
要旨
○ 請求人は、請求人の母(被相続人)が租税特別措置法第37条第1項の規定を適用して取得した買換資産について、母から相続した後に請求人が譲渡したものであることから、所得税法第60第1項の規定が適用され、母の購入金額等が取得価額となると主張する。また、措置法第37条の3の規定の同法第37条第1項の規定の「適用を受けた者」とは、買換資産を取得した被相続人であることから、請求人に適用されるものではない旨主張する。所得税法第60条第1項の規定は、相続等により取得した資産の取得費等の計算においては、その相続した者が引き続きこれを所有していたものとみなすと定めてあり、取得時期及び取得価額を引き継ぐこととされており、別段の定めがあるものを除き、被相続人が取得に要した同法38条に規定する「資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額」が取得価額となる。ところで、本件請求人が譲渡した資産は、被相続人が生前において租税特別措置法第37条第1項を適用して取得した買換資産であり、これを単純相続により取得した後に請求人が譲渡したものであるから、この場合の取得価額についても、所得税法第60条第1項の規定が適用され、被相続人の取得価額が引き継がれることとなる。しかしながら、買換資産の取得価額にかかる租税特別措置法第37条の3の規定は、所得税法第38条に規定する「別段の定め」に該当するものであるから、被相続人の取得価額は、租税特別措置法第37条の3の規定により計算された価額となり、請求人は、この価額を所得税法第60条1項の規定により、被相続人の取得価額として引き継ぐこととなる。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.04.23.熊裁(所)平14-19)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140015
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306040
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/4登記費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、抵当権抹消費用は譲渡物件に設定されている抵当権の抹消のための支出であり、抵当権を抹消しないと譲渡できないことから、譲渡費用である。また、仮に抵当権抹消費用が譲渡費用でないとしても保証債務の履行のために抵当権を抹消したのであるから、保証債務の履行金額に加算すべきである、と主張する。しかしながら、抵当権抹消費用は、借入金の担保物として抵当権が設定され、その借入金を返済することに基因して抵当権を抹消するときに生じる費用であって資産の譲渡のために直接要した費用には当たらず、譲渡費用には該当しない。また、抵当権抹消費用は、抵当権の抹消を依頼した者が司法書士等に支払うべき費用であるのに対し、保証債務を履行した金額とは、保証人等の責任で主たる債務者に代わりその主たる債務者の債務を弁済した金額をいうのであって、抵当権抹消費用とは支払いの性格を異にするものであるから、保証債務の履行金額に加算すべきものではない。したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平15.03.25.熊裁(所)平14-15)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140062
- 裁決年月日
- 平成15年3月24日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201306090
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/9損害賠償金、違約金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件土地の当初売買契約解除に伴って支払われた違約金は、①違約金が支払われた時点において、買主に購入の意思がなく、②解除理由は、当初契約の特約事項に定めた本件土地の更地引渡しができなかったことによることから、本件売買契約を成就させるために支払われたものとは認められず、譲渡費用に該当しない旨主張する。しかしながら、①当初の売買契約を解除した時点で、買主との間で当初契約より高額な売買価額が具体的に決まっていたこと、②契約の合意は継続し、買主に購入の意思が認められること、③請求人は、買主の要望を実現させるために本件土地を更地にするための活動をするとともに、買主との接触を続け、本件売買契約の成立に至ったこと、④当初契約の解除理由が、実質的に本件売買契約のためになされたと認められることから、違約金の支払と本件売買契約の成立には密接な因果関係があると認めるのが相当であり、所得税法第33条第3項の規定及び所得税基本通達33−7に定める「既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で他に譲渡するため当該契約を解除したことに伴い支出する違約金」に該当し、譲渡費用となる。(平15.03.24.大裁(所)平14-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140205
- 裁決年月日
- 平成15年3月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、相続に伴う未分割財産が、その後に譲渡された場合、共同相続人が有する各共有部分を譲渡することにほかならないとし、遺産分割協議の成立していない本件土地において、請求人の持分である6分の1が買主に引き渡された時点をもって、譲渡所得の発生があった旨主張する。しかしながら、本件土地は、そもそも相続時にはすでに譲渡代金の80%が支払われており、しかも所有権移転登記も完了していたのであり、本件土地の引渡しは、請求人の兄が行い、譲渡代金についても請求人の兄がその全てを受領していることからして、請求人は本件土地については相続に係る共有持分を放棄していたものと認められるのであり、請求人には本件土地の譲渡に係る所得は生じないこととなるから、原処分庁が請求人に対し行った本件決定処分は違法であり、その全部を取り消すべきである。(平15.03.20.東裁(所)平14-205)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140008
- 裁決年月日
- 平成15年3月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件不動産Bの取得費は、取得時の建物価額が不明であることから、取得時の売買総額に、譲渡時の売買総額に占める建物価額の割合を乗じて取得時の建物の取得価額を算出し、その取得価額から譲渡時までの減価償却費相当額を控除して算出すべきであると主張する。しかしながら、一般的には、土地、建物の価格比が取得時と譲渡時において同じとはいえず、本件不動産Bにはこのような一般論が当てはまらない特殊事情があるとも認められないことから、請求人の主張を採用することはできない。そして、ほかに請求人の主張を認めるに足りる証拠もなく、本件不動産Bの取得価額については、実額での把握はできないことから、昭和62年当時の建物の標準的な建築価額を用いてその取得価額を算定すると、原処分庁の算定額は妥当であると認められる。(平15.03.19.沖裁(所)平14-8)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140076
- 裁決年月日
- 平成15年2月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302012
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/2交換による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・190ページ
要旨
○ 請求人は、本件交換は金銭の授受がないから納税義務は生じない旨主張する。しかしながら、譲渡所得に対する課税は、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会にこれを清算して課税する趣旨のものであり、資産の譲渡とは、有償無償を問わず資産を移転させる一切の行為をいうものであり、売買のほか交換などによる資産の移転が含まれると解されるから、資産の交換は、譲渡所得の課税の対象となる。資産の交換とは、自己の有する資産を相手に譲渡する対価として金銭の代わりに相手の有する資産を譲り受けるものであるから、交換により取得した資産の額すなわち交換に係る対価の額と交換により譲渡した資産の取得の時の価額との差額が、当該譲渡資産を所有していた間に生じた値上がり益となるから、当該譲渡資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会にその値上がり益について譲渡所得課税が行われるべきであって、交換に係る対価が金銭であるかそれ以外の物であるかによってその課税が異なるものではないから、請求人の主張は採用できない。(平15.02.27.関裁(所)平14-76)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140076
- 裁決年月日
- 平成15年2月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303034
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/4交換等の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.65・190ページ
要旨
○ 請求人は、本件交換に係る譲渡所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額について、原処分庁がその算定に用いた本件評定価格は実際の取引価格よりも高い旨主張する。しかしながら、本件評定価格は、土地改良区が農林水産省の通達に定める標準地比準方式により近傍類似の取引価格及び地域における農業収益価格を調査・検討し、農家への意向調査などをした上で25段階の等位を定め、さらに一筆ごとに現地確認などの調査をして各土地の等位格付が定められたものと認められる。そして、上記土地改良区内において①換地清算は本件評定価格を基に算定することが予定されていること及び②県が売買する農地の価額が本件評定価格によって決定されていることなどを考慮すると、同土地改良区内に所在する本件交換に係る土地の譲渡所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額につき本件評定価格を基に算定することは合理的であると認められるから、請求人の主張は採用できない。(平15.02.27.関裁(所)平14-76)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140074
- 裁決年月日
- 平成15年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306010
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/1仲介手数料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、相続財産の分割に争いがあり、Aの尽力により、本件譲渡資産を相続により取得することができたものであり、その労働に対し、一括して専任媒介手数料として支払った本件手数料は、所得税法第33条第3項に規定する資産の譲渡に要した費用(以下「譲渡費用」という。)に該当する旨主張する。しかしながら、譲渡費用とは、資産の譲渡に際して支出した仲介手数料、運搬費、登記若しくは登録に要する費用など当該譲渡のために直接要した費用をいい、譲渡資産の修繕費、固定資産税その他のその資産の維持又は管理に要した費用は、譲渡費用に含まれないと解されるから、本件手数料は、本件譲渡に際して直接要した費用とは認められないので、本件譲渡に係る譲渡所得の計算上、譲渡費用として控除することはできない。(平15.02.21.関裁(所)平14-74)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140157
- 裁決年月日
- 平成15年1月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303032
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/2代物弁済等の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産を代物弁済として移転したものであるから、所得税法第33条に規定する資産の譲渡に該当しない旨主張する。しかしながら、資産の所有者が、当該資産を債務の代物弁済に供すれば、当該債務の消滅又は減少という経済的利益を得るのであるから、それは所得税法第33条に規定する資産の譲渡に当たり、当該所有者には、代物弁済により消滅又は減少した債務の額と同額の譲渡収入が生じたものというべきであると解されているところ、本件の場合、請求人は、本件借入金を消滅させるために代物弁済として不動産を移転させることにより、本件借入金の消滅という経済的利益を得るのであるから、当該代物弁済が所得税法第33条に規定する資産の譲渡に該当し、この消滅した本件借入金の額17,000,000円が、譲渡所得に係る収入金額に相当することになるので、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.01.31.東裁(所)平14-157)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140155
- 裁決年月日
- 平成15年1月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306100
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/10和解金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件和解に係る本件解決金等の支払は、譲渡契約を遂行するために避けられない性格のものであり、立退料相当額が含まれているとともに、譲渡価額を増加させるための支出であるから、譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、本件解決金は、本件譲渡に係るものではない本件訴訟のための解決金であり、また、立退料を支払うような権利、あるいは占拠の事実は認められず、本件譲渡の譲渡代金をもって解決金に当てたとしても、譲渡のために直接要した費用とは認められない。また、請求人らは、条件のいい譲渡先に譲渡することとしたものであり、本件解決金の支払によって、譲渡価額自体が増加したものではない。したがって、本件解決金は、譲渡価額そのものの多寡に影響を与えるものとは認められず、譲渡価額を増加させるために本件譲渡に際して支出した費用とは認められない。(平15.01.30.東裁(所)平14-155)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平140003
- 裁決年月日
- 平成14年12月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が提出した書類では本件造成費を支払った事実が確認できないとして、原処分庁は、譲渡所得の金額の計算上控除すべき取得費に算入できないと主張する。しかしながら、本件土地を現地確認したところ、造成した痕跡が確認できること、本件土地所在地の役場職員及び本件造成工事を行なった業者の答述から、請求人が本件土地を取得後に造成工事を行っていたことが認められる。また、造成工事費の精通者に造成当時の工事費を見積もらせたところ、請求人の主張額に近似しており、請求人の主張額は相当であると認められ、本件造成費として支出された金額であると認定することには合理性があるというべきであるから、原処分はこの点に係る部分について取り消すのが相当である。(平14.12.18.沖裁(所)平14-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140129
- 裁決年月日
- 平成14年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ゴルフ会員権(以下「本件会員権」という。)は、ゴルフ場施設の優先利用権(以下「施設利用権」という。)を含む譲渡所得の基因となる資産に該当し、本件会員権の譲渡による損失金額は、所得税法69条の規定により他の所得から控除できる旨主張する。しかしながら、ゴルフ会員権とは、預託金返還請求権及び施設利用権が一体となっているものであるところ、本件ゴルフ場は造成途中で工事が中断し、経営法人も会社更生法の適用を受けていること等から譲渡時点では施設は利用できない状況であったと認められる。また、更生手続きの中で、同法人所有の他のゴルフ場が利用可能であっても本件会員権の施設利用権の行使に基づくものではない。したがって、本件会員権は譲渡所得の基因となる資産には該当せず、また、その譲渡による損失金額は不動産所得、事業所得及び山林所得の計算上生じた損失金額にも該当しないことから、その所得税法69条の規定により他の所得と損益通算することはできない。(平14.12.17.東裁(所)平14-129)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140023
- 裁決年月日
- 平成14年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、昭和48年に借入金で取得した本件土地を平成12年に譲渡したが、取得時から駐車場として賃貸の用に供し始めた昭和62年までの間は未利用であったから、その期間に対応する借入金利子を譲渡所得の金額の計算上、土地の取得費に算入すべき旨主張する。しかしながら、本件土地の取得目的は事業所の移転を主とするものであり、取得時以降駐車場として賃貸の用に供するまでの間、本件土地を事業所得の土地勘定に継続して計上し、借入金利子を事業所得の必要経費に算入したことを自認しているのであるから、本件土地は、業務用資産として利用する目的で所有し続けたというべきであり、所有目的に変更があった事実は認められない。したがって、請求人は業務用資産として本件土地を取得し、業務用資産であると認識した上で借入金の利子を各年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入して、各年分の所得税の確定申告を行ってきたものと認めるのが相当であることから、本件借入金利子を譲渡所得の取得費に算入すべきであるという請求人の主張は採用できない。(平14.12.16.名裁(所)平14-23)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140007
- 裁決年月日
- 平成14年12月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が土地の売買契約に関して受領した金員は、すべて分離短期譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人と譲受人との間の本件土地の売買に関する契約書には、土地の売渡しのほかに「許可申請に関する諸条件の取り付け」という土地の売渡しとは別個独立した条件が付帯されていることが認められる。契約内容の実態は、土地の売渡しに係る部分と、「許可申請に関する諸条件の取り付け」に係る成功報酬としての対価の支払い部分とに区分して所得計算を行うことが相当と認められ、土地の売渡しに係る部分については、①土地の購入と譲渡がほぼ同時期であること、②土地周辺地域において土地価格が高騰する要因がないこと及び③土地の購入価額が県公表の標準価格の約9倍であることなどから、購入金額と同額で譲渡されたとすることは相当と認められ、また、「許可申請に関する諸条件の取り付け」部分については、請求人の役務の提供に対する対価として雑所得に該当すると認められることから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平14.12.12.熊裁(所)平14-7)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140008
- 裁決年月日
- 平成14年12月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人は土地の売買に関する売買契約書上の名義人であるYと共同譲渡人となり、請求人が受領した金員は、すべて分離短期譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人とYは共同行為者と認められるものの、Yと譲受人との間に作成された売買契約書には、土地の売渡しのほかに「許可申請に関する諸条件の取り付け」という土地の売渡しとは別個独立した条件が付帯されていることが認められる。契約内容の実態を審理すると、土地の売渡しに係る部分と、「許可申請に関する諸条件の取り付け」に係る成功報酬としての対価の支払い部分とに区分して所得計算を行うことが相当と認められ、土地の売渡しに係る部分については、①土地の購入と譲渡がほぼ同時期であること、②土地周辺地域において土地価格が高騰する要因がないこと及び③土地の購入価額が県公表の標準価格の約9倍であることなどから、購入金額と同額で譲渡されたとすることは相当と認められ、また、「許可申請に関する諸条件の取り付け」部分については、請求人らの役務の提供に対する対価として雑所得に該当すると認められる。したがって、原処分は一部を取り消すのが相当である。(平14.12.12.熊裁(所)平14-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140119
- 裁決年月日
- 平成14年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件受取書によれば、本件一部借地権の購入代金以外に支払うとは考えられないから、既に申告した本件一部借地権の取得費17,000,000円と本件金員の合計額20,500,000円は本件一部借地権の取得費であるので、本件借地権に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に該当するから、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、①本件公正証書には、本件一部借地権の明渡しの代償を17,000,000円(売買代金)と記載されているのみで、そのほかに金員を支払う旨の記載はないこと、②本件受取書には、受取書との表題で本件金員を受取ったとする記載があるが、その支払目的の記載がないこと及び③本件売渡書には、本件一部借地権を譲渡し売買代金を受取ったとする記載があるが、その表題は売渡書で受取書ではないので、その日に当該売買代金を授受したと記載されていないことからすると、本件一部借地権を売買代金で合意し、当該売買代金の授受があったことが認められるが、この当該売買代金を超えて本件金員の支払があったとは認められず、他に請求人の主張を認めるに足る証拠資料がないので、請求人の主張には理由がない。(平14.12.09.東裁(所)平14-119)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140096
- 裁決年月日
- 平成14年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の取得に要した借入金の利子を当該株式を譲渡した年に一括して支払ったのであるから、この借入金の利子を、租税特別措置法(以下「措置法」という。)第37条の10第7項第3号により本件株式に係る譲渡所得の計算上控除する借入金の利子と認めるべきである旨主張する。しかしながら、措置法第37条の10第7項第2号及び第3号の規定により、株式等を取得するために要した負債の利子のうち、①その年の前年以前から所有していた株式等でその年中に譲渡しなかった株式等に係る負債の利子及び②その年中に取得した株式等でその年中に譲渡しなかった株式等に係る負債の利子は、配当所得に係る総収入金額から控除する負債の利子であり、③株式等を譲渡した年のその株式等の所有期間に対応して計算された負債の利子は、株式等に係る譲渡所得等の総収入金額から控除する負債の利子である。したがって、株式等に係る譲渡所得の計算上控除する負債の利子は、上述③のとおり、株式等を譲渡した年のその株式等の所有期間に対応して計算された負債の利子であるから、本件の場合の控除される負債の利子は、本件借入金の利子のうち本件株式を譲渡した年の借入金の利子であるので、請求人の主張には理由がない。(平14.11.27.東裁(所)平14-96)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140096
- 裁決年月日
- 平成14年11月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の取得に要した負債の利子のうち、借入金の借入日から譲渡の前年末までの所有期間に対応する借入金の利子は、譲渡所得の計算上総収入金額から控除する取得費に含まれる旨主張する。しかしながら、資産の取得費とは、所得税法第38条で「その資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額」と規定しているところ、この「資産の取得に要した金額」とは、資産を取得するために実質的に欠かせない費用をいい、当該資産を取得するために要した負債の利子は、資金調達のための避けられない支出であり、資産を取得するために実質的に欠かせない費用であることから、「資産の取得に要した金額」に含まれると解されている。なお、資産を取得した者は、当該資産を完全な支配管理の下に置き、当該資産を使用することになるのであるから、当該資産の使用開始後に支払われる負債の利子は、資産の維持管理のための費用に変わったものであるので、「資産の取得に要した金額」に含まれないと解されている。そして、株式等については、その株式等の取得により、会社に対する支配及び利益の分配(配当)を受ける権利を有することになるので、当該株式等を取得した時が株式等に係る使用開始の時であると解される。したがって、本件株式を取得した後の借入金の利子は、本件株式の維持管理のための費用であるので、「資産の取得に要した金額」に含まれないので、請求人の主張には理由がない。(平14.11.27.東裁(所)平14-96)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140090
- 裁決年月日
- 平成14年11月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・078ページ
要旨
○ 請求人は、譲渡資産が父からの相続財産であるため当該譲渡資産が買換資産であることを知らされていなかった事情及び同人の母と姉の老後の生活の面倒をみなければならないという経済上の事情があることから、当該事情を考慮し、刑事事件と同様に情状酌量による原処分の取消しを求める。しかしながら、所得税法及び租税特別措置法を含む租税法は、課税要件が充足されているかぎり、課税庁には租税の減免の自由はなく、また徴収をしない自由もなく、法律で定められたとおりの税額を徴収しなければならないとされているところ、本件譲渡所得が請求人に帰属することは明らかであり、また、課税標準たる本件譲渡所得の金額については、所得税法及び租税特別措置法に基づいて適法に算定されていることから、請求人の主張には理由がない。(平14.11.22.東裁(所)平14-90)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140027ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年11月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303034
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/4交換等の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、交換取得土地の時価は、固定資産税の評価額が公示価格水準の70%で評価されているから、固定資産税の評価額を基に逆算して算出すべきである旨主張するが、固定資産税評価額は、固定資産税を課税するための基準となるものであり、土地の時価を判断する基準となるものではなく、また、土地の時価を算定するために原処分庁が採用した売買実例は、交換の相手方が売買により取得した土地で、正常な取引であると認められるから、その価格を基にした原処分庁の時価の算出方法は相当である。そして、交換による譲渡所得の収入金額を、所得税法第36条第1項かっこ書及び第2項の規定により、交換取得土地の時価と交換差金との合計額であるとした原処分は相当である。(平14.11.12.広裁(所)平14-27)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140034
- 裁決年月日
- 平成14年11月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡した土地の取得価額について、同土地の取得に係る契約書の金額は双方が合意した金額と異なる偽装のものであるから、合意した真実の取引価額によって譲渡所得の金額を計算すべきである旨主張する。しかしながら、同契約書に記載された金額について、その価額と適正な時価との対比及び契約書作成の経緯等から総合的に勘案したところ、その金額は近隣地の公示価格等を参考にして算出されたものであることが認められるなど、偽装されたものとは認められず真正なものと認められることから、請求人の主張には理由がなく、当該金額をもって取得価額とした原処分は正当と認められる。(平14.11.06.関裁(所)平14-34)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140075
- 裁決年月日
- 平成14年10月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303032
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/2代物弁済等の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件合意書には、本件乙土地の価額は94,698.000円と記載されており、請求人は、本件税金相当額を受領していることから、本件合意書に記載された本件乙土地の価額が本件税金相当額を含んだものとみることはできないので、本件乙土地の譲渡価額は、本件乙土地の価額と本件税金相当額の合計額117,198,000円ある旨主張する。しかしながら、本件は、本件造成工事代金に代えて本件乙土地を譲渡し、造成後の本件土地の引渡しを受けていることから、本件乙土地の譲渡価額は本件土地の造成費用を基として算定するのが相当と認められ、本件山林等の宅地造成工事の費用に、相続人らが引渡しを受けた本件土地の地積の合計が宅地造成後の有効宅地の地積に占める割合により本件土地の造成費用を算出すると、72,198,000円となる。そうすると、本件乙土地の譲渡価額は、本件土地の造成費用に本件税金相当額を加算した金額94,698,000円と認められる。(平14.10.29.東裁(所)平14-75)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140060
- 裁決年月日
- 平成14年10月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301990
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物利用権はその取得の経緯(預託した保証金の額は通常の建物賃貸契約における保証金と異なり分譲価額相当する高額であることなど)及び契約内容(建物利用権設定契約において、地代家賃の支払はなく、「自己の持家と同様に」専用使用ができ、相続などの包括承継の対象になるなど記載されていることなど)からみて所有権と同等に扱われるべきであるなどと主張する。しかしながら、請求人は本件建物利用権設定契約に基づき本件建物に利用権を有するもので、請求人は本件建物の所有権を取得しているのではないことは明らか(この点については請求人も自認している)であるから、本件建物利用権は租税特別措置法第31条第1項に規定する土地建物等には該当せず、本件建物利用権の譲渡による所得は所得税法第33条に規定する総合長期譲渡所得に該当する。(平14.10.09.東裁(所)平14-60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140059
- 裁決年月日
- 平成14年10月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301990
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・135ページ
要旨
○ 請求人は、本件建物利用権はその取得の経緯(預託した保証金の額は通常の建物賃貸契約における保証金と異なり分譲価額相当する高額であることなど)及び契約内容(建物利用権設定契約において、地代家賃の支払はなく、「自己の持家と同様に」専用使用ができ、相続などの包括承継の対象になるなど記載されていることなど)からみて所有権と同等に扱われるべきであるなどと主張する。しかしながら、請求人は本件建物利用権設定契約に基づき本件建物に利用権を有するもので、請求人は本件建物の所有権を取得しているのではないことは明らか(この点については請求人も自認している)であるから、本件建物利用権は租税特別措置法第31条第1項に規定する土地建物等には該当せず、本件建物利用権の譲渡による所得は所得税法第33条に規定する総合長期譲渡所得に該当する。(平14.10.08.東裁(所)平14-59)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成14年10月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306080
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/8設計料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが代表取締役である同族会社(以下「同族会社」という。)に支払ったコンサルタント料は、譲渡を実現するために必要な費用であり、かつ、温泉開発地として価値を高めて売却したことに対する正当な報酬であるから譲渡費用に当たる旨主張する。しかしながら、請求人の答述によれば、同族会社とのコンサルタント契約は、請求人が同族会社に対し「高く売れたら会社にやる。」と述べた程度のもので、この会話だけでは、コンサルタント料として支払うのか同族会社への資金援助なのか明らかでなく、その上「会社にやる。」の意味について両者が話し合ったことがないのであるから、請求人から同族会社への資金援助の約束がなされたものと考えるのが自然であること、また、請求人は、コンサルタント契約を裏付けるものとして、当初作成した契約書がなくなったため、改めて作成した平成8年1月15日付の業務委託契約書を提出するが、契約書の作成理由及び作成時期についての原処分に係る調査担当者への申述と審判所への答述が矛盾していることなどから、当初作成したとする契約書は存在していたと認めることはできないし、改めて作成した契約書の作成時期は記載内容、提出状況及び請求人の答述から、調査後に作成された疑いが強い上、仮に調査前に作成していたとしても、それは、コンサルタント業務が終了した後であるので、請求人が主張するコンサルタント業務の各行為がコンサルタント契約に基づいてなされたものとは認めることはできないから、請求人の行ったコンサルタント業務は同族会社への資金援助を得るための行為であり、コンサルタント料の支払は同族会社の事後的な処理にすぎないものと認められ、譲渡費用に当たらない。(平14.10.01.広裁(所)平14-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140054
