裁決要旨 1役員賞与
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令060076
- 裁決年月日
- 令和6年11月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が関係者の口座に振り込んだ金員の一部は、当該関係者から請求人に対して現金で返還され、請求人は現金仕入れの支払に充てており、請求人の代表者が自ら費消した事実はないことなどから、当該返還金は代表者に対する給与等に該当しない旨主張する。しかしながら、請求人が当該返還金を管理し、請求人における仕入れ等の支払に充てられていたような事情はうかがわれず、また、請求人の代表者は、請求人の経営の実権を掌握し、請求人を実質的に支配していたといえるため、当該返還金は、当該関係者から請求人に返還された後に請求人の代表者が個人的に取得・費消したと認められることから、当該請求人の代表者が取得・費消し得た利得は、給与支出の外形を有していなくても、請求人の代表者に対する給与等に該当すると認められる。(令6.11.26 東裁(法・諸)令6-76)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平300037
- 裁決年月日
- 令和元年5月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が自己の代表取締役ら(本件各役員)が受診したがん総合健診等(本件がん健診等)に係る費用(本件費用)を負担したことについて、本件がん健診等は、請求人がリスクマネジメントの観点から受診させたものであり、法律で受診が義務付けられた従業員の健康診断とは、その趣旨や性質が異なるのだから、本件費用は本件各役員への給与等に該当しない旨主張する。しかしながら、本件がん健診等は、①そもそも本件各役員以外の役員及び従業員(本件従業員等)を受診の対象としていないこと、②本件費用の額は、請求人が負担する本件従業員等に対する健康診断の費用の額に比して著しく多額でないとはいえないことから、本件費用は本件各役員に対する給与等に該当する。(令元.5.30 名裁(諸)平30-37)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平290022
- 裁決年月日
- 平成29年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、損害保険会社から請求人の代表者の個人口座に振り込まれた保険金(本件金員)は請求人に帰属しないのであるから、本件金員は、請求人から請求人の代表者に対して支払われた給与等には該当しない旨主張する。しかしながら、当該保険の対象となった自動車等は、いずれも請求人が所有者となっていること等から、本件金員は請求人に帰属するものと認められる。また、請求人の経営における全権限を有していた当該代表者は、請求人を代表して、各保険会社に対し、本件金員を当該代表者が個人的に利用していた同人名義の預金口座に入金させたことが認められる。したがって、本件金員は請求人が当該代表者に対して支給した給与等に該当する。(平29. 9.21 大裁(法・諸)平29-22)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平280008
- 裁決年月日
- 平成28年9月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の役員(本件各役員)が受診した成人病総合健診等(本件健診等)に係る費用(本件費用)を負担することにつき、生活習慣病の予防を目的とした人間ドックを受診することは一般的であり本件各役員に経済的利益をもたらすものではないこと及び本件健診等は一般的な人間ドックと内容も概ね同じであり、本件費用が著しく多額であるとはいえないことなどから、本件各役員に対する給与等ではない旨主張する。しかしながら、使用者が役員等の人間ドックの費用を負担することは、役員等が当該費用相当分の経済的利益を受けたことになるから、当該経済的利益相当分は役員等に対する給与等に該当し給与所得の収入金額とされるのが原則であるが、一定年齢以上の希望者は全て人間ドックの受診ができ、かつ、全ての者を対象として費用を負担するような場合で著しく多額でないものについては、給与所得として課税する必要まではないと解されるところ、本件費用は、請求人の従業員に係る健康診断の費用と比べ大きな差があることも考慮すると、その経済的利益が役員だけを対象として供与されているから、上記の課税する必要がない給与所得には当たらず、本件各役員に対する給与等に該当する。(平28. 9.20 名裁(法・諸)平28-8)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平280002
- 裁決年月日
- 平成28年8月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が代表取締役を務める法人(本件法人)以外の者が食品衛生法による営業許可の名義人となっている複数の飲食店(本件各店舗)の収益について、いずれも本件法人に帰属しないことから、本件法人から当該収益等に相当する給与等の支給は受けていない旨主張する。しかしながら、本件法人が申告していた飲食店はその経営実態において本件各店舗と何ら変わるところはないことからすれば、本件各店舗に係る収益は本件法人に帰属すると認められる。そして、本件法人の事業活動を通じて得た利得(本件利益)に相当する資産が本件法人から発見されないことに加え、請求人が本件各店舗の売上金を回収及び管理し、任意に処分できる状態であったことからすると、請求人は、本件利益に相当する額について、給与支出の外形を有しないものの、本件法人から給与等として支給を受けたものと認められる。(平28. 8.24 熊裁(所)平28-2)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平250059
- 裁決年月日
- 平成25年11月14日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表者が架空仕入、架空販売促進費及び架空支払配送料の計上により作出した簿外資金(本件簿外資金)を原資にして請求人の取引先等の代表者に資金を貸し付けていたのは、請求人の事業の維持発展のためであり、形式的には代表者個人名による貸付けであっても、その実態は請求人が自己資金を用いて代表者個人の名前で請求人の重要な取引先の代表者に貸し付けたもので、これらの貸付けは、請求人が業務の遂行上行ったものあり、貸付けに至らなかった残額も将来的には請求人のために用いられるものであることから、本件簿外資金は代表者への給与に該当しない旨主張する。しかしながら、本件簿外資金は、代表者個人名で相手方と金銭消費貸借契約書が作成されており、相手方も代表者個人から金員を借りた旨答述又は申述しており、代表者が請求人から借り入れたと認めるに足る証拠もなく、形式及び実態ともに代表者個人が貸付けを行っていると認められる。また、貸付け以外の金員も代表者が自分が行った株取引の損失補てんや個人的に費消した旨申述しており、残金として請求人事務所にあった金員についても請求人の簿外資金として留保される特段の事情もなく、本件簿外資金は代表者が個人的に使用するためのものと認められることから、代表者に対する給与に該当する。(平25.11.14 東裁(法・諸)平25-59)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平250012
