裁決要旨 4雑損控除の適用
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 令040014
- 裁決年月日
- 令和5年5月11日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、自ら所有する家屋(本件家屋)に係る外壁塗装及び屋根塗装工事(本件工事)に支出した費用(本件工事費用)は、台風(本件台風)通過後に着工したことなどから所得税法第72条《雑損控除》第1項に規定する災害関連支出に該当する旨主張する。しかしながら、本件工事費用が本件台風による被害の復旧(原状回復)のために支出した金額に該当するというためには、本件工事費用が本件工事の発注書の内容の対価としてではなく、本件台風により本件家屋に被害が生じたため、本件工事の内容が原状回復工事に変更され、又は本件家屋の原状回復工事が追加発注され、その原状回復工事の対価として支払われたものであることを要するところ、請求人は、本件工事の着工から完了までの期間において、工事業者に対し本件工事の内容変更や本件台風の被害による本件家屋の原状回復工事の追加発注をしていない。そうすると、本件工事費用は本件台風の被害による原状回復工事の対価として支払われたものとは認められないことから、本件工事費用は、所得税法第72条第1項に規定する災害関連支出に該当しない。(令5. 5.11 仙裁(所)令4-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030083
- 裁決年月日
- 令和4年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有するマンションの一室(本件住宅)について、台風(本件台風)による被災前の価額が被災後の価額である本件住宅に係る不動産鑑定評価額を上回るから、所得税法第72条《雑損控除》第1項に規定する損失の金額がある旨主張する。しかしながら、同項に規定する「損失の金額」は、資産について受けた損失の金額(「資産の損失の金額」)に災害関連支出の金額(「災害関連支出の金額」)を加えたものから、保険金により補填される金額を控除した後の金額である旨規定されているところ、本件については、本件台風による被害に対する保険金として受領することとなっている保険金が、「資産の損失の金額」と「災害関連支出の金額」の合計を上回ることが明らかであるから、請求人に、同項に規定する「損失の金額」はない。(令4. 4. 7 東裁(所)令3-83)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030084ほか 1件
- 裁決年月日
- 令和4年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有するマンションの一室(本件住宅)について、台風(本件台風)による被災前の価額が被災後の価額である本件住宅に係る不動産鑑定評価額を上回り、所得税法第72条《雑損控除》第1項に規定する損失の金額があるから、国税通則法第23条《更正の請求》第1項第1号に規定する更正の請求ができる場合に該当する旨主張する。しかしながら、所得税法第72条第1項に規定する損失の金額は、①資産について受けた損失の金額に②災害関連支出の金額を加えたものから、③保険金により補填される金額を控除した後の金額である旨規定されているところ、本件台風による損失があった資産である本件のマンションの共用部分の一部(本件被災部分)に関して、上記①と②の金額の合計額が上記③の金額を上回らないのであり、また、請求人の主張する金額はいわゆる評価損にすぎないのであるから、本件被災部分について、同項に規定する「損失の金額」はなく、請求人に、同項に規定する「損失の金額」はないから、更正の請求ができる場合に該当しない。(令4. 4. 7 東裁(所)令3-84)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030085ほか 7件
- 裁決年月日
- 令和4年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有するマンションの一室(本件住宅)について、台風(本件台風)による被災前の価額が被災後の価額である本件住宅に係る不動産鑑定評価額を上回り、所得税法第72条《雑損控除》第1項に規定する損失の金額があるから、国税通則法第23条《更正の請求》第1項第1号に規定する更正の請求ができる場合に該当する旨主張する。しかしながら、所得税法第72条第1項に規定する「損失の金額」は、資産について受けた損失の金額(「資産の損失の金額」)に災害関連支出の金額(「災害関連支出の金額」)を加えたものから、保険金により補填される金額を控除した後の金額である旨規定されているところ、本件については、本件台風による被害に対する保険金として受領することとなっている保険金の額が、「資産の損失の金額」と「災害関連支出の金額」の合計額を上回ることは明らかであり、請求人に、同項に規定する「損失の金額」はないから、更正の請求ができる場合に該当しない。(令4. 4. 7 東裁(所)令3-85)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030094
- 裁決年月日
- 令和4年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有するマンションの一室(本件住宅)について、台風(本件台風)による被災前の価額が被災後の価額である本件住宅に係る不動産鑑定評価額を上回るから、所得税法第72条《雑損控除》第1項に規定する損失の金額がある旨主張する。しかしながら、同項に規定する損失の金額は、①資産について受けた損失の金額に②災害関連支出の金額を加えたものから、③保険金により補填される金額を控除した後の金額である旨規定されているところ、本件台風による損失があった資産である本件のマンションの共用部分の各設備等(本件被災設備等)に関して、上記①と②の金額の合計額が上記③の金額を上回らないのであり、また、請求人の主張する金額はいわゆる評価損にすぎないのであるから、本件被災設備等の全体について、同項に規定する「損失の金額」はなく、請求人に、同項に規定する「損失の金額」はない。(令4. 4. 7 東裁(所)令3-94)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令030095ほか 8件