- 裁決年月日
- 平成14年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物利用権はその取得の経緯、契約内容からみて所有権と同等に扱われるべきものであるから、その譲渡に係る譲渡所得は租税特別措置法第31条及び第35条の規定に該当する旨主張する。しかしながら、本件建物利用権に係るマンションの所有権を、請求人が所有していた事実はなく、また本件利用権は当該マンション所有者の管理下における利用権にすぎないものであるから、所有権と同等に扱われるものではなく、借家権と解するのが相当である。そうすると、本件建物利用権の譲渡に係る所得は、所得税法第33条に規定する総合譲渡所得となり、租税特別措置法第31条に規定する分離長期譲渡所得には該当しない。また、本件建物利用権は、租税特別措置法第35条に規定する家屋にも該当しないので、同法に規定する特別控除の適用もない。(平14.09.27.東裁(所)平14-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140053
- 裁決年月日
- 平成14年9月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件預託金の返還は、実質的にゴルフ会員権の譲渡と同じであるから、本件取引に係る損失額については損益通算を認めるべきであると主張する。しかしながら、本件ゴルフ場の会則では、明確に本件ゴルフ会員権の譲渡手続と退会手続とを区別して規定しているところ、請求人は、退会届を提出し、本件預託金を受領しているのであるから、本件預託金の返還を受けたことが明らかである。そうすると、請求人は、本件預託金の返還請求権をその預託先である本件ゴルフ場に対して行使したにすぎず、本件会員権を譲渡したとはいえないから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当しない。よって、本件取引により生じた損失は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失には当たらないから、他の所得の金額と損益通算することはできない。(平14.09.26.東裁(所)平14-53)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140044
- 裁決年月日
- 平成14年9月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の譲渡に際して受領した固定資産税等相当額は、譲受人からの預り金であるため、譲渡所得の収入金額には該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が受領した固定資産税等相当額は、①地方税法第359条などの規定に基づき、譲受人が納税義務者となる固定資産税等ではなく、②土地売買契約における譲受人の負担条件であり、かつ、土地の譲渡に起因して支払われたものであると認められることから、土地の譲渡に係る譲渡所得の収入金額に算入することが相当と認められるので、請求人の主張には理由がない。(平14.09.13.東裁(所)平14-44)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140042
- 裁決年月日
- 平成14年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301053
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/5債務弁済困難状態における譲渡/3債務弁済困難状態における譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地建物の譲渡は、本件土地建物の競売開始決定に係る訴訟の段階で、裁判所の勧告に従って和解し、債務額を弁済するためにしたのであり、これは資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合に該当することから、所得税法第9条第1項第10号により非課税所得となる旨主張する。しかしながら、本件土地建物の譲渡代金をもって銀行預金、自宅マンション購入資金及び所得税の納付資金に充てられている事実が明らかであることから、本件土地建物の譲渡は、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合の譲渡には当たらない。(平14.09.12.東裁(所)平14-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140042
- 裁決年月日
- 平成14年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306060
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/6遅延損害金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地建物の譲渡は、本件土地建物の競売開始決定に係る訴訟の段階で、裁判所の勧告に従って和解し、債務額を弁済するために行われたものであるから、弁済した当該債務額は、本件土地建物の譲渡のために直接要した費用に該当するので、分離長期譲渡所得の計算に当たり譲渡費用として控除すべき旨主張する。しかしながら、当該債務額は、①金銭消費貸借契約に基づく元本及び遅延損害金、②不動産競売開始請求事件の民事執行予納金及び登録免許税であるところ、①は請求人の自己債務として支払義務を負うものであり、②は本件土地建物の競売申立てに係る費用を負担したものと認められ、これらはいずれも本件土地建物の譲渡との間に直接の関連はないことが明らかであることから、和解による当該債務額の弁済が本件土地建物の譲渡代金によってなされたとしても、当該債務額が本件土地建物の譲渡のために直接要した費用には当たらない。(平14.09.12.東裁(所)平14-42)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平140013ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・152ページ
要旨
○ 請求人は、土地の譲渡に際して買受人から収受した、売却後の期間に対応する未経過固定資産税等相当額について、固定資産税等が期間コストの性質を有することを前提に、収受した金員は、実質的には立替金の清算であり、担税力を有するものではなく、このことは、未経過固定資産税等相当額について不当利得返還請求権が発生することからも裏付けられるとして、譲渡所得の総収入金額に算入すべきでない旨主張する。しかしながら、固定資産税等は、賦課期日である毎年1月1日現在において、固定資産台帳に所有者として登録されている者に対して課されるものであり、賦課期日後に所有者の異同が生じたからといって、課税関係に変動が生じるものではないから、賦課期日後に当該資産の所有者となった者は、固定資産税等の納税義務を負担するものではなく、また、譲渡人は、譲受人に対して未経過固定資産税等の求償権を取得するものでもない。そうすると、未経過固定資産税等名目の金員の授受は、当事者間の契約によって初めて生じる債権債務関係に基づいてなされるものであり、その性質は売買条件の1つにほかならず立替金の清算とはいい得ない。また、当該資産の所有関係の変動が当事者間の契約に基づいて生じた場合に、固定資産税等名目の金員の授受について、何らの取決めもなされないのであれば、当事者の意思解釈としては、そのような名目での金銭のやりとりはしない趣旨であることが通常であると思われるから、そのような場合に、当事者の合理的意思解釈に反して、不当利得返還請求権が発生する余地はない一方、固定資産税名目の金員の授受を行うとの取決めがなされるのであれば、その授受は、まさに契約に基づいて行われるものであるから、固定資産税等名目で譲渡の際に授受された金員の性質が不当利得返還請求権の性質を有することもありえない。(平14.08.29.広裁(所)平14-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140020
- 裁決年月日
- 平成14年8月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303010
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/1譲渡所得の収入金額の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は本件土地の譲渡代金には未収金があるから、総収入金額は当該未収金を控除した金額である旨主張する。しかしながら、当該未収入金の存在自体が曖昧であること及び当該未収入金が存在するとしても、所得税法第36条第1項により、所得税法上の各種所得の総収入金額は、収入すべき金額である旨規定しており、その収入すべき金額とは、収入すべき権利の確定した金額であると解され、本件土地の譲渡代金が総収入金額となることから、請求人の主張には理由がない。(平14.08.05.東裁(所)平14-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140017
- 裁決年月日
- 平成14年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301053
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/5債務弁済困難状態における譲渡/3債務弁済困難状態における譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡所得が所得税法第9条第1項第10号の規定に該当する旨主張する。しかしながら、請求人の場合、債務超過であることは認められるが、経常的な所得が年間4,000万円程度あることから、債務弁済困難な状態にあるとは認められず、当該規定の適用はない。(平14.08.02.東裁(所)平14-17)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140001ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成14年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306100
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/10和解金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社による保証債務の免責的引受けによりA社が請求人に対して取得する求償債権につき、実体のある請求人の債務であり、資産(匿名組合の出資者たる地位)の譲渡に要した費用に該当する旨主張する。しかしながら、上記求償債権の支払いの約定は、匿名組合の出資者たる地位の譲渡に係る地位譲渡等契約と同時に行われているものの、当該出資者たる地位の譲渡とは別個の法律行為の対価であると認められる。したがって、当該出資者たる地位の譲渡に直接かつ通常必要な費用というこはできず、請求人の主張は採用できない。(平14.07.01.大裁(所)平14-1)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140001ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成14年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件匿名組合の出資者たる地位の譲渡の価額を取引当事者間においてマイナスと認識し、対価を伴わずに(逆に支払って)当該地位を移転しており、実質的には債務引受け(保証債務の移転)と認められるので、譲渡所得の基因となる資産の譲渡があったということはできない旨主張する。しかしながら、本件匿名組合の貸借対照表等を検討したところ、本件匿名組合の純資産額はプラスとなっているなど、当該地位は、譲渡時において経済的価値を有していたと認めるのが相当であり、また、地位の内容が金銭債権に当たらないことから、譲渡所得の基因となる資産に該当する。そして、当該地位の譲渡契約書第2条においては当該地位の移転という法的効果を、また、第3条においては保証債務に係る保証人たる地位の移転という法的効果をそれぞれ意図したものであることは明らかであることから、当該契約書第2条において契約当事者間の合意がなされた当該地位の譲渡価額が譲渡所得の総収入金額に算入すべき金額となる。したがって、原処分庁の主張は採用できない。(平14.07.01.大裁(所)平14-1)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130046
- 裁決年月日
- 平成14年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、取引相場のない株式の時価の算定に当たり純資産価額算定においては、評価差額に対する法人税相当額の控除を認めるべきである旨主張する。しかしながら、株式の譲渡が事業活動の継続を前提として行われる場合の価額は、通常の経済取引における再調達価額によるべきであり、評価差額に対する法人税等に相当する金額を控除して純資産価額を算定することには合理性が認められない。(平14. 6.28福裁(所)平13-46)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平130026
- 裁決年月日
- 平成14年6月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302011
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/1譲渡の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人と同族関係にある会社(以下「同族会社」という。)に対して行った農地の持分一部移転は、当該農地の権利のうち同族会社が取得した耕作権に相当する権利の部分を分割(資産の分割)したにすぎないので、その資産の分割は、共有地の分割と同様、譲渡所得の基因となる資産の譲渡に該当しない旨主張する。しかしながら、同族会社が当該農地の耕作権に相当する権利を取得していたとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。(平14. 6.12金裁(所)平13-26)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130255
- 裁決年月日
- 平成14年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡所得の取得費に計上した平成6年及び平成9年の増改築費について、(1)実際に工事を行い工事代金も支払ったものであり、(2)実際に当該増改築工事を行なったのは請求人が工事代金を支払った業者(H社)が依頼した下請業者であるが、当該増改築工事が架空であるとした原処分庁の事実認定は誤りである旨を主張する。しかしながら、請求人が工事代金を支払ったとする業者は平成2年以降休業しており、また、請求人が主張する下請業者は、当審判所に対し、本件建物の増改築工事を行なったこともなければ、請求人が原処分庁に提出した当該下請業者からH社に交付されたとする工事の領収書等も当該下請業者が発行したものではない旨答述し、当該下請業者の確定申告書の申告内容からみても、当該下請業者が本件建物の増改築工事を行なったものとは認められず、架空の工事と認められる。(平14. 5.30東裁(所)平13-255)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130079
- 裁決年月日
- 平成14年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303034
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/4交換等の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 交換譲渡資産が、相手方に引き渡された時期は、請求人から他に証拠の提出がなく、当審判所の調査によっても他に採用すべき証拠が認められない以上、請求人が相手方の相続人の顧問税理士に権利証を引き渡した時と認めるのが相当であるから、譲渡所得の収入すべき時期は、平成10年と認められる。また、譲渡所得の収入すべき金額は、本件においては、金銭以外の物をもって収入する場合に該当し、その金銭以外の物の価額は、交換取得資産の取得の時における価額によるのが相当であり、同一の土地区画整理事業内の売買実例価額に時点修正等を加えて原処分庁の認定した価額を不相当とする理由は認められない。(平14. 5.20関裁(所)平13-79)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130238
- 裁決年月日
- 平成14年5月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305050
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/5立退料、離作料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡があった年の9年前に旧建物(譲渡した地上権上にあった)に係る裁判上の和解に基づいて支払った、借家人に対する立退き和解金、弁護士費用及び旧建物の取り壊し費用(和解金等)は、その後建築した新建物と共に譲渡した地上権(和解金を支払う2年前に借地権を地上権とした)の取得費あるいはその資本的支出であるから、本件譲渡所得の金額の計算上控除すべきである旨主張する。しかしながら、借地権者である被相続人は現に本件土地を占有していたことから、被相続人が締結した地上権契約は従来の債権である借地権の形態を物権である地上権に変更したものであって、新たな借地権を設定したものとは解されないこと、また、和解金等は本件土地の所有者に対して支払った金員ではなく、本件土地又は借地権に対して支出された金額ではないのであるから、本件土地又は借地権の資本的支出とはいえない。したがって、和解金、弁護士費用及び旧建物の取り壊し費用は、所得税法第38条第1項に規定する本件借地権の取得費として譲渡所得の計算上控除することはできない。(平14. 5.10東裁(所)平13-238)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130070
- 裁決年月日
- 平成14年4月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件和解の実態は会社の乗っ取りで、本件株式は譲渡したものではなく、本件和解は請求人にとって不本意なものであることから、本件和解調書にこだわらず、物事の道理を見極め、常識をもって判断すべきであり、また、原処分庁が譲渡価額として認定した金額は受領した金額ではない旨主張する。しかしながら、本件和解調書は確定判決と同一の効果があり、本件和解に基づき請求人は本件株式を譲渡し、その代金の一部として小切手を受領し、同じく代金の一部である債権に対する代物弁済として本件土地を取得していることが認められることから、本件株式に係る譲渡所得についての確定申告がされていなかったことについて、原処分庁が行った本件決定処分は適法である。(平14. 4.23名裁(所)平13-70)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130037
- 裁決年月日
- 平成14年4月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が提出した書類は、請求人の主張を裏付けるものとはならない上、取得時の売買契約書に記載された売買価額に上乗せして支払ったとする金額(本件差額金)の資金調達の形跡が認められず、請求人の答述に信用性が認められないこと、土地の共有者についても、本件差額金の調達の形跡が認められないこと、本件取得時の売主の1人は請求人主張取得金額での取引を否定していること等からみて、結局、請求人の主張が真実であると認めるに足る証拠は存在しないものと言わざるを得ず、更正の請求書記載の本件土地の取得価額を請求人において立証しているとは認められない。(平14. 4. 5.広裁(所)平13-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130207
- 裁決年月日
- 平成14年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304027
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/7負担付贈与、低額譲受けの場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は譲渡した本件土地が、同人が所有する建物の敷地の用に供されており、また、子が所有する本件土地の持分部分に対し、賃貸借契約を締結し賃貸借料を支払っていることから、請求人は本件土地に対し借地権を有するものであり、請求人の譲渡は底地の譲渡である旨主張する。しかしながら、本件土地の持分の譲渡者である請求人と本件建物の所有者とは同一人であることから、請求人が借地権を有していたとは認められず、また、本件賃貸借契約に基づき支払われている賃貸借料は、子の本件土地の持分部分に課される固定資産税額と同額であることから、請求人と子との本件土地の貸借は、使用貸借と解すべきである。そして、本件土地は、貸家の用に供されている土地であり、その価額は、更地価額から、国税局長が定める財産評価基準書において示されているその土地に係る借地権割合とその貸家の借家権割合との相乗積を当該更地価額に乗じて計算した金額を控除した価額とすることに、特に不相当であるとする理由は認められないことから、これらを基に本件土地の貸家建付地価額を算定すると、本件譲渡価額は、時価の2分の1に満たない価額で譲渡していると認められ、当該譲渡価額が取得費及び譲渡に要した費用の額の合計額に満たないことから、その不足額は所得税法第59条第2項の規定により、譲渡所得の金額の計算上なかったものとみなされる。(平14. 3.28東裁(所)平13-207)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130067
- 裁決年月日
- 平成14年3月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302014
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/4財産分与による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、夫婦間の財産分与契約(以下「本件契約」という。)を原因とする不動産(以下「本件不動産」という。)の所在権移転登記により、財産分与があったとして、措置法31条の土地等の譲渡に該当する旨主張する。しかしながら、本件契約を行なった当時は、夫が妻に対し、確定的な財産分与として本件不動産所在権を移転する意思を有していたとはいえず、将来的には、妻の意向に沿うような形で財産分与ができるようにしておくため、その登記名義のみをAに移転することとしたに過ぎず、また、妻も本件契約に基づいて、本件不動産の所有権を財産分与として取得したという認識は有していなかったと認められるから、本件契約によって、夫が妻に対し財産分与として本件不動産の譲渡する旨合意をしたとは認められない。したがって、本件不動産については、夫から妻に対する譲渡はなかったと認められるから、租税特別措置法31条1項の譲渡所得の発生は認められない。(平14. 3.27大裁(所)平13-67)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130053
- 裁決年月日
- 平成14年3月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、現物出資により取得した有価証券について、(1)譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、現物出資を行った資産の価額によるべきであり、(2)金銭出資も現物出資も経済的本質は同じ行為であって、本件現物出資は増資に伴うものであるから、所得税法施行令第111条を適用すべきである旨主張する。しかしながら、本件現物出資は所得税法施行令第110条ないし第117条のいずれにも該当しないから同令第109条第1項を適用すべきである。そして、「払込み」及び「払い込んだ金額」の定義については、所得税法に規定がないことから、商法における解釈に従うのが相当であるところ、商法は、出資の方法として金銭出資と現物出資とを定め、「払込」と「現物出資ノ給付」の用語の使用方法について明確に区別し、「払込」という用語が単独で用いられる場合は金銭による払込みをいうことは明らかである。そうすると、同第109条第1項第一号は金銭による払込みの場合にのみ適用され、現物出資の場合は同項第四号が適用される。また、「取得のために通常要する価額」とは、現物出資により取得した有価証券の時価を意味するものと解するのが相当である。同令第111条は、「払い込んだ金額」があることを要件としているところ、「払い込んだ金額」とは上記のとおり金銭による払込みをいうものと解され、同条を適用することはできない。(平14. 3. 6.大裁(所)平13-53)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130056
- 裁決年月日
- 平成14年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件山土砂の代金として5000000円しか受領していない旨主張するが、(1)本件土地売買契約書の売買価格が16000000と記載されていること、(2)平成3年8月12日付で領収金額を16000000円とする請求人の署名押印による領収証があること、(3)本件判決によれば、請求人は16000000円のうち5000000円を受領し、残金を第三者に貸し付けた事実が認定されていることなどから、本件土地の譲渡価額は16000000円であると解するのが相当である。(平14. 2.25関裁(所)平13-56)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130056
- 裁決年月日
- 平成14年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302029
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地ではなく本件山土砂を譲渡したものであり、本件土地を売却した事実はないから譲渡所得は発生しない旨主張するが、(1)請求人と不動産業者との間で、本件土地を16000000円で譲渡する旨の本件土地売買契約書が作成されていること、(2)請求人と不動産業者は、本件土地の所有権について本件裁判で争っていたが、本件判決において、請求人の主張は認められず、本件土地の譲渡があったと認定されていること、(3)本件土地の登記簿謄本によれば、所有権は、平成3年8月12日の売買を原因として、平成8年11月19日の受付で請求人から不動産業者に移転されていることなどから、本件土地は不動産業者に譲渡されたものと認めるのが相当である。(平14. 2.25関裁(所)平13-56)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130047
- 裁決年月日
- 平成14年1月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303036
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/6土地、建物等を一括譲渡した場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 土地と建物を一括譲渡した場合の各譲渡価額の区分方法につき、請求人は、各所有者の合意によって決まる(契約自由の原則)こと及び土地の利用権が使用借権であっても建物取り分があり建物が土地に優先することを主張する。しかしながら、譲渡価額の区分は、譲渡時の各価値で譲渡価額をあん分する方法によるべきであるし、使用借権は借地権のような評価価値はなく建物の取り分はない。建物の取得価額は明らかで、土地の取得価額が不明である本件において、土地の譲渡価額を一括譲渡における譲渡価額から、建物の取得価額から減価償却費累計額を控除する方法により算出した建物の譲渡価額を控除して、算定し区分する方法は合理的であり、この方法によった原処分は相当である。(平14. 1.28関裁(所)平13-47)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平130011ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年12月20日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302022
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/2交換
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.62・130ページ
要旨
○ 本件通達(所得税基本通達33−6の6)にいう土地の区画形質の変更とは、土地の区画を整理し、又は土地の形状及び土質を変更し、利用しやすい土地にすることをいうと解され、必ずしも土地の形質の変更を伴わなければならないというものではない。本件一団の土地の区域内の本件当事者の各土地は、本件交換により、不整形地の解消をも含めそれぞれ公道に接する一画地に変更整理されていること及び本件当事者の所在する各画地は、宅地造成あるいは盛土工事が行われていることから、本件交換は、本件通達にいう土地の区画形質の変更に際して行われた交換分合と認めるのが相当である。また、各画地の使用状況及び環境等を勘案すれば、本件交換は、四囲の状況からみて必要最小限の範囲内で行われていると認めるのが相当である。そうすると、本件交換は、本件通達に定める交換分合に該当し、譲渡がなかったものとされる。(平13.12.20仙裁(所)平13-11)裁決事例集NO62・130ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130105
- 裁決年月日
- 平成13年12月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302011
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/1譲渡の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、預託金会員制のゴルフ会員権を譲渡したのだから、この譲渡による損失の額は他の各種所得と損益通算等をすることができる旨主張する。しかしながら、請求人の主張する資産の譲渡は、預託金会員制のゴルフ会員権に係る金銭債権たる預託金の返還を受けた行為と認められるから、この行為は所得税法第33条第1項に規定する「資産の譲渡」に該当せず、請求人は、その損失の額について他の各種所得と損益通算等をすることはできない。(平13.12.19東裁(所)平13-105)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130104
- 裁決年月日
- 平成13年12月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、収用等に伴う代替資産として取得した建物に関する訴訟の判決により支払を命じられた工事請負残代金の約定遅延損害金は、代替資産の所有権を確保するための費用であるから代替資産の取得価額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、本件遅延損害金は、工事請負代金の残代金の支払遅延として本件遅延損害金の支払を命じられたものと認められ、代替資産を取得するためその対価として支出した金額ではなく、その取得のために実質的に欠かせないと認められる費用にも該当しない。また、本件遅延損害金は、取得に関し争いのある資産につきその所有権を確保するための費用でもないから、代替資産の取得価額に算入することはできない。(平13.12.18東裁(所)平13-104)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130016
- 裁決年月日
- 平成13年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、訴訟の和解条項に基づいて代物弁済及び無償で譲渡した株式の時価の算定方法は、和解により成立した債務弁済額を基礎として算定すべきである旨主張するが、本件株式のように証券取引所に上場されず、売買実例等もない株式の時価は、所得税基本通達23〜35共−9の(4)のハに定める「株式等を発行する法人の1株当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額」によることとされており、原処分庁が、これを一定の条件のもと財産評価基本通達に基づいて算定したことは合理的であると認められる。(平13.12.10広裁(所)平13-16)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130101
- 裁決年月日
- 平成13年12月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件マンションの引き継いだ取得価額は原処分庁の担当者が請求人に回答した19852417円であり、本件譲渡所得の金額の計算における本件マンションの取得費は、18753458円である旨主張する。しかしながら、租税特別措置法第36条の4第1号の規定により、本件マンションの引き継いだ取得価額は9852417円であり、本件マンションの取得費は9403153円であると認められ、また、仮に原処分庁の担当者の回答があったとしても、請求人は、自らの判断と責任において、回答したとする価額とは異なる価額を基として確定申告書を提出しているのであるから、請求人の主張には理由がない。(平13.12. 7.東裁(所)平13-101)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130028
- 裁決年月日
- 平成13年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地改良法第42条第2項の規定に基づき土地改良区に支払った決済金は、土地改良区の農地を譲渡することなく農地以外のものに転用する場合は決済される一方、同地区内の農地を譲渡しても転用を伴わない場合には決済されないなど、必ずしも譲渡に伴って決済されるものではないことから、本件決済金は、本件土地を譲渡するために直接かつ通常必要な費用と認められないとする原処分庁の主張は本件決済金についての理解を誤っている旨主張する。しかしながら、本件決済金は、土地改良区の組合員たる資格に基づいて、本件土地改良区内の農地を農地転用又は地目変更した場合に地区除外等処理規程によって徴収されるものであって、資産の譲渡のために直接かつ通常必要な費用とは認められないから、仲介手数料等と同様に譲渡費用とすることはできない。また、本件土地改良区内の農地の譲渡に際して農地転用等が行われた場合には、譲渡人は自己の義務を履行するために本件決済金を支払うのに対して、同農地を農地のまま譲渡した場合には、譲受人は、取得した農地に対する義務とともに本件土地改良区に対する権利義務も承継し、以後その農地を使用し便益を受ける代わりに受益者負担金を支払うものであるから、譲渡人が支払う本件決済金と譲受人が農地の取得後に支払う受益者負担金とは本質的に異なり、受益者負担金をもって本件決済金と同様な清算が行われているとはいえない。(平13.11.13関裁(所)平13-28)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130063
