裁決要旨 2所得の発生
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令050055
- 裁決年月日
- 令和5年12月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702040
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/4収入すべき時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、株式を発行した法人(本件法人)から配当金(本件配当金)を受領していないため、本件法人に対して訴訟を提起して配当金支払請求権の存在を認める判決を取得しなければならず、この判決を取得するという停止条件が満たされていない以上、権利の確定があったとはいえないことから、本件配当金は所得税法第36条《収入金額》第1項に規定する「収入すべき金額」に該当しない旨主張する。しかしながら、配当支払請求権は、本件法人の取締役会における配当決議によって具体的な独立の債権として成立したことにより、配当決議があった日に法律上行使することができるようになるとともに、権利実現の可能性を客観的に認識することができる状態になり、その収入の原因たる権利が確定したと認められることから、本件配当金は同項に規定する「収入すべき金額」に該当する。また、本件法人が支払をしない理由は、本件法人が有する反対債権と相殺したことにあるから、配当金の支払がないことをもって、勝訴判決を取得することという停止条件が付与されているものと評価することはできない。(令5.12.20 東裁(所)令5-55)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030052
- 裁決年月日
- 令和4年6月13日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702010
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/1配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が米国法人A社の事業分割(本件事業分割)によって取得したB社の株式(本件株式)は、基準日時点のA社の株主に対し、A社の利益剰余金だけでなく、資本剰余金をも原資として、その保有するA社の普通株式等の株数に応じて割り当てられたものであるから、本件株式は、所得税法第24条《配当所得》第1項に規定する剰余金の配当には該当しない旨主張する。しかしながら、A社による本件株式の割当てに当たっては、本件事業分割に伴いA社から社名変更したC社の連結株主資本等変動計算書上、本件事業分割によって利益剰余金のみが減少しており、資本剰余金の減少はないことが認められること、また、本件事業分割は、我が国の会社法上の分割に相当する法的効果を具備するとはいえず、法人税法第2条《定義》第12号の9に規定する分割型分割には当たらないことから、本件株式の割当ては、所得税法第24条第1項に規定する剰余金の配当に該当する。(令4. 6.13 名裁(所)令3-52)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令030051
- 裁決年月日
- 令和4年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№127
要旨
○ 請求人らは、持分会社の社員(本件被相続人)の死亡退社に伴う持分払戻請求権(本件払戻請求権)について、その払戻額を零円とすることが持分会社の総社員による同意で決定されており、相続人である請求人らに対し金銭その他の資産の交付はされていないから、所得税法第25条《配当等とみなす金額》第1項の規定によって配当等とみなされる金額はない旨主張する。しかしながら、当該持分会社の定款には会社法第608条《相続及び合併の場合の特則》第1項に規定する持分の承継に関する定めがないことからすれば、本件被相続人は死亡退社により本件払戻請求権を取得したものと認められ、本件被相続人が有していた社員権(出資)が本件払戻請求権に転換した時点、すなわち、相続開始日において本件払戻請求権の価額相当額の経済的価値が本件被相続人にもたらされたといえる。したがって、当該価額相当額のうち、出資に対応する部分の金額を超える金額は、本件被相続人のみなし配当と認められる。(令4. 6. 2 名裁(所)令3-51)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令020029
- 裁決年月日
- 令和2年10月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702010
