裁決要旨 1所得の区分
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令070015
- 裁決年月日
- 令和7年12月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の事業(本件事業)の譲渡契約(本件契約)による譲渡対価(本件金員)は、本件契約により、承継人に対し、有形又は無形の財産を譲渡したことによる対価であり、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する「資産」に該当する事業を譲渡したことによる所得であることから、譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件契約及び本件契約に基づき締結された事業用建物等に係る賃貸借契約(本件賃貸借契約)は、当該各契約に係る作成の経緯や一見した内容からすれば営業権の譲渡を意図したことがうかがわれるものの、当該各契約の具体的な条項等に基づき検討すると、当該各契約の内容は、請求人の作為又は不作為を中心とするところに本件金員を対価として支払うというものであって、本件事業の性質や当該各契約によって本件事業の用に供されている高額な評価がなされた物的資産の移転がないことからすれば、有機的一体として機能する財産の全部又は重要な一部を譲渡の目的物にしたというには相当の疑問が残ることから、当該各契約によって、請求人が承継人に対して本件事業を譲渡したと認定することはできず、本件金員は、譲渡所得の基因となる「資産」の譲渡の対価に該当するとは認められないので、譲渡所得には該当しない。(令7.12.11 名裁(所)令7-15)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010094
- 裁決年月日
- 令和2年4月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、海外特別目的会社(本件法人)が発行した外国証券(本件外国証券)は、社債又は社債的受益権に性質が類似しているから、その譲渡による所得は、租税特別措置法(平成25年法律第5号による改正前のもの)第37条の15《公社債等の譲渡による所得の課税の特例》第1項第1号の規定を適用して非課税と取り扱うべきである旨主張する。しかしながら、本件外国証券は、①その発行体である本件法人が外国会社であるから、公債には該当せず、②本件外国証券への拠出は信託契約に基づくものではないから、公社債投資信託、公社債等運用投資信託及び貸付投資信託の受益権並びに社債的受益権に該当しない。また、③本件外国証券は出資証券であって、本件法人を債務者とする金銭債権であるとは認められないから社債にも該当しない。したがって、本件外国証券は措置法第37条の15第1項第1号に規定する公社債等には該当しない。そして、本件外国証券の保有者は、その保有数に応じた配当を受けるとともに、残余財産請求権を有することとされ、また、本件外国証券の拠出金は本件法人の資本金とされていることからすると、本件外国証券は株式等に該当し、その譲渡は譲渡所得等として課税される。(令2.4.27東裁(所)令元-94)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平300080
- 裁決年月日
- 令和元年6月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301039
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所有していた各車両(本件各車両)の譲渡はいずれも所得税法第9条《非課税所得》第1項第9号に規定する「生活に通常必要な動産」の譲渡に該当する旨主張する。しかしながら、その資産の譲渡について非課税とされる「生活に通常必要な動産」とは、「家具、じゅう器、衣類」等及びこれらに類似する生活用動産であって、通常の社会生活を営むのに必要とされる動産のことであると解されるところ、請求人は、毎年のように車両を新車で購入し、同時に複数台の車両を所有しつつ、購入後は短期間に次々と譲渡するといった行動をとっており、加えて、本件各車両のうち車両台数を限定して生産、販売された輸入車(本件各限定車)については、購入者が限られる上、購入時の車両本体価格がいずれも数千万円を超えること等を考慮すると、本件各限定車が通常の社会生活に必要であるとは認められないから、「生活に通常必要な動産」に該当しない。(令元. 6.18 大裁(所)平30-80)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平300079
- 裁決年月日
- 平成31年1月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301032
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人(売主)には、その所有する各不動産(本件各不動産)を譲渡する意思はなく、相手方(買主)もそのことを知っていたから、当該譲渡に係る売買契約は民法第93条《心裡留保》ただし書の規定により無効であり、本件各不動産について、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する資産の譲渡はなかった旨主張する。しかしながら、売主と買主の間で売買代金の決済が行われた事実は認められないものの、両者の間には、本件各不動産の売買の合意が存在し、本件各不動産の所有権移転登記及び引渡しもあったことに加え、請求人は、自宅の根抵当権が抹消されたという経済的利益を受けていることからすると、本件各不動産について、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡があったといえる。(平31. 1. 7 東裁(所)平30-79)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280052
- 裁決年月日
- 平成29年5月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、勤務している大学(A大学)とB大学との共同研究において請求人らが開発した発明に係る特許権について、A大学に付与された当該特許権の持分をB大学が譲り受け、その後のB大学と第三者との当該特許権侵害訴訟の和解に基づく和解金の分配金としてB大学から請求人に支払われた金員(本件金員)について、請求人とA大学は、特許が付与された時点において純利益が生じた場合にその分配を行うことを合意していたものであり、本件金員は譲渡の対価として、譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、仮に請求人が主張する譲渡があったとしても、譲渡所得に該当するためには、その所得が譲渡に基因して譲渡の機会に生じたものであることを要し、譲渡の機会に客観的に実現が可能になったということのできない権利は、譲渡所得に当たらないと解され、本件においては、譲渡の機会とされる発明開示時点において、本件金員の支払の金額が確定しておらず、客観的に見て本件金員の支払請求権の実現が可能になった状態とは認められないから、譲渡所得に該当しない。(平29. 5.10 大裁(所)平28-52)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平270029
- 裁決年月日
- 平成27年12月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各ゴルフクラブ(本件各ゴルフクラブ)の会員権を本件各ゴルフクラブの運営会社に譲渡する際、各運営会社に対して、退会の話や優先的施設利用権を放棄する話は一切しておらず、各運営会社の内部処理上、退会とされただけであるから、請求人が退会申請書を提出し金銭の支払を受ける各行為(本件各行為)は、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する資産の譲渡に該当する旨主張する。しかしながら、請求人が各運営会社に提出した各退会申請書には、本件各ゴルフクラブからの退会を申請する旨及び会員資格保証金の返還を求める旨がそれぞれ記載されており、各運営会社が請求人に送付した各退会手続完了のお知らせには、各退会申請書が提出された日を退会日として退会手続が完了した旨及び会員資格保証金を請求人に返金する旨がそれぞれ記載されているのであるから、請求人は、各退会申請書の提出により、各運営会社に対し、本件各ゴルフクラブからの退会の意思表示を行ったことは明らかである。そうすると、本件各行為は、本件各ゴルフクラブを退会したことにより、優先的施設利用権及び会費納入義務が消滅し、金銭債権としての保証金の返還を受ける行為であると認められるから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当しない。(平27.12. 2 大裁(所)平27-29)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260039
- 裁決年月日
- 平成27年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、借入金を原資として取得した金地金(本件金地金)につき、投資目的で購入及び売却を行ったのであるから、売却に係る所得は、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する譲渡所得ではなく、同法第35条《雑所得》第1項に規定する雑所得に該当する旨主張する。しかしながら、雑所得とは、他の所得分類のいずれにも該当しない所得を課税するための所得類型であるところ、所得税法第33条第1項は、資産の譲渡による所得を譲渡所得という旨規定し、同条第2項は、その第1号及び第2号において、たな卸資産の譲渡その他営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡は譲渡所得に含まれない旨、山林の伐採又は譲渡による各所得は譲渡所得に含まれない旨それぞれ規定している。そして、本件金地金の売却は、金地金という「資産」を、売却という方法で「譲渡」したものであり、請求人による本件金地金の取引が継続的に行われた事実も認められないことなどから、本件金地金の売却に係る所得は、譲渡所得に該当し雑所得には該当しない。(平27. 6. 1 名裁(所)平26-39)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平260111