- 裁決年月日
- 平成25年11月5日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が所有する重機等をB社に原処分庁が主張する売却額で売却したにもかかわらず、Aに対して請求人が主張する売却額で売却したかのように装い、各売却額の差額からAの手数料を差し引いた残額に相当する現金(本件現金)を請求人代表者が受領していることを踏まえて、①請求人代表者が請求人の実権を有していること、②請求人代表者によって支出された本件現金の使途が不明であること、③本件現金が請求人のために支出されたと認められないことから、本件現金は請求人代表者の管理下に置かれた上で請求人代表者が取得したものと認められる旨主張する。しかしながら、本件においては、請求人代表者が本件現金を受領した事実が認められるものの、その受領は、請求人代表者が請求人の代表者の立場に基づき請求人の業務として受領したものとみることができるのであって、その後に請求人代表者が個人として受領したことを裏付ける事実、すなわち、本件現金を請求人代表者が個人として保管していた状況や、本件現金を請求人代表者が個人の用途に費消した状況なども全く見いだせないのであるから、請求人代表者が本件現金の取得により経済的利益を得たとまでは認め難い。(平25.11. 5 関裁(諸)平25-12)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平230011
- 裁決年月日
- 平成24年6月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、架空外注費を計上して捻出した金員(本件各金員)は、外注先に対する貸付け等に充てられており、請求人の代表者に対する賞与の支給に充てられてはいないから、代表者に対する賞与の支給があったと認定して行われた源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分は違法である旨主張する。しかしながら、およそ代表者の個人会社ないし同族法人と目される法人で、法人の代表者が法人経営の実権を掌握し、法人の簿外資産形成の判断を代表者自らが行い、その簿外資産が法人において留保されておらず、かつ、会社のために支出したと認めるに足る合理的な使途の説明がないときは、法人の代表者が当該法人の事業活動を通じて得た利得は、給与支出の外形を有しない利得であっても、法人の代表者がその地位及び権限に対して受けた臨時的な給与、すなわち賞与と推認することができると解されるところ、①請求人は代表者及びその配偶者によって支配されている同族会社であること、②請求人の経営の実権は代表者が掌握しており、本件各金員の捻出は代表者が決定し実行したものであると認められること、また、③本件各金員が外注先に貸し付けられていたとする事実は認められず、他に請求人の事業のために支出されたと認めるに足る合理的な使途の説明もないことに加え、本件各金員は請求人の簿外資産として留保されていないことからすれば、本件各金員は、その全額を請求人代表者に対する賞与と推認することができる。(平24. 6.21 熊裁(諸)平23-11)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平230075
- 裁決年月日
- 平成24年1月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者(本件代表者)個人の預金口座(本件預金)に入金された、請求人の車両の売却代金(本件各車両売却代金)について、①経済的利益の享受の有無は、その資金の使用状況、目的等から判断すべきであり、②本件代表者は、請求人のいわゆる簿外資産を管理したにすぎず、後日請求人口座に当該簿外資産を移しているので、本件各車両売却代金に係る臨時的な給与の支払いを受けたことにはならない旨主張する。しかしながら、本件預金は、本件代表者が請求人の代表取締役となる以前から開設されたもので、本件代表者個人に係る入出金用の口座として利用されていたと認められることからすれば、本件各車両売却代金が本件預金に入金された以上、本件各車両売却代金は本件代表者に対し支払われたと認めるのが相当である。そして、車両売却先の担当者に車両の売却代金を本件預金に振り込むように話をしたのは、本件代表者であり、本件各車両売却代金が本件代表者に対し支払われたことは、本件代表者の意図に基づきなされたことであることからすれば、本件預金に入金された本件各車両売却代金に相当する金員は、本件代表者が請求人の代表取締役という立場にあったからこそ受けることができた金員というべきであるから、法人税法上の役員給与に相当するものであり、本件代表者が請求人から何ら利益を受けていないとはいえない。(平24. 1.23 名裁(法・諸)平23-75)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平230010
- 裁決年月日
- 平成23年12月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が当時理事長だった人格なき社団に対する本件債務の免除(本件債務免除)に係る本件債務免除益は、所得税基本通達36−17《債務免除益の特例》に定める「債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合に受けたもの」に該当し、請求人の所得の金額の計算上収入金額に算入されないから、本件債務免除益を給与所得として課税することはできない旨主張する。しかしながら、請求人は、本件債務免除時において、債務超過の状態であったものの、本件債務免除時において有していた収入、資産等から本件債務の一部を弁済することができただけでなく、請求人の信用、才能等を活用すれば、将来において、本件債務の一部を弁済するための資金を調達することができたものと認められるから、上記通達に定める「債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合」には該当しない。(平23.12.22 広裁(所)平23-10)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220018