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/1配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○請求人は、自身が100%出資している米国法人(本件法人)からの分配金(本件分配金)について、当該米国法人の利益剰余金がマイナスであることから、その原資は利益剰余金ではなく資本の払戻しであり、米国法で制度上認められているものであるところ、日本の会社法及び所得税法に同様の制度はないから、本件分配金を配当所得とする根拠はない旨主張する。しかしながら、本件分配金は、本件法人の申告書において、期首における繰越利益剰余金に当期純利益を加算した金額から、本件分配金を差し引いた金額を期末の繰越利益剰余金とし、また、資本金等を含む資本勘定の各科目の金額を変動させていないこと、本件分配金は、請求人が保有する本件法人の株式に係るものとして受けたものと認められることからすると、本件分配金は、当期純利益及び繰越利益剰余金を原資とした剰余金の配当で、株式又は出資に係るものであり、資本剰余金の額の減少に伴うものではないと認められることから、所得税法第24条《配当所得》第1項に規定する法人から受ける剰余金の配当に該当する。(令2.10.27東裁(所)令2-29)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 令010030
- 裁決年月日
- 令和元年12月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、同人が役員であり、かつ、株主であるシンガポール関係法人の清算(本件清算)決議に伴う残余財産(本件債権)の分配(本件分配)に係る所得について、シンガポールの永住者資格を有する者であったことから、日本で課税されると思っておらず、本件清算決議に係る請求人の意思表示には税負担に係る錯誤があり、本件清算及び本件分配は無効である旨主張する。しかしながら、請求人は、①自身が日本に住所を有するとの判断を受ける事態も予見していたと推認されること、②シンガポール関係法人の株主による任意清算がされた旨の登記の是正はされておらず、請求人において本件清算が無効であることを確定するための手続も何ら執っていないこと、③本件債権について、シンガポール関係法人に返還することなく保有したままであること等からすれば、本件清算につき錯誤があったと認めることは困難であり、また、本件清算が無効であり、シンガポール関係法人が存続していると認めることはできない。(令元.12.12 大裁(所)令元-30)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 令010008
- 裁決年月日
- 令和元年11月28日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200702990
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№117
要旨
○ 請求人は、租税特別措置法(措置法)(平成30年法律7号による改正前のもの)第8条の5《確定申告を要しない配当所得等》第1項が、所得税法第23条《利子所得》第1項に規定する利子等又は同法第24条《配当所得》第1項に規定する配当等で措置法第8条の5第1項第1号ないし第7号に掲げるものを有する居住者は、その年分の所得税について、これらに係る配当所得等の金額を除外したところにより、確定申告をすることができる旨規定していることについて、ここにいう確定申告とは、納税者が当該配当所得等の金額を初めて申告する時をいうものと解すべきであるから、国税通則法第19条《修正申告》に規定する修正申告も含むと解すべきと主張する。しかしながら、当該規定は、納税者が確定申告をする時点において、上場株式等配当に係る配当所得の金額を総所得金額又は上場株式等に係る配当所得等の金額に含めて申告をするのか、それを除外して申告をするのかを当該上場株式配当に係る配当所得を有する者(納税者)の選択に委ねている趣旨と解されるところ、配当所得等の金額を総所得金額又は上場株式等に係る配当所得等の金額に含めずに確定申告をした場合には、納税者が、当該確定申告において当該配当所得等の金額を含めないという選択をしたものといえるから、その後にされた、当該確定申告を前提とする更正の請求又は修正申告においても、当該配当所得等の金額を総所得金額又は上場株式等に係る配当所得等の金額の計算上、算入することはできないものと解される。(令元.11.28 名裁(所)令元-8)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 令010016
- 裁決年月日
- 令和元年8月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702010
