裁決要旨 6夫婦間における所得の帰属
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050040
- 裁決年月日
- 令和6年4月5日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200402060
- 争点
- 4所得の帰属/2帰属者/6夫婦間における所得の帰属
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、1階と屋上とに駐車スペースを設けた2段の自走式駐車場(本件駐車場)に係る賃貸料につき、その1階部分に係る賃貸料は全て本件駐車場の敷地(本件土地)の所有者である請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、本件土地上の構造物(本件構造物)は、請求人及び請求人の妻が2分の1ずつの持分を有し、また、社会通念上、一体の物として本件駐車場として使用され、本件構造物が本件土地に付合しても、請求人の妻は請求人との間の使用貸借契約により本件土地に係る使用借権を有するから、当該付合には民法第242条《不動産の付合》のだだし書が適用され、当該付合後も請求人の妻が有する本件構造物の持分は留保される。そして、本件構造物は、社会通念上、一体の物として本件駐車場として使用されているところ、本件駐車場の1階部分は、本件構造物における特定の区画を貸し付けるものとして使用されているといえ、本件駐車場の1階部分の貸付けに係る収益は、本件構造物を使用して得たものであって、本件構造物から生ずる収益である。したがって、本件駐車場の1階部分の貸付けから生ずる収益及び資産の譲渡等に係る対価は、請求人及び請求人の妻に2分の1ずつ帰属し、全てが請求人に帰属するものではない。(令6. 4. 5 大裁(所・諸)令5-40)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令050013
- 裁決年月日
- 令和5年11月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200402060
- 争点
- 4所得の帰属/2帰属者/6夫婦間における所得の帰属
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、夫と各2分の1の持分割合で共有する建物(本件建物)の貸付けに係る共益費を含む賃料等収入について、請求人、夫(請求人夫婦)及び賃借人の三者間でした当該貸付けに係る合意の内容が、①賃貸借契約の協議等の窓口を夫に一本化し、賃料等収入を請求人40パーセント、夫60パーセントの収受割合(本件割合)とするものであって合理的な内容であること、②請求人夫婦間で、請求人が有する本件建物の持分の10パーセントを夫に使用収益させるとしたもの(使用貸借契約)であり、夫は使用借主としての10パーセントを合わせた60パーセントを、請求人は残りの40パーセントをそれぞれ使用収益する内容であることから、賃料等収入も当該合意内容に基づく本件割合に応じて請求人夫婦に帰属する旨主張する。しかしながら、所得税法第12条《実質所得者課税の原則》に規定する資産から生じる「収益を享受する者」とは、その収益を受けるべき正当な権利を有する者をいい、資産から生じる収益の基因となる真実の権利者が誰であるかにより判定することが相当と解される。請求人夫婦は、持分割合各2分の1で共有する本件建物の貸付けの対価として賃借人から賃料等を収受しているのであるから、請求人夫婦の賃料等収入の源泉は各持分であることにほかならず、賃料等収入は持分割合に応じて請求人夫婦にそれぞれ帰属する。なお、①私法上、本件合意が有効に成立しているとしても、請求人が収受する賃料等収入の源泉は請求人の持分であり、本件合意が請求人夫婦間の所得の帰属を変更するものではなく、②民法は、使用貸借契約の目的物を有体物である「物」と規定しており、請求人が使用貸借契約の目的物として主張する持分は権利であって有体物ではないから、請求人の主張する使用貸借契約が成立する余地はない。(令5.11. 1 大裁(所・諸)令5-13)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平260011
- 裁決年月日
- 平成27年5月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200402060
- 争点
- 4所得の帰属/2帰属者/6夫婦間における所得の帰属
