裁決要旨 3履行のための譲渡

裁決要旨 3履行のための譲渡

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支部名
東京
裁決番号
令060025
裁決年月日
令和6年9月4日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、所有する株式を貸金の保証債務の譲渡担保に供する目的で、同貸金の貸主(本件債権者)との間で当該株式の譲渡(本件株式譲渡)に係る契約を締結したが、その後、主債務者(本件債務者)が返済資金の調達をすることができなかったため、本件株式譲渡に係る譲渡代金により保証債務を履行することとし、本件株式譲渡を実行したことから、保証債務の履行のための資産の譲渡であった旨主張する。しかしながら、本件株式譲渡に係る契約書には譲渡担保である旨の記載はなく、その後の本件債権者からの譲渡代金債務及び保証債務の清算についての提案が記載された書面等にも、譲渡担保であった旨の記載や本件株式譲渡の代金で貸金が弁済された旨の記載はないこと等からすると、本件株式譲渡は、契約締結時に譲渡担保の趣旨であったとも、保証債務を履行するために譲渡の実行日が定められたとも認められず、その後、本件株式譲渡に係る残代金が保証債務の履行に充てられることが確定したのが、本件株式譲渡から2年半以上が経過した後であることを総合すると、本件株式譲渡は、保証債務の履行のための資産の譲渡であったとは認められない。(令6. 9. 4 東裁(所)令6-25)

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支部名
東京
裁決番号
令060025
裁決年月日
令和6年9月4日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、関係者に騙されて、請求人の所有する株式の譲渡契約書が偽造されたため、同契約書の譲受人(本件譲受人)との事実上の和解として、本件譲受人と新たに株式譲渡契約を締結し直し、当該株式の譲渡(本件株式譲渡)をした旨、また、保証債務を履行するためにも本件株式譲渡をした旨主張する。しかしながら、仮に、本件株式譲渡が騙されて請求人所有の株式が売却されてしまったことの事実上の和解として締結されたのであれば、本件株式譲渡は保証債務の履行とは無関係に行われたものといわざるを得ず、また、本件株式譲渡に至る経緯を具体的に明らかにする証拠が提出されていないことなどから、本件株式譲渡は保証債務の履行のための資産の譲渡であったとは認められない。(令6. 9. 4 東裁(所)令6-25)

支部名
大阪
裁決番号
平260025
裁決年月日
平成26年11月18日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人所有の土地及び建物の譲渡(本件譲渡)につき、所得税法第64条《資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例》第2項に規定する課税の特例(本件特例)の適用要件の全てを満たすから、本件譲渡には、本件特例が適用できる旨主張する。しかしながら、本件特例の適用要件のうち保証債務を履行するために資産を譲渡し、保証債務を履行したとの要件を満たしているかどうかを検討するに、本件譲渡に係る譲渡代金が債務者名義の口座に入金され、同口座から債権者に対して返済(本件返済)されていることなどから、形式的には、請求人による保証債務の履行とはいえない。また、本件返済に係る経緯全体をみると、①債務者は、直ちに債権者に対し債務の清算をしなければならない状況にあったとはいえない、②債権者が請求人に対する代位弁済の請求を直ちに予定していた状況であったとはいえない、③本件返済は、債務者の保証債務を履行する差し迫った必要がない中でされたものといえる、④債権者に、債務者から直ちに債権を一括回収しなければならない事情は認められない、⑤本件譲渡は、債権者からの要請により行われたものとはいえず、一貫して請求人の主導で行われたものといえることなどから、実質的にも、請求人が本件譲渡に係る譲渡代金を原資とする資金を債務者に貸し付けた上、債務者が当該資金をもって、融資の返済を行ったものとみるのが相当であって、本件返済を請求人による保証債務の履行と認めることはできない。したがって、本件譲渡には、本件特例は適用できない。(平26.11.18 大裁(所)平26-25)

支部名
大阪
裁決番号
平250057
裁決年月日
平成26年5月21日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○請求人は、請求人が代表取締役であるA社の債務を担保するため根抵当権を設定していた各土地の譲渡(本件譲渡)について、所得税法第64条《資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例》第2項の「保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合」及び所得税法基本通達64−4《保証債務の履行の範囲》(5)の「他人の債務を担保するために抵当権を設定した者がその債務を弁済した場合」に該当し、かつ、A社に対する求償権は行使不能であるから、同項に規定する課税の特例が適用される旨主張する。しかしながら、請求人が各債権者に行った各返済(本件各返済)は、形式的にはA社から各債権者に対する債務の弁済となっており、請求人による保証債務の履行とはいえないことから、本件各返済をみて、実質的に保証債務の弁済があったものというべき場合か否か検討したところ、①A社は直ちに各債権者に対し債務の精算をしなければならない状況にあったとはいえないこと、②請求人は各債権者から要請を受けたわけではないのに自主的に本件譲渡を決めたこと、③請求人は、本件譲渡に係る代金の一部をA社の口座に振り込んでA社に貸し付け、A社において各債権者の各借入金の弁済に充てる形でA社に返済をさせた後、これら借入金の弁済分とその他の請求人のA社に対する貸付金債権とを区分することなく、その総額のうち、A社における債務超過額と同額について債権放棄していることが、それぞれ認められる。このような本件各返済等に係る経緯全体をみると、実質的にも、譲渡代金の流れ及びA社の会計処理のとおり、請求人が本件譲渡に係る代金の一部を原資とする資金をA社に貸し付けた上、A社が当該資金をもって、各債権者に対し各借入金の弁済を行ったものとみることが相当である。したがって、本件譲渡は、所得税法第64条第2項の「保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合」に該当しない。(平26. 5.21 大裁(所)平25-57)