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/1配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集№116
要旨
○ 請求人は、自らが株式を保有していた米国法人が事業分割(本件事業分割)し、2社の独立した法人となったことにより、新たに事業を承継した法人の株式(本件株式)の交付を受けたことについて、当該米国法人の事業分割前の株価と事業分割後の米国法人2社の株価の合計額とがほぼ同等であり、当該分割の前後において、全体としての株式の価値の増減は見られないこと、本件事業分割について、米国の課税上、双方の株主が非課税扱いとされていたことからすれば、本件株式の交付により請求人は所得を得ておらず、我が国の所得税法第24条《配当所得》第1項に規定する剰余金の配当に該当しないと主張する。しかしながら、本件株式は、当該米国法人の株主としての地位を有する者に対し、当該米国法人の利益剰余金を原資として交付されたものと認められる。また、米国における課税上の取扱いが我が国の課税上の取扱いに影響を及ぼすことはない。加えて、本件事業分割は、我が国の会社法上の分割に相当する法的効果を具備するとはいえず、法人税法第2条《定義》第12号の9に規定する分割型分割には当たらないというべきであるから、本件株式の交付は所得税法第24条第1項に規定する剰余金の配当に該当する。(令元. 8. 1 東裁(所)令元-16)
- 支部名
- 広島
- 裁決番号
- 平300004
- 裁決年月日
- 平成30年9月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702010
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/1配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 地位承継人である請求人らは、被承継人が代表取締役を務めていた株式会社の定時株主総会において決議された剰余金の配当(本件配当)が、その後に開催された同社の臨時株主総会の決議において取り消され、これにより本件配当の効力がなくなったことから、本件配当に係る所得は被承継人の配当所得の総収入金額に算入すべきではない旨主張する。しかしながら、本件配当に係る被承継人の配当支払請求権は、本件配当がその効力を生ずる日に具体化し、以後は株主としての地位から独立した権利となり、一旦効力が生じた本件配当を取り消す決議は、本件配当の効力に影響を及ぼさない。したがって、本件配当は被承継人の配当所得の総収入金額に算入すべきである。(平30. 9. 3 広裁(所)平30-4)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平280044
- 裁決年月日
- 平成29年2月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702990
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/5その他
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、警備業を営む法人の実質的経営者であり、警察が反社会的勢力の関係者と見ている請求人を当該法人の株主から除外しておかなければ、当該法人の警備業の認定が取り消されるおそれがあると考え、請求人を当該法人の株主から除外するために、当該法人との間で株式譲渡契約(本件譲渡契約)を締結したものの、実際には、請求人が当該法人の株主であることと警備業の認定は関係がなかったこと、また、本件譲渡契約により、みなし配当課税という予期せぬ課税負担を強いられたことから、本件譲渡契約には法律行為の要素に錯誤があり無効である旨主張する。しかしながら、①本件譲渡契約の締結の時点において、請求人が当該法人の株主に留まったままで警察の立入検査を受けても警備業の認定が取り消されることはないことが客観的事実として存在したとは認められず、当該法人が請求人を株主から除外しておかなければ警備業の認定を取り消されるか否かは、将来発生するか否か不確実な事象に当たり、請求人及び当該法人はそれを予測したに過ぎないと認められ、加えて、②請求人及び当該法人において、本件譲渡契約の目的は警備業の認定取消しを回避することにあり、本件譲渡契約によりみなし配当課税の発生する可能性すら認識していないことから、本件譲渡契約時にみなし配当課税が生じるという動機を有し、当該動機を示して本件譲渡契約を締結したとは認められない。したがって、請求人及び当該法人に錯誤があったとは認められず、本件譲渡契約が錯誤により無効であるとはいえない。(平29. 2.21 大裁(所)平28-44)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平230062
- 裁決年月日