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の所有する各建物(本件各物件)に係る賃貸料収入の一部(本件賃貸料収入)について、①請求人と請求人の妻との間で使用貸借契約(本件使用貸借契約)を締結していること、②本件賃貸料収入の経済的利益を享受しているのが請求人とは認められないこと、③請求人の勤務における兼業の規制から請求人の妻に不動産の賃貸事業を委ねたのであって不合理なものではなく、仮に請求人が事業主となり賃貸料収入の全てを申告する場合、請求人の妻に青色事業専従者給与を支払うことで、税金はより少なくなるため税負担の軽減を生じさせていないことなどから、本件賃貸料収入は請求人に帰属しない旨主張する。しかしながら、本件使用貸借契約に係る契約書は、請求人が国家公務員法及び人事院規則上の兼業規制に抵触することを避けるために作成されたものであるが、本件各物件の修繕管理を行いその費用を負担していたのは請求人であったことからすると、本件使用貸借契約に係る合意が履行されているとは認められず、このほかに本件使用貸借契約が成立したと認めるに足りる証拠もない。また、本件賃貸料収入が振り込まれていた預金口座の開設の経緯や同口座の運用等からすると、本件賃貸料収入の経済的利益を享受していたのは請求人と認められる。そうすると、本件賃貸料収入は、本件各物件を所有し、本件賃貸料収入の利得を支配管理し自己のために享受していた請求人に帰属するものと認められる。(平27.5.15 仙裁(所)平26-11)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160051
- 裁決年月日
- 平成17年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200402060
- 争点
- 4所得の帰属/2帰属者/6夫婦間における所得の帰属
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人名義で所有権の保存登記がされている賃貸物件(以下「本件建物」という。)は、請求人の夫が占有・管理を行い、賃貸による収益はすべて夫が取得しているから、請求人は「単なる名義人」であり、所得税法第12条の実質課税の原則に違反すると主張する。しかしながら、請求人は、本件建物の所有権を有すると自認し、夫との間で行われた相互の贈与行為の後、贈与により得た物件を売却していることからすると、請求人は本件建物の実質的な権利者であり、単なる名義人とは認められない。また、従前から夫が本件建物の管理等を行っていたことなどから、請求人は夫の当該行為を請求人を代表あるいは代理したものとして承認していたものと認められる。そして、当審判所の調査によっても、別居後に当該関係が完全に解消された状況まではうかがいしれないことから、別居後も当該関係はなお維持されているものと推認され、本件建物の賃料が請求人に引き渡されていないとしても、夫に留保されているか、又は、請求人の暗黙の了解のもと夫が処分しているにすぎないものとして、課税上は法律上本件建物が帰属する請求人が享受したものと解するのが相当である。したがって、本件建物の賃貸から生じる収益のうち請求人の有する持分に係る収益は、請求人に帰属すると解するのが相当であり、原処分は相当である。(平17.2.25大裁(所)平16-51)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140010
- 裁決年月日
- 平成14年7月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200402060
- 争点
- 4所得の帰属/2帰属者/6夫婦間における所得の帰属
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の妻(以下「妻」という。)らが本件駐車場を経営するに当たって、妻らの資金によって駐車場設備を整備したので、その収益は妻らに帰属する旨主張する。確かに、請求人が提出した資料によると、駐車場設備工事費名目の1,850,000円の妻宛の領収書があること、及び、S銀行の妻名義の貯蓄預金口座から上記領収書の日付の前日に856,000円が引き出されたことが認められる。しかしながら、上記領収書に対応する請求書はF土地あてであること、上記貯蓄預金口座の通帳の記載上、名義を除いて妻固有の口座であることをうかがわせるものはなく、かえって、印影がH銀行に対する請求人の届出印の印影と同一であることからすると、上記領収書などの資料だけから妻が駐車場設備工事費用を負担したとは認め難い。また、上記駐車場設備工事費のうちその余の部分及び請求人の長男が負担したとする部分については、妻らが負担したことをうかがわせるに足りる証拠はない。また、仮に上記費用を妻らが負担していたとしても、この金額が平成11年分の妻らの本件駐車場の貸付けに係る賃貸料の額に対する割合は、妻が51.4%、長男が54.8%にすぎないのであって、本件駐車場の貸付けから生ずる所得のすべてが請求人に帰属するとの認定を左右するほどのものとは認められない。(平14.07.24.大裁(所)平14-10)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平130032
- 裁決年月日
- 平成14年3月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200402060
- 争点
- 4所得の帰属/2帰属者/6夫婦間における所得の帰属