- 裁決年月日
- 平成13年10月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A土地については平成9年12月18日に、B土地及びC土地(以下、A土地、B土地及びC土地を併せて「本件各土地」という。)については平成10年2月25日に、いずれも実測面積により売買する旨の契約をしたが、いずれの土地も契約時点においてその境界及び実測面積が確定していなかったため、引渡し日は、それらが確定したことを確認した本件確認書を取り交わした平成10年5月8日である旨主張するが、請求人及び請求人の夫は、平成9年7月31日に本件各土地の実測面積を基に本件を売買する旨の仮契約をし、その売買代金の金額を受領しているところ、その仮契約は平成9年12月18日に精算され、請求人が本件各土地の売買代金の全額を受領していることからすると、同日、請求人と買主との間で新たに仮契約の内容を追認した本契約が締結されたものと認められる。したがって、本件各土地の売買に係る所得は、平成9年中に生じたものとして申告するべきである。(平13.10.12東裁(所)平13-63)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130064
- 裁決年月日
- 平成13年10月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304023
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/3権利金、承諾料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地に係る賃貸借契約の更新に際して当該賃貸人に対し支払った、更新時における当該土地の更地価額に一定の率を乗じて算定された「経過更新料」名目の金員は、相当の地代の額と当該契約に基づく地代の額との差額の清算として支払われたものであり、その支払った年分の不動産所得の金額の計算上必要経費の額に算入すべきものである旨主張する。しかしながら、当該経過更新料は、(1)その支払が原契約更新のための条件とされていること、(2)原契約を更新しなければ支払を要しないものであることからすれば、所得税法施行令第182条第1項に規定する、不動産所得を生ずべき業務の用に供する借地権の存続期間の更新をする場合における、その更新の対価に該当すると解するのが相当である。したがって、本件経過更新料をその支払った年分の必要経費に算入することはできない。(平13.10.12東裁(所)平13-64)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130062
- 裁決年月日
- 平成13年10月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302014
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/4財産分与による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件所有権移転は贈与を原因として行ったものであるから、譲渡所得の対象とはならない。また、贈与に該当しないとしても、本件土地は夫婦共有財産であり、離婚に伴う財産分与は、夫婦共有財産の共有関係を解消するために行われる財産の清算であり、譲渡所得が生ずることはない旨主張する。しかしながら、離婚協議の経緯からすると、請求人と相手方との間には、本件土地を贈与する旨合意した事実はないと認められる。また、本件土地は、平成3年10月22日贈与を原因として、請求人に所有権移転登記がなされており、請求人の特有財産であると認められる。そして、本件所有権移転は、離婚に伴う財産分与の履行であると認めるのが相当であり、請求人は、本件所有権移転により分与義務の消滅という経済的利益を享受することになるから、財産分与による資産の譲渡についても譲渡所得が生ずるというべきである。(平13.10. 9.東裁(所)平13-62)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130012
- 裁決年月日
- 平成13年9月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305010
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/1手数料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法第33条及び同法第38条の規定を適用せず、所得税基本通達38−1の2の定めによった本件更正処分は誤りである旨主張する。しかしながら、本件仲介手数料は本件総物件の取得に要した費用と認められるところ、平成9年中に譲渡されたのは本件土地だけであるから、同年分の譲渡所得の金額の計算上、取得費として控除できる金額は、本件仲介手数料のうち、本件土地に係る部分と認められる。そうすると、本件土地の取得に要した仲介手数料は、原処分庁の認定額と同額である。また、所得税基本通達38−1の2の定めは、所得税法第33条第3項及び同法第38条第1項の規定を適用するに当たっての具体的な計算方法を定めたもので、かつ、その内容には合理性が認められるから、所得税基本通達38−1の2の定めによることは、所得税法第33条及び国税通則法第38条の規定を適用することにほかならない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平13. 9.26関裁(所)平13-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130007
- 裁決年月日
- 平成13年8月1日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、固定資産税は土地の受益者が負担するのが原則であり、本件土地の譲渡に関し、譲受人からその譲渡代金とともに収受した本件土地に係る固定資産税の清算金は、請求人が代納していたものを収受しただけで本件土地に係る譲渡所得の収入金額にはならない旨主張する。しかしながら、本件清算金は、平成9年度の固定資産税の一部について本件売買契約において譲受人が支払う旨の合意をして、譲渡人である請求人が受領したものであるが、同年度の固定資産税については、同年1月1日時点の所有者である請求人が納税義務を負うものであり、その後の本件譲渡によっても納税義務者が譲受人に変更されたとはいえない。よって、本件清算金の実質は、税金の清算金ではなく、土地譲渡の対価とみるのが相当であり、譲渡所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきこととなる。そうすると、所有権の移転日以降の固定資産税は受益者である譲受人が負担すべきであり、本件清算金は譲渡人が代納していたものを収受しただけで譲渡所得の収入金額にはならないとする請求人の主張は採用できない。(平13. 8. 1.大裁(所)平13-7)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130004ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年7月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の譲渡に係る本件契約は履行の途上にあり、本件契約が有効に成立し、収入すべき金額が最終的に確定するのは本件ゴルフ会員権の入会保証金の返還をもってその履行が完了する平成14年7月末日である旨主張するが、本件契約は、平成8年1月30日に有効に成立し、譲受人に対する本件株式の引渡しは本件契約のとおり同日完了しているのであるから、本件株式に係る譲渡所得の計算上、総収入金額に算入すべき時期は平成8年となる。(平13. 7.13大裁(所)平13-4)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120060
- 裁決年月日
- 平成13年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303034
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/4交換等の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡土地の譲渡価額は所基通33−6の7に基づき、近隣の取引事例による単価を適用して算定しており誤りはない旨、また、当該年分の申告が正しいかどうかはその年分のみにおいて判断すべきである旨主張する。ところで、上記通達は、宅地造成契約に基づき取得した換地の取得費は、土地の改良等に要した金額又は土地の取得に要した金額と改良費の合計額とする旨定めている。そして、請求人は本件換地を取得直後にA協会に譲渡しているが、何ら改良等を加えていないのであるから、本件換地の取得費は土地代と同額とみるのが相当である。そして、交換契約も譲渡の一種であり、交換契約が締結されたときには譲渡所得が発生し、その収入金額は時価によるべきであるから、本件においては宅地造成契約が締結されたときにおいて、本件従前地を譲渡した対価により本件換地を取得したと同様の経済効果が生じたものといえる。しかしながら、上記通達は、換地相当分の譲渡所得を繰り延べる旨の取り扱いであるから、本件譲渡土地の譲渡収入金額は、本件換地の取得費に本件従前地の面積に占める本件譲渡土地の面積の割合を乗じて算定すべきである。(平13.6.27高裁(所)平12−60)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120091
- 裁決年月日
- 平成13年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 業種
- パチンコ
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・190ページ
要旨
○ 請求人は、譲渡した各土地の取得に当たって、原処分庁が認めた裏代金以外に、多額の裏代金及び造成費の支払があった旨主張するが、請求人からその主張する取得費等の支払の事実が確認できる資料の提示がないから、請求人が提出した裏金に係る領収書、前所有者が所有していた不動産売買契約書及び前所有者の確定申告額に基づき、本件土地の取得費を計算した原処分は相当である。(平13.6.26名裁(所)平12−91)裁決事例集NO61・190ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120191ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302029
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/7その他
- 業種
- 司法書士、会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地をA法人に寄附したことにより生じた譲渡所得の課税は、その後、本件土地の所有権移転登記を抹消すべき旨の確定判決があったから取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、本件土地を基本財産とする被告は本件判決があった直後に解散し、被告にとって登記が抹消されたとしても特段の不都合は生じないものと認められること、本件判決は、原告と被告が親類関係にあるなどの状況下においてなされ、また、本件寄附が無効となるべき事実は認められないから、本件判決があったからといって原処分が違法となるものではない。(平13.6.22東裁(所)平12−191)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120193ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成13年6月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302029
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A公団に買収される際に、請求人の父Bから節税と言われて名義のみを貸したものであり、土地をもらった覚えはなく、本件所有権移転登記の申請書類に署名押印はしていないので、譲渡所得の申告が必要であったことは知らない旨主張する。しかしながら、Bは本件土地を請求人に贈与し、同土地はBから請求人に所有権移転登記がされているから、請求人は、同土地の所有権を取得したと認めるのが相当である。そして、同土地は、上記所有権移転登記から、登記原因を売買としてC法人へ所有権移転登記がされた約11年後まで請求人名義であったことが認められ、この間、請求人は、所有権抹消等の法的手段に出ていないのであるから、本件土地の所有権者は登記簿上の所有権者であったと推定するのが相当である。また、請求人は、本件土地の所有権をC法人へ移転する際に、登記申請に関する一切の行為を委任し、当該委任状には請求人の印鑑登録済の印鑑が押印されていること、そして、本件土地が、登記原因を寄附行為として、C法人へ所有権移転登記がされたことについて、請求人は、本件確認書で追認しているから、寄附行為は有効である。(平13.6.22東裁(所)平12−193)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120054
- 裁決年月日
- 平成13年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 業種
- 整形外科医院
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡資産の譲渡所得の帰属年分は、相手方との合意により定めた引渡しの日である平成9年1月1日の属する平成9年分であるとして修正申告し、原処分庁に認められた旨主張する。しかしながら、譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、譲渡資産の所有権その他の権利が相手方に移転した日によるものとされており、土地、建物等のように登記が行われるものに係る所有権等の移転の日は、特段の事情がない限り、遅くとも登記の日と解されること及び本件においては、本件不動産売買契約書において「平成8年12月(空欄)日までに買主等にこの物件を引渡し、かつ所有権の移転登記を完了しなければならない」旨記載されており、本件物件の所有権移転登記が平成8年12月27日にされていることから、本件譲渡所得は当該登記の日の属する平成8年分に帰属すると認めるのが相当である。なお、修正申告をしたからといって請求人の主張が認められるというものではなく、また、買主は請求人の同族会社であること及び請求人と買主の間で作成された確認書は登記日以降において作成されたものであることを考慮すると当該確認書には信ぴょう性が認められないから、請求人の主張は採用できない。(平13.6.20高裁(所)平12−54)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120110
- 裁決年月日
- 平成13年6月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 業種
- 農業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、資産の譲渡の当事者間で行われる当該資産に係る支配の移転の事実(例えば、土地の譲渡の場合における所有権移転登記に必要な書類等の交付)に基づいて判定した当該資産の引渡しがあった日によるものと解されているところ、売買契約書において、譲受人は所有権移転登記完了と同時に残金を請求人に支払う旨定めており、請求人は、甲土地の譲渡代金の決済について、ほぼ終わりに近づいたことから、甲土地に係る登記済権利証を用意して、譲受人に所有権移転の登記の手続を依頼したところ、甲土地の譲渡の係る所有権移転の登記が平成3年11月8日で受付が行われた旨答述していることからすれば、甲土地は平成3年中に引渡しがあったものと認められ、甲土地に係る譲渡所得の収入金額の計上時期は平成3年分となる。(平13.6.13関裁(所)平12−110)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120110
- 裁決年月日
- 平成13年6月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303034
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/4交換等の場合の収入金額
- 業種
- 農業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、丙土地と交換により譲渡した乙土地の譲渡価額は8.600.000円であると主張する。ところで、所得税法第36条第1項は、その年分の各所得金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額とするとし、その収入すべき金額は、金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額とする旨規定し、それを受けて同条第2項は、金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする旨規定している。これによれば、資産を交換した場合の収入金額は、交換時における取得資産の時価によることとなる。これを本件についてみると、本件土地交換契約書は、乙土地は丙土地と等価交換とし、請求人と譲受人の間において金銭及びその他の授受はしない旨定めており、譲受人は、Aから、丙土地を15.000.000円で購入し、これと近接した時期に請求人所有の乙土地と交換していることから、乙土地の譲渡価額は15.000.000円とするのが相当である。(平13.6.13関裁(所)平12−110)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120083ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303034
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/4交換等の場合の収入金額
- 業種
- 呉服小売
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件取得土地は山林として評価するのが相当である旨主張するが、本件取得土地は、なだらかな南斜面に位置し、本件交換時において、将来宅地開発が見込まれる開発区域に隣接し、その西側に接する本件赤道に開発区域からの道路が接続し、更に近隣には公園や生活排水用の升の整備が予定されていることから、本件取得土地の宅地化は容易なものであることが認められるので、本件取得土地は、林地地域にあって、宅地地域へと転換しつつある地域のうちにある土地であるということができ、山林として評価することは不相当であると認められるので、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平13.6.7名裁(所)平12−83)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120083ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年6月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302022
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/2交換
- 業種
- 呉服小売
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件交換は、開発業者との間で売買の形式を採っているが、実質は、複数の地主間における必要最小限の範囲内の交換分合であり、基通33−6の6の定めに該当するから、本件交換は譲渡がなかったものとして取り扱われるべきである旨主張する。しかしながら、本件交換は、開発業者が宅地開発のために請求人に買収の申入れをしたが、請求人が応じなかったことから、次に、ほかの土地との交換を申し入れ、請求人がこれを承諾したことにより、請求人と開発業者とが土地の所有場所を変更しただけのものであって、一団の土地の利用の増進を図るために相互にその区域内に有する土地の交換分合を行ったものとは認められない。(平13.6.7名裁(所)平12−83)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120171
- 裁決年月日
- 平成13年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・175ページ
要旨
○ 請求人は、本件ゴルフ会員権の売買及び再売買は、必要書類及び売買代金の授受が問題なく行われた通常の取引であり、本件会員権の譲渡により譲渡損失が生じている旨主張する。しかしながら、(1)本件ゴルフ場は、請求人等から売買した連絡及び名義書換の申請を受けていないこと、(2)請求人は、会員権売買に係る本件細則に定める手続をしていないこと、(3)請求人は、本件会員権を譲渡した後となる時期に、メンバー資格でプレーしていること、(4)売買及び再売買の価格が同額であること、(5)請求人の主張する売買は、値下がりによる含み損を顕在化させ、損失金額の損益通算ができることが認められる。以上によれば、本件会員権の売買から再売買に至る一連の行為は、所得税の軽減を目的として売買取引の外形を仮装したものにすぎず、売買の実態がないのであるから、本件会員権の譲渡による損失が発生したものと認めることはできない。(平13.5.30東裁(所)平12−171)裁決事例集NO61・175ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120157
- 裁決年月日
- 平成13年5月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305070
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/7訴訟費用、弁護士費用等
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件訴訟費用は取得に関し争いのある資産につき、その所有権を確保するために要したものであるから、取得費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、取得費に算入されるためには、資産の取得時において既に所有権の帰属に関し紛争が生じており、その紛争解決のために要した訴訟費用であることを要するところ、本件訴訟費用は、相続により所有権を完全に取得した後に他から侵害を受け、その所有権を確保するために要したものであり、それは、土地の維持、管理に要した費用に当たるため、取得費に算入できない。(平13.5.22東裁(所)平12−157)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平120012
- 裁決年月日
- 平成13年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306190
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/19租税公課
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、固定資産税は譲渡所得の計算上譲渡費用として控除されるべきである旨主張するが、譲渡所得に対する課税は、資産の値上がりによる所得に対して課税するものであることからすると、資産の値上がりに何ら寄与しない維持管理費たる固定資産税は、所法第33条第3項に定める資産の取得費及び資産の譲渡に要した費用のいずれにも該当しない。なお、請求人は、併せて、通達に基づく課税は租税法律主義に反すると主張するが、法の正当な解釈に合致するものである限り通達にそった処分は適法なものと解されており、所法基通33−7は同法33条第3項にいう資産の譲渡に要した費用を例示的に明らかにしたものであり、その内容は法の解釈として適法なものである。(平13.5.21金裁(所)平12−12)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平120015ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306190
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/19租税公課
- 業種
- 会社役員、会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、固定資産税は譲渡所得の計算上控除されるべきである旨主張するが、譲渡所得に対する課税は、資産の値上がりによる所得に対して課税するものであることからすると、資産の値上がりに何ら寄与しない維持管理費たる固定資産税は、所得税法第33条第3項に定める資産の取得費及び資産の譲渡に要した費用のいずれにも該当しない。また、請求人は、所基通33−7に基づいた原処分は租税法律主義に反すると主張するが、法の正当な解釈に合致するものである限り通達にそった処分は適法なものであり、同通達は同法33条第3項にいう資産の譲渡に要した費用を例示的に明らかにしたものであって、その内容は法の解釈として適法なものであるから、請求人の主張には理由がない。(平13.5.21金裁(所)平12−15)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120075
- 裁決年月日
- 平成13年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、前所有者から代物弁済を原因として本件土地の所有権移転登記を受けたが、移転登記と同時に、買戻特約の合意をし、譲渡担保又はこれに類する担保のために登記を受けたのであり、本件譲渡は、買戻期間が経過したので担保権実行のために担保物である本件土地を売却して清算するために行ったものであるから、本件譲渡による所得が請求人に帰属するとした原処分は違法である旨主張する。しかしながら、(1)本件買戻合意書には、前所有者が本件土地を従来どおり使用収益し、請求人に通常支払うと認められる債務に係る利子又はこれに相当する使用料に関する定めが明らかにされておらず、このほかに当事者間で本件土地について賃貸借契約を締結した事実が認められないこと、(2)前所有者は本件土地の譲渡について確定申告していることや請求人と前所有者の答述が一到していないことからすれば、当時、当事者間で明確に譲渡担保といえるような事実があったとまでは認められないことから、前所有者からの所有権移転登記のときに実質的にも所有権が請求人に移転したものであると認められ、本件譲渡による所得が請求人に帰属するとした原処分は相当である。(平13.5.18名裁(所)平12−75)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120046
- 裁決年月日
- 平成13年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306200
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/20コンサルタント料、譲渡交渉費用等
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡に当たり同族会社に支払った本件コンサルタント料は、農業振興地域整備計画の農用地区域からの除外申請等の一連の手続等の対価であるので譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、除外申請等一連の手続はすべて請求人個人の名前でなされており、同族会社が請求人から委任を受けて活動した事実は認められないこと、また、同族会社の車等を使用したその使用料については、それを正当とする証拠書類等の提出もなく、本件譲渡のために使用された対価であるかどうか明らかでないことから、本件コンサルタント料は譲渡費用とは認められない。(平13.4.26高裁(所)平12−46)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平120018
- 裁決年月日
- 平成13年3月15日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、関係人等の申述を総合勘案すると、請求人が裏金を受領していると認めるのが相当である旨主張する。しかしながら、本件土地の買主と仲介人の間では裏金の授受が認められるが、仲介人が請求人に裏金を渡したとする事実を認めるに足る証拠はないことから、原処分の全部を取り消すのが相当である。(平13.3.15仙裁(所)平12−18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120096
- 裁決年月日
- 平成13年3月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 業種
- 歯科医師
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ会員権に係る預託金の返還を求めて、ゴルフ経営会社を相手に調停を申し立てて同社から金員を受領し、当該金額は、ゴルフ場施設の優先利用権を同社に譲渡した代金であり、当該譲渡により生じた本件損失の金額は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失として他の所得金額と損益通算もできる旨主張する。しかしながら、請求人がゴルフクラブから退会したことにより、ゴルフ会員権に内在しているゴルフ場施設の優先利用権は消滅していること、また、ゴルフ経営会社は買い取る旨の意思表示をしていないこと、ゴルフクラブの会則による譲渡に係る所定の手続きがないこと及びゴルフ経営会社の社内事務手続から判断すると、当該会員権を売買により移転させたものではないことから、当該金員は預託金であり、当該受領行為は、預託金という金銭債権の回収行為と認められ、所法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当しないことから、本件損失を他の譲渡所得の金額から控除することはできず、また、所法第69条第1項の規定の適用もないから、他の各種所得の金額と損益通算することもできないこととなる。(平13.3.8東裁(所)平12−96)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120073
- 裁決年月日
- 平成13年1月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 業種
- 農業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・205ページ
要旨
○ 請求人は、(1)本件土地改良区内の農地を農地転用して譲渡する場合には、決済金の徴収が不可決であること、(2)決済金は本件土地改良区の繰延資産の未償却残高と将来にわたる維持管理費であること、(3)決済金を必要としない譲渡においても、農地転用と同様な清算が行われること及び(4)決済金を必要とする取引を選択したのは、本件土地の譲渡価額を増加させるためであることなどから、本件決済金は所法第33条第3項に規定する譲渡費用になる旨主張する。しかしながら、譲渡費用は、資産の譲渡のために直接かつ通常必要な費用又は資産の譲渡価額を増加させるために譲渡に際して支出した費用をいうと解されているところ、本件決済金は土地改良法第42条第2項の規定に基づいて定められた決済金徴収規程により、土地改良区の組合員たる資格の喪失に際して、土地改良区の事業に関する権利義務の移転がない場合に、当該権利義務を清算するために徴収されたものであるから、本件土地の譲渡に直接の関係はないし、本件決済金の内訳が将来の負担金や維持管理費といったいわゆる期間対応費用であることや、決済金を必要としない譲渡において譲受人が支払う受益者負担金と本件決済金とは本質的に異なることからしても、本件決済金は、譲渡のために直接かつ通常必要な費用又は資産の譲渡価額を増加させるために支出した費用と認めることはできず、本件土地の譲渡費用と認めることはできない。(平13.1.25関裁(所)平12−73)裁決事例集NO61・205ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120034
- 裁決年月日
- 平成13年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305990
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/9その他
- 業種
- 農業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地の工事代金として預けたとする本件金員は、架空の経費であるところ、造成工事の事実は認められず今後の予定もなく、更に本件領収証は税金対策のために作成されたとの経緯からも必要経費とは認められない。また、本件金員を仲介業者に私的流用をされたと主張するも、請求人及び仲介業者の間には本件金員は預けてあるとの認識があり、仮に私的流用があったとしても、それが所法第33条第3項に規定される経費には該当しない。(平13.1.22名裁(所)平12−34)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120043
- 裁決年月日
- 平成13年1月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 業種
- 農業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件売買契約はだまされて締結したものであり、詐欺により取り消したのであるから、課税原因である譲渡所得は発生しない旨主張するが、請求人は、本件売買契約の以前にも不動産を譲渡しており、そのうち支払のなかった譲渡代金については支払請求訴訟も提起するなど、広く不動産売買の知識は豊富と推認されるところ、売買代金の領収書を発行するとともに、所有権移転登記も障害なく進めながら、一切売買金代を受領していないとの主張は、にわかには信じ難い。また、本件売買契約が詐欺により締結されたことを推認させる証拠資料も認められないことから、本件売買契約は、詐欺により締結されたとは認められないというべきである。したがって、請求人は、本件土地を買主に対し売買により引渡したと認められ、かつ、本件売買契約には取消し原因は認められないのであるから、原処分は相当である。(平13.1.17大裁(所)平12−43)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120068ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成12年12月26日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、(1)借入金により取得した土地は、取得目的に従って使用していないこと、(2)賃貸物件は家賃収入が少額であり、また、賃貸を継続する意思がないため、「事業の用」に該当せず、使用開始しているとはいえないことから、借入れの日から本件譲渡の日までの本件土地に係る本件借入金利子の全額を本件土地の取得費に算入すべきである旨主張するが、(1)取得した資産を客観的に使用している事実がある場合には、取得目的にかかわらず、使用開始していると判断されること、(2)賃貸物件が使用されたか否かについては、収入金額の多寡等で判断するのではなく、賃貸している事実があれば、使用開始していると認められることから、請求人の主張は採用できない。ところで、借入金により取得した土地が使用されたか否かを判断する場合において、取得した土地に使用された部分と使用されていない部分がある場合には、原則として、使用された部分と使用されていない部分を区分して判断することとなるが、例外的に、他の部分がその面積、用途等からみて重要性が低く、全体としてみると、全部が使用されている又は使用されていないと同視できるような時には、その全体について判断することが相当である。本件については、その利用状況、面積等からみて、使用されていない部分が本件土地の一部に認められるため、その部分については、単独で使用することが可能であることから、その部分の借入金利子については、資産の取得に要した費用に該当することとなるため、更正処分の一部を取り消すことが相当である。(平12.12.26関裁(所)平12−68)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120027