- 裁決年月日
- 平成27年6月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№99
要旨
○ 請求人は、匿名組合契約の出資者である外国法人(本件外国法人)との間で締結した参加利益契約(本件参加利益契約)に基づき拠出金(本件拠出金)を支払い、その後、請求人と本件外国法人との間の本件買戻合意(本件参加利益契約に基づき匿名組合契約に係る利益の分配を受ける権利を本件外国法人が買い戻すことなどの合意)に基づき買戻代金を受領し、当該買戻代金と本件拠出金との差額の損失額(本件損失額)は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に該当する旨主張する。しかしながら、本件参加利益契約は、請求人が、本件拠出金を拠出した見返りとして、本件外国法人が内国法人との間の匿名組合契約に基づき享受する利益の一部の分配を受けるという契約であると認められ、また、当該分配は、内国法人から本件外国法人への分配金を上限として、本件拠出金に対して一定率の配当が請求人に支払われるものであり、雑所得に該当すると認められることから、本件拠出金は、雑所得の基因となる資産に該当する。そして、本件買戻合意は、本件参加利益契約の解約であると認められ、本件外国法人には本件拠出金相当額の返還義務が生じるところ、当該合意による買戻代金は、請求人と本件外国法人との間で合意した返還額であり、その結果、本件損失額が発生したものと認められる。そうすると、本件損失額は、雑所得の基因となる資産である本件拠出金に係る損失の金額と認められるから、本件損失額は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額とは認められない。(平27. 6. 1 東裁(所)平26-111)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平250013
- 裁決年月日
- 平成26年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式譲渡契約書(本件株式譲渡契約書)には請求人が株式(本件株式)を3億円で譲渡する旨の記載があり、請求人の署名押印があるものの、この署名押印は同契約書の文書の意味について十分な理解なくしたものであり、また、当該3億円に係る各小切手(本件各小切手)は請求人以外の者が受領したものであって、請求人は本件各小切手を受領していないことから、請求人が本件株式を3億円で譲渡した事実はない旨主張する。しかしながら、本件株式譲渡契約書は、A4判の用紙一枚で、本件株式の譲渡について簡潔かつ明瞭に記載されたものであり、また、請求人の経歴からして、請求人が本件株式譲渡契約書の内容を十分に理解できなかったとは考え難い。そして、本件各小切手がコピーされた「領収書」で始まる書面に請求人の署名押印があり、これは請求人がしたものと認められるところ、白紙を提示されて署名押印を求められたなどの請求人の答述は、信用できない。さらに、当審判所の調査によっても、本件株式譲渡契約書及び本件各小切手がコピーされた「領収書」で始まる書面の信用性等について疑義を生じさせる事情は認められない。以上のことから、本件譲渡株式契約書の記載内容どおり、請求人は本件株式を3億円で譲渡したことが認められる。(平26. 3.25 熊裁(所)平25-13)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250030
- 裁決年月日
- 平成25年9月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営会社に対して、本件ゴルフクラブ(預託金会員制のゴルフクラブ)から退会する旨の意思表示をした上で、預託金返還請求訴訟を提起し、当該訴訟において訴訟上の和解(本件訴訟上の和解)をしたが、ゴルフ場経営会社から本件訴訟上の和解に従った預託金全額の返還が行われなかったため、本件ゴルフクラブの優先的施設利用権はそのまま保有しており、その後、ゴルフ場経営会社及びゴルフ会員権の買取業者(本件譲受会社)との間で締結した和解契約(本件和解契約)に基づいて本件譲受会社に譲渡した資産は、優先的施設利用権を含むゴルフ会員権であるから、当該ゴルフ会員権は、所得税法第33条《譲渡所得》第1項に規定する「資産」に該当する旨主張する。しかしながら、譲渡所得の基因となる資産を譲渡したというためには、当該資産の取得の時点と譲渡の時点とで資産の同質性が維持されている必要があると解されるところ、請求人が、預託金返還請求訴訟を提起する際に、本件経営会社に対して本件ゴルフクラブの退会及び預託金返還請求の意思表示をした結果、請求人と本件経営会社との間の会員契約は終了し、本件ゴルフクラブに係る優先的施設利用権及び年会費支払義務は消滅し、預託金返還請求権のみが存在することとなったものと認められる。そうすると、請求人が本件和解契約に基づいて本件譲受会社に対して譲渡したのは、金銭債権たる預託金返還請求権であると認められることから、請求人が取得した、優先的施設利用権、預託金返還請求権及び年会費支払義務が一体不可分のものとなった本件ゴルフクラブのゴルフ会員権との間で資産としての同質性が維持されているということはできない。したがって、当該預託金返還請求権は、所得税法第33条第1項に規定する「資産」に該当しない。(平25. 9.10 東裁(所)平25-30)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240201
- 裁決年月日
- 平成25年4月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、預金保険法に基づく破綻手続を開始した非上場銀行(本件銀行)の株式の譲渡(本件株式譲渡)について、①本件株式譲渡時には株主権(自益権及び共益権)を法的に喪失していない、②租税特別措置法第37条の10の2《特定管理株式等が価値を失った場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例》は、株式が価値を喪失したか否かの判断基準を規定したものであるところ、その判断基準によれば、民事再生法上の再生手続開始の申立てがされたにすぎない状態にある本件銀行の株式(本件株式)は、経済的価値を喪失しておらず、譲渡所得の基因となる資産に該当するなどと主張する。しかしながら、株式は、自益権や共益権を基礎として一般にその経済的価値が認められて取引の対象とされ、キャピタルゲイン又はキャピタル・ロスを生ずるような性質のものとして、譲渡所得の起因となる資産に当たるものと解されるところ、①本件株式は、本件株式譲渡の時点において、自益権及び共益権を行使することは事実上極めて困難であるか、または行使による実益も皆無であって、経済的価値を喪失していたと認められること、また、②租税特別措置法第37条の10の2の規定は、発行会社の清算結了等の一定の事実の発生があった特定管理株式等のみを対象として、当該事実が生じたことを株式としての価値を失ったことによる損失が生じたものとするものであるから、当該一定の事実を掲げる同規定をもって、およそ個人の所有する株式が無価値化する場合を網羅したものであると解することや、税法上、株式としての価値を失った場合を同規定に掲げる場合に限るという趣旨を表明したものであると解することはできない。(平25. 4.26 東裁(所)平24-201)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平240006
- 裁決年月日
- 平成24年9月25日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№88
要旨
○ 原処分庁は、請求人の所有していた民事再生法の規定による再生計画に基づき平成21年中に無償で消滅した株式(本件株式)の取得金額は、譲渡所得の金額の計算上、取得費として控除できない旨主張する。しかしながら、所得税法においては、株式が株式としての価値を失ったことにより損失が生じた場合、①その株式が事業所得の基因となるものであるときは、所得税法第37条《必要経費》第1項の規定に基づき、売上原価の計算を通じて自動的にその株式の取得価額相当額がその損失の発生した年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入され、また、②その株式が雑所得の基因となるものであるときは、所得税法第51条《資産損失の必要経費算入》第4項の規定に基づき雑所得の金額を限度として、その株式の取得価額相当額が資産損失としてその損失が発生した年分の雑所得の金額の計算上必要経費に算入され、③その株式が譲渡所得の基因となるものであるときは、その損失は所得金額の計算上考慮されないところ、請求人の上場株式等の譲渡による所得は、事業所得又は雑所得と認められることから、本件株式が株式としての価値を失ったことによる損失の金額は、平成21年分の株式等の譲渡による事業所得又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入できることになる。(平24. 9.25 関裁(所)平24-6)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230088
- 裁決年月日
