裁決要旨 1返還を要しない敷金等
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220060
- 裁決年月日
- 平成23年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸アパートの貸付けに際して、賃借人から受け取った家賃の3か月分に当たる敷金のうち同2.5か月分に当たる償却分は、入居者が退去する際に返還を求められた場合には返還すべきものであり、賃貸借契約書に償却の記載があった場合でも、賃借人が退去する時点までは返還するか否か分からない賃借人からの預り金であって、預かった年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきでなく、また、次の賃借人に貸すには、別途、クリーニングをする必要があるから、クリーニングが終了し、クリーニング代の精算をした時点で収入に計上すべきものである旨主張する。しかしながら、当該償却分は請求人が賃貸管理業務を委託した管理会社に預託する敷金からは除くものとされ、賃貸契約の仲介人らの申述によれば、敷金の償却分は借主に返還しないものとされていたのであるから、当該敷金は、賃貸借契約によって当該アパートの貸付けが開始された日に、これを取得する権利が請求人に生じ、そのうち償却分は、直接請求人の管理下に置かれる金員とされたものと認められ、また、当該償却分が請求人の主張するように、クリーニング等の費用に充てられたとしても、それは、償却分を取得した後の使途の問題にすぎず、その取得の時期を左右することになるものではない。したがって、上記の敷金のうち返還を要しない償却分は、敷金を受領した年分の不動産所得の総収入金額に算入すべきであるから、請求人の上記主張にはいずれも理由がない。(平23. 6.16 名裁(所・諸)平22-60)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平210014
- 裁決年月日
- 平成21年9月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃借人らから入居時に受取った敷金は退去時に返還するものであるから、いずれも収入金額に算入すべき金額ではない旨主張する。しかしながら、請求人が賃借人らから受け取った敷金は、退去時に原状回復費用として返還されなかった敷金又は不動産賃貸借契約書において敷金を返還しない旨を定めている敷金と認められるから、請求人の主張はいずれもその前提を欠き採用することができない。(平21. 9.14大裁(所)平21-14)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200016
- 裁決年月日
- 平成21年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・495ページ
要旨
○ 請求人は、いまだ原状回復工事が完了していないことをもって、原状回復費用として充当されることとなる敷金と追加金の合計額(以下「本件合意金」という。)が賃借人から預り金である旨主張する。しかしながら、建物の賃貸借契約に関する合意(以下「本件合意」という。)は、建物の賃貸借契約の終了に伴い、賃借人の原状回復義務を消滅させる一方で、請求人の敷金返還義務を消滅させ、その外に追加金をを支払うとした合意であり、賃貸借契約に密接に関連し、その終了時の法律関係を整理するものであり、また、本件合意金は、建物の賃貸借に供するためにその原状回復に費消されるべきもので、建物の賃貸借に関連して収入されるものであることからすると、不動産の貸付けに関連して得た不動産所得に該当する。そして、請求人は、本件合意により敷金の将来の明渡し時点において敷金返還請求権を発生させないことを確定させ、また、追加金の収入すべき時点が到来することを確実にさせていることからすると、本件合意金の収入すべき時期は、合意書を取り交わした日とするのが相当である。(平21. 4.21 福裁(所・諸)平20-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170033
- 裁決年月日
- 平成17年12月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、返還を要しなくなった保証金残額(以下「本件保証金残額」という。)について、平成13年分の不動産所得に当たるとした調査担当職員の指導に従い、修正申告をした(以下「本件修正申告」という。)ものの、本件保証金残額の返還請求権には、賃借人の債権者である金融機関の質権が設定されており、平成16年に当該金融機関が質権の解除通知をしていることから、本件保証金残額の返還を要しなくなったのは、質権の解除通知がされた平成16年である旨主張する。しかしながら、本件保証金残額の返還義務がいつの時点で消滅したかは、不動産賃貸借契約の定め及び契約当事者の意思に基づいて判断するのが相当であるところ、不動産賃貸借契約によると、賃借人の一方的な事由により契約を解除した場合には、本件保証金残高は返還しない旨定められており、賃借人が不動産賃貸借契約の解除を通知したのに対し、請求人は不動産賃貸借契約の定めに基づき本件保証金残額を返還しない旨通知しており、賃借人が平成13年8月に本件保証金残額を雑損失として損金経理し、請求人は本件保証金残額を返還していないことから、遅くとも平成13年8月の時点で、契約当事者である請求人と賃借人は、本件保証金残額の返還を要しないことを確認したというべきであるから、本件保証金残額を請求人の不動産所得の総収入金額に算入すべき時期は、平成13年分である。したがって、請求人の主張には理由はない。(平17.12.16名裁(所)平17-33)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160042