- 裁決年月日
- 平成12年12月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 業種
- 農業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・229ページ
要旨
○ 請求人は、土地の買収金額には、請求人に支払義務のない農地転用金が含まれており、農地転用金相当額は、実質的には土地の売却収入にはならないから、譲渡所得の計算上、収入金額から除外すべきであると主張するが、(1)農地転用金の支払義務は、請求人にあると認められること(2)土地の買収金額に農地転用金が含まれて支払われている事実が認められないこと(3)譲渡所得の収入金額は、別段の定めがあるものを除き収入すべき金額によると規定されていることから、譲渡所得の計算上、農地転用金を土地の売却収入から除外する理由がなく、本件土地の譲渡により現実に収受した売買代金を譲渡所得の収入金額であると判断して行った、更正をすべき理由がない旨の通知処分は適法である。(平12.12.14名裁(所)平12−27)裁決事例集NO60・229ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120060
- 裁決年月日
- 平成12年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 業種
- 農業兼会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地を譲渡した際に受領した不動産売買契約書に記載されている金額以外の金員については、土地の上に存する立木、井戸の補償及び農業収入が減少したことによる補償であるので、各種所得の計算上、その内容に応じた課税をすべきであると主張するが、(1)立木、井戸については財産的価値があるとは認められないこと、(2)農業補償については、土地を譲渡したことにより、農業経営に係る経営効率が減少したとは認められないこと、(3)買主は、ゴルフ場用地として利用するために購入したものであることから、売買契約書に記載されている金額以外の金員を支払っても土地を取得する必要があったものと推認できること、(4)請求人と買主との間に交わされた契約書には、各種の補償金に関する特約事項の取決めはされていないことから、本件金員は土地の譲渡に対する対価であると認めるのが相当である。(平12.12.13関裁(所)平12−60)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120026
- 裁決年月日
- 平成12年11月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.60・208ページ
要旨
○ 請求人は、分離の課税長期譲渡所得金額の計算上、本件建物と本件宅地を一括して譲渡し、そのいずれの取得価額も不明である場合の取得費の算定について、本件建物、本件宅地及び農地を一括して3.000万円で取得したが、本件建物は老朽化と傷みによってその価値はなく、また農地も利用価値に乏しい無価値のものであり、よって取得価額の全てが本件宅地の価額である旨主張する。しかしながら、本件建物のうち昭和55年に建設された新建物については、築後4年の経過で損傷もさほど認められないから、価値は現存し、大正6年に建築された旧建物は価値はないが、一部改築部分については、改築を請け負った工務店の金銭出納帳記載金額が取得費の額と認められる。また、請求人が主張する本件宅地は、支払先・支払金額を確認することができず、請求人の主張は認められない。これらのことから、本件建物の取得費は、取得時期は判明しているが取得価額が不明なもの(新建物)については、財団法人建設物価調査会(以下「調査会」という。)が公表している着工建築物構造別単価から、本件宅地については譲渡価額の総額から建物の取得費を控除し、宅地の譲渡価額を算定した上で、譲渡時に対する取得時の六大都市を除く市街地価格指数(住宅地)の割合を乗じて算定する。なお、上記の算定方法は、調査会が公表した数値であり、市場価格を反映した近似値の取得費が計算でき、合理的であると認められる。(平12.11.16大裁(所)平12−26)裁決事例集NO60・208ページ
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平120009
- 裁決年月日
- 平成12年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120014
- 裁決年月日
- 平成12年10月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 業種
- 運送業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件甲自動車の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除される取得費の額について、本件甲自動車の法定耐用年数が経過しているから、本件甲自動車の取得価額の5%相当額である旨主張する。しかしながら、本件甲自動車を譲渡した日においては法定耐用年数を経過していないから、本件甲自動車の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除される取得費の額は、本件甲自動車の取得価額から減価償却費の累積額を控除して算定するのが相当である。(平12.10.24東裁(所)平12−14)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120017
- 裁決年月日
- 平成12年10月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 業種
- 歯科医
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件立退料は本件譲渡に際し3回に分けて賃借人に支払ったもので、譲渡費用である旨主張する。しかしながら、本件契約書は、存在するものの、(1)借主は、賃借人ほか1名と記載されているが、ほか1名は誰であるか分からない、(2)本件家屋の賃貸料は、代理人が毎月現金で診療所に持ってきていたが、領収証を発行したことはない、(3)返還すべき保証金は、請求人によると、代理人を通じて賃借人に支払ったが、その日は特定できず領収証ももらっていない、(4)賃借人によると、代理人から謝礼を支払うので表面上の賃借人になってもらいたいと頼まれ、白紙の賃貸借契約書と領収証を渡され、これらの書類に署名し押印し、さらに、請求人との間には賃貸借契約など存在しないと申述している。また、本件立退料を支払ったとする領収証は存在するものの、(1)当該領収証は、本件立退料の全額に相当する金額を記載した1枚のみであり、また、領収日付が記載されていないことから、本件立退料を3回に分けて支払ったとする請求人の主張を裏付けるものとは認められない、(2)本件立退料について、請求人、代理人及び賃借人の言い分に矛盾が認められる、(3)本件立退料は、本件譲渡代金の決済日から6か月後に支払われたとされており、さらに、賃借人の立ち退き日を覚えていない、(4)電気等の使用実績によれば、賃借人が使用実績を作るために電気をつけていたとの申述を裏付けている、(5)本件立退料は、入居されていたとしても6か月という短期間であり、余りにも高額であることから、本件契約書及び本件立退料は、実体のない架空のものといわざるを得ないことから、本件立退料を本件譲渡所得金額の計算上、譲渡費用として控除することはできない。(平12.10.6大裁(所)平12−17)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平120017
- 裁決年月日
- 平成12年10月6日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306200
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/20コンサルタント料、譲渡交渉費用等
- 業種
- 歯科医
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件コンサルタント料は入居者立退きの促進に係るコンサルタント料及び立退き促進業務手数料として支払ったものであり、譲渡費用である旨主張する。しかしながら、本件コンサルタント料は、本件家屋の立退きに伴うものであり、本件立退料が架空と認定されたことから、これに伴う本件コンサルタント料もまたその支払の事実を認めることができない架空のものであるといわざるを得ず、本件譲渡所得金額の計算上、譲渡費用として控除することはできない。(平12.10.6大裁(所)平12−17)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120004
- 裁決年月日
- 平成12年9月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303990
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地建物の譲渡価額について、当初契約では、30.000.000円であったが、1.000.000円値引きしたので、譲渡価額は29.000.000円である旨主張するところ、買受人らから請求人に対して本件土地建物の売買代金として30.000.000円支払われたのに対して、請求人から買受人らに対して1.000.000円が支払われた事実が認められ、この1.000.000円は、家財道具等の運搬のお礼や今後の付き合いの意味を込めて支払われたものであり、値引きとは認められない。したがって、本件土地建物の譲渡価額は30.000.000円と解するのが相当である。(平12.9.12名裁(所)平12−4)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120005
- 裁決年月日
- 平成12年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306100
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/10和解金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件清算金は所基通33−7の(2)に定める「既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で他に譲渡するため当該契約を解除したことに伴い支出する違約金」に該当する旨主張するが、(1)請求人がAから買主の地位の譲渡を受けたと主張するBについては、AからBに対して本件各土地の買主の地位が譲渡されたのではなく、本件各土地の条件付所有権移転請求権のみが譲渡されたにとどまるというべきで、Bが本件各土地の売買契約を解除することはできないというべきであり、本件清算金は、契約解除に伴う違約金とは認められないこと、(2)本件清算金は、本件各土地の所有権取得後に生じたAの倒産に伴う損害の清算として、Cに相応の負担をしたにすぎないものであり、本件各土地の維持又は管理に要した費用と認められ、譲渡所得に対応した譲渡費用には該当しないというべきである。また、請求人は、本件決済金は、これを支払わなければ本件各物件の譲渡をすることができないものであるから譲渡費用に該当する旨主張するが、本件決済金は、土地改良法第42条第2項の規定を受けて定められた土地改良区の地区除外等処理規程に基づいて賦課されたもので、土地改良区の組合員たる資格の喪失に際して、土地改良区の事業に関する権利義務の移転がない場合に、当該権利義務を清算するために徴収されたものであって、組合員たる資格に係る権利の目的たる本件各物件の譲渡とは直接関係がないことは明らかである。つまり、土地改良区の農地を転用した場合には、譲渡が伴わなくても賦課される反面、農地を譲渡したとしても転用を伴わない場合は賦課されていないことから、土地の譲渡を実現するために直接かつ通常必要な費用とは認められない。(平12.8.2関裁(所)平12−5)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平110045
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306040
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/4登記費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、時効期間が経過しており、かつ、債権者及び債務者の双方が請求人と関係がないのに、請求人が本件抵当権等の登記を抹消し、その費用を負担したのは、売買契約書に、請求人の費用負担で抹消する旨の特定が定められ、履行しなかった場合には、買主からの譲渡価額の引下げ要求に応じざるを得ないといったことになりかねなかったためであるから、本件抹消関連費用は、所基通33−7の(2)に定める「譲渡価額を増加させるため、当該譲渡に際して支出した費用」に該当する旨主張する。しかしながら、本件抵当権等は、請求人と何ら関係のないものでなるから、請求人には、法律上本件抵当権等の登記を抹消すべき義務はなく、請求人が支払った本件抹消関連費用は、抹消義務者に請求できるものである。したがって、本件抹消関連費用は、譲渡費用には該当しない。このことは、抹消義務者が、無資力又は所在不明等のため、実効を収めることができない等の事情の有無は、関係がない。(平12. 6.29福裁(所)平11-45)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平110045
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306170
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/17遺産分割の履行に伴う支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡に関してアドバイスをしてくれた者への謝礼品代等及び請求人が頼りにしている長女等が、本件譲渡に関して帰郷した時の旅費は、所基通33−7の(1)に定める「譲渡のために直接要した費用(以下「譲渡直結費用」という。)」に該当する旨主張する。しかしながら、上記通達の例示からすれば、譲渡直結費用とは、譲渡を実現するために直接要した費用であると認められるところ、上記の旅費のうち一件は、買主と打合せをした時のものであり、他の一件は、本件土地の引渡しに立ち会うため帰郷した時のものではあるものの、本件土地の引渡しは、その時延期されているので、請求人が主張する上記の各費用は、譲渡を実現するために直接要した費用とは認められない。(平12. 6.29福裁(所)平11-45)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平110045
- 裁決年月日
- 平成12年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306110
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/11旅費、交通費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件抵当権等の登記を抹消し、請求人がその費用を負担したのは、売買契約書に請求人の費用負担で抹消する旨の特約が定められ、履行しなかった場合には、買主の譲渡価額の引下げ要求に応じざるを得ないといったことになりかねなかったためであるから、本件抵当権等の抹消に関し、弁護士に相談のため上京した時の旅費・宿泊費及び弁護士等と打合せをした時の食事代等は、所基通33−7の(2)に定める「譲渡価額を増加させるため、当該譲渡に際して支出した費用(以下「譲渡額増加目的費用」という。)」に該当する旨主張する。しかしながら、上記通達の例示からすれば、譲渡額増加目的費用とは、通常比較的多額で、当該費用の支出により、譲渡価額及び譲渡利益の増加が図れるものであると認められるところ、上記の各費用は、いずれも比較的多額なものとはいえず、その支払により、譲渡価額及び譲渡利益が増加したとしても、間接的なものというべきであるから、譲渡額増加目的費用に該当しない。(平12. 6.29福裁(所)平11-45)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110180
- 裁決年月日
- 平成12年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地の譲渡に係る本件取得費の額の合計額は501,070,526円であり、譲渡損失が生じている旨主張するが、請求人の主張する本件取得費の額は、本件取得費に該当しないと認められる次に掲げる費用等が含まれている。(1)支払った金額には、本件宅地の取得とは関係のない貸付金がある。(2)公租公課には、本件宅地の維持管理のために要した費用である固定資産税及び不動産取得税に係る延滞金がある。(3)本件借入金の利息は、①本件借入金の使途は、運転資金及び離婚資金としていること、②本件宅地を取得した日は、本件借入金の借入日の3年余り経過した日であること、③本件口座からは、貸付金と認められる出金はあるものの、本件宅地の取得のために支出したと認められる証拠資料の提出がないこと及び④請求人から本件口座の入出金の明細を確認できる証拠等の提出がないことなどから判断すると、本件借入金は本件宅地の取得のために借り入れた資金であるとは認められないことから、本件借入金の利息は本件取得費に該当しない。(4)弁護士費用には、本件宅地の取得に要した費用とは認められない報酬請求訴訟に係る費用がある。以上のことから、本件取得費の額は414,216,025円となり、本件宅地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、譲渡損失は生じていないこととなる。(平12. 6.27東裁(所)平11-180)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110026
- 裁決年月日
- 平成12年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306170
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/17遺産分割の履行に伴う支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡所得の金額の計算上、①自宅の土地及び建物の取得代金、②母親の医療費及び③消費者金融からの借入金の返済額を総収入金額から控除しているが、これらの金員は、いずれも、本件譲渡のために直接かつ通常必要な費用には当たらない。(平12. 6.26仙裁(所)平11-26)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110134
- 裁決年月日
- 平成12年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306030
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/3謝礼金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡に際して、本件土地が市街化調整区域内に存していたことから農地法第5条申請のためにA社に本件謝礼金を支払った旨主張するが、当審判所が調査したところ、①A社は解散登記している、②A社が裏金を支払ったとして提示した領収証に記載された住所、氏名には当該者の住民登録がなく所在が確認できないなどから、本件謝礼金の支払いに信ぴょう性がなく、本件謝礼金は支払われなかったと認めるのが相当である。(平12. 6.16大裁(所)平11-134)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平110014
- 裁決年月日
- 平成12年6月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の元の所有者に対する貸付金があり、その貸付金の返済ができないとの話を受けたため、本件土地を元の所有者からA県開発公社へ、そして請求人へと譲渡する契約をした。そして、その際の契約金額を貸付金を相殺した後の金額としたため、請求人は、本件土地の取得価額がA県開発公社との契約金額である5,000,510円と貸付金の相殺額4,000,000円とを合計した9,000,510円である旨主張する。しかしながら、本件土地は請求人がA県開発公社から農地として適正な金額で取得していると認められる上、A県開発公社との間で取り交わした売買契約書についても適正に作成された真正なものであると認められる。また、請求人から貸付金と本件土地の取得代金の一部との相殺を証拠立てる書類等の提示もなく、当審判所の調査によっても貸付金が本件土地の取得代金の一部と相殺されたと認めるに足りる客観的かつ具体的な証拠はない。したがって、貸付金が本件土地の取得代金の一部と相殺されたとする請求人の主張には理由がなく、本件土地の取得価額は、A県開発公社との間で作成した売買契約書の売買金額である5,000,510円と認めるのが相当である。(平12. 6.15金裁(所)平11-14)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110023
- 裁決年月日
- 平成12年6月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は、単なる土地区画整理事業として買い取られたものではなく、都市計画法に基づく都市計画道路用地として買い取られたものであり、公共施設充当用地としての買い取りであるから、本件建物等に係る移転補償費についても措法第33条の4の規定(以下「本件特別控除の特例」という。)の適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、土地区画整理法に基づく本件土地区画整理事業による買い取りであることから、本件土地の上にある資産につき対価補償金を取得したとしても、措法第33条第3項第2号の規定に該当しないので、その補償金には本件特別控除の特例が適用される余地はないのであるから、本件建物等に係る移転補償費が交付され、当該補償費が対価補償金と認定されても、当該補償費に本件特別控除の特例が適用されないのは規定上明らかである。また、請求人は、本件建物等に係る移転補償費について、措法通33−14が適用になるから、本件特別控除の特例が認められるべきである旨主張するが、本件土地は、土地区画整理法に基づく本件土地区画整理事業による買取りであることから、措法第33条第1項第3号の4及び同条第3項第2号の規定上、本件特別控除の特例は適用されない。さらに、請求人は、同通達33−26が適用になるから、本件特別控除の特例は認められるべきである旨主張するが、これは措法第33条第3項第1号の規定に係る取扱いであり、本件特別控除の特例は適用にならないので、請求人の主張はいずれも理由がない。(平12. 6.15仙裁(所)平11-23)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110103
- 裁決年月日
- 平成12年5月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306170
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/17遺産分割の履行に伴う支出
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は遺留分権利者に価額弁償金を支払うために土地を譲渡したのであるから、その譲渡代金から支払った価額弁償金は、譲渡所得の金額の計算上、資産の譲渡に要した費用には該当する旨主張するが、①民法第1031条の規定に基づき受遺者が遺留分権利者に価額弁償を行った場合には、当初から遺留分減殺請求がなされていなかった場合と同様、相続開始時にさかのぼって遺贈の目的が被相続人から受遺者に直接移転することになると解されていること、②請求人が支払った価額弁償金は、遺留分減殺請求に係る価額弁償金であり、その支払は遺留分減殺請求に係る和解条件の履行としてなされたものにすぎず、土地の譲渡とは何ら関係のないものであることから、本件価額弁償金等は、譲渡所得の金額の計算上、本件土地の譲渡に要した費用には該当しない。(平12. 5.25名裁(所)平11-103)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110098
- 裁決年月日
- 平成12年4月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302042
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/2農地の譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件土地は当初契約に基づき一括して譲渡されたものであり、その譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は本件土地全部の引渡しが完了した平成9年であって、本件土地の一部(本件土地から分筆された土地)の引渡しがなされた平成7年と平成9年に分かれるものではない旨主張する。しかしながら、本件土地については、現況のままでは農地転用の許可が受けられないため、やむを得ず当初の契約を変更し、本件土地を2筆の土地に分筆して別々に売買する旨の新たな合意があり、この合意に基づいて本件土地の一部については平成7年中にその引渡しと代金の受領がなされていると認められるから、原処分庁の主張には理由がない。(平12. 4.28名裁(所)平11-98)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110109
- 裁決年月日
- 平成12年4月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件家屋の譲渡所得の金額の計算において、取得費の控除漏れがある旨主張する。そこで、請求人が提出した精算書等をみると、その詳細な内訳は明らかでないものの本件家屋の工事と併行して追加工事が行われ、その追加工事は、本件家屋と同時期に完成していることが確認できるから、計上漏れとなっていた当該追加工事については、本件家屋の譲渡所得の金額の計算上、本件家屋の取得価額に算入することが相当である。(平12. 4.24大裁(所)平11-109)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110104
- 裁決年月日
- 平成12年4月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №59・99ページ
要旨
○ 請求人らは、本件エスクロー資金は、売主の補償責任を担保するため第三者に預託されたものであり、エスクロー期間が終了する平成10年3月14日まで受け取ることができる金額が確定しないから、平成9年分の譲渡所得に係る総収入金額に該当しない旨主張するが、所法第36条第1項による総収入金額の計算上、資産の譲渡に基づく収入金額は、当該資産の所有権その他の権利が相手方に移転した日の属する年分の総収入金額に算入すべきものと解するのが相当とするところ、請求人らが認めるように、本件株券は、買収契約書により平成9年3月14日に買主に引き渡されているのであるから、本件エスクロー資金を含む譲渡価額の総額は、平成9年分の譲渡所得に係る総収入金額に該当する。(平12. 4.14大裁(所)平11-104)裁決事例集 №59・99ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110129
- 裁決年月日
- 平成12年4月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が譲渡した預託金会員制のゴルフ会員権については、ゴルフ場が倒産してプレーが不可能になった後においても代替ゴルフ場が提供されたり、一般に優先して他のゴルフ場の利用を認めようとしたりしていることから、本件ゴルフ会員権は、ゴルフ場に対する施設利用権はいまだ消滅しておらず、本件会員権の譲渡は、資産の譲渡であり、その譲渡による損失の損益通算を認めるべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得の基因となるゴルフ会員権は、ゴルフ場施設優先利用権と預託金返還請求権が一体となったものであるとされているところ、請求人が本件ゴルフ会員権を譲渡した時点において、本件ゴルフ場施設が経営会社から競売等により他の所有となるなどし、かつ、新所有者が本件ゴルフ会員権に係る債権債務を継承していないことから、その実質は、金銭債権である預託金返還請求権のみとなっていたものと認められる。よって、本件ゴルフ会員権の譲渡による損失は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失には該当せず、他の所得と損益通算をすることができない。なお、代替ゴルフ場の利用条件は、極めて厳しいことから通常のゴルフ会員権の施設利用権と同視できず、また、他のゴルフ場の利用は、一般より有利な条件であることは認められるものの、それは、経営会社の将来の会員募集という営業政策上からの理由であって何らの権利を認められたものではない。(平12. 4. 4東裁(所)平11-129)、(平12. 4. 4東裁(所)平11-130)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110085
- 裁決年月日
- 平成12年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303020
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/2有価証券の譲渡による収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式の譲渡代金が10年間の年賦払いとなっており、譲渡の際に受け取った約束手形は、通常の手形とは異なり支払期日前の換金が不可能であることから、当該譲渡所得の算定の基礎となる収入金額は、手形の期日が到来して実際に受領するそれぞれの年分で計上すべきものと主張する。しかしながら、請求人は、譲渡先との間において、初回の代金決済時に本件株式の全部を引き渡す旨の覚書を作成し、同覚書の内容に従って上記約束手形を受け取っており、同時に、当該株式を発行している会社の経営権は、請求人から譲渡先へ移転したことが認められるから、本件株式は、当該引き渡し時にその全てが譲渡されたとみるのが相当である。したがって、本件譲渡の代金のうち、相当の金額が未収であったとしても、それを理由に分割譲渡と同様の申告が認められることはないから、本件譲渡所得の収入金額は、本件株式を譲渡した年分で一括計上すべきである。(平12. 3.23大裁(所)平11-85)、(平12. 3.23大裁(所)平11-86〜89)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110099
- 裁決年月日
- 平成12年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306030
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/3謝礼金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡に当たりK連合会(以下「K連合会」という。)に支払った本件金額は、業務委託書に基づきK連合会から指導、協力を得たことに対する対価であって、本件土地の譲渡のために直接要した金額であるから、譲渡所得の金額の計算上譲渡費用として控除するべきである旨主張する。しかしながら、本件土地の譲渡に係る一連の事実によれば、請求人は別の不動産仲介会社に本件土地の譲渡の仲介を依頼し、同社が探した買主に譲渡した上、法定の仲介手数料を支払っていることなどが認められるところ、請求人の主張するようにK連合会が本件土地の譲渡の実現のために直接必要な役務を提供したとの事実は認められないことから、本件金額を譲渡費用として、本件土地の譲渡所得の金額の計算上控除することは認められない。(平12. 3.10東裁(所)平11-99)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110091
- 裁決年月日
- 平成12年2月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303990
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡に関して、Jカントリークラブから受領した事業協力金名目の本件協力金は6,384,000円であり、それ以上の本件協力金を受領した事実はないこと、また、本件定期預金10,000,000円は、本件協力金6,384,000円のほか手持現金を元妻に用意させて、預け入れたものである旨主張する。しかしながら、請求人は、Jカントリークラブの現地事務所所長Fから本件ゴルフ会員権の募集価格を聞いたことから、本件土地の売買価額は、ゴルフ会員権が取得できる程度の金額のほか、土地譲渡にかかる税負担額を見込んで総額45,000,000円を要求したことが認められ、Fは、現金45,000,000円を請求人の父であるGに渡し、Gに本件協力金に対して請求人と配偶者以外は口外無用とする念書に署名・押印してもらい、また、ゴルフ会員権の引き受け権を割り当てる旨の覚書を交付していることが認められる。また、本件定期預金の現金の状況について、元H銀行K支店の行員であるL及びFの申述が一致していること、また、請求人の元妻であるPは、請求人が主張するいわゆる「タンス預金」の現金の事実を否定していることからすれば、本件定期預金は、本件協力金のうち10,000,000円を充てて設定したとみるのが相当である。以上のことから、請求人は、本件土地を総額45,000,000円でJカントリークラブに譲渡し、その売買代金を受領したと認められるので、本件更正処分は適法である。(平12. 2.28東裁(所)平11-91)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110088
- 裁決年月日
- 平成12年2月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302011
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/1譲渡の意義