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支部名
東京
裁決番号
平240191
裁決年月日
平成25年4月4日
裁決結果
全部取消し
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集№91

要旨

○ 原処分庁は、請求人の亡父(本件被相続人)による不動産(物件1)の譲渡は、本件被相続人の亡母の相続税の納税資金を捻出するための譲渡であり、その他の不動産(物件2)の譲渡は、その譲渡の時点において、本件被相続人が連帯保証債務を返還するのに十分な資金を既に保有していたので、両不動産(物件1及び物件2)の譲渡はいずれも保証債務の履行のために譲渡したものではないから、所得税法第64条《資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例》第2項に規定する特例(保証債務の特例)は適用されない旨主張する。しかしながら、保証債務の特例を適用するためには、①債権者に対して債務者の債務を保証したこと、②上記①の保証債務の履行のための資産の譲渡であること、③上記①の保証債務を履行したこと、及び④上記③の履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができなくなったことの4つの実体的要件が必要であるところ、上記実体的要件の②は、資産の譲渡による収入が保証債務の履行に充てられたというけん連関係を要求するものと解され、資産の譲渡による収入の一部が保証債務の履行に充てられていないことをもって、直ちに上記②の実体的要件を欠くことになるものではない。また、譲渡者の資産の保有状況は、保証債務の特例の適用要件であるとは解されない。(平25. 4. 4 東裁(所)平24-191)

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支部名
東京
裁決番号
平200187
裁決年月日
平成21年6月5日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集No.77・111ページ

要旨

○ 請求人は、土地の譲渡代金によって保証債務を履行するつもりであったが、直ちに土地を譲渡することができなかったため、やむを得ず親族からの借入金と自己資金によって保証債務を履行し、土地を譲渡した後、手持ち現金により当該借入金を返済しているところ、以上の経緯からすると、本件譲渡は実質的に保証債務を履行するためのものというべきであり、「保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合」に該当し本件特例の適用がある旨主張する。しかしながら、本件特例を適用するためには、①債務の保証をしたこと、②保証債務の履行のために資産を譲渡したこと、③保証債務を履行したこと及び④履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができなくなったことの4つの実体的要件が必要であると解されるところ、本件譲渡は、保証債務の履行から3年以上経過してから行われている上、当該親族からの借入金の返済は自己資金により行われており、譲渡代金が当該借入金の返済に充てられた事実は認められないので、本件譲渡は実質的に保証債務を履行するための資産の譲渡であったとはいえず、譲渡代金と保証債務の履行との間に因果関係は認められないから、上記実体的要件②を充足しない。したがって、本件譲渡は「保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合」には該当しないから、本件特例の適用はない。(平21. 6. 5 東裁(所)平20-187)

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支部名
東京
裁決番号
平190220
裁決年月日
平成20年6月26日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、実質的にみて資産譲渡に係る代金が保証債務の履行に充てられているので、所得税法第64条第2項に規定する所得計算の特例の適用は認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件においては保証債務は主たる債務の履行によって消滅したものであって、請求人には保証債務の履行の事実はないこと、及び資産譲渡は上記保証債務消滅後に行われたものであることから、本件における資産譲渡は当該特例の適用を受けるために必要な実体的要件を欠いており、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平20. 6.26 東裁(所)平19-220)

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支部名
名古屋
裁決番号
平190086
裁決年月日
平成20年5月9日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、更正の請求により、請求人の譲渡所得の計算において所得税法第64条第2項に規定する保証債務の特例を適用することを認めるべきである旨主張する。しかしながら、請求人の提出した確定申告書には、保証債務の特例の適用を受ける旨を記載はないのであるから、請求人は、所得税法第64条第3項所定の保証債務の特例の適用要件を満たしておらず、また、当審判所の調査によっても当該記載のなかったことについて、同条第4項に規定する「やむを得ない事情」があるとは認められない。そうすると、請求人の確定申告は、所得計算の特例や特別措置で一定事項の申告等を条件に適用が認められているものについて、申告等をせずその適用が認められなかったとしても、国税通則法第23条第1項第1号にいう「納税申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額が過大であるとき」に該当しない。なお、本件確定申告書の提出前の平成13年10月○日に、主たる債務者は既に破産宣告をされており、請求人は本件確定申告書の提出後に求償権を行使することができなくなったものではないことから、所得税法第152条の適用も認められない。以上のことから、請求人の譲渡所得の計算において、更正の請求により、保証債務の特例を適用することはできない。(平20. 5. 9 名裁(所)平19-86)