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、従来請求人が行っていた養鶏業から分離した鶏卵の販売に係る事業(以下「本件事業」という。)の事業主は妻であり、本件事業に係る収益は請求人に帰属するとした更正処分は、不当である旨主張する。しかしながら、(1)本件事業に係る取引先への請求書等の名義が事業分離後1年以上経過してから変更されていること、(2)本件事業に係る鶏卵の販売単価の決定権は、請求人にあると認められること、(3)本件事業に係る妻の預金口座は、事業分離後1年以上経過してから開設されており、同口座からは、請求人の必要経費である飼料代が支払われているなど、預金取引においては、請求人と請求人の妻の事業が一体となっていること、(4)事業の分離・統合が、請求人の意思で自由に行なわれていると認められることの事実を総合すると、請求人は、本件事業の経営方針の決定につき支配的影響力を有するものと認められるから、本件事業に係る事業主は、請求人であると認めるのが相当である。(平14. 3.26福裁(所・諸)平13-32)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平100148
- 裁決年月日
- 平成11年3月29日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200402060
- 争点
- 4所得の帰属/2帰属者/6夫婦間における所得の帰属
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、本件株式は相続人らに帰属するものであるから、その配当所得も相続人らに帰属する旨主張するが、①被相続人の妻は被相続人が主宰する法人の設立資金や新株引受の払込資金を用意したこともないこと、②相続人らは同法人の株式を取得したことはないとしていること、③平成元年8月の増資払込資金は請求人ら名義に係る分を含め相続人が一括して負担していること、④同法人の新株引受の際に提出された相続人の妻に係る株式申請書に押印されている印影は、毎回同じで、かつ、被相続人のそれと同一のものであり、その印影に係る印章は、被相続人が普段所持し使用していたものであること及び⑤被相続人は平成元年に相続人らが同法人の株式名義人となった後も配当金を従前と同様に本件株式の分と併せ一括して受け取っていたこと、また、被相続人が配当金受領書も本件株式の分を含め一括して同法人の担当者に交付していたことが認められることから、本件株式の取得資金のすべてを被相続人が負担し、本件株式の新株引受の手続も行い、本件株式の配当金収入も得ていたと推認され、本件株式は被相続人に帰属し、その配当所得も同人に帰属するものと認めるのが相当である。(平11. 3.29東裁(所)平10-148)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平090003
- 裁決年月日
- 平成9年7月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200402060
- 争点
- 4所得の帰属/2帰属者/6夫婦間における所得の帰属
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件持分を有していないから本件持分を譲渡していない旨並びに本件持分の譲渡及び当該譲渡に係る確定申告は、夫が請求人の実印を勝手に使用するなどして請求人に無断で行ったものであり、無効であるから、請求人には所得税の納税義務はない旨主張するが、請求人及び関係人の答述等からすれば、請求人は養母の相続に係る遺産分割協議により本件持分を相続するとともに、その管理、運用について、夫に包括的に委任していたものと認めるのが相当である。したがって、請求人は本件持分を有しており、請求人の委任を受けて夫が行った本件持分の譲渡及び確定申告の効果は請求人に帰属する。(平 9. 7.31広裁(所)平 9-3)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平080054
- 裁決年月日
- 平成8年10月31日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 200402060
- 争点
- 4所得の帰属/2帰属者/6夫婦間における所得の帰属
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、(1)請求人名義で景品リース会社に対し預託金を2回差し入れていること、(2)景品交換所の取得資金である借入金の返済を請求人が行っていること、(3)景品交換所に設置されている電話加入権者が請求人であること、(4)請求人は平成4年分以降の確定申告では景品交換業に係る所得を加えて申告していることなどを理由として、平成3年分以前の景品交換業に係る所得も請求人に帰属する旨主張する。しかしながら、(1)景品交換業に係る対外的交渉等は請求人の夫が行っていたものと認められること、(2)本件の景品交換業に係る事業資金は請求人の夫がきょ出していたものと認められること、(3)請求人がその夫に対し本件の景品交換業について、どのような指示等をしているか不明であること、(4)本件交換所の借入金の返済、電話加入権の名義人は請求人となっているが所法第12条の規定等に照らし、当該名義人に課税することは相当ではないこと、(5)平成4年分及び平成5年分において請求人が修正申告書を原処分庁に提出していることは認められるが、平成3年分以前についても景品交換業に係る所得が請求人に帰属するものと推認することはできないことから、原処分庁の主張は採用できない。(平 8.10.31東裁(所・諸)平 8-54)
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