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、夫婦間で行ったゴルフ会員権の譲渡は、①当事者の合意に基づくものであり、売買契約書を作成し、その代金も決済済みであって、領収書も作成していること、②名義書換えは契約上の要件事実とはされておらず、所有権の移転の要件事実ともなっていないこと及び③担保として差し入れられた物件は、売買行為の対象とはならないという法律は存在しないことから正当な取引であり、当該譲渡に係る損失を他の所得と損益通算したことは適法である旨主張する。しかしながら、請求人らの本件会員権の譲渡については、売買契約書や領収書の作成されている事実は認められるものの、①売買契約書による本件会員権の受渡しの事実は認められないこと及び②代金決済等の売買がなされたことを推認せしめる事実は認められないことから、実際にはなかったと認めるのが相当であり、所法第33条に規定する資産の譲渡があったものとは認められない。(平12. 2.22東裁(所)平11-88)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110085
- 裁決年月日
- 平成12年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303990
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、乙協力金について、本件交換契約書等には請求人総代の筆跡による署名があるのに、丁覚書の署名が他人の筆跡によるものであることを考え併せると不自然であり、乙協力金が支払われたか否か、また、被相続人が受領したか否か疑問である旨主張する。しかしながら、A社と被相続人との間で丁覚書が取り交わされ、また、丁覚書に押印された印影が被相続人の実印と同一のものと認められることからすると、丁覚書は、被相続人の意思に基づき真正に作成されたものと推認できるので、したがって、乙協力金は、被相続人が甲土地の交換譲渡により取得した丙土地と乙土地との面積差に係る補償金及び土留工事代金であると認められる。そうすると、被相続人とA社は、当初交換契約から本件交換契約の締結に至るまで、土地交換取引を継続していたと認められるから、乙協力金は、甲土地の交換譲渡に係る対価の一部であることは明らかであり、被相続人の本件交換契約により生じた譲渡所得の収入金額とするのが相当である。(平12. 2.14東裁(所)平11-85)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110085
- 裁決年月日
- 平成12年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301039
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、当初交換契約は破棄されており、甲協力金は、土地売買契約の手付金に準じて没収となるから被相続人の平成元年分の一時所得であり、甲土地の交換譲渡に係る対価ではない旨主張する。しかしながら、A社は、被相続人から甲土地を交換取得することについて、被相続人との間で合意が形成されていることを前提に、乙土地に換え丙土地を呈示し直し、被相続人と本件交換契約を締結したものと認められる。そうすると、被相続人とA社は、当初交換契約から本件交換契約の締結に至るまで、土地交換取引を継続していたと判断するのが相当である。さらに、甲覚書、乙覚書によると、A社は、被相続人に甲土地の縄延び等を考慮して甲協力金を支払ったのであり、右協力金は、一連の土地交換取引における甲土地の交換差金の一部として支払われたもので、本件交換契約により生じた譲渡所得の収入金額の一部と認めるのが相当である。(平12. 2.14東裁(所)平11-85)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110059
- 裁決年月日
- 平成12年1月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地については、請求人が相続により取得しているから、その取得価額は大正13年10月8日に父Eが取得した時点の価額を引き継ぐこととなるところ、当該金額は明らかでないこと及び本件建物については、昭和41年に事業用建物として建築しているが未登記であり、当初の取得価額に増改築部分も含めたところの取得価額が明らかでないことが認められる。そうすると、本件譲渡所得の金額の計算上控除される資産の取得費は、本件土地及び本件建物についてそれぞれ計算すべきところ、本件譲渡については、本件土地及び本件建物の譲渡価額の内訳が定められていないと認められるから、本件土地及び本件建物を併せた譲渡価額の100分の5に相当する金額を取得費とするのが相当である。(平12. 1.14大裁(所)平11-59)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110059
- 裁決年月日
- 平成12年1月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306010
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/1仲介手数料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 仲介料3,600,000円については、B社の発行した請求人宛の領収書が存在すること、本件譲渡に係る購入者側の仲介業者C社の担当者は、B社が売買契約締結時に立ち会っていた旨を述べていることからすれば、B社が本件譲渡を仲介したことが推認でき、また、上記金額は、本件譲渡価額からみて仲介料として相当な金額と認められるので、本件譲渡所得の金額の計算上控除される譲渡費用とするのが相当である。また、建物解体費2,000,000円については、D社の発行した請求人宛の領収書によれば、上記金額を請求人がD社に支払ったことは認められるものの、①本件契約書及び請求人の答述によれば、本件建物は、現状のまま買主に引き渡し、買主が解体撤去を行う約定となっていたこと、②D社は、実際に本件建物の解体をしておらず、上記支払代金は事業閉鎖に伴う設備品等の拠出代金に充てられたことが認められるから、当該金額は本件建物の解体費ではないと認められ、これを本件譲渡所得の金額の計算上譲渡費用として控除することはできない。(平12. 1.14大裁(所)平11-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110060
- 裁決年月日
- 平成11年12月16日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201303990
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、①会社のりん議の内容、②本件口座の出金状況、③本件念書の内容及び④関係者の申述から、請求人が事業協力金として112,050,000円を受領したと主張している。しかしながら、会社のりん議書に記載されている内容及び本件口座から出金された金額が、そのまま当事者の取引の実態を反映しているとはいえず、本件念書によっても本件協力金の支払の事実は認められるものの、同念書には金額の記載がないので、請求人に支払われた本件協力金の金額を特定することはできない。また、請求人に現金を手渡したとされる者が死亡して答述を得ることができない以上、他に本件協力金の金額を特定できる証拠が見当たらない限り、取引の一方の当事者の申述のみに基づいて本件協力金の金額を認定することは相当でない。(平11.12.16東裁(所)平11-60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110061
- 裁決年月日
- 平成11年12月16日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201303039
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が土地の譲渡に関して、買受法人から事業協力金名目の金員を受領したと主張する。しかしながら、買受法人のりん議書に記載されている内容及び金額が、そのまま当事者の取引の実態を反映しているとはいえないばかりでなく、裏金とされる金員と同額が預金口座から引き出されている事実をもってしても、当該金員が請求人に支払われたと認定することはできない。また、買受法人は、平成10年12月8日付で、本件協力金を請求人に支払っていない事を認める覚書を請求人との間で作成し、同日、本件協力金を請求人に支払っている事実が認められることから、原処分庁が主張する平成2年2月16日に本件協力金が請求人に支払われたと認定することはできない。(平11.12.16東裁(所)平11-61)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110020
- 裁決年月日
- 平成11年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302019
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人らが贈与した株式を、処分権限のある受贈者が売却して定期預金としたことによって、贈与者である請求人らに所得税が課せられるのは違法・不当である旨主張する。しかしながら、本件株式の贈与に係る譲渡所得が非課税となるためには、措法第40条第1項後段の規定により、国税庁長官の承認を受けることが要件であるところ、請求人らは、平成10年11月18日付で国税庁長官から不承認の通知を受けたのであるから、所法第59条第1項第1号の規定によって、請求人らに所得税が課税されることとなる。(平11.12.15広裁(所)平11-20)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110054
- 裁決年月日
- 平成11年12月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ会員権を贈与により取得した際に支払った本件手数料は、譲渡所得の金額の計算上、資産の取得費として、譲渡所得に係る総収入金額から控除すべき旨主張する。しかしながら、本件手数料は、贈与者が資産取得のために要した費用ではないから、本件ゴルフ会員権の取得に要した費用ということができず、また、設備費や改良費のいずれにも当たらないことは明らかであるから、本件譲渡所得の金額の計算上、譲渡所得に係る総収入金額から控除すべき資産の取得費に当たらないというほかはない。(平11.12.13東裁(所)平11-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110048
- 裁決年月日
- 平成11年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303990
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建物の明渡しに際して、裏金を受領した事実はなく、その決済がなされたとする日(以下「本件取引日」という。)に、その決済がなされたとする銀行に行ったこともないと主張する。しかしながら、①当該建物及びその敷地の売買に関係した者の答述や申述によれば、本件取引日に当該銀行を請求人が訪れたことを否定しているのは請求人のみであること、②表金の決済と同時に裏金を現金で決済したことを複数の人が認めていること、③請求人に帰属する仮名預金が存在し、その仮名預金は当該裏金で設定されたと推認されること、④請求人が主張する当該仮名預金の原資は貸付金の返済金である旨の説明及びその貸付金に係る借入者とされる者の答述等は、具体性に欠け、それを確認できるものもなく、真実と認めることができないことから、当該裏金を受領したと認めるのが相当である。(平11.12. 9東裁(所)平11-48)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110048
- 裁決年月日
- 平成11年12月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303990
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/4その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、建物の明渡しに際して受領した500,000,000円(以下「本件和解金」という。)のうち、300,000,000円は当該建物の所有者に対する貸付金の返済金であると、また、100,000,000円は心身に加えられた損害に対する慰謝料であり、非課税所得に当たると主張する。しかしながら、①その証拠とする確認書及び領収証も請求人の意向に沿って作成されたものであり、貸付金の返済という名目は実体に沿うものとは認められないこと、②仮に、当該貸付金が存在したとすれば、高額な貸付金であるにもかかわらず、信用証も担保も存在しないのは不自然であること、③当該建物の所有者の妻は請求人からの貸付金の存在を否定していること及び④当該金員が当該建物等の買主から代理人を経由して請求人に支払われたものであって、当該建物の所有者から直接請求人に支払われたものではなく、当該建物の所有者が借入金の支払の立替えを買主やその代理人の誰かに依頼したものとも認められないことから、当該金員は貸付金の返済金と認めることはできない。また、請求人と当該建物の所有者との間で請求人のいう損害についての慰謝料の交渉やその金額についての合意があったとは認められず、請求人が当該金員が非課税所得に当たるとする根拠は領収証のみであり、その領収証も請求人の都合に合わせて作成されたことがうかがわれ、その領収証のみをもって当該金員が所令第30条第3号に規定する「心身又は資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金」に該当し非課税所得となるとは認められない。(平11.12. 9東裁(所)平11-48)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平110020
- 裁決年月日
- 平成11年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302042
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/2農地の譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、農地法第5条の規定による許可を受けなければならない農地の譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、所基通36−12(平3.12.18改正)により、引渡しのあった日の属する昭和55年分である旨主張する。しかしながら、本件は、所基通が改正される前に譲渡農地の引渡し及び代金決済が完了していることから、改正前の通達が適用されることになり、契約締結の日の属する年分の確定申告をしていないので、本件農地の譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、農地法第5条の許可のあった日の属する年分とするのが相当である。(平11.12. 8高裁(所)平11-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110035
- 裁決年月日
- 平成11年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303032
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/2代物弁済等の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡所得に係る譲渡価額は、本件借入金と本件和解金との合計額である旨主張する。しかしながら、本件譲渡担保契約に基づいて、A社から借入れをした本件借入金に対して、請求人が同社に支払うべき本件利息相当額は、同社の支払請求に対して、資金手当がつかないことを理由として、全額未払いとなっていたところ、本件和解に基づき、請求人は、本件借入金及び本件利息相当額(以下、これらを併せて「本件債務額」という。)の返済を免除され、同社は、本件土地の完全な所有権を取得していると認められる。また、本件和解に基づき、A社から本件和解金を受領しており、本件和解金は、請求人と譲渡担保権者である同社との間で本件土地の価額と本件債務額との差額についての清算を行った清算金と認められる。したがって、本件譲渡所得に係る譲渡価額は、本件債務額と本件和解金との合計額となり、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平11.11.30名裁(所)平11-35)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110035
- 裁決年月日
- 平成11年11月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302042
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/2農地の譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所基通33−2に定める手続を行っていないから、税務上譲渡担保であることが否定されることとなり、本件土地の譲渡は、平成3年分の譲渡となる旨主張する。しかしながら、本件土地の譲渡担保を原因とする平成3年6月10日付の所有権の移転は、本件譲渡担保契約の内容及び本件土地の利用状況等から、債権の担保を目的とするものであったことは明らかであり、そして、本件和解によって、本件譲渡担保契約が実行され、本件土地の所有権が完全に移転したことを確認しているものと認められる。そうすると、本件和解に基づき、本件土地を現状有姿でA法人へ引き渡した平成6年6月10日に、本件土地の譲渡があったものとするのが相当であり、本件土地の譲渡に係る譲渡の年分は、平成6年となる。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平11.11.30名裁(所)平11-35)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110032
- 裁決年月日
- 平成11年11月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ゴルフ会員権のような預託金会員制のゴルフ会員権の譲渡は、ゴルフ場経営者に対する預託金返還請求権という金銭債権の譲渡であるから、譲渡所得の基因となる資産の譲渡に該当しないと旨主張するが、一般に、預託金会員制のゴルフ会員権とは、入会保証金を預託して会員になった者とゴルフ場経営者との間のゴルフ場施設の継続的利用契約に基づく会員の契約上の地位を総称したものであり、具体的には、①ゴルフ場施設を会則等の規則に従い継続的かつ優先的に利用する権利、②預託した入会保証金を据置期間経過後退会することにより返還請求することのできる権利、③年会費の納入などの諸種の義務等を内容とする債権債務の総体であって、預託金返還請求権はその一部にすぎないと解されるところ、預託金会員制のゴルフ会員権の譲渡は、このような債権債務が不可分一体となった契約上の地位を一つの経済的価値のあるものとして譲渡の客体とするものであるから、所法第33条第1項に定める譲渡所得の基因となる資産に該当すると解するのが相当であり、これを単なる金銭債権の譲渡と同視することはできない。(平11.11.19名裁(所)平11-32)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110024
- 裁決年月日
- 平成11年11月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地を譲渡したことは認めるが、譲渡代金を受領していないので譲渡所得は発生しないと主張するが、借入金の返済、仲介手数料等の支払により、請求人が土地の譲渡に係る収益を享受しているのは明らかであるので、請求人の主張は認められない。(平11.11. 4関裁(所)平11-24)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年9月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件借入金の借入時から本件譲渡時までの間に請求人が支払った本件借入金利子は、本件土地の取得費の額に算入すべきである旨主張するが、譲渡資産の取得代金に充てるために借り入れた借入金の利子については、このうち当該資産の使用開始の日以前の期間に対応するものは、所法第38条第1項の「資産の取得に要した金額」に当たるが、当該資産の使用開始の日も後のものはこれに当たらない。(平11. 9.22名裁(所)平11-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年9月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306040
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/4登記費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地に付されていた根抵当権設定登記を抹消するため本件譲渡に際して支払った登記費用を、本件土地の譲渡に要した費用の額に算入すべきである旨主張するが、抵当権を抹消するための登記費用は、抵当権によって担保される債権が弁済等により消滅したことに起因して生じる費用であり、資産の譲渡そのものに関する費用ではないから、当該資産の譲渡に要した費用の額には当たらない。(平11. 9.22名裁(所)平11-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年9月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305020
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/2登記費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の取得に関連して支払った登録免許税等の登記費用及び不動産取得税を本件土地の取得費の額に算入すべきである旨主張するが、請求人は、本件土地を取得した時から、本件土地を不動産所得を生ずべき義務の用に供していたと認められるから、請求人が本件土地の取得に関連して支払った登録免許税等の登記費用及び不動産取得税は、当該不動産所得の金額の計算上必要経費の額に算入され、当該土地の取得費の額に算入することはできない。(平11. 9.22名裁(所)平11-11)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平110005
- 裁決年月日
- 平成11年8月23日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件譲渡物件の一部である本件相続財産の遺産分割協議が本件譲渡時において相続人間で行われたこと、また、その成立した協議内容は換価分割であったと認められることから、本件譲渡代金のうち、請求人以外の相続人に帰属する換価分割金は、請求人の譲渡所得の収入金額から減算するのが相当である。なお、原処分庁は、本件遺産分割協議が本件譲渡時以前に成立しており、その協議内容は請求人が現物分割により本件相続財産を単独相続したというものであるから、本件譲渡代金は全額が請求人に帰属する旨主張するが、本件譲渡時以前に本件遺産分割協議が成立したと認めるに足る証拠は認められない。(平11. 8.23札裁(所)平11-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100012
- 裁決年月日
- 平成11年7月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、農地を宅地に転用して譲渡した際、本件土地改良区に対して本件決済金を支払ったが、本件土地を宅地として譲渡をするためには本件決済金を支払わなければならず、したがって、この決済金は立退料と同じ性格のものであるので、譲渡費用に該当するというべきである旨主張する。 しかしながら、本件決済金は、①地区内農地転用した場合には、当該農地を譲渡しなくても徴収される反面、当該農地を譲渡しても農地転用を伴わない場合には徴収されないこと、②期間対応費用であること及び③土地改良法第42条第2項の規定により、請求人が本件土地改良区に対して有していた権利義務を清算するために、本件土地改良区規定の定めに基づき徴収されたものであることが認められるから、本件決済金は、本件土地の譲渡のために直接かつ通常必要な費用又は本件土地の譲渡価額を増加させるために支出した費用とは認められない。 したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平10.7.24関裁(所)平10-12)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110007
- 裁決年月日
- 平成11年7月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302024
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/4財産分与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №58・47ページ
要旨
○ 請求人らは、本件不動産の所有権は、被相続人とその妻であるHの離婚前においてその全部若しくは2分の1がHに帰属している旨主張する。しかしながら、夫婦が婚姻中に相互の協力、寄与によって得た資産がいずれか一方の名義となっている場合には、その取得資金の拠出等の事実に基づき、他方の特有財産であることが明らかであるとき若しくは夫婦の共有財産であることが明らかであるときなど、当該名義が単なる名義借りであることが明らかである場合を除き、その名義人を当該資産の所有者として取り扱うのが相当である。(平11. 7.23大裁(所)平11-7)裁決事例集 №58・47ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平110001
- 裁決年月日
- 平成11年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地は、請求人他2名が本件相続によって取得し、その後、本件売買契約によってその所有権は請求人他2名らの支配を離れて平成8年7月29日に譲受人に引渡されたものと認められ、このことは、所法第33条第1項に規定する資産の譲渡に該当する。そうすると、請求人が取得した本件土地の換価代金の分配金は、譲渡所得の課税対象になる。さらに、請求人は、民法第909条の規定により、遺産分割の効力は相続開始の時にさかのぼることから、被相続人から直接、換価分割した財産即ち金員を取得したことになる旨主張するが、遺産分割は、相続開始当時の承継財産を対象に行われ、この遺産分割について遡及効が認められるのであり、相続財産たる土地を譲渡することによって得た金員は、相続財産ではないから、分割した金員が相続開始の時にさかのぼって相続により取得する財産になるものではない。(平11. 7. 8広裁(所)平11-1)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110001
- 裁決年月日
- 平成11年7月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地に係る売買契約は、本件合意書により解約され、新たに本件覚書に基づいて譲渡したものであるから、同土地の譲渡価額は本件覚書に記載された108,631,300円である旨主張する。しかしながら、本件売買契約は結果的に約定どおり履行されたものと認められ、同契約は解約されずに継続していたものとみるのが相当であり、本件合意書及び本件覚書は、本件売買契約を解約し賃貸借契約に変更したように仮装するために作成されたものと推認されることから、本件売買契約は、有効に成立したものと認められる。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平11. 7. 7関裁(所)平11-1)、(平11. 7. 7関裁(所)平11-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110001
- 裁決年月日
- 平成11年7月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306120
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/12訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、訴訟の実質は本件借地権等の売買交渉を目的としたものであるので、本件訴訟費用の全額が譲渡費用である旨主張するが、本件訴訟は、請求人が本件土地の所有者から提訴された建物収去土地明渡請求訴訟に対し、専らその明渡しを拒否する姿勢で貫いて争ったものであると認められるから、本件訴訟は、本件譲渡を目的としたものではなく、本件借地権等の維持、確保を目的としたものと認めるのが相当である。そして、本件訴訟費用は、本件借地権等の売買という最終的な処理結果に対して支払われたものではなく、それまでの一連の事務全体に対する報酬等として包括的に支払われたというべきであり、また、本件借地権等の明渡しに関する事務は、本件借地権等の売買の実現と直接的な関連性を有するものではなく、本件借地権等の売買金額と直接的な関連性を有するとは到底認められない。したがって、本件訴訟に関連して支出された本件訴訟費用を、本件譲渡を実現するために直接必要な費用ということはできず、譲渡費用に該当しないというべきである。(平11. 7. 6東裁(所)平11-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100185
- 裁決年月日
- 平成11年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、預託金会員制のゴルフ会員権である本件会員権に係る預託金の返還は、資産の譲渡に該当し、これにより生じた本件会員権の取得価額と返還された預託金の額との差額は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に当たる旨主張するが、預託金会員制のゴルフ会員権の譲渡が所法第33条第1項に規定する「資産の譲渡」と取り扱われているのは、金銭債権たる預託金返還請求権と併せてゴルフ場施設の優先利用権とが売買等により一体不可分の他の者に移転されることになるものと解せられるところ、請求人及びゴルフ場経営法人が行った一連の行為は、ゴルフクラブからの退会に伴う預託金の返還請求と預託先からの預託金額の返還であって譲渡所得の基因たるゴルフ会員権の譲渡ではないから、この一連の行為は、同項に規定する資産の譲渡には該当しない。 なお、本件差額は、本件会員権に内在するゴルフ場施設の優先利用券という資産の消滅に基因するものであるところ、個人会員が有する当該優先利用権の性質は、当該会員のみが有するものであって、いわば当該会員のみが享受する一身専属的な権利であるから、当該優先利用権の消滅に伴う本件差額は、所法第45条第1項第1号に規定する「家事上の経費」に当たるものと解される。そうすると、本件差額は、請求人の公的年金等に係る雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるべきものではない。 したがって、本件差額を譲渡所得及び雑所得の金額の計算上控除しないでした本件更正処分は適法である。(平11.6.21東裁(所)平10-185)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平100074
- 裁決年月日
- 平成11年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、更正処分の前提とした事実関係は真実ではなく、原処分庁がねつ造した架空の事実であり、本件土地に係る譲渡価額は、確定申告書に記載したとおり15,451,700円である旨主張するが、①本件土地の売買の経緯からみて、本件土地の所有権移転登記の手続が極めて不自然であること、②譲受人3名のうち甲は、本件譲渡において売買交渉を行っていた者であり、本件土地の売買の経緯からみて、甲が、真実を述べているとは認められないこと、③譲受人3名のうち乙及び丙の会計帳簿等から、売買代金以外の支出があったことが認められ、両者の申述及び答述は、本件土地の売買の経緯及び売買代金以外の支出があったこと等ほぼ符合しており、信用しうるものであること等を総合すれば、15,451,700円以外の代金授受があったと認められ、請求人の主張は採用できない。(平11. 5.31広裁(所)平10-74)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100119
- 裁決年月日
- 平成11年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306040
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/4登記費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件抵当権抹消登記費用は、本件契約書の契約内容に基づき支出したものであり、譲渡費用として認めるべきである旨主張するが、本件譲渡の前提として抵当権の抹消の必要があり支払ったとしても、債権者に対する抵当債権消滅の結果、抵当権設定者である自己のためになしたものであるから、本件譲渡を実現するために直接必要な費用とは認められない。(平11. 5.11大裁 (所) 平10-119)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100119
- 裁決年月日
- 平成11年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306150
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/15建物の収去費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡土地上に存した請求人の夫所有の建物の取壊費用及び建物滅失登記費用は、譲渡費用に該当する旨主張するが、本件費用は、建物の取壊しによって使用貸借契約が合意解除により終了したことに伴う借用物の返還及び現状回復義務に基づき借主が負担すべきものであるから、請求人が本件費用を本件譲渡契約に基づき支出したとしても、本件土地を譲渡するための直接かつ通常必要な費用には当たらない。(平11. 5.11大裁 (所) 平10-119)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100092
- 裁決年月日
- 平成11年4月27日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、甲土地は昭和48年にAから5,252,000円で買い戻して、平成6年にBに10,000,000円で譲渡した旨、また、乙土地は昭和54年にCから9,980,000円で買い戻して、平成7年にDに23,240,000円で譲渡した旨それぞれ主張する。 しかしながら、甲土地取得契約書及び乙土地取得契約書はいずれも仮装の売買契約書であり、請求人が買い戻した事実も認められず、請求人が甲土地を譲渡した相手先はEであると推認せざるを得ない。 また、請求人が乙土地を譲渡した相手先はGであるとするのが相当である。したがって、平成6年分の土地の譲渡価額は22,260,000円認めるのが相当であり、平成7年分の土地の譲渡価額は32,000,000円と認めるのが相当である。(平11.4.27関裁(所)平10-92)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100162
- 裁決年月日