- 平成24年6月20日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702040
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/4収入すべき時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、その所有する外国株式に係る配当の帰属年分は、当該配当が請求人の証券口座に実際に入金された日の属する平成20年分である旨主張する。しかしながら、当該株式は、請求人の取引証券会社の約款に基づき、当該証券会社の名義で保管されており、請求人は、当該証券会社の名義で保管されている株式について、当該証券口座に記録等された数量に応じて権利を取得しているところ、当該株式の発行会社から当該証券会社に対して平成19年中に当該株式に係る配当が支払われていることからすると、その支払時点で当該配当のうち請求人に帰属する部分も確定したものと認められる。したがって、請求人の当該株式に係る配当の帰属年分は、平成19年分であると認められる。(平24. 6.20 大裁(所)平23-62)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平210112
- 裁決年月日
- 平成22年2月3日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、合併の場合の反対株主の株式買取請求と株式移転の場合の反対株主の株式買取請求の経済的実質がいずれも上場株式の譲渡であることなどから、株式移転に反対する株主の株式買取請求に基づく買取りについても、みなし配当の規定から除外すべきである旨主張する。しかしながら、法が合併に反対する株主等の買取請求権を認めている趣旨は、会社法において、反対株主の買取請求は合併の効力発生日に効力が生ずる一方で、対価の額の確定及び支払は合併の日以後に存続会社が行うこととされ、合併の日においては金額不確定の買取代金支払債務が存在するのみとされたことに伴い、合併の日で消滅する被合併法人が合併の時点でみなし配当の額を計算して源泉徴収をすることが不可能であること等から、みなし配当の基因となる自己株式の取得から除外されたものであるところ、株式移転に反対する株主の株式買取請求権については、そのような制度上の問題は生じないのであるから、これを同様に解することはできない。したがって請求人の主張を採用することはできない。(平22. 2. 3 東裁(所)平21-112)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平190006
- 裁決年月日
- 平成19年8月30日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A法人から金銭を借り入れた際に、担保として差入れた本件株式を同法人に譲渡していないから、所得税法(平成18年法律第10号による改正前のもの。以下同じ。)第25条《配当等の額とみなす金額》第1項第5号に規定する「自己の株式の取得」の事実はない旨主張する。しかしながら、A法人は、請求人が、本件契約証書等の約定のとおり債務を弁済しないことから、同約定に基づき、請求人の債務の弁済に充当するため自己の株式である本件株式を取得したものであり、所得税法第25条第1項第5号に規定する「自己株式の取得」に当たると認められる。したがって、この点に関する請求人の主張は採用できない。(平19. 8.30 関裁(所)平19-6)
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平180012
- 裁決年月日
- 平成18年9月1日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人が所持していた株式をその発行法人に譲渡したことは、譲受会社の自己株式の取得に当たり、当該譲渡金額の一部を配当の額とみなして行った原処分に対し、請求人は、同法人の自己株式の取得には商法の規定による株主総会の特別決議が必要であるところ、その手続が行われていないことから、同社による自己株式の取得は無効である旨主張する。 しかしながら、請求人は、同社及びその役員2名との間で訴訟上の和解をし、同和解の場で同株式を同社が買い受けたことについて相互に確認したこと及び同和解の当時の同役員2名の各所有株式数の合計は総株主の議決権の約89%に当たることから、同和解において、実質的には、同株式の買受けに係る同社の株主総会決議があったものということができ、かつ、同役員2名の所持する株式は、総株主の議決権の9割弱を占めていることから、上記株主総会に係る手続上の瑕疵は重大なものではなく、同株主総会決議の取消事由に止まるところ、同決議が取り消されたと認めるに足りる証拠はないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平18. 9. 1 関裁(所)平18-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170190