- 平成24年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 税理士法人の社員税理士である請求人は、個人で営んでいた税理士業に係る業務を当該税理士法人(承継税理士法人)に譲渡した対価(本件業務譲渡対価)は譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件業務譲渡対価は、請求人の直前1年間の売上金額を基準として、承継税理士法人に引き継がれると予測される顧問先に係る売上債権の額のみに基づいて算定された金額であり、しかも、直前の3年間の事業所得の金額及び職員の給与等を勘案し、承継後に承継税理士法人が経営上の赤字とならないように請求人の報酬額を算定したことを加味すると、承継税理士法人の利益の額を見越して算定されたものであることは明らかであるので、キャピタルゲインに相当する金額を含んだ金額とはいえない。したがって、本件業務譲渡対価は譲渡所得に該当するとはいえない。そして、本件業務譲渡対価は、請求人が個人で営んでいた税理士業に係る顧問先のうち、承継税理士法人が実際に承継することができた顧問先に係る対価としての性質を有するものというべきであり、請求人が個人で営んでいた税理士業を廃業することによって失われる収益そのものを算定したものとは認められないので、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び一時所得のいずれにも該当せず、雑所得に該当する。(平24. 3.22 名裁(所)平23-88)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230010
- 裁決年月日
- 平成23年9月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№84
要旨
○ 請求人は、国内特許と外国特許とに係る相当の対価の支払を請求する権利は、それぞれ別個の請求権であって、F社から外国特許に係る承継の対価は一切受け取っておらず、F社に対し、在職中の職務発明について特許を受ける権利をF社に承継させたことにつき、特許法第35条《職務発明》第3項の規定に基づき、相当の対価の支払を求めて提起した訴訟において成立した訴訟上の本件和解によって得た本件和解金によって当該外国特許に係る承継の対価を初めて受け取ったのであるから、少なくともその部分に関しては譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、我が国又は外国の特許を受ける権利の基となる職務発明は、共通する一つの技術的創作活動の成果であり、当該職務発明については、その基となる雇用関係等も同一であって、これに係る国内外の特許を受ける権利は、社会的事実としては、実質的に1個と評価される同一の職務発明から生じたものということができ、そして、F社の発明考案取扱規定(本件規定)は、F社が日本国及び外国での職務発明に係る特許等を受ける権利等を承継する旨定めており、その趣旨は、国内外の特許を受ける権利の上記のような性格等に鑑み、当該権利の基となる職務発明をした従業者等とF社との間の当該発明に関する法律関係を一元的に処理しようとしたものであるということができる。このことに加えて、本件規定において、出願数は国内出願の件数により認定し、複数の出願に基づく国内優先権出願及び外国出願は全てこれを一つの出願とみなす旨規定していることを併せ考えると、本件規定が定める出願補償金、登録補償金及び実績報償金は、いずれも、国内における特許を受ける権利と外国における特許を受ける権利のいかんを問わず、本件規定の定める一つの出願に対するものとして規定されているものと解するのが相当である。そうすると、F社から請求人に対して支払われた出願補償金及び登録補償金は、職務発明に係る国外の特許を受ける権利の承継の対価を含むものというべきであるから、本件和解金に係る所得は譲渡所得には当たらない。 (平23. 9.22 大裁(所)平23-10)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平220007ほか 3件
- 裁決年月日
- 平成22年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①土地区画整理組合(本件組合)から保留地清算金として交付を受けた本件交付金は、請求人らの従前の土地を保留地減歩して生み出された保留地の売却収入を分配したものであり、②本件換地処分後の土地の権利価額の算定が不当に低く誤っているから、本件交付金の実質は土地区画整理法第94条《清算金》の清算金の不足分であり、本件交付金は譲渡所得である旨主張する。しかしながら、本件交付金は、本件組合の総会の議決に基づいて保留地の処分等により生じた剰余金を組合員へ交付したものであるところ、①本件組合が施行する土地区画整理事業の保留地は、土地区画整理法第104条《換地処分の効果》第11項の規定のとおり本件組合が取得するものであるからその処分代金も本件組合に帰属するものと認められ、また、本件交付金は、従前地の面積に応じて分配されたものであって、減歩の有無・程度に応じて分配したものでもない。そして、②本件組合の総会の議決に基づく本件換地処分が取り消された事実は認められず、同処分に重大かつ明白な違法があると認めるに足りる証拠も存しないから、本件交付金を本件組合の議決に反して土地区画整理法第94条の清算金であるとみる余地もない。したがって、本件交付金は、請求人の資産の譲渡の対価とは認められない。(平22.12.16 金裁(所)平22-7)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平210037
- 裁決年月日
- 平成22年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- No.79
要旨
○ 請求人は、税理士事務所においては、税理士、従業員税理士、従業員及び顧問先と税理士事務所独自のノウハウ等が一体となって運営されていることに着目して営業権あるいは企業権というものを認識することができ、この営業権という資産を譲渡したものであるから、その対価として受領した金員に係る所得は所得税法第33条に規定する譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、?税理士と顧問先との関係において、税理士のノウハウや顧問先との信頼関係は、当該税理士個人に帰属し、一身専属性の高いものであり、税理士とその顧問先が両者の委任契約の上に成り立っていることからすれば、当該税理士を離れて営業組織に客観的に結実することにはなじまないこと、?補助税理士及び従業員と顧問先との関係において、請求人は、事業承継時において承継する税理士に引継ぐべき従業員を有していなかったのであるから、補助税理士及び従業員と顧問先との関係は生じないこと、?税理士事務所独自のノウハウ、また、これと税理士や従業員等が一体となって行われる運営、その他、超過収益を稼得できる無形の財産的価値を有していた旨の請求人の主張については、請求人から具体的な主張や証拠の提出はなく、また、請求人が経営していた税理士事務所に超過収益を稼得できる無形の財産的価値があったと客観的に認めることができないことから、請求人が経営する税理士事務所において、譲渡所得の基因となる資産としての営業権若しくはこれに類する権利が存在していたことを認識することはできない。(平22. 6.30 福裁(所)平21-37)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210002
- 裁決年月日
- 平成21年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ X国法人であるY社の発行済株式の総数を保有する請求人は、Z国に所在する不動産の譲渡収益が法律上帰属すると見られるY社は単なる名義人にすぎず、請求人が当該譲渡収益を直接享受していることから、実質所得者課税の原則により、当該譲渡収益は請求人に帰属し、当該譲渡収益を原資として請求人の口座に振り込まれた本件金員の所得区分は譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、実質所得者課税の原則は、課税物件の法律上の帰属につき、その形式と実質とがかい離している場合に、実質に即して帰属を判定すべきことを定めたものであると解するのが相当であるところ、Y社は、X国において法人格を承認された法人であり、Z国において当該不動産の所有者として登記され、売買予約や売買契約の当事者となっていることに加え、Z国において当該譲渡収益に係る納税義務をも負担していることからすれば、形式的にも実質的にも、当該譲渡収益の法律上の帰属主体はY社であると認められ、形式と実質との間に何らかい離は存在しないから、請求人の主張はその前提を欠くものといわざるを得ず、税法上、不動産の譲渡収益を原資とする法人から個人への支払を譲渡所得として取り扱う旨の規定もないから、請求人の主張は採用できない。(平21. 7. 8 東裁(所)平21-2)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平200006
- 裁決年月日