- 裁決年月日
- 令和4年4月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有するマンションの一室(本件住宅)について、台風(本件台風)による被災前の価額が被災後の価額である本件住宅に係る不動産鑑定評価額を上回り、所得税法第72条《雑損控除》第1項に規定する損失の金額があるから、国税通則法第23条《更正の請求》第1項第1号に規定する更正の請求ができる場合に該当する旨主張する。しかしながら、所得税法第72条第1項に規定する損失の金額は、①資産について受けた損失の金額に②災害関連支出の金額を加えたものから、③保険金により補填される金額を控除した後の金額である旨規定されているところ、本件台風による損失があった資産である本件のマンションの共用部分の各設備等(本件被災設備等)に関して、上記①と②の金額の合計額が上記③の金額を上回らないのであり、また、請求人の主張する金額はいわゆる評価損にすぎないのであるから、本件被災設備等の全体について、同項に規定する「損失の金額」はなく、請求人に、同項に規定する「損失の金額」はないから、更正の請求ができる場合に該当しない。(令4. 4. 7 東裁(所)令3-95)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010102
- 裁決年月日
- 令和2年6月4日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
〇請求人は、請求人には横領による損失の金額があり、横領加害者に対する不当利得返還請求権の存在をもって、所得税法第72条《雑損控除》第1項に規定する「保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填される部分」の金額があるとはいえないから、雑損控除の対象となる横領による損失の金額があり、請求人がした各更正の請求は、国税通則法第23条《更正の請求》第1項による更正の請求ができる場合に該当する旨主張する。しかしながら、所得税法第72条第1項において、その損失の額の算定に当たっては、保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填される部分の金額を除く旨規定しているのは、保険金等でその損失の金額を補填されるのであれば担税力が低下したとはいえないからであると解されており、本件の場合、横領により生じたとして請求人が主張する損失の額と同額である不当利得返還請求権に基づく債権(本件債権)を横領加害者に対して有することが、判決において確定している。そうすると、横領による損失の金額とその補填される部分の金額が同額となり、請求人には、横領による損失の金額は生じないこととなる。そして、その後、本件債権が、法令上消滅した、あるいは、その債権の額が回収できなくなったとは認められないから、更正の請求ができる場合に該当しない。(令2.6.4東裁(所)令元-102)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270065
- 裁決年月日
- 平成27年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その所有する宅地(本件宅地)が東日本大震災に基因する地盤の液状化により被害を被ったとし、当該宅地に係る震災前後の固定資産税評価額の下落額をその損失の金額として所得税法第72条《雑損控除》第1項の規定が適用されるべきである旨主張する。しかしながら、同項にいう「損失」とは、災害等により生活に通常必要な資産の全部又は一部に毀損が生じた状態をいうものと解するのが相当であるところ、震災の前後で本件宅地の評価額が下落しているとしても、その下落幅が、生活に通常必要な資産としての毀損による損失額自体を反映したものとまでいい難く、評価額が下落している点をしてこのような毀損が生じたことを推認し得るものでもないから、当該宅地の震災前後の時価による差額をもって雑損控除の規定を適用することはできない。(平27.12. 8 東裁(所)平27-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平270066
- 裁決年月日
- 平成27年12月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その所有する宅地(本件宅地)が東日本大震災に基因する地盤の液状化より被害を被ったとし、当該宅地に係る震災前後の固定資産税評価額の下落額をその損失の金額として所得税法第72条《雑損控除》第1項の規定が適用されるべきである旨主張する。しかしながら、同項にいう「損失」とは、災害等により生活に通常必要な資産の全部又は一部に毀損が生じた状態をいうものと解するのが相当であるところ、震災の前後で本件宅地の評価額が下落しているとしても、その下落幅が、生活に通常必要な資産としての毀損による損失額自体を反映したものとまではいい難く、評価額が下落している点をしてこのような毀損が生じたことを推認し得るものでもないから、当該宅地の震災前後の時価による差額をもって雑損控除の規定を適用することはできない。(平27.12. 8 東裁(所)平27-66)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平240193
- 裁決年月日
- 平成25年4月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№91