- 平成11年4月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、措法(昭和62年法律第96号による改正前のもの)第37条に規定する買換資産を譲渡して譲渡所得を計算する場合における買換資産の取得価額は、実際に当該買換資産の取得に要した金額によるべきである旨主張するが、譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費の計算に当たっては、実際に買換資産の取得に要した金額ではなく、同法第37条の3に規定する取得価額(引継取得価額)を基に計算すべきである。(平11. 4.27東裁(所)平10-162)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100087
- 裁決年月日
- 平成11年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡に当たり、本件会員権の証券等の引渡し及び代金の決済を正常に行っており、本件取引の価格も通常の相場価格であることから、本件取引は正常な経済行為によるものであり、本件譲渡について、仮装、隠ぺいは行っていない旨主張する。 しかしながら、請求人は本件第一売買計算書の発行を受けるために、また、A及びBは請求人から手数料収入を得るために、本件一連の取引を行ったとみるほかなく、本件譲渡については、請求人には確定的に本件会員権をAに移転するという意思表示、また、Aには本件会員権を取得し、その代金を支払うという意思表示があったと認められることはできず、本件一連の取引は、本件会員権の売買という形式を作り出すためのものであった認めるのが相当である。 したがって、本件一連の取引は形式的な取引であって実態の伴わないものであり、真に売買があったと認めることができないので、本件譲渡は所法第33条第1項に規定する資産の譲渡があったことにはならないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平11.4.15関裁(所)平10-87)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平100007
- 裁決年月日
- 平成11年3月31日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302042
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/2農地の譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請負契約により建築された建物の下取りとして譲渡された本件土地について、①本件土地上に建物を建築してから両者を引き渡すという特約の解除が、平成9年に行われたこと、②本件土地の農地法第5条の規定による転用許可(平成8年12月24日付)があったことを知ったのが平成9年であること、③本件土地の代金決済(請負契約による建物との相殺)を平成9年3月4日(本件土地の所有権移転登記の日)に行っていることから、本件土地の譲渡所得の帰属年分は平成9年分であると主張する。しかしながら、譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、譲渡所得の基因となる資産の引渡しがあった日によるものと解されているところ、①特約は、農地法第5条による転用許可を申請した時点で解除されていること、②代金相殺の日は、請求人の経理処理の日に過ぎないことから、請求人の主張には理由がなく、また、①請負契約による建物の引渡しを平成8年11月に受けていること、②11月に行われた請負契約の代金請求において、既に本件土地が相殺済であることを請求人が認識していること、③11月に本件土地の登記済権利証の授受が行われた後、本件土地が第三者に転売されていること等から、本件土地の引渡しは、平成8年中に行われたと認められる。したがって、本件土地の譲渡所得の帰属年分は原処分庁が主張する平成8年分であるが、請求人が平成9年分として申告した譲渡費用を一部容認した結果、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平11. 3.31金裁(所)平10- 7)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平100008
- 裁決年月日
- 平成11年3月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、被相続人が信頼していた孫娘の夫に本件土地を詐取されたものであり、代金も受領していないのであるから譲渡所得は発生しない旨主張するが、被相続人は、孫娘夫婦に日ごろから不動産の権利証を預けたり、必要に応じて実印を使用させるなど財産管理を任せており、本件土地の譲渡に当たっては被相続人が①譲渡価格に対して意見を言い、②実印を使用させ、③買換えの特例を適用して確定申告をし、④譲渡所得に係る所得税を譲渡代金から納付していると認められることなどから、本件土地の譲渡は被相続人が自らの意思で行ったものであり、被相続人には譲渡所得が発生しているとして行った原処分は適法である。(平11. 3.31金裁(所)平10- 8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100146
- 裁決年月日
- 平成11年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302043
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/3交換による譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、昭和62年3月15日に交換譲渡物件を引き渡したこと及び所得税基本通達には資産の引渡しのあった日が譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期と定められていることから、同日が交換譲渡物件の収入金額の収入すべき時期である旨主張する。しかしながら、当該通達には資産の譲渡による所得についてその収入すべき時期は、原則として資産の引渡しの時と定められているが、これは、譲渡者が資産を引き渡したときには、相手方に対してその譲渡代金を請求できることが確定的となり、譲渡代金相当額を収入すべき金額として認識し得る状態となったとみることができることから、その資産の引渡しを課税の時期として捕らえたものと解されるところ、請求人らが交換取得物件の引渡しがあったと主張する昭和62年3月15日においては、譲渡の対価として取得する交換取得物件は存在せず交換取得物件を取得していないから、譲渡所得の収入金額は確定しておらず、仮に請求人らが主張する日に交換譲渡物件の引渡しがあったとしても、同日を交換譲渡物件の収入すべき時期であるとすることはできない。(平11. 3.29東裁(所)平10-146)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100148
- 裁決年月日
- 平成11年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件資産は本件被相続人が取得を予定していた不動産の所有者に代替資産として提供するために取得したもので、居住の用あるいは事業の用に供する目的で取得したものではないから、本件借入金の利子は譲渡所得の計算上全額取得費に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、①本件被相続人の親族が平成3年12月26日に本件資産の所在地に住民登録を異動していること、②本件被相続人の親族は平成3年12月ころから平成6年3月末ころまで本件資産に居住していた旨の申述をしていること、③本件被相続人の親族が提出している給与所得者の扶養控除等申告書に記載されている住所地は、本件資産の所在地となっていること、④本件資産における水道及び電気の使用開始が平成3年12月以降と推認されることから、本件被相続人の親族は、本件資産において遅くとも平成3年12月末から居住を開始していたと認めるのが相当である。そうすると、本件借入金の利子うち本件資産の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に含まれる金額は、本件借入金の借入日から平成3年12月末までの期間に対応する金額となる。(平11. 3.29東裁(所)平10-148)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100144
- 裁決年月日
- 平成11年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件宅地を譲渡した事実はない旨主張するが、①購入資金の融資元法人は、請求人の転売能力及び本件資産の市場性から請求人個人に本件借入金を融資したこと、②請求人は本件宅地の賃貸料を収入金額に、本件借入金の利息を必要経費に算入して不動産所得を計算して、所得税の還付を受けていること及び③関係法人は、平成4年に本件宅地及び本件借入金等の負債を引き継ぐ経理処理をしていることが認められるから、請求人は、本件借入金等の負債を対価として本件宅地を譲渡したものと認められる。(平11. 3.26東裁(所)平10-144)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100076
- 裁決年月日
- 平成11年3月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302042
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/2農地の譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件農地は平成元年に引渡しをしたから、本件収入すべき時期を平成7年分とした本件確定申告は無効であり、本件更正の請求を認めるべきである旨主張するが、本件契約は地目変更を条件とした農地法所定の許可が必要な契約であり、本件契約当時において、その譲渡所得の総収入金額の収入すべき日の取扱いは引渡しの日と農地法の譲渡許可があった日とのいずれか遅い日と解されていたから、本件収入すべき時期をその遅い日の属する平成7年とした原処分は相当である。仮に、請求人の主張するとおり平成元年に引渡しがされていたとしても、請求人は、本件契約の日又は当該引渡しの日を収入すべき時期として選択しなかったのであるから、農地法第5条の規定による許可を受けた日をもって収入すべき時期とすべきである。(平11. 3.16関裁(所)平10-76)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100017
- 裁決年月日
- 平成11年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・169ページ
要旨
○ 請求人は、譲渡所得の計算上、取得費に算入できる本件土地の取得価額は、①貸付債権24,100,000円の担保として根抵当権を設定していた本件土地の競売において、貸付債権相当額で自ら落札・取得した落札価額の24,100,000円であり、②競売に付された不動産を取得しようとする者が、どうしても物件を手に入れたいと思えば、競売価額は高額にならざるを得ず、また、③仮に時価を上回る金額が取得費を構成しないとしても、落札価額でなければ土地を確実に取得できないと判断したのであるから、当然、当該落札価額を取得に要した金額に含めるべきである旨主張するが、①落札価額は貸付債権額と同額であること、②裁判所が決定した最低売却価額は105,000円であること、③本件土地を競売により取得した約6か月後に113,000円で譲渡したことの経済的合理性がないこと及び④落札価額でなければ本件土地を取得できなかった特別な事情も存在しないことから、落札価額を本件土地の取得価額とすることは相当でなく、取得時の客観的価額を取得価額とすべきであり、この客観的価額は、本件土地の取得時の約6か月後の譲渡時の鑑定評価額113,000円とするのが相当である。(平11. 2.25福裁(所)平10-17)裁決事例集 №57・169ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平100027
- 裁決年月日
- 平成11年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地(4筆)を含む本件14筆の土地を取得しておらず、また、本件土地の譲渡にも関与していない旨主張するが、請求人は、本件14筆の土地の名義人となった7名に名義借用を依頼し、名義料を支払っていること、本件14筆の土地取得のための借入金の実質債務者は請求人と認められること、本件14筆の土地の取得の翌年に譲渡された本件他の土地(10筆)の売買に至るまでの交渉等は、請求人が自己の判断で行っており、本件他の土地の譲渡収益は請求人が享受していると認められることなどから、請求人は、本件土地(4筆)を含む本件14筆の土地を取得したものと認められ、また、本件土地の譲渡代金の清算の大半が、請求人が実質債務者と認められる借入金の返済等に充てられていること及び本件土地は請求人の取得後、本件譲渡までの間に他の者に譲渡された事実は認められないことから、本件土地は、請求人が譲渡したものと認めるのが相当である。(平11. 2.25熊裁(所)平10-27)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100098
- 裁決年月日
- 平成11年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №57・152ページ
要旨
○ 請求人は、本件各取引は、金銭の授受を含め法律的に瑕疵なく行われたこと及び節税を目的としたもので合法的であるから、原処分庁が本件各取引を否認することは違法であり、また、有価証券市場における翌日買戻取引はクロス取引と同様のものであり、翌日買戻取引が税務上認められるのであるから、ゴルフ会員権の譲渡においてもこれが認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は本件売却計算書の発行を受けるために、一方、仲介業者は請求人から手数料収入を得るために、本件一連の取引を行ったとみるほかはなく、本件取引については請求人には確定的に本件各会員権を仲介業者に移転するという、また、仲介業者には本件各会員権を取得し、その代金を支払うという意思表示があったと認めることはできず、本件各会員権の売買という形式を作り出すための取引であったと認めるのが相当であるから、本件一連の取引は実体の伴わないものであり、真に売買があったと認めることができないので、本件取引は所法第33条に規定する資産の譲渡があったことにはならない。また、請求人の主張は本件各取引がクロス取引と同様のものであるとの前提に立ったものと解されるが、①本件各取引は証券取引所といった公開された市場を通じて行われたものではないこと、②本件各会員権は証券取引所に上場されているような有価証券ではないこと及び③本件各取引において受渡しされたとする本件各会員権のゴルフ会員権証書は同一のものであり、そのことは取引当事者間で取引当初より定められていたことの点において本件各取引はクロス取引と異なっており、請求人の主張はその前提を欠くものである。(平11. 2. 8東裁(所)平10-98)裁決事例集 №57・152ページ
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100099
- 裁決年月日
- 平成11年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、預託金会員制のゴルフ会員権である本件会員権に係る預託金の返還は、資産の譲渡に該当し、これにより生じた本件差額(本件会員権の取得価額−返還された本件預託金)は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に当たる旨主張するが、預託金会員制のゴルフ会員権の譲渡が所法第33条第1項に規定する「資産の譲渡」と取り扱われているのは、金銭債権たる預託金返還請求権と併せて譲渡所得の基因となる資産たるゴルフ場施設の優先利用権とが一体不可分となって売買等により他の者に移転することによるものと解せられるところ、請求人の行った一連の行為は、ゴルフクラブからの退会に伴い、預託金返還請求権をその預託先であるゴルフ場経営法人に対して行使したものであって、本件会員権の譲渡ではないから、この一連の行為は同項に規定する資産の譲渡には該当しない。また、個人がゴルフ会員権を有することにより享受するゴルフ場施設の優先利用権は、当該個人のみが享受する一身専属的なものであることからすると、個人がゴルフ場の会員となること自体は所得税法で規定する「事業又は業務」とは何らの関係もないものと認められるから、本件ゴルフ会員権に係る預託金の返還を受けることに伴い生じた本件差額については、雑所得の金額から控除することはできない。(平11. 2. 8東裁(所)平10-99)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平100050
- 裁決年月日
- 平成11年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地を使用しないまま譲渡したものであるから、所基通38-8の規定に基づいて、昭和62年9月28日に本件土地の底地を取得するためにした借入金の利子等を分離長期譲渡所得の計算上、取得費に算入すべきである旨主張するが、当該土地は昭和13年ころから賃借して使用され、同24年ころから地上に建物を建てて賃貸業の用に供されていることからすると、土地の使用が開始されたのは、底地取得日の昭和62年7月15日以前であることは明らかであるから、譲渡所得の計算上本件借入金利子等を取得費に算入することはできない。(平11. 1.29広裁(所)平10-50)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100063
- 裁決年月日
- 平成11年1月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306030
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/3謝礼金
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件謝礼金は本件譲渡土地の取得費になる旨主張するが、①請求人らは、請求人が本件開発許可を受けることを本件売買契約成立の条件としたこと及び②請求人が本件道路を4メートルに拡幅した上で同許可を受けたため、同契約が成立したことが認められる。そうすると、本件謝礼金は、本件譲渡土地の譲渡を実現させるために直接かつ通常必要な費用であり、また、同土地の譲渡価額を増加させるため本件売買契約に際して支出した費用であることが認められることから、同謝礼金は、本件譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用に該当するものと認められる。(平11. 1.29関裁(所)平10-63)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100078
- 裁決年月日
- 平成11年1月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡に係る譲渡代金は、Aの事業活動により生じた借入金の債務の返済に充てたものであり、Aはそれ以外にも債務があり債務超過の状態であるから、本件譲渡所得の申告義務はない旨主張するが、請求人がAの屋号で提出した確定申告書によれば、事業所得の金額の計算上生じた損失はないから、所法第69条の規定により本件譲渡所得の金額から控除すべき金額はないものである。(平11. 1.29大裁 (所) 平10-78)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平100002
- 裁決年月日
- 平成11年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の売買が請求人の意思に反して行われたもので、その売買契約は要素に錯誤があり無効であるから、本件土地の譲渡所得は発生しない旨主張する。しかしながら、①売買契約書の作成時にその内容が請求人の意思に反したものであったとしても、その後に請求人の意向で覚書を締結し、売買契約書の内容を踏まえて新たな条件を追加しているのであるから、その時点で請求人が売買契約書の内容を追認し有効になったと認められること、②請求人は譲渡代金を借入金の返済等に使用したことを答述しており、その借入金返済事実は領収証等の証拠物からも明らかであること、③本件土地の売買に伴う所有権移転登記が有効に行われていること、④譲受人が本件土地を銀行取引等の担保に提供し使用収益していること等から、本件土地の売買は有効に成立し引き渡しが完了しているものと認められる。(平11. 1.27金裁(所)平10- 2)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平100002
- 裁決年月日
- 平成11年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303039
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の売買契約が本件建物と一体の取引で土地と建物は不可分のものであり、その建物の売買代金が授受されていない以上、その取引全体の履行が完了しておらず、本件土地の引渡しが未了である旨主張する。しかしながら、①請求人は本件土地の所有権移転登記抹消請求訴訟の訴状に売買契約書には建物が含まれていない旨記載し、本件建物が売買対象でないことを自認していること、②請求人の意向で締結された新たな売買条件を追加した覚書にも、対象物件の記載が本件土地のみで本件建物に関して一切触れられていないこと、③譲受人は売買対象としていない本件建物の移築に要する費用としての金員をあらかじめ手当てしていたことなどの売買当事者における認識及び取引の実態からみると、本件建物はその取引対象に含まれていないと認められるから、本件土地のみを課税の対象とした原処分は相当である。(平11. 1.27金裁(所)平10- 2)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100075
- 裁決年月日
- 平成11年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306090
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/9損害賠償金、違約金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件損害金は本件譲渡に係る譲渡費用である旨主張するが、本件損害金は、YがXに依頼していた本件建物の解体及び本件土地の売却先の紹介をキャンセルしたことにより、YがXから請求されて支払った違約金であり、後日、その支払額を請求人に負担させたことは認められるものの、本件譲渡は本件建物を取り壊されることなく行われており、また、本件譲渡はXの紹介に基づいて行われたものでもないから、譲渡費用に該当しないことは明らかである。(平11. 1.27大裁 (所) 平10-75)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100075
- 裁決年月日
- 平成11年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306100
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/10和解金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件問題解決金は請求人が全額を負担しているのであるから、当該金額が本件譲渡に係る請求人の譲渡所得の計算上、譲渡費用に該当する旨主張するが、本件問題解決金は、請求人とZとが共有していた本件土地建物を譲渡するために要した共通費用であり、請求人とZがその持分に応じて負担すべき性質のものであるから、請求人の持分に相当する額のみが請求人の譲渡所得の計算上、譲渡費用になると解するべきである。(平11. 1.27大裁 (所) 平10-75)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100052
- 裁決年月日
- 平成10年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302032
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/3有価証券等の譲渡等の事実の認定/2ゴルフ会員権
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ゴルフ会員権をゴルフ場経営会社に返却し、預託金の返還を受けているが、これはゴルフ場施設の優先的利用権すなわちプレー権が請求人から同社へ移転したものであり、譲渡所得の基因となる資産の譲渡に該当することから、これにより生じた損失は損益通算できる旨主張するが、この返却は請求人が本件ゴルフクラブの会則に定める二つの会員資格消滅事由のうち、退会に伴う本件預託金の返還を選択し、同社に対する金銭債権である本件預託金の返還請求権を具体的に行使したものにすぎず、当該返還請求権、会費納入等の義務と併せてプレー権を譲渡するものではないから、譲渡所得の基因となる資産の譲渡には該当しない。(平10.12.11大裁 (所) 平10-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100042
- 裁決年月日
- 平成10年12月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、譲渡物件を実際に引き渡した日の属する年分で判断すべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得の収入すべき時期は、原則として資産の引渡しがあった日によるものとされているが、この考え方は、私法上の所有権移転という法律関係によるものではなく、現実に利得を享受し、それを支配管理しているか否かという事実関係に着目して行うべきであり、買主から譲渡代金の全額を受領すれば、売主はその時点で現実に資産の譲渡による利得を支配管理することになるから、資産の引渡しの事実行為を確認するまでもなく、譲渡代金の全額を受領した時が資産の譲渡による所得の実現があった時となる。(平10.12. 7大裁 (所) 平10-42)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100042
- 裁決年月日
- 平成10年12月7日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件宅地の取得費について、所法第58条第1項の規定が適用されたものとみなし、所令第168条本文の規定に基づき措法第31条の4第1項を準用して算定すべきである旨主張する。しかしながら、本件宅地は、交換を原因として所有権移転登記がされている事実が認められるものの、請求人は所法第58条第1項の規定を適用して交換に基づく譲渡所得の申告を行っておらず、また、措法第31条の4第1項は、個人が昭和27年12月31日以前から引き続き所有していた土地等を譲渡した場合における長期譲渡所得の金額の計算上収入金額から控除する取得費は、譲渡価額の100分の5に相当する金額とする旨規定しているにすぎないのであるから、本件に当該規定を適用するのは相当ではない。(平10.12. 7大裁 (所) 平10-42)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100040
- 裁決年月日
- 平成10年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306120
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/12訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、弁護士に支払った費用を本件譲渡費用として認めるべきである旨主張するが、借地人の立退交渉及び売買仲介の報酬として弁護士に支払ったとする報酬は、本件物件が借地人との賃貸借契約を存続したまま譲渡されており、その業務の内容が不明であるばかりか、本件の譲渡価額は、更地の価額より相当低額にすぎないことから、当該立退交渉の報酬として支払ったとする金員によって、本件譲渡が実現したものとは認められず、譲渡費用として控除することはできない。(平10.12. 4大裁 (所) 平10-40)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平100041
- 裁決年月日
- 平成10年12月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302021
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/2不動産の譲渡等の事実の認定/1譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件所有権移転登記は実質的には譲渡ではない旨主張する。 しかしながら、請求人は、本件不動産を取得した後、同不動産を自己の所有財産として認識した上で、いつでも処分可能な状況の下に維持、管理し、同不動産を譲渡したのであり、更に、本件所有権移転登記が単に金融措置としての債務の弁済の担保のために行われたものではないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。 なお、請求人は、Aに対し、本件借入金の弁済資金の入金及び本件不動産の固定資産税の支払について催促した旨答述するが、これらのことをもって上記の判断に影響を及ぼすものではない。(平10.12.4関裁(所)平10-41)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100037
- 裁決年月日
- 平成10年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡における譲渡価額は一坪当たり80,000円、総額49,376,000円である旨主張するが、①本件譲渡はA社が行った集団買収の一環として行われたものであるところ、請求人以外に当該集団売買によってA社に農地を譲渡した者に係る譲渡価額は一坪当たり260,000円であり、本件農地はこれらの農地と隣接し、売却時期や立地条件に格別の違いも認められないから、本件農地だけが一坪当たり80,000円で譲渡されたとみるのは余りにも不自然であること、②上記①における請求人以外の者については、それぞれの譲渡に係る中間金(譲渡価額の5パーセント相当額)を最終譲受人であるB社が振り出した小切手によって、受け取っているところ、請求人においても、同社が上記小切手と同日に振り出した額面8,023,600円の小切手を受け取り、請求人名義の普通預金口座に入金していることから、当該小切手は本件譲渡に係る中間金として受領したものと推認されるのであり、さらに、当該金額は、本件農地の譲渡価額を一坪当たり260,000円とした場合の総額である160,472,000円の5パーセントと一致すること、③請求人がC銀行に預けていた借名預金の原資である現金106,253,100円は、B社が土地購入資金として振り出した小切手が資金化されたものである上、同銀行の担当者の当該借名預金に係る申述からすると、本件譲渡に係る譲渡代金の一部として請求人に支払われたものと推認されることなどを総合すると、請求人は本件譲渡に関して、請求人が主張する譲渡価額を上回る金員を取得しているのである。さらに、請求人が調査担当職員に対して、後に撤回はしているものの、本件農地の譲渡価額は一坪当たり260,000円であることを認める旨申述していたことなどを総合考慮すれば、本件譲渡に係る譲渡価額は、請求人以外にA社に対して農地を譲渡した者と同様、一坪当たり260,000円、総額160,472,000円であると推認するのが相当である。(平10.12. 2大裁 (所) 平10-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100055
- 裁決年月日
- 平成10年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306080
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/8設計料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建築費用を譲渡所得の金額の計算上控除すべきである旨主張する。しかしながら、本件建築費用は、本件計画マンションを建築するために支出されたものと認めることはできるものの、結果的に本件計画マンションは建築されることなく、本件土地建物はその取得の時の状況のまま譲渡されていることから、本件建築費用が本件土地建物の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額に当たるとは認められず、また、本件建築費用は、本件土地建物を譲渡するために直接要した費用及び本件土地建物の譲渡価額を増加させるために支出した費用とも認められないので、資産の譲渡に要した費用にも該当しないこととなる。(平10.11.26東裁(所)平10-55)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100055
- 裁決年月日
- 平成10年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件借入金利子を譲渡所得の金額の計算上控除すべきである旨主張する。しかしながら、請求人の場合、その資金の借り入れの日に資産の使用開始が行われているから、本件借入金利子は、所法第37条第1項の規定により、本件土地建物を不動産所得を生ずべき業務の用に供した日から業務の用に供さなくなった日までの間のそれぞれの年分に対応する部分の金額が、その対応する年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されることとなるから、資産の取得に要した金額に含めるべき借入金利子はないことになる。したがって、本件借入金利子を資産の取得に要した費用として譲渡所得の金額から控除することはできないし、また、本件借入金利子は本件土地建物の譲渡に際して要した費用にも該当しないから、本件借入金利子を譲渡に要した費用として譲渡所得の金額から控除することもできない。(平10.11.26東裁(所)平10-55)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100026
- 裁決年月日
- 平成10年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、平成6年中に本件土地の譲渡があったとして課税しているが、本件土地の譲渡に係る売買代金の全額をいまだ受け取っておらず、本件土地の売買取引は未了であるから、平成6年中には本件土地に係る譲渡所得は発生していない旨主張する。しかしながら、本件土地は、不動産売買契約書、土地売買等届出書、不動産登記簿、宅地造成工事着手の事実、合意書及び不動産売買代金全額受領証明書等の物的証拠などから所有権移転登記の日である平成6年9月13日に本件土地の譲渡はあったと認められるから、原処分は適法である。また、所法第36条第1項にいう収入すべき金額とは、収入すべき権利の確定した金額をいうとされており、売買代金の授受に左右されるものではない。(平10.11.13名裁(所)平10-26)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100026
- 裁決年月日