- 平成20年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A及びBと共同で株式取引により利益を得ることを目的として基金(以下「本件基金」という。)を設立し、これに対して資金を出資(以下「本件出資金」という。)したが、清算に当たり本件基金を運用していたAが清算金の大半を支払わないため、この支払われていない金員(以下「本件損失額」という。)のうち、株式取引に係る損失は請求人の平成17年分の株式等譲渡所得の金額から控除でき、それ以外のものはAの横領による損失として雑損控除ができる旨主張する。しかしながら、本件出資金は、請求人が株式取引に係る資金を拠出したものにすぎず、請求人が自己の判断に基づいて株式取引を行っていないことからも請求人の株式取引ではなく、本件損失額は請求人の株式等譲渡所得に係る損失とは認められない。本件出資金は雑所得の基因となる資産と認められ、これについて生じた本件損失額は、雑所得を生ずべき資産の損失になることから、その損失の生じた日の属する年分の雑所得の金額を限度として、当該年分の雑所得の金額の計算上必要経費に算入することができるところ、請求人は、Aに対して本件損失額を求償していることからすれば、本件損失額はいまだ確定しておらず、請求人の平成17年分の雑所得に係る損失額として必要経費に算入することはできない。また、雑損控除が適用される損失については、その損失に関連する具体的事実及び損失額を請求人において主張、立証しなければならないところ、請求人が主張している横領があったとする具体的事実及び損失額についての主張、立証がなされていないことから、横領による損失が生じている事実が確認できないため、雑損控除の適用も認められない。以上のとおり、原処分庁が行なった処分は適法であり、請求人の主張には理由がない。(平20.12. 1 高裁(所)平20-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190149ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成20年4月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 No.75・198ページ
要旨
○ 請求人は、いわゆる余剰容積移転のための対価として受領した金員について、所得税法第33条第1項の資産の譲渡に該当することから、譲渡所得として課税されるべきである旨主張する。しかしながら、余剰容積移転の対価は、土地所有権の一部譲渡を意味するものではなく、移転側が、移転を受ける側に対して自己の土地を建築上利用させるために、その土地における建築上の利用制限を受けることに対する対価であると解するのが相当であることから、「土地を使用させる行為」に当たり、原則不動産所得に該当し、所得税法第33条かっこ書及び所得税法施行令第79条第1項に該当する場合に限り、譲渡所得として課税されることになる。そうすると、本件余剰容積利用権は、建築基準法第86条第2項に規定する連担建築物設計制度の適用により容積率が事実上緩和されたことに基づいて発生したものであり、私法上の契約形態としては不作為地役権を設定する方式によっていることから、所得税法第33条かっこ書及び所得税法施行令第79条第1項のいずれにも該当せず、不動産所得と解するのが相当である。(平20. 4. 3 東裁(所)平19-149)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190152
- 裁決年月日
- 平成20年4月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、いわゆる余剰容積率移転のための対価として受領した金員について、所得税法第33条第1項の資産の譲渡に該当することから、譲渡所得として課税されるべきである旨主張する。しかしながら、余剰容積率移転の対価は、土地所有権の一部譲渡を意味するものではなく、移転側が、移転を受ける側に対して自己の土地を建築上利用させるために、その土地における建築上の利用制限を受けることに対する対価であると解するのが相当であることから、「土地を使用させる行為」に当たり、原則不動産所得に該当し、所得税法第33条かっこ書及び同法施行令第79条第1項に該当する場合に限り、譲渡所得として課税されることになる。そうすると、本件余剰容積率利用権は、建築基準法第86条第2項に規定する連担建築物設計制度の適用により容積率が事実上緩和されたことに基づいて発生したものであり、私法上の契約形態としては不作為地役権を設定する方式によっていることから、所得税法第33条括弧書及び同法施行令第79条第1項のいずれにも該当せず、不動産所得と解するのが相当であり、原処分は相当である。(平20. 4. 3 東裁(所)平19-152)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180267
- 裁決年月日
- 平成19年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営会社の民事再生手続における再生計画に基づいてゴルフクラブから退会し、弁済額の支払を受けたことは、実質的にゴルフ会員権を譲渡したに等しいものであるから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡に該当し、これにより生じた損失の金額を同法第69条第1項の規定に基づき他の所得と損益通算した申告は適法である旨主張する。 しかしながら、再生計画によって、当該ゴルフクラブの会員が有する預託金債権の大部分は免除を受け、残余について会員に対して定められた弁済額を均等分割で支払うこととされ、会員は、会員契約を解除するか継続するかを選択の上、再生会社に対して所要の手続を行うこととされたため、請求人が退会申出書を再生会社に送付し、再生会社が、退会申出書を受理し、請求人との会員契約を解除したことについては、請求人及び原処分庁の双方に争いがなく、そうすると、請求人は、再生計画に基づき、当該ゴルフクラブとの会員契約を解除することを選択して所要の手続を行い、併せて弁済額の請求権を再生会社に対して行使したのであって、ゴルフ会員権を再生会社に譲渡したものと認めることはできないから、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当せず、譲渡損失を前提とした損益通算の規定の適用もない。(平19. 6.13 東裁(所)平18-267)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平180085
- 裁決年月日
- 平成19年5月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №73・197ページ
要旨
○ 本件ゴルフ会員権の優先的施設利用権が存続していたというためには、本件ゴルフ会員権の譲渡の時点で、Fカントリーによる本件ゴルフクラブの運営、管理の法的根拠であるゴルフ場施設の所有者との間の本件経営管理委任契約が終了していないことが必要と解される。そして、Fカントリーが、現に営業を継続しており、社会通念上ゴルフ場施設の利用という会員権の目的を達成できる程度にまでゴルフ場施設をその利用に供することができていた場合には、本件経営管理委任契約は終了していないとみることができる。 まず、本件ゴルフクラブの営業状況についてみると、本件不動産は競売に付され、新所有者であるK社は、一貫して本件不動産からの退去を求めていることが認められ、Fカントリーに対して本件不動産を使用させないことを客観的に明らかにしていたと認められる。一方、敷地の一部を取得したV社は、その使用を差し止める等の措置を採っておらず、V社がFカントリーに対して同不動産を使用貸借させることについて黙示的な合意が成立していたとみることができ、Fカントリーは、これに基づいて同不動産を使用できたものと認められる。そうすると、Fカントリーとしては、競売に付された本件不動産の使用ができなくなり、また、一部の敷地の所有権がV社に移転したとしても、他の敷地部分については、Fカントリーが地権者から賃借するなどしてその使用権原を有していたものであり、本件ゴルフ会員権の譲渡の時点で、本件ゴルフクラブを構成する2コースの利用を会員に提供できたものと認められ、かつ、本件ゴルフクラブの営業が、本件ゴルフ会員権の譲渡後も続けられていたことにも照らすと、社会通念上ゴルフ会員権の目的を達成できる程度にまで、ゴルフ場施設の利用を提供することができていたと認められる。 したがって、本件ゴルフクラブに係る施設のすべてを会員に提供できないから、本件ゴルフ会員権に内包された優先的施設利用権は消滅しているとの原処分庁の主張は採用できず、取り消すのが相当である。(平19. 5.31 大裁(所)平18-85)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180064
- 裁決年月日
- 平成18年10月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301053
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/5債務弁済困難状態における譲渡/3債務弁済困難状態における譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己破産して免責決定を受けるなど、資力を喪失しており、また、借入金返済のためにやむを得ず本件不動産の譲渡をしたのであるから、本件譲渡に係る譲渡所得については非課税とされるべきである旨主張するが、本件譲渡時における請求人の債務の弁済は、本件譲渡代金によって十分可能であったと認められるから、請求人が本件譲渡時において資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な状態であったと認めることはできない。 また、本件譲渡代金の一部は請求人の妻の債務の返済や生活費等に充てられていることからすれば、本件譲渡代金のすべてが請求人の債務の弁済に充てられていないことも明らかである。 したがって、所得税法第9条第1項第10号の要件を満たしていないと認められるから、請求人の主張は採用することができない。(平18.10.11 東裁(所)平18-64)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180006
- 裁決年月日
- 平成18年8月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №72・155ページ
要旨