要旨
○請求人は、盗まれた普通預金通帳及び印鑑を使用して普通預金口座から金員が引き出されたことは盗難に該当するとして、預金通帳等が盗まれたことに伴う損失(本件損失)について雑損控除の適用をすべきであり、雑損控除を適用すれば課税所得はない旨主張する。しかしながら、預金者以外の者が行った不正な払戻しにより預金者が被った損失は、預金通帳等が窃取されたことに起因し、また、明らかに預金者の意思に基づかない事由によるのであるから、実質的にみて預金者の資産が「盗難」されたことにより生じた損失と評価し、雑損控除の対象となる「盗難」による損失に当たると解するのが相当であるから、本件損失は雑損控除の対象となる「盗難」による損失に当たると認められるものの、当該損失の金額は、総所得金額の10分の1を超えないため、雑損控除の額は零円となる。(平25. 4.22 東裁(所)平24-193)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平240026
- 裁決年月日
- 平成24年9月14日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、信用取引による上場株式の譲渡損失(本件損失)は、証券会社が結果責任を請求人に押し付けた証券詐欺であるから、盗難又は横領の一種による損失に当たり、雑損控除の対象になるべき損失に該当する旨主張する。しかしながら、雑損控除の対象となる損失は、納税者の意思に基づかないことが明らかな「災害又は盗難若しくは横領」によるものに限定されると解されるところ、本件損失は、証券会社の担当者から請求人が保有している株式を中国株式に乗りかえた方が利益が上がると勧誘され、これを自ら承諾し、当該中国株式の購入資金に充てるために上場株式を売却したことに基因して生じたものであるから、請求人が自己の判断と責任に基づいて行った通常の株式取引に係る譲渡損失と認めるのが相当である。したがって、本件損失は、所有者の意思に基づかないことが客観的に明らかな「災害又は盗難若しくは横領」によるものとは認められないから、雑損控除の対象となるものではない。(平24. 9.14 大裁(所)平24-26)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平240001
- 裁決年月日
- 平成24年7月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、経理担当者が横領したとする金員(本件金員)は雑損控除の対象とされるべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第72条《雑損控除》第1項は横領による損失が生じた場合当該損失をその年分の所得から控除する旨規定しているところ、本件金員は、その金額や発生年分を具体的に確認することができないことから合理的に算定することができず、本件金員を雑損控除の対象とすることはできない。(平24. 7. 2 仙裁(所・諸)平24-1)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230068
- 裁決年月日
- 平成23年12月22日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、平成18年分の盗難に遭った現金は、請求人の妻が少しずつ手元にある金員を貯めたへそくりであり、盗難に遭ったことは、捜査を担当した警察官が請求人の妻の説明を納得したことからも明らかである旨、平成20年分の盗難による雑損控除の金額は、確定申告相談会場で担当職員が内容を確認した金額である旨主張する。雑損控除に係る損失に関連する具体的な事実及び損失金額は、納税者において主張・立証しなければならないと解されるところ、請求人の主張を裏付けるものは、請求人の妻の答述及び盗難に係る被害を警察へ届け出たことを明らかにするために警察から交付を受けた確認願以外ない。しかしながら、請求人の妻の答述は不自然、不合理なもので直ちに採用することはできず、確認願に記載された被害日時からは、盗難がいつ生じたか不明である。また、雑損控除の金額は、原処分庁の確定申告相談会場で担当職員が内容を確認した金額であるとする点については、納税相談は、税務署側で具体的な調査を行うこともなく、税務署の一応の判断を示すものにすぎず、その申告内容を是認することまで意味するものではない。したがって、請求人の主張にはいずれも理由がない。 (平23.12.22 名裁(所・諸)平23-68)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220148ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成23年2月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が区分所有するマンションにつき負担した耐震改修工事費用は、災害による被害の発生、拡大を防止し、また安全を確保するための緊急的に必要な措置を行う目的で支出したものであるから、その全額が所得税法施行令第206条《雑損控除の対象となる雑損失の範囲等》第1項第3号に規定する災害関連支出に当たる旨主張する。しかしながら、当該耐震改修工事の主な内容は、耐震壁等の増設、ポスト柱新設及び梁補強等の補強工事であって、当該マンションの耐震強度を法令上備わっているべき一定基準以上のものに向上させる目的で行われたものと認められるから、当該耐震改修工事費用は、請求人の住宅について受けた財産的な損失を実質的に回復するための支出であると認められ、被害の拡大を防止するための支出には当たらない。したがって、当該耐震改修工事費用は、災害関連支出には該当しないというべきである。(平23. 2. 9 東裁(所)平22-148)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平220062
- 裁決年月日
