裁決要旨 2収入すべき時期
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令070014
- 裁決年月日
- 令和7年12月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人がアメリカ合衆国に建築される予定の分譲マンションのユニット(本件国外資産)をアメリカ合衆国ドル(米ドル)で購入したことによる為替差損益に関し、①民法第555条《売買》によれば、本件国外資産を購入する契約(本件購入契約)を締結した時点で、請求人には代金債務及び本件国外資産の引渡請求権が発生するから、本件国外資産の取得価額は、本件購入契約を締結した時の為替相場の円換算額の合計額であり、同額の代金債務が発生する旨、及び②当該代金債務の額と当該代金債務の支払に要した米ドルの円換算額との差額を、本件購入契約に基づき複数回にわたって行われた本件国外資産の購入代金のエスクロー会社への預入れ(本件各預入れ)の日の属する年分の所得税及び復興特別所得税(所得税等)の課税対象として認識すべき旨主張し、原処分庁は、所得の発生の有無は、本件国外資産の取得時の為替相場に基づき判断すべきところ、本件購入契約においては、請求人が本件国外資産に係る総購入価格を支払った時点で、その所有権が請求人に移転するとされているから、当該支払がなされた日が本件国外資産の取得時である旨主張する。しかしながら、所得税法第57条の3《外貨建取引の換算》第1項に規定する資産の購入とは、資産の所有権が確定的に移転した場合をいうと解するのが相当であるところ、本件購入契約における本件国外資産の所有権移転の時期は、本件購入契約において定められたクロージング日とされ、また、本件各預入れにより、資産となり得る何らかの権利又は利益を取得することはなく、本件各預入れが外貨建取引に当たるということもできないから、請求人の所得税等の課税対象として認識すべき為替差損益は、本件国外資産の取得価額をそのクロージング日の為替相場により円換算した金額と本件国外資産の購入に充てた米ドルのそれぞれの取得時の為替相場により円換算した金額の合計額との差額とすべきである。(令7.12. 3 名裁(所)令7-14)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令050041
- 裁決年月日
- 令和6年5月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、令和2年分の先物取引に係る雑所得の金額について、①令和2年から令和3年まで継続して先物取引を行っていたことから、令和2年中に行われた先物取引に係る差金等決済により生じた利益と令和3年中に行われた先物取引に係る差金等決済により生じた損失を通算して計算すべきである旨、②令和3年まで継続する先物取引を一体のものとしてみると損失が生じており、これに係る雑所得の金額は零円であるから、そのような取引に課税する原処分及びその基となる法令の規定は、請求人の財産権を侵害し、違憲である旨それぞれ主張する。しかしながら、①先物取引により生じた雑所得の申告に当たり、申告の対象期間である年中に生じた利益とその翌年に生じた損失を通算できる旨の法令の規定はないことから、仮に令和3年中に損失が生じていたとしても、当該損失を令和2年中に生じた利益と通算することはできず、また、②審判所は、原処分庁が行った処分が違法又は不当なものであるか否かを判断する機関であって、その処分の基となった法令の合憲又は違憲を判断することはその権限に属さないことであるので、当審判所の審理の限りではない。(令6. 5. 8 関裁(所)令5-41)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050004
- 裁決年月日
- 令和5年8月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自身や親族が主宰する宗教法人等に対する非営業の貸付金(本件各貸付金)に係る利息収入(本件利息収入)は、雑所得に該当し、かつ、所得税基本通達36-8《事業所得の総収入金額の収入すべき時期》(7)(本件通達)のただし書の適用要件を充足するとして、本件利息収入は、契約等に定められた利払日が収入計上時期となる旨主張する。しかしながら、貸付金利息は、元本使用の対価であって、元本が返還されるまで日々発生するものであるから、特段の事情がない限り、期間の経過により直ちに利息債権が発生し、収入の原因となる権利が確定するため、その収入の計上すべき時期は、その年の末日とする本件通達の本文の定めが原則であり、本件通達のただし書の適用可否は、納税者の恣意を排し、課税の公平を期するという所得税法第36条第1項(所法36①)の趣旨を踏まえて判断することが相当であるところ、本件各貸付金に係る各契約等は、請求人と各貸付先との間にある特殊な関係を背景として、利払日等の条件変更が恣意的に繰り返され、かつ、請求人が長期間にわたり利息収入を得られない条件とされているなど、貸金業者が行う第三者との取引において一般に想定されない取引が行われているのであり、本件利息収入について、形式的な記帳、申告要件の充足の有無のみをもって本件通達のただし書の適用を認めることは、結果として、利息収入の計上時期が恣意的に形成され、所法36①の趣旨を没却する結果となるといえる。したがって、本件利息収入について本件通達のただし書を適用することはできず、本件通達の本文により、その年中の期間に対応する部分の利息は、その年の末日に収入を計上するべきである。(令5. 8.23 大裁(所)令5-4)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令040009
- 裁決年月日
- 令和5年6月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、海外投資(本件投資)により生じた損益(投資損益)について、収入の原因となる権利が確定するのは、本件投資に対する投資額を上回る出金をし、請求人名義の普通預金口座に入金された日であり、請求人は投資額を上回る出金をしていないから、収入の原因となる権利はいまだ確定していないとして、本件投資に係る請求人名義の取引口座(本件投資口座)に反映された投資損益の各年分の合計金額(本件投資運用益)は、雑所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件投資口座により本件投資に係る日々の取引内容や本件投資運用益に係る具体的な金額を即時に確認することができ、そして、請求人は、実際に本件投資口座の状況を確認した上で出金し、当該普通預金口座に入金したことからすれば、本件投資運用益については、本件投資口座に投資損益が反映されたときに収入の原因となるべき権利が発生し、これと同時に請求人は当該権利を法律上行使することができるようになり、その時点で権利実現の可能性を客観的に認識することができる状態になったというべきであるから、本件投資口座に投資損益が反映された時点で収入の原因となる権利が確定的に発生したものとして、当該発生した日の属する年分の雑所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきである。(令5. 6.23 熊裁(所)令4-9)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令040012
- 裁決年月日
- 令和5年4月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、先物取引の差金等決済された金員は、主に両建決済をしているため、そのまま必要証拠金として差し入れており、請求人の取引口座から自由に払い出せず、請求人の取引口座の残額に必要証拠金額を上回る余剰額が生じ、払い出すことができる状態になって初めて利益が実現したといえるから、証券会社から交付される年間損益計算書の所得金額から前年末と当年末の必要証拠金の額の増減を調整した金額を先物取引に係る雑所得等の金額とすべきである旨主張する。しかしながら、請求人が先物取引の差金等決済を行った時に利益又は損失が発生し、取引口座を通して利益又は損失に係る金員が処理されることから、当該差金等決済を行った時に、所得税法第36条《収入金額》第1項の「収入すべき金額」の原因となる権利が確定し、所得の実現があったものと認められることから、取引口座から払い出すことができる状態になって初めて利益が実現したとはいえない。加えて、必要証拠金の額は、建玉を維持するために必要な担保としての証拠金の額であり、先物取引の差金等決済を行った時に発生する利益又は損失の金額ではないことから、必要証拠金の額の増減額は、先物取引に係る雑所得等の金額の計算に影響しない。(令5. 4.14 高裁(所)令4-12)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令040021
- 裁決年月日
- 令和5年4月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502025
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/5役務等の提供
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成29年2月から同年9月の間、デジタルWEBコンテンツの販売をあっせんする活動(本件活動)を行い、デジタルWEBコンテンツを販売する法人(本件会社)から本件活動の実績に応じた報酬を得ていたが、平成29年9月分の報酬(本件報酬)の一部については、平成29年中に支払がされず、平成30年中に請求人名義の口座に振り込まれたことから、平成30年中に支払われた本件報酬は、現実に支払を受けた日の属する平成30年分の雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第36条《収入金額》第1項は、いわゆる権利確定主義を採用しているところ、本件会社は、毎月1日から末日までの本件活動の実績を報酬の算定期間としていることからすると、本件報酬については、平成29年9月末日にはその受領する権利が確定していると認められるから、本件報酬が、平成30年中に請求人名義の口座に振り込まれ、請求人において現実の収入となったとしても、本件報酬を総収入金額に算入すべき年分は平成29年分であり、平成30年分であるとは認められない。(令5. 4. 3 名裁(所)令4-21)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 令040005
- 裁決年月日