支部名
沖縄
裁決番号
平190001
裁決年月日
平成19年9月19日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、所得税法第64条第2項の適用を求めて行った国税通則法第23条第1項第1号の規定による更正の請求(以下「本件更正の請求」という。)をしたことに対し、原処分庁が更正をすべき理由がないとして行った通知処分は違法である旨主張する。 しかしながら、所得税法第64条第3項が本件特例の要件として確定申告書にその適用を受ける旨その他財務省令で定める事項の記載を要求しているのは、本件特例が例外的な減免措置であることにかんがみ、特にその適用を自ら積極的に希望する者のみに適用を許すという趣旨によるものであることからすれば、請求人が確定申告の際に適用を求めることを明示しなかった以上、本件特例の要件を満たしていても、同法第152条の規定による更正の請求をする場合及び同法第64条第4項の規定に該当する場合を除き、本件特例は認められないものと解せられる。 ここでいう「所得税法第152条の規定による更正の請求をする場合」とは、本件の場合、確定申告書の提出後に同法第64条第2項に規定する事実、すなわち、求償権の行使が不能となった事実が生じ、当該事実の生じた日の翌日から2月以内に行われる国税通則法第23条第1項による更正の請求が行われる場合を指すものと解せられる。 これを本件についてみると、請求人は、確定申告書の提出後本件更正の請求書を提出するまでの間に求償権の行使が不能となった事実についての主張をしておらず、それどころか既に平成13年6月には本件保証債務に係る求償権の行使が不能であると認識している。さらに、確定申告書の提出後本件更正の請求書を提出するまでの間に請求人から求償権の行使が不能となる事情が生じたことを窺わせる事実は認められない。したがって、本件更正の請求は、確定申告書の提出後による求償権の行使不能の事実が生じたことを理由とする所得税法第152条の規定に基づく更正の請求とは認められず、請求人は確定申告書及び確定申告書に添付した譲渡所得の内訳書のいずれにも本件特例の適用を受ける旨及び財務省令に定める事項の記載をしていないことから、同法第64条第3項の規定により本件譲渡について、本件特例は適用できない。 また、所得税法第64条第4項は、確定申告書に本件特例の適用を受ける旨その他財務省令で定める事項の記載がない場合にも、その旨の記載がなかったことについてやむを得ない事情があると認められるときは、本件特例を適用することができる旨規定する。 この趣旨は、所得税法第64条第3項の手続要件の欠缺が納税者の責めに帰することができない場合にまで、同項を形式的に適用することによって生じ得る不都合を回避する点にあるから、同条第4項に規定する「やむを得ない事情」とは、自然災害や事故による書類の紛失等、客観的に納税者の責めに帰することができない事情をいうものと解するのが相当である。 そこで、本件についてやむを得ない事情の有無についてみると、請求人は、求償権の行使が不能となった場合に本件特例が適用できることを知らなかったものであるところ、法の不知は、客観的に納税者の責めに帰することができない事情には該当せず、本件更正の請求書にはやむを得ない事情についての記載がない上、原処分関係資料及び当審判所の調査によっても確定申告書に本件特例を受ける旨を記載しなかったことについて、客観的に請求人の責めに帰することができない事情があったとは認められないから、所得税法第64条第4項に規定する「やむを得ない事情」はなかったというべきである。 したがって、請求人は、所得税法第64条第3項に規定する手続要件を満たしておらず、そのことについてやむを得ない事情があるとは認められないから、同法第64条第2項に規定する要件を判断するまでもなく、本件特例を適用することはできない。(平19. 9.19 沖裁(所)平19-1)

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支部名
名古屋
裁決番号
平180076
裁決年月日
平成19年6月27日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、自己の所有する土地(以下「本件土地」という。)の譲渡(以下「本件譲渡」という。)は、請求人が代表者を務めていた会社(以下「関係会社」という。)の借入金(以下「本件借入金」という。)を返済するために行ったものであり、請求人は、保証人として本件土地の譲渡代金をもって本件借入金を代位弁済したものであるから、本件譲渡については、所得税法第64条《資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例》第2項に規定する保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の課税の特例(以下「本件特例」という。)の適用がある旨主張する。 しかしながら、所得税法第64条第2項によれば、その譲渡代金の全部又は一部を保証債務の履行に充てていることが本件特例の要件であるところ、関係会社の総勘定元帳には、関係会社は同社の所有していた建物の譲渡代金から本件借入金を返済している旨の記載があり、本件土地の譲渡代金は請求人自身の借入金の返済等に充てられていると認められることから、本件譲渡については、本件特例の適用を受けることはできない。(平19. 6.27 名裁(所)平18-76)

支部名
東京
裁決番号
平180198
裁決年月日
平成19年3月6日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、主たる債務者の債務を連帯保証していたところ、同債務者の返済が滞ったため、債権者から保証債務の履行を求められ、請求人の所有する本件賃貸物件の賃貸料を本件弁済に充てた。請求人は、確かに本件弁済は、本件保証債務を履行するために資産を譲渡したことによる収入を充てたものではないが、不動産所得の金額の計算においても、所得税法第64条第2項を適用し、本件弁済金額は、これをなかったものとみなし、各年分の不動産所得の総収入金額を計算すべきである旨主張する。 所得税法第64条第2項は、保証債務を履行するため資産の譲渡をした場合において、その履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができないときは、その行使することができないこととなった金額に対応する部分の金額は、譲渡所得等の金額の計算上、なかったものとみなす旨規定している。 すなわち、同項を適用するためには、①債権者に対して債務者の債務を保証したこと、②保証債務履行のために資産を譲渡したこと、③保証債務を履行したこと、④履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができないことの、全ての要件を充足していることが必要であると解される。 これを本件についてみると、本件各弁済金額は、本件保証債務を履行するために資産を譲渡した代金ではないことは明白であるから、所得税法第64条第2項を適用することはできない。 したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平19. 3. 6 東裁(所)平18-198)

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支部名
仙台
裁決番号
平180004
裁決年月日
平成18年11月29日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、不動産の譲渡は主たる債務者である法人の債権者である金融機関からの催告に応じ、弁済資金を捻出するため、やむを得ず行ったものであり、その譲渡代金は同社の債務弁済に充当された旨及び代位弁済の相手方を明確にするため法人の預金口座を通過させているから、保証債務の特例は認められるべきである旨主張する。 しかしながら、金融機関に対する支払については、①法人の預金口座を通して金融機関に返済されていること、②金融機関の各融資担当者は、法人としての債務返済と認識し、また、請求人に対して代位弁済の催告及び代位弁済に関する受領書の発行を行っていない旨申述していること、③請求人も金融機関から代位弁済の催告は受けておらず代位弁済に関する受領書を受け取ってはいない旨答述していることから、法人が自らの債務を返済したものと認めるのが相当であり、請求人の保証債務の履行に当たらないから、金融機関に対する支払いについて、保証債務の特例を適用することはできない。 なお、請求人が保証債務の履行をする際に、債務者である法人の預金口座を通すことは代位弁済の相手方を明確にすることに何ら資するものではない。 (平18.11.29 仙裁(所)平18-4)