○ 請求人らは、被相続人である弁護士が弁護士業を廃業するに際して、共同経営者である弁護士から受け取った金員(以下「本件金員」という。)は営業権の譲渡の対価であるから譲渡所得に該当する旨主張する。 しかしながら、弁護士の業務は、個々の弁護士の経験、知識、法律的技能、及び依頼者との間の個々の信頼関係を基礎として成り立っているものであり、一身専属性の高いものであるところ、このことは、同一の法律事務所の内部においても変わることはなく、同一事務所の弁護士らが同様のノウハウや顧問先からの信頼関係を有しているのは、同僚の弁護士のノウハウを学んで自己のノウハウにし、同僚の弁護士とともに業務を遂行することにより顧問先等から自らについても信頼を得た結果にすぎないと解され、このように、一身専属性の高い弁護士業において、弁護士のノウハウ、依頼者との信頼関係等は、当該弁護士個人に帰属するものであり、当該弁護士を離れて営業組織に客観的に結実することにはなじまないものである。したがって、被相続人である弁護士の弁護士としての社会的信用やノウハウ等は、当該弁護士個人に帰属するものであり、法律事務所という組織として客観的に結実したものとは認められないから、営業権は存在せず、本件金員に係る所得は事業所得に該当する。(平18. 8.30 広裁(所)平18-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170123
- 裁決年月日
- 平成18年3月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301051
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/5債務弁済困難状態における譲渡/1債務弁済困難状態の判定時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が平成15年中に不動産を譲渡したことによる所得(以下、この譲渡を「本件譲渡」といい、その所得を「本件所得」という。)について、その後、同人が所有する資産をすべて処分しても負債を完済ができなかったことから、本件所得は、所得税法第9条第1項第10号に規定する非課税所得に該当する旨主張する。しかしながら、同規定の「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合」に該当するか否かの判定は、本件譲渡の時における請求人の現況により判定すべきであるところ、請求人の場合、本件譲渡の時における資産・負債の状況から、債務超過の状態にあったとは認められず、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であったとは認められないので、本件所得は、非課税所得に該当しないとしてされた原処分は適法である。(平18.3.1東裁(所)平17-123)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平170006
- 裁決年月日
- 平成17年12月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301032
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件売買契約は、形式的には買主が請求人らから本件土地等を購入したことになっているものの、当事者には売買の意思がなく、実態は請求人らが銀行から融資を受けることを目的として締結したものであるから、資産の譲渡に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人らは、本件売買契約を締結し、買主から売買代金を全額受領していること及び本件土地等は登記原因を売買として買主へ所有権の移転登記がなされていること、また、本件売買契約書において、所有権の移転時期についても売買代金全額の受領が完了すると同時に売主から買主へ移転する旨定めていることから、本件売買契約は有効に成立し、しかも、契約内容のとおり履行されていると認められる。したがって、本件土地等の所有権は請求人らから買主に移転しているというべきであるから、本件売買契約の締結及び所有権の移転登記等の事実をもって資産の譲渡に該当すると認めるのが相当である。(平17.12.1高裁(所)平17-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170017
- 裁決年月日
- 平成17年7月19日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人らの母である被相続人から同人の家事使用人に対する登記原因を贈与とする本件不動産の所有権移転(以下「本件所有権移転」という。)について、家事使用人の勤務実態、退職の事実及び退職の時期と本件所有権移転の時期が一致していることなどから、退職金の支給に代えた不動産の譲渡である旨主張する。しかしながら、①被相続人と家事使用人とは、雇用関係に関する契約書も退職金の支払に関する契約書も作成していないこと、②本件所有権移転の権利者は、家事使用人だけでなく、その子を含めた3名であること、③被相続人が残した本件遺言書には、本件不動産は、被相続人の姪らに遺贈する旨記載されており、家事使用人には預貯金を遺贈する旨の記載があるのみで退職金に関する記載はないことからすれば、被相続人は家事使用人に対し退職金を支払う意思を有していなかったと認められること、④被相続人は、老人ホームの入所費用を調達するために本件不動産を含めた所有不動産全体を売却したいと考えたが、本件不動産が家事使用人の居住の用に供されていたものであることから、本件不動産部分を分筆し、売却を保留しており、被相続人が家事使用人に対し退職金を支払うべき債務が存在していたのであれば、本件不動産部分を分筆せずに本件資産を含めて売却し、その売却代金の中から退職金相当額を支払えば足りたのであるから、本件不動産部分を分筆して、本件所有権移転をしたのは退職金の支払に代えたというよりも、家事使用人の事情(居住場所の確保等)に基づくものであること、⑤家事使用人は、本件所有権移転に関して、所轄税務署で相談したところ、高額の贈与税が課される旨の説明を受け、本件不動産を譲渡することとした旨申述していることからすれば、家事使用人は、本件所有権移転を退職金の受給ではなく贈与と認識した上で相談したことが認められることなどから、本件所有権移転は、退職金の支給に代えた譲渡とは認められず、被相続人から家事使用人及びその子に対する贈与であると認めるのが相当である。したがって、本件所有権移転は退職金の支給に代えた譲渡であるとしてなされた本件更正処分はその全部を取り消すべきである。(平17.7.19東裁(所)平17-17)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160047
- 裁決年月日
- 平成17年2月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №69・113ページ
要旨
○ 請求人は、請求人が所有していた預託金会員制のゴルフ会員権は、ゴルフ場経営会社の民事再生手続により、その営業権が別法人に移り、預託金債権が5%に減額され95%の損失が生じているのであるから、その損失を他の所得から控除すべきであると主張するが、民事再生手続中のゴルフ場経営会社がゴルフ場施設と預託金債務を新経営会社に譲渡した場合は、各会員は新経営会社との間で減額された預託金により契約が継続し、ゴルフ会員権としての性質は、契約の相手方を除き、営業譲渡の前後を通じて維持されることから、各会員には譲渡行為がなく、したがって、所得税法第33条第1項に規定する資産の譲渡には当たらず、また、切り捨てられた預託金債権については各種所得の金額の計算上、必要経費に該当しない。(平17.2.15大裁(所)平16-47)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160027
- 裁決年月日
- 平成16年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自らが保有する外国法人の株式の売却は、当該外国法人の所有する不動産の譲渡にほかならず、租税特別措置法第31条第1項に規定する長期譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人が当該不動産に関して締結した契約は、当該外国法人の全発行済株式(以下「本件株式」という。)の売買に関する契約であり、当該不動産を取得したのではなく、請求人は、誰一の株主となり、本件株式の取得に伴い、当該不動産に関する賃貸契約を引き継ぎ、また、本件株式の売却に伴い、当該不動産に関する賃貸契約を買い主に引き継いだこととなるから、当該不動産の取得及び譲渡に伴う取引は株式の売買に他ならない。したがって、本件株式の譲渡に伴う取引は、租税特別措置法第37条の10第1項に規定する株式等に係る譲渡所得等となり、計算上生じた損失の金額があったとしても、当該の損失の金額を請求人の他の所得金額と損益通算することはできないとしてされた本件更正処分は適法である。(平16.11.1名裁(所)平16-27)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160006
- 裁決年月日
- 平成16年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301039