- 裁決年月日
- 平成18年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 医療法人Xの出資社員であった請求人が、Xから退社した際に退社返戻金として受領した出資持分相当額の金員(以下「本件退社返戻金」という。)について、請求人は、医療法によって株式会社が医療法人の経営主体となることが認められていないために、譲受人を株式会社Yの元社員と、譲渡代金を退社返戻金とするXの運営経営権移譲契約を締結したものであり退社返戻金の全額がYの保証のもとに資金調達されたものであるから、当該契約の本質はYにXの運営経営権をXの純資産価額で譲渡するという契約であり、本件退社返戻金は譲渡対価たるXの純資産価額相当額が出資持分に応じて配分して支払われたものであるから、本件退社返戻金のうち出資額を超える部分の金額は株式等の譲渡所得等に該当する旨主張する。 しかしながら、請求人が本件退社返戻金を受領した経緯、手続ないしその態様及びXが本社退社返戻金を支払ったことによる効果並びに本件退社返戻金の金額の算定根拠に関する事実によれば、本件退社返戻金は、所得税法第25条第1項第6号に規定する「法人の株主等が、当該法人からの退社により出資持分の払戻として交付される金銭」であると認めるのが相当であるから、本件退社返戻金のうち出資額を超える部分の金額は同項に規定するみなし配当に当たり、同法第24条第1項に規定する配当所得に該当するのであって、請求人がXを退社するという法形式を選択したことにより、請求人はXに対して退社返戻金の支払請求権を有し、Xは請求人に対してこれを支払う債務を負い、XはYの保証を受けて金融機関から借入れをしてこれを履行し、Yは請求人に対して直接の債権債務関係を有さないという当事者間の関係は、当事者の真意に沿って私法上有効に成立しているといえ、株式会社が医療法人の経営権を実質的に取得するという事情にかんがみれば、このような当事者の関係が請求人及びその他の出資者がYに対してXの経営権を譲渡するという動機ないし目的を実現するためのものとして著しく迂遠、複雑とまでいうことはできず、経済的にも合理性を有すると認められることからすると、社会通念上、到底その合理性を是認することができないとういうこともできないから、請求人の主張には理由がない。(平18. 6. 2 東裁(所)平17-190)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170190
- 裁決年月日
- 平成18年6月2日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702040
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/4収入すべき時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、医療法人Xからの退社により出資持分の払戻として交付された金銭の額(以下「本件退社返戻金」という。)及びXの関連法人の株式を譲渡して得た収入の金額(以下「本件株式譲渡収入」という。)は、その大部分を受領した平成14年において収入すべき金額である旨主張する。 しかしながら、所得税法第36条第1項に規定するその年において収入すべき金額とは、現実に収入すべき金額の支払のあった金額によるのではなく、収入すべきことが確定した金額によるべきことを示すいわゆる「権利確定主義」を原則とすることを明らかにしたものと解され、所得税法基本通達36−4(3)ハ、租税特別措置法通達37の10−1(3)ハ及び同通達37の10−1(1)の取扱いは当審判所においても相当と認められるから、本件退社返戻金のうち、配当とみなされる出資額を超える部分の金額及び株式等に係る譲渡所得に係る収入金額とみなされる出資相当額の収入すべき時期は、いずれも請求人がXを退社した平成13年12月31日と、本件株式譲渡収入の収入すべき時期は、上記株式の引渡しがあったものと認められる平成13年8月1日と認めるのが相当であり、請求人の主張には理由がない。(平18. 6. 2 東裁(所)平17-190)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平170053
- 裁決年月日