- 裁決年月日
- 平成17年1月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件保証金等は、借主からの本件賃貸借契約の一方的な解約により、一応、返還を要しないこととなったものの民法第420条等に基づき、その返還を請求されるおそれがあることから、最終的に確定しておらず、本件賃貸借契約が解約された年分の不動産所得の収入金額にはならない旨主張する。しかしながら、保証金等のうち返還を要しない金額は不動産所得の収入金額に該当し、当該収入金額の計上時期は、当該賃貸借契約の終了時ではなく、その返還を要しないことが確定した都度その確定した金額を収入金額として計上すべきものと解されるところ、本件賃貸借契約に規定する借主が引き続き請求人の認めた後継テナントを斡旋した事実等が認められないことから、本件保証金等は、本件賃貸借契約の解約日に返還を要しないことが確定したというべきであり、当該年分の総収入金額に算入されるとみるのが相当である。(平17.1.18大裁(所)平16-42)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平160009
- 裁決年月日
- 平成16年12月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、賃貸していた建物の賃借人の一方的な事由で賃貸借契約が解約されたことにより、賃借人の敷金・保証金に対する返還請求権が放棄されたが、当該敷金等の返還請求権には、賃貸借契約の解約前に賃借人を質権設定者として設定された質権が、解約後においても質権者が移転して、設定されたままであることから、当該敷金等は、不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入されるものではない旨主張する。しかしながら、賃貸借契約の解約により、当該敷金等の返還請求権が放棄されていることから、本件質権は消滅したものと認められ、返還請求権が放棄された当該敷金等については、所得税基本通達36−7の(3)に定める、不動産の貸付の終了により返還を要しないことが確定したものであることから、賃貸借契約の終了した日の属する年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきものである。(平16.12.21札裁(所)平16-9)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150195
- 裁決年月日
- 平成16年2月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件合意金は借主が行うべき原状回復工事の費用として預ったものであるから、工事が完了するまでは、預り金に該当する旨主張する。しかしながら、本件合意書によれば、本件合意金の支払義務履行により請求人と借主との間には何らの債権債務も存せず、本件合意金の返還義務はないのであるから、本件合意金を借主からの預り金であるとするのは相当ではなく、その年中に確定したものとして、不動産所得に係る収入金額として計上すべきものと認められ、この点に関する請求人の主張を採用することはできない。(平16.2.27東裁(所)平15-195)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080035
- 裁決年月日
- 平成8年9月24日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200802021
- 争点
- 8不動産所得/2所得の発生/2収入すべき時期/1返還を要しない敷金等
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件建物の賃貸に際して賃借人から受領した敷金のうち家賃の1か月相当分である本件金額について、賃貸期間満了時又は合意解約時でなければ返還を要しないことが確定しないから、平成4年分の不動産所得の収入金額とはならない旨主張するが、賃貸借契約書の記載によれば、本件金額は、賃貸期間満了又は合意解約のいずれの場合においても、返還を要しない金員であると認められ、賃貸借契約を締結して同金員を受領した時点において収入すべき権利が確定したものと解されることから、本件金額は請求人が、賃借人と契約し、敷金を受領した平成4年分の不動産所得の総収入金額に算入するのが相当である。(平 8. 9.24東裁(所)平 8-35)
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