- 平成22年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、離婚した元妻によって、請求人の家財等動産を勝手に持ち出されたことによる損失が、雑損控除の対象となる盗難による損失に該当する旨主張する。しかしながら、所得税法第72条第1項は、納税者等の有する資産について、災害、盗難及び横領による損失が生じた場合にのみその一定額の控除を認めているところ、請求人が、盗難の被害にあったと主張する家財等動産のうち、元妻に対するメール又は家財等動産引渡し訴訟(以下「本件訴訟」という。)において、請求人が所有権を主張していないものについては、その所有権は元妻に帰属していると推認できるから盗難には該当しないというべきであり、請求人が元妻に対するメール及び本件訴訟のいずれにおいても所有権を主張している家財等動産については、元妻も所有権を主張しており、所有権の帰属は本件訴訟において明らかにされておらず、原処分関係資料、請求人提出資料及び審判所の調査の結果によっても不明であるから、本件では、雑損控除の対象となる資産が特定されていないものといわざるを得ず、雑損控除を適用することはできない。(平22. 9.21 東裁(所)平22-62)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200046
- 裁決年月日
- 平成21年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・125ページ
要旨
○ 請求人は、請求人の自宅建物(以下「本件建物」という。)にアスベストが含有されていることが判明し、本件建物設当時には全く危険視されていなかったアスベストが、本件建物解体時においては危険視され、アスベスト除去等が法令で義務付けされるに至った事実によって、本件建物はその経済的価値を減ずるに至ったことは明白であり、その経済的価値の減少自体が所得税法第72条に規定する「損失」である旨主張する。しかしながら、アスベストの除去等は、請求人も主張するようにアスベストの飛散による人の健康障害の発生を未然に予防することを目的とした法令の要請に従ったものであり、それは災害により生じたものではないから、仮に本件建物の経済的価値が減少したとしても、所得税法第72条に規定する「災害により損失が生じた」ということはできない。したがって、請求人の主張は採用することができない。(平21. 2.16 大裁(所)平20-46)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平200046
- 裁決年月日
- 平成21年2月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.77・125ページ
要旨
○ 請求人は、アスベストが含有していた事実の判明によって、その除去等を余儀なくされた以上、その除去費用等は、少なくとも、所得税法施行令第206条第1項第1号に規定する「災害により(中略)その価値が減少したことによる当該住宅家財等の(中略)除去のための支出」に該当し、したがって、所得税法第72条に規定する「やむを得ない支出」に該当することは明白である旨主張する。しかしながら、アスベストの除去等は、その飛散による人の健康障害の発生を未然に予防することを目的とした法令の要請に従ったものであって、仮にアスベストが含有していたことにより本件建物の経済的価値が減少したとしても、「住宅建材に危険視されることとなったアスベストが含有されていたこと」は、所得税法第72条に規定する「災害」により生じたものではないから、所得税法施行令第206条第1項第1号に規定する「災害により」との要件には該当しない。したがって、アスベストの除去費用は、同号の規定に該当し、所得税法第72条に規定する「やむを得ない支出」に該当すると認めることはできない。さらに、本件において、解体工事着手からアスベスト除去等の負担を強いられたことは認められるものの、アスベストの飛散による労働者の健康障害の発生を未然に予防するために法令の要請により受忍すべき費用負担が発生し、解体費用が増加したにすぎないものと認めるのが相当である。したがって、アスベストの除去費用等は、所得税法施行令第206条第1項第1号に規定する「災害により(中略)その価値が減少したことによる当該住宅家財等の(中略)除去のための支出」に該当し、所得税法第72条に規定する「やむを得ない支出」に該当すると認めることはできないから、請求人の主張は採用することができない。(平21. 2.16 大裁(所)平20-46)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平200033
- 裁決年月日
- 平成21年1月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件オートバイを勤務先への通勤に使用していたから、請求人の生活において、「生活に通常必要な動産」に当たる旨主張するが、「生活に通常必要な動産」であるとは、通常の社会生活を営むのに必要とされる資産であり、また、二輪自動車が「生活に通常必要な動産」に当たるか否かについては、当該二輪自動車がどのような用途にどの程度使用されているか並びに 請求人が居住する地域の公共交通機関の有無及びその利用の容易性なども併せ考慮した上で判断するのが相当であるところ、請求人は、盗難に遭った当時、本件車両を通勤や休日の帰省の際に使用していたことが認められるものの、勤務先から電車通勤に係る通勤定期券代相当額の通勤費の支給を受けていたこと、自宅から最寄り駅までの距離は約600mで徒歩で約8分程度であり、当該最寄り駅からは平日は上下線のいずれにも一日各約190本の列車が発着していること、当該地下鉄路線の多くの駅は他の地下鉄線やJR線、私鉄線と接続し、乗換駅となっていること、また、請求人においては本件オートバイによる通勤や帰省等を余儀なくされる特別の事情があるとは認められないことなどを総合的に考慮して判断すると、本件オートバイは雑損控除の対象となる「生活に通常必要な動産」に当たらない。(平21. 1.30 関裁(所)平20-33)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平200014
