裁決要旨 4財産分与による所得の発生
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020075
- 裁決年月日
- 令和3年4月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302014
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/4財産分与による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、離婚による財産分与は既に夫婦が実質的に共有していた全財産の分割に伴う名義の変更にすぎないから「資産の譲渡」に該当せず、また、請求人は請求人のした財産分与(本件財産分与)により相手方から金銭を取得しておらず、本件財産分与によって請求人に経済的利益が生ずることもないから、請求人に譲渡所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額はなく、本件財産分与により請求人に譲渡所得が生じたとはいえない旨主張する。しかしながら、所得税法第33条《譲渡所得》第1項にいう「資産の譲渡」とは、有償無償を問わず資産を移転させる一切の行為をいい、夫婦の一方の特有財産が離婚に伴う財産分与として他方に分与され、当該他方がそれを取得する場合には、当該一方の特有財産が当該他方の有する財産となるため、そこに資産の移転、すなわち資産の譲渡が存することは明らかであるから、離婚に伴う財産の分与は、同項に規定する「資産の譲渡」に該当し、また、金銭の授受がなくても、経済的利益を享受する場合には、その経済的利益の価額は所得税法第36条《収入金額》第1項に規定する「収入すべき金額」となり、財産分与の義務の消滅は、それ自体一つの経済的利益ということができるから、離婚に伴う財産分与をした者は、これによって分与義務の消滅という経済的利益を享受し、当該経済的利益の価額は、分与者の「収入すべき金額」となる。したがって、離婚に伴う財産分与をした者には、所得税法第33条第1項に規定する譲渡所得が生じるから、本件財産分与により請求人の特有財産を相手方に分与した請求人には、同項に規定する譲渡所得が生じたといえる。(令3. 4.22 東裁(所)令2-75)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平130067
- 裁決年月日
- 平成14年3月27日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201302014
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/4財産分与による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、夫婦間の財産分与契約(以下「本件契約」という。)を原因とする不動産(以下「本件不動産」という。)の所在権移転登記により、財産分与があったとして、措置法31条の土地等の譲渡に該当する旨主張する。しかしながら、本件契約を行なった当時は、夫が妻に対し、確定的な財産分与として本件不動産所在権を移転する意思を有していたとはいえず、将来的には、妻の意向に沿うような形で財産分与ができるようにしておくため、その登記名義のみをAに移転することとしたに過ぎず、また、妻も本件契約に基づいて、本件不動産の所有権を財産分与として取得したという認識は有していなかったと認められるから、本件契約によって、夫が妻に対し財産分与として本件不動産の譲渡する旨合意をしたとは認められない。したがって、本件不動産については、夫から妻に対する譲渡はなかったと認められるから、租税特別措置法31条1項の譲渡所得の発生は認められない。(平14. 3.27大裁(所)平13-67)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平130062
- 裁決年月日
- 平成13年10月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201302014
- 争点
- 13譲渡所得/2所得の発生/1譲渡所得の発生/4財産分与による所得の発生
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件所有権移転は贈与を原因として行ったものであるから、譲渡所得の対象とはならない。また、贈与に該当しないとしても、本件土地は夫婦共有財産であり、離婚に伴う財産分与は、夫婦共有財産の共有関係を解消するために行われる財産の清算であり、譲渡所得が生ずることはない旨主張する。しかしながら、離婚協議の経緯からすると、請求人と相手方との間には、本件土地を贈与する旨合意した事実はないと認められる。また、本件土地は、平成3年10月22日贈与を原因として、請求人に所有権移転登記がなされており、請求人の特有財産であると認められる。そして、本件所有権移転は、離婚に伴う財産分与の履行であると認めるのが相当であり、請求人は、本件所有権移転により分与義務の消滅という経済的利益を享受することになるから、財産分与による資産の譲渡についても譲渡所得が生ずるというべきである。(平13.10. 9.東裁(所)平13-62)
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