裁決要旨 1債務弁済困難状態の判定時期

裁決要旨 1債務弁済困難状態の判定時期

支部名
東京
裁決番号
平290008
裁決年月日
平成29年7月19日
裁決結果
棄却
争点番号
200306010
争点
3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/1債務弁済困難状態の判定時期
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人らは、資産の譲渡(本件譲渡)が、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号の規定(本件非課税規定)にある「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合」に当たるか否かは、譲渡時に債務超過であるか否かに必要以上にこだわることなく、課税された場合の請求人らの生活及び事業の継続に与える影響、担税力及び資産の換価困難性等を踏まえて判断すべきである旨主張する。しかしながら、本件非課税規定は、強制換価手続による資産譲渡が、当該資産所有者の経済状態が悪化し、その保有資産の全部をもってしても債務全部の弁済が困難な状態に陥ってからなされることが多く、このような場合に課税してもその者には担税力がなく、結果的に徴収不能となることが明らかなことなどから、当該譲渡所得その他これに類する一定の所得を非課税とする趣旨で定められたものである。このような趣旨に鑑みると、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合とは、当該資産の譲渡時に債務者の全財産の総額に照らし債務超過の状態が著しく、その者の信用、才能等を活用しても、現にその債務の全部を弁済するための資金を調達することができないだけでなく、近い将来においても調達することができないと認められる場合をいうと解するのが相当である。これを本件についてみると、本件譲渡の時点の資産及び負債の状況によれば債務超過の状態が著しい状況にあったとは認められないので、本件非課税規定にいう「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合」とはいえないから、本件非課税規定は適用されない。(平29. 7.19 東裁(所)平29-8)

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支部名
関東信越
裁決番号
平270002
裁決年月日
平成27年7月28日
裁決結果
棄却
争点番号
200306010
争点
3非課税所得/6資力喪失に伴う資産の譲渡/1債務弁済困難状態の判定時期
事例集登載頁
裁決事例集№100

要旨

○ 請求人は、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号に規定する資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合の資産の譲渡による所得に当たるか否かは、原処分時において判定すべきであるところ、当該原処分時において、多額の損害賠償債務を負って担税力がないことは明らかである旨主張する。しかしながら、上記規定は、強制換価手続によって資産譲渡が行われる場合、当該資産所有者の経済状態が悪化していて、その保有資産の全部をもってしても債務全部の弁済が困難な状態になっていることが多く、このような場合に課税しても結果的に徴収不能となることが明らかなことから、かかる譲渡所得その他これに類する一定の所得を非課税とする趣旨で定められたものであり、所得税基本通達9−12の2《「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」である場合の意義》は、上記趣旨に照らし、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合とは、債務者の債務超過の状態が著しく、その者の信用、才能等を活用しても、現にその債務の全部を弁済するための資金を調達することができないだけでなく、近い将来においても調達することができないと認められる場合をいい、これに該当するか否かは、当該資産を譲渡した時の現況により判定すると定めているところ、上記規定の該当性に係る判断を当該資産の譲渡時において行うことを明らかにしたものであり、その内容は相当と認められる。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平27. 7.28 関裁(所)平27-2)

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