- 令和4年10月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、一括して受給した前年分以前の老齢厚生年金(本件各年金)は、裁定の請求をしたことにより受給したものであり、請求人が現に一括して振込みを受けた時が収入すべき権利の確定時期である旨主張する。しかしながら、請求人は、厚生年金保険法に基づく老齢厚生年金の受給要件を満たしたことにより、基本権たる年金の給付を受ける権利(年金受給権)が発生し、その後、支払期月(本来の支払日)が到来することにより、支分権たる年金の支給を受ける権利(年金支給請求権)が順次発生していたところ、請求人が裁定を受けたことで、その基本権たる年金受給権が公権的にも確認されたものである。そうすると、本件各年金は、支払期月(本来の支払日)の到来により年金支給請求権が順次確定していたことになり、このことは、本件各年金の現実の支払が一時に行われたものであったとしても、収入すべき権利が確定する時期が変わるものではない。したがって、本件各年金の収入すべき権利の確定時期は、支払期月(本来の支払日)が到来した時であると認められる。(令4.10. 4 高裁(所)令4-5)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030047
- 裁決年月日
- 令和4年5月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が投資した商品(本件商品)が「配当金なし型ファンド」として募集され、信託口座において資金が管理されていることや、満期日を設定の上、満期又は全額償還するまで損益が未実現であり、その損益は、本件商品の満期又は償還時に精算される時点で実現する旨主張する。しかしながら、本件商品に係る運用結果としての損益は、日々、請求人名義の口座(本件口座)に反映され、請求人は、本件口座の状況を日々確認することが可能な上、本件口座において入出金を自由に行うことができる状態にあり、請求人は実際に本件口座から出金していたことからすれば、本件商品に係る損益は、本件口座に損益として反映された日に収入の原因となる権利が確定したものと認められる。(令4. 5.20 名裁(所)令3-47)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030106
- 裁決年月日
- 令和4年4月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の株式譲渡代金に係る米国ドル建ての未収金(本件未収金)の支払を米国ドルで受けたこと(本件支払)に伴う為替差益(本件為替差益)について、権利確定はしておらず、新たな所得が生じたとみなすことはできない旨、仮に権利確定したとしても、本件未収金が請求人名義の米国ドル建ての預金口座に入金された時においては、米国ドルを米国ドルのまま受領したのであって、米国ドルを円貨など他資産に交換されていないから、本件為替差益は評価差益にすぎず、所得税等の課税対象ではない旨主張する。しかしながら、本件支払の前後において、株式譲渡先の法人を相手方とする債権である本件未収金が、銀行を相手方とする外貨預金債権に変わっており、このことはすなわち、株式の譲渡代金請求権(契約で定められた期限までに権利行使できないもの)が、銀行を相手方とする預貯金に関する契約に基づく預金債権(返還請求がいつでも可能である上、利息が付されるもの)に変わっていると認められることから、本件未収金がその内容を実質的に異にする外貨預金債権に変化したことは明らかというべきであるから、本件為替差益は、単なる評価上のものとはいえず、実現したものとして、所得税等の課税対象として認識すべきである。(令4. 4.15 東裁(所)令3-106)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 令030023
- 裁決年月日
- 令和4年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、暗号資産同士を交換しても権利が確定したとはいえない旨主張する。しかしながら、本件の取引は、暗号資産から他の暗号資産への交換及び暗号資産で支払われる他の暗号資産の購入であり、これにより、保有する暗号資産は、既存のものから新たなものに変化したと認められる。そうすると、本件の取引により生ずる利益は、交換及び購入後の新たな暗号資産の取得価額に流入して認識され、もはや、保有資産の価値の増加益といった単なる評価上のものにすぎないとはいえないから、暗号資産から他の暗号資産への交換及び新たな暗号資産の都度、収入の原因たる権利(内在していた利益)が確定し、所得の実現があったとするのが相当である。(令4.3.23関裁(所)令3-23)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 令030004
- 裁決年月日
- 令和4年2月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自己が投資をした海外投資商品の終期は到来しておらず、損益は当該終期に確定するとされていること及び請求人による投資金の一部の引出しは、元本の引出しであるから、投資金の一部の引出しが可能であることをもって収入の原因となる権利が確定したとはいえない旨主張する。しかしながら、当該海外投資商品に係る投資損益は、日々の取引終了時に発生して、これを法律上行使できる状態になっており、請求人は、当該投資損益について権利実現の可能性を客観的に認識できる状態にあった。そうすると、日々の取引終了時点で投資損益の原因となる権利は確定していたということができ、この時点での投資損益は所得税法第36条《収入金額》にいう収入すべき金額に該当するものと認められることから、当該海外投資商品に係る損益の額を収入金額に算入すべき時期は、投資損益が取引口座に記載された日付の属する年分であるとすることが相当である。 (令4. 2. 9 広裁(所)令3-4)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030001
- 裁決年月日
- 令和3年7月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、所得税法第36条《収入金額》第1項に規定する収入すべき金額とは、「収入すべき権利の確定した金額」のことであり、その権利確定の時期は、権利発生後一定の事情が加わって権利実現の可能性が増大したことを客観的に認識されるようになったときと解されるとした上、請求人が韓国法人への貸付金債権(本件貸付金債権)の存否を債務者と争っており、本件貸付金債権が真に請求人のものであるか確定していないこと、利息の回収が極めて困難であることからすれば、本件貸付金債権に基づく利息債権及び遅延損害金債権(これらを併せて本件利息債権等)は収入すべき権利が確定しているとはいえず、収入すべき時期は未だ到来していない旨、また、上記主張が認められないとしても、韓国民法の規定に基づく消滅時効が一部完成していることから、本件利息債権等の一部は収入すべき権利の確定した金額とはいえず、収入すべき時期は未だ到来していない旨主張する。しかしながら、本件貸付金債権は請求人が有していると認められるところ、本件利息債権等は、その履行期が到来して確定的に発生しており、所得が実現したものとして所得税法第36条第1項に規定する収入すべき金額に当たると解するのが相当である。また、仮に韓国民法の消滅時効が完成し、私法上、消滅時効に遡及効が認められるとしても、経済実態的な事実関係までも遡及的に覆すものではない。したがって、本件利息債権等の収入すべき時期は、各年に対応する部分の額について、各年の末日とするのが相当である。(令3. 7.12 東裁(所)令3-1)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020072
- 裁決年月日
- 令和3年4月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の株式譲渡代金に係る米ドル建て未収金(本件未収金)の支払を米ドルで受けた(本件支払)ことに伴う為替差益(本件為替差益)は、本件未収金という債権の回収に係る取引により生じたものであり、所得税法第57条の3《外貨建て取引の換算》が規定する外貨建取引に該当せず、所得税等の課税対象ではない旨、また、仮に本件支払が外貨建取引に該当するとしても為替差益が実現した利得として認識されるタイミングは、外貨建資産を「実際に円貨などの他資産等に変えた時」であるから、本件支払は、請求人に所有権があることがほぼ確定していた米国ドル建ての預金が、請求人名義の米ドル建て預金口座に移動した取引であって、そこで認識される本件為替差益は評価益に過ぎない旨主張する。しかしながら、本件支払の前後において、株式譲渡先の法人を相手方とする債権である本件未収金が、銀行を相手方とする外貨預金債権に変わっており、このことはすなわち、株式の売買代金請求権(契約で定められた期限まで権利行使できないもの)が、銀行を相手方とする預貯金に関する契約に基づく預金債権(返還請求がいつでも可能である上、利息が付されるもの)に変わっていると認められることから、本件未収金がその内容を実質的に異にする外貨預金債権に変化したことは明らかというべきあるから、本件為替差益は、単なる評価上のものとはいえず、実現したものとして、所得税等の課税対象として認識すべきである。(令3. 4.21 東裁(所)令2-72)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020070
- 裁決年月日
- 令和3年4月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が行った商品への投資(本件投資)における損益は、満期日あるいは満期日前に全額償還した時に損益及び預け金の残高を精算することになるから、それらの日までは未実現状態であり、本件投資に対する課税は、満期日の到来あるいは全額償還した時点を損益が確定した時として行われるべきである旨主張する。しかしながら、本件投資に係る損益は、日々の運用で発生した損益が、請求人名義の口座(本件口座)に損益として反映され、請求人は本件口座の状況を日々確認することが可能な上、本件口座からの入出金を自由に行うことができる状態にあったことからすると、本件口座に損益として反映された日に法律上の権利を行使することができる状態にあり、また、権利実現の可能性を客観的に認識することができる状態にあったというべきであるから、本件投資に係る損益は、本件口座に損益とし反映された時に確定すると認められる。(令3. 4.20 東裁(所)令2-70)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 令020005
- 裁決年月日