- 裁決年月日
- 平成20年9月19日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.76・169ページ
要旨
○ 請求人は、平成16年1月から平成17年7月までの間に、銀行の貸金庫に保管していた現金を、請求人が代表取締役を務める法人の従業員に窃盗されたが、当該損失は、その事実が発覚した平成17年分の損失であり、平成17年分の雑損控除の対象となる旨主張する。そして、原処分庁は、平成17年末の時点において、請求人は当該従業員に対して損害賠償請求権を行使しておらず、当該従業員から回収できる損害賠償額が確定していないので、雑損失の額が確定していないから、平成17年分において雑損控除の対象となる盗難による損失が生じたこととはならない旨主張する。しかしながら、所得税基本通達72−6《保険金等及び災害関連支出の範囲等》において準用する同通達51−7《保険金等の見込控除》によれば、損失の金額から控除すべき損害賠償金等が確定していない場合には、当該損害賠償金等の見積額に基づき損失が生じた年分の確定申告に反映させることとしており、後日、当該損害賠償金等の確定額と見積額が異なった場合には、そ及してこれを訂正する旨定めているところ、この取扱いは、損害賠償金等の確定の有無にかかわらず、損失が生じた年分において雑損控除を適用すべきであることを定めたものであり、当審判所においても、相当と認められる。したがって、盗難又は横領による損失については、損失が生じたそれぞれの年分において雑損控除を適用すべきであるから、この点に関する請求人の主張には理由がなく、当該従業員から回収できる損害賠償額が確定していない場合であっても、盗難又は横領による損失が生じた年分において雑損控除を適用するのが相当であるから、この点に関する原処分庁の主張には理由がない。(平20. 9.19 名裁(所)平20-14)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190068
- 裁決年月日
- 平成19年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件裁判に関連して支出した訴訟費用並びに判決に基づいて収去された本件建物の取壊費用及び転居費用を内容とする本件費用は、雑損控除の対象となる損失に該当する旨主張する。 しかしながら、所得税法第72条の規定の趣旨は、納税者その他同条所定の者の有する資産について、災害、盗難、横領という、いずれも納税者の意思に基づかない原因による損失が生じた場合においてのみ、一定額の控除を認め、減少した担税力に即応して課税するものであると解されるところ、本件費用は、災害、盗難、横領という法定原因には該当しない、請求人の意思に基づく裁判に関連して支出されたものということができるから、同条の雑損控除が適用される損失には当たらない。(平19.11.26 東裁(所)平19-68)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190003
- 裁決年月日
- 平成19年7月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、外国為替証拠金取引における証拠金等の損失は、所得税法第72条第1項に規定する「居住者又はその者と生計を一にする配偶者その他の親族で政令で定めるものの有する資産について盗難(窃盗)による損失」に該当する旨主張する。 ところで、窃盗とは他人の財物を搾取することをいうところ、搾取とは、不法領得の意思をもって、他人の占有する財物を、その意思に反して、自己又は第三者の占有に移すことをいうと解される。 請求人の場合、自己の意思に基づいて預けた証拠金及び自己の意思に基づいて行った外国為替証拠金取引において確定した売買差益のうち、請求人の出金要請により請求人名義の銀行預金口座に振り込まれるまでのものは、当該取引の取次業者がそれらを占有していると認められ、請求人には窃盗罪の保護法益である占有がなく、請求人との関係で窃盗罪は成立しないので、証拠金等の損失は盗難(窃盗)による損失とは認められないこと、及び、横領の事実を認めることができないことから、雑損控除の適用はない。 また、所得税法第37条についての別段の定めとして所得税法第51条の規定があり、同条第4項に基づき、雑所得を生ずべき業務の用に供され又は雑所得の基因となる資産の損失については、雑所得の金額を限度として必要経費に算入することができる。 請求人の場合、外国為替証拠金取引に係る収入金額等は雑所得であり、当該取引における証拠金は、雑所得を生ずべき業務の用に供され又は雑所得の基因となる資産に該当するので、当該証拠金の損失について、雑所得の金額を限度として必要経費に算入することができる。(平19. 7. 5 東裁(所)平19-3)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180065
- 裁決年月日