- 裁決年月日
- 平成22年9月8日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、被相続人(請求人の父)が中心的株主であるA社が団体Bの事務局長Cに対して支払った本件金員について、①団体Bは被相続人からの出捐を受けて設立されたものであり、団体Bの事業方針は被相続人の個人の意思を反映していたものであること、②CにはA社での勤務実態がないこと、③Cが行っている団体Bの業務とA社の業務に関連性がないこと、及び④本件金員の支払は被相続人の指示によりCをA社の従業員とすることによって行われた等の事情から、本来は、被相続人が個人的出捐により支払うべきものであり、被相続人はA社の支払によって自己の資産が減少することを免れ、A社から経済的利益を受けたものであるから、被相続人に対する役員賞与であると主張する。しかしながら、Cは専ら団体Bの業務に従事し、Cに対する給与は団体Bが勤務の対価として支払うべきものであるところ、団体Bは人格のない社団と認めるに足る実体があり、団体Bと被相続人とを法的に同一の存在とみることはできないから、団体Bの法的な債務について被相続人が当然にこれを負うということはできない上、①団体Bの意思決定機関には理事長及び理事による多数決原理が作用し、団体Bの役員等に就任していない被相続人の個人の意思を反映させた事業方針が存在すると認めることはできないこと、②団体BとA社の業務関連性がないとまでは認めることはできないこと、③CにA社における勤務実態がなく、本件金員の支払は被相続人の指示によりCをA社の従業員とすることによって行われたことは認められるものの、当該事実は被相続人がCに給与を支払うべき義務があることまでを直ちに推認させるものではないことから、Cに対するA社による本件金員の支払によって、被相続人には債務の消滅といった経済的利益が生じたものとは認めることができず、被相続人に給与所得が生じたと認めることはできない。(平22. 9. 8 大裁(所)平22-18)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平220014
- 裁決年月日
- 平成22年8月30日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ クレジットカードに係る引落し額相当額について、請求人が代表取締役を務める法人から請求人への臨時の賞与に当たるか否かを検討するに、当該法人は創業者の息子である請求人が代表取締役を務めるとともに発行済株式のすべてを所有する同族会社であるところ、請求人の判断において、留保し、実質的に支配していた当該法人の簿外資産である本件預金口座に係る預金から、請求人の妻が個人的な目的のために使用したクレジットカードの利用代金相当額を引き落としていたものである。そして、当該支出は、当該法人のために支出したものと認めることはできず、請求人の妻と生計を一にしている請求人が当該法人の事業活動を通じて得た利得であるといえるから、クレジットカードに係る引落し額相当額は、給与支給の外形を有していない利得ではあるが、代表取締役である請求人が当該法人からの臨時の給与すなわち役員賞与として受領したものと認められる。(平22. 8.30 大裁(所)平22-14)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平210008
- 裁決年月日
- 平成22年1月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A税務署所属の調査担当職員が嘆願書の原案を自ら作成し、請求人の夫で甲法人の取締役である乙に嘆願書の作成をしょうようしていることは、明らかに公文書偽造を当該調査担当職員が指導したものであり、本件嘆願書のみを根拠としてなされた本件納税告知処分は無効であり、本件納税告知処分を根拠としてなされた本件更正処分は当然に取り消されるべきである旨主張する。しかしながら、当審判所は、甲法人に対する別件裁決において、請求人が甲法人から支出された金員を費消したとしてA税務署長が行った本件納税告知処分に違法性はないと判断しているところであり、同判断の内容は相当である。そして、本件嘆願書は調査担当職員の違法な指導により作成されたものではなく、乙が本件嘆願書を自ら作成し、A税務署長に提出したものと認定しており、公文書偽造を当該調査担当職員が指導したとの請求人の主張は採用できない。また、本件納税告知処分と本件更正処分とは、相互に共通する事実認定により行われたことが認められるものの、本件納税告知処分は甲法人から支出された金員の支給に係る甲法人に対する処分であり、本件更正処分は当該金員の取得者である請求人に対する処分であることから、本件納税告知処分の無効を理由として本件更正処分の取消しを求めることはできない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。そうすると、請求人の平成17年分の総所得金額及び納付すべき税額は、いずれも本件更正処分に係る総所得金額及び納付すべき税額と同額であるから、本件更正処分は適法である。(平22. 1. 8 熊裁(所)平21-8)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平210008
- 裁決年月日
- 平成21年12月1日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件使途不明金には、本件各法人の原価又は費用等の支払に充てられたものが含まれている旨主張する。しかしながら、代表者等を中心とする個人的色彩の強い法人の簿外資産たる使途不明金については、法人の簿外資産を自己の管理下に置いて自己の意思により処分できる地位にあり、そして現に簿外資産を自己の用途に消費していたときは、首肯するに足る合理的な使途の説明がない限り、当該使途不明金は、これを当該代表者等が自己のために消費したものと推認し得ると解するのが相当であるところ、本件各法人は、いずれも請求人を中心とする個人的色彩の強い法人であり、請求人だけが、本件各当座預金口座から資金を払い出して、それを自己の管理下に置いて自己の意思により処分できる地位にあり、そして、現に本件各当座預金口座から払い出された各金員を自己の用途に消費していたのであるから、請求人から本件各法人の帳簿が当審判所に提出されず、また、請求人からも首肯するに足る合理的な使途の説明がない以上、本件使途不明金は、これを請求人が自己のために消費したものと推認し得る。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21.12. 1 広裁(所)平21-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210003