支部名
広島
裁決番号
平170032
裁決年月日
平成18年3月28日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、求償権が行使不能になる前に作成した債権者に対する保証書の存在等により保証債務を負っていたことは明らかであり、本件株式の譲渡代金により保証債務を履行した旨主張する。しかしながら、各種事実を総合すると、同保証書等が真性に作成されたものとは認められないことから、請求人が保証債務を負っていたとは認められず、また、譲渡代金と保証債務の履行の間に因果関係を認めることはできない。したがって、本件譲渡が保証債務履行のために行われたものとは認められないことから、原処分は相当である。(平18.3.28広裁(所)平17-32)

支部名
大阪
裁決番号
平160088
裁決年月日
平成17年5月24日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、主たる債務者は債権者の主導により会社再建を図っているところ、その同意の下に行われた請求人の主たる債務者への土地建物の贈与は、実質的には請求人の債権者に対する保証債務の履行であると主張する。しかしながら、所得税法第64条第2項に規定する保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合とは、一般的には資産を譲渡し、その譲渡代金で保証債務を履行した場合又は保証債務を代物弁済した場合における資産の譲渡をいうものであると解するところ、本件では、贈与により土地建物の所有者は主たる債務者に変更され、売却までの期間、土地建物は債権者への担保に供され、土地建物を売却し売却代金を得ているのは主たる債務者であることから、請求人の主たる債務者への土地建物の贈与は請求人の主たる債務者への私財提供と解され、当該土地建物を譲渡してその譲渡代金で保証債務を履行したことにも、土地建物をもって債権者に代物弁済したことにも当たらないから、請求人が行った土地建物の贈与をもって保証債務を履行したということはできず、したがって、本件の土地建物の贈与は保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合に該当しない。(平17.5.24大裁(所)平16-88)

支部名
高松
裁決番号
平160011ほか 1件
裁決年月日
平成16年12月21日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、物上保証していた債務者の金融機関に対する借入金債務を本件土地の譲渡代金により弁済したから、所得税法第64条第2項に規定する保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合の譲渡所得の特例が適用できる旨主張するが、本件土地の譲渡代金の流れ、債務者の経理処理及び金銭消費貸借契約の状況からみて、本件土地の譲渡代金は、債務者に貸し付けられ、債務者はこれを返済の原資として自己の債務を弁済したものと認められるから、保証債務を履行するために資産を譲渡した場合には当らない。(平16.12.21高裁(所)平16-11)

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支部名
東京
裁決番号
平150342
裁決年月日
平成16年6月25日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
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要旨

○ 請求人は、本件借入金の返済に備えて本件譲渡をしたこと及び本件譲渡代金の一部は本件預金口座を通じて本件代位弁済に充てたことから、本件譲渡所得の金額の計算上、保証債務の特例を適用すべきである旨主張する。しかしながら、①請求人が主張する本件譲渡の経緯は不自然であること、②平成12年1月から元夫からの生活費の入金がないこと、③本件計算明細書に記載されている譲渡理由は「他の資産を購入するため及び子供達教育費を捻出するため」であること、並びに④元夫との婚姻費用の負担に係る事件の審判の「理由」欄には「生活費に充てる目的で、相続により取得した不動産を売却した」と記載があることからすれば、請求人の本件譲渡の目的は、本件借入金に係る保証債務を履行するためではなく、生活費を捻出するためであるとみるのが相当である。また、本件譲渡代金の一部は本件代位弁済に充てられたことは認められるものの、請求人自身が本件譲渡代金の一部を原資として金員を運用し、その運用された後の金員をもって、本件譲渡から約1年6か月後に本件代位弁済がなされたものと認められる。これらのことからすれば、「保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合」とは認められないので、本件譲渡所得の金額の計算上、本件特例を適用することはできない。(平16.6.25東裁(所)平15-342)

支部名
大阪
裁決番号
平150095
裁決年月日
平成16年6月16日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、保証債務を履行するためにやむを得ず本件土地等を売却したのであるから、保証債務履行のための譲渡に該当する旨主張をするが、本件においては、主たる債務者が請求人から本件譲渡代金を借り入れ、自らが本件借入金を弁済したというべきであるから、本件土地等の譲渡は、保証債務を履行するためになされたものとは認められない。(平16.6.16大裁(所)平15-95)

支部名
関東信越
裁決番号
平140115
裁決年月日
平成15年6月18日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、①本件借入金について、いずれも請求人が連帯保証人になっており、各債権者が本件土地建物に抵当権を設定し、②本件譲渡代金から請求人が本件借入金を返済し、また、③請求人の保証債務の履行に伴う主たる債務に対する求償権は、その全部の行使が不可能であるから、本件特例の適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、請求人は、各債権者から保証人としてその保証債務の履行を求められた事実はなく、本件建物が古くなり改装するためには多額の資金が必要となることから、本件土地建物を売却したものと認められ、本件借入金は、いずれも各返済期限前に各債権者に返済されていることからすれば、本件譲渡は、請求人の保証債務の履行を余儀なくされたために行われたものと認めることはできない。また、主たる債務者であるA社は本件譲渡代金の大部分を請求人から借り入れ、その一部を主たる債務者として自己の債務の返済資金に充て、その残額をA社の事業資金の一部に充てたものとみるべきであり譲渡収入が保証債務の履行に充てられたと認めることはできない。したがって、本件特例の適用に関するその他の点について判断するまでもなく、本件特例を適用することはできないのであるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平15.06.18.関裁(所)平14-115)