- 令和3年2月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が行った外国法人への投資(本件投資)は満期日が設定された外国投資信託であるから、その損益は、満期日までは未実現であり、また、部分的な解約による出金又は満期日に完全償還することより、請求人の口座に着金した時点において、その収入の原因となる権利が確定する旨主張する。しかしながら、本件投資に係る損益は、日々の取引ごとに運用損益として投資口座に反映され、毎月、日々の運用結果に基づく成功報酬が差し引かれていることからすれば、日々の取引に係る損益は日々の取引終了時に確定していたものと認められる。そして、請求人は、投資口座において日々の取引から生じた運用結果と口座残高を確認でき、現実の収入がなくても入出金を自由にできた状態にあったことから、日々、本件投資に係る損益を享受できる状態にあったと認められる。これらのことからすれば、本件投資から生じた損益は、日々の本件投資の取引が終了し、投資口座に反映された時に、これを法律上行使することができるようになり、権利実現の可能性を客観的に認識することができる状態になったということができ、本件投資に係る損益の収入の原因となる権利は、本件口座に反映された時に確定していると認められるから、その収入すべき時期は、投資口座に損益として示された日ごとの属する各年分に計上することが相当である。(令3. 2. 4 熊裁(所)令2-5)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平300007
- 裁決年月日
- 令和元年5月30日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№115
要旨
○ 請求人は、医療法人から発行を受けた社債と題する書面(本件債券)の額面金額と発行価額との差益(本件差益)について、本件債券の契約によると本件債券の償還日までは本件差益の支払を請求することができないから、本件差益の収入すべき時期は、本件債券の償還日である旨主張する。しかしながら、本件債券の契約は、請求人と当該医療法人との間における当該償還日を弁済期として、請求人が払い込んだ金員(本件払込金)を貸し付けた契約(本件契約)であり、本件差益は、当該医療法人が本件契約成立時から弁済期までの間、本件払込金を使用することの対価、すなわち利息であると認められる。そして、貸付金利息は、元本利用の対価であって元本が返還されるまで日々発生するものであるから、特段の事情のない限り、現実の支払の有無を問わず、期間の経過により直ちに利息債権が発生し収入の原因となる権利が確定するものと解される。そうすると、本件差益のその年の1月1日から12月31日までの期間に対応する部分については、その年分の雑所得に係る総収入金額に算入すべきである。なお、本件利息の計算に当たって、原処分庁は、一定の年複利率を用いて算出していないため、これにより当該総収入金額に算入すべき金額を計算すべきである。(令元.5.30 熊裁(所)平30-7)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平300004
- 裁決年月日
- 平成31年2月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取引所株価指数証拠金取引(本件取引)において、同一の商品の決済が結了していない売建玉と買建玉を持ついわゆる両建ての状態になったことにより請求人の保有する建玉の評価損(本件評価損)は固定され現実化し、損失は確定したので、本件評価損は、差金等決済による損失の額として、本件取引に係る雑所得の総収入金額の計算上控除することができる旨主張する。しかしながら、請求人が保有する建玉は、反対取引を行った上で決済すべき建玉及び取引数量を指定することにより決済され、その決済された時点をもって、請求人の証拠金預託額に決済損益等の累計額が加算又は減算されることから、当該決済時点に権利実現の可能性を客観的に認識することができる状態になり、収入の原因となる権利が確定したと判断するのが相当である。したがって、本件評価損は、決済が行われる前の段階における計算上の金額にすぎず、確定したものではないから、本件取引に係る雑所得の総収入金額の計算上控除することはできない。(平31. 2. 6 札裁(所)平30-4)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平300009
- 裁決年月日
- 平成30年10月16日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人がその年の翌年に顧客から受領したものであるからその年分の雑所得に係る総収入金額に算入されないと主張する金員について、その事実を証明する書類の添付がなく、請求人の主張する事実は認められないことから請求人の更正の請求は認められない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査及び審理の結果によれば、請求人は当該金員を当該顧客からその年の翌年において収入すべき金員として受領したことが認められるから、その年分の雑所得に係る総収入金額に算入されず、請求人の更正の請求には更正すべき理由がある(平30.10.16 関裁(所)平30-9)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290012
- 裁決年月日
- 平成29年8月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№108
要旨
○ 請求人は、外国為替保証金取引において、未決済建玉の乗換えにより決済日を自動的に1営業日繰り延べる取引(本件ロールオーバー)により生じた差損益金及びスワップポイント(本件差損益金等)は、損益の見込額にすぎないから、本件ロールオーバーが行われた時点において本件差損益金等の収入の原因となる権利が確定したとはいえない旨主張する。しかしながら、請求人の行う外国為替保証金取引では、本件ロールオーバーにより未決済建玉の約定価格が更新され本件差損益金等が発生してその金額が確定し、発生後、直ちに預託保証金に加算又は減算されるほか、これと同時に本件差損益金等が反映された預託保証金は振替可能額の範囲内で証券総合口座への振替請求が可能となるとされており、これらによれば、本件差損益金等の収入の原因となる権利は、本件ロールオーバーが行われた時点で発生すると同時にこれを法律上行使することができるようになり、権利実現の可能性を客観的に認識することができる状態になったということができる。したがって、本件差損益金等の収入すべき時期は、本件ロールオーバーが行われたときであると認められる。(平29. 8. 2 大裁(所)平29-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平280017
- 裁決年月日
- 平成28年8月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№104
要旨
○ 請求人は、金融機関から外貨建借入金を借り入れ、当初の借入れから最終的な返済までの間に借換えを繰り返しているところ、最終的な返済時だけでなく、各借換え時において計算される為替差損益も課税の対象として認識すべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第36条《収入金額》第1項は、収入の原因たる権利が確定的に発生した場合に、その時点で所得の実現があったものとして課税所得を計算するという建前(いわゆる権利確定主義)を採用したものと解されており、収入という形態において実現した利得のみを課税の対象としているから、外貨建借入金の借換え時に計算される為替差損益が単に評価上のものにとどまる場合には、課税の対象となる収入として認識しないこととなる。本件においては、金融機関と請求人との間で貸付与信枠に係るファシリティー契約が結ばれ、同契約に定められた貸付与信限度額、金利の計算方法及び担保等の条件に基づき、同一支店から、同一の通貨で借換えが行われており、借換えに係る既存の借入金と新たな借入金の内容に実質的な変化が生じたとは認められない。そうすると、借換え時において、既存の借入金の返済により計算される為替差損益は、単に評価上のものにすぎないから、課税の対象となる収入として認識しないこととなる。(平28. 8. 8 東裁(所)平28-17)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平270055
- 裁決年月日
- 平成28年5月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、各年分の店頭外国為替証拠金取引(本件FX取引)では、反対売買により生じた損益のほかに、多額の未決済の建玉に係る評価損(本件各未決済評価損)が生じていることから、本件各未決済評価損を各年分の本件FX取引に係る所得の総収入金額の計算上控除することができる旨主張する。しかしながら、所得税法第36条《収入金額》第1項が、その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において「収入すべき金額」とするとしていることから考えると、同法は、現実の収入がなくても、その収入の原因となる権利が確定した場合には、その時点で所得の実現があったものとして上記権利確定の時期の属する年分の課税所得を計算するという建前(いわゆる権利確定主義)を採用しているものと解される。そして、いかなる場合に上記の収入の原因となる権利が確定するかについては、各種の取引ごとにその特質を考慮して決定せざるを得ないものと解されるが、現実の収入がなくても、収入となるべき権利が発生した後、これを法律上行使することができるようになり、権利実現の可能性を客観的に認識することができる状態になったときは、権利が確定したといい得るものと解される。これを本件についてみると、本件FX取引において、その収入の原因となる権利が確定した時期は、反対売買により決済した時というべきであるから、反対売買による決済がされていない本件各未決済評価損は、その収入の原因となる権利が確定した損益ということはできず、各年分の本件FX取引に係る所得の総収入金額の計算上控除することはできない。(平28. 5.18 関裁(所)平27-55)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270100
- 裁決年月日