- 裁決年月日
- 平成21年7月9日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が架空の費用を計上して秘匿した簿外預金の一部を、請求人の代表者又は専務が個人的に費消してこれを請求人に対して出資したものではなく、同人らが個人的に蓄積した資金を出資したものであるから、当該出資金として入金した金額は、臨時の給与には当たらない旨主張する。しかしながら、請求人が架空の費用として支出した金額は、その同日にほぼ同金額が専務の預金口座に入金され、同口座に入金された金額の一部については、同口座から出金された後、当該出金日と同日又は翌営業日に請求人の公表銀行口座に代表者又は専務からの出資金として入金されている。そうすると、専務の預金口座から請求人の増資資金として出金された金額は、請求人が架空に計上した費用の一部を、代表者又は専務が個人的に費消していたものと認められるから、請求人は、これらの金員を代表者及び専務に臨時の給与、すなわち賞与として支給したというべきである。したがって、請求人の主張には理由がない。(平21. 7. 9 東裁(法・諸)平21-3)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平200024
- 裁決年月日
- 平成21年6月12日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が役員を務める法人の請求人に対する債権放棄は請求人の債務という負の経済的価値が消滅するもので、経済的利益として請求人の給与所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件債権放棄について当該法人から請求人に対してその意思表示がされていないと認められることからすると、当該法人が本件債権放棄を決議したとしても、その効果はいまだ発生していないと認めることが相当であり、請求人に対する経済的な利益の供与は認められない。(平21. 6.12 仙裁(所)平20-24)
- 支部名
- 福岡
- 裁決番号
- 平200006
- 裁決年月日
- 平成20年12月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、理事長に対する長期貸付金等を出資差額に振り替えた処理(以下「本件振替処理」という。)について、関与税理士から課税されるリスクの具体的な説明がなされなかったことにより、請求人自身に課税されることはないという、税負担の錯誤が生じたものである旨主張する。しかしながら、納税義務者又は源泉徴収義務者は、納税義務の発生原因となる私法上の法律行為を行った場合、その法律行為の際に予定していなかった納税義務が生じたり、当該法律行為の際に予定していたものよりも重い納税義務が生じることが判明した結果、この課税負担の錯誤が、当該法律行為の要素の錯誤であるとして、その法律行為が無効であることを法定申告期限又は源泉徴収税額の納付期限を経過した時点で主張することはできないと解されるところ、請求人は、特定医療法人の承認を受けるために、理事長との貸借関係を消滅させる必要があり、理事長は、理事長個人と請求人の経営者としての双方の立場で、請求人と理事長間の貸借関係を解消する意思をもって本件振替処理を行い、同処理により長期貸付金等の額は消滅しており、この長期貸付金等の額を消滅させた行為は、請求人の理事長に対する債権を放棄する法律行為を生じさせることから、当該債権放棄が行われた時点で理事長に対して経済的利益の供与、すなわち賞与の支払が行われたことになるので、その時点で請求人に源泉徴収義務が生じており、また、その納付期限も経過していること、また併せて、当該賞与に係る給与所得の確定申告期限もすでに経過していることからすれば、本件振替処理により予定していなかった納税義務が生じたとしても、この課税負担の錯誤が、当該債権放棄の要素の錯誤に当たるとして、その無効を主張して納税義務の負担を免れることはできないこととなる。(平20.12.10 福裁(諸)平20-6)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平190214
- 裁決年月日
- 平成20年6月24日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、架空仕入れにより捻出した金員(以下「本件金員」という。)は、当時の取締役(専務と呼称されていた。以下「A」という。)が流用し、その使途が判明せず、請求人は本件金員を回収すべくAに対して民事の裁判を提起しているのであるから、請求人には本件金員をAに対する賞与とする認識はなく、請求人に源泉徴収義務があるとして行った納税告知処分は違法である旨主張する。しかしながら、Aに支払われた本件金員を同人の賞与と認定したのは、①請求人から同社の金員がAに支払われたこと、②上記①の行為は請求人の主要な役員であるAがその地位及び権限に基づき、請求人の行為として行われたものと認められること及び③Aは本件金員を現実に利得したことの各事実によるものであり、このことは、請求人におけるAに賞与を支給した認識の有無又は本件訴訟を提起したことの当否にかかわるものではないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。したがって、本件金員をAの賞与と認定し、請求人に源泉徴収義務があるとして行った納税告知処分は適法である。(平20. 6.24 東裁(法・諸)平19-214)
- 支部名
- 高松
- 裁決番号
- 平180020
- 裁決年月日
- 平成19年5月15日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、関連法人の代表取締役を病気のため辞任し、無報酬の監査役に就任したことから、請求人に当該関連法人から支払われた本件退職給与は退職所得、また、当該関連法人との協定書に基づき支払われた雑費は、雑所得に該当する旨主張する。 しかしながら、請求人は、監査役に就任していること、長年にわたり役員として従事しており、事業執行するに当たり十分な能力を有していること、引き続き筆頭株主として経営上主要な地位を占めていると認められることから、役員の分掌変更等によりその職務の内容又はそのその地位が激変した者とは認められず、本件退職給与は、請求人が退職したことに基因して支払われたものではないこと、また、本件雑費は、当該関連法人が請求人に支払う合理的理由が認められないことから、いずれも請求人に対する職務執行の対価の性質を有するものと解され、請求人の給与所得に該当することとなるので、原処分は相当である。(平19. 5.15 高裁(所)平18-20)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平180029