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、船舶の賃貸と売却が一体となった投資商品(以下「本件商品」という。)について、自己資金及び本件商品の販売者の用意したセットローンをもって、船舶の共有持分権の現物出資を受けて当該船舶を国外のリミテッド・パートナーシップに現物出資した上、当該船舶を裸用船の形態で賃貸する事業(以下「本件船舶賃貸事業」という。)を行っている民法上の任意組合(以下「本件組合」という。)の出資持分を購入したが、上記船舶の共有持分権を、①本件商品購入時のセットローン残高の引受け及び②上記船舶の未償却残高に占める請求人の持分割合相当額から上記セットローン残高を控除した金額に相当する差金(以下「差額金」という。)の支払を対価として、請求人の親族に譲り渡したが、当該譲渡に係る対価の額が上記船舶の未償却残高に占める請求人の持分割合相当額と同額であるから、譲渡所得が生じない旨認識している。しかしながら、①本件商品は、船舶の賃貸とその売却が一体不可分にセットされ、それらに係る収入金額から購入代金すなわち投資資金が回収され、収益の分配を受けるという経済的効果をもたらすものであって、②その投資資金のうち当該販売者からの借入金(セットローン)を原資とする部分は、実質的には請求人の投資とはいえないものであり、③その経済的効果は、用船期間の満了等所定の契約終了事由の発生をその計算期間の終期として確定するものであるから、請求人は、当初の投資資金の回収及び収益の分配を受ける法的地位を譲渡したものであり、当該法的地位は一定の収益等を生じる権利であると認められるから、これに係る所得は譲渡所得に当たることになる。(平16.7.8名裁(所)平16-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150322
- 裁決年月日
- 平成16年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営法人が破産宣告を受けた日から破産終結決定されるまでに、預託金会員制のゴルフ会員権を譲渡した場合については、①会員が退会しない限り、破産終結まで契約内容が継続され、優先的施設利用権は破産手続外で行使できるものと考えるべきであること、②経営母体の変更により新規にゴルフ場が運営されていくのが一般的で、優先的施設利用権も何らかの形で引き継がれるのが実態であること、③税法上、貸倒損失の計上において、債権の消滅は、破産宣告ではなく、破産終結決定によって認められるものであること、④破産法が適用されたからといって形式的に優先的施設利用権が消滅すると判断するのは経済的実態を無視したもので税法の趣旨に反することから、譲渡所得の基因となる資産に該当する旨主張する。しかしながら、ゴルフ場経営法人が破産宣告を受けた場合の預託金会員制のゴルフ会員権については、破産宣告によって、優先的施設利用権を含むすべての権利が破産債権として金銭化され、ゴルフ会員権者は、ゴルフ場経営法人に対して優先的施設利用権を行使することはできず、会員に専属していた優先的施設利用権は破産宣告を受けた段階で消滅していると解されるから、譲渡所得の基因となる資産に該当しない。(平16.6.8東裁(所)平15-322)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150151
- 裁決年月日
- 平成16年1月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ場経営法人が、破産宣告を受け倒産した後も、ゴルフ場が閉鎖されることなくプレーでき、本件ゴルフ会員権をゴルフ会員権取引業者が購入したことから、当該会員権に優先的施設利用権が存在していたことは明らかであるから、本件ゴルフ会員権の譲渡により生じた損失の金額は、他の所得と損益通算すべきである旨主張する。しかしながら、ゴルフ場経営法人は破産宣告を受け、請求人の有する本件ゴルフ会員権、すなわち、優先的施設利用権と預託金返還請求権は、破産宣告前に原因を有する財産上の請求権として破産債権となり、破産管財人が優先的施設利用権を請求人に権利行使させることは、破産債権者の個別的権利行使の禁止規定(破産法第16条)に違反し認められないため、破産後は請求人から本件ゴルフ倶楽部に対して施設利用を請求することは権利としてはできないことになる。したがって、破産宣告と同時に、本件ゴルフ会員権は金銭債権である配当請求権に転換したこととなるから、破産宣告後、本件ゴルフ会員権を譲渡して譲渡損失が生じた場合でも、その譲渡損失は譲渡所得の基因となる資産の譲渡により生じた損失には該当しないため、他の所得との損益通算の対象とはならない。(平16.1.22東裁(所)平15-151)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150060
- 裁決年月日
- 平成15年9月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、河川の土地を一時的に占用して営業する飲食店に係る諸権利の売買について、それぞれ売買契約書が存在し、当事者間において現金の授受があることから、虚偽の事実を創出したものではなく、譲渡損失の損益通算を否認した原処分は事実誤認に基づくものである旨主張する。しかしながら、河川占用許可申請書の提出は平成2年からすべて買主が行っていること、当該申請に当たって河川の漁業組合から仮設店舗の同意及び同店舗のリース契約は買主が行っていること、売買代金の算定根拠が不明なうえ不自然な取引が多いこと、また、契約書及び領収証等について確定申告の直前に作成していることから、売買の事実は認められず、さらに、現金の授受についても当事者間における友好関係を奇貨とした何らかの貸付けに相当する金銭と認められることから、原処分は相当である。(平15.9.11東裁(所)平15-60)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140098
- 裁決年月日
- 平成15年5月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が本件ストック・オプションを付与されたと主張する日に、親会社の株式を取得し、原処分庁が本件ストック・オプションを行使したと主張する日にこれらの株式を売却したものであり、これらの売却に係る利益は譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、親会社は、請求人が株式を取得したと主張する日に、請求人に対して同社の株式を購入するストック・オプションを付与したものであり、同日に、請求人が同社の株式を取得したものとは認められない。また、請求人は、本件ストック・オプションの行使により取得した親会社の株式の全部を行使(取得)と同日に売却していることから、本件利益は、請求人が親会社の株式を保有していた期間中の増加益が売買等により実現したものと認めることは出来ないことから、譲渡所得とは認められない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平15.05.09.関裁(所)平14-98)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140093
- 裁決年月日
- 平成15年4月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ストック・オプションの付与日に親会社の株式を取得し、本件ストック・オプションの行使日にこれらの株式を売却したものであり、これらの売却に係る利益は譲渡所得に該当し、給与所得に該当しない旨主張する。しかしながら、親会社は、請求人が株式を取得したと主張する日に、請求人に対して同社の株式を購入するストック・オプションを付与したものであり、同日に、請求人が同社の株式を取得したものとは認められず、請求人は、本件ストック・オプションの行使により取得した親会社の株式の全部を行使(取得)と同日に売却しているので、本件利益は、請求人が親会社の株式の全部を保有していた期間中の増加益が売買等により実現したものと認めることはできないことから、譲渡所得とは認められない。また、本件利益は、請求人が、専ら、法人に勤務することに基づいて、当該法人の親会社の株式を購入できる権利を同親会社から付与され、従業員として一定期間勤務することにより、これを行使して得られた経済的利益、すなわち、請求人の非独立的ないし従属的な人的役務の提供の対価としての性質をもった所得ということができることから、給与所得に該当すると解するのが相当である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平15.04.24.関裁(所)平14-93)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140129
- 裁決年月日
- 平成14年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件ゴルフ会員権(以下「本件会員権」という。)は、ゴルフ場施設の優先利用権(以下「施設利用権」という。)を含む譲渡所得の基因となる資産に該当し、本件会員権の譲渡による損失金額は、所得税法69条の規定により他の所得から控除できる旨主張する。しかしながら、ゴルフ会員権とは、預託金返還請求権及び施設利用権が一体となっているものであるところ、本件ゴルフ場は造成途中で工事が中断し、経営法人も会社更生法の適用を受けていること等から譲渡時点では施設は利用できない状況であったと認められる。また、更生手続きの中で、同法人所有の他のゴルフ場が利用可能であっても本件会員権の施設利用権の行使に基づくものではない。したがって、本件会員権は譲渡所得の基因となる資産には該当せず、また、その譲渡による損失金額は不動産所得、事業所得及び山林所得の計算上生じた損失金額にも該当しないことから、その所得税法69条の規定により他の所得と損益通算することはできない。(平14.12.17.東裁(所)平14-129)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140007
- 裁決年月日