- 平成28年2月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国為替保証金取引において未決済建玉の乗換えにより決済日を自動的に1営業日繰り延べる取引(本件ロールオーバー)により生じた差損益金及びスワップポイント(本件差損益金等)については、本件ロールオーバーが行われた時点で収入の原因となる権利が確定していないから、本件差損益金等の収入すべき時期は本件ロールオーバーが行われた時ではない旨主張する。しかしながら、本件差損益金等の収入の原因となる権利は、本件ロールオーバーが行われた時点で発生すると同時に、これを法律上行使することができるようになり、権利実現の可能性を客観的に認識することができる状態になったということができることから、本件ロールオーバーが行われた時に本件差損益金等の収入の原因となる権利は確定しており、この時点の本件差損益金等は、所得税法第36条《収入金額》第1項の「収入すべき金額」に該当するものと認められる。したがって、本件差損益金等の収入すべき時期は本件ロールオーバーが行われた時であるといえる。(平28. 2.23 東裁(所)平27-100)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270061
- 裁決年月日
- 平成27年11月18日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、取得した和解金のうち和解成立に先立って入金された金員(本件金員)の収入すべき時期について、本件金員は入金日時点では預り金にすぎず、和解成立の日が収入すべき時期となる旨主張する。しかしながら、所得税法が権利確定主義を採用したのは、課税に当たって常に現実収入のときまで課税することができないとしたのでは、納税者の恣意を許し、課税の公平を期しがたいので、徴税政策上の技術的見地から、収入の原因となる権利の確定した時期を捉えて課税することとしたものであるから、終局的な解決についてなお係争中であっても、これに関し既にその一部金としての金員を収受し、所得の実現があったとみることができる状態が生じたときは、当該時点をもって収入すべき金額を生じた日とし、その属する年分の収入として所得を計算すべきものといえる。本件の場合、本件金員は、事前に、請求人らの側から要求した内容に沿って相手方から請求人らの口座にあるべき額にリスクフリーレートによる一定の利息を加えた額であること、法的手続が不可避であった場合の損害賠償の一部に充当するものであることなど、当事者間において当然授受すべき金員であることを前提として入金されたものであって、返還が予定されているとはいえず、仮受金ないし預り金にすぎないというような状況にはない。したがって、本件金員は、その入金の時点において、所得の実現があったとみることができる状態が生じているから、入金日が「収入すべき時期」となる。(平27.11.18 東裁(所)平27-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270031
- 裁決年月日
- 平成27年9月11日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、取得した和解金のうち和解成立に先立って入金された金員(本件金員)の収入すべき時期について、本件金員は入金日時点では仮の預り金にすぎず、和解成立の後に和解金の最終支払分を入金するよう指示する書面を作成したことにより、和解金に係る収入金額が確定したのであり、当該書面の日付をもって収入すべき時期となる旨主張する。しかしながら、所得税法が権利確定主義を採用したのは、課税に当たって常に現実収入のときまで課税することができないとしたのでは、納税者の恣意を許し、課税の公平を期しがたいので、徴税政策上の技術的見地から、収入の原因となる権利の確定した時期を捉えて課税することとしたものであるから、終局的な解決についてなお係争中であっても、これに関し既にその一部金としての金員を収受し、所得の実現があったとみることができる状態が生じたときは、当該時点をもって収入すべき金額を生じた日とし、その属する年分の収入として所得を計算すべきものといえる。本件の場合、本件金員は、事前に、請求人の側から要求した内容に沿って相手方から請求人の口座にあるべき額にリスクフリーレートによる一定の利息を加えた額であること、法的手続が不可避であった場合の損害賠償の一部に充当するものであることなど、当事者間において当然授受すべき金員であることを前提として入金されたものであって、返還が予定されているとはいえず、仮受金ないし預り金にすぎないというような状況にはない。したがって、本件金員は、その入金の時点において、所得の実現があったとみることができる状態が生じているから、入金日が「収入すべき時期」となる。(平27. 9.11 東裁(所)平27-31)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平260047
- 裁決年月日
- 平成27年6月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、内国法人への移籍に当たって同法人から5年間にわたり均等額で受領することとなった金員(本件移籍金)は、役務の提供を約し、実際に移籍したときに収入すべき権利が確定するので、本件移籍金に係る雑所得の収入すべき時期は、請求人が内国法人へ移籍した日の属する年分である旨主張する。しかしながら、請求人と内国法人は、本件移籍金を5回に分割して支払うこととしてその支払期日を定めた上で、その間、請求人に退職等一定の事由が生じた場合には、内国法人は、当該事由が生じた翌年以降に支払期日が到来する本件移籍金の分割金については、内国法人の判断でその支払を止めることができることに合意をしたことが認められる。そうすると、請求人に退職等一定の事由が生じていない本件においては、支払期日の属する年の前年末日が経過した日、すなわち1月1日の時点で、その年の支払期日に係る本件移籍金の分割金の支払を請求する権利が確定したというべきであるから、本件移籍金に係る雑所得の収入すべき時期は、本件移籍金の分割金の各支払期日の属する年分となる。(平27. 6. 9 関裁(所)平26-47)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260034
- 裁決年月日
- 平成27年4月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人と債務者(本件債務者)との間で締結した準消費貸借契約(本件契約)に基づいて遅延損害金(本件遅延損害金)が発生していることから、本件遅延損害金を雑所得の収入金額に算入すべきであるとして行った所得税の各更正処分等について、本件契約に基づく弁済金(本件弁済金)は、本件債務者との間で弁済金を元本(本件元本)に充当する旨の合意をしたので、全て本件元本へ充当され、請求人が、本件遅延損害金を受領していないことは明らかであるから、本件弁済金を継続してその支払を受けた日により収入金額に計上したといえなくても、所得税基本通達36−8《事業所得の総収入金額の収入すべき時期》(7)ただし書及び同通達36−5《不動産所得の総収入金額の収入すべき時期》(1)(本件各通達)の適用を認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、本件弁済金の額及び本件元本の残高を管理するための書類を作成しておらず、請求人が継続して本件遅延損害金を収入金額に計上していたとは認められないから、請求人に本件各通達は適用されない。(平27. 4.10 名裁(所)平26-34)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平260005
- 裁決年月日
- 平成26年9月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№96
要旨
○ 原処分庁は、利息債権については、その履行期が到来すれば、権利が確定し、所得税法第36条《収入金額》第1項に規定する「収入すべき金額」に当たるものと解され、所得税基本通達36−8《事業所得の総収入金額の収入すべき時期》(7)(本件通達)における「その年に対応するもの」とは、同項の規定によりその年に権利が確定したものをいうとの解釈を前提として、請求人が母親に対して貸し付けた金銭の利息(本件利息)については、その履行期にその全額が確定したものであるから、本件通達により、同日が本件利息の全額の収入すべき時期となる旨主張する。しかしながら、貸付金利息については、元本使用の対価であって、元本が返還されるまで日々発生するものであるから、特段の事情のない限り、現実の支払の有無を問わず、期間の経過により直ちに利息債権が発生し、収入の原因となる権利が確定するものと解するのが相当であり、また、本件通達は、期間対応計算を採用したものであるから、「その年に対応するもの」との文言については、その年における利息の計算期間の経過に対応するものと解するのが相当であり、本件利息に係る収入金額のうち、各年中の期間に対応する部分の金額に係る収入すべき時期は、それぞれの年の末日であり、貸付期間の終了した平成23年の期間に対応する部分の金額に係る収入すべき時期は、貸付期間の終了した平成23年である。(平26. 9. 1 名裁(所)平26-5)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250016
- 裁決年月日
- 平成25年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国為替証拠金取引(FX取引)により生じた差損益金、スワップポイント及びキャンペーン賞金等(差損益金等)について、各年分において取引口座から現金を1円も引き出していないから、その総収入金額に計上すべき時期は、原処分庁が差押処分によって取引口座から現金を引き出した日の属する年分である旨主張する。しかしながら、所得税法は現実の収入がなくても、その収入の原因となる権利が確定した場合には、その時点で所得の実現があったものとして上記権利確定の時期の属する年分の課税所得を計算するという建前(いわゆる権利確定主義)を採用しているところ、請求人には、FX取引の取引先業者から実現した差損益金等の金額について損益報告書により通知がなされ、取引口座には損益報告書に記載された内容の金額が入金(預託)され、取引口座に預託された金銭はFX取引の証拠金を形成し、預託すべき証拠金の額を超過する部分は請求人が返還を求めることができたこと等からすれば、差損益金及びスワップポイントについては決済取引を行った時に、キャンペーン賞金等については取引口座に入金された時にその収入すべき権利は確定するものと認められる。そうすると、差損益金等の雑所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき時期は、差損益金等に係る各取引ごとにその収入すべき権利が確定した日の属する各年分となる。(平25.11.26 関裁(所・諸)平25-16)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平240050