- 裁決年月日
- 平成19年1月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、代表理事を務めていたA農協の①事務委託費名目の支出金、②旅費名目の支出金及び③簿外資金からの支出金は、いずれも請求人に対する給与等には該当しない旨主張する。 しかしながら、①事務委託費名目の支出金は、A農協を実質的に支配していた請求人が、自己の権限を濫用し、A農協から事務委託費名目で資金を支出させ、B社に対する請求人の個人的な保証金に充てたと認めるのが相当であり、②旅費名目の支出金は、請求人に言われるままにA農協が支出したものであり、A農協には当該支出に関する復命書や領収書等の保存もないことから、請求人がその資金を利得したと認めるのが相当であり、③簿外資金は請求人が実質的に管理していたと認められ、当該簿外資金からの支出金の使途を証する書類等や出金及び残高を記載した帳簿がなく、その支出時期及び使途が不明であるから、請求人が当該簿外資金の支出金を利得し消費したと認めるのが相当である。 したがって、いずれの支出金も請求人の給与等に該当する。(平19. 1.30 広裁(所)平18-29)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平180019
- 裁決年月日
- 平成18年9月21日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 審査請求人(以下「請求人」という。)は、請求人の代表者に交付した金員は退職金の原資として掛けていた養老保険の満期保険金などで、代表者に対し退職金の前払として支払ってもよいと考えたものであり、代表者は原処分に係る調査を担当した職員から上記金員は請求人に帰属するとの説明を受けたことによりその全額を返済しているから、上記金員は代表者に対する貸付金とするのが相当である旨主張する。しかしながら、所得税法第28条第1項は、給与所得となる給与等について「俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与」と包括的に規定しており、この趣旨からすると、給与等には、雇用契約に限らず、これに類する委任契約などの原因に基づき提供した労務(役務)の対価として、あるいは労務(役務)を提供する地位に基づいて支給されるものを含むものと解され、法人の代表者等が法人経営の実権を掌握し法人を実質的に支配している事情がある場合には、法人の代表者等が、当該法人の事業活動を通じて得た利得は、給与支出の外形を有しない利得であっても、それが法人の資産から支出されたと認められる場合には、当該利得は、法人代表者等がその地位及び権限に対して受けた給与等であると解される。請求人の代表者は、①請求人の設立以来の代表取締役であること、②その妻及び子と合わせて請求人の発行済み株式の100パーセントを保有していること、③法人税の確定申告書の代表者及び経理責任者欄に署名押印していること及び④その職務内容が資金繰りから支払関係までの承認、従業員の採用及び昇任等並びに大型工事の受注の承認等であることから、請求人の経営の実権を掌握し、請求人を実質的に支配していると認められるところ、上記金員の原資は請求人の資産であり、請求人の代表者は上記金員を現金で受領していることから、上記金員は、請求人の代表者がその地位及び権限に対して受けた所得税法第28条第1項に規定する給与等(臨時の給与であるから賞与)に該当するというべきである。したがって、請求人の主張には理由がない。(平18. 9.21 名裁(法・諸)平18-19)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170049
- 裁決年月日
- 平成17年10月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 甲社が当該ファンドを請求人から買い取った目的は、これを購入して運用利益を得ることにあるとは認められず、甲社が請求人に代わって源泉分離課税相当額を負担し、償還日まで当該ファンドを保有していれば得ることのできなかった課税上の差益を請求人が得るためのものと認められるから、請求人は、甲社から源泉分離課税相当額の利益供与を受けたものと認めるのが相当であり、甲社から甲社の取締役である請求人に対する役員賞与と同視することができるから、その所得区分は給与所得に該当する。(平17.10.21東裁(所)平17-49)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平170008
- 裁決年月日
- 平成17年8月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 原処分庁は、請求人が代表者を勤める法人(以下「本件法人」という。)が簿外で行った取引(以下「本件簿外取引」という。)に係る利益(以下「本件簿外利益」という。)を推計の方法により算定した上、そのほとんどを請求人への賞与と認定し、所得税の決定処分をしたのに対し、請求人は、本件簿外利益は本件簿外取引金額の3パーセント相当にとどまるから、原処分庁の認定は架空の利益に基づくものであり、本件簿外利益のほとんどを賞与として受領した事実はない旨主張する。しかしながら、原処分庁が本件簿外利益として算定した金額は合理的である。そして、本件法人は、その発行済株式の100パーセントを請求人及びその妻が所有する同族会社であり、その役員は請求人及び請求人の妻だけであって、従業員はいないこと、本件簿外取引に係る商品の受渡し及び代金の授受は、すべて請求人本人が行っており、本件簿外取引に係る代金は請求人名義の預金口座(以下「本件預金口座」という。)に振り込ませる方法又は現金で請求人が受け取る方法で受領していたこと、本件簿外利益に見合う本件法人の資産の増加は認められないこと、本件簿外取引金額のうち、本件預金口座に振り込まれた金額の一部を馬券の購入資金に充てていたことが認められる。これらの事実を併せ考えると、本件簿外利益を請求人が賞与として受領したと推認することが相当であり、請求人の主張を採用することはできない。(平17.8.25関裁(所)平17-8)
- 支部名
- 沖縄
- 裁決番号
- 平170005
- 裁決年月日
- 平成17年7月26日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、法人の売上に係る約束手形を請求人の個人口座で取立入金した額は、請求人が法人の取引に関し金員の支払いをなし、当該支払に係る金員の返還を受けたものであるから、役員賞与には当たらず、原処分は違法である旨主張する。しかしながら、本件取立入金額が出金され法人に返還された事実もなく、請求人の主張する法人のために立替えて支払ったことを証明する具体的事実と証拠資料は確認できないことからすると、請求人の主張は採用できない。したがって、本件取立入金額を役員賞与と認定した納税告知処分は適法であり、本件役員賞与の額を給与収入金額に加算して計算した原処分は適法である。(平17.7.26沖裁(所)平17-5)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平160020