- 平成18年4月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、原処分庁が、請求人と請求人の旧役員ら(以下「本件旧役員ら」という。)との裁判上の和解(以下「本件各和解」という。)等により、本件旧役員らの請求人に対する損害賠償金の支払に代えて、請求人が本件旧役員らの所有する請求人の発行済株式(以下「本件株式」という。)を取得するに当たって、当該取得が所得税法第25条第1項第5号に規定する「自己の株式の取得」に該当し、本件旧役員らに交付した金銭(損害賠償金の額相当額の精算を含む。)で、請求人の資本等の金額のうち本件株式に対応する部分の金額を超える額が、所得税法第25条第1項に規定する配当の額とみなされるとして、配当所得に対する源泉所得税の各納税告知処分をしたところ、本件旧役員らへの金銭の交付は、当該裁判上の和解等の以前に本件旧役員らから交付を受けていた本件株式を担保権の実行として売却したことに伴う精算金の支払であり、実質的に当該株式を取得していないから、「自己の株式の取得」に該当する事実はないと主張する。しかしながら、一般的に、裁判上の和解により和解調書に記載された内容は、当事者双方の合意内容を正確に反映していると考えられ、和解調書に記載された条項は、通常、当事者による事実関係の認識に裏付けされていると考えられるから、その意義を解釈するに際しては、それが多義的であったり、不明確なものでない限り、文言に即して合理的、客観的に行われるべきは当然である。そうすると、本件各和解に係る各和解調書により、請求人が代物弁済を原因として本件株式の所有権を取得したことは、当該各和解調書の文言に即して理解する限り、いずれも疑いを容れる余地はないというべきである。したがって、請求人は、本件旧役員らから代物弁済等を原因として本件株式を取得したものであり、この取得は、所得税法施行令第61条第1項の「自己の株式の取得」から除かれる一定の事由による取得には当たらず、所得税法第25条第1項に規定する「自己の株式の取得」に該当する。(平18. 4.25 名裁(諸)平17-53)
- 支部名
- 金沢
- 裁決番号
- 平170005ほか 13件
- 裁決年月日
- 平成17年9月21日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集 №70・105ページ
要旨
○ 請求人は、商法第349条第1項に規定する反対株主の株式買取請求に基づき、株式発行法人が自己の株式を取得した日は、株主等が発行法人との間で能動的に行った契約の成立ないし法律行為の日、すなわち反対株主が株式買取請求権を行使した日であり、その日は商法等の一部を改正する等の法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律第44条第2項(本件経過措置)に規定する施行日(平成13年10月1日)前であるから、所得税法第25条第1項第5号に規定する自己の株式の取得を事由とするみなし配当課税は適用されない旨主張する。しかしながら、同号に規定する自己の株式の取得とは、株式発行法人がする証券取引所の開設する市場における購入による取得等以外の自己の株式の取得であり、本件自己の株式の取得は、反対株主の株式買取請求に応じて売買により取得したものであるから、本件自己の株式の取得の日については、売買の効力が生じたときがいつであるかに帰着するところ、売買では代金は重要な要素であるから、代金額が定まっていない場合には、売買の効力は生じないと解される。本件は、当事者間において株式買取価格が調わず、裁判所に商法第245条の3第3項の規定に基づき価格の決定を申請し、和解により株式買取価格が決定し、それに基づき株式発行法人が請求人に対して株式買取代金を支払い、請求人は株式発行法人に株券を引き渡したものであるから、その和解の日に、売買契約の効力が生じ、当事者双方が契約を履行したといえる。そうすると、本件における自己の株式の取得の日は、本件経過措置に規定する施行日以後となるから、所得税法第25条第1項第5号の規定が適用される。なお、最高裁昭和48年3月1日決定は、反対株主が株式買取請求権を行使したときは、法律上当然に会社と株主の間に売買契約が成立したのと同様の法律関係が生ずると判示するが、この法律関係とは、会社が株主から将来決定する価格で株式を買い取る義務を負い、株主が会社に同価格で株式を売り渡す義務を負うという法律関係をいうのであって、売買契約の効力が生じたことまでをいうものではない。(平17.9.21金裁(所)平17-5)
- 支部名
- 大阪
- 裁決番号
- 平170012
- 裁決年月日
- 平成17年9月9日
- 裁決結果
- 一部取消し
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A法人への株式の譲渡は通常の株式の売買であり、税務署の申告相談においても譲渡所得であるとの指導を受け、その指導に基づいて申告したものであるから、当該株式の譲渡による所得は譲渡所得となり、譲渡に係る訴訟費用は経費として控除されるべきである旨主張する。しかしながら、当該株式の譲渡は、所得税法第25条第1項に規定するみなし配当の課税要件事実を充足しているから、その譲渡対価のうち、A法人の資本等の金額のうち当該株式に対応する部分の金額を超える部分の金額はみなし配当に該当し、配当所得に係る収入金額となり、訴訟費用は、所得税法第24条第2項の規定により控除することはできない。また、譲渡対価のうち、みなし配当に係る収入金額以外の金額は、租税特別措置法第37条の10第4項の規定により譲渡所得に係る収入金額となるが、原処分は当該所得をないものとしているところ、請求人には本件株式の譲渡に係る所得以外に株式等の譲渡所得はなく、同条第1項の規定により損失の金額は生じなかったものとみなされるのであるから、たとえ訴訟費用のすべてが株式の譲渡に要した費用であったとしても、そのことは株式の譲渡所得の金額の計算における損失の額を増加させるだけで原処分の課税標準に影響を及ぼすものではない。(平17.9.9大裁(所)平17-12)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平170036