- 裁決年月日
- 平成25年6月25日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№91
要旨
○ 請求人は、請求人が行った外国為替証拠金取引(本件各FX取引)により生じた利益及びスワップポイントについては、ロスカットを防止するため本件各FX取引の各取引口座から証拠金を出金することができなかったこと、また、本件各FX取引における未決済の取引については、評価損が評価益を上回っている状態にあったことから反対売買による差益を本件各FX取引の各取引口座から引き出す権利がなかったので、本件各FX取引については、本件各年分の年末において収入すべき金額が発生していない旨主張する。しかしながら、得税法第36条《収入金額》第1項が、その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において「収入すべき金額」とする旨規定しており、これは、現実に収入がない場合においても、その収入の原因となる権利が確定した場合、その時点で所得の実現があったものとして課税所得を計算するという、いわゆる権利確定主義を採用しているものと解されているところ、本件各FX取引におけるロスカットや請求人の出金可能額は、請求人と本件各FX取引の取引業者との間の取決めにすぎないから、本件各FX取引における反対売買による差損益及びスワップポイントについては、反対売買による決済をした時、又はロールオーバーがあった時に、それぞれ収入の原因となる権利が確定したこととなる。(平25. 6.25 名裁(所)平24-50)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240086
- 裁決年月日
- 平成24年10月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、匿名組合員の利益配当請求権が確定する時期は所得税法上特に定めがなく、匿名組合契約に基づく利益の分配の確定した日は、当該利益の支払時に源泉徴収が必要であることを考慮して、支払調書に記載された支払確定日(平成22年1月8日)とすることに合理性があるから、本件分配金の収入すべき時期(年分)は、平成22年分である旨主張する。しかしながら、所得税法第36条《収入金額》第1項は、現実の収入がなくても、その収入の原因となる権利が確定した時点で所得の実現があったものとして同権利確定の時期の属する年分の課税所得を計算するという「権利確定主義」を採用しているものと解されているところ、匿名組合員の利益配当請求権は、匿名組合の事業年度の末日(平成21年10月31日)において確定すると解するのが相当であるから、本件分配金の収入すべき時期(年分)は、当該事業年度の末日の属する平成21年分である。そして、当該支払調書に記載すべき「支払の確定した日」とは、上記のとおり匿名組合員の利益配当請求権が確定した匿名組合の事業年度の末日をいうものであるから、請求人の主張を採用することができない。(平24.10.30 東裁(所)平24-86)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240045
- 裁決年月日
- 平成24年8月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が行う店頭外国為替証拠金取引(本件FX取引)を提供する業者が、未決済ポジション(反対売買による差金決済を了していない外貨の持ち高)の評価損の強制的な決済(ロスカット)をすることができることなどからすれば、請求人の当該評価損の額は、現実に生じた損失の額として取り扱われるべきものであるから、本件FX取引による未決済ポジションの評価損の額を、本件FX取引に係る雑所得の総収入金額の計算に含めることができる旨主張する。しかしながら、未決済ポジションの評価損益の額は、飽くまで、上記の業者の提示するレート(評価替えするときのもの)で反対売買をしたと仮定した場合の計算上の損益の額でしかなく、その計算の時点でその額が実際に本件FX取引を行うための請求人名義の取引口座の残高に加減されるものではない。したがって、請求人の主張する未決済ポジションの評価損の額は、計算上の損失の額であって、いまだ反対売買による差金決済を了して確定したものとは認められないから、本件FX取引に係る雑所得の総収入金額の計算に含めることはできない。(平24. 8.31 東裁(所)平24-45)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240039
- 裁決年月日
- 平成24年8月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502024
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/4貸付金利息
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、H社から平成18年2月から7月までの間に受領した金員は、同社との合意により貸付金元本として受領したものであるから同貸付金利息に係る雑所得でない旨主張し、また、仮に当該金員が利息であるとしても、H社が実質的に破綻状態にあったから、原処分庁が平成18年分の貸付金利息に係る雑所得であるとする金額のうち上記金員を超える部分の金額については、所得がなかったものとすべきである旨主張する。しかしながら、請求人とH社は、平成18年2月に金銭消費貸借契約を締結していることが認められ、上記金員は、請求人からH社に対する貸付金元本に対する各支払日までの経過日数に対する利息であると認められるほか、H社は上記貸付金元本の一部をいまだ返済していないことが認められる。そうすると、上記金銭消費貸借契約においては、元本と利息とは明確に区分されており、H社から支払われる利息が貸付金の元本に充当される旨の弁済充当の指定特約は付されていないというべきであるから、上記金員は利息に充当されたものと認める。また、請求人は、同年7月から12月末までの間に係る利息の支払を受けていないが、当該期間においても、同貸付金元本に対する利息債権が発生し確定しているから、当該期間に発生し確定した利息についても、平成18年分に収入計上すべきである。(平24. 8.21 東裁(所)平24-39)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平220003
- 裁決年月日
- 平成22年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- №81
要旨
○ 請求人は、L社との外国為替証拠金取引(本件FX取引)において円と外国通貨との金利差から生じる本件スワップポイントに係る収入金額を雑所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき時期は、①本件スワップポイントが未実現評価損益と同様であること、②L社から請求人への支払は余剰の証拠金の返還であること、③スワップポイントに係る利益損失はFX取引が決済された時でなければ確定しないことから、本件FX取引が決済された時である旨主張する。しかしながら、①請求人がL社との間で合意した約款には、L社に開設した請求人の本件取引口座が益勘定となった場合は、請求人がその利益金を預り証拠金に振り替えるか、請求人の指定銀行口座に振り込むかを選択をすることとなっていること、②L社の取引ガイドによれば、スワップポイントは、外貨と円との金利差であり、この金利差額が本件取引口座に積み立てられること、③L社のパンフレット及び商品取引概要には、1か月分のスワップポイントの合計額が翌月10日に顧客の口座に振り込まれることが記載されていたこと、④実際にも、本件スワップポイントの1か月分の合計額が、請求人に定期的に通知され、請求人の預金口座に振り込まれており、この事実は、上記のパンフレットや商品取引概要の内容に合致することからすると、本件FX取引の内容は、請求人がL社との間でFX取引を行い、その際、1日当たり一定の割合の本件スワップポイントの受払を合意し、日々計算された本件スワップポイントの額が本件取引口座に累積された後、請求人名義の銀行預金口座に振り込まれる内容の契約とみることが相当である。そうすると、本件スワップポイントに係る収入は、日々計算され本件取引口座に累積された時に確定的に生じたものと認められる。以上のことから、本件スワップポイントについては、日々計算され本件取引口座に累積された時に収入の原因たる権利が確定したというべきであり、本件スワップポイントに係る収入金額を雑所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき時期は、日々計算され本件取引口座に累積された時であると認めるのが相当である。(平22.11.29 高裁(所)平22-3)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平220004ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成22年11月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、F社の外国為替証拠金取引の商品である本件FX商品による本件スワップポイントに係る収入について、①未実現評価損益と同様であること、②F社から請求人への支払は、スワップポイントの支払ではなく、余剰の証拠金の返還であること、③スワップポイントに係る利益損失は、FX取引が決済された時でなければ確定しないことから、その収入の計上時期は本件FX商品の取引が決済された時である旨主張する。しかしながら、①請求人がF社との間で合意した約款には、F社に開設した請求人の本件取引口座が益勘定となった場合は、請求人がその利益金を預り証拠金に振り替えるか、請求人の指定銀行口座に振り込むかを選択をすることとなっていること、②F社の取引ガイドによれば、スワップポイントは、外貨と円との金利差であり、この金利差額が本件取引口座に積み立てられること、③F社のパンフレット及び商品取引概要には、本件FX商品は、スワップポイントが一定の割合で固定された商品で、決済することなく、1か月分の合計額が翌月10日に顧客の口座に振り込まれることが記載されていたこと、④実際にも、本件スワップポイントの1か月分の合計額が、請求人に定期的に通知され、請求人の預金口座に振り込まれており、これらの事実は、上記のパンフレットや商品取引概要の内容に合致する。以上のことからすると、本件FX商品に係る取引の内容は、請求人がF社との間でFX取引を行い、その際、1日当たり一定の割合の本件スワップポイントの受払を合意し、日々計算された本件スワップポイントの額が本件取引口座に累積された後、請求人名義の銀行預金口座に振り込まれる内容の契約とみることが相当である。そうすると、本件スワップポイントに係る収入は、日々計算され本件取引口座に累積された時に確定的に生じたものと認められる。(平22.11.29 高裁(所)平22-4)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平220005