- 裁決年月日
- 平成17年6月16日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人の代表者の長男に対する仮払金が回収不能になったとして、雑損失として損金の額に算入した金額は、長男に対する債権の放棄であり、代表者に対する債権の放棄ではないから、代表者に対する賞与課税は生じない旨主張する。しかしながら、本件仮払の経緯及び実態からみると、長男を援助するという個人的動機から、本件仮払金が回収不能又は困難になることが予見できるような状況下で請求人の資金が支出されたものであり、本件仮払は、代表者が、長男の私的借財返済のために、親としての立場から、同族会社の代表者である地位を利用して請求人の資金を流用し個人的に援助ないし貸し付けたものと認められる。したがって、本件仮払金は、請求人の代表者個人に対する貸付金とみるのが相当であり、請求人は、当該債権の額を本件雑損失計上時に放棄していることから、代表者に対し経済的利益の供与(債務の免除)をしたものと認められ、これは法人税法第35条第4項に規定する臨時的な給与であり、同条第1項に規定する賞与の支給に該当する。よって、請求人の主張は採用できない。(平17.6.16熊裁(法・諸)平16-20)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160086
- 裁決年月日
- 平成17年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が勤務する法人が支払った同人の自宅の建築費用等は、後日開催された取締役会において、その全額を法人に返還することが決議されているから、請求人の給与所得の収入金額には当たらない旨主張する。ところで、法人が法人の使用人の私事に属する費用を支払った場合には、当該金員については、一般に、使用人に給与を支給した場合と同一の経済的効果があることから、特段の事情のない限り、その使用人に対して給与を支給したものと解するのが相当である。これを本件についてみると、自宅の建築費用等は、私事に属する費用といえるから、法人が使用人である請求人の私事に属する費用を負担したこととなり、特段の事情のない限り、請求人に対して給与を支給したこととなる。そして、上記特段の事情の有無は、当該金員が支払われるに至った事情等を基礎として判断されるべきであって、支払後の事情が、判断の基礎事情とならないことは、事柄の性質上、明らかである。したがって、請求人の主張に係る事情は、給与を支給したことにはならない特段の事情とはならず、他に特段の事情があるとは認められないから、法人が支払った請求人の自宅の建築費用等は、請求人の給与所得に係る収入金額に該当する。(平17.3.25名裁(所)平16-86)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平160087
- 裁決年月日
- 平成17年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が取締役会長を務める法人が支払った同人の家族旅行費用等は、後日開催された取締役会において、その全額を法人に返還することが決議されているから、請求人の給与所得の収入金額には当たらない旨主張する。ところで、法人がその法人の役員の私事に属する費用を支払った場合には、当該金員については、一般に、役員に給与を支給した場合と同一の経済的効果があることから、特段の事情のない限り、その役員に対して給与を支給したものと解するのが相当である。これを本件についてみると、家族旅行費用等は、私事に属する費用といえるから、法人が役員である請求人の私事に属する費用を負担したこととなり、特段の事情のない限り、請求人に対して給与を支給したこととなる。そして、上記特段の事情の有無は、当該金員が支払われるに至った事情等を基礎として判断されるべきであって、支払後の事情が、判断の基礎事情とならないことは、事柄の性質上、明らかである。したがって、請求人の主張に係る事情は、給与を支給したことにはならない特段の事情とはならず、他に特段の事情があるとは認められないから、法人が支払った請求人の家族旅行費用等は、請求人の給与所得に係る収入金額に該当する。(平17.3.25名裁(所)平16-87)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平160033
- 裁決年月日
- 平成16年12月17日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が代表者である法人が、退職した役員に対する退職金として計上した金員は正当な役員退職金であり、請求人がこれを受領した事実はない旨主張する。しかしながら、①当該役員は当該退職金について何ら承知していないこと、②当該法人は、当該役員を「解任」しているにもかかわらず、退職金を支払う旨決定していること、③当該退職金は、請求人が管理する預金口座に振り込まれていることが認められることから、当該退職金は、当該役員への退職金ではなく、請求人が受領したものと認めるのが相当である。したがって、当該退職金は、その全額を請求人への給与とすべきであるから、請求人の主張には理由がない。(平16.12.17関裁(所)平16-33)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平150010
- 裁決年月日
- 平成15年7月8日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が作成したメモは、請求人が代表者を務める法人の取引先に対する債権の回収をメモしたものではなく、請求人が個人的に行っていた融資に係るメモであり、当該法人が当該債権の回収を行った事実はないから、当該債権に係る金額を請求人に対する役員賞与と認定したことは誤りである旨主張する。しかしながら、①当該メモが当該法人の事務所内で発見されたこと、②当該メモの「請求総額」の金額が同法人の取引先に対する債権額に見合うこと、③当該メモには当該取引先が振り出した手形及び小切手に係る金額が記載されていること、④当該メモの現金入金額の記載も、当該金額と手形及び小切手の金額とを単純に合計した累積額が記載されていることからみて当該取引先に対する債権の回収に係るものと認められることから、当該法人は得意先に対する債権を簿外で回収し、これを請求人に役員賞与として支給したものと認められる。したがって、請求人の主張は採用できない。(平15.7.8東裁(所)平15-10)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平140102