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支部名
熊本
裁決番号
平140015
裁決年月日
平成15年3月25日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、解散した法人の無限責任社員としての責任から、解散した法人の負債を請求人の借入金で返済していたところ、本件各譲渡は、当該借入金の返済に充てるためのものであり、解散した法人に対する求償権の行使は不可能であることから、所得税法第64条第2項に該当する。また、解散した法人の無限責任社員5名の内3名については、資力がないことから求償権の行使は不可能であり、請求人にとって求償権の行使が可能な者は2名であると主張する。しかしながら、請求人が譲渡代金の一部については、解散した法人の保証債務の履行に充てられているとは認められない。また、無限責任社員5名の内4名については、それぞれ解散した法人の債務の返済等を行うなど資産を保有していることから、資力がなく求償権の行使が不可能であるとは認められない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平15.03.25.熊裁(所)平14-15)

支部名
名古屋
裁決番号
平140004
裁決年月日
平成14年8月29日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が代表取締役を務めるA社の運転資金として、請求人の夫が農協から融資(本件融資)を受けた際連帯保証人となったが、その後、同社が倒産し、夫が本件融資を返済できなかったため、請求人の所有する土地を譲渡した代金で本件融資及び利息(本件債務)を返済したのであるから、保証債務を履行するための譲渡であり、所得税法第64条第2項の規定(本件特例)に該当する旨主張する。しかしながら、請求人は夫の保証人になった事実は認められるものの、夫が本件融資の最終返済期限前に、請求人から振り込まれた金員を原資として、本件融資を返済していることからすると、請求人が債権者である農協から保証債務の履行の請求を受けて当該保証債務を履行したものとは認められない。さらに本件債務が返済されたときにおいて、請求人の夫には相当な収入、資産の保有が認められることからすると、請求人には保証債務の履行に伴う求償権の全部又は一部を行使できなくなったことにもならないから、本件特例を適用する余地はない。(平14.08.29.名裁(所)平14-4)

支部名
沖縄
裁決番号
平130011
裁決年月日
平成14年6月7日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、債権者から履行請求があった日が債務の弁済期限であり、保証債務の履行義務が確定するから、その後に行われた資産の譲渡は、保証債務を履行するための譲渡であり、所得税法第64条第2項に規定する特例が適用される旨主張する。しかしながら、資産の譲渡時において、債権者は請求人に対し保証債務の履行を求めていないこと及び債務の弁済期限は到来していないことから、請求人の保証債務の履行義務は確定せず、請求人が保証債務を履行しなければならない状況にまで立ち至っていたとは認められないから、本件譲渡は保証債務を履行するための資産の譲渡とは認められない。したがって、請求人の主張は採用できない。(平14. 6. 7.沖裁(所)平13-11)

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支部名
東京
裁決番号
平130215
裁決年月日
平成14年3月29日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人が本件土地の譲渡により返済した本件借入金は、請求人が本件合資会社の無限責任社員であった頃に同社の債務弁済のために借り入れたものであるところ、当該債務弁済は、請求人が無限責任社員として保証債務を履行したものではなく、請求人自身が借り入れた本件借入金を同社に貸し付けたものであると認められ、さらに、本件借入金の返済資金は、当初、同社所有の経営権の一括譲渡代金により捻出されることが予定されていたが、当該経営権の譲渡ができないため本件土地の譲渡に至ったものであり、本件土地の譲渡は保証債務の履行のためのものとは認められないから所得税法第64条第2項の適用はない。(平14. 3.29東裁(所)平13-215)

支部名
仙台
裁決番号
平120031
裁決年月日
平成13年5月30日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
業種
会社役員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人が代表者となっている会社が経営不能であるため、借入金の返済ができない状況であることから、銀行からの借入金返済の催告の有無にかかわらず、やむなく本件土地を譲渡して本件保証債務を履行したものであるから、所法第64条第2項に規定する特例の適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、本件特例の要件を充たすためには、資産の譲渡が保証債務の履行を余儀なくされたために行われたものであること、すなわち、主たる債務者が債務の履行期に至っても履行しないため、連帯保証人に対して保証債務の履行の催告があった場合と解すべきである。これに基づき本件について判断すると、請求人が経営する会社の債務については、請求人による代位弁済がなされるまで約定どおりに履行され、また、債権者である銀行は、同会社及び請求人に対して債務弁済の催告をした事実も認められず、さらに、請求人が、連帯保証人として保証債務の履行を迫られていたと認められる特段の事情もない。したがって、本件土地の譲渡は、保証債務の履行を余儀なくされたためになされたものとは認められないことから、本件特例を適用することはできないとするのが相当である。(平13.5.30仙裁(所)平12−31)

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支部名
東京
裁決番号
平120130
裁決年月日
平成13年4月12日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
業種
会社役員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件土地を譲渡し、その譲渡代金から本件借入金を返済したのは実質的に保証債務の履行に当たり所法第64条第2項に規定する特例の適用を受けることができる旨主張するが、本件借入金はその一部を請求人が代表取締役を勤める法人Aが銀行からの借入をすることにより、残りは株式会社Bが債務引受けをして弁済していることから、請求人が本件土地の譲渡により保証債務の履行をした事実は認められず本件特例を受けることはできない。(平13.4.12東裁(所)平12−130)

支部名
福岡
裁決番号
平120019
裁決年月日
平成13年2月8日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、保証債務の履行は形式上は銀行からの借入金によってなされているが、その借入金は譲渡代金で設定した定期預金の満期解約金で返済されていることから、実質は譲渡代金で保証債務を履行したことと全く同じである旨主張する。しかしながら、請求人は、保証債務の履行前に土地の譲渡を行い、保証債務の額を上回る譲渡代金を受領しながら、譲渡代金を保証債務の履行に充てずに銀行からの借入金でもって保証債務を履行していることから、所法第64条第2項の適用は認められない。(平13.2.8福裁(所)平12−19)