- 裁決年月日
- 平成22年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成17年ないし平成20年に行われた外国為替証拠金取引(以下「本件FX取引」という。)により生じた損益の額は本件FX取引に係る取引口座(以下「本件取引口座」という。)から一度も出金されていないので、その所得は平成18年及び平成19年においては実現しておらず、平成20年中に清算・決済されたものであるから、本件FX取引により生じた損益の額の計上時期は、平成20年分である旨主張する。しかしながら、本件FX取引は、実際の通貨の売買を伴わない取引であり、買った外国通貨を転売する又は売った外国通貨を買い戻すという一対の売買による差損益だけを決済する差金決済の方法により行われるものであって、売買の目的となっている外国通貨の転売又は買戻し(以下「反対売買」という。)による決済を行った日に、未決済取引残高が消滅するとともに反対売買に係る取引金額及び売買差損益が具体的に確定し、当該売買差損益が本件取引口座の証拠金残高に円貨で加減されること、また、スワップ金利(本邦通貨と取引対象の外国通貨間における金利差相当額について受払いをする額をいう。)は、本件FX取引に係る取引業者の営業日ごとに本件取引口座の証拠金残高に円貨で加減算されることから、所得税法第36条第1項の規定に照らせば、当該売買差損益及び当該スワップ金利の額が、当該反対売買による決済を行った日及び当該取引業者の営業日ごとに、本件取引口座の証拠金残高に加減算された時点で、それぞれ収入の原因となる権利が確定し所得の実現があったものと認められ、これらの時点の属する各年分の所得として計上することとなる。(平22. 8.30 名裁(所)平22-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200071
- 裁決年月日
- 平成21年4月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・91ページ
要旨
○ 請求人は、本来、外国為替証拠金取引は、一定の証拠金を預託して外貨保有の権利を取得し、それを反対売買することにより損益が確定するものであるから、請求人とC社との間の外国為替直物証拠金取引において、反対売買により決済が行なわれるまでの持高ないしは保有高(以下「未決済ポジション」という。)について、営業日ごとの評価替により売買評価損益を清算して決済期限を自動的に延長させること(以下「本件清算型ロールオーバー」という。)によっても営業日ごとに生じる為替差損益(以下「本件為替差損益」という。)は確定しておらず、当該損益は、所得税法上実現した収益に該当しない旨主張する。しかしながら、所得税法第36条第1項及び第2項の規定からすれば、現実の収入があった場合又は収入の原因たる権利が確定的に発生した場合には、収入金額として所得税の課税をすべきこととなると解されるところ、本件においては、C社が毎営業日ごとに行われる本件清算型ロールオーバーにより、その時点において、未決済ポジションは、反対売買が行なわれた場合と同様の損益、すなわち、売買評価益が生じた場合、C社には売買評価益相当額の支払義務及び請求人には売買評価益相当額を受け取る権利並びに本件為替差損益の金額が具体的に確定したと認められ、それに基づきC社は毎営業日に本件為替差損益を本件取引口座内において清算していること及び未決済ポジションの取得価額は、毎営業日に本件清算型ロールオーバーにより評価替された金額に日々変更されることからすれば、本件為替差損益は、本件清算型ロールオーバーが行われた時点において、現実に収入があった又は収入の原因たる権利が確定的に発生したと評価できる。そうすると、本件為替差損益は、本件清算型ロールオーバーの時点に損益が確定するとともに実現したと認めるのが相当である。したがって、請求人の上記主張は採用できない。(平21. 4.27 大裁(所)平20-71)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200157
- 裁決年月日
- 平成21年4月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が行った外国為替直物証拠金取引(以下「本件FX取引」という。)の契約約款等によれば、本件FX取引においては、毎営業日の注文受付開始前に、ニューヨーク外国為替市場の終値を用いて請求人の保有する未決済ポジションを値洗い計算し、その時に同ポジションの約定値段を同終値に引き直すことにより、その決済期限を延長して、同ポジションを維持する方法がとられており、値洗い計算により生じる為替差損益(以下「本件為替差損益」という。)は本件FX取引に係る取引口座(以下「本件FX取引口座」という。)に積み立てるか又は引き落とされることとされているところ、請求人は、取得時と反対売買による決済時の約定値段の差額から計算される損益の額が本件FX取引に係る現実の差損益であって、本件為替差損益は評価損益であって実現損益ではないから、本件為替差損益を請求人の雑所得の総収入金額に算入した原処分の一部は取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、本件FX取引の契約内容は上記のとおりであって、請求人が主張する計算方法は採られておらず、本件FX取引口座の残高から上記未決済ポジション分の取引証拠金の額を差し引いた残額が請求人において出金可能となり、処分可能となることからすれば、本件為替差損益は、値洗い計算されたときにその金額が確定し、権利が確定するといえるから、請求人の主張には理由がない。(平21. 4. 9 東裁(所)平20-157)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平200018
- 裁決年月日
- 平成21年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件FX取引においては、反対売買の約定をした時点で売買差損益が確定し、スワップ金利については反対売買するまでは計算上の損益が確定しているといえないから、売買差損益及びスワップ金利ともに、ポジションの反対売買の約定日に収入すべきことが確定する旨主張する。確かに、A証券は約定日に売買差損益に係る差金決済を行う方法を採用してそのとおりに実行しているから、その限りにおいて、約定日に収入すべき権利が確定するが、一般に、FX取引においては、反対売買の約定が成立しても、その取引業者が約款等により定めている差金決済の期日(取引の成立日から2営業日後)までは、委託者は法律上の権利を行使することができないものと考えられるから、反対売買が成立して差金決済が行われない限り、売買差損益に係る収入すべき権利は確定しないものと解される。また、本件各FX取引業者は、ポジションのロールオーバー時点における評価差損益の清算の要否及びスワップ金利の清算の要否をそれぞれ取り決めており、これらに係る清算額は、一定の手続の下で請求人が返還を請求することができる預託証拠金又は取引保証金に振り替えられることになっているのであるから、清算された時点において既に確定した損益であるということができる。したがって、上述したA証券とのFX取引における反対売買の差金決済に係る部分を除いて、請求人の主張には理由がない。(平21. 3.18 広裁(所)平20-18)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200146
- 裁決年月日
- 平成21年3月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国為替証拠金取引に係る売買差損益金及びスワップ金利について、帳尻金として取引口座に加減されたものは計算上の数値でしかなく、すべての取引に係る保有ポジションを決済するまでは未確定利益である旨主張する。しかしながら、外国為替証拠金取引は、新規取引により保有している建玉を反対売買によって決済することにより発生する売買差損益金及び建玉日以降2種類の通貨間に生ずる金利差相当額を調整するために受払いするスワップ金利に係る収益を目的とする取引であるところ、売買差損益金は反対売買による差金決済を了したときに、スワップ金利は差金決済を了したとき及び毎月一回所定の日に取引口座に加減され、取引口座の残高は建玉の必要証拠金の額を超える額はいつでも返還請求できるものであり、新規取引に係る証拠金に充てることもできるのであるから、売買差損益金は差金決済を了したときに、スワップ金利は取引口座に加減されたときに権利が確定し、雑所得の総収入金額に算入すべきものとなると解するのが相当である。(平21. 3.18 東裁(所)平20-146)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平200041
- 裁決年月日
- 平成20年9月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、いわゆるFX取引に係る所得は、FX取引に係る本件取引口座からの出金額が入金額を上回った場合にのみ生ずる旨主張する。しかしながら、FX取引は、請求人が保有する、売買注文が成立し反対売買による決済が行われるまでの持高(いわゆるポジション)につき、それを決済するために反対売買の注文を行うことによって差金を確定させる取引であるところ、反対売買が成立し差金決済を了したときに売買差損益が計算され、その計算された売買差損益が本件取引口座において、取引に際して預託された取引証拠金に加算され、又は、取引証拠金から減算されるのであるから、売買差損益の金額が具体的に確定するのは、反対売買が成立し差金決済を了したときとするのが相当である。また、二国間の通貨間に生ずる金利差相当額(いわゆるスワップポイント)については、FX取引に際し、請求人とFX取引に係る業者の間で、二種類の通貨間に生ずる金利差相当額を調整するために受払いを行う性質のものであるところ、FX取引においては、取引証拠金に振り替えられるとき、又は、決済の繰延べ時に決済価額に加減されたときをもって、その金額が確定するものと認められる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平20. 9.18 東裁(所)平20-41)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190134