- 平成19年6月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人X1が借り入れた借入金(以下「本件借入金」という。)のうち9千万円をAに横領され損失が生じた(以下、当該損失を「本件損失」といい、その金額を「本件損失額」という。)ため、本件借入金に係る担保としていた請求人ら所有の本件各土地を譲渡し、当該譲渡代金により本件損失の穴埋めを行ったのであるから、各人別損失額は、雑損控除の対象となる旨主張する。 しかしながら、本件借入金の借入目的、使途、返済状況等から判断すると、本件借入金は、請求人X1から法人Bへ貸し付けられたとみるのが相当であるから、仮に、請求人らの主張どおり本件損失が横領により生じたものであるとしても、それは、法人Bの資産について生じたものであり、請求人らの資産に生じた損失とは認められない。したがって、本件損失は、所得税法第72条第1項に規定する居住者又はその者と生計を一にする親族の有する資産について生じた損失ではないから、同項に規定する雑損控除の対象となる資産には該当せず、請求人らが各人別損失額を雑損控除の対象とすることはできない。 また、請求人らは、Aが横領したと主張するのみで、告訴及び被害届の提出も行っておらず、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によっても、請求人X1名義預金からA名義預金へ本件損失額が振り込まれた事実は認められるものの、Aが横領した事実は認められない。 したがって、請求人の主張には理由がない。(平19. 6. 8 名裁(所)平18-65)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170090
- 裁決年月日
- 平成18年1月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、大学での活動を終えて帰宅する時刻が公共交通機関の終了後の深夜になるから、大学への通学に本件車両を使用する必要性があると主張する。しかしながら、仮に、請求人の大学からの帰宅時刻が公共交通機関の終了後であったとしても、請求人が通学する大学は午後11時には閉館されること、大学から帰宅するのに使用する電車の終電の時刻は大学の最寄駅発23時41分であること、大学の学則で自動車通学を禁止していること、本件車両の総走行距離のうち通学に充てられている割合及び大学の第二部に通学するのに自家用自動車を使用することが一般的に通常必要であるとは言い難いことを、雑損控除が本来納税者の所有する住宅、家財等が災害によって異常な損失を被った場合に、その原状回復のため、相当の出費を要することに伴い、多分に担税力が減殺されることに着目して設けられた制度であって、通常生活に必要でない資産の損失まで無制限に雑損控除の対象とするのは適当でないという、所得税法の趣旨に照らして考えれば、請求人が主張する点を考慮しても体件車両が生活に通常必要な資産であるということはできない。(平18.1.5東裁(所)平17-90)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170090
- 裁決年月日
- 平成18年1月5日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、雑損控除の対象となる「生活に通常必要な動産」とは、通常の社会生活を営む場合に社会通念上必要とされる動産のことであり、本件車両が「生活に通常必要な動産」に当たるか否かは、①本件車両の用途及び使用状況等を考慮し、そのような状況が通常の社会生活を営むのに必要であるか否かを一般社会通念に基づいて判断すべきである②自家用自動車の保有台数が日本の総世帯数を超えているという日本の国民生活における現状と、請求人の本件車両の使用状況を総合的に勘案して決すべきである旨主張する。本件車両は一般の自家用自動車であって、請求人は本件車両を大学への通学、家事及びレジャーなどその他の用途に使用しているが、一般の自家用自動車は人の移動や荷物の輸送など交通の手段として通常の生活に必要とされるのであるから、自家用自動車が「生活に通常必要でない資産」に該当するか否かについては、請求人が当該自家用自動車をどのような用途にどの程度使用しているか並びに代替交通手段としての請求人が居住する地域の公共交通機関の有無及びその利用の容易性なども併せ考慮した上で判断するのが相当である。そうすると、請求人は、平成15年当時、A町に居住し、そこからB町またはC町に所在する勤務先に電車(地下鉄を含む)を利用して通勤していたこと、本件車両を、1か月の走行距離のうち、大学への通学に約25パーセントを、日用品等の購入等に約8パーセントを充てているにすぎないこと、D町に所在する大学には勤務先からも電車を利用して20分程度の乗車時間で通学できること、日用品等の購入等に本件車両を必要とする特別の事情があるとは認められないことなどを総合的に考慮すると、本件車両は、請求人の「生活に通常必要でない資産」に該当するというべきであり、雑損控除の対象となる資産に当たらないと認めるのが相当である。(平18.1.5東裁(所)平17-90)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170004ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成17年7月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・144ページ
要旨
○ 請求人らは、被相続人が加害者から抵抗不能の状態に陥るほどの暴行に等しい脅迫を受け、その結果、意思能力を欠き、現金を強取されたのであるから、本件損失は、盗難により生じたものであり、雑損控除の対象となる旨主張する。しかしながら、被相続人は、電話で脅迫されて銀行口座に金員を振り込んでおり、また、刑事事件を取り扱った警察署は、その事件について詐欺ないしは恐喝による事件として捜査していることから、加害者が、被相続人の反抗を抑圧する程度の脅迫を加えたとは認められないので、本件損失は、詐欺ないし恐喝により生じたものとするのが相当である。したがって、本件損失は、盗難により生じたものではないので、雑損控除の対象とはならない。(平17.7.1東裁(所)平17-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平160016
- 裁決年月日