- 裁決年月日
- 平成17年9月7日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、貸付金に係る代物弁済として自己株式を取得し、その取得対価のうち、請求人の資本等の金額に対応する部分の金額を超え、その超える金額が所得税法第25条第1項第5号に規定する利益の配当又は剰余金の分配とみなす金額(以下「みなし配当の額」という。)に該当するとしてなされた源泉徴収に係る所得税の納税告知処分について、その取得対価が時価を大きく逸脱した高額買取り(代物弁済)であることから、法人税法上の寄附金の課税問題として考えるべきであり、法人税基本通達9−1−13及び9−1−14に基づき、本件株式の適正な時価を検討すれば、みなし配当の額は、減額されるはずである旨主張する。しかしながら、本件の経緯に徴すると、当該取得対価の額には経済合理性があり、正常な取引に基づいたものであると認められるから、請求人の主張は採用できない。(平17.9.7東裁(諸)平17-36)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平150055
- 裁決年月日
- 平成16年3月10日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、請求人が所有していたA社の株式(以下「本件株式」という。)を当該法人に引き渡したことにより受領した金額に係る所得はすべて譲渡所得となり、みなし配当所得に認定した原処分は違法である旨主張する。しかしながら、①A社の臨時株主総会の議事録には、請求人らの所有する同法人の株式を有償で消却するとの決議がなされた旨の記載があること、及び②A社は、平成12年12月期の決算において、本件株式の減資の処理を行っていることからすると、請求人が本件株式をA社に引き渡したことにより交付を受けた金額は、本件株式の消却を基因とするものであることが認められる。そうすると、請求人がA社から受けた金額のうち、当該法人の資本等の金額に対応する部分を超える金額は、利益の配当又は剰余金の分配とみなすこととなる。したがって、請求人の主張には理由がない。(平16.3.10名裁(所)平15-55)
- 支部名
- 名古屋
- 裁決番号
- 平130095
- 裁決年月日
- 平成14年6月27日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702040
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/4収入すべき時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、定期株式総会において配当金支払決議をされているにもかかわらず、法人が本件配当金を支払わないのは、配当請求権の前提である本件株式の所有権の帰属が争われているからであり、本件配当金は所得税基本通達36−5によりその判決、和解等のあった日が収入計上時期であると主張するが、法人は定時株主総会における配当金支払決議後、配当金を現金にて株主に支払を行なっており、現実に請求人は平成11年分を除き本件配当金を受領していると認められ、法人が本件株式の所有権の帰属を争って支払わないという事実はないから、請求人の主張には理由がない。なお、平成11年分については、請求人は本件配当金を受領していないが、法人は定時株主総会において配当金支払決議を行なっているから、請求人は法人に対して本件配当金に係る配当請求権を有している以上、所得税法第36条第1項の規定により、本件配当金の収入計上時期は、実際に本件配当金の支払いを受けた時期ではなく、たとえ未収であっても、収入すべき金額すなわち本件配当金に係る権利の確定した時期において収入に計上すべきである。(平14. 6.27名裁(所)平13-95)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平130021
- 裁決年月日
- 平成14年3月28日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702040