- 裁決年月日
- 平成20年3月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、いわゆる外国為替証拠金取引の所得金額の計算上、当該取引の年末における未決済建玉に係る含み損を控除すべきである旨主張する。所得税法第36条第1項に規定する「収入すべき金額」とは、「収入すべき権利の確定した金額」をいうと解され、同規定は、いわゆる権利確定主義を採用したものと解されている。これを本件についてみると、当該取引は、委託者が注文した建玉を専ら反対売買によって決済を得ることを目的として締結されるものであり、また、反対売買時に売買差損益金を計算することになっていることからすると、反対売買が成立し差金決済を了したときに差損益金としての金額が具体的に確定するから、その時点をもって、本件取引に係る雑所得の総収入金額の計上時期とするのが相当である。これに対し、請求人が損失であるとする未決済建玉に係る含み損は、あくまでも建玉の担保としての証拠金の預託必要額の判断(追加証拠金の要否判断)の指標であって、評価損益はいまだ権利として確定しているものとはいえないから、年末において未決済建玉に係る評価損を、雑所得に係る総収入金額から控除することはできない。(平20. 3.17 東裁(所)平19-134)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平190011
- 裁決年月日
- 平成19年12月6日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件外国為替証拠金取引に係る本件差損益金及び本件スワップ金利は本件取引口座を通じて授受され、同口座から引き出さない限り証拠金として運用されるものであるから、収入すべき金額として確定していない旨主張する。 しかしながら、その年において収入すべき金額とは、収入すべきことが確定した金額によるべきことを原則としているところ、本件差損益金は、反対注文により外国為替相場に基づく注文額の差損益金が決済されて確定し、本件スワップ金利は、毎月定期の決済と反対注文の際に決済されて確定するものと認めるのが相当である。 また、本件差損益金及び本件スワップ金利は、評価損が生じた場合には、本件取引口座からの引き出しについて制限されることが認められるものの、本件外国為替証拠金取引は、請求人が自己の責任の下に行ったことであるから、請求人が本件差損益金及び本件スワップ金利を引き出さず証拠金として運用していたか否かということと本件差損益金及び本件スワップ金利が収入として確定することとの間に関連は認められない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平19.12. 6 金裁(所)平19-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平190001
- 裁決年月日
- 平成19年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、商品先物取引業者との和解は、平成14年12月には和解する旨の合意が成立していたので、本件和解金は、課税されるとしても、平成14年分として課税されるべきである旨主張する。 この点、所得税法第36条第1項は、その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額とする旨規定しているが、これは、現実の収入があったか否かにかかわらず、その収入の原因となる権利が確定した場合には、その時点で所得の実現があったものとしてその権利確定の時期の属する年分の課税所得を計算するという建前を採用しているものと解される。 そうすると、本件和解金は、平成15年2月に本件和解契約が締結され、同年3月に本件和解金の支払がされていることに照らせば、同年2月に収入すべき権利が確定したというべきであるから、その収入すべき時期は、本件和解契約の締結により和解が成立した日の属する平成15年分となる。(平19. 7. 3 名裁(所)平19-1)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平190002
- 裁決年月日
- 平成19年7月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 本件学会から会長として選任された請求人が主宰したB学術集会の事業から発生した剰余金について、請求人は仮に請求人に帰属するとしても、本件剰余金に係る法的な権利は、預金名義である本件学術集会が有しており、請求人は未だ現実に収益していないことから、請求人の平成12年分の所得にはならない旨主張する。 しかしながら、請求人自らが本件剰余金を預金で管理し、誰からもその預金の存在を知り得ない状況を創出し、当該預金からの支出についても請求人の裁量であることが認められることから、本件剰余金は、本件収支計算書及び本件監査報告書が本件学会の理事会において承認され、事実上、請求人の管理下となった平成12年分の所得と認めるのが相当である。(平19. 7. 3 高裁(所)平19-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平180330
- 裁決年月日
- 平成19年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502022
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/2有価証券の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件投資契約は株式投資信託に類し、各年分において本件運用益の金額は確定しておらず、課税対象とはならない含み益にすぎないと主張する。 ところで、所得税法第36条第1項に規定する「収入すべき金額」とは、現実の収入がなくても、その収入の原因となる権利が確定した場合には、その時点で所得の実現があったものとして権利確定の時期の属する年分の課税所得を計算するという建前、すなわち権利確定主義を採用したものと解される。 これを本件について見ると、①本件運用益は、本件原投資契約においては、同契約時に定まった投資勘定残高に連動した一定の金利に基づいて毎月の複利計算で算定され、②本件変更投資契約においても、いったんA社が金利を変更した場合には90日間は金利を変更することができないとされて、予め定めた一定の金利に基づいて投資期間の運用益を算定するという方法は維持され、③これらの金利によって計算された本件運用益は、毎月A社から送付される投資勘定報告書に記載されて通知され、④A社は、請求人に対して、元本のみならず本件運用益の支払いを保証し、⑤請求人はA社に対していつでも一定の通知により本件運用益を含めた投資の回収ができるとされていたというのである。これらの事情からすると、本件運用益は予め定まった金利に基づき一定の期間の経過により計算され投資勘定に計上されれば、いつでも投資の回収が可能になるとされており、毎月の本件運用益の額が請求人の投資勘定に計上される時点で債権として確定しているということができる。 したがって、各月において本件運用益が請求人の投資勘定に計上される時点が、本件運用益の収入すべき時期であり、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平19. 6.21 東裁(所・諸)平18-330)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170027
- 裁決年月日
- 平成17年11月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・134ページ
要旨
○ 請求人は、商品先物取引会社に委託して行った本件取引においては、トータルで多額の損失を被っているのだから、平成13年において一時的に利益が生じたからといって課税するのは違法である旨主張する。しかしながら、所得税の納税義務は、暦年の終了の時に成立し(国税通則法第15条第2項第1号)、その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、その年において収入すべき金額とされているところ(所得税法第36条第1項)、請求人は、商品先物取引期間の全体では総額で損失を被っているものの、平成13年分の商品先物取引では利益が生じているのであるから、平成13年分の商品先物取引による損益は、平成13年分の所得となる。したがって、本件先物取引に係る平成13年分の所得について、所得税を課すことは適法であり、この点に関する請求人の主張は、上記各規定の明文に反し、採用することはできない。(平17.11.16名裁(所)平17-27)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170009
- 裁決年月日
- 平成17年9月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502022
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/2有価証券の譲渡
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、租税特別措置法第37条の11の3第2項に規定する特定口座に係る上場株式等信用取引契約に基づき、上場株式の売付け、買付けを平成15年に行い翌年に差金決済したものを、平成15年分の株式の譲渡に係る所得の金額と認めるよう主張するが、信用取引に係る収益計上時期は、売付けについては買戻し又は現引による決済が行われることにより、買付けについては売却による決済が行われることによって初めて所得が実現することから、その取引の決済の属する年分であり、平成16年分の株式の譲渡に係る所得の金額として計算すべきものである。(平17.9.8大裁(所)平17-9)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160077
- 裁決年月日