- 平成16年10月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件株券が無断で売却されたことから、横領による損失の事実が生じた日は、本件株券の貸与者による平成3年12月4日及び同月16日から18日の本件株券の売却日であるが、平成13年3月8日の債権回収に係る強制競売事件の配当に関する和解日をもって損害額が確定したので、国税通則法第23条第1項の規定に基づき平成13年分において雑損控除の適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、所得税法第71条第1項において横領による損失が生じた場合において、その損失計上時期について法令上明確な定めがないものの、同基本通達72−6において準用する同51−7によれば、損失の金額から控除すべき損害賠償金等が確定していない場合には、当該損害賠償金の見積額に基づき損失が生じた年分の確定申告に反映させることとしており、後日、確定額と見積額が異なった場合には、そ及してこれを訂正する旨定めており、この取扱いは、損害賠償金等の確定の有無にかかわらず、損失を生じた年分において雑損控除を適用すべきであることを定めたものであり、これからすると、横領による損失は、加害者から損害賠償金として回収することのできる金額が確定していない場合であっても、横領による損失が生じた年分において雑損控除を適用するのが相当であると解されるから、本件において、本件株券横領による損失が生じたのは、本件株券が売却された平成3年分において雑損控除の適用が行われるべきであり、請求人の主張は採用できない。(平16.10.7大裁(所)平16-16)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150061
- 裁決年月日
- 平成16年4月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、植木の伐採に係る工事費は、その支払いが、本件水害から1年1か月以上経過してからのものであり、植木が傷んだことと本件水害との関連性を確認することはできないことから、災害関連支出とは認められない旨主張する。しかしながら、当審判所の調査によれば、本件工事における植木の伐採は、枯れた植木を伐採したものであると認められるところ、本件水害時には、当該植木が請求人宅の玄関付近に植えられていたことが確認でき、請求人宅付近においては、本件水害後も8月中に2回、9月中に1回床上浸水等の被害が発生し、当該植木が枯れたのは、これらの一連の床上浸水等によるものであると推認できる。また、災害関連支出は、災害後おおむね1年以内に取壊し又は除去が行われたものに係る支出と解されているところ、本件工事のうち植木の伐採に係る工事を行った日は特定できないが、本件水害及びその他の床上浸水等の被害の状況並びに本件工事に係る費用の支払日を考慮すれば、当該伐採工事は災害後おおむね1年以内に行われたものとみるのが相当である。したがって、植木の伐採に係る工事費は、所得税法施行令第206条第1項第1号に規定する災害関連支出に該当すると認められる。(平16.4.13関裁(所)平15-61)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平150061
- 裁決年月日
- 平成16年4月13日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、当該損失については、領収を証する書類の添付又は提示がないことから雑損控除の適用要件を満たしていない旨主張する。しかしながら、請求人の答述、確定申告書に添付されたクレジット会社発行の利用明細の記載内容及び本件水害の状況などを基に総合的に判断すると、当該支払の事実及びその内容には信ぴょう性があり、雑損控除の適用要件を満たしていると認めることができる。(平16.4.13関裁(所)平15-61)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150143
- 裁決年月日
- 平成16年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、融資を受けた法人の代表者に、担保として差し入れた株券を横領されたことから、借入金の総額と株券の売却価格との差額が回収不能になったとして、当該回収不能額について雑損控除が適用できる旨主張する。しかしながら、横領の事実及び損失金額を客観的に認めることができず、さらに、ほかに客観的に認めるに足る証拠資料の提出もないことから、請求人の主張は採用できない。(平16.1.19東裁(所)平15-143)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150144
- 裁決年月日
- 平成16年1月19日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、融資を受けた法人の代表者に、担保として差し入れた株券を横領されたことから、借入金の総額と株券の売却価格との差額が回収不能になったとして、当該回収不能額について雑損控除が適用できる旨主張する。しかしながら、本件融資契約は請求人の実父の行為であると認められ、当該契約に基づく損失は同人の取引に基因するものであることから、請求人の主張は採用できない。(平16.1.19東裁(所)平15-144)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140285
- 裁決年月日
- 平成15年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件解雇により失った賃金は所得税法第72条第1項に規定する「居住者の有する資産」に該当し、本件解雇は同項に規定する「災害」に該当するから、本件解雇の無効確認を求めるための訴訟に要した費用は、災害関連支出に該当する旨主張する。しかしながら、請求人の主張するところの本件解雇により失った賃金は、本件解雇がなければ将来において受け取ることができたであろう賃金であって、本件解雇の時点においてその支払請求をすることができたもの、すなわち、本件解雇の時点において請求人が所有していた資産ではないから、所得税法第72条第1項に規定する「居住者の有する資産」に該当しないため、本件解雇が所得税法第72条第1項に規定する「災害」に該当するか否かについて判断するまでもなく、当該訴訟に要した費用は、災害関連支出に該当しない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平15.06.27.東裁(所)平14-285)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平140252