支部名
金沢
裁決番号
平120005
裁決年月日
平成12年12月27日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
業種
会社員
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、(1)本件土地の譲渡は、請求人と各債権者との間で主たる債務者の債務を清算することについての話を重ねた上での行為であるから、たとえ、各債権者から書面による督促や催告の通知を受けていなくても、保証債務を履行するための譲渡であり、(2)請求人が主たる債務者の借入金の返済について、直接各債権者に支払わなかったのは、主たる債務者を経由することによって、保証債務を履行していることをより一層明確になると考えたからである旨主張する。しかしながら、(1)主たる債務者について、請求人が連帯保証している借入金の返済を返済期限までに完済したことにより保証債務は消滅しているから、その行為は、主たる債務者を自主廃業させるために、各債権者に単に債務の返済方法等を相談したものと認めるのが相当であること、(2)保証債務の履行義務は、債権者から保証人に対して保証債務の履行義務の請求があって初めて発生するものであるから、主たる債務者を経由したとしても、保証債務の履行とは認められないことから、本件土地の譲渡が保証債務を履行するための資産の譲渡と認められず、本件特例を適用することはできない。(平12.12.27金裁(所)平12−5)

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支部名
大阪
裁決番号
平110077
裁決年月日
平成12年3月2日
裁決結果
一部取消し
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 原処分庁は、乙債務の弁済期日前に、債権者であるK信用金庫から法的な保証債務の履行の請求がないにもかかわらず、請求人が任意に弁済をしたとしても、それは主たる債務者の債務不履行に基づく保証債務の履行には当たらない旨主張する。しかしながら、所法第64条第2項の規定上、債権者からの保証債務の履行の請求がないにもかかわらず、主債務の弁済期日前に代位弁済をした場合は保証債務の履行に当たらないと限定的に解釈することはできず、また、請求人は、K信用金庫から乙債務の月次返済金について督促を受け、債務不履行になった場合の保証人の責任についての説明を受けた上で、乙債務に係る連帯保証人としての責任を果たすべく本件不動産を譲渡し、K信用金庫に対し代位弁済をしたことが認められるから、これらの点に関する原処分庁の主張はいずれも理由がない。(平12. 3. 2大裁(所)平11-77)

支部名
名古屋
裁決番号
平110072
裁決年月日
平成12年2月28日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、保証人としての責任上、保証債務履行のために本件土地を譲渡し、その譲渡代金をもって主たる債務者であるA建設の借入金債務を銀行に弁済したものであってA建設の帳簿処理のいかんにかかわらず、本件特例を認めるべきである旨主張する。しかしながら、A建設の経営状況等からみると、本件土地の譲渡は、請求人がA建設の代表取締役の立場から同社に対して銀行の借入金債務の整理等のための資金を提供するために行ったものであって、同社の連帯保証人の立場として、保証債務の履行を余儀なくされたために行ったものと認めることができないこと、また、本件土地の譲渡代金は、A建設の短期借入金としていったん受け入れられ、そこからA建設の銀行に対する借入金元金、利息等の債務の返済及びその他の事業資金の支払に使用されていること及び請求人自身、当該短期借入金をA建設に対する貸付金であると認識していたことが認められることからすると、本件土地の譲渡代金により保証債務の履行がなされたとの因果関係を認めることはできないので、請求人の主張は採用することはできない。(平12. 2.28名裁(所)平11-72)

支部名
東京
裁決番号
平110086
裁決年月日
平成12年2月16日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、保証債務の履行を他からの借入金によって行い、その後その借入金を返済するために本件土地等を譲渡したのであるから、本件土地等の譲渡は、所法第64条第2項に規定する保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合に該当する旨主張するが、請求人が保証債務を履行した証拠として提出した領収証について、請求人が直接債権者に対して履行したと主張するものについても、その名あて人が主たる債務者となっていることや、領収証の金額よりも支払ったとする振込額が少ないもの、領収証の日付より振込日が後になっているものがあるなどの不自然な点があるほか、通常の保証債務の履行からすれば、すべての契約に係る保証債務を約定返済期日前に履行しているなどの不自然な点もあることなどから、本件各領収証を請求人らの保証債務の履行の証拠と認めるのは相当ではないと認められ、また、請求人らが、預金通帳及び印鑑を主たる債務者に預け、保証債務の履行に充てられたとする金額を超える金額の使途を主たる債務者の選択にゆだねていることは、いわば自己の財産の処分の白紙委任と認めるのが相当であり、仮にその資金の一部が結果として債務の弁済に充てられたとしても、それは、請求人らが保証債務を履行したというよりは、主たる債務者が、請求人らから提供を受けた資金により自己の債務の弁済をしたにすぎないものと認めるのが相当であり、さらに、請求人らの答述によれば、請求人らは、保証債務を履行したというよりは、主たる債務者を全面的に信頼し、その支援のために、預金通帳及び印鑑を主たる債務者に預けるなどして、主たる債務者に対する資金援助をしたにすぎないものと認めるのが相当であることなどからすれば、本件においては、保証債務の履行があったとは認められない。したがって、本件土地等の譲渡は、保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合には該当しない。(平12. 2.16東裁(所)平11-86)、(平12. 2.16東裁(所)平11-87)