- 平成10年11月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は資金借り入れの担保として供したものであり、売買は行っていないので譲渡所得は発生していない旨主張する。しかしながら、土地売買の経緯、売買契約の締結、売買契約書の作成押印及び売買代金の授受等の事実関係並びに本件土地の譲渡はあったとする判決からすると、本件土地の譲渡はあったと認められる。また、本件譲渡所得の総収入金額に算入すべき時期は、判決によりなされた所有権移転登記手続命令により所有権移転手続がされた日と認定するのが相当である。(平10.11.13名裁(所)平10-26)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平100024
- 裁決年月日
- 平成10年10月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306040
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/4登記費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・121ページ
要旨
○ 請求人は、平日ゴルフ会員権を正会員権に転換した際の借入金の担保に提供していた土地の抵当権登記について、借入金完済に伴って支出した抵当権抹消費用は、取得費に該当する旨主張するが、本件抵当権抹消費用は、借入金返済後の担保資産の管理費用であると認められ、取得費には該当せず、また、譲渡に直接要した費用と認められないので譲渡費用にも含めることはできない。(平10.10.30広裁(所)平10-24)裁決事例集 №56・121ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平100024
- 裁決年月日
- 平成10年10月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201305030
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/3借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №56・121ページ
要旨
○ 平日ゴルフ会員権を、正会員権に転換した際に要した借入金利子のうち借入日から正会員権資格取得の日までの期間にかかる金額については、取得費(改良費)に算入することができる。なお、ゴルフ会員権の取得、保有及び転換の目的が投資目的にあったとしても、ゴルフ会員権の使用開始の日の判定は、会員権資格の取得の日と解するのが相当である。(平10.10.30広裁(所)平10-24)裁決事例集 №56・121ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100019
- 裁決年月日
- 平成10年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304010
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/1取得費の意義、範囲
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人所有のゴルフ会員権が第三者の借入金の担保として質入れされていたとしても、質権者は当該資産の担保価値を保全するにとどまり、当該資産の所有権は引き続き質権設定者のもとにある以上、質権設定行為は所得税法上の資産の譲渡に当たらない。また、その後、質権設定者が債務を弁済して当該資産を取り戻したとしても、その前後において当該資産の所有者が質権設定者であることに変わりはないのであるから、当該資産の取戻しをもって所得税法上の資産の取得とみる余地はなく、当該取戻しをするために第三者の借入金を弁済した金額は当該資産に係る譲渡所得の金額の計算上控除される取得費に当たらないことは明らかである。(平10.10.29名裁(所)平10-19)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平100010
- 裁決年月日
- 平成10年9月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡価額は、17,000,000円である旨主張するが、売買代金を20,000,000円とする売買契約書が作成されていること、請求人自身も当該金額で譲渡したとする確定申告をしていること及び請求人が主張する譲渡価額を証明するに足りうるような証拠はないことなどから、本件譲渡価額は20,000,000円であったと解するのが相当である。(平10. 9.30大裁 (所) 平10-10)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100013
- 裁決年月日
- 平成10年9月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、契約書の代金の内訳に記載された土地と建物のそれぞれの価額は、売買代金の総額を適当に配分したものであり、建物は過大に、土地は過小に記載されているから、建物の価額は、措置法に係る所得税の取扱通達及び財産評価通達に基づき評価した額とすべきであり、概算取得費を適用し算出する土地の取得費の額を再計算すべきである旨主張するが、①本件契約書に記載された土地、建物の価額は、売主及び買主の双方が合意した額であると認められること、②買主が原処分庁に提出した支払調書にも契約書と同様の内容が記載され、買主も契約書の内容を認識していること及び③措置法に係る所得税の取扱通達は、事業所得及び雑所得の計算上適用すべき通達であり、請求人の譲渡は固定資産の譲渡による長期譲渡所得であることから、土地価額は、本件契約書に記載された額によるべきである。(平10. 9.30名裁(所)平10-13)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100013
- 裁決年月日
- 平成10年9月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306040
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/4登記費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件不動産に設定されていた根抵当権を抹消することが売買契約の前提条件であり、本件不動産の譲渡価額を増加させるために支払ったものであるから根抵当権抹消登記費用を譲渡に要した費用として認めるべきである旨主張するが、譲渡に要した費用とは、資産の譲渡のために通常、直接必要とされる経費をさすものと解され、根抵当権抹消登記費用は、債権者との取引の消滅に起因して生じたもので、譲渡のために直接要した費用及び譲渡価額を増加させるために要した費用とは認められない。(平10. 9.30名裁(所)平10-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100020
- 裁決年月日
- 平成10年9月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302042
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/2農地の譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件山林及び本件農地を一体とする譲渡がなされ、かつ、同時に契約が履行されたと認めるのが相当であるから、本件土地を本件山林と本件農地とに分割して、譲渡所得の収入すべき時期を別々とすることは相当でなく、本件売買代金の全部が請求人の平成元年分の譲渡所得の総収入金額に算入されるべきである旨主張する。しかしながら、所基通36−12は、請求人が本件農地を譲渡する契約を締結した当時の本件農地の譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期に関する公的見解ということができ、請求人が本件農地の譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期を本件農地の農地法所定の許可のあった日の属する年分とするとしたことは、本件通達の取扱いに従ったものというべきである。そして、請求人が本件通達を信頼しその信頼に基づいて平成元年分で本件農地の譲渡に係る所得を申告しなかったことについて、請求人の責めに帰すべき事由は認められない。また、原処分庁が本件農地の譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期を平成元年分としたことは、本件通達にいう農地法所定の許可があった日がいまだ到来していないことから何ら課税処分を受けていない者と、請求人との課税の公平が著しく損なわれることになる。したがって、本件更正処分のうち本件農地の譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期を平成元年分としたことについては、取り消すのが相当である。(平10. 9.22東裁(所)平10-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100006
- 裁決年月日
- 平成10年7月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が代表取締役である同族会社に工場敷地として賃貸していた請求人所有の宅地を第三者に譲渡するに当たり、当該会社に対して支払った立退料は、立ち退きに伴う精算及び営業の規模縮小を考慮した補償金であるから、譲渡所得の計算において譲渡費用であると主張するが、当該立退料は、①当該会社の業績が非常に悪化し、欠損金が増加したため財務内容の改善を図る必要があったことから支払われていること、②本件土地の立退料とする合理的な証拠資料の提示及び具体的な説明がないことから当該会社の損失補てんのために支払われたものであり、本件土地の譲渡費用に該当しない。(平10. 7.24名裁(所)平10- 6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平100006
- 裁決年月日
- 平成10年7月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人所有の宅地を請求人が代表取締役である同族会社に工場敷地として賃貸していたものを第三者に譲渡したものであるが、当該土地の売買代金の20パーセント相当額は当該会社の工場に係る借地権を譲渡したものとし、当該土地の売買代金の残余80パーセント相当額は請求人の当該土地の底地に係る譲渡による収入金額であるとして譲渡所得を計算し確定申告した。その後、請求人は借地権割合は法基通13-1-3及び13-1-15を適用すべきであり、同通達により算定される借地権割合32.1パーセントは底地所有者及び借地権所有者の当事者が任意に変更できるものでない旨主張し「更正の請求」をするが、①当該借地権割合20パーセント相当額により当該会社が会計処理をしていること、②当該借地権割合20パーセント相当額で請求人と当該会社とが合意した文書があり、他に証拠資料となるものがないこと、③法人税基本通達は、地主が法人である場合の借地権の認定課税の取扱いについて示したものであり、本件とはその内容を異にすることから請求人の主張には理由はない。(平10. 7.24名裁(所)平10- 6)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平100001
- 裁決年月日
- 平成10年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所法第33条に規定する譲渡所得の金額の計算上控除する取得費について、原処分庁が、土地については、売買実例を基に1坪当たり59,100円とし、また、建物については、類似建物の平均建築価額を基に、5,486,800円として算定したことには合理性がないことから、土地については、売買実例1坪当たり300,000円を基に225,000円とし、また、建物については、建物の譲渡金額を12,000,000円としていること及び建物の固定資産税評価額が12,000,000円であることから、10,488,850円を取得費として控除すべき旨主張する。しかしながら、審判所が請求人の提出資料及び原処分庁関係資料を調査したところ、土地については、原処分庁採用の売買実例地と請求人主張の売買実例地を比較すると、接面道路の幅員が著しく相違する等立地条件が相違するので、請求人主張実例地は採用できないこと、また、建物については、建物の購入者が所有している不動産売買契約書の記載内容をみると、譲渡金額が建物と土地とに区分表示されていないこと及び建物の固定資産税評価額は、6,783,469円となっており、請求人が主張する12,000,000円は根拠がないことから建物の取得費とはなり得ない。したがって、原処分庁が、売買実例及び類似建物等を基に、所法第156条に規定する推計の方法により取得費を算定したことは相当である。(平10.7.1福裁(所)平10-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090101
- 裁決年月日
- 平成10年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306010
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/1仲介手数料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が支払先であるAの住所を明らかにせず、支払ったことを証する領収証等も提示しないことから、本件仲介手数料は支払うべき債務も支払事実もなく、譲渡費用に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人提出資料及び原処分関係資料によると、本件土地等の売買に当たり、請求人がAに対しコンサルタント料を支払う旨の約定書があること及びAが発行した領収証控え等によると、本件仲介手数料の支払の事実が認められることから、本件仲介手数料は譲渡費用に該当すると認められ、原処分はその一部を取り消すべきである。(平10. 6.30名裁(所)平 9-101)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090101
- 裁決年月日
- 平成10年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306050
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/5借入金利子
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己が主宰する同族会社の所有する賃貸ビルとともに本件不動産を譲渡したが、同社には賃借人に支払うべき立退料及び敷金をねん出する資力がなかったため、請求人名義で融資を受けて立退料等を支払っており、立退料等を支払わなければ、本件不動産は譲渡できず、しかも、譲渡したことと融資を受けて立退料等を支払ったこととは関連があるから、本件融資に係る支払利子は譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、立退料は、本件賃貸ビルの賃貸人である当該会社が支払うべきものであり、すでに同社が支払って会計処理も同社で行っていることからも、譲渡費用に該当せず、それに伴う支払金利についても譲渡費用に該当しないから、請求人の主張には理由がない。(平10. 6.30名裁(所)平 9-101)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090101
- 裁決年月日
- 平成10年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己が主宰する同族会社の所有する賃貸ビルとともに本件不動産を譲渡したが、立退料を支払わなければ本件不動産は譲渡できなかったのであり、しかも、譲渡したことと立退料等を支払ったこととは関連があるから、本件立退料は譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、立退料は、本件賃貸ビルの賃貸人である当該会社が支払うべきものであり、すでに同社が支払って会計処理も同社で行っていることからも、譲渡費用に該当しない。(平10. 6.30名裁(所)平 9-101)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090131
- 裁決年月日
- 平成10年6月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303039
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/9その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の賃貸借契約の締結に伴って授受された本件権利金等(譲渡所得の収入金額)についてA土地とB土地の従前の利用状況及びこれらの土地の現況を考慮し、それぞれの土地の実勢価格に基づき按分すべきであり、そうするとA土地の旧小作権部分に係る収入金額は、同土地に設定されていた小作権を解除するために要した離作料の額となる旨主張する。しかしながら、当該土地のうち小作権が設定されていた部分(旧借地権部分)とそれ以外の部分(旧底地部分)とでは、取得時期、取得費等の面で資産としての性格を異にしているものであるから、旧借地権部分と旧底地部分のそれぞれの部分について本件借地権を設定したものと取り扱い、本件小作権消滅時の旧借地権部分及び旧底地部分の適正価額の比により按分して計算するのが相当である。 そうすると、B土地及びA土地のうち旧底地部分に係る収入金額が長期譲渡所得の収入金額に、A土地のうち旧借地権部分に係る収入金額が短期譲渡所得の収入金額になり、これにより本件権利金等に係る譲渡所得の所得金額を計算すべきこととなる。(平10.6.29大裁(所)平9-131、9-132、9-133)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090130
- 裁決年月日
- 平成10年6月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No55・155ページ
要旨
○ 請求人は、A土地の小作権を消滅させるための離作料を支払い、その直後に、A土地に隣接するB土地を含めた土地に、建物の所有を目的とする新たな借地権を設定したことの対価として受領した権利金に係る譲渡所得の金額の計算に当たっては、離作料の額と同額の権利金を受け取って新借地人との間で本件借地権を設定したものであり、その経済的実質は、旧借地権者から新借地権への借地権の移転とみることができ、借地権の内容に何らの変更がないのであるから、本件借地権取引によって所得は発生していない旨主張する。しかしながら、本件土地の賃貸借契約においては、A及びB土地の全体が新たな借地権の目的とされ、実際に建築された建物も本件土地全体を利用する状況にあることが認められ、A土地とB土地を格別区分して借地権が設定されたものではないことは明らかであるから、本件権利金を収入金額として区分するに当たっては、A土地とB土地の面積の比率により按分するのが相当である。また、請求人が主張するように、本件権利金のうちに占める離作料の額の割合が明らかであるとしても、それは本件権利金の使途の問題にすぎず、本件権利金が本件土地全体に借地権を設定することの対価として授受されたものであると解される以上、その割合が直ちにA土地及びB土地の収入金額に区分する際の割合にならないことは当然である。(平10. 6.26大裁 (所) 平 9-130) 裁決事例集No55・155ページ、(平10. 6.29大裁 (所) 平 9-131〜133)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平090054
- 裁決年月日
- 平成10年6月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304022
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/2建築費、造成費等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件A土地の擁壁工事費及び本件B土地の土留工事費は、構築物の取得費に該当するから、A土地の購入代金及びB土地の譲渡収入金額に100分の5を乗じて算定した金額に加算すべきである旨主張するが、本件擁壁工事について、(1)請求人が提出した書類は注文書等ではないこと、(2)請求人は、土砂代金等の金額について答述したものの、その金額の計算は具体的でなく、また、その積算根拠の具体的な説明及び積算根拠を証する書類の提出がなく、土砂代金等の金額に具体性がないこと及び(3)請求人の答述の内容があいまいであることから、請求人が本件擁壁工事費を負担したとは認めることはできず、また、本件土留工事費は、土地を造成及び改良するための費用と認められ、その規模及び構造等からみて土地と区分して構築物の取得費とすることはできず、請求人の主張を採用することはできない。(平10. 6.24高裁(所)平 9-54)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090121
- 裁決年月日
- 平成10年6月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201304021
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/1購入の代価
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A市の相続税財産評価基準額を基に算定した本件土地の取得価額及び本件土地の根抵当権を抹消するために支払った本件代位弁済金並びに本件土地の所有権に関する紛争等を解決するために支払った本件和解金は、本件土地の取得費に該当する旨主張する。しかしながら、請求人の本件土地の取得時における価額の算定方法には合理性がないことから採用できず、また、本件代位弁済金は支払の事実を認めることができないこと及び本件和解は本件譲渡の3年後に行われたものであることから、いずれも譲渡費用には該当しない。したがって、本件土地の取得価額については、本件土地の譲渡時における本件土地周辺の基準地の相続税評価額を基礎として、財団法人B研究所が調査した六大都市を除く市街地(住宅地)価格推移指数及び基準地価格の変動率により、本件土地の取得時の価格を認定することが合理的である。(平10. 6.16大裁 (所) 平 9-121)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090107
- 裁決年月日
- 平成10年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地改良区内の農地を譲渡する場合には必ず決済金が徴収されることになるので、譲渡に当たり土地改良区に支払った決済金は、譲渡を実現するために直接かつ通常必要な費用に該当し譲渡費用となる旨主張する。しかしながら、本件決済金は、土地改良法第42条第2項の規定に基づき、本件土地が宅地転用により地区除外されることに伴い、本件土地改良区においてあらかじめ定められた「決済金徴収規程」に基づいて算定し徴収されたものであり、地区内農地を農地のまま譲渡した場合には支払う必要がない反面、地区内農地を自ら宅地転用する場合など、必ずしも譲渡を伴わない場合であってもその支払が必要であることから、地区内農地の譲渡に当たり本件決済金が直接かつ通常必要な費用であるとは認められないので、譲渡費用には該当しない。(平10. 6. 2関裁(所)平 9-107)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090135
- 裁決年月日
- 平成10年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A組合の代表理事Bに対する本件協力金のうち、本件金員相当額は本件土地譲渡所得に係る譲渡費用として認めるべきである旨主張する。しかしながら、(1)請求人は、本件協力金の支払先であるとするBに本件譲渡に係る取引が終了した後に初めて会い、同人の所属する団体への協力金として本件金員を支払った旨答述していること、(2)本件譲受人の配偶者及び本件売買契約書上の仲介業者はA組合又はBを全く知らないこと、(3)本件売買契約書上においてもBが本件譲渡に関与した形跡はないこと、(4)本件協力金のBへの入金の事実はないこと及び本件協力金に係る領収書は、その記載金額及び作成日付等から実体の伴わない架空の領収書であると認められること等から、本件金員相当額を本件譲渡所得の金額の計算上譲渡費用として控除することはできない。(平10. 3.18東裁(所)平 9-135)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090069
- 裁決年月日
- 平成10年3月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306990
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/23その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件所有権移転承諾料は譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は、本件土地の取得後、農地法第5条の規定による許可が得られず、条件付所有権移転仮登記のままであったために本件所有権移転承諾料を支払わざるを得なかったと推認できるから、本件所有権移転承諾料の支出は本件譲渡行為の範囲内にあるものとは認められず、また、請求人は非農家のため同法第3条ないし第5条に規定する許可が得られないことを承知しながら本件土地を取得しているのであるから、本件所有権移転承諾料は本件譲渡とは無関係に存在していたものとみるべきであり、さらに、本件所有権移転承諾料の中には、登記上の所有者が支払っていた固定資産税等を清算した金額が含まれていることが認められる。したがって、本件所有権移転承諾料は、(1)譲渡のために直接に必要なものでもないこと及び(2)資産の管理費用に類するものであるから、本件譲渡に係る譲渡費用とは認められない。(平10. 3. 2関裁(所)平 9-69)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平090065
- 裁決年月日
- 平成10年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306090
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/9損害賠償金、違約金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件求償債権損害金等は本件物件に設定されていた根抵当権等を抹消するために支払ったものであり、当該根抵当権等を抹消しなければ本件物件を譲渡することができなかったのであるから、本件求償債権損害金等は本件譲渡のために直接必要とした支出であり、譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、本件求償債権損害金等は請求人が借り入れた借入金元本を返済したにすぎず、何ら費用性を有するものではないから、当該借入金の返済が本件物件の譲渡を機に行われたとしても、そのことをもって本件求償債権損害金等を譲渡費用とする余地はない。(平10. 2.26関裁(所)平 9-65)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090064
- 裁決年月日
- 平成10年1月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡(6件の土地の譲渡)に際し、本件各譲受人から売買契約書記載の代金の他に別途受領した金員は、各譲受人に代わって本件道路工事を施工することを売買契約の条件として本件各譲受人から預かったものであり、本件譲渡に係る譲渡代金ではない旨主張するが、(1)本件各譲受人のうち5名の者は、本件道路工事について聞いていない旨申述又は答述し、(2)本件道路工事に係る本件各譲受人ごとの負担額の算定根拠があいまいであり、(3)本件道路工事は、現在においてもいまだ行われておらず、(4)譲受人の中には、3.3平方メートル当たり20,000円を圧縮した売買契約書を作成した旨の申述をしている者がおり、(5)請求人が道路工事を予定しているとする土地の一部は、既に市へ寄付されている事実が認められる。以上のことから総合的に判断すると、請求人が道路工事を行う予定はなく、本件各譲受人との間で譲渡代金を圧縮した売買契約書を交わし、本件金員を受領したものと認められるから、本件金員は本件各土地の譲渡代金の一部と認めるのが相当であり、原処分は適法である。(平10. 1.27広裁(所)平 9-64)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平090021
- 裁決年月日
- 平成9年12月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地の譲渡価額は51,750,000円であり、譲渡代金の残代金の支払日と同日に請求人の妻の名義で預金した26,190,000円及び本件土地の仲介料1,660,000円の支払は、請求人の自宅金庫で保管していた現金により行ったものである旨主張するが、(1)請求人は主張を裏付ける具体的な証拠資料を提出しないこと、(2)請求人及び妻の収入の状況等から多額の現金を保管していたとは認められないこと及び(3)買主は、本件土地の譲渡代金の残代金の支払日に、上記妻名義の預金及び仲介料の合計額と同額の27,850,000円を、親会社及び代表者に対する貸付金として会計処理を行っているが、代表者等に対する貸付けの事実が認められず、当該27,850,000円は、本件土地の仕入代金として支払われたものと認められるから、請求人の主張は採用できない。したがって、本社土地の譲渡価額は79,600,000円であるとした原処分は適法である。(平 9.12.26熊裁(所)平 9-21)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平090011
- 裁決年月日
- 平成9年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306040
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/4登記費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、抵当権等の抹消登記手続費用が所基通33-7に定める譲渡費用に該当するものである旨主張するが、抵当権等の抹消登記手続費用の経費性は、常に、その抵当権等の設定の起因となった債務と一体として、当該債務の帰属する分野で考えるべきものと解すべきであり、当該抹消登記が譲渡に際して必要な手続であったとしても、それは、当該抵当権等の設定の基となった債務・債権関係を譲渡の際に抵当権等の抹消登記手続をもって変更したに過ぎず、同通達にいう「譲渡価額を増加させるためにその譲渡に際して支出した費用」には当たらないものと判断するのが相当である。(平 9.12.17仙裁(所)平 9-11)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平090011
- 裁決年月日
- 平成9年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306010
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/1仲介手数料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、仲介手数料等について、売買に係る費用の負担は任意であること及び費用の帰属は所得税法等に規定する実質所得者課税の規定を類推適用し、実質的に負担した者の必要経費とすべきであることから、その全額を請求人の必要経費とすべきである旨主張するが、(1)費用の負担割合等が、私法上あるいは経済取引上、当事者間で任意であるとしても、その費用の負担が請求人の譲渡所得の金額の計算上、必要経費に該当するか否かは、租税関係法規に照らし判断すべきものであり、(2)所得税法等に規定する実質所得者課税の規定は、租税負担の公平の原則を担保するための規定であり、私法上の形式を認めながらも経済的実質に着目して真実の納税義務者に課税しようとする趣旨によるもので、必要経費の負担の有無まで、実質主義により律する規定ではない。したがって、仲介手数料等は、請求人及び共有者の本件土地の持分の割合に応じて負担すべき費用であり、請求人が譲渡費用として控除すべき金額は、当該仲介手数料等の2分の1に相当する金額である。(平 9. 12.17仙裁(所)平 9-11)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平090089
- 裁決年月日
- 平成9年12月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304026
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/6相続、贈与の場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・210ページ
要旨
○ 請求人は、被相続人の遺産に係る分割協議が調わないことから、A家庭裁判所に遺産分割調停の申立てをしたところ、本件第3回調停条項案のとおり本件不動産を他の相続人らが相続し、これを直ちに請求人が6,000万円で買い取る旨の遺産分割の合意をみるに至ったのであるから、他の相続人らからの取得費6,000万円は、その後請求人が第三者に対し本件不動産を売却したことによる本件譲渡所得における取得価額とすべきである旨主張する。しかしながら、本件第3回調停条項案は、請求人が提示した調停案にすぎないと認められ、他の相続人らは一貫して本件不動産ではなく金銭での分割を要求していたことからも、請求人及び他の相続人らが本件第3回調停条項案で最終的に合意していたとは認められない。そして、第8回調停期日において当事者間に本件調停調書に記載されたとおり、請求人は、被相続人の遺産のすべてを単独取得し、その代償として他の相続人らに対し、合計6,000万円の支払義務を負う旨の調停が成立したのであるから、当該譲渡所得の計算上、本件代償金6,000万円を取得費の額に算入しなかったことは相当である。(平 9.12.15東裁(所)平 9-89) 裁決事例集No54・210ページ
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平090011
- 裁決年月日
- 平成9年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304025
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/5買換え等による場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件旧譲渡資産の譲渡所得の計算に当たり、措法第33条の特例を適用し、本件旧譲渡資産の代替資産として本件譲渡資産のほか2物件を代替資産とする旨の書類を提出しているから、本件譲渡資産へ引き継がれる取得価額は本件旧譲渡資産の取得価額の一部であること及び仮に本件譲渡資産の一部が本件旧譲渡資産の代替資産となるとしても、本件譲渡資産を取得するに当たり多額の取得費等を要しており、譲渡所得は発生しない旨主張する。しかしながら、請求人の提出書類からすると、他の2物件を代替資産と確定させるものとは認められず、本件譲渡資産については、(1)譲渡所得の金額に関する明細書に請求人は本件譲渡資産を代替資産として選択した旨記載し、これを基に譲渡所得金額の計算がされ、原処分庁に提出されていること、(2)当該明細書に請求人が署名押印していること、(3)原処分庁が行った確認調査の際に、原処分庁の面接担当者が請求人に対し、本件譲渡資産を本件旧譲渡資産の代替資産として選択する旨の意思の確認をしていること及び(4)本件譲渡資産の譲渡前に、本件譲渡資産が本件旧譲渡資産の取得価額を引き継ぎ、また、その引き継ぐ取得価額を原処分庁で請求人が確認していることが認められる。以上のことから、本件譲渡資産を本件旧譲渡資産の取得価額を引き継ぐ代替資産であるとして行った原処分は適法である。(平 9.12.12熊裁(所)平 9-11)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平090001