- 裁決年月日
- 平成15年5月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、①雑損控除は法令等に3年間にわたり適用できるとの記載があることから、前年中の災害により生じた損失であっても、本年中に支払ったものは本年において雑損控除の適用が認められるべきであること及び②原状回復工事の見積額を基に、国税庁作成の手引き(以下「本件手引き」という。)により計算した本年分の雑損控除の額には誤りがなく、仮に、誤りがあるとすれば、それは当該手引きの不適切な表現である旨主張する。しかしながら、請求人が本年分において支出した原状回復のための修理代金は、所得税法第72条により、資産について受けた損失の金額又は受取保険金の額を下回ることから、本年分の雑損控除の適用は認められない。また、本件手引きは、一般的な事項を平易に解説したものであって、雑損控除に関する記載内容においても重大な瑕疵は認められず、本年分の雑損控除の額の誤りは請求人の誤信によるものと認められるから、請求人の利益を保護すべき特段の事情は認められない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平15.05.21.東裁(所)平14-252)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平130026
- 裁決年月日
- 平成14年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・160ページ
要旨
○ 請求人は、水害により被災した請求人所有の自動車(以下「本件車両」という。)について、これを主として遠隔地の中学校に通学していた子供の送迎に使用していたから、「生活に通常必要な動産」に該当するとして、その損失の金額を雑損控除の対象とすべきである旨主張する。しかしながら、「生活に通常必要な動産」とは「家具、じゅう器、衣類」及びこれらに類似する生活用資産であって、通常の社会生活を営むのに必要とされる資産をいうものと解するのが相当であるところ、請求人の子は請求人の妻の実家から歩いて中学校に通学していたことが認められるから、本件車両は通学の際の送迎に通常使用されていたとする請求人の主張を採用することはできない上、本件車両が通勤用に使用されていないこと、請求人の住所地は市の中心に位置し交通の便が特に悪いとも認められないことを総合的に判断すると、本件車両が通常の社会生活を営むのに必要なものであるとはいえず、本件車両は「生活に通常必要な動産」ということはできない。(平14. 2.26広裁(所)平13-26)裁決事例集NO63・160ページ
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平120094
- 裁決年月日
- 平成13年6月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 業種
- 会社役員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が、確定申告に際し雑損控除の対象としたものは、本件信用組合の理事長としての職責からの損失の補てん金である。当該損失補てん金に係る事故の被害者は本件信用組合となっており、請求人の有する資産が事故にあったとは認められず、したがって、当該損失補てん金は所法第72条に規定する雑損控除の対象とならない支出であることは明らかであり、当該損失補てん金の支出原因を検討をするまでもなく、当該損失補てん金を請求人の雑損控除の対象とすることは認められない。(平13.6.28名裁(所)平12−94)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平120087
- 裁決年月日
- 平成13年2月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201802040
- 争点
- 18所得控除/2雑損控除/4雑損控除の適用
- 業種
- 会社員
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、医療過誤により身体に損害を被ったが、請求人の身体は、所法72条に規定する「居住者の有する資産」に当たり、請求人が受けた医療過誤は、同条に規定する「災害」に当たり、また、それに関連して支出した本件証拠保全費用は、同条に規定する「災害関連支出の金額」に当たることから、雑損控除の適用要件を満たしている旨主張する。しかしながら、所法第72第1項に規定する資産とは、所得税法上、特別、定義が置かれていないが、一般的には、経済的な価値のあるもので取引の対象となるすべてのものをいい、生命・身体とは別個の概念であって、所得税法の諸規定もかかる概念を前提として設けられていると解される。このことは、所法第9条第1項第16号に、「損害保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するもの」との規定があり、ここにおいて、身体と資産が明確に区分されていることからも明らかである。そうすると、所得税法上、身体は資産に含まれないと解するのが相当であるから、その余を判断するまでもなく、本件証拠保全費用は雑損控除の対象とならない。(平13.2.26関裁(所)平12−87)
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