- 裁決年月日
- 平成15年5月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が代表者である法人が売上げを除外した事実及び当該除外資金を請求人名義の預金口座に入金した事実はないから、これらの事実があるとした納税告知処分に係る認定賞与の金額及びこれに係る源泉所得税額を基礎としてなされた所得税の更正処分(以下「本件更正処分」という。)は違法である旨主張する。しかしながら、請求人は、上記法人がした納税告知処分に対する審査請求に関して、当審判所に対し、同法人に売上げの計上漏れがあったことを認める答述をしている。また、請求人が管理する同人名義の普通預金口座には、継続的に現金による預入金があるところ、当該預入金の総額は、請求人の申告に係る収入金額を大幅に上回っており、かつ、そのことについて、首肯し得る合理的な説明もなされていない。したがって、本件更正処分を違法とすべき事由はない。(平15.05.27.関裁(所)平14-102)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平140045
- 裁決年月日
- 平成15年3月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が取締役であるA社の平成8年5月期ないし平成12年5月期の各事業年度において、同法人が日雇労務者に対する労務費の一部を架空に計上し、請求人が個人的に費消したとして請求人への賞与であると認定を受けたが、一切個人的費消はしていない旨主張する。しかしながら、請求人の主張は、A社の法人税の更正処分及び源泉所得税の納税告知処分に対する取消し理由であり、同社の審査請求は当審判所において既に裁決しているので、請求人の主張には理由がない。(平15.03.25.名裁(所)平14-45)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平140022ほか 1件
- 裁決年月日
- 平成14年10月3日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が運営する老人保健施設に係る経費として支出したもののうち、請求人の前理事長が理事長として在任中に個人的に費消した部分は、同人の詐欺行為に基づく横領によるものであり、同人を被告とする損害賠償請求訴訟を提起し、同人への当該支払額相当額の金員の移転を認めておらず、当該金員を経営委任の対価たる役員報酬であるとし、給与所得として課税することは法律の適用を誤ったものである旨主張する。しかしながら、前理事長は、その地位を利用して、請求人の一部の理事や経理担当者に対して、架空経費の計上や虚偽の請求書の作成等を指示するなどの方法で理事長経費等をねん出しており、このことは、正に、同人が請求人の経営に関して有する権限に基づいて請求人の意思を決定し、その意思に基づいて、自己の役務提供の対価として理事長経費等を受領し、これを個人的費用に費消していたものと認められる。また、これらの利得は、同人が理事長としての地位を有しなければ得られなかったものであり、請求人から与えられた権限に基づいて、自己に給与を支給したものであり、理事長経費等は、所得税法第28条第1項に規定する給与(賞与)所得に該当するから、請求人には同法第183条第1項に規定する源泉所得税の徴収義務があると認めるのが相当である。そして、当該訴訟の判決も、本件審査請求における証拠関係及び当該訴訟の経緯等に照らして、上記の認定及び判断を左右するものでないことから、請求人の主張は採用できない。(平14.10.03.大裁(諸)平14-22)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平120024
- 裁決年月日
- 平成13年5月9日
- 裁決結果
- 全部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 業種
- 運送業
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.61・379ページ
要旨
○ 請求人は、代表者が車両販売業者から受領した金員は、自宅新築祝金として代表者個人が受領したものであり、役員賞与には当たらない旨主張する。しかしながら、当該金員は、請求人から金員を代表者に渡すため、車両の購入価額に上乗せして、一旦車両販売業者に支払ったように装い、車両販売業者を介して代表者に支払ったものと認められる。さらに、代表者は、当該金員を自宅新築資金として消費していることから、当該金員は、法人税法第35条に規定する役員賞与に該当し、代表者に対する賞与と認定してなされた本件納税告知処分は適法である。(平13.5.9熊裁(法・諸)平12−24)裁決事例集NO61・379ページ
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平110126
- 裁決年月日
- 平成12年5月31日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が架空で計上した外注費の金員は、請求人の代表者の個人的な借入金の返済及び株取引の資金に充てられており、これらの金額は、すべて代表者が費消したものと認められることから、代表者の賞与に該当する。したがって、原処分庁が請求人に対して行った上記賞与に係る源泉所得税の納税告知処分は、適法である。(平12. 5.31大裁(法・諸)平11-126)
- 支部名
- 札幌
- 裁決番号
- 平110011
- 裁決年月日
- 平成11年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が代表取締役である法人からの賞与はない旨主張する。しかしながら、請求人が代表取締役である法人が架空資産及び架空経費を計上し、その架空取引に係る約束手形及び小切手を請求人が支配管理している預金口座を利用して取り立てていること及び請求人においてその使途についての合理的な説明をしないことから、約束手形及び小切手に相当する金額をその法人が請求人に対して支出した役員賞与と認定し、請求人の給与所得に係る収入金額であるとした原処分は相当である。(平11.12.20札裁(所)平11-11)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平110021
- 裁決年月日