- 平成17年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が出資している法人との契約に基づき、車両賃貸料及び配偶者保障金の支払を受けてきたところ、法人の社員総会で同契約の解除が決議されたことに伴い支払われた精算金について、その支払原因を欠くことを理由に供託しており、さらに、訴えを提起し、契約解除の有効性を争っているから、所得税基本通達36−5の(2)(以下「本件通達」という。)にかんがみ、精算金の収入すべき時期も、同訴えの判決、和解等があった日とすべきである旨主張する。しかしながら、本件通達の定めは、不動産賃貸人が、賃借人を相手方とする訴訟において、賃貸借契約の消滅を主張している場合、その判決ないし和解前は賃貸人が賃借人からの賃貸料の支払の実現の可能性を客観的に認識し得る状態にあるとはいえないことから、判決、和解等のあった日において収入すべきことが確定したとするものであるところ、本件のように、車両の賃貸人である請求人が、車両賃貸借契約の存続を主張し、賃借人から支払われた精算金を自ら供託している場合には、その支払の実現の可能性が客観的に認識し得る状態にあったというべきであって、本件通達を適用することはもちろん、類推することもできない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平17.6.28関裁(所)平16-77)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160078
- 裁決年月日
- 平成17年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502029
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/6その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が出資している法人から請求人に対して支払われた精算金について、受領するいわれのない金銭であることを理由に供託していることから、精算金の収入すべき時期は、所得税基本通達36−5《不動産所得の総収入金額の収入すべき時期》(2)(以下「本件通達」という。)を参考に、判決、和解等があった日にすべきである旨主張する。しかしながら、本件は、車両の賃貸人である請求人が、車両賃貸借契約の存続を主張し、賃借人から支払われた精算金を自ら供託している場合において、その支払の実現の可能性が客観的に認識し得る状態になかったとはいえないことから、本件通達を類推適用することはできない。そうすると、平成12年4月に開催された法人の取締役会において精算金の支払が議決され、取締役会の議事録写しが請求人に送付されているところ、平成12年中に精算金の全額について収入すべき権利が確定したと認められるから、精算金の全額について平成12年分として課税した原処分は相当である。したがって、請求人の主張は採用できない。(平17.6.28関裁(所)平16-78)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平160008
- 裁決年月日
- 平成17年4月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①本件外国為替証拠金取引に係る本件差損益金及び本件スワップ金利は、本件各取引口座に授受されているが、同口座の残高が証拠金として運用されており、自由に引き出すことができず、収入として確定していないことから、課税されない旨、②本件スワップ金利の帰属時期が本件各取引業者ごとに区々であり、税務上の取扱いが明確でない旨主張する。しかしながら、本件外国為替証拠金取引は実際の通貨の売買を行わない、新規注文と一対となっている反対注文を前提にして、新規注文時の外国為替相場と反対注文時の外国為替相場に基づく注文額の差損益金だけを確定させて、一取引が完結するという特徴を有するものと認められる。そうすると、その年において収入すべき金額とは、収入すべきことが確定した金額によるべきことを原則としているところ、本件差損益金は、反対注文により外国為替相場に基づく注文額の差損益金が決済されて確定し、また、本件スワップ金利は、本件各取引業者ごとに、それぞれ定められた計算期間により決済されて確定していることから、本件外国為替証拠金取引に係る本件差損益金及び本件スワップ金利はその年において総収入金額に算入すべき金額となる。また、本件スワップ金利は、計算期間により決済されて確定するところ、計算期間は本件各取引業者ごとに異なっているが、それは、本件各取引業者それぞれの定めによるものであって、税務上の取扱いが明確でないということはいえない。したがって、請求人の主張には理由がない。(平17.4.11金裁(所)平16-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160217
- 裁決年月日
- 平成17年3月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、商品先物取引の委託契約が終了し、請求人の委託証拠金が清算された時点で、所得が生じる旨主張する。しかしながら、商品先物取引に係る委託契約は、委託者が注文した建玉を専ら反対売買によって決済し利益を得ることを目的として締結されるものであり、このような契約に基因する収入すべき権利の確定の時期は、商品の反対売買の成立により売買差損益が確定した時点とするのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。(平17.3.22東裁(所)平16-217)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平160091
- 裁決年月日
- 平成16年11月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、商品先物取引に係る損益の帰属時期は、実際に請求人がこれを収受したときである旨主張する。しかしながら、所得税法第36条は権利確定主義を採用しており、本件商品先物取引のように専ら反対売買成立の際に手仕舞を行うものにあっては、売買の目的となっている商品が転売又は買戻しによる反対売買の成立時に、差損益金として、債権債務の金額が確定するというべきであるから、反対売買成立の時点をもって、雑所得の総収入金額の計上時期とするのが相当である。したがって、請求人の主張には理由がない。(平16.11.15東裁(所)平16-91)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平150014
- 裁決年月日
- 平成16年5月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、伝票上の利益は出ているが返金されなかったので、課税するのは不当である旨主張する。しかしながら、雑所得の金額については、所得税法第35条第2項第2号において、総収入金額から必要経費を控除した金額と規定しており、また、総収入金額については、同法第36条第1項において、「その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額」と規定し、収入すべき権利の確定したときをとらえて課税することを明らかにしている。そうすると、商品先物取引のように、将来の一定の時期において商品及びその対価の授受を約する売買取引で、商品の転売又は買戻しにより差金等決済をして終了する取引にあっては、商品の転売又は買戻しの取引の成立と同時に売買差損益金の額は確定し、帳尻金がプラスのときは、返金を受けるか委託証拠金に振り替えるかは委託者が選択できるのであり、たとえ帳尻金が返金されなかったとしても、売買差損益金は、雑所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきであるから、請求人の主張には理由がない。(平16.5.25金裁(所)平15-14)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平150065
- 裁決年月日
- 平成16年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、商品先物取引による所得金額の算定において、①翌年において生じた損失の繰戻控除を認めるべきであり、仮に①が認められないとしても、②年末の建玉を年末最終取引の時点において差金等決済をしたとみなした場合の損失額、又は同建玉を翌年において差金等決済をした損失額を、雑所得の金額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、雑所得の金額については、所得税法第35条第2項第2号において、1暦年を課税単位とする期間計算の方法を採り、当該年分の総収入金額から必要経費を控除した金額とする旨規定するとともに、同法第36条第1項において、総収入金額に算入すべき金額は、その年中において「収入すべき金額」とするとして、いわゆる権利確定主義の建前を表明し、また、同法第37条第1項においては、必要経費に算入すべき金額について、その年に支出すべき債務として未確定のものを除くとして、総収入金額の権利確定主義に対応する債務確定主義の原則を採用している。そうすると、専ら反対売買成立の際に清算を行う商品先物取引においては、反対売買が成立することにより、収入金額等が具体的に確定するから、その時点をもって雑所得に係る総収入金額又は必要経費の計上時期と解するのが相当であり、上記請求人の主張はいずれも法令に規定のない独自の考え方であり、法令の定めるところと別異に取り扱うべき根拠は認められず、請求人の主張は採用できない。(平16.5.21広裁(所)平15-65)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平150055
- 裁決年月日
- 平成16年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201502023
- 争点
- 15雑所得/2所得の発生/2収入すべき時期/3商品取引
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人は、平成13年12月末をもって本件商品先物取引の手仕舞いをするよう委託会社に申し入れているから、平成14年1月7日に仕切られた取引(以下「本件仕切取引」という。)による差金等決済の損失は平成13年分の損失となる旨主張する。しかしながら、本件商品先物取引のように、専ら買建玉を転売し、または売建玉を買い戻すという反対売買成立の際に各取引が終了するものにあっては、売買の目的となっている商品について反対売買が成立した時、すなわち差金等決済を了した時に、差損益金として債権債務の金額が確定するのであるから、この時点をもって、商品先物取引に係る雑所得の総収入金額の計上時期とすべきところ、本件仕切取引は、平成14年1月7日に差金等決済を了していることは明らかであり、審査請求人の主張には理由がない。(平16.3.12大裁(所)平15-55)
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