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支部名
名古屋
裁決番号
平110049
裁決年月日
平成11年12月22日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件譲渡は、関係法人の借入金の返済をするために行ったものであり、その履行に伴う求償権を行使することができないこととなった金額に対応する部分の金額は、所法第64条第2項に規定する保証債務の特例(以下「本件特例」という。)の適用を認めるべきである旨主張する。しかしながら、①保証債務を履行するための資産の譲渡があったという要件を充足するためには、資産の譲渡が保証債務の履行を余儀なくされたために行われたものであることを要すると解すべきであり、また、②その収入により保証債務の履行がなされたといえるためには、資産の譲渡による収入と保証債務の履行との間に、資産の譲渡による収入が保証債務の履行に充てられたという因果関係が認められることを要するというべきであるところ、請求人が本件特例を適用すべきと主張する金額のうち、原処分において本件特例の適用が認められていない金額については、かかる要件を充足しているとは認められず、本件特例を適用することはできない。(平11.12.22名裁(所)平11-49)、(平11.12.22名裁(所)平11-50)

支部名
広島
裁決番号
平110026
裁決年月日
平成11年12月21日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、借入金により保証債務を履行した後、約4年を経過し、資産を譲渡してその代金の一部を当該借入金残高の返済に充てた場合、その資産の譲渡が所法第64条の「保証債務を履行するための資産の譲渡」に実質的に該当する旨主張する。しかしながら、所法第64条第2項の規定が適用されるためには、その資産の譲渡と保証債務の履行との間に強い因果関係が必要というべきであって、保証債務の履行が譲渡代金以外の資金によって行われたときは、同条項の適用がないものと解すべきであり、ただ、保証債務の履行を求められたためやむを得ず譲渡代金を受領するまでのつなぎ資金として、その譲渡代金をもって遅滞なくその借入金を返済するなど、資産の譲渡と保証債務の履行との間に強い因果関係があると認められる場合にも同条項の適用があるものと解する。本件については、請求人は保証債務の履行を借入金によって行っていること、この借入金は、その返済の約定及び返済状況からみて、保証債務の履行時には資産の譲渡による返済は予定されていなかったと認められるなど、資産を譲渡するまでの一時的なつなぎ資金であるとは認められないことから、資産の譲渡と保証債務の履行との間に強い因果関係があるとは認められないから、所法第64条第2項の適用はない。(平11.12.21広裁(所)平11-26)

支部名
高松
裁決番号
平110011
裁決年月日
平成11年10月25日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件譲渡は取引銀行から口頭で保証債務の履行を求められたため行ったものであり、また、主たる債務者の資産状況等からみて、保証債務の履行に伴う求償権を行使することができない場合に該当することから、保証債務の特例が適用できる旨主張する。しかしながら、①請求人の口頭で履行を請求された状況についての答述内容、②本件譲渡の代金の移動状況、③主たる債務者の経理処理方法、④主たる債務者の債務の返済状況等から判断して本件譲渡の代金は、請求人から主たる債務者へ貸し付けられたものと認められ、本件譲渡は保証債務を履行するための資産の譲渡とは認められない。したがって、求償権の行使が可能であったか否かを判断するまでもなく、保証債務の特例を適用できないとした原処分は適法である。(平11.10.25高裁(所)平11-11)

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支部名
関東信越
裁決番号
平110001
裁決年月日
平成11年7月7日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、A社の借入金に係る保証債務を履行するために本件土地を譲渡したものであり、また、その履行に伴う求償権も放棄しているのであるから、本件譲渡所得の金額の計算上、本件保証債務の特例の適用が認められるべきである旨主張する。しかしながら、保証債務の履行義務は、主たる債務者が弁済期限までに債務を弁済しない場合に、債権者から保証人に対し保証債務の履行の請求を受けて初めて発生するものであるところ、A社のB信組△△支店及びC銀行△△支店は、請求人に対し、A社の債務の履行を求めていないこと及びA社の債務は、同社名義の当座預金口座から振替又は同社が振り出した小切手で返済されていることを併せ考えると、請求人は、本件土地の譲渡代金を、単にA社に貸し付けたものであり、保証債務の履行をしたものとは認められないので、求償権の行使が可能であったかどうかを判断するまでもなく、本件譲渡所得の金額の計算上、本件保証債務の特例の適用を認めないとした原処分は相当であり、この点に関する請求人の主張には理由がない。(平11. 7. 7関裁(所)平11-1)、(平11. 7. 7関裁(所)平11-2)

支部名
大阪
裁決番号
平100132
裁決年月日
平成11年6月7日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件借入金の連帯保証人として、保証債務を負っていたところ、本件譲渡代金により本件借入金の元利合計残高のすべてを弁済したが、これは保証債務を履行するための譲渡であるから、保証債務の特例の適用を認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件借入金は、請求人による完済の直前まで元金及び利息は滞ることなく主たる債務者から返済されており、また、請求人が債権者から弁済の催告を受けた事実もなく、請求人が特に保証債務を履行しなければならない状況に立ち至っていたとは認められないことから、本件譲渡は保証債務を履行するための資産の譲渡とは認められない。(平11. 6. 7大裁 (所) 平10-132)

支部名
大阪
裁決番号
平100095
裁決年月日
平成11年3月3日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件譲渡は本件保証債務を履行するためにされたものであり、所法第64条第2項の規定を適用しなかった本件更正処分は違法である旨主張する。確かに、請求人が保証人として本件保証債務を履行したことは認められるものの、代位弁済金の原資を直ちに本件譲渡代金とすることはできないこと及び代位弁済金の原資が本件譲渡代金であるとしても主たる債務者に対して請求人が有する求償権について、その全部又は一部を行使することができなかったときには該当しないことから、本件更正処分は適法である。(平11. 3. 3大裁 (所) 平10-95)