- 平成11年10月22日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人名義で行った本件商品先物取引の損失のうちA社が負担した本件損失を、A社の損金として認めるべきである旨主張するが、①本件取引は、請求人名義の約諾書及び通知書に基づきなされたもので、A社が取引主体である旨を各商品取引員に明示した事実はないこと及び②本件損失については、請求人の判断により、本件取引のうち一部の損失のみをA社の本件各事業年度の決算時において特別損失又は雑損失として経理し、帳尻を合わせたものであり、A社の本件損失に係る経理処理をもって、本件損失に係る取引が真実A社を取引主体としてなされたものであると認めることはできない。そうすると、委託契約準則の規定及び各商品取引員に提出された約諾書及び通知書のとおり、本件取引の取引主体は請求人個人であり、A社ではないと認定するのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。以上のことから、A社が請求人の負担すべき本件損失を負担したことにより、請求人は本件損失相当額の経済的利益を受けたこととなり、本件損失の負担は臨時的なものであることが明らかであることからすれば、A社が請求人に対して本件損失相当額の賞与を支給したものと認められる。(平11.10.22関裁(所)平11-21)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平090134
- 裁決年月日
- 平成10年6月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人らは、請求人が代表者であるA社及びB社が所有する本件物件を18億円で譲渡した際、本件物件を賃借するC社の株式を42億円で譲渡したものであるから、本件株式譲渡価額のうち、請求人の所有株数に係る金額が株式等の譲渡所得の収入金額である旨主張するが、本件物件の譲渡価額が35億円、本件株式の譲渡価額が25億円であること及び本件株式譲渡契約書上の譲渡価額である42億円から当該25億円を控除した残額17億円のうちの請求人に帰属する6億8千万円は、A社及びB社からの請求人に対する役員賞与であることは、大裁 (法・諸) 平8-55及び56裁決において既に当審判所が認定しているところであり、改めて当審判所が審理したところによっても特にこれを不相当とする理由は認められず、原処分は適法である。(平10. 6.30大裁 (所) 平 9-134)、(平10. 6.30大裁 (所) 平 9-135)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平090042
- 裁決年月日
- 平成10年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件従業員名義預金から引き出された金員について、預かっていたものを各従業員に返還したものであり、代表者は費消していない旨主張する。しかしながら、本件従業員名義預金口座から引き出された金員等は、翌期において一部は従業員給与等として支払われているが、なお残余の金員があり、請求人は当該金員の使途について答述せず、従業員に支払ったとする証拠資料も提出しないから、当該金員を代表者に対する認定賞与として行った本件納税告知処分は適法である。なお、認定賞与の額は、その一部を取り消すことから、納税告知処分もその一部を取り消す。(平10. 6.29熊裁(法・諸)平 9-42)
- 支部名
- 熊本
- 裁決番号
- 平090043
- 裁決年月日
- 平成10年6月29日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が代表取締役であったA社の平成2年3月期ないし平成6年3月期の各事業年度の法人税調査において請求人に対する賞与であると認定された金員について、一切受領していない旨主張する。しかしながら、A社は請求人の親族が発行済株式の90パーセントを保有する同族会社であること並びに請求人は夫であるBに従業員名義預金の開設及び当該預金から引き出された金員等を管理させていたことから、請求人は本件金員の使途について知しつする立場にあったと認められ、そうすると請求人はBをしてA社の経理及び営業等経営の一切につき実権を掌握し、本件金員等を管理していたものと認められる。原処分庁が請求人に対する賞与であると認定した金額の一部は、A社の従業員に対して給与として支払われているものの、その他の部分については証拠資料の提出又は合理的な当該金員の使途の説明がないことから、請求人に対する認定賞与と認めるのが相当であり、原処分はその一部を取り消すべきである。(平10. 6.29熊裁(所)平 9-43)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平080007
- 裁決年月日
- 平成8年10月18日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 201003041
- 争点
- 10給与所得/3収入金額の計算/4役員の賞与、報酬に係る認定事例/1役員賞与
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件金員は賞与として支給されたものではなく、請求人が代表取締役をしているA社からの借入金である旨主張する。しかしながら、(1)A社の公表外の資金について請求人は借名の定期預金を作成し、当該預金をその後度々預け入れ、解約及び預換えの機会があったにもかかわらず、A社の資産とされていないこと、(2)当該預金の一部は請求人の自宅建築費用に充てられていると推認されること、(3)A社の各事業年度の確定申告書には請求人に対する貸付金の計上はないこと、(4)A社と請求人との間で締結した金銭消費貸借契約は、A社に対する本件金員を賞与と認定した更正処分後であること等を総合すると、本件金員は、請求人に対する臨時的な給与の支給と認められる。(平 8.10.18仙裁(所)平 8-7)
【 税務法規集に掲載する法令等の情報に関する注意事項 】
- 本サービスは、デジタル庁が管理するe-Gov法令検索のデータ、国税庁がホームページを通じて提供する通達等の情報および国税不服審判所の公表裁決事例・裁決要旨を利用しています。
- 法律の専門家が分類・整理した情報を元に、プログラムで自動的に法令等を解析し、関連する情報を統合的に閲覧できるように再編集していますが法令等の内容については、明白な誤りや文字種の統一などの形式的な点を除き、変更しておりません。
- 各法令等の施行日等の情報は法令等の名称の横にある マークのボタンからご覧いただけます。また、当該法令の元データにもその情報表示部分からアクセスすることができます。
- 本サービスの提供者は、デジタル庁および国税庁とは関係がなく、またこれらの機関を代表するものでもありません。
- 本サービスの提供者は、表示される情報に誤りがないように努めていますが、利用者による本サービスの利用に関する結果に対して一切の責任を負いません。