- 平成14年12月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が土地の売買契約に関して受領した金員は、すべて分離短期譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人と譲受人との間の本件土地の売買に関する契約書には、土地の売渡しのほかに「許可申請に関する諸条件の取り付け」という土地の売渡しとは別個独立した条件が付帯されていることが認められる。契約内容の実態は、土地の売渡しに係る部分と、「許可申請に関する諸条件の取り付け」に係る成功報酬としての対価の支払い部分とに区分して所得計算を行うことが相当と認められ、土地の売渡しに係る部分については、①土地の購入と譲渡がほぼ同時期であること、②土地周辺地域において土地価格が高騰する要因がないこと及び③土地の購入価額が県公表の標準価格の約9倍であることなどから、購入金額と同額で譲渡されたとすることは相当と認められ、また、「許可申請に関する諸条件の取り付け」部分については、請求人の役務の提供に対する対価として雑所得に該当すると認められることから、原処分の一部を取り消すのが相当である。(平14.12.12.熊裁(所)平14-7)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平140008
- 裁決年月日
- 平成14年12月12日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人は土地の売買に関する売買契約書上の名義人であるYと共同譲渡人となり、請求人が受領した金員は、すべて分離短期譲渡所得に該当する旨主張する。しかしながら、請求人とYは共同行為者と認められるものの、Yと譲受人との間に作成された売買契約書には、土地の売渡しのほかに「許可申請に関する諸条件の取り付け」という土地の売渡しとは別個独立した条件が付帯されていることが認められる。契約内容の実態を審理すると、土地の売渡しに係る部分と、「許可申請に関する諸条件の取り付け」に係る成功報酬としての対価の支払い部分とに区分して所得計算を行うことが相当と認められ、土地の売渡しに係る部分については、①土地の購入と譲渡がほぼ同時期であること、②土地周辺地域において土地価格が高騰する要因がないこと及び③土地の購入価額が県公表の標準価格の約9倍であることなどから、購入金額と同額で譲渡されたとすることは相当と認められ、また、「許可申請に関する諸条件の取り付け」部分については、請求人らの役務の提供に対する対価として雑所得に該当すると認められる。したがって、原処分は一部を取り消すのが相当である。(平14.12.12.熊裁(所)平14-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140060
- 裁決年月日
- 平成14年10月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301990
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物利用権はその取得の経緯(預託した保証金の額は通常の建物賃貸契約における保証金と異なり分譲価額相当する高額であることなど)及び契約内容(建物利用権設定契約において、地代家賃の支払はなく、「自己の持家と同様に」専用使用ができ、相続などの包括承継の対象になるなど記載されていることなど)からみて所有権と同等に扱われるべきであるなどと主張する。しかしながら、請求人は本件建物利用権設定契約に基づき本件建物に利用権を有するもので、請求人は本件建物の所有権を取得しているのではないことは明らか(この点については請求人も自認している)であるから、本件建物利用権は租税特別措置法第31条第1項に規定する土地建物等には該当せず、本件建物利用権の譲渡による所得は所得税法第33条に規定する総合長期譲渡所得に該当する。(平14.10.09.東裁(所)平14-60)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140059
- 裁決年月日
- 平成14年10月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301990
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.64・135ページ
要旨
○ 請求人は、本件建物利用権はその取得の経緯(預託した保証金の額は通常の建物賃貸契約における保証金と異なり分譲価額相当する高額であることなど)及び契約内容(建物利用権設定契約において、地代家賃の支払はなく、「自己の持家と同様に」専用使用ができ、相続などの包括承継の対象になるなど記載されていることなど)からみて所有権と同等に扱われるべきであるなどと主張する。しかしながら、請求人は本件建物利用権設定契約に基づき本件建物に利用権を有するもので、請求人は本件建物の所有権を取得しているのではないことは明らか(この点については請求人も自認している)であるから、本件建物利用権は租税特別措置法第31条第1項に規定する土地建物等には該当せず、本件建物利用権の譲渡による所得は所得税法第33条に規定する総合長期譲渡所得に該当する。(平14.10.08.東裁(所)平14-59)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140054
- 裁決年月日
- 平成14年9月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物利用権はその取得の経緯、契約内容からみて所有権と同等に扱われるべきものであるから、その譲渡に係る譲渡所得は租税特別措置法第31条及び第35条の規定に該当する旨主張する。しかしながら、本件建物利用権に係るマンションの所有権を、請求人が所有していた事実はなく、また本件利用権は当該マンション所有者の管理下における利用権にすぎないものであるから、所有権と同等に扱われるものではなく、借家権と解するのが相当である。そうすると、本件建物利用権の譲渡に係る所得は、所得税法第33条に規定する総合譲渡所得となり、租税特別措置法第31条に規定する分離長期譲渡所得には該当しない。また、本件建物利用権は、租税特別措置法第35条に規定する家屋にも該当しないので、同法に規定する特別控除の適用もない。(平14.09.27.東裁(所)平14-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140042
- 裁決年月日
- 平成14年9月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301053
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/5債務弁済困難状態における譲渡/3債務弁済困難状態における譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地建物の譲渡は、本件土地建物の競売開始決定に係る訴訟の段階で、裁判所の勧告に従って和解し、債務額を弁済するためにしたのであり、これは資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合に該当することから、所得税法第9条第1項第10号により非課税所得となる旨主張する。しかしながら、本件土地建物の譲渡代金をもって銀行預金、自宅マンション購入資金及び所得税の納付資金に充てられている事実が明らかであることから、本件土地建物の譲渡は、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合の譲渡には当たらない。(平14.09.12.東裁(所)平14-42)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140017
- 裁決年月日
- 平成14年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301053
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/5債務弁済困難状態における譲渡/3債務弁済困難状態における譲渡と認めなかった事例
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件譲渡所得が所得税法第9条第1項第10号の規定に該当する旨主張する。しかしながら、請求人の場合、債務超過であることは認められるが、経常的な所得が年間4,000万円程度あることから、債務弁済困難な状態にあるとは認められず、当該規定の適用はない。(平14.08.02.東裁(所)平14-17)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140001ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成14年7月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、本件匿名組合の出資者たる地位の譲渡の価額を取引当事者間においてマイナスと認識し、対価を伴わずに(逆に支払って)当該地位を移転しており、実質的には債務引受け(保証債務の移転)と認められるので、譲渡所得の基因となる資産の譲渡があったということはできない旨主張する。しかしながら、本件匿名組合の貸借対照表等を検討したところ、本件匿名組合の純資産額はプラスとなっているなど、当該地位は、譲渡時において経済的価値を有していたと認めるのが相当であり、また、地位の内容が金銭債権に当たらないことから、譲渡所得の基因となる資産に該当する。そして、当該地位の譲渡契約書第2条においては当該地位の移転という法的効果を、また、第3条においては保証債務に係る保証人たる地位の移転という法的効果をそれぞれ意図したものであることは明らかであることから、当該契約書第2条において契約当事者間の合意がなされた当該地位の譲渡価額が譲渡所得の総収入金額に算入すべき金額となる。したがって、原処分庁の主張は採用できない。(平14.07.01.大裁(所)平14-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130070
- 裁決年月日
- 平成14年4月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301031