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支部名
名古屋
裁決番号
平090092
裁決年月日
平成10年6月17日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件土地を譲渡したのは保証債務を履行するためである旨主張するが、本件土地の売買代金の使途が不明であり、かつ、保証債務を履行したことを証する書類もないことから、保証債務を履行するための譲渡であるとは認められない。(平10. 6.17名裁(所)平 9-92)

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支部名
仙台
裁決番号
平090012
裁決年月日
平成10年1月9日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 本件譲渡は、請求人が代表取締役であるA社の債権者から保証債務履行の催告を受け、その保証債務の履行のため資産を譲渡したものである旨主張するが、(1)資産の譲渡前に請求人の保証債務の履行義務が具体的に確定しておらず、その履行をしなければならない状況に立ち至っていないこと、(2)請求人は、譲渡代金をA社に貸し付け、同社は、これを借入金として経理処理し、これを原資として返済期限到来前に本件債務の弁済に充てていることから、請求人が単にA社の債務整理のための資金を提供したに過ぎず、保証債務を履行するために必要な資金のねん出を主たる目的として資産を譲渡したものではないと認められること、(3)各債権者は、請求人に対して保証債務の履行を求めていた事実はないことなどから、本件譲渡は、保証債務履行のために行われたものとは認められない。(平10. 1. 9仙裁(所)平 9-12)

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支部名
大阪
裁決番号
平090040
裁決年月日
平成9年12月11日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件土地の譲渡は、請求人が代表取締役を勤めるA社に対する保証債務を履行するためのものであり、請求人は保証債務の履行による求償権を行使することができなかったものであるから、所法第64条第2項の適用がある旨主張する。しかしながら、本件土地には、各取引銀行を根抵当権者とする根抵当権が設定されており、本件売買契約書によれば、当該根抵当権は本件譲渡に係る譲渡代金の決済のときまでに完全に抹消しなければならないことが認められ、また、A社が各取引銀行からの借入金に係る返済が滞っていた事実及び各取引銀行がその返済を催告した事実は認められない。以上のことから、請求人は、本件土地に付された根抵当権の抹消のために、代位弁済をしたと認められ、本件譲渡は保証債務を履行するための資産の譲渡に当たらないから、原処分は適法である。(平 9.12.11大裁 (所) 平 9-40)

支部名
関東信越
裁決番号
平080051
裁決年月日
平成9年1月27日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、本件借入金の実質的な債務者はA社であり、請求人は本件譲渡をして保証債務を履行し、かつ、A社に対する求償権が行使不能となったのであるから、本件譲渡について保証債務の特例を認めるべきである旨主張する。しかしながら、本件借入金に係る法形式は、債権者がB銀行、債務者が請求人の長女が代表取締役を務めるC社であることは、根抵当権設定契約書等により明らかであるから、本件借入金がA社の事業資金に充てられているとしても、法律上、本件借入金の弁済の責めを負うのは名義人であるC社というべきである。C社については、その決算内容も良く、本件借入金について返済不能の事実は認められず、また債権者から返済請求を受けた事実もなく、さらに、請求人が債権者から債務者の債務不履行を理由に返済請求を受けた事実も認められない。したがって、請求人が本件譲渡代金から債務を返済した行為は、保証債務の履行によるものとは認められない。(平 9. 1.27関裁(所)平 8-51)

支部名
仙台
裁決番号
平080021
裁決年月日
平成9年1月17日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
事例集登載頁
裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、請求人の長男が代表取締役となっている会社の借入金につき連帯保証人として保証債務を負っていたところ、同社は、慢性的な債務超過の状態にあり債務不履行に陥る寸前であり、債権者の「担保提供者である請求人の土地を売却してもらい負債整理をすべきである。」との指摘を口頭による催告と受け止めて、請求人所有の土地を譲渡し、その代金により債務を弁済したものであるから、当該譲渡は、実質的にみて保証債務を履行するための譲渡である旨主張する。しかしながら、本件債務は、完済の直前まで約定どおり返済されており支払遅延等の債務不履行の事実はなく、債権者から請求人に保証債務の履行の請求がないことから、本件債務の弁済は、あくまでも任意の弁済であると認められ、当該譲渡が保証債務の履行を余儀なくされたために行われたとはいえない。また、長男は請求人の委任を受け売買契約から代金の使途まですべて行っており、譲渡代金の一部が金融商品として運用されている事実及び主たる債務者である会社の簿外の運転資金として費消されていることから、当該譲渡の収入は長男に対する貸付金とみるのが相当であり、保証債務の履行に充てられたという因果関係は認められない。(平 9. 1.17仙裁(所)平 8-21)

支部名
大阪
裁決番号
平080005
裁決年月日
平成8年9月5日
裁決結果
棄却
争点番号
201604030
争点
16所得計算の特例/4保証債務の履行/3履行のための譲渡
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裁決事例集には登載しておりません

要旨

○ 請求人は、同人の長男が主宰する法人の借入金につき請求人所有の土地を担保に提供するとともに、連帯して債務保証をしていたところ、同社の業績が悪化し、当該借入金の返済が再三遅延したため、債務を期限に弁済しなかったときは直ちに債務の全額を弁済する旨の借用証書の特約条項に基づき当該土地の譲渡を行ったのであるから、その譲渡は、実質的に保証債務を履行するための譲渡に該当する旨主張するが、当該法人は、請求人からの譲渡代金の提供に関し、借入金として会計処理をしていること及び借入先である公庫は、支払金の受領に関して当該法人あてに領収書を発行していることからみれば、譲渡代金による公庫への借入金の返済は親子の情でもって行ったものといわざるを得ず、公庫への支払金は形式的にも実質的にも請求人から当該法人に対する貸付金と認めるのが相当である。(平 8. 9. 5大裁 (所) 平 8-5)

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