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/4収入すべき時期
- 事例集登載頁
- 裁決事例集No.63・123ページ
要旨
○ 請求人は、請求人が合名会社を退社するに当たり受領したみなし配当所得の収入すべき時期について、同社社員総会において退社に関する総社員の同意があった平成11年5月28日であると主張し、原処分庁は、請求人が同社を退社した旨の変更登記がされた平成10年8月4日であると主張する。しかしながら、請求人が同社代表社員との間で作成した公正証書には、請求人が平成10年7月2日付で同社を退社することについて総社員が同意した旨の記載があり、本件公正証書の記載内容は真正かつ有効なものと認められるから、本件総社員の同意があった日は、同日と認められる。そうすると、請求人の退社事由は同社定款に定める総社員の同意に基づくものであることについては争いがなく、所得税基本通達36−4(3)イに定める請求人の退社の事実のあった日は、平成10年7月2日と認めるのが相当であり、同日が配当所得の収入すべき時期である。(平14. 3.28仙裁(所)平13-21)裁決事例集NO63・123ページ
- 支部名
- 関東信越
- 裁決番号
- 平130054
- 裁決年月日
- 平成14年2月25日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、本件土地をA合名会社の代表者であった被相続人からの相続によって取得したもので、本件相続に係る相続税の申告及び納付は行われており、本件土地は、A合名会社の残余財産の一部の分配によって取得したものではない旨主張する。しかしながら、本件土地については、その取得時にA合名会社名義で所有権保存登記がなされ、本件土地の譲渡に至るまでの間、所有権移転登記はなされておらず、当審判所の調査によっても、被相続人が本件土地を取得しながら、何らかの理由によってA合名会社名義で登記しなければならなかったとの事情は何らうかがわれないところからすると、本件土地は、少なくとも、その取得時以降、A合名会社が所有しており、被相続人が死亡した当時、同人が所有していたものではないと推認するのが相当である。この点、請求人らが本件相続税の申告及び納付を行ったことが認められるが、そのことが直ちに被相続人がその死亡時に本件土地を所有していたことを示すものでないことは明らかであり、請求人の答述も本件相続税の申告内容を明らかにするものではなく、他に、本件相続税の申告において、本件土地自体が相続財産とされていたと認めるに足りる証拠はない以上、上記推認が覆されるものではない。したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平14. 2.25関裁(所・諸)平13-54)
- 支部名
- 東京
- 裁決番号
- 平120110ほか 2件
- 裁決年月日
- 平成13年3月23日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、譲渡した土地の取得は相続によるものであり、請求人が出資持分を有していた合名会社の残余財産の一部の分配によるものではない旨主張するが、請求人の主張を認めるに足る証拠資料の提出はなく、当該土地の登記簿等によれば、同社が取得し保存登記をして所有していた土地の一部を、同社の解散に伴う残余財産の一部の分配により取得したものと認めるのが相当であるから、当該土地の取得は、所法第25条の規定により配当所得として所得税の課税対象となり、当該土地は分配を受けた日に譲渡していると認められるから、原処分庁が、配当所得の金額を当該土地の譲渡価額に基づき算定したことは相当である。(平13.3.23東裁(所)平12−110)
- 支部名
- 仙台
- 裁決番号
- 平080026
- 裁決年月日
- 平成9年3月12日
- 裁決結果
- 棄却
- 争点番号
- 200702030
- 争点
- 7配当所得/2所得の発生/3みなし配当
- 事例集登載頁
- 裁決事例集には登載しておりません
要旨
○ 請求人は、A社所有の建物が競売された上で交付を受けた競売剰余金を、原処分庁がみなす配当所得に該当するとして所得税の更正処分をしたことに対し、A社の出資持分は被相続人であるBから負担付包括遺贈されて取得したものであり、受遺者たる請求人には相続税法により相続税が課税されるべきであるから違法である旨主張する。しかしながら、請求人はBの相続開始によりA社の出資持分を相続により取得しており、配当異議訴訟における和解により、請求人が所有する当該法人に対する出資口数に応じ交付を受けた金員の性格は、当該法人からの退社又は脱退により持分の払戻しとして交付される金銭に該当することから、所法第25条第1項第2号に規定するみなす配当所得に該当するから、請求人の主張には理由がない。(平 9. 3.12仙裁(所)平 8-26)
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