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件和解の実態は会社の乗っ取りで、本件株式は譲渡したものではなく、本件和解は請求人にとって不本意なものであることから、本件和解調書にこだわらず、物事の道理を見極め、常識をもって判断すべきであり、また、原処分庁が譲渡価額として認定した金額は受領した金額ではない旨主張する。しかしながら、本件和解調書は確定判決と同一の効果があり、本件和解に基づき請求人は本件株式を譲渡し、その代金の一部として小切手を受領し、同じく代金の一部である債権に対する代物弁済として本件土地を取得していることが認められることから、本件株式に係る譲渡所得についての確定申告がされていなかったことについて、原処分庁が行った本件決定処分は適法である。(平14. 4.23名裁(所)平13-70)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120096
- 裁決年月日
- 平成13年3月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 業種
- 歯科医師
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、ゴルフ会員権に係る預託金の返還を求めて、ゴルフ経営会社を相手に調停を申し立てて同社から金員を受領し、当該金額は、ゴルフ場施設の優先利用権を同社に譲渡した代金であり、当該譲渡により生じた本件損失の金額は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失として他の所得金額と損益通算もできる旨主張する。しかしながら、請求人がゴルフクラブから退会したことにより、ゴルフ会員権に内在しているゴルフ場施設の優先利用権は消滅していること、また、ゴルフ経営会社は買い取る旨の意思表示をしていないこと、ゴルフクラブの会則による譲渡に係る所定の手続きがないこと及びゴルフ経営会社の社内事務手続から判断すると、当該会員権を売買により移転させたものではないことから、当該金員は預託金であり、当該受領行為は、預託金という金銭債権の回収行為と認められ、所法第33条第1項に規定する資産の譲渡には該当しないことから、本件損失を他の譲渡所得の金額から控除することはできず、また、所法第69条第1項の規定の適用もないから、他の各種所得の金額と損益通算することもできないこととなる。(平13.3.8東裁(所)平12−96)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平110023
- 裁決年月日
- 平成12年6月15日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201301042
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/2不動産等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地は、単なる土地区画整理事業として買い取られたものではなく、都市計画法に基づく都市計画道路用地として買い取られたものであり、公共施設充当用地としての買い取りであるから、本件建物等に係る移転補償費についても措法第33条の4の規定(以下「本件特別控除の特例」という。)の適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件土地は、土地区画整理法に基づく本件土地区画整理事業による買い取りであることから、本件土地の上にある資産につき対価補償金を取得したとしても、措法第33条第3項第2号の規定に該当しないので、その補償金には本件特別控除の特例が適用される余地はないのであるから、本件建物等に係る移転補償費が交付され、当該補償費が対価補償金と認定されても、当該補償費に本件特別控除の特例が適用されないのは規定上明らかである。また、請求人は、本件建物等に係る移転補償費について、措法通33−14が適用になるから、本件特別控除の特例が認められるべきである旨主張するが、本件土地は、土地区画整理法に基づく本件土地区画整理事業による買取りであることから、措法第33条第1項第3号の4及び同条第3項第2号の規定上、本件特別控除の特例は適用されない。さらに、請求人は、同通達33−26が適用になるから、本件特別控除の特例は認められるべきである旨主張するが、これは措法第33条第3項第1号の規定に係る取扱いであり、本件特別控除の特例は適用にならないので、請求人の主張はいずれも理由がない。(平12. 6.15仙裁(所)平11-23)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110129
- 裁決年月日
- 平成12年4月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301041
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/1有価証券等の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が譲渡した預託金会員制のゴルフ会員権については、ゴルフ場が倒産してプレーが不可能になった後においても代替ゴルフ場が提供されたり、一般に優先して他のゴルフ場の利用を認めようとしたりしていることから、本件ゴルフ会員権は、ゴルフ場に対する施設利用権はいまだ消滅しておらず、本件会員権の譲渡は、資産の譲渡であり、その譲渡による損失の損益通算を認めるべきである旨主張する。しかしながら、譲渡所得の基因となるゴルフ会員権は、ゴルフ場施設優先利用権と預託金返還請求権が一体となったものであるとされているところ、請求人が本件ゴルフ会員権を譲渡した時点において、本件ゴルフ場施設が経営会社から競売等により他の所有となるなどし、かつ、新所有者が本件ゴルフ会員権に係る債権債務を継承していないことから、その実質は、金銭債権である預託金返還請求権のみとなっていたものと認められる。よって、本件ゴルフ会員権の譲渡による損失は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失には該当せず、他の所得と損益通算をすることができない。なお、代替ゴルフ場の利用条件は、極めて厳しいことから通常のゴルフ会員権の施設利用権と同視できず、また、他のゴルフ場の利用は、一般より有利な条件であることは認められるものの、それは、経営会社の将来の会員募集という営業政策上からの理由であって何らの権利を認められたものではない。(平12. 4. 4東裁(所)平11-129)、(平12. 4. 4東裁(所)平11-130)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平110085
- 裁決年月日
- 平成12年2月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301039
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/3譲渡所得と認めた事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、当初交換契約は破棄されており、甲協力金は、土地売買契約の手付金に準じて没収となるから被相続人の平成元年分の一時所得であり、甲土地の交換譲渡に係る対価ではない旨主張する。しかしながら、A社は、被相続人から甲土地を交換取得することについて、被相続人との間で合意が形成されていることを前提に、乙土地に換え丙土地を呈示し直し、被相続人と本件交換契約を締結したものと認められる。そうすると、被相続人とA社は、当初交換契約から本件交換契約の締結に至るまで、土地交換取引を継続していたと判断するのが相当である。さらに、甲覚書、乙覚書によると、A社は、被相続人に甲土地の縄延び等を考慮して甲協力金を支払ったのであり、右協力金は、一連の土地交換取引における甲土地の交換差金の一部として支払われたもので、本件交換契約により生じた譲渡所得の収入金額の一部と認めるのが相当である。(平12. 2.14東裁(所)平11-85)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100099
- 裁決年月日
- 平成11年2月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201301049
- 争点
- 13譲渡所得/1所得の区分/4譲渡所得と認めなかった事例/3その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、預託金会員制のゴルフ会員権である本件会員権に係る預託金の返還は、資産の譲渡に該当し、これにより生じた本件差額(本件会員権の取得価額−返還された本件預託金)は、譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に当たる旨主張するが、預託金会員制のゴルフ会員権の譲渡が所法第33条第1項に規定する「資産の譲渡」と取り扱われているのは、金銭債権たる預託金返還請求権と併せて譲渡所得の基因となる資産たるゴルフ場施設の優先利用権とが一体不可分となって売買等により他の者に移転することによるものと解せられるところ、請求人の行った一連の行為は、ゴルフクラブからの退会に伴い、預託金返還請求権をその預託先であるゴルフ場経営法人に対して行使したものであって、本件会員権の譲渡ではないから、この一連の行為は同項に規定する資産の譲渡には該当しない。また、個人がゴルフ会員権を有することにより享受するゴルフ場施設の優先利用権は、当該個人のみが享受する一身専属的なものであることからすると、個人がゴルフ場の会員となること自体は所得税法で規定する「事業又は業務」とは何らの関係もないものと認められるから、本件ゴルフ会員権に係る預託金の返還を受けることに伴い生じた本件差額については、雑所得の金額から控除することはできない。(平11. 2. 8東裁(所)平10-99)
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