- 裁決年月日
- 平成9年11月28日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・180ページ
要旨
○ 原処分庁は、本件土地の譲渡価額については、(1)請求人が自ら署名、押印した乙契約書の存在を否定していたのは不自然であること、(2)譲受人から委任を受けて本件土地取引の交渉及び売買代金の決済等を行った代理人が記載していた手帳等に、乙契約書記載の売買代金に係る決済状況等が詳細に記録されていること及び(3)本件土地の近隣地域における売買実例からみて、乙契約書による坪当たりの価額が相当であること等から、乙契約書記載の45,180,000円であると認めるのが相当である旨主張する。しかしながら、原処分庁が本件土地の譲渡価額や売買代金の決済状況を裏付ける証拠として採用した代理人の答述及び手帳等については、その内容等に矛盾があり信用できないことから、確実な証拠に基づくものであるとは認められず、また、不動産の現実の取引価格等は取引等の必要に応じて個別的に形成され、個別的な事情に左右されがちであるから、本件土地の売買価額の決定においても、近隣地域の売買実例等との単純な比較によって当否を判断することはできない。ほかに原処分庁の主張を認めるに足る証拠もないことから、本件土地の譲渡価額は、請求人が甲契約書に基づき確定申告した25,113,000円と認められ、原処分はその全部を取り消すべきである。(平 9.11.28金裁(所)平 9-1) 裁決事例集No54・180ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平090016
- 裁決年月日
- 平成9年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304026
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/6相続、贈与の場合の取得費
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 相続により取得した高額なゴルフ会員権を、相続税の申告期限の翌日から2年を経過した日以後に譲渡した場合において、その譲渡の日が相続税の申告期限の翌日から2年を経過した日以後になったことが、バブル経済崩壊により土地以上にゴルフ会員権の価値が下落したことにより、買受人がなかった事情によるものであるとしても、措法第39条の規定の適用につき、かかる特別の事情を参酌して同条の規定の適用を認めるべき旨を定めた法令上の規定は存在しないので、当該譲渡所得について同条の規定の適用は認められない。(平 9.10.31名裁(所)平 9-16)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090018
- 裁決年月日
- 平成9年10月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地をAの仲介でB社に坪当たり44,000円、総額221,704,670円で譲渡したのであって、本件土地の譲渡直後に発生した定期預金等358,867,100円は過去の所得から蓄積した手持現金や知人への貸金の返済を受けて預入れしたものであるから、本件土地をAに総額358,867,100円で譲渡したと認定してなされた原処分は違法である旨主張する。しかしながら、B社の代表者は、本件土地の売買に関与していない旨申述しており、請求人からB社に対して譲渡されたとする売買契約書は架空のものであると認められるところ、譲渡価額と契約日は記載されていないものの請求人がAに本件土地を譲渡したとする売買契約書が存在する上、Aによる本件土地の転売があること及び複数の取引関係者が坪当たり70,000円で請求人からAに譲渡された旨の一致した答述があることから、本件土地は請求人からAに坪当たり70,000円と所得税相当額の合計額で譲渡されたものと認められる。(平 9.10.31大裁 (所) 平 9-18)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090009
- 裁決年月日
- 平成9年8月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡物件の請求人の持分の一部が譲渡直前に親族等に贈与されていることから、本件贈与後の請求人の持分に係る譲渡所得の金額が零円となり、申告義務はない旨主張する。しかしながら、本件譲渡は請求人の父の負債を返済するために行われたものと認められ、また、請求人は、贈与の意思を受贈者に表示しておらず、さらに、受贈者のうち、受贈の事実すら知らない者があることなどからすると、譲渡所得の租税回避のために仮装の贈与を行ったものと認めざるを得ない。そうすると、請求人が行ったとする本件贈与を認めず、請求人の譲渡物件の持分は贈与前の持分であるとした原処分は適法である。(平 9. 8.29広裁(所)平 9-9)、(平 9. 8.29広裁(所)平 9-10)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090001
- 裁決年月日
- 平成9年7月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306160
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/16貸付金の回収不能額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡代金の一部を請求人の借入金の返済に充当したから、当該返済金額を、また、不渡手形による貸倒れが発生したから、当該貸倒れによる損失額をいずれも譲渡代金から控除すべきである旨主張するが、譲渡所得の金額の計算上、(1)譲渡代金を自己の借入金の返済に充当したことをもって、当該返済額を控除する旨を定めた法令上の規定はなく、また、本件譲渡は、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合における強制換価手続等による譲渡にも該当しないから、所法第9条第1項第10号の規定の適用もないこと及び(2)譲渡代金を原資とした貸付金の貸倒れによる損失額を控除する旨を定めた法令上の規定はないことから、請求人の主張を採用することはできない。(平 9. 7.31広裁(所)平 9-1)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090002
- 裁決年月日
- 平成9年7月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302019
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、亡父は自己が所有する本件土地建物の譲渡及び当該譲渡に係る確定申告を行っておらず、これらは、亡父の長男が、亡父の了解を得ないまま、勝手に行ったものであり、無効であるから、亡父には所得税の納税義務はない旨主張するが、関係人の答述等からすれば、亡父は長男に本件土地建物の管理、運用及び本件土地建物の譲渡に係る確定申告の手続について包括的に委任していたものと認めるのが相当であり、亡父の委任を受けて長男が行った本件土地建物の譲渡及び確定申告の効果は亡父に帰属する。(平 9. 7.31広裁(所)平 9-2)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090004
- 裁決年月日
- 平成9年7月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No54・162ページ
要旨
○ 原処分庁は、請求人が、譲受人から売買代金とされる4,500万円を受領していることなどから、本件物件の譲渡価額が4,500万円である旨主張する。しかしながら、本件物件が譲渡されるに至った経緯等を調査したところによれば、請求人が主張するとおり、当該金額の中には、過去の譲受人に対する貸付金の清算部分が含まれていると解釈せざるを得ないから、本件物件の譲渡価額は4,000万円であるとするのが相当であって、原処分は、その全部を取り消すべきである。(平 9. 7.31広裁(所)平 9-4) 裁決事例集No54・162ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080098
- 裁決年月日
- 平成9年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・129ページ
要旨
○ 本件は、借地権利金が譲渡所得の収入金額にみなされる場合に該当するものであるところ、請求人は、A土地については、平成2年7月31日に賃貸借契約が成立しているが、B土地については、他社が使用収益中のため賃貸借契約が成立していないのであるから、同土地に係る借地権利金の収入すべき時期は、平成3年であると主張する。しかしながら、(1)請求人は、平成2年7月31日までに両土地の借地権利金の97.5パーセントに相当する金員を受領し、同年8月10日までにはその全額を受領していること、(2)請求人及び賃借人の双方において両土地を一体のものとして取り扱っていること、(3)B土地に係る賃貸借契約が別途取り交わされていないこと、(4)B土地を使用している他社も平成2年7月31日の時点において平成3年3月31日に立ち退くことが確定していたことなどから、B土地についても平成2年7月31日の時点で賃貸借契約が成立しており、資産の増加益の利得が確定的に発生しているものと認められるから、同土地に係る借地権利金の収入すべき時期は、平成2年であると認めるのが相当である。(平 9. 6.30広裁(所)平 8-98) 裁決事例集No53・129ページ
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平080098
- 裁決年月日
- 平成9年6月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No53・129ページ
要旨
○ 請求人は、同族会社との土地の賃貸借契約の解除に際して支払った6億円の立退料は当該土地の譲渡費用に該当する旨主張するが、(1)当該土地は、当該同族会社の転貸先が建物、構築物のない状態で駐車場として使用していたこと、(2)当該同族会社から当該転貸先への立退料の支払がないこと、(3)当該同族会社に対する賃貸料の額が固定資産税額相当額に近い額であり、実質的には使用貸借に近いものと認められることから、請求人が当該同族会社に対して立退料を支払う必要性は認められず、当該6億円全額を譲渡費用として控除することはできない。(平 9. 6.30広裁(所)平 8-98) 裁決事例集No53・129ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平080078
- 裁決年月日
- 平成9年6月17日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302042
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/2農地の譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件土地のうちの農地7筆について、平成6年中に、農地法第3条の規定による申請及び許可、条件付所有権移転仮登記の抹消並びに所有権移転登記があったことから、被相続人(請求人が納付義務を承継)がこれらを平成6年に譲渡したとし、本件土地に係る和解が成立した平成元年分の申告がなかったので、上記のとおり農地7筆が引き渡され、当該和解条項が成就した平成6年に本件土地全部が譲渡されたと認められるから、本件土地譲渡に係る譲渡所得の収入金額の収入すべき時期は平成6年分であると主張する。しかしながら、農地7筆の引渡しがあった日を検討したところ、(1)和解に際し、譲受者が被相続人の債務を弁済するなどしているが、譲受者は、これらの弁済等を平成元年中にすべて終えており、その後に被相続人に対して金員が支払われるなど利益が供与された事実はないこと、(2)譲受者は、第三者が仮登記した条件付所有権移転の付記登記を平成元年に第三者から経由したこと、(3)譲受者は、うち4筆の農地について、平成3年に土地改良区の旧組合員被相続人、新組合員譲受者として同改良区理事長あてに組合員資格得喪通知書を提出し、昭和62年度から平成3年度までの農業用水等の利用負担金を負担していることが認められることからすると、平成元年の時点において、実質的な支配が被相続人から譲受者に引渡しがあったと認めるのが相当であり、和解が成立した平成元年に農地7筆以外の土地、建物についても引渡しがあったと認めるのが相当である。(平 9. 6.17名裁(所)平 8-78)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080219
- 裁決年月日
- 平成9年6月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201305050
- 争点
- 13譲渡所得/5取得に要した費用/5立退料、離作料等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、収用事業のため土地を市へ譲渡するに当たり、当該土地の賃貸借契約を解除する際に支払った賃借人への立退料は、(1)借地権を買い取る認識も動機もないこと、(2)金額が相続税評価額の3分の1にすぎないこと、(3)所基通59−5に該当し財産権としての借地権はないことを理由に、借地権の取得費ではなく、譲渡費用等に該当する旨主張するが、(4)賃借人側は借地権の譲渡として申告していること、(5)請求人は賃借権の消滅の対価であることを認識していたと認められること、(6)賃貸借契約の契約期間の途中で解除しており、所基通59−5に該当するとは認められないことから、立退料は借地権の取得の対価とみるのが相当である。(平 9. 6.17東裁(所)平 8-219)、(平 9. 6.17東裁(所)平 8-220〜222)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080116
- 裁決年月日
- 平成9年5月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306070
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/7立退料、離作料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、長期譲渡所得の金額の計算において、譲渡直前まで譲渡物件に居住していた請求人の母に対して支払った立退料を譲渡費用として認めるべきである旨主張するが、(1)請求人と同人の母との間で賃貸借契約書が交わされていなかったこと、(2)賃料の授受もなかったことから、請求人は本件建物を使用貸借により請求人の母に使用させていたものであるとみるのが相当であり、立退料は譲渡費用に該当しない。(平 9. 5.13大裁 (所) 平 8-116)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平080030
- 裁決年月日
- 平成9年4月10日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302019
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が夫の経営する会社に本件各土地を贈与する旨の契約書には、贈与者である請求人の実印が押印されていること及び受贈者である会社の決算において、受贈益の計上があること等の事実から、請求人が贈与の事実を認識していなかったとは到底認められず、贈与契約書に基づき贈与登記も行われていることから経済的効果が客観的に存在しており、法人に対する贈与であることは明らかであるから譲渡所得が課税される旨主張する。しかしながら、(1)贈与契約書は、金融機関への対策上夫が会社の粉飾決算の目的で作成したものと認められること、(2)請求人は会社の経営に一切関与しておらず受贈益の計上を知る余地がないこと、(3)贈与契約から夫が死亡するまでの約2年間にわたって贈与登記手続がされておらず、贈与登記は、長男が相続登記と一緒に手続を行っていること等からすると、贈与契約書は、請求人の贈与の意思に基づいて作成されたものでないと考えるのが自然であり、本件贈与が請求人の意思に基づくものであるとする他の直接的な証拠もないことから、請求人が主張するように贈与契約書が偽造されたものであると判断せざるを得ず、原処分は取り消すのが相当である。(平 9. 4.10仙裁(所)平 8-30)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平080026
- 裁決年月日
- 平成9年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302016
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/6競売による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は本件競売剰余金等の交付原因は、請求人がA土地から負担付包括遺贈を受けたことにあり、負担付きであると否と、また、包括であると否とを問わず、遺贈に対しては相続税が課税されるところ、原処分庁は、請求人が被相続人から遺贈により本件土地を取得した行為については相続税の課税対象になると明確に判断しているにもかかわらず、相続税の課税処分をせず、所得税法による課税処分をしたことは違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、Aの相続開始の時に同人の財産(Aに属していた一切の権利義務)を承継したものであり、本件土地は競売開始決定に基づく差押登記が付されていたとはいえ、この時の請求人が相続すべき財産は、あくまでも本件土地であることが認められる。したがって、本件土地は、請求人がAの相続開始によって同人から相続によって取得し、その後、競売によってその所有権は請求人の支配を離れて競落人に引き渡されたものと認められ、このことは、所法第33条第1項に規定する資産の譲渡に該当する。(平 9. 3.12仙裁(所)平 8-26)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080061
- 裁決年月日
- 平成9年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡契約に係る所得について、残金を受領した平成2年分の所得として申告したが、(1)温泉に関する権利変動報告書の変動年月日を平成2年1月19日としたのは誤記であり、(2)譲渡代金の残金の受領は平成2年であるが、これは買主の資金繰りの問題であり、請求人には全く関係のないことであるから資産の引渡しの日は買主が本件土地に対して地上権を設定した平成元年12月25日である旨主張する。しかしながら、(1)譲渡代金の決済を了したのが平成2年中であること、(2)建物の保存登記は平成2年1月19日であること、(3)権利変動報告書は平成2年1月19日に提出されていること、(4)青色申告決算書の平成元年末に譲渡物件の一部が計上され、かつ、2億円は仮受金と経理し、さらに、平成2年分青色申告決算書には期中売却の表示があること、(5)食堂、温泉利用及び公衆浴場の開廃業等の届出がされたのはいずれも平成2年中であることなどからみれば、平成元年中に地上権の設定がなされたとしても、本件資産の引渡しは平成2年においてされたとみるのが相当である。(平 9. 2.21関裁(所・諸)平 8-61)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080061
- 裁決年月日
- 平成9年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201399000
- 争点
- 13譲渡所得/7その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、温泉権の譲渡に係る所得は所令第82条に規定する自己の探鉱により発見した鉱床に係る採掘権の譲渡に該当し、その取得の時期は温泉掘削の調査を開始した昭和57年とすべきであるから、総合長期譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、温泉は湧水であり鉱物に当たらないから同条の適用はなく、また、請求人は温泉権に係る温泉工事の許可を昭和63年9月に受け、掘削工事は同年12月に終了し、利用許可は平成元年に受けていることからすると、温泉権の取得の時期は昭和63年であると認められる。したがって、温泉権を譲渡した平成2年においてはその所有期間が5年以下であり、温泉権の譲渡に係る所得は総合短期譲渡所得に該当する。(平 9. 2.21関裁(所・諸)平 8-61)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080059
- 裁決年月日
- 平成9年2月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地建物の譲渡代金の残金のうち、請求人の三男が譲受人から受領し、個人的に費消している部分は、三男に代理権を授与していないので譲渡所得の収入金額を構成しない旨主張する。しかしながら、(1)譲受人との交渉において、三男は、譲渡代金の受領代理人である旨告げるとともに、代理権がなければ返還されるはずのない譲受人が振り出した金融機関預入約束手形を持参しており、三男を通じて支払った譲渡代金については請求人から一切督促や要求はなかったなどの状況から、譲受人は、三男を請求人の代理人と認識していたこと、(2)譲受人は、三男の指示に基づいて残金の一部を請求人の預金口座に振り込んでいること、(3)請求人は、三男が行った残金の支払交渉から受領に至る一連の行為について、譲受人に対して異議を申し立てた事実も認められないことなどからすると、請求人は三男に対し、残金の授受等について代理権を授与していたものと認められるから、請求人の主張には理由がない。(平 9. 2.18関裁(所)平 8-59)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080045
- 裁決年月日
- 平成8年12月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306010
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/1仲介手数料
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡に係る仲介手数料について、(1)売買契約書には仲介業者の押印があること、(2)不動産取引において仲介業者に手数料が支払われないことなど考えられないこと、(3)実際に仲介手数料300,000円を支払ったと記憶していること、(4)不動産取引における仲介業者の報酬は、取引金額の3%ないし5%と定められていることを理由として、仲介手数料300,000円を譲渡に要した費用として認めるべきである旨主張するが、請求人が仲介手数料を支払った事実を証明する証拠資料がなく、その支払の事実が認められないことから、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平 8.12.20大裁 (所) 平 8-45)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080045
- 裁決年月日
- 平成8年12月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201306040
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/4登記費用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、土地の譲渡の際に要した抵当権抹消登記費用は、直接譲渡に要した費用に該当するから、譲渡費用にはならないとした原処分は違法である旨主張する。しかしながら、抵当権の設定及び抹消に要する費用は、債券確保のために、その発生・消滅に起因して生ずるもので、抵当権を抹消することが、譲渡の前提として必要であったとしても、借入金を弁済することに起因して支出したものであり、それが土地の譲渡の際に支払われたものであるとしても、所法第33条第3項に規定する資産の譲渡に要した費用には該当しない。(平 8.12.20大裁 (所) 平 8-45)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平080045
- 裁決年月日
- 平成8年12月20日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売買契約金額のうちには請求人が受領していない金額があるとして、当該金額を譲渡収入金額から減額すべき旨主張するが、請求人が受領していないと主張する金額は、双方合意の上、預託されており、土地の引渡し及び所有権移転登記も完了していることが認められるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平 8.12.20大裁 (所) 平 8-45)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平080016
- 裁決年月日
- 平成8年12月17日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201302041
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/4収入すべき時期/1譲渡の日の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡は、平成3年中に当事者で合意し、この合意に基づいて取り交わした契約書の日付は平成3年12月30日であり、この日が契約の効力発生の日である旨主張する。しかしながら、本件譲渡は、請求人が主宰する法人の営業譲渡等と一体として進められ、当該営業譲渡等の契約が成立しなければ本件譲渡の契約が成立しなかったものと認められるところ、譲受人は、平成4年1月10日に当該営業譲渡等に係る覚書を取り交わした上で、平成3年12月30日付の契約書を取り交わしていることから、覚書を取り交わした日である平成4年1月10日が本件譲渡に合意した日であると判断するのが相当であり、本件譲渡に係るを平成4年分の分離長期譲渡所得とした更正処分は相当である。(平 8.12.17仙裁(所)平 8-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080044
- 裁決年月日
- 平成8年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303034
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/4交換等の場合の収入金額
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人所有の本件譲渡土地をA社に譲渡し、同日A社から取得土地を同額で取得したところ、原処分庁は、譲渡土地の譲渡収入金額を取得土地の近隣における国有財産の売払価格に基づき更正処分をしたが、(1)譲渡土地の1平方メートル当たりの価格は同土地の固定資産評価額の約85倍であり不当に低い金額ではないこと、(2)国有財産の位置を特定していないこと等から、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、当該取引は事実上交換したものであるが、所法第58条の規定には該当せず、所法第36条の規定から譲渡土地の譲渡に係る総収入金額は、取得土地の客観的交換価値としての価額によることとなるところ、(1)固定資産評価額は固定資産税を課税するための基準となるものであり、取得土地の客観的交換価値としての価額を判断する基準となるものではないこと、(2)国有財産は本件取得土地に隣接するなど価格事情がおおむね同一と認められる土地であることから、請求人の主張には理由がない。(平 8.12.17関裁(所)平 8-44)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080067
- 裁決年月日
- 平成8年11月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株式が非上場株式であるため、その譲渡に係る譲渡所得は措法第37条の10の規定による申告分離課税とされるところ、(1)本件株式が上場株式であると仮定し措法第37条の11の規定による源泉分離課税を選択した場合に比し、税負担が高額となるから措法第37条の10の規定は不合理かつ不当であり、(2)本件株式の取得時(昭和40年以前)と譲渡時(平成6年)とでは貨幣価値が異なることから、本件株式の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費の額は日経平均株式指数等の基準に基づき補正すべきである旨主張するが、(3)法令自体の適否又は合理性は当審判所の権限に属さず審理の限りでなく、また、(4)貨幣価値の変動による本件株式の値上がり益自体も譲渡所得として課税されることとなる増加益の中に含まれるものと解するのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。(平 8.11.18東裁(所)平 8-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080056
- 裁決年月日
- 平成8年11月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302016
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/6競売による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、詐欺を起因として、競売に名を借りて本件宅地等を詐取されたものであるから、一連の詐欺行為を切り離し、単に競売行為のみをとらえて譲渡所得に対する課税を行った原処分は違法である旨主張する。しかしながら、たとえ詐欺行為に伴う競売であったとしても、競売により土地等の所有権を他に移転したことは所法第33条に規定する資産の譲渡に当たると解され、競売代金は、本件宅地等の譲渡対価であって、その対価の中に増加益が具体化されているものであるから、当該競売代金は、譲渡所得の収入金額として課税の対象となる。(平 8.11. 5東裁(所)平 8-56)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080044
- 裁決年月日
- 平成8年10月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306120
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/12訴訟費用、弁護士費用等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が支払った訴訟に関する弁護士費用のうち、本件土地に係る弁護士費用は本件土地の売買契約の履行において不可欠なものであり、譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用に該当する旨主張する。しかしながら、訴訟に関する弁護士費用は、本件土地等の所有権を確保するための支出であって、本件土地の譲渡実現のために直接かつ通常必要な費用とは認められないので、譲渡費用には当たらない。(平 8.10.29東裁(所)平 8-44)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平080005
- 裁決年月日
- 平成8年10月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201303038
- 争点
- 13譲渡所得/3収入金額の計算/3不動産の譲渡による収入金額/8収入金額の認定事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、売買契約書に記載されている売買価額14,298万円は、本件土地の売買価額7,298万円に、本件土地の譲受人が請求人の関係会社に対して支払うことを合意していた損失補てん金7,000万円を加えた金額であるから、本件土地の売買価額は7,298万円が正当であり、この件に関しては、請求人と譲受人との間で作成した確認書等からも証明できる旨主張する。しかしながら、売買契約書の締結、売買価額の決定及び売買代金の授受等の経緯、譲受人等関係人の答述並びに請求人が当審判所へ提出した確認書等が原処分調査後に作成されたものである事実などのいずれの点からみても、本件土地の売買価額が請求人の主張する7,298万円であると認めるに足りる証拠はないため、請求人の主張は採用できない。(平 8.10.24札裁(所)平 8-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平080013
- 裁決年月日
- 平成8年10月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201306090
- 争点
- 13譲渡所得/6譲渡費用/9損害賠償金、違約金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、違約金及び立退手数料として合計3,000万円を支払ったから、これを譲渡費用として認めるべきである旨主張し、契約書、領収証等を提出したが、(1)当時のアパートの入居者に対する調査によれば、立退き勧奨等があった事実は一切認められないこと、(2)違約金について、請求人は当初の申告で管理手数料としているところ、それが違約金であるとする合理的な説明もしていないこと、(3)請求人が提出した領収証は後日作成されたものであり、信ぴょう性が認められないことから、これらを譲渡費用であると認めることはできない。(平 8.10.15関裁(所)平 8-13)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平080003
- 裁決年月日
- 平成8年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201304029
- 争点
- 13譲渡所得/4取得費/2取得価額の認定/8その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件土地に係る取得費のあん分計算に関し、請求人は、一団の土地を構成する本件土地と隣接地とが市道に接する間口の比7対3を時価比とすべきである旨主張し、原処分庁は、本件土地の譲渡価額と本件土地の譲渡後に譲渡した隣接地の譲渡価額を時点修正した価額との時価比とすべきである旨主張する。しかしながら、所法第38条第1項を受けて、所基通38−1の2で一団の土地の取得の計算にあっては原則として面積あん分で行い、合理的なあん分ができる場合は、時価比で行っても差し支えないこととされており、これを本件についてみると、請求人の主張する時価比は客観性が認められず、また、原処分庁の主張する時価比は隣接地の譲渡が本件土地の確定申告時に予見できないものであり、いずれの時価比も採用できず、本件土地に係る取得費の計算においては、本件土地の面積と隣接地の面積の比を用いたあん分計算が相当である。(平 8. 7. 3熊裁(所)平 8-3)
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